くらし情報『【『大奥』感想 最終話】冨永愛と風間俊介 夫婦ならざる男女の死と「名君の世」の終焉』

【『大奥』感想 最終話】冨永愛と風間俊介 夫婦ならざる男女の死と「名君の世」の終焉

【『大奥』感想 最終話】冨永愛と風間俊介 夫婦ならざる男女の死と「名君の世」の終焉

※写真はイメージ

やはり藤波は、吉宗が政治改革の為に実用至上主義を掲げ、二の次にしてきた情緒や芸術という要素の体現者なのだろう(その藤波の今の生業は骨董商である)。

そして『種なし』と自らを卑下していた杉下が、誠実さと愛情深さで、吉宗の子らの父親代わりとなり、家族のような愛に包まれて生涯を終えたことは、子をなせなかった有功(福士蒼汰)の悲痛や、生殖だけが男女ではないと訴えかけた右衛門佐(山本耕史)の言葉の延長線上にある。

長い時間をかけながら、呪いと苦しみは緩んでいくのだと感じさせるドラマオリジナルのシーンだった。

だがやはり、この最終回の白眉は、吉宗と忠臣・加納久通(貫地谷しほり)の別れの場面だった。

この場面はほぼ原作通りの展開で、眉ひとつ動かさずに自らの罪を認める久通の貫地谷しほりと、その忠義に痛切の涙をこぼす吉宗の冨永愛の演技は、圧巻の一言だった。ドラマでは村瀬(石橋蓮司)の没日録は一度失われ、密かに吉宗の手に戻る。

その時、既に久通が犯した罪について推測しながらも、長い時間沈黙し、最後にそれを確かめた吉宗の心情を思う。

久道が一人で背負ってきた重い罪を、政(まつりごと)

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