【『ラストマン』感想6話】福山雅治の人たらしが編み上げる、しなやかなチーム
当初は皆実の存在を煙たがっていた捜査一課の面々も、皆実の優れた能力と人柄を認め、協力関係を築きはじめた。
6話は心太朗の義父、護道清二の誕生日のお祝いから始まる。和やかな雰囲気の中、家族の団らんに入らない心太朗の様子が皆実は気にかかっている。
その最中に警備会社の社長・菊知(髙嶋政宏)が妻子を人質にした立てこもり事件発生の連絡が入り、皆実と心太朗、そして泉の三人は現場に急行する。
怪我を負っている菊知の妻を解放するため皆実は自身が人質になることを申し出る。
皆実は立てこもりの現場、そして心太朗は身代金運搬の現場。バディはそれぞれ捜査に入るが、当初立てこもり事件に見えたそれは、第三者の仕組んだ誘拐事件として別の事件の様相を見せつつあった。今回含めて、これまでのどのエピソードも、解決に向かう過程で見ている角度がずれるような奇妙な感覚がある。二転三転というよりも、一つの事件をじっくりと描き、それで次第に眼前の景色の見え方が変わるような面白さだ。
最近の優れた刑事ドラマやクライムサスペンスは1話の中でも畳み掛けるスピード感の作品が多いが、こういう丁寧なテンポもとても良いと思う。