【『ラストマン』感想7話】福山雅治、大泉洋、永瀬廉…男たちの想いがほろ苦い
後妻業殺人として確定寸前だった事件は、皆実と心太朗の機転で、若い妻が老いた夫を深い愛情で守ろうとしていた真実が明かされる。
自分を犠牲にしても老いた夫だけでも守りたかった妻と、若い妻の奔走が金目当ての打算だと思いながらも、妻をおいて逃げられなかった夫のすれ違いがほろ苦い。
そんな事件のあと、佐久良(吉田羊)への想いを閉じ込めてきた心太朗の心境にもいささかの変化があったようである。
一方で佐久良の部下として実績を積んできた馬目(松尾諭)もまた、キャリアの岐路で佐久良への想いを告げるべきか迷っている。
未練や後悔や迷いが絡み合い、働き盛りで仕事に脂がのった世代の恋慕は、どうしても変化を前に動けずに立ち尽くす。
だからこそしがらみのない若い世代の泉(永瀬廉)は、どさくさ感満載だとしてもちゃんと気持ちを伝えてくれよともどかしくなるけれども、それでもやはり永瀬廉のシャイな『揺れ』は魅力的だ。
そして演技の繊細さとは対照的に、4話と今回で魅せた格闘シーンもまた、これから時代劇の殺陣や、もっと長いアクションで見てみたいと思うような華と切れ味だった。
今回のラストで、ついに心太朗は皆実がこれまで語らなかった41年前の事件と自分達の関わりを知ってしまう。