【『VIVANT』感想6話】堺雅人、松坂桃李、二宮和也…キャラクターの魅力が次々に咲く展開
もう一つ、今回の大きな見所はアリ(山中崇)から託された暗号を巡る別班のハッキングの一連である。
飯沼愛演じる太田梨歩の、一度は死の危険に晒されて怯えた目の女が、暗号を手にした途端に玩具を貰った子供のように目をぎらつかせて食いつく様は見ごたえがあった。
ぎりぎりのハッキングの成功から、乃木と黒須に技量を証明しろと太田が促し、それに応えて二人が鮮やかなナイフ投げを見せる展開は躍動感があった。
思いもよらぬキャラクターにときめくことが出来るのは視聴者として嬉しい誤算だと思う。
頼りになる上司、本人、その相棒、そして優秀なハッカーと、乃木と野崎をめぐる陣容は互いに合わせ鏡のように整いつつある。
一方、野崎自身はハッキングの現場に踏み込むタイミングにしても、直接乃木と出会った時の様子にしても、乃木の正体を追及して突き詰めることをためらっているように見える。
乃木の経歴に迫りながらも、事実を突きつけて抜き差しならない敵対関係になってしまうのを避けるのは国益のためか、あるいは乃木という男に対する情なのか。
そしてFが乃木相手に揶揄したように、聖母マリアみたいな慈愛の権化のように見える医師の柚木薫(二階堂ふみ)