2022年7月10日 06:00
高田馬場名物立ち食いそば屋が閉店に 女性店主供する天玉そばの味染みて
つゆは宗田節とかつお節の厚削りでだしを取った自家製で、調味料の砂糖や醬油もザラメとヤマキと決めてました。開店後も四国の手打ちうどんを視察したり、評判の高い他店を食べ歩くなかで、改めて立ち食いそばは、早い、うまい、安いが鉄則だとわかるんです」
やがて、昼は娘のそば屋、夜は父親の寿司屋という家族の“二毛作”経営がマスコミにも注目され、ますますの人気店に。
「ピークのころは、1日800人のお客さんも。うちは8人でいっぱいになる狭さだから、いつも店の前に行列ができている状態でした。
でも、どんなに大勢の人に来てもらっても、私の心にゆとりはありませんでした。ダンナは相変わらず働かなかったので、私はもうけよりも、とにかく子供を食べさせることだけで精いっぱいでした」
その後、33歳で離婚して、2年のちに現在のご主人と出会う。
「天ぷら屋の職人でした。配達に来たときに、おいしいつゆの作り方を聞いたら、それは丁寧に教えてくれたの。
そのやさしさは今も変わりません」
やがて、新たに子供が2人増えて、6人の子の母親となる。
「朝は5時過ぎには店に入りますから、正直言って、子供は保育園のお世話になりっ放し。