『アメトーーク!』の“独身こじらせ芸人”から感じた“おひとりさま”への余計なお世話
しかし、それだけではなく、そこにはもうひとつ、別のバイアスが乗っかっているような気がしました。
オバサンみたいな趣味”はなぜ“結婚に向かない”のかそれは、食器集めが趣味の川島が、京都でかわいい爪楊枝入れを自分へのお土産に買ったところ、雨上がり決死隊の蛍原に「それ、要る?」としつこくイジられ続けて不機嫌になった、というエピソードに象徴的です。
「奥さんや彼女に買って帰るならいいけど……」という蛍原の発言からは、そういうのは“女の趣味”であって“男らしくない”、だから“モテない”という余計なお世話を感じます。
さらに、FUJIWARAの藤本が、彼らの趣味を評して「オバサンやん!」というツッコミをしきりに繰り返していたのも、なにやら気になります。単に“男らしくない”ことをツッコミたいのなら、「女子やん!」でもいいはずです。
パスタを作ったり、ぬか床を混ぜたり、洗濯を楽しんだり、食器に凝ったり……といった趣味は、“オバサン(すでに結婚して家庭に入った女性)がすること”だから“よくない”というニュアンスが、このツッコミからはほの香ってきます。
もっと言ってしまえば、男が“家事”を趣味にしてしまうと“結婚する必要がなくなる”、つまり“男が結婚する動機は、家事をしてくれる女性が欲しいからだ”という、男にも女にも失礼な結婚観がベースに流れているような気がしてしまうのです。