『アメトーーク!』の“独身こじらせ芸人”から感じた“おひとりさま”への余計なお世話
もちろん、藤本本人にそんな偏見を助長する意図はなかったと思います。単に、芸人として「女子やん!」よりも、「オバサンやん!」のほうが、語気が強くて笑える、と直感的に選んだ言葉だったのでしょう。
しかし、直感的な判断だからこそ、“家事ができる男は結婚に向かない”という偏見が、暗黙の共通認識としていまだに世間に流れていることを、藤本が敏感に察知して読み取ったということではないでしょうか。
後輩がいないとデートできない高橋の闇ただ、中には確かに「結婚に向かないかも……」と思わせるエピソードもありました。
興味深かったのは、「彼女とのデートに、つい後輩芸人を呼びつけて同席させてしまい、彼女に嫌な顔をされる」という高橋と、「番組で海外のリゾート地の映像を見ると、女性ではなく後輩芸人を連れて行ってやりたいと思ってしまう」というジュニア。聞けば、2人ともここ5年くらい、彼女と2人きりでご飯に行ったことがないと言います。
「だってそのほうが(彼女と2人きりよりも)盛り上がるじゃないですか」という高橋の言葉からは、男性同士のホモソーシャルなノリを介さないと、彼女とどうやって一対一のコミュニケーションをとればいいのかわからない、という非常にいびつで不器用な問題を彼らが抱えていることがわかります。