3人に1人の妊婦が貧血で「赤ちゃんが危険な状態にある」と判明
妊娠中期の母親が貧血だった妊婦が低出生時体重児を出生するリスクは、そうでない場合よりも1.29倍高まったとする研究も。米血液学会は「妊娠中期の母親が貧血の場合、早産や低出生体重児の危険性が高まる」と明言しています。
これほどのリスクがあるわけですが、2005年に虎ノ門病院の医師らが発表したデータによれば、50歳未満の日本人女性の20%超が貧血。
さらに、妊婦の30~40%が貧血状態にあるというのです。これは、先進国の平均18%よりも、どちらかといえば発展途上国の平均56%に近い数字だと著者は指摘します。
■ダイエットで女性に不足しがちな「鉄分」
いくつかのタイプの貧血のうち、女性にとくに多いのは鉄分不足による「鉄欠乏性貧血」。
しかし、毎日の排泄や汗などで流れ出ていく鉄分に加え、女性は月経血としてひと月あたり45mlの血液を排出しています。そのため毎日1.75mgの鉄を摂らなくてはならず、鉄分不足になりがちです。
さらに著者は、近年のダイエットブームも女性の貧血の原因のひとつになっているといいます。
食べることを控えるダイエットでは、鉄分を多く含む肉や魚などを避ける傾向があり、食事量自体も減らしがち。