2021年9月13日 23:05
複雑な家庭環境で育ち介護職の資格を持つ作家・森美樹さん。「『母親病』では自分の経験が役立ちました」#2
「あ、わかるな」って思いつつも、かわいそうになってしまうんです。
――森さん自身にも空回り感のようなものがあるのでしょうか?
森さんこれは性分だと思うのですが、いろいろなことを想像しすぎて自分の首を絞めてしまうんですよね。例えば、メールの返事が来なかったりすると「嫌われているんじゃないか」と不安になったりとか。結局、嫌われていないということがわかるのですが、それまでの間にあれこれ考え過ぎて疲れてしまうんです。
――「砂の日々」では、園枝の死因となるドクウツギと光世が関わる場面も登場します。
森さん園枝が不審死を遂げたことで、現場では警察による捜査がおこなわれました。園枝の死を謎めいたものにするためには、光世とドクウツギの関係性を警察に気付かれないようにしなければなりません。そのための方法は編集者さんとかなり相談を重ねて考えました。
ほかにも警察が登場する場面があるのですが、警察に関する情報というのは調べるのにも限界があるんですね。編集者さんにもいろいろと調べていただきましたし、足りない情報を補足するために最近の推理小説を読んだりもしました。作品に警察を登場させることの大変さを痛感しました。