おかしいな、と感じたのは中学生の頃。ちょうどいじめに遭っているときでした。摂食障害という言葉を知らないまま、拒食症と過食嘔吐を繰り返すように。あれから約15年、私はいまだに最重度の拒食症体重です。文・七海摂食障害なんて知らなかった。だけど、食べる意味がわからなくなったもともとよく食べるほうでしたが、太りにくい体質でした。幼い頃から「痩せの大食いだね」と言われることがよくありました。”痩せている=良いこと” という図式はいつからできあがったのでしょうか。私は、痩せていることをよく褒められ、うらやましがられました。食欲に変化が出てきたのは15年ほど前。中学校2年生、いじめられていた頃です。言葉の暴力もあり、容姿を酷く罵られました。学校から帰って鏡を見て、顔を引っ掻きながら泣きました。髪の毛を抜きながら泣きました。体中を殴りながら泣きました。誰かから蹴られた痛みなのか、自分でつけた痛みなのか、心の痛みなのか、もうわからなくなっていたのです。ひたすら泣いて、泣き枯れて、また泣いて。それを繰り返していたら、悪夢の朝が始まっていました。希死念慮や自殺願望が強くなってきた頃です。あるとき思いました。「私はなぜ食べているのだろう」と。生きるために食べているという行為が、よくわからなくなってしまったのです。太ることへの恐怖感が、食欲の変動を増長させた食べる意味がわからなくなってから、食欲が落ちてきました。食欲が落ちると、食べなくなります。食べなくなると、当然痩せます。もともと痩せ形でしたが、さらに痩せていきました。お風呂で鏡に写る私は、細くてきれいに見えました。お風呂から上がると体重計に乗り、だんだん減っていく体重に快感を覚えました。幼い頃褒められ、羨ましがられた ”痩せている体型” が、もっと痩せていっていたからです。容姿を罵られる毎日のなか、細い体と体重計の針だけが心の支えのように感じました。痩せていくことが自己肯定感へとつながってしまったのです。やがて、毎日体重計に乗り、0.01kgの増減に一喜一憂するようになりました。0.01kgでも増えていると、自分を責めるようになりました。痩せられない自分が許せませんでした。でも、この当時すでに最重度の拒食症体重だったのです。栄養失調と脱水症状で倒れて、救急車で運ばれることもありました。きっかけは思い出せませんが、食べられない期間が続いた後で、物凄い食欲に襲われる期間がくるようになりました。衝動的な食欲を抑えることができず、必要以上にものを食べました。親に見つからないようスーパーで買い込んだり、ひとりで食べ放題の店に行ったりしました。食欲が満たされると、次は強い罪悪感が襲ってきます。体重も増えます。太っていく恐怖感に抗えなくなったとき、私は初めて吐きました。トイレで無理矢理、吐きました。なぜか涙が止まらなかったけれど、胃液が出るまで吐きました。いじめから何年も経ったけれど。摂食障害とは戦い続けている食べない、食べては吐く、を繰り返すのが日常になってから何年も後のこと。摂食障害の存在を知りました。拒食症と過食嘔吐を繰り返す人もいるのだと知りました。私は十二分に痩せていたし、”痩せたい” の認識が違うのだな、と思いました。摂食障害を知り、私が痩せすぎていることを知っても、なかなか認識を変えることができません。私は今でも、最重度の拒食症体重です。もう、いじめられていません。もう、暴力に怯える日々ではありません。それなのに、「太るのが怖い」んです。「痩せすぎだから太りなさい」と言われるようになりました。だけど、体重を増やすことが、たったひとつの自己肯定感を否定することになりそうで、怖いんです。私は今でも食べられなくなります。衝動的に食べて、衝動的に吐いてしまいます。食べられないことにも、食べすぎることにも、吐いてしまうことにも、罪悪感を覚えます。けれど、体重を増やすことへの ”罪悪感” がより強く残ってしまうのです。”贅沢病” だと揶揄されることを知りながらも、食べること、太ることと向き合えない自分が悲しくなります。だけどいつか、私自身の認識が変わるように。食べられないときでもひと口だけ食べたり、たくさん食べたくなったときには財布を持たないようにしたり、吐きたくなったときは寝るようにしてみたりと、少しかもしれませんが、努力をしているつもりです。” 痩せている=良いこと” という図式はいつからできあがったのでしょうか。今でこそ、健康美が推進されています。それにもかかわらず、「ダイエットしたい」という声をよく耳にします。摂食障害のきっかけは人それぞれ。無理なダイエットが引き金になることもあります。一度摂食障害になるとなかなか治せないということも、私自身が実感しています。海外から ”ボディ・シェイミング” という言葉を聞くようになりました。他の人と比べて自分の体型を恥じることを指しますが、他人の体型を非難する場面でよく使われます。健康を損なうような体型は改善したほうが良いと思いますが、そうでなければ、自分の体に誇りを持てる社会になるよう願います。きっとそれが、摂食障害患者を減らすのではないかと思うからです。私はまだ、摂食障害と戦っています。体重が軽すぎて体力がなく、倒れてしまうこともあるからです。当事者の方も、一歩一歩前に進めると良いなと思っています。そして、新たな患者が増えないよう切に願っています。(C)Alesse/Gettyimages(C)KatarzynaBialasiewicz/Gettyimages(C)KatarzynaBialasiewicz/Gettyimages
2018年01月13日「これからの時代、たとえ女の子であろうとも自力で『一生メシを食える』大人に育てる必要があります」。そう語るのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。将来、仕事を持ち、自分の力で生きていくためには、幼児期にどんな習慣を身につけさせる必要があるのでしょうか? 小学校3年生までに育てたい力について、高濱先生に伺いました。■休みの日も「遅起き」は許さない幼児期に身につけさせたい生活習慣とは、何なのでしょうか?「生活習慣の一番目の項目は、『早寝早起き』です。精神的な強さにつながる一歩目です。社会人だったら毎日、早起きし続けられる人は信頼できます」(高濱さん)「そんな当たり前のこと!?」そう拍子抜けした方も、いらっしゃるかもしれませんね。けれども、不登校やひきこもりの子たちも多く預かったことがある高濱さんにとって、ここは「まずお伝えしたい最初の要」なのだといいます。ネットやゲームなどで昼夜逆転の生活を送るようになると、子どもたちは、ちょっと頭が痛いとか、眠いとかで「今日、無理かも。学校を休もう」という発想をしてしまいがちになります。「幼少期において、親が気をつけるべきは、『休みのときくらい』という軽い気持ちで『遅起き』を許さないということです」(高濱さん)■女の子だって「休まない体力」が必要「私が知るかぎり、社会で活躍している女性で、休みが多い人は見たことがありません」(高濱さん)。体力といってもプロのアスリートのような最大級の体力ではなく、「基本的に休まない」という基礎体力のことです。さらに具体的に言うと、「脚力」が基礎となります。たとえば、東大生は意外と1500m走のタイムが良いとか。これは何につながるかというと、「粘り強さ」です。頭がいいといわれる人でも、基礎体力、粘り強さという意味での体力は必須項目なのです。とりわけ都会で育つ子は要注意! 「意識して、外遊び、体を動かす機会を設ける必要があります」(高濱さん)■いじめられても、女の子にも「なにくそ」根性を高濱さんは、「『なにくそ』と思える子を育てないといけない」といいます。働くうえでは、この精神的な力があるかないかで、任された仕事をやり遂げられるかが決まります。つらくても、そんな自分をコントロールできる力が必要なのです。「やってらんないわよ」と逃げ続けていても、何にもなりません。「試練や逆境などの『もめごと』経験が、どれほど子どもの『こやし』になるかを、私たち大人は考え直さなければなりません」(高濱さん)。つらい経験があり、それを克服した経験こそが、子どもが社会に巣立ったときに必要なのです。学校や近所でも、トラブルは日常茶飯事であり、それに対処していくことが、生きていくということです。「子どもには、いじめられないようにと教えるのではなく、いじめられてもはねのける精神力を身につけられるよう、支えたいものです。支えるという意味では、たくさんの成功体験で自己像を大きくしておくことが重要です」(高濱さん)。どんなにつらい状況に陥っても、「私は、大丈夫! がんばれる!」と思える子どもに育てることが、親にできる最大の“支え”なのかもしれませんね。■「遊び尽くす」で得られる達成感が自信につながる「『遊び尽くしたこと』と『がまんの経験をしたこと』。幼少期におけるこのふたつの経験が、『達成感の経験値』を上げます。」(高濱さん)まずは「遊び」について。熱中して「遊び尽くす」ことは、幼児期にこそできる貴重な体験です。「逆に言えば、没頭して熱中する経験は、幼児期では、『遊び』以外では絶対にないでしょう」(高濱さん)たとえば、積み木で「どの高さまで積もう?」と考えたなら、自分で何度も挑戦する時間が必要です。「自分で決めるから、やり遂げようと思うのです。ここに『遊びの原点』『情熱の原点』があります。『いつまでやっているの!』と怒られるくらい没頭するのが良いのです」(高濱さん)ただし、いわゆる電子ゲームはNGです。一方で、「がまんの経験」も、「達成感を得る経験」としては必須だと高濱さんはいいます。人生においては、何度も苦しいときがやってきます。そのときにがまんしてそれを自分の力で乗り越える経験が足りないと、人は折れやすくなってしまいます。「『あのときがんばって乗り越えられたから、いま、苦しくても、きっとこの先にはまた新しい世界があるんだろう』と思えることが重要です」(高濱さん)■「これだけは負けない」ものをひとつ持たせる「これは、親御さんにとって大きな課題です。子育ての中で、わが子に『これだけは負けない』と思えるものを、たったひとつでもいいので身につけさせてあげること。それができれば、子どもは自分の人生を活き活きと生きていけるでしょう」(高濱さん)得意技は中学・高校で変わっても大丈夫! そして、簡単なことで良いのです。マンガやイラストを描くのが上手、話が面白い、水泳が得意…。「クラスのなかで一番」というレベルで構いません。「足場があることが重要なのです。子ども同士の関係で『すごいね』と称賛される瞬間があることこそが重要なのです」(高濱さん) 親が幼少期にできることは、子どもが興味を持ったことを否定しないことです。もしかしたら、それは将来につながるダイヤモンドの原石かもしれないのだから。いかがでしたか? 子どもが男の子であっても、女の子であっても、子育ての基本方針として再度、確認したいことばかりだったのではないでしょうか。【小学校3年生までに育てたい5つの力】①休みのときも「早寝早起き」。「遅起き」は許さない。「早起き」ができない人は、社会人になっても、どこかで「つらい」「無理」と言い出す。②女の子だって「休まない体力」は必要女性だからといって仕事をしていれば甘えは許されない。「いざ」というときに乗り切る体力を。③女の子にも「なにくそ」根性を。この精神力があれば、任された仕事をやり遂げることができる。④「やったぁ!」の達成感が自信を生む遊び尽くすことで最後までやり遂げる経験を味わえる。⑤「ここだけは負けない」ものをひとつ身につけさせるそれができれば、自分の人生を活き活きと生きていける次回は、「娘を「愛され女子」に育てるためにママができること」です。女の子がすてきなパートナーと出会い、幸せな家庭を築くために必要な「魅力」について考えます。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年11月29日ママにとって、娘は同性。「だから、わかる!」という思い込みを、いったん横に置いておいて、「女の子という生き物」について知ってみませんか?「『娘にイライラしてしまう』というママは、すごく多いんです」とおっしゃるのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。娘に対して客観的な視点を持つことが、母娘関係の風穴になるかもしれません。前回、女の子の特徴として「ママがモデル(お手本)」と伺いました。引き続き、女子の特徴について、高濱先生に解説していただきましょう。■女の子はナンバーワンよりオンリーワン「男の子が群れの一番をめざす生き物であるのに比べて、女の子はだれかにとって自分がオンリーワンであれば満足する生き物なのだと思います」(高濱さん)。たとえば、花まる学習会のサマースクールという野外体験では、夕飯時や寝るときに、ホームシックになる子がいます。男子は、やせがまんで何とか乗り切るか、ポロポロ泣いて、疲れ果てたら眠る。一方、女の子は、同じホームシックになっても、そのおさまり方がまったく違うそう。「リーダーに『特別扱い』されると、あっという間に落ち着いてしまうのです」(高濱さん)【ママの接し方のコツ】女の子はお姫様扱いせよ!野外体験のホームシック対策で、高濱さんがよくするのは、「お姫様作戦」。まず、「ねぇ、星空を見に行かない?」と、ほかの子がいない空間に誘い出します。そして、「ほら見てごらん、星がきれいだね」「○○ちゃん、がんばれって、応援しているんだよ」とお姫様を扱うかのように言うと、あっという間に泣き止むのだそうです。「目の前の人が『自分の気持ちをくんでくれて』『自分のためだけに』何かをしてくれたら、女の子は、それで心が満たされるのです」(高濱さん)。お姉ちゃんが下の子に嫉妬していじわるをする…なんていうパターンでは、この「特別扱い」は効きそうですね。 ■女の子は「あなたのことを思っている」で納得する高濱さんが受け持っている教室で、先日、「作文が書けない」「絶対に書かない」と泣き叫ぶ小学校2年生のSちゃんという女の子がいました。キーっとヒステリックになり、廊下まで響き渡るほどの声で、意地になって泣いています。そんなときは、高濱さんの出番です。高濱さんは、こんなとき、慌てず「今日は勝負だな」と覚悟を決めて、徹底して時間をかけます。「女の子は『とことん心配してくれる』という、相手の熱い気持ちに反応するからです」(高濱さん)【ママの接し方のコツ】ヒステリーには感情で納得させよ「作文なんて書かない。もう帰る!」と泣きさけぶSちゃんに対して、高濱さんは静かに語りかけました。「Sの将来のことを考えたら、とてもこのままでは帰せない。「書かない」ということは簡単だけれど、この先、「もういやだな」と思うことはもっとたくさんある。それを全部「やりたくない」って逃げてしまったら、「Sさんはいつもすぐ諦めるから」って言われてしまうよ。先生、がんばり屋さんのSがそんなふうに言われちゃうのは我慢できないんだ」こんなふうに「いかにあなたのことを思っているのか」ということをラブコールのように伝えると、だんだん泣き止みはじめ、しばらくすると、Sちゃんはカリカリと作文を書き始めたそうです。男の子が「理屈で説得」すれば納得するのに比べて、女の子は「感情」で納得します。「『感情』が納得し、満足すれば、力を発揮し、目の前のことに取り組めるのが女の子です」。(高濱さん)■女の子は「いじわるして、いじわるされて」しぶとく育つ「女の子のいじめは小さな頃から精神的な圧迫合戦です」(高濱さん)。男の子は精神的な圧迫をかけるという発想もなければ、そんな考え方に触れることもないまま、一生を終えるのではないかと思います。基本的に、男の子はケンカ、女の子はイジメになりやすいようです。人生を語っている本には、みな一様に「人間は何がきついかというと、みんなに無視されることである」と書いてあります。学校へ行っても、グループのみんなに無視されるなど、自分が存在していないかのように振る舞われることほど、つらいものはないのです。女の子は、人にとって何が一番きついか、幼くして知っているから神経戦をしかけて、だれかを孤立させようとするのでしょう。【ママの接し方のコツ】いじわるされたら「生き抜く練習」と思え!「いじわるで しぶとく育つ 女かな」という句は、女の子独特の特性をまさに言いえています。女の子のいじめは、グループ内で順繰りに回ったりします。これは、男の子にはあまりありません。「次は私にいじめが回ってくるかも」と思いながら、同調圧力をかけあう女子たち。「これを小さいころから経験しているからこそ、社会人になってからも、ちょっとやそっとのことには負けず、本当にしぶとく生き抜けるのは女の子なのです」(高濱さん)。娘がいじわるをされているとなれば、ママとしては生きた心地がしません。でも、そんなとき、「しぶとく生き抜く練習をしている」と思えたら、ママの胆力につながるかもしれません。■女の子は「これ、かわいいね」で友だちができる男の子の判断基準が「おもしろい」「カッコいい」であることに対して、女の子の判断基準は、何歳になっても、「かわいい」「きれい」「わかる」だとか。「『共感そのもの』を食して生きているのが女の子、女性なのでしょう」(高濱さん)。男の高濱さんからすれば、「よくそんなことを共感できるな」と思うことを共感しあっていて、それこそが「女性ワールドなんだなぁ」と思っているそうです。【ママの接し方のコツ】ほめると仲良くなれる基本をマスターせよ高濱さんは小学校1年生の女の子から教えてもらった、あるひと言が忘れられません。それは、「あのね、『これ、かわいいね』とほめると、友達ができるんだよ」。ほとんど金言に近い言葉だったと高濱さんは感慨深げに言います。「女の子同士の仲良くなる基本が『見せて~』であり、『かわいい!』であり、『きれ~い!』であり、『わかるぅ~』なのでしょう」(高濱さん)。娘といえども、女同士。こんな「ミニ知識」をママが意識的に使えると、「いざ!」というときに威力を発揮するかもしれません。■女の子の「よい子でありたい」美学を理解する「女の子は、いわゆる『よい子』を演じようとします。「『しっかりとした美学』があり、『恥』という概念を獲得するのが早いのでしょう」(高濱さん)。男の子のように下品なことを言って笑いを取ろうとしたり、枠をはずしてみせたりすることはほとんどしません。「あの子は変だ」、「あの子は馬鹿だ」と思われるのがイヤなのです。だから、たとえば、「マルつけのときにこっそり間違いを消して書き直す子」「ほかの子の方が先に解けるとなると『やらない』と言い出す子」「間違っても『わかりません』とは言わない子」などが出てくるそうです。【ママの接し方のコツ】繰り返し問題意識を改善せよ親としては「たくさん間違うから頭がよくなるんだよ」「できなかったことをできるようにするのが勉強だよ」など繰り返し指導して意識改善をしていく必要があります。けれども、「恥をさらせる男の子に比べて、『よい子でありたい』という気持ちは、女の子特有だなぁと日々感じています」(高濱さん)。「「なんでかな よい子でいたい 私なの」という句は、まさに女の子の心情を表しています。「女の子は、そういう生き物なんだ」という気持ちの余裕を持てるといいですね。いかがでしたか? 高濱さんに「女の子という生き物」を解説してもらうと、「たしかに、それってあるなぁ」と、筆者自身もわが身を省みて思うことだらけでした。この知識は、娘との関係の上ではもちろん、ママ友、そして、自分自身と付き合う上で役に立ちそうです。【女の子ってこんな生き物】●女の子にとってママはモデル(お手本)娘の口調がママと同じになっている。●ナンバーワンよりオンリーワン目の前の人が『自分のために』何かしてくれたら心が満たされる。●感情で納得する女の子は「とことんまで心配してくれる」相手の熱い気持ちに反応する。●いじわるをする/いじめが神経戦いじわるな世界を生き抜いてきた分、女の子は社会人になってからも、しぶとく生き抜ける。●「かわいい」「きれい」「わかる」が基準「これ、かわいいね」で友達をつくっていくのが女の子。●「よい子」であろうとする「あの子は変、馬鹿だ」と思われるのが女の子はイヤ。次回は、「将来を生き抜くために、小3までに身につけたい5つの力」です。これからの時代、たとえ女の子であろうとも自力で『一生メシを食える』大人に育てるために必要なことについて伺います。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年11月28日『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』第2話が10月30日に放送された。「仕事をやめたとたんに保育園をやめなきゃいけないなんて、おかしくないですか!?」という佐藤智子(篠原涼子)の問いかけに、「そうだそうだーっ!」と、観ているこちらも気分は完全に石田ゆり子(もとい平田和美)だった前回。「市議会議員編」のはじまりとなった今回も、ずぶぬれの高橋一生という予想外のスタートには驚いたが、智子の正義は私たちに「政治に関心を持つことの大切さ」をわかりやすく指南してくれた。■みんなで幸せになるために、うそをつくことは必要か?950万という年俸目当てで市議会議員を目指した智子は、意気揚々と初登庁。裏では、犬崎派と市長派という熾烈(しれつ)な争いが渦巻いていたが、そんなことは知るよしもない。智子は公約を果たすべく、教育こども委員会への入会を希望する。しかし、そのためには犬崎につく必要があり、会議中に居眠りしていた犬崎派No.2の前田議員(大澄賢也)に「寝ちゃダメ」と注意したことを、自分の誤りだったと謝罪するよう迫られるのだった。委員会に入るためには謝らなくてはいけない、でも謝りたくない…と悩み抜いた智子は、「みんなで幸せになるために」と犬崎派につくことを決意。だが「迂回路建設におけるあおば西公園取り壊し」に対する陳情書がその考えを一変させる。■正直者が損する世の中で子育てをしたいですか?実際の公園に向かった智子は、陳情書の送り主・山下圭子(水川あさみ)から、イジメにあっていた中学時代、この公園に支えられていたと聞かされる。そして、イジメがなくならないなら「せめて逃げられる場所を奪わないでほしい」と懇願されるのだった。いよいよ迎えた本会議。あおば西公園の取り壊しに反対するのかと思いきや、智子は「賛成」と声を上げる。その後“前田議員に謝罪するため”発言を求められた壇上で、唯一の陳情者である圭子の希望は、公園を残すことではなく、イジメにあっている子どもたちを守ることだと主張。そのためにも、教育こども委員会に入りたいと訴える。さらに国語辞典にある「政治家=もめ事の調整や駆け引きのうまい人」にはなりたくないと話し、「うそついて得するのかって。そんなこと言ったら正直者が損する世の中になっちゃうじゃないですか! 私、そんな世の中で子育てしたくないです。だから、すみません。前田議員、居眠りしちゃダメですよ!!」と謝るどころか、真っ向勝負を挑むのだった。■不満ばかりのママ世代こそ、政治に関心を持つべき!?智子のママ友のように、世間のママたちにも「もっとこうしてほしい、こうだったらいいのに」と思うことは多々あるはず。それでもSNSに書き込む程度が現実的で、仲のいい友だちが政治家にでもならない限り、国や市に思いを伝えることはほとんどないだろう。それどころか、総務省発表の国政選挙年代別投票率を見ても、20代・30代の投票率はとても低い。もちろん選挙に行かない理由は人それぞれだが、小さな子どもを抱えて投票に向かうのは、かなりの重労働。そこに“自分ひとりが動いても何も変わらない”という気持ちが加われば、会場に足が向かないのは当然である。でも、それでは何も変わらない。選挙での投票はもちろん、たとえどうにもならないとわかっていても、意見や不満があるなら行動を起こすのは大切なこと。子どもたちを守りたいと願う圭子と智子の前向きな姿に、家族の将来に関わることなのだから、しっかりと政治に関心を持たなくてはとハッとしたママも多いのではないだろうか。■高橋一生の昼と夜のギャップに萌え第2話でも、やはり訪れた藤堂誠(高橋一生)のセクシーすぎる半裸シーン。政治家には裏の顔がある…とは良く聞くが、昼にスーツをビシッと着込んだサラブレッドが、夜には風俗嬢を部屋に連れ込んでいるとは思うまい。ヌードはもとより、あのすがるような目付きには、嫌が応でも母性本能がやられてしまう。自分にはないものを持っている智子に興味を抱いている様子の藤堂。なにやら深い闇が隠されていそうだが、それらが明かされていくのも楽しみだ。そしてそして、智子が議員として輝けるのは夫・公平(田中圭)の支えがあるからこそ。第1話で仕事を辞めてきたとあっけらかんと話す姿には不信感を抱いたが、家事について「得意なほうが得意なことをする。これ夫婦の秘訣(ひけつ)!」という名言はアッパレの一言。しかも、靴擦れへのばんそうこうの貼り方…あれは反則です。そんな良き夫だからこそ、気になるのが和美の存在。記者に復帰するため娘を公平が預かるというが、個人的には「欲しいものは手に入れなきゃね」という和美の言葉が引っかかってならない…。今後、夫婦に亀裂が入るキッカケにならないと良いのだが。11月6日に放送される第3話では、智子が民衆の敵になる!? 破天荒な新米議員がどんなやり方でピンチを乗り切るのか、注目したい。
2017年11月05日『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)第2話が10月21日に放送された。ビジネスと教育の違いに戸惑う35歳の新校長・鳴海涼介(櫻井翔)が、今回ぶち当たったのは “スクールカースト”というあらたな壁。これは生徒間に存在する上下関係のことで、ここからいじめに発展することもあるという。不祥事を恐れる鳴海は、思いも寄らない方法で生徒を指導。新校長の逆襲にはスカッとしたが、一体ママたちは子どものスクールカーストとどう向き合うべきなのだろうか?■理不尽なスクールカースト…教師たちは楽観視!?2年1組の小山は、腹痛を訴え保健室に通う日々を送っていた。そんな小山について保健教師の綾野(井川遥)は、メンタルの問題ではないかと鳴海に告げる。校長としてもサラリーマンとしても不祥事を避けたい鳴海は小山を呼び出し、その理由が“スクールカースト”にあると知る。この“スクールカースト”こそが今回のメインテーマ。これはルックスや運動神経が良かったり、恋人がいたりする子が上、そうではない子が下という生徒間で起こる階級のこと。小山は、自身の彼女である横井と友人の磯山が、もともと仲が良かったはずの上野をバカにしている様子に耐えられず、学校に来るのがつらいと言うのだ。鳴海は、この問題について職員たちに意見を乞うが「大人が介入すると逆によくない」などと楽観的。そんな教師たちに“予備校の先生は「講師」だが、学校の先生は「教師」だ”と語り、勉強だけでなく生きる上で大切なことや社会の現実も生徒たちに教えてほしいと伝えるのだった。■櫻井翔が喝!「僕に言わせりゃ、くだらないよ」唯一の味方になりつつある真柴(蒼井優)とともに、横井と磯山に話を聞くことにした鳴海。真柴のオブラートに包んだ問いかけに対して、「(私たちが)いじめてるって言うんですか?」と返す2人。それに対して鳴海は「そうだよ」と即答。そして、大人の世界でも派閥やいじめはよくあると話し、学校という小さな世界で上だの下だの言うのは「僕に言わせりゃ、くだらないよ」と言い放つ。そして、小山にフラれたという横井は「くだらないですよ、そんなのわかってます。ごめんなさい、もう(上野)美咲をいじめたりしません!」「私はもう…3軍だから」と言い残して去って行く。真柴は、大人の尺度で物を言うのは良くないと忠告するが、鳴海は自分にはああいう言い方しかできず、何も言わなければ自分が校長をやっている意味がないと声を荒らげるのだった。社会に出ても必ず上下関係はあり、学生時代に存在したスクールカーストで上位だったからといって、社会で上位になれるとは限らない。だからこそ、鳴海の「くらだない」というセリフには「ほんとに、そうだよね」と思わずつぶやいてしまった。けれども学生時代の自分を思い起こせば、学校が社会のすべてだという真柴の意見にもうなづける。毎日楽しく学校に通ってはいたが、その裏では友達にどう思われるか、どう思われたいか、そんなことを考えながら学生生活を送っていたことは否めない。そういった意味で、学生時代に感じていたストレスは相当なものだった。見事なまでに井の中の蛙であり、学校というものが人生そのものだったように思うのだ。■子どもを待ち受けるスクールカースト、ママはどう向き合う?スクールカーストはおもに小学校から起こりはじめ、中高生でもっとも顕著になると言われている。そこから必ずしもいじめに発展するわけではなく、そのなかでも同じ価値観を持った友達と過ごすことができれば問題ない。とはいえ、幼い子どもを持つママたちは、これから子どもたちがそんなカーストに分類されていくのかと思うと恐ろしくも感じるだろう。だが、残念ながらこれは親が解決できる問題ではなく、子ども自身が乗り越えていかなくてはいけない壁なのかもしれない。SNSの普及などから、ママ世代の学生時代とは友だちとの付き合い方も変化。子どもにかかるストレスも想像以上という可能性も十分にある。鳴海の「くだらない」というド直球には納得するばかりだが、親だけは「くだらない」ですませずに、子どもの置かれている状況を把握することが大切だとも感じた。わが子がスクールカーストに悩んだとき、一体なんと声をかければいいのか。おそらくそこに答えはないが「だれでも経験すること」と決めつけず、わが子の心に寄り添うことを忘れずにいたい。■“先に生まれただけ”の鳴海校長に一言もの申す高校生を子ども扱いすることなく、あくまで対等にスクールカースト・いじめについて説いた鳴海のやり方は大胆だったが、結果として横井、磯山、上野の関係性は修復。第1話で奨学金の現実を突きつけられたことで思い悩み、不登校になっていた加瀬も、奨学金を借りて大学に行く決意を固めて再び登校しはじめた。教育はこういうものだと決めつけている教師たちのなかで、なんの知識もない鳴海が“先に生まれただけ”の先輩として生徒たちを導き始めた第2話。小山の保健室通いを知りながら何も手を打たずにいた及川(木下ほうか)に辞任の道を用意するなど、なかなかの手荒さも見せたが、教師の意識改革に向けて突き進む鳴海の表情は明るく、この状況を楽しんでいるようにも見えた。そんなサラリーマン校長の逆襲は爽快そのもの。ただひとつ注文を付けるなら、彼女と5年も付き合っておいて「結婚は考えられない」はちょっとヒドいよ、鳴海先生…。生徒の幸せと同じように、愛する人の幸せも考えていただければ!10月28日放送の第3話では、退職した及川の代わりに鳴海が数学教師として教壇に立つことに。一体どんな授業を進めるのか、楽しみだ。
2017年10月27日いじめ、激太り、セミヌードと、これまで決して平坦ではない道のりを歩んできた元グラドルの筆者・小坂。さまざまな経験を経て、本当にやりたいことは、保育園を作ることだとわかる。そこで、ほかにはない特徴をと考えたのが「地域の人々が気軽に遊びに来て園児と交流できる園」だったが……。文・小阪有花【グラドルから保育園へ】vol. 78多くの人に園へ遊びに来てもらいたい地域型保育園といっても、知らない人がゾロゾロと入ってくる保育園では、安全性に欠けてしまう。近所の方々とコミュニケーションを深めて遊びに来てもらうのが理想だが、開園早々では、それが現実しないことくらい理解している。しかし、他者との交流を楽しめる保育園というコンセプトは、初日からアピールしたかった。なので、少なくとも自分が関わっている間は、自分のまわりにいる人たちを保育園に呼ぶことで、活気あふれる場所であることを印象づけることにした。少し話は飛ぶが、実際私が作った保育園での出来事について話そうと思う。この取り組みを行い思ったことは、ひとりひとりに声をかけ遊びに来てくれるよう呼び込むことは簡単な話ではないということ。しかし、それでもいろんな職種の方が遊びに来てくれて、子どもたちが喜び、来てくれた方々も、「素直さに癒された」と微笑みながら帰っていく姿は、毎回目頭を熱くさせるものがあったことを今でもよく覚えている。地域交流の大切さを実感したできごと保育園の場所は、千葉だったため、都内在住の方などはすぐにパッとこれる場所でもなかったが、みんな気持ちよく遊びに来てくれて、交通費を渡しても受け取る人は誰ひとりいなかった。子どもと遊べて楽しかった!と笑顔で帰っていく姿は、私たちも嬉しい気持ちになった。一番印象的だったのが、精神科医のお医者さんが遊びにきたときに、突然園児が熱性痙攣を起こし、すぐに対処してくれたことだ。私たちも対処はしたが、みな不安と隣り合わせだったに違いなく、たまたまお医者さんがいてくれたおかげで、とても心強かった。救急車が来る間、適切な処理をしてくれて、保護者からも本当に感謝された。さまざまな出来事が、保育園と地域合流は必要なものだということを教えてくれた。この気づきや経験は子どもの仕事をしている以上絶対に忘れてはいけないものになった。いろいろな方々に支えられ作られた保育園。そんな園を私と共に作ってくれたのは、保育とは全く関係のない企業だった。こさかゆか/保育園プロデューサーリバイバルミーティング代表。チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター資格習得。 2004年ミスマガジングランプリを獲得し芸能界デビュー。グラビアアイドルとして活躍後、2009年に引退。現在は子どもの心スペシャリストとして活動中。(C)ulkas/Gettyimages
2017年10月26日スクールカースト、いじめ、家庭環境の経済格差など、これらの問題の渦中に入ってしまった少女の孤独や屈辱に戸惑い、心の叫びが痛いほど伝わる映画『わたしたち』が9月23日(土)公開されます。子どもを主人公にした名作と呼ばれる映画は数多く存在します。でも、それらのすべてが子どもの立場にたったものになっているのでしょうか? 本作は、今を生きる子どもたちの気持ちを代弁し、子どもの心模様が手に取るように伝わってきます。現代の学校における子どもたちの間では、どんなことが起こりうるのか? 大人として考えさせられることが多い作品になっています。■誰にも相手にされない10歳の少女が主人公主人公は10歳のソン。地元の小学校に通う彼女は、スポーツが得意なわけでも、勉強がとりわけできるわけでもない。クラスで“その他大勢”のところにいるさして目立たない存在の女の子。でも、いまの彼女はクラスになじんでいるとはほど遠い。というのも、ついこの前まで仲良くしていたはずのボラが成績優秀で女の子グループを仕切りはじめるとソンへの対応が豹変。完全に距離を置かれてしまいます。これはほぼ誰にも相手にされないこととイコール。ところが、そんなソンに転機が! 夏休み前日の終業式の放課後、転入の手続きにきていた転校生のジアと出会ったのです。家は裕福ながら両親が留守がちで寂しさを抱えるジアと、ソンはすぐに仲良くなり、友情を深めていきます。ソンにとってはこれ以上ない楽しい夏休みが過ぎていきますが、その幸福な日々は続かず…。たまたまジアとボラが同じ塾に通っていたことから、二人は急接近。ソンのクラスでの立ち位置も知ったジアは、瞬く間にボラのグループに合流します。新学期が始まり再びひとりぼっちに戻ったソンは、それでもジアとの関係を修復しようと試みます。■スクールカースト、いじめ。いま、少女に何が起こっている?スクールカースト、いじめ、家庭環境の経済格差など、韓国のユン・ガウン監督はこれらの問題の渦中に入ってしまったソンの心の揺らぎを丹念に切り取っていきます。教室でひとりで過ごすときの孤独感。ドッチボールのチーム分けで最後まで選ばれないことの恥ずかしさと屈辱、さらに自分がチームに入ったことで友人にがっかりされることのやるせなさ。相手のことを思ってやったことが裏目に出てしまったときの焦り。こうしたちょっとしたボタンの掛け違いが、友情に亀裂が生じてしまう恐怖や昨日の友が今日の敵になってしまう哀しみ。ソンの揺れ動く心情が、言葉ではなく彼女の表情やしぐさからこちらへと届けられます。その肉体をもって表現された感情は、言葉よりも強力。そのパワーはソンの心の叫びとなって、こちらへと痛いほど伝わってきます。こうした感情は、おそらく誰もが一度は味わったことがあり、だからこそいたたまれない気分に陥ります。でも、その切実さは同時にけっして目をそらすことができない気持ちにもなるはず。この映画には、ほとんどの子どもが当事者意識をもつほど、無視できない“今”を生きる子どもたちの偽りのない感情と本心が存在します。この映画の舞台は韓国ですが、どの国のどの学校でも起こっていると思われることで、“これはわたしたちの物語だ”と思いを共有する少年少女も少なくないでしょう。■大人たちの形成した社会の縮図の問題点とは一方、親世代にも、ここで描かれる物語は多くのことを教えてくれます。10歳の女の子にとって学校も大きな社会ですが、自分の家族もひとつの大きな社会。そのまなざしは大人へも注がれます。そこで気づかされるのは、子どもは親をよく見ているということ。いい意味でも、悪い意味でも親はわが子に大きな影響を与えている。ちょっと耳の痛い話になってしまいますが、親としては自分が子どもときちんと向き合っているか? 社会の中で子どもに恥ずかしくない立ち振る舞いをしているか? そんなことを考える時間になるかもしれません。いずれにしても、スクールカーストやいじめの問題は子どもだけの問題ではない。現在を生きる大人たちの形成した社会の縮図であることを痛感することでしょう。もしかしたら、これが本作の裏のテーマかもしれません。けっして軽いテーマを扱っている映画ではありません。でも、子どもの心に寄り添ったドラマは、大人も子どもも、きっとすっとその世界には入り込めることでしょう。親子で観て、学校のこと、友だちのことなどを語り合いたい映画です。『わたしたち』9月23日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次ロードショー公式サイト: www.watashitachi-movie.com
2017年09月21日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。ネットを使う子どもが多いため、親にとって「依存」や「ネットいじめ」がないかと不安になってしまうことがあるでしょう。今回は、“ネットいじめ”にスポットを当てて、 現状や予防対策、いじめ発覚後に子どもをどのようにして守るかなど、さまざまな角度から見ていきたいと思います。●ネットいじめがないか、こまめなチェックが予防策インターネットに接続できるような機器(スマホやタブレット、ゲーム機器など)を使わせる時点で、親は定期的なチェックが必要です。どんなアプリを使っているのか、どんなサイトを閲覧しているのかなどを定期的にチェックすることが、“ネットいじめ”などの危険物に対する早期発見につながります。文部科学省や自治体にある“いじめ問題対策協議会”やNTTなどの企業が冊子を作っていて、学校で定期的に配布を行い、ネットの使い方のルールやいじめなどに関する学習会も頻繁に行っています。それでも、言葉・画像などを使っての“ネットいじめ”は起こっています。中には、匿名という“隠れみの”を着て、凶器となる言葉を放っている場合がかなりあります。また、ふざけ半分、遊びのつもりという気持ちで、人を傷つけてしまっていることがあることに気がついていないことも往々にしてあります。このようにわが子が加害者となっている場合もある のです。そのための家族ルールの設定、チェックなのです。これらは、子どもを被害者にも加害者にもさせない予防策として、ルール決めのときに子どもに話すことをおすすめします。●ネットいじめの被害者となっていたらネットいじめを発見したり、お子さんから訴えがあったりしたら、親はすぐに現状を確認します。親も子もすぐに消したい気持ちになるでしょう。しかし、消してしまう前に証拠を確保します。投稿やメールなどを印刷したり、写真を撮ったりしておきましょう。「いつ」「どこのサイトに」「どのように」がわかるようにしておくことで証拠となります。学校へ相談する場合も証拠があった方が有利 です。ネットいじめのことは、できるだけ早い段階で下記の相談窓口を利用することをおすすめします。【相談窓口】・いじめ問題などの相談窓口(文部科学省/24時間子供SOSダイヤル/子ども・親対象)0120-0-78310・インターネット上の悪口、無断掲載などの相談窓口(法務局・地方法務局)0120-007-110(平日8時30分~17時15分)※法務局では投稿の削除などに力を貸してくれます。・生活の安全や不安に関する相談窓口(最寄りの警察署・警察相談専用電話/子ども・親対象)#9110学校へ相談するという選択肢もありますが、投稿の削除などを求めることや、犯罪に関わることになるかなどを相談するという選択肢もあることを知っておくのは、親として必須です。●傷ついている子どもにできることネットの投稿を見た日から、子どもは傷つき、クラスメイトや友達を信用できなくなってしまうでしょう。恐怖さえ感じている状態かもしれません。そんなときに、親が励まし過ぎると、親自身が冷静さを失っていることを悟られ、思春期の心も相まって反抗したり、部屋にこもって親の言うことに耳を傾けなくなったりすることも考えられます。まず、親が冷静になること が最初です。子どもが傷つけられたら黙っていられないのはわかります。でも、子どもに接するときは、親が冷静さを持っていないと子どもは安心することができなくなってしまいます(子どもも冷静ではないので)。子どもに伝えることはたくさんありますが、大切なのは次の通りです。・親は子どもの味方であること・子どもの人格や個性を認めてあげること・「気持ちが落ち着くまで家でゆっくりしてもいい」など居場所を確保してあげること・愛情を持って接すること(甘やかすのとは違います)子どもが深く傷ついていると、学校へ行けない状況になることも多々あります。そのようなときは、自宅での学習など家でできることを明確にして、自宅でゆっくり心を休めるようにしてあげましょう。●おわりにネットいじめは、言葉や画像を直接目にしますし、拡散して多くの人の目に入るものですから、精神的にまいってしまいます。そこから救ってあげられるのは、親であり情報を持っている大人です。子どもを加害者にも被害者にもしないように、悪いことはしっかりと教え、守ってあげてほしいと思います。【参考リンク】・スマホ時代のキミたちへ(2017年版) | 文部科学省()●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年08月16日子どもが学校に通うようになると心配になるのがいじめ。調査の結果、約半数の親が自分の子どもがいじめにあったことがあると回答しました。そこでわかったのが、いじめる子の親の行動。ここではリアルな体験をご紹介します。Q.お子さまがいじめにあったこと、ある?1.ある 44.7%2.ない 38.7%3.わからない・その他 16.6%おどろくことに約半数の44.7%がお子さまがいじめにあったことがあると回答しました。子どもがいじめられたとき、親は何をしてあげるべきなのか? 実際に悩んだ親たちの声を聞いて見ましょう。■今まさにいじめられていて悩んでいます今子どもがいじめにあっている人はそのことで頭がいっぱいになっているかもしれません。先生に言ったほうがいいのか、いじめられても部活は続けるべきなのか。どんな状況でも、子どもが話してくれたときには受け止められる親でいたいです。 「うちの子は小2の男の子です。女の子にもいじめられるほど弱い子です。先生に相談してなおるものでしょうか?今悩んでいます。本人を強くさせたらいいのか…」(神奈川県 40代女性)「今、まさに次女がそうかも。部活の同級生に仲間はずれにされて結局辞めることに」(滋賀県 30代女性)「今そのことが原因で登校拒否です。いじめられていると初めは気づかなかった娘が友だちの一言で気づき、私に話してくれた時にはびっくりする状況でした。どんな形でもいじめが起きた時に私に相談してくれたことが本当に救いだったと思っています」(山口県 30代女性)■実録!いじめる子どもの親とは?いじめている子どもの親を見ると、やはり親に問題があるのでは?という人の声が多く挙がりました。親が見て見ぬふりをしたり、悪いことをしても謝らないと、子どもも同じように育ってしまうのかもしれません。「幼稚園のとき、バス仲間の3人がうちの子だけ仲間はずれにして、泣かされていました。親たちは見て見ぬふり…。子どもの世界のいじめも、やっぱり親次第だと思います」(千葉県 40代女性)「毎朝の登校で理由もなく仲間はずれにされたらしいです。走って先に行かれたり、話しかけてもシカトされたり。その子の親曰く『歩道狭いし、3人で並んで歩けないしね〜。悪気はないんじゃない?』ですって。いじめる子って親に問題ありな気がします」(千葉県 40代女性)「小4のころ、同じクラスの3人から靴の中にてんこ盛りの砂を入れられました。先生がすぐに犯人に気づき、娘に対して謝らせました。その数日後、その親と会う機会がありましたが、避けられました。やましい気持ちがあるなら一言謝れば済むものなのに」(愛知県 30代女性)■理解してもらうことでいじめもなくなるいじめはコミュニケーション不足が原因の場合もあります。自分の子どもがうまくなじめないときや、いじめられているときには、担任の先生や同じクラスの保護者の方に説明するなどして理解してもらうことも大切なようです。「長男は発達障害と言語遅滞で3歳から小3まで言語訓練を受けていました。小学校入学当初は『何を言っているのかわからない』とからかわれたり、コミュニケーションが取れずに仲間はずれにされたりしていました。担任に相談してクラスが変わるた度に、保護者の方々に説明する機会を設けてもらったので悪質ないじめは回避できました。そんな息子も25歳。障害を乗り越え社会人として頑張っています」(鹿児島県 40代女性)------Q.お子さまがいじめにあったこと、ある?アンケート回答数:5207件ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年08月04日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「いじめられたことを、克服できない」という、ライムさん(30歳・受付)に、心屋塾認定講師の大竹公子さんからアドバイスをいただきました。■ライムさんのお悩み何度かいじめられたことがあり、そのことを克服できずにいます。 小学4年生のとき友達と喧嘩して、謝ってくれたのに、「なにが悪いかわかって謝ってるの?」と返したことがきっかけで、はじめていじめられました。そんなこと言うべきでなかったと今では思います。 こんな性格だからか、中学生のときもいじめられました。このときも同性の友達との喧嘩がきっかけで、クラスの男子から、毎朝『きもい』などと言われたり、いじめられるようになりました。 当時は人前で笑えなくなり、過呼吸になったりと今よりひどい状態でしたが、自分磨きをすることで少しずつ自信が持て、だいぶ状態はよくなりました。 小さい頃は目立つことも好きだったのに、そのときのコンプレックスが残っているせいか、挨拶することや人の輪に入ること、大勢の人の前で話をしたりすることがとても苦手になりました。 いじめられていた当時は誰にも相談できず、将来を棒に振るのは嫌だ! という気持ちだけで、がんばって登校していました。すっかり忘れていましたが、自分の顔だけ塗りつぶした卒業アルバムを見たときは、それだけ辛かったのだと、自分に自信がなかったのだと思いました。 仕事も、初めのうちは、職場の人とうまくやっていけるのですが、細かいことが気になるせいか、半年もたつと人の嫌なところばかり目につき、辞めたくなります。それでも、「できないことはない、やるかやらないかだ」と思い、仕事をしてきました。知識が増え、頼られることが多くなりましたが、その反面、努力もせずに聞いてくる人に腹が立ってしまいます。顔や態度にでるため職場では、怖い人とよく言われます。 心屋さんのブログや記事、本も何冊か読み、自分に置きかえ応用できないか考えてみました。でも、行き詰まって、辛いです。 どうしたら、日々を楽しく過ごせるのか、考え方や見方を変えるアドバイスをいただきたいです。 よろしくお願いします。■心屋塾認定講師の大竹公子さんよりライムさん、ご質問ありがとうございます。心屋認定講師&脱べきカウンセラーの大竹公子と申します。過去にいじめられたことを、克服できずにいるんですね。そんな辛かった過去があっても、自分磨きをされたり、心屋のブログや本を読んで克服しようとがんばってこられたんですね。「私、いままでよくがんばってきたなー」まずはそうご自分をねぎらってあげてください。そして、「努力もせずに聞いてくる人に腹が立ってしまいます。顔や態度にでるため職場では、怖い人とよく言われます。」と書かれてましたね。実は私も、会社員時代はそうでした。いまの仕事につく前はずっと会社員だったのですが、いつもイライラしていました。なんで簡単にできないと言うのだろう?なんでこんなことをミスするのだろう?なんで自分で調べずに聞いてくるのだろう?そんなふうにスタッフに対して思い、苛立ちを顔や態度に出していました。怖い人とは言われたことはありませんが、私が「〇〇さん」とスタッフに声かけるとビクっとされてたので、きっと怖い人と思われてたと思います。人のあら探しばかりしてイライラしてた当時の私は、ライムさんと同じようにどうしたらもっと日々を楽しくすごせるのか悩んでいました。数年前までそんな状態だったけれど、いまではのほほんと楽しくすごせるようになっています。それは、「がんばること」をやめたからでした。当時の私は、人に頼るべきではないとか、完璧であるべきとか、たくさんの「こうあるべき」という理想があって、それに向かってがんばっていました。それらの理想は、自分のなかで絶対的に正しいと思い込んでいたので、それに少しでも外れるとアウト。なので、自分自身をひたすら見張って、人に頼らないようにミスしないようにがんばってたんです。だけど人間だからそうはいかないのですよね。がんばってもミスしたりできないことはある。なのにそれを自分に許していないから、たくさん自分を責めてたんです。自分を許せなくて自分を責めてたから、人も許せなかったんですね。私はがんばってるのだから、あなたもがんばるべきよ!って。自分のダメな部分(「こうあるべき」から外れた部分)を許してなかったから、人のも許せなくてイライラしていたのです。だから、「こうあるべき」という理想を目指してがんばるのはやめて、そのままの自分を許すことにしました。それはとても勇気がいることでしたが、やっていくうちに「このままの自分で大丈夫なんだ」という経験ができ、人に対しても許せるようになり、イライラしなくなりました。ライムさんが過去にいじめられたこと、とても辛かったことと思います。私も同じような経験ありました。ただそれ、「克服」しなくていいんですよ。「克服」とは、「努力して困難に打ち勝つこと」ですよね? もう打ち勝とうとしなくていいんです。いじめられて辛かった。悲しかった。しんどかった。そんな子どもの頃のライムさんの気持ちに、まずは寄り添ってあげてください。「辛かったねー」と。そして、「いじめられたライムさん」を認めて許してあげて欲しいのです。「こうあるべき」という理想のライムさんを目指すのではなく、それ以外のライムさんをなかったことにするのでもなく。いじめられたライムさん、過呼吸になったライムさん、挨拶が苦手なライムさんなど、すべてのライムさんにOKをあげて欲しいのです。「それでいいよ」って言ってあげて欲しいのです。信頼できるお友達に、いじめられた話をしてみるのもいいですね。そうやって、いろんなライムさんを許せると、ラクに楽しく過ごせる日々が必ず来ますよ。心から応援しています。 ・このカウンセラーのサイトを見る
2017年07月20日中学生でもスマホが当たり前になりつつある今、LINEによるいじめが問題になっています。そこで、千葉県柏市で中学生と親を対象に「LINE」のやりとりを監視するアプリの無償提供を実験的に開始しました。この取り組みに実際のパパやママはどう思っているのかを聞いてみました。Q.お子さま同士のLINEでの会話の監視、どう思う?1.賛成 26.1%2.どちらかといえば賛成 29.2%3.どちらかといえば反対 21.0%4.反対 8.5%5.わからない・どちらとも言えない 15.2%どちらかと言えば賛成が29.2%ともっとも多い回答になりました。賛成という回答も含めると55.3%と半数を超える結果に。とは言え、反対派も3割いるので親としても心は揺れているようです。■一定のセーフティネットにはなる親としてはいじめを回避できるのであれば使ってみたいというのが本音。とくに、過去子どもがいじめにあったことがある、もしくはいじめのような経験がある人にとっては、安心材料になります。「何も手を打たないよりはマシ」(神奈川県 40代女性)「LINEいじめ、心配です。なので賛成。過保護なのかもしれませんが、できることなら学校でLINEを禁止にしてほしいと思ってます」(千葉県 30代女性)「想像以上に子どもたちの動向に学校や保護者は無関心。信用していると言えば聞こえばいいですが」(新潟県 40代女性)■監視するなら持たせるべきではないそもそも監視などが必要ならスマホを持たせるべきではないという意見が多数。スマホを持たせる前に親がしっかり危険性や使い方などを教えることが大切で、学校や市などましてやアプリにまかせるのはおかしいという人もいました。「そこまで管理・監視する必要があるなら、まだ使用すること自体が早い」(千葉県 40代女性)「監視しなきゃいけないなら、持たせない方がいいと思う」(千葉県 40代女性)「市や学校が監視する前に、親がきちんと管理すべきものだと思う」(鳥取県 40代女性)■いじめっ子はどんな監視もすり抜けるアプリでいじめが回避できるのかという疑問を感じる人もいました。本当のいじめはむしろ大人たちの目に見えない水面下で行われていることがほとんど。LINEの監視をするしないというよりも、何かあったときに話し合える親子関係を作ることが大切です。「はっきり言って無駄です。なぜかというとワードに反応するものだから。本当に指導が必要な子は、上手にすり抜けるものです。スマホは大人よりも子どもたちのほうがはるかに使いこなしています」(神奈川県 40代女性)Q.お子さま同士のLINEでの会話の監視、どう思う?アンケート回答数:8032件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年07月03日子ども同士のケンカの原因はさまざまですが、親のふとした発言がきっかけになることもありえます。子ども同士のけんかに発達したり、さらに意図せずしていじめっこにしないためにも、気をつけたいフレーズを実例とともに紹介します。■教材費タダでうらやましい「子どもとスーパーへ行ったとき、たまたまママ友Cさんに会いました。野菜が高くて大変よね、という話から家計が厳しいなど、よくある世間話に。そのときに『母子家庭は教材費とかタダでうらやましいわ~』なんて不用意な発言をしてしまって…。それを子どもが聞いていて、Cさんの子に『お金がかからなくていいね』と言っちゃったらしいんです。先生から聞いて、相手の家へ謝りに行きました」(31歳・小学1年生のママ)子どもは言葉の意味もわからずに、ただ聞いたことをストレートに伝えてしまうことがあります。しかし、それで誰かを傷つけてしまうのは避けたいですよね。さらにママ自身もその言葉に悪気がなかったとしても、相手を不快にさせ、さらに偏見を持っていると、とらえられるかもしれません。さいわい、このことはいじめには発展しなかったそうです。でも、私の友だちのシングルマザーも同様の経験をしたことがあるそう。そのときは子どもがからかわれてしまい、「つらい思いをさせてしまった」と悲しげに話してくれました。■あのマンション、お金持ちばかりでしょ「近所に大きな新築マンションができたとき、ママ友とも話題になりました。チラシによれば設備も最新で、高収入じゃないと住めないような価格。お茶会でも『あのマンション、かなり高級だからお金持ちばかりでしょ』なんて、うらやましがっていました。それを聞いた息子が、学校で『Aくんはお金持ちなんだよ!』と言いふらしたそうです。そのひと言でクラスの中でちょっとした騒ぎに。息子のクラスに、そのマンションへ引っ越してきた子がいたなんて知りませんでした」(32歳・小学4年生のママ)今回のケースでは、「お金持ちなのに、普通の鉛筆なんか使ってる~」とからかわれたり、「こんな遊びはお金持ちにはつまらないでしょ」と避けられたりしたそうです。テレビや雑誌などで豪邸を見れば「あんな家に住みたい」、セレブの生活を見て「お金があってうらやましい」と思う…。それは不思議なことではないのですが、お金持ちといわれることをよろこばない人もいます。また、子どもにとってはからかうネタにもなりやすいので気をつけましょう。■寂しいだろうから、うちに来るようにいったら?「息子の友だちFくんのママは看護師さん。夜勤のときは、パパが帰るまでひとりで過ごすこともあるそうです。とてもいい子だし、ひとりはかわいそうだと思って、『ママが働いているとFくんは寂しいだろうからうちに来るようにいったら?』といいました。私は専業主婦で家にいるし、息子の遊び相手にもなるからいいかな、と思って。でも、息子はその子のことを『寂しい子=暗い』と勘違いしてしまったんです。しばらくその子がうちに来ないので聞いてみたら、『暗い子と一緒に遊ぶのはつまらない』と言い出して…。余計なことを言わなければよかったと後悔しました」(36歳・小学3年生のママ)小さな子がひとりで留守番していると聞けば、同じママとして「できることをしてあげたい」と思うかもしれません。一見、親切そうにみえるけれど、子どもに変な先入観を植え付けることになりかねません。ましてや相手方にも事情があること。本当に助けになりたいと思うときには、相手から依頼されたときに親同士だけで話し合うほうがいいでしょう。どれも悪気もなく発しられたフレーズかもしれません。でも、子どもには意図しない形で伝わってしまうこともあります。またママの心の中にある、ねたみ、マウンティングといったブラックな感情を子どもが敏感に察することも。親の会話を子どもは意外と聞いているものです。ママ自身が持つ偏見は、子どもに連鎖しているかもしれません。自分の子どもをいじめっこにしないために、子ども同士の友情を壊してしまわないために、十分注意しましょう。そして同時に、自分の心の中にあるブラックな感情の正体をつきとめて、できれば退治してあげてくださいね。
2017年04月19日相変わらず減ることのない学校内での「いじめ」。最近は東日本大震災による原発事故の影響で避難した子どもが、いわれのない誹謗中傷を受ける事案が相次ぎ、社会問題化しています。いじめについては、いじめている子どもの親に責任を問うべきだと言う声があります。実際に自分のかわいい子どもがいじめを受けている場合、相手の親にもそれ相応の責任をとってもらわなければ気が済まないものですから、当然かもしれません。しかし、両者は血のつながりこそあれど、別人であるだけに、問うことは難しいような気もします。「いじめを行う子どもの親」に法的な責任を問うことは、はたして可能なのでしょうか?和田金法律事務所の渡邊寛弁護士に見解を伺いました。Q.息子が学校でいじめられた……いじめた子の親に法的な責任はある?*画像はイメージです:いじめの加害児童・生徒の親は、被害児童・生徒に対して損害賠償責任を負うことがあります。「いじめが不法行為となる場合、原則として加害児童・生徒本人は、被害児童・生徒に対して、不法行為による損害賠償責任を負います。もっとも、自分の行為の責任を理解する知能もないほど幼いときは、未成年者は法的責任を負いません。具体的な年齢が法律で何歳と決められてはいませんので、責任能力の有無は事案毎個別に判断されますが、概ね12歳程度になると法的な責任能力が認められるようになります。加害児童に法的な責任能力がない場合、本人は損害賠償責任を負いませんが、その親が監督義務者として被害者に対して損害賠償責任を負います(民法714条)。親は、監督義務を果たしていたことを立証すれば損害賠償責任を免れますが、監督義務の範囲は生活全般に及ぶ広いものですので、親の免責は簡単には認められません。加害生徒に法的な責任能力が認められる場合、民法714条の適用はありませんが、監督義務者である親は、その監督上の過失に基づき、被害者に対して損害倍責任を負うことがあります。民法714条の適用がある場合と比べると、親の監督上の過失をどちらが証明しなければならないかという立証責任の点と、監督上の過失と損害との因果関係も立証しなければならない点で、請求する側の負担が大きくなります。未成年者の親には子を監護・教育する義務がありますから、このように、いじめの加害児童・生徒の親は、被害児童・生徒に対して損害賠償責任を負うことがあります。ただし、親の責任は結果責任ではありませんので、例えば、親元から通学する中学1年生と全寮制の高校3年生とでは、同じ様な学校内でのいじめでも親の責任の有無の判断が異なることはあり得ます」(渡邊弁護士) いじめが「不法行為」となる場合、親が監督義務者として損害賠償責任を問われることもあるそう。我が子かわいさから、「うちの子に限ってそんなことはしない」と目を背ける親もいるようですが、それは監督義務を問われます。自分の子がいじめをしている可能性があると感じた場合は、直ちにやめさせるようにしてください。 *取材協力弁護士: 渡邊寛 (和田金法律事務所代表。2004年弁護士登録。東京築地を拠点に、M&A等の企業法務のほか、個人一般民事事件、刑事事件も扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*Yasu / PIXTA(ピクスタ)
2017年04月02日テレビでおなじみの“尾木ママ”こと尾木直樹さんが、新著を出版。タイトルは、 『取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと』 。この本は、尾木ママ44年間の教員生活の「集大成」だといいます。尾木ママが、ママたちに本気で伝えたいメッセージをうかがいました。■もし学校が「危険地帯」になってしまったら―― 「取り残される日本の教育」というタイトルが、とてもセンセーショナルでした。いま、学校教育の現場は、どうなっているのでしょうか?いじめ、自殺問題がとても深刻になってきています。2015年度だけでも、いじめの「重大事態」のうち50件で第三者委員会が立ち上げられました。第三者委員会が設置されていないケースもたくさんあるということを考えると、どれだけひどい現状であるかがわかります。―― 調査が必要な重大事案だけで50件! かなり深刻ですね。2月には、愛知県一宮市在住の中学3年生の男子が自殺するという事件が起こりました。この事件は、現在、第三者委員会が調査している最中です(2017年2月取材時現在)。 事件が起こる前に、親御さんは「担任を変えてください」とお願いしていたそうですが、校長先生は受け入れなかったようです。そして事件後の保護者会では、「担任によるいじめと認識している」と、校長がはっきりとそういう言葉を使ったにも関わらず、翌日には一転「いじめにあたるかはわからない」と説明を覆しました。―― いまの学校現場は、「学校は聖域。先生は人格者」というわけでもないのでしょうか?もし一宮の事件が、本当に「担任によるいじめ」だったとしたら、そんな状態の学校にわが子を行かせてはいけませんね。また、いじめではなかったとしても、生徒が学校でケガしたときにすぐに対応しなかったり、プリントを毎回配布させられたりというのは、すでに尋常な教師の対応とは言い難いわけです。亡くなった男の子は、大変苦しんでいたようですね。まだ詳細な経緯はわかりませんが、親御さんが一生懸命訴えていたのに対応を怠っていたのだとしたら学校の責任は大変重いでしょう。―― 不登校が増えていると聞きます。子どもが「学校に行きたくない」と言うのであれば、まず、きちんと理由を聞くことが必要ということでしょうか?正直に言えば、いじめが起こるような学校には、不登校の理由を聞くとか、そういう次元の話ではなくて、登校させちゃいけないと思います。そんな危険からはためらわずに逃げてほしい。そういう意識を親が持たなければ、いま、子どもの命は守れないんです。 ■親がもつべき意識は、「子どもの命を守る」―― あまりに衝撃的な話で、びっくりしています。昨年の12月に、「教育機会確保法」が、参院本会議で可決し成立しました。教育機会確保法とは、「学校に行くことが100%正解なわけじゃなく、休んでもいいし、学校以外の場で学ぶことを応援しますよ」というものです。こういったことが国会で議論されて、立法化した。時代は、そこまできているんです。でも、そのことを親がわかっていないと、いざという時に子どもを守れない。それが危険なんです。―― 時代の変化に、“親の意識”が追いついていないかもしれません。“危ない学校” には、行かせてはダメ。だって、そんな学校には行けば行くほど、子どもは、教師に傷つけられたり、友だちからいじめられてしまう。そんなときは、緊急避難をしなくちゃ!崖に向かって、わざわざ歩いていかないでしょ? それと同じことです。■ほかの国でいじめが起こったとき、親がすること―― 「学校に行く」ということが、「崖に向かって歩く」というレベルの話なんですか?いじめに「これをしたらいじめ」という"形式"はないんです。「ちょっと悪口を言われたり、無視されたりしているぐらいなら大丈夫」とか、「ケガさせられていないから、大丈夫」とか、そういう話ではない。自分があいさつをしているのに、みんなが返してくれなかったときのつらさって、すごいのよ。心が深く傷つくというのは、ときには殴られるよりもずっと痛いしつらいんです。こういった状況が、子どもにとっては、「本当に、本当に大変な事態である」ということを、親がきちんと理解してあげないと。―― 親としては、「それぐらい、気にしないでがんばれ!」と言ってしまいそうです。もしそういった事態がほかの国で起こったら、親は学校に要求を突きつけるところです。たとえばクラスメイトからいじめを受けて、子どもが学校を休みたいと言っているのであれば、まずは学校を休ませます。さらに、その間の学習の補償は学校がしてくださいという要求を当然の権利として親が出します。日本の親御さんには、もう少し、世界の状況を把握してほしいと思っています。親御さんご自身が、「いま、世界の教育はどうなっているのだろうか? それに比べて日本の教育はどうなのか?」という視点を持ってほしいですね。「いま、世界の教育はどうなっているのか?」を知らなければ、親はこれからの教育の変化についていけないのかも!? 次回は、尾木ママが語る「親が受けてきた教育とはガラリと変わる!」です。この記事は2017年2月の取材に基づいて書いています。■今回取材にご協力頂いた“尾木ママ”こと尾木直樹さんの著書 『取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと』 尾木直樹 著/講談社 ¥840(税別)尾木直樹さん プロフィール“尾木ママ”の愛称で親しまれる教育評論家、前法政大学教授。「子育てと教育は“愛とロマン”」をモットーに、ユニークで創造的な教育実践を展開。講演会活動、メディア出演、執筆活動など幅広く活躍中。尾木ママ オフィシャルブログ:
2017年03月23日「いじめって、なくなるんですか?」私の考えるいじめ解決法出典 : 「いじめから子どもを守ろうネットワーク」東京代表の栗岡まゆみです。いじめで苦しむ子どもたちの心と命と未来を守るために、長らくいじめ問題の解決に関わっており、各地の学校などで講演活動をしています。昨年は、命の犠牲を伴ういじめ問題を耳にすることが多かったように思います。そのニュースに胸を痛め、「我が家の子どもは、大丈夫なのか?」「我が子の通う学校は、大丈夫なのか?」と不安になられた保護者の方もたくさんおられるのではないでしょうか?私は一昨年、『いじめゼロを目指して‐「いじめ防止授業」生徒5000人の現場から』という書籍を出版しました。その際、ある新聞社の記者さんからの取材で、「いじめって、なくなるんですか?」と質問されました。私の答えは、「早期発見・早期解決で、いじめ問題は解決できます」というものです。今回の記事では、保護者のみなさまにぜひ大切にしていただきたいこととして、・早期発見: 子どもの発するSOSサイン・早期解決: 冷静な文書化による学校との連携方法の2点を中心に、具体的なノウハウをお伝えしたいと思います。早期発見のために大切なのは、いじめのサインを見逃さないこと出典 : いじめられている子どもは、いじめられていることを親になかなか言わない・言えないことが多いです。いじめ自殺で子どもが命を落としたその悲しみの中で、親御さんは必ずといっていいほど、「いじめの事実に気がつかなかった…」という、後悔と無念のこもった言葉を語られます。親に心配をかけたくないという気持ち、親や教師に告げると「チクッた」と言われて、“倍返し”のいじめにあうかもしれないという不安が、子どもが親に相談できない大きな要因です。けれども子どもは、自分を助けてくれる大人、信じられる大人を求めて、「助けて!」というサインを必ず出しています。その声にならない助けを私たち大人が発見することが、子どもの命を守る命綱となるのです。もしかしたら、いじめに遭っている…?子どもの発する具体的なサインの例出典 : いじめ相談のお電話を頂くとき、「子どもが、頭が痛いと言って学校に行かなくなりました。もしかしたら、いじめがあるのでしょうか?」とご相談くださる保護者の方が、多くいらっしゃいます。「お腹が痛い」「頭が痛い」「学校に行きたくない」という症状は、実は、かなり深刻です。お子さんがそう言いだす前に、次のような症状が1つでも見られたら、夕食時にさりげなく学校での様子を聞いてあげて下さい。・急に元気がなくなる・帰ってくるとすぐに部屋に閉じこもる・理由のわからない成績の低下・親の前で携帯メールを見なくなる・友達から電話があっても、出たがらない・おねしょをする・妙に明るく装う・教科書に落書きがある・服が破れていたり、汚してくる・物をよく無くす・急にお金を欲しがる・擦り傷や打撲がある・頭痛などを訴え、学校に行きたがらなくなるまた子どもの発するこうしたサインにいち早く気づくためには、学校の保護者同士のネットワ―クを作っていくことも大切です。両親共に仕事を持っていたり、自由選択制で校区を超えた学校に通学したりすると、保護者同士のネットワークがどうしても希薄になりやすいです。保護者同士でお子さんの情報を共有できる機会を少しでも作り、お子さんのサインに気付きやすくなるようなネットワークを作っていきましょう。子どものいじめ、解決を困難にしているものとは出典 : いじめ問題の解決を困難にしているのは、「証拠がない」ことに尽きます。今のいじめで一番多いのは、教師や親など大人の見ていないところでの、言葉の暴力や無視などの精神的ないじめです。暴力を受けたのなら、体に傷が残ります。ノートや文房具など持ち物を壊されても証拠が残ります。けれども、言葉による暴力は証拠がありません。これを解決するためには、冷静な文書化が必要です。「子どもからの聞き取り+証拠集め」を通して、以下のような「事実」を文書にまとめていくのです。・いつ、誰が、どこで、どのようないじめをしたのか・加害者は一人か、複数か。その名前は・それを目撃していた子どもはいるのか。いたら、それは誰か・具体的にどんなことを言われたのか・具体的にどんなことをされたのか・怪我をさせられたことはあるのか・子どもはどう感じているのか・学校や担任の対応はどうだったのか時系列に従い、いつ、誰が、どこで、どのようないじめをしたのか。加害者は1人か複数か、それは誰なのか(実名)、怪我はないか、いじめられてどう感じたか…などを子どもから聞き取り、先ず文書にすることが大切です。そして、いじめを周りで見ていた友達が居ないかどうか子どもに聞き、怪我をしていたら病院で診断書をもらい、物を壊されていたらその証拠写真を撮る等、客観的な証拠を集めることも有効です。そのあとに、いじめ被害の客観的な事実をもとにして担任に連絡をし、担任や校長と話し合います。その際に、可能であればいじめ加害者とその保護者にいじめ事実を認めてもらい、心から反省と謝罪を求めることが、いじめ再発防止には大切です。加害者の心からの謝罪が、被害者の心を復活させる大きなポイントになります。また学校側にも、いじめ再発防止を要望書として提出することをお勧めします。この話し合いで、学校側がこちらの要望に応じない場合には、教育委員会や警察、法務局、議員、マスコミに、いじめ被害事実を訴えることも視野に入れてみましょう。子どもをいじめから守るために一番大切なこと。それは…出典 : ここまでの対応を現実のものとするために、保護者の方の“決意”が求められます。それは、「もし、いじめられていても、いじめられているあなたは決して悪くない」「何があっても、必ず、あなたを命をかけて守る!」というものです。この決意とその後の行動を実は、他でもない、いじめで傷ついた子どもが、じっと見ています。その真剣な決意とその後の学校との交渉の姿で、愛されていることを実感するのは、いじめで傷ついて、自信を失った子供なのです。その愛されているという実感が、いじめで傷ついた心から復活する鍵の一つとなります。ですが、保護者の方も、決して、一人ではありません。一人で、戦わないでください。悩まないでください。そのために、私たち、いじめから子どもを守ろうネットワークは存在しています。一本の電話する勇気を持っていただくだけで、いじめ解決までのすべてのプロセスに、ひとつひとつ、一緒に考え、お子様の心を救い、復活までの時間を共にさせて頂きます。一般財団法人いじめから子どもを守ろうネットワーク
2017年03月02日「ママ友トラブル」の話は、日々、耳に入ってくるものです。自分は大丈夫! と思いたくても、「嫌われていたらどうしよう…」という不安が拭いきれないママも多いのではないでしょうか?ただ、中にはそんな不安とは無縁そうな、「みんなから好かれているママ」もいます。いつもママ友の輪の真ん中にいる。そんなママにはどのような特徴があるのでしょうか? ■誰と接するときも同じ態度「私は人見知りで、自分から声をかけて友だちに…なんてもってのほか。そんな私に、あるママが声をかけてくれました。そのママは私より少し年上なのですが、とても丁寧に、そして明るく話しかけてくれて。初対面だと緊張してしまう私が、気づくと打ち解けて、楽しく会話できるようになっていました。そのママを見ていると、どんな人と話すときも丁寧で、人によって態度を変えることがありません。そのせいか、いつも周囲に人が集まってくるような感じで、彼女を通じて私もママ友が増えたので、とても感謝しています」(Sさん/28歳/主婦)「相手によって態度を変える人」は、職場や友だちづき合いなど、ママ友以外の人間関係でも敬遠される傾向があります。態度を変えているつもりはなくても、人見知りタイプの人などは「仲良し」と「それ以外」でつい接し方が変わってしまいがち。しかし、それでは「つき合いづらい人」と思われてしまう可能性もありそうです。人によって態度を変えないよう意識してみると、もっといろんなママと会話を楽しめるようになるかもしれません。■プライベートな質問をしない「学歴や収入、子どもの受験のことなど、プライベートなことを聞いてくるママが意外と多くて…。私はそれが嫌で、ママ友とつき合うことに消極的でした。それでも、子どものつながりでママ会などに顔を出すこともあり、その中で、あるママと仲良くなりました。仲良くなってからふと気づいたのですが、そのママ友は私が『できれば言いたくないな…』と感じるような、プライベートな質問をしないのです。だから一緒にいて心地よく、自然と打ち解けられたのかもしれません」(Iさん/31歳/主婦)「適度な距離を保つこと」は、人間関係の重要なポイント。トラブルを避けることにもつながります。子育てや家庭のことなどは、「よその家はどうなんだろう?」とつい聞きたくなってしまうもの。もちろん、相談したり知恵を授けてもらったりするのは良いと思いますが、「プライベートなこと」をズケズケ聞くのは避けるようにしたいですね。■我が子以外の子どもにも、とても楽しそうに接している「近所のママ仲間に、特に誰からも好かれているママがいます。その人柄が良いのはもちろんですが、子どもにもいつも明るく楽しそうに接してくれることが、その大きな理由ではないかと思います。井戸端会議が盛り上がっていても、常にみんなの子どもに気を配っている…という感じで、子どもの輪の中に入って遊んでくれることも。実際に、私の息子はその人のことが大好きで、道で見かけるとうれしそうに手を振って、自分から挨拶しています。こんなママとは、これからも長くつき合っていきたいな…と感じますね」(Yさん/29歳/飲食店)子どもに明るく接したり、井戸端会議中でもしっかり子どもに気を配ったり。当たり前のことかもしれませんが、「よその子も含めて、常に」ということになると案外難しいかも?「ママ友づき合いの中心には子どもがいる」ということを忘れずにいると、ママ友との関係も自然と良くなるのかもしれません。■子どもの良い部分を見つけて、褒めてくれる「会うといつも、『かわいいお洋服だね』や『背が伸びたね』、『習いごと? 偉いね』など、子どもにちょっとした褒め言葉をかけてくれるママ友がいます。子ども同士が一緒に遊んでいるときも、ウチの子が良いことをしたら、きちんと見ていて褒めてくれます。子どもも褒められてうれしそうにしていますし、すてきなママだな…と、いつも感心しています」(Kさん/33歳/自営業)良好な人間関係を築くためには、「相手を褒める」ことが大切だとよく言われます。ママにとって、子どもが褒められるのは何よりもうれしいこと。自分の子ども以外にも、自然に褒め言葉をかけられるママはすてきですね。誰からも好かれて、いつも輪の中心に…という人には、簡単にはなれないかもしれません。しかし、行動や意識をほんの少し変えてみるだけで、ママ友づき合いがもっと楽しくなりそうですね。
2017年01月26日最近ではいじめなどの原因として挙げられることもあるSNS。それ以外にも、知らないうちに個人情報を流出してしまっていることもあります。そこで、お子さまのSNS利用について把握しているかを調査しました。いつからどのような使い方をするのがいいのでしょうか。Q.お子さまのSNSの利用、把握している?1.把握している 32.9%2.把握していない 12.6%3.わからない・どちらとも言えない 10.7%4.まだお子さまがSNSを利用できる状態ではない 43.8%まだお子さまの年齢が小さい人が多いようで、43.8%は子どもがSNSを利用していないとのことでした。利用している人のほとんどは把握しているよう。親世代が子どものときにはなかったスマホやSNSとの付き合い方をどうすべきか、みんなの意見を聞いてみましょう。■中学生まではSNSはさせません今、小さいお子さんをお持ちの親の多くが中学生まではLINEやSNSをさせない、させたくないと思っているようです。危険な目に合わせないためにも、使わせたくないという意見が。「親もやらないし、子どもにもやらせません。安全性に疑問がある。必要性を感じない」(茨城県 50代女性)「まだ小学校低学年のため携帯も持たせてはいません。できれば大きくなってもSNSは使わせたくないです」(神奈川県 30代女性)「利用したらダメだと言い聞かせています」(千葉県 20代女性)■我が家のルールを決めて使わせています有料サイトの制限や使う時間や場所を決めたりなど、使わせている親もスマホやSNSの利用ルールを決めているようです。SNSを使うことでのトラブルやリスクに関して親も子どもに説明できるようにしておくと良いですね。「大学生の高校生の子どもがいます。どちらも高校生から携帯デビューさせました。高校生の娘にはネットの制限をかけています。あとは『絶対に人の悪口は書かない・参加しない』とだけ伝えてあります」(神奈川県 50代女性)「高校生になった今は自分のスマホを使っていて、LINEも結構していますが、自分の部屋にスマホを持って入らないというルールのおかげでべったりSNS漬けという状況にはなっていません」(鳥取県 40代女性)「中3と高2の息子ですが、有料サイトなどには入れないようにロックはしています。どうしても友達同士やるゲームなどは私がプレゼントしたりしています。何もかも規制するのは私は嫌なのでうまくやっています」(神奈川県 40代女性)■クラスで少数派になってもやらせない?中学校によっては、スマホやSNSをやっていない子どもの方が少数派になることも。いつかは使うようになるSNS、いつから使わせるのか、どうやって使うと安全なのかなど親子で話し合うことも必要なのかもしれません。「公立の中学校ですが、クラス全体でラインのグループがあるようで、体育祭等の打ち上げや朝練などそこで連絡しあっているようです。我が家はまだ早いと思っているのでラインはさせてませんが、そうなるとクラスでは微妙な感じみたいです」(東京都 40代女性)Q.お子さまのSNSの利用、把握している?アンケート回答数:4811件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年11月11日「いじめとふざけ、何がちがうの?」子どもたちの問いにどう答える?出典 : 「いじめから子どもを守ろうネットワーク」東京代表の栗岡まゆみです。いじめで苦しむ子どもたちの心と命と未来を守るために、長らくいじめ問題の解決に関わっており、各地の学校などで講演活動をしています。「このくらい、ちょっとふざけていただけだよ」「いじめとふざけ、何が違うの?」こんな問いに答えを出すことが、教育の現場では求められます。私が学校でおこなっているいじめ防止授業では、その問いにこう答えます。「ふざけや遊びのつもりでも、いじめられた側がつらい・やめてほしいと思ったら、それはいじめです。」とてもシンプルでありきたりな答えですが、子どもたちにとってもこれは「あたりまえ」のことなのでしょうか。「いじめられる側にも問題がある」という考え方出典 : 私がある中学校でいじめ防止授業を行ったときのお話です。事前アンケートで、500人の生徒にある質問を投げかけました。「あなたは、いじめられる側にも問題があると思いますか?」そのうち、「問題がある」「少しある」と答えた生徒は合計186人に上りました。そして、「いじめられる側にも問題がある」と答えた生徒達は、その理由として、・いじめられている相手も、恨みをかうようなことをしたと思う・性格が悪い・イラつかせる行動をしたなどを挙げたのでした。こうした回答からは、いじめる側の自分たちからの視点を前提としており、いじめられた側がどう思うかという、相手の立場に立つ視点の欠如を感じさせます。「こんなことをすると人が傷つく」「この言葉をなげかけたら人は嫌な気持ちになる」ということが想像できない子どもたちが、いわば無邪気にいじめを行い、その深刻さを認識しないままに他人を追い詰めてしまうのでしょう。ある絵本を題材に、いじめられた側の気持ちを疑似体験出典 : 私は「嫌なところがあることと、いじめは分けて考える」ことと、「いじめは絶対にいけない」という善悪の判断を子どもたちに分かってもらえるよう、いじめ防止の授業をしています。NHKの番組に「いじめをノックアウト」というものがあります。私は許可をいただいてこの番組を題材にしながら、東京の小学校や児童館で多くの子ども達と一緒にいじめについて考えました。その中に、『みずいろのマフラー』(著・くすのきしげのり・絵・松成真理子・童心社)という絵本が題材になっている回があります。絵本の登場人物は、「ぼく」、「ヤンチ」、「ヨースケ」の3人です。ヨースケは力が弱くて、走るのが遅くて、算数が苦手。ぼくとヤンチが嫌な役を押し付けても、ヨースケは少し困った顔をしながらも言いなりになります。ある日の学校からの帰り道、ぼくとヤンチがいつものようにヨースケが負けるまでジャンケンをし、ヨースケにランドセルを持たせているところをヨースケのお母さんに見つかってしまいました。さあ、もしもあなたが「ぼく」だったら、ヨースケのお母さんになんと言いますか?番組でナビゲーターを務める高橋みなみさんは、「ジャンケンしてただけですよ。って答えますね」と語っています。私が子ども達に問いかけると、「遊んでただけだよ」「ジャンケンしてたんだよ!」「ジャンケンでヨースケが負けたから、ランドセル持ってもらった」と子どもたちは口々に答えます。そこで私が「そうなんだ。じゃあその時のヨースケの気持ちはどうだっただろう?」とさらに尋ねると、子どもたちはこう言います。「悲しかった」「いやだった」「やめてほしいと思った」番組はさらに続き、今度は実在する男の子、いじられキャラの真也君の話になります。ものまねネタや一発芸をして、いつもクラスメートを楽しませる真也君。真也君自身も楽しそうに笑っていたと思ったのに、ある日突然、自ら命を絶ちました。実は、“いじり”がエスカレートして、真也君に馬乗りになったり、ほほを叩いたり、パンツおろしをしたり、…クラスではそんなことが行われていたのです。子ども達も、この真実の話は、さすがに受け止めるのに少し勇気がいるようです。シーンと静まり返りました。私は子ども達に語りかけます。「このくらい、いいんじゃないの?」とか「ちょっとふざけただけ」とか「遊びのつもり」と思っていたことが、実は相手の心の限界を超えて、つらい、やめて、いやだと思っていることがあるんだよ。言葉にできない相手の気持ちを理解する、そんな優しさが大切だね。と。「いじめをノックアウト」出典 : 子どもたちはちゃんとやさしい気持ちを持っている出典 : 番組を見せると、子どもたちはきちんと状況を理解していじめられた側の気持ちを代弁してくれます。ここで、子ども達の授業の感想をご紹介しましょう。今まで、いじめられている人にも問題があると思っていました。しかし、その考えは全く逆で、いじめている人の心に問題があったのだと初めて知りました。個人の持っている個性を一人ひとり分かりあい、認め合うことができたのなら、いじめはなくなるのではないかと思います。(1年C組女子)いじめられている側に問題があると言うのは、間違っている。いじめと、問題があるのは別に考える。いじめられる側には何の問題もない。いじめられたら、なんでいじめられたんだろうって思って不安になってしまうと思うのですが、この言葉でいじめる側が100%悪いとわかってよかったです。(2年B組女子)今日の話で一番心に残ったのは、いじめられている人がいやな原因と、いじめを一緒にしてはいけないと言うこと。今まで、いじめられている人にも原因があると思っていました。その人の言葉や行動をいやだと思っても、それがいじめていい理由にはならないと気がつきました。いじめたら、いつか自分に返ってくる。あとで、自分のしたことに後悔をしたくない。みんながこの気持ちをもって、いじめをなくしたい。(2年B組男子)誰かがいじめられていたら、それは、心の叫びです。なりふり構わず、手をさしのべて助けてあげたいです。(1年C組女子)子ども達には、無限にのびる可能性を秘めた心があると信じます。大人がきちんと善悪を教えれば、それに答える心があります。私たち大人がその努力を止めないことが、子どもをいじめから守る防波堤となることを信じます。
2016年10月17日突然、子どもから「いじめられている」と告白されたら…。後編では、「その後の子どもへの対応方法」をはじめ、気をつけておきたいことをエキサイトお悩み相談室の 山口愛乃(やまぐちあいの)先生 に聞いてみました。■子どものアフターフォローで気をつけたい2つのこと1.子どもを観察し、担任の先生とも定期的にコンタクトを取る2.子どもに日記をつけることをすすめる(親子の交換日記が理想)大人が介入して解決したケースの場合、まれですが、大人の見えない所や知られない場所(たとえば、生徒たちだけの秘密の掲示版等)で、いじめが続いているケースもあります。お子さんとの会話を増やし、ネガティブな言動が増えていないか、食欲はあるか、心から笑っているかなど、ささいな変化に気を配ると良いかと思います。小学生のお子さんであれば、「お互いがなんでも書ける交換日記」はとても有効です。同時に、月に1回、落ちついてきたら数ヶ月に1回といった具合で、担任の先生とコンタクトを取り、学校での様子を聞くのもいいでしょう。■一番大切なのは、「親子の関係」「あなたは必要とされて生まれてきたんだよ」「あなたは愛されているんだよ」「ここにいてほしいからいるんだよ」「大丈夫だよ」「何があっても、あなたを信じるよ」母親の心からの言葉は、必ず子どもに伝わります。「あなたの居場所はここだよ」「ここにいていいんだよ」と、しっかりと言葉にして伝えるようにしましょう。ほめたりしかったり、お互いに何でも言える関係、安心できる関係を築いていくことが、親と子の関係に一番大事なことです。「ひとりで悩みすぎると、蟻地獄のように出口が見つからないことがある」と山口先生。いじめの問題は、かなり多くの親御さんが悩んでおられます。「いじめ」のケースはひとつひとつが異なり複雑化しているため、ひとりで背負ってしまわないよう注意が必要です。「実際のカウンセリングでは、深いところまで伺い、確度の高いアプローチをすることができます。そういうときにこそ、うまくカウンセリングを利用してくださいね」(山口先生)愛する子どものことだから、他人に相談しにくいことだからこそ、悩まず「プロに相談」してみてください。電話1本で心が軽くなりますよ。・取材協力:エキサイトお悩み相談室 山口愛乃(やまぐちあいの)先生
2016年09月08日突然、子どもから「いじめられている」と告白されたら…。親として、子どもにどう対応すべき? 学校への対応はどうしたらいいの? 初期対応が大切な「いじめ」について、エキサイトお悩み相談室の 山口愛乃(やまぐちあいの)先生 に聞いてみました。■子どもへの対応ポイント・子どもに最後まで「自分の言葉」で話をさせる子どもが置かれている状況を把握するために、冷静に最後まで「自分の言葉」で話をさせましょう。助けを求めている子どもにとって、親の存在は頼みの綱です。親は当然、「全力で力になってあげたい!」と思いますが、ここで力むのは禁物です。「なぜ?」「どうして?」「それでどうしたの?」といった言葉で、無理やり聞きださないようにしましょう。話の途中で喜怒哀楽を言動に出したり、話の腰を折ったりせず、お子さんが自分の気持ちを「自分の言葉で」話しおわるまで、耳を傾けてみてください。もちろん、ヒアリングした内容をメモすることも忘れずに。言葉に詰まったら、相づちや復唱、温かい表情でフォローして、胸の内にある言葉を吐きだせるような空気をつくりましょう。ご両親からの愛情と受容の姿勢が伝われば、「具体的にどんないじめを受けてきたのか」を打ちあけてくれる可能性もあります。良好な親子関係は、子どもにとって、家庭・家族が「安心できる場所がある、頼れる人がいる」ことを意味します。お子さんの性格形成にとって、重要な成育環境要素のひとつです。・子どもが発する「キーワード」に注意する子どもの言葉のなかにある、「“いじめのきっかけ”や“ヒントとなるキーワード”」に意識を置いてヒアリングしてみてください。たとえば、「これからどうしたい?」というご両親からの問いに対し、子どもが「いまの状況から抜けだしたい」と回答した場合、今後の課題は関係者全員で「いじめの原因」を究明し、「解決法を模索する」ことになります。焦らずゆっくり、子どもに寄りそいながら、ひとつひとつの言葉に意識を向けていくようにしましょう。■学校への対応ポイントと注意点・伝え方のポイントヒアリング内容を書面で持参し、「事実」のみを伝えて情報を共有しましょう。我が子がつらい思いをしていると思えば、おさえているつもりでも感情的になってしまうものです。しかし、ここでの最重要課題は問題解決です。いじめた側や学校側に怒りをぶつけるなど、「親としての主観」や責任を追及せず、ヒアリングで得た「事実」だけを伝えるようにしましょう。お子さんから聞いた情報をまとめたヒアリングシートがあると、見ながら話ができるので有用です。いじめを受けているお子さんのカウンセリングをし、その後の対応へとステップを移すと、「情報の過不足・精査の必要性」を認識させられるケースが少なくないのも事実です。とくに小学生~中学生くらいのお子さんは、大人の関心を引きたい、自分だけを見て欲しいという思いから、話を大きくしたり関係のない人物の名前をあげて中傷したり、自分に都合の悪いことを隠したり、逆に大事なことを隠していたりする場合があります。情報をより正確に把握し、関係者と円滑に事態の収拾を図るためにも「こういうことを伝えて、相談してくるね」と、伝えてから公にすることをおすすめします。・学校とよりよい協力関係を築くためのポイント責任をすべて押しつけるような言動(脅し、または脅しと受けとられる言動)は控えるようにしましょう。問題解決には、「1:関係者全員の情報共有」「2:問題の明確化」「3:解決のための意識統一・役割分担」「4:検証」が不可欠ですが、同時に関係者、とくに大人同士の信頼関係・協力関係も欠かせません。こびへつらう必要はありませんが、より良い協力関係を築くためにも、高圧的な態度は避けるようにしましょう。子どもと学校への対応ポイントがわかったら、次におさえておきたいのは「その後、どうすればいいのか」ということです。次回は、「その後の子どもへの対応」を山口先生にお聞きしました。・取材協力:エキサイトお悩み相談室 山口愛乃(やまぐちあいの)先生 育児の悩みをプロのカウンセラーに相談してみよう!育児のモヤモヤ、不安な思い、悩みは1人で抱え込まずにプロのカウンセラーに相談してみましょう。電話で相談できるので、24時間365日、いつでもどこでも、名前も顔も知られずに安心して相談できます。 エキサイトお悩み相談室
2016年09月08日こんにちは。接客コンサルタントの樋口智香子です。周囲から愛され信頼される、魅力的なビジネスパーソンを育成する人材教育をしています。いま、職場いじめが深刻な社会問題のひとつとなっていますよね。2015年度に全国の労働局に寄せられた労働相談のうち、「いじめ・嫌がらせ」に関するものは6万6,566件もあったと報じられています。なかでも陰湿なのは、先輩から後輩への「無視」。周囲から気づかれにくく、後輩という立場である以上、仕事を教わることができないケースもあるため、実際の業務に大きな支障が出ることになります。無視はとくに、女性同士の職場に多いです。実際、『マイナビウーマン』が後輩社員にやった意地悪をアンケート調査した結果、「無視」「失敗することがわかっていて放置」「冷たい態度」「仕事を押しつけた」の4つが挙げられています。万が一、真面目に仕事をしているにも関わらず、先輩から無視の嫌がらせをされてしまった場合は、いったいどのように対処すればよいのでしょうか。■1:自分から歩み寄って改善の努力をするまずは思いきって、無視をする先輩に理由をきいてみましょう。その理由が「仕事の仕方に問題がある」「きっかけになる出来事があった」など、自分が気づいて正せることなのであれば、お互いにストレスがなくなるからです。先輩としても、一度無視をしてしまった手前、話をするきっかけを失い、決まりの悪い思いをしているかもしれません。こちらから歩み寄って、きっかけをつくりましょう。ポイントは「話をしたい」という意思を礼儀正しく、明確に伝えること。以下の点を意識してください。・ふたりきりになれるタイミングを見計らう・話しかけるときは「○○さん」と名前を呼びかける・相手に聞こえる声で、はっきりと話しかける・「お尋ねしたいことがあります」と、質問をしたい意思をはっきり伝える・本題に入る前に、クッション言葉を添え、語尾は疑問形にする例えば、「申し上げにくいのですが(クッション言葉)私は、○○さんから避けられているのではと感じています。私がなにかご不快な思いをさせてしまっていたら、すぐにあらためますので、理由を教えていただけませんでしょうか(語尾を疑問形に)」と聞くといいでしょう。■2:先輩へのビジネスマナーを見なおす先輩が特定の後輩を嫌う理由のひとつに、「生意気だと感じる」というものがあります。近年、芸能界の先輩に敬語を使わないタレントが人気を博すなど、年長者への礼儀作法が曖昧になってきました。しかしビジネスの世界では、その甘さは通用しません。とくに1970年代以前の世代は、先輩への礼儀作法を厳しくしつけられており、その価値観を大切にしています。もし、先輩から無視されてしまったら、挨拶や言葉遣いなどのビジネスマナーに落ち度がなかったか、もう一度見なおしましょう。会議室の座席の配置ひとつにも、席次のマナーといって、目上の人が座る席、後輩が座る席が決められていることをご存じでしょうか。正しい敬語やビジネスマナーを知らないばかりに、先輩に不快な思いをさせている可能性もあります。社会人としてもう一度、ビジネスマナーをおさらいしておきましょう。■3:理不尽な無視は第三者の力を借りる一方、こちらになんの落ち度もないのに無視をされるケースもあります。「忙しくてイライラしていたから」「昔、嫌いだった人に似ている」「自分より若くてかわいいのが癪にさわる」など、どうしようもない理由で無視する人もいるのが現実です。こうした場合は、上司や他の先輩に相談するなど、第三者の力を借りましょう。ポイントは、「業務にどんな支障があるか」を明確に伝えること。「無視をされた」という感情的な怒りや悲しみを伝えるのではなく、仕事に障りがあることを、事実として伝えます。そのために「いつ」「どこで」「どんなことがあったか」といった、5W2Hをはっきりさせておきましょう。場合によっては、配置転換をしてもらえる可能性もあります。*以上、先輩から無視されたときの対処法でした。いじめにくよくよと悩まず、勇気をもって行動すること。それが、いちばんの突破口です。(文/樋口智香子) 【参考】※樋口智香子(2014)『恋活サプリ「愛されマナー」予習帳 シーン別にわかる! 恋活サプリBOOKS』ブックビヨンド※樋口智香子のきらりと光るオトナ磨き※社員の接客力を高める、ビジネスマナーDVD講座
2016年08月31日日本全国で、今この瞬間も60万件を超えるいじめが存在している出典 : 「いじめから子どもを守ろうネットワーク」東京代表の栗岡まゆみです。私は、いじめで苦しむ子どもたちの心と命と未来を守るために、長らくいじめ問題の解決に関わっています。「昔のいじめと、今のいじめは違います」と大人たちにいじめの実態を語り、「いじめって何?」「将来の夢は何?」と子供たちに問いかける『いじめ防止授業』を行うようになり、8年が過ぎました。その中で、「いじめは本当に解決できるの?」というお声を多くいただきます。私の答えは「必ず、解決できる」。そのためには大人が現代のいじめの実態を知り、身の回りでの早期発見の仕方、いじめの解決方法を学び、予防策を知ることが必要です。今回からシリーズで「いじめ」について皆さまと一緒に学び、予防と解決策を考えていけたらと思います。現代のいじめは、大人が知っているものと違う出典 : 講演では、「今のいじめは、昔のいじめとは全く違う」ということを保護者の方々にお話しています。「え、どんなふうに?」と思われる方も多いのではないでしょうか。例えば、昔よく見ていたテレビ「ドラえもん」に登場するいじめっ子のジャイアンは、力が強くて、体格もいい。のんびり屋ののび太君を、遊び場でからかったり力づくで言う事を聞かせていじめます。けれど話しの終わりには、仲直りをして一緒に野球をする。そんなシーンが印象的ですよね。とても分かりやすい、いじめっ子といじめられっ子の描かれ方です。ですが、現代の子ども達の間で起こるいじめは、こんなシーンとは全く違います。ある日突然、些細な事でいじめが始まり、1対集団で、ターゲットを変えながら、大人の見えないところでの、無視・暴言・ネットいじめ等が繰り広げられます。陰湿で表に現れにくいのが特徴です。いじめ防止推進法が2013年に施行されたが、現状は変わらない出典 : 子ども達に無限に宿る可能性を伸ばすのが、教育の力であり、反対にそれを阻む悪しき果実の1つが、いじめ問題だと考えています。大津のいじめ事件を契機に、2013年に「いじめ防止対策推進法」が制定されました。これは、国をあげていじめ防止の歴史が大きく動いたように見える出来事でした。(いじめの禁止)第四条児童等は、いじめを行ってはならない。けれども、いじめ認知件数は減ることはなく、私が学校で出会ったのは大津事件とさして変わらないような、想像を超える犯罪レベルのいじめに苦しむ子どもたちの姿でした。5000人を超える子ども達への出張授業、必ず聞く2つの質問出典 : 今年も、児童館・学校でのいじめ防止授業を行いました。これまで、約5000人を超える子ども達といじめ防止授業を行ってきました。その授業で、私は必ず次の2つの質問をしています。「いじめって何?」「将来の夢は何?」東京のある学校の小学1年生の女の子が、手を挙げてこう答えてくれました。「はーい。いじめって、汚いゴミ箱に入れること」別の学校の小学5年生の男の子はこう話してくれました。「はい。今僕はいじめられています。死ね。うざい、と毎日言われています。このクラスの皆からです」この発言に生徒たちはシーンと静まり返りました。その様子を担任の先生は驚いて見ているだけでした。ある東京の中学で、1年から3年まで500人に、学校のご協力のもと、事前アンケートを取っていただきました。子ども達の答えをここでご紹介しましょう。「いじめって何?」・命に関わること・心も体もダメージをもたらすもの・学校に一番あってはならないもの・一対多での暴力・暴言・無視・いじめている本人には楽しいゲーム・いじめられている本人には最悪のゲーム・何の価値もない、何も生み出さない、ちっぽけなもの・人の無関心な心が生み出す残酷なもの・人から幸せを奪うもの・嫌がらせ・孤立させる・一人ぼっちでまわりが信じられない・自殺につながる・見ていても何も言わない人も、いじめている人と同じ・弱い人間がする事。最低な行い。人権を侵害する事・集団VS圧倒的少数このリアルな答えに、私は驚きました。これは中学生だからでしょうか?いいえ、そんなことはありません。小学生に聞いても同じような答えが返ってきます。毎年8月に都内の児童館で小学1年~6年まで、いじめ防止学習会を開催していますが、この時も無邪気な表情で話すシビアな現実に驚かされました。「はーい。人の心を傷つけることです」「うざい。キモい。死ね、とか言います」「仲間に入れない事です」文部科学省の調査では、教育委員会から文部科学省に報告があがる、いじめ認知件数は、8万件を超えています。ですが、その水面下で起きている報告にあがらないいじめは、その数十倍、約60万人にものぼるといわれています。まるで、その一端を垣間見るような教室でした。夢を描く力は人間が持つ才能。心を傷つけたら夢は描けなくなる出典 : 子ども達に、「いじめって何?」と聞いた次は「将来の夢は?」と問いかけます。そして十人十色の様々な夢を教えてもらった後に、『13歳からの道徳教科書』(育鵬社)と言う本にある大リーガーのイチロー選手の“子供の頃の夢”の部分を朗読しています。最初はイチローという名前は出さずに「ここで、皆と同じ小学生の時に、ある生徒が描いた作文を読みますね。…さて、誰だかわかるかな?」と問いかけます。「はーい!イチロー!」とすぐに答えが。「えー!イチロー!?」と他のみんなからはどよめきが起こります。そして、私は続けます。「あのね、“夢”を描けるというのは、人間だけが持っている才能なんだよ。夢を描いて、その夢に向かって一生懸命勉強する、努力をする。それは人として一番尊敬される行為なんだよ。夢を諦めないで努力すれば、必ずいつか実現する。今、語った夢を諦めないで。自分の夢だけでなく、お友達の夢も忘れないでね。」「なぜ、夢が描けるかわかるかな?それは、人間に一番大切な“心”があるから。心があるから、夢を描く力や夢に向かう力が生まれるんだよ。」そして、最後にこう伝えるのです。「なぜ、いじめがよくないか、わかるかな?いじめられて心が傷ついたら、夢を描く力がなくなるんだよ。自分の夢が大切なように、お友達の夢も大切。だから、夢を壊すいじめは、絶対にいけないんだよ。わかった?」私は、「教育が人間を創る」という言葉を心から信じています。そして子ども達は本当に、目をこちらに向けて一直線に聞いています。真剣に聞いてくれます。子ども達の夢の向こうには、一人一人の無限の可能性が広がっています。それは一人の夢ではなく、国家の夢であり、世界の夢でもあります。夢に向き合う時は、未来は明るいと確信できる時でもあると考えています。夢を見る力を無限に伸ばすものが教育の力であり、それを阻むものが、いじめ問題であると思います。小学校に入り半年で子ども達はいじめを実感する。大人は何ができるのか出典 : 桜が咲く4月に、幼稚園を卒業したばかりの子ども達が、夢と希望を持って、自分の体より大きなランドセルを背負い、真新しい教科書や文房具を入れて、小学校へ入学します。それからたった半年しか経っていなくても、何かを訴えるような凛とした目で、いじめとは「汚いゴミ箱に入れられること」と答える子どもがいる、それが現在の教育現場の実態です。そんな場面に出会うと、この人生すべてをかけて教育をつくり変えたい!いじめから子どもの心と未来を守りたい!という魂からの疼きがおきるのは、きっと私だけではないはずです。もちろん、その子の保護者も、担任の先生方も、そして、これを今お読みになっている大人の皆さんも同じだと思います。いじめに向き合うことは、“今”という時を生きる大人の“未来”への責任の表れではないでしょうか。出典 :
2016年08月31日お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(52)が、28日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、「いじめ」と「イジり」の違いについて語った。埼玉県の河川敷で16歳の少年が殺害された事件で、16歳の知人をはじめ中学生ら複数の少年が逮捕された。その知人の携帯には、全裸で川を泳ぐよう強制しているような動画が残されていたという。このことが番組内で取り上げられ、ゲストの女優・宮澤エマ(27)は「いじめ」と「イジり」の違いについて、松本らに芸人としての立場からの見解を求めた。松本は「やっぱりそこは笑えるかどうか」と即答し、「でもその笑いって好みで片付けられてしまうことが多いから、すごく悲しい」と肩を落とした。その上で、埼玉の事件は「絶対に面白くないよね、これ。誰が見たって」と断言。自身の番組が「いじめを助長している」と指摘されることがあることを認めながらも、例えば罰ゲームはすべての人間が対象となるなど「平等性」があることを主張する。相方・浜田雅功(53)が「いじめっ子」のイメージがあることに触れ、「だからこそ、逆にあいつがいじめられる回も必ずあって」と説明。毎年年末に『笑ってはいけない』シリーズを放送しているが、「そういうところでバランスはとっているつもりなんですけどね」と語っていた。
2016年08月28日親であれば1度や2度、悩んだことがあるかもしれない子どものいじめ。文部科学省はこのほど、全国の小中高校、特別支援学校を対象にしたいじめに関する調査の結果を発表し、平成26年度の調査において認知件数が過去最多の18万8,057件にのぼったことが明らかになった。このうち、小学校での件数は初めて12万件を超えたほか、件数としては減少したものの、表面化しづらいネットいじめについても指摘されている。この問題について自治体はどのように捉えているのか聞いてみた。○低年齢化進むいじめ、潜在的なネットいじめも「予断を許さない」今回の調査は、全国の国公立、私立の小中高特別支援学校を対象に行われたもの。平成26年度に認知されたいじめの件数は前年度より2,254件増加し、児童生徒1,000人あたりの認知件数は13.7件となっている。中でも注目すべきは小学校で認知されたいじめの件数だ。前年度は11万8,748件だったものが、12万2,271件と12万件を超え、過去最多の数字となった。一方、「パソコンや携帯電話等で誹謗(ひぼう)中傷や嫌なことをされる」という、いわゆるネットいじめの件数については昨年度から890件減り、7,898件となった。しかし同省の担当者は「SNSなどのクローズな環境でのいじめは把握できていない可能性があるため、予断を許さない」とコメント。さらに小学校で認知された「ネットいじめ」の件数は増加傾向にあるという。○東京都では小学生のネットいじめが3割増 - SNS上のいじめ目立つネットいじめの低年齢化が顕著にみられる結果が出たのが東京都だ。公立の小中高特別支援学校で認知されたいじめの件数は8,397件と前年度より13.0%減と全体では減少に転じたが、小学校でのネットいじめの件数は前年度の1.3倍に増えた。ネットいじめの特徴について東京都に聞いてみると、「SNS上でのいじめが目立つ」と指摘。都が独自に行った調査で、無料アプリを使う上で嫌な思いをしたことなどを聞いてみると、最も多かった回答は「悪口・デマを書かれた、見た」だった。次いで「グループ外しにあった」「全く知らない人からのメール・電話」「写真などの個人情報を載せられた」などが続いている。都では、「ネットに接する前から教育をする必要があるが、啓発が追いついていない」として、今後対策を検討していくという。保護者への要望として、「インターネットに接続する機器を利用する時間や場所のルールを家族で話し合ってほしい」と話した。子どものネットいじめに詳しいITジャーナリストの高橋暁子氏によれば、都の調査と同様に「グループ内で悪口を言う」「SNSのグループから外す」「いじめの対象者の恥ずかしい写真や動画をグループ内で共有する」といったいじめのケースが横行しているという。また被害の特徴として「帰宅しても逃れられず、転校しても転校先の子どもに恥ずかしい写真などが転送される。結果として延々といじめられることになる」と指摘。24時間いつでもつながり、コピーや拡散が容易なインターネットを使ったいじめは、被害のダメージも大きいそうだ。なぜ、ネットいじめの低年齢化が進んでいるのか。そしてどのようにすれば、いじめの予防・早期発見が可能になるのか。後編でご紹介する。※画像と本文は関係ありません。
2015年11月05日アディッシュはこのほど、ネットいじめ対策事業「スクールガーディアン」導入校を対象に、スマホでいじめの匿名通報ができる新サービス「Kids’ Sign(キッズサイン)」の無料提供を開始した。「スクールガーディアン」は、同社が子どもたちをネットトラブルから守るために立ち上げた事業で、総計3,800校が導入(2015年11月現在)。子どもたちのネットへの書き込みを見守り続けることで、子どものネット利用実態を把握し、先生が生活指導上で活用できる情報を提供している。政府の2014年発表統計調査では、小学生~高校生までのスマートフォン所持率は56.8%で、高校生では約8割が所持していることがわかった(※)。あわせてSNSやコミュニケーションアプリの普及が進んでおり、いじめが生じる場面がリアルな場所から、子どもたちが常に所持しているスマホへと変わりつつあるという。特にコミュニケーションアプリで行われるいじめは人目に触れることなく、時間に制限もないため、いじめを受けている生徒は1日中恐怖から逃げることができない。そこで、クローズドな場所で行われるいじめの実態を把握し、解決に導くため、子どもたちがいつでも匿名でいじめを通報できる新サービスをリリースしたとのこと。新サービスでは、子どもたちが「いじめられている」「いじめを見た」といった情報を、いつでも匿名で通報できる。同社スタッフは、生徒の投稿をチェックして学校に報告。これまで学校で定期的に行われる従来の紙アンケートとは異なり、いじめの情報をリアルタイムにキャッチできるため、いじめの早期発見につなげることができるという。書き込まれた情報は、各学校、各教育委員会の個人情報保護の方針にのっとって対処するとのこと。同サービスは、本年度契約740校に無料提供しているが、今後、先行導入校の声をもとにサービスを改善し、2016年4月以降は正式版として有償提供する予定だという。(C)2015adish Co.Ltd.All rights reserved.※「平成25年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」による (2014年2月内閣府発表)
2015年11月04日近年、日本では学校でのいじめ問題が取り上げられることが多くなりました。子どもがいじめを苦に自殺するケースもあり、学校の対応が問題になることも。しかし、いじめが問題になっているのは日本だけではありません。イギリスの調査では、45%の子どもがいじめ被害にあい、70%はいじめられたあとに自分の見た目を変えようとし、24%は自殺を考えたといいます。『Daily Mail Online』で紹介されている、イギリスのいじめ事情を見てみましょう。■9~17歳の子どもの45%がいじめの被害者今回は「ダイアナ・アワード・チャリティー」が、いじめ対策に取り組んでいる1000以上の学校で、9歳から17歳の子ども、合わせて1,865人に調査を行いました。その結果として判明したのは、45%の子どもたちが日常的ないじめにあっているという事実。しかも24%は、いじめの標的になって自殺を考えたといいます。半数以上の児童がいじめのせいで憂鬱な気持ちになっているようです。■子どもが幸せではない、学校に集まる批判専門家たちは今回の結果を非常に心配し、学校はこの問題に対して十分な対策をしていないと述べています。ダイアナ・アワードのいじめ対策キャンペーンの代表であるアレックス・ホルムズ氏は、幼い子どもたちが11,000時間を教育に費やしていることに触れながら、「今回の調査は学校が子どもたちを安全で幸せな状態にすることができていないことを示しており、子どもが自殺を考えているということは受け入れがたい状況だ」と語っています。■インターネットの匿名性でいじめが深刻化現代のいじめは、自宅すらも安らげる場所でなくしてしまいます。いじめ被害者たちは匿名のソーシャルメディアを通じ、自宅にいながら追い詰められてしまう可能性があるからです。インターネットのせいで、学校の終わりがいじめの終わりではなくなっています。学校が終わっても続くいじめは、インターネット上での匿名性によって深刻化することがわかっています。ホルムズ氏は、「いじめはオンラインで続いていることがわかっています。インターネットは多くの目に触れ、しばしば匿名なので、いじめは増幅していきます」と語っています。学校では直接いじめられ、家に帰ってからはFacebookやTwitterなどのソーシャルメディア上にまで広がったいじめに悩まされている状況に対して、ホルムズ氏は警告を発しているのです。■いじめで自分の見た目を変える子どもたちさらに、いじめの影響は続きます。70%の子どもたちは、いじめられる恐怖から、自分の見た目を変えようと試みているというのです。10代の子どもたちは同級生たちに合わせなければというプレッシャーを感じています。髪を切ったり、ダイエットをしたり、メイクをしたりという涙ぐましい努力をしています。■大人になってからも続く、いじめの悪影響今回の調査では生徒の半数以上が、いじめのせいで落ち込んだ気持ちになったと報告しています。このいじめられたという経験は、被害者の人生につきまといます。いじめられた子どもは自尊心が傷つけられ、人と関係性を築くのが難しくなったり、就職に問題が起きたりすることが報告されています。事実、調査に協力してくれた578人の大人のうち、半数は若いころに悩まされたいじめは、まだ自分の人生に影響を与えていると言っています。*イギリスのいじめ調査では、衝撃的な数字が浮き彫りになりました。オンラインでのいじめが出現したことや、見た目を変えようとする点には日本と共通する点がありますね。子どもたちが学校でも家でも幸せに安心して過ごすためにはどうしたらよいのか、真剣に考える必要がありそうです。(文/スケルトンワークス)【参考】※Nearly half of all school pupils say they get bullied every day and a quarter have felt suicidal because of the way they are treated-Daily Mail Online
2015年09月18日学校の子どもだけの問題ではなく、当然ながら職場にもいじめは存在します。イギリスのニュースサイト『Mirror』より、職場いじめに関する調査結果をご紹介しましょう。■いじめを受けたことがある人は37%イギリスの弁護士事務所『Slater and Gordon』が労働者2000人にアンケートを行ったところ、いじめを受けたことがあると答えた人は37%。そして21%の人はいじめを受けているところを見たと回答しました。なお、ここでいういじめは、怒鳴ったり、乱暴に押したり、強要したり、脅迫的な行為するなどを含みます。■仕事を失う可能性が怖くて言えない職場では厳しい締め切り、性格の不一致による衝突、社内の駆け引きなどによりストレスが高まることがあります。しかし、いじめにたいしてなんらかの行動を起こしたと答えた労働者はわずか48%でした。10%の人は「不満をいうことで仕事を失うのでは」と心配し、23%の人は「なにかをいうことは自分の責任ではない」と考えていたといいます。加えて33%の人は、「いじめのことはとてもいいにくいと思っている」と答え、26%の人たちは「職場の文化の一部だと思っている」と明かしたそうです。また、仕事仲間が罵るところを目撃した人は52%におよび、いじめる側が仕事仲間に意図的に恥をかかせたところを見たという人は25.3%となりました。最悪なことに、5%の人は仕事仲間の間での身体的な暴力を目撃したといいます。また労働者の21%は、いじめにより涙を流したことも明らかになりました。悲しい現実ですね。■職場いじめの解決策は直接言うこと弁護士のクレア・ドーソさんは、いじめの大半は、暴言や脅しのようなかたちでやってくるといいます。「それらはよく同僚間の気さくな会話として片づけられてしまいます。しかし、職場は侮辱的言動を受ける場所であってはならないのです」とも。さらに「私たちの調査により、目撃したのになにもしない人が多いことがわかりました。自分のポジションを心配し、自分の身を危険にさらしたくないからです。それに、雇用主が問題についてどう対応するのかもわかりませんからね」といいます。いじめを目撃しても、自分の立場を考えて見ぬ振りをしている人も多いということ。クレアさんは解決策として、直接やめるようにいうか、マネージャーに相談することを勧めています。決していじめはあってはいけないことなのです。いじめ行為は社会人になっても経験する可能性がありますが、悩んだりすることに時間を費やす必要はありません。もし職場いじめにあったら、上司に打ち明けましょう。(文/椎名恵麻)【参考】※Bullying witnessed by nearly six in 10 people at work, new survey claims-Mirror
2015年09月05日掲示板に顔写真をさらされ卑猥な書き込みをされたり、ネット上で複数の人から誹謗中傷を受けたり……。驚くべきことに、こうした人権侵害(いわゆるネットいじめ)が2014年、前年の671件を大きく上回り、957件も発生していたと、法務省が発表しました。なんと、前年比42.6%増!しかも、この数字は氷山の一角。全国の法務局に相談を持ち掛けていないケースも多いでしょうから、実際の数はその何十倍にもなると見られています。そこで今回は、大人のネットいじめの実態を明らかにするべく、30代男女300人にネットいじめ経験の有無を調査してみました。すると、実に5.6%の人からネットいじめを受けたことがあるという答えが返ってきたのです!これは約20人に1人の割合。学校のクラスでいえば、1クラスに1人か2人は被害に合っていることになります。しかも、意外や意外。ネットいじめを受けたことがある人は、女性より男性のほうが断然多いこともわかったのです。女性は3%なのに対し、なんと男性は14%!約5倍も多いではないですか!世の中では、圧倒的に少女がネットいじめで自殺やら悩みやらが話題になっているのに、調べたら大人では男性が多かったなんて、ビックリですよね。なぜ、男性のほうがネットいじめにあうのでしょう?今回の調査では、その理由を解き明かす最新事情が判明しました。以下で詳しく見ていきましょう。■大人の男性が被害に合う衝撃的な理由3つ男性に限っていえば、男性が持つ気質や心理がネットいじめに深く関わっていることが明らかになりました。(1)男性は和を乱す奴が嫌いだから男性は仲間意識が強いため、LINEグループなどで誰かひとりが変わった言動を取ったり、たとえ軽度であっても批判めいた発言を言ったりすれば、それらはイコール、集団を乱すことを意味します。そのような人をネット上で仲間外れにすれば、集団を守り、ほかのメンバーとの連帯を深めることができますよね。それで、“調和を保つ”という正義の名のもとに、男性同士のネットいじめが増殖するわけです。(2)男性はケンカが好きだから男性は女性よりも攻撃的で暴力的。ネットの世界でも黙ってはいられないのが男性のほう。相手が気に入らない、カチンときたとなると、激しく攻撃します。その腹いせとして、ネット上にあることないこと書かれたり、個人情報をバラされたりというネットいじめが起きてくるのです。(3)男性はプライドが高いだから今回の調査では、有能性の証明欲求が強く、プライドが高い男性がいじめ被害を訴える傾向があることもわかりました。「社内メールで晒し者にされた」「努力を無視された」など正当に評価されない事態をプライドが許すはずはありません!そういった現実から逃避するため、「自分はいじめられている」、つまり被害者だと思ってしまうのです。■大人の女性が被害に遭うのは負の感情から『いじめから子供を守ろうネットワーク』調べでは、18歳未満のネットいじめの被害者は約99%が女子!多くの少女がネットいじめで悩み、自殺に追い込まれたりしているのに、大人の世界ではネットいじめ被害者は男性のほうが多いわけです。それでは、大人の女性が受けるネットいじめにはどんな特徴があるのでしょうか。今回の調査では、ネットいじめに合ったことがあると答えた女性はわずか3%でした。しかし、それ以外の人でも、はっきりと「ネットいじめを受けた」という認識はないものの、「思い当たるふしはある」「気づいていないだけかも……」と、いじめの気配をうっすら感じている人が多かったです。女性が受けるネットいじめは、嫉妬にかられて悪口を書くなど、相手の感情的なこじれが原因で発生します。例えば、「自分は試験に合格、女友達は不合格となってしまい、その日からネットいじめがはじまった」という人もいました。「つらつらとでっち上げの悪口を書かれ」、挙句の果てには「あの人には裏切られた!」など、怨念を飛ばすようなレベルに。怖いですよね……。もしネットいじめの被害に合った場合には、しかるべき対処をすることが大切です。『NEVERまとめ』の「【ネットいじめ】ネット上に自分の個人情報が!?でも削除依頼ってどうやるの?」には、ネットいじめを受けた際、書いた人間を特定したり、書き込みの削除依頼をする方法が詳しく紹介されています。掲示板やSNSで誹謗中傷されたのであれば、その運営者(管理人)に書き込みの削除を求めることができる、とのこと。自分から削除を求めることが難しい場合は、法務局か警察のサイバー犯罪窓口に相談するという方法もあります。SNS、LINEなどのツールはたしかに便利ですが、反面、闇があるのも事実。自分が気をつければ完全に防げるというものではありません。しかし、せめて自己防衛の意味を込めて、情報の公開には十分に注意を払いたいですね。(文/虫本ハギー)【調査概要】調査方法:インターネットリサーチ『簡単アンケート』調査期間:2015年2月25日(水)調査対象:全国30代の男女300名【参考】※【ネットいじめ】ネット上に自分の個人情報が!?でも削除依頼ってどうやるの? -NAVERまとめ
2015年03月31日○トラブルの主戦場は、裏サイトから一般のコミュニティサイトに友人や教師のうわさ話、誹謗中傷などが掲示板に書き込まれ、5、6年ほど前に「ネットいじめ」として社会的問題にまでなった「学校裏サイト」。だが、最近はあまり話題にのぼらなくなった。しかしその理由は、学校内の悪意ある情報をネット上に流通するケースが減少するなど、ネットを介してのトラブルが沈静化してきているからではない。むしろ今は、かたちを変えて拡大する傾向にあり、問題はますます深刻化している。特にトラブルが起きやすいのが、SNSなどのコミュニティサイトだ。子どもでもSNSサイトを気軽に使えるようになったことで、実社会では親交のない人との接点も増えてきている。さらに、最近ではスマートフォンの普及により、誰でもリアルタイムに動画配信等を行えるようになっているのも、子どもがトラブルを起こしたり、トラブルに巻き込まれたりするリスクを高めている。ネット上のトラブルの代表的なものが、いわゆる「炎上」である。スマートフォンで撮影した動画や画像を簡単にSNSサイトなどにアップできてしまうことから、思わぬ経緯で人々の興味を引き、炎上を招くケースが増えているのである。こうした事態に対し、授業の中で安全なネット利用の方法について触れたり、専門家を招いてネットの安全利用に関する教室を開いたりと、啓発活動に取り組む学校も増えてはいる。しかし、高校生にもなれば普通のセミナーでは興味を示さなくなってくるため、何かしらの工夫も必要となるようだ。「実際に起きたトラブルの事例など、身近な話題を出しながら説明してほしいという依頼も増えています」とコメントするのは、企業のレピュテーション対策などを手がけ、全国の学校で児童・生徒向けのセミナーなども展開しているピットクルーで、経営企画管理部 新事業企画開拓課長を務める齋藤良和氏だ。○7割近い保護者が、自治体や学校の啓発活動に期待マイナビニュースはこの夏、子どもを持つ保護者の会員244名を対象に「子供のネット利用に関するアンケート」を実施した。その結果を見ると、トラブルを未然に防ぐために、自治体や私立学校が専門家に依頼し、見守りや啓発活動を行うことの必要性を感じている保護者の割合は7割近くにも達することが判明した。そして、子どもがネットトラブルに遭うなど困った時に相談できそうな人が身近にいないとする保護者も6割の割合を超えているのだ。さらに、実際にトラブルに遭った際の対処法を事前に子どもと話し合っているか?という質問に対しては、7割以上の保護者が話し合っていないという。この結果に対して齋藤氏は次のような見解を示す。「保護者の方々は、子どもがスマートフォンなどを使って何をしているのか把握しきれずに不安を抱いているものの、具体的にどのような対策をすればいいのかわからない、という状況に置かれているのでしょう。今はスマートフォンを使ってなんでもできてしまいますから、リスクも大きくなります。それに、子どもがスマートフォンを持っているのに対して、保護者の方はガラケーのままというケースも多く、リテラシーにギャップが生じている点も対策が難しいと感じさせている要因でしょう」このようなギャップにより、どうしても保護者は最新のネット事情についていけなく、苦手意識を持ってしまいがちになる。すると、“子どもが大丈夫と言っているから”と、とりあえず何もしなかったり、そもそもネットで何が危険なのかを具体的に説明できなかったりと、子どもに安全なネット利用法を保護者だけで教えることはますます困難になってしまっているのだ。○全国10,000校以上の実績があるスクールネットパトロール2008年よりピットクルーが展開している「スクールネットパトロール」は、教育委員会からの委託による27自治体、公立私立学校を含めて10,000以上の学校での実績を誇る。契約ごとに“ネットパトロール”の専門スタッフが付き、日々検索などを行いながら、状況をまとめて管理者に報告するとともに、怪しげな兆候が見られれば迅速に対応する体制が整っているのである。「自動的にネット上を巡回するシステムもありますが、それだけでは新たに登場するサイトや、子ども達の使うネット用語の変化についていくことができないため、現状はナレッジやガイドラインをもとに目視を中心に対応した方が効果的です」と齋藤氏は語る。スクールネットパトロールのサービス内容は大きく3つからなる。まず1つ目が、インターネット利用実態調査だ。子どもたちがどのようにネットを利用しているのか、その実態を定期的なレポートにまとめ、各自治体の教育委員会や私立学校などへ提出しているのである。調査には過去5年間の活動で培ったノウハウが生かされており、システムと人の目線の双方による監視体制を整えている。もし自殺や事件に巻き込まれそうな兆候を発見した場合には、各教委に対して緊急連絡を行う。実際過去に、ネットに投稿された内容から自殺の兆候を見抜いて学校に報告し、最悪の事態を未然に防いだ事例などもあるという。2つ目は、学校向けサポートサービスである。これには、トラブル対応の相談窓口、ネットトレンド情報提供といったサービスが含まれている。トラブル対応窓口では、問題が発生した場合の問い合わせや対応策について、これまでの経験と実績を生かした適切なアドバイスを提供している。「学校や家庭でトラブルの未然防止にも利用していただけるように、子ども達への指導に役立つ情報を提供することを心がけています」(齋藤氏)そして3つ目が、啓発活動である。これまでネットパトロールを通じて培ったノウハウやこれまでの対応実績をもとに、教職員や保護者、子ども向けのセミナーの実施、それにネットパトロール調査マニュアルや啓発リーフレットの提供も行っている。「全国のネット利用状況を分析したデータが蓄積されているのに加えて、学識経験者、学校関係者、保護者との連携も行っているので、より効果的な情報提供が可能となっています」(齋藤氏)ネットには危険が多いが、それ以上に役立つこともたくさんある。子どもたちに対しては、ただネットから遠ざけるのではなく、より安全に使えるように教育したり、環境を整えたりすることが今後ますます求められるようになるだろう。そのためには、自治体や学校、通信事業者、そして保護者がそれぞれの役割を果たしつつ連携しながら、子どもたちを見守ることができるような社会を築いていく必要があるだろう。調査時期:2014年8月22日~2014年8月28日調査対象:マイナビニュース会員子どもを持つ保護者限定調査数: 244名(男性129名、女性115名)調査方法:インターネットログイン式アンケート
2014年09月29日