名作『ピーターパン』の小説版をウェンディの視点から翻案。『ウェンディ&ピーターパン』として上演された舞台は、目の肥えたロンドンの観客たちを魅了した。そしてついに日本版の上演が決定。ロンドン版同様、演出をジョナサン・マンビィが担う。そこでタイトルロールのウェンディを演じる、黒木華に話を訊いた。演出のマンビィとの舞台づくりは、16年の『るつぼ』で経験済みの黒木。当時を振り返る口調は、マンビィへの厚い信頼に溢れている。「すごく丁寧で、役者それぞれのいいところを見つけて、引き出してくれる。物語が広がっていく感じが、とても楽しくて。当時からまた一緒にやりたいですねと話していたので、ジョナサンにとってとても大事なこの作品で、再びご一緒出来ることが本当に嬉しいです」黒木演じるウェンディが、ダーリング家の長女であることは原作と変わりない。しかしその描かれ方は大きく異なる。「稽古をしている中でウェンディは、家族に大きな影響を与える存在だと感じています。壊れかけた家族を自分がなんとかしないといけないと思っている。ネバーランドに行き、その問題をどう打開していくのか。それがこのウェンディを演じる上でのテーマだと思っています」そんなウェンディにとってピーターパンとは、どういった存在なのだろうか。「ウェンディの想像の中の登場人物なのかなと思います。だからピーターは、ウェンディが理想とする、魅力的な男の子なのかなと。ロストボーイズたちに『お母さんになって』と言われた時に、『(私がお母さんなら)あなたはお父さんになってくれるでしょ?』と駆け引きしたり。そのやり取りがすごくかわいらしく、面白いなと思いました」作家のエラ・ヒクソンが本作を書き上げたのは28歳の時。そんな若い視点が、この古典とも言える名作に、新たな疑問を投げかけている。「女性の社会的な立場や成長に、作家のエラさんが注目されているのを感じます。ある男の子が恋に落ちる瞬間、相手の女の子がアイロンがけをしている姿が目に浮かぶ、というシーンがあるのですが、そのことに疑問を持たない方もいるわけですよね。女性がアイロンがけをするものだと。またウェンディのお母さんは、母親であると同時に、自分が社会の中でどう生きていくか模索する姿が描かれています。そういったところがこれまでの『ピーターパン』にはない、興味深い点だと思います」取材・文:野上瑠美子
2021年08月16日ウェッジウッド(WEDGWOOD)の「ピーターラビット」シリーズから新作アイテムが登場。ウェッジウッド「ピーターラビット」シリーズ新作ウェッジウッドの「ピーターラビット」シリーズは、世代を超えて愛されるベストセラー絵本『ピーターラビットのおはなし』の物語を投影した愛らしいテーブルウェア。新作は、高い堅牢性を誇るファイン ボーン チャイナを用いた3ピースセットとマグだ。いずれもブルーとピンクの2色で展開される。プレートやマグには、ビアトリクス・ポターによるイラストをベースに、絵本の言葉を添えて、ピーターと妹たちが生き生きと愛らしく描かれている。優れた強度を持つことから、子供の成長を見守るテーブルウェアとしても最適。出産祝いや初節句のお祝いにもおすすめしたい。【詳細】ピーターラビット 3ピースセット ブルー/ピンク 各12,100円ピーターラビット マグ ブルー/ピンク 各4,400円発売日:2021年8月~取り扱い:全国のウェッジウッドショップと公式オンラインショップ※「ピーターラビット」は商標登録されている。
2021年08月07日チェコスロヴァキア(現・チェコ共和国)出身で、アメリカを代表する絵本作家ピーター・シス(1949~)の日本では初となる展覧会が、9月23日(木・祝)より練馬区立美術館にて開催される。シスの創作活動の軌跡は、故郷チェコでその才能が開花した映像制作にはじまり、アメリカへ移住後、雑誌や新聞、書籍へのイラストレーションの提供、そして絵本の創作へと途切れることなく続く。その芸術活動への意欲は、幼い頃から抱き続けた自由に描くことや表現することへの喜びと情熱に裏打ちされていた。 1987年から30作以上の絵本を生み出し、『三つの金の鍵魔法のプラハ』、『星の使者ガリレオ・ガリレイ』など、日本でも多くの作品が翻訳されている。同展では、代表作の絵本原画やシスの創作活動の原点であるアニメーション作品を中心に、オブジェや構想メモ、スケッチ、日記など様々な作品や資料を含んだ約 150 点を通して、シスの芸術を俯瞰。シスと同郷のミロス・フォアマンが監督をつとめた映画『アマデウス』のポスターをはじめ、シスが手掛けたチェコと関係の深い作品も紹介する。《『飛行士と星の王子さま: サン=テグジュペリの生涯』原画》 2014年 (c)Peter Sis, 2014《『かべ鉄のカーテンのむこうに育って』原画》 2007年 (c)Peter Sis, 2007《『オーシャンワールド』原画》 1992年 (c)Peter Sis, 1992《『星の使者ガリレオ・ガリレイ』原画》 1996年 (c)Peter Sis, 1996【開催概要】『ピーター・シスの闇と夢』会場:練馬区立美術館会期:2021年9月23日(木・祝)~11月14日(日)開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日料金:一般1,000円、高校・大学生および65~74歳800円公式サイト:
2021年07月29日日本公演40周年を迎える、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』が2021年7月22日よりめぐろパーシモンホール 大ホールで開幕した。今回、フック船長/ダーリング氏役で出演する小西遼生と、ダーリング夫人役の瀬戸カトリーヌに、作品の見どころはもちろん、互いの印象などを仲睦まじく語ってもらった。――現在のお稽古の状況を教えていただけますか。小西:稽古は順調です!毎日、笑い声が響き渡っています。(演出の)森さんを中心に、この作品を良くしようと奮闘しております。――瀬戸さんは製作発表のときに「本役よりも力を入れてらっしゃる役がある」というお話をされていました。瀬戸:そうなんです。「ダチョーン」!小西:(昭和のギャグの)「ガチョーン」みたいに言わないで(笑)。瀬戸:はい、ダチョウの役もやることになっていまして。先週も今週も、ダーリング夫人よりもダチョウの役の方に時間を割いています(笑)。どんなダチョウになるのか、期待していてください。小西:そうですね。夫のダーリング氏役である私から見ても、今の瀬戸さんは完全にダチョウの方に力を割いています(笑)――瀬戸さんのダチョウ役、とても楽しみです(笑)。改めてこの『ピーターパン』という作品の見どころや、なぜ愛され続けているのかを教えてください。小西:芝居としても、まずすごく良い戯曲ですよね。演出家によって、色を変えることができて、幅広い人に楽しんでもらえるから。森さんも稽古初めに言っていましたけど、全シーンが見どころなんです。これはもう原作者のバリさんが、子どもの頭の中でしか発想しえないような世界観を描きつつ、それを客観的に見ているバリさん自身の大人の観点も入っていて。それが、大人が見ても子どもが見ても、しかも何回見ても楽しめる理由なのかなと思います。瀬戸:やっぱり音楽が素晴らしいなと思って。ミュージカルは見終わった後に、何か口ずさめるものが名作と言われると思うんですけど、『ピーターパン』は、「クックゥー!ククー!」とか言いたくなりますよね。小西:びっくりした、突然大きな声出したから(笑)。瀬戸:ごめんなさい(笑)。そういう、ついつい口ずさみたくなるような名曲がそろっていることが魅力の一つだと思います。私は過去に2回出演させていただいていますが、演出家が変わる度に、同じ作品とはいえ、セットから何から違うものになりますよね。ピーターパンのイメージ像も演出家によって各々違うので、その違いが面白いなと思います。今回の森さんの演出は、すごくその想像力をかきたてる演出。映像技術などに頼らず、人間が作る舞台だからこそできる表現が多いと思うので、最終的にどんな出来上がりになるのか。私自身も楽しみですね。――何かまた「新作」に取り組んでるような感覚なのでしょうか。瀬戸:そうですね。だって過去にダチョウが出てきたことありました?小西:いや、世界初でしょうね。お母さんのダチョウは(笑)瀬戸:あ、それからピーターパンとフック船長の歌が初演ぶりに復活するんですよね。すごくチャーミングな曲で、面白い仕上がりになってます。お母さんとお父さんがうるさくなる可能性があります・・・――それぞれが演じられる役の見どころを教えてください。小西:僕は最近、原作者のバリさんのことをいろいろ調べているんですけど、フック船長は初演が明けて、しばらく経ってから、関係者みんなが「これはもうけ役なんだ」と気づいたらしいんです。フック船長という役は、もちろん映画によっては主役になるような有名なキャラクターですけど、ピーターパンという絶対的な存在のキャラクターがいて、その、ある意味兄弟のような部分もあり、でもやっぱり敵同士であり、もっというと、子どもが想像で作ったという抽象的な部分もあり。かなりポテンシャルが高い役なんです。なので、役者自身としても、やりどころが多いです。ピーターパンと表裏一体の部分が、とても魅力的ですね。瀬戸:光と影みたいですね。私もやってみたいです、フック船長(笑)小西:あはは、確かにちょっと見てみたい(笑)――瀬戸さんはダーリング夫人役についてはいかがですか?瀬戸:ウェンディを演じた経験もありますが、改めて母親としてのダーリング夫人を演じて感じるのは、帰ってくる場所がある、帰ってくるのを待つ人がいるというのは、すごく素敵だなということ。母としてこの作品を見ると、子どもが行方不明になって、もしかしたら戻ってこないかもしれないという状況ですから、非常に切ない気持ちになるわけです。なので、お客様が親子で見に来られたときは、親子で感じることが全然違うでしょうね。それも面白いポイントです。英国のキャサリン妃をイメージしながら、大地のように温かいお母さんを演じられたらいいなと思っています。――取材の段階からおふたりのコンビネーションの良さが伝わるのですが、お互いの俳優としての印象を教えてください。小西:僕はひと言で言えます。ひょうきんです(笑)。ムードメーカーですし、今回に関して言うと、『ピーターパン』という作品をよく知っている頼もしい方でもあって。いるだけで、ちょっと安心感がある存在です。瀬戸:そんな! すごく嬉しいです、頼ってます!小西:……ただ、お母さんとお父さんがちょっとうるさくなる可能性があります(笑)瀬戸:確かに。お父さんの蝶ネクタイがなかなか結べないのが、今、一番心配です(笑)小西:そうそう、そういう感じで、笑いどころではないシーンで笑いが起きる可能性を秘めています(笑)――瀬戸さんは小西さんに対してどのような印象をお持ちですか?瀬戸:とにかく優しんですよね。大きい器で私を受け止めてくれています。それに、小西さんはお芝居から歌への入り方がとても自然で、上手な俳優さんだと思います。歌になると急に変わる人がいるけれど、小西さんは、喋る声と歌の声が同じ。簡単に出来そうで、出来ないことだと思います。他にもいろいろ魅力はあるのですが、とにかく器用で頭がいい役者さんだと思います。吉柳咲良は本物のピーターパンに会わせてくれる稀有な役者――ピーターパン役の吉柳咲良さんについてはどうでしょう?小西:めちゃくちゃかわいい!初めて彼女と共演するので、今回の姿しか知らないですけど、今の咲良は多分、人生で一番かわいいと思う。僕が一番最初に彼女に会ったのは、扮装での撮影のとき。なので、最初からピーターパンの格好をしていたのですが、そのとき僕は「本物のピーターパンに会えた」という気持ちになって。ピーターパンをやるには、いろいろな要素が必要で、テクニカルなことも求められるのですが、まずピーターパンになれる素質があるかどうかがすごく大事じゃないですか。咲良にはその素質があると思います。森さんの演出はすごく細かいので、今役者全員で戦っていますけど、毎日、咲良は進化している。吉柳咲良ではなくて、ピーターパンとして存在していると思える瞬間が今回たくさんあります。本物のピーターパンに会わせてくれる稀有な役者ですよ。瀬戸:会ったときから、何か出来上がってる感じでしたね(笑)。年齢を聞いたら、なんと17歳!17歳なのに、本当にしっかり歌えるし、頼れる座長ですよ。咲良ちゃんが森さんと出会ったことで、より女優としてステップアップしていく様子が稽古を見ていると分かります。きっと今までのピーターパンとはまた違う、無邪気だけれども残酷さも持ち合わせたピーターパンを細かく作れていると思います。稽古場以外のところでは、かわいらしい17歳の女の子。K-POPが好きで、よくダンスを踊っています。小西:それから、何より声がいいですよね。本当に鐘がなるような歌声で、澄んでいる。あの声は持とうと持っても、なかなか持てるものではないです。――改めて観劇を楽しみにされてるお客様に一言お願いします!小西:今とにかく僕らが皆さんに伝えたいのは、皆さんに観てほしいということです。この作品は、特に子どもはもちろん、幅広い世代に見ていただけると思います。東京公演のみですが21年ぶりに生のオーケストラで上演されるので、その点も注目ポイントです。毎回違う演出で、新しいものが見られるという魅力もありますが、一方でやっぱり40年間に渡って育ててきた作品でもあると思うんですよね。どんどん作品は深まっていくものだと思うし、特に4度目の出演となる咲良が過去最高のピーターパンを見せてくれると思うので、ぜひたくさんの方に来ていただきたいです。瀬戸:このご時世、舞台に出させていただけることがまず、すごく幸せです。この『ピーターパン』という作品は本当に想像力をかきたてる作品。想像力って、ダチョウなどの動物にはなくて、人間だけが持ってる宝だと思うんです。想像力や夢がたくさん詰まった世界をぜひこの夏、楽しんでください。劇場で待ってるよー!取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年07月26日日本公演40周年を迎えるブロードウェイミュージカル『ピーターパン』の東京公演初日を控える7月21日、会場となるめぐろパーシモンホール 大ホールで取材会が行われ、ピーターパンを演じる吉柳咲良が出席した。昨年はコロナ禍の影響で中止となり、同公演に出演するのは2年ぶり。それだけに「待ちに待った初日なので、すっごくワクワクしています。緊張もしていますが、とても楽しみ」と満面の笑み。10代目ピーターパンとして4度目のタイトルロールに臨むが「4度目だからというより、今年はゼロから新しくなったという意識が強くて、私自身も初心に帰った気持ちでやっていこうと。自分の中の限界を決めず、1年目よりも緊張した状態で稽古しました」と新たな気持ちでの“リスタート”を語った。“名物”である客席フライングについては、「あー、こんな感じだったなと、懐かしい感じもしました。年齢を重ねるうちに、フライングが怖くなっているんじゃないかと思ったんですが、まだまだ子どもですね(笑)。純粋に飛んでいるときが一番楽しいです」と声を弾ませた。これまで2点吊りだったフライングが、今年から1点吊りに変更されたといい「体感が必要ですね」と苦労も明かした。昨年の本公演中止に加えて、他の仕事でも休止や延期を経験し「ぽっかり胸に穴が空いた気持ちも」。その分、本公演への思いは格別で「やっぱり舞台に立つって幸せです。こんな大変な状況ですが、カンパニー全体が協力し合って完成した作品。お客様に純粋に楽しんでいただき、面白かったと言ってもらえる『ピーターパン』をお見せするのが責任」と背筋を伸ばした。取材会にはフック船長役の小西遼生、演出を務める森新太郎が同席。小西は初めてのフック船長を演じることになり「今こそ見てもらいたい舞台。早くお客様の顔が見たいですね」とこちらも初日を前に興奮した様子。「衣装合わせで、森さんから『ネバーランドには大人はひとりもいないんだ』と言われて、『じゃあ、フックは?』と。でもフックが一番の子どもかもしれないですね(笑)。すごく自由にやらせてもらっている」とすっかり役柄に入り込んでいた。演出の森は「今までと違って、一見シリアスな場面も、かなり微笑ましい光景に映るはず。ピーターパンとフック船長は宿命のライバルですけど、何というか茶番劇だなと(笑)。そういう戦いを繰り広げている。フックはひげを取ったら、子どもの顔に見えないといけない。それは徹底しました」とテイストの違いを強調。吉柳についても「今までの吉柳とは違う。歴代のピーターパンで、ここまで能天気なのは初めて。こんな浮かれたやつだから、空も飛べるよなって。見事に作り上げてくれた」と本番に期待を寄せた。「大人も楽しめるピーターパン」をコンセプトに21年ぶりとなる生オーケストラ演奏での上演(東京公演のみ)と大リニューアルも敢行し、「久しぶりの生オケ。名曲ぞろいですから、こちらも楽しんでいただければ」とアピールしていた。取材・文・写真=内田涼【公演情報】ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』原作:サー・ジェームズ・M・バリによる作品を元にしたミュージカル作詞:キャロリン・リー作曲:モリス(ムース)・チャーラップ潤色・訳詞:フジノサツコ演出:森新太郎出演:吉柳咲良 / 小西遼生 / 美山加恋 / 瀬戸カトリーヌ / 宮澤佐江 / 他<東京公演>期間:2021年7月22日(木・祝)~8月1日(日)会場:めぐろパーシモンホール 大ホール<神奈川公演>期間:2021年8月7日(土)・8日(日)会場:相模女子大学グリーンホール(相模原市文化会館)<大阪公演>期間:2021年8月14日(土)・15日(日)会場:梅田芸術劇場メインホール<仙台公演>期間:2021年8月21日(土)・22日(日)会場:仙台銀行ホール イズミティ21・ 大ホール<名古屋公演>期間:2021年8月28日(土)・29日(日)会場:御園座チケット情報
2021年07月21日展覧会「ピーター・シスの闇と夢」が、東京の練馬区立美術館にて2021年9月23日(木・祝)から11月14日(日)まで開催される。チェコ出身の絵本作家、ピーター・シスの日本初展覧会「ピーター・シスの闇と夢」は、チェコスロヴァキア(現・チェコ共和国)出身でアメリカを代表する絵本作家のピーター・シスを紹介する日本初の展覧会。ピーター・シスとはピーター・シスは短編アニメーションの制作を始めたことからその才能を広く認められ、西ベルリン映画祭では金熊賞を、トロント映画祭ではグランプリ、ロサンゼルスの映画祭では金鷲賞を受賞するなど高い評価を得た。その才能から、1982年には2年後に開催されるロサンゼルス・オリンピックの映像制作に向けて政府によってアメリカに派遣された。しかし祖国を含む東側諸国がオリンピックのボイコットを表明したため、ピーター・シスはアメリカに亡命することに。ニューヨークを拠点に、新聞、雑誌、絵本などのジャンルを中心に意欲的な創作活動を続けていく中で、ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ年間ベストテンや、パブリッシャーズ・ウィークリーのベストセラーリストの常連となるなどアメリカでの絵本作家としての地位を築き上げていった。古都プラハを描いた作品やサン=テグジュペリの生涯を辿る絵本ピーター・シスがこれまで生み出してきた絵本は30作以上。日本でも多くの作品が翻訳され親しまれている。1994年に発表され、日本では柴田元幸の翻訳によって2005年に出版された『三つの金の鍵 魔法のプラハ』では、自身の少年時代の思い出やプラハの歴史を辿り、美しくも悲しみを帯びた古都を描き出した。また、勇敢な科学者ガリレイの生涯を読み解き、その偉業だけでなく苦悩や困難などにも焦点を当てた『星の使者 ガリレオ・ガリレイ』、ソ連下の故郷で表現の自由を制限された辛い経験や、そんな中にあっても夢や希望を持ち続けた自身の記憶、日記に基づく自伝的絵本『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』なども代表的な作品だ。加えて、2014年には、名作『星の王子さま』の作家であるサン=テグジュペリの生涯を辿り、不朽の名作に新たな解釈を提示した絵本『飛行士と星の王子さま: サン=テグジュペリの生涯』も制作している。ピーター・シスの芸術を俯瞰する作品、資料など約150点会場には、これらのピーター・シスを代表する絵本の原画や、創作活動の原点である貴重な初期アニメーション作品を中心に、オブジェや創作の手がかりとなる構想メモ、スケッチ、日記など様々な作品や資料約150点が集結。また、同郷の監督、ミロス・フォアマンによる映画『アマデウス』のポスターをはじめ、ピーター・シスが手掛けたチェコと関係の深い作品も紹介する。【詳細】ピーター・シスの闇と夢会期:2021年9月23日(木・祝)~11月14日(日)会場:練馬区立美術館住所:東京都練馬区貫井1-36-16TEL:03-3577-1821休館日:月曜日開館時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで観覧料:一般 1,000円、高校・大学生および65~74歳 800円、中学生以下および75歳以上無料(その他各種割引制度あり)※一般以外の方(無料、割引対象者)は年齢等の確認できるものを受付にて提示。※2023年には兵庫・伊丹市立美術館への巡回を予定。
2021年07月10日今年も『ピーターパン』の夏がやってくる!昨年はコロナ禍の影響により上演中止となっただけに、「待ちにまっていた!」というミュージカルファンは多いのでは。ホリプロミュージカルの原点である本作は、今年で日本上演40周年を迎える。世界的に見ても、一つの作品がこれだけ長きにわたって毎年上演され続け、世代性別を超えて人々に愛され続けている例はないだろう。この40年間、数々の気鋭演出家が手がけきたことも『ピーターパン』の特色であり、魅力だ。今回の上演にあたっては、新たに森新太郎が演出を、潤色・訳詞をフジノサツコが担当。美術も大きくリニューアルしたバージョンになるという。さてどんな舞台になるのか?それを探るべく、いざ稽古場へーー。すでに演劇業界では常識となった、入り口での検温、手のアルコール消毒を終えて稽古場に足を踏み入れると、第2幕「夜の海賊船」のシーンの稽古が行われていた。「この世でいちばん悪いやつは」と自らの威厳を誇示して叫ぶのは、小西遼生演じるフック船長だ。それに対して海賊の子分たちが「フック船長!フック船長!」と応えると、どんどん気分がよくなっていくフック。船長をさらに盛り立てるように、海賊たちが「ラッタッター♪」とワルツを踊り出す、という場面だ。演出を手掛ける森新太郎撮影:渡部孝弘振付を担当する新海とともに、演出の森は自ら動いてみながら、よりシーンにふさわしい動作を見つけていく。ここで歌われる「フックのワルツ」は、あらためて聴くとメロディーが美しく歌詞も愉快。屈強な海賊たちが重厚なハーモニーを奏でながら、軽やかなステップを踏むという、ミスマッチに笑いが込みあげるシーンでもある。小西のフックは声色から色気が漂い、立ち姿はかっこよく、と同時に弱さとかわいらしさが垣間見えて目が離せない。左より)フック船長役:小西遼生、ピーターパン役:吉柳咲良撮影:渡部孝弘続いて、稽古は物語の後半、ピーターパンとフック船長たちとの対決に至る前の重要なシーンへ。ピーターパンはウェンディと迷子たちが海賊たちに捕らえられたと知り、タイガー・リリーらと救出へと向かうが…。中央左より)ウェンディ役:美山加恋、タイガー・リリー役:宮澤佐江撮影:渡部孝弘一方、宿敵・ピーターパンをやっつけるまであと一歩だと思っているフック船長は、ウェンディと迷子たちを連れてくるよう、海賊たちに指令を下す。このシーンで最初、迷子たちは全員、手首を縄で縛られていたが、「それ、外してみようか」と森が提案。縄を外された迷子たちを、海賊たちがまるで”もの”のように投げ渡していく動作が加えられた。すると海賊たちの残虐さ、迷子たちの恐怖がより鮮明に。海賊の立ち方ひとつにも「それだと海賊にみえない。むやみな緊張感を与えないと!」と細かにアドバイスを加えていく森。その間、ウェンディは甲板の上に連れられていき、絶体絶命の危機が!?ピーターパン役:吉柳咲良撮影:渡部孝弘しかし、この危機を黙って眺めているピーターパンではない。こっそり海賊たちの様子を伺い、みんなを助けるタイミングを図っている場面では、森から吉柳に「ひょっこり、という感じで出てきて欲しい」と指示が入る。瞬時にそれを受け取って表現する吉柳のピーターパンは、機敏な動きから少年そのもの。ピーターパンが手に持っているのは、フックが恐れる「チクタク」と響く時計だ。その音を聞いて、自分の手を食べたワニの到来と勘違いしたフックは、まるで幼な子のようにおびえはじめる。このギャップが、悪役でありながらフックを誰もが愛してやまない理由だろう。左より)ピーターパン役:吉柳咲良、フック船長役:小西遼生撮影:渡部孝弘そんな船長の姿に怖がりはじめる海賊たち。この間、ピーターはウェンディたちの救出作戦を敢行。フックに「ピーターパン!」と名乗りを上げるシーンでは、吉柳は声色、表情からやんちゃな少年を表現。大人から見てもかっこいい、子どもが見れば憧れる、応援したくなるピーターパンがそこにいた。稽古ピアノが奏でる「ネヴァーランド」をはじめ楽曲を聴いただけで胸踊るのは、やはり名作ミュージカルだからこそ。何より今回稽古場を訪れて感じたのは、森による緻密な芝居づくりだ。稽古の手応えを吉柳と小西に聞いた。ーー吉柳さんは4回目のピーターパン役ですね。稽古はいかがですか?吉柳演出が変わったこともあり、新たな発見がたくさんあります。森さんは何事も明確に言葉で伝えてくださって、「もっと重心を低くして」「ここはジャンプして!」と身体の表現を求められるので、筋肉がついてきましたね(笑)。最初は新演出で、40周年記念公演ということで正直、プレッシャーをすごく感じていました。でもだからこそ、自分の殻を破らないと前進できないなと思っていたのですが、森さんとの稽古を通して、割と早い段階で殻を破れたような気がします。今回は「ピーターパンはこうでないと」と固めずにトライしていきたいなと。まずは自分の精一杯をぶつけて体当たりして演じた時に、私のピーターパンがどんなふうに皆さんの目に映るかが楽しみです。▼これまでの『ピーターパン』上演の舞台映像ーー小西さんは『ピーターパン』初参加ですね。小西舞台は拝見したことがありましたが、その時はファンタジー作品の印象が強かったんです。でもその中に、影のある人間ドラマが描かれていて、ちょっとシリアスなテーマがあったような感じがしていました。今回、フック船長とダーリング氏を演じさせていただくことになり、原作を読みました。あまりに面白くて虜になりましたよね。まだ、稽古全体を見られるほどの余裕はないですが、森さんは原作の戯曲の面白さをすごくしっかり読み解いて作られていて、原作に忠実に作られている気がします。原作にはそれぞれのキャラクターの心情が細かく描かれていますが、今回の上演台本はそれをちゃんと失わずに書かれていて。それをもとに、森さんが人間ドラマの緻密な流れを細かく、しかもテンポよく作られているので、かなりいい作品になっている感じがします。僕自身、フックを演じていてすごく楽しいですね。清々しい表情でそう語る二人は、稽古の手応えを十分感じている様子。稽古場には興味をそそられる新たなセットも用意されていた。果たしてどんな『ピーターパン』が誕生するのか、期待は膨らむばかりだ。取材・文:宇田夏苗撮影:渡部孝弘青山メインランドグループファンタジースペシャルブロードウェイミュージカル『ピーターパン』【東京公演】2021/7/22(木・祝)~8/1(日)めぐろパーシモンホール大ホール【神奈川公演】2021/8/7(土)・8/8(日)相模女子大学グリーンホール大ホールS席:おとな 9,000円/こども 5,500円A席:おとな 5,000円/こども 3,000円(全席指定・税込/こども 3歳~12歳)※3歳未満のお子様は保護者のひざ上観劇が可能です。お子様の頭が保護者の肩の高さを超える場合は有料となります。※感染予防のため、水分補給を目的としたお飲み物以外は会場での飲食は禁止となる予定です。ロビーにランチスペースのご用意はございません。※公演中止の場合を除き、払い戻し、他公演へのお振替はいたしかねます。ご了承のうえ、お申込みください。ピーターパン:吉柳咲良フック船長・ダーリング氏:小西遼生ウェンディ:美山加恋ダーリング夫人:瀬戸カトリーヌタイガー・リリー:宮澤佐江ほか原作:サー・ジェームズ・M・バリによる作品を元にしたミュージカル作詞:キャロリン・リー作曲:モリス(ムース)・チャーラップ潤色・訳詞:フジノサツコ演出:森新太郎
2021年07月09日6月25日(金)放送の金曜ロードショー『ピーターラビット』、そして映画第2弾『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』の公開に先駆けて、ピーターがトマトを盗んだと勘違いされ必死で否定するシーンを切り取った本編映像がシネマカフェに到着した。前作では、マグレガー家の庭の支配権を巡って、無制限野菜バトルを繰り広げていたピーターとマグレガー。それから3年、今作では、ビアのおかげで互いに相手の立場に立って考えることができるようになり、“マグレガーが大切に育てているトマトには手を出さない”という条件で、動物たちは庭に自由に出入りできるように。今回到着した映像では、そんな条件を無視して、トマトを食べようとするアナグマのトミーを発見したピーターが、それを制止する場面からスタート。「昔は盗んでたろ?」と言われるが、それにピーターは「今はシェアしてる」と反論。そして、まるで手品のようにどんどんトミーがトマトを出していく。ピーターは、無事に取り返した大量のトマトを元の場所に戻そうとしていたが、そこをマグレガーに見つかってしまい、「おい!現場を押さえたぞ!」「お前は変わってない!イタズラうさぎめ!」と壮大な勘違いをされてしまう。「誰も自分を分かってくれない」と言わんばかりに、黙ってその場を立ち去り、振り返るピーターの姿がなんとも切ないシーンだ。『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』は6月25日(金)より全国にて公開。金曜ロードショー『ピーターラビット』は6月25日(金)21時~日本テレビ系にて放送。(cinemacafe.net)■関連作品:ピーターラビット2/バーナバスの誘惑 2021年6月25日より全国にて公開
2021年06月23日日本公演40周年を迎えるブロードウェイミュージカル『ピーターパン』が2021年7月22日(木・祝)からめぐろパーシモンホール 大ホールで開幕する。森新太郎が演出を務め、吉柳咲良が、自身4度目となるピーターパン役を、小西遼生が初めて船長・ダーリング氏役を演じる。開幕までおよそ1ヶ月となった6月21日(月)、東京都内で制作発表が行われた。演出の森、出演する吉柳、小西ほか、美山加恋、宮澤佐江、瀬戸カトリーヌが出席。「えばってやるぞ」や「飛んでる」など、作中の5つの楽曲をメドレーにしたパフォーマンスを披露した後、公演に向けた意気込みを語った。演出の森は「窮屈な思いをされている今だからこそ、ピーターパンに誘われて、ネバーランドに遊びに来ていただきたい」と挨拶。そして「このお芝居の肝は、本当にピーターパンがいるんだなと思わせること。こんな元気な男の子がいたら、誰だって嬉しくなっちゃうし、誰だってなんでもできるような気がする。今年は吉柳咲良というピーターパンが、必ずやお客さんを空高く飛ばしてくれると思いますので、どうぞご期待ください」と話した。それに対して、ピーターパン役の吉柳は「プレッシャーをかけられました」と応答しつつ、「約2年ぶりにこの制作発表させていただけることが幸せ」と笑顔で語る。昨年の公演は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、敢なく全公演中止となってしまったが、演出の森から「頭の方まで足を上げるようになる」「高音をきれいに出せるようにする」などさまざまな課題が与えられ、それに応えようと「充実した1年を過ごした」という。フック船長・ダーリング氏役の小西は「稽古の時点で、僕ら自身がすごく楽しんで作品を作っている。森さんの演出は本当に信頼できるので、僕ら自身も楽しんで、細かく一つひとつ作り上げていきたい」と、順調な仕上がりをアピールしていた。会見を盛り上げたのは、ダーリング夫人役の瀬戸カトリーヌ。演出の森から、ネバーランドのダチョウの役をオファーされたといい、「ダチョウは時速70キロ。ウサイン・ボルト氏よりも速い。どうなるんだろう(笑)」と戸惑いを見せながらも、「今は本役よりもダチョウの方に力を入れている」と笑う。そして「想像力を掻き立てる作品で、舞台だからこそできる表現があると思うので、たくさんの人に見ていただきたい」と結んだ。そのほか、ウェンディ役を美山加恋、タイガー・リリー役を宮澤佐江が演じる。東京公演は7月22日(木・祝)〜8月1日(日)、神奈川公演は8月7日(土)・8日(日)相模女子大学グリーンホール(相模大野駅)、大阪公演は8月14日(土)・15日(日)梅田芸術劇場メインホール、仙台公演は8月21日(土)・22日(日)仙台銀行ホール イズミティ21・大ホール、名古屋公演は8月28日(土)・29日(日)御園座。チケット発売中。取材・文・撮影:五月女菜穂ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』原作:サー・ジェームズ・M・バリ作詞:キャロリン・リー作曲:モリス(ムース)・チャーラップ潤色・訳詞:フジノサツコ演出:森新太郎出演:吉柳咲良 / 小西遼生 / 美山加恋 / 瀬戸カトリーヌ / 宮澤佐江 / 他チケット情報
2021年06月22日先月、竜巻映画『ツイスター』の公開から25年が経った。竜巻に極限まで近づき観測を行う研究者夫妻の妻役を演じたヘレン・ハントが、昨年あるスタジオに続編の企画案を提出するも却下されたことを明かした。先日、自身が出演するドラマ「Blind Spotting」(原題)のプロモーションで、アンディ・コーエンが司会を務める「Watch What Happens Live」に出演したヘレン。「(『ツイスター』の)続編を作ろうとしました。ダヴィード(・ディグス)、ラファエル(・ガザル)と私で脚本を書き、(登場するキャラクターは)全員が黒人とヒスパニックの竜巻研究者。スタジオに断られました。私は監督も務めるつもりだったんです。話し合いを持つことすら大変でした。2020年の6月、これだけ多様性が求められている時代に…です。最高の作品になるはずだったのに」と語った。ヘレンが脚本を共同執筆しようとしていたダヴィードとラファエルは、「Blind Spotting」の脚本家。ヘレンの構想では、『ツイスター』で演じたジョー・ハーディング博士は続編の冒頭に竜巻に巻き込まれて死ぬことにし、自分は監督業に専念して他のキャストを輝かせたいとのことだった。ヘレンは企画案を却下したスタジオ名を明かさなかったが、『ツイスター』の製作・配給を行ったワーナー・ブラザースか、ヘレンが企画案を出した2020年6月と同時期にリブート版『ツイスター』を企画していると報じられたユニバーサル・ピクチャーズとみられる。リブート版『ツイスター』は『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキーがメガホンを取る可能性が報じられたが、一年経った現在も、進捗は伝わってこない。(Hiromi Kaku)
2021年06月15日前作から3年、今度は“モフワル”になって帰ってきたピーターを描く『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』より、本作の日本語吹き替えに参加している千葉雄大と哀川翔のアフレコ模様を映し出した映像が公開された。千葉さんは前作に引き続きピーター役を、映画アフレコデビューとなった哀川さんは、都会の地下組織の大ボス・バーナバス役を演じている本作。到着した映像では、人間の冷蔵庫から絶妙なコンビネーションで野菜を盗み出す、“ピーターのモフワルデビュー”の場面に声をあてる2人の姿がとらえられている。また、そんな溢れんばかりに詰め込まれた野菜や果物に驚くピーターは、「どこの家の冷蔵庫もこうなの?」と問うと、「大抵はテイクアウトの容器と特別な日のためのシャンパンしか入っていない。飲む日なんて来ないのに」とバーナバス。「それって悲しいね」と都会で生き抜く動物たち以上に、悲壮感に溢れた人間たちの姿を絶妙な間合いで語り合っている。今回の哀川さんとの初めての共演について、千葉さんは「声を聞いて、すごく嬉しくなっちゃって。あっ哀川さんだっ!て。バーナバスっていうのは悪い一面もありつつ、でも人がついていきたくなるようなウサギだと思うので、哀川さんの本当についていきたくなる優しさとか、大きい背中とか声がすごく素敵だなと思いました」とふり返る。一方、ピーターのモフワル師匠を演じた哀川さんは、“ウサギのワル”という一風変わった役作りに試行錯誤したようで、「物語の展開が早いんで、テンポを崩さず、その上で“ある程度落ち着きを持ってるバーナバス“を演じるというところが難しかった」と苦労を明かしつつ、「大丈夫かってくらい(“モフワルの道”)へ引き込みました」とコメントしている。『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』は6月25日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ピーターラビット2/バーナバスの誘惑 2021年6月25日より全国にて公開
2021年06月14日日本語吹き替え版に千葉雄大、哀川翔、浅沼晋太郎、安元洋貴、鈴木達央らが参加する映画『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』より、ピーターがモフワルの道に一歩足を踏み入れてしまうシーンが映し出されている本編映像をシネマカフェが独占入手した。前作から3年。本作では、ついに、ビアとマグレガーが結婚することになったが、父親気取りのマグレガーに叱られ続け、我慢の限界を超えたピーターは、湖水地方を飛び出し大都会へ家出。そこで人間への復讐の機会を伺うバーナバスと出会う――。今回シネマカフェが入手した映像は、バーナバスが率いるワル仲間の“強盗作戦の密談”にピーターが初めて参加するシーン。人間に恨みを抱く長年のワル仲間たちと共に、ある強奪作戦を計画中のバーナバス。「これはデカイ仕事だ」「成功すれば一生食うに困らない」と仲間に話し始め、ファーマーズ・マーケットを襲う計画を説明する。ピーターたちは、この密談に最初は不安や疑問を感じながら参加するが、ターゲットが動物たちにとっては夢のような食べ物、“<腐らない>最高級ドライフルーツ”一生分だと知り、テンションが上がる。また、密談シーンとともに、強奪予定現場のファーマーズ・マーケットで気ままに休日を楽しむ人間たちの様子や、美味しそうな野菜も登場。モフワルvs人間、戦闘開始を予感させる映像だ。『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』は6月25日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ピーターラビット2/バーナバスの誘惑 2021年、全国にて公開
2021年06月06日1981年から老若男女に支持されてきたブロードウェイミュージカル『ピーターパン』が、日本上演40周年を迎える。そこで4度目のタイトルロールを務める吉柳咲良と、新たに23代目フック船長役を演じる小西遼生に話を聞いた。アニバーサリーイヤーの目玉となるのは、森新太郎による演出のリニューアルだ。時節柄、新型コロナウイルス感染症対策を視野に入れながらの上演となるが、どのような形で演出されるのだろうか。そう尋ねると、吉柳が“アナログ化”のキーワードを挙げてくれた。「小道具や美術、舞台機構など最大限使って表現するのではなく、観客の皆さんの想像力にお任せできるものにしたらどうか──と森さんは考えていらっしゃるようです」と新演出家による構想の一端を覗かせ、「私たちの芝居や歌、アクションで観てくださる方の想像力を掻き立てられたら」と意気込む。リニューアルに際して衣裳も刷新される。ビジュアル撮影を終え、衣裳でインタビューに応じた二人だったが、特にフック船長姿の小西を目にした報道陣の一人から「今までの小西さんの演じてきたタイプにない出で立ち。でも不思議と似合う!」と声が上がるとリモート取材の雰囲気が一気に和んだ。個性派俳優が揃い踏みした歴代フック船長の中で、果たして小西はどんな“色”を打ち出すのか。この問いかけに「気品があって格好いいという今までのフック船長でなく、森さんと“ピーターパンの頭の中にいるキャラクター”というイメージで打ち出せたらと話しています」と答えた小西。豪華絢爛な海賊のコスチュームに合わせて体を鍛えることも考えていたが、「衣裳合わせで豪華な衣裳をどんどん身ぐるみを剥がされた感じで、丈が短くなったり、帽子のボリュームも減ったり……しまいに撮影では埃をかぶることになりました(笑)」と笑いながら舞台裏を明かす。当時13歳だった2017年からピーターパンを演じている吉柳は、自身の成長にしたがい役のイメージも「永遠の少年でありながら、実はいちばん考え方が大人な存在」という考え方に変化したという。「複雑な感情を持ち合わせたピーターパンの奥深さにも注目頂けるよう挑戦していきたい」と新たな挑戦に胸を躍らせるほか、『デスノート THE MUSICAL』出演を機に広がった音域で「いろんな声色を使い分けてフック船長を翻弄できたら」と含み笑いを見せた。公演は、7月22日(木)〜8月1日(日)に東京・めぐろパーシモンホールにて。その後、8月7日(土)・8日(日)に神奈川・相模女子大学グリーンホールでも上演される。その後、8月29日(日)にかけて大阪、仙台、名古屋公演も予定されている。取材・文:岡山朋代
2021年04月16日ディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」にて2022年配信の最新映画『ピーター・パン&ウェンディ』(原題)の撮影が、カナダ・バンクーバーにて開始された。ジュード・ロウが主演、『ピートと秘密の友達』のデヴィッド・ロウリーが監督を務める。本作は、ジェームズ・M・バリーによる小説「ピーター・パンとウェンディ」に基づきながら、1953年公開のディズニー・アニメーション映画『ピーター・パン』にインスピレーションを受けて生まれた普遍的な物語。ある少女が寄宿学校への入学を希望する両親に逆い、2人の弟たちと一緒にネバーランドへと旅に出る。大人になりたくない少年、小さな妖精、いじわるな海賊の船長に出会いながら、家族や、温かい家から遠くはなれ場所で、ワクワクとドキドキに溢れた冒険が描かれる。主演は、フック船長を演じる『ファンタスティック・ビースト』シリーズのジュード・ロウ。ティンカー・ベル役にドラマ「Grown-ish」(原題)に出演するヤラ・シャヒディ、ウェンディ役にはミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督の娘で『ブラック・ウィドウ』にも出演するエヴァー・アンダーソン、そしてピーター・パンはアレクサンダー・モロニーと、大物と注目の若手キャストが集結。また、ウェンディたちの両親ダーリング夫人は「ハウス・オブ・カード」「ロスト・イン・スペース」のモリー・パーカー、ダーリン氏を『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のアラン・テュディックが演じる。監督のデヴィッド・ロウリーは、製作にあたり、「ピーター・パンは長い間私のお気に入りの物語の1つでした。これは、私が常に成長に抵抗してきたこともありますが、J.Mバリーの原作が、心のこもった、好奇心、冒険、想像力に溢れた色褪せない名作だからです。また、象徴的なキャラクターを新しい世代のために再定義する機会を得ることができてとても嬉しく、そしてまた、並外れたキャストとクルーでお届けできることに興奮しています」と、喜びのコメントを寄せている。『ピーター・パン&ウェンディ』(原題)は2022年、ディズニープラスにて独占配信。(text:cinemacafe.net)
2021年03月17日新国立劇場12月演劇公演『ピーター&ザ・スターキャッチャー』に出演する入野自由による絵本読み聞かせ動画が12月24日のクリスマスイブに公開された。『ピーター&ザ・スターキャッチャー』は、劇作家リック・エリスが小説『ピーターと星の守護団』を戯曲化した音楽劇。ある孤児の少年が海賊たちと冒険を繰り広げ、大人にならない“永遠の少年”ピーター・パンになるまでを描いた前日譚だ。ノゾエ征爾を演出に迎えた、日本初演が12月10日(木)~27日(日)に新国立劇場にて上演されている。そんな『ピーター&ザ・スターキャッチャー』から主人公の少年を演じる入野が、絵本『ピーターパンとウェンディ』を読み聞かせる動画が公開された。誰もが知る物語を、美しい絵本で贈る。この動画は1月31日(日)までの期間限定配信となっているので、ぜひ本日のクリスマスや年末年始に家族と一緒に視聴してほしい。◆入野自由の絵本読み聞かせ【ギャラリープロジェクト】絵本読み聞かせ配信:12月24日(木)~1月31日(日)新国立劇場 公式YouTubeチャンネルにて公開(無料)読む絵本:『ピーターパンとウェンディ』読み手:入野自由【公演概要】『ピーター&ザ・スターキャッチャー』上演期間:12月10日(木)~27日(日)会場:新国立劇場 小劇場<地方公演>●2021年1月9日(土)・10日(日)14:00 / 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール●2021年1月13日(水)18:00 / サンポートホール高松 大ホール●2021年1月17日(日)13:00 / 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール●2021年1月24日(日)13:00 / 北九州芸術劇場 中ホール●2021年1月30日(土)・31日(日)14:00 / 水戸芸術館 ACM劇場公演詳細:
2020年12月25日舞台『ピーター&ザ・スターキャッチャー』が12月10日、2回のプレビュー公演を経て新国立劇場にて開幕。併せて、舞台写真と演出を担当するノゾエ征爾と主演を務める入野自由からコメントが到着した。本作は2004年に米国で出版され、日本でも『ピーターと星の守護団』として知られている小説を基に劇作家リック・エリスが戯曲化したもの。ある孤児の“少年”が海賊たちと戦う冒険を繰り広げ、大人にならない永遠の少年“ピーター・パン”になるまでを描いた『ピーター・パン』の前日譚となっている。そんな『ピーター&ザ・スターキャッチャー』を、新国立劇場で2014年に上演された『ご臨終』を演出したノゾエを演出に迎え日本初上演。ブロードウェイで2012年に開幕し、トニー賞9部門にノミネート、5冠を勝ち取ったヒット作を入野、豊原江理佳、宮崎吐夢、櫻井章喜、竹若元博、玉置孝匡、新川將人、KENTARO、鈴木将一朗、内田健司、新名基浩、岡田正の総勢12名のキャストと共に作り上げる。上演は12月27日(木)まで。チケットなどの詳細は新国立劇場HPの公演情報でチェックしてほしい。<演出:ノゾエ征爾コメント>いやぁやばいです。間に合ってないです。ってそれはもちろん冗談ですが、まんざら冗談とも言い切れないくらい探索の尽きない作品です。そしてこの作品は特に、お客さんが最後のピースを担う要素が強いように感じます。次々と切り替わる風景を、生演奏と共に、気楽に楽しんでいただけたらと思います。皆さんと一緒に、ピーターの船の帆をあげていけましたら、それ以上の喜びはありません。<主演:入野自由コメント>僕が演じる「少年」は、永遠の少年「ピーター・パン」になる男の子。特別な男の子のようですが、素朴で人間味のある子です。僕自身も、役者をやっている上で、自分の取り柄ってなんだろうと周りを見渡したときに、僕は普通だな、特別な人間じゃない気がすると感じ、引け目に思うことがあります。今回はそこを逆手に、自分自身がもつ素朴さや普通だと感じる部分が、ピーターと巧くリンクしたらいいなと思っています。こどももおとなも楽しめる作品になるよう、必死にみんなで探りながら作ってきました。シンプルな舞台上でキャストが身体を使って表現する、演劇の魅力が詰まった舞台になっています。楽しみに観に来ていただければ嬉しいです。『ピーター&ザ・スターキャッチャー』コメント&稽古場映像【公演概要】「ピーター&ザ・スターキャッチャー」公演日程: 12月10日(木)~27日(日)会場:新国立劇場 小劇場【12月のギャラリープロジェクト( )】●絵本読み聞かせ(読み手:入野自由)入野自由による絵本読み聞かせをオンライン配信公開:12月24日(木)~1月31日(日)※収録配信のため、期間中いつでも視聴可能配信サイト:新国立劇場 公式YouTubeチャンネル(無料)読む絵本:『ピーターパンとウェンディ』●おうちでバックステージツアー『ピーター&ザ・スターキャッチャー』の舞台美術の説明や開幕に至るまでの足跡等を解説する動画を配信配信:12月中旬~1月31日(日)
2020年12月11日ノゾエ征爾が演出を務め、「ピーター・パン」の物語の前日譚を描く音楽劇「ピーター&ザ・スターキャッチャー」が新国立劇場で12月10日より幕を開ける。11月中旬、主演の入野自由、ヒロインの豊原江理佳、そして宮崎吐夢、櫻井章喜ら実力派キャストが揃った稽古場に足を運んだ。2012年にブロードウェイで上演され、トニー賞5部門を受賞するなど高い評価を得た本作。ピーター・パンはなぜ空飛ぶ永遠の少年になったのか? ネバーランドはどのようにして生まれたのか? 誰もが知る物語の誕生の秘話が描き出される。のちにピーターとなる“少年”を演じるのは入野自由。登場時は、苗字はおろか名前すらも与えられていない孤児の少年で、孤児院の院長により異国へ向かう船に売られてしまう。“ピーター・パン”の萌芽を垣間見せつつも、いまだ何者でもない彼が徐々に成長し、リーダーシップとカリスマ性を手にしていく様を入野が生き生きと表現する。そんな少年の運命を変える存在であり、本作において強烈な輝きを放っているのが、豊原江理佳が演じるヒロインのモリー。「なによ? 女の子だって夢を見るの!」というのは、彼女の冒頭のセリフ。女は男に従うのが当然だった時代に、好奇心旺盛な10代の少女は、持ち前の知性と行動力で少年と共に冒険を繰り広げ、新しい時代の女性像を体現。ピーター・パンの誕生に大きく関わっていくこととなる。ユーモラスな“敵”の存在も「ピーター・パン」に欠かせない要素だが、本作にもしっかりと魅力的な敵たちが登場する。海賊・黒ひげを演じるのは文学座の実力派・櫻井章喜。そして、大人計画の宮崎吐夢が、オリジナルの「ピーター・パン」でもおなじみの海賊・スミ―を演じている。他にも、モリーの父親で、ビクトリア女王の命によりある使命を遂行しようとするアスター卿を新川將人が、モリーの乳母ミセス・バンブレイクを岡田正が演じるなど、経験豊かなベテランが脇を固めている。50代以上の面々からは、ダンスの稽古の際には「腰問題」「肩問題」といった自虐的な言葉が苦笑まじりにたびたび漏れていたが、いざ始まると一同、キレのあるダンスと美しいハーモニーを披露し、この魅惑のファンタジーの世界を確かな実力でしっかりと支えていた。そしてもうひとつ、本作を語る上で欠かせないのが元SAKEROCKの田中馨&野村卓史の生演奏による音楽。舞台の後ろに控え、各楽曲の伴奏に加えて、この日の稽古中もノゾエのリクエストに応じて船の汽笛の音を再現するなど、多彩な音で楽しませてくれる。実力派の俳優陣の演技と歌声とダンス、そして魅力的な音楽が重なり合い、あの「ピーター・パン」の世界がどのようにして作り上げられていくのか? 完成を楽しみに待ちたい。「ピーター&ザ・スターキャッチャー」は新国立劇場 小劇場にて12月10日より上演。(プレビュー公演:12月5日、6日)取材・文/黒豆直樹
2020年12月02日ピーターラビットのオフィシャルカフェ「ピーターラビットカフェ」から、ウサギのピーターの大好物“ニンジン”を丸ごと使用したスペシャルプレートが登場。2020年11月19日(木)より順次、ピーターラビット ガーデンカフェ自由が丘とピーターラビット カフェ横浜ハンマーヘッド店にて期間限定で提供される。スペシャルプレートの主役となる蒸しニンジンは、「ピーターラビット」の絵本の世界に登場するような、大きくて色鮮やかな色付きが魅力的。キャラクターのモチーフを刻印したラケルパンor野菜ピラフ共に、こだわりソースをたっぷりと添えた、見た目にも楽し気な一品に仕上げている。また同期間には、ブロッコリーやミニトマトを“菜園”に見立てた、ハンバーグプレートも限定メニューとして提供。いずれも料理愛好家・平野レミと、義娘にあたる料理研究家・和田明日香とのコラボレーションによって生まれた、スペシャルなメニューとなっている。【詳細】「ピーターラビットカフェ」期間限定メニュー■ピーターラビット ガーデンカフェ自由が丘住所:東京都目黒区自由が丘1丁目25番地20号 自由が丘MYU 1F提供期間:2020年11月19日(木)~12月30日(水)■ピーターラビット カフェ横浜ハンマーヘッド店住所:横浜市中区新港2丁目14番1号 横浜ハンマーヘッド2F提供期間:11月25日(水)~12月30日(水)メニュー:・スペシャルメニュー~人参びっくりまるごと蒸しプレート~ 単品1,380円+税・スペシャルメニュー~野菜いっぱい菜園バーグ ブロッコリーの木かげで~ 単品1,580円+税※単品には、ラケルパンor野菜ピラフがセットになる。※2つの料理が楽しめるセットメニューは、2,580円+税で提供。
2020年11月22日ディズニーストアから、『ピーター・パン』に登場するキャラクターをモチーフにした新作シリーズ「Sprinkle A Little Magic」が登場。2020年11月20日(金)より一部店舗とショップディズニーで先行発売、その後11月24日(火)より全国の店舗でも発売される。ディズニーストアから『ピーター・パン』モチーフの新シリーズ街中が煌びやかなイルミネーションに包まれるホリデーシーズンに向けて登場する「Sprinkle A Little Magic」は、ティンカー・ベルのピクシーダストをイメージしたゴールドグリッターをアクセントにした様々なアイテムで構成される新作シリーズ。ティンカー・ベルのLEDフィギュア例えば、ティンカー・ベルのLEDフィギュアは、スイッチを入れるとランタンの中のティンカー・ベルがライトアップされる幻想的なアイテム。ライトはドリーミーな雰囲気を演出する温かみのある色味で、玄関やリビング、ベッドルームなどあらゆる部屋に自然と馴染んでくれる。星形ストーン付きのイヤリングや空飛ぶピーター・パン柄のナイトウェアこのほか、七色に輝く星形のストーンが連なるティンカー・ベル型のイヤリング、ピーター・パン&ティンカー・ベルのペアマグカップ、空飛ぶピーター・パンたちを総柄でデザインしたロングパンツと長袖シャツのナイトウェアセットなど、ホーム雑貨からファッションアイテムまで、ギフトにも最適な全19アイテムがラインナップする。商品情報「Sprinkle A Little Magic」発売日:・2020年11月20日(金) ディズニーストア 仙台東映プラザ店/渋谷公園通り店/京都四条河原町店/心斎橋店/ショップディズニーで先行発売・2020年11月24日(火) 全国のディズニーストア店舗で発売※商品のデザイン、価格、発売日、販売店舗、仕様は変更になる場合あり。※一部店舗で取り扱いがない場合あり。©Disney
2020年11月20日日本が誇るアクション監督・谷垣健治がスタッフに名を連ねる、トニー・レオン主演『モンスター・ハント 王の末裔』より新場面写真が公開された。トニー・レオンを主演に迎え、ジン・ボーラン、バイ・バイホーら人気俳優が参加し、アイドルグループ「X-NINE」がカメオ出演している本作。アクション監督は、『るろうに剣心』シリーズや『スーパーティーチャー 熱血格闘』の谷垣健治が担当し、本作で2018金馬獎最優秀アクション賞にノミネートされた。また、『キル・ビル』『三度目の殺人』に参加した種田陽平が美術監督として圧倒的な世界観を創り出し、『アクアマン』などを手掛けるBase FXが視覚&特殊効果を担当と、豪華スタッフが集結した。今回到着したのは、なぜか甲冑姿に口髭を付けたり、トラの着ぐるみ姿の四谷(トニー・レオン)、お怒りモードのフーバの姿などが収められている場面写真。変装やその場をやり過ごすのはお手の物な四谷。金貸し屋の女主人・朱(クリス・リー)までをも手玉に取り、フーバの保護者のような気のいい妖怪ベンベンとの3人の笑いとアクションたっぷりの珍道中、絆にも注目。さらに、フーバの産みの親で妖怪ハンターの天蔭(ジン・ボーラン)と小嵐(バイ・バイホー)は、生き別れたフーバに心を残す中、夫婦水入らずの時間で「ある光景」を目にしてしまう。また、天師堂の上級ハンター雲(トニー・ヤン)の場面写真も到着した。ほかにも、本作の入場者特典も発表。四谷、天蔭、小嵐、X-NINEのキャラクターポストカードが、初日から3日間、ランダム配布。いずれも、裏面はフーバが描かれている。『モンスター・ハント 王の末裔』は11月6日(金)より新宿シネマカリテにて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:モンスター・ハント 王の末裔 2020年11月6日より新宿シネマカリテにて公開
2020年10月29日『ゲット・アウト』『アス』などを世に送り出したブラムハウスが、アメリカ社会への痛烈な風刺を戦慄のサバイバル・アクションとして描いた『ザ・ハント』。この度、情け容赦なしの主人公クリスタルを演じたベティ・ギルピンの驚異の身体能力がうかがえる本編映像が到着した。何もない森の中で目覚めたごく普通のアメリカ人たちは、実はエリート集団に狩られるために集められた“獲物”だった!今回解禁された本編映像は、森を抜け出した“獲物”の1人クリスタル(ベティ・ギルピン)がコンビニでタバコとマッチを購入しようとする場面。ようやく獲物以外の人間に出会い、少しばかり落ち着けるかと思いきや、レジ下に隠した武器を見えない位置でそっと手に構える素振りと、州のタバコ代と釣銭が合わないことまでも察知した次の瞬間、驚異の身のこなしで老夫婦をあっという間に仕留めてしまう!獲物だったはずの女性が狩られる前に狩る、容赦のなさを見せつけており、エリートが娯楽ではじめた“人間狩り”がいったいどう展開していくのか、その先が気になるシーンとなっている。この強烈なキャラクターを演じたのは、80年代の女子プロレスを描くNetflixオリジナルシリーズ「GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」で一躍注目されたベティ。本作の監督を務めるクレイグ・ゾベルは彼女について、「脚本を読んだ時、僕の頭の中にすぐ思い浮かんだのがベティだったんだ。彼女なら完璧に演じられると思っていたよ。映画の撮影中、筋肉を驚くほど鍛え上げていたよ。一番すごかった時には、ベンチプレスで僕ら2人を持ち上げられたんじゃないかな。彼女の姿を見ているだけで感動したよ」と絶賛、役作りで培ったその身体能力は想像以上のよう。ベティ自身もハマり役と感じていたようで「これまで長いこと、男が内なるモンスターを解き放って感情を爆発させる一方で、それを支える妻やガールフレンドを演じてきた。だけど、すごく多くの女性が『私だって窓からイスを放り投げられますけど?』と思ってる。不思議なんだけど、男を励ますように笑みを浮かべたり、赤ちゃんと洗濯カゴを抱えた妻よりも、クリスタルのほうがはるかに取り組みやすかった」とふり返っている。『ザ・ハント』は10月30日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ザ・ハント 2020年10月30日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2020 UNIVERSAL STUDIOS All Rights Reserved.
2020年10月17日東京国立近代美術館で10月11日(日)まで開催中の『ピーター・ドイグ展』は、アートファンだけでなく映画ファンにも心底見てほしい展覧会だ。「画家の中の画家」としてリスペクトされる、1959年スコットランドのエジンバラ生まれのピーター・ドイグは、大の映画好き。絵画への影響のみならず、自ら映画上映会を行ってそのポスターも自由に描いてしまう。そんな楽しげな油彩ドローイング40点が、展覧会のラスト、第3章「スタジオのなかで−コミュニティとしてのスタジオフィルムクラブ」に展示されているのだ。ドイグは、ロンドンの他にもう一つ、ポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)の旧ラム酒蒸留所の建物の一角にスタジオを設けている。この街にはロンドンのような名画座やミニシアターがないため、ひと頃は毎週木曜日に友人作家のチェ・ラブレスと映画上映会「スタジオフィルムクラブ」を開催していた。誰でも無料で参加でき、上映後はお酒を呑みながら映画について話したり、音楽ライブが始まったり。絵画を黙々と描くばかりでなく、時にはスタジオを開放し、文化サロン的な交流の場にしていたというわけだ。『ピーター・ドイグ展』展示風景。左から2番目が『ブルーベルベット』のポスター例えば、デヴィッド・リンチ監督『ブルーベルベット』の耳(!)の絵の横に「5月1日、今晩」とあるように、これらは近隣住民に告知するため手早く描かれたもの。公式ポスターとは違い、ドイグの着想も楽しめる。フランソワ・トリュフォー監督『突然炎のごとく ジュールとジム』はロートレック風、ジョン・シュレシンジャー監督『真夜中のカーボーイ』はバスキアみたいなタッチ。『熱いトタン屋根の猫』のエリザベス・テイラー似ているなあ。と思えば日本映画もあって北野武版『座頭市』にはグフフ。『ピンポン』のペコとスマイルが描かれたラケットには爆笑。先日逝去した大林宣彦監督の初期ホラー『HOUSE ハウス』もあるが、脱力系で微笑ましい。《突然炎のごとくジュールとジム》2003年油彩、紙、57.5×72.5cmヴィーホフ・コレクション《座頭市》2004年油彩、紙72.5×57.5cmリンギア・コレクション《ピンポン》2007年油彩、紙84×59cmリンギア・コレクションジム・ジャームッシュ監督『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、写真家ラリー・クラーク監督作『KIDS/キッズ』など懐かしのインディペンデント映画も。近作では、種族や性別を超えるヴァンパイアと少年の痛切で美しいスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』が雪景色にカラフルな文字で。ゴダールにブレッソン。27歳で早世した歌姫エイミー・ワインハウスの伝記映画もある。《ストレンジャー・ザン・パラダイス》(「スタジオフィルムクラブ」より )2011年、油彩・紙、93.5×61.5cm、マイケル ヴェルナー ギャラリー蔵 (c)Peter Doig. Courtesy Michael Werner Gallery, New York and London. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019《KIDS/キッズ》2005年油彩、紙73×57.5cmリンギア・コレクション10代の頃のドイグは、友人とスキーやスケボーに興じ、古本屋や洋服屋、レコードショップや映画館に出入りしたりするのが好きだったそう。ロンドンの美術学校「セント・マーティンズ・スクール・オブ・アート」で学んでいた80年代には、すぐ近くの映画館に通っていたという。同時期に映画科にいたアイザック・ジュリアンの『ルッキング・フォー・ラングストン』も描いている。そんなドイグの絵画は、美術史も多様なカルチャーも血肉としたコラージュのようだ。都市と地方の格差、思春期、孤独、自然など、希望と絶望が表裏一体の現実を描いた映画がけっこうあり、人柄も感じる。『ピーター・ドイグ展』展示風景。左《エコー湖》(1998)、《カヌー=湖》(1997-98)さて、展覧会のメインである大型絵画は、影響を受けた二つの土地ーーカナダの森と湖を第1章、トリニダード・トバゴの海辺や町を第2章で紹介。1章には、『13日の金曜日』の最後に出てくる、湖に小舟が浮かび、人物が横たわるシーンにインスピレーションを受けたという《のまれる》《エコー湖》といった絵画がある。《エコー湖》にはムンクの《叫び》のイメージも含まれている。ちなみに3章に登場する『カビリアの夜』(監督:フェデリコ・フェリーニ)も湖が象徴的だ。また、第2章には、小津安二郎監督『東京物語』の静けさを念頭に置いた《ラペイルーズの壁》という絵画がある。熱海の防波堤なのかもしれないが、イメージはかなり飛躍している。《のまれる》 1990 年、油彩・キャンバス、197×241cm、ヤゲオ財団蔵 (c)Peter Doig. All rights reserved, DACS & JASPAR 2019 C3006《ラペイルーズの壁》 2004 年、油彩・キャンバス、200×250.5cm、ニューヨーク近代美術館蔵 (c)Peter Doig. The Museum of Modern Art, New York. Gift of Anna Marie and Robert F. Shapiro in honor of Kynaston McShine, 2004. All rights reserved, DACS& JASPAR 2019 C3006ドイグが描きたくなるシーンとは、動の中の「静」を感じたときなのだろうか。構図や色彩など、2、3m級のペインティングにも映画好きが垣間見えるし、これから映画の見方も変わりそうな、映画ファンもワクワク、ニマニマとしてしまう展覧会だ。文:白坂由里
2020年09月28日富裕層が娯楽として人間狩りを行う――。そのモラル破壊の残酷描写も含め、アメリカ社会への痛烈な風刺から物議を醸したサバイバル・アクション『ザ・ハント』が、10月30日(金)に日本公開が決定。さらにポスタービジュアルと予告編が解禁された。『ゲット・アウト』や『パージ』シリーズで知られ、斬新なアイディアによる新時代のハリウッド作品を次々とヒットさせるブラムハウス・プロダクションズを牽引するジェイソン・ブラムが製作する本作。現代のアメリカを二極化する“上流階級VS庶民階級”や、WEB上にはびこる陰謀論に着想を得たとされ、さらに昨今、日本でも問題となっているSNS上でのヘイト発言などを「人間狩り」に置き換えて過激かつ痛烈に風刺。残酷な描写やその内容から、トランプ大統領が作品名こそ挙げなかったもののツイッターで批判するなど物議を醸し、銃乱射事件が相次いだこともあってユニバーサル・ピクチャーズは公開を一旦白紙に。日本でもその結果、2月26日の公開を中止にした経緯があったが、この度公開が決定。「R15+」指定となっている。出演は、狩られる側として恐怖に突き落とされる“庶民階級”の女性をNetflixオリジナルシリーズ「GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」で人気となったベティ・ギルピンが演じるほか、2度のオスカー受賞を誇るヒラリー・スワンク、「アメリカン・ホラー・ストーリー」「スクリーム・クイーンズ」のエマ・ロバーツら。解禁された本ポスタービジュアルは、豚の横顔の下に「これは“人間狩り”アクションです。」という不穏な注意書きが配され、背景には「国の2極化を煽る」「不適切」「病的な殺人ファンタジー」など全米の有力メディアのコメントが並ぶ。“人間狩り”アクションとは一体何なのか。そして、“豚”は何を意味しているのか。想像力をかき立てるビジュアルが完成した。予告編では、本ポスターにも登場する“豚”と共に「全米が封印した今年最大の問題作」とセンセーショナルなキャッチコピーが登場。プライベートジェットで乗客たちが優雅に過ごしていると、突然、「目覚めた」巨漢の男が不気味に現れ、機内はパニックに陥る。すると「一緒に始末して」とスマートにパニックを制した1人の女性の後ろ姿が…。次のシーンでは、森で口を拘束具で締められた複数の男女が次々と覚醒し、草原の中の大きな木箱に集まっていく。中に入っていたのは、機関銃、ナイフ、刀、拳銃などの武器の数々…状況が理解できないまま、容赦なく襲撃が始まる。やがて集められた人々は、狩るか、狩られるか、自分たちの身が危険に晒されていると気づき始める。これは都市伝説の“マナーゲート”、セレブが一般市民を拉致し、娯楽のために狩るゲームであると。「人間ではなく家畜よ」というセリフ通りに、一般市民はあらゆるところから狙われ、襲われる。ある者はガソリンスタンドの店内で、ある者は木陰から、ある者は機関銃で…。そんな中、クリスタル(ベティ・ギルピン)は1人、また1人と静かに敵を倒し、大豪邸にたどり着く。そこには、セレブのアシーナ(ヒラリー・スワンク)が待ち構えていた。そして、最後に「観るか、観ないかはあなた次第」と観客を挑発するメッセージとアシーナの高笑いで締めくくられている。アメリカ社会を痛烈に風刺するブラムハウスならではのサバイバル・アクションを予感させる映像となっている。『ザ・ハント』は10月30日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ザ・ハント 2020年10月30日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2020 UNIVERSAL STUDIOS All Rights Reserved.
2020年09月03日シス・カンパニーが、9月に新国立劇場・小劇場にて、英国を代表する劇作家ピーター ・シェーファーの2本の男女3人芝居「わたしの耳」「あなたの目」を連続上演することが分かった。3月以降、多くの舞台公演が中止や延期を余儀なくされるなか、シス・カンパニー公演が再び始動。新型コロナウイルス感染予防対策をとりながら、オンラインライブ配信も予定しているという。この度、上演が決まった作品は、1962年に初演し、人気を博した舞台。人間同士の心の距離やその取り方の面白さを対照的な2本の物語に織り込んで、ちょっとくすぐったいような軽やかな笑いとともにお届けするお洒落な物語が展開する。先に上演されるのは、9月9日(水)開幕の「わたしの耳」。出演は、英国演劇留学からの帰国後初の舞台に挑むウエンツ瑛士、多くの舞台や映像作品でその実力を高く評価されている趣里、お笑いコンビ「かもめんたる」のメンバーであり、「劇団かもめんたる」で演劇活動も展開している岩崎う大。ロンドンを舞台に男女3人が過ごすある夜の出来事を、マギーの演出で描き出す。続いて、9月22日(火)から始まる2作目「あなたの目」には、小林聡美、八嶋智人、野間口徹のベテラン勢が登場。物語は、やはりロンドンが舞台。ある女性の行動を探る風変わりな探偵と、その妻の尾行を探偵に依頼した夫の3人が繰り広げる駆け引きを描いた物語。ミア・ファロー主演映画『フォロー・ミー』原作としても知られる本作を、寺十吾の演出でお届けする。それぞれ1作単独でも成立する戯曲だが、「耳」と「目」両作品を鑑賞することで、男女関係のみならず、人間関係の妙を2倍堪能し、2倍深めることができる楽しい仕掛けとなっている。「わたしの耳」一般前売開始日:8月23日(日)9月9日(水)〜9月18日(金)新国立劇場小劇場作:ピーター・シェーファー上演台本・演出:マギー出演:ウエンツ瑛士、趣里、岩崎う大(かもめんたる)「あなたの目」一般前売開始日:9月6日(日)9月22日(火)〜10月1日(木)新国立劇場小劇場作:ピーター・シェーファー上演台本・演出:寺十吾出演:小林聡美、八嶋智人、野間口徹両公演ともに、ライブ配信を準備中。公演タイムテーブル・ライブ配信等の詳細は、決定次第、公演サイトにてお知らせ
2020年07月15日ディズニーの「ピーター・パン」の実写映画『Peter Pan & Wendy』(原題)で、ジュード・ロウがフック船長を演じるようだ。関係者が「Variety」誌に「ジュードと出演交渉中である」と明かした。J.M.バリーの小説を原作として、数々の映画が作られてきた「ピーター・パン」。これまで『フック』(1991)でダスティン・ホフマン、『ピーター・パン』(2003)でジェイソン・アイザックス、『ネバーランド』(2004)でティム・ポッター、そして最近では『PAN~ネバーランド、夢のはじまり~』(2015)でギャレット・ヘドランドがフック船長を演じた。ジュードの起用について、SNSでは「良いチョイス!」という声が多く見受けられるが、「でも、この人に演じて欲しかった」として、ドラマ「ワンス・アポン・ア・タイム」でフック船長を演じていたコリン・オドナヒューの名前を挙げ、役に扮したコリンの画像を投稿する人も多かった。『Peter Pan & Wendy』のストーリーは、ディズニーが1953年に制作した長編アニメ『ピーター・パン』に基づいたものになるという。すでにピーター・パン役はアレクサンダー・モロニー、ウェンディ役にはポール・W・S・アンダーソン監督&ミラ・ジョヴォヴィッチの長女エヴァー・アンダーソンが決定している。監督は『ピートと秘密の友達』のデヴィッド・ロウリーが務め、同作で共に脚本を執筆したトビー・ハルブルックスと再び脚本も手掛ける。(Hiromi Kaku)
2020年07月09日東京国立近代美術館の展覧会「ピーター・ドイグ展」が、2020年6月12日(金)より日時指定制で再開。会期は10月11日(日)まで延長されました。ピーター・ドイグ、日本初個展「ピーター・ドイグ展」は、イギリスの現代アーティスト、ピーター・ドイグの初期作から最新作まで、約70点の作品を紹介しながら、その制作手法に迫る展覧会。日本では初の個展です。ピーター・ドイグは、ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家として知られ、ロンドンのテート、パリ市立近代美術館、エジンバラのスコットランド国立美術館、ウィーンの分離派会館といった世界有数の美術館で個展を開催してきました。同世代、後続世代のアーティストに多大な影響を与えていることから、過去の巨匠になぞらえて、しばしば「画家の中の画家」と評されています。本展にも出品予定の代表作《のまれる》は、オークションにて、2015年当時の約30億円相当で落札されています。想像力や記憶を刺激する絵画ピーター・ドイグは、ゴッホやゴーギャンなどの近代画家の作品の構図やモチーフ、映画のワンシーン、写真、自らが暮らしたカナダやトリニダード・トバゴの風景、記憶といったさまざまな要素から作品を構築。多様なイメージから成るピーター・ドイグの作品は見る者の想像力や記憶を刺激し、いつかどこかで見たことがあるように感じられるのが特徴です。会場には、日本のニセコのスキー場を描いた《スキージャケット》や小津安二郎の映画『東京物語』を念頭に置いて描かれた《ラペイルーズの壁》、幅3メートルを超える大型作品などの、貴重な作品が集結。映画『13日の金曜日』のワンシーンから発想した「カヌー」モチーフの絵画も登場します。一連の作品からは、人々の想像力をかきたてる、豊かな世界観を体感することができます。映画上映会「スタジオフィルムクラブ」の直筆ポスターまた、ピーター・ドイグがトリニダード・トバゴ出身の友人のアーティスト、チェ・ラブレスと2003年から始めた映画の上映会「スタジオフィルムクラブ」も紹介。近隣住人に上映会を周知するために掲出された、ポスターのドローイングが展示されます。「スタジオフィルムクラブ」では、名画座やミニシアターから着想を得た、過去の名作映画などを上映。上映が終わると作品について話し合ったり、音楽ライブへと展開したりと、ある種の文化サロンのようなコミュニティが形成されていきます。【詳細】展覧会「ピーター・ドイグ展」会期:2020年2月26日(水)~10月11日(日)〈日時指定制〉※2020年2月29日(土)から臨時休館していたが、6月12日(金)より再開※当初は2020年2月26日(水)~6月14日(日)の会期を予定していたが、変更しての開催開館時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)※当面のあいだ、金曜・土曜の夜間開館は実施しない休館日:月曜日(8月10日(月)、9月21日(月)は開館)、8月11日(火)、9月23日(水)会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園3-1観覧料:一般 1,700円、大学生 1,100円、高校生 600円※価格はいずれも税込※中学生以下および障がい者手帳持参者とその付添者1名は無料※公式サイトより日時指定チケットを購入(6月10日(水)10:00から)※すでにチケットを購入している場合、あるいは観覧料無料対象の場合、開館時間中に原則いつでも入場可能だが、混雑状況に応じて待つ場合あり※チケットの払い戻しおよび来館に際しての注意事項は、公式サイトを確認のこと※本展の観覧料で入館当日に限り、「MOMATコレクション」(4F~2F、所蔵品ギャラリー)、およびコレクションによる小企画「北脇昇:一粒の種に宇宙を視る」(2F、ギャラリー4)も観覧可※予定は変更となる場合あり
2020年06月28日現代具象絵画の旗手として世界中から注目を集めるピーター・ドイグ。新型コロナウイルスの影響により中断していた、ドイグの日本初となる個展がいよいよ再開。期間を延長し、10月11日(日)まで東京国立近代美術館にて開催される。【開催情報】「ピーター・ドイグ展」10月11日(日)まで東京国立近代美術館にて開催【関連リンク】ピーター・ドイグ展( )
2020年06月11日ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』の公演の中止決定が、27日に発表された。 同作はジェームズ・マシュー・バリによる世界的な名作をミュージカル化。日本では1981年に榊原郁恵主演で上演されてから、毎年上演されている。これまでに笹本玲奈、高畑充希、唯月ふうかなどが主演し、2020年は10代目ピーターパンの吉柳咲良(2017年〜)、松平健らの出演を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症に関わる政府および地方自治体の方針を踏まえた上で、東京および地方で予定していました全公演を中止に。主催は「スタッフ・キャスト、そして何よりも劇場に来てくださるお子様、保護者の皆様の安全を最優先し、総合的に状況を検討した結果」と説明している。さらに、「ピーターパンは、客席の頭上を飛んでいく演出があり、毎年多くのお客様に喜んで頂いております。来年には、元気よく、ピーターパンが客席に飛んでいき、皆様とお会いできることを信じております」とコメントを寄せた。○中止公演ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』・2020年8月2日~8月12日東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) 全14公演ほか、大阪・静岡・愛知・岩手・神奈川公演
2020年05月27日『ゲーム・オブ・スローンズ』出身のふたり、ジェイソン・モモアとピーター・ディンクレイジが、映画で初共演を果たすことになった。『Good Bad & Undead』というタイトルのアクションアドベンチャーで、ふたりはプロデューサーも兼任する。ディンクレイジの役はヴァンパイアハンターのヴァン・ヘルシング、モモアの役はもう殺しはやらないと決意したヴァンパイア。本来、敵対関係にあるはずの彼らはコンビを組むことになるが、思わぬ展開が待ち受けているというストーリーらしい。監督はマックス・バーバコウ。モモアの次回作は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『Dune』。ディンクレイジの次回作はロザムンド・パイクと共演する『I Care a Lot』。文=猿渡由紀
2020年05月21日展覧会の初日の前日、ラッキーなことに内覧会に行くチャンスがあり、いそいそと鑑賞に行ってまいりました。(会場である「東京国立近代美術館」は2月29日から閉館中です。)日本初の個展で、とても規模が大きく、初期の作品から最新作まで展示されている展覧会です。 ピーター・ドイグ(Peter Doig)は、イギリスの画家で、「ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家です。今日、世界で最も重要なアーティストのひとり」と言われています。(東京国立近代美術館の案内より) 案内の看板は「ガストホーフ・ツァ・ムルデンタールシュペレ(Gasthof zur Muldentalsperre)」2000-02年 開場の時間が来るまで看板の絵を見ながら、「幻想的」などと思いながら待っていました。 開場の時間となり、音声ガイドを借りて、自由に見学です。展覧会は、3章の構成になっています。第1章は「森の奥へInto the Woods1986〜2002」。ピーター・ドイグはロンドンで美術を学び、美術誌に取り上げられたり、ターナー賞(イギリスを拠点とする現代美術作家を対象に贈られる賞)にノミネートされて、注目を浴びるようになりました。第1章は幼少期を期したり、美術学校を出て修士号をとるまで一時滞在していたカナダが主題となっているといことです。第2章は、「海辺でBy the sea2002〜」。2002年から幼少期に暮らしたことのあるトリニダード・トバゴへ活動の拠点を移しました。その前後から、海辺のモチーフが多くなっていたようですが、展覧会でも、第1章の少し暗く重い感じがする森の中から、テーマは日常生活でそこに何かイメージを重ね合わせている絵画が展示されています。 第3章は、「スタジオのなかでーコミュニティとしてのスタジオフィルムクラブIn the Studio-studiofilmclub as a Community2003〜」。これは、スタジオフィルムクラブというピーター・ドイグが友人のチェ・ラヴレスと始めた映画上映会の周知をするために描かれたドローイングということで映画のタイトルとイベント名(Studiofilmclub)が書かれているのですが、単なるポスターとは違っていて、選ばれている作品にピーター・ドイグの趣味を垣間見ることができます。 第1章の作品は、自然の中にいる人物が描かれている絵画が中心ですが、多くの人物は「山の風景のなかの人物」のように、人とわかるもののかなり変形されていて、ミステリアスです。 「山の風景のなかの人物(アイ・ラブ・ユー、ビッグ・ダミー)Figure in a mountain landscape (I Love You Big Dummie)」1999年 海辺の様子も、人物はいるのに、生きている人というより、少し亡霊みたいな奇妙な気持ちになります。左の船に乗った人の絵は、水面に写って、上下が対象なのに、人は写っていなくて、不思議。この絵を見たときはマーク・ロスコを思い出しました。 左「スピアー・フィッシングSpearfishing」 2013、右「夜の水浴者たちNight Bathers」2019 この2枚の展示は、色のコントラストが印象的でした。左の「夜のスタジオ」の床の赤と右の「ピンポン」のラケットの赤、ふたつの作品ともに人物が描かれていますが、顔はぼんやり。はっきりしているのに、人はぼんやりしている、それは、人の心はわからないんだ、という言っているように思えました。 左「夜のスタジオ(スタジオフィルムとラケット・クラブ)Night Studio (STUDIOFILM & RACQUET CLUB) 》」2015/ 右「ピンポンPing Pong」2006-08 「馬と騎手 (2014)」は色合いがぐっと闇のような色味で、赤い枠の四角は行く先に待ち受けるものを表しているのか、騎手の頭には角があるけれど、人の中にある悪魔を表しているのか。そんなことを考えながら見ていても、結論は出ません。(だから、もう一度見に行きたい。) 「馬と騎手Horse and Rider」2014 黄色が目を引く「ポート・オブ・スペインの雨」は、不思議なことに本来檻の中にいるはずのライオンが檻の外を自由に歩き回っている様子が描かれています。黄色い檻の左側に薄く人も描かれています。本来自由に行動している人間が薄く、檻の中にいるライオンが力強く描かれてます。ピーター・ドイグは誰か(何か)をライオンに重ね合わせて、自由に行動ができる日が来るようという希望を表現しているようにも見えます。 「ポート・オブ・スペインの雨(ホワイトオーク)Rain in the Port of Spain (White Oak)」 2015 そして、第3章「スタジオのなかでーコミュニティとしてのスタジオフィルムクラブIn the Studio-studiofilmclub as a Community2003〜」のパートへと進んでいきます。ここは、ピーター・ドイグの描く映画の世界がポスターのように並んでいます。このフィルムクラブは、文化的サロンのような形式のようで、上映後に作品について話し合ったりするコミュニティの役割を果たしているようです。 左から2枚目は、デビッド・リンチの「ブルー・ベルベット」が5月1日に上映されることを知らせています。切り落とされた耳を拾うことから事件に巻き込まれるというストーリーを思い出しました。 そして、なんと、日本の映画も取り上げられていたようです。 盲目の侠客の映画「座頭市」の絵が。この絵からすると、髪の色が金髪なので北野武さんの「座頭市」ですね。目を赤くすることで、凄みがましていて、盲目であることがわかります。 そして、展覧会のお楽しみ、グッズコーナーへ。 気に入った絵画の絵葉書があると、必ず、購入することにしていて、ただ、主催者と私の気に入る具合が必ずしも一致しないので、欲しかった物があるかどうか、いつもドキドキします。 今回は、こちらを購入。 右上から時計回りに「ラペイルーズの壁Lapeyrouse Wall 2004、「Pelican (Stag) 2003」、ポートオブスペインの雨Rain in the Port of Spain 2015」、「無題 Untitled 2015」、フィルムクラブから「TOKYO STORY」 会場を出るときに一人の外国人の男性とすれ違ったのですが、それがピーター・ドイグ本人で、内覧会の後に予定されていた記者会見の前に、ショッピングから戻ってきたところだったようです。 ピーター・ドイグ展をはじめとする開催期間中であるべき展覧会が再開される日が、待ち遠しい思いです。 ピーター・ドイグ展会場東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1会期:2020年2月26日(水) ー 6月14日(日)《2月29日から臨時休館中》
2020年05月07日