「これまで血管にかかわる病気というと、動脈硬化などの太い血管の閉塞が危険視されてきました。しかし、それらにつながっている毛細血管の劣化が、がんと関係しているということが最近の研究でわかってきているんです」そう語るのは、『ゴースト血管をつくらない33のメソッド』(毎日新聞出版)の著者、大阪大学の高倉伸幸教授だ。「毛細血管は、いわば動脈・静脈などの主要な“幹線道路”につながり、市区町村や自宅前(周辺の細胞)まで続く道。全身に約37兆個ある細胞に酸素や栄養を運び、さらには二酸化炭素や老廃物を排出、免疫力も活性化させる機能を持ちます。毛細血管が機能しなくなると、必要な物質も届かず、人も住まなくなる。まるで“ゴーストタウン”となった周辺組織には、正しく栄養が行き届きません」もともと血液・腫瘍内科の臨床医として治療にあたっていた血管研究の第一人者である高倉教授は、がん患者の毛細血管は血流が悪く、老化で機能が衰えた毛細血管に似ていることに気づいたという。「がん細胞は健康な人にも生まれ、自分で細胞を増大させてバリアをつくります。免疫細胞がそれを見つけると退治してくれていますが、血管がゴースト化すると、免疫細胞がこのバリアに入っていけなくなり、がん細胞が増殖してしまうのです」それだけでなく、血管ゴースト化したままでは、抗がん剤もがん細胞に届かなくなってしまうという――。「毛細血管は、加齢によって衰えていきます。40代を過ぎると、老化とともに壁細胞が変形したり、なくなったりしてしまい、内皮細胞の機能も低下する。これらをさらに加速させるのが、高血糖と、喫煙や飲酒、ストレスによる酸化。血糖値が上がり、体が酸化していくと、壁細胞がダイレクトにダメージを受け、ゴースト血管になってしまうのです」高倉教授は著書の中で、ゴースト血管をつくらないための方法として血流アップや、自律神経のバランスなどを挙げているが、その中で今回は高倉教授が実践している、「血管を高める」5つの習慣を教えてくれた。■壁細胞を強める食材を取る「内皮細胞どうしと壁細胞の結びつきを強めるものに、『タイツ―(Tie2)』という分子があります。このタイツーを活性化する食材を、日常に取り入れることが重要です。2週間摂取を続けたことで、消えかけていたゴースト血管が復活したことも実証されています」代表的な食材として、高倉教授は次の2つを挙げる。【1】スパイスに「ヒハツ」を使う「ヒハツはロングペッパーとも呼ばれ、沖縄料理のスパイスとして使われてきた食材です。近ごろではその機能に注目が集まり、スーパーのスパイス売場などでも見かけるようになりました。ふだんの料理に使っているコショウを、ヒハツで代用することで、タイツーを活性化させることができます。私は、そばやうどんに10ミリグラムほどかけて食べていますよ」【2】「ルイボス茶」を毎日飲む「健康茶として知られるルイボス茶にも、血管構造の安定化を助ける作用があります。クセがなく、飽きのこない味なので、日本茶や紅茶のように、毎日の習慣にしたい飲み物です」体内に余分な脂肪を増やさないため、食事の際には「腹八分目まで」を心がけるのもゴースト血管予防になるという。■運動で内皮細胞の結束を強める「日常に運動する習慣がない人は、血管がゴースト化するリスクが高いといえます。適度に運動することで内皮細胞どうしの連結が強くなり、消えてしまった壁細胞も復活。強い血管をつくることができます」【3】かかと上げ運動1)両足のかかとをゆっくり上げ、5秒間キープする。2)ゆっくりとかかとを下ろして、5秒数える。※1日30回。【4】スクワット1)肩幅に足を広げ、足先をやや外側に。2)息を吸いながらゆっくり腰を落とし、3秒間キープ。息を吐きながら元の体勢に戻る。※1日10回。【5】腕血管マッサージ1)上腕に手をあて、上下左右にねじるように動かす。2)下腕も同様に。3)ひじの外側と内側をよくもみほぐす。※1日1回。「体の中でいちばん毛細血管が多いふくらはぎを刺激するかかと上げ運動から始めましょう。デスクに座っても、立ちながらでもできます。1日30回行ってください。スクワットは足の血流を活性化させるためのものです」同じく毛細血管が集中している腕のマッサージも忘れずに。また、ゆっくりとした入浴、ぐっすりと眠ることも、ゴースト血管の予防には効果的だそう。どれかひとつでもよいので、自分にできそうなことを見つけて継続させていこう。
2019年03月13日「これまで血管にかかわる病気というと、動脈硬化などの太い血管の閉塞が危険視されてきました。しかし、それらにつながっている毛細血管の劣化が、がんと関係しているということが最近の研究でわかってきているんです」そう語るのは、『ゴースト血管をつくらない33のメソッド』(毎日新聞出版)の著者、大阪大学の高倉伸幸教授だ。「毛細血管は、いわば動脈・静脈などの主要な“幹線道路”につながり、市区町村や自宅前(周辺の細胞)まで続く道。全身に約37兆個ある細胞に酸素や栄養を運び、さらには二酸化炭素や老廃物を排出、免疫力も活性化させる機能を持ちます。毛細血管が機能しなくなると、必要な物質も届かず、人も住まなくなる。まるで“ゴーストタウン”となった周辺組織には、正しく栄養が行き届きません」もともと血液・腫瘍内科の臨床医として治療にあたっていた血管研究の第一人者である高倉教授は、がん患者の毛細血管は血流が悪く、老化で機能が衰えた毛細血管に似ていることに気づいたという。「がん細胞は健康な人にも生まれ、自分で細胞を増大させてバリアをつくります。免疫細胞がそれを見つけると退治してくれていますが、血管がゴースト化すると、免疫細胞がこのバリアに入っていけなくなり、がん細胞が増殖してしまうのです」それだけでなく、血管ゴースト化したままでは、抗がん剤もがん細胞に届かなくなってしまうという――。「毛細血管は、加齢によって衰えていきます。40代を過ぎると、老化とともに壁細胞が変形したり、なくなったりしてしまい、内皮細胞の機能も低下する。これらをさらに加速させるのが、高血糖と、喫煙や飲酒、ストレスによる酸化。血糖値が上がり、体が酸化していくと、壁細胞がダイレクトにダメージを受け、ゴースト血管になってしまうのです」ゴースト血管になると、壁細胞が失われ、内皮細胞どうしが無秩序に連結。酸素や栄養が正しく運ばれなくなるという。しかし、「何歳からでも、がんと闘う血管をつくることができる」と高倉教授は語る。「ゴースト化してしまった毛細血管は、生活習慣を改善することによってまっすぐに伸ばすことができ、本来の機能を取り戻せます。酸化を防ぐために喫煙やアルコールを控えるのはもちろん、血糖値を急激に高めるようなジュースの一気飲みは厳禁です」
2019年03月13日脳動脈瘤の術後療養を行っていたダンス&ボーカルグループ・TRFのDJ KOOが24日、約7カ月ぶりにオフィシャルブログを更新し、活動再開を報告した。「『復活!!』~家族とTRFメンバーへの感謝の気持ち~」と題して更新されたブログで、「オッケーー!!DJ KOO 復活しましたーー!!!色々とご心配をかけましたが、担当医である上山先生、野田先生より活動再開のお許しを頂くことが出来ました」と約2カ月半ぶりに活動を再開することを報告。「9月初めに番組の『人間ドック』企画で脳動脈瘤が発見され、数日後には札幌偵心会病院に入院し9月13日に手術。動脈瘤が9.8mmと腫れ上がり破裂寸前で、視神経をも圧迫し難しい状態でした。一週間遅ければ命の危険もあった程でしたが、無事に9月21日に退院。そして先日、術後検査で本当に嬉しい結果が出ました!」と、これまでの経緯を説明した。また、「今までは脳動脈瘤という大きな病気を目の前にして、この先の人生が見えなくなり、どうしていいかわからなくなって、、、自分の体は普段通りに戻れるのか、こんなに仕事を休んで忘れられてないのか、、、体と心がこれまで味わった事のない暗い自分にとじ込もってしまった瞬間もあったけど、そんな自分をそばで支え励ましてくれたのが家族でした」感謝。「家族の愛情がどれだけ救いとなったか、、病気以上に大きい家族の愛情に自分は新しい命と人生をもらったと自負しています」と家族への思いをつづった。そして、「僕の世代は勿論、毎日ひっきりなしに働いて忙しく体を駆使してる人、また周りにそんな人が居る人、是非聞いてほしい!! どんなに普通に働いていても、動けていても決してそれは当たり前じゃないんです。実際僕は入院直前までライブやDJをやってたので。どうか自分の仕事、人生、そして家族が大切ならば忙しくても時間を作って人間ドックや健康診断を毎年受診してください!病気になる前に発見できれば治療出来るんです。その事で自分含め周りの家族も救われることを身をもって知りました」と力説。その上で、「DJ KOOとして、仕事に復帰するにあたり、これだけは言わせてください。今回の事でご迷惑をかけてしまったイベント関係、DJ関係、メディアの皆様、心配し見守ってくれたスタッフ、更に更に頑張りますのでよろしくお願いします。そして何より病気を知って温かいエールを送ってくれたあなた!心より感謝です。ありがとうー!!マジで一人一人に感謝を伝えたいんだけど、それには時間がたくさんたくさん必要だから、まずはブログを通して気持ちを綴らせてもらいました」と、あらためて感謝の気持ちを記した。最後には「自分が休んでる期間、4人で頑張ってくれたTRFのメンバーに感謝と、そして共に最高の25周年を一緒に迎えられることを心から嬉しく誇りに思います!!」と、メンバーへの思いをつづり、「皆さんどうぞこれからもよろしくお願いいたします!!健KOO第一!!」と締めくくっている。ブログでは、イルミネーションを見ながらトレーニングしている写真や担当医との3ショットなども公開されている。
2017年11月24日(写真:REX FEATURES/アフロ) 米国の人気ギャグアニメ『スポンジ・ボブ』の原作者であるステファン・ヒーレンバーグが筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っていることをVariety誌を通じて公表した。 「私を知っている人なら、私がこれからも可能な限り『スポンジ・ボブ』を作り続けると思ってくれているでしょう。家族も私も、皆さんからの愛情と支援に心から感謝しています。しばらくはプライバシーを尊重してくださるようお願い致します」 そう声明を発表したヒーレンバーグは現在55歳。元々海洋生物学者であり、海兵隊向けの研究所などで教鞭を執っていたが、海の生き物をわかりやすく解説するためにマンガを描いたことをきっかけにアニメーターに転向。子ども向けケーブルテレビチャンネル「ニコロデオン」で職を得て、1994年にスポンジボブの製作を開始した。1999年からテレビシリーズの放映が始まると、シュールな設定とギャグセンスで爆発的な人気を博し、老若男女を虜にした。映画も二作品が公開され、いずれもヒットを記録している。 日本でも放送され、グッズの売り上げも衰えを知らない。今や世界全体で数十億ドルを稼ぎ出すドル箱コンテンツとなった『スポンジ・ボブ』は、ひとえにヒーレンバーグの海洋生物への愛情があったからこそ誕生したキャラクターだ。 アイス・バケツ・チャレンジでその名を広く知られるようになったALSは、運動ニューロンが冒される難病。徐々に全身の筋力が衰え、末期には呼吸筋が障害されることで自力での呼吸が困難になり、呼吸不全で死に至るケースが多い。進行性であり、症状の改善は見込めないため、QOLの維持が重要とされる。 関係者によると、ヒーレンバーグの進行度はまだ初期だという。 ニコロデオンは功労者の悲報を受け、「ステファン・ヒーレンバーグは何百万人ものファンに喜びを届けてくれる素晴らしいクリエイターです。私たちはステファンと彼の家族をサポートしていきます」と声明を発表している。
2017年03月14日結節性硬化症とは出典 : 結節性硬化症とは遺伝子の異常によって皮膚、神経系、腎、肺、骨など全身に良性の腫瘍ができる先天性の疾患です。新生児から大人まで幅広く症状がでることがあり、国が認める指定難病に登録されています。新生児期に心臓に腫瘍ができたり、子どもから大人まで皮膚症状や脳・肺・腎臓などに腫瘍ができたりします。現在のところ、この疾患を根本的に治すための治療法はありません。よって表出した症状への対処療法が主な治療になります。結節性硬化症がある子どもには、てんかんや知的障害が合併して現れる場合が多いです。てんかんや知的障害がない場合は軽度の結節性硬化症と呼ばれ、日常生活に大きな支障を感じることなく生活する人もいます。発症する年齢や性別などによって、問題となる病変が異なるのが特徴です。それでは詳しい症状について紹介していきます。参考:結節性硬化症|難病情報センター子どもの時の結節性硬化症の症状Upload By 発達障害のキホン結節性硬化症では子どもの時に表出する症状と、大人になってから表出する症状があります。上記の図のように、いくつかの症状が同時期に起こることもありますので、常に注意が必要になってきます。それでは、子どもの時に起こりやすい主な症状について紹介していきます。<乳幼児期>◇心臓腫瘍心臓の心房、心室に良性の腫瘍が発生する疾患です。発生する腫瘍の9割が良性ですが、腫瘍の大きさや発生する場所によっては心機能に悪影響を与え、後遺症を残すケースがあります。参考:心臓腫瘍|小児慢性特定疾病情報センター◇てんかん発作てんかんとは慢性的な脳の疾患で、大脳の神経細胞が過剰に興奮することで発作が起こり、またその発作が繰り返しみられる状態を言います。てんかん発作は突然倒れて意識を失い、けいれんを起こすといったいわゆる大発作だけではありません。体の一部が勝手に動いたり、会話の途中にぼんやりしたと思ったら意識を失っていたりといった症状もてんかんの発作として考えられます。◇知的障害知的障害とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態を指します。知的障害には軽度知的障害、中度知的障害、重度知的障害、最重度知的障害の4つの障害の程度に分類されています。「知的機能(IQ)」の数値のみによって診断がくだされるという印象がありますが、「適応機能」という日常生活能力、社会生活能力、社会的適応性などの能力を測る指数とも合わせて診断が下されます。◇白斑(はくはん)白斑は非色素性の皮膚病変で、本来の皮膚色より白い皮膚色が3か所以上に発生します。結節性硬化症患者の87~100%に見られ、出生時から生後数ヶ月以内の早期に表出すると言われています。参考:皮膚病変|結節性硬化症.jp<学童期>◇顔面血管線維腫顔面血管線維腫は白斑と並んで結節性硬化症がある方によく現れる皮膚病変です。皮膚の結合組織成分と血管成分の増加によって良性の腫瘍ができます。鼻部、鼻唇溝部、頬部を中心に顔面の中央部に左右非対称に蝶型に現れます。参考:皮膚病変|結節性硬化症.jp◇脳腫瘍(上衣下巨細胞性星細胞腫)上衣下巨細胞性星細胞腫は側脳室の上衣下層にできる良性腫瘍です。腫瘍はゆっくり増大していくために十分な大きさになるまで発見されないことが多く、小児期には腫瘍が急速に増大することがあるため注意が必要といわれています。増大するとてんかんの悪化、視力障害、認知障害などを引き起こすことがあります。参考:脳病変(SEGA、大脳皮質結節、SEN等)|結節性硬化症.jp◇腎臓腫瘍(血管筋脂肪腫)血管筋脂肪腫は腎臓にできる腫瘍で、結節性硬化症がある方の70~90%にみられます。初発年齢は通常3歳以降にみられ、痛みなどはなく無症状のまま年を重ねるごとに腫瘍は増加します。腫瘍が大きくなりすぎると側腹痛や血尿、しこりが現れ、自然破裂や急性出血による大量出血性ショックや腎機能低下のリスクが高まります。参考:主な腎病変(腎AML)|結節性硬化症.jp◇網膜過誤腫網膜過誤腫は網膜にできる腫瘍のことです。痛みなどは無く視力に影響を与えることはありません。しかしまれに増大して網膜剥離(網膜が破れて視力が低下する疾患)や硝子体出血(出血によって視力低下を招くことがある)などの合併症を伴う場合があります。早期幼児期頃から表出するといわれていて、年を重ねるごとに出現頻度が高くなる傾向があります。その他に結節性硬化症の眼病変として、網膜の白斑に類似した網脈絡膜脱色性の病変や網膜無色素斑などが起こることがあります。参考:眼病変(網膜過誤腫)|結節性硬化症.jp大人になってからの結節性硬化症の症状出典 : 結節性硬化症の大人になってから発症する症状について紹介していきます。◇リンパ脈管筋腫症(LAM)リンパ脈管筋腫症(LAM)は、主に20~40歳の女性に多くLAM細胞と呼ばれる細胞が、肺、リンパ節、腎臓などで、比較的ゆっくりと増える疾患です。LAM細胞が両側の肺に散在して増加し、それに伴ってのう胞と呼ばれる小さな肺の穴が複数生じ、進行した場合は息切れなどが生じます。呼吸不全という状態になり酸素療法が必要になることもあります。リンパ脈管筋腫症は以前「肺リンパ脈管筋腫症」と呼ばれていましたが肺だけの病気ではないので名称が変わりました。参考:リンパ脈管筋腫症(LAM)(指定難病89)|難病情報センター◇多発性小結節性肺細胞過形成(MMPH)多発性小結節性肺細胞過形成(MMPH)は肺内にある2型肺胞上皮細胞が固まることによって腫瘍が発生する疾患です。病変がはっきりと限定されずに、全身や臓器全体など広範囲に広がる状態になります。しかし痛みなどもなく無症状であるために気づきにくい疾患です。リンパ脈管筋腫症と違って男女差はありません。参考:肺病変(肺LAM)|結節性硬化症.jp結節性硬化症の原因出典 : 結節性硬化症は9番目(TSC1)と16番目(TSC2)の遺伝子上に異常があることによって、腫瘍をつくるタンパク質(mTOR)をコントロールできなくなることが原因です。TSC1とTSC2はハマルチンとチュベリンという腫瘍を抑制する機能を持ったタンパク質をつくりだします。mTOR(エムトール)は働きが強くなりすぎると腫瘍をつくりだすため、このハマルチンとチュベリンがうまく働かなくなると腫瘍が表出するのだろうと考えられています。またmTORは腫瘍の他にてんかん、自閉症などの発達障害を発症させる働きもあるといわれています。結節性硬化症の方にてんかんや自閉症などの発達障害がある方が多いといわれているのは、結節性硬化症によってmTORをコントロールすることができなくなるために起こるのではないかと考えられています。参考:結節性硬化症|難病情報センター結節性硬化症は遺伝するの?出典 : 結節性硬化症は両親からもらった遺伝子の中に異常が起こることによって起きる遺伝性の疾患です。疾患を発症する可能性は、男女を問わず50%とされています。しかし調べてみると両親に結節性硬化症の症状が全く見つからないというケースが約60%以上あったことが分かりました。このような場合は両親からの遺伝ではなく、両親の精子または卵子の遺伝子に突然変異が起こり、子どもが発病したと考えられます。突然変異が起こる原因は残念ながらまだ分かっていません。またてんかんや自閉症や知的障害などが発症しない軽度の結節性硬化症がある方の場合、また突然変異によって結節性硬化症になった場合でも同じく50%の確率で遺伝子の異常がみられます。また両親が遺伝子異常を持たずに、突然変異によって結節性硬化症が表出した子どもの次に生まれてくる子どもが罹患する確率は、遺伝子異常がない方の出産とだいたい同じだといわれています。出典:結節性硬化症|難病情報センター結節性硬化症の確定診断はどうやって行うの?出典 : 結節性硬化症は遺伝子検査で診断することができますが、実際は遺伝子検査での病変の検出率は低く、臨床診断に頼らざるをえない状況になっています。症状もバラつきがあり、特殊なものばかりではなく結節性硬化症でなくとも一般的に発症することがあるものがほとんどです。したがって、診断はいくつかの症状の組み合わせによって判断していくことになります。臨床診断の他にもさまざまな検査結果と合わせ医師が総合的に診断を下します。下記の要素をもとに臨床診断を行います。・結節性硬化症であることが確実 :大症状 2つ、または大症状 1つと小症状 2つ・結節性硬化症の可能性が高い :大症状 1つと小症状 1つ・結節性硬化症が疑われる :大症状 1つ、または小症状 2つ以上◇大症状1.顔面の血管線維腫または前額部,頭部の結合織よりなる局面2.非外傷性多発性爪囲線維腫3.3つ以上の白斑(hypomelanoticmacules,threeormore)4.シカグリパンチ(shagreenpatch/connectivetissuenevus)5.多発性の網膜の過誤腫(multipleretinalnodularhamartomas)6.大脳皮質結節(corticaltuber)7.脳室上衣下結節(subependymalnodule)8.脳室上衣下巨大細胞性星状細胞腫(subependymalgiantcellastrocytoma)9.心の横紋筋腫(cardiacrhabdomyoma)10.肺リンパ管筋腫症(lymphangiomyomatosis)11.腎血管筋脂肪腫(renalangiomyolipoma)◇小症状1.歯エナメル質の多発性小腔(multiple,randomlydistributeddentalenamelpits)2.過誤腫性直腸ポリープ(hamartomatousrectalpolyp)3.骨シスト(bonecyst)4.放射状大脳白質神経細胞移動線(cerebralwhitematterradialmigrationlines)5.歯肉の線維腫(gingivalfibromas)6.腎以外の過誤腫(nonrenalhamartoma)7.網膜無色素斑(retinalachromicpatch)8.散在性小白斑(confettiskinlesions)9.多発性腎嚢腫(multiplerenalcyst)結節性硬化症を診断するためには、表出している疾患や症状の根本的な原因が結節性硬化症であることを断定していく必要があります。その際にMRIやCTといった画像検査などを行います。結節性硬化症は遺伝子検査または次の項目を含む一連の検査により診断されます。・脳の磁気共鳴画像診断(magnetic resonance imaging、略してMRI)・コンピューター断層撮影 (computed tomography、略してCTスキャン)・心電図(electrocardiogram、略してEKG)・心エコー図検査・腎臓の超音波検査・目の検査・ウッドランプ(紫外光)の下で皮膚を観察する出典:『結節性硬化症の診断基準および治療ガイドライン』|結節性硬化症の診断基準・治療ガイドライン作成委員会結節性硬化症の症状かも?と思ったら出典 : 結節性硬化症の症状は多種多様なため特定の医療機関を受診するというよりは、症状に合わせてその都度、最適な医療機関を受診することをおすすめします。結節性硬化症の専門分野は主に脳神経外科、神経内科、皮膚科、小児科、泌尿器科になります。発症している症状によって受診する科目を決めて受診するようにしてください。これまでに紹介した病変に関しては下記を参考にしてみてください。◇てんかん・・・小児科または救急◇知的障害・自閉症などの発達障害の疑いを感じた場合・・・精神科◇顔面血管線維腫・・・皮膚科◇心臓腫瘍・・循環器科◇脳腫瘍・・・脳神経外科、神経内科◇腎臓腫瘍・・・泌尿器科◇肺腫瘍・・・呼吸器科◇網膜・・・眼科などまた日本結節性硬化症学会に記載されている結節性硬化症の専門医リストを受診の参考までに紹介します。参考:結節性硬化症を専門的に診療している医師|日本結節性硬化症学会結節性硬化症によってできる腫瘍は良性が多く、また痛みなどもなく気づきにくいです。日常生活に支障がなければ医療機関を受診することはないため、発見が遅れ治療が困難になるケースも少なからずあります。そのため定期的に検査を受けるなどの注意が必要です。結節性硬化症の治療って?出典 : 結節性硬化症を治す根本的な治療はなく、それぞれの症状に対しての対症療法が基本となります。◇てんかんてんかんの治療は主に薬物療法によって行われます。てんかんは脳の神経細胞が過剰に興奮することで起こります。脳に病変があることによって発作が引き起こされているケースでは病変を手術で取り除くことで、てんかんが完治することがあります。しかし多くの場合は神経細胞が過剰に興奮しやすい体質であったり、取り除けない病変であったりするため薬物療法によって発作を抑える治療を行います。◇白斑・顔面血管線維腫白斑の場合、通常は経過観察となります。しかし美容上、気になる場合は紫外線治療や化粧品などでカバーすることができます。紫外線治療に関しては保険が適用になるものもあるので、医師または専門家に相談してみてください。顔面血管線維腫の場合は機能障害や出血を伴い、美観を損なう症例が治療対象となります。液体窒素療法、レーザー療法、外科的切除などの治療法があります。◇心臓・脳・腎臓・肺におこる腫瘍各部分にできる腫瘍は良性であることが多いのですが、腫瘍が大きくなりすぎると機能に異常をきたすため、多くの場合は腫瘍の切除を行います。各部位や程度によって切除をしない場合もありますので、現場の医師の指示に従ってください。結節性硬化症の医療費助成制度や障害者手帳は受けられるの?出典 : 結節性硬化症では腫瘍ができやすい体質のため一度腫瘍を切除しても再発することがあります。するとその度に医療費がかかり、家計を圧迫しかねません。そこで結節性硬化症の方のための医療費補助制度や障害者手帳などについて紹介していきます。結節性硬化症は国の指定難病にされているため、難病医療費助成を受けることができます。指定難病の医療費の自己負担割合は2割です。また、その他の制度による医療費がすでに1割負担となっている患者さんの場合、負担割合は1割のまま変わりません。難病医療費は世帯の所得に応じた医療費の自己負担上限額(月額)が設定されます。自己負担上限額は、受診した複数の医療機関などの自己負担をすべて合算したうえで適応されます。難病医療費助成制度を利用するためにはお住まいの都道府県へ申請が必要になります。申請方法などは次の厚生労働省のリンクを参考にしてみてください。参考:難病医療費助成制度の対象疾病について|厚生労働省参考:結節性硬化症にかかわる医療制度活用ガイド|ノバルティス ファーマ株式会社障害者手帳は指定難病がある方でも取得することができます。障害者手帳があることで支援の幅が広がるため、取得することをおすすめします。障害者手帳には「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」の3つの種類があります。身体障害者手帳は身体障害がある方を対象にしています。精神障害者保健福祉手帳は精神障害や発達障害、てんかんなどがある方を対象にしています。療育手帳は発達障害や知的障害がある方を対象にしています。結節性硬化症はてんかんや知的障害なども発症し、障害の程度によっては身体障害を引き起こす可能性もあります。本人の症状の特性に合わせて必要な手帳を取得することをおすすめします。障害の程度に変化が生じても、障害者手帳は数年ごとに更新されてるため、その都度適切なサービスを受けられます。障害者手帳に関して、相談や申請などの問い合わせ先はお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口になります。また障害者手帳に関する詳しい内容は下記を参考にしてみてください。障害者総合支援法によって定められた在宅支援や入所支援、移動支援などがある障害福祉サービスを受けることができます。申請先はお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口になります。相談支援なども受けることができるため、子育てや病気のことで困ったことが生じた場合には利用してみてください。参考:『「障害者総合支援法」の対象となる疾病を151に拡大します』|厚生労働省まとめ出典 : 結節性硬化症は表出する症状や程度が人によって異なる先天性の疾患です。さらに腫瘍ができやすい体質のために生涯にわたって腫瘍と付き合っていかなければなりません。症状は全身に起こるので、日ごろから健康診断などを受けて健康状態には気をつけることが大切です。結節性硬化症は遺伝性の疾患のため親が責任を感じることがあるかもしれません。しかし遺伝子の突然変異によって疾患にかかる子どももいます。突然変異は人為的に起こるものではないですし、親である自分を責めることはせず、その子どものために親として何ができるのかを前向きに考えていくことが大切ではないでしょうか。家族だけで抱えこまず、専門機関への受診や相談などを受けるなど、周りを頼りながら病気への備え、適切な対応を心がけていってください。
2017年02月28日質問:若い頃と同じような偏った食生活や喫煙を続けている主人、家系的にも脳梗塞が心配です。スポーツマンの主人は今まで特に健康に問題なく過ごしていましたが、中年に差し掛かった今も、若い頃と変わりない偏った食生活をしており気がかりです。量は減りましたが仕事中は喫煙しているようですし、週末は草野球で汗を流していますが、インスタント食品が大好きで野菜をとるのが苦手です。本人の自覚があまりないことが問題かと思いますが、最近、主人の家系で脳梗塞で亡くなった方がおり、家族として気になっています。埼玉県:コロスケの妻さん(37)回答:生活習慣と「脳梗塞」の関係についてお答えします。――「脳梗塞」の原因ご主人の生活習慣と脳梗塞に関してのご質問ですね。確かに、いかにスポーツマンでも、若い頃と同じような偏った食生活や喫煙は心配になるでしょう。ご相談者さまが懸念しておられるように、脳梗塞と生活習慣の間には大きな関連性があります。脳梗塞の原因として重要なものに、動脈硬化の存在があります。動脈硬化の状態では、血管の内側にコレステロールなどがたまって、血管の壁が厚く固くなってしまい、その厚く固くなった部分がコブのように血管内に膨らんで、内腔を狭くするので血流が悪くなっています。このコブが壊れるとその部分に修復のため、血小板が集まり血栓を作ります。この血栓が剥がれて血流に乗って身体の各部に運ばれ、脳の血管に詰まると脳梗塞、心臓の血管に詰まると心筋梗塞を起こします。これが、動脈硬化によって脳梗塞、心筋梗塞が起こるメカニズムになります。ご主人が好まれるインスタント食品には、一般的に悪玉コレステロールを増やすタイプの脂質や塩分が多く、とり過ぎると動脈硬化や高血圧を招きやすく心配です。また、野菜嫌いということで、野菜や果物に多く含まれ、高血圧を予防してくれるカリウムの摂取量も少なくなりがちです。そして、喫煙は血液を固まりやすくさせ、血管内に血の塊(血栓)を作りやすくして、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを大幅に上げてしまいます。量が減ったとはいえ、喫煙を継続されているということも非常に気がかりな点です。<「脳梗塞」の予防のために>一方、積極的に運動をされているということは、肥満を防ぎ体重を維持するという意味でも、ストレスを解消するという意味でも、非常によいことだと思います。今後はぜひ、健康維持と脳梗塞の予防のために、スポーツを継続すること、禁煙をすること、および野菜や果物を少しでも食生活に取り入れ、大好きなインスタント食品に関しては、例えば回数を減らす、ラーメンなどであれば汁は残して脂質や塩分の摂取の減少を図るといったように、健康に留意して生活していくことが大切かと思います。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:家族に脳梗塞で倒れた人がいる場合は、脳梗塞になる確率も高くなりますか?先日祖父が、脳梗塞で倒れました。あまりに突然のことでショックは大きかったです。思い返すと、曽祖父も脳梗塞で何度か倒れており、いつか自分も脳梗塞になって倒れてしまうのではないかと心配になりました。まだ20代ですし、あまり深く考えてはいなかったのですが、家族に脳梗塞で倒れた人がいる場合は、脳梗塞になる確率も高くなってしまうのでしょうか?福島県:mika5353さん(26)回答:「脳梗塞」についてお答えします。――「脳梗塞」とは脳梗塞の遺伝性についてですが、簡単にいうと「脳梗塞そのものは遺伝しないが、脳梗塞になりやすい体質は遺伝する可能性がある」ということになります。脳梗塞は何らかの理由による、脳に酸素や栄養を供給する動脈の閉塞や狭窄(きょうさく)のため、脳が虚血状態となり、脳組織が壊死してしまうことをいいます。脳梗塞の種類はいくつかありますが、代表的なものは下記の3つです。動脈硬化および血管内壁のアテロームの沈着によって動脈の内腔が狭まり、十分な血流を保てなくなる「アテローム血栓性脳梗塞」※リスクファクター:動脈硬化を招きやすい高血圧や糖尿病、高脂血症心臓から血栓が血流にのって飛んでくる「心原性脳梗塞」※リスクファクター:心房細動など心臓に基礎疾患がある場合脳の細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」※リスクファクター:高血圧<生活習慣に気をつかいましょう>高血圧や糖尿病、高脂血症などはある程度遺伝の要素もありますし、例えば食習慣や運動習慣といった個々の家庭の生活習慣も、親から子、子から孫へと引き継がれることが多いので、どうしても家系内に多い病気、という捉え方になってしまいがちです。しかし脳梗塞は遺伝性の病気ではないので、脳梗塞の多い家系の方でも、生活習慣に気をつかうことで、多くの場合、発病を防ぐことは可能です。「いつか自分も脳梗塞になるのではないか」と思い悩む必要はありません。身近なところでは、過度の飲酒やたばこをやめ、適正体重を保ち、運動習慣をつけるといったところから心がけるとよいでしょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:数年前、祖母が脳梗塞で倒れました。家系的にコレステロールも高め、血管年齢も高いのではないかと心配です。数年前、祖母が脳梗塞で倒れました。一命を取り留めましたが、歩行に不自由が残りました。また、つい最近では、母の友人も若くして脳梗塞になったそうです。私はまだ30代になるところですが、こうした話を聞くにつけ、不安になります。特に、家系的にコレステロールも高めですし、血管年齢も高いのではないかと心配しています。これから先、具体的にはどのようなことに気をつけたらよいでしょうか?神奈川県:moekamさん(29)回答:「脳血管疾患」の予防法についてお答えします。――「脳血管疾患」の危険因子への対策将来、脳血管疾患にかかるのではないか不安、とのことですね。脳血管疾患になる危険因子と、それにどう取り組むかを見てみましょう。■高血圧1日10g未満を目安に、減塩を心がけましょう。ただし、すでに高血圧と診断されている人は、6g未満に抑えましょう。減塩しょう油を使ったり、酢や柑橘類で味付けしたりなどの工夫をしてみてください。香辛料やハーブなどを利用するのもよいでしょう。また、塩分を外に出す働きのあるカリウムをとりましょう。カリウムは、野菜やきのこ類、果物などにたくさん含まれています。■不整脈不整脈の中でも、「心房細動」が脳血管疾患を起こす一番の原因になります。心房細動が起きると、心臓が不規則なリズムで収縮するため、きちんと血液を送り出せません。また、血液が淀んでしまい、血栓ができ、これが頭へと飛ぶと、脳梗塞の原因になります。もし、健康診断などで「病院で精密検査を受けてください」と指示が出るようでしたら、この心房細動が隠れている可能性があります。しっかり、病院を受診しましょう。■糖尿病そもそもの話として、糖尿病にならないことが大切になってきます。食べ過ぎず、そして、適度に運動を行うようにしましょう。毎日まとまった時間をつくって運動することは難しいかもしれませんが、降りる駅を1つ手前にしてみる、エレベーターではなくて階段を使う、など少しのことでいいので、工夫してみましょう。 ■脂質異常症脂質、特にLDLコレステロール(俗にいう悪玉コレステロール)は動脈硬化を促進し、脳血管疾患になる危険を押し上げます。ですから、食事に気をつける必要があります。バターなどの乳製品、レバー、マヨネーズなど動物性食品には、コレステロールが多く含まれています。これらの食品をとり過ぎないように注意してください。肉は、赤身や皮なしの鶏肉などをとるようにし、脂身は避けるようにしましょう。魚は、青魚を食べましょう。そして、コレステロールの吸収を抑える食物繊維を多く含む野菜、海草類、きのこ類などを積極的にとりましょう。■喫煙喫煙は、脳血管疾患の危険因子になるだけでなく、身体のあらゆる部位のがんの原因にもなりますし、心筋梗塞の原因にもなり、百害あって一理なしです。やめられるのであれば、すぐにやめるのが一番です。しかし、ニコチン依存症で、精神的にも肉体的にもたばこから離れられないという人もいるでしょう。禁煙外来を開設している病院も多いですので、そちらで相談してみましょう。■肥満BMIを「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算し、「25以上」を肥満とします。適度な有酸素運動(ウォーキングや水泳など)を行い、食べ過ぎないようにしましょう。■過度の飲酒お酒は適度に飲むようにしましょう。1日のお酒の適量は、日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本(500ml)、ワインなら2杯(240ml)までとされています。お酒を飲むときには、おつまみを食べる人が多いですが、おつまみには塩分がたっぷり含まれていますので、食べ過ぎに注意しましょう。■家族歴あり家族のなかで脳血管疾患になった方がいる場合には、脳血管疾患になる可能性が高くなります。こちらについては予防ができませんが、より危険性が高いことを認識し、上記の生活習慣に気をつけて生活するようにしましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:心疾患・急性心筋梗塞と診断され治療後も手が時々しびれるため通院中ですが、今後状態が悪化しないか不安です。猛暑の昨夏、仕事で外出中に突然胸に激痛が出たので救急車で病院へ行き検査しました。結果は心疾患・急性心筋梗塞と診断され、緊急入院となり、翌日手術で再灌流治療(さいかんりゅうちりょう)をしました。現在も手が時々しびれるため通院中で、今後状態が悪化したらと思うと不安です。夫・子どもたちには迷惑をかけたくないので、今後どのようなことに気をつけて生活していくべきでしょうか?静岡県:Misamisaさん(41)回答:「心筋梗塞」についてお答えします。――「心筋梗塞」とは「心筋梗塞」とは、全身に血液を送るポンプである心臓をぐるっと冠のように取り巻いて、心筋に血液を送っている冠動脈が、動脈硬化によって狭くなったり、何らかの理由で血栓ができたりして完全に閉塞してしまう病気です。心筋に血液がいかないことでその部分の心筋が壊死してしまい、治療が遅れると命にかかわることも大いにあり得る病気です。<生活するにあたって覚えておきたいポイント>1.冠危険因子をできるだけ改善すること「冠危険因子」とは、冠動脈の動脈硬化を悪化させてしまう危険性のある因子のことです。例えば、糖尿病や高血圧、高脂血症、喫煙、肥満などが挙げられます。特に喫煙は本人の意志で今日からでも禁煙できます。肥満に関しても、食事のカロリーを下げる、運動を取り入れるなどして少しずつでも改善していきましょう。糖尿病や高血圧、高脂血症などの持病があれば、医師の指導のもときちんとコントロールしていきましょう。2.生活リズムの維持と適度な運動規則的な生活リズムを保つことは再発予防に役立ちます。また、心筋梗塞後の心臓の状態にもよりますが、軽い運動は主治医とよく相談の上行うとよいでしょう。冠危険因子の改善や、ストレス解消にも役立ちます。3.定期的な受診と薬物療法の継続年数が経過すると通院がとびとびになったり、薬の服用を忘れたりという患者さんが時々見受けられます。心筋梗塞の再発、心不全予防のお薬は、状況により減量することはあっても、基本的に生涯服用しなくてはならない薬です。辛い思いを繰り返さないためにも、通院・服薬は必ず続けましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:先日病院で血液検査をしたところ、血糖値が高いと言われました。ストレスの多い状態が続いていまして、先日病院で血液検査をしたところ、血糖値が高いと言われました。ちなみにその時はほとんど食事をしていない状況で、最後に口にしたものは無糖のお茶でした。体型はやせ形で、中性脂肪やコレステロールの値が高いと言われたことはないのですが、入院や通院が必要になるような心疾患など、何か他の病気と関係があるのでしょうか?鹿児島県:yuki412さん(32)回答:血糖値と心疾患の関係についてお答えします。――ストレスと血糖値の関連性ストレスと血糖値、および心疾患に関するご相談ですね。ストレスの多い状態が続いているとのこと、本当に大変ですね。ストレスと血糖値に関しては現在研究が進められ、関連があるという報告が上がってきています。そのメカニズムについてお話ししましょう。一つには、ヒトがストレスを感じると交感神経が興奮し、血糖値を上昇させるグルカゴン、アドレナリン、甲状腺ホルモンといったホルモンが増え、血糖値を上げることになります。また、ストレスが強くなると分泌されるコルチゾールも、血糖値を上昇させる働きがあります。ご相談者さまの場合も、このようなメカニズムが働き、肥満や生活習慣の乱れがないにもかかわらず、血糖値が上昇している可能性があります。また、ストレスの多い状況下では、糖尿病の発症率も上昇することがわかっています。一方、血糖値が高い状態が続くことで血管が傷つきやすくなり、動脈硬化も進んで狭心症や心筋梗塞、脳血管障害などをきたす可能性も高まりますが、こういった狭心症や心筋梗塞といった重篤な心臓の病気を起こしても、糖尿病にかかってしまうと、症状である胸の痛みを感じにくくなり、発見が遅れてしまうこともあります。<日ごろから血糖値を適正に保つ心がけを>このような深刻な事態を避けるために、日ごろから血糖値を適正に保つような心がけが必要です。食事の栄養バランスの乱れや運動不足などがあれば、それらを改善するのはもちろんですが、ストレスが血糖値上昇の主因と考えられる場合には、ストレスに対する対処が必要になります。ストレスに対する効果的な対処法としては、しっかりと休養をとること。忙しいとつい、自分のケアは後回しになりがちですが、心身の疲労を感じたら、まず休みましょう。また、自分が心から楽しめる趣味を持ち、週末などにそれに没頭できる時間を持つことも非常に大切です。スポーツも、体重の維持、ストレス解消、両方の側面からおすすめできます。オフィスの椅子で腹式呼吸をしたり、近くの公園でも構わないので緑に触れたりすることも、大きなストレス解消効果が期待できるでしょう。ストレスの対処が自分の手に余ると感じたら、ためらわずに精神科やカウンセラーなど、専門家の手を借りることも必要です。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:特に発作の持病はないのですが、何の前触れもなく突然心臓発作が起きることはあるのでしょうか。特に発作の持病はないのですが、何の前触れもなく突然心臓発作が起きることはあるのでしょうか。自分の生活習慣で心配なのは「急な運動」、「食べすぎ」、「肥満」です。こういったことも原因になり得るのでしょうか?もし発作が起きた場合はどのような対処が適切でしょうか?また、普段は発作を起こさない人が発作を起こすということは、どのような病気の可能性がありますでしょうか?東京都:たもさん(32)回答:「心臓発作」についてお答えします。――「心臓発作」とは特に発作が起こる持病のない方に、前触れなく、心臓発作が起きることに関するご質問ですね。心臓発作とは冠動脈に突然異常が起きて、心筋梗塞や狭心症、重度の不整脈が続いたりする症状をいい、命にかかわる危険性もある大変に怖い状態です。確かに心臓発作というと、もともと心臓に持病をお持ちの方が起こすようなイメージがあります。しかし、実際のところそのようなことはなく、特に既往歴のない若者にも見られることがあります。また、いわゆる発作の前触れ、例えば胸の痛みや吐き気、冷や汗、左肩や背中の痛みなどに関しても、8割の人は何らかの兆候を感じているものの、残り2割の人は全く感じていなかったというデータがあるそうですから、怖いですね。心臓発作を起こしやすい原因としては、まず動脈硬化が挙げられます。動脈硬化はカロリーが高く脂質の多い食事、運動量の低下、お酒の飲み過ぎや強いストレスなどにより誘発されるため、ご相談者さまの生活には動脈硬化のリスクファクターがいくつかおありになるように思います。逆にこれらの点を改善することで、動脈硬化を防ぎ、結果として心臓発作を起こしにくくすることができると考えられます。<万一「心臓発作」が起こってしまったら>もし、万一心臓発作が起こってしまったら、まずただちに救急車を呼びます。発作を起こした人に意識があるときは、座った姿勢をとり、深呼吸をさせてください。発作を起こした人がニトロなど、医師から処方された発作止めを持っていたら、それを服用させるようにします。飲食はさせず、身体を温めて観察を続けます。意識を失ったら、一次救命処置の手順に従って、周囲の人が手当てをします。一次救命処置では、胸骨圧迫と人工呼吸からなる心肺蘇生法を行うことと、あれば除細動器(AEDなど)を使用することになります。また、普段は発作のない人が発作を起こした場合に考えられる疾患としては、狭心症の最初の発作や心筋梗塞をはじめ、心筋症や心筋炎、WPW症候群やブルガダ症候群といった数多くの病気があります。特発性といって特に原因がないのにいきなり起こるものもあります。普段からいかに生活に気をつけても、起こってしまう心臓発作というものも存在しますが、少しでも確率を下げるために、食生活の改善や定期的な運動、ストレスの解消などを心がけ、動脈硬化の予防に努めていきたいですね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:LDL値が要治療だったのですが、メタボと関係ありますか?日本では2人に1人はメタボの可能性があると騒がれています。主人のLDL値が要治療だったのですが、メタボと関係ありますでしょうか。こってり系のラーメンが好きで、運動不足なのでとても心配です。生活習慣病や心臓病などにつながるといわれていますが、実際は太った日本人のどのくらいの割合の人が治療の必要な病気になるのでしょうか?東京都:たもつさん(32)回答:LDL値とメタボリックシンドロームの関係についてお答えします。――「LDLコレステロール」についてまず、LDL値が高いことと、メタボリックシンドロームとの関係についてのご質問ですね。メタボリックシンドロームの診断基準の中の脂質の項目は、「HDLコレステロール」が40mg/dl未満、中性脂肪値が150mg/dl以上となっており、実は「LDLコレステロール」の値に関する基準はありません。なぜ、LDLコレステロールの基準値が盛り込まれていないかといいますと、内臓脂肪として蓄積される脂肪は中性脂肪であり、このことからメタボリックシンドロームになると中性脂肪は高値に、HDLコレステロールは低値になります。一方、LDLコレステロール自体は、内臓脂肪の蓄積とはあまり関係していません。このためLDLコレステロールは病名としてメタボリックシンドロームを診断する上では、考慮されないということになります。しかし、LDLコレステロールは単独で強力に動脈硬化を進行させてしまいますので、心疾患、脳卒中などを予防するために適正値にコントロールしていく必要があります。LDLコレステロールが上昇してしまう原因として、食事中の飽和脂肪酸のとり過ぎが挙げられます。肉の脂身、バターやラードに飽和脂肪酸は多く含まれますから、ご主人の好きなラーメンも、汁は残す、チャーシューメンでなくシンプルなラーメンにする、といった配慮は必要かと思われます。また、運動はLDLコレステロールを下げ、肥満を解消する非常に有効な方法ですので、一駅余分に歩く、階段を利用するといった身近なところから運動量を増やしていきましょう。<肥満と病気の関係>次に、太った日本人のうち、どのくらいの割合の人が治療の必要な病気にかかるか、というご質問ですね。これは非常に難しい質問です。一説によると、肥満の人は肥満でない人に比べて、糖尿病が5倍、高血圧が3.5倍、痛風が2.5倍、心臓病が2倍、関節の病気が1.5倍という高率でかかりやすくなるといわれています。もちろん肥満でも病気にかからない人はいますが、適正体重を保っておくに越したことはありません。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:父は動脈硬化で心筋梗塞を起こしています。この病気は遺伝するのか、これからの生活で気を付ける点を教えてください。夫が会社で受けた健康診断で、要検査と指摘されました。23歳で結婚して、約20年間で夫は13kgも体重が増加。それと比例して、血圧とコレステロールの値も徐々に上がってきています。特に大きな病気もなく安心していたのですが、今回の指摘を受け、どうすればよいか不安でいっぱいです。夫の父は動脈硬化で心筋梗塞を起こしていますので、この病気は遺伝するのか、夫はこれからの生活で何に気を付ければいいのか教えてください。神奈川県:さとみさん(43)回答:体重の増加と心筋梗塞についてお答えします。――「心筋梗塞」の遺伝性についてご主人の体重と健康診断の結果、および心筋梗塞の遺伝に関するご質問ですね。少し順番は前後しますが、まず、心筋梗塞の遺伝に関してご説明しましょう。確かに、近親者に心筋梗塞の方がいらっしゃると心配になってしまいますが、心筋梗塞そのものに関しては、特に遺伝性の病気ではないと考えられています。ただ、心筋梗塞のリスクを高める因子、いわゆるリスクファクターには遺伝性のあるものも含まれます。心筋梗塞のリスクファクターとして有名なものに、高血圧、脂質代謝異常症(かつて高脂血症と呼ばれていたもの)、糖尿病、肥満、喫煙やストレスなどがあります。高血圧や脂質代謝異常症、糖尿病にはある程度の遺伝性が認められますが、喫煙は個人の選択であり、肥満に関しても体質的なものはありますが、多くの場合、食生活や運動習慣の改善などによって解消することが可能でしょう。ご主人は現在、体重増加があり、血圧やコレステロール値の上昇も見られているということですので、少なくとも3つの要注意因子があるということになります。<まずは小さな一歩からはじめましょう>まず、これらのなかで、肥満はご本人の努力によりお薬を使わなくても解消できる可能性がありますから、肥満の解消を目指すことが心筋梗塞のリスクを下げる近道のように思います。体重が重くなると、身体を動かすのにより多くのエネルギーを要し、それだけで心臓に負担がかかり、心筋が肥大してしまいます。こうして心筋が肥大すると、冠状動脈を通じてより大量の血液を送る必要が出てきて、さらに心臓に負担をかけることになります。反対に、減量に成功すれば、こういった負担が減り、心臓を健康な状態に保てる可能性が高くなります。また結婚後、体重が増えた背景には、食事量や食事中の脂質の増加、塩分の増加といったことが隠れているかもしれません。体重を減らすためには、食事のカロリーや運動習慣に気を配るようになるかと思いますので、肥満の解消に伴って血圧やコレステロール値も下がってくる可能性も十分あると思います。一気にすべてを解消しようとすると無理なストレスがかかると思いますから、一駅手前で降りて余分に歩く、ご飯のおかわりをしないといった、小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:主人がたまに動悸息切れが激しくなるようで狭心症に発展しないか心配です。主人がたまに動悸息切れが激しくなるようで狭心症に発展しないか心配です。デスクワーク中心の仕事で、土日の外出もほとんど車なので運動は通勤時の徒歩のみ、その上肥満気味です。男性は狭心症になりやすいと聞いたことがあり、生活習慣と併せてとても危険因子と感じています。子どもも生まれ、まだまだ元気でいてほしいのですが、狭心症の対策として家で気をつけられることはありますでしょうか?東京都:tamoさん(32)回答:「狭心症」についてお答えします。――「狭心症」とは「狭心症」は「心筋梗塞」と同じく、虚血性心疾患に分類される病気です。心臓の表面を流れている冠動脈の内部にコレステロールが溜まり、動脈硬化が進んで血管の中の血液の通る内腔が狭くなることで発症します。血管内腔が狭くなりすぎて、心臓を動かすための血液量が確保できない状態になると、心臓の筋肉(心筋)に血が足りなくなってしまい、胸痛や胸の圧迫感を感じるようになります。これが「狭心症」です。狭心症の発作は一時的なもので、長くても15分以内にはおさまります。これが完全に塞がって血液が長時間心筋に届かない状態になると、心臓の組織が死んでしまいます。これが「急性心筋梗塞」です。「狭心症」の予防には、健康的な生活習慣を心がけましょう狭心症の予防には、生活習慣の改善が大切です。もし喫煙されているなら、禁煙してもらいましょう。喫煙は狭心症・心筋梗塞の大きな危険因子になります。塩分、脂肪分および糖分のとりすぎに気を付けましょう。高血圧症や高脂血症、糖尿病は発症のリスクファクターになります。食事はうす味の日本食をベースにするのがよいでしょう。できれば週に数回程度、スポーツジムやジョギングなどの運動をしましょう。週末の外出を時々、ハイキングや徒歩での公園の散歩にするだけでもよいですよ。ストレスや不規則な生活をできるだけ避けることも、病気の予防には大切なことです。以上のことを踏まえて、健康的な生活習慣を心がけましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:時折、就寝中に胸のみぞおちあたりの締め付けられる痛みを訴えます…主人の胸の痛みの症状についてお伺いします。主人は働き盛りでもあり、残業や出張に明け暮れる毎日のなかで時折、就寝中に胸のみぞおちあたりの締め付けられる痛みを訴えますが、10分程度横になっていると痛みは治まります。また、原因不明の肩こりや、胸のムカムカも気になるようです。恐らく食生活の乱れや外食にも原因があるかもしれませんが、生活習慣病という言葉が気になる今、とても心配な毎日です。埼玉県:涼子さん(46)回答:胸の痛みについてお答えします。――早めに専門医の受診を!ご主人の胸の痛みに関するご相談ですね。日々お忙しく過ごされているなか、就寝中の胸の痛みは本当に心配になることでしょう。胸の痛みというと、心筋梗塞などという病名も頭に浮かびますが、心筋梗塞による痛みは通常耐えられないほどの激痛であることが多いです。「胸をキリで刺されたような」などと表現する方もいるくらいです。ご主人の場合は、締め付けられるような痛みが就寝中に起こり、我慢して横になっていると10分ほどで治まる、という経過のようですから、狭心症の一型である「安静時狭心症」が疑われます。ご主人の胸の痛みは明け方近くなど、ある程度決まった時間に起きるのではないでしょうか。原因は、心臓にある冠状動脈と呼ばれる血管がけいれんし、心臓の血液の流れが減ってしまうことにあり、まだ完全にメカニズムは解明されていませんが、自律神経が関係しているのではないかといわれています。ただ、あくまでも診断は、専門医のもとで診察および適切な検査を受けてなされるものですので、ご主人のようにこのような発作が何度も起こっている場合、早めに一度専門医を受診することをおすすめします。<「安静時狭心症」の症状>また、肩こりや胸のムカムカも、安静時狭心症の患者さんによく見られるものとして矛盾しません。仮に、今回の症状が狭心症によるものだったとして、一般的に今すぐに命に別状があるものではありませんが、すでに一時的な心臓の虚血発作が起きていることから、突然死を招く恐ろしい心筋梗塞を起こさないようにすることが重要です。そのためにはまず、動脈硬化を進行させないことが大切になります。食事の面では動物性脂肪を摂り過ぎない、禁煙する、生活に適度に運動を取り入れる、といったことが予防になります。また、ストレスもリスクファクターになりますので、できればお酒などではなく、ほかの趣味やスポーツなどで解消する方法を見つけられるとよいですね。また、寒いなかでの急激な運動、冬の寒いときにお風呂で十分暖まった後、いきなり寒い脱衣場に出る、といったことも心筋梗塞の一因になります。脱衣場もヒーターで暖めておくなど気をつけましょう。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:「虚血性脳血管疾患」と診断され、その後禁煙し食事にも気を使っています。他にも気を付けた方がよいことは?昨年夫が突然倒れ「虚血性脳血管疾患」と診断されました。脳の血管に血栓という血の塊ができ、血栓が血管を詰まらせた「脳血栓」だと説明されました。現在は退院して、ある程度普通に生活はできていますが手足に少ししびれを感じる時があるようで、とても心配です。夫もたばこをやめ、もちろん食事はコレステロールを控えたりしていますが、他にも気を付けた方がよいことはありますでしょうか?宮城県:ひさえさん(53)回答:「脳血栓」についてお答えします。――禁煙は非常に重要。ぜひ継続を昨年、ご主人が倒れて脳血栓という診断を受けられたということですね。大変驚かれたことと思います。現在は退院され、ご自宅である程度通常の生活が送れているということ、本当によかったと思います。ご主人はこの件を機に、禁煙されているということですが、これは非常に重要です。喫煙は心筋の酸素需要を増して、心臓に負担をかけてしまう上、血液を固まりやすくし、血栓が作られやすくなってしまいます。喫煙を続けられると脳梗塞や心筋梗塞などの、血栓による疾患にかかる確率が高くなりますので、ぜひとも禁煙を継続するようにしてください。<「脳血栓」と食生活の関係>また、コレステロールの少ない食事をされていることも、非常によいことだと思います。動物性脂肪やコレステロールの多い食品、具体的には牛肉やバターなどの食品は控えめにしましょう。一方、マグロなどの魚に含まれる「多価不飽和脂肪酸」という種類の脂肪は、コレステロールを逆に下げる働きのある脂肪として知られていますので、積極的に摂取するとよいと思います。さらに、脳血栓を引き起こす動脈硬化との関連で、抗酸化作用を持つ食品も注目されています。これらは、がんの予防で話題になることもある食品群で、動脈硬化をすすめてしまう活性酸素を抑える働きがあるといわれています。具体的には、ニンジン、カボチャ、トマトといったビタミンCやビタミンE、カロテノイドを豊富に含む緑黄色野菜、玄米や豆腐などの大豆製品、きのこ類や昆布・わかめといった海藻類、ゴマや緑茶なども抗酸化作用を持つ食品として、国際的に注目を集めています。動脈硬化および脳血栓の再発防止効果と合わせて、がんや他の生活習慣病の予防も期待できる食品として、生活に積極的に取り入れていくとよいと思います。加えて、少量の飲酒は血の巡りをよくする効果がある、といわれていますが、大量飲酒は血圧を上昇させ、脳血栓の危険因子である心房細動なども起こしやすくなります。ビールなどは利尿効果もあって血液がドロドロになり、血栓形成のリスクを上げてしまうため、なるべく避けるようにしましょう。適切な飲酒量としては、日本酒では一日一合、ビールで500ml一缶までといわれています。また、カルシウム不足も動脈硬化を招くとされていますので、ご注意くださいね。どうぞお大事に。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:血液検査をするとHbの数値が高めになります。脳梗塞になるリスクが高いのでしょうか?手足のしびれを訴えていた父が、脳梗塞と診断されました。幸い、長引く入院ではなさそうなのですが、こんなに突然になるものなのだと驚いています。私は、もともと血液が濃いのか、血液検査をすると、Hb15.5などと、数値が高めになります。これは、血液がドロドロで、いずれ父のように脳梗塞になるリスクが高いのでしょうか?少しでも早めの予防ができたらと思いますので、何かよい方法を教えてください。静岡県:いっちゃんさん(27)回答:「脳梗塞」とヘモグロビンの関係についてお答えします。――「ドロドロ」血液についてお父さまの経過のように脳梗塞は突然起こります。入院は短期間のようですので、一番考えやすい病態は動脈硬化による「ラクナ梗塞」かと思われます。ご質問のHb(ヘモグロビン、血色素)ですが、正常よりも若干高いようです。たばこは吸われますか?喫煙があると身体の末梢の血流障害が起き、血液が多血(血が濃い、ヘモグロビンが高くなる)傾向になるといわれています。多血傾向になると血液の粘稠度(ねんちょうど)が上がり、細い血管でさらに内腔が狭くなっている場所に詰まりやすくなります。これが梗塞です。喫煙による多血症の状態は、禁煙すれば改善します。血液がドロドロ、サラサラという言葉はテレビ番組から広まったと記憶していますが、医学的な言葉ではありません。血液には色々な成分が含まれているからです。あえてドロドロという言葉を使うのであれば、ドロドロの度合いを大きくあげるのが脂質成分です。血管の例えとしてあまりよくありませんが、水道管と下水管をイメージしてください。脂質成分には「中性脂肪」と「コレステロール」があります。中性脂肪が高いと血液のドロドロ度を上げてしまいます。血管を水道管から下水管に変化させてしまうのです。コレステロールの中でも、LDLコレステロールは血管の壁にくっついて内径を狭くしてしまいます。また、糖尿病があったり、高血圧症があったりすると壁そのものが硬くなり傷んできます。この変化は動脈硬化と呼ばれ、年齢とともに現れるものですが、高脂血症や糖尿病、高血圧症があると同年代の人に比べて動脈硬化が進行しやすいのです。<動脈硬化が引き起こす疾患>動脈硬化が引き起こす疾患として、脳梗塞、心筋梗塞があります。まず、脳梗塞は遺伝しません。心筋梗塞はごくまれに見られる家族性高コレステロール血症の場合、血族に心筋梗塞の患者さんが多くなることがありますが、一般的には遺伝しません。脳梗塞、心筋梗塞の発症を防ぐためには、動脈硬化を進行させないのが一番です。生活面では減量、減塩、禁煙が大切です。また、高脂血症や糖尿病、高血圧症がある方は継続した通院加療が必要です。施設によって「脳ドック」を行っています。ご心配でしたら、一度検査を受けられてみてはいかがでしょうか。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:最近女性の方が脳動脈にコブができやすいと知りました。生活習慣でなる病気なのでしょうか?産後、睡眠不足や運動不足が否めません。もともと不摂生だったこともあり、血管や骨の老化が心配でした。遺伝的なものもあると聞いたことがありますが、最近女性の方が脳動脈にコブができやすいと知りました。子どもが生まれたばかりでまだ何年も手がかかるため、今後の自分の健康状態が不安です。家族に脳動脈瘤があると聞いたことはないのですが、生活習慣でなる病気なのでしょうか?今から気をつけられることがあれば伺いたいです。東京都:たまきさん(32)回答:「脳動脈瘤」についてお答えします。―――「脳動脈瘤」とは「脳動脈瘤」自体はかなりの頻度で見られるもので、健康な人の3~6%に見られるというデータがあります。脳動脈瘤が怖いのは、破裂した場合です。破裂する頻度は年間2%(100人の脳動脈瘤患者さんのうち、年に2人)と考えられていますが、大きな脳動脈瘤、複数の瘤を有する方、すでにくも膜下出血を起こしている方、喫煙者、女性などが破裂しやすいといわれています。<これからの生活で気を付けること>脳動脈瘤ができる原因ですが、他の病気と同様、「遺伝的な要因と環境要因」があります。家族や家系内に脳動脈瘤の患者さんがいる場合、脳動脈瘤の発症リスクは高くなります。また、環境要因としては、喫煙と高血圧、大量飲酒があります。なかには遺伝的要因もなく、喫煙もせず、高血圧がない方にも脳動脈瘤ができる場合もあります。これからの生活で気を付けることは、他の生活習慣病と同様、喫煙や過度の飲酒は控える、血圧は高くならないようにすることです。ご相談者さまのように、脳動脈瘤があるかどうかも分からない現時点では、特に心配することはないと思われますよ。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:夫の父は心筋梗塞で40代で亡くなりました。夫も40代半ばになり、同様のリスクがあるのではと不安です。夫の父は心疾患(心筋梗塞)で40代で亡くなりました。夫も40代半ばになり、同様のリスクがあるのではと不安です。義父はヘビースモーカーでしたが、夫は学生時代に肺気胸になってから一切喫煙していません。遺伝による発症リスクはあるのでしょうか?また、食事や運動など、予防のために生活の上で気を付けることはありますでしょうか?埼玉県:flowerroomさん(44)回答:「心筋梗塞」の遺伝についてお答えします。――「心筋梗塞」の危険因子心筋梗塞の遺伝に関するご相談ですね。義理のお父さまが40代で心筋梗塞で亡くなられているということで、ご主人の心筋梗塞のリスクをご心配されていますが、結論から申し上げると、心筋梗塞という病気そのものには遺伝性は認められません。ただ、心筋梗塞の危険因子として、次のようなものが挙げられます。それぞれの危険因子を順番に見てみましょう。1.高血圧高血圧は心筋梗塞の危険因子として非常に大きなものです。高血圧は心筋に対し負担をかける上、酸素需要を増やして狭心症の発症を誘発します。また、血管内の圧力を高めてコレステロールを動脈の内壁に押し込み、血管中層に沈着させることで動脈硬化を招きます。また、動脈硬化で血管の弾力がなくなると、より血圧が上がりやすくなる、という悪循環を招いてしまいます。2.肥満肥満は脂質代謝異常症や糖尿病を招きやすく、冠状動脈の動脈硬化の大きな危険因子の一つです。体重が重いことで心臓に負担がかかり、心筋が肥大してしまいます。この心筋の肥大によって冠状動脈を通じてより大量の血液を送る必要が出てくるので、さらに心臓に余分な負担をかけることになります。運動習慣や食習慣の改善を図り、肥満はぜひとも改善するようにしなくてはなりません。3.脂質代謝異常症かつて高脂血症と呼ばれていたもので、血中の中性脂肪、コレステロール、飽和脂肪酸の濃度が多いものを言います。俗に善玉コレステロールと呼ばれるHDLが多いほど動脈硬化が抑えられ、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLが多いほど動脈硬化は進行しやすくなります。イワシなどの青魚にはHDLが多いので、積極的に食べるようにするといいでしょう。4.糖尿病糖尿病は血管障害を合併しやすく、心筋梗塞の発症率も高いことが知られています。食事、お薬などでしっかり血糖コントロールをすること、病気のため痛みをあまり感じないことがあるので、少しでもおかしいと思ったらすぐ病院を受診することが大切です。<禁煙や運動などできるところから変えていきましょう>これらに加え、ご主人がやめられたという「喫煙」も大きな危険因子ですので、ぜひ禁煙は継続してください。また、過度のストレスや高尿酸血症、運動不足といったことも心筋梗塞の危険因子になりますので、できるところから少しずつ変えていくことが心筋梗塞のリスクを下げるカギになるでしょう。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日●女性ホルモンが体に与える影響は多岐にわたる女性の体と心に大きな影響を与える女性ホルモン。言葉は聞いたことがあり、なんとなくその意味を知っている女性も少なくないだろうが、きちんとその役割を理解しきれているだろうか。特に女性の場合、50歳を前後にして必ず「閉経」というイベントを迎えるため、きちんと女性ホルモンと向き合うことは必要不可欠といえる。そこで本稿では、ホルモンに詳しいAACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師の解説をもとに、「女性ホルモンの減少が体に及ぼす影響」について紹介する。○2種類の女性ホルモンの違いを知るそもそも、女性ホルモンには「エストロゲン」(卵胞ホルモン)と「プロゲステロン」(黄体ホルモン)の2種類がある。生理が終わると排卵をコントロールするエストロゲンが徐々に分泌され、およそ2週間後にピークを迎えて排卵を終えた後、エストロゲンの量も減少する。入れ替わるようにプロゲステロンの量が増えていき、28日前後の周期で来る生理を前に次第に減少し、生理を境にまたエストロゲンが増えていくという仕組みで、生理前は2つの女性ホルモン共に分泌量が低くなる。分泌量そのものは20代でピークを迎えて漸減していき、40代後半から50代前半にかけて一気に減少し、閉経期を迎える。ではこの2種類の女性ホルモンが不足してくると、体には一体どのような変化が訪れるのだろうか。下記に代表例をまとめたので参考にしてほしい。女性ホルモン不足による症状生理痛 / 乳房痛 / セルライト悪化 / 下腹部や太ももへ脂肪が付きやすくなる / 小じわ増加 / 骨がもろくなる / 薄毛 / 脂質代謝力減少 / ほてり(主に更年期障害) / ホットフラッシュを含む発汗(主に更年期障害)など「体の不調ということでいえば、30~40代の女性であれば生理痛が多いです。『生理休暇というのを聞いたことがありますが、とてもじゃないが取得できません』と相談されてくるなど、痛みがひどくても我慢されてらっしゃる方もいらっしゃいます。更年期の女性で目立つのは、ほてりと発汗ですね」と浜中医師は語る。その他では「おなかが緩くなる」「胸に張りが出てくる」などもあるという。○生理の影響を受けやすいのはエストロゲン先述の生理周期でいえば、2つの女性ホルモンにおいてエストロゲンの方が影響を受けやすい。エストロゲンは「女性らしさ」と結びついている部分が大きく、「髪をつややかに保つ」「肌に潤いを持たせてしわを少なくする」という作用を持つ。一方で女性ホルモン減少は慢性的な疾病にも関わってくるため、年齢を重ねてきたら要注意。脂質代謝が下がれば高脂血症や動脈硬化のリスクも上がるし、骨粗しょう症は寝たきりの原因にもなる。「さらに女性ホルモンは脳の機能にも関わってきます。アルツハイマー型認知症はエストロゲンレセプター(受容体)との関連性がこれまでの研究で指摘されており、女性ホルモン量が多い方が脳の機能が安定します」と浜中医師。このように、女性ホルモンが体に与える影響は多岐にわたる。●キーワードは「食」と「ストレスフリー」これらの体に現れる不調を少しでも和らげるためにできることについて伺ったところ、その一つに「食」というキーワードが浮かび上がった。食生活で言えば、たんぱく質やビタミン、ミネラルをしっかりと摂取したうえで、脂質をなるべく減らすようにする。場合によってはサプリメントやハーブの助けを借りるという選択肢もあるという。「サプリメントで言えば、大豆イソフラボン配合の製品や場合によってはプラセンタもありえます。ハーブではブラックコホシュやレッドクローバーなどですね」。アメリカのハーブであるブラックコホシュは『ファイトエストロゲン』と呼ばれ、「ホルモンにしっかり作用するものを摂(と)ることで、エストロゲンと同様の効果が期待できる」と現地で人気があるとか。もう一つのキーワードとしては「ストレスフリー」。運動で汗を流したり、リラックスしたりすることも女性ホルモンにとっては重要だ。「リラックスという意味でヨガをやったり、アロマテラピーをやったりと人それぞれの方法で自律神経を整えましょう。現代人は過労を放置しない、つまり『ストレスをためすぎない』ということに気をつけてほしいですね。ストレスがたまることで免疫力も落ちますし、ホルモンの分泌も抑えられてしまうので」と浜中医師は指摘する。○女性ホルモン減少の"サイン"を見逃さない生理周期に伴う体の不調は自分で把握しやすいが、明らかにそのサイクルから外れたところで今回紹介したような症状が出てきたら気をつけよう。それは女性ホルモンの分泌量が恒常的に減ってきていることの"サイン"だからだ。骨や脳機能は別として、毎日鏡を見ている女性ならば髪や肌の異常は比較的すぐに気づくはずだが、「その時」の到来を少しでも遅くできるよう、毎日の食事やメンタルヘルスに気をつけて日々の生活を過ごそう。※写真と本文は関係ありません○記事監修: 浜中聡子(はまなか さとこ)医学博士。北里大学医学部卒業。AACクリニック銀座院長。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医などの資格を多数取得。アンチエイジングと精神神経学の専門家で、常に丁寧な診察で患者に接する。
2016年06月23日ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は3月1日、光造形方式3Dプリンタ「monoFab ARM-10」用の光硬化型樹脂「PRR35-OP」と「PRH35-ST2」の国内販売を開始すると発表した。PRR35-OPは硬化後が柔軟質の光硬化型樹脂で、2015年10月に発売した「PRF35-ST」よりも柔軟性が高い。同社によればソフトな触感のフィギュアや密閉容器のパッキン部分のような質感に仕上がるとのこと。価格(税抜き)は350g/本で1万5000円。PRH35-ST2はPRR35-OPと対照的に硬化後が硬質の樹脂で、従来品より環境面での取り扱いが容易となっている。また、コストダウンも実施された。価格は(税抜き)は350g/本で9800円。なお、両製品は東京・名古屋・大阪・福岡にある同社のクリエイティブセンターで実物を見ることが可能だ。
2016年03月01日新潟大学は2月3日、多発性硬化症および視神経脊髄炎の神経変性に関わる新たな仕組みを発見したと発表した。同成果は、同大学 脳研究所 神経内科 河内泉 講師、西澤正豊 教授、穂苅万李子 大学院生、横関明子 医師らの研究グループによるもので、2月2日付けの米科学誌「Annals of Neurology」に掲載された。多発性硬化症(MS)および視神経脊髄炎(NMO)は、視神経や脊髄、脳に炎症が起こることで、視力の障害、手足の麻痺、しびれや認知機能障害などの症状が現れる神経難病。異常な免疫反応により、MSでは神経軸索を覆うミエリンが破壊され、NMOでは神経細胞・軸索に隣接しサポートするアストロサイトが破壊される。この結果、神経機能が重度に障害される神経変性が起こる。MSとNMOでは異なる免疫制御治療が開発されており、異常な免疫因子をある程度制御することが可能となっているが、神経を保護する治療法は未だ開発されていない。今回、同研究グループは、MSとNMOでは視力障害がしばしば起こるが、NMOではMSに比較して、より重度で回復が不良な視力障害に進展すること、MSのミエリン障害、NMOのアストロサイト障害に加え、MS・NMOともに、視神経軸索と網膜の神経細胞が強く変性していることを明らかにした。また、MSでは「未知の異常な免疫因子」によるミエリンの破壊に引き続き神経変性が起こる一方で、NMOでは「アクアポリン4抗体」によるアストロサイトの破壊に引き続き神経変性が引き起こるが、MSとNMOで障害された神経軸索には、変性したミトコンドリアや陽イオンチャネル「transient receptor potential cation channel subfamily M member 4 (TRPM4)」が異常に集積しており、MSとNMOの神経軸索減少に関与していることがわかった。さらに神経軸索の障害は、網膜の神経細胞にも変化を及ぼすことがわかった。特にNMOではMSと比較してより多くの異常なミトコンドリアが、変性した神経軸索に含まれるため、疾患の早期から免疫制御治療を行うことに加え、神経保護治療を追加する必要があることが示唆された。同研究グループは、異常な免疫分子を制御する「免疫制御治療」と「神経保護治療」の組み合わせにより、患者のQOL向上が期待されるとしている。
2016年02月04日国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は9月15日、神経難病である多発性硬化症(MS)患者の腸内細菌叢について解析を行った結果、細菌叢構造の異常、特に特定の細菌で著しい減少がみられることを明らかにしたと発表した。同成果はNCNP神経研究所 免疫研究部部長兼センター病院 多発性硬化症センターの山村隆 センター長、東京大学の服部正平 教授、麻布大学の森田 英利教授、順天堂大学の三宅幸子 教授の共同研究チームによるもの。9月14日(現地時間)に科学誌「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。MSは脳や脊髄、視神経に繰り返し炎症性の病変が生じる慢性疾患。視力障害や手足の麻痺、高次脳機能障害などの神経症状を伴う再発を繰り返しながら、徐々に神経障害が進行していく神経難病で、患者は全国に約2万人いると推定されている。日本では過去30年間で患者数が約1000人から2万人近くまで増加しているが、まだ原因ははっきり分かっていない。近年、さまざまな自己免疫疾患に腸内細菌叢などが関与している可能性が注目されており、MSも自己免疫疾患の1つと考えられていることから、同研究グループは、患者数増加の背景に日本人の食生活の変化などが腸内細菌に影響を与え、発症しやすくなったのではないかという仮説を立て、MS患者の腸内細菌を構成する菌について研究を開始した。今回の研究では、NCNP病院に通院中の20名の再発寛解型を示すMS患者の寛解期の糞便を解析し、糞便を構成する数百種類の菌種の同定、多様性の評価などを行った。その結果、MSの腸内細菌叢では健常者と比べて、炎症性のリンパ球に対して抑制的に機能するリンパ球を効率よく誘導する細菌と同じグループに属する細菌が減少していることが判明。この腸内細菌叢の異常が発症の危険因子になっている可能性が考えられるという。再発頻度や再発症状の重症度などMSは個人差が大きい。同研究グループは今後、より多数の多様な背景をもった患者の腸内細菌叢の解析を進めることにより、同疾患の多様性を説明する因子が発見できる可能性があるとしている。
2015年09月15日愛媛大学はこのほど、みかんなどの柑橘ジュースを飲むことによる、血管リモデリング抑制効果を確認したと発表した。同成果は愛媛大学医学部医学科の浅山理恵氏と大西亜里香氏によるもので、米学術誌「PLOS ONE」に掲載された。血管リモデリングとは、血管が微小な損傷や炎症など、さまざまな刺激を受けることで変化することを指す。ただし、修復という意味よりは、内側を狭くし、血管を硬くするなど、過剰な悪い反応として用いられる事が多く、老化や動脈硬化の原因のひとつであると考えられている。今回の研究では、愛媛県特産の温州みかんと伊予柑果汁をマウスに飲用投与し、その血管保護効果を検討した。研究ではマウスを無果汁、温州みかん果汁10%と40%、伊予柑果汁10%と40%の5群に分け、飲用2週間後に大動脈にポリエチレンカフを留置し血管リモデリングを誘導した。その結果、水のみを引用した無果汁群に比べ、果汁群で血管リモデリングの抑制が確認された。また、濃度の薄い温州みかんと伊予柑ジュースでは、伊予柑の方が若干だが効果が高く、動脈肥厚が抑制されるとの結果を得た。同研究グループは今後は、細胞レベルで検証を行い、影響を与えるジュースの成分を特定するとともに、さまざまな条件下で実験を試みるとしている。
2015年02月25日お米といえば高GI食。GIとはグリセミック指数の略で、血糖上昇反応指数ともいわれ、食後の血糖値の上昇しやすさの指数です。動脈硬化や2型糖尿病を悪化させやすく、ダイエットに向かないとされているのが高GI食です。しかし、高GI食とはいえ、お米は良質な睡眠が得られることが分かったのです!金沢医科大学が主食と睡眠の関係を調査金沢医科大学の研究グループは、20~60歳の日本人男女1858人を対象に、GI値の異なる3種類の主食、すなわちパン、麺類、お米の食事歴と睡眠の質の関連をアンケート方式で調べました。睡眠の質は、日本版「ピッツバーグ睡眠の質インデックス」で評価。合計得点が5.5点を超えると、睡眠の質が低いとされます。このインデックスは、睡眠時間、睡眠効率、入眠時間、薬品の使用、昼間の活動と感覚について決定するものです。アンケートの回答から、パン、麺類、お米それぞれの摂取量で5グループに分けて睡眠の質を比べました。お米の摂取量が多い人ほど質の良い睡眠が!その結果、お米の摂取量が多い人は「ピッツバーグ睡眠の質インデックス」の総得点が低く、質の良い睡眠をとっていることが分かりました。お米の摂取量が増えるにつれて、「ピッツバーグ睡眠の質インデックス」が、1.00、0.68、0.61、0.59、0.54と低くなりました。食事のGI値が高いほど、良質の睡眠が有意に下がりましたが、麺類の摂取量の増加は、「ピッツバーグ睡眠の質インデックス」の総得点を増やしました。ラーメンやパスタ、うどん、そばなど麺類の摂取量が増えると、昼間の機能不全、睡眠障害、主観的な睡眠の質の低下、睡眠薬の使用の増加、入眠時間が長くなる傾向がうかがえました。一方、パンの摂取は、睡眠の質に関わりませんでした。お米には「トリプトファン」も含まれる!先行研究では、お米には気分を安定させる「セロトニン」の前駆物質で、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料である「トリプトファン」が含有されていることが分かっています。「トリプトファン」は、肉類などのタンパク質に豊富に含まれていますが、タンパク質内の他の栄養素に阻害されて脳に届きにくいといいます。「トリプトファン」が脳に届くためには「糖質」を一緒に摂ることが必要なのです。ランチに男性はラーメン、女性はパスタを食べている人が多くないでしょうか?ぐっすり眠るためには1日1食はお米を食べたいものです。Photo by Alison Curtis
2014年12月13日科学技術振興機構(JST)と大阪大学は11月14日、多発性硬化症で神経が傷つけられる仕組みを解明したと発表した。同成果は大阪大学大学院医学系研究科の山下俊英 教授らによるもので、11月13日(現地時間)付けの米科学誌「Cell Reports」オンライン版に掲載された。多発性硬化症は免疫系の異常によって中枢神経に炎症が生じ、神経が傷つけられる難病で、手足の麻痺や感覚異常、視覚障害など重篤な症状が現れる。これまで、免疫系細胞が中枢神経に侵入して炎症を起こすことが神経傷害の原因であることは判明していたが、なぜ炎症によって神経が傷つけられるのかという仕組みはわかっていなかった。近年の研究により、「RGMa」というタンパク質が発生期の神経回路の形成に関わる一方で、免疫反応にも関与していることが明らかとなっている。同研究グループは、免疫システムの司令塔であるヘルパーT細胞の1種である「Th17」が「RGMa」を強く発現していることを突き止め、「Th17」細胞が発現する「RGMa」の役割を調査した。実験では多発性硬化症に類似する脳脊髄炎注を発症するモデルマウスを作製し、「RGMa」の機能を阻害することができる抗体を投与し、症状の変化を検討した。その結果、抗体を投与されたマウスでは四肢の麻痺などの症状が改善されたほか、炎症部における神経細胞の損害が少なくなっていた。また、培養実験によって、「Th17」細胞が「RGMa」を介して直接的に神経細胞を傷つけていることが判明した。「Th17」細胞は多発性硬化症のほか、視神経脊髄炎やアルツハイマー病などにも関わっていることが報告されている。今後、これらの脳神経疾患における「Th17」細胞の役割がより詳細に明らかになることで、有効な治療法の開発につながることが期待される。
2014年11月17日天気は不安定で気温や湿度も毎日ガラリと変わり、夏の疲れが抜けないまま、すっかり“秋バテ”していませんか?そんな時におすすめなのが噂の“赤ビーツ”です。赤ビーツは疲労回復や基礎代謝向上のほか、パフォーマンスアップなど、さまざまな力を秘めている野菜です。英国ではアスリートやヨガ愛好家、美容家など、健康と美容に敏感な人々の間で話題となり、日本でも静かなブームとなっています。地中海地方沿岸部を原産としたアカザ科・サトウダイコンの変種で赤紫色のカブのような形をしている赤ビーツ。鮮やかな赤い色素は、高い抗酸化作用があるといわれるベタシアニン。そのほか、肝機能強化、脂肪燃焼を促進するベタイン、腸内ビフィズス菌の栄養源として知られているオリゴ糖(ラフィノース)などが含まれています。昔から、特にヨーロッパで健康によい野菜として知られていました。なんと古代ローマ時代には、発熱や便秘の特効薬として使われていたとか。また、ビタミン類や葉酸が豊富で、ミネラルもバランスよく含まれています。ロシア料理のボルシチに使われているのはよく知られていますが、最近では野菜サラダに加えたり、蒸して温野菜として味わうなど機会も増えてきています。近年では、赤ビーツを食べることで得られる成分が、血管や筋肉に重要な働きをする物質であることも明らかになってきました。その注目の成分が一酸化窒素、NO(エヌオー)。NOは、運動や食事を通して体内で自然に作られる成分ですが、加齢とともに体内生産量が減少するとされています。それを補ってくれるのが、赤ビーツに豊富に含まれるNO3(硝酸塩)。このNO3を摂取すると、体内で化学変化が起き、NOが生成されるのです。NOは、血管の筋肉を柔軟にするとともに血流をスムーズにし、血栓の発生を防ぐ効果が認められています。そのほか、血圧を正常にすることで動脈硬化を防ぎ、アンチエイジング効果が期待できるほか、基礎代謝が向上することでダイエットや美肌効果もアップ。酸素効率も良くなるため、スポーツ時のパフォーマンスも向上し、疲労回復力も高まるなど、まさに“スーパーベジタブル”なのです。日本では缶詰で流通していることの多い赤ビーツですが、今の時期には、生の国産赤ビーツが出回ることも。高級スーパーなどで手に入ります。サラダにするだけでなく、ひよこ豆とあわせて、ペーストにして食べるのが、今の私のお気に入りです。もっと手軽に食生活に取り入れるなら、オーガニックの赤ビーツを使用したベジタブルジュースがオススメ。野菜ジュースを濃厚にしたような味わいで、少々クセはありますが、ドリンクタイプのヨーグルトや豆乳を加えると飲みやすくなります。驚きのパワーを秘めた赤ビーツ。おいしく毎日の生活に取り入れて、秋バテなんてすぐに解消してしまいましょう!!お問い合わせ: タルゴジャポン TEL 03-3511-4644※ ビートルートジュースにはカリウムが豊富に含まれるため、腎臓病や腎不全、人工透析の人は飲用を避けてください。また、飲用により、尿や便がピンク色になることがありますが、健康には問題ありません。
2014年09月11日国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は2月24日、神経難病である「多発性硬化症」の患者を対象とする新規治療薬「免疫修飾薬OCH(糖脂質アルファ・ガラクトシルセラミド類似体)」を開発し、同センター病院において多発性硬化症患者を対象とした医師主導治験を開始することをと発表した。成果は、NCNP 神経研究所 免疫研究部の山村隆部長らの研究チームによるもの。多発性硬化症は主に20~30歳代で発病し、視力障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が再発と回復を繰り返す慢性疾患だ。大脳、脳幹、脊髄、視神経など、中枢神経のさまざまな場所に、炎症性の神経組織破壊が繰り返して起こり、徐々に神経変性が進んでいくという疾患だ。遺伝子解析の結果などから、多発性硬化症は関節リウマチや1型糖尿病、シェーグレン症候群などと同様に、自己に反応するリンパ球(T細胞やB細胞)が関係する自己免疫疾患であると考えられ、異常な免疫反応を制御する薬剤の開発が求められている状況だったのである。免疫は、ご存じの通り、本来は細菌やウイルスなどの病原体や、悪性腫瘍などを排除する仕組みだが、誤って自分の体の成分に反応して組織障害を起こすことがあり、そのような病態を「自己免疫」といい、それによって起こる疾患のことを自己免疫疾患という。自己免疫疾患では、体のタンパク成分に反応するリンパ球が組織に入って炎症を誘導する。このような病気を誘導するリンパ球に対して、その活動を押さえつけようとする仕組みが「免疫制御機構」であり、免疫制御機構の一翼を担うリンパ球の1つがNKT細胞というわけだ。山村部長らは多発性硬化症患者の血液中のNKT細胞が著明に減少していることを明らかにし、NKT細胞に作用する薬剤が多発性硬化症の病態を改善する可能性を検討してきた。NKT細胞は抗原提示分子である「CD1d」に結合した糖脂質を認識するユニークなリンパ球で、抗原受容体から刺激が入ると、即座に大量の「サイトカイン」や「ケモカイン」など生理活性物質を産生するのが特徴だ。NKT細胞の産生するサイトカインには大別して、「インターフェロンγ(IFN-γ)」や「TNFα」などの炎症を促進する炎症性サイトカインと、「インターロイキン(IL)-4」、「IL-5」、「IL-13」などの炎症を抑制する抗炎症性サイトカインのがある。NKT細胞は、状況に応じて炎症性サイトカインまたは抗炎症性サイトカインを産生することによって、リンパ球相互の平衡状態維持や、過剰な免疫・炎症反応にブレーキをかける役割を担い、自己免疫疾患、アレルギー疾患、臓器移植、感染免疫などの広い分野において鍵になるリンパ球というわけだ。NKT細胞を刺激する糖脂質として最初に同定された物質が、「α-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)」で、NKT細胞から炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインの両方を産生させることが可能である。一方、山村部長らによって現在開発が進められている治療薬のOCHは、α-GalCerの構造に修飾を加えた形で、NKT細胞に抗炎症性サイトカインの優先的な産生を促す活性があり、また経口吸収がよいことから、炎症性疾患の治療薬の候補として注目されてきた。OCHは特定の分子を阻害するのではなく、体内に本来備わった免疫制御機構を促進する作用機序があると推定されるという。従来の行政区域単位での特区でなく、テーマ重視の特区(複合体拠点の研究者をネットワークで結んだ複合体)として、「医療スーパー特区」がある。平成20(2008)年度より第1弾として「先端医療開発特区」が創設され、最先端の再生医療、医薬品・医療機器の開発・実用化が促進されており、現在国内の24施設が指定されており、NCNPもその内の1つだ。NCNPでは、平成21(2009)年度よりの医療スーパー特区関連事業として、OCHの医師主導治験の準備を開始。非臨床試験を終了した後、平成24(2012)年11月から平成25(2013)年6月まで「ファーストインヒューマン試験」(第1相試験に相当)として、健常成人がOCHを1回だけ服用する試験(経口単回投与試験)が同センター病院において実施された。同試験では5グループの被験者(1グループ3名)にそれぞれ異なる量のOCHが投与され、安全性、体内動態、免疫系の変化、治療効果を示すバイオマーカーの検討が行われた形だ。その結果、治療が必要になるような重篤な有害事象は認められなかったという。また多発性硬化症の発症に関係するT細胞や、炎症に関係する遺伝子の発現が低下するなどの所見が認められたとしている。多発性硬化症患者で減少している血液中のNKT細胞を刺激して増殖させれば、多発性硬化症が改善するのではないかというアイデアを基に、山村部長らは2000年から多発性硬化症の動物実験モデルである「実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)発症マウス」を使って基礎的な研究を行ってきた。最初にα-GalCerがEAE発症マウスに投与されて治療効果が調べられたが、病気の改善は見られなかったという。解析の結果、α-GalCerで刺激するとNKT細胞は、抗炎症性サイトカインであるIL-4を産生するが、同時に炎症性サイトカインであるIFN-γを産生し、それがIL-4のEAE抑制効果を打ち消すことが判明した野のである(画像1)。このような背景から山村部長らは、α-GalCerの構造を一部変えた化合物を複数合成し、治療薬として有望な化合物のスクリーニングを実施した。その結果、脂肪鎖が短い改変体OCHは、NKT細胞のIL-4産生を誘導する活性を保持しながら、IFN-γ産生をほとんど産生させない作用を持ち、α-GalCerよりも治療薬として優れている可能性が推測されたのである。治療実験ではOCHを投与されたマウスでEAEの発症が抑制され、その抑制はNKT細胞の糖脂質による活性化を介するものであることが明らかなった(画像2)。なお、この時の研究成果は2001年にNatureに発表されている。今回、同センター病院において、健常成人を対象とした本治療薬の医師主導治験を終えたため、次のステップとして患者を対象とした医師主導治験を実施することとなった形だ。同センター病院では3月上旬より、同治療薬を約3ヶ月にわたって3つのグループ(1グループ3名の多発性硬化症患者)に反復投与する治験を開始する予定である。
2014年02月25日赤ワインはポリフェノールの宝庫とも言われ、常飲(適量にて)することでアンチエイジングはもちろん、動脈硬化・認知症・糖尿病などの予防にも役立つと言われています。それほど恵みたっぷりの赤ワイン、美肌のために効かせない手はありません。高額なコスメにも配合されるポリフェノールをたっぷりと全身に注げば、これでもかとばかりの抗酸化作用で若々しい素肌が手に入るはず! また、渋みの元であるタンニンには肌の引きしめ効果が!うれしいことだらけです。そんな効能が科学的に実証される以前から、ワイン生産国のフランスやイタリアでは、古来よりワインや葡萄を用いた美容法、「ヴィノテラピー」が行われてきました。ワインだけではなく、ワインの原料や絞り滓である葡萄の皮、種、あるいは葡萄の木から採れる貴重な樹液なども用いて施術されます。フランスのあるワインシャトーにはヴィノテラピーのスパが併設されており、大人気との噂。そこで、お風呂カルチャーを誇る日本の私たちがぜひ試したいのは、やはりワイン風呂でしょう。まずは浴槽の湯にドボドボとボトル半分を惜しみつつ注いで浸ってみましょう。もちろんこれだけでもワインの香りと高貴なパープルの湯を十分楽しめますが、美の求道者としてはもうひと工夫したいところ。オススメは下の2つ。■1. ソルト&赤ワインのボディスクラブミネラル豊富な天然塩(なるべく粒子の細かいもの)と同量の赤ワインをミックス。これを全身にやさしくなじませることで、余分な角質が除去されたすべすべの肌に赤ワインがしっかりなじみます。これを洗い流さず、そのままワインを注いだ浴槽に浸かりましょう。■2. グレープシードオイルと赤ワインで本格ヴィノテラピー赤ワインを注いだ浴槽に小さじ1杯程度のグレープシードオイルを追加。こちらのオイル、ビタミンEがオリーブオイルの2倍含まれ、感触もさらりとしてべたつきがありません。浴湯にミックスすることで、赤ワイン成分を湯上がりの肌に閉じ込めて栄養を与え、しっとりと保湿する効果が得られます。遡ればクレオパトラもワイン風呂に入っていたとか。当時はとても贅沢だったことが想像されますが、今では庶民の私たちでもお手頃なワインを使って、女王気分を味わえるというもの。ワイン風呂にする時は、ワインの色がお風呂に染みつくこともあるので、入浴後は速やかにお掃除をお忘れなく! また、アルコールアレルギーをお持ちの方やお酒に弱い方は、たとえ飲まないとしてもヴィノテラピーはお控えください。ちなみに、ワインを選ぶときは値段よりも産地で選ぶのがおすすめ。強い日差しをたくさん浴びた葡萄ほど、ポリフェノール濃度が高くなるらしいですよ。フランスならラングドックやローヌ地方など。チリやスペインも手頃で濃厚なワインが多いようです。
2014年01月04日女性はシミが大きいほど動脈硬化も進行美肌を保つため、防ぎたいのはシミの発生。顔にできていると、それだけで見た目年齢も上がってしまいがちだ。紫外線が強いこの季節には、とくに対策が欠かせない。そんな美容の大敵であるシミは、女性にとって外見だけではなく、健康面でも危険なサインなのだという。最新の調査研究で明らかになった。この報告は、愛媛大学医学部の研究グループが行ったもので、それによると、中高年の女性では顔のシミと動脈硬化に関連がみられたのだそうだ。詳しい研究結果は、4日から大阪市で開催される日本老年医学会で発表される予定となっている。愛媛大学医学部皮膚科学教室の助教、宮脇さおり氏らは、同大学附属病院抗加齢・予防医療センターで検診をうけた女性169人を対象に、超音波検査で頸動脈の動脈硬化の状態を調べたという。そして、デジタルカメラで撮影した顔の映像から、シミの総面積やシワの長さ、肌の明るさ、キメの細かさ、毛穴など、あらゆる肌状態を詳しく解析したのだそうだ。すると、女性では他の肌状態と動脈硬化の関連性は確認されなかったのに対し、シミの総面積の大きさだけは、その進行と関連していることが判明した。また、この関連性が確認されたのは女性においてだけで、男性では関連が見られなかったという。毎日の基本ケアが大切!将来のために今から対策を健康にも美容にも大敵となれば、よりしっかり対策を施したいところ。そもそもシミは、長い間紫外線を浴び続けたことによる肌ダメージで、紫外線は肌のターンオーバーに欠かせない美肌のカギ、コラーゲンも破壊してしまう。そのため、防衛反応でつくられたメラニン色素が過剰となってしまうほか、うまく排出されずに色素沈着を起こして、シミとして見えるものになってしまうのだ。だからこそ、まず基本となるのは紫外線対策。こまめに日焼け止めを使用したり、日傘を使うなどして浴び過ぎないようにしたい。そして、意外に見落とされがちなのは保湿をしっかりとすること。十分な保湿ケアが行われていると、ダメージを受けた肌の修復も促してくれるから、浴びてしまった後のケアにも予防にも効果を発揮する。化粧水やクリーム、パックなどで乾燥を防ごう。このほか、ビタミンCを毎日しっかり摂取する食事で、内側からの美白効果を促すことも欠かせない。また、うっかり紫外線を浴びて日焼けのひりひり感を感じたら、すぐに冷やしてクールダウンすることがポイント。その後、念入りに化粧水やクリームでうるおいを補ってやることで、シミになるのを防ぐことができる。シミは急にできるものではなく、肌ダメージの蓄積によって生まれる。だからこそ、基本的な毎日のケア、早めの対策が大切だ。将来のためにもシミをブロックし、健康美をキープして。【参考リンク】▼愛媛大学医学部皮膚科学教室▼愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センター元の記事を読む
2013年06月03日