2人きりで過ごしていると泣いてばかりのわが子。生後3カ月から半年くらいの間は、原因不明のぐずりが多くありました。泣き声を聞くのがつらくて、抱っこしたりおもちゃであやしたり……。相手をするのに疲れてしまってわが子の顔が見られないときすらありました。 しかし、パパがいると不思議とごきげんなのです。その理由について「なるほど」と感じた経験談です。 つらさをわかってもらえない!「毎日毎日、原因不明で泣きわめくわが子にうんざりすることがある」とパパに訴え続けていた私ですが、「わかってもらえていない」と感じることが多々ありました。 なぜなら、私と2人きりでいる日中は泣き続けている時間が長いのに、パパが家にいる休日はごきげんでいることが多いからです。たくさんおしゃべりをしたり、おもちゃで遊んだり、すっかり「おとなしい子」になってしまうのでした。 パパのほうが好きなの?こんなに毎日一生懸命お世話をしているのに、ママよりもパパのほうが好きなのかな? と落ち込んでしまうこともありました。そう感じてしまうことをパパに言うと、「赤ちゃんに振り回されずに、もっと気軽に構えたら?」とのこと。 そんなことを言われたって、おっぱいは足りているか、おしりはかぶれていないかなど、自分がちゃんと見ていなければ赤ちゃんにもしも一大事があったときに気がつけないじゃない!と憤慨したこともあります。 支援センターの先生の言葉に納得ある日、よく遊びに行く子育て支援センターの先生に「自分と2人きりだと泣いてばかりなのに、パパが一緒にいるとごきげんなんです」と何気ない会話のなかでこぼすと、「パパがいるとママが安心しているから、赤ちゃんにはそれがわかるんだろうね」と言われました。目から鱗が落ちた思いでした。 たしかに2人きりでいると、泣けば「どこか痛いんじゃないか?」、眠れば「ちゃんと息してるかな?」と、不安がよぎることがたくさんあるなとそのとき気づいたのです。 赤ちゃんと1対1だと「自分がしっかりみていなければ」という気持ちが強くなって、気づかないうちに緊張をしていたのだと思います。自分にとってもわが子にとっても、やっぱりパパの存在は大きいなと感じた出来事でした。イラスト:sawawa著者:ライター 銀鏡あゆみ二児の母。生まれ育った町で、自身の父母・祖母・夫・子ども2人との大家族で暮らす。地元を中心に取材・撮影・執筆を行うライター。
2020年03月16日未然に防ぎたいトラブル...弁護士がまとめた事例と対策『事例で学ぶ発達障害の法律トラブルQ&A』発達障害のある人が生活していく中で、当人同士では解決できないトラブルが起こったとき、法律に照らし合わせて解決するとどうなるか、34の事例とQ&Aの形で分かりやすくまとめられた書籍が発売されました。発達障害のある人のトラブルを多く扱う弁護士、鳥飼康二さんの著書です。お金や仕事、恋愛でのトラブルから、「いじめ被害にあった場合」「合理的配慮を学校に求める」など学齢期に起きる可能性のあるものまで、当事者にとっても保護者にとっても他人事ではない事例が並びます。法律に関する内容ときくと難しそうに感じますが、法律の解説、解決のヒントが易しい言葉で書かれているので、専門知識がない人にも読みやすい書籍です。トラブルは未然に防ぎたいもの。読んでおくと、トラブルを防ぐために日常生活の中で気をつけたいポイントも見つけられそうです。わが子に合った手立てを考えるヒントがたくさん!『発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方』発達ナビユーザーに向けて実施したアンケートから、ニーズの高かったお悩みについて、どのように考えて対応していくとよいかを紹介している書籍です。鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生が監修しています。ユーザーアンケートがもとになっているので、取り上げられているお悩みは家庭生活から対人関係に関する内容まで、小学生の生活の中で困りごととしてあがりやすいものばかり。「やることの優先順位付けや時間配分が苦手」「同じ質問や確認を何度もする」「人と協力して何かをすることが難しい」など、気になる内容が並んでいます。それぞれのお悩み事例につき3つの対策が提案されていますが、それらはあくまで例であり、お子さんに合う方法はこの3つ以外のものかもしれません。本に書いてあることを参考にしながら、ご自身のお子さんの得意や苦手にあわせたサポート方法はどのようなものか、考えていくきっかけとなる一冊です。当事者であり支援者でもある。だからこそ伝えられるメッセージ。『こちら、発達障害の世界より』自閉スペクトラム症とうつ病の当事者であり、支援者でもある著者の難波寿和さんが、当事者・支援者の2つの目線からみた発達障害の世界についてまとめています。子どものころから生きづらさを感じていた難波さんが、発達障害であると診断されたのは大人になってから。診断を受けたあと、支援者として仕事を続けるかどうか葛藤した胸中、二次障害のこと、再び支援者として活躍するようになるまで...当事者としての日々が赤裸々に綴られています。後半には支援者として活躍する難波さんの支援に対する思いや自身のライフハック術が紹介されています。根底に当事者としてのスタンスがあるためとても具体的で支援者としての信念も伝わってきます。最後には当事者に向けてのやさしいメッセージも書かれており、当事者がみる世界を改めて捉え直したいときに読みたい一冊です。育児で絶望した日々を経て、後輩ママたちへ伝えたい『そのママでいい発達障害の子を育てるあなたに贈る43のエール』発達障害のある人やその家族が生きやすい社会になるよう活動している、発達障害コンサルタントの橋口亜希子さん。前向きに社会に向けて発信を続ける橋口さんにも、過去には子育てに悩み辛い日々を過ごしていた時期がありました。過酷な日々の中で抱えた葛藤や、気になった周りの人の目。現在はイキイキと活動している姿が印象的な橋口さんは、壮絶な毎日からどのように前を向いていったのでしょうか。そのきっかけとなった人との出会いやお子さんからの言葉、現在に至るまでと、20年の子育ての経験がありのままに綴られています。現在の活動に込める思いや原動力などにも本の中で触れており、その中にも1人のママとしての経験、後輩ママへの思いが溢れていることが分かります。辛いことや不安が尽きない日々の子育てに悩んでいるママたちを包み込み、勇気づけてくれるような一冊です。
2020年01月21日両親も近くに住んでいない、夫は仕事で忙しい……。授乳やおむつ替えなど、お世話はいろいろとあるけれど、正直赤ちゃんとの1日を持て余してしまうというママもいらっしゃるのではないでしょうか? そんなときに何をしたら有意義に過ごせるのか、私の経験をもとに紹介します。 子育て支援センターや児童館で過ごす! もともと仲がいい友人もママになっていて、近所に住んでいれば言うことなしですが、なかなかそんな恵まれた環境はないですよね。 そんなときは、住んでいる自治体が運営している子育て支援センターや児童館に行くと、同じように時間を持て余し、なおかつ同じような育児の悩みを抱えたママさんたちと交流することができます。私のときは、さらにそこで知り合ったママさんから、親子で参加できるイベントに誘ってもらうこともありました。 ショッピングモールをぶらり 赤ちゃんがお外に慣れてきたら、ショッピングモールに行ってみるのはいかがでしょうか? 最近ではモール内に赤ちゃんがハイハイできるスペースがあるなど、赤ちゃん連れの外出で重宝しています。また、授乳室やおむつ替えスペースが完備されている点もうれしいですね。 ベビーカーの貸し出しもありますが、最初はいつも使っているベビーカーを持っていくことをおすすめします。うちの子はいつも対面式でベビーカーに乗せていたせいか、貸出用のベビーカーが対面式にできず、ギャン泣きしたことがありました。 たまには一緒にテレビも♪ テレビに興味が出てきたら、赤ちゃん向けの番組を一緒に見るのもいいですね。そうすると、ある特定のキャラクターを覚えることができて、そのキャラクターが書いてあるグッズにも興味を示すようになってくれます。 うちの子はアンパンマンを見ていたからか、初めてちゃんと発した言葉が「パンマン」でした。テレビはずっとつけっぱなしにせず、時間を決めてコミュニケーションをとりながら見るようにしています。 赤ちゃんとの毎日、楽しいけれどちょっとマンネリなときもありますよね。ちょっと外に出かけるだけでも、意外と新しい情報が得られたり、赤ちゃんの新たな一面が見られたりすることも。今しかない赤ちゃんとの時間を満喫できるといいですね。著者:青谷まるか一児の母。機械メーカーに勤務するワーキングママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味はフラダンスと語学。
2019年09月21日赤ちゃん連れの外出は、ときに途方にくれるサバイバルに出かけたような気分にさせられることもしばしば。「おむつが汚れた」「お腹が空いた」と泣きわめく赤ちゃんを抱えて、おむつ替えや授乳ができるスペースを探して奔走することもあれば、子連れでの外食は「何が食べたい」より「どこでなら食べられるのか」が判断基準。しかも全国で最も人口が集中する東京都内での子育ては、人混みも多く、常に忙しい空気感が漂うなかで、ママ・パパ自身が周りへの過度な気遣いを抱えながら外出を強いられることもあります。そんな「不便」を大前提とした赤ちゃん連れでの外出を快適にサポートしてくれるのが、東京都が子育て支援の一つとして推進している 『子育て応援とうきょうパスポート』 です。今回は、本事業の担当者である東京都福祉保健局 少子社会対策部の桑田さんと加藤さんに、実施に至るまでの経緯や現在抱える課題をはじめ、今後東京都が目指す子育ての未来像についてもお話をお伺いしました。『子育て応援とうきょうパスポート』とは?企業・店舗等が、善意により、都内在住の18歳未満のお子様がいる子育て世帯や妊娠中の方がいる世帯に対して、おむつ替え・授乳スペースや割引サービスなどを提供する仕組みです。本事業に協賛する企業や協賛ステッカーを掲示している協賛店でサービスを受けられます。景品の提供、ポイントの付与及び商品の割引等のサービスを利用する際など、協賛店等からパスポートの提示を求められた場合に、アプリなどで取得できる「デジタルパスポート」をスマートフォンで表示するか、区市町村庁舎などで交付される「紙パスポート」を提示します。「サービスの利用方法」や「パスポート入手方法」は コチラ ■実施までの経緯は?課題解決に邁進する日々ーーまずは『子育て応援とうきょうパスポート』実施に至った経緯を教えていただけますか?桑田さん(以下、桑田):これまで東京都内では、区市町村が主体となって子育て世帯向けの優待事業は実施しており、東京都はあくまで財政的に支援するという形をとってきました。しかし、平成27年5月に内閣府の旗振りで、協賛店舗や企業が子育て世帯対象に優待サービスや外出支援・応援サービスを行う「子育て支援パスポート事業」を全国共通展開する施策が打ち出されたことで、状況が変わりました。各自治体が実施している事業を県をまたいでも使えるようにするには、実施主体が都道府県でないといけないという縛りができたのです。そこで東京都としても、「子育て支援パスポート事業」を立ち上げ、『子育て応援とうきょうパスポート』として展開することになりました。ただ東京都では、おむつ替えや授乳スペースなどを提供する 『赤ちゃん・ふらっと』 という事業を平成20年から推進していますので、このような既存の事業といかに整合性を取りながら事業を進めていくかが課題となり、実施の決断までには時間を要しました。ーー現在4,675店舗(2019年9月2日時点)が協賛店舗として参加されていますが、協賛店舗を広げていくにあたり、ご苦労や現状の課題などはありますか?桑田: 『子育て応援とうきょうパスポート』事業自体、補助金は出ないため、例えばおむつ替えスペースをこれから作るとなったとしても、すべて事業者側の自己負担となります。東京都は、何か事業を進めたいと思ったとき、比較的補助金を出すケースが多いため、誤解が生じないよう事業者の方には補助金が出ないということを慎重に説明する必要がありました。また、最近の課題となっているのが、おむつ替えスペースなどの設備はあるけれど割引サービスがないという店舗についてです。協賛店になることで、割引サービスがないということへのクレームを受けるのでは…という懸念を感じ、協賛店になることに二の足を踏んでしまうということがありました。今後は、そういった面をどうバランスをとっていくのが課題なのかなと思っています。■多くの人に知ってもらいたい!情報発信に込めた工夫桑田: 現在、区市町村にご協力いただいて妊娠届けを提出した際に母子手帳と一緒に受け取る「母と子の保健バッグ」の中に、『子育て応援とうきょうパスポート』のチラシと「紙パスポート」を入れて周知を行なっています。平成30年度以降に妊娠された方については全員にチラシが行き届いている形にはなっていますが、事業自体がまだ若いというのもあり、まだまだ知名度が低い状況です。また、『子育て応援とうきょうパスポート』は高校生まで使えるサービスではあるものの、中高生のお子さんを子育て中の方への周知や情報発信がまだまだ弱いという側面もあります。ーーやはり知名度は一番の課題ですか?そうですね。都庁のなかでも協力してもらえそうな局に声をかけて、人目につきやすそうなところにポスターを貼ってもらうという周知活動も行っています。それ以外にも 『とうきょう子育て応援ブック』 という冊子のなかで『子育て応援とうきょうパスポート』についてご紹介しています。『とうきょう子育て応援ブック』は、東京都が実施している子育て支援のサービスを網羅的に紹介している冊子です。2年前からは、東京都内の国公立小学校で配られていて、小学校1年生の2学期になると必ず受け取れるようになっています。もともとこの冊子は、東京都がやっている色々な子育て支援サービスの情報が本当に助けが必要な家庭に届いていないという課題のなかで、学校から配られるプリントなら保護者も目にするという調査結果が出たことで、学校にお願いをして配らせていただけることになったのです。■『子育て応援とうきょうパスポート』が担う本当の目的ーー『子育て応援とうきょうパスポート』のサービスを開始後、周囲の反応はどのようなものがありましたか?加藤さん(以下、加藤):平成30年2月からアプリの配信を開始したことで、普段スマートフォンで使っているクーポンと同じ感覚で使用できるようになり、周りからも「使っているよ」と声をかけてもらうことが増えました。子連れで外出するとなるととにかく荷物が多いので、スマホでパッとパスポートを出せると使い勝手がいいなというのは私自身も子どもと外出の際に使っていて思いますし、周りからも使いやすいという声が多く届いています。ーー現在、アプリのダウンロード数はどのくらいですか?桑田: 2019年7月31日時点で4万9,505件です。やはり利用規模が大きければ大きいほど、協賛店にも魅力を感じてもらいやすいというメリットがあります。ただ、東京都としてはこのパスポート事業は、単にお子さんや子育て世帯がちょっとお得なことができるというだけでなくて、このステッカーを掲示している店舗や施設が増えることで、「子育てを地域と社会で見守っているよ」というサインになるようにやっていきたいと思っています。サービスの中身だけでなく、そういった子育てへの肯定的な意思表示みたいなものを大事にしていきたいと思っているので、その部分を今後しっかり啓発していきたいなと考えています。■東京都が目指す未来の子育てとは?ーー東京都ではさまざまな取り組みを行っているということですが、現在力を入れている子育て支援事業を教えていただけますか?桑田: まずはパスポートの関連事業としてご紹介させていただきたいのが 『子育て応援とうきょう会議』 です。さまざまな分野の関係機関・団体が連携しながら、社会全体ですべての子どもと子育て家庭を支援できる環境を作ることを目的に設置されたものです。「子育て応援とうきょう会議」では、子育て応援のポータルサイト 『とうきょう子育てスイッチ』 も開設し、様々な子育て情報を発信しています。民間団体や企業に協働会員になっていただくことで、ここをプラットフォームにして情報発信をすることができます。協働会員は現在600団体ほどで、民間の色々な取り組みを東京都として支援するということを行っています。また2019年8月1日からは、児童虐待を防止するためのLINE相談 『子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京』 を通年で本格実施することになりました。電話相談は昔からありますし、児童相談センターや子ども家庭支援センターのように、行って相談する窓口もかなり整備されてはいます。しかし、若いお父さん、お母さんや中高生のお子さんのコミュニケーション手段がSNSがメインになってなっているなかで、相談するハードルが低いツールを使って悩み事が深刻になる前にSOSの声を上げていただきたいので、こういった取り組みも合わせて進めています。ーー今後子育て世代を取り巻く環境、少子化など色々問題はありますがこんな未来像があったらいいなというものはありますか?桑田: 知事も再三申し上げていることかと思いますが、「子どもを産み育てたい」という希望を持つ人たちが安心して子どもを産んで育てられる東京の実現というのが一番の目標です。社会全体が子育てをしていない人も含めて、子どもと子育て家庭を「応援」とまで言わなくても、「見守る」くらいから始めて、そういうやさしい気持ちになってくれるような色々な取り組みを進めていきたいなと思います。加藤:今、自分が子育ての当事者として様々なことをリアルタイムで感じていますが、その中にはいいこともあれば、ネガティブなこともあると思います。いいことはもちろん次の世代にも引き継いでいきたいと思っていますし、ネガティブなことは自分の代でおしまいにしたいという気持ちで今後も事業に取り組んでいきたいと思っています。
2019年09月09日0〜2、3歳ごろまでの親子が遊べる子育て支援センター。私が1人目を出産したときに住んでいた地域では、児童館の中に乳幼児向けの一室が設けられていました。乳幼児健診のときに、そのような場所があることを知りましたが、行ったほうがいいのかどうか迷ったときのことをお伝えします。 子育て支援センターに行くタイミング子育て支援センターに初めて実際に足を運んだのは、赤ちゃんが1歳になるかならないかのころ。かなり活発にハイハイや伝い歩きで動き回るようになり、1日中、自宅の中で過ごすことに限界を感じていたからでした。 子育て支援センターは、自宅よりもずっと広いうえに、安全対策もしっかりされているため、のびのびと赤ちゃんを遊ばせることができました。また、スタッフの方やほかのママさんと他愛もないおしゃべりをすることで、思った以上にリフレッシュできた点もよかったです。 自宅ではできなかった経験ができる!子育て支援センターには、乳幼児向けの絵本やおもちゃがたくさん。自宅にあるもののほかにも「わが子はこういうものにも興味があるんだ!」と、新たな発見もありました。 また、私は手遊びなどでわが子と一緒に遊ぶのがあまり得意ではないため、自宅ではほとんどしていませんでした。そのため、スタッフの方が手遊びや歌を歌ってくれる時間があったことも、とてもありがたいと感じた点でした。 でも、無理をして行く必要はない!上の子が赤ちゃんのころは頻繁に通った子育て支援センターですが、下の子のときは上の子の幼稚園送迎などで忙しくなったこともあり、それほど足を運ぶことはありませんでした。 でも、そのことによって上の子と下の子の発育や発達上の差は、特に感じていません。メリットもたくさんある子育て支援センターですが、近くに支援センターがない、一度行ってみたけれど雰囲気が合わなかったなどの場合は、無理をしてまで行く必要はないと私は思います。 子育て支援センターで出会うママさんたちとの「行けるときに行き、会えたら話す」という距離感。この距離感も、幼稚園でのママさん関係とまた違い、そのゆるやかさがなかなか心地よかったです。著者:奥田美紀二児の母。IT企業にてSE・プログラマーとしてシステム開発やWEBサイト運用等をおこなう。夫の転勤や子育てのために退職し、現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年09月06日出産後、赤ちゃん連れで小児科や役所などの慣れない場所に行くのは結構大変です。そこで妊娠中の方は、ぜひ運動もかねて赤ちゃんとお出かけするための準備を始めてみませんか? 近所をお散歩しながら、お世話になりそうな施設や設備をチェックするんです。新しい発見があるかもしれませんよ。 ここだけは要チェック! 病院・役所ここだけはチェックしたいという施設は、病院です。小児科はもちろんですが、アレルギーや中耳炎になりやすい子もいるので、耳鼻科と皮膚科もチェックしておくとベターです。緊急時、自宅からどのくらいかかるかも要チェック! また、役所は児童手当の手続きなど、出産後は立ち寄る機会が増えます。赤ちゃん向けイベントや仕事復帰のためのセミナー情報が集約している便利なスポットでもあるので、ベビールームの位置の確認も含め、ぜひ一度行ってみると安心です。 子育て支援センター・図書館・おむつ交換台のあるトイレ赤ちゃんとの生活で困るのが、雨の日です。ハイハイやよちよち歩きが始まった赤ちゃんは思った以上にパワフル。1日中、家にいるのがつらくなることもあります。そこで雨の日でも遊びに行ける、保育士さんのいる子育て支援センターや、絵本コーナーがある図書館をチェックするのもおすすめです。建物の中に入らなくても、ここにあるんだな~とリサーチしておくだけでも十分です! また、買い物に行くスーパーやドラッグストアなどに、おむつ交換台のあるトイレがあるかどうかもチェックしておくと、後に役立ちますよ。 公園で一息! 周辺に住むママや赤ちゃんの様子もわかる公園にも行ってみるのもおすすめです。赤ちゃんにたくさんの発見をしてもらえるように、草花や樹木の多い公園がいいですね。遊具もチェックしておきたいポイントではありますが、2歳ごろまでは遊具より階段が好き! なんて子もいます。そのため、小さめの階段もあるとラッキーです。 また、朝10時ごろや夕方4~5時は子連れも多いので、周辺に住むママや赤ちゃんの様子を見ることもできます。 出産後、お世話になる施設や設備はいろいろありますが、「ここなら行ったことがあるから自分でも行ける!」という場所があると、ずいぶんラクになります。準備しておくことで大変さがちょっぴり減って、楽しいことがもっと増えるといいなと思います。 イラスト:imasaku著者:中浦明子一児(女の子)の母。結婚を機に書店員を退職。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味は赤ちゃんと散歩、赤ちゃんと行けるカフェの開拓。
2019年08月12日5月10日、参議院で子ども・子育て支援法の一部を改正する法案が可決・成立し、10月1日から幼児教育・保育が無償化されることが決定しました。子育て世帯にはとてもうれしいニュースですね。ところで、10月1日からは幼児教育・保育の無償化だけでなく、私たちの暮らしに関わる色々な制度が変わることをご存知でしょうか?そこで今回は、幼児教育・保育の無償化を含め、10月1日から変わるものの中で、特に子育て世帯に影響しそうなもの3つについてお話しします。■ 1.幼児教育・保育の無償化tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)まず、0歳児から2歳児までの子どもたちの、認可保育所、認定こども園、幼稚園などの利用料については、「住民税非課税世帯」を対象に無償化されます。3歳から5歳までの子どもたちについては、「収入に関わらずすべての世帯を対象」に、認可保育所、認定こども園、幼稚園(ただし専業主婦[夫]世帯は月25,700円を上限)の利用料が無償化となります。さらに幼稚園の預かり保育や、認定外保育園、ベビーシッターなどについても一定の要件のもと無償化(上限有)されます。ただし、実費として徴収されている費用(通園の送迎費、給食などの食料費、行事費、制服代など)は、無償化の対象外となりますのでご注意ください。■ 2.消費税の軽減税率制度Naoaki / PIXTA(ピクスタ)10月1日からの消費増税に伴い、消費税の軽減税率制度が導入されます。軽減税率制度とは「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」を対象に、税率が10%ではなく現行と同じ8%に軽減されるという制度です。少し分かりにくく、一部ではあまり評判のよくないこの制度ですが、何かとお金がかかる子育て世帯にとっては家計のやりくりに「賢く」利用したいところです。では、飲食料品について軽減税率が適用されるのはどんな場合なのか例を挙げてみましょう。1. スーパー、コンビニなどで購入する食品(生鮮、加工品問わず)、飲料(酒類除く)ocsa / PIXTA(ピクスタ)軽減税率が適用されるのは肉・野菜・魚などの生鮮食品に限られません。例えば惣菜やお弁当、菓子類など、人の飲用又は食用に供されるすべての飲食物が対象となります(酒類、医薬品、医薬部外品等を除く)。2. 料理のテイクアウトや宅配Job Design Photography / PIXTA(ピクスタ)飲食店から料理をテイクアウトする場合や、料理等を宅配してもらう場合(ピザの宅配や出前など)も軽減税率の適用があります。ただし、ケータリングは飲食物の販売(譲渡)だけではなく、食事の配膳・提供が一体となったサービス(役務の提供)とみなされ、軽減税率が適用されません。3. おもちゃ付きのお菓子など、食品と食品以外のセット販売あすか / PIXTA(ピクスタ)おもちゃ付きのお菓子や、マグカップと紅茶のセット販売など、食品と食品以外がセットで販売されている商品等を「一体資産」といいます。このような場合、セットになっている食品の価格が、セット販売価格(税抜1万円以下に限る)に対する割合の2/3以上であればセット商品全体に軽減税率が適用されます。分かりやすい例でいえば、おもちゃ付きのお菓子価格が300円だとした場合、そのうちお菓子価格が200円以上であれば軽減税率が適用されますが、逆におもちゃ価格が100円以上なら標準税率の10%が課税されることになります。■ 3.住宅ローン減税の控除期間延長(10%課税の場合)もとくん / PIXTA(ピクスタ)これまで住宅ローン減税の控除期間は10年でしたが、10月1日以降にこの制度を利用する場合は控除期間が13年まで延長されます。ただし、この制度は利用できる期間が限定されていることに注意が必要です。この控除を受けるためには、2019年10月1日から2020年12月31日までの間にマイホームを購入(引渡しをうけること)し、入居をしなければなりません。また、この期間に入居したとしても消費税の経過措置(税率8%)を受けた場合や、取引対象が非課税(売主が個人等)の場合には、この措置が受けられませんのでご注意ください!花火 / PIXTA(ピクスタ)今回ご紹介した以外にも「自動車税の引き下げ」や、「中小の小売店で商品をキャッシュレスで購入する際のポイント還元」なども始まる予定となっています。何かと出費が多い子育て世帯ですが、さまざまな「新制度を上手に活用」すれば、家計の負担を少しでも減らすことができるかもしれません。参考※参議院「子ども・子育て支援法改正案を議決」※国税庁「消費税の軽減税率制度の実施」※国土交通省「住宅ローン減税」
2019年05月20日多様な経験を、支援に生かそう。福祉の仕事の基礎知識を得られ、複数の事業所と出会えるイベントを開催Upload By LITALICOキャリアLITALICOはこれまで、発達が気になる子どもの支援や、障害のある方の就職支援を通して、4万人以上の方に関わってきました。その中で感じたのは、支援する「人」の想いで、関わる人の可能性がひろがるということ。そして、支援する「人」が幸せでいることが、関わる人の幸せにつながるということ。だから私たちは、この業界で支援する「人」を増やし、想いがあって、多様な経験のある人に、この業界に関わり続けてほしいと思っています。もっと自分らしく働ける場所、困難のあるひとへのサポートが自分自身の幸せにつながる場所を見つけませんか?2019年2月に新たにオープンした、発達ナビの姉妹サイト「LITALICOキャリア」は、障害福祉・児童福祉分野に特化した求人サービス。ここでは、支援の仕事に新しく挑戦したい方、またこれから福祉業界に就職したい学生の方向けなど、「LITALICOキャリア」が開催するさまざまなイベント情報をご紹介します。【5・6月開催】LITALICOキャリア イベントラインナップUpload By LITALICOキャリア障害のある方の「働く」を支援する仕事って?LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・就労支援事業を展開する法人のブースを多数出展・就労支援の仕事についてゼロからわかる「まるわかりセミナー」/就職活動のコツがわかるセミナーなど、複数のセミナーを実施・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア発達が気になる子どもを支援する仕事って?LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・発達支援事業を展開する法人のブースを多数出展・発達支援の仕事についてゼロからわかる「まるわかりセミナー」/就職活動のコツがわかるセミナーなど、複数のセミナーを実施・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア【2020卒対象】フクシに興味のある学生大集合!LITALICOキャリアしごとフェスタ<イベント内容>・就労支援・発達支援事業を展開する法人のブースを多数出展・これで安心!福祉の就活まるわかり塾・新卒3年目以内の職員が語る!福祉のしごとのリアル・業界専門のキャリアアドバイザーによる相談コーナーUpload By LITALICOキャリア<イベント内容>・個別支援計画の考え方を知る/自分が実現していきたい支援や貢献について考えるワークショップ・児発管・サビ管として働く参加者同士でざっくばらんにお話しできる座談会・業界専門のキャリアアドバイザーに相談できるおしごと個別相談会「自分らしく働く」を考えるきっかけに発達が気になる子どもの「できた!」という笑顔を増やす。働くことに困難がある人の「働く喜び」を一緒に分かち合う。「LITALICO」キャリアで開催するイベントのテーマである発達支援・就労支援はそんな魅力ある仕事だと考えています。各イベントが「自分らしく働くとは?」を、一緒に考えられる機会になればと思います。みなさまのご来場をお待ちしております!▼LITALICOキャリアのサイトはこちら▼
2019年05月11日食品工場で働いていた私は、つわりのひどさに妊娠4カ月で退職。長いマタニティライフの間、地域の子育て支援についてたくさん調べました。妊娠中に地域の子育て支援について調べておいたおかげで、育児の充実感へと繋がった私の経験をお伝えします。 地域の子育て支援情報を調べてみると…子どもが生まれたら育児を楽しみたい! と強く思っていたので、妊娠中から地域の子育て支援について調べていました。なかでも、母子手帳交付の際にもらった市が発行する「子育てガイドブック」が役立ちました。子育て支援センターの場所や、子どもの遊べる施設、育児サークルなどが記載されていたのです。 もしものときや預け先、料金なども載っています。他には個人運営の地域情報のブログやウェブサイト、フェイスブックのグループ掲示板、赤ちゃん向けの教室やイベント情報もチェックしました。調べれば調べるほど、子どもがいたら楽しい生活になりそうだなとワクワクした気持ちになったものです。 子どもが生まれ、イベントや行事に参加!子どもが生後3カ月になったときから、お出かけを開始! 新生児期は家にいることが多く孤独を感じていましたが、「外の世界では楽しいことがある!」というモチベーションのおかげで、生後3カ月まで前向きに育児ができました。 実際子育て支援センターへ行ってみると、年齢別交流会、託児付きのママ向け講座、季節に応じたイベントなど、多くの催しがおこなわれていました。ベビーマッサージやベビーサイン教室、お昼寝アートなどにも積極的に参加。低月齢のときには、子どもよりも私が楽しんでいました。 情報収集スキルを身に付けたベビー向け教室や、市が開催している無料の離乳食教室や幼児食教室。妊娠中に調べてやりたかったことや行きたかったところへ行けるので、毎日に充実感があります。また、「調べること」をしていたおかげで情報収集スキルが高くなり、紙・インターネット・施設の掲示物など、さまざまな媒体から情報をキャッチできるようになりました。 おかげで時間が限られる育児中でも、多くの情報を得られています。イベントや行事に積極的に参加することで、顔見知りの先生や親子も増え、さまざまな場所で「大きくなったね~」と声をかけてもらてとてもうれしいです! 妊娠中に地域の子育て情報を調べることで、子どもと参加できるさまざまな行事等を把握できたので良かったです。そして「子どもが小さいうちは何もできない」と諦めることはないと感じました。むしろ、子どもがいるからこそ楽しめることがある! 妊娠中に調べておいたおかげでポジティブに生活することができました。著者:高橋こずえ3歳と1歳の姉弟を育児中。節約・整理収納・手芸が趣味で、家での手仕事を楽しんでいる。子育てライター歴3年目。
2019年05月07日みなさんはママ友ってどのようにして作りましたか?私は実家が離れているということもあって、引越してきた当初は友達も知り合いも0でした。■ママ友ってどうやって作ればいい?生活している分にはとくに不便もなく、友だちを作ろうとも思っていなかったのですが、出産して育児をしていくうえで「ママ友がいたほうがいいんじゃないか?」と思うようになりました。ママ友を作ると言ってもどうやって作ったらいいんだろう?まず思い浮かんだのが近くの保育園などの支援センターに行ってみることでした!人見知りだし、初対面の人と話すのは苦手だけど子どもが同じくらいの月齢の人を見つけたら仲良くなれるんじゃないかな? と思ってワクワクドキドキしながら支援センターに行ってみることにしました。■ママ友を作るため、いざ子育て支援センターへ!支援センターに行ってみたものの、既にグループ化されその中に入れる気がしませんでした(笑)ひとりで来ているママさんももちろんいましたが、連絡先交換とまではいかず…。その場で話すことはできるんですが、会話が続かなかったりよそよそしい空気に(笑)私がもっと社交的だったら友だちになれたのかもしれません!何度か行きましたがママ友ができることはなく…。まだ子どもが赤ちゃんだったこともあり、いろいろな面で気を遣ったりするのにも疲れ切ってしまい、結局支援センターもいかなくなってしまいました。でも、支援センター以外に、私がもう一つ熱意を注いでいたママ友作りの場がありました。次回はそのママ友作りについて書きたいと思います!
2019年04月26日センターインコンパクト1/2が改良を施し新たに登場ユニ・チャーム株式会社の生理用ナプキンである「センターインコンパクト1/2」シリーズが改良を施され全国で発売される。香りは無香料、スイートフローラル、ホワイトシャボンの3種。それぞれ、「多い昼用羽つき(22枚)」、「特に多い昼用羽つき(16枚)」、「多い夜用羽つき(12枚)」の3種のサイズ展開となっている。発売日は2019年4月で、価格はオープン価格である。女性の悩みに答えたWフィット構造「センターインコンパクト1/2」はモレにくくするために、膣口から落ちた経血を吸い取れるような構造となっている。これをWフィット構造と言い、中央部分にでっぱりがあるのが特徴だ。また、さらっとした付け心地が続くサラクリーンミストで、経血が肌に付着することによって起こる不快感の軽減も期待される。更に表面のシートがふっくらとしているためとても肌に優しく、こすれが気になる股ぐりの部分も肌に触れる力が気にならない使用となっている。高まるニーズに応えた生理用ナプキンコンパクトなサイズが好評を呼ぶ「センターインコンパクトスリム」シリーズ。女性の社会進出と共にその持ち歩きやすいデザインの需要が更に高くなる。今回改良を施された「センターインコンパクト1/2」は通勤、通学時や昼間の活動時間にモレやヨレで不快に感じた女性の味方となりそうだ。(画像はプレスリリースより)【参考】※ユニ・チャーム株式会社のプレスリリース
2019年04月23日神奈川県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ヨリドコロ横浜は、「ギフト=天性の才能や能力、神様からの贈り物」に満ち溢れている子どもたちが、もっともっと可能性を発揮できる世の中にしたい、という思いを胸に、2019年4月にオープンした事業所です。「アートデザイン療育」という、色彩をベースとしたカリキュラムを通して、子どもたちの表現力や創造力を養い、子どもたちの可能性を信じ、引き出し、将来の選択肢を広げるサポートをしているそう。お子さまの現状をしっかりと把握したうえで、「現段階での子どもたちの成長にとって何が一番よいのか」をご家族と一緒に追求し、楽しく個性を伸ばせる環境づくりを心がけています。ベテランの児童発達支援管理責任者をはじめ、小学校教諭、絵を極めてきたアーティスト、スポーツが大得意なお兄さんなど、さまざまな資格や特技をもつ専門スタッフが在籍しています。神奈川県の児童発達支援事業所をもっと見る通所支援施設とは?このコラムで紹介した「ヨリドコロ横浜」は児童発達支援を行う施設です。児童発達支援とは、障害児通所支援のひとつ。この4月から、新たにこのような通所支援施設を利用したいと考えている方も多いのではないでしょうか?そこで、通所支援施設とはどういうものかについて紹介します。これは、障害がある子どもを支えるための児童福祉法に基づく制度です。自宅から施設に通ってサービスを受けるタイプの事業の総称で、未就学児を対象とした児童発達支援、就学児が授業後や休みの日に通う放課後等デイサービスのほか、医療型児童発達支援や保育所等訪問支援などもあります。それぞれのサービスについて、詳しく紹介しているコラムもぜひ参考にしてみてください。施設の情報を探すには「施設情報」ページが便利!Upload By 発達ナビ施設情報LITALICO発達ナビの「施設情報」ページでは、放課後等デイサービス・児童発達支援施設を中心とした、お子さんの発達を支援する施設の情報を掲載中!お近くの施設を希望の条件に合わせて検索することができます。所在地や施設区分での検索のほか、受け入れ障害種別や受け入れ年齢、送迎や土日祝日の営業の有無など詳しい条件での絞り込みも可能になるなど、よりニーズに合った施設が探しやすいページへと少しずつパワーアップしています。また、新しく利用する施設を探すだけでなく、すでに利用中の施設があれば「利用者の声」を投稿することで他のお子さんの施設探しの参考になることも。ぜひお住まいの地域の施設を検索してみてください!
2019年04月09日共働き家庭が増え、比例して夫婦の負担も大きくなっています。その夫婦の負担を解消するために、国が行なっている子育て支援が充実してきていることを知っていますか?ぜひ利用してほしい子育て支援制度をパピマミ編集部が紹介していきます。子育て支援制度とは「子育て支援制度 」というフレーズを聞いたことがありますか?これは、すべての家庭が安心して子育てをできる環境を作っていく ための厚生労働省の取り組みです。仕事と子育てを両立する環境を整え、支援の量と質を良くすることを目指しています。気になる保育料についても、各家庭の収入や環境、子供の人数によって軽減措置があるので、事前に確認しておくと良いかもしれません。子供を預けることだけではなく、誰でも利用できる利用者支援という制度もあります。自分に利用できる支援制度があるのかはもちろん、子育てで困ったことを気軽に相談 できるので、知っておくだけで役に立つはずです。共働き家庭は保育所の利用を最近では実家と同居する家庭が減っていることに加え、定年退職の年齢も上がったために、両親が現役で働いていて頼れないことも少なくありません。そんな苦しい生活でも、子供を預けられるのが保育所です。保育所は待機児童が多く、入りにくいイメージがありますが、こども園や地域型保育などのの保育施設 ができています。こども園は保育所と幼稚園の両方の良さを兼ね備えていますし、地域型保育のひとつである小規模保育は少人数ならではのアットホームな保育を期待できます。それぞれメリットがありますので、家庭や子供に合った施設を選びましょう。また、求職中でも保育所の申請できる ので、「一度退社してしまったから子供が小さいうちは働けない」と考えず、とりあえず行動してみるのもひとつの方法です。一時預かりも上手に利用しましょう正社員でなければ保育所に入りづらい地域も多いのは事実です。しかし、共働き夫婦に助かる制度である「一時預かりという制度 」を利用できるの知っていますか。保育所のように毎日は預けられませんが、パートや単発の派遣のように週に数日であれば預けて働きに出られます 。預かってもらえる日数はその地域によって決まっているので、確認してみてください。一時預かりも、保育所と同じように慣らし保育から始める施設が多いので安心です。また、空きさえあれば仕事をしていなくてもリフレッシュなどの理由で、誰でも預けられます。しばらくは一時預かりの時間内で働き、保育所の申請が通ればフルタイム勤務を目指すなど、上手に利用していきましょう。困った時はファミサポをファミリー・サポート・センター事業 は、同じ地域の「子供を預けたい」という人が、「子供を預かりたい」という人に有償で援助をしてもらうことができる制度です。援助の内容は様々で、保育所や幼稚園への送迎から急な預かりまで、比較的柔軟に対応してくれます。できるだけ近所の方を紹介してくれますし、援助をする人もきちんと講習を受けているので安心 して預けられます。ただし登録してすぐの利用はできず、まずは援助をする人を探して顔合わせを行ってからになります。援助をする人の都合が悪ければ断られることもあるので、ファミサポにすべて頼るのではなくいざという時の手段のひとつとして利用すると良いでしょう。まとめ子育てと家事と仕事の3つの両立は、想像以上に過酷です。子供が生まれれば子育てに追われ、落ち着いて情報収集する時間も取りづらくなりがち。保育所の申請などは施設を選ぶ時間も必要ですので、早めの行動が大切です。事前に利用できる制度をリサーチし、ゆったりとした気持ちで子育てに臨みましょう。
2018年10月02日気になる男性と電話で話すとき、どんなところに気をつけていますか?電話は、声と言葉からの情報のみですよね。しかも、メールやLINEのように考える時間はありません。しかし、会話がかみ合えば「価値観が同じ!」「自分に合っている!」という印象を抱いてもらえます。あなたの教養や知性、性格といった中身がアピールできるチャンスと考えましょう。聞き上手は、恋愛上手。会話が続くコツは、タイミングよく相槌をいれたり、欲しいリアクションをしたり、あるいはちょっと気の利いたコメントをするのであって、あなたが無理に話題を提供する必要はありません。もちろん、同じ趣味や共通の話題があれば、そこからスタートしやすくなりますが、そういった話題がない場合はどのように話をつないでいくでしょうか?たとえば、あなたが自分の趣味のことを話したい、相手に知ってほしいと思えば、「あなたの趣味は野球だったっけ?」などと、相手に趣味の話を「質問する」のです。そこで、「私と似てる!」とか「私もそう思う!」という共感や同調を入れつつ、自分の趣味の話につないでいきます。また、正反対のところがあるのも興味をそそるものです。相手を否定するのではなく「違い」を示すことで、相手の好奇心をそそることができるでしょう。「雨は嫌い」「雨は好き」など、そんなことで十分です。また、「私は雨も意外と好きかも。だってこういういいこともあるでしょ」という風に、悪い面ではなく良い面を提示します。悪口で盛り上がるのではなく、会話全体をポジティブな方向に維持することで、あなたの印象が前向きなものとなります。対面にも使える!キャバ嬢直伝の会話のテクニック電話だけでなく、対面でも使えるテクニックを紹介しましょう。売れっ子キャバ嬢もお勧めの方法です。聞き手に徹する特にはじめのうちは、相手の話を聞いてあげる姿勢が大切です。恋愛は情報戦でもあります。どんなことに興味があり、どんなことを大事にしているのか、相手の好みや傾向をしっかり把握して地盤を築きましょう。オウム返しをする「暑かったよ」「そっか、暑かったんだね、28度もあったものね。」と相手の言葉をそのまま返すというテクニックです。これは、あなたの話をしっかり聞いていますよ、という意思表示になります。「そっか」「ふ~ん」「へ~」だけよりも格段に印象がいいですよね。相手の良いところを2回ほめるたとえば、「声がいい」「やさしい」など、普通にほめてもわざとらしさが残ってしまうことがあります。しかし、しばらくほかの話をした後で、「やっぱり、いい声だ」「やっぱり、やさしいよね」など、改めて伝えることで真実味を出すことができます。話しやすい方向へ質問をする「なぜ?」「どうして?」では子どものようですし、「それで?」「そのあとは?」では根掘り葉掘り探られているようで、いい気分はしません。いい質問をするというのは、意外に上級テクニックです。テクニックの一例としては、相手が話したい、聞いてほしいと思うところへ誘導する質問をすることです。けがをしたという話であれば、けがの理由や状況を質問するのではなく、その時に相手の「気持ち」にフォーカスします。「痛かったでしょ?」「今は大丈夫なの?」など相手が自分の感情を吐露しやすい言葉をかけるのがポイントです。コールセンタースタッフが教える電話の3つのポイント電話で聞き手に徹する専門家といえば「コールセンターのスタッフ」ですよね。基本的に自分のことは言わず、情報を聞き出し、必要な質問には答えるという仕事です。初めてこの仕事についたかたでも1か月も勤めれば、急激にトークがうまくなります。それは、コツをつかんで効率よく話を聞き出せるようになるからです。会話は急に上手にならない。普段の家族や友達との会話でも、ぜひこういった「聞く」姿勢や相槌のテクニックを意識してみてくださいね。なんとなく感覚がつかめてくるでしょう。電話の声は少し高めに電話では、どうしても声がワントーン低く聞こえるものです。意識してやや高く、明るめの声を出すようにしましょう。もちろん、寝転んで話していると声がこもって聞こえてしまいますので、姿勢を正してお話してくださいね。表情も声に出る「笑声」という言葉もあります。「笑顔」は笑った顔のことですが、「笑声」とは微笑んでいるような声です。電話では当然、相手に顔は見えませんが、声にあなたの表情が反映されます。顔は無表情だけど、声は笑っている、というのは難しいのです。コールセンターでも、デスクに表情チェック用の鏡を置きます。いきなり笑顔で話すのは難しいかもしれませんが、口を横に引いて「イー」というかたちにしてお話をしてみてください。まるで笑いながら話しているような声になりますよ。いかがでしたか?電話は声と言葉だけのコミュニケーションです。実際に会って話せば、見た目やしぐさ、匂いなどもアプローチ方法としてありますが、周りと差が付くのは実は電話です。電話が楽しいというのは、つまり中身が合うということ。ぜひ電話での会話テクニックを高めてみてくださいね。
2018年07月29日これまでも様々な形で次世代を担う若きクリエイターの支援を行ってきた「ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」から、その支援の最新プロジェクト「ARMANI/LABORATORIO(アルマーニ/ラボラトリオ)」の詳細が発表。日本でも大ヒット中の『君の名前で僕を呼んで』のイタリア人監督ルカ・グァダニーノがその指揮をとる。本プロジェクト「アルマーニ/ラボラトリオ」は映画の世界に進むことを夢見る学生を支援するもので、第1シーズンは昨年11月に始動、その際は8名の若きクリエーターが選出された。彼らは定期的なレッスンを受け、今年2月のミラノコレクション期間中に完成作品『UNA GIACCA -A JACKET-』がお披露目。1着のジャケットを軸に時空を超えて展開されるストーリーは、短編映画としての高いクオリティが話題となった。今回、その注目プロジェクトの第2シーズンが立ち上がり、現在、参加クリエイターを募集中。応募は世界中から可能で、もちろん日本からの応募も可能となっている(応募フォームやレッスンは英語)。第2シーズンの指揮をとるのは、シチリア生まれの映画監督ルカ・グァダニーノ。現代社会の複雑さを切り取る鋭い目線と優れた美的感覚で、世界的に高い評価を得ており、『君の名前で僕を呼んで』は本年度アカデミー賞に作品賞、主演男優賞(ティモシー・シャラメ)など4部門にノミネート、最新作『Suspiria』(原題)にはダコタ・ジョンソンやクロエ・グレース・モレッツ、ティルダ・スウィントンらが出演する。これまでにヴェネツィア国際映画祭で審査員を務めた経験もあり、彼の代表作の1つ『ミラノ、愛に生きる』(ボルダー国際映画祭で最優秀作品賞を受賞)は、その名のとおりミラノを舞台とした作品で、ミラノへの強い愛を持つ人物として知られている。グァダニーノ監督以外に各分野のプロフェッショナルとして学生の指導にあたるのは、『胸騒ぎのシチリア』で監督と組んだデヴィッド・カイガニック/David Kaganich(脚本)ほか、Lucas Gath(撮影技術)、Walter Fasano(編集)、 Giulia Piersanti(衣装デザイン)、Fernanda Perez(メイクアップ)、Manolo Garcia(ヘアスタイル)といったメンバー。ジョルジオ・アルマーニ氏は、「映画はファッションのように、ビジュアルを駆使して私たちを魅了します。制作に関わる全ての人たちの仕事が最終結果に結びつく、究極のチームワークです。『アルマーニ/ラボラトリオ』は、映画業界のトップとして活躍するキープレーヤーたちの指導と支援を得て、生徒が一緒に作業を行う場です。この場のことを私は-フィルムアトリエ-と名付けたいと思います。今年は、イタリアや国際映画シーンで最もオリジナリティが高くエレガントな監督の1人であるルカ・グァダニーノとこのプロジェクトを行えることを非常に嬉しく思います」とコメント。また、グァダニーノ監督は「アルマーニ氏に最も敬意を表するのは、彼が彼の時代を作り上げてきたということです。今回、新世代の映画ファンをサポートする彼の熱い思いに心から共感し、私はこの招待状を喜んで受け入れました」とコメント。「優れた専門家をプロジェクトに参加させることで、非常に魅力あるチームを結成しました。今回は成長、アイデンティティ、女性の新しい世界、といったことをテーマに作品を作り上げます。そう、非常にアルマーニらしいキーワードをテーマに選んだのです」と、“いま”にふさわしいテーマを掲げている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:君の名前で僕を呼んで 2018年4月27日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefacture
2018年07月05日「自分は虐待をしているのではないか?」1991年より都内で、子どもへの虐待防止のための電話相談などボランティアで支援を続けている民間団体の「子どもの虐待防止センター(CCAP)」には、相談者からこういった疑問を投げかけられることも少なくないそうです。前編では、ベテラン相談員・Mさんに「虐待の境界線」をお聞きしました。続く後編では、子育てしにくい時代に、どうやってできるだけ怒らずに子育てをしていけるか、というお話をうかがいました。■児童虐待防止法も影響? 周囲の目がきゅうくつに感じる「現代の子育て」── 長年相談を受けている中でお母さんたちの相談内容が変わってきたという印象はありますか?Mさん:私の主観的な印象ですが、「周りに子どもがいるのが当たり前」の環境から、「子どもと接する機会がない、子どものはしゃぐ声や泣き声を普段耳にしない」という環境になってきているように思います。その中で子育てをするのは大変ではないかと感じています。── 今の環境は、お母さんたちにとってきゅうくつなのでしょうか?Mさん:電話相談を受けるなかでも、「スーパーで子どもがダダをこねてギャーっと騒いでしまったので叱ったら、周囲からは冷たい視線。通報されるのでは? といたたまれなくなって、買い物もそこそこに家に帰りました。ドアを閉めた途端、つい子どもに『何なのよ!』と怒鳴ってしまった。今、子どもはイヤイヤ期真っ盛りなのはわかっているのに…」などと話す方もいらっしゃいます。──私の周囲でも、「子どもを叱っていたら児童相談所の人が来た」という笑えない話を結構聞きますが、2000年に児童虐待防止法が成立して、通告が増えた影響はありますか?Mさん:通告は困っている親子を支援するためのものなのですが、お母さんたちは「助けられている」というよりは「見張られている」ように感じる面があるのかな、と感じています。──相談を受けているなかでお母さんたちのとまどいを感じているんですね? Mさん:小さい子の機嫌をコントロールするのは難しいことです。親ならそれをうまくできるはずというプレッシャーを受けて頑張るけれどうまくいかない、ということだと思います。── そんなきゅうくつな中で、どのように子育てをしていったらいいのでしょうか?Mさん:難しいことですが、少し心に余裕を持てたらいいですね。親も子育てしながら親として成長します。失敗したと思ったら「言い過ぎたね。ごめんね」と正直に伝えたらどうでしょう。「おやつ食べようか。本でも読もうか」と親子共に気持ちを切りかえられたらいいのでは?子どもとの関係ってもっと広いし深いので、一つのことにとらわれすぎずにやっていってもらえたらいいな、と思っています。■自分の中の「コップの水=たまったストレス」をあふれさせないためには?── 具体的にはどうすればいいでしょうか?Mさん:ストレスがたまりにたまった時って、コップにお水がいっぱいいっぱいの状態と似ていますね。表面張力でかろうじてこぼれていない状態のようなものです。だから、そこで何か起こると、最後の一滴となってコップに注がれ、一気に水があふれてしまうんです。── そうですね。子育て、家事、仕事とあふれそうな状況は私自身よくあります。そういう時は申し訳ないけれど、子どもに八つ当たり気味に怒ってしまう時もあります。Mさん:皆さんそういう状況で電話をかけてくれるので、「子どもにやりすぎてしまった」「自分は反省している」「でも夫はこういうことをわかってくれない」と話していくと少し余裕が出てきて、子どもに当たってしまう今の自分が見えてきます。だから、お母さんがいっぱいいっぱいになった時は、コップの水が一気にあふれないように、少し自分からこぼせるといいですね。子どもには成長段階があって、時期がくれば今まではなんだったのか? ということも多いです。── 自分の中のコップの水を減らすのが大切ということですね。具体的にはどのような方法がありますか?Mさん:今はいろいろなところで相談を受け付けていますから、こういう電話相談などにかけてみるのも一つの手だし、どこかに子どもを預けたり、休みの日は夫に預けて自分の好きなことをやる時間を少しとったり、というようなことをやって、しのいでいけたらいいのではと思います。── 子育てだけの世界から少し離れる、ということですね。Mさん:1日24時間、365日お母さんをやっていると、すごく疲れますよね。だから、お母さんも1人になれる時間は必要ですよ、と話すと「食事もトイレもお風呂も、1人の時はない!」と初めて気づかれるんです。それでちょっとでも1人になれる時はないか、ホッとできるのはどんな時かを一緒に考えます。ワンオペで育児されている方も多いですが、公的サービスなど使えるものは何でも使って、少しでもストレス解消できるといいですね。── 電話をかけてくるのもワンオペ育児の方が多いのですか?Mさん:多いですね。そういう方はワンオペという大変な状況のなかで、すごく頑張っているんです。なのに「もっとやらねば。大変だと思うのは子どもを愛していないからなのか」と自分を追い込んでしまっているのが本当に残念です。── まずは、自分が大変ななか頑張っている状況を自分でほめてあげて、心に少しでも余裕を持つことが大切なんですね。 ■「どういう時に怒ってしまう?」自分の怒りパターンを把握── そのほかに怒りすぎない方法はありますか?Mさん:そうですね。あとは怒りたくなるけれど、視点を変えると超かわいい子どもの姿を撮る“おバかわ写真”のような方法でしょうか。ギリギリの状況は変えられない、腹が立つのも仕方ない。でも、せめて腹が立つのを笑いに変えられたら、親子共にハッピーですね。── 笑いに変えるなど自分なりにしのぐ方法をちょっと探してみる、ということですね?Mさん:怒りすぎてしまう時って大体、同じパターンになっていませんか? いつものように親子のやりとりをして、気がつけばいつものように怒っていた。そのようなやり取りになった時に、先ほどのおバかわ写真を撮るとか「あー始まった、始まった」と呪文を唱えるとか、その場を離れる、深呼吸するなど自分なりにしっくりくるものを探して、「あー、また怒っちゃった」と後悔せずにすめばいいな、と思います。── パターンを把握して、対処法をいくつか持っておくといいんですね。Mさん:パターンのどこかを変えると流れが変わります。この言い方で話してみよう、このタイミングでこうしてみようなど、なるべく楽しくなるようなことに変えながらやってみる。それでダメだったら、「あ、ダメだったな。次はどの手でいこうかな」くらいの気持ちで。── それ以外に何かありますか?Mさん:子どもの行動を(a)好ましい、(b)やめさせたい、(c)してはいけない、のように3つに分けてみてはどうでしょう。(c)は命にかかわるなど重大なことですが、(b)は時期を待つ選択もあるかもしれません。親も言い出すと意地になって引くに引けなくなる時期もあったりしますのであきらめる、というか、今すぐにどうこうしようとせず、ちょっと置いておくのはどうでしょうか。── 今日はありがとうございました。日々、子育てに困っているお母さんたちに向き合っているMさんのお話は大変参考になりました。取材なのに、ゆったりとした口調で、こちらの話も丁寧に聞いてくださるMさんとのインタビューは時折、自分の子育て相談をしているような錯覚に陥りました。そのMさんが「子どもを怒らない」ための対策としてあげるのが次の3つ。1.1人でがんばりすぎず、できるだけ心に余裕を持つ。2.自分が怒ってしまう原因などパターンを見つけ、(できれば楽しめる)対策を考える。3.あきらめる(今は置いておく)。ほぼワンオペで、コップの水もかなりギリギリの筆者自身の話も聞いていただき、「怒りたくないのに怒ってしまった」と後悔を繰り返す日々を抜け出す多くのヒントをもらったように感じました。長年、親身に困っているママたちに寄り添ってきているMさんのような方たちに話を聞いてもらうのも、とてもスッキリしそうです。取材協力: 社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP) 子どもの虐待を早期に発見し、虐待防止を支援するために1991年に設立された民間団体。研修を受けた相談員と、医師、弁護士、臨床心理士、ソーシャルワーカー、行政経験者、教育関係者などが活動しています。CCAPでは、子育てに悩む方のための電話相談、母親のグループ(MCG)、CCAPペアレンティングプログラム講座「親と子の関係を育てるプログラム」などを行っています。相談の電話番号は、03-5300-2990(平日10:00~17:00 土曜日は10:00~15:00/通話料以外は無料)取材・文/まちとこ出版社 石塚由香子
2018年03月10日2015年4月、「子ども・子育て支援新制度」がスタートしました。そのうちのひとつ「病児保育」は、子どもの急病で出社できないというワーママに役立つ制度として注目されていますが、2016年、少し遅れてスタートした「お迎え制度」をご存知でしょうか?今回は、全国病児保育協議会会長・大川洋二(ひろじ)さんが解説してくれました。「お迎え制度」ってどんな制度?「子どもが急病でお迎えに行かなきゃ…」。子育てと仕事を両立するママなら、多くの人が経験したことがあると思います。しかし「お迎え制度」を活用すれば、その心配はなくなるそう。「これまでは、保育園や幼稚園、認定こども園などの施設に預けていた子どもが急に体調が悪くなったとき、お母さんに連絡して迎えに来てもらうのが一般的でした。しかしこの制度は、病児保育を行う施設のスタッフなどが代わりに迎えに行き、かかりつけ医で診察してもらってから預かるというもので、お母さんやお父さんが仕事中に早退しなくてもよくなったのです」(大川さん、以下同)子どもの急病による早退問題は、働くママにとって、重要なこと。この制度はそんな人たちにとって、大きなメリットとなるのです。デメリットも認識しよう!一方で、この制度にはまだ危ない面もあるのだとか。大川さんは、デメリットとして2つのことを挙げます。「まずひとつ目は、『子どもの精神的不安』です。知らない人に知らない場所へ連れていかれるというのは、子どもにとっては、大きな心理的負担。子どもにとってもなじみのある施設、せめて一度は使ったことがある施設にするなどの配慮が必要です」そしてもうひとつは、「重症化したときの対処」。「体調が悪くなるといっても、軽度のものから重症化の恐れがあるものまで様々あります。施設のスタッフが園にお迎えに行って、かかりつけ医に診察してもらったとき、もしも『すぐに入院する必要がある』と言われたらどうしますか?家族ではないスタッフに、勝手な判断はできませんよね。そのため、あらかじめ保護者と綿密な話し合いをして、緊急時にどうするかを決め、同意を取っておく必要があります」さらに、大川さんは、「『お迎え制度』を含む病児保育は、母親の就労支援の面ばかりがクローズアップされますが、本来は子どものための制度」とも。ママにとっては、子どもの急病が原因での急な早退や欠席を避けられるメリットはありますが、「早退しなくてよくなった」だけではなく、子どものことを考え、もっと慎重に利用すべき制度なのかもしれません。(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月26日2015年4月、子育て世帯やママを取り巻く環境は、大きく変わりました。それは、「子ども・子育て支援新制度」が始まったから。この「子ども・子育て支援新制度」には、保育園や幼稚園を利用するための認定について、子どもにかかるお金のことなど、様々なことが定められていますが、「病児保育」も注目したい項目のひとつ。そんな「病児保育」について、「病児保育の施設には3つある」、そう話すのは、全国病児保育協議会会長・大川洋二(ひろじ)さん。「病児保育」を行う3つの施設って?先ほど、大川さんが言っていた「3つの施設」。これらについて、解説してくれました。「ひとつ目は、病院やクリニックに併設されている『医療機関併設型』。2つ目は、幼稚園や保育園などに併設された『保育園併設型』。そして3つ目は、『単独型』というものです」(大川さん、以下同)では、それぞれの施設はどのような特徴があるのでしょうか?「『医療機関併設型』は、おもに病気は治っていないけど、悪化する可能性の低い子どもを預かる『病児保育』を担当していて、『保育園併設型』は、病気は治っているけど、円や学校には行けない子どもを預かる『病児後保育』を担当しています。というのも、いずれの場合も子どもの容体は安定しているとはいえ、悪化する可能性はゼロではありません。そのため、『病児保育』は医師が常駐している『医療機関併設型』で担当することが多いのです」「医療機関併設型」、「保育園併設型」の違いはわかりましたが、もうひとつの「単独型」は?「『単独型』はNPO法人などが運営している施設です。地域のドクターがチームを組んで、今日は○○病院、明日は××病院といったように、当番制で担当しています」これらの施設には課題もこのように、病児を受け入れてくれる施設はありますが、「まだ課題もある」と大川さんは続けます。「『子ども・子育て支援新制度』が施行された2015年以前から『病児保育』の取り組みはありました。当時は、病児2人に対し、保育士・看護師がひとり付くことになっていましたが、現在は、人員不足の観点から、保育士・看護師ひとり当たり3人になったのです。しかし、これでは病児へのケアが不十分になるとの懸念もあります」また、定員が少なく、現状は預けたくても預けられない状況もあるそうで、その点も解決すべき課題だと大川さん。共働き世帯や働くママが増え、病児保育の需要が高まっている昨今。子ども・子育て支援新制度が充実するには、まだ時間がかかりそうです。(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月23日2015年4月に始まった、「子ども・子育て支援新制度」。その中のひとつに、「病児保育」というものがあります。ひと口に「病児保育」といっても、じつは4種類もあるということ、ご存知でしょうか?今回は、それぞれの特徴をおさらいしましょう。ご協力いただいたのは、全国病児保育協議会会長・大川洋二(ひろじ)さん。病児保育のそれぞれの特徴は?先述のように、病児保育には4種類あるのですが、それは(1)「病児保育」、(2)「病後児保育」、(3)「体調不良型」、(4)「派遣型」の4つ。それぞれの特徴は以下。(1)「病児保育」病気がまだ治っていないけれど、容体が急変する可能性が低い子どもを預かる(2)「病後児保育」病気自体はすでに治っているけれど、保育園や幼稚園、学校にはまだ行けない子どもを預かる(3)「体調不良型」保育園や幼稚園、学校等で預かっている子どもが、急に体調が悪くなったけれど、保護者がすぐに迎えに行けない場合、施設に配備されている看護師が面倒を見る(4)「派遣型」別名「非施設型」とも呼ばれている。厚生労働省が認定している病院、クリニック、保育園、認定こども園等の施設に子どもを預けるのではなく、病気の子どもの自宅にベビーシッターなどが訪れ、預かる大きな違いは国家資格の有無これら4つとも、病気の子どもの面倒を見てもらえるという点では共通していますが、大きな違いは「国家資格有無」とのこと。「『病児保育』、『病後児保育』、『体調不良型』の3つは、微妙な違いはあるものの、保育士や看護師、医師といった国家資格を有している人が対応します。一方、非施設型の『派遣型』は、『家庭的保育士』と位置付けられ、国家資格を有していなくても、市町村長が指定した研修さえ受ければどなたでもできます」この国家資格の有無の差は、私たちにしてみればあまり重要とは思えないかもしれませんが、懸念点は多いといいます。「派遣型の場合、きちんとした人が来てくれればいいけれど、人によっては不安が残ります。また、ひとりで来るので、どういう風にお世話をしているかがわからないのです。また、病気の子どもは、容体が急変する可能性もあります。看護師や医師なら緊急の時でも焦らず対応できるでしょうが、その保証もありません」保育士不足などが問題化している今、「研修さえ受ければ誰でも」というのは、人材を補うためにはいいこと。しかし、技術や経験が不足しているという点では、まだ不安も残るようです。子どもが病気になったとき、ママがそばにいてあげられないことも多々あります。子どもの状態を見て、どんな施設を利用すればいいのかを判断するためにも、4つの病児保育の違いは知っておきたいですね。(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月20日こんにちは。エッセイストの鈴木かつよしです。日経DUALと日本経済新聞社の共同で実施した「自治体の子育て支援に関する調査」の結果をもとに作成された「共働き子育てしやすい街ランキング2017」には、筆者にとって思い入れの強い3つの自治体が上位にランクインしました。総合ランキング第1位の東京都豊島区は筆者が6年間通った小学校が在る街。第3位の東京都渋谷区は筆者が30代から40代にかけての20数年間を区民として過ごし事業を営み、娘が生まれ育った街。そして総合ランキング第8位の東京都調布市は野鳥の宝庫である一級河川「野川」を擁し、息子を育ててくれた街です。「共働き子育てしやすい街ランキング」上位に入るこれらの自治体は他の自治体とどこが違うのでしょうか?考えてみようと思います。●「共働き子育てしやすい街」トップに躍り出た豊島区民間の有識者でつくる政策発信組織である日本創成会議(増田寛也座長)が2014年5月に公表した「消滅可能性都市」の一つとして、“豊島区”が東京23区で唯一挙げられたことは筆者にとってもショッキングなことでした。というのも筆者が豊島区立の小学校に通っていた1966年から1972年頃、筆者の母校は60人からなるクラスが1つの学年に6クラス。全校で児童数が2,000人をゆうに超すという、「少子化」とは真逆の自治体だったからです。この出来事を機に区をあげて出産可能年齢の女性の誘致と待機児童対策に取り組んだ結果、豊島区は2017年4月に待機児童ゼロを達成 。また、認可園に入れなかった家庭への補助も手厚くし学童保育は児童館から全小学校敷地内へと完全移行 を果たしました。「消滅のおそれあり」という負の指摘を受けたことでかえって「女性や子育て世帯が住みやすい街」という明確な区政のコンセプトを確立できたことが、「共働き子育てしやすい街ランキング総合1位」に見事に輝く要因になったと言うことができるでしょう。筆者が目白通りに面した小学校に通っていた50年前のように子どもたちの笑い声であふれた街になる日も近いかもしれません。●19時30分まで延長対応がある渋谷区の学童保育2011年3月までの20数年間を過ごした渋谷区が「子育てしやすい街」だと感じたことは、住んでいた当時は正直言ってありませんでした。おそらくその理由の一つには、地価が高すぎるために土地を所有している層の人とそうでない層の人との経済格差が大きく、「子育て世帯」という一言ではカテゴリーとして成立しないというのがあったかと思います。そんな中で「ああ、渋谷は共働き子育て世帯にやさしかったんだな」と感じたのは、わが家が渋谷区を去る直前の1年間。長男が渋谷区立の小学校の1年生だったときでした。『放課後クラブ』という名称の渋谷区独自の学童保育システムは6年生までの全学年の児童がいるため良い意味での“縦の関係”が児童の間にあり、低学年の子どもたちにたいして高学年のお兄さん・お姉さんたちの目があったため、子どもたちの人間関係が安定していたように思います。また放課後クラブでは親が共働きの3年生までは19時30分までの特別延長対応保育制度 があり、働くママとパパにとってはとても有難かった記憶があります。今回の日経DUAL・日経新聞のランキングでは保育料の安さが渋谷区への高評価の主たる要因になっているようですが、筆者にとっては一にも二にも放課後クラブの充実が思い出に残っています。●「東京一子育てしやすい街」と評された調布市「共働き子育てしやすい街ランキング」で2016年度の14位から2017年度は8位にランクアップした東京都調布市は豊島区や渋谷区とはやや趣きが違って、行政主導というよりも市民の肌感覚で“子育てしやすさ”を感じられる 街かもしれません。“住まいと街の解説者”の異名をとる東京情報堂代表の中川寛子さんは東洋経済に寄せたコラムの中で調布市のこの雰囲気のことを「東京一子育てしやすい街」という言葉で表現しています。中川さんはその根拠として調布市の次のような特長を挙げています。・人口に占める30代後半のファミリー層が高齢者より多く、子育てを重視する空気がある・電気通信大学や桐朋学園大学があるため恒常的に若年層が入ってきている・そのため新旧住民がうまく共存し、新参者にも鷹揚な雰囲気があり新旧住民の交流がある・人口約22万人という中規模さから行政が近いところにいて、意思疎通が図りやすい・手頃な飲食店が多く立地も集中しているため人が集まってコミュニケーションを取れる・場所的に田舎でもあり都会でもあるという“アンビバレンス”さが子育てには適している・ママやパパが「ここなら何かができる」と思える規模感が子どもにも好影響を与えている筆者にとってはこの調布市の素晴らしさは、市内を流れる一級河川「野川」の自然に象徴されています。長男が小2になった春に家族で引っ越してきたこの街のオアシス“野川”には、カワセミやメジロ、コゲラやツグミやシジュウカラ、アオサギ・コサギ・ゴイサギにタシギやキアシシギ、ツグミにキセキレイ、オオバン、オオタカにユリカモメ、メダイチドリといった東京23区内ではなかなか見られない野鳥たちが縦横無尽に飛び交っていました。息子ともどもこの自然のとりこになってしまった筆者はそれから毎週末には必ず野川のサイクリングロードを自転車で走り、今では少しは鳥たちと会話ができるようになったと自惚れている次第です。おしまいに、調布市が「共働き子育てしやすい街ランキング」の上位に入るようになってきた要因の一つとして、特定の政党に属さず「市民党」の立場を貫いてこられた今の市長さんの存在も忘れてはならないような気がしています。●参考リンク:共働き子育てしやすい街2017上位50自治体は(日経DUAL)独断!東京一「子育てしやすい街」はどこか(東京経済オンライン)文:中川寛子●ライター/鈴木かつよし●モデル/貴子
2018年01月22日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「子育て支援」です。子どもがなくても、他人事とは思わないで。衆議院選挙は自民党の圧勝に終わり、第4次安倍内閣がスタートしました。今回、安倍政権が打ち出した政策の最大のポイントは、来年に増税が予定されている消費税の使い道を変更したこと。これまでは国の借金返済に充てるとされていましたが、未来を見据え、社会保障、特に子育て支援に投入すると約束しました。選挙結果は、多くの国民がそれに賛同したということです。国が進めようとしている子育て支援は幼児教育の無償化でしたが、子育ての現場から、「それはピントがずれている。それよりも待機児童問題の解決を」という声が上がりました。まず必要なのはお金ではなく、安心して子どもを預けられる場所。それが確保できなければ働くこともできず、生活が回りません。子育て現役中のママやパパ、子育ては終えたけど後輩ママたちの役に立ちたい人たちが集い、「#保育園に入りたい」とSNSで呼びかけました。僕も少しお手伝いしたのですが、このグループは、選挙前には東京都の候補者全員に、子育て支援に関するアンケートをとって公表したり、当選した議員のその後の発言をチェックし、選挙前と違う場合には指摘し、世論やマスコミに訴えかけました。その声が政治家に届き、支援の内容を見直す動きが出ています。こうした方法で市民が政治を動かすこともできるのです。子育て支援は、「子どもがいないから関係ない」という問題では全くありません。日本の社会保障制度は、若い世代が高齢者の老後を支える仕組みになっています。私たちが年金を受け取る年代になったときに、そのお金を生み出してくれるのは、いまの、これからの子どもたち。2014年時点で、日本の総人口は1億2708万人。うち65歳以上は3300万人。20~64歳の2.2人が1人のお年寄りを支えていました。このまま少子化が進めば、2055年には推定で、総人口9744万人のうち65歳以上が約3704万人を占め、働く世代の1人が1人以上の高齢者を支えなければいけなくなります。高齢になったあなたは、医療費が高くて病院に行けなくなるかもしれません。子育て支援は、日本の国民全員にとって重要な課題なんです。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2017年12月6日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2017年12月03日発達障害支援研究・実践の最前線を学ぶシンポジウム出典 : 発達障害の原因や治療法、支援方法に関する研究は、様々な分野の専門家が取り組んでいる領域です。発達障害のある子どもを育てている保護者や、その周辺の支援者にとって、最新の研究成果は今と未来の生活にどのような影響をおよぼすのでしょうか?誰もが多様で豊かな人生を送ることのできる社会を形成していくためにできることとはなんでしょうか?そんな疑問に応えるシンポジウムのお知らせです。11月26日(日)、「うちの子、少し違うかも...II~エビデンスに基づく発達障害支援をみんなで考える~」と題されたシンポジウムが、東京・お台場のテレコムセンターで開催されます。(主催:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 社会技術研究開発センター(RISTEX))家庭・学校・地域・行政等における支援のしくみや最新の取り組みを紹介しながら、様々な支援の場面に横たわる障壁を乗り越え、改善していくための具体的方法について、分野・領域を超えて考えるシンポジウムです。サイエンスアゴラ2017 公開シンポジウム11月26日(日)「うちの子、少し違うかも...II~エビデンスに基づく発達障害支援をみんなで考える~」シンポジウム概要出典 : 日時2017年11月26日(日)10:15~12:30 (開場 10:00)場所テレコムセンタービル 8階 会議室B※新交通ゆりかもめ「テレコムセンター駅」直結参加費無料対象発達障害療育・子育て支援等に携わる方(医療・福祉関係等)学校・教育機関関係者の方行政(国・地方自治体)関係者の方発達障害児支援に関心をお持ちの一般の方、保護者・ご家族の方プログラム:10:00受付開始10:15開始10:20講演■神尾 陽子 氏(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部 部長)■船曳 康子 氏(京都大学大学院人間・環境学研究科/総合人間学部 准教授)■山野 則子 氏(大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科 教授/スクールソーシャルワーク評価支援研究所 所長)11:15パネルディスカッション■モデレーター:熊 仁美 氏 (特定非営利活動法人ADDS 共同代表)■パネリスト :上記講演者3名、外岡 資朗 氏(鹿児島県こども総合療育センター 所長)12:20フロアとの対話(質疑応答)、まとめ12:30終了出典 : 京都大学医学部卒業、ロンドン大学付属精神医学研究所児童青年精神医学課程終了。京都大学医学部精神神経科助手の後、米国コネティカット大学(フルブライト研究員)で自閉症研究に従事した後、九州大学大学院人間環境学研究院助教授を経て、2006年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部部長、2010年より山梨大学客員教授、2017年よりお茶の水女子大学客員教授を併任。出典 : 年京都大学医学部卒業。京都大学医学部付属病院、京都市立病院にて研修後、京都大学大学院医学研究科に入学し、認知症の臨床研究を行った。2000年からは、カリフォルニア工科大学行動生物学教室に留学し、小鳥の歌を用いた音声発達の臨界期の研究に従事。2003年に帰国し、こころの発達、発達障害の分野の臨床と研究に従事。日本学術振興会特別研究員、京都大学医学部付属精神科助教を経て、2015年より現職。出典 : 関西学院大学社会学研究科後期博士課程修了、博士(人間福祉)。内閣府:子どもの貧困対策検討委員会委員・有識者会議委員、文部科学省:中央教育審議会生涯学習分科会委員、企画調整部会委員、家庭教育支援の推進方策に関する検討委員会座長、教育相談等に関する調査研究会議委員、厚生労働省:社会保障審議会臨時委員、ほか国の委員多数。大阪府子ども施策審議会会長、子どもの貧困部会部会長、大阪府スクールソーシャルワーク配置事業スーパーバイザー、ほか多数。出典 : 年、慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了。2011年、自閉症児に効果的な早期療育が届くことを目指し、NPO法人ADDS設立。2013年、同大大学院後期博士課程を単位取得退学、同大先導研究センター研究員。自閉症児のコミュニケーション研究や、早期療育の実践研究に携わる。NPO法人では、保護者が家庭療育に取り組むためのペアレントトレーニング、セラピスト認定制度等を実施し、現在までにセラピストを約100名養成、ペアレントトレーニングを約200家庭に提供してきた。出典 : 小児科医師。1988年、熊本大学医学部卒業、熊本大学大学院医学研究科へ入学後、同大医学部附属病院発達小児科にて勤務し、1996年、熊本大学大学院単位取得終了。1999年より鹿児島市立病院小児科(小児神経科)で医師、医長、科長を歴任後、2007年より鹿児島県児童総合相談センター療育指導部長、2010年より現職。鹿児島県こどもの虐待問題研究会副会長を併任。主催者からのメッセージ「国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の社会技術研究開発センター(RISTEX)では、「社会のなかの科学・社会のための科学」の理念のもと、社会の具体的な問題の解決を目指す研究開発を推進しています。今回のシンポジウム(入場無料)では、RISTEXにおける関連プロジェクトの成果も踏まえながら、家庭・学校・地域といった場面での発達障害支援における課題を改善し、のりこえていくための具体的なとりくみ等についての情報提供・共有や議論を行うことを目的としています。」昨年度も実施し、好評を博したシンポジウムの第2弾。様々なプロジェクトの成果の紹介や、必要とされる支援についての議論が行われます。本人や保護者はもちろん、教育や支援に関わる方に幅広く、足を運んでいただきたいシンポジウムです。イベント申し込みはこちら以下のリンクから申し込みが可能です。定員200名(予定)、氏名の登録は必須ではありません。お問い合わせは、下記のページの「主催・お問い合わせ」に情報が記載されておりますので、そちらからお願いいたします。サイエンスアゴラ2017 公開シンポジウム開催(入場無料) - 社会技術研究開発センター
2017年11月11日こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です皆さんは、夫婦で教育方針について話すことはありますか?2017年9月12日〜13日の間、パピマミ読者の皆さんに『夫婦で教育方針の「違い」を感じますか?』というアンケートを行いました!86名の方々にご協力いただきましたので、その結果をランキング形式で発表したいと思います。●夫婦で教育方針の「違い」を感じますか?・1位:どちらかといえば「違い」を感じる……45%(39人)・2位:非常に「違い」を感じる……27%(23人)・3位:どちらかといえば「違い」を感じない……24%(21人)・4位:まったく「違い」を感じない……3%(3人)※有効回答者数:86人/集計期間:2017年9月12日〜2017年9月13日(パピマミ調べ)このアンケート結果からわかることは、教育方針に違いを感じない夫婦などほとんどいない ということです。実は、教育相談の場面でも「教育方針の違いから夫婦喧嘩になってしまった……」といったご相談が頻繁にあります。お話をうかがっていくと、パパもママもお子さんを思うがゆえに、「こうしてあげたい」「ああしてあげたい」と感じていることが伝わってきます。そのため、お子さんへの“愛”が、結果的に夫婦間の溝になっていることが残念でなりません。もし、教育方針の違いによって夫婦間に大きな溝を感じているようなら、一度冷静に夫婦の子育てを振り返ってみませんか?●教育方針に違いがあっても、強力なタッグを組んで子育てをしている夫婦の特徴教育方針の違いが少なかったり、違いがあったりしてもうまく“統合”しているご夫婦にはある共通した特徴があります。それは、“お子さんの現状を正確に理解している”ことです。つまり、お子さんの性格や成長、発達などについて、これまで一緒に見続けながら理解しているご夫婦は、教育方針を地道に作りあげている ように感じます。よくみられるのは、習い事に対する考え方の違いを発端に夫婦喧嘩が始まるというものです。たとえば、小学校に入学する前から、「他の子もやっているから」という理由だけで多くの習い事をしているお子さんがいます。「少しでも才能を伸ばしてあげたい!」という親の期待や思いがあるのもわかります。ただ、もしそれらの習い事をお子さんがイヤイヤやっているとしたら……、才能を伸ばすどころか挫折経験につながるリスクの方が高いのではないでしょうか。あくまで、子どもの体力や性格、動機づけなどを夫婦で理解しながら、どのタイミングで何を習得させるかということこそが“教育方針”です。親の過度な期待を押しつけることが“方針”ではなく、お子さんのタイミングをみながら成長や発達を促す計画が必要になります。これは極論になるかもしれませんが、一流大学に入学すれば幸せになれるという考えがもし根底にあるのだとしたら、それは捨てた方がいい と思います。これまで多くの“優秀”と呼ばれる学生をみてきましたが、苦労して一流大学に入学したからといって必ずしも幸せになれるわけではないからです。つまり、大学入学後に生き生きと活動できる子もいれば、何をしたらいいかわからなくなってしまう子もいます。前者の大学生は“幸せを感じ取る能力”が高く、自分でどんどん挑戦していきますが、後者の大学生は“適切な自尊心”が低い傾向にあります。たとえば、与えられた課題などはこなせるのですが、誰かと比較したり競ったりしていて、いつも自分の能力の高低を気にしています。誰かと比較することでしか自分の幸せを感じられないようにも映ります。また、就職活動の時期から“自分”について悩み始め、傷ついた状態で卒業することも珍しくありません。前者の学生たちに共通していると感じるのは、子どものときの習い事に親がしっかりと“関与”している ということです。ここでいう“関与”とは、単純に習い事ばかりをさせるのではなく、子どものことをよく理解して、家でも一緒に親が練習したり、話をしたりする活動を積極的に行なっているということです。多くのことを学ばせるのであれば、パパとママも多くのことに関与する覚悟が必要だと思います。また繰り返しになりますが、親がお子さんの性格や成長、発達などについて、正確に理解しながら関わることが何よりも大切です。子どもにはそれぞれの個性があり、成長のスピードも同じではありません。他の子を基準に考えるよりも、世界に1人だけのお子さんの成長に目を向けていきませんか。もちろんお子さんが楽しく学んだ結果として、学習環境が整っている一流大学に入学することは理想的ではあります。ただ、一流大学への入学だけを前提に教育方針を立ててしまうと、お子さんは大学卒業後にツラい思いをするかもしれません。----------いかがでしたか?今回は、夫婦間の教育方針の違いについて考えてみました。綺麗ごとのように聞こえてしまうかもしれませんが、教育方針の違いで喧嘩しそうなときには、パパとママは“敵”ではなく、“最強の味方”だということを思い出してください。共通して思う気持ちはお子さんの“幸せ”です!●ライター/今井千鶴子●モデル/藤沢リキヤ、福永桃子
2017年09月26日こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。私は子育てや幼児教育に関するお話をさせていただく機会が多いのですが、ママたちから「もっと早く知って、そうすればよかった……」といった感想をよくいただきます。私自身、専門家ではありますが、自分の子育てでも「もっと早く知っていたら……」と思うことがあります。そこで今回は、先輩ママたちが後悔していることを取りあげ、心理学的な解決策などについて考えてみたいと思います。●家事が忙しく、子どもとあまり遊ばなかったこと子育ての後悔としてよくお聞きするのは、“お子さんとあまり遊ばなかった”というものです。今も昔もママは日々の生活に忙しく、ある程度大きくなると、一緒に遊ぶことも少なくなってしまうようです。ベネッセ教育総合研究所の調査(2015)によると、平日の家事を自分が8割以上分担していると感じているママが88.1% もいることがわかりました。このような調査結果からも明らかなように、ママの家事負担は重く、子どもと遊ぶには体力的にも精神的にも厳しい状況がうかがえます。また、最近では子育て中であっても、モデルルームのように片づけられている部屋が理想的であるかのようにメディアで取りあげられることもあり、家事に対してますますプレッシャーを感じているママも多いように感じます。児童精神科医の佐々木正美先生の著書『ママの心がふわりと軽くなる子育てサプリ』の中では、“子どもがいる家は散らかっているのが当たり前 ”と述べられています。また、佐々木先生は“家事も大事だが、子どもや夫を笑顔にすることのほうがはるかに大切”といったようなことも語られています。私自身、部屋が散らかっているとイライラしてしまいがちですが……佐々木先生のお言葉を胸に、自信をもって片づけないときもあります(笑)。そして、日々忙しく遊ぶ時間がないと悩むママにお伝えしたいのは、子どもにとってはママとの家事は“遊び”にもなるということです。どうやったらお子さんが家事を“遊び”として楽しめるかをぜひ考えてみましょう。たとえば、わが子が喜ぶ“家事遊び”は、洗濯物を畳めた数を競う遊び です。うれしそうに目を輝かせながら必死に畳んでいます。ポイントは、ママが畳みなおしたり、ダメ出ししたりしないことです(回数を重ねると大人よりも丁寧な仕事をしてくれます笑)。あとは、何分で片づけられるかを競う“片づけ競争 ”も大好きです。「何分でできるかを数えよう!」と言うと、笑顔で必死に片づけ始めます。私がロボットのように高速で片づけると、それを見て楽しそうにゲラゲラ笑っています。成長するにつれて、子どもは親との遊びよりも友達との遊びを好むようになります。「一緒に出かけよう!」と誘ってもついてきてくれない……と悲しそうに話すママもいます。子どもが親との遊びを求める期間は、案外短いものです。もし後悔しそうなら……今からでも子どもたちと思いっきり遊びましょう!●自立できる子に育てられなかったことママたちから相談を伺っていると、子育ての最終ゴールとして、“自立”を意識していることがほとんどです。「しっかりと自立できる子どもに育てたい」というママの思いがひしひしと伝わってきます。ただ、それと同時に、自立できる子に育てることの難しさも感じます。“お子さんを自立させられなかったこと”について後悔するママも多いのです。お子さんの自立を拒む要因の1つは、お子さんがかわいいがゆえに“口出し”をしすぎてしまうことです。この傾向は私にも少なからずあるため、ママたちの気持ちはとてもよくわかります。でも、お子さんが行動する前に、ママが先回りしてあれこれ口を出してしまうと、お子さんが“自ら考える機会”をどんどん奪ってしまうことにつながります。その結果、誰かがそばにいないと1人で行動することができなくなりますし、指示待ち人間 になってしまいます。自立するためには、自分に対する“自信”が必要だと心理学的にはいわれます。そして、自信をもつためには、少しずつ“成功体験”を重ねる必要があります。もちろん難しいことにチャレンジするときは、「ママとやったらできた!」といった状態からスタートするのもよいでしょう。ただ、いつまでもその状態だと真の自信にはつながりません。“しっかりと自立できる子どもに育てたい”と思うのであれば、“ママとならできた”といった状態から、“自分1人でもできた”といった状態につなげることをぜひ意識してみましょう。心配かもしれませんが……、ママにはお子さんの成長に合わせて、少しずつ手を離す覚悟も必要だと思います。----------いかがでしたか?今回は、ママが育児で後悔していることについてご紹介しました。皆さんの子育てのヒントになればうれしいです。【参考文献】・『ママの心がふわりと軽くなる 子育てサプリ―そのままのあなたで大丈夫!』佐々木正美/松本ぷりっつ(著)【参考リンク】・第5回 幼児の生活アンケート | ベネッセ教育総合研究所(PDF)()●ライター/今井千鶴子(臨床心理士)●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年09月05日避難行動要支援者って?災害時に避難しにくいのはどんな人?出典 : 地震や津波、水害などの災害が起きたとき、自力で避難が難しかったり、避難に際して特別な配慮が必要な場合があります。阪神淡路大震災や東日本大震災の時などにも、高齢者や障害のある方の中には自ら避難するのに何らかの困難を抱えた方も多くいました。たとえば以下のような人は一人では避難しにくいと考えられます。・視覚・聴覚障害があり、災害発生時に周りの状況の把握がむずかしい。災害情報が得にくい・高齢者・身体に障害がある人で、自力での避難が困難な人・知的障害や精神障害などがあり、地震や災害が起きた時に、どう行動したらよいかわからない障害のある人・重度心身障害者、人工呼吸器や温度調整が必要な人そのため、このような人を避難行動要支援者とし、名簿を作成してスムーズな支援ができるように平成25年6月、災害対策基本法が改正されました。またこれらの周知のため、今年(平成29年)パンフレットや事例集も作成されました。リーフレット「災害時に備えて今できること」|厚生労働省避難行動要支援者の避難行動支援に 関する事例集|内閣府災害対策基本法改正によりできた「避難行動要支援者名簿」の制度出典 : この法律で、市町村に避難行動要支援者名簿の作成が義務付けられました。簡単に言うと、上記のような一人では避難が困難な人が、災害時にサポートを受けられるように事前に登録しておくという制度です。自治体が特に支援が必要な人を把握するとともに、災害時にスムーズに支援ができるよう、消防機関や警察、民生委員などの避難支援に関係する人に情報が共有できるようにすることが定められました。名簿には個人情報が含まれるため、災害対策基本法で個人情報漏えい防止のための規定もあります。実際に名簿をつくり、運用するのは市町村です。具体的な支援や制度については、自治体によって異なる場合があるので、お住まいの市町村に問い合わせることをおすすめします。発達ナビのユーザーの皆さんの中には、療育手帳や精神障害者福祉手帳の取得時などに名簿への登録や、情報提供の同意などを求められる場合があるかもしれません。また、災害があったときに一人で避難することが難しそうだと感じている人もいるかもしれません。避難行動要支援者がどのような支援を受けられるのかを知り、必要に応じて名簿に登録することで、災害への備えの一つとしてはいかがでしょうか?災害対策基本法避難行動要支援者名簿の作成等に係る取組状況の調査結果どんな支援をしてくれる?出典 : ・避難のための情報伝達情報を得ることが難しい人のために、その人が情報を得やすい方法で災害情報を得られるようにサポートします。・避難支援災害時、避難行動を支援します。また、要支援者の特性に合わせた個別の避難計画の作成や防災訓練をする場合もあります。平常時も支援者による声かけや見守りにつなげておくことも含まれます。・安否確認名簿が災害時の安否確認に活用できます。・避難場所以降の避難行動要支援者への対応避難した後も、避難場所での支援者への引き継ぎがスムーズに行えることがあります。名簿への登録は?出典 : 災害対策基本法では、以下を避難行動要支援者と定め、市町村に把握と名簿の作成を義務付けています。当該市町村に居住する要配慮者のうち、 災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難する ことが困難な者であつて、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため 特に支援を要するもの具体的な対象者の範囲はお住まいの市町村によって異なります。以下に千葉市の場合をご紹介します。名簿に掲載される方65歳以上のひとり暮らしの方で、介護保険の要介護認定区分1・2の方、または要支援認定区分1・2に該当する方要介護認定区分3~5に該当する方次に該当する障害がある方視覚障害(1級又は2級)、聴覚障害(2級)、上肢機能障害(1級又は2級)、下肢機能障害(1級又は2級)、体幹機能障害(1級、2級又は3級)、乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害のうち上肢機能障害(1級又は2級)、乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害のうち移動機能障害(1級、2級又は3級)、呼吸器機能(1級)、小腸機能(1級)、精神障害(1級)、知的障害(AまたはⒶ)難病患者で身体障害者手帳1・2級の方及び小児慢性特定疾病等で療養負担過重患者の方制度の運用も自治体によって異なります。自分が名簿に登録されているか確認したいときや、定められた対象ではないが一人での避難が困難な場合などで、名簿への登録を希望するときはお住まいの自治体に問い合わせてください。制度の運用方法は市町村によって異なりますが、以下に大まかな流れをご紹介します。1. 市町村が支援が必要な人の情報を集め、避難行動要支援者名簿を作成します。避難行動要支援者名簿には、掲載者の氏名、生年月日、性別、住所、電話番号その他の連絡先、避難支援等を必要とする事由、その 他避難支援等の実施に必要な事項が掲載されます。参考:災害対策基本法49 条10 第 2 項2. 名簿情報を平時から支援者に提供していいか、確認がされ、問題なければ同意します。3. 同意した人の名簿情報が消防、警察、民生委員などの支援者に提供されます。4. 支援者が日常の声かけなどの見守りや避難訓練などの支援を行います。5. 災害時には市町村や支援者により避難行動に関する支援や安否確認などが行われます。個人情報が支援者に提供されることに不安を感じる人もいるかもしれません。災害対策基本法によって、避難行動要支援者名簿を提供した支援者には守秘義務が発生します。また各自治体で名簿情報の漏えいの防止のため必要な措置を講ずることも定められています。参考:避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針|内閣府名簿に登録がなくても避難行動に配慮が必要な人もいます出典 : 避難行動要支援者として名簿に登録していない人でも、災害時の避難に困難を抱える要配慮者の人がいます。たとえば発達障害のある人は、自閉症などの特性から、いつもと違うことに強い不安を感じたり、パニックになってしまうことがあります。学習障害がある場合、電光掲示板や掲示物などから情報を得るのが難しいかもしれません。障害が軽度で、名簿に登録していない人でも避難時に思わぬ困難が生じる可能性があることを覚えておきましょう。また外国の人は、日本語での緊急避難速報や避難誘導の声かけが理解できないかもしれません。このほかにも外見からは障害があることがわからない人もいます。もちろん妊娠している人や乳幼児、高齢者なども避難の際に配慮が必要です。全ての人が一人ひとり日ごろから、防災意識を持ち準備することが、地域に住むさまざまな人を災害から身を守ることにつながります。また災害時には、まず自分の身を守ることが第一ですが、周りに困っている人がいないかどうかにも目を配るように心がけたいですね。参考:要援護者の特性ごとの避難行動等の特徴|大阪市住吉区まとめ出典 : 避難行動要支援者というと、高齢者や身体に障害がある人をイメージすることが多いかもしれません。ですが、その他にも避難に際して支援が必要な人もいます。知的障害や精神障害のある方の中には非常時の状況判断が一人では難しい場合もあるでしょう。言語障害のある人は見た目からはわかりませんが、緊急事態を言葉で人に伝えることが難しい場合も考えられます。災害はいつ発生するかわかりません。まわりに様々な困難のある人がいること、そして災害が起きたときのことを想定して事前に対策をすることが、もしもの時の大きな備えとなります。避難行動要支援者名簿への登録はその一つです。行政や避難支援者に受けられる支援にはさまざまなものがあり、避難時のサポートだけでなく、もし避難生活がはじまっても引き継がれます。情報の共有をすることで、日ごろから地域の支援者ともつながりが持てます。また、名簿への登録がない人でも、避難時に支援を必要としている人がいるかもしれないことを心に留めておきましょう。
2017年09月01日発達支援施設とは?発達が気になるお子さんや、障害のあるお子さんを、ご家庭の中だけでサポートすることは容易なことではありません。そういった子どもたちのためにあるのが「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」などの発達支援施設です!児童福祉法では、障害児通所支援と呼ばれ、全国各地にある施設に直接通うことで、必要なサポートを受けることができます。原則的に、小学生未満の未就学の子どもが通うことができるのが児童発達支援、小学生~高校生の就学児童が通うことができるのが放課後デイサービスです。児童発達支援では、小学校就学前の子どもを主に対象とし、支援を受けることができる施設です。日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりといった、多様な支援を目的としています。サービス・利用方法・費用・手続きの流れについては、以下の記事に詳しくまとめられています。放課後等デイサービスとは、障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設です。放課後等デイサービスでは、生活力向上のためのさまざまなプログラムが行われています。トランポリン、楽器の演奏、パソコン教室、社会科見学、造形など習い事に近い活動を行っている施設もあれば、専門的な療育を受けることができる施設もあります。サービス・利用方法・費用・手続きの流れについては、以下の記事に詳しくまとめられています。どんな支援が受けられるの?児童発達支援や放課後等デイサービスにはさまざまなタイプがありますが、一部の施設では療育的なアプローチによる支援を受けられることもあります。ソーシャルスキルトレーニングをはじめ、さまざまな独自の療育プログラムが組まれている場合もあり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など専門資格を保有しているスタッフがいる施設もあります。また、障害のある子どもにとって、児童発達支援や放課後等デイサービスは、家庭・学校(園)につぐ3つ目の居場所となります。子どもにあった施設を選ぶことができれば、親子ともども充実した時間を過ごすことができるはずです。発達支援施設を選ぶときのポイントは?お住まいの地域にどんな施設があるかは、保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所、発達障害者支援センターや、市町村の窓口で確認することができることもあります。これらの窓口で、子どもの特性にあった施設について相談してみることも有効です。公共の相談窓口以外に、インターネット上で施設を探すこともできます。LITALICO発達ナビの「施設情報」では、全国の児童発達支援施設や放課後等デイサービスを、合わせて約15,000施設掲載しています。それぞれの施設の受け入れ状況や、サポートの内容も詳しくまとめられています。また、各施設のスタッフが自分たちで更新している写真付きのブログや、実際の利用者さんからの口コミ情報も合わせて見ることができます。さらに、発達ナビ上から24時間いつでも、空き状況の確認や教室見学などの問い合わせをすることが可能です。利用にかかる費用は?児童発達支援と放課後等デイサービスは障害児給付費の対象となるサービスです。通所受給者証を取得することで国と自治体から利用料の9割が給付され、1割の自己負担でサービスを受けることができます。生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円市町村民税課税世帯(年間所得がおおむね890万円以下の世帯): 4,600円上記以外(年間所得がおおむね890万円以上の世帯): 37,200円このほかにおやつ代などの食費や教材費などの実費が必要になる場合もあります。また、自治体により独自の助成制度があります。児童発達支援の利用にかかる費用について、詳しくはこちらのコラムの「児童発達支援施設の利用方法」の章にまとめられています。生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円市町村民税課税世帯(前年度の年間所得がおおむね890万円以下の世帯): 4,600円上記以外(前年度の年間所得がおおむね890万円以上の世帯): 37,200円原則一割負担ですが、前年度の年間所得によっては負担額が0円であったり、1割以上である場合もあります。施設によってはおやつ代や制作物の材料代などがかかるところがあります。これらに加え、自治体により独自の助成制度がある場合もあるので、行政の窓口に問い合わせてみましょう。放課後等デイサービスの利用にかかる費用について、詳しくはこちらのコラムの「放課後等デイサービスの利用方法」の章にまとめられています。施設の利用方法は?発達支援施設に通うためには「通所受給者証」が必要になります。通所受給者証はお住まいの市区町村の福祉担当窓口・障害児相談支援事業所などに申請を行うとで取得することができます。この通所受給者証があることで、自己負担1割でサービスを受けることができるのです。障害者手帳がなくても、通所受給者証があれば、「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」を利用できます。詳しい取得法や、申請の方法はこちらを参考にしてください。その他にも受けられるサービスはあるの?また、児童発達支援や放課後等デイサービス以外にも、受けられる支援があります。受けられる支援の詳細や申請方法はこちらにまとめられています。療育手帳・障害者手帳とは?障害者手帳とは、障害のある人が取得することができる手帳です。障害者手帳を取得することで、障害の種類や程度に応じてさまざまな福祉サービスを受けることができます。身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などの種類があります。まとめサービス・支援は多岐にわたるため、すべてを把握できず戸惑うこともあるかと思います。そんなときは、早めに相談することで、一歩ずつ疑問を解決してゆきましょう。保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所、発達障害者支援センターや、市町村の窓口に相談することで、次のステップが見えてくるかもしれません。また、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどのスタッフも相談に乗ってくれるはずです。一人で抱え込まず、相談できる相手を見つけ、適切な支援につなげていくことが大切です。
2017年08月29日子育て支援を行う「ここるく」が、渋谷区長が代表を務める社会福祉法人渋谷区社会福祉事業団と共同で、「街ぐるみ子育てDAYin恵比寿」を8月25日を初回とし、その後も定期開催します。地域・企業・店舗が一丸となり、「子育て応援」のメッセージを体現「街ぐるみ子育てDAY」とは、地域・企業・店舗が一丸となり、「子育て応援」のメッセージを体現するイベント。子どもは保育室で預かってもらえ、ママは保育室から徒歩2分圏内の複数の参加レストランやエステ店から好きなお店を選択、ゆったりと大人だけの時間を楽しみます。先の3月に第一回が行われた「街ぐるみ子育てDAYin青山」は、利用者からの好評の声に応えて、毎月1回の定期開催イベントとして継続中!青山につづく2拠点目である恵比寿開催では、地域に根差した子育て支援機関(渋谷区認定こども園)とのコラボレーションにより、更に子育て応援パワーが強化されて実施されます。「2016年版みんなが選んだ住みたい街ランキング関東版」で1位を獲得している恵比寿(※)が、もっと子育てしやすい街になる!(※)参照元【街ぐるみ子育てDAY in恵比寿】第一回の8月25日は申込受付終了。第二回<受付中>日時:2017年10月27日(金)11:30~13:30保育会場:恵比寿のびのびこども園(東京都渋谷区恵比寿西1丁目19-1)加盟店舗:全3店舗イベント詳細/申込ページママのお出かけプラットフォーム『ここるく』とは?ママがレストランなどの提携店舗を利用する間、すぐ側で保育のプロによる託児が受けられるプランをサイト上で販売。お店選び・予約・預け先の確保がワンストップで完了するので、忙しい育児中でも手軽にお出かけできるサービス。ちょっと抱っこを代わってもらってリフレッシュすることができれば、自分の育児を冷静に見つめ直し、また笑顔で育児に向き合えるはず。そんな子育て支援サービスです。株式会社ここるく社会福祉法人 渋谷区社会福祉事業団よりコメント渋谷区社会福祉事業団は、お年寄りから小さな子どもまでを対象とした福祉施設を運営しています。その中でも認定こども園4園、認可保育所2園では「良質な保育・幼児教育」を実践するとともに、地域の方とご一緒に次世代支援に取り組んでいます。認定こども園「恵比寿のびのびこども園」は、地域に根差した施設となるべく子育て支援事業に力を入れており、遊び場の提供や保護者対象のヨガ教室、英語に親しみながら体を動かす「Eスタート」は好評を得ています。今回、「ここるく」との共同事業でお子様をお預かりする「恵比寿のびのびこども園」の「一時保育」も子育て支援事業の1つです。お母さんが輝くと子どもも輝きます。親が安心すると子どもも安心します。お母さん・お父さんの子育て、お子様の子育ちを応援するため、経験豊富なベテランスタッフがお待ちしています。
2017年08月24日障害者総合支援法の自立支援給付とは?出典 : 障害者総合支援法が定めるサービスには、大きく「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の2つの種類があります。自立支援給付は、利用するサービス費用の一部を行政が障害のある方へ個別に給付するものです。具体的には、障害に関する医療や福祉サービス、福祉用具(補装具)などの費用が給付されます。自立支援給付の基本的な運用ルールは、国(厚生労働省)が定めます。これに対し、地域生活支援事業は、国が一律に運用ルールを定めるのではなく、障害のある方がお住まいの各地域で運用ルールを定めて実施した方が実情に応じた対応を期待できる事業や、一般的な相談対応のように個別の給付には当たらない事業をまとめたものです。例えば1人では外出が困難な方への付き添いを提供する「移動支援」や、手話通訳者や要約筆談ができる人を派遣・設置する「コミュニケーション支援」といった事業が挙げられます。詳しい法律の概要やサービスの内容などは次のリンクを参考にしてください。この記事では、自立支援給付の利用申請方法・利用負担額を詳しく解説していきます。障害者総合支援法の給付サービスの申請方法出典 : 自立支援給付の利用手続きはサービスごとに申請方法が異なります。それぞれの申請方法を詳しくご紹介します。障害福祉サービスには「介護給付」と「訓練等給付」の2種類があり、それぞれ申請の流れが多少異なります。介護給付を希望する場合は障害のある方の生活環境を踏まえ、どのような支援をどの程度必要とするかといった度合いを測る「障害支援区分(以下、支援区分)認定」を受けることが必要になります。訓練等給付を希望する場合には原則として支援区分の認定は不要ですが、共同生活援助(グループホーム)を利用する場合には、支援区分認定が必要となります。支援区分は、7段階の区分に分かれ、もっとも支援の必要性が高い区分が「6」、以下「5・4・3・2・1」と続き、もっとも支援の必要性が低い場合は「非該当」となります。支援区分は7段階の区分に分かれ、もっとも支援の必要性が高い区分が「6」、以下「5・4・3・2・1」と続き、もっとも支援の必要性が低い場合は「非該当」となります。この支援の必要性の区分によって、支給されるサービスの時間に違いが出てきます。一部のサービスは支援区分が低いと利用できないこともあります。以下が申請からサービス利用までの流れです。1. 市区町村の障害福祉担当窓口へ申請申請の際には、状況に応じて障害者基礎年金1級の受給の有無や介護保険申請の状況などを聞かれる場合があります。2. 障害者支援区分認定調査市区町村の認定調査員による面接が行われ、全国共通の質問票から心身の状況に関する80項目と状況の調査が行われます。詳しくは次のリンクをご覧ください。参考:障害者総合支援法における「障害支援区分」の概要|厚生労働省3.一次判定認定調査の結果に基づき、コンピューター判定が行われます。4.二次判定一次判定の結果と状況調査、医師意見書などを踏まえ、市区町村が主催する、支援区分や特別な支給決定(必要とするサービス量が基準よりも多い支給決定など)を審議する「審査会」で二次判定が行われます。医師意見書とは、医師が申請した方の心身の状態、特別な医療などに意見を付すものです(市区町村が依頼します)。5.障害区分認定二次判定の結果に基づき、非該当、区分1~6の全7段階で支援区分認定が行われます。各サービスの区分ごとのサービス量は上記のリンクを参考にしてみてください。6.サービス利用意向の聴取・サービス等利用計画案の提出支援区分の認定と並行して、市区町村から福祉サービスの利用等に関する計画(サービス等利用計画、または障害児支援利用計画と呼びます)の案を提出するように求められます。サービス等利用計画案、障害児支援利用計画案は市区両村から指定された特定相談支援事業者、障害児相談支援事業所が作成しますが、申請者自身による作成も可能です(申請した方自身が作成する計画をセルフプランと呼びます)。7.支給決定支援区分や本人の状況、家族・家庭の状況、現在の困りごとや将来に向けた希望、福祉サービスの利用意向、サービス等利用計画案などを踏まえてサービスが支給決定され、受給者証が申請者に通知されます。8.サービス担当者会議申請した方が利用する全サービスの担当者(サービス管理責任者)が出席し、利用する方に適したサービス提供のあり方や、事業所ごとに作成する「個別支援計画」の方向性などについて話し合われます。9.支給決定時のサービス等利用計画の作成市区町村の支給決定やサービス担当者会議での案協議をもとに、最終的なサービス等利用計画を作成します。(セルフプランの場合には、8・9が省略されることがあります)10.サービスの利用開始申請した方はサービスを提供する事業所と利用契約を結び、サービスの利用を開始します。サービスの量や内容については、サービス利用開始後であっても必要に応じて見直すことができます。Upload By 発達障害のキホン自立支援医療には、育成医療・更生医療・精神通院医療があります。育成医療は身体障害のある子ども向け、更生医療は身体障害のある方向け、精神通院医療は精神疾患があって定期的に通院している方向けに、医療の給付を行うものです。利用手続きに関しては市区町村ごとに異なるため、最寄りの市区町村または都道府県窓口に問い合わせてください。申請の際には下記のような事項や持ち物が必要になります。育成医療: 申請書、所得が確認できる書類、医師の意見書など更生医療: 身体障害者手帳精神通院医療: 指定医療機関の中から通院先を決めておくこと車いすや義足、補聴器や白杖などの補装具を製作・修理する際に要する費用の給付を「補装具費」と呼びます。補装具費の給付を受けるためには、障害のある子どもの保護者または障害のある本人が、お住まいの市区町村に申請します。市区町村は医師の意見書による身体障害者更生相談所の判定・意見を依頼し、補装具の製作や修理が必要かどうか決定し、給付が認められると補装具費支給決定通知書、補装具費支給券が発行されます。その後、補装具業者と製作・修理の契約を結び、完成品を受け取るとともに利用者負担(原則1割負担)を支払うことになります。障害者総合支援法の自立支援給付、利用者負担額はいくら?出典 : 障害者総合支援法の障害福祉サービスを利用した際の利用者負担は、原則として「1割」です。ただし、世帯ごとの前年度所得に応じて負担額の月額上限が定められているため、その金額以上の自己負担は生じないことになっています。利用月額が0円に免除される場合もあります。特に、生活保護を受けている世帯や住民税が非課税の世帯については、利用者負担はありません。世帯の範囲には、障害がある大人の場合は利用する本人と配偶者が含まれ、本人と配偶者の前年度所得を参考に負担額を決定します。親の所得は本人の前年度所得には換算されないことになっています。障害がある子どもの場合は、保護者の属する住民基本台帳での世帯が範囲となります。月額上限負担額の目安として、下記を参考にしてみてください。■障害者の利用者負担・生活保護受給世帯・・・0円・市区町村民税非課税世帯・・・0円・前年度所得約300万円以上~約600万円以下の方・・・9,300円・前年度所得約600万円以上・・・37,200円以上が障害のある方に提供している障害福祉サービスの利用者負担額になります。ただし、サービス事業所やグループホームなどで発生する食費、光熱費、交通費などの生活費などは別途に自己負担となります。出典:障害者の利用者負担|厚生労働省出典:障害福祉サービスの利用について|厚生労働省自立支援医療の場合には、下記の条件に当てはまる方であれば、0円~20000円までの月額負担上限となります。下記の条件に当てはまらない場合は原則1割負担となっています。また、入院時の食事療養費又は生活療養費(いずれも標準負担額相当)については原則自己負担になります。・生活保護世帯・・・0円・市町村民税非課税世帯で本人収入が80万円未満・・・2500円・市町村民税非課税世帯で本人収入が80万円以上・・・5000円・市町村民税を33000円以上納めている・・・育成医療の経過措置5000円・市町村民税を33000円未満から23.5万円以下納めている・・・育成医療の経過措置10000円・市町村民税を23.5万円未満以上納めている高額治療継続者・・・20000円自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み補装具費の利用者負担額は原則1割です。ただし世帯の所得に応じて負担上限額が設定されています。・生活保護世帯・市町村民税非課税世帯・・・0円・それ以外の世帯・・・37,200円また、補装具費については障害者本人または世帯が一定所得以上(市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万以上)の場合、給付対象外となります。また、例えば補装具を購入すると世帯の所得状況によっては生活保護の対象になってしまう場合があります。それでは本末転倒ですので、その場合は利用者が負担する費用は生活保護の対象とならない範囲まで減免することになっています。出典:補装具の利用者負担|厚生労働省障害者総合支援法が定める、医療費や食費の免除・減免制度出典 : 障害者総合支援法では条件を満たした方に向けて、生活費や医療費など別途利用料金を超えてかかった費用を免除する制度があります。■障害のある人向けの費用免除と上限・療養介護を利用する場合は、医療費と食費の軽減措置があります・入所サービス、通所サービスを利用する場合、食費・光熱費実費負担に対して減免・軽減する制度があります・グループホームの利用者向けに家賃助成する制度があります■世帯での合算額が基準額を超える場合の高額障害福祉サービス給付費同一世帯に障害福祉サービスを利用する方が複数いる場合や障害児が障害者総合支援法と児童福祉法のサービスを利用している場合などに利用者負担の合計額が一定の額を超えるとき、高額障害福祉サービス給付費が支給され利用者負担額が軽減されます。費用免除や上限、高額障害福祉サービス費についての詳しい内容は次の資料を参考にしてみてください。障害福祉サービスの利用について|厚生労働省まとめ出典 : 障害者総合支援法の給付支援における申請方法は、サービスごとに異なります。また障害福祉サービスの中でも介護給付、訓練等給付によって異なるため、複雑に捉えがちです。とはいえ、ほとんどのサービスは市区町村の障害福祉担当窓口で所定の書類への記入や提出を行えば、その後はある程度まで役所がリードしてくれますから、大まかな仕組みを把握していれば問題ないでしょう。また利用者負担額についても、給付を受ける人や世帯の収入に応じて市区町村が設定しますので、細かいルールまで把握する必要はありません。実際の運用ルールは複雑な総合支援ですが、手続きなどで迷ったらお住まいの市区町村の障害福祉担当課や市区町村から委託されている基幹相談支援センターや委託相談支援事業所へ相談してみましょう。
2017年08月04日障害者総合支援法とは?出典 : 障害者総合支援法とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」の通称で、障害がある方もない方も住み慣れた地域で生活するために、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした法律です。障害がある子どもから大人を対象に、必要と認められた費用の給付や貸与などの支援を受けることができます。制度の実施主体は市区町村、都道府県などの行政機関となります。参考:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律障害者総合支援法が定めるサービスには、大きく「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の2つの種類があります。自立支援給付は、利用するサービス費用の一部を行政が障害のある方へ個別に給付するものです。具体的には障害に関する医療や福祉サービス、福祉用具(補装具)などの費用が給付されます。自立支援給付の基本的な運用ルールは、国(厚生労働省)が定めます。これに対し、地域生活支援事業は、国が一律に運用ルールを定めるのではなく、障害のある方がお住まいの各地域で運用ルールを定めて実施した方が実情に応じた対応を期待できる事業や、一般的な相談対応のように個別の給付には当たらない事業のことをまとめたものです。例えば1人では外出が困難な方への付き添いを提供する「移動支援」や、手話通訳者や要約筆談ができる人を派遣・設置する「コミュニケーション支援」といった事業が挙げられます。また、障害のある方の日中活動を支援する「地域活動支援センター」や、生活自立度が高い人へ住まいの場を提供する「福祉ホーム」などの運営も、地域生活支援事業の枠組みに含まれています。障害のある方の生活スタイルは地域によってさまざまですので、地域生活支援事業のサービス内容も都道府県・市区町村によって異なります。地域生活支援事業には、相談支援も含まれます。お住まいの地域で提供されているサービスにどんなものがあるのか?給付支援を受けたいけれど条件は満たしているのか?などといった福祉サービスの利用に関することから、一般的な生活上の相談まで、さまざまな相談に応えます。障害福祉サービスの 利用について|全国社会福祉協議会障害者総合支援法に基づくサービスの利用対象は以下のように定められています。障害者手帳がなくても、医師の診断書により障害や定められた疾患のあることが確認されれば、利用対象となるケースもあります。・身体障害者・・・身体に障害がある18歳以上の人で、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けている人・知的障害者・・・障害者福祉法にいう知的障害者のうち18歳以上の人・精神障害者・・・統合失調症、精神作用物質による急性中毒、またはその依存症、知的障害、精神病室などの精神疾患を持つ人(知的障害は除く)・発達障害者・・・発達障害があるため、日常生活や社会生活に制限がある18歳以上の人・難病患者・・・難病等があり、症状の変化などにより身体障害者手帳を取得できないが、一定の障害がある18歳以上の人・障害児・・・身体障害、知的障害、発達障害を含んだ精神障害がある児童、または難病等があり、一定の障害がある児童参考文献:遠山真世,二本柳覚,鈴木裕介/著『これならわかるすっきり図解障害者総合支援法』2014年 日経印刷/刊障害者総合支援法の自立支援給付で受けられる3つの給付サービス出典 : 自立支援給付には大きく障害福祉サービス(介護給付・訓練等給付)、自立支援医療、補装具という3つの給付があります。障害福祉サービスはさらに「介護給付」と「訓練等給付」の2類型へ分類されます。介護給付とは、障害があることで必要となる介護・介助サービス費用の一部を給付するものです。訓練等給付とは、就労に向けた訓練や福祉的な就労、安定した就労を支援するサービス、あるいはグループホームなど費用の一部を給付するものです。■介護給付・居宅介護(ホームヘルパー):食事や入浴、トイレなどの介助を提供します。・重度訪問介護:重度の肢体不自由や重度の障害のために常時の介護や見守り、外出支援などを必要とする方に、長時間の総合的な支援を提供します。・同行援護:視覚障害により自力での移動が難しい方に対して外出時の支援を提供します。・行動援護:行動障害があることで外出時などの支援が必要な方に対して、危険を避ける、先の見通しを立てる、コミュニケーションを仲立ちするなどの支援を提供します。・重度障害者等包括支援:最重度の障害(原則として障害支援区分が最重度の「6」であること)があり、常時の介護を必要としている方に対して、居宅介護や短期入所、生活介護など複数の介護サービスを組み合わせて提供します。・短期入所(ショートステイ): 障害のある方を介護している家族などの病気や所要、一時的な休養などのため、短期間、施設に入所するサービスを提供します。・療養介護:医療的ケアと介護を常に必要とする方に対して、医療機関などで医療サービスや介護、介助などをトータルに提供します。・生活介護: 日常的な介護や見守り、生活支援などを必要としている方(原則として障害支援区分「3」以上であること)に対して、日中の介護、介助や見守り支援を行うほか、創作的活動や生産活動、地域との交流活動などを提供します。・施設入所支援:重度の障害のある方(原則として障害区分「4」以上であること)に対して、施設内での夜間の介護、介助や見守り支援などを提供します。■訓練等給付・自立訓練: 障害のある方が地域で自立した生活を送ることができるよう、身体機能と生活能力の向上を目指した訓練を提供します。自立訓練には機能訓練と生活訓練の2種類があります。・就労移行支援: 一般企業での就労や、自ら企業することを希望する方に対して、就労や企業に必要な知識・能力の向上を図る訓練を提供しています。・就労継続支援: 一般企業などで働くことが難しい方に対して、福祉的な支援を受けながら働く場所を提供し、就労に向けた知識・能力の向上を目指す支援を提供します。就労継続支援には、雇用契約を結び最低賃金の支払いを原則とする「A型」と、雇用契約は結ばずに軽作業などを中心とする「B型」の2種類があります。・共同生活援助(グループホーム):標準的には5名程度(最大でも10名)の共同生活を行う住居において、相談や日常生活上の援助、食事や入浴、トイレなどの介護サービスを提供します。グループホームから一般住宅の生活に移行を目指す人を対象とした「サテライト型」もあります。自立支援医療とは、心身の障害の状態に対応した医療に対して、医療費の自己負担額を軽減する医療費の公費負担制度です。障害者自立支援法の成立以前はそれぞれ身体障害者福祉法に基づく「更生医療」、児童福祉法に基づく「育成医療」、精神保健福祉法に基づく「精神通院医療費公費負担制度(32条)」と、各個別の法律で規定されていました。これらを一元化した新しい制度として自立支援医療制度が創設されました。よって根拠となる法律はそれぞれの法律におきながらも、障害者総合支援法のもとで給付が行われるようになりました。給付には市区町村等で自立支援医療費支給の認定(支給認定)を受ける必要があります。・育成医療:身体障害のある子どもを対象に、障害を改善、軽減することで生活の能力を得ることが期待される治療に対して医療費の自己負担を軽減するものです。・更生医療:身体障害者を対象に、障害を改善、軽減することで生活の改善が期待される治療に対して医療費の自己負担を軽減するものです。・精神通院医療:精神疾患(てんかんを含む)の人を対象に、精神科の通院医療にかかる医療費の自己負担を軽減するものです。日常生活を円滑に送るために、身体の欠損や障害を負った身体機能を補完・代替する車いすや装具、義肢や補聴器、白杖などの用具に対して、補装具費(原則として、購入・修理費用の1割)を支給するものです。障害者総合支援法の地域生活支援事業は地域の実情に応じた支援を提供出典 : 地域生活支援事業は都道府県や市区町村が地域の実情に応じてさまざまなサービスや事業を実施するものです。住民に身近な市区町村で実施する地域生活支援事業には、外出時の付き添いを行う「移動支援」や、福祉用具を給付、貸与する「日常生活用具」、手話通訳や要約筆記を派遣する「意思疎通支援」、判断力が十分ではない人が成年後見人制度を利用しやすくするための「成年後見人支援事業」などがあります。地域生活支援事業には市区町村が主体の事業と都道府県が主体の事業があり、都道府県は人材育成や都道府県内の広域な事業を担うことになっています。Upload By 発達障害のキホン■市区町村事業・障害に対する理解促進・啓発・障害のある方や家族が自発的に行う活動の支援・相談支援事業・補助を受けなければ成年後見制度の利用が困難である方への費用助成・手話通訳者、要約筆談者などの派遣・設置・日常生活具の給付または貸付・手話奉仕員養成研修・移動支援事業・地域活動支援センターの設置・運営・福祉ホームの設置・運営・その他の日常生活又は社会生活支援など■都道府県事業発達障害や重症心身障害、高次脳機能障害など、支援に際して高い専門性や広域性が必要とされる障害について、相談に応じ、必要な情報提供を行っています。また手話通訳士や要約筆記者などの意思疎通ができる人材の育成を行っています。障害者総合支援法の相談支援事業は、困った時の強い味方出典 : 障害者総合支援法の下では、さまざまなサービスを組み合わせて支援プランをつくることができます。しかし、実際に利用するとなると、どのようなサービスがあって、自分はどれを受けられるのか、分からない点や不安な点が出てくると思います。その場合は、市区町村の障害福祉担当窓口や市区町村から委託された基幹相談支援センター、市区町村から指定を受けた特定相談支援事業所で相談支援を受けることができます。■基本相談支援障害がある方の福祉に関するさまざまな問題について、障害のある方や家族からの相談に応じ、必要な情報の提供、障害福祉サービスの利用のアドバイスなどを行うほか、成年後見人制度の利用など権利擁護のために必要な援助も行います。窓口は市区町村や市区町村から委託された基幹相談支援センター、市区町村から指定を受けた特定相談支援事業所になります。■計画相談支援・サービス利用支援障害福祉サービスなど申請を行う際に、障害のある方や家族から生活上の困りごとや将来の希望などをうかがい、サービス等利用計画の作成を行います。また福祉サービスを利用する際には、サービス事業者などと連絡調整を行います。窓口は市区町村の障害福祉課または市区町村から指定された指定特定相談支援事業者になります。・継続サービス利用支援支給決定されたサービスの利用状況の検証や生活上の状況確認(モニタリング)を行うとともに、サービス事業者などとの連絡調整を行い、必要に応じてサービス等利用計画の見直しをします。窓口は市区町村の障害福祉課または市区町村から指定された特定相談支援事業者になります。■地域相談支援・地域移行支援障害者支援施設等に入所している障害がある方や精神科病院に入院している精神障害のある方(原則として1年以上入院している方で、市区町村が必要と認める方)を対象に、地域生活へ移行するための支援計画の作成、生活環境が変わることへの不安の解消、外出への同行支援、住居確保、関係機関との調整などを行います。相談窓口は都道府県から指定された一般相談支援事業者になります。・地域定着支援居宅において単身で生活している障害のある方など、地域における安定した暮らしの実現に支援を必要とする方を対象に、常時の連絡体制の確保と、緊急時の対応などの支援を行います。相談窓口は都道府県から指定された一般相談支援事業者になります。■障害児相談支援障害児相談支援は児童福祉法を根拠に障害者総合支援法で実施しているサービスです。・障害児支援利用援助障害のある子どもが利用する障害児通所支援の申請を行う際に、障害児支援利用計画の作成を行います。また福祉サービスを利用する際には、サービス事業者などと連絡調整を行います。窓口は市区町村の障害福祉課または市区町村から指定された障害児相談支援事業者になります。・継続障害児支援利用援助支援決定されたサービスの利用状況の検証や生活上の状況確認(モニタリング)を行い、サービス事業者などとの連絡調整などを行い、必要に応じて障害児支援利用計画の見直しをします。窓口は市区町村の障害福祉課または市区町村から指定された障害児相談支援事業者になります。以上のように障害者総合支援法では、さまざまな相談に応えることができるよう体制を整えています。しかし、指定一般相談支援事業者、指定特定相談支援事業者、指定障害児相談支援事業者と言われても、どこに行って相談すれば良いのか、少々分かりにくいかもしれません。お住まいの市区町村のホームページなどで情報を得たり、または市区町村の障害福祉担当窓口や発達障害者支援センターなどへ問い合わせたりするとよいでしょう。障害がある子ども向けサービスは、児童福祉法で提供されます出典 : 障害のある子ども向けの各種福祉サービスは、児童福祉法に基いて提供されています。これは、平成24年の児童福祉法改正にあわせ、障害があっても「子ども」である以上は児童福祉の枠組みで支援すべきである、という理念を取り入れ、障害児だけが対象の福祉サービスを児童福祉法へ一元化したことによるものです。そのため、障害のある子どもについては、児童期に限定した福祉サービスは児童福祉法、児童も成人も対象となる福祉サービスは総合支援法が適用法令となります。もちろん、利用申請をして支援決定を受ければ、同時に両方のサービスを受けることができます。児童福祉法は子どもの支援に関する法律です。この法律における障害児福祉サービスの対象は障害のある18歳未満の子どもと定義されており、サービスは障害児通所支援と障害児入所支援の2つに分けることができます。支給決定の主体は、障害児通所支援が市区町村、障害児入所支援が都道府県となります。また、児童福祉法における「障害児」の規定には特に障害者手帳の所持が条件となっていないため、サービスの利用に当たり、手帳の有無は問われません。ただし、医師の診断書により障害があることを確認するケースはあります。■障害児通所支援障害児通所支援とは施設や事業所に通所して、日常生活や集団生活を送るために必要な能力を身につける支援を提供するサービスです。児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援の4種類があります。Upload By 発達障害のキホン詳しくは以下の記事、「障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)利用手順・施設選びのポイント・申し込み方法まとめ」を参考にしてみてください。■障害児入所支援障害児入所支援とは、療育などの必要性が認められた障害のある子どもを施設に入所させ、自立した生活を送ることができるよう支援するサービスです。障害のある子どもが入所できる施設は全国的にも限られているため、障害児入所支援については都道府県や大規模な政令指定都市などが所管する児童相談所が支給決定しています。障害児入所施設は医療機関を併設しているかどうかによって福祉型障害児入所施設と医療型障害児入所施設の2種類に分類されます。Upload By 発達障害のキホン障害児通所・入所支援を利用するには、通所受給者証または入所受給者証の交付を受ける必要があります。通所受給者証はお住まいの市区町村の福祉担当窓口・障害児相談支援事業所などに申請を行い、サービスの利用が認められ、支給決定を受けると取得できます。入所受給者証は各都道府県や政令指定都市などの児童相談所に申請し、サービスの利用が認められ、支給決定を受けると取得できます。それぞれ、受給者証が交付されたら、指定障害児通所事業所・入所施設などとサービスの利用契約を結ぶことができます。自治体ごとに申請方法が異なりますので、お住まいの地域に確認しましょう。詳しくは以下の記事、「【障害児通所・入所給付費】受給者証の取得方法、体験談まとめ」を参考にしてみてください。まとめ出典 : 障害者総合支援法では一人ひとりの障害特性や生活環境などを考慮しながら、本人に合ったサービスを提供しています。また平成30年に施行される法改正によって、よりきめ細やかなサービスの提供を図るため、障害福祉サービスを取り巻くさまざまな関係者との連携やサービスの質の向上、サービス内容の情報開示などの努力がなされます。以前と比べれば自分に合ったさまざまな支援を受けられるようになり、サービスが充実していけば家族の負担も少しずつ減ってくるでしょう。障害福祉サービスを取り巻く環境は着実に良い方向へと変化しているのではないでしょうか。また、障害のある子どもに関しては、障害者総合支援法だけでなく児童福祉法に基づくサービスなども並行して利用できます。さまざまな支援サービスを組み合わせるなど工夫し、上手に使うことで障害がある方とその家族の地域生活が充実していくことを期待したいところです。
2017年08月04日障害者総合支援法とは出典 : 障害者総合支援法とは、障害のある方もない方も住み慣れた地域で生活するために、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした法律です。正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」ですが、略して「障害者総合支援法」と呼ばれています。この法律に基づき、障害のある子どもから大人を対象に、必要と認められた福祉サービスや福祉用具の給付や支援を受けることができます。実施主体は主に市区町村、都道府県などの地方公共団体です。障害者総合支援法の概要|厚生労働省障害者総合支援法ができたわけ出典 : 障害者総合支援法が施行されるまでには、障害のある人が利用する福祉サービスの利用方法や負担額の決定方法を改正・改善してきた歴史があります。2003年3月まで、障害のある人が利用する福祉サービスの利用内容や利用できる量はすべて行政(都道府県や市区町村)が決定していました。これを措置制度といいます。しかし障害のある人の暮らしぶりを何から何まで行政が決定する仕組みには批判も多くありました。2000年には、高齢者が利用する福祉サービスについては原則として措置制度をやめて「介護保険制度」へ移行したことも受けて、支援費制度が導入されました。これは市区町村から福祉サービスの支給決定を受けた障害のある人が、サービスを提供する事業所を選択し、事業所との契約によって福祉サービスを利用する仕組み(利用契約制度)を取り入れており、大変に画期的なものでした。しかし、支援費制度の導入によりサービスの利用者が増加したこともあり、財源の確保が困難になったほか、地域ごとのサービス提供格差や障害種別(身体障害、知的障害、精神障害)間の格差が生じる問題が発生しました。(支援費制度は精神障害が対象外でした。)これらの問題を解決するために、、2005(平成17)年11月に「障害者自立支援法」が公布されました。しかし法律の理念がないことや、サービスの必要性を図る基準(障害程度区分)が障害特性を十分に反映していないなど、施行当初から問題が指摘されていました。特にそれまでは障害年金が収入の中心であれば自己負担なしだったところ、自立支援法では、サービス利用者に原則として1割の自己負担を設定しました。そのため、収入よりも自己負担額の方が多くなる人も出てしまい、サービスの利用を減らしたり控えたりするケースも発生しました。そこで2010年には自立支援法を改正し、1割の自己負担額を改め、以前のように利用者の収入に見合った自己負担(障害年金が収入の中心であれば自己負担なし)の設定となりました。さらにその後2013年には、「共生社会の実現」や「可能な限り身近な地域で必要な支援を受けられる」といった法の基本理念を定め、福祉サービスを利用できる障害者の範囲を見直して、難病がある方も対象にするなどの改正が行われ、現在の「障害者総合支援法」が成立したのです。なお、障害者総合支援法については、法の施行後3年が経過した時点で内容を見直すことになっており、2016年にさらなる法改正がなされています。改正された障害者総合支援法は平成30年(2018年)4月から施行されることになっています。 NET独立行政法人 福祉医療機構「障害者福祉制度解説」障害者自立支援法から障害者総合支援法改正への改善点4つのポイント出典 : 障害者自立支援法から障害者総合支援法への法改正が行われたことで、いくつかの改善点がありました。今回はその中でも主なポイントを4つご紹介しながら、障害者総合支援法の概要をご紹介します。法改正前の自立支援法では基本理念は設けられていませんでした。法改正によって、障害のある人を権利の主体と位置づける基本理念を定めました。基本理念の設定により、住み慣れた場所で可能な限り必要な支援が受けられることや、社会参加の機会の確保、どこで誰と暮らすかを選べるなど、障害のある人が保障されるべき権利がより明確に打ち出されたほか、障害の有無によって分け隔てられることのない「共生社会」を目指す方向性が示されました。障害者総合支援法の福祉サービスは、こうした理念に基づいて実施されることとなります。第一条の二 障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。支援費制度から自立支援法、そして障害者総合支援法という法制度の変遷は、支援対象となる人が見直されてきた歴史でもあります。かつて支援費制度下では、精神障害のある人は支援の対象ではありませんでした。それが自立支援法の成立によって支援の対象となりましたが、今度は発達障害のある人の位置付けが不明確であることが課題となり、2010年の自立支援法改正で発達障害も支援の対象であることが明確化されました。総合支援法ではこれまで支援が行き届かなった難病等の疾患のある人についても、支援対象者として新たに加わることとなり、サービスを受けられる方の範囲が広がりました。平成29年4月時点で、対象となる疾病は358疾病が対象になっています。詳しくは次の厚生労働省のサイトを参考にしてみてください。障害者総合支援法対象疾病(難病等)の見直しについて|厚生労働省自立支援法では、福祉サービスの利用に際し、障害の程度を測る指標を導入して、サービスの給付決定をしていました。これを「障害程度区分」と呼びます。ただ、主に日常生活行為が「できる」か「できない」かに着目して障害の程度を測っており、例えば食事が自分でできる/できないかだったり、排泄が自分でできる/できないかだったりで、できる項目が多ければ障害の程度は軽く、できない項目が多ければ障害の程度は重いという考え方が基本となっていました。しかし、一口に障害といっても、その実情は一人ひとりさまざまです。日常生活の中でも、自分でできるけれど時間がかかったり、自発的に行えなかったり、症状の調子が悪い時にはできなくなるなど、条件付きで「できる」という方もいます。どの程度生活に支障があるかは人によって異なりますし、「できる」「できない」で障害の程度を判断することは難しいのです。そこで障害者総合支援法では障害程度区分を改めて「障害支援区分」とし、障害のある人それぞれの生活環境を踏まえ、どのような支援をどの程度必要とするかといった度合いを測ることになりました。コンピュータによる一次判定とかかりつけ医の意見書、市区町村の審査会による二次判定によって、障害支援区分を認定することになっています。支援区分は7段階の区分に分かれ、もっとも支援の必要性が高い区分が「6」、以下「5・4・3・2・1」と続き、もっとも支援の必要性が低い場合は「非該当」となります。この支援の必要性の区分によって、支給されるサービスの時間に違いが出てきます。一部のサービスは支援区分が低いと利用できないことがあります。重度訪問介護とは、日常生活上で常に介護を必要とする方に対して、ヘルパーを長時間(最大で24時間)派遣し、訪問介護や身体的な介護や家事の援助、外出の付き添いや生活を送る上での相談や助言などを行う支援です。従来は身体障害者のなかでも重度の肢体不自由者のみが対象でしたが、その他の障害がある方でも提供されるようになりました。具体的には、重度の肢体不自由・知的障害・精神障害により重度の行動障害がある人(行動援護サービスに該当する程度の人)で、障害支援区分が「4」以上の人です。これにより、行動障害がある人も重度訪問介護を活用して一人暮らしするという選択肢が増えたといえます。障害者総合支援法の2本柱は、自立支援給付と地域生活支援事業障害者総合支援法のサービスは、大きく自立支援給付と地域生活支援事業の2種類があります。どちらも市区町村または都道府県が実施主体となっていますが、位置付けには違いがあります。自立支援給付は、国がサービスの類型や運用ルールを定めるもので、障害のある人が福祉サービスを利用した際に、行政が費用の一部を負担するものです。法律上は全体費用の「9割」を給付しますが、住民税が非課税の世帯であれば全額(10割)を給付します。一方、地域生活支援事業は、都道府県、市区町村が主体となって実施するもので、大まかな枠組みは国から示されていますが、サービスの類型や運用ルールは都道府県、市町村が定めています。障害のある方がお住まいの地域で自立した生活を送るために必要な支援のうち、地域の特性に応じて実施するサービスが位置付けられています。自立支援給付に位置付けられているサービスは、障害福祉サービス(介護給付・訓練等給付)、自立支援医療、相談支援事業、補装具の大きく4つです。たとえば障害福祉サービスでいえば、ヘルパーサービスや施設への通所・入所を利用するサービス、就労支援などが挙げられます。詳しくは以下の図をご覧ください。Upload By 発達障害のキホン地域生活支援事業として提供されるサービスには、障害のある人の外出に付き添う移動支援や、福祉用具である日常生活用具の給付または貸与、手話通訳や要約筆記を派遣する意思疎通支援、成年後見制度支援などが含まれます。地域生活支援事業の中には、市区町村が主体の事業と、都道府県が主体の事業があります。都道府県は手話通訳士などの人材育成や都道府県内の広域な事業を担い、市区町村は障害のある人に身近な自治体として、移動支援や日常生活用具の給付、貸与といった利用者にサービスを提供する役割を担っています。詳しい分類は以下の図をご覧ください。Upload By 発達障害のキホン障害者総合支援法は障害者手帳がなくても使える?利用対象は?出典 : 障害者総合支援法のサービスを使うためには、原則として障害者手帳が必要ですが、一部を除いて医師の診断書があれば手帳がなくても使うことができます。障害者総合支援法のサービス利用対象者は次のように定められています。・身体障害者・・・身体に障害がある18歳以上の人で、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けている人・知的障害者・・・障害者福祉法にいう知的障害者のうち18歳以上の人・精神障害者・・・統合失調症、精神作用物質による急性中毒、またはその依存症、知的障害、精神病質などの精神疾患を持つ人(知的障害は除く)・発達障害者・・・発達障害があるため、日常生活や社会生活に制限がある18歳以上の人・難病患者・・・難病等があり、症状の変化などにより身体障害者手帳を取得できないが、一定の障害がある18歳以上の人・障害児・・・身体障害、知的障害、発達障害を含んだ精神障害がある児童、または難病等があり、一定の障害がある児童参考文献:遠山真世,二本柳覚,鈴木裕介/著『これならわかるすっきり図解障害者総合支援法』2014年 日経印刷/刊ここからも分かるとおり、サービスを受給するために障害者手帳が必要なのは身体障害がある方のみになります。身体障害以外の障害がある方は、本人や家族の希望と医師の診断書があればサービスの利用申請を行うことができます。ただし、医師の診断書については、障害や病名が対象となるかどうかを確認するため、国際的に使われている病名分類コードの記載が必須となります。詳しい情報やサービスの受給を希望する方はお住まいの市区町村の障害福祉課担当窓口へお問い合わせください。平成30年施行の法改正において創設されるサービスなどを紹介します!出典 : ここまでご説明してきた障害者総合支援法ですが、「生活」と「就労」に対する支援をより一層充実させることを目標とした新サービスの創設や、既存のサービスをより充実させるための法改正が行われました。正式名称を「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」といい、障害者総合支援法と児童福祉法の一部が平成28年(2016年)に改正され、平成30年(2018年)に施行されます。児童福祉法のなかには18歳未満の障害児を対象とする支援が定められています。障害児が障害者総合支援法に基づいている障害福祉サービスを利用する場合もありますが、児童発達支援や放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などは児童福祉法に根拠を置いています。今回の法改正では障害児への支援の拡充が盛り込まれました。そのため、今回は総合支援法とあわせて児童福祉法の一部改正についても説明していきます。■自立生活援助の創設現在、障害者支援施設やグループホーム入所・入居している方の中には、賃貸住宅などで一人暮らしを希望する方もいます。しかし知的障害や精神障害によって、生活能力に不安定さがあることなどで一人暮らしを選択できない方がいます。自立生活援助では本人の意思を尊重した地域生活を支援するため、一定期間にわたり定期的な巡回訪問を行い、食事や掃除、公共料金の滞納はないか、地域住民との関係は良好かなどの確認を行います。また定期的な訪問だけではなく、電話やメールなどで随時相談が行うことができるようになります。■就労定着支援の創設就労移行支援などを利用し一般企業へ就労した方で、就労に伴う環境の変化によって生活面に課題が生じてしまう方がいます。たとえば遅刻や欠勤の増加、身だしなみの乱れや業務中の居眠りなどの課題が環境の変化によって新たに生じるなどです。就労定着支援は就労定着支援事業所の方が職場・家族・関係機関への連絡調整を行ったり、職場や自宅に訪問し、生活リズムや体調などの指導や助言などを行ったりすることで、環境の変化に適応できるようサポートします。■重度訪問介護の訪問先の拡大重度訪問介護を利用している人が入院した際、普段利用していたヘルパーに支援をお願いすることが制度上できませんでした。またその人の特性やニーズに合った支援が入院先へ引き継げない場合もあり、利用者が困ってしまうことがありました。この改正によって、重度訪問介護を利用している方が入院中の医療機関においても、利用者の状態を熟知しているヘルパーを引き続き利用したり、そのニーズを的確に医療従事者に伝達したりなどの支援が利用できるようになります。■高齢障害者の介護保険サービスの円滑な利用障害福祉サービスと同様のサービスが介護保険法にある場合は、介護保険サービスの利用が優先されるようになっています。さらに高齢障害者が介護保険サービスを利用する場合、障害福祉制度と介護保険制度の利用者負担上限が異なるため、利用者負担(1割)が新たに発生する場合があります。またこれまで利用していた障害福祉サービス事業所とは別の介護保険事業所を利用しなければならないことがあるなどの課題が指摘されています。この改正によって、たとえば65歳になるまでの長期間にわたり障害福祉サービスを受けていた障害のある方、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用する場合、一定程度以上の障害支援区分の方や低所得者に対して、介護保険サービスの利用者負担が軽減されるような仕組みが設けられます。障害福祉サービス事業所が介護保険事業所としても機能しやすくするなどの見直しを行い、介護保険サービスがより円滑に利用できるようになります。■重症心身障害児などに対して訪問型の児童発達支援が創設障害児支援に関しては、複数の児童が集まる通所による支援が子どもの成長に望ましいと考えられていたため、これまで通所支援の充実を図ってきました。しかし現状では、重度の障害のため外出が著しく困難な障害児が発達支援を受けられません。そこで重症心身障害児などの居宅を訪問して発達支援を行うサービスが新たに創設されることになりました。■保育所等訪問支援の支援対象に乳児院と児童養護施設が追加保育所等訪問支援では、これまで保育所・幼稚園、放課後児童クラブ、小学校などに相談支援員が訪問していました。しかし乳児院や児童養護施設の入所者に占める障害児の割合は3割程度となっており、職員による支援に加えて、専門的な支援が求められているため、保育所等訪問支援の対象者を乳児院や児童養護施設の子どもたちにも拡大することになりました。■医療的ケア児に対する支援NICU(新生児特定集中治療室)などに長期入院後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な障害児(以下:医療的ケア児)が増加しています。医療的ケア児が地域において必要な支援を円滑に受けることができるよう、地方公共団体は児童発達支援センター、障害福祉サービス事業所、特別支援学校などの福祉機関と、訪問看護ステーション、小児科診療所、地域小児科センターなどの医療機関と連携を図るために連絡調整を行う仕組みをつくることになりました。また医療的ケア児に対する支援については、すでに平成28年6月に施行されています。■障害児サービス提供体制の計画的な構築これまで市町村および都道府県に対して、障害福祉計画および都道府県障害福祉計画の作成を義務付けていました。法改正によって、障害児を対象にした障害児福祉計画および都道府県障害児福祉計画の作成を義務付けることになりました。また障害児相談支援の提供体制を整備し、障害児通所支援などの円滑な実施を確保するための仕組みも導入しました。障害児福祉計画は障害児通所支援や障害児相談支援の必要なサービス量の見込みを示すなどして、提供体制を確保していく努力を行うための計画であり、整備の指針になります。■補装具の貸与制度の追加補装具費は身体障害者の身体機能を補完・代替する補装具の「購入」に対して補助金が支給されていました。したがって、これまでは補装具本体の「貸与」はありませんでした。この改正によって障害児など成長に伴って短期間で補装具の交換が必要となる場合は「購入」を基本とする原則は維持したうえで、「貸与」が適切と考えられる場合には補装具本体の貸与が行われることになります。詳細は今度、関係者の意見を踏まえた上で検討されます。■障害福祉サービスの情報公表制度の創設障害福祉サービスなどを提供する事業所数が大幅に増加するなかで、利用者が個々のニーズに応じて良質なサービスを選択できるようにするとともに、事業者によるサービスの質の向上が重要な課題となっています。施設・事業者に対して障害福祉サービスの内容などを都道府県知事へ報告し、都道府県知事が報告された内容を公表する仕組みがつくられます。この情報をもとに利用したいサービスを提供している事業所を選択することができるようになります。■自治体による調査事務・審査事務の効率化障害者自立支援法の施行から10年が経ちました。障害福祉サービスなどの事業所数や利用者数は大きく増加しており、自治体による調査事務や審査事務の業務量が大幅に増加しています。この改正に伴い事務の一部を委託可能にするために必要な規定を整備することになりました。 たとえば、利用を検討している方に向けて利用審査に必要な質問や、関連文書の作成などを、許される範囲内で行政から委託された民間法人が担うことができるようになります。参考:「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び 児童福祉法の一部を改正する法律」について(経過) |厚生労働省まとめ出典 : 障害者総合支援法は障害の有無に関わらず、共に住み慣れた地域で暮らすことができる社会(共生社会)を実現するためにつくられた法律です。障害がある子どもから大人まで利用できる、自立支援給付や地域生活支援などのサービスがあります。また具体的にどんなサービスがあるのか、サービスを受けられる対象者に当てはまるかなどの相談に応える相談支援もあります。ただ、サービスも各地域によって特色がありますので、総合支援法の利用を検討中の方はお住まいの市区町村の担当窓口にお問い合わせください。障害者総合支援法は自立支援法を改正して生まれた法律です。しかし自立支援法時代からの課題が全て改善されたわけではありません。障害のある人の支援に関する法律は、今後も議論や改正を重ねながら、その時代や地域、利用者のニーズに適したサービスを提供していくことでしょう。
2017年07月31日