第3回 [ 小川菜摘の子育て相談 ]「子育ては完璧じゃなくていい。毎日ご飯を作る余裕なんてないから、お惣菜や出前の日もある。でも、それでいいと思うんです。子どもたちが思っているほど親は立派じゃないということを見せることも大事。私はいつも “そのままの私” で体当たりしてきました」と語る小川菜摘さん。2人の息子さんもそれぞれ成人し、ようやく子育て一段落。改めて、駆け抜けた日々を振り返り子育てのお悩みに答えます。【読者からのお悩み】中学生になった息子の成績が急降下、反抗期も迎えてWパンチです。中学2年生の男の子の母です。(一人っ子です)息子には 小さな頃からいろんな習い事をさせてきて、小学校の時はまずまずの成績を保っていました。なのですが、中学校に入った頃から状況が暗転してきて、中2で成績が一気に下降。私から見たところ息子は 勉強をする気が起きないようです。問題はそれだけではありません。最近では教科書どおりの反抗期を迎え、毎日が本当にしんどく、何より息子の将来が不安です。主人に相談すると「放っておけ」といいますが、なかなか放っておけません。(※投稿内容を一部、読みやすいように編集させていただきました。)【 小川さんからのアドバイス 】なぜ勉強に興味が向かなくなってしまったのか?子供の本音を引出してみて私も息子二人にいろいろな習い事をさせました。英会話、水泳、サッカー、空手……。スポーツ少年になってほしいと期待していたんです。でも、本人はつまらなそうだった。その表情を見て、結局、親がいろいろなカードを与えても、そのカードを懐に入れる・入れないを決めるのは子ども自身だと気づきました。やりたくないことを続けても楽しくないし、お金の無駄だし、私も送り迎えがたいへんだし、途中で辞めることは悪いこととは思わない。結局、息子二人とも最終的に残ったものは、スポーツではなく音楽でした。勉強については、うちの場合は、私も旦那も勉強は苦手だったので、(笑)“いい成績”は望まなかったけれど、赤点を取らない程度にはできないと居残りで補習させられるので、「遊ぶ時間が削られてあなた自身が損するだけだよ」と言って聞かせました。次男は高校進学のときに自発的に留学しましたが、それも本人が自分にとって「必要だ」と思ったから。やはり、親があまり多くを望みすぎても仕方がない。子どもの人生は子どものものだと割り切ることも必要かな、と思います。お子さんは、そもそもなぜ勉強に興味がなくなったのでしょうか。もしかしたらいじめの問題や反抗期のフラストレーションを抱えている可能性があるかも。反抗期だと冷静に話をするのも難しいけれど、私は腫れ物に触るようにするのは嫌だったから、真正面から「お母さんはこう思っている」ということを伝えて、子どものイライラも受け止めるようにしていました。怒りながら、時に泣きながら応戦したこともあります。食事のときなど、ケンカになりにくいタイミングで、何が不満なのか聞いてみるとよいかも。それから、お母さん自身もおいしいものを食べたり映画を見たり、ちょっとしたことでいいので自分が楽しめる時間を持つといいと思いますよ。最近の小川さん自家製ピクルス漬けました‼️旨旨♡PROFILE26歳で結婚、28歳で第1子、31歳で第2子を出産。小川菜摘Natsumi Ogawa東京都出身。1978年『ゆうひが丘の総理大臣』でデビュー後、文学座演劇研究所入団。数々のテレビドラマや映画に出演。2012年舞台に復帰。2018年7月20日~22日、六本木スペース ビリオン(東京都)にて『リーディング ファム・ファタール! 運命の女 小川菜摘×青木さやか』出演。Photo:Reiko TohyamaText:Yukiko AnrakuComposition:Shiho Kodamaあなたのお悩み募集中!2人の男の子を育て、家事に、仕事にと奮闘した経験を持つ大先輩である小川菜摘さんに「親にも話せない悩みをこっそり相談したい」「自分では解決できない悶々とした感情を諌めることができない」などなど、心に引っかかっていることについて小川さんと一緒に考えてみませんか?※子どもの性別、年齢は問いません。※子どもが生まれてからの夫婦間のお悩みや、親との関係性など。※お母さんだけでなくお父さんからのお悩みも募集中です。お問い合わせありがとうございます。
2018年08月24日17年2月に発覚した櫻井翔(36)と小川彩佳アナ(33)の熱愛。ファンからも祝福されていた2人だが、今年4月に破局していたことが一部週刊誌に報じられた。しかし、結婚間近ともいわれていた小川アナとはなぜ破局に至ってしまったのだろうか――。芸能プロ関係者によると、その要因の1つとなったのが、嵐メンバーの“結婚決意”報道なのだという。「まずは、二宮和也さん(35)と伊藤綾子アナ(37)。2人はこの7月に婚前旅行をし、結婚を認めてくれるよう事務所に直談判したと報じられました。そして、松本潤さん(34)と井上真央さん(31)。13年に渡る交際をついに実らせようと結婚に向けた準備を始めた、との記事も出ています。しかし、国民的アイドルのメンバーが一気に3人も結婚するというのは考えづらい。しかも、嵐は今年11月からデビュー20周年の記念ツアーが始まります。そうした大事な時期だからこそ櫻井さんは、“いまは結婚のタイミングではない”と判断したのでしょう」加えて、“キャスター業に注力したい”という強い意志も、破局に大きく影響したようだ。現在、櫻井が月曜キャスターを務める『NEWS ZERO』(日本テレビ系)が、10月からリニューアルされる。元NHKの有働由美子アナ(49)をメーンキャスターに迎えるにあたって、櫻井もいままでとは違う立ち位置を志願しているという。「制作側としては、有働さんと櫻井さんを番組の二枚看板にしたい意向があるんです。櫻井さん本人も“できれば毎日出演したい!”とやる気満々。他の仕事もあるのでさすがに毎日は厳しいと思いますが、スケジュールを調整して週2~3回に出演が増えることもあるかもしれません」(番組関係者)そこまでしてキャスター業に磨きをかけたい櫻井の視線の先には、20年の東京五輪があった。「もともと彼には五輪取材に強い思い入れがあるんです。これまで、08年の北京五輪から6大会連続でキャスターを務め、取材活動を重ねてきました。自国開催の東京五輪はキャスターとしての集大成になる。それまでの2年間は“何よりも仕事が最優先”という姿勢を貫くつもりなのでしょう」(テレビ局関係者)彼のゴールインは、東京五輪よりも先の話になりそうだ――。
2018年08月23日「彼(櫻井)に関して、僕から言うことはないですから……」こう重い口を開いたのは櫻井翔(36)の元恋人、小川彩佳アナ(33)の実父だ。17年2月に発覚したビッグカップルの熱愛。ファンからも祝福されていた2人だが、今年4月に破局していたことが一部週刊誌に報じられた。さらに、櫻井にはすでに女子大生(21)の新恋人がいるとされているのだが――。「その女子大生とは、はっきり言って小川アナほどの関係性には至っていないでしょう。あくまで友人関係の延長線上だと思いますよ」(芸能プロ関係者)では、結婚間近ともいわれていた小川アナとはなぜ破局に至ってしまったのだろうか。「今年の初めぐらいまでは順調にいっていて、結婚の話も進んでいたようなんですが……。お互いの両親に紹介済みで、親公認の仲だったそうです。12月の櫻井さんのお父さんのお誕生日に小川さんがバースデープレゼントを贈るなど、家族ぐるみで仲良くしていたと聞いています。でも結局、櫻井さんが結婚に踏み切れなかったようです。彼女の33歳という年齢も考えて“あと何年も待たせるのは申し訳ない”と、櫻井さんのほうから別れを切り出したといいます」(櫻井の知人)8月中旬、本誌は小川アナの都内の実家を訪れた。早朝7時ごろ、自宅から出勤する小川アナの父に記者が声をかけた。――彩佳さんと櫻井さんとの破局報道がありましたが?「……もう、娘も大人ですから」しばらく沈黙を続けていたが、自分に言い聞かせるようにこうつぶやいた。――心配の声もありますが?「大丈夫ですよ」そう笑顔で答えてくれたものの、娘の傷心を思ってか時折表情を曇らせていた。櫻井は、自身の結婚観についてこう語っている。《女性ってなんとなく、30歳でゴールみたいなのを設定しようとするけれど、この歳になると、人生のゴールなんてまだずっと先だよなって思う》(『With』17年11月号)人生のゴールはいつになるのだろうか――。
2018年08月23日さまざまなジャンルの作品に出演し、俳優・文筆家・ミュージシャンとして活躍する宮崎吐夢さん。昨年、大人計画の舞台『業音』に向け、主宰・松尾スズキさんの命を受け、2か月で約10kgのダイエットに成功。見事な痩せっぷりが話題になり、芝居の感想は差し置き、女優陣から「どうやって痩せたの!?」と楽屋で質問攻めにあったとか。持ち歌をダイエットバージョンにして歌う予定です。「基本筋トレです。ジムでおばちゃんとグループレッスンしながら、登山もみんなでやれば登れるみたいな感じで。食事も糖質制限でも朝昼のみ。やっぱり、2か月後にパンツ一丁で舞台に立つと思うと、食欲も失せますよ。みんな年に1回、人前で脱がなきゃいけない理由を作ったら、痩せれるんじゃないですかね」この舞台本番までの吐夢さんのダイエット道を余すことなく伝えるのが、『真夏のダイエット(orリバウンド)歌謡ショー』と、会場で販売される書籍『吐夢の(秘)ダイエット手帖』である。彼がどうやって太っていったのか、減量法、断食で激痩せした俳優・黒田大輔さんとの対談など盛りだくさんの160ページ。コンサートは、芝居と歌謡ショーの二部構で、お客様のダイエットを応援するものになるとかならないとか。実際問題、動きやすい格好で行ったほうがいいんでしょうか?「動きはそれなりにあると思いますね。ゆずのライブのラジオ体操くらいですかね(笑)。お芝居は、ゲストに根本宗子、金山寿甲、金子鈴幸という注目の劇作家が3人いるので、彼らにお知恵を拝借できたらなと。ダイエットしすぎで死んでもいいし、しなくてもいい、人間だもの。みたいなことを歌っていくコンサートにしたいなと思ってます」その後、リバウンドで体型が中間くらいに戻ったという吐夢さんが、ダイエットを経て学んだこととは?「痩せているときは、屋外でやたら鏡に映る自分を見て、『あ、いい!』と思うナルシストになっていたんです。少しすると、ハイクラスの美人やイケメンのちょっとしたダメなところを見つけては、『あっ』と残念に思うようになった。家柄が貧しかったのに意識高い系のお受験して受かっちゃった人みたいな感じで、ギスギスした嫌な奴になりましたね。体型が戻ってくると、愛嬌を武器にするしかない!と思えるので、また謙虚になりました。ダイエットするのも考えものですね」『真夏のダイエット(orリバウンド)歌謡ショー』独自の減量方法をまとめた著書は、8月24日(開場18:00/開演19:00)に東京キネマ倶楽部で開催する歌謡ショーで販売。4300円(整理番号付きスタンディング・ドリンク代別)大人計画TEL:03・3327・4312みやざき・とむ1970年生まれ。’92年『冬の皮』以降、大人計画に参加。CD・DVDリリースや、小説の執筆など多方面に活動。映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』に出演。※『anan』2018年8月15・22日号より。写真・山田 薫インタビュー、文・小川知子(by anan編集部)
2018年08月18日第2回 [ 小川菜摘の子育て相談 ]「子育ては完璧じゃなくていい。毎日ご飯を作る余裕なんてないから、お惣菜や出前の日もある。でも、それでいいと思うんです。子どもたちが思っているほど親は立派じゃないということを見せることも大事。私はいつも “そのままの私” で体当たりしてきました」と語る小川菜摘さん。2人の息子さんもそれぞれ成人し、ようやく子育て一段落。改めて、駆け抜けた日々を振り返り子育てのお悩みに答えます。【読者からのお悩み】空気が読めないママ友との関係に困っています。《 お悩みその1》こんにちは、小川さん。私の悩みを聞いてください。相談にのってほしいのは“ママ友”についてです。知り合いに話が長いママ友がいて困っています。彼女的には悪気はなさそうなので途中で話を止めにくい。でも正直、彼女の話ばかりでつまらないし、時間がもったいないんです。子どもの世話や家事など時間はいくらあっても足りず、彼女の話にずっと付き合っていられるほど私も暇ではないので……。この状況、小川さんならどうしますか?《 お悩みその2》子どものお友達ファミリーから毎週のように遊びや食事に誘われます。そのお誘いを断ると、今度は次の週末ならどう?とまた誘われます。以前、4週続けて断ったことがあるのですが、そのときも5週目にまた誘われました。彼女が苦手、ということではなく、パパ同士、ママ同士は平日には会ったりします。ただ、平日ならいいのですが週末までは少し困ります。子供同士は会えば遊ぶけど……くらいの仲なので。私としては、家族全員がゆっくり過ごせるのは週末ぐらいなので、貴重な土日は家族時間がほしいんです。こんなことを考えるのはダメなのでしょうか?主人は「せっかく誘ってくれてるから」と言いますが。(※投稿内容を一部、読みやすいように編集させていただきました。)【 小川さんからのアドバイス 】あえて「ママ友は広く浅く」話が長いママ友、いますね!しかも、話し始めて30秒くらいでオチがわかるんですよね(笑)。たびたびそういうことがあったから、私は先にオチを言っちゃっていました。「それ、こういう話でしょ!?」って。相手も笑えるような感じでね。ママ友とのお付き合いって難しいですよね。もちろん助かることもあるんですよ。仕事のとき、子どもを預かってくれたり。その一方で、陰口を言われていたというトラブルに遭ったことも。幼稚園、小学校低学年のうちは、親も一緒に行動する機会が多いから「うまくやっていきたい」とどうしても思ってしまいますよね。でも、あえて私は「ママ友は広く浅く」と考えていました。この関係はずっとは続かない。だから言うべきことは言ったほうがいいと思うんです。お誘いをお断りすると「カドが立つかしら」と心配になると思うけど、子どものことを考えれば、親は笑って楽しくしているのがイチバン。だから、ママ友、パパ友付き合いも楽しいことが基本。「子どものために我慢したほうがいいかな」というのは、結局は子どものためにならないんじゃないかな。「いつもお誘いありがたいけれど、主人も私も週末しか休みが合わないからごめんね」とやんわり断れば、相手も嫌な気持ちになることはないはず。毎週行きたくなければ、毎週お誘いがあって「ごめんね、今週も予定が入っちゃってるの」と断っちゃって構わない。それで「感じ悪いわね」と言うような人なら、むしろ離れたほうがいい。私の場合、今もお付き合いが続いているママ友は、たった一人だけ。次男が4歳のときに知り合って20年。今では親友です。そんな友人と出会えたことは幸運でした。広くたくさんお付き合いしたなかのたった一人ですから。長い目で見れば、それくらいのもの。今の狭い世界のなかだけで「うまくお付き合いしなきゃ」なんて考えなくていいと思いますよ。最近の小川さんスタイリストさわちゃん、その娘ちゃんと三人で温泉旅行してきました。プリクラって本当に盛り盛りだね(笑)PROFILE26歳で結婚、28歳で第1子、31歳で第2子を出産。小川菜摘Natsumi Ogawa東京都出身。1978年『ゆうひが丘の総理大臣』でデビュー後、文学座演劇研究所入団。数々のテレビドラマや映画に出演。2012年舞台に復帰。2018年7月20日~22日、六本木スペース ビリオン(東京都)にて『リーディング ファム・ファタール! 運命の女 小川菜摘×青木さやか』出演。Photo:Reiko TohyamaText:Yukiko AnrakuComposition:Shiho Kodamaあなたのお悩み募集中!2人の男の子を育て、家事に、仕事にと奮闘した経験を持つ大先輩である小川菜摘さんに「親にも話せない悩みをこっそり相談したい」「自分では解決できない悶々とした感情を諌めることができない」などなど、心に引っかかっていることについて小川さんと一緒に考えてみませんか?※子どもの性別、年齢は問いません。※子どもが生まれてからの夫婦間のお悩みや、親との関係性など。※お母さんだけでなくお父さんからのお悩みも募集中です。お問い合わせありがとうございます。
2018年08月13日5月16日に西城秀樹さん(享年63)が急性心不全で亡くなったことを受けて、翌17日に西城さんの自宅へと弔問した小川知子(69)。西城さんとの“対面”を果たした後、取材陣からコメントを求められた。 西城さんとは家族ぐるみの付き合いだったという小川。関係者に支えられ大粒の涙を溜めながらも、美紀夫人から託されたメッセージがあると明かした。そして、美紀夫人の“胸中”をこう代読した。 「倒れて入院してから2、3週間、毎日病院で看病できたことがすごく幸せだった。子供たちも最期に立ち会えたことが良かったと思います。(亡くなった実感がなく)まだ夢のようです」 西城さんは01年5月、当時会社員だった18歳年下の美紀さんと結婚。1女2男に恵まれた。2度の脳梗塞で身体には麻痺が残ったが、西城さんは「(子供たちを)追っかけていけるように、走れるようになりたい」と話していたという。 小川は西城さん夫婦の闘病と看護の日々を回想し、こらえきれず涙。言葉に詰まりながらも「愛してるよ……。かっこいいよ、秀樹。あの世でもモテるだろうから気をつけなさい」と空を仰いだ。 ネットでは小川の回想を受け、美紀さんの家族愛に感動する声があふれている。 《結婚生活の大半が看病と介護だったでしょうに、最期の時を幸せ、と言える奥様は素晴らしいと思います》《3人の子宝にも恵まれて、年齢の近い子供3人の育児と秀樹さんのお世話を最後まで両立されるなんて、すごく立派だと思う》《秀樹さんも家族を愛していたから辛いリハビリに耐えて、ありのままの姿を見せてきたんだろうなぁ》
2018年05月18日矢崎広、柳下大、小川ゲン、佐野岳という今注目の若手俳優による4人芝居『Shakespeare’s R&J~シェイクスピアのロミオとジュリエット~』が1月19日(金)に開幕する。出演者4人に話を聞いた。舞台「Shakespeare’S r&J」チケット情報本作は、アメリカの劇作家ジョー・カラルコが不朽の名作『ロミオとジュリエット』を斬新な発想で脚色し、世界的に話題を集めた戯曲。厳格なカソリックの男子高校生4人が寄宿舎を抜け出し、禁断の書に定められた『ロミオとジュリエット』のページを開く――というストーリーで、演出は新国立劇場演劇研修所のコーチを務め、自身のユニットでも作品を発表している田中麻衣子。「シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』をやるわけではないことは、観に来る方に知っておいてもらいたいです」と柳下。4人の役名は<学生1><学生2><学生3><学生4>。名もなき彼らが夜中にこっそりと起き出し、はちきれんばかりの好奇心で『ロミオとジュリエット』を演じ始める。しかし、「やっぱりシェイクスピアの言葉は強い。引っ張られちゃいます」(佐野)と、油断すると『ロミオとジュリエット』をそのまま演じてしまう苦労を語る4人。彼らがみせたいのはそこではないのだ。「寄宿舎の同じ部屋で暮らしている男子学生4人が、この本を手にすることで、しまっていた感情や想いがどんどん溢れていく。それをお客様に覗き見していただくような作品です」(矢崎)。「かなりしっかり掘って、その下でみんなでつながっていかないとうまく見せられないのかなと思っています。だから稽古場ではその性格や関係性を掘り下げる作業をしています」(佐野)。取材は稽古が始まって2週間というタイミングであったが「なかなかカタチにならないというか。けっこうたくさんこねてるんですけど、ひとつ作っては壊し、ひとつ作っては壊し、みたいな。本当にいろんな解釈、方向性、見せ方があるので」(矢崎)、「これからは、すごく細かい作業、例えば声のボリュームだったり、誰を見る見ないだったり、物を取る仕草、座る姿勢…そういう部分を詰めていくことになると思います。本当にちょっとしたことの積み重ねです」(柳下)と繊細に、けれど頑丈に稽古を重ねていた。“学生”の“芝居”という二重構造だが「さらにもう一個層があるというか。『ロミオとジュリエット』を演じている学生たちを僕たちが演じてるっていう。やっぱり身体も精神も変えられないから、完全に学生を演じようとしても滲み出るものは必ずあるので。だからこそ、その俳優がやる意味がある。そういうところも面白いんじゃないかなと思います」(小川)。公演は1月19日(金)から 2月4日(日)まで東京・シアタートラムにて。1月23日(火)・30日(火)アフタートークあり。取材・文:中川實穗
2018年01月16日朝ドラ「ひよっこ」でも活躍した、俳優の岡山天音さん。そんな岡山さんが今度演じるのは、大学浪人中かつ引きこもりという役どころ。祖父の死をきっかけにやむを得ず集まった家族のめんどくさくも愛らしいゴタゴタを、CMの企画・演出を手がける気鋭の映像作家・森ガキ侑大が描く映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』。大学浪人中かつ引きこもりの洋平を演じるのは、岡山天音さん。岩松了さんや光石研さんらの演技の大先輩に囲まれた現場でも、常にマイペースな姿勢は崩れないタイプのよう。「最初はめっちゃ緊張してましたけどね。熊本での撮影だったので、ロケが多くて。出番がないときもずっと一緒にいて、BBQしたりお酒飲んだりもしながら、気の抜けた瞬間にも居合わせられた。というので、一度ちょっとした賭けに出て、控室で大の字になって寝てみたりも。失礼かな、と思いつつ……」洋平のように反抗期はありつつも、母子家庭で一人っ子という環境から、独特な反抗をしていたそう。「母親が言うには、中学生の頃、たまに反抗すると冷静になって、『今言ってること本心じゃないから真に受けないでね』とか母親に言いながら、数時間後に『なんなんだよ、早くハイチュウ買ってこいよ』みたいな態度を取っていたらしいです。僕はあまり覚えてないんですけどね(笑)」現場での一番の思い出は、妹・千春を演じる年下の小野花梨さんに「ゆとりの代表格」と言われたこと。「ハッとさせられました。僕、現場で客観性がなくなってしまうときがあって、カメラが回る前に独り言を言ったりするので。女の子はやっぱりすごいなと。花梨ちゃんには、以降ずっといじられていました」最後に、本作を最初に観てほしいと思う人について聞いてみた。「(山崎)賢人ですかね。お互い大人になって、家族との付き合い方も変わってきたと思うので。それと、家族がここまで主軸になっている作品は初めてなので、母親にも観てほしいですね。新しい視点を見つけるきっかけになったらと思います」おかやま・あまね1994年、東京都生まれ。‘09年にNHK 教育『中学生日記シリーズ・転校生』で俳優デビュー。映画はもちろん、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』やCMなどでも活躍。映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』彼とのセックスの最中に祖父の訃報を受けた春野吉子。やがて久しぶりに集まった家族たちのやっかいな事情が明るみに出る。出演/岸井ゆきの、岩松了、岡山天音、水野美紀、光石研らテアトル新宿ほかにて上映中。(C)2017『おじいちゃん、死んじゃったって。』製作委員会※『anan』2017年11月15日号より。写真・市原慶子スタイリスト・岡村春輝ヘア&メイク・石邑麻由インタビュー、文・小川知子
2017年11月11日通が語る極私的な愛!偏愛的!?大人の男萌えコレクション。語ってくれたのは、文筆家の山崎まどかさん。山崎さんの“萌え”はライアン・ゴズリングです。みんなのゴズリングになれるスマートさ。米カルチャーに精通する山崎まどかさんは、「30代俳優には大人になる足がかりを失い若作りしてる人も多い中、ライアン・ゴズリングは一足早く大人の俳優への道を歩んだ賢い男」と分析。「アイドル出身なので芸歴も長い彼ですが、早くからキャリア構築を考えていたんじゃないかなと。フロントラインにいながらも、今っぽいマーベルやDCには出ずに、中規模のアート、文芸作品に出演している。その市場は、ライアン・ゴズリングが独り占めしているんです。プライベートを自ら見せなくても、人柄も私服のセンスもいいという噂が広まるのも、イメージコントロールがきちんとできているから。実は演技派なのに、そんなそぶりを見せないのも魅力。未だに基礎だからとバレエのレッスンを受けていて、それがあっての『ラ・ラ・ランド』なわけです。前に出すぎない、’60年代以前のスターのようなクラシカルさがある。今、茶色のスーツをおしゃれに着こなせる大人の俳優は、彼くらいですよ」抑えた演技で苦悩する姿にも余裕アリ!『スーパー・チューズデー~正義を売った日~』スティーヴン役『スーパー・チューズデー~正義を売った日~』DVD¥3,300発売・販売元:松竹(C)2011 Ides Film Holdings, LLC写真:Everett Collection/アフロキザなことをやって許されるのは彼くらい『ラ・ラ・ランド』セバスチャン役『ラ・ラ・ランド』ブルーレイ・DVD発売&TSUTAYA先行レンタル中&デジタル配信中発売元:ギャガ販売元:ポニーキャニオン(C)2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.山崎まどかさん1970 年、東京都生まれ。カルチャー全般、特に女子文化に詳しい。コラム連載・寄稿多数。近著に『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)などがある。※『anan』2017年11月15日号より。イラスト・中根ゆたか文・小川知子(by anan編集部)
2017年11月09日七輪で焼くレトロな雰囲気が魅力のホルモンバル大阪の天満にある「肉問屋・ワイン・ダーツ ホルモン小川商店」は、焼肉屋さんとは思えないかわいらしい外観が特徴です。オレンジ色の電球が光るレトロな店名の看板が目印。店内は昭和モダンな雰囲気で、タイル張りのカウンターやテーブル席には七輪が用意され、肩肘張らずに一人でも入りやすいお店です。お店の奥にはダーツがあり、食事を済ませるとダーツで遊ぶことができるユニークなお店です。食べごたえのある看板メニュー「メガ丸腸」「メガ丸腸」(972円)は、全長がおよそ30センチもある食べごたえのある一品。プリプリでジューシーなレア部位が丸ごと味わえます。七輪で焼いた新鮮なホルモンは、おいしさがギュッと閉じ込められ、さばきたてのホルモンの臭みのない味わいがクセになります。焼いている途中で切ると旨味が逃げてしまうので、焼きあがるまで我慢して食べるのがおすすめ。他のホルモンメニューも豊富なので、色々な味わいを少しずつ楽しめます。特性ダレに絡めていただく「炙りシャブリブロース」リブロースのとろける旨味が味わえる「炙りシャブリブロース」(1,058円)は、自家製のこだわり玉子ダレにくぐらせていただくのがおすすめ。焼き色が付き始めるくらいにサッと焼いてタレに絡めて食べると、肉の甘みが口いっぱいに広がります。きれいにサシが入った特大のリブロースは薄切りで、柔らかく口どけも滑らか。肉問屋の看板を掲げるお店の上質なお肉が楽しめます。こだわり素材の「蘭王玉子を使ったフレンチトースト」人気のデザートメニューのひとつが、「蘭王玉子を使ったフレンチトースト」(486円)。甘さ控えめなあつあつのフレンチトーストに冷たいバニラアイスがよく合います。コクがあり濃厚な「蘭王玉子」をたっぷり使ったソースに、バケットをしっかりと浸しふっくらと焼き上げました。お肉だけでなくデザートまで、こだわり素材を使ったおいしい味わいが堪能できます。お肉もワインもダーツも一度に楽しめるお店こちらのお店では厳選されたお肉とおいしい純正ホルモンが味わえます。七輪で焼き上げる絶品ホルモンのとりこになり、リピーター続出中のお店ですが、焼肉なしでも、ワインバーやバルとしても利用できます。店内奥のダーツで400点以上ゲットすれば、生ビールやソフトドリンクなどのサービスもあり、いつもとはひと味違った楽しみ方ができるお店です。「肉問屋・ワイン・ダーツ ホルモン小川商店」は、阪急千里線・大阪市営地下鉄堺筋線・谷町線「天神橋筋六丁目駅」12番出口から徒歩6分、JR大阪環状線「天満駅」から徒歩5分と、アクセスの良い場所にあります。おいしいお肉や七輪焼きのホルモンはもちろん、ワインやダーツも楽しめるお店へぜひ足を運んでみてください。スポット情報スポット名:肉問屋・ワイン・ダーツホルモン小川商店住所:大阪府大阪市北区池田町7-11電話番号:06-6352-2941
2017年10月08日アンソロジー(ANTHOLOGIE)デザイナーの小川圭司がセレクトしたアイテムを取り揃えるセレクトショップ「ART(アート)」が、2017年8月26日(土)に渋谷にオープンする。ファッションアイテムを中心に、強いこだわりを持って表現された作品を小川圭司が厳選し、「作る人、着る人の感性を表現する場」として発信。渋谷2丁目にファッションの新たな空気感を生み出すセレクトショップとして営業する。biscuithead、UNSLACKSなど、独自の世界観を表現するブランドをセレクトして取り扱う。小川圭司がコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)での経験を経て設立したブランドであるアンソロジーも販売。アンソロジーは取扱店舗を絞り、「ART」が都内唯一の展開店舗となる。店舗にはアーティストの木村浩一郎によるアート作品を内装に取り入れ、ショップ空間そのものが表現を発信する場になるように演出されている。オープンに際して、特別商品や一点ものの販売を行う。また、シーズンに捉われず、不定期で新しいブランドやアート作品を展開していく。【詳細】セレクトショップ「ART」オープン日:2017年8月26日(土)住所:渋谷区渋谷2-8-2 2F営業時間:12:00-20:00
2017年08月28日人気ジャニーズグループ『嵐』の櫻井翔さん(35)と、テレビ朝日の小川彩佳アナウンサー(32)が真剣交際していると、『スポニチアネックス』が報じました。櫻井さんと小川アナの親密交際の様子は、2月27日発売の『週刊ポスト』に掲載されるということです。なお、スポニチによると、小川アナはテレビ朝日側へ、『櫻井さんと真剣にお付き合いさせていただいています』と報告済だといいます。また、関係者の話として、二人はそれぞれの親とも会っているそうで、結婚も視野に入れているのではないかということです。櫻井さんの父親は元総務省事務次官。小川アナの父親は慶大の医学部教授で大学病院部長なのだそう。二人に共通する“エリート一家育ち”という華麗な経歴にも注目が集まっています。櫻井さんと小川アナの交際報道にファンはショックを受けているかと思いきや、同じ『嵐』メンバーの二宮和也さんと伊藤綾子アナウンサーの熱愛報道や、松本潤さんとセクシー女優の葵つかささんの交際報道が出たときとは打って変わり、祝福の声があふれていました。●ネット上では櫻井さんと小川アナの交際に祝福の声が多数!『お互いにとって申し分ないパートナー』『さすが櫻井くん。自分の立場をわきまえた上での相手だと思う』『ニノや松潤とは違う。相手に好感が持てる』『素敵なカップルだと思います。ファンだけど幸せになってほしいです』『お似合いです!結婚してほしいな』『この二人なら結婚してほしい!にしても伊藤綾子との差がすごい…』『小川アナならしっかりしたイメージだし、匂わせとかしなそうだし、いいと思います!』『小川アナなら許せる。このまま結婚してほしいな』『伊藤アナとは好感度が全然違う。この二人なら納得』『好感持てるカップル!寂しいけど、小川アナなら文句のつけようがない』など、ネット上には二人の交際を祝福するファンの声が多数あがっていました。●一方、二宮和也さん、松本潤さんの交際報道時にはファンが大激怒&軽蔑!二宮和也さんと伊藤綾子アナウンサーの熱愛が2016年7月7日に発売された『女性セブン』で報じられたときには、『結婚したらファンやめます』『ファンにとっては相手が誰でも認めたくないけど、伊藤だけは許さない』『彼女アピールのやり口が姑息。ニノ、もっといい人選んで!』などとファンは大激怒。伊藤アナとの交際を認めないと宣言する声がネット上で多数あがりました。また、女優の井上真央さんとの交際が報じられていた松本潤さんが、セクシー女優の葵つかささんとの二股交際を2016年12月28日発売の『週刊文春』で報じられたときには、『これはヒドい!もうアイドルやっていけないでしょ?』『プロ意識なさすぎ。井上真央がかわいそう。見損なった』『よりによってアイドルがセクシー女優と浮気www軽蔑するわー』『彼女を裏切って二股なんて…。松潤は一途なイメージだったんだけどな…』など、ファンからも軽蔑の声があがるほどでした。----------櫻井さんと小川アナの交際報道は、“人気アイドルと女子アナの交際報道”という点で、二宮さんと伊藤アナの場合と同じですが、ファンからの受け入れられ方や反応は大きく異なるようです。人気者になればなるほど、相手はよく選ばないといけないようですね……。●文/ぶるーす(芸能ライター)
2017年02月27日10月29日(土)放送の「チョイ住み」は、「チョイ住み in リスボン」と題し、プロレスラー・小川直也と、俳優・竹内涼真が出演する。NHK・BSプレミアムにて放送中の「チョイ住み」は、その街にまるで引っ越したような、全く新しい旅番組。ガイドブック片手に、忙しい旅をしがちな現代の日本人に、新しい旅のスタイルを提案していく。コンセプトは「その国にちょっとだけ住んでみる」。アパートを借りて、近所の市場に出かけ、食事を作っては、その日ふと思い立った場所で気ままに過ごす。現地の人と同じ目線に立つことで、ガイドブックには載っていないその国の素顔を浮き彫りにするのだ。今回「チョイ住み」するのは、バルセロナオリンピック柔道銀メダリスト、プロの格闘家に転向後は「暴走王」の異名で人気を博す小川さんと、土屋太鳳と共演した『青空エール』や、7月期放送のドラマ「時をかける少女」の出演が記憶に新しい、いま旬の若手俳優竹内さん。第8弾を迎える今回の旅先は、ユーラシア大陸の西の果て、大航海時代の歴史と文化を残すレトロで不思議な街「ポルトガル」。テージョ川の河口に開けた首都リスボンを舞台に、初対面の2人がハプニング続出!おかしなチョイ住みを繰り広げるようだ。迷路のような路地、郷愁を駆り立てる音楽“ファド”がこぼれる下町で、2人が見い出した楽しみとは?どんな旅になるのかお楽しみに。「チョイ住み in リスボン」は10月29日(土)19時30分~BSプレミアムにて放送。(cinemacafe.net)
2016年10月20日CMにひっぱりだこのモデル、女優として活躍中の中条あやみさん。最旬の艶めきを放つ中条さんに、“色気の鍛え方”について聞いてみました。***その人知を超えた透明感と見つめずにはいられない美しいプロポーションで、天使のようとも評されることが多い中条さん。目を見張るほどの美少女ながら、撮影中はニットをぺろっとめくってお腹をチラ見せ。ドキリとさせながらもスタッフの笑顔を引き出すというひょうきんな一面も。彼女の色気は、このぱっと華やぐ明るさとリラックスした空気感にあるのかもしれない。「もともとはすぐに緊張しちゃうタイプなので、肩の力を抜いてリラックスできるように、自分の好きな香りを持ち歩いたり、ストレッチしたりするように意識しています」本人いわく、実は男の子っぽい性格。スポーツ好きで、集団行動は苦手。女子力はあまり高くはないと謙遜する彼女が、美のために心がけているのは、女の子として生まれてきた喜びを楽しむことだという。「私、匂いフェチなんです。特に、癒し系や甘い香りが好きで、家の中は香りアイテムだらけ。気分によって香水も変えたりしますし、ボディソープはバラの香りのものを使ってます。お花もよく飾りますね」たまに上質なボディクリームを塗ったり、スイーツを食べたり、やるときはとことん楽しむ主義。「箸が転げても楽しいじゃないですけど、すぐに楽しくなっちゃう人なんです。すぐ、全部顔に出ちゃうのが、欠点なんですけど」そう天真爛漫に笑う彼女が、色気を感じる女性ってどんな人?「芯が通っている人。自分に合ったスタイル、生き方ができて、年を重ねた分だけ輝いている女性って、色っぽくてカッコいいですよね。でも、生まれ変わったらなってみたいのが、ボンド・ガール!単にダニエル・クレイグに好かれたいというよこしまな部分もあります(笑)」◇なかじょう・あやみ1997年、大阪府生まれ。2011年、『Seventeen』の専属モデルオーディションでグランプリに選ばれ、モデルデビュー。'12年に女優デビュー。以後、映画、MV 、「dポイント」や「ハーゲンダッツ」などのCMなどで活躍中。◇ニット¥14,000パンプス¥11,000(共にアダム エ ロペ/ジュンカスタマーセンターTEL:0120・298・133)リング¥14,000(マンデーエディション/ジェムプロジェクターTEL:03・6418・7910)靴下とパンツはスタイリスト私物※『anan』2016年10月19日号より。写真・彦坂栄治(まきうらオフィス)、スタイリスト・中根美和子、ヘア&メイク・犬木 愛、インタビュー、文・小川知子
2016年10月12日西川美和監督映画を観るたびに覚える、「痺れる」という感覚。直木賞候補となった自身の書き下ろし小説を映画化した最新作『永い言い訳』は、不慮の事故で妻を亡くしても、悲しさを演じることしかできない“最低男”・衣笠幸夫(きぬがささちお)の物語だ。西川監督の鋭い視点は、首根っこを掴むかのように観る者の闇に突き刺さる。自身の弱さ、卑しさ、自意識を鏡のように映し出し、滑稽さを笑い、最後には受け入れさせてくれる。まさに、荒療治のごとく。恐ろしくも繊細な眼差しを持つ彼女の今について聞いた。――人気作家・津村啓こと衣笠幸夫は、自分本位代表のような人間ですが、今までの作品でご自身に一番近いキャラだそうですね。西川:予期せぬ別れがよくないタイミングで訪れた人が、その後どうなっていくのかを想像したときに、酷い目にあうべき主人公は自分と似たようなタイプの都市型の暮らしをしている身勝手な人だろうなと思ったんです。ある意味、自分の人生や生活を参考に物語を考えたときに、結婚もしたことがない、出産や子育て経験もないということは作り手としてコンプレックスでもあるんです。今回はそこを逆手に取って、余すところなく生かしました。いい年こいて独身で、子どものいない人間が世界をどう見ているのか、子どもという存在とどう距離をとるのかというのは、今の自分にしか描けないことなので。40代にもなると肩身の狭い思いもするわけじゃないですか。将来を担ってくれる子どもたちとも何の関わりも持っていない自分が生きている理由がよくわからなくなるときもあるし、そういう自身が抱えてきた葛藤もちゃんと出してみようと。――主人公と同じく、ご自身も物事を斜めに見る、自意識過剰なところがあると思います?西川:ややね(笑)。人並み程度だとは思います。ただ、こないだ友人の山下敦弘監督と対談をしたときに、確かにそうだなと思ったことがあって。「ピカピカのマイホームに優しい旦那さんと素敵な奥さん、という誰が見てもいかにも幸せそうなことにいいなぁって思えないでしょ?」と言われたんです。年齢を重ねた今はそれも素敵と思える部分もあるけれど、少なくとも20代の私はそういうものへの憧れはゼロでした。本当にどうでもいいと思ってた。その結果がコレですよ(笑)。――自分がやりたいこと、映画作りにしか興味が持てなかったと。西川:トータルで考えると、やりたいことと当時は要らないと感じていた素敵な暮らし、どちらに価値があるのかと問われればどっちだって一緒じゃないですか、きっと。でも、そのときはそう考えられなかったんでしょうね。「結婚すれば幸せになれる」みたいな世間一般のスタンダードに対しても懐疑的で、そこで自分が満足できるとも全く思ってなかった。――それは作品にも出ていますね。西川:そうですよ。私の後悔を綴ったような(笑)。生活らしい生活を二の次にしながら20代を過ごすと、あんなふうになっちゃうぞと。――映画を作ることが西川監督にとっての免罪符だったんですね。西川:そこに救われてきた部分はありますね。映画があるから自分を肯定して何とか生きてくることができた。結果、良かったのか、悪かったのかはわからないですけど。――衣笠さんのように、検索エンジンで名前をエゴサーチしたこともありますか?西川:あります。出てしまったものは、見ちゃいますよね。だって、「西川美和」と入れたら、関連検索ワードで「結婚」と出るんですよ!誰と!?って。それをクリックせずにいられるほうがおかしいですよ(笑)。でも、そういうことをしていると、気持ちが痩せていくというか、どんどん自信がなくなっていく。その行為全体が自分の卑しさを見るようで。でもそれをやめられないのも人間の性ですよね。「そんなことを私は一切いたしません!」という高潔な人間になれたらいいけど、そうなれないのが普通じゃない? SNSも怖いし、いいも悪いも肥やしにできるタフさは私にはないので、自身の健康のためにあまりやらないようにしています。――西川監督の持つ洞察力や分析力は、どうやって育まれてきたんでしょうか?環境ですか?西川:うーん、持って生まれた性格じゃないですかね。兄は全然違う性格だし。小さい頃から、「見なくていいものが見えてしまう。そんなふうに人の裏側を読むものじゃない」と母親からはたしなめられていたんです。それもあって、自分の中で本当はこう思っているんじゃないかというような余計な詮索をすることは、醜いことだと思っていました。自分はやっちゃいけないことをやってしまう、嫌な人間なんだと。たぶん、だから文章を書くようになったのだと思うんです。本人に言えば傷つけるし、第三者に言えば陰口になる、ぶつけようがないけれど、でも見えちゃうものについてを。――創作しているという意識は、当時はまだなかったんですか?西川:便所の落書きですよ。そうこうするうちに、卑しいと言われてきた、そういう自分の陰湿な性質を、どうやって人を傷つけない方法で有効利用していくのかは考えましたね。ゴミのリサイクルですよ。「環境に優しく」じゃないですけど(笑)。その答えが今やっていることなんじゃないかな。ただ書き殴っているときは汚いものでも、人様にお渡しできる状態にして読んで楽しんでもらえるようにしつらえていく、その整え方の技術を磨いていくのが仕事をするってことですよね。そういうふうに、自分の生まれ持った特性を転換させられる仕事に就けたことは、ありがたいし、ラッキーだったと思います。――美しくて知性もあって、その頃から男性からも引く手あまただったのではないですか?西川:ないない、全然ない。私は全くモテないですよ。「なんで私に好きって言わないんですか?」って聞いてまわったことないから、理由はわかんないけど(笑)。昔から、仕事でも使えないし、ちょっとしたことで傷つくし、自分って弱いなぁと思ってた。身体的なことも、性質的なことにおいても、劣等意識や無能感は人一倍強いです。ただ唯一、いいところは、縁に運があること。いい人に、いいタイミングで会える。みんなよく「出会う人に恵まれてきた」と言うけど、本当にそうだと思います。あー、もう駄目かもと思うと、スッと蜘蛛の糸が降りてくるようなことが多かったから。◇にしかわ・みわ1974年生まれ、広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。在学中より、映画『ワンダフルライフ』(‘99/是枝裕和監督)にスタッフとして参加。以後、フリーランスの助監督を経て、2002年『蛇イチゴ』でオリジナル脚本・監督デビュー。小説・エッセイも執筆する。◇長年連れ添った妻を不慮の事故で亡くした人気作家・衣笠幸夫は、悲劇の代弁者としてマスコミに取り上げられるが、一滴も本当の涙を流せない。同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族、トラック運転手の陽一と2人の子どもたちと出会い、新しい人生が始まる…。第153回直木賞候補作の同名小説の映画化。10月14日(金)全国公開。※『anan』2016年10月5日号より。写真・KENTA AMINAKAインタビュー、文・小川知子
2016年10月03日プロが撮る愛猫の写真は、やっぱり表情もひとしお。今回は、カメラマン・平野太呂さん×リトちゃん、サビちゃんの作品です。4歳の頃から猫と暮らしていたという平野さん。「20代のとき初めて自分で飼った14歳のアビシニアンのアビは2年で亡くなって、アビにそっくりな子猫のリトを里親サイトで見つけたときに運命を感じて、会いに行きました。そうしたら、五つ子のうちの4匹は美猫だったんですが、1匹、黒のぐちゃぐちゃのサビ猫がいて、これは引き取らなきゃと思った」。猫と暮らす醍醐味は、家の中で野生を目の前にできることだそう。「コミュニケーションを完全にはできなくてもお互い自分勝手でいられる関係は気が楽だし、被写体としても心の距離をコントロールできないから常に新鮮ですね」◇サビ メス、6歳。雑種。何も考えずよくなつくサビちゃん。◇リト メス、6歳。雑種。クールで隠れるのが好きなリトルアビことリトちゃん。◇2匹は性格が正反対な姉妹。◇カメラ目線のリトちゃん。◇ひらの・たろ1973年生まれ。’00年よりフリーランスに。近著に『ボクと先輩』(晶文社)がある。tarohirano.com※『anan』2016年2月17日号より。取材、文・小川知子写真・平野太呂
2016年02月16日カメラマンの関めぐみさんは2匹の猫を飼っているそう。アパートの屋上で毛玉のように転がっていたところを救ったシシくんと、猫の孤児院からもらってきたハナちゃん。6年の月日を過ごしても、不思議なものでふたりはなぜか反りが合わない。「不器用すぎるシシはお姫様のようなハナがちょっと苦手。常にパンチを食らわされるから」。最近そこに近所のマサラくん(写真左下、窓越し)が加わったことで、新しい発見も多いとか。「マサラは恐縮そうに中に入ってくるわりに長居するんです。それを見つけたハナが、『まだいたの?』と驚愕してる顔も面白い。彼らの媚びない姿勢は憧れるし、見返りを求めない愛情を学ばせてもらってます(笑)」◇茶トラ・シシ オス、9歳。白黒・ハナ メス、6歳。共に雑種。わがままハナちゃんにこじらせシシくんはタジタジ。◇カーテン越しの2匹。◇窓越しにいる近所の猫に興味津々な2匹。◇意外と反りが合わないという2匹。◇せき・めぐみ ワシントンDC生まれ。広告や雑誌、書籍の撮影など。ムービーの撮影も行う。インスタグラム@sekimegumi※『anan』2016年2月17日号より。取材、文・小川知子写真・関めぐみ
2016年02月15日カメラマンの飼い猫をカメラマン自身の写真でお届け。今回は、間部百合さんと愛猫のシャロンさんです。間部さんの愛猫シャロンさんはアクティブガール。「こちらが仕事していると、私をもっと見て!とアピールしてくるし、友達が来れば間に入って邪魔する。構わないとすぐプンスカいじけちゃう。すごく女っぽいですね」。部屋中を飛び回るその体のしなやかさに見とれて、ついシャッターを切ってしまうそう。「近寄ってもいいけど踏み込みすぎちゃいけない、その距離感を教えてもらっています」。眠るときは、間部さんの腕枕がシャロンさんの定位置という、まるで恋人同士のようなふたり。「眠ってる間にシャロンが私のストレスを吸収して、調子を整えてくれている気がするんですよね」◇しゃろん メス、6歳、雑種。友人の猫が産んだ子猫を引き取る。おてんばで好奇心旺盛。名は、シャロン・ストーンに由来。◇部屋中を飛び回るシャロンさん。◇思わずシャッターを切りたくなる躍動感溢れるシャロンさん。◇まなべ・ゆり1976年生まれ。東京をベースに雑誌、広告、展示、写真本製作を通じて活動。yurimanabe.com※『anan』2016年2月17日号より。取材、文・小川知子写真・間部百合
2016年02月15日カメラマン・浜村菜月さんの猫は、まきゃべりくん。可愛すぎるその表情を浜村さんの写真とコメントでご紹介します。「宅配便の段ボール箱で小さなおうちを作ってみたら気に入ったようで、出たり入ったりしてます」。浜村さんが家の向かいにあるペットショップの前を通るたびに眺めていたまきゃべりくんは、3か月前に浜村家の一員になったばかり。彼がやってきてからは、生活のすべてが猫を中心に回りだし、まさに「君主様と下僕」のような関係を楽しんでいるとか。「想像もつかない動物の行動が新鮮。普段はちょっと困り顔なんですが、寝起きはちょっとつり目だったり、眠りに落ちる前のトローンとした目になったり、ごはんを食べる必死な顔など表情がコロコロ変わるので、見ていても飽きないですね」◇まきゃべり オス、6か月、マンチカン。家では常に浜村さんの後ろをついて歩き、一緒の布団の中で寝る甘えん坊キャラ。◇普段は困り顔のまきゃべりくん。◇段ボール箱に入るのがお気に入り。◇今は猫中心の生活を送るという浜村さん。◇はまむら・なつき講談社写真部に所属し、女性誌、書籍などの撮影を手掛ける。2014年に独立。インスタグラム@machiavelli_y※『anan』2016年2月17日号より。取材、文・小川知子写真・浜村菜月
2016年02月15日飼い主がプロカメラマンの場合、その濃~密な関係からか、写真に表れる猫の表情はやっぱり違うよう。アフさん、サブさんの2匹を被写体にした写真集『庭猫』を刊行したカメラマン・安彦幸枝さんに、とっておきの写真を見せていただきました。ふらりとやってきて居ついた野良猫に餌をやったり手術を施したりと、できる限りのことをするご両親のもとで育ったという安彦さん。実家はいまも庭猫が多く、ある日、網戸に飛びついたアフさんにつられてサブさんも飛んだのを見て以来、彼らに惚れ込んでしまったとか。「いろんな猫が庭を通り過ぎていったんですが、なぜか笑っちゃう、撮らずにはいられない個性的なコンビだったんですよね」。テリトリーの庭で生きる彼らは決して家の中には入ってこないそう。「たまにしか来ない私との間に一定の距離感があったからこそ、2匹の日常をのぞき見るように記録できたんだと思います」◇右・アフ オス、推定10歳。左・サブ オス、推定8歳。共に雑種。兄貴分のアフさんがサブさんを連れてきて、庭猫に。ケンカっ早いアフさんは古傷がもとで半年前に亡くなったが、サブさんがツッコみを入れるのが通例だった。◇網戸に張り付くアフさん。◇今は1匹になってしまったサブさん。◇あびこ・さちえ泊昭雄氏に師事後独立。写真集『庭猫』(パイ インターナショナル)が発売中。www.abicosta※『anan』2016年2月17日号より。取材、文・小川知子写真・安彦幸枝
2016年02月15日飼い主がプロのカメラマンという場合、彼らが撮った猫写真は表情もひとしお。井上佐由紀さん×どんこさんの写真をご紹介します。「会いに行ったときに向こうから近寄ってきてくれたことで、勝手に運命を感じちゃったんです」。そう話す井上さんとどんこさんとの出会いは、5年前。「3歳で年齢もいっているし、『そんなにかわいくもないのに、なんでこの子なの?』と反対する人もいたんです。でも、何か惹かれるものがあって」。その勘は正しく、物怖じせずに愛嬌抜群のどんこさんは楽しい同居人になっているそう。「撮られるのも徐々に慣れてきて、とりあえず段ボール箱があったら入るし、顔ハメも嫌がらずに付き合ってくれます。最近では私がカメラを向けると、カメラ目線までくれるようになりました(笑)」◇どんこ オス、8歳、雑種。人見知りをしない性格でインスタの人気猫に。3月に書籍が出る予定。インスタグラム@sayukiinoue◇近づいて来てくれたことに運命を感じ、どんこさんに決めたという。◇いのうえ・さゆき1974年生まれ。スタジオマン、アシスタントを経て、’04年に独立。inouesayuki.com※『anan』2016年2月17日号より。取材、文・小川知子写真・井上佐由紀
2016年02月14日プロのカメラマンが撮ったラブラブ秘蔵猫写真をお届け。山口明さん×パンチョさん&ガバチョくんです。里親から山口さんのもとへとやってきた6年前は痩せの元気いっぱいだったというパンチョさんも、今や8.5kgに成長。そんなパンチョさんに去年、弟分ができたそうで…。「相性のいいガールフレンドを里親サイトで探していたのですが、メスと思っていたガバチョが実はオスだとお試しで家に来たときに判明しました(笑)」。おチビのガバチョくんはパンチョさんが大好き。一方で距離感を保ちたいパンチョさんとの追いかけっこは日常茶飯事なのだとか。「ガバチョはしょっちゅう鳴くんです。それにパンチョはうんざり顔。表情が豊かなので、ついついカメラを向けてしまいますね」◇左・パンチョ オス、6歳。右・ガバチョ オス、8か月。共に雑種。大阪在住、ananの表紙を飾った「ヅラ猫」ことパンチョさんと好奇心旺盛なガバチョくん。インスタグラム@PANCHO0002◇おチビのガバチョくんはパンチョさんが大好きなんだとか。◇やまぐち・あきら1978年生まれ。’00年、ビジュアルアーツ専門学校卒業。’09年からフリーに。akirayamaguchi.jp※『anan』2016年2月17日号より。取材、文・小川知子写真・山口明
2016年02月14日映画やドラマ化された『食堂かたつむり』や『つるかめ助産院』などで知られる、小説家の小川糸さん。<前篇>では、シンプルな暮らしに目覚めたきっかけや、ものを手放すコツについて伺いました。今回は、もの、人との付き合い方や環境づくりについてです。小川さんが考える、もの、人との付き合い方小説の中でも「食」へのこだわりが垣間見られる小川さんが、食との「付き合い」で心がけていることは?「作り手がちゃんと見えて、その人が真っ当な仕事をしていることが大事。例えば醤油を買うということは、その人の生活を支えることでもあるので、1対1の関係で付き合っていきたいと思うし、これと決めたものに関しては浮気をしないで、責任を持って付き合う。私が買っているところは一人で作っていたり、小規模のところが多く、続けていってほしいから、責任を持って買い続けることも大切かなと思います」「食に関わらず、私は気に入ったものをずっと着たり、履いたり、食べたりする方が安心できて好きです。不注意で壊してしまった器も金継ぎで直して使っていますが、愛着が湧いて唯一無二のものになってくるんです。だから直して使えるような、いいものを使い続けたい。1年で手放すより、いいものを長く使ったほうが最終的に経済的だと思うし、使い続けると味が出て、それは時間が作ってくれたものだから貴重だと思います」ものを減らした結果、身軽になっただけでなく、心にもゆとりができたのだそう。40歳からは引き算 必要かどうかを吟味していく「あまり抱え込みすぎると動けなくなってしまいますよね。物理的なものも、荷物も、目に見えない人間関係も。ひとつずつ必要なのかどうかを吟味して、これはなくても生きていけると思ったら手放していく。人間関係も『狭く、深く』。ストレスを溜めるのは自分にとっても、相手にとってもよくないことだと思うので、見晴らしよく、無駄なことはしないでいいかなと思うようになりました」「もっとものを減らして、最後はものも人も、本当に大好きなものだけに囲まれて人生を終わりたい(笑)。台所も、最後は鍋一個だけあるのが理想です。自分が人生を終えたときに、なるべく周りの人が迷惑をしないで済むように、いいものがあればまた次に使ってくれる人も見つかってゴミにならずに済むと思うので、そういうことはもう考える時期かなと思います。40歳になるまでは足し算で、欲しいものを手に入れていたと思うんですけど、人生の折り返し地点を過ぎ、ここからは引き算でどんどん手放して、その分余白をいっぱい作りたいなって思うようになりましたね」自分の “五感” を大切にする強い意志を持って、規則正しい生活も心がけているという小川さん。なかなか同じようにするのは難しいかもしれませんが、最後に、もう少しシンプルに生活するためのアドバイスをいただきました。「週末はインターネットを見ない、夜中は返事を出さない、など自分の中で決めては? 自分でルールを作っても、そんなに大きな迷惑はかからないと思うんですよね。もしかしたら、誰か少しは返事を待つかもしれないけど、体調を崩す方がもっと大きな迷惑をかけるし、起き上がれなくなってしまうことの方が損失です。だから、メリハリは大事だと思いますね。ものも情報も溢れているので、自分でガードしないと溺れてしまいます。それから、自分が「これが好き、嫌い」という、すごく野生的な感情を大事にすること。頭だけで考えると、どうしてもいろいろなことを考えてしまいますが、五感だけで判断してもいいくらい。心地いい、この肌触りが好き、これに包まれていると安心する、という感性を大事にしていくと、少し楽になると思います。みんなそれぞれ感覚が違うので、人がいいと言っているからではなく、自分が感じることを大事にすると、ちょっとシンプルになるのかなと思いますね」 ▼五作家・小川糸さんに聞く、シンプルな暮らしをするヒント <前編> 小川糸(おがわ・いと) プロフィール2008年に発表した小説『食堂かたつむり』(ポプラ文庫)が映画化され、ベストセラーに。同書は、2011年イタリアのバンカレッラ賞、2013年フランスのウジェニー・ブラジエ小説賞をそれぞれ受賞。そのほかおもな著書に、『喋々喃々』『ファミリーツリー』『リボン』(以上、ポプラ文庫)、『にじいろガーデン』(集英社)、ドラマ化された『つるかめ助産院』(集英社文庫)などがあり、最新の長編小説では、『サーカスの夜に』(新潮社)がある。新刊は『これだけで、幸せ 小川糸の少なく暮らす29ヶ条』(講談社)。
2016年01月01日映画やドラマ化された『食堂かたつむり』や『つるかめ助産院』などで知られる、小説家の小川糸さん。最新刊のエッセイ『これだけで、幸せ』(講談社)では、自身の驚くほどシンプルな暮らしと、それを実践するための29のルールを紹介し、そのライフスタイルも注目されています。そんな小川さんに、ものを手放すコツやシンプルに暮らすための方法について伺いました。シンプルな暮らしに目覚めた、モンゴルとドイツへの旅小川さんが現在のような暮らしを始めるようになったのは、6年ほど前に旅したモンゴルで、移動式の住居(ゲル)に滞在したことが大きかったのだといいます。「同じ時代なのに、全然違う生き方をしている人たちがいることは、本当に衝撃的でした。夏になると必要な荷物だけ持って移動するので、モンゴルの人たちはものを増やさないという意識が高く、鍋ひとつでお湯を沸かして、炒め物や煮物、何でも作るんです。そのやり方がシンプルで賢くて、それで十分という気がすごくしたんですよね」「自分がこれまで、いかに『お湯はやかんで沸かすもの、ごはんは炊飯器で炊くもの』という、決められた価値観に縛られていたかに気づきました。いつでも行きたいところに行けて、いろんなことができる、ものを持たない暮らしの方が本当は自由なんだって。気持ちの上では遊牧民のように、ものを持たずに身軽に生きていくというのが、自分の中のテーマになりました。もし災害にあったとき、生き残っていけるのはモンゴルの人たちの方だなと思うんです。何でも自分で直せたり、空模様で明日の天気がわかったり、ナビなしで地形を見て行きたい方向に行けたりと、知恵が豊富なんですよね。そういう人間力みたいなものを身につけたいと思いました」勇気を出して減らす。いいものは、長く使う。モンゴルの人たちは、“ものが持てないからではなく、自分の意思で持っていない”ことに気付かされ、ものを増やさないためには、自分で意識をしていかなくてはいけないと思ったのだそう。「“いらないものはいらない”と意識しないと増えてきてしまうんです。だから、断るのにはエネルギーはいりますが、自分が使わないと思ったらその時点で「結構です」とできるだけ言うように努力しています」同じように小川さんが大きな影響を受けたのが、毎年夏に過ごすようになったドイツ・ベルリン。そこでは、「いいものを長く使う」ことを学んだのだとか。「日本では、ものを安く買って壊れたら買い換える、といのうが主流。でもドイツでは最初にいいものを買って長く使い、壊れたら修理に出してまた使うというのが定着しています。いいものはそれなりにいいお値段がするので、買うときに考えるのですが、それもいいことだなと思います。自分のところに来たものに関しては、責任を持って大事に使うのがいいと思います」迷ったら保留箱へ。ものを手放すヒントそうしてものを厳選し、携帯電話すら持たなくなったという小川さん。ものを手放す秘訣は?「使わないで持っていることが、そのものにとっても、それを作った人にとっても一番悲しいことだし、失礼な気がします。やっぱり使われてこそだと思うんですね。私は相手が喜んでくれることが好き。だから値段などは考えないようにして、自分よりもっと上手く使ってくれる人がいるなら渡して、そのものがより気持ち良く使ってもらえたら幸せです。もちろん、すごく気に入って手に入れたけど使っていないもの、手放すことはできないものも結構あります。そういうものは保留にしておいて、時間をかけて別の使い方を探していくのも楽しいんです」「見立て」を待つ保留中の箱には、ここまで入れたらもう入れないというラインを決め、常にいっぱいにはせず、余白を設けるようにしているそう。そうして、小川さんが日々使う道具や生活用品は、「一生付き合いたい」ものばかりになりました。「一生付き合いたい」ものだけで、暮らすヒント「ものを選ぶときに、ゴールを決めることは必要だと思います。これでもういい、と思ったら、とことん繰り返し使うのが好き。たどり着いたものに関しては、あまり浮気はしないですね。引越をしたことも、いかに自分が無駄なものを溜め込んでいたかがわかる、いい機会でした」「来客が多く、以前は同じティーセットを6客欲しいと考えていましたが、ベルリンのカフェに行くと、ティーセットだけでなく、椅子や家具も古くてバラバラ。でもお店の人のセンスでバランスが取れていて。6人のお客さまに同じもので出さなくてもいいんだなって。年に数回のためだけに、スペースを取ることがすごく無駄だと気付くと、逆に同じもので揃えていることの方が変な感じがするようになりました」収納スペースの半分は空けるようにして、たっぷり隙間を作るという小川さん。1年に1回は見直し、全然使っていないものは場所を取るだけ、と考えて手放すのだといいます。「毎年夏は、ベルリンで普通の家を借りるのですが、すごくスッキリしているんですね。もちろん住環境がいいというのもありますが、それにしても必要なものしか置いていなくて。自分の家も、誰にでも貸せるような空間にしたいなと思います。それにはわかりやすくしておかなきゃいけないし、そうできたら理想ですね」モンゴルとドイツで目覚めた小川糸さんのシンプルな暮らし。<後編>は、もの、人との付き合い方、五感が喜ぶ環境づくりについて伺います。 ▼五感を大切に、必要なものを選ぶ作家・小川糸さんに聞く、シンプルな暮らしをするヒント<後編> 小川糸(おがわ・いと) プロフィール2008年に発表した小説『食堂かたつむり』(ポプラ文庫)が映画化され、ベストセラーに。同書は、2011年イタリアのバンカレッラ賞、2013年フランスのウジェニー・ブラジエ小説賞をそれぞれ受賞。そのほかおもな著書に、『喋々喃々』『ファミリーツリー』『リボン』(以上、ポプラ文庫)、『にじいろガーデン』(集英社)、ドラマ化された『つるかめ助産院』(集英社文庫)などがあり、最新の長編小説では、『サーカスの夜に』(新潮社)がある。新刊は『これだけで、幸せ 小川糸の少なく暮らす29ヶ条』(講談社)。
2016年01月01日京都府・中京区の京都文化博物館は、縦横無尽に生きた画家・小川千甕の特別展「小川千甕展 縦横無尽に生きる~彼は、仏画師・洋画家・漫画家・日本画家だった。」を開催する。会期は12月8日~2016年1月31日(12月28日~1月4日・月曜休館、ただし祝日の場合は開館し翌日休館)。開館時間は10:00~18:00(金曜は19:30まで)。入場料は一般1,000円、高校・大学生700円、小・中学生400円。同展は、個人コレクションを中心に、初期から晩年に至る千甕の代表作約140点、仏画、スケッチ、書簡などの資料類を展示、その芸術を紹介する回顧展。小川千甕(1882-1971 本名・多三郎)は、京都の書店「柳枝軒」の家に生まれ、15歳で仏画師に師事するかたわら、浅井忠に洋画を学び、同じ浅井門下の千種掃雲、芝千秋らと丙午画会に参加、新傾向の日本画を描いた。同時期に京都市立陶磁器試験場の絵付け技手となったことをきっかけに「千甕」(せんよう・ちかめ)と号している。その後「ホトトギス」、「太陽」誌等に挿絵や漫画を発表し、大正4年には日本画家として平福百穂、小川芋銭、森田恒友らと珊瑚会に参加、大正10年からは院展日本画部にも続けて入選を果たした。昭和期には個展も多く開催し、昭和46年に90歳で没するまで、精力的な活動を続けたという。千甕は、浅井塾での平明な鉛筆画・水彩画にはじまり、大正期には各地を旅しながら、柔らかな色調で田園風俗を日本画にした画家で、昭和期には、墨を生かした独自の風景画へと展開、戦後には自讃を配したダイナミックな文人画で知られている。これらの作品は、近代における洋画と日本画、美術と文芸などの問題を考える上で重要な位置にあるという。力みのない朗らかな作風は、個性重視の近代にあって異色であり、画壇にとらわれずに自由な立場を貫いた、千甕の独自の哲学を示すものだということだ。そのほか、関連イベントとして、レクチャー「よくわかる小川千甕入門」(12月12日10:30~12:00)、特別講演会「小川千甕の魅力」(2016年1月9日10:30~12:00)が開催される。いずれも申し込み不要、先着順となる。また、学芸員によるギャラリー・トークが開催される。開催日は12月18日、12月19日、2016年1月16日、1月22日、1月23日。金曜日は18:00から、土曜日は14:00から30分程度行われる。
2015年10月21日小川珈琲は9月1日、「小川珈琲店 有機珈琲」5品を全国で発売する。「小川珈琲店 有機珈琲 カフェインレス モカ 粉 170G」(税別980円)は、水を用いてカフェインを97%以上カットしたコーヒー豆を使用。エチオピア モカの甘い香りを生かし、調和のとれた味わいに仕上げたとのこと。「小川珈琲店 有機珈琲 オリジナルブレンド 豆 170G」(税込820円)は、ペルー、メキシコ、ブラジル、ホンジュラス、インドネシアの豆をブレンドしたコーヒー。酸味と苦味のバランスがとれた味わいになっている。1杯ずつ手軽に楽しめるドリップバッグ「小川珈琲店 有機珈琲 オリジナルブレンド ドリップコーヒー 7杯分」(税別500円)も同時発売。「小川珈琲店 有機珈琲 フェアトレードモカブレンド ドリップコーヒー 7杯分」(税別500円)は、モカのフルーティーな香りを生かして、すっきりとした味わいに仕上げている。ドリップバッグのアソートセット「小川珈琲店 有機珈琲 コレクション ドリップコーヒー 10杯分」(税別720円)には、「オリジナルブレンド」「フェアトレードモカブレンド」「バードフレンドリーブレンド」を詰め合わせた。
2015年08月27日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)です。■「澤田知子 FACIAL SIGNATURE」澤田知子「顔は印鑑や署名のようなもので、その人それぞれのID、本人を証明するものだと思う」の言葉にあるように、1998年に『ID400』という、400 通りに自身の姿を変えた証明写真の作品を発表して以来、セルフポートレイトを手法として多くの作品を生み出してきた澤田知子。約8年振りとなる今回の新作『FACIAL SIGNATURE』は、作家がニューヨークで生活をしていた体験が元になっている。「人は何を、どこを見て個人を判断しているのか知りたいと思い、様々な東アジア人に見えるように変装した」という考察の下、300点のセルフポートレイトを撮影した。ページを捲るたびにこちらを直視する女達。どこかで見たことがあるような、誰かに似ているような、自分自身を見ているような、人間のアイデンティティの強さと儚さを浮き彫りにし、見る者に正面から問い掛ける。ナディッフ本店を有する複合アートスペースNADiff A/P/A/R/T 2F MEMにて現在開催中の「澤田知子FACIAL SIGNATURE」展は4月19日まで。18日にはナディッフアパートにて、本人を招いた出版記念トーク&サイン会開催も開催される。【書籍情報】「澤田知子 FACIAL SIGNATURE」著者:澤田知子出版社:青幻舎言語:日本語ソフトカバー/320ページ/B6発刊:2015年価格:5,000円
2015年04月02日フィギュアスケート世界選手権の女子ショートプログラムが3月26日、中国・上海にて行われた。昨年末の全日本選手権で優勝を飾った宮原知子選手は、67.02点をマークして日本人女子の最上位となる3位でのスタートとなった。村上佳菜子選手は65.48点で同4位、本郷理華選手は62.17点で同5位となっている。宮原選手は、冒頭の3回転ルッツ-3回転トゥーループの連続ジャンプをきれいに成功させる。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの「魔笛」の調べに乗り、後半も3回転フリップとダブルアクセルを危なげなく決め、自己ベストの67.02をマーク。17歳の誕生日を自ら祝う形になった。ソチ五輪などの大舞台での経験も豊富な村上選手は、冒頭に自身の武器である3回転トゥーループ-3回転トゥーループを決めた勢いそのままに、トータル65.48にきっちりとまとめてきた。演技構成点の30.17は宮原選手(29.83)を上回っている。グランプリファイナル出場、四大陸選手権3位と着実に実力を伸ばしてきている本郷選手。3つのジャンプをしっかりと成功させ、表彰台が狙える位置につけた。首位は、77.62点というハイスコアをマークしたエリザベータ・トゥクタミシェワ選手(ロシア)、2位は69.51点のエレーナ・ラジオノワ選手(ロシア)とロシア勢が上位に並ぶ。なお、フリーは28日に行われる予定。写真と本文は関係ありません
2015年03月26日小川珈琲はこのほど、「小川珈琲 有機リキッド」を全国で発売した。○厳選された原料をもとに仕上げた、リキッドコーヒー&ティー同社ではこれまで、コーヒーのおいしさを追求し、原料を厳選してきた。どのような環境で、どのように育てられて、どんな味わいを持っているのか、さまざまな原料を試飲しながら、素材を厳選。それら原料を栽培した農園は、日よけなどの役割を持つシェードツリーの活用や、動植物など自然の力を活用した持続可能な運用を行っているという。今回発売となった「小川珈琲 有機リキッド」はこれら厳選された原料をもとに、手軽に味わえるおいしさを持つリキッドコーヒー、リキッドティーに仕上げている。「小川珈琲 有機バードフレンドリー コーヒー 無糖/微糖500ml」は、森林の木陰で栽培され、ゆっくりと甘みとうまみが熟成されたコーヒー。スミソニアン渡り鳥センターが自然環境に配慮して栽培されたコーヒーに与える認証である、「バードフレンドリー 認証コーヒー」となる。商品の収益の一部は世界中の渡り鳥保護活動の運営資金として活用される。「微糖」は、香ばしく爽やかな香りとすっきりとした苦味、まろやかなコクとほんのりとした甘さ。「無糖」は、香ばしく爽やかな香りとすっきりとした苦味、まろやかなコクとクリアな後味が特徴だという。希望小売価格は、各450円(税別)。「小川珈琲 オーガニック紅茶 無糖 500ml」は、肥料づくりやハーブの活用など自然の力を活かした環境で栽培された紅茶。原料となる茶葉を収穫するバングラデシュ北西部に位置するカジカジ茶園では、園内での有機肥料づくりや、日よけと虫よけになるハーブ類や樹木の植栽など、自然の力を活かしながら環境に配慮した栽培を行っている。同商品は、透明感のある甘さと心地よい渋み、爽やかな苦味としっかりとしたコクが特徴となる。希望小売価格は、450円(税別)。パッケージは、京都に生まれ、鍛え育てられた伝統の味と、本物を追求し続ける同社の、その堅実さを表したデザインに仕上げた。日本の伝統文様である七宝をもとにしたオリジナルの「珈琲文様」と「紅茶文様」で、京都の伝統や品質を表現している。
2015年03月12日元オセロの中島知子と浜崎あゆみの元恋人の内山麿我が10月8日(土)、東京都内劇場で映画『東京~ここは、硝子の街~』の公開初日舞台挨拶を行った。中島さんは、遠距離恋愛中の恋人との関係を聞かれると「結婚に切羽詰まっていますので、年内に何かあるならば、頑張りたい」とゴールインを狙っているようだが、「でも、彼は忙しい人なので…。応援してくださいね、その時は私一人で囲み取材してください」と鼻息を荒くしていた。同作は、様々な人間がうごめく大都会を舞台に、20年前に起きた殺人事件を巡る愛憎劇を描いたミステリー。カナダで行われた第38回モントリオール世界映画祭で公式上映されたほか、2015年には米・ニューヨークの劇場での上映も決定している。本格的演技初挑戦で韓国人俳優・JKと男同士の濡れ場に挑んだ内山さんは「JK君とは会って5分後に『じゃあ、脱いで』みたいな。スタッフから前を隠すためのタオルを渡されて、恥ずかしいと思ったけれど、カメラが回ったら役に入り切った」と気合を伺わせ、「濡れ場は僕とJK君のチャンバラみたいなものなので、体一貫体当たりで楽しみました」とやり切った表情。「今回は(自分の)濡れ場のニーズがなかった」という中島さんも「何が綺麗って内山さんの背中。それにJKも中世的な魅力全開でいやらしかった。少年と荒々しい男の濡れ場は、女性としても惚れ惚れ。女性陣は癒されるはず」と大絶賛でアピールしていた。寺西一浩監督からも「(内山さんは濡れ場に)慣れていたので、すぐに終わりました。前張りもなく、そのままで『もう、やっちゃって』という事で。濡れ場が上手かったので、次の作品でも濡れ場をやってもらいます」と気に入られた内山さんは「もう濡れ場専門、濡れ専です」と“濡れ場専門俳優”への開眼を宣言していた。『東京~ここは、硝子の街~』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2014年11月09日