女優でフィギュアスケーターの本田望結、タレントでフィギュアスケーターの本田紗来が出演する、エディオンの新CM「エディオン TV! / ポイントドーン!」編が、19日より東海・関西などで放送される。新CMでは、たくさんの家電が並ぶ“YouTube風”セットと共に本田姉妹が登場。望結と紗来が交互に、セール内容が書かれた積み木を「ドーン!」と言いながら積み上げていき、最後は「エディオンへ、よーいドン!」という掛け声を発する。撮影後のインタビューで、「年末に楽しみにしていること」を聞かれ、望結は「毎年クリスマスの期間にフィギュアスケートの全日本選手権大会があって、今年はお姉ちゃん(本田真凜)の出場が決まっているので、お姉ちゃんの応援をします」と回答。一方の紗来は「家族と一緒にゲームをしたり色々なことをして、年越しとかクリスマスを過ごせたらと思います」と答えていた。
2021年11月19日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『鮨ブルペン』のおまかせ握りです。水玉の暖簾に、剛速球で迫り来るマグロの寿司の看板。なんだか一筋縄ではいかない雰囲気の立ち食い寿司店が10月1日に荏原に誕生した。その名は『ブルペン』。寿司の名店『鮨りんだ』『らんまる』の系列店で、ブルペン=ピッチャーがマウンドに立つ前に球を投げ込んで準備をする場所になぞらえ、若手の職人が日々バシバシと寿司を投げ込む、いや、握り込んでいく。マグロは豊洲一番の仲卸ともいわれる「やま幸」から仕入れるなど立ち食い寿司とは思えぬネタが揃うが、おまかせコースは4000円からと値段はグッと抑え込む。だってそりゃあ若手が握るんでしょ、と侮ることなかれ。ドラフト1位指名でつけ場に立つのは、社内きっての若手エース・佐々木男駆(だんく)さん。魚屋の孫で、子供の頃から魚を愛し、魚を突き詰める男の寿司は、25歳という年齢を感じさせない仕上がりを見せる。羽釜で炊き上げた赤酢のシャリは一粒一粒の輪郭が際立ち、口の中でネタと混じりあって心地よくほどける。お寿司のラインナップも、スーパークラシックな江戸前仕事を継承したネタ(さいまき海老をおぼろと握る“唐子づけ”!)がありつつ、回転寿司でしかお目にかかれないマヨネタ(出たぞオニオンサーモンマヨ!)を本気でアップデートさせるなど縦横無尽。あっという間の一時間一本勝負。おいしさも楽しさも尽きない新しい寿司屋の形がそこにある。日替わりのブルペンおまかせ¥4,000。この日は、青森三厩の中トロ、佐賀竹崎のこはだ、天草の真鯛、対馬の穴子など11貫。玉子はあえて海苔で巻くクラシックスタイル。魚のアラ、あるいは一番出汁がベースのお椀で〆。ダンクおまかせ¥7,000も。鮨ブルペン 東京都品川区荏原4‐6‐1TEL:03・6426・797011:00~14:30、17:00~20:30水・木曜休予約可。詳細はインスタグラム(@bullpen0604)で。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2021年11月24日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2021年11月17日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(最終話)【これまでのあらすじ】綾香に不倫がバレて仕事も辞めることになった千紗。『必ず連絡する』と言った悠真さんからの連絡も途絶えた。仕事を退職してから2週間くらいが経った頃、カウンセラーの赤城さんが悠真さんからの手紙を持って訪ねてきた…前回はこちら▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第9話)1話から読む▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第1話)故郷「千紗ちゃん、それ終わったらあがっていいよ」母屋から聞こえてきた声に、「はい」と返事をする。庭の掃き掃除を終えて道具を片付けていると、渡り廊下にいた女将さんに手招きをされた。「はい、これ。臨時ボーナス」「え、いいんですか?」「お客様からチップを頂いたのよ。千紗ちゃんにずいぶん良くしてもらったっておっしゃっていたわ。帰りに美味しいケーキでも買いなさい」「ありがとうございます。お先に失礼します」「ご苦労様。また明日ね」女将さんにお辞儀をしてから、離れにある更衣室へと向かう。その途中、窓の外に広がる青く穏やかな空を見上げ愛しい人の顔を思い浮かべた。今頃、どうしているかな……?あれから故郷に帰った私は、祖母の伝手を頼って温泉旅館で働き始めた。初めは慣れないことばかりで大変だったけど、良い同僚に恵まれて何とか上手くやっている。祖母も退院して元気を取り戻し、心穏やかに慎ましく暮らす毎日だ。「千紗ちゃん、お疲れ!これからランチに行かない?」更衣室に入ると、先輩の明美(あけみ)さんが笑顔で声をかけてくれた。「えーと、今日は……」「たまにはいいでしょ?支配人がね、千紗ちゃんに気があるみたいなの。1回だけ、チャンスをあげてくれないかな」「そういうのは、ちょっと」「どうして~?なかなかイケメンだし、良い人なのは知ってるでしょ?千紗ちゃんとお似合いだと思うけどなぁ」「ごめんなさい、本当に」「もしかして好きな人がいるの?」「え?」「何となくだけど、そんな気がしたから。違う?」なかなか鋭い質問に、心の中で苦笑する。「いませんよ、そんな人」「そうなの~?もったいなぁ、その歳ならまだまだいくらでも恋愛できるのに。支配人はバツ1だけど、かなりの優良物件なのよ」明美さんは納得していない様子だったけど、それ以上追及してくることはなく、「気が向いたらデートしてあげてね」と私に念を押してから更衣室を後にした。「……いくらでも恋愛できる、ね」1人になって、ポツリと呟く。恋愛はもうこりごり。やっぱり私は恋愛に向いていなかった。だけど、ひとりの人を心の底から好きになれることを知った。それを教えてくれた彼には感謝している。着替えを済ませた私は、いつも鞄の中に入れている手紙を取り出し、開いた。◆手紙この手紙を読んでくれることを信じて、筆を執ります。千紗が初めて僕を調査したあの日、尾行がバレていたと知った千紗の顔を今でもはっきり覚えているよ。真面目で律儀で責任感があるこの人なら信頼できると思ったんだ。少しだけど、僕自身の話をするね。僕の両親は僕が物心ついた頃から不仲で、僕は祖父母に預けられて育ったんだ。家には常にお金がなくたくさん苦労をしたから、僕は安定した生活を夢見て綾香と結婚したんだ。だけど「安定した生活」というのは、必ずしもお金じゃないことを知ったよ。千紗が家庭の悩みを打ち明けてくれた時、自分と同じように苦労したんだと共感した。そして悩みを抱えながらも一生懸命に生きている千紗に興味を持った。真っすぐなところや優しいところ、思いやりのある人柄にどんどん惹かれて、気が付いたらいつも千紗のことを考えていたよ。心の底から好きだと思える人は、千紗が初めてだった。全てを捨ててでも一緒にいたいと、強く願った。その願いはすぐに叶えることができなかったけど、どうか待っていて欲しい。―――――――……「いつか必ず迎えに行くから」最後の一行を読み上げたあと、自然と息が漏れた。幾度も幾度も読んでボロボロになった手紙を、鞄の中に戻す。初めてこれを読んだ日は、目が腫れあがるくらい泣いた。彼が恋しくて、こうなってしまった運命が切なくて、会えなくなることが悲しくて、心の底から想ってくれたことが嬉しくて泣いた。故郷に戻ったあとも、折に触れては手紙を読んで涙を流した。そうして涙も出なくなった頃、待ち望んだ「いつか」は来ないと理解した。いや、来ない方が良いと願うようになっていた。だって、私にはもう……。「あ、千紗ちゃん。まだここにいた」不意に更衣室のドアが開いたかと思ったら、帰ったはずの明美さんが顔を覗かせた。「千紗ちゃんに会いたいって人が来ているけど」「え?」まさか……。◆再会その姿を見つけた瞬間、涙が溢れそうになった。品のある佇まい、穏やかな雰囲気、優しい笑顔。最後に会った時から少しも変わっていない。恋しくて、何度も夢で見た彼だ。「悠真さん」「千紗、久しぶりだね」「どうしてここに?」「迎えに来るって言ったでしょ。5年もかかっちゃったけど……遅くなってごめんね」「あ、あの、とりあえず外に……」まさか「いつか」が来るなんて。本当に迎えに来てくれるなんて……。夢を見ている気分で悠真さんの顔を眺めた。「千紗が言っていた通り、自然が多くて本当に綺麗なところだね」「どうして場所が分かったの?」「自分で教えてくれたじゃないか、『地図で言うとくびれているところ』だって」あ……そういえば、言ったような気がする。2人で旅行した時だったかな、覚えていてくれたんだ。旅館を出た私たちは、近くの公園へと向かった。ベンチに腰を下ろした悠真さんが、私の手を取り優しく微笑む。「会いたかった」「……私も」「あれから、どうしてた?」「必死に生きてた」そう、必死だった。今でこそ慎ましく平凡に生きているけど、故郷に帰って来た当時は、何もかもを失って息をするのも苦しかった。どうして私だけがこんな思いをしなきゃいけないのかと、悠真さんを恨めしく思ったこともある。だけど、それでも彼のことが好きな気持ちは変わらず会いたかった。ずっと。「やっと離婚が成立したんだ」会いたかったけど、もう会わない方が良いと思っていた。私たちの想いを貫くには、あまりにも困難が多く、たくさんの人を傷つけた。不倫の代償はもう十分払ったつもりだけど、そう簡単に許されるものではない。「随分長く待たせてしまったけど、やっと一緒になれるよ」一緒になれるなら地獄に落ちても良い、全てを捨てても良いと思っていた。だけど、だけどね……。捨てられない大切なものが私にはできたの。「ごめんなさい」「どうして謝るの?」「一緒にはなれない。いえ、ならない」「どうして……」その時、公園の向こう側に小さなシルエットが見えた。私の祖母に連れられて、ゆっくりこちらに向かって来る。「私ね、やっと今幸せになれたの」「それは……僕以外に良い人がいるってこと……?」小さなシルエットが、私に気が付いて、大きく手を振る。買ったばかりの赤いコートは、汚すなって言ったのにもう泥だらけだ。「うん。良い人がいるの。今はその人が大切だから、元に戻ることはしない」「千紗、」「会いに来てくれて嬉しかった。ありがとう。さよなら」たくさんの愛をありがとう。たくさんの思い出をありがとう。好きになってくれてありがとう。人を愛する気持ちを教えてくれてありがとう。鞄の中の手紙は、これからもずっとお守り代わりに持っているね。さよなら、お元気で。◆私なりの幸せ「光莉(ひかり)」「ママー!」満面の笑みで飛びついてきた小さな体を抱きしめると、それだけで心が満たされる。何よりも、誰よりも、大切な私の天使。「さっきのひと、だぁれ?」「んー誰だろうね」「ママのかれしでしょ~」「違うよ、ママは彼氏なんかつくらないもん」「どうして~?」「だって、ママは光莉だけのママだから」光莉を妊娠しているのが分かったのは、故郷に戻ってすぐのことだった。初めは戸惑ったけれど、産まれた我が子を抱いた瞬間、女ではなく母として生きることを決めた。この子の父親がいつか会いに来てくれたら?その時は3人で暮らす?何もなかったかのように生きていける?いいえ、できない。何度も自問自答した。昔のようにまた流されてしまうかもしれないと不安だったけど、自分で思っていたよりもずっと私は強くなっていたらしい。もう誰かに依存する生き方はしない。「そうだ、今からケーキを買いに行こうか」「ケーキ?やったー!」未婚の母であることを、不倫の末に産まれた子であることを、いつか誰かに非難されるかもしれない。それでも私は私なりの幸せを、私らしく生きていく。
2021年11月16日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第9話)【これまでのあらすじ】悠真さんとは別れ日常に戻っていた千紗は、寝不足からか、失恋のせいか体調を崩し寝込んでしまう。看病に来た母の、「一緒に不幸になっても良い人」こそ人生に必要という言葉に、悠真さんを思い浮かべる…別れてから2カ月たったある日、悠真さんから連絡があり千紗は再び会うことに。ホテルで会っているところに綾香が現れ…前回はこちら▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第8話)1話から読む▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第1話)修羅場綾香が、どうしてここに……?突然のことに頭が真っ白になる。彼女は両サイドに体格の良い男性2人を従えて、仁王立ちしていた。事の状況が理解できたのは、綾香からの強烈なビンタを食らった後だった。「友達の旦那と不倫するなんてぇ、最低!」「……」「何とか言いなさいよぉ、このっ!」「綾香」もう一発叩かれそうになったところで、悠真さんが綾香の腕を掴んだ。「待ってくれ、僕と彼女は、」「しらばっくれないでよぉ、全部調べたんだから」調べた? それってまさか……。思わず息を飲んだ私に、綾香の鋭い視線が刺さる。こんな日が来ることを全く予測していなかったわけじゃない。それでも体が小刻みに震え出した。「別の探偵を雇ったのか?」悠真さんが綾香に尋ねた。ただ事ではない雰囲気を醸し出す私たちを、ロビーにいた人たちが好奇の目で見ている。「そうよ、気付かなかった?あなたたち随分、油断していたものねぇ」油断していたのかな。でもまさか私に調査を依頼しておきながら、別の探偵も雇うなんて考えもしなかった。それに、SNSを見る限り私と悠真さんとの関係に気が付いている素振りなんて……あ、もしかして……。「わざとSNSに呑気な投稿をしてたの?」「やっと分かったぁ?私が疑ってないと過信して、2人で旅行に行ったのも知ってるんだからね」「そっか……」じゃぁ、もう言い訳の余地もないね。「ごめん、綾香」「謝って済むことじゃないよねぇ」「分かってる。分かってるけど、悠真さんと別れて」「はぁ? 冗談じゃない! 離婚は絶対にしない」「お願い、悠真さんを自由にしてあげて」「ちょっと何言ってんのか分かんないんだけどぉ。自分の立場ってのを考えなさいよ」ドンッ、と肩を強く押される。衝撃で体が一歩後ろに下がった。「千紗、あんたは相手が既婚者と知ってて関係をもつ最低な女」綾香が距離を詰める。「親にもご近所にも、もちろん職場にも言いふらしてあげる。慰謝料もたっぷり取るから覚悟してて」綾香はそう宣言すると、踵を返してホテルを後にする。悠真さんは、綾香が従えていた男性2人に両脇をガッチリ掴まれた。「何をする、離せ!」「悠真さん!?」抵抗も虚しく悠真さんは、男性2人によってホテルの出入り口へと引っ張られて行った。その様子を私はただ茫然と見送るしかなく、彼が口パクで言った『あとで必ず連絡する』は、永遠に叶わないことのように感じた。◆代償「覚悟していて」といった綾香の本気を知るのは、そう時間のかかることじゃなかった。まずは私が住むマンションの掲示板や私の部屋のドアに『〇〇号室の藤川千紗は不倫女』と書いたビラを貼られた。さらに共有スペースの外廊下に生ごみを撒かれており、他の住民から連絡を受けた管理人さんがすっ飛んで来た。当然それらは私が片づけることとなり、その対応に1日以上を費やすことになる。SNSでも名指しで非難され、コメント欄は共通の友達からの「そんな人だとは思わなかった」という言葉で溢れていた。またリーダー的存在だった玲子からは、友達をやめるという旨のメッセージが直接私のところに送られた。母にも連絡が入ったらしい。『もしもし、千紗? なんかあんたの知り合いという子から電話があったんだけど』「うん……綾香でしょ」『そうそう、そんな名前だった』「ごめんね、綾香は何て?」『旦那を横取りされたとか、どうとか。あんた友達の旦那と不倫したの?』「……うん」親にも言うって宣言していたもんね。ただ、うちの母は私なんかよりもずっと多くの修羅場を経験しているから驚きもしないだろう。予想通り、母は怒るよりも呆れた声でこう言った。『馬鹿だねぇ。1番面倒くさいところに手をつけて。ま、自分で蒔いた種なんだから自分で何とかしなさいよ』「分かってる」『何を言われても私は知らないって言うから、こっちのことは気にしなくていいよ』「うん……ありがとう」『それより、あんたまだ風邪が治ってないの? 酷い声だけど』「大丈夫だよ。ごめん、切るね」1番のダメージは職場だった。所長室に呼び出された私は、苦い顔をした所長にこれまでのことを説明した。重々しい雰囲気と緊張からめまいと吐き気が催してくる。「大変なことをやってくれたね……」呟くように言った所長は、目の前にある内容証明郵便に視線を落とし溜息を吐く。「申し訳ありません」「こうなってしまった以上、うちも厳しく対処しなくてはならない」「……クビですか」「調査員が対象者に手を出すなんて前代未聞だよ。自分がやったことを分かってるよね」「はい。すみませんでした。お世話になりました」当然といえば、当然だ。つい先日まで冗談を言い合いながら一緒に働いていた同僚からも、冷たい視線を向けられる。所長室を出て、自分の荷物をまとめる間も空気が重い。去り際、みんなに向けて一礼をしたけど、赤城さんは最後まで視線を合わせてくれなかった。「藤川」エレベーターでビルの1階まで降りると、咥え煙草の仲西さんが立っていた。「仲西さん……ご迷惑をおかけしてすみませんでした」「やめろよ、お前らしくない」「そうだよね、ごめん。じゃぁ、行くね」「待て、これを持っていけ」仲西さんが私に渡したのは、名刺だった。「不倫問題に強い弁護士さんだから、相談しな」「ありがとう。でも、」「でもじゃねぇよ、持ってて損はないだろ。返品すんな」「うん……」「顔色悪いな、家まで送ってやろうか」仲西さんの優しさに、ちょっと泣きそうになった。「大丈夫、1人で帰れるから」「気を付けろよ。それから、」「それから?」「その、なんだ、確かにお前は悪いことをしたかもしれないけど、だからってお前の価値が下がるわけじゃないから。堂々と胸を張れ」「うん……ありがとう」堂々と、か。自分がしたことに胸を張れる日なんてこない気がする。いや、こない方がいいだろう。でもじゃぁ、どうやってこれから生きていけばいいのだろう。恋人、友達、仕事、信用、信頼、自業自得とはいえ何もかもを無くして、一体どうすれば……。◆涙悠真さんからの連絡は、やっぱりこなかった。きっともう、何もかもが終わってしまったのだろう。彼と一緒なら例え地獄に落ちても良いと思ったけど、結局は1人ぼっちになってしまった。「(それもこれも、自分で蒔いた種だよね)」仕事を退職してから2週間くらいが経ったある日、家のインターフォンが鳴った。平日の昼間に誰だろう?恐る恐る玄関のドアを開けると、赤城さんが立っていた。「突然ごめんね、今いいかな?」「あっ、はい。でも部屋の中は散らかっているので、外で……」びっくりした。まさか赤城さんが訪ねて来てくれるなんて……。天気が良いので駅前のカフェでドリンクとサンドイッチをテイクアウトして、近くの公園へ移動した。手頃なベンチを見つけて腰を下ろしたところで、赤城さんが私に尋ねる。「部屋の中を片付けているみたいだったけど、引っ越しでもするの?」「……はい。祖母がいる田舎に帰ろうと思いまして」「あのことが原因?」「それもあるけど、実はずっと体調を崩してて。田舎でゆっくりしたいなって」「そっか」うん、と頷いた赤城さんは、私の手を握った。「藤川さんが退社したとき、あまりにびっくりして。冷たい態度を取ってごめんね」「いえ、私の方こそ嘘を吐いていて、ごめんなさい」「正直、ガッカリしたけどね……。でも、それでこれまでの信用が変わるわけじゃないしね」「ありがとうございます。わざわざそれを言いに来てくれたんですか?」「実はね、もう1つあるの」赤城さんはそう言うと鞄の中から白い封筒を取り出し、私に手渡した。何だろう? シンプルなデザインのそれには、宛名が書いていない。「伊野さんから預かってきた」「え?」「郵送したら読んでくれない気がするから、私から読むように言って渡してくれって。初対面なのによくそんなこと頼むわよね」「……人の懐に入り込むのが上手い人なんです」「そうみたいね。とにかく、渡したからね」「はい……」悠真さんからの手紙。赤城さんが帰ったあと、その手紙を読んだ私は周りの目を気にすることなく涙を流した。最終話は、11月16日(火)公開予定!
2021年11月09日約1年間の休止期間を経て、7月に2年振りとなるアルバム『OVER THE RAINBOW』をリリースした番匠谷紗衣。11月22日(月)東京・下北沢ReGにてナリタジュンヤとのツーマンライブがすでに発表されているが、このたび、西片梨帆とのツーマンライブが12月22日(水)愛知・sunset BLUEにて開催されることが決定した。番匠谷紗衣チケット情報東京公演のチケットは発売中。愛知公演のチケットは、11月14日(日)23:59までオフィシャル先行(抽選)受付を実施中。
2021年11月04日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第8話)【これまでのあらすじ】千紗は綾香と自分、どっち付かずの悠真さんに不安が爆発し、母と同じようになってしまっていることに気付く…さらに、入院した祖母に「千紗が幸せになる姿を見るまで死ねない」と言われ、悠真さんとは幸せになれないと思った千紗は別れることを決めた…前回はこちら▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第7話)1話から読む▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第1話)別れ悠真さんと別れることを決意したものの、なかなか行動に移すことはできなかった。気持ちが揺らぐ前に今すぐ電話をしよう。いや、東京に戻ってから直接会って話をしようか?やっぱりダメ、顔を見たらきっと切り出せない。もう少し落ち着いてから電話した方が良いかな……。そんな風にぐじぐじしていたある日、悠真さんの方から電話がかかってきた。『もしもし千紗? 連絡が遅くなってごめんね』「……ううん」『あれからどうしてた? 僕はずっと千紗に会いたかったよ』私も会いたかった。でも、もう……。『様子が変だね。どうした? 何かあった?』「うん、あのね」迷ってないで、言わなきゃ。「もう別れようと思う」『え?』「終わりにしたいの」『千紗……』ふと、初めて名前で呼んでくれた時のことを思い出した。こんなにも苦しいなら深入りしなきゃ良かった?止められるうちに止めときゃ良かった?ううん、きっと出会ったばかりの頃に戻ったとしても、また彼を好きになると思う。「もう会わない」『何となく、そう言われると思っていたよ。ごめんね、苦しい思いをさせて』「悠真さんは悪くないよ。欲を出した私が悪いの」『そんな風に言わないで。千紗には感謝してる』「私も感謝してる……今までありがとう」『こちらこそ、ありがとう』切るねと言って通話終了ボタンを押した瞬間、やはり寂しさがこみあげてきた。私たちの関係はもうこれで終わり。自分で決めたことなのに、涙が溢れた。◆日常悠真さんとの関係を終わらせて日常に戻った私は、仕事に打ち込むことで寂しさを紛らわせた。その日も朝から尾行、張り込み業務をこなし、夕方からは綾香に提出する調査報告書を作成していた。「対象者・伊野悠真に不貞行為を思わせる動きは見られなかった」不意に赤城さんがパソコンを覗き込み、興味深そうに読み上げる。”ゆうま”という名前の響きに、胸がざわついた。失恋の傷は癒えるどころか、どんどん酷くなっている気がする。「友達の旦那はシロだったんだ」「はい」まさか自分自身のことを報告するわけにはいかず、嘘を吐くのは心苦しいけど。結果的に別れて、何もなくなったんだからいいよね……。「赤城さんの妹さんは、どうなりました?」「離婚することにしたみたい。やっぱり信用を失った人とはうまくいかないって」「そうですか……」「どうしたの? そんなしんみりした顔しちゃって」「いえ、別に」「怪しい。彼氏と何かあったでしょ~」からかうような口調で私のオデコを突いた赤城さんは、急に表情を変えた。「ねぇ、もしかして熱あるんじゃない?」「そうかな……」「絶対あるよ、しんどくないの?」言われてみれば、少しダルイような気がする。ここのところ寝不足だったからかな? それとも失恋のせいで熱が出たとか?私にもそんな繊細な一面があったんだ。「季節の変わり目で風邪を引いちゃったのかもね。今日はもう帰って休んだら?」「そうしようかな」「待って、仲西さんを探してくる。送ってもらうように頼むから」「そんな大丈夫ですよ」あ……もう呼びに行ってるし。結局この日は、仲西さんに車で家まで送ってもらい、そこから私は3日ほど寝込むことになってしまった。◆幸せの定義家で寝込んでいる間、ずっと夢を見ていた。隣に悠真さんがいて、笑っている夢。その夢の中では何の不安もなく、ただただ幸せだった。目が覚めて夢だと気付いた瞬間、絶望感に苛まれる。そんな中、何故か母が家にいて珍しく看病をしてくれた。「具合はどうだい?」「うん、ちょっとマシかな」「お粥を作ったから、食べなさい」「お母さんが作ったの?」「何よ、私だってそれくらいできるわよ」ベッドまで持って来てくれたお粥はお世辞にも美味しいと言えるものじゃなかったけど、その温かさに涙が滲んだ。弱っている時に優しくされるとダメだな……。「しっかりしなさいよ、たかが失恋したくらいで」「うん……。えっ!」一瞬頷いたものの、驚きのあまりご飯粒を喉に詰めそうになった。「どうしてそれを……」「見てれば分かるわよ、これでも一応、あんたの親なんだから」「お母さん」「というのは嘘。カマをかけてみただけだよ」「ええっ!」じゃぁ、まんまと引っかかってしまったってこと?やだな、恥ずかしい。「私も昔はよく失恋しては、熱を出して寝込んだんだよ。覚えてない?」「そういや、そうだったような」「その男とはどうして別れた?」どうしてって、それはもう……。「一緒にいても幸せになれないから」お母さんにこんな話をする日がくるなんて不思議だなって思っていると、母はもっと不思議そうな顔をして私にこう尋ねた。「幸せになれないなら、一緒にいる意味はないの?」「え……」「その男のことが好きなら、幸せじゃなくてもいいと私は思うけどね」「幸せにはなりたいよ。当たり前でしょ」「じゃぁ聞くけど幸せって何? 平和に暮らすこと? お金に困らないこと? それとも誰かに後ろ指を指されないこと?」お母さん、私が不倫してたことに気付いてるのかな。「そもそも人生において幸せだと思える時なんてほんのひと時だよ。そのひと時を一緒に過ごす相手が必要?私はそう思わない」「じゃぁ、どう思うの?」「必要なのは幸せになれる相手じゃない、不幸になっても良いと思える相手だ」「え……?」「この人とだったら例え地獄に落ちても構わない。苦しい時こそ手を握って一緒に頑張れる相手こそ、人生に必要なんだよ」「お母さんはそういう人がいたの?」「言っとくけど、私は昔も今もモテるんだよ。最悪な時に助けてくれる男は1人や2人じゃないよ」祖母はずっと母の事を不幸だと言っていた。だけど、それは間違いだったのかな?母は母なりの幸せを見つけて生きてきたんだね。今になってやっと、ちょっとだけ理解できた気がするよ。◆再愛母は私の体調が回復した頃、また家から出て行った。もう新しく良い人がいるらしい。今度こそ運命の人なんだと言っていた。私の運命の人は……悠真さんは私にとって「一緒に不幸になっても良い人」なのかな。考えれば考えるほど、分からなくなる。「(ま、考えたところで、もう別れちゃったんだけどね……)」失恋の傷はまだ癒えることがなく、時々こうして悠真さんのこと思い出しながら時間が過ぎ。別れてから2カ月がたったある日、悠真さんから電話がかかってきた。『もしもし、千紗?』「悠真さん」『良かった、電話に出てくれて』久しぶりに聞いた彼の声は、相変わらず優しくて涙が溢れた。そしてその瞬間、私にとって彼は一緒に不幸になっても良い人だと気が付いた。彼の全てが恋しい。『千紗に会いたい』「私も……」『本当に?』「会いたい、やっぱり今もまだ悠真さんのことが好きみたい」『金曜日の19時に、初めて一緒に食事をしたホテルで待ってる』「うん、分かった」お祖母ちゃん、ごめんね。私はやっぱり母に似て、世間一般的にいう幸せは手に入らないかもしれない。お祖母ちゃんが望む幸せな姿は、きっと見せてあげられない。それでも私は、自分なりの幸せをきっと見つけるから。心配しないで。金曜日、約束の時間よりも早くホテルに着いた私は、カフェに入り紅茶を飲んでいた。カフェといってもオープンな造りになっているので、ロビーの様子が良く分かる。少しすると、ネイビーのスーツを着た悠真さんが真っすぐこちらに向かって来るのが見えた。「お待たせ、久しぶりだね」「悠真さん」「元気だった?」「うん。悠真さんは?」「千紗に会いたくて気が狂いそうだったよ。行こう、部屋を取ったから」「うん」差し出してくれた手を握る。会えたことはもちろん、今も変わらず私を想っていてくれたことが嬉しくて。自然と綻ぶ顔を彼の背中で隠しながら、エレベーターホールへ向かう。――――と、不意に悠真さんが足を止めた。何事かと思い視線を上げると、そこには思いもよらない人物が立っていた。「やっぱり、2人で会ってたのね」「綾香……」第9話は、11月9日(火)公開予定!
2021年11月02日毎年10月31日はハロウィン。日本では主にコスプレをする日として知られています。ハロウィン当日は、アニメやゲームの登場人物などかわいいキャラクターにコスプレする人や、魔女やゾンビといったホラーチックな仮装をして楽しむ人はいるでしょう。仲里依紗の本気すぎる仮装が話題に!俳優としてだけでなく、YouTuberとしても人気を集める仲里依紗さん。仲さんといえば、2020年10月30日に自身のYouTubeチャンネルで、サンリオの人気キャラクター『ハローキティ』のハロウィンコスプレに挑戦していました。顔全体を白く塗り、黄色い鼻や大きく黒い目を表現した仲さんのハロウィンコスプレは話題を呼び、ファンからは「神回」「笑顔になれた」などのコメントが殺到。およそ2千件以上のコメントが寄せられていました。そんな仲さんが、2021年10月30日、1年の時を経て挑んだハロウィンコスプレが…こちらです。仲さんが同年のハロウィンに挑戦したのは、なんとサンリオの人気キャラクター『ポムポムプリン』!パステルカラーの黄色い全身タイツに、こげ茶色のベレー帽が付いた被りもので、ポムポムプリンの特徴を見事に網羅しています。仮装の仕上がりに、満足そうな仲さん。仮装をしたまま、息子さんと妹・れいなさんと、街のアイスクリーム店に訪れたそうです。ハロウィンコスプレ動画から2日が経過した同年11月1日、仲さんはInstagramを更新。今回のハロウィンコスプレについて、次のように語っています。ハロウィンYouTube編集も撮影も公開日前日の半日でモーダッシュでやったけどバチボコに楽しかった私ったら毎日ハロウィン民だからだいぶ通常営業なわけriisa1018nakaーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 仲里依紗 RIISA NAKA(@riisa1018naka)がシェアした投稿 仲さんの本気を感じるハロウィンコスプレに、ファンからはさまざまな声が上がっています。・これで街に繰り出すのは、もうさすがとしかいいようがない…!・去年のキティちゃんもかなり衝撃的だったけど、今回は予想をはるかに上回る強烈さ!元気をもらいました。・やっぱり仲さんはセンスがある。笑ってしまった!中には、「仲さんのおかげで、ケンカ中の母親と笑いあえました」といったコメントも。人々を笑顔にする仲さんの活躍から、今後も目が離せませんね![文・構成/grape編集部]
2021年11月01日11月5日(金)より公開となる桜井玲香主演、岡崎紗絵、三戸なつめ共演の映画『シノノメ色の週末』。この度、本作よりメイン出演者3名の制服写真が到着した。本作は気鋭の穐山茉由監督が独自の目線で描く20代女子のほろ苦くも愛おしい物語。学生時代から雑誌を中心に読者モデルとして活躍しスクールカースト上位だった美玲(桜井玲香)、地味系だった部長のまりりん(岡崎紗絵)、サブカル好きのアンディ(三戸なつめ)は篠の目女子高で同じ放送クラブに所属していた同級生。タイムカプセルを探すため取り壊しが決まった篠の目女子高の校舎で10年ぶりに再会した3人は、以降「篠の目女子週末クラブ」として週末、校舎へ集まるようになる。今回到着した制服写真は、卒業後10年ぶりに制服を着た3人と、同じく校舎に忍び込んでいた中井友望演じる現役女子高生・あすかの和気藹々とした姿を捉えたものだ。巷では90年代に女子高生の間で大流行したルーズソックスが再びブームになっているが、校則が厳しかった篠の目女子高では白のクルーソックスがマストである。もう卒業した美玲たちに校則は適用外なはずが、真面目なまりりんとアンディは白ソックスを着用。美玲は念願の紺のハイソックスで、自身の学生時代にはできなかったスタイルを楽しんでいる様子がうかがえるカットだ。『シノノメ色の週末』11月5日(金)より公開
2021年10月30日11月5日(金)より公開となる桜井玲香主演、岡崎紗絵、三戸なつめ共演の映画『シノノメ色の週末』。この度、三者三様なキャラクターの魅力溢れる特別写真が公開された。本作は、気鋭の穐山茉由監督が独自の目線で描く20代女子のほろ苦くも愛おしい物語。女子高を卒業して10年、タイムカプセルを探すため再会した同級生3人組は学生時代のようにまた、週末に集まることに。「ここに来れば、輝いていたあの頃に戻れる」。そう思っていた3人だったが、自体は全然違う方へと転がっていく。2019年9月に乃木坂46を卒業後、女優として活動し、数々の舞台に出演し注目を集める桜井玲香が映画初主演を務める本作。また桜井演じる美玲の高校時代の同級生でシノノメ女子元放送クラブのメンバー・まりりん役に、今泉力哉監督作品『mellow』ほか数々の映画やドラマに出演し、ナチュラルで飾らない明るさや、大人可愛い雰囲気で人気を集める岡崎紗絵。アンディ役に、モデルやタレントとして、無邪気な明るいキャラクターで幅広く活躍し、女優として映画やドラマにも多数出演、NHK連続テレビ小説『おちょやん』では、主人公おちょやんの亡くなった母・サエを演じ、その存在感や魅力が評判を集めた三戸なつめが抜擢された。学生時代から雑誌を中心に読者モデルとして活躍しスクールカースト上位だった美玲(桜井)、地味系だったまりりん(岡崎)、サブカル好きのアンディ(三戸)は篠の目女子高で同じ放送クラブに所属していた同級生。特別写真では、秋晴れの中10年ぶりに再会をした3人の表情を捉えている。ショートパンツにニーハイブーツを合わせた清楚系ギャルファッションの美玲、広告代理店で働くOLらしくコンサバ系のまりりん、ファーの帽子にノルディック柄のニットを合わせた古着系のアンディと、三種三様なファッションに身を包む3人。本作で彼女たちが魅せるファッションや表情にも注目してほしい。『シノノメ色の週末』11月5日(金)より公開
2021年10月26日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第7話)【これまでのあらすじ】綾香の妊娠を知って、悠真さんとの関係を清算しようと思った千紗だったが、「離婚したい気持ちに変わりはないから待ってて」という言葉に流されてしまう。しかし綾香はすぐに流産していた。それ以来、悠真さんは綾香に付きっきりになってしまい、千紗は激しい嫉妬心に苛まれる…前回はこちら▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第6話)1話から読む▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第1話)彼しかいない行く当てもなく、ふらふらと歩く。衝動的に外へ出たものの、何がしたいかなんて自分でも分からない。悠真さんと綾香が住む家に乗り込んで、秘密を暴露する勇気もない。駅前まで来ると急に寒さを感じて、24時間営業のカフェに入った。「いらっしゃいませ」カウンターでコーヒーを注文して、空いている席を探す。周りに人がいなくて、落ち着ける場所が良いなと考えていると、1人の男性と目が合った。すると、その男性はゆっくり立ち上がり、私のところに向かって来る。「なつみさん?」「え?」「たかあきです。ほらこれ、目印の帽子」もしかして、出会い系で待ち合わせしてる人と間違われた?たかあきと名乗った男性は、私が持っているトレイを持ち席へ誘導しようとする。「違うんです」と言いかけて、やめた。どうせ1人だし、話し相手ができるならいいか。そう思った瞬間だった。「すみません、彼女を返してもらいますね」私と男性の間に突然現れた人物に、我が目を疑った。嘘でしょ……。悠真さんが、どうして?有無を言わせないきっぱりとした口調でそう言った悠真さんは、私の腕を引いてカフェを出た。そのまま人気のない路地へと進んで行く。たまらず、声をかけた。「悠真さん、あの」「僕が来なかったら、あの男とどこか行く気だった?」足を止めた悠真さんは、私に背中を向けたまま質問をする。問いかけに答えられないでいると、「良かった、間に合って」大きなため息を漏らした悠真さんは、こちらに体を向けて私を抱きしめた。「危なっかしくて放っておけないよ」「ごめんなさい」「謝るのは僕の方だよ。ごめん、すぐに駆けつけられなくて」いいの……。こうして来てくれただけでも、嬉しい。「でもどうして、あそこにいるって分かったの?」「電話してもでないから取りあえず千紗が住んでる駅に来てみたら、偶然見つけたんだ」そうだったんだ。ガラス張りのお店に居て良かった。見つけてくれた嬉しさがこみ上げ胸の真ん中が温かくなる。「あれからまたインターフォンが鳴ったの? 警察に連絡した?」「それは……」嘘だったなんて、いまさら言えない。悠真さんの気を引くため咄嗟に嘘を吐いてしまったのだ。「ただの酔っ払いだったのかも。上の階の人が部屋を間違えたのかな」「だったらいいけど。念の為、管理人さんには話した方がいいよ」「分かった、そうする」ごめんね、悠真さん。私、平気で嘘を吐く最低な人間なの。最低だけど、あなたのことが好きすぎてどうにかなりそうなの。私には悠真さんしかいない……。「来てくれて、ありがとう」「お礼なんか言わなくていいよ。でも、約束して。僕以外の男に付いて行かないって」「うん、約束する」小指を立てて頷くと、悠真さんは優しいキスをくれた。◆どっちが大事?「本当に帰らなくていいの?」「うん、綾香には仕事のトラブルで朝まで帰れないと言ってきたから」「嬉しい」悠真さんの首筋に腕を回し、ギュッと抱きつく。綾香が流産してからあまり会えてなかったし、お泊りをするのも久しぶり。ホテルに行くことも考えたけど、私の家の方が近いので招待することにした。最近まで母が居たから、悠真さんがここに来るのは初めてだ。「へぇ、ここが千紗の部屋か。キレイにしてるね」「あんまりジロジロ見ないで適当に座ってて。今、コーヒー淹れる」「いや、コーヒーよりも……」背後からお腹の辺りに腕を回され、耳元にキスをされた。「千紗が欲しい」されるままに悠真さんのキスを受けていると、それだけで心が満たされていく。ベッドへ移動した私たちは、服を脱ぐ間ももどかしくお互いの体を密着させた。「悠真さん、愛してる」「僕も。ずっと一緒にいようね」唇を重ねようとした瞬間、悠真さんのスマホから着信音が鳴った。1度は無視したものの、しつこく何度もコールされる。「もしかして、綾香……?」「あぁ」苦い表情を浮かべた悠真さんは、スマホを取り耳に当てた。それから短い返事をいくつかしたあと、「すぐ帰る」と答え、通話を切った。「ごめん、帰らないと」「どうして? 朝まで一緒に居られるって言ったじゃない」「綾香が不安がっているんだ」「そんなの放っておけばいいでしょ!」不安なのは、私だって同じなのに。寂しくて苦しくて、爆発しそうな思いをいつも抱えて耐えているのに。「また時間を作るから」「またっていつ?」「千紗……」「綾香と私、どっちが大事なの!?」頭にカッと血が上って、思わず泣き叫ぶ。そんな私を、悠真さんは困ったように見つめていたけど、「あとで連絡する」と言い残して帰って行った。どうしてこんなことになってしまったのだろう?さっきまで、すごく幸せだったのに。それからしばらく泣きながら部屋で過ごして涙が枯れた頃、インターフォンが鳴った。もしかして、悠真さんが戻って来てくれた?慌てて玄関のドアを開けに行くと、そこに立っていたのは母だった。「お母さん、どうして?」「どうしたもこうしたもないよ。あの男……若い女と二股しやがって」「また振られたの」「うるさいわね、あんたまで私をバカにする気!?」噛みつかんばかりに勢いで喚き散らす母は、ずかずかと部屋に入り冷蔵庫からビールを取り出した。「ムカつく! ふざけんな!」「お母さん……」「うるさい!うるさい!」ヒステリックに叫ぶ母は、ビールを飲みながら嗚咽を漏らして泣き始めた。その姿が、数時間前の自分と重なりゾッとした。私、お母さんと同じようになってしまっている……。◆決意悠真さんからの連絡は、しばらく途絶えた。綾香のSNSには、「旦那くんがマッサージしてくれた」や「気晴らしに映画を観に連れて行ってくれた」などが書かれていて、私の心は荒れる一方だった。そんなある日、母方の従兄弟から祖母が入院したという連絡が入った。「お祖母ちゃん!」駆けつけた私に、祖母は目を丸くして「どこのお嬢さんかと思ったわ」と笑った。電話はよくしていたものの、祖母に会うのは10年振りくらいかな?祖母も随分老けていて、私の記憶にある祖母とは全然違う。「身体は大丈夫なの?」「検査入院みたいなものだから大丈夫よ」「本当に?」「本当、本当。わざわざ飛行機に乗って駆け付けてくれたのね。ありがとう」「当たり前でしょ、お祖母ちゃんに何かあったら私……生きていけないよ」「大げさね」私は幼い頃、お祖母ちゃんと一緒に暮らしていた。しつけには厳しかったけど、私の母とは違って優しくて笑顔の絶えない人。当時はたまにしか様子を見に来ない母のことを姉、祖母を本当の母だと思っていた。母が上京する際に私も連れて行くことに、最後まで反対してくれた人でもある。「千紗はどうなの? 元気にしてる?」「うん、元気だよ」「こんなにやつれているのに? 無理なダイエットをしているんじゃないでしょうね」祖母は心配そうに、私の頬を撫でた。実はここ最近、あんまり食欲がなく2キロ痩せてしまった。「違うよ」「千紗が幸せになる姿を見るまで、死ねないわ」「お祖母ちゃん……」「木綿子(ゆうこ)はね、どういうわけか幸せに縁のない子でね。千紗にも苦労をかけたでしょう」木綿子というのは、私の母だ。「私の育て方が間違っていたんだろうね。親として娘が不幸せなのは見ていて辛い。だからせめて、孫娘の千紗は幸せな姿を私に見せてね」「うん、分かった」胸が締め付けられるように痛い。幸せな姿なんて、いつになったら見せられるのだろう。そもそも悠真さんが私のところに来てくれたとして幸せになれるのだろうか。ううん、きっとなれない。綾香と私、どっち付かずの彼のことだ。幸せになんかなれるはずがない。「(もう終わりにしよう)」私は祖母の手を握りながら、悠真さんと別れることを決めた。第8話は、11月2日(火)公開予定!
2021年10月26日フードエッセイストの平野紗季子さんが選ぶ、手みやげBEST5。平野さんが2021年心奪われたスイーツとは?旅に出かけた気分で、思いを馳せ楽しむ提案。美味しいものをプロデュースしたり、食文化事業の企画なども行う、フードエッセイストの平野紗季子さん。日本各地や他国へも出かけ、その土地のものを食べて散歩する著書もある。「今年は、自分自身が旅をしづらい分、遠方の食べ物や飲み物を取り寄せています。そこで出合い、感動したお菓子もいろいろあり、贈り物としてセレクトすることが以前よりも増えましたね」自宅にいながら旅気分を楽しめるようなものを選ぶのともうひとつ、平野さんが大切にしているのが、贈る相手に寄り添えるもの。「嫌なことがあったあの子には、気持ちが安らぐお菓子を。おしゃれなあの子には、パッケージを活用してくれそうなものを。と、相手を思い浮かべて選んでいます」手みやげBEST5ナイフを入れると縞模様が現れるときめきに満ちたケーキ。Maison HAKOSHIMA「SHIMA ジンジャーレモン」φ12~13cm¥3,000テキスタイルメーカーが開いたカフェ。「牧野伊三夫さんデザインの箱の中に、レモンのアイシングがつんやりと美しく、菱形にカットした生姜のコンフィがキラキラと飾られたホールケーキ。しっとりとした食感で、ジンジャーとカシューナッツパウダーの香りが広がります」。福岡県福岡市博多区御供所町12‐2本山ビル1FTEL:092・984・072111:00~17:00月曜休、不定休Webで購入可。みかん農家が手がける、パッケージもかわいいジュース。Tangerine「温州みかんジュース〈はるか〉」720ml¥1,750愛媛県宇和島市の愛媛みかん発祥の地・吉田町でみかんの栽培とジュースを製造する。12月は、やさしい甘みの〈南柑20号〉、1月は、まろやかな口当たりの〈ポンカン〉など、時期で品種が移り変わっていく。「とろんとしたクリームイエローの〈はるか〉は、2月頃に登場予定。甘くてじんわり苦みもあってすごく美味しいみかんジュースです。空き瓶を花瓶に使ってもかわいい」。通販のみ。ほっこりとあたたかい気持ちになるパフケーキ。コボリ洋菓子店「下野(しもつけ)カスター」6個入り¥1,300料理家・小堀紀代美さんのご実家が営む洋菓子店。「お店で一番の人気者が、今夏からオンラインで買えるように。生地はふぁーふぁーの食感で、中のクリームはとろりんとしていて、ひと口食べて大好きに!すべてをやさしく包み込んでくれる味です。がんばっている知り合いにそっと贈りたい」。栃木県宇都宮市滝谷町2‐9TEL:028・636・82049:00~19:00水、第1・3木曜休Webで購入可。手みやげにすれば大歓喜間違いなしのおやつ時間に。MY PICNIC「ホームメイド シナモンシュガー ドーナツ」1個¥350店舗を持たずメニューは1種のみ。「じゃりっ(砂糖)、かりっ(生地の表面)、すわぁー(中の生地)っとほどけて、あとからミルクのやさしい香りがふんわり残る、理想も理想のシナモンシュガードーナツ。穴を抜いた生地を使った丸いミニドーナッツが、袋に一緒に入っているのもうれしい!」。配達、アトリエ(東京都内)で受け取り時間は11:30~15:00日・月曜休Instagram(@mypicnic_tokyo)で8個から注文可。秋限定、香り高いマロングラッセを使ったサンドが登場。(NO)RAISIN SANDWICH「(NO)RAISIN SANDWICH」6個入り¥2,500上・ヘヴンリーマロン、下・レーズンサンド“レーズンは苦手だけどレーズンサンドは食べてみたい”という平野さんのアイデアから生まれたブランド。「手前味噌ですが、パティシエの後藤裕一さんレシピ監修のバターサンドは飛び抜けた美味しさ。田部井美奈さんデザインの小箱もチャーミング」。フレーバーは季節ごとに更新、今はレーズンサンドとマロングラッセ入りマロンクリームの2種入り。毎週日曜10:00~注文受付開始。通販のみ。平野紗季子ポッドキャスト番組『味な副音声』のパーソナリティ、菓子ブランド『(NO) RAISIN SANDWICH』の代表を務めるなど、食を中心とした活動は多岐にわたる。近著に『POPEYE 特別編集 味な店 完全版』(小社刊)。Instagramは@sakikohirano※『anan』2021年10月27日号より。写真・山口 明スタイリスト・野崎未菜美取材、文・池田祐美子撮影協力・UTUWA(by anan編集部)
2021年10月20日映画『シノノメ色の週末』が11月5日(金)、公開となる。この度、本作の完成披露イベントが実施され、主演の桜井玲香や岡崎紗絵、三戸なつめ、中井友望、工藤阿須加、穐山茉由監督が一堂に会し、本作のタイトルにちなみ全身「シノノメ色」の衣装でご登壇、作品を観客に届けられた喜びを語りあった。本作は、2019年9月に乃木坂46を卒業後は女優として活動し、数々の舞台に出演し注目を集めている桜井玲香の映画初主演作品。桜井演じる美玲の高校時代の同級生でシノノメ女子元放送クラブのメンバー・まりりん役に、今泉力哉監督作品『mellow』ほか数々の映画やドラマに出演し、ナチュラルで飾らない明るさや、大人可愛い雰囲気で人気を集める岡崎紗絵。アンディ役に、モデルやタレント・アーティストとして、無邪気な明るいキャラクターで幅広く活躍し、映画やドラマにも多数出演、NHK連続テレビ小説『おちょやん』では、主人公おちょやんの亡くなった母・サエを演じ、その存在感や魅力が評判を集めた三戸なつめが共演。監督は、長編デビュー作『月極オトコトモダチ』が国内外で高い評価を受けた新鋭・穐山茉由監督。自身初の長編商業映画となる本作では、監督の持つ会社員と映画監督というダブルワークの経験をもとに、社会で働く女性たちの心理を独自の目線で鋭く柔らかく、オリジナル脚本で描く。さらに篠の目女子高校最後の学生・杉野あすか役に中井友望、広告代理店で働く上川龍之介役に工藤阿須加が出演し本作を彩る。本作が映画初主演となる桜井。完成披露イベントでは、本作について「ついに公開された、皆さんに見てもらった、という嬉しいような恥ずかしいような何とも言えない気持ち」と率直に気持ちを表現。また「グループ時代もいろんな経験をさせて頂いていたのですが、ひとりになって改めて、リスタートという気持ちです。すべて初心の気持ちで日々学ばせて頂き、そんな中で主演の映画に挑戦できて幸せ者だなと思います。皆さんに支えで今ここに立てているので、これをきっかけにまた頑張っていきたいです」と決意の気持ちを覗かせた。自身も女子高出身だという穐山監督は「女子高って結構、怖そうとかギスギスしてそうっていうイメージを持たれますが、本人たちは平和だったり、ほのぼのとした空気を過ごしています。イメージとのギャップをもう少しリアルに描きたかったんです。それを学生時代として描くのではなくて、30歳に差し掛かる、20代後半の女性の悩みも含めて描けたらなと」と自身の経験から本作品の着想を得たことを語った。今回劇中で制服姿を披露していることに話題が及ぶと岡崎が「ドキドキしてました」と即答。桜井は「え、本当?」と返したのに対し、三戸は「私は楽しみでしょうがなかった!」と三者三様に答えるさまはまるで劇中の3人組が飛び出してきたかのような安定感。桜井はさらに「高校生の役として着るのではなく、20代後半として着る、だったから割り切れた」と答えると岡崎も「確かに!学生に見えなくてもいいんだっていう、その安心感はあったかもしれない!」と同意。制服トークも盛り上がる。「それぞれ、どのような高校生だったか?」という話題では、桜井が「私は美玲とは真逆というか、目立っている女の子では無かったですね。校則も厳しかったので、そんなにおしゃれをするわけでもなく普通の子でした」としながら、「でも高校2年生で乃木坂に入ったので、そのあとは乃木坂漬けでしたね」と振り返った。岡崎は「日々をどう楽しむかに頭をフル回転させる学生でした。文化祭だったり体育際だったり、イベントごとをみんなで楽しのはもちろん、4時間目のチャイムがなったらすぐ購買に走って、人気の肉まんを勝ち取るとか(笑)」と思い出を語り、三戸は「食堂のソファを陣取って寝てました。3年生になるとソファーが使えるんですよ。『やったーソファーが使える!』と。部活をやってなかったので暇だったんです」と高校時代を暴露し、笑いを誘う。今回、ひとりだけ現役高校生の役を演じた中井は他の3人を見て「この3人の先輩が、私の高校の先輩に居たら楽しいだろうなって。いい高校生活を疑似体験出来た感じです」と嬉しそうに語った。一方の工藤は「毎日朝から晩まで部活動でしたね。テニスをやってたんですけど、朝5時に起きてランニングして、朝ごはん食べて学校に行き、朝練をして、2限目のタイミングにはお弁当が無くなり、お昼は学食にみんなで行って…」その後も夜まで何度も食事をとるエピソードが続き、とにかく良く食べていた学生時代だったと語ると、周りの女性陣たちはびっくり。さらに「でもその分動いていたので、どんなに食べても太らなかったですね」と重ねると、観客からはうらやましそうなリアクションも。そして今回の作品にも多数ちりばめられている「女子あるある」について聞かれると桜井は「美玲は、マリリンとぶつかるじゃないですか。マリリンが色々、現実はこうよって色々教えてくれるという。それを遠回しにいう感じは女子ならでは」と、とあるシーンを振り返り、三戸は「10年会ってなくて久しぶりに会って、それでも気まずくないところは女子の対応力の賜物なのかな」と劇中で10年ぶりに再会した役どころについても語った。また、中井は「廊下を走るシーンの時に、美玲ちゃんとマリリンはヒールを脱ぐんです。普段着飾っているけれど、女子同士だから楽しむときは全力で楽しむ。あのシーンがすごく好きです」と自身が出演していないシーンを羨むように挙げた。同質問が工藤にも問いかけられると「え、僕に聞きます…?」と戸惑うような表情を見せ会場の笑いを誘い、「女性だけじゃないかもしれないですけど…」と慎重に言葉を選びつつ「女性からの相談は本気で答えたらだめだということ。とにかくまず聞いて頷き『僕もそう思う』って一言言う」と発言。理由としては「彼女たちのなかで、実は答えが決まってるじゃないですか。女性は特に自分の中でこうしたい、こうしなきゃって思っているときに、誰かに背中を押してもらって動くのかなと。男って単純で、これがいいよ、とか言われるとすぐそっちに意見が変わっちゃったりするので」と男性目線で解説した。これには穐山監督も深く頷き「その通りです。もう答え決まってるんですよね。ただ聞いてほしいんですよね」と工藤と見解を褒めたたえた。最後に桜井は「女の子3人の会話や空気感は、本当に女子高出身あるあるって感じなんです。女子高出身の私でもそう思うくらいリアル。女子高にいなかった皆様もちょっとだけその様子をのぞき見れるような、そういう作品になっています。またコロナ禍でご自身と向き合う時間についてのメッセージも含まれているので、明日からちょっとだけ、半歩だけでも前に進んでみようかな、という気持ちで今日帰っていただけると嬉しいです」と締めの挨拶。穐山監督は「3人とも20代後半で色々と壁にぶち当たる世代で、その時のことを私も振り返って作りました。もちろんその世代じゃなくても、人に知られたくないような感情だったり、見られてちょっと嫌な部分とか、心当たりがあると思います。それが本当は人間らしくて愛しい部分で、それを表現したかったので、感じて頂けると嬉しいです」と、悩みを抱える全ての人にエールを送るような思いと言葉でイベントを締め括った。映画『シノノメ色の週末』11月5日(金)公開
2021年10月20日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第6話)【これまでのあらすじ】帰りの時間を気にせずに済むので、伊野さんと旅行を計画した千紗。旅行は楽しく、好きという気持ちも増したが、こんなことをしていて良いのかという後ろめたさも募った。そんな中、職場のカウンセラー赤城さんの妹が旦那に浮気された話を聞き、さらに罪悪感を感じていたところ、綾香から「私、妊娠したみたい」と電話が…前回はこちら▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第5話)1話から読む▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第1話)動揺綾香が妊娠……!?それって、当然のことながら悠真さんの子供だよね?スマホを持つ手が震える。動揺に気付かれないよう、そっと深呼吸をした。「そうなんだ、おめでとう」『ありがとう!』「お祝いしなきゃね」『気が早いよぉ。まだ、5週目だから』5週目ってことは、1カ月と少し。私と悠真さんが親密になった頃ってこと?綾香とのセックスが苦痛で仕方ないと打ち明けられた時には、もうできていたんだね。そう考えると、胸の奥にムカムカとした感情が渦巻いた。この感情って――――嫉妬?綾香の妊娠を知った日の夜、ホテルの一室で悠真さんと会った。複雑な心境だった私は、彼の顔をまともに見れない。「僕も驚いているんだ、まさかこのタイミングで子供ができるとは」「おめでとうって言うべきよね」「まだ実感が湧かないよ」「もう会うのは、やめた方がいいね」生まれてくる赤ん坊から、父親を奪うわけにはいかない。それくらいの良識は、まだ残っている。こうなってしまった以上、私たちの関係は清算して彼は家庭に戻った方が良い。頭では分かっているんだけど、涙が零れそうになる。泣き顔を見られたくなくて背中を向けたまま「じゃぁね」って部屋から出ようとした瞬間、抱きしめられた。「千紗」「離して。後腐れないようにしようよ」「そんなの無理だ」「じゃぁ、どうするの?」「離婚したい気持ちに変わりはない。だから、少しだけ待ってて」私はいつか、この時のことを後悔する。引き返せるはずだったのに、どうして流されてしまったの?って。だけど、それでも良いって思ってしまった。「分かった、待ってる」後悔しても良いから、この人が欲しい。◆まさかの「あれ、もしかして千紗」仕事帰りに立ち寄った雑貨店で声をかけられ振り向くと、大学時代の友人が立っていた。黒いツヤのある髪と大ぶりのピアスがよく似合う美人で、仲良しグループの中心的存在だった玲子(れいこ)だ。「わあ、久しぶりだね! 元気?」「元気元気! 千紗も元気してた? 今、何してるの? 仕事は? 住んでるのって、この辺り? 」「ちょ、ちょっと待って。そんな次々に聞かれても答えられないよ」「あはは、ごめんー」相変わらずだなぁ、玲子は。明るくて派手な性格の玲子は交友関係が広く、賑やかなのが苦手な私とは正反対。そのため、グループ以外で個人的に遊んだりすることはなくて大学を卒業後は連絡を取ってなかった。それでも久しぶりに会えたことが嬉しく、お互いに時間があるということで、近くにあるイタリアンレストランに入った。「千紗、何だか大人っぽくなったよね」「そう? 実際もう30歳だし。十分大人なんだけどね」「いや、そうじゃなくて色っぽくなったというか、魅力的になったって意味!」面と向かってそんなことを言われると、背中の辺りがくすぐったい。私自身そんな自覚はないけど、もし変わったことがあるとしたら、恋をしているからかな……。「千紗と話してたら皆にも会いたくなっちゃった。誰かと連絡とってる?」「今は……綾香くらいかな」「綾香!私も時々連絡するよ。って言ってもSNSで繋がってるだけだけどね」そう言ってスマホを手に取った玲子は、急に顔を曇らせた。「綾香は今、大変みたいだね」「あー、つわり?」綾香はSNSでも妊娠したことを報告していた。今時、安定期に入る前に公表する人は珍しいけど、それだけ嬉しかったのだろう。私はそれ以来、彼女のSNSは見ないようにしていた。大変なことと言えば、つわりくらいしか思いつかない。「綾香から聞いてないの?」「うん? 何が?」「あの子、流産したって」え、嘘……。「千紗も知らなかったかー。SNSであれだけ派手に報告したから、言い出しづらいんだろうね」「玲子はどうして知ったの?」「DMでやり取りしてて、その時に聞いたの」「そっか……」「落ち着いたら、綾香を励ます会をしようよ」「うん、そうだね」◆最低な人間綾香が流産したと聞いた時、正直ホッとした。その反面、命が1つなくなったというのに安堵するなんて最低だと自己嫌悪をする。私ってこんなにも自分勝手で冷たい人間だった……?「あ、丁度良いところに帰って来た」玲子と連絡先を交換してから別れ、家に帰ると部屋で母が荷物をまとめていた。家にいる間はずっとノーメイクにジャージ姿だったくせに、今日は水商売の女のように濃いメイクを施し、体のラインを強調した服を着ている。「お母さん、出て行くの?」「あぁ、世話になったね」「また男の人のところ?」「そうだよ、あんたなんかよりもずっと優しくて尽くしてくれる男のところに行くんだよ」悪びれることもなくそう言った母は、クローゼットの上にある私の腕時計やアクセサリーを鞄に投げ入れた。情けないやら悲しいやら、やるせない気持ちでいっぱいになる。「私だってお母さんに十分優しくしてるでしょう」「優しいもんかい、小遣いの1つもくれやしないで」「お母さんの言う優しさは、お金なの?」何かって言うと、いつもそう。私の存在を認めてくれたことなんて1度もない。母から愛情を感じたこともない。「馬鹿なこと言わないで。もう行くから」「待って!1つだけ教えて……。私がお腹にいると分かった時、お母さんはどう思った?」「は? そんなことを聞いてどうするの」「いいから答えて」「堕ろそうと思ったよ、でも子供を産んだらあの男を繋ぎとめられると思った。だから産んだんだ」最低、最低、最低。こんな最低な人から産まれたから、私も最低なんだ。◆嫉妬 残念なお知らせがあります私たちのべビはお空に帰りましたいつかまたパパとママに会いに来てね**旦那くんも辛いはずなのに、いっぱい励ましてくれる優しい旦那くん、ありがとう、大好き赤ちゃんを守れなくてごめんなさい#べビ # またね #流産#パパとママのところに来てくれてありがとう#旦那くん大好き何これ、悲劇のヒロインにでもなったつもり……?見なきゃいいのに、綾香のSNSを見てはイラつきを抑えられなくなる。流産してしまった綾香の体を心配するとか、メンタルは大丈夫なのかと思いやる気持ちはどこかに行ってしまった。悠真さんとの電話でも、聞き分けの言い女を演じられない。『もしもし、千紗』「悠真さん」『悪いけど、しばらく連絡できない』「どうして?」『綾香の具合が悪いんだ。それに、今は綾香の傍に居てやらないと』「夜に電話するくらいなら、」『ごめん!綾香が呼んでるから切るよ』悠真さんは、綾香が流産してから付きっきりで看病をしているらしい。そのことがさらに私の嫉妬心を煽った。連絡できないと言われていたのを無視して、電話をかける。「悠真さん、助けて!」『どうした?』「部屋に変な人が来たの」『変な人って?』「分からないけど、インターフォンを鳴らされて……。怖いから来てくれない?」『来てくれないって、家に? 今からは無理だよ』「お願い……」『僕が行くより警察を呼んだ方が良い。次にインターフォンが鳴ったら110番するんだ。いいね?』私がこんなにもお願いしているのに来てくれないんだ。離婚したい気持ちに変わりはないって言っていたくせに、嘘つき!やっぱり綾香の方が大切なんだね。メールで文句を言ってやろうかと思ったけど、やめた。「(自分がどんどん醜くなっていく気がする……)」本気で人を好きになるって、こういうことなの?欲ばかりが大きくなって抑えられず、ちょっとしたことで爆発しそうになる。気持ちが通じ合っているだけで幸せだと思った1秒後には、激しい嫉妬心に苛まれる。その繰り返し。やっぱり私は恋愛に向かなかったのかも……。だけど、もう遅い。スマホを片手に持った私は、上着も羽織らず家を出た。第7話は、10月26日(火)公開予定!
2021年10月19日約1年間の休止期間を経て、7月に2年振りとなるアルバム『OVER THE RAINBOW』をリリースした番匠谷紗衣のツーマンライブが決定した。11月22日(月)東京・下北沢ReGにてナリタジュンヤとの共演で開催される。番匠谷紗衣チケット情報チケットは、10月24日(日)23:59までオフィシャル先行(抽選)受付を実施中。番匠谷紗衣 ツーマンライブツアー 2021 meet “DOUBLE RAINBOW in TOKYO”番匠谷紗衣×ナリタジュンヤ▼11月22日(月) 19:00下北沢ReGオールスタンディング-4500円(足マーク・立ち位置指定、ドリンク代別途要)[共演]ナリタジュンヤ※小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。[問]下北沢ReG■03-6450-9346
2021年10月18日藤木直人が、ミュージシャン&音楽プロデューサーのシライシ紗トリと超期間限定ユニット「49」(ヨミ:シジューク)を結成することを発表した。49は1972年7月生まれの藤木直人と1971年11月生まれのシライシ紗トリが互いの年齢が49歳同士になる期間だけの限定で組んだ音楽ユニットで、これまで数多くの作品を一緒に作り上げてきた二人が49歳という年齢になったからこそできる音楽を発信する。また、11月12日には49として1度きりの結成&解散配信ライブを行うことが決定しており、チケットは通常の配信チケットに加えここでしか手に入らない49オリジナルCD付きのスペシャルチケットも販売される。■49(藤木直人×シライシ紗トリ)特設サイト■藤木直人 配信リンク:<ライブ情報>『49結成&解散有料配信Live』11月12日(金) 19:00〜通常チケット(ライブ視聴のみ):3,000円49オリジナルCD付きチケット(ライブ視聴+CD):4,900円※ライブ視聴は、1週間のアーカイブ視聴が可能です。※オリジナルCDは、12月上旬頃からの発送となります。チケット購入はこちら:
2021年10月15日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第5話)【これまでのあらすじ】不妊治療にプレッシャーを感じていた伊野さん。その苦しみを理解しようとしない綾香につい怒りを覚える。一度だけと気持ちに蓋をしていたのに、また伊野さんと体を重ねる千紗は、伊野さんのことを本気で好きになっていた…前回はこちら▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第4話)1話から読む▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第1話)私欲既婚者を好きになってしまった人たちは、よくこんなことを言う。『独占できないのが辛い』『1番になれないのが悲しい』と。私はそれを聞くたびに「不倫をしておいて何を寝ぼけたことを言ってるの?」と、呆れていた。まさか自分が同じようになるなんて思いもしなかった。「そろそろ帰らないと」伊野さんと体を重ねたあの日から、私たちは頻繁に会うようになっていた。場所はホテルだったり、カフェだったり色々で、この日はBARだった。「そうね」伊野さんの言葉に頷き、席を立つ。理解のある女性を演じているのは、まだこの人に「溺れていない」と思いたいから。いつでも止められる。いつでも元に戻れる。会うのは今日でお終いだと言われても、全然平気。だけど……。「やっぱり、もう1杯飲んでからにしようか?」本音を言うと、もう少し一緒に居たい。「また綾香に疑われるよ」「本当に煩わしいね。帰りの時間なんか気にしたくないのに」「まるでシンデレラね」「僕が?」可笑しそうに笑った伊野さんは、私の手を取り指を絡めた。それから急に思い立ったように「そうだ」と呟く。「旅行にいこうか」「どこに?」「どこにでも。そうすれば、周りの目を気にしなくていいし、深夜0時を過ぎても帰らなくていい」「本気で言ってるの?」「もちろん。近々、計画を立てよう」◆旅行 週末は旦那くんが出張(><)寂しいけど、お留守番頑張ります**お料理教室で習ったビーフストロガノフを作って待ってるね#旦那くん大好き #出張 #寂しい #お留守番#愛情たっぷりご飯 #楽しみにしててね伊野さんと旅行することに罪悪感が全くないわけではない。だけど、こんな能天気なSNSを見てると別にいいかと開き直りたくなる。待ち合わせ場所の羽田空港に着くと、先に到着していた伊野さんが手を振ってくれた。「迷わなかった? 大丈夫?」私の旅行鞄を持ってくれた伊野さんは、いつものスーツ姿とは違いカジュアルな格好をしている。それがとても新鮮で、ドキドキした。「じゃぁ、行こうか」「あ、伊野さん」振り向いた彼は、何故か渋い顔をして首を左右に振った。「”伊野さん”じゃなくて、”悠真”。堅苦しいのはやめよう」「あ、じゃぁ……悠真さん」「うん。何?」「旅のしおりを用意したんだけど……」言って後悔した。悠真さんは無くなるくらい目を細めたあと、私が作成したしおりを見てさらに笑った。恥ずかしさで顔が熱くなる。「もう返して」「どうして? すごく良くできているよ」「本当にもういいから」「ごめんごめん、虐め過ぎたね。だって、千紗が可愛いから」あ、今、名前で呼ばれた。そんな些細なことでさえ嬉しくて胸が温かくなるなんて……。羽田空港から目的地である福岡まで、2時間弱だった。空港に着いた瞬間、何とも言えない解放感と高揚感で自然と顔が綻ぶ。軽い足取りで歩く私に、悠真さんが尋ねた。「福岡は初めて?」「実は、子供の頃に少しだけ住んでいたの」「そうなの? 福岡のどの辺?」「南東部になるのかな。地図で言うと、ちょっとくびれているところなんだけど」「ここ?」悠真さんが、スマホを見せてきた。「うん、そう。自然が豊かで良いところなの」「行ってみたいなぁ、寄ってみる?」「行けなくもないけど、今回は予定通り博多周辺を観光しようよ」「そっか。じゃぁ、いつか行こうね」「うん、いつかね」そんな日が来るのかな?普通のカップルのように、「じゃぁ次は〇月にね」って、約束できないのが悲しい。彼のことを知れば知るほど、独占したい気持ちが膨らんでいく。切なくなって悠真さんの手を掴むと、彼は指を絡めるようにして繋ぎ直してくれた。この旅の間は、ネガティブなことを考えるのやめよう。「わっ、すごい」「思っていた以上だね」予約していた旅館に着くと、その豪華さに驚いた。着物を優雅に着こなした女将さんが、ロビーで出迎えてくれる。「ようこそ、いらっしゃいませ」「予約していた伊野です」チェックインを済ませた後は、仲居さんが部屋まで案内してくれるらしい。こんな格式の高そうな旅館に泊まるのは初めてだなぁとソワソワしていると、仲居さんと目が合った。「お客様はどちらからお越しですか?」「東京からです」「まぁ、東京ですか。私の娘も東京にいるんですよ」「そうですか」どうやらこの仲居さんはお喋り好きのようで、他愛のない世間話が部屋に入るまで続いた。「夕食は19時にお部屋へお持ちしますね。奥様、好き嫌いやアレルギー等はございますか?」「えっ!あ、大丈夫です」「旦那様は、いかがでしょう?」「僕も大丈夫です」『奥様』と呼ばれて、びっくりしちゃった。仲居さんが部屋から出て行った後、そのことを悠真さんに言うと、彼は私を抱き寄せた。「僕は離婚が成立したら、千紗と一緒になりたいと思ってるよ」「悠真さん、私は……」「千紗が結婚に対してマイナスな気持ちしかないことは分かってる。恋愛に対してもそう。だけど、1歩踏み出せたよね」それは、確かにそう。誰とも恋愛しないって決めていたけど、いつの間にか悠真さんを好きになっていた。これがいわゆる本気の恋なんだろうと自覚している。でも、だからってそれと結婚はイコールじゃない。第一、綾香との離婚が成立したからといって、すぐに私と結婚できるわけじゃないでしょう。「もちろん、すぐにとは言わない。でも、千紗と結婚したい気持ちがあることはちゃんと伝えたいと思って」「悠真さん……」「綾香と別れたいから、とか、現実逃避とかじゃなくて、純粋に千紗を好きになったんだ。それだけは、分かってね」「うん、ありがとう」福岡旅行は、とても楽しかった。一緒にいることで悠真さんのことが好きだという気持ちが増した。けれど、それと同時に、「こんなことをして本当に良いのかな?」と後ろめたさも募る。そんな旅でもあった。◆予想外の知らせ「結婚を仄めかす男なんて、ろくなやつじゃない!」グサッと胸に何かが刺さった。「それを本気にとる女もバカ!」痛い痛い、傷口をぐりぐりされてるみたいに痛い。思わず胸を押さえた私を見て、赤城さんが不思議そうに首を傾げた。「どうしたの? 具合悪いの?」「いえ、特には」自分のことを言われているようで胸が痛い、とは言えない。赤城さんが「ロクなやつじゃない」と怒っていたのは、妹さんの旦那のことだ。妹さんの旦那が職場の女と浮気して、その浮気相手が家に乗り込んで来たらしい。「それで、妹さんはどうするって言ってますか?」「どうするも何も。1日中泣いて、食事もろくにとらないし、塞ぎこんでる」「そうなんですか……」「ほんっとに、不倫するやつなんて最低よ」はい……ごもっともです。分かってはいるんです。奥さんがいる人を好きになってしまっただけだと、どれだけ自分を正当化しても不倫は不倫。人の幸せを壊しておいて、自分が幸せになれるはずない。例え、それが離婚しかけの夫婦であっても、許されるわけないよね。「ねぇ、本当に大丈夫? 顔色悪いけど」「あ、えっと。ちょっと食べすぎちゃったみたいで」「福岡って美味しいものが多いって言うよね。いいなぁ、旅行は彼氏と行ったんでしょ」「ええ、まぁ」罪悪感で胸がいっぱいになった。私が悠真さんと楽しんでいる間、綾香はどんな気持ちでいたのかな。気になって、綾香のSNSを見る。そこには、福岡土産の写真がアップされており、旦那が帰って来たことを喜ぶコメントが添えられていた。悠真さんの肩に体を寄せて仲良しアピールしている写真も出てきた。「(……全然、気が付いてないんだね)」ホッとしたと同時に、軽い苛立ちを感じる。出張じゃなくて旅行をしていたとは知らず、呑気な子。これなら少しくらい悠真さんを借りたって良いんじゃない……?別に奪おうとしてるんじゃない、借りるだけ。少しだけ幸せを分けてもらうだけ。それなら許される?そんな邪な考えが浮かんできたところで、電話がかかってきた。画面には「綾香」と文字が浮かんでいる。「もしもし……」「千紗! 聞いてぇ~!」「どうしたの?」「あのね、私、妊娠したみたい」第6話は、10月19日(火)公開予定!
2021年10月12日女優の仲里依紗さんが、YouTubeチャンネル『仲里依紗です。』で、ちょっと斬新な『お風呂動画』を公開中です。いつも忙しそうな仲さんですが、この日、仕事が終わって帰宅したのは、なんと午前3時過ぎ。そこから、YouTubeの動画撮影をしようというのですから、頭が下がります。今回は編集時間がとれないということで、ノーカットでお風呂の動画を撮影しようとしたようなのですが…。ここで、ある悲しい事実に気づいてしまいます。「最悪~」と連発する仲さん。一体何があったのでしょうか。早速、動画をご覧ください。疲れ果てた1日の終わりに、ゆっくり湯船につかろうとして、湯をはっていないことに気づいたときのショック…筆者も経験者なので、痛いほど分かります。どっと疲れが増したような気になるんですよね。でも、そこで動画を諦めないのが、仲さんのすごいところ。いかに早くシャワーを浴びられるのか『世界新記録』を目指す、とコンセプトも気持ちも切り替えて、ノーカット動画の撮影を続行します。カメラのアングルの都合上、ヤンキー座りになってしまった仲さんが浴室に消えた後、ひたすら映し出されるのは、一部モザイクのかかった洗面所の風景。そして、シャワーの音混じりに、仲さんの実況が聞こえてきます。思っていたのとはだいぶ違う『お風呂動画』を前に、待つこと約10分…。浴室から出てきた仲さんは、この間、ずっと待たされていた視聴者のことを「大丈夫かな」と心配していましたが、意外にも「面白かった」「この感じ大好物」と、視聴者には大好評だったようです。動画を撮影しながらの慌ただしいシャワータイムに、仲さんの疲れは癒えなかったかもしれません。きっと、この動画を見た人は、そんなありのままをさらけ出してくれる仲さんの様子と、猫の『おかか』ちゃんとのかけ合いに、癒されたのではないでしょうか。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2021年09月30日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第3話)【これまでのあらすじ】綾香と離婚したいと言う伊野さん。無自覚にシングルを見下す綾香には良い薬になるだろうと、千紗は伊野さんにアドバイスをすることに。離婚の件で話がしたいと会っていた伊野さんと別れ、駅に向かっていたところ、誰かに後ろから肩を掴まれ…前回はこちら▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第2話)やましいことはない「おい」乱暴に肩を掴まれ振り返ると、マッチングアプリで知り合った男性が立っていた。何度も「また会おう」と、しつこく言ってきた例の人だ。「お前、俺のことブロックしただろ」「そっちがしつこいからでしょ」「ふざけんな、さっきの男は誰だよ!」まさか、私を付けていたの? いつから? 男の執念深さにぞっとする。「おい、答えろよ。さっきの男は何なんだよ」「あんたに関係ないでしょ」「こいつ!」殴られる……そう思って目を閉じたけど、予測した衝撃が襲ってこない。ゆっくり目を開けると、帰ったはずの伊野さんが男の腕を掴んでいた。「何してるんですか? 警察呼びますよ」「お前……さっき、こいつと一緒にいた奴だな。どういう関係だよ」「失礼な人ですね」不愉快そうに眉をひそめた伊野さんは、おもむろの私の肩を抱き寄せた。「彼女の恋人です」え……? 思わず伊野さんの顔を見上げると、「ね?」って目で合図を送られる。そうか、なるほど。「そう、この人は私の彼氏よ」「なっ、何だよ、彼氏がいたのかよ」「分かったなら、もう付きまとわないで」「言われなくても、嘘つき女なんかこっちから願い下げだ」男はそう言うと、毒づきながら帰って行った。男が完全に見えなくなってから、伊野さんが短い溜息を落す。「行きましたね」「ええ……あの、ありがとうございます」「いえ、諦めてくれて良かったです……あっ、すみません」伊野さんは慌てて、私の肩に回していた腕を下ろした。「助かりました。でも、どうして戻って来たんですか? 帰ったはずでは?」「あ、それはですね……」言いにくそうに頭を搔く。「夕食を一緒にどうかと思いまして」「え?」「あ、いや……今日は綾香の両親が家に来ているので。帰りたくないんです」そう訴える伊野さんは、捨てられた子犬のような目をしていた。「いいですよ、予定もないですし」「本当ですか! 良かった」「さっき助けてもらったお礼です」夕食時とあって近くのレストランはどこもいっぱいで、仕方なく少し離れたダイニングバーに入った。創作料理とそれに合ったお酒が楽しめるお店らしい。「藤川さん、お酒は?」「好きです」「よかった、僕も好きなんです」「食べ物の好き嫌いあります?」「魚介類はちょっと……。生臭くなければ食べられるんですけど」「分かります、私もです」伊野さんとは不思議なくらい好みが合い、美味しいお酒と共に会話が弾んだ。ラストオーダーの時間になり、名残惜しく感じる自分がいる。「今日は本当によく喋りました」「私もです」「藤川さん、来週も会ってくれますか?」「え?」「あ、その、離婚の相談をしたいので」「いいですよ」相談を受けるために会うだけ。やましいことはない。そうだよね?◆私の母ターミナル駅から徒歩5分のところにある私の家は、交通の便こそ良いものの築数が古くて狭いワンルーム。どうせ寝るためだけに帰るんだから、これと言って不満は感じていない。だけど、数年に1度、早ければ半年に1度の頻度でやって来るXデーだけは、部屋数のある家にすれば良かったと後悔する。「お帰り~千紗! 久しぶりね」「お母さん、来てたんだ」「母親が娘に会いに来て何が悪いの?」別に私に会いたかったわけじゃないでしょ、と、喉元まで出てきた言葉を飲み込む。これを言ってしまったら喧嘩になるだけだ。「2,3日、世話になるから」「はいはい」「何よ、その言い方。もっと歓迎しなさいよ」「してるよ。お腹空いてない? 何か作ろうか?」「適当に食べたから要らない。それより、千紗にお願いがあるんだけど」「何?」「お金貸してくれない? 家賃代の7万、いや5万でいいからお願い!」またか……。私に会いに来る時は、いつもそう。分かっていても今回は違うかもと思ってしまう自分にガッカリする。「言っとくけど、5万なんてすぐに出せる金額じゃないからね」「よく言うよ、正社員のくせに」「独り暮らしは何かとお金がかかるの。お母さんだって分かってるでしょ」「そうね、お金の苦しさは分かっているわよ。あんたを育てるのに私がどれだけ苦労したか」「またその話?」昔っから、何かというと自分の苦労話。そんなに大変だったなら、施設の前に捨ててくれれば良かったのに。「育ててもらった恩を忘れて口答えするんじゃないよ」「いい加減にしてよ! 恩を売るために、私を産んで育てたの!?」「その通りだよ、悪い?じゃなきゃ子供なんて邪魔なだけだよ!」売り言葉に買い言葉。母の本心でないことは分かっていても傷つく。いや、もはや本心なのかもしれない。こんな人でも親は親だと耐えてきたけど、もう限界かも……。◆この人に癒されたい「すみません、遅くなりました」カフェバーで待ち合わせをしていた伊野さんは、私の顔を見るなり頭を下げた。「大丈夫ですよ」「相談のお願いをした側が遅れるなんて、申し訳ない」律儀な人だなぁ。尚も申し訳なさそうにする伊野さんに座るよう促し、メニューを渡す。彼は私が飲んでいるものを聞いた後、「同じものを」と、注文した。ほどなくして、ブラッディー・マリーが運ばれてくる。「先日は助かりました。お陰で綾香の両親に会わずに済みました」「良かったです」綾香の親は、とても過保護なんだと彼女から聞いたことがある。だから綾香を心配して、旦那を注意しに来たのだろう。いい年をして親にチクる綾香もどうかと思うけど、親も親だ。だけど、いつだって味方になってくれる親がいて羨ましい。私の母なんて……。「何かありましたか?」突然、伊野さんがそう尋ねた。「え?」「今日はとても浮かない顔をしていますよ」「いえ、特には……」「話してください。いつも僕の話を聞いてもらっているんだから聞きますよ」「伊野さんの話を聞くために会ってるんだから、私のことはいいんです」「よくありません」真剣な瞳に見つめられて、心がざわつく。誰かに愚痴りたい、聞いて欲しい、そんな心の声を読まれたような気がした。「僕の相談は今度にして、今日は藤川さんの話をしてください」「でも、」「じゃぁ、こうしましょう」伊野さんはそう言って、店員さんを呼んだ。「今日はとことん飲みませんか? そうすれば話しやすいし、僕も聞きやすい。そして何より……」「何より?」「明日になったら2人とも覚えていない」フッと、思わず吹き出してしまった。伊野さんってやっぱり面白い人だなぁ。お酒の力もあり、私は母とのことを伊野さんに話した。お金の無心をされることや、この前、喧嘩した時に言われたこと。それから話は子供時代のことまで遡る。「母はシングルマザーだったんですけど、いわゆる恋多き女性で常に彼氏がいました」「そうですか」伊野さんは優しく相槌を打ってくれる。「でも長続きしないんです。いつも最後は男に裏切られて捨てられて、その度に泣いてヒステリーを起こして」「親のそんな姿を見るのは辛いですね」「はい……。だから、私は本気で人を好きになったりしない、恋人は作らないと決めました。母のようにはなりたくないので」「お母さんと同じようになるとは限りませんよ」そうかもしれない。だけど……、「本当は怖いんです。きっと私は恋愛に向いていない」「ずっと傷ついたままなんですね」「傷……?」「藤川さんは傷つけられたんですよ、お母さんを通して、お母さんを捨てた男たちに」「そんな自覚は全然……」「自覚がないから傷を癒すことなく大人になってしまったんでしょう」ふと、伊野さんの手が私の手に触れた。ドキドキするのは、お酒のせい……?「僕が傷を癒してあげましょうか?」「え……」「僕でよければ、ですけど」器用なのか不器用なのか、よく分からない口説き方。だけど、伊野さんの声が優しくて、眼差しが温かくて、この人に癒されたいと思ってしまった。「癒してください」「じゃぁ、2人っきりになれる場所へ行きましょうか」第4話は、10月5日(火)公開予定!
2021年09月28日女優の仲里依紗が22日、東京・天王洲のB&C HALL・E HALLで行われた「Gucci Garden Archetypes」展 フォトコールに登場した。仲は、チューリップがデザインされたブルーを基調にしたワンピースを身にまとって登場。髪の毛もブルーにイメチェンし、「朝ドラチックなレトロなワンピースにすごく惹かれました。あと、偶然なんですけどブルーで合わせてみました」と笑顔で説明した。同展については「すべてのお部屋が衝撃的で全部夢に出てきそうなくらい迫力がありました」とコメント。また、自分のために、そして友達へのプレゼントとしてグッチのアイテムを購入した思い出を話し、「皆さんに喜んでもらえる、夢を与えてくれるグッチさんがすごく大好きです」と語った。ブランド創設100周年を祝した同展は、9月23日から10月31日まで同所で開催。これまでグッチが展開してきた広告キャンペーンを通じて、クリエイティブ・ディレクター アレッサンドロ・ミケーレが描くビジョンと美学、インクルーシブな哲学を映し出す。フォトコールには、仲のほか、浅野忠信、上野樹里、前田敦子、夏木マリ、三吉彩花、板垣李光人、MIYAVI、岩橋玄樹らが出席した。
2021年09月22日タレントで女優の都丸紗也華が主演を務めるe-Storyサービス「peep」の人気作『小悪魔教師 サイコ - Cinema Content -』の続編となる『小悪魔教師 サイコ - Cinema Content -2』が、このほど公開された。作品告知動画が再生総数3,500万回を超えるなど、peepシネマノベル史上No.1ヒット作品となった『小悪魔教師 サイコ』。今作はその続編となり、都丸が前作に続いて高校教師・葛西心春を演じる。問題児だらけのクラスに新たに赴任した葛西。陰湿ないじめやパパ活など、あらゆる問題を抱えた生徒たちを驚きの方法で解決へと導いていく。さらにパワーアップした、都丸演じるセクシー教師・葛西心春がどのようなサイコパスな一面を見せるのか注目だ。
2021年09月22日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第2話)【これまでのあらすじ】友達の綾香に依頼され、綾香の旦那である伊野さんの浮気調査を開始した千紗は、伊野さんが女とホテルに入るところをあっさりと押さえられ拍子抜けする。しかし伊野さんは綾香が浮気調査を依頼することを分かっていてわざと尾行させていた…前回はこちら▼この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第1話)切実な願い「綾香と離婚したいんです。僕に協力してくれませんか?」「えっと……」唐突なお願いに驚いてしまい、何も言葉が出てこない。これまでいくつもの不倫調査を担当したけど、対象者からこんなお願いをされたのは初めてだ。「変なことを言ってすみません」「いえ……びっくりしちゃいましたけど。あの、離婚したいというのは、」「本気です」「そうですか。それなら綾香と話し合ってください」「それが可能なら、あなたにお願いしません」懇願するような瞳で私を見つめる綾香の旦那は、「歩きながら話しませんか?」と駅の方を指さした。変なことになってしまったなぁ……。だけど、ホテル街で立ち話を続けるわけにもいかず承諾した。「あの、さっきの女性は?」「もう帰ったと思いますよ。ホテルに入るところまで同行する約束でしたから」「わざと尾行できるようにって言ってましたけど、浮気の証拠を私に撮らせるつもりだったんですか?」「そんなところです。でも、ホテルに入っただけじゃ証拠にならないですよね」確かに、ホテルに入っただけじゃ証拠として弱い。相手の具合が悪くなり休憩していただけとか、言い逃れができるからだ。「私が伊野さんの調査してるかどうか試したんですね」「試すようなことをしてすみません。綾香がどこまで本気で依頼をしたのか分からなかったので」「クライアントの情報は漏らしませんよ」「あなたが調査に失敗したことも、内密にするんですか?」私を脅す気……?思わず綾香の旦那を睨み付けると、彼は眉尻を下げて泣きそうな顔をした。「それだけ切実なんです」「そう言われても、困ります」「調査はこのまま続けてください。ただ、僕が気付いていることだけは綾香に黙ってて欲しい」「それで、どうするんですか?」「その先については……」駅に近づくにつれ、人の行き交いが増えていく。正面から酔っ払いの団体が歩いてきてぶつかりそうになった瞬間、肩を引き寄せられた。「大丈夫ですか?」「ええ、はい」「ノープランです」え?眉をひそめた私に、綾香の旦那はもう1度「ノープランです」と言い、困ったように笑った。◆痛い女平日のお昼。ランチをしながら話そうと綾香を誘い、事務所近くのカフェに入った。「どうだった、何か分かったぁ?」友達なら包み隠さず全て話して調査を中止するべきなんだろう。だけど、夫婦の間にどんな行き違いがあって関係がこじれてしまったのか、綾香の旦那は何を望んでいるのか、離婚を切り出された綾香はどうするのか?好奇心をそそられて、もう少し調べたいという気持ちを抑えられない。「まだ調査中」「そうなんだぁ」「綾香の方は? 何か怪しいと思うことがあった?」えー、どうかなぁって、頬に左手を当てる。薬指のダイヤモンドリングがキラリと光った。「その指輪って」「ん? あぁ、これぇ? 旦那くんからのプレゼント」「へぇ……」「前にチラッと指輪が欲しいって言ったのを覚えていたみたい。こういうことしてくれるとぉ、疑っちゃって悪いなって思っちゃうよねぇ」「じゃぁ、旦那さんのこと信じてあげれば?」「それができたら苦労しないよぉ」わざとらしく唇を尖らせた綾香は、「独身の千紗には分からないか」と呟いた。その言い方が癇に障った。「どういう意味?」「だって、そうでしょうぉ。結婚して家庭を守ってる女の気持ちなんて、分からないよねぇ?」「分からないけど、それと旦那を信じる云々の話は別だよね」「ほら、すぐそうやって論破しようとするー。そんなんだから千紗は、まともな彼氏ができないんだよぉ」目の前のおしぼりを投げてやろうかと思った。思い込みの持論を並べて、私のことを見下している。無自覚なんだろうけど、むかつくっ!◆面白い人「すみません、こんな場所に来てもらって」「いいえ、こちらこそ無理を言って」綾香の旦那こと、伊野さんから「先日の件で話がしたい」と連絡がきたのは、日曜日の夕方だった。その頃、私はお見合いパーティーに参加していたので、会場であるホテルまで来てもらった。ロビーで落ち合って、カフェに移動する。「パーティーには、よく参加するんですか?」「今回が初めてです。話のネタになるかと思って」冗談で言ったのに、伊野さんは感心したように頷く。「何事も経験をしておくのは良い事ですね。好奇心は猫をも殺すと言いますが、経験と知識は人生を豊かにしますから」「それ、うちの所長も言ってました」「ケビン・エドラーの名言です。僕は本で読みました」「そうなんですか? じゃぁ所長も同じ本を読んだのかも」「あと、こういう名言もあって……」伊野さんの話は、ミステリ小説のように引き寄せる力があって面白い。他愛のない雑談は、2杯目のコーヒーが無くなる頃まで続いた。「もうこんな時間か。すみません、本題ではない話をだらだらとしてしまって」「いえ、興味深かったです」「僕たち気が合うかもしれないですね」伊野さんはそう言って笑った後、思い直したかのように「すみません」と謝った。「失礼ですよね。でも……こんなに話しが弾む相手は久しぶりなので」「綾香とは話さないんですか?」「話しどころか、最近は顔も合わせていません」「避けているそうですね」「もう、うんざりしているんです。嫉妬深くて束縛が強いし、気に入らないことがあるとすぐ泣き喚いて実家に帰ると言うし、話し合おうとしても言葉がまるで通じない」最後のは、分かる気がする。綾香って住んでいる世界が人と違うというか、常識が通じないところがあるのよね。「離婚の意思は固いんですね」「ええ、それはもう」「でもだからといって浮気をしたら、自分が不利になるだけですよ」「ですよね……」「離婚する方法ならいくつかあります。焦らないでじっくり考えましょう」「それって協力してくれるってことですか!?」「アドバイスをするだけです」それくらいなら、良いよね。離婚を突き付けられた綾香がどうするかは分からないけど、世間知らずのお嬢様には良い薬になるはず。シングル女性の生き難さを思い知れば良い。伊野さんとはホテルのエントランスで別れ、駅を目指す。何だかんだ今日は楽しい1日だったな……。そんなことを考えていると――。「おい」不意に後ろから肩を掴まれた。第3話は、9月28日(火)公開予定!
2021年09月21日卒業後10年ぶりの再会、週末だけ母校に集まる大人になりきれない20代女性たちの等身大の物語『シノノメ色の週末』。桜井玲香、岡崎紗絵、三戸なつめが共演する本作からこの度、予告編が公開された。美玲(桜井さん)とまりりん(岡崎さん)、アンディ(三戸さん)が、高校の廊下を走り抜けるシーンから始まる今回の映像。母校の廃校が決まり、元人気読モの美玲、元地味系のまりりん、ムードメーカーのアンディの放送クラブ3人は、10年ぶりに再会。昔埋めたタイムカプセルを探し校庭を掘り起こしたり、女子高生時代の制服を教室で着てみたりと、楽しい時間が流れるが、それぞれの本音が溢れ出て、あの頃とは違う、何者にもなれない20代女性たちのモヤモヤが浮き彫りになっていく。さらに、彼女たちの中に篠の目女子高校最後の学生・杉野あすか(中井友望)が参加し、制服の下にジャージを履いて卓球するシーンや、まりりんの会社の上司(工藤阿須加)が登場と、波乱の起こりそうな展開も。『シノノメ色の週末』予告編また、本作の主題歌も決定。楽曲は、TVアニメ「魔法科高校の劣等生 来訪者編」エンディングテーマとなる「名もない花」でメジャーデビューした新人・佐藤ミキが歌う、作詞・高橋久美子、作曲・金澤ダイスケ(フジファブリック)の強力タッグで本作のために書き下ろされた「東雲の空」。佐藤さんのシルキーボイスが、映画を切なさと優しさで包み込む。佐藤ミキ佐藤さんは「想いを込めて歌わせて頂きました。主題歌『東雲の空』がこの映画に寄り添い、皆様の背中をそっと押してくれるような楽曲になりますように」とコメントし、楽曲を手掛けた2人も「美しい楽曲と、佐藤ミキさんの切なく強い歌声、そして映画の彼女らに導かれた歌詞です。見終わったあと、さらに余韻を広げてくれたらいいなと思います」(高橋さん)、「誰しもが持つノスタルジーに寄り添えられるような、そんな曲になればと思い曲を書きました。遠く離れた人や近くにいる人、思い出や記憶も然り、自分との『距離』を意識せずにはいられない、そんな時代の中で自然に作る事ができた曲なのかなと思います」(金澤さん)と語る。そして桜井さんも「素敵な音楽が作品の世界観を表現してくれていて、より甘酸っぱさが増しました!」と楽曲について話している。『シノノメ色の週末』は11月5日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:シノノメ色の週末 2021年秋、全国にて公開予定©️2021「シノノメ色の週末」製作委員会
2021年09月16日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『winebar WEST(ワインバー ウェスト)』のナチュラルワインとビストロ料理です。西小山駅の商店街から少し離れたところにポツンと灯った店の明かり。いい予感に吸い寄せられて訪ねたのは『winebar WEST』。ビストロ『uguisu』や、レストラン『AELU』『the Blind Donkey』で経験を重ねた仲西正和さんが今年の7月に開いた店だ。ワインバーと言いながらも、ナチュラルワインにすっと寄り添うビストロ料理が充実し、空腹の人間にも優しい。豚耳とタンのゼリー寄せなどクラシカルな料理があれば、ズッキーニとフェンネルのサラダといった香り溢れる軽やかな一皿まで揃い、黒板にぎゅっと並んだメニューに目移りするのは幸せな時間(パンは、噛みしめるほどにうまい『パン屋塩見』のカンパーニュだ!)。壁には友人のアーティスト・小川洋平氏の作品が飾られ、アーチ状の天井はフランスのカーヴ(洞窟)をアイデアソースにするなど、何に触れてもいちいち素敵な物語が広がるが、ビールは赤星、レモンサワーは業務用のチューハイグラスで提供するなど、肩の力が抜けた大衆酒場然としたスタンスもあいまって、近所の酒場好きのおじいさんもふらっとやってくる。自分にとって胸の躍るもの、心地の良いものはなんであるのか。それらを丁寧に、枠にとらわれることなく選びとった集積としての店。それがきっと仲西さんにとっての『WEST』なのだろうし、私にはその場所が、誰しもに開かれたオアシスに思えた。左から時計回りに、焼き茄子の香ばしさとソーセージの調和が絶妙な、ソーセージと焼き茄子のピュレ¥1,400、『パン屋塩見』のカンパーニュ¥600、さりげない組み合わせにセンスが宿る、ズッキーニとフェンネルのサラダ¥1,100。グラスのナチュラルワインは¥900~。winebar WEST東京都品川区小山6‐9‐9コーポアキマル1FTEL:03・6426・899116:00~20:00日曜休、不定休※『anan』2021年9月22日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2021年09月15日この恋は幸せになれない?好きになってしまったのは、奥さんのいる人。(第1話)複雑な家庭で育ち、結婚に夢も希望もない藤川 千紗、30歳独身。特定の恋人もつくる気がない千紗は、相手をころころ変え一時的な恋愛を楽しんでいる。そんなある日、探偵事務所の相談員として働いている千紗は、友人の旦那の浮気調査をすることになり…結婚や人生に悩む女性に贈る、オリジナル小説。前作「理想じゃない恋のはじめ方。」はこちら私の恋愛観「彼氏がいないなら、また会えるよね?」目の前でワイングラスを揺らす男が、期待を込めた瞳で私を見つめる。如何にも慣れてますって顔が、女性の扱いは心得ていますって態度が、正直うざい。こういう男は後腐れなさそうに見せかけて、粘着するタイプだ。「1回会った人とは、もう会わないことにしてるの」「どうして?」「どうしても」「理由を言ってくれないと納得できないな」ほら、しつこい。「一期一会を楽しみたいから」「1回会っただけじゃ、何も分からないだろ」あなたがハズレってことだけは、分かるけどね。がっかりした気分で1万円札をテーブルに置き、席を立つ。「先帰るね」「待てよ、俺の連絡先を渡すから。気が向いたら電話して」「要らない」「ったく、可愛くねぇーな。そんなんだから彼氏ができないだけじゃないの?」本当、うざったい。何様なの、こいつ……。彼氏?そんなの必要ない。私はその日、その時だけの相手と恋愛が楽しめたらいいの。誰かと真剣に付き合うなんて、真っ平御免よ。――――ずっとそう思っていた。彼に出会うまでは。探偵事務所「一体、いつまで待たせる気……?」自動車内で待機中の私は、思わず悪態をついた。運転席にいる仲西(ナカニシ)さんが眠そうにあくびをする。「3時間越えか。平日の昼間っからご苦労なこったな」「本当よ、さっさと出て来て、さっさと証拠を取らせて欲しいわ」「そう簡単にいくかよ」「あ、待って。出て来たかも」私たちが待機している車から、20メートルほど離れた先にラブホテルがある。そのホテルのエントランスから対象のカップルが現れた。気付かれないようにカメラを構える。「(決定的なのを、お願いよ……)」私の願いが通じたのか、ホテルから出て来た不倫カップルは白昼堂々のキスを始めた。「これで言い逃れできないね」「さすが、うちのエース・藤川千紗(ふじかわちさ)は、運が良いな」「効率が良いって言ってよ」都内でありながら自然の豊かさを感じられる場所に建つ商業ビル。その3階にある総合探偵事務所が、私の勤め先。尾行・張り込み・聞き込みなど調査に出るのは良いけど、クライアントに報告する時は少し気が重い。「調査報告をしますね。ご主人は〇月〇日の〇時から約3時間半に渡って女性とホテルで過ごし……」「嘘よ、信じないわ」「こちら、証拠の写真です」決定的な写真を見たクライアントは、体を震わせて泣きだした。「こんなの、酷い……」「裁判になった場合、証拠は多ければ多いほど有利になります。もう少し調査を続ける場合は、」「あなたね、こんな酷い写真を見せておいて、思いやりの言葉1つかけられないの!?」でた。八つ当たりパターン。怒りの矛先をこちらに向けられてもね……と、心の中で溜息を吐く。憎むべきなのは不貞をした夫、もしくはその相手であって、その2人を裁くための調査なのに。大体、浮気されたからって何だっていうのよ。婚姻関係にあるってだけなのに、自分が1番だって思い込むから傷つくんでしょ?「結婚なんてするから、そんな思いをするのよ……」「え?」やばい、つい口に出してしまった。作り笑顔を浮かべたところでタイミングよく電話がかかってきたので、後はカウンセラーに任せることにした。「はい」『もしもしぃ~千紗? 私、綾香(あやか)。ちょっと今から会えないかな?』◆友達の旦那指定されたカフェへ行くと、先に着いていた綾香が手をあげた。大学時代の友達で時々ランチをしたりする仲だけど、急に呼び出されるのは珍しい。「久しぶり、どうしたの?」「うん、実はねぇ……。旦那くんが、浮気してるみたいなの」あぁ、なるほど。そういう用件か。綾香の旦那とは、結婚式の時と家に遊びに行った時の2回会ったことがある。どちらかといえば綾香の方がベタ惚れで、仲は良かったはずなのに。「何か怪しいと思うことがあるの?」「ん~。帰って来るのが遅かったり、スマホにロックをかけるようになったり、」「それは怪しいね」「やっぱりそう思う?あとね、最近そっけなくなった気がするのぉ」悲しそうな表情を浮かべる綾香は、胸元まである髪の毛を指にクルクル巻きつけた。派手なストーンが付いたネイルが目立つ。「休日出勤や出張が増えたりは?」「んっ! そういえば、今月はもう3回も出張に行ってる」「見慣れない下着があったり、香水を変えたり、外見に気を遣うようになったりは?」「下着は、どうかなぁ……」綾香はいわゆるお嬢様ってやつで、実家はかなりの資産家らしい。ハウスキーパーが洗濯をするから、旦那の下着なんて知るわけないか。「あ、でも香水は変わったかも」「疑える要素は揃ってるね。どうする? 調べようか?」「お願い!費用はいくらでも出すから」「分かった。じゃぁ、後でまた事務所に来て」頷いた綾香は、私に話してホッとしたのか、デザートのメニューを開いた。いつもダイエット中と言いながら、甘い物に目が無い。「ところで、千紗は? 良い人できた?」「私のことはいいよ、聞かなくて」「またそんなこと言ってぇ。一生独身でいるつもり~?」「先のことはまだ考えてないよ」「考えなきゃダメだよぉ、私たちもう30歳なんだから」悪い子じゃないんだけど、綾香って時々お節介。女の幸せは好きな人と結婚して子供を産んで育てることだと信じて疑わないタイプ。その価値観はむしろ一般的だと思うけど、考えを押し付けないで欲しい。というか、私は非婚主義者なの。いい加減察して欲しいよ……。◆浮気調査開始「ビル、高っ」綾香の旦那が勤める会社は、外資系企業が多く集まるオフィス街にある。その中に紛れても違和感がないようパンツスーツに身を包んだ私は、綾香から聞き出した情報を頭に叩き込んだ。対象者は、伊野 悠真(いの ゆうま)32歳。身長は176㎝、体重74kgの中肉中背、髪型はやや癖のあるショートでおでこを出している。銀色の細フレーム眼鏡、濃紺のスーツ、茶色のカバン……。「(出て来た)」顔は元々知っていたので、ビルの入り口ですぐ見つけることができてホッとする。そのまま綾香の旦那が通り過ぎるのを待って、尾行を開始した。只今の時間、午後7時。綾香には今日も残業と言っていたらしいけど、会社に戻る様子がないからどこかへ行くのだろう。「(女と会うのかな? それとも人には言えない趣味があるとか?)」あれこれと想像しているうちに好奇心が芽生えてくる。何かしら綾香に内緒にしていることがあるのは、間違いなさそう。彼はカフェや本屋でしばらく時間を潰したあと、ホテル街へと向かった。「(やっぱり女か……)」思ったよりは、あっさりと尻尾を見せられて拍子抜けする。案の定、女性と合流した綾香の旦那はホテルの中へと入って行った。――――と。なぜかすぐにホテルから彼1人で出て来た。そして、まるでここに私がいることを知っていたかのように真っすぐ向かって来る。どうしよう? 尾行がバレてた?「綾香の友達ですよね?」想定外の動きに驚き、挙動不審になってしまう。「あっ、あの、私は……」「綾香に頼まれて僕の調査をしているんでしょう?」ダメだ、完全にバレている。調査員としてあるまじき失態を恥じていると、綾香の旦那は「違うんです」と手を振った。「綾香があなたに依頼するであろうことは初めから分かってました」「そうなんですか?」「えぇ、分かっててわざと尾行しやすいように歩きました」「あの、」それってどういうつもりで?そう聞こうとするよりも先に、彼は予想外のことを口にした。「綾香と離婚したいんです。僕に協力してくれませんか?」第2話は、9月21日(火)公開予定!
2021年09月14日スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『(NO)RAISIN SANDWICH(ノー・レーズン・サンドイッチ)』の(NO)RAISIN SANDWICH VERY BERRY CHERRYです。「レーズンは嫌いだけど、レーズンサンドは食べてみたい」。当ページでもお馴染みのフードエッセイスト、平野紗季子さんは長年レーズンを敵視しつつも、他ならぬ特別感漂うレーズンサンドに憧れ続けていたという。そんなレーズンパラドックスから閃いたのが「レーズンとそれ以外のサンド菓子」のアソート。監修は『Equal』後藤裕一シェフ。彼にかかるとドライフルーツはたちまち輝きだす。レーズンなら湯がいてふっくらさせ、丁寧に選別。漬け込むラム酒シロップにはシェリービネガーを忍ばせ、キレと果実味を纏わせてみせた。チェリーは酸味を残すようサッと湯がき、フランボワーズビネガー入りのキルシュシロップにクランベリーも一緒に漬けて、より香り華やかに。ピンクが眩しいチェリーのサンドを齧るとさくり、サブレが砕け、果実味溢れるクリームにチェリーの酸味がキュン!チェリーとベリーがぎゅっと濃縮した香りまでもがチャーミング。レーズンサンドはこれでもかとレーズンたっぷり。ぷにゅっとジューシーにはじければ、ドライフルーツの芳醇さと果物の瑞々しさが口いっぱいに。レーズン好きには過去最高のレーズンサンドを。苦手な人にも果実サンドの喜びを。Yesの人もNoの人も、一緒に仲良くお茶しよう。「(NO)RAISIN SANDWICH VERY BERRY CHERRY」¥2,500。フルーツはデザートを仕上げるがごとく、ピンセットで丁寧にのせてサンド。レーズンサンドとノーレーズンなVERY BERRY CHERRYサンド 各3個入り。9/26~はマロンのサンドに。アートディレクター・田部井美奈さんデザインのパッケージもおしゃれで、手土産にもぴったり。(NO)RAISIN SANDWICH毎週日曜10:00~オンライン発売公式Instagramは@noraisinsandwich平野さんがプロデュースする菓子ブランド。新たに専用工房を構え、定期販売スタート。チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2021年9月15日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2021年09月08日女優の仲里依紗さんが、YouTubeチャンネル『仲里依紗です。』で、『休みの日のワンオペ』動画を配信中です。女優やモデルとしてだけでなく、最近では、自身が手がけるオリジナルブランドの公式通販サイトが開設されるなど、数々の仕事をこなす仲さん。そして、家では、ママの顔に戻って育児に家事、さらには、YouTube動画の編集作業までやってのけます。そんな多忙な様子に、これまで、「あまり寝られていないのではないか」と心配する声もあったようです。今回の動画は、そんな視聴者を安心させるべく、休みの日の様子を公開するというもの。人気女優の休みの日って、いったいどんな感じなのでしょうか。午前5時25分のアラームで起床し、手早く朝ごはんと弁当作りを終えると、息子の登校を見送りに行きます。と思ったら、かなりの早足で家に戻っています…果たして、その理由とは。急いで家に向かっていた理由は、まさかのトイレというオチでした。そういう人間らしいところも隠さず公開してくれるのが、仲さんの魅力なのではないでしょうか。子供の水筒の漏れを何度も確認したり、シワのついたTシャツを気にせず着てしまったり。きわめつけは、子供を送り出した後に『三度寝』して、寝起きにコンビニのパンにかじりつく姿。女優らしく美容には気を使いつつも、どこの家庭にもありそうな、飾らない仲さんの1日を見ることができるこの動画には、安心感と親しみを感じるファンも多かったようです。ありのままの生活を見せてくれる仲さんに、「芸能界という華やかな世界にいても、同じ人間なんだ。同じように、毎日頑張っているんだ」と、なんだか励まされますね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2021年08月31日「乃木坂46」卒業後、映画初主演となる桜井玲香と、岡崎紗絵、三戸なつめ共演の映画『シノノメ色の週末』が11月5日(金)公開決定。今回、3人の“制服姿”をとらえた新たな場面写真が解禁された。自分の学生時代なんて、世の中で言われてる程尊くもないし、あまり興味もないし、正直忘れていた。とにかくいま目の前に起きている仕事での人間関係とか、結婚、漠然とある“女性らしさ”との距離感…そうしたもののほうが、自分にとってのリアルな20代。そんな中、取り壊されることが決まった母校・篠の目女子高校の校舎で、在りし日の思い出を辿るために、数年ぶりに集まったシノノメ女子元放送クラブの3人。昔の女子校生活を思い出しながら、互いに現在の不満をぶつけあい、10年前に埋めたタイムカプセルを探すために週末の度に何度も校舎を訪れるようになる。今回解禁となった場面写真は、10年ぶりに母校で久し振りに再会した美玲(桜井玲香)とまりりん(岡崎紗絵)、アンディ(三戸なつめ)の3人が、どういうわけか女子高生時代の制服を着て満面の笑顔を見せるショットが。また、篠の目女子高校最後の学生で、現役女子高生の杉野あすか(中井友望)がかつての女子高生の3人とともに制服姿で肩を並べるショットも。母校の廊下で、美玲とまりりんの仲良しショット。アンディが女子高生時代からの趣味のカメラを手にする笑顔のショットなども解禁されている。『シノノメ色の週末』は11月5日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:シノノメ色の週末 2021年秋、全国にて公開予定©️2021「シノノメ色の週末」製作委員会
2021年08月19日桜井玲⾹主演、岡崎紗絵、三⼾なつめ共演の映画『シノノメ⾊の週末』の公開日が11⽉5⽇(⾦)に決定。あわせて場面写真が公開された。本作は、2019年9⽉に乃⽊坂46を卒業後は⼥優として活動し、数々の舞台に出演し注⽬を集めている桜井玲⾹の映画初主演作品となる。共演は、今泉⼒哉監督作品『mellow』ほか数々の映画やドラマに出演し、ナチュラルで飾らない明るさや、⼤⼈可愛い雰囲気で⼈気を集める岡崎紗絵。モデルやタレント、アーティストとして、無邪気な明るいキャラクターで幅広く活躍し、映画やドラマにも多数出演、NHK連続テレビ⼩説『おちょやん』では、主⼈公おちょやんの亡くなった⺟・サエを演じ、その存在感や魅⼒が評判を集めた三⼾なつめだ。監督は、長編デビュー作『⽉極オトコトモダチ』が国内外で⾼い評価を受けた新鋭・穐⼭茉由監督。⻑編商業映画初作品となる本作では、監督の持つ会社員と映画監督というダブルワークの経験をもとに、社会で働く⼥性たちの⼼理を、独⾃の⽬線で鋭く柔らかくオリジナル脚本で描く。取り壊されることが決まった⺟校・篠の⽬⼥⼦⾼校の校舎で、在りし⽇の思い出を辿るために、数年ぶりに集まったシノノメ⼥⼦元放送クラブの3⼈。目の前で起きている仕事での人間関係や、結婚にまつわる悩みを抱える彼女たちは昔の女子校生活を思い出しながら、互いに現在の不満をぶつけ合い、10年前に埋めたタイムカプセルを探すために週末の度に何度も校舎を訪れるようになる。取り壊される校舎と⾊あせていなかった⻘春の⽇々。大人になりきれない20代女子たちの、等身大の物語が胸に迫る。またこの度、新たな場⾯写真が公開となった。10年ぶりに⺟校で久し振りに再会した美玲(桜井玲⾹)とまりりん(岡崎紗絵)、アンディ(三⼾なつめ)が、どういうわけか⼥⼦⾼⽣時代の制服を着て満⾯の笑顔のショット。さらに、篠の⽬⼥⼦⾼校最後の学⽣で現役⼥⼦⾼⽣の杉野あすか(中井友望)がかつての⼥⼦⾼⽣の3⼈とともに制服姿で肩を並べるショットや、美玲がまりりんに⺟校の廊下で後ろから抱きつく仲良しショット、アンディが⼥⼦⾼⽣時代からの趣味のカメラを⼿にする笑顔のショットなどが公開となった。本編では女⼦校ならではの“あるある”が散りばめられ、鑑賞後には男⼥や世代、地域を超えて、学⽣時代や卒業後久しぶりの再会したときの“あるある話”にも花が咲く作品となっている。『シノノメ⾊の週末』11⽉5⽇(金)公開
2021年08月19日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『中華可菜飯店』のおまかせコースです。大きな木の円卓、満月のようなライト、ガラス戸に浮かぶ湯気のような書体の店名は『中華可菜飯店』。食べる前からすてきな予感に満ちた小さな中華料理店。キッチンに立つのは五十嵐可菜さん。これまで“健全でヘルシーな中国料理をお届けするプロジェクト”として「中華可菜」の屋号でケータリングやお弁当の販売で注目されてきた人気者が、今年の7月、永福町に遂にお店を開いたのだ。料理は月替わりのおまかせコースのみ。蒸篭(セイロ)をぱかっと開けば、手切り肉のゴロゴロ歯ごたえがたまらない五目焼売。大きな深皿にはタレがしみしみのジューシースペアリブ。お肉を頬張ったあとの〆は、ジャスミンライス粥。鶏のスープで炊いたとろとろで香り高い魅惑のお粥のアイデアソースはタイのお粥・ジョーク。中国料理に軸を置きつつも、アジアの様々な食文化やハーブやスパイスが気持ちよく編み込まれていく。スペアリブの余ったタレをお粥にかけるのも、可菜さん推奨の幸せの味。「余ったタレをごはんにかけて食べる一石二鳥スタイルが好きなんです」と笑う可菜さん。自分が食べたいものをしっかり相手に届ける。手間がかかっても自分が嬉しいものをみんなに振る舞う。日々の仕事は地道でも、その先で食が生み出す幸せを、心から信じている人の料理だと思った。おまかせコースは、前菜の盛り合わせに、点心2種、一品料理にメイン、〆の一皿にデザートまでついて1人¥5,500。ありがたいお値段に涙……。「高級な店にしたくないんです」と可菜さん。通常営業のほか、お弁当の販売やイベントを行うことも。中華可菜飯店東京都杉並区永福2‐50‐1TEL:080・7297・801018:00~21:00(緊急事態宣言期間中は20:00まで)日・月曜休、不定休完全予約制ひらの・さきこ1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2021年8月25日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2021年08月19日女優の仲里依紗が30日、都内で行われた『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』公開初日舞台挨拶に、フワちゃん、高橋渉監督、野原しんのすけ、しんのすけの声を長年務めている小林由美子とともに登壇した。劇場版29作目となる本作は、しんのすけらカスカベ防衛隊が体験入学した超エリート校・天カス学園を舞台にした学園ミステリー。当初の4月からの公開延期を経て、きょう30日に公開を迎えた。エリートクラス・テン組に在籍するギャル・アゲハを演じた仲は、『クレヨンしんちゃん』について、「子供のときから大好きでずっと見ていた」と言い、ゲスト声優として出演できて「夢が叶った」と大喜び。「しんちゃんともお知り合いになれてよかった」と笑顔で話し、「映画館で見ることをすごく楽しみにしていたので家族で絶対、夏休み中に見に行けたらいいなと思っています」と語った。また、本作のテーマの1つである「青春」にちなんで、「青春の1枚」がスクリーンに映し出され、仲は高校時代の制服姿を披露。「宣材写真を撮らないといけなくて、事務所の下の道で撮りました」と説明した。この写真に、しんちゃんは「里依紗姉さんお美しい!」と大興奮だった。
2021年07月30日