ついスイーツを手みやげに選びがちだが、甘いものが苦手な人も。仕事柄、手みやげをもらう機会も多く、「おいしいものに目がない」というイラストレーターの平澤まりこさんに、スイーツ以外のおすすめを教えてもらいました。「甘くない手みやげは、食事、お酒、お茶と楽しむ場面が豊富。甘いものより贈る相手を選ばない良さがあります。自分で味わって、自信を持ってすすめられるものだけを贈りますが、味はもちろん、作り手のこだわりが感じられてパッケージが素敵なこともポイントかな。そういうものはやっぱり喜ばれますし、会話も弾みますよ」■『IKU FARM PICKLE』のズッキーニのピクルス、コリンキーのスイートピクルス、穂紫蘇のピクルス不耕起・無肥料栽培の自家製野菜を使ってピクルスを作る、いく農園。白ネギ、なす、温海かぶなど、珍しい種類も多く、季節ごとに新作が登場。「高知県の若い夫婦が作る一品。土づくりから有機農業で育てた野菜を使っているからおいしいし、安心。色合いが美しいのも高ポイントです」◇すべて1400円。●pickles@ikufarm.comTEL:0887・82・1616取り寄せができるほか、都内で取り扱う店もあり。詳細はHPで確認を。■『漁村女性グループ めばる』のごまだし漁村の女性たちが、水揚げ直後の新鮮な魚とごまをたっぷり使って手作りする大分県佐伯市の郷土料理。漁の状況で原料の魚が変わる。「グルメな友人に教えてもらい、やみつきに。茹でたてのうどんにごまだしを絡め、刻んだ青ネギと卵を落とせば、簡単にごちそうのできあがり」◇エソ、アジ各780円、贈答用竹籠入り2本セット2220円、鯛1080円を含めた3本セット2980円(すべて税込み)。●さいきりーふTEL:0972・28・7121電話、HPから取り寄せもできる。■『METZGEREI KUSUDA(メツゲライ クスダ)』のシェフセレクションB、自家製スモークソルト素材の味を引き出した自家製のハムやベーコンから、出来たてのものを詰め合わせにしたセット。「精肉から手がけ伝統的な製法でまじめに作られたものだから、とてもおいしい。スモークソルトは、蒸し野菜、グリルした肉や魚に。贅沢な味わいになります」◇シェフセレクションB 5400円(税込み)。●芦屋店/兵庫県芦屋市宮塚町12‐19TEL:0797・35・800110:00~19:00水曜、第3火曜休から取り寄せもできる。◇ひらさわ・まりこ食や暮らしにまつわるエッセイも手がけ、新著は『旅とデザート、ときどきおやつ』(河出書房新社)。12/4~25、四日市の『メリーゴーランド』で個展を開催。※『anan』2015年12月2日号より。写真・水野昭子文・熊坂麻美
2015年11月29日手みやげを選ぶときどんなことに気を付けて選んでいますか?友人宅へのお招きなど、日頃から手みやげを持参する機会が多いという料理家のワタナベマキさん。食の専門家であるワタナベさんが、選ぶときに気を付けることとは?「選ぶ基準は、まず味。自分が食べておいしいと思ったものや、長年支持され続けている老舗の品をお持ちするようにしています。あとはやはり、相手との距離感や味の好み、渡す場面などを考えることも大切です。たとえば友人に渡すなら、話題として盛り上がりそうな最近はやりのお菓子やパンを。目上の方には通販をしていないものや、老舗の上質なお茶や和菓子を選ぶように心がけています」今回ワタナベさんのお気に入りの中から3品をご紹介します。■『近江屋洋菓子店』のフルーツポンチ明治17年創業の近江屋洋菓子店は、季節のフルーツをたっぷりと使った菓子が看板の名店。「なかでも手みやげにおすすめしたいのが、フルーツポンチ。色とりどりのフルーツがプラスチックの容器にぎっしりと詰まっている様子は、ちょっぴりレトロな愛らしさと華やかさが満載で、女子が多い集まりに持っていくと盛り上がります。また、シロップは甘さ控えめで素材それぞれの味が立っているので、違ったおいしさが口の中に次々と広がり食べ飽きません」◇箱入り2850 円。●神田店/東京都千代田区神田淡路町2‐4TEL:03・3251・10889:00~19:00(日・祝日10:00~17:30)無休本郷店(日曜休)も。■『和菓子大吾』の爾比久良(にいくら)ずっしり重みのあるこちらは、卵黄と白餡を練り合わせた「黄味羽二重時雨餡(きみはぶたえしぐれあん)」で、上質な小豆餡と一粒栗を包んだ和菓子。「外側の餡は、口にするとホロリと溶ける軽やかさ。そして程よい甘さのこし餡と、食べ応えある大きな丸栗。全てのバランスの良さに感動すら覚えます」かつて昭和天皇がご訪米の際に、ご調達献上したという逸話からも、銘菓たる格が窺える。「目上の方への手みやげに間違いない品。化粧箱が用意されているところも安心です」◇化粧箱6個入り3150円(税込み)。●本店/東京都練馬区大泉学園町6‐28‐40 TEL:03・5947・38809:30~19:00月曜、日曜(不定期)休本店のほかに、髙島屋日本橋店(毎週金曜)など百貨店でも購入可。■『うおがし銘茶』のしゃん築地に本店を構える、昭和6年創業の日本茶専門店の名品。「この煎茶は、私が10代の頃に祖母に教えてもらって知りました。それからずっと飲んでいるほど惚れ込んでいる味なので、自信を持ってお渡しできます。このお茶の良さは、すっきりした味はもちろん、何といっても香りがとても高いこと。グルメな方にもお褒めいただけます」ちなみに、パッケージの絵は、書籍の装丁などを多数手がけるイラストレーターの和田誠さん作。その味わい深さも魅力。◇ご進物セット(100g×3袋入り)3000円。●築地新店「茶の実倶楽部」/東京都中央区築地2‐11‐12 TEL:03・3542・233610:00~18:00、喫茶室12:00 ~ 16:00LO日・祝日休築地本店などもあり。◇わたなべ・まき料理家。素材を生かした見た目にも美しい料理が好評。近著は『グラタン・ドリア:絶対失敗しない王道レシピからクイックオーブン焼きまで』(誠文堂新光社)。※『anan』2015年12月2日号より。写真・水野昭子文・保手濱奈美
2015年11月28日折り入っての挨拶やお礼に。あるいは特別な方やお世話になった方へ。ちょっと頑張って、特別感のある品を贈りたい時、手みやげに何をもっていこうか迷いませんか?そんなあなたに、手みやげのエキスパートたちが「ここいちばん! の鉄板手みやげ」を教えてくれました。老舗の和菓子から、ジャーに入ったおしゃれなお菓子まで、これなら間違いなし!■『亀末廣』京のよすがの四畳半16cm四方¥3,600(税込み)「開けた瞬間の感動は筆舌に尽くし難いです」。(パーソナリティ、茶道家・深澤里奈さん)茶の湯を楽しむ深澤さんが、いただいて感動したのが、1804年創業の老舗による茶菓子詰め合わせ。茶室に見立て、四畳半に仕切られた杉箱には、菊の打ち物や求肥などが並び、季節を表す。どれも品のある、飽きのこない甘さと香りで、次の手みやげに決めている。◇内容は季節替わり。写真のものは、菊はじめ松茸といった秋のモチーフをかたどった干菓子や、有平糖などが詰まっている。電話で取り寄せ可。●京都府京都市中京区姉小路通烏丸東入ルTEL:075・221・51108:30~18:00日・祝日休■『アンダーズ 東京 ペストリーショップ』スイートジャー1個¥650「蓋があるので、香りも逃さず届けられます」(ライター・chicoさん)ホテル開業2年目を迎え、新たにシグネチャーアイテムとして考案したジャー入りのデザート。パッと目を引く美しさ。蓋を開けた瞬間の香り。食べ進むにつれ変化していく味わい。chicoさんいわく、すべてがドラマティックで、ホテルのブランド力も特別感を後押し。◇プリン、ティラミスは定番。その他のフレーバーは、季節のフルーツなどの食材により変わる。●東京都港区虎ノ門1‐23‐4虎ノ門ヒルズ アンダーズ 東京1FTEL:03・6830・77658:00~20:00無休■『スーチェ』クッキー缶¥2,600(12×12cmブリキ缶入り)「清らかな気持ちを練り込み、焼き上げた味」(フードエッセイスト・平野紗季子さん)きりりとしたブリキ缶に、ぎゅっと詰め込まれたさまざまなクッキー。愛知県を中心とするイベントや通信販売のみで展開する『スーチェ』のクッキー缶は、知る人ぞ知る人気商品。その希少性はもちろん、ひとつずつ丁寧に焼いたクッキーの味にも心浮き立つ。◇クッキーの内容は、時期によって変更あり。通信販売は、ブログで発表されたその月の受付日にメールフォームにて注文。先着順で予定数に達すると販売終了してしまうため、こまめにチェックを。ymdy24.petit.cc◇ふかざわ・りな本誌で長年、おやつの連載ページを執筆するなど、和洋菓子に精通。新しいスタイルの茶の湯も提案する。◇ちこ本誌連載「Food news」の“chicoのお菓子な宝物”を執筆。究極の甘いもの好きライター。◇ひらの・さきこフードエッセイスト。食にまつわるエッセイを各媒体で執筆。著書に『生まれた時からアルデンテ』がある。※『anan』2015年12月2日号より。写真・内田紘倫津留崎徹花水野昭子文・齋藤優子中濱潤子真島絵麻里
2015年11月28日ホームパーティなどで、自ら紐解くことを想定した手みやげ。調理せずに楽しめて、その場が盛り上がること間違いなし。そんな“一緒にいただきたい”手みやげをご紹介します。教えてくれたのは、おいしいものを知り尽くし、手みやげを持参する機会の多い、手みやげエキスパートの方々です。■『ザ・カフェbyアマン』アフタヌーンティーBOX 1セット¥4,500(税込み)「季節によって中身が変わるのも楽しい」(ギフトコンシェルジュ・真野知子さん)シェフ・ド・パティシエの宮川佳久さんが提案するのは、和の素材を生かした熊本産栗のタルトレットや日本酒・真澄入りトリュフチョコレートなどの物語のあるお菓子に加え、パテ・ド・カンパーニュやトルティーヤラップサンドなどのセイボリー系も。アウトドアでもぜひ。◇1日30箱限定販売(要予約)。2種のティーバッグと専用カップ付き。●東京都千代田区大手町1‐5‐6大手町タワー・ホテルアマン東京1F 別館TEL:03・5224・333311:00~22:00(土・日・祝日~21:00)無休■『谷中乃池』名代穴子ずし8貫折り詰め¥2,500「濃い焙じ茶と一緒にいただきたい!」(文筆業&ヴィニュロン追っかけ・中濱潤子さん)開店前から行列ができる谷中の人気店は、日本橋『吉野鮨』で修業した野池幸三さんが、約50年前に開いた店。脂ののった穴子をふっくら煮上げた後、炙って甘辛いツメを塗った穴子のにぎりは、ネタとシャリの一体感が絶妙で、口の中で溶けていく。◇電話での取り置きも可。●東京都台東区谷中3‐2‐3 TEL:03・3821・392211:30~14:00 、16:30~22:00(日・祝日11:30~20:00)水曜休www.sushi-noike.com■『松喜』焼豚100g¥350(写真は約300g)「気に入ったら常備したくなるような普遍的な味」(パティシエ・新田あゆ子さん)浅草が誇るシャルキュトリーといえば、行列ができる老舗精肉店の手作り焼豚。国産豚肉を秘伝のタレに漬け込み、じっくりやわらかくロースト。お肉屋さんが作っているだけに、素材の良さはお墨付き。さまざまな部位が揃うので、店頭で「脂が少ない部分を」など好みを伝えて。◇ブロックのほか、食べやすくカットされたものもあるので、人数によってはそちらも便利。電成形して焼くだけでOKのハンバーグミートも人気。●東京都台東区雷門2‐17‐8 TEL:03・3841・2983 10:00 ~ 20:00水曜休◇まの・ともこ本誌連載「Food news」を担当する。ギフトコンシェルジュとして、さまざまな企業のコンサルタントも。◇なかはま・じゅんこ文筆業&ヴィニュロン追っかけ。著書『ヴァン・ナチュール 自然なワインがおいしい理由』(誠文堂新光社)。◇にった・あゆこパティシエ。東麻布、浅草にて妹のまゆ子さんと『菓子工房ルスルス』を営む。店内で行う菓子教室も人気。※『anan』2015年12月2日号より。写真・内田紘倫津留崎徹花水野昭子文・齋藤優子中濱潤子真島絵麻里
2015年11月27日日常の中で「ちょっとした手みやげ」に悩んでしまうことも多いのでは。仕事の相手や目上の方へ。ちょっとした挨拶代わりに持っていける、かしこまらないけれど、味は確かな和洋の名品をセレクト。■一口サイズがうれしい『円果天』焼き月餅12個入り¥3,300中国で、古くから親しまれてきた月餅を広く知ってほしいと誕生した一口サイズの焼き月餅。最もオーソドックスな中華風小豆餡の<円果天>のほか、<黒胡麻餡><木の実餡><白蓮の実餡>など6種の定番に加え、クリスマス、バレンタインなど季節限定デザインの品々も楽しい。◇4個入りから36個入りまで6サイズ。季節ごとの月餅もある。“内祝い”や“長寿”など、オリジナルの型押しの焼き月餅のオーダーも可能。●伊勢丹新宿店/東京都新宿区新宿3‐14‐1TEL:03・3350・374510:30~20:00不定休■香りと柔らかさがポイント『金龍山』切山椒(小)¥750(税込み)浅草寺の仲見世で最も古いこちらでのお目当ては、4色の彩りも楽しい切山椒。上新粉と砂糖でついたほの甘いお餅を菱の実や蓬など自然な食材で色づけ。粉山椒がぴりりと利いた爽やかな風味で、粋好みな江戸人にぴったり。江戸の頃より、参拝のおみやげとして喜ばれていたのだそう。◇大(¥1,300)もあり。1675年に餅屋として創業。こちらの切山椒は、他店のものに比べて山椒の香りをしっかり利かせている点が特徴。そのほか、自家製のあげまんぢゅうも人気。●東京都台東区浅草2‐3‐1TEL:03・3841・91908:30~17:30水曜休■可愛さ◎!『菓子工房ルスルス』浅草店ミカモトわっぱ5枚入り¥1,728(税込み)昨年のanan手みやげ準グランプリ『ルスルス』の人気商品。わっぱを開けると、文庫本カバーになる和紙にくるまれ、猫が5匹、じゃなく5枚。ご近所の看板猫をモチーフにしたその佇まいと、スペキュロスを思わせるジンジャー風味の食感のいいクッキーは、猫好きならずとも口元が緩む。◇ミカモトサブレ1枚¥302。 ●東京都台東区浅草3‐31‐7花柳ビル1FTEL:03・6240・660112:00~20:00月曜、第2・4火曜休※『anan』2015年12月2日号より。写真・内田紘倫津留崎徹花水野昭子文・齋藤優子中濱潤子真島絵麻里
2015年11月27日グルメマンガ隆盛の昨今だが、かねもりあやみさんの描く『サチのお寺ごはん』のテーマは精進料理。肉や魚はもちろん、玉ねぎやにんにくなど刺激の強い野菜も登場しないグルメマンガってどうなの…!?と思うかもしれないが、これが実に豊かなのだ。原案協力は『孤独のグルメ』や『花のズボラ飯』で知られる久住昌之さん、監修はレシピ本を多数出版している料理僧の青江覚峰さんという、なんとも贅沢なコラボ。主人公の臼井幸(うすい・さち)は名前が示す通り、ハズレくじばかり引いている27歳のOL。好きでも嫌いでもない仕事に追われ、毎日コンビニごはんで済ませていたが、近所のお寺で精進料理を食したことがきっかけで、食生活だけでなく考え方や人生も少しずつ変わっていく。「季節のお料理を青江さんに提案していただき、それをもとにプロットを組んで、久住さんにアドバイスをいただくという流れで描いています。私自身、グルメマンガは初めてなのですが、料理の描き方や食べたときの表情やセリフなど、毎話勉強させてもらっています」(作者・かねもりあやみさん、以下同)登場する料理の一例を挙げると、大豆でだしをとった「利休汁」というナスとごまのお味噌汁、肉の代わりにお麩を使った肉じゃがならぬ「お麩じゃが」など。かねもりさんはこうした料理をすべて自分でも必ず作るそうで、マンガ制作の大事な一工程となっている。「実際に作ってからネームを書くと、キャラクターのセリフが全然違ってくるんです。お寺で青江さんが作ってくださった味となぜか異なるのも不思議で、サチが自宅で作り直すシーンなどに投影させています」サチはお寺に通ううちに、若い住職に日頃抱えている些細な悩みや不満をこぼすのだが、含蓄のあるアドバイスにも癒される。「お寺ごはんを食べると、丁寧に生活しようって思うんです。食材ひとつとっても、これでなければ絶対にダメというわけではないので、考え方も柔軟になります。サチの精進料理に対する発見や驚きを、一緒に楽しんでもらえると嬉しいです」1巻で扱われた料理を集めると、ひとつのお膳ができあがるという粋な仕掛けも。素朴で温かなお寺ごはんのようにじんわり沁みる作品だ。◇“薄幸女子”サチと、お寺に集う個性の異なる3人の男子を軸に展開する、精進料理のグルメコミック。実際に作って食べてみたくなる、お手軽レシピが満載。秋田書店 619円◇かねもり・あやみマンガ家。広島県出身。’11年、『ネペンテスの恋』で「金のティアラ大賞」銀賞を受賞してデビュー。「サチのお寺ごはん」は『エレガンスイブ』(毎月26日発売)で連載中。※『anan』2015年12月2日号より。写真・水野昭子文、インタビュー・兵藤育子
2015年11月26日手みやげセンスは大人の女性が問われる能力のひとつ。とはいえ、好みがわからない不特定多数の方への手みやげは難しいもの。人を選ばないおいしさの、手にとりやすくて食べやすい手みやげを、甘辛、多彩に厳選しました。■誰からも愛される老舗の味『銀座 松濤』松濤まんじゅう12個入り¥1,037(税込み)『宗家 源吉兆庵』が手がける和菓子店の名物は、店内で蒸し上げる平たいおまんじゅう。北海道産小豆を使用したこし餡を包む黒糖風味の皮は、長時間蒸すことで仕上がるむっちりとした食感が絶品。小ぶりなサイズもあいまって、つい何個も手がのびてしまいそう。◇18個入り(¥1,156)、1個(¥87)。共に税込み。ヒカリエのみの限定商品。配送不可。●ヒカリエShinQs店/東京都渋谷区渋谷2‐21‐1‐B2TEL:03・6434・182710:00~21:00不定休■男性にも受け入れられそうなデザイン『TRANSFER』焼き菓子ギフトボックス1セット¥1,810兵庫・豊岡市にある、小さなベイクショップの詰め合わせ。チョコ生地の中に生チョコの入った<チョコチョコマフィン><レーズンシナモンクッキー>や、紫芋やかぼちゃなど和素材を使った<スノーボールクッキー>など盛りだくさん。いずれも安心素材を使ったやさしい味。◇マフィン2種、クッキー3種入り。取り寄せ可。●兵庫県豊岡市昭和町2‐12TEL:090・5012・659510:00~18:00月曜、第3日曜休■甘い物ばかりでは…という時に『おつな寿司』いなり寿司¥960(1人前8個入り、税込み)明治初期創業の老舗寿司屋の名物。創業以来秘伝の煮汁で炊いた油揚げを、一枚ずつ返して、柚子皮が香る酢飯を包む。裏ならではのふわりとした食感と柚子の香りが印象的な寿司は、“裏(番組)を食う”縁起物として、深澤さんが身を置いていたテレビ業界御用達の差し入れとして有名。◇4個から100個まで、予算に応じ詰め合わせ可。●東京都港区六本木7‐14‐16‐1F TEL: 03・3401・9953持ち帰りは10:00~20:45LO(日曜~13:00、土・祝日20:30LO)無休※『anan』2015年12月2日号より。写真・内田紘倫津留崎徹花水野昭子文・齋藤優子中濱潤子真島絵麻里
2015年11月26日今年7月に広告代理店を退社した牧野圭太さんが設立したデザイン会社「文鳥社」。その取り組みのひとつが、短編を一編ずつ本にした文鳥文庫。長くてもたった16ページだ。「もともと本が好きで、スマホやSNSの普及により本があまり売れなくなったことが少し残念でした。短くてもとても深い物語はたくさんありますが、短編集になると分厚くなり、読まれないものもある。忙しい今の社会でも、物語に触れるきっかけができたらいいなと考えました」紙媒体で読む魅力は「手元に存在していること」と牧野さん。「電子書籍は、情報が固定されていません。紙は情報を“そこに固定する”ことができる。だからモノとして大切にしたくなると思います」慈しみたくなる美しさと繊細さがあるこのシリーズ、デザインは博報堂の柴田賢蔵さん。第一弾の8作は、牧野さんセレクトの古典名作。今後もラインナップを増やしていく。◇現在、主なお店は代官山の蔦屋書店と下北沢の本屋B&B。文鳥社のサイトで通販も()。1冊150円、8冊セットは1200円。新しい作家や書き下ろし、地域限定版の企画も構想中。◇左から『走れメロス』太宰治、『注文の多い料理店』 宮沢賢治、『白』 芥川龍之介、『変な音』 夏目漱石、『堕落論』 坂口安吾、『檸檬』梶井基次郎、『手袋を買いに』 新美南吉、『高瀬舟』 森鴎外※『anan』2015 年11月25日号より。写真・水野昭子文・瀧井朝世
2015年11月24日「連載のお話をいただいた頃、私も30歳くらいだったんです。学生時代からの友達も結婚していたりいなかったり、子供がいたりいなかったりで、でもそれぞれに悩みや苦しさがあるんだなと感じていた時期でした。それで、自分と同世代の女性が読んで元気になる小説を書いてみたい、と思ったんです」と、青山七恵さん。そんな新作『繭』は女性たちがもがいた末に見えてくる景色を丁寧に描く物語。美容室を経営する舞は、専業主夫の夫に暴力を振るってしまう。旅行代理店に勤める希子は独身で、たまにやって来る恋人を待つ身だ。同じマンションに住む2人は、少しずつ関わっていく。「2人の生き方はまったく違いますが、どちらも現実に適応しているようでいて理想にとらわれているところが同じ。舞は男女が対等である夫婦像に、希子は生身の恋人ではなく、頭の中で作り上げた幻想の恋にとらわれている。それが自分たちを苦しめていると気づいていないんです」舞の夫ミスミの存在も際立つ。妻の暴力を無抵抗に受け入れることで、精神的に彼女を支配しているのだ。「二人の間にも愛はあるとは思いますが、極端に歪んでいる関係ですよね。でも、暴力は嫌悪すべきものですが、小さい頃は私も妹と取っ組み合いをしましたし(笑)、人間のあり方において排除することのできない何かなのかな、と考えました。ミスミのように、弱者の立場を演じることで相手を支配しようとする人は現実にもいるように思います」また、舞と希子の関係については、「彼女たちはそれぞれ、ちょうど人生の転換点にいる時に出会った2人。特別な友情とか好意はないけれど、その人が関与しなければ人生が前に進まない、ということもあるのではないでしょうか。この2人はお互いがそういう相手だったんです」タイトルの「繭」は、彼女たちの住む白いマンションを想起させるし、彼女たちが自分で作った精神的な膜のイメージもある。「繭は幼虫を保護するものですが、成長したら自分で破らないと、窒息してしまう。人間も生物として、今の状況を破らなければ、と直感を得る時がある。2人が解放されるようにと思って書き進めましたが、少なくとも、2人とも繭に針の穴をあけることはできたと思います」◇あおやま・ななえ作家。1983年、埼玉県生まれ。2005年に「窓の灯」で文藝賞を受賞してデビュー。’07年に「ひとり日和」で芥川賞、’09年「かけら」で川端康成文学賞を受賞。◇『繭』同じマンションの同じ間取りの部屋に住む、美容室経営の舞と会社勤めの希子。共に30代前半、身動きできない状況の2人が出会った…。新潮社1944円※『anan』2015年11月18日号より。写真・岡本あゆみ(青山さん)水野昭子(本)インタビュー・文・瀧井朝世
2015年11月17日「人生において、男だとか女だとかのラベリングなく、たましいのまま世界を見ることができる本当にイノセンスな時期は限られています。未性の時期というのかな、誰もがそこにずっととどまることはできないのだけれど、私たちは確実にそこを通ってきた。私自身、当時の幸福な記憶の余韻だけで生きているところがあるんですが(笑)、そんな愛しいひとときへの、私自身の“憧れ”がこの物語を書かせた気がします」川上未映子さんの4年ぶりの長編小説『あこがれ』は、整形疑惑のある個性的な顔をしたスーパーのサンドイッチ売り場の女性に強く引きつけられる10歳の少年・麦彦を軸にした第一章「ミス・アイスサンドイッチ」と、その2年後の第二章「苺ジャムから苺をひけば」からなる。第二章の主人公は、あるとき、半分だけ血のつながった姉がいることを知ってしまった12歳の少女ヘガティー。不思議な存在感を放つ年上の女性への、あるいはまだ見ぬ姉への、素直な憧れがみずみずしく描かれる。「意識したのは、自分が子どもだったときの体験と同化させないこと。今を生きている少年少女たちが、思春期直前の世界をどんなふうにとらえているのか、なにがどれくらい切実なのか、とアクチュアルな世界を織り込んで書くのが課題でした」一方で、文学における普遍的なテーマも垣間見える。「いた人もやがていなくなること。時間は常に流れ、いま過ぎた瞬間は戻ってこないこと。人生は一瞬の夢なんですよね。だから、会いたい人には会っておくべきだという麦くんやヘガティーにはっとさせられたし。また、このふたりについて、『本当に幸せな気持ちになった』『サーガのようにいつまでも続きますように』といろんな世代の読者から言われたんですね。これまでそんなふうに読んでもらえた作品はなかったのでとてもうれしいです。私はあらゆる人間の関係の中で、友情というか、プラトニックな関係がいちばん高尚なもので、信じられるという気持ちが強いのかもしれない。大人になるとそれが困難になっていくがゆえに、いっそう大切に思えるんです」“あのころが、匂い、色、かたちなどテクスチャーたっぷりに描かれ、もう二度と戻れないサンクチュアリへと読者を誘う、幸福な一冊だ。◇かわかみ・みえこ作家。2008年に『乳と卵』で芥川賞を受賞した後も、出版する本のほとんどが何らかの賞を受けるという当代屈指の存在。出産・育児エッセイ『きみは赤ちゃん』も反響を呼んだ。◇『あこがれ』秘密の隠れ家、仲間だけに通じる合言葉、朝が待ちきれない楽しさ。本を開けばすぐにそこに戻れるような美しき世界を、豊かな描写で描き出す。新潮社1500円※『anan』2015年11月18日号より。写真・岡本あゆみ(川上さん)水野昭子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年11月17日第6回野性時代フロンティア文学賞を受賞した阿川せんりさんの『厭世マニュアル』。選考委員の森見登美彦さんが熱烈に推薦する注目作だ。「最初は、現代の妖怪が“最近人間の世の中は住みづらいよ”と言っているのが頭に浮かんで(笑)。都市伝説の妖怪として口裂け女を主人公にしようと思ったんです。結果的には妖怪ではなく人間の話になりました」主人公は北海道に住む22歳のフリーター。マスクを着用していないと落ち着かない彼女は、自らを「口裂け」と呼んで地味に生きている。ぼやきやツッコミも入る「口裂け」の語りがなんともユーモラス。彼女の日常に変化をもたらすのは、何かと厳しく接してくる新人バイトの登場、そして大学時代の先輩の男性や女友達との再会だ。「何かと人にものを教えようとする人っていますよね。私の周囲にも“作家になりたいならこうしたほうがいいよ”と、こちらがすでに知っている情報を言ってくる人がいるんですが、新人バイト君はそのイメージです。大学の先輩は、人の話を聞かずに“お前はこうだ”と決めつけるタイプの人。女友達はなんでも自分のほうが上に立とうとする、いわゆるマウンティング女子です」「口裂け」を振り回す彼らだが、このやっかいな人々もまた、屈託を抱いている様子。ただし、「傷を持つ者同士が仲間になって、傷を癒しつつ立ち直っていくという話には近年アレルギーを感じているんです(笑)」というように、一筋縄ではいかない展開。清冽な印象を残すのは犬のケンさんの存在や、孤独な少女との出会い。次第に自分も変わらなければと思う「口裂け」だが…。「変わることは大事かもしれないけれど、あれもこれも変わったらもう自分ではなくなってしまう。大人でも嫌な人間関係から逃れられないことは多いし、ある程度は折り合わなきゃいけない。でも、冷静に考えてどうしても辛いというなら、別の場所に目を向けてもいいのでは」やがて「口裂け」はある決意をする。終盤はなんとも痛快。読者もスッキリすること間違いなし!「周囲にはびこる価値観を否定したい気持ちがあるんです。これからもマイノリティの人が安心できるものを書いていきたいです」◇『厭世マニュアル』 いつもマスクを着用している「口裂け」は、周囲と距離を置いて生きる22歳女子。だが、彼女の日常を乱す迷惑な人たちが現れて…。KADOKAWA1400円◇あがわ・せんり作家。1988年、北海道生まれ。北海道大学文学部卒業。本作で第6回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。作中に登場する映画『ミスト』は実は大好きな一作だとか。※『anan』2015年10月14日号より。写真・岡本あゆみ(阿川さん)水野昭子(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2015年10月13日「なぜ私はツイてないの?」という暗い気持ちを断ち切りたいなら、スピリチュアル本を開くべし!翻訳者として多くのスピリチュアル本に触れてきた山川紘矢・亜希子さん夫妻に、奥深いスピリチュアルな世界の全体像を知ることができるオススメの入門書を紹介してもらいました。■『聖なる予言』ジェームズ・レッドフィールドペルーの森林で発見された古代文書には、人類永遠の神秘、魂の意味に触れた9つの知恵が記されていた。何かに導かれるようにペルー行きの飛行機に飛び乗った主人公は、様々な出会いの中で「9つの知恵」を習得し、意識の変革をなしていく。著者が自らの自己発見の過程を振り返り、フィクションとして形にした本。「人生の中で誰もが通り過ぎることを、9つに整理してくれている読みやすい本です。何年にもわたって多くの人に愛されています」(山川夫妻)。角川文庫760円■『前世療法』ブライアン・L・ワイス過去生退行催眠療法の第一人者である著者は、催眠療法中の女性患者から彼女の前世の記憶を鮮明に受け取っていく。彼女を通して伝えられた精霊たちのメッセージにより、作者は輪廻転生の世界を徐々に理解する。自分とは何か、生きる意味とは何かがわかる一冊。「輪廻転生の概念をお医者さんが発信した、センセーショナルな本です。患者さんが治っていくプロセスを見ながら、彼自身が見えない世界に目覚めていく過程が読みやすく描かれています」(山川夫妻)。PHP文庫562円■『アウト・オン・ア・リム』シャーリー・マクレーンひとりの女として、母親として、妻として、名声ある女優として生きてきた著者が、数々の神秘的な出会いを通じて新たな道を歩み出す体験的ストーリー。「輪廻転生」の思想を広め、多くの人々を目覚めさせたニューエイジの入門書。「アメリカの女優さんが輪廻転生について書いたという意味で、世界中を驚愕させました。スピリチュアルなキーワードがすべて出てくる百科事典のような本で、彼女の人生が小説化されており、読みやすいのも魅力」(山川夫妻)。角川文庫840円◇やまかわこうや・あきこ翻訳家。夫妻で数々のスピリチュアル本を翻訳し、それらの多くがベストセラーとなる。『人生を100%の幸せで満たす言葉』(マガジンハウス)が発売中。※『anan』2015年10月7日号より。写真・水野昭子取材、文・仲野聡子
2015年10月02日■六本木、イセタンサローネでは「最高峰」を提案したい――6月10日からイセタンサローネTHE CORNER@ISETANでは、上質なギフトをテーマにしたセレクトでプロモーションを展開中です。どのような基準で、「THE」のアイテムをセレクトされたのでしょうか水野:僕は、イセタンサローネには、ものすごく高価なものがあってもいんじゃないかなと思ったんです。1個2,000万円くらいの花瓶とか。それは、ある種の美術館のようでもあり、ある人はそれを実際ポンポン買っていく。イセタンサローネに参画する意味を鑑みて商品をセレクトしました。六本木って、本当に東京の中心なんですよね。その東京の真ん中で、信頼されている百貨店である伊勢丹さんと僕たちが何をやるべきかを考えましたね。「THE」であると同時に、ある意味での「最高峰」のものをプレゼンテーションしたいなと考えました。実現できなかったものもありますが、保安上置ける範囲で最高峰のものを選んだつもりです。■イセタンサローネのデザインを手掛けた杉本博司と「THE」の共通項――イセタンサローネの内装は「アートとファッションの融合」をコンセプトに、杉本博司さんが手掛けています。屋久杉をはじめ、日本古来の素材や技法を活かした環境で「THE」を展開されていかがでしたか米津:初めて、開店時に「THE」の商品が並んでいる様を見て、杉本さんの手掛けられた美術館的な内装に置いても、「THE」のアイテムが見劣りしてなかったことが嬉しかったですね。自分たちのやってきたことに間違いはなかったと感じました。――アート作品は、シーズンで作られたものとは違って、半永久的にいいと思われたものが収蔵されていきます。水野さんが話されていた「定番とは長い流行」という話にも通ずるところがありますね。鈴木:杉本さんのアートは新しいものを作ろうとするよりも、今まで誰もが知っていたものを見えるようにするきっかけを提示してくれているように感じています。海をモノクロ写真に収めた「海景」もそうです。いままで知っていたけど、改めて見ることがなかった素材や技法に気づかせてくれるのが杉本さんのアートであり、今回のお店の特徴なのかもしれません。「THE」も新しいものを作ろうとしていない点で通ずるところがあると思いました。クリエイティブの考え方として、通ずる部分があるのではないかと思います。――杉本さんも「古くから良いとされているものは、一番新しいもの」という考え方を話されていました。そこが「THE」に繋がっていて、いい融合になっているのだと思います■一番プレゼントが入っていそうな袋を考えてみたら…――6月10日からは「THE」に新たなラインアップも加わるそうですね米津:今回はTHE KITCHEN CLOTHということで、パートナーとして中川政七商店の「花ふきん」とコラボレーションしています。水野:これは「THE」のオリジナルパッケージですね。中川さんは自分のところの商品なので、他に出したい訳ではないんですが、「『THE』だけで売るんだったらいいです」というお許しを頂いています。なんでそこまでして、僕がこれを売りたいのかというとTHE KITCHEN CLOTHと言えば、「花ふきん」の他にないからなんです。そして、THE KITCHEN CLOTHらしいパッケージってなんだろうと考えました。ふきんらしさとは何かを追及した結果生まれたのがこのパッケージなんです。――日本語と英語の表記にされた理由はなんでしょうか水野:一つはもちろん海外の人にも買って欲しいからです。もう一つは、明治から昭和初期にかけて、日本というのは一時横文字文化に振れた時があったんですよね。ふきんといえば『ブレードランナー』みたいだねという人はいなくて、昭和初期のあの懐かしい感じを思い浮かべる訳です。ふきんそのものらしさを感じるのがその時代だったんです。――6月10日からは、オリジナルのギフトパッケージもスタートするとか米津:イセタンサローネ内にTHE CORNER@ISETANを展開する時から、「GIFT」に特化した場所にしたいという話がありました。実は、15年4月のオープン時にもショッパーの在り方やギフトラッピングを考えようという話もあり、日本中の誰もが知っている伊勢丹チェックのショッパーに「THE SHOPPING BAG」とプリントするといったアイデアもありました。今回は自分たちの商品である「THE SHIRTS」のオックスフォード生地で作ったギフトバッグを展開します。水野:結局、どんな袋にプレゼントが入っていたら嬉しいか?と考えると、いかにもプレゼントが入ってそうな上質な包みとリボンが嬉しいんですよね。なので、一番プレゼントが入っているべき袋を考えた結果、袋に「PRESENT IS INSIDE」とデザインしました。――今後、「THE」で挑戦していきたいことは何でしょうか米津:「THE」はパートナーとして協業する企業と様々なジャンルの“THE”を共に考え、研究し、開発するブランドです。「THE」のコンセプトのいいところは、汎用性の高さ。どんな分野にも“THE”的な考え方で新しい視点があると思いますので、いろんな業態と取り組んでいきたいですね。自動車メーカーとTHE CARを手掛けてみたい、とよくメンバー内でも話しています。また、小売業としてのTHE SHOPの中に留まらず、飲食THE旅やTHE CAFEなど、旅行企画や飲食にも挑戦してみたいですね。1/2に戻る。
2015年06月10日女優の水野美紀が大人気刑事シリーズの完結編『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』でシリーズに復帰していることが8月23日(木)、東京国際フォーラムで行われた同作の完成披露試写会で明らかになった。柏木雪乃を演じる水野さんは上映後の舞台挨拶に、織田裕二らキャスト陣と共にサプライズ登壇し、「ただいま~。何年ぶりだろう?7年ぶり!?どうもすみません(笑)。これで最後なのは残念ですが、戻ってこられて良かった」と喜びを爆発させた。今回、ユースケ・サンタマリア演じる夫・真下正義が湾岸署署長に就任しており「いつの間にか夫が署長になりまして、みなさんにはお世話になりました」と“再会”に感慨深げ。ユースケさんも「雪乃が帰ってきてくれた」と大喜びだった。上映後の舞台挨拶には織田さん、水野さん、ユースケさんを始め、柳葉敏郎、深津絵里、伊藤淳史、内田有紀、小泉孝太郎、佐戸井けん太、北村総一朗、小野武彦、斉藤暁、小栗旬、甲本雅裕、遠山俊也、川野直輝、滝藤賢一、真矢みき、筧利夫、脚本を手がける君塚良一、メガホンを取った本広克行監督という総勢21名の“チーム踊る”が集結!割れんばかりの拍手に包まれながら、ステージに登場した織田さんは「最高です!」と雄叫び。「この作品に携わることができて本当に良かった。みなさんの声援があったからこそ、ファイナルが生まれた」と感謝しきりだ。15年という時間をふり返り「長いような、短いような…。嬉しいこと、ちょっと寂しいこともありましたが、こんなに幸せを感じられる現場はない」としみじみ語った。客席を埋め尽くす4,000人の“踊る”ファンからは「やめないで」の悲鳴も飛んだが、「しめっぽいのは似合わない。これでさよならです」と断言。それでも感極まったのか、男泣きを見せる場面もあった。『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』は9月7日(金)より全国東宝系にて公開。■関連作品:踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 2012年9月7日より全国東宝系にて公開© 2012 フジテレビジョンアイ・エヌ・ピー
2012年08月23日園子温監督の『恋の罪』が11月12日(土)に公開を迎え、園監督を始め、主演の水野美紀、冨樫真、神楽坂恵、津田寛治、小林竜樹が都内劇場で行われた舞台挨拶に登壇した。園監督が、渋谷のラブホテル街で起きた殺人事件にインスパイアされる形で作り上げた本作。円満な家庭を持ちつつも浮気する女刑事、満たされない小説家の妻、夜になると娼婦としてホテル街を徘徊する大学助教授という3人の女性を中心に女の業や欲望が描き出される。念願叶って園作品への出演を果たした水野さんは「監督に新しい一面を引き出していただいた」と充実の表情。自身が演じた女刑事・吉田役について「セックスが愛を確認するためだけの行為でなく、女性にとって渇望や心を満たす代償行為であるということは、女性なら肌で分かると思います」と女性ならではの共感を口にした。大学助教授の美津子を演じた冨樫さんは「美津子の言葉のひとつひとつが印象に残ってますが、『セックス』という言葉を大声で言うところは『こんな大声で言ってたのか…』と驚きました。普段、言う機会がないので…良い体験でした(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。小説家の妻・いずみ役の神楽坂さんは、園監督と共にカンヌ国際映画祭に赴いた。夫役の津田さんとのお風呂場でのやりとりに現地の観客が大爆笑していたことを明かし、風呂に入り裸の津田さんと向き合ってのシーンについて「すごく真剣にやってて、私も(津田さんに)触りたかったです」と過激発言。映画を鑑賞したばかりの客席は大いに沸いた。その津田さんはオーディションで小説家の夫役をつかんだ。「何とかオーディションに行けるように仕組んで、監督の前で演技したんですが、緊張して落ちたと思ってたら受かった。涙が出るほど嬉しかった」と大興奮。監督に言われたという「おれが役者に求めているのは『カーペンターズ』の歌声じゃなくてジャニス・ジョプリン」という言葉を紹介し「あかをかなぐり捨てて裸でぶつかりました」と胸を張った。映画初出演となった小林さんは女優陣による強烈なシーンに触れ「ただただ凄まじいとしか言えない。素晴らしい女優さんたちと監督による凄まじいセリフ。それが彼女たちの口から発せられるとき、目がカッと変わるんです。パワーとエネルギーを感じました」と圧倒されたようだ。監督は立ち見もありの大盛況に「感無量です」。「こういう映画でも(客が)入るんだと映画界に教えられるし、映画の可能性として多くのプロデューサーに驚きと意外性を与えられる」と語り、感謝の思いを伝えた。『恋の罪』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。■関連作品:恋の罪 2011年11月12日よりテアトル新宿ほか公開にて公開© 2011「恋の罪」製作委員会■関連記事:『恋の罪』水野美紀インタビュー「愛じゃなくて、恋なんです」川島なお美、園子温監督の新作『恋の罪』は…性悪女みたいなブルゴーニュワイン園子温&神楽坂恵が婚約を改めて報告「私の“恋の罪”でお騒がせして」と照れ笑い冨樫真トークショー付き『恋の罪』女子会試写会に40組80名様ご招待園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太
2011年11月14日「男性にとってはホラー映画」という水野美紀の言葉を決して笑えない。20世紀が終わりを迎える直前に渋谷のラブホテル街で実際に起こった事件にインスパイアされる形で製作された映画『恋の罪』。監督の園子温は本作を「セックス・アンド・ザ・シティ」の“裏通り版”と称したが、物語の軸となる3人の主人公たちの“女の業”がこれでもかとえぐり出されていく。近年、多彩な役柄に挑戦し、新たな境地を開拓し続ける水野さんだが、本作を経て「解放された気がする」とも。その真意は――?優しい夫と息子に囲まれながらも不倫に走る女刑事。小説家の夫を持ち、何不自由ない暮らしを送りながらも満たされない思いを抱える世間知らずの妻。昼は大学助教授、夜は売春婦という2つの顔を持つ女。それぞれの動機に動かされ、情欲に身をゆだねる姿は一見、奇異に映るが水野さんは「実は結構、リアルな気がしてます」と語る。「すごく振り切った描かれ方をされていますが、監督は女性の本質を見抜いて作っているように感じました。私が演じた吉田は職業こそ刑事ですが、特別な人間という感じはないです。こうやってインタビューを受けていても、インタビュアーが男性か女性かで感じ方がハッキリと違うのが面白いです。仕事もバリバリやって、幸せな家庭もあるけど不倫しているという彼女を、女性は割と疑問もなく受け入れるんですが、男性は『何が不満なんだ?』って。不倫に走る特別な理由が描かれていないことが怖いし、理解できないみたいです(笑)。逆に女性は『そうだよね』と最初からそこを共通言語として理解してるんです」。水野さん自身も演じる上で、この吉田という役柄をすんなりと受け入れることができたと明かす。「女性の業とか欲、性的な部分にスポットが当てられていますが、男性も幸せな家庭があってもそれとはまた違った刺激を求めて不倫をしますよね(笑)?女性は女性で種類は違うかもしれないけど同じように業を持ってると思います。女性って、一度スイッチが入ったらとことん行っちゃうという傾向もあると思うんです。吉田は何とか理性で境界線を越えずに踏みとどまってますが…。ただ自分でコントロールできない本能や性(さが)みたいなものは誰にでもあって、『それを満たしてくれるものがどこかにあるんじゃないか?』、『その先を覗いてみたい』という興味や希望を持っちゃうと転げ落ちていくんだろうなと思います」。ちなみに水野さん自身、己のコントロールを失い、転げ落ちていったというような経験は…?「気づかないものなのかな、と思うんです。周りから見たら危なっかしくなるような行動を取っていても、自分ではそういうときは気づけないんじゃないかと…。堕ちてるつもりがないんでしょうね。神楽坂(恵)さんが演じた主婦もそうですよね。自分では解決に向かってると思ってるんですから。そう考えると怖いですね(笑)」。メガホンを握った園子温は日本で数少ない“鬼才”と称される映画監督。水野さんは以前から園作品のファンで今回、念願叶って園組初参戦となった。厳しいリハーサルで知られる園監督だが、水野さんは「現場ではすごく温厚で、一回も声を荒げるところを見たことがない。とにかくエネルギーの高いプロフェッショナルな現場だった」と現場をふり返る。改めてその魅力を聞いてみた。「詩人ですね。すごく繊細で刺激的で何にも媚びていなくて、どの作品にも物悲しさがある。それが針を振り切った表現と共存しているところが面白い。お会いするとすごくシャイな方です。傷つきやすそうで、普通に生活していくのが大変そうに見えます。それが撮影現場に入ると、憑き物が落ちた仙人みたいに穏やかになって楽しそうなんです。きっと現場にいて映画を作ってないと死んじゃう人なんじゃないかって…。引いた目でモノを見てニーズに合わせて作るようなタイプではないです。切実に…自分の中にある感情を処理するため、自分の中の毒やうみを出すために映画を作って、そうやってバランスをとって生きてるように私には見えました」。映画は冒頭、水野さんがホテルで不倫相手と激しく交わるシーンで幕を開ける。「とにかく監督の作品に出たかった」とフルヌードも厭わず、文字通り体当たりの演技を見せているが、彼女の反応はあっさりとしたもの。「正直、そういうニーズは自分にはないものだと思ってました。どちらかというと男っぽい役の方が多かったし、周りの友達にも『誰もあんたの裸なんて見たくない』って言われてたんで(笑)。(今回、演じて)自分の中でも特別なことではなくなったというのはありますね。これでもう、別作品で絡みやヌードがあっても周りも騒がないだろうし、その行為だけが特別なこととして映らないだろうし。そういう意味でちょっと解放された気分です」。近年は吹き替えなしで激しいアクションをこなしたり、自ら演劇ユニット「プロペラ犬」を主宰するなど活躍の幅を広げている。「演じることが面白くなってきた」と自らに訪れた“変化”を説明する。「いろんなことがやりたくて…これまで培ってきたイメージとかも含めて、自分で自分を“遊ぶ”という感覚が出てきましたね。それが楽しいです。元々、アングラな表現が好きだったんですが、そっちの方に触手が伸びてきましたね(笑)。いま、守ろうとしているイメージも何もないので、自分の中で面白そうだと思ったものをやるようにしてます」。タイトル『恋の罪』という言葉について「愛じゃなくて恋なんです」とその意味を説く。「恋というのはある種ファンタジー。その先に何か明確な明るい未来や答えというのは…なかなかないんじゃないかと思います」。そんな悲観的な言葉を漏らしつつ、いたずらっぽく微笑む。あらゆる運命を、女の業を楽しみながら水野美紀は進む――。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:恋の罪 2011年11月12日よりテアトル新宿ほか公開にて公開© 2011「恋の罪」製作委員会■関連記事:川島なお美、園子温監督の新作『恋の罪』は…性悪女みたいなブルゴーニュワイン園子温&神楽坂恵が婚約を改めて報告「私の“恋の罪”でお騒がせして」と照れ笑い冨樫真トークショー付き『恋の罪』女子会試写会に40組80名様ご招待園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太【カンヌレポート8】テーマが明確な作品が勝利の鍵?気になるパルム・ドールの行方
2011年11月11日「女優水野美紀のオフステージ」「CPサロン」を展開するCPコスメティクスで、"CPコスメティクスと女優水野美紀のコラボ企画"として、「女優水野美紀のオフステージ」が、連載されている。今回5回目がアップされ、「ソワーニュアクアフィットウォータークリームNとピコウォーターミストを使い始めて、メイクさんから肌の調子がいいと褒められることが多くなりました。といことらしい。37歳の彼女、肌のお手入れは怠り無いといったところ。ところで、水野美紀さんのフルヌードということでも話題の映画が11月に封切りされる。「見たことのない水野美紀、解禁!」シネマトゥデイで、「見たことのない水野美紀、解禁!」と報じられている作品「恋の罪」。東電OL殺人事件に触発されて製作された作品で、特設サイトでは、わずかだが予告編も見ることができる。「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」と、いま日本映画界で最も注目すべき監督のひとり園子温監督・脚本作品で、"愛の地獄"の物語のなかで、彼女がどれほど凄みのある演技をしているか、期待大だ。元の記事を読む
2011年08月11日淀川長治さんと言えば「さよなら、さよなら、さよなら」水野晴郎さんと言えば「いやー、映画って本当にいいもんですね~」という決めゼリフが必ず出たものですが、お二人とも亡くなってしまい、今、テレビには老若男女が知っている映画解説者という人が存在しないですよね。ということは、水野晴郎さんは、日本の放送史上最後のメジャーな映画解説者と呼べるかもしれません。晩年はバラエティー番組でトリッキーなキャラクターをイジられたり、B級映画界の金字塔とも呼べる「シベリア超特急」シリーズで監督デビューしたりと才能をいかんなく発揮されていた水野晴郎さんですが、やはり彼の本職は何と言っても映画解説。しかし映画の本編はDVD化されて、時を越えても支持されるのに対し、映画解説はその時代にのみ有効なのか、もはや過去のVTRを観る機会がなくなってしまいました。うーん、もう見られないものだとすれば、もう一度あの映画解説を見たい気もするなーと思っていたら、なんと、水野晴郎さんの映画解説だけを100本も集めたDVD『水野晴郎 名画100解説』が7月17日に発売されたらしい。販売元のエースデュースさんに話を聞いてみました。そもそもどうして映画解説だけのDVDを出そうと思ったんですか?「弊社はもともと水野監督の『シベリア超特急』を作品化していたこともあり、追悼の意味を込めて発売することになりました」映画解説者の優劣というのは素人目には分かりづらいですが、水野さんの解説者と魅力は?「水野さんならではのゆったりとした聞き心地の良い語り口、名シーンが思い浮かぶようなシーンの解説、監督やヒロインを思い入れたっぷりに紹介する、などが魅力かと思います」(同)確かに映画に対する愛はただならぬほど感じる人ですよね。低予算のB級映画と言われることも多い「シベ超」を見ても、映画としてあと一歩な点は多々あれど、それをカバーする愛や勢いを感じます。わがコブス横丁も、ネット界のシベ超を目指したいところですが、100本もの解説の中でも、これは名解説中の名解説と呼べるものはありますか?「そうですねー、以下の3本ですかねー」■『西部戦線異状なし』……「これぞ名作の1本」と解説■『我等の生涯の最良の年』……水野さんが生涯で一番好きだと話していた■『荒野の決闘』……最後の決闘シーンの解説は素晴らしいですどれもこれも古い時代の名作が並びますね。水野さんの趣向が透けて見えるようです。もちろん、1解説ごとにチャプターが分かれているので、水野さんの解説を見終わった後に本編の映画を見るという『一人金曜ロードショーごっこ』もできます。この夏休み、空調の効いた部屋で名解説と名画ざんまいも良いですね。いやー、映画って本当にいいもんですね。(梅田カズヒコ/プレスラボ)【関連リンク】映画の放邦題って、どうやって付けてるの?秀逸な邦題。いったい誰が付けているんでしょう『トランスフォーマー/リベンジ』ワールド・プレミアに潜入!叶姉妹がコブス横丁に!!それだけでご飯何杯も食えます
2009年07月31日