子どもの特性にもいろいろありますが…Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子悩みの尽きない障害児の子育て。その中でも大きな決断となるのが…出典 : 障害がある子どもの親は、たくさんの不安を抱えています。周りの子どもたちとの成長の違いが気になったり、友達との接し方にハラハラしたり、親亡き後のことが心配になったり…。周りに協力者や理解者がいなくて、親自身が孤独を感じる場合もあります。そんな中、子どもの困りごとの解決のため、親は様々な決断を強いられます。今回はその中でも特に親が悩む決断の1つ「服薬」についてのお話です。娘が二次障害になったきっかけは「いじめ」や「からかい」だった出典 : 私には発達障害の診断が出ている高校生の娘がいます。娘は物をすぐに失くしたり、何度も同じ間違いを繰り返したりします。手先は不器用、計算も苦手ですが、興味があることには並外れた記憶力と集中力を発揮します。家族や親しい人とはよく喋る反面、他人とは上手くコミュニケーションをとることができません。受動型のADD(注意欠陥障害)の特性を持っているので、困っていることが見過ごされやすいタイプです。娘は小学校高学年の時に、学校で冷やかしやいじめの対象になったことがありました。その頃の娘はよくイライラし、自宅で物を投げては壊したり、弟に当たったりしていました。後からわかりましたが、娘は二次障害に陥っていたのです。発達障害ということに気づかなかったり、気づいていても適切なサポートを受けられずにいると、周囲に理解されず叱咤や非難を受けたり、失敗体験を積み重ねるなどして、本人の自尊心ややる気が失われ、新たな障害が生じることがあります。これを、いわゆる「二次障害」ともいいます。いじめへの対応に奔走した日々出典 : このままではいけないと思った私は、色々なところに相談をしました。以前から通っていた療育センターや病院、スクールカウンセラーや特別支援コーディネーターの先生…。新たに発達障害専門の塾や家庭教師も探しました。娘の障害の理解のために第三者にも立ち会って頂き、校長先生との話し合いもしました。いじめへの対応と環境改善の具体例を示すため、それまで学校との連携がなかった療育センターのスタッフさんに学校訪問もしてもらいました。娘自身も専門家によるSST(ソーシャルスキルトレーニング)を受け始めました。SSTでは、●イライラした原因やその後どうしたかを書き留める●言葉で表現できない気持ちを絵で表現する●スポーツで体を動かすなど感情のコントロールの方法やストレスの発散方法を学びました。ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは、人が社会で生きていくうえで必要な技術を習得するための訓練のことです。それでも辛そうな娘の様子を見て、医師から処方されたのが「お薬」だった出典 : 学校の環境は徐々に改善されていきましたが、いじめや冷やかしが陰で行われることもあり、家での娘のイライラはまだ続いていました。しばらくして、娘の状況を知った担当医から、ごく少量のお薬が娘に処方されました。「好きで暴れている訳ではない。自分でも嫌だ。でも抑えられない。」そう訴える、娘の辛い気持ちを汲んでの処方でした。「何よりも環境を整えることが大切です。お薬はとても少量の処方です。幼児が飲む量ですよ。」処方の際、私達親子は医師からこう説明を受けました。娘はその薬を「イライラ止めのお薬」と呼んで、毎日服用しました。その後も、娘が少しでもストレスなく過ごせるよう、私はスケジュールボードを利用したり、不要なものに目隠しをしたりするなど、環境作りを積極的に行ってきました。娘を理解し、寄り添ってくれる指導者に出会ったこともあり、彼女のイライラは徐々に減っていき、お薬は10ケ月で服用を終えたのでした。使ってみて気づいた、お薬との付き合い方出典 : 一口にお薬と言っても種類、飲む量、飲み方(頓服など)様々あります。また、発達障害で処方されるお薬には、種類や人によって「合う」「合わない」があるかと思います。副作用で眠くなったり、食欲が落ちたり、逆に過食気味になることもあるかもしれません。でも、服薬することで本人や家族の困り感が減り生活の質が向上するのであれば、そのメリットはとても大きいと私は考えます。合う薬に出会うまでは様々なSSTを試すのと同様で、医師の指導の下、あきらめずに探すのも1つだと思います。子どもが大きくなると、服用したときの調子の良さ・悪さが本人にもわかってきます。親亡き後のことも考えると、本人の意思を尊重した病院との付き合い方を考えていくことも、きっと大切になってくるでしょう。また、成長と共に合う薬の種類が変わったり、適量が変わったりすることもあるでしょう。どれも「成長の証」と考え、その時々で臨機応変に対応する柔軟さも、親には必要なのだと思います。あふれる情報の中で、何をどう受け取るのか?冷静さを持って選びたい出典 : 服薬に不安を抱いたとき、まずは医師等の専門家にとことん相談してみましょう。また、親御さんを悩ませる原因の1つに、インターネットの普及も関係していると思います。良い情報も悪い情報も玉石混交で、誰もが簡単に手に入るようになりました。他方SNSでは、周囲に同じ境遇の友達や家族がいなくても、同じ悩みを共有したり励まし合ったりして、元気をもらうことができます。不安な時や悩んでいる時こそ、その情報が正確かそうでないかを冷静に見極め、全てが自分の子どもに当てはまるわけではないということを念頭に置きつつ。その情報を試してみるか、参考までに留めておくのかをしっかりと考えることが、大切なのだと思います。
2017年01月15日絵本との付き合い方はさまざま。自由に作れば、なお楽しい!Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子絵本に全く興味のなかった娘。それが変化し…出典 : 高2の娘には、発達障害の診断が出ています。今回は、3,4歳の頃のお話。娘はもともと絵本に全く興味を持たなかったのですが、療育センターでの読み聞かせがきっかけとなり、3,4歳の頃にはすっかり「本好きの子ども」になっていました。この頃の娘のお気に入りがコチラ。出典 : 出典 : 出典 : 子どもが夢中になる絵本がもう1つ!手作り絵本のつくりかたUpload By 荒木まち子もう1つ、絵本をご紹介します。これは保健師さんに教えてもらったもので、牛乳パックを使って作るオリジナルの小さな絵本です。スマホやiPadなどもなかった当時、娘と公共交通機関を使っての移動に、私はとても苦労していました。外の眺めを楽しめるバスや電車はまだ良いのですが、窓が真っ暗な地下鉄や長時間拘束される飛行機などでは退屈し、暇を持て余す娘。乗客のいる中で泣いてぐずる子どもを相手にするのは、周囲の目もありとても辛いですよね。お菓子や飲み物でごまかすのにも限界があります。移動中、タイミング良く寝てくれたときなどは、本当にラッキーでした。そんな時、娘を夢中にさせたのがこの「手作りマイ絵本」でした。雪印メグミルクのHPで詳しい作り方がご覧になれます。牛乳パックで作ろう!ミニ絵本出典 : これは丈夫で小さく持ち運びにも便利なので、電車の中や飛行機の中でとても重宝しました。・お気に入りのキャラクターの絵を描いて眺めるもよし・好きな図鑑のページをチョイスして貼ってもよし・シールを貼って遊ぶもよし・スケジュールボードとして使ってもよし…などなど、使い方は自由自在!字が書けなかった娘も、自分なりにストーリーを考えて楽しそうに作っていました。好きなものを集めたマイ絵本、皆さんもお子さんと一緒に作ってみてはいかがでしょうか?
2016年10月30日紙芝居をよーく見ていると思ったら…Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子2歳の娘、いよいよ社交場デビュー!出典 : 娘が2才の頃、私はママ友に誘われ、近くの地区センターで行われている「赤ちゃん広場」に参加しました。そこは「地域の子どもはみな1度は訪れる」ともいわれている有名な場所で、ボランティアの方が未就園児を対象に、親子のリトミック体操(リズム体操:音に合わせて体を動かすもの)や、紙芝居の読み聞かせなどを毎月していました。公園とは一味違う、初めての子どもの社交場に私は胸を膨らませ向かったのでした。ところが、いざ参加してみると期待通りにはいかず…出典 : ところが親子体操が始まり、音楽に合わせ20組の親子が踊りだすと、娘は驚き怯え、カーテンの影に隠れてしまったのです。娘を抱っこして参加しようとしても、娘は泣いてすぐにカーテンの影に戻ろうとします。私が「ほら、楽しいよ~」と誘っても、決してカーテンの影から出ようとはしません。結局私は他の親子が楽しそうに体操をする中、最後まで1人で踊り続けたのでした。体操の後の紙芝居では、娘は表の絵よりも紙芝居の裏の方が気になり、1人だけボランティアさんの横に立っていました。絵本の読み聞かせにも娘は全く興味を示さず、部屋中をウロウロ、ウロウロ。最後の方はお菓子をせがんだり、早く帰りたがったりと、部屋の中に引き止めておくのも難しい状態でした。同じ年頃の子ども達が紙芝居を興味深そうにジッと座って聞いている姿と、娘の姿とのギャップに、私はとてもショックを受けたのでした。慣れれば違うかも、と再度チャレンジするも玉砕!うちの子、他の子と違うの?出典 : 翌月、私は「前回は初めてだったからみんなと遊べなかったのかも。慣れれば大丈夫なはず!」そんな望みを胸に、再び赤ちゃん広場に参加しました。結果は前回同様、娘は体操の時はカーテンの影、読み聞かせの時は部屋をウロウロ。私達親子がその会に参加することは、2度とありませんでした。その後、色々な親子教室やサークルなどに参加してみましたが、やはり娘は上手く楽しむことができず、周りの子ども達との違いを感じた私は、役所に相談をしたのでした。紹介で参加した療育センターの体験。あれ?何だか楽しそう…出典 : その後、役所で紹介された療育センターの親子体験に参加することになりました。そこで私は衝撃を受けたのです。娘が体操や紙芝居、絵本の読み聞かせにも自ら進んで参加したのです!地域のサークルでは頑なに参加しようとしなかった娘が、なぜ? その理由は単純なものでした。●人数分の椅子を並べ、どこに座れば良いのかを子どもたちにわかるようにし●大人が読んでほしい、やってほしい絵本や体操ではなく、子どもたちが興味を持ちやすい絵本やリズムを選び●声に抑揚をつけたり、顔の表情を変えたりしながら、常に子どもたちの顔を見て接していました療育センターの先生は、子どもに合ったものを、子どもに合った方法で示していたのです。その、子どもたちの食いつきぶりに私はビックリしました。子どもが多少ウロウロしても周りに気を使うこともないので、親たちもゆったりリラックス。この時の私は、正直「プロってすごいなぁ」と感じました。娘が興味を持った絵本はコチラ。その後療育に通いだし、現れた変化出典 : その後、正式に療育センターに通い始めた娘。そこで出会った絵本や紙芝居はどれも、娘の興味を引くものばかりでした。出典 : 出典 : 療育センターで絵本や紙芝居に興味を持つようになった娘。家での読み聞かせもスムーズにできるようになり、それまでとは一転、「本好きの子」になったのでした。
2016年10月10日理想だった娘との絵本の読み聞かせ、現実はUpload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子遊ぶ時もずっと1人だった娘。果たして一緒に絵本を読むことはできるのか出典 : 今でこそ本が大好きな娘ですが、実は小さい時から絵本が大好き!というわけではありませんでした。今回は娘の発語がほとんど無く、本に全く興味がなかった頃のお話です。当時の娘は1人遊びが大好きで、遊ぶ時はいつも親に背中を向け、お気に入りのおもちゃで黙々と遊んでいました。そんな時、私の母から沢山の絵本が送られてきました。娘に読み聞かせはまだ難しい、と思いましたが「せっかく送ってもらったし、もしかしたら興味を持ってくれるかもしれない」という淡い期待を胸に、私は読み聞かせにチャレンジしてみることにしたのでした。膝の上で暴れる娘に惨敗出典 : そもそも抱っこされることが嫌いだった娘。当然、膝の上でじっとすることなく、逃げ出そうと暴れました。膝から降ろし、絵本を娘に向けて読んでも、反応はほとんどなし。やはり自分の好きなおもちゃで1人遊びを始めたのでした。まるで筋トレ?布団の上で繰り広げられる攻防戦出典 : 布団に横になり、私が絵本を読み始めると、娘は本を触ろうします。私は本を奪われまいと、本を上下左右に動かすので、読み聞かせどころではありません。私は腕も心もぐったり疲れ果ててしまったのでした。まだ早すぎた読み聞かせ…もう少し成長してからチャレンジしてみることに出典 : やはり我が子に、絵本の読み聞かせはまだ早かった…と感じた私。残念だけど、無理に続けてお互い辛い思いをしたり、疲れちゃったりしたら意味がないもんね。いつになるかはわからないけど(もしかしたら永遠にないかもしれないけど)子どもがもっと成長した時に、またチャレンジしてみよう!と気持ちを切り替え、母から送られてきた本を、ほとんど押し入れに封印したのでした。それでも「押し入れ封印」を免れた2冊の本出典 : この本に物語は一切なく、絵と単語だけです。子どもに身近なものが描かれているので、私はその絵を見ながら、「スプーンはご飯を食べる時に使ったね」「ねこちゃんは、ニャーニャーって鳴くよね」「ヘリコプターはお空を飛ぶよね」など、子どもの体験に結び付けながら、分かりやすい言葉を使って話をしていました。好きな時に好きなところから読むことができる、気楽な絵本。これは娘もお気に入りでした。赤ちゃんにおくる絵本 (1) とだ こうしろう (著)出典 : こちらも物語はありません。というか、絵だけで文字は全くありません。最初のうちは、分厚くて角が丸いこの本をしゃぶったり、パタパタしたりしたりして「おもちゃ」として遊んでいた娘。蛇腹式の本なので、立てたり積み重ねたりのもするのも、楽しかったようです。しばらくすると、本に描かれているキャラクターの表情やおもちゃなどに、興味を示すようになったので、私も一緒に絵本を見ながら絵のマネなどをして、親子で遊んでいました。ディズニーの0歳のえほん 第1集 / 講談社本との接し方にルールはない出典 : 子どもの好みや個性、特性は様々です。「読み聞かせ」にこだわらず、その子に合った本にその子に合った時期にその子に合った方法で接することができれば良いのではないかと思います。次回は1~2才児におすすめの絵本を、ご紹介します。
2016年09月13日写真家の荒木経惟による個展「淫秋―般若心經惟」が、9月9日から11月11日まで東京・原宿のアートスペースAMで開催される。これまで、永井荷風や種田山頭火らの作品や、「往生要集」や「万葉集」などの古典に感応し、自らの心境を重ね合わせた数々の傑作を生み出してきた荒木経惟。同展では、和紙にプリントされた写真に、書で「般若心經」をしたためた新作を初展観する。「般若心經」では、この世のものすべてが“無”であり、心理は“空”にあると説かれており、今回の新作は、亡き妻・陽子を想いながら空と花を撮り続けた荒木の心情を想起させるとともに、たゆまず新境地を追い求める創作への強い渇望も感じさせる。また、同展ではふたつのインスタントフィルム作品をカットしてダイレクトに接ぎ合わせた最新作も公開。過去に発表されたコラージュ作品シリーズの「結界」や「半夏性」に続く、荒木の緻密な手作業から生まれた貴重な作品群となっている。【イベント情報】荒木経惟「淫秋―般若心經惟」会場:アートスペースAM住所:渋谷区神宮前6-33-14 301・302会期:9月9日~11月11日時間:13:00~19:00休館日:月・火曜日
2016年09月11日遠くからでもわかる、その音。Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子「お母さん知らない?」なくし物のありか聞くのは娘の日常出典 : 娘はしょっちゅう物をなくします。ノート、腕時計、お財布、CD、手紙、携帯の充電器…娘「ちゃんとしまったはずなのに見当たらない。お母さん、どこにあるか知らない?」私「知りません。お母さんは見張り番ではありません。」我が家ではそんな会話が1日に何度も繰り返されるのです。管理できない自分にもイライラUpload By 荒木まち子試験期間や運動会など、イレギュラーな行事の時は、特に物をよくなくします。何時間探しても見つからず、私から「決めた場所に片付けないからでしょ?」と言われ、さらにイライラして見つからない、という悪循環を引き起こすともしばしば。翌日落ち着いて探すと、あっけなく見つかる場合がほとんどなのですが…。外出先でのなくし物は毎回大騒ぎ!出典 : 屋内ならまだ良いのですが、外出中に物をなくした時は探すのが本当に大変です。弁当箱はロッカーで、上着は脱いだお店で、携帯電話は映画館の座席で見つかり、鍵は鍵穴に刺しっぱなしでした。探しても見つからなかったものには、腕時計、ボトルホルダー(3回)、お店で買ったばかりの商品などなど、挙げればきりがありません。買い直しができるものは、諦めもつきますが、大切な事を記したメモ帳や財布、鍵、携帯電話などをなくした時には、それはそれは大騒ぎです。見て気付かないなら音で気付けるように!と娘は考えたようで…出典 : そんな娘が自ら編み出した秘策は、落とした時にわかるように鈴をつけることでした。物をなくす度に、娘はその持ち物に鈴を付けていきました。最初は定番、家の鍵に鈴と大きなマスコットをつけました。次に財布にも鈴を付け、通話の時に音がうるさくなりそうでしたが、携帯電話にも鈴を付けました。定期券はもちろん、ストラップで鞄に固定。ロッカーの鍵と大切な事を書いたメモ帳にも、鈴とリール式のキーホルダーを付け、ポケットに固定していました。それでも続くなくし物、鈴がいらなくなる日を目指してUpload By 荒木まち子娘の持ち物は鈴だらけ。遠くにいても鈴の音で娘の居場所が分かるほどになりました。娘が走るとその鈴の音はまるでサンタクロースのソリを引くトナカイさん状態です。それでも、まだまだ忘れ物や落し物はあります。娘は帰宅時、玄関先でミュージックプレイヤーのイヤホンを外すので、玄関の外にはイヤホンパッドが、よく落ちています。さすがにこれには鈴はつけられない…。鈴をつけることができない腕時計も、家の中でよく行方不明になります。所定の場所に片付けることを忘れない方法を模索中の娘です。
2016年08月23日娘を「人並み」に育てなくては!と厳しかった主人子どもの障害を受け止める過程というのは、人それぞれだと思いますが、夫婦で考え方が大きく違う場合は、少し時間が必要なようです。主人は発達障害の娘が小学生になると、それまで気付かなかった「周りの子どもとの違い」を感じ始めました。そして、娘を人並みにするために人並み以上の努力を強いたのでした。「電気がつけっぱなしだ」「ドアがきちんと閉まっていない」「自分が出したものは自分で片付けなさい」家の中で、娘はいつも父親の注意を受けていました。私が娘の障害について「特性というものがあって、厳しくすれば本人も落ち込む」と説明しても、「このままで困るのは本人だ。俺は本人が将来困らないように言っているんだ」と、聞き入れようとしませんでした。増えてゆく夫婦喧嘩主人と私の「子どもの障害に対する考え方の違い」は日に日に大きくなっていきました。Upload By 荒木まち子娘が中学で一般級を希望した時は、「一般級を臨むなら人並み以上に努力しろ」「俺は普通に学校に行って結婚して欲しいと思ってるんだ」と自分基準の"普通"を押し付けるのです。夢にまで見るほどにそれほど主人の"普通"に対する信念は強く、「娘が普通になった夢」を見るほどに。Upload By 荒木まち子主人の娘に対する期待は変化し…それからしばらくして、主人に変化が現れたのは、娘が中1の秋、発達検査の結果を聞きに病院へ同行した頃でした。Upload By 荒木まち子それまで「努力すればなんとかなる」とかたくなだった主人が、検査結果を聞いて途端に弱気に。夫も夫なりに、娘の将来を心配していたんですよね。ある「お父さん」からのメッセージを読んで…主人との考え方の違いに悩んでいたとき、あるお父さんブロガーさんから頂いたコメントがあります。「男性の場合は『社会経験から努力することに意義がある』という思考が先行するのでやむを得ないと思います。旦那さんが変わっていくには、氷が溶けるように多くの時間と月日を要しますね。」このコメントを読み、私も「発達障害のある子どもを持つ父親の気持ち」が少しわかったような気がしました。確かに、娘を厳しく叱っていた頃と比べると、主人の固定観念は氷が溶けるように少しずつ少しずつ変化していきました。母親に比べ、子どもと接する時間が圧倒的に少ない父親が、子どもの障害を理解し受容するのには長い長い時間が必要なのだと思います。
2016年08月09日娘の財布を見てビックリ!私が思わず発してしまったひと言Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子発達障害のある娘が、中学1年生のときです。ある日、小銭が必要だった私は娘に尋ねました。私「1000円札を小銭に両替できる?」娘「いいよ~」快く応じてくれた娘のお財布を見てみると、そこにははちきれんばかりの小銭が…。しかもほとんどが1円玉と10円玉!私「ちょっと何これ?何でこんなに小銭が溜まっているの?普通こんな風にならないよ」思わず口にしてしまった言葉に私はハッとしました。「そんなふうに言わないで!私にはそれができないのよ!」娘はポロポロと涙を流して言いました。周りと違うことに葛藤していた娘出典 : 娘は計算が大の苦手です。買い物をするときに小銭を上手く使うことができず、いつもお札や100円玉で支払いをしていたため、お釣りの小銭が財布に沢山溜まってしまったのでした。当時、周りの友達と自分が違う事に気付き始めていた娘は、それでも友達と一緒にいたいと悩み、葛藤していた時期でもあったのです。娘はなぜこんなに困っているのか?考えてみることに出典 : 「自動販売機や券売機、バス運賃の支払いに1円玉や5円玉は使えないから、お店で使うようにしようね。」「レジ待ちの間に小銭をお財布から出しておけば、支払いをするときに焦らなくて済むよ。」娘の苦しさを前につい本音を口走ってしまった私は、なぜこんなに困っているのかを考えてみました。そして、もし自分で計算ができないのなら「人や機械にやってもらおう」と考えることに気付いたのです。だから娘の財布には小銭が溜まってしまうのですね。これに気付いた私は、小銭を使わなくても済むシーンを教えることにしました。また、落ち着いて計算ができるように、見通しを持たせることも思いつきました。こうして、小銭の使い方を手取り足取り教えることになったのです。2年後、自分の障害を受け止められるようになっていた娘に尋ねてみると出典 : 私「最近、お財布の中身はどう?」娘「相変わらず小銭でパンパンで~す!ポイントカードも増えたので、さらに膨らんでま~す」2年前は周りとの違いに悩み、涙を流していた娘。状況は同じなのに明るく答える娘に、私も嬉しくてつい笑みがこぼれました。それと同時に、自己理解が進むとこんな風に考えられるのかと成長を感じました。娘は障害を受け入れることで、「周りと違う」という葛藤を乗り越えることができたのです。ついに小銭の管理をマスター!と思いきや…出典 : さらに2年後、娘は高校2年生になりました。服装、靴やカバン、そしてお財布にも少しずつ気を遣うようになりました。心なしかスマートになったお財布を見た私は、ついに、小銭の管理ができるようになったのね!素晴らしい~!と喜んでいました。しかし、その喜びはもろくも崩れ去ったのです。ハサミを借りようと娘の机の引き出しを開けると…Upload By 荒木まち子引き出しの中に、小銭コーナーができていたのです!お財布に入れたくない小銭は、ここに入れていたのですね。タンス貯金ならぬ引き出し貯金に、思わず笑ってしまいました。苦手なことは苦手だけれど、娘なりに気を遣いながらやり過ごす方法を発見したのですね。それならば、次は銀行のATMで小銭を入金し、お札に替える方法を教えることにしましょう。
2016年08月03日小学校の体育の授業って結構大変!?Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子腕の力がない!鉄棒の授業は1年生からありますが、我が子の学校では「逆上がり」の練習が始まるのは2年生からです。1年生の「前回り」や「豚の丸焼き」はクリアしたものの、腕の力が弱い我が子にとって「逆上がり」は難しく“補助板”や“くるりんベルト”が必須でした。放課後の校庭や近所の公園で必死に練習しましたが、補助具無しでは・足を真上に蹴り上げること、・腕の力で体を鉄棒に引き上げることがどうしてもできないのでした。出典 : 出典 : 「ま、出来なくてもいいか」で収めた私。でも娘は…そこで登場するのは、我が家で定番の「逆上がりは出来なくても生きていけるしね。」「逆上がりの単元が終われば次は比較的得意なマットの単元だし」「ま、いいか」でした。出典 : しかし4年生になったころ、娘は室内用のジャングルジムを見て「逆上がりができるようになりたいから、このジャンルジムを使って練習する」と言い出しました。2年生の時どれだけ練習しても出来なかったので、もうあきらめていたと思っていた私はビックリ。「実はずっと逆上がりできるようになりたいと思ってた。でも練習しているのを友達に見られるのだ嫌だったんだ。これなら家の中で練習できるから恥ずかしくない。」その時、娘は心の底では「ま、いいか」とは思っていなかったことに私は初めて気が付いたのでした。特訓開始その日から娘の逆上がりの練習がはじまりました。最初は鉄棒部分を壁に寄せ、壁を補助板代わりにし、私は勢いで鉄棒がずれないよう毎回押さえながらの練習です。毎日練習を続けるうちに娘の手にはマメができました。そのマメが潰れても、娘は練習をやめませんでした。2年越しの夢が叶う時そしてその日は突然やってきました。練習を初めて1ヶ月ほどしたある日…“くるん”娘は何の補助もなく、逆上がりができたのです。「諦めないで良かった!」と娘。「そうだね。時間がかかっても諦めなければ希望は現実になるんだね!おめでとう!!」ちょっと涙目の母なのでした。
2016年07月26日こんなに小さくなっちゃって…Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子我が家のルーチン我が家では学校からのお手紙や連絡帳は、子ども自らが玄関のトレイに入れることになっています。conobie記事「発達障害のこだわりは強みにもなる」いったいカバンの中で何が起きているの!?Upload By 荒木まち子親は時間のある時にそのお手紙や連絡帳をチェックするのですが、娘が持ち帰るお手紙やプリントはなぜか下半分がいつも蛇腹折り(またはクシャクシャ)です。なぜそうなるのかを娘に聞いても「分からない。学校で鞄に入れる時はきれいだよ。」の一点張りなのでした。クリアファイルを使ってみた!プリントがクシャクシャにならないように、お手紙用のクリアファイルを使用してみましたが、帰宅後に確認するとクリアファイルもろとも下半分が蛇腹に折れ曲がっていました。納得の理由、それは…出典 : よくよく話を聞くと娘は、帰りの支度を「決められた時間内に準備をしなければ!」と必死だったようです。手紙を鞄に入れると、その上から連絡帳や筆箱をあわてて詰め込入んでいることが判明しました。手紙がクシャクシャになることなど気にせずに。周りに話すと意外な反応が返ってきました出典 : このことをお友達のお母さん達に話すと、「くしゃくしゃだって読めればいいじゃん!」「うちの子はお手紙を出してくれないよ」「お手紙が鞄の中で地層みたくなってる」「無くさないだけ良いよ!」など娘を褒める意外な返事が!周囲に打ち明けることで気が楽にそれまで私はプリントがクシャクシャなのはだらしないと考えていましたが、他のお母さん達の話を聞いて「娘はきちんとプリントを決められた場所に出せていたし、ちょっとくらい破れてもビリビリってわけじゃなし、読めるからま、良いか」と思うようになりました。出典 : 家で記入した個人面談日時の希望のプリント。子どもが学校に提出する時にはさらにくしゃくしゃになっているかもしれないけれど、締め切りまでに提出しているし、先生も大目に見みてくれるといいな!
2016年07月19日mame(マメ)と写真家の荒木経惟がコラボレーションした作品「アラマメ」が2016年7月13日(水)から24日(日)まで、銀座の森岡書店で展示・販売される。期間中は、荒木がmameを着た女性を撮影し、出来上がったポジフィルムを別のポジフィルムと手作業で貼り合わせることで生まれた写真作品が揃う。また、これらの作品を収めた作品集『アラマメ』も7月下旬の一般販売に先駆け、同書店において先行販売される。なお、今回のコラボレーションはmameのデザイナー・黒河内がシーズン毎に発表しているルックブックとは異なる方法で、ブランドの意思をより強く表現したいと考えていた時に、荒木経惟の作品「アラキリ」と出会ったことがきっかけとなっている。「アラキリ」とは、異なる写真2枚を中央で切断し、貼り合わせて1枚の作品に仕上げたもので、黒河内は「荒木氏の作品を実際に目にすることで感じる美しさや色気は、mameを通して表現したい事と共通性を感じた」とコメントした。【詳細】展覧会「アラマメ」開催期間:2016年7月13日(水)〜24日(日)時間:13:00〜20:00 (会期中無休)会場:森岡書店 銀座店住所:東京都中央区銀座 1-28-15 鈴木ビル 1階TEL:03-3535-5020作品点数:10点プリントサイズ:縦 27.9×横 35.6 cm価格:300,000円(額装費抜き)■作品集『アラマメ』発売日:2016年7月下旬 ※森岡書店で先行発売価格:3,700円+税掲載点数:16点
2016年07月02日マメ(mame)が7月13日から24日まで、写真家の荒木経惟とのコラボレーション作品を展示する「アラマメ」を森岡書店銀座店にて開催する。同コラボレーションは、マメのデザイナーの黒河内真衣子が、シーズン毎に発表しているルックブックとは異なる方法でブランドの意思をより強く表現したいと考えていた時に、異なる写真2枚を中央で切断し貼り合わせて1枚の作品とした荒木経惟の作品「アラキリ」と出会ったことをきっかけに実現したもの。森岡書店銀座店にて開催される展覧会では、今回制作された写真作品のうち10点を展示・販売。さらに、これらの作品を収録した作品集では、アートディレクター・長嶋りかこがデザインを担当。7月下旬の一般発売に先駆け、森岡書店にて先行販売する。同コラボレーションについて黒河内真衣子は、「荒木氏の作品を実際に目にすることで感じる美しさや色気は、私がマメを通して表現したい事と共通していました。作品を見た時に感じた、どこか曖昧な記憶の間を連想させることは、私自身の服作りに繋がる部分があったのです。写真に像を定着させることで初めて知覚できる事があるように、服も実際に着用して初めて感じる事があります。荒木氏がマメを着た女性を撮影し、出来上がったポジフィルムを別のポジフィルムと手作業で貼り合わせることで生まれた『アラマメ』には、私が大切にしていることが凝縮されていると思います」とコメントしている。【イベント情報】「アラマメ」会場:森岡書店銀座店住所:東京都中央区銀座1-8-15 鈴木ビル1階会期:7月13日~24日時間:13:00~20:00
2016年07月01日写真家の荒木経惟による個展「センチメンタルな旅-コンプリート・コンタクトシート(Sentimental Journey-The Complete Contact Sheets)」が、5月25日から東京・六本木のイマ コンセプトストア(IMA CONCEPT STORE)内のイマ ギャラリー(IMA gallery)で開催中。同展は1971年に私家版として1,000部限定で制作された写真集『センチメンタルな旅』をもとに開催されるもの。会場では、同写真集に収録されていた108点を含む、コンタクトシート全18枚、653カットが初公開されるほか、セルフポートレート1枚がプラチナプリントで展示。また小宮山書店協力のもと、私家版も含め400冊以上にもなる荒木経惟の写真集の中から、『センチメンタルな旅』私家版を筆頭に、『続センチメンタルな旅 沖縄』私家版、『お一日本』、『東京』私家版、『美登利』、『食事』などファン垂涎の希少な写真集の数々を展示・販売する。【イベント情報】「センチメンタルな旅-コンプリート・コンタクトシート ( Sentimental Journey - The Complete Contact Sheets) 」会場:イマ ギャラリー(IMA gallery)住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階会期:5月25日~7月23日時間:11:00~19:00定休日:日・月曜日、祝日
2016年05月29日荒木経惟の個展「写狂老人A 76齢」が、5月25日から6月29日まで東京・六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムで開催される。同展では、「写狂老人A 76齢」シリーズより新作カラー作品9点を展示。この作品は2012年頃から毎年荒木が生涯のモデルとして撮影を続けてきたダンサーKaoRiの、今年の誕生日会で撮影した最新作品となっており、自身が今年76歳を迎えることにかけすべて6×7のポジフィルムで撮影された。また、フランスのギメ東洋美術館にて4月より開催中の大規模な個展で披露されている最新作「トンボー・トウキョー」より、写真集に収録されていない未発表のモノクローム作品471点も出展される。なお、同展に合わせて5月25日には写真集『写狂老人A 76齢』が500部限定で刊行される。【展覧会情報】「写狂老人A 76齢」会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル2階会期:5月25日~6月29日【書籍情報】『写狂老人 A 76 齢』著者:荒木経惟出版社:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムソフトカバー/520ページ/203×260mm発刊:2016年5月25日価格:未定(※500部限定)
2016年05月11日写真家・荒木経惟の写真集『トンボー・トウキョー』が、2016年4月13日(水)発売される。東京の「かつて」と「いま」を切り取った『トンボー・トウキョー』。季節や時間、時代ごとの空気が伝わる、温度感のある写真が収録されている。パリ・ギメ東洋美術館「Musée Guimet」にて4月13日(土)より開催の、大規模な展覧会において披露される新作98点を網羅。アラーキー最新の集大成と呼べる1冊に仕上がった。【詳細】 荒木経惟写真集『トンボー・トウキョー』発売日:2016年4月13日(水)定価:2,500円+税仕様:96ページ B5 版変形
2016年04月12日写真家・荒木経惟による今年最初の個展「淫冬 IMTOU」が、2月3日から4月30日まで東京・原宿のアートスペース・AMにて開催される。同展では、昨夏に荒木経惟が同所で開催した個展「淫夏」と同様、インスタントフィルム作品を中心とした多彩なシリーズ作品を展示。15年に開催した個展「往生写集」で発表された、毎早朝にバルコニーから撮影した「東ノ空」と対照的な作品として、「西ノ空」も出展される。透き通る青空が宵に向かうにつれ紅く染まっていく様が、ポラロイドフィルムにより収められた。その他、ミューズであるKaoRiの着物姿やヌードなどを収めた作品や、80年代にフランスの写真雑誌の特集のために荒木自身がプリントした作品「キンバク・エクスタシー」なども展示される。【イベント情報】「淫冬 IMTOU」会場:AM住所:東京都渋谷区神宮前6-33-14神宮ハイツ301会期:2月3日~4月30日時間:13:00~19:00休館日:2月3日、祝日以外の月曜日から水曜日
2016年02月03日宣伝のチラシに「言葉と身体と音楽が入り混じる、観たことのない舞台空間」とあった『死刑執行中脱獄進行中』。『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる荒木飛呂彦の短編漫画を舞台化したその作品は、確かにその謳い文句通りの驚きに満ちた世界を見せてくれた。原作の『死刑執行中脱獄進行中』は、死刑宣告を受けた男が監獄に入ると、調度品など施設のすべてが男を処刑しようとうごめき出す物語。そこから脱出しようともがくほどに苦しめられるという、誠に不条理で非現実的な世界が展開していく。舞台ではこれに、同じく短編漫画『ドルチ』で描かれたヨットでの物語が加わって、檻のなかと海の上が行き来する、より不可思議な空間が出来上がった。幕が開いて目に飛び込むのは、吊り下げられた白い布と、白とブルーのダズル迷彩の布をまとったテーブル、チェア、チェスト、ソファ、バスタブ。そこは仕切りのない空間だが、森山未來がマイムで見えない壁を表出させ、森山扮する男がそこに閉じ込められていることをわからせる。果たして、この家具たちがどのようにして男を苦しめるのか。その仕掛けは、まさに演劇的であった。家具のなかから同じダズル迷彩の布をまとったダンサーが現れ、思わぬ動きで男を翻弄していくのである。言葉はほぼない。ときおりダンサーが、原作の一節を朗読するように声にするだけだ。その淡々とした空気と、動きに合わせてバンドが鳴らす音が、恐怖を掻き立てる。やがてヨットが舞台に現れる。その見事さは、緻密に計算され稽古を積み重ねた、ダンサーたちの動きの賜物だ。そこに登場する赤いワンピースを着た初音映莉子の存在感も鮮やかである。男は、この女にも嵐にも翻弄されながら、また一転、監獄に戻っていく。圧巻は、その後、監獄で待ち受けている家具と男の攻防が激しさを増していく場面だ。家具は男の居場所を取り上げ、文字通りに男の身体を振り回し、傷めつける。そこで森山が、初音が、ダンサーたちが表現しているのは、言葉を含んだ動きだ。構成・演出・振付の長谷川寧を筆頭に、全員で試行錯誤を繰り返したことが手に取るようにわかる。森山は言う。「さまざまなプロセスを経てクリエイションしてきました。そのプロセスは本番が始まっても続くと思います」。演劇とダンスが融合したときの創造と想像の強さを、ぜひ体験してほしい。東京・天王洲 銀河劇場にて11月29日(日)まで上演。その後、全国を巡演。地方公演のチケット発売中。取材・文:大内弓子
2015年11月25日ジョジョの奇妙な冒険シリーズで知られ、13年にはGUCCI(グッチ)とのコラボレーションで話題を呼んだ、漫画家・荒木飛呂彦。このほど彼が95年に発表した短編集の表題作『死刑執行中脱獄進行中』が、森山未來を主演に迎えて舞台化されることが決定。荒木作品初の舞台化となる。同舞台の物語は、死刑宣告を受けた男が監獄からの逃避行を試みるサスペンスをベースに、同短編集に収録された「ドルチ~ダイ・ハード・ザ・キャット~」の要素を織り交ぜた構成で、荒木作品の持つ独自の世界観を舞台上に作り上げるとのこと。構成・演出・振付を担当する、演劇カンパニー「冨士山(ふじやま)アネット」主宰の長谷川寧を始め、音楽監督にはバンド「bonobos(ボノボ)」でヴォーカル&ギターを務める蔡忠浩、ヴィジュアル監修と衣装はファッションブランドのFUGAHUM(フガハム)が手掛けるなど、各ジャンルから注目のクリエイターが結集。荒木飛呂彦は「作品が舞台化されるのは初めてなので、予測できない期待感と楽しみがあります」とコメントを寄せている。一方、主演に加え、共同振付も務めた森山未來からは「荒木飛呂彦さんの持つ唯一無二の様式美を、身体、テキスト、音楽、照明、映像、衣装など、現代の舞台芸術が持ち得るかぎりの要素を総動員して、演出家、ダンサーをはじめとする素敵なクリエイター達と有機的に具現化していくつもりです。この舞台が演劇なのか、ダンスパフォーマンスなのか、ジャンルレスなインスタレーションなのか。それは観劇後のあなたの選択にお委ねします」と、まさに全身全霊を掛けてといった気合のコメントも。森山未來といえば13年から1年間、「平成25年度文化庁文化交流使」としてイスラエルへダンス留学していたことが大きな話題となったが、今回の舞台ではどんな演技を見せてくれるのか、注目が集まりそうだ。また、森山未來もアイディアを提供したという、キービジュアルも今回の発表とともに公開。同ヴィジュアルの監修を担当したFUGAHUM(フガハム)を始め、フライヤーデザインチームが「死刑と脱獄」、「繰り返される現象と感情の描写」、「逃げられない」、「無間地獄」、といったイメージを煮詰めて完成したもの。永遠に続くかのような恐怖を、不可解に繋ぎ合わせたヴィジュアルを繰り返しながら、奥行きを持たせることで表現し、荒木作品の持つ世界観を意識した配色となっている。【舞台上演スケジュール】「死刑執行中脱獄進行中」<東京公演>日程:11月20日~11月29日 ※全14公演会場:天王洲 銀河劇場住所:東京都品川区シーフォートスクエア 東品川2-3-16 シーフォートスクエア2F料金:S席 8,800円、A席 5,000円<仙台公演>日程:12月2日 ※全1公演会場:仙台 電力ホール住所:宮城県仙台市青葉区一番町3丁目7-1 電力ビル本館 7F料金:8,000円<広島公演>日程:12月5日、12月6日 ※全2公演会場:JMSアステールプラザ 大ホール住所:広島県広島市中区加古町4-17料金:8,800円<札幌公演>日程:12月15日 ※全2公演会場:札幌 わくわくホリデーホール住所:北海道札幌市中央区北1条西1丁目料金:昼公演 6,800円、夜公演 7,500円<富山公演>日程:12月19日、12月20日 ※全2公演会場:富山県民会館ホール住所:富山県富山市新総曲輪4-18料金:S席 8,800円、A席 6,800円<大阪公演>日程:12月22日、12月23日 ※全3公演会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ住所:大阪府大阪市 北区茶屋町19-1料金:8,800円
2015年08月13日写真家・荒木経惟の個展「淫夏」が、8月3日から10月11日まで、渋谷のart Space AMにて開催される。荒木の最新作「2015.8.15」や新作撮り下ろし作品「KIMONO: KaoRi」の他、インスタレーション作品などが展示される複合的な展覧会となる。『2015.8.15』は、戦後の喧噪の中で幼少期を過ごした荒木が、終戦記念日の8月15日に皇居前広場で毎年撮影を行っているシリーズの最新作。今回荒木は、今年の8月15日の訪れを前にシャッターを切り、“近未来の終戦記念日”を切り取ることに挑んだ。また同時展示の「KIMONO: KaoRi」は、十数年にわたり続けられているKaoRiとのコラボレーションシリーズの新作。ますます艶やかさが際立つ和服姿のKaoRiを捉えた最新撮り下ろしを展示する。その他にも、インスタントフィルムにアクリル絵具で着彩した「ペインティング・フォト」、カットされた2枚の断片を接ぎ合わせた前作「結界」に連なる「半夏性」、インスタントフィルム作品で構成される「EGG」「FLOWER」などを展示。これら約1,000点にのぼるインスタントフィルムの半数には、荒木自身の手で様々なリメイクが加えられる。【イベント情報】荒木経惟展 「淫夏」会 場:art Space AM住 所:渋谷区神宮前6-33-14神宮ハイツ302会 期:8月3日~10月11日時 間:13:00~19:00休館日:月・火曜日(8月3・4日、および祝日は開廊)
2015年07月22日写真家の荒木経惟の個展が、5月25日から6月20日まで東京・六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムで開催される。前立腺癌を経験し、13年には網膜中心動脈閉塞症を発症して右眼の視力を失った荒木経惟。同展では、その後も以前と変わらぬ精力的なペースで撮影を続ける荒木経惟のカラーとモノクロームによる最新作が展示される。同作は、「今は、往生から、向うの空側から世界を見てる。だから鏡写しなんだよ」と語る荒木経惟が、日常の風景を鏡写しのように反転させ、“往生を象徴する鏡の裏側から世界を見ている”という思いを込めて手掛けたもの。今年の春から撮影されてきた6×7ポジフィルムによるカラー写真と、日付入りのモノクローム写真には、彼の“死”から“生”に向かう現在の心境が収められている。また、荒木経惟による173点の作品を掲載した同展のカタログ(1万2,000円)が500部限定で刊行される。【イベント情報】会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム住所:東京都港区六本木5-17-1AXISビル2階会期:5月25日から6月20日まで
2015年05月25日写真家の荒木経惟の個展「鏡の中のKaoRi 写経老人A 2015.5.25 75齢 Brithday」が、5月25日~6月20日まで東京・六本木の「タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム」で開催される。前立腺癌を経験し、13年には網膜中心動脈閉鎖症を発症して右眼の視力を失った荒木経惟。同展では、その後も以前と変わらぬ精力的なペースで撮影を続ける荒木経惟のカラーとモノクロームによる最新作が展示される。同作は、「今は、往生から、向うの空側から世界を見てる。だから鏡写しなんだよ」と語る荒木経惟が、日常の風景を鏡写しのように反転させ、“往生を象徴する鏡の裏側から世界を見ている”という思いを込めて手掛けたもの。今年の春から撮影されてきた6×7ポジフィルムによるカラー写真と、日付入りのモノクローム写真には、彼の“死”から“生”に向かう現在の心境が収められている。また、同展のカタログとして、荒木経惟による173点の作品を掲載した『鏡の中のKaoRi 写経老人A 2015.5.25 75齢 Brithday』(1万2,000円)が500部限定で刊行される。【イベント情報】「鏡の中のKaoRi 写経老人A 2015.5.25 75齢 Brithday」会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム住所:東京都港区六本木5-17-1AXISビル2階会期:5月25日~6月20日まで
2015年05月25日『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる漫画家・荒木飛呂彦の短編漫画『死刑執行中脱獄進行中』が森山未來の主演で舞台化されることが決まった。荒木作品が舞台化されるのは今回が初めて。『死刑執行中脱獄進行中』は、投獄されて理不尽な扱いを受ける死刑囚が脱獄を試みる密室サスペンス。1995年「スーパージャンプ」で発表され、後に発売された短編集に表題作として収められている。初めての舞台化に荒木は「予測できない期待感と楽しみがあります」とコメント。一方主演の森山は「荒木飛呂彦さんの持つ唯一無二の様式美を、身体、テキスト、音楽、照明、映像、衣装など、現代の舞台芸術が持ち得るかぎりの要素を総動員して、演出家、ダンサーをはじめとする素敵なクリエイター達と有機的に具現化していくつもりです。この舞台が演劇なのか、ダンスパフォーマンスなのか、ジャンルレスなインスタレーションなのか。それは観劇後のあなたの選択にお委ねします」とコメントを寄せている。構成・演出・振付は演劇ユニット「冨士山アネット」の主宰・長谷川寧。11月に東京・天王洲 銀河劇場で上演された後、12月には全国でも公演。
2015年05月18日『ジョジョの奇妙な冒険』を描いた漫画家の荒木飛呂彦先生は、自分でもビックリするくらい記憶力がないと語っていたが、記憶力がないことで、一度見た映画や本を始めて見るように何度でも楽しめ、感動できたりと、頭がからっぽになることで、新しいものをどんどんまた詰め込んでいけるという。そんな荒木先生のクリエイティブさが裏付けられたかのような研究結果があった。最新の研究によれば、クリエイティブな忘却のプロセスには長い抱卵期間など必要なく、多かれ少なかれリアルタイムに起こるものなのだそうだ。これをマイクロインキュベーション、より正式には抑制(inhibition)という。一連の実験によって、カリフォルニア大学の心理学者ベンジャミン・ストーム氏とトリシャ・パテル女史は、新しいアイデアをブレインストーミングするその行為が古いアイデアが脳裏に浮かぶことを防ぎ、さっと忘れてしまうことによって創造性が向上することを実証した。「この調査結果は、思考と忘却は本質的に結びついていることを示唆する。つまり、新しいアイデアを考えることで古いアイデアを忘れさせている。また、こうした忘却はクリエイティブな思考を行う能力を向上させるうえで、不可欠な役割を果たしている可能性もある」と、ストーム氏とパテル女史は『ジャーナル・オブ・エクペリメンタル・サイコロジー』に掲載された論文において結論付けている。クリエイティブな忘却を試験するために、まず彼らは創造的な固定観念を再現した。これは被験者に八つの身の回りの品々(新聞など)を見せ、品ごとに基準となる典型的な利用方法(ギフトの包装など)をリスト化している。半分の品については、被験者に1分間でできるだけ多くの他の利用方法を考えるよう指示した。これは”別用途課題”と呼ばれる創造性を試験する標準的な手法だ。新聞の再利用を例にとろう。「猫のトイレ」という”別用途”を思いつくためにはまず、「包装紙として」 という”基準用途”を打ち壊す必要がある。研究者の狙いは、クリエイティブな頭が固定観念を抑制するため、これが物忘れをさせるほど強いものなのかどうか確認することだ。そのため実験の最後には、被験者に基準用途(包装紙)を思い出すように求めている。これによってインキュベーション(アイデアの育成段階)の様子を垣間見ることができた。多くの別用途を思いついた被験者は、単にリストを読んだだけで他の用途を挙げなかった被験者に比べ、忘れた基準用途の数が多かった。言い換えれば、猫のトイレをひらめかせる何かは、頭がギフトの包装のことをもう思い出せないほど完全に忘れ去らせてしまうということだ。研究チームはこれを”思考誘発型忘却”と呼んでいる。抑制の効果は、被験者がどれほどクリエイティブであろうとするかに関係なく起きた。思考誘発型忘却は、猫のトイレといった普通の用途であれ、紙のガウンといった変わった用途であれ、別用途を思い浮かべるよう指示された被験者においては実際に起こる。だが注目すべきは、変わった用途を思い浮かべようとした被験者ほど回想の成績が悪かったことだ。まるで、オリジナリティーの高い抑制には余計な精神エネルギーが必要なようだ。この最初の結果を受けて、さらに実験が続けられた。ある実験では思考誘発型忘却は非常に強力で、基準用途を思い出す際にヒントを与えられていても起きていることが明らかとなった。また、別の実験では、被験者が基準用途から考えを発展させた場合は思考誘発型忘却の兆候が見られなかった。この結果は、抑制は固定観念とインスピレーションを区別できることを示唆している。最後の仕上げとして、全ての実験結果を統合して分析が試みられた。その結果、別用途を思い浮かべたことで忘却した度合いが大きい被験者は、忘却数が少なかった被験者よりも著しくクリエイティブ度の成績が高いことが判明した。そして、潜在的に固定観念となる要素を抑制することで、「より多様かつオリジナルな検索スペースを探索し、創造性に富んだ用途を思いつくことができる」と研究チームは結論した。ただし、科学的な観点から見ると、この実験は完璧なものではない。被験者数が少な過ぎるうえ、そもそも”別用途課題”は創造性の指標として根拠に乏しいと批判されているのだ(新聞を紙のガウンになど、ばかげているといった具合だ)。また、この結果が本当に抑制の現れと言えるのかはなはだ不確かである。被験者は新しいアイデアを考えるために古いものを遮断したのかもしれないし、あるいは新しいアイデアを考えるプロセスが古い記憶を妨げるのかもしれない。一般的な視点からは、こうした実験結果をどう生かせばいいのかよく分からない。思考の堂々巡りに陥ったら休憩をとるのだとしても、一体どうすれば固定観念を抑制する能力を鍛えることができるのだろうか? その意味では、この研究は実践的ではなく、創造性に関する理論的な説明を行ったにすぎない。だが、そうした欠点を除けば、興味をそそられる研究であり、クリエイティブなプロセスの理解を一歩進めたものだろう。また、せっかくいいアイデアを思いついたのに、書き留めなかったばかりに忘れてしまったことのあるアイデアマンにとっては、ちょっとした慰めにもなるはずだ。きっと優れたアイデアを忘れてしまうことよりも悪いことがある。それはひどいアイデアを忘れられずに、優れたアイデアを阻害してしまうことではないだろうかカラパイアブログ「カラパイア」では、地球上に存在するもの、地球外に存在するかもしれないものの生態を、「みんなみんな生きているんだともだちなんだ」目線で観察している。この世の森羅万象、全てがネイチャーのなすがままに、運命で定められた自然淘汰のその日まで、毎日どこかで繰り広げられている、人間を含めたいろんな生物の所業、地球上に起きていること、宇宙で起きていることなどを、動画や画像、ニュースやネタを通して紹介している。
2015年03月17日荒木飛呂彦による人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の連載25周年を記念して、「荒木飛呂彦 原画展ジョジョ展」が荒木さんの故郷であり作品ともなじみの深い宮城県仙台市を皮切りに東京、そしてイタリアのフィレンツェで開催されることが決定。7月5日(木)に記者会見が行われ、荒木さんを始め、主催の集英社の代表取締役社長・堀内丸恵、仙台市副市長・伊藤敬幹、「GUCCI JAPAN」CEOのクリストフ・ドゥ・プゥスが出席した。「ジョジョの奇妙な冒険」は1987年に週刊少年ジャンプ(集英社刊)で連載が開始され、現在も「ウルトラジャンプ」にて第8部を連載中。ジョースター家の血縁と因縁を描き、登場人物たちが操る“波紋”や“スタンド”と呼ばれる特殊能力も人気を呼び、シリーズ累計発行部数はで7,500万部を超えている。荒木さんにとって国内での本格的な原画展は今回が初めてとなるが、「漫画は印刷されたものを評価されるものですが、原画の中には演劇や音楽のように“ライヴ感”が封じ込められていると確信しています。みなさんにそれを見ていただけるのは光栄。30年間育てていただいた集英社、漫画界、そして読者のみなさんに感謝しております」と喜びを語った。特に仙台市は荒木さんの故郷でるということに加え、第4部と第8部の舞台である“S市杜王町”のモデルとも言われており、7月28日(土)より「せんだいメディアテーク」で開幕する当地での展示は「荒木飛呂彦 原画展ジョジョ展 in S市杜王町」と銘打たれ、第4部&第8部の特別展示など、杜王町にフィーチャーした展示が行われる。特に第8部は東日本大震災を思わせる大震災後の世界で復興を志す主人公の姿を描いていることもあり、“仙台から東北を盛り上げたい”という仙台市の要請を荒木さんが快諾して今回の企画が実現した。荒木さんは「育ててもらった仙台で原画展を開けるなんて夢にも思っておらず、感激しています。再生の気持ちや元気を与えられたら」と故郷への思いを口にした。仙台に続く東京での展示は10月6日(土)から11月4日(日)の日程で森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ内)で開催。さらに、日程などの詳細は未定ながら、イタリア・フィレンツェにGUCCIが設立した「GUCCI MUSEO」でも展示を行うことに。本作の第5部はイタリアを舞台にしており、さらに荒木さんとGUCCIの結びつきも深い。昨年、荒木さんがデビュー30周年、GUCCIが創業90周年を迎えたことを記念し、人気の個性派キャラクター・岸辺露伴を使って「岸辺露伴 グッチへ行く」というコラボレーションを集英社が刊行する「SPUR」上で展開。GUCCI新宿店でも「岸辺露伴 新宿へ行く」と題した展示を行ない、2万3千人が来場した。ドゥ・プゥスCEOは「フィレンツェに美しい驚きを与えることができると思います」と期待を込めて語った。また7月30日(月)から8月9日(木)まで、GUCCIと荒木さんによるチャリティオークションも開催されることになり、GUCCIが提供したスニーカーに荒木さんがイラストやサインを入れたレアグッズなどを出品。売上金は仙台市を通して被災した子供たちの支援のために寄付される。そのほか、大日本印刷のAR技術と呼ばれる技術による、映像を駆使した展示や、Googleの協力による、「Google+」上での初の公式ファンサイトの設立など様々な企画が進行中。荒木さんはこの日、公式ファンサイト企画のために新たに考案した新スタンド「リモートロマンス」を発表したほか、仙台、東京、フィレンツェの各原画展のキービジュアルとして描き下ろしたイラストを披露。七夕をイメージしたものや、富士山、タンポポを取り入れたデザイン、キャラクターにGUCCIのアイテムを着用させたものなど色鮮やかなイラストがお目見えとなった。報道陣からは、原画展についてのみならず、52歳とは思えない荒木さんの若々しさの秘訣を問う質問も飛び出したが、荒木さんは「最近、よく聞かれる質問NO.1です(笑)。東京の水道水で毎朝顔を洗っていますが」と苦笑い。25年もの長きにわたり連載を続けられたことについて、先輩漫画家の秋本治氏に教えられたこととして「規則正しい生活」と答えた。今後については「一生懸命やるだけ。漫画家は漫画を描くもの」とニッコリ。個人的に好きなスタンドが「ハーヴェスト(第4部登場)」であることも明かされ、意外なチョイスに会場は笑いに包まれた。またこの10月より「ジョジョの奇妙な冒険」がアニメーションとして放送されることも決定。さらにPS3で「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」というソフトが2013年に発売されることも正式に発表された。仙台展「荒木飛呂彦 原画展 ジョジョ展 in S市杜王町」はせんだいメディアテークにて7月28日(土)より8月14日(火)まで開催。東京展「荒木飛呂彦 原画展」は10月6日(土)より11月4日(日)まで森アーツセンターギャラリーにて開催。フィレンツェ展はGUCCI MUSEOにて開催(詳細は未定)。
2012年07月05日