第25回「熱さではなく心地よさ」(c)つめをぬるひと今回の投稿は「かれこれ3年ほど恋人がいなく、好きになる感覚を忘れてしまった。どうすれば好きな人が現れますか」という女性。恋人ができない理由は人それぞれ。高い条件を付けすぎる人。自然に事が運ぶことを待っているだけの人。そして、恋愛に疲れて「そもそも好きって何だっけ?」と自問自答する人。頂いた投稿では「3年恋人がいなくて人を好きになる感覚を忘れてしまった」とあるが、3年どころか5年10年と人を好きになれないまま過ごす人はいる。3年…と焦って、無理矢理誰かを好きになろうとしても上手くはいかない。年齢によっては「そんな流暢なこと言ってられない」と思うかもしれないが、焦ることは近道にはならない。そしてもう一つ思うのが、歳を重ねると好きになる感覚が若い頃とは多少違ってくるということだ。そりゃどんなに歳をとっても、燃え上がるような恋がしたい! (書いてるだけでなんか恥ずかしい)とか、これ! っていう感覚がないと無理! みたいな形で恋愛ができたら素敵なのかもしれないけど、だんだん歳を重ねると、熱さよりも心地のよさを求めてしまう。熱い恋愛だけを追い求めていると、できるものもできない…というか、できても疲れて続かないかもしれない。それに、年齢と共に気持ちや環境も変わるし、好きという感覚そのものが変わっていてもおかしくはない。今この人と一緒にいたらどうなるか。一緒にいて心地が良いか。熱さではなく、心地よさ。今回はそんな心地よさが「好きという感覚」になることを考えて描いた。過去の感覚にとらわれず、身を委ねてみるのも良いかもしれない。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<睡眠は、とても素晴らしい。>もチェック!予定がない休日は寝ることが増えた。お昼寝って最高の贅沢だと思う。
2017年10月16日一緒にショッピングに行くのって楽しい?(c) Marion Michele昔から、「誰かと一緒にショッピングをする」というのが苦手だった。何が楽しいのか全く理解できない。例えば、自分の趣味嗜好と異なる人がいたする。その人の価値観を共有することができなかったとしても、理解をしてあげる・認めてあげるというのが正しいのだろうけど。知り合いに、全く一人で行動できない人がいる。話を聞いてみると、ご飯を食べにいくのも“誰かと一緒じゃなきゃ無理”、映画館や美術館に行くときは“絶対に誰かと一緒にいる”という。まあ、その理由もなんとなくわかる。前者は、彼女は元々お洒落なお店が好きなんだけれど、間接照明とか、素材を生かしたこだわりメニューとか、バルサミコ酢! バーニャカウダ! みたいな店は、まず一人で入れるところが少ない。牛丼屋やラーメン屋など、比較的男性が多い店で、男性に囲まれてご飯を食べるのもどうも苦手らしい。後者は、映画や美術にさほど興味がないのだろうと思う。だから人との会話のネタや思い出づくりの一環として、映画館や美術館に行く。どこに行くかよりも誰と行くか。オ! 現代を生きる若者っぽい。一人で行くのも楽しいけれど、誰かと一緒に時間を共有すること、会話を重ねていくこと、どちらも同じだけの魅力があるし、それぞれの良さは分かっている。つもり。しかし、ショッピング。これだけは駄目だ。もちろん、私の性格的に問題があるのは分かっている。人と買い物に行く楽しさが、全く理解できない。今度の日曜日、友達とアウトレットに行くんだよね」とか「この前、恋人と買い物とカフェ巡りで表参道に行って~」とか。そうそう、それそれ。その類。きっと、映画館や美術館と同じで、欲しいものもあるけれど、会話のネタや思い出のひとつを作るために、一緒に行くんだろう。分かってる、分かってる。でも、誰かと一緒に行く必要あるのか? と、どうしても思ってしまう。一人で戦い抜かなきゃ得られない高揚感まず、服でもアクセサリーでも、センスの合う人を探すのが難しい。「趣味や価値観が同じ人は、自然と自分の周りに集まってくる」という言葉があるそうだけれど、あれは絶対に嘘だと自分の周りを見渡しながら思う。センス以外にも欲しいものが同じであるとか、お財布の事情がどうとか、色々考えてみるけど、何もかもが同じ人なんて、そう滅多に見つけられない。だから、誰かと一緒に買い物に行く機会があっても、自然に“付き合う”か“付き合わされる”かのターンになってしまう。2人で買い物をするには、どちらかの時間を犠牲にしなければならないなんて、あまりにも悲しすぎる。それだけじゃない。私にとっての買い物は、自分との闘いみたいな一面がある。この時だけは集中力が高まり、通常よりも計算が2倍ほど早くなる。お金もかかるし、今後自分の身に着けるものだからひとりできちんと考えたい。今見ているものが、自分に本当に必要なのかを見定めたい。試着してみて、イマイチだったこともある。散々悩んだ挙句、買わないことだってある。だから、「もしかしたら、あっちの店のデザインの方がいいかも?」なんて思ってしまったとき、誰かを付き合わせてしまうのは申し訳なさすぎる。やっぱり、誰かと買い物に行くのは難しい。そして何より、一番は私自身の趣味の問題がある。私は、「それ、どこで買ったんだ!」と突っ込まれるくらい派手な服やアクセサリーを身につけることが多い。年齢を重ねたからなのか、顔が地味だからなのか、トレンドを一切無視した装いをすることが多くなった。見た目くらい、自分の好きなようにしたい。毎日好きなものを身につけて、幸せな気持ちに包まれていたいじゃないか! と思っている。こんな趣味になってしまうと、他の人を巻き込めない。お気に入りの一品を購入した後の、じわじわと迫る高揚感もたまらない。勇者は、レベルアップをしてから武器を買いそろえる。私の場合は、洋服とアクセサリーを買いそろえることによってレベルアップしている気がする。自分だけの宝物を手に入れたような、どこに身につけるのか考えただけでニヤニヤしてしまうようなあの感じは、多分一人で、自分自身やお財布と戦い抜いた後でなければ味わえないんだと思う。秋服は、もう遅いかもしれない。そろそろ冬にも着られるような服を買いそろえなければ。思いっきり、派手なやつ。服を買うなら、履き倒せるブーツと、大振りなピアスが欲しい。Text/あたそ<これ以上、私たちは仲良くなることができない。寂しさに耐えられない瞬間>もチェック!ひとりより誰かといる時。どうしようもなくさみしくなるのはなぜだろう。
2017年10月11日第24回「睡眠愛の雑記」(c)つめをぬるひと今回は「予定がない休日は寝ることが増えた。お昼寝って最高の贅沢だと思う」という投稿。先に言っておくと、今回はどれだけ私が寝ることが好きかをだらだらと書いているだけのコラムなので、読んでるうちに眠くなったら寝たらいい。予定のない休日。早く起きて家事や制作に費やす日もあるし、前日夜遅くまでドラマを一気見して、昼前に起きることもある。でも、早く起きた日は夕方になると必ず眠くなって、お昼寝をしたら最後。起きたら20時! なんてことも。寝疲れすることもある。どこでも寝られる。家ではもちろん、電車でも寝るし、旅行先でも割とすぐ寝られる。そしてなんといっても二度寝。私は毎日しっかり二度寝をしている(二度寝にしっかりとかないけど)。平日は、起きる時間とその30分前の2回、目覚ましをセットしている。1回鳴ると、二度寝しつつ携帯を見つつテレビを見つつの、非常にだらっとした時間を過ごす。私はこの時間がないと、一日調子が出ない。でも休みの日は、いちいち数えてるわけではないけど、きっと三度寝くらいはしている。それくらい寝ることが好き。睡眠は、お昼寝は、二度寝は、とても素晴らしい。帰省するからと早めの提出にむけて深夜に書いている今も、内容が内容なだけにお布団が恋しくなっている。今回はそんな、溢れんばかりの睡眠愛を込めて制作した。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<自炊は適度なプレッシャー>もチェック!無理なく、適度なプレッシャーを感じながら自炊をするスタイルが自分には合っているのです。
2017年10月02日矛盾を抱えていても放棄できない「家族」世の中には、自己啓発や心理、癒しなど、いろんな講座やサービスがありますね。和久井はいろいろ顔を出していて、モロ自己啓発のセミナーに行ったこともあるし、占い系の講座やビジネスセミナーにも顔を出したことがあります。これらはまったく方向性の異なるセミナーですが、意外なことに言っていることはすべて同じでした。それは「自分の心の声を聴き素直に生きること。そうすれば自然に自分と合わない人は距離ができて疎遠になる」です。ビジネスでもプライベートでも、どれほど世間体や周りの意見に流されてしまう人が多いのでしょうか。そしてそれで多くの人が悩んでいるようです。無理して誰かとつき合う必要も、自分を押し殺す必要もないんだということを、あらゆる手段で教えられないと、実行できないようなのです。自分に合わなかったり、不快な思いをさせられる人とは、距離を置けばいい。他人ならやりやすいですね。でもそれが家族だったら……? ハードルはもっとグッと高くなります。私たちは子どもの頃から「親に感謝しなさい」「親を尊敬しなさい」と教えられてきます。高校受験の模擬面接で「尊敬する人は両親」と答えるのが模範的回答でした。今はそれほど強制されないとは思いますが、それでも「家族という見返りのいらない相互労働関係」に社会はずいぶんと依存しています。子育ても介護も、家族内で完結していれば、社会保障はいりません。私たちは「家族は素晴らしいものだ」と教えられ、家族がどんなに矛盾を抱えていても、そこを放棄することは許されないプレッシャーを植え付けられています。『酔うと化け物になる父がつらい』は、毎晩のように泥酔する父親と、宗教にはまっている母親に育てられた女性のノンフィクションです。ストーリーは、幼少期、クソ男とつき合っていた青年期と、父の介護という大まかに3つのパートに分かれています。(c)︎菊池真理子(秋田書店)2017私にも将来、親を介護する時が来るかもしれません。事実、自分の子どもには自分と同じように結婚をして子どもを産んで、企業に勤めるべきだという親の期待は、今度は「自分を介護して欲しい」に変わったようです。それにはハッキリ「あなたたちの世話はしたくない」と告げました。親の飲酒に悩むわけでも、経済的に負担がかかっているわけでもありません。冷たいでしょうか。でも私はこれ以上、親の都合に振り回されたくないのです。それでも、いざというときになってすべてを否定できるかはわかりません。親を拒否しても心は晴れません。だからといって、したくない約束をする気にもなれません。どういう選択をしても、恐らく気持ちが晴れることはないのでしょう。この面倒くささこそが「家族」だと思うのです。その、家族から与えられた孤独感を埋めてくれる誰かを、私はずっと探しているんです。以前、親しかった女性から聞いた言葉を思い出します。「人間は、どうしようもなく孤独なんです。それがわからないうちは、幸せにはなれませんよ」家庭環境に関わらず、多くの人が孤独を感じているのかもしれません。過干渉でも、不干渉でも、どちらも人は満たされません。そのどうしようもないさみしさを、お酒で埋めようとする人もいれば、セックスで埋めようとする人もいる。宗教や占いに頼る人もいれば、何かのセミナーに夢中になる人もいる。「酔うと化け物になる父がつらい」に登場する人たち……父親、母親、DVの彼氏、主人公、妹と、誰もが孤独や自己肯定感と戦っています。家族がいても、ひとりでいても、孤独なのは同じかもしれません。家族に対するモヤモヤとした気持ちは親から子へ受け継がれて、輪廻のようにグルグルとめぐっているのでしょう。だから『酔うと化け物になる父がつらい』のテーマである「親の飲酒」が自分に当てはまらなくても、描かれている多くのことが胸に刺さり、共感を呼ぶのだと思います。とても、辛い作品です。家族を許しても、許さなくてもいいのだと思います。自分ができるようにしかできないのだから。Text/和久井香菜子前回記事<連載40年、既刊62巻。少女マンガの名作『王家の紋章』で自宅にいながら大冒険へ>もチェック!時間がたくさんある大型連休だからこそ、超長編の少女マンガをゆったり楽しむチャンス!
2017年09月29日ひとりであることに、寂しさや恐ろしさを感じる瞬間by Pixabay私には「寂しい」と思う瞬間が、人よりも極端に少ないんじゃないかと思っている。一人で好き勝手に行動し、なんでもできるようになってくると、寂しさや孤独がだんだんと感じられなくなる。鈍感になる、と言ってもいいかも。一人でいることが当たり前になると、誰かといることによる気疲れが胸の内でどんどん膨らんで、プラスに向いていた気持ちをどこかに吹き飛ばしてしまう。「寂しさを感じられる人は、誰かと一緒にいる楽しさを知っている人だ」みたいな言葉があるけれど、本当にその通りだと思う。私が身をもって、実感している。最近の私は、ほとんど一人で過ごしている。趣味である映画鑑賞も旅行も、思い立った時にフラッと立ち寄ることが習慣になった。人と会うのはお酒の席くらい。まあ、元々飲酒が好きだから、お酒を飲むついでに誰かに会う機会も異常に多かったりするんだけど……。今の生活サイクルは、自分的にかなり気に入っている。誰にも左右されず、好き勝手にできるのはそこそこ幸せなんじゃないかと思っている。他の人と比較するとつまらないだろうけど、自分が選んだ道だし、まあ、いいかな。でも、今のそれなりに満足いく生活の中でも、どうしても寂しさに耐えられなくなる瞬間がある。誰かとお酒を飲んで、少し酔っ払いながら終電に乗って、ぼーっと窓の外を見ながら帰路に着く。あの瞬間だけは、私がひとりであること、孤独であることに恐ろしさを感じて、どうしようもなくなる。誰かに話す訳にもいかず、いつも心の中で「死にたい、死にたい」とまじないのように唱える。体の中からひんやりとした感覚が襲う。そういった感覚から離れられなくなってしまうのは、大抵とても楽しい時間を過ごせたときだ。ある程度、心を開いている友人と美味しい酒を飲みながら近況報告をし、グラスの空き具合に比例して話が弾む。お酒を飲み、ゲラゲラ笑い、無敵になれる時間が過ぎると、先ほどまでのポジティブな感情が一気に引いていく。心や精神状態の均衡を保とうとするのか、もの寂しさがどっと私を襲うのだった。私たちはもう、これ以上は仲良くなれないなんで、寂しく感じてしまうのかなんて、とうに分かっていた。だって、私たちは今の関係を維持したまま、これ以上仲良くなることなんてできないじゃないか、と思うから。女友達は、これからきっと恋人ができたり別れたりする。そして、そのうち結婚して子どもをもうけるんだと思う。私より大切なものをどんどん作っていく。今の関係が最大だろうと思う。男友達なんてもっと最悪だ。今後もっと仲良くなるためには、今の友達関係を崩して、恋人同士になるしかないから。それに、友達同士でい続けることすら、なかなか難しかったりする。友達のままの関係を維持しようと思うと、そのうち彼女を作り、私という邪魔な女は排除されるのだ。結婚したらしたで、必要なくなるんだと思う。女友達、みたいな役割が。一番の親友が、お嫁さんになる(べき)だから。友達だけではなくて、人間関係なんていつ崩れてしまうのか分からない。気が付いた時には大体手遅れで、どうにもならないことが多すぎる。今はたまに連絡を取って、こうして顔を見合わせて、一つのお皿に乗せられた料理を突き合うような仲だったとしても、近い将来お互いにどうでもよくなってしまって、他人以下の関係に戻ってしまうことだって、大いにあり得ることだ。考えすぎかもしれない。でも、私からすると、ひとりでいることよりも、誰かと一緒にいることの方が、ずっとずっと寂しいと感じてしまう。ふとひとりになった瞬間、いつもと同じように過ぎていく未来のなさみたいなものをぼーっと考えている。Text/あたそ<誕生日を特別な日にしたい。でも私にとっての特別って何だろう>もチェック!楽しかったと思えるような日に、自分でコーディネートしてみませんか>
2017年09月26日“おひとり様”ってなんだか寂しげな響きがありますよね。だから「一刻も早くおひとり様を卒業したい!」と思う女性も多いのでは?ところで、みなさんは『おひとり様物語』(谷川史子著/講談社)をご存知ですか?なんと、登場人物が全員“おひとり様”という設定のマンガなのです。毎回、別のおひとり様を主人公に物語が展開していきます。■おひとり様も人それぞれこのマンガを読んでいると、一口に“おひとり様”と言っても、いろいろな種類があることに気づかされます。多くの人がイメージするであろう「未婚で彼氏なしのおひとり様」もいれば、「遠距離恋愛中で気分はおひとり様」「彼氏と破局しそうな、おひとり様予備軍」「離婚しておひとり様ではあるけど、まだ気持ちはパートナーとつながっている人」など、さまざまな“おひとり様”が出てくるのです。今回は『おひとり様物語』をお手本に、“おひとり様”のパターンを分析してみました。あなたはどの「おひとり様タイプ」でしょうか?■[1] おひとり様をエンジョイ第1巻1話に登場する山波久里子(28歳)は「おひとり様エンジョイ派」です。書店勤務の彼女は、彼氏はいないけどプライベートを満喫。いわゆる、かわいそうな“おひとり様”ではないのですが…。【エンジョイ派へのアドバイス】ひとりが好きでも、時には女友達とつながることも大切です。■[2] 失恋直後のおひとり様第1巻2話の主人公は「失恋ほやほやのおひとり様」佐々木未和(21歳)です。とにかく、寂しさのあまり女友達に迷惑をかけまくる彼女…。身近にそういう女性っていますよね?ご自身にも似たような経験があるかも?【寂しがりやへのアドバイス】友達に依存してばかりいず、自分ひとりで過ごすことに慣れましょう。■[3] 彼氏とすれ違いのおひとり様第1巻4話の小宮山佳寿(22歳)は「彼氏と遠距離恋愛中」。“おひとり様”ではないのですが、普段の生活はなんだか“おひとり様”気分。大好きな彼が近くにいないツラさってありますよね?【すれ違い派へのアドバイス】彼氏と会えない時間を充実させるのもいいけど、時には素直に「寂しい」と伝えるのも大事です。■[4] 恋しちゃったおひとり様第3巻17話の三ノ輪(33歳)は「おひとり様エンジョイ派」の女性。勤務先のバイトくんにほのかな恋心を抱いて、どんどんキレイになっていきます。恋するおひとり様のパワーってすごい…。【恋するおひとり様へのアドバイス】好きな人がいると日々の生活にハリが出るので、恋に振り回されない程度に楽しむといいでしょう。■[5] 不倫中のおひとり様第3巻22話の並木香子(27歳)は不倫中。彼氏は既婚者なので、会えないときは“おひとり様”ムードを噛みしめています。これは不倫女子あるあるなのでは?身にしみるエピソードなので、現在進行形の女性は、ぜひ読んでみて!【不倫おひとり様へのアドバイス】その苦しい関係を終わらせるのは、あなた。■あなたの恋の教科書になるかもこのようにいろいろな“おひとり様”が登場し、ハッピーエンドあり、教訓あり、ちょっと悲しいエピソードありの『おひとり様物語』。とにかく女性の気持ちに寄り添うお話がたくさん詰まっています。一度登場した“おひとり様”が別のエピソードに登場し、ちょっぴり成長した姿に、ほっと一安心することも。ここまで読んで気になった人、私って“おひとり様!?”と思う人は、ぜひ手に取ってみてくださいね。あなたの恋の教科書になるかもしれませんよ!ライタープロフィール天野りり子ライター/編集者大学在学中からライター&編集稼業をスタート。女性誌ではビューティ&ヘルス企画、男性誌では恋愛記事を多数執筆、書籍編集も手がける。趣味は読書とタロット占い、そして恋バナを収集すること。
2017年09月15日純喫茶経営者たちを悩ませる4つの出来事少しずつ秋を感じる瞬間が増えてきたこの頃。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?日が暮れるのが早くなりましたが、心地良い気温の夜が嬉しく、ついどこまでも散歩したくなります。そんな時に、ふと立ち寄れる純喫茶の存在はとてもありがたいもの。しかし、昔ながらの純喫茶は年々その姿を消していくという悲しい現実が。その理由として多いのは、「店主の高齢化」「建物の老朽化」「安価なチェーン店の増加」「後継者の不在」などです。純喫茶を愛する者として、好きな店に足繁く通うことくらいしかできず歯痒いばかりですが、自分が暮らす街の純喫茶に通う方が増えることによって、その地域に根付いた純喫茶は長く続いていくのではないかと考えています。さて、今回は、閉店のきっかけになりうる懸念事項の1つ「後継者の不在」に対する不安を吹き飛ばしてくれる浅草橋の純喫茶を紹介します。 初代マスターから引き継いだ「純喫茶」の思い難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年09月15日1人は寂しいし、彼氏のいる友達を羨ましくも思うのに、どうしても一歩踏み出す気持ちになれなかったりしませんか?それは、無意識に恋愛に疲れている・疲れるイメージがあるからなのかも。そこで今回は「おひとり様女性が『恋愛疲れ』を引き起こしている理由」についてリサーチしてみました。■1.相手に合わせすぎてしまうから「好きな人ができると、相手の趣味や性格に合わせてしまう。LINEもずっと待ち続けちゃうし・・・。そんな自分に疲れちゃうから、いまは恋愛する気になれません」(26歳/販売)片想い中に彼の生活リズムに合わせたり、タイプの女性になろうと努力するのはよくあることですよね。でもそれが「楽しい」と思えるのなら良いのですが、ただの負担になってしまうと、そのまま恋を続ける気力もなくなってしまうようです。どちらにせよ、付き合ってからも続けられるような努力でないと、結局うまくいかないでしょう。無理に相手に合わせようとするのではなく、自分らしさを武器にすることも必要なのかも。■2.漠然と「彼氏を作らなきゃ」と思っているから「彼氏が欲しすぎて焦って、街コンや合コン、マッチングサイトなどあらゆるものに手を出してみた。でも結局良い出会いはなく、空振りばかりでした・・・」(28歳/福祉)未来への焦りや不安から、漠然と「彼氏が欲しい!」と思ってしまうことってありますよね。でもその気持ちだけが先走ってしまうと、だんだん「恋はしたいけれど、全然彼氏できないしもう疲れた・・・」と感じてしまうことがあるよう。自分に自信がなくなって、そのまま恋愛疲れを引き起こしてしまうようです。彼氏が欲しいなと思ったときは、やみくもに行動するのではなく、出会い方も慎重に選ぶようにしましょう。そのほうが効率よく彼氏をゲットできるはずですよ。■3.理想通りの人が現れないから「収入もそこそこで、安定した企業に勤めていて欲しい。顔もカッコいいほうが良いし・・・なんて思っていたら、3年もシングルに。理想通りの人がいなさすぎて、もはや恋愛がどうでもよくなってきた」(27歳/出版)「随分と男性に対して上から目線だなぁ~」なんて思ってしまいますが、実際に恋人への理想が高くなってしまっている女性は多いようです。特に最近は“ちょっぴり身近に感じられるイケメン俳優やアイドル”が増えているので、余計に男性へのハードルが上がってしまっているよう・・・。でもそれで「理想の人がいない」と恋愛疲れを引き起こしていたら、意味がありませんよね。男性の悪いところばかりに目を向けるのではなく、意識的に良いところも探していくようにしましょう。そうすれば、もしかしたら運命の出会いがあるかもしれませんよ。■4.周囲の目を気にしすぎているから「付き合うなら周りから羨ましがられるような彼が良いと思っている。でもそんなことばかり考えていると、なかなか人を好きになれません・・・」(21歳/大学生)どうせ付き合うなら、女友達から嫉妬されちゃうくらい素敵な彼氏が良いですよね。でも周囲からの目ばかりを気にしすぎていると、自分の本当の気持ちを隠すこととなり、どんどん恋愛にストレスを感じてしまいます。「自分が彼のことを好きならそれで良し!」と思えるくらいじゃないと、楽しいお付き合いもできないですよ。■おわりに今は恋愛をしていない状態だからこそ、頭であれこれ考えすぎてしまい、恋愛疲れを引き起こしてしまうことがあるようですね。自分の意思を大切にしつつ、適度に出会いの場に足を運ぶのが1番かもしれません。(和/ライター)(ハウコレ編集部)(ササキミウ@M_Y_3733/モデル)(Yoshifumi Shimizu/カメラマン)
2017年09月15日自分の誕生日をどう過ごすかby Tim Mossholder夏がひと段落つき、秋に差し掛かるころ、私はいつも同じ悩みを抱えている。そう。来たる9/3、自分の誕生日をどのように過ごすべきなのか、いつも困ってしまう。悩みに悩んだ結果、今年はバンジージャンプをしに行くと決めていた。私は元々高所恐怖症で、高い所が苦手。何かに初挑戦したい気持ちと、年を重ねることをきっかけに何か苦手なものを克服しようという気持ちがあり、悩んだ結果として、1万6千円というぼったくりかと思うようなバンジージャンプをするために、4時間かけて茨城県のダムを選んだ。そのバンジージャンプは、地上から100mの高さにある橋から飛び降りることができ、日本一の高さを誇っているようだった。自分でも馬鹿らしい、何をしに行くんだろう、しかも誕生日に一人で……という様々な否定的な気持ちと葛藤しながら、朝5時前に起床し、何本かの電車を乗り継いで北上していく。最寄り駅に着くと、一本の電話が。出てみると、どうだろう。今朝、ダムから水死体が上がり、営業ができないという。「こんなことあんのかよ!」と思いながら、結局何もせず、東京へととんぼ帰りをするのだった。そこのバンジージャンプは、大雨だろうが濃霧だろうが決行されるため、中止になることなんて滅多にないそうだ。結局、特別なことは一切なく、何もしないでただ年を取っただけの日になってしまった。なんだか私らしいなあ、なんて思ったりもする。そう。おひとり様にとっては誕生日の過ごし方というのは、かなりの悩みどころだと思う。一緒に過ごしてくれる彼氏もいないし、友達に祝ってもらうのもなんだか違う気がする。気を遣ってもらいたくないし。家族も違う。誰かと一緒に過ごしていると、無理やり祝ってもらっているというか、一緒に過ごしてもらう感謝の気持ちよりも申し訳なさの方が勝ってしまう。人の時間を自分勝手に無駄にしてしまっているような、周囲の人の優しさを利用しているだけなような。「こんな気持ちになるなら、初めから一人で過ごした方がいいかなあ」と思って、もう何年も一人で好き勝手にしたいことをしている。でも、一人でやりたいことなんて、誕生日でなくてもできる。私で言えば、海外旅行に行くとか、映画を見に行くとか、好きなアーティストのライブに行くとか?特別だけど、わざわざ誕生日にしかできない特別なんかじゃない。何か特別な一日にしなければいけない気がするのに、自分の「特別」が何も思い付かない。毎年毎年、自分の想像力の乏しさにうんざりする。高いものを買ったり、少し贅沢な食事をしたりする? そんなのダメだ! 金で買えるもので、私の心は満たされないんだ!≫【番外編】あたそさんが外資系コンサルとランチデート!?特別な日だからこそ、自分が一番いいと思える体験を私の人生の中で、最もいい誕生日を過ごせたのは、モロッコのサハラ砂漠で星空を観に行った時だった。あれはよかった。日中50℃近くになる、砂以外は何もない砂漠をラクダに揺られながら進んでいく。それだけで異世界を歩いている気持ちだった。ラクダに乗り過ぎて、内股が筋肉痛になることなんて滅多にないと思う。暑さで殺されそうにはなったことも、オレンジっぽい砂と青い空というシンプルな構成でできた景色も、砂の上に布団を敷いて星を見ながら眠ったことも、恐らく絶対に忘れないし、何かあった時にふと思い出して「また頑張ろう」という気持ちになるんだろう。そうそう。そうだよ! そういうことだよ! 体も心もパーフェクトに満たされるような経験を、一年に一度の特別な日にしたい。誰かが一緒にいるから、なんとなく楽しかったとかじゃなくて。お祝いの日だから、ただケーキを食べてみるとかじゃなくて。自分が一番楽しかったと思えるような日を、ちゃんとコーディネートしたい。でも、社会人になってしまった今、時間にも制限があるからそう簡単に飛行機に乗る訳にはいかないし、自分に興味があることも限られている。他の人はどんな風に誕生日を過ごしているのだろうか? 誰かと一緒にいることも、一人でなんとなく過ごすことも憂鬱に思えてしまう、年に一度の特別な日を。来年の9/3は月曜日。有給を取って旅行に行くか、それとも日本でまたアホらしいことに挑戦するのか。多分、今年と同じように悩んで、なんだかんだ何もしない誕生日になってしまう気がする。ただ生まれた日ってだけなのに、これからもこの悩みや心が少し沈んでいくような気持ちを抱えていくのかと思うと、ちょっとだけ気が重い。Text/あたそ<日本ほど一人行動しやすい国はない。「さびしい」の思い込みを取り除こう>もチェック!女ひとりで行動しても浮かない日本がちょっと好きになるかもしれません。
2017年09月12日司馬遼太郎が、各巻500ページくらいの分厚い文庫本上・中・下巻にわたって描いた壮大な歴史小説『関ヶ原』を、『日本のいちばん長い日』『駆け込み女と駆出し男』などの原田眞人監督が映画化。姫路、京都、滋賀、静岡などのロケ、たくさんのエキストラを使った戦闘シーン、当時を再現する美術や衣裳など、けっこうな予算を使っていそうな、スケール感のハンパない2時間29分の大作。戦国時代、織田信長亡き後、隆盛を極めた豊臣秀吉(滝藤賢一)も亡くなり、徳川家康(役所広司)の勢力が強くなる中、秀吉に重用されてきた石田三成(岡田准一)は、毛利輝元(山崎清介)を総大将にして、家康軍と闘うことに。世にいう"天下分け目の関ヶ原"の戦いだ。三成のいる西軍約8万、家康率いる東軍約10万、合わせて約18万人もの人々がぶつかり合う決戦の中、石田三成を演じる岡田准一は、最後の最後まで、どしりと構え、得意のアクションも含め、立ち居振る舞い、すべてが戦国武将然としてたくましかった。歴史ものは、書物などの記録だけが頼りのため、人物や出来事が、作品によって違ってくる。いわゆる"諸説あり"だ。石田三成に関しては、彼の才気が秀吉に気に入られて家臣となり、順調に出世していくが、頭でっかちで実戦には弱い面があったとも言われる。去年、人気だった大河ドラマ『真田丸』(三谷幸喜脚本)では、山本耕史が演じた三成が生真面目すぎて、豊臣軍のなかで孤立しがちなキャラで、そこがまた愛されていた。岡田准一の三成は、自分を引き立ててくれた秀吉に、最後まで尽す義理堅い人間として描かれ、それが、岡田准一にぴったりハマっていた。○何かに徹底的に「准じる」男岡田准一は、その名のとおり、何かに徹底的に「准じる」(従う、のっとる)男を演じさせたら、誰にも引けを取らない。たとえば、テレビドラマから映画にもなって大ヒットした『SP 警視庁警備部警護課第四係』シリーズ(07年~)では、人を警護する任務についているためどんなことがあっても警護を引き受けた相手のことを、カラダを張って人を守り続ける男を演じていた。映画がヒットしてドラマにも作られた『図書館戦争』シリーズ(13年~)では、任務に忠実で、部下に愛情はあるが厳しい図書特殊部隊堂上班班長を、ヒロインに恋される好感度を絶妙に残して演じた。大河ドラマ『軍師官兵衛』(14年)では、三成と同じく、秀吉に重用される人物・黒田官兵衛。戦国武将と比べると軍師という地味なポジションだが、秀吉が天下をとるため裏方に徹し続けた男の誇りを演じきった。日本の名匠・降旗康男監督と木村大作カメラマンのコンビによる『追憶』(17年)では、過去のトラウマを抱えながら刑事として生きていたところ、過去の事件に向き合わざるを得ない事件を捜査することになる男の生真面目さを好演した。とにかく、これ! という目的に向かって、寡黙に真摯にまっすぐに生きている人物に、説得力がある。「准」という名前にぴったりな仕事ぶりという時点でも、どれだけ忠実なのか。あっぱれである。関西限定の「超ひらパー兄さん」(ひらかたパークのCM)の超真面目な感じもすばらしい。○邪念が浄化されてしまって見える信じた道をまっすぐ、というのは、実をいえば、少し危険な部分があって、正しい道をまっすぐ突き進んでいっても、ベクトルを逆にしたら、それが悪になってしまうこともあるもの。戦さでいったら、味方にとっては正義でも、敵にとっては悪になる。そこで、人間は苦悩するわけだが、岡田准一が演じる役は、あまりにも、真面目にものごとに向かっていくので、悪になりようがないというか、すべての邪念が浄化されてしまって見える。まるで、ホットヨガをして、悪いものを全部出してしまったデトックス感あふれた、一点の濁りもない汗のようなのだ。岡田准一は、ただただ、懸命に生きた人として、その役を気高く美しいものにする。対して、役所広司演じる家康が、太鼓腹に人間のどろどろとした欲望をたっぷり詰め込んで見えるので、よけいに、岡田三成が清らかに見えてしまう。すばらしい対比であった。人間の美の法則(と勝手に呼びたい)に則り、『関ヶ原』で、岡田演じる三成は、世話になった秀吉への義を守る。途中、秀吉は、権力への野心に取り込まれ、倫理に反した行いをしはじめる。それを「悪」と捉えながらも、三成は最後まで、秀吉側に立つ。秀吉が危篤のとき、もっていた鞠を、亡くなってから三成が手にして、やがて、その糸で髷をきつく結ぶ場面は、静かながら、三成の強い想いが強烈に伝わってきた。損得を生き方の選択の規準にしない三成。たとえ自分が損をしても、一度決めたことを曲げずに、全力ででき得る限りやり遂げる。なかなかできることではない。その尊さを、岡田准一は体現する。なぜ、そこまで、一途になれるのか。でもそんなことは当たり前とばかりに、あまり饒舌に語らない岡田准一。まったく語らないわけではなく、きちっと言わなきゃいけないことは語るものの、それを大それたことのようには決して語らない印象がある。言葉ではなく、行動で見せるタイプという感じ。そんな彼が劇場用パンフレットで、大河ドラマ『軍師官兵衛』(14年)のときから乗っている役馬バンカーについて丁寧に語っているところが素敵だった。それを読むと、バンカーはよく訓練ができていて、どんなことがあっても乗った人を絶対に落とさないのだとか。決まりごとに准じる、その馬の生真面目なプロ意識に、岡田はきっと共感したに違いない。■著者プロフィール木俣冬文筆業。『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中。ドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書『挑戦者たちトップアクターズ・ルポルタージュ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』、構成した書籍に『庵野秀明のフタリシバイ』『堤っ』『蜷川幸雄の稽古場から』などがある。最近のテーマは朝ドラと京都のエンタメ。
2017年09月09日仕事で疲れた心と身体を癒してくれる、ひとり旅。行きたいところへ気ままにふらり、観光もお散歩も、自分のペースで何でもできるのがひとり旅の醍醐味です。ひとりで行動すると、思いがけない出会いに恵まれることもしばしばあります。そして、それが恋に発展することも。英語圏では、そんな旅先での恋愛を「ホリデーロマンス」と呼ぶぐらい、ごく一般的な出会い方のひとつです。旅行中は開放的な気分になるからでしょうか、特に意識していなくても、出会いのチャンスは多いのもの。今回は、心踊るホリデーロマンスのスマートかつ現実的な楽しみ方をお伝えしたいと思います。割り切って楽しむ飛行機や長距離列車で隣り合わせになった人、レストランやバーで知り合った人、ホテルや客船でたびたび顔を合わせる人、あるいはナンパなど、旅行中の出会いはたくさんあるでしょう。ただ、現実的に考えて、旅先でお酒や食事に誘ってくる異性が本気だとは考えられません。楽しい時間をあなたと一緒に過ごし、あわよくばセックスを期待しています。ですから、旅先でのロマンスは割り切って楽しみたいもの。私の友人の話です。彼女は南国のビーチリゾートで、スキューバダイビングのインストラクターと親しくなりました。彼が積極的に迫ってきたため、気を許してしまった彼女。ところが、そのインストラクターの彼は妻帯者だったことが発覚!旅先では、身元を隠して迫ってくる人も少なくありません。巧みな言葉に騙されないようにしてくださいね。出会ったその日に身体を許す? 許さない?出会った日に、ヤるかヤらないか。旅先でのセックスは、その後の関係性を決定づける行為です。雰囲気に流されて、その日のうちにセックスに及ぶのは気をつけて。簡単にやらせてくれる相手だと分かれば、次のデートはないでしょう。彼が一番欲しかった、あなたの身体をゲットしてしまえば、あなたをモノにするための食事や夜景などのロマンスは必要ないからです。逆にあなた自身が、性的なことも含めホリデーロマンスを割り切れる人であれば、快楽に身を委ねるのももちろんアリ。私たちにだって性欲はあるのだから、割り切れる人はとことん楽しめばいいのです。でも、身元の分からない相手はどんな病気をもっているか分かりませんから、避妊は必須ですよ!ポーチには、常にコンドームを。旅先でのロマンス、長期的な恋愛に繋げるには?さて、旅先でのご縁を次に繋げる方法はないものでしょうか?私の知り合いの日本人男性Nさんは、ひとり旅でタイを訪れた折に、現在の奥さん(同じく日本人)と知り合いました。旅先で連絡先を交換し合い、東京に戻ってから交際に発展したそうです。Nさんが「現地でも何日か彼女と一緒に過ごしたのに、ヤらせてくれなかった。なんか、彼女のことが気になっちゃって……」と話してくれたのが印象的でした。長期的な恋愛に発展させる上では、やはりすぐには身体を許さないのがポイントのよう。このように、旅先でのホリデーロマンスがきっかけとなり、人生の方向性が変わることもあるかもしれません。私自身は現在海外で暮らしているのですが、外国で暮らすことになったきっかけはホリデーロマンスです。たとえ、旅先だけの刹那的な恋だったとしても、そのときにあなた自身が「最高に楽しかった!」と思えたなら、その後も素敵な思い出として記憶に残るはずです。型にはまらない、ルールのない、自分史上最高のロマンスがみなさんにも訪れますように!
2017年09月04日銀座老舗デパートの中のオアシス8月もいつの間にか終わり、本日から9月となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?今年の夏は盆の頃に雨降りが続いたせいか、涼しい日も多く、不思議な毎日でしたね。さて、夏は食欲が出ないという声をよく聞きます。私はあまり気温に食欲を左右されることがないのですが、「食欲の秋」と呼ばれるこれからの季節におすすめのメニューがある店を紹介します。その店があるのは、銀座4丁目の老舗「西銀座デパート」の地下1階。洋服やアクセサリーなど女性向けの華やかなものたちが並ぶ館内を通り抜け、エスカレーターを下ると一番奥に「ブリッヂ」があります。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年09月01日晩年をだれと過ごし、死にたいか?by Arieth「年をとったら、かわいいおばあちゃんになりたい」って、一時期みんな言ってた気がするけれど、あなたはどうですか?私はというと、「かわいいおばあちゃん」にはなれなくてもいいけど、頼むから料理ができない若者をバカにするテレビ番組を見て喜ぶ老人にだけはなりたくないと、強く思いながら日々を過ごしています。それはいいとして、20代や30代くらいだと、まだまだ自分の「死」や「最期」をリアルには想像できません。だけどぼんやりとなら、「晩年をだれとどんなふうに過ごして、そして死にたいか」なんて問題を、考えたことがある人も少なくないはずです。「孤独死」、むしろ理想の最期では?東京都写真美術館にて9月18日まで、『コミュニケーションと孤独』という展覧会がやっています。平成になってから普及したインターネット、SNS、そして孤独死の問題などを、現代の写真家たちがどのように捉えてきたかを知ることができる展示です。今回私が注目したのは、その中でも郡山総一郎氏の「Apartments in Tokyo」というシリーズ。これは、アパートで孤独死を遂げた人々の、生前に遺した部屋を撮影した作品群でした。「Apartments in Tokyo」に登場する部屋は、いかにも「孤独死を遂げた人の部屋」という感じで、見ていてあまり気持ちのいいものではありません。洗濯物が室内干しにしてあったり、炊飯器の中にごはんが残っていたり、醤油の瓶が机の上に置いたままになったりしています。布団にはシミがあって、干していないのかぺたんこに潰れていたりして。ですが、「気持ちのいいものではない」とはいえ、なぜか私は「Apartments in Tokyo」の部屋に、嫌な感じはあまり抱きませんでした。これを見て、「こんなふうに一人で晩年を過ごして、最期をむかえるなんて嫌だなあ」と思う人も中にはいるでしょう。だけど私はどちらかというと、「まあ人間だもの、しょうがないよね」という印象だけが残ったのです。「孤独死」というと、一般的には独身者の問題として連想されがちです。しかし、たとえ結婚していたとしても、妻や夫と同時に旅立つということは無理心中でもしない限りほとんどありえないわけで、つまりパートナーがいる人であっても、最期には必ずどちらかが一人で残る。子供がいる人であっても、昨今は老後に子供と同居するのはレアケースだといいます。本質的には、孤独死のリスクから逃れられる人はだれもいません。感想を強要はしないですが、「こんなふうになるなんて嫌だ」と思うより、「こうなったらまあこれはこれで」と思っておいたほうが、自分にも他人にも優しい気はします。そして今つい「リスク」という言葉を使ってしまいましたが、一人大好きの私は最近、「よく考えたらむしろ、孤独死って理想の最期では……?」と考えるようになってしまいました。以下はそんなわけで、私が考えた「ここが最高!」な孤独死のポイントです。ここが最高!孤独死のハッピーなポイントまず、孤独死の最大のハッピーポイントは、「慣れ親しんだ自宅で死ねる」ということではないでしょうか。病院でたくさんのチューブに繋がれ、家族や友人に手を握られて……なんて最期も悪くはないですが、たとえ一人であっても、思い出がたくさん詰まった自宅で最期の瞬間を迎えられるというのは、考えようによっては悪くない気がします。それから「死」を考えるときによく出てくる命題として、「あなたは愛する人よりも先に死にたいですか? 後に死にたいですか?」というものがあります。前者派の人にとってはやはり自分の最期として孤独死は望ましくないでしょうが、後者派の私にとっては、「孤独死=大切な人の最期を見届けることができた(後に大切な人を残さない)」ということで、こちらもやはり考えようによっては悪くない。もちろん、自宅で一人亡くなってから何日も見つからないままでいると、後に発見する人や清掃業者に面倒をかけるので、自分の身に異変があったらなるべく早くまわりに気付いてもらえるよう、日頃のコミュニケーションや手配は怠りたくないところですが。孤独死は現在、貧困など社会的弱者の問題と絡むので、なかなか諸手を上げて「理想の死に方だ」とは言えない部分もあります。でも、社会の高齢化が進むにつれて、孤独死が珍しい死に方ではなくなることはほぼ確実です。「死後に発見しやすいしくみ」さえ作れたら、一人で死ぬこと自体はそんなに怖くないと私は思うのですが、どうでしょうか。理想の晩年と死に方の話、ぜひ考えてみて下さい。Text/チェコ好き前回記事<「ひとり」も「ふたり」も、どの関係が尊いかなんて他人にはわからない>もチェック!二人でいるのに孤独を感じることのほうが寂しいかもしれない。
2017年08月29日こんにちは、普段は少女マンガの解説をしている、うっすらジャニーズファンの和久井香菜子です。知る人ぞ知るですが、和久井は何曲かジャニーズソングを完コピできます。数年前のことですが、某編集部の飲み会に浴衣を着ていったんですよ。そしたら「何この人、浴衣なんか着て取っつきにくい」と思われてたらしいです。しかし二次会で浴衣姿のままシブがき隊を歌い踊ったら「なんだいい人なんじゃん」と評価が覆ったんだとか。あはーんだとしたら和久井は飛んだ間違いを犯していたわけです。完コピスキルを活かせず、メダル1個の凡人で終わってしまっては、テレビの中の師匠たちにあまりに申し訳が立たない。チームの最高受賞者はメダル3つでした。……来年はきっと、複数のメダルをもらいます、リベンジです!!まとめ悔しさと課題はあったものの、よさこい自体がめちゃくちゃ楽しかったです。当日はぶっちゃけジャニーズを忘れました。衣装は長袖で蒸れるし暑い。休憩中はガブガブ水分補給をして、演舞前には水をかぶってました。生死をかけた戦いっぽいですが、観客の方たちもまたその戦いに力を添えてくれるんです。多くの方が見学をしながら一生懸命踊り子たちを団扇であおいでくれました。「まじやってらんねーよ」とか言いそうな金髪ヤンキーっぽい青年まで、団扇を振っています。よさこいは、見る者すべてを更生させてしまう力があるようです。各チーム80人以上の大人数のところばかりで、それぞれがめいっぱいおしゃれを楽しんでます。和久井が見たところ、衣装の傾向は、和装派、巫女・晴明派、『花のあすか組』『ホットロード』派、ドラクエ派(海賊・イスラム系)に大別できます。そんなお洒落さんたちが、他のチームの演舞開始時には、一斉に鳴子を鳴らして「いってらっしゃい」するんですよ。もうそのスポーツマン精神に胸が震えました。ちなみに、キレッキレで踊ると、通常時の3倍ほどの体力と神経を使います。2日目最終演舞で和久井は体力的にも精神的にも燃料切れを起こしました。来年はお色気よさこいで体力温存しつつ、メダル3つを目指します。Text/和久井香菜子前回記事<値切りの一番のコツは楽しむこと!海外の市場で通用した交渉スキル>もチェック!海外での買い物の楽しみ方のひとつに値切りがあります。和久井さんとっておきの秘策とは…?
2017年08月25日「ひとり」か「ふたり」かなんて、本当は外からはわからない西川美和さんの『永い言い訳』を、映画でも原作小説でも、ご覧になった方はいますか? 妻を交通事故で亡くした主人公が、同じ事故で妻の友人を亡くした遺族と、交流を深めていく過程を描いた作品です(私は原作小説で読みました)。そんな『永い言い訳』の特筆すべき点はやはり、「愛する妻を失った夫の物語」ではない、というところにあると思います。「愛する妻を失った夫の物語」であれば、映画や小説の主題として考えた場合、取り立てて珍しいテーマではありません。『永い言い訳』は、「もう結婚してからずいぶんと期間が経っている、愛しているかどうかよくわからない妻」を失った夫の物語なのです。「愛のない夫婦」は本当に冷たいか主人公の幸夫は妻が亡くなったという知らせを聞いても、茫然自失としているだけでまったく悲しみを表しません。一方亡くなった妻の夏子も、幸夫に対する愛情はとうの昔に薄れていたことが、死後になって発覚します。だけど、もう愛してなんていなくても、長く同じ時間を過ごしてきた相手には、愛と見分けがつかない情があります。『永い言い訳』はその、「男女や夫婦の愛ではない、だけど大切な人に対する思い」というのが描かれていた作品だったと思うのです。もう一つ似たような夫婦の情を描いた作品で、池田理代子さんの漫画『ベルサイユのばら』で、私がすごく気に入っているシーンがあります。フランス革命によって夫婦そろって追い詰められ、最終的にアントワネットの夫・ルイ16世が死刑台にのぼることになってしまった際のエピソードです。「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」のセリフで悪名高いアントワネットはそれまで、豪華な服やギャンブルで浪費し放題、さらにスウェーデンの伯爵フェルゼンとの不倫の恋に溺れていた、とんでもない妻でした。そんな彼女が、死に際に冴えなかった夫・ルイ16世への思いを独白しているシーンがあります。いわく、不倫相手であるフェルゼンに抱いたような熱い思いを、夫に向けたことはなかった。だけど、長年連れ添ってきた夫には淡い情のような感情があって、これだって愛に違いはなかったのではないかというのです。そうして、心の内で自分の思いを噛み締めながら、死刑台にのぼる夫を見送ります。「夫婦」と一言でいっても、愛し合っている夫婦もいれば憎み合っている夫婦もおり、またほとんど何の感情も抱かず、お互いを空気のように思っている夫婦もいます。そしてそれぞれの関係において、二人の間にあるのが「愛」なのか「打算」なのか「情」なのかというのは簡単には見分けがつきません。多くの人が憧れるのはそりゃ「愛し合っている夫婦」だろうけど、どの関係が尊くて、どの関係が尊くないか、なんて一言ではなかなかいえないのではないでしょうか。『永い言い訳』や『ベルサイユのばら』を読むと、私はそんなことを考えるのです。だれがどんな思いで、だれといるかはわからないとなると、ひるがえって我々「おひとりさま」だって、夫婦以上に多様な存在のはず。「おひとりさま」は一般的に、独身者のことを指すのでしょう。さらにいうと、恋人がいないとか、友達が少ないとか、大勢といるよりも一人で過ごすのが好きだとか、いろいろな要素を連想させる言葉です。だけどそんな「おひとりさま」であっても、家族や友人、あるいはそれ以外の関係の人で、大切に思う人、情や因縁で離れられない人がいるということもあるわけで。外から見たら「ひとり」だけど本当はひとりじゃないということもあるし、外から見たら「ふたり」だけど実際はひとり以上にひとりだった、というケースもある。だれがどんな思いで、だれと関係を結んでいるか・いないかは、外からは絶対にわからないものです。「ひとりでいるのって寂しいでしょう?」と人に言われても、その人に私たちの真の姿が見えているわけではありません。本当に寂しいのは、実は「ふたり」でいるその人のほうかもしれない。だからやっぱり、他人の視線に傷付く必要なんてないんだと思います。外からは、私たちの実態は見えないのだから。だれがどんな思いを抱えているかはわからない。「ひとり」とか「夫婦」とか「子持ち」とか、そういう外からわかる枠組みだけで境界線を作りたくないなあと、最近の私はよく思います。Text/チェコ好き前回記事<「好きな絵は?」親しいあの人に不意打ちでぶつけてみたい質問>もチェック!どうせなら「えっ、考えたこともない」という質問を親しい人にぶつけてみてはいかがでしょう?
2017年08月25日第21回:「転職の行先」(c)つめをぬるひと今回の作品は、「現状に満足はしているけれど、ライフステージを考えると迷ってしまう」と、転職に悩む女性からの投稿に寄せて。さて、私が今の「つめをぬるひと」という活動を始めたのは転職がきっかけだった。前職が食品を扱う職業だったため、ネイルは禁止されていた。というかそれ以前に、私は昔からネイルには全く興味がなかった。2年勤めた前職はかなり激務だったため、退職後の開放感といったら凄まじいものだった。とにかく行きたい場所に行ったり、やりたかったことをやってみたり、当時の行動力はインドアな自分でも引くほどだ。その中でなんとなく、本当になんとなく始めたのが「爪に色を塗ってみる」ということ。モデルのkanocoさんが、爪先にちょこんと色を乗せるその爪が可愛くて、なんとなく始めてみたのだ(「kanocoネイル」で画像検索すると出てくる)。そこから自分の好きな柄を描いているうちに、現在の職場の人から「つけ爪にして売ったらどうか」と言ってもらったり、他にもいろいろなことが重なって、今の活動に至る(ここはかなり端折っている。)ちなみに、その職場の人にこの話をすると「そうでしたっけ?」と言われるのだが、おそらくふんわりした感じでぽろっと仰って、それを私が真に受けてしまっただけなのかもしれない。でもその一言がなかったら、私は「つめをぬるひと」じゃなかったかもしれない。転職は仕事以外のことでも、面白い方向に進むきっかけになることがある。下手に転職をゴリ押しするような無責任なことは言えないけれど、私はやってみても良いんじゃないかと思う。今回はそんな、思いもよらない方向に進んでいく様子を描いた。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<出会い方は千差万別>もチェック!「多様な出会いの中での人との関わり」がテーマの爪です。
2017年08月21日夏フェスに「誰と行くのか?」は重要なのかby Alex Wong最近は、夏になると毎週のように各地でフェスが行われている。花火大会とかビアガーデンとか、夏の風物詩のひとつに追加され、一昔前と比較すると普段音楽を聴かないような人たちも見かけるようになった。今巷で流行っていて話題にあがるような夏フェスでは、「どんなアーティストが出るのか?」よりも、「誰と行くのか?」ということに重きが置かれている気がしている。好きな音楽を聴けるというよりも、恋人とか友達とか、特定の人と思い出を作るためのイベントになっているように思う。音楽という分かりやすいカルチャーを通じて、他人と同じ体験をする。一種の帰属意識みたいなものが生まれると、TwitterとかInstagramとか、SNSで自分と同じような趣味や価値観を持つ人を見つけやすくなるし、「同じ場所にいた」というだけで距離がぐっと近くなる。人との関わり合いをうっとうしく思っている人間がインターネットを使っていたのに、今は自分と似たような人を見つけるためのツールになったと勝手に思っている。否定する気は全くなくて、時代の流れなんだろうなあ、と思う。多分。どれだけ便利になっても、必ず寂しさはまとわりついている。自分の似た価値観の人にそばにいて欲しい、人に認められたい、特別だと思っている人に特別だと思って欲しい、みたいな感情は絶対になくならないんだろう。その感情をうまいこと埋めていくために、フェスとかSNSが利用されている。気がする。きっと。自信ないけど。なんとなく。客観的に見ていて。もう、なんか、ひとりでもいいや!今年は、フジロックとホステスオールナイターというサマーソニック内の深夜イベントにも行くつもり。恐らく、ひとりで。ひとりでフェスというと、一人で海外旅行よりもハードルが高いと思う。しかも深夜のイベントに一人で参加するのはそれなりに辛い。眠いし。周囲が大勢でわいわい語り合いながらご飯を食べている中で、一人ボーッとビールを飲んでいると「何やってんだろうな」と一瞬思うことだってある。でも、自分と同じような音楽の趣味をしている人を見つけて誘うのも面倒くさいし、仮に誰かと一緒に行ったとしても会場で別々に行動する時間が長くなるだろうと思うと、もう、なんか、ひとりでもいいや! と思ってしまう。音楽を好きな友人ならたくさんいるし、誰かしらいるだろう、という思惑もある。毎年フェスでしか会わない人も何人かいるけど、大抵話が盛り上がらない。でも、そういう人に会うのも楽しかったりする。誰かと行動しているとまた別の友人にばったり出会うこともある。知らない人同士を紹介するのもまあ面倒臭い。人と一緒にいることと、人に気を遣わず好き勝手にふらふらすることを天秤にかけた時、結局、自分勝手に行動することが勝ってしまう。夏フェスだけじゃなくって、旅行でもなんでもそうなんだけど……。]≫【番外編】あたそさんが外資系コンサルとランチデート!?誰かと一緒にいたいわけじゃなくて、音楽を楽しみたいだけ私にとって夏フェスは、夏に開催されるイベントの延長に存在しているものではなく、ライブの延長にあるものだった。ライブも大抵は上記の理由につき一人で行く。だって、音楽は誰かと思い出を共有するためじゃなくて、一人でいるために聴くものだと思っているから。好きなバンドやアーティストを見ることが第一の目的なのだから、別に誰と一緒にいようが誰が会場にいようがあまり関係ない。自分の中の思い出として、「好きなアーティストが出ている夏フェスに行った」以外のものにはならない気がしている。自分の好きなことをしたい、好きなところに行きたい、そう思った時に誰かの力を借りなければならないのはやっぱり少し大変だ。社会人になって、周囲の人と生活環境も時間の使い方も変化してくから、なおさら。私は誰かと一緒にいたい訳じゃなくて、音楽を楽しみたいだけ。そこに私以外の人間の意志はいらないと思う。有給休暇3日間ぶっこんで、明後日からフジロックに行く。ぎりぎりまで動かないタイプだから準備も終わっていないし、何見るか決まってない。でもやっと夏休みが始まってくれたような気がして、すごく待ち遠しい。Text /あたそ前回記事<「寂しさ」を他人で紛らわしたくない。でも「甘え」られさえすれば器用に恋愛できるのか?>もチェック!なんでも一人でできちゃう私が唯一できないこと、それは恋愛だ。
2017年07月25日“顔には、その人の生き様が表れる”と言われていますが、まさにその通り。顔というのはその人を表すものなのです。顔というのは生まれ持ったものですが、生活環境によって日々変化していくものでもあります。そこで、今回は男子の人相から、“恋人向き”なのか“旦那向き”なのかの見極め方をご紹介いたします。文・脇田尚揮■大きな目の男子:恋人にするなら理想的大きく輝いている目の持ち主は、感受性豊かで、表現力がある社交家だと言えます。そんな彼との、お付き合いはとても楽しいでしょう。ただ、変化を好む性格であるため、やや短気で飽きっぽい一面も。結婚には不向きかもしれません。ただ、センスが良くセックスが上手な傾向があるので、一度関係をもつと離れられない恐れが。逆に小さい目の男子は、面白みに欠けるかもしれませんが、結婚には適しているでしょう。■鼻の横の太いシワ:人生経験豊富で結婚相手向き小鼻の両脇から口元にかけて二本の太くて長いシワ、いわゆる“ほうれい線”がクッキリ刻まれている男子は結婚に向いていると言えます。このほうれい線は社会運と密接な繋がりがあり、ほうれい線が深く刻まれている顔の持ち主には、地に足をつけて生活する性格の人が多いとされています。やや老けた顔つきにはなりますが、責任感があるため問題が起こったときに適切な対処をしてくれるでしょう。若い頃に苦労をしてきた、人生経験豊富で安定感のあるタイプです。■大きな口の男子:生活力があるため結婚相手として理想的!口の大きさは、生活力を表すと言われています。男性で言えば横幅が6センチ、あるいは黒目の内側よりも外側に唇の端が出ていると、大きな口だと言えます。口が広くて大きければ、基本的にワイルドでバイタリティに溢れる性格でしょう。ややズボラなところもありますが、生活には困らない相手です。口が小さいとやや小心者で自己保身に走ってしまう傾向が。シャイで可愛い性格なので恋人としては面白いですが、結婚には不向きかも。■薄い眉の男子:恋人どまり!?眉は家庭運や家族との繋がりを示すパーツ。そのため、薄くて細い眉の持ち主は、冷淡でいざという時に逃げ腰になりがち。やたらと眉を薄くしたり、整えている男子には要注意。結婚相手としては避けた方が無難でしょう。一方で、濃くてしっかりした眉の男子は、女性を守る気概のあるタイプ。ボサボサ眉の持ち主は、男尊女卑の傾向が強いと言われていますが、整った眉であればパートナーとして適任でしょう。ただし、キレキレ眉の男子は女性を騙す傾向があるので避けて。人相だけでなく骨相や手相など、“相”にも色々ありますが、人相は顔を見ただけで分かるその手軽さが魅力的。恋人としては良いんだけど、旦那にするのはちょっと……という相手と付き合い続けるのはリスクが高いですよね。今の彼との関係を続けるか、それとも他の男子を探すのか、参考にしてみて下さいね。(C) puhhha / Shutterstock(C) Milos Vucicevico / Shutterstock(C) LDprod / Shutterstock(C) BlueSkyImage / Shutterstock(C) sanneberg / Shutterstock
2017年07月24日ひとりで愉快に生きているのに唯一できないことby dima_goroziyaこの記事が掲載されているSOLOという媒体のコンセプトは「おひとりさまの生活を楽しく」ということらしい。彼氏がいようがいまいが、友達が多かろうが少なかろうが、ひとりでなんでもできた方がいいし、その方が楽しく生活ができるに決まっていると勝手に思っている。そして、私は人の感情が関わらず、自分の意志で出来ることならなんだって叶えてきたし、今後もそうしていくつもりだった。アフリカにある「Wi-Fi」という言葉すら通じない少数民族の住む村にだってひとりで赴く。映画も水族館も美術館もひとりで行く。食べ物に関してこれと言ってこだわりはないけれど、イタリアンだろうが焼肉だろうがご飯だってひとりで食べる。そういう面で、SOLOのコンセプトと私の考え方・生き方みたいなものは上手く合致していると思う。しかし、ひとりで楽しく愉快に生きている中で、どうしようもなく困っていることがひとつある。恋愛ができないことだ。私は本当に恋愛ができない。こればっかりは、ひとりの意志ではどうしようもできないし、好意を寄せている男性に気に入られなければならないから、自分勝手・好き勝手できる訳でもない。男の人、というか他人に気に入られて特別に思ってもらうのって、想像以上に難しい。着飾ったりせず、自然体のままでいられればいいんだろうけど、現実はなかなか上手くいかなかったりする。さらに最悪なことに、私は全く女性らしくないし、男性に気にいられるために女性らしく振る舞うことを避けて生きてきた。女性としてではなく、ひとりの人間として気に入ってくれるならよかったし、私の女性としての一面は、私が好意を寄せているたった一人の人が知っていればいいと思っていた。「なんでも一人でできちゃう」私は恋愛対象にならないのか男性にも様々な考えを持っている人がいて、女性らしさなど関係なく好意を持ってくれる人がいるのも知っている。でも、私が好きになる男の人は、女性らしくて、自然とピンクを選んでしまうような人で、そして一人ではどこにも行けなくてか弱い……という女性がタイプの人ばかりだった。大抵が私とは真反対で、私の個性や特徴とはかすりもしない。だから、この性格・振る舞いがどんどん男の人を遠ざけている。そりゃモテないよね!昔、年上の男の人に「あなたは、なんでも一人でできちゃうんだね」と言われたことがある。私は、その言葉の中に「だから、自分は必要ないよね」「男の人がいなくても、大丈夫なんだよね」みたいな意味合いも含まれているように感じた。どうして一人でなんでもできてしまう女の人を敬遠するのだろう。それに、「寂しいから」とかなんとか理由を見つけて男性に頼れる女性の方がしぶとく生き残っていたりするのにね!ひとりでいることに慣れすぎると、どうも恋愛が遠のいてしまう気がしているし、現に私から恋愛は姿が見えないほどに遠ざかっている。近づき方ももう忘れた。日常的に恋愛をしている人は、生活サイクルに恋愛が組み込まれているように感じる。でも、そうじゃない人にとっては、煩わしく感じてしまう人との関わりが余計に増えるだけ。だから、一人でいる時間が長ければ長いほど、恋愛は遠ざかってしまう、と思う。「寂しさ」と向き合い、適度に甘えて生きれたら恋愛感情と寂しさは、よく似ている。一方が満たされていると、もう一方は感じなくなる。対にあるようで、かなり近くにある感情な気がする。ひとりで行動できない人、ひとりの趣味がない人に話を聞いてみると、「怖いから」「寂しいから」という意見が一番多かった。寂しくてどうしようもない人には、必ず恋人がいる。自然と、途切れることなくいる。精神安定剤みたいだ、と思う。寂しさとの付き合い方を身につけてしまうと、周りに誰もいなくてもさほど気にならなくなる。この気持ちが恋愛を遠ざけている理由のひとつになっていることもよくわかっている。私も寂しさを感じることはあるけれど、誰かと一緒にいること、話をすることによって埋めようとは思わない。寂しさも私に宿る大切な感情だ。他人で紛らわすのも失礼だし、自分の力でなんとかしてあげたい。ひとりでなんでもできることは絶対的にいいことだ。でも、人は決してひとりで生きていけないことも知っている。結局はないものねだりみたいなもので、どちらかが極端に上手くてもバランスよく生活できないんだろうな、となんとなく思う。だから私は、ひとりでいることが絶対的にいいと考えたことはない。自分の寂しさとの付き合い方を知って、ある程度人に甘える技術を持っていて……みたいな、器用に生きていけたら一番いいんだろう。なかなか難しいけどね。あと、モテたい。Text /あたそ前回記事<誰の文句も気にしない。ひとりで好き勝手やることは、自分の人生を後悔しない。>もチェック!誰かと観るのもいいけど、ひとりだとひと味違う映画。感じたもの、考えたことを自分の中でかみ締めてみよう。
2017年07月11日誰かと「おいしい」と言いたい夜は…おひとりさまの食事は気楽でいい。好きなものを好きなだけ、好きなように食べられるから。でも、たまには、「誰かとこの美味しさを共有したい」「誰かの手料理を味わいたい」――そんな思いに駆られる夜もあるはず。以前、当サイトでインタビューした『キッチハイク! 突撃! 世界の晩ごはん』(集英社)の著者、山本雅也さんが共同代表を務める『KitchHike(キッチハイク)』は、料理を提供する「COOK(クック)」と、その料理が食べたい「HIKER(ハイカー)」が、食を通じてつかの間の交流を楽しむ“現代版スナック”とのこと。おひとりさまの参加率も高いらしい。ならば! 百聞は一見に如かず。どんな感じか体験してみようじゃないの!!!というわけで、さっそく『キッチハイク』に参加してきました!キッチハイクは“選ぶ楽しさ”から始まる大きな期待とちょっぴりの不安を胸に、『KitchHike』のサイトへアクセス。馴染みのあるメニューはもちろん、世界各国の料理にスイーツ、薬膳からスーパーフードまで、とにかく幅広いジャンルの「Pop-Up(ポップアップ)」(イベントのこと)がずらり。楽しい宴はあっというま参加前は、「日本酒やカレーに詳しくないと、ついていけないのでは……」と、内心気後れしていたのだけれど、ほかのHIKERさんも、カレーと日本酒、そしてその場を純粋に楽しんでいたのが印象的だった今回の『キッチハイク』。なんとなくひとりでいたくない夜、誰かと「おいしい」を共有したい週末、そして、純粋に料理を楽しみたい瞬間……。そんなときは、気になったPop-Upをクリックしてみては?Text/千葉こころ
2017年07月10日おひとり旅がもたらすこと「百聞は一見にしかず」なんて言葉があります。旅に行くと、ほんとうにそうだなあといつも思います。ニュースになっていることって、その場に行って現地の意見を聞かずには、なにも判断できないと思うんです。テレビや新聞などで報道されている時点で、誰かの視点が入り込んでいるわけですし、文字数や時間の制限のために取材の10分の1しか公開されない、なんてことはざらですし。1997年に名護で市民投票がありました(もう20年も前なのか……)。米軍のヘリポート建設の是非を問うものでした。まだ美ら海水族館ができるだいぶ前のことで、名護は経済の基軸をどこに置くか揺れ動いていた時期なのだと思います。そこに全くのノンポリ和久井が出向いていって、「ヘリポート、はんたーい!」とか言って反対派のみなさんと街を練り歩きました。反対派事務所にみなさんと一緒に詰めて、開票を見守ったりして。なぜそんなことになったかというと、沖縄の知りあいが活動家のひとりだったんですね。その方に連れられていったのですが、大変貴重な体験でした。その方が、ひどく寂れた廃墟のような街に連れて行ってくれました。ドル円が360円固定だった頃、外貨で稼いでいた街だそうです。今では開店している店も少なく、人通りもなくて、忘れられた映画のセットのようなところでした。そこがどこだったのか、いろいろ調べたのですが発見できず、今どうなっているのかわからないのですが、忘れられない光景です。基地だけに頼る経済がどれほどもろいのかを教えられました。それまでももちろん、沖縄に基地問題があることは知っていました。でも現地に行ってそれを目の当たりにするまで、なにが問題なのかピンと来ていなかったと思います。その後、久米島に行ってクラブで飲む機会があったのですが、そこで知り合った人たちが、みんなでその市民投票の話をしていました。投票について、恐らく東京でこんなに盛り上がることはなかったでしょう。しかもみなさん米軍基地に対する思い出と意見を個々にお持ちなんです。細かいことは忘れちゃいましたが、現地だからこそ聞けた意見だったと思います。おひとり旅の現地取材は大人の課外授業数年前に、また1人で沖縄に行きました。名護に連れて行ってくれた方が亡くなっていたことを知り、ご実家にご挨拶に行ったんです。その帰りに、居酒屋に飲みに行きました。カウンターで飲んでいたら、お店の方に声をかけられ、常連さんをご紹介いただいておしゃべりしてたんです。ちょうどそのとき、尖閣諸島や竹島の問題が話題になっているときでした。私の周りには「あんな端っこの島、欲しいならあげればいいのに」と言っている人が何人もいました。その意見を聞いたとき、「領土ってのは国家の大前提でしょ。気軽に譲っていいものじゃない」とブリブリ怒っていたんです。だけど現地の人の話を聞いたら、そんな問題じゃないことがわかりました。彼らにとっては、尖閣諸島も竹島も、遠い離島の話じゃないんです。すぐ目の前の、隣の島の話なんです。なんなら、親戚が住んでたとか、知りあいが工場やってたとかいうレベルの話なんです。そこに外国の軍艦がぞろぞろやって来たら、そりゃ恐いですよ。本島に住んでいる私たちとは、臨場感が違うんです。「ああ、よそ者が軽々しく現地の人たちを批判する意見を言っちゃいけないな」と思いました。沖縄は一大観光地なので、南ののんびりした空気やダイビング、ショッピングを堪能して帰ることもできます。でも夜にちょっと足を伸ばして、現地の人と話をしてみると、これまで、わかっていた気になっていたことがぜんぜんわかってなかったなって感じるかもしれません。おひとりさまだと、普段は人見知りの和久井でも、気軽に知らない人と話すことができます。現地での話を聞いた後だと、新聞やニュースがとりわけ身近に感じられて、目を通すようになります。沖縄は特に歴史の陰の部分を多く持った場所なので、現地の方々のお話は衝撃的なことが多いです。おひとり旅の現地取材は、大人の課外授業って感じですね。Text/和久井香菜子前回記事<おひとり旅の夜はやることがない…では地方特有のアレを見に行こう>もチェック!旅先での夜の楽しみ方を和久井さんが伝授します。
2017年07月05日誰かと思い出を作るためじゃない私の趣味は、ほぼ100%と言っていいほど、ひとり遊びで形成されている。「ひとりでいることが好き」というと、「寂しくないの?」「誰かとやった方が楽しいんじゃないの?」と聞かれることがよくある。じゃあ、誰かと一緒にいることだけが正解で、他者と共通項を見つけることだけが趣味を見つける理由なんだとか、ひとりでいることに否定的な意見を言われる度に、ふと立ち止まって考え込んでしまう。小さい頃から、趣味と言えば、ひとりでできることばかりだった。読書とか、工作とか、ゲームとか。学校に通うようになって、友達がたくさんできるようになった。女子特有のグループでいるようになったとしても、同じような趣味を見つけることができても、同じ趣味をしている人を見つけられることはなかった。今でも変わらず、ひとりの趣味は続いている。予定のない日ができる度に、時間も気にせず朝から無計画にふらっと出かけ、まだ明るい時間のうちに帰ってくる。というのが私は今でも好きで、とても大切な時間だったりする。趣味の内容は変わってしまったとしても、相も変わらず大体ひとりで行動してしまうし、たぶんこれからも私の中でのひとりの趣味が、誰かと思い出を作るための趣味より重要になることはないんだと思う。「誰か」を待っていたら、一生の後悔になるかもしれない「ひとりで寂しくないの?」と聞かれることもあるし、「誰かと行った方が楽しいんじゃないの?」とも言われたこともある。たぶん寂しいし、きっと誰かと行った方が楽しいんだろうと思う。そんなこと、私はとうの昔から知っている。旅行だって、映画だって、ライブだって、観劇だって、美術館だって、なんだっていい。誰かと一緒に行って、意見を交換したり新しい共通の話題を見つけるのは、人と関係を築いていく上でとても重要なんだろう。誰か特定の人と思い出を作るために、どこかに出かけて同じものを見て、同じ経験を共有するのはいい。でも、目的が何か先にあって、「誰か」が現れるまで待っていたとしたら、たぶん私は何もできない人生だったんじゃないか? そう考えると、少しゾッとする。私にとって、他人の目を気にせず、ひとりでできることであればなんだって挑戦するのは、自分にとって大きな財産のひとつだと思っている。人生のうちで、自由に使える時間って本当に少ない。社会人になると特に。でも時間が少ない割に、若いうちにできることやしておいた方がいいことは多すぎる。学生時代ほど人間関係も形成しづらくなるから知り合いもそう簡単に増えないし、年齢を重ねていくごとに周囲の女友達はどんどん家庭を持つようになる。さらに、収入面もバラバラになってくるので、同じような金銭感覚を持ち、同じ趣味に同じくらいお金を使う人を見つけるのはなかなか不可能に近いでしょう。「あれがしたい」「これがしたい」なんて妄想を働かせることは簡単だけど、一緒に行動してくれる誰かが現れるまで待っていたら、時間なんてすぐ経過してしまう。最近は、一生の後悔に繋がってしまうんじゃないかなぁ、なんて思う。ほんのわずかなマイナスな記憶がこびり付いているだけ私はたまたま、幼い頃から自分ひとりでも大丈夫なことは知っていた。「ひとりでどこにでも行けるなんてすごいね」と言われることもあったけど、普段からあまり深く物事を考えない性格なのと、とりあえず何をしていてもなんとかなることを知っているってだけなんですよね。だって、危ない国への旅行も航空券取っちゃったなら行くしかないし。自分の好きなものが相手にとって面白いものかなんて分からないから、終わった後になって否定されても嫌だし。というか、何かやりたいことがあって、同じ趣味の人を見つけて、「断られないかなぁ」なんて思いながら誘って、いつがいいかやり取りをして、時間やスケジュールとか合わせて、色々準備して……みたいなやり取りが本当に面倒臭いし、人を遊びに誘うのが本当に苦手で。だったら私は大丈夫だから、ひとりでいいかな? って思っちゃうんだよね。他人からの目を気にせず好き勝手生きてきたから、文句を言う人や見下してくる人にはたくさん会ってきた。そんな人はどこにいたっているし、何をしたって文句を言ってくる。他人からどう思われるのか怖い人は、自分のマイナス要素を指摘した、ほんのわずかな人の意見が記憶に残り過ぎているだけの話だと思っている。ひとりでできることは、自分の度量を推し量れるひとりで好き勝手やっていると、自分に賛同してくれる人がどんどん増えてくるし、何かしていなくても私の趣味だけではなく、私自身に興味を持ってくれる人が現れる。ひとりで行動すること、ひとりの趣味を作ること。それは、自分を知るきっかけになり、自分の揺るがない軸を作るための材料にもなるんだと思う。できる範囲内で自分のやりたいことを全部試しながら年齢を重ねていくと、自分の度量みたいなものが見えてくるから。ひとりの趣味なんて限られているし、これからの人生で飽きずに続けられるなんて思ってない。だから、飽きるまではずっとひとりでふらふらと興味のあることに首を突っ込んでいきたいなあ、いつまで続くかわからないけれど。自分で好き勝手生きて、楽しみをどんどん増やして、生活をしていく上での活力にしていきたいなぁ。Text /あたそ前回記事<私だけが知っている。それだけで気持ちが高揚する「ひとり映画」という小旅行>もチェック!誰かと観るのもいいけど、ひとりだとひと味違う映画。感じたもの、考えたことを自分の中でかみ締めてみよう。
2017年06月27日デンゼル・ワシントンにクリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンら、7人の偉大なる男たちの熱き生き様を描いたアクション超大作『マグニフィセント・セブン』。いよいよ5月24日(水)にブルーレイ&DVDが発売となることに合わせ、アントワーン・フークア監督と、デンゼルら7人のキャストが一堂に会した画ヂカラがすごすぎる特典映像<7人の俳優と監督によるトークセッション>の一部が公開された。南北戦争の数年後、アメリカの小さな田舎町を舞台に、冷酷非道な悪漢・ボーグ(ピーター・サースガード)への復讐依頼を受けた賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)、ギャンブラーのファラデー(クリス・プラット)など、荒れ果てた大地にやってきた“ワケありのアウトロー7人”が、拳銃、斧、ナイフ、弓矢などそれぞれの武器を手に命がけの戦いに挑んでいく――。このたび本作から公開された映像は、ブルーレイの特典映像として40分に及び収録される<7人の俳優と監督によるトークセッション>の一部。フークア監督とともに、デンゼル、クリス、イーサン、ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ、マーティン・センスマイヤー、マヌエル・ガルシア=ルルフォという“ワケありのアウトロー7人”を演じた全員がそろった超豪華なトークセッションとなっている。『トレーニング デイ』でアカデミー賞を獲得したデンゼルと、『イコライザー』に続いて3度目のタッグが実現したフークア監督は、「僕にとって忘れられない瞬間は、デンゼルが出演を承諾してくれたときだ」と口火を切り、「そして、イーサン、クリス、ヴィンセント、マヌエル、マーティン、BH(ビョンホン)からの承諾だ。彼らに支持された瞬間が忘れられない」と感慨深げに明かす。監督もキャストも、皆が共演を喜び、憧れ、尊敬するデンゼルが、「映画作りは簡単じゃない。この作品は特にそうだった。汗だくになるし、厳しい環境だ。でも毎日の終わりにはいい気分だった」と言うと、キャスト一同が大きくうなずく。ビョンホンが暑さや湿気など「最悪のコンディションがみんなを1つにした」と語ると、彼と劇中でコンビを組んだイーサンも「BHと教会の上でひと月も撮影した」と語り、「ランチに僕らだけ取り残された」と激白、一同に笑いが起こるひと幕も。また、演じたファラデー同様にお調子者のクリスは、「撮影中は神が見守ってくれていた。皆と最高の時間が持てたし、ずっと神の存在を感じていたよ」と超真面目に話しているかと思えば、「僕にとっての素晴らしい時間は皆との親密な時間だ。それとバス釣りだね」と“らしさ”を出し、「ほぼ毎日(釣りに)行って、大物を釣った。毎日バス釣りだよ!」と語り、場を盛り上げている。今回の映像は、40分に及ぶトークセッションのほんの一部。ほかにも、シーンごとの撮影に関する苦労やその時々の思いをそれぞれが語るなど、彼らの仲の良さが伝わる和気あいあいとした映像となっている。『マグニフィセント・セブン』ブルーレイ&DVD&4KUHDは5月24日(水)発売&レンタル開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マグニフィセント・セブン 2017年1月27日より全国にて公開(C) 2016 Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc.
2017年05月23日「わたしの塗り絵BOOK 憧れのお部屋」で話題のイラストレーター・井田千秋さんに、おひとりさまの理想の住処を描いていただきました。開放的なのに、巣のような狭い空間がいくつもある。好きなときに好きな場所で、ひとりでも、誰と一緒でも気ままに過ごせる…そんな大人の秘密基地のようなお部屋です。家に一番求めるのは「自分のための場所であること」部屋の絵を描くと、無意識に賑やかさや華やかさと真逆の絵が出来上がる。どちらかと言えば、ひっそり、引きこもりたくなる空間。複数住人がいても、どこかに一人になれる空間を描く。家に一番求めているものが「自分のための場所であること」なのだと思う。誰に気兼ねすることもなく気ままに過ごせる場所。好きな物に囲まれ、深呼吸のできる場所。(c)井田千秋開放的な狭い空間がとても好きだ。矛盾しているようだけど、そういう場所が心地良い。必要な物には数歩で手が届く。定位置は体をおさめるほどの空間。広すぎず狭すぎず、まるで巣のようなコンパクトさでありながら、換気と採光を十分に取ることで開放的な気分に浸れそう。「仕切りを外して広々ワンルーム」も良いけど、私は小空間をわざと作りたくなる。今回描いた部屋のような場合、階段は壁に沿わせて広い空間を作るのだろうけど、中心に据えてしまった。デスクの背面にも棚を置いて、さらに狭くする。居場所がそこかしこにある家の中を、窓から入る風がスーッと通り抜ける。帰宅したら、デスクにこもろうか、ソファに体をしずめようか、ベッドで寝てしまおうか…窓を開け放してボーっとするのもいいな。時には気の合う友達を招いても楽しそう。一人に優しい家は、きっと誰に対しても優しいと思う。ソファで団らんもよし、階段に腰掛けるもよし、ベランダで飲み始めるもよし。住んでる私も、訪ねて来る人も、気ままが一番。イラスト・文/井田千秋■プロフィール井田 千秋(いだ ちあき)神奈川県在住。作家・イラストレーター。2012年頃より不定期にコミティアやグループ展に参加。2015年に初個展開催。イラストレーターとして活動開始。生活空間や雑貨を好んでモチーフにしている。著書「わたしの塗り絵BOOK 憧れのお店屋さん」、同シリーズ「憧れのお部屋」発売中(共に日本ヴォーグ社)。特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・なぜ“誰かがいる空間” で暮らしたいのか?/東京大学・松村秀一教授・「若者の仮住まい」から「終の棲家」まで。多様化するおひとりさまのシェアハウス
2017年05月18日第14回:孤高はチャンス今回は「ライフスタイルが変わると昔の友人と会う機会が減り、新しい友人の作り方が分からない」という読者投稿。のっけからこんな回答になってしまうのもどうかと思うが、私は友人がそこまで多くない。尚かつ、それをあまり危惧していないところがある。盆と正月だけ会う地元の友人。飲む時に会う友人。会う人はある程度決まっている。もちろん、つめの活動で出会った人もいて、イベントやライブ会場で会ったり、作家さんと飲みに行ったりして、「爪」を通じてこんなチャンスがあるのか、という発見は楽しいが、その人達としょっちゅう会っているかというと、実際は年に1、2回くらいしか会っていない。ほとんどの人がそうだと思うけど、アクセサリーも音楽も映像も、皆なにかを作る時は一人で作業をしている。一人で作ったものによって、人との関わりが生じるのが楽しくて、また一人で制作する。その繰り返しな気がする。以前、某作家さんに「私は他の作家さんと繋がりがあまりないからコラボ制作が羨ましい」と言われたことがある。たしかにコラボ制作は楽しくて、作る過程も、出来た瞬間も、心躍って写真をばっしゃばしゃ撮る。またやりたいって思う。その一方で、誰ともコラボをすることなく、ものづくりをする人もかっこいいと思っている。内輪ノリにならないことで、見ている人がとっつきやすくなるメリットもあるし、「誰ともつるまない(もしくはそう見える)」というのは「誰とでも関われるチャンスがある」ということなのかな、とそういう人達を見て感じた。そのバランスが上手い人に憧れる。今回は、そんな「ある意味とっつきやすい人」をイメージして制作した。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<スーパー銭湯は私にとって「最強のご褒美」>もチェック!「ご褒美」がテーマの爪です。
2017年05月15日ひとりだけど、ひとりじゃないを叶える場所誰にも責任を追わない、気ままなおひとりさま。だけどちょっと怖いのは、体調を崩したときや、とてつもなくさみしさが襲ってきたときです。普段は自由を満喫ししたいけど、何かの時には、誰かにいて欲しい……。そんなワガママを叶える場所があります。数十人~100人規模の住人がいる大型のシェアハウスです。やはりシェアハウスというと、まだまだ「20代の若者が住むところ」というイメージがありますね。ちょっと豪華な賃貸を何人かで分け合って住んで、家賃を安く済ませるというような。だけど大型シェアハウスの家賃は、それほど安くはありません。光熱費込みですが、月に5万~10万円くらいします。企業の独身寮や学生寮をリノベーションして作られることが多く、共用部分がゴージャスなのも特徴です。大型テレビやソファーの置いてあるラウンジ、シアタールームやジムの設備があったり。個人ではとうてい買えない家電や備品があるところも魅力のひとつです。こうした大型シェアハウスは、個室がきちんと確保されています。部屋に入れば、誰にも邪魔されずに自分だけの空間でくつろぐことができます。これは普通のひとり暮らしと同じですね。キッチンやお風呂、トイレといった水回りは共同のことが多いようです。大型シェアハウスのいいところは、干渉されることもなく、ハウスの仲間と仲良く騒いだりもできること。つまり、自分のライフスタイルに合わせて生活できるんです。ハウス自体は住人同士の交流を勧めていて、毎月ホームパーティはあるし、誰かが退所するときには有志でラウンジに集まりパーティを開いています。住人同士でレンタカーして遊びに行く人もいるようだし、ハウス内恋愛も活発なようです。ここでおひとりさまから脱出してシェアハウスを卒業する人もいそうです。和久井は大型シェアハウスに住んで1年になりますが、ハウスには特に親しくしている人はいないので、公のホームパーティ以外は呼ばれません。一番おしゃべりするのはお掃除に来る女性です。その代わり、面倒な人間関係もありません。共用部分で誰かに会ったら挨拶はしますが、深入りしないし、されません。払拭されつつあるイメージとライフスタイルに合わせた多様化1年住む間に、だんだんと住人の年齢層が幅広くなってきたな、と感じます。40代、もしかしたら50代の方も見かけるようになりました。大型シェアハウスの認知度が高まり、「若者の住む家賃の安い部屋」というイメージが払拭されてきたのでしょう。今、都市部では次々とシェアハウスが作られています。古い独身寮や空室率の高い賃貸がシェアハウスへとリノベーションされています。こうしてある程度飽和状態になったら、次は差別化が始まるでしょう。女性のみの物件はいくつもありますし、最近では、ペット可のシェアハウスができたと聞きます。近い将来、ユニバーサルデザインが施された物件やシングルマザー専門、LGBTなど、さまざまな特色を持つシェアハウスできていくでしょう。老人ホームとの境目がないような物件もできてくるかもしれません。ひとりだけど、ひとりじゃない。ひとりの不便さを払拭して、美味しいとこだけをいただける。苦しいとき、辛いときにはラウンジに行けば誰かがいる。シェアハウスは「若者の仮住まい」から「終の棲家」まで、さまざまな形に多様化していくことでしょう。こうした環境を利用して、より楽しいおひとりさまライフを過ごせたら、と思います。Text/和久井香菜子特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・なぜ“誰かがいる空間” で暮らしたいのか?/東京大学・松村秀一教授・「ひとり」と「ふたり」と「みんなで」を、行ったり来たりする人生が理想
2017年05月11日おひとりさまブームが依然として続く中、その真逆の価値観を題材とした『東京タラレバ娘』のヒットには驚かされた。「結婚=幸せな人生」という考え方よりも、多様な生き方が求められる社会になったかと思えば、『東京タラレバ娘』での「東京オリンピックまでに結婚しなきゃダメ!」といった煽りにもまだまだ需要があるのだろう。東京オリンピックに向けて着々と開発が進んでいる街を見て、「一人だけ取り残されている気がして不安」とボヤいたSOLO編集部の編集者O氏の一言がきっかけで、この記事は企画された。「一人暮らしの家に帰った瞬間に押し寄せる不安をどうにかしたい。独り者が快適に暮らせる住環境について知りたい」と嘆くO氏。一人世帯の住環境は、今どうなっていて、これからどうなっていくのだろうか。『ひらかれる建築 ――「民主化」の作法』(ちくま新書)の著者・松村秀一先生にお話を伺った。多様化されつつある一人世帯の暮らし方松村秀一先生(以下、松村)「今の日本には一人世帯が最も多く、ワンルームマンションに住んでいる人がほとんどなので、『一人だけ取り残されている』という感覚は実は間違っているのです。ただ、そういった一人きりで生きていくという不安からなのか、一人世帯の暮らし方が多様化している流れは確かにあります」――それは例えば、どのような暮らし方でしょうか?松村「代表的なのはシェアハウスでしょうね。古くは木造賃貸のアパートとかが一人暮らしの代表的な住まいでしたが、これはトイレが共同だったり、自分専用のお風呂がついていなかったり、自分の部屋だけで完結する快適な一人空間とは言い難かった。そこで登場したのがワンルームマンションで、これは家族が住むような部屋を一人向けに突き詰めていった形態の住居なのです。キッチンを小さくして、部屋の数を減らして、閉鎖的な一人の空間を作り上げたわけです」――なるほど、確かにそうですね。松村「けれど昨今は、一人だからって必ずしも住居の持つ機能をコンパクトにすればいいわけではないことがわかってきたのです。おひとりさまであっても“他人が含まれる空間”に住みたい人は少なからずいるようだ、と。今までは、このような“他人が含まれる空間”というのは、住宅に必要なものだと認識されていなかったんですよね。ここ数年、“住宅”と呼んでいなかったものが、住宅化していっているのです」なぜ“他人が含まれる空間”に住みたいのか松村「“シェア”というのも今の世代特有の価値観だと思います。具体的に言えば、団塊の世代Jr.より下からでしょうか。分け合ったり借りたりすれば事足りると思っていて、住宅の購入についても、無駄だと思っている人が多いんですよ。30歳のうちの息子も、『家なんて買う人がいるの!?』と言っています。僕の買った分譲マンションで育ったにも関わらず、ですよ。同じ価値観を共有してきたはずの家族ですら、家を買うことについての認識がこうも違う」――私もその世代ですが、確かに一生賃貸マンションでもいいや、と思っています。松村「かつては、“自分で所有しなければならない感覚”があったんです。財産などを“所有”することで個を確立し、その家族を守っていた。ですが若い世代は、すでに世の中にストックが溢れかえっている時代に生まれました。そのため、自分で所有するよりも、仲良くシェアしていきましょう、という教育を受けてきているように感じます」――成長の過程で“所有欲”が育たなかった世代なんですね。松村「これは社会情勢なども影響しているのかもしれません。中国からの留学生は、海外で不動産投資をするなどして財産を所有しておく意識が非常に高いんです。自分の身を守るのは自分だけ、という感覚があるんですよね。そういった国と比べたらずっと政治体制が安定している日本では、日本全体に溢れているものをシェアすればいい、と安心しきっているところがあるのだと思います。それで、同じ値段を払うなら、広いキッチンが使えるシェアハウスのほうがコスパがいい、という発想になるわけですね」――平和で豊かな国であることが、シェア意識に繋がっていたとは……。松村「とはいえ、シェアハウスも今、さらに新しい形の住まいが登場する過渡期にあります。シェアハウスで出会った男女が少しずつ結婚し始めているのですが、その際の居住形態がないのです。みんなで集まって暮らすことが習慣になっている二人にとって、ファミリー型マンションは需要に合っていないんですね」――結婚してもなお、シェアハウスに住みたがるんですね!松村「この流れで、子どもが産まれても、家族じゃない者同士でみんなで一緒に育てる、といったやり方が増えていくかもしれません。従来になかった人間関係の作り方を求めている人が増えているというのが、こうした住環境のニーズからもよくわかります」庭付き一戸建てを目指して我慢する時代は終わった――今後はますますシェアハウスのような暮らし方を選ぶ一人世帯は増えていくのでしょうか?松村「ワンルームマンションでの一人暮らしが大多数であることは変わらないとは思います。ただ、その場その場で自分に合った住み方を選べる時代になりましたよね。昔はみんながみんな、庭付き一戸建てを目指して『今住んでいるところは仮住まい』という感覚を持っていた。でも、結局それが叶わないままの人もたくさんいます。だったら、最初からしっくりしないアパートなどで我慢せずに、もう少し良い暮らしをすればよかったんですよ。一人暮らしだから適当なアパートに住んでおけばいい、とかではなく、そのときの自分のニーズに合った住居選びをしていってほしいと思います」“誰かがいる空間”は今や住居の条件の一つになっている。ワンルームマンションに一人で住むときに感じる不安感は、住環境の多様化により、いくらでも払拭することができそうだ。そう思うと、幾分か気分がラクになるのではないだろうか。(取材・文/朝井麻由美)■プロフィール)松村秀一(まつむらしゅういち))1957年兵庫県生まれ。80年東京大学工学部建築学科卒業、85年同大学院工学系研究科建築学専攻修了。2006年より現職。05年「住宅生産の工業化に関する研究」で日本建築学会賞(論文)、08年「建築生産の進め方―ストック時代の建築学入門」で都市住宅学会賞(著作)。近著に「ひらかれる建築」、「箱の産業─プレハブ住宅技術者たちの証言」(共著)、「建築─新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ」、「2025年の建築『七つの予言』」など。特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・これからの社会は「弱い繋がり」で生きやすくなる/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん・「ひとり」と「ふたり」と「みんなで」を、行ったり来たりする人生が理想
2017年05月09日(c)Nikolaj Erema結婚していない、子どもがいない。男性でもそうだけど、女性の場合は特に、こういった生き方を否定的に見られてしまう機会はまだまだ多い。私は現在、一人暮らしではあるのだけど、実はけっこう長く連れ添っているパートナーの男性がいる。年も年だし、長く連れ添っているんであれば、当然結婚を、せめて同棲を、と周囲は思うのだろう。だから、私が煮え切らないことをいうと、少し怪訝な顔をされる(気がする)。やっぱり、パートナーとは常に近い距離にいて、年相応になったら結婚したり、せめて一緒に住んだりしなければダメなのだろうか…と、自信がなくなることもある。おそらく、「未婚で一人暮らし」という生き方は、未成熟で宙ぶらりんな印象を周囲にあたえるのだろう。「一度決めたら死ぬまで一緒」が正しい姿?反面、入籍することを「身を固めた」なんて言い方で表現するように、結婚や出産は人生において重大な最終決定を下したかのようなイメージをあたえる。一度決めたら夫婦で住む、子どもが産まれたら家族で住む。離婚という形でチーム解散となる場合もあるけれど、基本的に「身を固めた」その決定は、互いの人生に死ぬまで作用することが想定されている。だけど、今後ますます多様化し、様々な選択肢が増えていくであろう未来の社会において、こういった従来の夫婦・家族像を社会で共有し続けることは、逆に結婚や同棲のハードルを上げてしまうことにはならないだろうか。一度は一緒に住むことを選んだものの、パートナーのどちらかが地方や海外へ転勤になったり、突如長期の一人旅をしたくなったり、寺にこもりたくなったり──人生の分岐点は無数にあるはずだ。夫婦に子どもがいる場合は、小さいうちは当然ながら多少の制約を負わなければならないだろうけど、手が離れたら「ちょっと留学してくる!」と夫や子どもを置いて一人でふらっと海外に行けるような余裕があってもいい。「夫婦・家族は常に一緒にいなければならない」という固定観念は、ときに未来を生きる人々の重圧になったりはしないだろうか。まだまだ自分の生き方を模索したっていい現在は一人暮らしの私だけど、誰にもこの自由を邪魔されたくない、他人と共同生活なんて無理、などと思っているわけではない。この先パートナーと一緒に住む機会が巡ってきたら、互いの生活習慣の違いに驚いたり、あたふたしたり喧嘩したりしながら、それはそれでけっこう楽しく生活するのではないかなと思う。だけどその後にまた、一人でふらっと海外へ出かけたり、孤独な時間が欲しいと思うタイミングもやってきてしまいそうだ。そういうとき、家庭や仕事を少し調整する程度でどこにでも行ける、「ひとり」と「ふたり」と「家族みんな」を行ったり来たりできる人生が、私の理想だ。今はまだ非現実的かもしれないけれど、人生の最終決定を下していないのは「おひとりさま」だけではない──結婚している人も、子どもがいる人も、皆一人で生きているし、まだまだ身を固めてなんておらず、死ぬまで自分の生き方や思想を模索できる。この「おひとりさまのあたらしい住処」特集の佐々木俊尚さんのインタビューを読んでも、そんな人生を選択する人は、そう遠くない未来に増えていくのではないかと思う。「ひとり」も「ふたり」も「みんなで」も全部選べるし、全部楽しめるような社会になったら、未婚の女性も既婚の女性も、救われる人は多いはずだ。個人的な話をすると、私は昨年末に引っ越しをした。新しい部屋は、前より少しだけ広くて、雨の日はしとしとと水滴が地面を打つ音が響く。雨の音を聴いていると、昨年旅したバリ島を思い出して、寂しいような、でも温かいような、少し不思議な気持ちになる。いつか「ふたり」や「みんなで」を楽しむ日もやってくると思うけれど、今はまだ、この静かな雨の音を、一人で聴いているのも悪くないかなという気がしている。Text/チェコ好き特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・これからの社会は「弱い繋がり」で生きやすくなる/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(前編)・同世代の繋がりだけではキツイ!崩壊する老後の生き方/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(後編)
2017年04月25日第12回:いろいろすっ飛ばしたい今回「将来結婚できるか不安です」という投稿を頂いたのだが、なんと21歳。悩むには若い。これは若年化か。最近の小学生の「化粧をしないと外に出られない」と同じことか。さて、婚活の若年化。今回の読者がどうかは分からないが、昨今は恋人を作らない20代が多いと聞いた。「付き合わずして結婚したい」という声。人と付き合うことの煩わしさが理由らしい。私は、作業的な面倒くささはあまり苦としないが、人との関わりの中で生じる面倒くささは極力避けるように過ごしているので、この理由はとても共感が持てる。私が面倒くさいと感じる時は、「俺なんて」とへりくだることで相手の同情を誘って母性本能をくすぐろうとすることや、自分の中にある劣等感を認めたくなくて周囲を下に見る防御のようなものを見た時。自分がした浮気話を語った後に「引いた?」と聞いてくる人や、「これって痛いかな」と言ってくる人。「そんなことないよ、って言って欲しいのかな」という時は「そんなことないよ」と言いたくない。そんな面倒くささから「いろいろすっ飛ばして結婚したい」になってしまう気持ちは分からなくもない。今回はそういう、人との煩わしさをすっ飛ばしたいという気持ちを描いた。こんな私に比べたら、今回の読者のほうが結婚は早そうだ。(こういう言い回しも「そんなことないよって言って欲しいのかな」な表現のうちの一つだ)Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。次回記事<スーパー銭湯は私にとって「最強のご褒美」>もチェック!「ご褒美」がテーマの爪です。
2017年04月17日「独身女性のロールモデル」について考えてみた昨年大ヒットしたドラマ、海野つなみさん原作の『逃げるが恥だが役に立つ』。私はあいにくドラマは見ていなかったんですが、原作となったマンガを読むことで、なんとか流行についていこうと悪あがきしました。こちらの作品、偽装夫婦となった主人公たちの物語も興味深いですが、SOLO的に注目したいのはやはり高齢処女で独身の、ドラマでは石田ゆり子が演じていた“百合ちゃん”だったのではないでしょうか。私が百合ちゃんの姿でいちばん印象に残ったのは、コミックス第8巻で年下の友人・風見さんに、「年をとって一人なのが怖いっていう人に、あの人がいるじゃないかって安心するような存在になれたらなって」と語るシーンでした。百合ちゃんは独身で子どももいないけど、バリバリ仕事をして一人で楽しく暮らしています。だから、結婚して子どもがいないと不幸なのではないかと悩む若い女性たちの救いになってあげたい。おお、なんだかこのままSOLOで連載を持っていただきたいですね。この百合ちゃんと風見さんのやり取りを読んで、私は「独身女性のロールモデル」についてちょっと考えてしまったんです。「尊敬できる憧れの女性」という枠みなさんは、自分より年上の40~50代の女性たちの中に、「将来こんなふうになれたら素敵だな」と思う女性はいるでしょうか。私は正直なところ、いません。それは、今を生きる40~50代の女性に魅力的な人がいないというわけではなくて、たぶん無意識のうちに、「お手本」を探さないようにしているんだと思います。「将来こんなふうになれたら素敵だな」と私が思う人は、なぜかいつも男性です。女性をお手本にしてしまうと距離が近すぎて、その人と自分の差異が一向に埋まらないことに焦って、落ち込んでしまいそうなんです。男性相手だと、差異が埋まらなくても、「まあ性別ちがうしな」と気にせずにいられる。……と書くと私がダメな奴みたいですが、女性に憧れを抱く女性ってやっぱりとても真面目なんだと思います。年上の女性が相手だと、彼女の考えで「それはちょっとちがうのでは?」と違和感を覚えても、私は言葉をぐっと飲み込んでしまいます。自分の考えのほうが間違っているのかな、ということにしてしまう。日常生活レベルではそれも大人の処世術の一つかもしれないけれど、人生レベルでそれが起こることを、私は避けているんだと思います。一方、憧れの人とはいえ相手が男性だと心理的な距離があるので、「いや、それはアンタの頭がおかしいだけでしょうよ」と突っぱねることができて、私にとってはラクなんです。だから年上の女性に憧れることはやめて男性にしましょう……って話では全然ないんですが(そもそも誰かに憧れる気持ちってコントロールできるものじゃないですから)、たとえ年上の、それも憧れの女性が相手でも、「この人の言ってることおかしくない?」という目線は常に持っていていいと私は思います。憧れの女性とはいえ、その人だって人間なのだから、弱い部分も間違っている部分も、自分とは合わない部分もあります。年齢を重ねた自分のイメージを一歩先に進んで作ってくれる女性がもたらしてくれる安心感や救済の言葉は、とてもありがたい。だけど、この人生を生きるのはやっぱりどうしたって自分です。他人のお手本になんかならなくてもいい翻って、冒頭の『逃げ恥』百合ちゃんの話です。自分が先導となって若い女の子たちを救ってあげられたらいいという百合ちゃんに対して、思わず「そんなこと言わないで」と言ってしまった風見さん。後日、「他人のお手本になんかならなくてもいいって思ったんですよ。だめだったり、恥ずかしいことしちゃっても、他人にあきれられてもいいじゃないですか」と百合ちゃんに伝えます。自分の生き方が、誰かの救いになったとしたら嬉しいです。だけどそれは結果論であるべきで、「誰かのお手本にならなきゃ」「なりたい」と思って、自分を枠の中に押し込めようとしてしまったら本末転倒です。だから、風見さんのこのセリフを持ってきた『逃げ恥』の展開は個人的にすごく好きだな、と私は思ったのでした。ちなみに私の憧れの人は、29歳でミャンマーのアヘン密造地帯に潜入し、地元の人と7カ月かけてケシ栽培をやったという探検家です。人生に対する考え方がとても素敵だなと思い真面目に憧れているのですが、どこからどう見ても真似できないので、これはこれで間違っている気が、しなくもありません。Text/ チェコ好き
2017年03月27日