Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。ドラマの初回、長い髪をなびかせて馬を駆る吉宗(冨永愛)の颯爽とした姿に目をみはった時から三か月。美しく、時に痛いほど悲しく、視聴者として毎回贅沢な視聴体験だった。小説や漫画原作ものの映像化として、エピソードの取捨選択は避けられないが、これだけ原作のエッセンスを愛情深く汲んだ上で作られるドラマは決して多くないと思う。そして映像化にあたって追加したオリジナルの部分も、全編を通して将軍と彼女たちをめぐる人々への愛に満ちていた。最終回での一番のドラマオリジナル要素は、やはり杉下(風間俊介)が病に倒れ、吉宗が献身的に看病をする場面だと思う。自らの薬代すら倹約するほど無欲な杉下のために、吉宗が取り計らったのは『物』よりも旧知の人物を呼んで語り合う和やかなひとときだった。やってきたかつての政敵・藤波(片岡愛之助)は、すっかり好々爺になっており、今は歌舞伎役者・片岡仁左衛門の贔屓をしていると楽しげに語る(愛之助に仁左衛門の贔屓を語らせるという作り手の遊び心が楽しい)。※写真はイメージやはり藤波は、吉宗が政治改革の為に実用至上主義を掲げ、二の次にしてきた情緒や芸術という要素の体現者なのだろう(その藤波の今の生業は骨董商である)。そして『種なし』と自らを卑下していた杉下が、誠実さと愛情深さで、吉宗の子らの父親代わりとなり、家族のような愛に包まれて生涯を終えたことは、子をなせなかった有功(福士蒼汰)の悲痛や、生殖だけが男女ではないと訴えかけた右衛門佐(山本耕史)の言葉の延長線上にある。長い時間をかけながら、呪いと苦しみは緩んでいくのだと感じさせるドラマオリジナルのシーンだった。だがやはり、この最終回の白眉は、吉宗と忠臣・加納久通(貫地谷しほり)の別れの場面だった。この場面はほぼ原作通りの展開で、眉ひとつ動かさずに自らの罪を認める久通の貫地谷しほりと、その忠義に痛切の涙をこぼす吉宗の冨永愛の演技は、圧巻の一言だった。ドラマでは村瀬(石橋蓮司)の没日録は一度失われ、密かに吉宗の手に戻る。その時、既に久通が犯した罪について推測しながらも、長い時間沈黙し、最後にそれを確かめた吉宗の心情を思う。久道が一人で背負ってきた重い罪を、政(まつりごと)を次世代に継げるようになった今、ようやく自分も半分引き取ってやれるという心持ちだったのではないか。その主君の愛に対し「私が信さまの政を見ていたかったからでございます」と、どこまでもそれは自分の欲であり責任であったと久通は涙とともに返す。主従が互いに想いあう深い愛情が、胸が締め付けられるように切なかった。※写真はイメージその吉宗の死をもって、ドラマ10『大奥』のシーズン1としての物語は一度幕を閉じる。母である吉宗を失おうとするその時、家重(三浦透子)が泣きながら縋った「私をおいていかないでくださいませ」はドラマのみで描かれたセリフである。全てにおいて優れた偉大な親を持ち、劣等感にさいなまれながら、それでも深い思慕をねじれるように抱いて生きている娘の悲痛な叫びだった。伝染病と戦う国の舵取りは、家重と彼女を補佐する田沼意次(當真あみ)に引き継がれた。そして、死の間際に現代と一瞬繋いだ「この国は滅びぬ」という吉宗の最後の言葉は、苦悩しながら模索し続ける為政者たちと、たくましく生きる民衆の力があれば、国は潰(つい)えないという確信なのだろう。※写真はイメージそして同時に現代の私たちもまた、人口が減り続けていくこの国で諦めずに滅びぬ道を模索していくのだという、作り手がドラマに託した願いでもあると思う。大奥が血を繋ぐための牢獄だった家光の時代から、享楽と尊厳を捉えなおす綱吉の時代を経て、よりよき選択を求められる分だけ新たな苦悩が生じる吉宗の時代へ。人の生きる道が、過酷な苦しみや悲しみ、憎しみに洗われても、最後の最後に残るのは善であり、正なるものだと信じたい。杉下の死にも、吉宗の死にも、そんな願いがこめられた最終話だったと思う。今回のラストにはシーズン2の医療編を示唆するシーンがいくつかあり、重要な登場人物の配役も発表になった。いずれも、シーズン2もドラマのオリジナル要素も含めて素晴らしい作品になると今から確信させるものだった。※写真はイメージうねりながら流れる川のように、時に波と砕け、溢れながらも淀みなく水は流れ続ける。この物語の遥かに流れゆく先を、今年度内に再び見届けられる幸せをかみしめながら、その時を待ちたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年03月20日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いたマンガを紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。矯正治療を受けることを決めたかなさんたちは、まず「歯磨き指導」を受けることに。歯磨き指導には3万円もかかるそうで……。★前の話抜歯や矯正方法など、自分たちの希望通りではないものの、治療後のイメージ写真をみたかなさんたちは矯正治療を受けることを決意しました。そこでまずは「歯磨き指導」というものを受けることになりました。歯磨き指導の費用は3万円! そんな高額な「歯磨き指導」の内容とは一体どのようなものなのでしょうか。「歯磨き指導」は書いて字の通り、歯磨きをじょうずにおこなうために何度も練習することでした。薬剤によって歯石やプラーク(歯垢)を赤く着色してから歯磨きをすることで、どのくらい歯石が残っているのかチェックします。合格ラインに達しない限り治療へは進めず、何度も何度も繰り返しこの歯磨き指導を受けることになります。費用は3万円!! 何度指導を受けても費用は変わりません。精密検査で5万円、歯磨き指導で3万円……。歯列矯正は治療前からお金がかかるものでした。私たちはしっかりと歯を磨くことができていたので、なんと一発で合格することができました! ですが、一発合格しても割引などはなく3万円の支払いでした(笑)。私のプラーク残存率は26%、妹のまりは25%とほぼ一緒だったので、2人とも合格することができました。残っていたプラークを掃除してもらい、顕微鏡で拡大したものを見せてもらったのですが……めちゃくちゃに気持ち悪かったです。こんなにも菌があるのかと思うと、しっかりと歯磨きしなくてはいけないなと思わされました。--------------かなさんが受診した矯正歯科では、歯磨き指導というものがあるのだそう。歯磨き指導に合格するまで、何度も指導を繰り返し、次のステップには進めないのだとか。それだけ矯正治療中はしっかりと歯磨きをしなければいけないということなのですね。歯磨きは生活の中で欠かせないことではありますが、面倒になってしまうことも。手間を感じてもかなさんたちのようにしっかりと磨かなければいけませんね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年03月14日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いたマンガを紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。かなさんは抜歯をしなければいけないものの、歯列矯正をおこなうことに。しかし、抜歯の前にやらなければいけないことがあり……。★前の話精密検査の結果、上下2本ずつの抜歯が必要だと判明したかなさん姉妹。抜歯をしないことを歯列矯正の条件にしていたものの、治療後のイメージ写真や現状の歯の写真を見たかなさんたちの考えは変わりつつありました。悩みに悩み、抜歯することを決意したかなさんたち。すぐにでも抜歯をして治療を始めたいと思っていたものの、現実はそう簡単にはいかないものでした。まず、私たちは歯列矯正をする上で2つの条件がありました。それは、「抜歯をしないこと」と「ハーフリンガル(上の歯の裏側、下の歯の表側にワイヤーを通す矯正方法)での矯正」でした。ハーフリンガルについては、妹のまりであればできるものの私の歯の状態ではできないらしく……この時点で矯正治療に対するモチベーションが下がりつつありました。さらに検査の結果、抜歯は必須ということで、私たちの希望は何一つかなわないという状態に。しかし、矯正治療後のイメージ写真を見たら、Eラインという鼻先と下顎を直線で結んだ横顔のラインができており、こんなにも変わるのかと大感動!希望通りではないけれど……これはやるしかない! そう思い、抜歯も矯正方法も受け入れることにしました。ですが、矯正をすると決めたらすぐに治療が始まるわけではありませんでした。最初に「歯磨き指導」というものがあるらしく、これに合格しなければ治療を開始できないのだとか。どうやら矯正中は器具の隙間に汚れや菌がたまりやすく、歯茎が腫れたり虫歯になったりしてしまうのだそうです。そのため歯磨きはかなり大事で、しっかりと歯磨きをできるようになる必要があるようでした。--------------自分たちが望んでいたような治療内容ではないものの、見た目の変化のほうを優先したいと思ったかなさんは、歯列矯正をおこなうことを決意しました。今すぐにでも抜歯をして治療を始めたいと思いましたが、何やらまずは歯磨き指導に合格しなければいけないのだそう。かなさんは楽しみな気持ちと不安な気持ちを抱えながらも、治療の第一歩を踏みだしました。皆さんは決断をするとき、どんな気持ちになりますか?※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。★関連記事:「なんでこんなに」父の通帳に驚がく! 消えてしまったお金は #預金資産ゼロの父が倒れた話 50★関連記事:「いけそうな気がする」失敗続きの検査だったものの、最終日は #アラフィフ主婦ちゃんねる 67★関連記事:横を向けばめちゃくちゃ出ている! 今まで歯列矯正をしなかった理由 #アラフォー双子の矯正日記 1著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年03月13日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いたマンガを紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。かなさんは歯列矯正をする上で抜歯しないことを条件にしていたものの、精密検査の結果4本の抜歯が必要だと判明し……。★前の話約5万円の精密検査の結果、上下合わせて4本の抜歯が必要だと言われてしまいました。抜歯をしないことを矯正治療の条件にしていたかなさんにとって、4本の抜歯は死活問題でした。しかし矯正治療後のイメージ写真では、Eラインという鼻先と下顎を直線で結んだ横顔のラインができており、かなさんは大感動! そして自分たちの歯の状態の写真を見せられ、かなさんの抜歯への思いは一変することになりました。矯正治療後のイメージ写真にはEラインができており、とてもきれいな横顔になった自分の姿がありました。抜歯して治療すればこんなにも見た目が変わるのか! と感動する一方で、やはり抜歯はしたくないという気持ちもあり……。そんなふうに悩んでいる私たちに、追い打ちをかけるように今の自分たちの歯の状態の写真が並んだ検査結果表が渡されました。前後左右、どこから見てもめちゃくちゃ歯が出てる。しかも歯も1個1個が大きく、とても動かせるような状態ではなさそうでした。このまま抜歯せずに歯を動かしたとしても、イメージ写真のようにはならないだろうし、結局出っ歯なままなのだろうな……と思いました。特に妹のまりは私よりも口がボコッと膨らんでいて、口元はまるでゴリラのよう……。きれいな横顔の自分を見てしまったこともあり、このままじゃだめだ! と思い、抜歯を決意しました。--------------歯列矯正の条件の中に抜歯をしないことを入れていたかなさん。しかし、カウンセリングや精密検査を受けた結果、抜歯は避けられないものとなってしまいました。どうにかして抜歯を回避できないかと思ったものの、矯正治療後のイメージ写真や今の歯の状態の写真を見たかなさんの思いは一変しました。治療後、どういうふうに変化するかということがわかれば、治療に対する気持ちも変化しますよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年03月11日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。その時、貫地谷しほり演じる加納久通が怒って、世継ぎについて進言する家臣をりつけたのは印象深かった。原作も今回のドラマ化でも、加納久通は切れ者だが普段は物腰柔らかく、能ある鷹は爪を隠すを地で行くような人物だ。そして久通が激怒するこの場面は、原作にはないドラマのオリジナルである。トップと補佐の間柄として、彼女なりの厳然とした一線が垣間見える場面だった。NHKドラマ10『大奥』の9話は、前回に引き続き八代将軍・吉宗(冨永愛)の治世をめぐるオリジナル色の強い内容だった。小石川養生所を舞台にした赤面疱瘡(あかづらほうそう)との戦いとその苦い結末、そして世継ぎをめぐる吉宗自身の決意に至る過程が、より詳細に描かれていた。小石川養生所の漢方医・小川笙船(おがわ・しょうせん)を演じた片桐はいりは、今更言うまでもないが見事な演技だった。※写真はイメージその無骨な誠実さは、男女逆転の社会という設定そのものすら忘れさせるような、最初からこういう人物だったのではないかという力強さに満ちている。そして一度はこれというものを見つけながら結局特効薬ではなかった落胆から立ち上がり、新たな学問に挑む進吉の清々しさも、中島裕翔の持ち味である素直な演技とシンクロした躍動感があった。行政・現場一体となって尽力しても伝染病を克服することが出来ず、苦い負け戦となったことを認めたその時、吉宗は苦悩しながら呟く。「滅びぬ道はどこにあるのか」と。この一連に、昨今のコロナ禍と同時に、現代のこの国の少子化を重ね合わせて見た視聴者も多かったのではないかと思う。今作の脚本家の森下佳子は、2022年放送のテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)でも、減衰していく日本の水産業をめぐる問題を地方の過疎に絡めて描いていた。かなさんが書く『ファーストペンギン!』のコラムはこちらそれは、今この場をしのぐことを最優先に考えている層と、多少の失敗や損失を織り込んででも未来に向けて改革の種をまくべきと考える層の、対立と対話を描くドラマだったが、その流れは今作にも引き継がれている。男子の人口が増えないという緩やかな滅びの道を打開する為に、進吉と吉宗は鎖国という国防上の要素を織り込んだ上で、それでも蘭学を学ぶべきだと判断を下す。そして暗愚と噂される長女と見るからに賢くて美しい次女、揺れる評価の中で吉宗が次の将軍にと決めたのは、身体が不自由な為に周囲から軽んじられている長女の家重だった。生まれつき身体が不自由で言葉が明瞭に話せず、排泄にも時折難が生じるほどだが、将棋に長けており思考能力は高いという難役に挑むのは三浦透子。※写真はイメージ演技力は折り紙付きとはいえ、果たしてこの役はどうなるかと思っていたが、どこまでも杞憂だった。美男を侍らせ酒に溺れている登場の最初の瞬間から目を離せない存在感を放ち、知性はあるのにそれを言葉に出来ず、他者からは侮られてひたすらに鬱屈する女の苦しみを表現してみせた。不自由な身体を抱え鬱々と生きながら、それでも自分の人生は他者の為に使いたいと心の中で願う娘に、希代の名君と褒め称えられる母は、将軍になる覚悟はあるかと問う。「己の無力と向き合わされ、投げ出すことも許されず、時として世の恨みまで買う。将軍とは、真のところ左様な役回りじゃ」思えば、吉宗にとって久通の言葉は少なからず重みがあると知った上で、加納久通は最後まで娘の中で誰が将軍に相応しいという名指しはしなかった。吉宗に直接問われ、答えず「頑固だのう」と苦笑いされながらも、名指しは拒んでいた。それは、将軍として国を背負う凍るような孤独を、その果てしない重さを、一度でも自分で背負った者だけが、重みを託すに足る誰かを知るだろうという久通なりの『一線』だったのではないかと思う。滅びぬ道への舵取りは、弱いものの苦しみを知り、思い通りにならない政(まつりごと)の苦しみに耐えうる女に託された。幼い吉宗が呟いた「五万石ほどの大名にでもなれれば、そなたの忠義に報いることが出来るのに」と、鬱屈した家重が泣いた「役に立たないのなら死にたい」という嘆きは、母と娘の表裏の一枚だったのである。※写真はイメージ先月下旬、このドラマ10『大奥』の2期の制作が発表された。||◤ ◥|| #大奥 速報||◣ ◢|| #ドラマ10大奥 SEASON2医療編/幕末編が…2023年秋に放送決定!そして吉宗編(今クール)は第10回までの放送となります。引き続き『ドラマ10大奥』をよろしくお願いいたします pic.twitter.com/zssCwURjG5 — ドラマ10「大奥」 (@nhk_oooku) February 21, 2023 美しく、時に哀しく、胸に迫るこの物語に、秋以降再び会えることを大変喜ばしく思う。それでも次回、1期の最終回は冨永愛が演じる吉宗の幕引きになるのかと思うと今から寂しいが、最後までその凜とした姿を目に焼き付けたいと思う。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年03月10日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いたマンガを紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。歯列矯正をおこなう前の検査を受けてから1週間後、検査結果が出たということでかなさんたちは再度T歯科を訪れて……。★前の話歯列矯正をおこなうために、約5万円の精密検査を受けたかなさん。途中、歯の型取りに苦しみながらも、無事にすべての検査を受け切ることができました。その1週間後、検査の結果が出たということでかなさんはT歯科へと足を運びました。かなさんたちの検査結果がいかに!検査結果の資料はびっくりするくらいたくさん用意されていました。自分たちの口の写真だけではなく、治療に対する細かい説明などを書いた紙もあり……矯正治療は始めても長いけど、始めるまでも長いんだなと改めて思いました。私たちは、矯正をする上で抜歯はしないことを希望していましたが、結局抜歯は避けられませんでした。私は上下の歯を2本ずつ、計4本の抜歯をおこなうことに。妹のまりはそれに加えて親知らずを1本抜くことになりました。私は親知らずが2本ありどちらも抜歯済みだったのですが、まりは親知らずが3本あり2本しか抜歯していなかったので、抜歯の本数に差があるのだそう。さすが双子と言うべきなのか私とまりの口の状態はほぼ一緒でした! しかし、治療内容が少しずつ違っていたりして、口の状態がほぼ同じでも治療はまったく同じではありませんでした。抜歯や治療内容について、希望通りにいかないことがあり、どこかモヤモヤとした気持ちを抱えていた私。ですが、矯正治療のビフォーアフター予測の写真を見た瞬間、自分の未来の姿に感動しました!というのも、予測写真ではEラインという鼻先と下顎を直線で結んだ横顔のラインができており、めちゃくちゃ美しい横顔になっていたのです。歯列矯正が完了すればこうなるんだ、と自分の姿のイメージがしっかりと持てたことはとてもうれしいことでした。--------------検査結果によると、かなさんたちはカウンセリング時に言われていたように抜歯をしなければいけないということでした。歯列矯正の条件に「抜歯はしない」という条件があったかなさんたちにとっては痛手なことでした。しかし、治療が終わったときの予測写真には抜歯をしてでも歯列矯正をおこないたい気持ちになるくらいの変化がありました。自分がどうなるか具体的なイメージが持てると、治療への意欲も高まりますよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年03月07日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いたマンガを紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。かなさんは矯正をおこなう前の検査を受けるためにT歯科を訪れていました。自分たちと同じく検査を受ける子どもの姿を見たかなさんは……。★前の話歯列矯正を受ける前の検査として、歯の型取りをおこなったかなさん。ピンクのぷにぷにとしたものを口の中に入れるのですが、かなさんたちはその気持ち悪さに苦しんでいました。かなさんたちの型取りが終わると、次は小学生くらいの男の子が型取りを始めました。大人でもつらいのに……とかなさんたちが思っていると、その男の子はまさかの表情を浮かべていました。歯の型取りはピンクのぷにぷにとしたものを口の中に入れ、その状態で数分間耐えなければいけませんでした。そのぷにぷにが口の奥に当たってしまい、反射的にえずいてしまったりなんともいえない気持ち悪い感じがずっと口の中にありました……。私たちは早く外してほしい! と騒いでしまって、歯科衛生士のお姉さんに「もう少しですよ〜」と励まされてしまう始末(笑)。型取りが終わり、ぷにぷにを外してもらった瞬間の開放感はとんでもないものでした!その後すぐに小学生くらいの男の子が型取りをしていました。子どもにあの苦しさは耐えられないだろうな〜なんて思っていると……男の子はとても静かに座って苦しむことなく型取りをおこなっていました。耐えてる!? と驚いたのもつかの間。型取りが終わった男の子は私たちのほうを見て、不敵な笑みを浮かべているように見えました。子どもがおとなしく我慢できてたのに、われわれはギャーギャー言ってしまってなんだか申し訳ない気持ちになってしまいました。--------------かなさんたちがとても苦しんだという歯の型取りを、平然とした態度でおこなっていたという小学生くらいの男の子。きっとその子も自分たちと同じように騒ぐだろうと思っていたかなさんたちは男の子の様子を見て、とても驚いたのだとか。不快感の感じ方は人それぞれですが、自分たちが苦しいと思ったものに対して平気な顔をしている人ないるとなんだか悔しい気持ちになってしまいますよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。★関連記事:「がんなんだけど…」しこりがあると言われ思い出した母の姿 #乳がん検診でしこりが見つかった話 2★関連記事:「しなだれちゃう!」再建した乳頭を保護するアイテムは超身近なものだった! #乳がん絵日記 45★関連記事:横を向けばめちゃくちゃ出ている! 今まで歯列矯正をしなかった理由 #アラフォー双子の矯正日記 1著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年03月05日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。執着のなさというものは、はた目には爽快でもあるけれど、もしも自分に近しい人がそうならば、結構寂しいものかもしれない。世継ぎさえ出来れば相手は誰でもいいと言う女将軍に、それではまるっきり男たちは種馬扱いではないか、情がなさすぎると憤りの言葉を述べる大奥総取締・藤波(片岡愛之助)の言葉を聞いてそう思った。正統な世継ぎが得られなければ国が壊れるという切迫のあった家光の時代、大奥は『牢獄』だった。牢獄で少しでも人らしい生き様を求めた結果が、大奥総取締という地位を通じた緩やかな管理と花鳥風月を愛でる華美だった。だが徳川の世が安定した結果、次第に大奥は牢獄ではなくなり、一方で華美は肥大し、ついには政権維持の為に華美を切り捨てようとする時がくる。まるで一つの目的をめぐって形を変える流水のようで興味深い。同時に藤波が語る『情』とは、人はパンのみで生きるにあらずという意味で、文化・芸能を暗喩するものであろうし、実利だけを追及して切り捨てがちなその部分を安易に軽んじないでほしいという作り手の切なる主張にも思える。(藤波が暇乞いを申し出るこの場面は、原作にはないドラマのオリジナルである)それを伝統芸能の歌舞伎役者たる片岡愛之助が、セリフとして語る堂々たる説得力にはしびれた。※写真はイメージ今週8話から物語は冒頭の吉宗の時代に戻り、原作にオリジナル色を濃く加えたものになっている。加えられているのは、先の吉宗と藤波のやりとりであり、そして大岡忠相(MEGUMI)をブレーンに加えて吉宗が公共政策に奔走する様子であり、御半下から中臈(ちゅうろう)に出世する杉下(風間俊介)の有能さであり、そして原作では大奥から下がらせた後の描写は殆どなかった水野(中島裕翔)が、薬種問屋の若旦那・進吉として再登場する。当初は単純に質素倹約ぶりを吉宗に見込まれて出世する杉下だが、次第にその細やかな気配りで吉宗の右腕のような存在になっていく。面倒くさがってお腹の子の父親を決めない吉宗を当初は『稽古』と誤魔化して呼び出し、なおも渋れば、決めないことが逆に陰謀や政争を呼ぶと理論的に説明する。最終的に開けっぴろげに「ならばいっそ正々堂々胸三寸いたしましょう」と吉宗好みの煽りで父親問題を決着に導く。自分は人の機微が分からぬと悩む吉宗には、媚びることなく、人は欠けているからこそ愛おしいもので、持てるもので補い合えばいいと淡々と語りかける。孤独に落ちて心を閉ざすか、足りないものは誰かで補えばいいと思い直せるか、それはどんな組織においてもリーダーとしての分水嶺だと思う。※写真はイメージ長いキャリアの中、複雑な役の経験も時代劇の経験も豊富な風間俊介演じる杉下の言葉は、ストレートに私たちの心に落ちてくるものだった。優れたリーダーの資質を持った1人と、様々な才能を持った人間が結びついて力を発揮することで、組織は、ひいては社会は変革していく。思えば、家光が初めて女の将軍としてお目見えをした時には、自らを滅びを覚悟した国の人柱であると悲壮な決意で明言していた。数十年の時代を経て、今、女将軍は国を蝕む業病や貧困に立ち向かうべく忠臣達の力を借りて尽力している。時の流れは、数えきれぬ人々の悲哀や無常を巻き込みながら、それでも長い時を経て、世の中は少しずつ良い方向に向かっていく。それは時に容赦の無い厳しい死生観を織り込みながら、その上で人の善を信じて描く森下佳子の脚本の真骨頂であると思う。※写真はイメージ今回の8話は、これまでの重い色調の物語から一転して、明るく開放的でもあった。町中にお忍びでやってくる貴人、慎ましく清廉に生きている市井の賢者と、そこで起こる事件。明かされる貴人の身分と、スピーディで爽快な事件の解決。まさに古き良き時代劇へのリスペクトに溢れ、その楽しさを満喫できる回だった。※写真はイメージそして、町人として再び吉宗の為に奔走する進吉を演じる中島裕翔の清々しさがやはり嬉しい。月代姿の横顔も、町人らしいべらんめえ口調も、ちょっととんちきな女装姿も、どこかしら品があるのが良いと思う。賢明で開放的で心身ともにタフだが人の機微にはちょっと疎い、魅力的な女将軍がほんの僅かに執着を見せた男は、とても純粋で、彼女以上に人の言葉の機微には疎いのだった。望めば何でも手に入るのに、そこで執着せずに淡い笑顔ひとつで、すっと引いてしまう吉宗の姿がほろ苦く愛おしかった。嬉しいことに第2期までの制作が発表されたドラマ10『大奥』だが、今期は全10話、あと2話である。オリジナルのエピソードとして、先が見えない伏線もまだある。最後の盛り上がりを楽しみに見守りたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら[文・構成/grape編集部]
2023年03月03日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いたマンガを紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。いろいろと思うことはあったものの、今やるしかない! と思ったかなさんは、歯列矯正をするべく検査を受けることに。気になる検査内容とは一体……?★前の話目立たない矯正方法を希望していたかなさんは、ハーフリンガル(上の歯の裏側、下の歯の表側にワイヤーを通す矯正方法)での治療はできないと言われ、マウスピース矯正について考えました。しかし、自分の性格では、着脱できるマウスピースでの矯正は難しいと判断。ハーフリンガルではないもののワイヤー矯正がいいと思ったかなさんは、カウンセリングを受けたT歯科で治療を受けることにしました。矯正治療をするにあたり、検査を受けたかなさんたちに待ち受けていたものとは。私たちは、普段通っていた歯科からT歯科という矯正歯科のある病院を紹介してもらいました。腕が良く、紹介制でしか通えないくらい人気の病院ということで、この病院で歯列矯正をすることに決めました。検査費用は……なんと5万円!! 妹と合わせると10万円にもなるので、検査して「やっぱりや〜めた!」となった場合、後悔してしまう金額でした。この検査を受けたら引き返せない! そんな気持ちで検査を受けに行きました。検査では、骨密度を測ったり、レントゲンや口内写真を撮るなどさまざまなことをおこないました。その中で特につらかったのが歯の型取り!ピンクのぷにぷにとしたものを口の中に入れるのですが、口の奥のほうに当たるせいで反射的にえずいてしまい……とにかく気持ち悪い!早く終わって欲しい一心で近くにいた歯科衛生士のお姉さんに助けを求めていました(笑)。--------------歯列矯正をおこなうための検査を受けたかなさん姉妹。検査の中で最もつらかったのは歯の型取りだったのだとか。ピンクのぷにぷにとしたものを口の中に入れ、数分間そのままでいる必要があるのだそう。口の奥までピンクのぷにぷにを入れるとのことで、反射的にえずいてしまったりしたそうです。皆さんが今まで受けた検査の中で一番つらかったものはどんなものですか?※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年03月03日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いたマンガを紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。矯正歯科でカウンセリングを受け、自分が望んでいる治療が受けられないことを知ったかなさんはどうするか考えていて……。★前の話矯正歯科でのカウンセリングの結果を受け、友人や知人に歯列矯正について相談をしていたかなさん。恋活仲間から「矯正終わるの40歳くらいじゃない? 結婚してからやったら?」と言われたものの、今期を逃してでも見た目を変えたいという気持ちが強くありました。カウンセリング時にかなさんは、ハーフリンガル(上の歯の裏側、下の歯の表側にワイヤーを通す矯正方法)での治療はできないと言われてしました。目立たない矯正方法を希望していたかなさんは、別の矯正方法についても考えてみることにしました。私が歯列矯正をする上で条件にしていたことは、「抜歯をしないこと」と「ハーフリンガルでの治療」の2つでした。しかし、カウンセリングをしてもらったところ抜歯をする可能性がある上に私はハーフリンガルでは治療ができないと言われてしまいました……。私がハーフリンガルでの治療を希望していた理由は、矯正器具が目立ちにくいからでした。芸人という仕事柄人前に立つことも多く、できれば目立たない方法で歯列矯正をおこないたかったのです。目立ちにくい矯正器具といえば、透明なマウスピースを着用するマウスピース矯正というものがあります。ですが、知り合いの芸人がマウスピース矯正で歯並びがきれいにできなかったことや、自分で着脱ができるものでは外してサボってしまう可能性もあったので、マウスピースでの矯正は考えていませんでした。あくまで私の個人の意見ですので、マウスピース矯正で歯並びがきれいになってる人も見ましたし、今マウスピース矯正をしている友人もいます。カウンセリングをしてもらった矯正歯科で取り扱っている矯正器具は、歯の表側に装着しても目立ちにくいということだったので、マウスピース矯正ができないと判断した私はその矯正器具で治療を受けることに決めました。--------------自分の性格ではマウスピース矯正はできないと判断したかなさん。しかし、かなさんの歯の状態では、ハーフリンガルでの治療はできないと言われていました。かなさんは悩みながらも歯の表側にワイヤーを通す治療法を選びました。自分の中に理想の治療法があっても、歯や体の状態によっては思い通りの治療が受けられないということはもどかしく感じてしまいますよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年03月01日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。溺れかけては浮きを繰り返す苦しい一生だとしても、女将軍は幸せだったのだと願いたい。若さの怖いもの知らずで、努力すれば何もかも手に入れられると思っていた人生が、懸命に生きて中年期に入って振り返れば、家庭も仕事も人望も、願っていたものの多くは手のひらからこぼれ落ちていた。自身の身体の衰えに直面しながら、目の前には更に衰えて暮らしのおぼつかない親がいる。これは誰の人生か。綱吉(仲里依紗)と名乗った女だけではない、誰の身にもおぼえのある、私たちの人生ではないのか。ドラマ『大奥』を盛り上げる役者陣圧巻の綱吉編の完結だった。まずは性的なシーンの描き方も含め、あらゆる点で映像表現が難しかったであろうこの章を、原作のエッセンスを汲み上げ、華麗な映像として完成させた俳優陣と制作に惜しみなく拍手を贈りたい。幼少期の回想から続いて綱吉が「月のものなど、もうとうに来ておらぬわ」と力なく呟く場面は原作屈指の名場面だが、今回ドラマ化ではそれを綱吉が父・桂昌院(竜雷太)に直接告げ、桂昌院はそれを理解出来ず更に子作りを綱吉に望むという、恐怖すら感じる場面にしていた。それは人生の大半を大奥で閉じ込められて生きてきた桂昌院の無知なのか、それとも直系の世継ぎが得られないという絶望を受け入れ難い無理解なのかは分からない。そして綱吉は父の言葉にそれ以上反論はしない。側用人の柳沢吉保(倉科カナ)もまた、綱吉の悲しみを汲むように黙っている。老父の哀れな誤解をそのままにしたのは、絶とうとしても絶ちきれない娘としての愛着でもあり、諦めと深い絶望でもあるのだと思う。愛なのか執着なのか、自身でも割り切れない感情を抱えて、もがきながら人は生きていく。※写真はイメージそんな女の人生の終盤に、二つの転機が訪れる。一つは互いにとって意図せぬもので、家督を継ぐ見込みのない紀州徳川家の三女、信(のぶ)。身を飾り女として魅力的に見せる必要を感じないと言う大胆な少女は本人も意図せぬまま、初老の女のがんじがらめの人生に多様性という風穴をあける。自分は美男に興味がないから、美女に興味のない男もいるだろうという少女の発想に驚きながら、その愉快さに綱吉は笑いころげる。それはこの風穴が自分を救うなにかであったという直感と、同時に「もっと早くこう考えられていれば」という痛恨に見えた。そして赤穂浪士の討ち入りを契機に民衆からの支持を失い、跡継ぎ問題も解決しないまま自らの生きる意義を見失う綱吉に、右衛門佐(山本耕史)は生きていくということの意味を、体と魂すべてをかけて説く。「生きるということは、女と男ということは、ただ女の腹に種をつけ子孫を残し、命を繋いでいくことだけではありますまい!」それは自らを「種なし」と自嘲し、家光と男女として添うことを断念した有功の悲しみを、時代を経て昇華するものであり、同時にその悲哀を抱え込んだ桂昌院が縛り付けた娘、綱吉を解放するものだった。前回の、一度は抱きしめながらも離れた心の揺れも、今回の激情が溢れ出す情熱的な抱擁も、仲里依紗と山本耕史、円熟期を迎えつつある俳優の体温と深みのある演技はさすがの見応えだった。※写真はイメージ右衛門佐の愛を得て、父の呪縛から解放された綱吉は父の意思に反して次の将軍を決め、ようやく真に自分の人生を選び取るが、その自由と引き換えるように待っていたのは右衛門佐との死別だった。それでも、綱吉は幸福だったと思いたい。老いて病に苦しみ、朦朧とするその時に、愛した男が迎えにくる夢が見られるならば、その人生は幸福だったと思いたい。そして「佐が迎えに来たと思った(原作にはないドラマのオリジナルの表現)」と苦しい息で語る綱吉に、最後に最も純粋で残酷な愛情を捧げたのは柳沢吉保だった。泣きながら綱吉を死なせようとする倉科カナの長い独白は、まさに圧巻の一言である。その瞬間に彼女の心によぎったのは、ただ一夜の愛で綱吉の心を奪っていった男への嫉妬だったのか、報われぬ哀しみであったか、それとも今死なせればこの人は幸せに逝くだろうという慈愛であったか。いずれにせよ、やはり人の心はそう簡単に切り分けられなどしないだろう。原作では、窒息しこときれる瞬間に綱吉の脳裏に浮かぶのは右衛門佐である。きっと右衛門佐は、綱吉のもとに迎えに来たと思う。※写真はイメージ人として望まれたことを何一つ成せなかったと嘆いた綱吉は、しかし自分でも気づかぬ間に次世代への種をまいた。本来なら自身の領地を持つはずのなかった風変わりで賢い少女に領地を与え、マネジメントの機会を持たせ、為政者として最初のレールに乗せたのである。綱吉編が終わり、次回から再び物語は吉宗(冨永愛)の時代に戻る。予告からはオリジナルの要素が多くなっているように予想され、またあの魅力的な吉宗の姿を見られると思うと心が躍る。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年02月27日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。漠然とした悲しみや痛みが、一つの言葉にまとまった途端に輪郭を持って刃に変わる。NHKドラマ10『大奥』6話。周囲には奔放で性愛を愉しんでいるかに見えていた女将軍が、自嘲しながら吐き出した「そうか。これは辱めであったか」という言葉。周囲から「上様、上様」と持ち上げられながらも、苦しみもがいて生きていた彼女の痛切さを表すのに、小さくてもこれ以上に鋭い刃があるだろうか。これは原作にない、ドラマ化にあたって付け加えられた一言である。コミックの映像化だから、時には原作通りには書けないことも、そして時間の制約や流れで入れられないエピソードもある。けれど、この鋭い一言は、ドラマの作り手が原作の一番大切な部分を深く汲み上げて、誠実に作りあげているということを如実に示すセリフだと思った。※写真はイメージ男子のみがかかる伝染病のために女性が政治と労働を担い、体制変革を経て、既に戦乱の世が数十年前に遠くなった元禄の時代。女将軍の綱吉(仲里依紗)は享楽的な日々を繰り返し、大奥には野心を秘めた公家の右衛門佐(山本耕史)がやってくる。自らの自由の為に権力を求める右衛門佐は、巧妙に綱吉と駆け引きを繰り返し、大奥総取締役の地位を手に入れるのだった。6話では、これまでただ退廃的に見えた綱吉の秘めた苦しみが次第に明らかになる。阿佐ヶ谷姉妹演じる町人達の「お世継ぎがないんだったら親戚の子でももらってくればいいじゃないか」という言葉が、是が非でも直系の血筋で戦乱の芽を摘まねばならないという切迫感の薄れた社会を端的に表していた。そんな社会で、縋るように過去の価値観のままの父・桂昌院(竜雷太)の盲愛と、自身の聡明さの間で綱吉は板挟みになっている。さらに、その危ういバランスは、跡継ぎ娘・松姫の病死で完全に崩れてしまう。自分の手で側室を差配し、大奥を意のままにしようと目論む右衛門佐を「そなたの命など、わたしの心一つじゃ。騙されてやっておるうちが華と思えよ、佐」と厳しく牽制し、主君としてのカリスマ性を見せつけながらも、老いた父の罪悪感に端を発した愚かな政策を、娘として拒みきれない姿が痛々しい。右衛門佐をりつけてから一転、艶然と微笑む仲里依紗と、圧倒されて黙り込む山本耕史のこのシーンは非常に見応えがある。この部分も、生類憐れみの令を求めて桂昌院が駆け込んで来た時に綱吉が学んでいた書物がうち捨てられる部分も、ドラマで追加されたエピソードで効果的な演出だと思う。※写真はイメージ衣食住は満ちている、地位の高い女として大事に扱われている。それなのに、知性よりも前に女としての魅力を求められ、それをくだらないと思いつつも、それでもその価値観から逃げきれない。これは現代でも私たちが見ている何かだという、ぞわっとした感覚があった。次の世継ぎを求めて若い男たちを誘い、毎夜華やかに装う綱吉の姿が美しいほど、冷え冷えとした空しさが画面に満ちていく。そうして自身の内面をぼろぼろに傷つけ、耐え続けた果てが「そうか。これは辱めであったか」という彼女の慟哭(どうこく)であり、「将軍とはな、岡場所で身体を売る男達より卑しい、この国で一番卑しい女のことじゃ」という叫びなのである。それは、どんなに高い地位の人間でも、自分でそれを選んだように見えても、生身の人間が自身の性とそれにまつわる事柄を他人から暴かれ、その結果を勝手に評価されることは、暴力であり、不可逆の被害なのだという強烈な告発である。転じて、それらの目線が持つ加害性の指摘でもあり、私たちはその激しさに息をのむ。※写真はイメージ綱吉が初めて見せる苦しみに、互いの心を通じ合わせたかに見える右衛門佐と綱吉だが、綱吉の苦しみを知ってしまったがゆえに、右衛門佐はもはや彼女との性愛には踏み込めなくなってしまう。この切ない成熟した大人ふたりの愛はどのような結末になるのか。そして原作の通りなら、この先も綱吉にはいくつかの無情な運命がふりかかる。仲里依紗と山本耕史の2人が、どんな深みのある愛を表現してくれるのか、楽しみに待ちたい。なお、6話放送直前に、今作の広報から「NHKドラマとしては初めてインティマシー・コーディネーターを採用して作られている」という旨がアナウンスされている。インティマシー・コーディネーターとは、演技やメンタルケア、性についての専門知識を持ち、俳優の心身をケアしながら性的シーンの撮影に関わる調整役のスタッフである。 #大奥の舞台裏 #大奥 ではNHKで初めて #インティマシー・コーディネーター を導入しました。ヌードやキス、セックスなどインティマシー(親密な)シーンにおいて、制作側の意図を十分に理解した上でそれを的確に俳優に伝え、演じる俳優を身体的・精神的に守りサポートする役割の方です。— ドラマ10「大奥」 (@nhk_oooku) February 13, 2023 今回の大奥のエピソードほど、インティマシー・コーディネーターの存在を得て撮影されたことが、物語の説得力を増す内容はないと思う。演じる側の不安や不快を少しでも減らしていくことが、同時に見る側の私たちの「この撮影、俳優は大丈夫だったのか」という懸念を減らし、より深く物語に没入させてくれる。NHKのこの取り組みに、大きな拍手を送りたい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年02月17日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。かなさんは歯列矯正の治療を受けるか迷い、いろいろな人に相談してみました。恋活仲間からのひと言でさらに悩むこととなったかなさんは……。★前の話歯列矯正についていろいろな人に聞いてみたところ「結婚してからやったら?」と言われたかなさん。たしかに見た目的にはそっちのほうがいいのかもしれないと思いました。しかし、コロナ禍になったからこそ歯列矯正をしようと思っていたかなさんは、マスク生活の内に治療を受けたいという希望がありました。そこでかなさんが下した決断とは一体。私は、歯列矯正について恋活仲間に相談したところ「矯正終わるの40歳くらいじゃない? 結婚してからやったら?」と言われました。たしかに矯正をしている内は器具を装着しているので、見栄えが悪いかもしれません。事実、友人が歯列矯正をしているときに「なんで、いまさら矯正なんてしてんの? 30超えてるのに!?」とデリカシーのかけらもない発言をしてくる男性もいました。恋活をしている間はもしかしたら矯正していることを馬鹿にされるかもしれないし、印象も悪くなってしまうかも……と思うこともありました。歯列矯正をすることで婚期を逃すかも? と思いつつも、私はそれでも見た目を変えたいという気持ちが強く、歯列矯正をすることに決めました!今まで年齢などさまざまな理由を付けて治療せずにいたので、このコロナ禍でマスク生活の期間を逃せば後悔するだろうということもあり……この機にやってしまおう! と決断することができました。ー--------------コロナ禍によるマスク生活で口元が隠せているうちに矯正治療を受ける決心をしたかなさん。見た目や治療に対する恐怖など、かなさんの中には歯列矯正に対するさまざまな気持ちがありましたが、これからの人生のことを考えたらその悩みは吹き飛んだのだとか。何事も決断することには勇気が必要ですから、歯列矯正に踏み切れたかなさんはすごいですよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。★関連記事:「盗まれとるし!」健康診断でまさかの事態が! 一体何が…? #アラフィフ主婦ちゃんねる 58★関連記事:自分をすり減らす働き方とは? 同僚が受診するとそのまま入院となり #旦那がブラック企業から転職 37★関連記事:横を向けばめちゃくちゃ出ている! 今まで歯列矯正をしなかった理由 #アラフォー双子の矯正日記 1著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年02月13日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。矯正歯科を受診し、精密検査に5万円かかると言われてしまったかなさんは矯正治療を受けるか悩んでいました。そこで、友人に聞いてみたところ……。★前の話矯正歯科を受診したところ、自分が想像していた矯正治療とは違う形での治療になることが判明しました。さらに矯正前の検査には5万円もかかってしまうということで、かなさんは矯正治療をするかどうか悩むことに……。そこで、歯列矯正をすることについてさまざまな友人に相談してみることにしました。すると恋活仲間からとあることを言われ、かなさんはハッとしました。検査費用の5万円の壁に悩むことになった私たち。1人5万円、2人で10万円の検査費用……しかも検査後に治療をしないと言っても、そのお金は戻ってくることはありません。もし治療をしないとなったとき、痛い出費になると思ったので、いろいろな人の意見を聞いてみることにしました!仕事でお世話になった人や大人になってから歯列矯正をした人など……。中には歯より胸入れたら? といったセクハラじみたことを言われたりもしましたが、やはり矯正してよかったという人は多くいました。しかし、恋活仲間に相談したとき「矯正終わるの40歳くらいじゃない? 結婚してからやったら?」と言われました。そのとき私は、たしかにと納得してしまったのです。その理由は、アニメやドラマで矯正器具を付けているキャラクターは何かと怖い立ち回りをしているから! もしかしたらそういう「矯正=怖い」といったイメージがある人もいるよなと思いました。こう考えると矯正って悩みが尽きることはなく……決断することも大変で、お金も見栄えも考えると大変なことなのだと改めて実感しました。ー--------------歯列矯正について悩んだとき、かなさんはいろいろな知り合いに相談したのだそう。矯正で人生が変わると言う人がいる中で、結婚してからやったほうがいいのでは? と言ってくる人もいました。たしかに、矯正している人を怖いと感じてしまう人もいますよね。矯正をしているからといって、テレビなどで感じるイメージに引っ張られずその人自身のことを見てもらいたいものです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年02月10日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。名を奪われた女(家光)と、望む未来を捨ててその女に寄り添った男(有功)。互いに小さな焚火のような尊厳を守りあい、愛し合った男女に死別のときが訪れた。ともに太平の世を守るために苦悶の人生を耐えて生きたけれども、世代がぐるりと回った時、そうして守りたかったものの記憶は自身の子孫でも、社会でも薄れていく。史実から考えると、およそ30年強。価値観が変わっていくのにその時間は長いか短いか。でも思えば、私たちも親や祖父母の語る苦労でさえ、どこかふわふわと実感を伴わないものだ。江戸、太平の華やかな時代に、漂うように退廃をまとわせて現れた将軍・綱吉(仲里依紗)の姿にそんなことを思う。ドラマ『大奥』のオリジナルのシーンも男子だけが罹る伝染病で、人口の男女比が不均衡になった架空の江戸時代。三代将軍家光を伝染病で失った春日局(斉藤由貴)は、その唯一の落胤(らくいん)である少女(堀田真由)を拉致してきて家光の身代わりとし、正統な血筋の世継ぎを産ませようと画策する。頑なに子供を産むことを拒む少女に春日局が引き合わせたのは、公家出身の僧侶・万里小路有功(福士蒼汰)だった。望まぬ還俗を強いられ、未来を奪われてもなお慈悲深さを失わない有功との日々で家光は愛情と安らぎを得るが、二人の間に子は出来ず、やむなく家光は他の男との間で子を産む。だが、出産の為に他のどの男と関係を持とうが心は有功にある家光と、愛する女が他の男に抱かれる苦しみから逃れられない有功との間には、細くても埋まることのない悲しい溝が出来てしまっていた。※写真はイメージ死の間際、家光が有功に頼んで身体を寄せ合う場面、そして本当の名前を呼んでほしいと家光がせがむセリフは原作にない、ドラマのオリジナルである。名は人が生きていく尊厳の最後の砦であり、悲しい運命の女将軍はそれを有功の存在で守り通したのだと分かる、素晴らしいシーンだった。「千恵様」と万感の想いを込めた福士蒼汰の表情と声にこみ上げるものがあり、更にそれに「…うん」と小さく頷く堀田真由が、出会った頃のように性別を越えた無垢な笑顔で頷くのを見ていて、思わず声と涙をこらえきれなくなった。※写真はイメージ悲しい人生だが確かな幸せもあったのだと伝わってくる。春日局が有功に還俗を強い『仏をさらった』、その時に望んだ『上様こそこの世で最も救われねばならないひと』という願いを、有功は果たしたのである。ドラマの有功はより人間らしさが溢れていたし、春日局の深みのある烈女ぶりも見事だった。そして、玉栄を演じた奥智哉の愛嬌とバイタリティもまた印象深い。この玉栄の可愛らしさが私たちの記憶に残れば残るほどに、綱吉編は業の深い、やるせないものになるだろう。かくして、家光の死から物語は一気に五代将軍綱吉の時代にとぶ。戦乱の世は遠のき、大奥は絢爛豪華になり、そして江戸の町では庶民が芸能や食事を楽しんでおり、これぞ我々がイメージする『大奥』の世界という高揚感に満ちている。御鈴廊下、しずしずと女将軍に付き従う極彩色の衣装に身を包んだ御台所や御中﨟たち。その中で、権力、美貌、跡継ぎの娘、腹心の部下、世に人が望む全てを持っているかのように見える女将軍・綱吉は倦怠にうんざりしている。大奥での房事に飽き飽きしている綱吉は、かつての愛人で、今は重臣・牧野の夫になっている男を目の前で奪いとり、更に息子まで大奥に召し出して奪ってしまう。奔放な女将軍の欲望で牧野の一家は崩壊し、綱吉の元から去ってしまうが、綱吉には罪悪感の欠片もない。興味深いのは、原作ではここで「成貞は優しうてお母上のようで私は大好きであったに」と綱吉は心底悲しそうに呟くのである。不可解な価値観にも見えるが、もしも貞淑であることが美徳であると教え込まれるのと同じくらいに、性に奔放で貪欲であることが彼女にとってある種の勤めであり、美徳であると教えられて生きれば、そういうことになるのかもしれないとも思うのだった。エピソードを通して、エロスはふんだんにあるがロマンスは見えにくい、怜悧(れいり)だが同じくらい強引な女将軍綱吉は、演じるにあたってもリスクの高い難役だろうと思う。その高い山に挑むのに、怪女優・仲里依紗ほど適任の俳優はいないだろう。早くも京都からやってきた御中﨟(おちゅうろう)の右衛門佐を値踏みするねっとりした視線にはゾクゾクさせられる。その視線を受けるのは『信用ならない男』を演じたら当代随一の山本耕史で、NHK大河や時代劇の常連でもあり、所作の自然な美しさはさすがである。綱吉編は、大奥らしさ全開の政争や情念の駆け引きも楽しく、同時に史実や、赤穂浪士といった歴史上有名なエピソードと物語の縫い合わせ具合が絶妙で、それもまた楽しみな見所といえるだろう。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年02月10日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。かなさんはかかりつけの歯医者で紹介された矯正歯科を訪れました。やりたくなかった抜歯をしなければいけない可能性があるとのことで、医師から精密検査を勧められたものの……。★前の話矯正歯科での初診の日、医師はまずかなさんたちの歯の状態を確認しました。すると、上下の歯を2本ずつ抜歯しなければいけない可能性が浮上! さらにハーフリンガルという矯正方法を希望していたのですが、妹のまりさんしかハーフリンガルができないことが判明しました。自分たちが思い描いていたのとは程遠い治療になってしまいそうなことに落胆したかなさん。さらに医師は追い打ちをかけるような発言をしてきました。私たちが紹介してもらったのはT歯科というとても腕の良いことで有名な紹介制の矯正歯科でした。私に歯列矯正について教えてくれた友人も、このT歯科を受診したいと言っていたほど。そんな先生を紹介してもらえてうれしかったものの、自分が想像していた矯正ライフではなくなってしまいそうなことにがっかり……。というのも、私たちは「抜歯をしないこと」「ワイヤー矯正の中でも目立ちにくいハーフリンガルという、上の歯の裏側、下の歯の表側それぞれにワイヤーを通す治療法」を条件にしていました。まりはハーフリンガルができるそうなのですが、私は歯が重なり過ぎているせいでハーフリンガルができないと言われてしました。しかし! この先生は矯正器具を開発している先生で、日本矯正歯科学会で臨床指導医の資格を取得している人でした。私は矯正器具が目立つことが嫌だったのですが、この先生の矯正器具なら目立ちにくいのでハーフリンガルではなくても問題ないとのことでした。この先生が治療してくれるなら……と思ったのもつかの間。検査に5万円もかかると言われてしまいました! やろうと思っていた気持ちが、やめようのほう傾いてしまった瞬間でした……。ー--------------希望する矯正の治療法ではなかったものの、医師の腕の良さを買って歯列矯正をしようと思ったかなさんたち。しかし、そんなやる気を打ち砕くように、検査費用が5万円もかかってしまうと言われました。1人5万円の検査費用ということで、かなさんたちの間にはやめようかな……という空気が漂ってしまいました。5万円の検査なんてどんなことをするのか想像つかないですよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/古川雄亮先生国立大学歯学部卒業後、歯学府博士課程において歯のエナメル質形成に関わる遺伝子研究をおこないつつ、バングラデシュなどのアジア諸国で口腔衛生に関連した国際歯科研究に従事。その他、スウェーデンのイエテボリー大学での研修を修了。大学病院の医員を経験した後、南米のボリビアにおいてボランティア団体の力を借り外来・訪問歯科診療に参加。 2019年にNature系の雑誌に研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」が公開。現在は歯科臨床に従事する傍ら、多くの企業からの依頼で、セミナーや学会取材、医療関連記事の監修・執筆、歯科医師国家試験模擬試験の校閲など、さまざまな分野で活動している。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年02月08日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。矯正歯科でカウンセリングを受けたところ、妹のまりさんと違う治療方法を提案されたかなさん。その理由は……。★前の話「顔を劣化させたくないから抜歯はしない」「矯正器具が目立たないようにハーフリンガルを使用する」ということを条件に歯列矯正をしたいと思っていたかなさん。しかし、抜歯をしなくてはいけない可能性が出てきました。もう1つの条件であるハーフリンガルについて伝えてみたところ、まりさんはできるとのこと! しかし、かなさんはハーフリンガルでの治療はできないと言われてしまいました。私たちの歯を見た先生は上下の歯を2本ずつ、計4本の抜歯する可能性が高いと言いました。抜歯をしたくないと思っていた私たちにとっては衝撃の発言……。ちゃんと検査しないとなんとも言えないとのことですが、可能性があるというだけでも「ギャ〜!」と頭を抱えたくなる気持ちに。抜歯は仕方ないとして、せめて矯正方法だけは! と思い、ハーフリンガルでの治療を希望していることを伝えました。ハーフリンガルとはワイヤー矯正の一種で、上の歯は歯の裏側に、下の歯は表側にワイヤーを通す矯正方法のことです。期待したのもつかの間。妹のまりはできるけれど、私はできないという……。私はまりに比べて上下の歯の重なりがひどく、下の歯に当たってしまうとのことで裏側に器具を付けられないとのことでした。まりも同じような出っ歯なのに私だけできないなんて……と落ち込む私の隣でニヤニヤと笑う妹。「お前も道連れだ!」と思わず包丁を持って追いかけ回したくなってしまいました(笑)。ー--------------歯列矯正の2つ目の条件であったハーフリンガルでの治療ができないことが判明したかなさん。しかし、妹のまりさんはハーフリンガルでの治療ができるとのことで、同じ出っ歯なのに治療法が違うなんて……とかなさんは落ち込んでしまいました。抜歯や矯正器具など、治療はなかなか思い通りにならないものでした。自分が思い描いていた治療を受けられないのは少しショックですよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年02月06日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。かなさんはかかりつけの歯医者から、T歯科という紹介制の病院を紹介してもらいました。矯正治療のためにカウンセリングを受けると、まさかの発言をされてしまい……。★前の話紹介されたT歯科は人気の病院ということで、受診するまで3カ月もの時間がかかりました。その間、かなさんたちは歯列矯正をする上で「抜歯はしない」「ハーフリンガルという矯正方法で矯正する」という条件を決めました。ようやくカウンセリングの日になり、T歯科へと向かいます。かなさんの歯を見た医師は、衝撃的な発言をするのでした。私たちは矯正治療を受ける上で、2つの条件を決めていました。まず、顔を劣化させたくないので、抜歯はしないということ。それから、ワイヤー矯正の中でも目立ちにくいハーフリンガルという方法で歯列矯正をすること。ハーフリンガルは上の歯の裏側、下の歯の表側それぞれにワイヤーを通す治療法で、表に立つことの多い私たちにはぴったりの矯正方法でした。T歯科を受診すると、個室に通されてやたらと低姿勢な先生が説明に来ました。先生は私の歯の状態を見ると「いびきかくでしょ?」とひと言。どうやら顎の角度が小さくなると、歯並びが悪くなったり気道が狭まっていびきをかきやすくなるのだとか。そして顎が小さく、歯が大きい私たちは歯をきれいに並べるスペースがないとのことで、上下2本ずつ抜歯をする可能性が……!抜歯はしたくない! と強く希望していたのでまさかの展開にびっくり。思わずポカーンと口が大きく開いてしまいました(笑)。ー--------------抜歯をしたくないと思っていたにもかかわらず、歯を4本も抜歯しなくてはならない可能性が浮上したかなさん姉妹。早くも歯列矯正をする上での希望が叶わなくなってしまいそうな展開に……。抜歯の理由は顎に奥行きがない上に歯が大きく、歯を並べるスペースが確保できないからなのだとか。せっかくどういうふうに治療をしたいのか考えていたのに希望が叶わないなんて残念ですよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/古川雄亮先生国立大学歯学部卒業後、歯学府博士課程において歯のエナメル質形成に関わる遺伝子研究をおこないつつ、バングラデシュなどのアジア諸国で口腔衛生に関連した国際歯科研究に従事。その他、スウェーデンのイエテボリー大学での研修を修了。大学病院の医員を経験した後、南米のボリビアにおいてボランティア団体の力を借り外来・訪問歯科診療に参加。 2019年にNature系の雑誌に研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」が公開。現在は歯科臨床に従事する傍ら、多くの企業からの依頼で、セミナーや学会取材、医療関連記事の監修・執筆、歯科医師国家試験模擬試験の校閲など、さまざまな分野で活動している。★関連記事:「許さん…」新型コロナのワクチン接種後に激しく後悔したこと #43歳で腎がんになった話 最終話★関連記事:「踊れば解決!」アラフォーがずっとベリーダンスを続けたい理由 #キレイな40代になりたい 最終話★関連記事:横を向けばめちゃくちゃ出ている! 今まで歯列矯正をしなかった理由 #アラフォー双子の矯正日記 1著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年02月05日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。NHKドラマ10『大奥』(火曜22時)の原作、よしながふみの同名漫画は2021年の日本SF大賞を受賞している。時代劇がSFというカテゴリであることに一瞬不思議な気持ちになるが、SFの『科学的な空想に基づいたフィクションである』という説明に基づくなら、男子のみが罹る架空の伝染病が起点となるこの作品は、まぎれもなくSFだ。大きな虚構で読者や視聴者をしっかり包み込むためには、細部のリアリティこそが必須だ。今回4話目、つまり一人の名を奪われた女が、男の偽物ではなく女として将軍の名を継ごうと立ち上がる場面は、この大奥という物語の世界観が成立するための物語の最重要場面である。どんな描き方になるか、楽しみであり少し不安でもあったが、杞憂だった。※写真はイメージもしもおとぎ話なら、不幸な姫と優しい王子が出会い、愛し合うことで物語はめでたしめでたしで終わる。この物語でも、将軍の落し胤(おとしだね)として子供を産むことを強いられた女・家光(堀田真由)と、聖職者として望んでいた未来をくじかれた失意の青年・万里小路有功(福士蒼汰)は出会い、恋に落ちる。しかし物語はその先も残酷に続いていく。深く愛し合いながらも二人は子に恵まれず、徳川政権を維持するため、この国を戦乱の世に戻してはならないという過酷な判断のもとに、家光は有功以外の男を相手にせねばならなくなる。※写真はイメージいずれ共に死のうと誓うほどに互いを想い合う激しい愛情から、他の側室との間に子をなして母になる家光と、ただそれを見守って生きるしかない有功の対比が鮮やかで残酷だ。別離を告げる場面での「死ね、お前など死ね」と激する堀田真由の表情も素晴らしいし、「では…殺して下され」と応える福士蒼汰の、たっぷりと間合いをとった表情のグラデーションは見応え抜群である。しかし母となり政務もこなすようになる家光が、内面に強い芯が出来て愛情も覚悟も揺るぎないものになるのに比べて、有功は悲痛なまでに不安定だ。原作でも有功は柔和な人物だが、今回のドラマ版の有功は、優しい上に体温のある人間くささがあって、それがとても良いと思う。嫉妬に苦しみながらも廊下側には切りつけられない苦悩は原作でも描かれるが、有功をけなげに抱きしめる玉栄(奥智哉哉)とその胸ですすり泣く有功は、ドラマのオリジナルである。※写真はイメージその上で、有功が聖職者になろうとしていた青年であること、その素養が大奥での暮らしでも損なわれずに内面に残っていることがドラマでは繰り返し描かれている。ただひとり、愛する女への純粋な愛情と嫉妬の間で不安定に揺れ続ける有功の人生は、他人のケアをすることで、利他という杖を得てようやく安定する。そして病に倒れた春日局(斉藤由貴)の最後の懺悔を聞き、彼女の秘めた悔いも詫びも引き取って看取るのである。懺悔の中で春日局が呟く「あの日わしは、仏をさらってきたのじゃ」は原作にないセリフだが、このドラマの春日局の複雑で魅力ある人物像を端的に表現したものだと思う。誰よりも苛烈で誰よりも甘い。その春日局のありようを脚本は『母』だと表現する。より多数の幸福のために集団を維持し、時に個をすり潰すことすら良しとする苛烈さは女将軍の家光に。弱き者に手を差し伸べ、人が生きる苦しみに寄り添う慈愛は有功に。その二面性は、人が集団で生きていく社会の機能そのもののようだ。※写真はイメージ原作では江戸城の大奥の物語だけでなく、伝染病により変質していく市井の人々の生活が差し挟まれるように描かれ、それが男女の権力構造が逆転していく描写に独特のリアリティを与えている。ドラマでは描かないその部分をどう補うか。作り手は、残虐な時代を生き抜いた春日局の愛情と執念、そして母となった女将軍の、いずれ滅ぶとしても足掻いて子の世代に少しでもベターな社会を残したいと願う覚悟を描きこむことで、男女が逆転する大奥という『大いなる虚構』に説得力を持たせた。大奥という場所が今後どのように変転していくのか、そして家光と有功の愛はどのような決着になるのか。それは次回を待つことになる。そして次の将軍・綱吉の話が始まる。綱吉編は『大奥』というパブリックイメージに最も近い華やかなエピソードだと思う。くせ者揃いの配役といい、今から楽しみである。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年02月03日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。腕がいいと評判の病院を紹介してもらい、予約をしたところ3カ月待ちとのことでした。その間、かなさん姉妹はとあることを決めていて……。★前の話歯列矯正をすることに決めたかなさんとまりさんは、普段通っている歯医者に矯正歯科を紹介してもらうことにしました。かなさんたちが紹介されたのはT歯科という紹介制の病院でした。受診できるまで3カ月かかるということで、かなさんたちは矯正をする上での希望を考えることに。かなさんたちが希望することとは一体。私たちは歯列矯正をするにあたって、2つの条件を決めました。まず1つ目は、抜歯をしないということ!その理由は、過去に歯列矯正をしていた知り合いに「抜歯して矯正したら、皮膚がたるんでほうれい線できたんだよねー」と苦笑いで言われたことがあったからです。他にも、友人がストローで飲み物を飲んでいたときに、口の上におばあちゃんのような小ジワができていたのを見てしまったこともあり……。どちらも矯正がきっかけとは言い難く、劣化は人それぞれではありますが、歯列矯正によって顔が劣化してしまうのは嫌だと思いました。もう1つの条件は、矯正器具の種類でした。私たちはワイヤーでの矯正を希望していたのですが、ワイヤー矯正の中でもハーフリンガルと呼ばれる形の矯正をしたいと思っていました。ハーフリンガルというのは、上の歯は歯の裏側にワイヤーを通し、下の歯は表側にワイヤーを通すという目立ちにくい矯正方法でした。芸人という仕事柄、人前に出る機会も多いのでなるべく目立たないようにしたかったのです。T歯科でのカウンセリングでは、この条件を絶対に伝える! という意思を固めました。ー--------------歯列矯正をおこなうにあたり、2つの条件を決めたかなさん姉妹。条件の1つ目は抜歯をしない、2つ目はハーフリンガルで治療するということでした。自分の意志に沿わない治療をされないためには、どのように治療をしてもらうかということを決めておくことが大切ですよね。歯列矯正をした経験がある方は、どんな条件を決めましたか?※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/古川雄亮先生国立大学歯学部卒業後、歯学府博士課程において歯のエナメル質形成に関わる遺伝子研究をおこないつつ、バングラデシュなどのアジア諸国で口腔衛生に関連した国際歯科研究に従事。その他、スウェーデンのイエテボリー大学での研修を修了。大学病院の医員を経験した後、南米のボリビアにおいてボランティア団体の力を借り外来・訪問歯科診療に参加。 2019年にNature系の雑誌に研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」が公開。現在は歯科臨床に従事する傍ら、多くの企業からの依頼で、セミナーや学会取材、医療関連記事の監修・執筆、歯科医師国家試験模擬試験の校閲など、さまざまな分野で活動している。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年02月03日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。長年、自身の歯並びが気になっていたかなさん。もう歯列矯正をするには遅いと思っていたものの、コロナ禍をきっかけに歯列矯正をしてみることにしました。そこで治療をしてくれる矯正歯科を探していると……。★前の話かなさんは同年代の友人から「矯正は歯医者さん選びが大切!」ということを聞き、自身が今通っている歯医者さんでおすすめの矯正歯科を紹介してもらうことにしました。ちょうど、妹のまりさんが定期検診に行くとのことで、その役割はまりさんに任せることに。歯医者から帰宅したまりさんは、医師に紹介してもらった病院をかなさんに伝えました。かなさんはその病院名を見てびっくり!10代や20代のうちに歯列矯正をしていなかった私は、もう手遅れだと思っていました。しかし、同年代の友人がコロナ禍を機に歯列矯正を始めたということで、私はまだ遅くないんだ! と気付かされました。その友人から歯列矯正について聞いてみたところ、やはり何よりも歯医者選びが大切だと言われました。私たちが今通っている歯医者はとても信頼できる所なのですが、矯正治療をおこなうことができず……どうしても別の病院を探す必要がありました。そこで、信頼している先生に矯正歯科を紹介してもらおうということになり、まりがリサーチに!紹介されたのはT歯科という歯医者でした。その病院は友人が行きたかったけれど紹介制で受診ができなかったという病院!友人のおすすめかつ先生の知り合いの病院だというもあり、ひとまずカウンセリングに行くことにしました。予約は3カ月待ちとのことで、少し時間はかかりましたがT歯科を受診することになりました。ー--------------かなさん姉妹が紹介された病院は、かなさんに歯列矯正について教えてくれた友人が行きたがっていたT歯科でした。T歯科は紹介制でしか受診できないほど人気の病院なのだとか。しかもそこの先生はかなさんが信頼している歯医者の後輩ということで、ひとまずはT歯科を受診することにしました。人気の病院を紹介してもらえるなんて、とてもラッキーですよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年02月01日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。よしながふみ原作の『大奥』1巻は、丸々一冊、導入としての吉宗編である。今回のドラマの初回同様に、爽快な展開かつ吉宗(冨永愛)の魅力的なキャラクターで一気に読者を引っ張り込む。だが2巻が刊行されて読んだ時、これは男女が逆転しているから視点が面白いとか、思考実験として刺激的だとか、そういう単純なものじゃないとぞわっとしたのを思い出す。これは閉塞された環境で引き起こされる人間のあらゆる業の物語で、現代に通じる普遍的な痛みと、その解放を模索する物語だと。今回のNHKドラマ10での『大奥』映像化もまた、その原作の持つ深みを裏切らない誠実さで製作されていることを3話で確信した。堀田真由の演技が光る前回の2話では万里小路有功を演じる福士蒼汰の魅力が特に光ったが、3話では堀田真由演じる家光の演技に目を奪われた。【『大奥』感想2話】福士蒼汰が演じる憂いの絶妙堀田真由といえばヒロインの友人であったり姉妹であったり、様々な役を出すぎず引きすぎず、きっちり演じる職人肌の女優というイメージがあった。だが今回、人生を奪われて、ただ血筋を残すための生を強いられている少女の哀しみを複雑な緩急をつけて演じきっている。男女の性別どちらもあるというよりも、どちらの色もない透明感で、1人の人間として尊厳を奪われたものの痛みと怒りに満ちていた。家光と有功のかわいがっていた猫の死を契機に、2人のひとときの穏やかな日々は一気に緊張感をはらむことになる。死んだ存在に対して経を唱え弔うことが、哀しみの淵から日常への回帰を促すと語る有功に、「これまで穏やかな日常など一度たりともなかった者には回帰する先などない」と少女は激する。自分に降りかかる理不尽な運命を他者への暴力に転化するより他に逃げ道を見いだせない少女に苛立ちながらも、有功もまた自分の中に理不尽な運命への怒りが消えずにあり、それが『八つ当たり』という形で共鳴を起こしたと自覚する。決別しようとする間際、少女の過酷な経験を知らされた有功は、彼女の壮絶な過去の痛みや怒りを包み込んで、この閉ざされた大奥という空間で共に生きることを選ぶのだった。※写真はイメージ今回、ごく狭い範囲に閉鎖されて、未来の選択を奪われた人々が、それぞれどんな形で逃避し、生きる道を選び取るのかが興味深い。家光の側室候補の男たちのように、序列にこだわり自分より弱い者を見下そうとする者。玉栄のように、大切な存在を守ろうと奔走して自らを奮い立たせる者。そして有功のように、慈愛と赦しで自分が今ここにある意味を求める者。少女の無理矢理切られた髪と奪われた本当の名前は、傷つけられた身体と魂の尊厳の象徴であった。彼女が奪われてしまった長い髪を自らが身につけ、似合わぬ姿を恥じずに晒すことで有功は彼女の心身の傷に共感しようとする。千恵という本当の名で呼びかけることで、彼女に尊厳の灯火をともす。互いの傷ついた魂を寄せ合い結ばれた2人を、その幸福な時間を今はただ見守っていたいと思う。今回の最後で春日局(斉藤由貴)が有功に宣告し、次回予告でも仄めかされた通りに、人の業をこれでもかと描きこむこの名作は、そんな「めでたしめでたし」を簡単には許してはくれないのだが。ちなみに終盤にちらりと出てくる吉宗と村瀬のやりとりで、村瀬が記録に書きこんだ「それは二羽の傷つき凍えた雛が、互いに身を寄せあうがごとき恋」の一文は、2人が固く抱擁しあう、原作全体を通しても名場面中の名場面の美しいト書きである。※写真はイメージ映像化にあたり、セリフとして差し込むことは難しくても、何とかどこかで視聴者に伝えたいと制作が願ってくれたものだと思う。今回のドラマ化にあたって、御右筆の村瀬(岡山天音)は、原作よりユーモラスで魅力的な人物として描かれている。「これでは記録というより読み物ではないか」とロマンチックな文章に半ば呆れる吉宗相手に、へへっと照れ笑いする老いた村瀬(石橋蓮司)の様子が岡山天音の若い村瀬に重なり、思わず笑ってしまった。世代も、本来なら容姿も違うはずの俳優ふたりが、ぴたりと一本の線に重なる妙味である。そんな村瀬老人を見ながら、閉鎖されて未来の見えない集団の中で自らを保ち生き抜く手段として「傍観して目前の物語を楽しみつくす」というのも、中々に有効な手段かもしれないな、と思うのだった。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年01月27日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。コロナ禍で友人が歯列矯正を始めたことをきっかけに、自身も歯列矯正をすることに決めたかなさん。そこで、矯正治療をおこなう歯医者を探すことにしたのですが……。★前の話新型コロナウイルスの影響で仕事が減ったかなさんは、この機会に何か美容に関することにチャレンジしたいと思っていました。そんなとき、友人が歯列矯正を始めたことを聞き、自分もやってみたいと詳しく教えてもらうことに。友人から歯医者はリサーチが大切だと言われ、矯正歯科のある病院を回ることにしました。かなさんが決めた歯医者とは一体。友人から話を聞いたその日のうちに、私は妹のまりに歯列矯正の話をしてみました。まりも私と同じく歯並びで悩んでいたので、一緒に歯列矯正を始めることに。歯医者選びが大切だと伝えると、まりは「おすすめの矯正歯科がないか聞いてみる!」と言いました。リサーチが面倒だと思っていた私はラッキー! と心の中で笑っていました(笑)。誰におすすめの歯科矯正を聞いたのかというと、自宅から電車で20分のところにあるかかりつけの病院でした。そこの先生は双子の男の子のお父さんで、私たちがとても信頼している先生でした。私とまりは双子で、病院で「妹さんが大丈夫だったから、大丈夫でしょ!」とひとくくりにされてしまうことがあり……。双子のお父さんであれば、片方だけを見て双子だから大丈夫と判断することはないだろうと思い、その病院に通うことに。しかし、この病院には矯正歯科がありませんでした。そこで、定期検診の際に先生にいい矯正歯科がないか聞いてみることにしたのです。「双子でも全然違うからね!」と言ってくれたこともあり、この先生の紹介なら間違いないだろうと思ったのでした。ー--------------歯列矯正をする上で大切な病院探し。かなさんは信頼できる医師を探していました。元々通っていた病院の歯科医はプライベートでは双子の父親であるという医師でした。かなさんはこの医師に対し、双子だからと同じ扱いをするのではなく、1人ずつ向き合ってくれるだろうと思ったのだそう。どんな基準で病院を選ぶかは人それぞれですが、自分に合う信頼のできる病院を見つけることは難しいですよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年01月25日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。福士蒼汰の声が好きだ。いや、もちろん声だけじゃない。容姿も演技もいい。でもやっぱり、彼特有の湿度のある濡れた声には聞き惚れる。そして少しダークな役だとその湿度が活きると思う。最近では、『DIVER-組対潜入班-』(フジテレビ系)のダークな役には見とれた。そして個人的に好きなのが、NHK時代劇『明治開化 新十郎探偵帖』での探偵役である。明治維新、洋装と和装が混ざりあう時代の名探偵という斬新な役にリアリティを持たせていた。だからこそNHKドラマ10『大奥』の配役が発表になったとき、正直彼ではお万の方、つまり万里小路有功としては少し堅いんじゃないかなと思っていた。原作の有功は、登場時は線の細い、女性と見まごうほどの美形の僧である。だがその印象は、初回の冨永愛の吉宗同様に、良い方向に裏切られた。【『大奥』感想1話】冨永愛の鮮烈さと中島裕翔の純粋さが奏でる極上の協奏曲NHKドラマ10『大奥』の、よしながふみの原作は、大奥が作られた家光以降徳川幕府の時代を貫徹しつつも、大まかにいくつかのパートがある。主要人物はパートを超えて時に重なり入れ替わりながらストーリーが進行していく(おそらく原作ファンの多くには、どのパートが一番好きかという語りつくせぬ作品愛があると思う)。中でも「なぜ男女逆転の大奥になったのか」を描く家光編は、愛と重苦しさと痛みをたたえた長いパートである。この物語の中では、男子のみが罹る奇病の流行で国内の男子の人口が減り続ける中、三代将軍・家光もその病で死んでしまう。西日本では奇病が本格的に流行していない今、幕府が揺らぐことが再び戦乱の原因となりうると危惧した春日局(斉藤由貴)と幕閣たちは、将軍の死を秘密裏にしたまま、家光の唯一の落胤である市井の少女(堀田真由)に世継ぎを産ませて繋ごうと画策する。理不尽な運命に抗い、頑なに出産を拒む少女の心を惹くべく白羽の矢が立ったのは、衆生を救いたいと願い公家から僧となった美しい青年、慶光院の院主・万里小路有功だった。※写真はイメージその院主を演じる福士蒼汰は、柔和な物腰も京ことばも見事にはまっていたが、何より原作の有功らしさを感じさせるのは、他者の人生の痛みや理不尽を思いやる瞬間の何ともいえない憂いである。原作にないドラマのみの場面として、有功は最初に案内の稲葉正勝(眞島秀和)相手にその名を問う。稲葉正勝は自分には名前などないから、呼びかけのみで呼んでもらえればよいと素っ気なく返す。そして将軍の身代わりとして生きている少女に対峙した直後、呆然としながらも「あのかたの本当のお名前は」と問い、そこでも少女に名前はない、本来は存在してはならない存在であるから、「上様とのみ呼べばよい」と聞かされる。上様と呼ばれる少女から、自らの名前をめぐり心身に酷薄な仕打ちを受けた直後ながら、有功は少女の運命と痛みに思いをはせたように悲痛な表情を浮かべるのである。名前は、個々の尊厳そのものである。世継ぎを生むためだけに連れてこられた少女も、巻き込まれた有功も、周辺にいる家臣たちも、この閉じられた場で根本的に尊厳を奪われて生きている。原作にないドラマのみの描写としてもうひとつ印象的なのは、有功が大奥から逃れようと強く願い、その方法を模索する描写である。※写真はイメージ部屋子の村瀬(岡山天音)に、子を作れば大奥から出られるかと問い、また秘密裏に京都に手紙を書き自分たちを逃がしてほしいと懇願している(失敗に終わってしまうが)。その描写で、衣食住が存分に提供されるとしても、ここは有功にとっては牢獄であり収容所のような場所であると強調されている。そんな未来も尊厳も奪われた牢獄で、最後に遠く、かすかな光がさす。周囲から強制された武芸の稽古で有功は他人を打つことを拒み、代わりに千回の素振りを願い出、芸の経験のない体で心身の限界まで追い詰めながらもやり遂げて最後は倒れ伏す。※写真はイメージ未来と尊厳が奪われた場所であっても、何をもって自分を良しとするかを決められるならば、それはわずかながらも自由だ。そこに到達するためにもがくならば、それは強さだ。有功はその強さを証明してみせる。主君、側室たち、家臣たち。誰にとっても絶望のこの場所で、この先どんな物語が起きるのか。酷薄に見える春日局が、帰ろうとする有功を引き留めるために叫んだ「上様こそ!この世で一番救われぬお方にございます!」という言葉。このセリフもまた、原作にはないドラマのオリジナルである。血筋を残すために名前と人生を奪われた少女に対する春日局のこのセリフは、彼女の咄嗟の本心であるように思えてならない。そしてこのドラマの作り手にとっても。哀切あふれる家光編は、これからが本番である。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年01月20日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。自分の歯並びにコンプレックスを抱えていたものの、歯列矯正に踏み切れずにいたかなさん。しかし、友人が歯列矯正をしていると聞き、自分もチャレンジしてみることにし、詳しく聞いてみると……。★前の話過去に「胸より歯が出ているぞ!」「矯正したら美人なのに〜」などとひどいことを言われることもあったかなさん。それでも歯列矯正は若い子がやるものだし……と言い訳をして、治療を受けることはしていませんでした。そんなとき、コロナ禍になり仕事が減ったかなさんは、何か美容にチャレンジしようと思ったのだそう。同世代の友人がコロナ禍になってから歯列矯正を始めたと聞き、どういったものなのか聞いてみることに。すると「とにかく、調べて話を聞きにいくことが大事!」と言われました。同じアラフォーの友人とZoomを使って話をしているときのことでした。「私、コロナ禍を期にずっとやりたかった矯正をすることにしたよ」とひと言。アラフォーになったしもう歯列矯正なんて……と思っていた私には衝撃的でした!コロナ禍で仕事も減ったので、美容にチャレンジしようとしていた私は友人に詳しく聞いてみることにしました。歯列矯正は歯医者選びが大変そうだと思っていたのですが、友人いわくやはり大変だそうでいろいろな歯医者を調べたそうです。友人は見た目だけではなく、かみ合わせまでしっかりと治したいということで3〜5箇所の病院を回ったようでした。歯列矯正にも種類があるようで、歯の裏側にワイヤーを通す裏側矯正をしたかった友人は裏側矯正専門の先生がいる歯医者に決めたとのことでした。「とにかく、調べて話を聞きに行くことが大事!」と強く言われ、納得した半面、面倒くさそうとも思ってしまいました(笑)。高いお金を払って失敗したくないし、やるならしっかりとリサーチしなきゃいけないと感じました。ー--------------かなさんは友人の言葉をきっかけに歯列矯正の治療を受けることを決心しました。その友人によると、歯医者選びは徹底的に調べて、歯医者の話を聞くことが大切なのだそう。高額な治療費を払うからこそ失敗はしたくないと思ったかなさんは、面倒だけれどしっかりとリサーチしなければいけないと感じたそうです。病院選びは難しいですが、かなさんに合う歯医者が見つかるといいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年01月18日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。ずっと歯列矯正をしたいと思っていたものの、治療に踏み切ることができずにいたかなさん。そんなある日、友人からの衝撃のひと言を言われて……。★前の話双子の妹のまりさんから「まるで風の谷のナウシカに出てくる巨神兵みたいな歯だね」と言われていたかなさん。芸人だから歯列矯正しないほうが面白いのでは? という謎の理由から今まで歯列矯正をせずにいました。そんなとき、かなさんは友人からコロナ禍を期に矯正を始めたということを聞きます。友人もアラフォーだったため、かなさんはとても驚いて……。私は今まで歯列矯正したかったけど、いろいろなことを理由に治療を受けずにいました。そのうち年齢も言い訳にしてしまい、何もしないまま月日だけが経過していて……もったいなかったな~と今では思います。出っ歯で嫌な思いもしたしばかにされたこともありましたが、これも自分の個性だ! と言い聞かせていました。でも、結局はこれも歯列矯正をしなかった言い訳でした。ただ、2019年の冬ごろから新型コロナウイルスが流行し始めたことで、芸人としての仕事が一切なくなりました。人と会うことも減ったので、私は今のうちに何か美容関連のことにチャレンジしてみようと思いました!そんなとき、同年代の友人がコロナ禍をきっかけに歯列矯正を始めた聞きました。歯列矯正といえば若い人がやるものだと思っていた私。アラフォーでも矯正していいの!? と考え方が変化しました。ー--------------これまで「胸より歯が出ているぞ!」「矯正したら美人なのに〜」など心ない言葉を言われていたかなさん。歯列矯正について気になっていたりしたものの、自分の中で言い訳してしまい、治療をせずに過ごしていました。しかし、コロナ禍になったことをきっかけに歯列矯正をした友人の話を聞いて心が変わったのだそう。皆さんはコロナ禍になってから始めたことはありますか?★関連記事:「嫌だよ~」胃がん検診の前、バリウムの地獄の思い出がよみがえる #43歳で腎がんになった話 28★関連記事:「夢かな…」いよいよ脂肪注入手術へ! そして右脇の傷を修正する手術も受けて #乳がん絵日記 38★関連記事:「手術しましょう」紛瘤は大丈夫だと言われていたのに母は手術することに #夫とともに四半世紀 19著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年01月14日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2023年1月スタートのテレビドラマ『大奥』(NHK)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。小説やコミックを映像化したドラマや映画を見るたび思う。文字や紙面が動画としてあるいは実写として動けばインパクトは大きい。とりわけ原作に対して愛情が注がれていると分かる実写化には感動するし、深い感謝の念がわく。それでも、その原作者が最初に作品世界を構築しようとした衝動と情熱、一つの世界を立ち上げ、最後に閉じるまでの膨大なエネルギーは、やはり原作者の中にこそあるものだろうと思う。原作の映像化は、その無二の情熱をより触りやすい形で解釈し、視聴側に提示するものだ。作曲者と演奏者のようなものだと思っている。だからこそ、そこに楽譜があれど決して誰が弾いても同じではない。ストーリーは決まっているから脚本は誰でも大差ないなんてことはない。衣装を整えて無難に演じればそれで良しでもない。冨永愛と中島裕翔の魅力NHKドラマ10『大奥』(火曜22時)初回を見た。何はともあれ冨永愛、である。NHKから最初に配役の発表があった時、なるほどという感触はあったし、おそらく原作ファンの多くが同様に感じたと思うが、今回その『なるほど』のレベルをはるか斜め上に超える八代将軍・徳川吉宗を魅せてくれた。衣装に吞み込まれない立ち姿、歩く姿、鋭い目線、迫力ある一喝。とても初めての時代劇とは思えない堂々たる存在感である。インタビューで冨永本人も歴史や時代劇が好きで、いつかオファーが来る日のために乗馬や殺陣の練習を積んでいたと語っていた(通常の乗馬に加えて、今回時代劇としての乗馬も訓練したとのこと。さもありなんの人馬一体の疾走だった)。※写真はイメージ美しい束髪をなびかせて馬を駆る姿一つで、彼女は原作のファンも、時代劇のファンも、ここから男女逆転大奥の世界を見るファンも、がっちりとわしづかみにしたのである。全編に哀切漂う原作において、吉宗はある意味清涼剤のような存在であり、見る側を特殊な物語世界に手引する『掴み』の役割でもある。見事な初手だった。そして、中﨟・水野祐之進として、冨永愛の将軍吉宗の強烈な魅力に寄り添った中島裕翔の素直な演技も讃えたい。昨年、テレビドラマ『純愛ディソナンス』(フジテレビ系)での怪演が評判高かった中島だが、過去に『デート〜恋とはどんなものかしら〜』(フジテレビ系)や『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)等の助演で見せた、好青年として癖のないまっすぐな演技も魅力的だ。今作では月代も似合う涼やかな立ち居振る舞いで、時代劇との相性の良さも証明してみせた。演技派のジャニーズタレントとして、もっとその実力を知られてもいいのにといつも思う。※写真はイメージ初回は脚本・演出ともに原作の世界観を最大限に尊重した美しいトーンだったが、原作では吉宗が『ご内証の方』は死罪となると知った上で水野を慈しんで抱くが、ドラマではそれを知らずに2人は惹かれ合って関係を結び、後で知るという違いがあった。「そなたは私の男じゃ」というインパクト特大の名台詞もドラマのオリジナルで、全体的によりロマンチックな方向に振ってある印象なのも、今後楽しみだ。ちなみに、水野が死罪に見せかけて赦免される場面、原作では大岡越前らしき女性が登場して、吉宗と「ただでさえ数少ない男子をこんなことで殺しては勿体ない」と久通の前でコミカルに愚痴る場面がある。ドラマでは登場しなかった大岡忠相だが、登場するならどんな俳優が演じただろうかと想像してみるのも楽しい。※写真はイメージ今回、脚本を担当する森下佳子は、いうなれば原作ものを解釈し脚本に起こす『名指揮者』である。過去にはテレビドラマ『JIN−仁−』(TBS系)や、『義母と娘のブルース』(TBS系)等、原作ものの脚本を手掛けてその魅力を大輪の花として咲かせた。原作をどう解釈し、どう魅力を伝えるか。そのさじ加減に加え、森下佳子が手がける原作ありのドラマで重要な点は、原作を読んでいなくても、一つのドラマとして完結して魅力が伝わる再構成の妙だと思う。今作もまた、初回を見たところ間口は広い。原作未読でも存分に魅力が伝わるドラマなので、是非多くの人に鬼才・よしながふみが紡ぎ上げた渾身の人間賛歌を堪能してほしいと願っている。そして次週から始まる家光編は、作中でも屈指の哀切とロマンスの濃度が高い章だと思っている。早くも次の火曜が待ち遠しい。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2023年01月13日36歳で歯列矯正を始めた双子芸人☆まかりな☆のかなさんの体験を描いた漫画を紹介します。昔から自分の歯並びが気になっており、40歳の自分に向けて何かプレゼントしたいと思って歯列矯正を始めたかなさん。どうして今まで歯列矯正をおこなわなかったのかというと……?★関連記事:虫歯や歯周病の予防に! 気になる歯列矯正の費用やメリットなど徹底解説!【医師監修】かなさんは正面から見るときれいな歯並びのように見えるものの、横から見たときの歯並びが気になっていたのだそう。しかし、今まで歯列矯正には踏み切れずにいました。その理由は……。私は双子の妹であるまりと一緒にお笑い芸人をしています。私たちは顔だけではなく、歯並びもそっくり! 前から見るときれいな歯並びに見えるのですが……横から見るとめちゃくちゃ出ている!!しかもまりよりも私のほうが少し出っ歯なのです。まりからは「まるで風の谷のナウシカに出てくる巨神兵みたいな歯だね」と言われてしまう始末……。歯並びについて気になっていたものの、私たち芸人だし歯列矯正しないほうがおもしろいのでは? という謎の考えがあり、矯正はしていませんでした。今思えば、若いときにやっておいたほうがよかったと思いますし、別に出っ歯で笑いは取れないんですよね(笑)。もう機会もないだろうし、この先歯列矯正をすることはないだろうとこのときは思っていました。ー--------------36歳になって歯列矯正を始めた☆まかりな☆のかなさん。今まで歯列矯正をしてこなかった理由は「芸人だから」ということなのだそう。しかし、出っ歯で笑いを取れる訳でもなかったのだとか……。かなさんは妹のまりさんからアニメキャラクターのような歯だと言われたこともありました。歯並びが気になっていても、なかなか歯列矯正に踏み切ることはできませんよね。★関連記事:「思ってたのと違う!」腎臓を摘出後、脚のむくみ対策をした結果は #43歳で腎がんになった話 25★関連記事:「わからない!」父の書類の転送について聞いたらたらい回しに #預金資産ゼロの父が倒れた話 28★関連記事:ホットフラッシュで眠れない! そんなとき医師が処方してくれたものとは #乳がん絵日記 36著者/☆まかりな☆ かな(37歳)双子で芸人・エッセイギャグ漫画を描いています。40歳になった時に自分へのプレゼントが何かできないかと思い、36歳で思い切って矯正をスタート! あまりの痛さにやるんじゃなかった! と何度も思いましたがやってよかったと思える日まで矯正漫画を描き続けます。
2023年01月08日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。ヒロインの岩崎和佳(奈緒)が時折例えられていた、ジャンヌ・ダルクだったら、「最後は焼かれちゃうでしょ」と思っていたら「ファーストペンギンも大体食べられちゃいますけどね」と作中で言われ、そこは笑いどころだと思っていた。まさかの最終回。愛した浜を去っていく和佳に、それが冗談ではなかったんだと呆然とする。『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)の最終話は、そのほろ苦さで、見届けた私たちの心に強く残る結末になった。でも不思議と悲愴感はない。少し苦くても、きちんと光さすラストだ。食い詰めたシングルマザーがやってきたのは、うらぶれた漁村だった。そこで彼女は、浜の未来を憂う漁師の片岡洋(堤真一)たちと協力して、従来の漁協の販路を通さない直販事業を立ち上げる。しかし幾多の妨害の果てに、漁協と地元の元政治家から資金繰りを切られ追い詰められた和佳は、元官僚の経営コンサル・波佐間(小西遼生)の紹介を通じてとある民間会社から支援を受ける。しかしその会社は外国企業で、経済を通じて浜の実質的な侵略行為を目論んでいることが判明する。最終回、浜の面々はすんでのところで外国企業を追い返したものの、それは執拗に和佳とさんし船団丸を追い詰めてきた地元の保守政治家・辰海(泉谷しげる)の力あってのことだった。本意ではなくとも、あわやのところで浜を売り渡す寸前だった和佳は、責任を厳しく問われることになってしまう。直販事業をやめるように迫られた和佳は、自分が浜を去ることと引き換えに直販事業を続けられる約束を取り付け、浜の未来を漁師たちに託して浜を後にする。そして10年後、成長した和佳の息子の進(城桧吏)が、片岡を訪ねて懐かしい汐ヶ崎にやってくるのだった。人口が減少し続けて縮んでいくこの国で、生産者と消費者ともに利益ある新しい流通を構築したい主人公たちも、衰退を待つ体制を潰す為に外国と結託して何が悪いかと問う元官僚も、古くあるものには理由があるのだと大衆には見えづらい大局観と体制の意義を厳しく問う老練の政治家も、それぞれの理由があって非常に見ごたえある最終話だった。今あるこの社会は、自然の生態系と同じように、様々な事柄が絡み合って回っている。結果として悪い一つの事象に対して、安易にこれだけを壊して取り除けば良いという『悪者』など本来いないのだろうと思う。それも理解した上で、やはり守旧の側から新しい価値観への対話の余地がもっとあるべきだと痛感した。資金が尽きれば会社は死ぬ。リーダーは、部下や組織に関わる人々を大切に思えばこそ会社が死なないために、どんな藁かも見ないで掴む。そこまでに追い込んだのは、「話してもどうせ分かるまい」と相手を侮って対話を持たずに突き落とした側だろう。その前に、五十年、百年先の未来を見据えた対話は考えられなかったものか。政治家の辰海は和佳のリーダーとしての資質を認めつつも、浜で仕事を続けることは許さず、和佳は辰海相手に自分が去った後のさんし船団丸の仕事の安寧を願って膝を折り土下座する。分かりやすい勧善懲悪の物語なら、最終話に膝を折るのは敵対する側だったろう。あるいは、敵のボスが去ったなら、主人公は立派に凱旋するだろう。けれども、『ファーストペンギン!』は、そのどちらもしなかった。和佳は直販事業の引き継ぎを果たした後は、浜の繁栄を願い去っていく。浜に残った漁師達や和佳が関わった人々は、さざ波が広がるように幸福になり生きていくが、和佳はそこにいない。その後も和佳は元気で暮らしている様子で、浜のことを深く気にかけているけれども、約束相手の辰海の死後も筋を通して浜には戻らず、汐ヶ崎の幸せの輪の中にはいないのだった。「なぜだ、こんなの納得できない」と、見ていて心の片隅が痛くなる。だが、もしこれが少しでも納得いかないと思うなら、「ここで現実を振り返り、縮みゆくこの国の農林水産業を、国全体の未来を考えてみて下さい」という作り手の願いかもしれないと思った。「長いものに巻かれなかった人の勇気に報いられない、今でいいのですか」と。その勇気あるペンギンは最初に飛び込んで、泳ぎきることはできなかった。傍目には敗者かもしれないけれど、最初から最後まで圧倒的に格好よかった。巻き舌の啖呵も、何一つ諦めない図太さも、人の愚かさを包む暖かさも、自分のプライドは二の次で部下の為に土下座する姿も、生涯筋を通す潔さも、何もかも爽快で格好良かった。その発端は、愛する息子がこれまで食べられなかった魚を美味しく食べたという喜びで、その幸福を更に多くの人に届けることのできる事業は決して間違ってはいないという強靱な信念だった。誰かの日々の暮らしの小さな幸福は、いずれ地域社会の繁栄と幸福に、更にこの国の未来にまで繋がっている。それを喜怒哀楽とともに誠実に見せてくれる素敵なドラマでした。作り手の皆様、演じて下さった皆様に深く感謝します。ありがとうございました。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年12月12日Twitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。2022年10月スタートのテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の見どころを連載していきます。かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。これはもう、意図的なさじ加減で地味目にしてるんだろうなと、最終回を前にした9話で思った。もっと派手に事件が起きて、もっとヒロインにキラキラした恋愛要素を盛り込んで、いつもすっきり勧善懲悪に解決したら、フィクションとして面白く見えるのかもしれない。でも、今現実にある問題と結びつけて、見た人々の記憶に少しでもそれを残すのに、地に足の着いた感触は必須なのだろう。9話まで見てきた『ファーストペンギン!』(日本テレビ系水曜22時)を、一言で表すならば『誠実なドラマ』だと思う。身体の弱い一人息子を連れ、食い詰めたシングルマザーの岩崎和佳(奈緒)がやってきたのは山口県のとある漁村、汐ヶ崎。そこで出会った漁師の片岡洋(堤真一)や、さんし船団丸の面々と混獲魚の直販事業『お魚ボックス』を始めて会社を立ち上げたものの、従来の販路から外れた販売のため地元の漁協とのトラブルが絶えない。これまで販売事業とは無縁だった漁師たちの仕事もミスだらけ、次々と苦難は襲いかかるが、一歩一歩階段を上るように和佳は協力者や理解者を増やし、自らも漁師もスキルアップしてボックス事業はようやく軌道に乗る。ところが好事魔多し、さんし船団丸は事故で網を失い、約1千万円の修理費と同時に金融機関の貸しはがしに遭う。必死の思いで頼った経営コンサルタント波佐間(小西遼生)の提案により、大手の食品流通会社から多額の融資を受け危機を切り抜けるが、波佐間の介入を嫌う片岡は浜から出て行ってしまう。さらにその融資元の会社は外国資本で、このままでは浜そのものが事実上の乗っ取りにあう可能性を知った和佳は愕然とする。今回、地方の浜が経済上外国資本に乗っ取られるということが、国防の危機の可能性に繋がることまで言及したことに、そこまで踏み込むかと驚いた。ここまでに漁協という組織の保守性や、漁業の現状とミスマッチが生じている問題点を丁寧に描いてきたが、その保守性や継続性にも役割があり、安易に切り落とすように取り除いてはならないものだと明かされる。一方で外資と知らずとも外部の資金に縋らされるをえないほどに、さんし船団丸を追い詰めたのも漁協を中心とする保守勢力である。もつれあう問題に、これでは衰退する一方の漁業に打開の手はないのかと、見ていて暗澹たる気持ちになってしまう。そんな中、現場の漁師たちのリーダーとして自分でなくても波佐間がいればいいのではないか、戻る必要はないんじゃないかと躊躇する片岡を、永沢は汐ヶ崎に連れ戻そうと腐心する。永沢は、波佐間と一緒にいる時の従いっぱなしの和佳が好きになれない、和佳らしくないと懸命に片岡に訴えかける。ここまで、この作品では『その土地』で『その人たち』が生きていこうとする姿を描いてきた。故郷の衰退を憂いながらなすすべのない中年世代、都会に出たけれどもやむなく戻ってきた若者、ここで家庭を持つ決断が今は難しい若者、一次産業への希望をもってやってくる移住者。立場や経歴ではなく、本音でぶつかり合っても容易には壊れない関係で生きられるなら、自分らしさを発揮しながらより良い未来を目指せるならば、その人たちが、その土地で生きていく理由としては十分なのではないか。永沢が片岡を引き戻そうと熱く語った言葉には、そんな希望が込められていると思った。最終回直前まで、息のつけない困難続きではあるけれども、このドラマが『10年前』から届けられている物語だということは、繰り返し冒頭のナレーションで語られている。何らかの決着がついていると察することが出来るのは、間違いなく光明だろう。ずっと誠実さをもって描かれてきたドラマがどんな希望を見せてくれるのか、最後まで楽しみだ。ドラマコラムの一覧はこちら[文・構成/grape編集部]かなTwitterを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。⇒ かなさんのコラムはこちら
2022年12月05日