第88回アカデミー賞授賞式が2月29 日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『ルーム』(レニー・アブラハムソン監督)に主演したブリー・ラーソンが、「主演女優賞」を初受賞した。監禁された“部屋”の内と外で愛を貫き通した母子の姿を描き、トロント国際映画祭では最高賞にあたる観客賞を受賞した本作。第88回アカデミー賞では主演女優賞に加えて、作品賞、監督賞、原作者でもあるエマ・ドナヒューの脚色賞と主要4部門にノミネートされ、本年度の“台風の目”として大きな注目を浴びている。そんななか、ゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)&英国アカデミー賞の主演女優賞など40近い女優賞に輝き、勢いに乗っていたラーソンが、ケイト・ブランシェット(『キャロル』)、ジェニファー・ローレンス(『Joy』)といったオスカー受賞経験者、また最大のライバルと目されたシアーシャ・ローナン(『ブルックリン』)を退け、初のオスカー獲得を果たした。ブリーは、スピーチのはじめに「ありがとうございます。映画を作るので大事なことは、この映画を作るにどれだけ多くの人が関わっているかということです」と語り、「(共演の)ジェイコブもありがとう、私のパートナーです。本当のパートナー、アレックスにも感謝します」と述べた。ある男に誘拐され“部屋”に7年もの間監禁された若い女性と、外の世界を知らない幼い息子が、脱出を試みた後、広すぎる“外の世界”と対峙する姿を描いた衝撃と感動のヒューマンドラマ。ラーソンは奪われた時間の尊さに押しつぶされながら、家族との再会や社会への順応を経て、息子に対する愛を再確認する母親を熱演した。現在、26歳。サウス・バイ・サウスウェスト映画祭でプレミア上映され、審査員特別賞を受賞した『ショート・ターム』(2013)でも高い評価を受けていた。(text:cinemacafe.net)
2016年02月29日第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『レヴェナント:蘇えりし者』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が「監督賞」に輝いた。イニャリトゥ監督は昨年も『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で監督賞に輝いており、同一監督が2年連続で「監督賞」を獲得するのは、アカデミー賞の歴史において、ジョン・フォード、ジョセフ・L・マンキーウィッツに続き史上3人目の快挙となる。「2年連続の受賞はない」の予想から、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー監督、『スポットライト 世紀のスクープ』のトム・マッカーシー監督らが有力視されていた監督賞。しかし、イニャリトゥ監督は負けじと、オスカー前哨戦となるゴールデン・グローブ賞監督賞、全米監督組合賞、英国アカデミー賞監督賞を次々と受賞し、アカデミー賞への弾みをつけていた。『レヴェナント:蘇えりし者』は未開拓の荒野を舞台に、瀕死の重傷を負った上に仲間に見捨てられ、最愛の息子まで奪われた孤高のハンターが、“生きる”という純然たる意志と“復讐”という憎しみだけを武器に、約300キロの壮絶なサバイバルを繰り広げる。イニャリトゥ監督は「アカデミーに感謝致します。こんなことが起きるなんて信じられません」と喜びの言葉を述べ、「才能豊かなキャストと同僚たちに感謝します。レオ、あなたこそ“レヴェナント”です」と語った。さらに、「私は本当に幸運です、しかし同じような運に恵まれていない人もいます。この世界であらゆる偏見から解放されましょう」とメッセージを送った。作品賞をはじめ、監督賞(イニャリトゥ監督)、主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、助演男優賞(トム・ハーディ)、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞と本年度最多となる12部門にノミネートされている。(text:cinemacafe.net)
2016年02月29日第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた。全世界で旋風を巻き起こし、5部門にノミネートされた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(J・J・エイブラムス監督)は無冠に終わった。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は作曲賞(ジョン・ウィリアムズ)、録音賞、音響効果賞、視覚効果賞、編集賞の候補になっていた。現在までに世界興収が20億ドル(約2,340億円)を突破し、ここ日本でも興行収入110億円、動員700万人を超える特大ヒットを記録している本作。今月には、ライアン・ジョンソン監督がメガホンをとる続編『スター・ウォーズ/エピソード8』(仮題)の撮影が始まったばかりで、ベニチオ・デル・トロ、ローラ・ダーン、新人のケリー・マリー・トランら追加キャストも発表されている。また、この12月にはスピンオフの第1弾『Rogue One: A Star Wars Story』(原題)の公開も控えている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スター・ウォーズ/フォースの覚醒 2015年12月18日より全国にて公開(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights
2016年02月29日第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『ブリッジ・オブ・スパイ』(S・スピルバーグ監督)に出演のマーク・ライランスが、「助演男優賞」を初受賞。注目されたシルベスター・スタローンは受賞を逃した。実話をもとに、ともにアカデミー賞に輝くスピルバーグ監督×トム・ハンクスの4度目のタッグが実現した本作。米ソの冷戦が激化した1950~60年代を舞台に、アメリカ人弁護士ジェームズ・ドノヴァンが、かつて弁護を担当したソ連の老スパイと、ソ連の捕虜となったアメリカ人パイロットの交換交渉を進めるため、東西分裂中のベルリンで孤軍奮闘する。老スパイを演じたライランスは、ロンドン映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞、フェニックス映画批評家協会賞、バンクーバー映画批評家協会賞、トロント映画批評家協会賞、NY・オンライン映画批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞など名だたるアワードで助演男優賞に輝いていた。『ブリッジ・オブ・スパイ』は今年のアカデミー賞で、助演男優賞をはじめ、作品賞、脚本賞、美術賞、録音賞、作曲賞の6部門にノミネートされている。一方、『クリードチャンプを継ぐ男』(ライアン・クーグラー監督)でかつてのライバルの息子と出会い、再びボクシングの世界に身を投じるロッキーを演じたスタローンは、残念ながら、念願のオスカー像を手にすることはできなかった。今年のアカデミー賞は“白すぎる”の批判が上がり、実際に同作が高い評価を得ながら、アフリカ系アメリカ人のクーグラー監督、主演のマイケル・B・ジョーダンらがノミネートを逃しているだけに、悔しさも募るはずだ。初ノミネート初受賞となったライランスは「観たり出演したりするのは好きです。スティーブン・スピルバーグと仕事ができて幸せでした。どうして私だけ選ばれたのか分かりません。ありがとうございます」と喜びを語った。(text:cinemacafe.net)
2016年02月29日第88回アカデミー賞の授賞式が29日(現地時間28日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、長編アニメ映画賞にディズニー/ピクサーの『インサイド・ヘッド』が輝いた。スタジオジブリの『思い出のマーニー』は受賞を逃した。『モンスターズ・インク』『カールじいさんの空飛ぶ家』のピート・ドクター監督が手掛けた『インサイド・ヘッド』は、頭の中の"感情"を主人公にした感動ファンタジー。11歳の少女ライリーの頭の中にある5つの感情たちが、頭の中で大冒険を繰り広げる。檀上でピート監督は、作品に関わった人たちに感謝の言葉を述べ、「子供たちにも感謝します」と発言。「子供たちが成長する姿を見ながらこの作品を思いついたんです」と話し、「中学、高校でいろいろ苦しんでいる人たちもいると思います。悲しい日も怖くなる日もそれは選べない。でもいろんなものを作るんです。映画を作ってくだい、絵を描いたりしてください、それは大きな変化を生み出します」とメッセージを送った。ジブリは、宮崎駿監督の『風立ちぬ』、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』に続き、米林宏昌監督の『思い出のマーニー』で3年連続5度目のノミネートを果たしたが、日本作品かつジブリ作品として『千と千尋の神隠し』以来13年ぶり2度目の受賞はならなかった。長編アニメ映画賞には、『インサイド・ヘッド』、『思い出のマーニー』のほか、『アノマリサ(原題)』、『父を探して』、『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』がノミネートされていた。WOWOWでは、2月29日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日にはダイジェスト版も放送する。
2016年02月29日第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた。「長編アニメーション賞」はスタジオジブリの『思い出のマーニー』が候補に挙がったが、『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』に続き3年連続で受賞を逃した。オスカーを手にしたのは大本命だった、ディズニー/ピクサーの『インサイド・ヘッド』(ピート・ドクター監督)。日本でも興収40億円突破のヒットを記録した同作は、11歳の少女の“頭の中”を舞台に、彼女の幸せな成長を願うヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミという5つの感情が大冒険を繰り広げる個性あふれるファンタジーだ。アニメ界のアカデミー賞といわれる第43回アニー賞では、アニメーション映画賞をはじめ、監督賞、声優賞、脚本賞、編集賞、プロダクション・デザイン賞、音楽賞、キャラクター・デザイン賞、キャラクター・アニメーション賞、ストーリー・ボーディング賞と10部門を制覇。ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、オンライン映画批評家協会賞、ゴールデン・グローブ賞、アメリカ製作者組合賞、英国アカデミー賞など著名なアワードでも、長編アニメ賞に輝いていた。一方、ジブリ作品として『風立ちぬ』(宮崎駿監督)、『かぐや姫の物語』(高畑勲監督)に続き、3年連続でオスカー候補となった『思い出のマーニー』(米林宏昌監督)は受賞を逃す結果に。現在、スタジオジブリは劇場用長編アニメの製作について、新たな動きがない状態で、しばらくは同賞とも縁遠くなりそうだ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2016年02月29日第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が快進撃を続けている。すでに衣装デザイン賞、美術賞、メイク・ヘアスタイリング賞、編集賞、音響編集賞、録音賞を受賞しており、まさに“歓喜のオスカー・ロード”を爆進中だ。同作は作品賞、監督賞(ジョージ・ミラー)の候補にも挙がっており、本年度の最多部門受賞作になる可能性が高くなっている。荒廃した近未来を舞台に、愛する者を奪われ、生きる望みさえ失った主人公マックスが、砂漠を支配する凶悪な敵イモータン・ジョーの一団相手に、ルール無用の肉弾バトルを繰り広げるアクション超大作。全シリーズでメガホンをとるジョージ・ミラー監督が30年ぶりに、“マッド”な世界を復活させた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マッドマックス 怒りのデス・ロード 2015年6月20日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開(C) 2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
2016年02月29日第88回アカデミー賞の授賞式が29日(現地時間28日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが助演女優賞に輝いた。本作は、世界初の性別適合手術で女性になった実在の画家アイナー・ベイナーとその妻の愛を描いたラブストーリー。アリシア・ヴィキャンデルは、エディ・レッドメイン演じるアイナー・ベイナーに献身的な愛をそそぎ支える妻ゲルダを演じた。初のオスカーを手にしたアリシアは「認めていただき本当にありがとうございます」と感激。「すばらしいキャストの方々と共有したいと思います」と喜びを爆発させた。そして、主演のエディを見つけて「そこにいるのね」と話しかけ、「本当にありがとう。あなたがいなければこんなことはできませんでした」と感謝の気持ちを伝えた。助演女優賞はそのほか、『キャロル』のルーニー・マーラ、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のレイチェル・マクアダムス、『ヘイトフル・エイト』のジェニファー・ジェイソン・リー、『スティーブ・ジョブズ』のケイト・ウィンスレットがノミネートされていた。WOWOWでは、2月29日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日にはダイジェスト版も放送する。(C)2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
2016年02月29日第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが「助演女優賞」を獲得。アリシアはエディ・レッドメン演じる“リリー”と魂同士で結びついた愛の強さを鮮やかに表現し、見事受賞に至った。いまから80年以上も前、世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人リリー・エルベの実話に基づく勇気と愛の物語。命の危険を冒してでも、本当の自分らしく生きることを望んだ主人公リリーと、夫が夫でなくなっていく事態に戸惑いながらも一番の理解者であり続けた妻・ゲルダが織りなす、魂の触れ合いのドラマを描く。同作は主演男優賞(エディ・レッドメイン)、助演女優賞(アリシア・ヴィキャンデル)、美術賞、衣装デザイン賞にノミネートされた。受賞したアリシアは客席にいるエディに向かって「エディ、そこにいるのね、本当にありがとう。あなたがいなければこんなことはできなかった。私がここにいるのはドリームチームのおかげです」と感謝を述べた。(text:cinemacafe.net)
2016年02月29日第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『レヴェナント:蘇えりし者』でノミネートされているレオナルド・ディカプリオと『スティーブ・ジョブズ』のケイト・ウィンスレットが、レッドカーペットに2人揃って登場し、ファンを熱狂させた。『タイタニック』(’97)、『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(’08)で共演した2人。レオナルドは今回、『レヴェナント:蘇えりし者』で主演男優賞にノミネートされ、悲願の受賞となるか全世界が注目している。一方のケイトは『スティーブ・ジョブズ』で「ジョブズに一番上手に立ち向かった社員賞」に選ばれたというジョアンナ・ホフマンを熱演し「助演女優賞」にノミネート。そんな2人はレッドカーペットに揃って登場し、フォトコールに応じた。ファンはまさかの2ショットに歓喜。『タイタニック』で共演した以来プライベートでも親しみのある2人は、今回W受賞となるか。期待したい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal Pictures
2016年02月29日『第88回アカデミー賞授賞式』が、日本時間の29日に米・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。今年の司会には、コメディアンで俳優のクリス・ロックが11年ぶりに登場。豪華スターが勢ぞろいする『アカデミー賞授賞式』は、受賞シーンはもちろん、様々なエンターテインメントショーを繰り広げる世界最高峰の"映画の祭典"だ。当日9時から独占生中継を実施するWOWOWでは、案内役のジョン・カビラと高島彩が授賞式の模様を紹介する。2011年にゆずの北川悠仁と結婚した高島は、このたび、第2子妊娠を発表したばかり。そこで、現在妊娠6か月の高島に、案内役への意気込みのほか、映画に関する家族との思い出エピソードを聞いた。――高島さんにとって『アカデミー賞授賞式』の魅力とは?「案内役を務めるまでは、今年はどんな映画を見ようか?という判断基準にしか思っていなかったのですが、賞レースだけでなく、エンターテインメントショーとしてのクオリティーが高い。華やかなレッドカーペットに、誰がどんなドレスで登場するかという点でも楽しめます。まさか、こんなものが見られてしまうんだ!というお得感が必ずあると思いますよ」――今年のノミネーション作品で気になった作品はありますか?「男っぽい作品が多い印象ですね。『マッドマックス 怒りのデスロード』が10部門でノミネートされたのは意外でした。個人的には、親子の成長がドラマとして巧みに描かれていた『ルーム』が印象的でした。子どもにとっての初めての“発見、出会い、恐怖”を見て、私の娘も日々ドキドキを感じながら成長しているのだな、などと日常と照らし合わせながら鑑賞しました」――では、主演男優賞&主演女優賞で注目している人を教えてください。「(『レヴェナント:蘇えりし者』主演の)レオナルド・ディカプリオは、主演男優賞を獲らせてあげないと、今後はもう授賞式に出てきてくれないんじゃないかな。受賞した際には、粋なスピーチを期待しています。(『キャロル』主演の)ケイト・ブランシェットには、私も恋をしちゃいそうでした!女性同士の恋愛映画というだけはない、感情移入できる素晴らしい演技でした。」――当日の案内役として、楽しみにしていることはありますか?「生放送なので何が起こるか分かりませんが、ハプニングが起きた方がいい。『アカデミー賞授賞式』は“お祭り”なので、みんな一緒になって自由に楽しんじゃおうと思っています。スタジオでは、カビラさんしかり、実はマニアな斎藤工さん、地上波では聞けないような話をしてくれる町山智浩さん、みなさんが暴走するのを楽しみにしています」――これまで高島さんが影響を受けた作品を教えてください。「小学生の時に見た『夢のチョコレート工場』は、映画の世界の奇妙さと面白さ、見ちゃいけないものを見たようなドキドキ感がありました。それからは、ダークで教訓があって、ドロッとしたものが含まれている作品が好みになりましたね。映画の強さを感じた『ソフィーの選択』も忘れられない作品で、いつか私の子どもにも見てほしい。そして、『きみに読む物語』が大好き!男性の一途さが素敵です。こんな風に愛されてトキメキたい(笑)」――ご家族で映画を見ることはありますか?「子どもが生まれてからは、アニメーション映画を見ることが多いですね。ダークもの、サスペンスものといった私が好きな作品を見れていなかったので、今回はお仕事という理由で母に子どもを預けて映画を見に行っています。家では、主人と昨年の受賞作品をWOWOWで見て感想を言い合い楽しんでいます」――映画に関するお子さんとの思い出エピソードを教えてください。「2歳の娘と『インサイド・ヘッド』を見たのですが、“喜び”や“悲しみ”の存在に気付いたみたいで。私が笑っていると『ママ、喜び?』と聞いてきたり、映画で一緒に空間を共有したからこそできる会話が、少しづつ生まれています。今回、長編アニメーション賞に『思い出のマーニー』がノミネートされていますが、スタジオジブリ作品を多感な時期に見せたらどんな話をするのかな?と今からとても楽しみです」『生中継!第88回アカデミー賞授賞式』は、WOWOWプライムで29日9時から同時通訳で生中継。字幕版は、同日21時から放送する(ダイジェスト版は、3月5日放送)。
2016年02月28日映画界最大の祭典、米アカデミー賞の発表が近づく中、誰が、そしてどの作品が栄冠に輝くか予想合戦も熱を帯びてきた。今年、作品賞候補に挙がるのは計8本だが、困ったことに…例年にない秀作揃いで、どの作品にもチャンスがある大混戦!正直、的中は難しい状況だ。■前哨戦で存在感を見せる有力候補すでに作品賞候補となった8本すべてを鑑賞したが、オスカー前哨戦の結果も踏まえた上で「アカデミー好み」と言えるのは、『レヴェナント:蘇えりし者』(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)、『スポットライト 世紀のスクープ』(トム・マッカーシー監督)、『マネー・ショート華麗なる大逆転』(アダム・マッケイ監督)の3本。どれも力強いテーマ性やキャスト陣の熱演、そして実話がベースになっているという共通点があり、見応えは十分だ。“勢い”という点では、ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)作品賞、英国アカデミー賞作品賞に輝いている『レヴェナント:蘇えりし者』が優勢で、昨年の『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に続き、イニャリトゥ作品が頂点に立つ可能性は否定できない。一方、監督賞でも接戦が繰り広げられるはずで、イニャリトゥが2年連続監督賞を受賞する代わり、作品賞は他作品に流れる可能性も…。オリジナル脚本賞は『スポットライト 世紀のスクープ』、脚色賞は『マネー・ショート華麗なる大逆転』で決まりかもしれない。実話ベースの作品としては、スティーブン・スピルバーグがさらなる飛躍を遂げた秀作『ブリッジ・オブ・スパイ』も忘れてはいけない。■単なる“視聴率対策”に収まらない極上エンタメ作品近年、ノミネート本数が増え、よりバラエティ豊かなラインナップになった作品賞だが、一方でエンタメ色の強いヒット作(例えばジェームズ・キャメロン監督の『アバター』)も候補入りさせ“視聴率対策”と揶揄されることも。確かにアカデミー賞受賞式には「世界中が注目するテレビ番組」という側面もあり、認知度の高い作品があるとないとでは、視聴率に影響が出るのは想像に難くない。今年の作品賞候補で言えば『オデッセイ』(リドリー・スコット監督)、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ジョージ・ミラー監督)がそれにあたるが、どちらも“視聴率対策”の枠に収まらない、作品賞レベルの極上作だから非常に悩ましい!例えば、リドリー・スコットを監督賞候補にさえしなかった罪滅ぼしとして、『オデッセイ』が作品賞を受賞する可能性は捨てきれないし、逆に監督賞の候補になったジョージ・ミラーが作品賞を逸する代わりに、監督賞を手にしたら、それもまたドラマチックである。■女性映画に作品賞を!『ルーム』はすさまじい大傑作ここまで紹介した作品がどこか男くさいラインナップだとすれば、残る2本『ルーム』(レニー・アブラハムソン監督)と『ブルックリン』(ジョン・クローリー監督)は美しくも切実な女性映画。特に“部屋”に監禁された母子の逃避行を描いた『ルーム』は最も作品賞に推したい、すさまじい大傑作だ。1度見ただけでは、これ以上の言葉が見つからないほどの衝撃と感動は、映画ファンなら必ず体験をしてほしい。昨年の『セッション』同様、授賞式当日は“台風の目”として旋風を巻き起こすはずで、ブリー・ラーソンの主演女優賞は確実と予想する。ちなみに女性が主人公の映画が、作品賞に輝いたのは第77回の『ミリオンダラー・ベイビー』(クリント・イーストウッド監督)が最後で、もう10年以上前のこと。近年、白人優位に批判が集まるアカデミー賞だが、女性映画に対する冷遇も課題のひとつで、『キャロル』が作品賞候補から漏れているのは非常に残念。それだけに、『ルーム』や『ブルックリン』といった秀作に作品賞を捧げる価値は非常に大きい。(text:cinemacafe.net)
2016年02月27日映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)が毎年開催するエンターテインメントの祭典、アカデミー賞授与式が今年も2月28日(現地時間)に開かれる。米国のみならず世界的にも注目されるこのイベントを前に、Webの世界でも盛り上がりを見せている。Microsoftが展開する検索ポータル「Bing」もこの祭典の盛り立てに一役買っている。Bingにアクセスして"Academy awards"と検索、右上にある「Switch to Bings in English」を押し英語版に変えると上段にACADEMY AWARDS特設コンテンツが大きく表示される。第88回目となる今回の作品賞のノミネートがワイドに表示される。「NOMINEES ASD PREDICTIONS」の下にある[Explore]をクリックすると現在の予想得票もパーセンテージで表示。Bingが行う各賞の予測や過去の受賞ハイライト、レッドカーペットでの華やかなシーンなど、特集やITを駆使したコンテンツが設置してある。この特設サイトには、どんな技術が用いられているのだろうか。オフィシャルブログには、その舞台裏が紹介されている。「前年度の検索動向などからユーザーが、ノミネートや予想だけでなく授賞の瞬間やベストスピーチ、ファッションやそれらにまつわるクイズのようなものに人気が集まる傾向を知っています。これらを誰でも簡単に"one view"で提供できる仕組みを目指した」とsenior product marketing manager for BingのBonnie McCracken氏は、ACADEMY AWARDS特設コンテンツについて述べる。最新のIT技術も垣間見える。コンテンツにはBingが予測する各賞の受賞者リストも公開されているが、これにはBAFTA(British Academy of Film and Television Arts)、Golden Globesなど他の祭典におけるWebやSNSの動向などを解析に加えることで予測を行っている。ドラフトのようなスポーツイベントや大統領選挙など、"投票(Voting)"というプロセスには類似点があり、解析で学習するたびに予測アルゴリズムは向上していくとしている。Bing Image teamが携わる「CelebsLike.me.」も最新のIT技術が隠れている面白いコンテンツ。過去のオスカーノミネートの俳優たちを含む有名人たちの顔の構造との一致率を表示することができる。アップロードボタンが設置してあり、自分の写真で試してみることも可能だ。これには、Microsoftが提供するビッグデータ解析のための一種の知覚知能「Cortana Analytics」が活躍している。Cortanaは、日々Webイメージの解析を積み重ねることで、高い精度を誇る。Microsoftの研究員Yandong Guo氏は、Bing独自のデータ資産とユーザーたちの動向、そして最新のニューラル・ネットワーク・テクノロジーをもちいた機械学習で行うコンビネーションの成果を強調している。
2016年02月26日まもなく2月29日(日本時間)に開催される、第88回アカデミー賞授賞式。その行方を占う“前哨戦”もひとまず落ち着き、「主演男優賞」は“今度こそ”4度目の正直で『レヴェナント:蘇えりし者』のレオナルド・ディカプリオが大本命か、といわれている。また、「主演女優賞」には『キャロル』ケイト・ブランシェットや『JOY』(原題)ジェニファー・ローレンスの“経験者”を抑え、『ルーム』のブリー・ラーソンが最有力視されている。その対抗となるとしたら、同じく子役から活躍する『ブルックリン』のシアーシャ・ローナンか、キャリア51年目で初ノミネートの『さざなみ』シャーロット・ランプリング。50年代のアイルランド移民女性の心の揺れと成長を描いた前者や、ベテランの妙演が光る後者はアカデミー会員の“支持を集めそう”ではあるものの、深く傷つきながらも息子と共に再生の道を探る若き母親を演じたラーソンに、これまでの勢いで軍配が上がりそうだ。そんな中、各賞ごとに結果が異なり、映画関係者の間でも意見が割れているのが、“助演枠”。いずれも、オスカー受賞経験のある実力派や大ベテランと、いま注目度・人気ともに急上昇中の新鋭や新境地に挑む中堅が入り乱れており、混戦模様となっている。■『クリード』“老ロッキー”ことS・スタローンか、渋くて物静かな老スパイか!?今回「助演男優賞」にノミネートされているのは、『マネー・ショート華麗なる大逆転』のクリスチャン・ベイル、『レヴェナント:蘇えりし者』のトム・ハーディ、『スポットライト 世紀のスクープ』のマーク・ラファロ、『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランス、そして『クリードチャンプを継ぐ男』のシルベスター・スタローンの5人。カメレオン俳優ともいわれるベイルは2010年の『ザ・ファイター』で同賞を受賞しており、“ハルク”としてもおなじみのラファロは、昨年の『フォックスキャッチャー』に続いて2年連続・3度目のノミネート、そのほかの3人は初ノミネートとなっている。『クリード』でのスタローンは、彼の代名詞でもある元世界チャンピオン“ロッキー・バルボア”の老いた“いまの姿”を熱演したが、その演技には胸アツになる人が続出。ゴールデン・グローブ賞ではスタンディングオベーションを受けて「助演男優賞」を手にし、その後も全米映画俳優組合(SAG)賞、放送映画批評家協会賞(BFCA)と前哨戦を制覇。ただ、今回のアカデミー賞が白人俳優ばかりで「多様性に欠く」との批判を受ける中、ノミネートをスルーされたライアン・クーグラー監督と主演のマイケル・B・ジョーダンのために、一時は授賞式出席を辞退するつもりだったことも明かしていた。40年前、自身の鮮烈なデビュー作となった『ロッキー』(’76)は「作品賞」など3冠を受賞、「主演男優賞」と自ら手がけた「脚本賞」でノミネートもされたが、今回受賞すれば初のオスカー獲得。もしそうなれば、ボイコット騒動に揺れた授賞式のボルテージが一気にアップするはずで、クーグラー監督やジョーダンらに向けたコメントにも注目が集まるに違いない。とはいえ、『ブリッジ・オブ・スパイ』でソ連側の老スパイを飄々と演じてみせたライランスも、全米映画批評家協会賞や英国アカデミー賞(BAFTA)などで受賞しており、その最大のライバルとなるかもしれない。また、『レヴェナント:蘇えりし者』でディカプリオ演じる主人公が、復讐の執念を燃やして追い続ける敵役を怪演したハーディも、見逃せない。ライバルが強敵であればあるほど、主演はいっそう輝くわけで、『ダラス・バイヤーズクラブ』のマシュー・マコノヒー&ジャレッド・レトのように主演・助演コンビで受賞というケースもなきしもあらずだ。■『リリーのすべて』A・ヴィキャンデル、『キャロル』R・マーラ…主演を支える女性たちにも火花が!?ゴールデン・グローブ賞、BAFTAでは『スティーブ・ジョブス』のケイト・ウィンスレットが受賞し、SAG賞、BFCA、そして直近のサテライト賞では『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが獲得している「助演女優賞」。ウィンスレットはこの濃密な会話劇の中で、“カリスマ”ジョブズを演じたマイケル・ファスベンダーに匹敵するほどのセリフ量を披露しており、カリスマを公私にわたって支え続けた部下として強い印象を残している。『愛を読むひと』で「主演女優賞」を獲得している彼女は、実に7度目のノミネートだ。一方、『リリーのすべて』のヴィキャンデルは、今回が初ノミネート。エディ・レッドメイン演じる最愛の夫が、苦しみながらも“本当の自分”になっていく姿を受け入れる妻役で、性別や肩書きを越えた深い愛の結びつきを、力強く、情感豊かに演じて見せた。今回のアカデミー賞では「脚本賞」「視覚効果賞」でのノミネートのみとなったが、彼女は“美しすぎる人工知能ロボット”を演じた『Ex Machina』(原題)でも高い評価を受けており、さらなる追い風になる可能性大。また、垣根を超えた愛といえば、女性同士の愛を描いた『キャロル』のルーニー・マーラは、カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得している。大人の女性としてキャロルに憧れつつも、本当の愛を知り、次第にその喜びだけでなく悲しみや苦しみも知っていく若いアーティストの変容を、見事に体現してみせたマーラ。『ドラゴン・タトゥーの女』で「主演女優賞」にノミネートされているが、『キャロル』もまちがいなく代表作の1つとなるはずだ。『ミーン・ガールズ』『きみに読む物語』で一躍ブレイクしたレイチェル・マクアダムスにとっても、女性新聞記者役に挑んだ『スポットライト 世紀のスクープ』はオスカー初ノミネート。持ち前の魅力的な笑顔を封印し、カトリック教会の一大スキャンダルを暴いた社会派の同作でさらなる新境地を開拓している。そして今回、ダークホースとして一番の“クセ者”となりそうなのが、タランティーノ節大全開の『ヘイトフル・エイト』で、ただ1人の女性を演じたジェニファー・ジェイソン・リー。子役時代から長らく活躍してきた彼女は、意外にも、タランティーノ監督が集大成として描いた密室ミステリーで初ノミネート。雪山で“生き残る”ために手段を選ばない破天荒ぶりはディカプリオ以上(?)で、もしかしたら彼女が嵐を巻き起こすかもしれない。しかし、あれこれ予想をしてみても、結果はやはり神のみぞ知る…。29日の授賞式まで、楽しみに待っていよう。(text:cinemacafe.net)
2016年02月25日「第88回アカデミー賞」主演男優賞にノミネートされているブライアン・クランストン主演の映画『TRUMBO』の邦題が『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』 に決定し、夏に日本でも公開することが決定した。20世紀半ばのハリウッド黄金期、当時もっとも人気のあった脚本家ダルトン・トランボの家族愛と映画へのパッションを描いた実話に基づく感動の物語。順風満帆に見えたトランボの人生は、当時冷戦の影響により横行していた赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒んだという理由で投獄された。しかし釈放された後も名前を変えることで秘密裏に『ローマの休日』などの脚本を書き、2度のアカデミー賞を受賞。トランボの物語は、アメリカでさえ信条によって虐げられた人々がおり、言論の自由は未だ万人の者になっていない、いまの世界にも通じるメッセージが描かれている。監督には『オースティン・パワーズ』シリーズや『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズで知られるジェイ・ローチが務めている。主人公・トランボ役を演じるのは、テレビシリーズ「ブレイキング・バッド」でエミー賞など数々の賞を受賞し、人気・実力とも超一級スターとなったブライアン。そのほかに、『運命の女』『トスカーナの休日』のダイアン・レイン、『マレフィセント』のエル・ファニング、近年では『黄金のアデーレ 名画の帰還』が記憶に新しいヘレン・ミレンら実力派俳優が脇を固めている。本作には、過酷な状況の中トランボを支え続けた家族、あるいはハリウッドの反共主義の代表格とも言えるヘレン演じる映画コラムニスト、またハリウッドスター、映画脚本家、映画会社などが実名で登場しており、ハリウッドの黄金期に思いを馳せることができる。ブライアンは話題の本命を抑え悲願の主演賞受賞となるのか。日本時間2月29日(月)に行われるアカデミー賞授賞式に注目が集まる。『トランボハリウッドに最も嫌われた男』は2016年夏、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年02月24日アカデミー賞獲得を目指すレオナルド・ディカプリオを主人公にしたビデオゲームが登場した。現実世界では今まで一度もアカデミー賞を手にしたことのないディカプリオだが、今回登場した『レオズ・レッド・カーペット・ランページ』は、プレイヤーがレオナルドのアカデミー賞獲得のために手助けを行うというものだ。アカデミー賞獲得に向かうその道のりの中で、パパラッチをかわしたり、レオナルドが出演した『タイタニック』のシーンで印象深かった氷河を乗り越えたりとさまざまな困難をプレイヤーたちは乗り越えていかなければならないようだ。あるレベルでは、レディー・ガガがレッドカーペットに登場しレオナルドのオスカー像獲得を邪魔するシーンもあるようで、ゴールデン・グローブ賞やMTVムービー・アワード、映画俳優組合賞などを受賞するとポイントを稼ぐことができるという。そんなゲームの主人公となったレオナルドは今月28日に行われるアカデミー賞において『ザ・レヴェナント蘇えりし者』で主演男優賞にノミネートされており、受賞を有力視されているところだ。ちなみに同賞にはブライアン・クランストン、マット・デイモン、マイケル・ファスベンダー、エディ・レッドメインが名を連ねている。(C)BANG Media International
2016年02月19日レオナルド・ディカプリオが、『レヴェナント:蘇えりし者』で主演男優賞に輝いた英国アカデミー賞授賞式後の15日(現地時間)、ロンドンのホテルで英国人モデルの女性と過ごしていたようだ。この女性はロキシー・ホーナーという24歳のブロンド美女。英国のリアリティ番組に出演していたジョーイ・エセックスの元恋人としても知られている彼女は、15日夜にレオの警備スタッフにエスコートされて彼が滞在中のホテルに戻るのを目撃された。大衆紙「The Sun」によると、2人はしばらく前にロサンゼルスで知り合い、今回渡英が決まったときからレオは一緒に出かけようと彼女を誘っていたという。再会を果たした2人は一晩中ずっと一緒だったそうだ。ロキシーは友人数名と一緒に、レオとは別々の車でホテルに戻って来た。ルックスも年齢も、これまでのレオの好みとぴったり一致するロキシーだが、報道後の17日(現地時間)にツイッターで「この業界では友だちなんて作れない。友だち以上の関係だと推測されないことなんてないから」とツイート。さらに「私たちはみんな別々に帰りました。友達同士がそうするようにね。ありがと、さよなら」と、ただの友人であることを強調した。ちなみに前日の14日、レオはTV司会者のローラ・ウィットモアと一緒にホテルへ戻り、朝までパーティをしていたという。(text:Yuki Tominaga)
2016年02月18日ついに黄金に輝くオスカー像を手にすることができるのか?第88回アカデミー賞で最多12部門にノミネートされている『レヴェナント:蘇えりし者』(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)で、レオナルド・ディカプリオが4度目となる主演男優賞候補に名を連ねている。現在、ディカプリオはアカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデングローブ賞(ドラマ部門)、放送映画批評家協会(BFCA)、全米俳優組合(SAG)賞の主演男優賞に輝いており、念願の主演男優賞に“王手”をかけた状況にいる。それでも、ディカプリオ本人は発表の瞬間まで、どっしりと構えてはいられないだろう。長年、「その気にさせて、受賞はおあずけ」というアカデミー協会のツンデレな姿勢に、振り回されてきたからだ。これまで『ウルフ・オブ・ウォールストリート』をはじめ、『ブラッド・ダイヤモンド』、『アビエイター』で主演男優賞の候補に挙がり、ジョニー・デップと共演した『ギルバード・グレイプ』での助演男優賞ノミネートを合わせると5度にわたってオスカー候補になったディカプリオだが、そのすべてで受賞を逃す結果に。いつしか「保守的なアカデミー会員の老人たちが若くして、富と名声を極めたレオを嫌っている」と揶揄されるようになった。確かにそれも一理あるかもしれないが、主演男優賞に与えられるオスカー像が1つしかないことを忘れてはいけない。過去にディカプリオを蹴散らした受賞者たちが、マシュー・マコノヒー(『ダラス・バイヤーズクラブ』)、フォレスト・ウィテカー(『ラストキング・オブ・スコットランド』)、ジェイミー・フォックス(『Ray/レイ』)と皆、その年の“大本命”だったことを考慮すると、「運がなかった」「相手が悪かった」だけかもしれない。ちなみに今年のライバルは、ブライアン・クランストン(『Trumbo(原題)』)、マット・デイモン(『オデッセイ』)、マイケル・ファスベンダー(『スティーブ・ジョブズ』)、エディ・レッドメイン(『リリーのすべて』)。すでに候補作5本を鑑賞したが、率直な感想として「ディカプリオが抜きん出ている」と断言できる。ほとんどセリフがない状態で、愛するものすべてを奪われた男の復讐心と“生への渇望”を神々しいまでに表現する演技は、一瞬たりとも目が離せないのだ。懸念があるとすれば、このタイミングで有力候補に急浮上した『Trumbo』のクランストンで、役柄・演技とも実にオスカー会員好み。また、ディカプリオに関してはしばしば「賞が欲し過ぎて、演技が力み過ぎ」と過小評価されることもあり(例えば『J・エドガー』)、「バイソンの生レバーを食べた」「格闘シーンで鼻の骨を折った」といった渾身の役作りに話題が集まる『レヴェナント:蘇えりし者』が、同様の憂き目にあわないとは限らない。果たして、勝利の女神はディカプリオに微笑むのか…。今年のアカデミー賞において、間違いなく最大のクライマックスである主演男優賞の行方に熱い視線を注ぎたい。『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。(text:Ryo Uchida)
2016年02月16日2016年英国アカデミー賞(BAFTA)の受賞式が現地時間14日、ロンドンのロイヤル・オペラハウスで開催され、『レヴェナント:蘇えりし者』が最多5冠に輝いた。『レヴェナント:蘇えりし者』は、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞を獲得したのをはじめ、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の監督賞、最高賞となる作品賞、音響賞、撮影技法賞を受賞した。また、『マッドマックス怒りのデス・ロード』も編集賞、プロダクション・デザイン賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアー賞など、技術部門で同じく5部門に輝いている。一方で、主演女優賞には『ルーム』のブリー・ラーソン、助演女優賞には『スティーブ・ジョブズ』のケイト・ウィンスレット、助演男優賞には『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスが選ばれた。唯一の一般投票で、新人俳優に送られるEEライジング・スター賞には、タロン・エガートンやダコタ・ジョンソン、ベル・ポウリー、ブリー・ラーソンら他のノミネート者を破り、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のジョン・ボイエガが見事受賞を果たした。2016年度英国アカデミー賞受賞リスト作品賞:『レヴェナント:蘇えりし者』監督賞:アレハンドロ・G・イニャリトゥ『レヴェナント:蘇えりし者』主演女優賞:ブリー・ラーソン『ルーム』主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント:蘇えりし者』助演女優賞:ケイト・ウィンスレット『スティーブ・ジョブズ』助演男優賞:マーク・ライランス『ブリッジ・オブ・スパイ』EEライジング・スター賞:ジョン・ボイエガ特別視覚賞:『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』音響賞:『レヴェナント:蘇えりし者』編集賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』プロダクション・デザイン賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』コスチューム・デザイン賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』脚本賞:『スポットライト世紀のスクープ』撮影技法賞:『レヴェナント:蘇えりし者』音楽賞:『ザ・ヘイトフル・エイト』メイクアップ&ヘアー賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』長編アニメ賞:『インサイド・ヘッド』脚色賞:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』ドキュメンタリー賞:『エイミー』(C)BANG Media International
2016年02月16日俳優のシルヴェスター・スタローン(69)は、アカデミー賞をボイコットする心の準備ができていたのだそうだ。『クリード チャンプを継ぐ男』で助演男優賞にノミネートされているスタローンだが、予想に反して黒人のライアン・クーグラー監督とマイケル・B・ジョーダンがノミネートから外れていたことから、クーグラーが望めば2人のために出席辞退をするつもりだったのだそうだ。本年度のアカデミー賞で白人俳優しかノミネートされていないという多様性の欠如を巡る問題が勃発していることについて、スタローンは「その問題が始まった時、ライアン・クーグラーと話したのを覚えているよ」「俺は『ライアン、どうするつもり?俺がここにいるのはまさに君のおかげだと思うからさ。きみが俺に行ってほしいなら行くし、行ってほしくないなら行かないよ』って言ったんだ」「そうしたら彼は『僕は行ってほしいよ』って言ったんだ。彼はそういう男なんだよ。彼は俺たちに出席して映画を代表してもらいたいのさ」というエピソードを明かした。しかし8日に開かれたノミネート者を集めた昼食会の場でスタローンは、マイケルが主演男優賞にノミネートされるべきだったという意見をほのめかしており、「1人の俳優としてマイケル・ジョーダンの目を見るたびに、俺をよくしてくれると言ったもんさ。彼に対してはもっと尊敬や注目がされるべきだと思うね」とコメントした。今回の物議を受け、アカデミー賞側は2020年までにマイノリティと女性会員の数を2倍に増やすと宣言しており、スタローンは「結局のところ、才能があるやつがトップに躍り出るもんさ。ただ新たな枠組みで新しい考え方っていうだけだよ」と、その変化が大きな違いをもたらすと信じていると語った。クリス・ロック司会によるアカデミー賞式典は今月28日(日本時間29日)に開催される。(C)BANG Media International
2016年02月15日ももいろクローバーZが、「第39回日本アカデミー賞」で話題賞の俳優部門に選ばれた。話題賞は日本アカデミー賞で唯一、一般投票によって選ばれる賞で、総投票数4万7,014通。結果はニッポン放送のラジオ番組『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(毎週木曜25:00~)内で発表された。映画『幕が上がる』で5人そろって主演を務めたももクロ。劇作家・平田オリザ氏の小説デビュー作となる同名作を原作に、本広克行監督がメガホンをとった。地方高校の演劇部の生徒たちをメンバーが演じ、彼女たちが全国大会を目指す青春模様を描いている。また、作品部門には『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載を目指す漫画家を佐藤健、神木隆之介が演じた『バクマン。』が選出された。監督・脚本を『モテキ』の大根仁氏が務め、『オールナイトニッポン』のヤングリスナーから高い支持を得たという。3月4日に行われる日本アカデミー賞授賞式では、『永遠の0』で前回の話題賞・俳優部門を受賞した岡田准一がプレゼンターとなり、受賞者への贈賞を予定。岡田は2002年に大根監督演出のドラマ『TEXAS』(フジテレビ『演技者。』内で放送)にも出演しており、注目を集めている。また、ニッポン放送では同日、授賞式の模様を『オールナイトニッポンGOLD 第39回日本アカデミー賞スペシャル』(22:00~24:00)として放送する。(C)2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講談社 パルコ(C)2015映画「バクマン。」製作委員会
2016年02月12日女優のケイト・ウィンスレットは、友人であるレオナルド・ディカプリオが受賞する姿を目にしたいため、アカデミー賞をボイコットするつもりはないそうだ。ノミネート者における多様化の欠如を理由にウィルとジェイダ・ピンケット・スミス夫妻をはじめ、数多くのスターたちがすでに式典へ出席しない意向を明らかにしている中で、『スティーブ・ジョブズ』で助演女優賞にノミネートされているケイトは、ディカプリオが『レヴェナント: 蘇えりし者』で主演男優賞を受賞すると信じているため出席するのだという。BBCのインタビューでケイトは「正直言って、女性にとって素晴らしい年だったと思うから私が行かなかったら私側の立場をがっかりさせることになると思うの。それにレオの年になるんじゃないかってことを強く感じているのよ。彼は世界一親しい私の友達だし、その彼を応援しに行かないなんて考えられないの」と話した。『タイタニック』で共演したディカプリオのことをケイトは先日も絶賛しており、「彼はしっかりしていて忠実心のある人よ。ずっと最高の友達だし、それは私にとってというだけでなく、彼の周りにいる人みんなにとってよ。彼は『タイタニック』を作った時代の友達といまだに友達だしね。色んな意味で彼は変わっていないけど、ある意味ではとても変わったわ」「今までになく力強い俳優になっていると思うわ。それに今までになくハンサムだしね。それに私は彼がこれまでにないほど自分という人間に落ち着いていると感じるの。周囲で色んなことが起こっているところなのにそんな風に感じるのはおかしいかもしれないけどね。でもとても冷静で落ち着いているの。20年前とは違ったかたちでね」と語っていた。(C)BANG Media International
2016年02月12日28日(現地時間)に開催される第88回アカデミー賞授賞式の受賞スピーチだが、今年から画面にテロップが出る形になるという。テロップで表示されるのは受賞者が感謝したい人々の名前。受賞スピーチを45秒以内に収めたい映画芸術科学アカデミー側が考案したもので、候補者たちは事前に謝辞を捧げたい人々の名前を書いて提出することになるそうだ。この変更については、8日(現地時間)にロサンゼルスで候補者たちが集うランチョンが行なわれた際に発表された。授賞式プロデューサーのデヴィッド・ヒルは「受賞者たちの中には監督や自分の夫や妻、子どもたち、それにペットへの感謝を言い忘れた人たちがたくさんいるんです」と説明した。今年は俳優部門のノミネーションをめぐって「オスカーは真っ白」と白人俳優ばかりが候補になったことに批判が集まり、ウィル・スミス夫妻やスパイク・リー監督は授賞式のボイコットを表明している。助演男優賞候補のシルヴェスター・スタローンは、対象作『クリード』のライアン・クーグラー監督に「授賞式に出席してほしくないのなら自分は欠席する」と告げたが、「『いや、あなたには出席してほしい』と言ってくれた。彼はそういう男なんだ」と語った。そして映画界の現状について「変わっていくと信じている。時間の問題だ。最終的には才能ある者がトップに立つんだ」という見解を示した。多様性に欠けると言われる今年のアカデミー賞だが、授賞式については「真の多様性を持たせ、世界とはどのようなものかを表すものになります」とプロデューサーたちは自信をのぞかせた。(text:Yuki Tominaga)
2016年02月10日第43回アニー賞が6日(現地時間)に発表され、最多14部門でノミネートされた『インサイド・ヘッド』が最優秀作品賞、監督賞、脚本賞など10部門で受賞を果たした。日本から『バケモノの子』と『思い出のマーニー』がノミネートされていたインディペンデント長編作品賞はブラジルのアレ・アヴレウ監督の『父を探して』(3月公開)が受賞した。今年は『火垂るの墓』『かぐや姫の物語』の高畑勲監督が功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞を贈られた。実写映画におけるアニメーション映像に対する賞では、最優秀キャラクター・アニメーション賞を『レヴェナント:蘇えりし者』が受賞、最優秀視覚効果賞を『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が受賞した。映画部門最優秀長編作品賞:『インサイド・ヘッド』最優秀長編作品賞(インディペンデント):『父を探して』監督賞:ピート・ドクター(『インサイド・ヘッド』)脚本賞:ピート・ドクター、メグ・レフォーヴ、ジョシュ・クーリー(『インサイド・ヘッド』)編集賞:『インサイド・ヘッド』視覚効果賞:『アーロと少年』音楽賞:『インサイド・ヘッド』キャラクター・アニメーション賞:『インサイド・ヘッド』美術賞:『インサイドヘッド』キャラクター・デザイン賞:『インサイド・ヘッド』絵コンテ賞:『インサイド・ヘッド』ヴォイス・キャスト賞:フィリス・スミス(『インサイド・ヘッド』)キャラクター・アニメーション賞(実写映画):『レヴェナント:蘇えりし者』視覚効果賞(実写映画):『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』ウィンザー・マッケイ賞:ジョー・ランフト、フィル・ローマン、高畑勲(text:Yuki Tominaga)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 2015年7月4日より全国にて公開(C) Marvel 2015
2016年02月07日“アニメーション界のアカデミー賞”といわれるアニー賞のセレモニーが現地時間2月6日に行われ、『インサイド・ヘッド』が作品賞に輝いた。監督賞をはじめ3部門へのノミネートを果たしたジブリ作品『思い出のマーニー』は惜しくも受賞を逃す結果となった。2015年5月より、英題『When Marnie Was There』としてニューヨーク、ロサンゼルスを皮切りに全米公開された『思い出のマーニー』。本作では、イギリスの作家ジョーン・ロビンソンによる同名児童文学を原作に、海辺に暮らす親せきに預けられることになった少女・杏奈と、海辺に佇む“湿っ地屋敷”に暮らす金髪の少女・マーニーがひと夏を過ごし、ある秘密を分かち合う姿を描く。本作は第43回アニー賞の最優秀監督賞、最優秀脚本賞、インディペンデント作品賞にノミネートされていた。同じくインディペンデント賞へのノミネートを果たした細田守監督『バケモノの子』(『The Boy and the Beast』/英題)も受賞には至らなかった。『思い出のマーニー』は2月28日(現地時間)に開催される第88回アカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされており、同賞での受賞に期待がかかる。(text:cinemacafe.net)■関連作品:思い出のマーニー 2014年7月19日より全国東宝系にて公開(C) 2014 GNDHDDTK
2016年02月07日昨年のカンヌ国際映画祭監督週間で上映され、「第88回アカデミー賞」外国語映画賞にもノミネートされた『裸足の季節』。世界中を席巻した本作のティザービジュアルがこのほど解禁された。13歳のラーレは5人姉妹の末っ子。10年前に両親を事故で亡くし、いまは祖母の家で叔父たちとともに暮らしている。厳格なしつけ、古い慣習、封建的な思想。さまざまな困難のなかで、彼女たちは自由を獲得しようとするが、長女から順番に初めて出会う男性のもとへと嫁がされていく…。トルコ出身の監督デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンのデビュー作である本作は、「第68回カンヌ国際映画祭」ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を獲得し、「第73回ゴールデングローブ賞」外国語映画賞にノミネート。また昨年のカンヌ国際映画祭監督週間で上映されるやいなや、長編デビュー作と思えないほど卓越した構成力と美しい映像、5人の少女たちの溢れんばかりの存在感が大きな話題を呼び、世界中の映画祭を席巻した。さらにトルコ語作品ながら、並みいる強豪を押しのけ「アカデミー賞」フランス代表に選出、そして同外国語映画賞にもノミネートされ、自国語以外の作品がフランス代表となったのはポルトガル語作品の『黒いオルフェ』以来、実に56年ぶり2度目となる快挙を遂げた。今回解禁されたティザービジュアルは、生い茂る木々から木漏れ日が差す中、主人公のラーレを先頭に、5人の姉妹が駆け抜けている姿。「扉を開けて、私たちは駆けてゆく。」というコピーが、古い習慣に閉じ込められた少女たちが自由に向かって走り出すというストーリを感じさせるそんな勢いあるポスターになってる。『裸足の季節』は初夏、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開予定。(cinemacafe.net)
2016年02月05日2年連続で俳優部門の候補者20名がすべて白人だとして、再び批判を浴びている第88回アカデミー賞だが、それと同じくらい驚いたのが“受賞確実”の声も高かったリドリー・スコットが監督賞候補からもれた件。それほど、最新作『オデッセイ』はすばらしい作品だ。その偉大な功績を考えると、いままで監督としてオスカー像を手にしていないこと自体、大きなナゾだ。『エイリアン』『ブレード・ランナー』というSF映画の2大金字塔をはじめ、アカデミー賞作品賞を受賞した『グラディエーター』、21世紀に入ると『ブラックホーク・ダウン』『アメリカン・ギャングスター』『ロビン・フッド』『悪の法則』と多種多様なジャンルに挑み、もてる力量を存分に発揮し続けるレジェンドであることに異論はないだろう。最新作『オデッセイ』も例外ではなく、スコット監督にしか表現できない極限の映像美と、力強いストーリーテリングが奇跡的な融合を果たした傑作だ。すでにゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門(このカテゴライズは微妙だけど…)作品賞と主演男優賞を受賞し、ナショナル・ボード・オブ・レビューでは監督賞に輝いている。興行的な成功も収めており、全世界興収は6億ドルに迫る勢い。これはスコット作品史上最高の数字だ。こうした世界的ブームが示す通り、『オデッセイ』は強烈な個性で敷居の高さも感じさせた過去の作品に比べ、より間口を広げた「誰もが楽しめ、心動かされる」普遍的なヒューマンドラマに仕上がっている。火星からの生還を目指す宇宙飛行士の孤独なサバイバルと、それを地球から見守る70億人の壮大な物語。見れば日常のささいな悩みなど確実に消えてしまう本作は、「悪役がひとりも登場しない」というスコット作品らしからぬ点も魅力である。しかも、今年のアカデミー賞では作品賞、主演男優賞など7部門にノミネートされているだけに、監督賞候補からもれたのは納得がいかない。次回作が『プロメテウス』の続編として準備が進む17年公開予定の『エイリアン:コヴナント』(原題)となると、しばらくオスカー受賞は難しそうだし…。現在78歳という年齢を考えると、「今後何本の映画を監督できるのか?」と心配にもなってしまう。本人にとっては余計なお世話かもしれないが。『オデッセイ』は2月5日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(text:Ryo Uchida)
2016年02月04日『ノーカントリー』でアカデミー賞「作品賞」など4冠を獲得し、カンヌ国際映画祭「監督賞」を3度も受賞したイーサン&ジョエル・コーエン兄弟。本年度アカデミー賞でも脚本を手がけた『ブリッジ・オブ・スパイ』が「脚本賞」「作品賞」などにノミネートされている彼らの華麗なる集大成ともいうべき最新作「Hail,Caesar!」(原題)が、『ヘイル、シーザー!』として5月に公開されることが決定。ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら超豪華スターたちが競演する場面写真も到着した。本作の舞台は、1950年代、ハリウッドが“夢”を作り、世界に贈り届けていた時代。スタジオの命運を賭けた超大作映画『ヘイル、シーザー!』の撮影中に、なんと主演俳優であり世界的大スターのウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐事件が発生!スタジオが大混乱に陥る中、事件解決への白羽の矢を立てられたのは貧乏くじばかりを引いている“スタジオの何でも屋”(ジョシュ・ブローリン)。お色気たっぷりの若手女優(スカーレット・ヨハンソン)や、みんなの憧れのミュージカルスター(チャニング・テイタム)、演技がどヘタなアクション俳優(アルデン・エーレンライク)など、撮影中の個性あふれるスターたちを巻き込み、“最高にゴージャスな大捜査”が幕を開ける!?古き良き(?)ハリウッド全盛期を舞台に、スタジオの何でも屋が個性あふれるスターたちを巻き込んで、世界的スターの誘拐事件解決に挑むサスペンス・コメディとなる本作。2月11日(現地時間)から開催される第66回ベルリン国際映画祭のオープニング上映にも決定している。世界三大映画祭の1つとなるベルリンのオープニングといえば、これまで、コーエン兄弟が監督・脚本を務めた『トゥルー・グリット』や本作同様に豪華キャスト共演の『グランド・ブダペスト・ホテル』といった、その年のアカデミー賞にも直結する超話題作が選出されることでも有名。本作も、コーエン兄弟最高傑作と名高い『ファーゴ』や『ノーカントリー』を彷彿とさせる“突然消えた人物を探す”サスペンスあふれる展開がベースとなりながら、『ビッグ・リボウスキ』や『オー・ブラザー!』で魅せた独特のブラックユーモア満載のコメディ要素を合わせ持ち、何よりも心に訴えかけるドラマティックなエンディングは、『トゥルー・グリット』や『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』を想起させ、まさに “集大成”というにふさわしい1本となっている。個性的なキャラクターを見事に演じ切るのは、コーエン兄弟常連のジョシュ・ブローリンや、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンをはじめ、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒル、チャニング・テイタムなど、ハリウッドの主役級スターからアカデミー賞常連の名優まで、コーエン兄弟だからこそ実現できた豪華スターたち。また、コーエン兄弟としても新たな試みとなった、このスターたちが体を張って唄って踊る、華やかなミュージカルシーンも必見だ。『ヘイル、シーザー!』は5月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月01日1月30日(現地時間)、第22回全米映画俳優組合(SAG)賞が発表になり、映画部門の作品賞にあたるキャスト賞を『スポットライト世紀のスクープ』が受賞した。4月に日本公開予定の『スポットライト世紀のスクープ』は、アメリカの「ボストン・グローブ」紙がカトリック教会で起きていた性的虐待の実態を暴いた実話を映画化した社会派ドラマ。「スポットライト」と題された特集記事を担当する記者たちを演じたブライアン・ダーシー・ジェームズ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、マーク・ラファロ、リーヴ・シュレイバー、ジョン・スラッテリー、弁護士を演じたビリー・クラダップとスタンリー・トゥッチが受賞した。主演男優賞はレオナルド・ディカプリオが『レヴェナント:蘇えりし者』で受賞。主演女優賞に輝いた『ルーム』のブリー・ラーソンとともに2月28日(現地時間)発表の第88回アカデミー賞での主演賞受賞に王手をかけた。SAG賞に投票する映画俳優組合員は、アカデミー賞で投票権を持つアカデミー会員と顔ぶれが重なることが多く、アカデミー賞の俳優賞と授賞結果がしばしば一致する。助演男優賞に輝いたのは『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のイドリス・エルバ。アカデミー賞候補にはならなかったものの、今回「刑事ジョン・ルーサー」でTV部門のTV映画・ミニシリーズ男優賞も受賞している。助演女優賞は『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが受賞、彼女もオスカー受賞にまた一歩近づいた。映画スタント・アンサンブル賞は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が受賞した。今年はアカデミー賞の俳優部門の候補者が全員白人で、多様性に欠けるという批判が寄せられ、ウィル・スミス夫妻やスパイク・リー監督が授賞式のボイコットを表明しているが、SAG賞ではイドリスのほかに、TV映画・ミニシリーズ女優賞をクイーン・ラティファ(「BESSIE/ブルースの女王」)、TV部門ドラマシリーズ女優賞をヴィオラ・デイヴィス(「How to Get Away with Murder」原題)、同コメディシリーズ女優賞をウゾ・アドゥバ(「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」)、と計4人のアフリカ系俳優が受賞した。(text:Yuki Tominaga)
2016年02月01日本年度アカデミー賞に「作品賞」ほか主要4部門にノミネート、さらに主演の若手女優ブリー・ラーソンがすでに40近い賞を獲得している衝撃作『ルーム』。このほど、“部屋”の内と外で愛を貫き通した母子の姿をとらえた、ポスタービジュアルが解禁となった。閉じこめられた“部屋”で暮らす、ママとジャック。体操をしたり、TVを見たり、ケーキを焼いたり、楽しい時間が過ぎていく。この“部屋”だけが、2人の世界の全てだった。ジャックが5歳になったとき、母は“部屋”の中しか知らない息子に本当の世界を見せるため、脱出を図る。でも、2人がようやく飛び込んだ外の世界は、あまりにも大きすぎた――。ゴールデン・グローブ賞でドラマ部門「主演女優賞」、トロント国際映画祭では「観客賞」(最高賞)を受賞した本作。先日発表された第88回アカデミー賞では「作品賞」とともに、レニー・アブラハムソンが「監督賞」、ブリー・ラーソンが「主演女優賞」、原作者でもあるエマ・ドナヒューが「脚色賞」にノミネートされており、賞レースを席巻中だ。解禁されたポスタービジュアルには、ブリー演じる若い母親と、ジェイコブ・トレンブレイ演じる息子ジャックが、晴れ渡る大きな青空を背景に抱き合う姿が描かれている。「はじめまして、【世界】」というキャッチコピーは、閉ざされた“部屋”から脱出した親子と、初めて知る“リアルな世界”との出会いを匂わせるものだ。本作の基になったドナヒューのベストセラー小説「部屋」は、オーストリアやベルギー、アメリカ、ここ日本でも実際に起きた女性監禁事件に着想を得ている。小さな部屋で何年もの間、生活を送ってきた母と子。この“部屋”しか知らない息子に外の世界を見せるために、全てを賭けて脱出をすることに決めた母の決意と、強い絆で結ばれた母子の愛が、アカデミー賞に最も近いといわれる注目のブリーと、卓越した演技力で映画を観た全ての観客を夢中にさせている天才子役ジェイコブくんの姿から伝わってくるビジュアルとなっている。『ルーム』は4月8日(金)よりTOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月29日