マイケル・ファスベンダー、アリシア・ヴィキャンデルが夫婦役で共演する『光をくれた人』。このほど、新たな映像も交えたショート予告が解禁となった。オーストラリアの美しい孤島で暮らす夫婦トムとイザベルは、島に流れ着いた身元不明の赤ちゃんを我が子として育てることを決意する。その4年後、愛らしく育った娘と幸せの絶頂にいた夫婦のもとに、偶然にも娘の生みの母親が現れ…。「電車の中やカフェでは読んではいけない、なぜなら人目もはばからず泣いてしまうから――」と絶賛され、世界40か国以上でベストセラーとなったオーストラリアの作家M・L・ステッドマンの「海を照らす光」を映画化した本作。監督を務めたのは、『ブルーバレンタイン』『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』のデレク・シアンフランス。育ての夫婦、実の母親、それぞれの幸福と痛みが、我がことのように胸を締めつける本作は、2016年ベネチア国際映画祭でプレミア上映され、各国マスコミから「涙なしに見られない」と絶賛を受けた。届いた映像では、本作での共演をきっかけにカップルとなった『それでも夜は明ける』『スティーブ・ジョブズ』でアカデミー賞ノミネート経験を持つファスベンダーと、『リリーのすべて』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたヴィキャンデルが演じる、若き灯台守の夫婦の幸せそうなシーンで幕を明ける。すべてを手に入れ、満たされたように見える2人は、実は秘密を抱えていた。後半、愛する娘の生みの親の存在を知るようになる2人。果たして、愛のために彼らはどんな決断するのか?北米公開後には、「ティッシュメーカーの株価が上がるほど観客は泣くに違いない」(ガーディアン紙)との映画評も出た本作。愛と赦しをテーマに描かれる、『きみに読む物語』『P.S.アイラヴユー』に続く感涙必至の物語には、日本でも各界の著名人から絶賛の声が届いている。<著名人コメント>■草刈正雄(俳優)様々な形で描かれる愛。そこには逃げられない善と悪がありました。切ないストーリーに胸が締め付けられるでしょう。■檀れい(女優)誰もが幸せになりたいと願い生きている。人生の暗闇の中で彷徨っていたとき、光を見つけたとしたら、きっと誰もが離しはしないだろう。愛とは、生きるとは、赦すとは…深く深く心に突き刺さる映画だ。■豊田エリー(女優)観ている私たちは誰も憎むことができない。彼らに寄り添い、苦しみまでも共有し、そして優しく力強いある言葉に救われる。まるで暗闇を貫くひと筋の光のよう。映像、音楽、演技、全てが美しかったです。■栗原はるみ(料理家)決して許されることではないとわかっていながらも、心では彼らを応援せずにいられません。どんな状況でもこんなに強くてやさしい夫がいるなんて信じられない。人間の脆さと激しさをこの映画で思い知らされました。■綾戸智恵(ジャズシンガー)人間の本質をえぐるねぇ正真正銘、これ以上ないハッピーエンドに至るためのそれぞれの苦闘と勇気!アッパレやホンマにこんな男おるんか!これ見たらちょっと明日が変わると思いますぅ。■犬山紙子(イラストエッセイスト)2人の女、どちらにも自分を重ねてしまう気がついたら2人分幸せを感じ、そして悲しくて泣いていた。『光をくれた人』は3月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:光をくれた人 2017年3月31日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) 2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC
2017年03月05日5歳から25年間迷子だった男が、Google Earthを駆使して生まれ故郷を見つけた――。この驚愕の実話を描き、第89回アカデミー賞にて作品賞ほか6部門にノミネートされた『LION/ライオン~25年目のただいま~』。本作で主人公の育ての母を熱演し、同助演女優賞にノミネートされたニコール・キッドマンの、徹底した役作りがよく分かる場面写真がシネマカフェに到着した。インドのスラム街。兄とはぐれてしまった5歳のサルーは、遥か遠くの地まで列車で運ばれ、そのまま迷子に。25年後、養子に出されたオーストラリア・タスマニアで成長したサルーは、自分自身のため、そして待ち続けているであろう家族に「ただいま」を伝えるために生家を探し始める。手がかりはおぼろげな記憶とGoogle Earth。1歩近づくごとに少しずつ蘇る記憶のカケラは、彼の人生のスキマを埋め、これまで見えなかった真実を浮かび上がらせていく――。『英国王のスピーチ』の製作陣のもと、デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、デヴィッド・ウェンハムらの豪華俳優陣で、迷った距離1万キロ、探した時間25年という壮大すぎる“迷子”の旅路を描く本作。主人公サルーの育ての親・スーを演じたのは、オスカー女優のニコール・キッドマン。家族と離ればなれになり傷ついたサルーを養子として迎え、愛情いっぱいに育てる養母を熱演する。ニコールのキャスティングについて、監督のガース・デイヴィスは「早い段階でスー役にはニコール・キッドマンが適役だとひらめいた。そしたら、ニコールが偶然にも脚本を読んで僕と話したがっていると聞いて驚いたんだ!ニューヨークでニコールと会い、私たちはひたすら話して泣いて話して泣いたよ。彼女は僕に負けないくらいスーについて知っていたんだ」と裏話を語る。また、撮影現場での彼女は、フェンス越しに見学する近所の人たちに話しかけるなど、とてもフレンドリーで、すべての人たちから愛されていたようだ。そして、ニコール自身も、この役柄に相当強い思い入れがあったようで、役作りについてこう語る。「私が演じるのはサルーの育ての親スーよ。(実際の)彼女は素直で愛にあふれていて、強い母性を持っていると思う。それが、私たちをつなげるベースの部分になったんじゃないかしら」。さらに「私は演じる前に実際にスーと会って、長い時間語り合ったの」と明かす。「私たちは2人とも、よき母親になりたい、心が温かくて思いやりがあって、無条件に愛を捧げたいという強い願望を抱えているの。そして役作りの中で1番大変だったのは、見た目をがらっと変えて、彼女がどういう人物かを探ることだったわ。スーという人物を演じるにあたってどんな見た目であるべきか、どう動いてどう振る舞うべきかガース・デイヴィス監督と細かく話し合ったわ。歩き方も変える必要があったの」と、並々ならぬ決意のもと役に向き合ったことを語っている。そんなニコールの徹底した役作りが垣間見える場面写真と、実際のサルー少年とスーの貴重な写真が解禁された。まずは、初めてオーストラリアの空港に降り立った幼いサルーを優しく出迎え、コアラの人形を渡すシーンのひとコマ。そして、オーストラリアでも、インドでも盛んなクリケットに興じるシーン。ニコールは体形や歩き方も実際のスーに近づける努力をしたという。どちらがニコールか見間違いそうになるそっくりぶりを、見比べてみて。『LION/ライオン ~25年目のただいま~』は4月7日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:LION/ライオン~25年目のただいま~ 2017年4月7日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia
2017年03月05日第40日本アカデミー賞の授賞式で司会を務めた女優・安藤サクラ(31)に、絶賛の声が寄せられている。ここでは、現場取材をした記者の目線でその魅力を振り返る。安藤は、今回で4年連続となる西田敏行(69)と共に初司会に挑んだ。21時から日本テレビ系でその模様が放送され、ネット上では「専用の定点カメラつけてほしい」「どうなるんだろ?って思ったけど・・・凄くイイ」「聞きやすくて素敵」「余裕も華もあってお見事」「安心して見れる」「自然体で良い」「安定感すごい」「美しさに釘づけ」など司会ぶりを評価する声が上がり、安藤のツイッターやインスタグラムにも同様のメッセージが続々と寄せられた。司会者は進行と共に、受賞者の聞き手にもなる。「俳優が俳優をインタビューする」という同賞ならではのやりとりは毎回の注目ポイントではあるが、3時間半~4時間の長丁場の雰囲気を解きほぐすのも重要な役割の1つだ(約2時間の放送に収めるため、カットされる名場面も多い)。西田は広瀬すずを前に「あー! すずちゃんだ!」とデレデレモードになるなど各役者の魅力や作品の感想を親しみを込めながら伝え、安藤は桝太一アナウンサーと共に具体的な質問で撮影秘話を引き出していく。優秀助演男優賞の妻夫木聡(最優秀助演男優賞受賞)が、『怒り』の恋人役・綾野剛との同棲生活エピソードで笑いを取る場面があった。すると安藤は、優秀主演男優賞のインタビュー時、役作りのために2週間歯を磨かなかったと明かした綾野に「その時は妻夫木さんと一緒に暮らしてないですよね?」と確認して会場を和ませる。一方、『聖の青春』で体重を増やした役作りが話題になった松山ケンイチが「サクラちゃんは『百円の恋』であれだけの役をやった。それがすごかった。その"火"を絶やしたくないと思った」と役者としての興奮をあらわにした時には、自分のことは一切触れずに軌道修正。ただ、その熱い思いを言葉としてうまく理解できなかった松山は「ちょっと分からないかな」とツッコミ場内爆笑。2人の白熱する議論が続いたことから、思わず西田も止めに入る。桝アナから「あとは楽屋で」と促され、松山は「楽屋に話しに行っていいの?」と本気モードに。安藤も「したいっす!」と明るく返し、松山は「サクラさん大好きなので、いろいろインタビューしたいです」と盛り上がる。放送ではどちらもカットされたが、同賞のステージでしか見ることのできない貴重なやり取りだった。記者席ではそれらすべてがモニターで映し出され、われわれは黙々と原稿と向き合いながら時には吹き出したり、うなったり、スピーチにウルッときたり。司会席で進行をするたびに水を口に含んで喉を潤し、キリッと口角を上げた笑顔で一語一語丁寧に発声する安藤の姿も、モニターはしっかりと捉えていた。大役を務め上げ、安藤は「こんなに近くで本当にたくさんの俳優さんや監督さん、みなさんのお話をうかがえて。そして、こんなに近くで受賞の感動を一緒に感じることができて、なんだろう……この時間は将来忘れることのない時間になりそうです。ありがとうございました」の言葉で締めくくり、万雷の拍手を浴びた。昨年、第39回で最優秀主演女優賞を受賞した安藤。女性司会は前年の同賞受賞者が務めることが慣例となっていて、今年1月に行われた優秀賞者発表の記者会見では、「今年初詣に行った時、『とにかく目上の方に頼りなさい。そうすれば上手くいくが、だからと言って調子に乗ってはダメ』とおみくじに書かれていました。それを読んだ瞬間、これはきっとアカデミー賞の司会のことだと思いました」「西田さんに頼りながら、調子に乗らず、受賞者の皆さんに粗相がないように務めていきたいと思います」と抱負を述べていた。
2017年03月05日『ハリー・ポッター』新シリーズの第1作目として、2016年公開の洋画実写作品で興収No.1の大ヒットを記録した『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。このほど、本作のブルーレイに収録される映像特典から、アメリカの魔法使いであるティナ&クイニー姉妹の“母校”・イルヴァーモーニー魔法魔術学校の校歌が初披露される未公開シーンが到着した。アカデミー賞俳優のエディ・レッドメインが、新シリーズを牽引する主人公の魔法使いで、“魔法動物学者”ニュート・スキャマンダーを演じた本作。彼のトランクの中から飛び出す、たくさんの魅力的な魔法動物たちも大人気に。先日発表された第89回アカデミー賞では、見事、「衣装デザイン賞」を獲得した。そんな本作から今回到着したのは、ニュートの仲間ティナ&クイニーの姉妹が、アメリカの魔法学校イルヴァーモーニーの校歌を歌う本編未公開のシーン。「世界一の魔法学校はホグワーツだ」と言い張るニュート(エディ)に、まず、シンガーとしても活躍していたクイニー役アリソン・スドルが歌い始めると、ティナ役のキャサリン・ウォーターストンもすぐに加わり、姉妹2人で母校の校歌を披露する。その歌詞からは、イルヴァーモーニー創立の経緯と共にアメリカの魔法史も伺え、なかなか興味深い内容。ニュートやジェイコブ(ダン・フォグラー)はもちろん、ニフラーやデミガイズなどの魔法動物も2人の歌声に聞き惚れ、オカミーたちも大喝采。そして、ジェイコブの「魔法使いになりたい」というセリフにつながっていく。クライマックスで描かれた決戦の前には、とても微笑ましいひとときがあったのだ。このほか、映像特典(ブルーレイのみ収録)には、「調査本部」「ハートブレイク」「魔法のトランク」「MACUSA(マクーザ)の牢」「作戦会議」「デミガイズの追跡」「ビルの屋上で」「解き放たれたオブスキュラス Part 1」「解き放たれたオブスキュラス Part 2」「お別れのとき」といった未公開シーンを収録。さらに、魔法動物たちの誕生秘話や、ニュートの魔法のトランクについての解説などが収録されるという。魔法動物たちも思わず聞き惚れるティナ&クイニーの美しい歌声を、まずはここからチェックしてみて。『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は3月17日(金)よりデジタルセル先行配信開始、4月19日(水)よりブルーレイ&DVD発売・レンタル開始、デジタルレンタル配信開始。(text:cinemacafe.net)
2017年03月05日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われた。授賞式にはEXILE・三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの岩田剛典、坂口健太郎、千葉雄大といった若手俳優から、佐藤浩市、リリー・フランキーなどベテラン陣まで様々な男性俳優がスーツ&タキシード姿で登場した。『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で新人俳優賞、および話題賞に選ばれた岩田は、SAINT LAURENTのスーツで登場。『日本で一番悪い奴ら』で優秀主演男優賞となった綾野剛も同じくSAINT LAURENTのスーツ、靴で決めた。また、『64-ロクヨン-前編』『64-ロクヨン-後編』で新人俳優賞を受賞した坂口は全身GUCCIで固めて登場し、会場を沸かせていた。『SCOOP!』で助演男優賞となったリリー・フランキーは「こうやって賞をいただいて褒めていただくのは嬉しいことなんですけど、薬物中毒者の役で、褒めてくださる方が『すごいリアルだった』と言ってくれるのは、あんまりいいことじゃないんじゃないかと」と心配し、「個人事務所で細々とやってるので」と苦笑。「目立たないように黒い感じで決めてきました」と衣装について語った。俳優は他、新人俳優賞の佐久本宝(『怒り』)、千葉雄大(『殿、利息でござる』)、真剣佑(『ちはやふる -上の句-』『ちはやふる -下の句-』)、優秀助演男優賞の妻夫木聡(『怒り』)、竹原ピストル(『永い言い訳』)、東出昌大(『聖の青春』)、森山未來(『怒り』)、優秀主演男優賞の佐藤浩市(『64-ロクヨン-前編』)、岡田准一(『海賊とよばれた男』)、長谷川博己(『シン・ゴジラ』)、松山ケンイチ(『聖の青春』)、プレゼンターの本木雅弘、二宮和也が出席した。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『シン・ゴジラ』監督賞…庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)主演男優賞…佐藤浩市(『64-ロクヨン-前編』)主演女優賞…宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)助演男優賞…妻夫木聡(『怒り』)助演女優賞…杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)アニメーション作品賞…(『この世界の片隅に』)脚本賞…新海誠(『君の名は。』音楽賞…RADWIMPS(『君の名は。』)編集賞…庵野秀明、佐藤敦紀(『シン・ゴジラ』)録音賞…中村淳、山田陽(『シン・ゴジラ』)照明賞…川邊隆之(『シン・ゴジラ』)撮影賞…山田康介(『シン・ゴジラ』)美術賞… 林田裕至、佐久嶋依里(『シン・ゴジラ』)外国作品賞…『ハドソン川の奇跡』
2017年03月04日数日前にケイティ・ペリー(32)との破局を発表したばかりのオーランド・ブルーム(40)に新たなロマンスの噂が立っている。先月26日に開かれた2017年アカデミー賞関連のパーティーの場で非営利団体グローバル・グリーンの会長レス・マッケイブの娘エリンとかなり親しげな様子をカメラに収められていたほか、その数日前に行われたアリエル・ヴロメンとトミー・アラストラの誕生日パーティーでも仲むつまじい様子だったと言われている。ある関係者はニューヨーク・ポスト紙のページ・シックス欄に「2人はお互いに気のあるそぶりを見せながらずっと一緒にいました」と話す。その一方で、オーランドとケイティはヴァニティ・フェア主催によるアカデミー賞のアフターパーティーで仲良さそうな姿を見せていたことから、円満な別れを迎えたとみられていた。オーランドの新ロマンスの噂が浮上する中、ケイティはソーシャルメディアでオーランドとの破局を認めるコメントを初めて出しており、「2017年には元恋人とだって友情と愛情を維持できるっていう新しい考え方を持つっていうのはどう? だれも被害者でも悪者でもなく、みんな、人生をもっと楽しもう!」と2人が互いに納得した上で別れたことを示していた。(C)BANG Media International
2017年03月04日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、監督賞&作品賞を受賞した樋口真嗣監督が、最優秀主演男優賞の佐藤浩市とともに取材に応じた。最優秀作品賞、最優秀監督賞を含め、最多7部門の栄冠に輝いた映画『シン・ゴジラ』。樋口監督は「もらえるとは思ってなかったんです。ここに来られるだけでも十分幸せだったんですが……」と恐縮しきりで「あんまり幸せに慣れてないんです」と弁解。「反動が怖いんです。絶対なんかあるから」と、今後を不安がっていた。「怪獣映画が作品賞に」と話題になった同作だが、樋口監督は「自分たちが一番、怪獣映画を撮ってるつもりがなかったのかもしれない」と語る。「一般映画として作って。恋愛だったり犯罪だったりと同じように、事件として怪獣が現れたらどうだろう、という話で」と説明し、「怪獣映画だったから、今までこうやってるから、こうしよう、ということを一回全部リセットした」と製作の裏側について語った。庵野秀明総監督は仕事で欠席となったが、受賞については「報告しました」と笑顔に。庵野監督からも「一行だけ、おめでとうと。ただ一応、花吹雪が落ちてくるやつ(スタンプ)にはなってました」と明かした。「一応、花吹雪が落ちてたので、みんなで見てほっこりしましたね」と感想を語った。佐藤は今回の結果について、日本アカデミー賞が「ちゃんと映画の賞として、独り歩きした賞になった」と感想を述べた。「アニメであったり、特撮ではないとは言いながらも特撮といったジャンルであったり、いろんな意味で融合的に映画として成立してきたな」と日本映画界の現状を振り返り、欧米の映画賞とは違う「日本ならではの形になってきた」と感慨深げな様子だった。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『シン・ゴジラ』監督賞…庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)主演男優賞…(佐藤浩市『64-ロクヨン-前編』)主演女優賞…(宮沢りえ『湯を沸かすほどの熱い愛』)助演男優賞…妻夫木聡(『怒り』)助演女優賞…杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)アニメーション作品賞…(『この世界の片隅に』)脚本賞…新海誠(『君の名は。』音楽賞…RADWIMPS(『君の名は。』)編集賞…庵野秀明、佐藤敦紀(『シン・ゴジラ』)録音賞…中村淳、山田陽(『シン・ゴジラ』)照明賞…川邊隆之(『シン・ゴジラ』)撮影賞…山田康介(『シン・ゴジラ』)美術賞… 林田裕至、佐久嶋依里(『シン・ゴジラ』)外国作品賞…『ハドソン川の奇跡』
2017年03月04日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われた。多くの名優が一堂に会する授賞式だが、今回は「男性俳優同士の絆」が話題に。映画『怒り』で共演した妻夫木聡と綾野剛は、恋人役として熱演したが、役作りのために2週間の同居生活を送っていたことを明かした。一緒にお風呂に入ったり、寝坊する綾野を妻夫木が起こしたりと「ラブラブでした」という生活で絆を深めた2人は、妻夫木が同作で最優秀助演男優賞に選ばれると、固く熱いハグ。互いが互いをリスペクトする様が垣間見えた。また、『永い言い訳』で優秀助演男優賞に選ばれた竹原ピストルは、同作の主演を務め、今回はプレゼンターとして登場した俳優・本木雅弘とのエピソードを語る。普段はミュージシャンとして活躍する竹原だが「本木さんが歌の感想を言ってくださったりとか、富山までライブに来てくださったり、福岡まで僕のライブを来てくださったり」と本木の”竹原ファン”っぷりを明かした。本木は竹原について「これからの映画界に必要な存在感」と絶賛しつつ、「私はただのイチおっかけです」と恐縮。竹原は、本木に「『竹原ピストルを売るにはこうしなきゃだめだよ! って僕のマネージャーに説教した姿、一生忘れないと思います」と語りかけ、「いろんな面でお気遣い下さってありがとうございました」と頭を下げた。○演技に火をつけあった2人『聖の青春』で実在の棋士・羽生善治を演じ優秀助演男優賞に選ばれた東出昌大と、村山聖を演じて優秀主演男優賞に選ばれた松山ケンイチも、演技で戦って得た絆を見せる。松山は東出について「演技を超えたところで表現されてた」と評価。「そういう方が目の前にいてくれて支えにもありましたし、火がつきましたね」と撮影時の気持ちを振り返った。東出も「松山さんが命と向き合うために命を削ってらしたので、僕も最強のライバルとして、村山聖と殺しあうつもりで盤面を挟んで共演できたことは、役者人生の宝です」と真摯に語り、松山は「ありがとう、でっくん!」とニックネームで呼びかけた。異色のエピソードを明かしたのは映画『SCOOP!』で優秀助演男優賞に選ばれたリリー・フランキー。主演の福山雅治と六本木で「イチャイチャしながら横断歩道を渡るシーン」があり、「撮影中だとは知らない写真週刊誌にスクープされまして」と明かした。福山とのキスシーンも話題となったが「映画初キスだったんですよ。あの後ロケバスで号泣しました俺。初めてのキスシーンでしたもん」と冗談交じりで語り、会場を笑わせていた。授賞式では日本テレビでの放映も行われたが、Twitterでは「妻夫木聡と綾野剛、映画みたいに感動した」「松ケンのコメント泣ける」「本木さんに向けるピストルさんの笑顔が素敵」と、様々な俳優たちの絆が話題となっていた。
2017年03月04日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、最優秀助演男優賞に選ばれた妻夫木聡が受賞の喜びを語った。優秀賞を受賞した竹原ピストル(『永い言い訳』)、東出昌大(『聖の青春』)、森山未來(『怒り』)、リリー・フランキー(『SCOOP!』)とそうそうたるメンバーが並ぶ中から、最優秀賞に選ばれた妻夫木。『怒り』では、千葉編・沖縄編・東京編と3つの物語が交錯する仲で、東京のゲイの青年・優馬を演じ、綾野剛演じる直人と愛を育むも、直人が殺人犯ではないかと悩む姿を演じた。妻夫木は「ああ、ありがとうございます」と感極まった様子。「小さい頃から特に何の取り柄もなかった自分が、今俳優やってること自体が不思議なんですけど、その俳優でこうやって素敵な賞までいただける現実が本当に夢のようです」と真摯に喜びを語った。恋人役となった綾野とは、役作りのために2週間ほど一緒に住んだ仲だが、妻夫木は改めて「これも綾野剛くんと一緒に作り上げた役で」と綾野への感謝の気持ちを表す。また、メガホンを取った李相日監督には「李さんが『東京はお前に任せた』と言われた一言は本当に嬉しかったです。終わってからも『お前に救われた』と言われたのは僕の一生の財産となりました」と監督へのメッセージを贈った。優秀主演男優賞を受賞し、会場にいた綾野剛も目を潤ませ、壇上を降りた妻夫木と熱くハグ。綾野は「めっちゃ嬉しいよ」と声をかけていた。最優秀賞発表前のトークでは「同性愛者の作品を日本でずっとやりたかった」と語った妻夫木。綾野とは、役作りのために2週間ほど一緒に住んでいたエピソードを披露した。妻夫木は「2人で一緒にお風呂に入ったりとか、ベッドは別だったんですけど、いつも彼が寝坊して僕が起こしてあげるとか」と綾野との同居生活について明かし、「ラブラブしてました」と笑顔を見せた。綾野も「今でも愛おしい時間です」と同居生活を振り返り、「妻夫木聡という人がいなければ僕の役は存在しませんでした」と語る。綾野が「妻夫木さんが直人を、僕を愛してくださったことによって、妻夫木さんが座っているんだなと思うと心から本当に、きれいごと抜きに嬉しいです」と妻夫木を見つめながら語ると、妻夫木は「若干会場が引いてる感じが。すいません」と苦笑しながらも「嬉しいです」と喜びを表した。
2017年03月04日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、優秀助演女優賞に選ばれた石原さとみと市川実日子が登場した。最優秀作品賞、最優秀監督賞を含め、最多7部門の栄冠に輝いた映画『シン・ゴジラ』。主演の長谷川博己が優秀主演男優賞、石原&市川が優秀助演女優賞に選ばれるなど、俳優陣の演技も高く評価された。米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースンを演じた石原と、環境省自然環境局野生生物課長補佐の尾頭ヒロミを演じた市川は気心の知れた雰囲気で現れた。作中のシーンとともに演技が紹介されたが、カヨコの「ここから先はpersonal service!」という名言が飛び出すと、石原は「恥ずかし~!」と苦笑。また、市川はゴジラの音楽に合わせて首を振り、リズムを取っていた。石原は『シン・ゴジラ』のために、外務省で働いている友人に話を聞いて服装や英語についてなど、話を聞いて役に生かしたというエピソードを披露。英語力を褒められた石原は「すみません、あの時の全力です」と苦笑しながら謝っていた。共演した長谷川について、石原が「何を考えているかわからないことが多々ありまして……」と語ると、長谷川は額に手を当てて苦笑い。しかし石原は「常にフラットでいてくださるので、安心感を与えていただきますし、突き刺さるような一言を言ってくださったりしてとても刺激をいただいております」と長谷川への感謝の言葉を述べた。一方市川は、『シン・ゴジラ』上映後の”尾頭ブーム”を知って驚いたと語る。「イラストレーターの方にお会いしたんですけど、『知ってる? 今、イラストレーター界隈では尾頭ヒロミ描いた? というのが挨拶代わりになってるんだよ』って」と説明し、「いろんなファンの方のイラストを見せていただいて、ありがたかったねですね」と笑顔になった。様々な形で愛されるキャラクターになったが、市川は「どこか自分にもある共通点があったんだと思うんですけど、こういうなかなかない役に出会えたのは嬉しいですね」と喜びを表した。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『シン・ゴジラ』監督賞…庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)主演男優賞…(佐藤浩市『64-ロクヨン-前編』)主演女優賞…(宮沢りえ『湯を沸かすほどの熱い愛』)助演男優賞…妻夫木聡(『怒り』)助演女優賞…杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)アニメーション作品賞…(『この世界の片隅に』)脚本賞…新海誠(『君の名は。』音楽賞…RADWIMPS(『君の名は。』)編集賞…庵野秀明、佐藤敦紀(『シン・ゴジラ』)録音賞…中村淳、山田陽(『シン・ゴジラ』)照明賞…川邊隆之(『シン・ゴジラ』)撮影賞…山田康介(『シン・ゴジラ』)美術賞… 林田裕至、佐久嶋依里(『シン・ゴジラ』)外国作品賞…『ハドソン川の奇跡』
2017年03月04日女優の宮沢りえ(43)が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された第40回日本アカデミー賞の授賞式に出席し、『湯を沸かすほどの熱い愛』で最優秀賞主演女優賞を受賞。同作で娘役を演じた杉咲花(19)も最優秀助演女優賞に輝き、"母娘W受賞"の快挙を成し遂げた。舞台出演のため、受賞者発表時にはすでに会場を後にしていた宮沢。事前に収録された優秀賞のスピーチでは「今日は夜公演で参加できませんので、先にごあいさつさせていただきます」と詫び、「すばらしい賞をありがとうございます」と受賞の喜びを伝えた。また、「最近は役を演じるというよりは、1つ1つの役が自分の体を通過して、自分の体に爪あとをつけて通過していく」と女優としての変化も明かす。「生きることの貴重さ、みなさまの前で称えられることのありがたさを感謝と共に教えてもらっているような気がします」と語り、「本当にありがとうございました」と重ねて感謝の思いを伝えた。宮沢に代わってブロンズを受け取った中野量太監督は、初めて感銘を受けた映画が宮沢が主演で女優デビューを飾った『ぼくらの七日間戦争』(88年)だったことを明かし、「僕に映画を教えてくれたりえさんと映画をやれて本当にうれしかった」と運命的な巡り合わせを喜ぶ。一方、同作で宮沢の娘役を演じ、最優秀助演女優賞を受賞した杉咲花(19)は「りえさんから教えていただいたことは本当にたくさんあって、それはこの先ずっと忘れられないことばかり」と存在の大きさを形容し、「"お母ちゃん"に代わって、映画を観て下さった方々、ありがとうございました」と2人を"母娘W受賞"へと導いた人々にメッセージを送った。その後、宮沢は21時から日本テレビ系で放送された授賞式番組に電話出演。「こうやって受賞できたのも、"彼女が醸し出す演技を目の当たりにした私の表情"を皆さまに認めていただけた」「花のおかげです」と、杉咲への感謝と絆の強さを象徴するコメントを残していた。優秀主演女優賞は宮沢のほか、大竹しのぶ(『後妻業の女』)、黒木華(『リップヴァンウィンクルの花嫁』)、広瀬すず(『ちはやふる-上の句-』)、宮崎あおい(『怒り』)。宮沢の最優秀主演女優賞は、第26回(『たそがれ清兵衛』)、第38回(紙の月)に続いて3度目。第12回には新人俳優賞(『ぼくらの七日間戦争』)、第31回には優秀主演女優賞(『オリヲン座からの招待状』)を受賞している。
2017年03月04日女優の杉咲花(19)が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された第40回日本アカデミー賞の授賞式に出席し、『湯を沸かすほどの熱い愛』で最優秀助演女優賞を受賞。壇上で涙ながらにスピーチした。杉咲は一呼吸置き、まずは「本当にありがとうございます」と感謝の言葉。「今日が怖すぎて、2週間ぐらい前から眠れなくて、やっと寝れたと思ったら悪夢で。この日が近づくと肌がブツブツザラザラに」と精神的に追い込まれていたことを告白した。その不安な気持ちをメールで伝えたのは、同作の母親役で共演した宮沢りえ(43)。「どんな結果であっても得たものは変わらないから」の返信に励まされ、この日を迎えた。最優秀賞の発表前には、「本当にお母ちゃんでした。撮影終わった今でもお世話になっていて、映画のように血の繋がっている関係を築けている気がします」と語っていた杉咲。宮沢からの返信を「本当にそうだなと思って」と噛み締め、「私が一番幸せなのは、この作品に携わらせていただいたことです。本当にありがとうございます」と涙ながらにメッセージを送った。杉咲は同作で新人俳優賞も受賞。優秀助演女優賞は杉咲のほか、石原さとみ(『シン・ゴジラ』)、市川実日子(『シン・ゴジラ』)、広瀬すず(『怒り』)、宮崎あおい(『バースデーカード』)が受賞した。
2017年03月03日女優の橋本環奈(18)が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された第40日本アカデミー賞の授賞式に出席し、新人俳優賞のスピーチで女優としての覚悟を語った。『セーラー服と機関銃-卒業-』での受賞。昨年は『暗殺教室 ~卒業編~』に出演し、今年も『ハルチカ』(3月4日公開)、『銀魂』(7月14日公開)など話題作への出演が続く。3月で高校を卒業、所属しているアイドルグループ・Rev. from DVLが3月31日をもって解散することが決まっているなど転機を迎えている。登壇した橋本は、「名誉ある賞をいただけたのは、『セーラー服と機関銃-卒業-』に関わったすべてのみなさまのおかげだと思います」と周囲の支えに感謝。「名だたる女優さん方が演じてこられた役。喜びもあったんですけど、重圧もあって。本当に自分らしい星泉を演じようと思いました」と撮影を振り返り、「この賞を励みとして、謙虚に誠実に映画界と演技の道に人生を捧げる覚悟で、これからも日々精進して参りたいと思っています」と決意を新たにした。同賞は橋本のほか、杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)、高畑充希(『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』)、岩田剛典(『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』)、坂口健太郎(『64-ロクヨン-前編』『64-ロクヨン-後編』)、佐久本宝(『怒り』)、千葉雄大(『殿、利息でござる!』)、真剣佑(『ちはやふる-上の句-』『ちはやふる-下の句-』)が受賞した。
2017年03月03日第40回日本アカデミー賞授賞式が3月3日(金)に開催され、庵野秀明監督/樋口真嗣監督の『シン・ゴジラ』は11部門で優秀賞を受賞しており、そのうち作品賞、監督賞に加え、編集賞、撮影賞、照明賞、録音賞、美術賞などで最優秀賞を受賞した。なお、最優秀主演男優賞は佐藤浩市、最優秀主演女優賞は宮沢りえ、最優秀助演女優賞は杉咲花、最優秀助演男優賞は妻夫木聡が受賞した。第1作の『ゴジラ』が公開されてからおよそ60年、『シン・ゴジラ』は、東宝が12年ぶりに製作したゴジラ映画となった。興行収入は80億円を超え、社会現象を巻き起こす大ヒットを記録した。現代日本における巨大不明生物ゴジラの出現と立ち向かう戦略を、徹底的なリサーチをもとにリアリティを追求し、見事に描写。緊迫感あふれる新時代のゴジラ作品となった。3.11以降の日本を見据えた災害シミレーション映画としても注目を集めた。監督賞受賞の際、この日、仕事都合で欠席となった庵野監督に代わり、樋口監督がスピーチを行った。樋口監督は、「思えば、この映画が始まってから、すべてのスタッフ・キャストにものすごい無理難題を押しつけて今日があります。苦楽を共にしたスタッフが賞を取れたので、本当にうれしいです。映画を支持していただいた皆さまに本当に感謝しています。ありがとうございます!」と感激の言葉を連ねた。しかし、いよいよ最優秀監督賞の受賞で名前が呼ばれると、喜びより困惑の表情になぜか変わる…。樋口監督は、「しゃべることをさっき全部言っちゃったので…」と正直に話し、場内の笑いを誘った。だが、想いは徐々にあふれていき、「誰かが票をひとつひとつ入れた賞だと思っています。60年前に怪獣を使って映画をつくることを始めた大先輩がいて、受け継いできたバトンを僕らがもらったと思っています。バトンに恥ずかしくないものをもう一度ちゃんと作ろうと思い、本気でゴジラと向き合って作りました」と、熱心に『ゴジラ』に対する思いを口にした。さらに最優秀作品賞の受賞が告げられると、『シン・ゴジラ』テーブルでは、皆でうれしそうに握手を交わす姿が見られた。樋口監督は、改めて「こんなことが待っているかと思うと、毎日映画を作ったりして、寝れなかったりしたスタッフの皆も、いつかこういうときがくるよって声を大にして言いたいです」と、製作クルーに言葉をかけた。同作で主演男優賞を受賞した長谷川博己も大きな笑みを広げ、「特撮映画で作品賞って、今までなかなかなかたのではと思います。映画のひとつのテーマでもあるチームワークというか、皆で力を合わせて何かを倒すのは、これからの日本映画につながるのではと思い、作品賞をとったのはいいことだったんじゃないかなって勝手に思っています」と映画愛あふれる胸の内を語った。ゴジラ出現により、米国国務省から派遣された日本エージェントのカヨコ・アン・パタースンを演じ、助演女優賞受賞となった石原さとみ。英語と日本語を話すバイリンガルで、個性の強いキャラクターを堂々と演じた。作品賞の受賞について、石原さんは「脚本が本当に面白かったんです。庵野秀明さんの1文字1文字が本当に魅力的で、私で汚してしまうのではと震えていたんですけど、最後に『カヨコが石原さんでよかった』と言ってくれて涙が出ました」と、作品への強い想いと重圧を打ち明けた。同じく同作で助演女優賞受賞となり、巨大不明生物特設災害対策本部でゴジラの生態解析を担当する環境省自然環境局野生生物課長補佐、尾頭ヒロミを演じた市川実日子。寝癖をつけたままで身なりに気を使わず、無愛想かつ早口だが笑顔を見せる瞬間もあるというギャップのあるキャラクターで熱心なファンを作るほど、強い印象を残した。市川さんは、初めて脚本を読んだときの感想について、「夜だったんですけど、カーテンの外にゴジラがいるんじゃないかと思うくらい、リアリティを感じました。改めて本当にすごい作品に関わらせていただいたんだなと光栄に思いました。本当にありがとうございました」と笑顔を見せた。(cinamacafe.net)
2017年03月03日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、映画『シン・ゴジラ』が最優秀作品賞に決定した。同作は作品賞、監督賞、編集賞、録音賞、照明賞、撮影賞、美術賞で最優秀賞を獲得し、7冠を達成した。日本アカデミー賞協会の岡田裕介会長は「アニメ界、特撮界、普通の映画、垣根を超えた画期的な1年だったと思います。みんなで頑張って日本映画を支えましょう」と、会場に訴えかけた。さらに「どこかの国と同じように間違えないようにしたいと思います」と、米国で行われた封筒取り違えのハプニングを想起させるようなコメントの後に、『シン・ゴジラ』の最優秀作品賞受賞を発表した。総監督の庵野秀明は仕事で欠席となったが、壇上に現れた樋口真嗣監督は「みんな怒ってませんか!? 大丈夫ですか!」と心配した様子。主演の長谷川博己も「(会場が)すごい引いてる感じがしたんですけど、気のせいですか。特撮映画とか怪獣映画で作品賞って、今までなかなかなかったんじゃないかと思います」と心配した。しかし長谷川は「作品の一つのテーマである、チームワークというか、みんなで力を合わせて何かを倒すというのが、岡田会長のおっしゃってた『これからの日本映画をどうにかする』というのに繋がる気がして」と喜びを表し、「この作品が作品賞をとったのは、いいことだったんじゃないかなと勝手に思っています」と映画界全体の展望を見据えながら話した。また、石原さとみは「脚本が本当に面白かったんです。庵野秀明さんが書かれた脚本が本当に面白くて、1文字1文字本当に魅力的で、それを私が汚してしまうんじゃないかと思って震えていた」と心情を吐露。総監督の庵野秀明が最後に「カヨコが石原さんでよかった」と言ったことで涙したことを明かし、「ゴジラに関わった2年間、胃が痛い毎日だった」と振り返りながら、「こういう場で終わることができて、救われました」と頭を下げた。市川実日子は、作品の「リアリティ」を讃え、「3.11の時に、1日中テレビで会見を見てた私たちが感じていたことが書かれていた」と振り返る。「改めて、すごい作品に関わらせていただいたんだなということを光栄に思いました」と感謝の気持ちを表した。東宝 山内章弘プロデューサーは「こんなに重いとは思いませんでした」とブロンズの重さをかみしめた。「本当に、特撮映画とか、怪獣映画とか、シリーズ映画って、どうしてもジャンルの中に押し込めようとするのを、こうやって一本の作品として評価していただいたことを本当に感謝しています」と喜んでいた。最後にまたコメントを求められた樋口は「え! 俺ですか!!」と驚きながら、「なんとなくみんな、ムッとした感じに見えるのが気のせいかもしれませんが……」とさらに心配。「こういう映画も素晴らしいので、いいなと思ったらまた一緒にお仕事をしたいなと思います」と会場に向かって語りかけた。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『シン・ゴジラ』監督賞…庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)主演男優賞…佐藤浩市(『64-ロクヨン-前編』)主演女優賞…宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)助演男優賞…妻夫木聡(『怒り』)助演女優賞…杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)アニメーション作品賞…(『この世界の片隅に』)脚本賞…新海誠(『君の名は。』音楽賞…RADWIMPS(『君の名は。』)編集賞…庵野秀明、佐藤敦紀(『シン・ゴジラ』)録音賞…中村淳、山田陽(『シン・ゴジラ』)照明賞…川邊隆之(『シン・ゴジラ』)撮影賞…山田康介(『シン・ゴジラ』)美術賞… 林田裕至、佐久嶋依里(『シン・ゴジラ』)外国作品賞…『ハドソン川の奇跡』■これまでの最優秀作品賞第39回…『海街diary』第38回…『永遠の0』第37回…『舟を編む』第36回…『桐島、部活やめるってよ』第35回…『八日目の蝉』第34回…『告白』第33回…『沈まぬ太陽』第32回…『おくりびと』第31回…『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』第30回…『フラガール』第29回…『ALWAYS三丁目の夕日』第28回…『半落ち』第27回…『壬生義士伝』第26回…『たそがれ清兵衛』第25回…『千と千尋の神隠し』第24回…『雨あがる』第23回…『鉄道員(ぽっぽや)』第22回…『愛を乞うひと』第21回…『もののけ姫』第20回…『Shall we ダンス?』第19回…『午後の遺言状』第18回…『忠臣蔵外伝 四谷怪談』第17回…『学校』第16回…『シコふんじゃった。』第15回…『息子』第14回…『少年時代』第13回…『黒い雨』第12回…『敦煌』第11回…『マルサの女』第10回…『火宅の人』第9回…『花いちもんめ』第8回…『お葬式』第7回…『楢山節考』第6回…『蒲田行進曲』第5回…『駅 STATION』第4回…『ツィゴイネルワイゼン』第3回…『復讐するは我にあり』第2回…『事件』第1回…『幸福の黄色いハンカチ』
2017年03月03日女優の高畑充希(25)が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された第40回日本アカデミー賞の授賞式に出席し、新人俳優賞のスピーチで同賞との縁を明かした。高畑は岩田剛典と主演を務めた『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で受賞。昨年は同作のほか『怒り』、『アズミ・ハルコは行方不明』、今年は『泥棒役者』(11月公開)や『DESTINY 鎌倉ものがたり』(12月9日公開)の公開を控えるなど話題作への出演が続いている。初主演作品での受賞に、「大切な大切な映画でこんなステキな賞を(岩田と)並んで受賞できたことを幸せに思います」と笑顔を見せる高畑。母にメールで受賞を報告したことを思い返し、「『有言実行おめでとう』と返ってきて。有言したっけな? と思っていたんですけど……」と続ける。高畑は幼い頃、授賞式をテレビで見ながら「私は将来、このレッドカーペットを歩く」とつぶやき、それが母の「有言実行おめでとう」につながる。高畑の記憶にはなかったが、「そんな願い事を叶えることができて、とても幸せに思っています」と心境を伝え、「これからも一生懸命、一足一足がんばります。ありがとうございます」と感謝した。同賞は高畑のほか、杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)、橋本環奈(『セーラー服と機関銃 -卒業-』)、岩田剛典(『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』)、坂口健太郎(『64-ロクヨン-前編』『64-ロクヨン-後編』)、佐久本宝(『怒り』)、千葉雄大(『殿、利息でござる!』)、真剣佑(『ちはやふる-上の句-』『ちはやふる-下の句-』)が受賞した。
2017年03月03日「第40回日本アカデミー賞」授賞式が3月3日(金)に開催され、片渕須直監督による『この世界の片隅に』が本命視されていた『君の名は。』を押さえ、最優秀アニメーション作品賞に輝いた。そのほか、『映画「聲の形」』、『ルドルフとイッパイアッテナ』、『ONE PIECE FILM GOLD』と並ぶ中での受賞となった。『この世界の片隅に』は2007~2009年まで、「漫画アクション」に連載された、こうの史代の同名漫画を片渕須直監督がアニメーション映画化。太平洋戦争真っ只中の広島を舞台に、戦時下に生きたひとりの女性・すずの姿と、市井の人々の日常に戦争が及ぼす影を丹念な描写でつづり、観る者の心に深い余韻を残した。クラウドファンディングにより製作資金を調達し、6年の歳月を経て完成。主人公のすずの声を女優のんが務めている。SNSや口コミを中心に評判が広がり、上映館数は当初の63館から300館以上に拡大した。片渕監督らは緊張した面持ちで壇上に上がり、ブロンズを受け取った。スピーチでは、「6年以上かかって作った映画なんですが…諦めなくてよかったです」と片渕監督は、絞り出すように話し出した。「諦めなくて済んだのは、プロデューサーの丸山(正雄)さんが、途中でやめようと思ったとき『もうちょっと続けよう』と6年言い続けてくれたからです。途中でもういっか、と思っていたら、たぶん皆さんの心の中にすずさんという小さなかわいらしい主婦の姿が宿ることもなかったと思います。ここに立てていること自体が、いろいろな人の支えあってのことだと思っています」と、隣に立つ製作陣に心を込めて挨拶をした。主題歌ならびに音楽を担当したコトリンゴも壇上に立った。そして、「監督に6年前に出会って、本当にこんな素晴らしい作品に出会えて。今どんどん世界に小さなすずさんが遠征に行っているので、心から応援したいなと思っております。ありがとうございました」と、まだまだ広がるすずさんの輪にもエールを贈った。(cinamacafe.net)■関連作品:この世界の片隅に 2016年11月12日より全国にて公開(C) こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
2017年03月03日佐藤浩市が『64-ロクヨン-』で第40回日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞した。『日本で一番悪い奴ら』の綾野剛、『海賊とよばれた男』の岡田准一、『シン・ゴジラ』の長谷川博己、『聖の青春』の松山ケンイチと、いまのりに乗っているミドルエイジの俳優陣が候補に上がる中、貫禄の受賞となった。『64-ロクヨン-』は横山秀夫の小説を映画化。わずか7日間で幕を閉じた昭和64年、少女の誘拐事件が発生し、犯人は身代金を奪い逃走。5日後に少女の遺体が発見される。その事件は“ロクヨン”と呼ばれ、未解決のまま時効を迎える寸前だった。“ロクヨン”を巡り、様々な人間の思いが交錯する骨太な社会派ミステリー作品。佐藤さんは、警察上層部とマスコミの間で板挟みになりながらも、“ロクヨン”事件の真犯人を追いつめるべく奔走する警務部広報官・三上を熱演。佐藤さんは第18回に『忠臣蔵外伝四谷怪談』で最優秀主演男優賞を受賞以来、最優秀賞の受賞を飾った。優秀主演男優賞受賞となった綾野さんと、『64』で共演した佐藤さん。綾野さんは、撮影時の思い出に触れて、「浩市さんは飲んでいる席でも言葉を尽くしてくださるんです。自分たちがどうあるべきかを、ご自身の経験を振りかざさずに、今現在の中で自分たちと一緒に作っていくという姿勢を背中で見せてくださいました」と語り、役者の先輩として尊敬の念をにじませていた。第5回に『青春の門』で新人俳優賞を受賞して以降、長年日本アカデミー賞に何度も関わっているベテラン俳優の佐藤さん。それだけに、日本アカデミー賞がどういう存在かと尋ねると、「僕が言うのは偉そうなんですが、年々重みがあるというか、形がすごくできあがってきたなというか。40年という歴史は、必ず存在しているわけで。作品なり演技なり、いろいろな賞を皆さんが受ける中で、アカデミーも我々も成長してきたと思います」と、歴史をふり返った。ブロンズを受け取った佐藤さんは、「久しぶりに、大きいほうのやつをいただいたんですけど、こんなに重かったかなあ。これは僕が50も半ばをすぎて筋力が衰えたからか、まったく別な考えで、重たさを感じているのか。当然、後者ですけれど」と一呼吸置いて、じっとブロンズを見つめた。その目には光るものが感じられもしたが、佐藤さんは落ち着いた声で「なんか困っちゃうなっていう感じで。本当に、またここに戻ってこられるよう、スタッフともども皆で映画作りを続けていきたいと思います。今日はありがとうございました」と毅然とした姿でスピーチを終えた。(cinamacafe.net)
2017年03月03日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、最優秀主演男優賞に選ばれた佐藤浩市が受賞の喜びを語った。7日間しかなかった昭和64年に発生した未解決事件に取り組む警察の姿が重厚に描かれた映画『64-ロクヨン-前編』。佐藤はかつて刑事として活躍し、現在は警務部の広報官として刑事部との対立や、マスコミとの板挟みに苦しみながらも事件解決に奔走する主人公を、重厚な演技で魅せた。最優秀賞のブロンズを手にした佐藤は「久しぶりに、大きい方のやつをいただいたんですけど、こんなに重かったかなあって」と、ブロンズの重みを噛みしめた。「これは僕が50も半ばを過ぎて筋力が衰えたから重いのか、それとも全く別の感慨で重く感じているのか。おそらく後者の方なんですけど」と苦笑。日本アカデミー賞では常連となっている佐藤だが、最優秀主演男優賞は1994年の『忠臣蔵外伝 四谷怪談』以来2度目となる。佐藤は「いや、なんかね、困っちゃうなという感じで」と言葉を詰まらせながらも、「本当に、またここに戻ってこれるよう、スタッフともども、みんなで映画作りを続けていきたいと思います」と頭を下げた。優秀主演男優賞を受賞したのは他、綾野剛(『日本で一番悪い奴ら』)、岡田准一(『海賊とよばれた男』)、長谷川博己(『シン・ゴジラ』)、松山ケンイチ(『聖の青春』) の4名。綾野は10kg体重を増やし、歯を黄ばませるために2週間歯磨きをせずに歯垢をためたという驚きのエピソードを披露した。また、岡田は特殊メイクにより20代から90代を演じ、長谷川は政府関係者の資料用DVDを取り寄せて、なるべく早口でセリフを喋るように努力。松山は「演技を超えて生きたい」と、胃薬を飲みながら食事し、25kgの増量で役に挑むなど、それぞれ壮絶な役作りを行った名優たちが集った。
2017年03月03日第40回日本アカデミー賞において、宮沢りえが『湯を沸かすほどの熱い愛』で最優秀主演女優賞を獲得した。宮沢さんは第26回の『たそがれ清兵衛』、第38回の『紙の月』に続き3度目の受賞となった。さらに、最優秀助演女優賞を受賞した杉咲花と“親子”受賞としても、会場を沸かせた。優秀主演女優賞には『後妻業の女』の大竹しのぶ、『リップヴァンウィンクルの花嫁』の黒木華、『ちはやふる』の広瀬すず、『怒り』の宮崎あおいと並んだが、ひとりの女性の生きる姿を懸命に演じた宮沢さんが、頭ひとつ出て受賞となった。『湯を沸かすほどの熱い愛』は国内外の映画祭で高い評価を得た中野量太監督が、オリジナル脚本で描いた家族の物語。余命2か月を宣告された母親が、持ち前の明るさで残される家族を再生させていく。宮沢さんは脚本を読み、すぐにオファーを快諾。末期がんの母親役を演じるにあたり、食事制限をしたほか、娘役の杉咲さんや伊東蒼と撮影前からメールのやり取りをするなど信頼関係を築きつつ、母の究極の愛を表現した。発表の際には舞台公演のため、残念ながら姿がなかった宮沢さんだったが、VTRでコメントを寄せてくれた。「双葉という余命宣告を受けた女性を演りました。近頃、役を演じるよりひとつひとつの役が自分の体を通過して、爪跡をつけていく感じがしていて。双葉もとても大きな爪跡を残していきました。生きることの貴重さ、皆さまにこうして讃えられることのありがたさを、感謝とともに教えてもらっている気がします」と丁寧に語った。宮沢さんの代わりにブロンズを受け取った中野監督は、一緒に壇上に立った杉咲さんと笑顔で喜び合った。中野監督は、「本当はりえさんの前で言いたかったんですけど」と言いながら、「僕は映画少年でも何でもなかった人間ですけど、『ぼくらの七日間戦争』は、初めて何度も何度も見直した作品です。今思えば、原点というか、初めての映画体験でした」と、当時主演をしていた宮沢さんとの“出会い”を明かした。「初めて商業映画デビューをするときに、(宮沢さんが主演を)やってくれると言ってくれたときは、やっぱりうれしかった。『ああ、僕に映画を教えてくれたりえさんと映画をやるんだ』と思って、本当にうれしかったのを覚えています」と、同世代の宮沢さんへの特別な思いを捧げていた。最優秀主演、助演女優賞を『湯を沸かすほどの熱い愛』で飾ったことになったが、笑顔の杉咲さんは、「本当にうれしいです。本当にたくさん教えていただいて、この先ずっと忘れられないことばかりです。やっぱりお母ちゃんはすごいなって思いました」と、たっぷりの愛情を込めていた。(cinamacafe.net)
2017年03月03日第40回日本アカデミー賞で、高畑充希や坂口健太郎、岩田剛典らが新人俳優賞を受賞し、3月3日(金)に行われた授賞式に臨んだ。『植物図鑑運命の恋、ひろいました』でW主演を果たし、ともに受賞となった高畑さんと岩田さん。高畑さんは「大切な映画で、素敵な賞を(岩田さんと)並んで受賞できて、とても幸せに思います」とスピーチし、岩田さんも「劇中の樹とさやかでWで新人賞を受賞したこと、うれしく思っています」と朗らかに微笑んだ。2010年、「三代目J Soul Brothers」の一員としてデビューし、2014年には「EXILE」にも正式加入、普段パフォーマーとして活躍する岩田さん。躍動感あふれるパフォーマンスとは異なり、スクリーンでは家事万能でどこかミステリアスな主人公・樹としてたたずんだ。優しく、さわやかで笑顔がたまらないという女性の理想を具現化したようなキャラクターを魅力的に演じた岩田さん。撮影時をふり返り、「ギャップを楽しんでやっていました。(三代目の)メンバーには散々いじられたおしました、いじるところがないくらい(笑)。『ガンちゃんが植物図鑑やるなら俺は筋肉図鑑やるよ~』とか言われて(笑)」と、照れくさそうに笑った。なお、岩田さんは、話題賞俳優部門とのW受賞になる。プレゼンターを務めた、第39回最優秀主演男優賞受賞の二宮和也は、「僕は新人賞に憧れがあります」と受賞者たちに告げた。「僕は新人賞をいただけないまま新人じゃない人になってしまったので、このときでしか出会えない賞だと思っています。皆さんのことを尊敬しますし、一緒に立たせていただきましたが、次回は作品で皆さんと一緒に関われたらと思い、僕も頑張っていこうと思いました」と、若き俳優陣にエールを送った。新人賞は高畑さんと岩田さんのほか、『湯を沸かすほどの熱い愛』で最優秀助演女優賞とのW受賞となった杉咲花、『セーラー服と機関銃-卒業-』の橋本環奈、『64-ロクヨン-前編』、『64-ロクヨン-後編』の坂口健太郎、『怒り』の佐久本宝、『殿、利息でござる!』の千葉雄大、『ちはやふる -上の句-』、『ちはやふる -下の句-』の真剣佑という8名が顔を揃えた。中でも、『64』で情報を制限する県警の広報部に対し、フラストレーションを抱える記者クラブ所属の若手新聞記者・手嶋を演じた坂口さん。佐藤浩市、瑛太などオールキャストとの共演の中、俳優としての新たな可能性を見せた。坂口さんは「新人賞は一度しかないし、うれしく思っています。映画が好きで芝居をしたくて、まさか自分がテレビで見ていた舞台に立たせていただけると思っていなかったので、光栄な気持ちでいっぱいです」と感無量の表情。同作で主演を務めた佐藤さんについて、坂口さんは「浩市さん、現場で本当にありがとうございました。『ぶつかってこい』と言ってくださったので、できたことだと思います。本当にありがとうございました」と白い頬を染めつつ、感謝の意味で頭を下げた。(cinamacafe.net)■関連作品:ちはやふる-上の句- 2016年3月19日より全国にて公開(C) 2016 映画「ちはやふる」製作委員会(C) 末次由紀/講談社ちはやふる-下の句- 2016年4月29日より全国にて公開(C) 2016 映画「ちはやふる」製作委員会(C) 末次由紀/講談社
2017年03月03日第40回日本アカデミー賞の授賞式が3日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、アイドルグループ・嵐の二宮和也が新人俳優賞のプレゼンターを務めた。二宮は第39回日本アカデミー賞で、映画『母と暮せば』の演技が評価され、最優秀主演男優賞に選ばれたことから、今年のプレゼンターに就任。ジョンローレンスサリバンのスーツに身を包み、ジャガー・ルクルトのアクセサリー、クロケット&ジョーンズの靴で決めて、俳優の後輩たちに対して「おめでとうございます」と語りかけた。「あの、すごく僕はこの”新人賞”というのに憧れがありまして」と明かした二宮。「僕は新人賞をいただけないまま新人じゃない人になってしまったので」と理由を説明し、「この時にしか取れない、出会えない、数少ない賞だと思っています」と賞の良さを表した。二宮は「なので、みなさんのことを非常に尊敬していますし、今回はこのような形でここに出させていただきましたけど、次回は作品で、みなさんと一緒に関われたらなと思い、頑張っていこうと思いました」と、改めてエールを贈った。新人俳優賞を受賞したのは、杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)、高畑充希(『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』)、橋本環奈(『セーラー服と機関銃 -卒業-』)、岩田剛典(『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』)、坂口健太郎(『64-ロクヨン-前編』『64-ロクヨン-後編』)、佐久本宝(『怒り』)、千葉雄大(『殿、利息でござる』)、真剣佑(『ちはやふる -上の句-』『ちはやふる -下の句-』)の8人。
2017年03月03日妻夫木聡が『怒り』で第40回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を受賞。第34回最優秀主演男優賞を受賞した『悪人』以来、3作目の李相日監督と組んだ映画での受賞となった。受賞の瞬間、妻夫木さんは李監督と笑顔で握手をし、受賞スピーチ後は、劇中で恋人役を演じた綾野剛が席を立ち上がり、妻夫木さんをぐっと強く抱きしめ喜びを分かち合っていた。『怒り』は吉田修一の原作を映画化したミステリードラマ。犯人未逮捕の殺人事件から1年後、千葉、東京、沖縄に容疑者らしき男が現れ、それぞれの場所でドラマが展開していく。妻夫木さんは、綾野さん演じる大西直人と運命的な出会いをする、同性愛者の藤田優馬役を熱演。恋人を信じたいのに信じきることができない、細やかな演技を魅せた。助演男優賞には、同じく『怒り』より、「この役を演じられるのは彼しかいない」という李監督の熱烈オファーを受けたバックパッカー役の森山未來のほか、『永い言い訳』の竹原ピストル、『聖の青春』の東出昌大、『SCOOP!』のリリー・フランキーと、俳優やミュージシャン、文化人など個性豊かな面々から、見事、妻夫木さんが最優秀賞を射止めるかたちとなった。妻夫木さんは2002年に『ウォーターボーイズ』で優秀主演男優賞&新人俳優賞、2006年に『春の雪』で優秀主演男優賞、2007年に『涙そうそう』で優秀主演男優賞、2011年に『悪人』最優秀主演男優賞、2014年に『東京家族』優秀助演男優賞を獲得している。撮影中、綾野さんと2週間ほど一緒に生活し、説得力のある関係性を生み出した妻夫木さん。綾野さんとの初共演に関して、妻夫木さんは「今回の作品だけじゃなくて、お互いの作品に対する姿勢とか取り組み方が少し似ている部分があったかもしれません。ある程度の覚悟を持って、役のためならどれだけでも命をかけられるという思いを、彼も僕も持っているので、純粋に行動に出たのかなと思います」と、席にいる綾野さんに向けて言葉を贈った。うるんだ瞳で聞いていた綾野さんは、当時をふり返り、「いまでも愛おしい時間です。いまそこに妻夫木さんが立たれている姿を見て、ものすごくグッときています。本当に妻夫木聡という人がいなければ、僕という役は存在しませんでした。心からキレイごとを抜きにうれしいです」と熱く、熱くラブコールを返した。リアルな愛さながらの告白に、妻夫木さんが「若干会場が引いている感じで…すみません(笑)」と謝りながらも、うれしそうに満面の笑みを広げた。受賞のスピーチでは、妻夫木さんは「小さい頃から取り柄もなかった自分が俳優をやっていることが不思議で、いまの現実が夢のようです」と目を輝かせた。厳しい演出で知られる李監督に対しては、「李監督が『東京はお前に任せた』と言ってくれた一言と、終わってから『お前に救われた』と言ってくれたことが、僕の一生の財産になりました。ありがとうございます」と感謝の思いを口にした。(cinamacafe.net)
2017年03月03日第40回日本アカデミー賞が3月3日(金)に開催され、最優秀助演女優賞部門で『湯を沸かすほどの熱い愛』の杉咲花が、日本アカデミー賞初受賞にして、新人俳優賞とのダブル受賞となった。受賞の瞬間、杉咲さんはメガホンをとった中野量太監督とがっちりと抱き合い、うれしそうに涙を浮かべた。優秀助演女優賞には杉咲さんのほか、『シン・ゴジラ』より石原さとみと市川実日子、『怒り』の広瀬すず、『バースデーカード』の宮崎あおいと、若き実力派女優がそろい踏みとなる中、受賞の快挙を成し遂げた。『湯を沸かすほどの熱い愛』は、インディーズ映画『チチを撮りに』で世界的にも注目を浴びた中野量太監督の商業映画デビュー作。杉咲さんが演じたのは、学校でいじめにあうも、助けを求めることができない、引っ込み思案で気弱な少女・安澄。母(宮沢りえ)の励ましと愛情により、自らの殻を破り、母のようにたくましい女性へと変わっていく過程を、凛とした存在感で演じきった。スピーチの際に、杉咲さんは信じられないといわんばかり目を大きく見開き、「ああ、もう…」と言葉にならない声を漏らした。そして、「本当にありがとうございます。今日が怖すぎて、2週間くらい前から眠れなくて。やっと寝られたと思ったら悪夢とかを見たりして」と、恐怖に感じていたとも明かした。本作で出会った宮沢さんとは固い絆だったと言い、「本当にお母ちゃんでした。終わったいまでもすごくお世話になっていて、ずっとこの映画のように、血のつながりを超えた関係を築けた気がしています」と全幅の信頼を置いている。「昨日、お母ちゃんの宮沢りえさんに“どうしよう”ってメールを送ったら、“どんな結果であっても得たものは変わらないから”っていただいて。一番幸せなのは、この作品に携わらせていただいたことで、やっぱりうれしいです」と最後は涙声で語った。司会の西田敏行も「俺もちょっときちゃった」と大御所俳優の目にも涙を誘っていた。(cinamacafe.net)
2017年03月03日エマ・ストーンの主演女優賞、デイミアン・チャゼルの史上最年少の監督賞など本年度アカデミー賞最多6部門に輝いた『ラ・ラ・ランド』。2月24日(金)より公開された本作が、昨日3月2日(木)時点で2017年公開作品の中で最速(公開7日間)となる興収10億円を突破、本作を観た著名人たちも感想をSNSなどに多数アップしていることが分かった。夢追い人が集まるロサンゼルス(通称:ラ・ラ・ランド)を舞台に、女優志望のミアとジャズピアニストを目指すセブの恋と夢を、ほろ苦さも含めて描き出す新感覚のミュージカル・エンターテインメント。3月2日(木)時点で全国261館、308スクリーンにて、動員:7万7,362人/興収:1億478万1,800円をあげ、初日からの累計成績が動員:81万1,882人/興収:10億8493万7,600円を達成。2017年の邦画・洋画・アニメ作品など全て含めた公開作品の中で、最速(公開7日間累計)の10億円突破となった(※興行通信社調べ)。また、本作を鑑賞した著名人たちからも絶賛のコメントが続出。水原希子はInstagramで、本作の冒頭から心をつかむ「アナザー・デイ・オブ・サン」を口ずさみ、映画さながら軽やかに街を歩く動画をアップ。また、飯豊まりえもTVドラマ「嫌われる勇気」の撮影の合間に椎名桔平と完コピの“ララポーズ”(ミアとセブのダンスポーズ)を披露。そのほか、ゲームクリエイターの小島秀夫をはじめ、浜野謙太、近藤芳正、高橋メアリージュン、「我が家」の坪倉由幸もララポーズをアップ!Twitter上では、水道橋博士、高橋みなみ、蒼山幸子さん(ねごと)、HARUNA(SCANDAL)、CHAMA(BUMP OF CHICKEN)らが感激のコメントを寄せ、「藤崎マーケット」のトキは、あの一世を風靡したギャグ「ラララライ」をもじった「LA LA LA LAI」画像をアップし、瞬く間に3万5,000リツートを達成するなど、全国に吹き荒れる“ラララ旋風”を象徴した。これから春休みも控えており、30億円突破も“夢”ではないといえそうだ。『ラ・ラ・ランド』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年03月03日アカデミー賞授賞式の生放送で作品賞が謝って発表されてしまったというハプニングは、世界中を駆け巡り今年のアカデミー賞ニュースは受賞者や作品が残した功績についてではなく、授賞式でのとんでもないミステイクに焦点が当たることになってしまった。なぜこのようなミスが起きてしまったのか?とにかく、アカデミー賞というのはいまも昔も仰々しいのが売りである。大統領就任式でも行いような綿密さで計画され実行されている。アカデミー関係者は、候補者からアシスタントに至るまでルールを逸脱すれば相手が誰であれ容赦無くアカデミーの輪から外される。例えば今年はアカデミー録音部門候補者の中に、自分がノミネートされたことを同僚に挨拶したことでアカデミーの自己宣伝禁止法に触れるとされノミネーションを取り消された候補者が出るという事態があった。この厳重体制はアカデミーの投票周りについては尚更である。世界的に有名な会計監査事務所であるPwC(プライスウォーターハウスクーパー社)が、投票管理の一切を任されており受賞者がプレゼンターに読み上げるその瞬間までを管理しているのだが、米国大統領選挙もここまでやってくれればロシアにハッキングされることもないのでは、などと素人考えで思ってしまうほどの厳戒態勢を敷いている。数年前、投票がオンラインになる前は、特定の日にPwCのアカデミー賞担当責任者2人がビバリーヒルズのアカデミー本部にやって来て、投票用紙がアカデミーの会員数分きちんとあるかどうかスタッフたちに1通ずつ数えさせたあと、担当者2人が自ら郵便配達のトラックまで運び、郵便屋さんに責任を託す「投票用紙を送り出す日」という特別な日が設けられていた。いまでもアカデミー会員が記入した(インプットした)投票は、PcW社の厳重な警備下で集計され、受賞者が記載されたカードと賞の部門名の入った特別デザインの封筒は同じものが2通ずつ用意される。1通ずつ別々のブリーフケースに納められ、PcWアカデミー賞担当責任者2人のみが知っているコンビネーションロックが掛けられる。このあと2人は別々の車で別々のルートを通って会場ドルビーシアターへと向かう。万が一責任者のひとりに何かが起きても、受賞結果の入ったブリーフケースが必ず現場に到達するようにである。シアターに着くと2人の責任者はそれぞれがプレゼンターに渡す受賞者カードの入った封筒を持って舞台袖二方に分かれる。これはどちらの舞台袖からプレゼンターが出ることになっても、直前にきちんと封筒を渡せるように、という配慮から。だが今年の授賞式ではこの最新の配慮が裏目に出てしまったようで、予備として責任者の手元に残っていた「主演女優賞」の受賞者カードを、誤ってプレゼンターのウォーレン・ビーティーに渡してしまったようだ。だがウォーレンの手元を写した写真を見ると、彼の持つ封筒にはかなり大きく「主演女優賞」と記されている。実際に受賞者を読み上げるとき、異常に長い間合いを取ったウォーレンは、カードが妙だということに薄々気がついていたに違いない。そのときにひとことステージマネージャーにでも誰にでも合図をしていたらここまで大事になっていなかったのではないか。まあ後悔先に立たずと言ったところである。以前、ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルで「Seconds from Disaster」という大事故を検証するシリーズ番組があった。タイトルを訳せば「惨事までの数秒間」というわけだが、大きなアクシデントは様々な要因が絡み合って起きる、というのがその番組の焦点だった。今回のアカデミーの一件は、人命に関わるものではないにせよ「Seconds from Disaster」を思い出させるところがある。アカデミー賞では、長年にわたって受賞者カードの入った封筒をハンドルする会計監査の老舗であるPwC(プライスウォーターハウスクーパー)社の企業信用問題などもあるため、業界内での“封筒取り違え事件”のインパクトはその連鎖反応を考えると、結構大変な出来事と言えるだろう。この記事の執筆真っ最中に、授賞式で「作品賞」を発表した俳優ウォーレン・ビーティーに、間違った封筒を手渡した“犯人”が判明した。アカデミー賞の投票周りを一切仕切っているPwC社からの代表男女2人の内ひとりであるブライアン・カリナン氏がそのひと。「カリナン氏が謝ってプレゼンターのビーティー氏に間違った封筒を手渡してしまった」とPwC社が発表した。おまけにどうやらカリナン氏は、封筒渡しの直前までツイートをやっていたということで、この緊張感に欠ける態度に対してはPwC共々非難の的になるのではないかと見られる。いくらコンピューターで制御しようが、何人護衛を立てようがひとりの人間の気の緩みで全ての努力が水の泡になるという、いい教訓といえよう。(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2017年03月03日第89回アカデミー賞で作品賞・脚色賞・助演男優賞の3部門を受賞した『ムーンライト』が、当初予定していた4月28日の公開日を繰り上げ、3月31日より公開規模を大幅に拡大し、全国公開することが3日、明らかになった。公開日繰り上げは、作品賞受賞を祝して決定。授賞式後には、「少しでも早く劇場で鑑賞したい」と公開を待ち望む声が殺到したという。本作は、エグゼクティブプロデューサーにブラッド・ピットを迎え、自身が創設したプランBエンターテインメントで製作した作品。自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代でつづった。2月26日(日本時間27日)に行われた第89回アカデミー賞の授賞式では、作品賞発表間違えという前代未聞のハプニングが発生。はじめに最多14ノミネートを果たしていた『ラ・ラ・ランド』と発表されたが、その後『ムーンライト』と訂正され、会場は一時大混乱となった。(C)2016 A24 Distribution, LLC
2017年03月03日第89回アカデミー賞にて作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を受賞した『ムーンライト』。その後、「早く劇場で観たい」という日本公開を待ち望む声が殺到したことを受け、3月31日(金)より緊急拡大公開されることが決定した。名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々。母親はドラッグに溺れている。そんなシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに…。ブラッド・ピットが代表を務める「プランBエンターテインメント」が制作した本作は、自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代で綴った“愛”の物語。人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれ、どうにもならない日常、胸を締め付ける痛み、初恋のような切なさ、いつまでも心に残る後悔が押し寄せる。やがて思いもよらない再会により、秘めた想いを抱えてきたシャロンの暗闇に光がさしたとき、観る者の心は大きく揺さぶられ、深い感動と余韻に包まれていく。主な前哨戦では、最も多くの“作品賞”を受賞していた本作(329部門ノミネート・158部門受賞)。さらに、第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞を含む3部門を獲得。劇的な作品賞受賞の瞬間もさることながら、アカデミー賞の歴史の中でLGBTをテーマにした映画として初めて作品賞を受賞し、まさに“映画史の歴史を変えた”1本となった。そんな本作に「少しでも早く劇場で鑑賞したい」という声が多数寄せられたことから、当初予定していた4月28日(金)の公開日を約1か月繰り上げ、3月31日(金)から公開規模を大幅に拡大して全国公開する。本作のビジュアルにも登場する少年期、ティーンエイジャー期、成人期で主人公シャロンを演じたアレックス・ヒバート、アッシュトン・サンダース、トレバヴァンテ・ローズは、「カルバン・クライン(Calvin Klein)」春夏アンダーウェアの広告モデルにも抜擢されており、さらなる注目を集めそうだ。『ムーンライト』は3月31日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年03月03日今年度のアカデミー賞作品賞の結果発表取り間違え事件の原因となった監査役の2人が、来年度からアカデミー賞に関わることを禁止された。アカデミー会長シェリル・ブーン・アイザックス氏は、アカデミー賞の投票を管理し、プレゼンターたちに結果が記されたカードが入った封筒渡す役割を担っている監査法人プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)の今年度の担当者であったブライアン・カリナン氏、マーサ・ルイス氏が来年度の第90回アカデミー賞に関わることはないと発表した。しかし、これまで80年以上に渡ってアカデミー賞に携わってきたPwCと今後一緒に仕事をしていくかどうかについては明言を避けており、現在検討中であるとだけ話している。授賞式当日、作品賞発表の際に誤ってプレゼンターのウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイに本当の受賞作品『ムーンライト』と記された封筒ではなく、『ラ・ラ・ランド』で主演女優賞を獲得したエマ・ストーンの結果が記された封筒を渡してしまうという事件が起きており、バックステージで他の事に気を取られていたカリナン氏が間違った封筒を渡したとみられている。授賞式後、PwCは声明文を発表し、その中でハプニングの詳細を説明、謝罪。その一方で『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督はこの出来事について「大変なことにはなってしまったけど、ある意味素敵なことだった」と話している。(C)BANG Media International
2017年03月03日トランプ大統領就任式翌日、女性権利デモに参加したジェーン・フォンダ(写真:REX FEATURES/アフロ) 二度のアカデミー賞に輝いた女優ジェーン・フォンダ(79)が、オンラインガジン「Edit」で行ったブリー・ラーソンとの対談の中で、10代のときにレイプ被害に遭っていたことを明かした。 ヘンリー・フォンダの娘であるジェーン・フォンダは、幼い頃から舞台に立っていた。1960年に映画デビューし、『コールガール』(1971)、『帰郷』(1978)でアカデミー主演女優賞を獲得。女優として輝かしいキャリアを築き続ける一方で、反戦運動や女性の権利向上を訴えるフェミニズム活動にも力を注いだ。 ラーソンに「なぜフェミニストになったのですか」と問われたフォンダはこう答えた。 「私は50年代に育ち、フェミニズムに目覚めるまでには長い時間がかかったわ。これまでに会った男性の多くは素晴らしい人たちだったけれど、父権制度を信じこまされた犠牲者でもあった。私は貶められていると感じていたの。(中略)私はまだ子どもだった頃にレイプされ、性的虐待を受けていた。ボスと寝ることを拒んだら、仕事をクビになったこともあったけれど、それは自分が悪いんだと思い込んでいた。私がしたのは正しいことじゃなかった、とね。他にもレイプされた女の子たちがいたのを知っていたけど、それがレイプだとは思っていなかった。彼女たちも『いや』と言うことが間違っていると考えていたのよ」 男性優位のハリウッドで、女性は虐げられ、食い物にされ続けてきた。性的搾取を受けた経験が、フォンダをフェミニズムへと駆り立てたのだ。 大先輩の告白を受けて、ラーソンは「私は性的虐待被害に遭う役を2度演じたことで、被害女性と共にたくさんの活動を行っています。虐待が自分の責任だと考えることを被害者に許すべきではありません。それは“人を喜ばせたい病”なんですよね」と続けた。 レイプ被害に遭うと、女性は自分に非があったと思い込み、心を病んでいく場合が多い。フォンダはこの精神状態を「疫病」と表現した。今年80歳になる彼女は、今後も女性のための活動を続けていく。
2017年03月03日