映画『スウィート 17 モンスター』が、2017年4月22日(土)より、HTC 渋谷、新宿シネマカリテほかにて公開される。恋に恋する妄想だけがいつも空まわりして、学校の先生や母親を困らせてばかりの女子高校生ネイディーン。本作はそんな彼女を主人公に、自己中心的でありながらどこか憎めない、愛すべき17歳像をユーモアたっぷりに描いた“青春こじらせ映画”だ。主人公のネイディーンを演じるのは、若手実力派女優のヘイリー・スタインフェルド。『トゥルー・グリッド』の確かな演技力で14歳という若さでオスカーにノミネートされ、『ピッチ・パーフェクト 2』でその伸びやかな歌唱力を見せつけた彼女が、“Fワード”全開のマシンガントークで、誰もが通ってきた“自意識過剰で自己中だったあの頃”を熱演している。加えて、『ゾンビランド』(09)、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)等の個性派オスカーノミネート俳優ウディ・ハレルソン、海外ドラマ「クローザー」(05〜12)でゴールデングローブ賞を受賞しているキーラ・セジウィックが、青春をこじらせかけた主人公を見守る“大人になりきれない大人”を演じている。そんな本作でメガホンを取るのは、ウェス・アンダーソンやキャメロン・クロウらを見出してきた名プロデューサー、ジェームズ・L・ブルックスが新たに発掘した、ケリー・フレモン・クレイグ。初監督・脚本作品にもかかわらず、ゴールデングローブ賞のみならずニューヨーク映画批評家協会賞第一回作品賞受賞ほか4受賞、17ノミネートの快挙を達成した。【作品情報】『スウィート 17 モンスター』公開日:2017年4月22日(土) HTC 渋谷、新宿シネマカリテほかにて公開主演:ヘイリー・スタインフェルド、ウディ・ハレルソン、キーラ・セジウィック他監督・脚本:ケリー・フレモン・クレイグ製作:ジェームズ・L・ブルックス、リチャード・サカイ、ジュリー・アンセル2016/アメリカ/カラー/1h44min/© MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.【あらすじ】ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)は17歳の高校生。キスさえ未経験の、イケてない毎日。恋に恋する妄想だけがいつも空まわりして、教師のブルーナー(ウディ・ハレルソン)や情緒不安定な母親(キーラ・セジウィック)を困らせてばかり。たった一人の親友クリスタ(ヘイリー・ル・リチャードソン)だけが自分のすべてだと思っていたのに、何をしてもかなわないとコンプレックスを抱いていた人気者の兄ダリアン(ブレイク・ジェンナー)とクリスタが恋に落ちてしまう。疎外感から世界にたった一人取り残されたような気持ちになったネイディーンは、とんでもない行動に出るのだが...。
2017年02月12日『ブラック・スワン』でアカデミー賞主演女優賞を獲得した国民的女優ナタリー・ポートマンが主演する『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』。この度、日本でも今週公開となる映画『たかが世界の終わり』を手掛ける若き天才監督督グザヴィエ・ドランから、本作を絶賛するコメントが到着した。1963年11月22日、夫であるジョン・F・ケネディ大統領が目の前で銃弾に倒れ、ジャッキーことジャクリーン・ケネディの人生は一変した。しかし、彼女には愛する夫の死を悲しむ時間などなかった。夫の名が後世に残るかどうかは自分にかかっている。そう気付いたジャッキーは、最後の使命に身を投じる。ケネディ大統領を一番近くで見続け、彼を 伝説にした妻・ジャッキー。24歳で未来の大統領と結婚、31歳でホワイトハウスに入り、34歳で未亡人となったファーストレディの「最後の使命」とは――?第89回アカデミー賞にて3部門(主演女優賞、衣装デザイン賞、作曲賞)でのノミネートを果たした本作は、いまもなお高い人気を誇る世紀のファーストレディ、ジャクリーン・ケネディのJFK暗殺後の知られざる姿を描いたもの。主人公のジャッキーことジャクリーン・ケネディ役には、近年女優業以外にも監督、脚本家としても活躍する才能高き女優ナタリー。ジャッキーの独特のハスキーボイスとアクセントを完璧にマスターし、強さと弱さをあわせ持つ後期で繊細な魂をドラマティックに演じ切っており、メディアからも「過去最高の演技」と絶賛され、本年度の賞レースを席巻、現在までに16受賞・24ノミネートを果たしており、2度目のオスカー獲得に期待がかかる。そして今回、「最近の映画でこれほどエクスタシーを感じたものはほかにない!」と本作に対する熱いラブコールを寄せたのは、20歳という若さで監督デビューを果たした『マイ・マザー』が大きな話題となり、その後も『わたしはロランス』『Mommy/マミー』などを発表してきたドラン監督。昨年は史上最年少の若さでカンヌ映画祭の審査員も務めるなど世界から注目を集めている。また、彼のツイッターやインスタグラムでも、数回に渡り本作を紹介。主演のナタリーに対しては、「その優れた美学と感性をもって、これまでの彼女自身の限界を超えた最高の演技を見せてくれた!歩き方から声の抑揚、そして笑い方から静止する動作にいたるまで、彼女は現代における演技の技法を新しく塗り替えたんだ」と彼女の演技に心から魅了された模様。なお、ドラン監督の次回作『The Death and Life of John F. Donovan』(原作)には、ナタリーの出演も決まっており、絶賛する彼がどんな演出を施すのか、こちらも気になるところだ。『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』は3月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命 2017年3月31日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) 2016 Jackie Productions Limited
2017年02月12日ラッセ・ハルストレム監督の実写版『くるみ割り人形』の製作が、2018年の公開に向けて進んでいます。キャストは金平糖の精役にキーラ・ナイトレイ、人形使いのドロッセルマイヤー役にモーガン・フリーマン、少女クララ役にマッケンジー・フォイという魅力的なメンバー。公開前にストーリーを確認しておきたいと思っていたら、このタイミングで英国ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」が映画館で上映されると聞き、“映画館でバレエ鑑賞”を初体験してきました。「くるみ割り人形」のタイトルはよく耳にしますし、何と言ってもチャイコフスキーの音楽が有名です。しかし、日本ではほかのポピュラーなバレエの演目「シンデレラ」、「ロミオとジュリエット」などと比べると、詳しい内容はあまり知られていないかもしれません。私も「くるみ割り人形をもらった少女クララが、人形と一緒にねずみの王様と戦った後に不思議なお菓子の国への冒険へ繰り出す」というざっくりとした知識しかなく不安だったのですが、「英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン2016/17」の『くるみ割り人形』は、そんな初心者を置き去りにしない構成で作られています。バレエの舞台を見に行ってみたいけど、初めの一歩が踏み出せない…そんな人に自信を持ってオススメしたいのが“映画館でバレエ”という鑑賞スタイルです。■至れり尽くせりの解説付き&舞台裏が覗ける!映画館でバレエ鑑賞といえば、文字通り、バレエの開幕から閉幕までを撮影したものを見るというイメージがあるのでは?ところが、この『くるみ割り人形』では、練習風景、キャストや伝説的振付師ピーター・ライト(なんと90歳!)へのインタビュー(物語の解説もアリ)、バレリーナたちがトゥシューズの扱いにどんな工夫をしているかなどの裏話が第1幕と第2幕それぞれの前に流れ、演目に興味や親近感を沸かせます。物語の流れを聞いた直後に実際のバレエを見られるので、内容も理解しやすいのです。■特等席を独り占め!ダンサーの表情や光る汗までをも堪能4階建ての円形観客席を有する世界最高のレベルを誇る名門歌劇場「英国ロイヤル・オペラ・ハウス」。この劇場でわずか2か月前に上演された「くるみ割り人形」を、素晴らしいカメラワークにより、特等席で見ているかのようなゴージャス感に浸れます。オペラグラスなしに、ダンサーの豊かな表情、息づかい、汗まで目に出来るのは、“映画館でバレエ鑑賞”の最大のメリットでしょう。映画2本分のわずかな価格(特別料金:一般3,600円、学生2,500円)で極上のひとときを味わえるのもポイントです。■“体力大賞”は金平糖の精&王子!日本人ダンサーも出演見どころは、挙げたらきりがないほどたくさんありますが、中でも思わず息を止めて見入ってしまうのは、第2幕の金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ。たとえバレエの初心者であっても「ものすごく高度で、ものすごく体力を消耗する踊り」のオンパレードだというのが一目瞭然です。ペア、王子、金平糖の精、ペアの順で間髪を入れずにハードな踊りが続くのですが、ツラそう、大変そうなネガティブなイメージは一切にじませず、気品高く優雅に観客を魅了するプロ意識の高さ!王子役のフェデリコ・ボネッリも金平糖の精役のローレン・カスバートソンも、踊りだけでなくビジュアルもパーフェクトな美しさで、目を楽しませてくれます。アラビアン・ダンサーとして出演している日本人の平野亮一さんも、ミステリアスかつ力強い踊りで会場を盛り上げます。「くるみ割り人形」はクリスマスのお話なので時期は少しずれていますが、クリスマスのお祭りムードはいつ見てもワクワクするもの。今年のクリスマスに舞台のバレエ「くるみ割り人形」を見ることを目標に、映画館で予習するのもいいかもしれませんね。「英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン2016/17」は、現在公開中の『くるみ割り人形』を含め、バレエは『眠れる森の美女』など5本、オペラは『蝶々夫人』など3本が今後公開されます。それぞれ上映期間はわずか1週間で1日1回と限られているので、お見逃しなく!(Hiromi Kaku)
2017年02月11日第74回ゴールデングローブ賞にて、歴代史上最多となる7部門を受賞、先日発表されたアカデミー賞でも最多13部門14ノミネートした『ラ・ラ・ランド』。この度、絶大な人気を誇るグラミー賞シンガーで、『グローリー/明日への行進』の主題歌でアカデミー賞を受賞したジョン・レジェンドが、ミュージシャン役で本作に出演していることが分かった。夢追い人が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミア(エマ・ストーン)は女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末のバーでピアノを弾くセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会う。彼はいつか自分の店を持ち、本格的なジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて2人は恋におち、互いの夢を応援し合うが、セバスチャンが生活のために加入したバンドが成功したことから何かが狂い始める――。本作は、2人の若きアーティストが抱く社会生活と仕事のジレンマを描いた物語。今回、10度のグラミー賞に輝いた実績を持つR&B界のスター、ジョンが演じるのは、バンド「ザ・メッセンジャーズ」のリーダー、キース役。人気が急上昇してきた自分のバンドにセブを参加させたことでセブとミアの心がすれ違い始めることになる、作品にとって重要な意味を与える役どころだ。ジョンのキャスティングについて、プロデューサーのひとりフレッド・バーガーは、「この映画は常に夢の世界に存在しているようなものだったから、キャスティングに関しても現実的ではないオファーをしたんだ。それで、まさかいい返事がもらえるなんてね」と夢のような話だったと語る。また撮影では、「音楽の面で、彼が素晴らしいものを僕らに見せてくれることはわかっていたよ。でも演技という点では、ライアンに劣らない演技力が必要だった。そこで僕らは彼が生まれ持つ才能に圧倒されたよ。映画では歌だけじゃない、彼の色んな面を目にすることになると思うよ」ととても馴染んでいたと話している。一方のジョンは、「本業であるミュージシャンに通ずる役の中で、俳優としてキャリアを積みながら自分の幅を広げていけるなんて、願ってもないチャンスだったと思ったんだ」と今回の新しいことに挑戦できる機会にすぐに飛びついたとコメント。「才能ある監督が指揮を執り、なおかつ素敵な俳優陣と共演できるこの映画で、ミュージシャンを演じられるってところに惹かれたんだ」と出演決定の理由を明かした。またジョンにとって、セバスチャン役のライアン・ゴズリングと1対1で共演できるチャンスはとても喜ばしいものだったそうで、「ライアンは、いま活躍している中でも最高の俳優の一人だろ。だから本当に謙虚な思いで撮影に臨んだんだ。彼にはとても助けられたし、支えられもしたよ。ライアンが励ましてくれて、『大丈夫、俺ならできる』って気持ちになったからね」とライアンへの思いを語った。さらに、ジョンが制作に参加し「ザ・メッセーンジャーズ」が一躍有名になるきっかけとなった曲「Start A Fire」は、楽曲を制作したことでキャラクターへの理解をさらに深めたというジョン。「面白いことに、セブとキースがどんな音楽をやりたいのか模索するその間に、この歌はどんどん変化していったよ」と話し、「セブは、どこまでならポップミュージックの要素を入れてもいいか、どこまでなら自分のやりたい音楽を妥協できるか、という葛藤に悩まされるんだ」語る。それに対しライアンは、「ジョンが作ったのは、僕のキャラクターが経験する葛藤をより複雑なものにしてくれるような素晴らしい曲だったんだ」と絶賛した。なお、楽曲「Start A Fire」は2月17日(金)にリリースされる「ラ・ラ・ランド - オリジナル・サウンドトラック」に収録されている。『ラ・ラ・ランド』は2月24日(金)よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国にて公開。「ラ・ラ・ランド - オリジナル・サウンドトラック」は2月17日(金)リリース。(cinemacafe.net)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年02月09日韓国映画の名作『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督が最新作『お嬢さん』を携え来日し、2月8日(水)に都内で舞台挨拶が開催。ゲストとして真木よう子が来場し、作品の魅力について語り合った。「このミステリーがすごい!」第1位に選ばれたサラ・ウォーターズの「荊の城」を原作にした本作。財産乗っ取りを企む詐欺師のスパイとして貴族の令嬢のメイドになったスッキだったが、美しき令嬢・秀子に惹かれ、彼女もまたスッキを心から信頼し、2人は身も心も愛し合うように…。本作では1939年の日本占領下の朝鮮半島を舞台にしており、主要登場人物たちは韓国人俳優が演じているが、彼らは日本語のセリフを話している。チャヌク監督は「私なりに考え、解釈した日本文化を表現しました」と語り「韓国人の俳優たちが死ぬ気で長いセリフを覚えて言ってますので、みなさんには中途半端に聞こえるかもしれませんが温かい目で見ていただけると」と語る。真木さんは、これについて「私は観て、全く問題なかった!」と断言。「作品が圧倒的なので、パーフェクトではないかもしれないけど言葉のことは全然気にならなかった」と語る。これにはチャヌク監督もホッとした様子で「世界各国でお褒めの言葉はいただきましたが、やはり日本の方がどう観るかが一番心配でした。日本の素晴らしい女優である真木さんにそう言っていただけて嬉しい。いままでで一番感動的な感想の言葉でした」と喜びを口にした。真木さんは2人の女優をはじめ、俳優陣についても「みなさん、素晴らしかった」と称賛。メイドのスッキ役のキム・テリはオーディションで選ばれたが、監督はキャスティングについて「私は、頭の良い賢明な女性が好みです。ハッキリとためらうことなく自分の主張を表現できる女性が素晴らしいと思います」と語ったが、真木さんもその範囲に含まれるのでは?という質問に「ぴったりです」とニッコリ。真木さんは「『違う』って言えないでしょ(笑)」と恐縮していたが、監督は「従順で静かな女性は好きではありません」と語ると「じゃあ、ピッタリです!」と語り、会場は笑いに包まれた。真木さんも劇中で描かれている“強い”女性像に共感したようで「女性の結ぶ絆が描かれている。ハリウッドなどではそういう強い女性はいっぱいいるけど、日本ではまだ静かで(男性の)後ろを歩くようなところがまだある。アジアの女性はもっと主張していいし、強い女性が出てきてほしい。だからうれしかったし感動しました」と語った。チャヌク監督は「私が世界で一番好きな女性のキャラクターは、成瀬巳喜男監督の映画に出てくる高峰秀子さんです」と語り、映画の令嬢・秀子の名前もそこから取ったものだと明かした。今回、日本語を話す登場人物を日本人ではなく韓国人俳優が演じたのは、日本語だけでなくそれ以上に韓国語も話さないといけないという事情もあったそうで、監督は「私は韓国国内だけ、韓国人俳優だけで映画を作ろうとは思っていないので、いつでもいいストーリーがあれば、日本人俳優と日本で映画が撮りたいです」とも。真木さんは、この映画の女性のような役について「やってみたい。だいぶつらいでしょうが、やりがいがあると思います」と語る。監督は、真木さんが出演している是枝裕和監督の『そして父になる』を見ているそうで、この映画での真木さんについて「強靭さと優しさ、深みのある美しさと日常の生活感の相反する要素の両方を出すことができる女優」と絶賛。真木さんは「カムサムニダ(ありがとうございます)」と韓国語で返し、会場は再び笑いに包まれた。『お嬢さん』は3月3日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:お嬢さん 2017年3月3日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) 2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED
2017年02月08日ジェイク・ギレンホールが交通事故で妻を失うも泣くことができず、感情を失くしてしまった男を演じる映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』。この度、本作のスペシャル映像が公開された。デイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は、出世コースに乗り、富も地位も手に入れたウォールストリートのエリート銀行員。高層タワーの上層階で空虚な数字と向き合う、味気ない日々。そんな会社へ向かういつもの朝、突然の交通事故で美しい妻を失った。しかし一滴の涙も出ず、哀しみにさえ無感覚になっている自分に気づいたデイヴィス。彼女のことを本当に愛していたのか?僕の心はどこにいってしまったんだ?「心の修理も車の修理も同じことだ。まず隅々まで点検して、組み立て直すんだ」。義父からの言葉が引き金となり、デイヴィスは、身の回りのあらゆるものを破壊しはじめる。会社のトイレ、パソコン、妻のドレッサー、そして自らの結婚生活の象徴である「家」さえも…。あらゆるものを破壊していく中で、デイヴィスは妻が遺していた幾つもの“メモ”を見付けるのだが…。『ダラス・バイヤーズクラブ』『わたしに会うまでの1600キロ』のジャン=マルク・ヴァレ監督が描く本作は、何事にも無感覚になってしまい、妻の死に対しても何の感情もわき起こらない男デイヴィスが主人公の物語。交通事故で妻を失ったデイヴィスはその夜、病院の自動販売機でチョコレートを買おうとするも、うまく作動せず、そのことに対する苦情の手紙を(何故か、妻への本当の想いも交えて)書く。その手紙を顧客担当責任者のカレン(ナオミ・ワッツ)が対応したことがきっかけで、2人は出会い次第に惹かれ合うのだ。このほど到着した映像では、そんな妻を失ったにも関わらず、悲しむことのできないデイヴィスと、不器用に生きるシングルマザーのカレンの心の交流を描いたシーン。ある日カレンと出かけたデイヴィスは、海辺にあるいまは営業していないメリーゴーランドを見つける。妻を失ってから破壊行動に駆られているデイヴィスは、「解体する予定だ」と告げる店主に、自分にやらせてくれと志願するも、変わり者だと笑われてしまう。その帰り道、突然デイヴィスは海へと全力で走り出す。そしてカレンが追い、デイヴィスがカレンを肩車!名曲「ラ・ボエーム」の音楽をバックに、子どもの頃に戻ったかのようにはしゃぐ2人の姿は、まるでお互いの心の隙間を埋め合うかのようだ。2人の関係について監督は、「事故を体験し、デイヴィスは子どものようにふる舞うのさ。そしてカレンも子どものようで、2人は共に人生の意味を探し始める。純粋な心を持ってね。僕は感情をさらけ出すことができる人々を称賛したかった。僕は幸せを表現したかったわけじゃない。人生はつらく、暗いものだ。でも僕はその美しさを表現したかった」と語っている。『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』は2月18日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 2017年2月18日より新宿シネマカリテほか全国にて公開(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation, Demolition Movie, LLC and TSG Entertainment Finance LLC. All Rights Reserved.
2017年02月08日5歳から25年間迷子だった男が、Google Earthを駆使して生まれ故郷を探す。この現代のおとぎ話のような驚愕の実話を、『英国王のスピーチ』の製作陣とデヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマンら豪華俳優陣で描く『LION/ライオン~25年目のただいま~』。このたび、その本予告映像が解禁となった。インドのとある田舎町。停車中の電車で眠り込んでしまった5歳のサルーは、兄グドゥと離ればなれになり、遥か遠くの地まで列車で運ばれてしまう。25年後、養子に出されたオーストラリア・タスマニアで立派に成長したサルー。彼は、失った人生の一部を埋めるため、そしていまだ言えずにいる「ただいま」を伝えるために、生家を探し始める。手がかりはおぼろげな記憶と、Google Earth。1歩近づくごとに少しずつ蘇る記憶のカケラは、彼の人生の穴を埋め、次第にこれまで見えなかった真実を浮かび上がらせていく。大いなる“探し物”の果てに、彼が見つけたものとは――。第89回アカデミー賞にて作品賞および、助演男優賞(デヴ・パテル)、助演女優賞(ニコール・キッドマン)、撮影賞、脚色賞、作曲賞の計6部門にてノミネートされている本作。このたび解禁された本予告では、オーストラリアとインドという2つの国を舞台に、25年間迷子だった男が、過去と未来を行き来しながら自分の故郷を探す驚愕の人生の旅路が描かれている。主人公サルー(デヴ・パテル)はオーストラリアで養父母(ニコール・キッドマン&デヴィッド・ウェンハム)と幸せに暮らしていた。仲間たちとの食事の席で、彼は25年前にインドで迷子になり、以来離ればなれになった実の兄と母をずっと忘れられずにいたことを打ち明ける。「Google Earthなら世界中どこでも探せる、列車の距離が分かれば、距離が割り出せて故郷を探せるかもしれない」。わずかな記憶とGoogle Earthを頼りに生まれ故郷を探しはじめるサルー。幼いサルーがインドのスラム街で懸命に生き抜こうとする姿と、大人になりオーストラリアの地で自分のルーツを必死に求め続ける姿が次第に重なり…。デヴ・パテルやニコール・キッドマンの演技はもちろんのこと、撮影賞にもノミネートされた躍動感と臨場感にあふれた映像、作曲賞ノミネートのダスティン・オハローラン、ハウシュカの楽曲も強い印象を残す本予告。迷った距離1万キロ、探した時間25年を埋めていくサルーの“人生探し”の旅を、ここから確かめてみて。『LION/ライオン ~25年目のただいま~』は4月7日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:LION/ライオン~25年目のただいま~ 2017年4月7日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia
2017年02月07日先日のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングの来日も大盛況となった『ラ・ラ・ランド』。このほど、米アカデミー賞最多13部門14ノミネートのうち、衣装デザイン賞にノミネートされている、カラフルで華やかな衣装の数々が分かる場面写真が一挙解禁。エマ・ストーンとライアン・ゴズリングは、合計100回もの衣装チェンジをしていることが分かった。夢追い人が集まる街、ロサンゼルス(LA)を舞台に、カフェで働きながら女優を目指すミア(エマ・ストーン)と自分の店を持ちたいジャズピアニストのセブことセバスチャン(ライアン・ゴズリング)の恋と夢を描くミュージカル・ラブストーリー。衣装を手がけたのは、本作で2度目のアカデミー賞にノミネートされたメアリー・ゾフレス。ジョエル&イーサン・コーエン監督の『トゥルー・グリット』でアカデミー賞、英国アカデミー賞にノミネートされ、スティーヴン・スピルバーグ監督作『ターミナル』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、エマとライアン共演の『L.A.ギャングストーリー』などでも知られている。彼女は本作を担当するにあたり、『シェルブールの雨傘』や『バンドワゴン』『有頂天時代』など往年のミュージカルの名作を研究したが、決して模倣ではなく、むしろ形や色調はミアとセブが暮らす現代に入り込むことでインスピレーションを得て、「古典的なミュージカルのように全編を色であふれさせる」ということを目指した。その結果、今回、主演の2人はそれぞれ50回もの衣装チェンジを行うことになり、彼女とチャゼル監督はシーンごとに感情を伝える手段として色に集中したと明かす。ミアがセブと再会し、LAの夜景を見下ろしながらデュエットを踊る黄色のドレスは、ロマンスの初期段階を象徴するのに少女らしさを意識(場面写真A)。さらにミアの服には、クラシカルな魅力も添えられた。また、ミアのバリスタブラウスは、1940年代のイングリッド・バーグマンの美しいショットを元にし(場面写真B)、またバーグマンがごく初期のスクリーンテストで着ていたピンク色のホルタードレスと、よく似たドレスも用意された(場面写真C)。このドレスについて、ゾフレスは「サンフェルナンド・ヴァレーの古着屋で見つけた衣装よ。50年も前のものだけど、いま着ても素敵ね」と説明する。「最初は明るくて強烈な色の服を着せるの。そうすると少女らしさが出る。それから彼女が成長して仕事に入れ込むようになると、服の色の彩度を落として、1人前の女性になるシーンでは、文字どおり白と黒の服になる。そして5年後には、同じ女性なんだけど、より洗練された姿になっているの」。確かに、5年後のミアは甘すぎない色合いとデザインでファッションのこなれ感を演出し、自信に満ちあふれている姿を表現している(場面写真D)。ミアを演じるエマが高く飛び跳ねる演技をすると、彼女のドレスは揺れ動き、ひらりと舞う。ゾフレスは、エマが自分のデザインした衣装を見事に着こなしていることに「本当に着映えするの。彼女と試着室にいて、実際に、これだ、と思う瞬間が多かった。最高のカンバスだわ」と称賛を惜しまない。一方、ライアン演じるセブは、個性的な装いで上品さを強調。成熟していて特別な人間に見せるために、ほとんどがオーダーメイドで、伝統を感じさせる細身のシルエットの服を着せた。濃い茶色のスーツ(場面写真E)からロイヤルブルーのスポーツコート、そしてバンドのツアーでの全身黒の衣装(場面写真F)と、見た目の色合いも大切にしたという。また、セブは40年代に人気があったツートンカラーの靴を粋に履きこなす。ゾフレスは「セバスチャンは過去を自分の人生に取り込むことに情熱を捧げているから、この靴は彼のしるしにもなるの」と語る。ライアンはゾフレスの作りだしたものの虜になり、「彼女は、存命の衣装デザイナーで最も優れた人のひとりだ。彼女の衣装のおかげで1940年代と現代の感覚の間のバランスをとることができた」と絶賛を贈る。セリフ、演技、歌、撮影からセットとともに、衣装の細かな部分まですべてが同調して、融和し、まるで恋のように不思議とそれぞれの魅力以上のものを生み出した本作。ゾフレスの衣装が動けば、その映像美はさらに増幅する。そんな、これまでにない新体験をスクリーンで堪能してみて。『ラ・ラ・ランド』は2月24日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年02月06日公開に先駆けて行われたモニター試写で、女性の90%が涙したという号泣ラブストーリー『光をくれた人』。このほど、撮影を通じて実生活でも愛を育んだマイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィキャンデルのラブラブカットを含む場面写真が、いち早くシネマカフェに到着した。世界40か国以上でセンセーションを巻き起こした、オーストラリアの作家M・L・ステッドマンのベストセラー「海を照らす光」を映画化した本作。脚色および監督は、ある夫婦の幸福な記憶と愛の破綻を描いた『ブルー・バレンタイン』で大絶賛され、続く『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』では父と息子の二代に渡るドラマを描いたデレク・シアンフランス。これまでの作品同様、“演技”を越えたリアルを求めるシアンフランス監督は、本作でもわずかなキャストとスタッフだけで人里離れたロケ地で共同生活を行い、徹底的にリアリティを追求。前作『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』はライアン・ゴズリングとエヴァ・メンデスの交際のきっかけとなったが、本作で孤島の灯台守の夫婦を演じたファスベンダーとヴィキャンデルもまた撮影中に恋に落ちたといわれ、まさに演技を越えた愛の姿を目にすることができる。また、『ナイロビの蜂』でオスカーを手にした名女優レイチェル・ワイズが、子どもの実の母親ハナを演じている。今回到着した新たな写真は、灯台守のトム(ファスベンダー)とイザベル(ヴィキャンデル)の結婚式や、トムがイザベルの腰に手を回し、ダンスをリードするラブラブなカットほか5点。見つめ合う2人の幸せな表情は、思わずこちらもニヤけてしまいそうなほど。また、灯台に流れ着いた女の子を、我が子として育てる優しき父と母の顔をのぞかせるシーンや、大海原を目の前に物思いにふけるイザベルのどこか淋しげな表情、実の母親を演じるワイズの憔悴した表情もあり、ドラマティックな写真の数々から、本作に思いを馳せることができそうだ。『光をくれた人』は3月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月04日“若き美しき天才”グザヴィエ・ドランが、ギャスパー・ウリエル、ヴァンサン・カッセル、マリオン・コティヤールらフランスを代表する名優たちと組み、カンヌ国際映画祭にてグランプリ受賞を獲得した『たかが世界の終わり』。2月11日(土)に迫った日本公開を前に、12年ぶりにわが家に帰ってきた主人公を愛してやまない母を演じたナタリー・バイと、その妹を演じたレア・セドゥのインタビュー映像がシネマカフェに到着した。鮮烈なデビューを飾った『マイ・マザー』から、カンヌ審査員賞の『Mommy/マミー』、そして本作まで、映画界のみならず世界のカルチャーシーンに衝撃を与え、閃光を放ち続ける27歳、グザヴィエ・ドラン。最新作でドラン監督が切り撮るのは、愛しているのに傷つけ合う“ある家族の1日”。自らの死を家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷する人気作家。うまく想いを伝えられないその姿は、まさにミスコミュニケーションに陥った現代の家族の姿そのものだ。今回到着したのは、『アデル、ブルーは熱い色』で女優として初めてカンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝き、本作では主人公の兄ルイ(ギャスパー・ウリエル)に憧れる妹シュザンヌを演じるレア・セドゥと、ドラン監督とは『わたしはロランス』に続くタッグで息子を理解できない母マルティーヌを演じたナタリー・バイの、カンヌの地でのインタビュー映像。2人は、大好きな兄/息子との久しぶりの再会に好きな料理を用意したり、慣れないオシャレをしたりと、主人公の帰郷を心待ちにして“歓迎”する側だ。本作は「言葉に表されないこと」について描かれていると語るレアは、「愛する人に対して自分を表現することは不可能に近く、そこには必ず誤解が生じるということにフォーカスした作品」であり、だからこそ人々の心を動かすという。加えてナタリーも、「言葉よりも沈黙がパワフル」だと表現する。また、撮影現場でのドラン監督を、ナタリーが「彼は私たちと一緒に演技するの」と説明すると、「一緒に泣いて、一緒に笑ってくれる」とレア。「彼自身がとてもワクワクしていて、ハッピーでエネルギーを分けてくれる」と明かし、俳優としても活躍するドランだからこそ、演技自体にものめり込み、自由で若さあふれる独特の撮影現場についてふり返っている。そしてカンヌ国際映画祭について、みなドランを愛しているから「とても嬉しい」と語り、「グザヴィエは愛すべき、皆の心を揺さぶる存在なの」とドランへの愛を表している。『たかが世界の終わり』は2月11日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:たかが世界の終わり 2017年2月11日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次公開(C) Shayne Laverdière, Sons of Manual
2017年02月02日『ハドソン川の奇跡』での熱演も記憶に新しいトム・ハンクスが、自らベストセラー小説の映画化を熱望した『王様のためのホログラム』。このほど、予告編にもちらりと登場して話題となっていた、ベン・ウィショーの登場シーンの本編映像が解禁となった。大手自転車メーカーの取締役を解任され、家も家族も失ってしまった中年サラリーマン、アラン・クレイ(トム・ハンクス)。そんなアランは、今度は地球の裏側、はるばるサウジアラビアの国王に、最先端の映像装置<3Dホログラム>を売りに行く。ところが砂漠に到着すると、用意されたオフィスはボロテント、設備は整っていない。抗議したくとも担当者はいつも不在でプレゼン相手の国王すら、いつ現れるのかも分からない。心身ともに追いつめられたアランを助けてくれたのは、予想もしない人物だった――。異国の地サウジアラビアでさまざまな困難に見舞われるも、新たな人生を歩もうとする中年男アランを、ハンクスが喜々として演じている本作。今回到着したのは、いよいよ国王へのプレゼンが叶ったシーンだ。アランはついに機会を得て仲間とともに、国王へのプレゼンをスタート。アランの会社(アメリカ)とサウジアラビアの砂漠を繋いでみると、最先端技術の3Dホログラムで姿を現したのは、人気英国俳優ベン・ウィショー!本作のメガホンをとったトム・ティクヴァ監督とは、自身が大きな注目を集めた『パフューム ある人殺しの物語』、トムとも共演した『クラウド アトラス』と立て続けに組んでおり、本作でも友情出演を果たしている。ホログラムのベンは、相手の顔を触ろうとしたり、ボールを投げてみたりと、少ない出演シーンながら、ちょっぴりお茶目に存在感をいかんなく発揮。現在、日本ではキャリー・マリガン共演の『未来を花束にして』 が公開中だが、目下、エミリー・ブラント主演の『メリー・ポピンズ・リターンズ』(原題)や、キュートなクマの声を演じた『パディントン』続編の製作が進んでいる。新作の公開は来年以降となるため、本作はお茶目なベンに出会える貴重な機会となるかもしれない!?『王様のためのホログラム』は2月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:王様のためのホログラム 2017年2月10日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) 2016 HOLOGRAM FOR THE KING LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
2017年02月02日先日1月19日にHEAPS.株式会社が運営する本メディアBe inspired!主催で「ゲリラシネマ3」が行われた。「映画館“以外”の場所で、社会問題を知って、考えて、行動する」がコンセプトの映画上映イベントだ。テーマは日本でも深刻な社会問題の「フードウェイスト / 食品廃棄」。当日は、現在渋谷アップリンクで公開されている『0円キッチン』を上映。毎日大量に売れ残り捨てられてしまう食材を救うためにスーパーのゴミ箱にダイブしたり、いきなり一般家庭の冷蔵庫を抜き打ちチェックしたり、未来の大人たちと昆虫食を食べ比べたり…。各地で食材の無駄をなくすために、ユニークでおいしく楽しい取り組みをしている人々に出会い、「食」について、「環境」について考える内容となっている。 上映後は、日本で食に関する社会問題に対して取り組むゲスト4人を招きトークショーも開催。豪華なことに『0円キッチン』の主人公であり、監督のダーヴィド・グロス氏もスペシャルゲストとして参加した。欧州5カ国を5週間、ほぼ廃棄食材しか食べずに旅をした様子をドキュメントしたロード・ムービーを制作した彼が、本イベントで参加者100人に伝えたかったこととは一体なんなのだろうか。▶︎「ゲリラシネマ3」イベントレポート記事はこちら
2017年02月02日『シークレット・サンシャイン』『メモリーズ 追憶の剣』など数多くのヒット映画に出演し、内外から高い評価を受けるチョン・ドヨンと、『トガニ 幼き瞳の告発』「コーヒープリンス1 号店」などで多くの日本女性たちの心を鷲掴みにした長身イケメン俳優コン・ユが贈る正統派ラブストーリー『男と女』。2月4日(土)からの日本公開を前に、2人がお互いについて語る特別インタビュー映像がシネマカフェに到着した。フィンランドのヘルシンキ。子どもたちの国際学校で出会ったサンミンとギホンは、遠く離れた北のキャンプ場に2人で向かうことに。大雪で通行止めとなり、誰もいない真っ白な森の小屋で、2人は自然と体を重ね合わせ、互いの名前も知らないまま別れる。8か月後のソウル。フィンランドでのひとときを雪原が見せた夢だと思い、日常に戻ったサンミンの前に、突然ギホンが現れ、2人はどうしようもないほど熱く惹かれ合う。誰かの妻や夫として、自分自身の寂しさは忘れて生きてきた2人の男女が、お互いによって再び“男”と“女”に戻り…。それぞれ、過去の出演作でその実力をいかんなく発揮してきた2人が、待望の初共演となった本作。フィンランドの美しく輝く幻想的な雪原を背景に、誰かを深く愛するという最も原始的な感情の波と、その中に内在するドラマを追いながら、観る者の心の中にも愛を呼び覚ます究極のラブストーリーが、ついに日本上陸。今回公開となった映像は、初共演となったコン・ユとチョン・ドヨン、そして彼らの熱演を美しい映像の物語に仕上げたイ・ユンギ監督とキム・ドンヨン撮影監督のインタビューを収録。コン・ユは、ずっと憧れていたというチョン・ドヨンとの初共演への思い、ベッドシーンなどの撮影に緊張があったことを明かしつつ、初めて大人のラブストーリーに挑戦したことについて熱く語っている。一方、チョン・ドヨンやイ・ユンギ監督、キム・ドンヨン撮影監督は、それぞれから見た“俳優コン・ユ” の印象を激白。イ・ユンギ監督からはコン・ユの「“カッコよすぎる外見”が撮影前の不安要素だった」と冗談交じりに明らかにされる場面もあったが、それは実際に彼と会ってみて杞憂に終わったとも話している。初の恋愛映画に挑んだコン・ユが、ロマンスの女王としても名を馳せるチョン・ドヨンとともに贈る本作で、切ない大人の恋愛に酔いしれてみて。『男と女』は2月4日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:男と女 (2017) 2017年2月4日よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開(C) 2016 showbox and bom film productions ALL RIGHTS RESERVED.
2017年02月01日いい年したおとな7人が互いのスマホを見せ合う、という奇妙なゲームを描き、イタリアのアカデミー賞「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」で作品賞&脚本賞をW受賞、28週間ロングランという驚異的なヒットを飛ばした『おとなの事情』。このほど、あるシーンの本編映像がシネマカフェに到着。なんと、あのIT界の超大物から着信があったことが分かった!いまや、スマホはプライベートの詰まったブラックボックス。「ゲームをしない?食事中、かかってきた電話、メッセージをみんなオープンにするのよ」。友人夫婦7人が集う夕食の場で、エヴァはいきなりそう提案した。新婚のコシモとビアンカ、反抗期の娘に悩むロッコとエヴァ、倦怠期を迎えたレレとカ―ロッタ、恋人に今日のディナーをキャンセルされたペペ。「何かやましいことがあるの?」と詰め寄る女性陣に、男性陣も渋々ポケットをあさり、テーブルには7台のスマホが出揃った。メールが来たら全員の目の前で開くこと、かかってきた電話にはスピーカーに切り替えて話すことをルールに、究極の“信頼度確認ゲーム”が始まる――!本作のテーマは、スマホをめぐる“夫婦・親友の秘密”。7人の友人夫婦が集まる食事会で、スマホの履歴を見せ合うという世にも危険なゲームをきっかけに、疑惑の嵐が吹き荒れる。たった1台の小さなスマホから、夫婦間のもめごとのみならず、働く男女それぞれが抱える家庭の問題、仕事の悩み、変えられない自分の性格など、次々と本当のことが明るみになっていく。このたび本作から解禁された映像では、ディナー中に掛かってきた1本の電話がちょっとした謎を呼ぶ様子を切り取っている。キッチンで食事の支度をする妻のスマホに着信があり、それを覗きこんだ夫は暫く沈黙する。「スティーブ・ジョブズからだ」という彼に、周りの友人たちが「一体どういうこと?」と不思議そうな表情で見つめる。“スティーブ・ジョブズ”と登録されている人物とは誰なのか、はたまた本当にあの本人からなのか!?いや、もう亡くなっているはずなのに…。そんな小さな“秘密”や“自分の知らない相手のこと”に始まり、本編ではさらに大きな波乱が待ち受けているという。本作のインスピレーションになった出来事として、パオロ・ジェノヴェーゼ監督は、「知り合いのカップルに起こったことなんだ。男性が事故にあって入院し、女性が病院に向かったとき、彼の携帯を渡された。そこでいろいろなテキストメッセージを見てしまったらしく、彼が退院したらすぐ別れたカップルがいたよ」と明かしている。次々にかかってくる電話、ロック画面に表示されるメッセージ…。果たして、それをパートナーや友人たちと共有できるのか、ドキドキしながら見守っていて。『おとなの事情』は3月18日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月31日突然ですが、あなたはバラ色の人生?と聞かれ首を縦に振れる? "ラビアンローズ(=バラ色の人生)" なんておとぎ話と侮っていてはつかめる幸せも逃げてしまうかも。今年もまだ始まったばかりだし、たらればの御託を並べる前に "ラビアンローズ" への一歩を踏み出しませんか?戦後のシャンソンから生まれた "ラビアンローズ"すっかりカタカナで定着したこのフレーズが生まれたのは遡ること半世紀超、シャンソン歌手のエディット・ピアフが戦後直後の1946年に発表した〈 La vie en rose 〉からでした。Quand il me prend dans ses brasIl me parle tout basJe vois la vie en rose〈 彼の腕の中にいて/彼が優しく囁くとき/わたしはバラ色の人生を見る〉——、桃色だと違和感だったことからバラ色になったんだとか。けれども仕事に勉強にと追われる毎日を過ごすわたしたちは、毎日があっという間。ましてや〈 東京タラレバ娘 〉に震撼している女性たちからしたら、毎日がふわふわとバラ色に過ぎていかないことなんて、既知事項ではないかしら。魔法の代わりになるのは、鵜呑みにしない賢さこの名曲〈 La vie en rose 〉が奇しくもグラミー賞名誉賞を受賞した1998年に制作されたのが、映画〈 エヴァー・アフター(原題:Ever After)〉でした。"happily ever after." が由来であることから察しがつくように、原案はおとぎ話(シンデレラ)です。主役ダニエルを好演するのは、〈 E.T. 〉で天才子役の名を世界に轟かし、着実にキャリアを積んでいたドリュー・バリモア、当時22-3歳!(最新作〈 マイ・ベスト・フレンズ 〉も記憶に新しいですね。)この作品で注目すべきは、"シンデレラが実在した" という新しい切り口で描かれていること。それって、一見ものすごく可愛らしい響きだけれど、つまり、"ビビディ・バビディ・ブー!" を唱えてくれる魔法使いはいないからカボチャは馬車にならないし、歌いながらネズミはドレスを縫い上げてくれない。じゃあ、どうやって王子のハートを射止めたのかって?キーになったのは『ユートピア』でした。16世紀に英国人思想家のトマス・モアが出版した、現代に至るまでの名著ですね。亡くなったダニエルの父が残した形見の書籍として、彼女が後生大事に持っていた宝物でした。読書家だったダニエルは、この本で架空国家として登場する "ユートピア" と父との思い出と重ね合わせ、心の拠り所としていたのです。読書家だった彼女は、ひょんなことから王子様にこの一節を諳んじるほか、機転の利いた行動の数々で、魔法がなくても、彼のハートをつかんでいくのです。ラビアンローズへの一歩はユートピアと入れ替わりにかといっても、現実世界でバラ色の人生を歩もうたって、いま世界はトランプ大統領を起点にその一挙手一投足にあたふたするばかり。金色になったカーテンや傍若無人な大統領令の報道に、ビフ・タネンを彷彿とさせられるけれど、これは紛れもない現実のお話。その一方、自由を奪われ(かけて)いる人々の多くは声を上げ、その輪は大きくなってきているというのも現実のお話であることを忘れてはいけません。先日のウィメンズ・マーチへのエマ・ワトソンの参加は心強かったし、@Trump_Regretsや#Trumpretsからは後悔が先に立たないことをわたしたちは学んだはず。ところで、〈 エヴァー・アフター 〉で義理の姉は物語の終盤、ダニエルの『ユートピア』を燃え盛る暖炉の中へ投げ捨てます。唯一の形見が灰になった姿を見てダニエルは怒り心頭、その後継母らへの猛攻へでるのです。つまり、強烈なマイナス体験が、結果的な "happily ever after" へと向かうトリガーとなったのです。現実はもっと複雑怪奇だとしても、今のあなたがダニエルだとしたら、この瞬間からバラ色に染められるかはあなた次第だと思いませんか?そもそもバラ色とはマゼンダと赤の間にあるいくつかの色を指す言葉であり、カラーコードが指定された一色ではありません。ということで、ピアフの歌う「バラ色」に加えて、自戒も込めてこの言葉を。人生はバラ色。/願わくば情熱的な真紅の薔薇より/100色の薔薇の花束を抱えていたい(THE LADY / La vie en Rose)ROBEがこれまでもこれからも提案したいのは、ヒールが側溝にハマって転んでも、至らなさに辟易して泣き明かしても、それでもしなやかな強さを失わないレディたち。2017年のみなさんが、十人十色のラビアンローズを手にできますように! エヴァー・アフター (1998)監督:アンディ・テナントキャスト: ドリュー・バリモア、アンジェリカ・ヒューストン、ダグレイ・スコット、ジャンヌ・モロー ほかこんなときに観たい:自分の背中をちょびっと押したいとき参考:トマス・モア「ユートピア」(1957、岩波文庫 赤202-1)〈 洒脱なレディ論 〉では映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていきます。目指すのは、混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きるための指南書です。 過去のアーカイヴはこちらText. Midori TokiokaIllustration. Sandra Jockus
2017年01月30日映画『エル ELLE』が2017年8月25日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。監督は『氷の微笑』のポール・ヴァーホーヴェン監督。主演はフランスの至宝イザベル・ユペールだ。彼女は本作で第89回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。イザベル・ユペール演じるミシェルは、ゲーム会社でCEOとして働いていたがある日自宅で覆面を被った男に襲われる。自分のペースを崩さず何事もなかったかのように日常生活を送るミシェルだったが、襲われた記憶がフラッシュバックし彼女を蝕み始める。自分をもてあそんだ犯人の正体を突き止めるべく、周囲に探りを入れていくミシェルだったが、やがて自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされ、周囲を巻き込み波乱を巻き起こしていく――。カンヌ国際映画祭での上映時も衝撃的な内容が話題になった本作、今夏の日本での公開に期待が高まる。【詳細】『エル ELLE』公開日:2017年8月25日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー監督:ポール・ヴァーホーヴェン出演:イザベル・ユペール、ローラン・ラフィット配給:ギャガ© 2015 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS– TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION – FRANCE 2 CINÉMA – ENTRE CHIEN ET LOUP
2017年01月29日ジェイク・ギレンホールが妻に先立たれても泣けない男を演じる『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』。このほど、原題である『Demolition』=“破壊”を象徴する、彼の悲しみが転化したかのような“破壊行動”映像が到着した。デイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は、出世コースに乗り、富も地位も手に入れたウォールストリートのエリート銀行員。高層タワーの上層階で空虚な数字と向き合う、味気ない日々。そんな会社へ向かういつもの朝、突然の交通事故で美しい妻を失った。しかし、一滴の涙も出ず、悲しみにさえ無感覚になっている自分に気づいたデイヴィス。彼女のことを本当に愛していたのか?僕の心はどこにいってしまったんだ?「心の修理も車の修理も同じことだ。まず隅々まで点検して、組み立て直すんだ」、そんな義父(クリス・クーパー)からの言葉が引き金となり、デイヴィスは身の回りのあらゆるものを破壊しはじめる――。『ダラス・バイヤーズクラブ』『わたしに会うまでの1600キロ』で知られるジャン=マルク・ヴァレ監督が、ジェイクを主演に自らの感情とうまく向き合えない男の喪失と再生を描く本作。今回解禁されたのは、感情の行き場を失くした主人公のデイヴィスが、身の回りのあらゆるもの、自らの結婚生活の象徴である“家”さえも破壊しまくる本編映像。デイヴィスは、通りかかった工事現場で、自らの手持ちの全財産241ドルを支払ってまで家の解体を手伝い、さらにデイヴィス自身の新築並にきれいな自宅を、ハンマーを手に大胆にも粉々に破壊するシーン。まさに“破壊”を象徴する感情高ぶる大事な場面となっている。スーツ姿でハンマーを持ち、お金を支払ってまで家の解体を手伝うデイヴィス。何かに取りつかれたかのように破壊していくその異様な様に、工事現場の人たちも「野獣だな」「ヤク中だろ」と呆気にとられている。さらに、「結婚生活を破壊する」と自身の豪邸を、歳の離れた友人であるカレン(ナオミ・ワッツ)の息子クリス(ジューダ・ルイス)と次々に壊していくデイヴィス。音楽にノリながら、後先考えずテーブルも棚も窓ガラスも、“家”が粉々になるほどに、すべてを破壊し尽くしていく…。実はジェイク自身、17歳のときに解体工事現場で働いていた経験があり、本作ではその経験を活かして渾身の“破壊”を披露。ラストカットでは、クリスがどこか遠い目をするデイヴィスを励ますようなシーンとなっており、強烈な破壊の後の空虚感をほのかな温かさが包み込む映像となっている。『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』は2月18日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 2017年2月18日より新宿シネマカリテほか全国にて公開(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation, Demolition Movie, LLC and TSG Entertainment Finance LLC. All Rights Reserved.
2017年01月29日アスガー・ファルハディ監督最新作・映画『セールスマン』が2017年6月よりBunkamuraル・シネマほか全国で順次公開される。カンヌ国際映画祭にて「脚本賞」と「主演男優賞」を受賞した作品だ。さらに、第89回アカデミー賞の「外国語映画賞」を受賞。『セールスマン』あらすじ戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中の夫婦。夫は教師をしながら、小さなの劇団で妻とともに俳優としても活動している。ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、ふたりの穏やかだった生活は一変する。事件を表沙汰にしたくないと警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべくひそかに犯人捜しを続ける。演劇と犯人探し、夫婦の感情のずれがスリリングに絡み合い、やがて物語は思わぬ展開へと向かう。『別離』のアスガー・ファルハディ監督『セールスマン』の監督は、ベルリン国際映画祭で史上初の主要3部門での受賞を果たした『別離』、ベレニス・ベジョに主演女優賞をもたらした『ある過去の行方』など輝かしい経歴を持つ名匠、アスガー・ファルハディ監督だ。ファルハディ監督の得意とする緻密な脚本と繊細な演出、スリリングな心理描写は『セールスマン』でも存分に発揮されている。本作はイラン国内では60万人の大ヒットを記録し、第89回アカデミー賞の「外国語映画賞」を受賞。【作品情報】『セールスマン』2017年6月よりBunkamura ル・シネマ、ほか全国順次公開監督・脚本:アスガー・ファルハディ出演:シャハブ・ホセイニ/タラネ・アリシュスティ配給:ドマ、スターサンズ(C)MEMENTOFILMS PRODUCTION?ASGHAR FARHADI PRODUCTION?ARTE FRANCE CINEMA 2016
2017年01月28日映画鑑賞中、手元のノートにメモを取る癖のあるわたしは物語中盤、イヴの言葉にハッとする。『この先の10年を社会に文句を言っているだけで過ごしていいの?』この言葉を思わず走り書きで、書き留めた。ゴッド・ヘルプ・ザ・ガールーーー、20代前半のわたしにとってはまるで生き写しのような映画のひとつだ。精神疾患ガールの爽やかなまでの成長物語高校卒業後してすぐ男を追って渡英したイヴは精神を病み病院暮らし。物語はその病棟を抜け出して潜り込んだクラブで心優しいギタリスト(だけれども大学内にあるプールのライフガードで生計を立てている)のジェームズと出会うところから始まる。ジェームズはスクールカーストの底辺を生きてきたようなTHE 文化系ボーイ。ギタリストとしていつか自分のレコードをリリースすることを夢見ながら、現実は日々ライフガードで日銭を稼ぎ、クラブで自作の歌を披露しようものなら地元のギャングに叩かれる。そんなさえないジェームズを気に入ったイヴはある日、彼の住むアパートメントの隣の部屋に転がり込む。ウェイターの仕事を見つけ、病院から持ち出した薬が減っていくのに比例して、充実した新生活を始めていた。そんな毎日において、ジェームズがイヴの音楽の才能に気づくのにそんなに時間はかかるまい。すぐにジェームズは彼女を名ばかりのアシスタントに命名し、教え子キャシーの元へと訪れる。私立学校に通う生粋のお嬢様であるキャシーは、大した才能もないのに歌を作りたい情熱はジェームズを個人レッスンを依頼するほど。こうして集まった3つの才能は、1つのバンドとして開花する。…と、ここまで読んだ方は、音楽を通じてヒロインが自己発見をするなんてきっとわたしたちはハイスクール・ミュージカルでお腹いっぱいだと仰るかもしれない。たしかによくあるといってしまえばそれまでのあらすじだろう。それが新鮮なのは終始曇り空で展開される物語の色合いと、それを助長させる全編16mmフィルムで撮影された映像の果たす役割は大きい。そもそもこの映画は構想から数えると10年もの月日をかけて作られた映画。ベル・アンド・セバスチャンのフロントマンであるスチュアート・マードックがランニング中に思いついたフレーズから端を発したこの作品は、彼自身が引きこもり生活を経験していたこともあり、イヴはどこまでも繊細で詳細に、そして物語は常に優しいトーンで紡がれていく。唯一の救いは、歌うことバンドのサクセスストーリーでもなければましてや恋愛映画にすら属さない。それどころかどこにも着地点を持たぬまま、バンドは解散。結局、イヴはグラスゴーという小さな田舎町から飛び出しロンドンの音楽大学を目指す。ジェームズはあいかわらずライフガードの生活だ。別の道を選んだ経緯は、まさしくスタンスの問題である。イヴにとって音楽というものは、いま以上に広い社会と共有したいという目的において唯一の手段であり、それは「自分のレコードが出せれば満足、誰が聴くかは二の次だ」というジェームズの想いとはとっくに違ってしまっていた。「小説や映画ならあなたたちは恋人同士になるはずなのに」「僕らはちがう。イヴにとっての唯一の救いは歌なんだ」というキャシーとジェームズのやりとりがその核心を突いている。好きの一辺倒だけでは、惚れた腫れたは続かぬというのは世の常のよう。評論家らしく時代背景を分析して共通点を見つけては賛否を述べる……ことよりも、主人公と同じ目線で「今」に胸を焦がすことをこの映画においてはオススメしたい。特に、いまレディへと向かう同世代の一人として。殊にゴッド・ヘルプ・ザ・ガールは、人生のこのポイントで出会えてよかった作品のひとつになること請け負いです。そして観た後にぜひ問わせてください。『この先の10年を社会に文句を言っているだけで過ごしていいの?』と。さあ、貴女ならどんな答えを用意する?God Help The Girl / ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール監督・脚本:スチュアート・マードックキャスト:エミリー・ブラウニング、オリー・アレクサンデル、ハンナ・マリー ほかこんな時に観たい:ひとつの恋が終わったとき、次の環境へ行くとき公式サイト 〈 おこぼれ話 〉ゴッド・ヘルプ・ザ・ガールと同時期に、 BORN TO BE BLUE という映画を鑑賞する機会に恵まれました。イーサン・ホーク演じる伝説のトランペッター、チェッド・ベイカーの半生を描いたこの作品は、一度地に落ちた名声の復活という華やかさの裏で、恋人の支えも虚しく麻薬に溺れる彼自身のリアリティをおぞましいほどに大衆的に描いた秀作。芸を極めるために孤独はいつも付きまとい、それでも芸術家は愛と引き換えにしてでも芸に惹かれることもある、と。(本邦公開の情報が一向に耳に入らないことが信じ難いほどに素晴らしい作品だと思っている。※ 2016年冬より無事、日本公開。)もっとも、麻薬や名声といった類いの単語は、瑞々しいゴッド・ヘルプ・ザ・ガールの世界には縁遠い。それでも、イヴにとっての唯一の救いが歌(音楽)であるという点と、チェッド・ベイカーとの共通点を鑑みればわかるように、ゴッド・ヘルプ・ザ・ガールが一辺倒な恋愛映画や青春スポ根映画とも一線を画しているという事実に、底なしの不気味さを感じてしまったのはいうまでもありません。【 洒脱なレディ論 】とは、映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていく連載です。混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きる指南書を、目指します。過去のアーカイヴはこちらText. Midori Tokioka (@mdrtkk)
2017年01月28日「スターウォーズ脚本家」がメガホンをとる90年代ラブコメローレンス・カスダンはスターウォーズⅣでは脚本チームに参画し、2015年公開されたエピーソードⅦでは脚本の主担当。もともと教師を目指していたが、広告業界でコピーライターとしてキャリアをスタートさせたカスダンは、ハリウッドに脚本を送り続けた成果が実を結び『ボディーガード』が映画化。その後脚本家・プロデューサーとしてキャリアを築いてきた彼が監督を務めたのが、1995年公開のラブコメ映画『フレンチ・キス』です。舞台はフランスカナダ国籍取得中の歴史教師ケイト(メグ・ライアン)は、医者のチャーリーとの結婚を間近に控え、すっかり有頂天気分。しかし仕事でパリに行っていたはずの彼は現地で新しい恋に落ちてしまう。ケイトの心配をよそにアバンチュールを満喫する彼に、国際電話で一方的に別れを切り出される。なんとかして彼の気持ちを取り戻そうと、苦手な飛行機に耐えてパリへ向かったケイトは、現地で即盗難に遭い一文無しという災難続き。しかも、そこで出会った一人の怪しげなフレンチ男(ケビン・クライン)と、ひょんなことからチャーリーが羽を伸ばすカンヌへと一緒に向かうことに。〈これだ!〉を逃してしまっても更新しつづけること「タイミング」の重要性を説くのは結婚に限ったことではないようだけれど、最たる例は結婚だ、といわれるのは多くの人が直面する出来事だからかもしれない。実際のところ人間関係と相性の良い言葉だけあって、それは仕事でも恋人でも言えてしまことに過ぎない。つまりあのとき〈これだ!〉のタイミングを逃しても(こうじゃなかった (よかった)!)なんてよくあること。もちろん、それで後悔することも宜なるかな、ではありますが。でもそしたら別の〈これだ!〉を見つけられれば良いわけです。現に、111分のこの映画で証明されている通り、主人公ケイトは婚約者との〈これだ!〉を逃すものの、その後運命的な恋に落ち着きます。結局、〈これだ!〉という確信はそのときどきで違っていて、掴みつづけることがわたしたちにとって「幸せ」という精神状態なのかもしれませんね。パリジェンヌでないヒロインの THE フレンチファッションいまとなってはレッドカーペットに登場するたびに「まるで別人」「どうしちゃったの?」と整形疑惑をかけられるメグ・ライアンも、かつてチャーミングっぷりを世界中にばらまいていたというなによりの証拠。その魅力は『フレンチ・キス』の3年後に制作された『ユー・ガット・メール(原題 You’ve Got Mail)』でもいかんなく発揮されています。『フレンチ・キス』でも、彼女のボーイッシュな魅力が最大限に表現されていたので特にファッションは要チェック。ほぼ全編フランス撮影というこの作品のひとつのポイントは、主人公ケイトの終始クリーンな THE フレンチシックなルックたち。2000年代に流行ったウルフカットをさらに短くしたようなボーイッシュなヘアは、外ハネで多少の野暮ったさをトッピング。洗いざらしのボーダートップスをダボっと着て、裾はご丁寧にストレート・ジーンズにイン。オーバーサイズのお陰で彼女の華奢さが目立ち、ラフな服装が余計に彼女の魅力を増幅させているかのようです。映画のラストシーンはプロヴァンスの地で、流れるBGM "La Vie en rose" というこれ以上ないラブコメ王道の徹底ぶり。終始恋愛に生きるヒロインからの恋愛賛歌、つかの間の休息に幸せな気分になれることまちがいなし。 『 フレンチ・キス 』監督:ローレンス・カスダンキャスト:メグ・ライアン、ケヴィン・クライン、ジャン・レノ ほかこんな時に観たい:片手間でキュンとしたい時 アーカイヴはこちらから【 洒脱なレディ論 】とは、映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていく連載です。混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きる指南書を、目指します。Text. Midori Tokiokaillustration. Hitomi Ito
2017年01月28日いつだって、おとぎ話はハッピーエンドだ。逆境に立ちひどい仕打ちを受けるお姫様には、かならず白馬の王子様が現れる。苦労は報われ王子様に見初められ、キスのひとつで永遠の眠りからだって目を覚ます。幸せむんむんの場面は《END》の文字であっさり幕引き、残されたわたし達は、わずかな高揚感を抱えながらいつもの日常へと戻る。"越境レディ" はそんなお姫様を羨ましくも恨めしく、挙句のはてにあたしにゃ関係ないと強がるかしら。この連載【 洒脱なレディ論 】では毎回映画や音楽、文学から舞台に至るまでさまざまな作品を通じて "レディ" を論じていく。第一回目の今回のテーマはROBEのキーワードでもある "越境レディ" 。そもそも越境とは境界を超えることーーー、白馬の王子様におんぶに抱っこじゃお荷物だって思うよね?おとぎ話はハッピーエンドと相場が決まっているけれど、現代において白馬の王子様の出現率は極めて低い。じゃあわたし達は現実世界において、幸せむんむんになる資格はないって?もちろん、そんなはずはない。血眼になって王子様を探すのもいいけど、まずは王子様に求める「なに」を考えてみるのは如何だろう。すこし迷った女友達がいると真っ先に手渡してしまう映画を紹介したい。マフラーで顔の半分を隠した女の子が印象的なメインビジュアル。2008年に公開された映画、『PENELOPE(ペネロピ)』である。名前はペネロピ、歳は25。名家の一族生まれで、生まれたときからブタの鼻を持つ。それは遡ること五代前、親戚の過ちが招いた呪いによるものだった。世間の好奇の目から娘を守らんとする母親により、自室と邸宅内でペネロピの人生は完結していた。その、クスッと笑ってしまう設定にあくまでもおとぎ話であることを想うが、"レディ" にとって顔面中央がブタのパーツだなんて死活問題。言わずもがな、愛娘を持つ母親にとっては、耐え難い事実だ。しかもその呪いを解く鍵は王子様からキスされること、愛を誓い合うこと、らしい。おとぎ話の相場通りだ。よしんばこのおとぎ話において、ペネロピが "越境レディ" な理由はふたつある。ひとつは外の世界へ自力で足を踏み入れたこと。25年間の箱入り生活/18歳から7年間ものお見合い生活(しかも専用のお見合いスタッフまで雇って!)に辟易した彼女は、ある夜こっそりロンドンの街へと逃げ出す。家(といっても名家だから超豪邸!)から街へと越境し、マフラーで鼻を隠して心ゆくまま自由を享受する。夜の出店から漏れる光、大道芸人にはしゃぐ子供たち、公園に溢れるシャボン玉、パブで知り合う女友達、壁に根を張るクリスマスローズ、そしてア・パイント・オブ・ビール。見るもの嗅ぐもの飲むものすべてが新鮮で、と同時にペネロピは自分の足で立つことを知る。誰かに依存するでも、誰かに過保護にされるでもなく、幸せの手綱を手繰り寄せられることを知る。そして、呪いを解く鍵はキスだけではない、と。ブタの鼻という最上級のコンプレックスを抱えていた彼女は、箱入り娘から華麗な展望を遂げる。そんな生活を経て、"I like myself the way I am!(わたしはいまのままのわたしが好きなの!)” と母親に言い放った彼女は、紛れもなく "越境レディ" に違いない。もちろん、相場通りに『PENELOPE』はハッピーエンドで完結する。この場合、ハッピーエンドとは呪いが解けること。というと、ペネロピには白馬の王子様が現れ……たかどうかはぜひ確認して欲しい。しかしながら、ひとつ断っておくと、王子様からのキスでペネロピの魔法が解けたわけではない。解決方法は実にわたし達のリアリティとなんら変わらない。そこには、越境をするまでのお手本のような道のりが描かれているのだ。ところで、誤解を恐れず書くとすれば "越境レディ" は欲張りだ。あたしにゃ関係がない、と前述したことを取り下げるつもりはない。が、決してお姫様願望がないわけじゃない。選んだ先で王子様が白馬に乗ってるのならば万々歳、手放しで喜んじゃったりもするだろう。だからこそ、待ってるだけじゃないんだよ、とわたし達は声を大にして言っているのだ。想い人を前に、"I’m still me.(わたしはわたしのままよ)" と言ったら貴女は、すでに "越境レディ" だ。そしてそれは、ペネロピが "越境レディ" であるもうひとつの理由。 "越境レディ" とは、詰まるところ自分の選択に素直で居続けられることに帰結する、のかも。超える手筈は整えるまでもなかったみたい。王子様に求める「なに」を考えてみたら、見えるものは案外ある。なぜならリアリティは〈END〉ひとつで幕引きなんてしないんだから。飛んでくぐってその先へ。数多の越境繰り返し、〈END〉のその先は、それまでよりずっと長く続いていく。だからこそ越境の向こうにある〈エンド(END)〉抜きの〈ハッピー〉を、わたし達は手に入れるのだ。 『PENELOPE / ペネロピ』監督:マーク・パランスキーキャスト:クリスティーナ・リッチ、ジェームズ・マカヴォイ ほかこんな時に観たい:自分の背中をちょびっと押したいとき、俗気のないキュンが欲しいとき 〈 おこぼれ話 〉小汚いもののトラッドスタイルを見に包むジェームズ・マカヴォイが、終始醸し出す雰囲気も本作大きな魅力のひとつ。名家の子息として登場したものの、昼夜ポーカーに明け暮れるギャンブル漬けで訳ありげな雰囲気。好きなタイプは王子様!と言いながらも、結局惹かれるのはこういう男性でしょ?を具現化しちゃった感じがたまりません。その背徳感くすぐるは、なんといってもその瞳。見透かされたような澄んだ瞳は、あゝ眼福です。 過去のコラムを覗いてみよう【 洒脱なレディ論 】とは、映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていく連載です。混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きる指南書を、目指します。Text. Midori Tokioka
2017年01月28日GWみなさんいかがお過ごしですか?GW話題の映画を並んで観るのもいいけれど、せっかくのお休みだしインドア映画鑑賞に勤しむのもおすすめです。そこでレディの皆さんに向け、とっておきの3本の映画セレクトしました。どれも、観て心がフッと軽く温かくなる映画なので、ぜひレンタルや配信サービスでチェックしてみて。1. なにを喪っても、自分を待っててくれる場所がある 〈エリザベス・タウン〉監督の原体験でもある、父親の死という喪失と、その際出会った人々との温かい関わりによる再生をテーマに描かれる物語は、主人公同様に日常を見つめ直す機会になるはず。キルスティンとオーランドのカップルも、文句無しの見惚れる美男美女。物語をあれこれ語るよりまずは観て感じる映画。ひとつ言及するのなら、10代の頃から『ローリング・ストーン』誌の記者を務めていたキャメル・クロウ監督らしい、幅広い選曲が劇中を彩ります。映画の持つ温かくゆったりした雰囲気を決定付けた Nancy Wilson の 60B は必聴。サウンドトラックを入手して遠出したくなってるかも。『エリザベスタウン』(2005)監督:キャメル・クロウキャスト:オーランド・ブルーム、キルスティン・ダンスト、ジェシカ・ビール ほかこんな時に観たい:日々を新鮮に感じたいとき、閉塞感から抜け出してスカッとしたいとき 2. 失恋は、あたらしい自分と出会う章の始まり 〈マイ・ブルーベリー・ナイツ〉一つの恋の終わりと始まりまでを描いたロードムービー。ノラ・ジョーンズのうぶな演技を固める豪華な共演者は必見。特にジュード・ロウの安定のイケメンぶりには、毎度のことながらため息が出ます。彼の持つ気怠さにすら心奪われてしまうこと間違えなし。ほか、エリザベスが旅先で出会う二人の女性をそれぞれ ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズという実力派が固めます。特に品行方正なイメージのある普段のナタリー・ポートマンとは全く異なる不良女子っぷりは気持ちいい。そしてこの映画はなんといっても鍵になるのはブルーベリーパイ。せっかくお家で鑑賞するのなら、ちょっと贅沢に帝国ホテル内ショップで購入できるガルガンチュワのブルーベリーパイをお供になんていかがかしら?主人公エリザベスのほろ苦い恋の終焉と端緒を一緒に味えば、また違った映画の楽しみ方もできるはず。『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2007)監督:ウォン・カーウァイキャスト:ノラ・ ジョーンズ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズ ほかこんな時に観たい:真夜中に一本観たいとき、だれかに会いたくなったとき 3. 最高の友情があればどんなことでも乗り越えられる 〈きっと、うまくいく〉原題を直訳すれば ”3人のバカ”……その言葉通り、何もかもが型破り!スピルバーグ監督も手放しで褒めちぎった、ボリウッド映画の勢いが詰まった一本。過度な格差社会や学歴社会が問題視されている今日のインド。ある大学での学生生活を通じ、その実状を皮肉たっぷりに描いた爽快な友情ストーリーに、ついつい「そうそう!」と膝を打って笑っている貴女がいるはず。観終わった頃には “Aal is well (All is well)” と口走っていること請け負いです。目先の利益のために何かに迎合するんだったら、真にかけがえのないものを見つけるためにいますべきことは?そんなことを思わず考えてしまう3時間です。『きっと、うまくいく』(2009)監督:ラージクマール・ヒラニキャスト:アーミル・カーン、R.マドハヴァン、シャルマン・ジョシ、カリーナ・カプール ほかこんな時に観たい:閉塞感から抜け出してスカッとしたいとき、なにかに迷ったとき 過去のコラムを覗いてみよう【 洒脱なレディ論 】とは、映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていく連載です。混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きる指南書を、目指します。Text. Midori Tokiokaillustration. Hitomi Ito
2017年01月28日「ロックンロールは "リスク" だ。やるからには笑われる覚悟を持て」鑑賞中にノートとペンが手放せないわたしが走り書きしていたのが、タイトルにしたこの台詞。その日の夜、感傷に浸りながらサウンドトラックをDLしたらご丁寧に楽曲#0にそのまま収録されていた。イヤホン越しにそれを聞いて思わず、胸を撫でおろす。どうやら製作陣からの投げかけをきちんと受け取れていたようだ。音楽映画ファンの心を虜にしてやまないジョン・カーニーの最新作は、前作につづき舞台はダブリン。時は1980年、思春期真っ只中の引っ込み思案の少年コナーがバンド活動を通じて成長していく様を瑞々しく描いた良作だ。不況ゆえに失業した父の独断で、敬虔な私立学校から荒れる男子校へと編入することになるコナー。自己確立のために、そして一目惚れした女の子を振り向かせるため、バンド「シング・ストリート」を結成し音楽の世界へとのめりこんでいく。お読みの通り、これだけだとありがちな青春映画のような筋書きであり、実際にその指摘は間違ってはいない。しかし多くの映画人音楽人といった玄人が口を揃えて絶賛する理由は、この2つに絞れるような気がしている。「音楽愛溢れる緻密なスタッフワーク」と「 "青春が持つ純粋なまでの輝き" の再現性」だ。音楽愛溢れる緻密なスタッフワーク何と言っても特筆すべきは劇中を彩る名曲の数々。ジョイ・ディヴィジョン、デュラン・デュラン、ザ・キュア、ザ・クラッシュといった、当時の80年代UKロックへのオマージュをまぶした挿入歌の数々は、鑑賞後も一向に鮮明さを失わない。同時に、この年代はMTVに端を発した、"音" のみならず当時最先端のイケてる表現とされた "MV映像" が、この映画をより映画たらしめる役割を果たしている。(UKロックの主戦場がロンドンともなれば、リアルタイムでアントン・コービンがUKロックスター達を片っ端から撮影していた時代。実際にアントンは初の監督作品〈コントロール〉でジョイ・ディヴィジョンのボーカル、イアン・カーティスの自伝を撮影している。)70年代のパンクからの反動か、内省的で陰鬱さが色濃い80年代のUKロックは、思春期の果てしない悩みと相性が良い。それが特に特徴的なシーンは、"happy-sad feeling" の形容としてコナーの兄・ブレンダンが選んだザ・キュア。これが90年代の出来事だとしたら真っ先にHighをコナーに差し出してたかしらと思わず広がる想像、妄想。UKロックに限らず、ラフィーナの登場シーンは〈グリース〉のサンディのそっくりのロカビリールック、校内ディグのシーンでは赤い革ジャンを羽織ったブレンダンはまるで〈ウェストサイドストーリー〉のリフではないか!ご丁寧にランブルシーンまで再現されており当時のファンには涙ものだ。"青春が持つ純粋なまでの輝き" の再現性往往にして、青春だけの輝きみたいなものに人はめっぽう弱い。80年代に "青春" を過ごした人は幾度となく首を縦に振ったろうし、ミレニアル世代のわたしたちは似て非なる80年代の "青春" を追体験しただろう。似て非なる、を増幅させているのがやはり技術革新によるところ。2016年なら、彼女の自宅のポストに録音したカセットテープを投函しなくてもスマホで録音してボイスメールを送ればいいし、急に遠くへ行ってしまってもSNSでストーキングしてしまえばどこで何をしているかはだいたいわかる。不便さと空白がもたらす余計な解釈は、現代社会の "青春" にとってはむしろ新鮮だ。もうひとつ言及しておきたいのが、青春映画のエンディングについて。ハッピーエンドのエピローグがhappily ever afterだという保証はないし、コナーとラフィーナは早々にダブリンへ舞い戻ったかもしれない。よしんば今回に限っては、エピローグの考察はナンセンスだと言いたい。なぜって、『シング・ストリート 未来へのうた』は他の誰でもないジョン・カーニー自身の青春が原案であり、ダブリンから遥か遠いトーキョーにはこの映画を観んとて足を運ぶ人たちがいるからだ。その上でラストシーンを観ると、祖父のクルーザーのシーンはこれ以上なく眩しい。BGMはマルーン5の “GO NOW” 。同監督の前作〈ONCE ダブリンの街角で〉からのエールのような出来すぎた演出。それは80年代のUKロックへのオマージュを描き切ったカーニー自身が、まるで2016年以降の未来へと歴史を紡いだようだった。1人で天才になる人間などいないし、誰もが誰かの系譜を引き継いで今日に至るわけで、歴史とフィクションが混同する瞬間を垣間見て、思わず目頭が熱くなってしまう。もし、やってみたいことがあるのに胸が燻って見えない何かが足かせになっていたら、 貴女はコナーの勇姿に魅了されるはず。最後の最後にコナーみたいな選択が採れますよう、引用のダメ押しで締めくくろう。「汝の道を進め、そして人々をして語るにまかせよ!」(ダンテ『神曲』より)『 シング・ストリート 未来へのうた 』監督・脚本:ジョン・カーニーキャスト:フェルディア・ウォルシュ‐ピーロ、ルーシー・ボイントン、ジャック・レイナー ほかこんな時に観たい:やりたいことに一歩踏み出す勇気が欲しいとき 【洒脱なレディ論】 過去のコラムを覗いてみる【 洒脱なレディ論 】とは、映画・音楽・本・舞台といった作品を通じて、様々なレディ像を紐解いていく連載です。混沌とした時代に軽妙洒脱なレディとして生きる指南書を、目指します。Text. Midori Tokiokaillustration. Hitomi Ito
2017年01月28日男女平等に参政権がある時代に生まれた私たちにとって、それはあって当然。でも、サウジアラビアで婦人参政権が認められたのは2015年のこと。現代でも女性が政治参加することが当たり前ではない世界がまだあるのです。映画『未来を花束にして』は、1912年のロンドンを舞台に、男性中心の社会の中で、婦人参政権を獲得するために自らを犠牲にして闘った女性たちのドラマ。当時、女性は感情的で気まぐれで、男よりも劣っているため政治には向かないとされていて、男の所有物のように扱われていました。どんなに虐げられても、抗議の声など聞き入れられず、黙って男に従って生きるのが当たり前だと思っていた時代。女性活動家たちの言葉に触れ、いまとは違った生き方ができる可能性に気づいていくヒロイン、モードが強さを花開かせていく姿が印象的です。モードは、洗濯女。当時は、電気洗濯機が一般家庭に普及していませんから、洗濯は大変な重労働だったと言います。洗濯女たちは、生活に不可欠な衣・食・住の「衣」を支える縁の下の力持ちだったわけです。重労働に加え、洗剤やガス、熱湯に日々晒される過酷な環境、恵まれない待遇に耐えながらも、黙々と働いていたモードたちの姿を観ていて、数年前に訪れたインドはムンバイの巨大洗濯場「ドービーガード」を思い出しました。ムンバイには、100年以上の歴史を持つ巨大屋外洗濯場があり、毎日ムンバイ中にあるホテルや病院をはじめ、街の洗濯屋、個人宅から莫大な量の洗濯物が運ばれてきます。たまたま、その中を見学する機会があったのですが、そこには、何人もの洗濯夫・婦がいて、洗う、乾かす、届けるところまでを引き受けているのです。言うなればそこは、来る日も来る日も誰かの汚れ物を綺麗にする人々が暮らすひとつの街。誰かが美しく着飾ることができるのも、彼らの仕事あってこそなのです。きっと彼らは、美しく豪華なドレスをクリーニングしていても、それを着て出かける日が自分にやって来るとは考えもしないのでしょう。徹底した格差社会であるインドでは、産まれた環境から抜け出すのはとても大変なこと。その可能性が少なければ少ないほど、ありえない希望を抱く者も少ないわけで、だからこそ格差があることに疑問を持つ人も少ないのでしょう。モードが、婦人参政権獲得のために、下院の公聴会で証言をする場面で、なぜ参政権を望むのか尋ねられ「いまとは違う人生を生きられるかもしれないから」と話します。女性たちから奪われてきた多くの可能性にモードが気づきはじめる様子がとても心に響くのです。権利が当然のようにあるからと言って、決してないがしろにしてはいけないことを、この映画は教えてくれているのです。出演したメリル・ストリープが言っています。「すべての娘たちはこの歴史を知るべきであり、すべての息子たちはこの歴史を心に刻むべきである」映画はイギリスで実際に起きた事件をモチーフに作られていますが、世界の女性たちは、この権利を手にするために同様に闘ってきました。もし、自分の一票に大して意味がないと思っているなら、ぜひこの映画を観て欲しいと思います。自分が投じる一票ぐらいでは何も変わらないと思っていても、あきらめずに自分の意志を主張し続けることの大切さを感じることができるでしょう。私たちにできることはそれぐらい。でも、それによって大きな変化を生むことができるかもしれないという希望に、当たり前のことが当たり前にある幸せに、本作はしっかりと気づかせてくれるのです。(text:June Makiguchi)■関連作品:未来を花束にして 2017年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.
2017年01月26日1月19日にHEAPS.株式会社が運営する本メディアBe inspired!が、『ゲリラシネマ3』を開催。嬉しいことにチケットは完売。約100名の方にお越しいただきました!ゲリラシネマとは、「映画館“以外”の場所で、社会問題を知って、考えて、行動する」がコンセプトの映画上映イベントです。今回の会場は表参道に位置する“ソーシャライジング”をコンセプトとした素敵なスペース『TRUNK (HOTEL)開業準備室』。
2017年01月24日20世紀の幕開けとともに彗星のごとく現われ、スキャンダラスな逸話と挑発的な名画の数々を残して、28歳の若さで早世した異端の天才画家エゴン・シーレ。その愛の物語を描く『エゴン・シーレ死と乙女』から、複雑に入り組んだ彼の恋愛模様を象徴する本編映像がシネマカフェに到着した。第一次世界大戦末期のウィーン。表現主義を代表する天才画家エゴン・シーレはスペイン風邪の流行によって、妻エディットとともに瀕死の床にいた――。時を遡ること、1910年。美術アカデミーを退学したシーレは、同世代の画家仲間と“新芸術集団”を結成、16歳の妹ゲルティをモデルにした裸体画で頭角を現していた。そんなとき、ヌードモデルのモアと出逢う。褐色の肌を持つエキゾチックな彼女をモデルにした大胆な作品で一躍、脚光を浴びるシーレ。その後、敬愛するグスタフ・クリムトから赤毛のモデル、ヴァリを紹介されたシーレは、彼女を生涯のミューズとして数多くの名画を発表。幼児性愛者という誹謗中傷を浴びながらも、2人の信頼関係は、文字通りシーレを時代の寵児へとのし上げていく。しかし、第一次世界大戦が勃発。シーレとヴァリの関係も、時代の運命に翻弄されてしまう――。16歳でヌードモデルを務め、敬愛する兄を献身的に支え続けた妹ゲルティ、そしてクリムトのモデルを経て、シーレとは公私にわたるパートナーとなった赤毛のヴァリ。数多くのモデルと浮名を流したシーレにとって、とりわけ大きな存在となった2人の女性との濃密な愛の日々を通じて、芸術を追求し続けるシーレの姿を、本作では赤裸々に描き出す。シーレ役には、モデル出身で本作が長編映画デビューとなる新星ノア・サーベトラが大抜擢。プレイボーイで非情、野心的なシーレを、その儚げな美貌とともに説得力たっぷりに息づかせた。今回解禁となった本編映像は、シーレの最高傑作といわれる「死と乙女」が中央に飾られた展示会の様子を収めた1シーン。幼い子どもの手を引き、建物に足を踏み入れるのは、シーレの妹ゲルティ。彼女は兄シーレへの当てつけのように、兄の友人と結婚した。また、ゲルティが挨拶を交わしている女性は、シーレの妻エディット。その一方で、展示会の中心に飾られた「死と乙女」のモデルは、公私にわたるパートナーとして彼の美のミューズであり続けたヴァリだ。実は、超絶イケメンであり非情なプレイボーイでもあったシーレの複雑な愛の模様を描いている象徴的なこのシーン。撮影されたのは、実際にウィーンにある「セセッション館」というウィーン分離派の展示施設。「死と乙女」の上にあるクリムトのベートーベン・フリーズという絵画は、いまでもそこに飾られている。本シーンでは、壁一面にシーレの絵が展示されているので、目を凝らしてみてほしい。『エゴン・シーレ死と乙女』は1月28日(土)より Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月21日『LION/ライオン ~25年目のただいま~』の演技で賞レースを席巻中のニコール・キッドマンが、上流階級の生活を捨てアラビアの各地を旅した女性を演じる『アラビアの女王 愛と宿命の日々』。1月21日(土)に公開が迫った本作から、主演ニコールと2人のイケメン俳優、ジェームズ・フランコとダミアン・ルイスとのラブラブ画像がシネマカフェに到着した。20世紀初頭、ひとりの女性が英国を旅立ち、アラビアの地へ向かおうとしていた。彼女の名はガートルート・ベル。やがて彼女はイラク建国の立役者として尽力、イラクとヨルダン両国の国境線を引くことにも携わる。砂漠に魅せられ、その土地に根づき、研究に情熱を注いだ彼女を、アラビアの人々は尊敬の意を込めて“砂漠の女王”と呼んだ――。知られざるガートルード・ベルの半生を、ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督のもと、オスカー女優ニコール主演で描き出す本作。知性とたくましさを兼ね添え、どこかミステリアスな魅力を秘めたガートルード・ベルの姿は、まさにいま世界を牽引する女性リーダーたちの先駆者として映る。砂漠地帯で4Kカメラを駆使して行われた撮影は、昼夜問わず常に過酷なものだったというが、本作でもニコールの美しさは健在。今回は、そんなニコール演じるガートルードと、ジェームズ演じる英国大使館書記官の若き青年ヘンリー、ダミアン演じるトルコ英国領事館の副領事官であるリチャードとの、報われぬ恋をとらえた貴重なショットが解禁となった。まず、2枚はジェームズとの広大な砂漠をバックにしたロマンチックなシーン。英国上流階級の鼻持ちならない男性たちとは違い、ベルの好奇心を受け入れ、彼女を支えていくヘンリーに、ベルは夢中になりプロポーズも受けるが、身分の違いにより2人の恋はなかなか実らず…。彼女の手記を忠実に再現し、砂漠をバックに情熱的に見つめ合う2人には思わずうっとりするほど。また、3枚目はダミアン演じる既婚者リチャードと抱き合うカット。不倫関係にあり許されざる恋に落ちてしまったベルの運命は果たして…。砂漠を旅する強く美しいガートルードと、2人のイケメンとの実らぬ恋にも注目してみて。『アラビアの女王 愛と宿命の日々』は1月21日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月18日エル・ファニングを主演に、『ドライヴ』『オンリー・ゴット』などで映画ファンの度肝を抜いてきたデンマーク出身の鬼才ニコラス・ウィンディング・レフンが贈る『ネオン・デーモン』。先週末1月13日(金)より公開となった本作は、土日2日間とも全国の劇場で満席続出、ミニシアターランキング1位を獲得する大ヒットスタートとなっていることが分かった。エル・ファニングが田舎からLAに出てきたばかりの新人モデル、ジェシーを熱演する本作。さらにジェナ・マローン、ベラ・ヒースコート、アビー・リーといった注目女優たちが競演するほか、カメラマン志望の青年に『LOVE【3D】』のカール・グルスマン、ジェシーが泊まるモーテルの支配人にキアヌ・リーブスと脇を固めるキャスト陣も話題を呼んでいる。初日13日(金)にはTOHOシネマズ新宿で夜の回が満席、翌14日(土)には前日の時点でTOHOシネマズ新宿の初回から4回目までが満席となったほか、メイン館のTOHOシネマズ六本木ヒルズでも初回から4回目まで、TOHOシネマズ流山おおたかの森でも満席が出るなど、初日から3日間で計15回が満席に。日曜日もその勢いは止まらず、全国で満席の回が続出する盛況ぶり。土日2日間で観客動員5,193名、興収675万6,300円、初日~3日間累計で動員7,030名、興収は933万0,100円となっている。客層は、男女比6対4と男性の比率がやや高く、20代~40代を中心にシニア層まで幅広く集客。レフン監督の最新作ということで映画ファンはもちろん、ファッションやカルチャー好きなカップル、夫婦などでの鑑賞も見られた。また、SNSも大盛上がりを見せ、「レフン監督史上、最高傑作!」「今年のぶっちぎりナンバー1! エル・ファニングが美しすぎる!」「脳に直接刺さるような映像と音楽にクラクラ!」など興奮の書き込みレビューを始め、「気持ち悪い! 1回見たら頭から離れない! 」「今年NO.1の問題作!」「観に来たカップルが上映後も立ち上がらず、地獄みたいな顔をしてた」など好奇心をかき立てるようなレビューもあり、騒然となったカンヌ同様、賛否分かれるクチコミが飛び交っている。『ネオン・デーモン』はTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ネオン・デーモン 2017年1月13日より全国にて公開(C) 2016, Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch
2017年01月17日二子玉川ライズS.C.では、1月23日(月)から「Pure Heart Valentine」をテーマにしたバレンタインフェアが開催されます。大切な人に贈る心のこもったチョコレートや、プレゼントにぴったりのアイテムがたくさん用意されているので、さっそくチェックしていきましょう!間違いないおいしさ!「マヨルカ」の日本限定チョコラテ世界最高峰の国際的洋菓子協会「ルレ・デセール」の会員で、マヨルカの製造責任者である「ミゲル・モレーノ・ニエト」監修による、この時期だけの日本限定販売のチョコラテをスペイン・マドリードからお届け!バレンタインフェアに先行して、1月12日(木)から販売が始まっています。2月11日(土・祝)・12日(日)にはミゲル・モレーノ・ニエト氏が来日予定です。ぜひ世界トップクラスのチョコレートを味わってくださいね。●ハートチョコラテ セット(6個入り)1,950円(税込)5つの異なるフレーバーのハートチョコラテ(紅茶・シトロネラ・アニス・カモミール・コーヒー)とココアクリームチョコラテの6種詰め合わせ。日本オリジナル商品です。●Mallorcaチョコラテ セット(9個入り)2,500円(税込)スペイン・マドリードの本店でも大人気の8種のチョコラテに、アニス風味のハートのチョコラテを組み合わせた9個セット。大人な彼にあげたいチョコですね。【販売期間】1月12日(木)~2月14日(火)※商品がなくなり次第終了大人のバレンタインにぴったり!「二子玉川 蔦屋家電」の贈る家電二子玉川 蔦屋家電ではバレンタインに「贈る家電」にスポットを当てて展開。女性から男性にだけでなく、女性から女性に向けた商品も用意しています。オリジナルのお菓子作りが楽しめる調理家電も多数揃っているので、おうちデートでも使えそうですね!こちらは自宅で簡単にポップコーンが作成できる「ビタントニオポップコーンメーカー」(¥7,322)。自分ではなかなか買わないけれど、もらったら嬉しい!というツボをつく家電が揃っています。【期間】2月1日(水)~2月14日(火)「109シネマズ二子玉川」にバレンタインカクテル登場109シネマズ二子玉川では映画とともに楽しめるバレンタインカクテル「モーツァルトの果実」が限定販売されます。チョコレートの甘さの中に、大人な甘酸っぱさを含んだ、さっぱりとしたデザートカクテルです。【販売期間】1月21日(土)~2月14日(火)【料金】1,000円(税込)そのほか、1月23日(月)~2月14日(火)のバレンタインフェアではハートの折り紙を折れるコーナーが登場したり、ハートがいっぱいのフォトスポットも登場。大好きな恋人や家族、おともだちと遊びに行きたくなる企画もりだくさんの二子玉ライズで、とっておきのバレンタインシーズンを楽しみましょう!イベント概要名称:二子玉川ライズバレンタインフェア日程:1月23日(月)~2月14日(火)
2017年01月14日寄宿舎を舞台に少女たちの激しくも儚い愛を描き、国際的に高評価を得た『翼をください』(’01)、病いの少年と幻の蝶をめぐる奇跡の実話を映画化した『天国の青い蝶』(’04)などで知られるカナダを代表する女性監督、レア・プール。彼女が、時代に翻弄されながらも音楽の力を信じる教師と生徒たちを描き、本年度カナダ・ケベック映画賞最多6部門を受賞した『天使にショパンの歌声を』から本編映像がシネマカフェに到着した。1960年代、白銀の世界に佇む小さなカナダの寄宿学校。そこは音楽教育に力を入れ、コンクール優勝者も輩出する立派な名門校だった。しかし、ケベックの急速な近代化により、修道院による学校運営が見直され、採算の合わない音楽学校は閉鎖の危機に直面する。校長であり教育者であるオーギュスティーヌは必死に抵抗し、音楽の力で世論を動かす秘策を考える。一方、転校してきたばかりの姪アリスに天性のピアニストの才能を見出すが、アリスは一筋縄ではいかない問題児。オーギュスティーヌは、孤独で心を閉ざしたアリスに、音楽の素晴らしさを教えようとするが…。カナダ・ケベックの近代化を社会背景に、つつましくもたくましく、伝統と歴史に立ち向かう女性たちの姿を音楽を通して描き出す本作。劇中には、ショパンの「別れの曲」、リストの「愛の夢」など涙を誘うピアノの有名曲から、モーツァルト、ベートーヴェンのピアノソナタ曲、そして心洗われるヴィヴァルディの合唱曲「グローリア」など数々の名曲が彩り、『天使にラブ・ソングを…』も彷彿とさせる“シスター・アクト”を見せている。また、実際に新進気鋭ピアニストとして活躍中のライサンダー・メナードの見事な演奏も光る。今回到着したのは、女子音楽学校の寄宿舎での夜の過ごし方を垣間見ることができる本編映像。女子たちは全員、真っ白なネグリジェ姿、クッキーと牛乳で小腹を満たしながらおしゃべりに花を咲かせるのが夜の常。しかも、大切な話し合いは、なぜか決まって夜に行われるから、大騒ぎに!このシーンについてレア・プール監督は、「この年頃の少女たちの扱いは実は慣れていて、監督になる前、教師をやっていた経験が役に立ちました」とコメント。「自分のフィルモグラフィーを見ると思春期の物語が多く、なぜ自分がそこに魅かれるのかわからないのですが、この映画では時代の変化が背景なので、少女から大人への変化という意味でもつながりました」と語る。「キャスティングでは、キャラクターを重視しながらいろいろなタイプの女の子を選び、実際に演出する上では彼女たちに委ねました。特に、エリザベス(実は美声の持ち主のメガネ女子・スザンヌ役)やライサンダー(天才ピアニスト少女・アリス役)には確信がありました」と自信をのぞかせ、「このシーンは、特別な集会だったんです。オーギュスティーヌ校長が、マスコミに演奏を披露するから皆で頑張るわよ!と号令をかけるために集めたものでした」と明かしている。彼女たちが閉鎖寸前の学校を守るため、どんな歌声と演奏を聴かせてくれるのか、劇場で確かめてみて。『天使にショパンの歌声を』は1月14日(土)より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月13日