スペインの鬼才ペドロ・アルモドバルが製作し、昨年のヴェネチア国際映画祭にて最優秀監督賞となる銀獅子賞を受賞した『エル・クラン』。このほど、9月17日(土)に迫った公開を前に、本作の主人公たち、プッチオ家のあまりにもドタバタな(?)誘拐の一部始終がシネマカフェにて解禁となった。80年代初頭、軍事独裁政権崩壊後のアルゼンチン。善悪の基準が変わりゆく中で暮らすエリート一家のプッチオ家は、突如、無職になってしまう。さあどうする!?ピンチの果てにたどり着いた稼業は、なんと“身代金ビジネス”だった!アルゼンチンで知らない人はいないというほどの実話を完全映画化し、本国で大ヒットとなった本作。「映画化にあたっての改変はなし!」とプロデューサーも断言する衝撃作だ。解禁となった本編映像では、真っ昼間のブエノスアイレスを走る1台の車、リアガラス越しに運転する男を、カメラは映し出していく。すると、前から歩いてきた青年が手を振り、男は車を停止。リッキーと呼ばれる男と青年はどうやら友だち同士で、車がガス欠になったから助けて欲しいと言う。快く車に乗せるリッキー。だが、車に乗り込んだ青年はプッチオ家の長男・アレハンドロだ。以前、参加したパーティーでナンパした女性の話をしながら、交差点を曲がるリッキー。車内にはTHE KINKS「Sunny Afternoon」の軽快なリズムが響いている。交差点の先にはアレハンドロの青い車が。その車に近づいたそのとき、左手から灰色の車が飛び出し、前を塞ぐ。すぐさま、手に拳銃を持ったマスク姿の男たちが車を取り囲み、「マスクをかぶれ」「出ろ!」「手を上げろ」と、怒号が白昼の交差点に響き渡ることに!車から引きずり出され、目隠しを被せられたリッキーは、そのまま車のトランクへ。しかし、あまりの抵抗になかなかトランクが閉まらない。一方、アレハンドロもマスクを被せられ、助手席に座らせられる。走りだす車、息を整える男たち。背後のトランクからはリッキーの叫ぶ声が聞こえてくる。みな、おもむろにマスクを取り、アレハンドロもそれにならうと、運転席の白髪の男が「大丈夫か?」と尋ねる。「アレックス?」と心配そうな男に、ようやくアレハンドロは口を開く。「ああ 父さん」――。まさかの白昼堂々に行われた、アルゼンチンを震撼させたプッチオ家のドタバタ誘拐。監督こだわりの長回しで描かれるシーンを、まずはこちらからご覧あれ。『エル・クラン』は9月17日(土)より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月03日映画『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』が、2017年1月、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー。第二次世界大戦後、数多くの戦犯が海外へ逃亡し、ナチス・ハンターによる執拗な追跡作戦が繰り広げられていた。600万人を強制収容所へ移送させたアドルフ・アイヒマンもその重要人物の1人。本作は、アイヒマン拘束に関する極秘作戦の裏側の真実を描くサスペンス。そして、捕獲作戦を実現へと導いた陰のヒーローというべきひとりのドイツ人・検事長フリッツ・バウアーにスポットを当てた実録ドラマだ。1960年に潜伏先のアルゼンチンでイスラエルの諜報機関モサドに拘束され、エルサレムの法廷へと引きずり出され世界中に中継された“アイヒマン裁判”は当時の人々に衝撃を与えたという。いかにして消息不明のアイヒマンを発見し、追いつめていったのか。緊迫感のある予告編映像も解禁。危険を冒しながらも次第にアイヒマンを追い詰める、正義と信念を貫こうとするバウアーの姿が映し出されている。監督はドイツの気鋭ラース・クラウメが担当。主演は『ブリッジ・オブ・スパイ』『ヒトラー暗殺、13分の誤算』などで話題を集めたブルクハルト・クラウスナー。その他、ロナルト・ツェアフェルトなど、ドイツ内外で活躍する俳優たちが集結。なお、『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』は、ドイツ映画賞で、作品賞、監督賞など最多6部門を受賞、世界の映画祭を席巻した。さらに、10月15日(土)から開催されるドイツ映画祭2016「HORIZONTE」でジャパン・プレミアへ登壇することが決定。世界中で絶賛された注目の本作をいち早く日本で見ることができるチャンスだ。【ストーリー】1950年代後半のドイツ・フランクフルト。検事長フリッツ・バウアーはナチスによる戦争犯罪の告発に執念を燃やしていたが、未だ大勢の元ナチス党員が政治の中枢に残りあらゆる捜査は遅々として進まなかった。そんなある日、バウアーのもとに数百万人のユダヤ人を強制収容所送りにした親衛隊中佐アドルフ・アイヒマン潜伏に関する手紙が届く。アイヒマンの罪をドイツで裁くため、ナチス残党が巣食うドイツの捜査機関を避け、イスラエルの諜報機関モサドにコンタクトをとりアイヒマンを追い詰めていく。しかしその頃、フランクフルトではバウアーの敵対勢力が、彼の失脚を狙って狡猾な謀略を巡らせていた…。【概要】映画『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』英題:The People vs Fritz Bauer公開:2017年1月出演:ブルクハルト・クラウスナー、ロナルト・ツェアフェルト、リリト・シュタンゲンベルク、イェルク・シュットアウフ、セバスチャン・ブロムベルク監督:ラース・クラウメ配給:クロックワークス/アルバトロス・フィルム2015年/ドイツ/シネマスコープ/105分/(c) 2015 zero one film / TERZ Film
2016年09月02日映画『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』が2017年2月11日(土)より、Bunkamura ル・シネマほかで全国順次ロードショー。本作は、2016年度ベルリン国際映画祭 金熊賞(グランプリ)を獲得した。メガホンをとるのは、映画『ローマ環状線 めぐりゆく人生たち』などで知られるジャンフランコ・ロージ監督だ。舞台は、イタリア最南端のランペドゥーサ島。北アフリカにもっとも近いヨーロッパ領の小さな島であるこの地は、別の顔を持っている。アフリカや中東から命がけで地中海を渡り、ヨーロッパを目指す多くの難民・移民の玄関口なのだ。この島に住む12歳の少年・サムエレ。どこにでもある日々を生きている島の人々同様に、彼もまた、友だちと手作りのパチンコで遊びながらなにげない毎日を過ごしていた。この島の日常を温かくも冷静な眼差しで見据えることで、世界の縮図が浮かび上がる、静かなる衝撃作となっている。■ストーリーイタリア最南端、北アフリカにもっとも近いヨーロッパの小さな島、ランペドゥーサ島。12歳の少年サムエレは友だちと手作りのパチンコで遊び、島の人々はどこにでもある日々を生きている。しかし、この島にはもうひとつの顔がある。アフリカや中東から命がけで地中海を渡り、ヨーロッパを目指す多くの難民・移民の玄関口なのだ。島を通して温かくも冷静な眼差しで世界を見据える、静かな衝撃のドキュメンタリー。【作品詳細】映画『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』公開時期:2017年2月11日(土)より、Bunkamura ル・シネマほかで全国順次ロードショー監督:ジャンフランコ・ロージ出演:サムエレ・プチッロ、ジュゼッぺ・フラガパーネ、ピエトロ・バルトロ2016年/イタリア=フランス/114分©21Unoproductions_Stemalentertainement_LesFilmsdIci_ArteFranceCinéma
2016年09月02日2014年に公開されるや観客動員1,100万人を記録、さらに第35回青龍映画賞で最優秀作品賞・主演男優賞ほか、数々の映画賞を受賞した社会派ヒューマンドラマ『弁護人』。このほど、本作でスクリーンデビューを果たし、以後、演技もできるアイドルとして広く認知されるようになった「ZE:A」のイム・シワンについて、主演のソン・ガンホから彼の演技を絶賛するコメントがシネマカフェに到着。併せて、本作のビジュアルが解禁となった。1980年代初めの釜山。学歴はないが、さまざまな案件を抱える売れっ子、税務弁護士ソン・ウソク(ソン・ガンホ)。大手企業からのスカウトを受け、全国区の弁護士デビューを目の前にしていた。ある日、駆け出しのころに世話になったクッパ店の息子ジヌ(イム・シワン)が事件に巻き込まれ、国家保安法違反などの容疑で裁判を控えているという情報を耳にする。その母で店主スネ(キム・ヨンエ)の切実な訴えを無視できず、拘置所の面会に行くが、そこで待ち受けていたジヌの信じがたい姿に衝撃を受ける。ソン・ウソクは多くの弁護士が引き受けようとしない彼の弁護を請け負うことに決めるが…。本作は、高卒でコネも学歴もない1人の弁護士が政府を相手に孤軍奮闘する、実話を基にした社会派ヒューマンドラマ。軍事政権下の韓国で、1981年9月に実際に起きた冤罪事件「釜林(プリム)事件」をモチーフにしている。主人公を演じるのは、『殺人の追憶』や『グエムル-漢江の怪物-』、『スノーピアサー』、『運命の王-歴史を変えた八日間』など、主演作が軒並みヒットを記録してきた、国民的人気を誇る演技派ソン・ガンホ。本作が韓国で公開された2014年には、韓国最大の映画賞の1つ、青龍映画賞で主演男優賞を受賞し、“韓国のゴールデン・グローブ賞”と呼ばれる第50回百想芸術大賞で映画部門大賞を獲得した。また、本作でスクリーンデビューを果たしたイム・シワンが演じるのは、不当に逮捕されたクッパ店の息子、ジヌ。長時間の厳しい取り調べで心神喪失した青年という難役を体当たりで演じており、その演技力で数々の賞を獲得。主演したドラマ「ミセン-未生-」は高視聴率を獲得して社会現象化し、日本で現在放送中の中島裕翔主演「HOPE~期待ゼロの新入社員~」の原作に。また、10月には映画初主演作『戦場のメロディ』も控えている。そんな彼に対してソン・ガンホは、「イム・シワンくんは情熱が相当なものでした。ですが歌手としての活動のみで今回が初めての演技、しかも映画ということもあって、演技を技術的に見せようとしていました。それはイム・シワンという役者の才能と情熱を自ら損じてしまうことなので、演技は技術で見せるものではなく、特に新人でこその真意の込もった演技が必要だと話しました。真剣に取り組むあまり、少々ダサくて堅苦しくてもその役を通じて自分の真意を伝えられるような演技をはじめからしたほうが良いと忠告をしました」と、大先輩としてアドバイスをしたことを明かす。さらに、「とても飲み込みが早く、初めのころからこんな忠告を謙虚に実行してくれたおかげで、彼にも、『弁護人』という映画にも素晴らしい結果をもたらしたのでしょう。イム・シワンくんはこれからが期待できる素晴らしい素質をもった俳優、役者だと思います」と、大絶賛を贈る。骨太のヒューマンドラマで、ソン・ガンホら実力派俳優たちとの共演で見せるイム・シワンの演技に、ぜひ注目してみて。『弁護人』は11月12日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月30日日本版シリーズ12年ぶりとなる『シン・ゴジラ』が先月29日(金)より公開され話題を集めているが、この度ゴジラシリーズを上映し続けてきた“日劇”にて、9月2日(金)から16日(金)まで、15日間の限定上映が決定した。突如、東京湾アクアトンネルが巨大な轟音とともに大量の浸水に巻き込まれ、崩落する原因不明の事故が発生した。首相官邸では総理大臣以下、閣僚が参集されて緊急会議が開かれ、「崩落の原因は地震や海底火山」という意見が大勢を占める中、内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)だけが、海中に棲む巨大生物による可能性を指摘。内閣総理大臣補佐官の赤坂秀樹(竹野内豊)をはじめ、周囲は矢口の意見を一笑に付すものの、直後、海上に巨大不明生物の姿が露わになった。慌てふためく政府関係者が情報収集に追われる中、謎の巨大不明生物は鎌倉に上陸。普段と何も変わらない生活を送っていた人々の前に突然現れ、次々と街を破壊し、止まること無く進んでいく。政府は緊急対策本部を設置し、自衛隊に防衛出動命令を発動。さらに米国国務省からは、女性エージェントのカヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)が派遣されるなど、未曽有の脅威に対し、日本のみならず世界もその行方を注視し始める。そして、川崎市街にて、“ゴジラ”と名付けられたその巨大不明生物と、自衛隊との一大決戦の火蓋がついに切られた。果たして、人智を遥かに凌駕する完全生物・ゴジラに対し、人間に為す術はあるのか――?「ゴジラ」シリーズ29作目となる『シン・ゴジラ』。主演には長谷川博己を迎えるほか、共演に石原さとみ、竹野内豊らジャンルに富んだ総勢328名の豪華なキャストが出演していることでも話題だ。そして公開日以降、爆発的な口コミの拡散や各方面からの絶賛の声が相次ぎ、公開1か月にして入場人員360万人突破、興行収入53億円(7月29日~8月28日まで31日間の成績)、今年公開の邦画実写映画の興行収入成績1位を走り続けるなど、現在も大いに盛り上げている。そんな本作の大ヒットを受け、このほど「TOHOシネマズ 日劇」での期間限定上映が決定!本作は「TOHOシネマズ 六本木ヒルズ」をメイン館として公開されているが、かつて日本映画界を象徴する大劇場として親しまれていた「日本劇場」(現・TOHOシネマズ 日劇)時代から数多くのゴジラシリーズを上映し続けてきた“日劇”だけに、12年ぶりの国産ゴジラである本作も、上映を求むファンからの声が数多く寄せられていた。そして、1954年公開の第1作目「ゴジラ」では、都心部を襲うゴジラの代表的なカットとして、そこには日本劇場の建物がしっかりと映し出されているなど、まさに聖地と言える場所なのだ。約60年以上、日本を代表するシリーズ映画として君臨し続けてきた「ゴジラ」。先日、シリーズ累計動員数は1億人を突破したことが報じられたが、多くの日本国民が慣れ親しんだゴジラ映画の聖地ともいえる“日劇”での上映で、またさらなる大ヒットにつながるだろう。『シン・ゴジラ』は全国東宝系にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年08月30日6月23日の米フィラデルフィア公演から幕を開けた「ハリー・ポッターinコンサート」が、待望の日本上陸。先週末8月27日(土)、東京国際フォーラム・Aホールにて行われたフルオーケストラ生演奏による映画『ハリー・ポッターと賢者の石(TM)』の上映に、昼・夜公演を合わせ約1万人が酔いしれた。国内4都市で開催されるこのシネマコンサート。第1弾となる今回は、『ハリー・ポッターと賢者の石』の全編を東京フィルハーモニー交響楽団の生演奏と共に上映。ジョン・ウィリアムズによる名曲の数々を聴きながら、特設大スクリーンでハリー・ポッターの一番初めの物語を楽しめる本公演には、20代前半~30代の女性の友人グループを中心に、カップルからファミリー、熟年まで幅広い層の観客、およそ1万人が訪れた。あのお馴染みの音楽がオーケストラによって奏でられると、観客はあっという間にファンタジーの世界へ。初めて『ハリー・ポッターと賢者の石』を観てワクワクとした、あのころを思い出させるシーンが緻密に紡がれたオーケストラの音楽とともに映し出され、初々しいハリーたちの姿には思わず笑いが起きる場面も。さらに、クライマックスでヴォルデモート卿に憑依されたクィリナス・クィレル教授と対決するシーンでは、大迫力の映像とオーケストラの演奏が圧倒した。公演が終わると、SNS上では「最高でした!」「エンドロールまで最高に贅沢な時間だった…」「生演奏の迫力は映画とは違う」「何回も涙ぐんで、こんなにいい映画だったのかと実感した」などの感動コメントが続出。史上最強のファンタジーを映像と音楽で体験する公演に興奮する観客が多く、会場は熱気に包まれた。今回プロデューサー並びに指揮を務めたジャスティン・フリーア氏は、「『ハリー・ポッター』シリーズは、大ベストセラーとなったJK・ローリングの原作の魅力を、ファンタジー・アドベンチャーとして描いた映像、そして天才的な音楽家ジョン・ウィリアムズのスコアによる特別な作品です」と、企画の意図を語る。このシネマコンサートについて、彼は「ライブ演奏によって、原作の魅力がさらに引き立ち、映像の迫力だけでなく、ダニエル・ラドクリフが演じるハリー・ポッターをはじめ、ロンやハーマイオニーら、キャラクターたちの活躍も新たな感動となって体験していただけるのです」とその魅力に言及。また、「シネマコンサートは、大スクリーンで映像を上映し、オーケストラによる、一期一会の特別な体験を味わっていただけます。ぜひ第1弾の今回の公演を観てもらって、全8回の冒険に出かけましょう」と、日本のファンに向けてメッセージを送っている。「ハリー・ポッター in コンサート シリーズ第1弾!『ハリー・ポッターと賢者の石』」は、【大阪公演】8月30日(火)・31日(水)グランキューブ大阪・メインホール、【名古屋公演】9月3日(土)愛知県芸術劇場・大ホール、【福井公演】9月4日(日)フェニックスプラザ・大ホールにて開催。(text:cinemacafe.net)
2016年08月29日「HOPE~期待ゼロの新入社員~」の基になったドラマ「ミセン-未生-」や、国民的俳優ソン・ガンホ共演の『弁護人』などで知られる“演技ドル”(演技もできるアイドル)、「ZE:A」イム・シワンが映画初主演を務めた『戦場のメロディ』。このほど、本作待望の予告編映像がシネマカフェにて解禁となった。朝鮮戦争まっただ中の1952年。家族も戦友も失ったハン・サンヨル少尉(イム・シワン)は、最前線から釜山に転属。彼を待ち受けていた任務は、両親を亡くした多くの戦争孤児の世話だった。チンピラの悪事に利用されていた孤児たちを集め、サンヨルは得意の音楽を活かし「児童合唱団」を作り、歌を教え始める。初めはぎこちなかった歌声にリズムと和音が生まれ、子どもたちに笑顔が戻り始めたころ、戦地への慰問公演が決まる。だが、行き先は、激戦地の最前線だった…。朝鮮戦争下で、戦場や軍の病院などの慰問公演に始まり、1953年7月27日の休戦後はアメリカへ、60年代には日本から東南アジア、そしてヨーロッパにまで巡演をおこなったという実在の児童合唱団をモデルにした本作。俳優としても高く評価されているイム・シワンが映画初主演を務め、ピアノ演奏や指揮者にも初挑戦した。このたび解禁された予告編は、戦争孤児たちと出会い、「児童合唱団」の結成を決意するイム・シワン演じるハン少尉の力強い姿を目にすることができる。子どもたちとの触れ合いのなかで見せる優しい笑顔のほか、軍からの合唱団に対する非情な命令に葛藤する姿、戦場の最前線で浮かべる絶望の表情などが印象的だ。音楽の力で、過酷な状況で生きる戦争孤児たちに笑顔を取り戻していく少尉だが、同時に子どもたちのピュアな姿や優しさが彼を癒していく様子も感動的に描かれていく。メガホンをとったのは、大切なものを失った家族の姿に寄り添う『優しい嘘』、落ちこぼれ高校生と破天荒な担任教師の絆を綴った『ワンドゥギ』など、心に傷を抱えた人々を優れた感性で描きあげてきたイ・ハン監督。実話をモチーフに、戦争の悲惨さや残酷さとともに、力強く生きる子どもたちの姿を丁寧に描き、深い余韻の残る感動作として完成させた。“韓国版『サウンド・オブ・ミュージック』”との声も上がる、戦争ですべてを失った子どもたちのピュアな歌声が耳に残る真実の物語を、まずはこちらから確かめてみて。『戦場のメロディ』は10月29日(土)よりシネマート新宿、11月5日(土)よりシネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月29日『リトル・ボーイ小さなボクと戦争』を明日から公開する東京の映画館、ヒューマントラストシネマ有楽町で明日27日(土)から31日(水)までの5日間、小学生と中学生が本作を無料で観賞できるキャンペーンが実施される。『リトル・ボーイ小さなボクと戦争』/その他の画像映画は、メキシコ最大の映画賞“ルミナス賞”で作品賞、監督賞、新人賞に輝いた作品で、第二次世界大戦中のアメリカ西海岸の小さな町を舞台に、8歳の少年ペッパーが、戦争にいってしまった父を呼び戻そうと奔走する中で、街で暮らす日本人と心を通わせていくドラマを描く。キャンペーンは、ヒューマントラスト有楽町で行われ、小学生は自己申告、中学生は学生証を提示すると本作を無料で観賞できる。『リトル・ボーイ小さなボクと戦争』8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ユーロスペースほか全国順次公開(C)2014 Little Boy Production LLC.All Rights Reserved.
2016年08月26日『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』のローランド・エメリッヒ監督が、現在のセクシュアル・マイノリティの社会運動の原点となった事件をベースに描いた『ストーン・ウォール』が、この冬、新宿シネマカリテほかにて公開されることが決定。監督も絶賛する日本版予告編とともに、少年たちの愛を表現した美しいポスタービジュアルも解禁となった。インディアナ州から、N.Y.グリニッジ・ビレッジのクリストファー・ストリートへと単身やってきたダニー。ゲイであることで両親に見放され、恋人のジョーにも裏切られ、追われるように故郷を出た孤独なダニーを受け入れたのは、この街で暮らすゲイの少年ギャングを率いるレイだった。彼らの部屋に住まわせてもらい、常に陽気に歌い踊りながら、たくましく生きていく仲間を得たダニー。身を寄せ合うように暮らすゲイやレズビアン、ドラァグ・クイーン、政治活動家のトレバーらと出会うが…。1969年に起きた実際の事件「ストーンウォールの反乱」を描いた本作。当時、存在すらも否定され、行き場のなかったLGBTの若者たちの憩いの場となっていた、N.Y.グリニッジ・ビレッジにあるゲイバー“ストーンウォール・イン”。この地を舞台に、ダニーという青年の目を通し、社会的に認められないことに傷つきながらも、必死で自分の居場所を探そうとする彼らを、史実に基づきながら丁寧に、時に痛烈に描き出す。自身もゲイをカミングアウトしているエメリッヒ監督が、“ホームレスの40%がセクシャル・マイノリティの若者である”という統計に衝撃を受け、製作を決意したという意欲作であり、監督は「自分自身がゲイだから、すべての疑問に自分が答えられると思った」と明かしている。昨年のトロント国際映画祭でも上映され、話題をさらった。田舎町から追われるようにN.Y.にやってくるピュアな青年ダニーを演じるのは、スピルバーグ監督の『戦火の馬』に抜擢され、『17歳のエンディングノート』などでも印象深い演技を見せたジェレミー・アーヴァイン。また、ストリートで体を売り、自分と同様の身寄りのないキッズたちをとりまとめるギャングのリーダー、レイを演じたのは、共演者たちもその才能を称賛する新星ジョニー・ボーシャン。ダニーたちが憧れ、惹かれていくハンサムで聡明な活動家トレバーを、『ベルベット・ゴールドマイン』『マッチポイント』などのジョナサン・リース・マイヤーズがカリスマ性たっぷりに演じ、ゲイバーの経営者でギャングのエドを『ヘルボーイ』『パシフィック・リム』のロン・パールマン、さらに『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』などの憂い系男子ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、“第2のクロエ・グレース・モレッツ”と呼ばれるジョーイ・キングなども出演。今回解禁となった予告は、ダニーたちを取り囲む60年代の状況を赤裸々に描き出し、エメリッヒ監督本人からも「Great!」と太鼓判を得たという。ヒッピーカルチャー、反戦運動や公民権運動の高まりなど、やがて世界に影響を与える時代の空気感も生き生きと再現され、「Venus」「I Say A Little Prayer」など往年のヒットサウンドも当時の様子を彩っていく。また、ビジュアルでは、主人公ダニーを演じた英国男子ジェレミー・アーヴァインとレイ役ジョニー・ボーシャンのやり場のない思いを外に出せない、切ないツーショットが使用されている。事件の舞台となったゲイバー“ストーンウォール・イン”は、今年6月、オバマ大統領により国定文化遺産保護地域に指定されたばかり。LGBTプライド月間での演説で、大統領は「自由と平等の理想を持続する現実に変えるために、レズビアンとゲイとバイセクシャルとトランスジェンダーのアメリカ国民およびその同盟者たちは、ストーンウォールの客たちから米軍の兵士たちまで、その歴史の次の偉大な章を懸命に書き続けてきた」と発言している。『ストーン・ウォール』は今冬、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月26日映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』が、2016年12月にTOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショーされる。イギリス軍のキャサリン・パウエル大佐と国防相のベンソン中将は、テロリストたちが大規模な自爆テロを実行しようとしていることをつきとめる。攻撃の指令を出すが殺傷圏内に幼い少女がいることがわかった。安全な会議室から戦争に干渉する彼らがとった行動とは……。罪なき少女を犠牲にしてまでもテロリストを殺害すべきか、現代の戦争の闇を映しながら正義とモラルを問う。監督は『ツォツイ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞し『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などを手掛けたギャヴィン・フッド。またプロデューサーは『英国王のスピーチ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、『キングスマン』にも主演したコリン・ファースと期待の高まるタッグだ。豪華なのはスタッフ陣だけではない。強烈な正義感をもって任務遂行を推し進める指揮官キャサリンを演じるのは『クイーン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したヘレン・ミレン。また共演には、テレビドラマ『ブレイキング・バッド』で3度のエミー賞を受賞しオファーが殺到中のアーロン・ポールが。また、『ハリー・ポッター』シリーズのアラン・リックマンがベンソン中将を演じ、彼にとって本作は日本で上映される生前最後の出演作になる。【概要】『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』公開時期:2016年12月公開劇場:TOHOシネマズ シャンテ 他全国ロードショー!監督:ギャヴィン・フッドプロデューサー:コリン・ファースキャスト:ヘレン・ミレン、アーロン・ポール、アラン・リックマン配給:ファントム・フィルム©eOne Films (EITS) Limited
2016年08月25日スウェーデンのアカデミー賞で主演男優賞と観客賞をW受賞し、スウェーデン映画史上記録に残る大ヒットとなった『幸せなひとりぼっち』。このほど、主人公のオーヴェが“不機嫌”な理由と隣人との関わりを描き出す予告編が到着した。愛する妻を失い、哀しみにくれるオーヴェ。1人で生きていく人生に希望が持てず墓参りの度に失意を募らせていた。ある日、そんなオーヴェの隣にパルヴェネ一家が引っ越してくる。車のバック駐車、ハシゴのレンタル、病院への送迎、娘たちの子守…。浴びせられる罵声をモノともせず、何かと問題を持ち込むパルヴェネに、オーヴェは次第に心を開いてゆく。悪態はいつしか愛嬌になり、彼は愛する妻との思い出をゆっくりと語りだした――。本国スウェーデンでは、2015年のクリスマスに封切られるや、ハリウッド大作を押しのけ瞬く間に興行成績1位に。その後も20週を越える大ロングランヒットとなった本作。その勢いはとどまるところを知らず、世界17か国での公開が決定し、ドイツやノルウェー、韓国でもヒットを飛ばしている。そんな本作から到着した予告映像では、妻に先立たれ、会社もクビになった59歳のオーヴェが人生をあきらめ…かける様子が描かれる。反りの合わない近隣住民に、隣に引っ越してきた何かと“うっとおしい”パルヴァネ一家。だが、垣間見えるオーヴェの悲しい過去に、彼の心がそれほどまでに凍てついてしまったワケを知る。亡き妻とともに、いまを必死に生きてきたオーヴェが迎える、幸せな結末とは…?ひとりぼっちで、人生をあきらめるはずだった主人公オーヴェの心の変化を追いながら、「人は1人で生きられるのか?」「人生とは何か?」を優しく問いかけるヒューマンドラマを、まずはこちらから確かめてみて。『幸せなひとりぼっち』は12月17日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月23日昨年、フランスの興行収入2週連続No.1達成、8週連続ベスト10入りを果たした映画『世界の果てまでヒャッハー!』。この度、林家ペー&パー子夫妻がナレーションに初挑戦した本作の日本版予告編が到着。併せて漫画家・谷口菜津子のイラスト満載、極彩色の日本版ポスターも解禁された。恋人ソニアの父親が経営するブラジルの高級リゾート地のホテルに友人たちと訪れたフランク。彼はこの旅をきっかけに父親に認められ、ソニアにプロポーズしようと計画していた。ところが楽しいバカンスもつかの間、ソニアの祖母の世話を押し付けられてしまう。仕方なく彼女を連れてジャングルの秘境ツアーに出かけたフランクたちだったが、それは予想もしなかったとんでもないアドベンチャーのはじまりだった…!本作は、ブラジルの高級リゾート地を舞台に繰り広げられる、型破りの最高に明るい前人未到の映画。長編3本目となるニコラ・ブナムと、コメディアン兼俳優のフィリップ・ラショーが共同監督、脚本は完全オリジナルとなっている。そしてこのほど到着したのは、終始ハイテンションな映像に合わせて、息のあった自由奔放で賑やかな独自性の濃い夫妻のナレーションを繰り広げている予告編。「どーも、林家ペーです」「パー子です」と挨拶から始まる映像は、ペーさんの映画解説と、パー子さんの特徴的な笑い声と共に進行。いままでになかなか見たことがないような思わず笑ってしまう予告編となっている。今回の林家夫妻がナレーターに起用されたのは、本作にカメラが重要なアイテムとして出てくること、本作のハイテンションさと明るい雰囲気がピッタリだったこと、そしてタイトルにもある「ヒャッハー」というのはパー子さん以外ありえないと考えたことから実現。これまでにも数多くのイベント出演や『シベリア超特急5』などの映画出演と、経験を持つ2人だが、今回は初の映画予告ナレーションとあって気合十分。収録前に本編を観たそうで、「思いのほか面白くて、終わりまであっという間だった!セリフも気が利いてたし、何よりスカイダイビングのシーンが最高だね」と本作について語り、「収録中に全ての爆笑シーンが蘇ってきてとても楽しくやれたよ。昔から映画は大好きだから、映画の予告編に自分の声が乗るなんて光栄です!」と感想を語っていた。『世界の果てまでヒャッハー!』は11月19日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年08月21日(Photo by zaziefilms)70〜80年代のファッションや音楽が、近頃リバイバルしている。 この「リバイバル」の現象はなぜ起きているのだろうか? ファッション業界が「流行」を決めたかもしれない。 伝説のロックバンドが再結成したからかもしれない。 しかし、それだけではないだろう。 これらの時代が若者を惹きつける理由とは一体何だろうか? (Photo by .samm)放浪者のような自由なスタイルの、“ボヘミアンファッション”や“ヒッピーファッション”。 そして型破りでエネルギッシュなハードロックやパンクロックも大きな注目を集めている。 この時代の何から、私たちは魅力を感じるのだろうか?(Photo by Eva Freude)1970〜80年代、それは1980年代以降に生まれたミレニアル世代の若者が、産声をあげる前もしくは幼なかったころだ。 社会の規律を否定し快楽に溺れたり、満ち溢れたエネルギーで激動のなかを駆け抜けた当時の若者たちは、ミレニアル世代にない「何か」を持っている。 自分の知らない時代・幼い頃の記憶にしか残っていない時代のことだからこそ、憧れを抱いてしまうのかもしれない。 自由を愛して奔放に生きたり、社会に抵抗するエネルギーに溢れていた、70〜80年代の若者たち。 彼らの過ごした時代の雰囲気から感じとる、今の時代にはない“熱気”や“狂気”を、私たちは求めてしまうのではないか?(Photo by 地獄に堕ちた野郎ども)ファッションを真似したり音楽を聞いたりするその前に、今年9月に公開されるドキュメンタリー映画で、リアルな1970〜80年代を感じてみるのはいかがだろうか? ファッションを参考にするにも、もってこいのお手本ばかりだ。 『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』(9月24日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開)(Photo by © 2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&E Television Networks LLC.All Rights Reserved.)大物ロックスターのアリス・クーパーやピンク・フロイドのマネジメントやプロデュースをしてきたカリスマ、シェップ・ゴードン。 誰よりも「超いい人」で「超イカれた偉人」である彼の人生を、本人と各界の大物たちはどう見てきたのか? 詳しくはこちら。 『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』(2016年9月10日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!)(Photo by ©2015 by JANIS PRODUCTIONS LLC & THIRTEEN PRODUCTIONS LLC.All Rights Reserved.)しゃがれた声とその自由奔放な生き方が、若者を熱狂させたジャニス・ジョプリン。 「音楽史上最高の女性スター」と称される伝説のシンガーである彼女が生きた激動の時代と人生をとらえたドキュメンタリー。 彼女の27年間の短い人生はどのようなものであったのだろうか? 詳しくはこちら。 『地獄に堕ちた野郎ども』(9月17日(土)より渋谷HUMAXシネマほか全国順次公開)(Photo by ©2015 Damned Documentary LLC.)セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュとともにロンドン三大パンクバンドのひとつに数えられるダムド。 「真のパンクバンド」と称される彼らのぶっ飛んだパフォーマンスと生き様が描かれたドキュメンタリー。 彼らのクレイジーさから何を学べるだろうか? 詳しくはこちら。 <<番外編>>60年代の音楽スター、ザ・ビートルズ 『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』(9/22(木・祝)より 角川シネマ有楽町ほか全国公開!)(Photo by 映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』公式サイト)世界中を熱狂の渦に巻き込んだザ・ビートルズの63~66年のコンサート映像を中心に構成される音楽ドキュメンタリー。 今も健在のメンバーや当時の映像が語る、あなたの知らないザ・ビートルズ秘話とは? 詳しくはこちら。 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!初来日!SXSW映画部門の大物ディレクターに聞く「本当に良い映画」 「みんな思ったよりも背が高かった。夫は2メートルちょっとだから、日本で一番背が高い人になるんじゃないかってみんなが冗談を言っていたのだけど、そんなことはなかったのよ(笑)」... ーBe inspired!
2016年08月21日「くじけそうな時もありましたけど、アニメーターにならないっていう選択肢はなかったので。なれるだろうと思ってたし、根拠のない自信みたいなものを持つのは大事だと思うんですよね」。ピクサー・アニメーション・スタジオで働く原島朋幸さんは、ピクサーに入社するまでに、サラリーマンやデジタルハリウッドやアメリカでの大学生活、そして「ドリームワークス・アニメーション」にて『ヒックとドラゴン』に関わるなど、様々な経歴を持つアニメーターだ。「自分が本当にやりたいのは、キャラクターアニメーションだ」という確信と共にアメリカに渡ったという原島さんは、まさに夢を叶えた日本人クリエイターである。シネマカフェが実施したピクサー現地取材レポート最終回の今回は、前回の小西園子さんに引き続き、『ファインディング・ドリー』で活躍している日本人スタッフの原島朋幸さんのインタビューをお届けする。1993年、『ジュラシック・パーク』を観たことをきっかけにハリウッド映画とVFXに興味をもち、エンジニアとして勤めていた会社を退職した原島さん。その後デジタルハリウッド東京本校に入学し、2001年にアメリカへ語学留学、2003年には「Academy of Art University」(サンフランシスコ)の大学院に進学し、通称“ピクサークラス”でピクサー・アニメーション・スタジオのアニメーターからキャラクターアニメーションを学ぶ。2006年より「DreamWorks Animation」にて『ヒックとドラゴン』などの制作に参加し、2015年3月に晴れてピクサー・アニメーション・スタジオへ移籍している。『ファインディング・ドリー』では、キャラクター・アニメーターとして様々なキャラクターの制作に関わったという原島さんは、ピクサーならではの入念なリサーチ活動を経て、ニモやマーリン、ドリーをはじめとする様々なキャラクターたちが水中で動き回る姿を、リアリティと共にキャラクターとして生き生きと表現する過程に大きく寄与している。「『ファインディング・ニモ』の時と同じく、今回も水槽で魚を飼って観察したり、実際に魚が泳いでいる映像を撮ってきて、海の中の物理や魚の動きをキャラクターの動きとして表現するためのアサインメントを実施しました。魚がヒレを動かしているタイミングをはじめ、魚は実は左右のヒレをバラバラに動かしているということや、前に進む時も後ろ向きにヒレを動かしていることなど、実際にちゃんと見てみないとわからないんです。ほかにも、ドリーとマーリンでは魚の動きの質が違うので、アニメーターたちはそういうことにも気をつけて作っています」。制作過程の話を伺う中で印象的だったのは、魚がターンする動きを制作する際に使われたという“ある言葉”に関するエピソードだ。「よく“it looks like fish on a stick(これは魚と棒の動きみたいだね)”という言い方をされることがあるんです。魚がターンする動きを表現するときに、魚がスティック(棒)の上に乗って動いているように見えてしまうことがある。実際の魚は、ヒレを動かして棒の周りを回るようにターンしてるんです。経験のあるアニメーターでも、気にしていないとそういう表現をしてしまいがちなんですよね。実際に魚の動きを見てからじゃないと、何か足りない、違う動きになってしまうんです」。ほかにも、ヒレを動かしていない時に魚たち自らの重みで沈む動きや、生き物たちの大きさや重さの違いを表現することが、全編に渡って海の中の世界が舞台である本作のリアリティへと大きく影響しているのだとういう。「重さっていうのはすごくキーになるので、アニメーターにとってはチャレンジですね。ウミガメのクラッシュとスクワートでも重さが違いますし、デスティニーや、ニモ、ドリーではスケールが全然違うんですね。例えば、デスティニーがヒレを動かすときに起こる対流を受けて、ドリーやニモが動く表現をしなくちゃいけない。だって、波が来たのに魚が流されたり横揺れする表現がないとおかしいじゃないですか。そういった微妙なこだわりが、すごくリアリティに貢献していると思います」。前作『ファインディング・ニモ』に引き続き、アンドリュー・スタントンが監督を務める本作。傑作として知られる『ウォーリー』なども手掛けるアンドリュー監督の仕事ぶりは、アニメーターとして参加した原島さんの目線からはどう映ったのだろうか。「アンドリューがよく言ってたのは、“ナショナルジオグラフィックのようにリアルに”ということでした。演技は当然大事なんですが、キャラクターが演技をした上で、動きはきちんとリアルな魚じゃないとダメだということです。キャラクターが演技しているのはほかのアニメーションでもあると思うんですけど、本作ではキャラクターたちが魚だっていうことが、観客が観ていて疑いのないレベルで説得力がないといけない。そこにすごくこだわりがありましたね」。さらに、『アーロと少年』にて監督を務めたピーター・ソーンとアンドリューの監督としての違いについて、興味深い比較を原島さんは語る。「アンドリューはあるシーケンスを制作する前に、監督の中でキーとなる部分だけ説明して、細かい説明はあんまりしないんですよ。すごく“loose(ゆるい)”な状態で、アニメーターはいろいろ考えながら、ラフなアニメーションを監督に見せるんですね。監督はそれを見てから個別に細かく作り込んでいく。ピーターの時は最初からすごく細かったですね。でも彼はオープンだったので、アニメーターの方から監督に意見を提案すると、受け入れてくれる部分もあるし、『そのアイデアはすごくいいけど採用できない』っていう時もある。アンドリューもそうですね。彼は彼のアイデアがあるので、曲げないときは曲げない」。「諦めたら終わりじゃないですか。壁に当たっても、とにかく好きなことがあるんだったら、それに向かって続けることですね」。そう語る原島さんは、昨年の入社に至る前にも、一度ピクサーの面接を受けたことがあるそう。その時は採用に至らなかったが、「ドリームワークス・アニメーション」のサンフランシスコ郊外のオフィスで7年半の間働いた後、『アーロと少年』の制作スタッフとしてピクサーへの入社が実現。晴れて念願のスタジオでのキャリアをスタートさせた。「“努力すればば報われる”っていう言葉と同じくらい、“努力しても全てが報われるわけではない”っていう言葉を聞くんですけど、どっちも正しいと思うんですよね。でも努力は裏切らない。もし目標にたどり着けなくても、努力したことは自分の血と肉になるし、何をやっても人生損はないんですよね」。脱サラを経て、世界一のアニメーション・スタジオで働く原島さんの言葉には、ずしんとくるものを感じた。観客である私たちにとって、『ファインディング・ドリー』のキャラクターたちの生き生きとした姿の裏に、原島さんをはじめとする夢を叶えたクリエイターたちの表現する喜びがあると思うと、鑑賞後にはまた異なる感動が生まれてくる。これまでも、シネマカフェが実施した現地取材レポートを通して、本作に関わった様々なクリエイターたちの思いを紹介してきたが、本特集を通して、『ファインディング・ドリー』があなたにとって忘れられない作品になってくれることを切に願う。『ファインディング・ドリー』は全国にて公開中。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年08月21日『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『X-MEN:フューチャー&パスト』で語られたストーリーを締めくくる集大成にして、若きX-MENと最古最強のミュータントとの決戦を描く『X-MEN:アポカリプス』。このほど、マイケル・ファスベンダーがこの3部作を通じて演じ、絶大な人気を誇るマグニートーの、涙ながらの本編シーンがシネマカフェに到着。また、ファスベンダーが次回作に向けての野望(?)も明かしてくれた。本作は、プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)やミスティーク(ジェニファー・ローレンス)が率いる若きX-MENたちと、“世界を浄化”しようとするアポカリプス(オスカー・アイザック)とマグニートーら“黙示録の四騎士”とのシリーズ最大級の戦いを描き出す。今回到着した本編シーンでは、マグニートーが地球滅亡を目論むアポカリプスに加担した理由が明らかにされている。本作での彼は、ミュータントとしての自分を隠しながら、ポーランドの田舎町で妻と幼い娘と共に静かに暮らしていたが、あることがきっかけで周囲に正体がバレてしまい、大切な家族を奪われてしまうことになる。映像では、愛する家族を失ったマグニートーが、涙ながらに自ら正体を明かし、まさにその力を使おうとする姿が映し出される。人類に失望した彼が、人類との共存を目指すX-MENの信念と訣別する決定的な場面であり、本シリーズで描かれてきた人間ドラマを象徴するシーンともなっている。マグニートーといえば、磁力を操り金属を思いのままに動かせるという能力を持つ。少年時代には、ホロコーストによって捕らわれ、その力の覚醒と引き換えに、愛する母親を失ってしまったという悲しい過去がある。彼の力は、激しい怒りや深い悲しみがきっかけとなり、より強力に引き出されたのだ。本作で、再び愛する者を奪われ、その怒りと復讐の念にかられる彼を、X-MENの最強の敵アポカリプスは“黙示録の四騎士”として配下に置き、ともに人類滅亡へと導いていく。そんな悲劇的なマグニートーを熱演するのが、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』からこの役を演じているファスベンダーだ。彼は長年演じた思い入れあるマグニートーに対し、“もし彼が普通の人として生活するようになったら”と妄想しながら、「言語能力を生かして、国連の通訳とかになれたらいいな。それをこの次のストーリーにしよう!」と、衝撃的な願望を明かす。実はこのマグニートー、これまでのシリーズでは英語、フランス語、ドイツ語と、さまざまな語学を巧みに操ってきたキャラクター。本作では新たにポーランド語も披露しており、ファスベンダーは何ページにもおよぶポーランド語のセリフを1週間で習得したという。そのことについて彼は、「『一週間でこれをやるのは無理だ』と思ったけど、私はできるだけ頑張った。最善を尽くしたから、批評にはいつでも耳を貸すよ!」と自信も覗かせている。マグニートーが見せる家族愛をはじめ、壮大なアクションの裏で描かれる本作の人間ドラマにも注目してみて。『X-MEN:アポカリプス』はTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて3D/2D同時公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年08月21日日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞『舟を編む』の渡辺謙作が監督を務めた『エミアビのはじまりとはじまり』の舞台挨拶付きプレミア上映が8月18日(木)、ヒューマントラストシネマ渋谷にて行われ、渡辺監督のほか、出演する森岡龍、前野朋哉、黒木華、山地まりが登壇した。劇中でコンビを組んでいる森岡さんと前野さんは、漫才コンテスト「M-1 グランプリ 2016」で1回戦を突破したときのネタを披露し、会場をわかせた。『エミアビのはじまりとはじまり』は笑いがつなぐ希望と再生のファンタジック・ヒューマン・ストーリー。人気上昇中の漫才コンビ「エミアビ」の片割れ・海野が、ある日突然自動車事故で死んでしまう。つらい現実に直面した相方の実道は、もう1度心から笑い、再度ステージに上がるために、もがく。「エミアビ」のマネージャー役を担当した黒木さんは、渡辺監督とは『舟を編む』以来、2度目のタッグとなった。渡辺監督は「普段の黒木さんのままでいてくれと言った」とポスター写真の黒木さんのパンダメイクを横目に発言すると、黒木さんは「普段の私じゃないですけど。服が一緒なだけでしょう」と関西弁で突っ込んでいた。黒木さんはこの日に行った「エミアビ」のネタ披露については、「面白かったです、普通に」と称賛するかと思いきや「100点満点中50点くらい。なんか頑張ってるなって思って」と辛口。ネタ内容が血などが出るものだったために「テレビで放送できない」とマネージャー目線で厳しく評価していた。そんな黒木さんと森岡さんの最初のシーンは、新井浩文も一緒だったという。黒木さんは「森岡さんが椅子にこういう(呆然とした)感じで座っていて、この現場はやばいのかなと思った(笑)」と話すと、森岡さんは「新井さんにコテンパンにされています。芝居なのかどうなのか、っていうくらい追い詰められて。監督もOKを出さないし、新井さん本当に恐ぇし…」と、戦々恐々としていたと告白。だが、森岡さんは「間違いなく、この映画で俳優としての覚悟を新たにさせていただきました」と胸を張り、自信作とアピールしていた。『エミアビのはじまりとはじまり』は9月3日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー。(cinamacafe.net)
2016年08月18日『トランスフォーマー』や『G.I.ジョー』のように、人気トイフィギュア・シリーズを最新のVFX技術を用いて実写映画化したSFアクション『マックス・スティール』。16歳の少年マックスが “地球外生命体”と一体化することで変身するスーパーヒーローを描く本作の公開が、12月3日(土)に決定し、その驚きの予告編が解禁となった。幼いころ父親が奇妙な事故死を遂げた町に、戻ってきたマックス。突然、自分ではコントロールできないエネルギーが体から放出されるようになる。この予期せぬパワーは次第に大きくなっていき、マックス自身の手に負えなくなってしまう。そんな折、ミステリアスな地球外生命体スティールが突如現れる。なんとスティールと一体化することにより、そのパワーを自在にコントロールし、驚異的なパワーを持つスーパーヒーローに変身できることを知るマックス。一見、おかしな組み合わせだったが、マックスとスティールは互いの間に繋がれた運命を受け入れ、父親の死に関する秘密を解き明かそうと、邪悪な陰謀に立ち向かうが…。『アベンジャーズ』シリーズのスタッフが集結し、最先端のVFX技術と驚異のアクション・バトルで新たなスーパーヒーローを描く本作。原作となったのは、DCコミックや『トイ・ストーリー』などのフィギュアを手掛ける世界的玩具メーカー、マテル社を代表するヒット商品の1つとなっているアクション・フィギュア・シリーズ。これまでにアニメ化、ゲーム化されてきた人気キャラクターを、初めて実写化した。監督は、伝説の学園ホラーをリメイクした『スプラッター・ナイト新・血塗られた女子寮』のほか、Xboxの人気ゲーム「HALO」シリーズを実写化したSFアドベンチャー『ヘイロー4:フォワード・オントゥ・ドーン』を手がけた俊英スチュワート・ヘンドラー。また、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のほか、次回作『Thor: Ragnarok』(原作)も手掛けるクリストファー・ヨストが、ニューヒーロー誕生秘話を描く脚本を担当する。このたび解禁された予告編では、主人公マックスが身に覚えのない大きな傷跡に気づくところから始まり、地球外生命体スティールと出会い、自らの特殊能力に気づき、同時に謎の組織から追われる中で、マックスとスティールが次第に心を通わせていく姿が描かれる。そして、“人間×宇宙人”というこれまでにない究極のハイブリット・ヒーロー“マックス・スティール”誕生の驚愕の秘密が、迫力の映像とアクションで描かれていく。主人公のマックス・マクグラス役に抜擢されたのは、ディズニー・チャンネル「天才学級アント・ファーム」などで知られるベン・ウィンチェル。本作での主演を機に、M・ナイト・シャマラン監督の最新作『Labor of Love』(原題)でブルース・ウィリスとの共演も決定している注目のイケメン俳優だ。また、ヒロインとなるシドニー役を演じるのは、人気ミュージシャン、グロリア・エステファンの半生を描いたミュージカル「On Your Feet」で主演を務めたアナ・ビジャファーニェ。さらに、マックスの母・モリーに『ライト/オフ』が全米大ヒット中のマリア・ベロ、ストーリーのカギを握るミステリアスなマイルズ博士に、『オーシャンズ』シリーズや『ゴーストバスターズ』のアンディ・ガルシアといったベテラン勢が脇を固めている。未知なるパワーを発揮する、まったく新しいハイブリッド・スーパーヒーローがこの冬、日本を席巻する!『マックス・スティール』は12月3日(土)より池袋HUMAXシネマ、ヒューマントラストシネマ渋谷にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月17日8月11日(木・祝)より公開されている『X-MEN:アポカリプス』。この度、本作の公開を記念して、『X-MEN』シリーズの原点である『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』を8月21日(日)の日曜洋画劇場にて放送されることが分かった。『X-MEN』シリーズは、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『X-MEN:フューチャー&パスト』、そしてストーリーを締めくくる完結編として今回放たれた『X-MEN:アポカリプス』の3部作。今回放送が決定した2011年公開のシリーズ第1弾『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』は、シリーズで敵対してきたプロフェッサーXとマグニートーという2人のミュータントの若き日にスポットを当て、X-MEN誕生にまつわる知られざる物語を描いている。そして現在公開中のシリーズ完結編『X-MEN: アポカリプス』は、古代エジプトから甦った人類初のミュータント、アポカリプス。現代人によって堕落した文明を正すため、すべてを崩壊させ、新たに自らが支配しようと強大な力を発揮。マグニートーら一部のミュータントはアポカリプスとともに行動。その一方でプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアら、のちにX-MENとなるミュータントたちは人類を守るためにアポカリプスに戦いを挑む。X-MEN史上最強と言われるアポカリプスに、『ファースト・ジェネレーション』にも登場した“正義の”ミュータントたちの戦いは? プロフェッサーXとマグニートーが互いに友情を感じながらも敵対していく運命とは? 『ファースト・ジェネレーション』から幕を明けた、壮大な『X-MEN』サーガのひとつの区切りとなるアクション巨編となっている。また、『X-MEN: アポカリプス』の日本語版でアポカリプスの声を担当しているのが、俳優・松平健。今回その松平さんから、「日曜洋画劇場」での放送のためにスペシャルメッセージが! 自らが吹き替えたアポカリプスというキャラクターをアピールしつつ、『ファースト・ジェネレーション』の魅力を、持ち前の重厚感たっぷりの語り口で披露。松平さんのメッセージは本編開始より少し前、20時58分より放送予定となっている。日曜洋画劇場『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』は8月21日(日)21時~テレビ朝日にて放送。※松平健の登場は20時58分~『X-MEN:アポカリプス』はTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:X-MEN :ファースト・ジェネレーション 2011年6月11日よりTOHOシネマズスカラ座ほか全国にて公開X-Men Character Likenesses TM & (C) 2011 Marvel Characters,Inc.All rights reserved. / TM and (C) 2011 Twentieth Century Fox Film Corporation.All rights reserved.
2016年08月17日名作恋愛小説の世界が、謎のウイルスに“感染”してしまう映画『高慢と偏見とゾンビ』。このほど、主演のリリー・ジェームズをはじめとする、ゾンビたちを華麗に成敗する美しき5人姉妹の、セクシー&デンジャラスな“お支度”写真がシネマカフェに到着した。18世紀イギリス。謎のウィルスが蔓延し、感染したものはゾンビとなって人々を襲っていた。片田舎で暮らすベネット家の5人姉妹は、裕福な人との結婚を夢見ながら、得意のカンフーでゾンビと戦う日々を送っている。そんなある日、屋敷の隣に大富豪の騎士ダーシー(サム・ライリー)が引っ越してくる。姉妹は狂喜乱舞するが、次女エリザベス(リリー・ジェームズ)だけは、初対面でみせた彼の高慢な態度に嫌悪感を抱いていた。やがて、人類とゾンビの最終戦争が勃発!共に戦うことになった2人は、互いの偏見に徐々に気づきはじめ…。ジェイン・オースティンによる恋愛小説の金字塔「高慢と偏見」の舞台を、謎のウィルスに感染した終末世界に置き換えるという大胆な試みで、200万部越えの大ベストセラーとなった原作を映画化した本作。主人公のベネット家の次女エリザベスを演じるのは、ディズニー映画『シンデレラ』で世界中の老若男女を魅了、英国貴族と使用人たちの人生模様を描いた人気TVドラマ「ダウントン・アビー」のローズ役でも知られるリリー・ジェームズ。華奢で可憐な姿とは裏腹に、『キル・ビル』さながら得意のカンフーを駆使し、ゾンビたちを華麗に倒していく。今回到着したのは、そんなエリザベスをはじめとする美しい5人姉妹の、ちょっぴりセクシー&デンジャラスな“お支度”場面写真。玉の輿を強く願う母の猛プッシュもあり、紳士で裕福なお相手との出会いを求め、当時の適齢期の男女にとっての一大イベント、舞踏会へ向かう身支度に励む姉妹たち。ランジェリー姿で一列に並び、互いのコルセットをしめ合い、せっせとお支度をするその様子は実にキュート。「高慢と偏見」の映画化『プライドと偏見』(’06)でもお馴染となっているシーンだ。しかし、本作でのお支度シーンは様子がちょっと違う。美しいドレスの下、そしてブーツの中に忍ばせているのは、“恥じらい”ではなく、闘うための武器の数々。だって、舞踏会で待っているのは運命の人だけでなく、紳士淑女を狙うゾンビたちもいるに違いないから!本家「高慢と偏見」ファンも納得のオマージュシーン満載ながら、マッシュアップ作品らしいデンジャラスなスパイスがピリリと効いているところも見どころの1つとなっている本作。舞踏会に足を踏み入れた5人姉妹に、いったいどんな展開が待っているのか?想像すればするほど、いまからドキドキが止まらない新写真となっている。『高慢と偏見とゾンビ』は9月30日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月16日大ヒットした怒涛のハイスピードアクション超大作の続編『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』。今度は世界を舞台に新たな敵に立ち向かうタートルズに、新しい仲間が登場!海外ドラマ「ARROW/アロー」で世界中の女性を射抜いたイケメン俳優スティーヴン・アメルが演じる、ホッケースティックを振り回す謎のヒーローの本編映像がシネマカフェにて解禁となった。リーダーの<レオナルド>、熱血漢の<ラファエロ>、ピザ大好きのムードメーカー<ミケランジェロ>、メカならおまかせの<ドナテロ>というタートルズの4兄弟を主人公に、前作からさらにパワーアップした壮大なスケールで描かれる本作。今回、世界を恐怖に陥れる新たな敵に立ち向かうタートルズの新しい仲間となるのが、刑事になることを夢みる刑務官で、ホッケーマスクを付けた正義の味方ケイシー・ジョーンズだ。演じるのは、DCコミックを基にした人気海外ドラマ「ARROW/アロー」で、弓矢を武器に闘う主人公オリバー・クイーン/グリーン・アロー役を演じ、その端正なビジュアルと肉体美、硬派なアクションから一躍人気を博したスティーヴン・アメル。そして今回、解禁となった本編映像では、アメル演じるケイシー・ジョーンズと、ミーガン・フォックス演じるエイプリル・オニールが初めて出会うシーンが明らかに。悪の軍団に襲われるエイプリルの前に、突如として現れたホッケー男!あの恐怖の怪人のようなマスクで見るからに怪しい雰囲気ではあるものの、巧みなホッケースティック捌きであっという間に敵を一掃してしまう。正体不明の謎のヒーローにエイプリルが名を尋ねると、マスクの下にはイケメンが!思わずドキッとしてしまい、まんざらでもない様子のエイプリル。幼いころからホッケーに親しんできたというアメル。「ARROW」で世界中の女性を射抜いた彼の次のターゲットは彼女か!?と、恋の始まりを予感させるドキドキな映像となっている。本作で息の合ったコンビを披露している、エイプリルとケイシー。前作に引き続きプロデューサーを務めるブラッド・フラーは、「2作目を作ることになると知った瞬間に、最初にスタッフと話題にしたのがケイシー・ジョーンズというキャラクターの登場だった。エイプリルに引き立て役が欲しかったんだ」とふり返る。また、そのケイシー役にアメルをキャスティングした理由については、「アクションとユーモアを駆使する愛嬌あふれた人物を求めていたんだけど、それがつまりはスティーヴンだったんだ。ミーガンとの演技も試してみたら、すぐにスティーヴンこそがケイシー・ジョーンズだと思ったよ」と明かしており、実際の2人のコンビネーションについても「エイプリルとケイシーのあいだに起こる化学反応は心地よいもので、それが僕たちのチームに新たな一面をつけ加えてくれた」と大絶賛。そんなアメルは、ミーガンとの共演について「最高だったよ」と即答。本作が長編映画デビュー作品となったアメルは、「現場では、長編映画初出演の僕にとって初めてなことばかりだった。『いま、どんな状況?』って戸惑っていると、彼女が教えてくれるんだ。彼女からは、現場でたくさん助けられたし、いろんなものをもらった。彼女と働けたことは幸せなことだったよ」と、ミーガンへの感謝の気持ちをコメント。一方のミーガンも「スティーヴンはすごくプロフェッショナル。彼はいつも完璧に準備をしていたし、すごくたくましくて、この映画で求められるアクションを見事にこなしていた…彼とは本当に仕事がしやすかった」とアメルをベタ褒め。撮影現場でのコンビネーションも抜群だった2人。イケメン×美女の新たなカップリングにも、ぜひ注目していて。『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』は8月26日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月16日現在大ヒット公開中の『ファインディング・ドリー』。これまで、シネマカフェが実施したピクサー・スタジオ現地取材レポートをご紹介してきたが、ディズニー/ピクサーにて活躍中のアーティストたちへのインタビューにおいて共通して登場していたのが、彼らが制作に先立ってリサーチ活動を行ったというモントレーベイ水族館である。シネマカフェの現地取材レポート第6弾では、実際にモントレーベイ水族館に赴き、ピクサーのクリエイターたちのリサーチのサポートを行ったという水族館のスタッフの方々に実施したインタビューをご紹介する。もともとはイワシの缶詰工場だったというモントレーベイ水族館は、アメリカ西海岸、カリフォルニア州サンフランシスコのモントレーベイにて1984年にオープン。年間200万人もの来館者数を誇る同水族館は、取材当日も多くの人々で賑わっており、中でも子ども達の姿が多く見られた。そのことについてスタッフに触れると、学校の課外授業としての来館を多く受け入れているとのことで、子どもの頃に授業で訪れた人々がやがて親になると、自分たちの子ども達を連れてくるという人が多いという。このエピソードからも、観光スポットとしてはもちろん、地元の人々にも愛されている水族館であることがわかる、どこかアットホームな雰囲気が感じられた。前回、『ファインディング・ドリー』におけるセットの制作過程についての記事で、本作で印象的に登場する「ケルプの森」について触れたが、本水族館は世界で初めてケルプの育成に成功した水族館であり、ピクサーがリサーチ先として選んだことも頷けるほど、研究機関としても充実した設備を構えている。ほかにも、本館は海洋生物の保護にも力を入れており、案内されたバックヤードでは、保護されたラッコについてのエピソードなどが披露された。本作品内で、ドリーとハンクの関係性における重要なキーとなる、ドリーが研究所のスタッフに捕らえられた時に付けられてしまう“タグ”のエピソードも、本水族館のリサーチを通して生まれたのかもしれない。本取材では、ピクサーのスタッフが同水族館へのリサーチを実施するにあたって、数年に渡り協力したというモントレーベイ水族館飼育繁殖部長のジョン・ホーシュさんのインタビューを実施。ピクサーのクリエイターたちが、リサーチ活動においてどのような仕事ぶりを発揮していたのかについてお話を伺った。「僕らは、3、4年前に、ピクサーのスタッフからアプローチを受けた。彼らは『ファインディング・ニモ』の続編をやる可能性があるので、リサーチをしているところだった」とジョンは話し始める。「そして彼らは、モントレーベイ水族館には、彼らにとって興味のある施設と展示があると結論を出したんだ。彼らは、当水族館の施設や展示が、新しいキャラクターを開発する上でインスピレーションを与えてくれたり、また、公共の水族館がどう運営されているかとか、自然史や、ここにいる生き物たちの生物学(生態)を学ぶことが出来るかもしれないと思ったんだ」。そうジョンが語るように、新キャラクターのハンクのインスピレーションのもととなったと思われるタコについての展示スペースが、本館に置いては広く設けられており、タコそのものの展示はもちろん、映画や絵画など、様々な文化の中でモチーフとして登場してきたタコの歴史についても数多く展示されている。「最初は、監督たちやプロデューサーたちがここに来て、そのうち、彼らのチームが大きくなっていくと、もっともっと、人がやって来るようになった。アニメーターたちや、照明の人たち、セットデザインの人たちがここにやってきて、何時間も使って、歩き回ったり、観察したり、システムの中の動物たちのディテールについて話したりした。そういったことが、しばらくの間続いていたよ」。これまでの記事でも触れたとおり、とにかく微に入り細に入り徹底したリサーチ活動を実施するのがピクサー流だ。同水族館のスタッフ達とのやり取りは、きっとピクサーの面々の知的好奇心を大いに刺激したに違いない。「彼らはとてもクリエイティブな人たちのグループで、エリアを歩き回りながら、常にアイディアを生み出していたよ」。さらに、まるで科学者のような目線で生物や建物の構造についての質問を投げ掛けれたというジョンだが、やはりフィルムメーカーとして独創的な視点を持つピクサーの面々には驚かされるところもあったという。「僕らは、水族館と結びついたものの見方をしているけれど、彼らは、私たちとかなり違った見方をする。ここには、プロテイン分留装置(水をきれいにするフィルターのこと)というものがあるんだけど、彼らはそれを見たときに『火山だ!』と言ったんだ。彼らは、僕らとは別の視点から刺激を受けるんだ」。また、実際に作品を鑑賞したというジョンに、とりわけハンクの印象について尋ねてみると、「ハンクはとてもおかしくて、チャーミングだったよ。興味深いキャラクターで、見ていてとても楽しい存在だ。間違いなくね」と賛辞を寄せる。「タコがアニメーションのキャラクターになっているのは見ていてとても楽しかったよ。彼らはとてもよく科学的情報や、動物について理解すると同時に、それをキャラクターたちのコミック・リリーフのために大げさにして、映画をエンターテイニングなものにしたんだ」。タコという生物の複雑さを理解しているジョンだからこそ、どれだけハンクの描写が複雑であり、それを成し遂げた上で魅力的なキャラクターに仕上げるピクサーの手腕には、やはり私たち観客とはまた違う感動があるに違いない。ジョンのインタビューの後は、同水族館のバックヤードに案内された。幾つかの扉を抜けて披露された水族館の裏側でまず大きく目を引いたのは、巨大なダクトの数々。ピクサーのスタッフが調査を続ける中で注目していたという巨大なダクトは、本水族館内に取り入れられる海水や、フィルターを通した水の流れなどが、計算された回路として設計されているのが一目でわかり、水族館の心臓部を目撃しているような、ダイナミックな景観が広がっていた。さらに歩みを奥に進めると、至るところに見覚えのあるビビットなイエローの手すりの数々が視界に飛び込んでくる。この手すり、本編を見るとなんとも印象的なハンクとドリーの脱出シーンで、まさにそっくりな手すりが登場するので、ぜひこれから鑑賞する際には注目してみて欲しい。バックヤード探訪を終えて、いざ水族館の展示スペースに足を運ぶ。600種類もの生き物が展示されている水族館だけあって、広大な館内には見応えのあるダイナミックな展示の数々が来場者を飽きさせない。中でも、『ファインディング~』シリーズファンにとってはもはやお馴染み、マーリンとニモのモデルとなったクマノミや、ドリーのモデルであるナンヨウハギが同じ水槽の中で泳ぐ展示には注目したいところだ。ほかにも、思わず目を見張ってしまうイワシの大群が堪能できる巨大水槽や、圧巻のケルプの森、数多くの美しく幻想的なクラゲの展示や、ラッコやペンギン、ウミガメなど、日本の水族館とはまた違うスケール感が楽しめる展示ばかりだった。そして、なによりも窓の外に広がるモントレーベイの海の美しさに目を奪われる。実際に波打際が間近で見られる建物の外のバルコニースペースに足を運び、改めて建物全体を仰ぎ見てみると、なるほど、海と直結する本水族館が、いかに『ファインディング・ドリー』の世界に影響を与えているのかがわかる。ピクサーのクリエイターたちの頭の中でみるみるビジョンが広がっていく過程を、ほんのすこしだけ追体験ができる気分にもなれる、壮大な光景が広がっていた。もしカリフォルニアに訪れる機会があったら、ぜひ足を運んでみて欲しい。『ファインディング・ドリー』は、全国にて公開中。協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファインディング・ドリー(原題)
2016年08月15日スタジオジブリ長編劇場用映画の中で最も投票数の多かった一作品を劇場で上映するイベント「スタジオジブリ総選挙」が実施された。最新作『レッドタートルある島の物語』の公開を記念して行われる本イベント。対象となったのは、『風の谷のナウシカ』から『思い出のマーニー』まで全21作品。投票は、2016年8月13日(土)午前0時から8月28日(日)23時59分までの期間、『レッドタートルある島の物語』公式サイト内の特設ページにて受け付け、1位が決定。最も投票数の多かった作品は『千と千尋の神隠し』となった。本作は、今もなお日本国内の映画興行収入歴代1位308億円という記録を保持するだけに、その圧倒的な人気を示す結果となった。上映は、2016年9月10日(土)から16日(金)までの期間、札幌シネマフロンティア・TOHOシネマズ 六本木ヒルズ/名古屋ベイシティ/梅田/天神の全5劇場で行われる。■『千と千尋の神隠し』上映に関して上映期間:2016年9月10日(土)〜16日(金)上映劇場:札幌シネマフロンティア、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ、TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ 天神料金:通常料金
2016年08月15日昨年の第28回東京国際映画祭で観客賞を受賞し、話題を呼んだイタリア映画『神様の思し召し』が、いよいよ8月27日(土)より公開される。この爽やかで、ほのかにビターな後味のコメディドラマに登場する、“ムショ帰り”の型破りなカリスマ神父が颯爽と登場し、愉快な説教を展開する本編シーンがシネマカフェに到着した。今日も完璧なオペで、患者の命を救った心臓外科医のトンマーゾ(マルコ・ジャリーニ)。医師としては天才だが、傲慢で毒舌、周りからはケムたがられている。妻との仲は倦怠気味で、お気楽な長女はサエない男と結婚。でも、頭脳明晰な長男が医学の道を継いでくれれば満足だった。ところが、ある日、医学生の息子から突然「神父になりたい」と告げられる。息子をそそのかしたらしいピエトロ神父(アレッサンドロ・ガスマン)は、まさかの前科持ちであることがわかり、その正体をなんとか暴き、息子を我が道に戻そうと奮闘するトンマーゾだったが――。命を救う医師、心を救う神父。そんな正反対の2人に、いつのまにか芽生えたまさかの友情。こんがらがった家族と孤独な人生は、どうやって治すのか…?本作は、イタリアの太陽がくれた、陽気で素敵な人生賛歌の物語。届いた映像では、毎晩友達と出かけていく息子アンドレアの行先を突き止めるため、トンマーゾが娘婿のジャンニを連れてこっそり息子の後をつけ、ピエトロ神父の存在を知る。集まった聴衆の割れんばかりの拍手の中、軽快な音楽に乗って登場するピエトロ神父。「いい気になって法王を目指すぞ」という軽妙な返しに始まり、彼はジョークを交えながら独特な語り口で、イエスと弟子たちの物語を語り始める。聴衆の心をつかむ型破りな神父の説教を聴いているうちに、早くも引き込まれているジャンニ。一方、堅物のトンマーゾだけは、息子の進路を妨げるピエトロ神父をうさんくさく思い、彼の正体を暴いて息子を医学の道に戻そうという決意を固くするのだった…。カトリックの御膝元イタリアでなくても、こんなにもユーモアあふれて人生について教えてくれる神父がいたら、明日もまた楽しく生きていけそう。観る人までも癒される(?)カリスマ神父の登場シーンを、まずはこちらからご覧あれ。『神様の思し召し』は8月27日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月15日『6才のボクが、大人になるまで。』で2度目のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、監督したドキュメンタリー映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』の日本公開も控えるイーサン・ホーク。彼が、“ジャズ界のジェームズ・ディーン”といわれたチェット・ベイカーを演じた『ブルーに生まれついて』から、ブルーが印象な場面写真とコメントが到着した。50年代のウエストコースト・ジャズシーンを代表するチェット・ベイカー。黒人アーティストが主流のモダン・ジャズ界において、あのマイルス・デイヴィスをも凌ぐ人気を誇るといわれたトランペッターにして、シンガー。甘いマスクとソフトな声で多くのファンを魅了したが、麻薬に身を滅ぼし、過酷な日々を送っていた…。本作は、1人の天才ミュージシャンの転落と苦悩を描くとともに、ある女性との出会いによって再生する姿を描いたラブストーリー。主演のイーサンは、6か月に及ぶトランペットの集中トレーニングを受け、歌声も披露。早くも「アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるのでは?」と批評家が絶賛するほどの迫力の熱演を見せている。このたび到着したのは、本作の2枚の劇中写真。イーサン演じるチェット・ベイカーが、フォーマルな黒いスーツにオールバックで、しっとりとムーディーな空気を醸し歌う姿と、オープンカラーのシャツをセクシーに着こなし、トランペットのトレーニングに打ち込む姿の対照的なカットだ。どちらの写真も、円熟期に入ったイーサンの横顔が、渋い大人の香りを漂わせている。イーサンは、没後約30年たったいまもなお、新たなファンを獲得し続ける悲劇の天才を演じるにあたり、「僕が表現したかったのは、“悪い”仮面の下に隠された人間の姿だ。チェット・ベイカーに対する愛情が感じられなければ、彼を演じたりしない。もちろん修正を加えて美化したくもない。彼はたくさんの問題を抱えた人間だった。僕はそういう人物を、愛情を持って演じたかったんだ」とコメント。チェット・ベイカーの人間としての弱さや美点を知ったうえで、愛情を持って役を表現したことを明かしてくれた。渋さ極まるイーサンが愛情を込めて演じるモダン・ジャズ界のスターに、我々はほれぼれするに違いない。『ブルーに生まれついて』は11月26日(土)よりBunkamura ル・シネマ、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月14日“破壊王”マイケル・ベイが製作を手がけた、大ヒット作の続編『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』。本作に、NBA(アメリカプロバスケットボールリーグ)選手のカーメロ・アンソニーと、「ヴィクトリアズ・シークレット(Victora’s Secret)」のトップモデルであるアレッサンドラ・アンブロジオがカメオ出演していることが判明。そんな超ビッグな両名が本人役で登場する、ゴージャスな本編映像がシネマカフェに到着した。リーダーの<レオナルド>、熱血漢の<ラファエロ>、ピザ大好きのムードメーカー<ミケランジェロ>、メカならおまかせ!の<ドナテロ>。世界最強の4兄弟が、仲間を守るため、世界を救うため、今回はN.Y.の街を飛び出して暴れまわる本作。NBA「ニューヨーク・ニックス」でプレーするカーメロ(愛称:メロ)といえば、高い跳躍力を武器にゴールを量産し、オリンピックや世界選手権でも主力として活躍するスタープレーヤー。また、抜群のプロポーションを持つブラジル出身のアレッサンドラは、「ヴィクトリアズ・シークレット」の“ブランドの顔”として活躍する“エンジェル”の中でもトップモデルの1人だ。届いた映像では、前作で、悪役シュレッダー率いるフット団を倒したタートルズの功績を譲り受け、N.Y.を救った英雄としてもてはやされる日々をおくる、エイプリル(ミーガン・フォックス)の相棒ヴァーン(ウィル・アーネット)が登場。ある日、著名人が集まるパーティーに訪れていたヴァーンは、後ろから「ヴァーン。大ファンだ」と声をかけられる。振り返ると、そこにはNBAスタープレーヤーのカーメロの姿が!興奮気味のヴァーンは「光栄だよ」といいながらも「俺たち似た者同士だし」「喜びと希望を与えている」「スターの力だ」と勘違い発言を連発!そのビッグマウスにはカーメロも少々困惑した様子をみせている。そこへ、トップモデルのアレッサンドラも登場!ヴァーンはカーメロに「彼女のアレッサンドラ」と紹介する。アレッサンドラは「気が早いわね」と答えるも、ヴァーンは「恋が燃え上がってね」と再び勘違い発言をする始末…。これにはさすがのカーメロもしかめっ面を隠せない様子で、“ウザキャラ”といわれたヴァーンの天狗っぷりと共に、ビッグスター2人が共演する貴重なシーンとなっている。子どものころからタートルズの大ファンだったというアレッサンドラ。「自分のキャラクターを演じることをとても楽しめたわ。ウィル・アーネットという素晴らしい俳優とも仕事を経験できてよかったわ」と出演の喜びを露わにし、撮影現場でも「監督のデイヴ・グリーンもとても親切に指導してくれたの。監督は役者としての経験が少ない私に対してとても気長に接してくれたわ。とにかく楽しかったわ」と安心して撮影に取り組めたことも明かしている。トップモデルとして君臨する一方、2児の母でもあるアレッサンドラは、「私の娘も“ニンジャ・タートルズ”の大ファンなの。息子もね。私がロスで撮影の準備中に息子にビデオ電話をしたら、“ニンジャ・タートルズ”のTシャツを着ていたの。とてもおかしかったわ。とにかく可愛くて。息子に、『ママは彼らに今日、会うのよ』と教えてあげたわ」と、家族ぐるみでタートルズファンであることが伺えるキュートなエピソードを披露。「絶対に子どもたちと一緒にロスの劇場で『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』を観に行くわ」と断言するアレッサンドラは、「とにかく子どもやティーンエイジャーにとって凄く楽しめる映画で、しかも映画から学べる良い教訓もたくさんあるの。自分の子どもたちも喜んで観れるような作品に参加できてとても光栄に思っているわ。とにかく素晴らしい映画よ」と本作の仕上がりに太鼓判を押している。『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』は8月26日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月13日第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、“特別賞”を受賞したスタジオジブリ長編アニメーション最新作『レッドタートル ある島の物語』。この度、本作の公開を記念して、『風の谷のナウシカ』から『思い出のマーニー』までスタジオジブリ長編劇場用映画全21作品の中から、最も投票数の多かった1作品を劇場で上映する「スタジオジブリ総選挙」の開催が決定した。嵐の中、荒れ狂う海に放りだされた男が九死に一生を得て、ある無人島にたどり着いた。必死に島からの脱出を試みるが、見えない力によって何度も島に引き戻される。絶望的な状況に置かれた男の前に、ある日、ひとりの女が現れた――。『思い出のマーニー』から約2年、ファン待望のスタジオジブリ最新作となる本作は、鈴木敏夫プロデューサーが、父娘の愛おしい絆を丹念に描いた短編『岸辺のふたり』を見て、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督に長編制作の話を持ちかけたことがきっかけで製作。マイケル監督が尊敬する高畑勲監督参加のもと、スタジオジブリとシナリオ・絵コンテ作りから効果音・音楽にいたるまでやり取りをしながら、実に8年の歳月をかけて完成させ、スタジオジブリとしては初めてカンヌ国際映画祭へ出品、特別賞を受賞した。国内外から高い注目を集める本作の公開を記念し、スタジオジブリ史上“初”の投票企画による劇場上映の実施が決定。「スタジオジブリ総選挙」と題し、『レッドタートル ある島の物語』公式サイト内の特設ページにて投票を受け付け、最も投票数の多い一作品が全国5都市の5劇場(札幌シネマフロンティア、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ、TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ 天神)で上映される。対象作品は全部で21作品。1984年公開の『風の谷のナウシカ』をはじめ、『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『火垂るの墓』『魔女の宅急便』『おもひでぽろぽろ』『紅の豚』『平成狸合戦ぽんぽこ』『耳をすませば』『もののけ姫』『ホーホケキョ となりの山田くん』『千と千尋の神隠し』『猫の恩返し』『ハウルの動く城』『ゲド戦記』『崖の上のポニョ』『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』、そして2014年公開の『思い出のマーニー』まで、珠玉の名作が並ぶ。結果発表は9月6日(火)頃を予定しており、9月10日(土)~9月16日(金)に上映予定。この夏は、六本木ヒルズ展望台・東京シティビューにて「ジブリの大博覧会」が開催され、本日8月12日(金)の「金曜ロードSHOW!」枠では“2週連続 夏はジブリ”と題して岡田准一&長澤まさみを声優に迎えた『コクリコ坂から』が放送されるされるなど、ファン歓喜のイベントが続くスタジオジブリ。本企画も、ファンならずとも参加必至の注目イベントとなりそうだ。「スタジオジブリ総選挙」は『レッドタートル ある島の物語』公式サイト内・特設ページにて8月13日(土)0時00分~8月28日(日)23時59分までの期間に受付(※投票は1人1回)。(text:cinemacafe.net)
2016年08月12日全国に劇場を展開しているTOHOシネマズが人気アプリ『Pokemon GO』 とコラボレーションすることが発表になった。全国のTOHOシネマズ(一部劇場をのぞく)がゲームの“ポケストップ”として登場する予定だ。その他の情報日本だけでなく、アメリカ、ブラジルなど世界各国で一大旋風を巻き起こしている『Pokemon GO』と、日本最大級の規模とクオリティを誇るTOHOシネマズがタッグを組むことになった。TOHOシネマズが配布した資料には「今回の『Pokemon GO』とのコラボレーションを通じて、映画館に来館された多くのお客様に、より楽しく、より新しい体験をご提供してまいります」と記載されている。なお、コラボレーションの開始時期などは確定した段階で、TOHOシネマズ株式会社の公式サイトで発表になる。(C)2016 Niantic. Inc. (C)2016 Pokemon. (C)1995-2016 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc. TM & (C)2016 TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
2016年08月09日トム・ヒドルストン主演『ハイ・ライズ』を皮切りに、この夏秋は、英国が生んだアカデミー賞受賞の名優ジェレミー・アイアンズの出演作が目白押し。DCコミックの映画『バットマン vs スーパーマンジャスティスの誕生』では、バットマンことブルース・ウェイン(ベン・アフレック)の執事アルフレッドを演じ、映画ファンに強烈なインパクトを与えたばかり。2016年、怒涛の公開ラッシュを迎える“ジェレミー・アイアンズ祭り”に迫った。「SHERLOCK/シャーロック」で世界的スーパースターに躍り出たベネディクト・カンバーバッチをはじめ、いまだ英国俳優ブームは真っ盛り。日に日に新たな新星も登場する中、長年、世代を越えて支持を集めるアイアンズ。1984年に「リアル・シング」でトニ―賞、1990年に『運命の逆転』でアカデミー賞、2005年に「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~」でエミー賞を受賞し、難関といわれる舞台、映画、TVの3冠を果たした名優中の名優。さらに、科学的に“最も理想的で心地よい声”と証明されたイギリスの研究結果もあるという、独特なバリトンの声も大きな魅力となっている。そんなジェレミーは、8月から10月にかけ、出演作がなんと一挙4本も連続で公開される。まず、巨匠J・G・バラードの名作SF小説をトム・ヒドルストン主演で完全映画化した『ハイ・ライズ』(公開中)で演じるのは、物語の舞台であるセレブ向け高層マンション“ハイ・ライズ”を設計し、最上階で庭園や動物たちに囲まれて優雅に暮らす高名な建築家ロイヤル。この仕事を通じて、さまざまな人が集い暮らす、“変化のるつぼ”を作りたいという壮大なビジョンを持つ図らずも支配者となる男を、ミステリアスかつ威厳たっぷりに演じている。また、ヒトラー政権下のベルリンオリンピックに挑んだ実在の4冠メダリストとコーチの知られざる絆を描く『栄光のランナー/1936ベルリン』(8月11日公開)では、政治的状況を理由にボイコットの声が挙がる中、スポーツマンシップに重きを置き、アメリカのベルリンオリンピック出場を訴える人物、ブランデージを演じる。後にIOC(国際オリンピック委員会)会長となる彼は、政治とスポーツの分離を唱える一方で、ナチス側とドイツ大使館建設の裏取引にからむなど、どこかきな臭いところもある男。リオオリンピック開催中のいま、実にタイムリーな1本だ。さらに、イタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督作『ある天文学者の恋文』(9月22日公開)で演じるのは、著名な天文学者エド。彼は突然命を落とすが、教え子であった恋人の元には、その後もエドからの優しさとユーモアにあふれた手紙やメールや贈り物が届き続けるという愛にあふれたミステリーとなっている。アカデミー賞作曲家のエンニオ・モリコーネの心の琴線に触れる優美な旋律にのせ、究極の愛が描かれていく。そして、英国、米国でミニシアター規模ながらスマッシュヒットを記録、その後もヨーロッパ、アジアと世界中で涙と喝采の輪を広げ続けている『奇蹟がくれた数式』(10月22日公開)も控えている。ケンブリッジ大学の英国人数学者と、インドの名もなき事務員、生まれも境遇も全く違う2人の天才が出会い、世界を変える奇蹟を起こした実話を描く本作。インドの事務員ラマヌジャンから届いた手紙でその天賦の素質を見抜き、遠く英国まで呼び寄せる著名な数学者G・H・ハーディを演じている。ハーディは、アインシュタインと並ぶ無限の天才といわれるラマヌジャンを見出し、共同研究に人生を懸けながら、彼との交流を通じてその心の氷を溶かしていく英国紳士で、エレガントさと優しさを持ち合わせた人物だ。4作ともジャンルや時代背景、役柄はそれぞれだが、どのキャラクターも説得力をもって演じ分けているジェレミー。これらの作品で、彼の渋い魅力に触れてみては!『奇蹟がくれた数式』は10月22日(土)より角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月09日映画『PとJK』をはじめ、ドラマ、舞台、CMと幅広い活躍を見せる高杉真宙が主演を務め、「女による女のためのR18文学賞」の最終選考にノミネートされた小説を基に実写化した短編映画『想影』。このほど、若手映像クリエイターの登竜門として知られる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」にて短編部門観客投票第1位を獲得した。常にアーミーナイフを持ち歩き、果物をむくのがうまかった栄大輔(高杉さん)。栄がどこかの農家の一人娘と結婚するという知らせをきっかけに、幼なじみだった中村由美の心には、果物を介した中高生時代の思い出が次から次へと瑞々しく蘇り、同時に栄に伝えられなかった想いが後悔とともにあふれ出してくる。10年のときを経て、過去の想いと対峙する決心を固めた由美は、栄に対してある行動をとるが…。本作は、「女による女のためのR18文学賞」にて最終選考にノミネートされた、野村実来原作に着想を得て製作された短編ラブストーリー。主演を務めた高杉さんをはじめ、新鋭の加藤慶吾監督ほか、ほぼ同世代の20代の若いスタッフとともに作り上げた自主映画だ。そんな本作が、若手映像クリエイターの登竜門として2004年にスタート、世界に先駆けてデジタルシネマにフォーカスした「第13回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」の短編部門にて最も観客の支持を集めた作品となった。審査員による主催者賞の授与とは別に発表される本結果は、観客1人1人の投票による集計結果となっており、第1位を獲得した本作は、まさに観客賞ともいえるもの。この快挙に、主演の高杉さんと加藤監督からコメントが到着。なお、本作は、来る8月10日(水)19時~、新宿シネマカリテの「カリテ・ファンタスティック! シネマコレクション2016」にて特集上映が組まれており、当日は、監督と本作でヒロインを務めた松原菜野花、共演の日高七海が登壇する予定となっている。■高杉真宙コメント『想影』が「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」で観客投票1位を獲得したとお聞きして、本当に嬉しく思います。皆さんが映画祭に足を運んでくださり、作品をご覧いただき、そしてたくさんの方がよかったと評価して投票してくださったこと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。僕と世代の近い若いスタッフの皆さんと一緒に作った『想影』をこうやって評価していただけて…これからもっと頑張ろうと思いますし、また皆さんと一緒に作品を作れたたらいいなと思っています。8月10日のシネマカリテ映画祭でも上映があるので、よかったらぜひご覧ください。本当にありがとうございました。■監督・加藤慶吾コメント本作が、観てくださった方々にどう受け取られたのか、それを知るすべはなく、上映後も掴まえどころのない感覚に陥っておりました。そんななか、大変喜ばしい吉報です。映画を撮る身として、観客の方々から評価される、こんなに嬉しいことはありません。キャスト・スタッフ一同、大変喜んでおります。「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」という、国内でも有数の規模を誇る映画祭においてこの様な光栄な結果をいただけたこと、本作品にとって最高の船出になったのではと思っております。引き続き、本作をより多くの方に見ていただける様に尽力していくとともに、本映画祭での上映時の盛り上がり、そして今回の結果、それらを原動力にまだまだ作品を作り続けてまいります。この度は、本当にありがとうございました。『想影』は8月10日(水)19時~、新宿シネマカリテ「カリテ・ファンタスティック! シネマコレクション2016」にて特集上映。(text:cinemacafe.net)
2016年08月09日トム・ヒドルストンをはじめ世界的人気を誇る英国俳優たちが集結した、映画『ハイ・ライズ』。まるで理想郷のような新築タワーマンションを舞台に人間の堕落をミステリアスに映し出す本作で、セレブたちの危険なパーティに参加しながら、マンション内の“異常事態”を暴くTVディレクター、ワイルダーを演じているのが、ルーク・エヴァンスだ。本作での怪演が早くも話題を呼んでいる、エヴァンスのインタビュー映像がシネマカフェに到着した。これまで、「太陽の帝国」(スティーヴン・スピルバーグ監督)、「クラッシュ」(デヴィッド・クローネンバーグ監督)が映画化されてきたJ・G・バラードのSF小説を、新進の鬼才ベン・ウィートリー監督が完全映画化した本作。舞台となる40階建ての高層マンションは、上階に行くにつれ住民が富裕層になっていき、最上階にはマンションの設計者で高名な建築家のロイヤル(ジェレミー・アイアンズ)が居を構えている。上層階に住むセレブたちは、贅沢なパーティ三昧の毎日。中層の25階に引っ越してきた主人公の医師ラング(ヒドルストン)も、その日々を謳歌していた。このマンションの低層階に、身重の妻と2人の子どもたちと住むリチャード・ワイルダーは、ろくに仕事もせず、ほかの住人と同様、快楽に浸っていたが、上層階の人間による露骨な階級差別に不満を募らせ、やがて仲間を扇動。ある不可解な事件をきっかけに、この “異常事態”を暴くべく、カメラにマンション内の実態を収めようとする。実はこのワイルダーは、階級闘争とは一線を画し、つかみどころのない主人公ラングに対して、物語の牽引する“もう1人の主人公”ともいえる重要人物。演じるエヴァンスといえば、『ホビット』シリーズや『ドラキュラ ZERO』などで知られているが、本作では役名(Wilder)そのままに、野性味あふれる破天荒な熱血漢として、観る者に強い印象を与えている。先日も米サイト「We Got This Covered」で本年上半期ベスト演技第3位に選ばれるなど、その演技は高く評価されており、彼の新たな代表作と呼ぶにふさわしい熱演を披露する。映像で、「役者にとってワイルダーは演じていておもしろい」と語るエヴァンスは、扇動家で好戦的、大酒飲み、女性好き、といったさまざまな表情を持つ役柄を演じるにあたり、似た人物として真っ先に英国人俳優のオリヴァー・リードを思い浮かべたという。1973年の『三銃士』などで活躍し、野性味あふれる風貌とキャラクターで知られたリードは、リドリー・スコット監督の『グラディエーター』撮影中に急死してしまった英国では異端ともいえる武骨な俳優だ。エヴァンスは、彼のことを調べ尽くし、インタビュー映像を見るなど研究して、切り取られたその人生の欠片をワイルダーの人格に溶け込ませていったという。また、ラングとの関係については、「2人には共通点はあまりなく、社会的な階級、仕事、性格もかなり違う。だけど、なぜかお互いを尊敬してる。何かを決断して始めようとするとき、全く違う2人のようで実は似てることがわかる」と分析、演じるヒドルストンについても「かなり異なる個性の持ち主がセットでぶつかり合うところが面白かった」とふり返っている。そんな彼が最も気に入っている場面として挙げるのは、クライマックス前のワイルダーが常軌を逸した行動をとるシーン。「俺の名前はリチャード・ワイルダー」とカセットテープに吹き込む場面を撮るために6分間繰り返し言い続けたそうで、ウィートリー監督から「動物のようにイカれた人になれ」と衝撃の指示を受けたことを明かす。エヴァンスは途中で“自分のなかではもう十分だ”と思い、カットがかかるのを待ち始めたが、いっこうにカットはかからず、その後、記憶がなくなってしまったとか…。「自分でも衝撃的な体験で、興味深い感覚だった」とふり返る、この場面のワイルダーのもはや知性も理性もない“獣”のような姿は、もはや演技の粋を超えた必見のシーン!マンション崩壊の鍵を握るこの人物にも要注目だ。『ハイ・ライズ』は8月6日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月07日