ミナ ペルホネン(minä perhonen)とフィンランドのデザイナー、エサ・ヴェスマネン(Esa Vesmanen)によるコラボレーションランプが、2021年10月22日(金)よりミナ ペルホネン 代官山マテリアリにて発売される。自然から着想した白樺ランプミナ ペルホネンが、自然から着想したデザインを得意とするエサ・ヴェスマネンとタッグを組み、「FINOM ランプシリーズ」を展開。全3種類のランプ全てに薄くしなやかな白樺素材を用いており、明かりを灯すと、白樺を通した柔らかな光が辺りを優しく照らしてくれる。フィンランド語で“森”を意味する「メッツァ(metsä)」は、繊細な白樺素材に「メッツァ」柄があしらったランプ。シェードに小さな穴を散りばめ、夜空に星が煌めく森の情景を表現した。ペンダントランプをフォルム違いで2種類を用意する。“キノコ”を意味する「シエニ(sieni)」は、スタンドタイプのランプ。ミナ ペルホネンのデザイナー・皆川明がフォルムのデザインを手掛けており、その名の通り“キノコ”を思わせる柔らかく美しいラインが魅力だ。“雲”を意味する「ピルヴィ(pilvi)」は、“雲”のように軽やかなビジュアルが特徴のペンダントランプ。コロンとしたかわいらしいフォルムは、皆川明が手掛けている。白樺にあいた小さな穴から漏れる光が星を思わせる、幻想的なデザインに仕上がっている。【詳細】ミナ ペルホネン×エサ・ヴェスマネン「FINOM ランプシリーズ」発売日:2021年10月22日(金)※10月22日(金)〜11月7日(日)まで代官山マテリアリにてランプシリーズを展示。販売店舗:ミナ ペルホネン 代官山マテリアリ価格:・メッツァ ※スタンドランプは後日発売スクエア(W450×D220×H480mm)82,500円、ワイド(W780×D220×H300mm)88,000円・シエニスモール(W310×D230×H310mm)60,500円、ラージ(W360×D260×H360mm)71,500円・ピルヴィスモール(W530×D240×H390mm)71,500円、ラージ(W650×D350×H510mm)93,500円※ランプは組み立て式。※コードやソケットは日本仕様。※購入後約2週間で配送。
2021年10月22日ブランドライセンス管理の株式会社クラウン・クリエイティブ(所在地:東京都、代表取締役:吉野 房彦)は、フィンランドのアーティストのカティ・ラウニアイネン(所在地:フィンランド ヘルシンキ)と契約し、Hihka(ヒッカ)のブランドライセンス事業を開始いたします。Hihka: Hihka logoHihka イラスト1Hihka イラスト2■「Hihka」についてHihkaは、メディアの専門家、脚本家としても活躍するアーティスト、カティ・ラウニアイネンのイラストで、作者の「日記」から誕生したキャラクターです。2009年に初めての本が出版されました。日本語、ドイツ語、英語、フランス語の他多くの言語に翻訳されています。2002年~2015年にはフィンランドの新聞最大手「ヘルシンギン・サノマット」に掲載された他、絵はがき、ステッカー、バッグ、マグカップ、ぬいぐるみ、壁画などさまざまなグッズも展開されていました。Hihka: ■会社概要<ブランドライセンス管理>社名 : 株式会社クラウン・クリエイティブ所在地 : 〒100-0014 東京都千代田区永田町2-13-1 オカムラ赤坂ビル4F代表者 : 代表取締役 吉野 房彦事業内容: ブランド&キャラクター・ライセンス管理URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月06日北欧フィンランドを代表するファッションブランドIvana Helsinki(イヴァナ・ヘルシンキ)を展開する、Markkinointi P. Suhonen Oy(マルッキノインティ・ピー・スホネン社、所在地:ヘルシンキ)は、2021年9月9日(木)駐日フィンランド大使館 メッツァ・パビリオンにて展示会を開催いたします。このイベントは、国内最大級のファッションの祭典『Rakuten Fashion Week 2022 S/S』の公認イベントです。SALAMAMAA柄のドレスLYYTIイヴァナ・ヘルシンキは、1998年にフィンランドで設立されたブランドで、北欧ライフスタイルとスラブ地方独特の憂愁、アメリカのヴィンテージを繊細に融合して表現した、ノスタルジーあふれる作風を特徴としています。デザイナー Paola Ivana Suhonen(パオラ・イヴァナ・スホネン)の幼少期の思い出や、夢、風景、自然や動物に対する深い愛情に基づいた、過去と現在をミックスさせた、美しくオリジナリティあふれるデザインワークは、国内外で多くのファンの心をとらえています。また、パオラ・イヴァナ・スホネンは、クリエーションには垣根がないという考えのもと、アート、ファッション、デザイン、映像、音楽と、幅広いジャンルで才能を発揮しています。会場では、イヴァナ・ヘルシンキの世界を商品展示、スライドショー、ライブプレゼンテーションによって紹介し、最新のレディスウェアやアクセサリー、ブランドを代表するデザインやアイテムが展示されます。コロナ禍でのデザイナー来日が困難なため、ヘルシンキと東京を繋いだハイブリッドイベントを開催し、デザイナーのパオラ・イヴァナ・スホネンによるオンラインでのプレゼンテーションやデザインスタジオツアー、来場者やオンライン参加者への質疑応答をリアルタイムで行います。さらにイベント会場となる駐日フィンランド大使館商務部のラウラ・コピロウ氏とのトークショーも予定しています。プレゼンテーションでは、2022SSの新作発表も行います。イベントの企画運営は、2020年より日本におけるエージェントである、株式会社アンドフィーカ(所在地:東京都目黒区下目黒、代表:今泉 幸子)が担当し、同イベントをきっかけに、インポートとライセンスによるブランド強化を進めて参ります。イベント会場となるメッツァ・パビリオンはフィンランド語で「森」を意味し、再建築できるサステナブルな建築物として、フィンランド大使館商務部とパートナー企業により同大使館敷地内に2020年秋にオープンした、2021年末までの期間限定施設です。自然・テクノロジー・サステナビリティをテーマに掲げ、オリンピック・パラリンピック期間のフィンランド代表チームのナショナル・パートナーハウス「Home of Finland」としての機能に加え、フィンランドの文化とビジネスを広めるプラットフォームとして、企業や組織による様々なイベントやPR活動が行われています。内装デザインは、世界的に有名なウッラ・コスキネンによってデザインされ、フィンランドの各企業から提供された木製を中心とした家具が配置されています。そのシンプルで美しい空間のなかで、イヴァナ・ヘルシンキの世界を、映像や音楽を交えて演出いたします。なお、今回のイベントは、新型コロナウイルス感染防止のため、時間帯による人数制限をするとともに、オンラインによる配信も加えたハイブリッド形式で行います。【展示会概要】日時:2021年9月9日(木)11時~19時13時~14時30分 ライブトーク(1)Ivana Helsinkiの代表的なパターンのプレゼンテーションイヴァナ・ヘルシンキのアイテムによる室内装飾もライブで紹介15時~16時30分 ライブトーク(2)Ivana Helsinki 2022 SS コレクションのプレゼンテーションデザインアトリエのライブツアーも実施17時~18時15分 パオラ・イヴァナ・スホネンと駐日フィンランド大使館商務部ラウラ・コピロウ氏によるトークショー場所:駐日フィンランド大使館 メッツァ・パビリオン〒106-8561 東京都港区南麻布3-5-39【お申込み】入場及びZoomウェビナーオンラインセッションとも、事前登録が必要です。下記イベント参加登録フォームから事前に申込みをしてください。 申込み締め切り:2021年9月7日(火)17時※大使館敷地内での開催のため、事前のお申込みをされていないと入館できません。入館の際に申込み受付完了メールとご本人確認が出来る証明書(免許証、パスポート、健康保険証など)のご提示をお願い致します。【Ivana Helsinkiブランド】1998年にデザイナーのPaola Ivana Suhonen(パオラ・イヴァナ・スホネン)によって設立されたブランド。デザイナーの幼少期の思い出や、夢、風景、自然や動物に対する深い愛情に基づいた、過去と現在をミックスさせた、美しくオリジナリティあふれるデザインワークが特徴。スラブ地方独特の憂愁や北欧、アメリカのヴィンテージを繊細に融合したノスタルジーあふれる作風で、アート、ファッション、デザイン、映像、音楽と、幅広いジャンルで融合されている。ドレスからホームデコレーションまで様々なアイテムで展開されているオリジナルプリントが特徴。アートから生み出される商品ひとつひとつを、毎日をわくわくさせる特別なステートメントピースとして捉えている。トレンドを追うことなく、自らトレンドを作り、色あせることのない作品と機能的でサステナブルなラグジュアリーを創造している。パリコレとニューヨーク・ファッション・ウィークに正式参加した唯一のフィンランドのブランドで、コカ・コーラ、ユニクロ、スワロフスキー、トップショップ、グーグル、カルフール、ソコス・ホテル、ノキアなど、数多くの国内外の企業とも協業。2018年にはヘルシンキ東地区に、旗艦店、デザインスタジオ、ミニモーテル、ショールームと夏季限定のカフェを併設した、建築的にもユニークな「イヴァナ・ヘルシンキ・ハウス」をオープン。音楽や映画、ダンスイベントなど様々な催しが企画されている。【デザイナー】Paola Ivana Suhonen(パオラ・イヴァナ・スホネン)1974年生まれ。デザイナー、アーティスト、起業家、ミュージシャン、映画監督として多角的に活躍。1998年にイヴァナ・ヘルシンキを設立。ヘルシンキのアアルト大学とロサンジェルスのアメリカン・フィルム・インスティテュートで芸術修士を取得。マンハッタンのノリータ地区でアートスペースも運営。自身の感受性や人間性から主体的に作品を作り、同時にパワフルで映画的な作品を創造している。その姿勢はファッションフィルムやドキュメンタリー、フィクション映画にも反映されていて、撮影監督として携わった映画では、2013年に、栄誉あるスチューデント・エミー賞を獲得。ヘルシンキのアアルト大学とヘルシンキ・デザイン・スクールで招聘講師として教鞭をとる。また、児童書“Special dog Affe”を発刊し、動物の権利保護やファッションにおけるサステイナビリティの推進者としても知られている。また、フィンランドの栄誉ある芸術賞である、Pro Finlandia(2013年)とSuomi-prize(2018年)を授与される。またフォークロックバンド Lone Deer Laredoのメンバーとして、作詞作曲を手掛ける。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月01日展覧会「ザ・フィンランドデザイン展 ―自然が宿るライフスタイル―」が、福岡の北九州市立美術館にて2021年8月29日(日)まで開催される。北欧フィンランドのライフスタイルとデザインに迫る展覧会「ザ・フィンランドデザイン展 ―自然が宿るライフスタイル―」は、北欧フィンランドの人々の豊かなライフスタイルと、創造に満ちたデザインの数々を紹介する展覧会。会場には、ヘルシンキ市立美術館監修のもと、フィンランド・デザイン・ミュージアム、タンペレ市立歴史博物館などのコレクション作品約250点と関連資料約80点が集結する。豊かな自然に寄り添う彩りあふれたデザイン豊かな自然に囲まれたフィンランドは、1917年にロシアから独立すると首都ヘルシンキを中心に近代化が進み、1930年代から1970年代にかけて多くのデザイナーやアーティスト、建築家が誕生。「大いなる自然を忘れない」という考えに裏付けられた発想をもとに、彩りにあふれたデザインが続々と生み出されていった。美しく豊かなデザイン・プロダクツは、自然とともに生きるフィンランドの人々の暮らしに寄り添い、長きにわたって愛されている。マリメッコの生地やアルヴァ・アアルトのガラス工芸例えば、マリメッコ(marimekko)やフィンレイソン(Finlayson)の明るく華やかなテキスタイル、アルヴァ・アアルト、カイ・フランクといった巨匠たちのガラス工芸や陶磁器などは、フィンランドにとどまらず、日本でも根強い人気。会場には、親しまれてきたデザイン・プロダクツに加え、家具、絵画などの美術作品も登場する。【詳細】ザ・フィンランドデザイン展 ―自然が宿るライフスタイル―開催日時:2021年6月26日(土)~8月29日(日) 9:30~17:30(入館は17:00まで)※月曜日は休館(ただし月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌火曜日が休館)会場:北九州市立美術館本館住所:福岡県北九州市戸畑区西鞘ヶ谷町21-1料金:一般 1,300円、高大生 800円、小中生 600円【問い合わせ】北九州市立美術館TEL:093-882-7777
2021年07月16日美しい森と湖で知られる北欧の国フィンランド。 日本でもファンの多いフィンランドのモダニズムの原点を築いた建築家、エリエル・サーリネン(1873-1950)の活動を紹介する展覧会が、7月3日(土)よりパナソニック汐留美術館にて開催される。サーリネンはヘルシンキ工科大学在学中に出会ったゲセリウスとリンドグレンと共同で設計事務所を設立。1900年のパリ万博フィンランド館をこのふたりとともに設計し脚光を浴び、ヘルシンキ郊外の湖畔に、設計事務所兼共同生活の場 ヴィトレスクを設けた。住宅、商業建築、公共建築、駅や都市のデザインと、次第に幅を広げていくサーリネンの設計活動は、多様な文化を受け容れつつ民族のルーツを希求した初期のスタイルから、独自の形態を通じて新しいフィンランドらしさを提示しようというモダニズムへと展開していった。1923年アメリカに移住。自ら設計したクランブルック・アカデミー・オブ・アート(美術学校)で教鞭をとるほか、同じく建築家となった息子のエーロ・サーリネン(1910-1961)と建築事務所を設立し、ともに設計に励んでいた。同展では、渡米前のフィンランド時代の活動にスポットをあて、公共建築や都市計画から、住宅や生活のデザインまでを紹介。つねに革新を求めつつ、自然や風土に根ざし、光と陰影をとりこんで豊かな表情を見せるサーリネンのデザインに、これからの生活のあり方を考え直すためのヒントが隠されていそうだ。≪1900年パリ万国博覧会フィンランド館≫ラハティ市立博物館≪ヴィトレスクのサーリネン邸のダイニングルーム≫Photo: Ilari Järvinen/Finnish Heritage Agency, 2012エリエル・サーリネン≪椅子「コティ」≫1897年 フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵エリエル・サーリネン≪バラのタペストリーのスケッチ≫1904年 フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵≪建築家エリエル・サーリネンの肖像写真≫Photo: Daniel Nyblin/ Finnish Heritage Agency, 1897【開催概要】『サーリネンとフィンランドの美しい建築展』会期: 7月3日(土)~9月20日(月)会場:パナソニック汐留美術館時間:10:00~18:00(8月6日、9月3日は20:00、入館は閉館30分前まで)休館:水曜、8月10日(火)~13日(金)公式サイト:
2021年06月07日仕事や人間関係において、悩みが多くなればなるほど“心の健康”を保つのが難しいと感じている人も多いのでは?そこで、「世界幸福度ランキング」で、2018年から3年連続で1位を獲得しているフィンランドから届いた心温まる1本をご紹介します。それは……。『世界で一番しあわせな食堂』【映画、ときどき私】 vol. 360フィンランド北部・ラップランド地方の小さな村にある食堂に現れたのは、上海で料理人として働いていたチェンとその息子。恩人を探すためにやって来たというが、その人物を知る者は誰もいなかった。そんななか、食堂をひとりで経営していた地元の女性シルカは、チェンに食堂を手伝ってもらう代わりに恩人探しに協力することを提案する。恩人は見つからないままだったが、チェンの料理は評判となり、食堂は大盛況。次第にチェンは、シルカや常連客と親しくなっていく。ところが、チェンの観光ビザの期限が迫り、帰国の日が近づいていた……。日本でも人気の高い北欧のライフスタイルを垣間見ることができる本作。そこで、こちらの方にさらなる魅力について、お話をうかがってきました。ミカ・カウリスマキ監督弟で映画監督のアキ・カウリスマキとともに、フィンランド映画界を代表する存在のミカ監督。今回は、本作の見どころや舞台裏、そして“真の幸せ”について語っていただきました。―舞台となっているラップランド地方の美しい景色は見どころのひとつだと思いますが、監督にとってこの土地の魅力とはどのようなところでしょうか?監督本当に魅力的な場所なので、止めてくれないといつまでも話せるくらい(笑)。ラップランドこそがこの作品のスタートでもありますが、もともとは35年前に現地で始めたミッドナイト・サン映画祭がきっかけでした。そのため、いまでは映画祭を行う6月とクリスマス休暇中の冬に毎年訪れています。夏でも冬でもそこには美しい自然が広がっていて、寒暖と明暗の両方を味わうことができるので、本当に特別な場所。そのなかでも、僕が好きなスポットは2か所あって、まずは劇中にも出てくる森のなかでダンスができる施設。ここはいつも映画祭でも使用しているほど、お気に入りの場所です。そしてもうひとつは、美しい山の景色。ラップランドの空気はとても澄んでいますし、湖の水も飲めるくらい本当にキレイなんですよ。―画面からもその美しさは伝わってきました。そんななか、現地では数年前から中国人観光客が殺到している様子を目の当たりにしたそうですね。それによって街に変化を感じることもありますか?監督いろいろな意味で、とても興味深いなと思って見ていました。もちろん、そこに住んでいる人たちにとっては、経済的に良い点もあるけれど、僕としてはあまり観光客が多くなりすぎると、その場所自体が破壊されてしまうのではないかという心配も正直あったので。非常に複雑な気持ちと言えるかもしれませんね。ただ、地元の人たちには、お金だけを追うのではなく、自然を保つことも忘れずに、バランスを取っていってほしいなとは思っています。長い歴史を誇る中国の料理との対比を見せたかった―本作では、料理がもうひとつの主人公のようでした。なかでも中華料理にスポットを当てていますが、劇中に登場する料理で監督のお気に入りはありますか?監督本当に全部美味しかったんですけど、強いて言うならトナカイとハーブを組み合わせた一品。フィンランドにはなかなかない料理なので、印象に残っていますね。今回の現場ではキャストやスタッフ用のケータリングでも劇中と同じメニューを出していたので、休憩になった瞬間にみんな食べ物に飛びついていたほど(笑)。現地で獲れた魚なども使っていたので、最高の食事とともに撮影できる環境でした。―ただ、監督はフィンランドでは多くの人が不健康な食事をしていると感じているのだとか。どのような食生活を送っているのでしょうか?監督「フィンランド」と言われて、最初に「食」が思い浮ぶことがないくらいここには食の文化というものがありません。さすがに最近は以前よりもおいしいレストランが増えてきて、料理も多様化してきましたが、それでも私たちは昔ながらの肉や魚を使ったシンプルな料理を食べています。というのも、フィンランドでは、食べ物に対して「お腹がいっぱいになればいいよね?」みたいなところがありますから(笑)。そういったこともあり、医食同源的な考えを持ち、長い歴史を誇る中国の料理との対比をコメディとして劇中で見せられたらおもしろいだろうなと思いました。もちろん、フィンランドにもおいしい食べ物はありますけどね!―(笑)。あと、監督は日本食もお好きだとうかがっていますが、きっかけなどはありますか?監督僕が初めてお寿司を食べたのは、1980年代初頭のドイツはベルリン。本当においしくて、すごく大きな感銘を受けた瞬間でした。それ以来、ずっとお寿司やお刺身の大ファンなので、以前作品のプロモーションで日本に行ったときにも、1週間毎日「お寿司が食べたい」と言い続けていたほど。そしたら、配給会社のみなさんから「監督、日本にはほかにも料理があるのですが……」と言われてしまったこともありました(笑)。でも、それくらいお寿司をずっと食べ続けていたいほど大好きなんですよ。いまでは、いろいろと試しましたが、日本料理はどれもおいしいので一番好きな料理のひとつとなりました。世界中を旅して、現地のものをたくさん味わってきた僕でも、やっぱりお寿司が一番のお気に入りですね。全人類が力を合わせて地球を守るべき―日本人としてはうれしいお言葉です。では、弟のアキ・カウリスマキ監督についてもおうかがいしたいのですが、お互いの映画について話し合うこともありますか?監督いつも別々の国に住んでいることが多いので、会う機会があるとすれば、2人で始めたミッドナイト・サン映画祭を開催する夏の時期だけ。しかも、映画の話はほとんどしなくて、一緒に経営しているレストランやバーについての話ばかりしていますよ(笑)。―そうなんですね(笑)。とはいえ、お互いに刺激を与えあっているところもあるのでは?監督確かに、一緒にいろいろな映画を観て育ち、一緒に映画を作り始めたので、テイストが似ているところはあると思います。ただ、あくまでもそれぞれが自分の作品を作っている、という感じですね。僕たちは以前からいくつかのお店を一緒に営んでいますが、そのなかでも30年くらい前からやっている映画館とレストランやバーを合わせた複合施設をちょうど去年リニューアルオープンしたところなんです。だから、余計に会うとその話ばっかりになってしまうんですよね。ちなみに、お店の名前はなんと偶然にも『コロナバー』と言います(笑)。ヘルシンキではけっこう有名なので、日本からの観光客の方にもよく足を運んでいただいていますよ。―落ち着いたらぜひ『コロナバー』にお邪魔したいです。また、映画のなかではグローバリズムについても描かれています。海外生活が長い監督だからこそ、その重要性について実感することも多いのではないでしょうか?監督本当その通りですね。人類はいま、たくさんの大きな挑戦に直面しているので、それと戦うためには、みんながひとつにならなければいけないと感じています。気候の問題からパンデミック、戦争までいろいろありますよね。でも、さまざまな場所に住んできたからこそ思うのは、誰にとっても一番重要なのは日々の生活。つまり、食や安全、健康、愛、宗教などですが、信じるものがなんであろうとみんなが必要としているものは共通して基本的なものなんですよね。それを今回の映画でも見せています。人生において、私たちが目を向けるべきは本当にシンプルなものなのに、クレイジーな独裁者たちが真逆なことをしていて、人々を分断するような怖いシナリオが進められているんです。本来ならいまこそ全人類が力を合わせてひとつになり、私たちが住む美しい地球や自然を守っていかなければならないんですけどね……。人が幸福になるために必要なのは、シンプルなもの―そういう状況だからこそ、改めて「幸せとは何か?」を考えている人も多いと思います。“世界一幸福な国”と言われるフィンランドに住む監督にとって、“真の幸福”とは何ですか?監督実は、フィンランドが幸福度ランキングで1位だと知ったときには驚きました。なぜなら、フィンランド人は、そこまで自分たちが幸福だと思っている人は多くないですからね(笑)。おそらく幸福度ランキングというのは、社会福祉や基本的な生活に必要な教育や医療システムといったものがきちんとしているかどうかという意味においてですよね。確かに、そういった幸福であるために必要な土台に関しては、しっかりしていると思います。でも、真の幸福というのは、家族や子ども、友人、好きな仕事といったものが大事なんじゃないかなとは思います。だから、人が幸福になれる理由はすごくシンプルなことなんですよね。あとは、安心できる環境かどうかというのも重要なポイントかなと。フィンランドは安全な場所なので、そのあたりの安心感はありますし、税金を払う気になる環境が用意されていると感じています。フィンランドでは子どもがひとりで出かけることはできますが、ブラジルに住んでいたときはボディーガードをつけなければ、絶対に出かけられませんでしたからね。そういったことがかなわない多くの国に比べると、基本的な幸福に必要なものがそろっている国だと思います。いまこそみんながひとつになることが大事―では、コロナ禍や分断が広がる社会で幸せを見失っている人も多いと思うので、日本の観客にも伝えたいメッセージがあればお願いいたします。監督この作品を観てくださった方のなかで、希望を感じ取ることができたとおっしゃっていた方がいましたが、それこそがこの映画を作った理由のひとつでもあります。なので、他人のことをケアすることで生まれる喜びのように、すごくシンプルなことからスタートするべきかなと。繰り返しにはなりますが、みんながひとつになることが本当に大事だと思っています。実際に起きてしまったことは喜ばしいことではないけれど、たとえばトランプ前大統領のような人物がトップに立つと世界がどういう方向に行ってしまうのか、ということがわかった人は多かったはずです。なので、教訓を得られたという意味ではよかったのではないかと感じています。ただ、SNSに対してはまだ心配なところはありますね。「ソーシャル」という言葉が入っているように社交性を促しているものではあるけれど、実際には極論を言う人やテロリストのような人たちに利用されているところもありますから。ただ、こういった状況が加速していくと、SNSに関連する大手企業がすべての情報をコントロールし、私たちの考え方を支配してしまう可能性もあるのかなと。そうなる前に、みなさんには自分自身で判断できるようになってもらいたいです。SNSは“いい使用人”ではあるけれど、“いい主人”ではありませんから。いくつかの企業にコントロールされてしまわないように気をつけてほしいなと思っています。寒い国から届いた最高に温かい1本!美しい自然の景色と思わずのどが鳴る料理の数々に、釘づけになってしまう本作。目が喜ぶだけでなく、文化や言葉を超えて生まれる人と人との絆にも心が満たされるのを感じられるはずです。取材、文・志村昌美ほっこりする予告編はこちら!作品情報『世界で一番しあわせな食堂』2月19日(金) 新宿ピカデリー、渋谷シネクイント 他、全国順次ロードショー配給:ギャガ©Marianna Films
2021年02月17日世界幸福度ランキング第1位の北欧・フィンランド発、地元の人たちと異国の料理人の出会いを描く、心温まる映画『世界で一番しあわせな食堂』より場面写真が公開された。フィンランド北部の小さな村にある食堂へ、上海から料理人チェンとその息子がやって来た。恩人を探していると言うが、知る人は誰もいない。食堂を経営するシルカは、チェンが食堂を手伝う代わりに、恩人探しに協力することとなる。恩人探しが思うように進まない一方で、チェンが作る料理は評判となり、食堂は大盛況。次第にチェンとシルカ、そして常連客とも親しくなっていくチェンだったが、観光ビザの期限が迫る――。毎年国連が発表している「世界幸福度ランキング」で、2018年から3年連続1位を獲得しているフィンランド。本作はそんなフィンランド北部・ラップランド地方の小さな村が舞台。到着した場面写真では、料理人のチェンがフィンランドで出会う食堂の女主人シルカに料理を教えるシーンや、ダンスに挑戦する少しぎこちなさが垣間見えるシーン。村人たちと一緒にサウナを楽しむ様子など、ふとした幸せを感じる場面が切り取られている。また、この地域でしか見ることのできない、太陽が沈まない美しい白夜が描かれる。湖畔で静かに白夜の日差しを浴びるチェンとシルカの姿も写し出されている。本作の監督ミカ・カウリスマキは、ラップランドの大ファンで年2回は訪れているそうで「ここは手つかずの自然が残っており、まだ人々によって台無しにされていない、とても神秘的な場所」と説明し、「視覚的に美しくエキゾチックなだけでなく、素朴でオープンな場所だからここを舞台に選んだんだ。素朴でオープンな場であるからこそ、人々はゆっくりと自分自身に向き合うことができる」とコメント。そんななか、なかなか見ることのできない神秘的な自然や美味しい料理を観て楽しむことで、旅行気分も味わえそうだ。『世界で一番しあわせな食堂』は2021年2月19日(金)より新宿ピカデリー、渋谷シネクイントほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:世界で一番しあわせな食堂 2021年2月19日より新宿ピカデリー、渋谷シネクイントほか全国にて公開©Marianna Films
2020年12月23日フィンランドの首相、サンナ・マリン氏の服装を巡り、ネット上では大きな議論が巻き起こっています。サンナ・マリン氏は2019年12月10日に、世界最年少の34歳の女性首相として就任し話題となっていました。「女性を服装で判断するべきではない!」擁護の声高まることの発端は、サンナ・マリン首相が、同国の女性誌『トレンディ』にて、谷間が大きく開いたスーツ姿で撮影したことでした。その姿が、こちらです。 View this post on Instagram A post shared by Trendi & Lily (@trendimag) on Oct 8, 2020 at 2:00am PDT素肌の上にスーツを着用したことで、胸元があらわに。この写真に対し、批判の声が集まったのです。・首相としての信頼が落ちますよ。女性なんだから、下品な格好をしないで。・恥ずかしい。こういう服装はやめて。・首相なのに、こんな撮影をしている暇があるのか。時間の無駄では?アメリカのニュースメディア『CNN』によると、同誌にこのような非難の声が寄せられたのは初めてとのこと。同責任者によれば、同社の女性ファッション誌ではこれまで長年、知名度の高い女性がシャツなしでブレザーを着た写真を掲載してきたが、このような反響があったことはなかったという。CNNーより引用批判に対し「女性を服装で判断すべきではない!」の声サンナ・マリン首相の服装への非難が話題となった後、今度は逆に擁護する声が多く上がりました。・TPOをわきまえていればどんな服装をしたっていいはず。ファッション誌への掲載なんだから問題ないでしょう。・似合っているし、何が問題なの?わざわざ非難することでもない。・見た目で能力とか判断される社会じゃなくなるといいなぁ。・「女性だから」「首相だから」というのは、服装を制限する理由にはならないよ。さらに、SNSでは『#imwithsanna』つまり『#サンナとともに』というハッシュタグが誕生。男女関係なく、素肌の上にスーツを着用した写真を投稿し、批難の声に抗議する人が続出しています。結果的に、サンナ・マリン首相の姿は『立場ある女性の服装』について大きな議論を巻き起こしました。TPOを守ることは大切ですが、性別や立場によって服装の自由を奪われることのない社会となってほしいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月22日2019年カンヌ国際映画祭監督週間で上映され注目を浴びたフィンランド映画『ブレスレス』(原題:DOGS DON’T WEAR PANTS)が日本公開決定。ポスタービジュアルと場面写真も到着した。不慮の事故により突然妻を失った外科医のユハ。彼は妻を救えなかったという自責の念から、毎日を無気力で死んだように過ごしていた。十数年後、ふと迷い込んだSMクラブに、ボンデージ衣装に身を包んだドミナトリクス(女性の支配者)のモナがいた。客と間違えられたユハは、そこで思いもかけない体験をする。首を締められ酸欠状態の中、目の前に現れた映像は妻の死の直前の姿。僅かながらも生きる糧を見つけたユハは、その日を境に、モナの元に通いはじめる――。失意の中を生きてきた男と、痛みを与えることでしか生きられない女…。出会ってしまった2つの悲しみは、誰にも奪えない唯一無二の愛へと発展していく。その斬新なストーリーと卓越した演出力、完成された映像美で多くの観客に衝撃と感動を与えた本作。監督は、前作『2人だけの世界』がヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭ほか、世界40か国の映画祭で上映され、本国フィンランド・アカデミー賞(ユッシ賞)で7部門にノミネート、作品賞と監督賞を含む4部門を受賞した、北欧を代表する気鋭の監督として注目を集めているユッカペッカ・ヴァルケアパー。主演のユハは、ゲイアートの先駆者でありフィンランドの国民的芸術家の半生を描いた『トム・オブ・フィンランド』でトムを演じたペッカ・ストラング。ドミナトリクス(女性の支配者)として生き、ユハと共にさらなる危険な愛の領域へと足を踏み入れるモナは、クリスタ・コソネンが演じている。日本公開決定と同時に到着したポスタービジュアルは、モナのSMルームの真っ赤な照明が印象的な、ユハとモナの異質な愛の形が垣間見える写真を使用。なお本作は、現地時間10月14日(日本時間10月15日)に発表された2020年ユッシ賞(フィンランド・アカデミー賞)では、9部門にノミネート、主演男優賞ほか6部門で受賞という、前作を超える快挙を成し遂げた。『ブレスレス』は12月11日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2020年10月20日フィンランドは、人口あたりの音楽家の比率が世界で最も高い国だということを耳にしたことがある。そのフィンランドが生んだ“異才”ムストネンが「東京・春・音楽祭2020」に登場する。経歴にもある通り、ピアニストであるとともに、作曲家・指揮者としても活躍するムストネンはまさに“音楽家大国”フィンランド音楽界を代表する存在だ。その尖った活動ぶりは、ちょっと普通じゃない過去の来日公演やアルバムの数々からも感じ取れる。最初の衝撃はベートーヴェンの小品ばかりを収めたアルバムだった。「パガテル作品126」の強烈無比のタッチと切れ味抜群の演奏は今もファンの間での語り草。来日公演で披露した、バッハとショスタコーヴィチの「前奏曲とフーガ」を交互に奏でるステージにも、単なるピアニストとは一味違うムストネンのこだわりが見えて目からウロコの連続だったことが思い出される。今回のステージでは一体どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか興味津々。●公演概要3月22日(日)東京文化会館小ホール「オリ・ムストネン/東京・春・音楽祭2020」●オリ・ムストネン(ピアノ)(c)Heikki Tuuliラフマニノフ、ブゾーニ、エネスクといった偉大な作曲家の伝統を継ぎ、作曲家、ピアニスト、指揮者として非凡な才能を持つ、今日の音楽界において特異な存在である。一人三役での公演も多く、その傑出した業績が称えられ、過去にはダニエル・バレンボイムやパーヴォ・ヤルヴィも受賞した名誉あるヒンデミット賞を、2019年に授与された。およそ35年にわたるキャリアにおいて、自身の非凡なる音楽的見識を発揮し、これまでに、ベルリン・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、シカゴ交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ニューヨーク・フィル、ロサンゼルス・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、パリ管弦楽団等の著名オーケストラと、ウラディーミル・アシュケナージ、ダニエル・バレンボイム、ヘルベルト・ブロムシュテット、ピエール・ブーレーズ、チョン・ミョンフン、シャルル・デュトワ、クリストフ・エッシェンバッハ、ニコラス・アーノンクール、クルト・マズア、ケント・ナガノ、サカリ・オラモ、エサ=ペッカ・サロネン、ユッカ=ペッカ・サラステ、パーヴォ・ヤルヴィ等の指揮者と共演している。2019/20シーズンは、自身の新作《Taivaanvalot》をイアン・ボストリッジ&スティーヴン・イッサーリスとアムステルダムのミュージックヘボウ・アアン・ヘット・アイで初演、その後ウィグモア・ホールと香港でも公演を行う。ボン・ベートーヴェン音楽祭から委嘱された弦楽六重奏曲は、2020年2月にタベア・ツィンマーマンらによって初演される。また、ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルとの共演や、オークランド・フィルへ弾き振りでの客演の他、南アメリカ・ツアーや各国でリサイタルなどがある。輝かしい音楽家との交流を持ち、ロディオン・シチェドリンからピアノ協奏曲第5番を献呈され、シチェドリンの70歳、75歳、80歳を祝うバースデーコンサートに招待された。またヴァレリー・ゲルギエフとは幾度も共演を重ね、これまでにマリインスキー劇場管弦楽団、ミュンヘン・フィル、ロンドン交響楽団、ロッテルダム・フィル等と演奏している。昨シーズンはフィンランド独立100周年式典で、ソリストとしてエーテボリ交響楽団と共演した。世界各地でリサイタルを行い、ワルシャワのショパン協会、ペルミのディアギレフ音楽祭、マリインスキー劇場、ドレスデン音楽祭、シカゴのシンフォニー・センター、ニューヨークのザンケル・ホール、シドニーのオペラ・ハウス等に登場している。スティーヴン・イッサーリスとは30年以上にわたり共演を続け、近年はヒンツガルフ音楽祭、魔法にかけられた湖音楽祭、ウィグモア・ホール、イタリア・ツアーなどで共演した。プロコフィエフの解釈には定評があり、ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団とのピアノ協奏曲全曲の録音がオンディーヌからリリースされた。ピアノ・ソナタ全曲演奏会を、ヘルシンキ・ミュージック・センター、アムステルダム・ムジークヘボウ、メキシコのセルバンティーノ国際音楽祭、シンガポール・ピアノ・フェスティバル、ルール・ピアノ・フェスティバル等で開催し高評を得た。ベートーヴェンも重要なレパートリーであり、協奏曲は全曲とも何度も演奏し、ピアノ・ソナタ連続演奏会も各地で開催している。録音では、1997年にリリースしたロンドン・デッカからの『ショスタコーヴィチ&アルカン:前奏曲集』がエディソン賞とグラモフォン賞を受賞。オンディーヌからはほかに、『レスピーギ:ミクソリディア旋法の協奏曲/ローマの噴水』(サカリ・オラモ指揮フィンランド放送交響楽団)をリリースしている。イッサーリスとの録音は、BISレーベルよりマルティヌー、シベリウス、ムストネンの作品をリリースされているほか、ハイペリオンからの最新盤のショスタコーヴィチとカバレフスキーのアルバムが好評を博す。 ヘルシンキ生まれ。5歳よりピアノ、ハープシコード、作曲を学ぶ。最初にラルフ・ゴトーニに、その後ピアノをエーロ・ヘイノネンに師事した。
2020年03月12日埼玉県さいたま市にある温浴施設「おふろcafe utatane」をご存知でしょうか?「おふろ café utatane」は、北欧の雰囲気と木の温もりを感じられる空間で“友達の家のように寛ぐことができる”をコンセプトにした「おふろ屋さん」と「ホテル」。今ラウンジは北欧の「ピックヨウル(クリスマスパーティー)」バージョン!自分の本なら持ち込んでも良い大浴場、おしゃれなレストラン、漫画や雑誌がずらりと並んだブックコーナー、ボディケア・エステが受けられるほか、ごろ寝ができるリラックススペースに無料のコーヒーが飲めるラウンジ。そしてパソコンとWi-Fiが完備されたワーキングスペースと、お風呂を中心に施設内容が充実!好きな時に好きなだけ、好きなタイミングで入れる大浴場には、名湯「白寿の湯」から運び湯した露天風呂も。ナトリウムを多く含む塩化物強塩泉で保温効果が高く、冷え性・疲労回復効果が期待できます。また、今トレンドのサウナも備わっています。「おふろcafe utatane」のサウナは、「ロウリュ」というフィンランドに伝わる蒸気浴。アロマオイル入りの水が熱したサウナストーンで蒸発され、室内に癒しの香りが広がるリラックス空間で爽やかな汗を流すことができます。12月25日(水)までは期間限定で、モミの木のアロマオイルを使ったロウリュが楽しめます。爽やかでほんのり甘いニュアンスの樹木系の香りで、サウナなクリスマス!さらにお風呂で泥パックができるなど、女性に嬉しい仕掛けがたくさん!宿泊はお一人様限定ビジネスプランや、ボディケア20分付プラン、素泊まりプランなど、様々なシチュエーションに合わせたプランを用意。一人でゆっくりとお風呂に入って本を読んだり、友達とおしゃべりしながら暖炉で温まったり、ハンモックに揺られながらぼんやりと過ごしたり。いつもとちょっと違った環境で仕事をしたりと、使い方はアナタ次第。クリスマス仕様で、冬の白樺の森ハンモックゾーンが登場!本物の雪の中にいるような雰囲気を味わえます。また、2019年12月25日(水)までの期間では、フィンランドのクリスマスパーティー「ピックヨウル」イベントを開催中。11月から12月にかけてのホリデーシーズンをお祝いする習慣があるフィンランドでは、家族や友人など大切な人と一緒に「ピックヨウル」を開いたり、「ヨウルサウナ(クリスマスサウナ)」に入って一年を振り返りながら、楽しいひとときを過ごすそう。フィンランドのクリスマスを再現した「おふろcafe utatane」で、北欧流の冬の楽しみを満喫してみてはいかがでしょうか? フィンランドのクリスマスパーティー『ピックヨウル』開催期間:2019年11月8日(金)〜12月25日(水)(1)フィンランド冬の風物詩の雑貨市「クリスマスマーケット」を館内に再現(2)レストランでフィンランド大使館監修のクリスマス伝統料理を提供(3)サウナで「モミの木のアロマオイル」を用いたフィンランド式蒸気浴体験(4)本物の雪の中にいるような、「冬の白樺の森ハンモック」ゾーン登場(5)フィンランドの伝統品づくりワークショップを毎日開催おふろcafe utatane住所:埼玉県さいたま市北区大成町4丁目179-3営業時間:10:00~翌9:00(23時間営業) レストランは11:00~23:30 L.O.料金:施設利用料に準ずる 例)フリータイム 平日1,260円〜 タオル・館内着付き公式HP:::: : Mizuki Igarashi
2019年12月02日フィンランド最古のベーカリーカフェ「エクベリ(Ekberg)」が日本初の期間限定ショップをオープン。2019年10月2日(水)から7日(月)まで、東京・松屋銀座本店8階催事場に登場する。「エクベリ(Ekberg)」とは?「エクベリ(Ekberg)」は、1852年にヘルシンキで創業したフィンランド最古のベーカリーであり、パティスリー、カフェレストランでもある老舗店だ。フィンランド伝統の味を大切にし、オリジナルレシピに基づいたパンやケーキを展開している。本国では、惣菜なども取り扱い、「カフェ エクベリ」では「エクベリ」伝統のフードを提供するなど、地元民に愛され続けている名店だ。「エクベリ」日本初登場そんな北欧の老舗ショップが日本へ。松屋銀座の期間限定ショップでは、「エクベリ」オリジナルのシナモンロール「コルヴァプースティ」をはじめ、アラビカコーヒーや缶入りブレンドティー、エクベリロゴ入りバッグといった、ギフトに最適なアイテムも販売される。フィンランド流のシナモンロール実演中でも注目は、フィンランドの国民的パンと称される「コルヴァプースティ」。「コルヴァプースティ」は、フィンランド流のシナモンロールで、シナモンとカルダモンをたっぷりと使用した香り高いメニューだ。今回は、日本の有名ベーカリー・アンデルセンとともにエクベリ秘伝のレシピとノウハウを活用しながら、「コルヴァプースティ」を実演販売する。【詳細】「エクベリ(Ekberg)」期間限定ショップ開催期間:2019年10月2日(水)~2019年10月7日(月)10:00~20:00※最終日は17:00まで。会場:松屋銀座本店8階イベントスクエア住所:東京都中央区銀座3-6-1<メニュー例>コーヒー(250g)2,700円(税込)紅茶(60g) 2,592円(税込)コーヒー1杯 432円(税込)ジュートバッグ 2,750円(税込)シナモンロール 486円(税込)<シナモンロール作りの実演>11:00~12:00、14:00~15:00、15:30~16:30※4日(金)のみ15:30~16:30なし。
2019年09月28日プロダクトデザイナー、ハッリ・コスキネン(Harri Koskinen)がデザインしたカプセルホテル「マヤ ホテル キョウト(MAJA HOTEL KYOTO)」が、京都中心地河原町エリアに12月下旬開業。1階にはフィンランドのカフェ「カフェ・アアルト(CAFE AALTO)」が、初の世界進出として出店する。スタンダードサイズ Hut©HARRI KOSKINEN / FRIENDS OF INDUSTRY LTD.現在のデザイン界において最も重要なデザイナーの一人であるハッリ・コスキネンはコンパッソ・ドーロ賞やカイ・フランクデザイン賞など数多くの権威あるデザインアワードを受賞し、「イッタラ(iittala)」や「アルテック(artek)」をはじめ様々なブランドやレーベルのデザインを手がけている。その中でもニューヨーク近代美術館(MoMA)に展示されているガラスの中に電球を閉じ込めたようなデザインの「Block Lamp」は、彼が世界的に知られるきっかけとなった。今回“プロダクトデザイナーがデザインするカプセルホテル”のオファーを快諾したハッリ。彼のミニマルかつ機能的なデザインアプローチにより、寝るためだけの最小限のスペースであったカプセルが科学反応を起こす。©HARRI KOSKINEN / FRIENDS OF INDUSTRY LTD.大小2サイズのカプセル「Hut」は、家に見立てた三角屋根の象徴的なデザインに、ライトやスイッチ、テキスタイルなど内部までオリジナル制作。外観は、京都の町屋との調和性を図ったデザインとなっている。予約開始は10月中旬を予定。詳細はHP(www.maja-hotel.com)、インスタグラム(@maja_hotel_kyoto)で案内される。カフェ・アアルトまた、1階共有部にはフィンランド・ヘルシンキにあるフィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトがデザインしたアカデミア書店内のカフェ「カフェ・アアルト」が日本初上陸。フィンランドスタイルの朝食や伝統的な料理のサーモンスープ、チーズケーキをベースにしたブルーベリーパイ、甘さ控えめでしっとりしたシナモンロールの他、コーヒーやお酒などを楽しめる。【施設情報】マヤ ホテル キョウト(MAJA HOTEL KYOTO)住所:京都市中京区柳馬場通六角上る槌屋町92客室:ラージサイズ walk-in hut 20室、スタンダードサイズ sleep in hut 40室オープン日:12月下旬予定
2019年09月04日サウナの本場・フィンランドで1年以上ロングラン上映を記録した映画『サウナのあるところ』が、9月14日より全国で順次公開。映画公開を記念し、⽇本最⼤のサウナ検索サイト・サウナイキタイとのコラボTシャツなど、コラボサウナグッズが順次発売。サウナイキタイ「ウィスキングおじさんTシャツ」(3,500円)公開を記念して発売される「ウィスキングおじさんTシャツ」(3,500円)は、⽇本最⼤のサウナ検索サイト・サウナイキタイとのコラボレーション。フィンランド・サウナには⽋かせないヴィヒタ(⽩樺)のマッサージ=ウィスキングをするおじさんが⼤きくプリントされている。劇中に登場するこのおじさんにも注⽬したい。サウナイキタイSTORE()、アップリンク渋⾕、アップリンク吉祥寺他、⼀部劇場にて8月28日10時より販売となる。カウニステ(kauniste)「モッキラ サウナマット」(1,200円)フィンランドの⼈気テキスタイルブランド・カウニステ(kauniste)による「モッキラ サウナマット」(1,200円)は、森に囲まれた北国の伝統的な⼩さな集落の様⼦を描いたモッキラ(Mökkilä)柄。フィンランド・サウナ気分が⾼まる、持ち歩きたくなる⾃分だけのサウナマット。カウニステ⾃由が丘店、アップリンク渋⾕、アップリンク吉祥寺他、⼀部劇場にて8月28日10時より限定数販売する。「⼿ぬぐい」(1,000円)本作のポスターやチラシ等に使われたイラストレーター・⼩池アミイゴによる「オリジナルイラスト⼿ぬぐい」(1,000円)は、「いい湯だね〜」ならぬ「いいロウリュ(蒸気)だね〜」と呟きたいサウナーの必須アイテム。アップリンク渋⾕、アップリンク吉祥寺他、⼀部劇場にて8月31日10時より限定数販売する。©2010 Oktober Oy.自宅やオフィスのプライベートなサウナから湖畔や街のなかの公衆サウナまで、日本のお風呂のように暮らしにサウナが根づいているフィンランド。映画『サウナのあるところ』には、DIYによるキャンピングカー型、トラクター型、電話ボックス型などユニークなサウナが登場。また、身も心も裸になったサウナで、シャイで寡黙と言われるフィンランドの男性たちが、人生を語り涙する姿も映し出されている。日本でも空前のサウナブームが到来中。本作を鑑賞した後は、オリジナルグッズを携えてあなたも“サ活”を楽しんでみては?【作品情報】『サウナのあるところ』(原題:Miesten vuoro /英題:Steam of Life)監督:ヨーナス・バリヘル、ミカ・ホタカイネン提供・配給:アップリンク + kinologue9月14日 アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、新宿シネマカリテほか全国順次公開
2019年08月29日日本最大級のサウナイベント「SAUNA FES JAPAN 2019」が、9月21日から23日の3日間、長野県・小海町のフィンランドヴィレッジにて開催。国内著名サウナー、サウナブランド、サウナ関連企業が一挙に集結する。「SAUNA FES JAPAN」は、2015年3月7日(サウナの日)にフィンランドヴィレッジにて、フィンランドサウナクラブ(FSC)を中心にしたメンバーが“本物のサウナ”を楽しむ小規模イベントとしてスタート。世の中が空前のサウナブームとなった今年は、一人でも多くのサウナーが楽しめるよう、初めて3日間に延長し、会場規模も拡大して開催する。会場は、長野の八ヶ岳を一望する湖畔に位置するフィンランドヴィレッジ。360度大自然の中にあり、木と空と湖に囲まれた冷涼で静かな環境は、まさに日本におけるフィンランドそのもの。その会場にフィンランドから直輸入した本場のサウナ付きログハウス、薪を使ったサウナコタ、野外エリアには日本初の移動式薪サウナのサウナカーに、テントサウナと、さまざまな形式のサウナが10種類以上設置される。チケットは、各日200名・合計600名限定で販売。8月10日午後3時7分から25日午後3時7分まで、公式サイト()にて抽選申し込みの受付を実施する。また今年は初めて、公式バスツアーチケットも同時販売予定。都内から現地へは電車・バス・タクシーを乗り継ぐ必要があるため、40名限定でバスツアーチケットを販売する。バスにはサウナの楽しみ方を教えてくれるサウナガイドも同乗予定。サウナ検索サイト「サウナイキタイ」から、駐日フィンランド大使館、フィンランド政府観光局まで、日本のサウナの未来を創っていく各団体が、「フィンランド式サウナの良さを伝えたい」という熱い想いのもとに集結し開催する本イベントで、サウナの魅力にハマってみては?【イベント情報】SAUNA FES JAPAN 2019会期:9月21日〜9月23日会場:フィンランドヴィレッジ住所:長野県南佐久郡小海町豊里798時間:10:00〜18:00、最終日は17:00まで料金:税込7,300円 ※中学生以下無料
2019年08月08日フィンランド・ヘルシンキにある、世界的建築家アルヴァ・アアルトの名建築の一つでもあるアカデミア書店内に併設するカフェ「カフェ・アアルト(CAFE AALTO)」の2号店が、京都中心地の河原町エリアに12月オープンする。「カフェ・アアルト」は、1969年のオープンから50年経った今でも当時と変わらぬ店内デザインのまま営業しており、アアルトの代表作でもある「ペンダントランプ(Golden Bell)」や、大理石のテーブル、アアルトがカフェの為にデザインし、カフェでしか座ることのできない黒いレザーと真鍮フレームによって作られた椅子などが設置されている。シンプルでありながら普遍的なデザインの家具や空間は、地元の人をはじめ、アアルトの世界観を体感するとともに、フィンランドの雰囲気を味わえるカフェとして、世界中から来訪者が絶えない人気のカフェだ。この度オープンする京都店は、ヘルシンキに次ぐ2号店としてオープン。フィンランドスタイルの朝食や、サーモンスープ、チーズケーキをベースにしたブルーベリーパイ、シナモンロールといったフィンランドの伝統的な料理やスイーツがラインアップする。また、オーナーである、マルコ・サラチーノ(Marco Saracino)がセレクトしたコーヒーやお酒なども提供され、本場さながらなメニューを楽しむことができる。なお、東京・青山のスパイラルでは京都店オープンに先駆け、ヘルシンキを拠点にする日本人テキスタイルデザイナーで陶芸家の石本藤雄の個展「石本藤雄展 -マリメッコの花から陶の実へ-」を開催中の6月30日までの期間限定で、「カフェ・アアルト」のメニューを特別提供している。提供されるのは、「サーモンスープ」(税込1,420円 平日 15:00〜/土・日 11:00〜 提供)、「シナモンロール」(税込1,370円/ドリンク付き) 、「ブルーベリーパイ」(税込 1,370円/ドリンク付き)の3種類となっている。
2019年06月26日教育先進国として名高いフィンランド。そのメソッドが優れていることは世界的に有名ですが、実際にどのような教育や政策が実施されているかご存じですか?日本で行なわれている教育との差は、いったい何なのでしょうか?今回は、日本とフィンランドの教育を徹底比較していきましょう。フィンランドの学校教育フィンランドの教育が世界から注目されるようになったのは、1968年に行なわれた大々的な教育改革がきっかけでした。この改革により、フィンランドは「持てる資源のほとんどを教育に投資する」「男女、家族の背景、財力は関係なく、万人に教育の機会を与える」という方針のもと、1972年には初等学校・中等学校を総合学校として統合し、義務教育をこれまでの6年から9年に延長します。この総合学校とは、日本の小学校と中学校にあたるものです。9学年全てが同じ校舎で学ぶ場合と、1~6学年と7~9学年の校舎が分かれている場合があります。総合学校を卒業した後、子どもの約半数は普通高校に進み、大学または応用化学大学への進学を目指します。それ以外の子どもは職業高校へ進み、実際の現場や学校などで職業訓練を受け、職業資格、上級職業資格、専門職業資格という3段階の資格を取得するのだそう。いずれの学校も、卒業までに2~4年かかります。待機児童問題とは無縁なフィンランド日本ではここ数年、保育園不足や待機児童問題が深刻化しています。厚生労働省の調査によると、平成29年度の待機児童数は全国で26,081人。前年比2,528人の増加でした。一方、フィンランドでは保育が必要な全ての子どもに保育施設を24時間確保することが各自治体に義務づけられており、違反した場合は罰則があります。そして、親の就労状況に関係なく、0歳から保育園(日本の保育園・幼稚園に相当)を利用することができるのです。また、総合学校での初等教育が始まる前の1年間は、保育園もしくは学校内でのプレスクール(就学前教育)に通って社会性を育てることが義務教育に含まれています。フィンランドと日本の教育比較日本とフィンランドには、幼児教育や義務教育のシステム以外にも、さまざまな違いがあります。・教育費日本では、認可保育園の場合は保護者の収入に応じた保育料がかかり、高校や大学では学費などの負担があります。しかしフィンランドでは、プレスクールから大学・大学院まで無料で通うことが可能です。総合学校では、教科書や給食も無料。高校では、教科書代の負担はありますが、給食は無料です。家庭の経済状況にかかわらず、学びたい子どもはしっかり学べるという体制が整っているのです。昨今日本で増えている、大学卒業後の奨学金返済が生活を圧迫しているという問題も、フィンランドであれば起こることがなさそうですね。・読書量フィンランドの読書量は世界1位。図書館の数はもちろん、図書館を利用しにくい地域を巡回する移動式図書館の数も多く、国民が図書館利用に熱心であることで知られています。昨今読書離れが指摘されている日本とは対照的ですね。ところで、「読書量が算数の成績を左右する」ことはご存知ですか?「読書量の多い人は国語の成績が良い」というイメージを抱いている方は多いかもしれませんが、「読書量が多いほど算数の偏差値が高い」という研究結果も出ているのです。2016年から2017年にかけてベネッセが行なった調査によると、読書量の多いグループと全く読書をしないグループとでは、読書量の多いグループのほうが全ての科目において成績が良く、中でも算数の偏差値において最も大きな差が開いたのだそう。フィンランドが教育先進国として成績を残している理由には、読書量も関係しているかもしれませんね。・授業や休みの日数フィンランドの年間授業日数は190日程度で、日本よりも40日程度少なくなっています。加えて、夏休みが2ヶ月。さらに、小学生のうちは宿題やテストもほとんどなく、塾もないので、学習時間そのものが他の国と比べて短い傾向にあります。小学生のうちから塾に通うことが当たり前になっている場合も多い日本からすると「そんなに休んで、勉強は大丈夫なの?」と不安になってしまいそうですが、逆に遊びと勉強の切り替えがしっかりとできるようになり、限られた時間で集中して学習に取り組むようになるのです。・PISAテストの結果フィンランドは、経済協力開発機構(OECD)が3年に1回、世界各国の15歳の子どもを対象に実施している「国際学習到達度調査(PISA)」で常に上位となっていましたが、2016年には数学の結果が12位と順位を落としています。一方で日本の数学の成績は5位でした。しかし、フィンランドではこの結果を受けても教育制度の改革をする予定はないそうです。その理由は、フィンランドの教育指針は生徒の勉強時間を多くすること“ではなく”、「学校を楽しくおもしろい場所にすること」だから。順位という数字に一喜一憂することなく、教育の本当の目的をしっかりと見定めているのです。・地域の子育て支援日本では、ワーキングマザーや、子どもがいる共働き家庭に対する理解や支援が、まだまだ充分ではありませんよね。一方、フィンランドのヘルシンキ市には、「レイッキプイスト」という日本の学童保育と子育て支援センターを併せたような施設があります。ここでは、おやつ代のみという格安の料金で放課後の学童保育を利用できるほか、夏休み期間は子どもに無料で昼食を提供するサービスを行なっているそう。このように、社会全体で子育てをする文化があり、子育てと仕事が両立できる体制が整っているのです。フィンランド式教育のメリット日本に比べて授業時間が少なく、休暇を十分に取っているフィンランドの教育ですが、さまざまなメリットがあります。一般財団法人基礎力財団理事長の陰山英男氏いわく、勉強は短時間で済ませたほうが学力が上がるのだそう。小学校高学年では、2時間程度をピークに、3時間、4時間と学習時間が増えるにつれて成績が落ちていったという結果が出ていると言います。反対に、学習時間が短ければ、そのぶん集中して学習することができるようになり、脳が鍛えられていくのだそう。「○分だけ」と時間を決めて行なうことで、毎日続けやすくなる効果もあるため、勉強の習慣も身につきやすくなります。また、自由時間がきちんと確保されていることから、自分の得意分野を見つけたり個性や能力を伸ばしたりする機会につながり、子どもの自己肯定感を伸ばすきっかけになるのも利点です。幼少期から習い事や塾などの教育に熱心になるケースが多い日本ですが、たまにはフィンランドのように、「遊ぶ時間を十分確保して、限られた時間で集中して勉強する」ことを実践してはいかがでしょうか。***フィンランドと日本の教育には、それぞれ優れた面があります。子どもの性格や生活環境に合わせて、適宜使い分けてみるのもいいかもしれませんね。文/田口るい(参考)Compathy Magazine|日本も後に続け!世界一の学力を誇るフィンランドの教育とは?こどもまなび☆ラボ|「フィンランド教育」の特徴とは?「教育費無料」にとどまらない、教育大国のシステムホンシェルジュ|ゆとり教育風のフィンランド教育?特徴と課題、日本の教育との違いに迫るクーリエ・ジャポン|子供を高い私学に入れるのはカネの無駄?「PISA」の結果を各国メディアはこう報じた東洋経済オンライン|フィンランドのワーママに「罪悪感」などない厚生労働省|「保育所等関連状況取りまとめ(平成 29 年4月1日)」カレントアウェアネス・ポータル|フィンランドの公共図書HugKum|小1は15分、小2は30分。勉強は短時間で済ませるほうが、学力が上がる!【隂山英男の家で伸ばす! 子どもの学力】こどもまなび☆ラボ|読書量が算数の成績を左右する!?子どもの学力を上げるために「1日数分」からできること影山ラボ|子どもは無限に育つ
2019年06月22日スープストックトーキョー(Soup Stock Tokyo)が、北欧トラベル主催のツアーにてワークショップの企画・プロデュースを行う旅、「旅するおいしい教室 in フィンランド」を9月4日から9日の6日間にて実施する。2015年より延べ170回以上に渡り、食を起点に“おいしい”についてを考え、味わうワークショップ「おいしい教室」開催してきたスープストックトーキョー。旅や馴染みの少ない国の食などをテーマにした様々なコンテンツで人気を呼んでいる。今回開催される「旅するおいしい教室 in フィンランド」では、ワークショップのスタッフとともに旅先であるフィンランドへと実際に出向いて「おいしい教室」を体験。9月前半のフィンランドは、日もまだ長く、きのこやベリーの収穫時期も迎える、まさに“おいしい旅”を満喫するベストシーズンだ。 滞在中は、ローカルシェフと共に群島に渡って行う屋外料理ワークショップや、ヌークシオ国定公園で狩ったきのこを使用し、その場で行うスープ作りなどのコンテンツが体験でき、旅先での貴重な体験を通して、参加者みんなで“おいしい”について考察するような内容となっている。ツアーの詳しい内容は、北欧トラベルの公式HP()にて掲載されており、6月22日には、旅の説明会も実施。現在、説明会の事前申し込み()を受付けている。【イベント内容】Soup Stock Tokyo特別サポート企画「旅するおいしい教室 in フィンランド」開催日:9月4日~9日料金:36万9,000円(2名1室利用時、燃油サーチャージ、空港税は含まず)HP:
2019年06月21日ゲイアートの先駆者である、フィンランドの国民的芸術家トム・オブ・フィンランドの波乱の半生を描いた映画『トム・オブ・フィンランド』の本ビジュアルと予告編が解禁となった。「クイーン」のフレディ・マーキュリー、ファションデザイナーのトム・フォード、写真家のロバート・メイプルソープをはじめ、無数の人々に勇気とインスピレーションを与えた伝説のアーティストの知らざれる生涯を描く本作。今回届いた予告編では、同性愛者に対しての軽蔑や無理解がまだまだ強かった時代、たった1本の筆やペンで勇敢に立ち向かった芸術家トウコ・ラークソネンの苦難、そして生涯のパートナーとの出会い、自らの信念を貫き栄光をつかんでいく姿を活写。上下のレザーに身を包み、ワイルドな髭をたくわえた筋骨隆々の男たちなど、身内にも隠れて自らの本能的な欲望をドローイングとして表現し続けていたトウコが、やがてトムと名乗り、アメリカの雑誌で表紙を飾ったことをきっかけに、その名がアンダーグラウンドからアートの表舞台へと一気に知れ渡っていく様子を垣間見ることができる。フィンランドを代表する監督が没後に評価された母国のヒーローを映画化監督を務めたのは、ニコラス・ホルトが主演するJ・R・R・トールキンの伝記映画『トールキン 旅のはじまり』の公開が控えるドメ・カルコスキ。2000年代半ばに長編デビューして以来、これまで監督した長編7本全てが興行と批評の両面で大成功を収め、本作を含む2本が米アカデミー賞外国語映画部門フィンランド代表作品に選ばれるなど、いま最も勢いに乗る監督。2014年にトム・オブ・フィンランドの絵は記念切手になり、国の先進性を象徴する英雄に。これまでの作品でもアウトサイダーの視点から社会を描いてきたカルコスキ監督は、綿密なリサーチをもとにトウコ・ラークソネンの知られざる内面に光をあてながら、歴史背景をも鮮やかに描き出している。『トム・オブ・フィンランド』は8月2日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:トム・オブ・フィンランド 2019年8月2日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開© Helsinki-filmi Oy, 2017
2019年06月20日フィンランドと日本の外交関係樹立100周年を記念し、フィンランドの魅力的なライフスタイルを紹介する「フィンランドフェア」が、6月6日から11日まで松屋銀座で開催される。ファッツェル「ゲイシャシリーズチョコレート」フィンランドは「幸福度ランキング」で2年連続1位になるなど、今、そのライフスタイルに注目が集まる国。昨年11月には埼玉県飯能市に北欧のライフスタイルを体験できる施設「メッツァ」がオープンしたことも話題になっている。テキスタイル柄やムーミンバレーパークの紹介コーナーなど、フィンランドを感じられる装飾も魅力の会場には、創業1891年、100年以上愛されるフィンランドの老舗菓子ブランド・ファッツェル が登場。フィンランドの国民的チョコレートの「ゲイシャシリーズチョコレート」(各324円〜) や、東京初上陸となる「ムーミンクッキー」(864円)、「ムーミンファッジ」(1,512円)、「チョコレートボックス」(1,728円)、その他日本初上陸のアイテムも約10点並ぶ。ラーヴ「フィンランドプレート」(1,350円)できたてのフィンランド料理を味わうことができる「イートイン」コーナーでは、フィンランドの王道料理のミートボールと、トナカイソーセージ、マッシュポテトがワンプレートになったラーヴの「フィンランドプレート」(1,350円)や、牛乳とじゃがいも、サーモンを煮込んだフィンランドの家庭料理「サーモンスープ」(837円)などが楽しめる。この他、自然の中で採れたベリーを使用したビオキアのスムージー「ビルベリースムージー」(681円)や、コーヒー消量世界一といわれるフィンランドの独特のコーヒータイム文化“カハヴィタウコ”を大切にするブランド・ロバーツコーヒーの「コーヒー」(各391円〜)など、ドリンクも販売する。フィニッシュ・ブラント「ローズペタルのコンフィチュール」(1,350円)フィンランドの豊かな自然で作られたお酒やフードも登場。キュロの「シングルモルト ライ ウイスキーバッチ6」(500ml 8,100円 ※予定価格)や、フィンランドに咲くバラの花びらから作った、フィニッシュ・ブラントの「ローズペタルのコンフィチュール」(1,350円)が日本初上陸。また、関東初上陸となるキュロの「白樺生ビール」(1,200円)は、6月6日から数量限定で屋上ビアガーデンに登場する。フィンレイソン「マグカップ」(各1,404円)メッツァからフィンランド雑貨も登場。フィンランドを代表するデザイナー、ハッリ・コスネキンがデザインしたメラヤの「ムーミンライト」(M 1万9,440円)や、「ニョロニョロライト」を販売。フィンランド最古のテキスタイルブランド、フィンレイソンは、「マグカップ」(各1,404円)の他、松屋銀座限定カラーの「トートバッグ」(3,456円)を100点限定で販売する。左:「ニョロニョロライト」、右:「ムーミンライト」(M 1万9,440円)関東初上陸のイヴァナヘルシンキのノスタルジックなフォルムの「ドレス」(4万1,040円)や、アアリッカの木のボールと異素材を組み合わせ、素材のナチュラルさをひきたてるデザインのアクセサリーもラインアップ。また7階リビング売り場では、常設するペンティックやマリメッコの他にも、アルテックなど、フィンランドの巨匠たちによる家具や照明器具、ホームアクセサリーが期間限定で登場。フィンランドの暮らしを感じることができる。 【イベント情報】フィンランドフェア会期:6月6日〜6月11日会場:松屋銀座住所:東京都中央区銀座3-6-1
2019年06月03日フィンランドと旧ソ連間に起きた「継続戦争」を描いたフィンランド映画『アンノウン・ソルジャー英雄なき戦場』が、2019年6月22日(土)に公開される。フィンランドと旧ソ連の「継続戦争」を描く戦争ドラマムーミンの故郷、サウナ発祥の地、北欧ブームを牽引するデザイン大国、そして幸福度ランキング2年連続世界一。本作は、ほとんどの人々が平和のイメージを持っているであろうフィンランドが、旧ソ連を相手に1941年から1944年まで繰り広げた「継続戦争」に焦点を当てた作品だ。1940年の“冬戦争”に敗れたフィンランドが、領土奪還のためにソ連に進攻したことにより勃発した「継続戦争」。国民的叙事詩である「カレワラ」やシベリウスの交響詩「フィンランディア」の原点となった、両国の国境線に位置するカレリア地方の領有をめぐる戦いだ。これを、身重の妻と家族を残して最前線に駆り出されるベテラン兵士や、結婚式を挙げてすぐに戦場に旅立つ若き兵士など、4人の兵士たちの目線から見た戦争の悲劇と共に、迫真の映像で描いている。ストーリー1941年、前年にソ連との“冬戦争”に破れ、領土の一部を失ったフィンランドはソ連から領土を取り戻すためにソ連に進攻、“継続戦争”が勃発する。この戦争でフィンランドは400万の人口に対して50万の軍隊を組織、強大なソ連軍に歩兵中心の戦いを挑む。そんな中、それぞれ異なった背景を持つ4人の兵士たちは最前線で苛烈な戦闘に身を投じる。たとえ戦場で息絶えたとしても戦士たちの生きた証はそれぞれの家族に、そして大地に確実に刻まれていく…。壮絶な戦場シーン2016年の6月から80日間フィンランド各地で行われた撮影では、フィンランド国防軍が全面的に協力し、延べ14,000人以上のエキストラと共に、極北の地での戦闘を限りなくリアルに再現。爆発地から100メートル離れた地点でも家屋倒壊の危険があるという、「ワンシーンに用いられた最大の火薬量」でギネス記録にも認定された量のTNT火薬がワンテイクのためだけに使用されるなど、人間ドラマをさらに奥深いものとする壮絶な戦場シーンも本作の見所の1つとなっている。2017年10月に本国フィンランドで公開されると、ハリウッド大作を押さえて7週連続興行成績第一位を獲得、フィンランド映画史上最高の興行収入を記録した。作品情報アンノウン・ソルジャー英雄なき戦場』公開日:2019年6月22日(土)監督・脚本:アク・ロウヒミエス『4月の涙』撮影:ミカ・オラスマー『アイアン・スカイ』出演:エーロ・アホ(『4月の涙』)、ヨハンネス・ホロパイネン、アク・ヒルヴィニスミ、ハンネス・スオミほか英題:Unknown Soldier原題:Tuntematon SotilasPG-12© Elokuvaosakeyhtioe Suomi 2017
2019年04月08日フィンランドと旧ソ連の間で繰り広げられた「継続戦争」を兵士たちの目線から描いた映画『アンノウン・ソルジャー英雄なき戦場』より、日本版最新予告編が到着した。1941年、前年にソ連との“冬戦争”に破れ、領土の一部を失ったフィンランドは、ソ連から領土を取り戻すためにソ連に進攻、“継続戦争”が勃発する。この戦争でフィンランドは400万の人口に対して50万の軍隊を組織、強大なソ連軍に歩兵中心の戦いを挑む。そんな中、それぞれ異なった背景を持つ4人の兵士たちは、最前線で苛烈な戦闘に身を投じる。たとえ戦場で息絶えたとしても、戦士たちの生きた証はそれぞれの家族に、そして大地に確実に刻まれていく…。日本とフィンランドの国交樹立100周年を迎える今年、「ムーミンバレーパーク」がオープンし、一昨年からはサウナブームが続き、3月20日の国連の「世界幸福デー」では2年連続幸福度世界一となったフィンランド。そんないま話題のフィンランドと旧ソ連の間では、1941年から1944年まで「継続戦争」が繰り広げられた。本映画では、両国の国境線に位置するカレリア地方の領有をめぐったこの戦いを、迫真の映像で兵士たちの目線から良質かつ精巧に描いている。フィンランドでは2017年10月に公開され、7週連続興行成績第1位、フィンランド映画史上最高の興行収入を記録。フィンランドの約5人に1人が映画館に足を運ぶ異例の大ヒットとなり、ヨーロッパで最も歴史のある映画賞の一つであるジュシ・アワードでは主演男優賞、観客賞など5部門を獲得した。2016年の6月から80日間フィンランド各地で行われた撮影では、フィンランド国防軍が全面協力し、戦闘を限りなくリアルに再現。また爆発地から100メートル離れた地点でも家屋倒壊の危険がある爆風圧を生じさせる火薬量となる、70.54KgのTNT火薬がワンテイクのためだけに使用され、「ワンシーンに用いられた最大の火薬量」がギネス記録に認定。今回到着した予告編からも、そのリアルさが伝わってくるようだ。激しい戦闘シーンの一方で、戦争の犠牲となるのは兵士だけではないこともこの映画は謳い上げており、映像では、身重の妻と家族を残して最前線に駆り出されるベテラン兵士や、結婚式を挙げてすぐに戦場に旅立つ若き兵士の姿が紹介されている。101年前に念願の独立を果たしたフィンランドは、僅かその20年後に旧ソ連に対してカレリア地方の奪還のために戦端を開く。第二次ソ連・フィンランド戦争である「継続戦争」は、当時400万人の総人口の内50万人が従軍した、現在世界各国で起こっている様々な戦争や紛争のルーツともいえる戦争なのだ。『アンノウン・ソルジャー英雄なき戦場』は6月22日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2019年04月06日今年2019年は日本とフィンランドの国交樹立100周年。関連の音楽公演も数多く催されるが、メインイベントが5月、記念年の親善大使を務めるピアニスト舘野泉とラ・テンペスタ室内管弦楽団の来日公演だ(東京、札幌など全国5都市)。開催に先立ち、3月に東京・南麻布のフィンランド大使館で、舘野らが出席して、概要発表の記者懇親会が行われた。【チケット情報はこちら】舘野は現在82歳。50年以上もヘルシンキに住み、フィンランド政府から終身芸術家給与を授与された、まさに両国の文化交流を象徴する音楽家。「両国は音楽での繋がりが強い。シベリウスはじめフィンランドの音楽を早くから日本に紹介した指揮者の渡邉暁雄さんも今年が生誕100年。運命的なものを感じる」(舘野)5月25日(土)東京オペラシティでの東京公演は、舘野が弾く左手のピアノための協奏曲2曲を軸に、フィンランドの4曲と日本の1曲で構成されたプログラム。2002年、舘野は脳溢血で倒れた。右半身に麻痺が残ったが、2年後に「左手のピアニスト」として復活を遂げる。以降、彼のために、10か国の作曲家から100曲を超える左手用のピアノ作品が捧げられてきた。その一連の作品の中で最初に書かれた協奏曲が、今回も演奏されるペール・ヘンリク・ノルドグレンの「左手のためのピアノ協奏曲第3番~小泉八雲の『怪談』による《死体にまたがった男》」。舘野が2004年に初演したタイトルどおり小泉八雲の怪奇文学に基づく作品。「恐怖や絶望を深く表現しながら、最後は静かに、平和が何もかも飲み込んでゆくような美しい音楽。人間の持つさまざまな力を感じる」(舘野)もう1曲、熊本を拠点に活動する光永浩一郎の「左手ピアノと室内管弦楽のための《泉のコンセール》」は2017年初演。「とてもピアニスティックな作品を書く人。ピアノに惚れ込んでいて、まるでピアノが彼の人生の一部。熊本の震災の直前に依頼し、震災を挟んで完成した作品には、混乱や苦痛、絶望も描かれるが、最後には明るい、生きる希望に変わる。それが見える音楽」(舘野)弦楽オーケストラ『ラ・テンペスタ』は3度目の来日。舘野とともに会見にも出席した息子ヤンネ舘野が、1997年にヘルシンキ音楽院の同級生たちとともに創設。卒業後も各自の仕事の合間を縫って活動を続けているが、今回のツアー資金をクラウドファンディング Readyfor.jpで募るなど苦労も多い。そんな彼らに「若い人たちの心意気を感じる」とうれしそうに語る舘野は父親の顔だ。舘野が館長を務める南相馬市民会館で、東日本大震災後に外来オーケストラとして初めて公演したのは彼らだったという。今回、光永作品のみ日本の管楽器奏者10人が加わる。なお、4月14日(日)には、この日の会見が行なわれたフィンランド大使館が初めて一般公開されるイベント「Feel Finland」(要事前登録)がある。公演ともども、100年の友好を体感するチャンス!取材・文:宮本明
2019年04月05日幅広い世代に人気のムーミン日本でもおなじみのムーミン。フィンランドの首都ヘルシンキ生まれの作家、トーベ・ヤンソンによって描かれた小説シリーズで、最初の出版は1945年、第二次世界大戦が終わったその年のことでした。その後、ヤンソンによって挿絵が描かれた絵本版が出版され、瞬く間に世界の子どもたちの人気ものに。日本でも1969年に世界に先駆けてアニメシリーズが放送。1972年、そして90年にも日本で制作・放送されました。現在では日本各地にムーミンカフェがあり、また、ムーミングッズが買えるお店もたくさんあります。そして今年3月には埼玉県に「ムーミンバレーパーク」がオープンするとあって、その人気はますます高まっているといえるでしょう。ヘルシンキでのワールドプレミアにて、製作者全員が登壇。ムーミンバレーの新作お披露目はフィンランドはもちろん、英国でも大きなニュースになったムーミンの故郷フィンランドでは、今もテレビでのアニメシリーズが放送されていることもありムーミン人気は絶大です。日本で『アンパンマン』や『ドラえもん』を知らない人がいないように、フィンランドではどの世代の人にとってもムーミンが子どものころの思い出のアニメなのです。新作の登場に伴い、ワールドプレミアイベント開催そんなムーミンファンに朗報です。2019年、長らく愛されてきたムーミンのアニメシリーズが一新され、新シリーズがお目見えします。フィンランドと英国の制作会社の合同制作で、絵柄も変わり3Dのアニメーションとして生まれ変わる新シリーズ。そのお披露目となるワールドプレミアイベントが1月25日にヘルシンキで開催され、筆者も取材に!世界中のメディアが取材に殺到しました。なにしろ新作ムーミンテレビシリーズの初披露の場であったこともあり、招待客の中にはフィンランドの前首相夫妻の姿も。ムーミンが今も国民的スーパースターであることがうかがえます。声優陣も、フィンランド語版、スウェーデン語版、そして英語版とそれぞれ違い、各国でも有名な俳優さんばかり。特に英語版ではムーミンママの役にロザムンド・パイク、ムーミン役にトロン・エジャトンといった超有名俳優を起用するなど、かなりのプロジェクトであることがよくわかります。そしてこのテレビシリーズ、近く日本でも放送予定とのこと!いつから、どの局で?というのは日本サイドの正式発表が待たれるばかりですが、次世代の子どもたちに、新エピソードを見せてあげられる日が来ると思うとウキウキが止まりませんね!ムーミンに会いに、ヘルシンキ&タンペレを散策!さて、ワールドプレミアのためフィンランドまでやってきた筆者。せっかくなので、ムーミンハントをしてきました!まずはヘルシンキ市内の美術館「HAM」こと「Helsinki Art Museum(ヘルシンキ美術館)」へ。ここにはトーベ・ヤンソンがヘルシンキ市内の公共の建物に遺した壁画などが展示されていて、都会と田舎のパーティー風景を描いた作品にはよ~く見ると、小さなムーミンが描きこまれています。じっくり探してみましょう。ヤンソンが小児病院に遺した作品のレプリカ。子どもたちが病院にいることを忘れ、楽しく検査などに向かうことができるように、との配慮がなされていたそう次に向かったのは、ヘルシンキから車で北へ約2時間の街、タンペレ。ここには世界でただひとつのムーミン博物館があります。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンが原画を寄贈した唯一の美術館で、館内には原画はもちろん、立体作品や初版の絵本の大きな模型などがあり、ムーミン谷の世界が再現されています。日本語の解説もありかなり見ごたえがあり、じっくりひとつひとつ観てまわれば半日以上かかることは請け合い。それぞれの立体作品にはそのシーンの朗読がついていますが、スウェーデン語の朗読はトーベ・ヤンソンご本人の肉声です。言葉はわからなくとも、作品に込められた想いは十分伝わってきますので、ぜひ聞いてみてください。世界でたったひとつのムーミン美術館。原画を数多く収蔵しているだけでなく、インタラクティブな楽しみ方もできるとあって、大変な人気がある※撮影許可を得て撮影しています。一般には館内はすべて撮影禁止ですムーミンの世界はまだまだ続くこのタンペレの美術館は、音楽ホールなども併設した複合施設です。中にはムーミングッズを豊富に取りそろえたお土産ショップもありますが、ぜひトライしてほしいのは、併設のカフェ「TUHTO」。ここではムーミンをテーマにしたセットメニューをいただくことができます。コンセプトは、“ムーミンママが作りそうな料理”。タンペレ付近の地産の食材を用いた3コースで、スープ、メイン、デザートの構成。かなりお腹がいっぱいになります。フィンランド産のサーモンやビーフ、ワイルドマッシュルームなどを堪能できますが、気分がアガるのはなんといってもデザートのパンケーキでしょう!鉄板にのせられたそのプレゼンテーションがかわいらしく、まさしく“インスタ映え”の一品です。ムーミンキャラクターのクッキーカッターがついてきますが、これはお土産に持ち帰ることができます。イチゴジャムとホイップクリームもついて、これだけでもいただきたいくらい。スープ、パン、ステーキのセットで39ユーロムーミン散歩のあと、街のスーパーマーケットでムーミンの絵がついた商品を眺めていたら、通りすがりの買い物客が「知ってる?ムーミンのアニメが新しくなったのよ。息子が楽しみにしちゃってね」と話しかけてくれました。アニメ放送が始まるまで待ちきれないのはフィンランド人も同じ。子どもと一緒に楽しみたいものです。取材協力:(写真はすべて©岩佐史絵 © Moomin Characters™)
2019年02月08日登坂広臣と中条あやみが主演を務める映画『雪の華』(2月1日公開)のヘルシンキ・プレミアが21日にフィンランド・ヘルシンキのMaximで行われ、橋本光二郎監督、渡井敏久プロデューサーが登場した。同作は、歌手・中島美嘉の名曲「雪の華」から生まれたストーリーを映画化。幼い頃から病弱で、余命1年の宣告を受けながらも憧れの地・フィンランドに行くことを夢見る美雪(中条)は、ひったくりから助けてくれた悠輔(登坂)の働く店の危機を知り、「私が出します、100万円。その代わり1カ月間、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかける。外はマイナス18度という気温の中、フィンランドを舞台に撮影が行われた同作のプレミアには、フィンランド政府要人、フィンランド大使館関係者、航空関係者など、約140人が集まった。上映前の挨拶では、駐フィンランド特命全権大使の山本条太氏が「日本とフィンランドの外交樹立100周年、大切な年の節目に『雪の華』がやってくる」と喜びを表す。またBusiness Finlandのペッカ・ソイニ氏は、日本とフィンランドの共通点について「日常の中の美しさを同じように大事にしている、デザインに対する情熱がある」と語る。今回使われた、フィンランドでの制作費の25パーセントを払い戻すという制度に触れ「私たちの美しい国にもっと多くの観光客が来てくれることを祈っています。『雪の華』はフィンランドと日本を語る映画でもありますが、それより愛についての映画として、未来に向けてより多くの愛をもたらすことを願います」と期待を寄せた。渡井プロデューサーは「公開年が偶然にも外交関係樹立100周年という節目の年になり、大変光栄に感じているとともに、個人的に深い縁を感じています」と印象を明かす。「東南アジア、中国、韓国、フィリピンなどで上映を予定しています」と説明し、フィンランド上映も熱望。「この奇跡、縁を今後も大切にし、これからもフィンランドの魅力を日本の方々に伝えていければ幸いです」と今後への展望を表した。最後に登壇する橋本監督だが、司会者が誤って上映を始めそうになるというハプニングに「びっくりした」と笑顔を見せる。「日本の片隅の小さな1組の男女の物語が、フィンランドの力をお借りして、大きな愛の物語へと昇華することができました」と感謝した。○『雪の華』フィンランドでの反応は?上映後には、スタンディングオベーションで迎えられた同作。試写会に参加した20代のフィンランド人女性に感想を聞くと、「ハリウッド映画によくあるような恋愛映画とは違って、落ち着いた作品でよかった。もっと日本の作品が見たくなった」と語る。主演についても「2人ともとても良い俳優で、登坂くんは優しい目をしているし、物語の最初は強気な感じだったけど、内面の優しさを表現できていた」と印象を表し、「ハンサムでキュート」と登坂を気に入った様子。「彼は何歳なの?」という質問に、日本メディアが「31歳」と答えると、女性は「Whats!?」「21歳かと思った!」と、驚いていた。また他のフィンランド人女性にも『雪の華』の登坂の印象を聞くと、真っ先に「キュート!」という言葉が飛び出す。橋本監督も「クールなイメージのある登坂くんのギャップを見せたかった」と言う通り、作品を通してキュートさが伝わっていたようだ。現地メディアであるIltalehtiの記者は、同作を観て「フィンランドでも公開されたらいいのに」と希望する。日本通だという彼は、主演の2人についても「とてもラブリーだし、フィンランドでも若者に人気が出ると思う。彼らが日本でとても人気があることを知ってるし、友人からも彼らについての話をたくさん聞いている」と注目していた。一方、14歳の少年に話を聞くと「ヒロインがキュート」と、こちらも"キュートさ"が伝わっている様子。「物語や、(ヒロインの)内面がかわいかった」と語り、ピュアな恋愛物語についても「とても新鮮だった。フィンランドではあまりこういう映画はない」と明かした。
2019年01月22日知られざるフィンランドを代表するセラミック・アーティスト、ルート・ブリュック(Rut Bryk)を紹介するビジュアルブック『はじめまして、ルート・ブリュック』が発売され、出版記念の「はじめまして、ルート・ブリュック」展が乃木坂のBooks and Modern + Blue Sheep Galleryにて、12月21日から2019年1月19日まで開催される。ルート・ブリュックは、1942年からアラビア製陶所の美術部門に所属。愛らしい陶板から公共建築の大型壁画まで、約50年にわたり多彩な作品を生み出した。来年4月、東京ステーションギャラリーで、日本初の大規模展が巡回をスタートするのに先駆けて刊行される『はじめまして、ルート・ブリュック』(ブルーシープ刊)は、ブリュックの代表作やフィンランドのラップランド地方を撮りおろした写真をふんだんに収めたビジュアルブック。本書は、蝶、鳥、夢、色、形、空間など、ブリュックを読み解く9つのエッセンスで章立てを構成。知られざるアーティストの多層的で豊かな魅力を、日本を代表するクリエイターたちの言葉から紡ぎ、美しい色と詩情をたたえた作品世界へと誘う。ムーミンやマリメッコのカラフルでかわいらしい世界とは一味違うフィンランドに触れる1冊となっている。ブリュックについて「たとえるなら、詩を、建築的に、絵画にした人」と語るミナ ペルホネン(minä perhonen)デザイナーの皆川明、「その色は、たぐいまれなる品格を現している」と語る染色家・志村ふくみなど、日本を代表するクリエイターの言葉を手掛かりに、美しい色と詩情をたたえた作品世界へ誘う一冊。東京・乃木坂のBooks and Modern + Blue Sheep Galleryにて行われる、12月21日から2019年1月19日まで開催する出版記念「はじめまして、ルート・ブリュック」展は、アートディレクター・写真家の前田景がフィンランドで撮り下ろしたブリュックの作品やラップランドの風景写真を展示。ブリュックのセラミック作品も4点特別展示する。またはがきやポスター、文具などルート・ブリュック関連製品も販売。2019年4月からは、巡回展「ルート・ブリュック展 蝶の軌跡」が開催。アート、デザイン、空間をまたぐ越境的な仕事を日本で初めて紹介する展覧会となる本展では、代表作約180点を通じて、日本ではまだ知られざる巨匠によるクリエイティブの越境性とピュアなものづくりのありようを展観する。2019年4月27日から6月16日まで東京ステーションギャラリー、2019年9月7日から10月20日まで伊丹市立美術館・伊丹市立工芸センター、2020年4月25日から7月5日まで岐阜県現代陶芸美術館ほか、全国計5会場での開催を予定している。【書籍情報】『はじめまして、ルート・ブリュック』出版社:ブルーシープ208ページ/A5判変型/コデックス装ブックデザイン:前田景発刊:12月14日価格:2,000円【展覧会情報】出版記念「はじめまして、ルート・ブリュック」展会期:12月21日〜2019年1月19日会場:Books and Modern + Blue Sheep Gallery住所:東京都港区赤坂9-5-26 パレ乃木坂201時間:12:00〜19:00休館日:日曜・月曜、年末年始(12月28日〜2019年1月7日)
2018年12月18日寒い季節になると、鍋を使った煮込み料理も増えてきますが、噴きこぼれが心配になったり、少しだけ鍋のふたを開けておきたいことはありませんか?今回はそんなときにとっても便利な、かわいらしくて頼もしいポットウォッチャーをご紹介します♪木のぬくもりがやさしいハンドメイド●価格:600円(税抜)●素材:白樺今回ご紹介するのは、フィンランドの田舎町ケウルで、ルートゥネンファミリーが経営するハンドクラフトブランド〔Veico(ヴェイコ)〕のポットウォッチャー。動物のモチーフがかわいらしくて、木のぬくもりも感じます。そもそも「ポットウォッチャーって何?」「どうやって使うの?」と疑問を持っている方もいらっしゃると思いますが、鍋の噴きこぼれを防いでくれるとっても便利なキッチングッズなんです!ご紹介していきます♪小さくてもとっても優秀♪使い方はとっても簡単。鍋とふたの間に置くだけなんです♪かわいらしい動物が、ちょうどよくふたを背負って浮かしてくれるので、蒸気が逃げて噴きこぼれを防ぐことができるんです。煮込んでいるときに、ふたがカタカタ動いてしまうのも防げます♪実際に使ってみましたが、いつも滑って閉まりがちなふたも適度に開いた状態で保ってくれてとっても便利でした。使い方いろいろ♪ポットウォッチャーとしてだけでなく、グラスのふちにかけてグラスマーカーとして使ったり、箸置きに使うのもいいかもしれません♪【注意事項】・火のそばに置かないでください。200℃以上の高温になると変色がみられます。・95℃以上のお湯に30分以上浸けると、水が変色することがあります。・お子さんが飲み込まないように注意してください。最後に今回は、動物モチーフでユーモアのあるポットウォッチャーをご紹介しました。使わないときも、キッチンの片隅に置いておきたくなる、かわいらしいキッチン雑貨です。今回ご紹介した形は、ネコとトナカイの2つですが、このほかにもさまざまなモチーフがあるのでぜひ1度チェックしてみてください♪
2018年12月03日少人数制のイベントでサウナを体験フィンランド式サウナの運営事業を展開するSaunaLab(サウナラボ)は、サウナイベントを11月26日(月)に開催することを発表した。現在、イベントの参加予約を受け付けている。第1部は13時から15時まで、第2部は18時30分から20時30分まで。どちらもトークイベント&サウナハニー作りが前半の1時間、フィンランドサウナ体験が後半となっている。第1部も第2部も、参加者10名程度のアットホームな体験イベントとなっており、手ぶらで参加することができる。フィンランド式サウナの魅力を紹介イベントでは、フィンランド大使館のラウラ・コピロウ(Laura Kopilow)さんとライター・コラムニストの岩田リョウコさんをゲストに迎える。サウナの楽しみ方、サウナでの自分磨き、サウナとライフスタイルなど、役立つ情報を紹介する。フィンランドサウナの魅力を体験できるイベントであり、フィンランドの文化や美と健康に興味のある美意識の高い女性におすすめの企画となっている。イベントへ参加は、SaunaLabのウェブサイトで予約を受け付けている。参加料金は、120分で税込み2,700円。少人数制のイベントであるため、興味のある人は、早めの予約を。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース※SaunaLabサウナラボ
2018年11月12日夫婦が精神的に健康であることこそ、子どもの健やかな成長と笑顔を守ることにつながる。フィンランドの自治体によるサービスはそのために多大な威力を発揮するすべての悩みを話せるカウンセラー「ネウボラ」って聞いたことがありますか?フィンランドが発祥で、近年では世田谷区が「妊娠期から就学前までの子育て家庭を切れ目なく支えるための、区・医療・地域が連携して相談支援する、顔の見えるネットワーク体制」(世田谷区ウェブサイトより抜粋)として“世田谷版”を推進しているシステムのこと。これまでもスゴイスゴイと騒がれていましたが、日本の自治体が取り入れるほどのそのシステムのどこがそんなにスゴイのか、“本家”フィンランドの友人に聞きました。フィンランドのネウボラの特徴は妊婦1人につき1人の「ネウボヤ(「ネウボラおばさん」とでも訳しましょうか)」が担当すること。担当者は看護師などの資格を持っており、出産経験のあるなしにかかわらず言葉通り妊娠中から就学するまでの「すべての悩み」に対応するのだそう。引っ越しなど、なにもなければ同じ人と6年間は付き合うことになる、特殊な人間関係を築くことになります。フィンランドでの利用率は99%!友人のニーナは今回が初めての妊娠。一人っ子でまわりに相談できる人もいないため、ネウボラにはずいぶんお世話になったといいます。「初産なので、精神面からしっかりサポートしてもらいました。赤ちゃんの世話といった技術的なことはもちろんですが、陣痛に備えること、子どもが生まれるとこれまでの生活や夫婦関係が変わることなど、夫も含めて一緒に話し合いました」と言うように、ネウボヤとの付き合いは家族ぐるみ。ニーナによれば、「ネウボラは親になるための訓練の場」で、夫がネウボヤとの面会に同席することで「妊婦とは」ということを理解し、夫にできることを話し合い、子育てが共同作業であることを意識していくのだといいます。ネウボヤは夫からの質問や不安を積極的に引き出して話を聴くほか、別の妊娠カップルとの共同セッションもあり、夫婦間の家事分担などについて話し合うこともできるといいます。父親もまた、赤ちゃんが生まれてくるまでに心の準備をすることができるのです。ネウボヤは家に来てくれることもあれば、こちらから行くことを選択することもできます。仕事の都合などで利用時間が限られる人への配慮があるだけでなく、産院の手配などさまざまな手続きもこなしてくれるため、産院を探して奔走する必要もありません。フィンランドでのネウボラ利用率は99%にのぼるというのも納得です。新米ママのニーナさんと夫のユハナさん。いつも冗談ばかり言って笑わせてくれる夫だけれど、やっぱり初めての子育てでは不安もいっぱい?ひとりで悩まなくてもいい筆者が娘を妊娠していたとき、トラベルジャーナリストという仕事柄、お腹が大きくなってくると海外取材ができず仕事が激減。だんだん目減りする貯金通帳を見るたびに、産後に社会復帰ができるのだろうか、などと不安になりため息が出てしまったものです。しかしこんなことはどこの誰に相談すればいいのかわかりません。親に言えば心配をかけてしまうし、友人たちにも金銭的な話はなんとなくしづらい。筆者の場合は漠然とした不安があるだけで、実際に路頭に迷うような状況ではありませんでしたが、それでもただ話を聞いてくれる人がいるだけでかなり気持ちがラクになっただろうと思うのです。フィンランドではネウボヤにこういうことを相談すると、公共で受けられるサービスや税金の減額の手続きなどを具体的に紹介してくれるのだそう。ネウボヤとの最初の面談ではまず就労状況のほかに家族の病歴、そして夫やボーイフレンドとの関係までも話します。そのあとも体調のことから金銭的なこと、夫に対する不満ですら、こちらの状況をきちんと把握している人が聴いてくれるため、話が早いということは言うまでもありません。幸いニーナにはそうした悩みはなかったものの、「いつでも誰かが気にかけてくれている、という安心感がありました」と言います。フィンランドの人々にとってネウボヤは家族でも友だちでもない、でも個人的にとてもつながりの深い、大変頼りになる存在なのです。出産後も続く手厚いケア昨年、ニーナは無事に男の赤ちゃんを出産。陣痛への不安があったものの、一足先に先輩になったモデルカップルから話を聴くことで問題なく出産に臨むことができたそう。これもヘルシンキ市のネウボラシステムの一環で、ネットや“教科書”ではなく直接経験者から話を聴くことができるのがうれしかった、とニーナは言います。ちなみに、ヘルシンキ市ではネウボヤとの面会予約がないときでも看護師にチャットで質問ができる「ネウボラ・チャット」があるほか、ネウボラオフィスに行けばいつでも赤ちゃんの体重や身長を計って成長具合をチェックすることができます。病院や保健所に予約をとるのと違い、かなり自由度が高く、気になることがあれば即座に専門家と話ができるシステムで、これにはニーナも大変助けられたそう。ネウボラで簡単なチェックを受けてから、必要があれば医師へとまわされます。元気に生まれた赤ちゃん。フィンランドの行政サービスのひとつ、妊娠するともらえる「赤ちゃんボックス」には新生児に必要なものはすべて入っているので、これさえあればなにも準備する必要がないプロだからこそ安心して利用することができる赤ちゃんが8か月のとき、夫妻はヘルシンキから郊外へと引っ越しました。それに伴いネウボヤも変わりましたが、以前お世話になったネウボヤと連絡を取り合うことはないそう。「彼女にはとてもお世話になったし、非常に個人的な付き合いでしたが、友人というわけではありません」とニーナ。ネウボラは妊婦の健康管理と必要な手続きを代行し、夫婦の不安やストレスを和らげます。そして出産後も、子どもが小学校に上がるまでをサポートしてくれる存在。「とてもよく訓練されている」とニーナが言うように、押しつけがましく命令するわけでもなくプロとしての助言を行うからこそ、個人的な相談もすることができる。もちろん、友だちのように仲良くなる人もいるのでしょうけれど、逆にこうしたドライな人間関係でないと成り立たないという側面もあるのかもしれません。日本はフィンランドと比べて税金が安いので、”本家”とまったく同じサービスを望むのは難しそう。とはいえ、世田谷区をはじめ、日本全国にもネウボラシステムを導入する自治体が増え、夫婦の悩みを聞いてくれるカウンセリングサービスが受けられるようになってきたのはありがたいことです。もっと広がって根付いていくといいなと思います。写真:ニーナさん提供
2018年11月10日海外旅行先としても人気の高いフィンランド。行ってみたいけれど、子連れで海外旅行は難しいと考えている人は多いのではないでしょうか? 確かにヨーロッパは物価が高いですが、その分治安も悪くなく、街の人々もやさしいので過ごしやすいのが魅力です。3歳の息子を持つ筆者が、昨年フィンランドを訪れ、あらためて「子どもと行きたい!」と思った場所、おすすめのポイントなどをご紹介します!■ヨーロッパのなかで一番近い国 「フィンランド」ヨーロッパは遠いというイメージがありますが、フィンランドは日本から直行便があり、フィンエアーを使えばヘルシンキまで9時間30分と、比較的短いフライトで行くことができる、ヨーロッパのなかで、一番日本に近い国。実はハワイよりもフライト時間が短いと思うと、ぐっと身近に感じられます。 フィンランドに行くと、バリアフリーが行き届き、スーツケースを持って移動がしやすいことに驚きます。トラムはなんと、ベビーカーに乗せた子ども連れの人は、大人も運賃が無料に。公共交通機関が子育て世代にやさしいというだけで、行きたい気持ちになります。 ヘルシンキ経由のフライトで、「ストップオーバー(途中降機)」を予約すると、最大5日間までフィンランドで過ごせるので、首都のヘルシンキを拠点に、気軽に地方に足を伸ばすのもおすすめ。そこで子連れで一番行きたいのが、昨年フィンランド第3の都市・タンペレにオープンした 「ムーミン美術館」 です。■注目スポット、世界唯一の「ムーミン美術館」30年前に誕生したムーミン谷美術館が、複合アート施設であるタンペレホールに移転するのを機にリニューアル。ムーミンの作者であるトーベ・ヤンソンの作品を常設展示する施設として、新たに誕生したのがこのムーミン美術館です。 この美術館で展示されているのは、主に1986年にトーベ・ヤンソンがタンペレ市に寄贈し、ムーミン谷博物館で展示されてきた約2000点の原画やスケッチ。小説9作品、絵本3冊の原画を中心に構成された、常設展『それからどうなるの?』は、本をめくるように次の展開にわくわくしながら先に進むことができます。 ここでおすすめなのが、展示に合わせた音声ガイド。日本語も含む6ヶ国語(スウェーデン語はトーベ自身によるもの)あるので、まだ文字が読めない子どもも物語をじっくり楽しむことができます。説明書きにも日本語があり、物語を知っていたらさらに楽しめますが、知らなくても十分楽しむことができるのも嬉しいところ。日本人のガイドスタッフもいるので、安心です。 またプロジェクションマッピングにより、動くニョロニョロに触るとニョロニョロに雷が落ちたり、ムーミンがでんぐり返しをする映像など、最新テクノロジーによる体験を通して、ムーミンの世界観を堪能できるのは、子どももきっと大喜び!さらに、彼女のパートナーであり、グラフィックデザイナーのトゥーリッキ・ピエティラによる30点の立体模型を展示。最大の見どころは、ムーミンの家のジオラマです。トーベとトゥーリッキ、そして医学生でムーミンの本が大好きだったベンッティ・エイストラの3人が遊びながら作ったというもので、ムーミンパパの部屋は船だったり、裏にある電気室のドアにはニョロニョロが描かれていたりと、遊び心にあふれています。 また併設のカフェレストラン「TUHTO(トフト)」では、ムーミンのコース料理を堪能できます。そのほかタンペレホール内には、日本語も含む世界のムーミンの書籍を閲覧できるライブラリーや、『ムーミンパパ海へいく』の世界観をイメージしたフォトスポット、そしてミュージアムショップもあり、1日中楽しめそうです。 © Moomin Characters ™■子どもと楽しめる 「タンペレ」の街歩きタンペレは、2つの湖に挟まれた美しい街。19世紀に誕生した、『マリメッコ』と並ぶテキスタイルブランド『フィンレイソン』を中心に街が発展したところで、築100年以上の建物が多く、美しい街並みも見どころです。 『フィンレイソン』の工場内には病院や学校、通貨まであったといい、そのなかの厩舎の跡地はタッリピハ厩舎跡として、雑貨店やカフェ、チョコレートやキャンディなどのお店が入っています。かわいらしい小さな小屋が立ち並び、公園もあるので、子どもと出かけるのにぴったりです。またタンペレの街を一望できる、19世紀にオープンした展望塔ピューニッキ展望タワー。もうひとつの楽しみは、タワー1階のカフェで食べられるドーナツ(フィンランド語でムンッキ)です。フィンランド一美味しいと評判で、1日1000個売れるほどの人気。ドーナツと展望台チケットのセット(4.5ユーロ)もあり、わざわざ行く価値があります。 そのほか、9つの常設展と8つの企画展が見られる、「博物館センター・ヴァプリーッキ」では、郵便博物館やゲーム博物館もあり、半日たっぷり遊ぶことができます。 © Moomin Characters ™■ヘルシンキで「ムーミン」探し!ヘルシンキに戻り、とっておきのムーミングッズに出合える場所へ。まず向かったのは、一昨年にオープンして以来、フィンランド、スウェーデンに次々とオープンしているムーミンカフェの1号店。ムーミンの絵本やブランコの椅子もあり、子どもが喜ぶこと間違えなし! 内装は1950年代の床がそのまま使われていたり、古い家具が並んでいるので、大人もおしゃれなカフェとして使いたくなる雰囲気です。 メニューには、サンドイッチやサラダ、フィンランド定番のシナモンロールやリコリスのケーキのほか、ニョロニョロのメレンゲなど、ムーミンのキャラクターが登場。ムーミンマグに入った飲みものを飲みながら、大人もゆっくりと過ごせます。 絵本の読み聞かせや、ぬり絵などのワークショップも不定期に開催。ムーミンの世界観のなかで、子どもと楽しい時間を過ごせます。人とはちょっと違う、ムーミングッズを買うならこんなお店もおすすめ。2016年にオープンした、キャンディのお店「sweet story」は、砂糖、水、シロップだけをつかった、シンプルで素朴なキャンディ。ムーミン柄のキャンディもあり、お土産にも喜ばれそうです。 かわいいテキスタイルで、日本でも人気の高いファッションブランド「イヴァナ・ヘルシンキ」。ショップの地下一階には、ムーミンをモチーフにした服やバッグもたくさん。子ども服はもちろん、一見するとムーミンとはわからないデザインで、大人も一緒にムーミンファッションを楽しめます。 そのほか、蚤の市ではムーミンのお宝グッズ、スーパーではお菓子や日用品など、ムーミン関連の商品を手頃な価格で見つけることができます。 ヘルシンキ内には、ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンのゆかりのある場所もたくさん。トーベが子どもの頃によく遊んでいた公園や、暮らしていた家などをめぐる“トーベ・ヤンソンツアー”に参加すると、ムーミンが作られた背景をより理解できるかもしれません。 駆け足で巡る、フィンランド・ヘルシンキとタンペレ。帰国してからムーミンの絵本を楽しむと、より深く楽しめるはず。 子連れで楽しめる場所が、意外とたくさんあります。今後の旅行の候補地に入れてみてはいかがでしょうか?© Moomin Characters ™取材協力: フィンエアー Visit Finland(フィンランド政府観光局)
2018年09月24日