マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールを迎え、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲を映画化する『マクベス』。吉本興業が初の洋画配給を手がけることでも話題となった本作からこの度、ポスタービジュアルが解禁された。舞台は中世スコットランド。仁徳が高く慈悲深いダンカン王に仕える将軍・マクベスは、反乱軍との激しい戦闘の末、勝利を収める。その岐路、謎めいた魔女が現れ、“マクベスは領主になり、そして王になるだろう”という不可解な予言を囁く。ともに行動していた将軍・バンクォーには、“子孫が王になる”と告げた。謎めいた予言を残し霧のように消えた魔女にとまどうマクベスたちの元に、王の使いが到着。なんとコーダの領主が死亡し、マクベスが領主となるよう勅命が下ったのだ。魔女の囁きによって、忠誠心とは裏腹に王座への野望という炎を心に灯してしまったマクベスを、言葉巧みにマクベス夫人が夫の良心を消し去ろうと画策する。そんなとき、ダンカン王がマクベスの城に宿泊する日がやってきたのだが――。人類史上最も偉大な作家・シェイクスピアが没後400年にあたる2016年初夏公開される本作。何世紀もの時を超えて現代人の心を激しく揺さぶり続け、「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶシェイクスピアの四大悲劇の1つで、王座をめぐり野心に取り憑かれた将軍・マクベスと、夫の野心を操る妻の心理をリアルに探究しされ、手を血に染め野心と欲望に苛まれながら次第に狂気に満ちていくマクベス夫婦の姿が、まざまざと描かれている。『スティーブ・ジョブズ』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、その卓越した演技力が注目を集めているマイケルと、『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたマリオンが、マクベス夫妻の狂気にも似た愛の形を鮮烈に体現。そして監督には、オーストラリア出身のアーティスティックな映像に定評のある気鋭ジャスティン・カーゼルが務めている。今回解禁されたポスタービジュアルは、マイケル演じるマクベスの前に、マリオン演じるマクベス夫人が跪いて顔に手を添えるポスター。夫婦の“地獄に近い愛”と、濃密な関係性を的確に表現する仕上がりとなっており、また「夫が王になった時、2人の運命が狂い出す。」という強烈なストーリー性を感じさせるコピーが、さらに物語の想像掻き立てる一枚となっている。世界中のクリエーターに多大な影響を与え、黒澤明、手塚治虫、蜷川幸雄らも翻案作品を発表してきた至高の名作を映画化した本作。迫真の演技と破格の映像美に彩られ、まさに誰も観たことのない21世紀の『マクベス』に注目が集まる。『マクベス』は初夏、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年02月12日刑務所内でのしあがる若者を描き、カンヌ映画祭審査員グランプリを受賞した『預言者』(’09)、大事故で脚を失うシャチの調教師をマリオン・コティヤールが演じた『君と歩く世界』(’12)など、毎回衝撃的な題材と、繊細な人間描写で世界にインパクトを与えてきた、フランスの鬼才ジャック・オディアール。最新作『ディーパンの闘い』では、第68回カンヌ映画祭で『キャロル』(’15)などの話題作を抑え、最高賞パルムドールを受賞したオディアール監督に話を聞いた。映画の主人公は、スリランカ内戦で家族を失い、難民としてフランスにやってきた元兵士・ディーパン。彼は難民申請をしやすくするため、赤の他人である女性と少女と偽装家族となり、パリ郊外の団地い落ち着く。しかし、暴力の支配から逃げてきたにもかかわらず、団地はギャングのアジトとなっており、3人はまたも暴力にさらされてしまう。難民や移民の受け入れ、人種、宗教的対立など、ヨーロッパ社会が現在抱える問題に背景に、オディアール監督は全てを失ったディーパンが、家族の絆を再び獲得していく姿を、ドラマティックに描き出している。オディアール監督本人はとても紳士的で知的な人柄。柔和な笑顔で、この映画の持つ愛について語ってくれた。――難民や移民は多くいますが、スリランカ難民を主人公にした理由を教えてください。「まったくフランス語を理解しない、フランス文化にも縁がない人にしたかった。他の地域からの難民でもよかったかもしれないが、戦争地帯からやってきたということで、スリランカのタミール人になったんだ」。――ギャング団同士の抗争や、ディーパンがそれに巻き込まれていく描写は、とても娯楽映画らしい要素があり、面白く感じました。「そうしたジャンル映画らしい要素はこの映画全体にあると思う。後半は特に主人公・ディーパンが父親として、男としての気持ちを獲得し、闘って行く姿を描いているからね」。――激しいバイオレンスが描かれる一方、ディーパン一家の食事や、日常生活についてもきめ細やかに描写されていますね。「パリのレストランで食事をしていると、移民の人たちが薔薇の花や、おもちゃなんかを、テーブルをまわって売りに来る。よくみかける光景だけれど、そもそも彼らはなぜパリにやって来たのか。普段は、どんな生活をしているのか。そこにとても興味をひかれたんだ。彼らの食事風景や、日常の何気ない描写をたくさん入れたんだ。この描写があったからこそ、ディーパンたちの持つ美しさというものが生まれたと思う」。――この映画はラブストーリーでありながら、バイオレンスもかなり強烈です。その配分を計算されたのでしょうか?「事前に暴力をこれくらい入れていこう、とバランスを考えて作ったわけではないんだ。『ディーパンの闘い』は、疑似家族が本当の家族になっていくという意味では、家族のラブストーリーだ。ここに出てくる暴力は、愛の裏返しとしての存在であり、同時に愛の不在を表すものでもある。彼らはどう愛を表現していいのか、わからない人たちなんだよ。だから暴力はメタファーとして存在している。ディーパンと偽の妻・ヤリニが喧嘩をするシーンで、ディーパンは『平和を求めるために闘っている』という発言をするのが、その象徴なんだ」。――ディーパンとヤリニの偽の娘となるラーヤの存在も重要ですね。「彼女はとても繊細な子供で、素っ気ない態度を取り続ける母役のヤリニに『なぜ私を愛してくれないの?』と問いつめる。ヤリニは『私はあなたの本当の母親ではないし、家族でもないわ』と突っぱねるが、ラーヤは『じゃあ、妹だと思って』と、さらに詰め寄る。彼女の存在が、ディーパンたちに絆を生むきっかけとなるんだ」。(text:Ayako Ishizu)
2016年02月10日ディオール(Dior)が、一流写真家たちの作品とともにメゾンの歴史を紐解く写真集『Dior : New Looks』を発売する。過去から現在に至るまで、様々な一流写真家のビジョンによってメゾンのクリエイションの素晴らしさを表現してきたディオール。同書では、リチャード・アヴェドン、ジェローム・ゴティエなど一流写真家たちの芸術作品とともに、ニュールックが誕生した1947年から現代までのメゾンの歴史が語られている。ラインアップは、リチャード・アヴェドンが撮影した伝説の写真「ドヴィマ・ウィズ・エレファンツ」や、ウィリー・ヴァンデルペールによるラフ・シモンズのクリエーションをとらえた空撮写真、セシル・ビートンが撮影したミッツァ・ブリカール、ジャン=バティスト・モンディーノが撮影したマリオン・コティヤールなど。アイコニックな作品や極めてプライベートなショットまでを含む貴重な作品の数々が収録された。
2015年10月28日“マンガの神様”手塚治虫や“世界のNINAGAWA”こと演出家の蜷川幸雄、そして“映画界の巨匠”黒澤明も題材として取り上げ、今年は佐々木蔵之介の舞台でも話題になったウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」。このほど、マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールの競演により映画化されたシェイクスピア没後400周年の記念作『マクベス』が、2016年初夏、日本公開されることが決定。本作で、吉本興業が初の洋画配給を手がけることになった。「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶシェイクスピア4大悲劇の1つとして知られ、中世のスコットランドに、欲望と野心にとらわれた勇敢で有能な戦士・マクベスが、最愛の妻“レディ”マクベスと共に歩んだ激動の生涯を描いた本作。今年5月に開催された第68回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門のクロージング作品として上映された際には、その圧倒的な映像美とドラマ性の高さが絶賛され、約10分間にもおよぶスタンディングオベーションが起こった。マクベスを演じるのは、主演作『SHAME-シェイム-』にて第68回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で「俳優賞」を受賞、また、ブラッド・ピット製作で話題となった『それでも夜は明ける』では2013年の第86回アカデミー賞「助演男優賞」にノミネートされたマイケル・ファスベンダー。米映画サイト「TC Candler」による 「世界で最もハンサムな顔」第1位(2013年)のセクシーな容姿とともに、“世界最高の演技派”の一人として注目されており、ダニー・ボイル監督のもとでアップル創業者スティーブ・ジョブズを演じることでも話題となっている。また、物語のカギを握るマクベスの妻を演じるのは、マリオン・コティヤール。主演映画『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』で第80回アカデミー賞「主演女優賞」受賞をはじめ、第65回ゴールデングローブ賞、第33回セザール賞などを受賞、『サンドラの週末』でも再びアカデミー賞にノミネートされたフランスを代表する女優。彼女もまた、「世界で最も美しい顔100人」第1位に選出された美貌と実力を兼ね備え、本作ではファスベンダーと共に、手を血に染め、野心と欲望に苛まれながら次第に狂気に満ちていく夫婦を演じている。「シェイクスピア史上最高傑作」とも言われる原作に忠実な解釈を行いながらも、そんな夫婦の心情を圧倒的かつ繊細な映像表現で描き出したのは、オーストラリア出身のジャスティン・カーゼル監督。共演には、『コードネーム U.N.C.L.E』のエリザベス・デビッキ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネーション』で悪役を演じたショーン・ハリス。また、全米での配給を行うのは、『英国王のスピーチ』などアカデミー賞常連作品を多数製作し、ハリウッドで絶大な影響力をもつザ・ワインスタイン・カンパニー。日本では、吉本興業が『るろうに剣心』3部作や『許されざる者』の製作アイアトン・エンタテインメントとタッグを組み、初めての洋画配給に乗り出す。本作の製作スタジオStudioCanalからは、「吉本興業及びアイアトン・エンタテインメントの新しい事業である洋画の映画配給に関して、喜びをもって協力いたします」とコメントが寄せられており、作品の高評価とともに日本公開に期待が寄せられている。『マクベス』は2016年初夏、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月19日ファッションアイコンとしても大きな注目を集める女優ミシェル・ウィリアムズが、アウシュヴィッツ強制収容所で生涯を閉じた女性作家の遺稿を映画化した『フランス組曲』に主演。2016年1月、日本公開されることに決まった。1940 年、ドイツ占領下フランスの田舎町。戦地に赴いた夫を待つ美しい妻リュシル(ミシェル・ウィリアムズ)と厳格な義母の暮らす屋敷へドイツ軍中尉ブルーノ(マティアス・スーナールツ)がやってくる。緊迫した占領下の生活の中で、音楽への愛を共有する2人は、いつしか互いの存在だけが心のよりどころになっていく。それは同時に、狭い世界に生きる従順な女性だったリュシルが、より広い世界へと目を向ける転機にもなっていくのだが――。本作は、第二次大戦中のドイツ占領下フランスの田舎町を舞台に、ピアノの音色が結びつけたフランス人女性とドイツ将校との許されざる愛の物語をアカデミー賞受賞作『ある公爵夫人の生涯』のソウル・ディブ監督が壮大なスケールで描き出す人間ドラマ。原作は、1942年、アウシュヴィッツで亡くなった作家イレーヌ・ネミロフスキーによる未完の同名小説。彼女の娘が母の形見として保管していたトランクには、この小説が記されたノートが遺されており、命がけで綴られた原稿が60年の歳月を経て出版されるや、2004年にフランスの四大文学賞の一つ、ルノードー賞を受賞(死後受賞は初)。フランスで70万部、全米で100万部、世界でおよそ350万部の驚異的なベストセラーとなった。主演を務めるのは、『ブルーバレンタイン』『マリリン7日間の恋』などで確かな演技力を披露し、3度のオスカーノミネートを誇るミシェル・ウィリアムズ。相手役には、マリオン・コティヤール主演の『君と歩く世界』以降、ケイト・ウィンスレット主演の『ヴェルサイユの宮廷庭師』(公開中)ほか、キャリー・マリガン主演『Far from the Madding Crowd』(原題)など近年、大物女優との共演が相次ぎ、世界的に注目を浴びているマティアス・スーナールツ。さらに、『イングリッシュ・ペイシェント』『サラの鍵』などの名女優クリスティン・スコット・トーマス、ハリウッド超大作『スーサイド・スクワッド』(’16公開)も控える若手人気女優マーゴット・ロビーなど、国際的な実力派が力強い存在感を見せ、深く見応えある人間ドラマを彩っている。『フランス組曲』は2016年1月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月13日レア・セドゥが、チャニング・テイタム主演の『Gambit』への出演を交渉しているようだ。役柄は、主人公ギャンビットの幼なじみであるベラ・ドンナ。テイタムが、主演とプロデューサーを兼任する。その他の情報『Gambit』は『X-MEN』シリーズ8作目。7作目に当たる『X-MEN:アポカリプス(原題)』は来年5月、『Gambit』は2016年10月に公開予定。セドゥは、11月北米公開予定の『007 スペクター』(日本公開は12月4日)に出演。その後には、グザヴィエ・ドラン監督の『It’s Only the End of the World』が控える。共演はマリオン・コティヤール。テイタムの次回作は、クエンティン・タランティーノ監督の『The Hateful Eight』と、ジョエル&イーサン・コーエン監督の『Hail, Caesar!』。日本では『マジック・マイクXXL』が10月17日(土)より公開される。文:猿渡由紀
2015年08月26日レオナルド・ディカプリオが22日(現地時間)、南フランスのサントロペで環境保護を目的に自身の名を冠した基金のガラを開催、4,000万ドルを集めた。レオは1998年から、環境保護に取り組む「レオナルド・ディカプリオ基金(LDF)」を運営していて、今回は南仏のリゾート地にあるロゼのワイナリー、ドメーヌ・ベルトー・ベリユーでセレブが一堂に会するガラを計画。エルトン・ジョンやマリオン・コティヤール、オーランド・ブルーム、シルヴェスター・スタローン、エイドリアン・ブロディ、モデルのナオミ・キャンベルやイリーナ・シェイク、ペトラ・ネムコヴァら、幅広い層のセレブが集まった。現在の恋人でモデルのケリー・ローバックを連れてきたレオは、スピーチで「今夜のイベントはLDFの活動をサポートすることが目的です。トラやサイ、マウンテンゴリラなどを保護するために、各国政府と共に彼らの住む場所であるジャングルや珊瑚礁、森林の保護活動を行なっています」とスピーチ。「絶滅危惧種の保護に集中することは、世界規模のノアの方舟のようなものです」と訴えた。(text:Yuki Tominaga)
2015年07月24日第67回カンヌ国際映画祭でカンヌ国際映画祭「パルム・ドール」を受賞したヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作『雪の轍(わだち)』を始め、いま、“夫婦のさまざまな愛の形”について描かれた映画が続々と公開中だ。『雪の轍』は、カッパドキアの洞窟ホテルを舞台に、いまは裕福なホテルのオーナーとして暮らす元舞台俳優と、歳の離れた若く美しい妻、そして妹との愛憎など、一組の夫婦の葛藤を軸に人間の内面の深部を描く濃密な会話劇。表面的には歳の離れた仲睦まじい夫婦。だが、ありあまる富と時間を持て余す傲慢な夫・アイドゥン、そして、世間も知らず、夫に頼りながら生きていく自分に次第に鬱屈した思いが募っていく妻・ニハルは、冬の訪れとともに、お互い秘めていた心の内が浮き彫りになり、ストレートな言葉で感情をぶつけ合う。それまで自覚のなかったお互いの気取りや、偽善心が見えたとき、夫婦は新しい一歩を踏み出せるのか…。文豪・チェーホフの作品をモチーフに、夫婦との関係性、さらに“人間であること”をカッパドキアの景観と圧倒的な映像美と共に考えさせる本作。ほかにも、今年は、映画を通じて夫婦の関係性を見直すきっかけになりそうな作品がめじろ押しだ。胸を打たれる夫婦と家族のカタチジュリアン・ムーア主演の『アリスのままで』は、若年性アルツハイマー病と診断された50歳の言語学者の苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との絆を描く。アリスは記憶や知識が日々薄れていく中、以前、自らパソコンに残したビデオメッセージを発見し、自分が自分でいられるために、画面の中の自分が語ることを実行しようとする。変わりゆく妻を見守り支えながらも、悲しみに暮れる夫の姿と、母を支える子どもたちが印象的に描かれている。また、マリオン・コティヤール主演の『サンドラの週末』は、上司から解雇を言い渡された女性が、自身の解雇撤回のため奮闘する姿を描くヒューマンドラマ。体調が思わしくなく休職していたサンドラは、復帰のめどが立った矢先の金曜日、従業員のボーナス支給のためにと解雇を通告される。サンドラのためボーナス返上を受け入れる同僚が半分以上になれば、解雇を回避できると聞いた彼女は、その週末、月曜日の投票に向け同僚たちの説得のため奔走するが…。弱気になりがちなサンドラを、常に隣で支え励ます夫と、次第に自信を取り戻していく彼女の姿が胸を打つ。失ってはじめて気づく…夫婦の強い絆『愛を積むひと』は、北海道で第2の人生を送る熟年夫婦の愛と絆を映し出す。主人公篤史(佐藤浩市)は東京の下町で営んでいた工場を閉鎖し、残りの人生を北海道で過ごそうと決意した矢先、妻・良子(樋口可南子)が持病を悪化させて他界してしまう。妻を失い深い悲しみに沈む夫だったが、新たな人々や娘との再会を経て、前を向く姿を感動的に描く。『夫婦フーフー日記』は、結婚、妊娠直後の妻に悪性腫瘍が見つかった夫婦の、育児と闘病生活をつづる実在のブログから生まれた「がんフーフー日記」の実写映画化。育児と仕事に孤軍奮闘する夫(佐々木蔵之介)の前に死んだはずの妻(永作博美)が現れ、2人で共に歩んできた日々に思いをめぐらせる。伝えられなかったそれぞれの思いを見つけ、少しずつ現実を受け入れていく夫の姿を、映画ならではのストーリーで描く。本当は知らなかった…窮地に陥って見えてくる夫婦のカタチカンヌ国際映画祭「ある視点」部門「審査員賞」を受賞した『フレンチアルプスで起きたこと』は、フランスのスキーリゾートに休暇で訪れたスウェーデン人一家が経験する家族の危機を描く人間ドラマ。一家が山際のテラスでランチを食べていると、突如ごう音が鳴り響き、目の前の斜面で雪崩が発生。大事には至らず家族は無事だったが、夫が取った行動は妻と子どもたちの反感を買い、頼れる理想のパパ像も崩れ去って、家族はバラバラに。窮地に陥って初めて見えてくる夫婦の関係性には、戦慄が走る!?『サイの季節』は、実在するクルド系イラン人の詩人サデッグ・キャマンガールをモデルに、イスラム革命によって引き裂かれた夫婦の苦難の道のりを描いた社会派ドラマ。イスラム革命中、詩人サヘルはいわれなき罪で投獄され、30年後にようやく釈放される。彼の妻(モニカ・ベルッチ)はサヘルの釈放を切望していたが、夫はすでに刑務所内で死んだという悪意ある嘘を信じ込まされていた。30年という長い年月を前に立ちすくむ夫婦の悲劇に、言葉を失うしかない!?夫婦って、いったい何?さまざまに描かれる夫婦の愛と絆のカタチから、思いを巡らせてみては。『雪の轍』は角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愛を積むひと 2015年6月20日より全国にて公開(C) 映画「愛を積むひと」製作委員会夫婦フーフー日記 2015年5月30日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2015川崎フーフ・小学館/「夫婦フーフー日記」製作委員会雪の轍(わだち) 2015年6月27日より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) 2014 Zeyno Film Memento Films Production Bredok Film Production Arte France Cinéma NBC Filmアリスのままで 2015年6月27日より 新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開(C) 2014 BSM Studio. All Rights Reserved.www.alice-movie.com
2015年07月16日歌人で小説家の加藤千恵、放送作家の町山広美がこのほど、東京・渋谷区のBunkamuraル・シネマで行われた、映画『サンドラの週末』の公開記念トークイベントに出席した。全国公開中の本作は、ダルデンヌ兄弟監督が描く一人の女性の物語。休職中に解雇を言い渡され、同僚がボーナスを諦めれば仕事を続けられるという選択が与えられたサンドラ。その週末、同僚たちの説得にまわるサンドラだったが――というストーリーで、主演のマリオン・コティヤールは第87回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。試写会後、加藤は「最初はサンドラにイライラしてたけど、女性として人間として立とうとする姿勢に胸を打たれた。マリオン・コティヤールが美人に見えないほど、のめり込んだ」と話し、「弱さと強さが絶妙でリアル。ラストはカタルシスがあり、意外で良かった」と感想を。一方の町山も、「不幸になって欲しくなかったから、最後は痛快に終わって気持ち良かった」と満足げな表情を見せた。"理不尽な選択"をテーマに描かれる本作だが、「いつもヒドい環境にいる主人公が多いダンデンヌの作品にしては、本当に珍しいタイプの主人公」と語った町山は、「日本の政治でもポピュリズムの方法で2択を迫られるけど、実際は何も選べていない。そんな状況はたくさんある」と熱弁。町山の持論を受けた加藤も、「本当は見えないところで選択を迫られていると考えさせられた作品でした」と刺激を受けた様子だった。
2015年06月16日ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールの初共演が実現しそうだ。作品は、ロバート・ゼメキス監督のスパイ物。タイトルは決まっておらず、ストーリーについても明らかになっていないコティヤールは、次に撮影することに決まっているアクション映画『Assassin’s Creed』と微妙にスケジュールが重なるため、この作品に出演するのは無理かと思われていたが、ゼメキス監督も、この秋北米公開の『ザ・ウォーク』の宣伝活動を行うために撮影時期を後ろにずらす必要が生じ、可能になったもの。ピットの次回作は、アンジェリーナ・ジョリーが監督・出演する『By the Sea』。コティヤールの次回作は、先月のカンヌ映画祭で上映された『Macbeth』。共演はマイケル・ファスベンダー。文:猿渡由紀
2015年06月09日24日(現地時間)に閉会した第68回カンヌ国際映画祭には日本から多くの映画人が訪れたが、『リトルプリンス星の王子さまと私』では日本版声優を務めた鈴木梨央、瀬戸朝香、津川雅彦が、オリジナル版声優のマリオン・コティヤールやマッケンジー・フォイらと共にレッドカーペットを飾った。梨央ちゃんは鮮やかな赤い着物姿で、世界中のカメラマンからのフラッシュを浴び笑顔を振りまいた。マッケンジー・フォイもマーク・オズボーン監督も、梨央ちゃんの着物姿を「すごくかわいい!」、「美しいね!」と口々にほめていた。映画はフランスのサン=テグジュペリが生んだ世界的絵本「星の王子さま」の初めてのアニメーション化作品ということもあり、カンヌで世界初お披露目。紙人形によるストップ・モーションアニメとCGを融合させて王子さまの世界を見事に映像化したに対して、観客も10分以上ものスタンディングオベーション贈り、オズボーン監督は目を潤ませていた。映画は星の王子さまの物語と、その後日談が交えて語られる。梨央ちゃんは王子さまを探す少女を、瀬戸さんはその母親、津川さんは年老いた飛行士の声を演じる。レッドカーペットを歩いた感想について梨央ちゃんは「心臓が出そうになりました!」と興奮しつつも、着物姿が注目されたことについて「みんなに素敵!と言ってもらえて嬉しかったです」と目を輝かせた。瀬戸さんは「一生に一度の貴重な経験になりました」と笑顔を見せ、津川さんは「スタンディングオベーションも長く、観客の拍手から映画の力を感じました」と語った。梨央ちゃんと同じ役を演じるマッケンジー・フォイは『インターステラー』などで活躍するハリウッドの人気子役。梨央ちゃんは彼女について「すごく憧れます。いつかマッケンジーさんみたいになりたいです」と女優としての意欲を語った。瀬戸さんも「監督が目を潤ませていて、私もうるっと来ました。もう二度とないチャンスと思ってカンヌに来ましたが、この仕事を続けて二度目のカンヌを目指すという目標が出来ました」と気持ちを新たにしていた。津川さんは「僕は賞にからむような映画に出ないので、映画祭というものに来ることが初めて。フランスは映画発祥の地。また監督として来るのもいいですね」と感激していた。(photo / text:Ayako Ishizu)
2015年05月29日5月13日(現地時間)から開催されていた、第68回カンヌ国際映画祭が24日に閉幕した。映画祭と言えば、賞レースの行方と同様に、注目したいのがレッドカーペットで繰り広げられる“ファッションショー”。特にベルリン、ヴェネツィアと並び、世界三大映画祭に数えられるカンヌは、フランスという“ファッションの聖地”で行われるフェスティバルというだけあり、ひときわ華やかだ。フランス人女優や俳優ら関係者たちは、こぞって自国メゾンのドレスで着飾り、フランスがファッションの国であることをアピールしている。もちろん、招待ゲストである他国の映画人たちも、開催国に敬意を表してフレンチ・ブランドを身に纏うことが多いようだ。目立ったのは、フランスの「ディオール(Dior)」、「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」などの老舗メゾン。まずは、「ディオール」から。シャーリーズ・セロンは、鮮やかなイエローと長いトレーンが印象的なディオールをチョイス。マリオン・コティヤールは、ベビーブルーのクチュールドレスに「ショパール(Chopard)」のジュエリーを合わせた。さらに別日も、デザインこそ違えど、プリーツ使いの素材でモード感をたっぷり演出。彼女たちは、同メゾンのミューズでもあり、着こなしの見事さはさすがだ。モデルのスキ・ウォーターハウスやアンジェラ・ベイビー、メラニー・ロランは若々しく白を、ノオミ・ラパスは妖艶な赤、イザベラ・ロッセリーニは鮮やかながら落ち着いた大人の黄、レティシア・カスタは成熟した雰囲気を強調するクチュール感のあるドレスでレッドカーペットに華を添えていた。「イヴ・サンローラン」をチョイスしたセレブリティも多い。フランスの大女優ソフィー・マルソーはマルチカラーのスリットドレスを、韓国のチョン・ドヨンはワンショルダーのブラックドレスやマスキュリンなスーツを、サルマ・ハエックはマルチプリントのワンピースでレトロ感たっぷりのレディスタイルを。また、リリー・ドナルドソンがビーズロングガウンで、ジェーン・フォンダがスパンコールのドレスで、フォーマルシーンならではのエレガンスさを漂わせていたのも印象深い。また、フランスの隣国イタリアの「ヴァレンティノ(VALENTINO)」などヨーロッパ圏で誕生したブランドを纏うセレブたちの姿も。「ヴァレンティノ」のカラーブロッキングが印象的な15SSクチュール・コレクションからの1着を選んでいたのはシエナ・ミラー。別日には、「ソニア・リキエル(SONIA RYKIEL)」のガウンで登場。こちらは、ブラック一色のドレスながらも、オーガンジーにスター模様が浮かび上がる少しレトロ感のある素材と、ガウンを重ね着したようなデザイン、透け感のある若々しい足元、胸元に安全ピンをあしらったデザインなど、随所に遊び心がたっぷり。そこに、今年流行の太めヒールのサンダルを合わせ、上級者のシエナならではの、フレンチ・シックを披露した。その他にも、ナタリー・ポートマンが「ランバン(LANVIN)」による美しいエメラルドグリーンのガウンを選び、タイトにまとめたヘアと揺れる黒いシンプルなピアスでノーブルなスタイルを見せたり、ダイアン・クルーガーがランウェイさながらの「プラダ(PRADA)」スタイルを披露したりと、映画祭はさながら最先端のファッションショーケースに。やはり、カンヌのレッドカーペットでは、女優たちもひときわ腕によりをかけ、おしゃれを楽しんでいるようだ。
2015年05月27日マイケル・ファスベンダーと交際中の恋人で女優のアリシア・ヴィキャンデルが、ニューヨークで同居を始めたようだ。イギリスの「The Sun」紙によると、昨年から交際している2人は最近、26歳のアリシアが38歳のマイケルのアパートに引っ越す形で同居を始めたという。関係者は、マイケルが女性と真剣に交際するのは久しぶりのことだと話している。マイケルは、憶測を含めて共演者と恋のうわさが絶えない。これまで『SHAME-シェイム-』のニコール・ベハーリー、『X-MEN』シリーズのジェニファー・ローレンス、ゾーイ・クラヴィッツやナオミ・キャンベル、『それでも夜は明ける』のルピタ・ニョンゴの名前が挙がっている。スウェーデン出身で、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』や『ガンズ&ゴールド』などで知られるアリシアとも、今年公開の『The Light Between Oceans』(原題)で夫婦役を演じている。2人は24日(現地時間)に閉幕した第68回カンヌ国際映画祭にも参加、マイケルがマリオン・コティヤールと共演した『Macbeth』(原題)の公式上映に出席し、その後はモナコのモンテカルロに移動し、F1モナコGPを観戦していた。(text:Yuki Tominaga)
2015年05月26日第68回カンヌ国際映画祭の特別招待作品として映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』(2015年11月公開)のワールドプレミアが現地時間22日に行われ、日本語吹き替え版キャストの鈴木梨央、瀬戸朝香、津川雅彦らがレッドカーペットを歩いた。本作は、フランスを代表する小説家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作小説『星の王子さま』の初めてのアニメーション映画化作品。ゆかりの地であるフランス・カンヌ国際映画祭での上映が決まったことから、世界中のボイスキャストらが集結するワールドプレミア開催が決定した。メイン会場のパレ・デ・フェスティバルに登場した3人は、初めての海外映画祭に感無量の様子。カンヌ国際映画祭では日本史上最年少の主演女優である女の子役の鈴木は、赤色の着物姿を披露し、お母さん役の瀬戸はシルバーのドレスで大人の華やかさを演出、飛行士役の津川雅彦はタキシードで名優の風格を漂わせた。さらに、世界各国のキャストも登場。現地フランス版と米版の2つの言語でキャストを務めるアカデミー賞女優のマリオン・コティヤール(バラ役)はスカイブルーの豪華ドレスで華を添え、英語版で主人公の女の子を演じるアメリカの天才子役マッケンジー・フォイをはじめ、本作の監督の息子でもあるライリー・オズボーン(星の王子さま役)ら豪華な米版キャストが登場した。着物姿で視線を集めた鈴木は「皆にすてきと言ってもらえてうれしかった」と喜び、「すごく緊張もしたんですが、楽しかったです!」とコメント。瀬戸は「一生に一度の貴重な経験になりました!」と感激し、「この仕事を続けて2度目のカンヌを目指して頑張るという目標ができました」と決意を新たにした。映画祭を初めて経験という津川も「映画の好きな人がたくさん集まってるんだなという雰囲気がとてもうれしかったです」と満足そうな表情を見せ、「監督としてくる可能性もあるかも」と意気込んだ。世界初披露なった上映後には、15分間のスタンディングオベーションが起こり、絶賛の声が飛び交った。(C)Kazuko Wakayama(C)2015 LPPTV - Little Princess – ON Entertainment - Orange Studio - M6 Films
2015年05月25日本年度アカデミー賞で自身2度目の「主演女優賞」ノミネートとなったマリオン・コティヤールの主演作『サンドラの週末』が、いよいよ5月23日(土)より公開される。フランスを代表する歌手エディット・ピアフの生涯を描いた『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(’07)でオスカーを獲得し、ハリウッド大作にも出演してきたマリオンが、かねてから大ファンであったベルギーの名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の主演に迎えられるという“夢”をつかんだことについて、興奮を抑えきれずに熱く語るインタビューが到着した。本作で彼女が演じたのは、病気休職が明けた後、不当に解雇を言い渡される主婦・サンドラ。彼女が仕事を続けるためには、週明けまでに16人の同僚にボーナスを諦めてもらい、自らの復職に投票してもらわなければならない。マリオンは、ときに傷つきながらも、必死に同僚1人1人を訪ね歩き、説得を試みる等身大の主人公サンドラを熱演。やがて、サンドラはその週末を通して、少しずつ自分にも、そして周囲に対しても希望を見出していく。国際的に活躍し、トップブランドのミューズとしても輝きを放つマリオンを起用したのは、『ロゼッタ』『ある子供』で2度のカンヌ国際映画祭最高賞「パルムドール」を受賞し、『少年と自転車』では「グランプリ」を獲得するなど、カンヌ史上初の5作品連続受賞を誇るダルデンヌ兄弟。こだわり抜いたリアリティの中から覗く優しい視点と、演じる者の繊細な感情の機微を映し出す演出で世界を魅了する兄弟監督だ。――ダルデンヌ兄弟と撮影ができるなんて、叶わない夢だと思っていた…「ダルデンヌ兄弟との出会いを、マリオンは「ベルギーでジャック・オディアール監督の『君と歩く世界』の撮影の際にすれ違いました。エレベーターでの短い出会いでしたが、それはとても印象的でした」とふり返って語る。その数ヶ月後に「ダルデンヌ兄弟が仕事をしたいと言っている」とエージェントから聞かされるが、「そのときの驚きと言ったら!私にとって彼らと撮影をするということは、到底叶わない夢だと思っていましたから」と、オスカー女優は実に謙虚だ。「女優としての経験の中で、アメリカでも映画に出演して、手の届かないような人々といままで仕事をしてきました。ダニエル・デイ=ルイスなど、例を挙げればきりがないですが。それでもダルデンヌ兄弟は特別でした。本当に手の届かない存在でしたから」。そう語るマリオンは、兄弟との最初の面接からドキドキもので「自分を保つのに精いっぱいだった」とも話す。それでも、「脚本を読み始めたら、ダルデンヌ兄弟らしさがつまっていて、圧倒されました。私は喜びでいっぱいで、これはすばらしい経験になると思いました」。――サンドラを演じ、ダルデンヌ兄弟常連俳優と共演してそんな思いで臨んだサンドラという役柄は、これまで彼女が演じたどんなキャラクターとも違う、実在するかような「普通の女性です」と言う。「選択の余地がないだけに、物事の価値が分かっている1人の労働者です。彼女は、自分を雇っておくことに投票するより、1,000ユーロのボーナスを手にすることを選ぶ人たちの気持ちが分かっています。彼女が彼らの立場だったらどうしていたかは誰にも分からないし、映画はどの登場人物も裁いてはいない。それが彼女の強さなのです」。「彼女はある場面では、『自分は何者でもない』とすら言います。この無力感は彼女の奥底に住み着いていますが、それは自分の仕事と、あるいは仕事がないことと折り合いをつけることができない多くの人の心にも住み着いているのです。撮影の数か月前、仕事のことで自殺した人の記事、ルポルタージュを読んでとても心を打たれました。彼らはこの無力感に耐えるよりは、それに“けりをつける”ほうを選んだのです。この映画は、私の心に強く訴えかけてきたこうした出来事を反映しています」。これまでもダルデンヌ兄弟は、酒びたりの母親とトレーラーハウスで暮らす少女が職場を突然解雇される『ロゼッタ』、貧しい暮らしの中で生まれたわが子を“売って”しまう若いカップルを描いた『ある子供』、父親に育児放棄された少年と偶然出会った女性が心を通わせる『少年と自転車』など、困窮し混迷する社会のあるがままを描き出し、それでも真摯に生きる人々に寄り添い続けてきた。「それぞれの映画で、彼らは社会の現実を観察しています。そして同時に、映画の新たな冒険を発明しているのです。彼らの映画は作家の映画です。しかし、彼らはあらゆるカテゴリーを逸脱することに成功しています。彼らの映画は、絶対的に普遍的なのです」。また、自身の復職のために同僚にボーナスを諦めるよう説得しなくてはならないという苦境に立たされるサンドラを、支え続ける夫マニュを演じたのは、ダルデンヌ兄弟作品常連のファブリツィオ・ロンジョーネだ。「彼はダルデンヌ兄弟の映画の世界に自然に溶け込みますが、それは、彼もダルデンヌ兄弟の映画の世界と同じ真実味にあふれているからです。ダルデンヌ兄弟に見守られながら、ファブリツィオと仕事ができたことは、私にとって大きなチャンスでした」とマリオンは言う。――私がダルデンヌ兄弟の映画が大好きな理由、彼らとの仕事が大好きな理由彼らの現場では、数多くの作品に参加してきたはずのマリオンも驚くエピソードがあったという。「撮影中やリハーサル中に、“観客”について話をすると、ほとんどの場合、監督は嫌がります。ある監督は、私が『観客は…』と言った瞬間に怒り狂って『観客なんてどうでもいい!』『観客のことなんて話すな!』と。ほとんどの場合、監督というのは観客について話したがらないものです」。ところが、ダルデンヌ兄弟は違った。「リハーサル中にダルデンヌ兄弟が観客について話していたので、私はうれしそうに彼らを見ていたら、リュックが突然私のほうを振り返って言いました。『ここでは私たちは観客についてたくさん話すんだ』。彼らにとって観客はとても大切な存在です。彼らは脚本を、シーンを、観客のために作っています」。「彼らが観客について話すのは、彼らがすることすべてが観客をどこか別の場所へ連れていくためだからです。私たちを驚かせたり、私たちの存在を、とても特別に感じさせてくれる。これが、私が彼らの映画が大好きな理由で、彼らと仕事をするのが大好きな理由です」と、生き生きとした表情で語る。またダルデンヌ兄弟と映画を作りたいか?と問えば、「彼らが望むなら! 直ぐにイエスです!」と即答するマリオン。ハリウッドでも活躍する国際派スターでありながら、少女のように目を輝かせ、憧れの監督たちとの仕事がいかに特別なものであったかを語るその姿からは、愛と希望を抱いてひたむきに生きる、強さと繊細さを持ち合わせたサンドラに込めた思いが伝わってくる。『サンドラの週末』は5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:サンドラの週末 2015年5月23日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか,全国より公開(C) Les Films du Fleuve -Archipel 35 -Bim
2015年05月22日ベルギー発のオーガニックなベーカリーレストラン「ル・パン・コティディアン」が、5月23日から公開の映画『サンドラの週末』とコラボレーションし、「ル・パン・コティディアン 表参道店」と映画の公開劇場にて、5月23日(土)~6月7日(日)までの期間限定で相互に割引サービスを展開する。『サンドラの週末』はベルギーを舞台に、夫とふたりの子どもと暮らすひとりの女性の物語だ。ある週末、突然サンドラの身に降りかかった、働く社会のシビアな現実。「想いを声に出さなければ誰にも届かない」シチュエーションの中、自分の存在価値を何度も疑いながらも自身を見つけ出す主人公サンドラを演じたのは、アカデミー賞女優マリオン・コティヤールだ。弱さと強さ、繊細さ、心の機微を渾身の演技は注目。また、監督はベルギー出身で、カンヌ国際映画祭最高賞「パルムドール」に輝いたダルデンヌ兄弟。この最強の組み合わせから“人の強さを信じる”感動の物語が誕生した。今回、監督がベルギー出身であることにちなみ、「ル・パン・コティディアン」とのコラボレーションが実現した。「ル・パン・コティディアン」は、伝統的なレシピと出来る限りオーガニック食材を使用した、パンを中心としたメニューが人気で、NYセレブにも愛される名店だ。表参道店は、ウッディで柔らかな日差しに包まれたベルギーの素朴な暮らしを連想させる居心地の良いリラックス空間。心揺さぶられるヒューマンドラマを堪能した後に、ほっとひと息こちらでくつろいでみてはいかが。映画の半券でレストランでおお会計の10%割引になり、また「ル・パン・コティディアン 表参道」に設置してあるコースターを「Bunkamura ル・シネマ」「ヒューマントラストシネマ有楽町」で提示すれば200円引きで映画が鑑賞できる。(映画『サンドラの週末』のみで有効)ぜひチェックしてみて。『サンドラの週末』は5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:Miwa Ogata)■関連作品:サンドラの週末 2015年5月23日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか,全国より公開(C) Les Films du Fleuve -Archipel 35 -Bim
2015年05月20日ベーカリーレストラン「ル・パン・コティディアン(Le Pain Quotidien)」が、5月23日に公開予定の映画『サンドラの週末』とのコラボレーションキャンペーンを映画の公開日から6月7日まで期間限定で実施する。『サンドラの週末』はカンヌ国際映画祭で「パルム・ドール」を2度受賞したベルギーの巨匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟による新作映画。主演にはアカデミー賞「主演女優賞」の経歴を持つ、マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)が起用されている。今回のコラボレーションは、ダルデンヌ兄弟の出身地と映画の舞台が、同ブランドの発祥地と同じくベルギーであることから実現。期間中は「ル・パン・コティディアン」表参道店と『サンドラの週末』公開劇場で相互割引サービスが行われる。レストランで映画の半券を見せると、通常の価格から10%引きで利用が可能。同店に設置されているコースターをBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町で提示すると、200円割り引きで『サンドラの週末』が鑑賞出来る。
2015年05月15日世界の名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作は、ひとりの女性が自分自身を見つけ出すまでを描いた感動の物語『サンドラの週末』。各国で賞賛されている本作は、ダルデンヌ兄弟がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に6作品連続で出品という偉業を成し遂げた話題作です。 夫と2人の小さな子供とともに暮らしているサンドラは、ある工場に勤めていたが、体調不良からしばらく休職していた。ようやく復職することになった矢先、なんと上司から解雇を言い渡されることに。そして、解雇から免れるための唯一の条件は、投票によって16人の同僚のうち過半数が自分のボーナスを諦めて、サンドラの復職に賛成するというものだった。 サンドラに残された時間は週末の2日間のみ。サンドラは、夫に支えられながら、同僚たちを説得することを決意する。彼らが選ぶのは、ボーナスか、サンドラか。長い週末のあとに、サンドラを待ち受ける運命とは……? 主演のマリオン・コティヤールは、繊細で複雑な内面を持つ女性を見事に演じ切り、アカデミー賞主演女優賞のノミネートをはじめ数多くの賞を獲得し、世界中のメディアも絶賛。「ダルデンヌ兄弟との映画作りは、若いころからの夢でもあり、一番理想的だった」と語るマリオン・コティヤールが魅せる最高の演技は、観客を主人公の心に寄り添わせ、私たちを感動に包み込んでくれるのです。 人は誰しも、家族や友人など、見えない絆に支えられて生きており、あなたもまた多くの人を支えて生きているのだと改めて感じさせてくれるはず。自分の存在価値を見失ってしまう時があったとしても、人間の強さを信じて、自信を取り戻した先には、温かい希望が広がっているのです。サンドラと共に、新しい人生の扉をあけてみませんか? イベントデータ: 『サンドラの週末』 公開表記:5月23日Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー ! 配給:ビターズ・エンド © Les Films du Fleuve -Archipel 35 -Bim Distribuzione -Eyeworks -RTBF(Télévisions, belge) -France 2 Cinéma
2015年05月10日国際的に活躍する女優マリオン・コティヤールが本年度アカデミー賞「主演女優賞」にノミネートされた最新作『サンドラの週末』。フランスを代表する伝説的歌手の生涯を描いた『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でオスカーを獲得して以来、2度目のノミネートとなった本作から、マリオンと、“カンヌの常連”ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の“相思相愛”ともいえるコメントが到着。すべての撮影を終えたマリオンが号泣していたことが明らかとなった。不当に解雇を言い渡された病み上がりの女性が、仕事を続けるための条件である“16人の同僚がボーナスを諦め、自分の復職に投票してくれること”を叶えるため、夫に支えられながら奔走していく本作。マリオンは、必死に同僚のもとを1軒1軒訪ね歩く等身大の主人公サンドラを熱演。常に不安げで自分に自信の持てない女性が、同僚を訪ねるうちに、自分自身にも、そして周囲にも希望を見出していく姿には誰もが心を強く揺さぶられると、アカデミー賞の前哨戦から注目を集め、マリオンは2度目となるオスカーノミネートを果たしている。そんな彼女について、「偉大な女優はすべてを捨てられる」と称賛の声を惜しまないのが、ベルギーが生んだ名匠ジャン=ピエールとリュックのダルデンヌ兄弟。第52回カンヌ国際映画祭「パルムドール」を受賞した『ロゼッタ』(’99)では新人女優エミリー・ドゥケンヌに同「女優賞」をもたらし、『ある子供』(’05)では2度目の「パルムドール」を獲得。クリント・イーストウッド監督作『ヒア アフター』のセシル・ドゥ・フランスを主演に迎えた『少年と自転車』でも第64回「審査員特別グランプリ」を受賞するなど、史上初、5作品連続のカンヌ受賞歴を持つ兄弟監督だ。入念かつ徹底したリハーサルを行う中で役者のポテンシャルを引き出し、カメラを意識させない俳優の自然な姿をスクリーンに何度も映し出してきた。今回も本作で、混戦極めたアカデミー賞「主演女優賞」へのノミネートや、10の「主演女優賞」をマリオンにもたらした監督たち。彼女について、兄のジャン=ピエールは「マリオンは、とても賢く、寛大で気前のよい女性です。また同時に、偉大な女優です。彼女がそれまで映画でつくってきたイメージや、ミューズを務めるブランドのイメージ、そして世間が彼女に持つあらゆるイメージ。それらすべてを消し去り、マリオンはサンドラになってくれました。このように自分を忘れさせることのできるのが本当の偉大な女優なんです」と語り、絶賛。さらに、弟のリュックも続ける。「彼女は撮影に入る前に『私をあなたたちの思うようにしてくださって結構です』と宣言し、私たちに身を任せてくれました。ほかの俳優・スタッフと食事も移動も控え室も一緒。専用のヘアメイクもドライバーも一切つけませんでした。何でもないことのようですが、こういったことは、仲間意識を作るのに重要なことで、映画にも繋がっていきます。また、私たちが出す細かな注文を全て受け入れ、突き詰め、そして彼女からも提案し、演技にも工夫をしてくれました。マリオンは、女性、そして女優としても本当に素晴らしい人です」。一切妥協はしないダルデンヌ兄弟のもと、さすが、マリオンも役者として果敢に作品に向き合い続けたようだ。撮影前、1か月にも及ぶリハーサルを行ったという本作は全編フランス語だが、フランス人であるマリオンは、このリハーサル期間でベルギーのアクセントを会得し、その土地の環境に馴染んでいったともいう。また、ダルデンヌ兄弟は、衣装や髪型、登場人物が乗る車の車種など、細部まで設定し、テイク数を重ねながら真実味にこだわった演出をすることでも知られている。サンドラが身につけているピンク色のタンクトップは特に印象的だが、「美しい色味の衣装にしたのは、自分に自信がなく、病み上がりで弱っている主人公サンドラに1つでも輝きを与えたかったからです。衣装については、色々と悩みましたが、リボンのデザインがプリントされているTシャツは、マリオン自身が私たちの意図をくみ取り、気に入って選んだものなのです」と、彼女自身のこだわりを明かした。そして、マリオン自身も本作について、「間違いなく一番深く、理想的なものでした。これほど、演出家たちに寄り添ってもらっていると感じたことはありません。最終カットの時には、物語が、撮影が終わってしまうんだと思うと、心の底から悲しくなりました」と語っている。その言葉を裏付けるかのように、先日の来日の際、「マリオンは最終カットの後、号泣してしまったんだよ」とリュック監督は語っており、マリオンとリュック&ジャン=ピエール監督の3人で肩を組みながら、クランクアップ直後の泣いている写真を大切に保存していることも明かしている。「いつか、もう一度彼女と仕事をする日がくるかもしれませんね」と両監督が言えば、「彼らが望むなら!すぐにイエスです。また一緒に映画を作りたいです」とマリオン。深い信頼関係の中から生まれた、マリオン演じる繊細で力強い女性サンドラは、必見といえそうだ。『サンドラの週末』は5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月13日ディオール(Dior)が、アイコンバッグ「レディ ディオール(Lady Dior)」の最新キャンペーンビジュアルを公開した。モデルにミューズでもある、女優のマリオン・コティヤール(Marion Cotillard)を起用。撮影はピーター・リンドバーグ(PETER LINDBERG)が手掛けた。撮影の舞台に選ばれたのは、巨大なソーラーパネルに囲まれた砂漠。その中でコティヤールは遥か彼方の水平線から現れる女性を体現している。グラフィカルで近未来的なセットは、彼女の持つメタリックレザー、カナージュモチーフのバックを連想させる。
2015年04月03日今年も、日本時間2月23日(月)に生中継される第87回アカデミー賞授賞式。現地からレッドカーペットをリポートする予定の俳優・斎藤工は、一昨年に「主演女優賞」を獲得し、文字どおりハリウッドを代表するスターとなったジェニファー・ローレンスを引き合いに出し「新星の受賞に期待している」と語っていたが、果たして今年はどうなのか。世界のエンターテイメントの頂点、アカデミー賞を彩る今年の“新顔”たちに迫った。■4人が初ノミネートの「主演男優賞」、『バードマン』マイケル・キートンに迫るのは!?まず、最も注目を集める「主演男優賞」は、5人中4人が初ノミネート。『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で、かつてのスーパーヒーロー俳優という“自叙伝”のような役柄に挑んだベテランのマイケル・キートン、『博士と彼女のセオリー』で“車いすの天才”スティーヴン・ホーキング博士を熱演した英国の若手エディ・レッドメイン、ナチスドイツの暗号解読に挑んだ悲運の天才役がハマった『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のベネディクト・カンバーバッチ、そして、レスリング界に衝撃が走った実話の映画化『フォックスキャッチャー』で、まるで別人のような怪演を見せているスティーヴ・カレルだ。1人、約18kg増量の肉体改造でも話題の『アメリカン・スナイパー』ブラッドリー・クーパーは、『世界でひとつのプレイブック』(主演男優賞)、『アメリカン・ハッスル』(助演男優賞)に続いて3年連続のノミネート。だが、そのブラッドリーを始め、エディ、ベネディクト、スティーヴと、いずれも実在の人物に扮していることは今年の大きな特徴といえる。そんな中、“本命視”されているのは、これまでの映画賞をリードし、先のゴールデン・グローブ賞でもミュージカル/コメディ部門「主演男優賞」を受賞したマイケル・キートン。だが、“同業者”が投票する1月末の全米映画俳優組合賞では、ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門を制したエディが受賞。オスカー本番では、この2人の一騎打ちとなりそうな気配が濃厚だ。33歳になったばかりのエディは、舞台ではローレンス・オリヴィエ賞とトニー賞を獲得している若き実力派で、『レ・ミゼラブル』のマリウス役で大ブレイク。王室のウィリアム王子とは名門イートン校の同級生(!)で、ケンブリッジ大卒、「バーバリー(Burberry)」のモデルを務めたこともあり、ベストドレッサーとしても名の挙がるスマートでスタイリッシュな英国男子だ。この春は、『博士と彼女のセオリー』(3月14日)と、チャニング・テイタム&ミラ・クニスの強敵となるSF大作『ジュピター』(3月28日)が相次いで公開される。『博士と彼女のセオリー』では、徐々に運動機能が衰えていくALS(筋萎縮性側索硬化症)を抱えるホーキング博士を、渾身で演じきったエディ。その演技には、誕生日がたったの2日違いという博士自身から「時々、彼の姿が自分に見えた」という最高の褒め言葉をかけられたほど。彼が、上空を行く『バードマン』を追い上げることになるのか、期待が高まる。■ジュリアン・ムーアが「主演女優賞」最有力も、ブレイク必至の英国女優が席巻一方、「主演女優賞」は、これまでの結果を踏まえると『アリスのままで』のジュリアン・ムーアが最有力。ジュリアンは主演・助演併せて5度目のノミネートを誇り、若年性アルツハイマーに冒される言語学者を熱演した今回こそ、オスカー間違いなしといわれている。また、『サンドラの週末』でリストラに遭った女性を演じたマリオン・コティヤール、『Wild』(原題)で1,700kmを単独で歩いた実在の女性を演じたリース・ウィザースプーンと、かつての受賞者2人が、どん底の人生をやり直すべく現実と闘う役柄でそろってノミネートされている。こうした錚々たる女優たちとともに初ノミネートを果しているのが、『博士と彼女のセオリー』でエディ演じるホーキング博士の最初の妻ジェーンを好演したフェリシティ・ジョーンズと、『ゴーン・ガール』で“失踪した妻”エイミー役で圧倒的な演技を見せつけたロザムンド・パイクという、2人の英国女優だ。同作で一躍脚光を浴びる存在となったフェリシティは、先日『スター・ウォーズ』のスピンオフに出演か、と報じられたばかり。11歳からTVや舞台に出演、オックスフォード大卒業後に女優業を本格化。アントン・イェルチン共演の『今日、キミに会えたら』(’11/劇場未公開)でサンダンス映画祭「審査員特別賞」を受賞して注目を集め、「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」のコスメラインや「バーバリー」の広告モデル、映画『アメイジング・スパイダーマン2』などに抜擢されてきた。31歳とは思えないベビーフェイスは、清楚でノーブル。数々の受賞式で見せたクラシカルなドレスの着こなしやメイクはまねしたくなる人も多いだろう。『博士と彼女のセオリー』では、次第に病状が進行する博士を献身的に支え、子育て、自身の仕事と、すべてを切り盛りしていったジェーンを、ときにキュートにみずみずしく演じた。劇中にはそんな彼女の苦悩やひそやかな喜びも描かれており、早くも「女性として共感する!」といった声が寄せられている。同様に、世界中で大ヒットとなっている『ゴーン・ガール』で一気に知名度を上げたロザムンドも、オックスフォード大出身で芸術一家に育った才女。ウエスト・エンドで活躍しながら、2002年『007 ダイ・アナザー・デイ』でハル・ベリーとともにボンドガールに選ばれた。トム・クルーズ主演の『アウトロー』でも強い印象を残したが、何と言っても、デヴィッド・フィンチャー監督に抜擢された『ゴーン・ガール』での、“唯我独尊”で“ありのまま”過ぎる恐妻エイミー役は圧巻。実は、同作のプロデューサーで原作小説の映画化権を持っていたのはリース・ウィザースプーン。当初はリース自らエイミーを演じる予定だったが、「(ロザムンドの)どこか不透明な部分がエイミーにピッタリだ」というフィンチャー監督の“鶴のひと声”で、彼女が大役を得た。『ドラゴン・タトゥーの女』でルーニー・マーラを大変身させ、同じく「主演女優賞」ノミネートをもたらした鬼才のお眼鏡にかなっただけに、ジュリアンの対抗となるとしたら、彼女かも。アカデミー賞授賞式では、エイミーのかつての恋人役だったニール・パトリック・ハリスが司会を務めており、2人で何か“しでかしそうな”予感もするが…。いずれにせよ、授賞式を盛り上げてくれるに違いない彼らが、栄光を勝ち取ることはできるのか、乞うご期待!(text:cinemacafe.net)■関連作品:ゴーン・ガール 2014年12月12日より全国にて公開(C) 2014 Twentieth Century Foxアメリカン・スナイパー 2015年2月21日より全国にて公開(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLCバードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 2015年4月10日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) 2014 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
2015年02月17日ジャン=リュック・ゴダール監督の『さらば、愛の言葉よ』が、約60人から成る全米映画批評家協会のベスト作品賞を受賞した。次点は、リチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで。』。『さらば、愛の言葉よ』は、3Dで撮影された、実験的かつ野心的な69分の映画。昨年のカンヌ映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別賞を受賞している。その他の画像主演男優賞は『ミスター・ターナー(原題)』のティモシー・スポール、主演女優賞は『Two Days, One Night(英題)』のマリオン・コティヤールが受賞。助演男優賞は『ウィプラッシュ(原題)』のJ・K・シモンズ、助演女優賞は『6才のボク~』のパトリシア・アークエットが獲得した。監督賞には『6才のボク~』のリンクレイター、脚本賞には『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンが輝いた。文:猿渡由紀
2015年01月05日『ロゼッタ』『ある子供』などの作品で知られ、世界中に熱狂的なファンをもつジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『サンドラの週末』が来年5月に日本公開されることが決まり、最新ビジュアルが公開になった。本作ではオスカー女優マリオン・コティヤールを主演に迎えている。その他の写真『ロゼッタ』『ある子供』でカンヌ映画祭パルム・ドールに輝き、『息子のまなざし』『ロルナの祈り』『少年と自転車』など新作を発表する度に世界各地の映画賞と映画ファンから賛辞をおくられてきたダルデンヌ兄弟が3年ぶりに発表した新作が『サンドラの週末』だ。本作の主人公サンドラは体調不良による休職から復帰することが決まっていたが、金曜日に上司から解雇を言い渡される。夫と共に働いて家族を養おうと考えていたサンドラは上司を説得しようとするが、上司は「職場の過半数の同僚がボーナスを諦めたら、解雇を免れることができる」という。そこで月曜日にサンドラの解雇か、ボーナスを諦めるか職場で投票が行われることになり、サンドラは週末をかけて同僚たちを説得して回る。本作もすでにカンヌ映画祭のコンペティション部門に正式出品され、アカデミー賞外国映画賞のベルギー代表に選出されるなど好評で、コティヤールはニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞、ボストン映画批評家協会主演女優賞など多くの賞を受賞している。ちなみに本作にはファブリツィオ・ロンジォーネ、オリヴィエ・グルメ、モルガン・マリンヌらダルデンヌ作品の常連俳優たちも出演している。『サンドラの週末』2015年5月 Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
2014年12月26日アカデミー賞女優マリオン・コティヤールが、カンヌ常連のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟のもと主演した『Two days, One Night』(英題)が、『サンドラの週末』として2015年5月に日本公開されることが決定。アカデミー賞の前哨戦といわれる各賞で「主演女優賞」を続々受賞していることが分かった。体調不良から仕事を休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)。ようやく復職できることになった矢先のある金曜日、職員のボーナスを捻出するため、ひとり解雇せねばならないとして、解雇を言い渡される。サンドラが解雇を免れる方法はただひとつ、過半数の同僚たちが自らのボーナスを諦めること。彼らはサンドラを解雇し、ボーナスをとるのか、それともサンドラにいてほしいのか!?月曜日に迫った投票に向け、サンドラは夫に支えられながら、週末の2日間、同僚たちの説得に回ることに――。本作は、『ロゼッタ』『ある子供』で2度のカンヌ国際映画祭最高賞「パルムドール」に輝くダルデンヌ兄弟が、オスカー受賞後も『ダークナイト ライジング』『君と歩く世界』『エヴァの告白』など、常に前進し続けるマリオンを起用した最新作。体調不良から復帰し、手に入れたマイホームを守るために、家族を養おうとしていた矢先の解雇。愛とかすかな希望を抱いて、同僚たちのもとを回るサンドラの長い週末を、ダルデンヌ兄弟は淡々と優しい視点で描き出していく。強さと繊細さを持ち合わせた等身大の主人公、サンドラを熱演するマリオンは、第80回ニューヨーク映画批評家協会賞「主演女優賞」に続き、第35回ボストン映画批評家協会「主演女優賞」および「外国語映画賞」、さらに第15回ニューヨーク映画批評家オンライン賞、第3回ボストン・オンライン映画批評家協会賞でも「主演女優賞」「外国語映画賞」を受賞するなど、日本での公開を前に、数々のアカデミー賞前哨戦で絶賛を受けている。また、そのほかのキャストには、ダルデンヌ兄弟監督作品では常連のファブリツィオ・ロンジォーネ、オリヴィエ・グルメ、モルガン・マリンヌらが出演しており、作品により深みを与えている。マリオンの『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』以来となるアカデミー賞「主演女優賞」受賞への期待も高まる本作に、ぜひ注目していて。『サンドラの週末』は2015年5月、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月11日ニューヨーク映画批評家サークル賞が発表された。作品賞に輝いたのは、リチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで』。作品賞のほか、監督部門(リンクレイター)、助演女優部門(パトリシア・アークエット)でも賞を獲得した。その他の画像主演男優賞は、『Mr.Turner(原題)』のティモシー・スポール。スポールは5月のカンヌ映画祭でも男優賞を受賞している。主演女優賞は『エヴァの告白』『Deux jours, une nuit(原題)』のマリオン・コティヤール。助演男優賞は『Whiplash(原題)』のJ・K・シモンズ。アニメ部門は『LEGO(R)ムービー』が受賞した。主な受賞結果は以下のとおり。作品賞:『6才のボクが、大人になるまで。』監督賞:リチャード・リンクレイター『6才のボクが、大人になるまで。』脚本賞:ウェス・アンダーソン『グランド・ブダペスト・ホテル』主演男優賞:ティモシー・スポール『Mr.Turner(原題)』主演女優賞:マリオン・コティヤール『エヴァの告白』『Deux jours, une nuit(原題)』助演男優賞:J・K・シモンズ『Whiplash(原題)』助演女優賞:パトリシア・アークエット『6才のボクが、大人になるまで。』外国語映画:『Ida(原題)』(ポーランド)文:猿渡由紀
2014年12月02日「ディオール(Dior)」は、ハンドバッグ「レディ ディオール」の新広告キャンペーンをスタートした。キャンペーンビジュアルが写し出したのは夜のパリ。アレクサンドル3世橋を走る車のテールライトを脇目に歩くのは、ディオールのミューズ、マリオン・コティヤール。シンプルで美しいバッグのシルエットが、その世界観を完成させる最後のピースとなっている。撮影はクレイグ・マクディーンが担当した。
2014年11月12日マイケル・ファスベンダーが、スティーブ・ジョブスの伝記映画への出演を交渉している。一度はクリスチャン・ベールに決まったと報道されたが、まもなくベールが辞退して、ソニー・ピクチャーズは次の候補を探していた。その他の情報原作は、ウォルター・アイザックが書いたベストセラー本『スティーブ・ジョブス』。アップルの共同創設者スティーブ・ウォズニアック役には、セス・ローゲンが決まっている。監督はダニー・ボイルで、脚色はアーロン・ソーキン。ファスベンダーは今年、『X-MEN:フューチャー&パスト』『FRANK -フランク-』に出演。来年北米公開の『Macbeth(原題)』では、主役マクベスを演じる。共演はマリオン・コティヤール。文:猿渡由紀
2014年11月06日――“美しさ”とはなんだろうか?こと映画の中でいえば、その佇まいであり、匂い立つような色気であり、それでも失われない自然体の雰囲気といえるだろう。先日、“Beau Garcon(ボー・ギャルソン=美しい男)”と呼ばれ注目を集める、フランスの俳優ピエール・ニネが主演作『イヴ・サンローラン』を携えて来日した際に、ファッション通の女子たちが軒並みハートを奪われたのは記憶に新しい。しかし、“美の国”フランスが世界に誇る俳優はもちろん男子だけではない。むしろ、フランス出身の女優たちこそ今、ハリウッドを始め世界中が注目しているのだ。今回は、フランス映画界に咲いた美しき3人の“新星”女優をご紹介!まずは、今週末より公開されるフランス映画『美女と野獣』(公開:11月1日)で主演を務める、レア・セドゥ。誰もが知るファンタジーの名作を実写化した本作で、レアは野獣の城に囚われの身となるヒロイン・ベルを演じている。若手女優の中でも群を抜く実力派で、出演作『アデル、ブルーは熱い色』で第66回カンヌ国際映画祭で史上初となる女優として「パルムドール(最高賞)」を受賞した。また、その妖艶なミステリアスな魅力でフランスのみならず、数々の話題作に出演し、ハリウッド進出作となった『イングロリアス・バスターズ』以降も、『007/スカイフォール』『ミッドナイト・イン・パリ』『マリー・アントワネットに別れをつげて』『グランド・ブダペスト・ホテル』など大作~ミニシアターまで幅広い役柄で、さらに『007』シリーズの最新作では『Bond24』(原題)ではボンドガールに抜擢されており、今後も注目必至の女優となりそうだ。次に紹介するのは、そんなレアと共にカンヌ「パルムドール」受賞で世界を沸かせたのが、若干20歳のアデル・エグザルコプロス。さらに、初の長編映画となったのがジェイン・バーキンが監督作というのだから、その魅力は間違いないだろう。巨匠に見い出されたという点においては、フランス映画界の旗手フランソワ・オゾン監督が新たなる“美の女神(ミューズ)”として大抜擢した、マリーヌ・ヴァクトを外すことはできないだろう。「イヴ・サンローラン」や「ルイ・ヴィトン」など名だたるブランドの広告モデルとして活躍してきたモデル出身の女優だ。カトリーヌ・ドヌーヴやリュディヴィーヌ・サニエなどの才能を見抜き、スクリーンの中で“女”そのものとして撮りあげるオゾン監督が彼女を起用した映画『17歳』がカンヌで上映されて以降、「ELLE」や「VOGUE」といったハイ・ファッション誌を始め、カルチャー誌や映画誌など世界中のマスコミがマリーヌに飛びついた。その見目麗しい容姿と肢体がスクリーンに映えることは言うまでもなく、2015年にはマチュー・アマルリックらと共演した映画『Belles familles』(原題)が公開される予定だ。表情豊かなフランスのスクリーンに咲く女優たち。彼女たちのほかにも、「世界で最も美しい顔100人」の常連にして、アカデミー賞「主演女優賞」の栄冠に輝いたことのあるマリオン・コティヤールを始め、ラース・フォン=トリアー監督が描く官能映画『ニンフォマニアック』で注目を集めるステイシー・マーティンや、いまや国際女優となったメラニー・ロランなどなど、その畑を見渡してみれば豊作が続くフランス映画界。美と実力を兼ね備えた彼女たちのこれからに要注目だ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:美女と野獣 2014年11月1日よりTOHOシネマズスカラ座ほか全国にて公開(C) 2014 ESKWAD - PATHE PRODUCTION - TF1 FILMS PRODUCTIONACHTE / NEUNTE / ZWOLFTE / ACHTZEHNTE BABELSBERG FILM GMBH - 120 FILMS
2014年10月28日女優の檀れいが14日に都内で行われた仏映画『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』の公開直前PRイベントに、映画を彷ふつとさせる純白のロイヤルドレスで出席。高級ブランド“ヴァンクリーフ&アーペル”のネックレスとイヤリング、髪飾りを身につけた檀は「本物の輝きはやはり違う。落としはしないかドキドキしている」と緊張した表情だった。3点合わせて719個のダイヤモンドを使用し、総額は1億円を超える逸品で、会場には警備員の姿もあった。その他の画像本作は、ハリウッド女優からモナコ公国大公妃へと華麗な転身を遂げたグレース・ケリーの生き様を、オスカー女優のニコール・キッドマン主演で映画化。2007年に公開された『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でマリオン・コティヤールに、アカデミー賞主演女優賞をもたらしたオリヴィエ・ダアン監督がメガホンを執った。ケリーのファンだという檀は、「あまり知られていない彼女の苦労や努力が描かれていて、改めて愛に生きた女性なんだと感じた。選択の多い人生だったが、それは今の女性の悩みにもリンクするんじゃないでしょうか」と共感した様子。また、主演を務めたキッドマンには「実在の人物を演じるプレッシャーがあったはず。あえて挑んだチャレンジ精神が素晴らしいし、モノマネではない形で、見事に表現する努力と才能に拍手したい」と同じ女優として、最大限の賛辞を送った。イベントには同じくケリーの大ファンで、檀とも親交があるという美容アドバイザーの佐伯チズが駆けつけ、「自分の長所を知っている、自信がある美しさが好き。エレガントで知的な品を持っている」とケリーの魅力を語っていた。『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年10月14日『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』のオリヴィエ・ダアン監督が5度目の来日を果たし、25日に都内で行われたジャパンプレミアに出席した。ハリウッド女優からモナコ公国大公妃へと華麗な転身を遂げたグレース・ケリーの生き様を、オスカー女優のニコール・キッドマン主演で映画化。ダアン監督は、キッドマン側から提案された“Skype”面談が、起用の決め手だったと秘話を明かした。その他の写真2007年に公開された『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でマリオン・コティヤールにアカデミー賞主演女優賞をもたらしたダアン監督は「グレースを演じる女優を探して、ハリウッドに飛んだが、しっくりくる女優がいなくてね。いったんパリに戻ると、ニコールの代理人から連絡があって、急きょ本人とSkypeで2時間ほど話したんだ」と経緯を説明。「言葉を交わす間に、ニコールこそ適任だと確信できた。今回に関しては、彼女が僕を探してくれたんだ」と話した。「撮影期間中は、彼女がいかに特別な存在かを実感する日々だった。例えば、スタッフが準備を進める間も、楽屋に戻ったりせずに、その場にいてくれるんだ。僕の技量を信頼してくれたことにも感謝している」(ダアン監督)。また、主人公であるケリー自身の人物像については「まるでおとぎ話のような人生だが、本人は女優を諦めきれない気持ちがあったはず」。単なる伝記映画ではなく、外交上の難問に立ち向かい、“一世一代”の芝居を打つというサスペンス要素を盛り込んだ理由を「彼女はヒッチコックの映画にも出演していたからね。陰謀や裏切りが渦巻くモナコの地で、女優の本領を発揮する姿を描いてみたかった」と語った。ジャパンプレミアには、ケリーの大ファンだという中村玉緒が、映画をイメージした特注ドレスに身を包み、駆けつけた。『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
2014年09月26日