4月に自身初となる長編小説「T/S」(筑摩書房)を上梓した藤田貴大率いるマームとジプシーの新作が5月2日(木)より上演される。東京・LUMINE0での『Dream a Dream』だ。自身の記憶や原風景をテーマに、誰とも似ない手ざわりの作品を作り続けてきた藤田貴大。2023年から約1年間にわたり、地元である北海道伊達市とその周辺地域のリサーチを行い、改めて史実という側面から地元をモチーフにした作品を制作。リサーチの過程で知った、自分が生まれ育った土地で起きた第二次世界大戦末期の凄惨なできごとを出発点に今年2月『equal』を上演した。今回の『Dream a Dream』は、『equal』とつながりをもちながらも、まったく別の切り口による、新たな作品だという。リサーチを通じて得たものだけでなく、自身の地元にいた頃の記憶や感覚を重ねつつ、「藤田が日々過ごす中で見聞きする些細な出来事、自身を含む同世代がそこに感じるであろう感情や違和感、等身大の視点から見える日常のリアルを切り取る」という今作。『equal』では史実を織り交ぜながら、会いたいけれどもう会えない人の「不在」が描かれていた。『Dream a Dream』は『equal』と同じくキャストは6人だが、召田実子を除き役者は異なる。ここではどんな物語が、どのような演出で描かれるのか、期待が募る。また、会場ロビーでは「四月生まれの、ひび」と題された展示も行われる。「ひび」は、マームとジプシーの活動に共感する人々を集め、舞台製作の現場体験を重ねて藤田貴大との作品発表をめざすプロジェクト。2016年にはじまり、年度ごとにメンバーを集めて活動を続けてきた「ひび」は、劇団とは異なるつながりであり、独自の試みだ。「四月生まれの、ひび」は、4月1日から30日間、ひびがそれぞれのテーマをもって1日1日積み重ねてきた作業を展示するものだという。演劇に対する取り組みとして、活動そのものも、その発表形態も興味深い。文:釣木文恵<公演情報>マームとジプシー「Dream a Dream」作・演出:藤田貴大出演:石井亮介伊野香織小椋史子小泉まき船津健太召田実子音楽:山本達久2024年5月2日(木)~5月6日(月・休)会場:東京・LUMINE 0チケット情報()公式サイト
2024年04月30日ヒラルディージョ事務局主催、『ハンガリージプシーの調べ』が2024年6月23日 (日)に横浜市緑区民文化センター みどりアートパークホール(神奈川県横浜市緑区長津田二丁目1番3号)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 ヒラルディージョ事務局公式ホームページ 知られざるジプシー音楽の名曲をはじめ、東欧ジプシーの楽曲から世界中で親しまれているジプシー楽曲までを巡るコンサートハンガリーから「銀の十字勲章」を受章したチェリスト、コヴァーチ・カーロイをむかえ、イタリア人ギタリスト、ジョバンニ・カルデリーニ、日本で唯一のジプシーヴァイオリニスト古館由佳子が「ジプシー チェンバー トリオ」を結成。世界中で親しまれているジプシー音楽をお届けします。 カーロイ氏は、子供たちのジプシーオーケストラとして世界中で大人気だった「ライコーオーケストラ」に幼くして入団、世界中で活躍しているジプシーチェロの名手。楽譜無しで自由に伴奏でき、即興的要素もあり、クラシック奏者には真似出来ない、その素晴らしい演奏をお楽しみに!演奏予定曲:ハンガリー舞曲第五番、チャールダーシュ、ひばり、他ヒラルディージョ事務局とは横浜を中心に活動しているフラメンコの団体。それぞれのアーティストが自主公演、海外アーティストの招聘など、一人ではなかなかできないことを会員同士が協力し、実現していくことを目的に設立。現在は、フラメンコだけでなく、アルゼンチンタンゴ、ラテン音楽、クラシックなどの公演を企画開催している。2012年から東日本大震災など日本各地で頻発する災害の復興支援を続けており、被災地への寄付や、イベントの収益を利用し、毎年、現地への慰問活動をおこなう。開催概要~ジプシー チェンバー トリオ・コンサート~『ハンガリージプシーの調べ』開催期間:2024年6月23日 (日)会場:横浜市緑区民文化センター みどりアートパークホール(神奈川県横浜市緑区長津田二丁目1番3号)■出演者ジプシーチェロ:コヴァーチ・カーロイジプシーヴァイオリン:古館由佳子ギター:ジョヴァンニ・カルデリーニ■スタッフ企画・進行:大森勇治■開催スケジュール6月23日(日)14:00※開場は、開演の30分前です。■チケット料金前売:2,400円当日:2,800円(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年03月18日ポール & ジョー(PAUL & JOE)から、2024年春夏ブレイクタイム・ランチコレクションが登場。マークス直営店ほかにて販売される。猫のジプシー&ヌネットデザインのランチアイテム毎日のランチタイムを楽しむアイテムを展開する、ポール & ジョーの「ブレイクタイム・ランチコレクション」。2024年春夏に向けた今回は、ブランドのアイコンとなる猫の“ヌネット”や“ジプシー”をデザインしたランチボックスやランチバッグなど、全10種類のアイテムがラインナップする。優雅な“ローズピンク”をまとった弁当箱や水筒人気の「ランチボックス・長方形・2段」や「ボトル・340ml」などは、優雅なローズピンクをまとってお目見え。かごバッグのようなデザインがおしゃれな「ランチ巾着」は、上部がしばりやすい形状になっているので、簡単にキレイに包んで持ち歩くこともできる。各アイテムには、子猫から成長したジプシーとヌネットをデザイン。大人でも使いやすいシックな世界観に仕上げている。ジプシー&ヌネットのフェイス型おにぎりポーチまた、おにぎりの収納にぴったりなジプシーとヌネットのフェイス型ポーチも登場。持ち運びに便利な取っ手付きで、潰れてしまいがちなおにぎりを守ってくれる。2つのおにぎりがすっぽり入るほどのサイズ感。内側はアルミシートで加工されているため、保冷・保温効果も十分だ。3種のピクニックアイテムもさらに、おしゃれなピクニックアイテムも仲間入り。「ピクニックバスケット」は、天然素材を使ったクラシカルな佇まいが魅力で、弁当やおやつをまとめて持ち歩く際におすすめだ。真ん中から左右に開くタイプの蓋付きで、物の出し入れがしやすく、部屋のインテリアとしても活用できる。そのほか、丈夫なポリエステル素材の「ピクニックトートバッグ」や、ほどよい厚みで座り心地の良い「ピクニックマット」を揃えている。詳細ポール & ジョー2024年春夏ブレイクタイム・ランチコレクション発売日:2024年1月11日(木)取扱店舗:マークス直営店、マークス公式オンラインストア「オンライン・マークス」アイテム例:「ランチボックス・長方形・2段」3,740円「ボトル・340ml」4,400円「ランチ巾着」2,420円「おにぎりポーチ」各2,640円「ピクニックバスケット」6,600円<限定販売>※「ピクニックバスケット」は2月中旬頃~ 一部のポール & ジョーボーテ店舗、マークス公式オンラインストア、ポール & ジョー公式オンラインストアほかにて限定販売予定
2024年01月21日2017年のNetflixドラマ「ジプシー」で夫婦役を演じたナオミ・ワッツとビリー・クラダップが、私生活でも夫婦になったことを明らかにした。ナオミはインスタグラムに白いドレスを着てブーケを持つ自分と、ネイビーのスーツでキメたビリーとの2ショット写真をアップし、「結婚しました」とキャプションを添えて報告。リース・ウィザースプーンから「やったね!私もとてもうれしいよ」、クロエ・セヴィニーから「美しい新郎新婦におめでとう!」、ほかにもグウィネス・パルトロウ、ケイト・ハドソン、ジュリアン・ムーア、ケイティ・ホームズ、ジャスティン・セローなど多数の俳優仲間から心温まるメッセージが寄せられている。ナオミと息子2人をもうけた元パートナーのリーヴ・シュレイバーも「おめでとう!ゴージャス!」と祝福している。「People」誌によると、ナオミとビリーは「ジプシー」での共演をきっかけに交際を始めたとみられるが、ペアで初めて公の場に出席したのは2022年の全米映画俳優組合賞の授賞式だったという。以降、ナオミのインスタグラムの写真にたびたびビリーが登場するようになった。ビリーは元パートナーのメアリー=ルイーズ・パーカーとの間に子どもが一人いる。ナオミもビリーも今回が初めての結婚。(賀来比呂美)
2023年06月12日ミュージカル『ジプシー(GYPSY)』が2023年4月9日(日)から4月30日(日)まで、東京芸術劇場プレイハウスにて上演され、その後、大阪、愛知、福岡公演が実施される。大竹しのぶ、生田絵梨花らが出演し、演出はクリストファー・ラスコムが務める。アメリカン・ミュージカルの傑作『ジプシー』ミュージカル『ジプシー』は、かつて実在したストリッパーのジプシー・ローズ・リーの回顧録をもとに制作。“究極のショー・ビジネス・マザー”の代名詞となった母ローズに焦点を当て、舞台で活躍する2人の娘を育てたローズを追うと共に、煌びやかなショービジネスの苦難を愛情たっぷりに描いた作品だ。初演で“ブロードウェイの女王”と呼ばれたエセル・マーマンが主役のローズを演じて以降、各時代で活躍する名女優が演じ続け、1990年トニー賞・ベストリバイバル、2016年ローレンス・オリヴィエ賞・ベストリバイバルを受賞するなど、初演から半世紀たった今でも世界中で愛されている。あらすじステージママのローズは、2人の娘ルイーズとジューンをヴォードヴィルの世界で活躍させようと、オーディションで知り合ったハービーと一座を作り、各地の劇場へ娘たちを売り込んでまわる。やがて、下の娘ジューンが脚光を浴び始めるも、ローズは自分のわがままで売れるチャンスをふいに。愛想を尽かしたジューンは、一座の青年タルサと駆け落ちし、家を出る。諦めないローズは、ルイーズと共に再起を図ろうとするが、ルイーズの歌唱力やダンスの技術は、ジューンには敵わなかった。そんな時、ルイーズがある手違いでストリップ劇場の仕事を受けてしまう。抵抗するローズだったが、お金のためだと言いルイーズは舞台に立つと宣言する―登場人物■ローズ(大竹しのぶ)…娘たちをショービジネスの世界で成功させようと躍起になるステージママ。■ルイーズ(生田絵梨花)…ローズの上の娘。後に“バーレスクの女王”と称されるようになる。■ジューン(熊谷彩春)…ルイーズの妹。歌唱力があり、ダンスの技術もある。■タルサ(佐々木大光(7 MEN 侍/ジャニーズJr.))…ジューンと駆け落ちする青年ダンサー。■ハービー(今井清隆)…ローズと手を組み、娘たちを売り込む。次第にローズに惹かれていく。演出はクリストファー・ラスコムまた、演出は、2016年『Nell Gwynn』でローレンス・オリヴィエ賞新作コメディ賞を受賞したクリストファー・ラスコムが担当。これまでシェイクスピア作品をはじめ、『ロッキー・ホラー・ショー』や『The Madness of George III -英国万歳-』などの話題作を演出し、高い評価を得ている。公演概要ミュージカル『ジプシー』演出:クリストファー・ラスコム作詞:スティーヴン・ソンドハイム作曲:ジュール・スタイン脚本:アーサー・ローレンツ翻訳・訳詞:高橋亜子出演:大竹しのぶ、生田絵梨花、熊谷彩春、佐々木大光、今井清隆、鳥居かほり、麻生かほ里、咲良、石田圭祐、泉拓真、安福毅、出津玲奈、岩崎ルリ子、江村美咲、砂塚健斗、高瀬育海、山田裕美子、横田剛基、大久保実生、久住星空、古閑暁奈、酒井希愛、中村環菜、三浦あかり、入内島悠平、占部智輝、黒岩竜乃介、櫻井碧人、立花優愛、鳴海竜明、前田晴秋、涌澤昊生■東京公演上演期間:2023年4月9日(日)~4月30日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス住所:東京都豊島区西池袋1-8-1チケット発売日:2月25日(土)チケット料金:S席 14,500円、A席 11,500円■大阪公演上演期間:5月4日(木・祝)~5月7日(日)会場:森ノ宮ピロティホール住所:大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5■愛知公演上演期間:5月12日(金)~5月14日(日)会場:刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール住所:愛知県刈谷市若松町2-104■福岡公演上演期間:5月19日(金)~5月21日(日)会場:キャナルシティ劇場住所:福岡県福岡市博多区住吉1-2-1【問い合わせ先】<東京公演>サンライズプロモーション東京TEL:0570-00-3337(平日 12:00~15:00)
2023年01月01日ポール & ジョー(PAUL & JOE)から、2022年クリスマスに向けた新作腕時計「ジプシー ブーケ(Gipsy Bouquet)」が登場。2022年11月18日(金)より順次、全国時計専門店などで販売される。猫の“ジプシー”×ブーケの新作腕時計ポール & ジョーのウォッチシリーズから登場する新作「ジプシー ブーケ」は、ブランドアイコンの猫“ジプシー”が主役。カラフルな花束の中から顔を出す“ジプシー”をダイアルに描き、クリスマスシーズンにぴったりの華やかなビジュアルに仕上げた。カラーバリエーションは2種類。ライトピンクゴールドのケースにライトベージュのレザーストラップを組み合わせたモデルと、シルバーのケースにライラックカラーのレザーストラップをコンビネーションしたモデルが揃う。ポーチもプレゼント購入者にはノベルティとして、時計のダイアルと同じ柄をプリントしたミニポーチをプレゼント。一年頑張った自分へのご褒美としても、大切な人へのクリスマスギフトとしてもおすすめだ。【詳細】ポール & ジョー 2022年クリスマス新作腕時計「ジプシー ブーケ」発売日:2022年11月18日(金)より順次取り扱い店舗:全国時計専門店、オンラインサイト「FORTUNE SQUARE」ほか※「FORTUNE SQUARE」では11月11日(金)より先行予約受付スタート。・ライトピンクゴールドケース×ライトベージュストラップ 26,400円・シルバーケース×ライラックストラップ 25,300円防水性:3気圧【問い合わせ先】ワグ インクTEL:03-5791-1501
2022年11月14日ヒラルディージョ事務局(神奈川県横浜市)主催、『ジプシーヴァイオリン&ギター・コンサート』が2022年10月16日 (日)に横浜市港南区民文化センターひまわりの郷・ホール(神奈川県横浜市港南区上大岡西1-6-1ゆめおおおか中央棟4階)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ Twitter(@giraldillo_org) ハンガリーなどヨーロッパの音楽文化に強い影響を与えたジプシー音楽を気軽に楽しんでいただくコンサート。ハンガリーでもその実力を認められた日本で唯一のジプシーヴァイオリニスト古館由佳子、ギタリスト竹内永和、イタリア人ギタリストジョバンニ・カルデリーニによる、ジプシーバンドをイメージしたトリオによる演奏をお届けします。古館由佳子は、2006年ハンガリー国際ジプシーヴァイオリンコンクールにて、審査員特別賞、レメーニ・エデ協会賞、ハンガリー演奏家・舞踊家協会賞、をそれぞれ授賞。ジプシー以外で初めての授賞として、ハンガリー国内外で話題をさらう他、海外の数多くのコンペティションで金賞を受賞するなど、日本国内外で活躍しているジプシーヴァイオリニストです。流浪の民ジプシーから生まれた、激しく哀愁を帯びた旋律、躍動するリズム、ノスタルジックでありながら、情熱的な演奏をお楽しみに!今公演は、日本最大級の音楽フェスティバル「横浜音祭り2022パートナー事業(後援 横浜アーツフェスティバル実行委員会)」となっております。出演者プロフィール古館由佳子(ヴァイオリン)桐朋学園大学音楽学部卒。1996年に来日したラースロー・ベルキ・ジプシーバンドの演奏に触れたことがきっかけで、ジプシー音楽に傾倒し、99年にハンガリー・ブダペストにて、ハンガリー最高賞であるコシュート・ラヨシュ賞受賞者のボロシュ・ラヨシュ、ヴァイダ・バルナバーシュにジプシーヴァイオリンを師事。2006年ハンガリー国際ジプシーヴァイオリンコンクールにて、審査員特別賞、レメーニ・エデ協会賞、ハンガリー演奏家・舞踊家協会賞、をそれぞれ授賞。ロマ民族以外で、また、アジアの女性として初めての授賞として、ハンガリー国内外で話題をさらった。その後、マジャールTV、ドゥナTVに出演、特集番組が組まれた。2012年と2013年には、ハンガリー国立博物館のコンサートに招聘され、大成功をおさめる。これまでに、シャーンタ・フェレンツ、ロビー・ラカトシュ、ラースロー・ベルキ等と共演。20年ブダペストにて、ヴァイダ・コンサート・ジプシーオーケストラを旗揚げ。14年ロサンゼルスで行われたWCOPA(ワールドチャンピオンシップ・オブ・パフォーミングアーツ)で、6つの部門においてそれぞれ金メダル受賞、加えて五つのカテゴリー全てにおいてチャンピオンとなり記念コンサートに出演。19年ブダペストにおいて日本・ハンガリー外交関係開設150周年記念コンサートを企画しヴァイダ・コンサート・ジプシーオーケストラと共演。日本からもファンが参加。日本国内では日本最大の音楽イベントの一つ、ラフォルジュルネや仙台クラシック音楽フェスティバル通称「せんくら」などに出演し、いずれの公演もいつも満席になるほどの評価を得ている。21年11月モスクワで開催されたモスクワ芸術評議会のコンペティションにて、「ジプシープリーマーシュ」として金賞受賞。【オフィシャルサイト】 竹内永和(ギター)1980年第5回ギター音楽大賞受賞(日本ギタリスト会議主催)、第7回ギターコンクール第1位(読売新聞社、よみうりテレビ、日本ギターコンクール協会主催)。第25回東京国際ギターコンクール第3位(日本ギター連盟主催)。ホセ・ルイス・ゴンサレスなどのマスタークラスで研鑽を積み、コンサート活動を開始。アレンジャーとしても、スウェーデンのギタリスト、イョラン・セルシェルのビートルズアルバムにアレンジを提供(ドイツグラモフォンより、ワールドリリース)。2003年ピアニスト、下森佳津美とデュオ・シルフィードを結成し、3枚のアルバムを発表。音楽関係各誌にて高い評価を受ける。近年ではオーケストラとの共演も多く、多彩なアーティストとのアンサンブルでも活躍。洗足学園音楽大学ギター科編曲法講師。ジョヴァンニ・カルデリーニ(ギター)イタリア生まれのギタリストで、10歳でギターを始める。19歳でローマのプライベートカレッジに入学し、ブルース、ファンク、ジャズなどの音楽を学び、世界中のプロミュージシャンの元で指導を受け、クリニックやマスタークラスにも参加。その後、ラクイラの音楽学校でルネッサンスリュート、バロックギター、クラシックギターなどの研究をし、またボサノバ、ジプシー・ジャズ、フラメンコ・ルンバなどのアコースティックのジャンルも学ぶ。現在は、ポップスからジャズ、ボサノバ、フラメンコ、ルネッサンスまで幅広い分野でプロのパフォーミングアーティスト、スタジオミュージシャン、作曲家、編曲者として活躍。開催概要『ジプシーヴァイオリン&ギター・コンサート』開催日時:2022年10月16日 (日)13:30開場/14:00開演会場:横浜市港南区民文化センターひまわりの郷・ホール(神奈川県横浜市港南区上大岡西1-6-1ゆめおおおか中央棟4階)■出演者ヴァイオリン:古館由佳子ギター:竹内永和、ジョヴァンニ・カルデリーニ■スタッフ企画・進行: 大森勇治■チケット料金前売:1,800円当日:2,000円(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年07月16日ほんの少し前まで、友だちと何気ないおしゃべりで笑い合っていた少女たちが、否応なく戦場に駆り出され、爆撃の恐怖や死に晒されていく。今日マチ子さんが描いたひめゆり学徒隊から着想を得た漫画を原作に、2013年に藤田貴大さんにより舞台化された『cocoon』。題材はもとより、印象的な場面を繰り返すリフレインと呼ばれる演出、シンプルな中に素朴な美しさを感じさせる舞台ビジュアル、心に直接響く音楽で、エモーショナルな瞬間を何度も生み出し、深い感動を呼んだ。この傑作舞台が3度目の上演を果たす。2013年の初演以来、進化を続ける藤田貴大の傑作舞台が待望の再演。「正直、この作品ってすごく自分のメンタルが削がれるんです。再演を待ってくださっている方の多い作品ではあるし、再演はしたいけどしたくない…みたいな。それでも、音楽の原田郁子さんと別の作品でご一緒しながら、何度となく、次また『cocoon』をやるならば、という話をしていました。そうしているうちに、前回やっていなかった新しい演出だったり舞台美術のイメージだったりが浮かんできて、それをやりたいなと思ったんです」本来上演されるはずだったのは、一昨年夏。そこに向けて大々的なキャストオーディションもおこなった。「主要キャストの3人以外は、’15年の再演メンバーも含めて全部オーディションで選びました。というのも、前回と同じやり方をしても、あれ以上のものにはならないと思ったから。いたずらに“面白い演劇”と言えない題材ですし、キャストには、この作品に参加したいという明確な意志が必要な気がして。ひめゆり学徒隊に参加したのはごく普通の女学生たちですし、俳優として達者であることより、どこまで生々しい声を届けられるかを念頭に置きました」延期を経ての待望の上演となるが、この2年の間にも何度となくメンバーを招集し、作品を進化させてきた。その間には、藤田さんの中で大きな変化も。それは那覇の劇場と共同製作した『Light house』という舞台のために、あらためて沖縄と向き合ったことが大きい。「沖縄戦は77年前に終わったけれど、何も終わっていないんです。沖縄は戦後ずっとアメリカの占領下に置かれていましたし、返還後の今も基地問題と向き合い続けている。そこに思い至った今の僕には、’15年に再演したときと同じ終わりは描けない。その終わっていないというところまでやりたいし、やらなきゃいけないと思っています」しかもこれまで上演していたのは、客席数300程度の小空間だったが、800席以上の大きな劇場へと場を移す。単に規模が大きくなるだけでなく、演出も演技も、作品から発せられる熱量も、広い劇場空間の隅にまで届けなくてはならない。「ツアーで訪れる劇場の中には1200人というキャパシティのところもあります。ただ僕も、ここまでの間にいろんな作品を手がけてきて、大きな劇場も何度も経験させていただいてきて、自分の中ではそこまで劇場の大きさをマイナス要素として感じなくなっています。もちろん小さな空間で生み出される濃密さとか迫力というものはあります。でも、大きな空間には大きな空間にしかない音の響きというのもあって、暗闇の中からボンッて音が聞こえてきたときの音の響きとか、これまでとはまた違う印象を受けるはず。もちろん舞台面の使い方も新しくするつもりで、今回は映像も使いながら、スクリーンと舞台面が一体化するような映し方を考えていますし、スモークを使ったり、いろんなことに挑戦してみようと思っています」戦争の話だというと、どうしても薄暗い灰色のイメージがつきまとう。しかし思いを巡らせれば、沖縄戦とは、南国の太陽の下、コバルトブルーの美しい海を背に繰り広げられていたもの。開放的な場所だからこそ、逃れようのない戦争の恐怖はより閉塞感をもって少女たちに迫ったのではないか、とも思える。大劇場だからこそ伝わるものもあるはずだ。一昨年から延期されたことで、偶然ではあるが沖縄返還50年というタイミングに上演されることになる。「数字は数字で、そこに意味はないとは思うんです。ただ節目を迎えることで、あらためて思い出したり、そこに思いを馳せる機会にはなると思うんですね。しかも今も世界では戦争が起こっているわけで、『cocoon』も、前回上演したときとは観客の方の見方そのものが変わっているはず。戦争が身近になっている今、この作品がどう受け止められるのか試されているなと思います」マームとジプシー 15th anniversary year vol.2『cocoon』南の島の高校で、戦時下の中でも楽しみを見つけ、青春を謳歌していた女子高生たち。しかし徐々に戦況が悪化。授業ができなくなり、彼女たちは看護隊として動員されることになるが…。7月9日(土)~17日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス原作/今日マチ子(秋田書店)作・演出/藤田貴大音楽/原田郁子出演/青柳いづみ、菊池明明、小泉まき、大田優希、荻原綾、小石川桃子、佐藤桃子、猿渡遥、須藤日奈子、高田静流、中島有紀乃、仲宗根葵、中村夏子、成田亜佑美、石井亮介、内田健司、尾野島慎太朗S席6000円A席5500円ほか東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570・010・296長野、京都、愛知、福岡、沖縄、埼玉、北海道公演あり。2015年『cocoon』舞台写真ふじた・たかひろ1985年4月27日生まれ、北海道出身。演劇ユニット「マームとジプシー」を主宰し、作・演出を務める。2012年に岸田國士戯曲賞を受賞。’16年には再演の『cocoon』で読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した。※『anan』2022年7月6日号より。インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年07月04日リフレインの手法を駆使したエモーショナルな舞台が高い評価を集め、マームとジプシーを旗揚げ以降、数多くの作品を精力的に発表してきた藤田貴大さん。しかしこの2年、中止や延期に見舞われ、思ったように作品を上演できない状況が続いた。立ち止まり新たな気づきを得た演劇作家の、新たな挑戦。「岸田國士戯曲賞を受賞して今年でちょうど10年になりましたが、かなり走り続けてきたんですよね。ほとんど家に帰らない生活だったのが、急に家にいなきゃいけなくなって、なんだか楽しかったんですよ。ずっと劇場の中にこもっていたのが、家の近所を散歩したり、公園を眺めて過ごす時間ができて。公演ができなくて大変ではあったけれど、ネガティブにはならなかったですね」そんななかでも創作意欲は衰えることなく演劇活動は続けていたそう。「最初の2週間くらいはお酒飲んで散歩するくらいだったのが、徐々におもちゃを買いだして、それを使って家の中でやっぱり演劇の稽古をするんですよ(笑)。プロットを作ってダイアローグを書いて、それを映像作品化させてみたり。あと、過去に書いた台本を読み返して、自分ってなんだったんだろうと考える時間を持てたし。役者とも、これまでは直接ぶつかりながらやっていたのが、少し俯瞰できたのもよかったです」そんな経験からあらためて今、あえて劇場に足を運んで演劇を観るということについて考えるように。「こんな状況の中で、せっかく劇場まで観に来るわけだから、映像でやれないことを演劇はやるべきだと思ったし、他のジャンルと変に張り合おうとしなくていいんだと思ったんです。映像作品は、どうしたって現在との時差があるけれど、こういう現実がフィクションを追い越してしまった今、演劇だからできる現在へのコミットの仕方がある気がしていて。それって、もしかしたらめちゃくちゃすごいことじゃないかと」目前に控えるのは、ドイツのシューズブランド・trippenと組み、靴にフォーカスを当てて制作した『BEACH CYCLE DELAY』の東京公演。「この10年の間に20代の頃に描いていた地元の街もずいぶん変わったし、身近な人の死をいくつも経験したんです。だから、10年前の調子では作品に向かい合えなくて。今36歳になった自分は、長くモチーフにしてきた“海”とか“水”にどうしたら関わり直せるかということを考えて作った作品です。3作の連作ですが、いろんな事情で『CYCLE』という作品は製作に3年くらいかかっている。こんなに時間をかけたものってあまりないし、最近の自分の作品の中では一番先端にあるものになったので、ぜひ観てほしいですね」そして年明けには、沖縄・那覇に新しく開館した劇場のこけら落とし公演となる新作『Light house』が予定されている。かつて沖縄戦を描いた『cocoon』という傑作を発表しているが、今作もテーマにあるのは“水”だ。「沖縄は、昔からずっと真水の確保が難しい土地だというのもあって、水に対しての感覚が特殊なんですよね。井戸がとても神聖な存在だったりするんです。水を中心に人間の営みが形成されて、その水の流れがまた新たな営みを生んでいる。一方で、人が無自覚に環境や生物に影響を与えてしまっているという現実もあって。何かが誰かに繋がってしまう、その流れを“水”に結びつけて描けないかと。今回のタイトルは灯台という意味なんですが、演劇の世界において劇場は灯台のような場所だと思うんです。最近、観客の皆さんを、劇場で待っているという感覚を再確認していて。それもまた灯台と重なるものがある。水の流れのこと、そして灯台=劇場という関係がうまく噛み合えば、いい新作になるんじゃないかと思っています」BEACHCYCLEDELAY『BEACH CYCLE DELAY』12月9日(木)~12日(日)新宿・LUMINE0一般4500円ほかマームとジプシー TEL:070・5454・7311タイムスケジュールなど詳細は公式サイトにて。撮影・宮田真理子『Light house』沖縄公演/2022年2月4日(金)~6日(日)那覇文化芸術劇場なはーと 小劇場一般3000円ほか那覇文化芸術劇場なはーと TEL:098・861・7810東京公演/ 2022年2月18日(金)~3月6日(日)東京芸術劇場 シアターイースト一般5000円ほかマームとジプシー TEL:070・5454・7311ふじた・たかひろ1985年生まれ、北海道出身。2007年よりマームとジプシーを主宰し、全作品の作・演出を手がける。’11年に演劇界の登竜門・岸田國士戯曲賞を26歳で受賞し注目される。’16年、『cocoon』で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。※『anan』2021年12月15日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年12月09日難しそうと思っていても、実は感覚的に楽しめて感受性を育むのにぴったりな【演劇】。今注目の劇作家、「マームとジプシー」の藤田貴大さんに、親子での観劇の楽しみ方や、演劇に込めた想いを教えてもらいました。子どもも観られる演劇を通じて、一緒に感性を育んでみては? 大人にもきっと新しい発見があるはず。記憶でしか再生できない尊さ、目の前だから伝わる質感を感じてマームとジプシー藤田貴大 さん1985年北海道生まれ。幼少期から演劇に触れ、桜美林大学で演劇を専攻。2007年に演劇集団「マープとジプシー」を旗揚げし、これまで数多くの賞を受賞。演劇以外にもエッセイ。小説の執筆なども行う。子どもの想像力に託す家族を巻き込む表現に『めにみえない みみにしたい』(2018年、19年)『かがみ まど とびら』(20年)と、親子で楽しめる演劇を制作している演劇集団・マームとジプシーの藤田貴大さん。4年目を迎える今年は、昨年の全国ツアーに続いて、両作を公演する大規模な全国ツアーが決定。親子で楽しむ演劇=”子ども向け”ではないことにこだわり、制作を続けてきた。「幼少期の記憶をモチーフに作品をつくったり、中高生と演劇をつくったり。子どもと関わることが増えていた中で、子どもが観る演劇をつくることは自然な流れでした。子どもが観るといっても侮らないし表現として”いいもの”をを見せたいと思っています。衣装はsuzuki takayukiさん、音楽は原田郁子さんにお願いして、あえて子ども向けを意識した分かりやすい演出にならないように気を付けています。僕としては、できる限り子どもの想像力に託したい。子ども向けと言うと親が義務感から連れてくることが多いですが、親自身が『行きたい』と言ってもらえるような家族を巻き込む表現になれたらいいですね」『めにみえない みみにしたい』撮影:細野晋司『かがみ まど とびら』撮影:井上佐由紀寝静まった夜に起こる家の中を舞台にした新作『めにみえない みみにしたい』(”めみみ”)は女の子が森に出かけるファンタジー。しかし、『かがみ まど とびら』は舞台を家の中に移したリアリティのあるコンセプトで物語が描かれている。”めみみ”のツアーを続ける中で生まれたアイディアが、『かがみ まど とびら』の制作につながったと振り返る。「『赤ずきん』や『ヘンゼルとグレーテル』、外に出て良くないものに出会う物語はよくあります。しかしあえて壮大にせず、家の中で完結する細かい話をつくりたいと仲間と話しました。大人が寝静まった真夜中って、ロマンチックだなと幼少期から思っていたんです。そんなきっかけで、子どもが夜起きて家の中を冒険する話にしました」その構想中に緊急事態宣言が発令、新しい生活様式の中で、”めみみ”と同じチームが再結集して制作が進んでいく。稽古時間の短縮、マスクの着用、事前の検査、観客動員数の50%削減。その状況下と『かがみ まど とびら』のストーリーが重なって完成まで早かったと語る。「”めみみ”を見た小が再び観に来た時にに、同じ舞台サイズや同じ俳優でも、台本が違うだけで『こんなに違うんだ』と感じて欲しい。どんなものも、ちょっとしたクリエーションで変化が生まれることを発見して欲しいですね」劇場でしか伝わらない質感記憶で再生される尊さ藤田さんが演劇を通して伝えたいこと。それは現代のツールやメディアから感じ取れない質感とスピード感だ。「一番に、劇場でしか手渡せない質感があります。映画や動画は記憶なので何度でも再生できるけれど、演劇は目の前の一度きりなので再生はできません。つまり記憶なんです。記憶でしか再生できないものの尊さ、質感が残ることが重要だと思っています。スピード感のある今の時代を生きる子どもたちが将来つくり出すものは、僕らの想像を超えるでしょう。でも、それとは全く違う速度で動いている世界があることも知って欲しいんです。演劇は不要不急と言われているかもしれないですけど、こんな時代だからこそアナログなものが再評価されるべきじゃないかと思っています」photography/Nobuki Kawaharazakitext/Yukiko Takeda
2021年10月04日ポール & ジョー(PAUL & JOE)から、“ブランドの2大アイコン猫”「ジプシー」と「ヌネット」がデザインされたレザー小物が登場。2021年8月下旬より発売される。「ジプシー&ヌネット」のキュートなフェイスを描いた財布&コインケース白くてふわふわな毛並みが特徴のペルシャ猫「ジプシー」と、ミックスの子猫「ヌネット」。2匹は、ポール & ジョーのクリエイティブディレクター、ソフィー・メシャリーの愛猫で、ブランドの“アイコン猫”だ。新作となるヌメ革のレザー小物には、「ジプシー」または「ヌネット」のフェイスをプリントし、マットゴールドのブランドロゴメタルをアクセントに添えた。それぞれパープルとワインレッドのライニングで、上品に仕上げている。ジプシーとピンクの花弁がキュートに舞う限定ウォッチウォッチコレクションからは、「ブルーアイキャット ジプシー」シリーズの第2弾としてブラックシェルダイヤルモデルが100本限定で登場。見る角度によってオーロラのようにカラーが異なるシェルダイヤルには、ジプシーとピンクの花弁がキュートに舞う。フェミニンなピンクゴールドメッキのケースとストラップも魅力的だ。お揃いデザインのハンカチシリーズもその他、パステルカラーのハンカチとポーチタイプのマスクケースもラインナップする。お揃いデザインのハンカチシリーズは、大判タイプとタオル地タイプが登場し、タオル地タイプは“ハート”をあしらったチャーミングな仕上がりとなっている。【詳細】「ジプシー&ヌネット」新作アイテム・レザー小物シリーズ発売日:2021年8月下旬取り扱い店舗:全国百貨店 他価格:ヌネット 口金ミニ財布 13,200円 / ヌネット 名刺入れ 6,600円 / ジプシー コインケース 6,050円・ウォッチコレクション発売日:2021年8月20日(金)取り扱い店舗:全国時計専門店 他※8月10日(火)からオンラインサイト「フォーチュンスクエア」にて先行販売。価格:ブルーアイキャット ジプシー 限定ウォッチ 24,200円・ハンカチ&マスクケース ※発売中取り扱い店舗:全国百貨店 他価格:ジプシー タオルハンカチ(イエロー、ピンク) 各660円 / マスクケース 2,200円 / ジプシー プリントハンカチ 1,320円
2021年08月13日ポール & ジョー(PAUL & JOE)は、新作レディース腕時計「ブルーアイキャット-ジプシー(BLUE EYE CAT-Gipsy)」を、2021年8月上旬に発売する。これまでもポール & ジョーのアイテムを飾ってきた、ブランドのクリエイティブディレクター、ソフィー・メシャリーの愛猫・ジプシー。新作「ブルーアイキャット-ジプシー」は、そんなジプシーが”ピンクの花びらと一緒に舞う姿”をモチーフにしたユニークな腕時計だ。文字盤には、艶めくシェルを採用することで、どこか幻想的な表情に引き寄せているのも魅力的だ。展開されるのは、ホワイトシェルダイアル×ピンクゴールドのメッシュベルトと、ピンクシェルダイアル×シルバーのメッシュべルトの全2種類。シェルの自然な輝きと、スタイリッシュなメッシュ素材のコンビネーションが相性抜群なデザインとなっている。【詳細】「ブルーアイキャット-ジプシー」発売時期:2021年8月上旬取扱店舗:全国時計専門店、ほか価格:ホワイトシェル/ピンクゴールド 24,200円、ピンクシェル/シルバー 22,000円ケースサイズ:30mm防水性:3気圧(日常生活防水)【問い合わせ先】ワグ インクTEL:03-5791-1501
2021年08月02日マームとジプシーの藤田貴大が手がける、子どもから大人までが一緒に楽しめる演劇『かがみ まど とびら』が11月22(日)・23日(月・祝)、28日(土)・29日(日)の4日間、上演される。2018年、『めにみえない みみにしたい』という作品で「子どもから大人まで」の演劇に初めて取り組んだ藤田。2019年には全国14カ所をツアーするまでとなった。そのシリーズの続編にあたる『かがみ まど とびら』は、”境界線“を意識したものになるという。たしかに鏡も窓も扉も、日常にありふれたものでありながら、あちらとこちらを明確に分けるものだ。マームとジプシーの、特に初期の作品には時折、木で作られた枠が用いられていた。それがバスや電車の窓になったり、額になったりと作品の中でさまざまに変化していく。窓そのものがなくとも、演じることによってただの枠が窓に見えるというのは、演劇ならではの「見立て」であり、面白さのひとつだ。今回もそんな、ひとつの要素がさまざまなものに変化していくさまが見られるかもしれない。『めにみえない みみにしたい』に引き続き、作品内で重要な役割を果たす音楽を担当するのは原田郁子。衣装はsuzuki takayukiが担当する。この音楽と衣装が、作品のファンタジックな雰囲気をより高めてくれることだろう。『めにみえない みみにしたい』は、しりとりやシャボン玉といった子どもが純粋に楽しめる要素を折り込みながらも、隅々まで藤田の美意識が張り巡らされ、物語には女の子の成長や戦争の影が見え隠れする作品だった。決して単純な「子ども向け」ではないもの――。物語と音楽、見立て、衣装……思えば、演劇の面白さをぎゅっと詰め込み、前面に押し出しているのがこのシリーズの魅力と言えそうだ。物語に潜むメッセージ性を探り、味わうのももちろん演劇の楽しさのひとつだけれど、『かがみ まど とびら』では、目の前に起こることを純粋に受け止めるという楽しみ方ができるに違いない。文:釣木文恵『かがみ まど とびら』作・演出:藤田貴大音楽:原田郁子衣装:suzuki takayuki出演:伊野香織 / 川崎ゆり子 / 成田亜佑美 / 長谷川洋子2020年11月22(日)・23日(月・祝)、28日(土)・29日(日)会場:彩の国さいたま芸術劇場 NINAGAWASTUDIO(大稽古場)
2020年11月21日演劇ユニット「マームとジプシー」の主宰、藤田貴大さんが初の小説を上梓した。タイトルは『季節を告げる毳(けば)毳(けば)は夜が知った毛(も)毛(け)毛(も)毛(け)』。さまざまな断片が連なり、やがて大きな物語が見えてくるモザイク画のようなつくりだ。「最初はたくさんの掌編を書かないか、という話でした。書き方も、小説でも戯曲でもなんでもいいと言われ、それなら面白そうだと思って。でも書いているうちにだんだんストーリーが出てきて、短編として読めるね、という話になって」舞台は東京。落下するコアラ、謎の声を聞くと死ぬ人々、ワニの洗髪屋、いじめられる少年、何気ない一言に傷つく少女、冬毛という植物等々。描かれる世界はどこか不穏だ。「書き始めた時期、ヘイトという言葉をよく耳にするなど“おやっ”と思うことが増えていたんですよね。差別が罷(まか)りとおっていくようなムードの高まりが怖いなと感じたことを、声を聞いたら死んでしまう現象として書いたし、洗髪屋のワニについては移民の問題を考えていたと思います。いろいろ動物が出てくるのは、偉そうにしている人間だって動物だという気持ちがあるから」また、産毛などの体毛、資源にもなる冬毛など、さまざまな“毛”が描かれるわけだが、「中学生の時、隣の席の女の子が突然腕の産毛を剃ってきたことがあって。誰かに何か言われたのかなと思って切なくなって、それが原体験にあります。東京も、産毛を剃るように森を伐採して作られた都市だと思うと、“毛を剃らなきゃ”と“森を伐らなきゃ”が同義に思えて、それをランドスケープ的に描きたかった」実験的なこのテイストで書けてよかった、と藤田さん。「劇作家は、ある意味ドライに戯曲を書いているんです。役者が感情を演じるので。でも小説って作者が一人で何役も演じるようなものでもあるので、僕には恥ずかしくなる部分があって(笑)。こういう書き方なら、俯瞰したりあえて主観的になったり、“演劇をやっている人が小説を書くとこうなる”というものにできるなと思いました。今回、大変だったけど楽しかったし機会があればまた書きたいですが、その時も小説家ぶるのでなく、演出家という立場のままで書きたいです」『季節を告げる毳毳は夜が知った毛毛毛毛』コアラが降ってくる世界を描く掌編をプロローグに、東京に住む人々と動物の姿を季節のうつろいのなかにちりばめた著者初小説。河出書房新社1700円ふじた・たかひろ1985年生まれ、北海道出身。演劇ユニット「マームとジプシー」の作・演出を担当。岸田國士戯曲賞、読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。著書に『おんなのこはもりのなか』など。※『anan』2020年9月9日号より。写真・森山祐子(藤田さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2020年09月07日演劇作家・藤田貴大率いるマームとジプシーが、今夏『cocoon』を上演することを発表した。『cocoon』は、戦時中の沖縄を舞台に、戦争に動員された少女たちを描いた今日マチ子の同名漫画が原作で、2013年に初演、2015年には沖縄を含む全6都市で巡演された。初演から7年の時間を経て、今回は、藤田による新演出で上演される。音楽は引き続き、原田郁子が担当する。出演は青柳いづみ、菊池明明、小泉まきほか。7月上旬から8月下旬にかけて、東京、埼玉、上田、北九州、伊丹、京都、沖縄での上演を予定している。なお、3月には出演者オーディションが行われる。【関連リンク】マームとジプシー公式サイト
2020年01月24日藤田貴大率いる「マームとジプシー」が、他ジャンルの作家とコラボレーションする企画「マームと誰かさん」シリーズ。その最新公演『ぬいぐるみたちがなんだか変だよと囁いている引っ越しの夜』が、12月25日(水)にいわてアートサポートセンター風のスタジオ、12月27日(金)から29日(日)まで東京・吉祥寺キチムにて上演される。シーンをリフレインしていく映像的な手法で注目を浴び、弱冠26歳で岸田戯曲賞を受賞。もはや演劇界には欠かせない存在となった藤田貴大、そしてマームとジプシーだが、彼らの活動の特徴として、年代、ジャンルを問わない相手とタッグを組んだり、いわゆる「東京での大劇場」ではない公演会場で作品をフレキシブルに上演したりという、ボーダレスな作品づくりが挙げられるだろう。この「マームと誰かさん」シリーズは、その最たるものといえる。他ジャンルの作家とコラボレーションする企画として2012年にスタート、これまでも音楽家・大谷能生や演出家・飴屋法水、漫画家・今日マチ子という顔ぶれを迎えてきた。今作『ぬいぐるみたちがなんだか変だよと囁いている引っ越しの夜』は2017年に歌人・穂村弘とブックデザイナー・名久井直子を迎えて行われた公演の再演作となる。いわゆる「わかりやすい物語が提示される演劇作品」とは、ちょっと違うものといえるかもしれない。穂村とその父、名久井らの物語、ないし“言葉”が、マームとジプシーには欠かせない俳優である青柳いづみによって語られていく。シンプルな作りだけに、観客を含めた空間の雰囲気次第でまた手触りが変わりそうなところも興味深い。もともと今回の再演に関しては、ツアー公演の会場を公募で決定するというあまり例を見ない手法がとられており、今年6月から京都、三重、長崎と公演を重ねてきた。今回東京での会場となる吉祥寺のキチムに関しても、ライブなどもよく行われるイベントスペースであり、いわゆる劇場とはまた異なる空間だ。初演とも会場が変わるだけに、以前観ている観客もまた新たな感覚で楽しめそうだ。ツアー公演を重ねてきて熟成されたこの作品が、新たな場所でどう立ち上がっていくのか。2都市でわずか4日間6ステージの公演、この体験を共有できた人にはえもいわれぬギフトとなるにちがいない。文:川口有紀
2019年12月24日蜷川幸雄がこの世を去って早3年。2016年には、マームとジプシーの藤田貴大が蜷川の半生を描いた戯曲を、蜷川、藤田両者が演出する公演『蜷の綿 -Nina’s Cotton-』が予定されていた。蜷川の体調不良によって延期されたこの作品が、本日10月13日より彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにてリーディングという形で披露される。その舞台に立つのは、さいたまゴールドシアターとさいたまネクストシアターの面々。主宰の蜷川と共に長い年月を過ごしてきたふたつの団体から総勢44人が彼の半生を紡ぐ。演出は、こちらも長く蜷川の片腕として演出助手を務めてきた井上尊晶が担当する。蜷川はその最晩年、50歳年下の藤田に新作戯曲を依頼した。藤田はその要請を受け、蜷川自身を描くことに決めた。彼の少年時代から俳優をやっていた頃、アングラ時代、そして誰もが認める日本トップの演出家として活躍する姿……。彼の死によって一度は途切れたそのバトンを受け取り、蜷川に対する並々ならぬ思いをもったメンバーが、彼のベースであった彩の国さいたま芸術劇場で上演をする。ここはかつて、蜷川のライフワークとも言えるシェイクスピアシリーズをはじめとして、彼の演出作が数え切れないほど生まれた場所だ。わずか3日間の公演だが、改めて蜷川幸雄という演出家の遺したもの、失った存在の大きさに気づく作品になることだろう。同時期にこの公演の関連企画として、藤田自らが演出を手がける『まなざし』も上演される。こちらは蜷川が演出家として見つめ続けてきたもの、その「まなざし」を藤田が探る作品となりそうだ。出演者にはマームとジプシーの俳優である成田亜佑美、吉田聡子のふたりがクレジットされている。その名もNINAGAWA STUDIOと名付けられた大稽古場で上演されるこの作品で、藤田から見た演出家・蜷川の姿が垣間見えるだろう。文:釣木文恵
2019年10月13日ポール & ジョー(PAUL & JOE)から、フラワープリントに猫が隠れる新作ウォッチコレクション「ジプシー アンド ヌネット(Gipsy&Nounette)」が登場。2019年9月中旬より全国時計専門店ほかで販売される。ポール & ジョーのコレクションで、これまで度々登場してきたクリエイティブディレクター、ソフィー・メシャリーの愛猫、ジプシーとヌネット。今回の新作コレクションはその2匹が主役だ。丸いダイアルでは、淡いフラワープリントの隙間からジプシーとヌネットがひょっこり顔を覗かせる。落ち着いたトーンのピンクゴールドのケースには、メッシュベルトまたはライラック色のレザーストラップ、シルバーケースにはダークブルーのレザーストラップをセット。レザーストラップには、光沢感のあるシュリンクレザーを採用し、クラシック感を高めた。なお、本シリーズからベルトが取り外し可能となり、気分次第でカラーを選ぶことができる。【詳細】新作ウォッチコレクション「ジプシー アンド ヌネット」発売時期:2019年9月中旬取り扱い:全国時計専門店ほか価格:ピンクゴールド 20,000円+税、ライラック 18,000円+税、ダークブルー 17,000円+税【問い合わせ先】ワグ インクTEL:03-5791-1501
2019年08月09日いま話題の演劇作家、マームとジプシーの藤田貴大さんの舞台『CITY』に出演する俳優・井之脇海さん。今までは映像畑での仕事を優先してきたという。――映画がお好きだとおっしゃっていましたが、いつ頃からですか。この仕事を始めてからです。9歳の時に劇団に通い始めたんですけれど、当時は習い事感覚だったんです。でも、12歳の時に『トウキョウソナタ』という映画に出合って、そこからどんどんのめり込んで、結局、映画の大学に行ったくらい。あの映画に出合わなかったら、今頃、消防士か何かになっていたと思います。――えっ…消防士!?カッコいいじゃないですか。いまもそう思っていますし。――話が逸れましたが、『トウキョウソナタ』で何が?一番大きかったのは、それまでずっと遊びの延長で撮影現場に行っていた僕を、皆さんが子供ではなく、プロの役者として扱ってくださったんです。黒沢(清)監督も香川照之さんも…。その時、認めてもらった嬉しさと同時に、それまで浮ついた気持ちで現場にいたのを反省しました。そこから、現場でいろんな人の話を聞いたり、香川さんや共演者の方々の立ち居振る舞いを観察したりするようになって。そのうち、作ることが楽しくなっちゃったんですよね。中学生になって、自分でレンタルビデオ店に行けるようになってからは、観るのも楽しくなって、目が悪くなりました(笑)。――そんなに観てたわけですか。中高生の頃は、1週間で25本くらい借りて、休みの日は1日に4~5本は観てました。全部観られずに返すこともありましたけど。――どんなジャンルが多いですか。今回の舞台は、「マーベルっぽい作品」と伺っていますが…。マーベルも観ますし、好きですよ。映画が好きになった理由のひとつが、その幅の広さなんです。だから、ジャンルを問わず映画そのものが好き。ただ、やっぱり(レオス・)カラックスの監督作品は好きですね。――すでに俳優として活躍されていながら、あえて大学に行かれたのはなぜなんでしょう。アメリカの俳優は、学校で演劇を学びますけれど、日本にはそのシステムが確立されていない。自分はアメリカには行けないけれど、せめて勉強はしたいと思って。その時間は無駄にならないと思ったし、事実、無駄になってないし。もちろん、行かなければもっと仕事はできたし、映画の勉強は大学に行かずに本からでも学べたかもしれない。でも僕は、人から学ぶっていうことが大事な気がするんです。単に技術や知識だけでなく、人から人へと受け継がれた物語も一緒に継承することで、それこそが一番の財産じゃないのかなって。僕もいつか、それを自分の子供なのか後輩なのか、誰かに教えてあげられたらと思うんです。ドラマ『中学聖日記』を見て、オフィス恋愛いいなって(笑)――井之脇さんご自身は、自分をどんな人だと思っていますか。真面目…ですかね。何をするにも考えてから行動に移すタイプです。例えば、友達とごはんに行く話になった時、いま本当に行っていいのか、その時間に映画を観て勉強したほうが自分のためにはいいんじゃないか、とか考えちゃうんです。…こう言うと人付き合いの悪い人みたいですけど…生活が芝居に影響するんです。自分にストレスがあると、役にもうつっちゃうんで、できるだけストレスをかけない生活を優先したくて…。真面目からはズレてますけど(笑)。――役者としてのあり方に真摯なんだと思いました。じつはもっとクールな方をイメージしてました。斜に構えた人だと思ってたとか言われますけど、そんなことないんです。シャイではありますけど。――友達は?大事にしてますよ。数は多くないけれど、お酒の場が好きなんで、学生時代の友達とはよく飲みに行ますし、彼らには心を開いているんで、結構陽気に飲んでます。――ちなみに、恋愛についてはいかがですか。恋愛映画もたくさんご覧になると思うんですが、こういう恋愛がしたい、とか。ありますよ。僕、ちょっと前まで、オフィス恋愛に憧れていたんです。ドラマ『中学聖日記』の吉田羊さんと町田啓太さんを見て、いいなって。職場で、周りに気づかれないようにさりげなく合図を送り合ったりする…ふたりだけの秘密系。たぶん、オフィスが縁遠いから余計に憧れるんでしょうね。――好きな女性のタイプは?恋愛を生きがいにしない人、ですね。僕がそういうタイプじゃないので、自分のために何かを犠牲にされるのが耐えられないんです。例えば、晩ごはんを作って待っていられたら、明日は自分が作らないといけないかなって思っちゃうんです。お互いに夢を追いかけて、サポートし合う関係性が理想です。――オフの日の過ごし方を伺ってもいいですか。1日オフと1週間で違うんですけれど、1~2日だと半日寝て、いっぱい食べて、映画観て、晩酌て寝る。まとまった休みがあると…あれ?変わんないかも?でも僕、ずっと山以外、旅行に興味がなかったんですけれど、最近ちょっと日帰り旅行に興味が出てきたんです。絶景を見ながら、温泉に入りたいなっていのわき・かい1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。子役として活動を始め、黒沢清監督の映画『トウキョウソナタ』でキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞。ドラマ『おんな城主 直虎』や『ひよっこ』のほか、昨年の『義母と娘のブルース』などで注目を集めるように。現在、ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)に出演中。井之脇さんが出演する舞台『CITY』は、5月18日~26日まで彩の国さいたま芸術劇場にて上演。作・演出はマームとジプシーの藤田貴大さん。藤田さんが「新たなフェーズ」と位置づける今作は、現代の都市を舞台に「ヒーロー」とは何かを描き出す。主演は柳楽優弥さん。兵庫、豊橋公演あり。SAFチケットセンター TEL:0570・064・939ニット¥34,000パンツ¥34,000(共にオーラリー TEL:03・6427・7141)※『anan』2019年5月15日より。写真・山崎泰治スタイリスト・檜垣健太郎(little frends)ヘア&メイク・小林雄美インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年05月13日落ち着いた知的な雰囲気からかクールに見えるけれど、じつは真っすぐピュア。そして馬鹿がつくほど映画好きで真面目。そんな素顔は、ほっこり度120%の俳優・井之脇海さんにインタビューしました。まだ少し肌寒さの残るなか、住宅が密集する路地を歩きながらの撮影。ずんずん歩いてゆく撮影スタッフのあとをついて、穏やかな表情で歩いていた井之脇さん。ふとカメラマンがレンズを向け、シャッターを切り始めると、恥ずかしくなったのか照れ笑い。どうやら、かなりシャイな方のよう。そんな井之脇さんが、いま話題の演劇作家、マームとジプシーの藤田貴大さんの舞台『CITY』に出演する。――藤田さんといえば、演劇界にとどまらず、アートや音楽、ファッションなどの分野からも注目を集める存在です。その舞台に出演するのはどんなお気持ちですか?以前から存在は知っていて、おしゃれなカリスマのイメージを持っていました。舞台を拝見したのは出演が決まってからなんですが、僕がこれまで観てきた演劇とは違う、いい意味ですごく写真的な舞台だと思いました。平面を大事にしていて、それを積み重ねて奥行きを作っている。空間の使い方に長けている印象を受けました。――その藤田さんの舞台に出るということで、いま井之脇さんが期待していることはありますか。演劇はほとんどやってきていませんから、単純に自分がやってきたことだけでは通用しないだろうと思うんです。楽しみですが、それ以上に不安も大きい。ただ、映像畑でやってきた僕が、いい意味で演劇らしくない藤田さんとやることで、何か溶け込める部分も…あれ?何の話でしたっけ?――期待していること、です。ああそうでした(笑)。藤田さんに新しい自分を引き出してほしいと思いますし、僕自身もまだ知らない、触れていない分野に踏み出してみたいと思っています。――これまで映像畑でやってこられたというのは意識的にですか。もともと映画がすごく好きで、それをやりたいという気持ちが強くて、スケジュール的にそっちを優先してきたというのはあります。ただ、いま演劇に挑戦して、もっと自由に演じられたらとか、自分の芝居を見つめ直す機会になれば…って、質問って何でした?――えっと…(笑)、映像畑でやってきたのは、という…。そうでした…(笑)。舞台のお仕事を避けていたわけではなく、チャンスがあれば、やりたいとはつねづね思っていたんです。舞台ってライブですから、お客さんの反応がじかに返ってくるわけで、映像では体験できないこと。今回ならば600~700の人が一緒の時間を共有するわけで、怖くもあるけれど、楽しめたらと思います。――人前は、平気なほう?素の自分で人前に出るのは緊張しちゃいますが、お芝居している時は、たぶん大丈夫だと思うんです。あっ…や、でも…セリフが飛んじゃう可能性もありますよね…。これ、余談なんですけれど、いままでセリフが飛んだことってなかったんです。でもこの間の『集団左遷!!』のクランクインで、福山(雅治)さんが主演ということもあって、報道のカメラの数が尋常じゃなくて、緊張して、セリフが全部飛んじゃったんです。皆さんは笑ってくださったけれど、僕の中でトラウマになってしまい…。――長いキャリアの中で、これまではなかったのに。これまでは、いくらスタッフさんがいても問題なかったんです。でもその時は、支度場で支度していた時から異様な雰囲気で…。もうあれ以上悪いことは起こらないと思いたいです(笑)。いのわき・かい1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。子役として活動を始め、黒沢清監督の映画『トウキョウソナタ』でキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞。ドラマ『おんな城主 直虎』や『ひよっこ』のほか、昨年の『義母と娘のブルース』などで注目を集めるように。現在、ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)に出演中。井之脇さんが出演する舞台『CITY』は、5月18日~26日まで彩の国さいたま芸術劇場にて上演。作・演出はマームとジプシーの藤田貴大さん。藤田さんが「新たなフェーズ」と位置づける今作は、現代の都市を舞台に「ヒーロー」とは何かを描き出す。主演は柳楽優弥さん。兵庫、豊橋公演あり。SAFチケットセンター TEL:0570・064・939ニット¥34,000パンツ¥34,000(共にオーラリー TEL:03・6427・7141)※『anan』2019年5月15日より。写真・山崎泰治スタイリスト・檜垣健太郎(little frends)ヘア&メイク・小林雄美インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)(by anan編集部)
2019年05月08日エモーショナルな瞬間を、美しいビジュアルと言葉、そして俳優の肉体を駆使して描き出し、いまや演劇のみならずジャンルを超えて注目されるマームとジプシー(以下、マーム)。最新作の『BOOTS』では、ドイツ生まれのシューズブランド・trippenとコラボする。靴がいったいどうやって演劇になるの?「マームの藤田(貴大)さんから最初にお話をいただいた時は、衣装提供ということかなとか、靴の物語を作るのかなと考えていたんです」とは、セールスマネージャーの中村光仁さん。しかし、藤田さんからの要求は、「trippenの感性で僕を刺激してほしい」というものだったそう。「展示会を観ていただいたりもしましたし、ブランドのコンセプトや、今回のシーズンテーマについてなど、うちの靴についてあらゆる側面から知っていただけるよう、いろんなお話をさせていただきました」(バイヤー・斉藤いずみさん)そしてお二人は一計を案じる。公演のフライヤー撮影時に、マームのメンバーだけのために、撮影場所となる屋外に什器を持ち込み大量の靴をディスプレイして見せたのだそう。「まずは、私たちはこうなんです、ということを目で見える方法でお伝えするのが一番だと思ったんです」と、斉藤さん。言葉やビジュアルから、ブランドを支える靴作りへの思いを感じ取り、そこから受けたインスピレーションを藤田さんが舞台として立ち上げていく。そしてこれまでに、今年の夏に上演された『BEACH』を含めた2作を制作。今回が3作目の共同作業だ。「紆余曲折を経て最後に帰結したのが、ブランドの今シーズンのテーマ“Speed”。ここには速度だけでなく、時の流れといった意味合いも含まれています」(斉藤さん)「デザイナーの、言葉にできない思いまで汲み取ってくれるのが藤田さん。僕らも想像しなかった角度の舞台ができていて、いまから拝見するのが楽しみです」(中村さん)2018年の8~9月に上演された『BEACH』より。今回は、前作『BEACH』と新作『BOOTS』の両作品が上演される。会場には、trippenの靴も展示。撮影・井上佐由紀『mum&gypsy×trippen「BOOTS」』12月21日(金)~29日(土)新宿・LUMINE0作、演出/藤田貴大予約4000円当日4500円『BEACH』『BOOTS』セット券7500円スケジュールの詳細はHPで。マームとジプシーTEL:070・5454・7311※『anan』2018年12月26日号より。写真・大嶋千尋取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年12月21日「ゆくゆくは舞台も経験してみたいと思っていたんですが、まさか俳優を始めてまだ1年経っていないなか、こんなにすぐ出ることになるとは思ってもみませんでした」ちょっと照れたように語る宮沢氷魚さん。出演するのは、演劇界を超えて注目を集める藤田貴大さんが作・演出を手がける『BOAT』。ボートで漂着する人々と、新たな土地を目指し出航する人々の物語。「藤田さんの稽古場は、僕がイメージしていたような舞台とはまったく違っていました。台本がなく、その場で作っていくこともですけれど、稽古の冒頭にみんなでボードゲームをやりだしたのにも驚きました。でも、普段使わない脳を使ったり、普段は動かさないような体の部位を稼働させたり、自分でも知らなかった自分の一面を発見することがあって、いまは稽古に行くのが楽しいです」普段はかなりの心配性。初ドラマの『コウノドリ』では、台本が手放せず、何十回も読み直したほど。「でも、今回に関しては不思議と不安がなくて、藤田さんについていけば大丈夫って思えるんです。稽古中、『15分考える時間ちょうだい』って言われる時があるんですけれど、どんな作品にするかで悩んでいるんじゃなく、どういう道筋をたどるのが一番効果的かを探っているだけ。藤田さんの頭の中には、すでに何か明確なものがあるのがわかるから、安心できているんだと思います」希望して足を踏み入れた俳優の道。「やればできるだろうくらいに考えていたけれど、実際やってみると、台本から気持ちを作る作業がとてつもなく難しい。役のことが全然わからなくて、しんどい時期もありました。でも、嫌だと思ったことはなくて、その苦しさが逆に癖になる…楽しくなってきています(笑)」そんな宮沢さんの突破口になったのは、ドラマの撮影で考えすぎモードになっていた時、台本から離れようとなにげなく入った老舗の喫茶店。「お客さんは普段は接点が全然ないようなオジさんとか、夜のお仕事の女性たち。さりげなく見ていたら、話している内容や行動、顔の表情まで、全部が興味深くて。台本に向かっているだけじゃわからない、日常生活の中から得られる気づきって意外と多いんだなって思いました」いまは、稽古終わりに共演者と食事に行き、作品から離れて他愛のない話をする時間も大切にしている。「藤田さんの舞台って観る人によって捉え方も変わるし、感じ方も全然違ったりする。でも、それでいいと思うし、作品の芯にあるものはブレずに届くと信じているんですよね」7月16日(月)~26日(木)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス作・演出/藤田貴大出演/宮沢氷魚、青柳いづみ、豊田エリー、中嶋朋子ほかS席5500円A席4500円(共に税込み)ほか東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570・010・296 AD:名久井直子撮影:井上佐由紀みやざわ・ひお1994年、アメリカ生まれ、東京育ち。モデルとして活躍する傍ら、昨年より俳優の活動をスタート。近作にドラマ『トドメの接吻』『R134/湘南の約束』。※『anan』2018年7月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・森上マリコインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年07月17日野田秀樹芸術監督の方針の下、若手クリエーターを積極的に起用している東京芸術劇場。「マームとジプシー」主宰の藤田貴大もそのひとりで、2013年以来ほぼ毎年、共にクリエーションを行っている。今年は特に多く、同劇場に藤田作品が3作登場。7月に藤田の新作である「BOAT」が東京芸術劇場プレイハウスで上演される。出演者の宮沢氷魚、青柳いづみ、豊田エリー、そして作・演出の藤田に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「どういう役を演じてほしいとかこういう台詞を言ってほしいとか、そういうことだけでキャスティングというものに取り組むのではなくて、この人とならこの題材をじっくり話すことができそうだという人と僕は仕事がしたい。それまで個々とは会っていたんですけど、宮沢さん、青柳さん、豊田さん、そして(もうひとりのメインキャスト)中嶋(朋子)さんが集合したところを見られたのは、今日が初めて。実際、イメージとブレはなかったですね」と、満足げな藤田。これまで同劇場で上演した藤田作品は原作のあるものが主だったが、「BOAT」は自身の言葉で紡ぐオリジナル。「ある土地にやって来た飛行物体の脅威に右往左往する住民たちの人間模様を描きたい」と語る。昨年俳優デビューを果たした宮沢は、本作が初舞台。「俳優としての履歴や経験よりも、宮沢さんがこの23年間をどう生きてきて、その目で世界をどう見てきたかに興味がある」という藤田の言葉に対し、「初めてお会いしたときから見透かされているというか、僕の中身をすごく見てくれている感じがした。僕も常にオープンな状態で、何も恥ずかしがらずに全部さらけ出していきたい。お客さんにお会いできることも含めて、今は不安より楽しみしかないです」と、爽やかに意気込みを語った。豊田は、初舞台の藤田演出「ロミオとジュリエット」(2016年)にジュリエット役で出演。「『ロミオ~』での経験はオーディションから稽古、本番まで全てが大切すぎて、今でも色濃くて。『またいつか一緒にやりましょう』が実現することはめったにないんですが(笑)、本当に声を掛けてもらえたことがすごくうれしい。私はファンタジーが大好きなんですけど、それは根源に必ず“ほんとう”の話が入っているから。藤田さんの作品はまさにそれです」と、すっかり魅了されている様子。そして多くの藤田作品に参加し、常に重要な存在であり続ける青柳いづみ。「新作をそんなに頻繁に作るわけではないので、ひとつひとつがすごく大切。ただ、原作があるものとは違う、オリジナルの新作を作るときの大変さをハッと思い出して、今、恐怖と不安しか……」と苦笑いするも、藤田が作品をどう考えていくのかををよく知る彼女が、本作の支柱となるのは間違いない。加えて、藤田作品には初参加の中嶋朋子や長きに渡り藤田作品を支えてきた多くの俳優が出演。新作「BOAT」が多彩なキャストを乗せ、どんな劇世界に漂着するか楽しみだ。7月16日(月・祝)から26日(木)まで、東京芸術劇場プレイハウスにて。現在、プリセールを実施中。受付は5月18日(金)午後11時59分まで。取材・文:武田吏都
2018年05月15日以前、anan本誌でエッセイ「おんなのこはもりのなか」(書籍になって好評発売中)を連載していた「マームとジプシー」主宰の演劇作家・藤田貴大さん。公演のたびに大きな話題を呼ぶ藤田さんの最新作は、なんと“子どもも大人も一緒に楽しめる”作品とのこと。どんな舞台になるのか、稽古場で藤田さんにインタビューしてきました。写真・小笠原真紀 文・望月リサ“子ども向けの演劇” ではなく、“子どもも楽しめる演劇” を創造したい。多くの言葉を重ねて饒舌に語るよりも、シンプルで研ぎ澄まされたひと言が、強く深く心を惹きつけることがある。マームとジプシーの藤田貴大さんが作るのは、そんな演劇だ。シェイクスピア劇が言葉を尽くして描写を重ねる演劇ならば、藤田さんのそれは、洗練を重ねて綴られた、まるで一編の詩のよう。普段、演劇を観ないような幅広い層の観客たちを惹きつけるのは、そんな理由からなのかもしれない。その藤田貴大さんが、今回、初めて4歳の子どもから大人まで一緒に楽しめる演劇作品の創作に挑戦する。タイトルは『めにみえない みみにしたい』。しかし、「当初は、子ども向けの演劇を作ることにけっこう抵抗感があった」と話す。藤田さん そもそも、自分の作品自体をカテゴライズして考えたことはなく、どの作品であっても、観る方に年齢制限はないと思ってきたんですね。ただ、僕の作品では、子ども時代やティーンの頃というのは、わりと頻繁に扱われてきたモチーフではある。『cocoon』(今日マチ子さんの同名漫画を舞台化した作品で、’13年に初演。’15年に再演された)では、出演者に中学生がいましたし、最近までやっていたプロジェクトでも、福島の中高生と作品を一緒に作っています。そうやって、作品の中に子どもを取り込んでいく作業をしていくうちに、自然と、この子たちに演劇を見せるってどういうことなんだろうと興味が湧いてきたんです。これまで僕が描いてきた作品では、過去の記憶を多く扱っています。それが、僕の作品がノスタルジックだとときには評されてきてしまった理由だと思うんですが、懐かしむ過去の記憶を持たない子どもたちが観たら、きっと大人の観客が抱くような感情にはならないはずですよね。それがいま、僕にとってはすごくおもしろい。今回、そのことが作品のキーになるような気がしているし、これからのマームとジプシーのキーにもなるのかもしれない。ーー目指しているのは、子どもの観客まで意識して創作する舞台。しかし、「子ども向けの作品に新たに挑戦するというのではなく、これまでやってきたことと地続きで、4歳の子どもも楽しめる世界を描くことができるかを考えている」のだそう。藤田さん 僕としては、“子ども向けの演劇を作る” ということ自体に抵抗があるんですよね。その言い方だとどこか “子ども” という対象を下に見ているように感じてしまって……。イタリアの俳優たちと交流が深いこともあって、向こうの演劇事情も耳に入ってくるんですが、イタリアって子ども向けの演劇が多いんだそうです。多くの俳優は、そこに携わることで食べていっているみたいで、彼らのインスタグラムを見ていると、着ぐるみを着ている写真が多く上がっているんです。子ども向けといえば、着ぐるみみたいな感覚ってありますよね。もちろんそれってサーカスみたいなものだから、そういう姿で俳優が出てくれば子どもたちは喜ぶだろうし、作品としても成立しやすいとも思う。でも、これを見せれば子どもは喜ぶだろうって思って大人が作るものって、子どもにもわかっちゃうと思うんです。僕はそういうものにはしたくない。数年前から放送している子ども番組で、『いすのまちコッシー』(NHK Eテレで放送中の子ども番組『みいつけた!』内のコマ撮りアニメーション)というアニメがあるんだけど、そのテーマソングが、僕らが子どもの頃に聴いていた音楽の倍くらいのテンポなんです。そのことに驚いたんですけど。YouTubeが当たり前の時代に育っているわけですから、映像に対する感覚も違っているだろうし、日常に英語を耳にする機会も多いはず。そんな彼らに対して、僕らの世代の思う “子どもの演劇” を目指しても、きっと飽きられてしまうし、いつもの僕らのテンポで作ってもついてこられる気がするんですよ。大人も観られる子ども向けを作りたいわけでも、子どもにべったりな子ども向けを作りたいわけでもなくて、質感も言葉遣いもいつも通りだけれど、対象である小さな子どもたちのことをめちゃくちゃ考えて作っている。そういうものにしたいと思っています。ーー衣裳はファッションブランドのsuzuki takayukiが担当。音楽にはクラムボンの原田郁子さんが参加する。キャストも含め、いつも通りのマームの布陣だけれど、そこに安住するつもりは一切ないよう。藤田さん 子どもって、隙のある大人に絡んでいくようなところがありますよね。たぶん子どもは隙を好むんだと思います。逆に、大人になればなるほど、隙のないものが好きになってくる。それが、クオリティの高さや洗練ということに繋がるんだろうけれど、今回は、あえて隙を作っていこうと話しています。絵本なんかを見ていると、対象年齢が上がるに従って物語は複雑になり、描写も細かくなっていきますよね。僕は『ねないこだれだ』(せなけいこ作の、おばけが登場する絵本。福音館書店刊)という絵本が好きなんですが、あの作品には、少ない言葉で綴られているからこその魅力とか強度があると思うんですよ。演劇作家というのは、つい物語りたくなってしまう人種だと思うんですが、今回は、物語ろうとすればするほど離れていくものもある気がしますので、できるだけ具体的になっていくことを避けていければと思います。僕が音楽に憧れるのはまさにそこで、音楽って、具体的に描写し過ぎないからこそ、想像力を膨らませることができるんですよね。そういう余地を残しておきたいな、と。ーー自ら、「いままでのマームでは、考えもしなかったこと」と語る通り、“隙のある作品に” とは、セリフはもちろん、演出の細部に至るまで洗練を重ねて舞台を構築してきたこれまでの藤田さんならば、言わなかったであろう言葉だ。藤田さん これまでずっと、クオリティばかりを追求してきて、作品がどんどんシャープになってきていたと思うんです。でも、自分でも良くできているのかわからないような、ノイズというのかな……そういうものを、いまの自分ならばおもしろく取り入れられる気がする。そうやってあえて作った隙に、子どもたちを誘っていくものにしたいと思っています。ーーこの日の取材は、稽古が始まったばかりのタイミング。インタビュー後に始まった稽古では、藤田さん主導で、スタッフ、キャストが揃ってのディスカッションが中心におこなわれていた。藤田さん 現時点では、『めにみえない』という30分の作品と、『みみにしたい』という30分の作品の2部構成で、全体で1時間くらいのものにしようと考えています。両方観て、ちゃんと1本の作品として成立するのはもちろんですが、小さな子どもの場合、じっと座って観ていられるのって30分が限界かなとも思うので、30分でちゃんとオチがきて、全部を観切れなくても楽しめるようにするつもり。最近は託児サービスが整備されてきていますが、それでも子どもができたことで劇場から遠ざかっている人って多いと思うんです。そういうお母さん、お父さんたちも、普通に子どもと楽しめるような場にできたらいいし、舞台を俯瞰して観た時に、子どもたちも作品の風景の一部になっているような、そんな公演にしていきたいですね。ーーなんと今回、「作品のなかに、ゲームの要素も取り入れていきたい」とも。藤田さん 今年、福島の中高生たちと作った『タイムライン』という作品でもそういう挑戦はしていたんですが、その日その場での偶然性のなかから生まれるものを演劇に取り入れたいんですよね。今回の公演では、いくつか用意されたテキストから、なにかのルールにのっとって、その場で選ばれたものを演るというようなことを考えています。あえて物語を饒舌に語らないことで、隙が生まれるような気がするんですよ。きっと、役者も僕も、冷や汗をかくことになるんだろうとは予測がつくんですが、そこで生まれる思いもよらない何かを楽しめたらと思っています。ーー2012年に、26歳という若さで岸田國士戯曲賞を受賞し、演劇界に現れた新星として注目を浴びた藤田さんも30代となり、まさにいま、新たなフェーズを迎えている。子どもたちや、子どもを持つ親だけでなく、演劇ファン、そして藤田作品やマームとジプシーのファンにとっても見逃せない公演になるのは間違いない。藤田さん 公演を観た子どもたちが大人になった時、作品のことを覚えていなくてもいいと思っているんです。ただ、なんか楽しかったとか、この時間のことだけは覚えているとか、何らかのいい記憶として残ってくれたらいいなと思っています。Information『めにみえない みみにしたい』4/29(日・祝)〜5/6(日) 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール5/12(土)・13(日) 吉川市⺠交流センターおあしす 多目的ホール
2018年04月26日リロト(liroto)の2018年秋冬コレクションが、2018年3月20日(火)東京・渋谷ヒカリエにて発表された。デビューコレクション、マームとジプシーの藤田貴大が演出ファーストコレクションをランウェイで発表するという挑戦的な試みだったが、デビューコレクションは観客の心をしっかりと掴んだようだ。演出を手掛けたのは、マームとジプシーの藤田貴大。会場には、立方体の棒状のオブジェが3つ設けられ、それぞれに柔らかな光を放つ電球が吊るされている。オブジェの数と同じく、ショーも3部構成に分かれている。ショーは3部構成テーマは“東京らしいクラシック”最初に現れたのは、ボリューミーなドレスを着用した3人のモデル。3人はオブジェの中で立ち止まると、本を手にして朗読を始めた。英文を朗読するあどけない口調が、ガーリーなドレスと相まって少女らしさを強調する。3体のドレスは、クラシカルな柄をプリントしたPVCのベールに覆われているが、クラシカルなスタイルを、どのようにモダンにまた東京らしく表現するかということが、今回のコレクションのテーマになっているという。2部は生命力あふれる表現モノクロのドレスに続いて登場したのは、鮮やかな花柄のテキスタイルを取り入れたピースたち。服のパターンはアシンメトリーかつオーバーフィットな感覚で統一され、その上をフリルの装飾が無作為に這う。そういった、シンメトリックではない無秩序なデザインやボタニカルモチーフなどは、有機的で生命力にあふれた自然の形を思わせる。ダークな一面を見せる3部ところが、第3部は第2部とは対照的にダークなムードに包まれ、再びモノクロの色彩がワードローブを支配した。ここでは、中綿入りのキルティングがメインのマテリアルとして用いられている。ケープ風のアウターやスカート、または大胆にセットアップとしてスタイリングされ、現代的なムードを強調していた。なお、デザイナーの富塚尚樹はコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)のトリコ・コム デ ギャルソン(tricot COMME des GARÇONS)にて企画・パターンを経験。今シーズンより自身のブランドを本格始動させた。
2018年03月23日いま演劇界の枠を超えて注目されるマームとジプシーの藤田貴大さん。その藤田さんが紡ぐ詩的で繊細な言葉の数々は、この人の身体を通すことで、圧倒的な切実さや重量感をもって我々観客の元に届く。その身体に少女性と少年性を同居させながら、内には激しさや屈強さを感じさせるのが、青柳いづみさんという女優。「私、演劇がやりたいわけではないんです」と、青柳さんは言う。「演劇をやりながら、演劇ではない…私が本当に見たい、知りたいと思っている世界を作ることができるのが藤田君という存在。私が演じることで、観客にも、さらにはもっと遠くまで、それを見せることができたらと思っています」学生時代から活動を共にする藤田さんからは、「お前も俺と同じ、自分の才能にしか興味のない青い血の人間だから、そこから逃げるな」と言われているのだとか。「自分でも自覚があるからいいんですが(笑)」そんな青柳さんの次回作は、小説家の川上未映子さんと藤田さんとの共作となる舞台『みえるわ』。前回の公演『まえのひ』に引き続き、出演者は青柳さんひとりのみだ。「未映子さんの詩は誰のものでもない言葉なのに、発語してみると、まるで私自身も知らない本当の“わたし”を一番言い表しているように感じる。なかでもいっとう好きなのが“どうして?”という言葉ですが、大人になると誰もが通り過ぎてしまうような疑問を、未映子さんは無視できずに“どうして?”と問いかける。まだ言葉になっていない何かを、言葉を通して探し続けている。それは藤田君や私の中にもある感覚だと思います」ただ、’14年の公演と比べると、青柳さん自身、変化したこともある。「以前は言葉本来の持つ美しさをそのまま見せたいと思って演じていたところがありました。でも昨年末に、藤田君が歌人の穂村(弘)さんと装丁家の名久井(直子)さんと共作した舞台で、言葉そのものは穂村さんや名久井さんや藤田君のものなのに、私が発語することでその言葉が生まれ直すという感覚があったんですね。今、再び未映子さんの言葉を発語した時に、一体何が見えるのか、見せられるのかを考えています」あおやぎ・いづみ女優。マームとジプシーとチェルフィッチュの両劇団を中心に、近年、現代美術家とのコラボなどもおこなっている。テキスト/川上未映子演出/藤田貴大出演/青柳いづみ1月31日(水)~2月3日(土)渋谷・WWW予約4000円当日4500円(共にドリンク代別途500円。税込み)宮城、長野、福島、北海道、神奈川、山口、大阪、熊本、沖縄で公演あり。※『anan』2018年1月31日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年01月24日藤田貴大さんの「マームとジプシー」10周年企画第3弾として上演する『IL MIO TEMPO -わたしの時間-』。イタリアの同世代俳優たちとともに3年にわたりクリエイションを続けてきたプロジェクトがここに!文・望月リサ日本人俳優4人+イタリア人俳優4人の出会いが生み出す。3年という時間をかけ熟成させた藤田貴大さんの最新作。田んぼに囲まれた田舎道を歩く時の頰に触れる風。古い納戸を開けた時の、埃っぽいのにどこかワクワクした気持ち――。藤田貴大さんが紡ぎ出す、マームとジプシーの舞台を観ると、体験していないはずの知らない記憶がくすぐられ、昔からずっと知っていたような懐かしさに、なんだか泣きたくなるような、そんな思いに駆られる。弱冠26歳にして岸田國士戯曲賞を受賞し、早くから故・蜷川幸雄さんをはじめ、野田秀樹さんなどの演劇人から高い評価を受けてきた藤田貴大さん。その藤田さんが主宰し、作・演出を手掛けるマームとジプシーが、今年10周年を迎えた。この節目に、マームとジプシーが企画したのは、過去に作り上げた作品群の再演。再演といっても藤田さんは、かつての作品を、ただそのまま板の上に乗せたりはしない。かつて紡いだ言葉をもう一度自らの体内に取り込み、時により洗練された形で、時により強度を増した演出で、新しいものにして魅せたのだ。それは、藤田さんという人自身が、過去の劇作をなぞるノスタルジー的演劇に興味がないからだろう。まさにそれこそが、岸田戯曲賞を獲ったあの頃から、変わらずずっとマームとジプシーが新しい存在でいる理由なんだろう。そのマームとジプシーが、10周年の第3弾としてこのたび上演するのは、15年よりイタリアの同世代俳優たちとともに3年にわたりクリエイションを続けてきたプロジェクト『IL MIO TEMPO -わたしの時間-』。13年のイタリア・フィレンツェで行われた初の海外公演以来、さまざまな国、さまざまな土地で公演と同時に現地ワークショップを開催してきた藤田さん。この作品は、そんななかで出会った4人のイタリア人俳優たちと、日本から参加した4人の俳優たちとで、時間をかけて作り上げてきたものだ。はじめは、個々の俳優たちにインタビューを行うところから。そこで語られた彼らパーソナルな記憶を断片化し、それをホテルというシチュエーションに置き換えて、ひとつに構成したもの。15年にイタリアの劇場を拠点に始まったこのプロジェクトは、昨年、イタリア人俳優を彩の国さいたま芸術劇場に呼び、さらにブラッシュアップさせてきた。3年の時をかけて(その間にも、藤田さんはさまざまな俳優、さまざまなクリエイターとのコラボレーションを形にしていきながら)、ゆっくりとじっくりとクリエイションを行ってきた『IL MIO TEMPO -わたしの時間-』。それが今回、公演としてようやく日本で上演されることに。熟成を重ねた作品でありながら、現状に止まることをせず、つねに進化し続けているマーム、そして藤田さんの〝いまこの時〟が詰まった最新作となるのは間違いない。また新しい感動と驚きを観客にもたらしてくれるはずだ。Informationマームとジプシー『IL MIO TEMPO-わたしの時間-』10月17日(火)~22日(日) 彩の国さいたま芸術劇場 NINAGAWA STUDIO(大稽古場) 作・演出/藤田貴大 衣装/suzuki takayuki 宣伝ビジュアル/名久井直子 出演/荻原綾、川崎ゆり子、成田亜佑美、波佐谷聡、Andrea Falcone、Giacomo Bogani、Sara Fallani、Camillia Bonacchi 前売り3500円 当日4000円(ともに税込み) 問SAFチケットセンター☎0570・064・939『おんなのこはもりのなか』以前、ananで連載していた藤田さんのエッセイが書籍化。又吉直樹さん曰く「透きとおった変態性と切なさが最高でした」という、女子のことを微に入り細に入り、藤田さんが探求し尽くした日常と妄想の入り混じった世界…。好評発売中です。マガジンハウス刊 1300円(税別)
2017年10月16日結成10周年のマームとジプシーが、7月から全国6か所のツアーを行う。モチーフやテーマが共通する作品を3作ずつつないで再編集した3本と、フルスケールの1本、合わせて10本のマーム作品が用意され、出発地となる埼玉公演ではそのすべてが上演される。この大掛かりな取り組みについて、作・演出・主宰の藤田貴大は、まず「自分が20代で描いた作品をまとめて観たかったし、観てほしいと思った」と理由を説明。さらに「たとえば子どもがいる役を、以前は多少背伸びしながらやっていた俳優が、今はまさにそういう年齢になった。その変化も感じてもらえると思います」と上演の意図を語る。マームとジプシー チケット情報唯一のフルスケールとなる『あっこのはなし』は、初演は2012年だが、内容を俳優の実年齢に合わせて完全リニューアル。30代男女の、恋や仕事にまつわる日常的な会話を紡ぐ。いわばマームの20代とこれからをつなぐポジションにある作品で「なんでもない話で進んでいくと思うんですけど、どうしてもいま必要な作品なんです」と藤田。ファンはもちろん、未見の人、見損ねていた作品がある人にも、マームの人気の理由を知る絶好の機会だろう。全国ツアーでは長野県上田市のサントミューゼ 上田市交流文化芸術センターや福岡県北九州市の北九州芸術劇場、愛知県豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場などを巡演。各劇場で必ず2作品以上を上演する。これについて藤田は「作家なら誰しもそうだと思いますけど、ひとつの作品で自分のことを全部言えたことなんてないわけで、とすると、地方のお客さんは僕のその時の一部に触れただけで終わってしまう。だから、マームの色んな側面を観られるように、複数の作品を持って、いろんな場所に行きたいと思いました」と語る。初登場となる上田では、岸田戯曲賞受賞作を含む『ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと――――――』と「あっこ」を上演。2013年の『モモノパノラマ』以来、およそ4年ぶりとなる北九州では、「ΛΛΛ」のほか、『クラゲノココロ モモノパノラマ ヒダリメノヒダ』を上演。そして豊橋では、埼玉と同様にすべてを一挙上演。3日間、たっぷりとマームとジプシーの世界に浸ることができる。そのほか、北海道札幌市や兵庫県伊丹市でも上演予定。取材・文:徳永京子
2017年06月26日ジプシー・キングスが2年ぶりの来日公演を開催することが決定した。日程は、4月24日(月)大阪・フェスティバルホール、26日(水)・27日(木)東京・オーチャードホール。【チケット情報はこちら】ジプシー・キングスは情熱的なフラメンコ、ルンバ、サルサを融合したポップサウンドで、これまでに2000万枚を超えるアルバムセールスを記録。『ボラーレ』や『ジョビ・ジョバ』などのヒット曲で知られる。チケットの一般発売に先がけて、最速先行(抽選)を実施。受付は1月25日(水)昼12時から2月1日(水)午後11時59分まで。■KIRIN 淡麗極上 presentsThe Gipsy Kings featuring Nicolas Reyes and Tonino Baliardo Japan Tour 20174月24日(月)フェスティバルホール(大阪府)開場 18:00 / 開演 19:004月26日(水)Bunkamuraオーチャードホール(東京都)開場 18:00 / 開演 19:004月27日(木)Bunkamuraオーチャードホール(東京都)開場 18:00 / 開演 19:00
2017年01月17日マームとジプシー主宰/演劇作家の藤田貴大が演出を手掛ける舞台「ロミオとジュリエット」が、2016年12月10日(土)から21日(水)まで、東京芸術劇場プレイハウスで上演される。宿命的な出会いと短かく悲しい破局をむかえる話はあまりにも有名であり、様々な悲恋物語のモチーフとなっている作品「ロミオとジュリエット」。シェイクスピア没後400年を迎える2016年、気鋭の若手演劇作家の藤田貴大が、誰もが知る名作戯曲をまったく新しいオリジナルな切り口で現代に蘇らせ、これまで取り組んだことのない古典作品に挑む。キャストには、藤田作品にはおなじみの青柳いづみ、川崎ゆり子、吉田聡子らのほか、オーディションによって選出された12名の女性キャストが出演。1980年代を代表する伝説的なサブカルチャー雑誌「Olive」を支えてきたスタイリスト・大森伃佑子が手掛けるの衣装にも注目だ。【概要】「ロミオとジュリエット」作:ウィリアム・シェイクスピア翻訳:松岡和子上演台本・演出:藤田貴大会期:2016年12月10日(土)〜21日(水)※12/12、12/19は休演日時間:・12月10日(土)・11日(日) 18:00〜・12月13日(火)〜16日(金)、19日(月) 19:00〜・12月17日(土)・18日(日)※1 13:00〜・12月21日(水) 14:00〜※1=視覚障害者のための「舞台説明会」及び、聴覚障害者のための「ポータブル字幕機提供」実施(要事前申込)。会場:東京芸術劇場 プレイハウスチケット発売日:2016年10月15日(土)チケット料金(全席指定):S席5,500円(税込)、A席4,500円(税込)ほか※未就学児は入場できない。チケット取扱い:・東京芸術劇場ボックスオフィスTEL:0570-010-296(休館日を除く 10:00〜19:00)URL: 携帯)ほか各種チケットサービス<スタッフ>音楽:石橋英子、須藤俊明、山本達久照明:富山貴之音響:田鹿充、角田里枝映像:召田実子衣裳:大森伃佑子演出助手:吉中詩織舞台監督:森山香緒梨宣伝美術:名久井直子宣伝イラスト:ヒグチユウコ衣裳装飾:YUKI FUJISAWA衣裳協力:DOUBLE MAISON/きものやまと<出演>青柳いづみ、あゆ子、石川路子、内堀律子、花衣、川崎ゆり子、菊池明明、小泉まき、後藤愛佳、西原ひよ、寺田みなみ、豊田エリー、中神円、中村夏子、中村未来、丹羽咲絵、吉田聡子、石井亮介、尾野島慎太朗、中島広隆、波佐谷聡、船津健太、山本達久(ドラマー)【問い合わせ先】東京芸術劇場ボックスオフィスTEL:0570-010-296(休館日を除く10:00〜19:00)
2016年11月15日