赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは。保育士の中田馨です。育児中のママの悩みの1つ、それは寝不足ではないでしょうか。私も子どもが乳幼児のときは、何度も夜中に起きるので寝不足になりがちでした。寝不足になると朝起きたときに頭がボーッとして、体が動きにくく、その日1日の生活がうまくいかないこともあります。育児中のママこそゆっくり寝られることが理想です。今回はママがラクに睡眠時間を確保するコツを話します。 各月齢の赤ちゃんの眠りのリズム赤ちゃんの眠りのリズムは、月齢を追うごとにだんだん規則的になり、まとまって寝てくれるようになります。とはいえ、新生児のころから考えると数カ月も先のこと。どんな流れで眠るようになるのでしょう? ■新生児~生後2カ月ごろ1日の大半は寝ているのですが、短時間で寝たり起きたりします。生後1カ月ごろになると昼間に起きている時間が長くなってきますが、まだ、完全には昼夜の区別がついていません。■生後3~4カ月ごろ昼夜の区別がついてきます。昼間に起きている時間が長くなり、夜もまとめて眠るようになります。■生後5~6カ月ごろ昼寝の回数が減ってきます。午前1回と午後1回の2回になる子もいて、よく寝てくれるようになります。■生後7~11カ月ごろ昼夜の区別がはっきりついてきます。1歳近くなると夜は朝までぐっすり寝るようになる子もいます。■1歳以降昼寝が1日1回になる子が増えてきます。 親子で生活リズムを整えるママが睡眠時間を確保するためには、赤ちゃんの生活リズムを毎日同じにして「午前10時には離乳食を食べる」「午後2~3時は昼寝」など、ある程度の予測ができたほうがラクです。予測が立てられると、ママが次に何をするかの予定が立てやすくなるので休憩も取りやすくなります。まずは、親子で生活リズムを整えることからスタートさせます。 生活リズムを整えるには、起きる時間と寝る時間を毎日同じ時間にします。赤ちゃんが寝るからといって遅くまで寝かせたり、寝ないからといって起こしておくのではなく、朝と夜のメリハリを親がつけることが大切です。 ママがラクに睡眠時間を確保するコツママがラクに睡眠時間を確保するには、3つのコツがあります。 【1】夜、赤ちゃんと一緒に寝る私もいろいろ試しましたが、これが一番ラクです。いろいろしたいことはあっても、早寝がおすすめ。すっきり元気に翌朝を迎えるためには、赤ちゃんと同じ時間に寝てしまうことです。【2】昼寝をする赤ちゃんが昼寝をするときに、思い切ってママも一緒に寝てみましょう。「昼寝をしているとなんだかサボっているみたい」なんてことは思わなくてOK! 10分寝るだけでもすっきりすることがあります。 【3】夫に頼むどうにもこうにも眠たいときは、夫や祖父母に頼んで、先に寝かせてもらったり、昼寝をしたりしましょう。 無理して育児や家事をしない「ママになったから」という責任感はとっても素敵なこと。でも、ママが元気でいることも大切です。寝不足が続くとママも疲れ果ててしまうので、育児も家事も無理しないようにしましょう。 もちろん、赤ちゃんや家族が生きていく上での最低限のことはしなければいけませんが、「これ、毎日しなくてもいいんじゃない?」ということは「しない」と選択してOK。例えば私の場合、掃除は毎日はしません。洗濯もできないときはしませんし、料理も市販品に頼る日があります。すべてを完璧にすることを目標にすると、ママがしんどくなってしまうので、手を抜けることは手を抜いてみましょう。 ママが元気でいるためには、やっぱり睡眠をとることは不可欠。頑張りすぎないで、赤ちゃんと同じリズムで寝ることを優先する時期があっても大丈夫です。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月16日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。1月末ごろから保育園の入園決定通知が来ているご家庭もあるのではないかと思います。4月に仕事復帰を控えているママにとって、赤ちゃんと家でずっと過ごすのは、あと2カ月ほどになりました。今、一番不安なことは「仕事と育児の両立ができるか?」ではないでしょうか。 今回は、仕事復帰を少しでもラクにスタートできるように、15年間保育士をしてママたちのサポートをしている私がママにしておいてほしい準備についてお話しします。 生活リズムの見直しまずは、生活リズムの見直しからスタートします。赤ちゃんが生まれてから、赤ちゃんを中心としての家族の生活リズムができていたと思います。ここに、日中の大半を占める仕事が入ってきますので、仕事を見据えた生活リズムに見直します。まずは、朝。出産前に起きていた時間では、準備が到底間に合いません。出勤前にすることは、ママと赤ちゃんの身支度に、朝ごはんを作って食べさせる、ゴミ出しや洗濯など、考えただけでもたくさんあります。「準備完璧」と思って出発しようとしたら、赤ちゃんがうんちをしていた! しかも、背中まで漏れて朝からシャワーをする羽目に! ということもあります。保育園に着いても、荷物を入れたり、月曜日は布団カバーをかけたりなどママがすることがあります。突然のアクシデントに備えて、朝は想定している時間より30分早く起きると、余裕をもって準備ができます。 次に夕方。帰宅後は、夕食、お風呂、寝かしつけと短い時間ですることがたくさんあり、バタバタしがち。掃除や洗濯ができなくて溜まってしまったなんてこともあります。帰宅後は、まず何を優先するかを考えます。 ちなみに私もいろいろ試しましたが、夕食とお風呂が終わったら、よほどのことがない限り子どもと一緒の時間に寝ることを優先しています。これは子どもが15歳になった今でも一緒です。9時半ごろになったら「さあ、寝るよ!」と言って声をかけ始め、布団に入ります。このように、実際に仕事が始まったときのことを想定しながら、生活リズムの予行練習をスタートしてみましょう。 時短できることがないかを考える生活の中に「時短できることはないか」を考えてみましょう。例えば、買い物。毎日行っているなら週に2~3回にしたり、宅配を利用するのも時短になります。家事がラクになる点でいうと、食器洗い乾燥機やお掃除ロボットは、ママのお助けアイテムです。 食事の作り置きはかなり助かります。週末に煮物や和え物などの副菜を作っておいて冷蔵しておき、メインになる肉や魚は下処理と味付けをして冷凍します。調理するのは汁物と味付けしたメインを煮る、蒸す、焼く、炒めるなど調理するだけ。それぞれ7~10品あれば、月~金曜日の朝夕の食事に十分足ります。 また、テレビやスマホにかける時間の短縮も考えてみます。例えば、夜は9時以降テレビを見ないことにして、録画したものを週末に見るようにする。ついつい見がちなSNSは、通勤中だけにするなど、自分なりのルールを決めましょう。 諦めていいことがないかを考える「家事を完璧にしたい」という気持ちはとても素晴らしいこと。でも、できないときに落ち込んでしまう可能性があります。家事の中で、諦めてもいいことはないかを考えてみましょう。「平日に家事を頑張ろう!」と思わなくてOKです。毎日していた掃除や洗濯を3日に1回にする、朝食は作らなくてもいいパンにする、離乳食は冷凍保存しているものや市販のベビーフードを活用するのもいいですね。 例に挙げたことはごく一部。赤ちゃんが寝たあとに家事をするのは、一度眠りそうになった自分の体を起こさなければいけないので、かなりつらいものです。自分の中で「ここは諦めてもOK」という家事を見直しましょう。 家事をすることも大切ですが、帰宅後に意識して大切にしてほしいのは赤ちゃんとの時間。慣れない生活でヘトヘトなのは赤ちゃんも一緒です。2人でお風呂に入る、夜寝る前は絵本を読むなど、スキンシップの時間を増やすことで、赤ちゃんのグズグズも少なくなり、かえって家事がスムーズにできることにつながります。 周りに頼ることを考えるママが一人で育児をしようとするのはちょっと待って。周りに頼ることを前提に子育てをしましょう。夫との家事や育児の分担をあらかじめ決めてくことが、仕事復帰後ラクに生活できるコツ。 共働きの場合、夫の協力は不可欠です。「手伝っている」は、間違っている言葉ということも、ぜひ夫に知ってもらいたいなと思います。祖父母が近くにいれば、残業時や子どもが熱を出したときの保育園の迎えを頼むこともできます。頼れる人がそばにいない場合は、一時預かりの保育園、ベビーシッター、ファミリーサポートなど育児サービスを利用することもできるので、どんな条件で費用はどれくらいか調べて、登録しておくと、いざというときに安心です。周りに頼ると、「できない母親と思われそう」と心配するママもいますが、頼られた側は案外うれしいものですよ。 仕事に復帰してからは、無理をしないことです。一生懸命になって「両立しなければ」と思わないことが大事。これからずっと続く仕事と育児ですから、スタートダッシュは禁物ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月09日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは。保育士の中田馨です。1カ月健診が終わると、赤ちゃんもいよいよ大人と一緒のお風呂がOKとなります。これまでベビーバスに入っていたのが大人と一緒に入れるようになると、ラクになる部分と、前もっての準備がないと大変な部分があります。 ママひとりで赤ちゃんと一緒にお風呂に入るにはコツがあります。今回は、ママひとりでも慌てずに赤ちゃんと一緒にお風呂に入るコツを話します。 お風呂に入る前に準備を整える赤ちゃんが大人と一緒にお風呂に入るようになると、お風呂のあとがとってもせわしくなります。ですので、事前に必要なものを準備しておくとスムーズに入浴ができます。 お風呂に入るときに必要なものとして、せっけん、ガーゼ、湯温計などがあります。お風呂から出たあとに必要なものは、バスタオル、フェイスタオル、着替え、おむつなどです。 大人用のバスタオルやバスローブなどがあると、ママの湯冷めも防げるので便利です。また、ママがひとりで赤ちゃんをお風呂に入れるときは、先にママが体を洗ったほうがスムーズに入れます。その際に赤ちゃんを寝かせておけるベビーラックなどを脱衣所に置きます。お風呂のドアは開けて、赤ちゃんの様子が見守れる状態にしておきましょう。 お風呂に入る前に、出たときの赤ちゃんの準備を整えるお風呂から出たあとに必要なものは、バスタオル、フェイスタオル、着替え、おむつなどと書きましたが、他にも保湿クリームや綿棒などがあるとお風呂後のお手入れがスムーズです。特に寒い季節は、バスタオルは2枚用意しておくのがいいですよ。 1枚目のバスタオルは、脱衣所で赤ちゃんの体の水分をしっかりふき取るように使います。次に2枚目のバスタオルに赤ちゃんをくるみ、着替えを置いてあるリビングなどに移動して、改めてしっかりと拭き直すのです。着替えの肌着と服は、あらかじめ袖を重ねて通して広げておきます。さらにその上におむつも広げて置きます。湯上りの赤ちゃんをその上に寝かせると、すぐに着替えができるようにスタンバイすると、着替えがとってもラクチンです。 ママの準備を整える赤ちゃんが湯冷めをしないことはもちろん大切ですが、ママも湯冷めをしないことはとっても大切! 特にお風呂上がりは、赤ちゃんの体を拭いて、着替えさせてとすることがいっぱいなので、ママは自分のことは横に置いて赤ちゃんのお世話を先にすることになります。そうなると、ママの体が冷え冷えに。せめて、大きめのバスタオルを羽織ってからお世話をしましょう。こんなときに大活躍するのが「バスローブ」です。 残念ながら昔の私にはそんな知恵がなかったので、プール用のゴム付きのバスタオルを使っていたのですが、肩が出ているので冬生まれと秋生まれのわが子のお風呂のときは、気付いたら体が冷え冷えになっていました。赤ちゃんのお世話が終わったらすぐに着替えができるように、ママの下着やパジャマはリビングに準備しておきましょう。 赤ちゃんと一緒のお風呂の入り方では、スムーズなお風呂の入り方の一例を紹介します。 【1】赤ちゃんを待たせます脱衣所もしくは浴室にベビーラックなどを置き、赤ちゃんを待たせます。 【2】ママが体を洗います赤ちゃんを待たせている間に、ママが体を洗います。 【3】赤ちゃんの全身を洗う頭と顔をまず洗います。その後、首や耳の後ろ、脇の下。手や腕、おなか、背中を洗い、最後におしりや性器、足を洗います。 【4】湯船で温まる赤ちゃんと一緒に湯船に入って温まります。赤ちゃんは、のぼせやすいので長風呂しないようにします。【5】赤ちゃんの体を拭く1枚目のバスタオルで、赤ちゃんの体を拭いて包んだら、ママがバスローブを羽織り、2枚目のタオルに赤ちゃんを包みなおして着替えを置いているリビングなどへ移動します。 【6】服を着せるあらかじめ準備している服を着せます。服を着たら、髪の毛の水分をタオルで良くふき取り、耳の周りや溝、鼻などもお手入れします。 【7】水分補給最後に育児用ミルクやおっぱいなどで水分補給をします。 ママひとりで赤ちゃんと一緒にお風呂に入るのは、慣れないうちはバタバタしますが、毎日のことなので徐々に慣れてきます。準備を整えたら、あとはゆったりとリラックスすることが大切。気持ちよさそうに、湯船にぽわーんっと浸かっている赤ちゃんの顔を見ていると、とっても幸せな気分になりますよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月06日この記事では、保育士であり離乳食インストラクターの中田 馨さんが、赤ちゃんのコップ飲みが上達する6つのステップを解説しています。 こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。コップで飲み物を飲ませても、飲み込まずにそのまま口から出てきて服がビチャビチャ。コップをひっくり返して、ジャーっと飲み物をテーブルにこぼし、こぼれたお茶を手で混ぜ混ぜしてしまう……。どれもよくある話です。 私の子どもたちも、保育所の子どもたちも、このようなことを経験して、少しずつ上達していきました。だから、「どうしてうまく飲めないのかな?」と悩まなくて大丈夫です。 ママの心の余裕があるときはいいですが、そうでないときは、そんな赤ちゃんの姿がストレスになることも。ストレスがない練習方法があるとうれしいですよね。ということで、今回は赤ちゃんのコップ飲みのステップアップ方法を紹介します。 どんなコップを用意するといい?取っ手が2つあるコップ赤ちゃんが持ちやすいように、コップの左右に2つ取っ手のあるコップがいいと思います。片方だけだとうまく持つことができず、赤ちゃんがコップを支えられないことがあります。 割れにくいコップコップに限らず食器もそうですが、軽くて割れにくいもののほうが使っていて安心だと思います。私の娘は、食いしん坊のあまり、食器の中に食べ物がなくなると食器を投げることがありました。投げるのはまれにしても、まだうまくコップを持っていられない赤ちゃんです。落として割れにくい素材でできているものを使うと安心ですね。 軽くて小さいコップ赤ちゃんの力で支えていられる軽さ、赤ちゃんのサイズに合っている小ささのコップというのもポイントです。たとえば大人用のマグカップだと、赤ちゃんには大きすぎて重たすぎますよね。 消毒ができる素材のコップ赤ちゃんの食器ですので、消毒できるものだと安心ですね。ベビー用品にはたいてい消毒できる素材かどうか書いてありますので、袋の表示を参考にしてみてくださいね。 いつからコップ飲みの練習をすればいいの?私は保育所の子どもたちが水分をスプーンからすすれるようになってきたら、「あ、そろそろコップの出番かな?」と思っています。コップに興味を持っていたら、始め時ですね。一度空っぽのコップを持たせてみてもいいですね。月齢で言うと、だいたい生後7カ月ごろが目安かなと思います。 コップ飲みの6つのステップアップ方法ママが支えて練習まだコップをバランスよく支えられない赤ちゃん。まずは、ママが支えながら一緒に飲んでみましょう。また、赤ちゃんが飲みやすいコップの角度を習得するのには練習が必要です。ママが、飲みやすい角度を一緒に何度も教えてあげることで、赤ちゃんは適度な角度を習得していきます。 最初は自分で持つことを嫌がる赤ちゃんもいますので、その場合はママが飲ませてあげても大丈夫です。 少しの水分から練習最初からコップに多くの水分を入れていると、こぼす原因になります。ほんの少量の水分をコップに入れて飲むことから始めましょう。 スプーンを使って練習スプーンをすするところから練習するのも1つの方法です。スプーンですくって、赤ちゃんの口の前に持って行き、赤ちゃんが自分から「すする」。大人が何気なくしている「すする」という動作。赤ちゃんはまだできません。すする口の動きを教えるのに、私はよく使っています。 飲むときの周りの環境を整えるエプロン、レジャーシート、タオルを用意するといいですね。エプロンは水を通しにくいものだと服も濡れにくく、さらに良いですね。コップで飲むときは、あごの辺りにタオルやガーゼを当てながら飲ませます。そうすると、こぼれてもタオルがあるので服が濡れにくいですよ。 また、テーブルなどにこぼれてしまっても、そばにタオルがあればすぐに拭き取れます。 お風呂あがりに練習ストロー飲みでもお伝えしましたが、わが子のときは、お風呂あがりに練習していました。服をまだ着せていないとき、暖かいお部屋でバスタオルで体をくるみ、コップで水分を飲ませる。こぼれても、バスタオルが受け止めてくれるので、ストレスゼロです! 徐々にママの支えをなくしていく飲み物をこぼさずに、飲み込めるようになったら。自分で支えて飲めるようになったら。徐々にママの支えをなくしていきましょう。 赤ちゃんにとっては初体験のコップ。どうやって飲むかすらわかりません。焦らず、赤ちゃんのペースに合わせてコップ飲みの練習をしてあげてくださいね。 作画/はたこ 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月04日こんにちは。保育士の中田 馨です。実際に保育所の保護者に受けた質問です。「先生、同じ月齢の友人の子たちよりも体重が少ないんです。大丈夫でしょうか?」 近くに同じ月齢のお友だちがいると、いろいろとお話ができて心強い反面、自分の子と比べてしまい、不安になってしまうこともありますよね。私もそうでした。そんな不安を感じたときにどうすればいいかをお話ししますね。 お友だちよりも自分の子を見て私は保育士をしているので「個々それぞれ発達は違う。育児書通りにはいかない」ということはわかっていながらも、自分の子どものことになると「本当に大丈夫かな?」と思ってしまいました。 これは子育てが続く限り、多かれ少なかれ親は感じることかもしれません。大切なのは「お友だちよりも自分の子を見て」ということ。自分の子が今どのような発達をしているかを見てあげましょう。 体重が気になるときの6つのポイント「体重が少なめかな?」と心配になったときに、チェックするポイントがあります。 体重は増えている?赤ちゃんの体重が増えているかを確認しましょう。その子なりに増えていれば大丈夫です。ただ、1歳過ぎると体重の増えは徐々に緩やかになります。活動量が増えると体重が緩やかになることもあるうえに、身長がグーンと伸びる時期は体重が横ばいのときもあります。また、病気をしたときは一時的に体重が減ることがあります。そのように赤ちゃんの成長を全体的に見ることも必要です。 母乳や育児用ミルクは飲んでいる? 離乳食は食べている?母乳や育児用ミルクは飲んでいますか? 離乳食は食べていますか? 特に離乳食を始めたころは、離乳食が進まなくても、母乳や育児用ミルクを飲めていればしばらく様子を見ていても大丈夫です。 たくさん活動してる?元気に遊んでいますか? 遊んでいる姿を見守ってみましょう。 機嫌はいい?毎日機嫌よく生活していますか? 体重が少なくても機嫌よく過ごせていることが大事です。 顔色、表情はいい?顔色や表情はどうですか? 普段と変わりないですか? 成長曲線を確認母子健康手帳にある成長曲線を確認してみましょう。身長と体重のバランスはどうですか? その子なりに増えていれば大丈夫です。 赤ちゃんの様子を見ながら、心配なときはかかりつけのお医者さんに相談してみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月29日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんは一日の大半を家の中で過ごします。家の中に入れば安心というわけではなく、家の中でも事故が起きます。そのほとんどが、大人が少し目を離したとき。だからと言って、24時間ずっと赤ちゃんから目を離さず生活することはできません。だからこそ、事前の対策が必要です。 月齢別のよくある事故0~6カ月ごろは、窒息事故、転落事故に注意が必要です。赤ちゃんの顔にタオルがかかったら自分で取り除くことができません。 7~11カ月ごろは転落事故、誤飲に注意が必要。自分で動くことができるので、階段などに上ろうとして転落することもあります。また、何でも口に入れる時期なので、赤ちゃんの過ごす部屋の環境を赤ちゃん目線にします。 1歳ごろは、転倒、やけど、溺れるなどの事故が増えてきます。赤ちゃんの成長によっても配慮するべき安全が変化します。 寝室での事故対策まずは、寝室の環境を考えてみます。赤ちゃんが寝ているからと言って、「安心」ではありません。大人の目が離れるのが長くなるのが寝ている時間。赤ちゃんが動かないからと言って、ベビーベッドの柵を下げたままにしていませんか? おむつを替えた後、うっかり柵を上げ忘れていませんか?「すぐ戻るから」と柵を下げたままにしている間にベッドから落ちることも……。必ずベッドの柵は上げてください。また、つかまり立ちが始まると柵の高さが気になります。寝ていたと思ったら起きてつかまり立ちをしていることもあります。つかまり立ちが不安定なときは、ベッドの中でひっくり返ることもあります。 赤ちゃんが寝た後も寝室は締め切らず、赤ちゃんが寝ている様子をすぐに見れるようにしておきましょう。もし赤ちゃんがうつぶせ寝をしていたら仰向けに戻してあげること、また、赤ちゃんが引き寄せて口を塞ぐことを防ぐために、赤ちゃんの寝ている周りにはぬいぐるみやタオルなどを置かないことなどに注意しましょう。 水回りの事故対策・お風呂赤ちゃんは、ほんの少しの水でも溺れてしまいます。洗面器にたまった水でも、そこに顔をつけてしまったら溺れてしまいます。ママが体を洗っているときに、湯船のふちに立たせていたら身を乗り出して湯船に落ちることもあります。お風呂に入っているときは絶対に目を離さないこと。風呂場に一人で入れないようにするための対策も必要です。万が一のために、残し湯をしないようにします。また、床が滑って転倒したり、カランに頭をぶつけたり、カランを触ってやけどをしたりすることも考えられるので、ママが体を洗っているときに赤ちゃんが待機する場所も考えます。 ・トイレ私の友人の子どもが「お風呂に入っているように、トイレにすっぽり入っていた」なんて笑い話をしていましたが、これが頭から入ってしまったら大事故につながりかねません。トイレには、洗剤などもあります。便座のふたを閉める。トイレのドアを閉めることを徹底します。水回りでの事故は、命に関わる事故につながります。お風呂場、トイレには一人で入らせないようにしましょう。 キッチン・リビングでの事故対策赤ちゃんが起きている時間、最も過ごす時間が多いのがリビングではないでしょうか。これまで夫婦2人のときは気にしなくても良かったものも、すぐに物を口に入れる赤ちゃんがいると、片付けなければいけません。 赤ちゃんは直径3.9mm(トイレットペーパーの芯を通るサイズ)のものは飲み込めてしまうので、お金、電池、消しゴム、たばこなどの小さなものは手の届かないところに片付けます。また、兄弟がいる場合は、小さいおもちゃも注意しましょう。 リビングでの注意点は下記です。・床に物を置かない・手が届くテーブルに物を置かない・テーブルのふちに物を置かない・不安定な家具は固定する・ドアはドアストッパーなどを付ける・引き出しは開けないよう対策するまた、フローリングの場合、靴下をはいて過ごしていると転倒してしまうことがあるので裸足で過ごすようにしましょう。また、カーペットの場合は、カーペットごと滑ってしまうこともあるので、カーペットの下に滑り止めを敷きましょう。ソファーからの転倒や、ソファーからジャンプしてテーブルなどにぶつかるなどすることもあります。 「危ない!」から赤ちゃんを守るためには家の中での事故から赤ちゃんを守るために大人ができることをまとめました。 ・事故は起こるもの事故は「必ず起こるもの」と思い、赤ちゃんの安全を守る部屋作りをします。・赤ちゃんの成長の先を見る赤ちゃんは日々成長しています。昨日できていなかったことが今日できるようになります。赤ちゃんの次の発達を見据えた部屋作りも大切です。・安全グッズの点検赤ちゃんの事故を防ぐためのグッズをつけたら、ホッと一安心しますが、時間が経つにつれてネジが緩んでくることもあります。定期的に安全グッズの点検をします。・「ヒヤリ」を見逃がさない保育所では、事故につながらなかったけれど、事故になりそうな「ヒヤリ」としたときに、すぐに対策をし始めます。「ヒヤリ」を感じることは、事故を未然に防ぐ大切な感覚です。 赤ちゃんに事故が起きることはとても悲しいこと。できる限りの対策をして、少しでもリスクを減らし、安心できる環境の中で過ごすことから始めましょう! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月24日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが成長するために必要な母乳や育児用ミルク。たくさん飲んでほしいけど、赤ちゃんが飲んでくれないときがあります。赤ちゃんが飲んでくれない理由はさまざま。今回は、そのチェックポイントとママができる対応を紹介します。 足りているかを確かめるチェックポイント「こんな少ししか飲んでいなくて大丈夫かしら?」ママにとって一番気になることは母乳や育児用ミルクが足りているかどうかだと思います。新米ママの場合特に、足りているのか足りていないのかを判断するのは難しいと思います。気になるときは、以下を参考にしてみましょう。 ・体重の増え方が悪い・授乳の間隔が1~2時間・おっぱいをいつまでもくわえている・おしっこやうんちの回数が少ない・不機嫌 新生児の場合は、生理的体重減少を考慮して、退院したときからどれくらい体重が増えているかをチェックしましょう。心配な場合は、授乳の時間やうんちおしっこの回数などをメモしておき、助産師、医師などに相談します。体重増加はどうか、おっぱいを正しい吸い方をしているかなどからチェックしてもらいましょう。 すぐ寝てしまうときはどうすればいい?低月齢の時期によくある姿です。最初は勢いよくゴクゴク飲んでいるのに、すぐにウトウトと寝始めてしまいます。低月齢のときは、母乳や育児用ミルクを飲むことに体力が必要です。まだまだ体が小さい赤ちゃんですので、疲れて途中で寝てしまうんですね。 ほっぺをツンツンしても起きない。ママとしては、一度にたくさん飲んでから寝てほしいですよね。でも、寝てしまったときに、無理に起こすのはなかなか難しいこと。しばらく寝かせ、起きたらまた飲ませます。月齢が上がるごとに、体力がつき一度に飲めるようになってきます。 遊び飲みをするときはどうすればいい?月齢が上がり、3カ月ごろになると徐々に遊び飲みを始めることがあります。おなかが少し満足し始めると乳首を外して周りをキョロキョロ見たり、ニヤリと笑ったり、「う~」などお話を始めたり。飲むのはやめているのに乳首を加えたままだったり。 このころの赤ちゃんは、大脳が発達してお腹がいっぱいになると自分で飲まなくなるのです。つまり、自分の適量を飲めるようになるということ。遊び飲みや飲みムラが出てくるように思いますが、赤ちゃんの発達ととらえ、何度か乳首をお口に入れて飲まなければ、そこで終了して遊んであげましょう。また、育児用ミルクの場合、温度に厳しい赤ちゃんは少し冷めてしまうと飲まなくなることも。そんな場合は、再度ミルクを温めなおして飲ませてみましょう。 哺乳瓶から飲んでくれないときはどうすればいい?赤ちゃんによっては、哺乳瓶を嫌がって飲まないことがあります。母乳が足りずに育児用ミルクを足す場合は、栄養が足りないのではないか? 4月から保育園を控えている場合は、保育園で大丈夫か? と心配になります。 哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんの場合、私の保育園では以下のようなことを家庭と一緒にチャレンジしています。 ・お気に入りの乳首を探すメーカーにより乳首が違いますので、より母乳に近いものを選んでみます。・育児用ミルクのメーカーを変えてみる育児用ミルクはメーカーにより味が違います。試供品などもらっておいて、各メーカー試してみるのもいいですね。・温かさを確認する腕の内側にミルクを垂らして温度を確認しましょう。40度前後の、やや熱いくらいが適温です。赤ちゃんによって微妙に好みが違うので、あなたの赤ちゃんの好きな温度を探してみましょう。・搾乳した母乳で練習する普段飲みなれた味のママの母乳を搾乳し哺乳瓶で飲んでみることからスタートしてみましょう。 赤ちゃんの食欲には個人差があります。成長曲線に沿って体重が増えていて、おしっこやうんちがよく出ている、機嫌が良いなどの場合は基本的に大丈夫ととらえましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月23日こんにちは。保育士の中田馨です。人は生活をするなかで我慢をする場面に出合います。これは、赤ちゃんのときからずっとです。「我慢できる心」を育てるには、親との関わりが基本になります。今回は、赤ちゃんのときからできる「我慢できる心」を育てる基本についてお話しします。 生活リズムを整えるまず、心を育てるには生活リズムを整えることが基本です。生後3~4カ月ごろになると、昼と夜の区別がつき始めるので、徐々に生活リズムが整い始めます。とはいえ、赤ちゃんが自分から生活リズムを整えることはできません。親が主導しながら生活リズムをつくっていきます。一番簡単なのは、朝、カーテンを開けて陽の光を入れ、決まった時間に起こすこと。そして、毎日同じ時間に寝ることです。起きる・寝る時間が一定になると、生活リズムがおのずと整ってきます。 昼間は十分に遊ばせます。生活リズムを整えることで、感情をコントロールする脳神経が発達し、情緒も安定します。 たっぷり甘えさせて要求を満たすこと赤ちゃんのときにママやパパに十分に甘えた経験のある子は、情緒が安定して我慢ができると言われています。実際に保育所でも、家で十分に甘えることができている子は、落ち着いていることが多いです。遊びへの集中力があり、自分が「甘えたい場面」がよくわかっています。逆に甘えられない子は、どう甘えればいいかわからず友だちにちょっかいを出したり、遊びに集中できなかったりします。保育士にもどう甘えればいいのかわからないといった様子が見られます。 「甘えさせる」って、具体的に何をすればいいの?と思いますよね。簡単なのは、赤ちゃんの「抱っこして!」という欲求に応えることです。抱っこされたいときに抱っこされ、自分の気持ちが満たされる経験が積み重なることが大切です。抱っこされると、ママやパパと肌が触れ合い安心感も与えられます。 遊びのなかでの我慢を覚える1歳過ぎると友だちとの関わりのなかで、おもちゃの「かして」「どうぞ」が始まりますが、そのときも友だちの遊びが終わるまで、待つという「我慢」をします。このとき、我慢ができない子は、かんしゃくを起こしたり、友だちに衝動的な行動をしてしまうことがあります。 ちょっとしたことでかんしゃくを起こさないためにも、赤ちゃんのときから遊びのなかで、我慢することを経験していきます。同年代の子どもと関わることだけが、遊びの我慢ではありません。遊びの途中でも、時間になったら「片付けてごはん食べようね」という、やりたいことをやめるのも我慢の場面です。 大人が見本になること赤ちゃんの見本はパパとママ。パパとママが乱暴な言葉を使ったり、夫婦喧嘩を目の前で見せると影響することがあります。赤ちゃんは大人が思うよりも大人の言動を見ていますよ。「あ、このときはこう言えばいいんだ」ということはすぐに取り入れます。 私自身も驚いたことがあります。「今、娘が言った言葉、私が怒ったときに言う言葉だ!」って。本当にドキッとしますよね。だからこそ、意識的に赤ちゃんの前では、乱暴な言葉を使わないようにしましょう。言葉だけではありません。物に当たったりすることも一緒です。とはいえ、夫婦喧嘩はしてしまうこともあると思います。もし喧嘩になりそうになったら、赤ちゃんのいないところで。赤ちゃんの前では、仲良しのパパとママをたくさん見せましょう。 我慢する心を育てるには、毎日毎日の積み重ねが大切。スキンシップを心がけて「私は愛されている」という気持ちで赤ちゃんの心を満たしてあげましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月16日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。4月から保育園入園の方は、徐々に仕事復帰が目の前に近付いてきましたね。第一子のお子さんの場合、これまでの自分の準備に子どもの準備が加わります。第2子以上の場合も、子どもが一人増えるだけで準備にかかる時間が変わってきます。 4月になってからバタバタしないためにも、年始から保育園の準備を少しずつ始めてみましょう。 家事のシミュレーションまずは、仕事復帰したときに合わせて家事のシミュレーションをしてみましょう。朝起きてから家を出るまでにする家事はなんでしょう? これまでなら、朝食の準備や食器の片付け、洗濯などがあったと思います。でも、保育園に子どもを連れて行くとなると、出発直前にうんちをもらして、シャワーをしたなんてこともよくあることです。家事をいつするかが、朝の準備のカギになります。例えば、朝早くに起きることができるなら、朝のうちに朝食だけでなく夕食を作るのも1つの方法。私の場合は、洗濯は夜にするようにしていますし、朝食は夜のうちに汁物と常備菜を多めに作っておき、朝はご飯を炊いて魚を焼くだけで準備ができるようにしています。では、帰宅してからはどうでしょう?夕食作り、洗濯物をたたむ、食器洗い、明日の準備などやることがたくさん。ですので、毎日していた洗濯を2日に1回にしてもOKです。掃除は週末の休みにまとめてするなど、自分がラクにできる方法を考えて、実際にチャレンジしてみましょう。 送り迎えのシミュレーション保育園の送り迎えは、当然ながら毎日あります。希望している保育園へは、歩いていくのか? 自転車なのか? 車の場合、駐車場はあるのか? 雨の日はどうするか? などのシミュレーションが必要です。 ●歩いていく場合歩いていく場合は、抱っこやおんぶなのか? ベビーカーなのか? ベビーカーの場合は保育園にお迎えまで置いてもらえるのかなどを相談してみましょう。 ●自転車の場合職場まで自転車通勤の場合は、自転車が便利。駅まで自転車で行く場合は、駅の駐輪場の月ぎめの申し込みも考えましょう。●車の場合車での送迎は、近隣の方への配慮もありますので、保育園に駐車場があることが原則。 また、月曜日と金曜日は多くの保育園で布団の持ち帰りなど荷物が多くなります。徒歩や自転車で送り迎えをする場合は、荷物が多いときのこともシミュレーションしてみましょう。 職場の人とのコミュニケーション子育てしながらの職場復帰は、職場への理解が不可欠。保育園の開いている時間内に、送り迎えをして、仕事もしなければいけません。ママの中には、仕事が途中なのに帰らなければいけない、同僚の理解が得られないなどの思いをしている方もいます。少しでもそんな思いをしないためにも、職場復帰の前に上司と家庭の状況を説明し、話し合う場を持つことは大切です。 子どものことで早退や欠勤が増えることが予想されますので、復帰後は働けるときはしっかり働き、同僚のフォローをすることは大切です。また、もしものときのために、自治体のファミリーサポートなどへの登録もしておきましょう。 パパとの役割分担私の保育所の保護者の方を見ていると、やはり送り迎えはほとんどママというのが現状です。中には、送り迎えのどちらかがパパというご家庭もあります。もしものときに一番頼れるのは、やはりパパの存在。保育園の送迎は、ママだけの問題ではありません。職場復帰に向けて、ママの気持ちをパパに伝えることが大切です。パパにできることは遠慮せずに頼ってみましょう。お互いが助け合い、感謝しながら子育てすることで、仕事との両立もスムーズにできるはずです。 育児も家事も仕事も、無理は厳禁。長く続けていくためには良い意味での「手を抜く」ことは絶対に大切です。実は、私は何でも「満点」を目指しがち。15年仕事をしながら子育てをしていて感じたことは、満点ではなく50点満点を目指すくらいが丁度良いということ。このことを頭の隅に置きながら、4月からの保育園生活の準備を始めてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月15日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが生まれたら「優しい心を持った子に育ってほしい」「勇気のある子に育ってほしい」など、きっとママやパパの思いがあるはず。今回は、赤ちゃんのときからできる、赤ちゃんの心を育てる基本の話をします。 赤ちゃんの要求は応える赤ちゃんは生まれたときから、生理的欲求として大人に要求をします。「おなかが空いた」「おしっこが出た」「眠たい」などです。赤ちゃんは泣くことで欲求を表現します。このとき、赤ちゃんが「してほしい!」という要求を満たしてあげることによって、体だけではなく心も満足し、それを満たしてくれたママやパパへの安心感、信頼感を感じます。このような経験が、信頼できる大人への「愛着」を築きます。赤ちゃんが自分から発するこの要求に、ゆったりとした気持ちで丁寧に応えてほしいと思います。「おなかが空いたんだね」「眠たいんだね」と言って要求を受け止め、抱っこしたり、おっぱいやミルクを与えたりしましょう。 甘えさせることは頑張る心の基礎づくり私の親の世代などは、赤ちゃんが泣いていると「抱き癖がつくから泣かせておきなさい」という時代でした。でも今は、「泣いていたら抱きなさい」と言われる時代です。赤ちゃんは、親に甘えて愛情を感じると「自分は大事にされている」という気持ちが育っていきます。この気持ちが育つと、自立心が育ちます。甘えさせることは、将来社会に出るときに「よし! やるぞ!」という頑張る心の基礎になります。保育現場で、親に甘えることが足りていないAちゃんがいました。Aちゃんは、家で心が満たされないまま保育所に来るので、友だちのおもちゃを手あたり次第に奪い取ったり、たたいたり、突き倒したりしました。また、保育士を独り占めしたい欲求がとても強く出ました。ぜひ、子どものそういったサインを見逃さず、子どもが満足するまで甘えさせてあげましょう。 やさしいスキンシップをする赤ちゃんはママの笑顔と優しい声が大好き。どんどんスキンシップをしてほしいなと思います。赤ちゃんとふれあうときは、「笑顔」「抑揚のある大きい話し方」「赤ちゃんと目と目を合わせる」という3つが基本です。月齢ごとにどんなスキンシップがあるか一例を紹介します。 0~4カ月ごろ新生児のときは、ほっぺなど体を優しくツンツン、サスサスからスタート。赤ちゃんはママに触られるのが大好きです。触ってもらって心地良い場所は赤ちゃんによって違うので、我が子の「心地良い場所」を探してみましょう。赤ちゃんの「あ~」「う~」などの喃語に合わせて、ママも「あ~」「う~」とお話しします。 4~8カ月ごろ感情表現が豊かになってくる時期です。名前を呼ぶと振り向いて笑ったり、わざと泣いてみたり、パパやママ以外の人に泣く人見知りが始まったりと、感情表現がとても忙しくなります。コチョコチョや「いないいないばあっ!」などの遊びも喜びます。 8~12カ月ごろ気に入らないことがあると激しく泣いたり、嬉しいときは大喜びしたりと感情表現がさらに豊かになります。ママやパパのマネをするようになってくるので、「どうぞ」「ありがとう」など、物の受け渡しのやり取りで遊んだり、ママが寝転んで足の上に乗せて飛行機遊びをしたりしてみましょう。 12~18カ月ごろ言葉の理解がどんどん進む時期です。「ワンワン」「にゃんにゃん」などの言葉を指差ししながら言ったりします。このとき、赤ちゃんの指差したものを「赤いりんご」「青い車」など言葉を添えることで、赤ちゃんは答えてもらった満足感と語彙力が身につきます。また、手先がかなり器用になってきます。積み木を重ねたりして自分でできた喜びを一緒に共感しましょう。 ママだけの時間をつくること赤ちゃんの心を育てるためには、ママが疲れていてはダメ。赤ちゃんのことが大切だから、うっかり自分自身のことは後回しでいいや、なんてママも多いのではないかと思います。ママも自分自身のケアを忘れないでください。 赤ちゃんが寝ているときはママも一緒に寝たり、おやつタイムにしたり、自分のための時間をつくることが大切です。ときにはパパに赤ちゃんを預けて、お出かけするのもいいですね。子育てって、毎日毎日続いて休日がありません。そして、これからまだまだ長く続きます。家事の手を抜くことは悪いことではありません。スタートダッシュせず「ま、これくらいでいいか」がちょうどいいですよ。 いろいろ書きましたが、ママが「大好き」という気持ちと言葉を赤ちゃんに伝えていればOK。難しく考えなくて大丈夫ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月09日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。年も明け、4月入所の保育園の申し込みも完了したことと思います。私の住む市町村は、出産前からの申し込みもできるようになり、私が保育士になったころとはずいぶん変わりました。 多くの保育園では、生後3カ月〜6カ月ごろの赤ちゃんから受け入れていると思います。4月に入園できることを願いながら、今からしておくとラクに保育園生活に入れる準備を紹介します。 保育園に必要なグッズの準備保育園へ持っていくグッズの準備を始めます。必要なものは保育園によって違いますので、今の段階で全てをそろえるわけではありませんが、これから購入するものは、「保育園で使うかもしれない」と思って買いそろえましょう。 例えば、服。月齢にもよりますが、ロンパースがNGの保育園もあります。希望している保育園がOKかどうかを確認し、新たに買う場合はそのことを念頭に入れておきましょう。また、エプロン・靴下・靴・帽子などを購入する場合は、保育園で使えそうなものを選びます。持ち物への名前つけは、3月になってからだとかなりバタバタするので、今のうちにしておくとラクです。 生活リズムの準備保育園生活に向けて、生活リズムを親子で整える準備をします。まず、整えやすいのが起きる時間。職場につく時間→保育園を出発する時間→保育園で準備する時間→保育園につく時間→家を出る時間→離乳食を食べる(授乳する)時間→着替える時間……と順を追って逆算し、起きる時間を計算します。 この時に大切なのが、赤ちゃんと一緒に準備するということです。大人一人なら計画通りスムーズに事が進むでしょう。でも、赤ちゃんと一緒の場合、これがなかなか計画通りには進みません。「出発前に予定外のおむつ替えが!」なんてことは、日常的にあること。ママ一人で行動する時間プラス、最低でも10分~15分は時間に余裕をもって計画を立てます。 また、保育所から「1日の生活リズム」を聞いて、そのまねをするのもいいですね。4月からの生活に早めに慣れることが、親にとっても赤ちゃんにとっても役立ちます。 育児用ミルクや離乳食の準備これまで保育所で見てきた赤ちゃんを思い出してみると、まだ離乳食が始まっておらず、母乳で育った赤ちゃんの多くは、育児用ミルクを嫌がる傾向があります。お家で嫌がった場合は、「仕方ない」で済みますが、保育園で嫌がった場合は、慣らし保育が長引いてしまうかもしれないので、そうはいきません。保育士としても、育児用ミルクを飲んでくれたら一安心と思うものです。 育児用ミルクを嫌がる理由は「味が嫌」「哺乳瓶の乳首が嫌」など、その子によってそれぞれ。頑張りすぎずに、時々は育児用ミルクの味と哺乳瓶に慣れていきましょう。また、生後5~6カ月ごろになったら、給食に向けて離乳食もスタートしていきましょう。食べられる食材を月齢に合わせて増やしていくと保育園で離乳食を食べるときにもスムーズです。 親子の心の準備保育園に入園すると決めたら、「よし!仕事も育児も頑張るぞ!」と気合が入っているママも多いと思います。しかし、おなかに赤ちゃんがいると分かってから、これまでずっと一緒にいた赤ちゃんです。いざ、明日から保育園と思うととても悲しい気持ちになると思います。保育園入園は、親子共に心の準備が必要です。保育園入園前に、一緒に過ごせる今の時間を大切にして、親子で心の準備をしましょう。 保育園に入園すると、生活リズムが変わるとともに、ママも赤ちゃんも大きな社会に飛び込むことになります。私自身、子どもを通じて出会う人たちに最初はドキドキしましたが、この時期に出会った友だちとは共通項が多く、10年以上たった今も仲良くしています。4月から始まる新生活に向けて、できることから少しずつ準備していきましょう! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月08日こんにちは。保育士の中田 馨です。赤ちゃんが生まれると赤ちゃんと一緒の生活が始まります。これまでとは違う、忙しい毎日が訪れることになります。赤ちゃんは日々、あっという間に大きくなっていきます。今日は、赤ちゃんのときの思い出の残し方についてお話しします。 1. 赤ちゃんの手形・足型を残す生まれたばかりの赤ちゃんの小さい手と足。この手形・足型を残すのもいいですね。残し方はインク、スタンプ、粘土などなどいろいろあります。この時期だからこその小さい手形・足型は記念になります。 私の場合、わが子の手形・足型を、新生児のときだけでなく1カ月に1回とり、1年間をまとめてアルバムに順に貼り付けました。また、保育所の子どもたちには、専用の額縁の中に紙粘土を入れ込んで手形を取ってプレゼントしたこともあります。子どもが大きくなったときに、今の自分の手足と比べて「こんなに小さかったんだね」と一緒に見返すことも楽しいです。 2. 写真を撮る忙しい毎日のなかで、写真を撮ることを忘れてしまう日もあるかもしれません。赤ちゃんが生まれてから1年間の成長はビックリするくらい早いです。体の大きさ、表情も日に日に変わります。だからこそ、その姿を写真におさめてみてください。 私は、毎日1枚写真を撮って1年間まとめた1冊のアルバムを作っています。1日1日はそんなに大きく変化していなくても、1カ月後と比べるとグンと大きくなっている。今見返してもとても楽しいアルバムで、こちらも子どもたちはよく見ています。 3. 動画を撮る写真だけではなく、動画も撮りましょう。写真もかわいいですが、動いている姿が見られて声が聞ける動画はやっぱり素敵です。以前TVで「毎日1日2分と思って動画を撮っています」というママさんがいました。そうか、そんな記録の仕方もあるんだなと感心したものです。 動画を撮るときにぜひ覚えていてほしいことがあります。赤ちゃんがそろそろ歩き始めるといった時期に保育所のママたちに必ずお話しすることです。どうしても親は「歩く」ことに目が行きがちになりますが、ここで注目してほしいのは「ハイハイ」。歩き始めたら赤ちゃんは歩くことが楽しくて、ハイハイをしなくなります。だからこそハイハイする姿を動画にたくさん撮ってあげてくださいね。 写真も動画もですが、将来お子さんが大きくなったときに手軽に見られるようにしてあげることが大切だと思います。パソコンの中に保存しておくだけではなく、写真はアルバムに、動画はDVDなどにするといいですね。 4. 日記をつける日々の成長を文字に残すこともいいですね。私の父は三姉妹の日記をこまめにつけてくれていました。三女の私は姉たちに比べるととても少ないのですが、それでも父がそのときに感じた娘のかわいさなどを記してくれているので、何度読んでも感動します。私も父のまねをして日記をつけましたが、子どもたちが将来どう感じるかが楽しみです。 あとから見返して当時のことを思い出せる物を残していると、大きくなった子どもたちとそれを共有することができます。すべてでなくてもいいので、自分にあった方法でぜひ赤ちゃんの成長を残してみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月06日こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。離乳食に慣れ始めた1歳ごろになると、大人の料理に興味を持つ赤ちゃんもいると思います。「少しくらいならいいかな?」と、ひと口食べさせたらたら、そのあとに「薄味の離乳食を食べなくなった」なんて話はよく聞きます。 本当は薄味の離乳食を食べてもらいたいのに! 赤ちゃんが食べてくれなかったら困ってしまいますね。そんなときは、赤ちゃんにどう対応すればいいのでしょうか? 3つのポイントをお話ししますね。 1. だしを使った離乳食にする濃い味に慣れてしまったとしても、薄味に戻してみましょう。「食べないんじゃないかな?」と不安に思うかもしれませんが、大丈夫です。ただ調味料を減らすのではなく、だしと素材の味を生かした料理にしてみましょう! 2. 薄味を徹底する赤ちゃんが濃い味の食べ物を欲しがっても、なるべく与えないようにしましょう。与えるときは、お湯で薄めるなど工夫します。赤ちゃんに食べさせたくない食べ物は、赤ちゃんに見えないところで、もしくは寝ているときに食べるなど、家族全員が協力できるといいですね。 3. 大人も薄味にするお菓子なら隠れて食べることができるかもしれませんが、食事は難しいですよね。この機会に、大人も赤ちゃんに合わせて薄味にするのも1つの方法です。わが家は、この方法をとっていました。おいしいだしをとって、素材の味を生かしたメニューを作って大人も一緒に食べています。子どもが小学生になった今でも、子どもも大人も薄味でも十分おいしいので、薄味のままですよ。 離乳食期は、まだ内臓が未熟です。生後5カ月から離乳食を始めて今1歳だったら、離乳食を始めてまだ7カ月しか経っていません。まだまだ、素材の味を生かした薄味の離乳食を食べさせることを心がけてあげてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月04日こんにちは、離乳食インストラクターの中田馨です。年末も差し迫ってきましたね。そしてもうすぐやってくるのがお正月。お正月と言えばおせち料理ですが、離乳食期だからこそ赤ちゃんのためにおせち離乳食を作りたいと思っているママもいるかと思います。 今回は、赤ちゃんがおせち料理で食べてはいけないものや気を付けたほうがいいこと、赤ちゃんも食べることができる「おせち離乳食」を紹介します。 赤ちゃんが食べてはいけないお正月食材まずは、おせち料理で赤ちゃんが食べてはいけない食べ物、控えたほうがいい食べ物を紹介します。 ・おもちおもちはお正月の定番食材ですが、伸びて噛みちぎりにくく、のどに詰まらせる可能性もあるので離乳食期の赤ちゃんにはNG。離乳食が終わっていても、3歳ごろまでは控えたほうがいいでしょう。3歳以降でも食べる際は必ず大人がそばで見守り、小さく切って一口ずつ食べさせます。 ・えび離乳食期は食べさせません。 ・かずのこ、かまぼこなどかずのこやかまぼこなどの魚介加工品は、塩分が多い食べ物なので控えます。与える場合は1歳以降にします。かずのこは小さく切ったものを少量与える程度に、かまぼこは2〜3分湯通しして塩抜きしたものを小さく切って与えましょう。 ・普段食べない食材例えば、クワイのように普段の離乳食に使わない食材は、お正月だからといってあえて食べなくてもよいかなと思います。 大人のおせち料理は、煮物や焼き物など赤ちゃんでも食べられる調理方法で作られているものも多いのですが、味の濃さに気を付けます。基本的に赤ちゃんには、赤ちゃん用に作ったおせちがいいでしょう。 お正月は環境にも気を付ける食べ物以外にも、お正月は気を付けることがあります。家族や親せきが集まるお正月。大人の人数が多いと、誰かが見てくれているだろうと油断して、赤ちゃんから目を離してしまう瞬間があります。そして食卓には、お酒やたばこなどが置かれている場合もあります。また、お年玉をもらうので、お金がいつもより簡単に手に取れる場所にあることもあります。 赤ちゃんが口にしては困るものは、普段と同じように赤ちゃんの手が届かない場所に置き、必ず誰か大人がそばで赤ちゃんを見守ることが大切です。 【レシピ1】白身魚のだて巻き 9~11カ月ごろ(離乳食後期)のおせち離乳食です。だて巻きは、家でも簡単に作ることができます。大人は赤ちゃん用を取り分けたあとにみりんを入れれば完成です。■材料(赤ちゃん用+大人用/赤ちゃんは1食20g程度)卵……3つ白身魚……100g砂糖……大さじ1/2薄口しょうゆ……大さじ1/2*みりん……大さじ1/2油……少々*は大人のみ ■作り方1. ボウルに卵を割り入れてよく混ぜる。2. 1と白身魚と砂糖、しょうゆの分量1/4をミキサーに入れて拡販する。3. 卵焼き用フライパンに油を薄くしき、2を赤ちゃんの分だけ長方形に流し入れ両面焼いて中までしっかり火を通す。4. 3をクルクルと巻いてラップ(あれば巻きす)で包んで形を固める。5. 大人用は、赤ちゃん用を取り分けたあとにみりんを入れ、赤ちゃん用と同じ要領で焼く。 【レシピ2】 さつまいもの黒豆風 こちらも9~11カ月ごろ(離乳食後期)から食べられる、おせち離乳食です。市販の黒豆は甘いので、黒豆風のさつまいもの離乳食を作ります。 ■材料(1食分)さつまいも……30~40g黒ゴマ(すりごま)……適量きな粉……適量■作り方1. さつまいもは蒸して細かくつぶす。2. 1をラップに包んで丸め、黒ゴマ、きな粉に分けてまぶす。 赤ちゃんと過ごす初めてのお正月になる方もいると思います。赤ちゃんもおせち離乳食を食べて、楽しくおいしいお正月にしてくださいね! ※赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。月齢や進め方は目安です。赤ちゃんの様子を見ながら離乳食をすすめてください。また、食物アレルギーのない赤ちゃんを対象にしているレシピのため、アレルギーのリスクが疑われる場合や診断されている場合は、医師の指導にしたがってください。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月30日こんにちは、保育士の中田馨です。1~2歳になると、日々の生活の中で子どものしていることに思わずイライラしてしまう場面があります。特にママがしてほしくないことをしたとき。どうしてこんなことをするのかと思ってしまうほど、毎日いろいろなことが起きます。でも、視点を変えてみるとしてほしくないことも、子どもにとっては興味があることということが多々あります。 今回は、ママの声かけひとつで、子どものやる気を育てることができる方法を実際の事例と共にお話しします。 ケース1:1歳4カ月 離乳食をグチャグチャ食べる子1歳4カ月のAちゃん。食事の時間になると離乳食を両手でグチャグチャし始めます。グチャグチャしながら口にも入れているのですが、特にひどくなるのは食事の後半。口にも入れなくなり、家では「もう、おしまい!」と言って、半ば強制的に食事を終了させているそうです。1歳4カ月なので、そろそろスプーンを使ってきれいに食べてほしいというのがママの思いです。 このような場合、グチャグチャしている子どもの表情を見てみましょう。とても真剣に食べ物を触っていませんか。これだけ集中できるというのは、ある意味すごいこと。これは、Aちゃんが食べ物の感触を味わっているのです。とはいえ、それをずっと見守ってくださいというわけではありません。「トマトが赤くておいしそう。食べてみよう」など促し、「少し酸っぱい? おいしい?」などと、子どもの気持ちに共感しながら声かけをします。食事のときはどんどん食べてほしい気持ちから、声かけも次々と言ってしまいがちなのですが、いつもよりもワンテンポ遅くするのがやる気を引き出すコツ。大人も次々食べなさいと言われるとそれだけで食べる気が失われますよね。子どもも一緒です。グチャグチャが完全に遊びになったら、「もうおなかいっぱいみたいね」と言って、切り上げてOKです。 ケース2: 2歳8カ月 トイレトレーニングがうまくいかない子2歳8カ月のBちゃん。トイレトレーニングがなかなかうまくいきません。周りのお友だちを見ると布パンツをはいている子もいてママは焦っています。特にうんちがうまくいきません。ちょうどクリスマス前だったので、ママの口癖は「トイレができなかったらサンタさん来ないよ」でした。「トイレができなかったらサンタさん来ないよ」、これは子どもにとってはプレッシャーになります。おしっこやうんちは毎日生活の中で何度もする行為ですから、毎回そのペナルティーを言われると、プレッシャーで余計にトイレでできなくなってしまいます。 トイレでできずパンツに出てしまった場合でも、「おしっこ出たのね。パンツ変えようね」と事実だけを言い、「次は、出る前に教えてくれたら、ママ助かるわ」と伝えるだけでOK。周りの子と比べず、自分の子の成長のスピードに合わせ、ママが助かってうれしいことを簡単に伝えることが、子どものやる気を引き出すコツです。 ケース3: 3歳2カ月 お友だちのおもちゃばかりを取り上げてしまう子3歳2カ月のCちゃん。お友だちのおもちゃを取ってばかりいます。ママも「やめなさい!!」と大きな声でしかったりすることもあるのですが、なかなかやめずに困っていました。このような場面では、むやみにしかるのではなく、「かして」という言葉で気持ちを伝えることを何度も教えましょう。そして、おもちゃを取られたお友だちが悲しい気持ちになっていることも同時に伝えます。「かして」と言って、少し待てば貸してもらえる経験を積み上げていきます。Cちゃんの様子を見ていると、特に遊びの世界に没頭している子のおもちゃを取りに行くことが多いのが分かりました。そこから、Cちゃんの欲しいものはおもちゃではなく、「とても楽しそうに遊んでいる子の楽しそうな姿」ということが分かりました。それが分かったら、Cちゃんが楽しめる遊びを準備すればいいのです。 普段何に興味を持っているか、Cちゃんの行動を見直してみると、おもちゃをこまのようにくるくる回すことが好きだと気付きました。こまを用意すると、その日からお友だちのおもちゃを取りに行くことはなくなり、こまで集中して遊び始めました。子どもが本当に興味を持てる遊びの環境を大人が整えることも、やる気を育てる方法です。 イライラしたときは深呼吸してから日々、想像もつかないことが起きる子育て。イライラせずに子育てはできません。でも、できる限り感情に任せた言葉が出ないようにする努力をすることは大切です。イライラしたときは、大きく深呼吸。水などの水分を飲むのもいいですね。 緊急時は別ですが、一旦心をリラックスさせて子どもへ対応してみましょう。ママの心が落ち着くと、おのずと声かけの言葉も変わります。声かけの言葉が変わると、子どもの行動も変わります。まずやってみて、失敗してもまた次やってみる。この繰り返しをしているうちに「あ、うちの子、こう声かけしたら動いてくれるんだ」というママだけの魔法の言葉が見つかることもあります。 多くの場合、ママがイライラしたときは、その子が成長するための何かヒントが隠れていることがあります。ママの声かけや行動で、その子のやる気スイッチが発動し、心と体が育まれていきますよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月29日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【管理栄養士に相談】。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、離乳食作りに必要な道具についてのご質問です。 Q.離乳食作りに必要な道具は?現在、生後5カ月の男の子を育てており、もうすぐ離乳食を開始したいと考えております。すべて普段の調理のために購入したものですが、現在、離乳食作りに使えそうな道具として次のようなものを持っています。・茶こし・おろし器・みじん切り器 離乳食作りのために、①離乳食調理セットを購入するか、②すり鉢・すりこぎのみ購入するか、③いっそのことハンドブレンダーを購入するか迷っています。 久野多恵管理栄養士からの回答離乳食作りに必要な道具についてのご相談ですね。茶こし、おろし器、みじん切り器などをお持ちとのこと、離乳食作りに重宝するものばかりで良いと思います。 離乳食初期は、すべての食材を粒のない乳汁に近いペースト状にすることが基本となりますので、その場合は、裏ごし器やブレンダーが活躍します。しっかりとした固い茶こしであれば裏ごし器として代用可能ですが、裏ごしする際には、スプーンで力を入れることもあるので、離乳食セットにある裏ごし器があると便利です。ブレンダーは、大量に作って冷凍ストックする際には便利ですし、ご自宅にあればおおいに使用しても良いと思いますが、みじん切り器をお持ちとのことなので、離乳食初期のペースト状の時期にしか活躍しないかもしれません。はじめは食べる量も少量なので、離乳食セットの裏ごし器でも充分ですが、ストックを作りたい場合や、離乳食作り以外でも調理の際にブレンダーが活躍しそうであれば購入を検討しても良いかもしれませんね。 ちなみに、私は当初離乳食セットを購入しましたが、今でもゴマをする際に鉢とすりこぎを使用したり、にんにくやしょうがをすりおろす際に使用したり、無駄なく活用できていますよ。ブレンダーも持っていましたが離乳食期にあまり活用はせずに、今では調理の際に役立っています。※参考:ベビーカレンダー「管理栄養士に相談」コーナーより 離乳食を始めるときにあったら便利な調理器具は?すでにお家にある人もいるかもしれませんが、もう一度確認してみましょう。また、離乳食専用にしておくと衛生的にもいいものもあります。 裏ごし器5~6カ月ごろ(離乳食初期)の赤ちゃんの離乳食作りに必要です。食べ物をなめらかなペースト状にするので、目の細かなものがいいですね。ベビー用品売り場で、離乳食用の裏ごし器も販売されています。 すり鉢7~8カ月ごろ(離乳食中期)ごろから、食べ物をなめらかにすりつぶすために使います。 おろし金離乳食にはすりおろすと調理しやすい、赤ちゃんが食べやすくなる食材があります。おろし金があると重宝します。 まな板/包丁赤ちゃんは内臓が未発達ですので、大人用とは分けて、離乳食づくり専用のまな板と包丁があるとさらに衛生的ですね。 キッチンばさみ大人の料理から取り分けする際、食べ物を小さく切るのに便利です。赤ちゃん用があると衛生的ですね。 フタのある厚みのある鍋おかゆづくりに重宝します。 小鍋離乳食は一度にたくさんの量を作りません。ですので、小鍋があると調理しやすいですよ。 はかり/計量カップ/大さじ/小さじ離乳食や調味料を量るときに使います。 ボウル/ザル野菜を洗う、水を切るときなどに使います。 最近ではいくつかがセットになった離乳食調理セットもあります。セットに含まれるもの、含まれないものを確認して、足りないものは買い足すといいですね。 ※参考: ニュース(食・レシピ):「離乳食作りに便利な調理器具」を離乳食インストラクターが教えます!【著者:離乳食インストラクター協会代表理事 中田馨】
2019年12月23日こんにちは、保育士の中田馨です。ママたちから「家ではトイレの失敗ばかりなんですが、保育所ではできているんですよね?」と質問を受けることがあります。ママとしては「できるはずのことが、どうして家でできないの?」と不思議に思うのだと思います。 今日は保育所ではトイレに行けるのに、家ではおもらしをしてしまうことの考えられる理由と対処方法を話します。 家でおもらしをしても怒らない保育所でトイレに行けているのだから「家でもできるはず」とママが思うのは、当然のこと。ですので、「おしっこはトイレでして!」「またおもらしをしたの?」と言ってしまうかもしれませんが、その言葉はグッとこらえましょう。なぜなら、怒ったり注意したりすることが、子どものプレッシャーになってしまうことがあるからです。 おもらしをして「あ、出ちゃった」と一番感じているのは子ども自身です。おもらしをしたときは、「おしっこ出たのね。着替えよう」「着替えてスッキリしたね」とそれだけでOK。毎回のことになると思わず一言、言ってしまいそうになりますが、そのときにする行動を伝えるだけで十分です。 おもらしするときはどんなときかを検証してみる子どもがおもらしするのは、どんなときかを考えてみると、おもらしの理由が分かるかもしれません。例えば、遊びやテレビに集中しているとき、起きたとき、お出かけする前、ごはんのあとなど、決まったタイミングでおもらしをする場合は、トイレに行くタイミングが遅かったということになります。いつもおもらしする少し前の時間が、その子にとっての「トイレのタイミング」かもしれません。 また、ママが弟や妹のお世話をしているときにおもらしする子は、「私のことを見てほしい!」という愛情の欲求の場合もあります。子どもがおもらしをするそのときの場面だけを切り取らず、おもらしをする前後の状況も見てみると、おもらしをする理由と子どもの気持ちが分かります。 保育士に保育園での子どもの様子を聞いてみるせっかく保育園に行っているのですから、「保育園でできているのに、家でできないことを悩んでいる」と保育士に打ち明けてみましょう。トイレに行くときは嫌がらず行けているのか? どんな流れでトイレに行くのか? 子どものトイレのタイミングは? などを聞いてみてください。 保育士はママと一緒に子育てをしている強い味方です。話しているうちに、課題点や新たな気づき、解決方法などが見つかるはずです。もし、朝夕の送迎の時間に余裕があるなら、保育士に頼んで、トイレに行く様子を見せてもらいましょう。先生とママに見守られながらトイレに座ることで、「お家でもママとトイレに行こう!」という気持ちが芽生えることもあります。 保育園での生活リズムや声かけをまねする手始めにできることは、どのようなタイミングでトイレに行っているかなど、保育士のまねをすることです。「トイレに行きたいと言わない」というママもいますが、遊びに集中しているときに自分から「トイレに行きたい」という2歳児はほとんどいません。保育士は、その子の1日のおしっこの間隔を知り、生活の流れの中でトイレに誘う時間やタイミングを計算しながら声かけをしているはずです。 また、トイレに誘うときの声かけの方法、おしっこができたとき、おもらしをしたときの声かけの方法など、子どもがやる気になる保育士の声かけのテクニックを教えてもらい、まねすることからスタートです! おもらしをしてしまうと「これがいつまで続くんだろう……」という不安と焦りの気持ちになることもあると思います。でも、いずれはトイレでできるようになりますので、慌てず子どものペースに合わせつつ進めてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月22日こんにちは、保育士の中田馨です。今までできていたことが突然できなくなり、赤ちゃんのように泣いたり、甘えたりする「赤ちゃん返り」。特に妹や弟が生まれたときに起きることが多いのではないでしょうか。今日は、そんな赤ちゃん返りした2歳児への対応方法を実例を交えながらお話しします。 突然できていたことをしなくなる理由これまでできていたことができなくなる。例えば、着替え、食事、トイレなどを「できない」「ママがやって」と言ってボイコットする子どもの姿を見ると、「どうしてしてくれないの?」と思ってしまうでしょう。赤ちゃん返りしているときの子どもの心境としては、弟や妹が生まれたことをきっかけに、「ママ、もっと私のことを見て!」と思っているのです。これまで100%自分に注がれていた愛情が、弟や妹に取られてしまった感覚があるのでしょう。赤ちゃん返りは、一緒にいる時間や愛情を今まで以上に向けてほしいという表現で、子どものあるべき姿なのです。できていたことをしなくなる以外に、抱っこをしてほしがる、物をねだる、集団に入ったときに動かなくなる、おもらしをする、ママを叩く、蹴るなどの行動をすることもあります。赤ちゃん返りの表現は、子どもによってかなり違います。 経緯をたどって子どもの気持ちを予測してみる赤ちゃん返りする子どもの姿を見るときに大切なのは、「今の子どもの姿だけを見てはいけない」ということ。 例えば、普段パンツをはいてトイレでおしっこができていたのに、「おむつを履きたい」と言ってパンツをはきたがらない場合、「お兄ちゃんなんだからパンツをはきなさい!」「トイレでおしっこしないと恥ずかしいよ!」と声かけしてしまうこともあります。ここで大切なのは、「なぜ、おむつを履きたいと思ったのか」ということです。弟、妹がおむつ替えしてもらう姿がうらやましく感じたのかもしれません。おむつを履けば、ママが自分をお世話してくれると思ったのかもしれません。時間に余裕があるときには、「どうしておむつを履きたくなったの?」と、ぜひ子どもに聞いてみてください。 ママは子どものその姿を受け入れることが大切子どもの気持ちをある程度予測できたら、その気持ちに共感します。ママは子どもの姿をそのまま受け入れることが大切です。おむつが履きたければ履けばいいのです。「じゃあ、今日はおむつ履いてみようか!」と言って、受け入れて普段通りにトイレに誘うのです。そして、トイレでの親子のやり取りを、今まで以上に丁寧にしてあげましょう。「スッキリしたね」など、おしっこが出た気持ちよさを共感します。しばらくおむつ生活をしても問題はありません。この機会に、新しいパンツを一緒に選びに行ってもいいですね。子どもがパンツをはきたいと思う気持ちになるまで気長に待ってみましょう。「子どもにはどんどん成長してほしい」と思うのが親心。ですが、先に先に進んでばかりいると子どもも疲れてしまいます。時には赤ちゃんみたいな行動をしたくなることがあるのです。今は一時的に休憩している時期だと思い、否定したり怒ったりせず、子どもの気持ちに寄り添いましょう。 事例:引越しを機に赤ちゃん返りをした2歳児の対応方法では、保育所で実際にあった事例をお話します。2歳のAちゃん。引っ越し前から、物を投げる、友だちをたたく、友だちのおもちゃを奪い取るという乱暴な姿が見られるようになりました。しばらくすると、指も吸い始めました。引っ越したことでの不安が出てきたようです。ママにお話を聞いてみると、お家でも同じような姿が見られるとのこと。 そこで、保育所でしたことは2つです。・「あなたが大好き」と抱きしめる回数を増やすこと・Aちゃんが大好きな遊びを1人の保育士がつきっきりで遊ぶこと 特にAちゃんの大好きな遊びを1人の保育士がつきっきりで遊ぶことが効果を発揮し、その日から友だちをたたいたり、物を奪ったり、指吸いしたりしなくなりました。赤ちゃん返りをしても、ほんの少しのきっかけで、子どもが落ち着くことが分かった事例です。 赤ちゃん返りは幼児だけの話ではありません。小学生になってもありますし、今、中3の我が家の息子でも同じようなことは起こります。そんなときは、「今、僕を見て! と訴えているんだろうな」と思って過ごしています。行きつ戻りつする子どもの姿を受け入れながら、親も子も成長していきましょうね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月20日こんにちは、保育士の中田馨です。4~5カ月ごろの赤ちゃんは、体つきがしっかりしてきて肉つきも良くなり、ふっくら、まさしく「赤ちゃんらしい体型」になってきます。感情表現も豊かになってくるこの時期、大人とのできる遊びもさらに広がってきます。 今回は、4~5カ月の赤ちゃんの成長・発達を見ながら一緒にできる遊びを紹介します。 4~5カ月の赤ちゃんの発達4~5カ月ごろの赤ちゃんの体の発達として大きなポイントは、「首がすわる」ということ。うつ伏せになって頭をしっかり立てて周りをキョロキョロ見るようになります。そばに興味のある物があると手を伸ばしてつかもうとする仕草もします。掴んだものは口に入れて舐めて感触を確かめます。周囲への興味も増し、好奇心いっぱいに目で追います。 あやすと手足をばたつかせながら笑い、気に入らないことがあるとのけぞって泣く姿など、さまざまな感情表現ができるようになってきます。「あ~あ~」「う~う~」などの喃語も盛んに言います。また、昼夜の区別がはっきりしてくるので生活リズムが徐々に整い始めます。 4~5カ月の赤ちゃんと遊ぶときのポイント4~5カ月の赤ちゃんと遊ぶときのポイントは3つです。色々なことに興味が出てくる分、ママやパパが見守るということも大切になります。【1】赤ちゃんの興味を引きだし五感を刺激する周りへの興味関心が増すこの時期ですので、赤ちゃんの五感を刺激する遊びを取り入れてみましょう。【2】少し豪快な遊びも取り入れ始めるパパやママと一緒に全身を使った少々豪快な遊びも取り入れてみましょう。 【3】一人遊びができるならそーっとしておく一人遊びが少しずつできるようになってきます。一人で熱中して遊んでいるときは、そっとそばで見守りましょう。この時間がママのリラックスタイムにもなります。 4~5カ月の赤ちゃんとの遊び方では、具体的に保育所ではどんな遊びをしているかを紹介します。 ここまで届くかな目の前に見える興味のある物に手を伸ばして取ろうとする赤ちゃんの発達を生かして、もう少し手を伸ばせば届くというところにおもちゃなどを置きます。手を伸ばして頑張っている赤ちゃんを「頑張れ!頑張れ!」と応援しましょう。 見て聞いて触って五感を刺激する遊びを赤ちゃんはとても好みます。例えば、ビニール袋をシャカシャカさせると、不思議そうな顔をして興味深げに音を見て感じます。赤ちゃんも一緒にシャカシャカ触れて音を出してみましょう。 おひざでジャンプ・おなかでゆらゆら体を使ったダイナミックな遊ぶも少しずつできるようになってきます。赤ちゃんの首がすわっていたら、こんな遊びもおすすめ。おひざでジャンプは、ママが座ったまま抱っこして、赤ちゃんの両脇をもってジャンプ! おなかでゆらゆらは、ママが仰向けに寝てその上に赤ちゃんがうつ伏せに寝かせ、抱きしめながら左右にゆらゆら。「大好き、大好き。コチョコチョコチョ!」とくすぐると、よく笑ってくれます。抱っこすることで安心感も与えます。 遊ぶついでに発達を確かめてみよう遊ぶついでに赤ちゃんの発達も見てみましょう。 ・首のすわりをチェック赤ちゃんを抱き上げるとき、うつ伏せにするときに首のすわりのチェックをします。 ・腹ばいの様子をチェック首がすわったので、腹ばいで遊べる遊びを取り入れます。その際に腹ばいでどれくらい胸を上げられるか、何分くらい遊べるかなどをチェックします。・どんな反応をするかチェック赤ちゃんによって遊びへの反応は様々。キャッキャと声を出して笑う子もいれば、にやりと笑う子もいます。「うちの子はこのタイプだな。嬉しそうにしているのはこの遊びだな」ということが分かると、遊びが広がります。 反応がポンッと返ってくると、ママとしては嬉しいことです。この時期だからこそ楽しめる赤ちゃんとのふれあい遊びを楽しんでくださいね! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月15日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。ママたちと朝ごはんの話になると「時間がないのでパンと牛乳で済ませています。本当はもっと出したいんだけど、なかなか……」という声を多く聞きます。 今回は、わが家の「親子の朝ごはん作りのコツ」をお話しします。 1.朝ごはんの「型」を決めるまずは、朝ごはんの「型」を作りましょう。 型は次の1〜3が基本になります。4は余裕があるときにプラスしましょう。1. 主食を決める2. 汁物を作る3. おかずは1品4. デザート(あれば) 1〜3を決めるときのポイントは、2つあります。1つ目が簡単に調理できるということ。野菜を切って煮るだけとか、そのまま焼くだけのメニューがいいですね。例えば、かぼちゃをだしに入れて煮るだけ。ピーマンを半分に切ってフライパンで焼くだけなど、シンプルメニューでOKです。凝ったことをする必要はありません。2つ目は、欲張りすぎないで長く続けられること。おかずは2〜3品あるほうが豪華な朝食になりますが、1品作れば合格です。おかずがないときは、果物やヨーグルトなどサッと出せるデザートでももちろんOK。 2.汁物を具だくさんにする次に、汁物のポイントをお伝えします。 汁物はラクにごはんを作りたいときに大活躍するメニューです。汁物の中に野菜を3種類+豆腐、肉、魚などのたんぱく質を入れるだけで栄養はバッチリ! 具だくさんにして汁物に栄養素を詰め込むようにしてみましょう。 時間のない朝は、ご飯と具だくさん汁物だけでもOKです。汁物は味をつける前に取り分けできるので、取り分け離乳食メニューとしても活躍します。多めに作って冷蔵庫に入れておけば、昼や夜ごはんにも使えますよ。 3.常備菜を活用する前日の夜などにあらかじめ常備菜を作っておき、朝ごはんに出せば支度がラクになります。常備菜というと、煮物やあえ物など少し手をかけたもののイメージがありますが、野菜を食べやすい大きさに切って、湯がいておくだけでも常備菜になります。難しく考えず、できる範囲の常備菜を用意します。 4.マンネリを防ぐコツ朝ごはんのマンネリを防ぐには、いろいろな食材の組み合わせにチャレンジするのがおすすめです。いろいろな食材を買うわけではなく、買ってきた食材をさまざまに組み合わせてメニューを決めます。特に汁物がチャレンジしやすいです。 手順としては、・冷蔵庫にある野菜を3種類選ぶ・たんぱく質で入れられそうなものがあれば入れるこれだけでバリエーションが豊富になります。 汁物の彩りが変わると、変化がありますのでマンネリを防ぐことができます。また、余裕があればだしや味付けを変えてみましょう。かつお昆布だし、煮干しだし、味噌で味付け、しょうゆで味付け、ごま油を入れて中華風にしても良いですね。ベースの味を変えるだけでもマンネリを防ぐことができます。 今の朝ごはんに、まずはプラスワンとして汁物や常備菜を増やすことからスタートして見ましょう。無理のないところから始めて、習慣にすることが大切。習慣にすると生活の中でいつ準備すれば良いかなどの段取りもしやすくなり、ペースが掴めるようになりますよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月10日こんにちは、保育士の中田馨です。子育てをしていると、1日に何度も子どもを「しかる」場面が出てきます。子どものすることにイライラして強く言いすぎてしまって、後から「もっと違う言い方があったかも」と後悔するということもあると思います。 イライラして怒ってしまう感情は誰にでもあることなので落ち込む必要はありません。今回は、生活の中での子どもの上手なしかり方を保育所での実例を挙げながら紹介します。 「しかる」の基本は2つ子どもをしかるときのポイントは2つあります。 1.子どもの行動をしかるしかるときは、子どもの「行動」を見てからしかるようにします。例えば、子どもがおもちゃを投げたときは「おもちゃいらないなら、捨てるよ」ではなく「おもちゃは投げないでね」です。具体的に子どもがした行動を伝えることが大切です。 2.決めつけてしからない「こういうときはこうするべきだ」という先入観がありませんか。例えば、お友だちがおもちゃを「かして」と言ってきたら、「どうぞ」とすぐに貸すことが良い、「9時までに布団に入らなければいけない」など、大人のルールで決めていることを、子どもがしなかったときにイライラして怒ってしまうことがあります。子どもには大人のルールはわかりませんので、まずはそのルールを教えることから始める必要があります。この2つのポイントを参考にしつつ、ここからは3つの事例としかり方を紹介します。 【1】離乳食をグチャグチャして食べない/1歳4カ月手づかみやスプーンなどを使い、自分で食べる楽しさを知っていく時期です。自分で食べているうちに離乳食を触っているのがエスカレートし、子どもの周りがグチャグチャになって、離乳食はほとんど口に入っていないこともあります。 そんなときに、「やめなさい!」「ちゃんと食べなさい!」とつい言ってしまいがちです。まずは、ママが自分の許せる許容範囲を決めます。例えば、10分遊んだらやめさせる、などですね。そして、「次は、スプーンを使って食べてみよう」「(器の)うさぎさんが見えてきたね」「こぼさず食べてみよう」など、子どもの意識が食べ物をグチャグチャする遊び以外にいくようにしてみます。 それでも遊んで食べないときは「ごはんをおしまいにするね」と終了します。 【2】友だちのおもちゃを取り上げる/2歳1カ月自分は別のおもちゃを持っているのに、友だちのおもちゃが気になり、強引に取り上げてしまうことがあります。これはこのころの子どもによくあることなので、心配しなくて大丈夫です。 友だちの使っているおもちゃを取り上げたときの声かけとしては、「返しなさい!」「意地悪しないの!」ではなく、「〇〇ちゃんが今使っているから後で借りようね」です。そしてお友だちにおもちゃを返しながら「このおもちゃ、後で貸してね」と子どもと一緒に言います。【3】手を振りはらい急に走り出す/2歳11カ月この時期はしっかり歩けるようになるので、手をつないで外で歩いているときに、急に手を振りはらい、走り出すことがあります。周りをよく見ずに走るのでヒヤッとしますよね。 危険なことは、まずはやめさせることが第一。その上で、してはいけない理由を伝えることです。「ママにしかられたからしない」ではなく、「危険なことだからしない」ということを子どもに伝えなければいけません。「走らない!」「手をつなぎなさい!」だけではなく、「車が来るから危ない」「車が来たらどうなるか」ということを、簡単な言葉でハッキリと子どもに伝えることが大切です。 子どもに声かけする言葉を少しだけ変換するだけで、言葉をかけられる子どもの気分が変わりますし、何より言葉をかけるママの気持ちが変わります。普段思わず言ってしまう言葉を出す前に「あ、この言葉、別の言い方ができないかな?」と一瞬考えてみるだけで、「しかる」が変化します。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月09日こんにちは、保育士の中田馨です。ママたちに相談を受けることの一つに、絵本のことがあります。「先生、絵本はいつから読んだらいいの?」「勝手にめくって“読む”ことをしないけど、まだ早いのかな?」など、さまざまな質問をもらいます。絵本を読んであげたいという思いはあるけれど、赤ちゃんの様子を見ているとなかなかそれを実践することができないようです。 今回は、いつから絵本を取り入れればいいか、どんな絵本を与えればいいのかなどをお話します。 絵本をなめるだけでも大丈夫?絵本を読み始めるのは「〇カ月からが良い」という決まりはありません。なめたりする時期もありますが、それでOK。絵本は親子のコミュニケーションツールの1つです。なめるからと言って「早すぎる」と判断する必要はありません。 なめて困るなら、多少なめても大丈夫な素材の絵本を選んでみてください。また、絵本を読んでも赤ちゃんの反応が薄いと感じるママもいます。でも、決して反応が薄いわけではありません。ママの声を通して、読まれる絵本に徐々に興味を向け始めると思います。繰り返し絵本を読んであげましょう。 どんどんめくっていってもいい?ママがお話を読んでいるのに、どんどんページをめくる赤ちゃんもいます。「まだよ」とページを戻すと、まためくる。こんなことを繰り返していると、ビリビリッと絵本が破けてしまうなんてこともありますね。 赤ちゃんが絵本をどんどんめくっているときは、どんな気持ちなんでしょうか。赤ちゃん目線に立ってみると、「わ、これ楽しい! 感触がおもしろい!」なんて思っているかもしれません。絵が次々と出てきて、興奮しているのかもしれません。よく見ると、どんどんめくりつつも、いつも同じページをジーッと見ている子もいます。そんな姿を発見すると「ああ、この子はこのページが好きなんだ」ということが分かりますね。絵本をどんどんめくる時期は多くの子にあります。「うちの子、集中力がないのかしら」なんて心配はしなくて大丈夫です。 月齢と絵本の選び方絵本を選ぶときに大切にしてほしいのが、絵本をしつけのツールにしないこと。これを読めば「数字を覚えられる」とか「本好きになる」とか「友だちの気持ちが分かるようになる」などです。 絵本は親子のスキンシップの時間でもあります。親の隠れた思いはそっと横に置いて、純粋に絵本を楽しみましょう。では、各月齢の絵本の選び方です。基本的には、ママの好きな絵本でOKです。●生後3~4カ月ごろ音が表現されているシンプルな絵本がおすすめです。ママが声色を変え、間をとりながら読めたら、なお最高!●生後5~7カ月ごろ音のリズムがある絵本、言葉が繰り返されているシンプルな絵本がおすすめです。●生後8~11カ月ごろあいさつやいないいないばあなどの普段ママとしている題材、食べ物や車など身近なモノが出てくる絵本がおすすめです。1歳前後になると、少しずつ簡単な物語性のある絵本が読めるようになってきます。 1歳過ぎて幼児期になっていくと「同じ絵本ばかり読んでいるけど大丈夫?」と思うこともあるかもしれません。でも、子どもにはお気に入りの絵本があり、飽きずにずっと読むこともあります。同じ絵本を読みながら、今の赤ちゃんの興味をどんどん広げてあげましょう。また、3~4カ月向けの絵本を1歳になって読むのはダメなのかというと、そうではありません。絵本は何歳になっても読み続けることができます。ただ、低月齢の赤ちゃんに長い物語の絵本を読むのは少し違うかなと思います。 いつ、何冊、絵本を読めばいい?絵本を読む時間(タイミング)や数に決まりはありません。遊んでいるとき、お出かけの移動中、寝る前などママがゆったりと読める時間に絵本タイムを取り入れましょう。保育所では、遊びスペースに落ち着いて読める雰囲気の絵本コーナーを作り、好きな時間に読めるようにしています。また、お昼寝の前は1冊読んでから「さあ、布団に行こう」と言うと、「絵本の次はお布団」と習慣がつき生活がスムーズになります。 親に絵本を読んでもらう時間は特別な時間です。私は大人になった今も、温かい思い出として残っています。絵本は気軽にできる親子のコミュニケーション。そんな今だけの幸せな時間をママも楽しんでくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月06日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは。保育士の中田馨です。今年も残りわずかになりましたね。年末が近付くと気になることが「大掃除」ではないでしょうか。この時期は特に、どんどん増える子どもの物をどうすればいいかを悩んでしまうところです。 今回は、年末に向けて子どもの物を片付けるコツを話します。 子どもの衣類の片付け方法子どもの物と一言で言ってもさまざまあります。まずは衣類を見てみましょう。 衣類は処分しにくい物の1つでもあります。「初めて着た服」「初めて履いた靴下」「おばあちゃんにもらった帽子」などなど思い出がつまっているのが子どもの衣類。また、もしかすると次に生まれてくる子に使えるかも、などと考えることもあります。 そんな思いがつまった衣類を処分するタイミングは下記の3つです。・サイズアウトした・ひどい汚れがついた・着ることがほとんどない衣替えをする際、来年は着れるかを考えてみます。もし難しい場合は処分を考えましょう。処分は捨てるだけではなく、まだ着れる場合は友人に譲ったり、リサイクルしたりするという方法もあります。また、思い入れがある衣服は大切に収納しておきましょう。 子どものおもちゃの片付け方法子どもに「このおもちゃいらない?」と聞けば、きっとほとんどが「ダメ!」という返事が返ってきます。長いこと使っていないからと、子どもに内緒で処分したおもちゃを「アレはどこ?」と突然思い出すこともあります。 こっそり処分してしまうと、子どもが傷付いてしまう場合もあるので、子どもとじっくり相談しながら処分するようにします。 子どもとおもちゃの処分を相談するときのポイントは4つです。・最近使っていない(半年以上)・対象年齢を過ぎた・壊れている・付録などでもらった(それほど思い入れがない)など 「もしかするとまた遊ぶかも」と悩んだおもちゃは別の場所に片付けておき、子どもが「遊びたい」と言わなければ後日処分します。 幼稚園・保育園の作品はどうする?幼稚園や保育園で作った作品は、思い入れがあって、これまた処分しにくいものです。お気に入りの作品は、額や棚に飾ったりすることもできますが、それ以外の作品はどうすればいいでしょうか。段ボールに入れていても、そのまま何年も押し入れの中に入れっぱなしになり、見返すことはないと思います。 わが家の場合は、絵は製本して1冊にまとめたり、写真に撮って処分したりという方法をとっています。あとから見返すことができるので、子どもにもなかなか好評です。 子どもの物を増やさないコツ成長とともに増える子どもの物ですが、家の収納スペースには限りがありますので、どんどん増やすわけにはいきません。物を増やさないようにするには、第一に「物の買い方を見直すこと」です。当然のことながら、物は買えば増えます。子どものおもちゃでありがちなのが、「子どものため」と言いながら、実はママやパパが欲しくて買ってしまっている場合があります。 私の場合、車のおもちゃがそうでした。1台数百円と手軽で、ついつい集めるのが楽しくなりました。気付けば車のおもちゃで箱がいっぱいになっていたのです。おもちゃは多ければよいというわけではありません。きっとみなさんそれぞれの「物の買い方」があると思うので、それは本当に子どもに必要なものかを見直してみてください。 物を処分すると、部屋も心もスッキリして子どもも遊びやすくなります。今年は年末に向けて、子どもの物の片付けを始めてみましょう! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月05日こんにちは、保育士の中田馨です。3~4カ月ごろの赤ちゃんは、体重が産まれたときの2倍になり、体つきもふっくらとしてきます。授乳時間が一定になってきて、飲む量も増えます。昼夜の区別がつき始め、生活リズムが整ってきてママのお世話も少しラクになってきくるころです。 今回は、3~4カ月の頃の赤ちゃんの心と五感をはぐくむ遊び方を紹介します。 3~4カ月の赤ちゃんの発達だんだんと首がしっかりしてきてうつ伏せにすると、腕で支えて首を自分の力で頭を持ち上げることができるようになってきます。「あ~う~」などの言葉の始まりの喃語(なんご)も盛んになりますし、ママやパパの声を聴いたり、顔を見たりすると、声を出して笑うこともあります。 感情表現も豊かになってきます。好奇心が旺盛になるので、動く物や人のことを目で追って、周りの様子をよく観察しています。 例えば、おっぱいを飲みながらでも、周りをキョロキョロ見たりという余裕も生まれてきます。握力がついてくるので、少しの間おもちゃを握れるようになります。軽くて握りやすいガラガラなど持たせてみましょう。 3~4カ月の赤ちゃんと遊ぶときのポイント人や動く物に興味を示す時期なので赤ちゃんが喜ぶ「笑いのツボ」を探してみましょう。赤ちゃんの「笑いのツボ」を見つけたら、それを何度も何度も繰り返します。「何回やったらいいの?」とママがヘトヘトになっても、赤ちゃんはキラキラする目で、ママのしてくれる「楽しい遊び」を待っていると思いますよ。【1】好奇心を膨らませるこのころの赤ちゃんの好奇心をもっともっと膨らませる触れ合い遊びを取り入れます。ママとパパが笑顔であやしてくれることで、赤ちゃんは「愛されている」と感じます。【2】握って遊ばせる握る力が強くなってきますので、さまざまな形や感触のおもちゃを握らせて手のひらに刺激を送りましょう。ただし、このころはまだ自分の意思で手を動かすことが難しい時期です。また、口に手を持っていくこともあります。持たせるおもちゃは、月齢に合った安全なものであることが大切です。【3】体を使って遊ぶまだダイナミックな動きはまだできませんが、少しずつ体を使って遊べるようになってきます。体を使った遊びをすることで、自分の体の認識につながります。 3~4カ月の赤ちゃんとの遊び方では、具体的に保育所ではどんな遊びをしているかを紹介します。 いないいないばあっ!赤ちゃんと遊ぶときの定番の遊びのひとつです。このいないいないばあは、本当によくできた遊びです。ママが両手で自分の顔を隠す。「いないいないばあ」の声と共にママの顔が現れる。この繰り返しですが「ママがいなくなった!」少し不安から「出てきて安心」からスタートし、「必ず大好きなママの顔が現れる」安心感が得られる楽しい遊びになります。 遊びに慣れてきたら、「ばあ」っと顔を出すタイミングを早めてみたり遅くしてみたり。出てくる顔を百面相にしてみたりしてみてください。大喜びしますよ! 喃語でおしゃべり赤ちゃんがベビーラックに座っている状態でも、ママが抱っこしている状態でも構いません。とにかく赤ちゃんと正面に向き合い目を合わせながら遊びます。赤ちゃんが「あ~」「う~」などの喃語を発したら、ママも同じように「あ~」「う~」と言ってみましょう。 赤ちゃんはママが答えてくれたことが嬉しくて、また「あ~」「う~」と言ってくれますので、ママもその度に返事をしてみましょう。ママは「あ~」「う~」だけではなく「そうなんだ」「すごいねえ」「大きな声が出るね」など声かけてもOK。赤ちゃんと一緒にお話ができるので楽しいですよ。 タオルでふんわり大判のバスタオルを使います。赤ちゃんを布団の上にあおむけで寝かし、赤ちゃんの上でバスタオルを大きく上下に動かします。風が来るのとバスタオルの感触が楽しい遊びです。 抱っこしながらスクワットせっかくですので、赤ちゃんと一緒に運動をしていましょう。赤ちゃんを抱っこしたままスクワット。そのあとはツイスト。赤ちゃんがうつ伏せ遊びしているときには、赤ちゃんと向かい合ってママは背筋運動。仰向けで遊んでいるときは隣で腹筋運動。 座って脚を延ばし脚の上に赤ちゃんを寝かし、前屈での「いないいないばあ」など、赤ちゃんの遊びの延長でママも運動ができちゃいます。優しい動きで一緒に遊びましょうね。 遊ぶついでに発達を確かめてみよう遊ぶついでに赤ちゃんの発達も見てみましょう。3~4カ月ごろの赤ちゃんの発達の一つが「ものが握れる」ということ。おもちゃだけではなく、ママの指を握らせてみたり、ガーゼを握ったりさせてみてください。握る力が強くなってきたらガーゼを引っ張り合いっこしてみたりするのもいいですね。いろいろなものに触れて、成長ととともに赤ちゃんの握る発達を確かめましょう。また、うつ伏せ遊びをするときに、最初は10秒で泣いたけど、今日は30秒うつ伏せができた!頭がグンと上がるようになった!など、日々の変化を赤ちゃんと一緒に喜びましょう。 3〜4ヵ月は表情が豊かになり、ママやパパの働きかけに笑ってくれるようになるので、一緒に遊ぶ時間がますます楽しくなる時期。赤ちゃんの喜ぶ「笑いのツボ」を見つけて、親子で一緒に楽しんでくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月03日こんにちは、保育士の中田馨です。12月に入って冷え込む日が増えてきました。わが家も先日から、朝起きたときはエアコンをつけて部屋を暖めています。普段、何気なく使っている暖房器具ですが、赤ちゃん目線に立ったときに「私は適温だけど、じっとしている赤ちゃんにとっては寒い?」などと気になることもあります。 今回は、赤ちゃんが過ごす部屋で暖房をつけるときの使い方や、暖房器具の注意点をお話します。 赤ちゃんにとって心地良い温度設定赤ちゃんは、月齢が低いほど体温調節が未熟で、外気温によってすぐに体温が上がったり下がったりします。例えば、上着を羽織って外出から帰ってくると、熱がこもって体が温かくなり一時的に体温が上がります。上着や靴下を脱がせてしばらくすると、体温は平熱に戻ります。 室内の温度にももちろん配慮が必要です。とはいえ、基本的にはママが過ごしやすい温度で大丈夫。赤ちゃんにとっての心地良い部屋の温度は、冬の場合20~23度、湿度は50~60%が理想です。 こんなときは暑がっている?寒がっている?「理想の温度は冬の場合20~23度」と話しましたが、赤ちゃんによっては寒がりの子もいれば、暑がりの子もいます。時々赤ちゃんの体や様子を見て、汗ばんでいたら暑い、体が冷たかったら寒いと判断します。 そして、暑い場合は暖房温度を下げて、寒い場合は上げて調節します。また、赤ちゃんが着ている衣服が厚くないか、薄くないかなども赤ちゃんの様子を見ながら調節をしましょう。 赤ちゃんが寝ているときの温度調節赤ちゃんが寝ているときの温度調節は、夏も冬も難しいと感じます。起きている大人が少し寒いと感じても、赤ちゃんは額に汗をかいているということもあります。寝ているときは体に布団を掛けるので、大人が思っている以上に赤ちゃんは暑く感じていることがあるのです。ここで、我が子の失敗談を一つ。寝ているときに布団からはみ出る息子が、風邪を引かないか心配だった新米ママの私は、毛布の生地のスリーパーを着せて寝かせていました。夜中、息子の授乳で起きると、息子は汗でビチョビチョ。風邪を心配して着せたスリーパーで、逆に風邪を引かせるところでした。 赤ちゃんは自分で脱ぎ着ができませんので、寝るときに着こみすぎるのはよくありません。着こんだときは暖房の温度を下げ、掛ける布団を薄めにするなどします。一晩中、暖房をつけていてもいいですが、乾燥が気になる場合は、寝入りばなと起きたときだけ暖房をONにするタイマー設定をしてもいいですね。 ストーブやこたつの危険防止対策暖房器具を使うときに大切にしたいことは、「安全に使うこと」です。特に赤ちゃんが寝返り、ハイハイなどで動き始める時期には注意が必要です。エアコンの場合は、壁の高い位置にあるため、赤ちゃんが直接触ることはできませんが、エアコンの風が赤ちゃんに直接かからないようにします。 また、ガスストーブや石油ストーブなどの場合は触ると熱く火傷する危険もあるので、赤ちゃんが触らないようにベビーゲートなどで囲いを作ります。こたつの場合は、こたつの中に赤ちゃんが潜り込まないようにします。使っていないときは、電源を切る習慣をつけましょう。 暖房器具は、冬の生活にはなくてはならない必需品です。大人の快適さだけでなく、赤ちゃんの目線になって使用しましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年12月01日こんにちは、保育士の中田 馨です。赤ちゃんを寝かしつけることが難しい日もありますよね。私も娘の寝かしつけに苦労したことを思い出します。 赤ちゃんはどうして寝てくれないのか? どうすれば寝てくれるか? 保育所では多くの赤ちゃんを寝かせてきたのに、自分の子どもには苦労した私が今だからこそわかる「もっと簡単に寝かしつける方法」をお話しします。 どうして時間がかかるの? 寝てくれないの?寝かしつけに時間がかかるのはつらいですね。「赤ちゃんが寝たら残りの家事をしないと」と、時間に追われるママの気持ちは焦ります。そんなとき、まずは赤ちゃんの今の様子を確認しましょう。 おむつは替えましたか? おなか空いていませんか? 汗はかいていませんか? 寒そうにしていませんか? 体調はどうですか? もしかすると熱があるかもしれません。体がかゆい場合もあります。そもそも、まだ眠たくない場合もあります。そんな赤ちゃんの今の様子を確認しましょう。 赤ちゃんの眠たくなったサインを見つける赤ちゃんが眠たくなったサインを見つけましょう。目をこすり始めた、あくびをしている、ぐずぐず言い出したなど、赤ちゃんによってサインはさまざま。赤ちゃんのサインのタイミングが寝かしつけのチャンスです。 また、月齢が高くなるにつれ、食事や遊び、睡眠の生活リズムをつけることで寝る時間が一定になってきます。規則正しい生活をすると赤ちゃんは決まった時間に眠たくなります。規則正しい生活を送ることも寝かしつけの時間を短縮する大切なポイントです。 ママの焦りは伝わっています!「赤ちゃんが寝たら残りの家事をしないと!」など、ママの気持ちが赤ちゃんに集中していないことを赤ちゃんは察知します。そのため、こんなことに気をつけてみましょう。 ゆったりとした気持ちで寝かしつけるこれが一番大切です。寝かせるときは赤ちゃんに気持ちを集中。体も気持ちも赤ちゃんを包み込んであげましょう。寝る前に絵本を読むなどスキンシップをして、リラックスタイムをもうけることも大切。これが習慣になると「絵本を読んだら、今から寝るんだよ」というサインにもなりますね。 添い寝する一緒に布団に寝転んで添い寝をし、やさしく体をトントンしたりさすったりしてみましょう。赤ちゃんによって、さすって気持ちの良い場所がありますので、あなたの赤ちゃんの気持ちの良い場所を探して見ましょうね。 抱っこ・おんぶする添い寝では寝てくれない場合は、抱っこやおんぶをしましょう。私はおんぶをよくしています。赤ちゃんのおなか全体がママの背中に引っ付いて、ママの心臓の音が聞こえるから安心するようです。私自身も父や母に幼児期までおんぶをしてもらっていたので、その安心感を今でも覚えています。 子守歌を歌うママの声を聴くと赤ちゃんは安心します。子守歌で赤ちゃんを安心させてあげましょう。 一緒に寝るママも一緒に寝るつもりで寝かしつけをしましょう。私はこれで朝までぐっすり寝てしまったことが何度もあります。赤ちゃんと早くに寝て、早くに起きて残りの家事をする。これもOKです。 それでも寝ないときがあると思います。私の娘がそうでした。泣いて泣いて止まらない。焦ってイライラしてしまうかもしれません。そんなときは、少し心の距離を置いて、そばで泣く赤ちゃんを見守りましょう。そしてママは大きく深呼吸。イライラしている気持ちを深呼吸で外に吐き出します。そうするだけで、私はなんだか娘の姿が愛しくかわいく思うことができました。 ママが笑えると「よし、もう一回抱っこしてみよう!」と、落ち着いて抱っこができます。ママが落ち着けば、赤ちゃんは意外にスーッと寝てしまうのです。ぜひ、ゆったりとした気持ちで寝かしつけてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年11月21日こんにちは、保育士の中田馨です。1歳を過ぎたころから増えてくる子どもの行動のひとつが「噛みつき」です。保育園のお迎えに行ったときに先生から「今日、お友だちを噛んでしまいました」と報告を受け、「どうして噛むの? どうしたらいい?」と、落ち込んでしまうママもいると思います。 今日は、子どもが保育園でお友だちを噛んだときにどうすればいいかを話します。 どうして噛んでしまうの?そもそも、どうしてお友だちを噛んでしまうのでしょうか。1歳過ぎたころから、お友だちをたたく、ひっかく、噛むという行動が見られます。子どもは力加減がわかりませんので、大人が「たたいている」と思っていることも、自分では「触っている」と思っていることがあります。「噛む」も最初は、ママへの愛情表現のひとつの甘噛みだったこともあるのではないでしょうか。また、1歳半~2歳ごろになると、気持ちが先走って噛んでしまうこともあります。このころの子どもは、言葉で自分の気持ちを伝えることができません。たたいたり、噛んだりすることで「イヤなの!」という気持ちを表現していることもあります。 保育士がどのような対応をしているか聞いてみる子どもがお友だちに噛みついてしまうということは、実は保育園ではよくあることです。一度でも噛む、噛もうとする行動をしている子どもがいたら、お友だちとかかわるときに保育士がそばで見守るようにしています。子どもがどんなときに噛むかはだいたい予想がつくので、9割以上を未遂で止めています。とはいえ、保育士もすべてを完全に止められるわけではありません。もし、お友だちを噛んでしまったとき、噛んだ子には子どもの目線に行き、目を見て「噛んだら痛い」「噛んだらダメ」ということをその場で伝えています。そして、噛んだ子にも理由があることが多いので「おもちゃを取られて嫌だったんだね」など、気持ちに共感し、「次は『やめて』が言えるといいね」と言います。 噛まなかったけれど噛もうとした場面では、「〇〇ちゃんの持っている、コレが欲しかったのね。〇〇ちゃんが遊び終わってからかりようね」と声かけをします。保育士が子どもたちの仲立ちになり、気持ちを言葉で代弁したり、トラブルがないときに物の貸し借りを遊びを通して実践してみたりします。それを繰り返し何度もおこなっています。 お家でママができること噛むという行動が見られる時期は「お友だちとのかかわりを教えるチャンス」ととらえましょう。もし、お家で家族を噛んだら、子どもの目を見て冷静に「噛んだら痛い」と伝えることです。このとき、例え愛情表現の甘噛みであっても家族が「イタタタタ~!」と笑顔を見せたり、ものすごく怒るなど大きなリアクションを取ったりしてしまうと「噛んだらママが反応してくれる」と思ってしまう子もいます。 特に笑ってしまうと、遊びの一環として子ども自身が笑って噛んでくることもありますので、噛んでほしくないなら「笑わない」ことが大事です。噛んだらその都度やめさせる。これを繰り返すことが大切です。 いつになったら噛まなくなる?多くの噛みつきがお友だちとの物の貸し借りのときに起こるので、子どもの年齢ごとの発達と一緒に見てみます。 1歳はお友だち同士の物の貸し借りはできません。目の前にあるおもちゃに執着するのでお友だちが使っていても取ろうとします。そんな場面で噛みつきが起こります。2歳になると大人の仲立ちがあれば、おもちゃの貸し借りができるようになりますが、自己主張が激しくなるので言葉でうまく伝えられず気持ちが先走り、噛んでしまうことがあります。 3歳ごろは、落ち着いた状況であれば、言葉で自分の気持ちを伝えることができるようになります。順番を守ることなどは、その場はできてもまた忘れるのでくり返し教えます。4歳ごろになると、良いことと悪いことの区別ができるようになり社会性が出てきます。 保育園で子どもたちを見ていると、3歳ごろになり、言葉で少しずつ気持ちが伝えられるようになると噛むことも少なくなってきます。 噛むと手や腕に歯型がついて痛々しく、噛んだ側も噛まれた側もつらい思いをします。噛んでしまった相手のお友だちや親には、会ったときに「先日は噛んでしまい、ごめんなさい」という気持ちを一声かけることでお互いのモヤモヤが少なくなります。そして、噛む・たたく・ひっかくなどの子どもの行動は、発達段階でよくあることと捉えつつ、「噛んだら痛い」ということを繰り返し子どもに伝えていきましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年11月07日こんにちは、保育士の中田馨です。2~3歳になると他人への興味関心が高まり、お友だちとも遊ぶようになってきます。そのため、よくおもちゃの取り合いにもなります。私の保育所では今、2歳前~3歳前半の子がいますので、毎日毎日おもちゃを取ったり取られたりが勃発しています。 今回はお友だちとおもちゃの取り合いがあった場合、親はどう介入すればいいかを話します。 なぜ子どもはおもちゃを取り合うの? 子どもの様子を見ていると、お友だちから取ったおもちゃをすぐにポイっと置いて、別のおもちゃで遊び出す姿を見ることがあります。2~3歳ごろの子どもたちは、お友だちへの興味を持ち、だんだん一緒に遊べるようにはなってきますが、まだ自分で「かして」「どうぞ」ができない時期です。「かして」と言いながら、もうすでに手にお友だちのおもちゃを握っている、そんな感じです。 また、自己主張が強くなってくる時期でもあります。自分のものという所有欲が出てきます。「遊びたい」と興味を持ったら、そのおもちゃをとにかく手に取りたいのです。手に取ってみて、別のおもちゃが気になったら次に行く。まだこの時期は、それが当たり前と思いましょう。 「かして」「どうぞ」のやり取りを覚えよう友だち同士でのやり取りはうまくいかないことが多いので、大人が仲立ちしながら、お友だちとのやり取りを学ぶことをスタートします。 まずは、ママと子どもが生活や遊びの中で「かして」「どうぞ」のやり取りをしましょう。練習をしたからと言って、子どもたち同士で物の貸し借りが上手にできるとは限りません。「かして」と言われた子も、今遊んでいるおもちゃをすぐに「ハイ、どうぞ」はできないことが多いでしょう。 大人に置き換えてみてください。今読みかけの本を、横から友人に「それおもしろそうだね、今すぐかして」と言われてすぐにはかせませんね。子どもがすぐに「どうぞ」と言えなくても当然なのです。「うちの子、どうぞって渡せないけど大丈夫かしら?」と心配する必要はありません。 取り合いになったら親はどうすればいい?おもちゃの取り合いがあって、かしてもらえなかったときは「順番」を待つことを教えます。貸してもらえなかった子には、「〇〇ちゃんが遊んでいるから、次にかりようね」と言い、遊んでいる子には「遊び終わったら、次かしてね」と伝えます。 順番を待つことはなかなか忍耐力がいることですが、少しずつ我慢ができる年齢になってくるので、何度も繰り返し伝えていきましょう。遊んでいる子も「次かしてね」と言われているのでお友だちが待っていることは意識しています。しばらく遊んだら「ハイどうぞ」と渡してくれるようになってきます。 取り合いが起こった直後は、それぞれがヒートアップしていますので、大人が「かしなさい!」などと言っても伝わりません。いったんママが仲立ちして、欲しい子には「欲しかったね」、今遊んでいる子には「楽しく遊んでるもんね」とそれぞれの気持ちに共感します。そして落ち着いたところで、それぞれの子に伝えてみましょう。 お友だちをたたいたり噛んだりしたときは?子ども同士のおもちゃの取り合いで、ありがちなのが「たたく」「噛む」といった行動をしてしまうことです。このころの子どもは、まだ言葉で自分の気持ちをうまく伝えることができません。思い通りにいかないと、とっさに手や口が出てしまうのです。 自分の子どもがお友だちをたたいたり噛んだりしてしまったときは、相手の子どもやママにどう対応すればいいでしょうか。たたいたり噛んだりしたのを見たら、すぐに止め「おもちゃがほしかったんだね。でも、たたいたら痛いよ!」ということを簡単な言葉で伝えます。そして、相手の親子にもその場ですぐに謝ります。 2~3歳の子どものおもちゃの取り合いは、後々の社会性につながってきます。親ができることは、子どもがケガをしないように見守り、気持ちを代弁して言葉で伝える手助けをすることです。「今、人間関係や人との距離感、我慢することをものすごく学んでいるんだ!」と思って、温かく見守ってあげましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年11月06日こんにちは、保育士の中田馨です。昼間はぽかぽか陽気でも、朝夕が冷え込む季節になってきました。こんな大人も着る服を悩んでしまう時期には、赤ちゃんのお洋服選びも本当に難しく、気づいたら咳や鼻水が出ていた……! なんてことも。 今回は、季節の変わり目などに赤ちゃんが風邪をひいてしまったときにできるケアをお話します。 赤ちゃんは風邪にかかりやすい?赤ちゃんには、胎盤と初乳からの免疫があり、5~6カ月ごろまではその免疫によって守られています。しかし、5~6カ月を過ぎるころから少しずつその免疫がなくなっていくため、風邪などになりやすくなるといわれています。風邪のウイルスはいろいろな種類があるため、0歳児のうちは、ひと冬ずっと鼻水が出ている赤ちゃんも少なくありません。たくさん風邪をひくことで免疫がつき、3歳ごろになると風邪をひく頻度が少なくなってきます。ママからもらった免疫が少なくなった5~6カ月ごろの赤ちゃんは、風邪にかかりやすいと思っておきましょう。 ママが気をつけることは?もし、赤ちゃんが風邪をひいたかなと思ったら、以下のことに気をつけましょう。■高熱や下痢・嘔吐があるとき風邪をひいて高熱があるときや、下痢・嘔吐があるときは脱水にならないように気をつけます。 ■ヒューヒュー、ゼイゼイなどの音がするとき呼吸の音がするときは、気管支などの病気のことがあるので、病院で診てもらいましょう。 ■鼻水がたくさん出る、詰まっているとき眠りにくい、ミルクが飲みにくいなどの症状が出ると赤ちゃんもママもつらいので、こまめに鼻水を取り、受診も考えましょう。 風邪をひいたときのお家でのケアでは、風邪をひいたときにお家でできるケアを紹介します。 咳が出るとき・縦抱きにして背中をトントンする咳き込んだり胸からゴロゴロと音がしたりしているときは、赤ちゃんを縦抱きにし、背中をさするか軽くトントンするとたんが切れやすくなります。 ・水分で喉を湿らせるひと肌くらいの温かい白湯や麦茶などをスプーンで少しずつ与え、喉を湿らせるとたんが切れやすくなります。 ・クッションで上半身を高めにする寝かせるときはクッションなどを布団に入れて、上半身を少し高めにするとたんが詰まらずにラクに寝られます。・体の状態が良ければお風呂に入れるまた、熱もなく呼吸が落ち着いていて元気なら、お風呂に入ってもOK。お風呂に入ると湯気で一時的に呼吸がラクになるメリットもあります。 鼻水が出るとき・鼻水を吸い取るまだ鼻をかむことができませんので、鼻吸い器で鼻水を吸い取ってあげると呼吸がラクになります。・蒸しタオルで鼻の付け根を温める蒸しタオルを鼻の付け根に当ててあげると、鼻づまりがスッキリします。お風呂に入ったときも、同じ要領で蒸しタオルを当ててあげると効果的です。 ・鼻の下をケアする鼻水をティッシュなどで頻繁に拭きますので、鼻の下が赤く荒れてしまうこともあります。保湿クリームを塗るなどして皮膚を保護しましょう。・おっぱいや育児用ミルクはこまめにあげる鼻水でおっぱいや育児用ミルクが飲みにくい場合は、一度に与えず何度かに分けて与えましょう。 発熱のとき・こまめに水分補給させる熱が高いときは水分がとられます。湯冷まし・麦茶・乳児用イオン水などを何度かに分けて与えましょう。(※乳児用イオン水は必ず医師の指導のもとで与えましょう) ・額、首、わきなどを冷やす嫌がらない場合は、タオルなどで包んだ水枕などで体を冷やしましょう。 ・熱が上がり切ったら涼しくする熱が上がり切ったら、体がほてって暑くなってきます。布団を減らし、薄手の衣服に着替えて涼しくしましょう。 受診する目安とポイント病院に行くタイミングが分からないというママもいると思います。でも、赤ちゃんのそばにいるのはママやパパですから、本やネットの情報に頼りすぎず、赤ちゃんの様子がいつもと違って不安なときは受診するほうが安心です。 もし、以下のような症状が見られるときは、悩まずすぐに受診しましょう。・激しく咳き込む・鼻が詰まって息がしづらい、寝づらい・ぐったりとして元気がない・水分を飲まない・おしっこが出ない・3カ月未満で熱が38度以上ある・嘔吐・下痢などの症状もある 意識がなかったり、ひきつけを起こしたりした場合などは救急車を呼んですぐに病院へ行きましょう。 赤ちゃんはいろいろなウイルスと出会って、徐々に強い体になっていきます。風邪に何度もかかって強い体になるのは大人も一緒なのか、私自身、保育士になりたてのときは、子どもたちにウイルスをもらうからか、冬になると毎年、鼻・喉・お腹の風邪にかかっていました。でも、20年経った今は「たまには風邪ひいて休みたいな」と思っても風邪をひかないくらいに強い体になりました。赤ちゃんが風邪をひいたときは、今回紹介した方法を参考にしてホームケアをしてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年10月31日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。保育所では、公園に行くときに1人の保育士が2~3人の子どもを担当します。赤ちゃんがよちよち歩きくらいのときはまだ少し余裕がありますが、幼児になり走ることができるようになったら、急に走り出すことがあるので大変! どちらを追いかけようかと焦ってしまいます。 今回は、年子や双子の赤ちゃんの公園遊びがラクになるコツを紹介します。 行先の公園と移動経路を調べておく赤ちゃんを2人連れていくときの第一条件は安全であること。まずは、赤ちゃん2人を連れていくのに安全な公園かを確認します。 例えば、こんな公園が理想的です。・出入り口が1つ(複数ある場合は出入り口の位置が近い)・車道に出にくい・遊具が年齢に合っている・ママが公園内を見渡せる ママが公園内を見渡せる範囲で赤ちゃんが遊べる公園が安全です。遊具のトンネルや木々の茂みなどは、赤ちゃんにとってはとても楽しい環境なのですが、姿が見えなくなって安全確認ができにくくなるという欠点があります。また、行く公園が決まったら、公園に行くまでの移動経路が安全かなども調べておきましょう。 年齢に合わせた移動手段公園までは、子どもの年齢に合わせた移動手段を取りましょう。年齢が高くなり、自転車の前後ろに乗れるようになれば自転車での移動がラクですが、それまではベビーカーや抱っこを併用しながらの移動になると思います。 公園へ行く時間が短時間とはいえ、どちらかがグズグズ言い出したときのために、抱っこ紐(おんぶ紐)を持っていると便利です。 よちよち歩きのとき体力がついてきて、おうち遊びだけでは物足りなくなってくる1歳半ごろは、歩くのが楽しい時期でもあります。「自分の力で歩くんだから!」とママの手を払いのけて、自分の好きなところに歩く姿が見られるようになります。好きなように歩く赤ちゃんが2人いたら、ママはそれぞれを追いかけて連れ戻しを繰り返して大変です。こんなときは、ボールや砂遊びセットを持って出かけてみましょう。ボールがあると、ひとつのボールを3人で追いかけて遊べます。たくさん歩きますので、赤ちゃんも満足します。また、移動せずに落ち着いて遊ぶには砂遊びが最適。スコップやコップなどを持っていきます。水道があると、砂を湿らせることができるので遊びが広がります。 どちらかがぐずったときは、おんぶをするのがおすすめ。おんぶをすることで、ぐずった子は落ち着き、両手が空くので、もう一人の子を見守ることもできます。もし、2人を一度に遊ばせるのが不安なときは、ひとりはベビーカーに座らせたり抱っこしたりして、ひとりずつ遊ぶという方法もあります。そのとき待っている子には、代わりになるおもちゃなどを用意しましょう。 走るようになってきたら走るスピードが速くなってくると、追いかけるのにも一苦労することがあります。とにかく子どもは好奇心いっぱいですので、興味を持ったところにタタ~ッと走っていきます。走って車道に出てしまうと危ないので、出入り口が出にくい公園を選びます。 遊具にも興味を持ち、自分からどんどん遊ぶ子もいるでしょう。できるだけ2人一緒の遊びができるように、ボールや砂遊びには一工夫を加えましょう。例えば砂遊びの場合、おままごとセットや車など、ごっこ遊びができるおもちゃを持っていきます。カップを使って砂でケーキを作ったり、砂でコースを作って車を走らせたり、子どもの想像力が広がる遊びをしてみましょう。 普段ママと行く公園は、ママも赤ちゃんも遊び慣れている公園だと安心。ママにとって無理のない環境で公園遊びを楽しんでくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2019年10月30日