こんにちは、保育士の中田馨です。1歳過ぎて暖かい季節が近付くと「そろそろトイレトレーニングをスタートしたほうがいいかな」と思う人もいるのではないでしょうか。よく「夏におむつをはずすとラクよ!」なんて先輩ママから言われることもありますよね。夏にトイレトレーニングをすると、冬よりも洗濯物がよく乾いてラクというメリットがあります。 さて、本題に入る前に最初にお話ししておきたい大切なことがあります。それは、トイレトレーニングは「○歳になったらスタート!」というものではないということ。体の成長と共に膀胱も大きくなってきて、ある程度のおしっこをためておけるようになってからのスタートが理想です。このことを念頭に置きつつ、今回は、1歳代にできるトイレトレーニングのコツをお話しします。 おむつはずれをスタートする3つの目安これまでおむつの中におしっこやうんちをしていた子どもが、トイレに座っておしっこやうんちができるようになるための準備段階の期間をトイレトレーニングと言います。トレー二ングというと「やらなければいけない!」という思いが強くなってしまうので、ここから「おむつはずれ」と言うことにしますね。おむつがはずれる時期には、個人差があります。月齢よりもその子の成長を見てスタートしましょう。 【スタートするための3つの目安】・ひとりで立って歩ける・大人の言うことを理解している・おしっこの間隔が2~3時間空くようになってきた おおよそ1歳半ごろになると、膀胱におしっこがたまる感覚やおしっこが出た感覚がわかるようになってくるので、遊んでいるときにもじもじしたり、おしっこが出たときにおむつを触るしぐさをすることもあります。また、家族がトイレに行く様子に興味を持ち始めることもあります。そんな子どもの様子を見ながら「そろそろスタートさせようかな?」と思ってもいいでしょう。 次から、具体的な1歳代のおむつはずれのコツについてお話しします。 1. まずはトイレのイメージづくりから「よし、3つの目安もクリア! 今日からスタートするぞ!」と、突然トイレやおまるに座らせると、子どもはビックリしてしまいます。何をすればいいかわかりませんし、トイレに座るのを嫌がることもあるでしょう。そもそも、まだ子どもは「おしっこ」や「トイレ」のことを知りません。 1歳代のおむつはずれのポイントは「トイレでおしっこをするイメージづくり」をすることです。まずは、おしっこやうんちがおむつで出たときに「おしっこが出てスッキリしたね! おむつを替えて気持ちがいいね!」と子どもの気持ちに共感することです。そして、おしっこなどを題材にした絵本などを遊びに取り入れます。 ここで注意することは、絵本を教科書にしないこと。あくまで遊びのなかで自然に興味を持ってもらえるよう強制はしません。 2. ママがトイレに行くときに誘ってみようトイレに座るタイミングは、子どもにトイレのイメージづくりができてからでOK。ママがトイレに行くときに誘ってみてもいいですね。子どもはママのマネが大好き! トイレの一連の流れを見せつつ「〇〇ちゃんも座ってみる?」と言って誘ってみましょう。 誘ってみて「うん」と言ったら座らせてみるのですが、私の保育所での経験上、半分くらいの子は、いざ座る!というときに「いや!」と嫌がります。嫌がったらそこで終了。「じゃあ、また今度にしよう」と潔く諦めることも大切です。 子どもが嫌がっては先に進みませんので「座れるときに座ればいい」くらいのラクな気持ちで取り組みます。「トイレに行くと、楽しいことが待っている!」と思ってもらうためにも、トイレに好きなキャラクターの絵を貼っておくなどして、楽しい雰囲気づくりもしてみましょう! 3. お昼寝のあとにおしっこが出ていなければチャンストイレに行っても、すぐにおしっこが出るようにはなりません。結論から言うと、1歳代はおしっこが出れば「ラッキー」くらいに思って座らせましょう。「この夏で何が何でもおむつをはずすんだ!」という思いは少し横に置いてください。ただ、一度おしっこが出れば、その感覚を覚えてくれることが多いもの。保育所では、お昼寝から起きたときにおしっこが出ていなければチャンスと思ってトイレに誘います。このときに座ることができれば、かなりの確率でおしっこが出ます。なかには、これまでご機嫌でトイレに座っていたのに、おしっこにビックリして、その後しばらくトイレに座るのを嫌がる子もいます。ママとしては「ああ、もったいない!」と思うところですが、ここで「こないだまで座れてたじゃない!」と無理させるのはNG。それよりも「今は休憩期間」と思って、スッパリとトイレのことを忘れることが、近道になります。その後は、子どもの様子を見つつ、またトイレに誘っていきましょう。 おむつはずれは、どの子も行きつ戻りつしながら進んでいきます。ママは慌てずドーンとかまえて、遊びの一環として取り組んでみましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月17日こんにちは、保育士の中田馨です。保育園で子どもたちと過ごしていて、自然に口ずさむのが「歌」。今回は、私の保育園で子どもたちに人気の歌をいくつかご紹介します! 歌を選ぶときに大切にしていること保育園で子どもたちと歌を歌うときに大切にしているのは「一緒に楽しむ」ということ。身振り手振りで全身を使って歌うこともありますし、静かに口ずさむときもあります。どのようなシチュエーションでも大人が楽しみながら歌います。子どもが歌わなくてもOK。大人が楽しく歌っているうちに、いつの間にやら子どもも歌えるようになってきます。 今回ご紹介する歌は童謡が中心ですが、必ず童謡じゃないといけないわけではありません。子育てには、ぜひいろいろな歌や音楽を取り入れてみましょう。クラシック音楽や邦楽、洋楽なんでもOKです。以前、保育園でロック音楽をかけたら、1歳になりたての子どもが足踏みをしてノリノリになったこともあります! 1. 昔から歌いつがれている歌昔から歌いつがれている歌は、やはり子どもたちに大人気です。 「ぞうさん」 歌詞とメロディーが心をほんわかとさせてくれます。ぞうさんの鼻が長いこと。ぞうさんのお母さんの鼻も長いこと。お母さんと一緒ということをぞうさんが喜んでいるこの歌に、私はいつも子どもとそのお母さんを重ねながら歌っています。 「おかあさん」お母さんに抱っこされたときの優しく甘いにおいを思い出させてくれる歌です。ふわっと、お母さんの温かさに包まれることをイメージしながら歌っています。 「ぞうさん」も「おかあさん」も、私たちが幼少期から慣れ親しんできた歌です。きっと、急に「歌って」と言われても悩むことなく歌えるパパ、ママも多いはず。この2つの歌は遊びの中でも歌いますが、私は寝かしつけのときにもよく歌っています。 2. 年中行事の歌日本の年中行事では、さまざまな歌が歌いつがれています。その中から2つをご紹介します。 「うれしいひなまつり」全部で4番まである「うれしいひなまつり」。歌に出てくる言葉や人物は、ぼんぼり、五人ばやしなど、子どもたちにとっては耳慣れないものも多いです。それでも歌っているうちに子どもたちが覚えてしまうから不思議。私が子どものころは、7段飾りのひな人形のあるおうちも多かったので「たのしいひなまつり」を歌いながら、「コレが赤いお顔の右大臣!」なんて実体験できたのが懐かしい思い出です。 「こいのぼり」都会ではなかなか屋根より高いこいのぼりが泳いでいる風景に出合うことも少なくなりました。もし、歌を歌っていて子どもたちがイメージしにくい場合は、写真や絵本を見ながら歌を楽しむ方法もあります。 昔と今では、年中行事の風景や在り方も少しずつ変わっていますが、この2つの歌は今でも子どもたちに人気の曲です。年中行事の意味や歌を大切にして、子どもたちに伝えることも私たちの役目だと私は思っています。 3. 手遊びの歌手遊びをしながら歌う歌は、子どもたちが全身を使って楽しんでくれます。 「げんこつやまのたぬきさん」手遊び歌でおなじみの「げんこつやまのたぬきさん」は、手をグーにしてトントンと叩きながら歌います。おっぱいを飲むしぐさやねんねするしぐさなど、子どももまねをしやすい振り付けの歌です。 「さかながはねて」魚がはねて体のいろいろなところにくっついて、さらに変身もするという歌詞なので子どもは大喜び! 特にぴょーんと跳ねる表現が楽しいです。この手遊び歌はアレンジもできます。耳にくっつくと「イヤリング」、手首にくっつくと「とけい」、おしりにくっつくと「パンツ」や「しっぽ」にして楽しむことも。 生活の中で、歌を歌うシチュエーションはいろいろあります。私は子どもの機嫌が良いときにはもちろん歌いますが、泣いているときも抱き上げて歌って、気持ちを落ち着かせます。特に子どもにとって、普段聞き慣れた歌は心地良いもの。ぜひ、親子で歌って楽しんでくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月14日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は生後2カ月の赤ちゃんの遊びに関するご相談です。 Q.生後2カ月の赤ちゃんとの楽しいふれあい方は?生後2カ月の女の子を育てています。普段は、赤ちゃんを抱っこしたりベランダに出て景色を見たり外の音を聞いたり、ほっぺつんつんや手足をさわったり、話しかけたり歌を歌ってみたり、メリーで遊んだりしています。お散歩したり公園に行ってみたいですが、今の時期、外出をできるだけ控えており、毎日同じような遊び方をしています。ほかにも赤ちゃんとの楽しいふれあい方があれば、アドバイスいただけたらありがたいです。 宮川めぐみ助産師からの回答お散歩をされたりお歌を歌ってあげたりと、とてもいい関わりをされているなと思います。赤ちゃんの手足に触れてあげることもとても大切なことになります。足の指も一本ずつ「親指だよ〜」などと声をかけながらお話をしてあげてくださいね。たくさん触れてもらうことで子どもはその部位に意識を向けられるようになり、動かしていこうとしていきますよ。今はとにかくたくさん触れてあげること、そして目の前にいる間だけでもいいのでうつ伏せ遊びをされるといいと思いますよ。体育座りで座っていただき、お膝の上にもたれかけさせてあげて、向かい合わせになりながら、両足の裏を合わせて、おなか、お胸、お口と足の位置を高くしてあげるようにするといいと思います。腰のストレッチにもなりますので気持ちもいいと思いますよ。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 生後2~3カ月の赤ちゃんと遊ぶときのポイントでは、生後2~3カ月ごろの赤ちゃんと遊ぶときのポイントです。 首がすわっても無理しないそろそろ首がすわってきたかなという赤ちゃんもいますが、抱き上げたり、抱き下ろしたりするときはこれまでと変わらず、丁寧に頭と首のあたりを支えます。大胆に遊びたいところですが、赤ちゃんの体に負担のない範囲の動きにしましょう。 赤ちゃんが心地よい遊びをする「これをしたら発達するんだ!」と思いすぎず、赤ちゃんが心地よく感じる遊びを取り入れます。赤ちゃんの表情を見て、心地よさそうな顔をしていたらそのまま続けてOK。困った顔をしていたら、その遊びが苦手なのかもしれないので無理強いしないようにしましょう。 反応をお互いに楽しむママの表情を見て赤ちゃんが笑い、それを見てママも笑う。赤ちゃんが笑うとママもうれしいですよね。それは赤ちゃんも同じこと。お互いの反応を楽しみ合うことは、コミュニケーションの始まりです。 生後2~3カ月の赤ちゃんとの遊び方この時期に楽しめる、具体的な遊びの方法です。 あんよ体操赤ちゃんの足を優しく持ち、前後にゆっくり動かします。足の裏を合わせたり、クロスさせてみたりして、「むすんでひらいて」「幸せなら手をたたこう」など、リズムのある童謡などに合わせて足を動かしてみましょう。 おてて体操あんよ体操と同じように、赤ちゃんの手をやさしく持ち、ゆっくり動かします。手のひらを合わせてみたりして、こちらも童謡に合わせながら動かしてみましょう。 いないいないばあいないいないばあは、この時期だけではなくこの先長く赤ちゃんと遊べる遊びです。大人はなにげなくやっていますが、赤ちゃんとの心の絆を深めるとても素敵な遊びです。「ばあ!」とママが顔を出して赤ちゃんが笑う、これを何度も繰り返しているうちに、手でママが隠れているけれど、必ず現れることがわかり、信頼関係につながると言われています。ポイントは「ばあ!」と顔を出したときに、赤ちゃんと目を合わせることですよ。 この時期はまだ本来の遊び方をするにはちょっと早いので、ママは大げさにわかりやすくやってみて、赤ちゃんが反応を見せたらそれに応えてあげましょう。 ママと一緒に腹ばい赤ちゃんと向かい合いながら、ママも赤ちゃんと一緒に腹ばいの体勢になります。どこに肘を置いたらラクに腹ばいができるかなど、ママも赤ちゃんの気持ちになり、赤ちゃんから見える景色を一緒に楽しみましょう。 遊ぶついでに発達を確かめてみよう遊んでいるときに発見がたくさんあると思います。じっと見つめてくる、ママの声がする方向に目を動かす、よく笑うようになった、腹ばいで頭を持ち上げられるようになってきた、腹ばいを30秒できるようになったなど、毎日触れ合うことで変化が見えてきます。 赤ちゃんが手をなめて何を感じているのか、何を確かめているのか。「今日はこぶしじゃなく指を中心になめているな」「あ、指を発見したんだ!」など観察しながら遊んでみるとまた、一段と赤ちゃんとのふれあいが楽しくなりますよ。※参考:ニュース(ママネタ)「【生後2~3カ月】首すわり前の赤ちゃんと一緒にできる心を育む遊び方」【著者:保育士 中田馨一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長】
2020年05月14日こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。「こしょく」という言葉を聞いたことがありますか?「こしょく」と言って私がパッと思いつくのが「孤食」。でも、それ以外にも「こしょく」があります。今日は大人も気を付けたい「7つのこしょく」についてお話ししますね。 赤ちゃんが気を付ける「7つのこしょく」人が生きるうえで欠かせない「食べる」という行為。赤ちゃんや子どもにとって「食べる」ことは楽しいことであってほしいという思いから、気を付けてほしいのはこの「7つのこしょく」です。 1.小食食事を少ししか食べないことです。たとえば、痩せたいから食事を減らすなど。赤ちゃんや子どもにとって食事は成長するために欠かせないものです。たとえば少しぽっちゃりしていたとして、食事の量を大人の自己判断で減らすことはおすすめできません。気になる場合は必ず医師に相談しましょう。 2.個食家族でバラバラなものを食べていることを言います。家庭環境にもよりますが、好きなものばかりを食べるようになり、栄養が偏る可能性も。同じ食事を食べることで「これ、おいしいね」という共感の会話が自然と出てくると思いますが、「個食」の場合はそういったコミュニケーションも取りづらくなります。 3.粉食パン・麺類などの粉ものばかり食べることです。ご飯だと汁ものやおかずと一緒に食べることが多いと思いますが、粉ものはおかずがなくても食べられるので野菜が少なくなりがちです。 4.孤食家族と一緒に食事をとらず、ひとりで食べていることです。ひとりで食べるので会話がなく、コミュニケーションを取ることができません。また、何を食べても注意されることがないので、栄養が偏ることもあります。 5.濃食味が濃いものばかり食べていることです。たとえば、お総菜やお弁当、外食など、外でできたものを食べていることです。濃い味は、糖分・塩分・油分が多く含まれていますので、生活習慣病の原因になる恐れがあります。 6.固食いつも同じものばかり食べていることです。自分の好きなものを好んでそればかり食べると栄養が偏ります。 7.コ食コンビニ食を頻繁に食べることです。「濃食」と理由は同じです。糖分・塩分・油分が多く含まれていますので生活習慣病の原因になる恐れがあります。また、味覚形成をするこの時期に、このような食事を続けることはおすすめできません。 こしょくにならないために離乳食期にできる2つのこと「7つのこしょく」にならないためにも、次の2つを心がけてみてください。 和食を心がける手作りだしだと、煮るだけで調味料がなくても野菜がおいしく仕上がります。素材の味を生かした和食を赤ちゃんも大人も心がけてみてくださいね。 家族でそろって食事をする1日1食からでもいいのでチャレンジしてみてください。家族と食べるといつもの食事がさらにおいしく感じます。 家族の食事を楽しくするためにも、この7つのこしょくにならないよう、心がけてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月12日こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。赤ちゃんの食育にも良いとされている手づかみ食べ。今日は、手づかみ食べを嫌がる赤ちゃんにママができることについてお話しします。 手づかみ食べの2つの利点よく離乳食の本にも、9~11カ月ごろ(離乳食後期)は「手づかみ食べをしてください」と書かれていますが、手づかみ食べにはどんな利点があるのでしょうか? 五感の働きを促す食べ物は、それぞれ固さや感触が違います。手づかみすることでその感触の違いを知ることができます。また、つかんだ食べ物を口に持っていくことは、距離感を学ぶことにつながります。握った食べ物を口に入れてどのタイミングで手放すかなども簡単にはできません。赤ちゃんは五感を働かせながら何度もチャレンジしてできるようになってくるのです。 食べる意欲を増進させる自分で食べるという経験を積むことで、赤ちゃんは食べる喜び、自分で食べる満足感を味わうことができます。 どうして手づかみ食べを嫌がるの?さて、手づかみで食べることを嫌がる子の理由とは何なのでしょうか? 手触り、べとべと感でしょうか? きっとそれぞれの赤ちゃんによって理由は違うと思います。 苦手でもすぐにできるようになる赤ちゃんもいるでしょう。ハイハイができる時期に個人差があるのと一緒で、手づかみ食べにも個人差があります。赤ちゃんがそれを嫌だと思えていることは、発達しているということです。少しずつでいいので、大人が働きかけてあげましょう。 手づかみ食べを嫌がるときにママができることは?手づかみ食べが嫌いな赤ちゃんにもっと手づかみ食べをしてほしいときにママができることをお伝えします。 手づかみメニューを出す手づかみ食べを嫌がるからと言って、ママがスプーンで与えるばかりではなく、手づかみメニューも用意してみましょう。ベタベタするのが嫌なら、ベタつかない食材でチャレンジする、好きな食べ物を使ってみるなど、メニューを工夫してみましょう。 ママが手本を見せるママが手づかみで食べるお手本を見せてみましょう。「おいしい! 自分で食べるって楽しい!」という気持ちを伝えてみてもいいですね。 無理強いしない大切なことは無理強いしないことです。嫌なことをするように言われると、食べることも嫌になって疲れてしまうかもしれません。赤ちゃんの機嫌のいいとき、少しの時間でいいのでチャレンジしてみてください。 まずはいろいろな味や形、感触のものを持たせて、どんなものなら手づかみ食べするのか観察してみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月10日こんにちは。離乳食インストラクター中田馨です。離乳食の本を見るとよく、「ひとつの食材を1種類ずつ食べさせましょう」と書かれています。大人の料理は、食材を組み合わせて作ることも多いですが、離乳食は食材を混ぜないほうがいいのでしょうか? 今日は、1種類ずつ食べたほうがいい理由と、食材を混ぜるのはNGなのかなど、ママの疑問に答えます。 ひとつの食材を1種類ずつ食べるメリット離乳食期にひとつの食材を1種類ずつ食べると、食材そのものの味がわかるというメリットがあります。かぼちゃの味、にんじんの味、しらすの味など、食材にはそれぞれが持っている「味」があります。 5〜6カ月ごろ(離乳食初期)は、その食材そのものの味を経験して味わってほしいと思います。なぜなら、この経験をすることで、味覚の幅も広がると考えているからです。 いくつかの種類の食材を混ぜるのはNGなの?結論から言うと、数種類の食材を混ぜてももちろんOKです。食材と食材を組み合わせたおいしさを経験することも大切です。 例えば、かぼちゃ1つを例にとってみても、水でかぼちゃをゆがくのと、水でかぼちゃと鶏ささみをゆがくのと、だしでかぼちゃと鶏のささみをゆがくのでは味は変わってきます。食材そのものと、食材を組み合わせたもの、だしで煮たもの、それぞれ感じる「味」は違いますよね。1種類で食べるときもあれば、数種類の食材を組み合わせて食べるときもある。 そんな感じで、必ず1種類ずつ食べさせなくてはいけないということではなく、いろいろな調理方法を考えて離乳食作りをしてみましょう。 食材を混ぜるときの注意点ママからよく言われるのが「何も混ぜないおかゆを食べてくれないんです」という相談。急におかゆを食べなくなった赤ちゃんに、他の食材を混ぜたら食べてくれるようになった。でも、食べさせているうちに「このまま何も混ぜない白いおかゆを食べてくれなくなってしまうのではないか?」と不安に感じたそうです。 これはおかゆに限らず他の食材でもよくある話なのですが、大切にしてほしいポイントは、2つあります。 ●混ぜたものばかりを食卓に出さない●1種類で食べるチャレンジをする まずは白いおかゆを食卓に出し、ひとさじでもチャレンジしたらひとまずOK。赤ちゃんが嫌がったら、別の食材と混ぜてもいいです。無理強いして食べさるのではなく、徐々に白いおかゆを食べる回数や量を増やしてみましょう。食べてくれないときの方法として、大人が同じものを同じ食器でおいしそうに食べていると、赤ちゃんも興味を持ってくれますよ。 離乳食期は、味覚の土台をつくる時期です。赤ちゃんの月齢に合わせて、さまざまな食材を取り入れ、さまざまな組み合わせや調理方法で、赤ちゃんの食体験を広げてあげてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月09日この記事では、保育士の中田 馨さんが指しゃぶりについてお話しします。いつになったら指しゃぶりをやめたほうがいいのか? 指しゃぶりをやめるコツなどをまとめました。こんにちは。保育士の中田 馨です。「気づくと指しゃぶりしている」「寝るときは必ず指しゃぶりしている」といった子どもの指しゃぶりが気になるママも多いのではないでしょうか。実は私も指しゃぶりがやめられない子でした。親が心配することは「このままずっとやめられないのではないか?」「歯ならびは大丈夫か?」ということではないでしょうか。 今回は、赤ちゃんの指しゃぶりについて話します。 なぜ指しゃぶりをするの?指しゃぶりは、生後2~3カ月ごろから始まります。赤ちゃんが指しゃぶりをする理由はさまざまありますが「指しゃぶりは自然なこと」ととらえましょう。 それは、赤ちゃんの生まれ持った反射のなかに、口の近くに来たものを口に入れる「探索反射」と、口に入ったものを吸う「吸啜(きゅうてつ)反射」があるから。たまたま口の前にあるこぶしや指を吸うという行動は自然のことなのです。 そこから月齢が大きくなり、自分の意思で指しゃぶりをするようになります。幼児になると、不安や緊張を和らげるために指しゃぶりをするようになってきます。 いつ指しゃぶりをやめさせればいいの?では、指しゃぶりはいつごろやめさせたほうがいいのでしょうか? まず、0歳児の間は、先ほどもお話ししたように自然な行動ですので気にしなくてもOK。2歳ごろから少しずつ指しゃぶりから離れていき、幼児期後半になると卒業する子が多いと言われています。 指しゃぶりの卒業を意識し始めるのは、2~3歳ごろ。指しゃぶりで心が安定する子もいますので、無理強いしてやめさせる必要はありません。 指しゃぶりのやめさせ方のコツは?私自身、親に「やめなさい」と言われ続けていたので意地になり、隠れて吸っていました。だからなかなかやめられませんでした。できれば、自然な形で子どものペースに合わせて指しゃぶりを卒業できるといいですね。 ●指しゃぶりをやめたほうがいい理由を話す2~3歳ごろになると、会話ができるようになってきます。どうして指しゃぶりをやめたほうがいいかを一緒にお話ししてみましょう。 「歯並びが悪くなるんだよ」「手のばい菌がおなかを痛くすることもあるんだよ」など、子どもがわかりやすい言葉で話します。「もうお兄ちゃんなんだからやめよう」「恥ずかしいからやめよう」といった理由ではないほうがいいですね。 ●指しゃぶりをするタイミングにコミュニケーションをとる子どもはふと時間が空いた瞬間や、不安を感じた瞬間に指しゃぶりをします。楽しく心が安定しているときは指しゃぶりをしません。ですので、子どもが指しゃぶりをするタイミングに、遊びを取り入れたり、親子でスキンシップの時間を取ってみたりしましょう。 ●好きなキャラクターの絆創膏を貼ってみる指しゃぶりをする指に、子どもの好きなキャラクターの絆創膏を貼ってみましょう。「〇〇も応援しているよ!」と励ましてみましょう。 ●手をつないで寝る寝るときに指しゃぶりをする子も多いですね。そんな場合は、子どもが寝入るまで手を握ってみましょう。ママやパパの手を握っていたら安心する。他にも安心して寝る方法があることに気づいてもらえたらいいですね。 ●親以外の大人に助言してもらう私の場合、これで指しゃぶりがなくなりました。親以外の近い大人に助言してもらうことで「あ、そうなんだ!」とハッと気づかされたことを今でも覚えています。 今回お話ししたコツは、やればすぐに指しゃぶりをしなくなるというものではありません。指を吸わなくなったと思っていたらまた吸い始めたなど、行きつ戻りつする指しゃぶりですが、子どものペースに合わせながら焦らず進めていきましょう。 作画/はたこ著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月06日こんにちは。保育士の中田 馨です。1歳過ぎた赤ちゃんが、いたずらばかりするということはよくあるお話。たんすの引き出しに入ってみたり、洗濯かごをひっくり返したり、本棚の本を全部落としてみたり、ベランダに出ていたらカギを閉められたり……なんて話も! 予想もつかない赤ちゃんの行動に毎日振り回されて、しかってもやめてくれないし、同じことを繰り返しするので、ママにとっては大変な時期でもあります。赤ちゃんがいたずらばかりして困るときに、ちょっとラクになるコツをお話しします。 赤ちゃんにとっては遊びで悪気はないさて、ここで考えたいのが大人が“いたずら”だと思っていることは、果たして本当に“いたずら”なのかということです。大人にとって「してほしくないこと」は、赤ちゃんには「すごく楽しい遊び」ということもあります。 そのため、ここで「ダメ!」としかるのは少し違うこともあります。また、「ダメ!」と大人が反応することで、赤ちゃんは「注目してくれた!」と勘違いしてしまうこともあり、すぐにまた同じことをしようとすることもあります。 しかるのではなく意識を変える保育所でも、赤ちゃんは先生のしてほしくないことを楽しそうにします。そんなとき私たちが何をしているかというと「これは置いといて、こっちでこの遊びをしようか」と、別のことに意識を向けることです。 もちろん、別のことに意識を向けるように誘導しても、その遊びが終わったら、またさっきの「してほしくない」ことをするかもしれません。そのため、そのたびに繰り返し繰り返し伝えていくことが大切です。 触られて困るものは手の届かないところに大人の持ち物には、触られて困るものがたくさんあります。または、赤ちゃんにとっては危険なものもあります。そういったものはあらかじめ赤ちゃんの手が届かない場所に置くことをおすすめします。何がどのように見えていて、触りたくなるのかという赤ちゃん目線も大切ですね。 いたずら防止グッズを利用するいたずら防止グッズを使えば、赤ちゃんのいたずらを未然に防ぐことができます。 例えば、・引き出しや扉を開けないようにするためのグッズ・コンセントやスイッチに触れないようにするグッズ・机や家具の角でのケガ防止グッズ、など 特に「ここを開けられたら赤ちゃんが危険」「ぶつかったらケガをする」という場所にはこのようなグッズは必須です。 赤ちゃんは好奇心が旺盛! 興味を持ったものには突進していき、一生懸命に舐めたり触れたりして研究します。その好奇心を育てつつ、ママもしからないで過ごせて、赤ちゃんにとって安心して楽しめる部屋環境をつくってみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月04日こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。赤ちゃんのおやつを毎日手作りするのは少し負担に感じるママも多いでしょう。そんなときに便利なのが、手軽に手に入る市販のおやつ。今日は赤ちゃんのために市販のおやつを選ぶときのポイントをお話しします。 大人のおやつと子どものおやつの違い大人にとっておやつはどんなイメージですか? 楽しみや癒しの時間、ストレス解消などなど、気持ちがホッとする楽しい時間だという方が多いのではないかと思います。 では、赤ちゃんにとっておやつとはどんなものなのでしょうか。もちろん楽しみの時間でもありますが、大人と少し違うのは、「4回目、5回目の食事」というところです。一度に多くの量の食べ物を食べられない赤ちゃんは、食事と食事の間で補食としておやつが必要なのです。 市販のおやつを選ぶときのポイントそんな赤ちゃんにとっておやつは食事の一部。選ぶときの最大のポイントは、原材料がシンプルなものを選ぶということです。 裏面表示を見たときに、知らない食品名が書かれているものは買わないように心がけることが大切だと私は思っています。また、味つけが濃いものもあります。できれば原料そのものの味を生かしたものだといいですね。 おすすめの市販おやつとそのポイントでは、具体的にどんなおやつが良いのでしょうか? その一例を紹介します。 ・米菓子、麩菓子味つけがシンプルなものを選びます。赤ちゃん用であっても、塩や砂糖の味付けが強くないかということを大人が味見してから与えましょう。 ・ヨーグルト砂糖で味付けられているものではなく、プレーンを選びましょう。 ・そのほか干しいも、干したレーズン・プルーンなど。硬いので湯でもどして柔らかくし、小さくきざんで少しずつ与えましょう。 そのほかの市販のおやつに関しても、赤ちゃん用であっても裏面表示を確認して、大人が味見をして与えるかどうかを判断してみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月03日こんにちは、保育士の中田馨です。私は毎日保育所で、1~2歳の子どもと過ごしています。元気いっぱいの子どもたちと一緒にいかに楽しく遊べるかを、毎日試行錯誤しながら過ごしています。 今回は、数多くある遊びのなかで、私の保育所で室内でできる人気の遊びを紹介します。特別な道具を用意しなくてもできる遊びばかりですので、ぜひ試してみてください!子どもと遊ぶときに大切にしていること1~2歳の子どもと遊ぶときに私が一番大切にしていることは「大人も一緒になって楽しむこと」です。体を使った遊びをするときは全身で楽しみますし、手先を使った遊びをするときは声かけをしながら一緒に楽しみます。 その上で、やはり大切なことは「安全であること」です。今回いくつか遊びを紹介します。例えば台の上からジャンプするなら、台は頑丈か、子どもがのってもバランスは崩れないか、ジャンプする先の周りの環境は整っているか、ぶつかったり、踏んで困るものはないかなど配慮します。何人かで遊ぶなら順番を守って遊ばせるのか、どこまでしてもOKにするのかなど、遊びのルールも必要になってきます。 子どもは大人の思う以上の思いがけない行動をとります。「ヒヤリ」としたらその都度遊び方を改善して、ケガのリスクをできる限り排除することが必要です。 1. 手を使って楽しめるリズム遊び親子でできる手を使うリズム遊びです。 「手をたたきましょう」「手をたたきましょう」の歌に合わせて手拍子などして楽しみましょう。大げさに手をたたいて、「わらいましょわはは」も大げさに笑って。大いに楽しみます。子どもが振付に慣れてきたら「じゃあ、今度は早く歌ってみよう!」とスピードを早めたり、逆にゆ~っくり歌ったりすると子どもは大喜び! また、鈴など音の出るものをひもにくくり、手首、足首に巻き付けて「手をたたきましょう」をすると、シャンシャン鳴って、さらに楽しいです。 「おすわりやす いすどっせ」次は「おすわりやす いすどっせ」という歌遊び。大人は脚をのばして座り、太ももの上に子どもが座ります。そして「おすわりやす いすどっせ あんまりすわるとおちまっせどすん」と歌いながら「どすん」と同時に大人は脚を広げます。脚を広げたら当然子どもは落とし穴にはまるかのように床にドスンと落ちます。落ちること期待して「やっぱり落ちた!」と大笑い! 何度も何度も繰り返し遊べます。 2. お部屋を広く使う運動遊びお部屋を少し広げて、運動遊びをしてみましょう。工夫次第でサーキット遊びのようにもなります。 「台からジャンプ」台からジャンプする場合、保育所だったら跳び箱などからジャンプができますが、家には跳び箱はありませんので、低めのソファーや椅子でもOK。ママと手を繋いで遊ぶとより安心です。ただし、「普段はジャンプはダメ。ママと遊ぶときだけ」という約束は必要です。 「トンネルくぐり」トンネルくぐりも楽しいですね。市販で販売されているトンネルでももちろんいいですし、段ボールで代用もできます。ママの脚もトンネルになりますよ。 台からジャンプの次はトンネルくぐり。さらに、布団のお山など3〜4つの運動遊びを組み合わせてサーキットにしてみます。元気な音楽をかけてみたり、ママが声かけすることでやる気アップになります! 3. 廃材を使った遊び新聞や段ボールなどの廃材は工夫次第で子どもと楽しく遊べます。 「新聞ビリビリ」まずは「新聞ビリビリ」。新聞を広げて豪快に破きます。両手を使ってビリビリするのも気持ちいいですが、私のおすすめは「チョップ破り」。ママは新聞の両端をピン!と張って持ちます。子どもはその新聞の上からチョップをして新聞を破きます。1歳代の子どもはまだ力が弱いのでそれだけでは破きにくいので、新聞の真ん中に少し切り込みを入れておきましょう。「お! 強い! カッコいい! さすが!」というママの声かけで子どもは、ヒーローになりきります。 「段ボールのおうち」次に「段ボールのおうち」。大きめの段ボールが手に入ったときにおすすめです。1つの段ボールで作るのももちろん楽しいですが、いくつか段ボールが集まってから大きな家を作るのも楽しいです。 先日、保育所で作った段ボールのおうち。大きめの2つの段ボールを重ねて1つの部屋を作り、小さな段ボール2つで作ったトンネルと重ねてみました。部屋には玄関と窓があり、天井にはフタがあって上から顔を出すこともできるようにしました。入り口にポンポンなどを作るときに使うスズランテープでのれんも作りました。子どもたちは大喜び! 作ったその日は楽しすぎて、一日中遊んでいました。おうちの中で絵本を読んでくつろぐ子、玄関から入ってトンネルくぐって外に出るを繰り返す子、お人形と中に入っておままごと遊びをする子など、遊び方はさまざまです。 家の中でも、工夫をすれば子どもと体をいっぱい使って元気に遊ぶことができます。ぜひ、取り入れてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年05月01日こんにちは、保育士の中田馨です。前回は、保育所で1~2歳に人気の絵本を紹介しました。遊びには、手遊びやリズム遊び・運動遊び・外遊びなどいろいろありますが、今回はお家で楽しめる「おもちゃ」に注目。私の保育所の1~2歳児に人気のおもちゃを紹介します。おもちゃを選ぶときに大切にしていること1~2歳は自我が芽生える時期。「好き嫌い」や「イヤイヤ」が出てくる時期でもあります。自分が遊びたいものへの集中はすごいけれど、興味のないものは見向きもしないこともあります。そんな1~2歳児のおもちゃを選ぶときに、私が気を付けていることは以下の4つです。 1. 子どもの発達に合わせる背伸びしすぎて難しすぎるおもちゃだと飽きてしまうこともあります。逆に簡単すぎてすぐにできてしまっても飽きることにつながります。大人が「かわいい!」と思って選ぶことももちろん大切ですが、子どもが興味を持っていることが最重要。おもちゃ売り場や児童館など、実際におもちゃを触れることで何に興味を持っているか見てみるのもいいですね。 2. 安全性を考える例えば、なんでも物をなめる時期ならなめても大丈夫か、飲み込んでしまわないか、とがった部分はないかなどを確認します。また、物を投げる時期には、投げて危ないおもちゃはNGです。使っているうちにひび割れしたりした場合は処分しましょう。 3. 遊びが広がるおもちゃを選ぶワンパターンにしか使えないおもちゃではなく、発達に応じて遊び方を変化できるおもちゃだと長く使えるのでいいですね。特に2歳になると見立て遊びもできるようになってくるので、子どもの想像力を膨らますことができるおもちゃを準備します。 4. シンプルなおもちゃを選ぶキャラクターのおもちゃなど、さまざまな機能がついているものももちろん楽しいのですが、保育所では想像力でいろいろとイメージが膨らむおもちゃを選ぶようにしています。 積み木ならコレ!まずは、おもちゃの定番「積み木」。1歳のときは、なめたり触ったり積み木を両手に持ってカチカチと音を鳴らしてみたりして、その感覚を楽しみます。その後、並べたり積み上げて崩してみたりしているうちに、お城を作ったり、坂道に車を走らせてみたりと遊びが広がります。今回紹介する積み木は2つです。 「シンプルな積み木」 木の温かみを感じることができるシンプルな積み木です。箱に積み木がパズルのように入っているので、箱から出して箱に入れるまで一連の流れで遊べます。 「カラフルな積み木」 原色を中心としたカラフルな積み木。ところどころ模様があって積み重ねるとお家や電車などになって想像力をかき立てます。 ブロックならコレ!こちらも定番のおもちゃ。保育所にはいろいろなタイプのブロックがありますが、今回紹介する2つのブロックがうちの保育所では根強い人気です。 「レゴブロック」 緑のコンテナのサイズのレゴです。最初は、大人が重ねたブロックを取ることが楽しみます。そのうち自分で積み重ねることができるようになり、想像しながらお家や車、ロボットなどを作り始めます。動物や人が入っているとさらに想像が膨らみごっこ遊びにつながります。保育所では、赤・青・緑など色分けしてそれぞれの箱に片付けをしています。そうすることで片付けまでが遊びになります。※写真のレゴは現在15歳の息子の時代のレゴなので、今とはデザインが多少違います。 「学研 ニューブロック」 このブロックは工夫次第でさまざまなものを作れ、想像力をかき立てます。はめ込むのがなかなか難しいので、自分ではめ込むことができるのは2歳ごろからです。1歳の間は大人が作ったものを使って遊びます。保育所でよく作っているのが、救急車、消防車、ブルドーザー、ロボットなど。平面につなげれば線路になって、電車を走らせることもでき、遊びがグ~ンと広がります。 指先を使うおもちゃならコレ!1歳になると、物をつまんで遊ぶこともできるようになってきます。はじめは大きいものからスタート。2歳に近付くと、徐々に指先でつまめるくらいの小さいものがつまめるようになります。指先を使って遊ぶことは、集中力が必要でかなり疲れるものです。指先を使った遊びを十分にしたあとは、給食の食べっぷりも良いものです。 「はじめてのつみき RING 10」 輪を棒に入れていく単純な遊びですが、入れたり出したりしながら遊びます。色の種類がわかるようになると、色分けして入れる楽しさも味わえます。また、2歳ごろになると、付属のひもに通して遊ぶことができます。ひもに通すためには、指の入れ替えをしなければいけないため、子どもにとってはなかなか難しいチャレンジになります。最初は親が一緒に指の使い方を教え、徐々に補助なしでチャレンジしてみましょう。できた喜びを一緒に分かち会えるのも楽しいです。 「型はめ 動物パズル」 子どもが最初に出合うパズルの1つです。つまんで同じ形の動物にはめ込みます。このパズルには動物の絵が描いているので、親子で動物の名前を言いながら、ごっこ遊びをしながら遊べます。完成したらもう一度崩して再チャレンジ! 「モンテッソーリ 円柱さし」 穴の大きさ、長さ、円柱の色がそれぞれ違います。穴の大きさにあった円柱を指先でつまんで穴に入れて遊びます。一度入れて「あれ? ここじゃない」とわかったら、横の穴にもチャレンジ。試行錯誤しながら穴の中に円柱を差し込みます。完成したら全部出してもう一度チャレンジです。最初から4種類すべて出すと子どもが混乱して「できない!」と思ってしまう原因になります。1種類からスタートし、慣れてきたら2〜3種類出してあげるとスムーズに遊べます。 遊びで大切なことは「1つ終わったら1つ片づける」です。出しっぱなしにしているとおもちゃがごちゃ混ぜになって、本来の遊びではなくなることがあります。ひとつの遊びを楽しんで飽きたら、片付けてから次の遊びに移る習慣にしましょう。最初の片づけはブロック1個箱に入れるだけでもOK。あとはママが片付けます。おもちゃ売り場に行くと、たくさんのおもちゃが販売されています。どのおもちゃが良いのか悩むところですが、子ども目線に立って選んであげてくださいね。 ※おもちゃで遊ぶ際は誤飲等にご注意ください。お子さまが遊んでいる間はそばで見守るようにしましょう。※直径39mm以下(トイレットペーパーの芯を通る大きさ)のものは、誤飲の恐れがあります。赤ちゃんに渡したり、そばに置いたりしないように注意しましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月26日こんにちは、保育士の中田馨です。子どもとの触れ合い遊びの1つが「絵本」です。私は保育士という職業柄、毎日子どもたちと一緒に絵本に触れ合っています。今回は、数ある絵本のなかで、子どもたちに人気があり、私もおすすめする絵本を6つご紹介します。 絵本を選ぶときに大切にしていること私が1〜2歳児の子どもたちに絵本を選ぶときに大切にしていることは、・年齢にあった話の長さであること・読んだときに子どもの喜ぶ顔が想像できるものこの2つです。そして、子どもと絵本を読むときは絵本を読むことに集中しましょう。子どもに「絵本読んで」とお願いされたら、家事やスマホはいったん横に置きます。保育所では、子どもをひざに座らせてお互いの体温を感じながら、やさしく心を込めて読みます。そして「もう1回」と言われたらもう1回読みます。ふれあいの時間が楽しければ楽しいほど子どものリクエストも増えますが、できる範囲で答えてあげましょう。また、絵本はお勉強をしているわけではありませんので、文字を覚えさせたり、感想を聞く必要はありません。読んだらそれで終了。感想を聞かなくても、子どもは心の中に温かい感情をたっぷりため込んでいます。 では、次から具体的におすすめする絵本を紹介します。 1. リズムで楽しめる絵本まずは、リズムを楽しめる絵本を紹介します。 『だるまさんが』(ブロンズ新社)1ページ目は、赤い愛嬌のあるお顔のだるまさんが「だるまさんが」と揺れながらリズムよくスタート。そんなだるまさんがころぶのは大人なら誰もが予想できますが、その後もだるまさんは予想外なさまざまなことをします。大人も思わず「クスッ」と笑ってしまう楽しい絵本です。親子で体を揺らしながら、だるまさんのまねっこして読んでも楽しいです。 『きんぎょが にげた』(福音館書店)きんぎょが水槽から逃げて、おうちのさまざまなところにかくれんぼするお話。「にげた」と「こんどはどこ」が繰り返される言葉のリズムの楽しさもありますが、毎ページ毎ページきんぎょを探す楽しさもあります。最初にこの絵本を読んだ子は、一生懸命きんぎょを探します。何回も読んでいるうちに、きんぎょの行方はわかるんだけど「パッ!」と見つけることを楽しむ子、周りの絵を見始める子と1回目とは違う楽しみ方を始めます。 2. 親子で食べたくなる絵本続いて、読んでいて思わずおなかが「グー」っとなってしまうような絵本を紹介します。 『しろくまちゃんのほっとけーき』(こぐま社)こぐまちゃんシリーズのなかの1冊。今回は、しろくまちゃんがママと一緒にホットケーキを作ります。材料を混ぜて焼いていくのですが、フライパンで焼くときの描写が何とも言えずおいしそう。できあがったホットケーキはふっくらとして甘い香りがただよってきそう。最後はお皿を洗っておしまい。読むと大人でもホットケーキが食べたくなります。 『ごはん』(福音館書店)ページをめくると、ずらーっと「ごはん」が並んでいます。こんなにもたくさん「ごはん」があるんだと読むたびにビックリします。一つひとつのごはんを指さしながら「たけのこごはん」「さつまいもごはん」「おせきはん」と、子どもはつまんで食べるまねをします。まさにおなかがグーっとなるおいしい絵本です。 3. 不思議な世界がおもしろい絵本最後は、不思議な世界に入ってしまう絵本です。 『もこ もこもこ』(文研出版)「もこ」と出てきてどんどん大きくなって「ぱちん!」とはじけて。きっと読む子によって感じ方が違うんだろうなと思う絵本です。目をまん丸にしながら真剣に読んでいる子どもの表情を見るのも楽しい絵本です。 『ねないこだれだ』(福音館書店)せなけいこさんの不思議な世界。「こんなじかんにおきているのはだれだ?」から始まり、出てくるのは表紙にもなっているおばけ。何度も読んでいるうちに、おばけが出てくると「きゃあああ!!」と言って大喜びする子どもたち。子どもによっては本当に怖がって嫌がる子もいますので、そんなときはそっと隠している絵本でもあります。 心にポッと温かいものを与えてくれる絵本。親に読んでもらったり、自分でも何度も読み返したりした絵本は、大人になっても心の宝物になりますよね。子どもにとって「絵本」の時間は、絵本の内容が楽しいこともありますが、ママやパパとのスキンシップの時間でもあります。義務に感じる必要はありませんが、余裕があるときには絵本の時間を取り入れてみてください。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、商品によっては現在と異なる場合があります。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月23日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【管理栄養士に相談】。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は赤ちゃんのスプーンに関するご相談です。 Q.スプーンを持たせたまま離乳食を進めてもいいものでしょうか?生後9カ月になったばかりの子どもの離乳食について相談させてください。最近、自分で食べたい気持ちが湧いてきたのかウーウー唸り機嫌が悪くなるため、離乳食を食べさせるスプーン以外に別のスプーンを持たせて離乳食をあげています。別のスプーンを持たせてあげても、口に突っ込んだりして遊んでいるようにしか見えないのですが、スプーンを持たせてあげてからは、唸って食べることは減ったように思います。「おいしいねー」などの声かけはしていますが、ニコニコ笑顔で食べたことが今までありません。食事のマナーは気にせず、このままスプーンを持たせてあげて離乳食を進めてもいいものでしょうか? 今後注意していくことがあれば教えてください。 小林亜希管理栄養士からの回答お子さん用のスプーンを持たせてあげているのですね。やりたい気持ち大切にしてあげてください。とてもじょうずに進められていると思いますよ。お子さんとしては、スプーンを口に入れて遊んでいるわけではないと思いますよ。どうやって使うのかな?と食具の使い方を勉強中だと思います。口に入る感触を確かめたり、目と手と口の協調運動で、今後自分でお子さんが食べるようになったときに今練習されている効果が出てくると思います。食事の時間以外でも、ぬいぐるみにおままごとのスプーンでごはんを食べさせてあげるところをみせてあげたり、スプーンの使い方を教えてあげられるとよいかと思います。※参考:ベビーカレンダー「管理栄養士に相談」コーナーより スプーンを使うのは難しい?大人は簡単にできていることですが、今まで経験したことのない赤ちゃんにとってスプーンを使うことはとっても難しいことなんです。赤ちゃんは練習して、少しずつじょうずになります。最初はできなくて当たり前だと思って見守りましょう。 グーで握っているけれど、持ち替えさせたほうがいい?まず赤ちゃんはスプーンを上から「グー」で握って使うと思います。最初はそれで大丈夫です。手の動かし方が未発達なので、大人のように持つことはできません。2~3歳になり、お箸を使い始めたら徐々に持ち方を変えていきましょう。 スプーンを持ちたがるけれど、どうしたらいい?ママの持っているスプーンを持ちたがるなど、食がなかなか進まないことがあります。そんなときは赤ちゃんにもスプーンを持たせてあげましょう。「まだ、スプーンを使って食べることができないから」ではなく、「スプーンを持つことで離乳食を意欲的に食べようとしている」ということに重点を置くといいですね。 ママが赤ちゃんにしてあげたい4つのこと1.少々手間でも、スプーンを持たせる2.最初はママが手を添えて、食べ物をすくって口の中に入れる3.赤ちゃんが使いやすい食器とスプーンを用意してあげる4.赤ちゃんが離乳食を食べる器と、ママが与える器を分ける ※参考: ニュース(食・レシピ)「赤ちゃんがスプーンを使い始めるころのママの疑問に保育士が答えます!」【著者:保育士 中田馨一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長】
2020年04月16日こんにちは、保育士の中田馨です。ママのお悩みで多いのが赤ちゃんの夜泣き。寝不足の状態での育児や家事、仕事はなかなかつらいものがあります。「夜泣きは一時的なものだよ」と言われても、「今」の大変さをどうにかしたいものです。 私には2人の子どもがいますが、実は夜泣きに悩んだ経験がほとんどありません。なぜだったかを考えると、「もしかするとあれかな?」と思い当たることがあります。今回は夜泣きに悩んでいるママだけでなく、夜泣きがまだ始まっていないママも読んでほしいと思います。 赤ちゃんの夜泣きとは?赤ちゃんの夜泣きは生後7~8カ月ごろがピークと言われています。多くの赤ちゃんが1歳6カ月ごろにおさまってきますが、なかには2歳まで続く場合もあります。なぜ、夜泣きが起こるのかは、実はよくわかっていません。夢を見ているのか? 不安なのか? 興奮しているのか? 原因の特定が難しく「こうすれば必ずおさまる!」という特効薬がないからこそ、悩んでしまうのが夜泣きです。 夜泣きで近所に迷惑になっているか気になる場合は、昼間にご近所の方に出会ったときに、「最近、夜泣きがひどくてすみません」とひと声かけておくといいですね。夜泣きは、脳が発達している証でもあります。ママが不安にならず「よし来い!」くらいの心持ちで対応してみましょう。 夜泣きの考えられる原因原因の特定が難しい夜泣きなのですが、考えられる原因はいくつかあります。 原因1:興奮している赤ちゃんは起きている時間にたくさんの刺激を受けています。脳は寝ている時間も働いていて、起きている時間に受けた刺激を寝ている間に整理しています。お出かけしたときや、初めての人と遊んだときなどは、特に脳が興奮して目が覚めてしまうことも。 原因2:生活リズムお出かけしたり、お昼寝がいつもより長かったりなど、普段の生活リズムと違う日に夜泣きが起きることもあります。 原因3:不安赤ちゃんは寝ていても突然「不安」を感じることもあります。「あれ? もしかしてママがそばにいない!」と思うと泣いてしまうのです。 私が実践していた方法はコレ私自身、夜泣きに悩んだ経験がほとんどないと最初に書きましたが、子どもたちが夜中に起きて泣かなかったわけではないのです。1歳ごろまでは、夜中に毎回1~2回程度は「ふにゃ~」と泣きました。そのときに私がしていたのは体をやさしくトントンすること。 やさしくトントンしてあげると、そのままスーッと眠りに入ってくれました。抱っこなどと違って、私も寝た状態でできるので半分寝なから、そのまま私も入眠していました。子どもたちが泣いても苦にならなかったのは、起き上がって抱っこしなくても、子どもたちが安心して入眠できる方法を知っていたからです。 夜泣きが始まる前からできる対策私がおすすめするのは、生後3カ月ごろからの寝かしつけを「布団に寝かせてトントン」にすること。多くのママが新生児のころから続けている、抱っこや授乳しながらの寝かしつけをしていると思います。赤ちゃんにとってママの抱っこは一番安心できる場所です。その安心できる場所をもう1つ増やしてみましょう。 「布団も気持ち良くて安心できるんだよ」ということを教えるのです。これまで抱っこで寝ていたのですから、最初はもしかすると泣くかもしれません。ママは慌てず、子守歌を歌って、体をさすったり、やさしくトントンしたりしてみましょう。もし、大泣きした場合は抱っこして落ち着かせます。布団でトントンをくり返ししているうちに、抱っこではなくても寝るようになります。トントンで寝るようになると、夜中に起きたときもトントンだけで安心して寝るようになります。赤ちゃんによっては、ママの耳を触ったり、腕を触ったりして安心する子もいます。私の息子は泣き出しても、小指を差し出せば触って安心して寝てくれました。このように赤ちゃんの安心できる何かを用意してももちろんOKです。 夜泣きが止まらないときの対応方法第一にママが慌てないことが大切。赤ちゃんが寝ぼけて泣いているだけで、すぐにまた寝ることもあります。このときに、慌てて抱っこしたり電気をつけたりすると目が覚めてしまい、夜泣きをこじらせてしまうこともあります。しばらくトントンして様子を見ましょう。トントンでも寝ないとき、うちの子は湯冷ましを飲ませると寝ることが多かったです。枕元に置いておくともしものときに助かりますよ。とはいえ、トントンしても抱っこしても、授乳しても、思いつくすべてのことをしても、泣いて泣いてどうしようもないときもあります。そんなときは「泣き止ませよう」という気持ちを諦めてみましょう。ママも眠たいので、泣きたくなると思いますが、たまには諦めることも大切です。私の場合「そうかそうか。泣きたいんやね。大丈夫やで。お母ちゃんがそばにおるで」と声に出して(半分自分に言い聞かせながら)、泣き声に翻弄されずに落ち着いて抱っこをします。 夜泣きを含め赤ちゃんが大泣きしたときは、ママが慌てないことが一番大切。ママが慌てて不安になると、その不安は赤ちゃんに伝わります。「泣いても平気! ドーンと来なさい!」と思うこと。泣くことは仕方ないとある程度諦めること。泣き声に翻弄されず心を落ち着かせることは、私はわが子にも保育所の赤ちゃんにもかなり効果的でした。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月07日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが伝い歩きができるようになってきたらママも楽しみが増えますね。早く歩けるようになってほしいとも思いますが、歩けるようになるまでに知っておきたいことを今回はお話します。 この時期の赤ちゃんの発達多くの赤ちゃんが9カ月ごろからつかまり立ちを始め、10カ月ごろから伝い歩きをします。そして、1歳〜1歳半ごろまでにひとりで歩くようになります。このころの赤ちゃんの発達としては、感情表現が豊かになり、自己主張も激しくなります。また、周りのものや人への興味関心が強くなり、大人のしていることをマネしようとします。 「おもしろそう!」と思ったら、一直線に興味のあるところへ直行。ひとりでソファーに登ってみたり、台所で鍋をお玉でたたいてみたり、私の娘は目を離した隙に、トイレでトイレットペーパーをすべて引き出して大喜びしていました。 自分で好きなところに移動できるからこそ、この時期には油断したときに転落、転倒などの事故が起きることもあります。そこで、具体的な事故と気を付けるポイントを紹介します。 【1】頭をぶつける歩き始めたころによくあります。ハイハイのときは届かなかった高さでも、立ってみると頭が当たります。机、テレビ台、本棚などの四隅の角はとがっているので気を付けましょう。 対策としては、家具にクッション材などを貼るのがおすすめ。両面テープやボンドなどで付けることができます。子どもがはがしてしまうこともあるので、定期的に点検をしましょう。また、棚にぶつかったときに棚が倒れてきては危ないので、家具を固定しておくとより安心です。実際、保育現場であった私の失敗談をお話しします。歩き始めて間もない子がバランスを崩し、転んで本棚の2段目の棚におでこをぶつけました。四隅の角や上段の棚にはクッション材を貼って気を付けていましたが、間の棚には貼っておらず油断してしまったことから起きた出来事です。 【2】バランスを崩して転ぶ大人と比べて赤ちゃんの体のバランスは頭が大きいことが特長です。頭が大きいということは頭が重いということ。そうするとバランスが取りにくく、転びやすいということになります。大人が転ぶというと前に転ぶイメージですが、赤ちゃんは後ろにも転ぶので要注意です。 対策としては、赤ちゃんが過ごす部屋にはクッション性のあるマットなどを敷くこと。そのマットは、動かないもの・滑らないもの・段差のないものを選びます。また、赤ちゃんがつかまり立ちのときに思わずつかんでしまうようなものを置かないようにします。例えば、椅子の座布団。椅子につかまり立ちをしようとして座布団をつかんでそのまま後ろにひっくり返ることもあります。テーブルの上に新聞紙を置いていたら、新聞紙を触ろうとしてそのまま後ろへひっくり返るなんてこともあります。 【3】道路で走り出す歩くようになってきたときのお散歩は要注意です。このころは、歩くことが楽しくて仕方なく「自分で歩く!」という気持ちが強くなり、ママの手をはねのけたりします。そして、興味のあるものを見つけるとそれに向かって走り出すなんてことも。これが公園だったらいいのですが、道路だととても危険です。 一番大切な対策は、「道を歩いているときは手をつなぐ」ということを何度も何度も根気強く伝え、実践するということ。時間がかかり大変なことだと思いますが、外での事故は命に関わることもあるため、「それが外に出たときのルール」という強い気持ちを持って接しましょう。そして、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。 赤ちゃんは大人が予想もつかないところでケガをするので、対策をするときは、赤ちゃんの目線になって考えてみましょう。保育所では、ケガにつながらなくとも「ヒヤリ」としたときに、次にヒヤリとしないようにどうすればいいかを考えて対策をしています。そうすることで、ケガや事故が格段に減ります。ママのヒヤリとした感覚は大切です。ヒヤリは赤ちゃんの安全を守ってくれるヒントだと思い、対策してみてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月06日こんにちは。保育士の中田 馨です。今日は赤ちゃんとの遊び方を紹介します。特に「視覚」に焦点を当て、意識を向けると、それが好奇心をくすぐる遊びに変身します! 特別な道具は必要ありません。毎日のふれあいのなかでできるものから取り入れてみましょう。 じっと見つめることは集中力を育てる最初の一歩まだ月齢の低い赤ちゃんが何かをじっと見つめていることありますよね。瞬きも少なくじっと見ている様子を見ていると「何を見ているんだろう?」と思いませんか? この、じっと見つめている姿は、ぜひ大切にしてあげてください。 このときにママとパパにしてほしい遊びは、赤ちゃんが見つめているものに対して「かわいいね」「素敵だね」「きれいだね」と声をかけ、触れるものだったら触ってみて「柔らかいね」「あったかいね」など言うこと。赤ちゃんが見ているものに、ママたちも興味や関心を示すと、赤ちゃんは見ることが楽しくなり観察を始めます。 この「見る姿」が、集中力を育てる最初の一歩になるのです。 赤ちゃんが好きなものを「見る」親としては「この絵本がいいよ」と誰かに言われると、赤ちゃんに読んであげたいと思います。ただ、必ずしも赤ちゃんが大人の与えるものに興味を示すとは限りません。私自身も経験があります。良かれと思って買った絵本に興味を示してくれなかったこと。 まず、赤ちゃんによって「興味を持つ時期」は違います。絵本に興味を持つ子もいれば、おもちゃが良い子もいます。最初は「赤ちゃんが興味を示してみているもの」、つまり赤ちゃんが好きなものを見せて遊びましょう。 おもちゃでも絵本でもOKです。絵本の場合、必ず全部のページを見るのではなく、同じページばっかり見ていることもあります。それでOKなんです。 見るから指差しへランクアップ生後9〜10カ月ごろになると、赤ちゃんは見たものを指差しし始めます。この指差しも発育でとても大切な行動です。指差しすることで自分の思いや見ているものを、ママと共有することができるようになります。また、赤ちゃんが指差したもの名前を言うことで、物の名前がわかり、言葉の獲得にもつながっていきます。 例えば、「赤い花だね」「犬がいるね」「空が青いね」など、一緒にお話しして遊びましょう。 「見る」遊びは、「さあ、今から遊びをしよう!」と気合を入れてするものではありません。生活のなかでふとした瞬間に取り入れられるものです。見るときの主体は、まず「赤ちゃん」。赤ちゃんが自ら興味を向けるものをたくさん見てあげてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年04月02日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。5~6カ月ごろになると乳歯が生え始めます。そこで考えていきたいのが「歯磨き」。乳歯のころに虫歯になると、永久歯の歯並びや虫歯などに影響が出ることがあるので乳歯からの歯磨きはとても大切です。赤ちゃんのときから歯磨きを習慣にするには「楽しく歯磨きをする」ことと、ママがラクにできることです。毎日の歯磨きは、親子のスキンシップだと思って気軽に取り組んでみましょう。 赤ちゃんの歯が生える時期と生える順番歯の生える時期と生える順番は以下を参考にしましょう。歯の生える時期は、1歳まで生えない子もいますし、舌の歯が1本だけ先に生えてくる子もいます。個人差があるのであくまで目安としてとらえましょう。 【歯の生える時期の目安】■5~6カ月ごろ・・ 下の前歯が2本生えてくる■10カ月ごろ・・・ 上の前歯が2本生えてくる(合計4本)■1歳ごろ・・・・・上下の前歯が4本ずつ生えてくる(合計8本)■1歳6カ月ごろ・・ 手前の奥歯が上下4本生えてくる(合計12本)■2歳ごろ・・・・・犬歯が生えてくる(合計16~18本)■3歳6カ月ごろ・・ 上下の乳歯が生えそろう(合計20本) 赤ちゃんの歯磨き基本のステップ乳歯の生え始めのころ乳歯が生え始めるころの赤ちゃんは、歯茎をかゆがったり、物を口に入れてしゃぶったりする姿が見られます。このころの歯のケアはガーゼで歯を軽く拭く程度です。まず、手を洗った指にガーゼを巻きます。ガーゼは乾いていても濡れていてもどちらでもOK。まずは、唇や口の周りにガーゼを当てて慣れることからスタートし、様子を見つつ口の中にそっと指を入れ、歯茎全体をなでるように触る程度にして拭いていきます。歯磨き剤は必要ありません。歯ブラシに慣れるためにトレーニング用の歯ブラシを使ってOKです。 前歯が生えそろうころ上下の前歯が4~8本くらいになってきたら、専用の歯ブラシを用意し始める目安です。弱い力で歯ブラシを動かします。赤ちゃんも歯ブラシを持ちたがるようなら、赤ちゃんが磨く用の歯ブラシを持たせます。パパとママも歯磨きをして見本になってみましょう。歯磨き剤は必要ありません。 奥歯が生えるころ1歳を過ぎたら、朝晩の歯磨きを習慣にしていく時期です。子どもが磨く用の歯ブラシを持たせます。この歯ブラシは噛んでもOKです。赤ちゃんの「自分でしたい」気持ちを優先します。ただ、自分で歯磨きするときに歩きながらや、寝転びながらさせるのは事故防止のためにもやめましょう。仕上げ磨きは大人がします。歯磨き剤は必要ありません。歯磨きはしなくても、食後やおやつの後に湯冷ましを飲んで口の中をスッキリさせる習慣を取り入れましょう。 乳歯が生え揃うころ子どもが磨く用の歯ブラシを持たせ自分で磨きます。仕上げは大人がしましょう。うがいができるようになってきたら歯磨き剤を使ってもOKです。おやつのあと、歯磨きはしなくても、うがいを取り入れるだけでも口の中はスッキリします。 赤ちゃんの歯磨きがラクになるコツ毎日の歯磨きは楽しくラクに取り入れたいものです。そのためにはママの「何が何でもきれいに磨かなければ!」という気合を半分にすることからスタートさせましょう。 実は私が、長男のときにこの気合いで失敗した母親の一人。「とにかくきれいに磨かなければ!」という思いがありました。では、もし子どもが嫌がったときはどうすればいいのでしょうか。そんなときは、ガーゼでふき取る、湯冷ましを飲む、うがいをする、それで終了する日があってもOKなのです。 とはいえ、歯磨きがラクになる実際のコツも伝授しますね。ママが右手で歯ブラシを持っているとして手順を説明します。【1】赤ちゃんの頭をママのひざにおいて仰向けに寝かせます。【2】上の歯を磨くときは左手人差し指で上唇を押さえて磨きます。【3】下の歯を磨くときは、左親指で下唇を押さえて磨きます。【4】奥歯を磨くときは、左人差し指で唇の先をひっかけて軽く広げて磨きます。上下の唇を指で押さえることで、赤ちゃんの歯茎に歯ブラシが当たらず、赤ちゃんが痛がるのを防ぐことができます。痛いことが歯磨きを嫌がる原因のひとつなので、「赤ちゃんが痛がらないこと」が、歯磨きがラクになるコツです。また、磨くときは必ず弱い力で。ブラシが当たっている部分を「10」数えながら磨きます。「10くらいでいいんだ!」と思うと、気持ちもラクになりますね。 よくあるQ&AQ:歯並びがよくなるためにはどうすればいい?A:よく噛むことが大切かなと思います。離乳食期は、各時期、赤ちゃんの発達に合った固さ、大きさのメニューを用意することで噛むことを覚えていきます。噛む練習になる根菜類をメニューに取り入れて丈夫なあごを育てましょう。 Q:虫歯菌は大人から感染する?A:虫歯菌は大人の唾液から感染すると言われています。口移し、スプーンの共用などは極力避けましょう。 Q:歯と歯の間に隙間があるA:隙間があることはよくあることです。これから生えてくる歯のためのスペースだと言われています。気になる場合は、健診の時に医師に聞いてみましょう。 Q:歯磨きを泣いて嫌がるA:鏡を使ってみてはいかがでしょうか? 私の友人の歯科衛生士さんが「何をされているのか不安になっている子もいるから、歯磨きの様子を手鏡で一緒に見ると泣き止むことがあるよ」と教えてくれました。 長男のときに失敗した私はその経験を生かし、次に生まれた娘にはゆったりとした気持ちで歯磨きをしたので、娘は一切嫌がることなく育ちました。さらに、保育所の子どもたちが嫌がるときは「じゃあ、1回だけぐちゅぐちゅぺーしよう!」と緩やかに誘います。そうすると、1回だけのはずのぐちゅぐちゅぺ―が、2〜3回としてくれることも! 大切なのは毎日念入りに歯磨きすることよりも、楽しく毎日の習慣として生活に取り入れること。肩の力を抜いて、赤ちゃんとのスキンシップの時間を楽しんでください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月30日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんと毎日生活するようになると、赤ちゃんの体(目、鼻、耳、爪)などのお手入れが必要になります。 お手入れをする時間はどの時間でもいいのですが、目、鼻、耳の汚れが取れやすいのがお風呂上がり。体の汚れがお風呂に入ることでふやけているので、サッと拭くだけでラクに取れます。赤ちゃんの機嫌が良くチャレンジできそうならお風呂上がりに。お風呂上がりが難しければ別の時間でももちろんOKです。 最初は慣れないお手入れも、毎日しているうちに慣れてきますので、少しずつコツをつかんていきましょう。 赤ちゃんの目のお手入れ目やにがあるときに拭きましょう。保育所では以下のようにお手入れをしています。お湯で濡らしたガーゼを絞って準備しておきます。【1】赤ちゃんの頭(額)を手で押さえて、動かないように優しく押さえる。【2】人差し指にガーゼを巻き付け、目頭~目じりへと拭く。【3】下まぶたに目やにがある場合は下まぶたを「あっかんべー」するように下げる。 ※このとき上~下に拭くと目やにが取れやすい。 目やにがない場合は、お風呂上がりに乾いたタオルで水分をふき取る程度で大丈夫です。 赤ちゃんの鼻のお手入れ鼻のお手入れは綿棒を使います。鼻くそは自然に出てくることが多いので、表側に見える部分だけ取り除きます。【1】赤ちゃんの頭(額)を手で押さえて、動かないように優しく押さえる。【2】綿棒の綿の根元をもって、鼻の周りをくるりと回して汚れを取り除きます。綿棒を奥まで入れないようにします。鼻水がよく出ているときは、鼻吸い器なども使いながら鼻の手入れをしてあげましょう。ティッシュで拭きすぎると鼻の下が赤く荒れて痛くなります。赤ちゃんは大人よりも皮膚が薄いので、優しくふき取ることを心がけましょう。 赤ちゃんの耳のお手入れ耳のお手入れは、ガーゼやタオル・綿棒を使います。お風呂上がりのお手入れだと、耳垢がふやけているのでおすすめです。耳には自浄作用があるため、もし耳のお手入れをするなら耳の外へ出てきた耳垢を取る程度にし、2週間~1カ月に1回くらいのペースに留めましょう。 【1】赤ちゃんを横に向かせてガーゼやタオルで耳の裏、耳の穴の周りなどを優しくふき取る。【2】くぼみは綿棒を使い優しくふき取る。 耳垢を取るときは、綿棒の綿の根元をもって見える部分の汚れだけくるりと回して取り除きます。耳の奥に入れすぎないよう気を付けましょう。力強く拭くと、傷つけてしまいますので、優しくサッと拭くだけで十分です。お風呂上がりは、耳の周りのくぼみに水が溜まっていることがあるので、水分も取り除いてあげましょう。 赤ちゃんの爪のお手入れ赤ちゃんの爪は伸びる速度が速いものです。伸びると自分の顔をひっかき傷つけてしまうこともあるので、3日ぐらいごとに伸びる様子をチェックしてみましょう。爪を切るのは、赤ちゃんが泣いて嫌がると難しいことも。赤ちゃんが寝ている時間でもOKです。【1】ママは座り、赤ちゃんの背中とママの胸が合うようにひざに座らせて抱っこする。【2】切りたい指だけ出し、赤ちゃんの手を優しく包みこむ。【3】切るときは1本を数回に分けて少しずつ切る。深爪にならないように、白い部分が少し残るくらいに切り取る。 爪はお風呂上がりはふにゃふにゃで深爪しやすいのでNG。赤ちゃんの小さい爪を切るときのポイントは、1本を数回に分けて少しずつ切ること。私も娘が生後1カ月ごろ、一度に爪を切ろうとして失敗したことがあります。小さい爪だからこそ、少しずつ切ることが大切です。 今回、紹介したお手入れは、細かいものが多いです。お手入れするときは、明るくお手入れする箇所が見えやすい環境ですることも大切です。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月29日こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。離乳食を作ったのに、ふと見ると赤ちゃんが寝ている! なんていうことありませんか。せっかく作った離乳食ですし、できたてを食べさせたいですよね。 おなかが空いている状態で赤ちゃんが寝てしまったときや、せっかく作った離乳食を目の前に赤ちゃんが寝てしまったときは、どうすればいいでしょうか? 赤ちゃんを起こしてでも食べさせたほうがいい?赤ちゃんを起こしてでも食べさせたほうがいいのか、悩んでしまうところです。一食抜いても大丈夫かしら? 食べていないことで、途中でおなかが空いて起きてしまうのでは? と思うかもしれません。たとえば、お昼寝の時間だったら食べなくても大丈夫かもと思いますが、夜ごはんだったら、朝までおなかが空かないかが気になりますね。 お昼に寝てしまった場合無理して起こさなくてもいいかなと思います。おなかが空いたら起きるので、それまで待ちましょう。起きたときに離乳食を食べてOKです。 夜に寝てしまった場合夜に寝てしまった場合が難しいですね。母乳や育児用ミルクを飲んでいる赤ちゃんは、寝ながらでも授乳できるのですが、1歳過ぎた赤ちゃんが問題です。起こして食べさせようとして機嫌が悪くなったときもこともありますし、すんなりと食べてくれたときもあります。 また、起こさずに朝まで寝た日もあるし、12時ごろに起きておなかが空いたと泣いた日もあります。ですので「こうしてください!」というものはないのですが、私が実際にしている方法を教えます。 一度、声かけをしてみて起きそうなら食べさせる。もし起きなさそうなら寝かしておく。 これは、子どもが小学生、中学生になっても同じです。いまだにわが家もありますよ! 【関連記事】・離乳食レシピ、月齢別食べていいものダメなものを紹介 - ベビーカレンダーの離乳食 起こさない場合の対処方法【起きた時間に離乳食を食べる】先にも書きましたが、起きた時間に離乳食を食べてOKです。ただし、夕食までは4時間以上開けるようにしてくださいね。 【母乳や育児用ミルクで代用】母乳、育児用ミルクを飲んでいる赤ちゃんは母乳や育児用ミルクで代用してもOKです。 【おやつをいつもより多めに】離乳食を食べないのであれば、おやつにごはんの代わりになるものを、いつもより少し多めに用意してみましょう。夜ごはんの妨げのない量にとどめましょう。 【夜ごはんを早めにする】昼に長く寝てしまい、おやつを食べる時間もすっかり過ぎてしまった場合。夜ごはんをいつもより早めに用意しましょう。 赤ちゃんのリズムがなるべく変わらないようにしたいですが、多少変わってもそれは大丈夫です。赤ちゃんの様子を見ながら、進めてあげてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月27日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが寝ていると、いつの間にかうつぶせで寝ていた、なんてことがあります。「うつぶせ寝はダメ」となんとなく聞いたことがあるけれど、赤ちゃんが自分でうつぶせになったときはどうすればいいのでしょうか。 寝ているときに気を付けることなど、赤ちゃんのうつぶせ寝について話します。 うつぶせ寝は大丈夫?赤ちゃんが寝返りを始めるころには、仰向けで寝ていたのにいつのまにかうつぶせになっていた、ということはよくあることです。実は、とてもとても昔は「うつぶせ寝」を推奨していた時代もありました。ですので、おばあちゃん世代はそのままの知識の方もいることでしょう。しかし、今は乳幼児突然死症候群を防ぐためにも、生後1年の間は、仰向けに寝かせるよう厚生労働省からも発表されています。 仰向けに寝かせることによって、乳幼児突然死だけでなく、窒息死の予防にもなります。安心して赤ちゃんを寝かせるためにも、できる限り仰向けで寝かせましょう。 乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?乳幼児突然死症候群(SIDS)は、どのような病気でしょう。乳幼児突然死症候群は、何の予兆がないまま乳幼児が亡くなってしまう病気で、その原因は現在のところ分かっていません。生後2〜6カ月ごろの赤ちゃんに多く発症します。厚生労働省によると、平成30年には60名(概数)の乳幼児が乳幼児突然死症候群で亡くなっています。以下の3つの予防をすると発生率が低くなるといいます。 ■仰向けに寝かせる 乳幼児突然死症候群は、仰向け寝、うつぶせ寝どちらの時でも発症することがありますが、うつぶせ寝のときのほうが、発生率が高いと言います。医学上の理由でうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、仰向けに寝かせましょう。 保育所のお昼寝では、赤ちゃんの背中が床に付いていることが仰向け寝の基準になるため、横向きになっても仰向けに寝かせます。 ■できるだけ母乳で育てる 母乳育児は、乳幼児突然死症候群の発生率が低いことが研究で分かっています。できる範囲で大丈夫ですので、母乳育児にチャレンジしてみましょう。 ■タバコをやめる タバコは乳幼児突然死症候群の発生の大きな危険因子。妊娠中は赤ちゃんの体重が増えにくく、呼吸中枢にもよくない影響があります。ママ自身だけでなく、赤ちゃんの周りにいる大人にも協力してもらいましょう。 私の保育所では0〜2歳児の乳幼児全て対象に、昼寝時には5分に1回の呼吸の変化、顔色、汗などのチェック、うつぶせになったら仰向けにするという対策を取っています。 赤ちゃんを寝かせる環境 うつぶせ寝をさせないほうが安全と分かったとしても、うつぶせ寝のほうが落ち着く子はかなり多いものです。保育所では、ほとんどの子どもがゴロゴロとうつぶせをしながら寝ています。しかし、保育所のように5分ごとにタイマーをかけてチェックしていたら、ママがストレスになってしまいます。そこで赤ちゃんを寝かせる環境を安全に整えましょう。 ■赤ちゃんの周りに布やタオルなどを置かない例えば、タオルなどは赤ちゃんが手でつかんで顔にかけてしまうと窒息することもあります。 ■寝返りしたときにタオルやシーツを顔に巻き込まないようにする 敷き布団の上にバスタオルを敷き、その上に赤ちゃんが寝ている場合。ゴロンと寝返りをしたときにバスタオルを体に巻き付けてしまうことがあります。バスタオルやシーツなどは、敷き布団の下に入れ込み、少々の寝返りでは動かないようにしておきます。 ■赤ちゃんが沈み込まないように、敷き布団はある程度の硬さがあるものにする沈み込むような敷き布団だと、赤ちゃんが窒息する恐れがあります。■赤ちゃんが寝る場所は大人がすぐ見える場所にするお昼寝時も夜も、赤ちゃんの様子がすぐに見れる場所で寝かせることで、寝返りをしたり、咳をしたりといった赤ちゃんの変化に気付くことができます。 ■お昼寝時は赤ちゃんの顔色が分かるように明るい環境で寝かせる 保育所では、お昼寝のときは赤ちゃんの顔色を観察できるように、薄いレースのカーテンをするだけの明るい部屋で寝かせます。雨や曇りのときは、レースのカーテンもしません。 うつぶせ寝になったときの対応は?うつぶせになったら仰向けにするのですが、仰向けにしたすぐそばからうつぶせになるのはよくあることです。何度も動かすことで目を覚ますこともあります。ですのでなるべく仰向けで寝る時間を長くしたいですよね。毎日、乳幼児の睡眠に対応している私が実践している、うつぶせから仰向けにするときのコツを教えます。 ■頭から足先まで完全に表に向ける 例えば脚だけでも交差したままだと、うつぶせになってしまう可能性が高くなります。 ■仰向けにしたらしばらくトントン 赤ちゃんを仰向けにしたら、しばらくの間、優しくトントンして寝入るまで待ちましょう。 ■何度チャレンジしてもダメな場合 何度仰向けにしてもすぐにうつぶせ寝になる場合は、そばでしばらく様子をみましょう。赤ちゃんが寝入ったら、仰向けにするチャンスです。この時、うつぶせのときの顔の位置は要注意。息ができるように体勢を整えてあげましょう。 毎日繰り返される睡眠時間。気付いたときに仰向けにしてあげることを基本にしながら、安心できる環境で赤ちゃんを寝かせてあげましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月21日こんにちは、保育士・離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食を食べさせるときに、赤ちゃんの口の発達を意識しながら与えると、正しい飲み込み方や噛み方を身につけることができます。今回は、意外と知らない時期別赤ちゃんの口の発達と離乳食の進め方を話します。 5~6カ月ごろ(離乳食初期)の口の発達と離乳食の進め方大人は意識することなく、口に入ってきた食べ物を喉の奥に送ることができますが、赤ちゃんはこれまで母乳や育児用ミルクしか飲んだことがないので食べる練習をしなければいけません。 5~6カ月ごろ(離乳食初期)の赤ちゃんは、まだ噛むことができず、舌は前後にしか動きません。口の発達から見ると、口を閉じて取り込み、舌で喉に送って飲み込むのですが、裏ごしてとろとろにした液体に近い離乳食をやっと食べられるくらいなのです。 この時期は、特に上唇を使って食べることを意識します。離乳食をのせたスプーンを下唇に置き、上唇が閉じるまで待って水平に引く。これを繰り返すことで、自分で食べ物を取り込めるようになります。食べさせるときは、赤ちゃんを少し後ろに傾ける姿勢で抱っこします。そうすることで舌が床と並行になり、離乳食をゴックンと飲みやすくなります。最初はうまく舌が動かせず、離乳食が口から出てしまう赤ちゃんもいますが、少しずつ口から出なくなりますので赤ちゃんのペースで進めていきましょう。 7~8カ月ごろ(離乳食中期)の口の発達と離乳食の進め方7~8カ月ごろ(離乳食中期)になると、下あごの2本の歯が顔を出し、上あごの歯が出てくる子もいます。舌が上下にも動くようになり、舌と顎を使って食べ物がつぶせるようになります。 この時期は、舌と上あごで離乳食を潰して、唾液と混ぜ合わせて離乳食を味わっていくことが目標です。舌でつぶせるくらいのかたさの離乳食を与えて舌を鍛えていきましょう。固すぎると潰すことができず、丸のみしてしまうことがあります。固さの目安は絹ごし豆腐程度です。 また、パクパクとよく食べるからと言って、まだ口の中に離乳食があるうちにスプーンを口の前に持ってくると、食べ物を舌で潰す余裕がなくなってしまいます。ママは赤ちゃんが飲み込むのを確認してから次のひとさじを与えましょう。 9~11カ月ごろ(離乳食後期)の口の発達と離乳食の進め方9~11カ月ごろ(離乳食後期)になると、上下4本の歯が生えてくる子が増えてきます。まだ奥歯は生えていませんが、奥の歯茎を使って食べ物を噛むことができるようになってきます。舌の動きが複雑になり、左右にも動くようになります。舌でつぶせない食べ物を舌で左右に振り分けて歯茎でつぶして食べます。 徐々にバナナくらいの固いものが食べられるようになりますが、まだ噛み潰す力は弱いので弾力のあるものは避け、繊維の多いものはとろみをつけるなどして与えましょう。この時期にコップの練習も始めてみましょう。 注意することは、丸飲みしていないかということ。赤ちゃんの食べている口の様子を観察します。モグモグと口を動かしていたらひとまず大丈夫ですが、モグモグすることなくすぐにゴックンしているときは、丸飲みしている可能性があります。 丸飲みしている場合は、食材をもう少し小さく切る、軟らかく煮るなどしてみましょう。赤ちゃんの口の発達を確認し、徐々に固さを調節していきます。 1歳〜1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)の口の発達と離乳食の進め方1歳〜1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)になると、舌の動きが9~11カ月ごろ(離乳食後期)よりもスムーズになります。前歯が生えそろい、奥歯も出てきます。スティック野菜やおにぎり、お焼きなどのメニューを前歯でかじって奥歯や歯茎でつぶして食べるようになります。自分で食べ物を持って前歯でかじりとる経験をすることで、一口の大きさをつかみ始めます。 最初は口に詰め込むかもしれませんが、ママが声かけをしながら食べるペースを調節し、一口量を身につけていきましょう。また、コップを使って上手に飲めるようにもなってきます。哺乳瓶はそろそろやめて、水分はコップで飲むようにしていきます。 今までの離乳食の4ステップで、母乳や育児用ミルクを飲んでいた赤ちゃんの口が、固形物を食べられる大人と同じ食べ方をする口へと成長します。 離乳食を進めるときの月齢はあくまで目安。大切なのは赤ちゃんそれぞれの発達に合わせることです。慌てず楽しく離乳食を進めていきましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月16日こんにちは、保育士・離乳食インストラクターの中田馨です。赤ちゃん専門店などの離乳食グッズコーナーに行くと、離乳食に使うスプーンがたくさん並べられています。実は離乳食用のスプーンは赤ちゃんの発達に合わせて形などが変わります。 今回は、意外に知らない時期別スプーンの使い方を紹介します。 5~6カ月ごろ(離乳食初期)のスプーンの使い方離乳食をスタートしたころの赤ちゃんにとってスプーンは初体験。中にはスプーンを嫌がる赤ちゃんもいることでしょう。離乳食をスタートしたときは、食べ物に慣れることもそうですが、スプーンの感触にも慣れなければいけません。 5~6カ月ごろ(離乳食初期)に使うスプーンは深みが少なく平たいタイプで、柄の長いスプーンが食べさせやすいです。スプーンが決まったら次は、以下のようにスプーンを使って食べさせます。【1】スプーンを下唇にあててツンツンする【2】口が開いたら下唇の上にスプーンを置く【3】上唇が閉じるまで待つ【4】スプーンを水平に引き抜く スプーンの先に少量だけ離乳食を盛り口の中に入れるのですが、口から離乳食が出てきたら、すくい取って再度1~4の要領で口に入れてあげましょう。どの時期にも共通するNGなことは・スプーンを口の奥に入れないこと舌を使って食べる練習ができないため・上あごにすりつけないこと自分の唇を使って離乳食を取り込む練習ができないため 離乳食を食べさせるときに、赤ちゃんが自分で食べる練習をするんだと意識を向けることで、赤ちゃんの舌や上唇が発達します。 7~8カ月ごろ(離乳食中期)のスプーンの使い方7~8カ月ごろ(離乳食中期)になると離乳食メニューにもつぶ状のものが増えてきます。まだ、深みの少ない平たいスプーンを使います。この時期になると、下唇をツンツンとつつかなくても口を開けてくれることが多くなります。 【1】下唇にスプーンを軽く乗せる【2】上唇が閉じたら水平に引き抜く 赤ちゃんがモグモグして飲み込んでから、次のひとさじを口の前に持っていくことが大切。自分自身に置き換えてみましょう。まだ口の中に食べ物があるのに、次の食べ物がスプーンにのせられて目の前にあったら……? 急いで飲み込もうとしますよね。赤ちゃんも同じ気持ちになりますので、赤ちゃんがゴックンしてから次のひとさじを用意します。 また、スプーンにのっている離乳食を全てこぼさないようにと、口の奥にスプーンを入れてしまうと、自分で食べ物を取り込む練習になりません。また、丸のみしてしまう原因にもなります。引き続き赤ちゃんが自分で食べる練習をしていることを意識して与えましょう。 9~11カ月ごろ(離乳食後期)のスプーンの使い方9~11カ月ごろ(離乳食後期)になったらおすすめなのが、やや深めのスプーン。深めのスプーンを使うことで、さらにしっかりと唇で食べ物を取り込むための練習になります。スプーンの使い方は今まで同様に、唇で食べ物を取り込むこと、水平に引き抜くことなどを意識しながら与えます。 また、9~11カ月ごろ(離乳食後期)からは手づかみ食べをそろそろスタートしたいので、ママが与えるスプーン食べと自分で食べる手づかみ食べを併用しながら食べていきます。まだ自分でスプーンを使うことは難しいですが、持ちたがったら赤ちゃん専用のスプーンを持たせてもOKです。 1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)のスプーンの使い方1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)になると、多くの赤ちゃんがスプーンに興味を持ち始めます。だいぶ上手に使えるようになるのは1歳3カ月ごろからですが、持ちたがる場合はスプーンを持たせましょう。スプーンの持ち方は、柄を上からつかむ「上手もち」です。 スプーンの使い方のステップアップは【1】大人が手を添えてスプーンを持ち離乳食を口に運ぶ【2】大人がスプーンに離乳食をのせて赤ちゃんが自分で離乳食を口に運ぶ【3】自分ですくって、自分で口に運ぶという順で進んでいきます。 急には上手になりませんので、ママが補助をしながら赤ちゃんのペースで進めていきましょう。 スプーンの使い方と一言で言っても赤ちゃんの発達によって意識する部分が違います。赤ちゃんの発達に合わせたスプーンを見つけて、赤ちゃんのペースに合わせて食べ進めてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月15日こんにちは。保育士の中田 馨です。赤ちゃんが生まれて1年間のうちには、健やかな成長と健康を願うお祝いがたくさんあります。今日は日本に伝わる昔からの赤ちゃんの行事についてお話しします。 お七夜赤ちゃんが生まれた日から7日目のことをお七夜(おしちや)と言います。 この日に赤ちゃんの名前を命名書に書いて、家族と一緒にお祝いする習わしがあります。7日目というとママが退院して間もないので、夫婦だけでするか祖父母を呼ぶだけにするなど、無理のない範囲ですることが大切です。日にちをずらしておこなってもいいですね。 お宮参りお宮参りとは赤ちゃんと氏神様と引き合わせて、赤ちゃんの健やかな成長を祈って参拝することです。 一般的に男の子なら31日目、女の子は33日目にします。ただ季節や天候、曜日なども配慮しながらお参りするとよいと思います。例えばわが家では、長男は1月生まれだったので寒い時期は避けて4月にお宮参りをしました。娘は9月末生まれなので寒くなる前の11月初旬にお宮参りをしました。 お食い初めお食い初めは、赤ちゃんが食べ物に困らないように祈願する行事です。生後100日目におこなうことが一般的ですが、地域によって違う場合もあります。 この日にちはあくまで目安で、その前後でお祝いの日を選ぶといいと思います。正式には、漆の器に、頭付きの鯛や一汁三菜、歯固めの石などを用意するのですが、その形にとらわれずに普段の家庭料理でも構いません。実際に食べさせるわけではなく、赤ちゃんに料理を食べさせるまねをします。 初正月赤ちゃんが生まれてから初めて迎えるお正月のことを言います。 無病息災を祈り、一般的には男の子には破魔弓・破魔矢を、女の子には羽子板を贈る風習があります。昔は母親の祖父母が贈ることが多かったのですが、地域によって違うので、両親などに相談してみましょう。 初節句女の子は3月3日に桃の節句。男の子は5月5日に端午の節句がありますね。子どもの健康と厄除けを祈願する行事です。 女の子はひな人形、男の子は武士人形やこいのぼりを飾ります。毎年おこなう行事ですが、赤ちゃんが生まれて初めての3月3日、5月5日を「初節句」と言います。 初誕生祝い満一歳をお祝いする行事です。昔は、正月に1つ年を重ねる「数え年」だったので、生まれた日をお祝いする習慣がなかったのですが、1年目だけは盛大におこなう風習があります。地域によって、赤ちゃんに一升餅を背負わせたりします。 これらの行事をすることで、家族の思い出が増えたり、おじいちゃんおばあちゃんなど親族の集まるきっかけにもなります。家族みんなで赤ちゃんの成長をお祝いしてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月13日こんにちは、保育士の中田馨です。子育てをしていると、子どもをしかる場面がどうしてもあります。「もしかして、私はしかりすぎているのではないか?」と思ってしまうこともあるのではないかと思います。今回は、子どもをしかるときに言ってはいけないことについて話します。 しかるときに言ってはいけないこと子どもは、親が「してほしくない」と思うことを何度も何度もすることがあります。登ってほしくないところに登ったり、遊び食べをしたり……。ママはイライラして、例えばこんな言葉が思わず出てしまいませんか? 「ママ先に帰るからね! バイバイ!」子どもはもっと遊びたいけど、ママには時間がないときに思わず使ってしまう言葉です。ママとしては子どもに早く動いてほしいからとっさに出る言葉です。「悪い子は、おまわりさんに連れて行ってもらうよ!」などもそう。子どもにとっては「ドキッ」とする言葉なので、言うことを聞くかも知れませんが、子ども側に立つとおどしになることがあるので気を付けましょう。「走らない!!」子どもがしてほしくないことをしているのを止めたいときに「〇〇しない!」という禁止の言葉が思わず出てしまいます。例えば、スーパーで走っていたら「走らない!」ではなく「歩こうね」と言いましょう。登って困るところは「登らない」ではなく、「降りてね」です。してほしくないことを注意するのではなく、してほしいことを伝えるのです。感情的な言葉が思わず出て「ああ、言い過ぎちゃった」と思ったときは、「ママ、さっきは言い過ぎた。ごめんね」と伝えて抱きしめましょう。感情的になることは、子育てをしていると必ずといっていいほどあるものです。特に、自分の子となると「しっかり育てなければ!」と思う気持ちも強くなるので、そうなることは当然のことなのです。 毎日しかりすぎ?と思ったときにできることもし、毎日「ダメ」と言い過ぎているなと思ったときは、周りの環境を整えてみましょう。例えば家の中のどの場面で「ダメ」って言っているかを思い出してみましょう。きっと、毎日同じようなことを「ダメ」と言っていると思います。それがわかったら、「ダメ」と言ってしまっているものを排除します。つまり、ママが「ダメ」を言わない環境をつくるのです。 子どもが「ダメ」と言われることを何度も繰り返しするのは、ママの気を引きたいからです。「ダメ」と言われることが少なくなると、子どもは飽きますので徐々におさまってきます。 子どものほめ方励ましたりほめたりする言葉は、毎日繰り返し伝えることで、子どもの「できてうれしい!」という思いを育ててくれます。■具体的にほめる絵を描いている子どもに「じょうずだね」とほめるのももちろんOKなのですが、もっと具体的にほめてみましょう。例えば「力強く描けたね」「赤と青がきれいだね」などです。具体的にほめられることで子どもの「力強く描くことができた!」という自信につながります。■子どもの気持ちに共感するほめるときは子どもの気持ちに共感します。「トイレでおしっこできてスッキリしたね」「自分でズボンがはけてうれしいね」など、生活のささいなことをママが共感してくれると、子どもは自信をつけて「やればできる」と自分を信じられる子に育ちます。 子どものしかり方子どもをしかるときは、イライラした感情があったとしても、なるべく気持ちを落ち着かせて対応しましょう。しかり方には3つのポイントがあります。1.危険なことをしかるケガをしそうな危険なことをしている場合は「ダメ!」としかります。 2.簡単な言葉で伝える子どもに長く説明しながらしかっても理解できません。しかるときは簡単な言葉で伝えることが鉄則です。「痛いからダメ!」「車がくるから危ない!」。 3.何度も伝える1回言ったところで子どもは理解できません。何度も繰り返し、根気よく伝えることが大切です。 これらは大きな声を張り上げる必要はありません。大きな声で言うよりも、真剣な顔で目を見て伝えることが大切です。 子育てをしていてイライラして、しからなければいけないような場面に出くわしたら、一旦深呼吸をして脱力してみましょう。そして「まあ、こんなこともあるか」と思うだけで、子どもにかける言葉も変わってきますよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月06日こんにちは。保育士の中田 馨です。年末年始になると帰省や旅行などで、赤ちゃんの生活リズムが崩れてしまうこともあります。そうすると、夜はなかなか寝てくれず朝は遅くまで寝ている……なんてことも。そうなってしまったときの生活リズムを整える方法をお話しします。 赤ちゃんの生活リズムを整えるポイント8生活リズムを整えるには「親がリズムをつくる」ことが必須です。赤ちゃんに合わせながらの生活リズムが基本ですが、以下のことを心がけてみましょう。 朝起きたら朝日を浴びる朝昼夜の区別をつけるためにも、「朝が来た!」ということを赤ちゃんに知らせましょう 。 朝は決まった時間に起こす赤ちゃんの生活リズムに合わせながらも、朝起きる時間は親が決めましょう 食事の時間を一定にする月齢が大きくなるにつれ、赤ちゃんのお腹がすく時間が一定になってくると思います。特に離乳食が始まったら、ある程度1日の予定を計画してみましょう。 外遊びをして活動量を増やす日中など赤ちゃんのご機嫌な時間に散歩に出かけたり室内でたくさん遊ぶことで、夜しっかり寝てくれるようになります。 昼寝を夕方までさせないよく寝ているからと言って、昼寝を長い時間させないようにしましょう。遅くても16時ごろには起こすようにしましょう。 赤ちゃんの生活リズムに合わせる赤ちゃんを大人に合わせるのではなく、大人が赤ちゃんの生活リズムに合わせましょう。早寝早起きからスタートです。 夜更かししても早起きするお出かけしたりしていつもより夜寝るのが遅くなっても、朝はいつも通りの時間に赤ちゃんを起こしましょう。 寝る時間になったらスマホはOFF赤ちゃんを寝かしつける1時間前からはスマホやテレビを見るのをやめて、寝る体制を整えましょう。大人も寝る直前にブルーライトを浴びないようにしたほうが熟睡できるそうです。寝かしつけるときは赤ちゃんのことに集中しましょう。 すべてを徹底することはできないと思います。赤ちゃんが夜なかなか寝ないと、ママも寝不足がちになってしまいます。まずは朝日を入れて赤ちゃんを起こすところからスタートしてみましょう。そして、昼間にしっかりと遊ぶことですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年03月02日こんにちは、離乳食インストラクターの中田馨です。5~6カ月を過ぎたら離乳食がスタートします。初めて離乳食を作るママは、何を食べさせればいいのか? 何に気を付ければいいのか? など、疑問を感じている方も多いと思います。 今回は、離乳食をスタートするときに知っておいてほしい「基本のルール」を話します。 食材のルール離乳食に使う食材にはルールがあります。 【1】消化に良く滑らかになりやすい食材や脂肪分の少ない食材を選びましょう。例えば炭水化物だと、米やじゃがいも、さつまいも。ビタミン・ミネラルは、たまねぎ、にんじん、大根、かぶ、かぼちゃ、トマト、冬瓜、ブロッコリー、ほうれん草、いちご、りんごなど。たんぱく質は、豆腐、白身魚、卵(最初は卵黄から)などです。煮てもやわらかくなりにくい食材や繊維の多い食材や脂肪の多い食材は、この時期には食べさせません。 【2】味付けなしからスタートしましょう。腎臓の機能が未熟なことと味覚を育てる意味でも、食材そのものの味を食べさせます。調味料を使って風味にバリエーションをつけ始めるのは、少量の塩やしょうゆ、味噌などの基本的な調味料であれば7~8カ月ごろ(離乳食中期)からOKです。 【3】NG食材を知っておくこと。ボツリヌス菌が心配なはちみつや黒砂糖。喉につまらせる危険のあるこんにゃく、団子、餅など。アレルギーの心配のあるそばやナッツ類。それ以外にも、生卵や刺身、大人用の加工食品、お菓子もNGです。 これらはあくまで一例です。ベビーカレンダーのサイト食材の詳細については掲載されているので参考にしましょう。 調理のルール離乳食の調理にもルールがあります。 【1】食材は必ず加熱すること。赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いです。離乳食は、つぶしたり切ったりする機会が多く、大人の料理よりも手や包丁、まな板などの調理器具が触れる機会が多いので、細菌に触れる機会も多くなります。大人なら冷ややっこで食べる豆腐も必ず加熱しましょう。食材をまな板と包丁で刻んだ後に加熱します。冷蔵や冷凍保存しておいた離乳食も加熱します。 【2】赤ちゃんが飲みこめる形に調理すること。離乳食をスタートするまで、赤ちゃんは母乳や育児用ミルクの液体を飲んでいました。まだ歯も生えそろっていませんし、舌の動きも前後にしか動かず、大人のように自由に舌が動いたり、歯で噛むことができません。最初はできるだけ液体に近いとろとろとしたポタージュ状にしてのみ込みやすくします。 順番のルール離乳食のスタート時は食材を食べる順番があります。まずは、炭水化物。次にビタミン・ミネラル。そして最後にたんぱく質。これらを時間をかけながらゆっくり食べさせていきます。離乳食のスタートは炭水化物の「おかゆ」から。米は滑らかになりやすく、胃腸が未熟な赤ちゃんでも消化吸収が良いのが特徴で、離乳食期の赤ちゃんの主食のになるものです。最初の一口目は、米1に対し水10で炊いた「10倍かゆ」を裏ごしし、ペースト状態にした「10倍つぶしかゆ」を食べます。日数をかけ少しずつ量を増やしていき、1カ月後を目安におかゆのつぶつぶを大きくしていきます。 次に野菜です。野菜はお粥に食べ慣れてきた1週間ごろを目安にスタート。たまねぎ、かぼちゃ、にんじんなどなめらかになりやすく、甘みのある野菜が食べやすいです。離乳食がスタートして1カ月を過ぎたころから、たんぱく質源の豆腐、白身魚、卵黄にチャレンジしましょう。初めて食べる食材は、1日1種類にし、赤ちゃん用のスプーン1さじからスタートします。2~3日同じ食材を与えて慣れさせましょう。少しずつ量を増やして、10倍がゆなら1カ月を過ぎたくらいで小さじ10くらい食べられるようになります。 ママの心構えが大切離乳食がスタートしたら、ママは大人の食事に加えて赤ちゃんの食事を作ることになります。最初は1日1食ですが、離乳食が進むにつれ、2〜3食となり、おやつもスタートします。だからこそ、ママの心構えが大切です。1.育児(離乳食)は教科書通りに進まない2.よその子と比べない3.必死になりすぎない!「まあいいか」と言う気持ちが大切 4.赤ちゃんもママも50点を目標にする 実はこれ、我が子の離乳食に気合いを入れすぎて、撃沈してしまった私だから言える心構えなのです。 育児はスタートしたばかり。最初から頑張りすぎて疲れてしまったら大変です。長くおおらかに続けていくためにも「まあこれくらいでいいか」と、赤ちゃんとママ合わせて100点満点くらいがちょうどいいのです。基本のルールを守りながら、赤ちゃんのペースに合わせて離乳食を進めていきましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月29日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが生まれると、毎日しなければいけなくなるのが家事と育児。特に育児はやることがたくさんある上に、「夜中に大泣きする」「うんちが漏れた」「昼夜逆転する」などイレギュラーなことも盛りだくさんです。 一番大切なことは「育児はママひとりですることではない」ということ。ママだけが頑張らずに、パパや家族に育児の分担を頼むことが大切です。今回は、ラクに育児分担する方法を話します。 まずはパパに育児の役割分担をしてもらう育児の役割分担を一番頼みやすいのは夫です。とは言っても「仕事」を理由にして、なかなかしてもらえないのが現状ではないでしょうか? 私の保育所でも、送り迎えをしているパパは本当に少ないです! 保育所の送り迎えはママがするもの、と考えているパパが多いのかもしれません。 また、パパが朝送ってくれたとしても、昨日から今朝までの子どもの様子を把握していないことも多いです。「昨日の夕方、保育所で微熱があったのですが、その後どうでしたか?」と尋ねても、「そうなんですか?」と逆に聞き返されたこともありました。育児をママに任せっきりにしていることもですが、ママも「パパに言っても仕方ない」と思っているのかもと思ったら、なんだか少し残念な気持ちになりました。 役割分担は2人で一緒にする「パパが子どもの様子を把握してない」ということにならないためにも、育児の役割分担は大切です。お風呂に入れるのはパパの役割にする、平日に時間が取れない場合は、休日のお散歩と寝かしつけはパパの役割にするなど、できることで良いのでパパにも育児を分担してもらうようにするのがおすすめです。 その際、パパだけママだけの意見で決めてしまうと不満がたまるので、必ず一緒に相談します。そして残業や体調不良などでできなかったときのこともシミュレーションしておきましょう。 男女の考えの違いを知って話し合う先日、スーパーで友人に会いました。2人目のお子さんを出産したてなのに、上の子を連れてスーパーにいるので、思わず「大丈夫なの?」と声をかけました。「旦那がね。“ストレスたまってるだろ。気晴らしに外に行ってこいよ”っていうの……。私は上の子をパパに外遊びに連れて行ってほしかったのに……。男の人ってわかってないよね」という話になりました。 そう、男の人と女の人の考え方は違います。ですので、育児の分担の話し合いをするときは、きちんと詳細まで伝えなければいけません。 例えば、子どもをお風呂に入れることがパパの役割だった場合。パパは「体を洗う→湯船につかる→終了」と思っている可能性があります。ママの考え方でお風呂に入るということは「お風呂にお湯をためる→赤ちゃんの着替えやバスタオルを準備する→自分の着替えなどを準備する→赤ちゃんの体を洗う→湯船につかる→赤ちゃんを拭く→赤ちゃんにおむつや服を着せる→水分を飲ませる」ここまでがお風呂に入るということなのです。 役割分担をするときは、「ここからここまでが、あなたの役割」ということをときちんと伝えましょう。 祖父母とはどう関わる? じょうずにつき合うコツ赤ちゃんが生まれると関わりが強くなるのが祖父母です。子育ての先輩である祖父母の存在は頼りになり、とてもありがたいのですが、時代とともに育児は変化しているので受け入れがたいこともあると思います。 とはいえ、やはり祖父母が近くにいると本当に助かる存在です。だからこそじょうずに付き合うコツをお伝えします。・子育ての方法が違っても否定しない・今の子育ての方法を伝える・してほしいことを明確にする・してほしくないことも明確にする・「ありがとう」を忘れない 今と昔の子育てが違うのは当たり前のこと。祖父母はそれを知らずに良かれと思ってしているだけです。頭ごなしに否定するとわだかまりが残ります。そして、「ありがとう」の感謝の言葉を忘れないようにしましょう。「面倒を見てもらって当たり前」になると、祖父母も負担に感じるようになるかもしれません。 地域の子育てサービスを利用する「ワンオペ育児」という言葉を近年よく耳にするようになりました。夫は仕事で忙しく、周りに頼れる親戚もいない、そんな場合は地域に頼ることも考えましょう。例えば、保育所の一時預かりやファミリーサポートで子どもを保育してもらうことも1つの方法です。 「仕事をしていないのに子どもを他人に預けるのは何だか気が引ける……」と考えてしまうママもいるようですが、ママがリフレッシュすることのほうが優先です。また、児童館や子育て相談などに行って、話を聞いてもらうだけでも心が軽くなります。子育てはうまくいっていないと感じると「私はダメな母親かも?」と思ってしまいがちです。そのためにも、子育ての不安や悩みを誰かと共感することはとっても大切。「私は元気! 大丈夫!」と思っていたとしても、誰かにほんの少し頼ることは心の支えになりますよ。 私は10年以上シングルマザーをしています。子どもが乳幼児で一番手がかかる時期は祖父母が元気だったので頼りっきりでした。でも、ここ数年は祖父母に頼ることができず、ワンオペ育児をしています。子どもが大きくなったとはいえ、まだまだ育児真っ最中。祖父母のように、今すぐにでも気軽に頼れる人がそばにいないのは、綱渡りと一緒だなといつも感じています。 育児の分担することも大切ですが、その前に、育児も家事も仕事も優先順位をつけて、必要のないことは「しない」と仕分けをして、ママにとって無理のない育児を心がけることも大切ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月28日こんにちは、保育士の中田馨です。1歳が近付いてくると生活リズムが整ってきて、食事、睡眠、遊びを毎日だいたい同じ時間にするようになります。それと同時に歯磨き、手洗い、お風呂、トイレなど「生活習慣」のしつけを徐々に考える時期に入ってきます。 今回は年齢ごとの生活習慣を身につける方法を話します。 生活習慣を身につけるポイント乳幼児が生活習慣を身につけるためにはポイントがいくつかあります。 1.親が気持ちに余裕を持つ乳幼児に「手洗いはごはん前に毎回するのよ」と言ったところで、すぐにそれを自分でできるようになるわけではありません。3歳になっても、サッと洗面所に行けるときもありますし、遊びの途中でなかなか行動に移せないときもあります。親の「してほしい」気持ちと子どもの「したい気持ち」はなかなか一致しないもの。なかなか上手くいかずモタモタするので、イライラしてしまうこともあるかもしれません。生活習慣は、練習に練習を重ねてできるようになることも多いので「思い通りに行かなくて当たり前」くらいの大らかな気持ちで取り組みましょう。 2.できた喜びもできなかった気持ちも共感する子どもは、ほめられるととても嬉しい気持ちになり、それが自信につながります。ですので、できたときは子どものうれしい気持ちに共感します。また、できなかったときは残念な気持ちや不安な気持ちになるかもしれません。そんなときも子どもの気持ちに共感し、「大丈夫だよ」と伝えて安心させましょう。 3.自分でできることはさせるまだまだ身体機能が未発達です。時間がかかるし、うまくできないし、親がしたほうが何倍も早くスムーズにできることでしょう。でも、子どもがしていることを途中で止めること、最初から全て手伝ってしまうこともよくありません。「自分でできるところまで(最後まで)やってみる」という経験が自信につながります。 1・2・3歳にできる生活習慣は?生活習慣と一言で言っても、大きなものから小さなものまでさまざまあります。1・2・3歳の子どもができる代表的なものを紹介します。 食事食事は1日3回と1~2回のおやつの時間があります。例えば、1歳からできる食事の生活習慣は「いただきます」と言うことからスタートし、自分で手づかみ(スプーン)で食べる、タオルで口をふく、「ごちそうさま」をするという4ステップです。 これに付け加えて2~3歳ごろになると、自分や家族のお箸や食器を運ぶ、テーブルを拭く、使ったタオルをたたんでみるなどもチャレンジできるようになってきます。 歯磨き歯が生えてきたら口の中をガーゼで拭くところからスタートし、上下2本ずつ生えそろってきたら歯ブラシを使った歯磨きがそろそろスタートします。湯冷ましや水を飲んで口の中がスッキリする感覚を感じさせることも大切です。 最初はママがメインでの歯磨きですが、年齢が上がるごとに磨き方を教えて自分でも上手に磨けるようになってきます。「食後は歯磨きをする」ことを伝えていきましょう。 着替え起きたときにパジャマから服に着替え、寝るときにパジャマに着替えることは、生活の切り替わりにおいて大切なこと。1歳ごろはまず、靴下などの簡単なものを脱ぐことからスタートしましょう。年齢が上がるごとに、ママの手を借りながら服を着て、自分である程度着られるようになります。 トイレ1歳ごろはまず「トイレやおまるに座る」からスタートです。このときは「おしっこを出させる」ことよりも「座ることに慣れる」をメインにします。トイレに座ることに慣れたら、起きたとき、お出かけ前、外から帰ってきたとき、寝る前など、家の生活リズムに合わせながら徐々にトイレに行く習慣を取り入れます。 早寝早起き「夜は9時台に布団に入る」「朝は7時に起きる」など、寝て起きることは生活習慣の要。1日の最初と最後のリズムを整えることで、その他の生活習慣も整ってきます。 一度にこれら全てができるようになるわけではありません。子どもの成長発達を見ながら、少しずつできることを増やしていきましょう。 1・2・3歳への声かけ方法各年齢によって声をかけるときのポイントが違います。・1歳ごろ1歳ごろの子どもにはくり返し伝えます。まだ長い間記憶しておくことができないので、毎日毎日伝えるようにしましょう。1歳のときに「生活習慣を身につけさせる!」と強く思わず、楽しい雰囲気で取り組めるといいですね。・2歳ごろ短い言葉で伝えます。大人の言っている言葉が分かり始めているので「しっかり伝えなくちゃ」と思ってしまいますが、まだ長い文章で言っても伝わりません。「出かけるから、トイレに行くよ」「ご飯食べるから、手を洗うよ」など、簡潔な言葉に言い換えましょう。・3歳ごろ「次に何をすればいいか」という生活習慣のリズムが徐々に分かってきます。外から帰ったら自分から洗面所に向かったり、蛇口も自分で開け、ハンドソープも自分で押して、手を洗って、タオルで拭くという「手洗い」を一通り自分でできるようになったりします。自主的にできているときはそばで見守り、できないときやしないとき、ダメなことをしたときに簡潔な言葉で伝えるようにしましょう。 1歳でできていたことが、イヤイヤ期になって突然しなくなったりすることもあります。例えば、靴下を自分ではけていたのに「はけない!」と言ったり……。そんな姿が見られるときの多くは「ママに甘えたい」気持ちの表れです。「自分ではけるでしょ!」と無理にさせようとするのではなく、「じゃあ、右足はママがはかせるね。左足は〇〇ちゃんがはいてね」と言ってもいいですし、全面的に「ママがはかせてあげる!」と、たまには甘えさせてOKです。 お手本はパパとママ生活習慣の見本は何と言ってもパパとママ。子どもはパパとママのことが大好きなので、2人をよく見ています。子どものお手本だと思って、これまでよりも意識的に手洗い、歯磨き、トイレ、食事などをしてみてください。このときに、子どもも一緒にできるといいですね。食事のあいさつ「いただきます」「ごちそうさま」も、いつもは何気なくしているかもしれませんが、子どもも一緒にすると思うと意識が変わります。子どもに「パパとママと一緒にできた」という経験をたくさん積み上げさせて、楽しい雰囲気から自信につなげていきましょう。 生活習慣は、教えてすぐできるようになるものではありません。小さなときからできる範囲で少しずつ伝えているうちに、いつの間にか「習慣になってきたな」と感じることです。焦らず、子どものペースで進めていけるといいですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月25日こんにちは、保育士の中田馨です。子どもを通じ知り合った友だちのことを「ママ友」という呼び方をします。赤ちゃんがお散歩に行けるような月齢になってくると、公園でよく見かけるママたちと「ママ友」になったほうがいいのか?「ママ友」って本当に必要なのか? と思うこともあるのではないでしょうか。今回は「ママ友」について深堀りします。 ママ友がいるといい点ママ友がいると良い点はいろいろあります。 ・気軽に子育ての話ができる子育てをしていると「離乳食メニューでおすすめはある?」「言葉っていつから話し始める?」など、ちょっとした疑問や不安があります。お医者さんに聞くためには病院に行かなければいけませんが、ママ友なら気軽に聞くことができます。 ・情報交換ができる「耳鼻科ならあそこがいい」「無料で遊べる室内の遊び場がある」など、それぞれのママたちが持っている情報を交換することができます。特に上の子がいるママはいろいろ知っているので、子育てのアドバイスを含めてとても頼りになります。・子どもの成長を共感できる子どもと遊びながらいつも会っているので、それぞれの子どもの成長を見ることができます。「ハイハイができるようになったのね!」「離乳食スタートしたんだ!」など、我が子のように嬉しくなることも。子どもたちの関わり方が年齢に応じて変わっていく様子も感じることができます。・身近な理解者が増える子どものことだけではありません。「今日の晩ごはん、何にしよう」「最近、眠りが浅くて」など、普段の何気ない会話ができることもストレス発散になります。急な用事があるときに子どもを預かってくれたりと、ママ友は身近な理解者です。 ママ友との出会いの場は?ママ友と出会う場といえば「公園」のイメージがありますが、公園だけではありません。例えば生まれる前の両親学級、子どもを産んだ産婦人科、児童館などの子育て広場、マタニティスイミングやベビースイミングなどの習い事、保育園や幼稚園などさまざまな場があります。また、最近ではネット上で交流してママ友ができるケースもあります。 私の友人は産婦人科で同じ時期に出産したママ友と10年以上定期的にランチをしているそうです。私の保育所でも、卒園してから時々会って情報交換をしているママたちもいます。このように、ママ友はさまざまな場所で出会うことができます。 ママ友とうまく付き合う3つのポイントママ友がいるととても頼りになって心強い存在なのですが、長く付き合っていくためには心得ておきたいポイントがあります。1.相手のことは詮索しない相手に興味があるからこそいろいろと聞きたいところですが、相手の家庭事情やプライバシーに関しては詮索しないようにしましょう。 2.相手の子育てに口出さない「それはしないほうが……」と相手の子育てに思わず言ってしまいそうになることもあるかもしれません。でも、子育ては100人いれば100人やり方が違います。「あ!」と思っても、あなたの子育てを押し付けてはいけません。 3.グチや他人の悪口を言い過ぎない子育て、夫、義父母のことなど、思わずグチを言ってしまいそうになりますが、言いすぎは注意です。また、他人のうわさや悪口を言うのも要注意。聞かされているほうは「そうだね」とも「それは違うのでは」とも、どちらも言いにくいものです。 ママ友を作るためにできることママ友がなかなかできずに不安に感じている人は、無理に「ママ友作り」に一生懸命にならなくても大丈夫です。まず、あなたができることは「挨拶」。「おはようございます」「さようなら」からスタートしてみましょう。 「ママ友を作らなくちゃ」と、無理に会話を見つけようとしなくても、砂場などの同じ空間の中で遊んでいるうちに、自然に会話が生まれる場合もあります。少しずつ話をしているうちにお互いの共通点で話が盛り上がったりするものです。 また、ママ友のグループが「少し疲れる」と感じたとき。そんなときは、そーっと離れる選択をしてもOKです。「疲れる」と感じるということは、ママ友との関係が多少なりとも負担になっているということ。自分の生活のリズムを崩さず付き合うことは、とても大切なことです。 ママ友は必要ないと思っていた私こんなことを書いている私ですが、実は「ママ友は必要ない」と思っていました。人付き合いが得意なほうではないので、初対面の方に話しかける勇気がありませんでした。最初に話しかけられないと、その後はそのままズルズルと話すきっかけを持てず、挨拶をするだけの関係ということがよくありました。息子が乳幼児のときは、公園でも幼稚園でもお誘いがなければ息子と私のペースで行動していました。私にとっては「息子と2人でいること」のほうがラクだったからです。私の性格上「このまま、ママ友はできないだろうな」と思っていたのです。でも10年前、突然1人のママがスーッと目の前に現れました。話した瞬間に意気投合! 彼女が現れてから、育児の相談や学校の情報交換などができる「ママ友」がとても心強い存在なのだと気付けました。 もし、今ママ友ができなくて悩んでいる人も、まだ運命のママ友に出会っていないだけかもしれません。いろいろな場所に行き、笑顔で挨拶をすることから始めてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月24日こんにちは。保育士の中田 馨です。「魔の2歳児」とも言われる2歳の赤ちゃん。このころになると、何でも「イヤイヤ」といって物事が前に進まないことがありますね。そんな子どもの対応にヘトヘトになってしまうこともあると思います。今日は子どもがイヤイヤ期に入ったらどうすればいい? どんな言葉かけをすればいい? というテーマです。 イヤイヤ期とは?イヤイヤ期とは、子どもが大人の働きかけに対して「イヤイヤ」といって怒ったり泣いたりする姿が見られる時期のことです。成長過程の1つなのですが、どうしてこの時期に多く起こるのかというといくつか理由があります。 自分の想い通りにならないから頭では「できる」と思っても実際にできない。そして、そのできないことを言葉でうまく表現できないのでイヤイヤという行動になります。 大人の反応を見ている「イヤイヤ」言うことで大人が自分に反応してくれるのでしている場合もあります。自分の方を見てほしいんですね。「どうして、この子はイヤイヤと言っているんだろう」ということを、子どもの前後の行動を見て予想できると、子どもの気持ちがわかるかもしれませんね。 イヤイヤ期に大切なことは、何といっても「子どもの気持ちを受け止める」ということ。そして「共感する」ことです。 子どもの感情に同調しない子どもがイヤイヤ言ってイライラしている感情に合わせてはいけません。子どもの心と自分の心が近すぎるとママもイライラしてしまいます。心の距離は一歩引いて、子どもの様子を見れるくらいがちょうどいいですね。 物で釣らない子どもがイヤイヤ言い始めたら早く収めたいのが親心。だからと言ってその都度「じゃあ、お菓子を食べよう」とか「ジュースを飲もう」と提案するのは避けたほうがいいです。子どもも「こう言ったらお菓子が出てくる」ということを学習します。将来のことも見据えて「物で釣らなくても感情を抑えられる子に」育てていきたいですね。 イヤイヤしたときの言葉かけは?「〇〇が嫌だったんだね」と共感する子どもが急にイヤイヤと怒り出すと、頭ごなしに怒ってしまうこともあると思います。まずは子どもの気持ちを受け止めることが大切。「〇〇が嫌だったんだね」「〇〇したかったね」と気持ちに共感して、抱きしめてあげましょう。子どもは「ママが気持ちをわかってくれた」ということで徐々に落ち着き始めます。 「どっちにする?」と聞いてみる例えば、保育現場でトイレトレーニング中の子が、「紙おむつが良い、パンツをはきたくない」と言い出します。もちろん、そのときに紙おむつにするという選択肢もあるのですが、「どっちのパンツにする?」とあえて紙おむつではなくパンツを2枚見せて子どもに選んでもらいます。そうすることで、子どもの気持ちが切り替わり、「こっち」とパンツを選んでくれることもあります。 本当にダメなことをしたときは?本当にダメなことをした場合は、きちんとダメと言いましょう。ダメと伝えるときの3つのポイントはこちらです。 ・子どもと目の高さを合わせる・簡潔に伝える・頭ごなしに怒らない 例えば、滑り台でわざと危ない滑り方をした子どもに「そう滑りたかったんだね。でも、座って滑らないと頭をぶつけてしまうかもしれないよ」なんて、共感して説明しても、途中から子どもは何を言われているのかわからなくなります。なので、子どもの目を見て「危ないからダメ」で十分です。そして、「座って滑ろうね」と言い、座って滑ったら「さすが〇〇ちゃん! 素敵!」といっぱい褒めましょう。 ここはきちんと伝えたい「ダメ」という基準(わが家のルール)は決めておきましょう。大人の感情によって「ダメ」の基準が変わると、子どもは混乱してしまいます。 このイヤイヤ期は、子どもの脳がとっても発達している時期です。「できた」「できない」「うれしい」「楽しい」「かなしい」「悔しい」などの喜怒哀楽の感情をたくさん体に詰め込んで成長している時期です。実は子どものイヤイヤ期は親として成長する時期でもあります。 時には子どもの感情につられて怒ることもあっても「ああ、今日は怒っちゃった」と反省して、子どもに素直に「今日は怒りすぎてごめんね」と謝っちゃいましょう。私も自分の子どもにはそれの繰り返しです。少しずつでも親として成長していけるといいですね。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月19日