災害時には、飲料水や熱湯が確保できない、スマホや携帯が充電できない、といった事態が予想されます。防災グッズで、本当にライフラインの代わりになるのでしょうか?実際に使って性能を試してみました。グッズ選びに迷われている方必読です。日本は災害の多い国です。災害で水道・ガス・電気が絶たれても、一定期間生き延びるためには、飲み水や熱湯、連絡用の機器の充電が必要になります。一般に出回っている防災用品には、非常用持ち出し袋に入れられるコンパクトサイズで、飲料水やお湯の入手、携帯の手動充電が可能という、便利なグッズが出回っています。実際使ってみて、どのくらい簡単にできるのか、注意点はないのかを検証しました。■目次1.浄水器を使ってみた2.お湯を沸かしてみた3.どれだけ頑張れば充電できるかやってみたまとめ1. 浄水器を使ってみた災害時には、飲料水が尽き、お風呂の水や川の水しか手に入らないかもしれません。そんな時に役立つのが浄水器です。様々な種類がありますが、携帯しやすいストロータイプを試しました。使用法は、殺菌された水(水道水など)の場合は、水の中に入れて口で吸うだけです。ストロー内部に水が満ちるまで水が上がってこないため、少し時間がかかり、また吸う力も必要でした。小さなお子様や高齢の方では難しいかもしれません。殺菌されていない川の水などには、飲用の前に粉末除菌剤をいれます(200mlに対し、付属の計量器すりきり一杯)。よくかき混ぜて2分以上待ち、ストローで吸います。魚が棲める程度の淡水ならば飲めるそうです。ストロー本体は約100リットルの水を浄化でき、付属の粉末除菌剤もコップ600杯分の除菌が可能なため、衛生的な水がくるまでは十分しのげそうです。2. お湯を沸かしてみた赤ちゃんのミルクや、温かい食事など、被災地でお湯は大切な資源です。ガスコンロが使えればいいのですが、火が使えない状況も考えられます。そんな時も、アルミニウムの水酸化反応を利用し、火を使わずに熱湯を作れる防災グッズを試してみました。熱湯を作る際には、別途フタつきのアルミボトルを用意する必要があります。今回はコーヒーの缶を使って400mlの水を沸かします。実験前の水温は約28℃でした。作り方は以下の通りです。(1)赤い加熱袋を立てて底を広げ、黄色い袋から発熱材を取り出し、底に入れる(2)その上にふたを閉じたアルミボトルを入れる(3)発熱材が入っていた黄色い袋を使い、水(川の水や海水でもOK)を計量し、赤い袋の中に注ぐ(4)赤い袋のチャックを閉め15分~20分待つ激しい化学反応が起き、注いだ水が沸騰しています。約20分後、ボトルは素手では持てないほど熱くなっていました。タオルで包んでふたを開け、温度を測ると、約76℃でした。熱湯を湯飲みに注いだ時の温度が約80℃前後ですので、問題なく料理などに使えます。注意点としては、化学反応中には特に臭いはしなかったのですが、可燃性の水素ガスが発生しているそうです。使用中は換気に注意し、火気に近づけないようにする必要があります。3. どれだけ頑張れば充電できるかやってみた被災時に救助依頼を出したり、情報を集めるのに、携帯電話やスマートフォンは非常に重要なアイテムです。防災グッズには手動で携帯を充電できるものもありますが、実際どれくらい頑張れば充電できるのか試してみました。用意したのは、LEDライトと携帯電話の充電機能の2つがついたシンプルなものです。使い方の基本は、充電ハンドルを本体から引き起こし、くるくる手で回すだけ。作業負荷を日常の動作に例えるならば、大根をおろすのとほぼ同程度です。短時間ならばたいしたことはありませんが、長時間だと疲れてきます。説明書には、何分回せばどの程度充電できるのか書いてありませんでした。試しに、5分間手動で本体を充電したところ、ライトがつきました。7分後ぐらいから徐々に光が弱くなり、20分でほぼ消えました。5分充電の場合、灯りとして使えるのは10~15分程度のようです。続いて、携帯電話です。充電の仕方は以下の通りです。(1)本体の差込口に付属のコードを挿入する(2)使用している携帯電話のアダプターを選んでコードに接続する(3)アダプターに携帯電話をつなぐ(4)ハンドルを回す携帯は完全に電池切れで、電源も入らない状態です。まず、10分間手動充電すると、起動しました。しかし、「充電切れ」を示す、空の赤い電池の表示が出ています。合計1時間充電し続けました。しかし、1時間後も「充電切れ」表示のままでした。1時間分の充電量で、メールが送れるか試しましたが、2行書こうとしたら途中で電池が切れました。文章が「助けて」のみならば、かろうじて送れるかどうか、というところです。携帯でこれならば、消費電力の多いスマホの場合は、1時間ではほとんど充電されないことでしょう。手回し充電器よりも、バッテリーを備蓄する方が現実的と思われます。まとめ実際に試してみると、被災時に大活躍しそうな便利グッズから、現実的にはなかなか難しいグッズまで、様々なものがあることがわかります。肝心なのは、ご家族みなさんが苦労せず使えるものを選び、備えておくこと。後悔しないために、事前に「どんな防災グッズが必要か」、「使いこなせそうか」など情報を集めること。余裕があれば実際に試してみることも大切です。
2017年09月01日突然の災害時になくてはならない防災グッズ。できるだけ難しくなく簡単に作れるものを選びたいですね。どのくらい組み立てが難しいか、組み立て式トイレと非常用テントを実際に作ってみました。また、100円ショップの材料で簡単な防災頭巾を作りました。地震などの災害は、本当にいつ起こるのか分かりません。防災グッズを買いそろえて「これで安心」と思っていると、実際の被災時には気が動転して「作り方が分からない…」ということになってしまうかも。できるだけ組み立てが難しくないものを常備しておきたいところですね。被災してやむを得ず野外で過ごす際に必要な”組み立て式トイレ”と”非常用テント”を、設営がどのくらい難しいか実際に試してみました。また、100円ショップのグッズで簡単な防災頭巾作りにもチャレンジしました。■目次1.トイレを作ってみた2.寝る環境を作ってみた3.防災頭巾をつくってみたまとめ1. トイレを作ってみた災害時に衛生的に過ごすために欠かせないのがトイレです。お子様や高齢の方のことを考えると、座れるトイレが望ましいですね。大人が座ることができる段ボール製の組み立て式トイレを実際に作ってみました。説明書に従って組み立てたところ、初めてでも難しくなく”10分かからず”に完成しました。作り方は以下の通りです。(1)葉っぱの柄のついている段ボールを、写真のように箱型に組み立てる(2)細長い段ボールを”口の字”になるように折り、切れ目をあわせて(1)に差し込む(3)下までしっかり差し込んだら、座る部分の段ボールをかぶせてツメを4か所に差し込む。真ん中の穴部分を下に押し込む(4)使用時は汚物袋を便器にかぶせる。使用後は付属の凝固剤をかけ、汚物袋を閉じて捨てる耐荷重量は約100kg。実際に座ってみましたが、しっかりしたつくりで安心感があります。わざと変な乗り方をしない限りは問題なく使えそうです。2. 寝る環境を作ってみた家からの避難を余儀なくされた際、雨風や寒さをしのぐ最低限の寝場所が必要です。雑木林で、非常用テントの設営に挑戦しました。外国製の非常用テントを使用しましたが、設営方法が何も書かれていませんでした。長方形の大きなシートと、ひもが1巻入っているだけです。ひもの両端を2本の木に結び付け、シートを垂らして両端を重いもので固定しようとしました。ですが、なかなかうまくいきません。悪戦苦闘していると、立ち会ってもらった人に「そのシートは2枚重なっているのではないか」と指摘されました。その通り、このシートは筒状で”筒の中にひもを通して”使う仕組みでした。災害時に1人で設営したら、最後まで使い方が分からなかったかもしれません。悪戦苦闘した時間を含めて約15分で完成しました。テントの他にも、・ひも・テントを固定するための洗濯バサミ・固定用のピンがあるといいでしょう。道路等の上に設営する場合は、ガムテープがあるとよさそうです。外からテント内は見えませんが、薄いので中からは外の景色が透けて見えます。土の上は思ったほど寝心地も悪くなく、一晩程度ならしのげそうです。保温性の高い100円ショップのアルミ温熱シートを体の上にかければ、肌寒い季節でも大丈夫そうです。何日か過ごすのであれば、寝袋や敷布が必要になるでしょう。3.防災頭巾をつくってみた最後に、100円ショップの材料で”防災頭巾”を作ってみました。裁縫に不慣れな者が、手縫いに挑戦して約1時間かかりました。要領がよければもっと早くできるでしょう。材料は以下の通りで、費用は400円(+税)です。・クッション36cm×36cm…2枚・カバンテープ(幅25mm)…約1.2m・糸…1巻次の方法で作成しました。(1)クッションを外表にして、ひもの部分をそろえて右側にして2枚重ねる(2)2辺を、写真の矢印の通りにL字型に縫い合わせる。クッションについているひものうち、右上にくるものは切り取って下のものは残す。下のひものところまで縫う(3)残した下のひもで、クッションにカバンテープを結びつける(4)(2)で切りとったひもを10cmほどの長さに切り、両端を1cmほど折り返して縫い合わせる。同じものを2本作る(5)(4)をクッションの左側の両サイドにベルト通しとして縫い付け、カバンテープを通して完成クッションは、36cm×36cmでは少し小さいので、できれば40cm×40cm以上のものが望ましいです。厚手クッションなので座布団には向きませんが、リビングでくつろぐ際の枕によいです。仕事場用には薄手・リビング用には厚手のものと複数個作り、大地震の時にさっと被れるようにしておくとよさそうです。注意点として、”肩が守れない”点と”化学繊維で燃えやすい”点があります。最近は1000~2000円程度で難燃性の防災頭巾も売っていますので、非常用持ち出し袋にはそちらを入れておくことをお勧めします。まとめ3つのグッズの作成を通じて、防災グッズは実際に組み立てることが大切だと分かりました。特に外国製の防災グッズは、全く説明がない場合もありますので”事前の使用法の確認”が大切です。いざという時に組み立て方が分からないと困るので、組み立て式のものは一度組み立ててみた方が安心かもしれません。日ごろから防災に関心を持ち、いざという事態にも慌てずに対処できるようにしておきたいですね。
2017年09月01日*画像はイメージです:月と9月は、台風が多く発生する時期です。接近が予想される場合、災害に巻き込まれる可能性があるため、イベントなどが中止になることがあります。野球のように雨天中止が頻繁に発生する興行ならば混乱はありませんが、屋内でのライブなど、中止となることを想定していないイベントが仮に台風やその他災害によって中止になった場合、その後どうなるのかよくわからず、混乱してしまいます。チケット購入者への返金や、出演者に支払われる予定だった出演料の支払い義務は発生するのでしょうか。法律事務所あすかの冨本和男弁護士にお伺いしました。 ■チケット購入者への返金の必要性は?「結論からいいますと、特約がない場合、チケット購入者は主催者に対してチケット代金の返還を請求することができると考えます。ライブの主催者は、予定の日時に指定の場所でアーティストのライブをチケット購入者が鑑賞できるようにする義務を負っており、これに対し、チケット購入者はチケット代金を支払う義務を負っています。要するに、鑑賞できるようにする義務とチケット代金を支払う義務とは対価関係にあり、ライブ主催者とチケット購入者は双方が互いに対価的な債務を負っているということができます(双務契約)。このように契約当事者双方が対価的な債務を負っている場合で、当事者双方の責任でない事情によって一方当事者が債務を履行することができなくなった場合、公平の見地から、他方当事者の債務も消滅するとされています(民法536条1項危険負担の債務者主義)。危険負担というのは、契約当事者双方が対価的な債務を負っている場合において、一方の債務だけが債務者の責任でない事情によって履行不能となった場合に、他方の債務をどう扱うかという問題です。一方の債務が消滅した危険(リスク)を、債務者(消滅した債務についての)と債権者(消滅した債務についての)のどちらが負担するかという問題です。台風は誰の責任でもありませんから、台風が原因で主催者の債務が履行不能となった場合、チケット購入者の代金支払い債務も消滅することになるわけです。そして、チケット購入者が既に代金を支払っていた場合、主催者の不当利得となりますので、チケット購入者は、主催者に対してチケット代金の返還を請求できることになります」(冨本弁護士) ■出演者への出演料は?「結論からいいますと、特約がない場合、出演者は出演料を請求することはできないと考えます。出演者は、指定の日時場所でライブを行う義務を負っており、これに対し、主催者は出演料を支払う義務を負っています。出演者と主催者の契約関係も、双方が対価的な債務を負う双務契約です。やはり、台風は誰の責任でもありませんから、台風が原因で出演者の債務が履行不能となった場合、主催者の出演料支払い債務も消滅することになります(民法536条1項危険負担の債務者主義)」(冨本弁護士) チケット購入者への返金義務は認められる可能性が高く、逆に出演者への出演料は請求することは難しいようです。イベントが台風に遭遇しないことを、願うしかなさそうですね……。 *取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*graphicalicious / PIXTA(ピクスタ)
2017年08月29日9月1日は、「防災の日」です。昭和35(1960)年の内閣閣議によって定められました。大正12(1923)年のこの日、関東大震災が起こり、過去にはこの時期にたびたび大きな台風が日本各地を襲い多くの被害があったことから、防災の日に定められました。こうした大惨事を忘れないため、毎年各地で防災訓練などが実施されています。わが息子が通う小学校ではこの時期、防災訓練が行われます。わたしが子どものときも9月に避難訓練があり、そのときだけは近隣に住む子ども同士のグループで集団下校をしていた記憶があります。そんな行事を通して「わが家も防災に備えなければ」と気持ちがあらたまりますが、高い意識でキープするのはなかなか難しいことかもしれません。■防災意識に変化? 約半年で災害に備える意識が大幅減少マクロミルが行った大災害に対する調査によると、「日頃からどの程度、防災を意識しているのか」という質問に対して「意識している」という回答が58%。今年2月に行った同調査の69%よりも11ポイントも低下しました。これは「とても意識している」と「やや意識している」をどちらも合わせた数値ですが、「とても意識している」に限定すると15.1%から8.2%と約半数に減っていることがわかります。さらに、「災害に対する備えは強化していますか?」の質問には、「強化はしていない」が53%で、前回より15%も上昇。災害への意識は平穏に毎日を過ごすなかで、徐々に薄れてしまう傾向があるのかもしれません。「恐れている災害は?」の質問には、1位が地震で91%と圧倒的なトップとなっています。そして、7月の九州を襲った豪雨が記憶に新しいせいか、2位は54%で豪雨・洪水、3位は44%で暴風・竜巻と続きます。 ■年に1度は必ずチェック! 防災のためにできる3ヶ条「万が一の時のために、日ごろから何かしら防災対策を」と考えるママは多くても、きちんと定期的に行動を起こすとなるときっかけがつかめず、どうしていいかわかりませんよね。そこで、もうすぐ防災の日をむかえるこの時期に、以下の3つをやってみてはいかがでしょう。1.家のなかの危険な場所をチェック地震の際は、倒れてきた家具の下敷きになるけがをしたり逃げ遅れたりするケースが少なくありません。そのため、高さのある家具には、転倒防止グッズの取りつけをおすすめします。また、高い家具はベッドや扉の位置から離して置くなど工夫すれば、万が一のとき被害を最小限におさえることができます。2.非常時に役立つグッズはいつも手に取れるところに常備年に一度は必ず、非常用持ち出しグッズや非常食などをチェック。それ以外に、リビングでいつも自分が座る定位置の近くには懐中電灯やホイッスルをおいておきましょう。災害はいつ起こるかわかりません。自宅にいた場合、手にとれる場所に準備しておけば、懐中電灯で暗い室内をすぐに照らすこともできますし、動けない・外に出られない状態になってもホイッスルでほかの人に知らせることができます。3.災害時の連絡方法を、家族同士で確認しておくまた、家が全壊するなど万が一の場合、家族で集まる際の集合場所を決めておきましょう。それ以外に、安否確認の方法を共有しておくことも大事です。たとえば災害時、家族と連絡がとりにくくなった場合には、声の伝言板「災害用伝言ダイヤル(171)」やネットを通じて安否確認ができる「災害用伝言板(web171)」といったサービスを連絡手段のひとつとして覚えておきましょう。これらは毎月1日と15日 に無料で体験利用できるので、事前に試してみて使用方法を覚えておくといいですね。防災意識を防災行動にうつすことで、逃れられない災害被害を最小限におさえることができるかもしれません。防災行事をきっかけに、ぜひ家族で話し合ってみてくださいね。<参考> 「防災意識と備えの実態に関する定点調査 第2回」(マクロミル調べ)
2017年08月21日野村周平がアニメ声優に初挑戦し、昨年6月に期間限定で劇場公開された「スタジオコロリド」作品『台風のノルダc』が、7月7日(木)深夜、フジテレビにて本編ノーカットで地上波初放送されることになった。本作は、とある離島の中学校の文化祭前日、台風にのってやってきた不思議な少女と2人の少年との一夜の物語。幼いころからずっと続けていた野球をやめたことがきっかけで親友の西条ケンタとケンカした東シュウイチは、突如現れた赤い目をした不思議な少女ノルダと出会う。そのころ、時を同じくして、観測史上最大級の台風が学校を襲おうとしていた――。「スタジオコロリド」といえば、新進気鋭のクリエイターが集結し、「マクドナルド」や「YKK」、「パズル&ドラゴンズ」といったアニメCM制作などで、アニメファンのみならず一般層からも高い認知度と評価を得ているアニメーションスタジオ。フジテレビとの共同プロジェクト第1作となる劇場アニメーションの本作は、「スタジオジブリ」にて『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『風立ちぬ』などにアニメーターとして参加した経歴を持つ新井陽次郎の劇場映画監督デビュー作。新井監督は本作により、「第19回文化庁メディア芸術祭」でアニメーション部門新人賞の栄誉に輝いている。また、音楽は「ファイナルファンタジー」シリーズの浜渦正志、主題歌に「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のオープニングテーマを手掛けた「Galileo Galilei」が書き下ろした「嵐のあとで」が起用された。さらに、注目すべきは声優陣。主人公・東シュウイチ役として、ドラマ「恋仲」や映画『ちはやふる』などでの好演も記憶に新しく、7月はドラマ「好きな人がいること」がスタート、賀来賢人とのW主演映画『森山中教習所』の公開を控える最旬若手俳優・野村さんがアニメ声優に初挑戦したことも大きな話題に。ヒロインのノルダ役を、NHK連続テレビ小説「あさが来た」で話題となり、「3月のライオン」実写映画化にも参加することが決まった清原果耶、東の親友・西条ケンタを新人・金子大地がそれぞれ演じていることも見逃せない。爽やかな感動が広がる、どこかノスタルジックな少年同士の友情物語を、七夕の深夜に楽しんでみては。公開1周年記念!スタジオコロリド映画『台風のノルダ』ノーカット放送SPは、7月7日(木)24時55分よりフジテレビ系関東ローカルにて地上波初放送。(text:cinemacafe.net)
2016年07月07日日本電信電話(NTT)及びNTTコミュニケーションズは4月4日、総務省とフィリピン科学技術省、国際電気通信連合(ITU)に協力し、2013年11月の台風で大きな被害を受けたフィリピン・セブ島の被災地において、通信の即時回復を可能とする「移動式ICTユニット」を用いた実証実験を2014年12月から2016年3月にかけて実施したと発表した。移動式ICTユニットとは、大規模災害時に被災地に搬入・設置することで、避難所などのスポットを短時間でWi-Fiエリア化して通話やデータ通信の機能を提供可能なシステムであり、東日本大震災を契機に、NTT・NTTコミュニケーションズ・富士通・東北大学が総務省からの委託を受けて開発した。今回の実証実験を通して、移動式ICTユニットがフィリピンの台風被災地における通信ネットワークの応急復旧に有効であることの確認に加えて、巨大台風来襲を想定した新たなユース・ケースを創出するなど、サンレミジオ市の対災害体制整備に貢献したとしている。これを受けて同市は、NTTコミュニケーションズが提供した移動式ICTユニットの市内各地への配備拡大に向けて「アタッシュケース型ICT BOX」の実導入を2016年3月に開始した。同装置は、提供機能を絞り込むことで可搬性をさらに高めた移動式ICTユニット。通話機能を提供するアタッシュケースには、交換機能を持つPC、バッテリー、Wi-Fiアクセスポイントを搭載し、被災地に持ち込むことで即座に周辺の通話手段を提供可能という。なお、同市では災害復旧用途に限らず、同ユニットを平時のインフラとして利用する教育・医療などのサービス提供といった、同ユニットの利用用途拡大を計画している。
2016年04月05日気鋭のアニメ制作会社「スタジオコロリド」。近作としては、同スタジオにおいて最長の劇場アニメーション『台風のノルダ』を制作し、少年たちの友情の物語と、タイトル通り「台風」を正面から描いた、迫力ある風雨の表現などで注目を集めた。同スタジオでは現在、デジタル環境を積極的に取り入れてアニメを制作している。スタジオ内を見回せば、液晶ペンタブレットが鎮座したデスクや、PC上で描いたレイアウトのプリントアウトなど、"アニメ制作会社"らしからぬ風景が目に留まる。まだまだ紙と鉛筆が大きな存在感を見せ、今まさに「デジタル化」の過渡期を迎えているアニメ業界において、「スタジオコロリド」は、いち早くデジタル環境を整備している制作会社のひとつだ。そんな同社がデジタル化にかける思いについて、『台風のノルダ』で監督を務めた新井陽次郎氏と、同社でデジタル整備を担当している栗崎健太朗氏にお話を伺った。最終回となる第三回は、両名が制作に参加した劇場アニメーション『台風のノルダ』の表現、そしてこれからアニメ業界を目指すにあたって大切なことをお話いただいた。○スタジオコロリドの制作環境――現在のコロリドの制作環境について、公開できる範囲でお教えいただけますか?新井:コロリドの場合、原画・動画の工程を「Stylos」で作業していて、原図に関しては、同じセルシスの「CLIP STUDIO」で描いています。使い分けているのは、Stylosで描く線が整ったしっかりとしたものになるので、鉛筆でするように薄く描いたその上から濃く描き足したりするなど、イラストを描くような感覚で描きたいからです。栗崎:CLIP STUDIOを使われてる業界関係者は多いと感じています。また、CLIP STUDIOにアニメーション機能が搭載されるということで、弊社もベータテストに参加しました。新井:弊社では基本的にStylosで制作していますが、CLIP STUDIOだけでなく、新しいアニメーション機能を栗崎さんが触って確かめたりしているので、他にいいソフトが出てきたとなれば、導入する可能性もあるかと思います。ですが、どんなにいいソフトでも、スタッフの一部だけが使えるというのはすごくもったいない感じがします。後から入った方も含めて使えるようなソフトでないと教えることもできないですし。一番望ましいのは、誰でも使えて、誰でも買えるようなソフトであって、スタジオ全体がそれを共有できるという状況です。そういう点で言うとやっぱりStylosはいいと思うんですよね。みんなでつくるというところに特化しているので。栗崎:とはいえ、今のワークフローが完璧というわけでもないので、改善は検討し続けていきます。たとえばCLIP STUDIOとStylosをまたいで作業すると、CLIP STUDIOで書き出した画像をStylos専用の拡張子にする作業が発生することがあって、紙に印刷してまとめるほどのことではないものの、手間が発生してしまいます。なので、レイアウトの描画からアニメーションの動き付けまでがひとつのソフトでできるという意味で、CLIP STUDIOのアニメーション機能に期待しています。業界全体としても、CLIP STUDIOのアニメーション制作への対応には興味を持っている人が多いです。ですが、Stylosは今のコロリドのワークフローにすごくマッチしているソフトなので、両者がうまくかみ合って働くような状態になればと思っています。○台風のノルダで見せた表現の裏側――ここまでスタジオコロリドでの制作環境についてお聞きしてきましたが、最後に『ノルダ』関連のエピソードをお伺いします。冒頭でノルダが屋上に立ち尽くして雲を見つめるシーンがかなり印象的でしたが、同作の中でデジタルツールを効果的に使われた場面やエピソードがあれば教えていただきたいです。新井:今挙げていただいた冒頭のシーンは、まさに一番はじめにCLIP STUDIOでキャラクターデザインの方に描いてもらったカットですね。あの場面のレイアウトをお見せすると、いろんな方に驚かれます。本当にデジタルで描いたのかと。それくらいいわゆる手描きの質感を出せた1枚で、CLIP STUDIOでのレイアウト制作を紹介する際の定番の作例になりつつあります。あの絵がきっかけで、原画の方たちがCLIP STUDIOを触るようになったりもしました。また、この作品は学校が舞台で、建物を描くことが多くあったので、CLIP STUDIOのパース定規が大変便利でした。窓のサッシはパース定規で引くことができて、これはもう手描きには戻れないと言っていた人もいましたね。――多くの場合、アニメ作品は晴れているシーンが基本だと思うのですが、本作は「台風」とタイトルにある通り、雨風ですとか光と影が効果的に描かれる場面が多くありました。作画の労力はいかばかりかと感じるのですが、どのように実現されたのでしょうか?栗崎:ノルダに関しては、おっしゃる通り、アニメで表現すると"えらいことになる"要素をふんだんに入れています。台風に見舞われ、常に髪がなびいているような状況なので、カットごとになびき方が違ったりすると、見た時に悪い意味で引っかかる部分ができてしまいます。こうした「なびき」の動作にこだわれるのは、やはりデジタルならではですね。ラフを描いて再生して、調整を繰り返す。そういうところで、利点を発揮できたかと思っています。――最後に、今まさにデジタル化の過渡期にあるアニメ業界にこれから進もうとしている方に対して、今、デジタルを活かしながら作品制作をされているお二人からのメッセージをお願いいたします。栗崎:まずは色んなものを見て、いろんなものを描いてみることだと思います。業界に入ったら、ある種「そればっかり」やっているという状況になってしまいがちですし、コロリドの社員同士で日頃話していると、結構、いろんな経験をされている方が多いです。もちろんアニメを見ることも大切ですが、それ以外のことにも興味がある人の描くアニメーションは、すごく説得力があります。物の見方を広げて、「こういうものを作りたい」という視点を得てから、それに対してはアナログでやった方がいいのか、デジタルでやったほうがいいのか、適した方法を考えるのがいいと思います。新井:栗崎さんの言うとおり、デジタルかどうかっていうのは単なる手段なので、アニメを作ろうと思う人たちの「引け目」が無くなることが一番大切だと思っています。僕が見てきた限りでは、個人差は当然ありますが、紙でずっと描いてきた人の方が、デジタルにとっつきにくい印象を持っているように感じていて。先入観だけで「自分はアナログでしかやれない」と決めつけてしまうと、覚えが遅くなってしまったり。逆に、デジタル作画をやってきた人と話してみると、「鉛筆で絵が描けない」ということに引け目をもっていたりもする。なので、アナログからキャリアを始めた方は"ちょっと"デジタルをやってみたらいいと思いますし、逆にデジタルから作画を始めた人は、手描きをやらないと…という後ろめたさは置いておいて、デジタルでとことんやってみればいいと思います。「自分ができないこと」に負い目を感じる必要はなくて、もっと「自分が今できること」を強化していく方に向けていけたらいいですよね。○劇場アニメーション『台風のノルダ』現在『台風のノルダ』の「Blu-ray豪華版」および「DVD通常版」が発売中。映像特典は同様で、共通の封入特典は特製ブックレット。「Blu-ray豪華版」には特製三方背ボックス、オリジナルサウンドトラックCD、アートブック01(絵コンテ集)、アートブック02(美術・設定・原画集)が付属します。
2015年10月30日気鋭のアニメ制作会社「スタジオコロリド」。近作としては、同スタジオにおいて最長の劇場アニメーション『台風のノルダ』を制作し、少年たちの友情の物語と、タイトル通り「台風」を正面から描いた、迫力ある風雨の表現などで注目を集めた。同スタジオでは現在、デジタル環境を積極的に取り入れてアニメを制作している。スタジオ内を見回せば、液晶ペンタブレットが鎮座したデスクや、PC上で描いたレイアウトのプリントアウトなど、"アニメ制作会社"らしからぬ風景が目に留まる。まだまだ紙と鉛筆が大きな存在感を見せ、今まさに「デジタル化」の過渡期を迎えているアニメ業界において、「スタジオコロリド」は、いち早くデジタル環境を整備している制作会社のひとつだ。そんな同社がデジタル化にかける思いについて、『台風のノルダ』で監督を務めた新井陽次郎氏と、同社でデジタル整備を担当している栗崎健太朗氏にお話を伺った。第二回は、アナログ作画の「味」の消失など作画面の問題のほか、デジタル化による作画「以外」のワークフローを考える重要性を語っていただいた。○原画はあくまで「アニメの素材」――作画のデジタル移行にあたって、これまで取材した他の事例で、アナログならではの「線画の味」が話題になることがあったのですが、デジタル制作を今本格的にやられているお二人から見て、アナログ製作のときの線と、今デジタルで作られている線の「味」というか、見栄えや雰囲気に何か大きな変化はありましたか?新井:基本的に、原画はアニメを構成する「素材」のひとつだと思っています。紙に描かれた鉛筆の線って、すごくいいんですよね。でも、その原画が描かれた後は、動画さんがトレースして間の動きの部分を描いて、次はスキャンされてデータになって、二値化(アンチエイリアスをかけない、白と黒のみの線に変換)されるんです。そうなると、結果的に原画マンが紙の上で表現した描線のノイズ感や情報量というのは、その後の工程でそぎ落とされて、完成した作品にはなかなか残らないんですよ。今の日本の商業アニメの作り方では、最終的にその「味」はなくなってしまうものなので、その土俵の上で、原画に芸術性を求める必要はないと思っています。――鉛筆で描くアナログ制作では、やはり絵に対する思い入れが強くなりがち、という面もあるのでしょうか?新井:それはあると思います。最近はアニメの原画展も多く行われるようになってきて、一枚絵としての原画が見られる機会も増えていますし、目にするとやはり作品としてのすごみも感じます。デジタル作画のメリットは、すぐに動きをプレビューできるという事です。一枚の絵の完成度を上げるというより、流れで「動きの面白さ」を追求していけると思います。また、デジタル制作でも線のノイズを表現することはできると思っています。鉛筆の筆感みたいなものを表現する作風でも、例えばTVPaintというアニメ制作ソフトがあるのですが、それを使うと手書きのようなラフな描線も使えます。(アナログ線画のノイズを生かす工夫をするより)ノイズ感をデジタル作画で描いてしまったほうが、手間が少なくなるだろうと想定しています。――デジタル制作を推し進めているスタジオコロリドですが、現状、アナログ制作とデジタル制作の割合はどれくらいですか?新井:ケースバイケースなので『ノルダ』に限定してお話すると、原画に関して、半分以上は社内でデジタル制作したのですが、動画に関しては、6~7割がアナログ制作でしたね。栗崎:社内では動画もほぼデジタル制作していたのですが、『ノルダ』は弊社の作品の中でも一番尺の長い作品で、他社との連携が不可欠でした。デジタルで動画制作をしている会社にも頼んではいましたが、総数がデジタルで受注いただける枚数をはみ出る計画になったこと、また他社ではアナログ制作の方が多いということで、デジタルで作った原画を紙に印刷し、アナログ制作で動画を作っていただくことになりました。――当然ながら原画より動画のほうが総枚数は多くなるので、個人的に動画からデジタル化が進むような流れもあるかと考えていたのですが、まだまだ動画制作では紙の方がメジャーという状況でしょうか。栗崎:そうだと思います。新井:とはいえ、アナログ制作からデジタル制作に切り替えるのは難しいですよね。デジタル制作に変えるとなると、慣れもともかくとして、もろもろの機材やソフトをそろえないといけない。コロリドはそういう経済的なリスクを押してでも積極的にデジタル制作を進めているのですが、多くの場合、ここまで思い切れないと思われます。現状できあがっているワークフローをいきなり変えるって、難しいんじゃないかなと思います。○アナログ/デジタルの混在は、"誰か"に苦労を強いる栗崎:ただ、僕は現状のアナログとデジタルが入り乱れた制作環境は、到底良い状態とは言えないと思っています。例えば原画をデジタル作画で描いた場合、当然ながら「原画をスキャン」する工程は無くなります。ですが、動画を外部の企業にお願いするときには先ほどお話しした通りアナログ制作で請けていただくことも多く、そうなると"デジタルの原画を印刷して、穴を空けてタップを付けてまとめる作業"が発生します。この例だけでなく、アナログ制作を挟むことによって、デジタルで描いた利点がなくなり、誰かが苦労しなければならないんです。一貫してデジタルで制作できれば、こうした作業も発生せず、アナログからデジタルへ作業を移す際に発生するスキャンデータのゴミを取る作業、指定の色えんぴつの線を消す作業などもなくなります。――デジタル原画のデータを紙に出力するというのは切ないというか、おっしゃるとおりもったいない感じがします。ところで、制作進行の方が原画・動画の紙の束を回収するというアニメ業界の慣例がありますが、コロリド社内に限って言えば、そういった状況は少ないということでしょうか。栗崎:コロリドに入って1カ月くらいの制作進行の方を例に挙げると、素材の紙を運ぶことはほぼ無いですね。メールやデータ転送ツールで、原画や動画といった素材の回収を行っています。その方は別の会社でも制作進行を務めていたのですが、毎日外回りに出て素材を運んで、夜中に車の中で待機して仕上がりを待つこともあったそうなので、今と比べて負担は大きかったと思います。デジタル制作のお話になると、やはり作画のセクションに注目が集まるのは当然と思うのですが、そこだけがパワーアップするのではなく、作画工程をデジタル化することで、アニメのワークフロー全体が変化していくことが重要だと考えています。また、アニメの現場は多くの人が仕事を分担して動いていますが、細かく分担されているが故に、自分の領域の仕事を終えたら、素材がその後どうなるかがわからない状況は多いです。コロリドではいろんな工程のひとたちと密に話し合ったりする機会が多く、自分の仕事が終わったら、次の工程の手伝いに入れるスタッフが多くいます。この会社に移ってきて、「自分は自分の仕事だけやっていればいいんだ」という意識ではなく、「この作品を作っているんだ」という意識に変わったのは、すごく大きいですね。○他社との連携における現状――「絵を描いて終わりではない」というご指摘は、とても重要な点だと感じます。次に、業界全体の現状について、デジタル化への取り組みは個別の企業ごとに異なっているのでしょうか? 特に大作では連携されることも多いので、各社連携のためのルール決めみたいなことも行われているのでしょうか?新井:耳にする限り、どのスタジオも使っているソフトが全く違うので、そこを統一するのは難しいと思うんです。そこが今、問題になっているところだと思います。グラフィック業界で言えばPhotoshop、Illustratorみたいな、デファクトスタンダードといえる存在が現状ないですね。栗崎:ソフトの違いも難しい点のひとつですが、同じソフトを使っていたとしても、会社ごとに仕上がり、データ作成時の手順やルールが違うという問題もあります。しかし、テレビシリーズや劇場向けの長編を作ろうものならば連携は必須になるので、各社のいい所を活かしつつ、共通のルールが見つかればという段階です。そういう意味で、デジタル制作のフローを「企業秘密」にするより、みんなできちんとしたワークフローを作りあげるという風な流れにしたいですし、そうできたら理想的ですよね。
2015年10月29日気鋭のアニメ制作会社「スタジオコロリド」。近作としては、同スタジオにおいて最長の劇場アニメーション『台風のノルダ』を制作し、少年たちの友情の物語と、タイトル通り「台風」を正面から描いた、迫力ある風雨の表現などで注目を集めた。同スタジオでは現在、デジタル環境を積極的に取り入れてアニメを制作している。スタジオ内を見回せば、液晶ペンタブレットが鎮座したデスクや、PC上で描いたレイアウトのプリントアウトなど、"アニメ制作会社"らしからぬ風景が目に留まる。まだまだ紙と鉛筆が大きな存在感を見せ、今まさに「デジタル化」の過渡期を迎えているアニメ業界において、「スタジオコロリド」は、いち早くデジタル環境を整備している制作会社のひとつだ。そんな同社がデジタル化にかける思いについて、『台風のノルダ』で監督を務めた新井陽次郎氏と、同社でデジタル整備を担当している栗崎健太朗氏にお話を伺った。第一回の今回は、アナログ作画からデジタル作画へと移行した両名の体験談を中心に聞いていく。――最初に、普段お二人が担当されているセクションについてお聞かせください。新井:作品ごとに役割は異なりますが、僕は主に原画、監督(演出)などをやらせていただいてます。栗崎:私は原画を描くこともありますが、主に動画(原画と原画の間を描く)、動画検査(最終的な動きのチェック)、そしてデジタル制作ワークフローの選定などを行っています。弊社では、セルシスの「RETAS STUDIO(レタススタジオ)」に収録されているデジタル作画ツール「Stylos(スタイロス)」を中心に制作を行っているのですが、例えば新作を作るときに、今回はどういう構成のファイルで進めようかなど、そういった部分を決めたりしています。また、最近はさまざまなデジタル作画ツールがリリースされているので、それらについて、商業アニメーションのワークフローに組み込むことができるかを見たりしています。――お二人はいつごろからデジタル作画に取り組まれているのでしょうか?栗崎:約3年ほど他の会社で動画を描いてまして、そのときはアナログ制作でした。コロリドに入って最初に参加した作品が『陽なたのアオシグレ』で、最初は手書きで動画をやっていたんですけれど、後半に激しいアクションシーンがあり、そこはデジタル作画を主体に作ろうということになり、デジタルに移行しました。石田さん(同社の石田祐康氏)の指導のもと、液晶ペンタブレットの使い方から教わりました。――新井さんはいつ頃からデジタル作画に取り組んでいたのですか?新井:僕も、コロリドに来てからですね。それまではアナログ人間だったので。そもそもデジタルという部分に抵抗があったのですが、一度やってみたら、一週間くらいでそれなりにできるようになりました。――かなりのスピードで習得されたんですね。新井:ある程度は、1週間から2週間くらいでできるようになると思います。栗崎:鉛筆と液晶ペンタブレットは全然違うので、アナログから移行して"同じように"すんなり描ける人はほぼいないんです。なので、「デジタルではどうしたらうまく線が引けるか」という感覚を見つける時間が、最初は必要になります。「これなら行ける」というようになるまでが、だいたい1~2週間だと思います。とはいえ、新井さんの1週間は早いケースですけど、平均的に2週間ぐらいでみなさん「コツ」をつかんでいるのではないかな、と思います。――新しくコロリドに入ってくる方は、やはりここにきてデジタル制作を習得する方が多いのでしょうか。栗崎:そうですね。特に、『台風のノルダ』(以下、ノルダ)の時はその傾向が強かったです。新井:『ノルダ』の時はアニメーター経験者に参加していただいたので、それまで「紙」で描かれてきた方がほとんどでした。社内で参加いただける方に関しては、デジタル作画をいちから勉強していただきました。一部、今回の作品から新人として採用した、アニメーターの経験がない方もいました。栗崎:先ほどお話ししたように、デジタル制作を行っていると「これは紙とは別物なんだな」と実感する人も多くて、紙は紙の、デジタルはデジタルのやり方がある、と割り切らなければならない部分がほとんどです。各人が独自に自分のコツみたいなものを作って行くものなので、アナログ制作とデジタル制作を行ったり来たりするとその「コツ」を忘れてしまうこともあり、あまりデジタル作画とアナログ作画の間を行ったり来たりするのはオススメしません。
2015年10月28日ウェザーニューズは9月8日、台風18号の見解(同日12時現在)を発表した。同社は、台風18号は9月9日昼前に近畿から東海地方に接近・上陸すると予想。台風が秋雨前線を刺激するほか、南から湿った空気が継続的に流れ込むため、西~東日本では大雨に注意が必要だとしている。9日日中に近畿・東海地方で大雨のピークとなる予想で、積算雨量は近畿地方の多いところで300~400mm、東海地方(愛知県、岐阜県、静岡県)の多いところでは500mm以上の降水を見込んでいる。また、10日にかけて関東でも多いところで積算雨量500mm~700mmとなると予想。同社の交通気象センターでは、鉄道・道路では9日朝から関東や東海地方の一部で、航空では9日早朝から夕方にかけて東海地方を中心に運航に影響が出る可能性があるとしている。また、ウェザーニューズは9月8日よりスマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」の「最新台風情報」や通知サービス「スマートアラーム」にて台風18号の情報配信を開始。「最新台風情報」では、台風接近のタイミングや雨風のピーク、交通機関への影響予測、外出が危険な時間帯を確認することができる。また、「スマートアラーム」の"台風"の設定をオンにしておくと、台風の発生や接近・上陸に加えて、外出先でも自分の現在地に合わせて雨・風の強さ、交通機関への影響や台風の進路などの情報を受け取ることができる。同社は、最新の台風情報を確認し、万全の備えを行うよう呼びかけている。
2015年09月08日気象庁は9月8日16時48分、台風第18号(アータウ)に関する情報を発表した。同庁によると、台風第18号(アータウ)と前線の影響で、東日本と近畿地方を中心に、9日にかけて非常に激しい降雨が予想されている。局地的に猛烈な雨の降るおそれもあり、特に台風の接近する9日朝には、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、暴風、高波に厳重な警戒が必要とのこと。台風第18号は、8日15時には父島の西北西約460kmにあり、1時間におよそ30kmの速さで北へ進んでいる。中心の気圧は990ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は23m、最大瞬間風速は35mで、中心の北東側330km以内と南西側170km以内では風速15m以上の強い風が吹いているとのこと。台風第18号は、今後日本の南海上を発達しながら北上。9日朝には東海地方から近畿地方にかなり接近し、上陸する見込み。本州付近に停滞する前線に向かって湿った空気が流れ込み、9日にかけて大気の状態が非常に不安定となるとのこと。9日18時までの24時間に予想される雨量が多い地域は、東海地方(350mm)近畿地方、関東甲信地方(共に300mm)、伊豆諸島(200mm)、北陸地方、東北地方(共に150mm)、中国地方(120mm)、四国地方(100mm)となっている。台風第18号は10日にかけて日本海に進むが、10日にも引き続き関東甲信地方を中心に湿った空気が流れ込み、大雨が続くおそれがあるという。10日18時までの24時間に予想される雨量は、東海地方、関東甲信地方では100mm~200mm、中国地方、東北地方では100mm~150mmとなっている。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に加え、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要とのこと。同庁は、発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど安全確保に努めるよう促している。(C)Japan Meteorological Agency
2015年09月08日気象庁は8月25日8時45分、台風第15号の進路情報について発表した。同庁によると、台風第15号の中心は、25日6時過ぎに熊本県荒尾市付近に上陸。同日8時時点で福岡県飯塚市付近に存在している。勢力は強く、中心気圧は960ヘクトパスカル、最大瞬間風速は秒速55mとなっている。25日8時時点での同台風の進路方向は北北東で、速さは時速45km。同庁によると、25日18時には島根県出雲市の西北西約130km地点、26日6時には日本海上に存在する予報となっている。なお、台風が熱帯低気圧や温帯低気圧に変わっても、引き続き大雨や強風、高波などの激しい現象が発生するおそれがある。同庁は、最新の警報や注意報、気象情報等に留意するよう呼びかけている。(C)Japan Meteorological Agency
2015年08月25日気象庁は8月21日、台風第15号(コーニー)の進路予報について発表した。気象庁が21日6時45分に発表した情報によると、台風第15号の勢力は非常に強く、現在の位置はフィリピンの東。西に向けて時速15kmの速さで進んでいる。中心気圧は935ヘクトパスカルで、最大瞬間風速は秒速70m。秒速25m以上の風速となる暴風域は半径150kmに及ぶとのこと。同庁の進路予報によると、台風第15号の中心は、22日6時には沖縄の南方に達する見込み。26日には西日本に上陸する可能性があるとのこと。また、同庁は、今後の台風情報への注意を呼びかけている。(C)Japan Meteorological Agency
2015年08月21日気象庁は15日、台風第11号(ナンカー)の今後の見通しについて発表した。同庁によると、大型で非常に強い台風第11号は、比較的ゆっくりとした速度で北上している。今後は強い勢力を維持したまま、16日には四国や紀伊半島、九州に接近し、16日夜遅くから17日にかけて上陸するおそれがあるとのこと。台風の接近に伴い、四国では16日から17日にかけ猛烈な風、猛烈なしけとなる予想。九州、近畿、中国、東海地方でも非常に強い風が吹き、大しけとなるため、暴風、高波に厳重な警戒が必要となる。また、広い範囲で大雨となるおそれがある。東日本や西日本の太平洋側では15日夜から雨が降り始め、東海、近畿、四国を中心に16日から17日にかけて非常に激しい雨が降り、局地的に猛烈な雨が降ると予想されている。土砂災害や洪水、低い土地の浸水にも厳重な警戒が必要とのこと。同庁は、進路にあたる湾・沿岸における高潮への警戒のほか、台風から離れた場所でも発生する竜巻などの激しい突風へも十分な注意を促している。なお、同庁が7月16日9時45分に発表した情報によると、台風11号は大型で強い勢力を維持しており、室戸岬の南約260kmに存在。時速20kmの速さで北北西に進行している。中心気圧は960hPaで、中心付近の最大風速は秒速40m、最大瞬間風速は秒速55m。
2015年07月16日東京都・新宿のTOHOシネマズ新宿では、アニメ映画『台風のノルダ』の公開を記念して、同作の新井陽次郎監督と音楽を担当した浜渦正志氏によるトークイベントを実施する。開催日は6月12日で、19:00からの上映回終了後の開催となる。チケットは6月9日24:00より、TOHOシネマズ新宿Webサイトにて発売。料金は一般1,200円。『台風のノルダ』は、2015年6月5日より3週間限定で全国公開されているアニメ映画。とある離島の中学校を舞台にした少年同士の爽やかな友情物語で、2013年公開の『陽なたのアオシグレ』で話題を呼んだスタジオコロリドによる2年振りの劇場最新作となる。同スタジオは、ショートアニメ『フミコの告白』で第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した石田祐康氏など20代を中心とした新進気鋭のクリエイターが集結するスタジオで、マルコメやYKKといった大手企業のコマーシャルを手掛けていることでも知られている。今回のトークイベントは、『台風のノルダ』公開記念イベントの第一弾。出演するのは、スタジオジブリで『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『風立ちぬ』にアニメーターとして参加した実績を持ち、『陽なたのアオシグレ』にはキャラクターデザイン・作画監督を担当、そして本作で劇場作品監督デビューを果たした新井陽次郎監督と、『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽を手掛けたことでも知られ、ゲーム音楽以外にも、アニメ、映画、CMなど多岐にわたる音楽シーンで活躍する作曲家・浜渦正志氏の2名。当日は作品に込めた思いやクリエイターとしてのこだわりなど、"生の想い"を紹介するという。なお、公開2週目、3週目にも公開記念イベントが予定されている。詳細は公式Webサイトにて、決定次第発表されるとのこと。
2015年06月09日公開初日を迎えたアニメーション映画『台風のノルダ』の初日舞台あいさつが5日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、俳優の野村周平、新井陽次郎監督、キャラクターデザイン・作画監督の石田祐康氏が登壇した。本作は、とある離島の中学校を舞台に、ナイーブで素直になれない少年・東シュウイチと、正義感が強く実直な西条ケンタの友情を描いた物語。ある悩みを抱えた東は、親友でチームメイトの西条に黙って野球部をやめてしまう。そのことで2人は気まずくなっていたが、文化祭前夜に島を襲う台風にのってきたという不思議な少女・ノルダが現れたことで、2人の関係に変化が起きていく。野村は本作で声優に初挑戦し、主人公の東を演じている。無事に初日を迎えることができた新井監督と石田氏は、2人が所属するスタジオコロリドにとって初めて大規模な体制での制作となっただけに、「感無量」と感激した様子。一方の野村は、初めての声優挑戦に「恥ずかしいです」とはにかみ、「声だけの出演は初めてで、初めてのドラマに出演しているような気持ちになりました。こんなにたくさんの人に、自分の"初めて"を見てもらうのは恥ずかしいです」と繰り返した。アフレコについて野村は、「普段は俳優をやっているので、声だけで演技しているつもりでも、体が動いてしまう。それで音を立ててNGを出してしまった」というエピソードを紹介。役作りでは、新井監督から「中学生の役だから、声を高くしてみよう」と提案があったが、野村は最初「自分は低い声なので大丈夫かな」と不安もあったという。しかし、スケジュールがなかなか合わず、収録に十分な時間がかけられなかったにも関わらず、中学生・東シュウイチを演じきった野村。新井監督も、「普段は俳優として演技をしているだけに、キャラクターに入り込むのがすごくうまい」と絶賛すると、野村は「恥ずかしいです」と再びはにかんでいた。主人公・東と同じように学生時代は野球をやっていたという野村だが「僕の青春は、この映画みたいに淡くはなかったなあ」と振り返り、「野球に関しても、東や西条みたいに『野球やろうぜ!』ってキラキラしてなくて、『野球でもするか』って感じでした」コメントし、会場を沸かせていた。初の劇場アニメとして、本作でメガホンをとった新井監督は、スタジオジブリ出身。『借りぐらしのアリエッテイ』、『コクリコ坂から』、『風立ちぬ』などにアニメーターとして参加した経験を持つ。また、キャラクターデザイン・作画監督を担当した石田氏は、ショートアニメ『フミコの告白』で第14会文化庁メディア芸術祭優秀賞をはじめ、数々の賞を受賞し、『台風のノルダ』と同時上映されている『陽なたのアオシグレ』では監督を務めている。さらに、劇中の音楽を手がけたのは、「ファイナルファンタジー」シリーズで知られる作曲家の浜渦正志氏。ほかにも声優として、若手俳優の金子大地、女優の清原果耶らが参加している。
2015年06月06日スタジオジブリ出身のアニメーターとして知られる新井陽次郎の劇場映画監督デビュー作となる『台風のノルダ』。短編『陽なたのアオシグレ』(’13)で話題を呼んだスタジオコロリドがフジテレビと共同制作することでも話題の本作で、主人公の少年の声を、『ビリギャル』でも好演を見せる注目度NO.1の若手俳優、野村周平が務めることが決定。主題歌を、「あの花」ことアニメ「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」のオープニングテーマを手がけた「Galileo Galilei」が担当することが分かった。舞台は、とある離島、文化祭前日の中学校。幼いころからずっと続けていた野球をやめたことがきっかけで、親友の西条とケンカした東(あずま)は、突如現れた赤い目をした不思議な少女ノルダと出会う。そのころ、観測史上最大級の台風が学校を襲おうしていた──。スタジオコロリドは、ショートアニメ「フミコの告白」で第14 回文化庁メディア芸術祭優秀賞ほか数々の賞を受賞した石田祐康をはじめ20代を中心とした新進気鋭のクリエイターが集結するスタジオ。彼らが、本作で劇場作品監督デビューを果たす新井監督と世に送り出すのは、文化祭前日の離島の中学校を舞台にした少年同士の友情物語だ。先日行われたアフレコ収録について、野村さんは「本当に難しくて、改めて声優のみなさんはすごいと思った」と語りつつも、息遣いでアドリブにも挑戦するなど工夫を重ね、繊細な“東”を見事に表現。「アフレコという仕事は、絵が用意されていて自分の気持ちを優先にできるかと思っていたけど、意外とそうではなかった(笑)」と笑顔を見せながらも、「オーバーに言わなくてはならないところがあったり、普段は声を出さなくていいところで、声を出さなきゃいけなかったりして、とても勉強になった」と真摯にコメント。「僕が初めて声優にチャレンジさせていただいた作品です。ストーリーも面白いものになっていますし、どのジャンルを好きな方も楽しめる作品になっていますので、ぜひ観てください!」とファンにメッセージを送った。新井監督は、「声優ではなく俳優の方に依頼することについては、素の演技での『生っぽさ』を求めていた。サンプル映像をみて、野村さんの自然体な感じが主人公の東にすごく合うと感じた。東は思っていることを表に出さないで内に秘めているキャラクター。その素直になりきれないもどかしさを演じるのは難しいと思うが、ぜひ野村さんにお願いできればと思った」と起用の理由を明かす。そして、アフレコを終えた後には「東の繊細さが出ていてよかったと思います。表に出していない感情をうまく表現してくれました」と、声優としての野村さんに太鼓判を押した。また、“東”の友人、西条役には「アミューズオーディションフェス2014」で32,214名の中から俳優・モデル部門を受賞した金子大地が大抜擢。同オーディションフェスでグランプリに選ばれた清原果耶が不思議な少女・ノルダ役の声優に決定し、フレッシュな顔ぶれで物語に息吹を吹き込んでいく。さらに、本作の主題歌を人気ロックバンド「Galileo Galilei」が担当することも決定。2011年からフジテレビ・ノイタミナ枠で放送され、「あの花」ブームを巻き起こしたアニメ『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』の主題歌を担当し、音楽ファンはもちろん、アニメファンからも熱い支持を受ける彼らが、本作のために新曲「嵐のあとで」を書き下ろし。台風と共に現れた少女ノルダと、2人の少年たちの淡く不思議な物語を彩ってくれるはずだ。『台風のノルダ』は6月5日(金)より全国にて3週間限定公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月24日スタジオジブリで『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『風立ちぬ』などにアニメーターとして参加した若き才能・新井陽次郎の劇場映画監督デビュー作『台風のノルダ』が、6月5日(金)より全国にて公開されることが決定。新進気鋭のアニメーション制作会社・スタジオコロリドとフジテレビの共同プロジェクト第1作として制作されることが分かった。物語は、とある離島、文化祭前日の中学校が舞台。幼いころからずっと続けていた野球をやめたことがきっかけで親友の西条とケンカした東は、赤い目をした不思議な少女・ノルダと出会う。その頃、観測史上最大級の台風が学校を襲おうとしていた――。ショートアニメ「フミコの告白」で第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞ほか数々の賞を受賞した石田祐康を始め、20代を中心とした新進気鋭のクリエイターが集結するアニメーション制作会社・スタジオコロリド。2013年公開の短編『陽なたのアオシグレ』で、その高いクオリティーとエンターテインメント性を業界の垣根を越えて国内外から高く評価され、この度、フジテレビとの共同プロジェクトをスタート。本作を皮切りに今後も継続的な新作の発表が予定されている。本プロジェクト第1作目にして、スタジオコロリド待望の最新作となる本作で監督に抜擢されたのは、本作が劇場映画監督デビューとなる新井監督。ジブリ美術館短編『たからさがし』や『パン種とタマゴ姫』、そのほかスタジオジブリ作品にアニメーターとして参加した経歴を持ち、『陽なたのアオシグレ』ではキャラクターデザイン&作画監督を務めた。同社・石田氏とは『陽なたのアオシグレ』以来2年ぶりに再タッグを組み、どこかノスタルジックな世界観を躍動感あるアニメーションで鮮やかに描き出している。また、公開されたキービジュアルに加えて、さらに本作の特報映像が、4月9日(木)の深夜24時50分からフジテレビにて放送される“ノイタミナ”アニメ「パンチライン」内にて解禁されることが明らかに。同時に公式サイトにも映像がアップされるとのこと。若き次世代クリエイターが生み出した、みずみずしい映像に期待が高まる。『台風のノルダ』は6月5日(金)より全国にて3週間限定公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月10日ココウェルは11月8日、フィリピンの台風被害(2013年11月)の復興支援として開始したプロジェクト商品「COCO no Ki(ココの木)」ブランドの食器を新発売する。2013年11月8日、台風ヨランダ(台風30号)がフィリピン中部に上陸し、多くの死者や被災者を出すなど甚大な被害をもたらした。フィリピンの農業経済を支えるココナツの木も約3,400万本が倒壊。ココナツ産業が以前の水準に戻るまでには数年を要すると予測されており、被災した農家への継続的な支援が求められている。このような背景を受け、同社では被災農家支援のために、台風で倒れたココナツの木を再利用する取り組みを開始。ココナツの木は捨てるところがないと言われるほどさまざまな製品を生み出すことが可能なことから、倒壊した木から食器や雑貨を作る「ココウッドプロジェクト」を2014年3月にスタートさせた。同プロジェクトでは、被災農家から希望者を募り、DTI(貿易産業省)の協力のもと数カ月に及ぶ技術トレーニングを実施。多くの試行錯誤を経て、ココナツの木の堅くて水はけの良い特徴を生かしたカトラリーや食器、雑貨のブランド「COCO no Ki」が誕生した。「COCO no Ki」は、箸、スプーン、フォークなどのカトラリー、皿、椀などの食器や雑貨類など全8アイテム。価格は、箸、中サイズのスプーン・フォークなどは700円、小サイズのスプーン・フォークは500円。皿・椀は2,000円。雑貨店、フェアトレード店などのほか、同社ホームページでも販売する。今後はカトラリーの種類を増やし、アクセサリーにも展開していく予定とのこと。なお、利益のうち50%が同プロジェクトに参加する農家の収入になる。※価格は税別
2014年10月24日東京農工大学は10月10日、大型台風にも耐えられる最強のイネとして知られる「リーフスター」の強さの謎を解明したと発表した。同研究成果は同大学大学院農学研究院生物生産科学部門の大川泰一郎 准教授と、名古屋大学、富山県農林水産総合技術センター、農業生物資源研究所との共同研究によるもので、10月9日(現地時間)の英科学誌「Scientific Reports 」に掲載された。「リーフスター」は同大学と農業生物資源研究所が2008年に共同育成した品種で、「中国117号」と「コシヒカリ」を親に持ち、非常に強い茎をもちながら、消化性・糖化性の効率を低下させるリグニンという化合物の含有率が少ないという特長をもつ。消化性は飼料として、糖化性はバイオ燃料原料として利用する際に必要な性質で、多用途のイネをつくるためにはリグニンの含有率を抑える必要がある。しかし、リグニンは植物にとって構造的な強度を高めるのに重要な物質であることが知られており、なぜ「リーフスター」は強度の高い茎を持ちながらリグニン含有率が低いのかわかっていなかった。「リーフスター」は親の「中国117号」と同様、籾と茎の部分が黄褐色に着色するゴールドハル形質を見せるが、これがリグニン合成酵素の変異によって生じることが最近報告された。そこで同研究グループは、「リーフスター」とその両親におけるリグニン合成酵素の遺伝変異と低リグニン性の関係、低リグニンでも強い茎を持つ「リーフスター」特有の新形質を調べたという。その結果、「リーフスター」のゴールドハル形質は「中国117」号からの遺伝ではなく、偶発的に異変が生じたことが判明。調査を進めたところ、「リーフスター」は茎の細胞壁を構成するセルロース、ヘミセルロースの密度が高く、茎の外周部分に位置する皮膚繊維組織がよく発達しているだけでなく、内側の柔組織細胞も厚く発達していた。この形質は茎が細く強度が弱いながらも、皮膚繊維組織がよく発達する「コシヒカリ」に由来することがわかったという。今後は、セルロース、ヘミセルロース密度を高める原因遺伝子の特定、皮層繊維組織の発達に関わるメカニズムを解明し、大型台風でも倒伏しにくい多収、高バイオマスの食用、飼料、バイオマスエネルギー用イネ品種の改良を目指す」とのこと。
2014年10月10日アメリカ航空宇宙局(NASA)は10月9日(現地時間)、アメリカ、日本、ブラジルの共同で運用されている観測衛星「Aqua」が撮影した台風19号の写真を公開した。大気の様子を可視化する「MODIS」という装置で撮られた写真では、台風の目をはっきりと見ることができる。専門家によればこれは強力な台風の典型的な特長だという。また、大気温度/湿度、地表面温度などを測定する「AIRS」によって取得された画像では、中心付近で強い雷雨が起こっていることがわかった(紫色で表示されている部分)。台風19号は中心気圧920hPa、最大瞬間風速70mという非常に強い勢力を保っており、およそ時速15kmのスピードでフィリピン沖を北上している。10日から13日にかけて日本列島に上陸する恐れがあるとして、気象庁は各地に大雨・暴風・高波などへの注意を呼びかけている。
2014年10月10日JR東海は7日、台風18号にともなう静岡・山梨地区の被災状況と、東海道本線の今後の運転計画を発表した。特急「(ワイドビュー)ふじかわ」は当面の間すべて運休し、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」も7日は運休となる。台風18号で被災したおもな区間は、東海道本線の興津~由比間と金谷駅構内、新所原~鷲津間、身延線の芝川~稲子間と内船~甲斐大島間。興津~由比間では約40mにわたって土砂が流入するなど大規模な被害となり、運転再開までに相当日数を要する見込み。他の被災区間でも、土砂流入や倒木、冠水、線路砕石流出などの被害が発生した。7日は東海道本線富士~興津間が終日運転見合わせとなり、熱海~富士間、興津~島田間も通常より列車本数を減らしての運転に。静岡~甲府間を結ぶ特急「(ワイドビュー)ふじかわ」は全列車全区間運休となり、東海道本線を走行する寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」も、上下線ともに7日の運休が決まった。なお、身延線は特急列車を除き、ほぼ正常運転に戻っているとのこと。東海道本線富士~興津間は10月8日以降も運転見合わせが続き、特急「(ワイドビュー)ふじかわ」も当面の間すべて運休に。熱海~富士間と興津~豊橋間は通常より列車本数を減らしての運転となる。不通区間の代行輸送として、10月8日から富士~新富士間でシャトルバスの運行を開始。興津~由比間を含む定期券や回数券、同区間を含む乗車券を10月5日以前に購入した利用者を対象に、東海道新幹線新富士~静岡間の自由席に特急券不要で乗車できる。新幹線に乗車する際は原則立席で、シャトルバスも定員を超えた場合、乗車を断るケースがあるとのこと。興津~由比間を含むバス代行輸送については、「運行に向けて調整中」としている。※写真は本文とは関係ありません。
2014年10月07日横浜市と小田原市は10月6日午前、台風18号の接近に伴い市内地域に避難勧告を出した。気象庁によると、大型で強い台風18号は同日10時時点で熱海市付近に滞在。中心気圧は965hPaで、最大瞬間風速は50m/s。1時間に65kmのスピードで北上しており、昼前にかけて首都圏に最接近する見込みで、6日21時には温帯低気圧に変わり、三陸沖へと抜けると予想されている。活発な雨雲により、静岡市では1時間に100ミリ以上の雨が降った地域も確認されており、今後も1時間に70~80ミリといった局地的な大雨が降る地域が出ると予想されている。その台風18号の影響に伴い、横浜市は一部地域に避難勧告を発令。詳細は以下の通り。港南区同日8時50分までに平戸永谷川、芹谷川が危険水域に達したため、・港南区下永谷一丁目の約500世帯に避難勧告を発令。旭区同日9時35分までに帷子川の水位が危険水域に達したため、・旭区川井本町1~66番地・旭区川井本町102~111番地の約100世帯に避難勧告を発令。栄区同日9時30分までにいたち川の水位が溢水の危険があることを確認したため、・栄区桂町・栄区柏陽の計2,800世帯に避難勧告を発令。瀬谷区同日10時までに境川の氾濫の危険があることを確認したため、・瀬谷区上瀬谷町・中屋敷一丁目・本郷一丁目・本郷三丁目・瀬谷六丁目・北新・橋戸三丁目・下瀬谷三丁目の約2,000世帯に避難勧告を発令。同じく小田原市は同日午前10時、土砂災害、河川の洪水などのおそれがあるとして、全市域に避難勧告を発令。小田原市は「すみやかに、最寄りの小学校や土砂災害時避難場所に避難してください。避難が困難な場合は、安全な場所に避難してください」と警戒を呼びかけている。なお、日本気象協会が運営する天気予報専門サイト「tenki.jp」によると、台風が接近しているときに避けたほうがよい行動として用水路・海岸の見回り屋外の作業SNSのための写真撮影などがある。用水路の見回りは、増水した用水路と道路との境目が分からなくなり、足を取られる恐れがあるために避けたほうがよい。海岸の見回りも、波打ち際や防波堤などの海岸周りでは高潮の恐れがあるため、控えたほうがよいとしている。また、風速20m/s以上の非常に強い風の中では、人は何かにつかまっていなければ立っていられない状況になるため、接近時に屋外で作業をするのもやめたほうがよいとしている。なお、台風の最新情報は気象庁で確認できる。写真と本文は関係ありません
2014年10月06日日本気象協会が運営する天気予報専門サイト「tenki.jp」は10月3日、非常に強い勢力の台風18号が日本に接近・上陸する恐れがあることに伴い、各地の大雨や暴風への警戒時間を明らかにした。気象庁によると、3日15時過ぎの時点で中心の気圧が935hPaと、大型で非常に強い台風18号は、日本の南の海上を北西に進行中。中心付近の最大風速は50m/sで、最大瞬間風速は70m/sにもなる。「tenki.jp」によると、非常に強い勢力を保ったままこの後も北上を続け、5日頃には沖縄・奄美付近に達し、7日ごろにかけて日本列島に沿うような進路を進む見込みとのこと。そのため、同サイトは日本列島各地の暴風と大雨に注意する日時を紹介している。詳細は以下の通り。北日本大雨: 10月6日~10月7日暴風: 10月6日~10月7日東日本大雨: 10月5日~10月6日暴風: 10月6日~10月7日西日本大雨: 10月5日~10月6日暴風: 10月5日~10月6日奄美・沖縄大雨: 10月5日暴風: 10月4日~10月5日同サイトは「本州付近には秋雨前線が延び、台風周辺を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、台風が接近する前から雨量が多くなる恐れがあります」と警戒を呼びかけている。また、今回の台風18号は、昨年の10月に伊豆大島で24時間の降水量が800mmを超えた台風26号と似たような進路を取る可能性があるという。台風26号は「大型」で「強い」勢力を保ったまま関東地方に接近し、伊豆大島や千葉県などに大雨や暴風の大荒れの天気をもたらした。今回の台風18号は、この台風26号に匹敵する恐れがあり、「進路によっては、台風26号のときよりも広い範囲で災害が発生するほどの大荒れの天気となる可能性」もあるため、厳重な警戒が必要としている。
2014年10月03日台風の日にはなぜか調子が悪い、朝から頭がボーっとする、夜もぐっすり眠れない。こんな症状を感じる方は多いのではないでしょうか。実は、台風や雨など、天気が不安定になると、身体にある変化が起きることがわかっています。そして毎日の睡眠にも影響が出てきてしまうのです。この台風と睡眠の関係性に迫ってみましょう。台風の日には睡眠に支障が出る!?なぜ台風の日は体調が悪くなるのでしょうか?気象庁によれば、『熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。』とあります。台風のように低気圧がやってくると、副交感神経が優位になることがわかっています。すると、人は活動的でなくなります。しかし、一方で気圧が低下するとヒスタミンが体内に増え、交感神経を刺激するといわれています。つまり、低気圧は副交感神経と交感神経の両方を刺激するため、バランスがとれなくなる場合があるようなのです。また、自律神経は寒暖の差にも敏感に反応するので、その気温差に順応できないと睡眠の異常やイライラ、動悸、めまい、手足のほてりやのぼせ、偏頭痛、血圧異常などが起きるといわれています。自律神経失調症と不眠症の関係とは?一般的に、自律神経のバランスが乱れると不眠になるといわれています。これは、身体を休める副交感神経が働きにくくなることが原因として考えられています。交感神経は日中、身体を活動させるために強く働くものですが、夜になるにつれてどんどん交感神経の活動は弱まっていき、副交感神経が優位になります。しかし、台風などの低気圧の影響を受けて自律神経のバランスが乱れると、夜になっても一向に副交感神経が強く働かない状態になってしまうのです。また、自律神経は免疫機能とも深くかかわっているといわれています。気圧の変化によって交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで、異物から身体を守る働きをしている白血球の数に影響が及び、炎症が起きることでさまざまな疾患が起きることもあるようです。気圧の変化による睡眠障害への対処法とは台風や雨などで低気圧になると体調が悪くなり、不眠や睡眠不足に陥ってしまったら、どのような対策をとればいいのでしょうか。低気圧によって起きる自律神経バランスの乱れに対しては、生活リズムを整え、自律神経のリズムに逆らわない生活をすることや、爪もみなどの自律神経系の調節、深呼吸をして血中酸素飽和度を上げること、入浴や適度な運動で血行をよくすること、身体を温めること、ビタミン類をしっかりと摂取すること、適度にリラクゼーションを心がけることなどがいいといわれています。自覚症状のある方は、台風などの低気圧の日にはぜひ意識して過ごしてみてください。
2014年09月18日エヌ・ティ・ティ・メディアサプライは9日、台風8号による被災に備え、同社が提供する公衆無線LANサービス「DoSPOT」を無料開放することを発表した。富山県、岐阜県、静岡県よりも西の30府県が対象エリアとなる。無料開放を行う期間は「当面の間」としている。「DoSPOT」は、回数制限付きの公衆無線LANサービスで、台風8号による被災に備え無料開放を行う。同社は「大型で非常に強い台風8号により、各地に特別警報や避難勧告が出されており、今後の被災地域拡大も予想されるため、情報手段の多様化を目的として無料開放する」としている。また、通常時では回数制限のある同サービスだが、無料開放中は回数制限なしで利用することができる。利用方法は、無線LAN対応機器からWi-Fi接続をオンにし、ネットワーク名「DoSPOT-Free」を選択することで、同サービスが利用でき、インターネット接続が可能となる。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年07月10日六甲山観光はこのほど、台風18号による土砂災害発生にともない運転を休止している六甲ケーブルの運転再開の見通しについて発表した。六甲ケーブルは、六甲ケーブル下駅と、高低差493.3mの六甲山上駅を結ぶ約1.7kmのケーブルカー。台風18号による土砂災害発生にともない、9月16日から運行を休止しており、現在はバスによる代行輸送が実施されている。運行再開に向けて点検と修繕を進める一方で、国土交通省近畿地方整備局六甲砂防事務所に要望していた法面の崩落部分への対策工事に着手したことを受け、1月末頃の運行再開をめざすとしている。現在運行している代行バスについては、六甲ケーブル運行再開まで引き続き実施。上り始発7時~終発20時45分、下り始発7時~終発21時10分で、一部時間帯を除き毎時0・30分に発車する。運行ダイヤの詳細は、六甲ケーブルウェブサイトにて掲載している。なお、具体的な再開日については、2014年1月上旬をめどにあらためて発表するとのこと。
2013年11月18日JAFは、「冠水路と水没時、車はどうなる?」のユーザーテスト動画を公開したと発表した。ここ数年、台風や集中豪雨などの急な増水で、水没などによる被害が拡大していることから、JAFは冠水路走行や水没による車両などへの影響を検証したテストを4月8日に実施、その様子をサイト上で配信している。冠水路走行は、集中豪雨などでアンダーパスが冠水した場合を想定し、前後にスロープを設けたコースを造り、セダンタイプとSUVタイプの試験車両が冠水路を走りきれるかを検証した。水没テストは、車両水没時、窓やドアが開くかを検証するため、セダンタイプの車両による増水時を想定したテスト、ミニバンタイプの車両が川や海に転落した場合などを想定したテストを実施した。サイトではテスト結果、ポイントなどを紹介し、注意喚起している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月21日三井住友海上は、再保険の調達手段の多様化・安定化と経営健全性の維持・工場を目的に、国内台風リスクに関わる証券「AKIBARE Ⅱ」を発行した。「AKIBARE Ⅱ」は、同社が2007年に発行した、台風リスク証券「AKIBARE」の後継にあたる商品。専用に設立された特別目的会社「AKIBARE ⅡLimited」が機関投資家に対して証券を発行して資金を調達し、対象の台風発生時に同社がスイス再保険を通じてこの資金を受け取れるように設定したもの。気象庁の観測データを元にした台風の損害予測をもとに算出し、一定の水準を超えた場合に、その超過額に応じて元本の償還額一部、または全額減額して同社への支払いに充当するしくみ。元本の一部減額が始まる台風の規模は概ね60年に1度レベル、全額が減額されるのは200年に1回レベルの台風に対応している。台風による損害は再保険市場ではなく証券市場を通じて回収。再保険市場で調達しているカバーの一部を補完するとしている。期間は4年。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月19日25日(土)から公開される中国製ディザスター映画『超強台風』の本編映像の一部が公開され、どこか懐かしくも味わい深い“特撮技術によるディザスター場面”の一部が明らかになった。え? サメ? 台風の映画なのに?『超強台風』は、120万人以上の人々が暮らす中国沿海部の都市・温州市に、史上最大規模の強力な台風が直撃。大自然の猛威に翻弄される人々と、彼らの命を守るために体を張って戦う市長の姿を描いたパニック映画。2008年の東京国際映画祭のコンペティション部門で上映され、壮大なスケールのディザスター描写と豪快すぎる物語が観客をア然とさせ、話題を呼んだ1作だ。本作の大きな特徴のひとつが、CGに極力頼らない特撮によるディザスター描写だ。「昨今のVFXはCGに頼りすぎている。私は実写のほうがもっと観客に衝撃を与えることができると思う」と主張するフォン・シャオニン監督の決断により、監督と撮影クルーは中国東部の浙江省(せっこうしょう)沿海で数か月に渡って実際の台風の様子を撮影。職人が作り上げた港町のミニチュア模型が崩壊する映像と合体させることで、フルCGでは実現できない“手作りのテイスト” と“実写ならではの質感”を目指したという。現在、映画におけるVFX(特殊映像効果)はCGを用いるケースが主流だが、ミニチュアはフルCGでは表現できない質感や重量感を映像にもたらすことが可能で、デジタル技術を駆使して作り上げられたピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』三部作でも多くの場面でCGではなく精巧に作成された模型が用いられた。ちなみに『超強台風』に登場するミニチュアは精巧に作られているものの、どこか“手作り”なテイストが感じられるもの。幼少期に特撮ヒーローものに熱くなった世代にはどこか懐かしく、フルCGが当たり前の世代には新鮮に感じられる映像になっているのではないだろうか。『超強台風』9月25日(土) 新宿ミラノほか全国順次ロードショー
2010年09月16日