11月の歌舞伎座『吉例顔見世大歌舞伎』の第二部で、十世坂東三津五郎七回忌の追善が行われる。追善狂言は『寿曽我対面』、三津五郎襲名披露の際に初役で務めた曽我五郎時致を、長男の坂東巳之助が同じく初役で務める。「(尾上)菊五郎のおじさまはじめ、父の先輩方、父と一緒にやってきてくださった先輩方、皆さまがお顔を揃えてくださること、そして歌舞伎座で追善をさせていただけること、ただただ感謝しかありません。父が遺してくれた大事な機会ととらえて曽我五郎を勤めさせていただきます」と語る。曽我五郎のこしらえで撮影された写真パネルを前にして、「常ならば舞台稽古の日に初めて衣裳を着け翌日が初日となりますが、初役ですから、舞台稽古より前に衣裳を着けさせていただけてたのは勉強になり、ありがたかったですね。また五郎としての形、ポーズもいろいろしてみて、なるほどこういうことかと、少し役が見えてくるような感じがしました」と語る。「役については(尾上)松緑の兄さんに教わっています。五郎という役には、思っていた以上に約束事、決まり事がこんなにちりばめられているのだなと改めて思い知りました。どの役でもそうですが、基本的な部分を大切にすることは父の芸風でもありましたので、そこを守っていくことが父の追善になると考えています」曽我兄弟の敵討ちを題材とした歌舞伎の様式美あふれる演目だ。中でもこの曽我五郎は荒事の役の典型であり、力強く美しい見得の数々や、どこか稚気も感じさせる若者の力強さが魅力だ。三津五郎も過去3度にわたり、曽我五郎を勤めている。「父から言われたのは、“荒事は小難しいことを考えちゃいけない。”ということ。父を討った工藤祐経に対して常に怒りをまっすぐに向けていることが大事だと。もちろん気を付けるべきことは他にもあります。でもあれこれ考えずにできるようになるまで稽古をしなくちゃいけない。そういう役だと思っています」『寿曽我対面』(H23.1新橋演舞場)左から、化粧坂少将=坂東巳之助、大磯の虎=中村雀右衛門、曽我五郎=十世坂東三津五郎(c)松竹曽我五郎という役どころについては、父とのこんな思い出も。「『対面』の五郎は初役ですが、踊りの会では『草摺引』の曽我五郎を踊ったことがあります。同じ曽我五郎ですし荒事の代表的な役柄という意味では共通するものがありますので、荒事の体の使い方をいろいろ教わりました。その会の時に父が僕の化粧を直してくれたことがありました。”なんか変だな、なぜだろう”と左の眉毛をずっとずっと直していて、”あ、右だったか”とまた右も直し始めて、結局両方のとも眉毛がすごく太くなってしまったという思い出もございます(笑)」また三津五郎は常々こんなふうにも語っていたという。「父は本当に歌舞伎や歌舞伎舞踊をするための体つきで、手足の長さ、顔の大きさとバランス、実におさまりのいい体形でした。父に比べれば、僕はいわゆる現代人の体形です。羨ましいなと何度も思いました。実力がどうこうという以前に体形は変えようがありません。でもその父から、”僕は君のようには背が高くないし手足も長くない。だから基本的なことは教えられるけれど、僕にも教えてあげられないことがある。大事なのは自分の身体を十分に使って、良い形を見つけて表現することだよ”と。そんなふうに言ってもらったときは僕自身救われる思いでした」五郎のこしらえをした巳之助の写真を目にすると、やはり三津五郎の面影が重なる。「父の生前からよく似ているとは言われていました。それが正直居心地が良くない時もありましたが、亡くなってみると諦めというか開き直りというか、”そりゃそうですよね”と(笑)。似ていると言われることに、こそばゆさが薄くなってきたのかもしれません」『寿曽我対面』曽我五郎=坂東巳之助 (c)松竹昨年の3月以降、コロナ禍の影響で出演を予定していた公演が次々に延期・中止となっていったことについては「なにしろ正体のつかめていない未知のウイルスですので、一つ所に人を集めてお芝居をごらんいただくというのは難しいだろうと。現状は落ち着いてきましたが、でもこれが終息していくかどうかはわかりません。どんなに僕らが十分に対策をして舞台に立っても、お客様に”何を押しても劇場へお越しください”とは、やはりまだまだ言えないですよね」と率直に語る。「ステイホーム中には2歳になる長男とは公園で遊んだりしていました。思いがけず一緒にいられる時間が増えました。ただ、家族でも楽屋へは入れない状況が1年以上続いています。僕らの子供の頃といえば楽屋で過ごしながら、衣裳さんが通ったり、化粧する人が隣にいたり、モニターから舞台の音が聞こえたり。その中で育ってきたわけです。初御目見得や初舞台でも、本当に初めて出会う大人たちに囲まれて舞台に放り出されたわけではありませんでした。でも今の子供たちにはその下地を作ってやれない。全然知らない大人たちに囲まれていきなり舞台に立たされる、それはお客様に対しても本人たちに対しても、やってはいけないことだと思っています。なので今はまだ初御目見得などについて語るには厳しい状況だと思っています」おしまいに、追善の演目となった『寿曽我対面』について、改めてその魅力を語った。「小林朝比奈のように突拍子もない見た目の人は出てくるし、役柄も実にいろいろなタイプが登場します。決まり事もいろいろありますが、歌舞伎に詳しい方も、ご覧になってまだ日の浅いお客様にも楽しんでもらいやすい。先人たちが長く守って続けてきてくれた演目の強みだと思います」『吉例顔見世大歌舞伎』は11月1日(月)より11月26日(金)まで。取材・文:五十川晶子公演情報『吉例顔見世大歌舞伎』2021年11月1日(月)~2021年11月26日(金)会場:東京・歌舞伎座
2021年10月23日日本映画のレジェンド、篠田正浩監督が坂東玉三郎を主演に泉鏡花の世界を映像化した『夜叉ヶ池』が、今年のカンヌ国際映画祭クラシック部門(カンヌ・クラシックス)で上映される。この度、本作のBlu-rayが本日7月14日に発売された。『夜叉ヶ池』は、幻想文学の礎を築いた泉鏡花の原作を、『梟の城』や『スパイ・ゾルゲ』などで知られる巨匠・篠田監督が、1979年に取り組んだ意欲作。女方の坂東玉三郎が初めて映画に出演し、村に暮らす女性・百合と夜叉ヶ池の竜神・白雪姫の二役を演じて妖艶な世界を表現。さらに加藤剛、山﨑努、丹阿弥谷津子が出演している。日本の特撮技術の基礎を築いた特撮監督の矢島信男の指揮のもと、大船撮影所のステージを大改造して作ったセットで、50トンもの水を使い大洪水シーンは圧巻。クライマックスの洪水シーンの撮影のために、ブラジルのイグアスの滝やハワイを始めとする海外ロケも敢行された。当時、本作を観たマーティン・スコセッシ監督は、篠田監督への手紙の中で、「玉三郎の演技と、あなたが彼を素晴らしく演出した手法に魅了された」「玉三郎が演じた百合を超えるのは、玉三郎が演じた夜叉ヶ池の白雪姫の他にない」と絶賛している。この度発売されるBlu-rayには、1979年劇場公開時のポスターデザインのポストカード、1979年劇場公開時のプレスシート縮刷版が封入される。また現在、ユーロスペースで42年ぶりに本作がリバイバル公開され、レトロスペクティブ「篠田正浩監督生誕90年祭 『夜叉ヶ池』への道 モダニズム ポップアート そしてニッポン」が開催、各地で順次公開される予定だ。「篠田正浩監督生誕90年祭 『夜叉ヶ池』への道 モダニズム ポップアート そしてニッポン」開催期間:2021年7月10日(土)〜30日(金)上映劇場:ユーロスペース上映作品:『夜叉ヶ池 4Kデジタルリマスター版』『私たちの結婚』『涙を、獅子のたて髪に』『乾いた花』『暗殺』『心中天網島』『無頼漢』『沈黙 SILENCE』『化石の森』『はなれ瞽女おりん』※その後全国各地で順次公開予定Blu-ray『夜叉ヶ池 4Kデジタルリマスター版』発売中価格:6,380円(税込)封入特典:・1979年劇場公開時のポスターデザインのポストカード・1979年劇場公開時のプレスシート縮刷版発売・販売:松竹※山崎努の「崎」は「たつさき」が正式表記
2021年07月14日「Snow Man」ラウールが映画単独初主演を務めた『ハニーレモンソーダ』より、ラウールさんが演じる三浦界の親友、友哉(濱田龍臣)と悟(坂東龍汰)の場面写真がシネマカフェに到着した。レモン色の髪がトレードマークの学校の人気者である界。彼の良き理解者で親友の高嶺友哉と瀬戸悟は、クラスメイト。そこに、羽花(吉川愛)と界の元カノ・芹奈(堀田真由)、悟の幼なじみのあゆみ(岡本夏美)が加わり、6人でいつメンとなるのだ。今回到着した場面写真に写る大人びた性格の友哉は、界だけでなく、いつメンみんなのことをよく分かっており、羽花や芹奈の相談相手になることも。自分の本心に気づけていない界に対して、さりげなく助言をする場面もあり、界と羽花の恋を後押しするキーパーソンのひとり。また、独り言のような話し方をするところが特徴的でもある。対して明るく天真爛漫な性格の悟は、みんなの盛り上げ役。恋愛に関して疎いようで、幼なじみのあゆみが片想いをしていることにも全く気がついていない。また、何かを隠して羽花らに冷たい態度を取る界を気遣い、悟ならではの行動をとる、界や羽花らを見守る存在だ。場面写真では、海辺にいる友哉と屋上にいる悟のそれぞれのカットに加え、屋上での2人のワンシーンも切り取られている。羽花との関係に悩んでいる界に、さりげなく助言をする友哉に対して、助言の意味がイマイチ分からない鈍感な悟。2人のキャラクター性が感じられる場面となっている。そして本編では、そんな男子3人の高校生らしい掛け合いも必見だ。『ハニーレモンソーダ』は7月9日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ハニーレモンソーダ 2021年7月9日より全国にて公開(c) 2021「ハニーレモンソーダ」製作委員会(c)村田真優/集英社
2021年06月09日十八世中村勘三郎のチャーミングな鰯賣の猿源氏に、坂東玉三郎のたおやかで気品あふれる傾城蛍火実は丹鶴城の姫。幸福感と笑いに包まれた三島由紀夫の名舞台『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』が、シネマ歌舞伎となってお目見えする。俳優の息遣い、手の動き、表情、衣裳のディテールや小道具の質感、そして客席のライブな雰囲気に至るまで、臨場感たっぷりに再現するシネマ歌舞伎。映像作品なのに、生の舞台とはまた異なる“観劇空間”として人気だ。坂東玉三郎(C)松竹坂東玉三郎は自身が出演した舞台をシネマ歌舞伎として観てみて、「改めて“好いなあ”と思うんです」としみじみと語る。「他のシネマ歌舞伎の作品『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』や『刺青奇偶(いれずみちょうはん)』にも同じように感じますね。私たち俳優は、舞台の上でその時はどれほど感情こめて芝居していても、どこか客観的で、技術的、意識的にお芝居をしているものなのです。お客様がついてきてくれているかな、尺八だけでここの場面が何分持つかな、などそういうことを頭のどこかで考えながらお芝居している。それに私も哲明さん(十八世中村勘三郎)も、芝居の最中はお互いをじっくり真正面から見るわけではありません。でもシネマ歌舞伎となったものをこうやって改めて観てみると、ふたりの間の、特に哲明さんの情緒がとても現れているのが分かります」。さらに十八世中村勘三郎について、「ああいう俳優には二度と巡り会えないのではという思いがあります」という。「先代の勘三郎(十七世中村勘三郎)さんと哲明さん、親子二代で同じ作品、同じ役を当たり役とされていて、どちらもお客様にとても喜ばれているでしょう。それも哲明さんが十七代目のひな型をなぞっているのではないですしね。これはどちらが良い悪いではなく、荒事のような型で演じていく作品ではなくて、感情の機微、自分の中からしか出てこない情緒、そういうものが必要なこのお芝居で、二代続けて当たり役というのはめったにないこと」と感慨をこめる。シネマ歌舞伎『鰯賣戀曳網』チラシ玉三郎と勘三郎のふたりの息があまりにもぴったりで、その時そこに偶然生まれてきた言葉のように見える場面も。「(アドリブは)全くありません。哲明さんはアドリブで思いついたことを型にすることがありますよ。でも彼は、その動きが生まれた必然性を型にできる俳優でした。たとえば(蛍火と一緒に猿源氏が座敷に上がる場面で)、私がすっと上がる、哲明さんはそれまでのやり方を変えて『ここ、ピョンッと上がってもいい?』と。それがとても自然で可愛いんですね。幕切れでふたりが花道に座り、観音様に心を込めてお礼を言うことにしたのも、単にさよなら公演だからではなく、観音様のお導きでふたりが出会えた、だから手を合わせて感謝するのだと。彼は戯曲の情感を読める人でしたね」時には舞台の上で“つっ走ろうとする”勘三郎にブレーキをかけることもあったという。「たしかに、ありました(笑)。ただ、平成中村座やコクーン歌舞伎も拝見しましたが、彼がアドリブでつっ走って笑わせたりしても、他の俳優さん達のそれとは違います。他の方だと行きっぱなしで見ていて醒めてしまうこともあるのですが、哲明さんは役が崩れない。役の本当の部分をしっかりと考えている。それはきっと幼い頃から修行して身に着けた”作法”なのでしょうね」3人だからこそ生まれた濃密な空気またシネマ歌舞伎ならではの、映像に封じ込められた共演者たちとの濃密な空気についても、「平たい言葉で言えばあうんの呼吸。お互い尊敬しあう者同士が醸す空気が、にじみ出ているのではないでしょうか。哲明さんにしても(片岡)仁左衛門さんにしても、幼い頃から一緒に舞台に出ていていますが、私生活ではお食事ですら3度くらいしかご一緒したことがありません。お互いに言わず語らずのうちに、馴れ合いにならないようにと考えていたのでしょう。先代の勘三郎さん、十三世(片岡)仁左衛門さん、うちの父(十四世守田勘彌)と、それぞれ教育法が似ていましたし、その中で修行した3人だから自然に生まれた空気なのかもしれません」と語る。このシネマ歌舞伎をきっかけに歌舞伎の魅力を知り、劇場に足を運ぶようになる人も少なくない。「演劇って歌舞伎でも、日本人の好きなシェイクスピアでも、基本的にお話が飛躍しているものですよね。たとえば『ロミオとジュリエット』。牧師さんから仮死状態になる薬をどうやってもらうのか。亡霊がそう言ったからといって、ハムレットはどうして敵討ちなんてできるのだろう。能楽にしても旅の僧の前に霊が時空を超えてやってきて、夜が明けたからさよなら……とかね。こういった飛躍を楽しめるかどうかが、お芝居を好きになれるかどうかの分かれ道かもしれません。ただ、この飛躍した物語によって人間の魂が劇場の中で立ち上がっていく、それを感じたくて皆さん劇場へ通うのだと思います」この『鰯賣戀曳網』は三島由紀夫の戯曲の中でも珍しくハッピーエンドでおとぎ話のようなラブストーリー。運命に導かれて出会う蛍火と猿源氏に、玉三郎と十八世中村勘三郎の深い信頼関係がフワリと重なる。不安な気持ちに陥りがちの今だからこそ、幸せに満ち溢れたこの作品に注目したい。6/4全国公開取材・文:五十川晶子
2021年05月22日梅田芸術劇場と英国チャリングクロス劇場による共同プロデュース企画の第2弾、ミュージカル『消えちゃう病とタイムバンカー』が今月、東京芸術劇場プレイハウスで開幕する。映画監督・長久允の作・演出で立ち上がるのは、まったく新しい世界観のオリジナル作品。注目必至、斬新な企画のもと、「世界一冷酷な男と、世界一感情が激しい女のラブストーリー」に挑むのは、歌舞伎のみならず映画やナレーターなど多彩な活躍を見せる若手実力派の坂東巳之助と、母国・韓国で確かな実績を認められ、第43回日本アカデミー賞最優秀女優賞に輝いたシム・ウンギョン。本番直前、絶賛稽古中のふたりに、刺激あふれる作品への思いを聞いた。※こちらの公演は全公演中止となりました(4/14追記)「Mをどうしても演じてみたいという気持ちが強かった」(シム)――日英共同プロデュース、映画監督・長久允さんの演出など心惹かれるポイントの多い企画です。お話を受けてどのように思い、作品へ踏み出されたのでしょうか。巳之助最初に企画書と台本をいただいた時、まず“ミュージカル”と書いてあるのを見て、「これ、本当に僕に来た話ですか?」って聞きましたね。僕は歌が苦手なので、人前で歌うことは極力ないようにしたいと思っていて(笑)。でも、歌わない役のようなので大丈夫と。台本を読ませていただいたら、確かに歌っていない。しかもそれは物語の重要な部分であり、僕が演じる灰原という役は、歌を歌わないことに大きな意味があるキャラクターだったんです。台本を読んでもよくわからないところもたくさんあったし、演出も想像が追いつかなくて、どんな舞台になるのか頭の中で全然想像しきれていなかったんですが、とにかく面白いものになりそうだなと。また、この作品と直接関係はないかもしれませんが、歌舞伎の舞台が減っていて、なかなか舞台に立てる機会がない中でのお話だったので、とてもありがたく思いましたし、台本の印象と併せて、やらせていただこうという気持ちになりました。シム私は一昨年、初舞台で『良い子はみんなご褒美がもらえる』という音楽劇を経験いたしました。その時に、次の舞台のお仕事はもう少し自分が成長してから考えよう、もっと日本語の勉強をしてから……と思っていたんですが、思っていたより早く今回の舞台のお話をいただきまして。私も巳之助さんと同じで、台本を読んで「長久さんは本当に私をキャスティングされたいとおっしゃったんですか?」って聞きました(笑)。ただ、このMという役は私がこれまで演じて来たどのキャラクターともかぶっていないし、まさしくこんな性格の役柄をやってみたいと思っていたので、新しい挑戦になるんじゃないかなと思って受けました。それでもやっぱり大丈夫かな?って不安はありました。自分は韓国人で言葉の壁はあるし、舞台の経験もまだ少ない。そんな私が本当にこの作品をやってもいいのか、ちゃんと本番の最後までやり遂げることが出来るのか……と悩みました。それでも、演出が長久さんであること、そしてMをどうしても演じてみたい、その気持ちが強かったので、頑張って乗り越えるしかない! と思って挑戦することにしました。正反対の灰原とM、それぞれに誰もが持っている要素がある――灰原とM、おふたりの演じるキャラクターについて教えてください。また本作にどんな魅力を感じていらっしゃいますか?巳之助そうですね。灰原に関しては、感情を表に出さない、感情はもはやない……と言っても過言ではない状態の人間としてまず登場します。そんな人間がMと出会い、恋をするなかでどうなっていくのか……ということですが、僕としては、観客がこの物語を最後まで観た時に、灰原というキャラクターがどういう人間なのか、どういう思いであの場にいたのかを、お客さん一人ひとりの感じるところに委ねたい。なので本当に「観に来てください」としか言えなくて(笑)。自分がどうとらえているか、そういうヒントは、これから楽しみに観に来てくださるお客さんに対して、あまり出したくないんですね。基本、無表情でスッと立っていることが多いので、その“スッ”が何に見えるか、どういう心情の人に見えるかは、お客さんの感性に委ねる。そういった点も、この物語においては大きな部分を占めてくるんじゃないかなと思うんですよね。この作品の面白さに関しては、灰原が歌わないことも大きく関わってくるんですけど、ミュージカルと題していますが、台詞の感情にメロディが乗ってくる……という一般的なミュージカルとは歌の使い方が違うんです。この作品においては、物語の中で“人物が歌を歌う”というシチュエーションとして見せていく、そこがミュージカルとしては新しい挑戦だなと思います。たとえば、Mが「聴いてください」と言ってから歌い出すとか、誰かが歌いながら登場したことに対して、灰原が「無駄な歌だよ」と言ったり。普通のミュージカルと比べると、ちょっと異質な世界かもしれません。だからこそ、歌は無駄だと思っている灰原は歌わない。そこもお客さんにとってどういうふうに映るのか、面白いところだなと思います。シム私は、最初は単純に、Mは極端な性格で、感情の振れ幅も大きくて、本当にこれまで演じて来たキャラクターとは真逆だなと感じていたんですね。でも、今、稽古で、Mの台詞を声に出して、動きもつけて、歌も歌って、灰原役の巳之助さんとお芝居をしてみて気づいたのは、これって今の世の中を生きる私たちのお話じゃないかなと。稽古をやっていて、Mの姿と灰原の姿、正反対のふたりにすごく共感出来るんです。私の内面にふたりの姿、両方ともあるんじゃないかなと思うくらいに。私たちの内面を描いた、すごく深いお話だなとあらためて感じています。そういうのをお客様がどういうふうに受け止められるか、楽しみにしていますし、その場面自体が、私が思っていた以上にシリアスというか、まさに演劇、シェイクスピアのように感じて……。長久さんと「シェイクスピアの舞台みたいですね!」って話したり(笑)。本当に、かなり私たちの内面に切り込んでくる作品じゃないかなと思っています。巳之助Mと灰原、このふたつのキャラクターが正反対に描かれているから、大多数の人はこのふたりの真ん中あたりじゃないかと思うんですよ。灰原のこういう部分もわかるし、Mのこういう部分もわかる、って人がきっとたくさんいると思う。で、おそらくそれはある程度、意図して作られていると思うので、ウンギョンさんのおっしゃる通りだと思います。たぶん誰もが持っている要素、無駄なことは無駄と感じること、自分の関心事には感情が大きく揺れ動くこと、そういった要素を極端にしか持ち合わせて来なかったふたりが出会う物語なので。場面によって、共感できる対象が変わったりもするんじゃないかな。すごくMに感情移入して見ていたのに、途中から急にMのことがわからなくなっちゃう人もいるだろうし。シムああ〜、そうですね!巳之助それくらい、いろんな人の心にハマったり、ハマらなかったりする。お客様にとっては面白い演劇体験になるんじゃないかなと思います。「お互いにこんなに喋ったの、今日が初めてですよね(笑)」(巳之助)――初共演のおふたりですが、お互いの印象、稽古中のエピソードなどあれば教えてください。巳之助今、ウンギョンさんのほかにも日本でも活躍されている韓国の方がたくさんいらっしゃって、なんだか“覚悟が違う”という感じがありますよね。シムええ〜!?巳之助すごく真摯な姿勢で、素敵なパワーを持っている方がたくさんいらっしゃるなと感じている中のおひとりだったので。実際にこうしてご一緒させていただいて、ご自身でもおっしゃっていたけどすごくストイックで熱心ですよね。日本語のイントネーションが少し違っている程度でも、それを修正しようとする努力がすごい。たとえイントネーションが違うとしても、ものすごい熱量でお芝居をされるので、見ていて素晴らしいなと。お互いにこんなに喋ったの、今日が初めてですよね(笑)?シムそうですね(笑)。巳之助僕もどっちかというと人見知りするタイプで。ウンギョンさんもさっきそう言ってて、あ、そうなんだ〜と安心しました。嫌われたわけじゃなかったんだって(笑)。シムいえいえ〜!全然そんなことないです(笑)。巳之助だから今日、こんなにお話できてよかったなと思っています。シム私もです。私は、坂東巳之助さんという歌舞伎の役者さんとの共演にとてもワクワクしていました。稽古に入る前に巳之助さんがなさった舞台の映像を観たりしましたね。普通の舞台と歌舞伎では演技のトーンや動きも違いますが、マイクもなく地声でお客さんに向かって、どのくらいの声を出したらいいのか、どうお芝居を見せていけばいいのかを、私なりに稽古に入る前に研究しました。今、実際に稽古場で巳之助さんのお芝居を見て、とても勉強になっています。おっしゃるように灰原って大きい動きがないんですけど、ただ立っているだけでもすごい存在感で!舞台はやっぱり安定感が大事だなと。頭ではわかっているつもりでも、実際にお芝居をしながら安定感をキープするのは非常に難しくて……。私はずっと映像の仕事をして来て、映像なら編集が助けてくれる部分もあるけれど、舞台はすべて役者自身がやらなくちゃいけない。そういう繊細な動きなどを、巳之助さんのお芝居を見て、勉強させていただいています。共演できて本当に光栄です。巳之助ありがとうございます。皆が突然踊り出す?! とにかく自由な長久允の演出――長久さんの演出について、どんな稽古が展開されているのか気になります。シム皆さんが突然踊ったり……。巳之助ハハハ、あれ、びっくりしたよね。シム稽古場にはダンサーの方々がたくさんいらっしゃるんです。突然、(共演の)菅原小春さんが『パプリカ』の曲を流して、皆さんで踊り出して……。その時、私と巳之助さんだけがボ〜ッと立ってて。(一同笑)巳之助何!?ってね(笑)シム私、気になったことは質問しないと我慢出来ないので、「今、なぜこれをやるんですか!?」って聞きました。「振付の前のウォーミングアップ?」ってしつこく(笑)。巳之助あれは実際のところ、何が起きたのか、ほとんどの人がわかってなかったみたいですよ(笑)。辻本知彦さんと菅原さんが振付していらっしゃるから、「やっちゃおうぜ〜!」みたいな感じで突如、始まったらしく。皆が盛り上がって動き回るシーンだから、テンションを上げよう〜みたいな意図だったらしい。灰原とMの結婚式のシーンなので、僕ら、ボ〜ッと立っていて正解だったかもしれない(笑)。シムああ〜なるほど、そうですね。巳之助長久さんも一緒になって踊っていました。長久さんは演出家である前に、この舞台の作者なので、いわゆる「演出家としてどうですか?」という質問には答えづらいところがありますね。ご自身が書かれたものを演出しているので、頭の中にあるイメージを具現化していく要素が強い。だから単純にディレクションだけを切り取って、感想を言うのは難しいかなと。シム私自身が、こんな演出家で〜などと語れる立場じゃないんですけど(笑)。長久さんの稽古は、とにかく自由です。今、足りないながら私なりにいろんなことを試して、やってみているんですけど、実際の私は人見知りで、そんなことを出来る性格ではないんですよ。頑張って必死にやらないと! と自分に言い聞かせて、悩んで悩んで悩んだうえで、やっと少しやる、というタイプ。前回の舞台『良い子はみんな〜』の時に、稽古場でいろいろ試すことが出来なかった後悔がありました。今、本当に覚悟をして、恥ずかしい気持ちを自分の中から捨て去って、必死にやっています。それを見守ってくださる長久さんの優しさに、とても助けられています。もう一度やってみよう、という勇気が出て来るので。長久さん、巳之助さんをものすごく頼って、稽古をしています。舞台を楽しむ、それに尽きる(巳之助)巳之助さんみたいに楽しもうと思います(シム)――最後にこの作品との出会いでご自身に期待すること、課題などあれば教えてください。巳之助そういうことを考えながら芝居をするタイプじゃないので(笑)、期待や課題……、今言われるまでみじんもそういうことを考えていなかったです。歌舞伎役者がミュージカルに挑戦、とか思い入れありそうに思われるでしょうけど、あんまりないんです(笑)。舞台を楽しむ、それに尽きるって感じです。シム巳之助さん、凄いですよね。私はやっぱり生の舞台が怖くて。経験が少ないから……なんていつまでも言っていられないので、自分に負けずに乗り越えなくちゃと今、頑張っています。稽古場ではもちろん、演技をしていて楽しい! と少しずつ感じるようになってきましたが、本番でちゃんとやれるのか、そのためにもいろいろ試さないと……! とその悩みで頭がいっぱいで、ずっと緊張しています。巳之助さんのお話を聞いて、もう少し余裕を持ってやってもいいなと思い始めました(笑)。巳之助ハハハ、いや、僕も舞台に立つ時は普通に緊張しますよ(笑)。シムこの素敵なお話、素敵な役をちゃんと演じたいという気持ちが強くて。それには自分が努力するしかない。でもその役になるためには、舞台の上で、楽しんでやらないとダメですよね。もうちょっと巳之助さんみたいに楽しもうと思います。巳之助僕、別に手を抜いてやっているわけじゃないですからね。(一同笑)取材・文:上野紀子撮影:稲澤朝博ヘアメイク/伏屋陽子(ESPER) スタイリスト/藤長祥平、吉田恵公演情報ミュージカル『消えちゃう病とタイムバンカー The Vanishing Girl & The Time Banker』作・演出:長久允音楽:愛印(山田勝也、小嶋翔太)出演:坂東巳之助 / シム・ウンギョン /菅原小春・三浦涼介 / 古舘寛治 / 神野三鈴 / 他※こちらの公演は全公演中止となりました(4/14追記)【東京公演】2021年4月17日(土)~2021年4月25日(日)会場:東京芸術劇場 プレイハウス【大阪公演】2021年4月30日(金)~2021年5月1日(土)会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2021年04月11日映画『弱虫ペダル』のBlu-ray&DVDが本日3月10日に発売となった。それを記念し、永瀬廉、橋本環奈、坂東龍汰の3人が、Blu-ray&DVDでの作品の見どころを改めて語る、特別フリートーク映像が公開された。本作は累計2500万部突破の大人気スポーツ青春漫画『弱虫ペダル』を実写映画化した青春ドラマ。全国レベルの強豪校・総北高校自転車競技部を舞台に、高校生の熱い青春を描いた物語だ。主人公・アニメ好きの高校生・小野田坂道役をKing & Princeの永瀬廉が主演を務め、同じ自転車競技部の仲間として伊藤健太郎、坂東龍汰、竜星涼、柳俊太郎、菅原健ら人気上昇中の俳優陣が本気で自転車競技に挑み、CG一切なしの走行シーンが大きな話題となった。長い自粛期間を経て、2020年8月14日に公開されるや否や「CG無しで自転車を漕いでるなんて凄い!」「自転車に乗りたくなった!」「原作読んでたけど感動したし元気出た!」と映画を待ち望んでいたファンのみならず、原作・アニメファンからも絶賛の声が。公開されたトーク映像の抜粋は以下となっている。永瀬「(おすすめのみどころは)意外とお風呂のシーンとか」橋本&坂東「あはははっ!(意味深に笑う)」永瀬「チーム総北のワチャワチャ感がギュッと詰まってるよね」坂東「ワチャワチャしてたね」永瀬「(あと)うまいこと隠れてるよねぇ(意味深に)」坂東「ギリギリだったからね(意味深な身振り)」永瀬「ソレも含めてワチャワチャ感をもう一度見てほしいかな」■リリース情報『弱虫ペダル』Blu-ray&DVD3月10日(水)発売<豪華版(初回限定生産・3枚組)>Blu-ray:(本編BD+特典DVD1+特典DVD2) 価格:6,700円+税(本編DVD+特典DVD1+特典DVD2)価格:5,800円+税特典映像:本編DISC・予告 / TVCM集特典DISC1・ビジュアルコメンタリー、公開記念特番特典DISC2・本編メイキング、イベント映像集外装特典:特製ケース<通常版>価格:3,800円+税全ての小売店舗・ECサイトにて豪華版オリジナル特典「総北高校 生徒手帳風メモ帳」付(豪華版のみ / 全9色 / 詳細は公式HPへ)特典映像:予告 / TVCM集
2021年03月10日現在、歌舞伎座『二月大歌舞伎』の第一部『泥棒と若殿』(山本周五郎作)に出演中の歌舞伎役者・尾上松緑が2月12日、東京・歌舞伎座で取材に応じた。同作で演じるのは“泥棒”である伝九郎。2007年(平成19年)5月、歌舞伎座にて十世坂東三津五郎(2015年没)の若殿との共演で好評を博し、今回は三津五郎さんの長男・坂東巳之助演じる若殿との共演が実現した。「襲名した直後で、自分の中でも、どういう風に役者としてやっていけばいいのか、悩んでいた時期。そんなときに、三津五郎の兄さんから『一緒にやってみよう』とお誘いいただき、救われた思いもあった」と初演を振り返る松緑。それだけに、演目への思い入れも強く「三津五郎の兄さんとご一緒でなければ、演じられない」と、別の俳優との『泥棒と若殿』を断ってきたという。そこに舞い込んできたのが、巳之助との共演だった。「役者冥利につきる。うれしいし、ありがたいです。巳之助さんの後ろ姿を見ると、体型は違うはずなのに、三津五郎の兄さんを思い出しますし、でも、もちろん違うわけで、巳之助さんはいい役者だなと思いながら、毎日新鮮な気持ちで演じさせていただいている。彼ら若い世代は応用力も強いから、『親父さんはこうだった』みたいなことを言う必要もないし、実際にいいキャラクターを作ってきてくる」と巳之助への信頼は早くも厚い。『泥棒と若殿』より、左から松平成信=坂東巳之助、伝九郎=尾上松緑(c)松竹三津五郎さん、巳之助との共通点・相違点については「感情を抑えた正確さで芝居を構築する兄さんですから、絶対に(芝居の)計算から外れない。巳之助さんもそういう部分はありつつ、若さで感情がバンと発露することも。年上の目線から『かわいいなあ、しょうがねえな、何とかしてやらないと』と思うこともありますね(笑)。2人は親子ですから、根っこのDNAは近いですが、ちょっと角度が変わっただけで、(両者の間に)すごくふり幅がある」と分析する。尾上松緑(c)松竹昨年8月の公演再開を経て、年明けから座席数50パーセント(904席)、三部制で各部に演目・幕間ありの上演が行われている。客席から伝わる熱気や雰囲気は「まだまだ、劇場に行くのは控えようと思う人も多い中で、おかしな言い方かもしれないですが、“一生懸命に”楽しもうという気持ちを感じる」といい、「大向うがないのは正直、さみしいと思うこともなくはないですが、その分集中して見てもらえているのかなと。少しずつ、お客様も楽しんでいいんだ、喜んでいいんだと思ってくださっている。ワクチンの話題もありますし、去年よりは先行きが明るくなりつつあるのかなと…」と事態の収束に期待を寄せた。『戻駕色相肩』浪花の次郎作=尾上松緑(平成21年『五月大歌舞伎』より)(c)松竹来月上演の「三月大歌舞伎」では、第一部の舞踊『戻駕色相肩』で浪花の次郎作にふんし、与四郎役の片岡愛之助、禿たより役の中村莟玉と共演する。「愛之助さんとは付き合いも長くて、すぐに息が合うんで。あまり筋を追うというものではないですし、踊りのきれいさ、華やかさを見ていただきたいです」とアピール。コロナ以前の状況に戻るには、まだ時間がかかりそうだが「我々も暇しているわけではありません。セミで言うところの地面でエネルギーを蓄えている時間。ここを無駄にしないで、劇場が全席OKになったとき、お客様に『前よりも歌舞伎が盛り上がっているね』と言ってもらえるような準備だと解釈してします」と未来を見据えている。尾上松緑(c)松竹取材・文:内田涼『二月大歌舞伎』2021年2月27日(土)まで上演中『三月大歌舞伎』2021年3月4日(木)~2021年3月29日(月)会場:東京・歌舞伎座
2021年02月15日梅田芸術劇場と英国・チャリングクロス劇場の共同プロデュース第2弾となるミュージカル『消えちゃう病とタイムバンカー(英題:The Vanishing Girl&The Time Banker)』が4月、東京芸術劇場プレイハウスで開幕する。この日英共同プロジェクトは、日本の若手演出家が英国で作品を発表できる機会を創出し、日本演劇界・ミュージカル界を活気づけることが目的。これを踏まえ、梅田芸術劇場が英国で150年以上の由緒ある歴史を持ちながら画期的な作品を作り出しているチャリングクロス劇場の芸術監督であるトム・サザーランドとタッグを組んだ。演出家と演出コンセプトはそのままに「英国キャスト版」と「日本キャスト版」を各国それぞれの劇場で上演する形で、第1弾は藤田俊太郎演出・ミュージカル『VIOLET』を2019年、20年に英国と日本で上演している。しかし続くコロナ禍の中、日英双方での上演は見通しが立たない状況。それに伴い第2弾となる『消えちゃう病とタイムバンカー』はまず日本のみでの上演となる。日本のオリジナル作品である本作は、悪徳企業「時間銀行」に勤め、人の時間を搾取することを生業とする世界一冷酷な男・灰原ルイと、悲しい気持ちになると体の一部が消えてしまう新種の病気「消えちゃう病」を患う世界一感情が激しい女・Mとの摩訶不思議な恋の物語だ。作演出を手がけるのは、短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』でサンダンス映画祭・日本人初のグランプリを受賞した長久允。灰原ルイ役には若手歌舞伎俳優として古典新作を問わず数々の歌舞伎作品に出演し映画でも活躍する坂東巳之助が、M役には韓国と日本で数々の映像作品に出演し「第43回日本アカデミー賞」最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンが決定している。日本の伝統文化を根底に持つ俳優と、海外でも確固たる実績を持つ女優との競演は、これまでに見たことのない新しいコラボレーションが生み出されるはずだ。■公演情報『消えちゃう病とタイムバンカー(英題:The Vanishing Girl&The Time Banker)』<東京公演>4月上演予定会場:東京芸術劇場プレイハウス<大阪公演>4月-5月上演予定会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公式サイト:
2021年01月20日映画版では描かれなかった宮崎駿の名作漫画全7巻の壮大な物語全てを新作歌舞伎化した「風の谷のナウシカ」のBlu-ray&DVDが、本日1月20日(水)リリースされた。この度、必見の名シーンが映像で到着した。宮崎作品初の歌舞伎舞台化、同時にスタジオジブリの関連作品歌舞伎舞台化も初となった本作。主人公ナウシカを尾上菊之助、ナウシカと対する皇女クシャナを中村七之助が演じ、新橋演舞場で上演された本作のチケットは即日完売、全国の映画館でディレイビューイングとして上映もされ話題となった。今回到着した映像は、<火の7日間>で世界を焼き尽くした「巨神兵」が、歌舞伎の舞台でも姿を現す必見の名シーン。巨大な産業文明は滅び、大地のほとんどは巨大な蟲が生き、有毒な瘴気を発する菌類の森、腐海に覆われる。それでも人間同士の争いは止むことがなく、トルメキア王国と土鬼諸侯国連合帝国の2大国が対立。そして、土鬼帝国の聖都・シュワの奥深くでは、兵器「巨神兵」が目を覚まそうとしていた。巨神兵と対峙するのは皇兄・ナムリス(坂東巳之助)。弟・ミラルパ(坂東巳之助/2役)を亡き者にして土鬼神聖皇帝の座についたナムリスは、旧世界の兵器を手中にし、世界をも手に入れるべく動き出す。そして旧世界の英知を封印した、古代文字で覆われたシュワの墓所。ついに辿り着いたナウシカたちに主は世界の再建について語りかける――。声を担当したのは、重要無形文化財保持者(人間国宝)の中村吉右衛門だ。世界の再建の秘密を知り、それでも墓所を倒し、闇へ帰すことを選択したナウシカ。本作では蘇った旧世界の兵器「巨神兵オーマ」と、シュワの「墓所」との戦いを、それぞれ「オーマの精」(尾上右近)と「墓の主の精」(中村歌昇)として顕現させることで表現している。なお、今回リリースされるBlu-ray&DVDには、昼の部を前編、夜の部を後編として収録。名場面を収めたフォトブック、映像特典なども収録されている。(cinemacafe.net)
2021年01月20日自然体でいて、かつ妖麗な雰囲気を纏う次世代俳優・坂東龍汰。デビューから3年、すでに数々の名監督から起用される実力と、ファンだけでなく同期や先輩をも惹きつける愛嬌の裏には、芝居に対する、しなやかで熱い姿勢がありました。昨年、映画『弱虫ペダル』など多くの作品に出演し、今、大きな注目を集める坂東さん。小学校の頃から学校のカリキュラムとして演技を学び、俳優の道へ。「高校の卒業公演で、演じることに爆発的な快感を覚えて痺れたんです。『もっとお芝居がしたい』と震えた瞬間でした。前には、社交ダンスで生きようと思った時もありました。部を作って、北海道大会で3位になったんですよ、6組中ですけど(笑)。プロに誘われたりもしましたが、相手の子が映画監督になりたいと言うので、僕も自分の道を選びました」坂東さんが受けていたシュタイナー教育では、テレビやゲームなどが禁じられている。「電子機器類が全部ダメなんです。中学生になってからは、特別に週に1本映画を観ることが許されて。土曜日に父が借りてきたDVDを観ていました。父が選ぶのは、最初の1本こそ『七人の侍』でしたけど、『ダイ・ハード』とか『ロボコップ』とかゴリゴリのハリウッド系。最近は、松田龍平さんの『舟を編む』を観て、映画の中で生きてらっしゃる姿がとても素敵だなって。オダギリジョーさんのお芝居にも気持ちが持っていかれます」’20年は、黒沢清監督作『スパイの妻』に出演。とても大切な作品となったそう。「初号試写を観て、微力ながら作品のひとつのピースになれたように感じられたんです。試写が終わってもなかなか立ち上がれなかったほど感動して、心の底からこのお仕事を続けていきたいと思いました」この作品には、不思議な縁もあったそう。「実は高校卒業後、上京資金を貯めるために旅館で仲居として働いていたんですけど、その場所が、僕が演じた役が籠もった有馬温泉なんです。脚本を読みながら『こんなめぐりあわせがあるんだ』ってびっくりしました。現場では、何でも吸収したくて、お芝居とは別に役者さんとのコミュニケーションの時間を大切にしています。『スパイの妻』では、共演させてもらった蒼井優さんや高橋一生さんが、ご自身の経験を話してくださるのが嬉しくて、一秒も無駄にしたくなかったです」そうしたまっすぐな思いが伝わるのだろう。数々の先輩から愛されている。「プライベートでは村上虹郎、仲野太賀さん、栁俊太郎くん、夏帆さんや忽那汐里さんとお話する機会が多いですね。太賀さんが特にそうなんですけど、先輩方は『頑張って俺らについてこい』と背中で語ってくれて、本当にありがたいです。『弱虫ペダル』で共演した栁俊太郎くん、竜星(涼)くんからは、愛あるイジリをしていただいて。(永瀬)廉からは、完全に年下扱いを受けてます(笑)。同世代では、大下ヒロト、楽駆、倉(悠貴)がイツメン。飲んでは、別れ際に『負けねえぞ!』って言い合ってます。彼らとはオーディションがよくカブるんですが、尊敬し合える友達にも、用意してきたカードは明かしたくない。でも終わった途端、『ちょっとカフェ行こうよ』『どうだった?』みたいに雰囲気は元通りです」さまざまな役を演じ分ける秘訣は?「映画は、共演者の方々との本番のテイクで起こることがすべてだと思っているので、プランを決め込んで現場に行ったことは一回もないです。台本を何度も声に出して読むこともなくて。音読して台詞を覚えていた時期もあるけど、普段の会話は前もって用意しないじゃないですか。その瞬間に初めて出たトーンがリアルなのかなと思うようになったんです。声は『役者は一に声、二に顔、三に姿』という言葉もあるくらい大切。自分のいろんな声を録音したり、声の研究を始めたところで、これから突き詰めていきたいですね」夢は、世界の映画祭の舞台に立つこと。「夢を叶えることは、簡単ではないと思います。でも、真っすぐな道よりも、グネグネした道のほうが、先がまるで見えない楽しみがあるし、見えた時の感動も自分の成長も大きいはず。ためらわず一歩目を踏み出して、まだ見えない可能性を求めていきたいです」ばんどう・りょうた1997年5月24日生まれ。北海道出身。出生地はニューヨーク。高校卒業後、上京。’17年、俳優デビュー。主な出演作に『十二人の死にたい子どもたち』『閉鎖病棟』など。ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK)が4月スタート。映画『峠 最後のサムライ』が6/18公開予定。『弱虫ペダル』の影響で始めた自転車、ギター、カメラなど多趣味で、手縫いでリメイクするほどのファッションラバーでもある。ジャケット¥22,000パンツ¥13,000(共にメゾンスペシャル/メゾンスペシャル 青山店 TEL:03・6451・1660)シャツ¥22,000(アダンス/サカス ピーアール TEL:03・6447・2762)シューズ¥68,000(パラブーツ/パラブーツ青山店 TEL:03・5766・6688)ソックスはスタイリスト私物※『anan』2021年1月13日号より。写真・三瓶康友スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・イケナガハルミ取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2021年01月07日「20歳のときに初めて訪れてから、サンリオピューロランドには母や友達、当時お付き合いしていた人とも何十回も遊びに来ました」そう話すのは、芸能界でも指折りのサンリオ好きで知られる熊田曜子さん(38)。サンリオピューロランド(東京都多摩市、以下ピューロランド)は、「ハローキティ」をはじめとしたサンリオキャラクターたちの世界観が楽しめる人気スポット。12月7日には、開業から30周年を迎えた。そこで熊田さん、サンリオエンターテインメントの広報担当者に「ピューロランドの魅力」をたっぷり取材!クイズ形式で紹介しちゃいます。【Q1】ハローキティより先に誕生したキャラクターは?’74年に誕生したハローキティ。だが、じつはサンリオでいちばんはじめに生まれたキャラクターはハローキティではない。「サンリオのホームページ内で紹介しているのは’73年からのキャラクターで、イギリスのウインダミアに住むクマのキャラクター『コロちゃん』です。コロッケのようなほっぺをしているところから名前がつきました」(前出・広報担当者)【Q2】“イケメン好き”のキャラクターとは?「マイメロディというキャラクターの“自称ライバル”であるクロミは、かっこいい男のコが大好きなんです」(前出・広報担当者)熊田さんの次女も、クロミがお気に入りなんだとか。「サンリオキャラクターには珍しい黒色の頭巾がトレードマーク。小悪魔っぽい印象があるのもかわいらしいです」(熊田さん)【Q3】人気投票企画「2020年サンリオキャラクター大賞」の1位を獲得したキャラクターは?ピューロランド館内や日本各地のサンリオショップ、公式ウェブサイトなどでの投票によって決まる「2020年サンリオキャラクター大賞」。「1,500万近くの投票数のなかから、約138万票を獲得し、’20年の総合1位に輝いたのはシナモロールでした」(前出・広報担当者)シナモロールは、垂れた耳とシナモンロールのようなしっぽがかわいい、白い子犬の男の子だ。【Q4】現在「歌舞伎」を取り入れたショーが上演中。声の出演を務める大物歌舞伎役者とは誰?’18年3月から上演しているショー「KAWAII KABUKI〜ハローキティ一座の桃太郎〜」は、キャラクターが歌舞伎の衣裳で登場し、見えや大立ち回りを披露。シニアにも人気だという。「声の出演で中村獅童さん、映像出演は坂東巳之助さんです。市川笑三郎さんの歌舞伎演技指導のもとで特訓したハローキティたちが初めて歌舞伎に挑戦しています」(前出・広報担当者)【Q5】ピューロランドが今年取り入れた、来場者を楽しませるための“最新技術”とは?「スマホでARマーカーを読み込むと、画面内でキャラクターたちが動く『AR技術』を、30周年記念として初めて採用しました。限定ケーキに付いてくる限定デザインのカードをスマホで読み込むと、キャラクターたちのかわいい映像と音楽がスマホから出現します!」(前出・広報担当者)ARを場内で楽しむには、別途「STYLY」というアプリのダウンロードが必要となる。12月7日から期間限定で、歴代パレードの名曲が盛りだくさんのショー「Hello,New World〜虹を、つなごう〜」(※チケットの事前購入が必要)も開催されている。ソーシャルディスタンスを保つため、なんとキャラクターたちが“オンラインで参加”する演出も。時代に合わせて進化しつつも、懐かしいキャラクターたちにも会えるピューロランド。まだまだみんなを楽しませてくれるはず♪「女性自身」2020年12月29日号 掲載
2020年12月18日歌舞伎俳優の坂東玉三郎が大阪松竹座でお正月公演「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」を上演するのを前に11月20日、京都市内で取材会を行った。公演は花道の使用を避けるなど、コロナ対策を徹底する。玉三郎は「今はどこを見てもコロナの話題ばかり。舞台ではお客様に苦しい現実を忘れていただくのが何より大事。演劇とはそういうものです」と力を込める。「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」チケット情報演目は3つ。『お年賀 口上』で幕を明け、27年ぶりの上演で初役を勤める『賤の小田巻(しずのおだまき)』、18年に新作舞踊として初披露した『傾城雪吉原(けいせいゆきのよしわら)』を上演する。口上は「幸せ感溢れるものにしたい」と、目にも豪華な内掛の衣裳を披露する趣向を考えた。京都の職人が1年がかりで仕立てたという貴重な紅い鳳凰柄のものから、『天守物語』で披露した2枚、さらに『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』で特別に仕立てた1枚の計4枚を候補に挙げる。「お客様には華やかなものをお見せしたい。口上でも充実してお楽しみいただければと考えました」。『賤の小田巻』は源義経の愛妾で、今は捕らわれの身となった静御前が主人公。宿敵・頼朝とその妻政子に舞を所望され、その席で義経の身の安全を祈願したことから頼朝の不興をかった故事に由来した人気曲目のひとつ。哀愁の中にも繊細な情趣や華麗さがある。玉三郎は「静御前が現実にどれだけ悲しんだかというよりも、その風情を見せるのが大事」と極意を語る。衣裳は格調高い唐織着流し。以前『船弁慶』の静御前で着用したものが3枚あると言い、公演中はそこから「その日の気分で自由に選んで着ようと思います」。『傾城雪吉原』は、恋人を思い春を待つ傾城が、四季折々の風情と共に、古風な趣と格式で魅せる幽艶な舞踊劇だ。玉三郎は長唄の名曲『高尾懺悔』から恨みの歌詞を抜くなどして改曲、新作『傾城雪吉原』として魅力も新たに蘇らせる。「能楽でも世阿弥らがお客様に楽しんでいただくために、昔からあったものを改曲し、目新しく華やかに見せていくことがあったと思います。長唄『高尾懺悔』が名曲ながらあまり上演されなかったのは、亡霊が四季を踊るという地味なものだったから。それを華やかにしたいと『傾城雪吉原』に仕上げました。冒頭の雪景色は『鷺娘』のような雰囲気もあり、最後は「春は来にけり」の歌詞で終わらせました」。9月からコロナ渦での公演を再開させた玉三郎。改めて観客への感謝と決意を口にする。「この状況下でお客様が前売券を買って劇場に来てくださることのありがたさ、大劇場で幕を開けられることの幸せをつくづく感じます。まずはお客様を安全第一にお迎えし、その情熱に応えたい。現実を忘れていただけるような時間を提供できればと思います」。公演は1月2日(土)から19日(火)まで、大阪松竹座にて上演。チケットは12月2日(水)午前10時より一般発売。取材・文:石橋法子
2020年12月02日「こんなにありがたい、うれしいことはありません」万雷の拍手のなか、感慨深そうにこう語るのは市川海老蔵(42)。これは11月11日から福岡・博多座で行われている「市川海老蔵特別公演」の初日に語ったもの。成田屋のお家芸である「にらみ」を披露し、連日客席を沸かせている海老蔵だが、その“舞台裏”は穏やかではなかった。「10月22日に今回の公演の取材会があったのですが、海老蔵さんは不在で、共演の坂東巳之助さん(31)らが出席しました。冠公演の取材会に主役が出てこないなんて前代未聞です」(歌舞伎関係者)海老蔵が異例の“欠席”を断行した裏では、ギャラを巡る攻防戦が繰り広げられていたという。「コロナ禍で歌舞伎界は2月末から公演中止に追い込まれました。8月に再開しましたが、客席は今も半数に制限されています。そこで松竹はスタッフや演者に対して『満席になるまで我慢してほしい』と“半減”レベルの大幅なギャラダウンをお願いしました。大御所も受け入れるなか、当初、海老蔵さんは突っぱねたそうです。今回の公演も客席は半分ですから、海老蔵さんはスケジュールの都合もあって“取材会のボイコット”という形で不満を示したのでしょう」(前出・歌舞伎関係者)海老蔵が抵抗したのには理由があると明かすのは、別の歌舞伎関係者。「市川宗家として歌舞伎界を支える立場にある海老蔵さんとしては、自分がはっきり言うことで少しでも困窮にあえぐ若手を救いたいという思いもあるのでしょう。7月には片岡孝太郎さん(52)がブログで、名の知れた歌舞伎役者がUber Eatsの配達員としても働いていたことを明かしていました。そうした事情もあり、“役者側の苦境も考えて”と釘を刺したうえで“ギャラ減額”を受け入れたそうです」さらに松竹への別の不満もあるのでは、と海老蔵の知人は言う。「海老蔵さんは『来年こそ海外公演をやりたい!』と意気込んでいます。しかし、松竹はコロナ禍のこともあり、消極的なようです。父の團十郎さん(享年66)が04年に行ったパリ公演は大好評でしたが、結果として莫大な借金を背負うことになりましたから。海老蔵さんは“父子の夢”がなかなか実現できないことに悩んでもいました」そんななか、先日、1月から東京で海老蔵の冠公演が行われることが発表されたが、これは“一時休戦”の証だという。「1月の公演も客席は半分で行う予定だそうですが、海老蔵さんは出演を了承したそうです。襲名披露公演も控えてますから、いつまでも『ケンカしているわけにはいかない』と一歩引いたのでしょう」(前出・別の歌舞伎関係者)海老蔵の“にらみ”がおさまる日はいったいいつ?「女性自身」2020年12月1日・8日合併号 掲載
2020年11月20日映画『弱虫ペダル』(8月14日公開)に出演する坂東龍汰と栁俊太郎が27日、渋谷パルコ B1階 ギャラリーXで行われている「弱虫ペダル ART&MOVIE EXHIBITION」(31日まで開催)に登場し、取材に応じた。同作は累計2500万部突破の大人気スポーツ青春漫画の初実写映画化作。連載は今年で12年を迎え、アニメ・アニメ映画・舞台・小説・ドラマなど様々なコンテンツでメディアミックスされている。地元・千葉から秋葉原にママチャリで通うアニメ好きの高校生・小野田坂道(永瀬廉)が、あることをきっかけに自転車競技部に入部することとなり、そこで出会ったかけがえのない仲間たちの為に、自分の限界や壁を越え、レースに勝利するための努力を覚えていく。同所で行われている原画の展示に「すげ〜!」と目を輝かせた2人。栁は「ファンにはたまらない」と感心し、坂東は自身が演じたキャラクター・鳴子章吉の原画の前で腕を組んで同じポーズをとる。映画で使用した衣装や小道具なども展示されており、ヘルメットに貼ってある番号を見ては「これ、自分たちで貼ったんだよ」(坂東)、「すぐ剥がれちゃう」(栁)と解説も。坂東はゼッケンなどの展示に「博物館みたい!」とはしゃぎ、鳴子のロードレーサーを愛おしそうに見つめ、栁はその様子を見守っていた。2人が撮影中に撮った写真も展示されており、栁は「スタッフさんを撮る機会があまりないから、撮っていたら『使えません』って……」と苦笑。坂東が「僕がずっと撮ってるから、僕が映らないじゃないですか。寂しくて『俺も撮って』とカメラを渡したら、俺以外のスタッフさんばっか撮って、俺を1枚も撮ってくれない!」と訴える。中学1年生から一眼レフを使っていたという坂東は、総北メンバー全員が初めて揃ったシーンで撮った時の制服の写真や、永瀬と夕日の前で自撮りしてる写真など、お気に入りの写真を挙げたが、「1回、(橋本)環奈ちゃんを隠し撮りしたらめっちゃ怒られて。夕日が綺麗だった日に正式に『撮らせてください』とお願いしました」と明かし、栁が「展示されるとも決まってなかったから、単純にお趣味だと思われてたんでしょ? しょうがないよ」とフォローしていた。仲の良い2人だが、互いに好きなところを聞かれると、「うわ〜!」「あはは!!」と爆笑してガチ照れ。栁は「けっこうガンガンくるんですよ。いきなりタメ語で『やっと会えたね』とかそういうことを言う。面白いなと思って」と明かす。初めて練習した日には、互いに家が近いことが発覚し、車で来ていた栁が坂東を送り届けたというエピソードも。栁は「断れないですよ。会って2回目くらいでそんな言われたら、『無理』なんて言えない」とこぼし、「すごいバカに見えるけど、誰にでも100%みたいな、僕とかが失ってる部分を持っている。気持ちを素直に伝えるし、素晴らしい」と称賛。坂東は「僕は全員に素直に伝えるけど、あんまり受け付けてくれない人もいる。ヤナパイは包み込んでくれる。そういうところで、相思相愛ですね。優しいところが好きですね」と関係の深さを見せた。改めて、俳優人生における同作の存在について聞かれると、栁は「もう高校生役はないかなと思ってたので、久々に学生時代の熱い感じを思い出させてくれた。原作もすごく好きで、アニメも映画も全部見てて、(演じた巻は)人気あるキャラクターですし、評価されるという意味でも勝負だなと思った作品でもあります」としみじみ。坂東が「キャスト聞く前から、ヤナパイ以外、思いつかなかったです」と告白すると、「うそつけ!」と疑う栁だが、坂東は「思ってた思ってた!だから、『やっと会えたね」って」と、ここで初対面時の発言の真意を説明する。坂東も改めて「僕はめちゃめちゃびっくりしましたし、原作も、鳴子章吉というキャラクターもすごく人気で、大チャレンジ。公開していろいろな反響ももらってて、今までの自分とは違う自分が見つけられた、ステップアップの作品になったな」と熱弁。「役者としてもひとつ次のステップに進めたかもしれないと思ってるので、出会った前とは、かなり見えている世界が違う。すごく感謝してます」と締め括った。
2020年08月27日視聴率は毎回20%超えと絶好調のドラマ『半沢直樹』(TBS系)を盛り上げる歌舞伎役者の面々が、劇場で見られる!クラスターに見舞われた舞台の報道が続く中、採算度外視といえる超厳重なコロナ対策の下、5カ月ぶりの幕が開いたーー。東京・銀座の歌舞伎座で「八月花形歌舞伎」が開幕した。新型コロナウイルスの影響で3月から公演中止となっていた歌舞伎座。本来なら5、6、7月と市川海老蔵(42)の團十郎白猿襲名披露興行があり、歌舞伎フィーバーを迎えていた可能性も高い。だが、自粛の続くライブエンタテインメント全般の現状を思えば、幕が開くだけで、まずは御の字だ。プログラムはコロナ仕様。通常なら二部制ないし三部制のところ、今回は幕間なしの四部制だ。そのぶんチケット代も安いので、案外、初心者でも足を運びやすいかもしれない。第一部は『連獅子』。半沢直樹で話題の片岡愛之助(48)が登場し、中村壱太郎(30)とともに、勇壮な獅子の毛振りを見せてくれる。地方(じかた)と呼ばれる演奏者たちはみな黒いマスク着用。これが意外にも儀式性を高め、今しか味わえない高揚感がある。第二部は中村勘九郎(38)と坂東巳之助(30)による『棒しばり』。亡き二人の父である十八世勘三郎と十世三津五郎もコンビで得意とした演目だ。狂言由来のユーモラスなやりとりに、歌舞伎のたくましさが発揮されている。第三部『吉野山』には半沢直樹の怪演で名を馳せた市川猿之助(44)が登場。正体が実は狐という佐藤忠信役でキレのいい踊りを見せる。お相手の中村七之助(37)の美しさにも息を呑む。この第三部、関係者の微熱で8月5日の公演が中止となったが、PCR検査で陰性だとわかり、翌日には即再開。各部ごとに出演者スタッフを総入れ替えする対策をとっていたため他の部への影響もなく、かえって感染予防対策の厳重さを印象づけた。第四部は松本幸四郎(47)らによる『与話情浮名横櫛』。「源氏店」という、台詞のある一幕だが、ヒロインのお富(中村児太郎・26)が、藤八(片岡亀蔵・58)にソーシャルディスタンスを保ちながら化粧を施す演出が面白い。客席数をぐっと制限してもなお満員とは言いがたいが、舞台上と客席の一体感は別格だ。入場時の検温や消毒といった段取りも、日々細かくアップデートされているという。四百年に及ぶ歴史のなかで、何度も危機に見舞われてきた歌舞伎。逆境にある今こそ、この芸能の本質が味わえるときなのかもしれない。「女性自身」2020年9月1日 掲載
2020年08月22日まだかまだかと首を長くして待っていた歌舞伎ファンの皆様、ついに本日から歌舞伎座が再開される。3月以来、配信や無観客上演など、様々な試みを続けてきた歌舞伎俳優たちだが、ようやく歌舞伎座の舞台に立てる。彼らの喜びもひとしおだろう。今回、新型コロナウィイルス感染予防のための厳重な対策の下、各部とも総入れ替え制の4部制となる。出演者や演奏者など関係者の人数を減らしての上演となり、客席も通常より約1000席分を減らす。花道付近や桟敷席は販売せず、市松模様のように前後左右に空間を置いた座席となる。第一部は『連獅子』。能の「石橋」を基にした松羽目物と呼ばれるジャンルの中でも迫力ある舞踊だ。文殊菩薩が住むといわれる霊地清涼山。そのふもとの石橋に、狂言師の右近と左近が手獅子を携えて現れ、石橋の由来を踊る。また文殊菩薩の遣いである霊獣の獅子が、仔獅子を谷底へ蹴落とし、自力で這い上がってきた仔だけを育てるという故事を踊って見せる。やがて満開の牡丹の花の中、親獅子と仔獅子の精が現れる。前半は親子の獅子の厳しくも温かい情愛を描き、ユーモラスな宗教論争がくり広げられる間狂言「宗論」を挟んで、後半は獅子の精が豪快かつ華麗な毛振りを見せる。片岡愛之助、中村壱太郎、中村橋之助、中村歌之助の出演だ。第二部も松羽目物の舞踊で、こちらは狂言を題材としたユーモラスな『棒しばり』。両手を縛られ自由が利かない中で存分に踊って見せるのが見どころだ。次郎冠者と太郎冠者は無類の酒好き。ある日主人の曽根松兵衛は、自分の外出中に酒を盗み飲まれないように一計を案じる。次郎冠者は両手を棒に縛りつけ、太郎冠者は後ろ手に縛ってしまう。それでも協力しながら、なんとか酒蔵で酒にありつくふたり。酌み交わしてほろ酔い気分になり踊りだす。そこへ主が帰館して……。明るく楽しい雰囲気とともに、踊り手の巧みな技も存分に楽しみたい。中村勘九郎、坂東巳之助、中村扇雀の出演。『八月花形歌舞伎』チラシ第三部は義太夫狂言の傑作で歌舞伎三大名作ともいわれる『義経千本桜』の中の一幕であり、人気の舞踊演目だ。満開の桜に覆われた吉野山。源義経の愛妾静御前は、都を落ち延びた恋しい義経を追って旅を続けている。供をするのは義経の忠臣佐藤忠信。だが実はこの忠信は、静が義経から預かった「初音の鼓」の皮に使われた狐夫婦の子供だった。忠信と静の連れ舞や源平合戦を物語るところなど、見どころの多い美しい道行だ。また随所で狐を思わせる忠信のしぐさも見逃せない。こちらは市川猿之助、市川猿弥、中村七之助の出演。第四部はお芝居の演目。『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』。男女の不思議なめぐりあいを描く傑作だ。鎌倉の源氏店に住む和泉屋の大番頭、多左衛門の妾宅で、湯上りの化粧をしているお富。そのお富に番頭の藤八がしつこく付きまとっている。そこへ小遣いをたかりにやってきたのは蝙蝠の安五郎と相棒の与三郎。この与三郎、かつて芸者お富と密会を重ねた伊豆屋の若旦那だ。当時お富を囲っていた旦那に知られてしまい、お富は身投げ、与三郎も全身に三十四か所もの傷を負わされる。互いに死んだと思っていたのに、こんなところでまさかの再会。与三郎の「しがねえ恋の情けが仇」という名セリフが聞きどころだ。松本幸四郎、中村児太郎、片岡亀蔵、市川中車、坂東彌十郎が出演する。8月26日(水)まで。文:五十川晶子
2020年08月01日WOWOWでは、世界中で愛される漫画「ワンピース」を歌舞伎にしたシネマ歌舞伎「スーパー歌舞伎II ワンピース」が放送されることが決定した。海賊王になるため、“偉大なる航路(グランドライン)”を目指すルフィ(市川猿之助)とその仲間“麦わらの一味”。幾多の冒険を経て、ルフィは名だたる海賊たちが集まるシャボンディ諸島へとたどり着くが、海軍との戦いで麦わらの一味はバラバラに吹き飛ばされてしまう。吹き飛ばされたルフィは、たどり着いた島で兄エース(福士誠治)の公開処刑の知らせを耳にする。エースを助けるため海底監獄インペルダウンへ侵入したルフィは、そこでボン・クレー(坂東巳之助)と再会。エース救出のために共に戦う2人であったが、監獄署長のマゼラン(市川男女蔵)によってルフィは絶体絶命のピンチ。さらに、ルフィの侵入を知った海軍の手によって、エースは海軍本部に移送されてしまう…。四代目市川猿之助がルフィを演じる本作は、「サバイバルの海 超新星編」最後の「頂上戦争編」を舞台化。歌舞伎特有の化粧や衣装のアレンジが絶妙にマッチした登場人物たちが、舞台、花道、客席を所狭しと駆け巡り、大量の水が滝のように流れる中での大立ち回りを見せ、2階席、3階席からも手が届きそうな宙乗りや最新のプロジェクションマッピングを駆使した演出、ミュージカルさながらのダンスなどが展開し、盛り上がりをみせた。東京・新橋演舞場にて2015年11月に収録した模様を今回放送。猿之助さんのほかにも、市川右團次、坂東巳之助、中村隼人、市川春猿(現:河合雪之丞)、福士誠治、嘉島典俊、浅野和之らが出演している。シネマ歌舞伎「スーパー歌舞伎II ワンピース」は7月4日(土)18時~WOWOWライブにて放送。(cinemacafe.net)
2020年05月31日名古屋・御園座では、1月2日(木)から4日(土)まで、『坂東玉三郎 御園座新春特別舞踊公演』が催される。新春を寿ぐ華やかな舞台だ。幕開けには『お年賀口上』が付き、玉三郎が挨拶をする。舞踊の演目は地唄の『雪』『鐘ヶ岬』で、間に『三曲糸の調べ 阿古屋琴責』が入る。『雪』は、今は仏門に入った芸妓が、かつて雪の夜にひとり寂しく恋人を待ちわびたことを思い起こす姿を描く。『鐘ヶ岬』は道成寺もののひとつで、釣鐘ごと安珍を焼き殺した清姫「安珍清姫伝説」の後日談。女の執念や艶やかさを詩情豊かに浮かび上がらせる。『阿古屋琴責』は、源平合戦で平家が滅んでも、なお源頼朝の命を狙う平家方の男・景清の居場所を白状させようと、景清の子を身ごもっている遊君阿古屋を詮議する場面。源氏方の重忠が、阿古屋に琴・三味線・胡弓の三絃を弾かせ、もし「景清の居場所を知らぬ」と言うその心に偽りがあれば音が曇るはずだと耳をそばだてる。阿古屋を演じる女方にとって、舞台の上で実際に琴・三味線・胡弓をひとりで演奏する難役だが、玉三郎は1997年から阿古屋を演じ素晴らしい演奏を続けてきた。とりわけ胡弓の音色には、重忠ならずともうっとりと聞き惚れてしまう。豪華な衣裳にも注目したい。文:仲野マリ
2020年01月01日浅草新春歌舞伎が東京・浅草公会堂で、1月2日(木)に開幕する。“若手歌舞伎俳優の登竜門”として40年の歴史があり、浅草の正月の風物詩として親しまれている。通常の大歌舞伎公演に比べると上演時間が短く、初詣のついでにお正月イベントとして初めて歌舞伎を観るという人も多い。そんな人たちを意識して、各回冒頭につくお年玉〈年始ご挨拶〉では、演目のあらすじをわかりやすく話してくれる。マイク片手に楽しいトークを入れるなど、若者らしい工夫もこの公演の特徴だ。第1部最初の演目は中村橋之助による『花の蘭平』。刃物を見ると狂気の奇病を起こすという『蘭平物狂』を舞踊化したものだ。続いて菅丞相(菅原道真)の政治的失脚をめぐる『菅原伝授手習鑑』から『寺子屋』で、菅丞相に忠義を尽くす松王丸と、命懸けで偽首を差し出す源蔵の緊迫感みなぎる「首実検」の場面がハイライト。松王丸に尾上松也、もう一人の主人公とも言える源蔵は中村隼人が勤める。源蔵は失脚した主人・菅丞相の子息を我が子と偽り匿って寺子屋を営んでいたが、「首級を切って渡せ」と言われて身替わりに教え子の少年を殺そうとする。夫と共に運命を引き受ける妻・戸浪に中村米吉。松王丸の妻・千代は坂東新悟。第1部ラストの『茶壺』は狂言をもとにした舞踊劇だ。茶壺を持った男(中村歌昇)とすっぱと呼ばれる盗人(坂東巳之助)の掛け合いをユーモラスに見せる。第2部は時代物の義太夫狂言が2本。武智光秀(明智光秀)の謀反によって起こる光秀一家の悲劇を描いた『絵本太閤記』の『尼ヶ崎閑居の場』では中村歌昇が武智光秀を勤める。光秀の妻・操が坂東新悟。初陣にて命を散らす光秀の息子・十次郎が隼人、その許嫁・初菊が米吉。もう一本は『仮名手本忠臣蔵』全十一段のうちの七段目『祇園一力茶屋の場』。松也は第1部の松王丸に続き、「一力茶屋」でも大星由良之助(大石内蔵助)という大役を担う。いずれも、忠義心がありながらそれをひた隠しにして行動する人物だ。その肚(はら)が、安易に観客に見破られてはならないという難役でもある。お軽は米吉、お軽の兄・寺岡平右衛門は巳之助が勤める。浅草新春歌舞伎は1月26日(日)まで。 第1部が午前11時開演、第2部が午後3時開演。1月19日(日)第2部は恒例の「着物で歌舞伎」の回で、着物で観劇した人に記念品が贈呈される。文:仲野マリ
2019年12月31日お正月の風物詩であり、若手歌舞伎俳優の登竜門としても知られる『新春浅草歌舞伎』。今回は第1部に『花の蘭平』『菅原伝授手習鑑寺子屋』『茶壷』、第2部に『絵本太功記尼ケ崎閑居の場』(以下『太十』)『仮名手本忠臣蔵祇園一力茶屋の場』(以下『七段目』)を上演する。出演する尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助の3人に話を聞いた。【チケット情報はこちら】歌舞伎初心者にも気軽に楽しんでもらおうと、古典の名作から、華やかで、クスっと笑えるような演目までがそろう浅草。『寺子屋』で松王丸を、『七段目』で大星由良之助を演じる松也は、「『寺子屋』は現代ではなかなか理解し難い状況ではありますが、逆にそこで親や兄弟、主人への忠誠心がより濃く滲み出ている作品だと思います。また『七段目』も『寺子屋』同様、人気演目のひとつ。お客様も心構えが必要かもしれませんが、その分僕らも熱い思いをもって取り組ませていただきます」と意気込む。『寺子屋』で春藤玄蕃、『茶壷』で田舎者麻胡六、『太十』で武智光秀、『七段目』で赤垣源蔵を演じる歌昇は、「『太十』は光秀が謀反を起こしたことによって、どういう悲劇を辿っていくのか。光秀の家族それぞれにスポットが当たっていく作品なので、ひとつの家族のドラマとしてお見せ出来たら」と語る。また『茶壷』で熊鷹太郎を、『七段目』で寺岡平右衛門を演じる巳之助は、「『茶壷』は本当に説明不要と言いますか、現代にも通じる、日本古来のコントのような作品です。どんな方でも肩肘張らずに楽しんでいただける演目だと思いますし、第1部の締めくくりなので、“歌舞伎って面白かったね”と思っていただける最後のひと押しとして機能してくれれば」と期待を寄せる。同世代ならではの和気あいあいとした雰囲気を見せる3人に稽古場での様子を聞くと「仲がいいだけに、このままの空気感でやってしまうと緊張感がなくなってしまう。みんな初役でもありますし、どの劇場よりも緊張感があるかもしれません」と松也。それに歌昇が頷き、巳之助も「若いからこそ本当に真面目ですよ」と笑う。また「町ぐるみで楽しんでいただける公演」と松也が語るように、上演時間が短め(その分観劇料も抑えめ)に設定されているため、芝居の前後にお正月感あふれる浅草を散策出来るのも楽しい。さらに「歌舞伎といえどもなかなか見られない景色。浅草のお正月らしくて素敵です」と巳之助が推すのは、恒例の「着物で歌舞伎」(1月19日(日)第2部に実施)。観客はもちろん、劇場スタッフも着物で出迎え、華やかな雰囲気の中で歌舞伎を堪能することが出来る。公演は2020年1月2日(木)より26日(日)まで、東京・浅草公会堂にて上演。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2019年12月20日12月15日(日)オンエアの「ボクらの時代」に、歌舞伎俳優の坂東玉三郎、ボーカリストのEXILE ATSUSHI、歌舞伎俳優の中村児太郎の3人がゲスト出演。12年ぶりの本番組出演となる坂東さんと初登場となるATSUSHIさん、中村さんが語ったこととは?本番組は毎回様々なジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくトーク番組。14歳で十四代目守田勘弥の養子となると五代目坂東玉三郎を襲名。抜群の美しさと演技力で当代一の女形として多くの人を魅了する一方、海外の芸術家とのコラボレーションや、演出、映画監督などでもその才能を発揮。多才なる活動が評価され、今年「第31回高松宮殿下記念世界文化賞」演劇・映像部門を受賞するなど、日本を代表する歌舞伎俳優となった人間国宝の坂東さん。2001年、「EXILE」のボーカルとしてデビューすると2006年からはソロ活動も開始。「いつかきっと…」などのオリジナル曲とともに数多くのミュージシャンとのコラボなどで、ボーカリストとしての自身の可能性を追求。日本人ソロアーティスト史上初の6大ドームツアーを成功させたほか、法務省矯正支援官として全国各地の刑務所や少年院への慰問活動も行っているATSUSHIさん。9代目中村福助を父に、7代目中村芝翫を祖父に持ち、2000年に6歳で6代目中村児太郎を襲名。今月2日に東京・歌舞伎座で初日を迎えた「十二月大歌舞伎」では昨年に引き続き、琴、三味線、胡弓(こきゅう)の3曲を演奏する女形の大役「阿古屋」を演じるなど次世代の歌舞伎界を担う存在となった中村さん。もともと「EXILE」の大ファンで、共通の知人がいたことをきっかけにATSUSHIさんと友人になったという中村さん。今回の共演は以前、坂東さんと中村さんが楽屋で話している際「ATSUSHIさんの歌声がいい」という話題になり、中村さんがATSUSHIさんと知り合いだったことから実現したという。収録が始まる前、ATSUSHIさんが先日初めて歌舞伎を見に行ったという話題で歓談するなど、終始和やかな雰囲気で行われた今回の鼎談。同じ歌舞伎俳優の坂東さんと中村さん、アーティスト、ボーカリストであるATSUSHIさん、それぞれ立場は違えど、表現者として同じ芸能界で活躍しているということで仕事の話に花が咲く。“どれだけ年数を重ねても、舞台に上がる前は緊張する”という話題では、それぞれ共感するところがある様子で、収録後、坂東さんが「歌舞伎俳優もアーティストも、舞台に出る前の気持ちは同じだということが分かって良かった」と収録をふり返ると、ATSUSHIさんも「(玉三郎さんは)道は違えど、芸能界の大先輩なので、貴重なお話を聞けてありがたかったです」と今回の鼎談に参加できたことに感謝。2人をつないだ中村さんは「尊敬しているおふたりと鼎談させていただいたのは、とても楽しく貴重な経験で、あっという間に時間がたってしまいました。本当に楽しかったです」と今回の収録の実現を喜んでいた。司会者がいない3人だけの自由な空間だからこそ飛び出す、ほかの番組では聞くことのできない自然体のトークを楽しめる「ボクらの時代」は12月15日(日)7時~フジテレビで放送。(笠緒)
2019年12月14日もうすぐ新橋演舞場にて上演される宮崎駿の漫画「風の谷のナウシカ」の歌舞伎化が、来年ディレイビューイングとして映画館で上映されることが決定した。12月6日(金)より公演が始まる新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」は、1984年にアニメ映画化され、世界中で愛されている宮崎駿の名作漫画を基に、映画版では描かれなかった全7巻の壮大な物語全てを新作歌舞伎化。キャストには、ナウシカ役を尾上菊之助、ナウシカと対する皇女クシャナ役を中村七之助。ほかにも、尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、尾上右近、中村種之助らが出演する。脚本は、「ゲド戦記」「借りぐらしのアリエッティ」など数々のスタジオジブリ作品を担当した丹羽圭子と戸部和久(松竹)、演出は新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」も手掛けたG2が担当する。そんなチケット即日完売となった本作が、上演からわずか2か月でディレイビューイングし、より多くの人たちに届ける今回の企画。新橋演舞場にて昼の部・夜の部通しで上演される本作を、映画館では昼の部を前編、夜の部を後編として公開する。『新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」ディレイビューイング』は前編:2020年2月14日(金)~、後編:2020年2月28日(金)~東劇・新宿ピカデリーほか全国にて各1週間限定上映。※一部映画館では上映期間が異なる場合あり(cinemacafe.net)
2019年12月05日先週より三谷幸喜監督作を連続放送中のフジテレビ系「土曜プレミアム」。9月21日(土)今夜は三谷監督が自身の小説を映画化、2013年に公開され大ヒットした『清須会議』を本編ノーカットでオンエアする。舞台演出家、作家、俳優、脚本家、映画監督と様々な顔を持つ三谷氏がメガホンをとった6作目となる本作。公開前年に発表された同名原作の映像化となり、天正10年(1582年)、安土桃山時代に実際にあった史実をベースにした物語となっている。本能寺の変で織田信長(篠井英介)が死に、その後見に名乗りを上げたのが筆頭家老・柴田勝家(役所広司)と、のちの豊臣秀吉である羽柴秀吉(大泉洋)だった。勝家は信長の三男でしっかり者の信孝(坂東巳之助)を、秀吉は次男で大うつけ者とうわさされる信雄(妻夫木聡)をそれぞれ信長の後継者として推す。勝家、秀吉は2人とも信長の妹・お市様(鈴木京香)に思いを寄せていたが、お市は秀吉への恨みから勝家に肩入れする。一方秀吉は、軍師・黒田官兵衛(寺島進)の策で、信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方につけ、妻・寧(中谷美紀)の内助の功もあり家臣たちの心をつかんでいく。そして勝家、秀吉に加え、勝家の盟友であり参謀的存在の丹羽長秀(小日向文世)、立場をあいまいにして有利な方に着こうと画策する池田恒興(佐藤浩市)も加わり、この4人による清須会議が開かれることに。繰り広げられる一進一退の頭脳戦、取り巻く全ての人々の思惑が猛烈に絡み合うなかで信長の後を継ぐのは勝家派か、秀吉派か――というストーリー。勝家役には『三度目の殺人』『孤狼の血』などで幾度も日本アカデミー賞に輝く役所さん、秀吉役には『探偵はBARにいる』シリーズや先日放送終了した「ノーサイド・ゲーム」も好評だった大泉さん。信孝役には『東京喰種トーキョーグール』シリーズの坂東さん、信雄役には『怒り』『ミュージアム』の妻夫木さん。お市には『ジャッジ!』の鈴木さん、官兵衛役には『エイプリルフールズ』の寺島さん、信包役には『翔んで埼玉』も話題となった伊勢谷さん。長秀役には『アルキメデスの大戦』の小日向さん、恒興役には三谷監督最新作『記憶にございません!』にも出演する佐藤さんといった豪華キャストでお送りする。三谷監督最新作『記憶にございません!』は現在絶賛公開中。土曜プレミアム『清須会議』は9月21日(土)20時~フジテレビ系でオンエア。(笠緒)■関連作品:清須会議 2013年11月9日より全国東宝系にて公開© 2013 フジテレビ 東宝
2019年09月21日日本舞踊協会の新作舞踊公演シリーズ「未来座 SAI」の第三回公演が行われる。【チケット情報はこちら】日本舞踊松本流の家元で、シリーズの立ち上げメンバーでもある歌舞伎俳優の松本幸四郎は、「日本舞踊協会ではもともと2月に古典、7月に新作を上演していて、新作は少しお休みしていたのですが、古典と新作は両輪という考えから、2017年にこのシリーズが誕生しました」と語る。毎回、SAIに異なる漢字を当てて公演を行う同シリーズ。第一回では「賽」の字を掲げて“水”がテーマの新作4つを上演し、第二回では「裁」として『カルメン』が原作の新作舞踊を再構成して送ったが、今回は「彩」の字のもと、2つの新作を上演する。その1つ目、『=ぴのきお=』は、童話『ピノキオ』を日本に置き換えた作品で、檜の人形=ぴのきおが、様々な人形と出会い、幾多のトラブルを乗り越えて成長する姿を描く。「皆様に馴染みのある題材ですし、ファンタジーなので、心情や風景、人間ではないものなどを表すことのできる日本舞踊には適していると思います。脚本・演出・振付の西川扇与一さんは新作の経験も豊富な方ですから、日本舞踊にもともとある人形振りという技術を駆使しつつ、新しい踊りを見せてくれるでしょう。檜男のWキャスト、花柳大日翠(おおひすい)さんと藤間爽子さんは対照的な雰囲気なので、見比べる楽しみもあります。語り(録音)で参加する坂東流家元の坂東巳之助さんは、役者の技も使ってくれるはずです」2つ目は、四季を描いた『春夏秋冬』。京舞・井上流の家元であり人間国宝の井上八千代が未来座に初出演する話題作だ。「舞踊協会の新作公演に、井上八千代先生が出演するのは初めて。若い舞踊家達から出てきたアイデアで、彼らの熱意が先生に伝わって実現に至ったのだと思います。京舞という踊り、そして先生の芸は、非常に洗練され、それでいてリアルで、素晴らしい。どうやっても届かない憧れであり、だからこそ日本舞踊家として何ができるか考えさせられます。例えるなら、歌舞伎にとっての能狂言のような存在ですね。皆様に堪能していただくのは勿論、若い舞踊家には同じ舞台上でぜひ、色々なものを吸収してもらいたいです」「日本舞踊にはまだ身体だけでストーリーが展開する舞踊劇が、本当の意味では確立されていない」とし、「書割と共に平面的に進化してきたのが日本舞踊。立体的な群舞を入れるなどして奥行きを使うこともできるし、逆に映像を含め書割にこだわることもできる。まだまだ様々な可能性があると思う」と語るなど、幸四郎の日本舞踊への情熱は尽きない。「昔は花嫁修業や役者の心得であった日本舞踊も、今ではプラスアルファの特別な世界になりました。着物で踊るカッコよさや美しさを味わっていただき、浮世離れした別世界を楽しんでいただければと願っています」取材・文:高橋彩子
2019年06月14日全世界累計発行部数4,400万部を誇る超人気コミックス『東京喰種 トーキョーグール』の実写映画の第2作目『東京喰種 トーキョーグール【S】』が、2019年7月19日(金)に全国ロードショーとなります。喰種VS喰種、互いの生と正義を賭けたバトルアクションエンタテインメントをぜひチェックしてみてくださいね。『東京喰種 トーキョーグール』とは東京を舞台に、人の姿をしながら人を喰らう“喰種(グール)”をテーマとしたダーク・ファンタジー。不慮の事故により喰種と人間のハーフになってしまった主人公・金木研(カネキ)が、悩み葛藤しながらも、喰種と人間の“共存”に向けて戦う姿を描いた、石田スイ氏原作の人気漫画作品です。週刊ヤングジャンプにて、2011年に連載開始。2014年には、新章となる『東京喰種:re』が連載され、2018年7月に連載終了した今でも、アニメ・舞台・ゲームなど、さまざまなコンテンツで人気を博しています。TVアニメ放送『東京喰種トーキョーグール:re』/出典:PR TIMES(■2014年7月~9月 TVアニメ『東京喰種 トーキョーグール』放送■2015年1月~3月 TVアニメ(第2期)『東京喰種 トーキョーグール√A(ルートエー)』放送※原作者・石田スイ氏によるアニメオリジナルストーリーを展開■2018年4月~6月 『東京喰種 トーキョーグール:re』放送■2018年10月~12月 『東京喰種 トーキョーグール:re』終章(第2期)放送舞台上演出典:PR TIMES(年7月に『東京喰種』初の舞台を東京と京都にて上演。2017年6月~7月まで『東京喰種トーキョーグール 〜或いは、超越的美食学をめぐる瞑想録〜』が、東京と大阪にて上演されました。前作の実写映画『東京喰種 トーキョーグール』カネキとトーカの出会いや喰種化したカネキの苦悩、喰種を駆逐しようとする人間側の捜査官・CCGとの戦いが描かれた『東京喰種 トーキョーグール』の実写映画第1作。2017年7月29日に世界29カ国で公開され、その人気は今もなお拡大しており、世界的な大ヒットを記録しています。映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』のストーリー“不慮の事故により、人を喰らわないと生きられない【喰種】と人間のハーフになってしまったカネキ(窪田正孝)。葛藤を抱えながらも、トーカ(山本舞香)や喰種たちが集う喫茶店あんていくの仲間たちと、ささやかながらも幸せな毎日を送っていた。そんなある日突然現れた男・月山習(松田翔太)により、【喰種レストラン】に招待されるのだが、彼は美食家〈グルメ〉と呼ばれる、史上最悪の喰種だった――。”出典:キャラクター&出演者紹介金木研(カネキ)主人公。不慮の事故をきっかけに喰種と人間のハーフである“半喰種”になってしまい、現在は喫茶店「あんていく」に身を寄せている。■演:窪田正孝2006年4月、深夜ドラマ『チェケラッチョ!!in TOKYO』で初主演を務め俳優デビュー。主な出演作品は、ドラマ版『デスノート』や『アンナチュラル』、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』など。月山習“美食家(グルメ)”と呼ばれる史上最悪の喰種。半分人間で隻眼の喰種であるカネキに執着し、喰らおうと企んでいる。■演:松田翔太俳優・松田優作と女優・松田美由紀の次男として生まれ、2005年のスペシャルドラマ『ヤンキー母校に帰る~旅立ちの時 不良少年の夢~』でデビュー。同年『花より男子』に出演し一気に人気俳優に。霧嶋董香(トーカ)本作のヒロイン。元人間のカネキを警戒していたが、次第に打ち解け現在は仲間として受け入れている。■演:山本舞香『鳥取美少女図鑑』Vol2に登場したことがきっかけで現事務所にスカウトされる。主な出演作品は『桜ノ雨』や『暗殺教室』、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』など。西尾錦(ニシキ)カネキの大学の先輩。喰種でありながら、人間の恋人がいる。■演:白石隼也2007年、「第20回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞。映画・テレビドラマ出演のほか、バラエティ番組レギュラーなどでも活動している。主な出演作品に『仮面ライダーウィザード』や『真田丸』、『グッドモーニング・コール』などがある。亜門鋼太朗20区を担当するCCGの捜査官。■演:鈴木伸之劇団EXILEのメンバー。主な出演作品は『HiGH&LOW』シリーズや『PRINCE OF LEGEND』、『今日から俺は!!』など多数。映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』概要公開日2019年7月19日(金)全国ロードショー※年齢制限:R15+原作石田スイ『東京喰種トーキョーグール』(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)スタッフ監督:川崎拓也/平牧和彦脚本:御笠ノ忠次キャスト窪田正孝/松田翔太/山本舞香/鈴木伸之/小笠原海/白石隼也/木竜麻生/森七菜/桜田ひより/村井國夫/知英/マギー/ダンカン/柳俊太郎/坂東巳之助/???©石田スイ/集英社 ©2019「東京喰種【S】」製作委員会
2019年05月17日窪田正孝主演の実写映画『東京喰種』の続編が、正式タイトル『東京喰種トーキョーグール【S】』に決定。併せて本予告と本ビジュアルがついに公開された。これまで前作からの続投キャスト、さらには新キャストが少しづつ発表されていた本作だが、今回新たに新情報が解禁!まず、今回明らかになった新タイトルも記載された本ビジュアルでは、カネキ(窪田さん)、トーカ(山本舞香)、月山(松田翔太)が決意に満ちた表情を見せるスタイリッシュな仕上がりに。そして、ついにキャストたちが姿を現す映像も到着!カネキや「あんていく」の店長・芳村(村井國夫)、四方蓮示(柳俊太郎)、ウタ(坂東巳之助)ら前作からの続投キャストをはじめ、今作からの新キャストたちの姿も。中でも注目は、原作やアニメでも人気のキャラ、松田翔太演じるカネキに異常な執着を持つ喰種・月山習!美しい容姿とは逆に、「カネキ君が喰べながら、カネキ君を喰べたい!」とド変態全開な発言をするシーンも登場。映像ではアクションシーンや、“ピエロのマスク”をつけた謎のキャラクターも登場と、盛りだくさんな内容となっている。さらに、これまで未発表だったスタッフが一挙解禁。脚本は、「東京喰種」のTVアニメシリーズや舞台の脚本も手掛けた御笠ノ忠次。監督はCMディレクターで長編映画初挑戦の川崎拓也・平牧和彦。コスチュームデザインは、「CHRISTIAN DADA(クリスチャン・ダダ)」の森川マサノリが続投した。『東京喰種トーキョーグール【S】』は7月19日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:東京喰種トーキョーグール【S】 2019年7月19日より全国にて公開©石田スイ/集英社©2019「東京喰種【S】」製作委員会
2019年04月11日坂東玉三郎が5月、日生劇場で『坂東玉三郎世界のうた』を開催する。日本の歌、シャンソン、ミュージカルナンバーなど、玉三郎自身が選んだ約20曲ほどを歌う、二部構成のコンサートだ。公演に先立って記者懇親会が開かれた。【チケット情報はこちら】「コンサートには、ひと晩のうちに色々な人生観をまとめる楽しさがあります」と、玉三郎は語る。「歌は、3~5分で世界が完結することがすごく大きい。『桜姫東文章』なら5時間半頑張ってやっとひとつだけれど、トニー・ベネットが歌った『いそしぎ(シャドウ・オブ・ユア・スマイル)』なら4分ですから(笑)。その代わり、音というより心を、歌い分けなければなりません。日生劇場の舞台にひとりで立つのは、歌では初めてなのですが、歌舞伎俳優による“下手の横好き”とならず納得していただけるよう練習します」今回は、青春時代の玉三郎のそばに常にあったという井上陽水の歌を初めて披露する点にも注目だ。「僕達の世代は、玉置浩二さんや井上陽水さんとは“切っても切れない関係”。玉置さんの歌は過去に歌わせていただきましたが、今回は陽水さんの歌を3曲ほど歌わせていただきます。恋愛ばかりではない陽水さんの歌を聴いて、その日を越せたこともありました。中でも『つめたい部屋の世界地図』は、部屋にいて旅をしたいとか、海を船で行くといった抽象的な詞がすごく良くて、当時の自分の人生とリンクするところがありましたね」その他の披露曲は決まっていないものの、『虹の彼方に』『星に願いを』『人生は歌だけ』や、ミュージカル『ウエスト・サイド物語』の『サムウェア』や『サウンド・オブ・ミュージック』の『すべての山に登れ』などが候補になっているそう。カラオケボックスにこそ滅多に行かないものの、プライベートでは様々な歌を歌い、30年近く特別舞踊公演を行ってきた八千代座にカラオケ用の部屋を作ってもらったこともあるという玉三郎。「芝居の時には声を使うのであまりできませんが、舞踊公演などでは、気の置けない仲間と歌うと気が晴れますね。桑田佳祐さんや矢沢永吉さんの歌も好きで歌ってはいるのですが、コンサートではちょっとまだ(笑)。ああいう男らしい曲が似合うようになったら、いつか挑戦するかも知れません」東日本大震災を受けて2011年5月に開いた「坂東玉三郎チャリティー・コンサート」以来、玉三郎は聴衆に歌を届けてきた。「歌の力を分かっているからこそできることです。子守唄にしても、畑仕事をしながら自分を慰めるために歌った歌にしても、魂に届けるものなのでしょうね。お客様が楽しんでくださって、生きていてよかったとか、これからなんとかなるかなとか、そう思っていただければ、歌う意味があるんじゃないかと思うんです」公演は5月28日(火)・29日(水)に東京・日生劇場にて。チケットは発売中。取材・文:高橋彩子
2019年04月09日女優の知英が、窪田正孝主演の映画『東京喰種トーキョーグール2(仮)』(7月19日公開)に出演することが16日、明らかになった。同作は、石田スイによる累計発行部数3700万部を誇る同名コミックを実写化。これまでTVアニメ化、舞台化、ゲーム化など、さまざまなメディアミックスが展開され話題を呼んできた。物語の舞台は、食人の怪人"喰種(グール)"が潜む東京。ある喰種の臓器を移植されたことで、喰種と化してしまった大学生・金木研(カネキ/窪田正孝)が戦いの中で自分自身と向き合っていく。知英が演じるのは、四方(柳俊太郎)やウタ(坂東巳之助)の幼馴染で、バー「Helter Skelter」を経営している情報通の喰種・イトリ。映画初登場となるキャラクターで、主人公カネキが必要とする情報の交換条件として、月山が主宰する「喰種レストラン」の調査を依頼するという役どころだ。露出の高いセクシーなドレスで、どこか妖しい色気を漂わせる。○知英 コメントイトリを演じさせてもらいました、知英です。本番前のリハーサルでは監督と主役の窪田さん他キャストさんたちとシーンについてじっくり話し合いました。窪田さんには現場でイトリのキャラクターとしての細かい提案をしてもらったりと、とても助けられた部分があり感謝してます。読者の皆さんから愛されてるキャラクターの一人でもありますのでプレッシャーもありましたが、現場のみんなでイトリを作り上げられたのかもしれません。独特な店内のセットでの撮影での魅惑のイトリを見てほしいです。そして今後のイトリがどうなって行くのか、、撮影は終わりましたがとても楽しみに思います。
2019年03月16日女優・知英が、『東京喰種トーキョーグール』待望の映画第2弾、窪田正孝主演『東京喰種トーキョーグール2』(仮)にイトリ役で出演していることが分かった。「KARA」の元メンバーで、現在は女優や歌手として活動中の知英さん。主演で1人7役に挑戦した「オーファン・ブラック~七つの遺伝子~」や『レオン』、『殺る女』などに出演し、また先月放送された「家売るオンナの逆襲」第5話のゲスト出演も話題になった。今回知英さんが演じるイトリは、四方蓮示(柳俊太郎)やウタ(坂東巳之助)の幼なじみで、バー「Helter Skelter」を経営している情報通の喰種。映画初登場となるこのイトリは、カネキ(窪田さん)が必要とする情報の交換条件として、月山(松田翔太)が主宰する「喰種レストラン」の調査を依頼するという役どころだ。併せて公開された場面写真では、どこか妖しい色気も感じるイトリの姿が捉えられている。イトリを演じる前に、監督や窪田さんをはじめとするキャストたちと念入りに話し合い、撮影に臨んだという知英さん。「窪田さんには現場でイトリのキャラクターとしての細かい提案をしてもらったりと、とても助けられた部分があり感謝してます」と言い、「プレッシャーもありましたが、現場のみんなでイトリを作り上げられたのかもしれません」とコメント。また「独特な店内のセットでの撮影での魅惑のイトリを見てほしい」と見どころをアピールしている。『東京喰種トーキョーグール2』(仮)は7月19日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:東京喰種トーキョーグール2(仮) 2019年7月19日より全国にて公開©石田スイ/集英社©「東京喰種」製作委員会
2019年03月16日全世界累計発行部数3700万部突破の石田スイによる超人気コミックスの実写化『東京喰種トーキョーグール2』(仮)。窪田正孝が主演続投するほか、次々とキャストが発表されていく中、この度新たにウタ役の坂東巳之助が前作から続投することが決定した。歌舞伎役者、日本舞踊坂東流の家元で、「スーパー歌舞伎II・ワンピース」ではゾロ、ボン・クレー、スクアードの3役を、新作歌舞伎「NARUTOーナルトー」ではうずまきナルトとナルトの父の2役を演じ分けた巳之助さん。本作で演じるのは、原作でも人気のキャラクターであり、4区でマスク屋を営んでいるウタ。前作では半喰種となってしまったカネキのためにもマスクを作り、カネキを気にかけていた。しかし本作では、喰種が集う「喰種レストラン」にも一噛みしているような、怪しい表情…。このバーに一体誰が集っているのかも気になる写真が到着した。常に赫眼状態、刈り上げにピアス、そして全身タトゥーという超個性的な姿は今作でも健在のようだ。前作からの続投に関して巳之助さんは「前作に引き続きウタを勤めさせていただき、光栄に思います。凝りに凝ったタトゥーもピアスも健在、前回はおやつだった美味しい目玉は今回おつまみになりました」と喜びのコメント。また「徐々に、しかし確実に動き(蠢き?)始めていくウタさんに是非ご注目ください」とアピールしている。『東京喰種トーキョーグール2』(仮)は7月19日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:東京喰種トーキョーグール2(仮) 2019年7月19日より全国にて公開©石田スイ/集英社©「東京喰種」製作委員会
2019年02月05日