歌舞伎俳優の尾上松也、尾上右近が出演する、日本中央競馬会「第89回 東京優駿(日本ダービー)」の期間限定コンテンツ「歌舞伎ダービー」が12日より、特設サイトにて公開される。今年、第89回を迎え、数ある競馬レースの中でも頂点に立つと言われる日本ダービー。今回、伝統と格式あるこの一大レースを盛り上げるべく、日本が世界に誇る伝統芸能「歌舞伎」とのコラボが実現した。レースゲームなどを楽しめる「東京優駿善悪鑑(とうきょうゆうしゅんぜんあくかがみ)」では、日本ダービーのためだけに歌舞伎を取り入れたオリジナルストーリーを展開。障害物レースや、日本ダービーに関するトリビアクイズが楽しめる。また、日本ダービーの魅力を伝える歌舞伎を取り入れたオリジナルムービー「競馬祭典花姿絵(歌舞伎ダービースペシャル動画)」では、江戸時代を舞台に松也と右近が兄弟役として登場。自宅にいながら二人が競馬で運試しをする様子を描いた「おうち競馬で候!」編や、インタビュー形式で休日の過ごし方を語る「ぱぱっと即PAT!」編など、エンタメチックに競馬の楽しさや魅力を描いている。○■尾上松也、尾上右近インタビュー―― 「日本ダービー」と「歌舞伎」がコラボすると聞いた時はいかがでしたか?松也:本当にうれしかったです。歌舞伎というエンタテインメントを選んでいただいたこともうれしかったですし、僕自身も競馬は子どものころから好きで、とても馬が好きでしたので、日本ダービーに関わらせていただけるなんて、こんなにうれしいことはございませんでした。右近:日本を代表するエンタテインメント同士で歴史もありますし、そういった意味でも精通する部分もあり、お祭りという意味で皆さんが楽しみにして思いのあるイベントに自分も関われるということで、うれしくお受けしました。―― 「東京優駿善悪鑑」では3つのミッションにクリアして邪悪苦次郎の悪の手からレースを守れるかというゲームですが、普段の生活で守っているルーティンはありますか?松也:家庭用の焚火を購入しましたので、毎日焚火をしています。火を見るのが好きで、夜のルーティーンとして照明は一切つけずに、火だけで過ごすというのが、夜の私の過ごし方です。リラックスできます。右近:最近はジョギングです。どんな日も雨が降ろうが、槍が降ろうが30分は走るようにしてます。何か一つ、どんなことがあってもやっているものがあると気持ちが安定する。あと、食べるのが好きで、特にカレーが好き。食べることを諦めたくないので、その分動こうと思っている。――日本ダービーでは様々な馬が走りますが、自分の馬に名前を付けるならどんな名前にしますか?松也:「マツヤニ」。日本ダービーは、ネーミングが短めの馬が最近勝っている印象があります。印象に残っているのは「ウオッカ」などです。「マツヤニ」は自分の名前が入っていますし、4文字でしたら活躍しそうだなという……。儲けたい欲が出てこうなりました(笑)。右近:私の馬の名前は、「ケンノユメ」です! 僕の本名がけんすけといいます、自主公演の名前も研究の「研」なんです。研究って、「研ぐ」、「磨く」という意味があるので、「研の會」という名前で自主公演やっているため、「研」という名前を付けたい。あとは、やっぱり夢があるっていうことが言葉として好きなので、自分の夢を託して「ケンノユメ!」。――今回、兄貴的存在の松也さんとの共演ですが、右近さんから質問や伺いたいことはありますか?右近:(日本ダービー前日、5月28日は右近の誕生日ということで)以前は高価なプレゼントをいただいたのですが、今年は何をプレゼントしてくれるのでしょうか? 馬ですか? 馬だったら良いな。それぐらい期待しております。松也:馬ですか。まぁ良いですよ。馬にしましょうか。僕、夢だったんですけどね。馬主になるの。買うだけ買って、人に譲るとは思いませんでした……って買えるわけない(笑)。馬買ってどうするんだ。移動手段で使ってくれるなら買いますよ。馬のフィギュアでもあげますよ。
2022年05月12日フジテレビの「水曜NEXT!」にて、11、18日の2週にわたり『哀愁のど自慢、泣かないで…』(ともに深0:25※関東ローカル)が放送される。人生、涙なしには語れない出来事や思い出が誰にでもひとつやふたつあるはず。同番組は、秘めた哀愁をまとう者たちが、胸の中にある言葉を打ち明け、さらに涙の歌唱を披露していく。歌と涙が流れる店「BAR 泣かないで」には、夜な夜な我が身に哀愁をまとった人々が集まってくる。涙の案内人“Tears マスター”は、歌舞伎俳優の尾上松也。ゲストはカウンターに座り飲み物を味わいながら、マスターに自身のエピソードを明かし始める。世話になった人への感謝、謝罪、亡くなった家族への明かせなかった思い。涙なくしては語れない話ばかりだが、ここでマスターから「Teas Timeにまいりましょう」と一本のマイクが渡される。BARが真っ二つに分かれ音楽番組さながらのステージが登場、彼らがまとう哀愁に寄り添った温かい空間だ。ゲストは、マイク片手に思い思いのスタイルで熱唱、そして涙する。11日の放送では、大島由香里が10年間連れ添った大切な“家族”へ感謝の思いを明かす。フジテレビのアナウンサーとして報道番組を担当していた大島は、華やかなイメージとは真逆の環境で汗水流していた時代を振り返り、そんなときにその“家族”は自分の話を静かに聞き、そばにいてくれたという。娘が生まれてから旅立った“家族”に、大島は今何を思うのか。今や、バラエティー番組に引っぱりだこの河合郁人(A.B.C-Z)は、大好きだった祖母の話をテレビで初告白する。2014年に亡くなった祖母が、体調を崩し病院に入る前に過ごした貴重な時間、そして食べさせてもらった手作りの味噌汁。その後、帰らぬ人となってしまった祖母と最後に交わした言葉とは。金ちゃん(鬼越トマホーク)は、父親へ謝罪したいと語り始める。破天荒だったという父につらく当たってしまったが、自身も息子を授かり父親になって「今思うと…」と、後悔の念にかられるという。金ちゃんが歌い始めると、番組から思いがけないサプライズプレゼントが用意されていた。ゲストの話と歌を見守るのは、マスターの尾上だけではない。児嶋一哉(アンジャッシュ)と朝日奈央が審査員として客席にスタンバイ。歌を聴き終わったところで「大Tears」「中Tears」「小Tears」のふだを揚げて審査する。児島は「思っていた番組と全然違う」、朝日も「感情がぐちゃぐちゃ、涙が出ちゃう」と、感情まる出しで審査に挑む。18日の放送では、今泉佑唯、やす子、ダイアモンド☆ユカイが登場する。今まで聞いたことのない、ゲストたちが明かす哀愁エピソードの数々。マスターの尾上も「不思議な感覚のとりこになるはず」と自信たっぷりに語っている。
2022年05月11日人気の若手歌舞伎俳優、中村壱太郎さんと尾上右近さんが、『没後50年 鏑木清方展』のイベントに登場!歌舞伎をテーマにした展示室で、トークとフォトセッションが行われました。さらにその後、インタビューも実施。アートやエンタメの魅力、東銀座界隈の思い出など語っていただきました!中村壱太郎さん、尾上右近さん、登場!左:尾上右近さん右:中村壱太郎さん《道成寺 鷺娘》の前で撮影【女子的アートナビ】vol. 239東京国立近代美術館『没後50年 鏑木清方展』の展示室に登場したお二人。さすが歌舞伎俳優さん、立ち姿がとても美しいです!中村壱太郎さんは、歌舞伎俳優だけでなく日本舞踊の吾妻流七代目家元、さらに現代劇でも活躍。尾上右近さんも、歌舞伎俳優と家業である日本古典音楽の清元、映画やバラエティ番組にも出演し、多方面で活躍されています。まずは、鏑木清方の華やかな作品《道成寺(どうじょうじ) 鷺娘(さぎむすめ)》の前でフォトセッション。《道成寺 鷺娘》とは、歌舞伎の演目『京鹿子娘道成寺』と『鷺娘』をテーマに描いた作品。お二人とも、歌舞伎では女方を中心に演じられているので、作品にも興味津々なご様子。撮影の合間にも、絵に描かれている着物や仕草などについて、楽しそうに話されていました。続いてのトークセッションは、《京鹿子娘道成寺》の作品が並ぶ展示室で実施。お二人が鏑木作品の魅力について、語りました。壱太郎さん清方先生の作品は、一言で言うと、眼福。幸せになれます。美しいものを見ると人間は幸せになれる、と改めて感じました。特に、僕らは着物や日本の文化に触れて仕事をしているからかもしれませんが、日本人のどこかに眠っているものと紐づけられるのかなと思います。右近さん品格が高いと思います。画家がどんな人だったのか、絵を見ながら僕はよく人物像を想像してみるのですが、清方作品には品格があふれ、知性があります。江戸っ子の粋や風流、時代からくるモダンさなどに楽しみを感じます。心静かにカブいているのがいいですね。お二人にインタビュー!続いて、本展覧会の目玉作品である清方の美人画三部作《築地明石町》、《新富町》、《浜町河岸》が並ぶ展示室でインタビューを実施。まずは、三部作について、お聞きしてみました。――こちらの美人画で、どの作品、どの女性がステキだと思いますか?右近さんやはり、築地明石町のお姉さんでしょう。この凛とした姿。この瞳で見つめられたいです。男目線でも、女方の役者として見てもステキです。男性の画家が描く女性は、理想の女性の姿で、男が演じる女方も理想の女。そのリンク性も作品から感じられますし、とにかく断然美しいです。男としては、こういう女性に振り返られたいですね(笑)。壱太郎さん浜町のおぼこさんもいいと思う。僕らも踊りを習うと、この絵のように「振り」をおさらいするのです。「今日習ったことは、こんな振りだったのかな」とこの絵を見てすぐにわかります。着物の袖を持ち、扇子を口に当てるというのは、日常にはないしぐさ。これを切り取っている清方先生のセンスはすばらしいですよね。右近さん確かに、浜町の作品もいいですね。どの作品も凛としてさわやか。そして、首がキレイ。九州系だね。――九州系とは?右近さん九州の女性は色白で、首が細くて、毛の流れがきれいというのが僕の勝手な思い(笑)。尾上右近の統計。九州の女性は色白で、輪郭がいいのです。壱太郎さんハハハ。でも、これ大丈夫?九州以外の人を敵に回していない?右近さん大丈夫、大丈夫!「想像させる絵がステキ」――全体を通して、お好きな作品はどれですか?右近さん僕は《墨田河舟遊》(※筆者注:屋形船で姫や若侍が楽しむ様子を描いた屛風)。人間が生き生きと描かれ、楽しそうでワクワクします。当時の時代の最先端が感じられ、若いエネルギーで楽しんでいる。僕らも結局、同じことを繰り返していますよね。カラオケ行ったり、クラブ行ったりするのと同じです。上品に遊んだほうが楽しいよ、ということもこの絵から感じます。壱太郎さん僕は、《佃島の秋》(※男性が女性に花を手渡している場面を描いた絵画)。勝手な解釈だけど、下に描かれている美しいアヒルと女性がリンクしていると思うのです。ぶっきらぼうな男の人が、白くてきれいなアヒルに花をあげてみた、という感じで、この絵をもとに芝居を書けるくらいの情報量があります。想像させる絵がステキです。見る楽しさを感じさせてくれます。「エンタメは、非日常を感じるのがいい」――お二人は、とても楽しそうにこの展覧会をご覧になっていますが、一般的に、特にanan世代の多くは、「日本画の展覧会ってハードルが高そう」と感じているような気がします。右近さんハードルが高い、とすでに存在を認識しているのなら、そのハードルを越えてみたらいいんじゃないのかな。触れてみたらいいと思います。知らないよりは知っているほうが絶対いいです。見に行ったら、「知っている」というステイタス以上に「おもしろい」という純粋な感情が生まれる。ハードルが高いと認識しているものは、もっと触れてみたほうが楽しいですよ。壱太郎さん歌舞伎も、同世代や若い方に「勉強しに行きます」とよく言われます。でも、別に勉強するものではないんですよね。右近さんそうそう。勉強するのは僕らの仕事ですから。壱太郎さんまさにそう。清方先生の《佃島の秋》みたいに、想像する楽しさをみんながもてる。絵を見ていると、それ以上のものを感じるのが絵画のおもしろさで、歌舞伎も一緒。「この人どうしてこんなにきれいなのかな」と素朴な疑問をもつとか、それだけでいいのです。そのきっかけさえ見つければ、それ以上のものをもって帰れると思います。右近さんエンタメは、非日常を感じられるのがいいです。美術館という空間自体いい。おならもできない静寂な空間(笑)。壱太郎さんもうちょっとananらしい良いたとえはないの(笑)。でも、展覧会なら、好きな絵をひとつ見つけに行こうと思って友達と出かけて、感想を伝え合うのもいいよね。朝イチで山盛り海鮮丼!――鏑木清方は築地界隈で暮らしたことがあるので、それらの地域が作品にも描かれています。歌舞伎座からも近いエリアですが、お二人にもなにか築地の思い出はありますか?右近さん以前、二人で歌舞伎座に出ていたとき、朝の築地に行きました。一幕目は昼の11時に開演するので、だいたい10時に楽屋入りします。その前にということで、朝7時に集合して行きました。壱太郎さんあれはよかったね。海鮮丼食べて。右近さんそう。高いのを食べました。よかったですよ、山盛りで(笑)。あの界隈のあの空気感も独特。浅草とか上野の江戸っ子も僕らは知っていますが、築地あたりの江戸っ子の空気は、また違うんですよね。河岸の人間の時間軸を感じて、いいなぁと思いました。『芝浜革財布』という芝居があり、河岸に通う男の話なのですが、築地にいると「こういう空気なんだな」とわかります。夕方には寝るという雰囲気。僕も、いつも午前中はちょっと眠いのですが、築地に行った日は、朝7時から食事をしているものだから、元気モリモリで(笑)。みんなと時の流れ方が違って、すごく充実感がありました。うまいもの食って来ているから(笑)。壱太郎さんこっちはもう始まってんだぜ!っていう感じだったね(笑)。「過去の自分は常に良くない…」――鏑木清方は、自分の作品を自己評価し、その記録が残っています。本展では、その記録をもとに、会心の出来には三ツ星など、作品に星がつけられていますが、そのような画家の姿勢をどう思いますか?右近さん目に見える絵画作品の場合は、いやでも冷静に評価が見えてきますよね。僕らは毎日同じことをやっていても、毎日コンディションも違うしお客さまも違うし、お互いのコンディションも違うし、状況が毎日違うので、自己評価の仕方が難しいです。常に揺れ動いているものなので、実態がわからない。後から振り返るとわかるときもありますが、この時が良かったというのは120パーセントないです。壱太郎さん清方先生の絵は、このまま一生残っていきますが、僕らの演技はその瞬間でしか残らない。だからこそステキさがあると思うので、その意味で評価の仕方は絵とは違うと思います。ただ、自己評価というより、仲間がいるから目指せるものはあるので、高め合いは常に意識しています。右近さん例えば過去の映像を見ると「ひどいな」と自分で思うのです。なんでこんなに拙いことやっているんだ、と。過去の自分は常に良くない、というのが植え付けられているので、冷静に判断ができない。成長がどこにあるのか、自分ではまったくわからないのです。へたに過去の映像など見てしまうと、進歩していない自分が目の前に立ちはだかって舞台に立つのが嫌になる。今日はいい舞台ができるぞという自己催眠がかけられなくなるのです。壱太郎さんこれは役者の宿命。今はビデオがあるから、僕らも頼るし必要だとは思います。でも、あまりにも見すぎると、自分は果たして何なのか。わけがわからなくなる。そこの難しさは僕らにはあります。右近さん客観性を持つのが難しいです。自分で三ツ星つけては取り消しての繰り返しです(笑)。アートとは「極上の…」――絵画作品だけでなく、歌舞伎などの舞台芸術もすべてアートといえると思うのですが、お二人にとってアートとは?右近さんアートとは、「人間の証明」。芸は人なり、という言葉から置き換えてみました。壱太郎さん人生においてのいろどり。人間のいろいろないろどりを総称すると、アートになるのではないかなと。時代時代において、いろいろな人や作品と関わり見ることによって人間力が増していく。これは生きた証です。右近さん僕、先ほどプレーヤー目線で言ってしまいました。すみません、はき違えました(笑)。アートとは、「極上のひまつぶし」です。壱太郎さん「人間の証明」からの落差がすごいね(笑)。右近さん生きるうえでは、いらないのかもしれないけれど、暇ができたら、その暇をやはり上質につぶしたい。それが、生きることへのこだわり。例えば、おにぎりとピカソの絵なら、食うに困るときはおにぎりしか選ばない。でも、食うに困らなくなったらピカソの絵に気づく。おにぎりもいいけど、この絵を見て心を潤うのもいいと気づく。だから、「極上のひまつぶし」です。「先に死なないで!」――お二人の関係、とてもいい感じですね。プライベートでも仲が良いのですか?右近さんいちゃこらしています(笑)。anan読者の女性たちも、僕らを見習って、いちゃこらしてください!壱太郎さん僕らは盟友、親友、ボイスメッセージ友達。同じ時代に生きて、同じものに取り組み、同じ感覚があります。もしかすると、今は追い求めるもの、求められているものが違っているかもしれないけど、いつかのゴールは絶対一緒のものを見ていると思います。一緒の思いをもてることに「ありがとう」と言いたい人です。右近さん僕にとって(壱太郎さんは)うれしいときも悲しいときもすべて報告したい人です。そんな人、清方先生にはいなかったのかな。(ここで、担当学芸員の鶴見香織さんが登場)鶴見さんそれは奥さまだと思います。奥さまは、清方が亡くなる数年前に他界され、その後、清方もがっくりとされていたそうですよ。右近さんがっくりきますよね。(壱太郎さんに向かって)先に死なないで!たとえ死ぬとしても、同じ年の同じ月の同じ日じゃ!壱太郎さん同じ刻限でね(笑)。右近さん芝居のようだね(笑)。――本当にステキなご関係ですね。楽しいお話、ありがとうございました!インタビューを終えて…立ち居振る舞いがとにかく美しいお二人。スーツを着ているとふつうにカッコイイのですが、少しでも動くと足の運びや指先の動きなど、一つひとつの所作が本当に優雅で、見とれてしまいました。くだけた話や楽しい話をしていても、品格が漂っているお二人。固い絆が感じられる友情にも感動しました。『没後50年 鏑木清方展』は5月8日まで開催。ぜひハードルを越えて、美しいアートに触れてみてください!Information『没後50年 鏑木清方展』会期:~5月8日(日)休館日:月曜(※5月2日は開館)会場:東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー開室時間:9:30-17:00(金・土曜は9:30-20:00)(入館は閉館30分前まで)観覧料:一般¥1,800、大学生¥1,200、高校生¥700、中学生以下無料撮影:山本 嵩
2022年04月03日絵画の隠された意味を解説した美術書シリーズを手がけた中野京子が監修を務め、鈴木おさむの作・演出で舞台化する『怖い絵』。原作で紹介された作品がステージ上に登場し、劇中で描かれるドラマと連動する本作では、絵画に込められたメッセージを紐解きながら、とある事件の罪が暴かれていくという。その中心でミステリアスな存在感を発揮するのが、主演の尾上松也だ。投資家にして絵画コレクター、世の中の悪に罰を与える復讐執行人を演じる稽古前の想いに耳を傾けた。「怖い絵」コレクションに向き合った時のオタクぶりに注目──この作品に何を期待し、どんなモチベーションで出演を決められたのでしょうか?鈴木おさむさんの手がける作品、という点に期待しました。ラジオでご一緒させていただきましてから、ずっと「何かご一緒にできたら」とお話していましたので叶って嬉しいです。──松也さんから見た、鈴木おさむ作品の魅力って?どんな作品にも、いい意味でオカルト感がありますよね。世界観が個性的だな、と。この『怖い絵』もまだ途中段階の台本ではありますが、拝読した限りでは僕だったらまったく考えもつかないようなところにセリフやお芝居が飛んでいくようなところがいくつもありまして。その発想力が、おさむさんが放つ唯一無二の魅力なのではないでしょうか。──松也さん演じる絵田光という人物も、ひと筋縄ではいかないキャラクターですね。怖い意味を持つ絵画を集めるのが好きな、お金持ちの投資家ですね。その「怖い絵」に隠された謎を解き明かしながら、依頼者の復讐を手伝うダークヒーローのような存在です。彼がどうして怖い絵をコレクションして、復讐を手伝っているのか。きっと理由はあるのですが……劇中でどう描かれるのか、実はまだ僕自身もよくわかってはいないんです。ですが手元にある台本から察するに、投資家・絵画コレクター・復讐執行人と3つも“顔”を持っている人物って……変ですよね(苦笑)。──3つ揃うと癖がすごそうですね(笑)。そういう意味では僕もスニーカーやキャンドルを集めていることもあって、コレクターの気持ち……ものすごくわかります。普段の喋り方から一転して、コレクションの話になると声がワントーン上がる気持ち悪さを自覚しているので(苦笑)。きっと僕が演じる絵田光もオタクでしょうから、収集している“怖い絵”に向き合った時の変化が自然に出てしまうようなリアリティを出せたらいいですね。──『怖い絵』フライヤーのイメージから、シリアスな主人公なのかしら……と思いきや、オタク全開でコミカルな方向へ振るのでしょうか? ドラマ『ミステリと言う勿れ』『まったり!赤胴鈴之助』などでお見かけする、最近の松也さんみたいに。“ダークヒーロー”というと、クールな人物像が思い浮かぶかもしれませんが、台本を読む限りでは、そうした固定観念にとらわれることのないキャラクターのような気がしました。おさむさんのイメージするダークヒーローの形に近づけたら、と思います。描かれた「背景」を踏まえると、絵画やアート鑑賞に新たな発見が──途中までお読みになった台本の感想をお願いします。とにかく、僕の演じる人物がたくさんの絵を紹介しているんですよ……セリフ量も圧倒的に多くて。「怖い絵」が描かれた背景を説明しながら事件の真相に迫るような推理を展開するので、お客さまも印象に残る絵画をたくさんご覧になれるかと思いますよ。──松也さんご自身は日ごろ、絵画とどのように向き合っていらっしゃるんでしょうか? お休みに美術館へ行くようなタイプではなく、『怖い絵』という美術書があることも舞台のオファーをいただいてから初めて知りました。家に絵画は飾ってありますが友人の作品が多く、気に入っている特定のアーティストがいるわけではないんですよね。──中野京子さんが手がけた原作の『怖い絵』は読まれました?劇中とリンクする「怖い絵」の説明を拝読しました。それまでいまいち絵画の鑑賞方法がよくわからなかったのですが、その作品にどんなストーリーがあるのか、どういういきさつがあって描かれた作品なのか、「背景」を踏まえて観るだけで新たな発見があって、アートにおもしろさ・興味深さを感じることができました。──原作の中で松也さんの印象に残った「怖い絵」をひとつご紹介いただけませんか?僕が大きなインパクトを得たのは、≪切り裂きジャックの寝室≫という作品です。19世紀の英ロンドンに現れた連続殺人犯として知られる切り裂きジャックの部屋を、ウォルター・シッカートという画家が描いたのですが……どうにも鳥肌が立つような、不気味な絵画なんですよ。──どんな「背景」がある作品なんですか?シッカートは切り裂きジャックが住んでいたとされる部屋にわざわざ引っ越して絵を描くほど、事件にとても執着していたそうです。のちに親族が「シッカートこそ切り裂きジャックだった」と発表する。そしてジャックから送られて来た手紙とシッカートのDNAを鑑定したところ、一致した……と。いろいろな説があって確定ではないのですが、もし本当だとしたら恐ろしいですよね。もしシッカートが犯人ではなかったにせよ、連続殺人に関わっていたことを鑑賞者に想像させるような不穏でミステリアスな感じが絵画から漂っていて。──作品の背景を知って鑑賞すると怖さ倍増ですね。ちなみに≪切り裂きジャックの寝室≫は劇中に登場するんでしょうか?登場します。『怖い絵』シリーズでは代表的な作品みたいですよ。こういうところに着目して、エンタメミステリーに仕上げようとするおさむさんの発想力も……面白いですよね。楽しいこと・面白いことを常に探り出そうとして、ジャンルを問わずいろいろな物事に目を向けていらっしゃるところが尊敬できますし、「ご一緒させていただいたら何が生まれるんだろう?」と近くで見ていたい感覚になります。──鈴木おさむさんのもと、今回は初共演の比嘉愛未さん・佐藤寛太さん・崎山つばささん・寺脇康文さんのキャスト5人と少人数で濃密にひとつの作品をつくっていくことになると思います。松也さんは座長として、どういったカンパニーにしようと考えていらっしゃいますか?どんな作品でも、僕が主演をさせていただく時は「スタッフ・キャストが楽しいと思える現場」を最優先に心がけるようにしていますね。役を務め上げること以外に、座長には現場の雰囲気を決める責任がついて回る。僕の場合はいつも基本的にふざけて、ピエロに徹するのですが……そういう雰囲気をお好みじゃない方がいらっしゃったら、臨機応変に立ち居振る舞いを変えます(苦笑)。とにかく、作品がよくなるようチーム一丸になること。その意識を持っていただけるような現場づくりをしたいですね。取材・文:岡山 朋代撮影:源 賀津己舞台『怖い絵』■日程・会場・東京公演3月4日(金)~3月21日(月・祝)よみうり大手町ホール・大阪公演3月24日(木)~3月27日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール■チケット情報:
2022年03月07日鈴木おさむ作・演出、尾上松也主演による舞台『怖い絵』の公演開始を前に3月3日(木)に記者会見と公開リハーサルが開催。鈴木、尾上に加え、共演の比嘉愛未、佐藤寛太(劇団EXILE)、崎山つばさ、寺脇康文が揃って出席した。本作は名画に隠された恐るべき背景を解説した中野京子のベストセラー本「怖い絵」シリーズにインスパイアされる形で鈴木がオリジナルの物語を執筆。絵画にまつわる恐るべき真実を絡めつつ、幾重にも伏線が張り巡らされたミステリとなっている。会員制レストランのオーナー・絵田光(尾上)は、ひょんなことから大手建設会社社長の火山(寺脇)の妻の死にまつわる事件に挑むことに……。自殺として処理され、火山もそう主張するが、火山の元愛人だった美山翼(比嘉)は、自殺ではなく火山による他殺ではないかという疑いを口にする。光はアシスタントの緑(佐藤)、警視庁の刑事・鷹野(崎山)らと事件の真相に迫るが……。舞台セットは絵画の額縁をモチーフにしており、また舞台後方のスクリーンには、事件のカギを握る数々の西洋名画が映し出される。松也が演じる光は、絵画コレクター、投資家、会員制レストランのオーナーという表の顔に加え、罪深きものへの復讐の代行者という“裏”の顔を持つ。この、どこかダークヒーロー的な空気をまとった“探偵”役を松也が魅力的に演じている。“探偵助手“のポジションにある才能あふれる若き画家・緑を佐藤が、協力者である刑事・鷹野を崎山がそれぞれ好演しており、光、緑、鷹野の“捜査チーム”に、事件の有力な“容疑者”の立場にある寺脇演じる建設会社社長の火山を加え、時にシリアスに、時にコミカルな掛け合いを交えつつ、物語はテンポよく展開していく。事件の鍵を握る火山の元愛人・翼を演じる比嘉愛未は、真っ赤なドレスをまとい、文字通りの“紅一点”で、どこか謎めいた雰囲気を醸し出し、強烈な存在感を放っている。作・演出の鈴木は「『怖い絵』とミステリをどうつなげていくか? かなり大変でした」と創作の苦労を明かしていたが、劇中、事件のヒントとなる絵画としてフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」、ウォルター・リチャード・シッカートの「切り裂きジャックの部屋」、ジョルジョ・ド・ラ・トゥールの「いかさま師」といった西洋絵画が登場し、隠された怖い真実が紹介される。物語は休憩なしの約110分。劇中のいたるところに大小さまざまな伏線が張り巡らされており、 特にラスト30分は伏線の回収&どんでん返しの連続で、事件の驚くべき真実が明らかになっていく。絵画×ミステリという本筋に加えて、鈴木が絶賛したのが、松也と寺脇によるアドリブのやり取り。「さすが歌舞伎と地球ゴージャス! キャッチャーミットが広いと松也さん、こんなに遊ぶんだ⁉」という称賛の言葉に松也は「寺脇さんに胸を借りながら、思いついたことは何でもやりました」と照れ笑い。松也は寺脇に促され、報道陣を前にプロ野球・巨人の原辰徳監督の形態模写を、その後のリハーサルでは俳優・えなりかずきのモノマネを見せるなど、多彩なレパートリーの一端を披露し笑いを誘っていた。舞台「怖い絵」は3月4日(金)から3月21日(月・祝)までよみうり大手町ホール(東京)にて、3月24日(木)から3月27日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホール(大阪)にて上演。取材・文・撮影:黒豆直樹舞台『怖い絵』■チケット情報
2022年03月04日尾上松也撮影/吉岡竜紀「鈴木おさむさんとは以前から“何かご一緒できたらいいですね”とお話しさせていただいていました。それが今回ようやく念願叶って。決定したときは、まずそれがとてもうれしかったです」3月4日から公演開始の舞台『怖い絵』に主演する尾上松也。作・演出の鈴木おさむとの初タッグが決まったときの喜びをこう語る。今作は、名画に隠された恐怖の背景を解説したベストセラーの美術書『怖い絵』(中野京子著)をモチーフにしたミステリー。松也は、投資家、絵画コレクター、復讐代行人という3つの顔を持つ主人公・絵田光を演じる。「この3つの顔を持っている人間って、どう考えても変ですよね(笑)。ですが、僕もコレクションしているものがありますので、コレクターの気持ちがとてもわかります。普段は静かなトーンで話しているのに、その話になると急にワントーン上がって声が裏返ったりする気持ち悪いところを持っていて(笑)。そういう“ならでは”の感じが、自然に出てしまうようなリアリティーを出せたらなと思ってます」キャンドルにハマってます松也が声が裏返ってしまうほど熱く語るものとは?「今ハマっているのは、スニーカーとキャンドル。スニーカーは200足くらいあって、もちろん全部履いたことがあります。キャンドルも常にストックが100個以上」キャンドルの魅力を尋ねると、熱い語りがスタート!「香りとかではなく、あの火を見たいだけなんです。一時期はキャンドルをつけて、テレビのモニターで焚き火の映像を流していたことも(笑)。火は同じ動きがなく、ずっと見ていてもまったく飽きません。ですので、灯している間は何もせずに、ただぼーっと見ているだけ。火のゆらめきに癒されています。病んでいるわけではありません(笑)」共演は比嘉愛未、佐藤寛太、崎山つばさ、寺脇康文。全員、今回が初共演という。絶対にスベると思ってたのに…「寺脇さんは舞台を何度も拝見させていただいたり、楽屋でご挨拶させていただいていましたので、とても楽しみですし、比嘉さんは今回ただひとりの女性ですので、肩身の狭い思いをさせたくはないなと。佐藤さんはこの中でいちばんお若いんですよね。劇団EXILE、僕も入れてもらいたいです(笑)。崎山さんは、2・5次元でずっと活躍されていらして。2・5次元の舞台は僕もちょくちょく拝見します。漫画原作を歌舞伎にすることもあって、2・5次元はいろいろな技術を用いて新作を作られているので、ヒントをいただいていたりします。その中でも、崎山さんはとても表現力のある方だなと思っていましたので、ご一緒できることがうれしいですね」そして、念願の初タッグを組む鈴木おさむについては「とにかく面白い方」と語る。「もはや何の職業がメインかわからない(笑)。放送作家なのか、プロデューサーなのか、演出家なのか、タレントなのか、大島美幸さんの旦那さんなのか。多才すぎですよね。常に楽しいことを探り出そうと、いろいろなところに目を向けていらっしゃるところを尊敬してます」バラエティー番組などで楽しいトークを聞かせてくれる松也だが、実は「普段は人見知り」なのだとか。「知らない方としゃべるのは得意ではないと言うと、みなさん“また〜”って言われるんですが、本当なんです。友達と話しているときに知らない方が来たら、会話しなくなってしまう。ですのでバラエティー番組で、面白いな、素晴らしいなと思う方はたくさんいらっしゃるのですが、“もしよかったら今度飲みに行きませんか”なんて、絶対に言えないんです」世間と自身とのズレについては、こんなことも。「僕がバズったと言われているものって、僕自身は何ひとつ面白いことをしていると思ったものではなくて。最たるものが、どぶろっくさんと“大きなイチモツ”を歌わせていただいたとき。友達から“おい、バズってるぞ”と言われて動画がたくさん送られてきたのですが、僕は、もともとはイチモツ反対派だったんです(笑)。いろいろな方がなさっているから絶対スベるよと思って。でも番組の方もすすめるし“じゃあ、やるなら一生懸命やらせていただきます!”と、やったんですけど。まさかあんなにバズるとは。わかんないものですねえ」最後に舞台への熱い思いを。「やはり僕の根本は舞台人ですので、お客さまの前で何かを披露することにいちばん幸福感を得ます。また演劇は、今よりさらに苦労が多い時代を生きた、全世界の先輩・先祖たちが歴史を紡いできてくださったおかげで、現在がある。進んだテクノロジーのおかげで実際に見に行かなくても見たような気分になれるツールもあって、そういう見せ方も試みていかないといけないのですが、そこだけになると生の舞台ではなくてもいいかとなってしまうような気がします。ですので演劇は残していくべき文化、やり続けるべきだと思っています」“怖い”と思うものは?「何だろう?霊感があるほうではないので、幽霊も別に怖くないですし……。あ!週刊誌(笑)。前に、1人でNIKEショップに全身NIKEで行ったときの写真が載っていたんです。たまたま見つけちゃったということだと思うのですが、神出鬼没感が、こわっ!て思いました(笑)」家に飾りたい絵は?「“休みになったら美術館に行きます”とか、そういうことは全然ないのですが(笑)。部屋を明るくしてくれるような絵が好きかなという気がしてます。村上隆さんのような明るさは好きですね。『怖い絵』に登場する作品は、背景を探るという見方がとても面白くて興味深いんですが、自分の部屋に飾るのはちょっと……(笑)」舞台『怖い絵』■3月4日(金)〜3月21日(月・祝)東京・よみうり大手町ホール■3月24日(木)〜3月27日(日)大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
2022年03月04日土屋太鳳主演のフジテレビ新木曜劇場「やんごとなき一族」に、尾上松也と松本若菜が夫婦役で出演することが決定した。本作は、庶民の家庭から上流社会の一家に嫁ぐことになった主人公・篠原佐都(土屋さん)が、理不尽な家のしきたりや親族内の複雑な人間関係に翻弄されながらも、夫・深山健太(松下洸平)と共に真正面から立ち向かい、奮闘するアフター・シンデレラ・ストーリー。現在放送中の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」で刑事役を好演しており、2クール続けてのフジテレビ系連続ドラマ出演となる尾上松也が本作で演じるのは、物語の舞台である深山家の長男・明人。引っ込み思案な性格で、父・圭一の決めたことには逆らえず、目立つことが嫌い。父が経営する不動産会社で働き、次期社長候補と言われるも、その出世欲のなさと気の弱さが災いし、父からは冷ややかな目で見られている。そしてそのことが原因で、妻からも反感を買うこともしばしば。そんな中、弟の健太が深山家に戻ってきたことがきっかけで、自身の跡取りとしての立場はさらに危ういものになっていく。明人の妻・美保子を演じるのは、「仮面ライダー電王」「コウノドリ」『愚行録』などに出演する松本若菜。老舗和菓子店の娘であり、長男の妻として深山家に尽くしてきた人物で、深山家の理不尽なしきたりに対しても理解があり、親族からの評価も高い。明人を跡取りにすることで、自分の地位を高めようともくろむ一方、誰にも言えないある大きな秘密を抱えている。また、佐都のことを目の敵にしており、義父の策略とともに佐都を深山家から追い出そうとする人物だ。台本を読み、「すぐに物語に巻き込まれて、次の展開が楽しみになりました」と印象を語った松也さんは、「明人はいい人ですが、演技ではいい人なのかわからないという感じを出したいです。久しぶりの木曜劇場に一癖添えられるように務めますので、是非是非毎週欠かさずご覧ください!」とコメント。松本さんは「美保子は長男の妻として自分の立ち位置をなんとしても死守するため、佐都へ執拗(しつよう)なライバル心を燃やします。皆さまのご期待も背負いながら、私の思う美保子を私なりに表現できればと思います」と意気込み、「世界観に浸っていただけるよう精いっぱい撮影に励みますので、ご覧いただけましたら幸いです」とメッセージを寄せている。「やんごとなき一族」は4月、毎週木曜日22時~フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2022年02月24日堀未央奈と尾上松也撮影/矢島泰輔尾上松也(以下、松也)「自分で企画したドラマですので、とにかく実現したよろこびは大きかったですね」と、尾上松也。昭和の名作剣士マンガ『赤胴鈴之助』のその後を完全オリジナルストーリーで描いた『まったり! 赤胴鈴之助』。65年前のテレビドラマ版で子役時代の亡き父・尾上松助が演じた鈴之助の役を今作では息子の松也が務めている。江戸時代からタイムスリップした鈴之助が令和の時代でまったり過ごす日常をコメディータッチで描く作品。見どころのひとつが、目が離せなくなる松也の国宝級の“顔芸”。松也「撮影現場で思いついたことをどんどん提案して、実際に演じていきました。いいか悪いかは監督に判断してもらう。引き算されることのほうが多かったですね」マドンナ・ヨシ子を演じた堀未央奈は、今作でコメディーに初挑戦した。堀未央奈(以下、堀)「遊園地に行く感覚で現場に行っていました(笑)。乃木坂46を卒業した1年でいろいろなお芝居に挑戦させていただきましたが、自分自身も楽しみながら、みなさんとひとつの作品を作り上げていくということが大切なんだと、すごく感じさせてくれた作品です」今作で先輩の松也から学んだことを聞くと、堀「白目を教えていただきました。私、やったことがなくて、すごく勉強になりました」松也「ちょっと困っている様子だったので、“とにかく限界まで上を見ろ”と。顔の位置はそのまま、あごを引くくらいの気持ちで上を見ると白目になるんです(笑)」タイムスリップした令和の世界でも“悪を倒す”と奮闘するまっすぐな鈴之助がさまざまな事件に巻き込まれていく。堀「鈴之助を見てクスッと笑って癒される方が多いと思います」松也「明日の活力になるようなドラマになったらうれしいですね。チャンネルだけ合わせて流し見するくらいの軽い気持ちでもかまいません(笑)。僕自身は、赤胴鈴之助という作品があることを改めてみなさんにお届けできることがありがたいです。そうだ、主題歌の『RED』も歌わせていただいています。オープニングだけは、しっかり見てもらわないとだめだな(笑)」ふたりにとってのヒーローとは?松也僕は、確実に原辰徳さんです。もし、子どもができたら、男の子でも女の子でも1回は「将来、野球選手どう?」と提案したい。野球だけは、興味を持って欲しいですね。大谷翔平選手みたいな子どもだったら、もう最高ですよ。すぐに仕事を辞めて、代理人になります(笑)。堀私はミラ・ジョヴォヴィッチさんです。小さいころに見た映画『バイオハザード』のミラさんが、めちゃくちゃ強くてかっこよくて衝撃的で。アクション映画に出てみたいと思ったきっかけでもあります。誰かに守ってほしいとか、何かしてほしいというより、自分が守ってあげたい、何かしてあげたいと精神的にも強くなれました。
2022年02月12日今回、ご紹介するのは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』。2017年からスタートした、『ホーム』シリーズ3部作の集大成を描く最終章です。スパイダーマン/ピーター・パーカーの日本語吹替版声優を担当した榎木淳弥さんにお話をうかがいました。【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 98「スパイダーマン映画の魅力を詰め込んだ作品です」全世界で社会現象を巻き起こした、トム・ホランド主演の映画『スパイダーマン』シリーズ。2017年『スパイダーマン:ホームカミング』、2019年『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』に続く、待望の最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』がついに日本上陸を果たします。12月17日(金)に全米で公開された本作は、コロナ禍における最大オープニング記録はもちろんのこと、全米における全スパイダーマン映画のオープニング興行成績の歴代1位という映画史に残る大記録を残しました。物語は、スパイダーマン/ピーター・パーカーが、世界中に正体を知られるシーンで幕を開けます。平穏な生活が一変し、大切な人たちを危険にさらす現状に心を痛めた彼は、ドクター・ストレンジの力を借りに行きます。ところが、ドクターの呪文によってマルチバースが出現!グリーン・ゴブリン、ドック・オク、サンドマン、エレクトロ、リザードといった、『スパイダーマン』シリーズの過去作に登場したヴィランたちが大集結し、全ユニバースを賭けた戦いが繰り広げられることに。ドック・オク役のアルフレッド・モリーナ、グリーン・ゴブリン役のウィレム・デフォー、エレクトロ役のジェイミー・フォックスなど、ヴィランたちを当時の俳優たちが再演。壮大な世界観を盛り上げています。スパイダーマン/ピーター・パーカーの日本語吹替版声優を担当するのは、榎木淳弥さん。『呪術廻戦』の主人公・虎杖悠仁役、『機動戦士ガンダムNT』のヨナ・バシュタ役、『鬼滅の刃』の煉獄千寿郎役など、国民的人気を誇る作品で大活躍する実力派が、スーパーヒーローとしての宿命と向き合うピーターの決断を情感たっぷりに演じています。ーーかつてスパイダーマンの日本語吹替は、トビー・マグワイア版を猪野学さん、アンドリュー・ガーフィールド版を前野智昭さんが担当されていました。榎木さんがスパイダーマンを演じると決まった後、おふたりから何か声を掛けられたことは?榎木さん猪野学さんとはお会いしたことがないのですが、前野さんとはお仕事でよくご一緒させていただいています。その際、“榎木くんはいま、コレ(榎木さんが両手を前に出して、スパイダーマンが蜘蛛の糸を出すポーズをする)をやっているもんね”といじられたことがありました。ーーおふたりがスパイダーマンのポーズで通じ合うところが素敵です。愛あるいじりですね。榎木さんかわいがっていただいています。ーー本作には、いくつもの大きなサプライズがあります。榎木さんいろいろなウワサは耳に入っていましたので、実際に本編を観たとき、“こういうふうになるんだ”と、答え合わせをするような楽しみがありました。本作に対して、皆さんの期待が高まっていると知り、嬉しく思っています。ーー本作は、歴代ヴィランたちの豪華共演が話題となっています。純粋な少年役がハマる、好感度抜群な榎木さんですが、ヴィランな心をのぞかせてしまう瞬間は?榎木さん雨の日にビニール傘を持ってスタジオに入り、仕事を終えて帰ろうとすると、傘がなくなっていることがよくあるんです。そのとき、一瞬だけ、傘立てに残っているビニール傘を持って帰りたい気持ちになるのですが、“誰かが不幸になるかもしれない”と思うと持って帰れなくて。そういうときは、新しい傘を買って帰るようにしています。ーー“スパイダーマンの日本語吹替を担当されているんですよね”と、いろいろな方から声を掛けられるとか。最近、お仕事で尾上松也さんと対面されたそうですが、印象に残っているエピソードを教えてください。榎木さん尾上松也さんはスパイダーマンだけでなく、アクション・アドベンチャーゲーム『アンチャーテッド』もお好きだそうで。トム・ホランド主演の実写映画版『アンチャーテッド』では、僕が日本語吹替を担当させていただくことになっているため、尾上松也さんから“楽しみにしています”と言っていただきました。ーー嬉しいですね。いまや、榎木さんはトム・ホランド担当といっても過言ではありませんし。榎木さんたくさんの作品でトムを演じることができ、光栄です。ーー最近、トムとお話する機会はありましたか?榎木さん先日、リモートでインタビューさせていただきました(※)。久しぶりにとても緊張しました。彼から“日本語吹替を演じてみて”とリクエストされたので、“スパイダーマンだ!”というようなセリフを言うと、すごく喜んでいただきました。※インタビュー映像は、1/7(金)に榎木さんのTwitterとソニー・ピクチャーズ映画公式SNSで公開予定。ーースパイダーマンを演じたことで、榎木さんの人生にどのような影響がありましたか?榎木さん『機動戦士ガンダムNT』のプロデューサーの方は、常にガンダムの主役を演じることのできる声優を探していて。ある日、僕が演じたスパイダーマンの声を聞いて、“ガンダムの主役をやれる声だ”と思ったそうなんです。ーーそれはすごい。運命を感じます。榎木さんスパイダーマンをきっかけとしてお仕事をいただく機会が増え、ありがたいと思っています。ーー榎木さんが考える、トム・ホランド版スパイダーマンの魅力とは?榎木さん高校生の子どもならではの優しさと脆さです。敵を過度に傷つけないところも好きです。ーー最後に、本作の見どころをお願いします。榎木さんスパイダーマン映画の魅力を詰め込んだ作品です。なるべく、事前に情報を頭に入れず、まっさらな状態で劇場に行ったほうが楽しめると思います。そして、すべてのエンドロールが終わるまで、決して席を立たないでください。インタビューのこぼれ話榎木さんに、“スパイダーマンの能力で欲しいものは?”と聞くと、想定外の答えが!「危機回避能力です。先日、引っ越しをしたのですが、ガスの契約を忘れていて。水で頭を洗いました。とても寒くてきつかったです」。Information『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』2022年1月7日より、日本公開出演:トム・ホランド、ベネディクト・カンバーバッチ、ゼンデイヤほか日本語吹替版:榎木淳弥(スパイダーマン/ピーター・パーカー役)ほか©2021 CTMG. © & 2021 MARVEL. All Rights Reserved.撮影・山本嵩文・田嶋真理 スタイリスト・久芳俊夫ヘアメイク・fringe撮影・山本嵩 文・田嶋真理 スタイリスト・久芳俊夫 ヘアメイク・fringe
2022年01月06日「最近、僕がテレビに出てアップになると、指差して『パパ、パパ』って言うんです」12月17日放送の『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』(日本テレビ系)で、こう話したのはDAIGO(43)。昨年9月、妻の北川景子(35)との間に第1子が誕生したことを発表し、メディアでも育児ぶりを語るなどすっかり“パパタレ”に。同番組では家族のために賞金1,000万円を勝ち取るべく奮闘したDAIGOだが、あと一歩というところで敗退。だが父となってこの1年、DAIGOは北川と二人三脚で励んできた。「北川さんは産後間もなく、今年4月期のドラマ『リコカツ』(TBS系)で女優復帰。撮影期間は約4カ月間に及びましたが、北川さんを支えていたのはDAIGOさんでした。初めは育児に慣れず睡眠不足も続いたようですが、DAIGOさんは赤ちゃんの生活リズムに合わせるなど工夫をして乗り越えたと語っていました。北川さんもドラマ最終回を迎えるにあたり、『家族には感謝でいっぱいです』と顔を綻ばせていました」(プロダクション関係者)そんなDAIGOは仕事も順調のようで、最近では『ZIP!』(日本テレビ系)の木曜パーソナリティーに起用されるなど活躍の場を広げている。また彼がボーカルを務めるBREAKERZでも、来年1月にリリースする23枚目のシングルがテレビアニメ『名探偵コナン』(読売テレビ・日本レテビ系)のエンディングテーマに使用されたばかり。仕事と家庭を両立させているDAIGOだが、そんな彼の”つかの間の息抜き”がショッピング。本誌は今年6月上旬、その様子を目撃している。良く晴れた日の東京・表参道で、ハイブランドが並ぶメインストリートに停車した送迎車から降りてきたDAIGO。黒のロングシャツをなびかせ、小走りで駆け込んだ先はフランスの高級ブランド店「サンローラン」だった。店内で30分以上迷っていた様子だったが結局、何も買わずに店を後に。その次に向かったのは「セリーヌ」。30分ほどすると店員に付き添われながら、靴が入っていると思われる紙袋を手に店から出てきた。この日のショッピングは、多忙を極める“自分へのご褒美”だったのだろうか。■尾上松也は“ナイキ愛”炸裂!DAIGO以外にも本誌は今年、仕事の合間をぬってショッピングを楽しむ有名人をキャッチしている。昨年大ヒットしたドラマ『半沢直樹』(TBS系)でIT企業の社長を好演し、以降も歌舞伎の枠を超えてひっぱりだこの尾上松也(36)。一方で今年8月には自主公演『挑むVol.10~完~』で、高校時代の同級生である生田斗真(37)と共演を果たした。’09年から10回にわたって上演してきた同公演に、一区切りをつけた年となった。本誌はそんな彼を、同月下旬に目撃。残暑厳しい東京・原宿にTシャツ、パンツ、スニーカーと全身“ナイキコーデ”で現れた松也。メディアのインタビューに「スニーカーのコレクションが趣味」とも語っており、この日は「ナイキ原宿」へと足を運んでいた。大きな紙袋を片手に店を後にした松也は、送迎車が待つ場所へ颯爽と帰っていった。ところが運転手が車を離れており、松也が車に乗れなくなってしまうハプニングも。数分後には運転手の居所を確認できたようで、事なきを得たのだった。■西川貴教はボディビル大会の下準備?「ナイキ」といえば、本誌はもう1人目撃している。それは今年11月に開催された『ベストボディ・ジャパン 2021』に出場し、モデルジャパン部門ゴールドクラスで2年連続優勝に輝いた西川貴教(51)。昨年の優勝者はシード権を有するため、今大会で地区予選に出る必要はなかったという。だがそのことを知らなかったという西川は、10月16日に行われた前橋大会に出場。見事に結果を残し、Twitter上で《「うっかりタカノリ」でご心配をおかけしました》と綴っていた。本誌は今年9月下旬、短パンとスポーツブランドに身を包み、東京・六本木のビルから出てきた西川を目撃している。「このビルにはナイキ社員の福利厚生施設があります。一般のショップとは違って社員の紹介がないと入店できず、新作アパレルやスニーカーなどの商品がアウトレットよりさらに安い価格で購入できるのです。西川さんはトレーニング器具やウェアを購入するために訪れていたようです」(ファッション業界関係者)一緒に出てきた付き添いの男性がナイキの紙袋2つを送迎車に運び入れると、西川はペコリと会釈をして車に乗り込んでいったのだった。■山本舞香はタンクトップで「セリーヌ」へ女性の有名人では山本舞香(24)。昨年1月に伊藤健太郎(24)との交際が報じられた山本。だが同年10月に伊藤が接触事故を起こし、逮捕されるという事態に。伊藤は今年3月に不起訴処分とされ、芸能活動を再開したが、2人は今年7月に破局が報じられたのだった。本誌は今年8月上旬、失恋直後の山本を目撃している。肌を大きく見せたタンクトップとダメージジーンズというカジュアルな装いで、東京・表参道にある高級ブランド店「セリーヌ」から出てきた山本。すると後ろから大きな紙袋を持った店員が、彼女の送迎車が待機する場所まで見送りについてきていた。伊藤への思いは吹っ切れたのだろうか、車に乗り込んでいった山本の表情に曇りはなかった。有名人にとってショッピングは、リフレッシュできる束の間のひと時なのだろう。
2021年12月24日東京・歌舞伎座で、2022年1月2日(日)から感染予防対策を徹底した上で収容人数の制限を緩和し、完全入替えの三部制による『壽 初春大歌舞伎』を上演することが決定。歌舞伎俳優の尾上松也が、第三部『岩戸の景清』で初役となる平家の豪将・悪七兵衛景清を勤めることになり、12月22日に都内で取材に応じ「来年がもっともっと良い環境になるように、希望に満ちた1年を送りたい、送れると思っていただけるような演目にしたい。全三部、それぞれに花と色が出ているので、全力でお正月を盛り上げたい。思いを受け取っていただければ」と意気込みを語った。作・河竹黙阿弥の『岩戸の景清』が上演されるのは、昭和53年(1978年)1月の国立劇場以来、44年ぶり。源氏への復讐に執念を燃やす平家の勇将・悪七兵衛景清が江の島の岩窟にこもり、頼朝調伏を念じたために、天下は暗闇となってしまう。そこで源氏方の諸大名らが集まり、岩窟の前で闇を払う神事を始めると、やがて景清が姿を現し......という物語。暗闇の中を互いに探り合う歌舞伎の「だんまり」という様式的な美しい演出で展開し、景清が引き抜く刀によって射し込む光が、新年に明るい兆しを感じさせるひと幕となる。「非常に独特な世界観であり、歌舞伎のヒーローたちが大集結する豪華な演目。基本的には(前回の)羽左衛門兄さんのスタイルを踏襲しながら、歌舞伎ならではのケレンミを存分に楽しんでいただけると思います。景清はダークヒーロー的な印象で、陰と陽がある魅力的なキャラクター。自分が演じるとは、正直想像できなかったが、お正月ということもあり、(構成上)陽の部分を感じていただけるように作りたい。アイデアが浮かべば、それをチャレンジできる演目」(松也)「新春浅草歌舞伎」をはじめ、花形世代の中心としてメンバーを引っ張ってきた松也だけに、「若手だけで歌舞伎座の演目を任せていただくのは、ありがたいですし、やりがいがある」。2021年、2022年と「新春浅草歌舞伎」が中止になってしまっただけに、「次こそはという思いもありましたから、みんなでアイデアを出しながら、いいものを作っていきたい。それが“チーム浅草”らしい」と闘志を燃やした。また、「浅草の皆さんにご協力いただくことで、芝居以外のことも勉強できる貴重な公演。メンバーそれぞれ浅草を経て、どれだけ成果を出せるかという登竜門でもあるので」と浅草公演の復活を切に願っていた。また、先月28日に77歳で亡くなった歌舞伎俳優の中村吉右衛門さんに話題が及ぶと、「本当に偉大な先輩。僕にとっては、あこがれの存在」と神妙な面持ち。2018年の「新春浅草歌舞伎」上演を前に、稽古を受けたと言い「普段は温厚な印象ですが、お稽古では激しく、荒々しい。情熱と本気度に感動しました。一切手を抜かず、細部にまでこだわり、やり尽くす姿を拝見し『僕らもこうでなければ』と思った」と回想。「歌舞伎の伝承とは、芸もそうですが、それと一緒に魂と情熱も受け継ぐんだと最近よく思います。お兄さんの情熱から教わり、学んだことへの感謝を忘れず、それを伝えることが一番大事」と決意を新たにしていた。取材・文・写真=内田涼『壽 初春大歌舞伎』2022年1月2日(日)~2022年1月27日(木)第一部午前11時~第二部午後2時30分~第三部午後6時~※開場は開演の40分前を予定【休演】11日(火)、19日(水)劇場:歌舞伎座
2021年12月22日中村吉右衛門さんと尾上菊之助歌舞伎役者の二代目中村吉右衛門さんが、11月28日に亡くなった。「今年の3月28日、公演後に訪れたレストランで倒れ、心肺停止状態に。『楼門五三桐』に石川五右衛門役で出演していて、千秋楽を残すだけでした。救急搬送されて一命をとりとめますが、しばらく意識不明の状態が続いたといいます。回復してからはリハビリに取り組むものの、復帰は叶わず。歌舞伎界きっての立役で、人間国宝に認定されています。歌舞伎だけでなく、テレビや映画でも活躍。フジテレビ系の『鬼平犯科帳』では主演を務め、幅広い人気を得ました」(スポーツ紙記者)■尾上菊之助が声を震わせて倒れてからの詳しい容体は、ずっと伏せられていた。「後に意識がない状態だったことが明かされましたが『七月大歌舞伎』のポスターには出演者として吉右衛門さんの名前が掲載されていました。入院中の様子は血縁者や松竹の幹部クラスのごく一部しか聞かされていなかったようです」(同・スポーツ紙記者)死去から4日後の12月2日、吉右衛門さんの娘婿にあたる尾上菊之助が取材に応じて思いを語った。「岳父は全身全霊をかけて芝居に打ち込まれました。先人たちがつくり上げた教えを守って、血と汗と涙の結晶をさらによいものにして後世に伝え、現代の歌舞伎を進化させてくださいました。私たちは、その教えを守って後世に伝えられるように、研鑽していきたいと思っています」声を振り絞るようにして、吉右衛門さんへの感謝の言葉を述べる。故人の普段の姿について質問されると、目から涙があふれ出た。「3月に倒れる直前、自分もつらかったはずなのに、当時、腕を骨折していた私のことを心配してくれた。尊敬するとても優しい父でした……」声を震わせ、手で目を覆う。「岳父の芝居を愛してくださったみなさま、本当にありがとうございます。岳父のこと、中村吉右衛門のことを忘れないでください」深く頭を下げる様子から、菊之助が吉右衛門さんに抱いていた尊敬の深さと無念の思いが伝わってきた。「菊之助さんは感情をそれほど表に出さない冷静沈着な方。彼があそこまで取り乱すのは珍しいことです。菊之助さんは吉右衛門さんの芸と人間性に心服していました。だからこそ、実の父を失ったのと同じぐらいの喪失感なのでしょう」(歌舞伎関係者)■兄とは対照的な「孤高の役者」松竹の宣伝部にいた芸能レポーターの石川敏男氏は、破格のスケールだった吉右衛門さんの芸を惜しむ。「大きな体格とよく通る声は唯一無二。『勧進帳』で演じた武蔵坊弁慶は当たり役でした。歌舞伎でつちかった芸は’89年からドラマで演じた『鬼平』でも生かされます。実力に知名度が追いつき、播磨屋は揺るぎない存在に。’06年から初代吉右衛門の俳名を冠した『秀山祭』を開催。定期的に追善公演を行っているのは市川團十郎ら成田屋と尾上菊五郎らの音羽屋のみですから、彼らと肩を並べるほどの名跡になったと認められたことになります」歌舞伎界の重鎮に至るまでの道は、決して平坦ではなかった。「先代の初代・吉右衛門さんは大正から昭和にかけて活躍。当時は六代目尾上菊五郎と人気を二分し“菊吉時代”と呼ばれたほど。一代で播磨屋の名跡を築きましたが、芸を継ぐべき男子は生まれませんでした。娘が初代・松本白鸚に嫁ぎ、息子が生まれなかった父のために“男の子が2人生まれたら、1人を養子に出す”と約束します。長男の二代目松本白鸚さんと次男の吉右衛門さんが生まれ、吉右衛門さんは祖父の養子になりました」(松竹関係者)違う環境で育った兄弟は、対照的な性格を持つように。「白鸚さんはおおらかで天然ぎみ。器用なところもあります。吉右衛門さんは、芸一筋の孤高の役者。周囲と距離を置いて思い詰めることもある繊細な気質でした」(同・松竹関係者)転機が訪れたのは、吉右衛門さんが17歳のとき。■菊之助が準備していた恩返し「’55年に東宝が松竹に対抗して“東宝歌舞伎”を立ち上げた。吉右衛門さんは’61年に実父や兄とともに東宝に移籍し、同じ舞台に立つことになったんです」(同・松竹関係者)生家との距離が縮まる機会となったが、環境の激変に戸惑いを覚えるように。「吉右衛門さんは、スタンダールの『赤と黒』や漫画『巨人の星』の星一徹役など、現代劇からミュージカルまで幅広く挑戦。でも、自分ではしっくりこなかったようです。一方、白鸚さんは現代劇でメキメキと頭角を現し、主演した『ラ・マンチャの男』は代表作になりました。吉右衛門さんは’74年に松竹に戻ります。出戻りということで冷遇されましたが、確かな芸が彼の評価を高めていきました」(同・松竹関係者)その後も兄弟は、切磋琢磨しながら、高く険しい歌舞伎道を進み、ともになくてはならない存在になる。白鸚は、弟の早すぎる死を悼んだ。「今、とても悲しいです。たった1人の弟ですから。幼いころ、波野の家に養子となり、祖父の芸を一生かけて成し遂げました。病院での別れの顔は、安らかでとてもいい顔でした。播磨屋の祖父そっくりでした」白鸚には男子が生まれ、十代目松本幸四郎となった。後継ぎのいない吉右衛門さんは、娘婿の菊之助に望みを託していたともいわれている。「結婚当初から菊之助さんに息子が2人生まれたら、1人を吉右衛門さんの養子に出すという話もあったそうです。でも、長男の丑之助くんが生まれた後は、女の子が2人。菊之助さんは、恩返しできなかったことを悔やんでいたのかもしれません」(前出・松竹関係者)菊之助は、別の方法で恩に報いようとしているようだ。そのことは、彼が選んだ演目にはっきりと表れている。「倒れた直後の4月に行われた『絵本太功記』では、吉右衛門さんの得意とした光秀の息子役を菊之助さんが、7月の『御存鈴ヶ森』でも吉右衛門さんが演じる予定だった幡随院長兵衛の相棒役である白井権八役を菊之助さんが演じました。吉右衛門さんがいつ復帰してきても相手が務まるようにと、菊之助さんの意向が強く反映されていたのでしょう」(前出・歌舞伎関係者)吉右衛門さんが到達した至高の芸は“息子”へと受け継がれていく─。
2021年12月07日山崎育三郎、尾上松也、城田優の3人が、2015年ミュージカルでの競演を機に自分たちの感性で、オリジナル作品を製作したいという思いを共有し、3人の名前の頭文字から「IMY」と名付け、2019年より始動したプロジェクト。その舞台公演・第1弾「あいまい劇場 其の壱『あくと』」が11月20日に開幕した。ノンストップの約2時間はぎゅうぎゅうに詰め込まれたおもちゃ箱のよう。音楽監督・桑原まこが率いる生バンドの演奏とともに、歌と芝居がシームレスに展開し、息つく暇がない。福原充則の脚本(第2話を除く)はパンチが効き、台詞の熱量が凄まじい。城田優も脚本(第2話)に初挑戦し、新境地を見せた。成河が初演出とは思えない手腕で、多要素を見事に一つの物語としてまとめ上げている。開演前、メイクをし衣裳をつけ、自分でない誰かを演じ始める瞬間。まるで俳優たちの日常の続きを感じられるような演出からいつの間にか4話のオムニバスはスタート。第1話「朝ドラオーディション」ではオーディション風景が繰り広げられる。オーディションの後半は即興芝居。お題はTwitterで一般から募集したものだ。この日は最初に自由にポーズをとり、そこから自然な形でお題に添う芝居を始める。プロデューサーのザキヤマ(山崎育三郎)、俳優の尾上と城田の3人は頭脳をフル回転し、時に助け合い、絶妙な機転をきかせて大爆笑が起こる。ライブ感がたまらない。場面は一転、ムーディな雰囲気になり、清水美依紗が「あくと」を歌い出す。ソウルフルな歌声と圧巻のロングトーンが心を揺さぶり、観る者を未知の旅へと誘う。すると不穏なメロディと口笛が。第2話「Literal thinking」では、謎解きと心理サスペンスとが入り混じり、観ているこちらも推理に必死になる。手に汗握った後は、皆本麻帆と清水美依紗が「邪なアイ」を軽快に歌い踊る。女と男の駆け引きを思わせるポップソング。こちらまで楽しくなる2人の明るい笑顔に気分がのってくると、導かれるように第3話「1996年の鳥山明」がスタート。夢と現実の狭間での男たちの葛藤、切なさと擦り傷のようなヒリヒリ感。同時に希望をももたらし、まるで青春活劇のような爽快感が残るから面白い。第4話「EXシアターのジャン・ヴァルジャン」は大クライマックスとして、とにかく観てのお楽しみ。ダイナミックで演劇愛に溢れ、グサッとくる台詞と歌が詰め込まれ、これまでにない感覚が味わえること請け合いだ。会見では、「2015年の雑談から生まれた企画がこうして実現し、ワクワクしています」(山崎)、「固定概念にとらわれず、今までにない日本発のエンタテインメントを目指しました」(松也)、「自分たちが楽しい、面白いと思えるもの、そしてミュージカル、コンサート、ショーなど全ての良いところを凝縮したIMYならではの作品、お楽しみいただけると思います」(城田)、「こんなに楽しくていいのかしら?と思ったくらい、稽古場が楽しかったです。IMYと演出の成河さんの自由な発想を毎日見られて幸せでした」(キムラ)、「毎日楽しく自由に、のびのびとやらせていただきました。緑子さんとIMY の御三方が体当たりで大真面目にお稽古している姿が、美しくて素敵でした」(皆本)、「新人で初舞台です。右も左もわからない中でリラックスできる環境を作っていただき、頑張れました。芸歴の長い城田さんでも緊張なさると聞いて安心しています」(清水)、「初めての演出で、場作りが上手いIMYをはじめ、皆さんに助けてもらいました。毎日本気で泣いたり笑ったり、最終的に僕が一番好きなものが出来上がったと思います」(成河)と、キャスト、演出家共に抱負を語った。あいまい劇場 其の壱『あくと』日程:2021年11月20日(土)~12月5日(日)会場:EXシアター六本木出演:山崎育三郎、尾上松也、城田優、皆本麻帆、清水美依紗、キムラ緑子演出:成河※前売り券は完売。当日券は日によって異なる。詳細は公式ホームページでご確認ください。公式ホームページ:
2021年11月22日山崎育三郎・尾上松也・城田優の3人が、2015年ミュージカルでの競演を機に自分たちの感性で、オリジナル作品を製作したいという思いを共有し、3人の名前の頭文字から「IMY」と名付け、2019年より始動したプロジェクト。その舞台公演・第一弾『あいまい劇場 其の壱「あくと」』。ノンストップの約2時間はぎゅうぎゅうに詰め込まれたおもちゃ箱のよう。音楽監督・桑原まこが率いる生バンドの演奏とともに、歌と芝居がシームレスに展開し、息つく暇がない。福原充則の脚本(第2話を除く)はパンチが効き、台詞の熱量が凄まじい。城田優も脚本(第2話)に初挑戦し、新境地を見せた。成河が初演出とは思えない手腕で、多要素を見事に一つの物語としてまとめ上げている。開演前、メイクをし衣裳をつけ、自分でない誰かを演じ始める瞬間。まるで俳優たちの日常の続きを感じられるような演出からいつの間にか4話のオムニバスはスタートする。第1話「朝ドラオーディション」ではオーディション風景が繰り広げられる。オーディションの後半は即興芝居。お題はTwitterで一般から募集したものだ。この日は最初に自由にポーズをとり、そこから自然な形でお題に添う芝居を始める。プロデューサーのザキヤマ(山崎育三郎)、俳優の尾上と城田の3人は頭脳をフル回転し、時に助け合い、絶妙な機転をきかせて大爆笑が起こる。ライブ感がたまらない。場面は一転、ムーディな雰囲気になり、清水美依紗が♪〈あくと〉を歌い出す。ソウルフルな歌声と圧巻のロングトーンが心を揺さぶり、観る者を未知の旅へと誘う。すると不穏なメロディと口笛が。第2話「Literal thinking」では、謎解きと心理サスペンスとが入り混じり、観ているこちらも推理に必死になる。手に汗握った後は、皆本麻帆と清水美依紗が♪〈邪なアイ〉を軽快に歌い踊る。女と男の駆け引きを思わせるポップソング。こちらまで楽しくなる2人の明るい笑顔に気分がのってくると、導かれるように第3話「1996年の鳥山明」がスタート。夢と現実の狭間での男たちの葛藤、切なさと擦り傷のようなヒリヒリ感。同時に希望をももたらし、まるで青春活劇のような爽快感が残るから面白い。第4話「EXシアターのジャン・ヴァルジャン」は大クライマックスとして、とにかく観てのお楽しみ。ダイナミックで演劇愛に溢れ、グサッとくる台詞と歌が詰め込まれ、これまでにない感覚が味わえること請け合いだ。会見では、「2015年の雑談から生まれた企画がこうして実現し、ワクワクしています」(山崎)、「固定概念にとらわれず、今までにない日本発のエンターテインメントを目指しました」(松也)、「自分たちが楽しい、面白いと思えるもの、そしてミュージカル、コンサート、ショーなど全ての良いところを凝縮したIMYならではの作品、お楽しみいただけると思います」(城田)、「こんなに楽しくていいのかしら?と思ったくらい、稽古場が楽しかったです。IMYと演出の成河さんの自由な発想を毎日見られて幸せでした」(キムラ)、「毎日楽しく自由に、のびのびとやらせていただきました。緑子さんとIMY の御三方が体当たりで大真面目にお稽古している姿が、美しくて素敵でした」(皆本)、「新人で初舞台です。右も左もわからない中でリラックスできる環境を作っていただき、頑張れました。芸歴の長い城田さんでも緊張なさると聞いて安心しています」(清水)、「初めての演出で、場作りが上手いIMYをはじめ、皆さんに助けてもらいました。毎日本気で泣いたり笑ったり、最終的に僕が一番好きなものが出来上がったと思います」(成河)と、キャスト、演出家共に抱負を語った。あいまい劇場 其の壱「あくと」日程:2021 年11 月20 日(土)~12 月5 日(日)会場:EXシアター六本木出演:山崎育三郎、尾上松也、城田優、皆本麻帆、清水美依紗、キムラ緑子演出:成河※前売り券は完売。当日券は日によって異なる。詳細は公式ホームページでご確認ください。公式ホームページ 撮影:宮川舞子 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年11月21日舞台「怖い絵」が、尾上松也主演で来年3月、東京と大阪にて上演されることが決定した。投資家をしながら、実は怖い意味を持つ絵画を集めるのが趣味の男。「怖い絵」に秘められた物語が、その事件の真の姿を浮かび上がらせ、この男が、罪深き人たちに、復讐の代行を行っていく。本当に存在する絵と、そこに隠されたメッセージ。これは新たな絵画版シャーロックホームズとなるのかもしれない――。本作は、中野京子による名画に隠された恐怖の背景を解説したベストセラー美術書「怖い絵」を基にした物語。2017年には、東京・兵庫でその「怖い絵」を集めた「怖い絵」展が開催され、来場者68万人を突破と、怖い絵ブームを巻き起こしたことも。今回上演される舞台は、ただ見るだけでなく、その絵の怖い意味を考えていく、新たなエンターテインメントステージ。セット内には、物語に合わせて厳選された「怖い絵」が何作も登場し、物語と連動していく。本作を手掛けるのは、マルチエンターテイナー・鈴木おさむ。中野さんも監修し、劇場でも美術館でもない、新たな没入感を作り上げる。物語の主人公は、謎多き絵画コレクター。演じるのは、歌舞伎以外にもミュージカル、ドラマ、映画、バラエティなど幅広く活躍する松也さん。さらに、現在放送中の「日本沈没-希望のひと-」で主人公の妻を演じている比嘉愛未。主演映画『軍艦少年』の公開を控える佐藤寛太。2.5次元界をけん引する崎山つばさ。ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の上演が控える実力派俳優・寺脇康文の出演も明らかになった。なお、本公演のチケット一般発売は、来年1月22日(土)10時~販売される予定だ。▼コメント作・演出/鈴木おさむ僕は元々、中野京子さんの本「怖い絵」がとても好きで、実際に美術館で「怖い絵展」が行われた時にはすぐに見に行き、とても興奮と沢山の感動をしました。その時に、これに物語を付けて、ミステリーものとして舞台に出来ないのか?と考え企画しました。もともと、尾上松也さんとは、いつかなにかやりたいねと話をしていたので、この企画を思いついた時に真っ先にオファーしましてOKいただきました。今回、このありそうでなかった怖い絵の物語。最高のキャストで上演することが出来ます。知的好奇心もくすぐる舞台『怖い絵』、皆さんも一緒に謎を解くつもりで、見てください!監修/中野京子拙著「怖い絵」シリーズを刊行した時には、まさかこんなふうに他分野に派生してゆくとは想像もしていませんでした。まず「NHK知る楽」で8回連続テレビシリーズとなりました。次いで美術展「怖い絵展」(上野の森美術館&兵庫県立美術館)と「怖いクラシックコンサート」(東京文化会館)が催され、今度は舞台に!人気放送作家鈴木おさむ氏の脚本なので、期待は裏切られません。怖い絵とミステリーの絡み合いを、どうぞお楽しみください。主演/尾上松也鈴木おさむさんとは何年も前から、一緒に仕事したいですねという話をしていたので、今回この舞台のお話をいただいたときは、すごく嬉しかったです。僕の役は、謎につつまれ、心に闇を持つ主人公ということなのですが、現代劇においては、あまりやったことのないダークヒーローという役柄を演じること、とても楽しみにしています。今回、共演させていただく方々は、皆さん初めての方ばかりなので怖さもありますが、きっと新鮮な刺激をもらえると思うので、今からすごく楽しみです。先の読めないミステリアスな展開が待ち受ける作品です。演出のおさむさん、そして出演者の皆さんと共に、今まで誰も見たことのないエンターテインメント作品に仕上げたいと思います。皆さん、劇場でお待ちしております。舞台「怖い絵」東京公演は2022年3月4日(金)~21日(月・祝)よみうり大手町ホールにて、大阪公演は2022年3月24日(木)~27日(日)COOL JAPAN OSAKA PARK TTホールにて上演。(cinemacafe.net)
2021年11月02日ウォルト・ディズニー・ジャパン主催のイベント「新ディズニープラス セレブレーションナイト」が27日、都内で行われ、成河、昆夏美、山崎育三郎、城田優、尾上松也、山寺宏一、清水美依紗らが出席した。ウォルト・ディズニー・ジャパンが運営するディズニー公式動画配信サービス「Disney+ (ディズニープラス)」は、10月27日よりリニューアル。それを記念して開催された同イベントに、ディズニー作品で声優を務めた成河、昆夏美、山崎育三郎、城田優、尾上松也、山寺宏一ら豪華ゲストがライブパフォーマンスを行った。また、9月に配信をスタートした『スター・ウォーズ:ビジョンズ』の映像に合わせ、臨場感あふれる生アフレコを榎木淳弥と白石涼子が披露した。『美女と野獣』から「美女と野獣」を熱唱した昆夏美と山崎育三郎。山崎は「昆さんと会うのは久しぶりなんですけど、このメロディーが流れると野獣とベルの気持ちになります。何度も歌ってきたので、久しぶりに昆さんと歌えてうれしかったです」とデュエットを楽しみ、「ディズニーと出会ってミュージカル俳優になりたいと思いました。自分の原点を感じられるようなステージになりました」と笑顔を見せた。昆も「野獣とベルの衣装でこの歌をずっと歌わせていただきましたが、歌う時はこの世界観をお客さんにお届けしようと思いながら2人で歌ってきました」と山崎と歌った当時を懐かしそうに振り返った。『シンデレラ』からは、城田優が「夢はひそかに」を披露。 「本来はシンデレラ役の高畑充希ちゃんがいて一緒にデュエットをするんですが、1人は本当に心細いです。充希ちゃんに連絡したら『1人でも王子は大丈夫だよ』と返ってきました(笑)」と苦笑いを見せつつ、「『夢はひそかに』は小さい頃からずっと耳にしていた曲。まさか自分が歌うとは思いませんでした」と心境を明かした。『モアナと伝説の海』からは、マウイ役の日本語吹き替えを担当した尾上松也が「俺のおかげさ」を熱唱。吹き替えをした時のことを問われて「本国で演じていたのはドウェイン・ジョンソンさん。その迫力をどれだけ出せるのか苦労しましたし、一番は僕が声優をやっているということを感じないよう、マウイそのものを感じてもらえるように心掛けました」と振り返った。また、この日は山崎、尾上、城田の3人が、ユニットのIMY(アイマイ)として登場。ピクサーの名曲メドレー「君はともだち~全力少年」を歌い上げた。尾上が「3人だと心強いですね。何かあったらカバーしてくれという気持ちだったので、リラックスしてました」と山崎と城田の存在に感謝しきり。IMYとしてのコンビネーションに自信を見せた城田は「お笑いトリオとしても成熟してきました(笑)」と笑いを誘いつつ、「あっという間にもう終わりという感じでまだ歌いたいです。今やっと緊張が溶けてきたので」と今にも歌いそうな雰囲気だったが、尾上から「どうぞ」と促されると「次回呼んでいただけたら」と上手く切り替えしていた。
2021年10月28日1月期放送予定の菅田将暉主演月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」に尾上松也、筒井道隆、遠藤憲一がレギュラー出演することが分かった。本作は、菅田さんが演じる天然パーマがトレードマークの主人公・久能整が、淡々と自身の見解を述べるだけで難事件や人の心の闇を解きほぐしていく、令和版・新感覚ミステリー。今回新たに発表された3人が演じるのは、事件が起きる度に、その解決に重要な役割を果たす大隣署の刑事。月9ドラマにレギュラー出演するのは、今回が初めてとなる松也さんが演じるのは、風呂光聖子(伊藤沙莉)と同じ大隣署所属の若手巡査で、署内のムードメーカー的存在な池本優人。事件の解明もさることながら、整の多岐に渡る知識や既成概念を覆す独自の思考によって家庭不破まで改善され、その後も公私に渡って整にアドバイスを求めるようになる。月9レギュラー出演は、1994年放送の主演ドラマ「君といた夏」以来、27年半ぶりとなる筒井さんが演じるのは、同じく大隣署所属の警部・青砥成昭。冷静沈着で頭が切れ、部下からの信頼も厚い青砥だが、実は過去に誤認逮捕による冤罪事件を起こした過去が。整と関わったことで、これまで正しいと信じて来た自身の考えに疑問を持ち、過去の事件と向き合うことになる。現在放送中の月9「ラジエーションハウスII~放射線科の診断リポート~」にも出演中の遠藤さんが演じるのは、大隣署の警部補・薮鑑造。仕事を第一優先に生きて来た薮は、妻と一人息子を事故で亡くしているが、その際も捜査現場を離れられず、看取ることができなかったという悲しい過去をもつ。薮もまた、整と出会ったことで、人生が大きく変わっていくキャラクターとなっている。<キャストコメント>・尾上松也今回の作品は今まで共演したことのないみなさんとのお仕事ということもあって、すごくワクワクしました。池本はどちらかと言えばムードメーカーのような、明るい刑事です。ですが、ドラマでは刑事としての真っすぐさというところは表現しようと。決していい加減な仕事をしているのではないという、そこにひとつの芯が通っているキャラクターとして演じようと思いました。(菅田さんと共演してみて)僕は初共演になるのですが、演じていてとてもやりやすいというか、ストレスを感じることが全くない方です。収録の合間には、笑いの輪に入っているのですが、ふと気がつくと菅田さんは監督ととても真剣に話合っていて…。そういう切り替えもサッとできてしまうのもすごいと思いました。整の独特な空気感とテンポが醸し出す物語に、ぜひ惹(ひ)き込まれてください。・筒井道隆いただいた台本がすごく面白く、また原作も興味深い作品でしたので、これはぜひ出演させていただきたいとお受けしました。僕も整のように論理立てて考えたり、論破するのも好きなので…好きって言うのも変ですけど、そういう思考の人間なので、すごく共感できました。(菅田さんと共演してみて)すごい方だと思いました。収録初日にお会いした時は、菅田くんは風貌から原作の整のイメージ通りで“あっ、こういうストイックなアプローチで演じるのか”と。コロナ禍で、一見ホワッとした感じの整の言葉、繊細な分析や気づきに共感できると思います。イジメや虐待についての難しい問題などもストーリーに出てくるんですが、整のグローバルな考え方から違う視点に“気づくこと”の大切さを、ぜひ感じていただきたいです。・遠藤憲一最初にいただいた台本を読んだのですがビックリしました。全てのト書きや“…”、隅々までちゃんと意味がある、相当高度な台本だったので、まずそこに感動して、ぜひ出演したいと思ったんです。主人公の久能整が話す一言、一言が胸にズキンとくる…家族との向き合い方とか、自分にもそういうところがあるのかなぁ?と、かなり突き刺さりました。整が普段の僕たちが見過ごしがちで、考えたこともなかったような心の中を見透かしてくるような?これは視聴者の方にも、きっと共感していただけるのではないかと思います。(菅田さんと共演してみて)菅田くんは、心がとてもデリケートだということが体からにじみ出すような人ですね。だからこそ、芝居でも歌でも国民的スターになっちゃう、本当に稀有(けう)な存在なんだと思います。僕は父親のような気分で“がんばってるなぁ”と菅田くんを見ていました。「ミステリと言う勿れ」は2022年1月、毎週月曜日21時~フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2021年10月12日8月下旬の午後、残暑厳しい東京・原宿に現れたのは歌舞伎俳優の尾上松也(36)。近年はテレビドラマやバラエティにも活動の場を広げているが、5歳で歌舞伎の初舞台を踏んだ根っからの歌舞伎俳優だ。この日の彼のファッションはといえば、Tシャツ、パンツ、スニーカーと着ているものはすべてナイキ。そんな松也が入っていったのは「ナイキ原宿」だった。「カジュアルなファッションだったのでまさかあれが歌舞伎俳優の松也さんとは思いませんでした。若者に混じっても全く浮いていませんでしたね。Tシャツなどを手にとってじっくり選んでから買っていってました」(居合わせた女性客)松也は今年3月にWEBメディアのインタビューでも“ナイキ愛”を語っている。「僕には一時的にガッと何かにハマるときがあって、フィギュアやアロマキャンドルにもハマってきました。今はとにかくスニーカーです。今月だけで、20足くらい買いましたからね。(中略)たまにナイキショップに行ったり、ABCマートに行ったりもしますけど、行くとたくさん買いたくなってしまうので、あまり行かないようにしています」(『MONO TRENDY私のモノ語り』3月12日掲載)“行くとたくさん買いたくなってしまう”という言葉通り、袋いっぱいの買い物を終えた松也は、ほかのショップには目もくれず送迎車に戻っていく。だがここでちょっとしたハプニングが。運転手が車を離れており、松也は車に乗り込めなくなってしまったのだ。車の脇で5分ほど立ち尽くしていた松也。……結局、携帯電話で運転手の行先を確かめると、車の鍵を手に戻ってきた。ナイキ愛あふれる松也だけに、ナイキのスローガン「JUST DO IT.(とにかく行動を!)」も体にしみこんでいるのか。
2021年09月10日俳優・生田斗真が新作歌舞伎に挑戦する姿を追うNetflixドキュメンタリー映画『生田斗真ドキュメンタリー ~挑む~(仮)』が、2022年春にNetflixにて配信されることが決定した。1997年に連続テレビ小説『あぐり』で俳優デビュー以降、数々のドラマ、映画、舞台で唯一無二の役を演じ、2011年には初の主演映画『人間失格』と『ハナミズキ』でブルーリボン賞新人賞を受賞、その演技力が認められ、2019年には大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に出演、2020年には向田邦子賞受賞作『俺の話は長い』で東京ドラマアウォード2020 主演男優賞に輝くなど着実にキャリアを重ねてきた生田斗真。そして2021年、生田が新たに挑戦するのは「新作歌舞伎」。生田の高校の同級生であり、親友の歌舞伎俳優の尾上松也が、2009年より主宰する歌舞伎自主公演シリーズの最終公演『「挑む」Vol.10 ~完~』に特別出演する。11才からジャニーズJr.として芸能活動を開始、アイドルとしてのスタートを経た後、俳優の道を極めてきた生田。そして、歌舞伎役者として5才で初舞台、歌舞伎のみならずドラマやミュージカルなどで幅広く活躍する松也。高校時代「いつか二人で同じ舞台に立つ」と約束したふたりが、2021年8月ついに新作歌舞伎で初共演、20年来の約束を果たす。生田はなぜ今、新作歌舞伎に“挑む”のか。そして毎回新たなチャレンジが行われてきた歌舞伎自主公演「挑む」シリーズ最終公演で松也が抱く覚悟とは。生田と松也、エンタメの世界で全く違う道程を辿った二人が歌舞伎役者として “挑む”舞台に立つ時、果たしてどのような化学反応が生まれるのか。本公演の地は演劇の街・下北沢の中心的存在である本多劇場、演目は新作歌舞伎「赤胴鈴之助」(あかどうすずのすけ)。松也の父である故・六代目尾上松助が子役時代の昭和30年代、同名漫画を原作としたテレビドラマ版の主役を務めた、松也にとって所縁の作品だ。64年前、テレビが録画ではなく生放送時代のドラマであり、父が演じた赤胴鈴之助を見ることが出来ないものの、松也にとっては亡き父を偲ぶ、思い入れ深い作品だ。この新作歌舞伎「赤胴鈴之助」で生田は、松也演じる赤胴鈴之助の兄弟弟子でライバルの竜巻雷之進(たつまきらいのしん)を演じる。Netflixでの配信が決定した本作は、初のかつら合わせをした日から公演を終えるまでの生田斗真の約2カ月半に完全密着。生田が初めての世界に飛び込む戸惑いや、懸命に稽古に向かう真摯な姿を描き出す。また生田と松也のインタビューでは、悲願でもあった舞台での共演を実現するに至った二十年来の友情を掘り下げる。さらに、人生の大半をエンタメの世界で生きてきた二人の軌跡を辿る。また、Netflixでは本ドキュメンタリーの配信に合わせ、8月13日に初日を迎えた新作歌舞伎公演の映像化作品の全世界配信も決定。映像は「劇団☆新感線」の舞台映像などで、映像×演劇の新たなエンターテインメントの世界を築き上げた「ゲキ×シネ」チームが手掛ける。生田は、現在も絶賛撮影進行中の本ドキュメンタリーと新作歌舞伎公演の映像化作品について「高校時代、教室の隅で松也くんと交わした約束が、時を経てこんなにも大きなプロジェクトになるなんて、あの頃の僕達に教えてあげても信じてもらえないだろうな」と盟友松也と過ごした日々を振り返る。松也は「一筋縄ではいかなかった公演ですが、我々二人と共演者、そしてスタッフの熱い思いを裏から表まで堪能していただけましたら幸いです」と、大舞台への抱負を語る。■生田斗真 コメント私、生田斗真のドキュメンタリー映画が制作され、Netflixにて世界190以上の国で同時配信される事になりました。そして、さらに『挑む』の舞台本編映像もNetflixで配信が決定しました。なんでしょう。。Netflixアザッス!プレミアム会員になってて良かったっス!『いつか一緒に舞台やろう』高校時代、教室の隅で松也くんと交わした約束が、時を経てこんなにも大きなプロジェクトになるなんて、あの頃の僕達に教えてあげても信じてもらえないだろうな。■尾上松也 コメントこの度、私が主宰しております歌舞伎自主公演「挑むVol.10 ~完~」がNetflixにて配信していただける事になりました。また、客演していただきました生田斗真さんの公演までの道のりを追ったドキュメンタリーも配信される事となり、この様な嬉しい事はございません。斗真さんとは中学時代から現在に至るまで、全てを共有してきた数少ない友人です。その盟友と学生時代から共に語り合っていたのが、歌舞伎作品でいつか一緒に舞台に立ちたいと言う夢でした。それが何十年越しに叶い、皆様にご覧いただけることはこの上ない喜びです。一筋縄ではいかなかった公演ですが、我々二人と共演者、そしてスタッフの熱い思いを裏から表まで堪能していただけましたら幸いです
2021年08月14日歌舞伎俳優の尾上松也がこのほど、アンバサダーを務めるデジタルアート展『巨大映像で迫る五大絵師 -北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界-』(7月16日~9月9日、東京・大手町三井ホール)のプレス発表会に出席し、その魅力を興奮気味に語った。同展では、葛飾北斎の『富嶽三十六景』と歌川広重の『東海道五拾三次』、俵屋宗達と尾形光琳が描いた2つの『風神雷神図屏風』の競演、伊藤若冲の代表作『仙人掌群鶏図』など、日本美術の傑作が巨大映像となって集結。最新技術でデジタルリマスター化を実現し、和紙の繊維1本1本の質感まで、立体的に復元している。松也は「大画面で見る迫力、その美しさに本当に息が止まるような感じがいたしました。すごいなと思ったのは、これだけ大画面で詳細に見られるなんてことは、当時の絵師の皆さんは想像もしてなかったはずなんですけど、これだけのアップになってもどれだけ繊細に描かれていたかがよく分かって、ずっと見ていられるのは、改めて五大絵師をはじめ皆さんの作品の素晴らしさとすごさを実感しましたね」と興奮。特にお気に入りの作品は『東海道五拾三次』だそうで、「庶民の息遣い、暮らしぶりがすごく想像できるし、大画面で見ることによって本当に街の中に入って住民の1人になったような感覚が一番大きかったですね」と語る。改めて、大画面で見た感想を、「音楽と映像技術が融合してどうなるのかがすごく楽しみではあったんですけど、大音響と大画面のマッチ度が予想以上で、もちろん演出も素晴らしかったので、より作品に対する興味と没入感がわいて、いつの間にか口をあけて見てるような感覚で、時間を忘れるような感じでしたね」と表現。さらに、「この大画面の映像の中で、会場の真ん中に布団敷いて眠りたいなと思いました。これ癒やされるなあと思って。音楽もちょうどいい具合に調整して、あの中で眠れたら『すげえ良い眠りにつけるだろうな』と思いました(笑)」と想像していた。同展では、光浦靖子が解説ナレーターを担当。現在、カナダ留学中の光浦はビデオメッセージを寄せ、「絵の中に飛び込めるというか、絵の中に囲まれるっていう今までにない体験で、本当にびっくりしながら楽しかったです」と感想を語った。
2021年07月17日全米大ヒットを受けて、日本でもついにその全貌を現わした『ゴジラvsコング』。ハリウッド版『GODZILLA』(14)と『キングコング:髑髏島の巨神』(17)のストーリーをクロスオーバーさせ、映画界の2大モンスターがガチンコ対決する本作の日本語吹替版のボイスキャストを直撃!前作に続いてヒロインのマディソン・ラッセルの声を担当した芦田愛菜、ハイテクおたくのマディソンの友人=ジョシュ・ヴァレンタインの声を当てた田中裕二、ゴジラが襲撃するハイテク企業エイペックス社の陰謀説を唱えるバーニー・ヘイズの声をハイテンションで体現した尾上松也が、アフレコ時の貴重なエピソードや映画の感想、見どころなどをたっぷり話してくれた。それぞれの役柄と、吹替への向き合い方――今回のアフレコをまずは振り返っていただこうと思います。前作の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(19)に続いてマディソン(ミリー・ボビー・ブラウン)の声を担当された芦田さんからお願いします。芦田私は前作でもマディソンの勇気のある行動を見てカッコいいな、自分にはできないなと思って尊敬していたんですけど、本作の彼女は高校生になって、さらに勇敢でカッコいい女性になっていました。なので私も、落ち着いていて、冷静な判断ができるマディソンを表現できたらいいなと思いながら演じました。田中僕が声を担当したジョシュ(ジュリアン・デニソン)はマディソンの親友の高校生ですけど、高校生ということはあまり意識してなくて。でも、マディソンに引きずられて危険な旅につき合わされる、弱っちいところやオタクっぽいところは少し心がけましたね。松也僕の演じたバーニーを演じている俳優さん(ブライアン・タイリー・ヘンリー)は独特なリズムで話したり、芝居をしているのですが、そのニュアンスを出すのは勇気がいりました。ただ、英語で喋っている彼のリズムをあまり崩さないようには意識したつもりです。難しかったですが、面白いお役でしたので、とてもやり甲斐がありましたね。左から、ジョシュ、マディソン、バーニー――どんなところが難しかったんですか?松也冒頭にラジオのDJみたく喋るシーンがあって。その焦っている感じやリズムがかなり独特でしたので、そこはオリジナルの英語のセリフを何回も聴いて、なるべくタイミングを合わせられるように努力しました。田中僕は特に言いにくいセリフはなかったんですけど、こういう映画なので、セリフにもならない息遣いなどがやたら多くて。そこは映像を見ながら、息をのむのはどこなんだ?って探ったり、そういう細かいところが難しかったかな。芦田私たち3人でエイペックス社に潜入するシーンがあるんですけど、そういうところはやっぱり息遣いが難しくて。しかも、ひとりでブースにこもってアフレコをしているし、その場でお芝居をしているわけではないので、緊迫感や実際にそれが起きたときの息遣いを想像しながらやるのが大変でした。――アフレコのときの印象に残っているエピソードは他にもありますか?田中僕、今年の1月に病気(前大脳動脈解離によるくも膜下出血と脳梗塞)で倒れたんですよ。で、その病気から快復した後の仕事がこのアフレコだったんですけど、ゴジラの映画だから、「ウワ~!」って絶叫するシーンがいっぱいあったらどうしよう?って最初はちょっと不安だったんですよね。頭の病気だったので、あんまり「ウワ~!」って大声で叫ぶのはよくなくて。ただ、ジョシュはそんなにうるさいキャラクターではなかったので、そこは助かりました。芦田私は今回も、いち早くハリウッド版『ゴジラ』シリーズの映像が見られるのが嬉しかったですね。マディソンがゴジラとコングのバトルを見ながら話すシーンでも、すごい迫力だから、思わずセリフを忘れそうになるぐらい見入ってしまって(笑)。それぐらい、いつも楽しませてもらっています。芦田愛菜――ちなみに、皆さんは普通のお芝居とは違うアフレコの面白さはどのあたりにあると思っていますか?松也芦田さんがさっきおっしゃったように、基本ひとりで声を入れていますので、他の方の声もまだ入っていなかったりする場合は、相手のリアクションを想像して補わなくてはならないんですよね。その上で、モニターに出る秒数と台本を見比べながら声を吹き込むので、気持ちを入れるのがなかなか難しくて。棒読みでセリフがフラットな声になると映像と合わなくなってしまいますから、そこは普通の生身のお芝居と全然違って難しいですね。ですが、個人的な印象としては、声のニュアンスを出すときは舞台っぽい抑揚のある発声をした方がいいのかなって、声のお仕事をさせていだくときに感じるようになりました。田中僕も何回か声のお仕事をさせてもらっていますけど、ま~、声優の人たちはよくこんな難しいことを毎日のようにやっているなぁと毎回思います。今松也くんが言ったように、映像と台本を交互に見て、このセリフがここに入るのかというタイミングを合わせることに必死になっちゃって。そこで声のお芝居をするなんて、ちょっと離れ業だなっていう感覚があるんですよ。そんなこと、人間にできるのかな?って(笑)。そこは毎回やっていて難しいし、不安です。アフレコの監督さんが「OK」って言ってくださっても、「本当なのかな~?気を遣ってOKって言ってくれているんじゃないかな」と思ったり。毎回その繰り返しですね(笑)。芦田私もおふたりが仰っていることはすごく分かります。さっきも言ったように、自分がその場にいてお芝居をしているわけではないし、マディソンの場合もミリーさんの表情やお芝居の雰囲気に合わせて、日本語吹替版を観たお客さんが違和感を持たないような声にするのがやっぱり難しい。それだけに、今のは上手くハマったかもって思えたら、すごくやり甲斐を感じるし、嬉しいですね。大迫力のバトルだけじゃない、心にグッとくるようなシーンも――今回の『ゴジラvsコング』をご覧になった率直な感想を教えてください。田中音がスゴかったね。僕、子供が3人いて、一番下の子は4歳の女の子なんですね。で、普通だったらお父さんが声をやっている映画だから子供にも見せたいと思うんだけど、これはちょっと見せられないぐらい怖い。4歳だと泣いちゃうんじゃない?って思うぐらい迫力がスゴ過ぎて。映像もスゴいけど、僕の場合は音にいちばんヤラれました。ゴジラもコングもここまで吠えるか?って思うぐらいスゴかったですね。――前作の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』と違って、怪獣同士のバトルにシフトした仕上がりになっていますが、そのあたりはどうでしたか?田中僕が幼い頃に『キングコング対ゴジラ』(62)という映画があって、当然そのときもゴジラとキングコングが戦っていたんですけど、それからおよそ50年ぐらい経ったら、迫力がこんなにも増幅するのか?って思いましたね。あの当時の、あの程度のバトルで喜んでいた子供たちが、これを観たらどう思うんだろう?いや、それが僕なんてすけどね(笑)。そう思ったぐらい、映像、音響のすべてにおける迫力が想像以上でした。松也これだけダイナミックな映画を観るのはコロナ禍の影響もあって久しぶりでしたから、純粋に、ただただ楽しかったですね。しかも、今、田中さんが仰ったコジラとコングが戦っているシーンには人間は一切出てこないわけですけど、言ってみれば、そこに関しては100パーセント嘘なわけじゃないですか。全部CGで作っているんだから。ですが、そのことをまったく忘れますね。本当の格闘技の試合を観ているみたいに、何だ、これ? と思って、とっても興奮しました。ですので、さっき芦田さんがおっしゃったコングとゴジラのバトルをマティソンとジョシュ、バーニーの3人が見ているシーンのアフレコは何にも苦労しなかったです。本当に「ワ~キャ~」叫びながらやっていましたから(笑)。芦田本当にそうでしたよね。私もすごい面白かった。第一印象は本当に「面白い!」しかない(笑)、おふたりが仰ったみたいに、大迫力のバトルシーンに目を奪われるし、圧倒されること間違いなしです。でも、それだけじゃなくて、コングと人間の関係やゴジラとコングの関係に迫る、心にグッとくるようなシーンもたくさんあって。アクションとドラマの両方が楽しめるところが魅力だと思います。――皆さんの好きなシーン、オススメのシーンも教えていだけますか?松也僕は、コングが王座みたいなところに座ったときのドヤ顔です(笑)。斧みたいなものを持って座るのですが、キングコングじゃん!と思いましたし、とてもカッコよかったですから。田中僕は、コングがタンカーに乗せられて髑髏島から運ばれてくるシーンですね。『キングコング対ゴジラ』にも似たシーンがあったので、それを思い出して。そっちでは確かイカダで運ばれていたと思うけど、今回は大型タンカーなんだなって思ったし、ところどころそうやってオリジナルの東宝映画と比較しながら観ていました。田中裕二芦田私は松也さんの逆で、ゴジラの顔なんですよ(笑)。一番最後のゴジラがコングに向ける顔が、本当に一瞬なんですけど、余裕のある表情に見えて。その表情を見たときに、あっ、ゴジラは絶対王者なんだなってすごい確信して、カッコいいなって思ったんです。松也結果、ゴジラもコングも、粋な熱いヤンキーなんですよね(笑)。芦田確かに!(笑)松也両方ともそこがカッコいいんですよ。――それでは、今回の映画のゴジラとコングの戦いの結末は納得のいくものでした?松也僕はあまり決着がついたという風には捉えてなくて。まあ、絶対王者のゴジラがいて、その後を追い続けるコングみたいな構図がこれからも延々と続くな、終わらないなっていう印象を持ちましたけどね。田中僕は子供の頃はゴジラが大好きで、『キングコング対ゴジラ』を昔観たときも、やっぱり、どちらかと言うとゴジラの方に肩入れしながら観ていたんですよね。ゴジラがヒーローなので。なので、今回も何となくゴジラ側で観ていたんですけど、最終的にはゴジラとコングの勝ち負けの話ではないなと思っていて。それより、ジョシュとマディソンがこの後どうなっていくのか?そっちの方がちょっと気になりましたね(笑)。芦田(笑)田中最後にマディソンのお父さんに挨拶をするし……。松也それで言ったら、バーニーなんて謎だらけですよ!(笑)田中アイツ、何者なんですか?(笑)松也何者か分からないですし、奥さんをどうしちゃったの?って思うぐらい、何も分からない(笑)。田中そうですよね。芦田でも、私はこの結末、すごい好きで。本当にどうなっちゃうんだろう?ってハラハラしながら観ていたんですけど、途中からいろいろなエピソードが繋がって、あ~そう来たか!っていうラストシーンだったので、すごい楽しかった。「ゴジラはやっぱりカッコいい!」ってあらためて思うこともできたし、すごくいい終わり方だと思います。ゴジラにはそろそろ東京で暴れてもらいたい――ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』シリーズに登場した小栗旬さんはどんな風に映りましたか?松也友人の小栗さんがハリウッドの大作に出演されるというのは、それだけでも感慨深いものがありましたし、刺激を受けましたね。それこそゴジラが最初に海から登場して、次にそれを見守っている(小栗が演じた)芹沢蓮の顔がパッと映ったときに、「ウワッ、小栗旬だ!」って一観客として、すごくドキッとしたのを覚えています。小栗さんから、ハリウッド版の『GODZILLA ゴジラ』に参加しているという話は伺っていたんですよ。まさか自分がその作品にこういう形で関われるとは思っていなかったので、それも純粋に嬉しかったですね。田中芹沢蓮は、渡辺謙さんが前2作で演じた芹沢猪四郎博士役の息子じゃないですか。だから、相当なプレッシャーだったんじゃないかなって勝手に思っていて。長年のコアなファンがいる『ゴジラ』シリーズで、しかも芹沢博士の息子の役ということになると、恐らく小栗くんどうこう関係なく、いろいろ言う人もいると思います。だから、すごいところを任されたと言うか、すごい役を小栗くんは勝ち取ったと思いますよ。それに、最後の方のあのお芝居は相当大変ですよ。今までのカッコいい小栗旬とはまた違いますからね。――本作のアダム・ウィンガード監督は「シリーズが続くのであれば次も自分が監督をしたい」って言っているみたいですが、続編の制作が決まったらどんなことを期待しますか?監督にどんな注文しますか?田中『ゴジラ』は元々日本の映画なので、そろそろ東京で暴れてほしいですよね。あと、さっき話したジョシュのその後も気になるね。マディソンは相手にしてないんだろうけど、ジョシュは絶対にマディソンのことが好きだから。ふたりが東京に旅行に行って……みたいな展開にしたらいいんじゃないかな。芦田それ、いいですね(笑)。でも、私も東京に来てほしい。日本で大暴れしているゴジラをやっぱり見たいなっていう気持ちはありますね。松也バーニーも謎だらけ、続編をやるならそこも解明していただきたいほしいですけど、ゴジラが東京を襲撃するならば、それを例えばウルトラマンが阻止するとか、そういう何でもありみたいなものをハリウッドで作ってもらいたい(笑)。そういうのを観てみたいですね。――最後に。この映画と関係なく、皆さんはゴジラとコング、本当はどっちが強いと思っていますか?理由も教えてください。松也僕はどちらかと言うとコング派なんですけど、ゴジラは飛び道具がありますからね。放射熱線を出せてしまうから、強いのはゴジラかな?でも、コングも戦いの精神では全然ひけをとらないと思います。田中僕はゴジラですね。ゴジラが一番強い怪獣だって、子供の頃からそういう洗礼を受けて育っていますから。そこには理由はないですよ。それはもう、プロレスファンが「アントニオ猪木が一番強い!」って永遠に言っているのと同じ。理屈じゃないです。芦田私もやっぱりゴジラですね。さっきも言ったように、今回も絶対王者のゴジラをすごく感じたし、ゴジラがやっぱり王者だと思います。芦田愛菜さん、田中裕二さん、尾上松也さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント! ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=9e437328-839a-4dd6-864b-8847e9b9eee0&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。取材・文:イソガイマサト撮影:源賀津己(C)2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.『ゴジラvsコング』上映中
2021年07月14日歌舞伎俳優の尾上松也がこのほど、7月15日にスタートするYouTube配信番組『#マベりま SHOW』の収録に参加。ソニー・ピクチャーズが配給するマーベル作品『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(原題)』『モービウス』の最新情報を伝える番組で、大のマーベル好きを公言する松也が番組ホストを務める。初回収録後、取材に応じた。映画の最新情報を紹介するほか、作品に関わるゲストを招いてトークを展開していく不定期更新の特別番組。初回となる7月15日と次回の8月7日のゲストに『ヴェノム』で主人公エディ・ブロックの日本語版吹き替えを担当した声優の諏訪部順一、『スパイダーマン:ホームカミング』などで主人公ピーター・パーカーを演じた榎木淳弥の2人を迎える。ヴェノムは『スパイダーマン』に登場し最大の宿敵といわれるヴィラン。映画では対峙していないものの、2作品で主人公を演じる諏訪部と榎木の共演に、松也は終始興奮ぎみ。収録後「とっても楽しかった。マーベルファンとしてはお2人が同じ場所にいらっしゃるのが、もう激アツ!それだけで熱かったので今日はお仕事ってことを忘れてしまいました」と大喜びだった。松也がマーベル作品にハマるきっかけは、趣味の「フィギュア収集」で、「アメコミのフィギュアを集めている中でもっと知りたいと思い勉強していって、そこでどんどんマーベル作品を好きになっていきました」という。自宅には100を超えるアイテムがあり「レギュラーのフィギュアでも3万円くらいはかかってしまう。クオリティが高いのでコレクションする喜びはあるのですが、お金がかかってしまうんですよ」と語った。もしマーベル作品で声優を務めるなら、「ヒーローも演じてみたいけど、やはりヴィランにも興味があります」と意欲。「スパイダーマンで言うとゴブリンやエレクトロもまだ(トム・ホランド版)映画に出てきていない。まだ出てきていないということは、声優さんもまだ決まっていないということ。今日、せっかく諏訪部さんと榎木さんとお話できたので、ヴェノムとスパイダーマン両方に絡んでくるキングピンとかも演じてみたいですね。ボス的な感じのお役で、お二人の間に割って入りたい。そういう意味では今後の楽しみが増えます」と期待を寄せる。番組については「みなさんにマーベル作品に興味持ってもらいつつ、楽しく見ていただける番組にしたい。ヒーローにちなんだ遊びもできたらいいな」と意気込み。なお、番組には進行役として、AIスピーカー・チャラディスが登場しており、声はお笑いコンビ・オリエンタルラジオの藤森慎吾が担当する。チャラディスとのタッグは「もともと友達ですので意外にやりやすかったです(笑)。やはりいいパートナーがいてくださるといいですね、いいロボットですよ」とコンビネーションはばっちりだ。7月15日の初回では松也と藤森の息のあった掛け合いをみられるほか、諏訪部と榎木を迎えてのトークをアフレコ裏話、決められたキャラクター設定での早口言葉に挑戦するコーナーも実施。そして、2018年に公開された映画『ヴェノム』の続編となる『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の新ビジュアルが、番組内で解禁される。初回、第2回ともに17時スタート。
2021年07月14日声優の諏訪部順一と榎木淳弥がこのほど、7月15日にスタートする歌舞伎俳優の尾上松也がホストを務めるYouTube配信番組『#マベりま SHOW』の初回収録にゲストとして参加した。『#マベりま SHOW』はソニー・ピクチャーズが配給するマーベル作品の最新情報を紹介するほか、作品に関わるゲストを招いてトークを展開していく不定期更新の特別番組。初回と第2回のゲストとなる諏訪部と榎木は、ともにマーベル作品の日本語吹き替えを担当。諏訪部は映画『ヴェノム』の主人公エディ・ブロック、榎木は『スパイダーマン:ホームカミング』などで主人公ピーター・パーカーの吹き替えをそれぞれ担当している。人気キャラクターの吹き替え声優が初回ゲストとなり、芸能界きってのマーベルファンを公言する松也は「マーベルファンとしてお2人が同じ場所にいらっしゃることがもう激アツ」と興奮を隠せない。両作品の魅力について聞くと、「やはり『ヴェノム』はヴィランが主人公なのが面白いですね。勧善懲悪ストーリーではないところが。映画のヴェノムはとてもチャーミングですよね。エディと、彼に寄生したシンビオートとの掛け合いもコミカル。このままずっと離れないでほしい(笑)」と諏訪部。榎木は「スパイダーマンはまだ幼いヒーロー。最初はダメダメですけど、そこから挫折を経て成長しているところが感情移入しやすい。無敵じゃないところがいい」と語る。原作のコミックでは対峙しているものの、映画では関わりがないスパイダーマンとヴェノム。ファンのスクリーン共演を熱望する声は少なくない。諏訪部も「そもそもヴェノムはスパイダーマンの存在があったからこそ誕生したキャラクター。今後、映画のほうでも何かしら絡んでくることがあったら面白いですね」といい、榎木は「どちらにも感情移入しちゃっているので、戦ってどちらかが勝つのは見たくないなぁ…。なんとか共闘という形で」と期待を寄せた。『#マベりま SHOW』ではアフレコで意識していることや、吹き替えならではの苦労などもトーク。指定されたキャラクターで早口言葉に挑戦するバラエティコーナーも用意されている。また、2018年に公開された映画『ヴェノム』の続編となる『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の新ビジュアルが、番組内で発表となる。初回は7月15日、第2回は8月7日で、いずれも17時スタート。
2021年07月14日尾上右近撮影/吉岡竜紀「うれしかったですね。“待ってました!”って感じだったので」7月9日に幕が上がるミュージカル『衛生〜リズム&バキューム〜』。古田新太とともに主演を務めるのは、尾上右近だ。昭和33年、し尿汲み取り業者“諸星衛生”。社長の良夫(古田新太)&息子の大(尾上右近)は殺人すらいとわぬ経営方針でのし上がっていく……。「悪者をやってみたい思いはありました。かつ、胸が痛むような題材。お客さんに何か問題提起するような作品を、とかねてから思っていたので“ぜひ、やらせてください”とお受けしました」“生きること=悪いことをしてお金を稼ぐこと”。演じる大は、そんな英才教育を受けて育った息子だ。「罪悪感はなく、むしろ楽しいことをしている感覚のほうが強く。でも第2幕(昭和50年)になると大は成長し、稼ぐための悪が父親とは食い違っていく」地上波ではまず見かけない悪者っぷりは、1周まわってすがすがしいほど!「舞台ならではでしょうね。そして演じ手としてはたまらないですね(笑)。基本的には悪に憧れるって、人間どこか、プログラミングされてるようなところがあると思うんです。悪は自分にはないものだったり、封印しているもの。何か根にあるエネルギーのかたまりだと思うんです。だから、大は人々の憧れ的存在であるような、若々しくて勢いもある強くて悪いカッコいい男だと見ていただけたらうれしいですね」生でやる臨場感、そして客席の反応や嫌がる顔が何より楽しみだとニヤリ。「言葉はおかしいかもしれないですけど、心の交感が客席とできたらいいなと思っていますね。これは演劇の根源的なものだと思うんですけど、役者は舞台の上だけでお芝居をつくるわけじゃなくて。お客さんがいて初めてできるもの。それを含め、楽しい舞台にしたいと思っています」■歌舞伎と清元、ふたつにひとつ歌舞伎の伴奏音楽のひとつ、清元。その宗家に生まれる。「3歳のときに、曽祖父・六代目尾上菊五郎の『鏡獅子』という映像を見て、雷に打たれたような気持ちに。“これになりたい!”と一瞬で魅了されました。それが歌舞伎というジャンルのものという感覚もありませんでした」まずは日本舞踊の稽古が必要だとわかり、すぐに始めたという。「そのときに、“あなたのお父さんは歌舞伎の歌を歌う仕事だから、歌のお稽古も”と言われ、同時に始めました。そんな中で、ウチの父の従兄である十八代目の(中村)勘三郎おじさまが“舞台に出してみよう”と言ってくれて」7歳で初舞台を踏む。「100回の練習より1回の実践というか。このまま役者をやりたいと強く思いました。次、いつ舞台に出られるのかが最大の関心事で。もし“いい”と思ってもらえたら、また出られるんじゃないかという期待感。オファーをいただく日がいちばん幸せで、千穐楽が寂しい日。そんな感覚がずっとあって(笑)」周りの大人から“清元はどうするのか?”と尋ねられたときには戸惑ったという。「“えっ、役者やってたら清元できないんですか?”と。そういうものだと知ってからは、質問されるたびに返事に困る時期はありました」自分が継げなくても、何かしらの形で清元の責任を取れればいい。役者として清元を引っ張っていく存在になれれば。そんな思いが固まっていったという。「ずっと“ふたつにひとつ”と言われ続けてきたので、自分の発想にはなかったんですが、父が役者をやりながら清元を継ぐことを提案してくれて。師匠の(尾上)菊五郎おじさまは、自分の役者としての向き合い方を認めてくれたうえで、“清元もやっていい”とお許しをくださって。逆に役者としての自信がつきました」’18年に“清元栄寿太夫”を襲名。今では“歌舞伎界の新プリンス”と呼ばれ、役柄も年々大きく。一方で本作のようなミュージカルだけでなく、大河ドラマ『青天を衝け』では孝明天皇を好演中。10月公開の『燃えよ剣』では映画初出演を果たすなど、活躍のフィールドをどんどん広げている。「歌舞伎界の新プリンスですか?困ったものですよね、ありがたい(笑)。今回の『衛生』での役はそのイメージを払拭というか、混乱させることになると思うんですが、それはすごく大事なこと。“プリンスがこんなことやって!”と思われたら、逆にうれしい」歌舞伎は娯楽。そして、その歴史にはパンク精神が宿るものだと前置きし、「だから、人がやらないことや賛否両論あることを堂々とやる。それが、歌舞伎のプリンスなどと言っていただける自分こそ果たすべき本当の役目。きれいごとだけやっているイメージにはなりたくないし、“伝統を背負って歴史の中で生きてる人”にもなりたくないです」■理想の女性は“梨園の妻”とは真逆「20歳くらいから、ずーっと結婚願望があります。“タイミングさえ合えば”って言い続けて9年たってますけど(笑)」先月29歳に。家庭を持ちたくてしかたがない、と笑う。「子どもも欲しいし、DNAの循環みたいなものにすごく興味があって。自分をつくってくれた家族がいるということは、自分もまた家族をつくることへつなげたいって、すごく思っていて」どんな女性にパートナーになってほしい?「仕事して、自分の人生をちゃんと歩いている人がいいなと思いますね。自分も刺激を受けないと、尊敬できないだろうし。だから“梨園の妻”とは真逆というか。“奥さん業に徹します”っていうことじゃない気がしますね、自分にとっては」マツコ・デラックスもお気に入り「マツコさんに“可愛い”って言ってもらうの、本当に励みになるんですよね。不安になったとき、“大丈夫ですかね?”って聞くと、“あなたは可愛いから大丈夫”って言ってくれて。“ハイ!”ってなります(笑)」ミュージカル『衛生〜リズム&バキューム〜』【期日】東京=7/9〜7/25(TBS赤坂ACTシアター)、大阪=7/30〜8/1(オリックス劇場)、福岡=8/9〜8/11(久留米シティプラザ)【チケット】S席1万3500円、A席1万円(税込み、全席指定)発売中【問】キョードー東京0570-550-799(東京公演)【詳細】
2021年06月27日舞台『あいまい劇場 其の壱「あくと」』が11月20日(土)~12月5日(日)、東京EXシアター六本木にて上演されることが決定した。山崎育三郎と尾上松也、城田優の3名が2019年より3人の名前の頭文字をとって始動したプロジェクト「IMY」。これは彼らが2015年、ミュージカルでの競演を機に自分たちの感性によるオリジナル作品を製作したいという思いを共有したところから始まった。その舞台公演・第1弾となる本作でミュージカルやストレートプレイ、ひとり芝居など様々な舞台で大活躍中の成河が本舞台で初演出を手掛ける。脚本は『あたらしいエクスプロージョン』で第62回岸田國士戯曲賞を受賞し、テレビドラマ『あなたの番です』では、全話脚本を手掛け、今年は作・演出を務める『衛生』で初ミュージカルに挑戦するなど各方面から注目の福原充則。新しい挑戦をしたいというIMYからのオーダーに応えて3話を書き下ろしている。そして、もう1話を城田が初脚本にチャレンジし、全体は全4話のオムニバスとなった。音楽監督は、様々なミュージカルや舞台で演奏はもちろん、自身で作曲し楽曲提供も手掛ける桑原まこ。バンドメンバーと共に生演奏で舞台を彩る。出演は、IMYの熱烈オファーにより出演が実現したキムラ緑子と皆本麻帆。そして山崎が自身のドキュメント番組でNYに行き、現地のミュージカル校で出会った清水美依紗が抜擢されている。清水はディズニープリンセスにスポットを当てた世界的なプロジェクト「アルティメット・プリンセス・セレブレーション」の日本版テーマソングの歌手に起用されるなど、大注目のシンデレラガール。IMYの大抜擢により今作が初舞台となった。IMYの思いに共感してくれたクリエイターやキャストが集結し、創り出すオリジナル作品の続報に期待しよう。脚本:福原充則・コメント「人の想いに輪郭をつけて、他者がそれをなぞれるようにしたい」という考えでいつも脚本を書いてます。この“想い”は、僕自身のものだったり、身のまわりにいる友人達やノンフィクション本やドキュメンタリー番組で見た人達だったりするわけですが、今回はIMYのお三方という訳です。もちろん、詳しく“想い”を聞いたわけではないので、私が勝手に、この3人は「こんな想いを抱えてるんじゃないか」とか「こんな想いを昇華したがってるんじゃないか」とか「こんな想いは想像もせずに生きてきただろうから演じることで疑似体験して欲しい」とか、想像して書いた物語になります。また演出の“成河theどてらいマン”が、両手に燃えさかる松明を持って稽古場に君臨する姿を想像して、いいガソリンになれるようにと筆に力を込めました。お三方には、バカバカしさの中で、役者であることの意味を自らに問い直して欲しい。そしてお客さんの前に、改めて役者として屹立して欲しいと思っています。演出:成河・コメント3人から「演劇でもミュージカルでもない、新しいエンターテイメントを創ろう」と持ちかけられてからはや幾年。「新しい」というワードの持つ不確かさに当惑しながらも、チャレンジと実践を重んじる3人のエネルギーに圧倒されました。そしてある日僕はふと、福原さんの書く土の匂いのする世界で、この華やかな3人が泥まみれになって泳いでいる姿を見てみたい、と思うに至りました。福原さんには三本の短編を書いて頂きました。それ以外にもなんかごちゃ混ぜにして色々やる予定です。僕には勿体ないくらいの一流スタッフを揃えて頂きまして。もう逃げられません。自分が見たいと思えるものに正直に、皆さんの力を借りて、覚悟を決めて臨みたいと思います。「新しい」か「古い」かではなく「自分たちがいまやる意味」にたどり着けるように。そんな作品を目指して。頑張ります。音楽監督:桑原まこ・コメントはじめまして、桑原まこと申します。今回一緒に作品を創れることをとてもありがたく、幸せに思っております。少しずつ打ち合わせを重ねていく中、言葉の端々から、IMYでIMYを、愛を持って創り上げている熱量を感じています。こんなにかっこいい先輩方がいて、勇気をもらえます。私は舞台が大好きです。たくさんの夢を乗せた背中を見て、舞台の世界がこれからも盛り上がっていくことを願わずにはいられません。この作品での作曲の旅路は始まったばかりですが、挑戦する気持ちを忘れずに進んでいきたいです。劇場でお会いできる日を楽しみにしています。よろしくお願いいたします!IMY:山崎育三郎・尾上松也・城田優・コメント同世代の僕らは、6年前の舞台での共演をきっかけに意気投合し、この3人にしか作れないオリジナル作品の上演を目指し“lMY”を結成。人として、そして舞台に立つ役者として互いに信頼し合える関係を築きながら、その日を夢見て準備してきました。そして、この度ようやく記念すべきIMY初の”オリジナル作品”の上演を発表することが出来ました。「クリエイティブなチャレンジ」を一つのモットーとしている僕らの今回の挑戦の大きな目玉のひとつは、演出に、今作が演出家デビューとなる成河さんを迎えたこと。彼の誰よりも芝居を愛する熱い情熱は、必ずIMYと最高の化学反応を起こすことでしょう。脚本には、唯一無二の世界観を描き演出の成河さんからの信頼も厚い福原充則さんを。音楽にはミュージカル「いつか」で圧倒的な音楽センスと才能を見せてくれた桑原まこさんをお迎えし、個性豊かな才能溢れる最高のクリエイター陣が揃いました。さらに城田優も初めて脚本に挑戦させていただきます。出演者には、圧倒的な存在感を放つ大先輩のキムラ緑子さん。「いつか」にも出演しその確かな表現力で活躍中の皆本麻帆さん。そして、今作が舞台デビューとなる歌唱力抜群の期待の新人、清水美依紗さん。素晴らしい皆さんに参加して頂き、心から感謝しています。0から作品を作り上げることは容易ではありませんが、このカンパニーなら、これまで観たことのないような、IMYならではのバラエティ要素満載の最高のエンターテイメントをお届け出来ると確信しています。こんなご時世ではありますが、誰かの心に夢や希望をお届け出来るよう、精一杯製作、稽古に励んでまりいます。新たなIMYの冒険、是非楽しみにしていて下さい。IMYからチケットの説明今回、僕ら3人の考えで、さまざまな形でより多くの皆様にこの公演を楽しんでいただけるよう、SPセットやIMYシートをご用意させていただきました。席に限りはございますが、少しでもひとりひとりのお客様の満足度が上がれば幸いです。「SPセット」すでにIMYを知って下さっているお客様はもちろん、僕らのことをまだあまり知らない方でも楽しめるセットです。普段はなかなか見る事が出来ない“本番前の舞台の裏側”をお見せしちゃいます。IMYの共演者になった気持ちで特別なひと時を堪能していただければと思います。またささやかながら、ここでしか手に入らないプレゼントもご用意しました。「IMYシート」舞台やミュージカル等に“敷居が高い”と感じ、観劇を断念してきた若いお客様にも、もっと気楽に、そして身近に公演に参加していただきたく、気軽に劇場にお越しいただける金額でお席をご用意致しました。エンターテイメントに興味のある若者の皆様、是非この機会に劇場でしか味わえない“臨場感”を体感しに来て下さい。■公演情報『あいまい劇場 其の壱「あくと」』11月20日(土)~12月5日(日)会場:EXシアター六本木<チケット料金>(全席指定・税込)●SPセット(特典付きS席)20,000円特典内容:・開場前IMY3人のステージでの準備見学・公演プログラム・オリジナルグッズ●S席12,000円●A席9,800円●S席-U25 6,000円●A席-U25 4,900円●IMYシート(U18)1,500円※未就学児入場不可※SPセット:本開場より30分前頃にご集合予定。詳細は公演直前にご購入者様にご案内いたします。要身分証。※U25:25歳以下対象。当日引換券。要身分証。※U18:18歳以下対象。当日引換券。要身分証。※詳細は公式HP ( www.imytheater.com )へ。<チケット発売>オフィシャル最速先行(抽選):7月21日(水)10:00~8月1日(日)23:59チケットぴあ:
2021年06月22日歌舞伎界の若きプリンス中村壱太郎と尾上右近がコロナ禍において制作し、好評を博したオンライン公演「ART歌舞伎」を、映画化した『中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎 花のこゝろ』がポレポレ東中野での上映の反響を受け、6月4日(金)よりシネ・リーブル池袋にて上映されることが決定した。その後、全国順次公開予定となっている。これまでロシアやスペインなどでイベント上映され海外でも評価を受けてきた本作。この度、ファンタジア国際映画祭への参加も決定し、各界著名人からのコメントおよびコメント付き予告映像が公開された。ファンタジア国際映画祭は、カナダ・モントリオールで1996年から開催されているジャンル映画を対象とした映画祭。今年は8月の開催を予定しており、今回で25回目の開催となる。「北米最大のジャンル映画祭」を謳っており、クエンティン・タランティーノやギレルモ・デル・トロ、ジェームズ・ガンなど、多くの映画監督から支持されている。■『中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎 花のこゝろ』コメント付き予告<コメント>■紺野美沙子(女優)アート歌舞伎は小宇宙のよう。静けさの中に浮かびあがる濃密で甘美な世界。今だから、誘われたい。■阿部純子(女優)これこそART歌舞伎!お二人の攻めの姿勢に魅了され続けました。壱太郎監督、右近さん、贅沢な時間をありがとうございます!■九龍ジョー(ライター/編集者)繰り返しもたらされる高揚感に、芸能の未来と原初の光景を幻視した。闇夜に注ぐ雨音まで美しい。■上妻宏光(三味線奏者)懐かしさと最先端が融合された芸術世界。各分野のエキスパートだからこそ表現できた世界を堪能して欲しい。■松崎健夫(映画評論家)雨音が伴う陰影の中で舞う姿は、行雲流水な悠久の歴史と人の営みとを対比させる。奇しくもそれは、コロナ禍の不条理とも重なるのだ。■マーク・シリング(映画評論家)「ART歌舞伎」と聞き、単に歌舞伎の舞台を撮影した映像を想像している方々は、驚くべき新しい発見に出会える作品だ。若き歌舞伎俳優、中村壱太郎とコラボレーター達が創造したのは、伝統的な歌舞伎の技と美を素晴らしく斬新な装いで見せるエンターテイメント。実験的でありながら理解し易く、折衷的でありながら一貫性があり、日本の伝統舞台芸術家たちの集合体でありながらその意外な組み合わせは心に残る。「ART歌舞伎」が放つエネルギーとイマジネーションが、古いものと見慣れたものを新鮮な視点で楽しませてくれる。■ニコラ・アーシャンボウ(ファンタジア国際映画祭ディレクター)『心の癒しに「ART歌舞伎」を一服』コロナ禍で劇場が閉館している間に、若き歌舞伎俳優、中村壱太郎は俳優仲間とユニークなアーチストを集めて「ART歌舞伎」の制作を決めた。”舞と美と命”を題にしたパフォーマンスの映像は、見るものの心を捉える。美しい映像、エネルギッシュな音楽、目を見張るコスチュームで、中村壱太郎はこの困難な状況に希望と楽しみを与えてくれた。「ART歌舞伎」は何百年も続く伝統芸術を新たな視点で捉え、まるで日本庭園でロックコンサートを見ている気分にしてくれる。『中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎 花のこゝろ』6月4日(金)よりシネ・リーブル池袋にて公開
2021年06月04日中村隼人撮影/渡邊智裕「キャスト含めてパワーアップしています」BS時代劇『大富豪同心2』(5月28日スタート、NHKBSプレミアム・BS4K毎週金曜夜8時~)に主演する中村隼人。シーズン1は、江戸いちばんの豪商の御曹司・卯之吉が、ひょんなことから同心となり難事件を解決。2年ぶりの続編では卯之吉が、自分とうりふたつの幸千代をめぐる徳川将軍の後継者争いに巻き込まれていく。シーズン2では二役を演じ、前作にはなかった殺陣を披露している。「歌舞伎で二役は珍しくないですが、映像ではアプローチの仕方がまったく違いました。(市川)猿之助さんから舞台での二役は“性別が変わらないと面白くないよ”と教えられていて、女形で引っ込んで花道から立役(男性)が出てくる。またその逆もと、性別や見た目すべてが変わっているのでお客様も反応しやすい。今回は卯之吉が幸千代の替え玉になったりしますが、基本は同心の着物と髪型になっていることが多く見た目で差をつけるにも限界がある。そのため芝居の仕方を工夫しました。卯之吉は独特の間をあけて話すけど、幸千代は自信満々に間髪をいれずにしゃべる。相手からの受け答えのスピードや衣装の着方にもこだわっています」■放送を見た反応が気になります(笑)共演者には新川優愛、石井正則、渡辺いっけいら前作のメンバーに加えて、松本幸四郎、尾上松也のほか萬田久子、羽場裕一らが加入し、脇を固めている。なかでも歌舞伎俳優の大先輩との共演に感慨もひとしお。「幸四郎のお兄さんは、憧れの先輩でむちゃくちゃ大好きな方です。その方に、自分の主演作品に出演してもらえてうれしいです。22歳のときにラスベガスでの公演に誘っていただき、その際に立ち回りを一から教えていただきました」幸四郎が演じるのは幸千代に仕える老中役。「幸千代が“無礼者”と老中を叱り“申し訳ございませぬ”と平身低頭するシーンのカットがかかった瞬間、“隼人、わかっているのか”と刀に手をかけられたりしました(笑)。でも、あえてイジリをしてくださることで僕も力が抜けて、現場もいい雰囲気になり助けられました。歌舞伎でご一緒するときは気軽に話せる感じではありません。映像では違うスタンスをされていて、周りの方に“見てください”とPRして作品を盛り立ててくれる。(芝居や殺陣について)撮影現場では何もおっしゃらないので放送を見た後に何と言われるのか気になります(笑)」■お約束の気絶にも注目パパイヤ鈴木振り付けのエンディングダンスは見どころのひとつ。「出演者全員が踊っていますが、いちばん張り切って踊っているのは、(渡辺)いっけいさんと幸四郎さんです。本編が食われるくらいのクオリティーです。新型コロナウイルスの影響で撮影が延期になったりして悩んだこともありましたが、無事に撮影を終えることができほっとしています。現場での合言葉は“痛快娯楽時代劇ですから!”。コロナ禍での暗い世の中や嫌なことがあっても、笑って忘れられるような魅力的な作品。卯之吉は今回もお約束の気絶(その間に立ち回りが終了)をしますが、前回でレパートリーがなくなり、石井さんがぎっくり腰になって初めて気絶されたという話を聞いて参考にした気絶シーンもあるので、楽しみにしていてください」結婚が身近になりました!新シーズンでは卯之吉と女剣士・美鈴(新川優愛)との恋の行方も気になるが、自身の結婚観は?「新川さんも結婚され、歌舞伎界の先輩である坂東巳之助さんも結婚してお子さんも生まれた。いつか僕もとは思います。希望は30代でしたいかな。子どもの運動会でカッコよく走れるところを見せたいですからね。理想の相手?見た目が華やかな女性は、まぶしいので普通でいいです。集中するとひとりの時間が欲しいので、ほっておいてほしいタイプ。(高校時代の同級生で親友の)神木(隆之介)よりは先に結婚したいです!」卯之吉(左)と幸千代の2役を演じるBS時代劇『大富豪同心2』(5月28日スタート、NHKBSプレミアム・BS4K毎週金曜夜8時~)ヘアメイク/佐藤健行(happ’s)スタイリスト/石橋修一
2021年05月28日「ノムさんを私にください!」野村萬斎(55)に初めて会う前、そんなせりふを言って、萬斎の長女で昨春TBSに入社した野村彩也子アナ(23)を笑わせた尾上松也(36)。4月2日放送の『ぴったんこカン・カン』(TBS系)の一幕だ。バラエティ番組だから……ではなく、松也の思いは本気だという。「実はカメラの回っていないところで松也さんから彩也子さんに声をかけてLINEも交換済みと聞いています。“本当に交際を申し込むなら、まずはノムさんよりも萬斎さんに好かれなくては”と彩也子さんの目の前でスタッフに真剣に話していました」(番組関係者)松也と野村アナとの交流は昨年11月に放送された同番組内の企画「尾上松也の春夏秋冬ウマい店」から。MCを担当した松也のアシスタントが野村アナだった。「ニックネームがないという野村アナに、松也さんは『ノムさん』と命名。野村家では父親の萬斎さんと順番を合わせておかずを食べなければならないという厳格さの一例を聞き、松也さんも心から驚いていました」(TBS関係者)そんな松也が今春に萬斎と初共演。しかも、萬斎の自宅を訪ねる設定だった。「私、実家に男性を紹介したことがないんですよね」野村アナが松也に打ち明けると、「実家に連れていかれる初めての男ってわけだね……」松也も緊張を隠さなかった。「いざ萬斎さんが姿を現すと、松也さんは『初めまして……』と消え入るような声で挨拶。緊張はピークに達していました」(前出・TBS関係者)■「松也の母も妹も彼女との結婚を望んでいる」松也の家族も人間国宝一家である彼女との結婚を心から望んでいると話すのは、後援会関係者だ。「若旦那(松也)と野村アナとの縁組が本当に実現したら、後援会としてはこの上ない喜びです。若旦那は20歳でお父様を亡くして以来、16年間、後ろ盾なしに頑張ってきました。自主公演『挑む』を立ち上げ、今夏で10回目。これで最後と発表したのは、今後はもうワンランク上のステージを目指すということ。若旦那もすでにアラフォー。お母さまも妹さんも“結婚相手を真剣に見つけてほしい”と願っています。人間国宝を父に持つ野村萬斎さん一家との縁故ができれば、音羽屋にとって、まさに“理想の結婚相手”といえるでしょう」松也の父・尾上松助(享年59)は、先代の尾上松緑の弟子。松也は5歳で舞台デビューを飾ってはいるが、父親亡き後は自分が家長となり、20歳で父の3人の弟子の面倒まで見なければならなくなってしまった。松也自身、こんな苦悩を告白している。《僕は、家柄に関してコンプレックスというのがあって、楽屋にご自分の先祖の写真を飾っていらっしゃるのを見ると、すごく羨ましくもあり、嫉妬もありました》(『婦人公論』’21年2月24日号)一方の野村家は、狂言の名家として知られている。「一般的に伝統芸能のなかでも、武家社会で発展した狂言と、大衆演劇として発展した歌舞伎とでは、250年ほど歴史が古い狂言のほうが格式が高いといわれています。萬斎さんは長男に対しては師弟関係になるため、幼少期から厳しく育て、家でも敬語で会話。でも、彩也子さんのことは目に入れても痛くないほど溺愛しています。学生時代はねだられるとついつい買ってしまったり、留学したいという彼女の意思を尊重するなど、やりたいことはすべてやらせてきたそうです」(テレビ局関係者)■萬斎がいちばん気をもむ長女の“人間関係”狂言の舞台に立つことができない長女が自ら選んだアナウンサー職。萬斎は、彼女が出演する『あさチャン!』(TBS系)も早起きして毎朝見ているそうだ。「仕事で見られないときは録画してチェックしているそうです。毎日LINEで感想を送り、発声やイントネーションに細かくアドバイスしているそうです」(前出・テレビ局関係者)そんな萬斎がいちばん気をもんでいるのが、長女の“人間関係”。「家を出て一人暮らしを始めるようになった大学生時代は、夜11時には必ず自分に電話するように伝えていたそうです。やはり“悪い虫がつく”ことを懸念しているんでしょう。“変な男にはひっかからないように”と口酸っぱく言われて育ったそうです」(別のテレビ局関係者)萬斎も、長女と共演中の松也のことを気にはしているという。「野村アナがスタッフに『父から“松也さんとの仕事はどうだったか”と聞かれます』と話していたそうです」(前出・TBS関係者)4月の共演番組で、萬斎は最後に野村アナに対し、「まず自立をちゃんとする。一人で生きていける力を身に付けてほしい。そのうえでお互いに尊敬し合えるよいパートナーと巡り合えれば幸せだろうな」とメッセージを送った。共演者・松也には「末永くよろしくお願いします」と語っていたが……。■萬斎にとって、松也は長女の結婚相手対象外!?「本音を言えば、萬斎さんは現状、野村アナの交際相手として、松也さんは対象外だと考えていると思います」(前出・テレビ局関係者)その理由は――。「芸事を突き詰めてきた萬斎さんだからこそ、私生活が派手で“女遊びは芸のこやし”という考え方を持つ歌舞伎役者を認めていないところはあると思います。特に前田敦子さん、瀧本美織さんなど有名人と浮き名を流した松也さんとの交際をすんなりOKするとは到底思えません」(前出・テレビ局関係者)長女の未来を誰よりも願う萬斎には、松也は“戦慄の交際相手”のようだが、前出のTBS関係者は2人の今後に期待している。「松也さんが野村アナをとても気に入ってアタックしているのは間違いないでしょう。楽しい番組を作り上げていく過程で、弊局での新垣さんと星野さんのように“共演を機に結婚”はありえること。温かく見守っていく所存です」(前出・TBS関係者)また“電撃婚”カップルが誕生する日は来るのだろうか――。
2021年05月25日「ミヤさんを呼んできて」監督から指示され、走るスタッフ。その数分後、日の光に照らされながら公民館から現れたのは松本潤(37)。日傘をさそうとするスタッフに、松本は笑顔で「大丈夫!」と優しく断り、撮影場所まで颯爽と歩いていく。5月上旬のこの日、都内の下町エリアでは松本が主人公・深山大翔を演じる人気ドラマシリーズの映画『99.9‐刑事専門弁護士‐THE MOVIE(仮)』の撮影が行われていた。「弁護士役ということで難しい法律用語が頻出するのですが、松本さんは『懐かしい!』と楽しみながら役作りに励んでいるそうです」(映画関係者)映画化に際し、松本は映画の公式HPでこう意気込みを見せる。《先の見えない大変な日々が続いていますが、観てくれる人の笑顔を想像しながらスタッフ一丸となって真面目に楽しんで制作していきたいと思います!!》嵐が活動を休止してからあまり表舞台には姿を見せていなかったが、本格的に再始動した松本。“新たな代表作”の準備にも余念がないと、NHK関係者は言う。「主演を務める’23年放送の大河ドラマ『どうする家康』(NHK)の役作りとして一時は髭を伸ばし、親友の中村七之助さんや尾上松也さんに和服での所作などを教わっていたそうです」かつてないほど俳優業に邁進する松本だが、コロナ禍前には別の“未来予想図”もあったようだ。「嵐や後輩の演出も手掛けていた松本さんは、休止後にNYで演出の勉強をすることも考えていたそうですが、コロナ禍で断念。大河のオファーを発表直前まで悩んだのも、そのことが頭にあったからなのでしょう」(舞台関係者)そして、松本は“退路”を断つ決断を下したという。「嵐の休止中、松本さんは俳優活動に専念する考えでいるそうです。バラエティや情報番組を中心に活躍する櫻井翔さん(39)と相葉雅紀さん(38)など、それぞれのフィールドで奮闘するメンバーの姿から刺激を受け、『自分は俳優で天下を取る!』と決意したといいます」(前出・舞台関係者)「女性自身」2021年5月25日号 掲載
2021年05月12日歌舞伎俳優の市川猿之助と尾上右近が出演するキリン「本麒麟」のWEBムービー「本麒麟 × 伝統と革新を語る」と、オフショットを収めたメイキング映像が23日、公開された。市川が「乾杯したいあの人」として尾上を指名し、今回の対談が実現。2人は一緒にラスベガスへの旅行やお伊勢参りをするなどプライベートでも仲が良く、尾上が市川を「お兄さん」と呼んで慕うほどの関係だ。同ムービーは、尾上が手土産にフランス産のサラミと下鴨茶房の「きんぴらまぐろ」を持参し、和やかな雰囲気で始まった。歌舞伎についての話題では、市川が未来を担う若手役者として尾上に期待することや、これから起こしていきたい「革新」 について語り、最後には「愛がなければ何事も続かない」「歌舞伎役者って本当に真の深い愛情を持った人じゃないとできない」といった、歌舞伎愛あふれる濃密なトークに発展していく。市川は「右近君は初めて『本麒麟』を飲んだのですが、すっかり好きになってくれたみたいで、お招きした甲斐がありました。飲んだ後のリアクションに注目してください」と呼びかけ、尾上は今回の撮影で学んだ「三度注ぎ」について「お兄さんから教えていただいたので、家飲みの際には『三度注ぎ』で飲みたいと思います」と宣言した。
2021年04月23日