過去に入居者が亡くなった物件などは『事故物件』と呼ばれ、実際の相場よりも安く貸し出されています。そうした事故物件につきものなのが、心霊現象。もちろん、偶然や勘違いのひと言で片付けることもできますが、事故物件にまつわる心霊体験は後を絶ちません。これは、そんな事故物件から離れられずにいる幽霊と、そこに引っ越してきた少女のお話。悲しくもラストに温かな涙が流れる、爽(@sou_3634)さんの漫画『幽霊と幼女の話』をご紹介します。『幽霊と幼女の話』ひどい虐待を受けていた少女を、図らずも助けることになった幽霊。しかし、少女の母親は幽霊を怖がり、逃げ出したまま家に戻ってくることはありませんでした。突如始まった幽霊と少女の不思議な共同生活…しかし、少女はまだ幼く、ましてや生身の人間です。大人の助けをなくして生きていくことはできませんでした。命の危機に瀕している少女を目の当たりにし、幽霊がとった行動とは…そして、2人が迎えたラストとは。少女と同じ人生を歩んでいた幽霊幽霊と幼女の話 5/5 pic.twitter.com/eWciunrCFS — 爽(創作漫画描いてます) (@sou_3634) June 24, 2020 親からの虐待、学校でのいじめ、職場でのハラスメント…幽霊もまた、生前、つらい人生を歩んでいました。そしてついに、幽霊は自ら命を断っていたのです。そんな生前の自分の姿と少女を、幽霊は重ねて見ていたのかもしれません。幽霊のおかげで最悪の最期を迎えることなく、大人へと成長していった少女…そして生まれてきた娘は、黒髪が美しく、おままごとが好きな少女でした。もしかしたら、生まれてきた黒髪の少女は、あの日の幽霊の生まれ変わりなのかもしれません。つらい人生を歩んできた2人がつかんだ幸せなラスト。今度こそ、幸せな人生を送ってほしいと、漫画を読んだ多くの人が願ったはずです。爽さんのほかの作品はこちらから今回の『幽霊と幼女の話』以外にも、多くの作品を自身のTwitterで公開している爽さん。ぜひ、Twitterもご覧ください。Twitter:@sou_3634[文・構成/grape編集部]
2020年07月14日コンプレックスやジレンマなど、あなたの“自己肯定感”は、どんなことで揺らぐのか。潜在的に自信を持てていない要因について、心理テストを通じて掘り起こしてみましょう!あなたの“自己肯定感の揺らぎ”をチェック次の10個の設問で、4つの選択肢の中からもっともあなたの感覚に近い答えを選んでください。アルファベットごとに選んだ数を集計して、該当するタイプの診断結果へ。Q1. ひと言自己紹介、名前のほかに付け足すなら?a…仕事や専門分野、b…夢や目標、c…趣味や習い事、d…特技や最近あったことQ2. よく褒められるのは?a…引きの強さ、b…手際のよさ、c…センスのよさ、d…人のよさQ3. いつかやってみたいことを思い浮かべて。さて、なぜ、今やれないのでしょう?a…資金がないから、b…時期が悪いから、c…勢いがないから、d…勇気がないからQ4. あなたは、お店で試着中。店員の言葉に1つだけ、嘘が交じっているとしたら?a…「お似合いです」、b…「最後の一点です」、c…「おキレイです」、d…「人気で、すぐに品切れになります」Q5. 目上の方へ贈るなら?a…有名な品、b…珍しい品、c…話題の品、d…愛用の品Q6. 人の本音が聞けるのは?a…リビングルーム、b…二次会の席、c…パウダールーム、d…SNSQ7. 気分転換に有効なのは?a…食事や仮眠、b…ワークアウト、c…買い物、d…おしゃべりQ8. 今、旅行するなら?a…グループで、b…一人で、c…恋人と、d…ツアーでQ9. 女性がバッグの中で何かを探しています。さて、それは?a…お財布、b…スマホ、c…コスメ、d…家の鍵Q10. もし、人生をやり直せるなら?a…親選びから、b…学生時代から、c…成人してから、d…やり直さないどのアルファベットが一番多かった?aが一番多い…typeA、bが一番多い…typeB、cが一番多い…typeC、dが一番多い…typeD、その他の場合…typeE診断あなたの中にある弱点を克服すれば、自己肯定感がUP。いいことがあると、「自分ってすごい」と気持ちがアガり、うまくいかないと、「やっぱりダメだ」とストンとオチてしまう、これも自己肯定感の一つの側面です。ここでは、あなたにネガティブな変調をもたらす要素を探ってみましょう。自分のパターンをつかめれば、仮にダメージを受けたとしても回復が早いし、心の準備をしてショックを和らげることも可能となります。typeA:家庭環境・経歴生まれ育った環境や過去の自分が重いストッパーに!大人になるまでに得られなかったものが、あなたに暗い影を落としているようです。たとえば、親との関係、家柄や出自などで人との差を感じやすいでしょう。もっといい家に生まれれば、才能や適性を伸ばせる環境ならば…と、何かでつまずくたびに、原点返りをして落ち込む傾向がありそう。発想を変えて見れば、それはすごいこと。生まれや育ちという最初に配られたカードの割には、かなりいい勝負をしています。次のステップに進むことを過去が阻んでいるのなら、実績を積み、越えていけばいいだけのこと。マイナスからの逆転を狙ってみて。それだけの力を秘めているはずです。typeB:能力・スキルすごい人になりたいのになれないジレンマがループ!上には上がいる、あなたの中にはそんな人生観が見え隠れしています。優秀な人には勝てない、つまり、人間にはランクがあると考えてしまっているのです。敵いそうにない相手は、別世界の存在として祭り上げ、自分のフィールドと限界を決めて、小さな枠の中で戦いを繰り返しています。このため、物事がうまくいき勝負に勝てても、喜びが長く続きません。なぜなら、あなたはもっと上の世界があることを知っているからです。思い切って、狭い井戸の中から飛び出してみましょう。こてんぱんにやられて負け続きだったとしても、全戦全勝のときより自分を好きになれるはず。typeC:容姿・センス人は見た目だけじゃない!頭ではわかっているけれど。あなたの美意識は、暴走しやすいようです。自分のルックスにコンプレックスがあって、消極的になってしまったり、普段はそれほど気にしてなくても、大事な局面でキレイな人、カッコいい人には敵わないと感じたりしやすいでしょう。心の奥底で、美が成功の条件と刷り込まれているのです。コンプレックスを解消するために、メイクを研究したり、ダイエットに励んだり、自分を磨くのはいいことなのですが、しばしばゴールが見えなくなって、やりすぎてしまうのが心配。おしゃれや美容に気を配るとともに、中身も育てて。実力や人柄のよさで底上げされ、自信が育ちます。typeD:性格・思考望みは、脱・ダメな自分!欠点や短所は自覚済み。結局は自分次第だと、あなたはわかっているのです。何を幸せだと感じるか、不幸と受け止めるか、心の持ち方ひとつだと知っています。だから、迷わないように悩まないように気をつけています。それでも気持ちを切り替えられない、堂々巡りから抜けられないから、自信を失いやすいのです。もともと聡明な人ですから、短所は長所の表れだと知っているはず。ならば、弱みを強みに変えることも可能ですよね。決断力のなさは慎重さ、依存心の強さは柔軟性、などと置き換えて、プラス活用してみて。人生の核があなたの手の中に戻ってきて、気づいたら自信が回復しているでしょう。typeE:人間関係人とどう付き合えばいいのか、正解を求め続けて…。みんなが当たり前のようにこなせることが難しかったり、うまくできないあなたの中には、強いコンプレックスが隠れています。仕事上のコミュニケーションが苦手、友達が少ない、親友がいない、恋人ができない…。そもそも人を好きにならないなど、人付き合いで引け目を感じやすいようです。人とうまく付き合いたい気持ちはわかりますが、それはテクニックの話になってきます。小手先で如才なくふるまう人の薄っぺらさに、傷ついた経験もあるのでは?正解を探さず、真心で人と向き合いましょう。優しくて思いやりがあるあなただからこそ、迷いやためらいから抜けられるはず。テスト作成…章月綾乃さん心理テストクリエーター、占術研究家。ハルメクWeb、merにて、心理テストを配信中。ananweb「猫さま占い」、ginzamag「開運レター占い」など、占いの連載、著書多数。※『anan』2020年6月10日号より。イラスト・牛久保雅美(by anan編集部)
2020年06月05日2019年6月19日に公布された改正動物愛護法の一部が、2020年6月1日に施行されました。どのような点が改正されたのでしょうか。改正された内容の中から、いくつかをご紹介します。ペットの殺傷や虐待の厳罰化、『多頭飼育崩壊』なども虐待に殺傷、虐待の罰則が厳罰化ペットなどの愛護動物に暴行を加え、殺したり傷つけたりした者に対する罰則がより厳しくなりました。・愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者の罰則【改正前】2年以下の懲役または200万円以下の罰金【改正後】5年以下の懲役または500万円以下の罰金そのほかにも、虐待や遺棄した場合の罰則が、改正前は『罰金100万円』のみでしたが、改正後には『懲役1年または罰金100万円』となっています。『多頭飼育崩壊』など、著しく適正を欠いた密度での飼育も虐待に虐待については、詳しく内容が記されています。愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律ーより引用中でも、『飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること』の文から、多頭飼育で動物たちを衰弱させた場合も、虐待とみなされ罰せられることになったようです。また、虐待の恐れがある場合や、不適切な飼育によって近隣住民の生活環境が損なわれた場合についても改正されました。・虐待の恐れ、または不適切な飼育をする者、施設に対して【改正前】勧告や命令、任意の立ち入り検査が可能【改正後】勧告や命令に加え、指導や助言、立入検査が可能また、犬や猫の繁殖制限についても…。・犬または猫が繁殖してしまい適正に飼養できない場合【改正前】繁殖を防止するための生殖を不能にする手術そのほか措置に、努めなければならない【改正後】繁殖を防止するための生殖を不能にする手術そのほか措置に、講じなければならない『多頭飼育』し、動物を衰弱させている疑いのある人の家や施設に立入検査ができるようになりました。これにより、『多頭飼育崩壊』を防げる可能性が高くなることでしょう。虐待の疑いのある動物を診察した獣医師による通報を義務化虐待の疑いのある動物を診察した獣医師による通報についても、このように改正されています。・獣医師がみだりに傷つけられた疑いのある動物を診察した場合【改正前】通報するよう努める【改正後】遅延なく、通報しなければならない近年、ペットをいじめる様子をインターネット上に投稿する例も確認されており、相次ぐ悪質な虐待事件の早期発見と防止のための改正です。これらのほかにもさまざまな点が改正されました。気になった人は環境省のウェブサイトを確認してみてください。動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律改正動物愛護法について、ネットではさまざまな声があがっています。・こういう法律がなくても、ちゃんと愛情を持って飼うことが何より大事で、それが当たり前のはずなんだけどな。・やっぱり、殺傷や虐待に関する罰がまだ軽いなとも感じます。人も動物も同じだよ。ペットも家族。・まだ十分ではないけれど、大きな一歩だと思う。改正について称賛する声もある中で「まだまだ、改善してほしい点がある」という声も多く寄せられていました。これからも、動物と人間のよりよい関係を築いていくために、改善してほしい点については声をあげていきたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年06月02日現在パソコンで「片思いアプローチ」で検索をすると、所謂”モテテク”と呼ばれるテクニックの情報で溢れかえります。しかしこんなにたくさんある中で本当に効果があるのはなんだろう?と気になりますよね。そんなあなたに、今回は心理的効果《ウィンザー効果》を利用したアプローチ方法を伝授します。■《ウィンザー効果》とはそもそもウィンザー効果とはなんなのかを説明しますと、「直接言われるよりも第三者から間接的に言われたほうが信憑性や信頼性が増す」という心理的効果です。身近なところでこのウィンザー効果が使われているのが、「口コミ・レビュー」なんです。行ったレストランや美容院などのお店に対して評価をするものですが、実際お店が自ら「うちの店のごはんは美味しいよ!」というより、行った人が「ここのお店のごはん美味しかった!」と口コミで書いていたほうが信憑性高くないですか?それこそが、ウィンザー効果の力なのです。■恋愛に応用するのは意外と簡単ウィンザー効果の力がわかったところで、さっそくこの効果を恋愛に応用させましょう。簡潔に言うと、ウィンザー効果を使って貴方の好意、魅力を相手に伝えて自分のことを意識してもらうのです。その方法は簡単で、自分と自分の気になる人の共通の友人に協力してもらえばいいのです。ここでポイントが2点あります。1,極力さりげなく本人に伝えてもらう2,自分の評価ではなく、感想を伝えるそれではこの2点をそれぞれ解説していきます。1,極力さりげなく本人に伝えてもらうここで大事なのは、その共通の友人への信頼と友人の演技力。貴方の好意を遠回しながらも伝える仲介をしてくれる人なので、人選を失敗してしまうと不特定多数の人に言いふらされ、むしろ恋愛成就には遠回りになってしまう恐れも。そのためなるべく彼以外には言いふらさないと信じられる人、それでいてさりげなく伝えてくれる人がベストです。2,「自分への評価」ではなく、「彼への感想」を伝えてもらう好きな人に自分を意識してもらいたいとき、貴方はなにをアピールしますか?もちろん、「◎◎ちゃんって料理上手なんだよ」と伝えてもらってい女子力アピールをしてもいいのですが、わざとらしいと思われてしまったり、「へ~」で終わってしまう恐れもあります・・・。貴方に対しての評価は、間にはいる友人の主観が入っていると思われるかもしれないのです。そのため、ここでの《正解》は「◎◎ちゃんがかっこいいって言ってたよ」や「一緒に出掛けたら楽しそうだよねって言ってたよ」と伝えてもらうこと。貴方の彼に対しての感想は、間の友人が関与していない、“そう言っていたという事実"として受け取られるので、評価よりも信憑性が増すのです。アピールするなら賢く行うのが片思いを成就させる1番のポイント。評価は自然と中が深まっていく中で彼が彼目線でしてくれるので、自らアピールすべきは評価ではなく感想というのを頭に刻み込みましょう。■どんなタイミングが効果的?それでは実際、どんなタイミングでウィンザー効果を使えば効果的なのでしょうか?▽みんながいる集まりの最中「合コン中に友達から、『さっき✖✖ちゃんがお前のことかっこいいって言ってたよ』って言われてそこからずっとその子を意識してしまった・・・」(26歳/男性/営業)自分のことをよく思ってくれた女性が目の前にいる・・・その状況にドキドキしてしまう男性は多いようです。また自信がつくからか、そのあと彼から連絡先を聞いてくるなどアクションを起こしてくれることもあるみたい!▽ふとLINEが途切れた時「友達の紹介で知り合った子とのLINEがちょうど途切れちゃったとき、その子が俺とLINEするの楽しいって言ってたのを友人伝いに聞いて、すぐにその子とのLINE再開した(笑)」(22歳/男性/大学生)自分とのLINEを友達に話したくなるくらいに楽しんでくれているのは、誰しもが嬉しいですよね。それに、もっと連絡を取りたくなるはず。少なくとも、既読スルーや未読スルーはしにくくなるはずです。▽自分がいなかった集まりの後「体調悪くて行かなかった飲み会のあとに、『〇〇ちゃんがお前来てなくてすごい寂しがってたぞ』って言われて純粋に嬉しくなっちゃいました」(24歳/男性/商社)その場にいないことに気づいてくれるだけでなく、寂しがってくれるなんて・・・もしかして俺のこと好きなのかも?と思わせたら勝ちです。普段は他の人がいなくてもあまり寂しがる様子を見せない、という前準備があれば更に効果的。■まずは確実に意識させること好きな人と付き合いたいとき、友達から“気になる人”に昇格するのが第一関門。気になる人になってしまえば、貴方を意識して見ているぶん、様々なモテテクが通用しやすくなる状況が出来上がります。彼の周囲にいる"女友達"から抜け出すためにも、ウィンザー効果を試してみてください!(N a r u . /ライター)(ハウコレ編集部)
2020年05月23日17歳の少年が、祖父母を殺害した。実際に起きた衝撃的な事件に着想を得た大森立嗣監督作『MOTHER マザー』で、長澤まさみさんが破滅的な母親に挑戦。本作が俳優デビューの新星・奥平大兼さんにも注目です。――長澤さんが演じる秋子は、息子の周平を歪んだ愛で翻弄します。常識では理解できないこの母親を演じたいと思われた理由は?長澤:私は結婚もしていませんし、子供もいないので、いただいた脚本も母親ではなく、周平目線で読んでいたんですね。誰にとっても母親は、自分のバイブルみたいな存在であるなかで、親子の関係性をすごく考えさせられたし、この作品が他人事に感じられなくて。でも、演じていても複雑な気持ちでしたよ。秋子はずる賢さだけが成長したような人で、自分にはない感情ばかりだったので、毎日、これでよかったのかなという疑問しかなかったですね。――奥平さんは、初めてのオーディションで周平役に大抜擢ですね。奥平:最初、「受かったよ」とお母さんから聞いたんですけど、僕、その時、ゲームにすごい集中してて。何の話だかわからなくて。長澤:はははは(笑)。奥平:「やった!」というよりも驚きのほうが大きかったですし、いろいろ考えなくちゃいけない役なので、現場に入る前は不安で。正直、あんまりやりたくないなっていう気持ちだったんですけど、入ったらもう楽しくて!こういう作品だから、現場の空気も重いのかなと思っていたら、すごく明るかった。阿部(サダヲ/秋子の内縁の夫役)さんも面白いし、妹役の子もすごく元気で、「もう、撮影終わっちゃうの?」って感じでした(笑)。長澤:奥平くんは役のことをすごく考えて、自分の意見があって現場にいた。ベテランみたいでした。それに、監督が優しかったのもあるしね。奥平:優しかったです。長澤:奥平くんとの最初の撮影は、ラブホテルに家族3人で泊まっているシーン。奥平:僕に演技の経験がなかったので、セリフのないシーンから撮りました。それもあって、結構リラックスしてできたんです。長澤:みんなが作ってくれた環境に純粋に反応して、現場に入ることができていた、いい俳優さんですよね。――撮影の合間も、「お母さん」「周平」と呼び合っていたんですか。長澤:うーん、「長澤さん」だよね?奥平:そうですね。長澤:秋子と周平は親子だけど、恋人のようだったり、友達のようだったりと関係性がすごく複雑。だから、奥平くんは、“お母さん”として私に接してなかったんじゃないかな。奥平:確かに、あんまり“お母さん”という感じでは話してなかったですね。でも、気持ち的にはすごく“お母さん”でした。長澤:だった?そうか…。私は、子供時代の周平との時間も長くて。虐待の中にも何かしらの信頼関係がある彼との距離感が難しかったんですね。でも、周平が大きくなると、もう少し、対等になる。秋子も、わがままを言いながら、どこかで周平に頼ってると感じる瞬間もあったり。不思議な関係なので、私自身も成長してからの周平に寄り掛かっていた感覚がありました。奥平:周平は母親に命じられることを仕方なくやってるように見えるかもしれないけど、お母さんのことは好きだし、一番デカい存在なんですよね。子供の頃の周平も普通じゃ考えられない経験ばかりしてますけど、成長した周平もお母さんや妹を支えなくちゃいけないという使命感が、ちっちゃい頃の周平よりはあった。やっぱり妹の存在も大きかったです。ながさわ・まさみ1987年6月3日生まれ。静岡県出身。2000年にスクリーンデビューし、コメディからシリアスまで幅広い作品で活躍。『コンフィデンスマンJP プリンセス編』が待機中。ワンピース¥82,000(ティビ/ユニット&ゲスト TEL:03・5725・1160)シューズ¥72,000(クレジュリー/ヒラオインク TEL:03・5771・8809)リング、人差し指¥14,000中指¥21,000(共にマリア ブラック/ショールーム セッション TEL:03・5464・9975)おくだいら・だいけん2003年9月20日生まれ。東京都出身。初めてのオーディションで大抜擢され、本作で俳優デビュー。空手初段で、2012年に全国武道空手道交流大会「形」で優勝。ニット¥18,000パンツ¥28,000(共にウル/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)その他はスタイリスト私物『MOTHER マザー』シングルマザーの秋子から、自分に忠実であることを強いられ続けた周平。母と息子のいびつな絆が、やがて周平を祖父母殺害へ向かわせる。監督/大森立嗣出演/長澤まさみ、阿部サダヲ、奥平大兼ほか今夏、TOHOシネマズほか全国公開。※『anan』2020年5月27日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)スタイリスト・木村真紀(長澤さん)伊藤省吾(sitor/奥平さん) ヘア&メイク・小澤麻衣(mod’s hair/長澤さん)永瀬多壱(VANITES/奥平さん)取材、文・杉谷伸子(by anan編集部)
2020年05月22日心理学的に見た場合、危機的状況に陥ると、多くの人はパートナーを求める傾向があるといいます。新型コロナの影響で、まさに危機的状況に陥っている昨今。男性の心理は、どんなふうに変化するのでしょうか。■ 「いつでも会える」が変化人は当たり前にあるものには、ありがたみを感じにくくなります。あるのが当然になってしまうと、なくなることが想像できないからでしょう。しかし現在は、まさにその「当然」がなくなった状況。職場やサークルなど、そこに行きさえすれば会えていた人に、会えなくなる体験をしたことで、「会いたい人には会いに行かなければ会えない」と強く実感したはず。人とのつながりに意識が向いている今だからこそ、あらためて出会いを大切にしたい、と考えている男性が多くなると思います。もしあなたが彼にとって、「いつでも会える」存在だったとしたら……あなたへの見方も変わっているかもしれません。■ 人のぬくもりに感謝危機的状況になると、人はさまざまな行動に出ます。批判ばかりする人もいれば、不安をあおる人もいて、人間のイヤな部分を見る機会も、おのずと増えてしまいます。ただ、こんな時期だからこそ、自分を気にかけてくれる人の存在や、助けてくれる人の存在を大切にしたいとも思うはず。彼のことを大切に思っているなら、その気持ちをぜひ彼に伝えてあげてください。彼の不安もきっと軽減するはずですよ。■ 不安から人恋しくなるたくさんの情報が行き交い、日々新型コロナのニュースが流れ、どれだけ気丈に振舞っていても、やはり不安は蓄積していくもの。自分の生活や人生について改めて考え、良くない未来を想像するなどして、新たな不安を生んでしまうこともあるかもしれません。その不安が、人恋しさを誘発するのでしょう。男性だって甘えたくなったり、寂しくなったりする瞬間があります。特に独り身の男性なら、なおさらのこと。ぜひそんな彼の癒やしになってあげてはいかがでしょうか。■ 本当の優しさを求める買い占めや身勝手な行動など、緊急事態はその人の「本来の人間性」が見えるもの。表面的な付き合いでは見えてこなかった、もしくは見る必要がなかったために、上辺だけに惑わされていた人も、ふと「本当の優しさとはなにか」を考える機会が増えたのではないでしょうか。そんな中で本当に自分のことを心配してくれたり、心から思いやってくれたりすると、彼は救われたような気持ちになると思います。■ おわりに変化した男性心理を知るといっても、弱みにつけこんで落とそうという作戦ではありません。世界中が混とんとした状態で、誰もが不安だからこそ、彼の心が今何を求めているのかを知っておくと、あなたにとっても彼にとっても、いい関係を築くことができるのです。危機的状況だからこそ、彼の不安を受け止めてあげられるといいですね。(矢島 みさえ/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年05月03日2018年4月、1匹の猫を家族として迎え入れた、天道グミ(@kawakimon)さん。出会いは保護猫カフェで、天道さんはその猫の人懐っこい姿を見て、引き取ることを即決したといいます。しかし、引き取った猫はほかの猫とは違う点が1つだけありました。それは、前脚が1本ないということ。これは、そんな3本脚の猫を天道さんが正式に家族に迎え入れるまでの1週間を描いた物語。天道さんによる『3本足の猫がうちの子になるまで』をご紹介します。3本足の猫がうちの子になるまで⑪ pic.twitter.com/dAipzhEOaB — 天道グミ (@kawakimon) April 23, 2020 人間の虐待により前脚を失ったにもかかわらず、猫は人間を怖がるそぶりは見せませんでした。むしろ、どこに行くにもついてきて、一緒に寝たり、お尻をさわらせてきたりと人懐っこく、そのかわいらしさに天道さんは猫への愛情が深まっていくのを感じます。そして1週間後、お試し期間を経て、正式に猫を引き取ることを決めた天道さん。猫は、以前、決心がつかず飼ってあげられなかった野良猫の名前である『あさり』にちなみ、『しじみ』と名付けられ、今も天道さんの元で元気に暮らしています。3本脚というハンデを微塵も感じさせない、しじみちゃん。それはきっと、新たな飼い主である天道さんが毎日たっぷり愛情をそそいで育てているからなのでしょう。これからは天道さんのそばで、幸せいっぱいな毎日を過ごしてほしいですね。また、2020年4月24日に発売したエッセイ漫画『3本足のしじみちゃん』でも、天道さんとしじみちゃんのエピソードを楽しむことができます。ぜひこちらもご覧ください。応援してくださる皆様のおかげで「3本足のしじみちゃん」でます本当にありがとうございます☺️書き下ろしもたくさん描きました。おうち時間のお供にしじみのかわいさを是非4月24日発売↓ #3本足のしじみちゃん — 天道グミ (@kawakimon) April 23, 2020 [文・構成/grape編集部]
2020年04月24日お笑い芸人の若井おさむ(47)が4月21日、「婦人公論.jp」で家族から虐待を受けていたと告白した。その壮絶な過去に共感する声が相次いでいる。同サイトによると若井は子供の頃、母親を中心に家族から暴力を振るわれていた。大人になったある日、父は虐待について「全部母さんに言われてやったことなんや」と発言。しかし、若井は信じられなかった。そんな父は離婚を決意した途端に自殺。葬儀で母が「心臓発作で死にました」と話したため、「母と縁を切る」と親戚に話したところ「血が繋がっているのだから」と諭された。絶望し死に場所を探しひとり旅をしたが、ひょんな事がキッカケで芸人に。そして5年前、久々に母親と再会したが、彼女が兄や再婚相手の自慢話ばかりをしたため「ホントにプツンと縁が切れた」という。若井は「こんな母親でも、殺せば僕が罪人になる。自分の人生を台無しにしてしまう」「自分の人生を、親への憎しみのために失うわけにはいかんのですよ」とも語っている。若井の告白は、芸人たちの間でも話題となっている。エハラマサヒロ(37)はTwitterで《数少ない同期芸人。僕らは昔から知ってたけどここまでセキララに話すんやと思ってビックリした。子供の生い立ちについて考えさせられる全部リアル話です》とコメント。またサンキュータツオ(43)は《親を手にかけずに済んだというのは、マジで共感するところだ》とし、《同世代の人が親を殺めたとか、逆に殺されそうだから子を殺したという話を聞くたびに、親世代の価値観の押しつけを考える》とつづっている。さらにネットでは、虐待を受けて育った人たちから共感の声がこう上がっている。《私も同じような境遇でした。私の場合は死人は出てないので、人を許すという選択に至りました。許すというか、自分で自分の気持ちを丸め込み押さえ込み蓋をして生きてます。家族ってある時から病のようなものに変わるときもあります》《私も家族と縁を切っているが、この「家族と縁を切ったからこその幸せ」を理解してくれない人が多くて困る。善意という名の興味本位で勝手に根掘り葉掘り聞いておいて、でも血が繋がった家族なんだから…とか》《若井さん同様、こういう辛い半生だったからこそ、残りはうんとうんと幸せに生きなきゃ!と思います》また《こんな壮絶な人生を背負って「親父にもぶたれたことないのに」ってセリフ言ってたのか 言葉が詰まる》《人生を失わなかったのだから、幸せに生きてほしい》と若井へのエールも上がっている。多くの人たちに見守られながら、若井はこれからを歩むことになりそうだ。
2020年04月22日栗原心愛さん(享年10)を虐待し死亡させたとして傷害致死罪などに問われた父・勇一郎被告(42)に3月19日、懲役16年の判決が言い渡された。昨年1月、千葉県野田市にあるアパートの浴室で死亡した心愛さん。各メディアによると発見されたとき体に複数のアザがあり、胃にはほとんど内容物がなかったという。また公判では勇一郎被告の携帯電話に残された、心愛さんの苦しむ様子が撮影された動画も公開。裁判長は「尋常では考えられないほど陰湿で凄惨な虐待だ」と非難したという。「勇一郎被告は後悔を口にしてはいるものの、虐待については大半を否認していました。しかし、裁判長は『客観的な状況と整合しない』と一蹴したのです。また有罪判決ではありますが、懲役刑だと勇一郎被告がいずれ出所するということ。更生プログラムも含めて、今後の課題は山積みといえるでしょう」(NPO関係者)19年6月、勇一郎被告の妻であるなぎさ被告も傷害幇助の罪で懲役2年6カ月・保護観察付き執行猶予5年が言い渡されている。各メディアによると心愛さんに食事を与えず、勇一郎被告の虐待を認識しながらも静止しなかったとされるなぎさ被告。「夫に怒られると思った」などと証言したという。「勇一郎被告の暴力を見続けたため、なぎさ被告はストレスで正常な判断ができなかったといわれています。彼女は『娘が暴力を受けることで、自分が暴力を受けなくても済むと思った』とも明かしていました。彼女にはもう1人、子どもがいます。母としての責務を全うするためにも、トラウマ回復のプログラムを受ける必要があります」(前出・NPO関係者)また児童相談所には、その判断の適性を問う声が上がっている。各メディアによると心愛さんが「お父さんにぼう力を受けています」とアンケート用紙に書いたところ、柏児童相談所は彼女を一時保護。しかし勇一郎被告が「お父さんに叩かれたというのは嘘」などと書かれた心愛さんの手紙を持って現れたため、児童相談所は心愛さんを自宅に戻す判断をしたという。「相談所側は手紙について『父親に書かされている可能性が高いと認識していた』と明かしました。しかし相談所はその名の通り、あくまで相談がメイン。強い権限はなく、児童福祉司が虐待に関する専門的な知識を持っていないケースもあります。人手不足も深刻ななか、虐待の通報が年々増加。そのため、現場は疲弊しています。専門性を高めるような方針を打ち出すなど、そのあり方を検討すべきかもしれません」(全国紙記者)
2020年03月20日交際が始まってデートを重ねても、まだまだ緊張感が抜けないというか、毎回初デートみたいな感じで素が出せないとなると、心理的距離は遠いですよね。心の距離って、毎日のLINEをしたり、体の関係になったからといって、単純に距離が縮まるものではありません。交際を重ね、ふとした時に「あ、距離縮まった!」と感じるものでしょう。そこで今回は、心理的距離が近づいてきているな、と実感する出来事をご紹介します。■ 一緒に家で夕飯を食べている時「デートで外食ではなく、私の家でテレビを観つつ手作りのご飯を食べてお喋りしている時に、距離が縮まった気がした。外食も楽しいけど、やっぱりどこか他人感があって。家を行き来するようになる、かつ一緒に手作りご飯は温かくていいね」(30代・女性)相手のプライベートに入れた時に、物理的にもですが心理的にも近づいたな!と思いますよね。■ 二人だけに通じる言葉がある「二人だけに通じるジョークや言葉ができ、その言葉だけで笑えると関係も少し進んだなと。付き合い始めて徐々に二人だけの言葉ができていくのが私なりの心理的距離のバロメーター」(20代・女性)会話を重ねると徐々に二人だけの言葉ができて、その一言で感情がシェアできることも。浅い関係では、そういうのはないですからね。■ 合鍵を渡された「付き合って4ヶ月くらい経った頃に彼が引越しをして、それを機に合鍵をもらった。びっくりしたけど、私のことを信用してくれているんだなと有り難く鍵をいただいだ」(30代・女性)関係性次第では鍵をもらって重く感じることもありますが、真剣に彼女を想っている、信頼しているからこそ、自分の家の鍵を渡せるというものでしょう。■ 彼が私の家で「大」をした「彼氏が徐々にだらしない姿を見せてくれるようになるのが、心を許してくれている感じがして嬉しい。過去、彼が私の部屋に泊まりに来た際に、彼がトイレで「大」をしたのが謎にホッとした。正直、気にせず「大」もできる関係じゃないと、相手に心を開いているとは言えない気が」(20代・女性)恥ずかしさもさらけ出せる関係になれたら付き合うのもラクだし、精神的な繋がりの強さを感じたりしますよね。■ すっぴんを見せる回数が多くなった「交際当初はできる限りすっぴんを見せない努力をするけど、お泊まりをするようになったら、徐々にすっぴんを見せるのも平気に。で、彼氏にも『家にいるときくらい、すっぴんでいいんじゃない?』と言われた時に、無理に飾らない、肩肘張らない関係になれたのかな?」(30代・女性)好きな人にすっぴんを見せる瞬間ってなかなか緊張するもの。でも、平気ですっぴんを見せられる、かつ彼にも「すっぴんでいいよ」的なことを言ってもらえたら、変な緊張感もなくなりますよね。■ 心理的距離が縮まるには時間がかかる物理的距離が縮まっても、心理的距離が遠いんじゃ、一緒にいても遠く感じますよね。焦って距離を縮めようとするのもアレですが、デートも重ねていけば、ご紹介したような場面がきっと出てくるはず。その時に彼との心の繋がりの強さを感じることができるでしょう。(美佳/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年02月13日1歳半をすぎると、徐々に言葉が増えてきてかわいい盛り。ところが、わが家の長男が最近習得した言葉で大変困っているものがあります。それはズバリ「いたいよー!」。二言目には「いたい」と叫ぶので、虐待だと思われないか、いつも心配になります。 お風呂場でも「いたいよー!」お風呂場に入ったとたん「いたいよー!」が始まります。いつもお風呂場の窓を開け放っているので、間違いなく声は外にダダ漏れ。「お風呂場で痛いこと+子どもに熱湯でもかけている?=虐待」と思われそうで不安です。 「はー、始まった……」と思いつつ、長男に向けてというよりは、外を通る未知なる人物に向けて「いたくないでしょお~。あったかくて気持ちいいよねえ~。きれいきれいしようねえ~」と大声で話しかけ、「虐待していませんアピール」をする日々です。 ママの姿が見えなくなった途端にトイレや洗濯干しでママの姿が見えなくなると、とたんに絶叫が始まります。「ママーっ!!」と見つけるまで大声で叫び、最近覚えた「ねーどこー!?」に続きます。 外に聞こえるほどの大声なので、ご近所さんに「幼児を置き去りにして親が外出している+育児放棄=虐待」と思われるのではと気が気ではありません。私の返事が息子に届かないものなら、「いたいよーう! いたーい!」と習得した言葉が始まります。 きょうだいとのやりとりでも「いたいよー!」長女とおもちゃで遊んでいて、取り合いになると「いたいよー!」が始まります。長女が手をあげた形跡はないのですが、「いたい」を繰り返します。食事中もエプロンをつけると「いたいよー!」、苦手な野菜を食べさせようとすると「いったいよー!」です。歯磨きはもちろん断固拒否。無理に磨くと「いったーいーっ!」。 こんなに連呼されると、「あの家では子どもが1日中痛い目に合っている=虐待」と思われても無理ないレベルです。 「いたい」という言葉を発したときの家族の反応から「注目が集まる」ということを覚えたのかもしれませんが、なかなか厄介な言葉です。しばらくはこちらも大声で「虐待していませんからアピール」を外に向けて続けていかなくてはならなさそうです。みなさんのご家庭でもそんな「困った」はありませんか? 監修/助産師REIKO著者:伊川 遥女の子と男の子の二児の母。家事や子育てのかたわら、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味は読書、音楽、料理、ボルダリング、絵を描くこと。
2020年02月07日気になる彼に近づきたいからといって「打算的」「戦略的」にはなりたくない、でもだからといってノープランで挑むのも怖い……。そんなあなたに使って欲しいのが「心理学の知識」。いつもの自分、普段通りの自分にちょっと工夫をするだけで、驚くほど自分のプロデュースがうまくいきます。少しだけ「心理学」の助けを借りて彼との距離を縮めてみませんか?■ 単純接触効果「単純接触効果」とは、接触回数や頻度が多いものに、好感を持ちやすいという傾向のこと。人は「知らないもの」を警戒しますが、なんども目にしているものに対しては、脳が「知っているもの」と認識するので、親近感が湧いて、警戒心が解けると考えられています。これは、恋愛にも使いやすいのが特徴。例えば、好きな人や気になる人には、長い時間で1回会うよりも、毎朝3分でも顔を合わせているほうが効果的ということなんです。直接会うのが難しければ、メールやLINEでの「接触」もOK。SNSへリアクションをするのもいいですね。ただしその「接触」の中で注意したいのが、悪い印象を与えてしまうこと。逆方向にも、同じだけの効果を与えてしまいかねません。短い接触の中では、笑顔を心がけたり、明るい声であいさつをしたり、「ポジティブ」な印象を抱いてもらえるようにすると良さそうです。■ ベンジャミン・フランクリン効果「ベンジャミン・フランクリン効果」とは、「助けた相手のことを好意的に思う」ことを言います。もっとわかやすく言うと、頭の中で、「自分はこの人に対して『親切にした』、ということは、『それなりに好意をもっている』んだ」と思う(思い込む)こと。これを利用した作戦として、たとえばですが、相手が「NO」と言いづらいような、ちょっとしたお願いをしてみるというものがあります。「ちょっとこれ持って」「これ見て簡単な感想くれない?」など……。彼に「助けてもらった」という状況を作っておくと、彼の中であなたは「(自分が)手伝って(助けて)あげた人」ということになるでしょう。次第に、彼の中でのあなたの印象も、良い方向に変化しやすくなっていくのです。■ イエスセット「イエスセット」とは「イエス」を3回言うと、次は「ノー」といいづらくなる法則のこと。人には自分の行動や発言、態度などを「一貫させたい」という気持ちがありますので、なんども同意していると、次も同意しやすくなるのです。たとえば、いきなり「今夜飲みに行きませんか?」と誘うと、相手はかまえてしまうでしょう。しかし、「今日暑いですね」「ビール飲みたくなりますよね」「一杯目はビール派ですか?」と聞いて、3回とも「イエス」と答えてもらえたら……。そのあと「今夜飲みに行きませんか?」というと、OKしてもらいやすくなるのです。また「なんども同意している」という前提があるので「この子と気が合う」と思ってもらえる効果もあるよう。使って損はない「イエスセット」をためしてみてはどうでしょうか?■ おわりにカンのいい方はお気づきかもしれませんが、こういった「心理学のテクニック」の効果は一時的なもの。あくまでも彼に近づく「きっかけ」としてお使いください。乱用は禁物です。きっかけをつかんだ後は、しっかりと相手の話に耳を傾け、心を通じ合わせられるよう、気持ちを通わせていきましょう。(矢島 みさえ/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年01月08日一般的に、女子は男子に比べ感情的だと思われがちですが、恋愛の重要な局面においては、緊張や駆け引きをしなければ…といった心理から“頭でっかち”つまり頭で物ごとを考えてしまうことも。それが良い方向に作用することもありますが、物ごとをややこしくする場合も少なくありません。あなたはどれくらい頭でっかちになりがちなのでしょう。そこで今回は、あなたの「恋の頭でっかち度」を診断いたします。■ Q.あなたが告白されるときに、イラッとくるのは次のうちどれですか?A. メールで簡単に告白B. その場で強引に返事を聞くC. チャラい口調で口説くD. 言いまわり方がくどいあなたはどれを選びましたか?さっそく結果を見てみましょう。【この心理テストで分かること】「恋の頭でっかち度」深層心理において“告白の仕方”は、あなた自身が男性に対する期待を暗示します。そして、イラッとする不快な告白は、あなたの理想が裏切られたときの反応や対応を意味するもの。そのため、イラッとする告白の仕方によって、あなたがどれだけ頭で恋を考えてしまうか、つまり恋の頭でっかち度が分かるのです。■ A「メールで簡単に告白」を選んだあなた…恋の頭でっかち度30%あなたは、こだわりなく物ごとにそこまで執着しないサラリとしたタイプ。そのため、好きなものは好き!と自分なりの価値感を持っていると言えます。頭で物ごとを考えるよりも、身体が先に動くので、あまり恋愛において空回りすることはないでしょう。ただ、相手の気持ちを深読みしないのはいいのですが、相手の心の奥底の本音を見抜くのは得意ではないかも。少し相手の感情にも思いを馳せてみると、さらに恋を謳歌できそう。■ B「その場で強引に返事を聞く」を選んだあなた…恋の頭でっかち度60%あなたは、気になる男子が現れても絶対に自分からは誘わないはず。なぜなら、相手から嫌われたらどうしよう…と考えすぎて、知らず知らずのうちに頭でっかちになってしまうからです。本当はうまくいくはずの恋を、自分でなかったことにしてしまうことも、少なくないと言えます。確かに、相手からのアプローチを待つのは傷きません。でも、もしもあなたから一歩踏み込むことができれば、そこに幸せが待っているケースもあるはずです。■ C「チャラい口調で口説く」を選んだあなた…恋の頭でっかち度85%あなたは、本来とても魅力的なはずなのに、自分に自信が持てず何でもネガティブに考え込んでしまう傾向があるようです。思い悩んでしまい、彼からの行動や言動のひとつひとつに意味があるのでは、とがんじがらめになってしまうようです。人間は自分が思っているほど、他人のことを気にしてはいません。ありのままのあなたでも十分愛されるのです。ときには考えることをストップして、心のままに恋をしてみましょう。■ D「言いまわり方がくどい」を選んだあなたは…恋の頭でっかち度45%あなたは、自分に対して自信があり、男性の好意を当たり前と受け止めてしまうところが。そのため、彼のなにげない行動を「私に気があるんだわ」と誤解してしまうことも少なくないかも。確かに、恋においては自信は最大の武器になりえます。ただ、自分に都合のいいように解釈をし過ぎると、手痛いしっぺ返しを食らう場合もあります。頭の中であれこれと考えず、客観的に自分や相手をみつめる余裕を持ちましょう。■ おわりに自然体であればうまくいくはずだったのに、頭で物ごとを考えてしまった結果、手をかけすぎてダメにしてしまうことも少なくありません。恋愛は、頑張り過ぎても頑張らなさ過ぎても上手くいかないもの。本当に大切な恋なら、頭で考えすぎずに心のおもむくままにアクションを起こした方が、後悔ないかもしれません。(脇田尚揮/占い・心理テストクリエーター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2019年12月19日米フロリダ州のとある家庭で、住み込みで働いていたベビーシッターの女が、雇い主の子どもを性的虐待した罪で禁固20年を言い渡された。地元紙「Tampa Bay Times」が報じている。マリッサ・モウリー(28)がナディーン・キャンベルさん宅で住み込みのシッターとして働くようになったのは20歳のとき。キャンベル家はモウリーを娘のように温かく迎えたという。当時9歳前後だったキャンベル家の男の子が11歳になるころ、モウリーは本性を現す。性的虐待が始まったのだ。やがてモウリーは妊娠。雇い主はボーイフレンドとの間にできた子どもだと思い、彼女をいたわっていたという。2014年10月にモウリーは男児を出産。その後も性的虐待は男の子が14歳になるまで続いた。現在、被害を受けた男の子は17歳。5歳になる息子を育てながら高校に通っている。そう、モウリーが産んだのは被害を受けた男の子の子どもだったのだ。彼が生物学上の父親であることはDNA鑑定の結果からも明かだ。2017年に、キャンベルさんは息子に被害を打ち明けられ、警察に相談。キャンベル家を辞め、ウェイトレスとして働いていたモウリーは未成年者への性的暴行容疑で逮捕、起訴された。「父親であることで、この子がティーンエイジャーのうちにできることは限られてしまいます。放課後は息子の面倒を見なければならないし、デートだってできません。17歳で5歳の子がいる男とデートをしてくれる相手がいるとも思えませんけど。でも、この子は今まで会った中でも、最も素晴らしい父親の一人です」とキャンベルさんは語っている。
2019年10月21日今日は、育児がつらくて、育児放棄してしまいたくなったときに考えたいことについてお話しします。 慣れない育児の中、・産後うつのせいなのか不安でたまらない・自分の時間を子どもに奪われている気がしてしまう・子どもがちっとも寝てくれず泣いてばかりでイライラする・毎日の育児がうまくいかず気が滅入る・鬱々として虐待してしまいそうな自分がいるなど、このような状況が続き、子どもをかわいいと思えず、さらには、子どもを愛せない自分に嫌気がさして自己嫌悪になってしまうママは多いものです。 でも、自分を責める前にちょっと考えてほしいことがあります。 子どもを愛することができる人ばかりではないちょっと前に友人が「うなぎっておいしい?」と聞いてきたことがあります。わたし自身はうなぎが大好きですので「おいしいと思うよ」と答えました。「おいしくて有名だというお店に食べに行ったが、それでもおいしいと思えなかった」と友人はどうにも納得がいかないようでした。 友人は、“うなぎはおいしいと思うべきで、おいしいと思えない状況はおかしいのではないか”と思っている様子です。この話を聞くと、うなぎをおいしいと思わない人がいてもなんら不思議ではないと思う方がほとんどではないでしょうか。でも、これが「自分の子どもを愛せない」となるとちょっと状況が変わる感じがしてしまいますよね。まるで、人としての失格の烙印を押されてしまうように感じてしまう方もいるかもしれません。でも、産んですぐに子どもを愛せないことは、悪いことでも間違っていることでもありません。それはあなたのひとつの考え方であり、感性であり、人からあなた自身を否定されるものではないのです。 ましてや、出産後でホルモンバランスが崩れ、自分の体に変調がある中、大変な育児をしているのです。疲れがたまっていて、他のものに力や愛をそそげなくてもなんら不思議ではありません。まず、「子どもを愛せない」ということで自分自身を責めるのはやめましょう。そのように責めてしまうことも、自分を疲れさせてしまう一因になってしまいます。 “育児がうまくいっていない”という状況はない子どもを愛せないと思ってしまっているとき、心身ともに疲れきってしまっていることが多くあります。前述したように、ホルモンバランスの崩れや日々の育児で疲れやすい状況にあるママであればなおさらです。真面目で一生懸命なママほどストレスがたまりがち。そして自分を責めてしまいがちです。「一生懸命やっているのになんで!?」「どうしてわたしはうまくいかないの!」と思ったときは、ちょっと立ち止まって、思い出してほしいことがあります。“育児に正解はない“ということです。育児がうまくいっていないという状況はこの世の中には存在しないのです。世界に一人だけの赤ちゃんがいて、世界に一人だけのママ。その組み合わせの子育ては世界でたった一つです。正解はこれから赤ちゃんとママで作っていくものです。こうしなければならない、ああしなければならない、という考え方から自分を解放してあげてください。 ちょっとだけ自分の時間をつくろうとはいえ、まだ自力で生きていけない赤ちゃんを放っておくわけにはいきません。イライラして虐待や育児放棄をしてしまいたくなったら、各地域にある子育て支援センターや祖父母などの頼れる人にお願いして、一人の時間をつくってリフレッシュしてみましょう。育児放棄をしたくなるくらいがんばっているママほど、子育て支援センターなどに頼るのに罪悪感を持ってしまいがちですが、つらいときこそ、餅は餅屋です。リフレッシュして心身の疲れがちょっと取れたら、赤ちゃんに優しく接する余裕も出てくるはずです。 24時間拘束され、大きくなればさらに異なった難問にぶつかる、それが育児です。どんなに偉大に見えるママも、それぞれが手探り状態でおこなっているのです。自分を責めずに休憩をうまくとりながら、肩の力を脱いて赤ちゃんに向き合ってください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年10月04日最近、新聞やテレビなどの報道で「教育虐待」が取り上げられ、特に中学受験をする子供の話として、注目を集めています。しかし、どの年齢の子供にも起きる可能性があるとも言われています。筆者も子供を中学受験させた経験者ですが、「教育虐待をしていたかも」という方の話を元に「教育虐待」について考えてみました。■ 教育虐待って一体どういうこと?makaron* / PIXTA(ピクスタ)最近は中学受験が盛んで「塾以外で過度に両親のいずれかが勉強を押し付ける」現象が起きています。これが「教育虐待」になりやすいとも言われています。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)また、中学受験に関する本も多く出版されていて、中でも「親の力が9割」という内容の本が多く出ていますが、「親がリードしなければ、子供の将来はダメになる」と誤解してしまう親もいるのでしょう。今回、ご近所に住んでいた方で「中学受験」がらみで離婚にまで発展した母親と連絡を取ることができ、実際にあった「教育虐待」について話を聞きました。■ 教育虐待は母親がしてしまうケースもあるNOV / PIXTA(ピクスタ)夫婦共働きで母親はウェブデザイナーとして在宅で仕事をしていて、父親は会社員というご家庭でした。近くに引越したのを機に仲良くさせていただいたのですが、子供3人全員を将来中学受験させるという方針のご家庭で、お付き合いに少し困りました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)子供3人が全員とも幼稚園年長時から地元の小さな塾に通い、スイミングや習字、体操、空手と塾以外にもたくさんの習い事をしていました。筆者の子供とスイミングスクールが一緒で同じ時間帯に授業があり、しきりに「中学受験」について話をしてくるので、少し距離をおいた時期もあります。■ その家庭で起きた教育虐待の連鎖あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)その後、年齢順に有名中学受験専門塾に通わせるようになり、会うたびに「有名校に3人とも通わせる」と話していました。ひとり目の子は中学受験をしましたが、全て不合格で地元の公立中学に通わせました。ふたり目の子は、上の子の様子を反面教師にしたのか、母親の目を気にしながらも、塾で上位クラスにいるように勉強をしていました。しかし、少しでも順位が下がれば、母親が「どうしてできないの!」と怒鳴り、必要以上にドリルをするようにしました。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ふたり目の子供は、母親も満足する超難関校に合格し、その他の学校にも合格したのですが、母親が一番気に入った学校へ入学しました。一番下の子で、ついに問題が起きました。ふたり目の子と同じ学校への受験を考えて、中学受験の準備に入りました。成績は一時よかったものの、成績が落ち始めました。過度に独自のドリルをさせたり「なぜできないの!」としつこく説教したり勉強を強いるようになりました。父親が止めても、父親に「私にまかせて!」と怒鳴るようになったといいます。さらに成績が落ちることにもつながったのです。■ ついに子供の体に異変が…OrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)ある日、母親が子供たちを起こしにいくと、一番下の子が激しい腹痛を起こしていて、慌てて病院に連れていきました。検査の結果、特に異常はなく、医師から「何か学校や習い事でつらそうにしているとかありますか?」と聞かれたそうです。母親は黙っていましたが、父親から「実は妻が子供に中学受験の勉強をきつくさせていた」と話し、医師から注意を受けることになりました。親から教育虐待を受けると、場合によっては「助けて!」という心の叫びとして、体の症状として出てくることもあるようです。医師からは強く「教育で子供を追いつめてどうするの?」とお叱りも受けたとか。その子供は「塾は嫌い。ママもパパも嫌い。勉強はいや」と泣きながら訴えて、母親は「教育で虐待をしていた」と気づき、父親も止めなかった自分を責め、中学受験をやめる決心をしました。このことで夫婦間の溝が生まれて離婚されたのですが、「自分の学歴コンプレックスから子供を苦しめた」と話していました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)その母親が「こういう傾向の人が教育虐待をしやすいのでは」話してくれました。1.両親のどちらかに学歴コンプレックスがある2.父親もしくは母親の卒業校に通わせたいという強い希望がある3.共働きで金銭的余裕があるので、教育に力を入れたい4.両親ともに高学歴すべての家庭に当てはまるとはいいきれませんが、父親が教育虐待をしているケースも多いと教えてくれました。■ まとめmaroke / PIXTA(ピクスタ)最近は早期教育が盛んですが、教育虐待の始まりになっている可能性も少なくありません。高校や大学への進学後も、教育虐待によって心の傷を負っている子もいるようです。「子供には苦労させたくない」という考えの家庭は多く、教育方針が厳しい家庭は見かけます。しかし、ひとつ間違えると、家庭崩壊へ繋がります。親が歩んだ人生と、子供の歩む人生は違います。「子供が自分で将来を決めて進む」ということを大切にしながら、子供と接していきたいものです。
2019年07月30日父から受けた性虐待の、もっとも古い記憶は4歳当時のもの。中学の保健体育の授業で初めて、父から子どもをつくる行為をされていたと知った宮本ゆかりさん(49)。父だけではなく、幼い娘が抵抗できないのを見て見ぬふりをしてきた母の態度が、性虐待が終わった後も宮本さんを苦しめ続けた。家庭の外では言い出しにくい性被害。宮本さんは、ブログで自分の経験をさらけ出しながら、自分と同じ性虐待に苦しむ被害者を救おうと動き始めた――。「『親が問題なのだから、あなたは何も悪くない。あなたの人生は、あなたのものだから、親に気を使わずに自分の人生を生きてほしい』。親から性虐待を受けて、私のブログに連絡をくれた女子高生のAさんに会って、そんな話をしてきました」そう話す宮本ゆかりさん。香川県高松市在住の宮本さんは4歳から中学2年生まで、実父から“性虐待”を受けていた。自分と同じような被害者を出したくない。そんな思いから、’17年にブログで実名を公表し、自ら受けた性虐待とそのトラウマ(心的外傷)を克服してきた体験を公開。性虐待を受けている被害者から、メールで相談を受けている。今年3月、この活動が新聞で紹介されると、相談メールが月に20件も寄せられるようになった。冒頭のAさんもその一人だ。ゆかりさんの本業は美容師で、美容院を経営している。相談は、すべてボランティア。相談メールに返信するのは、深夜になることもある。それでも対応するのは、“性虐待”を受けた被害者の心理が、あまりにも社会に理解されていないからだ。今年に入ってからも、19歳の実の娘に性虐待を続けていた父親に対し、名古屋地方裁判所岡崎支部は、無罪判決を下した。裁判官は「抵抗できないほどの暴力や、心理的極限状況に追い込まれていたわけではない」と判断した。「幼いころから性虐待を受けていたら『抵抗してもムダ』という気持ちになるんです。しかも、彼女には2人の弟がいた。父の性虐待が世間に知られて仕事を失ったら、弟たちが生活できなくなると心配していたといいます。なぜ、そういう被害者の心理が理解できないのでしょうか」’17年7月、110年ぶりに性犯罪に関する刑法が厳罰化された。しかし、多くの問題が残っている。抵抗できないほどの暴力や脅迫があったと証明できないと罪に問われないなど、被害者側にとって立件のハードルが高いままだ。「被害を誰かに打ち明けたときに、『抵抗できたはず』『どうして周りに相談しなかったの?』などと言われると、<私が悪かったんだ>と、自分を責め続けてしまいます。そのことは、親から性虐待を受けたという事実以上に、被害者を苦しめます」ゆかりさんは、ときに相談者に会って話を聞くこともある。「冒頭のAさんは、義父から性虐待を受けていました。それでもしっかりと自分の進路を決め、高校卒業後は県外の大学に進学したいと言ってくれていました。でも、『やっぱり病気がちな母が気がかりだから、自分の思うように生きられない』と苦しんでいるんです。私も、彼女と同じように苦しんだから、『親にしばられなくていいよ』と伝えました」母親の対応も、被害者のトラウマを深くする。「私に寄せられる相談の9割が、父からの性虐待を母に相談したとき、『見て見ぬふりをされた』ことが心の傷になっています」ゆかりさん自身もそうだった。「性虐待を受けて傷ついても、気付いた大人が全力で守ってあげられたら、その子は早く立ち直れる。私はこれからも、その役割を果たしたいんです」
2019年07月29日育児放棄や虐待によって罪のない子どもたちが巻き込まれる事件を目にすることが日本でも増えていますが、今回ご紹介するのは、中東の子どもたちの過酷な現状を描いた話題作です。その作品とは……。全世界が絶賛する『存在のない子供たち』!【映画、ときどき私】 vol. 246中東の貧民窟に生まれた12歳の少年ゼインは、学校にも通わずに朝から晩まで両親に働かされていた。両親が出生届を出さなかったために、法的には社会に存在すらしていないゼイン。唯一の支えは妹のサハルの存在だけだった。ところが、サハルが11歳で強制結婚させられてしまい、怒りと悲しみからゼインは家出をしてしまう。そこでは厳しい現実が待ち受けていたが、ゼインは「僕を産んだ罪」を理由に、自分の両親を訴えることを決意するのだった……。中東が抱える貧困と移民の問題に真っ向から挑み、高く評価されている本作ですが、今回は全身全霊を捧げたこちらの方に、あふれる思いについてお話いただきました。レバノンが生んだ美しき才能ナディーン・ラバキー監督!2007年には、『キャラメル』で監督・脚本・主演を務め、一躍注目を集めたラバキー監督。女優としても幅広く活動しており、本作ではゼインの弁護士役として出演もしています。そこで、自身が目撃した現実やいまの思いについて語っていただきました。―まずは、多くの難民を受け入れてきたレバノンの現在の状況から教えてください。監督レバノンは文化的にも、国民の気質的にも、誰に対しても温かく歓迎するところがあるので、これまでに150万人以上の難民を受け入れてきましたが、これはいろいろな意味で大きな挑戦でもありました。そのなかで私たちはベストを尽くしてはいますが、本来この責任は世界でわかち合わなければいけないもの。難民条約にサインしたにも関わらず、多くの国がその責任を果たしていません。それゆえに、ヨルダンやトルコなど近隣諸国が難民の60%以上を受け入れており、経済的にも社会的にも大きな影響を受けています。世界で考えたら、本来はもっとできることがあるはずですが、これが現状です。―では、本作のストーリーは監督が実際に見たものが描かれているのでしょうか?監督レバノンでは苦しんでいる人々を当然のように目にする状況にあります。食べ物が足りないとか、戸籍がないために世間から“見えざる者”になってしまっている人や違法滞在者など、本当につらい現実です。水も電気もなく、まるで下水道のなかにいるかのような耐え難い環境で暮らしている人たちも多く、収容所やキャンプでは寒さが原因で亡くなる方もいるほど。いまでは難民だけでなく、レバノン人にとっても非常に厳しい状況が続いています。そして、そのなかでもっとも心を痛めているのが、子どもたちについてです。犠牲を払っている子どもたちの“声”を届けたかった―その思いがこの作品を作るきっかけとなりましたか?監督彼らが寒さに震えていたり、お腹を空かせていたり、学校に通えなかったり、子どもなのに仕事をしなければいけなかったり、つらい思いをしている姿を見るたびに、「私たち大人がいかに彼らを失望させているのか」「いかにシステムが欠落しているのか」を感じています。子どもたちが一番もろい存在のはずなのに、一番大きな代価を彼らに払わせてしまっているのです。その結果、自分の誕生日も知らず、無言のままに重荷を背負わされ、毎日虐待されるつらい生活が普通の人生だと考えている子どもはたくさんいます。そして、彼らは存在を知られることなく生まれ、存在を知られないまま亡くなっていくのです。私はそういった現実を見ているうちに、「何かしなければいけない」という責任を感じましたし、この映画を作ることを義務だと思うようになりました。つまり、子どもたちは声なき者だからこそ、この作品は彼らの“声”として届けたかったのです。―今回は主人公のゼインを演じた少年が本物のシリア難民であることをはじめ、全員がプロの役者ではないそうですが、どのように選びましたか?監督本作は3年間かけてリサーチをしてから脚本を書いたので、私自身が見たものからインスピレーションを受けており、事実が基になっています。キャスティングについても、現実世界で同じような境遇にある人を探すという方法で、彼らを見つけることができました。たとえば、ゼインの外見は、栄養不足が原因で実年齢よりも体つきが小さい子どもたちをたくさん見てきたということを反映させています。キャラクターのイメージとしては、家族のために早く大人にならなければいけなかった環境にあったため、聡明さと路上で生きるタフさを持つ、大人のような子ども。それが頭のなかで描いていたゼイン像でしたが、想像していた通りの少年と出会ったときは奇跡のようでした。―彼らの実人生が役に影響を与えた部分もありましたか?監督通常の映画であれば、脚本や監督のイメージに役を合わせていくものですが、今回は彼らの個性をベースにして、私たちがそこに合わせていくような作り方を意識しました。そもそも彼らの生活や人物像というのは私が想像で作り上げてはいけないものだし、そんな権利は自分にはないと感じていたからです。それほど現実にはリアルな苦しみと困窮があるわけだから、なるべく真実を捉えたいと考えていました。彼ら自身の経験や感情を私たちが描こうとしている物語やキャラクターを寄せていったので、スタッフも演者たちも現実とフィクションがわからなくなって混乱することもあったくらいです。演者が自分の経験をアドリブで語ることもあった―そのなかで忘れられない出来事もありましたか?監督実際、彼らが本能的に自分の経験を話すようなアドリブも多くありました。たとえば、子どもから訴えられたゼインの母親が「あなたは私のような状況に置かれたことがないからそんなことが言えるんだ」と弁護士役の私に向かって言うシーン。そのなかで、母親役の女性が「お金がなくて子どもに砂糖と水しか与えられない経験をしたことがないでしょう?」と訴えるのですが、これは彼女自身の経験です。彼女は映画のなかに出てくるスラム街に住んでいる人ですが、あの瞬間はゼインの母親としてではなく、自らの思いを語っていたのです。ほかのみんなも同様のことをしてくれました。―だからこそ、俳優では演じられないようなリアルな表情には思わず言葉を失いました。監督自らの現実と演じている役が入れ替わってしまうこともありましたが、彼らの言葉はすごく重要だったので、そういったものが自然に起きるようなオープンな現場は意識していたところです。つまり、彼らが「どんなことを言っても大丈夫なんだ」と自由でいられる環境をしっかり用意したいと思いました。それによって、彼らも“翼”を持つことができたのではないかと感じています。―とはいえ、撮影中に問題が起きたことも多かったのではないでしょうか?監督確かに、演者が翌日来ないかもしれないといった我々ではコントロールできない部分でのリスクはつねに負い続けていた作品だったと思います。というのも、戸籍や証明書を持っていないような人も多かったので。実際、ゼインを助けるエチオピア移民のラヒルを演じた女性が、拘束されたシーンを撮ったあとに逮捕されてしまったことがありました。そのときは、ラヒルの子ども役を演じていた赤ちゃんの両親も逮捕されてしまい、その先がどうなるのかわからない状況に陥ってしまったこともあったほどです。この方法でしか作ることができなかった作品―そんななかで、どのようにして作品を完成まで導いていったのでしょうか?監督そもそも大きなリスクがある作品だとわかっていたので、私たちは完全にインディペンデントで製作することにしていました。私の夫であるハーレドもプロデューサーとして入っていますが、ここまで大変だと知っていたら彼もやらなかったかもしれないですね……。まずは製作する場所も何もないところからスタートしなければいけなかったのですが、予定していた刑務所が閉鎖してしまうことになったり、せっかく見つけた子役たちもいま撮らなければ大きくなってしまうこともあったりしたので、すぐに撮影を開始しなければいけませんでした。ただ、子どもも大人も演技についてはまったくの未経験。「アクション!」といって求めているものをすぐに演じてくれるわけではなかったので、彼らとも時間を過ごす必要がありました。製作期間中はカメラマンも編集者もみな同じアパートで作業してくれました。編集などを含め完成までに2年。本当に小さな現場でしたが、これ以外の方法でこの作品を作ることはできなかったと思います。―撮影自体も困難が伴ったと思いますが、身の危険を感じることはありませんでしたか?監督もちろん、とても危険な場所ではありましたが、危害を加えられるというよりも、公害のような環境の問題のほうが大きいと感じました。というのも、貧困地域では雨が降ると、下水から水が溢れてきて、水浸しになってしまうからです。そのため、不衛生で臭いもすごいし、空気さえも汚染されているのがわかるほどだったので、私も熱を出してしまったことありました。しかも、当時私は2人目の子どもを出産したばかり。撮影の合間には授乳のために家に帰らなければいけなかったので大変でしたが、どんなに危険な状況でも、私たちは大きな目的があったし、使命感もあったので、それが続ける強さに繋がっていたと思っています。―まさに意志を貫く強さを監督から感じます。それを支えているものは何ですか?監督彼らは同じ状況に置かれたままなのに、「私は家族と幸せになっていいんだろうか」という罪悪感をいまだ抱いている部分もあり、心理的な負荷はまだ乗り越えられてはいません。「自分にはやらなければいけないミッションがあるんだ」という感覚があるからだと思います。人が存在しているのには、それぞれに理由があると考えています。私は恵まれていることに何かを変えることができるかもしれない自分なりの貢献方法や理由を見つけることができたと思っています。「ひとりひとりが物事を変えることができる」という考え方は甘いと言われるかもしれませんが、私は心からみなが自分なりにできることがあると信じているのです。その変化というものは、たとえ大きくなくても、他人の人生や命に影響を与えられることができると思っています。そんなふうに自分の目標や夢、そして存在理由を感じられることが、私にとっては毎朝起きる力になっているのです。日本でも同じ思いを感じている人はいるはず―それでは最後に、これから観る方に向けてメッセージをお願いします。監督状況は違っていても、同じような思いをしているような人は世界中にいるはずなので、ただ遠い国の話という風には感じないと思っています。実際、こういった問題はレバノンだけではなく、アメリカでも子どもの7人に1人のはお腹を空かせているような状況ですし、コミュニティのなかで端に追いやられてつらい思いをしている人は文化や国に関係なく、日本にもいるはずです。だからこそ、きっとみなさんの心に触れる作品だと思っていますし、人類はこのまま子どもたちに対する不公平さに目をつぶっていくことはできないと、私は信じています。目をそらしてはいけない現実がそこにはあるそれぞれの人物が放つ存在感と物語の持つ強さに圧倒され、激しく心を揺さぶられる本作。現代社会が抱える問題を描きつつ、「自分にできることは何か」「生きるとは」「愛されるとは」といった普遍的な思いがあなたのなかにも生まれるはず。映画の持つ力を目の当たりにすることができるいま観るべき1本です。胸を引き裂く予告編はこちら!作品情報『存在のない子供たち』7月20日(土)よりシネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開配給:キノフィルムズ©2018MoozFilms/©Fares Sokhon
2019年07月19日近年、虐待に関する悲しいニュースが続いていますよね。同じ子どもを持つ親として、心を痛めている方も多いのではないでしょうか。しかし、こうした問題は決して他人事ではありません。なぜなら、虐待は悪意のもとになされるものだけではないから。「子どものためによかれと思って」なされた行動が、親の自覚のないままに虐待とみなされるケースもあるのです。特に、「教育虐待」にはその傾向があります。「教育虐待」は、ここ数年で広まってきた言葉ですが、どのような行為を指すかご存知でしょうか?「知らない」という方のなかには、気づかないうちに当てはまってしまっている方もいるかもしれません。そこで今回は「教育虐待」と「教育虐待を未然に防ぐ方法」についてお話しします。「教育虐待」は子どもの将来に多大なダメージを与えるみなさんは、自分の子どもに下記のような「しつけ」や「教育」を行なっていませんか?・宿題が終わっていないと、夜遅くまでやらせる・解けない問題があると、「どうしてできないの?」と責める・塾や習い事でスケジュール漬けにしている・親子間の約束が守られなかったとき、厳しく責め立てる・成績が悪いと、「努力が足りない」「人間のくず」などの暴言を浴びせる一見、よくある「しつけ」や「教育」のように思われるかもしれません。しかし、これらの行為が子どもを過度に追い詰めた場合、「教育虐待」とみなされることがあります。青山学院大学の古荘純一教授によると、「教育虐待」とは、教育を理由に子どもに無理難題を押し付ける心理的虐待のこと。2011年の「日本子ども虐待防止学会」で初めて発表された、新しい考え方です。「教育虐待」を受けている子どもは、大人になってからも、他者からの指示がなければ動けなくなる恐れがあります。また、自信が持てない、何をしても楽しめないなど、心の問題を抱えてしまうことも。学校生活や就職活動を機に不適応行動を起こす人も少なくありません。こうしたことから、「教育虐待」は子どもの将来に多大なダメージを与えるということがわかります。「子どものために」と言いながら子どもを追い詰める親たち「教育虐待」という言葉を広めた武蔵大学の武田信子教授によると、教育虐待に走りやすい家庭は、下記のような特徴を持っている家庭が多いと言われています。1. 親自身が、経済的事情などで進学を諦めた経験がある2. 母親が不本意に仕事を辞めて、専業主婦になった3. 子どもの両親ともに高学歴で社会的地位が高い上記の1と2の親が「教育虐待」をした場合の理由として考えられるのは、自らの生き方や学歴にコンプレックスを抱いているということ。子どもには同じ苦しみを与えたくないという強い思いから、自分が経験した失敗を避けるための教育に力を入れてしまいます。一方、3の親の場合は “失敗知らず” ですが、逆に自らの成功体験に依存しているということが考えられます。自分の知らない道を子どもに歩ませることを極端に恐れ、子どもにも高学歴・社会的地位の高い大人を目指すことを強制してしまうのです。社会福祉法人カリヨン子どもセンターの石井花梨事務局長いわく、教育虐待は決して特別な家庭に限った話ではないのだそう。表面的には「子どものために」という親心のもとに行なわれているのです。しかし、本当に子どものことを考えていると言えるでしょうか。本当に子どものことを考えていれば、子どもを追い詰めるほどの行為には至らないはずです。そう考えると、「教育虐待」をしている親は、「子どものために」と言いながら、実際には自分のために、過度な「しつけ」や「教育」を行なっているのだと言えますよね。その教育、本当に必要……?子どもを見て考え直そうとはいえ、「しつけ」や「教育」そのものを怠るわけにはいきません。親として、子どもに適切な「しつけ」や「教育」を行ないつつ、「教育虐待」しないようにするには、どうすればいいのでしょうか。小児科医の高橋孝雄さんは、親の「しつけ」や「教育」が虐待になるかどうかの分かれ目は、「親の関心が子どもにあるのか、テストの点数や合格した学校などの成果にあるのか」であると言います。前者であれば、自分の行為によって子どもが追い詰められていたら、すぐに気づいて対処できるはずです。しかし、後者の場合、子どもの変化に気づけないまま、子どもを追い詰め続けてしまうことがあります。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏いわく、現在の教育虐待には、「親自身の不安を解消しようとしている」という構造があるのだそう。我が子が新しい時代を生き抜いていけるのかが不安で、親が思う解決策を与えようと無理やり難関大を目指させたり、子どもの望まない習い事でスケジュールを埋めたりしてしまうのです。しかし、子どもたちがこれから生きていくのは、親たちが生きてきた世界とは全く異なり、予想もつかない世界。おおた氏は、親が与える解決策にはあまり意味がないと言います。まずは、「親は無力である」と親自身が自覚することが大切なのだそう。「教育虐待」を未然に防ぐのに必要なのは、まず子ども自身に関心を持つことです。子どもの様子をよく観察し、今行なっている「しつけ」や「教育」が本当にその子に必要なのか、よく考えなくてはなりません。たとえば、子どもが習い事に行くのを嫌がったとき、たまたま気分が乗らないだけなのか、ずっといやいや通っていたのか、はっきりさせることが必要です。そのうえで、なぜその習い事に通わせているのか、親の考えを伝えます。最後は、「続けるのか辞めるのか、あなたが決めていいよ」と、子どもの意思を尊重しましょう。子どもの人生は子どものものであることを自覚したうえで、子ども自身の生きる力を信じてあげることが大切なのです。***子育てをしていると、子どもが自分の分身であるかのような錯覚につい陥ってしまうことがあるでしょう。だからこそ、より幸せな人生を歩めるように導かなくては、と考えてしまいます。しかし、子どもは親と同じひとりの人間であり、親の分身ではありません。どんな人生を歩むことが幸せか、決めるのは子ども本人です。親が特別なことをしなくても、自分の思う幸せを追い求め、たくましく道を切り開いていきます。親は、それを一番近くで応援してあげればいいのです。(参考)こどもまなびラボ|「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには “決定的に足りない” 時間がある日経DUAL|「勉強しなさい」エスカレートすれば教育虐待に東洋経済ONLINE|中学受験で教育虐待しやすい親の2つの特徴東洋経済ONLINE|「あなたのため」が「教育虐待」に変わるときPRESIDENT Online|なぜ「教育」という名の「虐待」が増えているのか朝日新聞DIGITAL|しつけに名を借りた虐待…どの家庭でも起こりうる「考える力」を伸ばす『地図育®』コラム|教育熱心も度が過ぎると虐待になる?あなたのその行動が”教育虐待”にならないように気を付けよう日経DUAL|「教育熱心」と「教育虐待」線引きはどこに?
2019年06月20日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんからメッセージです。 子育てをしていて、パパに手伝ってもらいたい場面はたくさんあると思います。しかしいざ、手伝ってもらおうとすると、気乗りのしない返事をされてしまったり、やってくれたとしても、思った通りにやってくれなかったり……。パパにお願いすること自体がストレスになってしまうことも。できるだけ効果的にパパにお願いする方法とは? 要点をはっきり伝えるついつい、手伝いをお願いする前に「わたしばっかりやって、ちょっとはあなたもやってよ」というような愚痴から始めていませんか? 誰でも、愚痴から始まるとその後は聞きたくなくなりますよね。 「おむつを代えてください」「お湯を温めてください」など、やってほしいことの要点を伝えるようにしましょう。 「○○さんのパパはあんなこともやってくれるんですって」というようなお願いすること以外の情報も、シャットアウトです。 主語は「わたし」にする要点をはっきり伝えるということにも関連しますが、「あなたはゴロゴロしているだけなんだから、手伝ってよ」というように、パパを主語にするのは避けましょう。 ゴロゴロしているだけかどうかはパパが決めること。パパもこのように言われたら「疲れを癒やしているんだよ、うるさいな」と返してしまいたくもなります。 「わたしは今、どうしても手が放せないので、手伝ってくれないかしら」というように、お願いするときは、あくまでも自分を主語にしましょう。 数は少なく、初めてのことは時間のあるときに一般的に脳科学の分野では、男性はシングルタスクが得意とされています。 ひとつのことに集中するのは得意ですが、一方で同時進行で物事を動かすことは苦手といわれています。 ただでさえ、慣れない育児について一気にたくさんお願いすると、やり忘れがあったり、一つひとつのことが荒くなったりしがちです。パパにお願いすることは、なるべく慣れているものにしぼり、あまりやったことがないこと、初めてお願いすることは、パパの時間があるときにお願いするようにしましょう。 初めてのことだらけで猫の手も借りたい状況でパパがスムーズに手伝ってくれたら、ママの負担も少しは減るはず。上手にお願いして、ラクに家事をすすめましょう。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年06月09日先行き不透明なこの時代、子どもの将来に不安を感じる親が、わが子になるべくたくさんの教育をほどこそうとする風潮があります。ですが中には、子どもが大きな負担を強いられているようなケースや、課題をさぼったり期待通りの成果を出さない時に、つい強く叱りすぎてしまったり、時には罰を与えてしまったり…。そんな話を聞くことも決して少なくはありません。どこまでが教育で、どこからが虐待なのか? 何が親をそこまで駆り立ててしまうのか?『追いつめる親』『習い事狂騒曲』の著者であり、教育ジャーナリストのおおたとしまささんにインタビュー。第2回は、「教育」と「虐待」の境目についておうかがいします。お話をうかがったのは… おおたとしまささん教育ジャーナリスト。麻布中高卒業、東京外国語大学中退、上智大学卒業後、リクルートにて雑誌編集。独立後、多数の育児・教育関連媒体の編集・企画に関わる。学校や塾などの教育現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。しつけから中学受験、夫婦関係までをテーマに、講演・メディア出演も多数。中高教育の資格、カウンセラーの資格。小学校教育の経験もある。『ルポ塾歴社会』『名門校とは何か?』『受験と進学の新常識』『中学受験「必笑法」』など著書は50冊以上。 『追いつめる親「あなたのため」は呪いの言葉』 の改訂版が2019年7月に出版予定。■教育と虐待、その境い目の見極め方法――明確な線引きは難しいと思うのですが、「教育的指導」と「虐待」の境目をきちんと知っておきたいです。おおたとしまささん(以下、おおたさん):概念的な線引きとしては、「子どもの人権を尊重しているか」というところです。子どもを親の所有物ではなく、自分と同じひとりの人間だと思うことができているかどうか、それが「教育的指導」と「虐待」の境目だと思います。――具体的な目安はありますか?おおたさん:例えば、1日5時間勉強させても全然平気な子もいるのですが、普通の子にさせたら大抵はつぶれてしまいます。それと同じで、負荷はその子にとっての相対的なものである、ということがまず大前提です。そして、その相対的な負荷が子どもの受忍限度を超えていることに気づくには、なんらかの負荷(勉強や習い事など)をかけた後の子どもの表情を見ればわかると思います。例えば、勉強が終わった後、「つらかったけどやっと終わったぜー!」というふうに晴ればれとした明るい表情になっているのか。それとも宿題が終わった後も「また明日もあるのか…」というふうに全然表情が輝かないのか。それが、ひとつの判断材料になると思います。負荷が終わった後にショボンとしているようでしたら、それは明らかに「これ以上やったらマズイ」というサインです。■「どうしてできないの?」「約束したでしょう?」2つの言葉が子どもを追いつめる――教育熱心すぎる親がやってしまいがちなNG対応はありますか? おおたさん:2つのパターンがあります。1つは、「どうしてできないの?」という言い方。そう言われても、わからないものはわからないのだからどうしようもないですよね。追いつめられれば追いつめられるほど、子どもの頭は真っ白になってしまいますし、「こんな問題ができないあなたはバカ」という含意が子どもを直撃します。――確かに…。ですが、親がつい言ってしまいがちな言葉です…。おおたさん:もう1つは「約束」です。例えば、テストで悪い点を取ると、教育熱心な親御さんは「どうしてこうなったのか?」「これからどうするか?」と冷静に原因と対策について話します。そして、「じゃあ具体的にどうするんだ?」と問いつめます。ヘビににらまれたカエル状態の子どもは、「これからはゲームの時間を減らして毎日勉強する」などと言わざるを得ません。ほとんど誘導尋問なのですが、こうして子どもは約束させられるわけです。でも、約束した時は本気でも、人間はそんなに強くありませんし、ましてや子どもです。ですが、約束が破られた時、「やるって約束したのに! 約束を破ったのか!」と親は理論武装して責め、子どもは言い逃れができず、追いつめられてしまうのです。――身に覚えがあるような…(苦笑)。おおたさん:実は、むやみに怒鳴ったりたたいたりする親御さんは少数で。最近の多くの親御さんは、こうして子どもを叱るに十分な理由をみつけてから、その正論を振りかざして、子どもを追いつめるのです。でも、たとえ、そこに正論があったとしても、相手を傷つけすぎて良いわけがないのです。親がやるべきことは、どうしたら子どもが悪かったと理解してくれるのか、次から改善してくれるのかを考えること。なのに、目的が自分のネガティブな感情を全部吐き出して、子どもにぶつけることに変わってしまっているのです。■体罰は愛ではない! 指導者としての未熟さが原因――「時には、ビシッと親の力を見せつけてやらないとなめられる」という厳しい親の意見も耳にしますが、どう思われますか?おおたさん:家庭において、親は絶対的な強者で子どもは弱者です。親という圧倒的に強い立場を利用して、逃げ場がない子どもを追い込むのは、穴に落ちた犬に石を投げるような卑怯(ひきょう)なことだと思いますけどね。以前、北海道で、親がしつけと称して山中に7歳の子どもを置き去りにした事件(※)がありましたよね? 当時も「親の行為はしつけか、虐待か?」と話題になりましたが、山中に幼い子どもを置いていくなどということがしつけのわけがない。あれは命に関わるような暴力的な行為で、たとえどんな理由があっても絶対にやってはいけないのです。――当時、「似たようなことをやってしまったことがある」という親御さんも少なくなかったですよね。おおたさん:中には、しつけと称して、愛があればたたいていいと体罰を容認する人もいますが、私は、体罰を生むのは愛ではなく、指導者としての未熟さだと思っています。言葉や態度による罵倒も同じです。スパルタ的な指導で子どもが伸びるという人もいますが、罰による成長は一時的なものであり、本質的な成長にはなりません。人は変えられる(外的動機づけ)のではなく、自ら変わる(内的動機づけ)のですから。 ■子どもの言動にイラッ「どうしても怒りが抑えられない時は?」――でも、親も未熟で、怒りの感情が抑えられない時もあります。そんな時はどうしたらよいのでしょう?おおたさん:ひとつ提案があります。子どもの言動にイラッとしてしまった時は、「今、自分は溺れかけているんだ」と考えてみてください。溺れている時、あなたはまず何をしますか? まず、口を閉じますよね? 次に、ジタバタするのをやめますよね? そうやって溺れた時と同じようにふるまったうえで、自分の感じていることをただ言葉にするのではなく、どうやったら子どもが前向きな気持ちで、自らの行動を改めようと思えるようになるか、翻訳するひと手間を考えましょう。いい翻訳が思いつかない時は、そのまま口を閉じていることが最善の策であることも少なくありません。――すでにやってしまった(手を出してしまったり暴言を吐いてしまったり)場合、親はどうやってリカバリーしたらいいのでしょう?おおたさん:間違いに気づいた瞬間から、親子関係をどうつくっていくのか、どんな親になりたいのか、それを考えればいいと思います。大切なことは、起きてしまったことを否定するのではなく、それを糧にするにはどうしたらいいかを考えること。望ましくないことが生じてしまった時、それを今後の糧にすることができるかどうかが、その人の強さだと思います。親も強くならなければいけないし、子どもにもその強さを学んでもらわなければならない。親も子どもも成長しています。親子関係も修復可能です。取り返しがつかないなんてことはないのですから。友人や仕事関係の相手にはきちんと配慮できるのに、わが子となると遠慮なく追いつめてしまう。子どもなら許されると思ってしまう。そこには、どんなに傷つけても結局、子どもは親以外には頼れない、という親のおごりや甘えがあるのかもしれません。でも、おおたさんが言うように、「たとえ、正論だとして相手を傷つけすぎて良いわけがない」のです。怒りが抑えられない時は、せめて「口を閉じる」こと。心に留めておきたいと思いました。次回は、おおたさんが考える「これからの時代に必要な力」についてうかがいます。※2016年、北海道の山中で、親が子どもをしつけのために車から降ろし、置き去りにした事件。7日後、子どもは無事発見された。取材・文/まちとこ出版社N
2019年05月29日先行き不透明なこの時代、子どもの将来に不安を感じる親が、わが子になるべくたくさんの教育をほどこそうとする風潮があります。著者の周囲でも、幼児期から塾に通ったり、毎日が習い事で埋まっているという話はざらです。もちろん、子どもが楽しんでいるなら良いのですが、中には、大きな負担を強いられているようなケースも見受けられます。さらに、子どもが宿題や習い事の練習をさぼったり、成績がふるわなかった時、つい強く叱りすぎてしまったり、時には罰を与えてしまったり…。そんな話を聞くことも、決して少なくはありません。そんな時に知ったのが、「教育虐待」という言葉でした。教育虐待とは、「子どもの受忍限度を超えて勉強させること」、「親の所得格差が子どもの学習権に大きく影響する」状態も教育虐待とされています。もし、上記の話に少しでも引っかかる方がいたら、一度立ち止まって考えてほしい。そんな思いで、『追いつめる親』『習い事狂騒曲』の著者であり、教育ジャーナリストのおおたとしまささんにお話をうかがってきました。著書には、驚くような悲惨な教育虐待のケースも紹介されていますが、それは決してひとごとではありません。本書を読んでいくと、この問題が親個人の問題ではないこと、そして程度の差こそあれ、親であれば誰もが陥る危険性があることがよくわかります。どこまでが教育で、どこからが虐待なのか? 何が親をそこまで駆り立ててしまうのでしょうか?お話をうかがったのは… おおたとしまささん教育ジャーナリスト。麻布中高卒業、東京外国語大学中退、上智大学卒業後、リクルートにて雑誌編集。独立後、多数の育児・教育関連媒体の編集・企画に関わる。学校や塾などの教育現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。しつけから中学受験、夫婦関係までをテーマに、講演・メディア出演も多数。中高教育の資格、カウンセラーの資格。小学校教育の経験もある。『ルポ塾歴社会』『名門校とは何か?』『受験と進学の新常識』『中学受験「必笑法」』など著書は50冊以上。 『追いつめる親「あなたのため」は呪いの言葉』 の改訂版が2019年7月に出版予定。■「子どもをスーパーマンに」求め過ぎる親たちおおたとしまささん(以下、おおたさん):教育熱心な親が子どもを追い詰めてしまうのは、今にはじまったことではありません。教育虐待という言葉ができる前の1970年代から、教育虐待に関する事件は起きています。ただ、昨今の教育虐待の状況は、以前とは少し変わってきたところがあると感じています。――どこらへんが変わってきているのでしょうか?おおたさん:高度経済成長期はテストで良い点がとれる子を育て、「高学歴」というパッケージ商品さえ手にすれば、それで親は満足でした。いい大学にさえ入れば、そこから先の将来は良い会社に入って終身雇用というレールができていたからです。ですが昨今、高学歴はもう役に立たないと言われるようになりました。とはいえ、学歴が要らなくなったというわけではなく、高学歴があることはもう大前提。それプラス、スポーツも音楽もといった、ほかのオプションもできなくてはいけないという、まるでスーパーマンのような人間を育てなければならないという、ある種の暴走が社会にはびこっているように感じます。それを真に受けてしまった親御さんが、幼児期からいろいろな習い事をさせたり、何かの役に立ちそうなスキルを身に着けさせたりと、躍起になっている傾向があります。――求められるハードルがどんどん上がっているのですね。おおたさん:子どもの特技や強みを伸ばすための習い事ならまだ良いのですが、例えば、英語やプログラミングの場合は、将来の職業スキルとして、幼児期からやらせているわけですよね? 「このスキルを身につけておかないと、将来仕事に就けない」というふうに。そういう面が目立ってきているように感じます。■「教育」とは何? 「人材育成」との混同が引き起こす虐待――子どもの将来に対する、親の不安が押しつけられてしまっているのでしょうか?おおたさん:現在の教育虐待の構造の前提として、教育そのものがビジネスの原理に汚染されている、というところがあります。そもそも、教育とビジネスというのは、全く違う力学として働くものですが、経済至上主義的な現在の価値観で、教育がビジネス的な論理に当てはめて語られるようになってしまったのです。――具体的に、どういうことなのでしょう?おおたさん:「教育」と「人材育成」がごっちゃになっているのですよ。そもそも教育とは、子どもの持つ能力を、その子らしく最大化して自己実現し、かつ、余った力を社会に還元してより良い社会を作ること。つまり、「教育はまずその子ありき」なのです。一方で、人材育成というのは、なんらかの目的に合致した人を育てることです。例えば、「わが社にはプログラムができる人材が必要」というふうに。つまり、「人材は目的ありき」なのです。本来「教育」とは、「どうしたらこの子が輝けるよう育つのだろう?」と、その子を見て考えるべきものなのに、その子を見ずに「これからの時代はこんな人材が求められているから、そういう人材にするためにどうしたらいいのか?」と、型にはめていく発想になってしまっているわけです。■子どもだけではない「追いつめられる親」――時代に求められる「型」に、親が子どもをはめようと躍起になってしまう。その焦りや不安が教育虐待の引き金になっていくのですね?おおたさん:それ以外にも、親が脅迫概念にかられる背景がもうひとつあります。それは、「子どものできは親次第」という社会的通念があることです。例えば、東大に子どもを合格させた親がメディアでチヤホヤされるなど。子育てにおける成功事例は、その子、その親、その関係性があったうえで、その場限りのものでしかないのに、たまたまうまくいった例をあたかも親の手柄のようにいう風潮がおかしいのです。逆に、子どもがひきこもりやニートになってしまった親が「自分の子育てが間違っていたのではないか?」と自分を責めてしまったり、周囲から非難されたり…。本来、親の関わり方と子どもの人生の在り方とは、直線的因果律(結果が生じるには、ある特定された原因が存在するという考え方)で結びつけることはできないのですが。これは、マスメディアの責任も大きいと思います。――確かに、核家族で子育てしていると、子どもの責任が全部親の肩にかかってくるような、そんなプレッシャーは感じます。おおたさん:現代の子育てでは親の責任が大きすぎて、親の方に力が入りすぎているのかもしれません。親こそが、すでに追い詰められているのかもしれません。だとすれば、教育虐待は単なる親の人格的な問題として片づけることはできないのです。「教育」と「人材育成」は似て非なるもの。「本来の意味での教育が、虐待に直結することはありえず、教育虐待のように見えるものの本質は、『人材育成虐待』なのではないか?」とおおさたんは言います。自分が子どもにしているのは、本当に教育なのか? それとも、人材育成なのか? 非常に考えさせられるお話でした。 次回 は、「教育」と「虐待」の境い目についておうかがいします。取材・文/まちとこ出版社N
2019年05月28日後を絶たない児童虐待事件が注目を集める昨今、行政の対応のあり方が議論の俎上に上がっている。米国で実際に起こったケースを紹介したい。先月28日、アリゾナ州のチャンドラー警察署が1本の動画を公開した。警官が体に装着したボディカメラの映像で、一軒家に強行突入する様子が収められている。この家のサラ・ベックは2月25日、熱を出した2歳の息子を自然療法の診療所に連れて行った。チャンドラー警察署によると、このとき子どもの体温は40.5度にまで上がっていたという。担当した医師は、子どもが髄膜炎など命を脅かす病気を患っている可能性を指摘。診療所では検査する設備がなかったため、すぐに病院へ息子を連れて行くよう指示した。しかし、その後ベックは子どもを受診させなかったことから、医師は児童局へ通報、そこから地元のチャンドラー警察署へ相談が入り、警察が介入することとなった。動画では、警官が玄関をノックして中に入れるよう要求している。ベックとその夫ブルックス・ブライスは「もう熱は下がったから大丈夫。お引き取りを」と、決して家の中に警官を招き入れようとしない。警官はパトカーに戻り、電話で説得を続けるも、ベックは「息子はもう元気ですよ。今はもう37度を切っているんです。本当に元気だから」と電話を切ってしまう。警官は再度玄関へ赴き、「自分たちの目で子どもの様子を確かめたい」と食い下がる。「その必要はないから、帰ってくださいよ」と突っぱねる親との押し問答をしている間に、児童局が子どもを一時保護する裁判所命令を入手。警官は両親に告げる。「あなた方は選ぶことができる。つまり、家から出てくるか、子どもを病院に連れて行くか、児童局に一時的に監護権を渡すかだ」。それでもブライスは「病院には行かないし、時間を無駄にするつもりもない」と答えたため、警官は銃を構え、ドアを壊すことを警告した上で突入。親に銃を突きつけている間に子どもを保護した。チャンドラー警察署によると、問題の2歳児の他にも2人の子どもがおり、全員が原因不明の汚れに覆われていたという。ベックの弁護士は「子どもを連れ去るのは明らかに不必要であり、正当防衛の範囲をはるかに超えている」と声明を発表。両親がなぜ頑なに受診させなかったかについてはわかっていないが、ベックが子どもに予防接種を受けさせていなかったため、病院に行けばその件で責められるかもしれない、と及び腰になった可能性も指摘されている。
2019年04月01日アラサー美女が結婚に向けて奮闘する漫画『美人が婚活してみたら』が映画化されましたね。長く続いた不倫の関係が終わり、燃え尽き症候群に陥っていた美女タカコ(黒川芽以さん)は「死んでしまいたい…」と、気持ちが落ちていました。ある日、幸せそうな家族連れを見て「自分も結婚したい!子どもを育てたい!」と思い立った彼女は、サイトを用いた婚活を始めるのですが…。■コンピューター・デート実験の結果は恋愛や結婚において、美人はそれだけで有利になるのでしょうか。1966年にアメリカの心理学者E.H.ウォルスターらが、とある実験を行いました。彼らは初対面の新入生の男女376名をダンスパーティに参加させて、パーティの2日前に年齢・身長・宗教・自尊心の尺度といったことを質問。さらに大学の事務局に学力情報などをヒアリングしました。参加者には「互いに関心を持ちそうな相手をコンピューターが選んだ」と伝えて、実際にはランダムにペアを組ませたのです。パーティの途中で好感度、価値観、趣味の類似性などを質問し、数ヵ月後に「ペアを組んだ相手ともう一度会ってデートしたか」を調査しました。その結果、またデートしたいと望まれたのは「外見的魅力」が高い人で、学力や趣味の共通性などは好感度に比例しなかったのです。この実験だけ見ると「容姿が優れている人」が圧倒的に有利に見えますよね。事実、「出会いの場」においては有利に違いありません。でも恋愛や結婚とは、いわば長期にわたる「人間関係」です。このような関係の構築においても、同様に有利と言えるのでしょうか。■外見の良さと恋愛の幸福度は比例しない美人にも、誘いを受けやすい人とそうでない人がいます。造形が際立って整っている美人の場合、むしろ「冷たそう」「気後れする」といった理由で遠巻きにされてしまいがち。男性にとっては、美しければなんでもいいというわけではありません。実は、一番男性ウケがいいのは「平均よりちょっとだけ美人」なのです。男性ウケのいい美人だったら、必ず幸せな恋愛ができる…と思いきや、そうでもありません。例えば、自分の容姿に釣り合う相手を求めて高望みし、結局恋愛できないまま年を重ねてしまう。まだ「人を見る目」が養われないような若いうちから多くの男性のアプローチを受け、金銭的・性格的にいい加減な人と縁づいてしまう…。などなど、美人の恋愛には容姿が整っている人ならではの「リスク」が発生しやすいんですね。そのため、ウケのいい美人であっても、確実に幸せな恋愛をつかめるとは限らないのです。■永く愛されるモテ女子とは実は、先の「コンピューター・デート実験」で、容姿以外にも「もう一度デートしたい」と思わせる要素がありました。それは「コミュニケーションの相性」です。ただ見た目が優れているだけでは、長期的な人間関係を築くことはできません。対話ができてこそ、人の心は結びつきます。話していて楽しい、お互いの人間性を見せることに抵抗感がない、幸せを共有できる。だから彼女とずっと会話していたい。そう思ってもらえる女性こそ、男性にとって「永く縁づきたい女性」であり、恋愛においても結婚においても真の「勝者」なのです。■まとめモテ女子と容姿の関係性、そして永く愛される女性に必要な要素。どちらも、ご理解いただけましたでしょうか。ちなみに、楽しく会話ができる存在だとしても、誰に対しても必要以上に親しくする女性は敬遠されます。相手に応じて節度を保つ、そういった線引きがちゃんとできることも必要なのです。心が弱っているときであっても、他の男性の言葉に流されない。そういう強さがあると、さらに好感度は上がります。好きな人がいるのであれば、ぜひ「また話したい信頼できる女子」を目指してくださいね。
2019年03月30日1月24日、父親の栗原勇一郎容疑者(41)による虐待で命を奪われた千葉県野田市の小学4年生の心愛ちゃん(10)。発見されたとき、体には複数のアザがあり、胃にほとんど内容物がなかったという。2月4日には、夫の暴行を幇助していた疑いで、母親のなぎさ容疑者(31)も逮捕された。両親から激しい虐待を受けながらも、心愛ちゃんは懸命に「命のSOS」を発し続けていたことがわかってきた。そもそも心愛ちゃんへの虐待は、3年前から始まったとみられている。彼女が小3の夏まで過ごしていた沖縄県糸満市を取材した地元紙記者が語る。「’11年、勇一郎容疑者のDVが原因で、夫婦はいったん離婚。なぎさ容疑者は、しばらく実家で生活していましたが、’15年11月から心愛ちゃんと糸満市内のアパートで2人暮らしを始めます。ほどなくして、復縁をせまった勇一郎容疑者がアパートに出入りするようになり、近所では心愛ちゃんの泣き声やうめき声が聞こえるようになったそうです」’17年2月に、2人は再婚。同年6月に、次女が誕生するが……。「次女は低体重児で、母親も体調を崩して入院しました。父娘は2人の生活になり、暴力がいっそう激しくなったようです。たまらず、なぎさ容疑者は、夫のDVと心愛ちゃんへの虐待を糸満市役所に訴え、市も勇一郎容疑者に面会を求めました。ところがその面会を2度も拒否して、勇一郎容疑者は、強引に妻と娘を自分の故郷である千葉県に連れていったのです」(前出・地元紙記者)’17年8月、家族4人は事件の起きた野田市内の家賃7万円ほどのマンションに移り住んだ。「11月6日、転校先の野田市立山崎小学校のいじめに関するアンケート調査で、心愛ちゃんは《お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか》と初めてSOSを発します。それを受け、柏児童相談所は、彼女を一時保護。その後、市内に住む、父方の実家、心愛ちゃんの祖父母の家に預けられたようです」(全国紙記者)ただ一度だけ「SOS」が聞き届けられ、祖父母の家に避難していたころの心愛ちゃんは笑顔で生活ができていたようだ。近所の住民はそのころ目にした心愛ちゃんの姿をこう話している。「このあたりはお年寄りが多い住宅地なんです。だから、ランドセル姿の女の子が珍しくて、思わず挨拶してみたら、コロコロっとした笑顔を見せて“こんにちは”と返してくれたんです。とても感じがよかったから“おうちはどこ?”と尋ねると、小躍りするように、栗原さんの家を指さしました。そこで彼女が栗原さんのお孫さんだということを知ったんですが……。あの天真爛漫な笑顔が頭から離れないんです」その後、命のSOSが届くことがないまま、心愛ちゃんの短い生涯は実父の手で閉じられた――。
2019年02月13日『パーフェクトクライム』(テレビ朝日系)の主人公・前島香織(トリンドル玲奈さん)は、上司と7年におよぶ不倫関係を続けてきました。「一番の存在」でありたいという願望を持ちつつも「二番手の女」の立場を受け入れ、完璧とは言い難い日々を送っていた香織。そんな彼女の前に現れたのは、ニューヨーク支社帰りのデザイナー東雲遥斗(桜田通さん)。彼は香織に上司と別れるよう迫るのですが…。■男女の別れ方の違い一般的に、男女の「別れ方」には違いがあります。特に、新しく心惹かれる相手がいる場合はその差が顕著です。例えば、女性の多くは「今付き合っている男性に悪いから」という理由で、元カレの連絡先を消します。これは「過去と断絶」しないと、次に付き合う人が不安になるだろう、との配慮による行動です。一方、男性は、自主的に消すことは滅多にありません。別に絶縁したいわけではないので、あえて削除する必要性がない、と考え、消すという行動に至らないのです。別れたら、元カレとは心理的・物理的距離を取ろうとする女性。しかし、一生そのままというわけではありません。あるタイミングで、むしろ元カレに近づこうとする心理が働きます。そのことが「元カレと今カレの間で心揺らぐ状態」を作り出すんですね。では、それはどんなときなのでしょうか?■心に隙が生まれるときが危険仕事でうまくいかないのがつらくて、その気持ちを吐き出したい。そして慰めてもらいたい。頑張っているのに成果が出なくて落ち込んでいるから、抱きしめてほしい。そんなとき、恋人のリアクションが微妙だったり、おざなりだったりするとガッカリしますよね。こういったことが繰り返されると、果たして彼は自分と向き合う気があるのか、相手の気持ちに疑問を抱きます。このようなタイミングが、一番危険なときです。満たされない想いを抱えて心に隙がある、そこに元カレが現れて優しくしてくれたら…と想像してみてください。しかも、相手はひどい人間ではないことを知っています。元カレこそ、自分にふさわしい居場所なのかもしれない。そんな錯覚が生まれてしまうのではないでしょうか。■勘違いの心理学しかし残念ながら、それは「錯覚」でしかありません。心が弱くなっているとき、自分を肯定してくれる存在が現れると「安堵感」と「承認欲求の充足」が起こります。これは長い間会っていなかった友達と仲良く過ごし、過去の日々を愛するといった心情に近しく、いわゆる「久闊(きゅうかつ)を叙(じょ)する」という心理になります。心に隙があるとき、これを恋愛感情だと勘違いしてしまうのです。別れの原因は男女どちらにもあるもので、お互いに成長して原因を解消できていたら、セカンドステージで上手くいくかもしれません。でも、別れの原因がきれいさっぱりなくなっているなんてことは稀。そういった事実を無視して、お付き合いの可能性を考えても意味がないと言えます。けれど、満たされていない恋愛をしていると、渇望を癒したい気持ちで頭がいっぱいに…。結果、「勘違い」が深く強くなり、元カレと今カレの間で思い悩む状況を招くのです。■まとめ元カレと今カレの間で揺れ動く心理、ご理解いただけましたでしょうか。ちなみに、勘違いが起こるのは元カレだけではありません。琴線に触れるような男性だったら、たとえ初対面の人だとしても心惹かれてしまう可能性は大いにあります。それは結局、「恋愛」ではなく「充足感」を求めているにすぎません。まずは、今の彼とちゃんと心通い合う関係を築けるよう努力しましょう。目の前の男性と向き合えない人は、他の誰とだって向き合えるわけがないのですから。
2019年01月26日現在パソコンで「片思いアプローチ」で検索をすると、所謂”モテテク”と呼ばれるテクニックの情報で溢れかえります。しかしこんなにたくさんある中で本当に効果があるのはなんだろう?と気になりますよね。そんなあなたに、今回は心理的効果《ウィンザー効果》を利用したアプローチ方法を伝授します。■《ウィンザー効果》とはそもそもウィンザー効果とはなんなのかを説明しますと、「直接言われるよりも第三者から間接的に言われたほうが信憑性や信頼性が増す」という心理的効果です。身近なところでこのウィンザー効果が使われているのが、「口コミ・レビュー」なんです。行ったレストランや美容院などのお店に対して評価をするものですが、実際お店が自ら「うちの店のごはんは美味しいよ!」というより、行った人が「ここのお店のごはん美味しかった!」と口コミで書いていたほうが信憑性高くないですか?それこそが、ウィンザー効果の力なのです。■恋愛に応用するのは意外と簡単ウィンザー効果の力がわかったところで、さっそくこの効果を恋愛に応用させましょう。簡潔に言うと、ウィンザー効果を使って貴方の好意、魅力を相手に伝えて自分のことを意識してもらうのです。その方法は簡単で、自分と自分の気になる人の共通の友人に協力してもらえばいいのです。ここでポイントが2点あります。1,極力さりげなく本人に伝えてもらう2,自分の評価ではなく、感想を伝えるそれではこの2点をそれぞれ解説していきます。1,極力さりげなく本人に伝えてもらうここで大事なのは、その共通の友人への信頼と友人の演技力。貴方の好意を遠回しながらも伝える仲介をしてくれる人なので、人選を失敗してしまうと不特定多数の人に言いふらされ、むしろ恋愛成就には遠回りになってしまう恐れも。そのためなるべく彼以外には言いふらさないと信じられる人、それでいてさりげなく伝えてくれる人がベストです。2,「自分への評価」ではなく、「彼への感想」を伝えてもらう好きな人に自分を意識してもらいたいとき、貴方はなにをアピールしますか?もちろん、「◎◎ちゃんって料理上手なんだよ」と伝えてもらってい女子力アピールをしてもいいのですが、わざとらしいと思われてしまったり、「へ~」で終わってしまう恐れもあります・・・。貴方に対しての評価は、間にはいる友人の主観が入っていると思われるかもしれないのです。そのため、ここでの《正解》は「◎◎ちゃんがかっこいいって言ってたよ」や「一緒に出掛けたら楽しそうだよねって言ってたよ」と伝えてもらうこと。貴方の彼に対しての感想は、間の友人が関与していない、“そう言っていたという事実"として受け取られるので、評価よりも信憑性が増すのです。アピールするなら賢く行うのが片思いを成就させる1番のポイント。評価は自然と中が深まっていく中で彼が彼目線でしてくれるので、自らアピールすべきは評価ではなく感想というのを頭に刻み込みましょう。■どんなタイミングが効果的?それでは実際、どんなタイミングでウィンザー効果を使えば効果的なのでしょうか?▽みんながいる集まりの最中「合コン中に友達から、『さっき✖✖ちゃんがお前のことかっこいいって言ってたよ』って言われてそこからずっとその子を意識してしまった・・・」(26歳/男性/営業)自分のことをよく思ってくれた女性が目の前にいる・・・その状況にドキドキしてしまう男性は多いようです。また自信がつくからか、そのあと彼から連絡先を聞いてくるなどアクションを起こしてくれることもあるみたい!▽ふとLINEが途切れた時「友達の紹介で知り合った子とのLINEがちょうど途切れちゃったとき、その子が俺とLINEするの楽しいって言ってたのを友人伝いに聞いて、すぐにその子とのLINE再開した(笑)」(22歳/男性/大学生)自分とのLINEを友達に話したくなるくらいに楽しんでくれているのは、誰しもが嬉しいですよね。それに、もっと連絡を取りたくなるはず。少なくとも、既読スルーや未読スルーはしにくくなるはずです。▽自分がいなかった集まりの後「体調悪くて行かなかった飲み会のあとに、『〇〇ちゃんがお前来てなくてすごい寂しがってたぞ』って言われて純粋に嬉しくなっちゃいました」(24歳/男性/商社)その場にいないことに気づいてくれるだけでなく、寂しがってくれるなんて・・・もしかして俺のこと好きなのかも?と思わせたら勝ちです。普段は他の人がいなくてもあまり寂しがる様子を見せない、という前準備があれば更に効果的。■まずは確実に意識させること好きな人と付き合いたいとき、友達から“気になる人”に昇格するのが第一関門。気になる人になってしまえば、貴方を意識して見ているぶん、様々なモテテクが通用しやすくなる状況が出来上がります。彼の周囲にいる"女友達"から抜け出すためにも、ウィンザー効果を試してみてください!(N a r u . /ライター)(ハウコレ編集部)
2018年11月02日在宅介護では暴言や暴力が絶えないともいわれています。このいわゆる虐待は大きな問題でもあります。認知症の人に接するうえで最も大切なことは何か。このような悲劇を招かないために、一度立ち止まって考えてみる必要がありそうです。■ 最も暴力に発展しやすいのは子が親を介護するケース!?平成27年度、家族や親族による虐待数は15,976件でした。これは前年と比べて237件増えています。sakai / PIXTA(ピクスタ)介護者と要介護者の関係を大きく分けると、子が親を介護、妻が夫を介護、夫が妻を介護、妻が姑を介護、という4つのケースがあります。この中で最も感情を乱しやすいのは、子が親を介護するケースです。また認知症の人は感情のコントロールがうまくできないため、何かと怒ったり頑固になったりします。しかも言うことを聞かないうえ、暴言や暴力までふるうこともあります。その結果、介護者がストレスを抱え、今度は介護者による虐待が始まることも少なくありません。■ 虐待で最も多い!息子が親に対して行う暴力平成27年度の虐待事例15,976件のうち、息子が全体の40.3パーセント(7,099件)を占めています。Ushico / PIXTA(ピクスタ)以下、夫の21.0パーセント(3,703件)、娘の16.5パーセント(2,906件)の順に続いています。では、なぜ息子の暴力が多いのか。それは、もともと力の差があるうえ、身内という遠慮のない関係が災いし、暴力をふるいやすいのではないかと思われます。■ 在宅介護で虐待が起こる最大理由はストレス!息子や娘は、自分を育ててくれた親をいつまでも気丈で尊大な人と思いたいものです。しかし、幼児のようにわがままや身勝手な振る舞いをする親に、我慢できなくなり、つい手を挙げてしまうのではないでしょうか。厚生労働省の調査によると、在宅介護で虐待が起こる最大の理由は「介護疲れ・介護ストレス」とのこと。shimi / PIXTA(ピクスタ)徘徊や異常行動を起こす親に振り回されると、疲れ、ストレスが溜まり、やがて冷静に対処することができず、大声で怒鳴ったり、手が出たりします。■ 病に対する理解不足は悲劇を生む根源同じ質問を一日に何十回もされると、多くの人は冷静さを失うでしょう。でも、それが認知症なのです。言ったこと、聞いたことをすぐに忘れる病が認知症なのに、性格が悪いとか頭がおかしいとか、本気で思ってしまう人もいます。shimi / PIXTA(ピクスタ)認知症で最も悲しいことは、こうした誤解による関係性の崩壊です。では、どうすればいいのでしょうか?最大の防止策は、認知症を理解することです。多くの介護者が認知症を理解しないまま介護をしていると考えられます。介護方法は知っていても、病気についての理解がないため基本的な接し方ができない人が多いのです。これは悲劇の根源でもあります。認知症の人は病人である前に人なのです。汚い言葉には汚い言葉で返します。優しい言葉には優しい言葉で返します。■ 認知症を理解し受け入れる寛容さが大切認知症は治らない病気、認知症になったら家庭は崩壊する、などの言葉が独り歩きし、誤解を信じ込んでいる人はたくさんいます。認知症を理解することは相手を理解することであり、それによって憎まない・怒らないにつながります。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)病を憎んで人を憎まず。難しいことかもしれませんが、病気を理解し真正面から受け入れる寛容さが私たちには必要なのだと思います。【参考】※イリーゼ高齢者虐待を防止するには?介護現場の実態と今後の解決策※厚生労働省医療経済研究機構「家庭内における高齢者虐待に関する調査」概要※厚生労働省平成27年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
2018年09月18日この世から児童虐待がなくなるように、との願いから「#こどものいのちはこどものもの」というチームを組み、さまざまな活動をしているイラストエッセイストの犬山紙子さん。児童相談所で長年子どもの問題を扱ってきた元児童心理司で、『告発児童相談所が子供を殺す』などの著書もあるカウンセラーの山脇由貴子先生。児童虐待の根絶に向けた活動を続けているお二人に、“#わたしたちでもできること”というテーマで対談していただきました。※お二人の対談を3回に分けてお送りします。子どもの泣き声が大きすぎてもしも自分が通報されてしまったら……犬山:これまでの話とは逆なんですけど……イヤイヤ期で、毎日ギャン泣きするような子どもがいるお母さんの中には、自分が通報されやしないかとビクビクしている人も多いと思うんですよ。でも、もし通報されて、ちょっと様子を見に来られたとしても、別に堂々としていればいいんですよね。山脇:そうそう。通報されたくないからって、タオルで子どもの口を押さえちゃったりするお母さんも本当にいますけど。堂々としていればいいんです。そのあたりは、児童相談所の職員も慣れているので。「近所から通報があったので訪問しました。心当たりがありますか?」って聞かれたら「うちだと思います。いつか通報されるんじゃないかと思っていました。泣き声が大きくて困っているんです」と言って、子どもを見せればいいだけのこと。けっこういますよ、そういうお母さん。犬山:変に怖がりすぎないことですね。とはいえ、子どもがギャン泣きしているとき「うわ~、隣の家、どう思っているのかなぁ」っていうのは、頭をよぎりますよね。今日もうちの子の通う保育園のクラスメイトの女の子が、イヤイヤ期がすごすぎて、下着姿で登園してきたんですよ。お母さんも「どうしても着せられなかったんです」と言っていて。実際、保育園でも30分くらい着せられなかったみたい(笑)。それくらい大変な子は大変ですもんね。山脇:あと、中には近隣の人が、子どもの泣き声がうるさいから、児童相談所に通報して「なんとかしてくれ!」っていうケースもある。児童相談所が来ること自体は全然気にする必要はないです。「たぶん、またあると思います」くらいの対応で平気だと思います。犬山:あー、よかったー。心がラクになった~(笑)。山脇:児童相談所って通報するだけじゃなくて、もちろん相談することもできるんです。子どもがすごく泣いちゃって、バンバン通報されちゃうという人だったら「どうしたらいいんでしょう?」って、相談しちゃえばいいんですよ。虐待ではないんですから。自分も虐待してしまうかもしれないという不安カーッとなってしまった後はまず子どもにちゃんと謝ることが大切――自分が子どもを虐待してしまわないために、できることはありますか?山脇:子育ては大変だから、イラッとしますよね、絶対。イラッとして、子どもに何かひどいことを言ったり、たたいちゃったりしたら、それはもう子どもに謝るしかなくて。「ごめんね、イライラしちゃった……」って言って、ギュッてしてあげるしかない。犬山:そこで謝らずに正当化すると恐ろしいですよね。山脇:そう、「あんたが悪いからでしょ」っていうことになっちゃうので。基本は素直に謝ること。子どもにも「ごめんなさい」はちゃんと言いましょう。親が謝ってくれると、子どもは「自分が悪かったわけじゃないんだ」ということが分かるので。子どもにそれを分からせるということが大事。あとは、自分がどういうときにイライラしやすいかを知っておくことですよね。犬山:イラッとした後に、メモを取るといいかもしれないですね。おなかが空いていたとか、仕事をめちゃ抱えていたとか。山脇:カーッとなったときは、ちょっと子どもから離れられるといい。だから、やっぱり育児の協力者がいるのが一番いいですよね。どうしてもいない人は、自治体のサービスを使って。とにかくお母さんに余裕がないと、子育てがうまくいくはずがないから。あとは、カーッとなったときはどうするかを決めておく人もいます。シャワーを浴びるとか、お気に入りの服に着替えてみるとか、子どもを連れて外に出るとか。少し気分が変わることをやってみる。犬山:「イラッとした後メモ」とは別に、「今日よかったことメモ」みたいなのを残しておくのもいいかも。ダメなことばかり書いていると、最悪……って落ち込んじゃうから。毎日、客観的にいいところと悪いところが書けたら、いいところを伸ばせそうな気がする(笑)。山脇:私はいろんなご家族に「形容詞をたくさん共有できる家庭は明るい」という話をしているんですよ。一番分かりやすいのは「おいしい」ですね。家族で「おいしいね」って言いながら夕食が終わると、大体満足して一日終わります。だから、みんなで「楽しいね」「嬉しいね」っていうことがあった日は、メモしておくといいですね。それはみんなの思い出に残るものでもあるし。もちろん自分が今日よくできました、みたいなことでもいい。それを夫婦で探し合うというのも、私のクライアントにはやってもらっています。「今日あれがよかったよ」とか、「今日これをしてくれて、ありがとう」とか。挨拶が多い家、「ありがとう」や「ごめんなさい」が多い家は明るいんです。本にも書いているんですけど、とにかく“夫婦仲良く”ですよ。夫婦が仲良ければ、たいていのことはうまくいく(笑)。今も被害に遭っている子はたくさんいる虐待事件のニュースを風化させないためには――虐待の事件を他人事と思わず、身近に落とし込んで考えてみるということですね。山脇:虐待のニュースを聞いても「じゃあ、一般の人には何ができるかな?」っていうところには意外と話が行かないんですよね。それこそ児童相談所の批判とか、そういう方向に行っちゃって。一般の人とは常に遠いところにある。だから虐待の問題については、どうやったらみんなが活動したいという気持ちをキープしてくれるか、ですよね。犬山:そこは超課題ですよね。山脇:結愛ちゃんの事件は本当に悲しかったけど、でも、ああいうことは現在進行形でたくさん起こっているから。それが情報として報道されていないだけで。あんなにひどいケースは多くないにしても、このままだと結愛ちゃんみたいになっちゃう可能性のある家庭はきっと存在するから。実の親であってもね。犬山:気になったときに、ささいなことでもいいから、みんながまず一回、ちょっと動いてみることが大事なんですかね。それがひとつのフックになって、今後何かを見かけたときにアッとつながっていくのかなと思います。Text:Keiko IshizukaPROFILE山脇 由貴子Yukiko Yamawaki女性の生き方アドバイザー。家族問題カウンセラー。 東京都に心理職として入都し、都内児童相談所に心理の専門家として19年間勤務。2015年に退職後、「山脇由貴子心理オフィス」を立ち上げ、現職。『教室の悪魔』(ポプラ社)、『告発児童相談所が子供を殺す』(文春新書)、『思春期の処方せん』(海竜社)など。PROFILE犬山紙子Kamiko Inuyama1981年生まれ。コラムニスト、イラストエッセイスト。著書に『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス)、『地雷手帖嫌われ女子50の秘密』(文春文庫)、『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)ほか多数。2017年に女児を出産し、育児体験者への取材記録や自身の出産体験記を収録した『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)を刊行。現在は「SPA!」「anan」「steady.」「文學界」「読売新聞」などで連載中。▼第1回はこちら▼第2回はこちら
2018年08月31日<#わたしたちでもできることベビモフ特別対談>この世から児童虐待がなくなるように、との願いから「♯こどものいのちはこどものもの」というチームを組み、さまざまな活動をしているイラストエッセイストの犬山紙子さん。児童相談所で長年子どもの問題を扱ってきた元児童心理司で、『告発児童相談所が子供を殺す』などの著書もあるカウンセラーの山脇由貴子先生。児童虐待の根絶に向けた活動を続けているお二人に、“#わたしたちでもできること”というテーマで対談していただきました。※お二人の対談を3回に分けてお送りします。自分も子育てや仕事でいっぱいいっぱい。そんなときに、児童虐待に対してできることってなに?犬山:はぁ……こうした虐待の実態を聞いているだけでも相当しんどいです。私たち、ベビモフを読んでいる人たちって、子育てしながら仕事をされている方も多いかな。とにかく毎日大変だと思うんですよ。なので、児童虐待に対して何かアクションを起こそうと思うと、すごくハードルを感じてしまう。マザー・テレサみたいな人じゃないと、やれないんじゃないかとか。私ひとりが動いたところで、とか。いや、そもそも今、自分の子育てでいっぱいいっぱいだから、そんな余裕ないわ、とか。私も今回、アクションを起こすまでは、そういうイメージが強くて。でも、そんな余裕がない人でも、何かワンアクションで、ちょっとは状況がよくなるんじゃないかと思うようになったんです。虐待を受けているかもしれないお子さんがいるとしたら、近所の人はどんなことができるんでしょうか?山脇:とにかく私が一般の方向けに講演するときに言っているのは、みなさんがおかしいなと感じたら、大抵の場合、きっとそのおうちに何かあるということです。児童相談所の職員のほうが、慣れすぎているせいで「これくらいなら、あんまりおかしくない」って思っちゃうので。犬山:でも、一般の方にはなかなか見抜けないことも多いと思うんですよ。何かこういうサインがあったときは、気をつけたほうがいいという例はありますか?山脇:たとえば、家に帰りたがらないとか。基本的に、幼児から小学校低学年くらいまでの子が、夕方以降ひとりでフラフラしているのは危険ですよね。これはまず間違いない。あと、これは他人には分からないかもしれないけれど、夜、親が家にいないっていうのは絶対にダメですよね。仕事柄もあるのかもしれない。朝の5時まで仕事していましたっていう人も職種によってはいますよね。でも面倒を見る大人が誰かいる必要はあります。犬山:夫や祖父母とか、誰かがいるんだったら、いいけれども。夜、子どものそばに大人が誰もいないっていうのはダメですよね。山脇:それに付随して、子どもひとりでコンビニに行く、みたいなことも出てくるので。コンビニでは、おなかが空いて万引きする子もいれば、親に万引きさせられる子もいますし。コンビニにそういう子が来たら、通報するという運動をやっている地域もあります。そういう運動も広がっていくといいですよね。犬山:すばらしい!コンビニで何かできないかな?っていう話、ちょうど先日していたんです。もう何かやるとしたら、民間なのかなって。街中にたくさんあるところ、コンビニとか、歯医者とか……。山脇:歯医者にはガイドラインがありますね。犬山:やっぱり虫歯だらけとか?山脇:虫歯が多いのは、虐待のサインですからね。過去の経験では、5歳と6歳の男の子の兄弟で、虫歯がひどくて離乳食しか食べられないというケースがあり、その日のうちに保護しました。あと、朝ごはんを食べてこないとか、やせすぎているとか。小学生だったら、給食をあまりにもガツガツ食べているとかね。「大食いの子なんです」って言われちゃうかもしれないけど。犬山:給食ドカ食いとセットで、不潔だとか……。山脇:保育園に通っている子で、いつもすごく不潔で、持ってくるタオルも汚くて、みんなと一緒にプールに入れられないというケースもありました。犬山:自分の家の前でポツンと立っているみたいな子は?山脇:家からの閉め出しは、もう絶対に110番。ためらわず。ベランダに出すのも、基本は110番だと私は思っています。やっぱり亡くなってしまう子がいるので。いきなり児童相談所に連絡する前にできることはたくさんある犬山:気になる子がいた場合、ハードル低めのできることって、何がありますか?山脇:ひとつは保育園や幼稚園、学校の先生とか、その子に関わる人に話をしてみるっていうことですね。先生は園や学校でしか子どもの姿を見ていないので。放課後はこんな様子なんですよね、っていう情報が入ると「放っておくわけにはいかないな」となる。そこから、先生たちが子ども家庭支援センターや児童相談所に連絡しようか、っていう流れができると思います。だから、気になる子を発見したら、まずは仲のいいママ同士でもいいので、ちょっと情報を集めてみて、その情報を集約したものを先生に持って行く。先生がママたちに言ってくれるかどうかは分からないけれど、もうすでに子ども家庭支援センターが関わっている、という子どももいるかもしれないですし。「あの子についてはすでに把握しているので大丈夫です」と先生に言われれば、これ以上心配しなくていいんだなって思えるじゃないですか。犬山:そうですね。いきなり自分が児童相談所に連絡するとなると、ハードルが高いと感じる人も多いと思います。なんか自分のせいで、あそこの家がバラバラになるのかな……?って思うと、ビクビクしてしまって。先生だったら「すみません。ちょっと匿名でお願いしたいんですけど」みたいな感じで、相談しやすいかな。山脇:ただ、先生によっては、相談した後、すぐにその子の親に連絡しちゃった、というケースもけっこうあるんですよ。だから、ママたちから「先生はどうされますか?」と聞いてみるといいですよね。先生に「まず、親に確認します」と言われたら「それは危険ではないですか?」って。先生が親にいきなり連絡しちゃったせいで、家に帰った子どもが親に責められたなんてことがあると困るので。犬山:まだ園にも入っていない乳児の場合は、どうしたらいいんですか?山脇:乳児の場合は保健所になりますね。保健師さんなどが新生児のいる家庭を訪問する“新生児訪問”のほか、生後4ヵ月までの乳児がいる家庭をスタッフが訪問し、産後のサポートをする“こんにちは赤ちゃん”事業なども各自治体でやっています。犬山:うちの子が生後1カ月のときに来てくれた保健師さん、すっごく優しい方でした。山脇:だから自分の子の健診のついでに「ちょっと気になる子がいて」っていう話をしてもいいわけですよ。歯科健診とかもありますし。あとは、各自治体の子ども家庭支援センターのほとんどが、0歳~3歳を中心として親子で遊べるような“子育てひろば”を開設しています。そこにはちゃんとプロがいますから。犬山:乳児のママたちって、児童館にもけっこう行っていますね。山脇:自分の子どもが児童館や学童を使っていたら、そこの職員の方にちょっと言ってみるというのもいいかもしれない。一番話しやすい人に。犬山:なるほど。この知識はシェアしたいですね。山脇:それに、子ども家庭支援センターって、子どもを預かってくれるショートステイやトワイライトステイの窓口など、働くお母さんにとって活用しやすいサービスがいっぱいあるんですよ。登録しなきゃいけないのが面倒くさいっていう人もいますけど。費用もそんなに高くないですしね。だから、住んでいる自治体の情報を一度しっかり調べてみるといいかもしれない。犬山:でも自治体のホームページって、見づらいんですよね……。山脇:役所や支援センターにはリーフレットがいっぱい置いてあるので、一度行ってもらってくるのもいいと思いますよ。緊急性のある場合はどこに連絡すればいい?児童相談所と子ども家庭支援センターの違いとは――厚生労働省が作った児童相談所全国共通ダイヤル189(いちはやく)はどうですか?山脇:“いちはやく”は電話しやすい反面、実はそんなに早いわけじゃないんですよね。相談員が電話を受けた後、担当の児童相談所に連絡を入れるという流れなので、むしろ時間がかかっちゃう。緊急性があるときは、地区の児童相談所に直接連絡したほうが確実です。児童相談所に直接来た連絡は、虐待通報として「このケースはどうしましょうか?」って、緊急受理会議をするので。そっちのほうが、よっぽど早いです。さっき、犬山さんは「自分が連絡したせいで、その家がバラバラになったら……」と心配していたけれど、通報があったからといって、すぐに児童相談所が子どもを保護することはないですよ。たくさん調査をして、それから預かるかどうかを会議で決めるので。もちろん、その子が全身傷だらけ、アザだらけだったら、すぐ保護しますけど。犬山:うん、たぶんそのことを知らないからハードルが高いと思うので。この知識があるといいですよね。山脇:その一方で、今どきは子ども本人が「家でお母さんに叩かれている」とか「家に帰りたくない」って連絡をして、即、保護になるケースもあるんです。親に何か嫌なことをされると「それ虐待だから!」って騒ぐ子もけっこう増えていて(苦笑)。軽い一言で、すごいことになっちゃうよ、というのを子どもにも知ってほしいですね。あと、児童相談所じゃなくて、子ども家庭支援センターに「気になる子がいる」って通報するのでもいいんです。支援センターには子どもを預かる機能がないので。そこにはどんどん情報を入れてもらって大丈夫。自分の子どもに「気になる子」のことを聞いてみる――というのも、ひとつの方法山脇:そのほかに、自分の子どもに「気になる子はいないか」を聞いてみてもいいかなと思っていて。犬山:あ、いいですね。例えば虐待のニュースがあったときに、子どもに「友達でしんどそうな子がいたりする?」って。それ、すぐできることだ。山脇:で、気になったら、お母さん同士で情報共有してみる。ただ、お母さんたちも忙しいですけどね。犬山:でも、虐待のニュースがあって、何かしたいけど、何もできない。そんなとき「じゃあ、一回ちょっと集まってみましょうか?」って、ママ会をやるだけでも、ひとつのアクションになるかもしれない。何もなかったら、お茶するだけでもいいし。山脇:そうそう。ただの雑談になってもOKなんですよ。雑談は平和の象徴なので。犬山:自分がPTA役員になったら、それを提案してみるとか。山脇:うん、PTA活動が活発な学校っていうのは、とにかく平和ですよ。子どもが明るい。友達のお父さんが会長をやっていたり、お父さんたちが学校の花壇の手入れをしていたり。それだけ大人の目があることになるので。犬山:PTAって、働く親からすると、うわ、めんどくさい!って思っちゃうイメージなんですけど。子どもを守るっていう気持ちだったら、私もがんばれそうな気がする(笑)。山脇:気になる子が、自分の子どもの同級生とか知っている子だったら、チャンスがあったときに、その子から直接話を聞くっていうのもいいと思う。例えば、いつも季節に合わない服を着ているとしても、それは本人のこだわりなのか、親がこれを着ろと言っているのか、服がないのか、理由はいろいろですよね。子どもって、わりと無防備に話してくれるので。そこから何か大きなことが出てきちゃったら、そこで学校の先生に言えばいいし。通報までしなくても地域の力で救われる子も必ずいる山脇:気になる子どもの“お母さん”に声をかけてみることもできますよね。犬山:その声のかけ方も、先生にぜひ教えていただきたくて。「あなた、虐待してるでしょ?」っていうのは絶対にダメじゃないですか。いい声のかけ方って、ありますか?山脇:まぁ、前提として、そのお母さんが話をしたがる人かどうか、っていう見極めが必要だけれど。「いやいや、放っておいてください」みたいな感じになっちゃう人だったら、やっぱり調査の段階から専門家が入らなきゃいけない。でも、そうじゃなかったら、まずふつうに仲良くなって「子育て、大変だよね」っていう話からでいいと思うんですよ。この人は何を大変だと感じているのか、っていうことからだと思うんですよね。困っていることが分かれば、「何か手伝えることがあったら、手伝うよ」って言える。世の中には通報しなきゃいけない人もいるけど、地域の仲間同士のサポートで助かる親、救われる子どもも絶対にいるんです。地域に期待できるのは、そっちでしょうね。どうやって発見して、どうやって手伝ってあげるか、という感じ。「ぜひお願い」と言う人も、きっといると思うので。第3回へと続く……Text:Keiko IshizukaPROFILE山脇 由貴子Yukiko Yamawaki女性の生き方アドバイザー。家族問題カウンセラー。 東京都に心理職として入都し、都内児童相談所に心理の専門家として19年間勤務。2015年に退職後、「山脇由貴子心理オフィス」を立ち上げ、現職。『教室の悪魔』(ポプラ社)、『告発児童相談所が子供を殺す』(文春新書)、『思春期の処方せん』(海竜社)など。PROFILE犬山紙子Kamiko Inuyama1981年生まれ。コラムニスト、イラストエッセイスト。著書に『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス)、『地雷手帖嫌われ女子50の秘密』(文春文庫)、『言ってはいけないクソバイス』(ポプラ社)ほか多数。2017年に女児を出産し、育児体験者への取材記録や自身の出産体験記を収録した『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)を刊行。現在は「SPA!」「anan」「steady.」「文學界」「読売新聞」などで連載中。▼第1回はこちら
2018年08月30日