「怒られた」「否定された」「なんだか不幸を感じる」、ストレスの原因はあげれば数限りないほど。ですがストレスほど心と体を傷つけ、美容どころか健康まで損なっていくものはなかなかありません。そんなストレスですが、やっつけるのではなく、変えていく技法で、うまく付き合っていくこともできるのです。ストレスを変える?ちょっとピンと来ないかもしれませんが、そもそもストレスってなんで感じるのかというところから考えて、ストレスを変える技法について、知っていきましょう。だがストレスは忘れがたいもの、それは人間の本能でもあるストレスは忘れがたいものです。それは人の本能とも関係があります。人には、嫌なことや危険を感じるようなことがあったら強く記憶しておかねばという本能があるのです。これは、今後そういった嫌なことや危険を避けるためのもので、それがストレスといった形でいつまでも引きずるという現象を起こすのです。ゆえにストレスを忘れるというのは、本能に立ち向かう行動です。ある意味自分をだまし、ネガティブな出来事をポジティブに変えていく必要があります。ストレスを引きずっていいことはないストレスは、引きずっていてもいいことはありません。当然ですが、嫌なことをずっと覚えておくことほど苦痛なことはないでしょうし、ずっと考えていれば、当然イライラして体や心にも悪影響を与え続けます。とはいえ、忘れろと言われても忘れられないのがストレス!引きずってしまうのが普通であり、仕方がないことなのです。でも、ストレスを感じるような場面でもポジティブに乗り切ったり、あまり引きずることなくうまく対処している「にこにこさん」はいるものですよね?あんな風になれるように、少しでも気持ちを変えていくための、「チェンジ」の技法。知っていきましょう。ストレスを別のものに変えていく「チェンジ」の技法3選!!ストレスはストレスとして、ネガティブに受け取るのではなく、何かポジティブなものに変えていくことができます。まずはその方法を3つ伝授しますので、「これならできる!」というものに、ぜひ飛びついてください。【思い出に変える】ストレス原因を過去形で考えるストレスを感じた原因、「嫌な思い出」を瞬時に過去形に変えていきましょう。どんな嫌な思い出でも、昔のこととなれば、わりとどうでもよくなったりしますよね?本当はついさっきあったこと、または今起きていることでも、即座に過去形で考えるように自分をだましましょう。「2分前に怒られた、イライラする」→「前に怒られたことがあったけど、そのおかげで気を付けられるようになった」のように、ポジティブに変えていくのです。このスピードが早ければ早いほど、ストレスを感じている時間は短くて済みますし、嫌な経験を乗り越えた経験として考えることができれば、ストレスではなく今後の糧とすることができます。この方法で、次々と起こる嫌なことを「過去の経験」にしていきましょう。最強のメンタルの持ち主になれそうですね。【いったん忘れる】心の棚を広く持ち、ストレスをちょっと棚に上げる嫌なことはいったん忘れましょう。反省は必要ですが、いつまでも後悔をしていることは、誰の得にもならないことです。心の棚を広く持ち、「嫌な出来事」はちょっと心の棚に上げて、何か楽しいことでも考えましょう。だって、いつまでもストレスを感じ続けていても悪循環ですから。自分に甘くなることも、悪いことではないのです。心の棚は広めにしておいた方が、ずっと生きやすくなりますよ。【消化する】ストレスによって休むことを肯定的にとらえる日本人は勤勉だなどと言われます。実際、休みにくい風土はあり、病気にでもならない限り休むということがないという文化は確かにあるかと思われます。休むにしても、旅行に行く、勉強するなど、何かしていなくてはいけないような雰囲気もあり、ただ寝ているという「真のおやすみ」に自分でも否定的になってはいませんか?ストレスを感じたら、ただひたすら寝て休むのも、立派な回復法です。休むことを肯定的にとらえましょう。無理に動かなくてもいいのです。とにかく休んで、ひたすら自分を甘やかしましょう。自分に優しくなければ他人にも優しくなれない!くらいの開き直りが大切です。自分なりの方法でストレスとうまく付き合っていこう自分なりの方法で、ストレスとうまく付き合っていきましょう。ストレスとうまく付き合えることも大人の証。ヒステリックにもネガティブにもならずに、ポジティブに変えていきましょう。
2018年03月23日毎日の生活で必ず溜まってしまうストレス。自分にはストレスはない!と思っていても、案外ほとんどの人がストレスを抱えているものなのです。発散できないまま自分の中に溜めこんでしまい、心身のバランスを崩してしまうなんてことになる前に、定期的に発散しなければなりません。そんなストレスを一気に発散できる方法についてお話ししたいと思います。涙を流す嬉し涙でも悲し涙でも、泣いた後ってスッキリしますよね。泣くことでストレスが軽減されるというのは、実際に多くの実験で立証されているといわれています。仕事でうまくいかない時や、何か悲しいことがあった時に涙が出そうになったら、我慢しなくて良いのです。泣いてしまった方がそのもやもやはスッキリします。感動系の映画やドラマを見て、意識的に泣く方法もストレス解消には効果的だといわれています。ストレスを感じている時は泣いてみると、涙で悪いものが出ていった気持ちになって、一気にすっきりしますよ。抱きしめる、抱きしめられるいわゆる“ハグ”には、1日のストレスの1/3を解消してくれる効果があるといわれています。好きな人とハグすることで、脳内に“ドーパミン”と“オキシトシン”という物質が放出されます。ドーパミンは幸福感を体に与えてくれ、オキシトシンにはリラックス効果があるといわれています。好きな人とハグしたときのあの安心感や幸福感は、実際に体に作用してストレスを軽減してくれるのです。自然にふれる心や体が疲れたときは、自然の豊かな地に足を運んでみてください。山や海、森林の豊かなところや夕日がきれいなところ、どこでもいいのです。自然が豊かな場所には、きれいで澄んだ空気や風が流れ、無駄な雑音がなく自然の音だけが耳に入ってきます。そして、山や森林に行けば、きれいなみどりに包まれていますよね。緑色には目を安らげる効果があるとされています。日々のせわしない環境から一旦離れて自然にふれるだけで、雑念がなくなり清々しい気持ちを体感できます。休日にショッピングや映画もいいですが、たまには無駄なものが何もない自然の環境に身を置いてみましょう。体を動かす毎日仕事などで忙しくて、なかなか運動をする時間を取れない方はとても多いのではないでしょうか?ストレスや疲れが溜まっているときは、あえて体を動かすのもおすすめです。運動をすれば汗をかきますよね。汗を流すことにはリフレッシュ効果があり、体の毒素が抜けてすっきりします。また、運動することによって神経伝達物質が増加して、心のリフレッシュにもなるのです。一見、運動の疲れでもっとストレスが溜まるのではないかと感じるかもしれませんが、運動には心身ともに幸福感とリフレッシュ効果を与える大きなメリットがあるのです。朝起きたら太陽の光を浴びる女性にとって日焼けの原因にもなる“日光”は敵だと思われがちですが、日光を浴びることは体にとっては非常にいいことなのです。太陽の光を浴びることによって、脳内にセロトニンという物質が放出されます。セロトニンには精神を安定させたり、何かへの意欲を倍増させる効果があります。朝起きてなかなか布団からでられなかったり、仕事へのやる気が出なかったりする方は、朝起きたらまず太陽の光を浴びてみましょう。気持ちが明るくなり、今日も頑張ろう!という気分にさせてくれます。うつ病の予防のためにも効果的だといわれているので、心身のストレスをコントロールするために習慣化してみましょう。ストレスと向き合ってうまく解消しよう人間ならば誰しも怒りや悲しみなどを感じ、知らぬ間にストレスが溜まってしまいます。そんなストレスとうまく向き合うポイントは、「溜まっても発散すればいい」、そして「溜まる前に発散してしまう」ということです。我慢や強がりでストレスが溜まりつづけないよう、定期的に発散する時間を自分自身でつくるようにしましょう。それが習慣化できれば、ストレスに強い体になるのではないでしょうか。ストレス発散のために、休日はショッピングをしたり、家で雑誌や漫画を読んでゴロゴロしたり、自分の好きなことをするのももちろんいいと思います。しかし、自分の心身の健康を保つためには、いつもと違う時間を過ごしてみたり違う場所に行ってみたり、そういった時間の使い方でリフレッシュして気持ちをつくってみるのも、きっと新鮮な気分になれてストレス解消にも効果的ですよ!
2018年03月17日ストレス社会に生きる私たちは、いつだってお疲れモード…。職場や家庭で、何かしらの悩みを抱えながら生きているのではないでしょうか?そんな今こそ「ストレスフリー」に生きるべき!ストレスフリーに生きるコツは、“ありのまま”を受け入れることです。自分のありのままを受け入れて、あなたの持つ魅力を上げましょう!悩みっぱなしの毎日にうんざりしていませんか?誰しも、大なり小なり悩みはあるはずです。そして、悩みのせいで常にイライラしながら過ごしていると、家族や恋人に八つ当たりしてしまうことも…。結局、自己嫌悪に陥るというスパイラル…。もう、イヤ!そんな今こそ、「ストレスフリー」に生きましょう!同じ毎日でも、少し視点を変えるだけでハッピーに過ごせるものなのです。ストレス社会で生きる自分をいたわりながら、魅力アップを狙いましょう!1. 100点でなくてもいいじゃない!いつでも完璧、100点満点を目指すのは今日で終わりにしましょう。完璧主義でストイックに生きている人は、確かにカッコイイし尊敬できるけれど、いつでも近くにいたいかと聞かれると…。ん~、ちょっと疲れてしまいますよね。もしあなたが、仕事も恋愛も人間関係もすべて完璧でありたいと考えているなら、一度心をリセットしてみて。満点のあなたより、合格点のあなたの方が不思議と魅力的に見えるものなのです。知らず知らずの内にまとっていた話しかけづらい雰囲気を捨てることで、リラックスしたあなたの元へ人が集まることでしょう!2. 他人の評価を気にしないこれをしたらどう思われるだろう?ここでは話を合わせておくべきかな…。そんな風にいつもびくびく他人の評価を気にするのは、一旦お休み。あなた自身の考えで動き、あなた自身の言葉で話してみましょう。自分のしたいことを我慢したり、言いたいことを飲み込んだりするのは、ストレスとして自分の中に溜まっていきます。そうしていると、その内に自分では抱えきれなくなって爆発するしかありません。自分をいたわる気持ちで、今まで抑えていた気持ちをほんの少しだけでも表してみましょう。周りの人は、あなたの新しい一面を知って魅力的だと感じるはずです。3. 苦手な人とは距離を置く誰とでも仲良く、楽しく過ごせたら、私たちのストレスはずいぶん軽くなるはずです。しかし、なかなかそう上手くはいきませんよね。どこに行っても、苦手なタイプの人はいるものです。苦手な人と一緒にいると、イライラしたり笑えなくなったりします。ここはスパッと割り切って、苦手な人とは距離を置きましょう。無理に話を合わせたり、我慢して一緒にいる必要はありません。もちろん、職場の人なら嫌でも関わらないといけない場合も出てきますが、それは仕事と割り切って!仲良しこよしでなくても仕事は進んでいくもの。苦手な人と距離を置くだけで、心がすっと軽くなることを感じられるはずですよ。4. 選択肢を減らす私たちは、さまざまな選択を繰り返しながら生きています。そして、選択肢が多ければ多いほど、決断することがストレスになってしまいます。どれを選ぶべきか悩んだときは、子どもの頃を思い出してみるとよいでしょう。欲しいもの、したいこと、楽しい方など、自分が望むものを選んでいたはずです。欲しいのか、欲しくないのか。やりたいか、やりたくないか。楽しいか、楽しくないのか。選択肢をシンプルにすることこそ、ストレスフリーに近づくコツです!5. ありのままを受け入れるあの子みたいに可愛かったら…あんな風に振る舞えたら…。大人になるにつれて「どうせ私なんて」と自分を蔑むことが増えてはいませんか?それでも、あなたはそのままで美しいということを忘れないで。自分のありのままを受け入れること。それには自分と向き合う勇気が必要です。まずは、今まで自分を納得させるためにしてきた言い訳を捨てて、ゆったりと構えることです。背伸びはやめて、あまり無理はしないように。ありのままを受け入れることで、求めるものや見える景色も変わってくるのです。6. 物事に白黒つけない何でも白黒つけなきゃ気が済まないようでは、素敵な女性にはなれませんよ。そういう生き方は、サバサバしているとか、自分の意志があるというのとはまた少し違うもの。世の中には、白黒つけるのが難しい物事が多く存在します。無理やり分類しなくても、グレーゾーンがあったっていい!むしろ、その曖昧さを楽しめるようにならなくちゃいけません。白でも黒でもなく、グレーもあるんだと広い心を持つことで、凝り固まった考えが溶け出してくるはずです。その内に抱えなくてもよかったストレスから解放され、柔らかい雰囲気をまとえるようになります。ストレスフリーに生きよう!今日明日でストレス社会から解放される、なんてことはありません。それでもここで生きていかなくてはならないのなら、こちらの意識を変えるしかないのです。できない自分も、苦手な人と上手く付き合えない自分も、受け入れてあげましょう。それは、諦めているのでも、サボっているのでもないのです。お疲れ気味の自分にムチを打つのは可哀想です。ゆるく、決して無理はしないで、ストレスフリーに生きましょう!そうしていると、自然と魅力も上がっていくのです。
2018年03月03日好きなことをしているとき、いつものストレスを忘れてそのことに没頭している♡日頃のストレスを忘れるには、好きなことをする時間が絶対必要♡「好きなことをする」は最高のストレス解消法です。好きなことを仕事に出来ると最高ですが、毎日できる小さな好きなことを見つけて、ストレスを明日に持ち越さないようにすることも、とってもいいことです♡「老けない」の秘訣はストレスを“溜め込まない”こと!老け込まない、いつまでも若々しさを保っている人の特徴のひとつに、「ストレスを溜め込まないこと」があります。愚痴を言っていても、最後はすっきりと終わりになったり、なんといってもストレスとの付き合い方が上手いのです。毎日のストレスを翌日に持ち越さないことで、自分を傷つけ、疲れさせる時間を最小限にとどめることができるのです。嫌な気持ちを抱えている時間を長くしていいことなんてありません。少しでも早くストレスを解消できるように、自分なりの解決法を見つけましょう。ストレスとうまく付き合うには、“好きなことを見つける”のが一番!ストレスを瞬時に解消することは難しいですが、自分なりの解消法を見つけることは有効です。別のことを考えて、そのストレスと向き合う時間を減らしたり、時間の感覚を自分なりにとらえ直してみて、少しでも早くストレスを過去のものにしてしまうのもよい方法です。ストレスは、それの原因と向き合っているその時に感じてしまうのは仕方ありませんが、時間がたつと薄れて忘れていきますよね。うまくストレスを過去のものにしてしまい、短い時間でストレス源から離れることができると、毎日のストレスをため込まずに済むのです。そのためには、好きなことを見つけるのが一番です。ストレスの原因を上回るくらいの、大好きなことを見つけて、それをやっていれば、好きなことに関わっていれば、ストレスなんて忘れてしまう!!そんな大好きを見つけましょう。ストレスとはうまく付き合っていけるようになる一番好き♡を見つけよう!好きなことはできれば気楽に、日常的に接することができるものがいいでしょう。咲くのが楽しみな梅の花や、自宅で育てているサボテンやエアープランツのような、気持を和ませてくれるものでもよいのです。そういったごく普通に存在するものを好きになり、癒されることで、ストレスとうまく付き合っていくことができるようになります。もちろん音楽やスポーツ、大好きな友達など、これといった制約はありません。お酒でもよいですが、飲みすぎには注意しましょう。体にとってもよいことであれば、余計に日々を快適に過ごすことができるようになるでしょう。自分の為に丁寧に料理を作る、家事を丁寧に行って快適な空間をつくる。そんなことでも十分ストレスは消え去っていくものなのです。日常の変化やちょっとした出来事のなかに好きを見つけられると◎日常生活の中に、好きやときめきを発見できるようになると、ストレスをため込みにくい生活が可能になっていきます。ちょっとした出来事にときめけたり、ストレスを感じたときに、穏やかな気持ちになれるものを見つけることができれば、毎日のストレスリセットに役立ちます。例えばチョコレートが好きなら、たまには自分へのご褒美に、ちょっといいチョコレートを買ってきて、美味しい紅茶やコーヒーを入れてゆっくりといただいたりすると、スーッとストレスが溶けていくことでしょう。または、非日常の空間にストレス解消を求めるのもよいでしょう。自宅近くのジムやエステのような空間で、思いっきり体を動かしたり、ゆったりとラグジュアリーな空間を楽しんだりすると、気持が穏やかになり、ぐっすりと眠れるようになります。とにかく自分にとって良い方法を見つけ、好きをもとにストレスを解消していくとよいでしょう。好きなことをして、うまくストレスを解消していこう!毎日好きなことをちょっとずつしていって、うまくストレスを解消していきましょう。好きなことをちょっとずつ増やしていくと、日々のストレス解消が上手になり、毎日が素敵に色づいていくことでしょう。また、時には無理せずしっかりとやすむ。自分の気持ちと向き合う時間をつくるなど、自分で自分を大切にしてあげてください。そうすることで、日々のストレスとうまく付き合っていくことができるはずです。
2018年02月12日仕事、恋愛、友人関係…。”普通”に生活しているつもりなのに、なんだかストレスを感じてしまっていることもありますよね。ストレス社会の今、あなたもお悩みではないでしょうか?今回ご紹介するのは、思わず「むっ」としてしまったときの対処法です。ストレスは美容にも悪い!ストレス社会を上手に生きるストレスが肌に悪いということを聞いたことがある人も多いでしょう。ストレスは実際に肌荒れやくすみなどの原因になります。また、生理不順や腹痛、不眠など、健康にまで影響を及ぼすことも。ストレスを感じると、その人の”弱い”部分に症状が現れるともいわれています。美容や健康にも悪いストレス。でも、このストレス社会でストレスを溜めずに生きる方が難しいと思いませんか?仕事や恋愛、友人関係と、ストレッサーとなり得るものはたくさんありますよね。それらを全て避けて生きていくのは現実的ではないでしょう。そこで、ストレス社会を上手に生きることが大切になってきます。よくあるのが、相手の言動に対して「むっ」としてしまうこと。たかが、と軽く見てしまいがちですが、それが積み重なると大きなストレスになってしまいます。小さなストレス要因から対処していくことが大切なのかもしれませんね。 ストレスを自覚すること、自覚しすぎないことストレスの感じ方には、主に二つのタイプがあります。まず、あなたはどちらなのかを把握しておきましょう。①ストレスを感じていることを自覚する溜め込むタイプの人にありがちなのが、これです。ストレスを感じていても「私がガマンして丸く収まるなら…」と思ってしまうもの。その場は”受け流す”といった方法で確かに丸く収まるかもしれませんが、あなたの心はどうでしょう。なんだかモヤモヤが残ってしまいませんか?そのモヤモヤ感を大切にしてみましょう。ガマンするのが”当たり前”になっていても、例えストレスだと思っていなくても、モヤモヤするのがあなたの正直な気持ちです。知らず知らずのうちに溜め込んでしまうと、いつか爆発してしまうかもしれません。心の病になってしまう恐れもあります。自分の気持ちに正直になって、向き合うのも大切ですよ。②ストレスだと自覚しすぎると、それがストレスになる激情型の方に多いのが、このタイプ。豊かな感情を表現できることはステキなのですが、”ストレスをストレスだと過度に感じやすい傾向”にあります。「むっ」としたことやイライラ感を無意識に表現することで、「私はストレスを感じているんだ」と思わせてしまうのです。それが重なると、ストレスをたくさん感じているという思いに対してストレスを抱いてしまいます。怒りや悲しみなどの”負の感情”を表現するのは大切なことですが、時間が経つと後悔してしまうということがありませんか?”負の感情”をやみくもにぶつけるというのは、自分にとっても良くないのです。こういったタイプの方は、「むっ」としたときにひと呼吸置くのがオススメ。「私はなぜこんなに怒っているのだろう?」「私はなぜ今こんなに悲しいのだろう?」と、冷静に自問自答してみるのが良いかもしれません。 ストレス社会と上手く向き合うには、自分と上手く向き合うのが大切!①”適度に、冷静に”を大切にしよう上記のどちらのタイプでも、”適度さ”が抜け落ちています。ガマンするのも、やみくもに”負の感情”をぶつけるのも良くありません。誰かの言動に「むっ」としたときは、冷静に話し合うという姿勢を心がけましょう。ガマンしても解決になりませんし、”負の感情”をぶつけてもケンカになるだけですよね。「私はなぜこういった気持ちになっているのだろう?」と心の中の自分に聞いてみて、気持ちを整理することが大切です。その上で、相手に自分の気持ちを伝えるようにしてみましょう。②考え込みすぎないこと「むっ」としてしまったとき、ついついその出来事に関して固執してしまいがち。でも、そのことを考え続けること自体がストレスになっているのです。問題が起こってしまったときに解決へ向かって考えるのは必要ですが、ときには休憩をはさむことだって大切なはず。あなたは頑張りすぎていませんか?考え込むと、”負の感情”を引きずりかねません。ストレスを解決しようとして悪化させていた、なんて事態は避けたいですよね。あまり固執せず、気楽さを持つようにしてみましょう。③自分なりの発散方法を見つけるそして、ストレスは溜め込まずに発散すること。これはよく言われることですが、上手い発散方法を見つけられていない人も多くいらっしゃるのでは、と感じます。ストレス発散法としてさまざまなものが挙げられていますが、それを真似したからといって必ずしも発散できるわけではありません。あなたに合った発散法を見つけましょう。ストレス発散方法を見つけるには、好きなことをしてみるのが近道。身体を動かすのが好きであれば、興味のある運動にチャレンジしてみましょう。人と話すのが好きであれば、女子会を提案するのも一つの手段ですね。良い香りが好きな方はアロマを焚いてみて。筆者の場合は、ひとりカラオケです。運動がストレス発散に良いと言われても、筆者は極度の運動音痴。無理に運動してみた時期もありますが、逆にストレスが溜まる一方でした。カラオケが好きなので、練習も兼ねてひとりで行ってみたのですが、これが良い発見になりました。気兼ねなく歌えるのでストレスが溜まったなぁと感じたらカラオケに行くようにしています。 ストレスを感じたときの対処と、その後のケアを大切に「むっ」としてしまったときは、まず冷静になってみましょう。ガマンのしすぎも、すぐに相手にぶつけるのも良くありません。自分と向き合って、気持ちを整理してみましょう。そうしてその場は冷静に対処していくのが大切です。そして、定期的にストレスを発散するようにして。好きなことから始めてみると、案外上手な発散法が見つかるはず。そうしてセルフケアしてあげましょう。いつも頑張りすぎてしまうあなただからこそ、心も大切にしてあげてくださいね。そうすることが、美容や健康にもつながるのです。
2018年02月06日発達障害の子育てママの座談会で、よく話題にのぼるものの一つに、夫の無理解や無協力があります。「無」とまではいかなくても、子どもの障害をなかなか認めようとしなかったり、療育や児童精神科などに行くことに乗り気ではなかったり、というお父さんがどこにも一定数はいるようです。そんな時、知ったのが一般社団法人「発達障害ファミリーサポートMarble(マーブル)」。発達障害児とその家族を支えるため、発達障害の正しい理解のための講演活動や、発達障害児を持つ家族のための相談支援活動などを行っている団体です。代表理事の国沢真弓さんは自身も、高校生になる自閉症児の母であるため、「当事者家族」の視点からのお話にはとても説得力があり、温かみのある方です。また、本業がアナウンサーであるため、周囲への「伝え方」のアドバイスは、なるほど! と深く納得できるものです。そんな国沢さんに、発達障害の子育てに協力的ではないお父さんや、育児に口出ししてくる祖父母への対策法をうかがいました。■発達障害はグレー診断な子ほど夫の理解が得られにくい――発達障害の子育てにおいて、ママの間でよく「夫が子どもの障害を認めてくれない」とか「夫が育児に協力的じゃない」という愚痴を聞くのですが、国沢さんの周囲でもこういった相談は多いですか?「今まで、保護者の相談を約500名ほど受けてきましたが、そのうち半数以上が、知的に遅れのない発達障害児(通常の学級に在籍して通級や校内特別支援教室などを利用しているようなお子さん)のお母さんからの相談です。その中で、夫の無理解や無協力という相談はとても多いですよ」――発達障害はグレー診断なほど、夫の理解が得られにくいというわけですね。「子どもとの会話が成り立たなかったり、説明しても理解できなかったりすれば、お父さんも『うちの子、何かある?』と思わざるを得ませんよね。でも、例えば、週末に家族の中だけで接していて、会話もほぼ成り立っている程度だと、たとえ外で問題行動があったとしてもお父さんにはなかなか、わかりません。『これくらい、男の子だったら当たり前じゃん?』とか『俺も昔そうだったよ』『個性だよ』という一言ですまされたり、ひどい時には『お前は、なんでそんなに障害児にしたがるんだよ!』なんてお母さんが怒られてしまうこともあるそうです」――障害と個性の線引きは、専門家でも判断が難しいと言われていますものね。では、知的に遅れがない発達障害のケースでは、ほとんどのお父さんは、わが子は問題ないと思っているのでしょうか?「いえ。私は、お父さんも本当は薄々わかっていると思いますよ。『なんでこんなに育てにくいんだろう?』とか『なんでこんなに癇癪がひどいんだろう?』という違和感は持っていると思います」――そうすると、わかっているのに認めたくないということ?「私がいろいろ相談を受けてきて思うに、男の人はとてもナイーブなんです。その点、女の人はとてもたくましいですね。もちろんお母さんだって、わが子の障害が判明した時はショックを受けて泣いたり悲観したりはします。でも、いろいろなところに相談して発散したり、専門家に助けを求めたりして、お母さんはさまざまなことを学びます。そうやって子どものことを苦しみながらも少しずつ受容し、子どもへの接し方もどんどん上手になり、プクプク…と浮上していくことが多いのです。一方、お父さんは、お勤めの関係などで、子どもと一緒に過ごす時間が物理的にとれないケースが多いため、専門家やドクターと接する時間もなかなかとれないまま、子どもに障害があるということを認める機会を逃してしまいがちなんです」■子どもが大きくなった時こそ父親の出番――お母さんはどんどん学んでいく一方で、お父さんは置いてきぼりになりがちなのですね。「夫婦で子どもに対する意識もスキルもどんどん離れていき、お父さんは家族の中で孤立してしまう…といった悩みを、お父さん自身から聞くことも多いんですよ。さらに、追い打ちをかけるように、一緒に過ごす時間が多いきょうだい児も、お母さんと一緒にどんどん学んでいくから、気がついたらお父さんだけがポツ~ン…って。でも、お父さんには、『お父さんにも教えて』と素直に言えないプライドがあるんですよね(苦笑)」――そうなると、お母さんは「じゃあ、もういいわよ! 私が全部やるから!」となるか、「この人にはもう期待しない」とコミュニケーションをあきらめちゃいそうですね…。「ただでさえ、お母さんは子どものことでいっぱいいっぱいなのに、夫にまで配慮していられない! という気持ち、よくわかります。でも、子どもが大きくなった時のためにも、ここはなんとかお父さんを積極的に子育てに巻き込む機会を早期にどんどん作った方がいいと思います」――子どもが大きくなった時のため、というのは?「発達障害というのは、男の子の割合が非常に多いのです。男の子の場合でも、小学校低学年くらいまでなら、お母さんの力でも主導権をにぎることができます。そのため、この時期ならば、お母さんのペースで日々の暮らしを仕切っていくことも、なんとかできるのです(まぁ、子どものタイプにもよりますが…)。でも、高学年くらいになると、お母さんが主導で物事をやっていくには限界があります。だって、男の子のトイレやお風呂に、高学年になっても一緒について行くわけにはいかないでしょう? その他、進路の問題や、思春期特有の難しい問題も出てきます。そうした時に、お父さんの出番となるのです。でも、急にその年齢になって『お父さん! お願いします!』と言っても無理なので、早い段階からどんどん子育てに巻き込んだ方が後々のために良いと思うのです」――なるほど。確かに健常児だって、男の子の思春期対応法は、お母さんには難しいですものね。では、夫を積極的に育児に参加させるには、具体的にはどうしたらいいのでしょうか?「大事な局面には必ず連れて行って、夫を頼る姿勢をみせてみてはどうでしょうか? 例えば、小児科や療育の面談など、ここぞ! という時は絶対に同席してもらうようにして、『あなたがいないと場がしまらない』とか『あなたがいないとちょっと心細い』とか頼ることで、男の人のやる気を引き出したり」――お母さんがお父さんのやる気をうまく引き出すということですね。「大事な局面に夫婦2人で参加した方がいいのには、別の理由もあります。例えば、一人でドクターへ面談に行った場合、聞くこと、答えること、話を受け止めること、書き留めること、即座に判断すること、これ、全部お母さん一人がやらなければならなくなります。専門家の時間は限られているので、いろいろ言われてワーッと終わっちゃうと、家に帰ってきた時に『あれが言えなかった』『これが聞けなかった』と不完全燃焼で終わり、悶々としちゃうことも多いのですよね。その点、2人いれば、お父さんが質問している間に大事なポイントを書き留めたり整理したりできるし、状況を客観的に見ることもできます。もちろん、直接先生と会って話すことで当事者意識が育つので、お父さんのためにもなると思います。そういう状況を作るのが、難しいご家庭もあると思いますが。可能なら…ということです」 ■疲れたり迷ったりしたら…心強いペアレント・メンターの存在――非協力的なお父さんを育児に巻き込むには、お父さんをわが子が集団にいるシーン(例えば、園や学校の普段の様子やイベントなど)に積極的に連れていくのが良いと聞いたことがありますが、どう思われますか?「お父さんは、集団の中にいるわが子の姿を見る機会が少ない方も多いので、理解をうながすには良い方法だと思いますよ。ただ一つ落とし穴があって、男の人って実はナイーブなので、集団の中で、わが子とほかの子どもとの違いを目の当たりにして、ガーンとショックを受けて落ち込んじゃうケースもあるんですよ。で、その後、お母さんがいくら誘っても、園や学校に行くのを避けるようになってしまった、そんな相談を受けたことも、たくさんあります」――すでにさまざまなことを乗り越えてきたお母さんとしては、「傷ついてる場合じゃないでしょう~!」と思ってしまいそうですが…。「お気持ち、よくわかりますよ(笑)。でも、男の人はそういう生き物と割り切って、『パパもショックだったよね。私も初めて見た時はショックだったんだよ』と寄り添いつつ、『うちの子みたいな子が落ち着けるように、こんな療育があるみたいだよ。一緒に見学行ってみない?』という感じに、だんだん専門領域の世界に引き込んでみてはどうでしょう?お母さん、大変ですね!(笑) たとえば、理論で入る男の人には、専門書をさりげなく渡してみるのもいいかもしれません。そういう方法で、実際に夫が協力的になったというご夫婦もいましたよ。――なるほど。専門書から理解を促すのは良い方法かもしれませんね。「お母さんは本当に大変だと思います。でも、これは大きくなった時に返ってくる「保険」だと思ってあきらめないで、早い段階から協力的な夫になってもらえるよう働きかけてほしいです。ここでガツンと切っちゃうと、夫婦関係が険悪になってしまったり、離婚という選択にもなりかねません。そういった例も、たくさん見てきました。逆に言うと、お父さん役も担っているシングルのお母さんは、大変な負担のなか、とても頑張っているんです。本当に、身体が心配です」――発達障害の子育てにおける、お母さんの負担はとても大きなものなのですね…。「そうですね。でも、しんどい時は、どんどん専門家に頼りましょう。もちろんママ友や先輩ママに頼るのも良いけれど、私は専門的な訓練を受けたペアレント・メンターをおすすめします」――ペアレント・メンターって何ですか? 「ペアレント・メンターとは、自分自身も発達障害の子育てを経験し、さらに相談支援に関する一定のトレーニングを受けた親のことです。私も資格を持っているんですよ。2010年から、厚生労働省もメンターの養成に力を入れています。発達障害の子育てに関する悩みや相談を抱えた親に対して、気持ちに寄り添い、その親にとって必要な情報(病院、療育、学校、福祉サービス、地域の情報など)を提供したりしています」――実際に発達障害の子育てをしている方だと、専門家とはまた違った安心感がありますね。「発達障害児の子育てでは、すべての情報が親に集中します。しかも、情報は多岐に渡ります。療育機関の専門家、医療機関のドクター、心理士、作業療法士、園や学校の先生、療育ママ友、家族、親せき、近所の人…いろいろな人から『ここが良いわよ』『これをしたら良くないわよ』という情報が、すごい勢いで入ってきます。そこから、親はわが子に必要なことを取捨選択するわけですが、そのプロセスは想像以上に大変です。ペアレント・メンターは親に寄り添い、一緒に情報を整理し、今後の道を一緒に考える役割を担うので、とても心強い存在になると思いますよ。同じ仲間として、先ほどお伝えしたような、お父さんへの上手な接し方などもアドバイスしてくれます。ストレスがたまったり、子育てに疲れてしまったら、こういった専門家に頼るのも手だと思います」■祖父母世代には、「専門家の意見では…」で対応――周囲には、義理両親(もしくは自分の両親)の子育てへの口出しに悩んでいるお母さんもいましたが、祖父母関係の相談は多いですか?「10年前くらいはとても多い相談でしたが、最近は少し減ってきたように思います。逆に、孫のことを理解しようと講習会に積極的に参加したり、自分も何とか役に立ちたいという祖父母の方も増えてきました。とはいえ、まだまだ『そんな子育てだから、子どもがワガママになるのよ』とか『もっと、こうしてみたら伸びるんじゃないの』とか、ひどい例では『うちの家系には、こんなことをする子はいない』といったことを言われてしまうことも残念ながらあります。そんな時は、大変つらいと思いますが、すべてキッチリ理解してもらおうと思わず、上手に受け流して、別のところでストレス解消をしましょうね。自分たちより長く生きて、自分のスタイルを確立している人たちの認識を変えることは、とても大変です。ただ、言われっぱなしも悔しいので『専門家に相談してすすめていますので見守ってください』などと、自分たちも自己流ではなく、ちゃんと考えて子育てしている、ということはアピールしておくといいかもしれません。で、ほかのところで毒を吐く(笑)。同じ思いをしている仲間は、意外にたくさんいますよ」――ちょっと極端な話ですが、お姑さんのちょっとした子どもへの体罰に悩んでいるお母さんもいました。良くないことをすると、手をつねって教えるという。「お嫁さんが『嫌だから止めてください』という言い方をすると角がたつから、専門家の名を借りてみてはいかがでしょう。たとえば、『専門家から、そういうことを続けるとほかの子に暴力をふるうようになるって聞いたんです』などと伝えてみるとか。もちろん、ただの『嘘』になってはいけないので、専門家にも、その件を相談してみる。『義理の母が、しつけと称して子どもの手をつねるんですけど、こういうことを続けていると、この子がほかの子をつねる可能性もありますよね?』と聞いて『可能性あるね』と言われたら、それを『お墨付きのアドバイス」』にする。専門家の意見と言えば説得力が増すので、さすがのお姑さんも自制するのではないでしょうか?『伝え方の工夫』、これは、発達障害児の子育てで、とても必要な力だと思います」――確かに、「専門家の意見では…」という言葉は効果ありそうですね。「私は、これを学校の先生対策にも利用していますよ。例えば、生徒を大きな声で叱る先生がいて、それが怖くて、指示されても全然動けなくなった子がいるとします。そんな時、『児童精神科の先生に相談してみたら、大きな声がすごく苦手みたいなので、席を後ろにしていただけませんか? もしくはイヤーマフをつけさせてもいいですか? このままだと学校に行けなくなって不登校になる可能性もあると言われたんです』というふうに。親が『大きな声で叱るのはやめてください』とだけ言うと、ただのクレームみたいに思われてしまうけど、専門家の指示であれば対応せざるを得ないでしょう。周囲を上手に説得したい時は、専門家の意見を上手に借りるのも一つの手だと思いますよ。『伝え方』を工夫をすれば、双方の関係は悪化せず、子どもの状況が改善される…そんなケースを、私はたくさん見てきました。こうして見てくると、お母さんには、たくさんの力が要求され、本当に大変ですが(涙)、一緒に励まし合って、乗り越えていきましょうね!国沢真弓さん プロフィールフリーアナウンサー、自閉症スペクトラム支援士、一般社団法人 「発達障がいファミリーサポートMarble」 代表理事<役職>ペアレント・メンター、三鷹市相談支援事業「ママサロン」相談員 、三鷹市知的障害者相談員、三鷹市発達障害児親の会「モンブランの会」会長、社会福祉法人「清陽会」評議員、児童発達支援施設「すこっぷ調布」アドバイザー、三鷹市教育支援推進委員会委員。<経歴>都立新宿高校、聖心女子大学文学部歴史社会学科を卒業。富士通株式会社を3年勤務後、アナウンサーに転向。NHKテレビ「きょうの料理」「婦人百科」の進行を約10年務めたほか、多数のテレビ・ラジオ番組に出演。海外特派員、番組企画構成も担当。ナレーション・司会は各500回以上務め、厚生労働省主催「世界自閉症啓発デイシンポジウム」の総合司会を毎春担当。「3歳までの子育ての裏ワザ」「こんな時どうする?子どもの友達・親同士」(PHP出版)など共著多数。<現在の活動>一般社団法人「発達障がいファミリーサポートMarble」代表理事として、「発達障害」や「伝える力UP」といったテーマでの講演を、全国で行っている。また、「ペアレントメンター」として保護者や支援者の相談に応じるほか、障害児の家族が気軽に参加できるイベントやお喋り会の開催等を行い、家族の元気を応援している。(詳しくはホームページをご覧ください)。取材・文/まちとこ出版社N
2018年01月14日「ストレスは美と健康の最大の敵」と言うけれど、現代社会においてストレスを感じないことは不可能。では、美を守るためには、どのような形で、それらと向き合えば良いのでしょうか。“ストレス”は美を多方面から脅かす肌荒れ・太る・白髪・免疫の低下・・・挙げたらキリがないほどストレスは、肌荒れや暴飲暴食による肥満、白髪などの美容面による不調を招く最低最悪の存在。また、免疫力が低下することにより、体調不良を起こします。これは、ヘルペスや背中ニキビ・デリケートゾーンのトラブルなど、健康を害すのみでなく見た目の美しさも損ない大事件!まさに「美を脅かす存在」とも言える“ストレス”ですが、現代社会において、感じないことは無理な話。では、上手に向き合い、美しさを保つためには、どうしたら良いのでしょうか。現代社会では感じないのは無理!“ストレス”とどう向き合うべき?①自分の“ストレスの原因”を知る何が原因かわからないと“ストレス”は一生減らない一口に“ストレス”と言っても、その原因が何か、自分でわかっていますか?理由が解明されると、完全になくすのは無理でも、感じる量を減らすことは可能。ですから、まず、それを自分に聞いてみましょう。たとえば、・時間に追われる生活・理想と現実の差・恋愛や友人・職場などでの人間関係・金銭面の余裕などが考えられます。分刻みで来る電車、スマートフォンの普及などにより、便利になった現代。だけど、その結果スケジュールや連絡に追われるようになり、ストレスが増加したのも事実です。また、仕事でもプライベートでも、「理想に反して結果がついてこない」、「周りとの比較して劣っていると感じる」など、焦りや嫉妬を覚えることはないでしょうか?SNSの発達も、この感情を招きやすいと言われています。その他、恋人や友人、仕事・子育てなど、自分以外の誰かが絡むことは、自分のみの力ではどうしようもできないためストレスの原因になりやすいと言えるでしょう。金銭的余裕がないと、心の余裕も減ることにつながってしまいます。②一時的なストレスは大らかな心で時を過ごす時間が解決してくることもあるあなたの“ストレス”の原因は、引越しや転職などによる環境の変化や、失恋など時が過ぎると解消される、「一時的」なものでしょうか?それとも、継続的な理由でしょうか。もし、一時的ものであれば、「今だけ」と割り切って、大らかな心で時間の経過を待つのがベストです。今なにか騒いだり必死になったりしても余計に疲れてしまうだけ。できる限り、“自分らしい”生活を心がけ、「良く食べ、良く眠る」ようにしながら、時間が解決してくれるのを待ちましょう。③継続的ストレスは自己完結できる“ストレス解消法”を得る“他者ありき”だと自分都合で解消できない継続的なストレスであり、その原因がそう簡単には断ち切れない場合は、自分なりの“ストレス解消法”を得る他ありません。感じないことができないなら、感じたあと消化するしかないからです。ストレス解消法として、・恋人に甘える・親友に話を聞いてもらう・友達や恋人と旅行するなど“他者ありき”な方法に頼るのはおすすめできません。なぜなら、この場合、相手と予定を合わる必要があるため、効率的に自分のタイミングで解消できないからです。また、他者に迷惑をかけ、相手にとってのストレスになる可能性や、思うようなリアクションを得られず、新しいストレスになる可能性も秘めています。ベストなのは、「自己完結できる“ストレス解消法”」と覚えておいて。自分1人で気軽にできる!“ストレス”解消法①時計を見ず、ルーズな1日を過ごしてみるでは、「自己完結できる“ストレス解消法”」とは、具体的にどんなことがあるのか、早速見ていきましょう。まずは、時間と予定に追われる生活から離れ、気の向くままに1日を過ごしてみる方法です。少し待てば次の電車が来るのに、混雑した電車に駆け込むのも、分刻みに動くのも、スマホの着信を気にするのも・・・なにもかも、お休みを。そして、太陽と共に起床し、お腹が空いたら空いた分だけ食べ、ゆっくりと用事を済ませ、飽きるまで湯船に浸かる、そんな「自己中心的」な生活を、月に1度くらいはしてみて。誰にも気を使わず、何にも追われない1日は、あなたの心をきっと癒してくれるはず。②「大きな独り言」で不平不満をぶちまける誰かに愚痴を聞いてもらう行為は、先にも述べたように、相手を不快にします。ですが、不平不満を口に出して言い、共感されたいのが女という生き物。そこで、その代わりとなるのがこちらの行動です。家で1人のときに、誰かに話しかける気分で、大きな独り事を言うのです。その中で積もり積もった負の感情をぶちまけましょう。独りで話すことに抵抗がある方は、ノートにストレスの原因を書き、頭の中の不満を整理するだけでもスッキリします。③無心になれる趣味をつくる手軽に誰でもできるストレス解消法を言えば「趣味」。それも、無心になれるものが、雑念を消すのでおすすめです。ヨガは、一見無心になれるように見せかけで、集中力のない人にとっては雑念に支配されるだけのもの。編み物・クロスワードなどの集中しなければならないことや、スノーボードなど集中しないと怪我につながることなど、無意識でだれでも雑念を忘れてしまう趣味がベターです。原因と自分のみでできる解消法を知ることで“ストレス社会”でも美をキープ!ストレスと向き合うためには自分と向き合う現代社会は、何度も触れているようにストレスの宝庫。だからこそ、なくす・減らすことを考えるより、賢い向き合い方を知る方がずっと効率的なのです。ストレスの原因と、自分1人でできる解消法を知れば、“ストレス”に打ち勝ち、美しさを保ことは可能。あなたの美を脅かしてるものは何?そしてそれを打破する方法は?それらは自分にしかわからりません。そこでストレスと向き合うべく、まずは自分自身と向き合ってみませんか。
2018年01月08日筆者の息子が発達障害の疑いをかけられた時、ネットにかじりついて情報収集する中で、たどり着いたのがABAという療法でした。ABAとは、アメリカの心理学者スキナーが創始した学問体系のことで、日本語では「応用行動分析学」と呼ばれます。人の行動の原因を内部(心)ではなく、人を取り巻く環境に求める考え方で、自閉症など発達障害の子どもに非常に有効なアプローチ法とされています。最近では、このABAを取り入れた療育療法が非常に多くなっています。でも、専門書を読んである程度の考え方は理解したものの、「具体的にどう子どもに接したらいいのか?」はわからずに困っていました。そんな中、とても役立ったのが、shizuさんの著書「発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ」(講談社)でした。発達に遅れがある子どもへの具体的なアプローチ方法が書かれており、日々の生活の中で、子どもとの関わり方にたくさんのヒントを得ることができました。しかも、その考え方は、発達障害だけでなく上の子(定型発達)の子育てにも同じように役立ったのです。著者のshizuさんの息子さんも、3歳の時に自閉症スペクトラムと診断されており、ちりばめられたご自身の体験エピソードには、とても重なるところがありました。「私だけじゃない」「やればできるかもしれない」ととても励まされたのです。そんなshizuさんに、「ABAを利用して発達障害の子どもを伸ばすにはどうしたらいいのか?」をテーマにお話をうかがいました。■3年間できなかった滑り台、ABAでたった30分で滑れるようになっちゃった!?――ABAは素人が専門書を読んで理解するにはなかなか難しい学問ですが、わかりやすく言うと、shizuさんはABAをどういうものだとお考えですか?「私は、ABAは親子の関係を笑顔に導く1つの学習方法だと思っています。子どもが生きやすく生きるために、「できないこと」を「できた」に導きやすくする有効な働きかけだと思います」――具体的には、どんな手法なのでしょうか?「ABAの醍醐味のひとつに、スモールステップというものがあります。これは、ひとつの課題をできるだけ細かいステップに分け、1回の目標達成レベルを低くして、そのステップを一つ一つ達成しながら成功体験を重ねていくというもの。それが子どもの自信となって大きな課題達成につながるというわけです。この手法で取り組んでいくと、まるで魔法みたいに、全然できなかったことがコロッとできるようになっちゃったりするんですよ」――著書の題名も「魔法の言葉かけ」ですものね。実際に、魔法のような出来事はありましたか?「私が関わった子で、滑り台がまったくできない子がいました。3歳の時に滑り台でひどい尻もちをついてしまって、以来3年間、滑り台を断固拒否していたんです。でも、身体的な原因ではないし、私はその子の様子を見ていてできる可能性は十分あると思い、スモールステップで取り組んでみました。そしたら、たった30分足らずで滑れるようになったんですよ!」――3年間できなかったことが30分で!? 具体的にはどうやったのですか?「目標値を滑り台の下の方から、70センチくらいに設定し、ちょっとずつ登って滑ることを繰り返しました。その都度「すごい! ここまでこられたね!」とほめて、だんだんと目標値を高くしました。下の方から登れば、手を離すだけでスーッと滑りますよね? だから少しずつ滑り台の感覚を楽しめると思ったのです。私も後ろからついて子どもの恐怖心を和らげました」――なるほど。逆から少しずつ滑らせて、恐怖心を取り除くというワケですね。「滑り台の上まで登れたお子さんを見て、ご両親は本当にうれしそうで、何度もほめていらっしゃいました。そしたら、その子はすごくうれしくなって、1つできたことから自信がどんどん広がったんです。大きく揺れることを拒否していたブランコも大きく揺らして乗れるようになり、ジャングルジムも2段目までが精いっぱいだったのに、一番上まで登れるようになったんです。これ、全部その日のうちにできるようになったんですよ。その後、市内の滑り台めぐりをして、児童デイサービスでの散歩の時間にも『滑り台のある公園はありますか』とリクエストしたそうです。それまで、その子はあまり自分のやりたいことを積極的に言うタイプじゃなかったそうで、ご両親は積極性が出てきたこともとても喜んでいました」――自分ができたことはもちろん、お父さんとお母さんにほめられたことが、ものすごくうれしかったんでしょうね。「子どもにとって、親のほめ言葉は何よりのご褒美です。どんなささいなことでも、できたことに対していっぱいほめてあげてほしいです」――スモールステップを成功させるコツはあるのですか?「まず、親が『できる』と信じること。子どもは親が思っていることを敏感に察知するので、信じて『できるオーラ』を送ることが大事です。だからと言って、親のエゴで『この歳で滑り台ができないなんて恥ずかしい』とか『みんなができるんだから』というのは違いますよね。それは、親が子どもを思い通りにコントロールしたいと思っているだけ。そうではなくて、滑り台って本来、子どもにとってとても楽しいモノ。その楽しさを味わえたらいいよね、というイメージをふくらませてほしいです」――親のエゴを押し付けるのは違う、ということですね。「言葉かけも大事です。親目線で『やってごらんなさい』と言うのではなく、子どもと同じ目線になって『ちょっとやってみようよ! 〇〇ちゃんならきっとできると思うな』という感じで。NHKの歌のお兄さんやお姉さんみたいに、思わず子どもの気分が乗っちゃうようなノリやテンションで盛り上げるのもコツですね」――子どもがチャレンジに不安を感じたら?「子どもが不安を感じていたら、まずは、不安に寄り添ってあげることが大切。いったんはスルーして、気分が戻ってきたら『ちょっとだけやってみる?』とうながしてみてはどうでしょうか? 時間を空けるとスルッとできちゃうこともあるので、1回であきらめずに何回かはトライしてほしいですね」――でも、もしそれでもダメだとしたら…?「たとえ滑り台の一番上まで登れなかったとしても、『ここまでできたんだね! すごいね!』と、必ず成功体験で終わりにしてあげることが大事です。『あとちょっとだったのに!』という捨てセリフは厳禁。どんなにわずかでも、自分で踏み出せてそこまでできたということを、まずは認めてあげてください。また、ちょっと難しそうだったら、子どもの苦手な動作を背後から補助するような形で、親が少しだけ手助けしてあげることも有効です」――他にうまくいかない課題に取り組むときに心がけた方がいいことはありますか?「子どもの興味あることに寄り添って、課題の設定を工夫することも大切だと思います。例えば、こんなお子さんがいました。その子は平仮名を覚えるのが苦手で、カードで『あ』『い』『う』…と教えても、上の空で全然頭に入らない。そこで、その子が大好きな戦隊モノを利用することにしました。戦隊キャラの写真と名前(平仮名)をゲーム感覚で一致させて、その子の興味を引き出す仕掛けを作り、平仮名を読む行為自体が楽しくなる方法で取り組んだのです。そうしたら、その子はどんどん平仮名を覚えて、後にお母さんから『文章も読めるようになりました!』と報告がありました」――「教える」というより、その子の「興味を引き出す」仕掛けを作る。そして、それが楽しいと思えれば、後は、自らどんどん吸収してくれるというわけですね。親もそんな子どもの成長がうれしい。子どもも笑顔&親も笑顔、親子の関係を笑顔にする、まさにウィン・ウィンの方法ですね。 ■ABAを行ううえで、親が気を付けるべきこと――スモールステップがとても有効なやり方だということはよくわかりました。では、課題を少しずつクリアしていけば、何でもできるようになるのでしょうか?「いいえ。一点注意しなければいけないのは、何でもかんでもスモールステップで繰り返しやれば身に付くわけではないということです。滑り台の例のように、ちょっとした勇気やきっかけ作りでクリアできそうな課題はスモールステップが有効です。でも、平仮名の読み書き、算数など、さまざまな工夫をしてもどうしてもうまくいかない場合、もしかしたら学習障害が絡んでいる場合もあるかもしれません。その場合は、『これは生まれ持った特性なのでは?』と考えを切り替えることも大切です。そのことも頭にとめておいてほしいです(文字の読み書きにはビジョントレーニングが有効な場合もあります)」――ほかに、ABAを行ううえで気をつけておくべきことはありますか?「よく、家で机に座って子どもにガッツリABAの課題をやらせる、という話も聞くのですが、体を動かすことや外に出て五感を生かすことも大切にしてほしいと思います。五感を働かせることは、視機能、脳機能を伸ばすのにも大切だと思いますよ。あと、ABAはちょっと間違えると、『指示して動かす』ということに終始しがちな危険性があるので、子どもに選択させることを常に意識してほしいと思います。例えば、どんなに障害が重いお子さんであっても、食べ物の好き嫌いはあるはずです。『はい、お菓子よ』とあげるだけではなくて、『どっちが食べたい?』と選ばせる。選ぶというのは楽しみでもあるので、どんなにささいなことでも自分の意思で選ぶという体験を重ねてほしいと思います」■客観的視点が大事! ABAは親子の笑顔を引き出すアプローチ――最近では、ABAの認知度が高くなって、家で実践している方も多くなってきたようです。でも逆に、それがうまくいかないと、自分と子どもの努力不足だと追い詰められてしまう方もいるようですが…。「確かに、向き不向きがあるかもしれません。そんな時は、そもそもABAは子どもの笑顔を引き出すアプローチということを思い出してください。そこを外れて『なんでできないの?』『どうしてあなたはいつもこうなの?』というふうになってしまったら本末転倒ですよね…」――私もそんな時期がありました(苦笑)。つい「あなたのためなのよ!」と力が入ってしまって…(苦笑)。「私もそうだったのでよくわかりますよ。でも、お母さんが『これができないと困る』と思って一生懸命やっていても、子どもは全然困っていなかったりするんですよね(笑)。困っているのは、子どもじゃなくて、実はお母さんの方。お母さんが、他人からどう見られるかを気にしてやっていることの方が多い気がします。そんな時は、ちょっと立ち止まって『今の私って人の目を気にしてる?』と自分のことを客観的にみることが大事です」――確かに(苦笑)。当時は、「普通に近づけたい」という私のエゴが、常に頭のどこかにあったように思います。「私も息子が自閉症と診断された当初は、とにかく『普通に近づけたい』と夢中になっていた時期がありました。でも、その結果、課題をなかなかクリアしない息子を追いつめ、見事に失敗しましたけどね(苦笑)。普通にこだわったり、周囲からどう思われるかにとらわれると、子どもの悪いところ・できないところばかりが目についてしまい、悪循環に陥っちゃうんですよ」――そういう時って、もはや自分のことが見えなくなっているはず(汗)。自分のヤバさに気づくサインはありますか?「常に子どもが教えてくれるはずです。子どもに笑顔があるかどうかです。子どもに笑顔がなかったら、きっとその時、お母さんにも笑顔がないと思いますよ。お互いに笑顔がないのなら、家庭でのABA(療育)はいったんお休みしましょう」――いろいろお話をうかがっていると、もちろんABAは子どもの力を伸ばす可能性に満ちているけれど、それ以前に、お母さんの心の健康の方が大事という気がしてきました。「そう。子どもうんぬんよりも、まずはお母さんが自分自身を大切にすることが何より大事。だって、同じことが起こっても、自分に余裕がある時は『あらま~』って笑えるけど、余裕がない時だと『何やってんのよ!』って怒っちゃったりするでしょう? 物事をどう受け取るかはすべて自分次第なんですよ。借りられる手は全部借りて、まずは、お母さん自身の心を満たすことを考えましょう。子どもが見たいのは親の笑顔ですから。あと、何もかも完璧を求めすぎず、『まぁ、いいか』というゆるい心を持つことも大事です」――確かに、発達障害の子育てで「ゆるさ」は大切ですね。発達障害児のお母さん(私?)って、常に、子どもの将来の心配をするのが癖のようになっちゃっているのですが、ここらへんはどうしたら?「みなさんが不安に感じているのは、まだ、実際には起きてない予期不安ですよね? だとしたら、起きてない不安を延々と考えて苦しむのはムダじゃないですか?まずは、不安を感じているという自分の気持ちを『~って思っちゃうんだね。わかるよ』と認めて受けとめ、『また出てきたあ! 私って本当に悲劇のヒロイン好きだわ~』って笑い飛ばしちゃうのもひとつの方法です。思考癖に気づくことが大切です」――先のことは誰にもわからないはずですものね。「もう、『なんか知らないけど、この子はきっと大丈夫!』と決めてしまいましょう(笑)。先のわからないことはプラスに考えた方が楽しいし、それに、人はみな、決めてから行動を起こすでしょう? だったら、『大きくなった子どもの笑顔を思い浮かべ、今、サポートできることは?』と応援団として行動を起こすのです。それでも不安に押しつぶされそうになった時は、どうか、この言葉を思い出してみてください。それは、『今の子どもの姿がすべてではない』ということ。これは、私がお守り代わりに心にとめている言葉です。親が信じて、コツコツ働きかけていれば、きっとうれしい成長があります。今の姿だけを見て将来を悲観せず、子どもの可能性を信じて、楽しく働きかけていきましょう!」「今の子どもの姿がすべてではない」――著書を読んで以来、私がずっと心にとめている言葉です。shizuさんのこの言葉は、いろいろな局面で私の心を楽にしてくれました。子どもの可能性を信じてコツコツ働き続けることの大切さ、そしてそれ以上に、子どもと自分が笑顔でいることの大切さを、改めて感じた取材でした。参考図書: 発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ 著者 shizu/監修 平岩 幹男11万部13刷のロングセラー。手を洗うときの言葉かけ、食事をしながらの言葉かけ、いっしょに料理をするときの言葉かけ、散歩のときの言葉かけ、遊びながらの言葉かけ―ABA(応用行動分析)を利用した「言葉かけ」をすれば、楽しみながら家庭で子どもの力を伸ばせることを紹介した一冊。shizu プロフィール自閉症療育アドバイザー。講演会などで、日常生活の中で子どもの力を伸ばす楽しい関わりや言葉かけを紹介。家族に笑顔を増やすため、親が心掛けたい子どもへの気持ちの持ち方も伝えている。無料メール講座『発達障害の子と楽しく生活する7つのコツ』配信中。講演会の詳細はブログ参照。ブログ: 「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉」 取材・文 まちとこ出版社N
2018年01月07日難航する仕事選び。障害者雇用枠で、最も多い求人は事務職。けれども…出典 : 私は、26歳のときにアスペルガー症候群、ADHDの診断を受け、同時に退職も余儀なくされました。就職をするまでの学生生活では、表面上のコミュニケーションや、日常生活、勉強という面では、これといった支障はなく、自分が発達障害であることにも気づいていませんでした。しかし、社会人になってから対人関係の困り事などが表出し、行く先々で、「常識がない」「もう少し場をわきまえろ」と言われてきました。そして発達障害の診断を受けた後、そのことを職場にカミングアウトしたのですが、残念ながら退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまったのです。それからは就労移行支援事業所に通うことになり、支援員の方の手を借りながら障害者雇用枠での就職活動を進め、内定を獲得することができました。就労移行支援事業所は障害がある人の就労をサポートする機関で、職業訓練や職場探し、職場への定着支援など、さまざまな支援を受けることができます。しかし、その道のりは一本道というわけではなく、壁に直面したり、どうすればいいかわからないことも少なくありませんでした。特に悩んだのは、自分の特性と仕事の性質の兼ね合いです。障害者雇用枠のおよそ半分以上は事務職と言われれており、一般事務や経理、総務、人事などの職種で就職する場合が多いそうです。しかし、私は何か目新しさがないと注意や集中力を持続することができません。例えばExcelなどで売上伝票などを作成する際に、売上金などのデータ入力が必須になってきますが、ミスしないよう慎重に作業しているとスピードが他の人に比べて明らかに遅くなってしまうのです。するとそれが焦りに繋がり悪循環に陥ります。結果として、雑な仕上がりとなってしまったり、思いもしないようなミスをしてしまうのです。「働く」という字は、人と一緒に動くと書く。でも自分はコミュニケーションが苦手…出典 : また、空気が読めない、他人の気持ちに配慮した言動が難しいなどの特徴から、仕事上での困難に直面することも少なくありませんでした。営業の仕事にかかわっていたときは、相手の意図を汲み取りつつも、相手に探りを入れる高度なコミュニケーション能力が求められましたが、どうやってもうまくこなすことができませんでした。また、営業職は電話応対が頻繁に発生するため、他の人が話している電話の声が気になってしまったり、聞こえてくる会話内容を意図せずメールに書いてしまう事もありました。1つの作業に没頭すると他のことを忘れてしまうことも少なくなかったため、報告・連絡・相談がおろそかになるのは日常茶飯事。こうした自分の特性を考えたうえで就職をしようとすると、どうしても選択肢は数少ないものになってしまい、愕然とせざるえませんでした。自分には一体、何が出来るんだ!?出典 : 次第に頭のなかには、「自分には一体何ができるのか?」という思いが込み上げてきました。考えても出てくるのは「できることなんて無い」という答えばかり。私はどうすればわからず、毎日落ち込んでばかりいました。このとき、前を向く光をくれたのが、前職を退職してから相談を続けてきたカウンセラーさんです。障害の診断を受けて薬が処方されてからというもの、見知らぬ地でひとりぼっちのような気持ちでしたが、どうしたら生きやすくなるかの相談を続けてゆくうちに、自分がたどるべき道を何となくイメージできるようになってきたのです。検査結果ではわからなかった自分の数少ない強みカウンセリングでは、WAIS-III(ウェクスラー式知能検査)の結果を紐解いて、苦手なことと、苦手ではないことを分類していくことを行いました。私のWAIS-IIIの結果は、言語理解の部分が苦手ではない。しかし、決してずば抜けている訳でもないと言えるくらいで、他の項目はすべて平均より低いと言わざるを得ない状況でした。カウンセリングに行く度に話す内容をA4、1枚の紙にまとめて、ときには参考になりそうな資料なども合わせて準備していました。相談したいことがいくつかあった場合でも、話しているうちに相談しようと思っていたことを忘れてしまい、相談室を出た後で、話し忘れたと後悔することが多かったからです。そんな中あるとき、私の作った資料を見たカウンセラーさんが、ひょっとしたら自分の考えをまとめることが得意なのかもしれないと指摘してくれたのです。言われてみれば、心当たりがありました。以前仕事をしていたときは毎日が失敗の連続だったので、なぜ怒られたのか?何がいけなかったのかを自分で分析するために、日記に書くようになりました。1日の終わりに静かな自宅の部屋で、時間をゆっくりとかけながら何が問題だったのかを洗い出し、それはそしてときには視覚的に情報をまとめます。それは私にとってはまったく苦にならない作業であったことに気づいたのです。Upload By ツーちゃんこのことから自分で企画を考え、図やイラストで分かりやすく説明するような仕事内容にチャレンジしたいと思うようになりました。不注意傾向があってもソフトのスペルチェック機能を使えば、ミスが未然に防げたり、取りこぼしが減らせたりすることはできます。なので、Webデザイナーや、ライター、企画職など、クリエイティブ寄りの職種を志望し、就職活動を進めることにしたのです。Upload By ツーちゃん出来ることと(障害特性上)難しいこと=配慮して欲しいことを整理する出典 : 私の場合、障害者雇用枠での就職を目指すということは比較的早い段階で決まっていました。というのも仕事量や、割り振りなどに関して、会社側の配慮がどうしても必要だと強く感じていたからです。そのため、検査の結果なども加味して考え、障害を隠して働くという選択肢は消えていました。次に私は、自分の特性を面接官に分かりやすく説明する、「ナビゲーションブック」の作成に取り掛かります。そこで難しかったことは、障害の程度をいい塩梅で面接官に伝えるということです。文字などでまとめることは苦にならない私ですが、ありのまますぎて、より強烈な印象を与えてしまうような文章を書いてしまいがちでした。あまり欠点のみを書き過ぎてしまうと、人事担当も評価ポイントを見出しにくくなってしまいます。なので、自分自身の障害特性をしっかりと自覚し、そうした過去の失敗を繰り返さないように気をつけていると明記し、加えて過去の自分からの成長をアピールしました。また作成した当初は、できることと、配慮して欲しいことの2つのみを書いていましたが、それだと配慮してもらって当たり前というような印象を受けると支援員の方から指摘して頂いて、障害特性はあるものの、自分自身の努力でカバーできることもあると書くようにしました。Upload By ツーちゃんナビゲーションブックは就職活動を進める上で、どう役に立ったのか?出典 : 障害者雇用枠での面接では、仕事に対する熱意や志望動機以上に、障害のことや、それに対して必要な配慮について質問されました。そういったときにナビゲーションブックが役立ちます。2部、印刷して持参しておいたナビゲーションブックを、面接官と一緒に見ながら、事細かに説明しました。ナビゲーションブックを見た感想を、面接まで進んだ企業の採用担当者に聞いたことがあります。「障害者雇用によく使われる履歴書には3行程度障害について記載する欄があるが、3行程度の説明では、障害の多様さを理解するのは難しい。こういったナビゲーションブック等で障害に関して、詳しく説明して頂けるのは、とても助かる。また人事としても、障害に関してどこまで聞いて良いのか非常に気を遣う。求職者の方からオープンにして頂けると採用担当者からしてもやりやすい」と言われました。また別の面接官は「伝言ゲームだと、聞いた内容があやふやになりやすいが、こうした資料があれば、次の面接官への引き継ぎがしやすい」といった声もありました。総じて、障害を隠すよりも、かえって包み隠さず話した方が好印象と受け止められるケースが多かったです。またナビゲーションブックを用意しておく事で、その内容に沿った質問が多くなり、予想外の質問を減らす事が出来るというメリットもありました。臨機応変力があまり高くない私にとっては嬉しい誤算でもありました。必ずしもナビゲーションブックの作成をしなければいけない訳ではありませんが、ナビゲーションブックを用意する事で、障害についての理解が深まり、企業の採用担当の方にとっても不安が少なくなるのかもしれないなと感じました。参考: LITALICOワークス合理的配慮ガイドブック障害者雇用枠での就職活動を振り返って出典 : こうして就職活動を進めているうちに、半年が過ぎ、やっと内定を手に入れることができました。内定した会社は、スマートフォン向けのゲームアプリを開発する会社です。パソコンなどの扱いに精通していたことや、ADHDで新しいもの好き、好奇心旺盛な部分が、結果的に良い方向に働いたと感じています。配慮の面では、「困っていることはないか?」と人事の担当者が相談する時間を設けてくれたり、上司には指示が曖昧で分かりにくいといった、言いづらいことを代わりに伝えてもらうといった配慮を受けています。ただ、人事部と現場レベルで障害への理解、業務指示などを含めた接し方に対して、温度差が多少あるようには感じられます。また、環境の変化や、刺激の多い環境に対して疲れやすい特性を持っているので、最初の1か月間は、時短勤務を許可してもらっており、とても大事にしてもらっていると感じています。内定を得るまでには、合同就職説明会などで大量エントリーした企業も含めると、30社から40社ほどは受けたと思います。そのうち、面接に進んだのは6社で、最終面接に進めたのは4社。内定はたった1社のみという結果です。正直なところ、綱渡りのような状態で、これに落ちたらまた振り出しのような状況だったので、内定が出て胸をなでおろしたような気持ちです。就職活動が長引いてしまった理由としては、書類選考で落ちることも多く、モチベーションを保つのが難しかったこと、企業が特に精神障害・発達障害のある人の採用に対して慎重な姿勢を貫いていることから、選考期間が長期化してしまうことが挙げられると思います。障害者雇用については、まだどこも手探りのような状態で、書類選考に1ヶ月かかることも少なくありませんでした。新しい仕事は、すべてが未経験で「初めてづくし」な部分は大きいのですが、1年ぶりに仕事が出来ること、就労移行支援を退所した後も、支援員の方が定着支援として、企業と私との連絡係としてサポートしてくださることなどが、前職の時には無かった安心感を生んでいます。今から新しい門出にワクワクしています。私の経験は1つの例でしかありません。他にもさまざまな歩き方があると思います。それでも、私の歩んだ道が、少しでも役に立てば、これほど嬉しいことはありません。
2018年01月03日発達障害当事者による、発達障害当事者のための居場所「Necco」Upload By 発達ナビ編集部東京の高田馬場にある「Necco」は、大人の発達障害当事者による、大人の発達障害当事者のための居場所です。高田馬場にある雑居ビルの1室にあり、18時までは一般のカフェとして発達障害の当事者によって営業され、18時以降はフリースペースとして発達障害の当事者のために場が解放されます。スペースでは茶話会やゲーム大会といったイベントも頻繁に開催されており、発達障害の当事者が気軽に集まれる居場所づくりがなされています。大人(成人)の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)取材に訪れた日もたくさんのお客さんで賑わっており、別フロアではフラワーアレンジメント講座が開かれていました。Upload By 発達ナビ編集部本棚には発達障害関連の本が多数並んでいます。Upload By 発達ナビ編集部Neccoは自由に集まれる居場所としては2010年、カフェとしては2011年に活動をスタートしており、大人の発達障害当事者のための常設の居場所としては、日本で最初に出来た場です。今回の記事では、このNeccoを立ち上げた方であり、ご自身も発達障害の当事者である金子磨矢子さんに、活動を始めたきっかけや、長年続けていく中での苦労、活動を続けるモチベーションや今後の展望についてお話をお聞きしました。金子さんは平成28年度厚生労働省より「発達障害者の当事者同士の活動支援のあり方に関する調査」を受託し、その報告会である「発達障害当事者会フォーラム2017」を開催された主催者のおひとりでもあります。この報告会は、1月にも「発達障害当事者会フォーラム2018」として大阪で開催する予定とのことです。金子さんのインタビューから見えてきたのは、当事者活動を続けることの大切さと、当事者活動としてどう外の社会と関わっていくかという問題意識でした。ずっと自分はちょっと変な子だと思っていたUpload By 発達ナビ編集部―金子さんがご自身の発達障害について知ったのは、どういったきっかけだったのでしょうか。金子さん: 子供のころからずっと、自分はちょっと変な子だとは思っていました。しかし本格的に自分のADHDを知るきっかけとなったのは、子育てに悩み、本屋で調べ物をしていたときですね。子どもが2才の時にプレイグループに参加させたんですけど、どうにもよその子と何かが違ったんです。なかなかうまく他の子どもと交わることが出来ず、自分のやり方で自分なりの遊びをつくるのを好む傾向があって。プレイグループには、参加している子供の他にその子たちの弟や妹にあたる赤ちゃんも何人かが場にいたのですが、赤ちゃんの泣き声を極端に嫌がるそぶりも見せました。うちの子はよその子となにか違うのかしら?という答えが知りたかったんですが、当時はインターネットも普及していなかったので、しょっちゅう本屋に入り浸っては答えを探し求めていました。その時に出会ったのが『のび太・ジャイアン症候群』という本です。落ち着きがない・忘れ物が多い・後先を考えずに行動する・いじめられる…この本を読んで、子どものことはひとまずそっちのけで「これは私だ!」って叫びそうになりましたね。その場で立ちつくし、購入して帰り、何度も何度も読みました。それまでも自分自身に対する違和感はずっと持っていたんですが、こんな変わった人は自分だけじゃない、特性というものなんだと知り、この本にとても励まされたんです。よその子とは何かが違うと感じていた子どもに関しては、その後、2004年ごろですかね…テレビ番組がきっかけで、アスペルガー症候群だということに気付きました。自分が発達障害だと気づいてから起こした私の行動Upload By 発達ナビ編集部―ご自身の発達障害特性に気付いた金子さんですが、当事者としてNeccoの活動をはじめるきっかけは何だったのでしょうか。金子さん: 最初は活動というまでのものではなかったんです。SNSが普及した頃に、そのSNSの発達障害コミュニティのメンバーでリアルでも会ってみようということになり、定期的にオフ会をするようになったのがはじまりです。そうやって集まるようになっていた中で結束が強くなったのは、リタリンの処方が制限されるようになったのがきっかけです。(編集部注:現在リタリンはナルコレプシーにのみ適応)メンバーの中にはリタリンなしではADHDの症状がしんどい人もいて、これはなんとか訴えないと!ということで、厚労省の会議に傍聴に行ったり、ネット上で活動を行ったりしました。結局私たちの訴えは聞き届けてはもらえなかったのですが、この活動がきっかけで2つの願いが強まりました。ひとつは、いつでも私たち発達障害の当事者が集まれる場所がほしいということ。当時は私の家のリビングに集まってミーティングをしていましたので。そしてもうひとつは、自分たちが集まる居場所を得るだけではなく、社会に対して働きかけを行い、当事者発信で発達障害を広く知ってもらうことです。リタリンの処方うんぬん以前に、当時の発達障害の認知度の低さを思い知らされましたね。私自身、自分の発達障害を知ることが出来てよかったと思っているんです。だから今度は私が、まだ自身の発達障害に気付かずひとりで悩んでいる人の気付くきっかけになったり、居場所になれたらいいなと思って、啓発や居場所づくりの活動を続けています。また、最近でこそ「発達障害」という名前だけは知られてきましたが、「それでは発達障害とはいったい何なのか」という本質的なことは、まだほとんどの人に理解されていないのではないでしょうか。発達障害の啓発活動の動機として、生きづらさを抱えながらも自分が発達障害だと気付かずに生きている方本人に、自分自身のことを気付いてもらいたいというのもありますが、本人だけじゃなくてもっと多くの人にも発達障害についてちゃんと知ってもらいたいと思っています。というのも、発達障害に対する無理解によって苦しんでいる当事者の人がたくさんいることを知っているからです。この人たちはこういう人たちなんだよっていうことを、目に見えないのでむつかしいとは思うのですが、発達障害じゃない人たちにも分かってもらいたい。学校の先生、役所の方、会社の上司…出来ないことは出来ないんだと分かってもらえないと、当事者の方はつらいばっかりです。わざとやらない、怠けたくて障害のせいにしている、そういう風にとられてしまいがちなんですが、本当にそんなことないんですよ。むしろ精一杯努力している真面目な方が多いと思います。必要としてくれている人がいる限り、続けていきたいと思ってるUpload By 発達ナビ編集部―Neccoを続けてきた中で、印象に残っていること、大変だったことはありますか。金子さん: もう、大変なことだらけです(笑)まずNeccoをはじめるにあたり、場所探しから大変でしたね。「借りた場所を発達障害の人の居場所にしますので物件を貸してください」と言って、理解してくれた上で快く貸して頂ける場所を探すのに1年ぐらいかかりました。現在Neccoの運営母体は一般社団法人としており、非営利で運営しています。カフェの店員はボランティアで、費用の持ち出しも発生しています。とはいえNeccoを必要としてくれている人がいる限り、なんとかして運営を続けていきたいと思っています。「Neccoという居場所があるから今、学校や会社に頑張って行けている」、そういう方がたくさんNeccoにいらしているんです。なかには毎週末、長野から夜行バスでNeccoに来ている方もいます。月から金までなんとかお仕事を頑張り、金曜の夜の夜行バスで東京に来て、日曜の夜の夜行バスで長野に帰っていくんですね。また以前は40才前後のいわゆる団塊ジュニアといわれる世代の方が多かったのですが、最近は高校生や大学生といった若い方も増えてきました。当事者としてどう社会と関わりを持つかUpload By 発達ナビ編集部―今後、Neccoの将来の展望はありますか。金子さん: Neccoに関していえば、"来たかったらいつでもここに来ていいんだよ"という居場所がある状態をこれからも維持していくだけだと思っています。発達障害の人は、かつての私がそうであったように、いろんな場所で苦労している方が多いと思います。そういった人たちの誰もが気軽に来れるような居場所を準備しておきたい。欲を言えばここだけじゃなくて、もっと日本中のいろいろなところにたくさんNeccoのような居場所ができたらいいなとは思いますね。また最近力を入れていたのは、大人の発達障害当事者会に関する調査報告書の作成ですね。これは厚生労働省から依頼を受けた調査事業で、私は事業責任者をしていました。長年Neccoに関わってきて、自分たちで自分たちの居場所をつくることももちろん大切だと思っていますが、当事者たちだけでやっていくのはなにかと限界があります。というのも、当事者の生きづらさは、自分の努力や行動で解消出来る部分もありますが、当事者の周りにいる発達障害ではない人や社会の理解、配慮や助けがとても重要です。また先ほどお話したように、私は私自身が発達障害だと分かったことですごく人生が楽になった経験から、まだ自分の特性に気付かず生きづらさを感じている人に発達障害というものを知ってもらいたい。ですから発達障害の啓蒙のため、まず私が出来ることとして、当事者や当事者会の情報を取りまとめ、私たちの生きる困難さや活動を社会に向けて発信し、知ってもらう必要があると考え行動しています。長年発達障害の当事者活動に関わってきましたが、課題はまだまだ山積みです。当事者同士の活動に関して言えば、とにかくいろんな特性を持った方が集まるので、運営のむつかしさがあります。こだわりの強い特性の人同士の意見が対立して分裂してしまったり、正直当事者同士での連携のむつかしさは感じています。なんとか意見をまとめてルールをつくってみると、今度は逆にそのルールを文字通りにとらえてしまって、ルールからちょっとずれる人がいるとこだわりから許せない人がいたり。たとえばNeccoでいうと、かつてはフリースペースのクローズ時間は22時だったのですが、スタッフが大変だということで21時に変更したんですね。たまに場が盛り上がってクローズが21時を過ぎてしまうことがあったのですが、そのことに対して「ずるい」と腹を立てる方がいたこともありました。同じ発達障害の当事者同士とはいえ、特性は本当に人によってさまざまなので、いろんな国の外国人同士が集まっていっしょに何かやろうとしているような困難さを感じています。当事者活動をどうしたらいいか、ずっとそればかり考えています。しんどいと思うことも多々あります。だけど続けている、それは、私は子供の頃からずっと自分のことをダメな人間で、人の役に立つことが出来る人間ではないと思っていたんですね。そんな私が今、活動を通して、目の前の人の支えになったり、社会に働きかけを行ったり出来ている。そのことが生きがいであり、生きるよろこびだからかもしれません。見えない障害とどう向き合うか「私は私が発達障害だと気付けて心から良かったと思っています」これは取材中に金子さんが繰り返しおっしゃっていた言葉です。この記事を掲載している発達ナビのユーザーさんからは、病院へ行き診断を受けることへの心理的抵抗感や、障害受容のむつかしさなど、日々さまざまなお悩みが寄せられています。自分や自分の子どもの生きづらさ・育てにくさをどうとらえるかについて、それぞれに多様な悩みを抱えられているのだと思います。「見えない障害」であり、また「ここからこっち側は障害です」と線を引くように切り分けることは難しいからこそ、その悩みは尽きないのかもしれません。いろんな考え方があって当然で、答えはないのかもしれません。金子さんの場合、彼女は子どもの頃からずっと「自分はちょっと変な子だ」「自分は努力不足でダメだ」と思い悩んでいたそうですが、一冊の本との出会いをきっかけとして発達障害を知ったことで、自分は努力不足でもなく、親の育て方のせいでもなかったということが分かり人生が前向きに進んだと語っています。今、人知れずしんどい思いをしている人、一人でつらい思いを抱えている方が、もしこの記事を読んでくださっていたら、こういった考えや経験をもとに活動をしている人がいることや、その人がつくった居場所があることを、選択肢のひとつとして心の片隅にとどめておいていただけるとうれしいです。大人(成人)の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)
2017年12月01日先月、NHK総合テレビで 「深夜の保護者会/発達障害 子育ての悩みSP」 をはじめ、Eテレ「ハートネットTV」では 「自閉症アバターの世界1・2」 、NHK「あさイチ」では 「シリーズ発達障害/どう乗り越える? コミュニケーションの困りごと」 など、続々と発達障害特集が放送された。どれも見ごたえのある内容だったが、4歳の自閉症スペクトラムの息子を持つわが身としては、やはりリアル世代である「深夜の保護者会」が一番興味深かった。話し合いにのぼったテーマは、「周囲へカミングアウトはするべきか?」「カミングアウトするとしたら、どう説明したらよいのか?」「夫や子どもの本音は?」「ありのままのわが子を受け入れるには?」など。どれも、まさに発達障害の子育てをしている親の悩み、ど真ん中の内容だったと思う。現役ママの葛藤は、私には痛いほど伝わってきて、ちょっとホロッとしてしまうほどだったし、すでにさまざまなことを乗り越えてきた先輩ママたちが、試行錯誤の上生み出した、わが子との向き合い方はとても参考になった。■わが子を嫌いになる、自分が辛いそして、現役ママの苦しい胸の内を聞いて、改めて発達障害を持つわが子の「ありのままを受け入れる」ことの難しさを思い知った。「彼らを大好きなのに、大嫌いになる時がある自分が辛い」(番組に寄せられたファックスのコメント)「比べるものではないと重々わかっているけど、どうしても下の子と比べてしまう。下の子はできが良くて、かわいくてギュッって抱きしめられるけど、上の子にはできない…。できない上の子を受け入れられない」(番組に参加した現役ママのコメント) NHK総合テレビ「深夜の保護者会/発達障害 子育ての悩みSP」より そんなママたちの悲痛な叫びに、胸が締め付けられた。■本当に、子どものこと受け入れてる?ありのままのわが子を受け入れる――それは発達障害の子育てのスタート地点のように思えるのだが、実は、親にとっては、それが一番難しいことのような気がする。私自身も、「私は周囲にもカミングアウトしてるし、もう受け入れているから大丈夫!」と、すっかり達観したつもりでいたのに、自分でもビックリするほど些細な事で傷ついてしまうことがある。そんな時は、「実は、心のどっかでは息子のことを受け入れられてないのかも…?」と心が揺れる。ブレない自分でいたい。…なのに、なかなかなりきれない! それが自分でも、すごく歯がゆくて悔しいのだ。■子どもが笑ってくれる、そのために何ができるか?これに対して、先輩ママたちや尾木ママの意見は…「試行錯誤する、という作業がすごく大事。私たちも最初はどうしたらいいのかわからない状態で、いろいろ試して、今がある。のちのちつながっていくことだから、あきらめないで少しずつでも進んでいってほしい」「高望みせずに、『一個できたらすごい!』を積み重ねていけばいい。とにかく今できることを褒めて。『褒めるは認めること』って言葉に置き換えてもいい。良いところを褒めるのではなく、できていることを認めればいい。それが丸ごとの発達障害と付き合っていく姿勢につながっていくはず」「発達障害は、息子の世界と私たち世界の交わるところにある、『壁』みたいなもの。でも、その壁は環境や周囲の考え方、関わり方で低くもなる。息子の世界も尊重しつつ、私たち側もお互い気持ちよく過ごせるエリアが広がるように、私たち側が変わっていかなければならない」 NHK総合テレビ「深夜の保護者会/発達障害 子育ての悩みSP」より 様々なアドバイスが飛び交ったが、なかでも印象に残ったのは、先輩ママの次の言葉だった。「よっちゃん(息子さんの名前)に笑ってほしい。そのために自分がどうしたらいいか? それを考えれば自ずと変わってくる。それを変えただけ」私は、障害(発達障害に限らず)を持つ子どもの親というのは、何か高尚な考え方ができるような、立派なママにならなければならないような気がしていた。でも、そうではなくて、この先輩ママが言うような、子どもの毎日の笑顔の積み重ねの先に、いつの間にか生まれてくるような、もっと自然な感情なのかもしれない。そう思うと、私はまだまだ肩の力が入ってしまっているようで、まだまだだなぁ~と苦笑してしまった。■障害は敵ではないまた、当事者である子どもの発言にも考えさせられた。「悪いのはこの子ではなく、障害のせい」と、子どもと障害を別々に考えるということで気持ちが楽になったというお母さんに対してお子さんの考えは違った。「僕は、そういう考え方はやめてほしい。障害は敵ではない。生まれてしまった以上しょうがない。しょうがないから向き合う。うまく付き合っていけたら気持ちは楽になる」 NHK総合テレビ「深夜の保護者会/発達障害 子育ての悩みSP」より この2人のやり取りを見て、発達障害の子育てを描いたコミックエッセイ『母親やめてもいいですか』に書かれていた、自閉症当事者によって書かれた「私たちのことを嘆かないで」という詩の一節のことを思い出した。自閉症は人を閉じ込める殻ではありません中に普通の子どもが隠れているわけではないのです自閉症は私が私であること、そのもの私という人格から切り離すことはできません「うちの子が自閉症でなければよかった」「この子の自閉症がよくなりますように」その嘆き、その祈りは、私にはこう聞こえます。「自閉症ではない別の子がよかった」両親が語りかける夢や希望に、私たち自閉症者は思い知るのです彼らの一番の願いは、私の人格が消えてなくなり、もっと愛せる別の子が私の顔だけ引き継いでくれることなのだと… 『母親やめてもいいですか』(山口かこ・文/文春文庫)より引用 ■何を持って「息子」なのだろう?障害を持つ子どもの親であれば、誰しも、わが子の障害がなおることを願ったことが、一度はあると思う。私自身も、息子が自閉症スペクトラムと診断された当初は何度となく、この障害を息子から取り除きたいと願った。一生治らないものだと知った時は、夜中パソコンの前で号泣した。でも、1年経った今は、こう思うのだ。例えば、息子がいきなりおしゃべりで明るい社交的な子になったとしたら…? それはそれでうれしい面もあるのかもしれないけど、果たしてそれは息子なんだろうか? と。改めて、「何を持って息子なのだろう?」と考えると、思い浮かぶのは、なぜか、やっかいで面倒なエピソードばかり(笑)。むしろ、そのやっかいなところこそが、息子が息子であるための大切な要素なのかもしれない、と。最近ではそう思うのだ。最後に、先輩ママたち全員が、声をそろえていたことがある。それは、「まずは、お母さんが元気なことが基本。自分を犠牲にしちゃダメ。お母さん自身の人生も大事にしてほしい」ということ。子どもに笑顔でいてほしいなら、そのためには、まずはお母さん自身が笑顔でいることこそが大切なのだ。まちとこ出版社N NHK 発達障害プロジェクト 【発達障害についての記事一覧】▼大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界(全4回)▼「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら(全9回)
2017年10月12日昨今、メディアでも取り上げられることが増えてきた「発達障害」。身近に当事者がいない人でも、この言葉を耳にする機会は多くなってきているのではないでしょうか。そんななか、NHKが「発達障害プロジェクト」と銘打ち、今年5月から1年を掛けて特集放送を行っています。このプロジェクトのなかのひとつに、イギリスのTVドラマ『ハンク―ちょっと特別なボクの日常―』があります。このドラマは、ディスレクシア(読み書き障害)の少年ハンクを主人公にした学園ドラマ。もともと2016年にNHKで放映されていたものを、「発達障害プロジェクト」に合わせて選りすぐりの5本を再放映するというもの。日本ではまだ発達障害を扱ったエンタメ作品の数は少ないですが、このイギリスのドラマでは「ディスレクシアとはどんなものか」を視覚的にわかりやすく表現しています。当事者たちが学校生活を送る上でどんな困難を抱えているか、さらにその困難さを主人公のポジティブな性格と大胆な発想で乗り越えていくさまをスパイスたっぷりに、コメディタッチで描かれています。■ディスレクシア(読み書き障害)とは?ディスレクシアとは、発達障害のひとつである「LD(学習障害)」の一種で、知的発達に遅れはないものの、脳の働きに特徴があり、文字や数字の読み書きなどに困難が生じることをいいます。有名人では、俳優のトム・クルーズやオーランド・ブルーム、映画監督のスティーブン・スピルバーグなどがディスレクシアであると告白していて、多くの人が障害について知るきっかけとなりました。主人公ハンクは12歳の少年。彼の場合は文字を読もうとすると「字が躍っている」ように見え、書くこと、計算も苦手。「作文の宿題をやろうとしても、文字が躍ってなかなか書くことができない!」「ミュージカルの主役に抜擢(ばってき)されたのに台本が読めない!」など、たびたびピンチに陥ります。どんなふうにこのピンチを切り抜けるのだろう? と思っていると、作文を書かされる回では、考えて考えて考え抜いた結果、「作文ではなくて、工作で伝えよう!」というとっぴな方法を思い付き、立派な作品を作り上げてしまいます。そう、彼のすごいところは、どんなピンチに遭遇しても決してあきらめず、ユニークなアイデアで切り抜けること。じつはハンクは頭の回転がとても速く、行動力もあるのです。なんでも突っ走ってしまうので、先生には怒られてばかりだけど…。■ディスレクシアの子どもが学校生活を乗り越える処世術ディスレクシアであることを悲観せず、親友や家族に助けられながら学校生活を送るハンクですが、ちょっとだけ愚痴が出ることも。「成績はいつもビリだから、いじめられる。ディスレクシアだけど頑張ってるのに…。みんな結果しか見ないんだ」発達障害の子どもは、ときにいじめられたり、不登校になったりするとよく耳にします。これを「二次障害」と呼ぶのですが、まさにハンクも同じ。でも、彼はへこたれません! “成績ビリ”という自分のイメージを変えるためには、「何か得意なことをみんなに見せればいいんだ!」と考えることのできる強さがあります。ハンクの姿を見てハッとさせられるのは、そんな発想の転換。ディスレクシアの自分を受け入れ、ほかのことでカバーしたり名誉挽回を目指したり。とくに読み書きや計算についてはみんなと同じようにできないけれど、自分なりの方法でならゴールにたどり着くことができる。それがハンクの学校生活を乗り切る処世術であり、二次障害を深刻にしない助けになっているようです。■発達障害児子育てのヒントがいっぱいあった!筆者にも、発達障害の疑いのある息子3歳がいます(診断待ちの状態です)。まだ私自身も発達障害について初心者で、毎日迷いながら子育てをしています。療育や幼稚園、児童館など、ほかのお子さんたちと活動をする場所に行くと、つい「みんなと同じように」やらせたいと思ってしまいます。でも息子には「できること」と「できないこと」があって、それが息子にとって大きな負担になってしまっていると感じることも多くあります。そして私は、あとから反省することばかり…。また、同じような境遇のママたちと会話して思うのは、自分も含めみなさん真面目だということ。病院や療育の先生のアドバイスひとつ取っても、まっすぐ受け止めすぎてしまいます。子どものことを考えて、「少しでもできることを増やしたい」という必死な思いが、いつの間にか「アドバイスどおりにしなければならない」という強迫観念にも近いものに変わってしまい、そこから外れるものを許容できなくなってしまうのです。どんなことをするにも、答えはひとつではないし、手段もひとつではありません。ハンクの行動は、それを証明しているように思えます。ママの考え方にしてもきっと同じではないでしょうか。みんなと同じようにできなくてもいい。いろんなやり方を試して、生きる力を身に着けることの方がきっと大事なはず。ステレオタイプにとらわれず、柔軟な考え方・受け止め方ができれば、発達障害児の育児の窮屈さが少しでもやわらぐのではないでしょうか。そんな、ちょっとしたヒントを、ハンクから教えてもらった気がしました。TVドラマ「ハンク―ちょっと特別なボクの日常―」第4回は、NHKにて9月23日(土)23:25より、第5回は、NHKにて9月30日(土)23:35より放映。<NHK発達障害プロジェクト 今後の放送予定>・2017年9月24日(日)午後11:00~11:50 NHK「深夜の保護者会」「発達障害 子育ての悩みSP」・2017年9月26日(火)午後8:00~8:29 Eテレ「ハートネットTV」 「自閉症アバターの世界 ①」・2017年9月27日(水)午後8:00~8:29 Eテレ「ハートネットTV」 「自閉症アバターの世界 ②」・2017年9月27日(水)午前8:15~9:54 NHK「あさイチ」 「シリーズ発達障害 どう乗り越える? コミュニケーションの困りごと」※内容は変更になる場合がありますNHK 発達障害プロジェクト 【発達障害についての記事一覧】▼大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界(全4回)▼「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら(全9回)
2017年09月22日ストレスは、毎日を過ごしているうえで切り離せないものです。”ストレス0”の生活は難しいけれど、いつもストレスを少なくするようにしなくてはいけません。大人になった今では、ストレスを少しでも減らして、ノーマルな生活を送ることが幸せな事だと思うことすらあります。あなたのストレスの元はどこから来ていますか?ストレスから解放されるための方法を見ていきましょう。あなたのストレスは”どこ”から来てる?あなたのストレスの元はどこから来ていますか?仕事?家族?それ以外にも原因は1人1人違うと思います。なんとなく体に力が入らないなんてこともあるかもしれませんね。人によっては、ストレスを感じる原因が長期休暇なんてこともあります。長期休暇に入る前に多くの人が、待ち遠しくなり日にちが経つのをカウントダウンし始めます。それがストレスとなってしまっています。また、長期休暇に入ると、仕事が始まる日までの時間を気にしてしまい新たなストレスになり、長期休暇が終わるとしばらく休暇がない事へのストレスを感じ始めます。実は、長期休暇がストレスの元のなっていたのです。本当に仕事から解放されることなく、時間に追われてしまっていませんでしたか?何となく満足できていない日が続いている心配事が次々出てくる仕事への不安仕事仲間との関係人生の行先をしっかりと決めていない家族に自由を奪われているなど、こんな悩みがある人は早くストレスに「さよなら」を言えるようにしないといけません。ストレスは”心の声”ストレスは避けることができず、もはや生活の一部となりつつあるかもしれません。お金がない、しないといけないことがある、しているのに結果がついてこない、自信が持てない、知識が足りないなどいつもソワソワとし何かしないといけないような気持になり、落ち着けません。でも、ある人の考え方でこんな意見があります。 ストレスは、賢さを持って感じることができる自分への答えで、今置かれているシチュエーションへの自分の要求を分からせるアラームなのです。 このようにストレスを感じることで「変わらないといけない」と感じ、状況を良くしていくことができるのです。今ある状況とあなたが求めている物の中で相違が出てきたときに、無意識のうちに感じる違和感がストレスとなり、あなたにお知らせをしてくれているのです。「ストレスを感じているの?」ストレスを感じているかどうか自分自身に質問してみましょう。ストレスは今ここにある状況への挑戦で、あなたが違う場所にいたいことや、将来違うものになりたいと思っていることを意味します。ストレスのある状況を我慢して今を丸く収めようとする人もいますが、ストレスを我慢していてもそ、のストレスが収まることは、ありません…。なぜならストレスは、あなたの心の中にある本当の希望や望みから来ているからです。先ほど、長期休暇中でもストレスを感じるという話をしました。これは、せっかくの休暇中であっても悩み事が絶えないからです。休暇が終わったら仕事が辛いだろうなぁ。休暇なのに何も出来ていない。次の休暇こそはどこかに行く計画をたてよう。休暇中なのに家にいることに不満に感じたり、まだ終わっていない休暇の後悔を始めたりします。これは、今いる状況を多かれ少なかれ「不運・不幸せ」だと感じてしまっているのです。 長期休暇に限らず、次の日をどう過ごすかを改めて考え直し、満足することで大半のストレスは解消できます。仕事をしている人は仕事があることをストレスに感じますが、したいことをするには仕事はかかせません。目標を作り、したいことを計画立てておくだけで仕事への意欲となります。 したい事、行きたいところ、欲しい物を思うだけで幸せな気分になれる。そして、それ実現した時のことを考えると今のストレスも少し解消できるのです。ストレスと「さようなら」を言う鍵ストレスと「さようなら」を言えるようになることは、「幸せへのカギ」でもあったのです。では、そのカギとはなんでしょうか。一番の方法は、今の状況を理解して、受け入れることにあります。上を見るとキリがありません。将来のことを思うと不安な気持ちになりますが、なりたい人生の事ばかりを追い続けていると、今が満足できなくなってしまいます。 1人1人最良の方法があり、毎日歩みながら夢を現実にしたり、本当になりたいものを見つけたりします。今を受け入れることなくして、満足のいく明日はないのかもしれません。ストレスは人生の道しるべネガティブな考えが芽生えた時は、自然と改善への道への分岐点に立たされているのかもしれません。そのまま前に進む変化を生み出し、道を変えるストレスを感じた時は、その根源をしっかりと知るようにしましょう。守るべきものは?守り変化をもたらすためには?そのためには、しっかりと、ストレスの元を知っておかないといけません。変化をもたらすときに必要なものを知っていますか?落ち着いた心エネルギー明確な考え勇気が要ります。これらが一つでも欠けてしまうと、変化をもたらすことができなくなてしまいます。毎日心がけたいことストレスや不安を感じた時は「どうして?」と質問をするようにしましょう。ストレスを感じる時は本当の自分と、頑張っている自分に違和感が出てきたときです。あなたの本当の気持ちと、毎日過ごす中で頑張ろうとしている気持ちには違いがあることを知っておきましょう。そして、このどちらの気持ちに、自分は耳を傾けるかを決めながら毎日を過ごしてくださいね。きっとストレスは解放されていく自分になれるはずです。
2017年09月14日「とにかく勉強ができなくて。実は私、発達障害のひとつ、学習障害だというのが最近わかったんです。道理で、勉強してもいっこうに読み書きができなかったわけです。師匠がしゃべるのを聴いて覚える落語なら、すぐに頭に入ったんですがね」 そう話すのは、古典芸能の型を大切にしつつ、現代的要素を取り入れたスタイルで人気の落語家・柳家花緑師匠(46)。新刊『花緑の幸せ入門「笑う門には福来たる」のか?〜スピリチュアル風味〜』(竹書房新書)では、冒頭で発達障害をカミングアウトしている。 著書に掲載されている中学3年の通知表では、英語と音楽、美術以外はほとんどオール1。この通知表が学生時代の最後にもらったもので、中学を卒業すると祖父である故・5代目柳家小さん師匠に入門した。ところが……。 「“人間国宝・小さんの孫”と言われ続けると、自分が偽者みたいな劣等感に襲われて、若いころはそのプレッシャーに押しつぶされそうでした。八方ふさがりで精神的に不安定な時期がありまして。祖父がいなきゃ自分の存在意義がないんだと思い詰めて、死のうとさえ考えたことも」 笑顔を絶やさず冗舌で、羨ましがられるほどの落語界きってのサラブレッド。けれどだからこそ、心の奥底に苦しみを抱えていたのだ。その鬱屈した毎日から抜け出すべく、自己啓発やスピリチュアル系の本を読みあさったという。そして、幸福について考えたプロセスや結果を著したのが今回の著書だ。 さて、近ごろ師匠を満たしたラッキーな「福」は? 「この間ね、落語会で出囃子を頼める人がいなかったんですよ。10人も弟子がいながら、全員がそれぞれの高座に出かけてしまっていて。途方に暮れていたところへ、近々真打ちに昇進する立川流の落語家が挨拶しに訪ねてきたの。まさに渡りに船!『出囃子をお願いできる?』と(笑)。この縁、“シンクロニシティ”という偶然の一致なんですね。遭遇したら幸せな気分になりますけど、自分から意図して起こすことはできないんですよ。おもしろいでしょ」 10月には東京での独演会「花緑ごのみ」が控えている。その稽古にも余念がない。 「本を読んで興味を持ってくださった方に、落語も楽しんでいただければ!」
2017年09月11日ストレス、誤解、ケンカ、意見のすれ違い、成績の競い合い、ノルマなどオフィスの中には、ストレスの元となる圧力がたくさんあります。でも、ときどき心の中に感じる怒りの炎に水をかけて鎮火させないといけませんよね。人生というものはなかなかシンプルに順風満帆にはいかないものです。オフィスの中には、いろいろなストレスが…特にオフィスの中では毎日が戦いですよね。オフィスの中では、たくさんの人が集まりみんなが戦いだと思って過ごしているから、オフィス内の空気はピリピリしていることが多いです。それを刺激するようにここに課題が積み重なったり、役職の取り合い、取引先やお客さんからのクレーム、同僚間のいがみ合いなど。オフィスの中にいろいろな火花がバチバチと光り始めます。このようにオフィスの中にはいろいろなタイプのストレスがあります。まず、ストレスの原因が何からきているのか分かるようにすることは、ストレス解消に役立ち、しっかりと消化できるようになります。先輩からの圧力このタイプのストレスは、特に若いうちは避けることができないものです。新人として新しい職場に行ったときや、新人社員として入社したての時は、先輩たちから仕事を教えてもらわないといけません。もともとそのオフィスにある慣例的な仕事の仕方や、周りの人がどんどん仕事を覚えていくのに焦りを感じたり、同時期に働き始めた人との間の競争心やそのオフィスの雰囲気になじもうと努力する。これらは、オフィスにいる以上、多かれ少なかれ誰にでも感じるストレスかもしれません。こんなストレスには、少し自分に対して起こしたい行動があります。周りの人に対して心を閉ざすのではなく、心をもう一度開き会話をすることです。先輩たちに新しいテクニックを提案する勇気を持つ。先輩たちからの意見をアドバイスだとプラスに考えるようにして利用する。できるだけ精神的にもオープンに過ごすようにします。必要としていることをはっきりと言えるようにし、自分の意見をまとめておくことが大切です。人間関係のすれ違いまず、すべての人と良い関係を築くのはほぼ不可能なことです。考え方の違い、性格、価値観の相違などでどんどん溝を作っていきます。でも、すべてのことを個性だと受け入れることができればいいのですが、仕事中にそんなゆとりがなくなってしまうものです。隣同士で苦手な人と過ごす時間は、あまりにも長く本当に疲れてしまいます。仕事中はついつい丁寧な話し方を忘れてしまったり、ノルマ達成のために必死になってしまいます。本当に耐えれなくなったときは席替えをお願いするだけでも大きく変わります。コミュニケーションを図ってそれでもだめなら、オフィス内部署を変えてもらったり、支店を変えてもらったりなにか変化をもたらしてみるといいでしょう。感情をコントロールする人は批判されたときや、攻撃されたと思うと守りに入るのが自然な行動ですよね。挑発するような態度や、ハラスメント的な発言や身体的なハラスメントなど、いろいろな攻撃がある場合がありますが、そのたびに感情を揺さぶられパニックになっていてはいけません。感情的に行動してもいい結果を出すことはないので、ある程度感情をコントロールして冷静な判断で動くように努めましょう。感情的な相手の振る舞いに、こちらまで感情的に答えていても解決には結び付きません。コミュニケーションがカギコミュニケーションは、避けることができないカギとなります。難しい状況の時ほどコミュニケーションを図ることが出口へと導いてくれるカギとなる一番の方法となります。コミュニケーションをするときは、自分の考え方をしっかり持っておくことがまず一番の基本です。自分の考えがまとまらないまま話すと、相手に結局何を言いたいのかわからず伝えられないままに終わります。まずは、「自分の気持ちとコミュニケーション」をすることが大切です。人を変えることは難しいことですが、自分を正すことは努力次第でできるかもしれません。まず自分に正すべきところがないかを見返ることも必要です。人間関係が崩れた時は、「その人と話したくもない、関わりたくない。」と心を閉ざしがちですが、これではどんどん関係を悪くしていくことが見えています。忘れてはいけない習慣健康的なライフスタイルを保つ(運動、食事、考え方、適度な休息を確保)毎日笑う時間を作り、ポジティブな考えを持つように努める。問題を解決することへの気持ちを持ち、「どうして」こんなことになったのかに焦点を合わせることから「どのように」解決するかという疑問を変える。周りの人を肯定するようなコミュニケーションを心がけて、相手の親しみを感じる領域に入るようにする。時間のオンオフを上手にする。「入り込む時間・離れる時間」を使い分けることで、悪い空気を引きずらないようにする。周りの人の成功を一緒に喜ぶように心がける。オフィスに着いたときや帰る時に「あいさつ」を慣例的にするのではなく、あなたの心の中からするように心がける。
2017年09月04日知的障害者福祉法とは?出典 : 知的障害者福祉法(旧:精神薄弱福祉法)は、1960年に制定された法律です。知的障害のある人の福祉をはかることを目的とした法律です。2006年の改正前、その目的は「生活支援」という側面だけでしたが、現在は知的障害のある人の自立と社会参加を促進するよう法律で定められています。それでは実際の法律の文言を見てみましょう。(この法律の目的)第一条 この法律は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)と相まつて、知的障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、知的障害者を援助するとともに必要な保護を行い、もつて知的障害者の福祉を図ることを目的とする。また、この法律は2013年に制定された「障害者の日常及び社会生活を総合的に支援するための法律」、別称「障害者総合支援法」という障害のある人全般に適用される法律とあいまって、その内容が定められています。それまでは、障害種別によって個別の法律に基づき様々なサービスや制度が成り立っていました。その後、総合支援法ができたことにより、「知的・身体・精神」の3つの障害が同じ法律内で扱われることとなりました。そのため、従来の知的障害者福祉法がもっていた独自の法的な意義は希薄化しているのが現状です。それにともない、知的障害のある人へのサービスや制度も、障害者総合支援法に移行しています。知的障害者福祉法の概要出典 : 知的障害者福祉法は以下の4つから構成されています。・総則・実施機関及び更生援護(実施機関等、障害者入所支援施設等の措置)・費用・雑則総則とは、全体を通じて適用される法律のきまりのことです。つまり、法の根幹となる部分です。知的障害者福祉法における総則は、以下の4つの項目から成り立っています。◇目的知的障害のある人の自立と経済活動を促進させるために、知的障害者の福祉をはかることを目的としています。このために、国や自治体、施設などは知的障害のある人を保護し、適切な援助を行うことが定められています。◇自立への努力と機会の確保・知的障害のある人は、そのもっている能力を使って社会活動、経済活動に参加するように努力しなければならないとしています。・社会を構成する一員として、自立し、社会、経済、文化などの活動に参加する機会をもっているとされています。◇国、地方公共団体と国民の責務国や地方公共団体は、上の理念が達成されるために、国民の理解を促し、必要な援助と保護を行うことが定められています。国民は、知的障害のある人の福祉について理解を深め、社会経済活動参加する努力に対して協力することが定められています。◇職員の協力義務知的障害のある人に援助や保護を行う職員は、児童から成人まで一貫して福祉支援を行うことが定められています。このように、知的障害のある人が社会の一員として、社会的、経済的な活動に参加できるように、すべての国民、行政、職員が努めることを義務付けたのが、知的障害者福祉法です。この部分には、知的障害福祉法に関する支援を提供する機関について記載されています。・支援の実施は、市町村が実施の主体となっていること・知的障害者の判定は、知的障害者更生相談所で行うことなどの点が記載されています。この部分はのちの章で詳しく説明します。知的障害者福祉法のこの項では、知的障害のある人のための施設を運営、設立する際の費用を出す義務者が定められています。また、知的障害のある人がサービスを利用するときには、一部または全部の負担が課せられることになっていますが、その負担は、当事者および扶養者の自己負担の能力に応じることが記されています。知的障害者福祉法ができたわけ出典 : 知的障害のある人への総合的な福祉支援は、どのような理由から展開され、本格的に開始したのでしょうか。日本で、最初に知的障害のある人への福祉サービスを規定したのは、1947年の児童福祉法です。ここでは、障害の有無についての言及はなく、すべての児童が等しく、生活を保障されなければならないという理念が述べられています。その後、1953年に「精神薄弱児対策基本法」が策定されました。この法は、のちの1960年に成立する知的障害者福祉法の下敷きとなったものです。この法律の要綱では、成人をも視野に入れており、18歳を過ぎた知的障害のある人にも必要な施策がとられることとなっていました。しかし、この法律には様々な問題点がありました。というのもこの法律では、知的障害のある人の「隔離」と「保護」を前提としていた点です。そのために、具体的にとられた施策は、不良行為を行う知的障害のある人を収用する設備の強化や、優生手術の実施など、知的障害のある人を社会から排除するものでした。また、実際の福祉施策が適用されたのは、18歳未満の知的障害がある子どもだけでした。「隔離」を前提とするような法律の問題点を改善する声があがり、1960年に成立したのが知的障害者福祉法です。この法律でようやく、名実ともに児童から成人までの一貫した支援を提供する事業が整備されました。知的障害者福祉法の改正と障害者総合支援法出典 : 障害者制度は2003年、2006年、2013年と3度の変革を迎えています。これにともない知的障害者福祉法の位置づけや内容も変化してきました。まず2003年には、支援費制度が導入されました。ここでのキーワードは「障害者の選択の尊重」です。この制度の導入により、それまでは行政が定めたサービスしか受けることのできなかった利用者は、自分に合ったサービスを選べるようになりました。そして2006年には、「障害者自立支援法」が成立しました。ここで福祉サービスにおける障害者の位置づけが大きく変わりました。というのも、それまでは障害の種別によって提供されるサービスは分かれていたからです。障害者自立支援法の成立により、障害の種類や年齢にかかわらず、障害のある人たちが必要とするサービスを利用できるように、利用のしくみが一元化されました。そのために、それまで知的障害のある人を対象として提供されていたサービスの多くが障害者自立支援法という共通の制度のもとで一元的に提供されることになりました。2013年には、上記の障害者自立支援法の改正法として、障害者総合支援法が成立しました。ここで、よりよい支援を行うことで施設を退所する障害者が省令で追加されるなど、障害のある人が自立した日常生活、社会生活を営むことが法律の目的として定められいます。障害者総合支援法については以下の記事で詳しくご紹介しています。知的障害者福祉法の中で明確な定義がない「知的障害者」出典 : 「知的障害」という名称は、学校教育法や児童福祉法などの法律で使用されてから、一般的に福祉現場や医療の領域で、日常的に使われるようになりました。一般的には、知的障害とは、金銭管理、読み書き計算など日常生活や学校生活の上で知的機能を使う知的行動に支障があることを指す場合が多いです。しかしながら、肝心な法律においては、どのようなものを知的障害と指すのかを定める規定が見られません。このために、医学、心理学、教育学の領域でそれぞれ定義が定められており、共通した理解が得られていないのが現状です。またその呼び名も、教育分野では「知的発達障害」「知的発達遅滞」、医学関連では「精神遅滞」「精神発達遅滞」などばらばらです。支援の必要性の有無、障害の程度をもって、知的障害者を定義する法令は存在せず、客観的な基準を示していません。厚生労働省においては、知的障害を精神医学の領域における「精神遅滞」と同じものと定めていることから、法令上の用語もその基準にならっていることが多いようです。知的障害(ID: Intellectual Disability)は、医学領域の精神遅滞(MR: Mental Retardation)と同じものを指し、「知的発達の障害」を表します。すなわち「1. 全般的な知的機能が同年齢の子どもと比べて明らかに遅滞し」「2. 適応機能の明らかな制限が」「3. 18歳未満に生じる」と定義されるものです。「知的障害者更生相談所」知的障害のある人がより暮らしやすくなるための機関出典 : 知的障害者福祉法は、知的障害のある人がより暮らしやすくなるためのサポートを行う機関を、都道府県に設置することを定めています。それが知的障害者更生相談所です。主に18歳以上の年齢の人が対象となります。18歳未満の場合には、児童福祉法のもと設置された児童相談所を利用することとなります。知的障害者更生相談所では、以下の3つの取り組みが行われています。この施設では、知的障害に関する高度で専門的な知識や技術を必要とする人のための相談を受け付けています。医師やケースワーカーなどの知的障害者福祉司という専門の知識をもった職員が相談にのってくれます。知的障害者更生相談所では、知的障害の判定と療育手帳の交付を行っています。判定および交付は、医師や心理判定員によるものです。知的障害には、国の法律によって定められている定義が存在しません。そのため、障害の認定区分や基準は自治体により異なっています。おおまかには、知能や生活習慣、行動の特徴などから判定します。その他には、IQ(知能検査などの発達検査の結果でわかる知能指数のこと)や日常生活動作(身辺処理、移動、コミュニケーションなどの能力のこと)などが判定の材料に用いられることもあります。療育手帳の交付の詳しい方法は、以下の記事を参照ください。障害の状況や地理的な理由により、来所相談や定期相談ができない場合もあるかもしれません。そのようなときには、自治体によっては福祉士や心理判定員が、相談受付のため地域の巡回も可能ですので、利用するとよいでしょう。知的障害のある人に関連する制度や利用できる手当て出典 : 知的障害のある人に対する支援の体制にはさまざまなものがあります。現在、障害の種別に関わりなくサービスを一元化する動きのために、本法律を根拠とした知的障害のある人に特化した制度はありませんが、別の法律に準拠やガイドラインに定められた制度や手当をご紹介します。知的障害と判定された人に、一貫した相談や指導を行い、各種の福祉サービスを受けやすくすることを目的とした制度です。交付は、都道府県及び指定都市の長が行います。療育手帳制度は、法律で定められた制度ではなく、「療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)」というガイドラインに基づいた制度で、都道府県・政令指定都市ごとに要綱などを制定して行われています。療育手帳をもつことで、以下のような支援やサービスを受けることができます。・保育園への入園優待・就労支援・障害者医療費の助成・公共交通機関の割引・各種料金の割引、減免支援費制度とは、障害のある人自らがサービスを選択して、デイサービスや授産施設などの事業者と対等な立場で契約を結び、サービスを受けることのできる制度で、2003年に導入されたものです。当たり前のことだと思われた方もいらっしゃったでしょうが、導入以前は、利用者はサービスを選択することができず、市区町村などの行政が障害のある人の受けるサービスを決定していたのです。支援制度の「支援費」というのは、「利用者が施設を利用するための費用を市区町村が負担しますよ」ということです。ですので利用者は、直接何らかの金銭を受け取ることができるというわけではありません。障害のある人が施設を利用する際には、本来は全額費用を払わなければならないところから、行政がその利用料を負担するために、利用者が支払う費用が軽減されたという意味で「支援費」なのです。支援費制度は、現在障害者総合支援法に移行しています。それまでの支援費制度は、障害種別ごとのものであったり、利用できる施設が障害種別に応じて細分化されているという点から、複数の障害種別のある利用者からするとややこしいものでした。そこで、これらの課題を解決するとともに、障害のある方本人を中心とする個別の支援をより効果的に行っていくために、2005年に障害者自立支援法(のちの障害者総合支援法)への移行が行われました。成年後見制度とは、認知症のある高齢者、精神障害のある人、および知的障害のある人など、判断能力の十分でない人を支援する制度です。1992年に設けられました。この制度では、お金の管理や相続という手続きを、その人に代わって代理人が行うことができます。成年後見制度には二つの種類があります。一つは、法定後見制度といわれ、家庭裁判所が成年後見人などを選任し、すでに判断能力が低下している人に対して行われるものです。もう一つは、任意後見制度といい、あらかじめ本人が任意後見人を選び、近い将来に備え支援者と支援内容を決めておくものです。具体的な利用の方法や手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。「もしも」のときのために、掛け金を積み立てておく制度です。精神、知的、身体に障害のある人の保護者が、亡くなったり、重度の障害になったときに、本人に終身一定額の年金が支給される制度です。対象は、・将来独立することが困難であると認められる、特に知的、身体障害の1~3級の手帳をもつ者の保護者・65歳未満の保護者・特別な疾病、障害がないなどの条件があります。対象となる保護者は、毎月1口~2口の掛け金を納めます。1口あたりの金額は、保護者の年齢により変わります。支給は保護者が亡くなった、重い障害をもった場合に、1口につき、月額2万円が本人に、終身支払われます。詳しくは、お住いの市区町村の保健所、保健局のHPをご覧ください。障害の等級によっては、以下の手当が支給されます。該当する手当をもらうことで経済的、精神的な負担の軽減することができます。・障害基礎年金・障害厚生年金・在宅重度心身障害者手当・特別障害者手当・特別児童扶養手当・障害児福祉手当など赤塚俊治/著『新・知的障害者福祉論序論』2008年/刊/中央法規出版山内一永/著『図解 障害者総合支援法早わかりガイド』2012年/刊/日本実業出版社まとめ出典 : 知的障害のある人のための法律は、刻々と変化しています。歴史的な背景から起こっている、障害のある人への差別や偏見から派生する社会問題を解決するために、国の施策が展開されています。法律の目的である「自立」「社会参加」という理念に向かう途上で、まだまだ課題点は多く残りますが、その達成に向けて私たちは着々と歩を進める途上にあるともいえるでしょう。
2017年08月30日「ストレス太り」と言われますが、本当に太るのでしょうか?太るとしたらどうして?ストレスと体重の関わり合いはとても強く、とても大きな影響を与えます。その関係を見てみましょう。どうして「ストレス太り」するの?女性にとって体重はとても繊細な問題です。いつもより少し多く食べてしまったときや明らかにあまり動いていないときなどは、太ってしまっても理由は明確です。このように、女性は、太った時には毎回、何が悪かったか分かろうとします。でも、ときどき、理由が分からないときもあると思います。そんな時は、もしかすると「ストレス」が原因かもしれません。ストレスが私たちの体に及ぼす影響は、思った以上に大きなものだということを知っておかないといけません。体重が増加したり、減少したりするのは時期やホルモンのバランスなどもありますが、その時期やホルモンバランスなどを毎日の中で感じていたり、溜めているプレッシャーによるものが多いです。でも、そのプレッシャーやストレスに対しては、日常の中でケアをほとんどしていない、または、まったくケアしていない人が多いですよね。ストレスが、体に及ぼす影響は本当にいろいろです。それに対してストレスを取り除くことは難しく、時間とともに慢性のストレスへと変わっていきます。そのストレスが、イライラを感じさせたり疲れを起こしたりします。ストレスは、家事、仕事、人間関係、育児などいろいろなものからやってくるのに、最終的にストレスという分けることができない、一つの塊となって身体の中にたまっていきます。目に見えないから取り除きにくく、あまりにもたくさんのものが溜まってしまうと原因が分からなくなってしまい、どうすればいいのか分からなくなってしまうものです。ストレスが引き起こす、「太らせる原因」を見てみましょう。「ストレス太り」の特徴急に甘いものをやけ食いしてしまうようになる。食べることが「ストレス発散」になっている。筋肉の弾力や引き締まりがなくなり、急に体重増加した。体重増加とともに体調が悪くなった。肌の調子が悪くなり、ニキビや吹き出物が多くなった。甲状腺ストレスは、コルチゾールレベルを高くしてしまうことがあります。甲状腺の機能がストレスにより悪くなってしまうと、新陳代謝が下がり、同じ量を食べているのに急に太ったりします。神経伝達物質神経伝達物質というと難しく感じますが、ストレスを感じた時私たちの身体に必要になってくるものです。「セラトニン」「ドーパミン」もその一つです。セラトニンやドーパミンは、良い気分になれる幸せホルモンと言われています。セラトニンは、心を穏やかにしてくれて安らぎを感じさせる効果があります。ドーパミンは、快ちよさを感じさせて気持ちを前向きにしてくれる効果があります。セロトニンが出ると痩せる効果もあると言われていますが、ストレスがあるときは体を守ろうと機能し始めます。例えば、恋をしているときはセロトニンがたくさん出ている状態です。恋をすると、食べ物が喉を通らなくなり、どんどん痩せていくこともあります。それは、セロトニンのヤセ効果だと言われています。恋をした時に脳から自然に発生している状態です。これらの理由から、神経伝達物質がとてもストレス解消にとって大切なことが分かったと思います。でも、セロトニンは、ヤセ効果があるのにどうしてストレス太りにつながってしまうのでしょうか?ここで一つ問題があります。ストレスを解消するためにこれらの物質を放出させるために必要なのが、「糖分」と「炭水化物」です。これらがないとストレスを和らげる物質が出なくなってしまうので、太ってしまうのです。ストレスがある時に急に甘いものを欲しくなったり、無我夢中で食べてしまうのは、この身体の反応によるものだったのです。コルチゾール先ほども甲状腺のところでも「コルチゾール」の話に触れましたが、コルチゾールは、副腎で分泌されるホルモンで脂肪をため込み、筋力を落とさせる働きがあります。コルチゾールが過度に増えると、体の引き締まりが失われて、どんどんダイエットが難しくなってきます。また、水分の流れが悪くなり、セルライトがどんどんたまっていきます。また、コルチゾールには、食欲を増進させる作用があります。これは、先ほどの「セロトニン(幸せホルモン)の分泌を抑えてしまう働きがあります。そのためどんどん食べる量が増えていき、太らせてしまう循環に陥ってしまうのです。”癒し”のために食べるイライラしたときによく起こるのが、おなかが空いていないのに食べてしまうことです。不安を感じたり、イライラしてしまうと、食べ物で心を癒そうとします。おなかが空いているから食べるのではなく、食べることでリラックスし、それが習慣となってしまいます。これでは、どんどん太ってしまいます。人は、おいしい物を食べた時に快感を感じます。その快感が少しストレスを忘れさせてくれる効果があります。でも、一時的なものでストレスが心の中から解消されたわけではありません。それでついつい繰り返してしまうのです。ストレスと体重の関係を理解して、毎日を健やかに過ごせたらいいですね!※筆者の個人的見解です。効果・効能を保証するものではありません。
2017年08月22日ストレスは、良くないものだとよく知っているけれどまさかカップルの関係まで壊してしまうなんて思わない方もいると思います。ストレスは、あなたの敵でもありますが、恋人との良い関係を保つ上でも敵なのです。そこには、ちょっとした大人の事情が隠れているのです。ストレスがカップルの敵!その理由お仕事をしている、学校でやるべき勉強が溜まっている、時間が足りなくてイライラしている。これらはすべて「ストレス」を生み出していきます。いつもするべきことに追われていて、休日やウィークエンドにまとめてしたり、遅れを取り戻そうとしたりします。本当は、休日やウィークエンドは、「お休み」を楽しみ、喜ぶための日です。それは、古くから決められたルールですよね。でも、それができない現代!このことでイライラとしたり、こんなことでいいのかと疑問を持ったり、残念に思ったりします。その気持ちが毎日の日常を少しずつ壊し始めます。胸やけしたような感覚、胃が痛くなったり…。身体の異変だけでなく、どんどんカップル間の関係にまで亀裂が入ってきます。ストレスによってカップル間に及ぼす悪影響を見てみましょう。もしかしたら「最近彼氏とうまくいっていない」という悩みがある人は、ストレスの仕業かもしれません。いくつかのヒントを見てみましょう。1.ルールを作り、守るストレスの原因はいろいろありますが、どんな要因であっても同じように心に溜まっていき、一つの「ストレス」という形に変わっていってしまうものです。時々イライラしたり、短気になってから「ストレス」が溜まっていることに気づくこともあります。ここで、何がストレスの根源なのか知ることが必要です。まずはストレスのもとを頭の中のパレットに並べるようにしていきましょう。多くの場合ストレスの元は「仕事」だと思います。仕事は、仕事中で終わらせてオフィスの外に持ち運ばないようにしましょう。一つのアイデアとしては、パートナーと家で過ごす時間は「仕事の話を避ける」ようにします。こうすることでストレスと切り離すことができます。ストレスをずっと感じていると八つ当たりをしてしまったり、口調まで強くなってしまったりします。二人でコミュニケーションをすることで、心の中のお洗濯をするように心がけましょう。2.ケンカ!ケンカをたくさんするカップルは、もしかしたら「ストレス」が邪魔しているのかもしれません。ストレスがあるからケンカをする、ケンカをしてストレスを溜める。もう悪い循環が終わりそうにもありません。ケンカを減らしたいと思っているなら、相手に改善を求める前に一度自分のストレスを取り除く努力をすると良いです。残念ながら誰かと一緒に過ごすとストレスがあり、納得がいかないこともあります。でも、ストレスがなければ少し多めに見てあげることができます。それでも、ケンカをしてしまうこともあるかもしれません。そんな時は「できるだけ早く仲直り」するようにしましょう。このルールはいつも良い結果をもたらします。「ケンカをしてもそのあとはすっきり仲直り」このルールに従っているだけでも二人のストレスは少なくなり、二人の人生を良くしていきます。3.シーツの上での時間シーツの中で過ごす二人の身体コミュニケーションは、二人の関係を良くしていきます。それは誰でも知っていると思います。ストレスを感じているときは、イライラしていてそんな気持ちにもならないと避けてしまいがちですが、実はストレスを感じているときほどしたいです。身体コミュニケーションが良い理由コルチゾールというストレスホルモンを減少させて、ストレスレベルを下げることができます。エンドルフィンが出て、心の健康とを保つことができる。二人の関係を良くして、安らぎを感じることができる。二人の関係を保つことにも役立ち、情熱を感じることでストレスを撃退します。相手がイライラしていて、夜の生活がご無沙汰だという人は、まずストレスを取り除く事から始めてみましょう。ストレスを感じすぎると疲れていたり、情熱さえ湧き出てきません。数日、または1週間に何度かストレスを取り除くようにするといいでしょう。温かくて香りのいいお風呂を用意してあげる。BGMがあるとさらにいい!マッサージをしてあげ、リラックスさせてあげて少し刺激を与える。そのままシーツの中でコミュケーションを始めます。3まで進むといいのですが、ストレスレベルが高いときは1と2を習慣として繰り返してあげましょう。4.二人で過ごす大人のカップル一緒に住んでいないカップルならいい距離感を保ちやすいのですが、一緒に住んでいるカップルにとっては「自分の時間を持つ」ことができないことでストレスになることがあります。週末は一緒に過ごしたいと思うのは自然なことですが、一人の時間も持つように心がけましょう。時には、お友達と外出してパートナーを家の中で一人にしてあげるのもいいでしょう。お互いに居心地のいい空間を二人の家の中に作り上げることで帰る時に少し足取りが軽くなり、不思議とストレスも軽やかになっていきます。それがあなたとパートナーの関係を良くしていきます。※筆者の個人的見解です。
2017年08月18日空腹になると少しイライラしてしまいます。それは空腹によるストレスによるものです。そのストレスの乗り越え方と治し方を見てみましょう。ダイエットをしたいのにいつも空腹を感じてしまうのは、大きな問題ですよね。ダイエットや体型維持をしたいけど、苦労はしたくないという人におすすめの方法です。空腹感は収まるところか”増える”ばかり…長く続く空腹感や終わることのない食欲、おなかが空いていないのに無性に食べたくなってしまう欲張りさんまで…。こういった行動は、ストレスからきていたり、週または月のホルモンバランスの関係かもしれません。「今はよく食べる時期」など周期がある人はこれらが原因かもしれません。空腹感は、耐えることができない辛い感覚を感じさせます。頑張って我慢して時間を過ごしても空腹感は収まるところか増えるばかり!どうしたらいいのでしょうか?いつも空腹…どうして?これは、体型維持、ダイエットをしたい人にとって永遠のテーマになりますよね。まず、空腹を感じた時「気分を上げてシャキッとする」ことを心がけてみましょう。たったこれだけ?と思う人もいるかもしれませんが、結構効果があります。気分を上げるだけで、少し空腹への集中力をそらすことができるようになります。でも、それ以外にも空腹にいつも悩んでいる人がチェックして覚えておきたい行動があります。食事を抜いた。(特に朝食を食べなかった)炭水化物をいつも少なめに食べている。(満腹感を感じさせてくれます。)睡眠時間が足りていない。(正しい睡眠量を確保すると満腹感を感じやすくして、カロリーを消費しやすくします。)生理前でホルモンバランスが変わっている。(マグネシウムを正しい量摂取することで治まることがあります。)これらのことを改善し、予防することで空腹への悩みを大きく減らすことができるようになります。空腹感が”続く”とき、どうすればいいの?まず、「空腹を感じたらいけない。」と考えてしまっていることは、逆に空腹に敏感になってしまいます。それから夏に良く起こる空腹の理由は、「水分不足」です。水を飲むことで、かなり空腹によるアンチストレスをできるようになります。これは空腹に悩む人なら、すぐに試してほしい行動です。毎回食事で満腹感を感じたら、仕上げに「コップ一杯の水を飲む」ようにしましょう。この行動が、身体の水分不足をなくし、潤すだけでなく、身体の状態を良くしてくれます。シンプルな行動で空腹を克服できるかもしれません。まずはシンプルな方法から取り入れることで悩みをなくしていくことが大切です。水を飲んでも収まらなかったという方は、このお水にもう一工夫をしてみます。コップの中にレモン汁を加えてみましょう。この時にお砂糖を加えてはいけません。これは、毎日の習慣のように続けるといいでしょう。それでもまだ胃がグーグーとぼやいていたら、仕方がないので「フルーツかヨーグルト」で満たしてあげましょう。ここで、お砂糖が多いおいしいデザートやスナック菓子は食べてはいけません。だって、後で「やってしまった。」と後悔してしまうからです。食事と食事の間にいつもきまってお腹が空いてしまう傾向がある人は、リンゴやミカンなどフルーツを持っていくようにしましょう。クルミなどのガレットもいいでしょう。これらを食べるだけでも空腹をしっかり抑えてくれて、血中糖度を下げてくれて食べたいという欲求を大幅に取り除いてくれます。空腹について考えているときに一見おかしく見えるかもしれませんが「デパ地下」に行き、気になるスイーツを選ぶのもいい方法です。でももちろん何を食べてもいいというわけではありません。ここで探すものはアーモンドやクルミを使ったお菓子でシリアルがゴロゴロとしているバーのようなものを探します。できるだけ砂糖などを使っていないものを選びます。気になるナチュラル素材のスイーツを選んでバッグの中に入れて置き、空腹時に食べるのもいい方法です。お腹が空いているときにしてはいけないことチューングガムをとりあえず食べる。あめを口の中に入れて味わう。これらの行動をしてしまうと、逆に空腹感を高めてしまいます。「空腹ストレス」をナチュラルに取る方法リラックスできる行動をする。しっかりと深呼吸をすることで身体が落ち着いてくるので身体のコントロールがしやすくなります。空腹に効くハーブを使う。シトラスは、空腹によるイライラを取り除く効果があります。ファンネルのハーブティーを空腹のときに飲むと抑えることができてダイエット効果もあります。ハーブティーは、ストレスを取り除きながら空腹を抑える効果があります。サプリメントを使う。グルコマンナンなどを含むサプリメントを使うのもよい方法です。おなかが空いたときに摂取することで、お腹の空腹感を取り除いてくれることが可能です。ドラッグストアに行くと適したサプリメントを見つけることができます。食事を変える。食事を変えてしっかり栄養士の勧めるメニューに変えるのもいい方法です。バランスの崩れからきている空腹かもしれません。
2017年08月15日「○○が苦手です」では、発達障害の実情が上手く伝わらないこともある出典 : 発達障害のある子のことを説明する際、よく耳にするセリフに「うちの子は○○が苦手です」というものがありますよね。私も、療育センターでそのように説明することをすすめられていたこともあり、最初は長男の障害名ではなく「〇〇が苦手なのよ」と特性だけを伝えるようにしていました。障害名を言って偏見を持たれるよりは、具体的な得意不得意を話した方が伝わりやすいだろう…そう思っていたからです。実際に、そのように伝える方がコミュニケーションが円滑にいく場合もあるでしょう。ですが、私が直面した現実は真逆だったのです。帰ってきた言葉の多くは「苦手ってことは頑張ったらできるんでしょう?」「甘やかしすぎじゃない?」「しつけの仕方が悪いんじゃない?」といった、息子や私の”がんばり”不足を原因とするかのような反応でした。「トツカさんって、ほんと過保護よねー」知らないところでそんな風に言われることもあり、当時はひどく落ち込みました。しかし、今思えばこちらの伝え方のせいで余計な誤解を招いていたのだと感じます。確かに、「うちの子は○○が苦手です」と突然言われても、それがどの程度苦手かを想像することは難しいですよね。「うちの子だって大変なのに、この人は何を甘えているの?」そう思うのは自然なことだと思います。それが定型発達の世界なのです。こうしたことがあってからは、私はあえて先に「うちの子は自閉症という障害を持っています」と伝えた後に、「障害の特性から○○が苦手なため、ご理解いただけると助かります」というように伝えるようにしました。もちろん「障害があるから迷惑をかけても許してね」という意味ではありません。「本人も家族も努力をしていますが、それでも難しいことが多々あります。そのためご迷惑をおかけすることがあるかと思うので、もし気になったことがあれば遠慮せずお知らせください」という意味です。何かあれば常に対応するという姿勢を示しておくことで、理解し合うための土台作りができることに気がついたのです。発達障害がある子たちにとって“苦手”という感情は生きるか死ぬかのレベルであることも多いです。しかし、ただ“苦手”と伝えるだけでは、その困難の大きさを判断できないのも無理はないですよね。そのために、少しでも相手が抵抗なく受け入れられるようにこちらができる工夫。それが「障害名から伝える」ということではないかと感じました。「障害名を伝える=偏見を持たれる」とは限らない出典 : 障害名を伝えることに関して、多くの保護者の方が悩む問題があります。「障害名を伝えることで障害名が一人歩きして偏見を持たれないだろうか…」ということです。私の結論を言うと、それは違います。悲しい話ですが、発達障害に対して偏見を持っている方は特性に対しても偏見を持っていることが多いため、障害名を伝えても伝えなくても大きく変わらないのです。「子どもが○○をするのは親のしつけのせい」すでにそう思っている方にとって、障害名は重要ではありません。むしろ障害名や詳しい特性を伝えることで「障害があるからそのような行動をすることもある」ということを知ってもらえ、逆に偏見がなくなることの方が多かったのです。そのため、障害名を伝えることでプラスになることはあってもマイナスになることはありませんでした。あえて障害名を伝えることで良い意味で変化が!出典 : とはいえ、実際に障害名を伝えるとなると「お友だちができなくなるのではないか」「偏見を持たれないか」など、どうしてもマイナスのことを考えてしまいがちですよね。ですが、先にお話しました通り、実際はプラスになることも多いのです。なぜならば「正しい知識を伝えられる」からです。恥ずかしながら、私自身も、わが子が自閉症だと知る以前は「自閉症=喋らない障害」だと思っていました。実際はそんな子もいればそうでない子もいますよね。しかし、以前の自分のように誤って認識している方は大勢いらっしゃいます。そのため意図せず傷つけたり傷つけられたりということが起こってしますのです。けっして悪意があるわけではありません。ただ、知らないだけなのです。障害名を伝えた後、そんな方たちによく聞かれることがあります。「自閉症って○○な障害だよね?でも、息子くんはそんな風には見えないよ?」それぞれがイメージしている“自閉症”とギャップがあるのでしょうね。障害のカミングアウトを機にこうした質問をされることが増え、その度に説明をするようになりました。大人が正しい知識を持つことで、子どもにも間接的に障害がある子との関わり方を伝えることができます。逆にこちらは年相応の成長や遊びを教えてもらえ、お互いに知らない情報を知ることができるのです。言わなければ伝わらず歩み寄ることができなかったであろう関係も、こちらから一歩踏み出すことで世界が大きく広がり、この先必要な社会とのつながりを作ることができるのではないでしょうか。また、学校でもある程度オープンでいることで、学級内での配慮が円滑に行えると聞いたことがあります。高学年になると、それまで漠然とゆるされてきた発達障害の子を見て「あの子だけ特別扱いされてずるい!」と感じる子が増えてきます。大人でも理由を聞かされず一人だけ特別に配慮されている状態を快く思うことは難しいですよね?それと同じなのです。なぜその子には配慮が必要なのか、それをある程度示してあげることで、クラスメイトにとっても良い効果があると感じました。伝え方を工夫して否定し合わない関係作りを出典 : 現在長男は特別支援学級と普通学級を行き来しています。特別支援学級に通っている子どもたちは、必ずしも障害の確定診断がある子どもばかりではありません。長男に発達障害があることを知っている親御さんもいれば知らない親御さんもいます。子どもたちも同様です。そのような状況ですが、障害名が足かせになっていると感じる経験をしたことはありません。多くの方は定型発達の子と同様、本人の性格や人間性を見て判断してくれていると私は感じています。見えない障害をカミングアウトすることが正解かどうかはわかりません。しかし、私自身は少なくとも不正解ではないと思っています。障害の有無を問わず、すべての人たちが理解し合って生きることは難しいことです。しかし完全に理解することはできなくても、伝え方一つで否定し合わない関係が築けると思うのです。そんな関係を築いていくことが、将来社会で共存することにつながるのではないでしょうか。障害の種類・子どもの性格・周りの環境などで伝え方は変わってきますが、あえて障害名を伝えるという選択もあるということを知ってもらえたらと思います。
2017年08月14日NHK「あさイチ」シリーズ発達障害“ほかの子と違う?”子育ての悩みNHKが1年を通してさまざまな番組で、発達障害の多様な姿を伝えていく「発達障害プロジェクト」7/24(月)にも「あさイチ」で特集が放送されました。今回のテーマは、「“ほかの子と違う?”子育ての悩み」朝の番組で、発達障害のある子どもの子育てを取り扱ったことから、特に保護者の方々の視聴・感想が多かった様子です。発達ナビ編集部でもTwitterで番組の内容を実況し、視聴していた方々の感想もまとめました。以下の、Twitter「モーメント」機能によるまとめをご覧ください。「あさイチ」シリーズ発達障害“ほかの子と違う?”子育ての悩みワガママと発達障害の境界線は…?番組で投げかけられた問いと、視聴者の声今回の番組では、発達障害のある小学生の子どもが二人いるご家庭が取材されました。小学6年生の女の子が、学校から帰って来た場面。直前までお友達とおしゃべりしていた内容が心に残って、なかなか気持ちや行動の切り替えをすることができない、結果、宿題を始めるまでに50分もかかったという様子が映されます。お子さんの発達に違和感を感じたのは3歳児の頃。癇癪が激しく周囲に相談したが、その時は周囲から「大丈夫だよ」と言われるだけで、お母さんはギャップに苦しんだそうです。その後4歳児になったとき病院を受診、発達障害と診断されました。お子さんが「宿題をなかなかやろうとしない」「学校に行きたがらない」といった状況や悩み自体は、子育てしているご家庭なら大抵、一度は直面することかもしれません。ですが、発達障害のあるお子さんの場合、気持ちや行動の切り替えの難しさ、困りごとが起こる頻度や程度には大きな差があり、なかなか簡単には困りごとは解消されません。番組で映されるお子さんとお母さんのやり取りから、診断されてから今に至るまでの日々、積み重ねて来た工夫や理解、お子さんの成長の足跡も感じられます。それでもやはり、思うようにいかなくて、パニックや癇癪を起こしてしまうこともある。同じく発達障害のあるお子さんを育てる保護者の方や、ご自身も幼少期に似たような状態になっていたと語る、成人の発達障害当事者の方など、視聴者の方々から共感の声が寄せられていました。一方、スタジオゲストの方からは、「これが単なるワガママなのか、発達障害によるものなのか、わからない」という意見も出てきました。ワガママと障害はどう違うのか。そんな疑問に対して、Twitter上でも視聴者のさまざまな声が寄せられます。番組中でも、一見して誰にでも起こるような困りごとでも、発達障害の場合は、生活に支障がでるぐらい、程度や頻度が大きいという説明がなされていました。ですが、程度や頻度は違えど、起こっている症状や困りごと自体は、どんな子どもにも見られうるものであるゆえに、周囲の人からすると一見してその違いはわかりにくいのでしょう。どこまでがワガママで、どこからが障害なのか…発達障害が身近でない人からそのような疑問が呈されること自体は、無理もないことかもしれません。また、性質や程度の違うさまざまな凸凹のある人々が、連続体(スペクトラム)のように存在していると言われる発達障害それ自体の特性からも、明確な線引きをすることは非常に難しいと言えます。目に見えにくい、わかりにくい障害としての発達障害の性質を示すようなエピソードだったように思います。こうしたジレンマに対して、具体的にはどのように対処すれば良いのか。番組のゲストコメンテーターとして出演された、鳥取大学大学院の井上雅彦教授のコメントがヒントとなります。わがままと障害の線引きはどこかと線引きすることは、厳密には難しい。それよりも大切なのは、周りがどういう風に対応して工夫すれば本人が頑張れるようになるのか、という観点だと井上先生は語ります。線引きをすること自体を目的としても、議論にキリをつけることは難しいですが、その子が何に困っていて、周囲の人たちには何ができるのかと、個別具体的な対応・行動をベースに考えることができれば、発達障害かどうかに関わらず、どんな子どもにとっても有効な困りごと解決のアプローチが見つけられるはずです。番組の後半には、下のような声も寄せられました。どんな状況であれ、お子さんも、親御さんも、それぞれのありのままを受け止めて認めて合うことを願う声です。あさイチ出演、古山さんより保護者の方々へのメッセージ最後に、今回の番組のVTRに出演された古山さんからのメッセージをご紹介します。番組終了後、発達ナビ編集部宛にご連絡をいただき、いま、子育てに頑張っている保護者の方々へ伝えたい思いを語ってくださいました。Upload By 発達ナビ編集部「7月24日のあさイチで取り上げて受けていただいた、古山です観ていただいた皆様、本当に本当にありがとうございます井上先生はじめ、スタジオの皆様が沢山協力して下さり、短い時間でしたが、濃い内容になっていたと思います放送後も沢山の反響をいただき驚いています発達障害の子育てをしているママの沢山の方が涙を流しながら共感してくださったメッセージをいただき、勇気を出して良かったと思っています我が子の姿をさらけ出すことに抵抗がなかったわけではありませんその中で取材を受けた理由は、育児に悩んでいるママに伝えたい想いがあったからです毎日毎日、育児に行き詰まり悩んでいるかもしれません発達障害の子育ては育児上級者コースを受講しちゃったと私は捉えていますだから、もう、毎日100点は目指さないでください今日が20点だった日も落ち込んだり自分を責めたりしないで20点だったなら次の日60点以上を目指せばいい一週間で平均60点取れたら、花マルだから、40点が続いたらお休みの日に80点目指せばいいんですそれだって、1人で頑張らないで家族総出でかき集めたっていいんですあ、失敗した、言いすぎたって時は、素直に謝っちゃえばいいんですママが悪かったです、言い直すからさっきの言葉、消しゴムで消して欲しいっていま、悩んでいるママたち毎日、育児に奮闘していると一人で闘っている気持ちになるかもしれません誰にもカミングアウト出来ず誰にも共感してもらえず苦しくて寂しくて辛い毎日を過ごしているかもしれません私もそんな風な光の見えないトンネルの中にいた経験がありますでも少し勇気を出して周りを見てみてくださいあなたには必ず味方がいるはずですあなたは毎日毎日、子供に向き合い悩みながら色々なことを選択していることでしょうもしかしたら世間一般的には間違いかもしれない選択をしていることもあるかもしれません私自身が、子供達に学校以外の場所に行かせることを決めたように…でもあなたが真剣に子供達の幸せを想いながら出した選択ならたとえ、間違いかもしれない選択だとしてもあなたの決めたことなら応援してくれる人がいるはずです私にとっての実母のように味方がいればたとえ一緒に生活していなくても頑張れるチカラになります勇気を出してみてくださいまたもしも味方がみつからなくても覚えていてくださいあなたが真剣に子供達と向き合い孤独と闘いながら子育てしているとき同じ空の下で私も同じように過ごしていますあなたが今日も上手く対応してやれなかったと子供達の寝顔を見ながら涙しているとき同じ空の下で私も同じように涙していますあなたが真剣に子供達の幸せを想いながら頑張っているなら私はあなたの味方ですあなたは一人ではありませんつらいときくるしいとき良かったら私を思い出してくださいあなたとお子様達の幸せを心から願っています」
2017年08月07日先日、NHK 「あさイチ」 で「発達障害の子育て」についての特集が放送された。番組に出演した古山さん一家は、小6の長女と小3の長男が共に発達障害と診断されている。元気にあいさつしてリポーターを出迎える2人の姿は、障害があるとは思えないほどだが、3日間生活に密着しているうちに、「あれ?」と思うことが見えてくる。古山家のお母さんは、子どもとのコミュニケーションに、言葉ではなく筆談でそっと気持ちを伝えたり、タイマーを使って時間をわかりやすく提示するなど、随所に工夫を凝らしていた。また、お母さんは「長女の子育てに悩んだ末、4歳の時に1人で決めて1人で病院に行った」「旦那は診断を受け入れられず、障害者のレッテルを張ったのは私なのか? と悩んだ」とのこと。それから6年、今も整理できない気持ちを抱えながら、夫婦で手探りの子育てが続いているという。じつは筆者にも、8歳になる娘(定型発達)と4歳の息子(自閉症スペクトラム)がいる。決して感情的にならず、子どもの気持ちを受け止めて待つという古山家のお母さんの姿は、とても学ぶところが多かった。■子どもが発達障害と診断。その時、夫は……?しかし、今回の番組を見ていて私が一番気になったのは、子どもでもお母さんでもない。それは、お父さんの存在だ。当事者として出てくるのはほとんどがお母さんで、お母さんの話を通してからも、お父さんの存在があまり見えてこなかったのが気にかかった。個人的には「夫婦や家庭内の葛藤をもっと掘り下げて聞きたい!」と感じた。今回は放送時間の都合上、残念ながら「お父さんの存在」にはあまりフォーカスされていなかったようだ。次回以降のNHK「あさイチ」特集を含む、 NHK「発達障害」プロジェクト で、このテーマが深堀りされることを期待したい。「お父さんの存在」という問題。じつはこれ、療育ママの間では、よく聞く話である。「夫が子どもの障害を認めてくれない」「旦那が『就学先は絶対普通級』と言っている」「旦那が、幼稚園での発表会の様子を見てショックを受けちゃった…」などなど。他に、義理両親や自分の両親から理解してもらえないという話も時々聞く。「義理母に、あなたがちゃんと躾ければなおると言われた」「母親に、『あなたは甘やかしすぎ。このままじゃわがままな子になる』と注意された」などなど。こういう発言にはイラッとくるけれど、百歩譲って、祖父母世代に発達障害の理解は難しいのかもしれない。自分たちが子育てしていた頃には、きっと聞いたことのない話だろう。でも、同居していたらちょっとキツイ問題だけど、別々に住んでいるならうまくわかすこともできるし、子育てにそれほど強い影響もないはずだ。だが、夫の場合はそうはいかない。夫がきちんと向き合ってくれなければ、お母さんのストレスは2倍、いや数倍にも膨れ上がる。日々の小さなことまでフォローする必要はないと思うが、「ここぞ!」という時には、真剣に向き合ってほしい。意見が衝突することもあるかもしれないが、いざという時に一緒に本気で問題に取り組んでくれる同士(夫)がいると感じられれば、それは、お母さんにとって何よりも大きな心の支えになるはずだ。 ■他の子と比べすぎるお母さんと、比べすぎないお父さんまた、一般的に、子育てはお母さんが主役になることが多いので、同世代の友達と関わることも増えるが、お父さんは集団でのわが子の姿を見る機会がほとんどない。なので、年相応の発達状態を把握しにくく、「男の子なんてこんなもんじゃない?」とか「俺も子どもの頃そうだったよ」などと問題を見逃しがちな面がある。でも、これって悪い面もある反面、意外と良い面もあると思うのだ。わが家の場合は、私が他の子と比べてばかりいて、「普通」であることに縛られ、ふさぎ込んでしまっていた時期があった。だが、夫は、他の子と比べることは一切しなかった。「他の子と同じである必要はまったくない」、「比べることには何の意味もない。もし比べるなら、『他の子と』じゃなく『過去の息子と』」「『普通』の定義って何?」と、落ち込んでいる私を容赦なく詰めて(励まして?)くれたものだ。そんな夫に、「あなたは他の子のことを全然知らないからそんなに呑気なの!」と噛みついたこともあった。だが、文句を言いつつも、わが子のことだけをしっかり考えるという夫のブレない姿勢は、どこかで、とても心強い支えになっていたのだ。また、夫と私では子どもについての見方も全然違ったので、多面的に話し合えることもありがたいことだった。お父さんというポジションは、お母さんより、子育てを冷静かつ客観的に見られる位置にいると思う。お父さんには、ぜひそういう強みも活かしてほしいのだ。■「わがまま」と障害の線引きは?最後に、番組を見ていて、もう一つ気になったことがある。「わがまま」と障害の線引きは? ということだ。番組に出演した古山家のお父さんも、「どこまでが発達障害の特性なのか個性なのか切り分けが難しい」と葛藤していたし、スタジオの出演者たちもそのことについては判断つかないようだった。このことは、私も、よく健常児のママから聞かれるのだが、私も答えがわからずに困っている。専門家の井上雅彦さんも、「(線引きは)厳密には難しい」と言っていたので、かなり悩ましいテーマなのだろう。ただ、重要なのは、障害との線引きにこだわることではなく、「どう工夫すれば(生きにくさを感じている)子どもたちの努力が報われるか?周りがどう対応するか?ということの方に目を向けるべき」(井上雅彦さんコメント)とのこと。そう、私たちの目的は、子どもをカテゴリ分けしたり、レッテルを張ることではない。困っている子どもたちが、いかに生きやすくなるかを考えぬくことなのだ。まちとこ出版社N【発達障害についての記事一覧】▼大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界(全4回)▼「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら(全9回)
2017年08月01日百害あって一利なしの「ストレス」。溜めすぎると、心身に影響を及ぼしかねないので、気をつけたいものです。ある調査によれば、ストレスの感じやすさは、生活リズムとも関係がある模様。さて、みなさんは低ストレス、高ストレスどちらのタイプでしょうか?一週間のストレスレベルに影響するのは◯曜日ストレスと身体の調査・研究を行うメディアプラス研究所が、20〜69歳の女性7万人を対象に「ココロの体力測定2017」を実施。ストレスが溜まりやすい「高ストレス女性」、逆にストレスを感じにくい「低ストレス女性」の行動の違いを比較しています。この結果、ストレスレベルに影響するのは、週初めの月曜日と週半ばの水・木曜日だということが分かりました。確かに月曜から残業だとストレスを感じますし、週の半ばに遅くまで外出していては、週の後半まで体力がもたなそう。睡眠不足はストレスの原因に?高ストレス女性と低ストレス女性でストレスレベルに差が出たのが、睡眠。Image by PR TIMES睡眠時間をしっかり確保することは、美容や健康にはもちろん、ストレスレベルにも影響します。「睡眠を7時間以上とる」と答えた高ストレス女性は、平日ではほぼ20%以下だったのに対し、低ストレス女性は30%以上。とりわけ週半ばの水・木曜に睡眠を意識している人は、高ストレス女性の2倍以上という結果に。翌日に疲れを持ち越さないためにも、睡眠時間をしっかり確保したいものです。リア充はどっち? 平日・週末オフタイムの過ごし方を比較!低ストレス女性と高ストレス女性、平日オフタイムの過ごし方の違いとは?Image by PR TIMES高ストレス女性と比べて、低ストレス女性は「趣味の時間をとる」「セルフケアに時間を割く」など、自分のための時間にあてている割合が高いことが分かりました。週の初めに「断酒」する人の割合も、高ストレス女性の約2倍と多く、健康を気遣う姿勢もうかがえます。一方、高ストレス女性に目立ったのが「ストレス発散の食事をする」こと。週半ばの水・木曜日に至っては、低ストレス女性と3倍近くも差がつきました。また、週末の過ごし方を比較してみると、低ストレス女性と比べて高ストレス女性は「仕事をする」人が多く、「異性とのスキンシップ」や「デート」をする人は、低ストレス女性よりも低いという残念な結果に。総合的にみると、低ストレス女性の方が高ストレス女性と比べて充実したライフスタイルを送っている様子がうかがえます。低ストレスな一週間の過ごし方って?ストレスの発散方法は人によって異なると思うので、外食でストレス発散ができるなら、それもいいですよね。ただ、私も以前は外食やお酒でストレスが発散できていたものの、30歳を過ぎてから、しっかり休養しないと体力がもたなくなってきました。特に飲みすぎると睡眠が浅くなるようなので、気をつけるようにしています。はぁぁ、気持ちは若くても、身体は正直……。外食は週末に遅くまで楽しむことにして、週初めの月曜は飲みすぎないように注意。身体が疲れてくる週の半ばは、外食しても早めの就寝を心がければ、一週間を低ストレスで過ごせるのではないでしょうか。また、週末はなるべく仕事を持ち込まないようにするのも大切だと思いますよ!参考:PR TIMES
2017年07月30日研究に協力するために参加したセラピーがきっかけで出典 : 大学などの研究機関では、比較的安価な費用でセッションやセラピーを提供してくれることがあります。常にアンテナを張っておけば、規模の大きな総合大学などで発達障害児向けのセッションやセラピー、講演会といったイベントが結構な頻度で実施されています。(ただし、あくまでも研究目的でのセッションやセラピーなので、研究プロジェクトが終了すると途中でも打ち切られてしまったり、状況が良くならなくとも回数が厳密に決められていたりという制限はあります)私はとある総合大学の心理学研究室の実験で、アメリカで行われている手法を実験的に取り入れたペアレントトレーニングに参加することができました。そのときの出来事です。問題は息子より私だった!?手渡されたストレスチェックの結果は、このセラピーでは、息子は私とは別部屋でプレイセラピー(遊戯療法)を受けるというものでした。その間、私は個室で大学の先生にカウンセリングをして頂くことに。私はそこで、息子との関わり方や息子の生育について、とめどない勢いで話し続けてしまいました。それもそのはず、私の頭のなかは、常に息子のことでいっぱいだったのです。先生はふんふんと私の怒涛のトークを聞いていらっしゃいましたが、ある日、「お母さんのストレス状態のほうも少し把握しておきたいので」と、何やら10枚ぐらいあるチェックリストのようなものを渡されました。「何も考えずに○をつけていってください」と言われたので、思ったとおりに記入をしていきました。その結果は…Upload By 林真紀私のストレススコアは46点。先生いわく、このスコアが13点を超えていると「強いストレス状態にある」ということで、うつ病などを疑われるレベルだそうです。私のスコアは13点どころか、46点。なんと基準の3倍以上!先生も「これは、息子さんよりもお母さんの状態のほうを早急になんとかするべきかもしれないよ…」と目を丸くしているではありませんか。その時期の私のストレスは尋常ではなく、時と場所を選ばずに繰り返される発作に、常に心身はガチガチに固まっている状態。気付けば顔の表情までこわばり、人相が変わってしまっていました。食欲もがっくりと落ち、体重もかなり減っていました。実はこの時、私は「パニック障害」という病気を発症して、外に出るのも車の運転をするのも命がけの状態でした。カウンセリングの際に、「おかしな発作が繰り返し起こる」というようなことを先生にも話していた矢先のテスト結果でした。ストレスが多かったからパニック障害になったのか、パニック障害だったからストレスがたまっていたのか、どちらが正解かは分かりません。とにかく、「息子さんよりもお母さんをどうにかしなければならない」というのが、ペアレントトレーニングのチームにとって喫緊の課題となったようです。「ストレススコアがこんなに高いようでは、パニック障害になってもおかしくないよ」とため息をついた先生は、「パニック障害にも効果のある」という、あるリラックス法を教えてくれたのです!教えてもらったリラックス法に救われる!私の場合、考え方や認知のせいで疲れているというよりは、毎日育児のことなどであれこれ小さなことを悩んだり考えたりしているうちに、体中がガチガチに緊張していたために体調が悪くなっている状態でした。過呼吸発作も、ぶつぶつといろいろ考えながら、呼吸が浅くなっていることが原因だったのでしょう。さらに、パニック発作への恐怖心が身体の緊張をより高めてしまい、いつの間にか力の抜き方が全く分からなくなっていました。身体が常に緊張していると、肩が凝り、頭痛が酷くなります。ひどいときには、夜眠れないぐらい身体が凝り固まってしまうこともあります。夕方の疲れは特にひどく、夕食を作らなければいけないのに起き上がれないことも頻繁にあったのです。Upload By 林真紀先生は、私の捉え方を変えようとか、息子の態度を変えようとかいう前に、まず私が「適切にリラックスできるようになること」が大切だとおっしゃいました。そして先生が教えてくださったのは、「自律訓練法」というリラックス法です。ストレスや緊張を緩和させる訓練法で、どこででも気軽に練習することができます。具体的には、椅子に腰かけて目を閉じ、「気持ちがとても落ち着いている…」「右手が重い」「左手が重い」「右足が重い」「左足が重い」「右手が温かい」「左手が温かい」というように、身体全体を弛緩させるリラックス法です。1回の所要時間は3分ほどですので、時間を取ることも、それほど苦になることもありません。また、先生にこちらの本を頂き、1日3回、各3分ずつ練習するように言われました。どんなことでも習慣化していかなければ効果というのはなかなか出ません。自律訓練法も、毎日短い時間でも練習し続けることが大切だと聞いた私は、毎日練習と身体の変化について記録を取ってゆくことにしました。大切なのは、自分自身の心の状態を省みること出典 : 私は先生の指示通り、自律訓練法を1日3回行いました。最初は半信半疑でしたが、確かに身体がガチガチになって夕方寝込んでしまうようなことが確かに減っていったのです。また、パニック発作が起こりそうなときに、自律訓練法をやってみると、パニック発作の回数がかなり減らすことができました。実際の身体の状態の改善以上に、自律訓練法を始めたことで、「自分にはこれだけの負荷がかかっていたのだ」「リラックスする時間は意図的に作らなければならない」と、自分自身のメンタルの状態を省みるきっかけになったと思います。緊張状態がずっと続く育児をしていると、リラックスの方法を忘れてしまうことがあるのです。だから、リラックスのやり方も、私の場合は「学習」しなければならないのだと分かりました。育児で肩がガチガチに凝っていませんか?知らず知らず浅い呼吸になっていませんか?あるいは、パニック発作のような症状に苦しんでいませんか?どうか親御さんも意図的にリラックスする時間を作ってくださいね。時間を使って、意識的にリラックスすることが大切なのだと私は思っています。
2017年07月27日ストレスを感じると、胃腸が悪くなることが多いです。食欲がなくなったり、胃痛や胃もたれがしたり、お腹を下したり。困っている方も多いと思いますが、こういった症状は「ストレスがかかっていますよ」という体からのサインかもしれません。胃薬を飲む、胃腸を休めるといったことも必要かもしれませんが、それ以前に何が自分にとってストレスなのかを見直してみることも重要です。■ストレスが胃腸に及ぼす影響ストレスがかかると胃腸の調子が悪くなる――このメカニズムを発見したのは、生理学者のハンス・セリエ。彼がさまざまなストレスをネズミに与えてその反応を見たところ、胃腸の出血や潰瘍が引き起こされることを発見しました。なぜこのような変化が起きるのか。そのメカニズムは、コルチゾールなどの抗ストレスホルモンにより自律神経が乱れ、消化酵素から胃腸壁を守る粘液の分泌が減少するためである、と明らかにされています。しかし、なぜわざわざ自分の体を傷つけるように働くのか、少し疑問に思いませんか?ストレスと戦うためには健康を維持しなくてはいけません。それなのに胃潰瘍などを起こしていては、かえって逆効果のような気がしますね。■ストレスで胃が痛くなるのは、体からの警告この疑問の答えは火事をイメージするとわかりやすいかもしれません。ストレスを感じているときを火事にたとえると、抗ストレスホルモンの分泌は、消防車で大量の水をかけることに似ています。抗ストレスホルモンの働きで、ストレスによるショックを和らげ、命を守ることができますが、その作用によって血圧や血糖が上がり、長く続けば脳出血や糖尿病、さらには認知症など、さまざまな病気の原因になってしまいます。放水によって火を消すことはできても、水をかけっぱなしにすれば、あたりが水浸しになって二次被害が出るようなものです。そのため、抗ストレスホルモンは一旦危機が過ぎれば、分泌が減るようにできています。しかし、その状態でまた新たなストレスが加わったらどうでしょう。もしかすると次は耐えられないかもしれません。ストレスに耐えられなければ生物は死に至ります。ストレスで胃が痛くなるのは、「今は体が弱っていて、ストレスに耐えられかどうかわからないから、一旦休んでください」という体からの警告とも考えられます。このようなときは、何をおいても休息を取ることが重要です。ここで無理をしてはいけません。普段の生活を見直し、本当に必要なこと以外はできるだけやらないようにして心身を休めましょう。少なくとも、状況が変わらなければ、ストレスの影響から脱するのはより困難になっていきます。人によって回復のスピードには差がありますが、少なくとも自覚症状がすっかりなくなるまでは、休養に努める必要があります。■運動とバランスの良い食事で、ストレスに強い体質を作るでは、ストレスに強い体質になるためには、一体どうしたら良いのでしょうか?ひとつは、定期的な運動です。運動自体もストレスのひとつ、という方もいるかもしれませんが、適度な運動はストレスに対する抵抗力を高めます。次に、毎日の食事です。血糖値が急激に上がったり下がったりすることも、体にとっては大きなストレスとなります。たんぱく質やオリーブオイル、ココナッツオイル、亜麻仁油などの体に良い脂質を十分に摂り、代わりに甘いものや炭水化物を減らしましょう。いわゆる「糖質制限ダイエット」ですが、この場合は体重を減らすのが目的ではないため、カロリーは減らさないように心がける必要があります。また、腸の環境を良くするという点で付け加えると、食物繊維にも気を配る必要があります。食物繊維はビフィズス菌や善玉菌のエサになり、悪玉菌の増殖を防ぐ大事な栄養成分ですが、炭水化物にも多く含まれています。糖質を控えようとして、炭水化物の摂取量を減らすと、食物繊維の摂取量も減ってしまいがちです。糖質制限を始めて便秘になる人は、だいたい食物繊維の不足が原因です。糖質制限を行う時には野菜や海藻、きのこ、こんにゃくなどを毎食摂るようにしましょう。ちなみに、食物繊維の種類によっても、腸内細菌に与える効果に差があることもわかってきました。1種類に偏らず、様々な食材から食物繊維を撮りたいものです。私たちは食べたものでできています。ストレスに強いか弱いかはもともとの体質もありますが、普段の習慣でも変わってきます。できることから少しずつ、健康に良い習慣を始めましょう。
2017年07月26日7月24日(月)、NHK 「あさイチ」 では、子どもの発達障害についての特集が放送される。「あさイチ」からの事前情報によると、「これまで番組に寄せられたメールやファックスの中でも特に多かった、発達障害の子どもを持つ親の悩みに徹底的に向き合う」とのこと。じつは筆者にも、8歳になる娘(定型発達)と4歳の息子(自閉症スペクトラム)がいる。5月の NHKスペシャルの放送 から、ぜひ次回は、発達障害の子どもや子育て中の親にフォーカスした企画を! と思っていたので放送が楽しみだ。■当事者が語る、発達障害の子育てのリアル今回の放送では、3人(うち2人が発達障害)の子育て真っ最中の家庭を訪問し、発達障害の子育ての大変さや、それに対してどう向き合い、対応しているのかを伺っていくのだそう。子どもが診断された時の気持ちや、夫や祖父母、周囲の反応、子どもの将来への不安など、様々な角度から、当事者たちに発達障害の子育てをリアルに語ってもらうそうだ。さらに、番組では、ペアレントメンターなどの親を支援する仕組みなど、当事者の親に役立つ情報も紹介する予定だという。■娘とは桁違いの大変さだった、息子の子育て筆者のケースをお話しよう。定型発達児(娘)と発達障害児(息子)の両者を育ててみて思ったが、その子育ての大変さは、まさに桁違いだった。もちろん娘だって、成長の過程では、当然大変なこともあった。イライラして頭が沸騰しそうになったことだって、多々ある。でも、娘の怒りや泣きのツボはだいたい理解できたし、コミュニケーションもしっかり通じたので、私の理解の範囲内で対処することができた。ところが、息子の場合はまったく違った。指示が通らない。言葉の説明を理解してくれない。急に走り出したと思ったら、今度はテコでも動かないなど、動きが読めない。保育園ではイベント事が大の苦手で、隙あらば逃走。歯磨きやお医者さんの診察では毎回大暴れ…。何より困ったのは、コミュニケーションが通じないこと。変な言い方だが、言語も思考も違う異星人を相手にしているようで、本当にお手上げ状態であった(4歳過ぎた今では、ずいぶんマシになってくれたが)。■3歳で確定。「だから大変って言ったじゃん!」周囲に相談しても、「男の子なんてそんなもの」「上が女の子で楽だったんだよ~」などと言われ、なかなか理解してもらえなかった。だから、3歳で息子が自閉症スペクトラムと診断された時は、もちろんショックではあったが、同時に、「だから大変って言ったじゃん!」と、周囲にちょっと毒づきたいような気持ちも生まれた。今思うと、周囲は私が思い詰めないように、気を使ってくれていただけだろうに…。不健康な考え方に陥っていた当時は、ひねくれたとらえ方しかできなかった。 ■周囲にガードを張っていのは、私の方?息子は1歳半検診から疑いをかけられていたので、宙ぶらりんの期間が長かった分、私にとって診断は、腹をくくる良いきっかけになった。その頃には、この障害についてしっかり勉強して、一生向き合っていこう! という覚悟もできた。また、さまざまな専門書を読んで勉強するうちに、息子の特徴や対処法が少しずつわかるようになり、突飛な行動にも笑えるような余裕も出てきた。周囲にも、息子のことを説明しやすくなった。仲の良い園ママにはすでに話していたが、診断がおりるまでは、息子のことをクラス全体にどう説明したらいいのかわからなかった。保護者会で息子のことを説明した時はちょっと緊張したが、幸い、クラスのママたちからの理解も得られ、温かい言葉もかけてもらった。私の方も、長年抱えた秘密(?)をやっと言えたような気がしてとてもスッキリした。それまでは、保育園のイベントで息子が突飛な行動をするたびに、「他のお母さんにどう思われてるんだろう…」とビクビクしたり。お迎え時、他の子がお母さんと楽しそうにおしゃべりする姿を見るのが辛くて、園から逃げるように帰ったり。そんな日々の連続だった。だが、今にして思うと、周囲に対して変にガードを張っていたのは私の方で、私は、勝手に傷ついていただけだったのかもしれない。■自分の物差しだけに縛られない。意識して視野を広げることこうして振り返ってみると、一番辛かったのは、息子のことを周囲に話せず、ひとりで抱え込んでいた時期だった。そんな状況を変えてくれたのは、オープンにしたことと、やはり人との関わりであった。家族や両祖父母、療育の先生、取材で会った方々、そして、同じ悩みを持つお母さん仲間と繋がれたことはとても大きかった。発達障害の子育ては、子どもに手がかかる分、心も生活も余裕をなくし、周囲が見えにくくなってしまう。自分の偏った考えだけに浸食されて、それがすべてのように感じてしまいがちだ。でも、自分の物差しだけがすべて、なんてことは決してない。物事は、捉えようによって、どうにでも変わるし、世の中には変わった人(?)がいっぱいいて、いろんな考え方がある。発達障害の子育て中は、特に、自分とは違った考えを持つ人に会ったり、新しい考え方を学んだり、自分の視野を広げるという気持ちを、常に意識してもち続けた方が良いと思うのだ。今回の特集に関して、担当ディレクターからは「外からは『見えにくい障害』と言われる発達障害の子育ての苦労や、当事者のリアルな姿や声を伝えることで、少しでも誤解を解いていきたい」という、力強いメッセージをいただいた。また何か新しい発見があるかもしれないと、私も放送を心待ちにしている。・NHK「あさイチ」 シリーズ発達障害 「“ほかの子と違う?”子育ての悩み」 2017年7月24日(月)放送予定 ※内容は変更になる場合があります文:まちとこ出版社N【発達障害についての連載一覧】大変だけど、不幸じゃない。発達障害の豊かな世界(全4回)「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら(全9回)
2017年07月21日「知的障害者施設」とはどんな施設?受けられる支援・サービスはどんなものがあるの?出典 : 知的障害のある人を対象とした施設を指す言葉として、「知的障害者施設」という一般名詞がしばしば使われていますが、実は現在、法律や制度上では「知的障害者施設」という公的施設は存在しません。そのため「知的障害者施設」と聞いて、思い浮かべるイメージは人によってばらつきがあります。障害者施設は大きく「通所支援」と「入所支援」の2つに分けられます。前者は、施設に通いながら支援やサービスを受ける施設と、後者は、施設への一定期間の滞在が必要な施設です。また、一つの施設で複数の施設の機能を兼ねている場合もあります。この記事では、知的障害のある方が利用できる施設にはどんなものがあるのか、それぞれの施設で受けられる支援やサービスをご紹介します。まずは、国で障害者に対する支援を定めている法律とのつながりをご紹介します。「障害者総合支援法」の前身である「障害者自立支援法」の施行により、福祉サービスの内容や名称が変わりました。それまでは、障害の種類(身体障害、知的障害、精神障害)ごとに行われていた福祉サービスがひとつの福祉サービスに統一されたのです。現在では、知的障害のある方のみのための施設というものがあるわけではなく、障害者総合支援法で定められている「障害者」の方々のための施設とサービスが運用されています。これらの法律の改正により障害者施設の名称も変更になりましたが、以前からの名称を変更せずに「知的障害者」を施設名に使用している場合もあります。それぞれの施設で受けられるサービスの内容は、障害者総合支援法によって決められています。福祉サービスの詳細や手続きについては以下の記事をご覧ください。また、18歳未満の障害者児童を対象にした支援は児童福祉法によって定められています。児童福祉法では、障害のある子どもたちの健やかな発育を支えるためにさまざまな支援が定められています。どのような施設でどのような福祉サービスが受けられるのか、具体的にご紹介します。子どもを対象とする知的障害者施設出典 : ・児童発達支援センター/児童発達支援事業所主に未就学の障害のある子どもの発達や生活自立などを支援します。ソーシャルスキルトレーニングなどの療育を行う施設や、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場としての機能のある施設もあります。お住まいの自治体によっても異なりますが、施設を利用できる条件に障害者手帳の有無は関係ない場合もあります。・放課後等デイサービス放課後等デイサービスとは、児童福祉法の中で定められている障害児通所支援のひとつです。種類は以下の2種類があります。小学生から高校生の就学児童が基本的な対象ですが、支援が継続して必要だと認められた場合は、20歳まで利用することができます。1.学習塾タイプ・・・学習面での支援を中心に行っている事業所もあります。2.預かりタイプ・・・学童保育のように、放課後の子どもに安心して楽しく過ごせる居場所を提供します。最近では、学習支援だけではなく、日常生活で必要になるソーシャルスキルなどを教える施設も増えてきました。放課後等デイサービスの中でも、実際に提供しているサービス内容に差がある場合もあります。お子さんが実際に通うかどうかを検討する際には、ぜひ一緒に施設に足を運んで、子どもの特性に合う施設かどうかを検討しましょう。さまざまな理由で保護が必要な障害児や、日常生活に関する障害児を対象に生活支援を行う施設が障害児入所施設です。知的障害に限らず、身体障害・精神障害・発達障害のある児童が対象になっています。さらに、この対象児童に手帳の有無は関係なく、児童相談所、医師等により療育の必要性が認められた児童が対象になります。障害者児入所施設には、医療型と福祉型の2種類があります。福祉型の施設では、保護、日常生活の指導、知識技能の付与に関する支援が受けることができ、医療型になるとそれらに、医師による治療が加わります。障害児支援について | 厚生労働省障害児入所支援 | 厚生労働省大人を対象とする知的障害者施設出典 : 大人を対象としている知的障害者施設で受けられる支援やサービスは大きく分けて2つです。1つ目は、食事や生活も含め自立した日常生活を送るために必要な訓練をうけることができる「訓練等給付」です。2つ目は施設に入所した際に主に夜間などに日常生活に関する支援や緊急の対応が必要になった場合に対応してもらえる「介護給付」があります。上記の2つの障害者福祉サービスのほかに、市町村にて障害者の方々の生活を支援・サポートを行う事業として、「地域生活支援事業」があります。この事業によって運営されている施設もあり、施設の名称や種類はさまざまです。いくつかのお支援やサービスを同じ施設は多機能型事業所と呼ばれています。施設名称から支援やサービスを判断することは難しいので、現在、自分に必要な支援やサービスを知ることが施設選びには重要になります。参考:厚生労働省サービスの体系・自立訓練(1)生活訓練障害者支援施設もしくは障害福祉サービス事業所などと呼ばれる施設で受けられる支援になります。入所施設を退所された方や、特別支援学校を卒業した方、継続した通所によって生活能力の向上のための支援が必要な方が対象になります。働くための第一歩をこのサービスで受けることが多いようです。簡単な作業やソーシャルスキルの練習などがあります。さらには、「自分らしい生活」を考えるためにヨガやダンスなどのプログラムを提供している施設もあります。自分にあった施設を選ぶことで、本人の自立につながるよりよい支援を受けることにつながります。(2)機能訓練知的障害と身体障害を合併している場合、リハビリなどの支援を受けることができます。それらの理学療法を含みながら本人の自立訓練を行うときには、この機能訓練を利用します。自宅で受けられる訪問サービスもあるので自身の症状にあわせてサービスを選ぶことができます。・地域活動支援センター職業訓練と地域との交流をメインとした施設がこの地域活動センターです。芸術品の作成などの文化的な創造活動などを行っている施設も多くあります。先ほど紹介した自立訓練や下記で紹介する就労支援を目的としているわけでなく、あくまでも相談支援やコミュニケーション活動を目的とした施設になります。・通所型生活介護自宅から通い、日中の入浴・排せつ・食事などの介護といった必要な日常生活上の支援や、創作的活動・生産活動の機会の提供のほか、身体機能や生活能力の向上のために必要な援助を行います。安定した生活を送るため、常時介護などの支援が必要な方を対象としており、障害支援区分が区分3以上(年齢が50歳以上の場合は、障害支援区分が区分2以上)に該当する場合利用できます。・日中一時支援普段、支援やサポートをしている方が何らかの理由で介助を行えなくなった場合に、一時的に預かってくれる支援があります。日中の時間を対象に行っているサービスです。年齢制限もなく、18歳以上でも利用することができます。詳しい受け入れ先の施設に関しては各市町村の窓口にお問い合わせください。参考:厚生労働省地域活動支援センターの概要参考:日中一時支援事業と児童デイサービス|厚生労働省・宿泊型自立訓練宿泊型自立訓練事業所は、障害者総合支援法に定められた自立訓練(生活訓練)の対象者のうち、日中、一般就労やほかの障害福祉サービスを利用している人を対象に、夜間の居住場所を提供します。この中には同じ敷地内の日中活動サービスを利用している人も含まれます。地域での自立した生活を目標に、食事や家事等の日常生活能力を向上するための訓練や、 日常生活に関する相談支援などを受けることができます。日中のサービスと併用すれば、昼夜を通して、自立に必要なさまざまなサポートを受けることができます。利用者ごとに、標準利用期間が決められていて、原則2年間(長期入院者等の場合は3年間)とされています。お住まいの市町村で利用者の現状に合わせて、施設の利用継続が可能かどうかが決められるので更新が必要になります。詳しくはお住まいの市町村の障害者福祉課などの窓口にお問い合わせください。・共同生活援助(グループホーム)日常生活に関する支援や訓練ではなく、入浴・食事などの介護や家事をしてもらいながら生活していく施設としてグループホームがあります。日中は地域の生活介護事業所を利用したり就労したりしながら、主に夜間の生活介護を受け、グループホームで暮らす人が多いようです。宿泊型自立訓練事業所と同じように、お住まいの市町村の障害者福祉課などの窓口にお問い合わせください。・施設入所支援主に夜間の生活介護の支援を行います。暮らしの場の提供、入浴、排せつ、食事、着替えなどの介助、食事の提供、生活等に関する相談、助言、健康管理などを行います。障害者総合支援法では日中の生活介護と別のサービスですが、同じ施設で生活介護、自立訓練または就労移行支援の対象者に対し、日中活動とあわせて、一体的に夜間のサービスを行う事業所が多いようです。・短期入所日中一時支援では日中のみでしたが、短期入所の場合は夜間でも必要な支援や介護を受けることができます。介護者の休息にもなる一面もあるので、様々な事情を踏まえた上で一度短期入所を利用することも可能です。参考:地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)の利用者数実績等 | 厚生労働省知的障害の方が受けられる仕事に関する支援には、本人の特性を生かすために職場に近い環境で自立訓練などを行ったり、職場を見つけ働き始めてからも周りの方からの理解を得るための支援が含まれています。就労支援の対象者は障害のある65歳未満の方で、就労を希望されている方になります。「障害者総合支援法」における就労支援は大きく分けて就労継続と就労移行の2つがあります。働くために必要な知識や能力を養ったり職場体験を行うのが就労移行支援です。就労移行支援を利用したけれども就労に繋がらなかった場合は、就労継続支援サービスを利用することによって、福祉事業所で仕事をすることができます。・就労移行支援事業所就労移行支援の利用者は、就労移行支援事業所に通所してサービスを利用します。そこでは、スタッフとともに個別の支援計画を作成し、働くために必要な知識・能力を身につけるトレーニングや、その人に合った職場探しのサポート、就労後の職場定着までのアフターケアなどを受けることができます。詳しくは以下の記事をご参照ください。・就労継続支援A型/B型事業就労継続支援A型とは支援を受けながら、施設と利用者で雇用契約を福祉作業所と結び働くことを指します。就労継続支援B型は、就労移行支援や就労継続支援A型の利用経験をした上で、年齢や体力の面で雇用が困難な方を対象としたサービスです。施設との雇用契約は結びませんが、生産性にこだわらず自分のペースで働くことができます。サービスの体系|厚生労働省それぞれの「知的障害者施設」に関する申請方法出典 : すべての施設において、市区町村に申請を行うことが必要です。受けたい支援に関する相談や申請に関する相談などを行える窓口として「障害者相談支援センター」が設置されている市区町村もあります。相談者の悩みに応じて支援計画を考えてもらうこともできるので、一人で悩まずに専門家に相談しましょう。障害者児対象の施設は以下の記事をご参照ください。その他の施設は障害者福祉サービスに含まれますので以下の記事をご参照ください。それぞれの「知的障害者施設」にかかる費用出典 : これまで紹介してきた施設は一定の金額を負担すれば、すべての必要な支援を受けることができます。年収によって負担する額は決められています。グループホームなどの特定の施設を利用する場合には負担額が変更になる場合もあるので、自身が利用したい施設とサービスにかかる費用をそれぞれの市町村の窓口で確認することをおすすめします。障害者の利用者負担|厚生労働省障害者福祉:障害児の利用者負担|厚生労働省まとめ出典 : 法律の改正によって変更された施設の名称が、世間一般には浸透していないことも多く、施設の名前から利用できるサービスを想像することが難しいこともあります。子どもの成長に合わせて、利用できる施設も変わりますし、必要になるサービスも変わっていきます。本人に必要な支援は医師からの診断などで知ることができますが、必要な支援を正しく行ってくれる施設を見つけることも重要になります。施設を見つける際には、本人がどんな支援やサービスを必要としているかを考え、お住まいの自治体の福祉担当窓口で受けられる支援・サービスを確認することをおすすめします。支援・サービスごとに施設がまとめられている場合が多いので探す手間が省けることもあるかと思います。実際に必要な支援を受けられる施設を探し、利用するまでの道のりは大変なときもあるかもしれません。周りの方や市町村の窓口にも相談しながらよりよい支援を見つけることにつなげていただければと思います。
2017年07月13日「正しい発達障害理解」を追求しつづける当事者たちの戦いUpload By 宇樹義子ここ数年、世間での発達障害についての認知は高まりつづけているように感じる。今年に入るとついにNHKが1年がかりの発達障害特集を開始し、当事者界隈はたいそうざわついた。NHKは「とにかく当事者の声を届けたい」という熱意を前面に出していたので、私も本気になった。特に第1弾のNHKスペシャル生放送時には、ブログで事前の情報記事を用意し、当日はTwitterで実況。後日、感想をやはりブログでまとめた。そもそもテレビが苦手な私が、仕事そっちのけでかじりつくようにテレビを見つめ、仲間といっしょに、放送される内容の正誤やニュアンスについてTwitterで意見する。「えっ? 正しくは『自閉症スペクトラム』だよねえ?」「これは誤解を招くからやめてほしいなあ…」「取り上げられた人たちばかりが当事者なわけではない。もっとこういうケースにもフォーカスを!」タイムライン上をいつ終わるともしれず流れ続ける、「もっと完璧な、正しい発達障害理解を!」という叫び。よく考えたらあたりまえだけど、発達障害者についてであろうがなかろうが、私が100%満足できる番組なんて世の中に存在するわけないんだし、仲間たちにとってもそれはそうだったと思う。私自身も皆も、どこか「どこでやめたらいいのか」「こうする代わりにどうしたらいいのか」をつかめずに困っているようにも思えた。「敵」と戦った日々と、「敵」と手をつなぐまでの日々Upload By 宇樹義子そこからの私は、いま振り返ってもずいぶん必死だったと思う。テレビやネットの発達障害特集の内容に誤りがあれば指摘し、親や当事者の不安につけ込むニセ医学を批判し、成人発達障害当事者の生きづらさを理解してくれない社会にブログで警鐘を鳴らし…そうやって毎日、戦っていた。「自分と同じような思いをする人たちを一人でも減らしたい」。先に述べた思いの通り、これまで発信してきたこと自体は後悔していない。だけど、そうして戦いつづけている間、いつもどこか虚しさのようなものを感じていた。…いまここで告白すると、この記事を書かせてもらっているLITALICO(りたりこ)も大嫌いだった。過去に、LITALICOが運営する就労移行支援「LITALICOワークス」を利用したことがある。結論としては、当時の私が納得できる支援は受けられず、私の心には大きな傷が残った。ここ「LITALICO発達ナビ」でも、サイト立ち上げ当初にライターに立候補したものの断られたことがある。保護者向けのコンテンツが多く、私たち成人発達障害当事者が無視されているような気がして、悔しかった。それで私はますます、LITALICOに負けるものかと、たったひとりでの「戦い」に必死になった。「絶対に発達ナビよりもいいコンテンツを作ってやる。彼らが見捨てた成人当事者の益となるコンテンツを」… そんな気持ちを原動力に猛然と仕事した。だけどそのうち、そんなやりかたも限界だと思った。きっかけは、NHKの発達障害特集だ。Upload By 宇樹義子私が必死にNHKの番組を実況しているとき、当然発達ナビも大きなリソースを注いで実況していた。今や発達ナビは、世間の発達障害者へのイメージを左右するような影響力と、それを実現できる経済的人的資源を持ったメディアに成長していた。発信するコンテンツも、大人の発達障害者をもカバーするようになってきており、質も日々上がってきている。私がずっと望んできた、発達障害者が一般の人たちに広く理解される大きなチャンス。私がこの期に及んで発達ナビに対してそっぽを向き続けるなんて、バカバカしいし不自然じゃないか。もうこんなことはやめよう…ある夜突然、発達ナビの編集長の鈴木さんに連絡をとった。そしていま、こうしてここで書いている。たったひとりで「発達障害者代表」の看板を背負う必要なんてない以上は、「いち成人発達障害当事者としての宇樹義子」のごくごく個人的な物語だ。けれど、私と同じように、自分が「マイノリティ」であることへの意識が大きくなりすぎて、かえって自分を追い詰めたり、苦しめたりしている発達障害当事者は少なくないんじゃないかと思う。だからこそ伝えたい。仮にあなたが発達障害当事者であったとしても、たったひとりで当事者全体を「代表」して戦う必要なんてないんだ、と。社会の発達障害への関心が高まったことはいいことなんだと思う。誰もが生きやすい社会のために当事者として声を上げること、誤った情報に対して批判を加えていくことにも、ある程度の範囲内であれば大きな意味がある。けれど、最近までの私がそうだったように、自分自身がその狂乱に飲み込まれ、もしかすると手をつなぐことができるかもしれなかった人たちを「敵」として、24時間戦闘状態に陥ってしまっては本末転倒だ。Upload By 宇樹義子誰かが何かの属性の看板を背負い、「お前はここが違うから仲間じゃない」「お前にわかってもらえるはずがない」などと声を枯らして叫びつづけることは、皮肉にもコミュニティをバラバラにしていってしまうことがある。なぜって私たちは、何かの属性を持つ者たちである前に、バラバラな違った個人の集まりだから。戦闘的になって違った属性を指摘しつづけていったら、最後には誰も残らなくなってしまう。たまねぎの「皮」を剥き続けたら最後には消えてしまうのと同じだ。言葉づかいの丁寧さの問題じゃない。発信に向かうときの心の態度の問題だ。私はこの点で、長いこと間違ったことをしていた、と思う。言葉は丁寧なものの、私は間違いなく「看板を背負って戦っていた」からだ。私がこよなく尊敬する精神科医・臨床心理士であり、日本におけるPTSD治療の第一人者である白川美也子先生の本がある。この本ではまず、トラウマを抱えた人は「3つのF」と呼ばれる症状を示すようになると説明される。・Fight(戦う)・Flight(逃げる)・Freeze(固まる)Fight(戦う)の項ではこんな説明がされている。私は上のくだりを読んだとき、ああ、これは私と仲間たちにそっくりだと思い、ひとしきり涙が止められなかった。そして、そのあとに出てくるこんなメッセージに、とても楽になった。やがて自分の苦しさをそっちのけにして、同じような被害に遭う人をなくすため、果敢に立ち上がり、戦い始めます。その戦いによって自分の身近にいる人を暴力や虐待から守ることができたとしても、世界にはたくさんの傷ついた女性や子どもたちがいて苦しんでいることに気づきます。戦いには終わりがありません。大切なことは、被害者にも加害者にも、そしてそれを傍観する人にもならない、三角形の3つの角の真ん中にしっかりと立つことなんだよ回復の過程において、あなたが誰かに過去のトラウマ体験を語ることだけが、誰かを救うメッセージになるのではありません。それを生き延びたあなたの身体の動きや声や、あなたの創る詩や奏でる音楽や描く絵が、人に何かを伝えます。あなたが生きているだけで本当に十分なのです。私たち発達障害者は、生きてきた中でたぶん、人よりも少し多くの傷を抱えてきた。だから、つい戦いに身を投じてしまうこともある。もちろん、それは本当に切実な情熱と願いのこもった行動だ。だけど、もしそれがつらいとか、虚しいとか、疲れたとか思う瞬間があるのなら… ときどき、ゴールがあまりに遠く感じられたり、ますますゴールから遠ざかっていくような気がするのなら…私は、あなたは、重たい戦士の鎧を脱いでもいいはずだ。Upload By 宇樹義子そして、どこかに傷を抱え、それをなんとか乗りこなしている「ひとりの人間」として、もっと自由に、軽やかに生きたとき、きっといつか、私やあなたが、そして仲間たちが願った「ゴール」が近づいてくるんだと思う。
2017年07月10日学習障害(LD)とは?主な症状と3つの種類出典 : 学習障害とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。英語ではLearning Disabilityと呼ばれ、LDと略されることも多いです。文部科学省は、学習障害を以下のように定義しています。基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。学習障害は、基本的には知的発達に遅れが見られない発達障害であるため、知的障害とは全く別の障害となります。また、医学的な学習障害の診断基準と、文部科学省が定める学習障害の定義の間には、若干の違いがあります。ここでは、文部科学省の定義に近い、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)とアメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第4版テキスト改訂版)での3つの分類に従って、学習障害の特徴を解説します。なお、アメリカ精神医学会の新しい診断基準である『DSM-5』では、これら3つの分類はすべて限局性学習症/限局性学習障害という診断名に統合されています。こちらは後ほど詳しく説明します。学習障害の種類は主に■読字障害(ディスレクシア)・・・読みの困難■書字表出障害(ディスグラフィア)・・・書きの困難■算数障害(ディスカリキュリア)・・・算数、推論の困難の3つに分類されます。苦手分野以外の知的能力に問題が見られないことが多いため、学習障害は発達障害の中でも判断が難しい種類の障害でもあります。読み書きや計算能力は、ほとんどの子どもが就学前には学んでいません。そのため、本格的な学習に入るまで判断が難しく、障害に気づかないことも少なくありません。中にはその人の学習困難が発達障害によるものではなく単なる苦手分野だと判断され、大人になるまで気づかれないことも多くあります。学習障害の人は「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」という5つの能力の全てに必ず困難があるというわけではなく、一部の能力だけに困難がある場合が多いです。読む能力はあっても書くのが苦手、他の教科は問題ないのに数学だけは理解ができないなど、ある特定分野に偏りが見られます。また、同じ「読む」ことの障害でも、ひらがなは問題なくても漢字が苦手など、その状態はさまざまです。一方、読字と書字の障害など、複数が併せて現れる場合も多く見られます。種類別の学習障害の特徴出典 : 学習障害で大きく分類される「読字障害」「書字障害」「算数障害」の3つの学習障害の特徴を紹介していきます。それぞれの学習障害の人に見られる主な特徴を紹介しますが、学習障害の特徴は人それぞれであり、同じ障害に分類されていても、その中の全ての特徴があてはまるわけではありません。また、他の発達障害がある人は、その特徴が合わさって出ることもあります。Upload By 発達障害のキホン読む能力に困難がある読字障害は、学習障害と診断された人の中で一番多く見られる症状であり、別名でディスレクシア(dyslexia)と呼びます。欧米では約10~20%の人がこの症状があると言われています。ディスレクシアは、ギリシャ語で「読むのが困難」という意味です。読字障害があると、結果として文字を書くことにも困難を感じる場合が多いため、読み書き障害と呼ばれることもあります。読字障害の人の中には「見た文字を音にするのが苦手」という症状があります。その原因は、情報を伝達し処理する脳の機能がスムーズに働いていないことだと考えられています。文字の見え方にも特徴があり、文字がぼやける、黒いかたまりになっている、逆さまに見える、図形に見えるなど違った見え方になってしまい、認知の仕方が異なります。また音韻認識が弱く、ひらがなやカタカナのひとつずつは理解していても、漢字(単語)になると理解できなくなってしまうこともあります。漢字の音読みと訓読みの使い分けができなかったり、単語や文節の途中で区切った読み方をするなど、変わった読み方をしてしまいます。【読字障害の特徴】・形態の似た字である「わ」と「ね」、「シ」と「ツ」などを理解できない・小さい文字「っ」「ゃ」「ょ」を認識できない・文章を読んでいると、どこを読んでいるのかわからなくなる・飛ばし読み、適当読みをするなど文章をスムーズに読めず、読み方に特徴がある・音声にするなど耳から情報は理解しやすい場合が多いなど英語圏ではディスレクシアの発現率は10%から20%といわれているが、日本ではディスレクシア単独の調査がない。(障害保健福祉研究情報システム) By 発達障害のキホン「文字が書けない」「書いてある文字を写せない」などの書く能力に困難がある学習障害を書字障害・ディスグラフィア(dysgraphia)と呼びます。文字が読めるのにもかかわらず書けない場合も書字障害に分類されます。書字障害の人は、自分では文字を正確に書いているつもりなのに鏡文字になってしまうなど、文字を書くという動作が苦手です。原因としては、脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能がうまくいっていないからだという説が有力です。そのため、文字が書けなかったり、文字を書く速度が遅くなってしまうのです。【書字障害の特徴】・鏡文字や雰囲気で「勝手文字」を書く・誤字脱字や書き順の間違いが多い・黒板やプリントの字が書き写せない、時間がかかる・漢字が苦手で、覚えられない・文字の形や大きさがバラバラになったり、マス目からはみ出したりするなどUpload By 発達障害のキホン数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手な学習障害を算数障害・ディスカリキュリア(dyscalculia)と呼びます。数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合がほとんどです。「1」「2」「3」などの基本的な数字や、「x」「+」などの計算式で使う記号を認識することに困難をもっています。算数障害の人は数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識するのが難しいです。また、視覚認知の機能が弱く、数字を揃えて書く、バランスを考える、文字間の距離感を取るなどが苦手です。そのため、筆算を書く際に桁がずれることも多くなります。【算数障害の特徴】・簡単な数字、記号を理解しにくい・繰り上げ、繰り下げができない・数の大きい、小さいがよく分からない・文章問題が苦手、理解できない・図形やグラフが苦手、理解できないなど年齢別に見た学習障害の症状の現れ方出典 : 学習障害は、本格的な学習に入る小学生頃まで判断が難しい障害です。子どもの成長速度は人それぞれ。「なかなか歩かない」「全然しゃべらない」といった子どもの行動の一つ一つは気になりますが、ただ成長がゆっくりである可能性もあります。学習障害の人の中にはADHDや自閉症などの他の発達障害の合併症状を持っている人も多く、その場合は、乳幼児期に特徴があらわれる場合もありますが、合併が無い場合は、この時期にはっきりと判断をするのは難しいと言えます。ある程度知能が育ち、行動に特徴が現れやすい学習を始める小学生頃にならないと、学習障害とは判断しにくいのです。特に乳児期は学習障害の特徴は見分けにくいといえます。他の発達障害の特徴として、抱っこされるのを嫌がる、視線を合わせない、言葉を真似する行為が見られないなどの症状がみられるなど、他の発達障害の症状を目安にし、学習障害の確実な診断は学習を始める年齢以降にするしかありません。以下では年齢別に見られる学習障害の特徴を紹介します。幼児期の目安もあくまで他の発達障害を合併している場合です。出典 : 就学前なので学習障害の特徴はまだ現れにくいですが、この頃から子どもは言葉を話し始めたり、学習を始めます。少しずつ学習障害の子の多くが持つ特徴が見えてきます。【幼児の学習障害の特徴】・言葉、文字を覚えるのが遅い・折り紙が折れない、ボタンがとめられないなど手先が不器用・身体の使い方がぎこちないなど出典 : 小学生になると本格的に学習が始まります。勉強において特定の科目が苦手な場合や読み書きに困難がある場合、学習障害の可能性があります。同年代の子どもと比べて学習の習得が著しく遅い場合、学校の先生や専門機関で相談してみることをおすすめします。ここからは就学期に入るため、「読字障害」、「書字障害」、「算数障害」ごとに特徴を分けて書いていきます。【小学生の学習障害の特徴】・授業を真面目に聞いていても勉強が苦手、ついていけないなど■読字障害・ひらがな・漢字が読めない・たどり読み・推測読みになってしまう・行を飛ばして読んでしまう・文章を読むのを嫌がるなど■書字障害・うまく文字を書くことができない(線を抜かしたり、鏡文字を書いてしまう)・板書ができない、時間がかかる・行やマス目からのはみ出しが大きい・文字を書くのを嫌がるなど■算数障害・数が数えられない、とばして数えてしまう・時計が読めない、時間が分からない・計算ができない・筆算をするときに数字がずれて間違えてしまう・計算を嫌がるなど出典 : 中高生になるとはっきりと学習能力の偏りが見えてきます。何かの能力が極端に低い場合には、単なるなまけや得意・不得意だとは判断せず、学習障害である可能性も考えましょう。英語の学習が始まると、国語にはあまり不自由しなかった子どもも、英単語の読み書きなどに極端に困難さを感じる場合もあります。【中高生の学習障害の特徴】■読字障害・小学生で習うような漢字であっても読めない場合がある・英語の単語が読めないなど■書字障害・卒業作文などの長い文章がかけない・英単語が書けないなど■算数障害・計算はできるが、文章題が解けない・図形関連の問題が解けないなどこれらの特徴も、発達障害の合併症として現れることもあります。出典 : 最近では、大人になってから学習障害だと診断される人も少なくありません。もし大人になってから様々な学習困難に直面したら、学生時代や子どもの頃を振り返ってみて、学習障害と疑われる特徴があった場合には、一度、発達障害者支援センターなど、専門機関に相談しましょう。また、学習障害以外の発達障害との合併症を持っている可能性も考えられます。早めに診断を受けに行きましょう。【成人の学習障害の特徴】・上司の注意を聞いてもうまく理解できず同じ失敗をする・電話で聞きながらメモを取れない・話がうまくまとめられず企画案を作成できない・集団で指示されるのが苦手で会議で辛い思いをする・レポートが書けない・お釣りの計算や金銭管理ができないなど学習障害の特徴チェックUpload By 発達障害のキホン学習障害を早期発見することで子どものやる気の低下、自信喪失などの二次障害を避けることができます。参考までに「読字障害」「書字障害」「算数障害」ごとの特徴を以下に記載します。特徴が当てはまるかチェックをしてみてください。チェックする大切なポイントは「年齢に見合った動きができているか」です。年齢相応の習得の度合いと比較してチェックしましょう。また、これはあくまで学習障害の可能性があるかどうかという参考程度のチェックリストであることに注意してください。多く当てはまる場合は、診断を受けてみることをおすすめします。診断は子育て支援センターなどの専門機関の窓口に相談した上、専門医師によるものを受けてください。■読字障害□漢字の訓読みと音読みを使い分けるのを苦手とするように見受けられる。□単語の単位をつかむのを苦手とする。一文字ずつ読んでしまい、まとまりのない読み方をすることが多い。□文字や行を飛ばして読むことが多い。□特殊音節(拗音・長音・促音)であらわされる文字を発音できない。■書字障害□漢字を書く際に、鏡文字を書くことが多い。□文字を書く際に、余分に線や点を書いてしまうことが多い。□年相応の漢字を書くことができないことが多い。□間違った助詞を使ってしまうことが多い。□文字の大きさや形がバラバラ・マス目からはみ出る。■読字・書字障害の合併(読み書き障害)□上記の読字・書字障害のチェック項目に当てはまるものが多い□ひらがなの読み書きを苦手とする。例えば「ね」「れ」「わ」が一緒に見えてしまうように見受けられる。□カタカナの読み書きを苦手とする。例えば「ソ」「ン」、「シ」「ツ」が一緒に見えてしまうように見受けられる。□特殊音節(拗音・長音・促音)の読み書きを苦手とすることが多い。■算数障害□数を覚えるのに時間がかかることが多い。□数の大小の概念を理解できていないように見受けられる。□九九を習得している年齢なのにも関わらず、九九を覚えられていない。九九を暗記しても計算に応用できない。□繰り上がり繰り下がりの筆算ができないことが多い。学習障害の診断方法・基準出典 : 医療機関での診断は、アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)や、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)による診断基準に基づいて診断されます。医療機関では脳の異常はないか、知的な部分に障害がないか、困難な能力に偏りがないかを調べます。『DSM-5』の1つ古いバージョンである『DSM-IV-TR』では学習障害は「読字障害」「書字表出障害」「算数障害」の3つに分類され診断されていました。最新版である『DSM-5』では、すべて「限局性学習症・限局性学習障害」とひとくくりにされ診断されます。以下が『DSM-5』の診断基準です。A.学習や学業的技能の使用に困難があり、その困難を対象とした介入が提供されているにもかかわらず、以下の症状の少なくとも1つが存在し、少なくとも6ヶ月間持続していることで明らかになる:(1)不的確または速度が遅く、努力を要する読字(例:単語を間違ってまたゆっくりとためらいがちに音読する、しばしば言葉を当てずっぽうに言う、言葉を発音することの困難さをもつ)(2)読んでいるものの意味を理解することの困難さ(例:文章を正確に読む場合があるが、読んでいるもののつながり、関係、意味するもの、またはより深い意味を理解していないかもしれない)(3)綴字の困難さ(例:母音や子因を付け加えたり、入れ忘れたり、置き換えたりするかもしれない)(4)書字表出の困難さ(例:文章の中で複数の文法または句読点の間違いをする、段落のまとめ方が下手、思考の書字表出に明確さがない)(5)数字の概念、数値、または計算を習得することの困難さ(例:数字、その大小、および関係の理解に乏しい、1桁の足し算を行うのに同級生がやるように数字的事実を思い浮かべるのではなく指を折って数える、算術計算の途中で迷ってしまい方法を変更するかもしれない)(6) 数学的推論の困難さ(例:定量的問題を解くために、数学的概念、数学的事実、または数学的方法を適用することが非常に困難である)B.欠陥のある学業的技能は、その人の暦年齢に期待されるよりも、著明にかつ定量的に低く、学業または職業遂行能力、または日常生活活動に意味のある障害を引き起こしており、個別施行の標準化された到達尺度および総合的な臨床消化で確認されている。17歳以上の人においては、確認された学習困難の経歴は標準化された評価の代わりにしてよいかもしれない。C.学習困難は学齢期に始まるが、欠陥のある学業的技能に対する要求が、その人の限られた能力を超えるまでは完全には明らかにはならないかもしれない(例:時間制限のある試験、厳しい締め切り期間内に長く複雑な報告書を読んだり書いたりすること、過度に思い学業的負荷)。D.学習困難は知的能力障害群、非矯正視力または聴力、他の精神または精神疾患、心理社会的逆境、学業的指導に用いる言語の習熟度不足、または不適切な教育的指導によってはうまく説明されない。これらの判断基準をもとに心理専門家など複数の専門家が慎重に判断してくれます。この診断が出た上で、以下の基準から「読字障害」「書字障害」「算数障害」のうち、どれが強いかが特定されます。315.00(F81.0) 読字の障害を伴う:読字の正確さ読字の速度または流暢性読解力315.2(F81.81) 書字表出の障害を伴う:綴字の困難さ文法と句読点の正確さ書字表出の明確さまたは構成力315.1(F81.2) 算数の障害を伴う:数の感覚数学的事実の記憶計算の正確さまたは流暢性数学的数理の正確さ診断の流れは、医療機関などによっても異なりますが、まずは問診で現在の症状や困りごと、赤ちゃんの時から今までの生育・養育歴、既往症や家族歴などを調べていきます。脳波検査、頭部のCT、MRIなどでてんかんや脳の器質的な病気といった異常がないかを検査します。そして知能検査や認知能力検査などの心理検査を行います。知能検査では「WISC-Ⅳ」が代表的です。「WISC-Ⅳ」では本人のもつIQ水準をチェックし、言語理解、知覚推理などを検査します。(3歳10ヶ月〜7歳1ヶ月の幼児の場合は「WPPSI」、5歳から16歳11ヶ月の子どもは「WISC」、16歳以上の成人の場合は「WAIS」という知的検査を受けることによって検査結果がでます。)認知能力検査では日常生活や学校で習得できた知識や情報を認知的に処理する能力を調べ、認知処理能力と習得度を比較できる「KABC-Ⅱ」などを行います。これら様々な情報を元に、総合的に学習障害であるかを判断するのです。また、こうした過程でADHDや高機能広汎性発達障害などが合併していないかも確認します。学習障害の疑いを感じたらどうすればいい?Upload By 発達障害のキホン学習障害は専門家でさえも判断するのが難しい障害です。そのため、チェック項目で当てはまる症状が多いからと言って個人で決めつけず、まずは専門家に相談をしてみましょう。就学児であれば担任の先生に相談してみても構いません。学校へ相談すると学校での生活の様子などを配慮し、それらを考慮した専門家を紹介してくれます。また、障害だとわかりにくいため、周りから理解も得られず、本人がつらい思いをしていることも多いと言えます。できるだけ早期に、小さい頃から学習障害に対する教育方法や療育などの対処法を始めると、その後の発育に大きな違いがみられます。はじめの一歩を踏み出すのには勇気がいるかと思いますが、一歩を踏み出すことによって色々な悩みが軽減されます。学習障害ではないと診断された場合でも、困難を乗り越えるための様々なアドバイスをしてもらえることが多いので、一度相談してみることをおすすめします。診断を受ける前に、まずは専門期間で相談を出典 : 発達障害なのかな、と疑問を持った場合、いきなり専門の医療機関に行くのは難しいので、まずは身近な専門機関の相談窓口で相談するようにしましょう。発達障害の疑いがある場合には専門医を紹介してくれます。子どもか大人かによって、行くべき専門機関が違うので、以下を参考にしてみてください。【子どもの場合】・保健センター・子育て支援センター・児童発達支援事業所・発達障害者支援センターなど【大人の場合】・発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センター・相談支援事業所など知能検査や発達検査は児童相談所などで無料で受けられる場合もありますし、障害について相談することも可能です。その他、発達障害者支援センターで障害についての相談ができます。自宅の近くに相談機関が場合には、電話での相談にものってくれることもあります。以下は小児神経学会が発表している、発達障害診療医師の名簿です。この他にも、児童精神科医師や診断のできる小児科医師もいます。日本小児神経学会 「発達障害診療医師名簿」まとめ出典 : 学習障害は軽度、重度によって発見時期が異なります。さらに、軽度な場合は本人や周りが気づかずに成長する場合も少なくはありません。知能には問題がなく、学習面である「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」といったある特定の能力の困難を「苦手な分野」と判断されてしまうため、発見しづらい障害なのです。また、学習障害の症状は人それぞれです。学習障害のある人の中でも文章を構成するのが得意な人もいれば、算数が得意な人もいます。学習障害の早期発見は子どもの健やかな未来を創り上げます。そのためにもお子さんのサインを見逃さず、成長過程を優しく見守っていきましょう。
2017年07月08日適応障害とは出典 : 適応障害とは、その名の通りストレスに適応できないためにさまざまな心身症状が表れ、日常生活をうまく送れなくなってしまう疾患です。ある特定の状況や出来事が、その人にとってストレスとなり、耐えがたく感じられることで、気持ちや行動にいつもとは違う症状が現れます。ストレスの感じ方やそのとらえ方は人それぞれです。大きなストレスを感じていても、気持ちの問題だなどと我慢し、知らず知らずのうちに適応障害になっている人も少なくありません。さらに、ストレスを我慢したり、耐え続けたりすると重症化し、うつ病や不安障害などの深刻な疾患を発症してしまうことがあります。気持ちや体に不調が出てきたら、我慢や無理をせず、早めに病院に行くことが大切です。適応障害は、他の精神疾患の基準を満たしていないこと、すでに存在する精神疾患の単なる悪化でもないことが分かって初めて診断されます。例えば、うつ病などの気分障害や不安障害などの診断基準を満たす場合はこちらの診断が優先され、適応障害とは診断されません。つまり、気分障害や不安障害ほど重い症状ではないけれど、健康な状態とは言えない場合、適応障害となるのです。なお、この記事ではアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)に準拠して、適応障害を説明していきます。適応障害の症状って?出典 : 適応障害に見られる症状として、大きく分けて、精神症状・身体症状・年齢や社会的役割に不相応な行動の3つがあります。■精神症状精神症状には主に、憂うつ感や気分の落ち込みなどの抑うつ症状と不安症状があります。例えば、次のような症状が現れます。・強い憂うつ感、涙もろさ、落ち込み、絶望感を感じ、思考力・集中力・判断力が低下する・感情がコントロールできない時があり、泣き叫ぶことがある・出来事や環境に対して神経質になり、漠然とした不安感を感じたり、心配になったりするなど■身体症状適応障害による身体症状には、以下のようなものがあります。・肩こり・頭痛・疲労感・不眠・激しい動悸、発汗・めまいなど■年齢や社会的役割に不相応な行動適応障害の人の中には、社会的に禁止されていることや、良しとされていないことをしてしまう人もいます。例えば、以下のような行為です。・万引き・行き過ぎた暴飲暴食・危険運転・友達や家族への暴力・無断欠席・公共施設への落書きなどこのような、年齢や社会的役割にふさわしくない行動がみられます。また、子どもが適応障害になった場合、指しゃぶりや赤ちゃん言葉といった「赤ちゃん返り」が見られることもあります。適応障害 | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科「杉浦こころのクリニック」厚生労働省みんなのメンタルヘルス-適応障害-適応障害の原因適応障害の原因には、ストレス(外的要因)と個人の資質(内的要因)があると考えられています。外的要因であるストレスとはどのようなことでしょう。出典 : 私たちは日頃、さまざまなストレスに囲まれて生活しています。一般的にストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態をいいます。例えば、結婚のように一般的に良いとされることであっても、その変化によりある種の緊張を私たちは感じます。こうした日々の緊張のとらえ方や、ストレスを受けた時の対応方法によって、ストレスは私たちに良い影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。適応障害は、ストレスが私たちの心身に悪い影響をもたらした場合に発症します。そのストレス源が一つの出来事であるとは限らず、さまざまな状況が重なって原因を形成することがあります。また、大きな出来事からくる単発的なストレスだけでなく、長年にわたり続いていたり、反復したりするストレスもあります。では、例えばどんなことが私たちのストレスとなりうるのでしょうか。以下に代表的なものをご紹介していきます。・家庭での問題家族内における病気、介護、別居、子育て、子どもの反抗期、過干渉・過保護など・友達・恋人との関係上の問題浮気の発覚、離別、喧嘩、絶交など・学校、職場、近所関係上の問題いじめ、パワハラ、セクハラ、不信など・心理社会的問題家族や友人などの親しい人との死別、一人暮らし、異文化を受け入れる(留学など)、転校、仕事上の問題(失業・復業、勤務条件、業務量が過度に多い、決定権のなさ、業務の目的が不明)など・大きな節目や行事結婚、妊娠・出産、就職、昇進、卒業、子どもの独立、クリスマスなどの行事など・本人の健康の問題病気、リハビリ、禁酒、禁煙、重病の疑いなど・環境的な問題引っ越し、経済状況、天災や戦争に遭遇など出典 : 人生において上記のようなストレスに遭遇することはよくあることでしょう。ストレスに遭遇した時、重く受け止めるか、さらっと受け流すか、心がそのストレスをどのようにとらえるかは本人の気質によっても変わります。また、ストレスを感じた時に、そのストレスにどのように対応、対処していくかも人それぞれです。ストレスの捉え方・受け止め方である気質と、ストレスへの対応・対処法の2つを合わせて、本人の資質であると言えます。適応障害の発症を左右する原因の一つにその資質が関係しています。では具体的にどんなことがあるでしょうか。・感情の揺れ幅が大きい喜怒哀楽の表わし方、処理の仕方が分からず、感情の起伏が激しいなどです。・傷つきやすい周囲に言われた些細なことを気にしすぎて傷つきやすい気質です。プライドが高すぎる場合も傷つきやすいと言われています。・自立神経のコントロールがうまくいかないストレスは自律神経を介して脳に影響します。もともと自律神経のバランスが乱れやすい人は適応障害になりやすいと言われています。・0か100かで判断してしまう別名、白黒思考や悉無律思考(しつむりつしこう)などといいます。物事を白か黒で判断し、グレーゾーンを認めない気質です。・頼みごとなどを断れない相手に悪印象を与えると思い、頼みごとなどを断れない人はストレスをため込みやすい傾向があります。・まじめだが頑固まじめにコツコツ仕事や勉強を進めるため、いい加減が許せずなかなか許容ができないという気質です。この他には、ストレス経験が不十分なために、ストレス耐性が弱かったり、ストレスへの対処能力が低かったりする場合も考えられます。適応障害はどのぐらいの期間続くの?出典 : 適応障害は、ストレスのもとである明確な出来事や状況の始まりから3ヶ月以内に気持ちの面または行動面の症状が出現します。しかしそのような出来事や状況が終わったり離れることができれば、6ヶ月以内に症状は治まると言われています。つまり、適応障害の期間は、ストレスの原因と状況次第であると言えます。その期間が6ヶ月未満の場合には急性、6ヶ月以上の場合には持続性と呼ばれます。・急性(6ヶ月未満)ストレスの原因が急に起こった場合はすぐ発症し、その原因がなくなれば比較的短い間(数ヶ月以上は続かない)で症状は消えます。・持続性(6ヶ月以上)ストレスの原因またはその結果として起こった出来事が長引く場合、障害も長期間存在し持続性の病型となります。日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014/医学書院/刊他の疾患との違い・関わりは?出典 : 先に説明したように、適応障害は、他の精神疾患の基準を満たしていない・すでに存在する精神疾患の単なる悪化でもないという条件に当てはまった場合に診断されます。以下で紹介する疾患の中には、適応障害とよく似た症状が見られる疾患もありますが、その疾患の診断基準を満たしている場合、適応障害ではなくその疾患の診断がつきます。うつ病とは、繰り返し気分が落ち込んだり、意欲がなくなることが特徴の精神疾患です。とくに適応障害の精神症状はうつ病の症状によく似ていると言われています。うつ病という診断を下すほど重症ではない場合、適応障害の診断がされます。しかし一度適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されていることから、適応障害はより症状の重い疾患に至る前段階とも言えます。適応障害ではストレスの原因から離れると症状が改善することが多くみられますが、うつ病の場合ストレスの原因から離れても気分は晴れず、持続的に憂うつ気分は続き、何も楽しめなくなります。厚生労働省みんなのメンタルヘルス-適応障害-パーソナリティ障害とは、一般の人と比べて著しく偏った考え方や行動パターンのために家庭生活や社会生活、職業生活に支障をきたした状態を指します。パーソナリティ障害は、回避性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害などをはじめ10のタイプに分類されるほど、人によってかなり違いが見られます。適応障害との鑑別に関しては、一般的に、適応障害発症以前から、どのような症状が見られていたかによって、パーソナリティー障害との区別や、合併の有無を判断します。例えば、感情が不安定であり些細なことでも大きく反応してしまう場合、急に怒ったり反社会的な行為が見られたりする場合などは、パーソナリティー障害との合併が考えられます。不安障害とは、状況や具体的なものに対して、過剰に不安、恐怖心を感じ、それによりさまざまな影響が身体と精神に現れ、社会生活を送ることに支障が出てしまう疾患です。症状も適応障害ととてもよく似ていて、憂うつな気分、不安感、意欲や集中力の低下、イライラ感などといった精神的な反応や、頭痛、動悸、汗が異常に出るなどの身体的な反応が現れます。適応障害との違いは、症状の持続する期間が一番わかりやすいかもしれません。急性適応障害の場合、6ヶ月未満であるのに対し、不安障害は6ヶ月以上症状が確認されることが診断基準の1つでもあります。ただ、6ヶ月以上症状が続いても持続性の適応障害であると判断されることもあるため、自分がどちらに当てはまるかわからない場合は専門家の判断に従いましょう。日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』2014/医学書院/刊発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人との関わりのミスマッチから、社会生活に困難が発生する障害のことです。発達障害の特性から生きづらさを感じたり、生活を送る上で困難が生じたりすることがあります。そんな困り感からストレスを多く感じ、適応障害になることもあります。友達とのコミュニケーションがうまくとれなかったり、自分の居場所を見つけられず孤独感を感じたりといった、発達特性と周囲の環境との不適応経験が、本人にとっての強いストレスとなる場合があります。そのため、発達障害の二次障害として適応障害が発生することは考えられます。適応障害かもしれないと思ったら?出典 : もしかしたら適応障害かも?と思ったら、早めに専門家に相談することが重要です。どこに相談すればよいのかについて解説します。まずは、全国精神保健福祉センターや身近な精神科、心療内科へ行き相談しましょう。病院へ行くことに抵抗を感じる方は、電話での相談もおすすめです。相談できる時間帯は自治体によりますが、全国精神保健福祉センターには相談ダイヤルが設置されており、電話で相談できる環境が整っています。全国の精神保健福祉センター一覧l厚生労働省心療内科、精神科、プライマリーケアクリニックなどの総合的な診断ができる病院、メンタルクリニックなどを受診しましょう。適応障害は、頭痛や倦怠感、体の部分的な痛み、かぜの症状などの症状が表れるので、はじめは内科や整形外科に相談へ行くこともあるかもしれません。しかし、適応障害ゆえの身体症状である場合、内科や整形外科では数値的異常が認められず、問題ないといわれてしまうことがあります。内科や整形外科で問題ないといわれても症状が続き、またストレスの原因となることが思い当たる場合は、心療内科などを受診することをおすすめします。適応障害の治療方法出典 : 適応障害の治療は、ストレスの原因を突き止めることから始まります。ストレスの原因を取り除く、または解決することができれば、適応障害は6ヶ月以内に回復することがほとんどです。中には、ストレスの原因を特定できても、それを除去できないケースも存在します。たとえば、身近な人の死別や離婚などは、原因となるその出来事自体を無かったことにすることはできません。そのような場合は、本人のストレスに対する考え方、捉え方を変えていきます。精神療法により、ストレスの受けとめ方を変えていく一方で、薬物療法により現在現れている症状を軽減していきます。薬物療法は必ず行うわけではありません。カウンセリングなどを中心とした精神療法とともにストレスへの対処を中心に治療します。とくに、支持療法を中心に行うことが多いです。支持療法とは、医師が本人の話を聞いて、医師と信頼関係を築きながら、自尊心や自信、適応力を身につけていくことを目指す治療法です。その他にも補助的に認知療法や暴露療法、生活療法を取り入れる場合があります。薬物療法では、不安、抑うつ、気分、興奮、睡眠を安定させるために薬を使用します。ストレスによって起こるつらい精神症状を軽減することが目的の薬を、向精神薬といいます。主な向精神薬としては、抗不安薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗精神病薬、睡眠薬の5つがあります。これらの薬は脳に直接作用するため、医師の指示通りに用法用量を守った正しい服用を心がけましょう。また体質によっては副作用が起こることもあるため、こまめに医師に相談しながら服用することをおすすめします。適応障害のある人のために、周囲の人はどう対応すべき?出典 : 適応障害のある人は、ストレスを自覚せずに考えすぎてしまうことがあります。ストレスでないと思い込み、頑張りすぎてしまうことがありまうす。周囲の人は、本人の相談や話を聞き、抱えている問題やストレスに気づいてあげましょう。適応障害は、それ自体が重い精神疾患ではありませんが、重症化するとうつ病や不安障害を発症します。そうならないために、休みを十分とり、本人が主体的にストレスに適応できるように環境を調整・支援することが大切です。「気持ちの問題だ」、「甘えではないか」、「元気を出して頑張れ」、「薬ばっかり飲んで」などの言動を避けましょう。適応障害は疾患です。本人がストレスに感じていることをしっかり考え言葉がけをしましょう。そのほかにも、過剰な同情、支援、配慮をすることは本人の主体性を奪い、社会的責任を回避させることとなり現実逃避を助長させることになります。注意しましょう。まとめ出典 : 適応障害とは、ストレスに適応できないためにさまざまな心身症状が現れ、日常生活をうまく送れなくなってしまう疾患です。よく健康状態と病気の中間と表現されますが、適応障害をそのまま放置しておくと重症化し、うつ病や不安障害、またパーソナリティー障害などといった精神疾患へと発展してしまうことも少なくありません。適応障害の原因であるストレスは普段だれもが感じるものです。だからと言って我慢したり、無理をせず早めに周囲の人たちや専門家に相談しましょう。
2017年07月04日