北川景子主演のスペシャルドラマ「指定弁護士」が、テレビ朝日系にて放送することが決定。本作で北川さんは、初の弁護士役に挑戦。バディには北村一輝を迎えるほか、実力派俳優陣の出演も明らかになった。■あらすじ京都の三塚法律事務所。弁護士の一ツ木唯(北川さん)とボス弁の三塚文則(中村梅雀)は、京都選出の衆議院議員・田金清造(石橋蓮司)が取り上げられているワイドショーを見ている。問題発言の多い議員として連日取り上げられていた田金に、ある日新たな疑惑が持ち上がった。2010年に国有地を社会福祉法人「辰波福祉会」に売却した際に、不当な払い下げがあったのではないかというのだ。田金が「辰波福祉会」の名誉顧問を勤めていたことも判明し、世論からは激しいバッシングの嵐。そしてその声に押されるようにして大阪地検特捜部が捜査に入り、田金とその秘書・斎藤益道が逮捕される。だが、結果は双方ともに不起訴処分。結果を受けた京都地検・特別刑事部の橘慎二(北村さん)と白井逸雄は、苦々しい表情でそのニュースを見つめることしかできない。そんなとき、唯は弁護士仲間の神林京子(羽田美智子)から「指定弁護士をやってみないか」と声を掛けられる。被告人はなんと、あの田金。唯は指定弁護士を引き受けるが…。■“指定弁護士”の目線から描く、これまでにない本格リーガルドラマ本作は、“指定弁護士”となった京都の弁護士とバディの検察官が、事件の真相と自らの道をつかんでいく本格リーガルドラマ。そもそも“指定弁護士”とは――?検察が不起訴にした容疑者を市民による「検察審査会」が2回続けて“起訴すべき”と判断した際に、検察官役として指定される弁護士のこと。検察が何度も「白」と判断した事件を、「黒である」と主張することはほぼ負け戦でしかない。それでも、戦うことで見えてくる“真実”もある…。そんな常に困難を伴うこの仕事。弁護士を扱った映像作品はこれまでにも数多く発表されてきたが、この“指定弁護士”という分野に特化した物語はほとんど発表されていない。今回そこにあえてメスを入れたのは、「相棒」「科捜研の女」『劇場版名探偵コナン』シリーズなどの人気作を手掛けることでも知られる脚本家・櫻井武晴。“贈収賄事件”という現代社会のタイムリーな案件を通して、事件にかかわる人々の心情をリアルに展開する。■北川景子、初の弁護士役に挑戦「いつかシリーズに」主人公の弁護士・一ツ木唯を演じるのは、「HERO」「家売るオンナ」『パンク侍、斬られて候』など様々な作品に出演する北川景子。唯は優秀な弁護士だったが、キャリアアップの一環として指定弁護士を引き受けたことから上司に背き、事務所を辞めざるを得なくなる。上昇志向が強い性格だったが、やがて法律家としての正義に目覚めていくというキャラクターだ。今回が弁護士役初挑戦の北川さんは、「撮影に入る前に、実際の裁判の映像や裁判をテーマにした作品などを見て準備をしました。ただ指定弁護士に関する資料はすごく少なかったので、それについては監修の先生とお話をさせていただきましたね」と事前勉強を行ったと明かし、「特に普段何かに頑張っている方に見てもらってスッキリしていただけたらうれしいです。そしていつかシリーズになったらうれしいですね。そのためにも、まずは今回の作品に全力を注いでいこうと思います」とコメントしている。■バディに北村一輝「話の展開が早くとても見やすい」指定弁護士は検察と同等の捜査権を持つが、実際は検察官と共同で捜査を行う。今作でも北川さん演じる唯の捜査に協力するために、京都地検の人間が派遣され行動を共に。その唯のバディ役となるのが、「シグナル 長期未解決事件捜査班」への出演が話題となった北村一輝演じる橘慎二。最初は唯にキツくあたる橘だが、やがてその存在意義に共感するように…。本作について「すごく的を射た話」と話す北村さん。タイムリーな内容はもちろんだが、「唯と慎二の人間としての成長も描かれているので、そこも楽しんでいただければ」と見どころを明かし、バディを組む北川さんについては、「最初からとても良い関係性の中で撮影に入らせていただいています。北川さん演じる唯はとても凛としていて、でもちょっとだけ抜けているところもありますが、そこは北川さんに少し似ているかもしれませんね」と順調な撮影を匂わせた。また、「話の展開が早くとても見やすいとも思います。劇中のセリフに『良くも悪くも世論には力がある』というものがありますが、今作についてもそういうことだと思います。見てくださった皆さんがもし面白かったと思っていただいたら、ぜひ『面白かった~!』と大きく話してください。そうするとシリーズ化につながるかもしれません。よろしくお願いします(笑)」と呼びかけている。■脇を固めるのは強力な実力派俳優!ほかにも、唯の夫・隆司役にえなりかずき、慎二の捜査を手伝う検察事務官・安倍忠一役に生瀬勝久、唯の上司でやがて彼女の前に立ちはだかる弁護士・三塚文則役に中村梅雀、唯を指定弁護士に誘う弁護士・神林京子役を羽田美智子、唯が通うバーのマスター役を松重豊、そして贈収賄事件をめぐる容疑者・田金清造役を石橋蓮司が演じる。ドラマスペシャル「指定弁護士」は9月、テレビ朝日系にて放送予定。(cinemacafe.net)
2018年08月12日損害賠償請求など訴訟を起こす際には、弁護士の力が必要となります。それは誰もがわかっていると思いますが、実際費用がいくらかかるのかは、あまり知られていません。やはり、高いのではないかと思ってしまいますよね。仮に相手を訴えるとなった場合、その要因は相手方にあるわけですから、主張が認められた場合裁判を起こすことで発生した弁護士費用も負担してほしいと思うもの。そのようなことは可能なのでしょうか? Q.裁判を起こすことで発生した弁護士費用を相手に請求したい。そのようなことは可能?A.基本的にはできませんが、不法行為による損害賠償請求の場合は請求できることがあります。実は、基本的に裁判にかかった弁護士費用を相手に請求することはできません。しかし、相手の不法行為が原因の損害賠償請求については、弁護士費用も『損害』として相手方に請求することができることがあります。不法行為は、民法709条に定められるものですが、たとえば…・暴力による怪我・交通事故による損害・安全対策を怠ったことによる労働災害・不貞行為の慰謝料・DVの慰謝料などが挙げられます。このような場合は、相手方に弁護士費用を請求することが可能となります。なお、契約上の義務の不履行など、債務不履行による訴訟については、請求できないことが通例となっています。 裁判に勝訴するためには弁護士の力が必要ですが、費用が気になるのもまた事実。だからといって二の足を踏んでいては、何も始まらないとはいえますよね。たとえば、資力によっては法テラスという制度を利用するなど、弁護士費用に関しては工夫をすることが可能です。また、完全に成功報酬だけで対応してくださる先生もいます。費用についても親身になって相談に乗ってくれる弁護士がほとんどです。相手方に請求できるケースがあることを踏まえた上で、相談してみましょう。 *取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*監修弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*画像イメージです(pixta)弁護士費用を訴訟相手に支払ってもらうことはできる?→できるものとできないものがあるはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。弁護士費用を訴訟相手に支払ってもらうことはできる?→できるものとできないものがあるはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月20日『大量懲戒請求』、この単語を聞いてピンとくる方は多いのではないでしょうか?いわゆる、ネット右翼、通称『ネトウヨ』から、数名の弁護士に大量の懲戒請求が届いた問題。実際に大量懲戒請求を受けた弁護士がツイッターを通じて、この件に対し物を申したり、嫌がらせとも取れる手紙が届いたことを写真つきで公開したり、とネットでも話題となっており、ちまたではさまざまな声が上がっています。今回は、その渦中の弁護士のひとり、北周士先生に、『大量懲戒請求問題』について伺いました。 Q.今回の一件、先生に大量の懲戒請求が届いたきっかけや、経緯はどういったものだったのでしょうか?A.朝鮮学校への補助金の交付に賛成したとして東京弁護士会の会長・副会長合計9名と、佐々木亮弁護士のもとに、大量の懲戒請求が突然届きました。佐々木亮弁護士は、「朝鮮学校への補助金云々にはまったく関与していない、身に覚えがない」といった旨をTwitterにつぶやいており、そのツイートに、「そんな(大量の懲戒請求が届く)のはおかしい」とリプライ(返信)をしたところ、私にも飛び火してきた、というのが始まりです。詳しくは、Twitterにて佐々木弁護士が解説してくれているので、こちらをご覧ください。佐々木亮弁護士ツイッターアカウント Q.実際に先生が『朝鮮学校への寄付金交付』などに関わっていた事実はあったのですか?A.ありません。 Q.現状、どれくらいの懲戒請求が来ているのでしょうか?A.私のもとには960件、佐々木先生のところには約3,300件来ております。 Q.賠償請求はする予定ですか?する場合、何に対する損害賠償でしょう?A.6月末を目処に訴訟を提起する予定でおります。なお、それに先駆けて謝罪の申し入れと和解を呼びかけています。損害賠償の理由としては『虚偽告訴』及び『威力業務妨害』に基づく損害賠償請求となります。 Q.和解にも応じていますか?A.応じています。詳しい数字は言えませんが、現時点で二桁ほどの方々と和解が成立しています。 Q.賠償金・和解金それぞれの金額はどのくらいを想定しているのでしょうか?A.1名あたり5万円です。なお訴訟時の請求金額については30万円を予定しています。 Q.和解をした人から謝罪の表明などはあったのでしょうか?A.ありました。主なものとしては「そのときは本当に日本が良くなると思っていた。」「時代を変えられるのではないかという高揚感があった。」などの表現が多かったと思います。 Q.ネット右翼、いわゆる『ネトウヨ』について先生はどうお考えですか?A.ネトウヨと言ってもすでに意味としては多義的です。本件はネトウヨであること自体は問題ではないと考えており『匿名性を盾に特定の個人を集団で叩く』という行為に問題があると思っています。 Q.ネットでは、『匿名で発言できる』ということから『好き勝手言える』という意識が蔓延しているように見受けられ、今回の一件もその象徴だという印象を受けました。このようなネットリテラシーについて、弁護士の視点から、どんな危険性があると考えますか?A.ネットリテラシーの問題ではなく、彼らは彼らなりに『自分の行いは正義である』『自分の行いは日本をよくするものである』と考えていたことが問題だと思います。思想に関係なく『直接的に他者を加害する行動は問題である』という当たり前の点を認識し直す必要があると思います。ネットの匿名性と顔が見えない他者性はこの部分の攻撃のたがが外れやすくなると考えています。ネットを通じた先の相手方も実在する人間であり、直接的な加害行為を行った場合ペナルティを受ける可能性があるということを認識すべきであると考えます。またネット上の『匿名性』は実際に特定をしようとすれば特定が可能なものに過ぎません。その点についても認識を持つべきだと思います。 Q.懲戒請求をしてきた人々に伝えたいことはありますか?A.私を懲戒しても日本は特に良くならないと思います。他者の権利を制限しようとするときは自己にそれが跳ね返ってくる可能性が当然にあるということについては認識しておくべきだと思います。特に専門家に対し懲戒請求をしようとするのであれば、それこそ専門家(弁護士)に相談をしてからするべきでしょう。 Q.事実上、誰でもできてしまう『懲戒請求』。改善の余地がはないのでしょうか?A.弁護士法では『何人も、弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる』と規定されていることからすれば、懲戒請求権者を制限することは現行法上困難であると考えます。しかしながら、現時点では架空人でも懲戒請求ができてしまうことからすれば①本人確認資料の添付、②実費(郵送代等)の予納程度は求めるべきではないかと考えています。また、明らかに懲戒理由に当たらないものについては、本人に対する答弁書等の提出を求めることなく弁護士会が請求を却下する簡易却下の手続も設けるべきではないかと考えます。 Q.今回のことを受けて、先生のご意見A.ほぼ上で述べた通りです。本件を思想の問題に『矮小化』することは避けるべきだと考えております。 編集部コメントネットが普及し、匿名でなんでも言えるようになってから、それなりの年月が経ちました。今回の一件には、多くの人々が関与するこのネット社会で、自身がどうあるべきか、自身の行いはモラルに反していないか、見つめ直すよい機会になったのかもしれませんね。 取材協力/北周士先生(北・長谷見法律事務所企業・個人を問わず「困難な状況にいる方」がその状況を克服し、さらに先に進んでいくための手助けを担うことを得意とする弁護士。「特にこれから企業を発展させていこうとしている若手経営者及び先代が育て上げた企業を引き継ごうとしている若手経営者の活動をお手伝いする業務に注力しております。」)執筆・取材/アシロ シェア法編集部(シェア法を盛り上げようと日々奮闘中。執筆いただける弁護士先生募集中です。)画像提供/北周士先生【弁護士大量懲戒請求】渦中の北周士弁護士に直撃! 「ネトウヨが問題なのではない」はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【弁護士大量懲戒請求】渦中の北周士弁護士に直撃! 「ネトウヨが問題なのではない」はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年06月12日弁護士・湯川久子さん(90)は’57年、29歳のときに福岡市で開業。九州で第一号の女性弁護士だった。それから60年余り。離婚問題や相続問題を中心に、扱った事件は優に1万件以上。卒寿を迎えたいまも現役で仕事を続けている。 湯川さんは’27年、熊本県に生まれた。8人きょうだいの次女で、父はやり手の弁護士、母は専業主婦だった。両親にかわいがられ、無邪気に少女時代を過ごしてきた。ところが10歳になるころ、その天真爛漫な表情に影がさす。母が急逝したのだ。 「前年の末に妹を出産したのですが、産後の肥立ちが悪く、そのまま亡くなってしまった。私はまだ4年生でした」 家の中は、たちまち火が消えたようになった。時を同じくして、日本も暗い時代に突入する。同年、日中戦争が勃発したのだ。 「大人も子どもも皆、日本が絶対勝つと信じてましたよ」 湯川さんが女学校に進学して間もなく、一家は中国・上海に移住。大都会の上海は、戦争景気に沸いていた。しかし、日本の戦況悪化とともにバブル景気は衰退。日本は負け、湯川さんは家族とともに故郷・熊本に引き揚げた。 「戦争に負けたのはショックでしたが、アメリカさんのおかげで日本も男女共学が始まって。私は父に『東京の大学に行きたい』と宣言しました。父は『法学部に行って弁護士か裁判官になるなら大学に行ってよし』と」 湯川さんは中央大学法学部に進学。女子学生は、わずかに4人だった。大学を卒業した湯川さんを待っていたのは、鬼教官と化した父のもとでの、司法試験の猛勉強だった。 「司法試験合格が大学に行く条件でしたからね、1日10時間、机に向かわされました。さらに、福岡の大学の研究室でも勉強を続け’54年、やっと司法試験にパスしました」 この試験勉強の最中に、運命の出会いがあった。 「大学の先生の助手に、ひと目ぼれしちゃったんです」 相手は5歳年上の洋さん。彼もまた法曹界を目指し、司法試験に挑んでいた。湯川さんが司法試験をパスした翌年の夏、2人は結婚。湯川さんは27歳だった。 「でも夫はまだ試験に通っとらんかったから、結婚も『合格するまで待ってくれ』と言われたんやけど、私は『待てん』と答えて(笑)。でも結局、待たんでよかったです。夫はそれから10年受け続けたのに、通らんかった。私と違って頑固なんが、いかんかった(笑)」 やがて長男、長女と2人の子宝にも恵まれた。 「夫は司法試験を諦めてから、恩師の口利きで大学で法律を教えましたが、それまでの10年間は、私が大黒柱。きつかったですよ。新米の私の、弁護士報酬だけですからね」 夫は、イクメンやカジダンとは程遠い“ザ・九州男児”。たとえ収入がなくても家事や育児はしない。弁護士の仕事に加えて、家事育児の一切を湯川さんが担った。 「でも、休日にはドライブに連れて行ってくれたり、いい夫でしたよ。その車ももちろん私が買いましたけど(笑)。友人や親戚に愚痴をこぼすと『それはほれた弱み、しょうがないよ』って、逆に冷やかされました。なんといっても、いい男やけん(笑)」 ’57年、弁護士として開業すると、湯川さんは地元のちょっとしたスターになった。“九州初の女性弁護士”には取材が殺到。地元紙ではコラムの連載も持った。その土地柄か、九州第二号の女性弁護士の登場まで、10年がかかった。湯川さんの30年後輩で、長年の仕事仲間である稲村鈴代弁護士が言う。 「女性弁護士が出始めてから、湯川先生は毎年、女性の新人に声をかけて一緒に仕事をしていました。私もそうやって経験を積ませてもらったんです。母に『湯川先生と一緒にやらせてもらえる』と伝えたら、大喜びでした。先生と同世代の九州女にとって、弁護士第一号の湯川先生は、憧れの存在だったんです」 稲村弁護士は湯川さんの「じっくり聞く」姿勢が、大いに勉強になったと話す。 「離婚の相談に来られる方は、混乱状態にあります。伴侶の浮気発覚の直後だったり、暴力を振るわれていたりで、パニックを起こしている人もいます」 概して、依頼者の最初の相談は、話が堂々巡りになる。 「そんなときでも、じっくりと聞くのが、湯川先生の素晴らしいところ。男性ベテラン弁護士のなかにはそうじゃない方もいるようですが……」 言いよどむ稲村弁護士の言葉を湯川さんが継いだ。 「男性弁護士に『“せからしかね、あんた、さっきから同じことばかり言いよろうが!”と怒られて……』と、泣きながら来た依頼者もおったね」 湯川さんは、同じ話が何度続いても、そのまま語らせる。 「男性は、理詰めの話は上手よ。でも、依頼者は説教を聞きたいわけじゃない。もともと、女の人の話というのは、話が出たり入ったり、いろいろありますでしょ。私はそういう話に慣れているから、ずっと聞いてられるのね。でも、男も女も、依頼者はそうやって、何度も同じ話をしながら、自分の気持ちに徐々に整理をつける。こちらは聞いているだけで、依頼者はおのずと結論にたどり着くとです」 離婚や相続といった“家事事件”では、結論を依頼者本人が出すことが重要と、湯川さんは考える。そして、依頼者の長い話に付き合ったのち、彼女はこう声をかける。「あなた、自分がどうしたいか、もうわかってるじゃない」。 「私たちが先回りして結論を示してしまえば、時間は短く済むかもしれません。だけど、本人が本心から受け入れていなければ、本当に幸せな解決にはならない。だから、まずはこちらが、相手を信用して話を聞く。それが依頼者のかたくなな心を解きほぐす、そう私は信じているんです」
2018年04月23日月星座の導きを知って、2018年は絶対的強運を手に入れよう!教えてくれたのは、ルナロジー創始者・Keikoさん。今回は獅子座から蟹座までの4つの月星座について。獅子座獅子座のあなたは、いわば生まれながらのエンターテイナー。人を楽しませることが大好きで、気づけば話題の中心になっているようなタイプ。いつも周りから注目を集める華やかな人です。獅子座は太陽が味方をしてくれているので、それも当然。女優やモデルになる人も多いくらいのスター性が、もともと備わっています。仕事はなるべく、人前に立つ機会が多いものがベスト。誰かの補佐やデスクワークでは、獅子座の持ち味が生かせません。自分が楽しいと思える仕事を選ぶことも大切です。また、恋愛も華やかさがテーマとなります。ラグジュアリーなレストランでデートして、彼からはお姫様扱いされるくらいがよいでしょう。ロマンティックな男性が相性よし。そんな獅子座が強運体質になるために行いたいのは、仕事でもプライベートでも、何らかの形で自分を表現すること。会議で積極的に発言するのも、その一つ。また、エンタメともつながりが深いので、例えば飲み会やパーティで、盛り上げ役を買って出るのも吉。乙女座周りの人から、真面目でしっかり者と思われることが多い乙女座。約束はきちんと守るし、遅刻もなし。水星の影響を受けている乙女座は、頭の回転が速く、物事を順序立てて計画通りに行うのが得意。こと仕事の場面では信頼が厚く、評価も高いでしょう。自ら主導権を握るより、誰かの補佐役となり、その人が認められることに喜びを感じるようです。恋愛では、自分が尊敬できる男性に惹かれる傾向あり。何事においても控えめなので、あなたをリードしてくれるような男性と相性がいいはず。ただ、完璧主義ゆえに相手に求めるものも多く、恋の数は必然的に限られそうです。何でも器用にこなすあなたがフォローしてあげるくらいの気持ちで男性に接したほうが、恋の進展は期待できるでしょう。職場でも、彼女(妻)としてもとても優秀な乙女座ですが、それを維持するために常に頭をフル回転させるので、神経も張りつめ気味かも。毎日やっておきたいのは、そんな自分を癒す時間をつくること。心身ともにいたわって。天秤座人あたりが良く、誰とでもすぐに打ち解けられる社交性の持ち主。人生の基本は人間関係ということを無意識レベルで悟っていて、何より人との調和を大切にします。相手を傷つけるようなことは言わないし、衝突は先回りして回避。そんなあなたはこれまであまり人間関係で悩んだことがないのでは。美を司る金星の影響を受ける天秤座は、見るからに優雅で華やかな印象の持ち主。男性が連れて歩きたくなるような雰囲気を持っています。働く場所も、そこにいるだけで絵になるような、ファッショナブルなオフィスビルがお似合い。とはいえ、仕事の意欲はそれほどなく、できれば働かずに生きたいというのが本音のよう。ただし、節約生活は本人的にNG。リッチな男性と結婚してセレブ生活を送るのが、天秤座の理想型です。そんな天秤座が運を引き寄せるために毎日行いたいのは、自らの美しさと社交性に磨きをかけること。金星に味方されているあなたがこの2つに本気で取り組めば、怖いものなし。望むものはすべて手に入れられるでしょう。蠍座蠍座は、自分の心の内を他人に見せるのが苦手。あまり多くを語らないため、あなたがどんな人なのかいまいち分からず、どう接したらいいのかと周りをハラハラさせてしまうこともあるかも。当のあなたはというと、相手を避けているわけでも、裏表があるわけでもなく、単に自己アピールが性に合わないだけ。そのため驚くような特技を持っているのに誰も知らない、なんてこともありそうです。そもそも蠍座は、一つのことを突き詰めていくタイプ。人の評価は気にせず、自分がいいと思ったことを、狭く、深く掘り下げます。それは人間関係も同じ。誰とでも仲良くなるわけではなく、限られた人と密につき合うことを好むでしょう。特に恋人選びは、魂が通じ合うかどうかが重要。また、センシュアルな本能を秘めているため、体の相性にもこだわります。そんな蠍座のツキを呼ぶ行動は、体の中心を意識するなどして元来の集中力を高めること。“秘密”もキーなので、密やかな場所に行くのも運を強める過ごし方。Keikoさんルナロジー創始者。ブログ「keiko的、占星術な日々。」が大人気。近著に『anan SPECIAL Keiko的Lunalogy 眠れる運を呼び覚ます!月星座パワーブック』(小社刊)が。※『anan』2018年1月24日号より。写真・市原慶子(FREAKS)スタイリスト・中根美和子文・保手濱奈美撮影協力・AWABEESUTUWA(by anan編集部)
2018年01月19日「嵐」松本潤が型破りな弁護士を演じて主演を務めた日曜劇場「99.9」の続編となる「99.9-刑事専門弁護士- SEASON II」が1月14日からスタート。松本さん演じる深山大翔の“おやじギャグ”にファンからは「帰ってきた」と歓喜の声が続々寄せられている。本作は個性的な刑事専門弁護士たちが、ぶつかり合いながらも逆転不可能と思われる刑事事件に挑んでいく新感覚の痛快リーガル・エンターテインメントドラマ。松本さんが99.9%有罪とみなされた案件でも、残された0.1%の事実を自らが納得するまでとことん追及する刑事専門弁護士・深山大翔を、香川照之が敏腕弁護士・佐田篤弘を演じて続投、今シーズンからは木村文乃が元裁判官の新ヒロイン・尾崎舞子役で参加する。第1話では深山らがとある殺人事件の弁護依頼を受けることになるが、付き添いでやってきた依頼人の友人である舞子が、元裁判官の経験からこの事件は有罪であり無実を証明するより情状酌量を求めるべきという立場で深山らと対立。一方、舞子の経歴を知った佐田は今回限りという条件で舞子を弁護士として雇用する…という展開。前作で話題となった深山や佐田の“おやじギャグ”は今回も健在。深山がサンドウィッチを食べる際に「いただきマングース」と言う場面が流れると「待ち遠しかった!!」「めっちゃ反応しちゃった」「帰ってきたーーーーー」などのツイートが多数投稿され、本作の放送を待ちわびていた視聴者の歓喜の渦がネット上に巻き起こる。また被疑者に接見するためタクシーに乗ろうとする深山が舞子に「手持ちある?」と聞く場面にも「「手持ちある」再び~~」「手持ちある?のくだり榮倉奈々ちゃんと全く同じでわろた」など、前作からのファンが喜びのツイート。新シリーズの始まりを祝福する。おやじギャグやダジャレが多数作中に登場する本作だけに1話にゲスト出演した新妻聖子にも「え、新妻さんカラオケ王99.9点出すから99.9に出てるの?」というコメントが来るほど。またプロレスネタが豊富なのも本作の特徴。「田口ジャパンが会社名で出たり印刷会社の名前にプリンス・ディビットの名前をモジってブッこんだところを密かに評価したい」と細部のこだわりに気付いたファンからの反応も。ラストにはプロレスラーのオカダ・カズチカもゲストで登場。オカダさんといえば声優の三森すずことの真剣交際が報じられたばかりで、このタイミングでの出演に「確かにイケメンだ」「ウワサの人がw」「オカダさんが出てきたのタイムリー過ぎでは」などタイムラインも大きく沸いていた。真実を解き明かすリーガルドラマとしての面白さは踏まえつつ、おやじギャグやダジャレにシリーズとしての継続性を持たせ、タイムリーなゲストで視聴者の注目を集めた「99.9-刑事専門弁護士- SEASON II」。舞子の回想シーンに出てきた佐藤勝利演じる“謎の人物”や、笑福亭鶴瓶演じる裁判官と深山との対立にも注目が集まる中、ラストでは深山の過去にまつわる事件の存在も示唆され、次回のテーマになる模様。来週も見ずにはいられない終わり方に思わず期待が高まる。「99.9-刑事専門弁護士- SEASON II」は毎週日曜日21時~TBSにて放送中。(笠緒)
2018年01月14日*画像はイメージです:山尾 志桜里衆議院議員が、弁護士と不倫していたとの報道がされています。現在山尾氏の夫が激怒し、東京弁護士会に懲戒請求を行っていると一部で噂されています。この噂が事実であると仮定して、請求は通るものなのでしょうか?高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。 ■懲戒請求は通る?「弁護士に対する懲戒は、職務上の義務違反があった場合だけではなく、私生活上の行為であっても、品位を失うべき非行であれば、その対象になると理解されています(弁護士法56条1項)。この点、山尾さんも相手の弁護士も不貞行為があったことを否定しているので、弁護士会としても、懲戒審査の過程で、不貞行為がないと判断した場合には、単に二人で会っていたということだけでは品位を失うべき非行には当たらないので、懲戒の対象にはならないと考えます。また、仮に、弁護士会によって不貞行為があると認定された場合であっても、それだけで品位を失うべき非行に該当する可能性は低いと考えます。過去には、不貞相手から懲戒請求をされて、懲戒が認められたケースはありますが(ただ、単に不貞行為をしていただけではなく、既婚者である男性が未婚であると偽って交際していたという悪質なケース)、私が調べた限り、配偶者から懲戒請求をされて、懲戒が認められたケースはありませんでした。以上のとおり、今回、山尾さんの夫から男性弁護士に対する懲戒請求は認められる可能性は低いですが、立証次第では、男性弁護士への慰謝料請求が認められる余地はあると思います」(理崎弁護士) どうやら懲戒請求が認められる可能性は低いようです。 ■弁護士が不倫したら慰謝料は高くなる?今回一部で批判されているのが、山尾議員のお相手が不倫問題を扱っていた弁護士であるということ。このような場合、慰謝料は高くならないのでしょうか?同じく高島総合法律事務所の理崎智英弁護士にお話を聞いてみると……。「慰謝料の金額は、不貞期間、不貞回数、婚姻期間、配偶者との間の未成年の子の有無等から総合的に判断されますが、不貞相手の職業は関係ありません。そのため、不貞相手が弁護士だからといって、慰謝料の金額が高くなるということはありません」(理崎弁護士) 一般的な心証は良くなくとも、基本的に不貞相手の職業は慰謝料金額決定のポイントにはならないのですね。大きな社会的な制裁を受けることにはなりそうですが……。 *取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*AlessandroBiasciol / Shutterstock
2017年09月19日本誌のドキュメンタリーページ『シリーズ人間』に登場し、「あのキレイだけど押しの強い弁護士はナニモノ?」と、巷をにぎわせた仲岡しゅん弁護士。その正体は、男性として生まれ、数年前に女性に「トランス」した男と女のハイブリッド弁護士!大阪生まれ、大阪育ちの若き闘士は、悪を許さぬ正義感と、美貌に似つかぬ義理人情を盾にして、法律を武器に日々奮闘中。そんなハイブリッド弁護士がトラブルをシュッと解決! 【今回の相談】「賃貸で住んでいる一戸建てが、先日の水害で床上浸水してしまいました。引っ越そうと家主に伝えたところ『水害被害による畳の張り替え、壁の染み抜き、そのほか清掃費が必要で敷金は全額、返金できない』旨を伝えられました。自然災害による汚れや破損なのに、敷金は返してもらえないのでしょうか?」(40代女性・専業主婦) 【回答】「自然災害によって生じた住宅の損害は、通常、敷金から差し引かれるものではない」(仲岡しゅん) 敷金に関する今回のご相談。「敷金」とは、賃貸人の賃料債権などを担保するために賃借人から賃貸人に支払われる金銭で、賃貸借契約終了の際、賃借人に賃料の不払いその他の債務不履行があれば、その金額を控除して賃借人に払い戻すべきお金のことです。 ここでポイントなのは、「賃料の不払い」と「その他の債務不履行」があれば敷金から差し引かれる、という点です。 1つ目の「賃料の不払い」の場合には敷金から差し引かれるわけですが、今回のご相談で家主が差し引くと言っているのは、水害による損害の補償。賃料の不払いではありませんから、これには該当しませんね。 次に、2つ目の「その他の債務不履行」。債務不履行は、ざっくり言うと「契約違反」のこと。たとえば、通常の生活ではありえないほど部屋を汚損してしまったとか、居室を勝手に喫茶店に改装してしまったような場合です。こういう場合には、債務不履行で敷金から差し引かれます。 しかし、債務不履行が認められるには、あなたの側に「落度」があることが必要。今回のご相談のケースは、水害という自然災害が原因であって、あなたには何ら「落度」はありません。そうすると、あなたに債務不履行はありません。 こうしてみると、自然災害によって生じた住宅の損害は、賃料の不払いでも債務不履行でもありませんから、通常、敷金から差し引かれるものではないということですね。それでも大家さんからは、「いやいや、自然災害の場合でも敷金から差し引くて、契約書に書いてありまっせ?」と言われるかもしれません。 そういう場合、契約書の内容にもよりけりですが、ご参考までに判例(最高裁・平成10年9月3日)をご紹介しておきましょう。賃貸借契約終了時に敷金から一定額を差し引くという契約になっていた建物が、地震で倒壊したケースです。この事案で最高裁は、「特段の事情がない限り、敷引特約を適用することができない」と、敷金から差し引けないとの判断をしています。 つまり、契約書に特約を記載するのも基本的には有効ですが、事案によっては無効と判断される場合もあるということです。まずは大家さんと交渉してはいかがでしょうか。わたくしだったら、そうします。
2017年08月28日3月末に、兵庫県弁護士会所属の弁護士が民事訴訟の判決文を発覚していたことが明らかとなりました。この弁護士は、着手金を受け取りながらも提訴せずに事件を放置していたため、それがばれないように依頼者に偽造した判決文を送付していたとのことです。これらの弁護士の行為には、法律上どのような問題があるのか、以下で解説していきます。*画像はイメージです:■文書偽造や詐欺に該当、除名処分の可能性判決文は、裁判官という公務員が作成する有印の公文書です。したがって、この弁護士の行為は有印公文書偽造罪に該当します。さらに、着手金を受け取って偽造判決文を交付して返還を求められないようにしたのですから、詐欺罪が成立します。有印公文書偽造罪については1年以上10年以下の懲役刑が定められています。また、詐欺罪については10年以下の懲役刑が定められています。どれだけの着手金を受け取っていたのか、提訴を怠ったことによって依頼者がどれだけの被害を被ったのか、弁償はしたのかなどの事情にもよりますが、訴追されれば実刑判決を受ける可能性も十分にあると推測されます。訴追されたものの執行猶予判決になった場合や、刑事処分が下されなかった場合でも、懲戒審査にかけられるのはまず間違いないでしょう。弁護士の身分を失う除名処分を受ける可能性もあるといわざるを得ないのではないでしょうか。 ■同じ弁護士としてこの弁護士がどのような事情で提訴をせず、判決文を偽造するまでに至ってしまったのか詳細な事情はわかりません。しかし、どんな事情があれ、犯罪に該当するような行為で事態を打開しようとすることが誤りであることはいうまでもありません。ただ、これは弁護士に限ったことではありませんが、誰しも追い込まれると視野がどんどん狭くなり、普通の状態であれば、やってはいけないとわかるはずのことに手を出してしまうことも人間としてはありえます。判決文を偽造した弁護士も、よほど追い込まれた状況にあったのかもしれないと考えます。冷静になるきっかけをつかむことがどこかでできていれば、このようなことにはなっていなかったのではないでしょうか。受任した事件によっては、その行く末次第で、依頼者やその家族の人生に大きな影響が生じてしまうことも少なくありません。私たち弁護士には常にそのような意識が必要であることは言うまでもないでしょう。しかし、それと同時に、事件の処理で追い込まれる局面にぶつかったときには、一人で抱え込まず、先輩や友人の弁護士に相談することが必要です。相談することを恥と思う気持ちが、依頼者の利益を損ない自分を追いつめる第一歩だと考えるべきでしょう。 *著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)【画像】イメージです*kou / PIXTA(ピクスタ)
2017年04月05日節分の豆まきは、日本の伝統文化。「鬼は外」と家の外に豆をまくことは、多くの日本人が当たり前のようにやっていることです。このような伝統文化が違法になるかについては、とても微妙な問題のため、これまであまり語られてきませんでした。しかし、時代が進むにつれて伝統文化の捉え方も変化してきていますし、外国人の方も大勢日本で暮らすようになってきていますので、これからトラブルが起きることも考えられます。そこで、あえてこの微妙な問題を考えてみたいと思います。■マンションの共有スペースに豆をまいたら?分譲マンションであっても、賃貸マンションであっても、廊下などの共用スペースは「用法(用方)」に従って使用しなければなりません。例えば、廊下は通路のために存在しますので、そこに荷物やゴミを放置することは用法違反になるでしょう。しかし、節分の豆まきは、先ほど説明したように伝統文化(これを法律用語的には「慣習」といいます)として認められています。そのため、自室のドアを開け、廊下などの共用スペースに「鬼は外」と豆をまいても、ほとんどの場合「用法違反」にならないと考えられます。ただし、マンションの管理規約等で豆まきが禁止されているときは、規約等が優先しますので、「用法違反」になります。不安な方は、大屋さんや管理会社に問い合わせてみてもいいかもしれませんね。また、まいた豆を放置するのは、ゴミを放置することと一緒だとも考えられますので、まいたあとはきちんと掃除をしましょう。■家の前の道路に豆をまいたら?まいた豆をそのまま放置すると、結局はゴミになってしまいます。そのため、道路に豆をまいた場合には、廃棄物処理法や各市町村のポイ捨て禁止条例、軽犯罪法の違反(いわゆる不法投棄)にならないかが問題となりそうです。ただ、これらの法律違反になるには、それが正当な理由なく行われた場合となります。節分に家の外に豆をまくことは、伝統文化・慣習として認められており、正当な理由があると考えられますので、法律違反になる可能性はとても低いといえるでしょう。ただ、常識の範囲を超える量の豆をまいたり、鳥などをおびき寄せて嫌がらせしようなどの悪意をもって他人の家の前にまいたりすれば、正当な理由はないとして、法律違反になる可能性もあります。 ■豆まきで気をつけるべきこと豆をまくとき故意に人の顔にぶつければ、当然「暴行罪」になりますし、目などに入ってけがをさせれば「傷害罪」や「過失傷害罪」にもなります。よく考えずに高層階の窓の外にまいて、下にいた人に当たってけがをさせれば「過失傷害罪」になる可能性もあるでしょう。常識やマナーをもって楽しんでください。節分の豆まきは、歴史ある日本の伝統文化です。悪用することなく、お互いに常識を守りながらこの文化を絶やさないようにしたいですね。
2017年01月31日もうすぐバレンタインデー。かつては女性から男性に気持ちを伝える日とされ、「義理チョコ」「本命チョコ」で盛り上がったものでしたが、近年では「友チョコ」「パパチョコ」といったさまざまな「●●チョコ」が登場。年齢や性別にかかわらず、身近な人にお菓子をあげて感謝の気持ちを伝えあう日へと変化してきました。そんな中、すでに結婚している女性が夫以外の身近な男性にチョコレートをあげたり、夫がよその女性からチョコレートをもらってきたりすることで、「浮気トラブル」に発展してしまうことはあるのでしょうか?■チョコレートは「浮気の証拠」になる?バレンタインがよりカジュアル化してきた近年、チョコレートのやりとりを、すぐさま「恋愛」や「浮気」に結び付ける人はなかなかいないと思います。また法律的に見ても、チョコレートのやりとりだけでは、浮気とは判断されません。そのチョコレートにどんな思いがこもっているのか、誰から贈られたチョコレートなのかを明らかにするのは難しいですし、仮に妻や夫に「浮気の疑い」を抱いていた場合でも、証拠として有用とはいえないでしょう。■バレンタインデーは白黒はっきりさせる絶好のチャンス!?とはいえ、日ごろから夫の「浮気」を疑っている妻にとって、バレンタインデーが「夫の浮気を見破るチャンスデー」になる場合もあるようです。実際、私が過去に担当した案件では、夫がもらったギフトに添えられた手紙に勘を働かせた妻が、そこから調査を開始して、夫の浮気の証拠をつかんだというケースがありました。しかしながら、法律上の浮気・不倫の定義は「婚姻関係にあることを知りながら、一方の配偶者と性交渉を持つこと」。白黒はっきりさせるにも、その後の追加調査は必要となるようです。■まとめ義理チョコや友チョコなど、本命でなくともチョコを渡す風習がある昨今。軽い気持ちで渡したチョコレートから浮気を疑われてしまった! などということは、ほとんどないといえそうです。あまりピリピリしすぎず、「身近な人と感謝の気持ちを伝えあう日」という程度にとらえてみてはいかがでしょうか。
2017年01月29日バレンタインが近づくと、子どももソワソワと気になり始めますが、最近は、幼稚園や学校でも「バレンタインデーのチョコ受け渡しは禁止」としているところが多いといわれています。「でもやっぱり渡したい!」という方、ちょっと待ってください。もし学校が禁止しているチョコレートを持っていくと、法律的にはどうなるのでしょうか?■バレンタインデーを規制する法律ってあるの?バレンタインの起源には諸説ありますが、そのひとつに、3世紀頃のローマ皇帝クラウディウス2世が「妻を故郷に残した兵士がいると士気が下がる」という理由で兵士たちの結婚を禁止していたのに反し、密かに結婚式を執り行っていたキリスト教司祭の聖バレンタインを処刑した日(2月14日)、という説があります。日本においては、バレンタインデーを規制する法律は存在しません。しかし、サウジアラビアなど一部の国や地域では、宗教上の理由によりバレンタインを祝うことが禁止されているところもあるようです。■禁止ルールを破ったらどうなるの?日本でチョコレートを渡すことを禁止する法律はありませんが、学校の校則によりチョコレートの持ち込みが禁止されていることがあります。この校則を破ると、どうなるのか考えていきましょう。「学校教育法第11条」によれば、「校長又は教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる」と定められています。このため小・中・高校に関しては、校則に違反してチョコレートを学校に持ち込んだ場合は、「懲戒処分」を受ける可能性があります。「懲戒処分」とはかなり重そうな処分に感じられますが、種類はさまざまあり、口頭注意、謹慎、停学、退学などがあります。一番重い処分と考えられる停学、退学について、バレンタインのチョコレートを持ち込んだことで、命じられることがあるのでしょうか?■停学・退学処分になる可能性停学処分については、「学校教育法施行規則26条4項」によって、公立私立を問わず、小中学校の児童生徒には命じることができないとされています。退学処分については、「学校教育法施行規則26条2項及び3項」によって「性行不良で改善の見込がない者」「学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者」といった事由に該当する場合に限定されており、公立の小中学校の児童生徒については、退学を命じることができないとされています。幼稚園に関しては、各幼稚園が定める規則に基づき、園長が幼児の保護者に対して出席停止や退園を命じることができます。■高校や、私立の小中学校の場合は?高校や、私立の小中学校の児童生徒については、校則違反行為を行った場合に、校長の裁量により退学処分を受ける可能性があります。しかし、裁判上「懲戒処分」は、学校の内部規律を維持し、教育目的を達成するためのものであるため、生徒の行為が懲戒に値するものであるかどうかや、どのような処分を選択するかについては、懲戒を行う権限を持つ校長の合理的な裁量に委ねられています。とはいえ、校長の判断が合理性を欠き、裁量の範囲を超えていると認められるときは、懲戒処分は違法・無効になると考えられています(最判平成8年3月8日 、大阪地判平成20年9月25日、東京地判平成3年6月21日参照)。 このような裁判所の考え方からすると、「バレンタインにチョコレートを持ち込む」という一度の校則違反のみを理由にして、退学という重い処分を受けた場合、この処分は裁判上無効となる可能性が高いでしょう。幼児の保護者が退園命令を受けた場合も、同様の基準で判断されるでしょう。■まとめバレンタインデーは、大人だけでなく、保育園児や小学生のような小さな恋人たちも楽しくお祝いをしたい日です。その一方で、校則は、児童生徒の健全な学校生活を営み、より良く成長発達していくためのルールであり、しっかり守ることが望ましいと思います。せっかくのバレンタインが悲しい思い出になってしまわないためにも、好きな子にチョコレートを渡したいという場合は、下校後に渡すようにした方がよいでしょうね。監修協力:弁護士法人アディーレ法律事務所 (東京弁護士会所属)
2017年01月28日photo by 編集部東京都豊島区、「池袋」駅近くにある「虎ノ門法律経済事務所 池袋支店」で支店長を務める鈴木謙太郎弁護士。同事務所では、弁護士以外に「司法書士」や「税理士」「社会保険労務士」といった他士業の方も在籍しており、ワンストップで幅広い分野にサービスを提供しているそうです。今回はそんな鈴木弁護士に他士業との連携について伺いました。鈴木 謙太郎(すずき けんたろう)弁護士(1972年の設立以来40年以上の歴史がある、虎ノ門法律経済事務所の池袋支店で支店長を務める。注力分野は遺産相続、不動産取引、交通事故、債権回収、労働問題、債務整理、刑事事件、離婚等。「皆様の人生の一大事を共に解決するパートナーとして、真摯に業務に取り組んでまいります。」) ■「金銭的な結果にもこだわる」……証拠集めや現地・判例調査には特に注力__弁護活動を行う際に意識していることは何ですか?私は、依頼者本人の意向に沿った解決法を選んでいくということを非常に重視しています。ただ、それだけではなく、金銭的な数字として結果を出すということも意識して弁護活動に取り組んでいます。この前担当した、土地の明け渡し請求事件は、そうした結果が出せた案件の一つです。この事件は、土地の明け渡しを求められている側が依頼者でした。様々な証拠を集め、現地で調査も行う中で、その土地周辺の再開発計画の話が、土地所有者と不動産業者との間で進んでいるという情報をつかみました。また、依頼者が今借りている家を出て行くと生活が非常に苦しくなるということを丁寧にリサーチして、書面に落としていくといった作業を地道に行った結果、はじめは「1円も立ち退き料を払う必要はない、仮に払うことになっても100万円程度で十分だ」と主張していた土地所有者に対し、約2,000万円の立ち退き料が必要であるという裁判所の認定を勝ち取りました裁判では金銭請求が多いのですが、訴える側であればできる限り多くの金額を出せるように、逆に訴えられる側であればできる限り多くの金額を減らせるように、丁寧な証拠集め、現地調査、判例のリサーチなどには、特に力を注いでいます。 ■他士業との連携が日常的な問題の幅広いサポートにつながる__事務所で注力されている事柄について教えてください。当事務所は、全国展開しており、ワンストップでの解決を強みにしている事務所です。そうした強みは、弁護士だけではなく、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、税理士、不動産鑑定士など様々な他士業が在籍しているところからきています。さらに、当事務所のグループが不動産会社も運営していますので、不動産トラブルに関してもエキスパートです。前述のような「土地の明け渡し請求事件」でも効率的なリサーチが可能です。 __具体的には他士業とどのように連携していくのですか?不動産鑑定士が在籍し、不動産会社も運営しているということは、例えば、遺産分割で土地を売却するという話になっても、その土地をどうやって分割すれば、高く売れるのかというところまでサポートすることが可能です。税理士が在籍しているということは、例えば、税務申告だけでなく、遺産分割の協議の段階でも、こういう分割方法のほうが依頼者にとってメリットがあるのではないかといったアドバイスができます。労働トラブルが発生するということは、会社の中で日常的な問題を抱えているケースがほとんどなので、就業規則や労働契約の確認・見直しをしないと、また同じ問題が発生します。これは、弁護士と社会保険労務士の協力が不可欠です。どちらかといえば社労士は日常的な労務についての問題が専門で、弁護士は紛争が起きた時の対応が専門だと考えられます。この問題は、経営者と労働者のコミュニケーション不足というところも大きかったりするので、そのギャップを埋めていく体制づくりという意味では、弁護士と社労士が連携していくことで果たせる役割というのも大きいのだと思います。このように、他士業と連携し、ワンストップで問題が解決できるということは、依頼者の費用も安く抑えられるというメリットもあります。池袋支店では、社労士、司法書士、行政書士、FPが在籍しています。本店同様に、今後も、こうした士業の連携は、強めていきたいですね。 ■大事なのは「弁護士に相談すること」ではなく「問題を解決すること」__事務所として士業をそろえている理由は何ですか?依頼者にとっては大事なのは、弁護士に相談するということではなく、問題を解決するということです。そういう意味で、他士業と連携することで、その問題全てを最後まで解決できるトータルサポートができるというところが一番大きいと思います。また、同じグループの中で連携するということは、情報も密に交換ができますし、節目節目で、一番いい解決法はどれなのかというところを議論ができます。その上、相談時にもすぐに他資格者を同席させることができ、問題を解決しやすく依頼者にとっても非常にメリットが大きいのだと思います。依頼者のニーズに合った体制を実現できるように、事務所一丸となって取り組んでいきたいですね。 *取材協力弁護士:鈴木謙太郎(すずき けんたろう)弁護士1982年生まれ、埼玉県出身。開成高校卒業。慶應義塾大学商学部卒業。慶應義塾大学法科大学院修了。虎ノ門法律経済事務所 池袋支店支店長。同事務所パートナー。東京弁護士会所属。弁護士資格のみならず、宅地建物取引主任者試験、行政書士試験にも合格しており、ファイナンシャル・プランニング技能士でもある。また、戦略コンサルティング会社勤務経験も有する。法律だけでなく、不動産や行政、金融、経営などの幅広く深い知見を活かし、依頼者にとってベストな解決を図るべく日々奮闘している。このような姿勢から、依頼者の満足度も常に高く、多数の中小企業やベンチャー企業の顧問も担当し、経営者からの信頼もあつい。*虎ノ門法律経済法律事務所について1972年に設立され、40年以上の歴史を誇る虎ノ門経済法律事務所は、東京都豊島区池袋にも支店を構えている。虎ノ門法律経済事務所では、①弁護士のほかに、司法書士、税理士、社会保険労務士、不動産鑑定士、土地家屋調査士などが在籍していることによるワンストップサービス、②依頼者の抱える問題の全てを最後まで解決できるトータルサポートを実現している。池袋支店長の鈴木謙太郎弁護士は遺産相続、不動産取引、労働問題、交通事故などを中心に活躍。依頼者の意向に沿った解決へと導く信頼のおける弁護士として定評がある。 「虎ノ門法律経済事務所 池袋支店」一問一答Q&A__貴所の理念を教えてください。当法律事務所に「経済」という名称が入っているのは、経済分野に強いという意味はもちろんあるのですが、法律的にこうなっているのだといった杓子定規な対応でなく、依頼者にとって一番いい解決法を多面的に考える事務所であれという思いが込められています。その人の生活や、企業の経営方針なども考えて実践的な解決方法を提案していこうというのが当事務所のポリシーです。__一番依頼が多い分野は何ですか?かなり幅広いジャンルを扱っていますが、その中でも一番多いのは相続問題かと思います。不動産会社をグループで運営し、司法書士、不動産鑑定士などが所属する事務所の特性から、相続問題でも、不動産の資産を持たれている方の相談が多いですね。__個人と法人の割合はどちらが多いですか?個人と法人の割合については、6対4くらいで個人のほうが多いと思います。法人は、顧問で対応することが多いですね。顧問契約では、電話やメールで、すぐに回答するという形で日常的にサポートをしています。また、労務管理では、池袋支店の社会保険労務士と強力なタッグを組み、長期的なご相談にも応じています。そのため、顧問契約を結んでいただく方がメリットが大きいと確信しています。__貴所の相談料を教えてください。初回の法律相談は、無料です。それ以降の法律相談は30分5,000円(税別)です。__上記分野(相続問題)の着手金、報酬金を教えてください。遺産分割協議事件、遺留分減殺請求事件の着手金は、交渉段階では20万円から、調停では30万円から、審判・訴訟では440万円からです。報酬金は、いずれの段階でも取得した遺産の2~16%です。その他の手続きですと、相続放棄・限定承認手続は、相続人お一人につき、5万円から、遺言執行手続だと76万円から、遺言書の作成は5~20万円、成年後見等の申立ては20万円となっています。 *取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)【画像】*編集部
2017年01月22日photo by 編集部元銀行員という異色のキャリアを持つ天野弁護士。現在受けている依頼の中でも一番多いという「男女問題」について、どのような解決方法を実践されているのか、お話を伺いました。天野 仁(あまの ひとし)弁護士東京都・新宿区四谷にある「東京ステラ法律事務所」の天野仁氏は、17年間、銀行員としてキャリアを積んだ異色の経歴を持つ弁護士。本人になりかわれるくらいに相手を知って弁護に臨みたいというスタンスで、その誠実さには定評がある。■裁判官は世論には影響されにくい!?日本は「判例主義」が大前提に___男女問題について、最近の傾向を教えてください。男女間のトラブルというのは、いつの時代もありますので、特に傾向があるとは思いません。社会が変わっているからといって、判決に違いがでるかというと、家庭裁判所はそんなに変わっていないのではないかと思います。親権に関していうと、母性優先の原則というものがあります。従って、離婚裁判で、男親は親権を取りにくいといった状況は、今も変わりありません。女性が弱い立場であることが多いという理由もあって、男女問題では、親権に限らず、基本的に女性寄りの判断が下されることが多いように思います。離婚問題や男女問題などは、“ある人はこれが許せるけど、ある人はこれが許せない”という状況が起こりがちです。例えば、離婚できるのは、民法第770条第1項第5号で「婚姻を継続し難い重大な事由(離婚原因)があるとき」と規定されています。従って、当事者間で問題とされていることが、離婚原因に当たるかどうかを裁判所が最終的に判断を下すわけです。判断の根拠は、常識や倫理観などに依ります。その背景は、世間では何を普通と考えているかということを、裁判官が、どう読むかということも含まれます。しかし、“裁判官は世論にはなかなか流されない”というのが、私個人の印象です。___最近では「不倫」に対して厳しい世論が多い印象ですが裁判への影響はないですか?確かにネットなどでは特に不倫に対して厳しい意見が出されることが多いですが、日本は判例主義ですので、それまで起こった同様の事例を考慮するという縦軸においても公平を図るという考えが根強いのです。そうすると、今までの判断を変えるようなドラスティックな判決というのは、なかなか生まれないのです。従って、慰謝料などの相場も、だいたい決まっています。不倫に関していうと、例えば、夫が不倫して、妻が慰謝料請求するというケースでは、離婚をする方向であれば約200万円、離婚しない方向であれば約100万円あたりで、多くても300万円です。この相場は、妻にしてみれば安すぎると感じることが多いでしょうし、夫からすれば高いと感じるかもしれません。■不倫問題は「SNSのやりとり」など具体的な証拠集めが焦点に___不倫問題を解決するために、相談者が準備すべきことや、必要な期間などの対処法を教えてください。不倫の慰謝料を請求したい場合で考えてみましょう。不倫の場合、まず証拠が重要となります。証拠として最近多いのはLINEをはじめとしたSNSのやりとりです。LINEのメッセージ画面などをスクリーンショットなどで写真を撮って証拠にするというようなことは多いですね。メッセージのやり取り以外にも、携帯やスマホに残された写真、動画が残っていることも多いです。あとは、探偵事務所を雇って、調査報告書を持ってくる人もいます。慰謝料の金額にも関係してくるので、不倫が行われていた期間・回数も証明できる証拠だと良いですね。一度きりの関係なのか、長年関係が続いていたのかで、不倫されてきた側の精神的な損害は変わってきます。とはいえ、なかなか、昔の証拠を今から集めるというのは難しいことですので、ある程度の証拠が確認できているのであれば、話し合いや裁判の準備はできていると判断して問題ないです。 ■「訴訟告知」制度を使って不倫裁判を和解の流れに___不倫問題を解決するために工夫されていることは何でしょう?不倫の場合は法律的には、損害賠償請求事件になります。ですから、まずは任意で相手と交渉してみて、ダメだったら裁判を起こすという流れになってきます。裁判になれば淡々と手続きに従って対応していくことになりますが、任意の交渉段階では、弁護士次第なところがありますので、弁護士選びは非常に重要になります。 私は過去に、不倫をした女性が、不倫相手の男性の妻に関係を知られた結果、「夫と二度と会わない、約束を破ったら200万円を支払う」といった念書を書いたにもかかわらず、また会ってしまったというケースを弁護したことがあります。民法420条1項に「賠償額の予定」という規定があり、念書などで損害賠償額の予定を約束した場合は、裁判所は賠償額を増減することはできないと定められています。従って、この事件は、“念書がある”というかなり不利な状況でしたが、私は交渉で粘った結果、慰謝料を1/10の20万円にまで減額できました。___裁判までいったケースではどんな解決法を取られましたか?裁判になった例として、不倫をした男性の妻から不倫相手の女性だけが訴えられたケースで説明します。この場合、不倫をした男性側にも「訴訟告知」をしますね。不倫というのは、共同不法行為ですので、責任割合によって相手に求償することが可能だからです。民事訴訟法では、訴訟告知を行っておけば、裁判の判断内容が次の求償裁判の際の前提になるためです。不倫した男性の妻としても、離婚はしない考えの場合が多いものです。その理由として、今後も夫の収入をあてにして生活していこうと考えているからです。ですから、自分の夫を被告にはしたくないという人も少なくありません。そうすると、結局次の求償のことを考えれば、全額ではなくて、例えば、半分の額で和解しませんか、という流れになることが多くなりますね。不倫は不法行為ですので、決して褒められたものではありませんが、弁護士は不倫をされた側だけでなく、不倫した側も助けることができます。上記の例でも、訴えられたり、念書を書いたりする前に、早めに弁護士に相談に来てくれれば、リスクを最小限に抑えることができたと思いますね。 *取材協力弁護士:天野 仁(あまの ひとし)弁護士1967年生まれ、神奈川県出身。神奈川県立川和高等学校卒業。早稲田大学法学部卒業。早稲田大学大学院法務研究科修了。みずほ銀行に17年間勤務し、その間、法人・個人営業、外為・デリバティブ業務、インターネットバンキング開発などを担当。主な取扱分野は、離婚・男女問題、相続、破産、交通事故、金融商品被害、労働事件、企業法務、刑事事件など。これまでの経験を活かしつつ、親切・丁寧な対応を心がけて弁護活動に取り組んでいる。また、「東京ステラ法律事務所」では、現在5人の優秀なスタッフを要し、一般民事・家事事件・刑事事件等の個人の法律問題から、取引紛争・事業再生・倒産事件・知的財産権・労働法務等の専門性のある企業法務に至るまで、クライアントに最良のリーガルサービスを提供できることを旨とし、日夜邁進している。*取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)【画像】*編集部*天野弁護士のインタビュー記事銀行員から転身…異色のキャリアを持つ弁護士が「交渉・折衝力」を大切にする理由とは
2016年12月25日先日、大手保険会社が「いい夫婦の日(11/22)」にちなんで、夫婦のへそくりに関するアンケートを実施したというニュースがありました。その平均はなんと116万円!これは、2013年の調査以来、最高額なのだそうです。へそくりとはつまり「配偶者に内緒でためているお金」のことですが、法律的には、一体誰の財産になるのでしょうか?■へそくりはいったい誰のもの?結婚してから離婚するまでの間に夫婦が協力して築き上げた財産を「共有財産」といい、それ以外の財産、すなわち夫婦の一方が結婚前から所有していた財産や、夫婦の協力とは関係なく取得した財産を「特有財産」といいます。特有財産は、それを取得した本人のものであり、離婚の際にも財産分与として配偶者に分け与える必要がありません。へそくりが特有財産として認められるかどうかについては、捻出元によって結論が異なります。■家計が別の場合、同一の場合まず、共働きで家計を別にしている場合です。たとえば、家計を全く別にしている、あるいはお互いの収入からそれぞれ決まった金額を家計に入れ、残りは自由に使って良いなどというとり決めをしている場合に、自身の収入の余剰分からためたへそくりは、特有財産として認められる可能性が高いでしょう。次に、共働きではあるが家計は同一という場合や、専業主婦の場合です。夫婦の生活費をやりくりしてためたへそくりは、夫婦で協力して築いた財産と考えられるため、共有財産となる可能性が高いです。しかし、小遣い制を採用していて、生活費とは別の小遣いの中からへそくりをためていた場合には、夫婦間の取り決めにより本来好きに使って構わないとされているものなので、特有財産として主張できる可能性があるといえます。■結婚前からの貯金や、宝くじが当選した場合は?独身時代にためていた貯金や、親からの贈与や相続によって取得した財産などは、夫婦の協力によって築いた財産とはいえないので、特有財産になります。また宝くじの当選金は、偶然によって得られるものであり、夫婦の協力によって築いた財産とは言い難いため、基本的には共有財産には該当せず、購入した者の特有財産になるでしょう。しかし、夫婦共同で積み立てたお金を使って購入した場合など、宝くじの購入経緯によっては、共有財産と認められる可能性はあります。■まとめコツコツとためたへそくりの全額を、自分のために使いたいと思うこともあるかもしれません。しかし、そうした使い方が原因で、夫婦げんかに発展してしまうリスクも考えられます。へそくりに関して、法律上の解釈は今回ご説明した通りなのですが、夫婦円満のためには、日頃から協力してがんばってきた自分たちへのご褒美として、家族で旅行に出かけたり、おいしいものを食べにいったりするために使うのも良いかと思います。監修協力:弁護士法人アディーレ法律事務所 (東京弁護士会所属)
2016年12月13日photo by 編集部大学在学中の2002年に、友人と共にIT系のベンチャー企業を設立した経験を生かして、現在でもIT企業のサポートを多くこなしている中野弁護士。弁護士になるまでの苦労や失敗が、今の業務にどう結びついているのか伺いました。中野秀俊(なかの ひでとし)弁護士グローウィル国際法律事務所は、元IT企業経営者であり現在も会社の経営者である中野秀俊弁護士が、クライアントにとって理想の法律事務所を実現したいという思いから設立。 ■学生時代に立ち上げたベンチャー企業が倒産…その失敗から学んだものとは?___弁護士を目指したきっかけについて教えてください。私は、2002年に早稲田大学の政治経済学部経済学科に入学したのですが、入学して間もなく友人と二人でIT企業を立ち上げました。事業内容は、システム開発の受託から始まって、Webサービスを自分たちで立ち上げたりしました。友人と二人で共同代表をしながらエンジニアも営業も行うといった感じです。その学生ベンチャーは、一時期上手くいっていたのですが、大学4年のときに、倒産してしまいました。倒産の一番のきっかけになったのが、インターネットを使った輸入事業の失敗です。これは、ネットで海外の商品を仕入れて売ると行ったサービスだったのですが、先に商品を売ってしまってから後から仕入れるというシステムをとっていました。しかし、このシステムが仇となり、結局品物が入ってこないことによって、取引相手との間で、違約金が発生してしまったのです。当時は、きちんと契約書などにも目を通していなくてハンコを押していました。契約書の中には、かなり高額な違約金の条項もあって、それが払えないことでキャッシュフローがおかしくなり、事業が回らなくなったのです。この失敗は、最初の時点で、契約書をしっかりと見ておけば防げたことでした。また、今思えばトラブルになった後も、法律を知っていればいろいろと対策できることもあったと感じます。この倒産は、法律がわからなくてダメになってしまった部分も多々あったので、今度は法律面でベンチャー企業を支える側になろうと思ったのが、弁護士を目指すきっかけです。 ___経済学部から法律の世界への転身で、苦労したことはありますか?ちょうど当時はロースクール制度が始まったばかりで、制度移行の過渡期でした。私は、学習院大学のロースクールに通ったのですが、その後、司法試験の合格までには4年ほどかかりましたね。最初、法律は全くわからない状態だったので、正直なところ、本当にしんどい思いをしました。しかし、そのときの経験から、一般の人には法律用語はさっぱりわからないということが身にしみてわかっているので、専門用語を使わずにクライアントに説明するという今の基本姿勢は、あの時の経験がいきているかなと思います。 ■会社経営の経験から身についたスピード感を弁護士業でも活かす___仕事における信条、ポリシーについて教えてください。よくクライアントに言われるのは「対応が早いですね」ということです。弁護士は、スピード感がない方も多いですからね。私は会社経営をしていたので、スピード感は非常に大事だなと、実感しています。IT企業のクライアントは特にスピードが重視されるので、法律相談だったら24時間以内に回答する、契約書のチェックだったら基本的には1日~2日くらいで回答するといったことは、心がけていますね。今も法律事務所とは別に、会社も経営していますし、ITベンチャー企業の経営者だった経験があるので、単なる法律論で終わらせないようにしています。法律ではダメなのですよというのは、とても簡単なのですが、経営者は、それは求めていないだろうなと考えています。ダメということではなくて、それでは、どうしたらいいかという解決法や、代替案も必ず模索し提案するところまで、サポートするように心がけています。 ___大学で経済学を学んでいたそうですが、今でも役立っていることはありますか?私は、あまり大学に行っていないので(笑)そこは、なんとも言えません。ただ、学生ベンチャーをやっていたという経験によって、経営者の気持ちもすごくよくわかるというのはありますね。綺麗事だけでは、ビジネスは立たないということも、肌で感じています。経営者にアドバイスするときは、自分が経営者だったら、どういうアドバイスを受けたいかなという視点でいつも回答していますね。経営者は「法律はこうなっています」といった通り一辺倒の回答は絶対聞きたくないと思います。また、レスポンスが遅いといったことも、絶対嫌なので、経営者の立場になって対応するように常に考えていますね。 *取材協力弁護士:中野秀俊(なかの ひでとし)弁護士1984年生まれ。埼玉県出身。城北埼玉高校卒業。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。学習院大学法科大学院修了。大学在学中の2002年に、友人と共にベンチャー企業を設立。その事業の失敗を契機に、弁護士を目指す。グローウィル国際法律事務所代表弁護士。みらいチャレンジ株式会社代表取締。SAMURAIINNOVATIONPTE.Ltd(シンガポール法人) CEO。東京弁護士会インターネット法部会会員。著書に「ここをチェック!ここをチェック! ネットビジネスで必ずモメる法律問題」「有利な契約・利用規約を結ぶためのビジネス契約書 つくり方とチェックポイント」(いずれも、日本実業出版社)などがある。「グローウィル国際法律事務所」一門一答Q&A___事務所の理念を教えてください。法人のクライアントに関しては、企業の「攻め」と「守り」を支援しますということを理念としています。「攻め」の部分は、「みらいチャレンジ株式会社」のほうで、資金調達や人災採用とか、M&Aの仲介などを行っています。「守り」の部分は当事務所で、法律の部分を支援しています。事務所名に「国際」という名称を入れているのは、国際的な案件にしても対応できるということを伝えたいからです。私は、シンガポールでも会社を持っているのですが、IT企業だけではなく、日本企業は、近年、東南アジアなどに進出しているケースが多いです。そうすると、契約書のレビューで英文契約書も見るといった対応も必要になってくる。知財の問題なども、海外の法律に関して精通しておく必要があります。海外の弁護士とのネットワークもあるので、例えばタイで新しいサービスを展開したいという案件に対しては、タイの弁護士と一緒に法律の調査をして、マーケットの調査もするといった対応もしていますね。___一番依頼が多い分野は何ですか?IT企業のシステム開発の法律関係、著作権などの知的財産権関係、労務問題が多いですね。もちろん。他にも債権回収や、契約書のチェック対応などもあります。___一番依頼が多い相談内容は何ですか?2つあって、一つは例えば契約書など、ビジネスモデルの法的なチェックをしてくださいという予防面の相談です。もう一つは、紛争になりかけている事案に関する相談です。ビジネスチェックのときに、行政の相談窓口に一緒にいきましょうというケースもありますね。___初回の相談料はいくらですか?基本、法律相談は、1時間1万円をいただいています。相談料は法人も個人も一緒です。具体的に訴訟をしてくださいとか。交渉してくださいということになれば、ちゃんと事前に見積もりをして、よければ契約といった流れですね。値段も顧問契約だったら、例えば5万円だったら、ここまでやりますという感じでホームページに明確に出していますので、あとから追加料金ということはないです。個人の案件も、旧弁護士会の基準が基本に算定しており、費用説明書を作り、なぜこの金額になるのかを分かりやすく説明しています。もちろん、追加料金はありません。___着手金と報酬金の目安は?訴訟になった場合は、いくら請求しているのか、または請求されているのかによって異なります。だいたいですけど、着手金が、請求する・された金額の5〜10%ぐらいのイメージです。もちろん、これは金額によります。報酬金は、訴える側だったら実際に回収した額の10〜15%くらいの、訴えられた側は、減額した額の10~15%くらいのイメージですね。 *取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)【画像】*編集部
2016年12月05日photo by 編集部奨学金を貰いながら高校・大学を卒業した苦労人である北弁護士。ちょうど転換期を迎えつつあるという弁護士業界が、相談者のためにどのようなサービス提供を目指していくべきかについて、北弁護士独自の見解を伺いました。北 周士(きた かねひと)弁護士東京都千代田区、最高裁に隣接する平河町にオフィスを構える。離婚・相続といった問題はもちろんのこと、ベンチャー企業の若手経営者の支援や士業の開設・運営支援などに注力していることで注目されている。北周士弁護士は、奨学金を貰いながら高校・大学を卒業した苦労人なだけに、困難な状況にいる人を支援したいという熱意に溢れている弁護士である。 ■弁護士業界には人材難の波が押し寄せている!?___事務所として注力している取り組みについて教えてください。1番目はベンチャーないし中小企業の支援で、2番目は離婚問題や相続問題といった感じですね。パートナーの長谷見峻一弁護士は、相続や信託に注力しています。私個人としては、士業の開業と経営の支援に力を入れています。いままで士業のサポートは、弁護士がメインだったのですが、今後は会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士など他の士業の方々も、開業とか経営の支援をしていければなと思っていますね。士業は、他人を助ける仕事ですが、他人を助けるためには、自分が経済的・精神的に余裕がないといけないと思います。ですので、私が開業して経験した事柄を、うまく伝えていければ良いなと思っています。 ___今後、弁護士業界はどうなっていくでしょうか?今後、弁護士業界は、人材難が起こると予想しています。そう考える理由は、弁護士になりたがる人がすごく減ってしまったことと、一時的に増やした層が、弁護士登録から5年以上立ち、採用側に回り始めているので、需要と供給のバランスが崩れると考えられるからです。あとは、弁護士一人の事務所の比率は減っていくということも予想しています。現在、東京には、全弁護士の約3万7,000人のうち、約1万7,350人がいます。さらにその1万2,000人が、千代田区、新宿区と、港区、中央区にいるのです。統計局による売上統計を見ると、儲かっている事務所と、そうでない事務所の二極化が起きていますね。そうした中では、経営的な視点をもって、事務所を運営していく必要性が出てくるのではないかと思います。一人事務所は経費的な負担が相対的に重いことや対応できる業種が限られることから、相対的な比率としては減少していくのではないかと思います。 ■法律トラブルも医療と同じく早期発見、早期治療が大切___今、弁護士に相談しようか迷っている方にメッセージをお願いします。弁護士に相談にいくというのは最後、というイメージはいまだに存在します。法律トラブルは、医療と同じで早期発見、早期治療が本当に大切です。早い段階であれば、打てる手はいっぱいあるのですけれども、時間がたってしまうと手の打ちようがなくなります。法律問題は、自分でなんとかしようとして失敗し、問題が重篤化してから助けを求めてくるケースが少なくないのです。最初に問題が起こった時点で、相談に来てくれれば、本人も弁護士も負担が軽く、費用も安く押さえられる可能性が極めて高くなります。例えば会社をたたむのにも、費用がかかります。弁護士の法律相談は、なんとなく料金が高いというイメージで敬遠しているのであれば、今は初回無料相談の事務所も多いので、気軽に助けを求めに来てほしいですね。どの弁護士が良いかといったことを考えなくても、大都市圏の法律事務所の場合、自分の専門外だと思ったら、その分野のエキスパートを紹介してくれることが多いです。弁護士が担当する事案でなくても、怒る人はいませんので、どの士業に相談すればいいかわからないときも同様です。「Yahoo!知恵袋」などの掲示板で、法律相談をする人がいますが、ベストアンサーは、質問者に気持ちの良い回答をした人ですという意味でしかなく、それ以上の正確性は担保されていません。ですので、ネットだけに頼らずに、私でなくても良いので早めに弁護士に、相談することをおすすめします。 *北弁護士のインタビュー記事母子家庭で育った弁護士が語る「離婚問題で相談者のストレスを軽減させる」ことの重要性ベンチャー支援を続ける弁護士が「労務・法務のリスクマネジメント」を重視する理由とは *取材協力弁護士:北 周士(きた かねひと)弁護士(1981年生まれ、静岡県出身。本籍地は佐渡。長野県立上田高等学校卒業。中央大学法学部法律学科卒業。大学在学中の2005年に、司法試験に合格。青山総合法律事務所、安藤武久法律事務所を経て、きた法律事務所を開設。事務所名を北・長谷見法律事務所に変更し現在に至る。企業・個人を問わず困難な状況にいるクライアントの利益を最大化することを目標にしたサポートを行なっている。ベンチャー企業支援や、士業の開設支援などを得意分野にするほか、母子家庭で育った自身の経験をもとに、離婚問題や相続問題などに関する親切なアドバイスが評判の弁護士である。著書に『弁護士-独立のすすめ』(第一法規株式会社)、共著本に『弁護士 独立・経営の不安解消Q&A』(第一法規株式会社)などがある。)*取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)【画像】*編集部
2016年12月04日子育てと切っても切れないのが「ママ友」の存在。できれば円滑な関係を築きたいものですが、お願いごとを断るべきときの線引きは難しいものです。■トラブル回避のために、証拠をきちんと残すたとえ信頼している人であっても、金銭を貸し付ける際には、貸し付けたことを証拠に残しておかなければなりません。あとで「返して」と言っても、もらったものだと言われ、争いになってしまうことは案外多いもの。簡単にお金を貸す人はなかなかいないとは思いますが、どうしてもとお願いされてお金を貸すことになったときに、注意すべきことはたくさんあります。貸し借りの証拠として有効なものに、まず借用書や契約書があげられます。どちらでも構いませんが、金銭を、いつ、いくら貸したのか、その金銭をいつ、どのように(分割か一括かなど)返すのか、ということを必ず明記することがポイント。借りている人の署名押印、その書面の作成日付を入れて、借用書であれば貸した側が、契約書であれば同じものを2通作成して、1通ずつ貸した側と借りた側が保管しましょう。なお、たとえ個人間の貸し借りでも、利息をつけることができます。ただし、利息制限法をこえる利率を約定してもそれは無効となりますので注意が必要です(元本が10万円未満の場合は年20%、元本が10万円以上100万円未満の場合は年18%、元本が100万円以上の場合は年15%までが法律上の制限です)。■「ちょっと立て替えておいて!」のトラブル回避術お買いものやランチで「銀行に行くのを忘れてしまったから、立て替えておいてくれない?」と言われ、数千円分立て替えた経験のある人は多いのではないでしょうか。こうした低額の貸し付けの際に、借りた側が「付き合いでもらったもの」と解釈してしまったりすると、後々もめてしまう可能性も。こうしたときも、トラブル回避のためには証拠を残しておくのが一番です。しかし、緊急時にその場で借用書を作っている暇はありませんし、スマートフォンのボイスメモ機能を借用書代わりに利用する手もありますが、ママ友間でそのようなやり取りをするのは、付き合いの関係上現実的ではありません。そこでおすすめするのが、メ―ルやメッセンジャーのやりとりを残すことです。帰宅後に「今日貸した○○円、○日までに返してね」「ありがとう、わかった」というやり取りを、あくまで「忘れないように」というニュアンスで送り、保存しておくとよいでしょう。スクリーンショットなどでも有効な証拠となります。■「あの人、お金を返してくれないの」と愚痴ったら名誉棄損?たとえ数人であっても、「あの人、お金を返してくれないの」と友人などに話してしまうことは、その場で直接聞いていない人にも伝言ゲームのように知れ渡っていくことになりますので、名誉棄損が成立する可能性があります。とくにママ友間のネットワークが密な場合は、瞬く間にうわさが広まってしまうことも。また、「返さないと家族に危害を加える」などといって返済を迫ることは、恐喝罪が成立する可能性がありますので、絶対にやめてください。お金を貸したのに返してくれないのであれば、直接本人と話し合いの場をもち、それでも解決できない場合は専門家に頼ることが大事です。■まずは証拠を残し、トラブルは専門家に相談たとえ低額のお金を貸し借りするときでも、後々、もめることは多々あります。とくに親しい間柄にあれば、借りた側は「それぐらいいいじゃないの」と思って、借りた認識がないということもあります。ママ友間で多額の金銭を貸し付けることはあまりないかもしれませんが、低額であったとしても、後でもめないように、貸したことの証拠は残しておきましょう。そして、万が一トラブルになった際は抱え込まず、まずは専門家に相談しましょう。 監修協力:弁護士法人アディーレ法律事務所 (東京弁護士会所属)
2016年12月03日photo by 編集部奨学金を貰いながら高校・大学を卒業した苦労人である北弁護士に、弁護士を目指したきっかけや、それが現在の活動にどう影響しているのかを伺いました。北 周士(きた かねひと)弁護士東京都千代田区、最高裁に隣接する平河町にオフィスを構える。離婚・相続といった問題はもちろんのこと、ベンチャー企業の若手経営者の支援や士業の開設・運営支援などに注力していることで注目されている。北周士弁護士は、奨学金を貰いながら高校・大学を卒業した苦労人なだけに、困難な状況にいる人を支援したいという熱意に溢れている弁護士である。 ■母子家庭で育つ中、相続トラブルで出会った弁護士が自身の道標に___なぜ弁護士になったのか教えてください。小学校6年生か、中学1年生くらいのときだったと記憶しているのですが、私の家が裁判の当事者になりました。それが、私が最初に弁護士という職業に興味を持ったきっかけです。裁判の原因は、相続問題でした。私が4歳のときに、父が43歳で他界しまして母子家庭になり、母は私と一歳年下の弟を連れて実家の長野へ帰りました。その後、私が5歳の頃に父方の祖母が、6歳のときに母方の祖母が亡くなり、かなりバタバタした状態が続きました。父方の祖母には多少遺産があり、相続人は、父の兄と姉(つまり私と弟にとっての伯父と伯母)と、私たち兄弟でした。ですが父は先に亡くなり、母も仕事や家事に追われ、相続などを考える余裕はなかったので、遺産の管理は伯父にお任せし、預かってもらう形にしていたのです。しかし、当時バブル期だったので、伯父が預かっているお金を投資に使ってしまい、私たち兄弟の相続分を払えないということになりました。そこで、遺産相続分を、私たちの進学費用にと考えていた母は、裁判で争う決意をしたのです。これは母から聞いた話になってしまうのですが、最初にお願いした弁護士の方は、正直あまりよろしくなかったようです。その後、弁護士が変わったのですが、その方がとても優秀で、非常に話をよく聞いてくれた上で、何故それができるのか、できないのかということをしっかり説明してくださる方だったそうです。弁護士が変わってからは、母のストレスが軽減されたということが、子供ながらにも見て取れました。その時、裁判で争うという状況下で、ストレスを軽減できるのは、家族以外に弁護士という職業があるということを知ったのです。 具体的に弁護士になりたいと進路を決定したのは、高校2年生の文系コース・理系コース選択のときでした。私は文系科目があまり得意ではなく、圧倒的に理系科目が得意だったのですが、進路相談で「何か興味がある職業はないのかと」と聞かれたときに「弁護士です」と答え、文系コースを選択し法学部を目指すことになったのです。 ■離婚がゴールではなく、相談の核心にある問題の解決を目指す___このご経歴が、弁護士活動をするようになって、活かされていると感じることはありますか?やはり離婚の案件を担当する時ですね。私は母子家庭になることに対するネガティブなイメージはありません。両親の仲が悪く家のなかがギスギスしているよりは、片親でも安定している家のほうが、子供の養育には向いているのではないかと考えています。離婚は、不幸な現状から抜け出して、幸せになるためにするものです。何がなんでも離婚しろというわけではありませんが、離婚したいという人の意志は尊重します。ただ、離婚したいという人でも、例えば相談の核心部分が、相手方に借金があるといったケースであれば、相談者にとって離婚がゴールではなく、債務整理をしてしまえばいい訳なので、別の選択肢を促す場合もあります。目的はクライアントの利益を最大化することですから。日本での統計的な資料はないのですが、アメリカの論文で、仮に片親に対して、否定的な感情を持っている子供であっても、面会させ続けるほうが、成長に資するのだという報告があります。なので、私は、面会交流についてはかなり柔軟に認めるべきだと考えています。DVがある場合は問題外ですが、これに関しては、クライアントの利益というより、お子さんの利益を考えていますね。 *取材協力弁護士:北 周士(きた かねひと)弁護士1981年生まれ、静岡県出身。本籍地は佐渡。長野県立上田高等学校卒業。中央大学法学部法律学科卒業。大学在学中の2005年に、司法試験に合格。青山総合法律事務所、安藤武久法律事務所を経て、きた法律事務所を開設。事務所名を北・長谷見法律事務所に変更し現在に至る。企業・個人を問わず困難な状況にいるクライアントの利益を最大化することを目標にしたサポートを行なっている。ベンチャー企業支援や、士業の開設支援などを得意分野にするほか、母子家庭で育った自身の経験をもとに、離婚問題や相続問題などに関する親切なアドバイスが評判の弁護士である。著書に『弁護士-独立のすすめ』(第一法規株式会社)、共著本に『弁護士 独立・経営の不安解消Q&A』(第一法規株式会社)などがある。■「北・長谷見法律事務所」一門一答Q&A___事務所の理念を教えてください。一つはクライアント利益の最大化です。もう一つは、職人芸としての弁護士と組織体を両立させたいということです。こちらは目標であり、実現はまだできていません。弁護士は、職人的な仕事なので、非常に個人に依拠してしまう側面があります。ただ、その弁護士がいなくなると、仕事が滞るのでは困ります。ですので、番頭一人にアソシエイトを三人くらいといったユニットを作ることで、個人ではなく事務所に信頼性を持って依頼するという形を作っていけたらなと思います。___一番依頼が多い分野は何ですか?ベンチャー系の法務と労務という形になりますね。相談内容は、契約書チェック、新規ビジネスの適法性、従業員トラブルなどです。___初回の相談料はいくらですか?ご紹介案件については、初回相談は無料にしています。そのほかの初回相談は、30分5400円、1時間1万800円です。顧問料に関しては、将来的に変える可能性もありますが、現在は5万~という感じです。顧問での相談に時間制限はもうけていません。契約書のチェックは全部こちらでやりますし、福利厚生のような形で、従業員の個人的な相談についても顧問料の中で対応することもありますので、顧問料を使い倒すくらいの気持ちで利用していただければと思います。___着手金と報酬金の目安は?離婚のみのケースですと、着手金が40万~60万、報酬金も40万~60万なので、トータルで80万~120万程度になります。財産分与が多くあるような場合はその金額に応じて費用が発生します。企業の場合は、顧問を締結していただければ、顧問料の範囲内で日常使いのところは対応します。*取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)【画像】*編集部
2016年11月30日photo by 編集部「しいの木法律事務所」の八坂弁護士に、弁護士を目指したきっかけや、長年の弁護活動の中でも印象深かったという派遣社員の「雇い止め」裁判のエピソードを中心に、お話を伺いました。八坂 玄功(やさか もとのり)弁護士東京都中野区、西武新宿線「野方」駅にある「しいの木法律事務所」は、地元に密着した法律事務所で、現在、経験豊富な3名の弁護士が在籍している。所長の八坂玄功弁護士は、いわいる“マチベン”として地域住民のために弁護活動を行う傍ら、行政事件のエキスパートとして数多くの難事件を解決。自身の利益よりも、依頼者の利益を優先する人情派の弁護士である。 ■実家がお寺!? 保護司でもある父に受けた影響とは___弁護士を目指したきっかけについて教えてください。私の父親は禅宗の住職で、実家は大分県でお寺をやっていました。お寺には、檀家さんをはじめ、色々な人がきて、父に困ったことを相談しにやって来ていました。また、父は保護司という社会奉仕活動にも熱心でした。保護司とは少年院や刑務所に収容されていた人が、釈放後スムーズに社会復帰できるように、一時的に住居を提供や、生活上の助言や就労のサポートを行う人のことです。なので、私の家には常に「このお兄さん誰?」「このおじさん誰?」といった感じで、知らない人がよく寝泊まりしていたのです。当時は、そんなお寺での生活が嫌で仕方がなく、私は東京の大学に入り、弁護士を目指しました。なぜ、弁護士を目指したかというと、実のところ、学生時分に他にすることはなかったからなのですが、今思えば弁護士を目指そうと思うきっかけの根底には、困っていた人を助けていた父の影響があるのだと思います。 ___仕事における信条、ポリシーについて教えてください。弁護士法に書いてあるようなことになりますが「依頼者の正当な権利を実現するために全力を尽くします」というのが、私の信条です。 ■「死にたい…」と嘆く派遣社員の「雇い止め」裁判を和解に導く___弁護士になってから印象深いエピソードについて教えてください。弁護士活動をしていて嬉しいのは、依頼者も一生懸命頑張るし、弁護士も一生懸命頑張って、依頼者の利益になる成果が獲得できたときですね。ただ、正直なところ、苦しいと感じることのほうが多いですね。私は過去に、依頼者が弁護活動中に自ら命を絶たれるという、とてもつらい経験をしたことがあります。そのとき、命がけの思いで弁護士に助けを求めて来ている依頼者もいるのだということを、身にしみて感じました。もちろん、悲しい出来事ばかりではなく、依頼者が苦しんでいる事件が、良い方向に向かうということも沢山あります。以前、「雇い止め(※)」によって解雇されてしまった派遣社員の方を弁護したことがあります。その方は、あまりにも追い詰められて「私、死にたいです」といったことも口にしており、一体どうなることかと非常に心配していたケースでした。この事件は、派遣労働者が、派遣先のパワハラについて派遣元に改善を訴えたら、派遣契約を解除されてしまったという、とても難しい類型の事件でした。しかし、なんとか和解で解決することができて、依頼者本人も満足してもらえました。それはとても嬉しかったですね。こうした派遣社員の雇い止め問題は、大抵の場合、裁判を起こしても勝てないので、多くの方が泣き寝入りしていると思います。派遣先との直接の労働契約が成立することは、ほぼあり得ないという、あまり良くない最高裁の判決が確定してしまっているので、こうした問題で裁判の成果を得るのは難しいのです。ですからなおのこと、解決したときは心の底から良かったなと思いましたね。※雇い止め…雇用期間が定められた有期雇用契約において、雇用期間を更新せずに契約を終了させること。 ■弁護士には医師のような応召義務はないが…___読者の方にメッセージをお願いします。法律事務所にも、ビジネスとして儲けていかなければいけない側面があるのも事実です。医師には、応召義務(診療を求められたとき拒んではならないとする義務)があるのですが、弁護士の場合には受任義務がないので、儲からない事件は引き受けなくても良いのです。ですから、行政事件や労働事件といった利益があまり得られないケースが多い事案を、避ける傾向にある事務所も実際には存在します。もちろん、利益が少ないから受任しないと口に出せば問題がありますが、黙って受任しない分には問題ありません。しかし、それは職業倫理的には、良くないことだと思っています。当事務所は、もともと儲かっていないので、利益が良いか悪いかなんて考えていません(笑)。西武新宿線の野方駅という各駅停車しか止まらないような地域にあるので、それでもやっていけます。気軽に法律事務所に相談にいくというのは、なかなか難しいことだと感じる人も多いと思いますが、私たち「しいの木法律事務所」は、相談しやすい法律事務所だと自負していますので、他の事務所で、あまり話をきいてもらえなかったといった嫌な経験を持っている人の事件についても、きちんとお話を伺います。ですので、どうぞ安心して相談においでくださいということを伝えたいですね。 *取材協力弁護士:八坂 玄功(やさか もとのり)弁護士1968年生まれ、大分県出身。岡山県立岡山芳泉高校卒業。東京大学理科2類入学。東京大学教育学部中退。東京弁護士会所属、司法修習第52期終了、2000年4月弁護士登録。2000年4月~2005年7月、代々木総合法律事務所に勤務し、2005年8月に「しいの木法律事務所」を開設して現在に至る。宅地建物取引主任者資格も保有。民事・刑事・家事・税務・経営・労働・相続問題など、どのような問題でも対応する弁護士として活動している。■「しいの木法律事務所」一門一答【Q&A】___事務所の理念を教えてください。「依頼者の正当な権利の実現のために、全力を尽くします。」ということですね。それと、地域に密着した法律事務所として、地域の方のどんな相談にでも対応できるように心がけています。___一番依頼が多い分野は何ですか?相続関係です。次には、行政事件、成年後見問題、事業者の顧問契約といった感じですね。___初回の相談料はいくらですか?初回の相談料は30分まで無料にしています。それを超える場合は30分単位で5,400円いただいています。___着手金と報酬金の目安は?相続問題の場合、仮に法定相続分が900万円あると予想される人から依頼をうける場合には、その相続分の3分の1の300万円を基準として計算します。着手金が300万円×24%で、それに消費税の8%がかかり、25万9200円になります。報酬金がその倍で、51万8,400円です。最終的に900万円の法定相続分が確保できた場合は、着手金+報酬金になりますのでトータルで77万7,600円が必要になります。以前は、弁護士費用の基準があったのですが、公正取引委員会から意見で、その基準がなくなりました。もともとの弁護士会の基準は、当事務所のように、依頼者の法定相続分の3分の1を基準として計算するという文言が入っていたのですが、現在は、法定相続分の900万円を基準として計算する法律事務所もあります。着手金は安くなっていても、トータルで計算すると、高い弁護士報酬を払っているという場合もあるので、弁護士費用を気にされている方は参考にしてみてください。行政事件の場合は、着手金、報奨金については一概には言えないですね。その事件が難しいかどうかに応じて、例えば10万8,000円で受けることもありますし、54万円着手金もらうこともあります。 *取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)【画像】*編集部
2016年11月29日俳優・高畑裕太(23)が強姦致傷容疑で逮捕されたが、被害女性との間で示談が成立し不起訴処分で釈放となった。なぜ起訴が行われなかったのか、考えられるポイントについて、アディーレ法律事務所所属弁護士の鈴木淳也氏に話を聞いた。○強姦致傷は非親告罪だが、怪我が軽微だった――今回、不起訴処分となりましたが、示談が成立しても、起訴されるという可能性は考えられましたか?強姦罪等の親告罪であれば、示談が成立して被害者が告訴を取り消すと起訴はできません。そして一度告訴を取り消すと、再度告訴できなくなります。一方、強姦致傷罪などの非親告罪であれば、示談が成立しても起訴される可能性は残ります。今回の件は、強姦致傷の嫌疑で捜査されていましたが、怪我が軽微で、示談が成立し被害者が処罰を求めなかったために、起訴猶予として不起訴処分(刑事訴訟法248条)とした可能性が高いです。もちろん証拠が不十分で、嫌疑不十分としての不起訴であった可能性もあります。――不起訴処分をされると、「容疑者」と呼ばれることはなくなりますか?警察や検察などの捜査機関から犯罪の疑いをかけられ、捜査の対象となっていながら、いまだ起訴されていない者を「被疑者」と呼び、通常マスコミは、被疑者のことを「容疑者」と呼んでいます。不起訴処分となった後も、同一事件について起訴することは禁じられていません。不起訴処分後に告訴が得られること、また新証拠が出てきた場合に、検察が捜査を再開して起訴することはあり得ます。しかし、そのような状況にならない限り、不起訴処分後も捜査が継続することはなく、通常は不起訴処分をもって被疑者ではなくなります。取材対象者プロフィール:鈴木淳也弁護士弁護士法人アディーレ法律事務所所属。札幌弁護士会所属。気象予報士の資格を持つ理系弁護士として、困っている人に寄り添う弁護活動を行う傍ら、お天気情報をブログで発信している。また「ハンゲキ!」(フジテレビ)では詐欺師を追い詰めるクールな弁護士として出演。さらに「5時に夢中」(TOKYO MX)にレギュラー出演するなど幅広いメディアで活躍中。
2016年09月15日『老活弁護士(R)が教えます! わかりやすい遺言書の書き方』(大竹夏夫著、週刊住宅新聞社)の著者は、自称「老活弁護士」。「老活」とは、「老後に備える準備活動」のこと。数年前に流行語となった「終活」とも似ていますが、終活は死んだ後のことが中心。対して老活は、自分が死ぬ前のことに焦点を当てているわけです。死んだ後よりも老後のほうが大変だからこそ老活は欠かせず、なかでもとても重要なのが「遺言書の作成」だというのです。そんな考え方は、著者が弁護士として多くの相続トラブルや訴訟に関わってきたからこそ到達したもの。つまり遺言書がないと、相続争いが起きやすくなってしまうのです。遺言書で「誰がなにを相続するのか」が示されていなかった場合、亡くなった方の財産(遺産)は、法律であらかじめ定められている相続人に対し、法律で定められている割合で引き継がれるそうです。この、法律で定められている相続人が「法定相続人」で、法律で定められている割合は「法定相続分」。■1:妻・夫と子どもがいる場合亡くなった人の妻または夫(配偶者)と子どもがいる場合、妻・夫と子どもがいる場合は、妻・夫と子どもの全員が相続人。この場合の相続分は、妻・夫が2分の1、子どもが2分の1。ちなみに子どもが2人いる場合は、子どもの相続分2分の1を2人で均等に分けるのだとか。つまり、子どもは4分の1ずつになるということ。同じように子どもが3人いる場合は6分の1ずつ(2分の1を3等分)、4人いる場合は8分の1ずつ(2分の1を4等分)になるわけです。逆にいえば、子どもが何人いても妻・夫の相続分は2分の1なのだそうです。■2:子どもが親より先に亡くなっている場合相続人になれるのは生きている人だけで、亡くなった親よりも先に亡くなっている子どもは相続人にはなれません。ただし、その子どもの子ども(亡くなった親から見ると孫)がいたら、相続人になるのはその孫。これは「代襲相続」と呼ばれています。その孫の相続分の割合は、亡くなっている子ども(孫から見れば親)の相続分をそのまま引き継ぐのだそうです。孫が2人以上いる場合は、その相続分を均等に分けるわけです。同じく、その孫が先に亡くなっている場合で、その孫に子ども(亡くなった方のひ孫)がいたら、そのひ孫が相続人になり、孫の相続分をそのまま引き継ぐことに。■3:妻・夫と親がいる場合亡くなった方に、妻または夫がいるけれど子どもがいない場合、亡くなった方の親が生きていれば、相続人になるのはその親。この場合の相続分は、妻・夫が3分の2、親が3分の1。子どもがいるときよりも、妻・夫の割合が増えるわけです。父と母の2人とも生きていれば、子どものときと同じように、親の3分の1を2人で分けることになります。■4:妻・夫と兄弟姉妹の場合亡くなった方に、妻または夫がいるけれど、子どもがいなくて両親も他界している場合、相続人になるのは妻や夫。しかしこの場合は、亡くなった方の兄弟姉妹も相続人になるのだそうです。この場合の相続分は、妻・夫が4分の3、兄弟姉妹が4分の1。兄弟姉妹が2人以上いるときは、この4分の1を均等に分けるわけです。例えば兄と妹がいる場合は2人ですから、8分の1ずつになるということ。ほとんどの財産が夫名義になっていたご夫婦の夫が亡くなったとき、そのことを知らなかった妻が路頭に迷ってしまうというケースも少なくないのだとか。■5:甥・姪の場合亡くなった方が高齢のケースでは、兄弟姉妹が先に亡くなっていることも少なくないといいます。兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、相続人になるのはその子ども。亡くなった方から見れば、甥・姪だということで、これも「代襲相続」。先に亡くなった兄弟姉妹に子どもがいなければ、その兄弟姉妹はいなかったものと考え、残りの兄弟姉妹で4分の1を分けるそうです。■6:子どもだけの場合妻・夫に先立たれていて、子どもがいる場合、相続人になるのはその子どものみ。子どもが1人のときは、その子どもがすべてを相続。子どもが2人以上いる場合は、均等に分けることに。子どもが2人の場合は2分の1ずつ、子どもが3人いる場合は3分の1ずつ、4人いる場合は4分の1ずつになります。■7:親だけの場合亡くなった人に妻・夫がいない場合(もともと結婚していない、結婚したことはあるが離婚していた、妻・夫が先に亡くなっている場合)で、子どもも孫もいないとき、相続人になるのはその人の両親だけ。両親とも健在であれば、父と母が2分の1ずつ相続。どちらかが先に亡くなっている場合、相続人は1人だけになり、すべてを相続するそうです。■8:兄弟姉妹だけの場合亡くなった人に妻・夫も、子どもも孫もいなくて、両親も先に亡くなっている場合、相続人は兄弟姉妹だけ。兄弟姉妹が1人なら、その人がすべてを相続。2人以上いるときは、均等に分けるわけです。■9:相続人がいない場合亡くなった人に妻・夫も、子どもも孫もひ孫も、両親も兄弟姉妹も甥・姪もいない場合、相続人はいないことになります。この場合、亡くなった人の遺産は国庫(政府)に取られてしまうそうです。遺産のすべてが財務省に引き継がれるわけですが、政府はそもそも、相続人のいない相続財産の存在を知りません。そこで、このような場合は相続人にならない親族(叔父・叔母・いとこ)などが家庭裁判所に申請し、相続財産管理人を選んでもらうのだそうです。その管理人が名義変更等の手続きや、未払いの料金等の支払いをし、残ったら国に納めるわけです。*法律が絡む書籍には、難解にならざるを得ない部分があります。が、本書はかなりできる限り読みやすくしてあるので、抵抗なく読み進めることができるはず。将来のために、ぜひ目を通しておくべきだと思います。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※大竹夏夫(2016)『老活弁護士(R)が教えます! わかりやすい遺言書の書き方』週刊住宅新聞社
2016年09月07日依頼人から着手金を不当に受け取ったとして東京弁護士会から業務停止1カ月の懲戒処分を受けた大渕愛子弁護士が2日、自身のブログを1カ月ぶりに更新し、当面の間テレビ出演を控えると伝えた。「ご挨拶」というタイトルで更新した大渕弁護士は、「業務停止期間が明けまして、1ヶ月ぶりの更新です」と書き出し、「1ヶ月前のブログに、たくさんのコメントを頂き、大変励みになりました。ありがとうございました」と励まし声に感謝した。そして、「この1ヶ月間は、これからの自分の在り方を考えるための意味のある時間でした」と振り返った上で、「TVのお仕事に戻らせて頂くか否かについてもよく考えた結果、出産を控えていることもありますし、まずは弁護士業務の見直し、再構築を行うべきだと思いましたので、当面見合わせさせて頂くことといたしました」と報告した。さらに、「多くの方にご迷惑をお掛けすることになり、申し訳ない気持ちでおりますが、皆様からご信頼頂ける弁護士へと成長するためにそのような時間が必要であるという考えに至りました」と決断に至った理由を説明。ブログについては、「これまで日課として続けてまいりましたので、これからも、できる範囲で続けて行こうと思っております」と継続する意向を示した。
2016年09月02日依頼人から着手金を不当に受け取ったとして東京弁護士会から業務停止1カ月の懲戒処分を受け、タレント活動を休止している大渕愛子弁護士が、21日放送のレギュラー番組『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系 毎週日曜21:00~21:54)を欠席した。冒頭の"弁護士軍団"紹介の場面で、フットボールアワーの後藤輝基が「史上最強の弁護士軍団」と紹介。北村晴男弁護士と菊地幸夫弁護士の間が空席で、大渕弁護士の欠席がハッキリわかる状態だった。お笑い芸人の東野幸治は思わず、「ちょちょちょ、ちょっと待ってください」と流れを中断。「今、弁護士軍団映ったんですけど、もうちょっとごまかそうっていう気持ちないの?」とツッコんだ。後藤は、アンジャッシュの渡部建に佐々木希との熱愛報道をイジるときと同じように、「渡部さん、何かあったんですか?」と渡部に質問。すると、渡部も「これは本当にネット見ろ!」とイジられたときのお決まりのフレーズで返し、笑いを誘った。
2016年08月21日俳優の金山一彦が5日、自身のブログを更新。依頼人から着手金を不当に受け取ったとして東京弁護士会から業務停止1カ月の懲戒処分を受けた妻・大渕愛子弁護士への励ましコメントに感謝した。金山は「一つ前のブログに、沢山の励ましのコメント有難うございました」と感謝し、「一つ一つ妻も、しっかり読ませて頂きました」と報告。「愛子さんは、一か月の業務停止の為ブログも控えるとの事です」と大渕弁護士がブログを自粛していることを明かした。大渕弁護士は現在第2子を妊娠中。金山は「皆さんから、愛子さんの体調などを心配するコメントを沢山頂いております。愛子さんの体調は、大丈夫です。お腹の赤ちゃんも、元気に育っております」と妻と赤ちゃんの体調も伝えた。日本テレビ系『行列のできる法律相談所』などテレビ番組でも活躍している大渕弁護士。2日に緊急会見を開き、事実を認めて謝罪し、タレント活動も1カ月自粛すると伝えた。
2016年08月05日俳優の金山一彦が3日、自身のブログを更新。妻の大渕愛子弁護士が依頼人から着手金を不当に受け取ったとして東京弁護士会から業務停止1カ月の懲戒処分を受けたことについて謝罪した。金山は「この度の報道について」というタイトルで更新し、「この度は、妻の事でお騒がせ致しまして大変申し訳ありません」と謝罪。「今回処分が下された事を、夫婦共々真摯に受け止めております」とつづった。そして、「依頼者の方、関係スタッフの皆様、並びに関係出演者の皆様、そして応援して下さってる皆様に大変なご迷惑とご心配をお掛けしました事を、心よりお詫び申し上げます」と再び謝罪の言葉を述べ、「今後とも、どうぞ宜しくお願い致します」と結んだ。日本テレビ系『行列のできる法律相談所』などテレビ番組でも活躍している大渕弁護士。2日に緊急会見を開き、事実を認めて謝罪し、タレント活動も1カ月自粛すると伝えた。
2016年08月03日竹野内豊がテレビ朝日の連続ドラマで10年ぶりに主演、“ビジネスロイヤー”と呼ばれる企業法務を扱う弁護士をテーマにしたドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」も6月16日(木)今夜の放送で最終回。神宮寺法律事務所の面々の最後の活躍が描かれる。刑事事件を扱った“法廷モノ”や詐欺、離婚などといった民事事件がテーマになることが多かったこれまでのドラマや映画と違い、ビジネス上の契約や交渉の支援やコンプライアンス関連など“企業法務”専門の弁護士たちの活躍を描いてきた本作。竹野内さんが「神宮寺法律事務所」の敏腕パートナー弁護士・咲坂健人を演じ、その元妻で同じく“ビジネスロイヤー”の夏目佳恵役に松雪泰子。そのほかに賀来賢人、國村隼、杉本哲太、山崎育三郎、「アジアン」の馬場園梓、大倉孝二らが出演している。咲坂が顧問を務めるレストランチェーン・ナギダイニングの社長夫人・名木裕子(戸田菜穂)が神宮寺法律事務所を訪ねてくる。ナギダイニングを辞め新しくフラワーアレンジメントの会社を設立したことや、ナギダイニング社長で夫の名木登志夫(橋本さとし)と離婚するつもりであることを聞かされ、咲坂も佳恵も驚がくする。裕子はもともと起業したいという意志があったのだが、ナギダイニングが軌道に乗っていたため登志夫から独立を反対されていたといい、「妻である自分のことも従業員だとしか思っていない」と感じて登志夫に内緒で新会社・花凛を設立、離婚届を送りつけたのだという。咲坂たちに離婚協議の代理人になってもらい新会社の顧問弁護士も引き受けて欲しいと頼む裕子だが、咲坂たちはナギダイニングの顧問を務めている立場上それは無理だと断る。しかし佳恵は「少し考えさせてほしい」と返事を留保。実は佳恵はヴィーナス法律事務所の代表弁護士・美山亜希子(峯村リエ)から「ウチの事務所に来ない?」と誘いを受けていた。神宮寺法律事務所を辞めヴィーナスに移れば裕子の代理人としてサポートできると考えた佳恵。離婚した元夫婦の弁護士が挑む離婚協議の結末やいかに…というのが最終回のストーリー。先日揃ってクランクアップを迎えた竹野内さんと松雪さん。本作の3か月に及ぶ撮影をふり返り「撮影中、何度か心が折れそうになった場面もありましたが、そんなときにも常に自分の前には、苦しい顔を一切見せず僕たちのために準備をしてくれるスタッフさんがいました。なかなかこういうまとまりのあるいい雰囲気の現場は少ない。まさに『グッドパートナー』でした」(竹野内さん)、「温かいスタッフさんの中でとても安心してやることができました。久しぶりに楽しい作品だったのでそれもすごく新鮮で、とにかく咲坂先生と楽しくやらせていただきました」(松雪さん)とそれぞれスタッフに労をねぎらった。また「ずっと『グッドパートナー』を応援してくださって本当にありがとうございました。最終回直前ですが、本日無事、クランクアップを迎えることができました。本当に面白いものになっていますので、最終回是非ご覧ください!」と視聴者へメッセージを送った。ドラマのタイトル通りキャスト、スタッフが“グッドパートナー”として共に作り上げた無敵の弁護士たちの物語。その最後の戦いを目に焼き付けて。「グッドパートナー無敵の弁護士」最終回は6月16日(木)21:00~テレビ朝日系にて放送。(笠緒)
2016年06月16日いよいよ最終章を迎える竹野内豊主演の弁護士ドラマ「グッドパートナー無敵の弁護士」から、スタイリッシュな神宮寺法律事務所メンバーたちのスチールカットと、本日6月9日(木)放送の第8話のあらすじが届いた。企業法務を専門とする弁護士事務所で働く“ビジネスロイヤー”たちの活躍を描き、キャストには、企業法務を扱う弁護士・咲坂健人役の竹野内さんをはじめ、咲坂の元妻でありビジネスロイヤーの夏目佳恵役に松雪泰子、そのほか、山崎育三郎、國村隼、賀来賢人、馬場園梓(アジアン)らが出演している。これまでのストーリーでは、伊豆の温泉旅館「しらかぜ荘」で起きた、汲み上げ施設爆発事故に伴う賠償金の支払いを求める訴訟を、民法第717条に基づく“無過失責任”を主張し起こした咲坂たち。汲み上げ施設の所有者である土井垣設備社長・土井垣(福田転球)に対し、損害賠償請求をした。完全勝利を目論んでいたメンバーだったが、東京地裁で第一回目の口頭弁論を終えた佳恵から電話が。「負けたわ…」――。神宮寺法律事務所がまさかの一言に揺れ、第7話は終わっていた。そして気になる第8話。「負けたわ…」。苦境に立たされた咲坂たち。なんとか逆転の方法はないかと思案する弁護士たちを見て、城ノ内(馬場園さん)や茂木(岡本あずさ)らも「何か手伝えることはないか」と考え始める。一致団結した神宮寺法律事務所は、再び土井垣、そしてそのバックにいる衆議院議員の荒木田(清水紘治)に戦いを挑む…!また、この爆発事故が要因となり父を亡くした幼なじみを、熱海(賀来さん)は救うことができるのか…。さらに新たな恋の予感!?ついに猫田(杉本哲太)の婚活に終止符が打たれることになりそうな展開が訪れる…?「グッドパートナー」は毎週木曜21時~テレビ朝日系で放送。(text:cinemacafe.net)
2016年06月09日ジョニー・デップ(52)の弁護士が、アンバー・ハード(30)が金銭面での合意を得るためにジョニーが暴力を振ったと主張したと反論を展開した。暴力を受けたとして100ヤード(約91メートル)以内に近づくことを禁ずる接近禁止令をジョニーに対して獲得したアンバーだが、『エンターテイメント・トゥナイト』によれば、ジョニーの弁護士ローラ・ワッサーは法的書類の中で、「アンバーは、虐待されたと主張することで、迅速な金銭的な解決を探っています」と主張している。ジョニーの母親ベティ・スー・パーマーが亡くなったわずか3日後に、アンバーが離婚を申請し配偶者扶養料を求めていたが、推定4億ドル(約440億円)の資産を持つといわれるジョニーは裁判官に対しそれを認めることのないよう求めていた。バラエティ誌によれば、アンバーは、ジョニーからiPhoneを投げつけられ、アザができたことから離婚を決心したといい、法的書類の中で15カ月間の結婚生活の中で、「感情的、身体的、言葉の虐待を受けていた」と主張していた。とはいえ、ここにきてアンバー・ハードはそのiPhoneを投げつけるほどのけんかをして警察が駆けつけた際には、アンバーはただのけんかをしていただけで、暴力を振るわれたとも主張することなく、けがを負っている様子もなかったと、複数の関係者がTMZに伝えているともいわれている。2011年作『ラム・ダイアリー』の共演で出会い2015年2月に結婚した2人は、婚前契約を結んでいないとみられている。(C)BANG Media International
2016年06月01日「anan」2003号5/11発売は「おそ松さん」松野6兄弟が表紙の「教えて、手相!」特集。今週の表紙作成ストーリーを紹介します。構想&製作期間、約6か月。「おそ松さん」表紙実現の舞台裏を編集長が語ります。1月のとある日。「おそ松さん」のキャラクターデザイン・浅野直之さんと表紙の打ち合わせをさせていただくため、編集部3人(私、担当デスク、担当編集)で制作会社「ぴえろ」にお邪魔しました。社会的大ブームになったこのアニメ。松野家の6つ子たちにananの表紙を飾っていただく…という壮大なプランを現実にできる期待感にワクワクしつつ!私たちには夢がありました。「おそ松さん」のポップで可愛いオープニング『はなまるぴっぴはよいこだけ』『全力バタンキュー』で6つ子たちが、松野家の居間で、銭湯で、「はぁ〜」と緩んだ絵で終わるラスト。何とも言えない、可愛らしい「あの」カンジを、なんとか表紙&誌面のグラビアで表現できないか!!!と。初対面の浅野さんに、「この人、ガチにハマってる?」と思われているだろーなーと気を揉んでみたり、「大の大人が何を…」と自分で自分を突っ込んでみたり、もう“自意識ライジング”がはなはだしく。最初はおそるおそるご相談していたのですが、構想(妄想)を話し込むうちにだんだん熱くなり、自意識はおかまいなしに。汗。いかに「おそ松さん」にヤラレているか、心を打ち抜かれているか、好きか!LOVEか!を語り出し、前のめり。その、あまりの熱さ(=イタさ)に、浅野さんは後ずさり。それをヨコでみていた担当編集2人は生温かく傍観。という、なんともぶっとんだ打ち合わせに。そのイタさに同情してくださってか、共感してくださってか、「…やってみます」と浅野さん。無事にご快諾してくださいました。そして、そこからが奇跡の連続!6つ子がソファでキメ撮影→十四松アタック→撮影に疲れて寝てしまう…まで。まさに、『ニートたちの撮影風景 by anan』のラフが続々。浅野さんからのラフをいただくたび、編集部スタッフは悶絶!歓声と絶叫、狂喜乱舞!全国のファンの皆様に喜んでいただける6つ子たちのナマなコンテンツを、いかにしてお届けするか?語り合い、考えて…と、日々が過ぎていきました。かくして、「6つ子たちがananにリアルに登場したならば!?」という、とっても手前味噌で勝手なコンセプトの表紙、中面特集扉絵、グラビアインタビュー…と、豪華描き下ろしが完成!感涙。藤田陽一監督、シリーズ構成・松原秀さん、キャラクターデザイン・浅野直之さん、それにキャストの皆様。「おそ松さん」の根っこのクリエイティブの方々と、ご一緒に特集を作成させていただけるというこの贅沢さ。本当に貴重な「おそ松さん」特集です。かわいくて、面白くて、ポップで、毒があって、くだらない…6つ子たちの魅力を誌面で楽しんでいただけたら幸いです。(編集長K)
2016年05月10日