ティム・バートン監督最新作ティム・バートン監督最新作、映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』が2017年2月3日(金)に全国の劇場で公開される。原作は、ランサム・リグズによる小説『ハヤブサが守る家』(邦題)。ニューヨークタイムズ・ベストセラーにも選ばれた、ウェールズの小島を舞台に主人公の少年ジェイクの摩訶不思議な冒険を描いた作品だ。今回は脚本に『キック・アス』や『キングスマン』のジェーン・ゴールドマンを迎え、鬼才ティム・バートンが映像化に挑む。ストーリーひょんなことから、“奇妙なこどもたち”の秘密の隠れ家である「ミス・ペレグリン(はやぶさ)の家」を発見した少年ジェイク。そこに暮らしていたのは、世にも奇妙な能力を持つ子供達だった。まるで風船のように空に浮かぶ少女、サッカーをして遊ぶ透明人間、後頭部にある大きな口で食事をする少女…。戸惑いながらも子供達と触れ合うことで不思議な能力の数々を知ったジェイクは、彼らが1940年の9月3日を毎日繰り返していることとその理由を知る。そして自分たちに目に見えない危険が迫っていることに気づくジェイク。誰が現実に存在し、誰を信じられるのか。そして自分がこの世界に送り込まれた役割とは何なのか?真実が明らかになったとき、永遠に続く1日と奇妙なこどもたちに大きな変化が訪れるーー。キャスト「ミス・ペレグリンの家」の家主であるペレグリン役を務めるのは、エヴァ・グリーン。「ペレグリン=英語で“はやぶさ“の意」の名の通り、彼女もはやぶさに変身出来るという特殊能力を持っている。また、主人公のジェイク役には、マーティン・スコセッシ監督映画『ヒューゴの不思議な発明』で主演を務めたエイサ・バターフィールドが抜擢された。その他、主人公らと対立する悪役バロン役をサミュエル・L.ジャクソンが演じている。【作品情報】映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(原題:MISS PEREGRINE’S HOME FOR PECULIAR CHILDREN)公開時期:2017年2月3日(金)全国ロードショー監督:ティム・バートン脚本:ジェーン・ゴールドマンキャスト:エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L.ジャクソン、エラ・パーネル、ジュディ・デンチ、テレンス・スタンプ© 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.
2016年09月17日細田守監督による長編アニメーション映画『時をかける少女』のリバイバル上映が、名古屋センチュリーシネマおよびシネマート心斎橋にて実施される。期間はそれぞれ、2016年10月1日(土)から10月7日(金)、11月26日(土)から12月2日(金)までの1週間。今や夏に子どもと大人が一緒に楽しめるアニメーション映画の代名詞となった細田守監督作品。その歴史の始まりともいえる映画『時をかける少女』の10周年を記念して実施される今回のリバイバル上映では、監督自身が手がけたデジタルニューマスター版で、誰もが知る名作『時をかける少女』がスクリーンに蘇る。10年前に映画館へ足を運んだ人も、当時は映画館に行くことが出来なかった人も、ぜひこの機会に映画館の大スクリーンで本作を鑑賞してみてはいかがだろう。【上映情報】『時をかける少女』10周年記念上映■名古屋上映期間:2016年10月1日(土)〜10月7日(金)上映劇場:名古屋センチュリーシネマ住所:愛知県名古屋市中区栄3-29-1 名古屋PARCO東館8FTEL:05-264-8580(名古屋PARCO)※上映時間などの上映に関する詳しい情報は劇場HP、または直接劇場に要問い合わせ。■大阪上映期間:2016年11月26日(土)〜12月2日(金)上映劇場:シネマート心斎橋住所:大阪市中央区西心斎橋1-6-14 ビッグステップビル4階TEL:06-6282-0815(シネマート心斎橋)※上映時間などの上映に関する詳しい情報は劇場HP、または直接劇場に要問い合わせ。
2016年09月16日ライブ配信サービス「LINE LIVE」にて、9月12日(月)今夜、「岩井俊二監督、行定勲監督をゲストに重大発表!?」のタイトルで特別番組が生配信されることが決定した。10月25日(火)より10日間にわたって開催される「第29回東京国際映画祭」のLINE LIVE初回配信となる本番組。『世界の中心で愛をさけぶ』『ピンクとグレー』などを手掛ける行定勲監督と、『花とアリス』や今年3月公開された『リップヴァンウィンクルの花嫁』の岩井俊二監督をゲストに迎える今回は、「第29回東京国際映画祭」に関する重大発表を行うという。気になる重大発表の中には、過去に季葉、岡本あずさ、山崎紘菜などフレッシュな顔ぶれが抜擢され映画祭を盛り上げた「東京国際映画祭ナビゲーター」が発表されるほか、行定監督も参加するアジアの気鋭監督3名が、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を隔年で共同製作するプロジェクト「アジア三面鏡」の新たな情報や、東京国際映画祭の大きな2本映画特集のひとつ「JAPAN NOW」部門にて、岩井監督の作品を改めてふり返る企画「岩井俊二監督特集」の新たな情報が発表されるようだ。「東京国際映画祭SP企画 岩井監督&行定監督登場で重大発表!?」は9月12日(月)20時~LINELIVEにて配信。(cinemacafe.net)
2016年09月12日米アカデミー賞の前哨戦ともいわれる北米最大規模の映画祭、第41回トロント国際映画祭に出品される本木雅弘主演、西川美和監督の『永い言い訳』。このほど、さらに10月6日より開幕する第21回釜山国際映画祭「A Window of Asian Cinema」部門に招待されることが決定。西川監督は、アジア最大級の本映画祭に初めて参加することになった。妻・夏子(深津絵里)が旅先で不慮の事故に遭い、亡くなった人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)。だが、まさにそのとき不倫相手の編集者(黒木華)と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、同じく亡くなった妻の親友の遺族、トラック運転手の夫・陽一(竹原ピストル)とその子どもたちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る――。西川監督が『おくりびと』以来7年ぶりに映画主演を務める本木さんを中心に、ミュージシャンの竹原ピストル、池松壮亮、黒木華、山田真歩、堀内敬子、深津絵里ら、屈指の実力派俳優とともに贈る、観る者すべての感情をかき乱すラブストーリーとなる本作。今回、1996年の創設から近年に至るまで、急速に規模を拡大、成長している釜山国際映画祭への招待が決定。2015年は、75か国302作品が上映されており、日本映画では是枝裕和監督『海街diary』がガラプレゼンテーションで、そのほか黒沢清監督『岸辺の旅』、行定勲監督『ピンクとグレー』、橋口亮輔監督『恋人たち』など、話題作ばかり20作品が上映。また、年間を通してアジア映画業界に与える多大な貢献を称える「アジアン・フィルムメーカー・オブ・ザ・イヤー賞」をスタジオジブリが受賞した。その一方、2014年には釜山市の映画祭への政治介入が問題となり、一時は存続が危ぶまれたことも。しかし、それに対して全世界の映画人が反発、昨年「I Support BIFF」と題した支援キャンペーンが展開され、今年5月に晴れて本映画祭の実施が決定した。その支援者の中には、西川監督やその師匠にあたる是枝監督も名を連ねている。西川監督は、10月8日に釜山へ向け出発、現地9日での上映に登壇し、Q&Aを行う予定だ。『永い言い訳』は10月14日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月07日女優の遠藤久美子(38)が31日、映画監督の横尾初喜氏(37)と7月に結婚したことを、所属事務所の公式サイトを通じて発表した。遠藤は妊娠もしており、来春に出産予定だという。遠藤は、「この度、遠藤久美子は、7月に、映像作家であり、映画監督の横尾初喜さんと入籍致しました事をご報告申し上げます」と結婚を報告。「お腹には来年春に出産予定の赤ちゃんを授かっております」と妊娠も明かした。そして、「横尾さんとは、数年前に映画の撮影現場でご一緒し、去年12月に再会した際、連絡先を交換しました」と馴れ初めを説明。「二人の時間を重ねる度に恋愛感情は深まっていき、とても短い日々ではありますが、穏やかで居心地が良く、付き合い当初から将来を考えている二人がいました」とつづった。さらに、「報告を誰よりも喜んでくれた両親の笑顔を見た時は、涙が溢れました」と両親とのエピソードを披露し、「未熟者の二人ですが、どうか、温かく見守って頂けたら幸いです」と呼びかけた。
2016年08月31日クリストファー・ノーラン監督の最新作、映画『ダンケルク』が2017年9月9日(土)に公開される。ダンケルク とは映画のタイトルにもなっているダンケルクとは、ドイツ軍に侵攻されたフランス北部の都市のこと。1940年、イギリス軍とフランス軍の兵士、約40万人は危機的状況にあった。背後はドイツ陸軍、前方の海からはUボート、空にも戦闘機。80万人という圧倒的な数のドイツ敵軍が完全に包囲し、”全滅”が迫る望みの無い状態だった。こんな絶対絶命の状況下、イギリスからはあらゆる手段を動員して兵士を救おうとする“史上最大の作戦”が動き出す。軍の船のみならず、漁船やヨットなどを含む民間船までもが動き出す。700隻の船乗りたちがそれぞれの想いのもとダンケルクへ向かった。映画『ダンケルク』では、兵士たちをこの都市から救出した実話である「ダンケルクの戦い」の模様が描かれる。相手を打ち負かす「戦い」ではなく、生き残りをかけた「撤退」の物語となっている。映画『ダンケルク』のポイント絶体絶命の窮地の中いかに撤退するか?走るか、潜むか。前か、後ろか。秒単位で状況が変わる緊張感、そして神経を研ぎ澄まされる状況の中、若き兵士トミー(フィオン・ホワイトヘッド)は、生き抜くことが出来るのか?監督はクリストファー・ノーラン監督は『ダークナイト』3部作や『インセプション』、『インターステラー』などで、斬新なアイデアと他の追随を許さないビジュアルセンス、そして徹底したリアリティへのこだわりを見せてきたクリストファー・ノーラン。今回の撮影は、IMAX65ミリとラージ・フォーマット65ミリ・フィルムと呼ばれる手法を組み合わせて、陸海空3つの視点で五感をゆさぶる“究極の映像体験"ができるそう。「ダンケルクの戦いはイギリス国民のDNAに埋め込まれている」と話すノーラン監督。イギリスでは“ダンケルク・スピリッツ"という、国民が一丸となるといった言葉があるそうだ。『ダンケルク』は、彼にとって初の実話映画となる。今までとは異なる形で多くの観客を感動に誘うことになるだろう。公開に先駆け、ノーラン監督から特別メッセージが到着した。「『ダンケルク』は従来の戦争映画とは異なるもの。海辺での兵士たちの戦いそのものよりも、戦争という絶体絶命の状況と混乱のなか、追いつめられ、葛藤し、生き抜いていこうとする物語を伝える」と作品についての思いを話す。初めて実話が描くことに関しては「時代を超えた普遍的なテーマであり、日本の映画ファンにも共感していただけるのではないか」と、その胸のうちを語った。ノーラン最高傑作との呼び声も…『ダンケルク』の評価は一般及び批評家ともに高い。試写を見た人がブログで絶賛していたり、批評家サイト"Rotten Tomatoes"では『ダークナイト』と同じ数字94%を叩き出している。アカデミー賞有力作品として報じるメディアも出始めている。新人フィオン・ホワイトヘッドを大抜擢、ワン・ダイレクションのハリーも出演トミー:見る者の案内人とも呼べる兵士で彼の視点を中心に描かれる。新人フィオン・ホワイトヘッドが大抜擢された。ファリア:英国の秘密兵器スピットファイアを駆るパイロット。演じるのは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『レヴェナント 蘇りし者』などで迫真の演技を魅せたトム・ハーディ。ボルトン中佐:ダンケルクの埠頭で若き兵士40万の状況に危機感を募らせる軍人。演じるのはケネス・ブラナー。『シンデレラ』『オリエント急行殺人事件』など監督、俳優ともに目覚ましい活躍ぶり。ドーソン:自分には果たすべき使命があると、武器を持たずにドーバー海峡を渡りダンケルクへと船で向かう。演じるのはマーク・ライランス。そのほか、実力派俳優キリアン・マーフィーや、自らオーディションに参加し、映画初出演となるワン・ダイレクションのハリー・スタイルズにも注目したい。陸・海・空それぞれにフォーカスした特別映像また、ノーラン監督のコメントにあわせて、陸・海・空それぞれのシーンにフォーカスした特別映像が公開。絶体絶命の地ダンケルクで、生き抜くことを決意したそれぞれ3人の登場人物の姿をとらえたものだ。陸では、敵軍に包囲され見えない敵に追いつめられる兵士たち。フィオン・ワイトヘッドが演じるトミーが、民家の壁をよじ登って身を隠す。しかし敵の弾丸が容赦なく襲いかかり、ライフルに銃弾を装着しようとするのだが、その先に待っているのは…。空では、ダンケルクに向かう二機のスピットファイアに焦点を当てた。「敵が後ろに」と交信するパイロットにはトム・ハーディ。刹那、敵機からの襲撃によって火花が散る。「墜落する」と言葉を残して一機の戦闘機が海面に吸い込まれていく…。海では、帰国線に乗り込んだ若き兵士たちがつかの間の休息にホッとした矢先、船腹が敵の襲撃に晒される。海に投げ出された兵士を演じてるのは、俳優デビューを果たしたハリー・スタイルズだ。映画『ダンケルク』あらすじ1939年に開始された第二次世界大戦で、ドイツ軍はポーランドへ侵攻・勝利し、5月にはその勢力を北フランスにまで広げていた。敵対する英仏連合軍に対し、ドイツ軍は戦車・航空機など新兵器を駆使した電撃戦を展開、その火力・機動力を集中して運用する新スタイルの戦法で連合軍を圧倒、彼らをダンケルクに追い詰めた。危機感を募らせたイギリス首相ウィンストン・チャーチルはダンケルクに取り残された兵士40万の救出を命じ、1940年5月26日、英国内から軍艦だけでなく民間の漁船やヨットを含む、あらゆる船舶を総動員するダイナモ作戦を発動。奇跡の展開を迎えることになる、不可能と思われた作戦の行く末とは。これは人的資源の保全と、未来を担う数多くの若者を帰還させた意味で、世界の歴史を変えた作戦と言われている。作品詳細『ダンケルク』公開日:2017年9月9日(土)監督・脚本・制作:クリストファー・ノーラン出演:トム・ハーディ、マーク・ライアンス、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィー、ハリー・スタイルズ原題:『Dunkirk』©2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
2016年08月27日ワーナー・ブラザースとDCエンタテインメントが製作する『Dark Universe』を、ダグ・リーマンが監督することになった。この映画は『Justice League Dark』としても知られている。その他の情報映画は、ジョン・コンスタンティン、ザターナ、怪人スワンプ・シングなどを含むダークなジャスティス・リーグを描くアンサンブル物。ギレルモ・デル・トロが監督する予定で製作準備が進められていたが、デル・トロはほかにも多数のプロジェクトを抱えており、降板した。リーマンはチャニング・テイタム主演の『Gambit』を監督するはずだったが、降板したところだった。リーマンの次回作は、トム・クルーズ主演の『American Made』。北米公開は来年9月29日。そのほかにアマゾン・スタジオの『The Wall』も撮り終えている。主演はアーロン・テイラー=ジョンソン。文:猿渡由紀
2016年08月25日クリストファー・ノーラン監督が初めて実話の映画化に挑む最新作『ダンケルク(原題)』が、2017年に日本公開されることが決定し、日本版特報映像と海外版ティザーポスターが24日、公開された。本作は、第二次世界大戦中の1940年5月26日から9日間、860隻の船舶でイギリス軍、フランス軍の兵士約30万人以上もの命を救った、史上最大の救出作戦「ダンケルク作戦」を描くスペクタクル・サスペンス大作。撮影は今年5月23日から開始し、舞台となったフランスのダンケルクを皮切りに、オランダ、イギリス、そしてアメリカで行われた。キャストには、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『レヴェナント:蘇えりし者』で圧倒的な存在感と迫真の演技力を披露したトム・ハーディ、『ブリッジ・オブ・スパイ』でオスカー助演男優賞に輝いたマーク・ライランス、監督としても評価の高い名優ケネス・ブラナー、ノーラン作品常連の個性派キリアン・マーフィーらが出演。また、ワン・ダイレクションとして活躍していたハリー・スタイルズが、自らオーディションを受けて映画初出演を果たす。クリエイティブ・チームも精鋭たちが集結。撮影のホイテ・ヴァン・ホイテマ、美術のネイサン・クローリー、編集のリー・スミスは『インターステラー』に続いての参加となり、衣装のジェフリー・ガーランドは『インセプション』以来のタッグ、そして、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のアンドリュー・ジャクソンが視覚効果監修を担当している。『ダンケルク(原題)』は、2017年7月19日に本作の舞台となったフランスとベルギー、7月21日に全米&全英で公開。日本公開は2017年を予定している。
2016年08月24日『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督がクラウドファンディングを募り、国内史上最高額を達成した、こうの史代原作のアニメーション映画『この世界の片隅に』。このほど、女優・のんが、本作でアニメーション映画初主演を務めることが決定し、待望の本予告映像が解禁となった。すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19年(1944)、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ、18歳で一家の主婦となった。戦況が悪化し、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす、すず。だが、日本海軍の根拠地だった呉は、何度も空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰し、すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20年(1945)の夏がやってきた――。学生時代から宮崎駿作品に脚本家として参加、『魔女の宅急便』(’89)では演出補を務め、前作『マイマイ新子と千年の魔法』(’09)もヒットした片渕監督が手がける本作。監督は6年の歳月をかけ、戦中戦後の広島・呉の綿密なリサーチと時代考証を行い、こうの史代漫画の世界を色鮮やかに描き出した。そんな本作で、監督が「のんさん以外のすずさんは考えられない」とその声に惚れ込み、のんさんの主演が決定。その一報を受けたのんさんは、「すごく本当に、とんでもなく嬉しくて、なんか地面からふわっと浮いちゃいそうなくらい嬉しかった」と、独特の感性でコメント。もともと「私は戦争や暴力の描写が嫌いで、苦手で、目を向けないで拒んでいたところがありました。(戦争は)非日常なもので別次元のものと思っていたのですが、原作を読ませていただいて、日常と隣り合わせに戦争があったのかもしれないなと感じて、いままで拒んできたものに目を向けてみようと思いました」と、こうのさんの原作を読み、心境の変化があったことを語る。自身が演じる、主人公・すずについては、「感情が沸きたったときに、がーって絵を描いているところがすごく共感しました。すずさんは、ぼーっとしていると言われながらも、パワフルでポジティブなところが好きです。劇中ですずさんがやっているような着物のリメイクにも挑戦してみたいです」と、時代が違えど、まっすぐに誠実に生きる姿や日々を工夫を凝らして楽しむ姿などに共感しながら、演技に臨んだ様子だ。アフレコは「別世界だなというのを痛感しました」とその難しさにも触れ、広島弁の持つ独特のイントネーションに苦労を感じながらも、その響きの可愛らしさを楽しみながら挑戦していたという。また、本作が2015年に行われたクラウドファンディングで日本全国からの熱烈な支持を受け、製作が決定したことについて、「観たい映画を一緒に制作していくという、応援してくださってるみなさんがこの映画を一緒に作っているというのが、本当に素晴らしいことだなと思います。私もそこに参加させていただけることがすごく嬉しいです」と、参加できた喜びを語るのんさん。さらに、「普通に生活しているとか、ただ生きているっていうことが、あぁやっぱり普通っていいな、と思える映画だと思うので、そういうのを感じていただきたいなと思います。そして、ぜひご家族を誘って見ていただきたい。大切な感覚を一緒に共有できると思うのです」と、本作のテーマと見どころにも言及した。アフレコを終え、片渕監督は「すずさんに命を吹き込んでくれて感謝の気持ちでいっぱいです」と彼女を絶賛。「6年前、『この世界の片隅に』をアニメーションにしようと思ってからずっと、すずさんの声を探していました」と言うだけに、「この作品は本当に幸運に恵まれたと思います」と安堵の声を寄せている。完成した本予告では、呉にお嫁にきたすずが、軍港・呉に停留する戦艦大和や戦闘機などと隣り合わせに居ながらも、工夫を凝らして日々を楽しんで生活する姿が映し出されていく。音楽を奏でるのは、シンガー・ソング・ライターのコトリンゴ。片渕監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』で主題歌を担当し、本作では本編楽曲も担当。今回解禁された本予告では、新たにカバーした「悲しくてやりきれない」が使用され、作品の世界観を壮大に歌い上げている。コトリンゴさんは、「すずさんの心情にすごく合っているからと予告編に使用してくださっていた『悲しくてやりきれない』のカバーを、さらにリアレンジしてすずさんに寄り添えるように、生楽器をメインに書き直しました」とコメント。なお、この予告編は今週末より一部劇場にて、のんさんの特別メッセージ付きで上映される予定。『この世界の片隅に』は11月12日(土)よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月24日若きオリンピック選手たちが躍動する2016年は、現在の映画界を牽引する名匠・巨匠と冠のつく監督たちも大活躍。しかも、いずれも御年70~80歳代。いまなお第一線で活躍する、大ベテラン監督たちに注目した。●愛の語り手…クロード・ルルーシュ監督『アンナとアントワーヌ愛の前奏曲』今年で79歳となるクロード・ルルーシュが、数々の作品でタッグを組んできた作曲家フランシス・レイとの再タッグで描く、フランスのエスプリが詰まった恋愛映画『アンナとアントワーヌ愛の前奏曲』(9月3日公開)。29歳でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、ルルーシュ監督を一躍スターダムに押し上げた代表作『男と女』の制作から50年後に描く、大人の男と女の恋愛模様“最終章”だ。人生を謳歌する映画音楽家のアントワーヌ(ジャン・デュジャルダン)は、ボリウッド版『ロミオとジュリエット』製作のためにインドを訪れ、フランス大使の妻アンナ(エルザ・ジルベルスタイン)と出会う。愛する夫との間に子どもを授かりたいと願う彼女は、“抱きしめる聖者”アンマに会うため、インド南部の村まで旅に出るという。多忙なアントワーヌもしばしの休養を求めて、アンナを追って2日間の旅に出かけることを決めるが…。75歳で初めて訪れ、すっかり魅了された地・インドでの全編ロケを敢行したルルーシュ。何歳になっても衰えることのないチャレンジ精神が、また1つ、恋愛映画の名作を生み出した。「愛は混沌としたものであるがゆえに、驚くべき展開となる可能性がある。私にとって愛とは、あらがうことのできない麻薬のようなものだ」と語る監督が、いまだからこそ描く大人の愛のカタチを堪能してみてほしい。●再び実話に寄り添う…クリント・イーストウッド監督『ハドソン川の奇跡』自身最大のヒット作となった『アメリカン・スナイパー』に続き、86歳の名匠が描くのは、全世界が目撃した“奇跡”と、その知られざる真実。『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』で2度のアカデミー賞監督賞に輝くクリント・イーストウッドが、同じく2度のアカデミー賞主演男優賞を手にするトム・ハンクスを主演に迎えて手掛けるのが『ハドソン川の奇跡』だ。2009年1月15日、厳冬のニューヨーク。160万人が住むマンハッタン上空1,000mで突如起こった航空機事故。全エンジン完全停止。制御不能。高速で墜落する70トンの機体。未曽有の大惨事を救った生死を分けた30秒。その時、いったい何が起きたのか?航空旅客機史上最大の非常事態の中、制御不能となった飛行機をハドソン川に不時着させ、“乗員乗客155名全員生存”を果たしたサリー機長(トム・ハンクス)。だが、その裏側では、彼の判断をめぐり国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われ…。●長年の夢を実現…マーティン・スコセッシ監督『Silence』(原題)御年74歳のマーティン・スコセッシ監督が、長年のテーマでもある宗教と現実の倒錯がもたらす葛藤を描く、遠藤周作原作「沈黙」の映画化には全世界が注目中。公開は2016年11月予定。アンドリュー・ガーフィールド主演で、リーアム・ニーソンやアダム・ドライバー、そして日本が舞台ということで浅野忠信、窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也ら、内外の超豪華キャストが集結。小松菜奈は本作でハリウッドデビューを飾る。●アイデアの泉は枯れない…ウディ・アレン監督『教授のおかしな妄想殺人』コンスタントにオリジナル新作を発表しつづける、御年81歳のウディ・アレンが新たに描くのは、“生きる意味”を探して奇妙にすれ違う男女の運命を描く哲学的集大成たるダーク・コメディ。2011年の『ミッドナイト・イン・パリ』はキャリア最高の大ヒット、その後も年に1本の製作ペースを保ち、ケイト・ブランシェットがアカデミー賞に輝いた人間ドラマ『ブルージャスミン』、南仏を舞台にした軽妙な恋愛喜劇『マジック・イン・ムーンライト』と、手を替え品を替え、運命や偶然なるものに翻弄される人間の哀しさ、滑稽さを探究してきた。そもそも人間が“生きる意味”とは?自分自身の存在意義や人生の道標を見失ったとき、都合よく“生きがい”なんて見つかるものだろうか?と見る者へ問いかける。「人生は無意味である」という真理に到達してしまった哲学科の大学教授(ホアキン・フェニックス)。だが、“ある企て”を転機に一転、「生きがいを見つけた」と人が変わったようになっていく。そんなエキセントリックな教授に、燃え上がる恋心を抑えられなくなる女子大生ジル(エマ・ストーン)だったが…。●日本が誇る名匠…山田洋次監督『家族はつらいよ』現在、御年85歳の山田洋次監督が、1969~95年まで計48作品を手がけた『男はつらいよ』シリーズは、観客動員数はのべ8,000万人を突破し、現在も多くの人から愛されている国民的喜劇。そんな名作シリーズ終了から約20年ぶりに手がけた新たな家族の喜劇が、『家族はつらいよ』。山田監督の『東京家族』で一家を演じた橋爪功、吉行和子、妻夫木聡、蒼井優ら8人のキャストが再結集して現代に生きる新たな一家に扮し、熟年夫婦の離婚騒動をめぐって織り成される人間模様を描く。ヒットを受け、『家族はつらいよII』(仮題)も始動した(2017年初夏公開)。結婚50年を迎えようとする平田夫婦。たまには、妻に誕生日のプレゼントでも買ってやろうかと夫が欲しいものを聞いてみると、妻の答えはなんと「離婚届」!一家に突然降りかかる、まさかの“熟年離婚”騒動に子どもたちも大慌て。一家の運命は…。今回注目した監督の平均年齢は、なんと81歳。魅力的な作品を作り続ける生涯現役の監督たちからは、これからも目が離せそうもない。(text:cinemacafe.net)
2016年08月16日アカデミー賞受賞女優であるブリー・ラーソンが長編映画監督デビューを果たすことになった。インディペンデント映画『ユニコーン・ストア』でメガホンをとる。サマンサ・マッキンタイアが脚本を担当した同作品は、実家へ戻らざるを得なくなった1人の女性のもとにある店への不思議な招待状が届き、成長する本当の意味を問われるこの女性の姿を描くストーリー。ブリーは同作品に出演するほか、デヴィッド・バーナ、ルーベン・フライシャー、パリス・カシドコスタス=ラティス、テリー・ドゥーガスらと共にプロデュースも務める。ハリウッド・レポーターによると、カシドコスタス=ラティスとドゥーガスのリア・フィルムズとヘラクレス・フィルム・ファンドが資金面を援助することになるという。同作品は当初、レベル・ウィルソン主役、ミゲル・アルテタが監督を務める予定だったが、スケジュールの関係で降板せざるを得なくなったようだ。ブリーは以前、短編映画『ウェイティング』『ジ・アーム』の監督を務めたことがあり、『ジ・アーム』は2012年度サンダンス映画祭で審査員賞を受賞している。そんな中ブリーは、マーベルが贈るキャロル・ダンバース、またの名をキャプテン・マーベルを主役とした映画作品の主役候補に選ばれているほか、2017年3月公開予定の『コング:スカル・アイランド』、現在公開日未定の『ザ・グラス・キャッスル』に登場する。(C)BANG Media International
2016年08月11日今年のオスカーで主演女優賞に輝いたブリー・ラーソンが、長編映画監督デビューを果たすことになった。『Unicorn Store』というタイトルのインディーズ映画で、ラーソンは主演とプロデューサーも兼任する。その他の情報脚本は、テレビの脚本家を務めてきたサマンサ・マッキンタイアが書き下ろしたもの。実家に出戻りした若い女性キット(ラーソン)が、ある不思議な店から招待を受け、そこで、大人になるとはどういうことなのかを試されるというコメディらしい。一時は、レベル・ウィルソン主演、ミゲル・アルテタ監督で企画が進んでいたが、スケジュールが合わなかったようだ。ラーソンは、過去に短編映画を共同監督し、サンダンス映画祭で賞を取った実績がある。ラーソンは最近、マーベルのスーパーヒーロー映画『Captain Marvel』の主演に決まったばかり。次回作は『コング:スカル・アイランド(原題)』。ナオミ・ワッツと共演する『ザ・グラス・キャッスル(原題)』も撮り終えている。文:猿渡由紀
2016年08月09日山田洋次監督映画『家族はつらいよ2』が、2017年5月27日(土)に全国の劇場で公開される。国民的映画『男はつらいよ』をはじめ、『武士の一分』『小さいおうち』など、50年以上にわたりその時代に生きる“家族”を撮り続けてきた山田洋次監督による、『男はつらいよ』シリーズ終了後20年ぶりの喜劇『家族はつらいよ』。前回は“熟年離婚”がテーマだったが、続編となる『家族はつらいよ2』テーマは、“無縁社会”。監督の山田洋次は「喜劇映画では『死』を描くことはタブーだけれども、あえてそのタブーに挑み、その『死』がもたらす、滑稽でバカバカしい大騒ぎを丁寧に描いてみようと思います」と映画についてコメントしている。誰もが共感し、笑い、そして涙する。そんな山田ワールド全開の喜劇映画の真骨頂が、パワーアップしてスクリーンに帰って来る。キャストはお騒がせ家族・平田家のメンバーである橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優が再集結。山田洋次監督に「最高のアンサンブル」と言わしめたキャスト8名によるドタバタ劇が、再びユーモアたっぷりに描かれる。さらに新しく、周造(橋爪功)の高校時代の友人・丸田役として小林稔侍、居酒屋の女将・かよ役として風吹ジュンが出演。そのほか、劇団ひとり、笑福亭鶴瓶らもスクリーンに登場する。場面写真では、平田家の面々が一堂に会した様子が映し出されている。高齢の父親・周造を演じる橋爪功を心配し、車の運転をやめるよう説得にする庄太役の妻夫木聡と妻・憲子役の蒼井優。一方周造本人は、運転をやめるどころか新車の購入を目論んでいた。そのことを嬉しそうに話す周造に、やはり運転はさせまいと史枝(夏川結衣)も説得に。スクリーンではどんな家族劇が繰り広げられるのか、公開まで待ちきれない。【ストーリー】周造(橋爪功)と富子(吉行和子)との離婚騒動から数年―。周造はマイカーでの気ままな外出をささやかな楽しみにしていたが、車に凹み傷が目立ち始めたことから、高齢者の危険運転を心配した家族は、運転免許を返上させることを画策する。しかし、頑固オヤジをいったい誰が説得するのか!?嫌な役回りを兄妹夫婦でなすりつけ合ううちに、平田家はまたもや不穏な空気に包まれていく―。そんな中、周造の免許返上問題を話し合う家族会議が開かれることになり、例のごとく召集された平田家の兄妹夫婦たち。だが、家族会議は一転し、事態は思わぬ方向に!?【作品情報】映画『家族はつらいよ2』公開時期:2017年2017年5月27日(土)監督:山田洋次脚本:山田洋次、平松恵美子出演:橋爪功 吉行和子/西村雅彦 夏川結衣/中嶋朋子 林家正蔵/妻夫木聡 蒼井優/風吹ジュン/小林稔侍ほか制作・配給:松竹株式会社■「家族はつらいよ」ブルーレイ&DVD 発売中・初回限定生産 豪華版・3枚組 5,800円+税<ブルーレイ&DVD本編ディスク+特典ディスク(DVD)>・通常版ブルーレイ 4,700円+税・通常版DVD 3,800円+税発売・販売元:松竹©2017「家族はつらいよ2」製作委員会
2016年08月06日10月29日公開の映画『PK/ピーケイ』のジャパンプレミアが28日、東京・九段下のインド大使館で行われ、ラージクマール・ヒラニ監督、檀れい、映画監督の山崎貴が出席した。2013年に日本で公開されて異例の大ヒットを記録した映画『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラニ監督と主演のアーミル・カーンが再びタッグを組んだ本作。この日は本作のPRのために初来日したラージクマール・ヒラニ監督が登壇し、スペシャルゲストの檀れいと山崎貴監督から花束が手渡された。初来日となるラージクマール・ヒラニ監督は「日本に来られてうれしく思っています。日本に初めて出会ったのは映画で、黒澤明監督の大ファンなんです。『七人の侍』をはじめ、『用心棒』や『生きる』など、彼の作品を見逃したものはありません。黒澤監督を通して日本を知ることができました」と語りながら、本作について「この映画は私にとって大切なメッセージが込められていて、神や宗教の見方が描かれていますが、言いたいことは我々が神を守る必要がなく、神自身が守ることができるので、『私の神が一番だ!』と争うことは止めましょうということです。人間として共存し、平和になればというメッセージが込められているので、その点をくみとっていただければありがたいです」と平和の尊さを強調していた。そんなラージクマール・ヒラニ監督の作品が大好きだという檀れいは「先ほどバックヤードでお会いしましたが、『PK』を見たばかりでその興奮で言葉が出ませんでした」と目を潤ませながら「思い出すだけでも涙が出てくるというか、本当に感情が忙しかったです。最後の最後には流れる涙を止めることができませんでした。改めてエンタテインメントの素晴らしさ、映画が持つ力の凄さを再確認させてもらいました。こんなに素晴らしい映画をありがとうと言いたいですし、たくさんの方に見ていただきたいと強く思っています」と賞賛。また、ラージクマール・ヒラニ監督から「掛ける言葉がないくらい美しい女性ですね。是非日本でインド人と恋に落ちるラブストーリーを撮りたいですね。その時僕は監督ではなくて出演者で」というオファーに檀は「踊りの練習をしておきます」と笑顔だった。映画『PK/ピーケイ』は、10月29日より全国ロードショー。
2016年07月28日黒沢清監督が初めてオール外国人キャスト、全編フランス語で撮りあげた最新作『ダゲレオタイプの女』が、「第41回トロント国際映画祭」スペシャル・プレゼンテーション部門に正式出品されることがこのほど決定。また、併せて本作の特報映像も到着した。ダゲレオタイプの写真家ステファンのアシスタントに偶然なったジャン。その撮影方法の不思議さに惹かれ、ダゲレオタイプのモデルを務めるステファンの娘マリー恋心を募らせる。しかし、その撮影は「愛」だけではなく苦痛を伴うものだった…。芸術と愛情を混同したアーティストである写真家のエゴイスティックさ、父を慕いながらも拘束され続ける撮影を離れ自らの人生をつかみたいマリーの想い、撮影に魅了されながらもただマリーとともに生きたいというジャンの願い、そして、自ら命を絶っていたステファンの妻の幻影…愛が命を削り、愛が幻影を見せ、愛が悲劇を呼ぶ。世界最古の撮影を通して交わされる愛の物語であり、愛から始まる取り返しのつかない悲劇――。本作は、『岸辺の旅』で2015年カンヌ国際映画祭「ある視点部門」監督賞を受賞、先日行われたベルリン国際映画祭では『クリーピー 偽りの隣人』が正式出品され好評を博すなど、世界中に熱狂的な支持者を持つ黒沢監督の最新作。世界最古の写真撮影方法“ダゲレオタイプ”を軸に、芸術と愛情を混同した写真家の父と、“永遠”を求める父の犠牲になる娘、そして“撮影”を目撃しながらも娘に惹かれていく助手を主人公に置いた、美しくも儚い愛と悲劇の物語を描き出していく。主人公・ジャンを演じるのは、数々の名匠の作品への出演が続くタハール・ラヒム。ジャンが想いを寄せるマリー役に、『女っ気なし』の新星、コンスタンス・ルソー、マリーの父でありダゲレオタイプの写真家を、ダルデンヌ兄弟作品で知られるオリヴィエ・グルメ。そして、デプレシャン作品常連の名優マチュー・アマルリックが脇を固めている。今回、本作の正式出品が決定した「トロント国際映画祭」は、今年で41回目を迎えるカナダ最大の都市・トロントで開催される、カンヌと並ぶ北米最大規模の来場者数を誇る映画祭で、”オスカーレースの前哨戦”として世界中からの注目を集める。過去には、1999年「Spotlight: Kiyoshi Kurosawa」として、黒沢監督の7作品が上映されており、監督にとっても馴染みの深い映画祭なのだ。本作が正式出品されるのは、世界を代表する映画監督の作品を集めたスペシャル・プレゼンテーション部門。昨年は、アカデミー賞作品賞&脚本賞受賞の『スポットライト 世紀のスクープ』、アカデミー賞主演女優賞を受賞の『ルーム』など、その年を席巻した錚々たる作品が上映されている。また、トロント国際映画祭正式出品にあたり、本作からは黒沢監督とタハールとコンスタンスらも参加予定。黒沢監督は「日本人の撮ったフランス映画が、カナダのトロントでプレミア上映される、何と痛快なことでしょう。映画はこうして、いとも簡単に国境を越えて行くんですね」と喜びを語った。さらに本映画祭のアーティスティック・ディレクター、キャメロン・ベイリーは、「なんて愛おしい映画なんだ!美しく、考え抜かれている。ジャンル映画であり、映画の歴史への讃歌であり、そしてまぎれもない黒沢清作品だ」と熱いコメントを寄せている。『ダゲレオタイプの女』は10月15日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年07月27日キルスティン・ダンストが『The Bell Jar』を監督することになった。短編映画の監督は経験があるが、劇場用長編映画の監督を手がけるのはこれが初めてだ。ダンストは脚本も共同執筆する。主演にはダコタ・ファニングが決まっている。原作は1963年に出版された小説で、1979年にも一度映画化されている。その他の情報時代は50年代。主人公エスター・グリーンウッド(ファニング)は、ニューヨークの出版社で女性誌編集部のインターンとして働くが、ボストンに戻った後、精神の病に悩まされる。撮影は来年初めに開始予定。ダンストは最近、ジェフ・ニコルズ監督のSF映画『Midnight Special』に出演。またテレビドラマ『FARGO/ファーゴ』にもレギュラー出演している。ファニングは現在、ニューヨーク大学で主に学業に専念しているが、今年秋公開予定の『American Pastoral』に出演する。ユアン・マクレガーの監督デビュー作で、共演はマクレガー、デヴィッド・ストラザーン、ジェニファー・コネリー。文:猿渡由紀
2016年07月23日嵐・二宮和也が、『おくりびと』(08年)などの滝田洋二郎監督がメガホンを取る映画『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』(2017年秋公開)で主演することが、このほど発表された。2人がタッグを組むのは、今回が初となる。原作は、料理番組『料理の鉄人』などを手がけたバラエティ演出家・田中経一氏の同名デビュー小説(幻冬舎文庫より8月5日発売)。戦時中に生み出された幻のレシピを巡る物語を描く。本作では、企画を作詞家・秋元康氏、脚本を『永遠の0』(13年)で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した林民夫氏が担当。料理メニューの映像化と出演者の調理指導は、料理評論家・服部幸應氏と服部栄養専門学校がバックアップする。二宮のキャスティングは、滝田監督の熱烈なオファーによって実現。劇中では2000年代初頭と1930年代、2つの時代が平行して語られる。現代パートは、絶対味覚="麒麟の舌"を持ちながらも料理への情熱を失ってしまった二宮演じる主人公・佐々木充が、関係者たちの証言を集めながら「消えたレシピ」の解明に挑むミステリアスな展開。過去パートでは、太平洋戦争直前の時代を舞台に、レシピ作成に人生をささげた、もう1人の"麒麟の舌"を持つ料理人・山形直太朗と、彼の信念を支え続けた人々の運命を映す。また、現代パートには綾野剛、笈田ヨシ、過去パートには西島秀俊、宮崎あおい、西畑大吾、竹野内豊も出演。物語の核を担うこの6人もまた、滝田監督がこだわった配役で、綾野は充の唯一無二の理解者で大衆中華料理店の雇われ店長・柳沢健役を、笈田は世界各国のVIPがその料理を食べに来るという中国料理界の重鎮・楊晴明(よう・せいめい)役を、西島は天皇の料理番として宮内省に勤めていたが「大日本帝国食菜全席」作成のため満州に渡る料理人・直太朗役を、宮崎は直太朗の妻・千鶴役を、西畑は直太朗の調理助手として雇われた若い料理人・鎌田正太郎役を、竹野内は満州国ハルビン関東軍司令部に籍を置く大日本帝国陸軍大佐で後に少将となる三宅太蔵役を、それぞれ務める。「切る音、焼く音、調理の香り。それが本当に心地よくその素晴らしい香りに集まったこのキャスト。本当にうれしく感謝とともに現場に入れそう」と感慨を口にする二宮。「とにかく死に物狂いで頑張ります」と意気込んでいる。そんな二宮演じる主役・充と同じ"麒麟の舌"を持つ直太朗役の西島も「俳優という仕事を始めた頃から憧れていた滝田洋二郎監督と御一緒できるという事、非常にうれしく思っています」とコメント。脚本については、「本当に素晴らしい」「時代と人間とが深く描かれています」と太鼓判を押している。そんな2人が賛辞を送る滝田監督は、「世界史に名を刻むレシピ作りに挑む料理人と、それを受け継ぐ男の物語を、食感・人寰(じんかん)・スケール感をたっぷりと味わっていただける映画にしたい」と明言。「多彩な絶対味覚を持つ、若手・老練の皆さまと共に、撮影現場で予想もしなかったすてきな瞬間に立ち合えることを楽しみにしております」と自らの期待を語る。さらに秋元氏は、原作の田中氏からゲラが届いた際のことを「『初めて書いた小説が幻冬舎から出版されるので、感想を聞かせてください』と電話があった。気が重かったが、一緒に番組を作って来た仲間なので、義理で読み始めた」と回顧。しかし、「数ページで引き込まれた」ようで、「テレビディレクターらしい設定の面白さ、荒唐無稽ではあるが、毎分の視聴率が落ちないストーリーテリング…。読み終えた時に、すぐに映画化したいと思った」と企画背景を明かした。映画は、7月に国内で撮影スタート。10月にクランクアップを予定している。(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎
2016年07月19日ベン・スティラーが『Brad’s Status』に主演の交渉をしているようだ。監督は『スクール・オブ・ロック』『ナチョ・リブレ/覆面の神様』の脚本を手がけたマイク・ホワイトで、脚本も書き下ろした。その他の写真主人公ブラッド(スティラー)は、仕事も家庭も順調だが、学生時代の同級生のように成功しなかったという劣等感をもっている。大学進学を控える息子を、志望校の見学に連れて行くべく東海岸を旅行したブラッドは、その劣等感と立ち向かうことになるという物語らしい。撮影は9月にスタートする。スティラーの最新作は、監督と主演を兼任した『ズーランダー2』。最近、ノア・バームバックの次回作『The Meyerowitz Stories』を撮り終えたところ。共演はアダム・サンドラー、ダスティン・ホフマン。文:猿渡由紀
2016年07月14日『カンフー・パンダ2』の監督ジェニファー・ユー・ネルソンが、ライブアクション映画『Darkest Mind』の監督に決まった。アニメ以外を手がけるの、これが初めてだ。その他の情報若者向け三部作小説の映画化でフォックスが製作配給する。プロデューサーは、『ナイト ミュージアム』シリーズのショーン・レヴィ。映画はスーパーヒーロー物に、『スタンド・バイ・ミー』のような成長物語の要素を合わせたものになるらしい。伝染病のせいでアメリカの多くの子供が死んでしまい、生き残った若者は、不思議なパワーを持つようになったという舞台設定。危険すぎると思われる若者は家族から引き離されて、一箇所に集められる。1作目の主人公は、そこから逃げ出す16歳の少女。キャスティングはこれから決まる。ネルソンの最新作は、今年1月北米公開された『カンフー・パンダ3』。中国でも同時公開され、記録的なヒットとなっている。文:猿渡由紀
2016年07月13日映画『マグニフィセント・セブン』が、2017年1月27日(金)に公開される。1954年に公開された黒澤明監督の映画『七人の侍』。そして、その舞台を西部開拓時代のメキシコに移し、1960年にハリウッドリメイクされた名作ウェスタン『荒野の七人』。これら最高峰の作品たちを原案にリメイクしたのが本作である。監督は『トレーニング デイ』『イコライザー』『サウスポー』など、重厚な男たちのドラマを描いてきたアントワーン・フークア。主演には『トレーニング デイ』『イコライザー』のデンゼル・ワシントン、『ジュラシック・ワールド』のクリス・プラット、『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホーク、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のイ・ビョンホンなど、国際色豊かな豪華キャストが集結する。なお本作は、2016年のトロント映画祭ではオープニング作品、ヴェネツィア映画祭ではクロージング作品として評価を受け、アメリカ初公開では初登場第1位のヒットを記録している。全て本物の巨大セットで撮影し、可能な限り実際のスタントを演じたというリアル感あふれるアクション作品だ。■ストーリーバーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で、ローズ・クリークの町の人々は絶望的な日々を送っていた。そんな中、エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を中心としたギャンブラー ジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、ガンの達人など7人のアウトローを復讐のために雇う。町を守るために立ち上がった彼らは、いつしか自分たちの目的が金だけではなくなっていることに気付く。【作品詳細】『マグニフィセント・セブン』(原題:The Magnificent Seven)公開日:2017年1月27日(金) 全国ロードショー監督:アントワーン・フークアキャスト:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ配給・宣伝:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2016年07月10日『冬の小鳥』のウニー・ルコント監督の6年ぶりの新作『めぐりあう日』が今月末から公開になる前に、監督のコメント動画が公開になった。監督が、本作の原題“あなたが狂おしいほどに愛されることを、私は願っている”について語っている。公開された特別映像本作の主人公は、産みの親を知らずに育ち、自身の出生の秘密を求めて、息子と港町ダンケルクにやってきた理学療法士の女性エリザ。彼女は息子の通う学校で働く中年女性アネットに出会ったことをきっかけに、これまでの人生や、母に対する想いを見つめなおしていく。本作の原題“あなたが狂おしいほどに愛されることを、私は願っている”は、アンドレ・ブルトンの著書『狂気の愛』の一節からとられた。映像ではルコント監督がこの言葉を知ったきっかけや、映画に起用したいきさつ、この言葉に対する想いが語られている。ちなみに、この言葉は映画のテーマをそのままあらわすものではないが、劇中のあるシーンでも使用されており、監督が本作を創造していく上で、原題が大きな役割を果たしたことは間違いなさそうだ。『めぐりあう日』7月30日(土)より 岩波ホールほかにて全国順次ロードショー
2016年07月08日イランの映画監督アッバス・キアロスタミが亡くなった。76歳だった。キアロスタミは、今年初め、イランでガンの手術を受けており、先週から治療のため、パリに滞在していた。その他の情報キアロスタミはテヘラン生まれ。美大を卒業後、子供のための国営組織に入り、映画制作部を創設する。監督デビュー作は、1970年の『パンと裏通り』。1997年の『桜桃の味』でカンヌ映画祭の最高賞パルムドールを受賞。代表作に『友だちのうちはどこ?』(1987年)、『ホームワーク』(1989年)、『そして人生はつづく』(1992年)、『トスカーナの贋作』(2010年)などがある。最近作の『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012年)は日仏合作で日本を舞台に、奥野匡、高梨臨、加藤亮など日本人キャストで撮影され、カンヌ映画祭でコンペ作として上映された。キアロスタミは、つい最近、米アカデミーから新会員に招待されたばかりだった。文:猿渡由紀
2016年07月05日映画監督に、出演役者の印象を伺っていく「監督は語る」シリーズ。今回とりあげるのは、AKB48のメンバーとして活躍する島崎遥香(22)だ。2009年にデビューして以来、"ぱるる"という愛称で親しまれ、ファンからは塩対応と呼ばれるようなざっくばらんな言動も話題となっている。日本テレビ系ドラマ『ゆとりですがなにか』では、なかなか内定の決まらない意識高い系の就活生というリアルな役を好演。中山優馬主演の映画『ホーンテッド・キャンパス』(7月2日公開)では、ヒロインの灘こよみ役を演じるが、ホラー映画ならではの、難しい演技も要求されたという。○島崎遥香の印象"女優"ですね! 僕が「こういうことをやってみてくれない?」と言ったことに対して、逆に「私はこうやったほうがいいと思います」と提案してくれることもあったし、演技への熱意は目を見張るものがありました。終盤、降霊会を行うシーンがあるのですが、ぱるるにとって一番の見せ場となる大事なシーンだということをよくわかっていて。朝から次の日の朝まで撮影が詰まっている地獄のスケジュールの中で、本当に熱のこもった芝居をしていました。今まで、AKB48として歌っているところ、バラエティ番組でしゃべってるところ、他のドラマに出ているシーン、たくさんあると思うんですが、『ホーンテッド・キャンパス』が一番かわいく映ってるんじゃないでしょうか(笑)。この髪型がはまってたのかな。試写が終わったあとに、「今までで一番かわいくうつってたやろ?」と本人に言ったら、はにかんで笑ってましたね。○撮影現場での様子実は現場ではけっこう差し入れもしてくれて、先程も言った地獄の撮影日にめちゃくちゃおいしいチーズケーキを用意してくれたんです。本当に過酷な撮影だったのに、終わったあとにぱるるが「このチーズケーキ、食べないと損ですよ!!」と叫んでいたことを覚えています。また、優馬くんの部屋でオムライスを作って、キスしそうになる……というシーンがあるんですが、ぱるるはすごく緊張していましたね(笑)。緊張をやわらげるために、僕と優馬くんとスタッフで、その場で関西弁講座を開いて、どうにかほぐれてもらいました。和気あいあいとした現場で、ぱるるも女優としてどんなシーンも切り替えをしっかりしていたけど、あのシーンだけは本当に緊張して照れていたから、「女の子なんだな」と思いました。○映画『ホーンテッド・キャンパス』でのおすすめシーン幽霊に乗り移られるシーンです。一度気を失って、目を覚ましてからの表情も声も、それまでのこよみと全く違います。もう本読みの時点から、ぱるる自身で演技プランが出来上がっていたことに、まず驚きましたね。言うことなしでした。もし続編を撮れるなら、そのときはぱるるをコントに参加させたいですね(笑)。ぱるるの演じているこよみは、一歩引いたシーンが多かったのですが、続編で関係が進んで、部室でのわいわいしたシーンにも参加して楽しんでいる様子を、素の表情で撮れたらと思います。■作品紹介映画『ホーンテッド・キャンパス』怖がりなのに幽霊が視えてしまう八神森司(中山優馬)は高校時代、不吉な影に狙われている後輩・こよみ(島崎遥香)に出会い恋をするが、臆病な性格から告白もできずに卒業してしまう。一浪の末に大学へ入学すると、そこで再会したのは片想いのこよみ。久々の再会に胸をときめかせ、夢に見たキラキラのキャンパスライフが待っていると思ったのもつかの間、こよみが「幼馴染みの知り合いがいるから」とオカルト研究会に入ることになり、彼の夢は瞬く間に崩れ去ってしまう。7月2日公開。
2016年06月30日ローランド・エメリッヒ監督の次回作が、SF映画『Moonfall』であることがわかった。ユニバーサル・ピクチャーズが製作配給する。脚本はエメリッヒが、スペンサー・コーエン、長年の執筆パートナーであるハラルド・クローサーらと共同執筆した。物語は、月が軌道から外れた時、地球を救うために立ち上がる人々を描くものらしい。その他の情報エメリッヒの最新作は先週末、北米をはじめ世界各国で公開された『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』。オリジナルの『インデペンデンス・デイ』からちょうど20年を経て公開される続編だ。オリジナルは世界で8億ドルを売り上げ、ウィル・スミスを大スターに成長させている。『~リサージェンス』にはスミスは出演しないが、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマンらは再び戻ってくる。ほかに、リアム・ヘムズワース、マイカ・モンローら若手が新しく出演する。文:猿渡由紀
2016年06月27日映画『ミュージアム』が2016年11月12日(土)に全国ロードショー。主演は『信長協奏曲』のヒットが記憶に新しい小栗旬。監督は『るろうに剣心』『龍馬伝』『ハゲタカ』などで新風を巻き起こし、『秘密 THE TOP SECRET』の公開も控える大友啓史監督。そのほか、キャストでは、尾野真千子、野村周平、大森南朋、松重豊らが脇を固める。そして、犯人の通称・カエル男は妻夫木聡が演じる。カエル男は自らをアーティストと呼び、ターゲットを見定め、その人に相応しい“私刑”を演出する連続猟奇殺人犯だ。犯行現場には、「ドックフードの刑」「母の痛みを知りましょうの刑」など、謎のメモが残される。原作は、ヤングマガジンで連載された巴亮介氏の同名コミック「ミュージアム」。雨の日に殺人繰り返す連続殺人鬼、またその過激な描写、読む人を引き込んでいく緻密なストーリー、タイムリーな問題・裁判員制度などを盛り込んでヒット。その残虐性やゲーム性から大きな話題を集めた問題作だ。楽曲は、日本に留まらず北米、南米、ヨーロッパ、ロシア、アジア各国などに活動の場を広げるロックバンド・ONE OK ROCKが本作の主題歌「Taking Off」を提供。映画『るろうに剣心』3部作に引き続き、大友監督と再びタッグを組む。【ストーリー】雨の日に起きる連続猟奇殺人事件。犯行現場に残された謎のメモ、そして見つけられることを前提としたかのような死体。犯人はカエルのマスクを被った殺人アーティスト・カエル男。事件の関連性に気付いた沢村刑事が捜査を進めると、驚愕の次のターゲットが浮かび上がる。カエル男の次のターゲットとは…。そして、犯人を追うはずの沢村が、逆に絶望的な状況に追い詰められて行く。果たして、カエル男の目的は?【概要】出演:小栗旬 尾野真千子 野村周平 丸山智己 伊武雅刀 田畑智子 市川実日子 大森南朋 松重豊原作:巴亮介「ミュージアム」(講談社「ヤングマガジン」刊)監督:大友啓史脚本:高橋泉 藤井清美 大友啓史製作:映画「ミュージアム」製作委員会制作:プロダクション:ツインズジャパン配給:ワーナー・ブラザース映画© 巴亮介/講談社 © 2016映画「ミュージアム」製作委員会
2016年06月24日映画監督に、出演役者の印象を伺っていく「監督は語る」シリーズ。今回とりあげるのは、藤ヶ谷太輔(28)だ。アイドルグループ・Kis-My-Ft2のメンバーとしてグループを引っ張る存在だが、『美男ですね』『仮面ティーチャー』『信長協奏曲』などドラマ出演経験も豊富。2013年には雑誌『an・an』のヌード表紙を飾るなど、現代のスターとして女性の視線を集めている。最新作となる主演映画『MARS(マース)~ただ、君を愛してる~』では、学園のスター的存在でありながら、心に闇を抱えた青年・樫野零を演じる。同じく主演の窪田正孝演じる転校生・桐島牧生から執着され、怒涛の展開に巻き込まれることになる。真ん中に立つことを求められた藤ヶ谷の演技の裏側とは。○藤ヶ谷太輔の印象藤ヶ谷くんは役者以外にもアイドルとして、歌もバラエティもやっているからこその、スターオーラがありますよね。今回演じてもらった樫野零は"学校一の憧れの的"という設定だったので、そこの説得力は不可欠でした。藤ヶ谷くんって、バラエティでは面白かったり、歌う時はセクシーな感じだったり、いろんな面を持っているので、激しい面もクールな面も持っている零役に、うまくマッチしていたと思います。役作りについては、最初に「一緒に考えていこう」という話もしたのですが、彼の中には「こういう役なんじゃないか」というのがちゃんとあって、ぶれていなかったです。しかも、原作を大切にいつも持ち歩いていて。映画化するにあたって、入れることができなかったセリフももちろん存在したのですが、「このセリフをなくした理由は何ですか?」と、するどい質問を投げかけられることもありました。○撮影現場での様子今回は若い役者が中心で、撮影場所も学校でしたが、教室の中でリーダーシップをとってくれたので、本番以外でも零のままでした。現場の中心でオーラが生かされていたんですよね。スタッフとも仲が良くて「良いものを作ろう」という熱い思いが伝わってくるんです。ただ役者としているだけではなく、作品づくりの中でリーダーシップを発揮できる人なんだと思います。一度、「このセリフはどういう気持ちで演じたらいいのか」と、演技について相談する電話がかかってきたこともありました。現場ではすごく真面目に取り組んでいたので、もしかしたら少し悩む場面もあったのかもしれないですね。ドラマ版にあった、牧生(窪田)との人工呼吸シーンは、リアルな人工呼吸ではなく、せっかくだからきれいに! という意図で撮らせてもらいました。キラ(飯豊まりえ)からはこう見えた、というシーンなので、あれで正解なんです(笑)。寓話のような「王子様にキスされて目を覚ますお姫様」というイメージで、リアルにしすぎないことを心がけました。○映画『MARS(マース)』でのおすすめシーンかっこいいキャラクターなんですけど、スーパーヒーローってだけじゃないんです。だから、弱さを見せていくシーンをぜひ見ていただきたいですね。特にキラを思って涙するというシーンが切なくて。藤ヶ谷くんにとって、アイドルらしからぬ部分だと思うし、映画の中だからこそ見られた切ない一面だと思います。男の色気が出ていて、深みのあるシーンです。台本のト書きでは「涙ぐむ」くらいの指示だったと思うのですが、「自分がかっこよく見えることは考えなくていい。キラのことだけを思うシーンだから、かっこ悪いところを見せてほしい」と言ったら、自然と涙のあるシーンになったのかなと思います。映画『MARS(マース)~ただ、君を愛してる~』海で奇跡的に出逢った零(藤ヶ谷太輔)とキラ(飯豊まりえ)。過去に心の傷を抱えながら孤独に生きてきた2人は惹かれあい、恋に落ちる。そこに、零の死んだ弟・聖の親友、牧生(窪田正孝)が現れる。零とキラのよき理解者であるように見えた牧生は、実は零の持つ秘めた一面「怒りに火がつくと抑えられない激しい凶暴性」に強い憧れを抱いていた。現在公開中。(C)劇場版「MARS~ただ、君を愛してる~」製作委員会
2016年06月23日『ザ・ブリザード』のクレイグ・ギレスピーが、『I, Tonya』の監督に決まった。元フィギュアスケート選手トーニャ・ハーディングの伝記映画で、マーゴット・ロビーが主演とプロデューサーを兼任する。脚本は、現在、スティーヴン・ロジャースが執筆中。その他の情報ハーディングはオレゴン州ポートランド出身。90年代初めに実力を発揮して注目され、1992年のアルベールビルオリンピックに出場する。しかしその次のシーズンは不調に終わり、1994年のリレハンメルオリンピック選考会となる全米選手権の会場で、元夫に、ライバルのナンシー・ケリガンの膝を殴打させた。ケリガンは怪我のせいで出場できず、ハーディングは優勝を果たした。だが後にハーディングはこの罪を認め、全米スケート協会から、1994年の優勝を剥奪されている。ロビーの次回作は、この夏公開の『ターザン:REBORN』。そのすぐ後には、DCコミックのスーパーヒーロー映画『スーサイド・スクワッド』が控える。文:猿渡由紀
2016年06月15日俳優としても活躍するイーサン・ホーク初となるドキュメンタリー監督映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』が、2016年9月下旬にシネスイッチ銀座、渋谷アップリンクほかにて全国公開される。この映画は、アーティストとして、人間として行き詰まりを感じていたイーサン・ホークが、ある夕食会で一人のピアノ教師、シーモア・バーンスタインと出会ったことに端を発する。出会ってたちまちの彼の安心感に包まれ、シーモアと彼のピアノに魅了されたイーサンは、彼のドキュメンタリーを撮ることを決定した。シーモアは50歳でコンサート・ピアニストとしての活動に終止符を打ち、以後の人生を「教える」ことに捧げてきた。ピアニストとしての成功、朝鮮戦争従軍中の辛い記憶、そして演奏会にまつわる不安や恐怖の思い出。決して平坦ではなかった人生を、シーモアは劇中で美しいピアノの調べとともに語る。【作品情報】『シーモアさんと、大人のための人生入門』公開時期:2016年9月下旬よりシネスイッチ銀座、渋谷アプリンクほかにて全国公開。監督:イーサン・ホーク原題:Seymour: An Introduction出演:シーモア・バーンスタイン、マイケル・キンメルマン配給:アップリンク©2015 Risk Love LLC
2016年06月12日元KARAで女優の知英(ジヨン)が、レスリー・キー監督がメガホンを取る映画『Life is…』(6月13日公開)で主演を務めることが9日、明らかになった。日本で女優として活動を始めて約2年を迎える知英とカメラマンのレスリー監督。本作は、海外から来日して日本で活動しているという共通点を持つ2人がタッグを組んで完成した。京都を舞台とし、知英は、大学の講師から"旨味"を表現した撮影をするという難題を与えられた主人公・ユナを演じる。同居している彼氏に裏切られ、傷つきながらも、ユナは人生における"旨味"である人との出会いの大切さを学んでいく。知英は、「この映画を演じる上で、人生ってなんだろうとあらためて考えました」とコメント。それは「一言では言えないものだと思いますし、映画のようにタイミングに左右されることもあります」としながらも、「自分を信じ、自分で作っていくものだと思います」と強い意志を口にする。本作については、「さまざまな捉え方ができるストーリー」と明言。「何度も見て楽しんでいただけたら」とアピールしている。同作は13日から、ネスレのYouTube公式チャンネル「ネスレシアター on YouTube」で公開される。
2016年06月11日『時計じかけのオレンジ』、『2001年宇宙の旅』、『アイズ・ワイド・シャット』などで有名な故スタンリー・キューブリック監督が、生前『ピノキオ』を映画化しようとしていたことが明らかになった。キューブリック監督の信頼の置けるパーソナルアシスタントとして、そして友人として30年以上を共に過ごしてきたエミリオ・ダレッサンドロさんが「The Guardian」に語っている。「数多くの『ピノキオ』映画が作られている中で、スタンリーは独自の『ピノキオ』映画で子どもたちを楽しませたいと考えていました」。イタリア人のエミリオさんは、監督がピノキオを研究するために、原作国のイタリア語で書かれたピノキオに関する本を買ってきて欲しいと頼まれたそうだ。キューブリック監督は生前『ピノキオ』の話をベースにしたロボットが主人公の『A.I.』を企画しており、死後スティーヴン・スピルバーグ監督によって映画化されたが、エミリオさんが言う『ピノキオ』の映画は、『A.I.』とは全く違うプロジェクトであったらしい。『A.I.』はどちらかと言えば大人向けであったが、家族をとても大切にしていたというキューブリック監督は、「孫が喜んでくれる映画」ような子ども向けの『ピノキオ』を撮りたかったようだ。(Hiromi Kaku)
2016年05月31日