保育士の給与について話題になっているが、実際どのくらいなのだろうか。2013年のデータにはなるが、東京都福祉保健局が公表している「東京都保育士実態調査」を参照してみた。同調査は2013年8月26日~9月10日、郵送配布・郵送回収で行われた。対象は2008年4月~2013年3月に東京都に保育士登録(書換え登録等を含む)をした3万1,550人で、有効回答数は1万5,369件。○6割弱が正規、3割がパート回答者のプロフィールを見ると、女性が91.5%と大半を占める。また年齢層としては20代41.5%、30代25.0%、40代19.9%が多く、配偶者・子どものいる人が42.9%、配偶者・子どものいない人が37.8%となっている。回答者のうち、保育士として働いているのは5割強。その雇用形態をみると、6割弱が「正規職員」、3割が「有期契約職員(パート)」だった。通算就業年数は平均約5年で、正規職員よりパートの方が長い。雇用形態別の運営主体をみると、正規職員は民設・民営(社会福祉法人)、有期契約職員(フルタイム)は公設・公営、パートでは民設・民営(社会福祉法人)で働く人の割合が高い。○平均年収は正規269.2万円、パート104.1万円保育士の平均年収は「212.4万円」。雇用形態別にみると正規職員の平均年収は「269.2万円」、パートは「104.1万円」だった。給与に対する満足度は、パートのほうが正規やフルタイムに比べて高い。保育士として働いている人の職場への改善希望点については、「給与・賞与の改善」「職員数の増員」「事務・雑務の軽減」が上位を占めているが、特に退職意向者から多くの声が挙がっている。また退職意向の理由としては「給料が安い」や「仕事量が多い」が挙げられており、特に正規でその傾向が強い。過去保育士の希望する年収額について、過去正規で雇用されていた人の希望額は「269.8万円」と、ほぼ現在正規職員実態額と同等の金額(269.2万円)。しかし、正規職員雇用のみを希望する人の希望年収額をみると「307.3万円」であり、正規職員実態額の1割強増しとなっている。さらに、パート・非常勤雇用のみを希望する人の希望年収額は「154.9万円」で、これは現在パートの実態額(104.1万円)の約5割増しとなっている。※写真は本文とは関係ありません
2016年03月11日●生活習慣病や抗加齢に期待が持てるナッツ生活習慣病という言葉はすっかり世間に浸透し、市民権を得た。広義では「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」(厚生労働省)を意味するが、具体的には高血圧や糖尿病、脂質異常症などを指す。これらの疾患は、多くの中高年の悩みの種となっていると言えるだろう。ではもしも、この生活習慣病リスクを低減できる食べ物があるとしたらどうだろうか。今回は、国際アンチエイジング医学会専門医であるAACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師に、生活習慣病予防となる食材を伺った。○強い抗酸化作用を持つビタミンE生活習慣病のみならず、老化防止に役立ちそうな食材、それはビタミンEを豊富に含むナッツ類だ。その理由として、強い抗酸化作用を持つビタミンEは、生活習慣病や老化の原因である体内の活性酸素の増加を抑制する効果が期待できるからだ。活性酸素とは、酸化させる力が活発な酸素のこと。殺菌能力もあるため、適量ならば体に害はないが、増えすぎるとくぎをさびさせるように私たちの体内をさびさせていく。このさびが細胞の老化を引き起こすため、生活習慣病や加齢、肌トラブルにつながっていく。「体内ではビタミンEは細胞膜の中に多く存在しており、細胞を保護する役割を担っています。細胞は活性酸素によってウイルスから守られていますが、活性酸素が増えすぎると逆に細胞を傷つけるため、ビタミンEが過剰な活性酸素を除去しているのです」。厚生労働省が定めた1日のビタミンE摂取量は、成人男子で9mg、成人女子で8mg。これは「必要最低限の摂取量」なので、ビタミンEの効果を期待するのであれば、少なくとも1日100~300mgの量が必要。ただし、脂溶性のビタミンEは摂取しすぎると過剰症になると言われており、成人男子で800mg、成人女子で600mgが許容量だ。「通常のサプリメントや食品での摂取では許容量を超えることはないです」と浜中医師は付け加えるが、高血圧で薬を服用している人は事前に医師に相談をした方がよいとのこと。●キャビアやいくらなどでもいいが……ビタミンEは、キャビアやいくら、うなぎといった魚介・魚卵類に比較的多く含まれている。ただ、これらの食材は価格も高く、手軽に毎日摂取するのは難しい。そこでお勧めなのが、マカダミアナッツ、カシューナッツ、ピーナツなどに代表されるナッツ(種実)類だ。ナッツ類はビタミンEだけではなく、ミネラル類も豊富でしかも安価。特にアーモンドは、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると、ビタミンEの含有量は100gあたり30.3g(α-トコフェロール)と、群を抜いている。さらに、ナッツの有用性に関するさまざまな研究も多数報告されている。例えば、ピスタチオとミックスナッツが最高・最低血圧に対してポジティブな結果をもたらしたり、アーモンドを6週間にわたり毎日10g摂取すると「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLが有意に増加したりするなどだ。日本の厚生労働省に相当する米国食品医薬品局(FDA)も、「ナッツ類の摂取が心疾患リスク低減につながる可能性がある」旨のヘルスクレームをナッツ製品に表示することを認めている。○余分な味付けと食べすぎは厳禁!魅力的なパワーを持つナッツだが、食べる際には注意も必要だ。まず、「砂糖をからめたハニーローストや油、塩を使っているタイプは避けて、素焼きタイプを選んでください」。余分な味付けをすることで、塩分や糖分過多になってしまっては意味がないというわけだ。そして脂質やカロリーも高いため、食べすぎも厳禁。「若返りたい一心でナッツばかり食べていた女性がニキビだらけになったこともあります」と、笑えないシチュエーションに遭遇した女性もいるそうだ。一日5粒程度にとどめるのがいいだろう。デスクワークや外回り時に小腹がすいたり、口寂(さみ)しくなったりするときもあるだろう。そのようなとき、脳に栄養を送るために甘いもの(糖分)を摂取するのも賢いが、生活習慣病予防を期待したい人はその間食をナッツに変えてみてはいかがだろうか。※写真と本文は関係ありません○記事監修: 浜中聡子(はまなか さとこ)医学博士。北里大学医学部卒業。AACクリニック銀座院長。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医などの資格を多数取得。アンチエイジングと精神神経学の専門家で、常に丁寧な診察で患者に接する。
2016年03月10日モデルで女優としても活動する松井愛莉が、深夜ドラマ「空腹アンソロジー」で初主演に抜擢。俳優の六角精児と“結婚前夜”の父娘役で共演し、新感覚の料理ドラマを繰り広げるようだ。主人公・ミサキ(松井愛莉)は、23歳。結婚が決まり、式の段取りを着々と進めるが、父・タカシ(六角精児)と事あるごとに対立してしまう。そんなミサキの“結婚前夜”、タカシはミサキに手料理を作り出す。その料理「そばめし」に、ミサキは父との日々を思い出し、家族への想いを感じ取る。アイデアレシピに込められた、口にできない想いの数々。父の不器用な料理が、娘と父とのすれ違う心を溶かしてゆく…。本作は、空腹の深夜。見ているだけで食欲を刺激し、いますぐ作りたくなるごはん、「簡単アイデア料理」のレシピに隠された、心温まる人間模様がテーマ。今回は、いつも衝突ばかりしている娘の結婚前夜に父がふるまう“おやじメシ”を巡る物語を描く感動ドラマとなっている。今回主人公・ミサキ役を演じるのは、結婚情報誌のCMなどに出演するモデルの松井さん。「GTO」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などに出演し女優としても活動している。本作が深夜ドラマ初主演となった松井さんは「いままで二人芝居をしたことがなかったので、ちょっと緊張しました」と撮影をふり返り、また「役としては、普段うまく言えないことを結婚前夜だから言う、ということは、まだ味わったことのない経験なので、どういう風に言ったらいいのかとか、私自身は反抗期もなかったので、どうぶつかったらいいんだろうかと考えました」と自身のない経験に少し戸惑ったと語る。そして娘のミサキと衝突してばかりの父・タカシ役には、「相棒」シリーズなど数々のドラマで活躍中の俳優・六角さん。意外にも父親役は初めてだという六角さんは「自分がやったことのないことのひとつ、父親役というものについて、役者としてのこれからのステップのひとつとして、お芝居をさせていただきました」と話し、「自分の娘が嫁ぐというのは非常に大きな事だろうと思うので、そこには誰しも、共通の感情が少しはあるのだろうなということを踏まえて、やらせていただきました。共感を得ていただければありがたいなと思います」とメッセージを寄せた。「空腹アンソロジー」は3月13日(日)25時35分~テレビ東京にて放送。(cinemacafe.net)
2016年03月07日『子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由――住んでわかった。子育てと教育から見える日本へのヒント』(浅見実花著、祥伝社)の著者は、タイトルからもわかるとおりイギリス在住。大手広告代理店のマーケティング部門を退職したのち、2010年に移民として、イギリスで起業する夫を含む家族4人で移住したのだそうです。ところが暮らしてみると、日本で慣れ親しんできたものとは違うやり方や考え方に何度も出会うことになったのだとか。そしてそのたびに、「ああ、そういうものか」と思いなおし、適応するように努めてきたのだといいます。イギリスで教わった重要なことは、「あらゆることに期待しない」という人生の教訓。悲観的な意味ではなく、物事を大きすぎもせず、小すぐもせず、ありのままに捉えることなのだそうです。そのうえで実践的に行動すれば、人生が少しだけリラックスしたものになるという考え方。本書でもそこを軸として、子育てや教育の観点から、イギリス社会を個人的に深索しているというわけです。そしてそれは、子育てや教育の観点から、日本社会を深索する作業にもなるはずだといいます。きょうはなにかと気になる「お金」のトピックスのなかから、保育費の問題を引き出してみたいと思います。■保育費が高額なのに復職する母親たちイギリスにおいて、子どもを保育所に預けることは、日本でいわれるほど罪悪感に結びつかないものなのだそうです。むしろそれ以上の問題は、保育所にかかる費用がとんでもなく高額であること。なにしろロンドンで3歳未満の子どもを週5日のフルタイムで保育所に預けた場合、毎月800~1,300ポンド(約15万~24万円)もかかるというのですから驚き。そんなことになるのには理由があって、つまりは3歳未満の公的保育サービスがないから。そのため保育にかかる費用はほぼすべて、各家庭が負担することになるというのです。家庭の経済状況に応じた育児手当や、全員に与えられるわずかな無料保育日など、多少の公的支援があるとはいえ、あまりにも高額な保育費には太刀打ちできないというわけです。いっぽう、保育所への公的資金援助がある日本では、各家庭が保育所に支払う費用はずっと安いものになります。たとえば東京であれば、認証保育所にフルタイムで預ける場合、3歳未満の子どもは上限が8万円。それ以上の子どもは7万7,000円で、認証保育所はさらに低額。もしロンドンの保育所が東京の価格水準で利用できるとしたら、おそらくイギリスの親たちは、国庫に多大な負担をかけるほど保育所を使い倒すだろうと著者は推測しています。■イギリスの保育費は住宅ローン以上!いずれにせよ、いくらフルタイムで働いたとしても、毎月20万円前後の保育費を払うことは決して容易ではないはずです。事実、母親が朝から夕方まで毎日必死で働いたとしても、手取りがほぼ保育費に消えてしまう家庭は決して少なくないというのです。月々に返済する住宅ローンよりも保育費のほうが高くつくという、私たちの感覚では信じられないような話も有名な話。もちろん費用やライフスタイルのバランスをとって、どちらの親がフルタイムからパートタイムに切り替える場合もあるでしょう。しかし不思議なのは、保育費が高くついたとしても、多くの母親たちがなんらかのかたちで復職しているという事実。イギリスで労働可能な年齢の女性のうち、専業主婦は10人に1人にすぎないというのです。■なぜイギリスの母親たちは復職する?でも、母親たちはそんな状況下で、なぜ復職することを選ぶのでしょうか? それは、長い目で見たとき、収入面でプラスになるからというだけではないと著者はいいます。家庭に入るより働くほうが、充実感や満足感を得られるから。働くことによって、自分が健全でいられるから。自分の仕事が好きだから。子どもが成長したあとも、自分のキャリアを続けられるから。働くことで、子どもに手本を示したいから。などなど、復職する母親に関するさまざまな記事に目を通してみると、彼女たちの動機は実にさまざま。つまり母親たちは、復職すること・復職をやめることの、よい点と悪い点とを自分なりに秤にかけ、シビアに判断しているということです。*この話に限らず、イギリスと日本では感覚的に違いすぎることばかり。しかし、だからこそそこを直視すれば、私たちが日本で進むべき方向も見えてくるのではないでしょうか?(文/書評家・印南敦史) 【参考】※浅見実花(2015)『子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由――住んでわかった。子育てと教育から見える日本へのヒント』祥伝社
2016年03月02日共働き家庭にとって、認可保育所に子どもを入れられるかどうかは、仕事の上でも家計を維持するためにも重要な問題だ。2月には多くの自治体で第1次結果の通知が始まり、親たちは内定結果にほっとしたり、内定が出ず苦しんだりしている。このうち2015年、東京都の中で2番目に待機児童数が多かった板橋区では、どのような状況になっているのだろうか。担当者に問い合わせた。○約4割の希望者、認可保育所の入所決まらず2015年、東京23区の中で2番目に多い378名の待機児童を出した板橋区。この問題を解決しようと、平成28年4月入所の時点で562名の定員(認可保育所)を確保した。内訳は、認可保育園4カ所の新設(346名)、小規模保育所6カ所の新設(114名)、事業所内保育所2カ所の新設(53名)。それに既存の保育所を改修するなどして増やした49名分をあわせた数となる。その結果、どれだけの人が認可保育所の内定を得ることができたのか。1次募集における入所希望者数は4,039名。一方で、内定を得たのは2,405名となった。現時点で応募者数の約4割にあたる1,604名について、入所を果たせていない状況だ。○さらに608名の増員を検討それでは平成28年度以降、同区はどのような政策を打っていく予定なのだろうか。予算案によれば、さらに608名の定員増を図りたいという。区の計画では、保育所の新設や既存施設の改修などを行い、6月に171名、7月に35名、9月に19名、平成29年4月には383名の定員を確保する見込みだ。保育需要の高まりに対応し切れているとは言えない同区の状況。2次募集における調整の結果、最終的な「不承諾通知」を受け取る親はどれだけの数にのぼるのだろうか。今後の行方が注目される。※写真はイメージで本文とは関係ありません
2016年02月29日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。『病後うつ』という言葉を聞くと、あまりいいイメージを持たない方がいるかもしれません。病後うつとは、大きな病気をした後に心と体が思うように動かなくなるもので、「気の持ちようだ」、「単なる落ち込みだ」でなるものではありません。病後うつの初期の場合は、家族の手助けで良くなることがあります。ケア方法を知っておくだけでも、何かあったときに役立てることができますのでお伝えしたいと思った次第です。●病後うつの原因とケア方法●発症の原因大きな病気をすると、さまざまな制限を設けなければならなくなることがあります。たとえば、糖尿病になった場合だと、食事制限などをさします。その他に、・心身的な苦痛・日常生活においての制限・制限による焦りなどがあります。今まで自由に動いていた体が、動かしづらかったり、日常生活の中で人の手を借りないとできないことが出てきたりといったことです。このような状況の中で、「早く良くならなくてはいけない」というあせりも出てきます。このようなことが、心に大きな負担 となってしまうことが一つの要因となっています。●病後うつの症状あせりやイラ立ちの心の状態が、長く続くと次のような症状を出現させてしまうのです。大きな症状として挙げられるのは以下の通りです。・抑うつ・不眠・不安感・イライラ・落ち込み特に初期に多いのが不眠 です。さまざまなことを考えてしまい、眠れなくなってしまうことから始まるようです。「本当に良くなるのだろうか」、「病気になってみんなに迷惑をかけている」などを考えてしまいます。リハビリが必要になったり、食事制限があったりすると、どうしても、「自分が家族の負担になっている」と考え込んでしまうことが増えます。しかも、こういった症状を家族に話せないでいることが多いのです。脳卒中・肝炎などを発病させ、回復期に入ってくると、この考えが強くなる人が多いと言われています。いざ活動を始めようとすると、体とはうらはらに心がついていかない状態と考えてほしいと思います。●ケア方法本人の話を聞いてあげることが家族にできる一番の方法です。アドバイスしたり、励ましたりすることも大切ですが、まずは話に耳を傾けてあげましょう。アドバイスや励ましの言葉は時として、本人に無理をさせてしまう ことにつながります。本人は真剣に悩んでいるので、全てにおいて肯定的に捉えられるよう、休息を取る方向(休むことは悪いことじゃない)がいいです。また、パートナーや家族の支えが必要です。病気の療養を第一に考えるがゆえに、「頑張れ!」と励ましてしまうことがあります。でも、不眠などが始まり、心がついていかない状況下での励ましは心の 状態を悪くさせてしまいます 。「今はゆっくり休むときだよ」と心と体をゆっくり休ませることを大切にさせましょう。不眠や落ち込み、イライラなどの症状がひどくなっていく場合は、迷わず心療内科やメンタルヘルス科への受診をしましょう。早い段階の受診が、病後うつの回復につながります。●おわりにアメリカの遺伝子学者であるDr.ジェフ・ミラーは、こう言っています。『治療において、体と心は1つである。切り離して考えてはいけない。体同様、心を癒やすことも必要なのだ』大きな病気をした人にとって、今後の生活や自分の体のことを心配するのは当然です。しかし、考えすぎてしまうことで、心の病気 へと発展することがあります。これが病後うつです。それにいち早く気づいてあげられるのが家族です。病気をした家族がいたら、話を聞いてあげるという大切な行動を起こしましょう。それが一番のケア方法であり、心を回復に向けることの第一歩になるからです。【参考リンク】・うつ病教室 | 一般社団法人日本うつ病センター()●ライター/桜井涼(フリーライター)
2016年02月24日NPO法人全国小規模保育協議会はこのほど、「小規模認可保育の経営課題調査」の結果を発表。調査は2015年10月~11月の期間にインターネット上もしくは郵送により行われ、小規模認可保育所を運営する102の事業者、148園から回答を得た。はじめに「小規模認可保育所を運営する上での主な課題」を聞いたところ、最も多かったのは「早朝・夜間の人員配置が難しい」だった。次いで「十分な人数の保育士・保育者を採用するのが難しい」「3歳以降の受け皿としての連携施設がみつからない」が続いた。同協議会は保育士不足の要因として「給与の低さ」を指摘している。厚生労働省の調査によれば2013年時点の保育士の平均月収は20.7万円で、全産業平均の29.5万円を大きく下回っているという。また小規模保育所が自治体による認可施設になったことにより、開所時間が規定され、土曜日の開園が義務づけられたことも要因の1つということだ。小規模認可保育所は、受け入れる子どもの年齢が0~2歳児となっているため、卒園後(3歳以降)の受け皿となる連携施設を確保しなければならない。そこで、「連携施設の設定状況」についても調査した。結果は53%が連携施設として「認可保育所を設定している」と回答。一方で32%が「まだ連携施設を設定できていない」と答えた。同協議会は、「小規模認可保育所に子どもを預けようとする保護者にとって、3歳以降の預け先がはっきりと決まっていないことは最大の懸念事項」と指摘。「連携施設問題は、小規模保育が普及していく上で大きな障壁となりかねない」と警鐘を鳴らした。調査結果を受けて「小規模保育の特性に合わせた職員配置基準」「自治体の理解促進・認識向上」などを行政に提案していきたいとした同協議会。「より良い小規模保育の普及、ひいては待機児童問題の解消に努めてまいります」とコメントしている。
2016年02月24日女性の働きスタイル研究家のアボカドチョコです、こんにちは!今回の冬は暖かく、インフルエンザの流行時期が遅くやってきましたね。さて、乳幼児のいるパパ、ママなら、インフルエンザのような『流行病』には、日々、戦々恐々としていることでしょう。それでも、保育園や小学校でもらってくるのが『流行病』。私自身も、家族全員で順番に『手足口病』にかかる経験をしたことがあります。「うどんを飲み込むだけで、喉がヒリヒリする」という手足口病は、なんと貴重な体験だったことでしょう……。そんな私自身のイタイ経験から痛感した、集団生活で、『流行病』にかかることを防ぐ方法を5ステップを書いてみたいと思います。●集団生活の中で、『流行病』感染を予防する方法5ステップ●(1)乳幼児の場合、インフルエンザ予防接種をしても、効果は20~30%!流行病には、早めの『予防接種』がなによりの予防対策。しかし、インフルエンザの場合、厚生労働省の調査によると、予防接種の有効率は『6歳未満の子どもに対するインフルエンザワクチンの効果は、発熱を指標とした場合、20%から30% 』だといいます。さて、予防接種をしても感染する可能性が高いとなると、気になるのが周囲の状況。身近ではやっていることが分かれば、“手洗い・うがいの徹底”や“人ごみに行かない”などの対策を強化できます。そこで必要になるのがリサーチです。●(2)“クラス”の動きをよく見よう!子どもが通っているクラスで、「お休みの子どもが何人いるか?」を毎日確認することは、「どのような病気がはやっているか?」を察知する手がかりになります。「どのような症状か?」を知ることができれば、似たような症状が出たときに早期対処ができます。●(3)“他のクラス”“他の学年”ではやっている病気がないか? も重要自治体ホームページの“学級閉鎖” 情報を見ると、流行病が広まる際、“あるクラス”や“ある学年”からその周囲へ、“他の学校”からその周辺校へ、という経路をたどる気がします。他のクラスや他の学年のママから得る情報って、結構大事なのだな、と私自身も知りました。そして、特に重要なのは、“近隣の学校情報”です。●(4)一番近い“小学校”情報を把握する一番、生徒数が多くて、まだ抵抗力が弱い年齢も多い小学校。周囲の小学校で学級閉鎖が出たら、要注意!その周辺にも波及していくことでしょう。一番近い小学校ではやっているウイルスは、その近隣でも流行 します。「うちの学校、学年は大丈夫」という状態でも、周辺校の様子を知っておくといいな、と感じました。●(5)都道府県の『流行病の多い地域の情報(地図など)』をネットで検索地域によって、流行病の『感染時期』は異なります。ある程度離れた区市町村では、流行のピークが1~2か月くらい違うのではないでしょうか。その場合、広範囲に同じ情報を流すマスメディアの情報はあまり当てになりません。「流行しているかどうか?」は、都道府県の『流行病の多い地域マップ』(自治体により名称は異なる)を探してみてください。同じ都道府県内でも、流行の度合いが違う からです。パパ・ママにとって、子育ては情報戦ですね!私自身もこの冬、痛感いたしました!【参考リンク】・季節性インフルエンザワクチンの効果(子どもの場合) | 小泉重田小児科()●ライター/アボカドチョコ(女性の働きスタイル研究家)
2016年02月22日2月に入り、認可保育所の4月入所可否の通知が届き始めている。保育所の定員を増やすなどの取り組みを続けてきた各自治体では、どのような結果が出ているのだろうか。今回、東京都の中でも、待機児童数(2015年)が多かった区の状況を調査。入所希望者数や入所内定者数を公表した区のうち、目黒区の現状をお伝えする。○約半数の入所希望者、認可保育所の入所決まらず2015年、東京23区の中で5番目に多い294名の待機児童を出した目黒区。待機児童の解消に向けて、第1次募集の時点までに認可保育所を3カ所、小規模保育所を2カ所増やし、2016年4月入所に向けて168名の定員を新たに確保していた。しかし保育需要の高まりは、定員確保の努力に到底及ばなかったようだ。4月入所の希望者数は1,954名だった去年から、95名増の2,049名。このうち入所の内定が出たのは1,025名、「不承諾通知」を受けたのは1,024名となった。「不承諾通知」を受けた人数は、認証保育所などに入所する人数なども含むため、それらを除外した待機児童数とは開きのある数字となるが、結果としては約半数の入所希望者について、現時点で認可保育所の入所が決まらないという結果になっている。同区では既に、4月入所希望の2次募集を開始している。2次募集の時点で新たに2カ所の小規模保育所を増やし38名分の定員を確保しているが、担当者いわく「内定辞退などの数と合わせても(入所希望者の数には)追いつけない」とのことだ。○用地の確保、近隣住民の理解に課題保育所の整備に関して、同区の課題は大きく2点ある。1つは「近隣住民の理解が進まない」という点だ。騒音などの問題から新設の認可保育所の開園期日が延期されているといった事情があるそうだ。またもう1つは「用地確保の困難さ」があげられる。同区では保育所運営の事業者を募集する際、用地確保の見込みがたっていることを条件としているが、同区内の土地代は他区と比べて高額なため、ネックになっているという。同区では2016年度から、中学校の跡地や総合庁舎の駐車場、それに小学校内の用地を確保し、保育所を整備していく見込み。保育所の開設や、保育士宿舎の借り上げに補助を出す施策も打ち出している。自治体の努力と、親たちが「不承諾通知」におびえなければならない状況は当面続きそうだ。※写真はイメージで本文とは関係ありません
2016年02月18日足が痛い!と思ったとき、あなたはどこへ行きますか? 骨にヒビが入っているかもしれないなら整形外科、タコや魚の目があるなら皮膚科でしょうか? 外反母趾があるなら…果たしてどこへ? 巻き爪の痛みなら…?そんな「足」の悩みやトラブルを総合的に診てもらえる医療機関があったらいいですよね? 日本ではまだ知られていませんが、アメリカではポダイアトリー(Podiatry:足病学)という学問があり、ポダイアトリスト(Podiatrist:足病外科医)という足だけの医師がいます。実は、日本でも足専門のクリニックがあります。それは東京・表参道にある「足のクリニック 表参道」。ここでは、日本初の足の痛みや変形に特化したクリニックで、くるぶしから下の「足」のトラブルなら何でも相談できる医療機関。「日本人は、いわゆる“靴”の歴史が短いので、昔は欧米諸国に比べて足のトラブルが圧倒的に少なかったこともあり、足の専門医学がとても遅れているのだと思います。アメリカには、目が悪いから眼科、歯が痛いから歯科、と同じように足のトラブルに対しては“足科”がある。アメリカ人が日本へ来て“足科がない”と知ると、驚くんですよ。アメリカではポダイアトリーといえばとてもメジャーなんですが、悲しいことに日本では知名度が低いんです。ドクターでさえ、その言葉を知らない方もいると思います」そう教えてくれるのは、「足のクリニック 表参道」院長の桑原靖先生です。確かに、日本の辞書には、ポダイアトリーはおろか足病学という項目もありません。あのウィキペディアにすらないのです。ポダイアトリー(足病学)とはそのままズバリ、人の足についての専門医学。診察に始まり、理学療法、生体力学、薬剤の処方、特別な靴やインソール処方、手術なども含めて足に起こるさまざまなトラブルを総合的に診る医学です。桑原 靖 先生 プロフィール「足のクリニック 表参道」院長。足病学、足病外科、形成外科など。日本には足(くるぶしから下)を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに疑問を持ち、2013年、足の痛みや変形に特化したクリニックをオープン。足に対する専門的な診療を提供することに日々力を注ぐ。「足のクリニック 表参道」 近年多くなった足のトラブル、医師はどう対応する?日本人が、欧米人と同じようにつま先を覆う靴を履くようになったのは明治時代以降。それまでは、下駄や草履を履き、しかも家ではそれも履かなかった日本人には、足に外反母趾などのりクスを抱えていてもそれに気づかなかったことでしょう。足を締めつける靴が、さまざまな足のトラブルを表面化させるようになりました。朝から寝る直前まで靴を履く習慣のある欧米諸国で、早くから足の専門医学が発展したのはうなづけます。「日本も今では、小学生の子供でも外反母趾が多い時代。親が気づいてあげないと、そのまま成長してしまいます。幼い頃から医学的な介入で予防してあげるなど、親への教育も大切だと思っています。そのためにもやはり足専門のホームドクターが必要なんです。アメリカでは足を診る専門の医師、足病外科医の数は17,000人近くいます。そのほとんどが足専門医として開業していると言われるほど。通常の医師と同じで4年間大学で勉強した後、さらに4年間、ポダイアトリーの専門教育を受けけ、その後3年間の研修期間。それでやっと国家資格がもらえるんです。これは一般の医師免許と区別された、ポダイアトリストという医師免許。ポダイアトリストは整形外科、形成外科、外科、皮膚科、血管外科などに通じて、足の病気やトラブルについて専門的に学んだ医師だけが得られる資格なんですよ。それに対して日本では、整形外科の教科書600ページのうち、足について書いてあるのはわずか20ページほど。この差は大きいですよね」(桑原先生)桑原先生の「足のクリニック 表参道」は、アメリカのポダイアトリーの知識を元に日本で治療を行うため、必要な診療科(整形外科、形成外科、皮膚科、内科、外科、血管外科など)と連携する複数の専門医が、同クリニックに勤務する体制をとっています。これだけの医師がいるのは、患者さんが抱えているトラブルや病気がバリエーション豊かだから。外反母趾やハンマートゥなどの足の変形、足底筋膜炎、ハイアーチ、モートン病、巻き爪…他にも多種多様です。「でも、その原因はと言えばほぼ一つだけ。それは足のアライメントの異常です。顔と同じように足の骨格やそれに伴うさまざまなリスクも親から遺伝し、生活習慣や歩き方、履いている靴などがそのトラブルの悪化を助長します。また原因は骨の変形だけとは限らず、皮膚や血管、靭帯や筋肉にも関係しているんですよ」(桑原先生)寝たきり高齢者や、糖尿病で足をなくす人を減らしたい!桑原先生は、もともと形成外科医。簡単に言うと形成外科は「外観や機能の再建を行なう科」で、中でも先生の専門は「創傷治癒学」です。交通事故などによる外傷ややけど、手術などでできた皮膚の傷を治すのも専門領域。実は、先生は主に糖尿病の患者さんの足の切断、いわゆる「下肢切断」を行っていました。日本国内では毎年2万本の足が、糖尿病が原因で切断されていること知っていますか? 糖尿病の方が足を切断するようになるのに、最初はただの靴ずれや巻き爪、タコなど、ささいなことが大半の原因を占めるのだそうです。「糖尿病が重症化すると合併症で神経に障害が起き、足の感覚がなくなっていくので、進行すると痛みに気づかない。靴ずれや巻き爪になっても気づかず、放っておくと、その傷から細菌が感染して潰瘍や壊疽(えそ)を起こす。聞いたことがあるでしょう? 治療が遅れると切断につながるのです。アメリカでは糖尿病患者の下肢切断率は日本ほど高くありません。そこまで重症化する人がいないからです。日本の内科では、糖尿病になった患者さんを眼科に紹介するのですが、アメリカでは眼科に加えて足科にも紹介するのが普通なんですよ」(桑原先生)足をなくす人を減らすには、もちろん、まずは糖尿病を減らすこと。でも、放っておくと治ると思われている足のトラブルを、糖尿病になる前から早い段階できちんと治療することがとても重要です。糖尿病に由来する潰瘍や壊疽を診るドクターはたくさんいます。ただ、その要因となったタコやウオノメ、巻き爪、靴ずれ、外反母趾、水虫、足底筋膜炎などのポピュラーな病気、それと重症化した潰瘍や腫瘍まで、足をトータルに診てくれるところは本当に少ないのが現状です。「もしも、ポダイアトリー(足病学)がもっと国内に広まったら、足の切断率は確実に減ると思います。また、健康で自分の足で歩ける寿命が長くなるでしょうね。そして、寝たきりの高齢者も少なくなるはず。なぜって、転倒が減るからです。寝たきりになるお年寄りの10%は、転倒が原因と言われています。転んで骨折したことがきかっけで寝たきりになってしまうわけです。今よりもっとみなさんが足の健康を保てるようになったら、それも確実に減りますよ! 小さな足のトラブルを放っておかない。ささいなトラブルでも気軽に診てもらえるクリニックが増えたら、それも叶いますね。そのためにも、みなさんにポダイアトリーというものについて、知っておいてほしいと思います」(桑原先生)
2016年02月16日子どもが急に熱を出した、でも仕事は休めないし、周りに頼れる人が誰もいない……。そんな時、親たちの味方になってくれるのが「病児保育」。しかし、国内ではまだまだサービスが充実しているとは言えないのが現状だ。なぜ、病児保育は広がらないのか。会員制の訪問型病児保育サービスを提供している、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんに聞いた。○国は「施設型」の保育にこだわっている平成28年度の政府予算案で、国は病児保育の事業に27億円の補助金を計上。「病児保育の拠点となる施設の整備・改修」「施設での子どもたちの対応・送迎をする看護師の雇用」について、新たに補助金をつけた。――国が進めようとしている病児保育の政策をどう評価しますか。病児保育に力を入れようとしてくれていること自体はうれしいです。しかし、「施設型保育」への補助にこだわっている点で、病児保育の広がりを妨げていると思います。――というのはどういうことでしょうか。現在国が補助を行っているのは、施設に子どもたちを集めて保育する「施設型」の病児保育です。私たちが行っている事業のように、保育スタッフを家庭に派遣して子どもたちをみる「訪問型」の病児保育には、国による補助がありません。しかし、国がいくら「施設型」への補助を増やしても、施設の数は増えません。それは、現在「施設型」の84%が、小児科の病院に併設された「医院併設型」だからです。小児科の数が上限になるので、それ以上増えない。看護師の配置や施設の運営を考えると、制度設計上、そうならざるを得ない構造になっています。また、「施設型」では預かることのできる子どもの数も限られるし、インフルエンザの子については、ほかの子どもたちに感染する可能性も考えて、受け入れないことも多い。加えて、子どもが施設に来ない日も、看護師や保育士を施設に配置し続けなければならないので、人件費がかかります。経営上、投資対効果が低いのです。○自治体の事業では、病児保育は広がらない――ほかにもサービスが広がらない理由はありますか。病児保育が自治体の事業であることも、理由の1つとしてあげられると思います。補助金のある「施設型」の病児保育は、自治体が予算をつくり、事業者を公募しないとできない。しかし自治体に任せている限り、施設の数は増えないと思います。なぜなら、自治体は施設を造っても造らなくても自分たちの給料は変わらないし、何も困らない。一方で、施設を造って失敗した方が怖いわけです。だったらやらなくていい、となってしまう。――では、どうしたら病児保育のサービスが広がるのでしょうか。訪問型病児保育のサービスを増やす必要があると思います。このサービスを増やすのはすごく簡単で、利用料金の補助をする「病児保育バウチャー」を国でやればいいと思います。金額にもよりますが、施設型かそれよりちょっと高額な料金で訪問型病児保育のサービスを利用できるようになれば、参入してくる事業者はたくさんあると思いますよ。さらに、子どもたちがいつ来るかわからないのに人員を待機させる「施設型」の人件費に費用を出すより、保育スタッフを派遣するたびにバウチャーを補助した方が無駄うちがないですよね。――それではどうして国は、「施設型」の病児保育に力を入れているのでしょうか。国は今までずっと「施設型」の病児保育に補助を出してきたので、その方針を転換するのが難しいのではないでしょうか。これまでやってきたものをがんばりましょう、現状から少しよくしましょう、という方がやりやすいといえば、やりやすいでしょう。さらに時代背景も影響していると思います。今は待機児童問題がフィーチャーされているので、まずは保育所の整備をなんとかしなければいけない、となっている。病児保育にまで、理解が進んでいないのです。待機児童問題って日本全国の問題じゃないですか。一方で、病児保育は地方でそんなに問題にならない。地方では祖父母との同居率が高かったり、周りに頼れる人がいたりするからです。それから、女性の正社員率もそんなに高くないので。しかし都市部では、ある程度休みづらい仕事をしている親、特に母親が多い。働く女性が増えているのと、病児保育の認識も上がっているので、ニーズは高まっています。フローレンスでも利用を希望する方は増えていて、2015年の夏にはこちらのサービス供給が追いつかず、入会受付を停止しなければならない事態に陥りました。去年、今年と、一時的に受付を再開しているのですが、2月1日に再開した入会受付については2分で埋まってしまいました。助けを求めている人がいるのに、助けられていない。これはうれしい悲鳴じゃなくて、真摯に反省してキャパシティーを広げなければいけないと思っています。そしてもちろん事業は拡大していきますが、一団体がやるには限界がある。ですから、訪問型病児保育を行う事業者がもっと増えないといけないと思います。○「健康で健常な子ども」以外が除外されている――フローレンスでは、障害児保育の施設も開園されていますね。たまたま相談を受けて、世田谷区(東京都)で医療的ケアが必要な子を預かってくれるところを探したんです。そしたら東京中を探してもなかった。世界有数の都市で1人の障害児も預かれないなんて、そんなバカな話はあるかと思いました。病児保育についても、障害児保育についても、実は保育士養成課程の中ではほとんど習いません。病気のある子だって子どもだし、障害のある子だって子どもなのに、今の保育所は「健康で健常な子」のみを扱っている。だから、保育所でも子どもが熱を出したら「どうしよう、お母さん帰ってきてください」ってなるし、障害があれば「預かれません」となる。本当は全ての子どもたちを受け入れるべきなのに、保育所における保育は、そういう意味で選別しているという認識を私はもっています。みんな「保育所を増やそう」って一生懸命だし、それはそれで分かりますが、同時に病児保育も圧倒的に足りないし、障害児保育も圧倒的に足りません。ここも増やしていかないと、病気の子どもも障害を持った子どもも排除され続けてしまうので、何とかしてくださいと国には言いたいですね。
2016年02月15日政府が整備を進めている「事業所内保育所」。平成27年度からは従業員以外の子どもを受け入れるなどの条件付きで、国から給付金が支給される制度が導入。さらに、次年度の予算案の中にも、企業が保育施設を整備するための補助金が新たに盛り込まれている。しかし、子どもを預ける立場の親にとって、本当にニーズがある施設なのか。託児付きサービスを提供している「ここるく」の代表取締役で、保活事情に詳しい山下真実さんに伺った。○企業が設ける保育施設で約5万人の受け皿を確保事業所内保育所とは、企業が主体となって開設する従業員向け託児所のこと。国は平成27年度から、従業員以外の子どもにも保育を提供する事業所内保育所に対し、市町村の認可事業として財政支援を行っている。さらに、平成28年度の予算案には「企業主導型保育事業」と呼ばれる取り組みにも補助金が投入されている。この制度は、市区町村の関与なく、1つもしくは複数の企業が企業内やその周辺などに保育施設を設置した場合、整備費や改修費、賃借料などを国が支援するというもの。利用日数や時間帯、それに地域枠なども自由に設定できる。政府は「事業所内保育を主軸とした企業主導型の多様な就労形態に対応したい」として、これにより、約5万人分の保育の受け皿を確保したい考えだ。○会社の近くは一見便利そうだけど……ますます整備が推進されている事業所内保育所。果たして子どもを育てる親にとってニーズの高い施設と言えるのか。山下さんによれば、働く女性に対してコンサルティングを行う中で、出産・育児を経験していない女性からは、将来的に「利用したい」という声が多く聞かれるという。一方で、双方を経験した女性では「できれば利用したくない」という意見が大半を占める。それはどうしてか。事業所内保育所は、都心の企業の中、もしくは周辺に開所されていることが多い。出産・育児を経験している女性は、通勤ラッシュの中、子どもを保育所に通わせるのは厳しいという現実が容易に想像できるからだという。「預け先がないよりは、あった方がいいという回答になると思う」とした上で、企業のある都心ではなく、「ベッドタウンのような場所に保育所を設けるというのが賢い手なのではないか」と提言した。○自分の目で見極めをしかし、デメリットばかりではないと山下さんは続ける。メリットとしてあげられるのが、子どもが熱を出したとき、または災害が起きたとき、すぐに駆けつけられることだ。「震災の時には、子どものお迎えが地震の翌日になってしまった人もいた」という。特に勤務先と自宅が離れている人にとっては、働いている場所の近くに子どもがいるのは大きな安心材料となるだろう。山下さんは最後に、「どんな形態の保育所であっても、保育の質を親の目でしっかり見極めることが大切だ」とアドバイスしてくれた。厚生労働省では平成29年度末までに50万人分の保育の受け皿を確保していく方針で、今後も保育所の数は増えていくだろう。事業所内保育所をはじめ、認可保育所や認証保育所など、さまざまな形態の保育所が整備されていく中で、大事なのはその形態ではなく、保育の中身。自分たちの生活や働き方にあった保育施設をぜひとも選んでほしい。
2016年02月04日米Microsoftは2月3日(米国時間)、SwiftKeyの買収で同社と合意したことを明らかにした。SwiftKeyはモバイルデバイスで効率的に素早く入力できるソフトウエアキーボード「SwiftKey」をAndroidとiOSに提供しており、3億台以上のデバイスで利用されている。SwiftKeyは2008年にJon Reynolds(CEO)とBen Medlock(CTO)が設立した。モバイルデバイスのソフトウエアキーボード入力のパターンや傾向、フレーズや文章などを学習し、それに基づいて予測変換する技術が用られており、SwiftKeyではキーをタップせずに、指をキーに触れさせたままキーの間をすべらせるように移動させるだけでも英字入力を行える。誤入力を訂正する機能も充実しており、高速かつ思い通りのキーボード入力が可能になる。SwiftKeyによると、SwiftKeyはこれまでに100以上の言語で10兆を超えるキーストロークを学習してきた。利用データが増えるほどに、SwiftKeyのキー入力の精度や効率性は向上する。MicrosoftのHarry Shum氏(テクノロジー&リサーチ担当EVP)は「(SwiftKeyの買収は)インテリジェントなクラウドを活用してプロダクティビティを再発明するという我々の目標に適う」と述べている。SwiftKeyのReynolds氏とMedlock氏によると、買収完了後も引き続きAndroid用とiOS用のSwiftKeyの無料提供を継続する。
2016年02月04日山梨県は平成28年度から、所得税によって定められている国基準保育料額の第5階層(推定年収640万円)までにあたる子育て世帯を対象に、第2子以降(3歳未満児)の保育料を無償化する方針を固めた。今回の政策立案の背景には、県のどんな意図があるのか。担当者に聞いた。○平均世帯がすべて対象になるように同事業は、国基準保育料額の第5階層までにあたる子育て世帯を対象に実施するもの。推定年収640万円未満の世帯が該当するとされ、議会で承認されれば平成28年度から第2子以降で3歳未満児の保育料が無料になるという(認可保育所利用者のみ)。政府も今年4月から、年収約360万円未満の世帯を対象に第2子の保育料を半額、第3子以降の保育料を無償化する方針を固めている。しかし、同県の事業では政府の補助以上に対象者を広げ、さらに第2子から無償化を進めるなど支援が手厚くなっている。なぜこのような事業を進めようと考えたのか。事業の趣旨について、後藤斎・山梨県知事は「小さい子どもを持つ両親が、安心して預けられるのが保育の趣旨。そこに財源を充当し、社会全体で若いお父さん、お母さんの第2子以降の子育て環境の充実をしたいというのが一番の強い思いです」と語っている。さらに対象世帯の推定年収を政府より高く設定したのにも、深い理由があった。県によれば、国の調査や同県の調査では、子どもを持つ30代夫婦共働き世帯の平均年収は約600万円と推定されているとのこと。この上限設定であれば、第2子がいる約8割の世帯が対象になるという。子育てと仕事の両立を支援するため、平均世帯がすべて対象になるようにしたいという県の思いが込められている。○「2人以上子どもが欲しい」という希望に応えたい「第2子以降」の保育料を無償としたのも、子育て環境に対する県民の要望を色濃く反映させてのことだ。平成27年5月、50歳未満の既婚者あわせて2,518名を対象に県が行った調査によれば、夫婦にとって理想的な子どもの数は「2人」(46.4%)が最も多く、次いで「3人」(42.2%)と続いている。一方で、「理想的な子どもの数」より「実際に持つつもりの子どもの数が少ない」と回答した人を対象に行った調査では、全体の約半数を占める理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」(51.4%)という回答があがっている。県の担当者は、「人口減少対策として、また子育て支援策として、2人以上子どもが欲しいという希望に応えたい」と語ってくれた。同調査では人口確保対策のために行政が取り組むべき施策として、55.0%の人が「子育てしやすい環境づくり」をあげている。県によれば、第3子以降の有無にかかわらず、第2子から保育料が無料となる取り組みは全国で初めて。子育て世帯の要望に真摯に向き合った取り組みが他の自治体でも広がっていくことを願いたい。
2016年01月19日養命酒製造はこのほど、北海道、東京、大阪、沖縄の子ども(3歳~12歳 : 保育園・幼稚園児、小学生)及び夫と同居する母親900名(20歳代~50歳代)を対象に実施した、「冷え症ママと子どもの不調に関する調査」の結果を発表した。「あなたは冷え症、または冷えを感じているか」という質問では、全体の約8割(80.2%)が「冷え症、または冷えを感じている」と回答。地域別にみると、「北海道」(82.7%)、「東京都」(81.3%)、「大阪」(81.7%)と、ほぼ同等の水準で"冷え症"を自覚していることが分かった。「沖縄」では平均に比べ7.5ポイント低い72.7%であったが、温暖な気候の沖縄でも7割強が"冷え症"を自覚している。冷え症ママに「体のどの部位に冷えを感じるか」を聞いたところ、最も冷えを感じるのは「足先」(93.8%)、続いて「指先」(53.6%)、「足」(47.0%)、「手」(38.6%)となり、体の先端の部位に冷えを感じやすいことが分かる。なかでも「冷えをとても感じている」という人はその傾向が顕著で、半数以上が体の先端部位に冷えを感じている。子どもの"冷え"について聞いたところ、2割弱(15.5%)が自分の子どもを"冷え症"と感じている。一方、冷え症ではないママが自分の子どもを"冷え症"と感じているのは5.6%に過ぎなかった。「子どもの症状」について多かった回答は、「鼻水がでる」(43.4%)、「咳がでる」(31.4%)、「風邪をひきやすい」(32.0%)。特に、冷え症でない子どもと比較した場合、冷え症の子どもは「風邪をひきやすい」「イライラしている」が約2倍、「疲れやすい(疲労感)」に関しては約4倍も多くなっている。自分自身の体の不調を聞いたところ、上位には「肩こり、首のこり」(69.5%)、「疲れやすい(疲労感)」(50.6%)、「腰痛」(46.0%)が並んだ。冷え症でないママも同じ症状が上位であったが、各項目とも20ポイント近く低い結果となっている。また、上位10位以内の症状では「太りやすい」を除いてすべて冷え症ママの数字が顕著に高く、特に「代謝が良くない」の2.6倍、「便秘」の2.3倍、「むくみ」の2.2倍、「不眠」の1.8倍が目立っている。この結果を受けて、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生は、「本調査で、冷えによる代謝の低下と便秘やむくみ、不眠といった様々な体の不調との関連性が改めて明らかになりました。また、冷え症の子どもは、冷え症でない子どもの2倍も『風邪をひきやすい』『イライラしている』、4倍も『疲れやすい』という結果も見過ごせません。冷えは家族共通の健康課題です。家族みんなで"温育習慣"を身につけることが、自分や家族が"冷え"に悩まされずに、健康的な生活を過ごしていただく基本です」とコメントしている。"温育"とは、衣・食・住という暮らしの基本要件を見つめ直し、普段から体を温めるよう心がけることで、自分や家族が"冷え"に悩まされずに、健康な暮らしを営めるようにする考え方のこと。同調査は、2015年10月31日~11月1日の期間に、マクロミルのインターネットモニター会員を母集団とする3~12歳の子ども及び夫と暮らす母親(20歳代~50歳代)を対象としたインターネット調査によって実施。調査地域は北海道(150名)、東京(300名)、大阪(300名)、沖縄(150名)の4地域で、有効回答数は900サンプル(有効回答から900サンプルを抽出)。
2016年01月14日前回に引き続きご紹介するのは、家庭的な預かりで最上級の保育を目指す「環優舎」(東京都・南麻布)。洗濯やお弁当作りなどもする親代わりのきめ細やかさで、仕事が忙しい保護者からの信頼が厚い。○子どもの口に入る食材は妥協しない環優舎代表、吉川まりえさんのもう一つのこだわりは、「食」だ。環優舎ではほぼ全員の子が夕食まで済ませていくが、この夕食は毎日専任の調理師がキッチンで手作りしている。利用料金の多くは食材にかけているというほどこだわっており、子どもの口に入るものは米から調味料に至るまですべて厳選。現在は西日本が産地の食材と産地が明確な輸入食材を取り寄せ、飲用はもちろん調理にもすべてハワイから輸入したミネラルウォーターを使用している。食器も妥協しない。便宜性重視でプラスチックの食器を使ったりはしない。磁器の茶碗、漆塗りの椀、天然木を使った箸はどれも子どもの手に合ったサイズを揃えている。カトラリーも銀製を使い、重さを体感させるなど"本物"を教える。また食事中のマナーが自然に身につくよう、大人も同じテーブルについて一緒に食べる。家庭での風景そのものだ。○子どもにとって居心地のよいコミュニティを環優舎の子ども達は一人っ子が多いというが、長時間一緒にいる中で子ども同士の摩擦はないのだろうか。吉川さんによると、子どもにとって居心地のよいコミュニティであり続けるために、スタッフを忙しくさせ過ぎないよう非常に気を配っているのだという。保育スタッフは吉川さん以外に2名。さらに専任の調理スタッフと英語を教えてくれる外国人の先生がおり、大人の手が十分にあるので子ども一人一人にゆったりと対応できる。このゆとりがよい影響を与えているのか、異年齢の子が複数いるのに部屋の中はとても穏やかで落ち着いた空気に満たされていた。細かいところにも配慮が行き届いている同施設だが、実際の利用者に環優舎を選んだ決め手を聞いてみた。小学2年生の女の子を通わせている保護者は、「夫はコンサルタントとして顧客先に勤務、私も海外とのやり取りが夜になるため早い時間の退社はできません。そんな中、娘にはできるだけ自宅にいるのと同じような環境で放課後を過ごさせたかった。環優舎は読書をしたり、工作をしたり、ごっこ遊びをしたり、子どもが子どもらしく過ごせる時間を大切にしてくれます。また誕生日、ハロウィン、クリスマスといったイベントにも楽しい時間を作ってくれる。おかげで育児が制約事項になることなく責任ある仕事を引き受けられ、親にとっても本当にありがたいことです」。子育ての時間というのは案外短い。子どもか、キャリアか、といった2択ではなく、子育て期に自分たちの働き方に合った保育サービスを見つけて上手に利用することで、子どもの育ちも仕事のキャリアもあきらめないという第3の選択肢が生まれればよいと感じた取材だった。
2016年01月14日前回 、幼稚園や保育園の保育形態の違いが、子どもの学力格差につながるという話をしました。さらに、保育形態の違いは、運動能力にまで影響を及ぼしてしまうのだそうです。保育形態の違いによって学力や運動能力に差が出てしまうのはなぜか、発達心理学や保育学が専門の内田伸子先生にお話を伺いました。幼児期に運動指導を受けている子どもは、かえって運動能力が低い「東京学芸大学の杉原隆先生が、全国9,000名3~5歳の子どもを対象に、運動能力に関する調査を実施しました。すると、体育の時間を設けている幼稚園や保育園に通っている子どものほうが、子どもの自主性や主体的な遊びを大切にしている子ども中心の保育の幼稚園や保育園に通っている子どもたちよりも運動能力が低いという結果になりました。さらに、運動の指導を受けている子どもたちは、運動嫌いになっていることが多かったのです」運動指導を受けることで、かえって運動能力が下がってしまうとは、驚きの事実です。なぜ、そんなことになってしまうのでしょうか。「特定の部位を動かす運動をまるで強制的なトレーニングのようにくり返していると、それ以外の動きをする機会を失います。さらに、運動のための説明を聞いている時間が長く、肝心の動き回る時間が少なくなっていることも問題です。また、トレーニングのように行う運動は面白くありませんから、子どもは飽きてしまいます。またこのトレーニングについていけない子どもはつらくなり、落ちこぼれてしまうのです。そのうえ、子どもは5歳ころになると、『展示ルール』が確立されてきます。展示ルールとは、他者の気持ちを考えて自分のふるまいを決めるルールのことです。つまり他人の目を気にしはじめるのです。すると、友だちより自分ができないことは嫌だと思うようになります。そして、運動嫌いになってしまうのです」運動能力を高め、運動を好きになる方法「運動能力を高めるために大切なことは、自由遊びです。子どもは遊びを通して、走ったり、登ったり、運んだり、自由にたくさんの種類の運動を経験します。それが運動能力を高めることにつながるのです。体を使って楽しく遊べるよう、ときどき保育者が誘ってあげるといいですね。たとえば、あひるさんになって向こうまで行こうとか、踏み台を使って高いところにあるものを取るのを手伝うとか」それなら運動を楽しみながら、運動能力を伸ばしていけますね。運動神経と学力を伸ばすポイントは「自由保育」「この調査結果から、杉原先生は、遊びを大切にする自由保育(※1)がいいとおっしゃっています。私たちが行った子どもの学力に関する研究結果もまったく同じでした。自由保育を行っている幼稚園や保育園に通っている子どもの語彙得点は非常に高く、一斉保育(※2)を行っている幼稚園や保育園に通っている子どもの語彙得点は低く、その差は年齢が高くなるほど開いていくことがわかっています。(詳しくは 前回の記事 をご覧ください)」(※1) 自由保育とは:自由遊びの時間が長く、子どもが主体となって自発的にやりたいことに取り組む、子ども中心の保育形態のこと。放任とは違い、子どもの自主性を尊重しつつも、幼児期に学んでほしい目標や狙いを達成できるよう保育士が誘導する。国立大学附属幼稚園や公立幼稚園や私立幼稚園の一部、社会福祉法人の保育所では子ども中心の保育であり、子どもたちは好きな遊びに主体的に取り組み保育者は援助者として子どもの学びに寄り添い、子どもが困っているとき助けてあげる「わき役」である。(※2) 一斉保育とは:全員に同じこと(体育や音楽、お絵かきなど)をさせる、カリキュラム中心の保育形態のこと。小学1年生の準備教育や英会話などを取り入れ、体操選手をつくるということなどを教育目標にかかげる私立幼稚園や私立保育園の一部にみられる。 遊びを通して子どもは学習するのですね。「そういうことです。幼児にとって遊びとは『自発的活動』であり、頭がイキイキと活発に働いている状態です。扁桃体が快感状態にあるので、吸収力が大きくなるのです」考える力と運動能力を高められるよう、子どもをたくさん遊ばせてあげましょう。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年12月30日2010年7月、文部科学省の幼稚園課が気になる調査結果を公表しました。「幼稚園卒の子どものほうが、保育園卒の子どもよりも、学力テストの成績が高い」というものです。本当でしょうか? 本当だとしたら、なぜでしょうか?この発表を受けて、発達心理学や保育学が専門の内田伸子先生が詳しい調査を行いました。親の経済格差が子どもの学力格差につながる?文部科学省の発表に対し、一部で「学力格差は経済格差を反映している。保育園に通わせる家庭は低所得者が多いため、学力も低いのではないか」という意見が出されました。そこで内田先生は、経済格差が子どもの発達や親子のコミュニケーションにどのような影響をもたらしているのか、日本、韓国、中国、ベトナム、モンゴルにて各国の3~5歳児3,000名を対象に調査しました。「日本では、世帯所得が700万円以上を高所得、700万円未満を低所得とし、子どもの『読み書き能力』を比較しました。その結果、文字を書く能力、読む能力のどちらにも、親の経済力による差はありませんでした」子どもの教育に配慮している家庭の子どもは、語彙が豊富「ただし、知能テストと相関が高い『絵画語彙検査』では、所得の高い家庭の子どものほうが成績が高いという結果になりました」「絵画語彙検査」とは、絵を見せ、その絵が示す言葉を知っているか尋ねるテストです。語彙の豊かさは知能と相関しているので、語彙の多い子ほど知能が高いと言われています。「所得が高い家庭は子どもに習い事をさせていることが多いので、それが影響しているのではないかと思い、調べました。すると、習い事をしている子のほうが、していない子より絵画語彙検査の得点が高いという結果がでました。ただし、運動系の習い事をしている子と、学習系の習い事をしている子の間に成績の差はありませんでした」ということは、習い事の内容が知能を高めているわけではないようです。習い事によって、友だちや先生などとコミュニケーションを取る機会が増えるため、語彙も増えるのではないかと推察されます。「自由保育」の幼稚園や保育園に通っている子どもは学力が高いさらに、保育形態によって子どもの語彙得点に大きな差があることがわかりました。「自由保育(※1)で、子ども中心の保育を行い、自由遊びの時間が長い幼稚園や保育園に通っている子どもの語彙得点が非常に高かったのです。反対に、一斉保育(※2)で、小学校一年生の授業を先取りして準備教育を行っている幼稚園や保育園に通っている子どもは得点が低い結果となりました。しかも、子どもの年齢が高くなるほどその差が開いていきました。幼稚園か保育園かは、まったく関係がありませんでした。韓国、ベトナム、モンゴルでの調査も同じ結果でした。唯一、中国は保育園での一斉保育しかないので、比較ができませんでした」 (※1) 自由保育とは:自由遊びの時間が長く、子どもが主体となって自発的にやりたいことに取り組む、子ども中心の保育形態のこと。放任とは違い、子どもの自主性を尊重しつつも、幼児期に学んでほしい目標や狙いを達成できるよう保育士が誘導する。国立大学附属幼稚園や公立幼稚園や私立幼稚園の一部、社会福祉法人の保育所では子ども中心の保育であり、子どもたちは好きな遊びに主体的に取り組み保育者は援助者として子どもの学びに寄り添い、子どもが困っているとき助けてあげる「わき役」である。(※2) 一斉保育とは:全員に同じこと(体育や音楽、お絵かきなど)をさせる、カリキュラム中心の保育形態のこと。小学1年生の準備教育や英会話などを取り入れ、体操選手をつくるということなどを教育目標にかかげる私立幼稚園や私立保育園の一部にみられる。園種より保育形態が語彙力と関連する(内田・浜野,2012より)「文部科学省の調査の対象となった国立大学付属幼稚園はすべて自由保育を行っています」つまり、子どもの学力格差は幼稚園と保育園の違いによるものではなく、自由保育か一斉保育かの違いによるものだったのです。保育形態の違いによって差が出てしまうのはなぜなのか、次回の記事で詳しくお伝えします。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年12月29日働くママにとって、本当に頼りになる保育園。毎日の保育はもちろん、季節ごとの行事や、食育への取り組みなど、おうちではなかなかできないことにも時間をかけてくれて、ありがたいかぎり。子どもが元気で楽しく過ごせる保育園があるからこそ、ママが安心して働けるんですよね。でも、そこで働く先生たちは、働く環境としての保育園に不満を抱いていることも少なくありません。なかには、保育士を辞めたいと思いながら働いている人もいるんです。保育士・幼稚園教員の3人に2人が「今の園を辞めたい」日本最大級の幼稚園・保育園口コミサイト「幼稚園・保育園こだわりナビ」を運営する株式会社うるるでは、先頃、全国在住20~30代の現役保育士・幼稚園教員102名を対象にした「保育園・幼稚園の待遇に関する意識調査」を行いました。それによると、「このままずっと同じ保育園・幼稚園で働き続けたい」と答えた人は全体のわずか31.4%。つまり、約3人に2人は、別の園への転職や、保育士や幼稚園教員のキャリアを辞めることを希望していることがわかりました。現在の待遇に満足できず、なんとかして現状を変えたいと思っている人がとても多いのです。望む暮らしのためには「月収が10万円足りない」今の園を辞めたいと思った理由として、もっとも多かったのは「低い給与」でした。今回の調査で「ほかの業種と比べて収入に不足感を感じている人」は、実に全体の96.1%にのぼりました。また、「月収があとどれくらいあったら、あなたの望む暮らしができますか?」という問いには、53.9%の人が「あと5~10万円未満は必要」だと答えています。10万円という金額だけ見ると、「先生たちが高望みしすぎているのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、回答者の47.1%が年収200万円未満。ちなみに回答者の76.5%が保育士でした。ちなみに全国的にみても保育士の平均月収は、34.7歳で21万円(※平成26年度厚生労働省賃金構造基本統計調査)。これを見ると「10万円足りない」というのは決して高すぎる金額ではなく、現実的な数字なのだろうと思います。辞めたい理由としては、ほかに「取りづらいお休み」(39.2%)、「人手不足による業務過多」(26.5%)、「長い勤務時間」(20.6%)など、働く環境や待遇に関する不満が上位を占めました。なかには「自分の子どもがいても時短勤務もできない」という切実な声もありました。命を預かる仕事に、待遇改善を保育士や幼稚園教員の仕事はけっして楽なものではないと思います。子どもたちの命を預かっているのですから、さまざまな事態に迅速に対応できる能力や強い責任感が求められます。そうした仕事に見合う対価が、本来は支払われるべきなのでしょう。それでも、先生たちが働き続けているのは、仕事にやりがいを感じてくれているから。今回の調査でも、「子どもの成長が見れる」(77.5%)、「子どもが好きで関われる」(53.9%)といったことにやりがいを感じるという声が多く挙げられました。個人的にも、日々強いプロ意識をもって、子どもたちと向き合ってくれている先生方には、感謝の気持ちでいっぱいです。だからこそ、その先生たちが労働条件で悩んでいるとしたら、預ける側からすると申し訳ないし、複雑な思いがします。待機児童問題の背景には、保育士の待遇の低さもあるといわれています。子どもを持つ親として、そして保育園に子どもを預ける親の一人として、きちんと目を向けていかなければいかない問題なのだと改めて感じています。(古屋江美子)情報提供元:株式会社うるる日本最大級の幼稚園・保育園口コミサイト「 幼稚園・保育園こだわりナビ (園ナビ)」を運営。2015年12月より保育士・幼稚園教員の求人情報に特化したスマホの人材紹介サービス「 園ナビ求人 」もスタート。スマホで会員登録から検索、求人応募までできる。
2015年12月28日いま日本では、免許なしで保育士になれるようになるかもしれないと注目されています。日本の保育士は薄給で、割に合わない仕事なので人材不足なのです。では、アメリカではどうなのでしょうか?その点を明らかにするために、日米の保育士を比較してみました。■アメリカの保育士は学位が必要アメリカでは高卒の保育士も多いのですが、主任先生クラスになると学位を持っている人も少なくありません。ただしその前提として、2年制の短大や4年制の大学でEarly Childhood Educationを専攻して学位を取得する必要があります。またキャリアアップやお給料アップのために、Certificate Programという1年程度のプログラムに通う場合もあります(オンラインや夜間コースなどがあります)。アメリカでは保育士の免許はないので、学位が代わりに必要になるようです。一方、日本の場合は保育士の専門学校に通うなどして、国家資格である保育士資格の取得を目指します。幼稚園教諭とはまた免許が違って、別の試験となります。保育士の資格は専門学校に通わなくとも試験に合格できますが、幼稚園教諭になるには学校に行く必要があります。■保育士の資格取得にかかるお金学校に通う以上は、当然ながら数十万円~数百万円が必要となります。アメリカではPreschool(幼稚園)とDay Care(保育園)に分かれており、Preschoolでは大卒の先生を採用するところが大半。CDA(Child Development Associate)というコミュニティスクールで、比較的簡単に取れる保有資格者を採用する場合もあります。Day Careに多いのはCDA採用。担任の先生を補助するTeacher Assistantなら、CDAを持っていなくとも採用される可能性があります。学費なしで高卒で採用される場合もあり、CDAに通っているアメリカ人ならタダ同然だということです。なお、資格の更新料は125ドルになります。一方、日本では専門学校に通っておよそ300万円ほど。かなりの高額です。それほどまでにお金をかけて、いくらぐらい稼げるのでしょうか?■アメリカの保育士も年収は低め残念ながら保育士・幼稚園教諭は、アメリカでももっとも薄給の給与といわれており、時給は8ドル前後~9.5ドル前後。日本円にして800~950円です。駐車場係やレジ係よりも安く、小学校の先生よりも低いのです。学歴としては小学校の先生と変わりないのに、給与は1/3程度に抑えられており、問題となっています。日本では月給13万円前後。これでは暮らしていけませんよね。*日本でもアメリカでも、薄給には変わりないようです。人格の骨格をなす幼稚園・保育園の時期に関わる先生は、とても大切な存在。ぜひ待遇改善をお願いしたいですね。でも、そのために保育料が大きく上がっても困ります。だからこそ、公的資金を導入するしかないのかもしれません。こういった税金の使い方なら、大歓迎ではないでしょうか?(文/渡邉ハム太郎)【参考】※【アメリカ】 米国における保育の質研究-保育者の離職について-チャイルド・リサーチ・ネット(CRN)
2015年12月16日厚生労働省はこのほど、保育士資格のない人でも認可保育所で保育に携わることができるよう、平成28年4月から基準を緩和する方針を固めた。児童の少ない朝夕の時間帯などに、子育て支援の研修を受けた人などが働けるというものだ。保育の質の低下につながるという批判もある今回の基準緩和について国に聞いた。○児童の少ない朝・夕の時間に対応今回の措置は、認可保育所の保育士の数が最低でも1施設あたり「2人」を下回ってはならないという厚生労働省の省令を緩和するというもの。児童数が少ない時間帯には保育士の資格保有者が1人常駐した上で、もう1人は無資格者でも対応ができるとした。8時前まででは全定員数の21.7%、17時からの1時間では15.2%、18時からの1時間では1.1%と児童数が少なくなる(平成24年度地域児童福祉事業等調査により国が作成)ことから、朝・夕の時間帯において活用が可能となっている。保育に携わることができるのは、「保育施設などで十分な業務経験を有する者」「子育て支援員研修を修了した者」「家庭的保育者」のいずれかの条件を満たした人だ。厚労省は保育の現状について、「保育士の確保が難しく、1日のうち保育士2名体制を順守した勤務シフト作成等の人事管理が困難な状況」と指摘。その上で、「園児の多い日中のコアタイムに保育士資格者を集中的に配置することが可能となり、保育所全体でみて保育の質の向上につながる」と基準緩和の意義を説明している。○保育の質の低下懸念する声も平成28年度から実施される予定の対策ではあるが、厚労省は本格的な運用を前に「保育士の確保が特に難しい地域に限り」という条件付きで、今年度から基準緩和を認めている(平成27年3月19日各都道府県等宛て厚生労働省保育課事務連絡)。実施状況を踏まえて、今後の運用のあり方を検討するためだ。国が提示した特例的な措置を、自治体はどのように受け止めたのか。厚労省が8月24日~9月4日に都道府県、指定都市、中核市に対して行ったアンケート調査によれば、89の自治体のうち13%にあたる12の自治体が、認可保育所で無資格者が働くことを認めていた。一方で、71%にあたる63の自治体は認めていなかった。さらに、今回の措置を来年度以降も延長すべきか尋ねたところ、「延長すべき」(27%)、「延長すべきでない」(29%)という意見が2つに割れている。無資格者が働くことを認めた自治体は「保育士の確保が難しく、現在、勤務している保育士の負担が過剰になるのを防ぐため」と保育士不足の深刻な状況を理由にあげている。一方で、認めなかった自治体からは「朝夕および延長保育の時間帯は、けが等の発生が多いことから、最低基準に基づく保育士の配置は必要であると判断した」など保育の質の低下に言及する意見が28件寄せられた。問題点や課題についても数々の意見が述べられている。「朝・夕の時間帯は、児童数は少ないが0歳児から5歳児までの合同保育となるため、けがや事故などが起きやすく、日中の時間帯よりもむしろ配慮が必要と考えている」「対応可能な時間帯および保育士に代わる者の保育能力について、施設長が認めるとしているところだが、自治体としてその適否を判断する方法が明確ではない」といった内容だ。○「無資格の人が働くのは怖い」「給料上げるのが先」今回のニュースはTwitter上で大きな話題となった。保育士と名乗る男性は、「命を預かるお仕事なので無資格の人が働くのは怖いですし私らの努力がなんの意味もなさなくなるのは悲しいです」とコメント。「人が足りなければ給料上げたり待遇良くするのがセオリーだと思う」といった声も相次いだ。今回の基準緩和では、朝・夕の時間帯に関わらず、保育士が研修中で不在の場合も対応が可能としている。さらにすべての時間帯において、幼稚園教諭や小学校教諭でも認可保育所で働けるとした。これについては、検討会の構成員や各団体から「現実的には、保育士側が嫌がるので小学校教諭は難しいのではないか」「単独でなく、複数の職員で保育する場合に限るなど、慎重な対応が必要ではないか」という見解が述べられている。一方で「多様な人材の活用は、むしろ保育の質を高めることにつながるのではないか」という前向きな意見もあった。国はこれらの意見を踏まえ、「実施自治体・事業者の事例等を十分把握した上で、保育の質への影響を継続的に検証していく」としている。今回の試みが保育の現場にどのような結果を生むのか。今後の動きが注目される。
2015年12月15日幼稚園・保育園口コミサイト「幼稚園・保育園こだわりナビ(園ナビ)」を運営するうるるは10日、保育士・幼稚園教員の求人情報に特化したスマホの人材紹介サービス「園ナビ求人」の提供を開始、また同サービス開始に先立って実施した「保育園・幼稚園の待遇に関する意識調査」の結果も発表した。同調査は、2015年11月、全国在住の保育園・幼稚園で働く20~39歳の男女102人を対象に、インターネット調査で実施した(調査企画:エポックシード)。同調査によると、子どもの成長に仕事のやりがいを感じているが、「低い給与」や「休みが取りづらいこと」が原因で、87.3%が辞めたいと思ったことがあると回答。保育園・幼稚園での仕事を辞めたいと思うほど大変なことについて聞いたところ(複数回答、n=102)、働く環境や待遇が、辞めたい理由として上位を占めていることが分かった。給与については、年収200万円未満が全体の47.1%を占め、96.1%が「月収が足りない」と感じていることが分かった。今の金額に満足している人は3.9%にとどまり、78.4%が、月収がさらに10万円未満くらいは必要だと回答した。(※)参考:平成26年度厚生労働省賃金構造基本統計調査で保育士平均月収は、34.7歳で21万円さらに、「今後のキャリアとして保育園・幼稚園で働き続けたいか」という質問をしたところ、全体の68.8%が転職や退職など現状を変えたいと回答。「園でのキャリアを辞めたい」と回答した人のうち、75%の人が「低い給与」が原因で辞めたいと回答しており、うるるでは、「月収があと10万円あれば、やりがいのある保育を続けられる方がいることが想定できる」としている。
2015年12月10日○学童保育+英語教育日系企業の海外進出が過去最多を更新している中で、将来はグローバルに活躍できるように……と我が子に英語力を望む親が増えるのは当然のことだろう。早期から英語に慣れ親しんでほしいとは思いながらも、忙しい共働き世帯にとって送り迎え前提の英会話教室へ通わせるのは正直ハードルが高い。そんな中で注目を集めているのが「Kids Duo」(キッズデュオ)だ。Kids Duoは、個別指導塾「スクールIE」や英会話教室「Win Be」などを展開する「やる気スイッチグループホールディングス」の関連会社「拓人こども未来」が運営する英語環境による学童保育。全国に66の教室を持ち(2015年10月現在)、どの教室にも必ずネイティブの先生と英語の堪能な日本人の先生が在籍していることが大きな特徴だ。教室内では基本的に英語しか使わず、掲示物もオールイングリッシュ。学校終了後から最長20時30分まで児童を預かる学童保育要素と、英会話教室の要素を融合させた形式が保護者たちのニーズと合致。2008年の開設以降、平均して1.3カ月に1校のペースで首都圏を中心に新たな教室を開設してきた。学校や自宅近くまでの送迎サービスも用意するなど、忙しい保護者に配慮したきめ細やかなサービスも人気の理由のようだ。○学童生活の中で生きた英語が身に付く小学生の数が23区内で3番目に多い練馬区には(平成27年度学校基本統計速報より)、Kids Duoの教室が2校ある。今回伺った「Kids Duo大泉学園」は、西武池袋線の大泉学園駅から商店街を3分ほど歩いたところに立地する3階建てのビルの3階にある。15時すぎ、教室内では子供たちが宿題に取り組んでいた。定規を使い、算数の宿題をしていると「Do you know what this is? This is a ruler.(これは何て言うか知ってる? 定規だよ)」と笑顔で話しかけるのはアメリカ人のハリソン先生。「How was school? (学校はどうだった? )」と子供たちを気遣う日本人の亜衣未先生も、幼稚園から小学3年生までインターナショナルスクールに通っていたというだけあり、発音がとてもきれいだ。「When you finish your homework, please put it in your backpack.(宿題が終わったら、自分のかばんに入れようね)」「Put your chair away! (椅子を片づけて! )」。使われる単語やセンテンスは生活に根付いたものばかりで、ここでは生きた言語として使われている。保護者から「家でも、ちょっとした瞬間に自然と英語が出てくる」との声が寄せられるのも、そのためかもしれない。次回の後編では、子どもたちのやる気を引き出すさまざまな仕掛けや、気になる教師の質についてレポートする。
2015年11月26日アッヴィ合同会社はこのほど、「RSウイルス感染症と保育施設利用に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。同調査は、2歳以下の子どもを保育施設に預けている両親(母親515名、父親515名)を対象とし、7月にマクロミル・ネットモニターを利用したオンライン調査によって実施された。まず、RSウイルス感染症を知っているのかを調べたところ、保育施設に子どもを預ける両親のうち、「RSウイルス感染症がどのような病気か知っている」と答えた両親は33.2%、「名前は聞いたことがある」と答えた両親は43.1%、「知らない」と答えた両親は23.7%を占めた。RSウイルス感染症をどのような病気か詳しく知らない両親が66.8%を占めることが明らかになった。次に、RSウイルス感染症の重症化のリスクを知っているのかを質問。「生後6カ月の乳児が感染すると重症化し、入院治療が必要になることがあることを知っていた」人は全体の21.5%、「重症化すると脳症や死に至る可能性があることを知っていた」人は全体の17.3%、「重症化すると将来的にぜんそくや喘鳴(ぜんめい)の症状が出る可能性をあることを知っていた人」は全体の16.7%であった。この1年間で、年長の子どもが病気の疑いがあっても保育施設を利用した経験があるのかをたずねると、「ある」と答えた両親は全体の56.9%であった。さらに、子どもがどのような体調のときに保育施設を利用したことがあるのかをきくと、「鼻水が出ている時」が70.6%、「微熱がある時」が63.5%、「咳(せき)をしている時」が52.2%となっている。子どもが病気の疑いがあるにも関わらず保育施設に預ける背景を調べたところ、78.7%の両親が、子どもが保育施設を休む場合やお迎えに行く場合に「母親が仕事を休んだ」と回答しているが、「子どもの病気やケガのためとはいえ仕事を休みづらい」と感じている両親は78.7%いることが分かった。さらに、子どもの病気やケガの際に早退・遅刻しやすくなったりするためには、職場の上司や同僚の理解が必要であると答えた人は約8割(75.1%)、配偶者のサポートを求める母親は5割以上(52.1%)となっている。同調査の監修を務めた、東京都保険医療公社 多摩北部医療センター 小児科の小保内俊雅部長は、「RSウイルス感染症は、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患、先天性心疾患などの基礎疾患をもっている乳幼児が感染すると症状が重症化しやすく、肺炎や細気管支炎や無呼吸を引き起こし、死に至る場合もあります。また、重症化すると将来的に喘息等の原因となることが知られています」とコメント。そして、「初期症状が出ているにも関わらず保育施設を利用することは、子どもの容態を悪化させるのみでなく、保育施設における感染の拡大につながります」としながら、予防法について次のように述べている。「重症化や感染拡大を防ぐためには、職場環境や家庭内での両親の育児の配分など、子どもの病気の際に両親が仕事を休みやすい環境が整えられることが必要です。また、RSウイルス感染症には予防ワクチンや治療薬がないため、両親や保育施設の職員など周囲の大人が、手洗いなどの基本対策でかからないように予防することが最も重要です」。
2015年11月20日「神奈川県などが実施の『地域限定保育士』で、保育士不足は解消されるのか」と題した前編では、保育士不足の現状や制度導入の利点についてご紹介した。そんな中、各自治体ではどのような点を保育士確保の課題と捉えているのか。担当者に聞いた。○潜在保育士の掘り起こしが課題まず第1に課題として指摘されたのは、保育士の資格を持ちながら保育士としては働いていない「潜在保育士」の掘り起こしだ。千葉県の担当者によれば、「希望する勤務時間や場所がマッチングできない」「ブランクがあった後にいきなり現場に出るのが怖い」などを背景に、資格保有者の再就職が進んでいない現状があるという。そんな中でも、新たに資格を取得する人の数は限られているとして、「再就職を促す施策に力を入れていく」と語った。また大阪府では、潜在保育士が再就職をためらう理由として、「条件にあった職場を自力で探すのが難しい」「保育事情がわからず不安」などがあると分析。今年度から潜在保育士を対象にした「大阪府保育士・保育所支援センター」を開設し、求職の相談に応じているほか、セミナーや保育体験を通して、現在の保育情勢を学んでもらう取り組みを始めている。○処遇の改善と働き続けられる職場環境づくりをさらに改善が必要と考えられているのが、保育士の待遇面や職場環境だ。処遇の改善について特に沖縄県では、「他の自治体と比べても保育士の平均年収が低い」と分析。要因のひとつに、認可保育所でも非正規職員の保育士が多いことをあげ、正規雇用化した場合、施設に補助金を支給する制度を今年度から導入している。加えて神奈川県の担当者は、「保育士の平均就業継続年数は7.6年と短いため、現在就業中の保育士が継続して保育現場で活躍してもらうための方策も併せて必要だ」と主張した。県が保育士登録を行っている人を対象に行ったアンケート調査※では、保育士としての仕事を辞めた理由として、「結婚のため」(23.7%)、「妊娠・出産のため」(23.4%)、「育児のため」(15.1%)が上位に入っている。厚生労働省は来年度以降、通常もしくは地域限定とする試験の枠組みを問わず、保育士資格試験を年2回実施する地域を拡大していくという。国には、新たな保育人材の確保に加えて、資格取得者が長く働き続けられる環境づくりも求められているといえるだろう。※平成26年度神奈川県保育士実態調査結果による※画像と本文は関係ありません。
2015年11月14日全国で保育所の整備が進められる中、深刻な問題となっている「保育士不足」。国は平成29年度末までに、46.3万人の保育士が必要だとしているが、そのためには新たに6.9万人の保育士を確保しなければならないという(平成27年1月時点)。その確保策として、今年から導入された「地域限定保育士」の試験がこのほど、神奈川県、千葉県(成田市)、大阪府、沖縄県の4府県限定で実施された。3年間、受験した自治体で働くことを条件に、年1回の試験を2回に増やすというこの試みに、行政はどんな期待を抱いているのか。各自治体の担当者に聞いた。○深刻な保育士不足の実態「地域限定保育士」は、受験した自治体でのみ保育士として働くことができる資格のことを指す。受験者にとって最大のメリットは、通常年に1回しか受験できない保育士試験のチャンスが2回に増える点。保育士登録を行ってから3年を経過すれば、全国で働くこともできる。今年からこの制度を導入した4府県が共通して抱えている悩みはもちろん、深刻な保育士不足だ。このままでは、神奈川県で平成31年度までに約3,000人、沖縄県では平成29年度までに約2,300人の保育士が足りなくなるという。大阪府の担当者は現状として、「受け皿となる保育所を整備することはできるが人がいない」と指摘。千葉県では、国家戦略特区に指定されている成田市限定の導入となっているものの、「成田市だけでなく、東京に近い地域は特に不足している」という。○"より早く"確保できることにメリットしかし、「地域限定保育士」の導入が果たして保育士不足の解決策となるのだろうか。この点について4府県すべての担当者が口をそろえて指摘したのは、「受験回数が増えれば来年4月からすぐに働ける保育士の数が増える」ということだ。保育士資格は3年の間に8科目の試験を受験し、最終的に実技試験に合格することで取得できる仕組みになっている。そのため、未受験科目や不合格科目の残っている受験者が、この制度を利用して合格を勝ち取れば、来年の試験を待たずして、資格を取得できることになる。自治体にとってはいち早く、保育士を確保できることにつながるのだ。10月に行われた地域限定保育士の試験で、沖縄県では約500名が受験。ほかの府県でも、通常試験時を上回る受験申し込みがあったという。約2,000人の受験申し込みがあった千葉県の担当者は、「例年の合格率が20%ほどと考えると、単純に例年より約400人分、合格者数が増えることになり、数としての確保ができる」と話した。さらに制度を導入したのが4府県に限られていることもあり、ほかの自治体在住者が同府県で働いてくれる可能性が高まる点も魅力だという。大阪府の担当者は、「大阪府で働きたいという人の機会を創出することにつながる」と回答。神奈川県や千葉県でも、他地域からの受験者がみられたことに期待を高めている。一方で担当者に取材すると、いずれの自治体もこの制度が抜本的な解決策になるとは考えていないことがわかった。地域が必要としている対策とは何なのか。後編では、課題と行政の施策についてご紹介する。※画像と本文は関係ありません。
2015年11月13日「神奈川県横浜市の保育の実態 - 課題は待機児童ではなく『保留児童』だった」と題した前編では、「待機児童」には含まれなかったものの、申し込みをしたにも関わらず認可保育園に入園できなかったいわゆる「保留児童」の実態について触れた。今年の4月時点で、2,534人にものぼった「保留児童」を解消するため、横浜市はどのようなことに取り組んでいるのか。後編となる今回は、市の施策についてご紹介する。○目標は3,337人の定員確保まず、第1の対策としてあげられるのが受け入れ枠の拡大だ。市は、大規模な宅地開発などにより就学前児童数が増えている地域を、重点的に保育施設の整備を行う「整備が望ましい地域」に指定。今年度中に3,337人の受け入れ枠拡大を図っていくという。さらに方策は施設の新設にとどまらない。幼稚園の預かり保育を充実させたり、入所者が少ない4・5歳児のスペースを使い、期間限定で1・2歳児を受け入れたりするなど、既存施設を最大限に活用。「やれることはすべてやる」という姿勢だ。加えて、保育サービスの相談や案内を行う「保育・教育コンシェルジュ」を配置して、保護者のさまざまなニーズに対応。フルタイム勤務でない保護者に対しても、市が補助している一時預かりの施設などを紹介するなど、きめ細やかなアドバイスを徹底したいとしている。○家賃補助などの保育士確保策も充実また喫緊の課題となっている保育士不足の解消にも力を入れている。ほかの自治体に比べて家賃が高い横浜市では、保育所が保育士のための宿舎を借り上げる際に補助金を支給する「宿舎借り上げ支援」を実施。潜在保育士などを対象にした就職面接会を充実させたり、保育施設の人材確保策の相談に応じたりするなどの取り組みも引き続き進めていくという。正確な集計は出ていないものの、市の担当者によれば「今年も保育園などの利用申込者数は増えるという実感がある」という。そんな中でも取材の最後には、「すべての人が子育てしやすい市を目指したい」と熱い思いを語ってくださった。「待機児童」にとどまらず、新たな課題となった「保留児童」の解消にも全力で取り組む横浜市の今後が注目される。※画像と本文は関係ありません。
2015年11月10日2013年に待機児童数ゼロを達成した横浜市。保育施策が充実している自治体としても知られ、保育園等の利用申し込みが増える中、今春も8人にまで待機児童数をおさえた。しかし一方で、待機児童には含まれなかったものの、申し込みをしたにも関わらず認可保育園に入園できなかった、いわゆる「保留児童」の数は2,534人にものぼり、一部からは不満の声もあがっているという。現在、市の保育現場ではどのような変化が起きているのか、担当課に尋ねた。○実は増加している「保留児童」とは横浜市によると、保育園などの利用申込者数は年々増加している。特に2013年春に待機児童数ゼロを達成して以降、2014年春には前年に比べて4,114人増、今春は前年比4,594人増の5万7,526人にのぼった。この状況について担当課は「利用そのもののニーズが高まっている上に、待機児童数ゼロ報道の影響もあると思われる」と回答。特に今年については、子ども・子育て支援制度の導入により、施設整備の充実に関して期待感が高まったことが背景にあるとみている。そんななかでも、今年4月時点では待機児童数を8人におさえた。しかし、横浜市が「一部から不満の声もある」としたのが、認可保育施設を利用することができなかったにも関わらず、待機児童数に含まれなかった人たちの存在だ。厚生労働省の定義では、認可保育施設を利用できなかった場合でも「自治体の単独保育施策による保育施設を利用している」「主に自宅で求職活動をしている」「育休を取得している」「利用できる施設があるにも関わらず第1希望の施設利用しか望まない」などの条件に該当すれば、待機児童に含まれない。これらの条件に該当した人たちの数を横浜市では「保留児童」と呼んでカウントしている。この「保留児童」の数が、今年4月1日の時点で2,534人。このうち横浜市が独自の基準で認定し、助成している「横浜保育室」などの認可外保育施設の利用者は926人にのぼる。さらに、「保留児童」は昨年の同時期と比較すると150人、さらにおととしの同時期と比べると788人も増えているのだ。○「地域間格差」と「保育士不足」が課題になぜこのようなことが起きているのか。大きな背景としては、就学前の児童数が減っている一方、定員増を上回る勢いで利用申込者数が増えていることがある。加えて担当者は「地域間の格差」と「保育士不足」をあげた。横浜市の北部に位置する港北区、神奈川区、鶴見区については、就学前児童数の増加を背景に利用申込者数が定員を大幅にオーバー。中でも、港北区にいたっては、450人分の定員増を実現したにも関わらず、448人の保留児童が発生する事態となった。加えてこれらの地域では大規模な宅地開発なども進んでいて、保育施設を整備するための土地も不足しているという。反対に、地域によっては児童が集まらず、272園で1,974人もの定員割れが生じている。さらに保育士不足も深刻だ。面積に余裕があり、定員を増やせる既存の施設でも、保育士が確保できずに断念するケースが少なくないという。さらに担当者は、「処遇が低いといわれるなかで、家賃などが高い横浜市を保育士が敬遠するケースもある」と指摘した。これらの課題に、横浜市はどのようにして立ち向かおうとしているのか。後編では、今年度実施している市の取り組みをご紹介する。※画像と本文は関係ありません。
2015年11月09日サンスターはこのほど、日々の血糖値や食事内容などを記録できる「糖尿病管理手帳 WITHNOTE 2016」を抽選で1,000名にプレゼントすると発表した。「糖尿病管理手帳 WITHNOTE 2016」は、糖尿病患者の意見をもとに2014年版から製作されているもの。日々の血糖値や食事内容に加えて、血圧、体重、歩数などが記録でき、血糖値のコントロールに活用することができる。2015年版利用者へのアンケートでは、「自身の生活習慣改善のヒントが得られた」などの声が寄せられ、回答者の90%が糖尿病管理に役立っていると回答したという。2016年版では、糖尿病・歯科検診の検査結果に対しての目標記入欄や、糖尿病のお役立ち情報コラムなども付いている。メモページを追加したり、月間カレンダーの表示を改良したりするなど、さらに使いやすさを高めた仕上がりになっているとのこと。同社が運営するウェブサイトから応募が可能。締め切りは11月25日となっている。
2015年11月06日西友は10月28日、「西友、惣菜ビジネス戦略発表会・試食会」を東京都・八重洲にて開催し、日本糖尿病協会が監修した糖尿病になりにくい「8品目のヘルシー弁当」(398円・税別)の発売を発表した。○カロリーと塩分をおさえた弁当が発売同商品は糖尿病を予防したい人、健康志向の人などを対象にしたお弁当。カロリーや塩分をおさえ、野菜を中心とした栄養バランスのいいおかずを取りそろえている。商品づくりにあたってメニューを監修したのは、糖尿病予防の啓発活動などを行っている日本糖尿病協会。発表会では、実際に監修を担当した同協会理事で秋田大学大学院 医学系研究科教授の山田祐一郎氏が登壇し、どのような点に留意しアドバイスを行ったのか解説してくれた。まず指摘したのは「エネルギー量」だ。山田氏によれば、標準的な糖尿病患者の摂取エネルギー量は1食あたり500kcal。同商品はそれを下回る※464kcalに設定されている。さらに山田氏は低カロリーの効果について「長寿につながる」とコメント。「一般的な人が摂取している標準的な1日のエネルギー量は2,000kcalと考えると、1食あたりの(平均摂取エネルギー量と比較して)同商品のエネルギー量は2~3割減となり、 同商品は長生きにつながる健康食といえる」という。また塩分量は※2.3gに設定 。厚生労働省によれば、塩分摂取量の1日あたりの目標値は成人男性で8.0g、成人女性7.0gとなっていることから、毎日3食同商品を食べても目標値を達成できることになる。加えて、脂肪やたんぱく質、炭水化物のバランスも重視した。最後に山田氏は「糖尿病患者の食事というのは特別な病気の人に対する食事というよりは、一般の人にとっても健康にいい食事。結果として糖尿病にもなりにくいので、食事をとる際にどういうことに留意する必要があるか、意識づけるという意味でも食べていただけたらと思う」と述べた。※関東エリアで販売される商品の栄養成分値○薄味……かと思いきや、満足感たっぷり!さて、気になるのはそのお味だ。早速提供されたお弁当のふたを開けると、彩り豊かでボリュームたっぷりなメニューが並んでいた。品目は8種。野菜ばかりなのかと思いきや、お肉もしっかり入っている。メインディッシュの「チキントマト煮」は、「満足感を感じてもらいたい」とカロリー制限がある中でも味付けなどを工夫して盛り込んだという1品。実際に食べてみると、トマトの味がしみこんだジューシーな味わいが口の中に広がり、空腹を満たしてくれた。くわえて「小松菜のおひたし」や「野菜の煮物」は、塩分控えめながらしっかりとした味付けになっている。同社によれば「煮込みや冷やしこみの時間を工夫した」とのこと。ごはんも「十六穀米御飯」と「五種豆と五穀入り御飯 」の2種を用意。栄養価が高いだけでなく、かむ回数が増えることで腹持ちが良くなる効果もあるという。同商品は全国の西友341店舗で11月6~30日の期間販売される予定だ。○6人に1人が糖尿病&糖尿病予備軍「糖尿病が強く疑われる人」の割合は近年増加傾向にあり、男性で16.2%、女性で9.2%。このうち65歳以上の高齢者は73.3%を占めている(2013年国民健康・栄養調査: 厚生労働省)。さらに日本糖尿病協会によれば、日本の総人口の6分の1にあたる約2,210万人が糖尿病、またはその予備軍に該当するということで、予防のための食生活や食習慣の見直しがますます求められているといえるだろう。11月14日は「世界糖尿病デー」、11月9~15日は「全国糖尿病週間」となっている。この機会に、普段意識することが少ないかもしれない糖尿病について関心を持ってみてはいかがだろうか。
2015年10月29日