「僕にとっては10年に一度の作品だと思っています」きっぱりとした口調で言い切ったのは『聖(さとし)の青春』で夭折した棋士、村山聖を演じた松山ケンイチさんだ。同世代の羽生善治らと死闘を繰り広げながらも若くして病に倒れた棋士の生き様を描く同名のノンフィクション小説を読んで以来、映像化を願っていたという。「村山さんの生き方に感動しました。本を読んだときの僕は29歳かそこらで、ちょうど村山さんが亡くなられた年代だったんです。それもあって、すごく彼にリンクしたんだと思います。これは絶対に映像化したほうがいいと思っていたとき、映画化が進行中と知り『やらせてください』と立候補しました」松山さんは凝った役作りに定評がある役者だ。体重を大増量したのが話題だが、注目すべきは精神面の役作り。松山さんは村山聖を理解するために彼が生前に住んだアパートや将棋会館に足を運ぶなどし、村山の息吹を感じることに時間を割いた。「彼は将棋だけじゃなく、映画や音楽、漫画の知識も深い人でした。普通に学校に通って友情を育み、恋をしてという経験がない分、それらへの憧れも強かったような気もします。僕自身も人とのコミュニケーションよりも映画や漫画に感動を求める面があるので、村山さんの心境がなんとなく理解できました」松山さんはまた、村山の勝負師としての刹那的な生き方と自身の役者としての生き方に共通点があるとも感じたという。「勝負の世界に生きる人というのは、どこか欠けている部分があるんじゃないでしょうか。人生のある局面で全てを懸けるためには、何かを捨て去るわけですが、その感覚が役を演じるのと似ている。僕も役を演じるために、不要なものを犠牲にすることがあります。でも今回はすごい挑戦でした。きちんと村山聖を演じることができたら、役者を辞めてもいいとさえ思いましたから」松山さんの覚悟のほどはスクリーンからもしっかりと伝わってくる。目が離せない場面が多いが、特に印象的なのは東出昌大さんが演じる羽生善治とのシーンだ。「村山さんと羽生さんのような関係は、お互いを同じように尊敬しあい、同じゴールを目指している人同士じゃないと成り立たない。恋愛とは違うけど互いに恋いこがれている関係でもあり、男同士のラブストーリーといってもいいですね」定義するのが難しいこの感覚は、撮影現場で松山さんも折に触れて体験するもの。本作の撮影中、彼がもうひとつ実感したのが「好きに勝ることはない」ということ。「大変な作品でしたが、本当に好きなことをしているのでプレッシャーなどは一切感じませんでした。僕にとって必要な作品だから巡り合ったんだと思うんです。今回のように自分でやりたいと望むことも大事なのだとわかりました。今は自分のなかでテーマを持ち、やりたい役や演じなくてはならない役を常に探しています。そのために見聞を広げ、アンテナを張りたいですね」◇まつやま・けんいち1985年、青森県生まれ。『デトロイト・メタル・シティ』『うさぎドロップ』『怒り』など、演じる役ごとにガラリとイメージを変える演技力を高く評価される実力派俳優。スーツ¥115,000(タリアトーレ/エストネーション TEL:03・5159・7800)シャツ¥35,000(ジョバンニ イングレーゼ/トゥモローランド TEL:0120・983・522)タイ¥10,000(カラブレーゼ/シップス 銀座店 TEL:03・3564・5547)チーフ¥6,500(ポール・スチュアート/SANYO SHOKAI TEL:0120・340・460)◇'90年代、天才と呼ばれる羽生善治に対して“西の怪童”と絶賛された村山聖。勝負に全身全霊を懸けながらも病のために若くしてこの世を去った棋士の半生を描く実話ドラマ。11月19日より丸の内ピカデリーほか全国公開。(C)2016「聖の青春」製作委員会※『anan』2016年11月23日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・五十嵐堂寿ヘア&メイク・勇見勝彦(THYMON Inc.)文・山縣みどり
2016年11月21日プロ棋士・山崎隆之八段が、松山ケンイチ主演の映画『聖の青春』(11月19日公開)にカメオ出演していることがこのほど、わかった。同作は天才棋士・羽生善治と"東の羽生、西の村山"と並び称されながら29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖の生涯を、師弟愛、家族愛、ライバルとの友情を通して描く実話。主演の松山が村山聖を、東出昌大が羽生善治を演じた。山崎八段は、村山聖の師匠である森信雄七段の門下生であり、村山の弟弟子にあたる。丁寧な解説で将棋番組でも人気となっており、今回将棋会館の受付役として出演した。山崎は、村山について「いつもたこ焼きを差し入れてくれて棋譜並べや将棋を見てた」と思い出を振り返る。同作を観て「わずかな接触や見て感じた印象が色褪せない。ごまかしが嫌いだったなと見て改めて思った」と感想を語り、「生きることを自分の決めたことにごまかしなくかける人って人から忘れられないんだなと感じた」と、亡き兄弟子に想いを馳せた。また第一線で活躍する棋士たちも「今でも自分の心の中で生き続けている」「彼と出会って対局が出来たことは棋士として大きな誇り」と、”村山愛”が感じられるコメントを寄せている。(C)2016「聖の青春」製作委員会
2016年11月20日映画監督に、出演役者の印象を伺っていく「監督は語る」シリーズ。今回とりあげるのは、東出昌大(28)だ。2012年に『桐島、部活やめるってよ』で、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、鮮烈な俳優デビューを飾る。その後もTV・映画問わず話題作に出演し続け、『クローズEXPLODE』(14)では初主演に。2016年は『ヒーローマニア-生活』『クリーピー 偽りの隣人』『デスノート Light up the NEW world』が公開された。最新作『聖の青春』(11月19日公開)では、実在の棋士・羽生善治役に挑戦する。○東出昌大の印象東出くんは、大物ですね。思考プロセスが大胆なところが、すごく魅力的だと思います。羽生さんと東出くんと僕の3人で食事をしたんですが、東出くんは「僕は羽生さんを観察したいので、基本的には監督がしゃべってください」と言うんです。だから、東出くんは本当にしゃべらなくて、羽生さんの箸の置き方とか、所作とかをすごく勉強していたらしくて。その後もう1度、羽生さんに取材に行ったら、その時もずっとメモを取っていました。時々感じ入って「は~!」ってすごいため息をついていたりとか。羽生さんは紳士でしたが、びっくりしていたんじゃないかな(笑)。天才 VS 天才の図でしたね。本当に役に入り込んでるので「羽生さんと会える」じゃなくて、「今から自分が羽生になる」「俺が羽生だ」くらいの気迫とピュアさを感じました。その思考プロセスがすごいから、彼しかできないような役がすごく合う。普通の役柄でキャスティングされると、もしかしたらはみ出ちゃうこともあるかもしれません。彼はスケールが大きい人なので、スケールの大きい役を与えていかないと。普通の人は普通の役で修行を積むけど、彼は逆だと思いますね。すごいことですよ。○撮影現場での様子いろんなところで、東出くんが「監督から現場で松山くんと話すなと言われた」と言ってるんですが、「話すな」とは言ってないんですよ!(笑) 「羽生さんは、輪の外にいるんだけど、なぜか中心にいるような人」とイメージを伝えたんです。それを解釈してくれたのかもしれません。東出くんは、そういう風に額面通りに物が伝わらない面白さがあります(笑)。でも、大きなところでちゃんととらえてくれているんです。確かに、トップの棋士達はみんな勝負師で、自立している存在、孤高の存在だと思います。みんなが自分の勝敗を背負っていて、白と黒だけで決まっていく空気感って、僕らはなかなか知らない世界。俳優もそれぞれが自立して勝負する現場にしたかったので、言わずとも、全員そういう風な関係になっていったのだと思います。特に松山くんと東出くんの2人は、誰にも届かないような孤高のものを心に持っている2人という位置付けだったので、むやみに接する必要はありませんでした。○映画『聖の青春』でのおすすめシーン東北の雪の中の対局の佇まいは素晴らしかったですね。クランクインした時は大阪近辺で撮影していたんですけど、まだまだ「頑張って羽生になっている」状態で、ハードルが高かったんですね。もちろん演技としては出来ているんだけど、頑張りが少し出ちゃっていたから、東出君も「僕、ダメでしたよね」と反省していたんです。でも東出君の中にある、いい意味で自分本位なところを出せば、役に没入できるんじゃないかと感じたので、それを伝えたらぐっと良くなりました。東北で将棋盤を挟んだ時に、急に村山と羽生になったんですよ。頑張らずに、羽生になっていた。そこからは東出くんを撮っていて、すごく気持ちよかったです。(C)2016「聖の青春」製作委員会
2016年11月20日公開初日を迎えた映画『聖の青春』の舞台あいさつが19日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、主演の松山ケンイチをはじめ、東出昌大、リリー・フランキー、柄本時生、森義隆監督、棋士の羽生善治が出席した。公開前から大きな話題を集めていた本作の初日舞台あいさつに、主演の松山ケンイチらキャスト陣と森監督が登壇。主人公の村山聖を演じた松山は、撮影以来の再会となったリリー・フランキーから「本当に痩せたよね。コロコロしている時の松山君の方が好きだな」と指摘されて「よく言われるんです(笑)。嫁(小雪)にも言われたんですけど、(太ったら)村山聖か相撲取りですよ」と自虐的だったが、本作については「原作と出会った時は5年に1本の作品になると思いました。それが撮影をしたら10年に1本となり、撮影が終わったら一生に1本だと思いました。人間としての原動力にもなりましたし、村山さんを愛すことができて幸せでしたね」と充実した表情を見せた。羽生善治役の東出も「将棋って映画になるのか不安でしたが、撮影では一気に吹き飛びました。こんなに素晴らしい台本に出会えたと思って撮影中は没頭できてすごく楽しかったです」と満足げ。舞台あいさつの途中から登場した羽生善治三冠も「映画を見た時に随所随所で村山さんが生活していた場所だったり時代背景だったりとリアルティーや臨場感を大切にして作られていたとひしひしと感じました」と絶賛した。その後、劇中での「もしも神様がいたら何を願う?」というセリフにかけ、登壇者にその答えを求めるコーナーも実施。最初は「パス」と回答を保留した松山だったが、登壇者が一通り回答すると発言を求めて「リリーさんに撮影中に言われてうれしかったのが、『子どもが3人もいるのに童貞臭がすごいよね』と言われ、それは村山さんと共通していると思ったので自信がつきました。確かに20代の頃から童貞俳優と言われてきて、僕自身柄本時生という俳優を発見してから、すごい童貞俳優がいると気づいたので、童貞俳優を取り戻したいです。僕の上を確実にいっていると思いますよ」と答えて会場の笑いを誘っていた。松山ケンイチ主演の本作は、天才棋士・羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖の実話を元にした奇跡の物語。病と闘いながら全力で駆け抜けた村山の29年の生涯を描く。
2016年11月19日松山ケンイチが驚異の体重増量と役作りで、病いと闘いながらわずか29年の生涯を駆け抜けた伝説の棋士を熱演する『聖の青春』。その松山さん演じる村山聖と「東の羽生、西の村山」と並び称され、現在もなお棋界の頂点で活躍する羽生善治を演じるのは、精神面・肉体面の両方からアプローチし、激似ぶりが話題となっている東出昌大。それぞれ渾身の役作りが話題になっているこの2人。お互いが最大のライバルでありながら、村山さんにとっての羽生さんは「ヒロイン」ともいえる存在であったという。将棋界の最高峰「名人」を目指し、人生をかけ、短い命を燃やした村山聖九段。彼の最大のライバルにして、憧れの存在でもあったのが、100年に1人と称される天才棋士、羽生善治だ。村山さんにとって、同世代ながらトップ棋士として活躍する羽生さんは凄まじいライバル心を燃やす相手である一方、「羽生さんと同じ空気を吸いたい」と、当時拠点を置いていた大阪から上京するほどの憧れの存在だった。対する羽生さんにとっても、村山さんは強烈な存在だったよう。先日行われた映画公開記念イベントでは、羽生さん本人が、かつて負けた一戦を回顧しながら「彼の手の動きが印象的で、いまでも覚えている」と語っており、短い期間ながらも、濃い時間を過ごした2人の確かな関係性をうかがい知ることができる。本作においても、松山さん演じる村山聖と、東出さん演じる羽生善治の関係性は物語の核となる重要な部分。これまで、『ひゃくはち』で万年補欠の野球部員、『宇宙兄弟』で宇宙飛行士を目指す兄弟という“名ライバル”を描いてきた森義隆監督は、撮影にあたり、2人の距離感を大事にするため、松山さん、東出さんに演技以外での会話を禁止するなど、徹底した関係作りを行ったという。そして、棋譜すべてを覚え、約3時間にもおよぶ長回しを行った伝説の対局シーンを、「2人が勇気を持って『やる』と言ってくれた」と嬉々として語りながら、「想像のはるか上をいくものが出来上がった」と自信のほどを語っている。松山さん、東出さんの2人もまた、撮影中、互いの演技に触発されていた様子だ。先日行われた村山さんの地元・広島での舞台挨拶で、「羽生役が東出くんで本当によかった」と話した松山さん。「羽生さんというオーラを身に纏ってくれたから、村山さんが羽生さんに抱いていた尊敬の念を自然と持つことが出来た」と語り、自ら「本作のヒロイン」と言ってはばからない東出さん演じる“羽生善治”への気持ちが、“村山聖”という役と見事にシンクロしたことを明かしている。一方、東出さんも、「松山さんの演技に負けないよう、真剣で切り合うつもりで挑んだ」と、松山さんの演技に大いに刺激を受けた様子。盤上で棋力を存分に引き出しあっていた村山さんと羽生さん同様、互いの力を限界まで引き出しあった松山さん、東出さんの両名の熱演は必見だ。また、本作では対局を離れた2人の会話シーンも見どころとなる。“激戦”の後、2人っきりの食堂で、将棋に対する想いや、対局における“潜る”という感覚、そして対局の先にあるまだ見ぬ世界への憧れを語り合う2人の姿にもグッとくるものがあるはず。最大のライバルであり、“将棋”という道を究める同志でもあった村山さんと羽生さん。松山さんと東出さんが渾身の役作りで演じた、この2人のアツい関係にぜひ注目していて。『聖の青春』は11月19日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:聖の青春 2016年11月19日より全国にて公開(C) 2016「聖の青春」製作委員会
2016年11月18日●村山聖が憧れた羽生善治と向き合う感覚29歳の若さでなくなった天才棋士・村山聖。少年時代から、難病と戦いながら将棋にすべてを賭けてきた彼の人生を描いたノンフィクション小説『聖の青春』が、発表から16年を経て映画化されることとなった。2008年に映画化の企画が生まれてからさらに、公開まで8年の月日をかけ、監督の中でも熟成された作品に挑むのは、松山ケンイチと東出昌大だ。"怪童"村山聖を松山、将棋界でも100年に1度の天才と呼ばれ現在も活躍する棋士・羽生善治を東出が演じた。先に行われた東京国際映画祭では、東出から「ヒロイン・羽生善治役」とジョークも飛んだが、ライバルであった2人の対局シーンには映画というフィクションを超えた迫力、そして将棋盤をはさんで育まれた絆が宿っていた。○戦っているのが見えた――おふたりは初共演とのことですが、お互いの印象はいかがでしたか?松山:東出くんが出ている作品も観ていましたし、(早乙女)太一くんと共演した時に東出くんの話を聞いたりしていたので、「どんな人なのかな」と楽しみにしていました。かといって、色々とプライベートな話をするような状況でもなかったような気がします。現場に入ったらもう東出くんじゃなかったですね。自分の中ですごく戦っているのが見えました。最初は本当に対局シーンだったんだよね、大阪で。東出:はい、そうでしたね。松山:一発で、「羽生さんだな」と思いました。村山さんが、尊敬や憧れを感じていただろう"羽生さん"が目の前に現れたんですよね。東出さんがすごくリサーチをかけて役を作ってきたのも見えましたし、何より羽生さんと将棋に対する愛情をすごく感じて、それがひとつのオーラになっていました。だから、羽生さんを演じる東出くんを素直に尊敬できたし、憧れることができて、「これからすごく面白いことになるな」と思いえました。自分自身も、もっともっと村山さんに向き合って演じていけば、それこそ作中で対峙した時のように、深い海に2人で潜っていけるな、という実感がありました。東出:僕は、クランクインする前から、プロデューサーさんや監督さんから「松山さんがすごく過酷な増量をしている」とか、「将棋連盟に通っている」とか、色々とお話を聞いていたんです。クランクインして2週間ほど経ってから現場に入ったんですが、それまでに「村山聖の組として現場を作っておくから、お前はそこにライバルとして入ってこい」と監督から言われていて。実際に現場に入ったらもう、ライバルとしての村山聖がいました。松山さんの気迫あふれる村山聖を前にして、やっぱり僕も嬉しかったです。元々松山さんの作品も見ていますし、尊敬する先輩としての印象は大きかったんですけど、現場に入ってからは村山さんとして向き合う感覚でした。鬼気迫るものがありましたね。●向かい合うシーンは、ある種の殺し合い○「この人大丈夫か」という感覚――対局シーンにしても、食堂でお酒を飲むシーンにしても、お二人が向かい合ってるシーンが多くて印象的だったのですが、どういう気持ちで対峙していたのでしょうか。松山:ずっと、東出くんが前にいるというよりも、羽生さんが前にいるという感じだったんですよね。東出くんがそこまで役を昇華させて自分のものにしているから、すんなり入ることができて、こちらとしてはありがたかったです。そこに支えられている部分もありました。東出:僕は松山さんから、鬼気迫るものを感じていました。先日、行われた羽生さんと(原作の)大崎善生さんのトークショーで、羽生さんは生前の村山さんに対して「この人大丈夫か」と思っていたと話されていたんです。それは村山さんの病のこともあるし、将棋の指し手に鬼気迫るものがあったからだそうで。まさしく、僕が松山さんに抱いていた気持ちそのまんまだなと思いました。羽生さんが病のことを気にされていたように、僕も増量による松山さんの体の負担のことも考えましたし。松山さんが村山聖として、対局中に肩をいからせて入ってくる姿は、威圧感がありながら繊細さもはらんでいて、ある種の”殺し合い”という感じはありました。――作中の対決だけでなく、演技の上でも対決、みたいな感覚は少しあったんでしょうか?東出:「現場であまり松山さんと話さないように」というお話は、監督からありました。もちろん、みんなで軽く待ち時間に「この掛け軸、いいね」みたいな話などはしたんですが。僕等に限らず、みなさんが役を引っ張って、ずっとギアを上げている状態だったと思います。全員で同じ方向を向いていたのがこの現場のすごさですし、俳優部だけでなく、全体的にずっと緊張感のある現場だったと思います。松山:スタッフの方々の、環境づくりみたいなところは凄まじかったですよね。東出:本当に。松山:やっぱりみんな、将棋が好きなんじゃないかなと思いました。中にはもちろん、将棋を知らない人もいたと思うんですけど、愛がありましたよね。○森監督にききたいこと――棋士の役作りということで、将棋連盟にも通われていたという話ですが、どのような雰囲気を意識されましたか?松山:撮影に入る前の準備段階で、実際に対局室にお邪魔した時に、普段自分が吸っている空気とは明らかに次元の違う空気感があったんです。それをどう演技で表現していくかはすごく大事なことだと思っていましたし、ある意味一番時間かかかっている部分かもしれません。やっぱり、棋士役の人たちはみんな、プロ棋士としての佇まいを身につけるのに苦労したんじゃないでしょうか。きっと裏では各々が一つのコマを持って、ずっと将棋をさしていたんだと思うんです。――ぜひ今回メガホンをとった森監督に言いたいこと、聞きたいことがあれば教えていただきたいです。松山:監督は8年間企画を進めようとしていて、僕は途中の段階から入ってきているんです。「ぜひ村山さんを演じたい」とアプローチをして、選んでいただきました。すごく嬉しかったし、選んでいただいたからこそ、限界以上のものを出さなきゃいけない、という覚悟もありました。だから、単純に、なぜ僕を選んでくれたのか聞いてみたいですね。東出:監督は村山聖のことが大好きですし、映画が大好きだと思うんですけど、この映画を撮っていて「楽しかったですか?」と聞きたいですね(笑)。撮影している時に、気迫がすごくて。この映画にかける思いを聞いてこなかったように思うんですよね。楽しかったとしたら、どのシーンを撮っていたときが楽しかったのか教えていただきたいです。※監督からの回答は次のページに掲載●俳優2人からの質問に、監督の回答は?2008年に 『ひゃくはち』で映画監督デビューし、2012年には『宇宙兄弟』が大ヒット。テレビ、映画、舞台と幅広く活躍しながら、この『聖の青春』を映画化するために8年もの間動き続けてきた森義隆監督は、俳優2人から預かってきた質問に快く答えてくれた。○監督の回答・松山ケンイチさんからの質問:なぜこの映画で僕を選んでくれたんですか?森:8年前から君の名前は挙がっていました(笑)。その上、こっちが「撮れるぞ」というタイミングで自ら手を挙げてくれたことに、運命を感じたんです。企画から8年もかかっていると、もう「この作品が動く時って運命しかないな」と思うんですよね。やっぱり実在した人物の物語を撮る時に、作り物じゃないものにしていこうと思うと、ある大きな流れの中でしか撮れないんじゃないかと思い始めて。30歳の松山くんが、29歳で死んだ男の話に手を挙げてくれたことにも、必然を感じました。・東出昌大さんからの質問:この映画を撮っていて楽しかったですか?森:めちゃめちゃ楽しかったし、鬼気迫ってないですよ!(笑) 僕が20年やっている中で、一番楽しかったし、一番笑顔が多かった現場です。もちろん集中はしていましたが、撮影できるまでに8年もかかってるし、気負わないことは逆にテーマにしていました。しびれたのは最終対局ですね。2人の対局シーンを3時間長回しなんて、試したこともなかったし、俳優を信じるしかなかった。クライマックスシーンだから失敗できなかったし、僕の経験値でも2人の経験値でも、やれるかやれないかわからなかったけど、2人とも「やりたい」と言ってくれたので、一緒に飛び込めました。想像を超えた感覚があって、楽しかったです。■聖の青春(11月19日公開)"西の怪童"と呼ばれる新世代のプロ棋士・村山聖(松山ケンイチ)。現在七段の聖は幼少時より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患いながら、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指して快進撃を続けてきた。そんな聖の前に立ちはだかったのは、将棋界に旋風を巻き起こしていた同世代の天才棋士・羽生善治(東出昌大)。どうしても羽生の側で将棋を指したいと思った聖は上京を。そんな折、聖の身体に癌が見つかった。「このまま将棋を指し続けると死ぬ」と医者は忠告。しかし聖は聞き入れず、将棋を指し続けると決意。もう少しで名人への夢に手が届くところまで来ながら、彼の命の期限は刻一刻と迫っていた…。
2016年11月18日「ずっと探していた、ということだと思います。いろんなめぐり合わせで、村山聖という人物を演じられたことに感謝しなければいけないし…、やっぱり10年に1本の作品なんですよ。自分はこの役を演じるために、俳優になったんじゃないかとふと思っちゃって」。そう思わせるほどの役柄、作品との出合いが俳優にとって、どれほど幸福なことであるかは、想像に難くない。松山ケンイチが、29歳で急逝した天才棋士・村山聖を演じた『聖の青春』。幼い頃に難病のネフローゼを患いながら、将棋の才能を開花させた村山聖が、プロとして当時「東の羽生、西の村山」と並び称された最大のライバル・羽生善治と文字通りの死闘を繰り広げた青春の1ページを描く。大幅に増量した、命がけの役作りも話題だ。■村山聖を演じるためなら、命を燃やせる「体型の変化やそういう表面的なことが話題になるのは仕方ないと思いますけど、役者にしてみるとマストというか、最低限やらなきゃいけないことなので…。村山さんの体型には、持病が関係していたし、それを自分が肉体で表現することで初めて、村山さんの体の使い方、生活のリズム、クセや考え方に近づくことができたと思うので。歩き方も変わるし、『こんな場所が凝るんだな』とか(笑)。そういう意外な発見は、どんどん役作りに活かしましたね」。「村山さんが命、そして生きることに向き合う姿に、ものすごく感銘を受けたんです。男としてカッコいいなと思うし、20代で演じた平清盛もそうですが、何かに夢中になって生きているほうが面白いと思うんですよ。僕はまだ31年しか生きていないですが、常にそうありたいと思いますし、それを改めて実感させてくれたのが村山さんの存在。だからこそ、村山聖を演じるためなら、命を燃やせると思ったし、そうでなければ表現できないんです」。■村山聖の“鏡”として浮上した羽生善治メガホンをとるのは、『ひゃくはち』『宇宙兄弟』を手がけた森義隆監督。当初は「村山の内面に徹底的にフォーカスした」というが、大崎善生氏による原作小説をベースに、羽生善治本人を含めた関係者への取材を重ねる過程で、「村山と戦った人々、支えた人たちの心情にも目が届くようになった。結果的には、周囲を振り回しながら、それでも強烈な魅力を放つ村山を軸にした群像劇になった」のだとか。それでも“村山の不在”だけは解消されず…。「当然ながら、村山さん本人にだけは取材ができない。でも、きっと彼がお墓まで持って行った、誰も知りえない思いや言葉があるはずじゃないですか。そこを僕らが想像し創作して、村山さんの抱いていたかもしれない気持ちを羽生さんに対し吐露させた…、つまり村山聖の“鏡”として羽生善治が浮上したんです。村山の魂がどんな形をしているのかを突き詰める上で、羽生さんの存在がどうしても必要だった。ライバル同士の切磋琢磨だけじゃなく、孤高の天才二人にしか分からない魂の対話にグッとフォーカスしたんです」。■松山ケンイチvs東出昌大約3時間の長回しの“極限”舞台裏とは?最大の見どころは、やはり村山と羽生が繰り広げる対局シーンだ。松山さん、そして羽生を演じる東出昌大が、将棋指しにとっての“生きざま”そのものである棋譜を覚え込み、盤上で再現した。「本物の瞬間を撮りたかった」という森監督の意向に、2人の人気俳優も「ぜひ、やりたい」と応じ、約3時間に及ぶ長回し撮影が敢行された。現場に漂う“極限”の緊張感を想像するだけで、鳥肌が立つが、果たしてどんな舞台裏だったのだろうか?「単に棋譜を覚えるだけじゃなく、それを忘れながら、次の一手を必死に迷えるか。そのあたりは、事前に俳優と話し合うのもヤボだし、とにかく2人がやりたいと言ってくれたから。実際、カメラが回る3時間の間にも役作りがどんどん進む感覚で『ああ、村山が降りてきたな』と。役柄と役者の魂が渾然一体となって、もはや誰も寄せ付けない2人だけの“空間と時間”が生み出された」(森監督)「頼りになるのは、僕ら2人の体と駒だけ。ふり返ると、カメラ(の存在)も忘れてるし、役柄と自分自身の一体化というか、役柄すら捨てて、自分との対峙、そして東出くんとの対峙になっていたと思いますね。村山さんと羽生さんがそうであったように、僕らも“潜って”対話をしながら、いかに相手に火をつけていくか…。そんな3時間でした。その間、東出くんの顔は一切見ていないし、指し手のキャッチボールだけを続けました」(松山さん)最後に、松山さんに「もし、村山聖に会えるとしたら、どんな言葉をかけたいですか?」と質問すると、こんなシンプルで力強い言葉が返ってきた。「愛していたし、大好きでした」。(photo / text:Ryo Uchida)■関連作品:聖の青春 2016年11月19日より全国にて公開(C) 2016「聖の青春」製作委員会
2016年11月17日俳優の松山ケンイチが7日、広島・府中町で行われた主演映画『聖の青春』(11月19日公開)の試写会舞台挨拶に、森義隆監督とともに登壇した。本作は、天才棋士・羽生善治と"東の羽生、西の村山"と並び称されながら29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖の生涯を、師弟愛、家族愛、ライバルとの友情を通して描く実話。主演の松山が村山聖を、東出昌大が羽生善治を演じた。村山さんの故郷・府中町での舞台挨拶に、会場は観客であふれた。映画撮影前、村山さんを演じるにあたり、ご両親に挨拶をするために府中町を訪れた松山は、墓参りも行ったという。松山は「ご実家から村山さんのお墓に歩いていく道中、『村山さんはどんな風に道を歩いたんだろう』『この景色をみて何を感じていたんだろう』と、ゆっくり考えながらお墓に向かいました」と振り返り、「それが村山さんと向き合った、最初の瞬間でした」と明かした。また舞台挨拶の前に村山さん実家を訪問したという森監督は、お墓の前で映画の完成と公開を報告したという。実際に広島での撮影も行われたが、森監督は「広島の地を(松山くんに)歩かせたい、という強い想いがあり、予算オーバーになりながらも、広島の海での撮影を決めたんです」と告白した。舞台挨拶には、村山さんご両親も駆けつけ、映画の完成を祝福した。
2016年11月09日松山ケンイチが体重を増量し、病と闘いながら将棋に全人生を懸けた“怪童”を熱演した『聖の青春』。第29回東京国際映画祭のクロージングを飾った本作をひと足先に鑑賞した羽生善治をはじめ、棋士や、俳優、アイドルら各界の著名人から数多くの絶賛コメントが寄せられている。幼少期から腎臓の難病・ネフローゼを患いながら、将棋に人生を賭けていた村山聖。そんな中、同世代の棋士・羽生善治が前人未到のタイトル七冠を達成、聖は強烈に羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして聖は、将棋の最高峰であるタイトル「名人」になるため、いっそう将棋に没頭し、並居る上位の先輩棋士たちを下して、快進撃を続ける。やがて、聖の身体にがんが見つかる。聖は将棋を指し続けることを決意するが――。主人公・村山聖を松山さんが熱演するほか、聖の最大のライバル・羽生善治に東出昌大。聖の弟弟子・江川貢に染谷将太、聖を支えた師匠・森信雄役にリリー・フランキー、母・村山トミコ役に竹下景子、さらに安田顕、柄本時生、鶴見辰吾、北見敏之、筒井道隆ら豪華キャスト陣が集結。伝説の将棋指しの人生を、師匠、ライバルほか周囲から愛された記憶と共に、愛情豊かに紡ぎ出す。特に、聖を演じた松山さんと、羽生を演じた東出さんが、実際に棋譜を前に2時間半に及ぶ長回し撮影に挑んだ対局シーンは緊迫感&臨場感に満ちている。「村山聖さんの存在感の大きさを改めて深く実感した作品」と語るのは、羽生さんご本人。本作で描かれる“村山聖”について「彼の生きざまや周囲の人々の濃厚な関係は時間の長さではなく密度だとも教えてくれます」と、あたたかいコメントを残している。将棋好きでも知られる俳優・森本レオは「村山くんと羽生さんの会話を、もっともっと、見たかった」と2人のライバルを超えた関係性の描写を絶賛。また、「乃木坂46」の伊藤かりんは「命をかけた、その一手一手に、感銘を受けました」と語っており、将棋になじみの薄い層にも本作の思いが届いた様子だ。いずれのコメントにも、村山さんの生き様に“何かを得た”という言葉があふれている。本作のメッセージは誰の心にも、温かい、いや、アツい何かを残してくれることだろう。<コメント一覧>■棋士 羽生善治 三冠村山聖さんの存在感の大きさを改めて深く実感した作品でした。彼の生きざまや周囲の人々の濃厚な関係は時間の長さではなく密度だとも教えてくれます。彼と出会って対局が出来たことは棋士として大きな誇りですし、大切な思い出です。■棋士 渡辺明 竜王まさに命をかけて将棋を指すという村山聖九段の壮絶な人生に心を打たれます。松山ケンイチさん、東出昌大さんの棋士になりきった演技も素晴らしく、ぜひ多くの方に見ていただきたい作品です。■棋士 佐藤天彦 名人特に印象に残ったのは最後の対局のシーンでした。ものすごい迫力で村山さんと羽生さんの戦いを表現していると同時に、これは松山さんと東出さんの真剣勝負、闘いでもあるのではないかと思わされました。東出さんの所作には羽生さんを感じさせるものがありましたし、僕は村山さんにお目に掛かったことはありませんが、松山さんの「村山さん」は、それが本物の村山さんなのではないかという説得力がありました。■女優岩崎ひろみ強い力を持つ原作に、負けない役者、監督、スタッフに驚愕! 生命を懸けて指した将棋人生を、生命を懸けて撮影したんだと思いました。将棋を知らない人にも観てもらいたい。真剣勝負の心がヒリヒリする感じを…。本当にいた怪童村山聖を!■俳優森本レオプロって言うのは、「不滅の定跡!」、と言うお約束事から、どれだけ遠くへ行けるかを探し続ける人たちなんだ。村山さんは、どこまで、行けたんだろう。怖かったろうね。すごく。村山くんと羽生さんの会話を、もっともっと、見たかった。■「乃木坂46」伊藤かりん少し不器用だけど真っ直ぐで誰からも愛された村山聖さん。でも将棋にかける想いは誰よりも強く、命をかけた、その一手一手に、感銘を受けました。映画が終わる頃には、そんな村山聖さんの魅力に引き込まれていました。■ドキュメンタリー監督松江哲明棋士たちにしか体感できない時間を眺めながら、青春とは「負けたくない」ライバルと過ごした時間のことをいうのかもしれないと思った。■映画パーソナリティコトブキツカサ病に侵されながらも将棋と人生を等価にして生きた村山聖。ライバルである羽生善治との命を削る屍山血河の末に見た景色とは…?人と語りたくなる映画がまた1本増えました。■映画コメンテーター有村昆「羽生さんの見ている海はみんなと違う」このひと言にヤラれる…。天才しか見ることができないその先の景色。この映画は、その絶景を体現してくれる。■プロゴルファー東尾理子将棋を知らない私でも、涙が止まりませんでした。人生の「悔しさ」って、何だろう。死にたいほど悔しい、って思ったこと、ある?神様のすることは、予想がつかない。けどそれに向きあうことが、人生の勝負なのかな。『聖の青春』は11月19日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年11月03日俳優の松山ケンイチが2日、東京・EXシアター六本木で行われた第29回東京国際映画祭クロージング作品『聖の青春』(11月19日公開)の舞台挨拶に登壇。自身が演じた実在の棋士・村山聖の生き様に「自分の人生も考えさせられた」と明かした。本作は、天才棋士・羽生善治と"東の羽生、西の村山"と並び称されながら29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖の生涯を、師弟愛、家族愛、ライバルとの友情を通して描く実話。主演の松山が村山聖を、東出昌大が羽生善治を演じた。松山は、本作がクロージング作品に選ばれたことについて「とても光栄に思っています」と感激。「日本の伝統的な文化でもある将棋、日本独特の粋な美しさが存分に描かれている作品。世界中の方々に見ていただきたい」と話した。そして、演じた村山と自身の共通点について「将棋…僕で言う俳優という仕事が"生きる"ということと直結しているところが似ている」と言い、「その中でも、将棋だけが人生、俳優だけが人生ということではなく、(映画の中で)お酒を飲んでいるシーンや麻雀しているシーンも出てくる」と説明。「病に左右されずに自分の人生を自分の好きなように燃やしていく生き様が好きで、自分の人生も考えされられました」と感慨深げに語った。さらに、「人生の中に何かを与えてくれるような、背中を押してくれるような村山さんの生き様を堪能していただければ。そして、将棋の静かではあるんですけど斬り合っている様を楽しんでいただければと思っています」と呼びかけた。舞台挨拶には、羽生善治を演じた東出昌大、森義隆監督、そして、スペシャルゲストとして、リオ五輪メダリストの吉田沙保里選手、三宅宏実選手、羽根田卓也選手も登壇した。
2016年11月02日俳優の東出昌大が2日、東京・EXシアター六本木で行われた第29回東京国際映画祭クロージング作品『聖の青春』(11月19日公開)の舞台挨拶に登壇し、本作で演じた天才棋士・羽生善治役について「鬼のような思いで挑んだ」と語った。本作は、天才棋士・羽生善治と"東の羽生、西の村山"と並び称されながら29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖の生涯を、師弟愛、家族愛、ライバルとの友情を通して描く実話。主演の松山が村山聖を、東出が羽生善治を演じた。東出は「ヒロイン・羽生善治役の東出昌大です」とおちゃめにあいさつ。「東京国際映画祭という日本を代表する国際的な映画祭において、将棋という伝統的な日本のものを扱った作品がクロージングに選ばれたことは光栄」と喜び、「胸を張ってここに立っています」と話した。また、最初にこの話を聞いたときは「将棋が映画になるって大丈夫か」と思ったと明かし、「ものすごい動きも少ないですし、将棋は日本人の中でもわからない人もいるような複雑なルール」とその理由を説明。「ただ、この映画に映っていたのは人としての生き方や男同士の戦い。そういうものは世界共通だと思う」と続け、「国際映画祭で将棋のルールをご存じない世界の方々に見ていただいても、絶対に伝わるものはあると思う」と力強く語った。さらに、「将棋界の方は村山さんが体が悪いことはご存じだった。ただ、羽生さんもほかのプロ棋士の方たちも盤面を挟んだときに容赦しないんです」と話し、「人生を将棋にかけているからこそ手を抜くなんてことはしない。黒がついたときは死にも等しい…自分の人生がぺしゃんこになる瞬間なので」と棋士たちの生きざまを熱弁。「それでも僕は、村山聖の人生をぺしゃんこにしてやるんだっていう鬼のような思いの中でこの撮影に挑みました」と羽生善治役としての覚悟を打ち明けた。舞台挨拶には、村山聖を演じた主演の松山ケンイチ、森義隆監督、そして、スペシャルゲストとして、リオ五輪メダリストの吉田沙保里選手、三宅宏実選手、羽根田卓也選手も登壇した。
2016年11月02日●観客の喜びが佐藤プロデューサーへの恩返し藤原竜也のキラ・夜神月、そして松山ケンイチのL。名前を書いた人間を殺すことができるという死神のノート"デスノート"を巡って2人は頭脳戦を繰り広げ、命と引き換えに互いの正義を守り抜いた。今でこそ当たり前となっている2部作連続公開の先駆けともいえる実写映画。『デスノート』(06年6月)は28.5億円、『デスノート the Last name』(06年11月)は52億円の興行収入を記録し、漫画原作映画の成功例としてもその後の邦画界に影響を与えたと言われている。それから10年後、「新世界の神」は息を吹き返す。続編となる『デスノート Light up the NEW world』が公開されると発表されたのは、昨年9月のこと(当時の仮題は『デスノート2016』)。ドラマ版の最終回終了後に告知され、わが耳を疑った。舞台は月とLの死から10年後の世界。6冊のノートの存在が判明し、3人の天才が三つ巴の戦いを繰り広げる。その中心に立つのが、デスノート対策本部捜査官・三島創を演じる東出昌大(28)だ。Lの遺伝子を継ぐ世界的名探偵・竜崎(池松壮亮)、キラ信奉者でサイバーテロリスト・紫苑優輝(菅田将暉)。 役者としても手強い2人を脇に従え、"デスノートオタク"は人気シリーズを背負うプレッシャーを吹き飛ばすように熱のこもった演技を披露する。演じるのは天才。しかし、彼は自身を「凡才」と言い切る。俳優デビュー作『桐島、部活やめるってよ』(12年 以下『桐島』)で学んだ「逃げない心」が、インタビューの言葉からも伝わってくる。――映画化されると聞いて、本当に驚きました。同じです(笑)。えっ? 何やるの!? と。僕も多くの方と同じように前作のファン。そして、リアルタイムで観ていた世代。まさか、Lと月のどちらかをやるなんてないよな……。ファンの方が「え? マジで?」の後と同じようなことを、僕も考えました。その後、大場つぐみさんがアイディアを考えてくださって新しいストーリーになっているというのを聞いて、それならぜひと。台本が楽しみになりました。ただ、前作までがかなりの完成度で、マンガも完結している上に支持している方も多い。10年後……まさかニア、メロの10年後ではないよな……。そんなことも頭をよぎりました(笑)。――実際に上がってきた脚本を読んで、その心配の種は無くなりましたか(笑)?台本をいただてからは楽しみでしょうがなかったです。何よりもうれしかったのは、『桐島、部活やめるってよ』(12年)でもお世話になった佐藤貴博プロデューサーが10年前から手がけているシリーズに加わらせていただけること。外さないものは作らない方だとわかっているので、その指揮の下でやれる喜びもありました。佐藤プロデューサーは、ものすごい熱い方なんです。『デスノート』に対しての思いが、人一倍強く、生粋の『デスノート』ファンでもある。ファン10人分ぐらいの熱量でやっている方なので、大船に乗ったような気持ちというと失礼かもしれませんが、一緒に情熱を注ぎたいと思いました。僕が出させていただいた舞台『夜想曲集』で、終演後に楽屋あいさつに来てくださって。「よかったよ」と褒めていただいた後に、「ちょっとデカイ作品がある。お前でいくから」と言われたんです。その時は何のことか分からなかったんですが、それが去年の夏前ごろ。秋口にお話をいただいて、その時の言葉がピンと来ました。楽屋に来てくださったときの目つきが本当に真剣な目つきで、大きな期待と同時に、「覚悟しろよ」と言われている気がしました。『デスノート』は、佐藤さんにとっての宝。真正面から向き合わなきゃいけないと思いました。――東出さん、池松壮亮さん、菅田将暉さんの共通点が、日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞したこと。東出さんは壇上のスピーチで、「『桐島』のスタッフと俳優として再会したい」とおっしゃっていました。こうしてご一緒できるのはもちろんうれしいことですが、出演が決まったときは、プレッシャーとも違って……もっともっと考えないといけないことが先々に山積みになっています。映画が完成して、たくさんの方に観ていただいて「よかったよ」と言われた時に、ようやく"恩返し"になるのかなと思います。出演が決まった段階では、まだ恩返しではない。400メートル走であれば、「再会」はほんの2~3メートル程度と思っています。●「夜神総一郎に引き抜かれた」を捨てない――公開間近の今、400メートル走も佳境だと思います。現時点ではどのような思いですか。そうですね……。あっ! 映画、いかがでしたか?――10年後の続編と聞いて勝手に心配していたのですが(笑)、デスノートをうまく活用した物語に仕上がっていると感じました。良い意味で裏切られてしまった。あとは東出さんの演技が凄まじかった(笑)。ありがとうございます。今おっしゃったことをそのままを記事にしていただけると、最大のウリ文句になると思います(笑)。――でも、ネタばれになるから多くを語れないんですよね。そうなんですよ。僕らは劇場さえ来てくださったら、逆転に次ぐ逆転を楽しんでいただける絶対的な自信を持っているんです。ただ、いかんせんネタバレが多い(笑)。もし、一緒にご覧になっている方がいたら、答え合わせを絶対にするじゃないですか? これは『デスノート』シリーズが受け継いでいる魅力そのもの。そのポイントは外していません。――終わって、誰かと一旦整理してみたくなるあの感じですね。そういえば、東出さんが演じた三島。彼の正義感の背景などは、描かれていませんでしたね。準備稿の段階ではありました。「上司を殴って窓際部署の対策本部に配属された」という設定でしたが、「実は夜神総一郎に引き抜かれた」という裏の設定も。夜神総一郎はいずれまたデスノートを巡る事件が起こると予感していて、有能な三島を引き入れたんです。これらは台本から削られましたが、僕にとっては捨ててはいけないこと。佐藤(信介)監督からも、「頭のなかに残しといて」と言われていました。――佐藤プロデューサーは、「内面を表現してもらうように、試行錯誤してもらった」と。具体的にどのような試行錯誤だったのですか。デスノートには、単純に人を殺せるということだけではなくて、独特の魔力があります。あの世界に身を投じて、デスノートの怖さをさらに知っていくことが大切でした。手に入れると人格が変わってしまう。それが『デスノート』。三島、竜崎、紫苑はそれぞれの正義感があったはずなのに、その正義感が歪んでしまう。月だってあんなに爽やかな青年だったのに、一歩道を踏み外すとそれがどんどん加速していく。そういう心情を、台本を読み込みながらどんどん掘り下げて、感情を追うだけではなくて、そこにはデスノートの何が作用したのかも考えるようにしました。――デスノートのルールはとても複雑です。三島の部屋に積まれたノートには実際にそれらが書き込まれているそうですね。細かいルールも頭に入れていたんですか?僕も原作ファンなので、原作ファンの裏切られたくない気持ちがすごく分かります。だから、仮に「ルールを無視」と言われたら、「それはファンとしてできません」と断っていたと思います。そういう共通認識をこの作品に関わる人はみんな持っていて。台本が改訂していく中でも、どのルールが作用しているのか、確認し合いながら進めました。――デスノート対策チームの現場では、撮影後に酒盛りが行われていたそうですね。どなたのアイデア?たぶん、池松くんだったと思います。毎晩(笑)。ロケ地の神戸に入って、監督、プロデューサーさん、美術部さん、俳優部で焼肉食べに行った後は、連日デスノート対策チームで酒盛りです(笑)。深夜2~3時までかかることのほうが少なくて、22時ぐらいには終わって。家族と談笑するように、自然とみんな部屋に集まって語り合い、そうやって役の皮を一旦剥がして寝ていました。――その目的は? 相手を知るため?それもありましたね。子どもの会話みたいなんですが、「デスノートを手に入れたらどうする?」とか。ある時に、「電車の中で嘔吐した人がいたら?」という話になって。そこはそれぞれの人間性が出るというか、みんなディベートのように自分の考えを真剣に話していました。翌日、池松くんが「昨日のように、人の核となるような話をしたかった。お互い話せないこともなくなるから」と言っていたのが印象的で。確かにそうだなと。それからは、お互い遠慮することもなく、思っていることを確認し合えました。あの時間があるのとないのでは、演じる上でも大きく違っていたと思います。●『桐島』ラストの葛藤「泣けるのか?」「泣けない!」――以前からお酒がお好きとおっしゃっていましたね。東出さんにとって「お酒」はどのような役割がありますか。緊張感がある中で、副交感神経を和らげる効果があります(笑)。リラックスできるので、人と話す時は本当に便利ですね。お酒を理由に暴れたりするのはちょっと違うと思うんですけど、「お酒を飲んでるから何でも話していいよね?」みたいな方向に持って行けるのがありがたい(笑)。そういう力を借りて、みんな腹割って話すのが好きですね。――だいたい共演される方と飲みに行かれるんですか?作品によって異なります。今回は「デスノートを敵」として集まった対策本部の面々だったので。でも、役者でもいろいろなタイプがあると思いますが、仮に思いっきり敵対して憎しみ合う役だったら、一緒に飲みたいとは思わない。そういう気持ちで、現場で顔を合わせないようにすることもあります。――俳優デビューとなった『桐島』の時と比較して、現場の人や作品との向き合い方は変わりましたか?ちょっとずつ、逃げなくなってきたのかなと思います。ちょっとずつですが。まだ、自分は弱くて、もっともっと深く突き詰めなければいけない。言い訳せず肩の力を抜いて楽になれば、より良くできるのかなと思う時もあるんですが。いかんせん、それに気づかなかったり、挑戦する勇気が出なかったり……その時は、意外と精一杯だったり。終わってみて、もっとこうすればよかったと思うことばかりです。――数年前を振り返ると、自分は逃げていたと。それは思います。『桐島』のとき、ラストで泣きの芝居があったんですが、あの時、余計なことばかり考えていて。「泣けるのか?」「泣けない!」とか。役の感情になればいいんだからと言われても、「そんなこと言われても!」と受け入れられなかった(笑)。でも、そこで逃げないで向き合っていれば、もっと素直に演じられたはず……。役者として駆け出しだったのもありますが、ほかの役者さんだったら僕よりも間違いなくうまくやっていた。今振り返ってみても、本当にご迷惑をかけたなと思います。――逃げない心。鍛えるにはやはり場数ですか?そうですね。天才と言われる人たちは、そこに「素直さ」があるんだと思います。お芝居というものを瞬間的に信じる力が強かったり。僕は凡才だし、不器用だし、ガチガチに理詰めで考えたりするので、もっと素直になりたいなと思うこともあります。でも、恐怖もあったりして……。――最近では『聖の青春』(11月19日公開)で演じた、羽生善治さんが話題になっています。「役者・東出昌大」としての周囲の目が最近変わりつつあるような気がするのですが、ご自身としては?うーん……変化はあるのかもしれません。ただ、人は頑張っている姿を見たいのではなくて、良いものを見たい。だから、僕は一生懸命頑張っていても、「頑張っているつもり」になったら絶対にダメなんです。だから、もっと楽にやってみよう。そう思ったのが半年ほど前のこと。でもそれはもともとあった感情でした。『桐島』のころにはあった感情だったのに、いつの間にか損なわれていた。今、『桐島』を観ると、「これはできないかも」と思ったりして。ただ、「楽にやる」というのが間違った方向に行き過ぎると、「お前、楽するなよ」という"小さな東出"が騒ぎ出す。周囲の方からも、そう思われているかもしれない。でも、ちょっとずつ、ちょっとずつ。成長しているとは絶対に思う。思わないとやっていけないんです(笑)。役者として、これからもまだまだ考えることが山積みです。■プロフィール東出昌大1988年2月1日生まれ。埼玉県出身。身長189センチ。A型。高校時代にメンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、モデルとしてパリコレのステージも経験。2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューを果たし、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』『ごちそうさん』で多くの人に知られる存在となり、『クローズ EXPLODE』(14年)、『寄生獣』(14年・15年)、『アオハライド』(14年)、『GONINサーガ』(15年)、『ヒーローマニア』(16年)『クリーピー偽りの隣人』など映画に多数出演。現在の公開待機作は、本作のほか『聖の青春』(16年11月19日公開)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16年12月17日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年10月28日11月19日公開の映画『聖の青春』の完成披露試写会が5日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、主演の松山ケンイチをはじめ、東出昌大、竹下景子、安田顕、森義隆監督が出席した。松山ケンイチ主演の本作は、天才棋士・羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖の実話を元にした奇跡の物語。病と闘いながら全力で駆け抜けた村山の29年の生涯を描く。松山は、役作りのために20kgほど体重を増やして撮影に臨んだ。主演の松山は「この役ほどスタート地点に立つまで時間がかかった役はありませんでした。すごい長い間没頭したような気がしますし、村山聖という人間の生き方にすごく心が揺さぶられました」と演じた村山聖というキャラクターに大きな衝撃を受けたようで、「村山さんは亡くなっていますが、村山さんとお付き合いのあった人からお話を聞かせていただいたり、映像も残っているので参考にさせていただきましたが、それではコピーにしかなりません。ですから内面を作り上げていく上で村山聖以上の村山聖になろうと思ったので、内面の部分が一番苦労したところでもありますね」と振り返った。そんな松山が演じた村山の前に立ちはだかる羽生善治を演じたのが東出昌大。撮影前には羽生本人と初対面したことを明かして「お会いしてプロ棋士の勝負の世界、感情論などが聞けました。掴みどころがなくて鬼のような人でしたね」と感想を述べると、松山は「だいぶ後で発覚したんですが、僕は呼ばれませんでした。撮影する前に羽生さんに会えなかったのはショックでした」と東出に羨望の眼差しを向けていた。病と闘いながら天才・羽生に勝負を挑んだ村山にちなみ、「自身にとってのライバルな存在は?」という質問に、松山は「ライバルっていうと自分になります。自分自身に勝てなければ村山聖という人間を演じることはできませんでした。だいたい僕は負けてしまうんですが、それでも負けちゃダメだという思いは、今回今まで仕事をしてきた中で一番強かったですね」と回答。東出は「僕らの世界は白黒がつくわけではなく、100点もあれば10点もある世界。結局自分に打ち勝たなければ上に行けないので、ライバルは自分ですね」と話していた。映画『聖の青春』は、11月19日より全国公開。
2016年10月06日俳優の松山ケンイチが10月5日(水)、都内で行われた主演作『聖の青春』の完成披露試写会に出席。20kg増量の役作りに励み、29歳で急逝した天才棋士・村山聖を演じ「演じられるなら、すべて捨てられると思うほど、好きになっちゃった」と強い思い入れを語った。幼い頃に難病のネフローゼを患いながら、将棋の才能を開花させた村山聖(松山さん)が、プロとして当時「東の羽生、西の村山」と並び称された最大のライバル・羽生善治と文字通りの死闘を繰り広げた青春の1ページを描く。舞台挨拶には松山さんをはじめ、羽生善治役の東出昌大、竹下景子、安田顕、森義隆監督が登壇した。「この役ほどスタートラインに立つ時間がかかった作品がありませんでした」と過酷な役作りをふり返る松山さん。それでも「聖の生き方に、心揺さぶられた。その感動をそのまま伝えないといけないプレッシャーはありましたが、とにかく(演技に)熱中しました。コピーではなく、内面をすくいあげることを意識した」と新境地となる本作について熱弁した。そんな松山さんに負けじと役作りに臨み、羽生善治を演じきった東出さんは「台本を読んで、鳥肌が立った」とこちらも思いは格別。劇中では羽生氏本人から借りた“本物”のメガネをかけ、「力になりました」と語った。実際に羽生氏と対面も果たしたといい、「やっぱりすごい人」(東出さん)。このエピソードに、松山さんは「僕は羽生さんにお会いする機会がなくて…。それには納得いっていないです(笑)」と悔しそうな表情を見せていた。この日は、今年5月に羽生善治三冠を破り、14年ぶりの新名人となった棋界の新星・佐藤天彦名人が駆けつけ、映画にエールをおくった。『聖の青春』は11月19日(土)から丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国で公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月05日100年に1人といわれる天才・羽生善治と互角に渡り合いながら、29歳で急逝したプロ棋士・村山聖の、全力で駆け抜けた生涯を描く『聖の青春』。このほど、本作の主題歌に泰基博が書き下ろした「終わりのない空」が決定、併せて、その楽曲がドラマティックに彩る予告編映像と新ビジュアルが解禁となった。本作は、幼少時より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患いながら、羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称された村山聖の全力で駆け抜けた生涯を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動作。主人公・村山聖には、役づくりのため体重を大幅に増量させた松山ケンイチ。また、ライバル・羽生善治には早くも「激似」と話題の東出昌大。聖の弟弟子・江川貢役に染谷将太、聖を支えた師匠・森信雄役にリリー・フランキー、母・村山トミコ役に竹下景子、さらに安田顕や柄本時生、鶴見辰吾、北見敏之、筒井道隆ら、豪華キャスト陣が脇を固め、伝説の将棋指しの短い人生を、周りの人々から愛された記憶と共に愛情豊かにスクリーンに昇華する。そして今回、本作の主題歌を担当することになったのが、今秋デビュー10周年を迎え、幅広い世代のファンを惹きつける秦さん。名人になることだけを夢見て、命を削りながら将棋に全てを懸けた村山聖の一生に感銘を受けたという秦さんは、本作のために主題歌を書き下ろし、力強くも儚い、ドラマティックな名曲が完成した。その主題歌「終わりのない空」に乗せて映し出される予告編では、「さっき、村山くん亡くなりました…」と電話口で語る彼の師匠・森(リリーさん)の言葉から始まる。そして、“西の怪童”と呼ばれた天才棋士・村山聖(松山さん)が、最大のライバル・羽生善治(東出さん)と死闘を繰り広げる一方、医師から進行性の膀胱がんを宣告される場面も。「負けたくない」という心の叫びのごとく、短くも全力で駆け抜けた聖の生き様が、泰さんが歌い上げる楽曲とマッチ。羽生との勝負を超えた心のつながりも胸を打つ、「どう生きるか、どう死ぬか」を問いかける映像に仕上がっている。■泰基博コメント主題歌のお話をいただき、村山聖さんという稀代の棋士のストーリーということで気合いが入りました。曲作りは5月ごろから。完成直前の映像を拝見し、将棋を通した魂のぶつかり合い、聖の、病気という困難に直面しながらも、名人という夢に突き進んでゆくその姿に感動をおぼえました。エンドロールに流れることをイメージしながらまず曲を、そしてアレンジを考えていきました。ちょうどツアーで全国を回っている時期だったので、その移動中に原作を読み進めながら歌詞の構想を練っていきました。サビには聖のその瞬間、瞬間にいのちを燃やし、全身全霊ぶつかっていくさま、そして、彼が手記に遺した「人間は悲しみ、苦しむために生まれた。それが人間の宿命であり、幸せだ。」という言葉から汲み取った想いを込めています。映画とともにこの「終わりのない空」を受け取っていただけたら嬉しいです。■監督・森義隆コメントまた一人、村山聖の生き方に魅せられ、その才能を『聖の青春』に注ぎ込んでくれた仲間が増えました。秦さんは今回、その美しくやさしい歌声で、誰もが限りある人生を生きていることの刹那、そしてその現実の前でのわれわれの無力さ、そして、それでも生きることのなかにある希望を歌いあげてくれました。このエンディングテーマを通して、村山聖の短い人生の物語は、映画を観てくれたみなさん自身の人生の物語と重なり合っていくんだなぁ、と。感慨です。■原作者・大崎善生コメント考えてみればはじまりは森信雄と私。いつも二人きりで白黒の画像の中にいた。二人で村山君の物語をいったいどのくらい語り合ったろうか。いつの間にかそれが画像になり、カラーになり多くの人たちが私たちの世界に色と光をもたらしてくれた。そしてついにはこんなに美しい音楽までが抽出された。まるで何かを絞り出したような清らかなメロディーが、この世界に生まれ落ちた。『聖の青春』は11月19日(土)より丸の内ピカデリー・新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月02日100年に1人と言われる天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながらも、29歳の若さでこの世を去った伝説の棋士・村山聖の生涯を描く映画『聖の青春』。この度本作が、11月19日(土)の公開に先駆け、10月25日(火)より開催の「第29回東京国際映画祭」クロージング作品に決定した。1994年、大阪。路上に倒れていたひとりの青年が、通りかかった男の手を借りて関西将棋会館の対局室に向かっていく――。彼の名は村山聖(松山ケンイチ)。現在七段、“西の怪童”と呼ばれる新世代のプロ棋士だ。聖は幼少時より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、無理のきかない自らの重い身体と闘いながら、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指して快進撃を続けてきた。そんな聖の前に立ちはだかったのは、将棋界に旋風を巻き起こしていた同世代の天才棋士・羽生善治(東出昌大)。すでに新名人となっていた羽生との初めての対局で、聖は必死に食らいついたものの、結局負かされてしまう。「先生。僕、東京行きます」どうしても羽生の側で将棋を指したいと思った聖は上京を希望し、相談を持ちかける。先生とは「冴えんなあ」が口癖の師匠・森信雄(リリー・フランキー)だ。聖は15歳の頃から森に弟子入りし、自分の存在を柔らかく受け入れてくれる師匠を親同然に慕っていた。体調に問題を抱える聖の上京を家族や仲間は反対したが、将棋に人生の全てを懸けてきた聖を心底理解している森は、彼の背中を押した。東京――。髪や爪は伸び放題、本やCDやゴミ袋で足の踏み場もなく散らかったアパートの部屋。酒を飲むと先輩連中にも食ってかかる聖に皆は呆れるが、同時にその強烈な個性と純粋さに魅了され、いつしか聖の周りには彼の情熱を支えてくれる仲間たちが集まっていた。その頃、羽生善治が前人未到のタイトル七冠を達成する。聖はさらに強く羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして一層将棋に没頭し、並み居る上位の先輩棋士たちを下して、いよいよ羽生を射程圏内に収めるようになる。そんな折、聖の身体に癌が見つかった。「このまま将棋を指し続けると死ぬ」と医者は忠告。しかし聖は聞き入れず、将棋を指し続けると決意。もう少しで名人への夢に手が届くところまで来ながら、彼の命の期限は刻一刻と迫っていた…。病と闘いながら将棋に全人生を懸け、全力で駆け抜けた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動のノンフィクションエンタテインメント『聖の青春』。主人公・村山聖を演じるのは、『の・ようなもの のようなもの』の俳優・松山ケンイチ。聖の最大のライバル・羽生善治に、『デスノート Light up the NEW world』の公開が待たれる東出昌大。そのほか、染谷将太、リリー・フランキー、竹下景子、安田顕、柄本時生、鶴見辰吾、北見敏之、筒井道隆ら豪華キャスト陣が集結する。この度、10月25日(火)より六本木ヒルズほか都内で開催される「第29回東京国際映画祭」のクロージング作品として、本作の上映が決定。世界が注目する本映画祭のトリを飾ることになる。『聖の青春』は11月19日(土)より丸の内ピカデリー・新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月24日羽生善治と互角に渡り合った薄命の棋士・村山聖(さとし)の生涯を、実話をもとに描く松山ケンイチ主演映画『聖の青春』の特報映像とポスタービジュアルが公開になった。公開された特報映像映画は大崎善生のノンフィクション小説が原作。「東の羽生、西の村山」と並び称されながらも29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖が、全力で駆け抜けた生涯を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描かれる。松山のほか、東出昌大が羽生役を演じ、『宇宙兄弟』『ひゃくはち』の森義隆が監督を務め、『クローズEXPLODE』『陽だまりの彼女』の向井康介が脚本を手がける。特報映像は、将棋を指す駒音から始まり、本作の最大の見どころである村山聖八段(松山ケンイチ)が羽生善治四冠(東出昌大)に対局を挑むシーンがわずかだが垣間見られる。当時の戦績は5勝6敗とほぼ互角の実力であったふたりの対局は、実際の棋譜(1997年竜王戦1組1回戦)をもとに、プロ棋士・金井恒太六段の指導のもと、細かな所作に至るまで忠実に再現したという。特報映像にはそのほか、聖の師匠・森信雄役のリリー・フランキー。母・村山トミ子役の竹下景子。弟弟子・江川役の染谷将太。安田顕、柄本時生、北見敏之らも登場する。「負けるのは死ぬほど悔しい……生きる時間を削ってでも勝ちたい」「勝つことが、生きること。」と、病と闘い、将棋と戦う村山聖の生き様は、観る者に感動以上のメッセージを届けることになりそうだ。『聖の青春』11月19日(土)丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国公開
2016年07月15日羽生善治と並び天才として称賛されながらも、29歳の若さでこの世を去った伝説の棋士・村山聖。“怪童”とも呼ばれた彼を、松山ケンイチが全身全霊を懸け演じることで話題を呼んでいる本作の公開日が11月19日(土)に決定。熾烈な勝負の世界を描いた特報映像とビジュアルが解禁された。1994年、将棋のプロ棋士・村山聖(松山ケンイチ)は、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指し、 15歳のころから 10年間弟子入りし同居していた森師匠(リリー・フランキー)の元を離れ、上京しようとしていた。聖は幼少期より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、家族や仲間は反対する。しかし、幼いころから何をおいても将棋にかけてきた聖を見ている森師匠は、背中を押す。聖の上京後、同世代の棋士・羽生善治(東出昌大)が前人未到のタイトル七冠を達成する。聖は強烈に羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして聖は、将棋の最高峰であるタイトル「名人」になるため、一層将棋に没頭し、並居る上位の先輩棋士たちを下して、快進撃を続ける。そんな中、聖の身体に癌が見つかる。だが、療養を勧める医者の忠告を聞き入れず、聖は将棋を指し続けると決意する。彼の命の期限は刻一刻と迫ってきていた…。今回の特報映像では、松山さん演じる村山聖八段が、東出さん演じる羽生善治四冠に対局を挑む、本作屈指の名シーンが主に描かれている。いまなお将棋界の頂点に君臨する羽生さんを相手に、当時5勝6敗と互角の戦績を築いていた村山さんの名勝負を、実際の棋譜を元に再現。ふたりの間に生まれる熱量がひしひしと伝わってくる、見応えたっぷりの映像となっている。併せて解禁されたビジュアルには「負けるのは死ぬほど悔しい生きる時間を削ってでも勝ちたい」という、勝負の世界の過酷さを感じさせるキャッチコピーが添えられ、病と闘いながら将棋に全人生を賭け、全力で駆け抜けた“怪童”村山聖の一生を想像させる。染谷将太、安田顕、柄本時生、竹下景子、リリー・フランキーら実力派キャストとともに、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く、感動のノンフィクションエンタテインメント『聖の青春』。まずはこちらの特別映像から、伝説の棋士の“凄み”に触れてみて。『聖の青春』は11月19日(土)、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2016年07月15日プロフィギュアスケーターの織田信成が23日、自身のブログを更新し、練習を再開をしたソチ五輪金メダリストの羽生結弦選手からのメッセージを伝えた。織田は、長野県で行われる「ファンタジーオンアイス」に向けて出発したと報告。「今年のファンタジーはゆづが出る事が出来ず寂しいですが今日のあさチャンでもふれた練習復帰の嬉しいニュース!!」と、左足リスフラン関節靱帯(じんたい)損傷で療養していた羽生選手の復帰を喜び、「彼の才能と努力をもってすれば氷の感覚もジャンプもすぐに戻ってくると思うので不安や焦る気持ちもあると思いますがゆっくり無理しないように1日1日を過ごしてほしいなぁと思います」とエールを送った。また、昨年の静岡での同公演で羽生選手と撮った2ショット写真を掲載し、「この写真載せても良い?ってさっき連絡したら良いですよ~!って言葉と後面白いやり取りを二人でしてて元気そうで僕も嬉しくなりました!」と羽生選手とのやりとりを明かした織田。「本人から『病んでないですよ。笑 というのを伝えといて下さい。』という事なのでここに書いときます笑」と羽生選手からのメッセージも伝え、「また元気な姿が氷の上で見られますように」という言葉で締めくくった。
2016年06月24日俳優の東出昌大(28)が、松山ケンイチ(31)の主演映画『聖(さとし)の青春』(今秋公開)で将棋棋士・羽生善治氏を演じることが17日、発表された。本作は大崎善生氏の同名小説を原作に、「東の羽生、西の村山」と並び称されながら名人への夢半ばで倒れた天才棋士・村山聖の一生を描く。村山の最大のライバルで、松山が本作の「ヒロイン」と語る羽生役。東出は徹底した"羽生研究"を重ねた上で挑み、あまりにも本人に似ていたことから撮影現場からは驚きの声が上がったという。スタッフいわく、その姿は「本人と瓜二つ」。また、劇中の"羽生メガネ"は、1996年に史上初となった七大タイトル戦七冠独占達成時に実際にかけていたものを羽生氏本人から譲り受けた。村山役の松山と羽生役の東出が、実際の棋譜を覚えて臨んだ2時間半の長回し撮影では、緊迫感と臨場感あふれる対局シーンに仕上がったという。「とにかく素晴らしい原作と脚本で、現場に入る前からこの作品に携われることに大きな幸福感と闘志を抱いていました」と興奮する東出。「実際にご本人がお使いになっていた眼鏡をご本人からお借りできたことが、大変有り難く、幸運でした」と羽生氏の厚意に感謝し、「この作品には、人生、青春、生きがい、誇り、尊い多くのものが映っています。一人でも多くの方に観てもらいたい。月並みな事を言うようですが、切に思います」と本作に込めた思いを語った。一方の羽生氏は、「村山さんの生きざまを描いた聖の青春が映画化されると聞いて、彼の存在の大きさを感じました」と思いをはせる。東出が自分を演じることについては、「自分も出てくるので気恥ずかしいところもありますが東出さんに演じていただいたのはとても名誉な事だと思っています」と受けとめ、「将棋を知らない人たちにも楽しんで感じて観てほしいと思います」と呼びかける。本作のメガホンを取る森義隆監督は、東出の役作りを「羽生さんへの心の底からの尊敬を足場にし、たたずまい、所作、棋譜、精神性まで徹底した研究に研究を重ね、実際に羽生さんと対戦してきたプロ棋士たちも納得の若き羽生像を作り上げました」と絶賛。「これまでの俳優東出昌大のキャリアにおいて、ベストアクトなのではないかと思っています」と太鼓判を押している。そのほか、10代の聖を大阪に引き取って共同生活をしながら彼を支えた師匠・森信雄役をリリー・フランキー、母・村山トミ子役を竹下景子、弟弟子・江川役を染谷将太が演じ、安田顕、柄本時生、北見敏之、筒井道隆といった俳優陣が脇を固める。(C)2016「聖の青春」製作委員会
2016年06月17日若干29歳にして亡くなった伝説の棋士・村山聖。彼が病と闘いながら全力で駆け抜けた、生涯を描く奇跡の実話を映画にした『聖の青春』に、この度、東出昌大が出演することが決定。またリリー・フランキーや染谷将太らも参加していることが明らかとなった。1994年、将棋のプロ棋士・村山聖七段は、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指し、 15歳の頃から 10年間弟子入りし同居していた森師匠の元を離れ、上京しようとしていた。聖は幼少期より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っており、家族や仲間は反対する。しかし、幼いころから何をおいても将棋にかけてきた聖を見ている森師匠は、背中を押す。東京――。髪や爪は伸び放題、足の踏み場もなく散らかった家、酒を飲むと先輩連中にも食ってかかる聖に皆は呆れるが、みな彼の将棋にかける思いを理解し、陰ながら支えた。その頃、同世代の棋士・羽生善治が前人未到のタイトル七冠を達成する。聖は強烈に羽生を意識し、ライバルでありながら憧れの想いも抱く。そして聖は、将棋の最高峰であるタイトル「名人」になるため、一層将棋に没頭し、並居る上位の先輩棋士たちを下して、快進撃を続ける。そんな中、聖の身体に癌が見つかる。だが、「このまま将棋を指し続けると死ぬ、手術し、療養すべし」という医者の忠告を聞き入れず、聖は将棋を指し続けると決意する。彼の命の期限は刻一刻と迫ってきていた…。100年にひとりと言われる天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、 29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖。本作は、そんな彼が病と闘いながら将棋に全人生を賭け、全力で駆け抜けた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動のノンフィクションエンタテインメント。主人公演じる松山さんに次いで、この度、新たにキャストが発表。松山さん演じる聖の最大のライバルであり、松山さん自身が本作の“ヒロイン”であると語る羽生善治を演じるのは、妻で女優の杏との間に双子をもうけ、公私共に絶好調の東出さん。実在し、かついまもなお棋界の頂点で活躍する人物という難しい役どころを、精神・肉体面の両方からアプローチ。劇中の“羽生メガネ”は、羽生氏本人が史上初となった七大タイトル戦七冠独占達成時に実際にかけていたものを譲り受けたという代物。徹底した羽生研究を行い、羽生氏本人と瓜二つの姿で撮影現場を驚きの声に沸かせた。なんといっても劇中での松山さんと東出さんが、実際の棋譜を覚えての2時間半に及ぶ長回し撮影に挑んだ緊迫感&臨場感溢れる対局シーンは最大の見どころとなっている。今回の決定に東出さんは「とにかく素晴らしい原作と脚本で、現場に入る前からこの作品に携われることに大きな幸福感と闘志を抱いていました」と喜び。また「クランクイン初日、色々な想いの中、街中で立ち尽くすシーンで、監督が演出に来て『芝居をするな』と仰言ったのが強く記憶に残っています」と撮影をふり返った。さらに元々尊敬する大先輩だったと松山さんについて語る東出さんは「松山さんとのお芝居の中で過ごせた時間が自分の宝になりました」と述べた。そして羽生氏は本作について「村山さんの生き様を描いた聖の青春が映画化されると聞いて、彼の存在の大きさを感じました」と話し、「自分も出てくるので気恥ずかしいところもありますが東出さんに演じて頂いたのはとても名誉な事だと思っています。将棋を知らない人達にも楽しんで感じて観てほしいと思います」とメッセージを寄せた。また、今回東出さん以外にも、10代の聖を大阪に引取り共同生活をしながら彼を支えた師匠・森信雄役にリリーさん、母・村山トミ子役に竹下景子、弟弟子・江川役に染谷さん。そのほか、安田顕、柄本時生、北見敏之、筒井道隆ら豪華キャスト陣が脇を固める。『聖の青春』は2016年秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年06月17日羽生結弦が“お殿様”役で出演していることでも話題の時代劇『殿、利息でござる!』の公開を前に5月4日(水・祝)、羽生さんの先輩で、織田信長の末裔として“氷上のお殿様”を自任するプロフィギュアスケーターの織田信成が「ひと言モノ申す!」とトークショーに出席した。『アヒルと鴨のコインロッカー』、『ゴールデンスランバー』などのヒット作で知られる中村義洋監督最新作で『武士の家計簿』も映画化された作家・磯田道史氏の著書を映画化。重税で夜逃げが相次ぎ破産寸前の宿場町で、藩に大金を貸し付け、その利息で宿場を救うための千両(3億円)を巻き上げようとする人々の奮闘をコミカルに描き出す。織田さんは“殿”らしく着物姿で登場し「自分で言うのもなんですが、似合ってると思います」とご満悦。映画についても「感動しました!みんなで考えて、節約に励んだり、苦労や努力があって困難を乗り越えていく。親子愛や人間ドラマもあります」と本作の魅力を語る。だが、ソチ五輪金メダリストで、織田さんにとってはフィギュア界の後輩である羽生選手が仙台藩主・伊達重村役で出演していることに関しては「モノ申したい!」と鼻息荒く語る。織田さんは、織田信長の末裔として知られ、自身のブログも「氷上のお殿様」としているだけに「フィギュア界ではお殿様は僕じゃないのか?なんで僕にオファーが来なかったのか…?殿と呼ばれて愛されてきた自負があるのに悔しい!」とやるせない思いを吐露する。ニュースで羽生さんのお殿様役での出演を知ったそうで「なぜひと言、言ってくれなかったのか?なんで黙ってとのやったの!?」と傷ついた様子。「羽生くんは“白馬の王子様”プリンスならいいけど、殿はダメでしょ!キャラの住み分けしようよ!」と訴え、会場は大きな笑いに包まれた。だが、作品を見て羽生選手のお殿様ぶりに衝撃を受けたようで「メチャクチャかっこよかった!」と絶賛。羽生選手にすぐに連絡を取ったことも明かしたが「そこで『先輩の殿も笑顔が素敵ですよ』と言われ、後輩に気を遣わせてしまい、自信を失くしました。このまま自分は殿をやってていいのかと…」と苦笑い。それでも「続編があれば次は!」と銀幕での“殿”デビューをあきらめていないようだった。『殿、利息でござる!』は5月14日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月04日フィギュアスケーターの羽生結弦が、阿部サダヲ主演の映画『殿、利息でござる!』で、タイトルにもなっている“殿”役で映画初出演を果たすことが発表になった。その他の画像本作は、今から240年ほど前の江戸中期、仙台藩吉岡宿を舞台に、年貢の取り立てや労役で困窮する町人たちが、宿場町を守るため「殿様に金をお貸しし、その利息をとる!」という大胆な計画を実行しようと奮闘する姿を描くもの。阿部のほか、瑛太、妻夫木聡らが出演する。本作で初めて映画に出演し、仙台藩藩主の伊達重村役に挑んだ羽生は「お芝居はスケートとは違って振りが無く、言葉を使い、セリフに合わせて動かなければいけないのでとても難しく、撮影現場では緊張してしまいましたが、映画製作の雰囲気を感じられて、素敵な俳優さんたちにもお会いできて楽しかったです」と振り返り、「このお話は実話を元にしているとのことですが、地元宮城にこんな素晴らしい話があったということに驚いています。殿様として、威風堂々とした姿と優しさを兼ね合わせるそのギャップを、自分なりに表現出来ればと思い一生懸命やりました。ぜひ楽しみにしてください」とメッセージを寄せている。羽生に白羽の矢を立てた中村義洋監督は「現場では、その立ち居振る舞いから目力の強さ、澄んだ声まで、殿様としての説得力に満ち溢れておりました。それにしても、この伊達の殿様は、今や仙台藩どころか日の本一となり、果ては世界までも征服されておられるわけですから、本当にとんでもない人をキャステングしてしまったもんだよなあと、僕ら自身も今だにおののいている次第です」とコメント。撮影当日まで他のキャストには羽生が殿を演じることは明かされなかったそうで、阿部は「まさか羽生結弦さんとは思いませんでした…」と驚くも「本来、殿様を庶民が見てたら『頭が高い』と言われるんでしょうけど、もう、ずっと笑顔で見つめてしまいました(笑)キレイでした(笑)」と撮影を振り返った。氷上で華麗な演技を披露してきた羽生が、スクリーンでどんな演技を見せるのか? 映画は5月に公開される。『殿、利息でござる!』5月14日(土) 公開
2016年02月04日俳優の松山ケンイチが、29歳で夭折した実在の天才棋士・村山聖の生涯を描く映画『聖(さとし)の青春』(今秋公開)で主演を務めることが3日、発表された。原作は大崎善生氏による同名の処女小説。羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、名人への夢半ばで倒れた"怪童"の一生を描いたことで、読者から「人生の一冊」「涙なしに読むことができない」などと高い評価を受けてきた作品だ。幼少期より腎臓の難病・腎ネフローゼを患い、入退院を繰り返した聖。入院中のある日、聖は父が何気なく勧めた将棋に心を奪われ、その日から将棋の最高峰・名人位を獲る夢を抱き、将棋の道に突き進む。本作では、自らの命を削りながら将棋を指し、死の床まで将棋のことを口にしていた聖が駆け抜けた壮絶な一生を描く。メガホンを取るのは、森義隆監督。人生を将棋に捧げた天才棋士役を演じるプレッシャーに対し、自ら東京将棋会館に通いつめ、これまでにない役作りで精神面、肉体面の両方から聖にアプローチした松山。「全身全霊をかけても足りない役だと思いました。そういう仕事は大好きです」と感慨深げで、原作を読んだ上で、聖を「命を燃やしている方」と感じたという。また、「病を背負われているので内面が一番難しいです」と役作りにも苦労があっただけに、「ヒロインが羽生善治さんという硬派な作品です。将棋が好きな方はもちろん、人生をつまらなく感じている方も、何かに夢中になっている方でも、こんな人間がいたんだと魅かれる作品」「"村山聖"は必ず見る人の心に何かを残します」とアピールにも熱がこもる。一方の森監督も「村山聖の生き様は『人生とは、何なのか』という普遍的な問いをわたしたちに突きつけてきます」とその重みを説明。2月中旬のクランクアップを前に、「30才の松山ケンイチが、映画の中で、29年という村山聖の短い人生を全力で生き抜いた先に、その答えの一端があるのだと信じて、日々、撮影に挑んでいます」と松山の"仕上がり"を報告した。「角川映画になるというのは宿命的なものを感じる」というのは、原作の大崎氏。滝田和人プロデューサーからオファーを受けた森監督は、ドキュメンタリー作品の経験もあったことから誰よりも実写化の難しさを感じ、何度も打ち合わせを重ねた。脚本が決定稿に至るまでには20稿、5年の歳月。提案の段階から数えると約10年が経過していることに触れ、大崎氏は「粘り強く交渉を重ねて、現実まで持っていってくださった制作スタッフの執念には頭が下がる」と称賛しつつ、演じる松山にも脱帽せずにはいられない。役のために聖を真似て右手の爪を伸ばし、体重も増やした松山。大崎氏は、その姿を目の当たりにした時の心境を「村山聖さんに似ているのに驚いた」と伝え、「意志の強そうな瞳。内面からにじみ出てくるような自然なユーモラス。そして人へ対する好奇心、優しさ。17年ぶりに村山くんがいた」と内からにじみ出る類似点を興奮気味に列挙。「村山聖が17年ぶりにこの世に戻ってくる。松山ケンイチに姿を借りて。限定的なカーニバルのようなものだ」と呼びかけている。(C)2016 「聖の青春」製作委員会
2016年02月03日病と闘いながら将棋に全人生を賭け、29歳にして亡くなった実在の天才棋士・村山聖のノンフィクション小説「聖の青春」の映画化が決定。この度、ふっくらとした顔つき、体つきで話題となっていた俳優・松山ケンイチが体を張って村山氏を演じていることが分かった。1994年、将棋のプロ棋士・村山聖(さとし)六段は、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指し、15歳の頃から10年間弟子入りし同居していた森師匠の元を離れ、上京しようとしていた。聖の上京を広島の両親は強く反対する。その理由は、聖が幼少期より「ネフローゼ」という腎臓の難病を患っていたからである。彼は、常に死と隣り合わせで生きていたのだった。東京――。聖が七段に昇段したころ、同じ年齢の羽生善治が前人未到のタイトル五冠を達成し、「名人」のタイトルを獲得する。聖は強烈に羽生を意識、彼に対し、ライバルのような、憧れのような想いを抱いていた。羽生に刺激を受けた聖は更に将棋に没頭し、並居る上段の先輩棋士たちを下して、快進撃を続ける。そんな中、聖の身体に癌が見つかる。だが、「このまま将棋を指し続けると死ぬ、手術し、療養すべし」という医者の忠告を聞き入れず、聖は将棋を指し続けると決意する。彼の命の期限は刻一刻と迫ってきていた…。100年に1人と言われる天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、そして羽生氏らいまも将棋界で活躍する仲間たちとの友情を通して描く、号泣必至、感動のノンフィクションを基に描いた本作。人間の知の限界に挑戦し続けた天才将棋指しの人生を、師匠、ライバルほか周囲から愛された記憶と共に描くのは、『ひゃくはち』で監督デビューを果たし、2012年に手掛けた『宇宙兄弟』が大ヒット、第16回プチョン国際ファンタスティック映画祭でグランプリ、観客賞をダブル受賞した森義隆監督。主人公・村山聖を演じるのは、現在公開中の『の・ようなもの のようなもの』や『珍遊記』など多くの主演作を持つ俳優・松山ケンイチだ。今回の役柄について「全身全霊をかけても足りない役」と話す松山さんは、自ら東京将棋会館に通いつめ、これまでにない驚異的な役作りで精神面、肉体面の両方から村山聖を熱演している。ビジュアルでも分かるように増量し容姿も変えて演じた松山さんだが、一番難しかったところは内面だという。自らの命を削りながら将棋を指し、死の床まで将棋のことを口にしていたという村山氏を自分自身で理解し撮影に挑んだようだ。松山さんはファンに向けて「ヒロインが羽生善治さんという硬派な作品です。将棋が好きな方はもちろん、人生をつまらなく感じている方も、何かに夢中になっている方でも、こんな人間がいたんだと魅かれる作品です。“村山聖”は必ず見る人の心に何かを残します。宜しくお願い致します」とコメントを寄せた。<以下、スタッフコメント>■森義隆監督村山聖の生き様は「人生とは、何なのか」という普遍的な問いをわたしたちに突きつけてきます。30才の松山ケンイチが、映画のなかで、29年という村山聖の短い人生を全力で生き抜いた先に、その答えの一端があるのだと信じて、日々、撮影に挑んでいます。■原作者:大崎善生私のデビュー作である「聖の青春」が角川映画になるというのは宿命的なものを感じる。はじめて映画化の話を聞いてからもう10年近くになる。その間も粘り強く交渉を重ねて、現実まで持っていって下さった制作スタッフの執念には頭が下がる。最終的には最高の形となった。この作品を愛し、信じそして丁寧にまとめあげてくれた。はじめて松山ケンイチさんとお会いしたとき(※撮影が始まったころ)、村山聖さんに似ているのに驚いた。体重を増やして役に備えたという。右手の爪は村山を真似て長く伸びていた。森さんがいたら「村山君、こんなに長い間どこにいっとったんや」と手をさすったかもしれない。私も酔っぱらっていれば昔のように頬っぺたを軽くつまんでいただろう。意志の強そうな瞳。内面からにじみ出てくるような自然なユーモラス。そして人へ対する好奇心、優しさ。17年ぶりに村山くんがいた。本作は、天才羽生善治に挑む、西の怪童と恐れられた村山聖の真摯な闘いの物語である。森信雄という類まれな師匠との愛情の物語でもある。幼い日から病気と闘い、そのハンディをものともせず乗り越えていった努力の物語であり挫折の物語でもある。将棋を目指すものたちのストイックな青春がそこにはある。29歳で村山がこの世を去って17年。その歳月をものともせず村山はまだ多くの人に愛され慕われ続けている。その過酷な宿命の故か、彼の持つ特有の純粋さの故か。その村山聖が17年ぶりにこの世に戻ってくる。松山ケンイチに姿を借りて。限定的なカーニバルのようなものだ。もちろん私もはやく村山くんに会いたい。一人でも多くの人にこのお祭りに参加してもらいたい。■プロデューサー:滝田和人以前2本の映画でご一緒した際の印象と、『男たちの大和』の演技が非常に素晴らしく、その頃から松山ケンイチさんに注目していました。そして数年後、事業化が決まりかけた頃、松山さんご本人が原作を読み、村山聖役を熱望しているという情報を耳にしました。「逃してなるものか!」と、本人に監督と一緒にお会いし話してみて、松山さんならば重責を受け止め、必ずや私たちと同じ方向を見つめながら「村山聖」という人間に挑戦することができる、と強く感じました。役作りについて、松山さんとは、広島のご両親への訪問と聖さんのお墓参り、そして師匠森信雄さんの元も訪れ、大阪福島の前田アパート、関西将棋会館、更科食堂と聖縁の大阪の地を巡りながら、聖とのエピソードをじっくりうかがいました。元々、将棋はお好きでたしなまれていたようで、将棋指導の先生からの指導含め、将棋会館の一般道場にふらりと現れては手合いをつけてもらい普通に指されていたりなど、めきめき上達されました。また、聖が罹ってしまったネフローゼという難病を理解するため、実際の患者さんへも取材をして、撮影に臨まれました。実在の人物でも、もう亡くなられているので、当然会うすべはなく、聖を支えた方々の人柄に触れることと、聖が実際身を置いた空間に浸ることで、役作りのヒントしようとされていたのだと感じます。聖の強烈な個性は、内面のみならず、迫力と愛嬌が奇妙に入り混じる見た目も大きいですから、当時の写真、対局のビデオも参考に肉体改造も大変だったと思います。「でも、食べて飲むしかないんですよね」「おいしいものもおいしく感じなくなるんです」と言う松山さんは本当に苦しそうでした。これまでにないほどの役へののめり込み方や周囲が危惧したほどの増量計画。クランクイン前、村山聖を感じるために、松山ケンイチはあえて苦しみや悩みを求め、もがいているように見えました。もう会うことの叶わない生きた村山聖がスクリーンに出現することを、私は確信しています。どうぞご期待ください。『聖の青春』は2016年秋、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月03日09年末、バンクーバー五輪代表発表を“4年後はあそこに”という表情で見つめていた羽生選手。隼のように昇りつめ、実現。輝かしい彼の栄光をプレイバック!■日本男子史上最年少、世界ジュニア制覇。悔しさをバネにするのは、このころから。’09年の世界ジュニアで12位に終わると、その年末のジュニアグランプリファイナルで優勝。続く世界ジュニア選手権も制覇。日本人男子としては初めての中学生優勝を果たす。■世界選手権3位に。拠点をカナダに移す。シニアデビュー後の’11年3月に被災。一時、練習場所を失うも、その年のグランプリファイナル進出。翌年、世界選手権のフリーで最後のサルコウを見事に着地し、銅メダル。この後、カナダ「クリケット・クラブ」へ。■ソチに向けて、着々と打倒パトリック選手へ。打倒パトリック・チャン選手へ本格始動。グランプリシリーズは2戦ともチャン選手と同じ大会に出場。いずれも2位に終わってしまうが、ファイナルのショートで世界最高得点を叩きだし、ついにチャン超えを果たす。◇‘10年の世界ジュニアで優勝。2位の中国ナン・ソン選手から“かわいい”と言われていました。◇世界に羽生結弦の名を知らしめた’12年世界選手権。雄叫びをあげるロミジュリでファン急増。◇ソチ五輪前、最後の戦いとなる、グランプリファイナルで、パトリック・チャン選手を抑え優勝。◇ソチのショートで100点超えの世界最高得点をマーク。男子シングル初の金メダル獲得。※『anan』2015年12月16日号より。文・齋藤優子写真・アフロ中西祐介/アフロスポーツAP/アフロ
2015年12月12日“いまの日本男子選手の中で、和を表現できるのは自分しかいない”と、今シーズン、羽生結弦選手がフリースケーティングの曲に選んだのは、映画『陰陽師』のサントラ。そして、平安時代の陰陽師・安倍晴明を舞うこのプログラムに付けたタイトルが、SEIMEIだ。アルファベットにすることで、晴明の名以外にも、さまざまな意味を込めたという。実は、プログラムにタイトルを付けるスケーターは数少ない。それだけ新たな境地に挑んでいるということ。シーズン前には、映画版で晴明を演じた野村萬斎さんの元を訪れ、舞の奥義も指南された。公家の狩かりぎぬ衣がモチーフという衣装でとる、冒頭のポーズには、そこでの助言が活かされている。4回転を3回組み込む難度もさることながら、これでもかとつなぎを入れつつ、龍笛や太鼓の音にピタリと合わせる動きに、本作への気迫が見てとれる。子供のころから柔軟性があり、憧れのプルシェンコ選手のトレードマーク、レイバックスピンと、イナバウアーを、プログラムに入れていた羽生選手。ジュニアに上がるころからは、長い手足から繰り出すスピンにも磨きがかかり、その風を切るかのような回転の速さ、多彩さには、舌を巻いたもの。シニアになっても、その柔軟性を失うことなく、レイバック、キャノンボール、パンケーキ、ドーナツ(全部、スピンの名)と自在。ジャンプのみならず、こうした技で見せ場を作れるのが、ファンを魅了するゆえん。SEIMEIには、エキシビション御用達だったハイドロブレーディングも。『SEIMEI』は、エキシビション『花になれ』に続く、和テイスト。が、最も有名なのは、米のスケーター、ジョニー・ウィアーがデザインしたソチシーズンの『ロミオとジュリエット』。ウィアーの個性的な衣装を知りながら、頼むところがさすが。アシメトリーでフェミニンな要素を携えた衣装を見事に着こなしていました。一方、ショート『パリの散歩道』は、シンプルなシャツという振り幅。ソチ前には、カジュアルスタイルも。スピンしながらシャツを脱ぎ、Tシャツにハートを描いて終わるエキシビション『Hello, I Love You』は、破壊力抜群でした。そろそろこの手の衣装が見たい!?◇エッジを深く倒して、低い姿勢で弧を描くようにして滑る技。SEIMEIの振付師の得意技でも。◇ジュニア時代はやっていても、腰痛などで、シニアまで続けられる男子選手はめったにいない。◇平安時代の陰陽師・安倍晴明を舞うSEIMEI。◇この後タンクトップになる、2012「Hello, I Love You」。アメリカ大会のエキシビションでは、Tシャツにハートを描いた後、それを脱ぎ、タンクトップに。脱いだTシャツを観客席に投げ入れ、大騒ぎ。◇数少ない赤系コスチューム、「ノートルダム・ド・パリ」。12-13シーズンのフリーは、ジョニーデザインの『ツィゴイネルワイゼン』に続く赤系衣装。その前の赤系は中1で演じた『火の鳥』。※『anan』2015年12月16日号より。文・齋藤優子写真・アフロ中西祐介/アフロスポーツZUMA Press/アフロ
2015年12月12日先日開催された2015年NHK杯国際フィギュアスケート競技大会にて、世界記録を更新する得点を叩き出し優勝したフィギュアスケート選手・羽生結弦が、12月9日(水)発売の雑誌「anan」1983号の表紙に初登場!さらに羽生選手の特大ポスターが付録として封入されることが分かった。羽生選手は、宮城県仙台市出身のフィギュアスケーター。幼いころよりスケートを始め、2009年日本人男子としては初の中学生で、高橋大輔(2002年)、織田信成(2005年)、小塚崇彦(2006年)に続く、4人目の世界ジュニアチャンピオンに。2014年のソチオリンピックでは、フィギュアスケート男子シングルの種目において日本人初となる金メダルを獲得。その後も快進撃を続け、先日開催された2015年NHK杯では、世界歴代最高得点を超えるスコアで優勝を果たした。次戦は、12月11日(金)から開幕するグランプリファイナル(バルセロナ)を控えている。今回の「anan」1983号では、羽生選手のプライベートな表情が満載!「もしも彼が等身大の21歳だったら」をテーマに、様々なシチュエーションで撮影を敢行。普段から“表現者”としてリンク上でパフォーマンスしているだけあって、カメラマンがシャッターを切り始めると、表情や動作がコロコロ変わり、そのプロ意識の高さにスタッフ全員が釘付けになったという。本誌では羽生選手へのインタビューも掲載。撮影当時はまだ20歳だった彼が、しっかりとした受け答えで自分の想いを語ったようだが、スケートの話題になると笑顔がキラめき、どこまでも無邪気な姿を見せたそう。氷上の凛々しい顔から、“オフアイス”の笑顔に戻る瞬間のギャップを捉えた、魅力的なショット満載の本誌は、ファン必携の一冊となりそうだ。また、本誌では「輝くあの人に聞く! 人生が動きだした時。」と題した特集を掲載。現在放送中、松坂桃李主演「サイレーン」で悪女・菜々緒とのやり取りに注目の女優・木村文乃や、「シティーハンター」原作・北条司の大人気コミック「エンジェル・ハート」のドラマ化に出演中の女優・相武紗季、そして作家の山内マリコや情報番組で大活躍のマルチクリエイター・GENKINGらが登場する。さらに、今年でデビュー35周年を迎える近藤真彦にフォーカスし、「オンリーワンのかっこよさをつむぐ男」と題した特集にも注目だ。「anan」1983号は12月9日(水)より発売。※お詫びと訂正※「anan」1983号に関する記事の中で、該当号にはない写真についての記述がありました。関係者の皆様に御迷惑おかけしましたことをお詫びして訂正いたします。(text:cinemacafe.net)
2015年12月08日ソニー・ミュージックダイレクトは、羽生結弦選手がフリープログラムで使用した楽曲「SEIMEI」の原曲を収録したオリジナル・サウンドトラック「陰陽師」のCDジャケットを手がける天野喜孝氏が、その制作過程で別途描き下ろした羽生結弦選手のイメージ画を同社のWebサイト上で公開したことを発表した。このたび公開された羽生選手のイメージ画は、11月28日に開催されたフィギュアスケート GPシリーズ最終戦 男子シングル(フリー)において、羽生選手がスケーティング・ミュージックとして使用した楽曲「SEIMEI」の原曲を収録した『オリジナル・サウンドトラック「陰陽師」コンプリート』のリリースに合わせて、映画「陰陽師(おんみょうじ)」のキービジュアル・コンセプトデザインを手がけた天野喜孝氏が、ジャケットの制作過程で羽生選手をイメージして別途、描き下ろしたもの。現在、ソニーミュージックのスペシャルサイトにて公開されている。なお、『オリジナル・サウンドトラック「陰陽師」コンプリート』は、夢枕獏原作、滝田洋二郎監督、野村萬斎主演で安倍晴明の活躍を描いた映画「陰陽師」、「陰陽師Ⅱ」の両作品の楽曲を収録した2枚組のコンプリート盤で、大会目前の11月25日に発売された。羽生選手のフリー演技では、収録された50曲のうち「陰陽師Ⅰメインテーマ」、「荒ぶる神」、「日美子と須佐」、「一行の賦」、「日美子残影」、「五芒星」、「陰陽師Ⅱメインテーマ」の各楽曲を「SEIMEI」として編集し使用されている。
2015年12月01日華麗な演技で多くのファンを魅了する、フィギュアスケート男子の羽生結弦選手。今回はマイナビニュース会員のうち「羽生選手が好き」という女性100人にその好きなところを教えてもらった。Q.フィギュアスケート・羽生結弦選手の好きなところを教えてください。○美しい!・「演技がきれい」(50歳以上女性/熊本県/機械・精密機器/事務系専門職)・「滑りが美しいところ」(30歳女性/茨城県/商社・卸/事務系専門職)・「引き込まれる演技」(32歳女性/東京都/情報・IT/事務系専門職)・「美しく凛々しいところ」(48歳女性/東京都/学校・教育関連/クリエイティブ職)・「すっきりした顔と華麗な演技」(50歳以上女性/大阪府/その他/その他)・「優雅な演技力が最高です。ターン決まった瞬間のさわやかさが最高です!」(25歳女性/神奈川県/食品・飲料/技術職)・「繊細な動きで滑らかに滑るところ」(27歳女性/富山県/小売店/販売職・サービス系)○かわいい!・「笑顔がかわいい」(37歳女性/埼玉県/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「線が細くてかわいらしい、一生懸命な所」(42歳女性/東京都/マスコミ・広告/営業職)・「笑顔がかわいくて、ひょろっとしてるところ」(23歳女性/愛知県/マスコミ・広告/クリエイティブ職)・「あどけなさ」(29歳女性/東京都/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「いつも笑顔がかわいくて人なつっこそうなところ」(27歳女性/大阪府/団体・公益法人・官公庁/営業職)○すらっとしたスタイル!・「スタイルがよく、演技が美しいところ」(32歳女性/東京都/食品・飲料/事務系専門職)・「すらっとしているところ」(43歳女性/東京都/学校・教育関連/事務系専門職)・「手足が長いところ。細マッチョなところ。肌が白くてキレイなところ」(37歳女性/東京都/商社・卸/事務系専門職)○まじめ!・「真面目なところ」(33歳女性/広島県/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「ストイックで本番に強く、自分に厳しいところ」(32歳女性/奈良県/商社・卸/秘書・アシスタント職)・「競技に真剣に取り組んでいる」(24歳女性/東京都/その他/事務系専門職)・「真面目で努力家だし、癒やされる笑顔」(33歳女性/京都府/金属・鉄鋼・化学/技術職)・「スケートへの純粋な気持ちと闘志が感じられるところ」(31歳女性/岐阜県/医薬品・化粧品/営業職)○礼儀正しい!・「透明感があって礼儀正しい所です」(32歳女性/広島県/ソフトウェア/事務系専門職)・「マスコミ等への対応や言葉遣いがとても大人で、笑顔も素敵なところ」(34歳女性/東京都/商社・卸/秘書・アシスタント職)・「インタビューの受け答えがしっかりしていて好感が持てるところ」(35歳女性/愛知県/学校・教育関連/事務系専門職)・「育ちが良さそうなところ」(27歳女性/埼玉県/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「貴公子のような品の良さ、ストイックなところ」(34歳女性/東京都/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)・「考えがしっかりしていて人格的にも好感がもてるところ」(26歳女性/大阪府/運輸・倉庫/事務系専門職)○ギャップがいい!・「一見穏やかそうだが、勝負事になるとがらっと真面目な印象になり、とてもかっこいい」(29歳女性/埼玉県/医療・福祉/専門職)・「華奢で王子様っぽいのに、スケートをする時は男らしい顔になるところ」(23歳女性/東京都/金属・鉄鋼・化学/営業職)・「普段の顔と氷上の顔とにギャップがあり、ストイックなところ」(27歳女性/埼玉県/金融・証券/事務系専門職)・「か弱そうに見えて芯が強いところ」(28歳女性/福島県/電機/技術職)・「スケートに対してすごく真摯で、滑っている最中の真剣な表情はとても素敵なのにプーさんを抱えるとふんわり笑うギャップが良いから」(26歳女性/福岡県/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)○上を目指す姿!・「決して妥協はせず、上を目指そうとひたむきに頑張るところ」(28歳女性/高知県/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「常に完成へと目指し続ける向上心」(35歳女性/東京都/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「向上心。現状に満足せず、常に上を目指しているところ」(26歳女性/東京都/医薬品・化粧品/技術職)・「逆境に打ち勝つ強い心」(29歳女性/奈良県/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)○その他・「爽やか、性格が良い、しっかりしている、フィギュアスケートがうまい、故郷思い」(25歳女性/宮城県/建設・土木/技術職)・「社会に貢献しているところ」(33歳女性/東京都/情報・IT/技術職)・「何となく繊細な女性っぽい雰囲気な所。顔がセクシー」(35歳女性/岡山県/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)・「優しい笑顔。プーさん好き」(24歳女性/愛知県/金融・証券/専門職)・「自分の信念をしっかり持っている所」(27歳女性/東京都/医療・福祉/事務系専門職)・「いつもさわやかな笑顔だから」(24歳女性/茨城県/医療・福祉/事務系専門職)・「滑っている姿がかっこいいです!」(50歳以上女性/新潟県/その他/その他)アンケートの回答を見ていくと、「きれい」「繊細」「引き込まれる」「優雅」といった、羽生選手の演技の美しさについてのコメントが多数挙がっていた。顔やスタイル、インタビューでの発言や礼儀正しさなど人格に惹かれるという人も。また、「華奢で王子様っぽいのに、スケートをする時は男らしい顔になる」「普段の顔と氷上の顔とにギャップがある」といったギャップにぐっときている人も多いよう。「かわいい」「きれい」「男らしい」「セクシー」「かっこいい」など、回答者によってさまざまな回答が並んだのも特徴的だった今回のアンケート。今後の演技でどんな顔を見せてくれるのか、期待の高まるところだ。調査時期: 2015年11月20日~21日調査対象: マイナビニュース会員(羽生結弦選手が好きな女性限定)調査数: 100人調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月27日