お酒のおつまみとして人気の砂肝。唐揚げにするとお弁当にぴったりなおかずになります。料理研究家・リュウジさん監修のレシピは、ナツメグが美味しさの秘密。秋の行楽には、冷めても美味しい簡単レシピの「砂肝の唐揚げ」をぜひ作ってみてはいかがでしょうか。「砂肝の唐揚げ」弁当で秋の行楽を楽しもう!秋の行楽に持っていきたい「砂肝の唐揚げ」紅葉狩りやフルーツ狩りなど、秋はお出かけが楽しくなる季節。お出かけに欠かせないのが手作りのお弁当。冷めても美味しい「砂肝の唐揚げ」は、お弁当のおかずにぴったりです。お弁当におすすめの簡単レシピ忙しいお出かけ前はできるだけ時間をかけずに、簡単にお弁当を作りたいですよね。手が込んでいるように見える簡単レシピ「砂肝のからあげ」は忙しい朝にもおすすめ。料理研究家・リュウジさん監修、中山優貴-SOLIDEMOさん動画出演バズりまくるリュウジさん監修TVやメディアに引っ張りだこ、Twitterフォロワー数20万人を突破している料理研究家のリュウジさん。やみつきバズレシピは、“お家で簡単に作れる料理”がコンセプトなので、料理が苦手な方も簡単に作れます。「砂肝の唐揚げ」は、唐揚げ専門店の唐揚げをきっかけにリュウジさんが考案したおすすめレシピです。中山優貴-SOLIDEMOさんが動画出演「砂肝の唐揚げ」のレシピ動画に出演しているのは、10頭身のJUNON BOYとして大人気の中山優貴-SOLIDEMOさん。「おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S SHOW TIME 2 ~」にF6トド松役で出演し人気を博しています。中山優貴-SOLIDEMOさんが「砂肝の唐揚げ」を作ってくれる気分でレシピを楽しんでくださいね。冷めても美味しい「砂肝の唐揚げ」の作り方1. 砂肝をカット砂肝300gを食べやすい大きさに切りわけます。2. 砂肝に切り込みを入れる砂肝のぷっくりと盛り上がっている部分に、包丁で切り込みを入れましょう。砂肝の中まで味が染み込みやすく、短時間で火が通りやすくなります。この一手間をすることで冷めても美味しい「砂肝の唐揚げ」になるので、忘れずに切り込みを入れてくださいね。3. タレを作る醤油大さじ3杯強・みりん大さじ1杯・酒大さじ1杯・うま味調味料小さじ3分の1・ナツメグ小さじ3分の1を混ぜたタレを作ります。4.タレに砂肝をいれて漬け込むタレのなかに砂肝をいれて、常温で30分~1時間漬け込みます。このとき必ず常温で漬け込むのがポイント。砂肝が冷たいと、揚げるときに時間がかかってしまいます。冷蔵庫に入れてしまったときは、揚げる前に必ず常温に戻してくださいね。5. 片栗粉をまぶして揚げる漬け込んだら砂肝に片栗粉をまぶし、中温の油で2〜3分揚げます。片栗粉をまぶす前に砂肝の周りのタレをキッチンペーパーで拭くのがおすすめ。余分なタレがついたままだと、揚げるときに油がはねてしまう原因になります。6.火が通ったか確認する2~3分揚げたら砂肝の中まで火が通っているか確認しましょう。串(つまようじ)を砂肝の中心部分にさして数秒待ちます。そのあと串(つまようじ)を唇に当てて、熱さを感じたら火が通っている証拠です。油からあげたら、キッチンペーパーの上に2~3分置いて、余分な油を切りましょう。7. 粗挽きコショウとレモンをかけて完成!砂肝の中まで火が通っているか確認したら、お好みで粗挽きコショウとレモンをふりかけて完成です。材料・砂肝:300g・醤油:大さじ3杯強・みりん:大さじ1杯・酒:大さじ1杯・うま味調味料:小さじ3分の1・ナツメグ:小さじ3分の1・片栗粉:適量・揚げ油:適量・粗挽きコショウ:お好みの量・レモン:お好みの量冷めても美味しい隠し味は“ナツメグ”隠し味は“ナツメグ”冷めても美味しい「砂肝の唐揚げ」の隠し味はナツメグです。ハンバーグやお菓子作りに使われるナツメグは、肉の臭みを消す効果が高いのだそう。ほんのり甘いスパイシーな風味で肉料理を美味しく仕上げてくれます。唐揚げ専門店の味を求めてリュウジさんが唐揚げにナツメグを入れるようになったきっかけは、唐揚げ専門店の唐揚げ。美味しかった唐揚げにナツメグの香りを感じたのがきっかけで、唐揚げを作るときにナツメグを入れてみたら、お店の味に近づいたのだそう。「砂肝の唐揚げ」をお弁当の主役に低脂質で高タンパクな砂肝は、普通のモモ肉を使った唐揚げよりもヘルシー。時短レシピで冷めても美味しい「砂肝の唐揚げ」をお弁当の主役にしてくださいね。簡単なのに手が込んでいるように見えるので、友人や恋人とのピクニックにもおすすめです。
2018年09月02日タレントの伊集院光が、3日に放送されたTBSラジオ『伊集院光とらじおと』(毎週月曜~木曜 8:30~)にて、慢性閉塞性肺疾患のため2日に亡くなった落語家の桂歌丸さん(享年81)との思い出を語った。伊集院光伊集院は16年6月、歌丸さんが同番組にゲスト出演した際のやりとりを振り返り、「20代の頃に覚えた噺は全部覚えているのに、最近覚えた噺を忘れるんだよとおっしゃっていて、その時に『最近?』って思ったの。もうレパートリーだけで待ってましたっていう噺がいっぱいあるから。すごいなと思いながら」と落語に対する姿勢に驚きを覚えたことを明かした。高校中退後は三遊亭楽太郎(現・円楽)に弟子入りし、落語家修業をしていた伊集院は、歌丸・円楽の二人会を見に行ったときのエピソードも語った。二人会を舞台袖から見ていた伊集院は、「その時、かなり体調が悪かったので、車椅子に座って鼻に酸素吸入器をした状態で楽屋にいらっしゃて、舞台袖でもまだ酸素吸入をしてるんですよ。(出番になると)緞帳を1回降ろしてお付きの方が車椅子で連れてって、高座に座っていただいて、酸素吸入のチューブを外して」と、歌丸さんの壮絶な裏側を話す。しかし「僕はちょっと距離がある位置から見てたんですけど、明らかにスイッチが入るんだよね。背筋の伸び方というか」と言い、「緞帳がゆっくり開いていくと、さっきまでこの人、鼻にチューブが入っていた人ですよ、自分で歩けなかった方ですよっていうのは分からないんだよね」と振り返った。その歌丸さんの様子を見て感銘を受けた伊集院は、「そういう失礼なことを今まで一度もしたこともないし、思ったこともないけど、舞台袖から自分で肝に銘じたいと思って、その姿を写真にちょっと撮らせていただいて。その写真が今もあるんですけど」と明かす。さらに「かっこいい、気遣いの人で。楽屋で直立不動で立っていたりすると、『あんちゃん、首が疲れるから、座っておくれよ』って。『座っていいよ』じゃないんだよね。そういうことを言ってくださる、あんまり怒るのを見たことがない人でしたね」と、歌丸さんからの言葉を振り返っていた。
2018年07月03日「ゴールデンウイークが終わり、『やる気が出ない。五月病では?』と不安な方もいるかもしれません。うつ病などの精神疾患が増加というニュースを耳にすると、なおさらでしょう。’14年、精神疾患の患者数は約392万人にのぼり、’99年の約204万人から、15年間で約2倍と急増しています(厚生労働省)」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。環境が変化して、がんばった人ほど五月病になるそう。そんな精神疾患の増加を受け、民間保険では心の病いと診断された際、一時金が支給されたり、入院や自宅療養期間の“働けないリスク”に備える商品が登場している。 民間保険を「あれば安心」と思う人もいるだろう。しかし、その前に抑えておきたい点があると荻原さんは言う。心の病いをカバーした保険を頼る前に抑えておくべきポイントを荻原さんが解説。 【1】公的支援を確認する 「まずは、公的支援を受けることが大前提です。精神疾患で通院を始めたら、『自立支援医療制度』が利用でき、精神疾患にかかる医療費が1割負担になります。通常3割負担の方は、医療費が3分の1で済みます。そのうえ、所得や病状による負担上限も決まっています。一般的な所得で長期療養が必要な方は、医療費負担は毎月1万円までに抑えられます」(荻原さん・以下同) この制度は仕事を続けながらメンタルクリニックに通院する人も利用できるので、主治医に相談を。 「加えて、会社員の方は『傷病手当金』の対象です。休業中は健康保険から、給料の約3分の2が、最長1年半支給されます。治療が長期化し重篤な場合は『障害年金』も申請できますし、『生活保護』という選択肢もあります」 【2】保険金受給の確率を考える 保険を検討するときは「もし病気になったら……」と悪いことばかり考えがち。しかし、病気になる可能性はどれくらいあるのだろうか。 「厚生労働省によると、精神疾患の患者は、人口10万人当たり412人。確率にすると、0.4%です(’14年)。自分が0.4%に該当するかは予測できませんが、人生には病気や事故、災害などのリスクと、老後資金が枯渇する『長生きリスク』もあります。たとえば、病気より老後資金が心配という方なら、『保険は最低限にして、なにより老後資金の貯蓄に励む。万が一の際は公的支援を受け、不足分は貯金を取り崩す』というのも、ひとつの考え方ではないかと思います」
2018年05月11日精神疾患とは?出典 : 精神疾患とは、広義に解釈すると、 なんらかの脳の働きの変化により心理的な問題が生じ、感情や行動などに著しいかたよりがみられる状態のことです。ですが、精神医学の領域においても「精神疾患」という言葉は、普遍的かつ確立された定義がありません。使われる場面や診断基準、医師によっても定義や概念にばらつきがあり、いまもなお見解の違いで議論が行われることもあります。この記事では、こころや脳のはたらき、または発達の過程における問題により引き起こされる、思考、行動、感情のコントロールにおける医療の介入が必要な状態について、ひとまず「精神疾患」という言葉を用いて説明していきます。精神疾患についての詳しい定義やどのような種類があるかについては以下の記事をご覧ください。精神疾患の代表的な症状出典 : 精神疾患には様々な種類の疾患があり、疾患ごとに症状も大きく異なります。また症状の種類も多種多様です。とはいえ、抑うつや不安などに代表されるように、精神疾患の症状のほとんどは一般の人でも経験するよくあるものです。疾患であるかどうかを決めるのは、症状の組み合わせと症状の程度、そして症状が続いている期間です。しかし、精神疾患ごとに、それぞれ症状の組み合わせも程度も、判断の目安となる期間も異なります。以下において、精神疾患の代表的な症状を紹介いたしますが、あくまでも参考程度にとどめていただき、もし少しでも不安になった場合は専門機関に相談するようにしましょう。・抑うつ気分:つらい・悲しい・憂鬱・むなしいなどの気持ちになり、気力がでない状態です。・幻覚:実際には刺激や対象が無いのに、それについて生じている知覚のこと。幻聴が代表的ですが、幻視、体感幻覚などもあり、幻聴にもさまざまな種類があります。・妄想:根拠が無い非合理で訂正不能な思いこみ。本人は妄想とは認識しにくいものです。・離人:自分が自分であるという実感がしない、あるいは外界と自分との間に奇妙な隔たりを感じてしまう状態です。・強迫:止めたい気持ちがありながらも、一方でそれをやらなければ気が済まないようにも感じ、同じ思考や行為を繰り返してしまうことを指します。精神疾患をチェックする方法はあるの?出典 : 全ての精神疾患をご自身でチェックする方法はありませんが、うつ病などの個々の病気を評価する尺度はあるので、以下に紹介いたします。ここで注意していただきたいのは、以下に紹介するチェックリストは、何点以上なら病気であると判断するものではないということです。あくまでも、その傾向があるということを示すだけなので、チェック結果の意味づけについては医師と話し合う必要があります。チェックして少しでも不安に思った場合は結果をもって医療機関に相談しましょう。以下のリンクでは、厚生労働省がストレスチェックを実施する際に推奨する「職業性ストレス簡易調査票フィードバックプログラム」に基づいて制作されたテストが簡単に行えます。職場でのストレスレベルを約5分程度で測定することができます。リンク:5分でできる職場のストレスセルフチェック|こころの耳HPCES-Dは一般人がご自身でのうつ病を発見する目的で米国国立精神保健研究所により開発された自己評価尺度です。質問項目は20問で所要時間は10-15分、対象年齢は15歳からとなっています。リンク:CES-Dによるうつ病症状の簡易チェック|せせらぎメンタルクリニックHP精神疾患かな?と思ったら、どの病院の何科に行けばいいの?出典 : まず患者本人およびその家族から、主訴(何に困っているのか)、現病歴、既往歴(以前かかっていた病気のこと)、家族歴、生活史、家庭環境や職場環境などを聞き出します。次に、集めた情報や診察室で観察される症状から、患者さんが伝統的精神疾患の分類のどれに属するのか総合的に診断を決めていきます。おおむね以上のような流れで進みますが、医師により異なる手順をとる場合もあります。精神疾患をみる診療科は精神科や精神神経科、心療内科や神経内科など、かなり名称にばらつきがあります。◇精神疾患が心配なら精神科、精神神経科、神経科これらの科は、名前が異なりますが診ている病気は精神疾患で共通しています。◇心理的な問題が関与している身体症状を解消したいなら心療内科心療内科は、心理的な問題が原因で、胃潰瘍などの身体的な症状が出ている場合(いわゆる心身症)を対象としています。とはいえ、軽いうつ病などの一部のこころの病気を診ている場合もあるので、もし通いたい心療内科がある場合は、事前に電話して、自分が抱える悩みが対象かどうか調べる必要があります。◇認知症やてんかんが疑われるなら神経内科も神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉の病気を主な対象としています。認知症やてんかんなどは精神科だけでなく神経内科でも診ています。一部の神経内科では、こころの病気を診ている場合もあるので、気になる場合は電話して聞いてみる必要があります。一般的には看板ごとに以上のような住み分けがされていますが、診療科名からどのような病気を対象としているのか確かめにくいこともあるので、あらかじめ電話やHPで確認するとよいでしょう。参考HP:医療機関の探し方、選び方|厚生労働省HP精神疾患かな?と思った時に、病院を選ぶポイント出典 : どの医療機関を受診するか迷ったときのポイントを紹介いたします。医療機関により、どのような病気を専門としているか異なるので、まず、その医療機関が何を専門としているのか調べる必要があります。以下のリンクでは診療科目や診療日、診療時間、どのような疾患を治療しているかなどの全国の医療機関の詳細を検索できます。是非ご活用ください。医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について|厚生労働省HP精神科医にも、統合失調症に詳しい医師や発達障害の治療に慣れている医師など、それぞれ得意分野があります。受診前に、電話やインターネットのHPなどで問い合わせたり、どのような分野を得意としている医師が在籍しているのか調べたりすることをおすすめします。医療機関の専門性の他に、どのような治療プログラムがあるのかも調べることをおすすめします。医師の診察とは別に、カウンセリング、作業療法、その他様々な治療プログラムを行っている場合があります。また、その医療機関がどのようなスタッフを配置しているのかも医療機関の性質を知る上で参考になります。カウンセリングを通じて心理的な問題を解決に導く臨床心理士 、デイケアなどで心身のリハビリテーションに携わる作業療法士 、言語機能の回復や発達に関わる言語聴覚士、これらの多職種や外部機関との連携をとり社会復帰をサポートする精神保健福祉士など、精神医療に携わる職種は多岐にわたります。自分やご家族には今後どのようなサポートが必要なのか見極め、状況にあった医療機関を選びましょう。作業療法士ってどんな仕事?|日本作業療法士協会HP精神疾患は通院治療が必要な期間が長くなることが多いので、通いやすさを十分考慮する必要があります。駅から遠かったり、受診可能な時間が自分の生活と合わなかったりすると、どうしても通いづらくて治療中断してしまう可能性もあるので、自分が通い続けられる場所かよく調べる必要があります。診察・治療を担当する医師との相性は特に大切です。実際に医師と話してみて、ご自身がどのように感じるのかで相性の良し悪しを判断しましょう。医師に対して不信感を持ったまま診療を続けるより、信頼関係を構築できる医師を見つける方が、治療もうまくいきます。どうしても相性が悪いなと思ったり、医師の説明に納得が行かない場合は、セカンドオピニオンを求めてみるのもひとつの方法です。その場合、紹介状は必ずしも必要ではありませんが、新たに受診してみようとする医療機関に対し、セカンドオピニオン目的での診察を受けてくれるかどうか予め尋ねた方が良いでしょう。最初にかかった医療機関に全てお任せするのではなく、 医療を使いこなすという姿勢 が大切です。どの病院のどの診療科に行けばいいのか迷ったり、そもそも受診すべきか迷ったりすることもあるのではないでしょうか?そんな時は、お近くの精神保健福祉センターや保健所に連絡すると、専門家が相談に乗ってくれますので、気兼ねなく連絡してみましょう。以下のリンクで、全国の精神保健福祉センター、保健所を検索できます。全国の精神保健福祉センター一覧|厚生労働省HP保健所一覧|全国保健所長会HP夜間休日精神科救急医療機関案内窓口|厚生労働省HP精神疾患の治療法出典 : 精神疾患の治療法は、大きく分けて身体的治療と心理的治療の2つに分かれます。以下、それぞれについて紹介いたします。代表的なものが、薬物を用いた薬物療法です。他に、高照度光刺激療法、修正型電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう)などの身体に物理的に働きかける療法を指します。身体療法とは対照的に、心理的な手段を用いて患者の心身に働きかけるもので、さまざまな理論・アプローチがあります。たとえば、行動をよりよい方向に改善していく行動療法、患者のかたよって硬直した思考パターンを変えていく認知療法、無意識の葛藤や防衛を分析していく精神分析療法、クライエントの訴えを受容することに徹する来談者中心療法などが代表的です。それらの技法をさまざまに取り入れた折衷的な方法が、日本における「カウンセリング」の主流となっています。その他にも自律訓練法、箱庭療法、遊戯療法、森田療法などがあります。医療機関で精神科医が行う面接や心理的治療を「精神療法」、心理士が行うセラピーを「心理療法」と呼ぶことが一般的です。参考:メンタルヘルス関係|こころの耳HP日本精神神経学会では、精神科の入院が適応となる状態を以下のように記しています。・幻覚妄想状態・著しい興奮状態・躁状態・重症な自殺念慮・長く続いている重症うつ状態などです。(引用:Q.入院が必要となるのは、どのような時でしょうか?|日本精神神経学会HP)入院した場合、身体的治療や狭義の心理的治療に加えて、生活、社会機能の改善を目的に、集団精神療法やレクリエーション療法、作業療法、家族への心理教育プログラムなどがおこなわれます。精神疾患に苦しむ人への対応の仕方出典 : こころの不調に悩む方と接するときに基本となるのは、 話を真摯に聞くことです。その人が今どんな気持ちでいるのか、何に悩んでいるのかじっくりと時間をかけて話を聞きます。自分の価値観を押し付けたり、否定したりせず、ただただ聞き手に徹します。こころの不調に悩んでいるときは、ただ自分の気持ちを聞いてもらい、共感してもらうことで、いくらかでも癒やされるものです。その際、気をつけるべきなのは、本人の苦しみを完全にわかっていると思い込んでしまうことです。本人が味わっている苦しみを、その人と全く同じように感じることは不可能です。「わたしはあなたのことをわかっている」という思い込みは、一方的な価値観の押し付けにつながりやすく、本人を傷つけてしまうこともあります。本人が抱えている問題を完全に理解することはできないことを心に留めつつ 回復してほしいと願っていること、そして、その人が悩んでいる問題は、その人自身の弱さや性格によるものではなく、もしかしたら医学的な問題であり専門家による治療が必要かもしれないこと を伝えます。適切な援助を受けることがどれほど有益なのか具体的に伝え、信頼できる支援者を探す手伝いをすることが大切です。精神疾患に苦しむ方が受けられる経済的な支援出典 : 精神疾患にかかった場合、障害者手帳の交付や医療費助成などの支援を受けられます。自立支援医療(精神通院医療)とは精神疾患がある方で、かつ、通院による継続的な治療が必要な場合、その通院医療にかかわる医療費負担が原則1割になる制度です。詳しくは、以下のリンクをご参照ください。自立支援医療(精神通院医療)について|厚生労働省HPこの制度は、負担の上限金額を超えた高額な医療費を支払った際に、その超過分の払い戻しを受けることのできる健康保険制度です。以下のハンドブックの12-15ページをご参照ください。精神障がい者と家族に役立つ社会資源ハンドブック|厚生労働省HP重度の心身の障害がある方が、保険証を使って病院に受診した場合、自己負担金が助成される制度です。各自治体ごとに、対象となる障害やその度合い、支援内容がかなり異なります。また、この助成を受けるにあたり注意点が2つあります。1点目は平成27年8月1日以降に新たに障害者の診断を受けた場合には、助成の対象とならないことです。2点目は、所得制限が定められているため、生計を同じくしている人の所得が一定額以上の場合には助成の対象外となることです。詳しくはお近くの市役所などにご相談ください。精神障害者保健福祉手帳を取得した場合、等級にもよりますが所得税や住民税、贈与税などの控除や生活保護の障害者加算、各種手当てが受けられます。詳しくは以下の記事をご参照ください。「障害年金」とは、障害によって生活の安定が損なわれないように、働く上で、あるいは日常生活を送る上で困難がある人に支払われる公的年金の総称です。障害年金の障害認定基準は障害者手帳の障害認定基準と異なります。そのため障害者手帳で1級でも、障害年金では異なる場合があります。詳しくは以下の記事をご参照ください。精神疾患に苦しむ方が受けられる生活面の支援出典 : その方が何らかの行動をする際に生じうる危険を回避するために必要な援護を行うサービスです。外出時における移動中の介護や排泄、食事などの介護、その他日常生活での行動の援助が行われます。精神障害による行動上著しい困難があり、常時介護を必要とする場合に利用できます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。参考:行動援護|独立行政法人福祉医療機構HP生活介護では、介護を常に必要としている方に対し、入浴や排泄、食事などの日常生活の援助や、創作的活動や生産活動の機会の提供、各種相談などを、主に日中において行います。参考:生活介護|独立行政法人福祉医療機構HP家庭など、居住している場所にホームヘルパーを呼び、食事や入浴、その他日常生活の援助を受けることができます。利用対象者は、原則として精神障害者保健福祉手帳の保持者、あるいは障害者年金を受けている方で、かつ、日常生活に支障がある人です。施設入所支援では、主として夜間において、食事や排泄などの日常生活の援助や相談が行われます。日中の訓練などサービスも同じ施設で行われます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。障害福祉サービスの内容|厚生労働省HP共同生活援助とは主に夜間において少人数での共同生活を援助するサービスです。個別の支援計画を立てた上で、相談や入浴、排泄などの日常生活の援助を行います。詳しくは以下のサイトをご参照ください。共同生活援助|独立行政法人福祉医療機構HP在宅の精神障害者を対象に、介護者の事情で一時的に介護困難の場合利用することができます。夜間を含め施設で、入浴や食事などの日常生活の援助が行われます。利用が可能な期間は基本的に7日以内で、事情がある場合は必要最小限の範囲で延長可能です。グループホームなどの夜間のサービスは、自立訓練や就労移行支援、地域活動支援センターなどの昼間のサービスと組み合わせて利用するのが一般的です。精神科訪問看護/精神科デイ・ケア(通院以外の治療)出典 : いずれも在宅での生活を支えるサービスで、上記の自立支援医療(精神科通院医療)の対象です。自宅などの居住している場所で保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士などにより行われる療養上の世話または必要な診療の補助を行うことを指します。具体的には病状の観察と情報収集や日常生活の維持、対人、家族関係の調整や精神症状の悪化の予防、社会資源活用の補助等が行われます。詳細は以下のリンクでご確認ください。参考:訪問看護について|厚生労働省HP精神科デイ・ケアは、社会で生活するために必要な能力の回復を目的として、グループでの治療をおこなうものです。利用時間や利用開始時間に応じてデイ・ケア、ショート・ケア、ナイト・ケア、デイ・ナイトケアなどの種類があります。統合失調症やうつ病などの疾患別プログラムや、高齢者や思春期、青年期などの年代別プログラム、家事能力や復職支援などの目的別プログラムなど、様々な内容があります。施設により内容が異なります。保健所や精神保健福祉センターで行っている場合は費用はかかりませんが、医療機関の場合はかかります。とはいえ、自立支援医療(精神通院医療)を利用すれば、自己負担額は減ります。参考:精神科デイ・ケア等について|厚生労働省HP精神疾患に苦しむ方が受けられる社会復帰の支援出典 : 地域生活を営む上で、生活能力の維持・向上などのため、一定の支援が必要な方を対象に、入浴・排泄・食事などの日常生活を営むために必要な訓練や相談などの支援を行います。たとえば、入所施設を退所した方や病院を退院した方、特別支援学校を卒業した方などが例に挙げられます。自立訓練(生活訓練)対象者のうち、就労移行訓練などの日中のサービスを利用している方が対象です。地域での生活に向けて一定期間、住まいの場を提供して帰宅後における生活能力などの維持・向上のための訓練その他支援を行います。一般企業などへ就職を希望する方に、一定期間就労に必要な知識及び能力の向上のための訓練を行います。詳しくは、以下の記事をご参照ください。一般企業などでの就労が難しい人に働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のための必要な訓練を行います。雇用型のA型と、非雇用型のB型があります。創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流などを行う通所施設です。まとめ出典 : 精神疾患の症状ははっきり目に見えるものではありません。症状のつらさだけでなく、周囲の方からの理解を得ることができずにつらい思いをされている方も多いのではないでしょうか?もし、長らく精神の不調に苦しまれているのなら、一度医療機関や相談機関に話を聞きに行くことをおすすめします。自身にどのような傾向があるか知り、その対処法を知ることで、自分だけでは気づけなかった突破口が見つかるかもしれません。良い専門家に出会うかどうかで、生活が変わります。自分の苦しさを理解してくれる相性の良い専門家に出会うまで、諦めずに探してみることをおすすめします。難しいことですが、気長に少しずつ、出来ることから着実に、ときには人の手を借りながら問題を一つひとつ解決していく心持ちが必要なのかもしれません。こころの不調は回復に時間がかかることが多いので、支える側の負担も無視できないものとなります。本人と良好な関係を保ち、その方と共に生きていくためには一人で抱え込まないことが大切です。家庭の中だけで解決しようとせず、少し勇気を出して、医療機関や支援サービス、経済的支援や相談窓口などを積極的に活用することをおすすめします。
2017年05月18日質問:アルコールの摂りすぎは肝臓に悪いと聞きますが、飲酒する場合の基準はあるのでしょうか?肝臓の病気にはストレスがとても関わっていると聞きました。主人はストレス発散のためにお酒を飲んでいます。アルコールの摂りすぎは肝臓に悪いと聞きますが、飲酒する場合はどのくらいであればいいという基準はあるのでしょうか?また、病気の進行の原因「酸化ストレス」には、加齢や肥満、糖尿病なども影響するとのことですが、複数当てはまると危険度は上がりますか?東京都:たもさん(32)回答:アルコールの摂りすぎと「酸化ストレス」についてお答えします。――アルコールの摂りすぎは肝臓への負担に!おっしゃるように、アルコールの摂りすぎは肝臓に負担をかけるということは広く知られています。肝臓は身体に入ってきた物質の代謝、エネルギーの貯蔵、胆汁の生成、有害物質の解毒と各方面で大活躍をする臓器で、アルコールの代謝もその機能の一つです。他の臓器同様、大きさや機能に個人差は見られますが、肝臓が正常に代謝できる量は、普通にお酒を飲める体質の方で、純アルコール換算で男性は1日40g、女性は1日20gといわれています。純アルコールで20gというと日本酒で約1合になりますから、男性で1日に日本酒2合、女性で1合が一つの目安といえそうです。また、飲み方、いわゆるピッチもお酒と肝臓の関係を考える上で非常に重要なファクターです。肝臓が一時間に処理できるアルコールの量は日本酒4分の1合といわれていますので、同じ量を飲むのでも、できれば何かおつまみなどを食べながらゆっくり飲むことが肝臓をいたわることにつながります。加えて、毎日お酒を飲む習慣のある方は、肝臓にもお休みが必要ですから、週に2回はまったくアルコールを飲まない「休肝日」を設けることが推奨されています。<「酸化ストレス」とは>また、ご質問にあった「酸化ストレス」についてですが、確かに近年、肝臓病の発症に酸化ストレスが関わっているのではないかといわれています。酸化ストレスを増加させる原因としては、呼吸で発生する活性酸素や、喫煙、果物・野菜不足によるビタミンE、ビタミンC、カロテノイドなどをはじめとするビタミン類、栄養素の不足、糖尿病などによって慢性的に高血糖が続いた状態などが挙げられます。また、加齢や肥満、脂肪肝、アルコールには、それ自体が肝臓内で酸化ストレスを増加させる要因であるとされています。多くの要因が重なれば、それだけ酸化ストレスが増える確率は高くなります。できるだけ危険因子とされるものは減らして、元気な肝臓を維持したいですね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:肝臓の病気が進行し慢性化すると肝硬変になるそうですが、早期発見は可能でしょうか?肝臓の病気が進行し慢性化すると肝硬変になるそうですが、早期発見は可能でしょうか?主人が肥満一歩手前でとても心配です。メタボなども原因として挙がるようになっているそうですが、どのくらいから危険でしょうか?肝硬変になると肝臓は元通りには戻らず、全身の疾患になってしまうのでしょうか?また、もし肝硬変になってしまったら、寿命はかなり縮まってしまうものなのでしょうか?東京都:たもさん(32)回答:肝臓疾患と肥満の関係についてお答えします。――「脂肪肝」と肥満ご主人の肝臓に関するご心配ですね。肥満の一歩手前の状態でいらっしゃるということで、主に脂肪肝から肝炎、肝硬変へと進むことを心配していらっしゃるのでしょうか。おっしゃるように、脂肪肝の原因として、以前から有名なアルコールのほかに、最近では肥満や糖尿病も注目を浴びています。肥満や糖尿病、脂質代謝異常症の方が、そうでない方に比べて脂肪肝になりやすいのは、血糖値を下げる働きのあるホルモンであるインスリンの働きが鈍っているためと考えられます。こういった病気のある方で、お酒を飲まない方に発症する脂肪肝は「非アルコール性脂肪肝」と呼ばれています。また、肥満はどのくらいから危険か、というご質問についてですが、一般的には肥満というとBMIで25以上の人を指しますが、この脂肪肝に関しては単に体重だけでなく、特に日本人では摂取している食事の内容や運動量にも関連すると考えられています。脂肪や糖質の多い食事、例えばファーストフードやインスタント食品などを多くとり、運動量の少ない生活パターンの人は脂肪肝になりやすい傾向があります。そのため、体重だけでいえるわけではないのですが、標準体重(BMIで18.5~25.0)に当てはまっているに越したことはないかと思います。食事のバランスにも気を遣い、野菜や乳製品、豆製品を多く取り入れて、脂肪の多いものや極端に甘いものを控えることで肝臓の負担は減らせるでしょう。<こまめに健康診断を受けて健康管理に努めましょう>肝臓の病気も、ほかの全ての病気と同様、早期発見、早期治療が非常に大切です。軽い脂肪肝の段階で気づくことができれば、ダイエットをしたり禁酒をしたりすることで、完全に元通りになります。脂肪肝は血液検査と肝臓の超音波検査で診断することができます。さらに進行して、肝炎、肝硬変と進行してしまうと元には戻らなくなり、残った肝機能をこれ以上悪くしないための治療しかできなくなります。また、肝硬変になって肝臓がきちんと機能しなくなると、身体に取り入れたものが解毒できなくなり、胆汁も産生されにくくなって、便秘、黄疸、不眠や腹痛などの全身のつらい症状に悩まされることになります。もちろん、重症の肝硬変になると生命も危ぶまれることになりますので、そうなる前にダイエット、禁酒、こまめに健康診断を受けるなどして健康管理に努めたいですね。お大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:慢性肝炎の初期段階、症状をこれ以上悪化させないためにどんなことに気をつけたらいい?検査を受けたら、慢性肝炎の初期段階と言われました。今はまだ薬をもらうための定期的な通院をしていますが、もし肝硬変になって入院するようなことになったらと心配です。入院が長くなるようですと家族の生活を変えることになりますし、金銭的なことも不安です。症状をこれ以上悪化させないために、どんなことに気をつけて日常を過ごしたらいいでしょうか?愛知県:まっちゃんさん(41)回答:「慢性肝炎」で気をつけることについてお答えします。――「C型肝炎」の場合の食事について慢性肝炎にかかられたとのことでご心配はつきないことでしょう。慢性肝炎はB型、C型のどちらになりますでしょうか。C型肝炎では、鉄を制限した食事が推奨されています。C型肝炎ウイルスに感染している人の肝臓は、鉄を過剰に蓄積してしまうことが分かっています。鉄が過剰に肝臓に蓄積されてしまうと、鉄から生じるフリーラジカル(活性酸素など)が肝細胞の膜やDNAを傷つけます。それにより、肝炎が悪化し、さらには、肝がんの発生の原因にもなると考えられています。また、鉄を制限することで、肝炎の進行を食い止めることができるのではないかとも考えられています。食べ物に含まれる鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は、肉や魚に多く含まれ、消化管から吸収される割合は23%ほどです。非ヘム鉄は、野菜や穀類に多く含まれ、吸収される割合は3~8%ほどです。食事で鉄を制限する場合には、吸収率の高いヘム鉄を含む食べ物に注意することが大切です。基本的なポイントとしては、以下のようになります。肉は控えめにしましょう。特に鉄を多く含む牛肉、レバーには注意しましょう。赤身魚、青魚、貝類は鉄の含有量が多いので、控えめにしましょう。白身魚は鉄の含有量が少ないので、大丈夫です。卵のうち卵黄は鉄を多く含むので、控えめにしましょう。緑の濃い野菜は避けましょう。ビタミンCは鉄の吸収を高めます。ビタミンCを多く含む果物は、間食でとるようにしましょう。緑茶、コーヒー、紅茶などはタンニンを多く含みます。タンニンは、鉄と結合して、鉄の吸収を抑えます。積極的にとりましょう。鉄を制限した食事療法は、栄養士の指導のもとに行われることが望まれます。詳しくは、かかりつけの医師に聞いてみましょう。<「B型肝炎」「C型肝炎」で気をつけること>それでは次に、B型、C型慢性肝炎に共通して気をつけたいことをみていきましょう。■栄養バランスを考えた食事を規則正しく栄養バランスの取れた食事を1日3食しっかりとるようにしましょう。たんぱく質の多い食品をとるようにしてください。肝臓の機能が落ちてくると、たんぱく質を作る機能も落ちてきます。それを補うためにも、たんぱく質をたくさんとる必要があります。目安は、体重1kg当たり1.5gです。また、食後は30分~1時間程度横になりましょう。 ■お酒は避けるお酒は、肝臓で解毒されます。肝臓の機能が下がっている慢性肝炎では、少しお酒を飲んだだけでも肝機能が悪化することがあります。基本的には、禁酒です。■薬の服用は慎重に市販の薬には、肝臓に負担をかける薬もあります。風邪を引いただけで病院に行くのはおっくうかもしれませんが、慢性肝炎をお持ちであれば、念のため病院を受診し、肝臓にやさしい薬を出してもらいましょう。市販の薬を自己判断で飲むのは止めましょう。■仕事は無理をしない普通に仕事をする分には問題ないでしょう。しかし、慢性肝炎は自覚症状があまりないため、知らずに無理をして、症状を悪化させる可能性があります。無理はせず、睡眠をしっかり取り、休養しましょう。■長風呂は避ける熱めのお風呂に長い時間入ったり、サウナに入ったりすると、体力を消耗するので避けましょう。 ■旅行には慎重に症状が落ち着いている場合には、旅行にも出たくなると思いますが、無理のないスケジュールでまわるようにしましょう。薬の携帯は忘れずに、そして、薬のリストもしっかり持っていきましょう。いかがでしょうか。原則は、無理をしない、ということです。そして、かかりつけの医師の指示に従い、定期的に検査を受けて、肝臓の状態をしっかり診てもらうようにしましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:咳が増えて食欲不振、がん患者が多い家系なので胃や肺や肝臓が悪いのではないかと心配。父は昔から酒、たばこが好きで、ほぼ毎日両方を摂取しております。父は現在50代なのですが、以前に比べ咳が増えたり食欲不振なことが増えたりしていて、がん患者が多い家系ですので、胃や肺や肝臓が悪いのではないかと心配しております。考えられる病気は何がありますでしょうか。また今から飲酒・喫煙を控えることによって症状が少しは改善されるでしょうか。福岡県:やまあゆさん(25)回答:咳や食欲不振の症状についてお答えします。――症状から考えられる疾患近頃お父さまの咳が増え、食欲不振があるとのこと、ご心配ですね。また、家系的にがんの方が多いということですね。長期間の飲酒・喫煙歴があるということもあり、考えられる病気はたくさんあるのですが、まず一番注意をしなければいけないのは、ご心配していらっしゃる、がんです。体重の減少や全身の倦怠感などの症状はないでしょうか。飲酒、喫煙を毎日されるということは、口腔内のがん、食道がん、胃がん、肺がん、喉頭がん、大腸がんといった多くのがんのリスクファクターをお持ちということになります。咳の症状が続くようならまず、呼吸器内科を受診してみるとよいでしょう。呼吸器内科的な病気で疑われるものとしては、肺がんのほかに肺炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD、主にたばこの煙が原因となって肺に炎症ができる病気)、咳喘息(気管支の慢性的な炎症で1カ月以上空咳が続くもの。大人の長引く咳の3分の1を占めているという頻度の高い疾患です)、あるいは昔の病気と思われがちですが、実は新規の感染者数が毎年一定数見られている、結核や百日咳などの可能性もあります。また、飲酒歴と食欲不振の点から、アルコール性の肝疾患などの可能性も考えられます。胃や食道等も心配ですから、消化器内科も合わせて受診されるとよいのではないでしょうか。また例えば、咳喘息とアルコール性肝障害といった、二つの病態の組み合わせという可能性もあります。もちろん、単に風邪が長引いているなど、特に大きな身体的な問題はないという可能性も大いにありますが、年齢的にも、生活習慣の点からも、急いで治療をする必要のある疾患がないかどうか、一度確認しておくことは大切かと思います。<これをきっかけに禁煙・節酒しましょう>最後に、お酒やたばこを控えることによって改善するかというご質問に関してですが、咳に関しては、たばこをやめることで気道に刺激がなくなり、多くの場合、これまでよりは減ってくると思います。ただ、完全になくなるかどうかは、咳の原因によります。しかし、病気がCOPDなどであった場合、喫煙を継続することが命取りになることもありますので、いずれにしてもこれをきっかけに禁煙をされた方がよいと思います。また、飲酒に関しては受診の結果や、これまでの飲酒量にもよりますが、最低週に2回は休肝日を設け、楽しまれるにしても少量にとどめることをおすすめします。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:C型肝炎の最近の治療法で飲み薬を使うものを見つけました。飲み薬を使う、メリット、デメリットを教えてください。40歳女性、独身です。現在C型肝炎を患っています。ALT・AST共に、基準値範囲内で安定していて、普通の生活に支障はありません。最近の治療法で、飲み薬を使うものを見つけました。少し調べましたが、専門的すぎて理解できませんでした。飲み薬を使う、メリット、デメリットを教えてください。特に、副作用としてうつ病が発症するか否かが気になります。東京都:ぴなぴなさん(40)回答:「C型肝炎」治療の新薬についてお答えします。――「インターフェロン」と新薬についてC型肝炎の治療に使われている、新しく発売された飲み薬について、興味を持たれているのですね。まずは、従来の治療の柱であるインターフェロンについてご説明します。ご存じかと思いますが、C型肝炎の治療に使われてきたインターフェロンは注射薬でした。週1回の通院が必要で、患者さんへの負担は大きいものです。うつ病の副作用をご心配されているようですが、副作用としてうつ病が有名なのは、このインターフェロンになります。うつ病のほかにも、発熱、倦怠感、間質性肺炎を引き起こし、非常に有効な薬ではありますが、合わない患者さんも多くいました。さて、新薬についてですが、飲み薬、という点がまず画期的なところです。C型肝炎ウイルスが増殖するために必要な酵素の働きを邪魔することで、C型肝炎ウイルスを抑える働きがあります。飲み薬のため、注射を打たれる恐怖感もなくなり、通院は治療開始から12週までは2週間に1回、それ以降は、4週間に1回、肝機能の検査のための通院となり、患者さんへの負担は大きく減ります。新薬の第一弾は、アスナプレビルとダクラタスビルの2剤の組み合わせ(2014年9月に販売開始)です。国内での臨床試験では、6カ月この新薬を飲み続けた患者さんの84.7%でC型肝炎ウイルスが体内から消えた、という結果が出ています。さらにすごいことは、この中にインターフェロンが効かなかった患者さんも含まれていたことです。副作用の心配としては、肝機能障害になります。そのため、4週間に1回は肝機能検査のための通院が必要になるのです。インターフェロンに比べて、副作用が今のところ少ないと報告されており、厳しい副作用のためインターフェロンを使用できなかった高齢者にも新薬は使えるのでは、と期待されています。<まずは専門医を受診しましょう>ここまでは、いいところだらけなのですが、治療に関しては注意が必要です。この治療は、日本肝臓学会の専門医または特定の講習を受講した医師のみが行うことができます。消化器内科と掲げていても、新薬を処方できるとは限りません。新薬の処方ができる専門医であることを確かめて受診しましょう。専門医であれば、医療費の公的補助が受けられるので、経済的にも非常に助かるでしょう。また、専門医の下でも、新薬の適応になるかどうかは診断を受けてからになります。新薬はC型肝炎ウイルスの患者さんには朗報ですが、まずは落ち着いて専門医を見つけ、そして、自分が新薬の適応になるのかどうか結果を待ちましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:産婦人科の検診で脂質系と肝機能の値が妊娠前の倍以上になり、要経過観察・要治療になってしまいました。現在30歳で第一子を妊娠中です。産婦人科の検診で、中性脂肪値やコレステロールなどの脂質系と、肝機能の値が妊娠前の倍以上になり、要経過観察、要治療になってしまいました。父方の祖父が糖尿病の合併症で亡くなっており、父も糖尿病で毎日血糖値を測り、インスリン注射を行っています。祖父や父に似て、私もこの先糖尿病になってしまう可能性が高いのでしょうか?また、子どもにも発病する可能性が遺伝することもあるのでしょうか?愛知県:blifespさん(30)回答:妊娠中の脂質系、肝機能の値の増加についてお答えします。――肝機能の数値上昇が心配です現在ご妊娠中とのことですね。おめでとうございます。産婦人科の検診で、中性脂肪値やコレステロールなどの脂質系、および肝機能の値が妊娠前の倍以上になり、要経過観察、要治療になっているということですね。妊娠中、コレステロール値や中性脂肪値が妊娠していないときに比べて、急激に上昇することは、実はさほど珍しいことではありません。数値が上がる原因として、胎児が発育するためのエネルギーとしてほとんどブドウ糖を利用するのに対し、母体はブドウ糖のほかに脂質も利用できるため、胎児に優先的にブドウ糖を使わせるために、母体は脂質を使うことが多くなり、高脂血症になるとも考えられています。妊娠後期の妊婦さんでは中性脂肪は妊娠前の2~4倍、総コレステロール値は多い場合だと5割増しになることが知られています。低カロリーで食物繊維の多い食事をとること、適度に身体を動かすこと、体重を増やしすぎないことに留意されれば、さほど心配はないものと考えられます。一方、心配なのは肝機能の数値の上昇です。特に妊娠後期にはホルモンの働きにより胆汁の流れが悪くなる「胆汁うっ滞」をきたすことがあり、このために全身のかゆみが生じることがあります。また、ごくまれですが、やはり妊娠後期に、原因不明の脂肪肝を呈することも知られています。この脂肪肝は急速に悪化して肝不全を起こすこともある怖い脂肪肝ですので、もしみられたら集中的な管理・治療が必要になります。もちろん、これ以外に、ホルモンの関係による一過性の軽微な肝機能異常を呈することもあります。<「糖尿病」の遺伝について>また、ご質問にあった糖尿病に関しては、今回の妊娠中の血中脂質や肝機能の数値の上昇とは直接関連はないものと思われます。糖尿病は確かに、遺伝的素因と生活習慣の組み合わせで起こるといわれる疾患ですが、遺伝も、たくさんの遺伝子が複雑に組み合わさって糖尿病になりやすさの強弱を決めている、といったもので、適正カロリーでバランスのよい食生活および運動習慣によって、糖尿病の発症は予防できるものと考えられています。お子さまへの遺伝に関しても同様で、過度に心配することはありません。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:主人に風邪のような症状があります。「肝炎」の症状にとても似ており不安を感じています。このところずっと、主人に風邪のような症状があります。内科で診てもらい、特に問題がないとの診断で、仕事のストレスか何かだと考えていました。最近になって調べたところ、「肝炎」の症状にとても似ており不安を感じています。主人は比較的お酒が好きで、仕事の付き合いでかなりの量を飲んでいます。症状としては、全身の倦怠感と微熱、最近では吐き気があります。やはり肝炎の可能性が高いでしょうか?東京都:えだまめさん(39)回答:「アルコール性肝炎」についてお答えします。――「アルコール性肝炎」とはご主人に風邪のような症状が続いているとのこと、ご心配ですね。お酒が好きで、日常的に飲まれる方で、全身の倦怠感、微熱、吐き気といった症状は、確かにアルコール性肝炎の疑いがあります。すでに内科を受診されたということですが、その時、肝機能の血液検査などは受けられたでしょうか。一般的な肝機能の血液検査としては、「ALT(GPT)」、「AST(GOT)」、「γ(ガンマ)-GTP」といった項目の値が測定されます。また、もっと多くの項目を検査する場合、ALP、総ビリルビン(直接ビリルビン・間接ビリルビン)といった項目も追加されることがあります。ここでは、健康診断などで測られることの多いALT、AST、γ-GTPの3項目について、アルコール性肝炎の場合どうなるか簡単にお話しします。γ-GTPはアルコール性肝障害の指標としてよく用いられる値で、お酒を多く飲まれる方の場合、たいてい上昇が見られます。このγ-GTPの上昇だけであれば、一定期間禁酒をすれば値は正常に戻ることが多いのですが、「肝細胞に含まれるALT、ASTが上昇してくる=アルコールにより肝臓そのものが壊れてくる」と、肝臓が炎症を起こした状態となり、肝腫大(肝臓が腫れて大きく膨らむこと)、腹痛、発熱や血液中の白血球の増加などの症状が見られます。これを放置してお酒を飲み続けると、アルコール性肝硬変をきたし、最悪の場合、死に至ることもあります。ご主人が内科を受診され、身体の診察のほかに肝機能の項目を含む血液検査を受けられ、その上で問題ないという診断を受けたのであれば、実際に診察された先生の診断が一番だと思います。ただ、風邪のような症状、という主訴で受診され、のどや鼻などの診察をメインで受けられたということであれば、もう一度受診してアルコールをよく飲む傾向があることを伝えた上で、肝機能の検査を含む血液検査を受けてみるとよいと思います。<休肝日を設けましょう>肝臓は沈黙の臓器といわれ、状態が悪くてもなかなか自覚症状が出ないことが多いことで知られる臓器ですので、大事に至る前にきちんと検査し、対策をとることがとても大切です。また今回もし肝臓に異常がなくても、ご主人には休肝日を作り、節酒を心がけるようにしていただくとよいと思います。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:最近、身体がかゆくてかゆくてたまりません。市販のかゆみ止めの薬を塗ってはいるのですが、あまりよくなった実感はありません。最近、身体がかゆくてかゆくてたまりません。気がつくとボリボリと手が届くところをかいています。市販のかゆみ止めの薬を塗ってはいるのですが、あまりよくなった実感はありません。なるべく爪をたててかかないように手袋をはめています。初めてのことなので少しとまどっております。冬の乾燥している季節のせいなのでしょうか?岐阜県:moimoimayaさん(46)回答:全身の「かゆみ」の原因についてお答えします。――背後に病気が隠れていることも全身のかゆみに悩まされている、ということで、大変ですね。年齢とともに、肌のバリアが衰えて、乾燥しやすくなります。お風呂からあがったら、すぐに保湿剤を塗りこんでいますか?薬局で売っているワセリンでも十分効きますので、試してみましょう。しかし、かゆみの背後に病気が隠れていて、ご相談者さまのように全身のかゆみに悩まされることがあります。代表的な病気を見ていきましょう。■原発性胆汁性肝硬変(げんぱつせいたんじゅうせいかんこうへん)黄疸(おうだん:皮膚が黄色くなる、目の白い部分が黄色くなる)が見られる場合、症状が進めば進むほどかゆみが強くなり、我慢できないほどのかゆみになります。黄疸は肝臓内に胆汁が停滞することによって起こる病気で、今のところ詳しい原因は不明です。中年以降の女性に圧倒的に多い病気となります。もし、黄疸が認められるようであれば、すぐに内科を受診しましょう。■糖尿病水分をよく取るようになった、尿の量が増えた、体重が勝手に減ってきた、全身がだるい、といったことはないでしょうか。血糖が高い状態が続いて脱水状態になり、また、発汗も異常になり、皮膚が乾燥して、かゆみが起きます。上記の症状が当てはまるようでしたら、内科を受診しましょう。■慢性腎不全吐き気、嘔吐、集中力低下、けいれんがある場合、腎臓の機能が落ちている可能性があります。汗腺が萎縮し、発汗量が低下するため、かゆみが起きると考えられています。内科を早急に受診しましょう。<医師の診察を受けましょう>ほかにも、薬による肝障害でもかゆみが出てくる場合があります。薬を飲んだ1~4週間以内に発熱、黄疸、発疹が見られます。何か気づくことがあれば、すぐに薬の服用を止めて、病院を受診してください。また、かゆみに発疹を伴うようでしたら、じんましん、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などが考えられます。皮膚科を受診しましょう。基本的に、かゆみが長い期間治まらない場合や、我慢できないほど強いかゆみがある場合は、主治医に相談するか皮膚科で診察を受けましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:飲酒歴があるため肝臓が普通の人より弱っているのではないかと不安。今後何か気を付けるべきことは?20歳の頃から子どもを産む30歳までの毎週末、大量に飲酒をしていました。1回の飲酒量は、ビールジョッキに4杯、ワイン1本、焼酎水割り2杯ほどでした。現在は全く飲酒をしなくなり、妊婦検診の時などでも、肝機能について異常は何もなかったのですが、若い頃からずっと飲んでいたので肝臓が普通の人より弱っているのではないかと不安です。今後何か気を付けるべきことはあるでしょうか?滋賀県:まりもさん(33)回答:アルコールが肝臓に与える影響についてお答えします。――アルコールが肝臓に与える影響まずは、アルコールが肝臓に与える影響について簡単にご説明したいと思います。アルコールは肝臓で代謝される化学物質ですが、人によって個人差はあるものの、アルコールを普通に飲める体質の女性が一日に飲んで肝臓に負担をかけない量は、純アルコール換算で20g、日本酒にして1合程度といわれています。これを超えた量のアルコールを飲み続けると、肝臓に負担がかかり、「アルコール性脂肪肝」と呼ばれる状態になります。これは中性脂肪が肝細胞内に蓄積されたもので、症状はないこともありますが、右上腹部の鈍い痛みがあったり、食欲不振になったりすることもあります。この時点で断酒をすれば、肝臓は完全に元に戻ります。アルコール性脂肪肝は血液検査で高脂血症、γ‐GTPやGOTの上昇などで発見されることが多く、腹部の超音波検査でも白く光って見えることが知られています。このアルコール性脂肪肝を放置しお酒を飲み続けると、アルコール性肝炎やアルコール性肝硬変と徐々に断酒しても元には戻らない、重い状態へと肝臓が変化していき、最終的には死に至ることになります。<もし飲酒を再開される場合は、休肝日を設けましょう>ご相談者さまの場合は、かなり多い量の飲酒を続けられてきたということですが、妊娠・出産の経過中にも特に肝機能について問題を指摘されていないとのことですので、おそらく肝臓が丈夫で特に何もなかったか、飲酒をやめたことで完全に肝臓が回復されたということなのでしょう。本当にラッキーだったと思います。断酒が継続できれば問題ないですが、もし再開されるのであれば、週2回は休肝日を設けて、肝臓に負担をかけない量を楽しむようにしてくださいね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:4人の祖父母のうち3人が脳血管疾患に。遺伝的に脳卒中などになりやすいのでしょうか?4人の祖父母のうち3人が脳血管疾患になっています。くも膜下出血が50代で一人、脳卒中が50代で一人と70代で一人です。私も身内に脳血管疾患の患者がいない人より脳卒中などになりやすいと考えておいた方がいいのでしょうか?また、脳ドックを定期的に受けるとしたら、どんな検査項目のものを、どれくらいのペースで受けておけばいいでしょうか?東京都:デルタさん(42)回答:脳血管疾患の遺伝性についてお答えします。――「くも膜下出血」の原因脳血管疾患の遺伝性に関するご質問ですね。くも膜下出血と、それ以外の脳卒中にかかられた近親者の方がいらっしゃるということですが、まず、くも膜下出血に関してお話ししましょう。くも膜下出血の原因は、脳の血管にできたコブ、つまり脳動脈瘤の破裂が約8割、動静脈奇形と呼ばれる血管の異常など、その他の原因が2割を占めるといわれています。 このうち、脳動脈瘤によるものは遺伝的な体質、つまり一般よりも高い頻度で一つの家系に発生する病気です。人口全体のなかでのくも膜下出血の発生率は0.015~0.02%程度と低いのですが、2親等以内(両親、子、孫、祖父母、兄弟姉妹がこれにあたります)にくも膜下出血の方が一人いると、2~8%前後の発生率になると考えられています。血管が二股に分かれる部分で、3層になっている血管の内膜のうち、真ん中の層に当たる中膜が生まれつき欠損している方がおり、ここに血圧がかかることにより、その部分だけふくらみが生じます。この動脈瘤にさらに小さなコブ(娘瘤といいます)ができると破裂を起こしやすくなるといわれています。ただ、動脈瘤そのものはあったとしても全体の1%以下しか、実際には破裂しないともいわれています。一般に、動脈瘤の直径が3mm以上のもの、娘瘤があって形がでこぼこしているものは破裂の危険が高いとされています。脳動脈瘤は脳ドックなどの検査項目にもあるMRA(MRIの技術を用いて簡単に血管撮影を行うもので、造影剤は使いません)で疑いがないかどうか見ることが可能です。疑わしい場合には3D‐CTA(三次元脳血管造影)などより詳しい検査を行って、脳動脈瘤の有無や形態などを確認していくことになります。<「くも膜下出血」以外の脳卒中について>一方、くも膜下出血以外の脳卒中に関しては、くも膜下出血ほどのはっきりした遺伝性はありません。しかし、脳卒中のリスクを上げてしまう高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症などは、生活習慣病であると同時に遺伝の関与も指摘されている疾患です。特に家系的に脳卒中になる方が多い場合は、これらの病気にかからないように食生活や運動習慣などに十分留意することが大切です。最後に、脳ドックに関してですが、脳ドックは脳内の血管の異常や腫瘍の有無、脳萎縮や梗塞を調べる目的で行われています。くも膜下出血の原因となる動脈瘤の発見にはとても役立ちますから、一度は受けておくとよいでしょう。もし、脳動脈瘤がなければ、一般的に5年に一回程度の検査でよいものと思われます。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:母が自己免疫性肝炎を発症。一般的に遺伝はしないと聞きましたが、心配しています。母が自己免疫性肝炎を発症しました。肝疾患の中でも女性に多いと聞きました。一般的に遺伝はしないと聞きましたが、詳細原因が解明されていないだけに、もしかしていつか自分も……と心配しています。アルコール摂取量を制限するなどで発症を防ぐことはできるのでしょうか?また、甲状腺の病気も合併症として起こる場合があると聞きましたが、こちらも予防策はあるのでしょうか?兵庫県:yukariさん(28)回答:「自己免疫性肝炎」についてお答えします。――「自己免疫性肝炎」の遺伝自己免疫性肝炎に関するご相談ですね。おっしゃるように、自己免疫性肝炎は40代から50代で発症することが多く、1対7の割合で女性の患者が多いといわれています。欧米と比べて、日本には少ないとされていますが、まれに若い方や高齢者でも発症する方がいらっしゃいます。原因に関しては、はっきりしたことはまだ分かっておらず、免疫をつかさどるリンパ球という細胞が肝臓の細胞を異物と認識して、攻撃してしまうことが原因ではないかと考えられています。このような攻撃が起こるきっかけとして、何らかの薬物やウイルスの感染が疑われますが、それもまだ解明はされていません。ご心配の遺伝に関しては、すでにお聞き及びのように、いわゆる遺伝病ではない、と考えられています。しかし、遺伝の心配が全くないかというと、ほかの多くの病気同様そうではなく、病因と考えられている免疫を担う遺伝子の一部が両親から受け継がれることになるため、どちらかの親、または両親に自己免疫性肝炎の患者さんがいると、そうでない方に比べて発症率は多少高くなるといわれています。ただ、家族内発症はごく一部であり、あくまでパーセンテージの問題です。<「自己免疫性肝炎」の予防>自己免疫性肝炎の予防について、発症原因がいまだに明確でないことから、予防となるような対策もこれといったものがないのが現状です。自己免疫性肝炎とほかの肝炎が同時発症して、肝臓にさらにダメージを与えてしまうことのないよう、B型・C型肝炎といったウイルス性の肝炎にかからないよう気を付けて過ごす、脂肪肝を避けるために暴飲暴食を避ける(特にアルコールの肝臓への負担はかなり大きいものになります)、薬を服用するときは体調に留意し肝機能検査をこまめに受ける、といったことが挙げられるでしょう。また、自己免疫性肝炎に伴う甲状腺の病気に関しては、現在のところこれといった予防法はありません。自己免疫性肝炎は早期診断・治療ができれば、比較的進行も緩やかで副腎皮質ステロイドによってうまくコントロールできることが多いとされています。もし万一、ご相談者さまに倦怠感や食欲不振、皮膚が黄色くなるといった症状が見られた場合は、ぜひ早めに内科専門医を受診するようにしてください。どうぞお大事に。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:普通に生活していてウイルス性肝炎にかかるリスクはどれぐらいあるのでしょうか?30代半ばの主婦です。ウイルス性肝炎は、血液感染もあり得ると聞きましたが、普通に生活していてウイルス性肝炎にかかるリスクはどれぐらいあるのでしょうか?(医療関係の仕事はしておりません)。滋賀県:じゅんママさん(35)回答:「ウイルス性肝炎」についてお答えします。――「B型肝炎」「C型肝炎」の感染経路ウイルス性肝炎を引き起こすウイルスは、A型、B型、C型、D型、E型などがあります。日本人に圧倒的に多いのが、B型肝炎とC型肝炎になりますので、B型肝炎、C型肝炎について述べていきます。まず、B型肝炎、C型肝炎はどのように感染するのか、一般的な感染経路を紹介しましょう。肝炎ウイルスを含む血液の輸血を過去に受けたことがある肝炎ウイルスに感染している人と注射針を共有した肝炎ウイルス陽性の血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こしたりした(特に医療従事者は注意が必要)肝炎ウイルス陽性の人に使った器具を適切な消毒をせずに使いまわしして、入れ墨やピアスの穴あけをしたまた、B型肝炎ウイルスでは、以下のような感染経路も考えられます。B型肝炎ウイルスに感染している母親から生まれた子に対し、適切な感染予防措置を講じなかったB型肝炎患者と性行為を行った以前は、ウイルス性肝炎の感染は、過去の輸血や注射によるものとされていました。昔は、C型肝炎ウイルスが存在することすら分からない時代もあり、肝炎ウイルスの検査技術が未熟であったためです。血友病など、血液系の病気に用いる血液製剤によって感染してしまうこともありました。しかし、現在は、輸血用の血液、血液製剤は厳しくチェックされており、これらの経路によるウイルス性肝炎の感染はほとんど起きていません。最近増えているのは、性交渉による感染です。B型肝炎ウイルスは非常に強い感染力を持ち、体液で感染することがあります。コンドームによる感染予防が大切になってきます。<「肝炎ウイルス」の正しい知識を持ちましょう>肝炎ウイルス予防では、他人の血液に触れないことが重要になります。くしゃみ、咳、握手や抱擁、食器やコップの共用、入浴、日常の接触では感染はしません。肝炎ウイルスは、空気感染はしません。普通に生活をしていれば、肝炎ウイルスに感染する機会などほとんどないでしょう。知識もなく、肝炎ウイルスを恐れることは、肝炎ウイルス患者さんへの差別につながります。正しい知識を持つことが大切です。つまり、医療従事者ではなく、ご主人が肝炎ウイルスに感染していないのであれば、ウイルス性肝炎にかかるリスクはどうなのか、と心配することは、「自分はいつか交通事故にあって死ぬのだろうか」と毎日心配することと同じくらい、意味のないことだと思います。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:脳血管疾患を発症後、自宅での介護が不安です。脳血管疾患を発症してしまった場合、リハビリ専門の病院などに数カ月間入院してリハビリをすると聞きました。リハビリ専門の病院を退院した後に自宅での介護生活になると思いますが、トイレやお風呂に手すりをつけても家族だけでの介護はやはり限界かなと感じています。通所や訪問リハビリなどをうまく使って生活をした方がいいのでしょうか?新潟県:リンゴジャムさん(38)回答:脳血管疾患発症後のリハビリについてお答えします。――介護サービスについて脳血管疾患にかかった場合、急性期の治療が終わった後が大事になってきます。脳血管疾患にかかった後のリハビリは、継続することが重要です。通所、訪問リハビリを行っているところも多いので、そういったサービスを利用しましょう。また、要介護、要支援などの認定を受ければ、介護サービスを利用することも可能です(※)。仕事をしつつ身体の不自由な家族の介護となると、精神的、肉体的にも負担が大きいので、こういったサービスも適宜利用しましょう。要介護、要支援の認定を受けるには、市町村の窓口に行き、申請します。申請後、自治体の職員が自宅を訪問し、聞き取り調査などを行い、かかりつけの医師にも意見書を提出してもらうなどの段階を経て、要介護度、要支援度が決定されます。時間はかかりますが、サービスを受けるにあたって経済的支援を得られますので、利用するとよいと思います。自宅をバリアフリー仕様にした場合にも、助成金が出る場合もあり、大変助かります。※サービスを利用できる方は、65歳以上の方および40歳から64歳までの介護保険に加入している方で、初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる病気(16種類の病気)により介護が必要になった方となります。<リハビリの重要性>ところで、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管疾患を発症し、後遺症が残ってしまった場合、できるだけ早い時期からリハビリを開始するのが原則です。入院している病院でも、「もう今から始めるの?」と思うぐらい、早くからリハビリを始めるので驚く方もいるでしょう。というのも、後遺症が残ってしまった場合、6カ月を過ぎると途端にリハビリの効果が見られなくなり、発症してから6カ月の間にどこまで機能を回復できるのかが勝負になってくるのです。せっかく回復期に取り戻した感覚や機能も、その後特にリハビリをすることなく放置してしまうと、再び状態が低下していきます。身体はしっかり使わないと、機能が退化してしまうのです。それを防ぐためにも、急性期を過ぎてからも、かかりつけの医師を定期的に受診し、在宅リハビリを適切に続けていくことが大変重要になってきます。「以前は問題なかったのに、どうしてできないんだ」と途中でくじけそうになるときもあるでしょう。しかし、「休まずリハビリを続ければ、必然的に今よりよくなっていく」という前向きな気持ちを忘れずに、リハビリを地道に続けていきましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:肥満から肝疾患の病気になることがあると聞きましたが、肝疾患を治すには専門の食事療法で治療した方が良いのでしょうか?肝疾患の原因で最初に思い浮かぶのはやはりアルコールですが、お酒や暴飲暴食で不規則な生活を続けてしまうと肝疾患の病気になりやすいのかなと思います。お酒を全く飲まない人でも肥満から肝疾患の病気になることがあると聞きましたが、肝疾患を治すには専門の食事療法で治療した方が回復が早いのでしょうか?また、自宅での食事などで気をつけなくてはいけないことなどがあったら知りたいです。新潟県:夏のひまわりさん(40)回答:「脂肪肝」についてお答えします。――「脂肪肝」とは暴飲暴食による肥満や、お酒の飲み過ぎが原因となる肝臓の病気としては、脂肪肝が挙げられますね。脂肪肝は、よく聞く病名ですが、なかなか具体的にイメージすることは難しい病気なのではないでしょうか。まず、簡単に脂肪肝になるメカニズムからご説明したいと思います。食べ物として摂取された脂肪は、口から取り込まれ、食道、胃を通って小腸まで運ばれます。小腸では脂肪を分解する酵素であるリパーゼの働きによって脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。この分解された形で脂肪酸となった脂肪は肝臓に送られます。このため脂肪や糖分をとり過ぎると肝臓に負担がかかり、脂肪酸から肝臓で作られる中性脂肪の形でためこまれることになります。これが脂肪肝です。アルコールの飲み過ぎによっても、やはり同様に肝臓に脂肪がたまってしまいます。また、糖尿病をお持ちの方も、代謝の異常により、脂肪肝になりやすい傾向があります。このように脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪やコレステロールがたまった、いわば肝臓の肥満のような状態です。そのため、脂肪肝は動脈硬化など、さまざまな病気の引き金になることが知られています。ご質問にあったように、脂肪や糖分の多い食事が続けば、全くお酒を飲まない方でも脂肪肝になることがあります。<「脂肪肝」の治療法>脂肪肝は幸い、可逆性、つまり適切な治療により健康な肝臓に戻れる状態です。そして、脂肪肝を治すには、やはり食事療法、運動療法が有効です。もちろん、高度な脂肪肝の場合や、自己流でなかなか改善がみられない場合は専門知識を持った医師や栄養士の指導を受けて治療を行った方がよいかと思いますが、ご自宅での食事や運動、例えば暴飲暴食を避け、食事はカロリーの低いもの、脂質の少ないものを心がける、アルコールは量・回数を減らして週2回は休肝日を作る、週に4時間程度を目標に生活に運動を取り入れる、といったやり方でも十分に改善は期待できます。まずは試してみてはいかがでしょうか。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:一般的に何歳ぐらいから脳血管疾患の危険性が増すのでしょうか?30代半ばの主婦です。父方、母方両方の祖母が、脳卒中が原因で、認知症になったり、亡くなったりしました。私自身はお酒もたばこもたしなみませんが、一般的に何歳ぐらいから脳血管疾患の危険性が増すのでしょうか?また、早期発見できた場合とできなかった場合、どれだけの医療費の負担差が予想されるでしょうか?滋賀県:atuさん(35)回答:年齢と「脳血管疾患」の関係についてお答えします。――「脳血管疾患」の危険因子一般的には、脳梗塞などの脳血管疾患は、中高年や高齢者に発症することが多いです。一方、脳血管疾患の一つであるくも膜下出血は、40代、50代の働き盛りにも起きますので、特定の年代に限ったものではありません。では、脳血管疾患の危険因子を見てみましょう。■高血圧最も危険な原因は「高血圧」です。軽度の高血圧者(上の血圧が140~159mmHgほど)が脳卒中で死亡する危険度は、至適血圧者(してきけつあつ:理想的な血圧の値のこと)(110~119mmHg)と比べ、約3倍になります。重度の高血圧者(上の血圧が180mmHg以上)の場合、リスクは7倍以上に高まります。その他の要因は下記が挙げられます。 ■不整脈 「心房細動」という不整脈は、心臓が原因で起こる脳梗塞の最大の原因になります。きちんと脈を刻めない心臓は、流れが滞り、血液の塊ができてしまいます。その塊が脳へと飛び、脳梗塞になるのです。主な原因は高血圧、心筋症、心臓に酸素を送る冠動脈の動脈硬化です。しかし、過度な喫煙、飲酒、過労なども発作を誘発する場合があります。■脂質異常症動脈硬化を引き起こすLDLが高いと危険です。■高血糖状態糖尿病により高血糖状態が継続し、脂質が高い状態も加わると、動脈硬化を促します。脳の毛細血管まで硬化すると、脳梗塞のリスクが高まります。■喫煙たばこを吸わない人に比べて2.0~2.5倍も危険性が高いといわれています。喫煙をすると、血圧が上昇し脳の虚血が進行します。一酸化炭素やニコチン、タールなどが身体に入り、全身の血管が収縮するためです。 ■過度な飲酒お酒は、ほどよく飲む分には身体のリラックスや食欲の増進、血の巡りをよくするといった、プラスの効果があります。ですが、過度な飲酒は、肥満・動脈硬化・高血圧・糖尿病を引き起こし、また脳卒中のリスクを高めます。上記以外にも、家族に脳血管疾患になった人がいる場合は、脳卒中になる危険性が高くなります。遺伝の問題のため予防は難しいですが、発症のリスクが高いことを知っておいてください。<早期発見できた場合とできなかった場合の治療費>また、早期発見できた場合とできなかった場合の治療費の差、ということですが、脳血管疾患の一つである脳梗塞の場合を見てみましょう。この場合は早期の対応が重要になります。発病から3時間以内であれば、t-PAという薬を使用し、原因となった血栓を溶かすことが可能だからです。この条件に当てはまった50代の男性の場合、入院10日、治療費負担額30万円ほどで済んだのですが、t-PAを使用した治療を行うことができなかった70代の男性は、脳の血管が狭くなった部分を広げるためにステントという器具を入れる手術を行い、25日入院しました。結果、80万円ほど負担することになったのです。早期発見で、しかも血栓溶解療法が適応できた場合には、そうでない場合と比べ、治療費に大きな差が見られます。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:不整脈は脳血管疾患の原因になると聞いたことがありますが、気をつけることはありますか不整脈と言われたことはありませんが、健康診断の血圧、脈拍の項で再検査や要観察となることがあります。不整脈は脳血管疾患の原因になると聞いたことがありますが、気をつけることはありますか?また、3カ月前に歩行中に車に接触し、転倒してアスファルトに後頭部を強打する事故に合いました。しばらくめまいが続きましたが今は回復しています。事故の後で脳出血の原因となることはありますか?埼玉県:みのりさん(44)回答:「不整脈」と「脳血管疾患」の関連性についてお答えします。―――「不整脈」と「脳血管疾患」の関係まず、一つ目は、不整脈と脳血管疾患の関連性に関するご質問ですね。不整脈は脳梗塞の原因として非常に重要なものと考えられていますが、すべての不整脈が脳梗塞を起こすわけではありません。健康な人にも不整脈は起こることがありますが、危険な不整脈が起こると脳梗塞を起こしたり、倒れたりすることがあります。脳梗塞と特に関連が深いと考えられている不整脈は「心房細動」と呼ばれる不整脈です。この心房細動について、少しご説明しましょう。心臓は身体の各部に血液を送り出すポンプの働きをする臓器で、左右二つずつの心室と心房とからなります。心臓の筋肉が拡張と収縮を繰り返している時、微弱な電流が発生します。心電図検査はこの電流の活動を読み取ることで、心臓の各部の働きを調べる検査になります。正常な心臓であれば、心房の収縮→心室の収縮→心室の収縮の終了、と規則的に波が出現しますが、心房細動の状態になると心房の筋肉が不規則に収縮し、小刻みに震えたような状態になります。このため、心房の中の血液の流れが滞り、主に左心房の壁の一部に血の塊(血栓)ができてこれが血流に乗って脳などに運ばれ、脳梗塞を起こすことが知られています。このメカニズムにより、心房細動のある人は、ない人に比べて脳梗塞の発症率は5倍も高いといわれています。心房細動は女性より男性に多い傾向があり、加齢とともに増えてくる傾向があります。また、高血圧や糖尿病、強いストレスなどがあると心房細動が発症しやすく、遺伝性もあることが知られています。食生活や運動習慣、適切なストレスの解消といった予防を心がけることが、脳梗塞を避けるための第一歩といえるでしょう。もちろん、もし心房細動を発症してしまったら、薬物療法はじめ適切な治療を続けることは非常に重要です。<脳の出血について>また、二つ目の、頭を強く打った数カ月後に脳に出血が起こる可能性に関するご質問ですが、頭部を強く打った後しばらくしてから、脳と脳を覆っている硬膜との間に徐々に血腫ができ、さまざまな症状が出る「慢性硬膜下血腫」という病気が知られています。高齢者に多い傾向がありますが、若い方に発生することもあり、頭痛や歩行障害、片麻痺や物忘れなどで気づかれることがあります。頭を打ったあとにある程度時間が経過していても、「おかしいな」と思われたらぜひ脳神経外科を受診してください。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日こんにちは、保育士でライターのyossyです。皆さんは、『先天性心疾患』についてどれくらい知っているでしょうか?実は、100人に1人 の割合で先天性疾患の赤ちゃんが産まれてくると言われています。意外に多いですよね。 生後すぐに見つかる場合もあれば、大人になってから気づく人もいるのだとか。今回は、先天性疾患のなかでも最も多い『心室中隔欠損 (しんしつちゅうかくけっそん)』(『心室中隔欠損症』とも言われます)について解説します。●心室中隔欠損は500人に1人の病気先天性心疾患の約20%が心室中隔欠損だと言われており、500人に1人程度に起こる病気 ということになります。具体的に、どういう病気なのかをみていきましょう。心室中隔欠損というのは、左心室と右心室を隔てる筋肉の壁に、生まれつき穴があいている病気のこと。心臓が4つの部屋に分かれていることはご存じのかたが多いでしょう。右心室、右心房、左心室、左心房という4つの部屋があります。心臓はポンプのような役割をしていますが、全身からの血液(酸素が少ない)↓右心房↓右心室↓肺(酸素を取り入れる)↓左心房↓左心室↓全身へという順序で巡っていくのです。全身を巡ると血液中の酸素は減ってしまいますが、右心室から肺に行くことで、また酸素を取り入れているのですね。右心室と左心室は隣り合っていますが、壁があるため、本来直接血液が流れ込むことはありません。しかし、心室中隔欠損の場合はそこに穴があいているので、左心室の血液が右心室へ流れ込んでしまうのです。その結果、心臓は余分な血液を送らなくてはならなくなり、負担がかかってしまいます。●呼吸が速くなる、体重が増えづらい等の症状が出ることも心室中隔欠損の場合、生後1週間程度で心雑音が現れることが多く、1か月健診時に診断されることも多いようです。穴の大きさや位置によっても症状はさまざまですが、心雑音以外の症状が全くと言っていいほどないケースも。穴が小さければ、1~2歳ごろまでに自然閉鎖することも多い と言われています。ただし、・呼吸が速くなる・脈が速い・母乳・ミルクの飲みが悪く、体重が増えづらいといった症状が出る場合もあり、手術が必要になることもあります。手術をすれば、問題なく園生活・学校生活を送れるケースが多いようです。●原因は遺伝子の異常であることが多い妊娠中の風疹感染、タバコやお酒、赤ちゃんに有害な薬などの影響で先天性心疾患になることもありますが、赤ちゃんの遺伝子の異常が原因のケースも多いと言います。症状が軽い場合、通常の生活をしているうえでは気づきにくいケースも多い先天性心疾患。筆者の子の場合は、生後4日目の診察で2つの心疾患がみつかり、そのうちの1つが心室中隔欠損症でした。定期的に検査を受け、3歳を過ぎてから完治の診断を受けています。定期的な診断を受けていれば、異常が出ても早期に発見できるケースが多いはず。医師から心雑音などを指摘されたら、早めに専門医を受診しましょう。【参考リンク】・心室中隔欠損症 | 日本小児外科学会()・心室中隔欠損(VSD) | 国立循環器病研究センター病院()・[73]こどもの心臓病 | 国立循環器病研究センター()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2016年11月17日テスタジャパンが運営する「うどんダイニング するり」ではこのほど、冬の新メニュー「白子肝坦々鍋」の提供を開始した。提供店舗は「うどんダイニング するり 新宿本店」「同 吉祥寺店」と、1月20日オープン予定の「同 渋谷駅前店」。同商品は、「たら白子」「ふぐ白子」「ふぐ身」「あん肝」「牡蠣」といった主役級の海鮮食材をメインにした鍋。アンチエイジング効果があると言われている食材をてんこ盛りにし、野菜は水菜だけで、あくまで色味のバランスを整えるために添えただけだという。身体に良いことは分かっているが、何だかもの足りないという人を対象に、アンチエイジングを超越した"ノンアンチエイジング"メニューとして開発した。鍋に火を入れると、スープに白子やふぐ、あん肝、牡蠣の具材からうまみがあふれ出る。ひとつだけでも滋味豊かな素材が、数種類合わさることで複雑に混ざりあい、うまみの相乗効果を生みだすという。あん肝は加熱処理をした固いあん肝ではなく、「生あん肝」を使用する。生のまま鍋で煮ることで、固く締まらずふわふわとした食感が楽しめるという。たらの白子は舌の上でとろけるような、クリーミーな舌触りが特徴とのこと。ふぐの白子は、たらよりも濃厚な味わいだという。ぷりぷりの牡蠣と淡泊ながら弾力のあるふぐ身の味わいも楽しめる。鍋は「雲丹(うに)いくらポン酢」をつけて食べると、味の変化が楽しめるという。〆には雑炊がおすすめとのこと。価格は1人前3,500円(税込)。4人前から注文を受け付ける。
2016年01月08日岡山大学は11月25日、脂肪肝や肝の線維化を抑制するタンパク質を同定したと発表した。同成果は同大大学院医歯薬学総合研究科(医)腎・免疫・内分泌代謝内科学分野の和田淳 教授、片山晶博氏らの研究グループによるもので、11月19日に英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。同研究グループは、肥満ラットの内臓脂肪組織に増加するタンパク質「Gpnmb」を発見。同タンパク質を内臓脂肪細胞、マクロファージに過剰発現させたマウスを高脂肪高蔗糖食で飼育し、野生型マウスと比較した結果、脂肪肝や肝の線維化が抑制されることがわかった。さらに解析を進めた結果、過剰発現させたGpnmbは肝臓内のマクロファージや星細胞に存在し、カルネキシンという物質と結合することで酸化ストレス、脂肪沈着、線維化を抑制することも明らかにした。また、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者の中でも特に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に進行した患者で血清Gpnmb値が高値であることも見い出した。近年、NAFLDが進行したNASHでは確定診断のために侵襲的な肝生検が必要となるが、今回の研究で同定したGpnmbがNASHの新たなバイオマーカーとして診断を容易にする可能性がある。
2015年11月26日大阪市立大学(大阪市大)は9月24日、肥満小児は脂肪肝の頻度が高く、肝臓の硬さの数値が高い傾向にあるとの研究結果を発表した。同成果は、同大大学院医学研究科 発達小児医学の徳原大介 講師と趙有季 医師らの研究グループによるもの。詳細は、米国の科学誌「PLOS ONE」に掲載された。近年、日本における肥満小児が増加しており、脂肪肝や高脂血症、糖尿病などの合併症の早期発見と治療介入が課題となっている。中でも肥満による脂肪肝は、肝細胞への脂肪沈着のみが認められる単純性脂肪肝と、脂肪化のみならず線維化・炎症性変化を伴う非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の2種類に分類され、NASHは肝硬変に進展する可能性が高いことが知られている。脂肪肝評価として近年、体表からプローベを当てるだけで、痛みや出血を伴わずに非侵襲的に短時間で肝硬度と脂肪蓄積量を定量化することができる肝硬度測定機器「フィブロスキャン」の有用性が成人では報告されていたが、国内の小児に対する検討は皆無であったという。そこで今回、研究グループでは、小児、中でも肥満小児における同機器の有効性と実効性の評価を目的に研究を行ったという。具体的には、1~18歳の小児214名を対象に、肝臓の線維化の程度(肝硬度:LSM)と脂肪の蓄積の程度(肝脂肪蓄積度:CAP)の同時測定を行い、肥満群、肥満を伴わない肝障害群、肥満と肝障害を伴う対照群に分けて比較を実施。その結果、同機器は94%の小児で実施可能であり、肥満小児は対照群と比較してCAP・LSMともに有意に高い傾向にあることが判明したという。また、その他の比較からも、同機器は小児において非侵襲的に実施可能な信頼性の高い検査であり、肥満小児は脂肪肝の頻度が高く、NASHを判定する指標となる肝硬度が高い傾向にあることが明らかになったとする。今回の結果について研究グループは、同機器は非侵襲性が求められる小児科領域での有用性が高く、肥満小児の脂肪肝・NASHの効果的なスクリーニングを介した早期治療介入につなげることが期待されるとコメント。今後、肥満小児に対してどのような食事や運動指導を行っていけば、脂肪肝の改善に結びつくかといった検討を同機器を用いて進めていくとするほか、学校検診への導入によるスクリーニング、および早期の食事・運動指導介入につなげ、子供の健康福祉につなげていければ、としている。
2015年09月25日東京大学は9月11日、ヒトiPS細胞から肝細胞および胆管上皮細胞を簡便かつ効率的に作製する方法を開発したと発表した。同成果は同大学分子細胞生物学研究所の木戸丈友助教と宮島篤教授らの研究グループによるもので、9月10日に米科学誌「Stem Cell Reports」オンライン版に掲載された。近年、ヒトiPS細胞から肝細胞を誘導する試みが活発に行われているが、iPS細胞から肝細胞を誘導するには、さまざまなサイトカインによる多段階かつ長期間の分化誘導を必要とすること、また、全てのiPS細胞を均一な成熟肝細胞に分化させることが困難であるといった問題があった。今回の研究では、新たに肝前駆細胞のマーカーとしてCarboxypeptidase M(CPM)とうい物質を同定し、ヒトiPS細胞から肝細胞への分化誘導系からCPMの発現を指標にして自動磁気分離装置によって、簡便に効率よくヒトiPS細胞由来の肝前駆細胞を分取することに成功した。この肝前駆細胞は、肝細胞と胆管上皮細胞への分化能を維持したまま増幅することが可能だという。また、成熟肝細胞の性質を長期に渡って維持することから、薬物の毒性試験、新規薬物の探索、細胞治療などへの利用が期待できる。同研究グループが開発したヒトiPS細胞由来成熟肝細胞調製法は、迅速かつ低コストで肝細胞の大量調製を可能にするだけでなく、B型およびC型肝炎ウイルスやマラリアが感染する可能性もあるため、感染機構研究のツールとしての可能性もあるとしている。
2015年09月11日アジレント・テクノロジーは11月14日、疾患に関係のあるDNA領域のみを詳細に解析できるターゲットエンリッチメント(DNA濃縮)ソリューション「SureSelect XT Focused Exome」を発表した。同キットのターゲットサイズは16Mbとなっており、3Gbのシーケンス量で、ターゲットの98%を20倍以上のカバレッジでシーケンスすることが可能である。また、少ないシーケンス量でも、高い感度と正確さで変異コール(変異の発生箇所とその種類の特定)が可能になる。さらに、HGMD、OMIM、ClinVarといった公的データベースに登録のある疾患関連領域に特化したデザインとなっている。効率的なデザインとしたことで、デスクトップシーケンサでも、稀な疾患の原因となる変異の特定が可能となる。そして、エクソーム全体の30%弱の領域に特化したデザインにすることで、スループットの面でも柔軟性を兼ね備え、疾患関連領域のみを効率よく解析する手法が提供される。加えて、カスタムデザイン用ソフトウェア「SureDesign」を用いることで「Focused Exome」をカスタマイズすることも可能。これにより、個々の臨床研究における特定のニーズに特化したデザインにすることもできる。さらに、今回発表の「SureSelect XT Focused Exome」と、既存の「SureSelect QXT Reagent」キットを組み合わせて使用することで、ハイブリダイゼーションにかかる時間を90分程度に短縮することができ、1日でシーケンス用のDNAライブラリの作製が可能となる。この包括的なターゲットエンリッチメントソリューションにより、体質性疾患の研究効率の改善に貢献していくとしている。なお、アジレントの「SureSelect」製品群のうち、今回発表の「SureSelect XT Focused Exome」は、エクソームシーケンシング製品の最新版となっている。このエクソームシーケンシング製品には、「SureSelect Clinical Research Exome」や「SureSelect QXT Reagent」がある。これらの製品を組み合わせることで、臨床研究において、迅速なハイブリダイゼーションと高い疾患関連領域カバレッジを得ることが可能となる。また、「SureSelect」はさまざまなシーケンスアプリケーションに対応する試薬を提供しており、ゲノム、トランスクリプトーム、メチロームの特定領域を迅速かつ容易に解析することができる。さらに、「SureDesign」の他、再現性高く、高スループットでサンプル処理を行うための自動化ロボット「Bravo」、ターゲットとするゲノム領域を簡単・迅速・的確に解析できるソフトウェア「SureCall」と組み合わせ、トータルソリューションを構築することも可能となっている。
2014年11月17日森下仁丹は6月9日、同社独自素材「ザクロエキス」に、長寿遺伝子活性化作用に基づく皮膚老化抑制および脂肪肝特性作用があることを発見したほか、その生体内での抗糖化作用を実証したと発表した。同成果は同社ならびに九州大学の片倉喜範 准教授、城西大学の和田政裕 教授らによるもの。詳細は「第14回 日本抗加齢医学会総会」にて発表された。具体的には、長寿遺伝子として知られるサーチュイン遺伝子「SIRT1」の活性化作用が認められているザクロエキスのポリフェノール成分について、皮膚細胞(HaCaT細胞)を用いて検討を行った結果、4種類のザクロ由来ポリフェノールがSIRT1の発現を増強させることを確認。皮膚の抗老化に有用である可能性がしたという。また、ヒトの肝臓由来の細胞「HepG2」にパルミチン酸を作用させると、人工的な脂肪肝状態が再現できることが知られているが、前もってザクロ由来ポリフェノールで処理したところ、パルミチン酸による細胞内の脂肪の蓄積を抑えることも確認。ザクロ由来ポリフェノールが、サーチェインを活性化させることで細胞の老化を抑え、その結果、脂肪酸の合成が抑えられた、というメカニズムが推定されたとする。さらに、これまでの研究から、試験管内で強い抗糖化作用を示したザクロエキスが、生体内でも同様の作用を発揮できるのかどうかを、糖尿病モデルマウスを用いて調べたところ、血糖値は変化しなかった一方、血液中の糖とタンパク質が反応(糖化)して生成される最終糖化産物(AGEs)の濃度が減少することが確認されたという。なお同社では、これまでの生薬研究のノウハウを活用すした健康に役立つ素材の研究開発を今後も確かなエビデンスのもと提供することを目指し、研究を進めていく方針としている。
2014年06月12日ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーは、女性特有の疾患である、骨盤臓器脱に関する「骨盤底ケア通信」を発行。同疾患の認知向上をはかるとともに、患者のQOL向上を目指すという。同疾患は、臓器が本来の位置より下がり、場合によっては腟(ちつ)の外に出てきてしまう病気である。女性の骨盤の中にある子宮、ぼうこう、直腸、腟(ちつ)などを支える骨盤底の筋肉や、靱帯(じんたい)の力が加齢とともに低下することが原因だそうだ。排尿や排便のトラブルなどの症状が現れ、中高年女性のQOLを著しく下げるといわれている。同社によれば、アメリカでは女性の10人に1人が生涯のうちに骨盤臓器脱か尿失禁の手術を受けており、スウェーデンの調査では、20~59歳の女性の31%、出産経験者の44%が骨盤臓器脱だという報告があるという。しかし、日本における同疾患に関する認知は低く、同社が2011年に同疾患のリスク層である50歳以上の女性530名を対象に実施した意識調査によれば、64%の女性が「知らない」ことが明らかになっている。同通信では、骨盤底筋の緩みを予防・改善する「骨盤底筋体操」を紹介。尿漏れ、頻尿の改善はもちろん、臓器がすでに腟(ちつ)から出てきている人でも、症状が軽度であれば、体操で改善することもあるそうだ。また、一般の人からの電話相談を受け付けている「ウロギネホットライン」も紹介している。看護師などの専門家が、同疾患に関する症状や日常生活の悩みについて一緒に考え、アドバイスを行うという。WEBサイトでは、尿漏れや同疾患について詳しく解説している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月01日