薄味&ノンオイルで健康的!小さな缶の中に、血管にうれしい栄養素が凝縮している「水煮缶」に注目します。ふだん意識することのない、血管の健康。でも、油断は大敵。「血管の壁の弾力性が低下したり、悪玉コレステロールなどの脂質が溜まって硬くなった状態が続くと、やがて心臓や脳の血管が詰まるなど病気の原因に。血液循環が悪くなって細胞に酸素や栄養が行き渡らず、美容にも悪影響大です。硬くなった血管は簡単には元に戻らないので、ぜひ若いときから予防を」(女子栄養大学栄養クリニック管理栄養士・森さやかさん)運動習慣やストレスを減らす工夫なども必要だけれど、まず始めたいのが食の見直し。「塩分と、肉の脂身やバターなどの動物性脂質を減らし、良質のタンパク質やビタミン類などの抗酸化成分をしっかり摂りましょう」こうした食生活に活躍してくれるのが、下に挙げた4つの水煮缶。「どれも抗酸化成分を多く含み、サケ缶とサバ缶、大豆缶は良質なタンパク源です。下処理済みなので調理が簡単だし、薄味で加工されているので塩分も抑えられ、アレンジ自在。合わせ技もOKの、まさに“水煮缶四天王”です」トマト缶・うま味成分のグルタミン酸が豊富。・完熟トマトを使用しており、生トマトよりもリコピン(抗酸化作用)が多い。・トマトの酸味(クエン酸)が食欲増進、疲労のもとである乳酸をスムーズに代謝する。サバ缶・良質なタンパク質を多く含む。・血液の流れをスムーズにするEPA、血圧を下げる成分DHAが多く、善玉コレステロールを増やす。・動脈硬化を予防するビタミンB2、抗酸化作用があるビタミンEが豊富!サケ缶・悪玉コレステロールの酸化を抑制するアスタキサンチン(抗酸化作用)が非常に多い。・サバ缶同様、EPA、DHAが血液の流れを良くする。・ビタミンDが多く、骨ごと食べることでカルシウムの吸収を高める。大豆缶・植物由来のタンパク質でアミノ酸が豊富。・大豆サポニン(抗酸化作用)が血液中の悪玉コレステロールを減らす。・食物繊維の1日の摂取目標である18g以上(18~69歳女性)に対し、大豆缶は1カップで9.5g摂取できる。Q. 血管力を高めるためには、どんな食生活の見直しが必要?【減塩】塩分を摂りすぎると、血液中の塩分濃度を下げるために細胞内から血液中へ水分が移動し、血液量が増えて血圧が上昇。血管トラブルの原因に。「味付けをシンプルにするのが減塩のコツ。薄味の水煮缶を上手に利用しましょう」【良質のタンパク質を摂る】タンパク質は、血管の壁を作る細胞膜の主要成分の一つ。「筋肉や髪を構成する組織を作るのに最低限必要なアミノ酸のバランス=必須アミノ酸。サバ、サケ、大豆は必須アミノ酸のバランスを評価したアミノ酸スコアが高いです」【抗酸化成分と食物繊維を摂る】血管の細胞の老化を防ぐ抗酸化成分は、ビタミンAとCを緑黄色野菜から、Eをナッツ類で摂取。「植物の色素であるポリフェノールや、ごまのセサミンも有効です。悪玉コレステロールの吸収を妨げてくれる、食物繊維も忘れずに」Q. 水煮缶が「お酒のおとも」におすすめな理由は?お酒を飲むと、塩気の強いものや脂っこいものが食べたくなりがち。「どちらも、摂りすぎは血管力を弱らせる原因になります。水煮缶は薄味でもおいしく作れるうえ、お酒の代謝に必要なタンパク質やビタミンB群が豊富。同じくアルコール代謝に必要なビタミンCを緑黄色野菜で補いながら上手にアレンジすれば、健康的なおつまみに」もり・さやか女子栄養大学栄養クリニック管理栄養士。医師と提携しながら、生活習慣病予防の相談などに乗る。ヘルシーダイエットコースで調理・栄養相談を担当。※『anan』2019年11月20日号より。イラスト・酒井真織取材、文・新田草子(by anan編集部)
2019年11月14日歌手の加山雄三(82)が、右の脳に軽い脳梗塞を発症したことが11月12日に公表された。公式サイトによると8日に体調不良を訴え、病院で検査したところ脳梗塞が発覚したという加山。現在も入院中で快方に向かっているというが、大事を取って16日と28日に予定していた公演は中止に。この予期せぬ出来事にTwitterでは加山を心配する声が溢れている。《加山雄三さん、 無事、回復して欲しい!》《え、加山雄三さん 脳梗塞…… 若大将シリーズからの 大ファンなんだけど…… ほんとに無理せずに 早く治って欲しいな……》《加山雄三が軽度の脳梗塞かぁ… まだ82歳!元気でいてくれ!バイオハザードが好きな若大将だけにな》公式サイトでコメントを発表した加山は、《皆さん、ご心配をおかけしてます。今のところ病気による症状は何もなく、自分としてはいたって元気にしていますが、自宅で気づいた時、ただちに病院へ向かった行動が大きな救いだったように思います》と発覚にいたる経緯を明かした。そして、《自分のような年齢で同じような経験をしている方がたくさんいると思いますが、早期に発見することがいかに大事かを、より多くの人が知ってもらえる機会になれれば幸いです。いち早く回復してみなさんの前に元気な姿をお見せできますよう治療して参りたいと思います。しばらく時間をくださいね》とファンに呼びかけた。「テレビゲームが趣味としても知られている加山さんですが、もともと反射神経を鍛える目的でやっていたようです。さらに80歳を超えてもバーベルで筋トレをしていたこともありました。ですが今年4月に反射神経に鈍りを感じ、運転が怖くなったとして運転免許証を自主返納しました。元気に歌い続けるために、健康維持には余念のない加山さん。そんな日頃の心構えが脳梗塞の早期発見につながったのでしょう」(芸能関係者)“若大将”の元気な姿を心待ちにしているファンのためにも回復を祈るばかりだ――。
2019年11月12日「血管の老化は心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重篤な疾患を招きますが、実は最近、高齢者とともに、血管年齢が高い若い人が増えているのです。30~40代で心臓の病気になり、手術を受ける人の血管年齢はだいたい60~70代で、実年齢よりも30歳ぐらい年をとっていました。運動不足で、偏食がちで食生活が乱れている、肥満傾向で、若いうちから生活習慣病にかかっている、といった共通点があります。特に、女性は閉経後に血管の機能が衰えてくるので、40代後半ぐらいから血管年齢を気にしたほうがいいでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、年間300超もの手術を手がける、東京女子医科大学病院心臓血管外科の新浪博士主任教授。心臓から押し出されて、動脈を流れる血液は酸素や栄養素を細胞へと運び、静脈を通り老廃物を回収する役割を果たしている。健康な動脈は内側にある血管内皮細胞がなめらかで血液が滞りなく流れるが、生活習慣病などで血管が傷つき、しなやかさが失われると、血液の流れが悪くなり、高血圧や動脈硬化を招く。こうして血管年齢は年をとっていく。自分の血管がどのくらい年をとっているのか目安になるのが、8つの項目からなる次の「血管年齢チェックリスト」。4つ以上のチェックがつくと、血管年齢が高い可能性大という。□おなかいっぱいになるまで食べてしまう□味の濃い料理が好き□就寝前2時間以内に食事をしたりお酒を飲んだりする□以前と比べかなり太った□休日は家でゴロゴロして運動はあまりしない□せっかちでイライラしやすい□親やきょうだいに心臓病や脳卒中になった人がいる□喫煙者である「もうひとつチェックしておきたいのは、ふだんの血圧です。血圧を測り、最高血圧の値から最低血圧の値を引き、60以上の差が開くと血管が硬くなっているということになります。弾力を失った血管は柔軟性がないため、血管にむりやり血液を押し込まなければならず、負荷がかかります。そのため、収縮期血圧(最高血圧)と、拡張期血圧(最低血圧)の幅に差が生じてくるのです」(新浪教授)
2019年10月02日「血管の老化は心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重篤な疾患を招きますが、実は最近、高齢者とともに、血管年齢が高い若い人が増えているのです。30~40代で心臓の病気になり、手術を受ける人の血管年齢はだいたい60~70代で、実年齢よりも30歳ぐらい年をとっていました。運動不足で、偏食がちで食生活が乱れている、肥満傾向で、若いうちから生活習慣病にかかっている、といった共通点があります。特に、女性は閉経後に血管の機能が衰えてくるので、40代後半ぐらいから血管年齢を気にしたほうがいいでしょう」そう警鐘を鳴らすのは、年間300超もの手術を手がける、東京女子医科大学病院心臓血管外科の新浪博士主任教授。心臓から押し出されて、動脈を流れる血液は酸素や栄養素を細胞へと運び、静脈を通り老廃物を回収する役割を果たしている。健康な動脈は内側にある血管内皮細胞がなめらかで血液が滞りなく流れるが、生活習慣病などで血管が傷つき、しなやかさが失われると、血液の流れが悪くなり、高血圧や動脈硬化を招く。こうして血管年齢は年をとっていく。血管年齢を若返らせるためには、生活習慣病を治して、動脈硬化を防ぐことが求められるが、もうひとつ、世界が注目している物質があるという。「禁煙、減塩など正しい食生活を心がけて、太りすぎにならないように運動をするなどがこれまでの血管ケアの常識でしたが、近年の研究で、血液中の“一酸化窒素”の量が増えると血管がしなやかになり、血圧を正常にすることがわかりました。生活習慣病の改善とともに、血管の老化を防ぐ物質として今、世界から注目されているのが血液中の一酸化窒素なのです」一酸化窒素といえば、’70年代に光化学スモッグや酸性雨の原因となる有害物質として認識されていたのが、’98年「一酸化窒素の生体内機能について」の研究が、ノーベル生理学・医学賞を受賞したことから、血管の若返り物質として知られるようになった。「しかも、体に張り巡らされているたくさんの血管のなかで、一酸化窒素がたくさん作られるのは動脈の内皮細胞だということもわかりました。一酸化窒素を増やすには血流量を増やすことです。運動や入浴など血流がアップしたときのほか、動脈が走る皮膚の上から、“もみほぐす”などの刺激を与えて、血流をアップさせるだけで、一酸化窒素の量を増やせます。皮膚の下を通る動脈が体のなかにいくつかあり、その部分を重点的にほぐして刺激を与えれば、一酸化窒素がたくさん産出できると考えたのが新浪式“血管ほぐし”です」■「デコルテほぐし」目安時間各1分鎖骨の下には太い血管の「鎖骨下動脈」が走っているので、その部分をもむようにマッサージして刺激を与えよう。(1)左手を右の鎖骨下に当てる。(2)指先で鎖骨の下の骨を感じながら、胸の筋肉を上下左右にもみほぐす。(3)次に右手を左の鎖骨下に当て、(2)の手順で鎖骨下をもみほぐす。■「わきの下ほぐし」目安時間各1分血流をアップさせる太い血管のひとつ「腋窩動脈」に刺激を与える。(1)左手を右のわきの下に入れ、くぼみに4本の指の腹を当てる。(2)くぼみを軽く押したり、さすったりして刺激を与える。(3)次に右手を左のわきの下に入れ、(2)の手順でわきの下を刺激する。■「そけい部ほぐし」目安時間各5秒×5回(1)椅子に座って、左右4本の指で左右の太ももの付け根部分に手を添える。(2)4本の指で、そけい部をグッと押す。強さは痛気持ちいい程度で。どの順番からやってもかまわないが、血管年齢を若返らせるためにも、毎日続けることが大切。健康寿命を延ばすためにも、まずは血管年齢を若返らせよう!
2019年10月02日目にやさしい、とよくいわれるブルーベリー。最近では、その健康効果が肌、血管、そして脳まで若返らせてくれると、ますます注目されているのです!「寝ても疲れがとれない、ストレスがたまっているといった悩みを訴える患者さんに、食生活から体調を改善させる方法も提案しますが、その1つに、ブルーベリーをおすすめすることがあります」そう語るのは、アンチエイジングの専門医で、銀座上符メディカルクリニックの上符正志院長だ。「野菜や果物には体の調子を整え、生活習慣病を予防する働きがあり、最近注目されているのが“ファイトケミカル”です。これは食物が持つ色素や香りの成分のことで、シミやシワの原因となる体内の活性酸素を除去する抗酸化作用があり、同時に免疫力アップや老化予防効果などが期待されています。ファイトケミカルの代表はポリフェノール。ブルーベリーや赤ワインに含まれるアントシアニン、お茶などに含まれるカテキン類など、ポリフェノールには種類が複数ありますが、アンチオキシダント(抗酸化物質)の含有量を比較したORAC分析で、ブルーベリーはぶどうやザクロ、オレンジなどと比較しても抗酸化物質を多く含むことがわかっています」(上符院長・以下同)眼精疲労解消で知られるブルーベリーだが、アメリカの研究でがん抑制効果への期待が報告されるなど、さまざまな健康効果が新たにわかってきているという。「活性酸素が肌の細胞に増えると、線維芽細胞やコラーゲンなどの細胞のDNAを壊し、それがシミやシワの原因となります。ブルーベリーに含まれるアントシアニンは壊れたDNAを修復し、シミやシワの出るスピードを遅くして、日焼けによる紫外線のダメージも防いでくれます」一般的に糖尿病の人は、果糖が含まれる果物はあまり食べないよう推奨されているが、ブルーベリーは別だという。「アントシアニンには、インスリンの分泌を促し、血糖値を下げる働きもあります。むしろ糖尿病の予防になるといえるでしょう」さらに、米タフツ大学などの研究では、毎日24グラムのブルーベリーを90日食べたグループと、プラセボ(偽薬)を摂取したグループに分け、90日後に認知機能のテストをし、結果を比較したところ、ブルーベリーを食べたグループのほうが、認知機能がアップしていた。「研究でははっきりと因果関係まで書かれていませんでしたが、アルツハイマー型認知症は、海馬や大脳皮質にアミロイドβというタンパク質がたまり、神経細胞同士をつなぐシナプスが損傷するといわれています。アントシアニンには傷ついたシナプスを修復する力があるので、認知機能を改善させたと考えることもできます」ブルーベリーにはカルシウムやマグネシウム、マンガン、亜鉛、ビタミンKなどの栄養素が含まれ、これらは骨を強化してくれる。さらに、食物繊維が100グラムあたり3.3グラム含まれているので、腸内環境を整える効果も期待できる。至れり尽くせりの万能のブルーベリーだが、どんな食べ方がいいのだろうか。「アメリカではスーパーの野菜コーナーにボウルでどっさり売られていて、500円ぐらいの手ごろな価格で購入できます。彼らは小腹がすいたとき、サラダのトッピング、主食の付け合わせなどにして毎食食べている人が多いです。1日に50グラム取ることができれば、さまざまな健康効果が得られるでしょう。アントシアニンは皮にたくさん含まれているので、できるだけ生のまま食べるのがベスト。冷凍食品もいいですが、加熱すると栄養素が逃げるので電子レンジにかけないようにして、自然解凍して食べましょう。ヨーグルトにトッピングするとお通じがよくなる効果も得られます」厚生労働省によると果物の目標摂取量は1日200グラムなので、それ以下を目安に。最強果実のパワーで見た目も体の内面も若返ろう!
2019年09月12日NO(一酸化窒素)は血管の力を高め、肌のしわ・しみや老け顔対策に効果があるといわれています。近年、肌のしわは血流と関連があると報告されており、NOのアンチエイジング効果が期待されています。NOを増やす方法についてもご紹介しています。NOとは一体何!?出典:byBirthNOとは、「一酸化窒素」のことで、血管を柔らかくしなやかにするはたらきがあり、美容だけでなく生活習慣病対策にも近年注目されています。一酸化窒素というと、大気汚染の原因物質のイメージがあり、悪い印象があるかもしれませんが、血管内で発生するNOは血管を柔らかくすることが報告されています。そのことについて米国の研究者がノーベル賞を受賞しています。血管内でNOは発生します。加齢とともに血管は硬くなり、しなやかさが失われていきます。後述しますが、そうした血管の老化は、生活習慣病だけでなく肌のシワやたるみの原因にもなってしまいます。柔らかくしなやかな血管を保つために「血管の力」を高めることが大切です。NOの効果とは?血管の力を高める出典:byBirth「血液をサラサラにしましょう」という言葉はよく見聞きしますよね。しかし、血液がサラサラでも、血管がもろくなっていたり、血管が硬くなってしまっていては血液をスムーズに流すことができません。血管が元気な状態だと、血管の細胞からNOが沢山出るといわれており、それにより、血管の力も高まっていきます。肌は血行不良で老化する!NOで予防!出典:byBirth血行が悪いと、肌に栄養素や酸素を運ばれにくくなり、肌の新陳代謝が遅くなります。肌の色もくすんでしまうことも。また、肌からの老廃物や汚れを運び出すことができないため、古い角質が残ってしまうなど、肌の老化をすすめてしまいます。血管を強く若々しく保つことで、栄養素や酸素がたっぷりの血液をスムーズに肌の細胞に送ることができます。肌のスキンケアも大事ですが、アンチエイジングは体の内側から見直すことが大切ですね。しわ対策にNOは効果あり出典:byBirth一般的に、血管年齢が若い人は、見た目の年齢も若いといわれています。また、最近の研究では、血管の若々しさは、シミと関係していることが分かってきています。血管の老化が進んだ人は、シミが大きく出る、という報告です。また、見た目年齢が、実年齢よりも歳をとって見えた、という報告もあります。シミの面積が小さいほど、若々しく見えますよね。顔の皮膚の下には沢山の血管が巡っており、細胞は血管で養われています。血管の力を高めて、肌細胞の新陳代謝を活発にしましょう!では、NOを増やす方法について、ご紹介します。NOを増やす方法運動出典:byBirth運動は、血管を拡張させるため、一酸化窒素の分泌を増やします。水泳やウォーキング、ランニングも良いですが、特にふくらはぎを使った運動を意識すると良いといわれています。ふくらはぎは、第二の心臓といわれていて、下半身の血流が良くなります。水泳やウォーキングなどの時間がとれない人は、以下の方法でふくらはぎを動かしてみましょう!立ったまま、両足のかかとをゆっくりと上げる1の状態から再びかかとをゆっくりともとに戻す1回10セットを1日3セットおこなう立ったままではなく、座った状態で両足を伸ばし、足の甲をゆっくりと伸ばして元にもどす、という方法でも良いとのこと。簡単に、どこでも出来るのは嬉しいポイントですよね。食事NOは、「L-アルギニン」というアミノ酸から作られるため、L-アルギニンを含む食品を摂取しましょう。赤身肉、魚、鶏肉、大豆、えんどう豆、ナッツなどに豊富に含まれています。その他、青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)や、ブルーチーズに含まれるLTP(ラクトトリペプチド)も一酸化窒素の分泌を増やすといわれています。L-アルギニンはアミノ酸の一種であるため、たんぱく質を積極的に摂るようにしましょう。睡眠出典:byBirthしっかり睡眠をとると、成長ホルモンが分泌されます。若返りホルモンともいわれる成長ホルモン。子どもだけでなく、大人にも美肌効果をもたらします。血管についても、内皮細胞を修復し、血管から一酸化窒素を出す力を高めるため、睡眠時間をしっかりとるよう心がけましょう。出典:byBirthいかがでしたでしょうか。NOは血管から作られ、血管を柔らかくする物質です。近年、肌のシワと血流に関連があると報告されており、血管をしなやかに柔らかく保つことは美容には欠かせません。運動や食事などを見直して、NOを増やして血管の力を高めましょう!
2019年09月11日ダイエット外来・工藤孝文医師の新刊8月27日、脳の働きを理解してダイエットしようという新刊『THE デブ脳』がエイ出版社から1,080円(税込)の価格で発売された。著者は福岡県みやま市の工藤内科の副院長で、ダイエット・コレステロール外来を担当している工藤孝文氏である。「ガッテン!」などテレビでも人気の著者工藤孝文氏は日本内科学会、日本糖尿病学会などに所属。のべ10万人の減量指導を行った経験があり、テレビ番組でも人気。2018年11月に出演したNHK「ガッテン!」では、同年同番組の最高視聴率を獲得している。工藤氏はこれまで『痩せグセの法則』『改訂版 痩せグセの法則』など、多数の著作があり、新刊『THE デブ脳』はその制作チームが再集結したものとなっている。幸福感をもたらす脳内物質セロトニン痩せたいと願う人は多く、挫折してしまう人も多い。我慢すべきなのについ食べてしまう、甘いものがほしくなるといった欲求に負けてしまうケースが多い。自分の意志が弱いからだと考えがちだが、工藤氏は痩せない原因は意志の弱さではなく脳にあるとしている。脳内物質であるセロトニンは、幸福感をもたらし心の平衡を保つという役割がある。しかし、セロトニンの元となる栄養素が足りないと、不安が強くなってしまう。甘いものを食べるとセロトニンを増やすことができるため、幸福感が得られ、つい甘いものを食べたくなってしまうのである。新刊では脳の仕組みを理解して脱「デブ脳」を図り、「楽して痩せ体型」になるための方法が解説されている。また、『THE デブ脳』のFacebookグループを開設。不定期で工藤氏が質問に答える「工藤内科タイム」を設けるとしており、申請には新刊の中のキーワードが必要となる。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※THE デブ脳 - エイ出版社
2019年09月10日「女性の場合、大豆製品を種類多く摂取する人ほど、そうでない人に比べて、心筋梗塞や脳梗塞といった循環器疾患のリスクが34%、全死亡リスクが14%低くなる――」今年3月、このような調査結果が国立がん研究センターから報告された。40~69歳の男女約8万人を20年近くにわたって追跡調査(コホート研究)したものだ。この研究を実施した大妻女子大学家政学部食物学科公衆栄養研究室の小林実夏教授は、研究内容についてこう説明する。「調査では、対象者が133種類の食材を、1日に何種類摂取しているかを算出し、死亡リスクとの関連を調べました。魚、肉、野菜、果物、大豆食品などの個別の食品群についても同様の検討を行いました。男性は果物を、女性は大豆食品を種類多く摂取するほど死亡リスクの低下が見られました。特に循環器疾患については顕著でした」国立がん研究センター、社会と健康研究センター予防研究部部長の井上真奈美さんは、このような早死のリスクを下げる食品について、次のように話す。「これまで数多くの大規模調査を行ってきて『これさえ食べておけば大丈夫』という食品は存在しません。しかし、健康に影響をどう及ぼすかが、わかってきた食品も少しずつあります。まだ断定できるものは少ないのですが、大豆食品、緑茶、コーヒーは、その効果が明らかになってきています。野菜、果物も健康に何らかのよい影響のある食品だと推測しています」死亡リスクを下げるには抗酸化、抗炎症作用の働きが必要不可欠というのは、お茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二先生だ。「がん、心筋梗塞、脳梗塞など死亡リスクを高める疾患の原因は、細胞の慢性炎症であるということがわかっています。加齢や酸化ストレスなどで細胞の炎症が進行すると、血管が弾力を失って硬くなり、心筋梗塞や脳梗塞の原因ともなる動脈硬化を引き起こすことになります。血管の硬直を防ぎ、弾力性を持たせること、また血中のコレステロールを抑えて血流をスムーズにすることが重要なのですが、それには抗酸化作用や抗炎症作用のある食品を取る必要があるのです。たとえば、ビタミンA、C、Eに含まれる抗酸化成分は酸化ストレスや細胞の炎症を抑える働きがあり、ビタミンB群は細胞のストレス耐性を上げてくれます。また、食物繊維には腸の働きを活性化させ、腸内環境を整える働きもある。野菜や果物には、こうした栄養素が多く含まれるものが多いのです」さらに、野菜、果物には副次的な作用もあるのだとか。「野菜や果物を取る人ほど幸福感が高い状態が保てるということがわかっています。野菜や果物には“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンなどの脳内物質を分泌する働きを持つものも多く、それも病気を遠ざける要因のひとつになっているのではないかと推測しています」(白澤先生)今回の研究では、「1日に摂取する食品の種類が多いグループは、少ないグループに比べて全死亡のリスクは19%、循環器疾患死亡のリスクは34%、その他の死亡リスクは24%低い」という結果も出ている。小林教授はこう話す。「昭和60年ごろに当時の厚生省、文部省、農林水産省が合同で出した食生活指針では『1日30品目を食べましょう』と言われていましたが、実は、この『30品目』の根拠はわかっていませんでした。私は、当時から30品目の裏付けが欲しいと思っていたのですが、約20年たって、多目的コホート研究という長期間に及ぶ追跡調査で、それを検証できると思ったのが、今回の調査のきっかけでした」調査では1日30品目以上食べた人と30品目以下の人との比較も行った。「30品目以上食べた人のほうが、循環器疾患のリスクおよび死亡リスクが低く出ました。これで、1日30品目の健康に及ぼす好影響が証明されたことになります」(小林教授)小林教授はこう加える。「今、日本が世界でもトップクラスの長寿国なのは、今の高齢者たちのこれまでの食生活が優れていたことの証明です。大事なのは、さまざまな食材を種類多く取るということです。たとえば、野菜を1日350グラム取りましょうといっても、キャベツだけで取るのは大変です。いろんな種類を50グラムずつ取ると取りやすいですし、さまざまな栄養素が相互に作用し、それが病気のリスク分散にもなります。今回の研究が、買い物時などに、『昨日はこれを食べたから今日は別のものにしよう』といったふうに、食材を選ぶときのきっかけになり、それが健康増進につながってくれればと思っています」
2019年07月24日脳動脈にできたこぶ状の血だまり、脳動脈瘤。これが破裂すると「くも膜下出血」を引き起こし、死に至ることも少なくない。血管と脳動脈瘤の間の根元にチタン製の小さなクリップを挟み、破裂を未然に防ぐのが「クリッピング」と呼ばれる脳外科手術だ。高度な技術と集中力を要するこの手術のスペシャリストである女性が名古屋にいる。「脳動脈瘤は同じように見えて、患者さん一人ひとりでそれぞれ特徴が異なります。実際に開頭してみたら、予想以上に手術が難しいという状況も少なくありません。細かい血管を間違えて傷つけてしまうだけで、運動まひや言語障害などの後遺症が起きてしまうこともあるのです。毎回、全神経を集中して行っています」おだやかに語る表情からは想像できないが、藤田医科大学ばんたね病院の脳神経外科医・加藤庸子先生は、脳外科手術を週3回、年に100例以上こなす。通算手術数は3,000例を超え、これは女性の脳神経外科医としては世界一の数字だ。“脳外科医のゴッドマザー”。人は加藤先生のことをそう呼ぶ。35年前、加藤先生が脳神経外科専門医になったとき、日本にはこの分野の女性医師は25人しかいなかった。まさに女性としてはパイオニア。それだけに立ちはだかる壁も多かった。「患者さんから、『女性のお医者さんでは頼りない』と言われることもよくありました。医師になった当初から、女性の私にしかできないことはないか、ずっと考えてきましたね」(加藤先生・以下同)その答えのひとつが、常に患者と寄り添うこと。いまも毎朝5時過ぎには起床。7時に病院に入り、入院患者とのラジオ体操を日課としている。「会話をすることで、患者さんの症状や心配事がわかるのです。同時に、私自身の健康維持のためにも欠かせませんね」加藤先生は’06年に藤田医科大学教授に就任。脳神経外科の女性教授は日本初の快挙だった。「決して腐らない。たとえうまくいかなくても、あきらめない。がむしゃらに医学と向き合ってきた結果が、いまの自分だと思います」バリバリの男社会で数々の困難を乗り越え、いまも極度のプレッシャーのかかる手術をこなす。そして患者さんとのコミュニケーションもおろそかにしない。「医師をしていると、つらい場面に直面することは避けられません。それを乗り越えるべき試練だと思うようにしています。そこから患者さんや家族と本当の信頼関係が築けるのです」
2019年05月17日脳動脈にできたこぶ状の血だまり、脳動脈瘤。これが破裂すると「くも膜下出血」を引き起こし、死に至ることも少なくない。血管と脳動脈瘤の間の根元にチタン製の小さなクリップを挟み、破裂を未然に防ぐのが「クリッピング」と呼ばれる脳外科手術だ。高度な技術と集中力を要するこの手術のスペシャリストである女性が名古屋にいる。「脳動脈瘤は同じように見えて、患者さん一人ひとりでそれぞれ特徴が異なります。実際に開頭してみたら、予想以上に手術が難しいという状況も少なくありません。細かい血管を間違えて傷つけてしまうだけで、運動まひや言語障害などの後遺症が起きてしまうこともあるのです。毎回、全神経を集中して行っています」おだやかに語る表情からは想像できないが、藤田医科大学ばんたね病院の脳神経外科医・加藤庸子先生は、脳外科手術を週3回、年に100例以上こなす。通算手術数は3,000例を超え、これは女性の脳神経外科医としては世界一の数字だ。“脳外科医のゴッドマザー”。人は加藤先生のことをそう呼ぶ。そんな加藤先生の「ゴッドハンド伝説」を紹介。【1】脳神経外科医の認定資格に、男性医師たちを抑えトップ合格’85年、医師の国家試験より難関といわれる専門医資格にトップの成績で合格。【2】日本脳神経外科女医会を発足させ、代表世話人に’91年、全国に25人しかいなかった女性脳神経外科医で発足。現在は約400人が参加。【3】世界脳神経外科連盟で、アジア人女性初の副事務局長就任’01年就任。現在も世界40カ国以上を回り、海外医療支援に従事。【4】女性としては日本初の脳神経外科教授になる’06年、藤田医科大学で日本の大学の脳神経外科では初の女性教授に就任。脳神経外科の医師といえば、いまも男性のイメージが強い。そのため「女性医師では不安だ」「女性はヒステリーを起こすから、男性医師に代えてくれ」などと、加藤先生はこれまで何度も、患者の心ない言葉に直面してきたという。「悔しくて、若いころは泣きました。でも、患者さんと信頼関係を築かないまま手術をするのは得策ではないと割り切れるようになりました。もちろん愉快な話ではありませんが、そこで感情を爆発させて得になることはありませんから」診察室では常に笑顔の加藤先生。“患者目線で心に寄り添う”がモットーだ。「決して腐らない。たとえうまくいかなくても、あきらめない。がむしゃらに医学と向き合ってきた結果が、いまの自分だと思います」
2019年05月17日子どものさまざまな能力には、身体だけでなく脳が関係していることが知られています。そのため、昨今では脳を育てることに注目が集まっています。しかし、具体的にはどんなことをすればいいのでしょうか?今回は、脳を育てることの重要性や、そのためのポイントについてご紹介します。「脳を育てる」ことが重要すぎるワケ脳を育てることは、子どもが心身ともに健康に成長していくことや、社会性や学力の向上に大きくつながっています。脳の中でも、子どもの成長に特に影響を及ぼす部位は、脳幹、大脳新皮質、前頭葉、シナプスの4つです。脳幹は、中枢神経系を構成する重要な部位が集まる器官です。睡眠欲や食欲、呼吸など人間が生きていくために必要な機能を担っており、情緒面にも影響しています。五感からの刺激によって、特に2~6歳の時期に大きく育つのだそう。大脳新皮質は、言語能力や手指を使った細かい動きなどの機能を担っており、親からの言葉や仕草から刺激を受けています。前頭葉は記憶力や集中力、論理的思考などの機能を司り、心の状態にも大きくかかわっている部分です。運動やコミュニケーションなどで活性化するといわれています。シナプスは、脳の中にある神経細胞同士のつながりのことです。神経細胞同士がうまくつながると、脳がよく働きます。シナプスは会話やスキンシップによって増えていくものです。これらの部分を育てることで、子どもが生きていくうえで欠かせないさまざまな力が身につくのです。健康体、ストレスフリー、チャレンジ精神……。脳が育つとメリットだらけ!脳が育つと、以下のようなメリットがあります。・規則正しい生活が送れるようになる脳が育っていくことで、体内時計がしっかり働くようになるため、朝は自然に目が覚めて活動的になり、夜は自然に眠くなってぐっすり寝ることができるようになります。よって、健康体になっていきます。・自分の気持ちをコントロールできるようになる脳の中でも、前頭葉がしっかりと育つと、自分の気持ちをコントロールできるようになります。そのため、嫌なことがあっても気持ちを切り替えることができたり、不安になった時にも解決策を探して安心できたりと精神が安定するのだそう。さらには、自分の気持ちをしっかりと相手に伝えられるため、ストレスを溜めにくくなります。・好奇心旺盛になるシナプスが増えて脳が発達していくと、好奇心旺盛になり、運動や勉強など何事にもチャレンジできるようになります。そして新しい刺激をたくさん受けることによって、さらに脳が活性化されるという好循環につながるのです。「脳を育てる」ために、すぐにでも始めたい5つの習慣子どもの脳を育てるために、以下の事柄を始めてみませんか?・朝型の生活をする朝は、睡眠によって脳内のシナプスが整理された状態となっており、脳を育てるのに適したタイミングです。親子で早起きして、運動や散歩をしたり、ゆっくりと朝ご飯を食べながら会話を楽しんだりすることは、脳を育てるのに有効です。ぜひ習慣にしましょう。・会話に具体性を取り入れる子どもの言葉や表現を引き出すために、会話の中で具体性を意識することも脳を育てるのに役立ちます。例えば友だちと遊んだ後は「楽しかった?」だけでなく、「どんなことをして遊んだの?」「その時、〇〇ちゃんはなんて言ってたの?」などと、より具体性のある質問を投げかけましょう。記憶を辿ったり、表現を考えたりしながら話すことで、子どもの脳が刺激されます。・食事中はテレビをつけない食事は、料理のにおいや味、色合いや温度などで、あらゆる五感が刺激されるため、脳を育てるのに欠かせません。しかし、その際にテレビをつけてしまうと、五感からの刺激がなくなってしまいます。食事中はテレビを消すルールを作りましょう。・魚料理を定期的に出す魚の脂に含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳の神経細胞の主な成分でもあり、脳の働きを高めるといわれています。ぜひ普段の食卓に魚料理を取り入れましょう。時間がない時には缶詰やフレークなどを使うのもおすすめです。・ピアノなどの楽器を演奏させるアメリカのバーモント大学で行なわれた200人超の子どもを対象にした調査では、楽器を演奏することによって脳の運動機能を司る部分が活性化することがわかりました。また、音を司る脳の領域と言語を司る脳の領域は非常に近いため、楽器を演奏することは言語能力の発達や外国語の習得にも役立つといわれています。***子どもの脳を育てる工夫を行なうことで、親の脳の活性化にもつながる場合がたくさんあります。ぜひ親子で脳を活性化させていきたいですね。文/田口るい(参考)こどもまなび☆ラボ|“親の愛情” で子どもの海馬が大きくなる!?子どもの脳を育てる5つのヒントPHPファミリー|6歳までが勝負です!才能の芽がグングン育つ「脳の鍛え方」日経DUAL|脳科学者が教える「努力する子を育てる10カ条」ダ・ヴィンチニュース|一番最初に始める習い事のおすすめは? 脳科学で解明する賢い子の育て方マイナビニュース|脳を育てる食事ってどんなもの? 子どもの成功を支える食生活の秘訣
2019年05月02日「これまで血管にかかわる病気というと、動脈硬化などの太い血管の閉塞が危険視されてきました。しかし、それらにつながっている毛細血管の劣化が、がんと関係しているということが最近の研究でわかってきているんです」そう語るのは、『ゴースト血管をつくらない33のメソッド』(毎日新聞出版)の著者、大阪大学の高倉伸幸教授だ。「毛細血管は、いわば動脈・静脈などの主要な“幹線道路”につながり、市区町村や自宅前(周辺の細胞)まで続く道。全身に約37兆個ある細胞に酸素や栄養を運び、さらには二酸化炭素や老廃物を排出、免疫力も活性化させる機能を持ちます。毛細血管が機能しなくなると、必要な物質も届かず、人も住まなくなる。まるで“ゴーストタウン”となった周辺組織には、正しく栄養が行き届きません」もともと血液・腫瘍内科の臨床医として治療にあたっていた血管研究の第一人者である高倉教授は、がん患者の毛細血管は血流が悪く、老化で機能が衰えた毛細血管に似ていることに気づいたという。「がん細胞は健康な人にも生まれ、自分で細胞を増大させてバリアをつくります。免疫細胞がそれを見つけると退治してくれていますが、血管がゴースト化すると、免疫細胞がこのバリアに入っていけなくなり、がん細胞が増殖してしまうのです」それだけでなく、血管ゴースト化したままでは、抗がん剤もがん細胞に届かなくなってしまうという――。「毛細血管は、加齢によって衰えていきます。40代を過ぎると、老化とともに壁細胞が変形したり、なくなったりしてしまい、内皮細胞の機能も低下する。これらをさらに加速させるのが、高血糖と、喫煙や飲酒、ストレスによる酸化。血糖値が上がり、体が酸化していくと、壁細胞がダイレクトにダメージを受け、ゴースト血管になってしまうのです」高倉教授は著書の中で、ゴースト血管をつくらないための方法として血流アップや、自律神経のバランスなどを挙げているが、その中で今回は高倉教授が実践している、「血管を高める」5つの習慣を教えてくれた。■壁細胞を強める食材を取る「内皮細胞どうしと壁細胞の結びつきを強めるものに、『タイツ―(Tie2)』という分子があります。このタイツーを活性化する食材を、日常に取り入れることが重要です。2週間摂取を続けたことで、消えかけていたゴースト血管が復活したことも実証されています」代表的な食材として、高倉教授は次の2つを挙げる。【1】スパイスに「ヒハツ」を使う「ヒハツはロングペッパーとも呼ばれ、沖縄料理のスパイスとして使われてきた食材です。近ごろではその機能に注目が集まり、スーパーのスパイス売場などでも見かけるようになりました。ふだんの料理に使っているコショウを、ヒハツで代用することで、タイツーを活性化させることができます。私は、そばやうどんに10ミリグラムほどかけて食べていますよ」【2】「ルイボス茶」を毎日飲む「健康茶として知られるルイボス茶にも、血管構造の安定化を助ける作用があります。クセがなく、飽きのこない味なので、日本茶や紅茶のように、毎日の習慣にしたい飲み物です」体内に余分な脂肪を増やさないため、食事の際には「腹八分目まで」を心がけるのもゴースト血管予防になるという。■運動で内皮細胞の結束を強める「日常に運動する習慣がない人は、血管がゴースト化するリスクが高いといえます。適度に運動することで内皮細胞どうしの連結が強くなり、消えてしまった壁細胞も復活。強い血管をつくることができます」【3】かかと上げ運動1)両足のかかとをゆっくり上げ、5秒間キープする。2)ゆっくりとかかとを下ろして、5秒数える。※1日30回。【4】スクワット1)肩幅に足を広げ、足先をやや外側に。2)息を吸いながらゆっくり腰を落とし、3秒間キープ。息を吐きながら元の体勢に戻る。※1日10回。【5】腕血管マッサージ1)上腕に手をあて、上下左右にねじるように動かす。2)下腕も同様に。3)ひじの外側と内側をよくもみほぐす。※1日1回。「体の中でいちばん毛細血管が多いふくらはぎを刺激するかかと上げ運動から始めましょう。デスクに座っても、立ちながらでもできます。1日30回行ってください。スクワットは足の血流を活性化させるためのものです」同じく毛細血管が集中している腕のマッサージも忘れずに。また、ゆっくりとした入浴、ぐっすりと眠ることも、ゴースト血管の予防には効果的だそう。どれかひとつでもよいので、自分にできそうなことを見つけて継続させていこう。
2019年03月13日「これまで血管にかかわる病気というと、動脈硬化などの太い血管の閉塞が危険視されてきました。しかし、それらにつながっている毛細血管の劣化が、がんと関係しているということが最近の研究でわかってきているんです」そう語るのは、『ゴースト血管をつくらない33のメソッド』(毎日新聞出版)の著者、大阪大学の高倉伸幸教授だ。「毛細血管は、いわば動脈・静脈などの主要な“幹線道路”につながり、市区町村や自宅前(周辺の細胞)まで続く道。全身に約37兆個ある細胞に酸素や栄養を運び、さらには二酸化炭素や老廃物を排出、免疫力も活性化させる機能を持ちます。毛細血管が機能しなくなると、必要な物質も届かず、人も住まなくなる。まるで“ゴーストタウン”となった周辺組織には、正しく栄養が行き届きません」もともと血液・腫瘍内科の臨床医として治療にあたっていた血管研究の第一人者である高倉教授は、がん患者の毛細血管は血流が悪く、老化で機能が衰えた毛細血管に似ていることに気づいたという。「がん細胞は健康な人にも生まれ、自分で細胞を増大させてバリアをつくります。免疫細胞がそれを見つけると退治してくれていますが、血管がゴースト化すると、免疫細胞がこのバリアに入っていけなくなり、がん細胞が増殖してしまうのです」それだけでなく、血管ゴースト化したままでは、抗がん剤もがん細胞に届かなくなってしまうという――。「毛細血管は、加齢によって衰えていきます。40代を過ぎると、老化とともに壁細胞が変形したり、なくなったりしてしまい、内皮細胞の機能も低下する。これらをさらに加速させるのが、高血糖と、喫煙や飲酒、ストレスによる酸化。血糖値が上がり、体が酸化していくと、壁細胞がダイレクトにダメージを受け、ゴースト血管になってしまうのです」ゴースト血管になると、壁細胞が失われ、内皮細胞どうしが無秩序に連結。酸素や栄養が正しく運ばれなくなるという。しかし、「何歳からでも、がんと闘う血管をつくることができる」と高倉教授は語る。「ゴースト化してしまった毛細血管は、生活習慣を改善することによってまっすぐに伸ばすことができ、本来の機能を取り戻せます。酸化を防ぐために喫煙やアルコールを控えるのはもちろん、血糖値を急激に高めるようなジュースの一気飲みは厳禁です」
2019年03月13日「ある日突然、倒れる」というイメージが強い脳梗塞。しかし、実際に多いのは、「自覚症状もなく体をむしばんでいく」隠れ脳梗塞という微小な梗塞だという。ここでは、そんな恐ろしい病気を自分で発見する方法をお届け!昨年5月に63歳という若さで亡くなった歌手の西城秀樹さんは、精力的な芸能活動の陰で、17年間も脳梗塞と闘っていたことは記憶に新しい。その西城さんが「脳梗塞」と報じられたのは、’03年と’11年だったが、じつは17歳年下の妻・美紀さんの手記『蒼い空へ夫・西城秀樹との18年』(小学館)によると、結婚直後の’01年秋から脳梗塞を発症し、8回も入退院を繰り返していたという。「脳梗塞は脳内の血管が詰まり、脳細胞が壊死する病気で、『ある日突然、意識を失って倒れる』という印象を持たれがちですが、ごく微小な梗塞“隠れ脳梗塞”が少しずつ増えて脳梗塞に発展するケースのほうが多いのです。西城さんの場合、水分を取らずにサウナに入り続けて脳梗塞になったといわれてきましたが、隠れ脳梗塞を何度も起こしていたのが特徴です」そう解説するのは、くどうちあき脳神経外科クリニックの工藤千秋院長。隠れ脳梗塞は医学的には「ラクナ梗塞」と呼び、脳内の細い動脈にできる直径15ミリ未満の梗塞のこと。自覚症状がないのでCT検査やMRI検査で見つかることが多いという。隠れ脳梗塞の“ささいな前兆”に気づくことが大事というのは、隠れ脳梗塞に関する多数の著書がある眞田クリニックの眞田祥一院長。「人間の脳は、一部の機能がダメになっても、ほかの神経細胞でそれを補う『代償機能』があり、これが働くことによって動作、体の機能に支障がでないようにしていますが、実際には神経細胞が傷ついているので日常のなかでささいな神経症状が出てくる場合があります。これらを見逃さないこと。たとえば一瞬、意識を失うことがあってもすぐに戻る。頭痛やめまいが起こってもすぐによくなるので、『頭が痛いのは風邪のせいかも』『足がふらつくのは運動不足のせい』と、都合のいい解釈をしてしまう人が多いのです」一般的に手足のしびれなどの知覚や言語、思考の領域は代償が効きにくいといわれている。実際に西城さんも、隠れ脳梗塞を起こしていた’01年秋には「ふらつく」「しゃべりづらい」といった不調を訴えていたそうだ。次のようなことがあったら要注意!3つ以上当てはまる人は、隠れ脳梗塞の恐れがある。□なんの前ぶれもなく頭痛や肩こりに襲われることがある。□いつもめまいや耳鳴りがする。□階段の上り下りや敷居をまたぐとき、片方の足をよく引っかける。□以前に比べて手先が不器用になり、字が下手になった。□以前に比べて計算間違いが多くなった。□手足や顔、唇がしびれたり震えたりすることがある。□早口で話されると理解がしにくい。□すぐむせたり、たんがからんだりする。□突然、ろれつが回らなくなることがある。□突然、気分が落ち込んだり、うつ状態になったりすることがある。いち早く隠れ脳梗塞に気づくため、眞田院長が提唱する自分でできるテストの1つが「うずまきなぞり」と「両手突き出し」。【うずまきなぞり】1)紙を用意し、5ミリ間隔のうずまきを5周ほど書く。2)次に、色違いのペンで1で描いたうずまきの間を、線にふれないようになぞり、新しいうずまきを10秒以内で書く。※2カ所以上はみだしたり重なったりしていたら要注意!【両手突き出し】1)背筋を伸ばして立ち、目を閉じる。両手を肩の高さまで上げて、真っすぐ前方に突き出す。このとき指は真っすぐ伸ばす。2)腕を伸ばしたまま手のひらを上に向ける。指をそろえて伸ばし、10秒静止する。※どちらかの手が下がるなど、同じ姿勢を保てない場合は要注意!「特に、隠れ脳梗塞の兆候が表れやすいのが手の動きです。『うずまきなぞり』で2カ所以上はみだしていると、大脳基底核や小脳に隠れ脳梗塞を起こしている可能性があります。『両手突き出し』では、どちらかの手がやや下がってきたら下がった手と反対の小脳に、手の指が開き気味になった場合は前頭葉、頭頂葉に隠れ脳梗塞が疑われます」(眞田院長)気になる症状があったら放って置かないで、病院で検査してもらい、健康をキープしよう。
2019年02月07日太っている人も、痩せ形の人にも潜んでいるかもしれないこの病気。放っておくと、さらにおそろしい血管の病気が進行することに――。「3年ごとに行われる厚生労働省の調査で、’16年では『脂質異常症』患者数が206万人を超え、10年間でおよそ1.5倍にもなったことがわかりました。そしてそのうち、約150万人が女性。今年の調査では、さらに多くの患者数が発表されるのではないでしょうか」そう話すのは、新著に『すべての病気は血管で防げる!』(青春出版社)がある、総合内科医の池谷敏郎先生。そもそも脂質異常症ってどういう病気なのだろうか?「血液中の、悪玉コレステロール(LDL)と中性脂肪の脂肪値が高い状態をさします。また、善玉コレステロール(HDL)が少なすぎる人も、脂質異常症に当てはまります。この病気は動脈硬化を進行させて血管の老化を招き、体を酸化させ、狭心症や心筋梗塞などの致死的な疾患リスクを高めるのです」脂質異常症に当てはまるコレステロールや中性脂肪の数値をまとめたものが次のとおり。健康診断の結果と併せて、自分が該当していないか確認してみよう。■LDLコレステロール・140mg/dl以上→高LDLコレステロール血症■HDLコレステロール・40mg/dl未満→低HDLコレステロール血症■中性脂肪(トリグリセライド)・150mg/dl以上→高トリグリセライド血症いずれかひとつでも該当すれば、脂質異常症に当てはまる。大事なのは、悪玉コレステロールと善玉コレステロールのバランスなのだ。「悪玉コレステロールは、肝臓から全身へコレステロールを運ぶ役割を担っていますが、増えすぎると、余分なコレステロールを置いてきぼりにしてきてしまいます。そしてそれを回収するのが善玉コレステロールです。また最近わかったのが、悪玉の中の超悪玉コレステロール(LAB)の存在です。これは小型で血管の壁に入りやすく、酸化もされやすいため、動脈硬化の危険因子として新たに重要視されています」超悪玉コレステロールを増やさないことが脂質異常症、ひいては動脈硬化を防ぐ上で非常に大切だが、一般の血液検査には、その項目がないのだという。「そこで、注目して欲しいのが中性脂肪です。中性脂肪は、運動量に対して糖や脂肪をとりすぎた際に、体内に増加します」悪玉コレステロールや中性脂肪が増えやすいのはどんなタイプの人なのか?それは「代謝が低下しているタイプです」と池谷先生は指摘する。代謝が低下していると、食べすぎなくても太ることもあるという。「特に女性は、40代以降、女性ホルモンが減少することから悪玉コレステロールが増加しやすくなる。さらに、代謝の力が著しく低下すれば、中性脂肪が増加し、超悪玉コレステロールも増えるのです。代謝が悪くならないように意識して、超悪玉や中性脂肪を体の中に増やさないようにしましょう」まず、代謝が悪くなる原因として、池谷先生は(1)暴飲暴食、(2)運動不足、(3)悪い睡眠をあげる。「運動不足や、食行動に異常がある人は、特によい睡眠を得られていない場合が多いのです」睡眠不足になると、満腹中枢の感度が落ち、摂食中枢の空腹ホルモンのグレリンが増加し、過食してしまう傾向に。さらに、運動不足にもなる悪循環に陥る。そうして睡眠の質がどんどん悪くなると、代謝が低下し、結果的に脂質異常症を引き起こす可能性が高まるのだ。「私も30代のころ、毎日が忙しく2~3時間の睡眠しかとっていませんでした。仕事ばかりしていたら36歳でメタボになり、当時の血管年齢はなんと45歳。さすがに反省して、40代に4~5時間の睡眠時間を確保することを生活の第一優先にしたら、メタボも解消されました。50代のいま、血管年齢はほぼ30代です」
2019年01月31日筋肉をつくるにはタンパク質、骨をつくるにはカルシウムが必要という具合に、食事と体の関係に関しては多くの人が少なからず知識を持っているはずです。でも、いい脳をつくるために必要な栄養素、食事といったら……?詳しく知っているという人は、そう多くはないでしょう。そこでお話を聞いたのは、オリジナルの「育脳」レシピ開発で子どもを持つ親御さんのファンも多い管理栄養士・小山浩子さん。脳に欠かせない栄養素を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)脳を「つくる」材料となる栄養素子どもの頭が良くなるかどうかは、遺伝の影響が大きいと考えている人も多いでしょう。もちろん、頭の良し悪しには遺伝も大いに影響を与えます。ただ、その影響がはっきり表れはじめるのは、13歳くらいから。それまでは、赤ちゃんの頃からの脳への刺激や本人の好奇心といった外的要因、それから「食事」が大きな影響を与えます。食べものによって体がつくられることは、多くの人がイメージするものでしょう。でも、脳も体の一部ですから、当然、食事による影響を大きく受けます。子どもをかしこく育てたいのなら、食事にきちんと気を配る必要があるのです。脳のなかではいろいろな栄養素がチームとなって働いています。そこでまず意識してほしいのは、脳を「つくる」栄養素、「働かせる」栄養素、「動かす」栄養素をしっかり摂るということです。脳を「つくる」栄養素を紹介するにあたって、ひとつ質問をしましょう。脳はなにでできていると思いますか?じつは、脳の6割は脂肪でできているのです。そして、いい脳をつくる材料が、有名なDHA、それからEPAという油状物質。特にDHAは脳にとっての最重要栄養素と言えます。DHAをきちんと摂取しないと、脳の発達障害を起こしてしまうことも……。DHAの摂取量が十分な子どもとそうでない子どもでは、脳の神経回路の発達の度合いはい大きくちがいます。ただ、これは後からでも取り戻せるものです。オックスフォード大学の実験では、3カ月間、DHAを投与された子どもは、脳の神経回路がしっかりと改善されました。親の愛情が子どもの脳の発達を促すこのDHA、EPAの特徴として、体のなかでつくることができないことが挙げられます。つまり、食べものからきちんと摂取する必要があるということ。青魚に多く含まれることが知られていますね。ただ、意外にも、サバやイワシなどの青魚より多くのDHAを含むのがマグロのトロの部分。でも、お値段も高いですし……毎日のように食卓に出すのは難しいですよね。日常的に食べられるものとしては、サバの水煮缶や魚肉ソーセージ、それからツナ缶をおすすめしています。もちろん、魚が大好きなお子さんになら、ときには奮発してマグロのトロを食べさせてあげてください。その際、「頭が良くなるからね」と言ってあげましょう。子どもは100人いたら100人が「頭が良くなりたい」と思っています。そして、大好きなお母さんが自分の応援をしてくれていると感じるだけで、子どもは「頑張ろう」と思うもの。その気持ちが、脳の発達も促すのです。お子さんが魚嫌いという場合も安心してください。じつは、アマニ油とエゴマ油が、体内でDHAやEPAと同じ働きをするということがわかってきたのです。これらをドレッシング代わりに使うだけで、魚を食べるのと同じくらいの効果を発揮してくれます。脳を「働かせる」「動かす」栄養素IQが高い子どもの脳には、脳を「働かせる」アセチルコリンという神経伝達物質が多いという特徴があります。じつは、このアセチルコリンは、生まれたときには誰もがいっぱい持っているもの。神様は本当に平等に人間をつくっているんですね。ただ、その量は5歳くらいまでの間に徐々に減っていくのです。つまり、アセチルコリンをなるべく減らさないようにキープできた子どもがかしこくなる。5歳くらいまでの間に将来の脳の土壌ができるというわけですね。それだけ、幼い頃の食事が脳の発達には重要だということを意味します。このアセチルコリンの材料となるのが、卵や大豆に含まれるレシチンという栄養素。卵は1日に1個は子どもに食べさせてほしい。また、豆が苦手だという子どもには、きな粉をうまく使うことをおすすめします。朝食なら、「きな粉トースト」なんていいですよね。きな粉とはちみつと練乳を混ぜると、自家製のきな粉ジャムになります。これをトーストに塗るだけ。すごく手軽ですよ!それから、脳を「動かす」ガソリンとも言えるのが炭水化物です。脳が消費するエネルギーは、体全体の消費量のなんと20%に達します。低炭水化物ダイエットがはやっていますが、脳のためには、ご飯やパン、麺類をしっかり食べさせることが必要です。牛乳は体にも脳にも効く完全栄養食品そして、脳にいい食事のカバー役として欠かせないのが「牛乳」です。ここで、牛乳の偉大なパワーを紹介しましょう。これは、ここまで紹介したDHA、EPA、レシチン、炭水化物以外に脳が必要とする栄養素、そしてそれらを含む主な食べものです。【牛乳は万能育脳食材】ここで挙げた栄養素の多くを含むのが牛乳なのです。牛乳というと完全栄養食品とも呼ばれ、健康な体をつくるために欠かせないものですよね。学校給食でも何十年にもわたって出されてきました。その理由を裏付けるように、脳にとっても牛乳は完全栄養食品になっているのです。『かしこい子どもに育つ! 「育脳離乳食」:脳をはぐくむ食事は0歳から』小山浩子 著/小学館(2018)『こどもの脳は、「朝ごはん」で決まる!』小山浩子 著/小学館(2015)■ 管理栄養士・小山浩子さん インタビュー一覧第1回:子どもの脳は“親の愛情”と“食事”で育つ!「育脳」に効く食材の選びかた第2回:“パン&〇〇”で最高の朝食になる!脳が育つ食べ合わせ「5つの黄金ルール」(※近日公開)第3回:“美味しい”か“美味しくない”か。結果がすぐにわかる料理は、子どもがPDCAを学ぶのに最適(※近日公開)第4回:「お米さえ食べさせておけば大丈夫」が危険な理由。手抜きでも脳に効く朝ごはんとは(※近日公開)【プロフィール】小山浩子(こやま・ひろこ)1971年9月5日生まれ、愛知県出身。料理家、管理栄養士、フードコーディネーター。大手食品メーカー勤務を経て2003年にフリーに。料理教室の講師やコーディネート、メニュー開発、健康番組への出演など幅広く活動する。料理家としてのキャリアは20年以上。これまで指導した生徒は5万人以上に及ぶ。著書『目からウロコのおいしい減塩「乳和食」』(社会保険出版社)で、2014年グルマン世界料理本大賞イノベイティブ部門世界第2位を受賞。健康とつくりやすさに配慮したオリジナルレシピにファンが多い。2015年には日本高血圧協会理事に就任。また、日本ではじめて育脳をコンセプトにした離乳食を監修()。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年01月16日恋愛脳は実は男女で異なっていると言われていて、それが原因ですれ違ってしまうこともあるようです。今回は、そんな男女で違う恋愛脳について解説していきます。恋愛脳とは何か恋愛脳とは恋愛至上主義と呼ばれることもありますが、それ以外にも恋愛をしている時に生まれる考え方や本能のことを指しています。これはこれまでに培ってきた経験や性格、価値観などによって異なっているのはもちろん、男女でも違いがあるのです。このような恋愛脳は恋人として過ごしていくために必要なものではあるのですが、それぞれの恋愛脳による言動がすれ違ってしまうと喧嘩をしたり別れの原因になってしまうこともあると言います。特に男女の恋愛脳の違いはすれ違いを生みやすいと言われているので、その点を踏まえて恋人の言動に対応していく必要があるのです。男性の恋愛脳について男性の恋愛脳の特徴として挙げられているのが、独占欲の強さです。男性は元々恋愛をすると独占欲や闘争心が強くなるため、恋人を自分だけのものにしたいと考えやすい傾向にあります。恋愛脳の男性は特に独占欲が強くなるため、ちょっとした恋人の言動に不安を感じやすくなると言います。また好きになったら熱が急激に高まりやすいところも、男性の恋愛脳の特徴です。最初は男性が相手を追いかけるのですが、最初に急激に高まった分徐々に冷めてくるので最終的に女性が男性を追いかけるということが珍しくありません。ほかにも相手の気持ちを察することが苦手であったり、物事を忘れることが得意であるなどの欠点も挙げられています。女性の恋愛脳について女性の恋愛脳は男性の恋愛脳と比較すると、相手の気持ちを察する能力に長けている点や物事をいつまでも覚えていられる点が大きな特徴です。このため相手のちょっとした変化をすぐに察することができますし、記念日や恋人との会話内容もしっかり覚えていられます。ただこれを男性側にも要求することが多く、それがすれ違いの原因となることも少なくありません。また男性の恋愛脳よりも独占欲が弱いところや好きになったら徐々に熱が高まっていくところなど、付き合いが長くなってからようやく愛情が強くなる傾向がみられるところも特徴です。このような違いから、男女の恋愛はすれ違ってしまうことが多いと考えられています。
2019年01月08日テレビを見ながら、スマホを見ながら……なんとも「ながら」が多い私たちの生活。脳のエネルギーの6割が浪費されているとか。1日1分の「瞑想」で脳を休ませ、落ち着かせて!「スマホやSNSの普及により、この10年間で情報量は千倍近くになっているといわれています。こんなに情報過多だと、脳が情報を処理しきれずに、疲弊してしまいます。私のもとにも、原因不明の疲労や体調不良で来られる方が急増していますが、脳疲労が原因と思われる方が非常に多いです」こう話すのは、臨済宗建長寺派林香寺の住職で精神科・心療内科医でもある川野泰周先生だ。私たちは、起きている半分くらいの時間を、「マインドワンダリング(=心ここにあらず)」という状態で過ごしているのだという。これは、テレビやスマホを見ながら食事をする、歩きスマホをするなど、複数のことを同時にするときに起こる状態だ。「マインドワンダリングのとき、私たちの脳の状態はDMN(デフォルトモードネットワーク)といって、目の前の物事以外にも注意力を使っている状態なのです。このDMNによって、私たちは脳のエネルギーのなんと6割以上を消費しているともいわれます」(川野先生・以下同)つまり、1日の大半は脳のエネルギーをダダ漏れ状態にしているようなもの。これでは、脳が疲労してしまうのも無理はない。脳疲労は日常業務にも影響するが、慢性的に蓄積すると、自律神経失調症、うつ病などの疾患にもつながる可能性も指摘されている。川野先生は、SNSの弊害も指摘する。「SNSをし続けていると、他人の“リア充”生活を見続けることとなり、人と比べて自分を卑下してしまうという負のループに陥りがちです。ここでネガティブに陥った自分を無理にポジティブに納得させようとしても、脳が拒否反応を起こすだけ。かえって逆効果です」脳の疲労を軽くするため、川野先生が提案するのが「瞑想」。とはいっても、山や寺にこもったり、難しいことをする必要はなく、読者が簡単に取り組める日常生活の中でできる「ずぼら瞑想」だ。「基本的には『今この瞬間に体験していることだけに注意を払う』『善しあしなどの判断をしない』ことです。たとえば、何かを『悪い』と判断してしまうと、その反対の『よい』ものにしがみつこうとする“執着”が生まれてしまいます。単純に、生じた感覚を“観察”するだけ。ひとつひとつの行いから気づきが生じるので、それを受け入れるのです。積み重ねていくうちに自然と心に余裕ができ、脳の疲れも取れていくはずです」いくつかエクササイズを挙げてみよう。【1】納豆を混ぜる強くなる粘りを手にじっくり感じながら、丁寧に、ただ混ぜよう。「混ぜれば混ぜるほどグルタミン酸が溶け出しますので、おいしさもアップします。卵を混ぜるときも同様に」【2】文字を書く、円を描く書くものはボールペンでも筆ペンでも構わない。「大事に紙を用意し、ゆっくり落ち着いて字を書いたり、円を描くという行為は、とても気持ちがいいものです。このとき、『うまく書けなかった』などの“判断”をしないように。今日の自分の状態はどうか、円は丸く描けたか、ゆがんだかといった事実を受け入れるだけです」【3】キャベツの千切りをする「今日の包丁の切れ味はどうか、自分の包丁さばきはどうか、キャベツのどの部分を切っているのかなど、手の感覚も“観察” しながら切ってみましょう」大根をおろしたり、ねぎを刻むときも同様に。たとえ1日1分でも、こうしたエクササイズを積み重ねていけば、脳の疲れが取れて、心が乱れにくくなるという。早速、日々の生活に取り入れてみよう!
2018年12月25日「胃もたれ、胸やけ、食欲不振、胃が痛む、さらには肩こり、ストレス過多……。これはすべて、胃弱の症状です」そう話すのは、“血管先生”こと総合内科医の池谷敏郎先生。自分も子ども時代に胃が弱かったことや、胃に不調のある多くの患者を診てきた経験から、人々に胃弱を改善してほしいと、『人生は「胃」で決まる!胃弱のトリセツ』(毎日新聞出版)を11月に出版した。「胃弱とは、胃や食道の一部がうまく働かずに、不調が起きている状態のことです。胃は“ものを言う臓器”。『痛い』『ムカムカする』などさまざまな症状を、“声に出して”訴えてくれます。でも、なかには『食欲がないのは単に疲れているから』とか、自分の胃の声を聞かない人も多い。女性の半数は胃弱だといわれていますが、こうした自覚のない“隠れ胃弱”を含めると、胃弱人口はさらに増えると思われます」ある調査では、胃の不調を訴える人が多い時期は12月と1月だった。忘年会と新年会が重なり、胃に負担がかかるからだと思われる。「胃弱だと食事をしても幸せを感じられません。それどころか、やる気や集中力も低下させ、暮らしの質も下げてしまう」さらに、こんな恐怖も……。「胃弱を放っておくと、動脈硬化や胃がん、食道がんなどの病気のリスクを高めます。さらに、胃を守ろうと前傾姿勢になるため、肩や首がこったり、腰痛を引き起こすのです」こんな症状があったら、胃弱を疑おう。□肩こり、首こり、腰痛がある□朝食が食べられない□胃のあたりを無意識に触ってしまう□下痢や便秘が多い□気が付くと、うつむき加減になっている□緊張したりすると、胃がキリキリ痛む□ゲップが頻繁に出る一口に胃弱といっても、症状や原因はさまざま。代表的なものを池谷先生に解説してもらおう。「まず慢性胃炎。原因の大半が『ピロリ菌』です。検査を受ければ、菌がいるかどうかはすぐわかりますし、いたら除菌できます。慢性胃炎は胃がんのリスクも高まるので、ぜひ検査を受けてください。次に、原因不明の胃の異常である『機能性ディスペプシア(FD)』。胃の自律神経失調症ともいわれ、胃痛、気持ち悪さ、おなかが膨らむ感じなどの症状があります。そして『胃食道逆流症(GERD)』。胃酸や胃の内容物が逆流して食道が傷つき炎症が起こる。胸やけ、喉に酸っぱいものが上がるなどの症状が出ます」さらに池谷先生は、生活習慣とストレスも大きな要因だと話す。「アルコールやたばこ、カフェインの摂取、不規則な生活、睡眠不足も原因です。自律神経の働きは胃に影響を与えるため、人間関係の悩み、家庭や職場のストレスも胃にきます」池谷先生は長年の診察経験から、40代以上の女性に共通する“ストレスの原因”に気付いたという。「それは夫の存在です。夫からのストレスは、胃にまで悪影響を及ぼす。胃弱は『夫源病』なのです。さらに、更年期による女性ホルモンの低下も、胃弱を引き起こす要因になります」これに同意する人も多いことだろう。
2018年12月19日心の病気を治療する方法として医療現場でも用いられているほど、世界ではポピュラーな“脳のケア法”である、「瞑想」。若い世代に急増中と言われている“お疲れ脳”にも瞑想を取り入れて疲れ知らずの体にしよう。瞑想は日常的に取り入れることで不調を未然に防ぐことができる。「ちょっと疲れてるかも」と感じたときに、気軽に試してみよう!精神科・心療内科医で、臨済宗建長寺派林香寺住職でもある川野泰周先生に教えていただきました。【歩行瞑想】会社の行き帰りを有効活用。足裏の感覚を追いかけるだけの手軽な瞑想。階段を利用して行うと、筋肉が伸びる感覚や足を踏みしめる感覚をより感じやすくなる。1.自然な呼吸を続けながら、いつも歩いているのと同じスピードで歩く。2.右、左、右、左と、足裏が地面に着く・離れる感覚に注意を向け、客観的に観察する。3.リズムに合わせるのではなく、歩いている足の感覚をあとから追いかけるイメージで行うこと。【つり革瞑想】通勤電車のストレスを軽減。心も体もぐったりさせる、通勤時の満員電車。イメージの力を借りた瞑想法を使って、車内から心を自由にし、ストレスから解放されよう!1.つり革や柱につかまり体のバランスをとる。安定したところで目を閉じ、呼吸瞑想をする。2.ビーチでのんびりしたことや、温泉に浸かった感覚など心が穏やかだった状況を思い出す。3.そのときの景色、音、香りなどの五感を頭の中で再現する。最後は深呼吸をして現実に戻る。【ボディスキャン瞑想】寝る前に、体のSOSに耳を澄ませる。心や脳だけでなく、自律神経の乱れからくる体の不調に効果を発揮するのがこの瞑想。眠る前の5~10 分を利用すれば、安眠効果も。1.仰向けに寝て、まずは一度深呼吸。その後、約1分間呼吸瞑想をする。2.「頭」に注意を向け、重さや熱さなど頭のあたりに感じるすべての感覚を意識する。1分間。3.一度深呼吸して頭に向けた注意をリセットし、「首肩」「腰」「足先」と順に同じことを続ける。【食器洗い瞑想】家事の時間を利用して仕事の疲れを癒す。体を使ってモノを綺麗にする作業は瞑想向き。食器洗いに限らず、トイレ掃除、お風呂掃除、洗濯など、家事の時間を瞑想に応用できる。1.いつものようにスポンジに洗剤をつけて泡立て、お皿を洗う準備をする。2.洗剤の香り、水の温度、泡立ち方、キュッキュとなる感覚と、五感を使って作業に集中する。3.同時多発的に五感を働かせるのではなく、一つ一つの感覚を切り離して順番に観察すること。【コーヒー瞑想】食べすぎ防止でダイエット効果も。食べる・飲むを五感で感じることで満足感がアップし、ストレスによるドカ食いを抑えられる。どちらも一口目に行うだけで十分な効果が。1.コーヒーを用意する。買ったものでも、自分で淹れたものでもOK。深呼吸で呼吸を整える。2.手のひらに伝わるカップの温度、立ちのぼる湯気の香り、コーヒーの色みを感じる。3.目を閉じてゆっくりと口に含み、舌で感じる味、鼻から抜ける香り、喉を伝う感覚を感じる。【食べる瞑想】食べすぎ防止でダイエット効果も。1.呼吸を整え、「食べる」という気持ちを高める。食事を観察し、どんな味がするか想像する。2.食材を取り、ゆっくり口に含む。食材を舌の上で転がして、味や形を感じたあとで噛みしめる。3.何度も咀嚼して味わってから飲み込み、食べ物が喉を通って胃に落ちる様子を感じる。川野泰周先生精神科・心療内科医。臨済宗建長寺派林香寺住職。寺務の傍ら、横浜市内のクリニック等で禅やマインドフルネスを取り入れた診療を行う。主著に『ずぼら瞑想』(幻冬舎)。※『anan』2018年11月21日号より。イラスト・中根ゆたか取材、文・黒澤祐美(by anan編集部)
2018年11月18日「脳」をもとにして考えられ、その斬新なダイエット法が数々のメディアで紹介されている「脳科学ダイエット」。先端脳科学研究に携わり、脳科学に関する本を多数手がけている久賀谷亮先生が提唱するこのダイエット法、実は産後太りにお悩みのママにもおすすめできるといいます。今回は、 『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』 (主婦の友社)を出版された久賀谷先生に、脳科学ダイエットとはどんなものなのか、なぜママにおすすめできるのか。その理由についてお話をうかがいました。お話をうかがったのは…医師/医学博士久賀谷 亮 先生イェール大学医学部精神神経科出身。アメリカ神経精神医学会認定医。日本で臨床及び精神薬理、イェール大学で先端脳科学研究に携わる。その後、臨床医として精神医療の現場に従事。2010年、ロサンゼルスで「TransHope Medical」を開業。マインドフルネス認知療法、TMS磁気治療をとりいれた診療を行っている。 ■「太りにくい脳」をつくる脳科学ダイエットとは? ――久賀谷先生、本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、先生は脳科学の研究をされていますよね。先生が書かれた『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』のなかの「脳科学ダイエット」とは一体どのようなものなのでしょうか?久賀谷亮先生(以下、久賀谷先生):このダイエット法は極端にいえば「食べ方改革」なんですね。焦点をおいているのは「食べ方」であって、「食べるもの」ではありません。――食べ方改革…!久賀谷先生:ダイエットに悩んでいる人は感情にまかせてドカ食いしたり、おなかも空いていないのに食べてしまったりして、食べるものがどういうものなのか知らずに食べていることが多いのではないでしょうか。――私も経験がありますが、食べることで気分を紛らわせたいと、どんどん口に入れてしまう…。食べるもの自体には注意を向けていないことが多いですね。久賀谷先生:そうですよね。脳科学ダイエットの基本はそこにあります。今までなに気なくしていた「なにか」に「注意を向ける」ということなんです。なにかに注意を向けることを脳科学では「マインドフルネス」と呼びます。――マインドフルネス…。初めて聞いた言葉です。注意を向ける…とは?久賀谷先生:例えば、目の前に緑の葉をつけた木が生えているとします。目をひかれて見ますよね。注意が向くことで「清々しいな」とか「きれいな緑色をしているな」という思いがわくこともある。これがマインドフルネスです。シンプルに、なにかに注意を向けることなんですね。――なんだかものすごく簡単で、それでいて奥が深そうな…。このマインドフルネスとダイエットがどう結びつくのでしょうか?久賀谷先生:注意を向けることで得られるメリットのひとつは「普段なに気なくやっていることがいかに多いか」に気づけることです。そして「食べること」はその最たるものではないでしょうか。考えごとをしながら数分で食事を終える、おなかが空いてないのに食べる。なにを食べているのか、たいして意識もせずに食べる。マインドフルネスを意識すると、そうした食べ方を変えていくことができるのです。■リバウンドしない「ついつい食べてしまう」を防ぐ食習慣――食べ方が変わると、体も変わっていくということでしょうか?久賀谷先生:そうですね。マインドフルネスをダイエットに応用して食事をする場合、「自分の体の呼吸と感覚を意識する」「食べものをじっと見たり、かいだりして体の反応を確かめる」「なぜ食べたいのかに思いをめぐらす」といった行動があります。そのどれもが好奇心を持って「今あるなにか」に注意を向けていることになるんですね。これは食事の仕方だけではなく、食欲を感じたときにも応用ができます。食欲という衝動があることに気づく、受け入れる、調査する、記述する。注意を向けることで欲求を管理することができるようになるのです。――なるほど。注意を向けると「食べたい!」という欲求とも向き合えるようになるんですね。久賀谷先生:依存と習慣による「ついつい食べてしまう」という行為は継続的な働きかけで変えていくことができるんです。それに有効なのがマインドフルネスなんですね。「今あるなにか」に注意を向ければ、我慢しなくとも「太りにくい脳」へと変化していくことができる。マインドフルネスはダイエットに有効であるという科学的な根拠もありますし、新たな習慣になるから脳が覚えて、内面の本質から変わる。だから、形だけの制限で本質が変わっていないから起こるであろうリバウンドもしにくいと思うんです。■「マインドフル・ダイエット」忙しいママに最適な理由――マインドフル・ダイエットは科学的に見ても集中力アップ、感情調整力アップ、免疫機能アップといった効果があるようなので、ぜひとも試してみたいです。…でも子育てに仕事に忙しいママでも、できるものなのでしょうか?久賀谷先生:お母さんは毎日忙しいですよね。でもマインドフル・ダイエットは時間がなくてもできます。例えば、運動をしてやせようと思った場合は、2~30分などある程度まとまった時間が必要になりますよね。でもマインドフル・ダイエットの基本は「注意を向けること」です。だから子育てしながらの生活でも、やりやすいと思います。――本当ですか! 注意を向けるだけでいいのであれば自宅でも会社でもできそうですよね。場所に左右されないのはうれしいです。久賀谷先生:お子さんを持つお母さんは、毎日やることがいっぱいですよね。余裕がなくなって怒りっぽくなったり、感情的になったりすることもあるでしょう。マインドフルネスは食習慣を変えるだけではなく、自分自身の状態にも注意が向けられるので、ネガティブな感情ともうまく付き合えるようになると思います。――科学的にみてマインドフルネスは「感情調整力があがる」というのがそれですね。アンガーマネジメントにもなりそうな。久賀谷先生:アメリカではマインドフルをつけるのがブームになっているのですが、マインドフル・ペアレンティングといって親子関係を良好に築くために有効な方法としても活用されているんです。――一緒になにかに注意を向けてみることで、親子関係に良い変化を生み出せるんですね。久賀谷先生:そうですね。マインドフルネスには本当にさまざまな効果があるといわれているんです。なかには、10歳くらいの子どもに半年間マインドフルネスを行わせた結果、算数の成績が上がったとのデータもあります。――それはすごい! マインドフルネスのコツをつかめるようになったら、今度はわが子にもやり方を教えてあげたり、一緒にやってみるともっとたくさんの効果を感じられそうですね。マインドフル・ダイエットの基本は「なにかに注意を向ける」こと。そうすることで自分の状態、自分の身に起きていることをじっくりと味わうことができるようになります。次回は「食べたくて仕方ない!」という欲求はどこからくるのか? 脳科学ダイエットから見る「食欲との付き合い方」についてお話を聞いていきます。参考図書: 『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』 (主婦の友社)著者 久賀谷亮/1,598円(税込) やせにくい脳から太りにくい脳へ。最先端の脳科学を応用した脳から変えるダイエット法をまとめた一冊。巷にあふれるダイエット法は「~してはいけない」「~しなければならない」などの制限や命令がつきもの。けれど科学的研究で効果があると明らかになった脳科学ダイエットなら、そのしがらみから解放されます。人の食行動を変えるマインドフルネスとは何か?ダイエットシェアハウスで共同生活をする5人のストーリー仕立てで教えてくれるので仕組みが分かりやすい! ダイエットとは心と脳を満たすこと。本質的なことを教えてくれるダイエット本です。
2018年11月17日「なにかいいことがあっても脳はすぐに忘れてしまいます。しかし毎日、自分や家族のプラスイメージの写真を目からインプットすることで、そのつど脳にそれが上書きされ、強化される。それが自己肯定感を高めるんです」そう話すのは、脳科学者の篠原菊紀先生(諏訪東京理科大教授)。今年、ベストセラー『「親力」で決まる!』の著者で教育評論家の親野智可等先生と「ほめ写プロジェクト」を立ち上げた。「ほめ写プロジェクト」は、玄関、リビング、ダイニング、トイレ……家じゅうに、「家族のがんばっているシーン」「家族が目標を達成したシーン」「家族仲よくしているシーン」の写真をプリントして貼りまくるというもの。親が職場でがんばっている写真、運動会の写真、入学式や旅行先での家族写真などを毎日、目にすることで、子どもが自分に自信を持てるようになることを普及する活動だ。具体的なやり方は次のとおり。【1】家族の“ほめ写”を探す自分と夫、子どもを撮ったスマホの保存データやアルバムをすべてチェック。夫、子どもががんばっている写真、目標を達成したときの写真、みんなが笑っている家族写真を選び出す。【2】今の“ほめ写”を撮るあなたや夫、子どもが家事しているところ、自治会で草むしりしているところ、お稽古事で必死になっているところ、パートの職場での光景などを照れずにスマホで撮りまくる。【3】選んだ写真をプリントする家族で話し合って、【1】と【2】から部屋に貼る写真を選び、プリントする。Lサイズだけでなく、いい写真は大判のA4サイズにするなど、大きさに変化をつけることも効果的。【4】家じゅうに“ほめ写”を飾るプリントした写真を貼り切れるだけの新聞紙大のクリップボードを数枚用意。玄関とダイニング、トイレ、廊下などに、人の目線の高さを意識してプリントした写真を飾る。【5】家族で写真について語り合う家族で食事をするときなど、壁に貼られた写真を話題にし、「最近ママ、PTAでがんばってるね」「あの温泉旅行楽しかったね」など、家族でほめ合うことを習慣化する。「最初に話を聞いたときには、正直、半信半疑。ところが実際に脳の活動実験をしてみたところ、その効果の大きさに舌を巻いたというのが本音です」(篠原先生)篠原先生は、自宅にほめ写を貼って3週間生活した16人の子どもと、貼らない8人の子どもにグループ分け。全員に本人の写真を見せたときの脳活動を測定した。その結果、ほめ写に囲まれて3週間を過ごした子のほうが、自分の写真を見ると脳の「腹内側前頭前野」が活性化することがわかったのだ。「これは自分の写真を見ると脳が快になっている証し。つまり自己肯定感が非常に強くなっていることの裏付けでした」(篠原先生)なぜほめ写にこれほどの力があるのか?「なにかいいことがあっても脳はすぐに忘れてしまいます。しかし毎日、自分や家族のプラスイメージの写真を目からインプットすることで、そのつど脳にそれが上書きされ、強化される。それが自己肯定感を高めるんです」(篠原先生)篠原先生はこの効果はじつは大人も同じだという。「脳の仕組みは子どもも大人も同じ。家族に子どもがいる、いないに関わりなく、ほめ写を家じゅうに貼っている家庭は家族全員の脳にいい影響がでるはずです」(篠原先生)これを受けて親野先生は次のように語る。「私はこれまで講演などでずっとほめ写を勧めてきました。実際に実践したお母さんからは『家族全員の会話が増えた』『家で怒る回数が激減した』などの声が届いています。みなさんでほめ合うことで家庭は自然に明るくなる。当然、それはお父さんやお母さんにとっても自分の夢をかなえる大きなエネルギーになりますよ」「“ほめ写”で夢の実現」のプロセスはこうだ。【1】家族の“ほめ写”を家じゅうに貼る【2】毎日“ほめ写”を目にし、それについて家族みんなで語り合い、ほめ合う【3】家族全員が前向きになり、自然と家事や勉強などをやるようになる【4】あなたや夫が怒る回数が減り、イライラやストレスが激減【5】叱ったり、叱られることが少なくなることで、家族みんなの自己肯定感が増す【6】自分に自信が持てるようになり、夢をかなえるエネルギーが生まれる【7】家族みんなの夢がかなう「最初は他人の目が気になるかもしれませんが、恥ずかしがらずにとにかくいっぱい貼ることです。家を訪れた人は最初は驚くかもしれません。でも理由を聞けば必ず『なるほど、いいね』と思ってくれますから、始める勇気が大切。それと、お父さん、お母さん、子どもたちの写っている枚数を均等にすることも大事。兄弟姉妹で片方が少なかったり、お父さんの写真が少なかったりするのは不公平感が家族に生まれ、かえって逆効果になります」(親野先生)子どももあなたも自然と元気になって夢がかなう魔法の「ほめ写」。まずは古いアルバムやスマホに撮りためた写真を見返すことから始めてみてはいかがだろうか。
2018年11月07日脳と血糖値には深い関係があるのをご存じでしょうか?仕事や勉強の妨げになるような食後の眠気や集中力の低下などは血糖値が原因かもしれません。血糖値が脳に与える影響と血糖値を安定させる方法をご紹介します。血糖値が脳に与える影響とは空腹時に糖質を多く含む食事をすると、血糖値が急上昇します。上昇した血糖値を下げるために、すい臓から大量のインスリンが分泌され、血糖値は急激に低下します。すると、脳に糖分がいかなくなり、眠気を感じるのです。そこで、脳はブドウ糖が足りないと感知し、再び血糖値を上げるためにアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を指示します。(※1)その結果、イライラや集中力の低下が引き起こされます。集中力の維持には、食後の血糖値の上下をなだらかにすることが重要です。血糖値を安定させる4つの方法1.野菜から先に食べる(ベジファースト)空腹時にいきなり白米など糖質が高いものを食べると、急激に血糖値が上がり、大量のインシュリンが分泌されてしまいます。しかし、野菜や汁物から食べることで、それらに多く含まれる食物繊維が糖の消化吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。2.主食を玄米・全粒粉パンなどに切り替える普段の食事で、主食として食べている白米やパンを低GIの玄米・全粒粉パンにかえると、血糖値の乱高下を抑えることができます。GIの低い玄米やそば、全粒粉パンは精製されていない部分に、食物繊維やミネラルが残っているため、糖の吸収も穏やかになり、血糖値の急上昇を防げます。3.甘いお菓子を控える甘いお菓子や甘い飲み物は、砂糖が多く使われているため、血糖値を急激に上げてしまいます。また、洋菓子などは油分が多く、カロリーも高いので、健康のためにも食べ過ぎはよくありません。食べる場合は低GIにものを選びましょう。例えば、一般のチョコレート(GI:91)→ブラックチョコレート(GI:22)にかえると大幅にダウンできます。4.3食規則正しく食べるポイントは空腹になりすぎないことです。食事と食事の間は4~5時間くらいがベストといわれていています。その理由は、「空腹時間が長い=飢えている」とカラダが判断し、大量のエネルギーを吸収しようとしてしまいます。これが急激な血糖値の上昇につながってしまいます。次の食事まで時間が空きすぎてしまう場合は、間食をおすすめします。アーモンド・ヨーグルト・甘栗・牛乳・豆乳・野菜ジュースなどを食べれば、タンパク質やカルシウムの不足しがちな栄養素も一緒に補うことができます。 午後の仕事のパフォーマンスや勉強も昼食次第と言っても過言ではありません。ぜひ、食後の血糖値を最適化して、高い集中力を発揮したいですね。【参考】(※1)姫野友美心療内科に行く前に食事を変えなさい青春出版社(2016年p31) 【執筆者】衞藤敬子/管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
2018年10月05日「健康によくない」「ダイエットの敵」として認識されがちな脂質。実は、脳の機能を維持し、集中力や記憶力に欠かせないということをご存じですか?脂質は、重量にして脳の50~60%を占めています。特に重要なレシチン・オメガ3・コレステロールについて解説します。3つの種類と効果1.レシチンレシチンという脂肪酸は、記憶に関係する脳内物質「アセチルコリン」と「ミエリン鞘」の原料です。アセチルコリンは記憶力に関係する脳内物質です。人の顔は覚えているのに名前を思い出せないなどという記憶力の低下は、アセチルコリンの不足によるものです。ミエリン鞘は脳細胞同士の情報リレーをサポートする物質です。レシチンが不足し、ミエリン鞘が弱くなると、次の脳細胞に情報が届かなくなります。すると、買い物に出かけ、いざお店に着いたときに何を買おうとしていたか忘れてしまうなどの物忘れが起こります。2.オメガ3DHAやEPAなどのオメガ3とよばれる種類の油は、脳神経の発達や機能の維持に欠かせません。 特にDHAは脳の伝達情報に必要な神経細胞を活性化し、判断力や集中力を高めてくれます。また、EPAは血中の中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする働きがあります。脳内の血管の若々しさを保ち、幸せホルモン「セロトニン」の働きも良くしてくれる物質です。3.コレステロール体内のコレステロールのうち、4分の1が脳に存在します。脳の神経細胞は高度な情報処理をしているため、複雑な形をしています。その細胞膜の形と柔軟性を維持しているのがコレステロールです。ストレスに強い体をつくる副腎皮質ホルモンや性ホルモンもコレステロールを原料にしています。脂質のとり入れ方のコツ5つ1.卵を食べる卵黄に含まれる卵黄レシチンは、脳内の神経伝達物質のもとになります。また、卵はコレステロールを多く含む食材として知られているため、気になる方は避けがちですが、食事からとるコレステロールで、すぐに高コレステロールになることはありません。2.大豆製品をとり入れる大豆にはレシチンが含まれています。最近、大豆製品をとれていないなという人は、間食に豆乳を飲んでみて下さい。3.魚を食べる魚の中でも、さんまやさば・マグロやいわしなどの青魚にDHAやEPAが多く含まれています。特にイワシにはDMAE(ジメチルアミノエタノール)が含まれており、脳を活性化します。DHAやEPAは熱に弱く酸化しやすいので、お刺身で食べるのがベスト。煮魚やグラタン、缶詰などもいいいですね。天ぷらやフライなど高温で加熱する調理法は、貴重な脂肪分が半分以上流出してしまいます。4 .亜麻仁油やしそ油を使う細胞の機能を正常に保つには、オメガ3とオメガ6のバランスが大切です。しかし、日常的に使われる食用油や市販のドレッシング、加工食品で使われているのは、オメガ6のリノール酸がほとんど。そのため、オメガ6系の脂肪酸が過多になりがちです。オメガ3の亜麻仁油やしそ油を使い、積極的にオメガ3脂肪酸を補いましょう。オメガ3とオメガ6の理想の割合は1:1。現代の日本人は1:4でオメガ3の摂取量が少ないので、意識してとり入れたいですね。(※1)5 .チアシードをとるチアシードは、オメガ3脂肪酸であるα‐リノレン酸が豊富。グレープフルーツジュースやオレンジジュースに浸して吸水させ、塩こしょうや亜麻仁油・しそ油などを加えて味を調えるとデリ風サラダドレッシングが作れます。少しの工夫でオメガ6をオメガ3に置き換えることができます。記憶力を維持・向上するために、脳に必要な脂質をしっかり補って、健やかな毎日を過ごしたいですね。【参考】(※1)生田哲「食べ物を変えれば脳が変わる」PHP新書(2012年P62)生田哲「食べ物を変えれば脳が変わる」PHP新書(2012年P6,40,148)姫野友美「心療内科に行く前に食事を変えなさい」青春出版社(2016年P108~115) 【執筆者】衞藤敬子/管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
2018年09月20日少しずつ認知症の症状が現れるアルツハイマー型認知症とは異なり、脳梗塞、脳出血などの脳血管が原因で認知症になる人は少なくありません。しかも、脳梗塞は40代、50代でも発症します。とはいっても、脳梗塞は生活改善などで防ごうと思えば防げる病気です。ここでは脳梗塞で認知症を発症した人の介護について、一例を紹介します。参考になれば幸いです。■ ある日突然、父が倒れて自宅で介護することに…同居している義理の父親(78歳)が脳梗塞で倒れ、退院したら自宅での介護を考えているという主婦A(48歳)さん。KY / PIXTA(ピクスタ)Aさんのご主人は営業部で出張も多いため、主介護者となるのは必然的に自分だろうと感じていました。Aさんは事務職で比較的休暇が取りやすく、仮に会社を辞めてもご主人の収入でなんとかなるとも考えました。当初、Aさんは自宅で介護(在宅介護)するか、介護施設に入所させるかで悩んでいました。しかし、父の意識はしっかりしているため、施設入所はやはり気が引けました。■ 離職せず介護休業を利用して介護に専念Aさんは結局、自宅で介護という方法を選択しました。そして、現在の仕事について、次の4つの選択肢を考えました。勤務時間を短くして早く帰宅し、介護できるようにする地元のスーパーなどでのパートに切り替える自宅でできる仕事をする仕事をしないで介護に専念するAさんが選択したのは1でしたが、上司に相談すると、しばらく介護休業をとればいいとアドバイスされました。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)介護休業は雇用保険から介護休業給付金が支給され、1回の介護休業期間は最長3か月です(介護休暇は最長5日間)。言われるまま介護休業をとり、父の介護に専念することにしました。■ 自宅でリハビリと介護に追われる日々に3か月ほど入院して自宅に帰ってきた父は、左半身麻痺と言語障害がありましたが、自分でご飯を食べたり、トイレに行くことはできます。KY / PIXTA(ピクスタ)リハビリ通院によって父親も機能回復を目指して頑張っていました。あまり回復はしないものの、現状を維持しながらそれなりに自立した生活が続きました。Aさんの介護は食事づくりと食事介助、歩行訓練の手助けや見守り、薬の管理、トイレ介助などです。歩行中に倒れると自分では起き上がれないうえ、下手をすると命の危険性もあります。自宅であっても目が離せないのです。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)■ 「デイケア」に通い介護者も負担が軽減Aさんは父親に、より質の高いリハビリを受けさせようと考え、デイケアを利用することにしました。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)要介護3の父は毎日楽しくデイケアに通うようになり、Aさんの負担も一気に軽減されます。そして、仕事にも復帰しました。仕事の時間を短縮して、デイケアから帰ってくる父親を迎え入れることにしたのです。ところが、事態は急変しました。昼間大人しくしていた父が夜中に起きて動き回るという異常な行動をするようになります。昼夜逆転現象の始まりでした。Aさんの疲労はこれまで以上となり、睡眠不足の日が続きます。Ushico / PIXTA(ピクスタ)■ 認知症の19%にも及ぶ!脳梗塞が原因で認知症に発展するケースも多い脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症のことを「脳血管性認知症」と呼び、認知症全体の19%にも及んでいます。主な症状としては、何に対しても意欲や自発性がなくなるとともに、感情の起伏が激しくなり、些細なことで怒ったり落ち込んだりします。NOV / PIXTA(ピクスタ)ただ、判断力や記憶力は比較的保たれています。また、手足に麻痺や感覚の障害、言語障害などの症状が現れることもあります。日中に活動する意欲が少ないため、不眠や昼夜逆転につながり、その対応に振り回される家族も睡眠不足や大きなストレスを抱えてしまいます。■ 「介護施設」に入所して落ち着きを取り戻した父その後、Aさんの父は「脳血管性認知症」を発症してしまいます。夜中に窓を割って出て行こうとしたり、家の中を歩き回るようになりました。Aさんは毎晩のように繰り返す父の対応に追われ、ついに疲労で倒れ入院してしまいます。それを見かねたAさんのご主人は、父親をグループホーム(認知症の人を対象とした介護施設)に入所させることにしました。IYO / PIXTA(ピクスタ)施設では父親に応じた介護プランが作られ、介護士が日々のケアを行います。異常行動を繰り返していた父もよやく落ち着きを取り戻し、面会に訪れるAさんとも笑顔で会話できるようになりました。Aさんの父親の場合、最初からデイサービスか施設か、という選択ではなく、自然の流れで最終的に施設に入所したケースです。自宅で介護する人が増えていますが、介護の負担が大きいか小さいかによって、最初から施設入所という選択もあり得るでしょう。脳血管性認知症の人が必ずしもこのような流れを辿るわけではありません。あくまでも参考として、一つの流れを知っておくと良いでしょう。【参考】※厚生労働省Q&A~介護休業給付~※認知症ねっと認知症とは?原因・症状・対処法から予防まで
2018年09月14日「もの忘れが多くなると、このまま脳が衰え、いずれ認知症に……と不安になる人もいます。でも諦めることはありません。脳は何歳になっても成長するのです」そう語るのは、加藤プラチナクリニック院長の加藤俊徳先生。胎児から超高齢者まで1万人以上の脳のMRI画像を分析してきた脳科学のスペシャリストだ。加藤先生の新著『50歳を超えても脳が若返る生き方』(講談社)には、驚きの“新事実”が書かれている。たとえば、中高年になると年々脳の機能は低下していくと思っている人も多いはずだが……。「加齢とともに脳の神経細胞が減っていくことは事実です。ただ、脳の全体が衰えるわけではありません。脳には使われずに眠ったままの“潜在能力細胞”が残っています。それは100年以上生きても使い切れない。だから脳は死ぬまで衰えることはないのです」(加藤先生・以下同)さらに、大人になれば脳の成長は止まるという“常識”も覆す。「ある80歳の男性の脳のMRI画像を見ると“運動機能”が弱まっていました。そこで私が脳の活性化を促すコツをアドバイスしたところ、彼はドラムの練習を開始。すると、1年後に脳が7歳程度の子どもと同じ伸び率で急成長していたのです。私はこの木が枝を伸ばすように脳が成長することを『脳の枝ぶり』と呼んでいます」脳の成長には、複数の脳の機能を使うことが重要だ。「脳の中では、同じ働きをする複数の神経細胞が集合して基地を作っています。これを“脳番地”と名付けました。なかでも脳の若返りに欠かせないものが、8つの番地です」8つの脳番地は次のとおり。【1】思考系思考や意欲、想像力をつかさどる。【2】伝達系コミュニケーションを通じて意思疎通を行う。【3】運動系体を動かすこと全般に関係。【4】感情系喜怒哀楽などを感じ、表現する。「感覚系」を通じて活性化する。【5】理解系目や耳を通じて得た情報を理解する。【6】聴覚系言葉や音を脳に集積させる。【7】視覚系映像や画像、文章を脳に集積させる。【8】記憶系ものを覚えたり、思い出したりする。「体を動かすことが好きな人は運動系が鍛えられ、楽器演奏が得意な人は聴覚系脳番地が育つ。逆に苦手なものやふだん使わない脳番地は未熟なままで年々衰えていく。ですから、これをバランスよく刺激することで、認知症を遠ざけることができるのです」では、その8つの脳番地を常に刺激するライフスタイルとは、どのようなものだろうか。「実は男性より女性のほうが、ふだんの生活で脳を活性化させているのではないかと思っています。たとえば専業主婦の方であれば、子育て、家事、近所付合い、パートの仕事はもちろん、趣味やオシャレへの関心まで、多岐にわたって脳をフル活用しています。とりわけ美の追求やオシャレなものへの物欲は脳の成長に欠かせない栄養素。脳のためには、いくつになっても“欲”は持ち続けてほしいところです」
2018年09月12日「もの忘れが多くなると、このまま脳が衰え、いずれ認知症に……と不安になる人もいます。でも諦めることはありません。脳は何歳になっても成長するのです」そう語るのは、加藤プラチナクリニック院長の加藤俊徳先生。胎児から超高齢者まで1万人以上の脳のMRI画像を分析してきた脳科学のスペシャリストだ。加藤先生の新著『50歳を超えても脳が若返る生き方』(講談社)には、驚きの“新事実”が書かれている。たとえば、中高年になると年々脳の機能は低下していくと思っている人も多いはずだが……。「加齢とともに脳の神経細胞が減っていくことは事実です。ただ、脳の全体が衰えるわけではありません。脳には使われずに眠ったままの“潜在能力細胞”が残っています。それは100年以上生きても使い切れない。だから脳は死ぬまで衰えることはないのです」(加藤先生・以下同)脳の成長には、複数の脳の機能を使うことが重要だ。「脳の中では、同じ働きをする複数の神経細胞が集合して基地を作っています。これを“脳番地”と名付けました。なかでも脳の若返りに欠かせないものが、8つの番地です」8つの脳番地は次のとおり。【1】思考系思考や意欲、想像力をつかさどる。【2】伝達系コミュニケーションを通じて意思疎通を行う。【3】運動系体を動かすこと全般に関係。【4】感情系喜怒哀楽などを感じ、表現する。「感覚系」を通じて活性化する。【5】理解系目や耳を通じて得た情報を理解する。【6】聴覚系言葉や音を脳に集積させる。【7】視覚系映像や画像、文章を脳に集積させる。【8】記憶系ものを覚えたり、思い出したりする。「体を動かすことが好きな人は運動系が鍛えられ、楽器演奏が得意な人は聴覚系脳番地が育つ。逆に苦手なものやふだん使わない脳番地は未熟なままで年々衰えていく。ですから、これをバランスよく刺激することで、認知症を遠ざけることができるのです」そこで「脳を老化させない習慣」について、加藤先生に解説してもらった。■新しいことに挑戦する「初めてのことに挑戦したいという前向きな考え方は、脳全体を活性化させますし、脳のマンネリ化を防ぎます。歯磨きを利き手と逆でやったり、自分では作らないようなB級グルメを楽しんだりするだけでも脳は元気になるのです。聴覚系と伝達系を鍛えるカラオケですが、いつも十八番ばかりの人は要注意。新しい持ち歌を増やして、記憶系や感情系、伝達系の強化をはかりましょう」■家事を楽しむ掃除、洗濯、料理など、家事は最強の脳トレ。ただし漫然とやっていては効果が半減するという。「ロボット掃除機は便利だと思いますが、せっかくの脳トレの機会を逃してしまうことになりますね。雑巾がけやホウキでの掃除は運動系を鍛えるだけでなく理解系を伸ばします。またリビングは10分、寝室は5分、と細かく掃除の時間を区切ることで、記憶系も元気になるでしょう。スーパーに行く際には、事前に買い物リストを作りましょう。1つの食材で3つのメニューを考えてみたりすることでも、思考系が活発に働きます。また料理の途中で3回以上味見をしてみてください。味見は過去の記憶を脳から引き出して比較する行為ですから、記憶系や思考系を鍛えることができます」■人とふれあう社会的に孤立すると脳は劣化していく。人とのコミュニケーションが脳の成長につながるという。「ご近所のお友達と“井戸端会議”をすることでも、聴覚系、視覚系、伝達系など複数の脳機能を使うことになります。趣味や習い事でも、社会とのかかわりが増えますね。とくに自分より若い世代の話をじっくり聞くことは効果的。今まで知らなかったことや刺激を与えてくれる情報に敏感な姿勢は、脳をイキイキとさせます。さらに人間関係を円滑にする笑顔の使い方も重要。これが右脳の伝達系を活性化しますから」■生活スタイルをキープ「文房具を長く愛用していたり、愛読書を読み返す、昔のアルバムを見返したりすることは記憶力の強化になります。早めに生前整理を、と思い切った“断捨離”をする方もいますが、それも善しあし。人生の終わりなど、これが限界だと諦めてしまうと、その時点で脳は成長を止めてしまうのです」年相応に持ち物を減らして人付合いもほどほどにと考える人は多いかもしれないが、“ひきこもり”はボケを早める可能性が。「便利すぎる生活は脳を老化させます。家の中も、多少不便なほうが脳は活性化するのです。どうせなら20歳以上、自分の年齢をサバ読んでみませんか?人は必ずしも年相応に行動をとる必要はありません。実年齢が50歳でも30歳のつもりで行動すれば、自然に体を動かす機会が増えるだけでなく、脳もその年齢の状態に戻っていくものです」なるほど。“楽チン生活”は脳を老けさせるのでご注意を!
2018年09月12日がんに次ぎ、日本人の死因の2位と4位を占めているのが、心臓疾患と脳血管疾患。「“突然”というイメージがありますが、じつは多くの場合、前兆ともいえるサインがあります。それが頭痛やめまい、いびき、夜中に何度も目が覚めるなどの症状です」そう教えてくれたのは、沖縄で“異色の歯科医”と呼ばれる宮城旺照先生。「歯科医として歯のかみ合わせの不具合を治療・観察するうちに、睡眠中の歯の食いしばりなどによって“首がこる”と、首の左右両サイドにある血管(内頸静脈)が圧迫され、血液や脳脊髄液の循環障害が起こることがわかりました。この“循環の滞り”こそが、先ほど挙げた頭痛やめまい、不眠の原因となり、そのままの状態が続くと、脳梗塞や心臓発作、さらには脳の機能障害のひとつである認知症にも向かいやすくなるのです」(宮城先生・以下同)つまり、心臓と脳の中間地点である首のコリをほぐし、血液や脳脊髄液がスムーズに流れるようになれば、原因不明と診断された多くの症状が改善され、心臓疾患や脳疾患の予防にもなるというわけだ。首の左右のコリが原因で起こる不調には次のようなものがある。■右側のコリ→ウツやパニック障害首の後ろの「右側」を流れる内頸静脈は左脳とつながっている。ここが圧迫されると、左脳の「物事を冷静にとらえる」機能に異常をきたし、落ち着かない、不安が増すなど、精神疾患につながるケースが多い。■左側のコリ→頭痛などの不調首の後ろの「左側」は、右に比べて約2倍の太さの内頸静脈が流れ、まさに「命綱」ともいえるスポット。ここがこって循環が滞ると、頭痛をはじめ、脳梗塞、くも膜下出血など、命に関わる病気につながる危険性が高い。「そこでぜひ実践してほしいのが、道具もコツもいらず首のコリをほぐせる“首わしづかみ”習慣です。1日1分行うだけで、その不調とおさらばできます」「首わしづかみ」のやり方は、左手を首の後ろにまわし、親指に力を入れて首をぐっと強めにつかむ。首の左側を刺激することで、血液や脳脊髄液の循環を促す。1回1分でいいので、気づいたらもむことを習慣づけよう。同様に右手で右側を刺激すれば、精神安定につながる。「首わしづかみ」を習慣づけて自分の命を守ろう!
2018年09月06日「心臓疾患と脳血管疾患には、“突然”というイメージがありますが、じつは多くの場合、前兆ともいえるサインがあります。それが頭痛やめまい、いびき、夜中に何度も目が覚めるなどの症状です」そう教えてくれたのは、沖縄で“異色の歯科医”と呼ばれる宮城旺照先生。がんに次ぎ、日本人の死因の2位と4位を占めているのが、心臓疾患と脳血管疾患だ。「歯科医として歯のかみ合わせの不具合を治療・観察するうちに、睡眠中の歯の食いしばりなどによって“首がこる”と、首の左右両サイドにある血管(内頸静脈)が圧迫され、血液や脳脊髄液の循環障害が起こることがわかりました。この“循環の滞り”こそが、先ほど挙げた頭痛やめまい、不眠の原因となり、そのままの状態が続くと、脳梗塞や心臓発作、さらには脳の機能障害のひとつである認知症にも向かいやすくなるのです」(宮城先生・以下同)心臓と脳の疾患を引き起こす仕組みはこうだ。「かみ合わせが悪い」→「睡眠中に歯を食いしばる」→「首がこる」→「頭が後ろに反り返る」→「口が開きやすくなり、首の血管も圧迫される」→「いびきや無呼吸に陥る」→「心臓や脳の疾患につながる」。心臓と脳の疾患を防ぐためには、「首わしづかみ」が効果的だという。そのやり方は、左手を首の後ろにまわし、親指に力を入れて首をぐっと強めにつかむ。首の左側を刺激することで、血液や脳脊髄液の循環を促す。1回1分でいいので、気づいたらもむことを習慣づけよう。同様に右手で右側を刺激すれば、精神安定につながる。さらに「首わしづかみ」にプラスしたい、心臓と脳の疾患を防ぐ3つの習慣を宮城先生が解説。【1】ミネラル豊富な塩をしっかりとる「血圧を気にして過剰な減塩に走るのは、逆に危険。ミネラルやマグネシウム不足を招き、筋肉をケイレンさせてしまいます。特に足がつるのは、“次は心臓がつりますよ”という体からの警告であり、“塩をとりなさい”のサイン。ただし、化学的に作られたものは避け、海水から作られたミネラル分豊富な“いい塩”を選ぶことが大切です。足がつったら、塩小さじ1杯を溶かした塩水を、治まるまで毎日飲んでください」【2】点滴のようにつねに水を補給する「水分不足は、心筋梗塞、脳梗塞のリスクを高める大きな要因に。市販の清涼飲料水(ペットボトルのお茶も含む)の多くは酸性なので尿として排出されやすく、やはり“水”で水分補給するのがベストです。じつは、のどがかわくのは、すでに体内の水分が不足しているサインで、危険な状態の一歩手前です。そうなる前に、のどがかわいていなくてもこまめ(理想は30分間隔)に水を飲み、水分補給を心がけましょう」【3】あごを引いた状態で寝る「首こりが原因で、頭を反り返した状態で寝ている人は意外と多いもの。これでは首が圧迫され、睡眠中に排出される脳の老廃物がスムーズに流れにくくなるうえ、副交感神経のスイッチがうまく入らなくなり、睡眠障害を引き起こします。さらに、口がぽかんと開きやすくなり、口呼吸が進んで、感染症や無呼吸症候群にいたるケースも。寝る際はやや高めの枕で、あごをちょっと引いた姿勢を保てるようにしましょう」【番外編】飲むべき薬は頭痛薬「頭痛の際は、我慢せず薬を飲むほうが脳にとってはいいのです。頭痛薬には血管の拡張を阻害し、血液をサラサラに保つ成分が含まれているので、脳の血管内圧を下げる効果があります。これにより、脳出血を防ぐことができ、血液や脳脊髄液の循環もスムーズになるため、脳疾患のリスクも回避できるといえます」
2018年09月06日こんにちは!ひめまるです。台風の季節ですね。雨も風も強すぎるとホントに怖いです。でもね、それが嬉しくなっちゃうタイプもいるの。それはM!ちょっとした非日常にときめく感覚ってあるじゃない?仕事や習い事や日常生活に対して、週末のディズニーランドが楽しみだったり旅行にワクワクしたり。Sは基本的に自分の管理下のもと、非日常を作ってくんです。例えば旅行とか、パーティ参加とか、飲み会主催とか。能動的に非日常を作って楽しむのが好きなのよね。それに対してMは自発的に計画したり実行したりするのに腰が重い上に、自分で作った予定に関しては仕事のように役割をこなしちゃうんです。非日常を楽しめない!なので、Mが非日常を感じるのって、もっぱら受け身の時なんです。台風も、大雪も手放しに興奮。子供ですね。逆にSは管理していたいので、受け身の非日常になると心配の気持ちが出てきます。交通機関は大丈夫かな。傘はさすと飛ばされるかな。服はこれがいいかな。Sって、自分が攻める側だから打たれ弱いのよね。もし、気になる彼にアピールしたい場合は台風を参考にしましょう。もし彼が台風やらで、心配していたり対処を考えていたらS脳男子です。S脳男子は、物事が想像の範疇である必要があるんです。なのであなたも相手が安心する想像の範疇の女性でいてあげてください。常識的な可愛くて優しい人をSは好みます。そして、台風が来た時に窓の外を見て興奮を噛みしめているM脳男子には、あなたも台風になりましょう。「えーうそ!」「なにそれ?」「そんなに?!」と相手の意表をつけばつくほど、相手はあなたの虜。 突拍子も無い破天荒な人をMは好きになりやすいんです。台風が過ぎてしまっても、近くに台風がいれば彼は毎日大興奮。笑台風になってM脳男子をぜひ落としてみてください。Written by ひめまる
2018年09月03日