借金に行き詰まり、自己破産を考えている方へ。自己破産にかかる費用とは、一体いくらなのでしょうか?この記事では、自己破産にかかる料金の内訳と平均相場を解説します。自己破産の手続きは2種類ある自己破産というと、「借金がゼロになるが資産もゼロになる」と漠然と考えている人が多いようです。確かに間違いではないのですが、自己破産には同時廃止と管財事件という2つの種類があり、その種類によって費用は異なります。まずは自己破産における同時廃止と管財事件の違いを理解しておきましょう。同時廃止同時廃止とは、財産の少ない人に適用される破産手続きの中でも簡単な方法です。破産管財人が専任されず、破産手続き開始と同時に手続きが終了します。このため、同時廃止と言います。同時廃止は手続きに時間がかかりませんし、費用もそれほどかからないのが特徴です。個人が借金問題を抱えている場合には、、同時廃止の手続きとなることが一般的です。管財事件管財事件は財産のある人に適用される方法で、破産手続きの原則的な方法が管財事件になります。管財事件では、裁判所から専任された破産管財人しか財産の整理・管理を行うことができません。破産管財人が財産を整理したり管理するため、管財人に支払う費用がかかりますし、財産が処分されるまでに時間がかかるので、同時廃止のように簡単に破産をすることができません。財産がある人にしか適用されない手続きですので、借金問題に悩んでいる個人はあまり行わない手続きとなっています。借金が返せない!個人が弁護士に依頼した時の自己破産の流れ個人が自己破産をする場合、よほどの資産や借金がない限りは同時廃止になります。自己破産には管財事件と同時廃止がありますが、ここからは同時廃止をした場合の自己破産の手続きの流れについてご説明していきたいと思います。弁護士が受任通知を債権者へ発送債権者から弁護士へ取引履歴が送付される弁護士と打ち合わせの上、自己破産申立に必要な書類を作成・収集弁護士が裁判所へ自己破産申立裁判官と2回の面談裁判所が破産手続開始決定書類や面談に問題がなければ免責許可決定で破産手続終了(同時廃止)①弁護士が受任通知を債権者へ発送弁護士へ自己破産や債務整理の相談をし、契約すると、最初に弁護士から債権者へ「受任通知」という通知を発送します。これは、自己破産手続きを受任しましたと債権者へ連絡するもので、これ以降、債権者は債務者に直接督促などを行うことはできなくなり、弁護士を通してしか連絡できなくなります。借金の督促に悩んでいた人は受任通知が発送されると督促がなくなるので、これだけで精神的にはかなり楽になります。②債権者から弁護士へ取引履歴が送付される債権者は受任通知を受け取ると、弁護士へ取引履歴を送付します。取引履歴から、弁護士はどこにいくら借金があるのかということを知ることができ、具体的な自己破産手続に入ります。③弁護士と打ち合わせの上、自己破産申立に必要な書類を作成・収集取引履歴が揃ったら、債務者と弁護士が打ち合わせを行い、自己破産に必要な書類の収集や自己破産申立書の作成に入ります。いよいよ、具体的に自己破産の手続きに入っていくことになります。④弁護士が裁判所へ自己破産申立自己破産の申し立てに必要な書類が揃ったら、弁護士が裁判所へ自己破産申立を行います。この手続きは弁護士が行うので債務者は同行する必要はありません。⑤裁判官と2回の面談自己破産の申立を行うと、裁判所に呼び出され、裁判所と面談をしなければなりません。面談は債務者尋審(さいむしゃじんしん)と免責尋審(めんせきじんしん)というものが2回行われます。ここでは、「なぜ借金が膨らんでしまったのか」「反省しているか」「今後は安易に借金をしないか」などを裁判官から聞かれます。この尋審の内容が自己破産が認められるかどうかが重要になるので、必ず指定された日に裁判所に行き、裁判官からの質問には誠実に答えるようにしましょう。⑥裁判所が破産手続開始決定債務者尋審の後に、裁判所が破産手続開始決定を行い、破産手続きがスタートします。⑦書類や面談に問題がなければ免責許可決定で破産手続終了(同時廃止)自己破産申立書の内容や提出した書類、また面談の内容に問題がなければ、免責許可決定(借金の返済義務を免除される決定)を裁判所が行い、破産手続きが終了します。同時廃止の手続きでは、破産手続開始決定と同時に免責許可決定が行われるので同時廃止と呼ぶのです。なお、特に大きな問題がなければ、この一連の手続きは3ヶ月程度で終了することが一般的です。管財事件と比較して、非常に短い時間で破産手続きが終了するのが同時廃止の特徴です。[adsense_middle]自己破産の費用は平均でいくらくらいかかる?このように自己破産の手続きには、簡単な同時廃止であってもそれなりに時間がかかってしまいます。さらに自己破産は手続きの時間以外に、お金もかかってしまいます。管財事件と比較して費用がかからない同時廃止の場合には、いくらくらいのお金がかかるものなのでしょうか?自己破産費用の相場について解説していきたいと思います。着手金の平均的な相場着手金とは自己破産の手続きをする前に、弁護士と契約する際に必要になるお金です。前金のようなものと考えておきましょう。着手金の相場は20万円〜30万円程度と、これから自己破産をしようという人にとってはなかなかの高額です。相談時に払うのではなく、あくまでも契約時に払うので、相談段階では着手金は必要ありません。なお、着手金はもしも自己破産が裁判所に認めてもらえなかった場合でも基本的に返金してもらうことはできません。弁護士事務所の中には着手金無料というところも存在します。成功報酬の平均的な相場成功報酬とは自己破産が成功した後に、その成功に対する対価として支払う費用です。成功報酬は自己破産が裁判所に認めてもらえない場合には支払う必要のないお金です。成功報酬の相場には幅がありますが、概ね20万円〜40万円とされていることが一般的です。また、免責になった借金の金額が大きければ大きいほど成功報酬が高くなるような仕組みの弁護士事務所も存在します。自己破産をして、手元の資産が没収されてしまった時に高額な成功報酬を払うのは非常に困難です。このため、自己破産に成功したらいくらくらいの成功報酬を支払わなければならないのかは、契約時に必ず確認しておくようしましょう。自己破産全体にかかる費用ここまでご紹介したのは、自己破産を行うにあたって弁護士に対して支払う報酬部分の費用です。このほかにも、自己破産をすることによって実費として発生する費用もあるのでご紹介していきたいと思います。予納金とは、裁判所に対して自己破産の手続をするにあたって支払う費用で、借入件数などによって予納金の金額は異なりますが、同時廃止の場合にはそれほどお金はかかりません。ちなみに管財事件の場合には20万円以上の予納金が必要になり、かなり高いものになっています。借金の件数や金額が少なければ、自己破産にかかる実費は3万円程度しかかかりません。なお、予納金に関してだけは分割ができないので、現金で用意しておく必要があるという点に注意してください。やはり、自己破産手続きの中で最もお金がかかるのは弁護士への報酬部分ということになります。総額で40万円〜60万円程度の費用が同時廃止であってもかかってしまうと理解しておきましょう。[adsense_middle]手元にお金がない時に自己破産する方法このように、自己破産をするためには着手金や成功報酬や実費が必要になります。そもそも、自己破産をするということは手元にお金がないから自己破産手続きを行うのですから、自己破産にかかる数十万円もの費用が手元にない場合には自己破産をすることは不可能なのでしょうか?そのようなことはありません。手元にお金がなくても自己破産ができるようになっていますし、手元にお金がなくても自己破産ができるように配慮されている弁護士事務所を選択する必要があるのです。手元にお金がなくても自己破産できる方法についてご紹介していきたいと思います。着手金がない弁護士事務所を選ぶ過払金がある場合には過払金から支払う分割や後払いでの支払い可能な弁護士事務所を選ぶ無料相談会を利用する【手元にお金がない時に自己破産する方法①】着手金がない弁護士事務所を選ぶ前述したように、弁護士事務所の中には着手金がないところもありますし、最近は債務整理手続きの場合には着手金無料とされているところが一般的です。その分、成功報酬が高くなっていることもありますが、手元とにお金がなくても債務整理を行うことができるので、お金がない人が自己破産を希望する場合には、このような弁護士事務所を選択するとよいでしょう。【手元にお金がない時に自己破産する方法②】過払金がある場合には過払金から支払う過払金がある場合には、過払金から着手金を払うことができるとしている弁護士事務所も少なくありません。また、「過払金がある場合のみ着手金あり」としている弁護士事務所もあります。この場合には、着手金を支払う代わりに成功報酬は着手金なしよりも安くなっています。債務整理を弁護士などへ相談すると、最初に弁護士が行うことは過払金の調査です。過払金の金額によっては過払金による返還分だけで借金を返済できるような場合があるので、債務整理の形が変わってきますし、着手金のあるなしによって着手金が発生するかどうかが異なるためです。過払金の調査は無料で行ってくれる弁護士事務所も多いので、相談無料という弁護士事務所へ相談するとよいでしょう。【手元にお金がない時に自己破産する方法③】分割や後払いでの支払い可能な弁護士事務所を選ぶ着手金があるものの、着手金の支払いを分割で応じてくれる弁護士事務所も存在します。しかし、このような弁護士事務所は着手金の分割払いが終了してからでないと破産申立手続きに進んでくれないことも珍しくありません。自己破産を行って財産を失ったあとでは回収が困難になってしまう可能性があるためです。いずれにせよ、着手金ありの弁護士事務所でもお金がなくても分割で対応してくれる所もあります。また、成功報酬に関しては分割ができるのが基本です。自己破産となったあとは20万円超の資産は没収されてしまうので、すぐに数十万円の成功報酬を支払えと言ってもそれは無理な話ですし、弁護士もよくその事情を理解しています。通常、1年か2年の分割での成功報酬の支払いを認めてくれますので、「自己破産をした後に弁護士に支払うお金がない」などと心配する必要はありません。お金がない人が行う自己破産だからこそ、お金がない人でも自己破産ができるようになっているのです。【手元にお金がない時に自己破産する方法④】無料相談会を利用する「どこに相談に行ったらいいか分からない」そんな時には無料相談会などに行くようにしましょう。この相談会では、無料で借金問題の相談や過払金の調査などを行ってくれます。また、このような相談会を開く弁護士事務所は借金問題解決のプロですので、必然的に借金問題に強い弁護士事務所を選択することになります。そもそもお金がない人の借金問題解決を主な生業としているので、例えば「着手金をどうしても一括で支払え」などとは言ってきません。着手金がゼロ円になっているか、分割での支払いに応じているところがほとんどですので、無料相談会を利用して自己破産手続きを依頼する弁護士事務所を探しましょう。「自分が自己破産しか方法がない」を思っていても、債務整理手続きにはいくつかの方法があり、自己破産はその中でも最後の手段です。プロに相談することで、自己破産以外の方法も検討してくれるので、自分にとってベストな方法で債務整理を行うことができるのもメリットです。無料相談会が近くで行われていないという人は、無料で相談できる法テラスなども活用するとよいでしょう。自己破産の費用に関するまとめ自己破産手続きには管財事件と同時廃止という2つの手続きがありますが、個人が借金に悩んで自己破産をする場合には、ほとんどのケースで同時廃止になります。同時廃止手続きは管財事件と比較してそれほど時間もお金もかかりませんが、それでもトータルで40万円〜60万円程度の費用がかかってしまい、この多くが弁護士費用です。弁護士費用が手元にない場合には、分割や後払いとしてくれる弁護士事務所もありますが、事務所によって対応はマチマチですので、分割や後払いに対応している弁護士事務所を探すしかありません。無料相談会を開催し、積極的に借金問題解決に乗り出している弁護士事務所は、お金がない人でも自己破産ができるように後払いや分割に応じてくれるケースが多いようです。借金を抱えているとネガティブな気持ちになってしまい、「自己破産か自殺しかない」などと考え込んでしまうものです。しかし、だからこそ、借金問題と法律のプロに相談することが大切です。無料相談会や法テラスなどにまずは相談してみましょう。
2019年06月30日借金問題を解決するための最後の手段が、自己破産です。しかし、自己破産には時間も費用もかかりますしリスクもあります。「早く借金問題を解決したい」と考えた時には、プロに相談してスムーズに手続きを行なってもらうことが懸命です。自己破産にかかる手続きにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?自己破産に必要な費用や自己破産のリスクについて、詳しく解説していきたいと思います。自己破産の手続き期間はどれくらい?自己破産にはどのくらいの手続き期間が必要なのでしょうか?自己破産の種類や手続きの流れ、借金がゼロになるまでの期間はどのくらいかかるのかについて詳しく解説していきます。自己破産の手続きは2種類ある同時廃止管財事件自己破産の手続きには同時廃止と管財事件という2つの手続きがあります。まずは、この2つの手続きの違いについてご説明していきます。同時廃止とは同時廃止とは、財産の少ない人に適用される比較的簡単な破産の手続きです。同時廃止は破産管財人が専任されず、破産手続き開始と同時に終了となるので、費用も時間もそれほどかかりません。管財事件とは管財事件とは、財産のある人に適用される破産手続きの原則的な手続きです。破産管財人が専任され、破産管財人によって財産の管理や処分が行われるので、破産管財人への報酬がかかったり時間がかかる手続きになります。一般的に個人が自己破産を行う時には、財産がない状態がほとんどですので同時廃止となることが多くなっています。申し立てを行うまでの流れ破産手続きは弁護士や司法書士などのプロに依頼して行うのが一般的です。債務者から自己破産の依頼を受けると、弁護士や司法書士は債権者に対して受任通知を送り、これによって債権者からの督促はストップします。そして、債権調査が行われ、自己破産手続きのために必要な書類を集めます。書類が揃ったら、裁判所に破産の申し立ての手続きを行います。裁判所が申し立て書類の審査を行い、審査で問題がなければ破産手続開始決定を下します。同時廃止の場合にはここで破産手続きは廃止され、裁判所が債務を免責するかどうかの判断を行います。裁判所が免責をするかどうか決めるために、裁判所と債務者が面談を行う免責審尋が行われ、免責審尋で問題がなければ免責決定となります。免責が確定するまでの期間免責が確定するまでの時間は以下の通りです。裁判所が破産手続開始決定をするまで1週間〜10日程度。破産手続開始決定から免責決定まで3ヶ月程度。裁判所に破産の申し立てを行なってから免責が確定するまでに必要な時間は、4ヶ月程度かかると考えておきましょう。もちろん、これは同時廃止の場合で、管財事件の場合には1年以上の時間がかかることもあります。自己破産にかかる費用自己破産は無料で行うことができるわけではありません。税金関係の費用や弁護士報酬など、様々な費用がかかります。自己破産(同時廃止の場合)にかかる費用としては以下のようなものがあります。この費用は最低限必要になる経費の部分ですが、この他、弁護士報酬として着手金が20万円〜30万円程度、成功報酬として0円〜20万円程度の費用が必要になります。また、管財事件になる場合には、ここに+50万円〜100万円程度の費用が必要になります。自己破産には少なくない費用がかかりますが、自己破産を行おうとする人はこれだけの費用を事前に支払うことはできません。そのため、自己破産後にこのような費用は分割で支払うことができる弁護士がほとんどです。手元にお金がなくても自己破産の手続きは進めることができます。[adsense_middle]自己破産にはリスクもある自己破産は借金がゼロになるというメリットがあるだけではなく、リスクも少なくありません。自己破産に伴うリスクもよくよく承知した上で手続きを行う必要があります。自己破産手続きに伴い生じる以下のリスクについて理解しておくようにしましょう。以後10年間ブラックリストになる自己破産を行うと、信用情報がいわゆるブラックという状態になります。金融事故情報として信用情報機関に登録され、消費者金融の情報を集めるJICCには自己破産から5年間、銀行や信用金庫などの金融機関の情報を集めるKSCには10年間記録されます。この間はいわゆるブラックという状態になり、ローンの契約などは不可能になってしまいます。法的な権限が規制されるさらに自己破産を行うと資格制限と言って、法的な権限が制限されてしまいます。例えば、公認会計士や税理士などのいわゆる士業と呼ばれる職業に就くことはできなくなってしまいますし、公務員の委員や委員長(公証人、教育委員長、公正取引委員会など)、団体役員(日本銀行、商工会議所、日本銀行など)などの職業に就くことも不可能です。ただし、資格制限となるのは、破産手続開始決定から免責が確定するまでの間ですので、同時廃止であれば3ヶ月程度の期間です。3ヶ月といえども資格制限がかかってしまいますので、資格制限に該当する職業についている人は、自己破産をすることによって職を失ってしまう可能性が高いので、安易に自己破産という選択をするわけにはいかないかもしれません。自己破産はリスクを承知した上でプロに依頼を自己破産は債務者の状況によって同時廃止となるのか、管財事件になるのかが異なります。手続きが異なれば費用も免責確定までの時間も異なることになりますし、手続きにはケースに応じて膨大な書類も必要になります。また、債務整理の手続きは自己破産以外にもあるので、どの手続きが債務者にとって最善なのかはケースバイケースです。結論的にいえば、自己破産手続きはおろか、債務整理手続きそのものを素人の判断で、素人が手続きを行うことは現実的とはいえません。債務整理はプロに任せるのが最善の方法なのです。相談料無料で債務整理に強い弁護士事務所がおすすめプロの中には、相談するだけで相談料が発生することもありますので、できる限り相談料無料の弁護士を選択した方がよいでしょう。また、弁護士と言っても得意分野は様々で債務整理に強い弁護士もいれば、そうではない弁護士も存在します。まずは、相談無料の法テラスや、イストワール法律事務所のような相談料無料で債務整理に強い弁護士事務所へ相談するのがよいでしょう。メールなどでも相談に乗ってくれるので、弁護士事務所へ電話をするのは抵抗があるという人でも気軽に相談することができます。自己破産手続きに関するまとめ自己破産手続きは、債務者の資産の状況によって同時廃止と管財事件という2つの手続きに分かれます。手続きの方法によって費用も免責になるまでの期間も異なりますし、事務手続も非常に煩雑です。また、自己破産は借金をチャラにすることができるメリットの反面、少なからずデメリットも存在するので、数ある債務整理手続きの中で本当に自己破産が適切な手続きなのかどうかはよくよく熟慮して行う必要がありますが、素人にはその判断もつきません。そのため、債務整理に強い弁護士事務所にまずは相談するのが最善です。どの方法がよいのかは相談して決めることができ、債務整理の複雑な事務手続を任せることができます。手元にお金がなくても費用は債務整理後に清算することができますので、まずは気軽に相談してみてください。
2019年06月21日映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』が2019年6月14日(金)、全国でロードショー。感情をなくした4人の13歳の若者が話題のバンドに…ゾンビのように感情を失ってしまった少年少女がバンド“LITTLE ZOMBIES"を結成。すると意外にも社会現象と呼べるヒットに。それでも小さなゾンビたちは予想もしない運命に翻弄されていく…というストーリー。4人の若者たちは最後に何を見つけるのか?監督はサンダンス映画祭グランプリの長久允短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』で大きな注目を集めた長久允。サンダンス映画祭のショートフィルム部門では、その圧倒的なオリジナリティが評価され、日本映画としては初めてグランプリを受賞した。そんな長久允が初の長編映画に挑む。注目の若手に、脇を固める豪華キャストたち物語の主人公であり、劇中バンド「リトルゾンビーズ」を演じるのは、『そして父になる』にて主人公の息子を演じた二宮慶多。彼をはじめ、中島セナ、水野哲志、そして天才似顔絵師として話題の奥村門土。彼らを囲むように、佐々木蔵之介、工藤夕貴、池松壮亮、菊地凛子らが出演する。『ウィーアーリトルゾンビーズ』あらすじ火葬場で出会ったヒカリ(二宮慶多)、イシ(水野哲志)、タケムラ(奥村門土)、イクコ(中島セナ)は、両親を亡くしても泣くことが出来なかった。そんなゾンビのように感情を失ってしまった少年少女はこころを取り戻すために、持ち主をなくしたそれぞれの家を巡リ始める。そんな冒険の中でたどり着いたゴミ捨て場で、彼らはバンドを結成する。その名も“LITTLE ZOMBIES"。そこで撮影した映像が話題を集め、社会現象となるまでに大ヒットしてしまう。しかし、小さなゾンビたちは予想もしない運命に翻弄されていく。嵐のような日々の中で、4人が最後に見つけたのはなにか?作品詳細映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』監督・脚本:長久允出演:二宮慶多、水野哲志、奥村門土、中島セナ、佐々木蔵之介、工藤夕貴、池松壮亮、初音映莉子、村上淳、西田尚美、佐野史郎、菊地凛子、永瀬正敏プロデューサー:山西太平、高橋信一、横山治己、長谷川晴彦配給:日活制作プロダクション:ROBOT
2019年06月17日現在の子ども教育の重要なキーワードとして、教育メディアでも頻繁に取り上げられる「自己肯定感」。日本人の場合、そもそも自己肯定感が低いことが問題ともされますが、その原因はどんなところにあるのでしょうか。お話を聞いたのは東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり先生。二児の母でもある先生に、子どもの自己肯定感を高めるために親が果たすべき役割も含めて教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもの自己肯定感を下げてしまう親の「先回り」日本人の自己肯定感は低いとよく指摘されます。それどころか、いまの子どもたち、若い人たちを見ていると、自己肯定感はさらに低くなっているように感じてしまいます。学生に自分の長所と短所をそれぞれ10個挙げるようにいってみても、すぐに挙がるのは圧倒的に短所のほう。一方、長所はなかなか挙がってきません。その要因のひとつとしては、謙虚であることを美徳とする日本の文化があるでしょう。本当は自分でいいところだと思っていても、それを口にすることがはばかられる。加えて、長所というからには、誰からもいいところだと思われるようなものでなければいけないという考え方もあるように思います。でも、長所というのはもっと身近なところ、日常生活のなかにでもあるもので、なにか大きなことを成し遂げたといったことでなくてもいいのです。でも、日本人の場合はやっぱり謙虚ですから……そういうふうに自分を見ることができない場合があるようですね。また、親が先回りしてしまうことも、いまの子どもたちの自己肯定感を下げている要因かもしれません。子どもがなにか問題にぶつかりそうになったら、その問題の芽を事前に摘んでしまう親が多いのです。その先回りを、親は子どものためだと思っています。でも、子どもは成長過程でさまざまな問題に直面し、解決するなかで自信を持つと同時に達成感を感じたり、周囲の人に認められる言葉かけをされたりすることで自己肯定感を高めていくわけです。そのきっかけを奪ってしまっては、子どもの自己肯定感が高まるわけもありません。自己肯定感の高低による子どものちがい自己肯定感の高低によって、子どもにはさまざまなちがいが表れます。自己肯定感が高い子どもは、自分に自信があるのでどんなことにも積極的に取り組むことができます。それから、自分のいいところも悪いところも含めて「いまの自分でいいんだ」という思いがあるので、気持ちにゆとりがあり、情緒が安定して他人にも優しくできます。しかし、自己肯定感が低い子どもは、人からどう見られているかという評価を気にして自分に自信を持てません。すると、友だちに対するジェラシーもあって、大人が見ていないところで友だちに対して意地悪をするといった問題行動を起こすこともあります。自己肯定感が低いというと、ただ自分に自信がないおとなしい子を想像するかもしれません。もちろん、そういうタイプの子どももいますが、自己肯定感が低い子どもであってもどこかで「認められたい」という気持ちがあり、それが友だちへの意地悪などゆがんだかたちで出てしまうこともあるのです。子どもに役割を与えて褒めるきっかけをつくるこれらの話を聞けば、あたりまえですが「自己肯定感が高い子どもに育ってもらいたい」と考えるのが親心でしょう。自己肯定感は、とくに小さい子ども同士の関係性のなかではなかなか育まれません。つまり、子どもの自己肯定感を育てるには周囲の大人、とくに親のかかわり方が重要になってくる。親はしっかりと子どもを観察する必要があるのですが、なかでも注意してほしいのは、「どうせ」という言葉です。だいたい4歳後半くらいから出てくる言葉ですが、子どもが「どうせできない」なんていいはじめたら要注意。「どうせ」という言葉が出たら、子どもを認めたり褒めたりするような言葉かけを増やす必要があると考えてください。あるいは、家のお手伝いなど役割を子どもに与えてあげることも効果的です。ポイントは、その子どもの力では「簡単ではないけどなんとかできる」という無理のないハードルの役割にすること。そして、そのお手伝いを子どもがしてくれたなら、「頑張ったね!」「すごいね!」「ありがとう!」とたくさん褒めてあげましょう。そうすることで、子どもは自己評価が上がり、自然と自己肯定感も高まっていきます。幼児期から小学校低学年くらいまでの子どもの自己肯定感は、親の言葉かけ次第で高くもなれば低くもなります。お手伝いなどの役割を子どもに与えることは、子どもに「自分は必要とされている」と自信を与えるとともに、親が言葉かけしやすい状況をつくる意味もあるのです。「自分の良さ」に目を向けることを教えるまた、親が子どもを見る「ものさし」を意識することも大切です。子どもは4歳頃から「あの子は足が速い」とか「この子は絵が上手」といったものさしで友だちと自分を比べるようになります。小学生になると勉強やテストもはじまるので、子ども自身もつい「できる・できない」のものさしで自分を見てしまうものです。でも、そのものさしのなかで育つと、できる子と自分を比べてしまう傾向が強まり、自己肯定感は高まりません。そこで親の出番です。誰もが万能ではないし、得意なことも苦手なこともあってあたりまえだということを子どもに教えてほしいのです。子どもにとって苦手なことがあれば、「一緒にやろうか」と手伝って達成感を味わわせてあげましょう。そして、なによりも「自分の良さ」に目を向けることを教えてあげてください。たとえば、図工の課題で工作をするにも要領がいい子はささっと終わらせてしまうのに、苦手な子、あるいは丁寧な子はどうしても時間がかかります。その子が居残りまでして作品をつくり上げて、しかもひとりできちんと片づけまでしたとしましょう。最後まで手を抜くことなく頑張れたこと、みんなで使う教室をきちんと片づけたことは間違いなくその子の「良さ」であるはずです。親としては、完成した作品の評価だけでなく、むしろ、完成するまでのプロセスをしっかり褒めて、「お母さんがちゃんと見ていてくれた」と子どもに思わせ、自信を持たせてあげてほしいと思うのです。『保育の心理学 実践につなげる、子どもの発達理解』井戸ゆかり 編著/萌文書林(2019)■ 東京都市大学人間科学部教授・井戸ゆかり先生 インタビュー一覧第1回:あなたの子どもは大丈夫?絶対に見過ごしてはいけない「自己肯定感」低下のサイン第2回:「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な言葉かけ(※近日公開)第3回:「辛抱強い子」を育てるヒント。「我慢する力」を伸ばすのは“○○上手な親”だった!(※近日公開)第4回:「先生に言いつけるよ」がダメな理由。自己主張できない子が育つ“4つのNGなしつけ”(※近日公開)【プロフィール】井戸ゆかり(いど・ゆかり)東京都出身。東京都市大学人間科学部教授。専門は発達臨床心理学、保育学、児童学。学術博士。横浜市子育てサポート研修講師、渋谷区子ども・子育て会議会長などを務める。二児の母。著書に『子どもの「おそい・できない」にイライラしなくなる本』(PHP研究所)、『「気がね」する子どもたち-「よい子」からのSOS-』(萌文書林)、編著に『保育の心理学Ⅱ 演習で学ぶ、子ども理解と具体的援助』(萌文書林)』、監修書に『1さいのなあに? のびのび育つ! 親子ふれあい絵本』『2さいのなあに? 「知りたい」がいっぱい! であい絵本』(ともにPHP研究所)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月12日ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集め、出版された本は軒並みベストセラーになっています。ボーク重子さんが子育ての軸としたのが「非認知能力」でした。非認知能力とは、回復力、やり抜く力、自信、リーダーシップ、主体性、社会性、共感力……など、数字では測れないさまざまな力のことですが、なかでもボーク重子さんは「自己肯定感」の重要性を強く説きます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)「べき」にとらわれる大人が子どもの自己肯定感を下げてしまう日本人の自己肯定感が低いということは耳にしたことがある人もいるかもしれません。その理由を考えると、多くの人が「『べき』にとらわれている」からだと思うのです。男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、親は……、子どもは……というふうについ考えていませんか?それを子どもにあてはめるということは、ひとつの決まったサイズの服をすべての子どもに着せようとするようなものだとわたしは思うのです。子どもの体の大きさは一人ひとりちがいますから、その服がぴったり合うとは限りませんよね?ブカブカだったり窮屈だったり丈が足りないという子もいるでしょう。そんなふうにして、「どうして僕はこの服が全然似合わないんだろう」なんて考えさせてしまっては、その子の自己肯定感が高まるはずもありません。そうではなくて、「合う服というものはみんなそれぞれにちがう」「それが個性なんだ」と思わせてあげなければいけないのです。そうすれば、いいところも悪いところも含めて自分をありのままに認めることになる。「これが自分だ!」といえるようになる。それが、自己肯定感を高めるためのスタート地点なのだと思います。どんな子どもも同じように育て、一丸となって国力を上げるといった時代は終わりました。これからは「個の力」が求められる時代です。そういう意味では、子どもを育てる親、大人が子どもの個性をいかに認めるかということを考えなければなりません。多民族国家で「一人ひとりがちがうことが普通」のアメリカとはちがって、日本の場合は基本的に単一民族国家ですから、個性を認める意識が育ちにくいのかもしれませんね。でも幸い、いまも現在進行形で進んでいることですが、日本に移住してくる外国人はさらに増えるでしょう。そうなると、個性があたりまえのように認められ、日本人の自己肯定感も上がってくるということも考えられますよね。自己肯定感を高める最善策は家庭でのお手伝いにありでは、自己肯定感が低い人間にはどんな特徴が見られるのでしょうか。「自己」肯定感という言葉から、自己肯定感の影響は個人のなかで完結しているものと考えてしまう人もいるでしょう。でも、そうではありません。自己肯定感が低い、つまり自分を認められない人間は、「他人も認められない」のです。すると、「僕はなんて駄目なんだ」「また失敗しちゃった」という思いが、「あなたは駄目だね」「あなた、それは失敗だよ」とまわりの人間に向かい、どうしても他人を攻撃したり批判したりしがちになります。そうなると、周囲から煙たがれてしまうことは明白ですよね。自分の個性を生かして他人と協働していくことが求められるといわれるこれからの時代を生きるには、それは致命的なことといっていいかもしれません。では、どうすれば子どもの自己肯定感を高められるのでしょうか?先にお伝えしたように、子どもが、いいところも悪いところも含めて自分をありのままに認める、「これが自分だ!」といえるようになることが、まずは大切なこと。そして、子どもにそうさせるためのベストの方法が、「誰かの役に立つ」という経験をさせることにあるとわたしは考えています。自分の行動によって、まわりの誰かが「ありがとう」といってくれてよろこぶ姿を見る。「自分は誰かの役に立てるんだ!」という思いが、自己肯定感を高めていくのです。そういう経験を得るには、社会貢献活動やボランティアなども考えられますが、小さい子どもの自己肯定感を高めるということを考えれば、わかりやすく周囲から肯定されることが大切です。そうなると、やはり最初は家庭でのお手伝いがベストの方法でしょう。子ども自身が自分の役割として決めたお手伝いをしたのなら、親御さんは「ありがとう」と伝えて、たくさん褒めてあげてください。子どもは親御さんに認められることで自分を認められる。そうやって、自己肯定感が高まるという好循環を生んでいくはずです。叱るときは必ず理由もきちんと伝える加えて、子どもの自己肯定感を高めるにあたってのNG行動もお伝えしておきます。それは「否定する」ということ。頭ごなしの否定は、認めることの対極の行動です。それを繰り返せば、子どもが自分を認められるようになるはずもありません。たとえば、親がつくった料理に対して子どもが「これはあまり美味しくない」といったとします。そこで「そんなこと、いわないの!」なんていってはいけません。意見というものには正解も間違いもないのですから、その意見、子どもの思いをしっかり受け止めてあげるべきです。否定するのではなく、「へえ、そうなんだ」と子どもの発言を認めて、「ほんとに?どんなふうに美味しくない?」と質問してみるのです。そのやり取りは子どもを肯定しているということですから、子どもの自己肯定感を高めていくことにきちんとつながります。とはいえ、危険な遊びをしようとしたときなど、どうしても叱らなければならない場面もあります。そういうときに大切なことが、「必ず理由も伝える」こと。大人だってそうでしょう?「やめなさい!」とだけいわれたら、「どうして?」と思うじゃないですか。小さい子どもにはまだ論理を理解する力がないと思っている人も多いかもしれませんが、そうではありません。丁寧に理由を伝えれば、子どもはその論理をきちんと理解するものです。イコールそれは、子どもと「同じ目線に立つ」ということでもあります。親と子どもではなく、人間対人間という関係性を意識することが大切です。子どもというのは、すべてを親が教えなければならない存在ではなくて、人間同士としてどうやって一緒に生きていくのかと考えるべき存在なのだと思います。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”(※近日公開)第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月09日「非認知能力」とは、テストの点数や偏差値など数字で測れる認知能力に対して、数字では測れない力のこと。そこには、回復力、やり抜く力、自信、自己肯定感、リーダーシップ、主体性、社会性、共感力……など、さまざまな力が含まれます。その非認知能力との出会いによって自身の人生を変えたのが、ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集め、出版された本は軒並みベストセラーになっています。もちろん、ボーク重子さんの子育ての軸となったのも、子どもの非認知能力を伸ばすことでした。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)はじめての失敗で心が折れた子ども時代子どもの非認知能力の有無によってどんなちがいが生まれるのか――。親であればとても気になるところですよね。ここでは、わたし自身を例にしてお伝えしましょう。子どもの頃のわたしは、「いい高校、大学、会社に入って、いい結婚をすれば一生安泰だから、とにかく勉強をしなさい」といわれて育ちました。わたしの親は少し教育熱心だったかもしれませんが、当時の「幸せへ向かうレール」に子どもを乗せようとする、ごく普通の家庭だったと思います。わたしはいわれるままに勉強をしましたから、最初は学校の成績も優秀でした。ところが、中学生のある日、急に数学ができなくなったのです。いつも100点だったテストがいきなり70点になってしまった。そして心が折れた。いまならその理由がわかります。それは、わたしの非認知能力がまったく育っていなかったからです。当時のわたしは、「やりなさい」といわれたことになんの疑問も持たずに従っていました。いわゆる「いい子」です。だからこそ、自分で考えるということをまったくしたことがありませんでした。勉強も親や先生にいわれたことをやって、とにかく暗記を繰り返すだけ。学習内容の本質を理解していませんから、学習レベルが上がると一気に成績が落ちてしまったのです。そこでわたしがどうしたかというと……勉強をやめてしまいました。というのも、賢くないと思われるのがすごく嫌だったからです。「勉強をしなければ、『やればできるのに』と思ってもらえる……」。そう考えたわけです。そのときのわたしに回復力ややり抜く力といった力があれば、そこで立ち止まって「どうすればいいか」と考えられたでしょう。でも、当時のわたしにはそれらの力はなかった。要するに、わたしには勉強での失敗経験がなかったのです。なにかをして失敗するという経験は、非認知能力を育てるためにはとても大切なものです。あたりまえですが、失敗しないことには回復力なんて育つわけがありませんからね。そもそも、それ以前に主体性が育っていれば、親や先生のいうことにただ従うのではなく、自ら考えて勉強に励むこともできたかもしれません。さらに、そういった主体的な勉強で成績が上がったのなら、自信をつかむこともできたでしょう。でも、当時のわたしはそうではなかった。だから、たったひとつのテストの結果でポキッと心が折れてしまったわけです。教育法のちがいが子どもの人生を大きく変えるそれからはどんどん成績は下がる一方で、自分は「なんてダメなのだろう」という気持ちを拭うことができませんでした。そこからわたしが回復するには、15年ほどの時間がかかりました。20代はそれこそ暗黒時代。ずっと「どうして自分はこんなに駄目な人間なんだろう?」「どうせわたしなんて……」と思いながら過ごしていました。その後、回復するに至ったのは、30歳になる直前に、当時お付き合いしていた男性にフラれたことが大きなきっかけです。そのとき、真剣な顔をしている彼を見たわたしは「プロポーズかな?」と思った。でも、彼は「君は僕と結婚したらどう生きたい?」と聞くのです。当時のわたしは、「え?そんなの決まってる」と思いました。その答えは、「あなたのお世話をして、あなたの子どもを生んで、一緒に年を重ねたい」です。わたしの返事を聞いて、彼はこういいました。「僕、それだけの人はいらない」と。幼い頃から凝り固まった人生観を刷り込まれ、自分というものを持てていないわたしに彼は愛想を尽かしたというわけです。そうして「幸せへ向かうレール」から外れたことで、わたしは一念発起しました。ずっと心のどこかで「いつかやりたい」と考えていたアートの勉強をするため、イギリス、続いてアメリカに渡ったのです。そのうち結婚して娘が生まれると、また強い不安に駆られました。「わたしに育てられたら、いつも自信を持てなくて誰かの指示を待つわたしみたいな人間に娘が育つのではないか」と――。そして、娘のための学校を探しているうちに出会ったのが非認知能力でした。当時のアメリカにおけるいわゆるエリートコースにある幼稚園や小学校は非認知能力教育に重点を置くようになりつつありました。そして、ある研究によって、その潮流は決定的なものとなった。従来の教育を受けるか、非認知能力を高める教育を受けるかによって、その後の子どもたちに大きなちがいが生まれることがはっきりとわかったのです。非認知能力を高める教育を受けた子どもたちの学習は、機械的にやらされるようなものではありません。学習内容に興味を持ち、自ら能動的に学ぶ。勉強したくないときも、責任感があるから「やらなくちゃ」と勉強をする。もちろん、学習成績も上がります。さらには、自分がやったことを肯定してもらえるため、自信を持つようにもなる。子どもたち一人ひとりが認められるから、いじめも減る。やる気、主体性、パッションがあって、自分がやりたいことをやるためにそれ以外のことも自然にできるようになるし、やり抜く力も身についていく――。まさにいいことずくめなのです。親は子どものロールモデルという役割から逃れられないさて、肝心の非認知能力を高める教育ですが、特別な学校でしかできないというわけではありません。むしろ、家庭教育のほうが重要だともいえます。娘を通わせた学校の先生からは、「いちばん小さいけれど最強のコミュニティーである家庭での教育、親との対話が子どもにもっとも影響を与える」といわれました。親は子どものロールモデルという役割から逃れることはできません。親の姿を見て育つ子どもは、ふとしたときに出るしぐさや口癖などまで親に似るものです。子どもは必死に生きて親を愛して、いずれ親のようになる。それだけ親という存在は子どもにとって大事なものなのです。そう気づいたとき、わたしは思い至りました。「だとしたら、まずわたし自身が自分の非認知能力を高めなければいけない」と。それから、わたしはいろいろと行動をはじめました。アートギャラリーを立ち上げたこともそのひとつでしょう。とにかく行動することが大切で、ずっと家にこもっていても心は強くなりません。家でご飯を食べてテレビを観ているだけなら、誰かに共感したり、失敗して回復したりする必要もないし、主体性やリーダーシップを発揮する場面もありませんからね。そして、「ママ、いまはこういうことをしてるんだよ」というふうに、自分の行動を子どもとシェアするのです。子どもは親を見て育つといいますが、見えやすくするのも親の役目です。子どもには、いわれなければわからないこともたくさんあるのですから。親の行動をシェアする際には、「失敗こそシェアする」と心がけてください。当時のわたしはなにもわからないままビジネスをはじめましたから、当然、失敗の連続です。それらの経験を娘に伝え、ときには娘からアドバイスをしてもらうこともありました。それは、失敗か成功かという結果ではなく、なにがどうしてどうなったかというプロセスを娘に見せるということです。そうすることで、子どもは、失敗は通過点であってやり直しができるということ、方法はひとつじゃなくてもしひとつの方法が駄目でも他の選択肢や可能性を試せばいいといったことを学んでいくことができます。それは、回復力ややり抜く力といった非認知能力そのものですよね。そう考えていたわたしは、娘には成功より失敗を重点的に見せてきましたから、娘にとってはじつは格好悪いママなんです……。はじめて「子育ての本を書くんだ」といったときに、いちばん驚いていたのが娘でしたね(笑)。娘のスカイさんと。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動(※近日公開)第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”(※近日公開)第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月08日借金の返済がどうしても困難になったら自己破産をするという方法があります。「自己破産は人生の究極のリセットボタン」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれません。確かに自己破産は究極のリセットボタンで、メリットとデメリットが非常に大きな債務整理の方法です。今回は、国が用意している人生のやり直しの方法である自己破産の概要やメリットとデメリットを解説していきます。自己破産についてしっかりと理解を深め、借金と向き合うことができるようにしましょう。自己破産の意味は?自己破産とは何かそもそも自己破産とは何なのでしょうか?自己破産について「単純に借金と資産をゼロにする」と考えている人も多いようですが、自己破産は誰でも無制限に行うことができるわけではありませんし、全ての借金と資産がリセットできるとは限りません。まずは自己破産の意味と概要について解説していきます。【自己破産のポイント①】借金と資産をリセットする自己破産とは、簡単に言えば「借金と資産をゼロにする」という手続きです。すでに期日を迎えた借金を返済することができない時に、借金をゼロにする代わりに資産を債権者に分配する手続きです。要約すると、借金を返済することができないから、その返済の代わりに、債務者の持っている資産を債権者で分配する手続きになります。例えば、1億円の借金を抱えた人が2,000万円の資産を持って自己破産した場合には、債権者に対してこの2,000万円の資産を分配して弁済に充てる手続きになります。自己破産というと、「借金がゼロになる」と単純に思われがちですが、債務者が持っている資産で弁済をするという手続きでもあるのです。免責されない債務自己破産をしたとしても債務を免除(免責)されない債権もあります。破産法251条1項には、以下の債務は自己破産をしたとしても免除されないと記載されていますので覚えておきましょう。租税等の請求権破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)次に掲げる義務に係る請求権イ 民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務ロ 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務ハ 民法第766条(同法第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務ニ 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)罰金等の請求権税金の滞納をした場合には免責されませんし、損害賠償の債務なども免責の対象とはなりません。自己破産をする人の中には、税金を滞納している人が非常に多く存在しますが、いくら自己破産したとしても税金の支払義務からは逃れることはできませんので、注意してください。20万円以下の財産は処分されない自己破産は全ての財産を処分されると思われていますが、実は処分の対象となるのは20万円超の財産のみです。20万円以下の財産でも、非日常品であれば処分の対象となる可能性はありますが、一般的に20万円以下の財産が処分の対象となることはほとんどないようです。価値の低い自動車など日常生活に必要な20万円以下の価値であれば没収されませんので、自己破産を行なっても日常生活を維持することができるようになっているのです。【自己破産のポイント②】裁判所の許可が必要自己破産は誰でも行うことができるわけではありません。裁判所の許可が必要になります。裁判所に申し立てを行い、裁判官と面談を行い、破産手続開始決定と免責許可決定という許可を裁判所から得ることができなければ自己破産を行うことはできません。借金の理由がギャンブルであったり、裁判所に嘘をついていると、免責不許可事由に該当し、自己破産の許可が降りないことがあります。自己破産は誰でも必ず行うことができるわけではないのです。【自己破産のポイント③】自己破産と破産宣告の違いはある?今は、破産宣告という言葉は使いません。2005年に破産法が改正する前までは、裁判所が出す「破産手続開始決定」のことを破産宣告と呼んでいました。それが2005年の法改正によって破産宣告という言葉は使われなくなったのです。破産宣告と破産手続開始決定の意味は同じです。自己破産は破産手続開始決定を経て行われるので、破産宣告と自己破産の意味も基本的には同じであると考えておいて問題ありません。自己破産のメリットここで自己破産のメリットについて確認しておきましょう。【自己破産のメリット①】借金返済義務が完全になくなる自己破産最大のメリットは、前述した非免責債務以外の借金の返済義務は完全に無くなるという点に尽きるでしょう。借金で首が回らない状態でも、自己破産を行えば返済の苦しみから逃れることができますし、人生をやり直すことができるのです。【自己破産のメリット②】20万円以下の資産は残るさらに生活必需品の20万円以下の財産を残すことができるので、完全に全ての財産を没収されて丸裸にされるわけではありません。自己破産を行っても、明日からすぐに就職先を見つけに行くことはできるだけの生活必需品は手元に残るのです。[adsense_middle]自己破産のデメリット自己破産はデメリットも大きな債務整理の方法です。デメリットもよく理解した上で自己破産を行う決断を下す必要があります。【自己破産のデメリット①】信用情報がブラックになる自己破産をすると信用情報がブラックになります。官報という国のお知らせに掲示されるので、この情報を見たKSCという信用情報機関は以後10年間信用情報に自己破産の情報を記録します。このため、KSCに加盟している銀行からは10年間はお金を借りることは絶対に不可能になります。そのほか、CICとJICCという信用情報機関にも5年間は金融事故として記録されますので、消費者金融やクレジットカード会社と契約することも5年間は不可能になりますし、保証会社付きの賃貸住宅や携帯電話の分割購入などの契約も不可能になります。【自己破産のデメリット②】法的な権限に制約がかかる自己破産すると資格制限という制限がかかり、一定期間(破産者から復権するまでの数ヶ月程度の期間)は法的な権利に制限がかかってしまいます。例えば法定代理人や後見人や補佐人などにはなることができません。また職業に関しても、士業(弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士など)、公務員の委員や委員長(公証人、教育委員長、公正取引委員会など)、団体役員(日本銀行、商工会議所、日本銀行など)、一定の業種(質屋、貸金業者、生命保険募集人など)などの職業に就くことは不可能になります。このように、自己破産を行い、破産者となっている期間は、国民であれば当然に与えられている法的な資格に制限がかかってしまうのです。【自己破産のデメリット③】以後10年間は自己破産できない一度自己破産を行うと、原則的には10年間は再度の自己破産を認められなくなってしまいます。この間に借金を重ねてしまうと、救済の手段がありませんので、無計画な借金は絶対にしないように注意してください。自己破産は素人には難しい自己破産をするためには、裁判所の許可を得なければなりません。この手続きは、複雑な書類を記入し、裁判所を納得させる必要がありますので、素人が手続きを行うことは不可能です。また、債務整理には自己破産以外にも様々な方法がありますので、もしかすると自己破産以外にも借金から救済される方法があるかもしれません。そのため、債務整理のプロへ相談することが問題解決の近道です。
2019年06月06日子供の誕生を控えた今、僕の関心は「子育て」にフォーカスされているのですが、子育てについて学ぶと、自然と恋愛についての理解が深まってしまうのは面白いところです。今回は、そんな子育て理論から、あなたの恋愛に役立てるエッセンスをお届けします。難しそうな言葉が出てきますが、なるべく恋愛の本質を理解してほしいので、ぜひ読み進めてもらえると嬉しいです。■ボルヴィ博士の「アタッチメント理論」人は子ども時代に「他者に対するイメージ」と「自己に対するイメージ」を形成します。この2つのイメージに対して、肯定的なイメージを作るのか、否定的なイメージを作るのかによって、人間関係の形成の仕方が変わります。つまり、肯定的なイメージを作れれば、以下のような考えを持ちます。・他者は頼れる存在である・自己は他者から頼られるべき存在である一方で、否定的だとこのようになります。・他者は頼るべき存在ではない・自己は他者から頼られるべき存在ではないこのイメージの組み合わせによって、大まかに言って「安定型・不安型・回避型」の3タイプに別れます。そう提唱したのが、発達心理学の分野で大きな業績を残した、ジョン・ボルヴィ博士の「アタッチメント(愛着)理論」です。別にこの博士の名前も、理論の名称も覚える必要はないので安心してくださいね。内容が理解できていればOKです。■安定型・不安型・回避型、あなたと彼はどのタイプ?●安定型→他者に対しても自己に対しても肯定的であり、恋人や配偶者とも長く信頼関係を築くことができます。(人口の約50%)●不安型→自己に対して否定的であり、自己肯定感が低く承認欲求を他者に強く求めます。いわゆる「こじらせ女子」がこの典型です。(人口の約20%)●回避型→他者に対して否定的であり、付き合いはするものの関係が深くなり始めると自らシャットアウトし、フェードアウトしていくタイプです。(人口の約25%)そして、自己に対しても他者に対しても否定的だと、不安型と回避型を併発することになります。(人口の約5%)おそらくハウコレ読者のほとんどは、不安型に当てはまるのではないでしょうか?(不安だからこそ彼とのコミュニケーションをもっと上手くなりたいと思っている)■幸せな恋愛のためには「安定型」この3つの分類に対して、自己肯定感の低いわたしは「不安型だ!」と認識したあなたへ。あなたの彼はどのタイプでしょうか?あなたと同じように不安型だから衝突してばかりだったり、回避型の彼だから深い関係を築けなかったりして悩んではいないでしょうか?皮肉なことに、不安型の人は回避型の人に惹かれやすいという特徴があるのです。これは非常に酷な言い方に聞こえるかもしれませんが、そのままでは辛い恋愛を続けることになります。安定型のパートナーを捕まえることが、あなた(と、将来産む気があるならあなたの子ども)の幸せにとって大事です。※パートナーと自分のタイプを調べたい人は、『異性の心を上手に透視する方法』を参考にしてください。■あなたには安心して帰ってこれる「安全基地」がありますか?僕は「真の自立とは頼れるべき存在にきちんと頼れること」だと考えているのですが、アタッチメント理論ではそれを「安全基地」という言葉で説明しています。子どもはお母さんがそばにいることで安心して、いろんなことにチャレンジできるます。それと同じように、あなたが新しいことに挑戦したり、自分自身のキャリアを模索したりするには、「安心して帰ってこれる場所」が必要です。そのためには、二人の関係に問題が起こりそうになった時に、「一緒に不安になる」不安型の人でもなく、「いきなり音信不通になる」回避型の人でもなく、「二人の関係は大丈夫だよ」と言ってくれる安定型の人と付き合うことが重要になるのです。不安型の人は、毎日相手のことを考えてしまうことや心が締め付けられるような感情を「恋」だと勘違いしやすいのですが、それは恋でもなんでもなく、ただの不安なのです。今のあなたには「わたしは認められている」と安心できる「安全基地」がありますか?■パートナーシップのカギは「安心感」にある子育て理論から学ぶ恋愛理論への応用についてお話ししてきましたが、かなり納得感のある話だったのではないでしょうか。これもアタッチメント理論で言われることですが、アタッチメントタイプは変えることができます。しかし、パートナーの影響をかなり大きく受けるため、自分が安定型の恋愛を望むなら、安定型の人間を好きになることが重要なのです。そのためには、心の「恋愛センサー」を、ドキドキ・ロマンチックな相手から、おっとり・リラックスできる相手、に合わせることが大事です。そしてそっちの方が、夜の満足度も「絶対に」上がります。エッチの満足度は、興奮度よりも安心感で決まりますからね。(川口美樹/ライター)関連記事:大好きな人と結ばれて幸せになる人と、そうならない人の超リアルな3つの違い(ハウコレ編集部)
2019年06月04日子どもたちの個性を大切にする『イエナプラン』教育で知られるオランダ。その教育環境の良さや子どもの幸福度の高さ(2013年・世界第1位)から、日本でもオランダ教育の要素を取り入れていこうという動きが出てきています。今回は、教師の役割や通知表の評価の仕方を通して、日本とは何もかも違うオランダ教育について考えていきましょう。イエナプランだけじゃない!?学校ごとに異なる教育方針オランダでは、学校が「子どもの未来を作る場」だと考えられています。そして、学校は「自分の好きなことや得意なことを見つける場所」という考えが、社会に根づいているのです。このように、国全体で子どもの未来につながる教育を目指していて、憲法でも『教育の自由』が保証されているオランダ。よく知られているのは「イエナプラン教育」ではないでしょうか。■イエナプラン教育って?ドイツのイエナ大学教授ペーター・ペーターゼンが生み出した、子どもたちの個性を大切にして対話を重視する教育のこと。<特徴>○異なる年齢の子どもたちが一緒に学習する。○子どもたちが輪になって、さまざまなテーマについて話し合い発表する。教師は進行役に徹する。○教室は「リビングルーム」という考え。グループ活動がしやすいように、自由に移動可能な机・椅子が配置されている。※イエナプランについて、詳しくは過去記事をご覧ください。□尾木ママ絶賛!“日本教育の3周先を行く”オランダの「イエナプラン教育」□オランダで大人気「イエナプラン教育」とは?日本でも開校間近“期待のスクール”の魅力。もちろん、オランダのすべての小学校がイエナプラン教育を取り入れているわけではありません。「100人いれば、100通りの教育方法がある」といわれるくらい多様性に富んでいるオランダ教育には、他国で生まれた教育も積極的に取り入れる柔軟さがあるようです。先生はコーチ!自己肯定感を育む授業の仕組み『子どもを伸ばす共育コーチング』(拓殖書房新社)の著者でコーチングのプロとして活躍中の石川尚子先生は、視察に行ったオランダの学校で次のような授業風景を目にしたそう。オランダの学校では、授業の折々に、先生から質問が投げかけられます。(中略)純粋に、子どもたちの考えを促す質問です。どんな答えが返ってきても、先生はまず受け止めます。ですから、子どもたちにも、先生が求めている正解を答えなければという思考がありません。誰かの評価を得るためではなく、純粋に自分はどう思うかを考え、表現し合います。(引用元:ベネッセ 教育情報サイト|教育にコーチングが根付いている国の子どもは幸福度が高い?[やる気を引き出すコーチング])その質問とは、「ここまでやってみてどう思った?」「どんなことに気がついた?」といった、子どもの内に秘められている言葉を引き出すものばかりだったそうです。そして授業の最後には、必ずこの学びの体験を次に活かす質問を投げかけます。先生から「次やるときは、どうしたらもっとよくなると思う?」などの問いを受けることによって、子どもたちは今回の体験を振り返り、次に活かすための気づきが生まれるのです。やってみて振り返り、またやってみて振り返る。オランダの教育現場ではこの過程が大事にされており、それはまさにコーチングのプロセスと手法だと石川先生は述べます。このプロセスを繰り返し、実践したことがうまくいくと、自己肯定感はより高まるそう。まずは大人が答えを持たずに、子どもの考えを受け止めることが大切です。そして、次に進むためにはどうしたらいいか、この学びからどんな気づきが得られたか、など子どもなりの考えを引き出すように導く「質問力」が必要なのですね。オランダは「先生こそが社会のことを一番知らない」という前提で教育プログラムが作られているそうです。極端な言い方になりますが、それは「社会に出たことがないから」。しかし、私たちが生活している「社会」は、日々ものすごいスピードで変わっていっているという現実があります。だからこそ先生は「教える人」「指導する人」ではなく、子ども一人ひとりの適性を見抜き、適した道に進めるようにアシストしてあげる「コーチ」に徹しているのです。点数で評価しない。通知表は子ども自身の成長の記録博報堂のクリエイティブディレクターを経て、家族の教育環境のためにオランダに移住した吉田和充さんは、小学校に通うお子さんが持ち帰ってきた通知表に非常に驚かされたそう。それは、日本の学校で渡される通知表とはまったく違うものでした。日本との大きな違いは、分厚いバインダーに挟まれた書類のような形式で渡されることです。このバインダーは入学時からずっと同じものを使い続けていて、4歳の最年少学年では絵や工作がファイルされているだけのこともあるそうです。学年が上がるにつれて、全国統一試験の結果なども加わってきます。内容としては、まず担任の先生の総評から入ります。A4サイズ1ページ分にもわたり、生徒のことをかなり詳細に記しているそう。次に生徒自身のコメントです。仲の良い友だちや好きな活動や遊び、授業について自分の言葉で書かれています。このように最初の2ページほどは、先生と生徒双方の総評のようなコメントが書かれているそうです。次にようやく成績に関するページが出てきます。ただし各教科で点数が重視されることはなく、過去の自分と比べた成長率が評価のポイントになります。つまり、すべての評価は『絶対評価』であり、大事なのは「前の学期の自分と比べてどう成長したか」ということだというのです。テストの点数や偏差値を重視しないのは、オランダが国として「学校は自分の適性や好きなことを見つけて、将来の自分の進む道を決める場所」という共通の認識をもっていることにほかなりません。通知表に記されている42個の評価項目の一部をご紹介します。・積極性・人の話を聴く力・リーダーシップ・プレゼン能力・計画性・他人を助ける能力・学校行事への参加度・自己主張力・協調性・独創性日本の学校の通知表でも同じような評価項目がありますが、「プレゼン能力」や「自己主張力」「独創性」などは、これからの社会を生き抜くために、ぜひ身につけたい能力です。我が子の成長と向き合うとき、「テストの点数が上がった」「同級生のほかの子に比べて優れている」という視点で見るのではなく、「1年前に比べて積極的に発言できるようになった」と評価してあげたいですね。***日本でも少しずつオランダ式の教育を取り入れようという動きが出てきているようです。いいところは取り入れつつも、日本独自の優れた教育は否定すべきではありません。目まぐるしく変化する世の中の流れに合わせながらも、常に「子どもにとって何が最善なのか」を考えて導いてあげる必要がありそうですね。(参考)現代ビジネス|「世界一の教育」オランダの小学校は日本とはレベルが違ったStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|オランダで大人気「イエナプラン教育」とは?日本でも開校間近“期待のスクール”の魅力。Study Hacker こどもまなび☆ラボ|尾木ママ絶賛!“日本教育の3周先を行く”オランダの「イエナプラン教育」ベネッセ 教育情報サイト|教育にコーチングが根付いている国の子どもは幸福度が高い?[やる気を引き出すコーチング]FINDERS|「通知表」が変われば教育が変わる?オランダの通知表に見る世界一子どもが幸せな理由【連載】オランダ発スロージャーナリズム(11)
2019年06月04日人がきちんと社会生活を営むために欠かせない、ありとあらゆる力を指す「ソーシャルスキル」。ソーシャルスキルが欠乏すると「人とうまくかかわれなくなる」と語るのは、法政大学文学部心理学科教授の渡辺弥生先生。そうであるなら、子どもにきちんとソーシャルスキルを身につけさせたいと親は考えます。その方法を聞いたところ、渡辺先生の答えは「『なんとなく』でいいんです」という意外なものでした。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)必要なソーシャルスキルは年齢によって変わらない親が変に不安ばかりを抱えるのではなく、ポジティブな発想で家庭教育をすれば、子どもは自然にソーシャルスキルを身につけていきます。親がいつもニコニコして「人生って面白いよ!」と伝えてくれたなら、子どもは自然とワクワクした気持ちで毎日を過ごし、友だちや先生といい関係を築くことができるからです(インタビュー第1回参照)。ですが、ソーシャルスキルを子どもに教えるために意識しておいてほしいこともあります。まず、子どもの年齢によるちがいをお伝えします。そもそもソーシャルスキルは人間が社会生活をきちんと営むために必要なものですから、例外こそあれ、基本的には年齢によって必要なスキルは変わりません。たとえば、「人の話はきちんと聞く」ということが大切だということは、大人も子どもも変わりませんよね。でも、年齢によって理解力にはちがいがありますから、それに合わせて教え方も工夫する必要があります。3歳、4歳くらいの幼児なら、「お口はチャックね」というふうに、まずは静かにするということを教えるべきでしょう。年齢が上がって中学生くらいになれば、「相手の方に体を向けて、話の内容に注意しながら」といったように、内面的な部分も含めて教えるという具合です。また、「上手に断る」スキルも年齢を問わずに必要とされるものでしょう。生きている限り、断らなければならない場面はたくさんありますからね。仕事をしている大人ならよくわかると思いますが、なんでも引き受けて結局できないと逆に迷惑をかけることになる。断るスキルも重要なソーシャルスキルのひとつです。なにかを頼まれて断らなければならない場合、大人であれば、まずは「それはお困りでしょうけど……」など相手に共感する言葉をいって、理由と謝罪を添えて断り、できれば代案も出す。これが上手な断り方といえます。でも、幼い子どもがこんな断り方をしたら逆に変ですし、友だちから浮いてしまうかもしれません(笑)。幼児であれば、「駄目〜!」でもいいんです。あとは「どうして駄目なのかを教えてあげてね」と理由を添えることを教えるくらいで十分でしょう。親は子どもに見返りを求めてはいけないしかし、そういった教え方にもガチガチにルールがあるわけではありません。「なんとなく」でいいのです。自分の子どもをしっかり見て、いまの子どもには「『なんとなく』こんなことを教えてあげたらいいかな」という感覚で教えてあげてほしいのです。教育熱心な親たちには、「なんとなく」や「ぼちぼち」「まあいいか」「このくらいで」みたいな感覚が必要だとわたしは思っています。みなさん、教育に対して真面目過ぎるように感じるのです。真面目であることは悪いことではありませんが、その真面目さが弊害を招くことだってあります。真面目な人は一生懸命に努力しますが、人間というのは努力すればするほど相手にも期待してしまうものです。たとえば子どものお弁当に手が込んだキャラ弁をつくったら、やっぱり子どもには「かわいかった!」「美味しかった!」「全部食べたよ!」といってもらいたくなりますよね?でも、子どもからすれば、たとえ幼くてもその期待を感じますから、「『美味しかった』っていわないといけない」「全部食べないといけない」などと思って、伸び伸びと毎日を送れなくなるものです。しかも、子どもがお弁当を残すなどして期待を裏切られると、親は「わたしのお弁当が駄目だったのかな……」なんて無駄に落ち込んだり、不機嫌になったり、ときには理不尽に子どもを怒ったりもする。でも、そもそも親は子どもに見返りを求めてはいけないのです。親が身につけるべき「応答するスキル」子どもに見返りを求めるということは、先に親がなにかをして子どもが応答するというかたちですよね?でも、本来、子どもが発するたくさんの欲求に対して親が応答してやることが大切です。この「応答するスキル」こそ、親に必要とされるもっとも重要なソーシャルスキルです。赤ちゃんの泣き声に対して「なーに?」と応答することは、そのスキルを発揮するべき代表的な場面です。子どもの泣き声を聞いて、なにをしてほしいのか、その要求を親は感じ取ってあげなければなりません。これはソーシャルスキルのなかでいちばんコアなものである、コミュニケーションスキルにも通じるものです。コミュニケーションが上手な人というと話し上手な人をイメージするかもしれません。でも、そうではなくて、「相手にきちんと注意を向けられる」人なのです。子どもを育てる親にはこの力が絶対に必要です。犬を見た幼い子どもが「あ、ワンワン!」といったとします。親は子どもの言葉に応答して犬に注目しながら、「ほんとだ、ワンワンだね」と答えるでしょう。簡単にいえば、これがコミュニケーションです。自分や、自分が関心を向けている「コト」や「モノ」に、相手も関心を持って応じてくれることが、人はもっともうれしいことなのです。コミュニケーションを通じて、子どもは自分が提供した話をちゃんと親が聞いてくれたことの喜びや、親とのつながりを感じます。そして、「自分はここにいていいんだ」と自分の存在価値を感じ取ることになるわけです。これは人間にとって重要なソーシャルスキルである「自尊心」「自己肯定感」を育てることに他なりません。子どものソーシャルスキルを育ててあげたければ、まずは親がきちんと応答してあげること――。それが基本中の基本となります。『感情の正体 ――発達心理学で気持ちをマネジメントする』渡辺弥生 著/筑摩書房(2019)■ 法政大学文学部心理学科教授・渡辺弥生先生 インタビュー一覧第1回:「あきらめない力」も「あきらめる力」も大切!子どもの決断力を伸ばす家庭教育法第2回:我が子の自己肯定感を育むなら“親の基本”の徹底を。「見返りを求める」は絶対NG!第3回:劣等感を自尊心に!寝る前に親子で実践、「レジリエンス」の簡単トレーニング法(※近日公開)第4回:「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由(※近日公開)【プロフィール】渡辺弥生(わたなべ・やよい)大阪府出身。法政大学文学部心理学科教授。筑波大学卒業、同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだあと、筑波大学文部技官、静岡大学助教授、ハーバード大学在外研究員、カリフォルニア大学客員研究員等を経て現職。同大学大学院特定課題ライフスキル教育研究所所長も務める。専門は発達心理学、発達臨床心理学、学校心理学。『まんがでわかる発達心理学』(講談社)、『小学生のためのソーシャルスキル・トレーニング スマホ時代に必要な人間関係の技術』(明治図書出版)、『イラスト版 子どもの感情力をアップする本 自己肯定感を高める気持ちマネジメント50』(合同出版)、『子どもの「10歳の壁」とは何か? 乗り越えるための発達心理学』(光文社)、『考える力、感じる力、行動する力を伸ばす 子どもの感情表現ワークブック』(明石書店)、『図で理解する発達 新しい発達心理学への招待』(福村出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月04日「ストレスがたまる、人間関係がうまくいかない、自分に自信がない……こんな悩みのある人は、目を閉じてみましょう。視覚を遮断して、ほかの感覚が活性化すると自己肯定感が高まり人生が楽になりますよ」こう話すのは、「四感トレーニング」を開発し、国内だけでなく海外でも広く指導を行う日本マイブレス協会代表理事の倉橋竜哉さん。「今の時代、テレビやスマホをはじめとした視覚情報があふれ、私たちは視覚に偏った世界に生きています。人間には視覚以外にも、嗅覚、味覚、触覚、聴覚が備わっていますが、視覚ばかりを酷使するあまり、脳や心身に負担がかかり、自律神経の不調やストレスを招いています。昔と比べ、現代人の疲労が大きいのは当然です」倉橋さんは「視覚から入ってくる情報はその人自身の判断や価値観まで惑わせる」と警鐘をならす。「たとえば、レストランへ食事に行くとき、ネットで読んだ口コミを参考にお店を決める人は多いでしょう。ですがそうしたとき、本当に自分の感覚でおいしさを判断できているでしょうか。口コミで評価が高かったからおいしいはずだ、というバイアスがかかり、自分の舌でよく味わう前に『おいしい!』と口に出してはいませんか?このように外部の視覚情報を優先し、本来の自分の感性を置き去りにしていくと、実際に何を感じているかわからなくなる。すると自分に自信がなくなり、人に振り回されたり、自己嫌悪に陥りがちになります」視覚情報の影響の大きさを物語る、こんな実験もある。被験者が色の異なるクリームを食べたところ、赤はピリッとした辛さ、黄色は酸味を感じるとの感想が出た。しかし、クリームはマヨネーズに着色料を混ぜただけで、どちらも味は同じ。唐辛子を連想させる赤、レモンを連想させる黄の視覚情報に惑わされ、味覚まで上書きされてしまったのだ。「色にしろ文字にしろ、視覚情報はそれだけインパクトが大きいのです。左右されないためには、そのほかの四感、すなわち嗅覚、味覚、触覚、聴覚を磨くこと。電車に乗っている間など、日常生活の中で一時的にでも目を閉じて視覚情報をシャットダウンし、音、匂い、味、触れた感触などに集中してみましょう。四感が磨かれると自分の感覚を信頼できるようになり、他人や情報に惑わされない自信を取り戻すことができます。とくに日常的な行為を暗闇で行う、闇鍋、闇風呂などの“闇活”は、四感をフルに稼働させるには効果的。副交感神経のスイッチが入り、瞑想と同時にリラックス効果も得られます」
2019年05月31日自己肯定感を育むことができるのは「存在承認」なのだそう。存在承認とは、「生まれてくれて、ありがとう」「あなたがいてくれるだけで、うれしい」など、存在そのものを承認すること。対して、「行動承認」というのもあります。これは、「テストで満点」「スポーツで1位」など、行動を承認すること。「〇〇ができてえらいね」「△△してくれたから、大好きだよ」というほめ言葉などを指します。この行動承認の言葉――ついつい言いがちですが、子どものためには「ありのままのあなたを愛しているよ!」、そんなふうに伝えたいものですね。■参照コラム記事はこちら↓「大好きだよ!」で子どもは育つ。“愛されている自覚”が自己肯定感を高め、勉強姿勢までも変える
2019年05月26日こんにちは、美LIFEクリエイターの長谷川エレナ朋美です。ブログやセミナー、本を通して「ポジティブな女性」と捉えていただくことが多い私ですが、実はネガティブな感情をたくさん持ってしまうからこそ、そこからポジティブに転換する術を身につけてきました。感情に支配されていると、すべてが辛く思えてきてしまいがちですが、ちょっとした工夫で、感情に支配されることなく、感情をコントロールすることができるようになります。ここではそのコツを9つお伝えします。1.自分が今どういう感情なのか、客観的に捉える怒っているな、悔しいんだな、羨ましいんだな、など。内側から自分の感情を感じているときは感情に支配されていますが、一度外側から感情を見てみると、自分自身の感情を第三者的に冷静に捉えることができます。すると、感情に支配されることなく、感情をコントロールしやすくなるのです。また、その感情レベルがどのくらいのものなのか、数値化することも客観的に捉える手段のひとつ。2.先入観を外す物事や他人、または自分を見るとき、人は必ずそこに、良くも悪くもフィルターをつけています。「きっとこの人はわかってくれない」「多分こう言うだろう」「私はこういう人間だから仕方ない」……これこそが先入観です。先入観を持ち続けると、固定概念にとらわれ視野を狭めて自由に生きることが難しく、とても息苦しくなってきます。そのことにまず気づきましょう。常に心のフィルターを外して、物事や人、自分と向き合うようにすると、いつも新鮮な気づきを得ることができ、小さなことに感動したり、毎日何かしら発見できたりします。3.感情の正体を探る不安とは、何が不安かわからないから生じる感覚です。不安と正面から向き合い冷静にその不安の正体を分析し、知っていくことによって、不安は課題に姿を変えます。たとえば具合が悪いとき、なにが悪いかわからないけれどどこかが痛いと不安ですが、それが「二日酔い」や「生理だから」と原因がわかると、その原因に向かって「しばらく胃腸に優しいものを食べよう」や「休養をしっかりとれば大丈夫」などアプローチすればいいので不安は課題に変わります。自分の感情ときちんと向き合い、解決策を自分と一緒に考えましょう。4.ハートで感じる癖をつける物事を頭で考えるのではなく、ハートで感じるようにしましょう。今感じている感情をハートで味わい尽くすのです。うれしいことはたくさんハートで味わい、悲しいことも逃げずにハートで一度感じてみることによって、そのものを、徐々にでも素直に受け入れることができる自分になれます。頭を使うことは健在意識の活性に繋がりますが、潜在意識の活性にはなりません。大切なのは潜在意識を活性することによって、自分の本当に大切なもの(価値観・軸)や可能性、才能を知ること。すると、より自分の感情を扱いやすくなる。ハートで感じることに慣れていない方は、一度深呼吸して力を抜いてから、吐く息と共に目を閉じて、胸に手を抑えて大切なことは自分自身に聞くことです。5.視点を変える物事にはいい悪いはありません。ただ起こっているだけです。それをどう捉えるかは自分次第。ひとつの物事に対して、どれだけたくさんの視点を持てるかで、自分の可能性やチャンスを広げることができます。物事を柔軟に捉えられると、常に穏やかな気持ちでいられます。6.受け入れて流す・無になる不快に感じることがあったとき、一度無になりましょう。深呼吸して冷静にそのものの正体を見極めます。そして、そっと横に置くイメージをするのです。それだけで一度その感情が自分の元から離れ、楽になります。でもまたその感情はふと自分の元に戻ってくるときがあります。そうしたらまたそれをする。ひたすらそれを繰り返しているうちに、どんどん自分の元から遠ざかっていき、次第に手放せるようになるのです。7.ストレスを味方につける居心地のいい範囲をコンフォートゾーンと呼びます。人は変化を恐れる生き物ですが、成長は変化の中……コンフォートゾーンの外にあるのです。いつもと違うことをするとき、人は小さな違和感(=ストレス)を感じますが、このストレスこそが自分を成長させてくれるのです。そして、そのストレスにチャレンジし続けることによって、少しずつ免疫がついてきて、変わることを恐れない自分になれます。この変化とは、いつもと少し違った選択するということです。変化すること……成長はそこにあるのです。変化する自分を素直に受け入れ、人生を楽しみましょう。8.心のスイッチをたくさん持っておくやる気が出るスイッチや、心が穏やかになるスイッチを、自分の中にたくさん持っておきましょう。自分の感情を扱うことは、小さな子どもを扱うことと一緒です。子どもをやる気にさせるとき、穏やかにさせるとき、あなたはなにをしますか?あの手この手とバリエーションをいろいろと用意しておけば、感情をうまくコントロールすることができます。9.意識的に丁寧に呼吸する私たちの感情が高ぶっているとき、良くも悪くも必ず、自律神経の交感神経が優位になります。呼吸が浅くなり、血液循環が悪く、消化機能が低下した状態です。そんなときは副交感神経(リラックスの神経)にスイッチを入れることで、物事を冷静に捉えられるようになり、平常心を取り戻すことができます。交感神経が優位な状態が続くと身体にも負担がかかり病気の原因にもなります。では副交感神経にスイッチを入れるにはどうしたらいいか?一番簡単で誰でもすぐにできるのが「呼吸」です。意識的に呼吸をし、ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。それを繰り返します。特にネガティブな感情を溜め込んでいるときは、吐く息を意識して、いらない感情が吐く息とともに身体の外に出ていくイメージをしてください。それを心が落ち着くまで繰り返してください。すると心がとても軽くなっていることに気づくでしょう。2016年4月15日公開2019年5月25日更新
2019年05月25日【元ホステスが語る男ゴコロの裏事情368】あなたの身近に、自己犠牲的な恋愛をしていて「彼との関係が円満」「毎日、幸せ」という人っています?たぶんいないですよね?自己満足するかもしれませんが、精神的には疲れているはずです。筆者の知る限り、自己犠牲的な恋はうまくいきません。ただ、女子の中には自己犠牲が何だかわからず、知らないうちにそういう恋愛になっている人も……。■自己犠牲=あなたも彼もダメになる自分を犠牲にして一生懸命、彼に尽くす女子の中には、そのことを美徳だと思ってる人もいるかもしれませんね。でもそれは勘違い。自己犠牲的な恋愛をすると自分の精神がすり減り、相手はどんどん何もできない人になっていきます。尽くしに尽くすうちに彼の能力を奪い、成長を止めてしまうんです。そう、お互いにいいことなど何ひとつありません。といっても、自己犠牲って何?というのがわかってないと、イメージが湧かないでしょう。もしあなたが、これから紹介するような恋愛スタンスなら、無自覚でも自己犠牲的な付き合い方をしてるので、遅かれ早かれ恋が終わってしまうかも。■予定をキャンセルしてまで彼に会う彼中心の生活をするのはかなりの自己犠牲。彼のためになるべく予定を空けておく、友達と約束してても誘われたらキャンセルして彼に会う、という関係だと必ずどこかで破綻します。彼に会える喜びで帳消しになるのかもしれませんが、全て予定を彼に合わせようとすることは、それなりにストレスになってるはず。恋人との時間は大事ですが、自分の時間も大事です。彼に合わせれば合わせるほど、あなたの精神はすり減り、徐々に破局へのカウントダウンが始まります。彼だって、いつでも自分の都合で会えると思うと、あなたへの態度が適当になるでしょう。■常に「私が悪いんだ」と思う彼との間で何かあるたびに「怒らせた私が悪いんだ」「彼が不機嫌になったのは私のせいだ」と、全てにおいて自分を責めるのも自己犠牲ですね。悪いことをしたわけでもないのに自分を繰り返し責めると、ある日、突然「もう無理だ!私は彼を満たしてあげられない」と疲れ果て、彼との関係を保てなくなります。当事者だとわからないかもしれませんが、自己犠牲的な恋愛というのは、実はひたすらあなたが我慢してる状態です。我慢し続ければ必ずどこかで限界が来るもの。そうなるともう恋の継続は無理です。彼のことが好きすぎて、自分の感情を抑えるような付き合い方をしてては、誰と交際してもうまくいかなくなるでしょう。あなたは気持ちを伝えるのが苦手だったりしませんか?口で上手に伝えられないなら、LINEや手紙でもいいので、しっかり彼に伝えたほうがいいですよ。じゃないと、知らない間に不満がたまっていき、突然、爆発したり、無気力な状態になったりしますから。■自己犠牲な恋で幸せはつかめない彼のためにできる限りのことをしてあげたい、と思うのは素敵なことですが、度を越えれば、それは自己犠牲以外の何ものでもありません。自分を犠牲にした恋愛をしてる間は、幸せにはなれない!ってこと、忘れないでくださいね。
2019年05月17日ハウコレでも何度も取り上げてきた「愛されること・愛すること」というテーマ。僕はここでは『自分に自信がなければ人を愛することができない。なぜなら人を愛するためには、まずは自分を愛する必要があるよ』と説明きました。しかし、最近妻とのコミュニケーションをしていく中で、「誰かを愛するのに自信は必要ないのでは?」と思うようになりました。■誰かを愛するために「自信」は本当に必要?僕はハウコレでは一貫して“愛は主体的でなければならない”と主張してきたつもりです。なぜなら、愛されることを目的に生きてしまうと、自尊心や自己肯定感を他者に依存することになるからです。「愛されること」を期待して生きるとうまくいかないので、「自分を愛する」→「自分を満たす」→「その後相手を満たす」→「相手が満たされると相手も愛してくれる」→「自分もさらに満たされる」というサイクルを回そう、と説明していたわけですね。しかし、よくよく自分のことを振り返ってみると、僕は妻に対してそんなサイクルを回そうなんて思ったことは一回もないんです。ただプロポーズした時に「この人のことを愛そう」と決めただけなんです。そのとき自信はむしろなかったですし、そのために自分を満たそうなんて発想もありませんでした。そこでもう一度「愛すること」「愛されること」について考え直すことにしたんです。■「愛されたい」という呪いからの脱却人は誰しも「愛されたい」という欲求を持っています。それは子ども時代の、「愛されないと」生きていくことができなかった体験に根付いています。子どもが生を受けて独り立ちするのはほぼ不可能であり、「世話を焼いてもらい、ご飯を食べせてもらい、構ってもらう」ことで生命を維持しようと考えます。つまり僕たちはみな、「愛されることで生きていける」ということを学習しているわけです。そして同時にこの学習によって、「愛されなければ生きていけない」という呪いを自分にかけてしまうのです。■真の自立とは「愛されることへの放棄」一方で、僕の周りにいる「“依存”という言葉を1mmも感じない自立した人」たちをみると、彼ら・彼女らは「愛される」という発想をそもそも持っていません。あくまで自分が「この人だ」と決めた人を自らの意志で愛そうとしているのです。そこに「運命的な出会い」の概念もありません。愛すべき対象が見つかったから愛そうとしたわけではなく、愛そうとしたから愛すべき対象になったのです。そこで僕は、真の自立とは、子どもから大人になる過程で「愛されなければ生きていけない」という呪いを捨てることなのではないか、と考えるようになりました。■幸せになることは、決して楽なことではない僕らはどこかで「幸せになること」をゴールに置いているように思います。「幸せになりたい」→「愛すべき人を見つけたい」→「そのためには自分を愛せるようになりたい」→「悲観的な考え方を直さないと」・・・そんな風に逆算しています。ところがこの思考は「愛すべき人さえ見つかれば幸せになれるはずだ」という短絡的な考えに至る危険性があるのです。誠に残念ですが、愛すべき人が見つかった人の生活は「圧倒的なまでの日常の連続」です。毎日23時までパソコンに向かって原稿を書き、近い将来生まれてくる子どものための引越しを考え、不動産屋に文句を言いながら、スーパーの特売日でお魚を買う。ドラマチックな毎日でも「愛で満たされている」毎日でもありません。しかし、その毎日に絶対的な安心感がある。それが(僕が今のところ感じている)幸せの正体です。■あなたには人を愛する覚悟がありますか?あなたには今きっと大好きな人がいますよね?その人と未来永劫に続く幸せを築きたいと思いますか?そのために「愛されること」を放棄し、ひたすら続いていく圧倒的な日常を守っていく覚悟は持っていますか?能力も才能も自信も用意する必要はありません。ただ、「この人を愛そう」と決める覚悟だけあれば、あなたはその未来を作ることができます。(川口美樹/ライター)関連記事:大好きな人と結ばれて幸せになる人と、そうならない人の超リアルな3つの違い(ハウコレ編集部)
2019年05月15日婚活を上手く実施できない女性は、主に4つの悪いポイントが発生している可能性があるので、少しずつ改善していき、魅力的な女性としてアピールすることが必要です。髪の毛や肩が汚れていないか確認する事良い結果を婚活で出せない女性は、不潔な外見になっている可能性があります。髪の毛もしくは肩に埃や汚れが付いていると男性から不潔な女性として見られやすいです。第一印象はとても大切で、髪の毛や肩が汚れている女性は不潔な印象を与えやすく、婚活で良い結果を出すのが難しいです。そのような状況を回避するため、婚活パーティーやお見合いに参加する前に髪の毛や肩が汚れていないか確認してから参加することが大切になります。厚化粧は多くの男性にマイナス印象少しでも魅力的な女性として厚化粧をする女性がいるのですが、残念ながらマイナスです。厚化粧の女性は男性から見るとどのような素顔なのか判断できません。また化粧嫌いな男性もいて、多くの男性にマイナス印象を与えやすいのが特徴です。厚化粧をして婚活をするのではなく、できる限りナチュラルメイクで婚活するのが重要です。ナチュラルメイクならば、どのような素顔なのか男性も把握でき、好印象を与えやすくなります。香水が強い女性は男性に迷惑をかけている可能性基本的に婚活パーティーもしくはお見合いをする時に香水を使用することが多いです。この香水なのですがあまりにも匂いがきつい場合、多くの男性に迷惑をかける可能性があります。あくまでさりげなく男性の嗅覚を刺激できる香水が効果的なため、あまりにも使いすぎないように気をつけないといけないです。大量に使用するもしくは複数の香水を使用する方法は、男性に迷惑を与えやすいので要注意ポイントです。自分の話ばかりするのではなく聞き上手な女性を目指す重要性婚活で上手くいかない女性は、自分の話ばかりしている可能性が高いです。自分は楽しい話ができているかもしれませんが話を聞いている男性にとって、つまらない時間を過ごしている恐れがあります。それでは魅力的な女性としてアピールできないため、注意しなくてはいけません。自分で話をするのも大切なのですが男性の話をしっかりと聞くことも重要です。そして聞き上手な女性としてアピールできれば、多くの男性に興味や関心を与えられます。
2019年05月08日「10歳の壁・9歳の壁・小4の壁」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。9~10歳のころに、子供が勉強面や心理面でつまずいてしまうのは珍しくありません。「壁」を乗り越え、将来、自立した大人になるためには、この時期に自分に自信をつけることが大切です。今回は、子供が自分に自信を持つべき理由と、そのために親ができることを2つ紹介します。劣等感が生まれる!?「10歳の壁」とは10歳の壁とは、10歳前後の子供が直面する課題として、よく知られています。「9歳の壁」「小4の壁」と言われることもありますね。文部科学省は、この時期の子供について、次のように説明しています。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題)子供の考え方は9~10歳の時期に大きく転換します。この転換によって、抽象的な「5-2=3」という式を、「5個のミカンを2つ食べたから残りは3個」などの具体例を介さずに理解できるようになります。また、抽象的な概念だけでなく、他人の目から見た自分の姿も理解し始めます。抽象的な考え方ができるようになるまでの期間は個人差があるので、子供たちは自己と他人を比べてしまい、自己肯定感を失いがちです。そして、このときに自己肯定感を失ったままだと、その後の成長に大きな影を落としかねないのです。10歳の壁を壊す「自己肯定感」の大切さ多くの企業・学校で活用されている行動習慣化メソッドを開発した人材育成研究家の永谷研一さんは、自己肯定感の大切さを次のように述べます。自己肯定感が高い人は、楽観的に物事を考えることができるので、少々不安であっても前向きな行動を起こすことができます。また自分の気持ちを開示することができるので、周りからのアドバイスも受けやすく、ぐんぐん成長することができます。その逆に自己肯定感が低い人は、悲観的に物事を考えてしまう傾向があります。新しい行動を起こそうとしてもリスクを考えて踏みとどまってしまい、前に進むことができません。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:東洋経済ONLINE|「自己肯定感」が低い人に現れる”残念な症状”伸びる人と停滞する人の差にもつながる)自己肯定感を失ってしまった子供は、「どうせ頑張ったって、できないんだ」と考えるようになり、次第に挑戦をしなくなります。自分から行動を起こすことはなくなり、将来、指示待ち人間となってしまう可能性もあるでしょう。そして、人の後をついてゆくだけの人間にとって、これからの時代を生き抜くには厳しそうです。「東大・京大で一番読まれた本」として知られる『思考の整理学』の著者・外山滋比古さんは次のように述べます。僕が本に書いたのは、“墜落してもいいから飛行機になれ”ということです。グライダー型人間はモノマネが得意だけれど、新しい事態や時代の変化に対応できません。しかも現在は30年前よりはるかに時代が進み、学校で学んだ知識がより通用しなくなった。人工知能(AI)やITなどが発達した今こそ、他人に引っ張ってもらって飛ぶグライダー型人間ではなく、自力で自分のめざす場所まで飛べる飛行機型人間が求められています。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:NEWSポストセブン|外山滋比古氏の提言「墜落してもいいから飛行機になれ」)子どもが将来活躍するためには、主体性を持って行動する必要があります。そのため、主体性を生みだす自己肯定感はとても大切な要素なのです。では、10歳の壁に負けず、子供に自己肯定感を身につけさせるためにはどうすればよいのでしょうか?叱ってばかりだと、自己肯定感はボロボロに……一番大切なのは、親が子供を信頼し、行動を見守るということです。子供が行動するとき、失敗しそうで不安になり、あれこれ口を出していませんか?「早く宿題をやりなさい」や「部屋をきれいにしなさい」などと、子供の行動に毎回口をはさみ叱っていると、子供はどんどん挑戦する心を失っていってしまうのです。教員出身の教育評論家、親野智可等(ちから)さんは次のように述べます。待てない親や先生は必ず子どもを傷つけます。目先のことばかり見て「○○ができてない。ちゃんとやらなきゃダメでしょ」と否定的に叱り続け、結局は子どもの自己肯定感をボロボロにしてしまうのです。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:親力|やる気のスイッチが入る人と入らない人、その差はどこに?)子供は自分で必要だと感じたら、その時に自分で考えて、何とかしようと行動します。そして、その行動をやり遂げることによって、子供たちは「自分なら大丈夫だ、自分もできるのだ」と思えるようになるのです。したがって、自己肯定感を身につけさせるには、まず、子供の行動を見守ってあげることが大切なのです。「頭がいいね!」で自己肯定感は伸びないまた、親が子供をきちんとほめてあげることでも、子供の自己肯定感は高まります。その際、ほめ方に注意が必要です。褒めるときは子供の能力ではなく、行動を褒めましょう。スタンフォード大学で行われた実験によると、能力をほめられた子供は学習意欲が下がってしまうのだそう。ドゥエック教授は、子どもを対象としたテストで「頭がいいから成績がよかった」と能力をほめたグループと、「がんばったから成績がよかった」と努力をほめたグループのその後の行動を観察しました。すると、能力をほめたグループの子どもは新しい課題に消極的になったり、なかなか解けない難題に対して「楽しくない」「自分はできない」とあきらめてしまったりしたそうです。一方、努力をほめたグループは新しい課題にも積極的に取り組み、難問にも根気よくがんばる姿勢を見せ、最終的にいい成績を収めたといいます。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:サイバーユニバーシティ株式会社|能力ではなく「努力」をほめる!効果的なフィードバックの方法)人間は能力を評価されると、その「能力が高い」という評価を維持するために行動してしまうのだそう。「頭がいいね」と褒められた子供たちは、「自分が問題をとけない、つまり頭がよくない」という評価を避けるために、「そもそも挑戦をしない」という決断をしてしまうのですね。また、米カリフォルニア大学サンディエゴ校とカナダのトロント大学、中国杭州師範大学の研究者らが行った研究では、「頭がいいね」と褒められた子供たちは、不正行為をする可能性が高くなるという結果でした。したがって、子供を褒めるときは、子供が努力した姿に注目してあげるようにしましょう。***9~10歳の子供は、勉強・身体の成長・人間関係などあらゆる面で大きな変化を迎えます。そんな子供がのびのびと挑戦し育ってゆくためにも、親はどーんと構えて子供を見守ってあげましょう。そうすることで、子供は主体性のある大人に成長できるでしょう。文/村瀬裕一(参考)文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題ダ・ヴィンチニュース|225万部突破! なぜ『思考の整理学』は東大生から根強く支持されるのか?AllAbout|「10歳の壁/小4の壁」子供がぶつかる勉強の見えない壁への対策3つ親力|やる気のスイッチが入る人と入らない人、その差はどこに?AERA dot.|「9歳・10歳の壁」を乗り越える3つの法則帝京科学大学学術リポジトリ|児童期の認知発達と心理発達の特徴と支援について産経新聞|写真で褒める「ほめ写」子供の自己肯定感アップJ-CASTニュース|子どもを「賢い」と褒め続ける教育ご用心!インチキする子になりますよ
2019年05月07日恋をしていた時は楽しかったのに、失恋したら気持ちが落ち込んで立ち直れそうにない、そんな時に思いっきり泣いたり共感したりして、頑張る力になるマンガをご紹介します。僕の初恋をキミに捧ぐ映画やドラマ化もされている名作です。心臓病で二十歳まで生きられない男の子とその主治医の娘が幼い頃に結婚の約束をします。好きだからどこまでも一緒にいたい女の子の気持ち、好きだからこそ悲しませたくないと、あえて女の子から離れようとする男の子の、お互いの気持ちが切な過ぎる物語です。読みながらたっぷり泣いて心が浄化されたら、少しは失恋のつらさが軽くなるかもしれません。花宵道中舞台は江戸時代の吉原です。官能的な部分もたっぷりありますが、遊女の哀しい恋の数々が描かれた作品です。女性だからこそ共感できる部分も多い作品で、普通の恋が許されない女性達の哀しさを疑似体験できます。大切な恋を失って悲しんでいるのは自分だけではない、この時代に比べれば自分はまだ自由な恋愛ができる、と思えれば、心の傷も少しずつ、癒されるでしょう。エースをねらえ!テニスブームを巻き起こしたスポコン少女漫画です。ヒロインが密かに想いを寄せる先輩。ヒロインのテニスの才能を見出すコーチは、実は彼女を愛していて・・・。「恋をしても溺れるな」と彼女に説くコーチが、病に侵されながらも最期まで彼女を想うシーンが切なすぎる作品でもあります。最初はお蝶夫人の異名を持つ先輩に憧れて入ったテニスの世界で、コーチの指導のもと、めきめき頭角を現してゆく姿に、このままじゃいけない、自分も何か頑張らなければと立ち上がる勇気をもらえるような迫力も味わえます。失恋ショコラティエモテモテの彼女と付き合ってる嬉しさを手作りチョコに詰めて渡したら、相手は他の男性と付き合ってた。ふられても、それでもなお彼女を想い続ける主人公の心が一途過ぎて、報われないつらい恋を一緒に体験できそうな作品です。ちょっと美味しいチョコレートを1粒ゆっくり味わいながら食べてマンガを読むのもオススメです。甘い、あるいは、ほろ苦いチョコレートが、失恋でヒリヒリした心にやさしく溶けていくでしょう。
2019年04月30日グローバル化が進む昨今、私たちの日常生活も徐々に変化してきました。街中で見かける外国人観光客の数は明らかに年々増加していますし、コンビニや飲食店の店員が外国人であることも今や全く珍しくありません。海外出身の方と一緒に働く職場も増えてきているのではないでしょうか。もちろん、子どもたちを取り巻く環境も同じように変化を続けています。園や学校のクラスメイトに外国人のお友だちがいるというケースも増えていることでしょう。このような社会の流れを受け、子どもたちにも「グローバル人材」の資質が求められています。とはいえ、やみくもに英語だけを学べばいいというものでもないようです。家庭内でどのようなことに気をつければ、子どもをグローバル人材に育てることができるのでしょうか。今回は、子どもがグローバル人材になるために大切なことについてご紹介します。これからのグローバル人材の3つの要素とは?これからの時代に求められるグローバル人材になるためには、どのような能力が必要になるのでしょうか。2020年から小学校でも英語が必修化されることもあり、多くの方が語学力の必要性は理解されていることでしょう。しかし、単にネイティブスピーカーのように英語が操れるだけでは、真のグローバル人材として不十分。大切なことは、「英語を使ってどんなはたらきかけをするか」です。官邸主導のグローバル人材育成推進会議が定義した「グローバル人材」の要素は次のとおりです。「グローバル人材の要素」要素I:語学力・コミュニケーション能力要素II:主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感要素III:異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー(引用元:首相官邸|グローバル人材育成戦略(グローバル人材育成推進会議 審議まとめ))海外の相手とコミュニケーションを図るには、語彙力だけではカバーできない部分もあります。自分とは異なる価値観や文化的バックグラウンドを持つ人々のことを理解する柔軟性や、失敗を恐れず積極的にチャレンジするタフさなど、幅広い力が必要とされるのです。このような能力は、かつては一握りのエリートやリーダーに求められていたものですが、これからの時代は多くの人に求められるようになっています。では、基本的な要素である語学力・コミュニケーション力を除いた要素II、要素IIIは、どのようにして身につけることができるのでしょうか。グローバル人材に必須なのは「自己肯定感」グローバル人材の要素IIにあたる「主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感」は、あらゆる能力を身につけなければ得られないような印象を受けますよね。しかし、実はこれらに共通するのは「自己肯定感」、つまり「自分は価値のある存在だ」「自分ならできる」という気持ちです。自己肯定感が育まれている子どもは、要素IIの能力を楽に伸ばすことができるでしょう。家庭で自己肯定感を高めるのに効果的な「言葉がけ」の仕方を考えてみましょう。例をいくつかご紹介します。■子どもの気持ちに共感する子どもが習い事のレッスンなどでうまくいかず悔しがって泣いているときには、子どもの気持ちを受け止めてあげることが大切です。自分のことを分かってくれているという安心感が自己肯定感アップにつながります。【NGワード】「悔しいんだったらもっと練習していけばいいでしょう」「泣いたってどうしようもないよ」【OKワード】「今日はうまくできなかったから悔しかったんだね」「実はお母さんも昔できなくて泣いたことがあるんだよ」■過保護になりすぎない親は、子どもが失敗して辛い思いをしないようにあれこれ先に手を回したくなるものですが、過保護になりすぎているようなら要注意。子ども自身に考えさせる声かけを心がけるのがおすすめです。【NGワード】「ほら、○○を忘れずに持っていきなさいね」「いいわよ、ママがやってあげる」【OKワード】「何を持っていけばいいんだっけ?」「あなたはどうすればいいと思う?」■人と比べないうまくいかないときでも、他の子と比べるような発言をすると、子どもは「友だちと比べて自分は劣っているのだ」と受け取ってしまいます。子どもが自分に自信を持つには、子ども自身の成長ぶりを少しずつ認めて褒め「今の自分を認められた」と感じさせることが必要です。【NGワード】「〇〇くんはテストが100点ばかりなんだって」「△△ちゃんはもう自転車にスイスイ乗っているのに」【OKワード】「前よりも10点上がったね」「もうすぐ補助輪も取れそうだね」このように、子どもを否定したり自立心を奪ったりすることなく、「自分ならできる」と感じさせるような言葉がけをすることによって、子どもの自己肯定感を高めることができます。グローバルな人材教育は、まず日本を知ることからでは、要素IIIにあたる異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティーは、どうしたら身につけられるのでしょうか。外国人とのコミュニケーションでは、「あなた自身はどう考えるのか?」と意見を聞かれることがあります。これは、「あなた自身=日本人」としての意見を期待されていることが少なくありません。みなさんも、普段は「日本人としてのアイデンティティー」について考えることはほとんどありませんよね。そのため、外国人と交流した際に、日本について質問をされて答えに困ってしまったり、自分たちよりも日本のことを詳しく知っている外国人に出会ったり……。という経験はないでしょうか?そこで、将来を担えるグローバル人材になるために、教養としてお子さんが「日本らしさ」を知る機会を増やすことをおすすめします。お子さんが小さいうちから、四季折々の日本の自然にふれたり、年中行事や習わしを一緒に体験したりして、身近な「日本の文化」を学べるように環境を整えることが大切です。さらに、自分の国について知っていることで、相手の国を理解しやすくなることもあります。東京都教育委員会は、異文化理解の心は自国の文化理解のもとに育まれるため、日本の伝統や文化を通して日本人というアイデンティティを確立する教育を推進することが必要だと述べています。異なる文化や風習などの「多様性」を受け入れられる許容性や柔軟性は、グローバル人材として成長するための基礎となるのです。***グローバル人材に育てるためには、特別な何かを与える必要はありません。むしろ、子どもの「自己肯定感」を高める言葉がけと、私たちの身近にある「日本らしさ」の経験の豊かさが大切だといえますね。(参考)首相官邸|グローバル人材育成戦略(グローバル人材育成推進会議 審議まとめ)河合塾Kei-NetGuideline4・5月号|特集2 グローバル人材の育成-こどもまなび☆ラボ|「自己肯定感の高い子どもは学力も高い」は本当?自己肯定感アップに効果的な3つのこと。東京都教育委委員会|日本の伝統・文化理解教育の推進こどもまなび☆ラボ|英語学習だけで大丈夫?子どもがグローバル社会で活躍するために本当に大切なこと|日経DUAL|「リスクを取れて、前向き」が世界を生き抜ける子
2019年04月23日成長するにつれて、子どもの個性は色濃く出てきます。長所も短所もその子の個性であり、良いところはどんどん伸ばしてあげたいですよね。一方で、短所になり得る点を早いうちから直してあげるのも、親としての大事な役目です。親の声かけや対応、周囲の環境などは、子どもの成長に大きな影響を及ぼします。今回は、物事が続かない・すぐにあきらめてしまうお子さんを変えるヒントをお伝えしましょう。「すぐにあきらめる子」は将来どうなる?「もういいや」「つまらない」「飽きちゃった」「どうせ僕(私)にはできないよ」ーーこれらの言葉がよくお子さんの口から出てくるとお悩みではありませんか?もしくは、お子さんの普段の様子を観察してみると、次のような傾向があるのではないでしょうか。・遊びや勉強など、最初のうちはやる気満々で夢中になって取り組むが、すぐに飽きる。集中力が持続しない。・あれもこれもと興味の対象が多いわりに、どれにも執着しない。・困ったことに直面しても、すぐに「まあいいか」と言って真剣に向き合おうとしない。たとえまだ小さな子どもでも、少し気になるこれらの言動。しかしこのまま放っておくと、高学年以降の成長過程においてさまざまな悩みの種になりかねません。勉強やスポーツでも、続けることでしか手に入らない結果があります。ちょっと壁にぶつかったくらいですぐにあきらめてしまうようでは、本人が望む成果は得られないでしょう。するとそのうち「自分は何をしてもダメなんだ」「結果が出ないのは自分の能力が低いせいだ」と、自己肯定感が低下していくのです。大人になって就職しても、変化のないルーティンワークからは刺激を感じられず、与えられた業務をおろそかにするようになります。その結果、周囲からの評価を得られないどころか、自分の実力に向き合うことをせずにすぐに環境を変えたがり、転職を繰り返す可能性もあるでしょう。「飽きっぽい」「あきらめが早い」ということは、大きな成功から遠ざかるひとつの要因にもなりうるのです。「あきらめ癖」がついてしまったのはなぜ?そもそも、なぜ「あきらめ癖」がついてしまうのでしょう。脳の仕組みを見てみると、熱しやすく冷めやすいタイプは、行動を促進するドーパミン神経系の活性化を求める傾向があると言われています。新しいものや刺激のあるものを求めることは、脳にとって決して悪いことではないのです。しかし一方で、コツコツがんばって続けられる人や、刺激を追い求めずに安定した日々を送る人もいます。「すぐにあきらめる人」との違いは一体何なのでしょう?そのヒントは、親の日頃の言動に隠されているようです。『ほめると子どもはダメになる』(新潮社)の著者で心理学博士の榎本博明氏は、「親から投げかけられた言葉や親の口ぐせは、自己観や人生観の土台になります」といいます。つまり、親の口ぐせが子どもの人生を方向づけると言っても過言ではないのです。たとえば、何かにつけて「どうせ無理」「きっとダメだよ」と言ってすぐにあきらめてしまう子は、親自身が後ろ向きなものの見方をしていることが多く、親の口ぐせを無意識のうちに心の中に取り込んでいるそう。とくに、次の2つの思考パターンには注意が必要です。■子どもを自分の思い通りにコントロールしようする「なんでできないの!」「こんなこともできないなんてダメね!」常日頃からこのような言葉を投げかけていると、子どもの自信はみるみるしぼんでいきます。それにより「どうせ何をやってもダメなんだ」と、あきらめ癖がついてしまうのです。■すぐに感情的になるたとえば朝、子どもが準備に手間取っているとします。そこで感情的になって「もう!モタモタしないで!」と思いつくままの言葉をぶつけていませんか?すると子どもは萎縮し、本来ならスムーズにできることもうまくできなくなり、ますます自信が失われてしまいます。私が実施した意識調査でも、子育て中の親のほとんどが、「子どもが思い通りにならない」といってイライラしています。社交的な親は、内気な子にイライラしています。神経質な親は、大ざっぱな子にイライラします。でも、子どもは親とは別人格、親の思うようには動きません。このことをしっかりと頭に刻んでおきましょう。(引用元:PHPファミリー|親がかける言葉で、子どもの人生が変わる)今からでも少しずつ親御さん自身の口ぐせや思考パターンを変えるように心がければ、お子さんの「あきらめ癖」も改善されていくはずです。ポイントは、前向きな言葉を口ぐせにすること。「モタモタしないで急いで!」ではなく、「さあ、もう少し急ごうね。がんばって!」と前向きな言葉をかけてあげるだけで、子どもは「自分はやればできる」と自信を失わずにすむのです。あきらめが早い=切り替えが早い!?枠にとらわれない思考法「リフレーミング」とはここでは少し視点を変えて、「あきらめ癖」について考えてみましょう。教育評論家の親野智可等氏は、わが子の短所ばかりが目につき、つい必要以上に心配したり叱ったりすることに悩む親御さんに向けて、「リフレーミング」という手法をすすめています。たとえば、「新しいおもちゃも、最初のうちは夢中になるけれど、すぐに飽きて見向きもしなくなる」「何かをやり始めたとき、ちょっとでも壁にぶつかると途端にあきらめる」「やる気が持続しない」という傾向があるとします。親からすると「こんな調子で将来大丈夫かしら?」と不安になりますよね。それこそが、一定の枠組み=“フレーム”を通してしかものを見ていない証です。「リフレーミング」とは、そのフレームを外して別の角度から見直すことを意味します。そうすることで、マイナスポイントに思えるものが、一転してプラスの側面を見せてくれるのです。「飽きっぽい」「あきらめが早い」といったマイナス要素を、別の角度から見直してみましょう。すると、「気持ちの切り替えが早い」「多様性を受け入れられる」「楽天的」「自分の気持ちに正直」……などの長所が思い浮かびます。それは将来、仕事に就くうえでも確実にプラスにはたらきます。あきらめ癖があるということは、決して悪いことばかりではないのです。その個性をうまく引き出せば、良い方向へと伸びていく可能性を秘めています。必要以上に心配しないようにしてくださいね。あきらめ癖がある子どもが粘り強くなる3つのコツとはいえ、すぐにあきらめて何ひとつまともに続かないのは困りものですよね。世の中には、続けることでしか手に入れられないものがたくさんあります。簡単に投げ出してはいけないものがあるのだということも、小さいうちから知っておく必要があるでしょう。ここでは、あきらめ癖がついてしまった子どもが「あきらめない心」を手に入れる方法をご紹介します。■クリアできそうな目標を常に用意するがんばればクリアできそうな目標に向かって取り組むと、快感にかかわる脳のドーパミン神経系の働きが最大化すると言われています。もっとも効果があるのは、子どもが50~75%の確率で達成できそうな目標を設定すること。スモールステップをクリアすることを繰り返せば、いつのまにか「やり抜く力」が身につくでしょう。■目標は「肯定的」で「具体的」に!否定語を入れないのがポイントです。「宿題が終わるまでゲームをしない」よりも「ゲームをしたくなったら窓の外を見る」というように、肯定的なフレーズを入れると◎。また「1年生のときよりも勉強をがんばる」では達成感がわかりにくいので、「テストでは毎回80点以上をとる」と具体的な目標を立てましょう。■「成功体験」を積み重ねることを意識する本格的なロジカルシンキングを取り入れた学習塾ロジムの塾長、苅野進先生は、「粘り強さを手に入れるためには、何かを成し遂げた『成功体験』が必要です」と述べます。「あのときうまくいったから、次もうまくできるはず」と思うことでさらに頑張れるというわけです。子どもにとって一番身近な成功体験は、親に褒められること。ただし結果を褒めるのではなく、問題に取り組んだことや、少しずつでも前進していることを褒めてあげましょう。たとえ失敗しても、チャレンジしたことを褒められれば、それが成功体験となります。***親の声かけによって子どもの粘り強さが身につくのなら、どんどん褒めてあげたいですね。「がんばって取り組んでるね!」「さっきより進んでるね!」「失敗したけど、ひとつわかったことが増えたね!」と、ありのままの姿や物事に取り組む姿勢を褒めてあげると、子どもの自信につながりますよ。(参考)洋泉社MOOK(2017),『子どもの脳を伸ばす 最高の勉強法』, 洋泉社.PHPファミリー|親がかける言葉で、子どもの人生が変わる東洋経済ONLINE |「いい子」「悪い子」すべては”親の決めつけ”だ洋泉社MOOK(2018),『これからの未来を生き抜く できる子の育て方』, 洋泉社.Study Hacker こどもまなび☆ラボ|才能よりも大切な「GRIT」!子どもの“やり抜く力”の育て方~家庭内ルール~
2019年04月20日合コンで成功したいなら、第一印象がポイントです。自己紹介テクニックを身につけて、素敵な彼氏をゲットしましょう。自分に似合うファッションを心がけて合コンで素敵な彼氏を見つけたいなら、第一印象が重要なポイントになります。まずは、自分に似合うファッションを心がけましょう。フェミニンなワンピースや、クールなタイトスカートなど、さまざまなアイテムを試着してみることがコツです。ショップのスタッフや友達のアドバイスを参考にしながら、自分らしいファッションアイテムを選びましょう。メイクやヘアスタイルを工夫することも大切です。美容院で相談すれば、適切なアドバイスをもらえます。笑顔に惹かれる男性は多い女性の輝く笑顔に魅了される男性は、とても多いです。合コンで自己紹介をする時は、笑顔を忘れないようにしましょう。不機嫌そうな顔をしていると、「本当は合コンに来たくなかったのかな」と思われてしまいます。声をかえてもらえなくなりますので、チャンスを逃してしまう怖れがあります。ただし、大きな口を開けて笑うことは避けましょう。微笑みをたやさないようにすることが大切です。趣味や好きなことを話そう合コンで自己紹介をする時は、自分の趣味や好きなことを話す方法がおすすめです。料理や手芸、ジョギングや映画鑑賞など、あらかじめ話すことを決めておきましょう。ただし、嘘をついてはいけません。見栄を張って、まったくできないジャンルを趣味や好きなことにすると、嘘がばれた時に恥をかきます。また、自分の家族や学歴などを自慢すると、周囲から冷めた目で見られてしまいます。合コンで孤立する危険性もありますから注意しましょう。休みの日は何をしているのか合コンで、「休みの日は何をしているのか」と聞かれることは多いです。休みの過ごし方によって、デートに誘いやすくなると考える男性はたくさんいます。合コンで自己紹介をする時は「午前中に家事を片付けて、午後はのんびり過ごしています」と答えましょう。あなたに関心を持った男性から「休日の午後に、一緒に出かけませんか」と誘われやすくなります。
2019年04月18日平成18年度から文部省が「早寝早起き朝ごはん」国民運動を提唱したほど、日本の子どもの睡眠不足は問題となっています。成長期の子どもにとって、生活リズムの乱れによる睡眠時間の低下はどのような影響を及ぼすのでしょうか。眠りの専門家である明治薬科大学の駒田陽子先生にお聞きしました。構成・編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)寝ない子の脳は発達が悪くなる睡眠時間が足りないことによる影響を「脳の発達」「体の成長」「心の発達」の3つに分けて見てみます。まず1つ目の「脳の発達」についてお話ししましょう。アメリカの高校生を調査したデータによると、成績の良い生徒ほど睡眠時間が長く、寝る時間が遅くなるほど成績が振るわないということが20年前に報告されていました。近年の報告でも、ノルウェーの高校生を対象とした2016年の大規模調査ですが、成績が良い生徒は8時間程度の睡眠時間をとっており、睡眠時間が短いと成績が下がる傾向がありました。睡眠と学習は深い関わりがあるのです。脳にある「海馬」は記憶や学習能力に関わる部分です。睡眠の長さと海馬の体積との関連を調べた東北大学の研究によると、睡眠時間を十分にとっている子どもは海馬の体積が大きいことがわかりました。もちろん頭の大きさには年齢による違いや個人差がありますので、それを調整しても睡眠時間と海馬の大きさには相関がみられるため、寝ない子の脳は発達が悪くなるということが言えるでしょう。一夜漬けで寝ずに勉強すると、なんとか次の日のテストはこなせても、1週間後にはその時に勉強したことを忘れてしまいます。また、勉強に限らずスポーツや楽器の演奏などでも、その日にできなかったことが、翌日なぜかうまくできるようになることがありますよね。それは、脳の記憶の仕組みによるものです。頭の中には多くの神経細胞があり、細胞同士が結びつくことにより学習や記憶が行なわれています。人間は寝ている間に、不要な結びつきや重複した部分を取り除いて効率の良い神経回路を作るほか、感情に関わる記憶を整理するために脳のメンテナンスを行い、脳をより良い状態に導きます。つまり、昼間に勉強したり練習したりしたことをしっかりと脳に定着させるには、十分な睡眠時間が必要なのです。文部科学省の全国学力・学習状態調査では、朝食を食べない生徒は成績が悪いという結果もあります。国語と数学の正解率を調べたところ、毎日朝食を食べる生徒に比べ、まったく食べない生徒は20点近く下がる傾向にありました。朝食を食べない理由のほとんどは起きる時間が遅いからというもの。睡眠時間がしっかりと取れていれば早起きができ、朝食が食べられるという好循環が生まれるのです。睡眠不足と肥満の意外な関係「体の成長」に関しても、睡眠は重要な役割を果たします。体内では、寝ている間にさまざまなメンテナンスが行われているのです。体の機能を正常にコントロールする物質である、ホルモン。その中でも、体を作る働きがある「成長ホルモン」は、子どもが大人へ成長していくために大切な骨や筋肉を発達させるものです。この成長ホルモンは、睡眠の前半に現れる深い眠りのときに集中的に分泌されることがわかっています。睡眠をしっかりとらず成長ホルモンの分泌が不十分な場合、子どもたちの体の発育に影響が出ることが考えられます。また、成長ホルモンは傷ついた細胞を修復し、免疫力を高める力もあり、病気になりにくい体づくりのためにも重要なもの。さらに脂肪を分解する作用もあるので、成長ホルモンが足りないと肥満になってしまいます。同時に、肥満になると成長ホルモンが出にくくなる傾向も。睡眠と肥満の関係には深い関係があるのです。これに関する興味深いデータを紹介しましょう。平成元年生まれの富山県在住の児童1万人を対象として追跡調査を行った研究では、幼少期の睡眠時間と思春期の肥満が関連するということが報告されています。3歳の時に睡眠時間が11時間だった子どもと9時間未満の子どもを比べると、中学1年時での肥満の発生率には1.6倍もの違いが。睡眠が短い子どものほうが10年後に肥満になりやすいことが分かったのです。また、小学1年生から4年生にかけて充分な睡眠時間を確保した子どもは肥満発生リスクが最も少なく、睡眠不足の子どもは肥満リスクが1.4倍に上昇していました。これもホルモンによる影響だと思われます。睡眠をきちんと取っていると、食欲を抑える「レプチン」というホルモンが分泌されます。逆に食欲を高める「グレリン」は睡眠が減ると分泌が増えます。大人を対象とした研究では、8時間睡眠の人に比べて5時間睡眠の人は「レプチン」が15.5%減少し、「グレリン」が14.9%増加したと報告されています。睡眠不足になると、気付かないうちに食欲が旺盛になって、食べ過ぎて太ってしまうのです。不登校のかげにも睡眠の問題睡眠不足による「心の発達」への影響は、親御さんにとっても特に気になるポイントでしょう。睡眠が短い子どもは、「気持ちが落ち込む」「死にたい」といった悩みを訴えるリスクが上がってくるというデータがあります。アメリカで2万人の青年を対象とした調査では、就寝時間を夜11時以降で良いとしている家庭は、夜10時前に寝るようにしつけている家庭に比べて、子どもの睡眠時間が40分程度短く、鬱になるリスクが約1.24倍に上がっていました。また同じくアメリカの研究ですが、6~13歳の健康な子どもを対象に10時間の睡眠を連続5日間とらせた場合と、6.5時間の睡眠をとらせた場合の落ち着きのなさを比較した実験があります。それによると、10時間睡眠を続けると子どもは落ち着いた状態を保つ一方で、6.5時間睡眠になると日を追うごとに落ち着きのなさが増加することがわかりました。現在、不登校の小学生の児童数は3.5万人にのぼり、大きな社会問題になっています。不登校のきっかけの多くは「学校に行こうという気持ちはあるが体の調子が悪い(42.9%)」や「生活リズムの乱れ(34.2%)」です。不登校児童には睡眠専門外来を訪れる方も多く、そこに至る過程をたどると、幼少期から夜型の生活を送っていたという子どもが少なくありません。寝不足になると気分が悪く集中力がなくなります。大人は理性が働き、ある程度抑えることができますが、未成熟な子どもは抑えることができません。これにより、イライラする、友だちと仲良くできない、などの心の問題が表面化してしまうのです。また、睡眠時に記憶が定着することは先程お話しましたが、睡眠不足になると記憶力が悪くなるばかりか、楽しいことに関する記憶が減ってしまいます。一方で、嫌な記憶はあまり減っていきません。さらに、就寝が遅いと「自分のことが好き」と答える割合が低くなり、自己肯定感にも影響するという調査報告もあります。気持ちが落ち込むのはこういった影響もあると考えられます。大人は睡眠不足を解消するために土日に寝だめをするという人もいますが、毎日少しずつ貯まっていった睡眠不足=「睡眠負債」は残念ながら週末の寝だめで解消することはできません。これは子どもも同じことです。寝だめのために週末の就寝時間、起床時間がずれてしまうことは、体内リズムを崩す原因になり、睡眠負債を解消することにはつながらないのです。長年にわたる睡眠不足が脳、心、体に大きな影響を与えないよう、子どものころからしっかりと睡眠時間を確保する生活を心がけましょう。***睡眠不足になることで子どもの体や心にあらゆる影響があり、生活や学習に支障をきたすことがわかりました。日常生活を送っていると睡眠に関わる疑問が多くあります。次回は、カフェインやお昼寝など、普段の生活での睡眠に関するさまざまな疑問に答えていただきます。■ 明治薬科大学准教授・駒田陽子先生 インタビュー一覧第1回:“世界一寝不足”な日本の子ども。「11時間37分」が示す、眠りにまつわる切実な問題第2回:寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」第3回:「昼寝のせいで夜なかなか寝ない」問題の解消法。朝のグズグズ防止にも効果大!(※近日公開)第4回:「起きる時間」を意識させるだけ!子どもの早起きを楽にするちょっとしたコツ(※近日公開)【プロフィール】駒田陽子(こまだ・ようこ)明治薬科大学 リベラルアーツ准教授。早稲田大学にて博士号(人間科学)取得。日本学術振興会特別研究員、国立精神・神経医療研究センター特別研究員、東京医科大学睡眠学講座准教授を経て現職。日本睡眠学会、日本時間生物学会の評議員を務める。睡眠が心身の健康に及ぼす影響の研究に従事。
2019年04月15日ふだんから、愛情を言葉にして子どもに伝えていますか?言葉で言わずとも、日頃の態度やスキンシップで伝わっているはず……と思っている方も多いのではないでしょうか。愛する気持ちを伝えるのが苦手な傾向にある日本人ではあるけれど、恥ずかしがらずに、子どもの前ではストレートに「大好きだよ」と気持ちを伝えてみましょう。すると、親子間のコミュニケーションだけでなく、意外な部分にも効果がみられるそうなのです。愛情を受け止めている子は、自立心も育つ幼児期に日頃からスキンシップや言葉で愛情を与えてばかりいると、べったりと親離れしなくなると考える人も少なくないと思います。けれどもそれは、実は逆。子どもが社会性を持つには、まず親からの愛情をたっぷりと受け止めている必要があるようです。20世紀半ばに、愛着に関する最初の見解がもたらされたころ、保育園でつぎのような事実が確認されました。親とつながりを持つ子どもほど、一時的な親との別れによりよく対処できることがわかったのです。子どもの母親をよく知っていれば、保育士が信頼できる子守役となるのもたやすくなります。子どもたちは保育士を信用し、二次的な愛着心を抱くようになるのです。(引用元:デズモンド・モリス(2010) ,『デズモンド・モリス子どもの心と体の図鑑』,株式会社 柊風舎.)もしも、保育園や幼稚園に入園するにあたり親離れできない子に困っているのなら、今一度、子どもへの愛情表現を見直してみるのもいいのかもしれません。たとえば、毎朝「おはよう」のあいさつの後にギューっと抱きしめながら「大好きだよ!」と言葉にして伝えるのです。子どもをほめ、たくさん抱きしめて安心させ大げさなほど愛情表現をする母親は、それより感情表現の乏しい母親に比べて、我が子が世界を探検する準備ができていることに気づくでしょう。そっけなく、ぶっきらぼうな母親は、子どもを心細くさせます。(引用元:デズモンド・モリス(2010) ,『デズモンド・モリス子どもの心と体の図鑑』,株式会社 柊風舎.)子どもの社会的、感情的な成長、そして自立には、親からの愛情表現が少なからず影響していると言えそうです。自己肯定感を育むことができるのは「存在承認」生涯学習開発財団認定コーチであり「子育てコーチ」として執筆や講演で活躍中の川井道子さんは、『“言うことを聞かない子”が、おどろくほど変わる!「HAPPYワード」7つの法則』(柏書房)のなかで、言葉かけでは「行動承認」だけでなく「存在承認」を大切にすることを説いています。*存在承認=存在そのものに対する承認「生まれてくれて、ありがとう」「あなたがいてくれるだけで、うれしい」など*行動承認=行動に対する承認「◯◯ができてえらいね」「◯◯してくれたから、大好きよ」など(引用元:川井道子 (2014) ,『“言うことを聞かない子”が、おどろくほど変わる!「HAPPYワード」7つの法則』,柏書房.)ふだん使われているほめ言葉のほとんどは、「行動承認」によるもの。子どもにポジティブな声かけをするときは「テストで満点」「スポーツで1位」など、人より優れた部分をほめることが多いと思います。でも、そればかりが増えてしまうと、子どもは「人より優れていないと認めてもらえないんだ」と感じてしまうようになるのです。でも、特別な「良くできたこと」や「いいところ」が見つからなくても大丈夫。日頃から「存在承認」による言葉かけをすることで、子どもは自ずと自己肯定感を育むことができるのです。「ありのままのあなたを愛している――」具体的には、以下のような言葉が有効だと言えそうです。「いつだって◯◯ちゃんが大好きだよ」楽しんでいるときも悲しんでいるときも、ギュッと抱きしめながら伝えたい言葉です。「生まれてきてくれてありがとう」何ひとつできなくても愛しかった赤ちゃんの頃を思い出して。親でいられることの喜びを伝えましょう。「がんばっているね!」ただ結果を待つのではなく、がんばっている子どものありのままの姿をほめてあげましょう。「結果は気にせず、楽しんでおいで」テストや試合がどんな成績を残したとしても、愛情に変わりがないことが伝わる言葉です。「愛されている自覚」が勉強する姿勢を変えるまた、子どもに愛情を伝えることは、勉強に対する姿勢にも好影響を与えるようです。精神科医で和田秀樹こころと体のクリニック院長の和田秀樹氏は、母親は子どもに対し、勉強するから愛しているのではなく、愛しているから勉強してほしい、というメッセージを伝える必要がある、と言います。「勉強しないとお母さんに嫌われるから勉強する。お母さんが恐いから勉強する」というマイナス感情で勉強させるのではなく、「お母さんは僕のことを愛してくれている。僕が勉強すると、大好きなお母さんがもっと喜んでくれるから勉強する」 というプラス感情の方向に持って行ってあげてください。(引用元:和田秀樹(2013) ,『勉強ができる子に育つお母さんの習慣』,PHP研究所.)何かを学ぶとき、マイナス感情が動機になるよりも、プラス感情が動機となって励むほうがやる気が増してくるのは当然のこと。親の「大好きだよ」「愛しているよ」といった存在承認による声かけが、「もっと頑張ろう!」という励ましにつながっていくのです。小学校も中学年以上になると、親子のスキンシップも段々と減っていくものですが、言葉かけはいくつになってもできるもの。「◯◯ちゃんが生まれてきてくれて本当にうれしいんだよ」、「うまくいかなくても、お母さんが◯◯のことを大好きなのは変わらないよ」というような言葉かけを折に触れ重ねていくことで、子どもの自立心と向上心が育ち、親自身も親子関係を見つめ直すことができるはずです。***大人になって素直な気持ちを口にするのには気恥ずかしさもありますが、言葉にしないと伝わらないこともあるものです。子どもからの「ママ、パパ、大好きだよ」がこのうえない喜びであることと同じように、子どももまた、親からの「大好き」を心から喜んでくれるはず。ぜひ日常生活に「大好き」のセリフを取り入れていきましょう。文/酒井絢子(参考)PRESIDENT Online|子供が見違える「短い声かけフレーズ10」PHPファミリー|親の言葉が子を幸せにする!わが子にプラス言葉のシャワーをAll About|育て直しは何歳からでもできる効果的に伝わる子どもの愛し方デズモンド・モリス(2010) ,『デズモンド・モリス子どもの心と体の図鑑』,株式会社 柊風舎.川井道子 (2014) ,『“言うことを聞かない子”が、おどろくほど変わる!「HAPPYワード」7つの法則』,柏書房.和田秀樹(2013) ,『勉強ができる子に育つお母さんの習慣』,PHP研究所.
2019年04月13日自己肯定感、忍耐力、協調性、やり抜く力、自制心、共感力、リーダーシップ、誠実さ、創造性、コミュニケーション能力など、さまざまな「心の力」は、「心の知能指数」として「EQ」と呼ばれます。このEQの重要性を提唱するEQWELチャイルドアカデミーの主席研究員・浦谷裕樹先生には、過去2回のインタビューでEQが子どもにもたらす多くのメリットを語ってもらいました(インタビュー第1回、第2回参照)。今回は、子どものEQの伸ばし方を教えてもらいましょう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/榎本壮三(インタビューカットのみ)親のかかわり方が子どものEQを左右するまず親御さんにお伝えしておきたいのは、子どものEQが高まるかどうかは親のかかわり方にかかっているということ。とくに幼児期までの子どもにとっては、親のかかわり方そのものが教育といえます。なぜなら、幼稚園でもある程度の学びはありますが、子どもが過ごす時間が絶対的に多い場所が親と接する家庭だからです。子どもがなにかの問題にぶつかったとき、真っ先に頼るのは親に他なりません。そこで親がどんな解決法、対処法を教え示すのか――。そういう実地の経験の一つひとつが、子どものEQを伸ばしていきます。見方を変えれば、子どもというのは親を見本にするということ。EQが親子間で遺伝するかどうかについては詳しい研究がまだなされていませんが、EQの傾向が親子間で似るということは明確です。親が「心の力」を示してくれなければ、子どもが「心の力」を学ぶ場を持てないからです。子どもがわがままをいって、感情を爆発させ泣き叫んでいたとしましょう。そのとき、親まで感情的になって怒ってしまえば、子どもが感情をコントロールできるようになるはずもありません。でも、親に共感力や自制心があれば、子どもに共感して寄り添い、「そういう気持ちもわかるよ」「でもこういうときはこうすればいいんじゃない?」と、対処法を教えられるのです。乳児期の母親の愛情がEQのベースをつくるそして、子どもへの親のかかわり方には、父親と母親それぞれに役割があるということも忘れてはなりません。母親は「第1の養育者」とも呼ばれます。子どもが小さいとき、とくに生まれてから1~2歳頃までのあいだに、いちばん子どもの近くにいる母親がどれだけ心穏やかに愛情をたっぷりと注ぐことができるか。それが、子どもの心の豊かさに大きなちがいを生みます。というのも、生まれてから1~2歳頃までの子どもは、「感受性期」という脳が情緒に関してもっとも学びやすい時期にあるからです。ここで、その後に伸びていくEQのベースがつくられるというわけです。そのベースとは、自己肯定感。母親に愛情を注がれることで、「自分はこの世に存在していていいんだ」と子どもは感じられる。自分の存在を肯定し、豊かな心を育んでいくようになるのです。逆に、この時期に親からほったらかしにされた、いわゆるネグレクトの状態に置かれた子どもは、情緒不安定だったり社会への適応性がなかったりといった好ましくない特徴を示すことがわかっています。子どものEQを伸ばすための父親の役割母親だけでなく、父親のかかわり方も子どもに大いに影響を与えます。それについては、国内外を問わず、いくつもの研究結果が示されています。たとえば、スウェーデンでの研究では、「父親との関係が良好な子どもは、学力が高く、良い友人関係を築け、問題行動や犯罪行為が少ない」という結果が出ています。また、カナダの研究では、「父親が子どもに多く関与すると、子どもの認知機能と学業成績が向上し、問題解決力、忍耐力、感情コントロール、責任感、社会的発達、人間関係力に好影響を与える」という結果が示されました。面白いのが、桜美林大学の山口創先生の研究です。先生の研究では、「『高い高い』『おんぶ』『肩ぐるま』を経験することで、子どもの空間認識能力、危機対処能力、身体能力への自信が高まる」ことがわかりました。注目は「空間認識能力」です。「肩ぐるま」などで普段とはちがう視点から周囲を見渡すことで空間認識能力が高まり、さらには物体に限らずものごとを多角的に見る力も高まったというのです。もちろん、「肩ぐるま」などは母親でもできるものです。でも、どちらかといえば父親がやることが多いものですよね。しかも、母親より力が強い父親がやれば、これらの遊びはよりダイナミックになり、もたらす効果も高まると考えられます。2種類の愛情を意識して使いわける父親と母親それぞれに役割があるということには、愛情にも2種類あるということが関係しています。簡単にいえば、「優しさ」と「厳しさ」です。母親の愛情というのは、子どものすべてを受け入れる、どんなときも子どもの味方になるといった「優しさ」、「応援する」というものです。一方、父親の愛情は、子どもが困難にぶつかったとき、失敗したときに、「もっとできるはずだぞ!」と挑戦へ導く「厳しさ」、「期待する」というもの。これらが愛情の両輪であり、どちらも子どもの成長にとって非常に大切なものです。もちろん、不幸にしてお父さんがいない、あるいはお母さんがいないという家庭もあるでしょう。でも、たとえひとり親であっても、ふたつの愛情をバランス良く使いわけることができれば、なんの問題ありません。あるいは、おじいちゃんやおばあちゃんが父親や母親の代わりになることもできるはずです。いずれにせよ、ふたつの愛情の存在、重要性を意識して子どもに接することが大切です。『子どもの未来が輝く「EQ力」』浦谷裕樹 著/プレジデント社(2018)■ EQWELチャイルドアカデミー・浦谷裕樹先生 インタビュー一覧第1回:幼児教育ブームのなかで今注目の「EQ、非認知能力」って何のこと?第2回:「頭の力」には「心の力」こそ必要。EQが高いと優秀な子に育つ納得の理由第3回:父親流の「厳しい愛情」が子どものEQを伸ばす。人間性と学力を高める親のかかわり方第4回:お説教は「○分以内」で。子どものEQを高める“叱り方の正解”とは(※近日公開)【プロフィール】浦谷裕樹(うらたに・ひろき)1972年7月31日生まれ、東京都出身。EQWELチャイルドアカデミー・新未来教育科学研究所主席研究員。工学博士、理学博士。京都大学理学部卒業、京都大学大学院理学研究科修士課程修了。高校時代に「人間の可能性はどこまで伸ばせるのか」との問いを抱き、学生時代より古今東西の能力アップ法を研究開始。現在は「楽しく、わかりやすく、ためになる」をモットーに全国で講演活動中。とくに参加型のトレーニングやワークを盛り込んだセミナーを得意とする。著書に『メンタルウェルネストレーニングのすすめ』(エコー出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年04月05日ある程度の一般常識やルールがある子どもの学校生活や日常生活とちがい、各家庭の経済状況や教育方針が大きく影響するために正解がない「おこづかい」。お金が絡むものだけに、ママ友、パパ友にも相談しづらいものかもしれません。そこでアドバイスをしてくれたのは、マネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生。先生が提唱するマネー教育「おこづかいプログラム」の基本を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)おこづかいが「責任意識」も育てるキャッシュレス決済の急激な普及により現金そのものが見えにくくなっているいま、学校でのマネー教育も十分ではないとなると、まずは家庭でお金の扱い方を教える必要があります。そのためにわたしが提唱しているのが、おこづかいを有効に使ったマネー教育「おこづかいプログラム」です。その特徴は大きくふたつ。ひとつは「子どもは家の仕事をして、その対価として親がおこづかいを与える」ということ。大人であれば当然のことですが、なんの仕事もしないでお金を得られるなんてことはありません。子どものうちから、お金は放っておいても誰かが与えてくれたり、地道に働くことなしに簡単に手に入ったりするものではないと教えます。お手伝いの内容はどんなことでも構いません。玄関にある家族の靴をそろえるということでも、自分の部屋は自分で掃除するということでもいいでしょう。でも、自らが引き受けた仕事の「責任」を果たさなければ、おこづかいを手に入れることはできません。ここで重要なのは、お金は労働の対価だということだけでなく、それらを体験・体感することで、「約束を守ることの重要性」や「責任意識」を理解することです。幼い子どもに「責任を与える」というと、「早すぎる」と思う親御さんもいるかもしれませんが、そんなことはないのです。わたしが監修した、『子どもにおこづかいをあげよう!』(主婦の友社)という本の読者から手紙をもらったことがあります。その本の内容は、わたしが提唱するマネー教育「おこづかいプログラム」の実践法を解説したものでした。手紙によると、その読者は3歳のお子さんにトイレ掃除の仕事を与えたそうです。すると、その子はトイレ掃除が大好きになっちゃった(笑)。もう「トイレは僕の場所だ!」「トイレ掃除は僕の仕事だ!」といわんばかりだというのです。単純に掃除が楽しくなったということもあるかもしれませんが、3歳の子どもにも少なからず責任意識が芽生えたと見ることもできますよね。「おこづかい契約書」をつくることの意義「おこづかいプログラム」のふたつ目の特徴は、「親子で『会議』を開いて両者合意のうえでおこづかいのルールを決め、『おこづかい契約書』を作成する」ということ。ここで、「おこづかい契約書」の一例を紹介しておきましょう。【おこづかい契約書一例】おこづかいのルールには、子どもがするべき家の仕事、おこづかいの金額はもちろん、例のようにボーナスを得るための特別な仕事やその金額を盛り込んでもいいかもしれません。また、使いみちや貯金額についてのルール、1回の買い物で使ってもいい金額、1年ごとのおこづかいの上昇金額、「おこづかいの金額アップを希望するなら交渉ができる」といった文言を盛り込んでもいいでしょう。いずれにせよ、「○年生だからおこづかいはいくら」というふうに、親が一方的に決めないことが大切です。子どもを「大人扱い」するわけです。お父さんやお母さんの仕事の話に出てくる「会議」に参加して、おこづかいのルールを「交渉」して、普段は使わない言葉で書かれている「契約書」というものをつくる。これだけで、子どもからすれば一気に大人になった気分になるでしょう。そして、それらの取り組みは、自己肯定感を育むことにもなる。自己肯定感というものは、達成感を得たり、自分が社会で役立っている、自分の存在を他人が認めてくれることを実感したりすることで高まっていくものです。親が自分を大人扱いしてくれる――。大好きなお父さんとお母さんが自分の存在を認めてくれるわけですから、子どもが自信を持たないわけがありません。しかも、せっかく契約書をつくるのなら、面白おかしく楽しんでやってほしい。たとえば、普通紙じゃなくてちょっと高価ないい紙にするとか、サインには万年筆を使うとか、まるで条約の合意文書をつくるように楽しんではどうでしょうか。子どもはきっと、「よし、やるぞ!」ともっともっとやる気を出してくれるにちがいありません。興味を示すものだからこそお金を遠ざけないおこづかいのルールを契約書にして残すことには、他にも意味があります。それは、親子それぞれの「抑制装置」として働く点です。子どもの立ち場からすれば、おこづかいが足りなくなることもあるはずです。でも、大人と同じようにきちんと交渉して金額を決めた。その契約書は自分の机の大事なものを入れる引き出しに入っている――。そうすると、「我慢しなきゃ」と思うことにもなるはずです。一方、親とすれば、子どものお金の使い方にはつい口を出したくなるものですよね。でも、それが親子で決めたルールの範囲内のものであったらどうですか?子どもにとって理不尽な口出しをすることもなくなるのではないでしょうか。おこづかいの使いみちについていうと、それこそ家庭それぞれのルールになるでしょう。わたしなどは、「着色料が入ったお菓子は買っちゃ駄目」といわれて育った世代(笑)。ただ、アレルギーの問題などが絡むならともかく、あまり縛りすぎることはおすすめしません。というのも、「失敗から学ぶ」こともすごく重要だからです。ときには、「美味しそう!」と思って買ったお菓子が、食べてみたら思った味とは全然ちがった、まずかったという経験をすることもあるでしょう。コンビニでお菓子を買った後に親とスーパーに行ったら、同じお菓子がずっと安く売っていたことに気づくとかね。そういう失敗経験で学習することによって、子どもはお金を使うにも慎重になり、かしこい消費者に育っていくのです。子どもというのは、本当に幼い頃から、「お金って不思議なものだな」と、お金に興味を示すものです。一緒に買い物に行った親が、お金というものを払ってほしいものを手に入れる。そういう場面に日常生活のなかで否応なく触れるため、子どもはお金に強い興味を示すようになる。だからこそ、お金から子どもを遠ざけるのではなく、お金がどういうものか、お金をどう扱えばいいのか、きちんと教えてあげることが大切なのです。『子どもにおこづかいをあげよう!』藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方【プロフィール】西村隆男(にしむら・たかお)1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。研究テーマは金融教育、消費者教育、パーソナルファイナンス(家計財務管理)など。金融広報中央委員会委員、金融経済教育推進会議委員、前日本消費者教育学会会長。著書に『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)、『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46の金の知識』(合同出版)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月30日最近、「自己肯定感」という言葉をよく目にしませんか?育児や教育に関するWebサイトや雑誌、書籍などにもたびたび取り上げられており、注目度の高さがうかがえます。そんななか、日本人の自己肯定感は諸外国に比べて「低い」と言われ続けています。その要因のひとつとして挙げられるのが、親の言葉です。いったい、どんな言葉が子どもの自己肯定感を下げ、どんな影響をもたらしてしまうのでしょうか。この記事では、子どもの自己肯定感を下げることの危険性と、親子関係との関連性、そして親が気をつけるべき「NGワード」についてご紹介します。自己肯定感が低い子どもは生きづらい自己肯定感とは、文字どおり自分を肯定的に捉える感覚を表す言葉です。自己肯定感の高い子どもは、自分の能力を信じたり、存在価値を認めたりすることができます。逆に、自己肯定感の低い子どもは、自分の能力に自信が持てなかったり、存在価値が見出せなかったりします。その結果、下記のような状態に陥る可能性が高くなると指摘されています。1. 暴力行為がある2. モチベーションが低い3. 友達関係が上手くいかない4. 過敏に反応する5. 自分で判断できない6. 授業の理解度が低い7. 学校をよく欠席する8. 学校をよく遅刻する(自尊感情や自己肯定感に関する研究報告書平成22年3月慶應義塾大学調べ)(引用元:NPOカタリバ|【自己肯定感】低い理由と対策)これらは、自分で自分を苦しめてしまいかねない行動です。例えば、「1. 暴力行為がある」「3. 友達関係が上手くいかない」ことから友だちづくりにつまずき、「7. 学校をよく欠席する」「8. 学校をよく遅刻する」ことからますます周囲に馴染めなくなる、といったことが考えられます。あるいは、「2. モチベーションが低い」「6. 授業の理解度が低い」ことから学ぶこと自体を諦めてしまうということも。では、こうした自己肯定感の低い子どもが成長すると、どんな大人になるのでしょうか。ビジネスニュースサイト「東洋経済オンライン」の「『自己肯定感』が低い人に現れる“残念な症状”」という記事には、自己肯定感が低いときに現れる症状として、下記3つを挙げています。■「不安」が先に立ち、人からの感謝の言葉を受け止められない■ 忠告されたときに「怒り」が湧き上がる■「恐れ」から、失敗をしたときつい言い訳をしてしまうこれらに共通するのは、マイナス感情です。マイナス感情にとらわれ、他人からの感謝や忠告を素直に聞き入れることができず、自分に言い訳ばかりしてしまう——そんな大人になってしまったら、自分の成長を止めてしまうばかりか、周囲から孤立してしまうかもしれません。ここまでの内容を読まれた親御さんは、「自分の子どもには、自己肯定感の高い大人になってほしい」と感じられるかと思います。しかしながら、そういう親御さんでも、子どもの自己肯定感を下げる張本人になってしまう可能性が十分にあるということをご存知でしょうか。自己肯定感が低いのは親のせい!?東京都教職員研修センターの指導資料「子供の自尊感情や自己肯定感を高めるためのQ&A」では、家庭での生活習慣と自己肯定感には関連があることが明らかにされています。特に、保護者に理解され、認めてもらえていると認識している子どもほど、自己肯定感が高い傾向にあるそうです。また、当サイトの「新・子育て習慣に!子どもの自己肯定感が向上する『ほめ写プロジェクト』」という記事には、「家族で過ごす時間が多いほど、親に理解してもらえているという“安心感”を得やすく、『自分は大切な存在』という意識が高まる」と書かれています。一方で、匿名で投稿できる掲示板サイトや個人のブログには、親との関係性が原因で自己肯定感が低くなったと公言する書き込みが複数存在します。例えば、女性向け掲示板「発言小町」への下記の投稿には、「私も」と手を挙げるレスポンスが目立ちました。私は親に褒められたことがありません。頑張っても頑張っても、いつもその位当たり前だ、もっと頑張れと言われ、認められる事はなかったです。忙しいからと話を聴いてくれることもなかった。私の母は愚痴と自慢話と世間体ばかり。(中略)私のような育ちをされた方で、大人になってから、自力で自己肯定感を獲得された方っていらっしゃいますか? 大人になってからでは無理なのでしょうか?(引用元:YOMIURI ONLINE|大人になってから自己肯定感を持つには?)このような実情から、親のせいで自己肯定感が下がったと考える人は少なくないということがわかります。では、どうすればこうした事態を防げるのでしょうか。ついつい言ってしまっているかも!?3つの「NGワード」親が子どもの自己肯定感を下げてしまう原因のひとつが、日常的に投げかけている “言葉” です。親が何気なく伝えた言葉が、子どもの自信ややる気を奪ってしまうことがあります。ここでは、特に気をつけるべきNGワードを3つご紹介します。1. 他人と比べるワード「○○ちゃんはできるのに」「同じマンションの○○ちゃんは、もう縄跳びが跳べるんですって」「お兄ちゃんのときは、こんなに忘れ物しなかったのに」など、子どもを友だちや兄弟姉妹と比較する言葉はNGです。言われた子どもは、自分が他人より劣っていると思い込んでしまいます。そして、その思い込みが自己肯定感を下げてしまうのです。他人との差を理解させることより、本人の変化や成長を共に喜ぶことのほうが大事。「昨日より縄跳び上手に回せるようになったね」「先月より忘れ物減ったね」など、過去の本人と比較してあげるほうが、自己肯定感を上げることにつなげやすいでしょう。2. 子どもを急かすワード「急ぎなさい」忙しいとき、つい言ってしまいがちなのが、「ほら、お迎えが来るんだから急いで」「早く宿題やっちゃいなさい」など、子どもを急かす言葉です。これらは、子どものペースを否定し、自己肯定感を下げることにつながります。とはいえ、時間や期日は守らせなくてはなりません。「8時にお迎えが来るから、それまでに準備しようね」「宿題はいつまでに提出すればいいの? 間に合いそう?」など、具体的な時間を伝えることで、自分で考えて行動するよう促すのがベストです。3. 条件付きの褒めワード「○○だから~~」子どもをほめるとき、「いつもお利口さんだから大好きよ」「こんなにお勉強ができてえらいね」など、条件付きで褒めてはいませんか?実は、この褒め方は、自己肯定感を高めるという意味ではNGといわれています。なぜなら、言われた子どもは、その条件を満たさなければ認めてもらえないと感じてしまうからです。子どもをほめるときは、「○○だから大好きよ」「○○だからえらいね」ではなく、「大好きよ」「えらいね」とシンプルに伝えましょう。○○に入っていた部分は、「いつもお利口さんにしてくれてありがとう」「お勉強頑張っているね」と、別でほめてあげればいいのです。***大切なのは、子ども自身が自分の能力を信じたり、存在価値を認めたりできるようにすることです。NGワードを気にしすぎて、親子の会話が減ってしまうのもよくありません。頭の隅にNGワードをメモして気をつけながらも、親子でたくさんしゃべってくださいね。その楽しい時間こそが、子どもの自己肯定感を高めてくれるのですから!(参考)NPOカタリバ|【自己肯定感】低い理由と対策東洋経済オンライン|「自己肯定感」が低い人に現れる“残念な症状”東京都教職員研修センター|子供の自尊感情や自己肯定感を高めるためのQ&AStudy Hackerこどもまなびラボ|新・子育て習慣に!子どもの自己肯定感が向上する「ほめ写プロジェクト」YOMIURI ONLINE|大人になってから自己肯定感を持つには?All About暮らし|子供の自己肯定感を低くする親のNG言動5つと改善法MAG2NEWS|自己肯定感の高い子は親からどのような声掛けをされているのか?
2019年03月27日「学力が高い子どもは自己肯定感も高い」という、学力と自己肯定感の関係性については、子どもの教育に高い関心を持つ読者の皆さんはよくご存じかもしれません。そしてきっと、子どもの自己肯定感を高めるための言葉がけなども、すでに実践済みかと思います。しかし、「自己肯定感は親子セットで育むもの」ということまで知っている方は、あまり多くないのではないのでしょうか。子どもの学びや気づきをサポートする私たち親も同じように、自己肯定感を高めて接することが大切なのだそうです。自己肯定感は大人になってからも高めることができます。今日からできる自己肯定感アップの方法についてご紹介しましょう。「自己肯定感」が高い子どもは学力も伸びるまず、「自己肯定感」について見てみましょう。「自分ならできる」「ここに存在していていいんだ」「自分は愛されている」と思う気持ちが自己肯定感です。「自己効力感」「自己承認」「自己評価」「自尊心」なども同じような意味といえます。心理学や教育学の文献では「自己肯定感」を次のように定義しています。「自分の可能性を信じ, 自分はできるんだという自信をもち,肯定的に自己を認識すること」「ありのままの自分を受け止め、自己の否定的な側面もふくめて、自分が自分であっても大丈夫という感覚である」(引用元:田島賢侍, 奥住秀之(2013),「子どもの自尊感情・自己肯定感等についての定義及び尺 度に関する文献検討 : 肢体不自由児を対象とした予備的 調査も含めて」, 東京学芸大学紀要. 総合教育科学系 64(2): 19-30.)また、自己肯定感と学力には関係があるともいわれています。毎年、小学6年生と中学3年生を対象に行なわれている全国学力・学習状況調査では、算数・国語(および3年に一度の理科)の学力調査のほか、学習や生活環境についてのアンケートも行なわれており、この調査結果から、自己肯定感と学力には関係があると指摘されています。「自分には、よいところがあると思いますか」との質問に、肯定的に回答した児童生徒の割合は平成25年度以降、増加傾向が見られ、平成30年度は約8割となった。また、この質問に肯定的に回答した児童生徒の方が、平均正答率が高い傾向が見られた(ただし、中学校国語においては「どちらかといえば、当てはまる」と回答した生徒の平均正答率が最も高かった)。(引用元:国立教育政策研究所|平成30年度全国学力・学習状況調査の結果5.児童生徒の自己肯定感等に関する状況)平均正答率が高い子ほど自己肯定感も高いということに、因果関係がはっきり見出されているわけではありません。とはいえ、学力が高いと「自分は頑張れる」という自信につながり、その自信がまた学力アップの原動力になるのですから、やはり何らかの相関関係があるといっていいでしょう。親の「自己肯定感」を高めるべき理由子どもが毎日の生活で接する社会はあまり広くありません。お子さんに今日1日の出来事を聞いてみると、話の中に登場する人は、家族以外では園や学校、習い事で会う先生とお友だちがほとんどではないでしょうか。このように、限られた範囲の人からの言葉や接し方にふれて自己肯定感を育んでいくことを考えると、子どもと最も近いところにいる両親の言葉や接し方は、子どもの自己肯定感を大きく左右するといってよさそうです。もし毎日一緒にいるお母さん、お父さんの自己肯定感が低かったとしたら、子どもにどのような影響を及ぼすのでしょう。(1)自己防衛のため、子どもに介入や干渉をしがち子どもに対して「そんなやり方ではダメだよ」「ママの言うとおりにやってごらん」と口出ししてしまうのは、心配する気持ちだけではない場合も。うまくできるようにと子どものためを思ってアドバイスしているつもりでも、実は子どもがうまくできず失敗に終わると自分の価値が下がってしまうという恐怖感から口出しすることもあります。これは自己肯定感の低さによる自己防衛だと考えられます。(2)子どもとの信頼関係が築きにくい自己肯定感が低いと、親が自分自身を守りたいという気持ちが上回り、その心理が言動にも表れてしまいます。子どもは、親が自分のことを思ってくれているのではないと敏感に察知し、信頼関係が築きにくくなります。子どもは「お父さんやお母さんは自分を大事にしてくれる」「自分は認められている」と感じる経験が乏しくなり、自己肯定感を高めることは難しい状態になります。今日から親子で自己肯定感アップ!日常生活で意識したいこと上述した理由からも、子どもの自己肯定感を高めるには、まず毎日近くにいる親の自己肯定感を高めることが第一といえるでしょう。自己肯定感は大人になってからでも高めることができます。今日から始められる自己肯定感アップの方法をいくつかご紹介します。■パートナーの良いところを褒める夫婦の良好な関係は子どもの心の安定につながり、自己肯定感を育みます。パートナーの良いところを積極的に口に出して褒めるようにしましょう。また、褒められたら「ありがとう」と感謝することが習慣になると、夫婦間だけでなく子どもに対しても同じように接することができます。良いところを褒められ、感謝の気持ちを受け取ることは年齢に関係なく自己肯定感のアップにつながります。■「できたこと」を親子で共有する毎日、どんなに小さなことでもいいので「今日、これができた」ことを親子で共有し、認め合います。お風呂タイムに話し合ってもいいですし、交換日記スタイルで書いていくのもおすすめです。この方法は、できたことを少しずつ積み上げ、自信をつけて自己肯定感をアップさせるだけでなく、自分の考えをまとめて相手に伝わるように表現するプレゼンテーションのトレーニングにもなります。■趣味や楽しみをもち、人づきあいを広げる子育て以外にも視野を広げるために、やってみようと考えていた趣味を始めたり息抜きのショッピングや食べ歩きで楽しんだりしてみましょう。生活が充実することで自己肯定感もアップします。また、子どもの心配事はひとりで抱え込まず、友だちや子育て支援センターのスタッフなど周囲の人を頼ってみると、ひとりで悩んでいたときよりも楽観できるようになり「やれるところからやってみよう」と自分に自信がつくようにもなります。どの方法も簡単に始められるものばかりです。一度に始めると続けられないと思えば、この中から始めやすいものを選んで試すのもおすすめです。うまくいかないことを恐れず、まずは、私たち親が前向きに取り組んでみましょう。その姿を見せることも、子どもの自己肯定感を高めるための良い刺激になります。***子どものことを心配しているつもりでも、その言動の裏側に親自身の自己防衛やコンプレックスが隠れていることは少なくありません。子どもの成績をほかの子と比べる、兄弟姉妹で自転車や逆上がりのできた時期を比べるという例はもちろんですが、ハサミの使い方や絵の具の色使いなど、ちょっとアドバイスしたいと思ったときに、「これは誰のための言葉なのか?」と考えてみるといいかもしれませんね。(参考)田島賢侍, 奥住秀之(2013),「子どもの自尊感情・自己肯定感等についての定義及び尺 度に関する文献検討 : 肢体不自由児を対象とした予備的 調査も含めて」, 東京学芸大学紀要. 総合教育科学系 64(2): 19-30.国立教育政策研究所|平成30年度全国学力・学習状況調査の結果5.児童生徒の自己肯定感等に関する状況一般社団法人 日本セルフエスティーム普及協会|部下を伸ばせる上司、子どもを伸ばせる親は「自己肯定感」が高い!AERAdot.|親の「自己肯定感」が低いと子どもも低くなる?簡単にアップする方法とはこどもまなび☆ラボ|「立ち上がる力」を持つ、自己肯定感が高い子どもの親に共通する2つの特徴
2019年03月23日みなさんのご家庭では、お子さんにお手伝いを分担させていますか?小さい頃は、お手伝いをさせることでかえって親の負担が大きくなってしまうこともあり、時間がないときはやらせたくない……と思いがち。でも、お手伝いを習慣にさせることには、子どもにとってのメリットがたくさんあるのです。今回は、子どもがお手伝いをすることで得られる教育的効果をご紹介しましょう。自己肯定感を高め、時間の管理が上手になる!子どもに家のお手伝いをさせることは、親がこなすべき家事の負担を多少軽くすること以上に、子どもにとっても大きなメリットがあります。国立青少年教育振興機構の理事長を務める鈴木みゆきさんは、お手伝いがもたらす効果のひとつに「子どもの自己肯定感を高められる」ことが挙げられると言います。ご両親からお手伝いの分担を与えらることで、家の中に自分の役割や居場所があると子ども自身が感じたり、お手伝いをして家族から褒められると「自分は必要とされている」と実感できたりするのです。そして、子どものこれからの人生にとって必要な自己肯定感を高めることにつながります。ほかにも、食事の準備を手伝うことで配膳の仕方などマナーを学ぶことができたり、洗濯やそうじのお手伝いをすることで上手な手順を身につけたりすることもできます。このような実践的な生活スキルは、お手伝いを通じて自然と身についていくものです。また、祖父母の家に行ったときにお手伝いをさせてみると、住んでいる地域や家によってルールやマナーが違うことを知る機会にもなるでしょう。また、お手伝いによって時間の感覚を身につけることも重要だと鈴木さんは言います。お手伝いはなによりも「時間の感覚」を身につけることにつながります。お手伝いが習慣化していれば、この時間にはなにをしなければならないということが「体でわかる」ようになるからです。ひいては、その習慣や感覚は「24時間をコントロールする力」につながっていくでしょう。じつは、わたしは長く生活習慣の研究をしてきました。結局、人間にとってなにが大事かといえば、「24時間をコントロールする力」だと思うのです。働いている大人でも、優秀な人の多くはタイムマネジメントにも長けた人ではないですか?(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「お手伝い」が子どもにもたらすいくつものメリット――お手伝いの習慣が高い学力につながる理由)このように、お手伝いは一度で終わらせず習慣にすることで、自己肯定感を高めたり、ルールやマナーを学んだり、時間の感覚を身につけたりすることができるのです。また、時間の感覚を身につけることは、自然と生活習慣を身につけることにもつながります。2018年に文科省が公表した「平成29年度全国学力・学習状況調査」によると、「毎日朝食を食べる」「新聞や本を読む」「計画的に勉強をする」といった生活習慣をきちんと身につけている子どもは、学力が高い傾向にあることがわかっています。「植物の水やり」にも教育的効果がある!?“お手伝いには教育的効果がある” とひと言で言っても、それぞれのお手伝いによって、身につく効果には多少の違いがあります。今回は種類ごとに、期待できる教育的効果をご紹介します。■そうじ例:ゴミ出し、お風呂そうじ、掃除機をかける<期待できる効果>責任感が身につく自ら考える力が身につく身の回りの整理整頓ができるようになる分担することで協調性が生まれる■洗濯例:洗濯物をたたむ、洗濯物を取り込む、上履きを洗う<期待できる効果>自立しやすい自ら考える力が身につく身の回りの整理整頓ができるようになる問題解決能力が備わる■料理例:食事の配膳、食器洗い、調理<期待できる効果>自立しやすいマナーを身につけられる自ら考える力が身につく親子でのコミュニケーションができる分担することで協調性が生まれる■ペットの世話・植物の水やり例:ペットの餌やり、水の取り替え、植物の水やり<期待できる効果>生き物を大切にする心を育む命の大切さを学ぶことができる■日常のお手伝い例:新聞取り、回覧板を回す、買い物<期待できる効果>自ら考える力が身につく分担することで協調性が生まれる判断力・決断力■兄弟の世話例:妹や弟の面倒を見る<期待できる効果>他者を思いやる心を育む命の大切さを学ぶことができる我が子にこのような力が身についてほしいと思ったら、そのお手伝いを分担させてみるのもいいかもしれませんね。お手伝いを継続するには、親の声かけが重要!お手伝いをすることで教育的効果を期待するのであれば、習慣づけすることが大切です。そのためには、子どもがお手伝いをしてくれたときは、「ありがとう」「○○ちゃんのおかげで、お母さんすごく助かったよ」と感謝の言葉を伝えましょう。また同時に「上手にできたね」「すごくきれいになったよ」「一生懸命そうじしてくれたね」など、できた結果はもちろん、その過程も褒めてあげてくださいね。言葉がけは、お手伝いが終わったらすぐにするのがポイント。褒めるタイミングも大事です。このような言葉をお母さんやお父さんからかけられると、子どもは達成感や満足感を味わい、それが自信へとつながります。そして、もっとお手伝いがしたい、次もやりたいという継続する意欲にもつながるでしょう。感謝の言葉はできれば毎日伝えてください。昨日褒められたことは、次の日には子どもは忘れているもの。毎回褒められることで子どもは自信を持ち、できることが増えていく喜びを感じます。そして、このように普段から子どもを尊重し、肯定的な声かけをすることで、お手伝いをし忘れてしまったときでも、親からの「お手伝いしてくれるかな?」と言った声かけで子どもは動いてくれるはず。お手伝いの習慣や継続には、親子の信頼関係も大切になってくるのです。また、お手伝いがうまくいかなくて、途中で投げ出してしまうこともあるものです。もし、うまくいかなくても、すぐに手を出さずに見守ることも大切。少し様子を見て、タイミングを見ながらヒントを与えたり、お手本を見せてみましょう。時には、あえて見て見ぬふりをする必要も。お互いがストレスにならないように気づかないふりをして、次回につなげるようにします。もちろん、「こんなこともできないの?」と、できなかったことを責めるのはNG。どうすればうまくできたのかを子どもと考えてみて、場合によっては一緒にやり直してみるのもいいですね。ただし、料理の場合は包丁や火などを使用するので、飽きて遊び始めてしまったら、「今日はここでおしまい」「食べ物では遊んではいけないよ」とけじめをつけるようにしましょう。***お手伝いにはさまざまな教育的効果がありますが、そのベースとなっているのは、やはり親子間のコミュニケーションや信頼関係です。親側はお手伝いをしてくれてありがとうという気持ち、子ども側は家族の役に立ってうれしいという気持ちなど、お互いを思いやる気持ちが大切です。そのうえで、できることが増えていく達成感や、家族から認められる自己肯定感、時間を自分でコントロールできる時間の感覚を養うなど、さまざまな力を自然と育んでいくことができるでしょう。ぜひ、お手伝いについて親子で話し合ってみてくださいね。文/内田あり(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「お手伝い」が子どもにもたらすいくつものメリット――お手伝いの習慣が高い学力につながる理由StudyHackerこどもまなび☆ラボ|お手伝いの習慣が学力アップにつながる!子どもの自己肯定感を高める4つのヒント。ベネッセ教育情報サイト|お手伝いが子どもにもたらす効果とは?いつから何をさせればいい?
2019年03月18日待ちに待った春が到来、いよいよ新学期が始まりますね。特に、小学校へ入学するお子さんのお父さん、お母さんは期待と不安で胸がいっぱいなのではいないでしょうか。「うちの子、きちんと授業についていけるだろうか」「宿題を忘れずにできるかしら」……など、“学び”に関する心配も多いかと思われます。でも、“家庭で子どもが自ら机に向かう勉強習慣”を身につければ、きっと大丈夫。今回は、「はじめての勉強習慣」をスタートさせる際のポイントや注意点についてご紹介しましょう。なぜ「勉強習慣」を身につけておいたほうが良い?ここで言う「勉強習慣」とは、“家庭で子どもが自ら机に向かい、勉強や宿題を行う習慣” のこと。では、そもそもこの「勉強習慣」を身につけておくことが望ましい理由って何でしょうか?まず、「勉強しなさい」「宿題は終わったの?」と私たち親が口うるさく言う必要がなくなりますよね。これは親にとっても子どもにとっても、精神衛生上とても良いことだと思います。もちろん、学力面でのプラス効果も大きいものがあると思います。でも、それだけではないのです。2020年から実施される教育改革にも関係してきます。すでにご存じの方も多いと思いますが、これからは「主体的な学び」(=子どもたちが学ぶことに関心を持ち、自ら学ぶ姿勢)が重要視されていく時代が始まります。この「主体的な学び」につなげるためにも、家庭での勉強習慣は、“自分から学ぶ第一歩” としてとても大切なことなのです。「勉強」しないとなんだか気持ちが悪くなる!?では、「勉強習慣」を身につけるにあたって、ぜひ知っておきたいポイントを3点ご紹介しましょう。<1>新1年生はできれば「入学前」。記念日や節目の時期も最適新1年生の場合は、「小学校入学と同時」でもいいのですが、できれば「入学前」が好ましいです。というのも、小学校へ入学すると、新しいお友達、先生、校舎、授業……と、子どもを取り巻く環境がガラリと変わりますよね。そんな中、家庭でも新しい習慣を、となると子どもに負担になってしまう場合があるのです。入学前から家庭での勉強習慣をつけておけば、小学生になってからも勉強にスムーズに取り掛かることができるでしょう。入学前に始める場合、内容は小学校で最初に習うような、簡単なひらがな・カタカナ・数字の読み書きなどがオススメです。一方、「花まる学習会」代表の高濱正伸氏は著書の中で、4月の年度初めや誕生日、1月からなど節目のいい時期や記念日が、子どもにとってやる気満々の最適の時期だと言っています。もし、新2年生、3年生に進級するお子さんの場合は、「今日から○○ちゃんは、●年生だもんね。△年生のときとは違う〇〇ちゃんに変身しようか」などと声かけしてあげるのもいいでしょう。開始する時期は、お子さんの性格や、やる気度合いに合わせるのが良さそうです。<2>生活の中に「型」をつくる高濱氏は、勉強ぐせをつけるために「『型』をつくることが重要だ」と書いています。「歯磨きをしたり、お風呂に入ったりするのと同じように、生活の中に、必ず『勉強』をルーティンワークとして組み入れること」がポイントなのだとか。では、1日のうち「いつ」行うのがよい?という疑問が湧きますよね。高濱氏は、「朝」が理想的な時間帯だと言っています。例えば、朝食後、学校に行く前に必ず漢字ドリルや計算ドリルを5分だけやる、というように。この場合は、平日だけではなくできるなら土日も行います。「学校から帰ったらすぐ」、「夕食後」などもいいそうですが、習い事がある日などはやる時間がずれてしまいますよね。そういう意味で、他の用事に影響されることがほとんどない「朝」が好ましいのだとか。まだ低学年の年齢、しかも勉強習慣を身につける最初の段階で、いきなり1日に1時間も2時間もやる必要はなく、5分~10分でOKです。毎日その時間になれば必ずやる生活習慣として、「型」をつくり上げて、その「型」が崩れると気持ち悪い、という意識を定着させるのが狙いである、と高濱氏は書いています。そして、それが最初の小さなクセとして定着したら、次には、「学校から帰ったら必ず宿題を済ませる」「夕食後の30分は必ず他のドリルをやる」というように、少しずつ「型」を増やしていけばよいそうです。<3>子どもが集中できる環境を整える最近では、リビングで子どもに勉強や宿題をさせるご家庭も増えていますよね。ひとり部屋や専用の学習机は必ずしも必要ではないという考え方も広まっています。2010年に発表されたデータによれば、東大生の約48%が「子どもの頃、リビングで勉強していた」と答えたとか。リビングは家族の気配を感じ、お子さんが安心感を持てる場所なので、勉強習慣も始めやすい場所と言えます。ただ、リビングで行う場合は、テレビや音楽は消す、下に弟や妹がいる場合はお絵かきなどを一緒にさせて集中モードに切り替える、特に低学年のうちは、できるだけ保護者がそばで付き添う、などお子さんがリラックス、かつ集中して勉強に取り組める空間づくりをしましょう。以上3つのポイント、いかがでしたか。どれも難しいことではありませんが、「勉強習慣」を身につけるためにはぜひ押さえてほしい内容ばかりです。ぜひ、実践してみてくださいね。やっぱり “親のひとこと” が効果テキメン!もし、「勉強習慣がなかなか身につかない」、「(子どもが勉強しないので)つい、“勉強しなさい” と口うるさく言ってしまう」といったお悩みが出てきたら、ぜひ試してほしいのが、以下にご紹介する「言葉かけ」や「接し方」。親の言葉・接し方できっとお子さんの意識が変わって、勉強に前向きに取り組めるようになりますよ。■「〇〇ができるようになったね、すごいね!」“褒めて伸ばす” が、やはり効果テキメンです。何でもかんでも褒めるのではなく、「できるようになったこと」に着目して褒めてあげるとさらに良いとか。小さなことでも、できるようになったという「変化」を見逃さないのが大切です。子どもの「自分にもできる、やれる」という自信につながります。■いつも穏やかな態度、笑顔で接する穏やかなまなざし、口調、物腰……そんな「穏やかオーラ」が子どもの学習環境には重要だそうです。親の穏やかなオーラは子どもの心の安定につながり、それが勉強に向かう際にとても必要なことなのです。■「知ることが楽しい」「自分でできた」という体験を体で覚えさせる子どもが「あ、そういうことか」「わかった!」と、“知る(理解できる、わかる)喜び”を感じることが、「もっと知りたい!」という学ぶ意欲につながります。そんな体験をたくさん積ませるように接してみてください。例えば、解けない問題に対しては、親がヒントを出していくのも手。答えが出るまでヒントを出し続けてもいいので、とにかく「子どもが自分で答えを見つけ出すこと」が重要。子どもの心に、「自分でできた」という達成感を味わわせてあげましょう。***勉強習慣は、お子さんの学力面でプラスになるだけではありません。「継続して毎日やれている」ということが、自己肯定感や自信にもつながっていくのです。他のものごとに対しても、「できる、やれる」と、挑戦する意欲が湧いてくるでしょう。1日5分から、始めてみませんか。文/鈴木里映(参考)高濱正伸(2014),『高濱流わが子に勉強ぐせをつける親の習慣37』,永岡書店ベネッセ 教育情報サイト|「勉強習慣を身につける3つのポイント」七田式教育公式サイト|「東大生を育てた学習方法とは?小学生の家庭学習習慣の育て方と勉強のやる気を上げる方法&おすすめ教材」All About|「子供の勉強習慣いつからどうやって始めるべきか?
2019年03月15日みなさんは普段、お子さんとの会話でどのようなことに気をつけていますか?親子の会話は、コミュニケーションを深めるだけではなく、子どもに安心感や自己肯定感を与える役割も果たします。また、「お母さん、お父さんは私の話をちゃんと聞いてくれている」「ぼくの話に興味を持ってくれている」というプラスの感情は、子どもの脳にも良い影響を及ぼします。今回は、親の質問力によって子どもの論理的思考を育てるコツをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。親子の会話は “その瞬間” を大切に教育学者の有元秀文氏は、著書『学力をグングン伸ばす親の「質問力」』(扶桑社)で次のように述べています。家庭でのコミュニケーション、親子の会話はその子は将来人間関係を作るベースとなり、人間的な魅力を生む基礎となります。親子の会話はおろそかにしてはいけないのです。親に話したばかりに怒られたり、自分の行動や考えを否定されたりすると、子どもは「親に話さない方がいい」と思うようになってしまいます。これが、親子の会話がなくなる原因の一つだということは間違いありません。(引用元:有元秀文(2018),『学力をグングン伸ばす親の「質問力」』,扶桑社.)忙しくしていると、つい「はいはい」と適当に相づちを打ったり、「また今度じっくり聞かせて」と後回しにしたり、子どもとの会話を億劫に感じることもありますよね。それはきっと、「会話なんていつでもできる」「今じゃないといけない理由がない」という思いがあるからではないでしょうか。しかし、子どもにとっては「今」が大事で、後回しにされると「話を聞いてもらいたい」という気持ちもしぼんでしまうのです。ついどちらかが一方的に話してしまったり、軽く返事をするだけで終わったりと、親子だからこそおろそかになってしまいがちな日々の会話。それは「脳にとってもあまり良くない」と、文教大学教育学部教授で小児科医の成田奈緒子先生は説きます。脳を刺激する親子の会話は「論理的思考」がカギになるとのこと。前頭葉を刺激するためには、親のほうが論理的な考え方を言葉にして伝えていくこと、そしてできるだけ豊かな語彙を用いて、きちんとした言葉遣いで話しかけていくことが重要です。(引用元:洋泉社MOOK(2017),『子どもの脳を伸ばす 最高の勉強法』,洋泉社.)具体的にはどのように話しかければいいのでしょう。たとえば、「出かけるから早く準備して」とだけ言うのではなく、「12時におばあちゃんのおうちに行かないといけないから、あと10分で家を出ないと間に合わないよ」と、目的や理由を明確にしたうえで伝えるといいそうです。仮説を立てる練習で論理的思考が育つ!おしゃべりが上手な子、自分の気持ちを伝えるのが苦手な子、いろいろなタイプのお子さんがいますよね。これからの時代に確実に求められるのは、「自分の考えを論理的に相手に伝える能力」です。しかし、『小学生からのロジカルシンキング』(SBクリエイティブ)の著者・苅野進氏は、それらの能力を大人になってから身につけるのは難しいといいます。そこで重要なのが、子どものころから家庭で「思考の型」を持たせるように心がけること。その型をつくるのに効果的なのが、「仮説を立てる練習」だそうです。最近の入試では、「自分の意見を書きなさい」というように、問題解決能力を試す問題が増えてきています。完璧な正解はないものの、頭の中でどのようにして物事を組み立てて、論理的な思考で問題を解決できるか、ということが評価されるようになってきているのです。その能力は「仮説を立てること」でぐんぐん伸びていきます。たとえば、突然「今日の夜ごはんは何だと思う?」と聞くとします。そこで子どもが「えー、わからないよ」と答えて終わってしまうようでは、深い思考力を身につけることができません。「今日の夜ごはんは何だと思う?」「わかった、カレーだ!」「どうしてそう思うの?」「昨日は肉じゃがだったでしょ?あまった材料でカレーが作れるよ」「今日の夜ごはんは何だと思う?」「うーん、ハンバーグかな」「どうしてそう思うの?」「テストでいい点を取ったから、ごほうびに大好きなハンバーグを作ってくれると思って」「今日の夜ごはんは何だと思う?」「コロッケ!」「どうしてそう思うの?」「きのう山盛りのコロッケを食べる夢を見たんだもん」小学校低学年くらいでは、まだまだ論理的な仮説は立てられません。たとえ子どもの答えが論理的でなかったとしても、「仮説を立てる」という思考の型を育てることが重要です。どんな答えでも、親は「なるほど、そういう理由なんだね」と返してあげれば大丈夫です。親の質問力を高めるテクニックベネッセ教育総合研究所の小泉和義さんは、日常生活を通じて親自身の子どもへの「質問力」を高めることが重要だといいます。そのためにも、次の2つのポイントを押さえておきましょう。1. 保護者自身が好奇心を持って質問する相手の気持ちに寄り添って「共感」することがコミュニケーションのベースです。子どもが話をしてきたら、興味を持ってしっかりと聞いてあげましょう。2. 質問には質問で返す子どもに「今日のおやつはなに?」と聞かれて「シュークリームよ」と答えるのではなく、「さてなんでしょう?」と聞き返してみてください。子どもが発したひとつの質問をうまく活かし、複数の質問を生み出すのがコツです。日常の中に子どもが質問する機会をたくさん作ることが、子どもの好奇心を広げる下地になります。また、子どものこころのコーチング協会代表理事・和久田ミカ氏は、「親子の信頼関係の土台は、親が日頃から子どもの話をていねいに聞くこと」と述べています。6歳ぐらいまでの子どもは、まだ経験が少ないので自分の気持ちをうまく言葉で表現できないことがあります。(中略)親が質問し、子どもが考えて答えを出す会話のキャッチボールをすることで、“抽象的”な言葉を“具体的”な言葉に落としこむことができ、何をすればいいか見通しをつけることができます。(引用元:ママノート|親の「質問力」で、子どもの考える力が伸びる!)子どもに質問するときには次の点に注意しましょう。1. 責めない×この聞き方はNG!「なぜやらないの?」「どうしてできないの?」このような質問は、子どもが責められているように感じます。○この聞き方がおすすめ!「どんなことが原因になっているのかな?」「どうしたらできるようになるかな?」原因になっていることや解決策を考えられるように質問するのがコツです。2. 否定しない×この聞き方はNG!子どもの答えに対して明らかに「違うな」と感じても、「違うでしょ!」と否定しないでください。子どもは自分の気持ちをわかってもらえないと思い、会話を続けたくなくなってしまいます。○この聞き方がおすすめ!「なるほど、あなたはそう思ったのね」と、子どもの言葉をいったん受け取りましょう。そのうえで「お母さんは○○だと思うな」と伝えれば、会話のキャッチボールが続きます。3. YES・NOの2択で聞かない×この聞き方はNG!「やるの?やらないの?」「いるの?いらないの?」この質問の仕方は、言い方によっては脅迫されているように感じることも。YESかNOかの2択の質問は『クローズドエンド・クエスチョン』といい、答えがひとつしかないものを意味します。たとえば「いま雨が降っていますか?」など、すでに答えが決まっていてそれ以外の回答がないため、会話が広がることがありません。○この聞き方がおすすめ!「どうすればいいと思う?」と、子どもが自分で答えを出せるように導いてあげましょう。たくさんの答えが存在する質問『オープンエンド・クエスチョン』で聞くのがコツです。意見を求めたり、深い説明を求めたりする質問の仕方が理想的です。***一問一答は会話ではありません。親子の会話のキャッチボールを弾ませるためには、子どもの好奇心や表現力を引き出す『親の質問力』が重要です。お子さんの話に耳を傾け、たくさん質問してあげましょう!(参考)有元秀文(2018),『学力をグングン伸ばす親の「質問力」』,扶桑社.泉社MOOK(2017),『子どもの脳を伸ばす 最高の勉強法』,洋泉社.洋泉社MOOK(2018),『これからの未来を生き抜く できる子の育て方』,洋泉社.ベネッセ教育情報サイト|保護者の「質問力」を磨こう[学校では今]ママノート|親の「質問力」で、子どもの考える力が伸びる!ママノート|子どもへの「質問」3つのNGポイント
2019年03月10日