6/3(水)発売のanan2203号「メンタルを強くする自己肯定感ワーク」特集の表紙にご登場いただいた、JO1のみなさんの撮影エピソードを紹介します。宿舎で撮り下ろし!JO1が表紙に初登場です。3月にデビューした11人グループ、JO1が表紙に初登場です!ただ、折しも新型コロナウイルス禍で皆が「密」を避け、外出自粛中。普段のように、密閉されたスタジオに大勢のスタッフが集まり、メンバー同士も「密」な状態での集合カットを撮り……といった形の撮影は不可能でした。そこで、JO1の皆さんが暮らしている宿舎内の空き部屋を特別にお借りし、最少人数のスタッフだけがお邪魔し、ソロカットのみ撮影という異例の表紙撮影となりました。持ち込んだバッグなどはまずアルコール除菌グッズで拭き上げ、開けられるドアや窓は開け放ち、定期的に手を洗い、マスクをしつつ私語も慎み、時間差でひとりずつ登場するメンバーにスタッフはなるべく近づかず……そんな緊張感の中でも、明るい笑顔で迎えてくださったJO1の皆様、ありがとうございました!「なんだか不思議。暮らしているところで撮影って(笑)」とリーダーの與那城奨さんもおっしゃっていましたが、ananスタッフにとっても不思議で特別な撮影体験となりました。「こういうこと、よくあるんですか?」とも聞かれましたが、いえ、レア中のレアです! ananにとっても歴史と思い出に残る表紙になったのではと思います。お借りしたお部屋は、メンバーもSNS用の動画撮影などで使っているごく普通のひと部屋。この何の変哲もない空間で、どこまでできるかなという挑戦でもあったのですが、プロのカメラマン、そしてメンバーの皆さんの驚くべき成長によって、とても素敵な写真が撮り下ろせたのではないかと思います! 今年初めに撮影した時と比べて、ポージングが自然で多彩になっていることに加え、カメラの前に立った瞬間、ふっと大人びた雰囲気を醸し出す……。デビューまでの成長も著しかったですが、デビュー後も、たった数か月で着実に変化している姿に感動してしまいました。一方で、まだまだ初々しい姿も。今回、大切な「私物」も公開していただいたのですが、撮影部屋にそれを大事そうに抱きしめながら入ってくるひとりひとりの様子があまりに可愛らしく、当初は物だけを撮る予定だったのを、急遽ご本人入りのカットに切り替えました。そちらの写真もぜひお楽しみに!Zoomを使った個別インタビューでは、「ポジティブ」「自己肯定感」をテーマに、お話を伺いました。途中でWi-Fiがぶつぶつ切れたりとご不便をおかけしてしまいましたが(涙)、皆さんゆったり優しく対応してくださって。異例づくしの取材だったからこそ見えてくる彼らの人柄にも、スタッフ一同、キュンとした時間となりました。次回は、全員ぎゅっと集まって撮影したJO1を読者の皆様に堪能していただけることを願いつつ、今回は“超レアバージョン”をお楽しみいただけたら幸いです。(Y)
2020年06月02日気持ちを相手に伝えたいと思っても、「うまく言葉にできないかも」「相手を不快にしてしまうかも」と感じてうまく表現できないことってありますよね。そんな感情表現が苦手な人に向けてテクニックの紹介になります。伝えたいことをあらかじめ整理する本当に伝えたいのは、相手のことが「好き」ということですよね。でも「うまく言葉にできないかも」「相手に嫌な思いをさせてしまうかも」と思うと、自分の気持ちに素直になれないというのは、多くの人が経験することだと思います。そういう時ほど、伝えたい気持ちや感情に戸惑ってしまいがちです。そこで役立つのが、『いったん伝えたいことを整理する』という方法です。相手に伝えたいこと、伝えたい理由、伝え方など、紙やスマホのメモ帳を使って書き出してみましょう。そうやって伝えたいことを書きだして整理することで、彼に対する気持ちも客観的にみることができますし、自分の素直な気持ちと伝えるべきことも見えてくるでしょう。整理することの利点というのは、色々なところで語られていますが、素直な気持ちを伝えるためにもきっと役立つことでしょう。上手く感情を表現しようとしない感情表現が苦手な人の多くは、上手く感情を相手に伝えようとしている傾向があるようです。感情を上手く伝えようと思うと、それがプレッシャーになってしまうことが少なくありません。大切なのは、あくまでもあなたの素直な感情を相手に伝えることです。上手く表現しようと思ってしまう背景には、「失敗したらどうしよう」「嫌われたくない」という気持ちがあるものです。しかし、上手く表現しようとするよりも、ありのままの自分で気持ちを伝えた方が、きっと相手にもあなたの本当の魅力が伝わるはずです。そして素直な気持ちを相手に伝えることができたら、ちゃんと自分のことを褒めてあげましょう。素直な自分を自分自身が認めてあげることは、素直な気持ちを相手に伝える上で一番大切な要素なのです。相手に”小さな好き”を少しずつ伝えていく方法素直に気持ちを伝えるといっても、それ自体のハードルが高いですよね。そんな時に役立つ、彼との会話の中に”小さな好き”を混ぜて行く方法を2つお伝えします。ひとつめは、彼との間に共通の好きなものが見つけられたとき「私もそれが好き」と言葉で伝えることです。好きな食べ物とかアーティストとか、そういった話題の中で伝えてみるのがよいでしょう。ふたつめは、相手の一部を好きと伝えてみる。例えば、髪型とかファッション、考え方や人柄などについてのことがよいでしょう。それでも好きと伝えるのが難しいなと感じる時は、「いいと思う」という表現からはじめていくのがおすすめです。こうして”小さな好き”を伝えてみるうちに、素直な気持ちを伝えるハードルが少しずつ下がってくる可能性があります。ロールプレイングゲームのレベル上げのように、少しずつ積み重ねていくと心理的な負担が下がるというのはよく言われています。不器用でも素直な気持ちを伝えよう素直な気持ちを伝えるために、『伝えたいことを整理する』『上手く感情表現しようとしない』『小さな好きを積み重ねる』ということを今回お伝えしました。この中の全てを試してみてもいいですし、状況に合わせてどれか一つを使ってみてもいいでしょう。この記事がお役に立てたのなら幸いです。
2020年05月30日どうもあかりです。恋は結局「自分が一番大事」です。これは言い過ぎでもなんでもなくて、例えばいくら相手のことが好きでも、その人と一緒にいるときの自分のことが好きになれないなら、二人は長続きしません。「この人といると怒ってばかりいる」「好きだけど、毎日不安な気持ちばかり感じてる自分が嫌だ」そんな理由から、好きな人と別れたり、別れようか真剣に悩んだりしたことがある人も多いはずです。だから逆に、「付き合ってると自己肯定感が高まる人」というのは、とにかく愛されます。その人との関係が心地よくて、自分の元気にもなるから幸せでしょうがない。というわけで今日は、彼氏にとってあなたがそんな存在になるためのヒントをご紹介します。■相手の「良いところ」に気づいたら、褒めるたいてい人は、周りから「こういうところが良いよね」って言われると、嬉しくなりますよね。でも正直、周りからはあまり気がついてもらえないけど、自分の小さな「良いところ」っていくつかありませんか?しかも、そういう小さな長所こそが「自分で思う自分の一番いいところ」だったりしません?だから付き合っている人から、「付き合う前はこういう人だと思ってたけど、付き合ってから、いい意味で裏切られた」みたいに言われると、小さな長所に気づいてくれたことがすっごく嬉しい。ましてやそれに気づいてくれた人が、自分の好きな人だったという事実がさらに嬉しい。・・・なんだけど、実際、恋人という誰よりも一番近い立場になると、こういうポイントに気がつくことって別に特別なことでも難しいことでもありません。なので、もしあなたが彼の「小さな長所」に気づいたら、心の中で「へー意外」と思ってるだけじゃなくて、それを相手に伝えてあげる。これが、彼の自己肯定感をグッと高めるヒントです。■付き合う前の、彼の生活を壊さない交際で大切なのが、今までの彼の生活に加わる「新しい幸せのピース」になることです。間違っても、今までの彼の生活にすでに存在したピースの代わりのピースにならないように。よくあるのが、交際前から女の子の友達が比較的多い人で、彼女ができたことで、「そういうのやめてね」と彼女に言われてしまい、交友関係をいやいや変えていくようなこと。これは完全に、代替のピースになろうとしています。そうじゃなくて、今まで彼が「楽しい」と感じていたピースであれば、それが自分にとっては少し疎ましく見えたとしても、壊すことはしないで、あくまで自分は、新しいピースとして彼の生活に加わっていく。仮に取って代わろうとすると、彼はたしかに「彼女」という幸せのピースを手にするけれども、一方で、今まで幸せと感じていたピースを失うことになるので、あまり交際後の自己肯定感や幸福度がアップしません。むしろ「犠牲を払ってしまった」という後ろ向きな気持ちすら湧いてきます。これは、仕事でも同じ。もちろん、彼が自分から進んで、彼女のために今までの自分の幸せのピースを捨ててくれるのであれば、それは喜んで受け入れていいですが、「私というピースが来たんだから、こいつ、どかせよ」という態度は出さないこと、ね。■彼氏に「付き合っていて、幸せ」って伝える最後は、まあ少し逆説的ですが、まず誰よりも自分が「幸せ」って感じることです。素敵なことに、カップルというものは「恋人が幸せだと自分も幸せ」に感じる関係性です。だから、これを活かさない手はありませんし、むしろ、自分だけ幸せでも、相手が幸せそうじゃないと、巡り巡ってもう自分まで不幸せになってしまいます。「好き」という恋愛感情を伝えることもとても大切ですが、それだけじゃなくて、「付き合ってから、毎日幸せ」「週末のデートがあるおかげで、平日の仕事すらちょっと楽しいかもしれない」といった、「好き」より深みのある気持ちをたまにでいいから伝えられたら、きっと彼も「ああ、この関係いいわ」と感じてくれるはずです。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年05月29日近年の教育界における重要なキーワードとして「自己肯定感」があります。その解釈や評価は人によってさまざまですが、教育ジャーナリストの中曽根陽子さんは、「自己肯定感は、人間が生きていく力の根幹」だといいます。それだけ重要なものだとすれば、親としては子どもの自己肯定感をしっかりと伸ばしてあげたいものですよね。そのために必要なのは、「親自身が幸せになること」なのだそう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカット)ありのままの自分を認められる自己肯定感は、生きる力の根幹「自己肯定感」とは、自分のいいところも悪いところも含めて、「自分はありのままでいいんだ!」と認められる感情のことです。一方、その逆はなにかというと、自分の存在を認められない「自己否定」です。この自己否定の感覚が強くなると、最悪の場合は自ら死を選ぶということにもなりかねません。それだけ自己肯定感は重要な力であり、いわば生きる力の根幹です。そう思えば、親であれば我が子の自己肯定感をしっかりと高めてあげたいもの。では、自己肯定感が高い子どもの親にはどんな共通点があるのでしょうか?いま、わたしは、自分のやりたいことをしっかり持っている、自己肯定感の高い子どもの親たちへの取材を続けています。その取材を通じて見えてきたことのひとつとして、自己肯定感の高い子どもの親たちには、子どもに干渉しすぎず、それこそ「子どものありのままを受け止めている」という共通点があることが挙げられます。子どもがやりたいことがなんであれ、まずは認めてあげて、うまくいかないときには、どうすれば実現できるかと一緒に考え、子どもを支援するかたちでの対応をしているのです。一方、自己肯定感の低い子どもの親に見られる共通点が、「子どもをできない存在としてとらえている」ということでした。そういう親は「子どもは、あらゆることを親が教えてあげなければならない存在」だと思っています。そのため、よかれと思って、自分が正しいと思っていることを押しつけて、子どものやりたいことを否定してしまう。あるいは、他人と比較してダメ出しをしたり、親の望む子ども像を押しつけたりしがちです。それでは、子どもの自己肯定感が育まれるはずもありません。しっかりと子どもを観察し、できるだけ子どものいい面やできた部分を見て励ましてあげてください。自己肯定感が高い子どもの親も自己肯定感が高いまた、自己肯定感の高い子どもの親に見られるもうひとつの共通点として、「親自身の自己肯定感が高い」ということも挙げられます。じつは、自己肯定には2種類あります。ひとつが「条件付きの自己肯定感」、もうひとつが「条件のない自己肯定感」です。条件付きの自己肯定感とは、「誰かと比較して優れている」とか「評価されている」というように、人との比較でもたらされる自己肯定感です。この自己肯定感は、自分より優れている人が現れたり失敗して評価が下がったりすると、途端に自信がなくなって低下してしまうものです。反対に、条件なしの自己肯定感は、いいところもダメなところもある自分を受け入れられる自己肯定感。「自分はこのままでいい!」「自分は大丈夫!」と感じられれば、たとえうまくいかないことが起こっても、自己肯定感は揺るがず安定しています。そして、自己肯定感が高い親は、自分の心のコップを、ありのままの自分を受け入れられる自己肯定感という水で満たしているからこそ、子どもの心のコップにも水を注ぐことができるわけです。自分のコップが水で満たされていないのに、子どものコップに水を注ぐことはできませんよね。そうであるならば、親自身が楽しく幸せな人生を歩むことが大切。しかし、残念ながら、ありのままの自分を肯定できないということはあると思います。それでも、もし自分が真剣にそれを望めば、人は必ず変わることができます。そのためには、「ポジティブ心理学」というものを学んでみるのもいいかもしれませんね。じつは、ポジティブ心理学については、わたしもいままさに勉強中です。いま、ポジティブ心理学の分野では、それこそ人が幸せになるための方法の研究がどんどん進んでいます。そういった、自分が幸せになる方法を学んで実践するわけです。ファーストステップとしておすすめするのが、その日にあったよかったことを3つ書き出してみて、なぜそれが起きたのかを考えるということです。これは、マイナスではなくプラスのことに目を向けるレッスンであり、続けていくと幸福度が上がるといわれています。日常のなかの小さな幸せに気づくことができるようになると、自分の心のコップが満たされていくのを感じられるようになります。ぜひやってみてください。日本人は、どうしてもまわりの目を意識しすぎているように感じます。周囲に気を使うばかりに自分の幸せを感じられなくなっている人も多いのではないでしょうか?子どもの自己肯定感を高めてあげるためにも、親であるみなさんはもう少し自分の幸せを追求してみてはどうでしょうか。子育ては「未来をつくる人材の育成プロジェクト」また、いまの親御さんたちを見ていて強く感じるのは、真面目すぎる面があるということ。先行きが不透明な時代ですから、子どもの将来を思って子育てに力を入れるという感情はもちろん理解できます。でも、不安な気持ちからは、いい結果は得られません。「子どもはきっと大丈夫! なんとかなるさ」と、もう少し気楽に考えていいとも思うのです。わたしは、子育てとは「未来をつくる人材の育成プロジェクト」なのだと考えています。我が子だから「きちんと育てないといけない」と力が入るわけです。ならば、とらえ方を少し変えてみましょう。「子どもは神様から一時的に預かったたまもので、独り立ちできるように育てて社会に還す」という感覚で子育てをするのです。「自分のもとにたまたまやってきた子どもは、はたしてどういう人間なのかな?」と考えて、まずは観察してみる。そうして、「こういう性格なのかな」「得意分野はこういうところかな」というふうに見立てをして、その子の強みが生かせるように励ましながら、子どもが自分で決めていけるように支援してほしいのです。子どもは最終的に親離れしなければなりませんし、親もまた子離れしなければなりません。そのためにも、子どもに自分の人生のすべてを注ぐようなことは避けたほうが賢明です。親であると同時にひとりの人間であるみなさんの人生には、さまざまな出来事があります。子育てという人材育成プロジェクトに携わることは、そのひとつに過ぎません。そういうふうに少し俯瞰して考えることが、子育てに入れ込みすぎることなく、子どもをひとりの人間として認められ、自己肯定感を高めることにもつながるはずです。新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界は大きく揺れ動き変化しています。そんな時代に遭遇した子どもたちには、これまで以上に、自分で考え、道を切り開いていく力が必要になってくると思います。ぜひ、失敗を恐れずに挑戦できる力を育んでください。『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』中曽根陽子 著/晶文社(2016)■ 教育ジャーナリスト・中曽根陽子さん インタビュー記事一覧第1回:親の役目は我が子の「自己探究の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?第2回:学歴の価値はどう変わる? 「偏差値の高い大学に行く」ことにしがみつく必要は、もうない第3回:任せて、失敗させて、考えさせる。「困難を乗り越える力」を伸ばすには、放っておくのが◎第4回:自己肯定感が「高い子の親」と「低い子の親」。驚くほど全く違う、それぞれの特徴とは【プロフィール】中曽根陽子(なかそね・ようこ)1958年生まれ、東京都出身。教育ジャーナリスト。マザークエスト代表。慶応義塾大学大学院システムデザインマネジメント科ヒューマンラボ研究員。出産のために小学館を退職後、1994年、子育て中の母親たちが子どもと一緒にあそび場をチェックし紹介する『子どもとでかける大阪あそび場ガイド』(メイツ出版)を制作。取材から執筆、イラストまですべてを母親たちの手によって作成した同書は、いまなお改定版を重ねるロングセラーとなり、シリーズ累計50万部超。2004年、女性のネットワークを生かした編集・取材活動を行う情報発信ネットワーク「ワイワイネット」を発足。「お母さんと子どもたちの笑顔のために」をコンセプトに、数多くの書籍をプロデュース。2013年、「親を人材育成のプロに」というコンセプトのもと、母親自身が新しい時代をデザインする「マザークエスト」を立ち上げ、アクティブラーニング型のセミナーの開催を中心に活動している。現在は、教育ジャーナリストとして紙媒体からウェブ媒体まで幅広く執筆する傍ら、海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱する。主な著書に『はじめての海外旅行 安心おでかけガイド』(メイツ出版)、『マンガ版 子どもが伸びる! コーチングブック』(合同出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年05月25日こんにちは。ライターの和です。突然ですがみなさんは「どうせ私なんて・・・・・・」と思ってしまうことってありませんか?この「どうせ」が積もりに積もっていくと、自分のことも嫌いになるし、「こんな私は誰からも愛されるはずがない」と変な被害妄想へとつながってしまいます。それじゃ恋愛は発展しないし、何より毎日が楽しくないですよね。物事をより良い方向へ進めたかったら、まずは「自分に自信をつける」ことが大切です。では一体どんなことをすればいいのか、ご紹介したいと思います。■1、小さな目標から大きな目標を紙に書いて貼るみなさんきっと年始になると、最低でもひとつは目標を掲げると思います。でも今年も約2ヶ月となりましたが、一体いくつ目標を達成できたでしょうか?「年始はあんなに意気込んでいたのに、そういえばひとつも叶えられていないかも・・・・・・」という人も多いのでは?目まぐるしい毎日だからこそ、いまを生きるだけで精いっぱいになってしまうのはごく普通のこと。でもひとつでも何か叶えられたら、それは自信につながりますよね。そんなときのおすすめの方法は、大きなものから小さなものまで、叶えたい夢や目標を紙に書いて部屋に貼ること。例えば「好きな彼に自分からLINEを送る」という小さなことでも大丈夫です。紙に貼って意識すれば、明日にでも送れるかもしれません。そして、「目標を叶えた」という事実があるだけで、「私って“できる人”なのかも!」と自信が湧いてきますよ。この時の「目標」は、お金で解決できるものでもOK。「好きなブランドのかわいいワンピースを買う」も立派な目標です。自分なりの目標が目につくようにし、実現に向かってゆっくり歩んでいきましょう。また「壁に貼るのは難しい」という人は、目標をスマホの待ち受けにしたり、Twitterの固定ツイートにするのも良いでしょう。それだけで日々目標を意識できるようになりますよ。■2、恋に効く○○、芸能人着用アイテムを利用する数年前から「恋に効くコスメ」とか「芸能人着用のモテ服」とか流行っていますよね。特に容姿にコンプレックスがある、恋を叶えたいという人は、こういう「形から入る自信」もアリだと思います。仮にたまたま好きな人と話せたとしても、「恋コスメのおかげかも!」と思えたら、きっと次につながるでしょう。もちろん「これを使ったら100%モテる」とか、そういう根拠はないのですが、自分の気持ちを上げていくのって大事。自分をちょこっとだけ変えるお助けグッズとして、こういうトレンドを利用してみてはいかがでしょうか。■3、日記をつけるSNSが主流となっている現代。あまり深く考えず、突発的にTwitterに「うざい!」などのグチをこぼしたり、またその逆でインスタに表面上のオシャレな部分を載せている人もいるはず。でもそれだと一瞬のストレス発散、もしくはイイネをもらえる喜びには浸れるかもしれませんが、「本当の自分の気持ち」とは向き合えないですよね。そうすると実際は何に悩んでいるのか、どういった出来事を改善していきたいのかが、自分でもわからなくなってしまいます。一見周りからは楽しそうに見えたとしても、心は不安だらけに・・・・・・。そういった問題を解決するために、たまにでもいいので自分だけの日記をつけてみましょう。自分のダメだった部分などが浮き彫りになるので、「次はこうしてみよう」と考えることで失敗を防ぐことにつながります。好きな彼の前だと上手に話ができなくなってしまうことに悩んでも、そんな自分を正直に日記に書いてみましょう。そして、どうしてそうなってしまうのかを考え、どうするといいのか、ひとり会議をします。そして、その彼に正直に事情を伝えたり、帰宅してからのLINEでフォローしたりと次回の対策を考えることで、同じ結果にはならないはずです。少しずつでもステップアップできます。それで問題が解決できたら自信もつきますよね。■おわりにどれも明日からでも取り入れられる「自信をつける方法」だったと思います。人ってよっぽどのことがない限り、急に自信がつくことってないもの。だからこそ地道にできることをして、自分を好きになってあげてくださいね。自分に自信がついて、恋愛を素直に楽しめるよう・・・心から応援しています。(和/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年05月20日飲み会などに参加する機会は多くても、なかなか狙った男性と仲良くなれない・・・・・・と悩んだことはありませんか?出会いの場で他の女性に差をつけてモテるには、最初の自己紹介で強く好印象を持ってもらうことがとても大事なんです。そこで今回は、飲み会で好感度の高い自己紹介について男性の意見を聞いてみました。■名前プラスあだ名で「人の名前を覚えるのがすごく苦手なので、自己紹介のときにあだ名や覚えやすい名前も一緒に自己紹介してくれる子がいると、覚えられるので声かけやすいです」(23歳/不動産関係)ただ苗字や下の名前を名乗るだけだと、男性の記憶にはあまり残りません。「名前なんだっけ?」とは聞きにくいので、そのまま呼ぶこともなく、コミュニケーションもあまり取れないままになってしまいます。特に大人数の飲み会では、一気に名前を言われても全員分覚えるのは難しいもの。簡単で分かりやすいあだ名をぜひ活用しましょう。■他の女性メンバーを褒める自己紹介をする「女性同士って『この子料理しないんですよ』とか割とナチュラルに友達を貶めるような言い方をすることがあるじゃないですか。そういうのって男は苦手なんですよ。友達を褒めて紹介できる性格のいい子は印象抜群ですね」(29歳/飲食店勤務)「今日は職場の先輩に誘われてきました。いつも優しくて面倒見がいい◯◯さんに頼りっぱなしなんです」などの言い方で、他の女性メンバーとのつながりを話しがてら褒める形での自己紹介をすると男性陣だけではなく女性陣からの好感度もアップ。褒める内容は事前に考えておくとスムーズですよ。■あえて面白い『似ている芸能人』を紹介する「この前飲み会で『顔は全然似てませんが、スリーサイズは◯◯という芸能人と同じです』と自己紹介して笑いを取った子がいたんですが、思わずこっそり検索しちゃいました」(23歳/商社勤務)ユーモアのセンスを感じる自己紹介は好感度が高いです。といっても似ている芸能人なんていない・・・・・・という場合は、似ていると言われたことのある動物などを言うのも良いでしょう。身長や誕生日が同じ有名人の名前を挙げるのも印象に残りやすいですよ。■飲み会慣れしていない態度を見せる「しょっちゅう飲み会ばかり参加している子よりも、めったに飲み会なんて行ったことがありません・・・・・・という慣れてない態度の子のほうが色々教えてあげたくなっちゃいますね」(26歳/製造業)「普段職場は女性ばかりであまり男性と話す機会がないので緊張してます」などの言い方をサラッと自己紹介に入れ込めば、その「飲み会慣れしていない」感じに男性陣もドキッとしてしまうはず。仮によく飲み会に参加していたとしても、あまり慣れていないフリをするのがおすすめです。■おわりにただ名前を名乗るだけの自己紹介よりも、男性が話しかけやすいきっかけを作ってあげましょう。その場でとっさに思いつこうとするのは大変なので、何パターンか事前に考えておいてその中から話すようにすると楽ですよ。(上岡史奈/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年05月18日状況や相手のことを無視した“自己主張”は“わがまま”になることがありますよね。でも“自己主張”をうまく使えば、むしろ相手をリラックスさせることができるのです。“自己主張=わがまま”ではないはず。わがままにならないようにと、自分の意見を飲み込んでしまいがちな人は、自己主張がもたらす効果をご覧ください!■ 選択肢をしぼってあげられる彼に「何食べたい?」と聞かれたときに、「なんでもいい」と答えていませんか?「なんでもいい」と言われると、彼はまず大量の選択肢を用意。そこからあなたの好みや自分の好みとのすり合わせを行って、いくつかに絞って提案する……とすこし面倒な手順を踏まないといけません。じつはこれって、けっこう負担。たとえばここで「和食がいいな!」と言ったとします。すると彼は“和食”のなかで、考えるだけでよくなりますよね。こんな風に選択肢を絞ってくれる自己主張は相手も助かるはず。「なんでもいい」に代わって少しだけ考える範囲を限定できるような提案をしてみてはいかがでしょう?■ お互いに自立していられる自己主張をほとんどせずに「それでいいよ」「あなたが決めて」などのような、「あなたの言う通りします」と言わんばかりの態度でいられると、彼は「ぜんぶ俺が決めなきゃいけないのかな……」と重く感じてしまうでしょう。たとえば「私はこうしたい!」だけを主張して、彼の意見を一切聞き入れず、妥協や他の選択肢を一切検討しない……という態度であれば、それは「わがまま」ですよね。でもあなたの意見を主張しても、彼と話し合う姿勢があるなら“わがまま”にはならないでしょう。“自分の意見”をきちんと持っていると、どちらかに寄りかかることもなく、お互いに自立していられますよ。■ お互いを高め合うことができる人は新しいものや未知のものに興味を持つ習性があります。「わからない」「知らない」と思うからこそ探求し続けたくなるもの。いつも彼の言うことや決めたことに従っていると、あなたのなかに「新しいもの」はないと感じられてしまい、あなたへの興味が薄れてしまう可能性があります。お互いに意見を伝え合っていると、もちろん衝突することもあるでしょうが、新しいアイデアが生まれることもあるかも。そうやってお互いを高め合っていける関係になれると素敵ですよね。■ おわりに自己主張が苦手な人は、相手の気持ちを大切にしすぎてしまうところがあります。相手のことを考えて言えなくなってしまうのでしょう。でもそんなあなたこそ、自己主張を上手に使える素質の持ち主!「私が意見を言うと相手も助かるんだ!」くらいの気持ちで、“自己主張”してみてはいかがですか?(矢島みさえ/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年05月14日お金を入れてレバーを回すと、カプセルに入ったおもちゃなどが手に入るカプセルトイ。子供の頃はもちろん、大人になってからも遊んだことのある人は多いでしょう。カプセルトイを使って、ある会社が行っている取り組みが「面白い」と話題です。社員へのご褒美!『自己肯定感ガチャ』取り組みをTwitterに投稿したのは、兵庫県にある看板などを取り扱う株式会社『匠工芸』で働くSuzu(@Suzu_momoi)さんです。その取り組みの名は、『自己肯定感ガチャ』。社内外で誰かに感謝されたり、称賛されたりするような行動をすると、社長から専用のメダルが渡されるのだそうです。そのメダルを入れてレバーを回すと、カプセルが出てきます。そのカプセルの中身はというと…。なんと、中に入っているのはお金!入っているのは小遣い程度の金額で、100円玉や500円玉はもちろん、一番いいもので千円札が入っていることもあるといいます。匠工芸には【自己肯定感ガチャ】と言うものがある。社内での『ありがとう!』『すごい!』やお客さんからの『ありがとう!』が発生すると、どこからともなく社長が専用メダルを1枚くれる。ガチャの中身はなんと100円玉!こないだ工場長は500円引いてた!最高で1000円札も入ってるらしい。続く→ pic.twitter.com/fHe8gP7TH5 — Suzu (@Suzu_momoi) 2020年4月23日 社長はわざわざカプセルトイの機械を購入し、この取り組みを始めたといいます。その経緯について、投稿者さんは次のように語っています。大人になればなるほど「できて当たり前」「ちゃんとして当然」になってくる。でも意外と自分のしたことは、ほかの人にとってはすごく助かっていることもある。その「ありがとう」という想いをもっと盛大にお祝いしよう!ってことで、社長が、わざわざガチャガチャの機械を買ってこしらえた。中身が100円玉とか500円玉なのは、家のお手伝いをして、お小遣いがもらえたみたいで純粋に嬉しいから。現に、工場長が500円玉を引いた時は、事務所がお祭り騒ぎになった。こんな時やからこそ、大人になっても子供みたいなことで喜べるってめっちゃいいやんね。社会人になると、周囲のためにしたささいな行為は「やるのが当然」とみなされがちです。そういった行動を見逃さずに褒めて、ちょっとしたボーナスを与えてくれる会社ならば、社員の仕事に対するモチベーションも上がりそうですね!【ネットの声】・これぞ本当のホワイト企業。・楽しそう!うちの会社でもしてほしい。・ユーモアのある素敵な社長ですね。同じ仕事をするのであれば、少しでも楽しくできたら嬉しいもの。こういった、働く社員の気持ちを考えてくれる会社が増えたら素敵ですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月25日編集部:学研キッズネット編集部東京都を始め、全国の小中学校で臨時休校が延長される中、全国の児童精神科クリニックで作られている「日本児童青年精神科・診療所連絡協議会」は長引く休校で子どもたちが心のバランスを崩す可能性を指摘しています。そこで、子どもたちとの会話を増やし、家族との団らんの時間を作るのにおすすめな「ほめ写」についてご紹介します。GW明けまで学校が休校に!子どもにかかるストレスに注意「日本児童青年精神科・診療所連絡協議会」によると、子どもたちは登校や友達と遊ぶことを制限され、メディアの情報に不安を感じて大きなストレスがかかっている状況で睡眠や食欲に影響が出たり、怒りっぽくなるなどの症状が出る可能性があるといいます。しかし、協議会ではこうした症状が出た場合でも「周囲の大人が適切に対応することで多くの子どもは回復する」と説明し、過度な不安を防ぐ方法として、正しい情報を公的なホームページで得ることや不安をあおりがちな情報に接する時間を家族との団らんや休息に充てることを勧めています。親子のポジティブな会話が増える「ほめ写」子どもたちとの会話を増やし、家族との団らんの時間を作るのにおすすめなのが「ほめ写」です。「ほめ写」とは、子どものプリント写真を家の中に飾り、それを見ながらほめてあげることで自己肯定感を高めようという新しい子育て習慣のことです。「ほめ写プロジェクト」では教育評論家の親野氏が小学校の教師として多くの子どもたちと接してきた中で感じた“自己肯定感の高い子どもの家庭には、写真が飾られていることが多い”ことに着目し、脳科学者の篠原菊紀氏、発達心理学者の岩立京子氏・パートナー企業の協力のもと調査をすすめ、「ほめ写」の効果を実証してきました。プロジェクトメンバーの一人である教育評論家の親野智可等氏は「臨時休校が続き、子どもがずっと家にいることで、普段のように家事や仕事を行うことができずストレスが溜まって子どもを叱りがちになってしまうパパやママもいると思います。そんな時は意識して家族のポジティブなコミュニケーションを増やすのがおすすめです。ほめ写を通して子どもをほめたり、一緒に思い出を振り返りながら写真を選んだりすることが、親子のポジティブな会話のきっかけとなります。」と語ります。【自己肯定感とは】自己肯定感とは、「自分には価値があるんだ」「自分は愛されているんだ」といったように自分の価値や存在意義を前向きに受け止める感情や感覚のこと。自分のことが好きで、今の自分に満足している子どもの心や行動のあり方を指します。2019年の内閣府による調査では日本の若者の「自己肯定感」は諸外国の若者に比べて低く、欧米など6か国との比較でもっとも低いことが明らかになるなど日本の子どもたちの自己肯定感の低さは問題となっています。How to ほめ写STEP1 “撮る”子どもが楽しそうにしている、活躍している、頑張っている時の写真や、家族といっしょのシーンなど、愛されていることを実感しやすい写真を撮影しましょう。STEP2 “飾る”リビングや子ども部屋など、子どもが日常的によく過ごす場所で子どもの目線に合わせた高さに、複数枚貼りましょう。子どもと一緒に選ぶのがおすすめです。STEP3 “ほめる”写真を見ながら「この時はがんばったね」「よくできたね」と努力や成果をほめます。また、「生まれてきてくれてありがとう」「あなたは宝物」「大好きだよ」など、子どもの存在そのものを肯定する言葉を掛けます。「ほめ写スターターキット」のご紹介これから「ほめ写」を始める方には、「お好きな写真プリント+シャコラ+デザインカード」がセットになった、「ほめ写スターターキット」がおすすめです。「ほめ写スターターキット」には、89mm正方形サイズ×5枚のセットと、127mm正方形サイズ×3枚のセットの2種類があります。「ほめ写スターターキット」は、「Shacolla(シャコラ)スターターキット」を活用した商品です。「ほめ写プロジェクト」のメインパートナーである富士フイルム社が提供しています。ほめ写スターターキットのご注文はこちらから:【キットの内容】1.写真プリント89mm×89mmサイズのキットでは5枚、127mm×127mmサイズのキットでは3枚、お好きな写真をプリントすることができます。2.Shacolla(シャコラ)壁を傷つけない弱粘着の発泡パネル「シャコラ」が、89mm×89mmサイズのキットには5枚、127mm×127mmサイズのキットには3枚入っています。3.デザインカード手書きもできる、デザインカード。パネルに貼って飾るのもよし、メッセージカードにするのもよし。89mm×89mmセットには8枚、127mm×127mmセットには6枚入っています。子どもをほめたり、一緒に思い出を振り返りながら写真を選んだり、「ほめ写」で親子のポジティブな会話のきっかけ作りをしませんか?■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月24日ここ10年ほどで、「自己肯定感」という言葉は急激に浸透してきました。親としては、わが子の自己肯定感を伸ばしてあげたいと願うのは当然です。一方で、「もしかしたら私の接し方のせいで、自己肯定感を下げてしまっているかも……」と心配になっている親御さんも少なくないでしょう。今回は、これまでご紹介してきた「自己肯定感」にまつわる記事のなかで、特に人気の高かった6本をまとめました。子どもの自己肯定感を育む方法をたっぷり紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。「自己肯定感」おすすめ記事1■心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人教育ジャーマリストのおおたとしまささんは、「自己肯定感のベースにあるのは “根拠のない自信” である」といいます。「自分は○◯ができるからすごいんだ」「◯○を持っているから自分はすごいんだ」という “根拠のある自信” だけしか持っていない場合、「自信家でありながら自己肯定感が低い人」になってしまうそう。どうしてそのような人間に育ってしまうのでしょうか?おおたさんは、親が子どもに対して過度の勉強を強いる「教育虐待」が要因となっているケースもあると指摘しています。教育虐待を受けて育った子どもが、親の無茶な期待になんとか応え、受験でも就活でも出世レースでも勝ち進んできたとしましょう。(中略)その人間にとっては「結果がすべて」です。すると、たったひとつのつまずきによって「結果」を出せないということが起こると、大人になってからでも、ぽっきりと心が折れて立ち上がれなくなってしまうということもあり得るのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人)おおたさんは、「自己肯定感の高低は、チャレンジ精神にも大きな影響を及ぼす」と述べています。自己肯定感が高い人はさまざまなチャレンジをすることができ、たとえ失敗に終わっても「なんとかなるさ」とへこたれずに再び立ち上がることができるそう。反対に、自己肯定感が低い人は、失敗したら自分の価値が無になってしまうという恐怖感があるので、チャレンジすることに二の足を踏んでしまいます。このように、自分を高めるための挑戦をしなくなることで、現状に甘んじ、成長する機会を逃してしまうこともあるのです。子どもの自己肯定感を高めるために、親はなにをしてあげられるのでしょうか。おおたさんによると「子どもの言葉をばかにしないで、まじめに聞くことが大事」とのこと。子どもの発言をつい聞き流したり、「またくだらないこと言って」と相手にしなかったりしていたら要注意ですよ。「自己肯定感」おすすめ記事2■「認める」ことが、子どもの健全な自己肯定感を育む第一歩子どものコーチングにまつわる本を執筆、またコミュニケーションに関する講演活動も行なっているビジネスコーチの石川尚子さんは、「褒める」という行為の危険性について言及しています。一方で、子どもの存在そのものを肯定する「認める」という行為は、健全な自己肯定感を育むのに欠かせないといいます。では、子どもを「認める」とは具体的にどんな言動で行えばいいののでしょうか。それは、とても簡単なこと。ただぎゅっと抱きしめるだけでもいいのです。これが「あなたのことをちゃんと見ているよ、気にかけているよ」という気持ちを伝えることになります。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「認める」ことが、子どもの健全な自己肯定感を育む第一歩)「認める」といっても、そんなに大それたことではなく、日常的に名前を呼んであいさつするだけでも十分に効果的だそう。石川さんは、「それだけでも子どもの存在を認めることにつながる」と述べています。この記事では、具体的な声かけの事例をいくつも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。たとえば、テストで悪い点を取ってきた子どもに対して、どのような声かけをするのが正解なのでしょうか。間違っても、「どうしてこんな点を取ったの!」などと責めてはいけません。このような場合は、「今回、どうだった?」「いま、どう思ってるの?」と淡々と質問するといいそう。大事なのは、その後。「どうすればよかったと思う?」「次に生かせることってなにかな?」と、建設的な対応を心がけることで、子ども自身の成長につながります。親が答えを用意するのではなく、次の機会に生かせる方法を考える “セルフコーチング” ができるようになるといいですね。「自己肯定感」おすすめ記事3■子どもの自己表現力を伸ばし、自己肯定感を高める「親子コミュニケーション」ある調査では、「日本人の自己肯定感の強さは先進国で最低」という結果が出たそう。子ども教育のプロフェッショナル養成に携わる増田修治先生は、その要因のひとつとして「子どもたちに『なんでもしっかりできる子がいい子』だというプレッシャーがかかっていること」が考えられるといいます。親も含めて、多くの大人が暗黙のうちにそういう評価基準を持っていませんか?そうすると、少しでも失敗すると、子どもは「自分はいい子じゃない」と思ってしまう。これでは、自己肯定感が弱くなるのも当然ですよね。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの自己表現力を伸ばし、自己肯定感を高める「親子コミュニケーション」)増田先生は、「大事なことは、“なんでもしっかりできるいい子” に育てることではありません」と断言します。大切なのは、きちんと自己分析ができ、困ったときには周囲に助けを求められること。そこで必要になるのは、自分の置かれた状況を自分の言葉で語って助けを求める、いわゆる「自己表現力」です。この記事では、子どもの自己表現力を伸ばすために親ができることを詳しく解説しています。なかでも重要なのは、親子間のコミュニケーションです。どちらかが一方的に話し続けるのではなく、相互が話して聞く、という「応答性」があってこそコミュニケーションは充実します。しかし増田先生によると、最近ではそれができていない親子コミュニケーションが目立つそう。たとえば、お菓子やおもちゃなど「好きなのを選んでいいよ」と言いながらも、子どもが悩んでいるのを見てイライラしていませんか?そこで「まだ決まらないの?じゃあこっちしなさい」などと勝手に決めていませんか?そういった対応こそが、子どもの自己表現力や自己肯定感を育む妨げになっているのです。「自己肯定感」おすすめ記事4■「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばすーーでも、効果のほどは「親次第」「外遊び」と「自己肯定感」の関連性について、多角的な視点で解説しているこの記事。「外遊びが子どもの情操にいい」と考えて、子どもの意志とは関係なく必死に外遊びをさせようとしている親御さんにとって、非常に耳の痛い内容となっています。しかし、読んだあとはきっと気持ちがラクになっているはずですよ。子どもの自律性の発達を妨げるのなんて簡単ですよ。「ああしなさい」「これしちゃ駄目」「こうしたほうがいいんじゃない?」と言うだけでいい。子どもが「やったー!見て!」と誇らしげに言ってきたときに、「そんなの大したことじゃない」と言えば有能感は育たないし、「後でね」と言ってスマホをいじっていれば関係性が育たない。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばすーーでも、効果のほどは「親次第」)「自然体験が子どもの発達に及ぼす影響」を研究テーマにする心理学者・石﨑一記先生は、記事の中で、外遊びによって育まれる子どもの能力をいくつか紹介しています。「自律性」もそのひとつ。自然の中で遊ぶことは、頭を使って試行錯誤し、トライ・アンド・エラーを重ねることになり、自律性が育まれます。そして、自分で考えたことをやり遂げた結果自分を好きになる「自己肯定感」や、遊びという場面においてやるべきこととやらなくてもいいことを決める「自己決定力」なども育まれるでしょう。ただし、子どもに外遊びをさせるにあたって注意すべきは「親の関わり方」だということを忘れずに。先に挙げたように、あれこれ口を出したり、ちゃんと子どもに向き合わなかったり、もしくはただの遊びなのに「なんのためにこれをやるの?」と考えすぎたりするのはご法度ですよ。「自己肯定感」おすすめ記事5■子どもの自己肯定感が低下する「ダブルバインド」。“条件付きの愛”は危険です無意識のうちに子どもを脅すしつけ「ダブルバインド」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?この記事では、誰もがやってしまいがちなダブルバインドの例と、それによって引き起こされるいくつかの弊害について解説しています。増田先生は、「ダブルバインド親は、じつは条件付きの愛情を提示している」とも指摘しています。「勉強ができるあなたが好きよ」や「運動が得意なあなたが好きよ」といったメッセージを無意識に送っていることが多く、それに気づいた子どもは「勉強(運動)ができなくなったら見捨てられちゃうかも……」と思い、健全な自己肯定感を持てなくなってしまうのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの自己肯定感が低下する「ダブルバインド」。“条件付きの愛”は危険です)ダブルバインドの例として、「自分が行きたい高校を選びなさい」と子どもの自由を尊重しているフリをしながらも、いざ子どもが選んだ学校が気に入らないと、「ちょっと偏差値が低すぎるんじゃない?」などと否定する親を挙げています。これこそまさに、子どもの自己肯定感を低下させるダブルバインドの典型です。親は決して子どもを脅しているつもりはなく、むしろ理解を示していると自負しているかもしれません。しかし、子どもが親の矛盾した言動を指摘できず、結果的に従わなければならない状況に追い込まれたら、それはダブルバインドなのです。子どもの自己肯定感を低下させ、間違ったコミュニケーション法を学んでしまうダブルバインド。記事では最後に、ダブルバインドを回避する会話のコツをご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。「自己肯定感」おすすめ記事6■「大好きだよ!」で子どもは育つ。“愛されている自覚”が自己肯定感を高め、勉強姿勢までも変えるこの記事では、「子どもへの愛情の伝え方次第で自己肯定感がぐんぐん育まれる」ということを説いています。ただし、言葉かけには注意が必要。「○○ができてすごいね」という行動に対する承認=「行動承認」では、褒められたほうは「人より優れていないと認めてもらえない」と感じるようになるので注意しましょう。でも、特別な「良くできたこと」や「いいところ」が見つからなくても大丈夫。日頃から「存在承認」による言葉かけをすることで、子どもは自ずと自己肯定感を育むことができるのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「大好きだよ!」で子どもは育つ。“愛されている自覚”が自己肯定感を高め、勉強姿勢までも変える)「存在承認」とは、存在そのものに対する承認を意味します。「生まれてくれてありがとう」「あなたがいてくれるだけでうれしい」といった、ありのままの相手の存在を認めてあげることで、子どもの自己肯定感はぐんぐん伸びていきます。さらに、親の「大好きだよ」「愛しているよ」という存在承認による声かけは、子どもの勉強に対する姿勢にも好影響を与えます。精神科医の和田秀樹先生によると、「お母さんは僕のことを愛してくれている。僕が勉強すると、大好きなお母さんがもっと喜んでくれるから勉強する」というプラスの感情が動機となり、学習への意欲がわいてくるそう。ストレートに愛情を伝えることに気恥ずかしさを覚えるかもしれませんが、子どもへの愛情を言葉にすることで、親自身もまた親子関係を見つめ直すいいきっかけになるはずです。***「自己肯定感」といっても、大げさに考える必要はありません。子どもの存在そのものを認め、日頃から愛情を伝えるように心がけるだけで、十分自己肯定感は育まれます。親子のコミュニケーションがより充実したものになるよう、ぜひ記事を読んで参考にしてくださいね。
2020年04月07日勝ちにこだわりすぎる、負けそうになると勝負を放棄する――。そんな子どもの姿に戸惑ってしまっている親も多いようです。これは「一番病」などとも呼ばれ、競争社会で生き抜くためにはある程度必要な素質とも言えますが、周りを巻き込んでまで一番でないと我慢できない、という状態では困りもの。たとえ負けてしまっても前向きに捉えて立ち上がってもらうために、親はどんなことに気をつけたらよいのでしょうか。勝ちにこだわるのは、その子の気質が基本「一番病」を理解するにあたっては、まず、負けず嫌いな性格はその子の持って生まれた気質によるものであると割り切って考えることが必要かもしれません。アメリカの心理学者であるトーマス博士の研究で見出された9つの気質特徴、これが複雑に絡み合うことで、生まれつき、負けず嫌いだったり、ルールに準じるのが好きだったりという「性分」が出てきます。その子たちは、「できる自分」が好きで、「できない自分」は受け入れがたいと感じ、親や先生からの指摘で、ひどく落ち込んでしまうのです。このタイプのお子さんは、基本的には、「言われてもやらない子」ではなく、むしろ「自分でがんばる子」の場合が多く、「いい子気質」である傾向が高いようです。(引用元:SHINGA FARM|いい子気質に多い!?「間違えるのがイヤ!」その心理と親ができる対策)さらに、気質的に負けず嫌いな子は結果を残すことが多いので、親もつい期待をかけて「できる子」に育てようと突っ走ってしまうパターンが多いんだとか。子どもが運動会で一等を取ったことに親も大喜びで、ご褒美に欲しがっていたおもちゃを買ってあげたりしたことはありませんか?子どももそのときばかりは喜ぶものの、じつは逆に「一番になったり、一等賞をとったりしないと、ママやパパは褒めてくれないんだ」と感じてしまっている可能性も高いのです。負けず嫌いな気質を生かすには「一番病」を克服していくためには、勝ちにこだわる子だからこそ「負けたとき」にどう対応するかがポイントになってくるようです。勝ったときはたっぷりと褒めたりごほうびをあげたりするのに対して、負けたときは「残念だったな。次はがんばれよ!」くらいで済ませてしまっていませんか?教育評論家の親野智可等先生によると、「負けたくない。勝ちたい」という気持ちは、「がんばりたい」という向上心とつながっているのだそう。ですから、勝ち負けにこだわる子どもの気持ちは受け止めつつ、どんなときでもその子の「がんばり」を褒めてあげましょう。結果がよかったときは「結果とがんばった過程の両方を褒める」、逆に、結果がよくなかったときは、「がんばった過程を褒める」ことで、勝っても負けても次にまたがんばることができるはずですよ。ただし、子どもが「勝つまでやりたい!」と何度もゲームを繰り返した結果の勝利については、親が褒める必要はないと、スクールカウンセラーで臨床心理士の福谷徹氏は言います。「それは大人から見てカッコ悪いよ」と子どもに伝えるべきとのこと。自分の都合だけで周りを振り回してまで勝とうとして勝っても、褒めてもらえることはないのだと自覚してもらえればよいのでしょう。勝敗をつける遊びをはじめる前に大阪養護教育振興会によると、幼児期の遊びやゲームなどであれば、「この遊びには勝ち負けがあります。勝つ人がいたら負ける人もいます」と前もって勝敗が分かれることを予告し、「勝ってもいばりません、負けてもおこりません」と遊びのルールを作ったうえで遊び始めるのも有効だそう。負けてしまって悔しがる子には、「勝ちたかったんだね」とその感情を言語化してあげて、自分の気持ちを理解してもらえるという安心感を持たせてあげれば、たかぶった気持ちを抑える一助になります。一緒に大人が遊ぶ場合にも、大人のほうが負けてしまったときに悔しがってばかりいたり、勝ったら踏ん反り返って自慢したりするような態度をとるのは考えもの。「負けちゃった〜、悔しいけれど楽しかったから、まぁいいか。次は勝つぞ〜」くらいの態度で、おおらかな時間を過ごすように心がけましょう。東京学芸大学教育学部特別支援科学講座准教授の小笠原恵氏は、著書『うちの子、なんでできないの?親子を救う40のヒント』の中で、子どもの価値観は大人の価値観を反映していることが多いと言っています。大人が「失敗は成功のもと!」「負けるが勝ちだよ~」と失敗や負けをポジティブに考えていれば、子どももきっと、勝っても負けても楽しい時間を過ごすことができるでしょう。勝ち負け以外でも達成感は得られるどんなスポーツでもボードゲームでも、やっている最中のワクワク感や楽しさはかけがえのないもの。その締めくくりに勝ち負けがあるのであって、たとえうまくいかなかったとしても楽しかった時間や努力した時間がすべて消えてしまうわけではありません。運動会があれば、順位ではなく、一生懸命走っている姿に目を向けてあげてください。最下位だったとしても、去年より今年のほうが速くなっているはずです。その子自身を基準にすれば、どんな子でも絶対に伸びています。ほかの子と比べるのではなく、その子自身の過去と比べて伸びたところを評価するようにすると、確かに成長している子どもの実像が見えてきます。(引用元:高濱正伸・西郡文啓著 (2018年),『ちゃんと失敗する子の育て方』,総合法令出版.)常に成長過程である子どもにとっては、いかなる勝負事も、「結果がすべて」では決してないのです。小笠原氏によると、子どもが勝負に負けてしまった場合は「一生懸命走ったからいいんだよ!次はもっと腕を振ってみよう」というように、がんばった過程をほめたあとに、さらに次に勝てる秘訣を教えるのが有効だといいます。昨日までの自分に勝とうと頑張ることが「自己肯定感」につながる高学年になっても勝ちにこだわるようであれば、勝負の世界のステージを上げてやるとよいそう。そこで、高度な勝負の世界では「相手に勝つ」ことより「自分自身に勝つ」ことが大切であることがわかれば、もう“子ども卒業”です。他者との比較で自分が優れていれば、分かりやすく自分を肯定できますが、もっと優れている子を目の前にすれば簡単に崩れてしまいます。揺るぎのない「自己肯定感」をつくるのは、昨日の自分よりも良くなっているという実感です。「自分はできないことでもがんばって、できるようになってきた。だからまたできないことがあってもなんとかなるだろう」本物の「自己肯定感」を持つ子はそう考えるようになります。(引用元:同上)あのイチローの引退会見でも、「あくまで“はかり”は自分の中にある」「少しずつの積み重ねでしか自分を超えていけない」という言葉がありました。順位や勝ち負けはあくまでもモチベーションを高めるための手段であり、乗り越えていくべきものは自分自身である、ということを親も子も肝に銘じて、小さなゲームから大きな試合まで、「本当の勝ち」を目指して奮闘していけるといいですね。文/酒井絢子(参考)大阪市教育センター|相談事例3.勝ち負けにこだわる子どもへの対応ベネッセ 教育情報サイト|負けず嫌いで何にでも優劣をつけたがる娘[教えて!親野先生]ベネッセ 教育情報サイト|「勝ち」にこだわりすぎる[うちの子、どう接したらいいの?]SHINGA FARM|いい子気質に多い!?「間違えるのがイヤ!」その心理と親ができる対策東洋経済ONLINE|イチロー引退会見に学ぶ超一流の確固たる心得人と比べず己とトコトン向き合う男の引き際AERAdot.|将棋教室がブームの兆し「負けることで心が強くなる」小笠原恵著(2011年),『うちの子、なんでできないの?親子を救う40のヒント』,文藝春秋.高濱正伸・西郡文啓著 (2018年),『ちゃんと失敗する子の育て方』,総合法令出版.
2020年04月06日「あの人、どうも苦手」と思うことって、多かれ少なかれ誰しも経験したことがあるはず。メンタルコーチの中島輝さんによると、その感情は自己肯定感と関係性があるとのこと。そこで、中島さんに、苦手な人との人間関係も良好になる、自己肯定感の高め方を教わります。文・椎原茜あなたは今、職場や友人、親戚などの人間関係に悩みを感じていませんか? なかにはどうしてもうまく付き合えない「苦手な人」もいるかもしれません。人間関係が良くないと、何かと生きづらさを感じますよね。そうした状態は、最近話題の自己肯定感と関係していることもあるようです。そこで今回は、自己肯定感を広く伝えるメンタルコーチの中島輝さんに、人間関係と自己肯定感との関連性や、苦手な人とうまくやるためのコツを教えていただきました。苦手な人がいるなら、自己肯定感が低い状態になっているかも――今、苦手な人がいるなど、人間関係に悩んでいる人は、自己肯定感が低いということなんでしょうか?中島さん 自己肯定感とは、「自分が自分であることに満足でき、自分を価値ある存在だと受け入れられること」です。自己肯定感は、生きるエネルギーであり自分軸を支えるエネルギーです。時と場合によって高くもなり、低くもなり、また、強い人、弱い人がいます。自己肯定感が高いと、例えば大好きな人と、すごく楽しみなディズニーランドに行くために駅に向かう道で、すれ違った人と肩がポンとぶつかっても、「あ!」とか「わ、ごめんなさい!」で済むように、負の感情もひきずりにくい状態になります。でも、自己肯定感が低いと、「痛っ!」とか「なんでこんな目に合うの? ついてない。今日は最悪だ」などと、嫌な思いがどんどん膨らんででしまいがちです。このように自己肯定感が低くなると、人間関係においても視野が狭くなり、相手のネガティブな点ばかりを見てしまうようになります。そして、どんどんその人についてのネガティブな感情が膨らみます。やがて「苦手意識」も生まれてしまうでしょう。自己肯定感の6つの「感」が低くなると人間関係が悪化する!中島さん もう少し詳しく自己肯定感と人間関係との関係性をご説明しましょう。自己肯定感には6つの「感」があります。その6つの感が低下すると、人間関係にも悪影響が出てしまうのです。それぞれどのように人間関係に影響するのか解説していきます。1.自尊感「自分には価値があると思える感覚」のことです。これが低くなると、一緒にいる人に対して「この人とこのままいていったい何かいいことがあるのかな?」「これ以上、この人といるとダメになるかも?」と感じます。2.自己受容感「ありのままの自分を認める感覚」のことです。これが低くなると、人と比べて「いいね!」の数ばかりを目で追ったり、いちいち人をうらやんだり、妬んだりします。また自分を低く見積もり、焦ったりイライラしたりします。3.自己信頼感「自分を信じられる感覚」のことです。これが低くなると「やっぱり、自分は何をやっても無理なんだ」と思ったり、「どうでもいいや」と愚痴や不満が出てきたりします。4.自己決定感「自分で決定できるという感覚」てす。これが低くなると、つい人のいいなりになって自己を犠牲にし、やがて他人が嫌いになり、最後は誰かと一緒にいることが嫌になってきます。5.自己効力感「自分にはできると思える感覚」のことです。これが低くなると、新しい人間関係を築くことことよりも、妥協して無難な人間関係を優先し、最後はむなしくなります。6.自己有用感「自分は何かの役に立っているという感覚」のことです。これが低くなると、誰かに「ありがとう!」と思う気持ちよりも、「なんで!」と思う気持ちが多くなり、毎日が楽しくなくなって、週末や連休の気晴らしを求めながら生きていくことになります。苦手な人がいる人へ! 自己肯定感を高めるには?――では、苦手な人がいるなどの人間関係の悩みを抱えている人に向け、自己肯定感の視点から解決する方法を教えてください。中島さん 2つの方法をご提案します。気持ちや予定を「書き出す方法」と、考え方や声がけなどで「自分を大切にする技術」です。書き出す方法1.「エクスプレッシブ・ライティング」からのいいこと探し「エクスプレッシブ・ライティング」とは、1980年代に生まれた心理療法の一つで、自分が感じている負の感情やストレスに思っていることをひたすら紙に書き出していくだけの方法です。ルールは、自分の思いのたけを正直につづること。誰かに対して「上司の〇〇、裏切りやがって!」「責任を押し付けるな!」とつづったり、自分自身に対するもどかしい思い「自分が情けない」「こんなはずじゃなかったのに」なども書き出します。とにかく書き出すことで、今、自分が抱えているネガティブな感情をしっかりと認識することができます。自分の感情を客観視できると、感情をコントロールできるようになるため、自分の「自己受容感」も高まり、「自己肯定感」が勝手に高くなるのです。また、イライラとモヤモヤが頭の中から取り除かれます。ある実験でも、うつや人間関係が改善した例もあります。この「エクスプレッシブ・ライティング」を行うと、自然とネガティブな感情から解き放たれ、やがてポジティブなほうへ目が向くようになります。そこから“いいこと”を探していきます。2.「イフゼンプランニング」「イフゼンプランニング」とは、簡単に言えば、いざというときのために自己肯定感を高める仕掛けを書いて用意しておくことです。「(if)もし〇〇〇が起きたら、(then)行動をする」と前もって決めておくことで、行動を促します。例えば「もし相手のことが苦手で話しかけづらいと思ったら、~~~~~~と考える」とノートに書いておくと、行動を促してくれます。そして状況を客観視し、継続的に行動できる自分へと変わっていくことができます。すると、自分の欲求とは関係なく、自動的に行動を起こすことができるようになるため、そこで得られる小さな成功体験が自尊感情、自己受容感を回復させ、自己肯定感も高まっていきます。自己肯定感を高め自分を大切にする技術1. 人間関係には「2:8」の法則があると認識する苦手な人は、世の中に80%いると思って付き合いましょう。あなたにとって気の合う人、あなたが大好きな人は残りのわずか20%程度です。これが「2:8」の法則です。それを認識したうえで、苦手な人が自分にとってポジティブとなる要素に目を向け、自分を大切にしましょう。例えば、「この人は~~~といういいところがあるから、自分にプラスの影響がある」などと思うとよいでしょう。2. 自分を大切に扱い、好きと思える自分を育て、自分をほめる例えば、ひとりごはんのときだからこそ、自分のために時間をかけて、 野菜たっぷりの料理を作る、自分で自分にごほうびをあげるなどして、世界で一番大切な人として、自分を扱います。そして日々を丁寧に過ごし、「好きと思える自分」を育てましょう。 例えば、誰も見ていないところでゴミを拾う、公共のトイレに入ったとき、少しだけきれいに掃除するなど。そうしたあなたの小さな努力、小さな変化を探していきましょう。 「昨日の自分」から少しでも変化したこと、うまくできたことがあれば、 しっかり認めて、「自分は素晴らしい」とたくさん感じてください。 ほめてあげてください。失敗しても、まるごと受け入れて許し、そんな自分自身と一緒に進んでいきましょう。3. 人の心に幸せを運ぶ嬉しいと思ったら、心で思うだけでなく、「ありがとう」と言葉にして相手に感謝を伝える、笑顔で挨拶をする、「大丈夫?」「お疲れさま」「素敵ですね」といういたわりの言葉をかけるなど、一緒にいる相手が心地よくなるようなことをしてみましょう。幸せの数やあなたの自信は、あなたが自分に「ありがとう」と言った数、 「よくやった」と思った数、それに比例していくのです。 あなたの価値や素晴らしさを誰かにわかってもらおうとせず、 あなたがしっかり認めてあげること。それが「自己肯定感」を高めるのに大切です。苦手な人がいるなど、人間関係に悩んでいるなら、あなたの「自己肯定感」が低くなっているかもしれません。まずは自分を振り返り、もし低くなっていると感じたら、「書き出す方法」と「自分を大切にすること」を実践してみてはいかがでしょうか。Profile中島輝さん 「自己肯定感カウンセラー講座」などを開催し、自己肯定感を広く伝えるメンタルコーチ。トリエ代表。30年間の自らの体験で習得した技法を用いたセラピー・カウンセリングとコーチングを実践し続ける。©Joerg Steffens/Gettyimages©martin-dm/Gettyimages©Dougal Waters/Gettyimages©Westend61/Gettyimages
2020年03月19日自己肯定感の低い20代前半女子に愛の手を!ということで、今回は、「わたし、いいところないわ~、モテないわ~」と悩んでいるみなさんに、どうしたら好きな人に好かれるのかについてお話したいと思います。■ 過去ではなく未来を考える人に大事にされてこなかった人や、はたから見ると大事にされていたのだけど、本人がなぜか大事にされていることを感じとっていない人って、たいてい「わたし、いいところがないし」と言いますね。この事実から、“いいところがあろうとなかろうと、自分で自分のいいところを自覚していようとしていまいと、まわりの人に大事にされた経験のある人は、それなりに相手に好かれるし、大事にされた経験のない人(少ない人)は好かれない”ということが言えると思います。と言っても、大事にされてきたかこなかったかというのは過去の話。本項の目的は“これから”のこと。つまり未来です。では、これからどうすれば人に好かれるようになるのでしょうか?■ 男性からみた“いいところ”って?男から見た女子のいいところって、存在そのものなんですよね。どうすれば男子にわたしのいいところを見てもらえるのだろう?という考え方が、そもそも違うのかもしれません。そうではなくて、わたしという存在そのものによさ(善さ・良さ)を見出してくれる人と出会うにはどうすればいいのか、と考えたほうが良いでしょう。では、そのためにはどうすべきなのか?次の項でご説明しましょう。■ わたしという存在によさを見出してくれる人と会うにはあなたによさを見出してくれる人に巡り合うには、まず、目の前(身の回り)の相手に集中することが大切です。「自分のよさを相手が見てくれない」と嘆いている人って、相手のよさを見ていない人なんですよね。相手のよさを見ないで、「この男子は、割り勘にするんだ」とか「この男子は下ネタばかり言うサイテーなヤツだ」と思ったことはありませんか?自分の過去のなんらかの経験から生じた“いい男の法則”みたいなものと、目の前の男子を比較してしまったこと、ありませんか?だから、相手も「この女子、なんか辛気臭いなあ」と思うのです。そして、あなたも「この男子とはなんか波長が合わないわー、もっといい男子と飲みたかったな」と思うのです。目の前にいる人の「良いところ」に目を向けようとすると、相手もあなたのいいところをいくつも拾ってくれます。■ “いいところ”は相手を鏡にすると見つかる先にも述べたように、男はつねに、女子の存在そのものを“いいもの”と思っています。だからこそ、あなたのいいところも、彼らは口にしないだけで、わかっているはずです。心のどこかで感じているかもしれません。まずはあなたから、相手のいいところをみてあげること。そうすると、相手からあなたのいいところがどこか、教えてもられるはずです。最初は「そんなことない」と思うでしょう。でも、事実そうだからこそ、彼らは口にするのです。全部を信じろ、とは言いません。まずは「これがわたしの“いいところ”なんだ」と把握するところからはじめてみましょう。「自分の良いところを把握できている」それだけで、恋も生活も、すこしずつ変わっていくはずだから。(ひとみしょう/作家・コラムニスト)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年03月14日「自己肯定感を高めましょう」という話を耳にすることがあると思います。そもそも自己肯定感とはなんなのか。自己肯定感のある子に育てるためにはどのように接すればいいのでしょうか。 ナルシストと自己肯定感が高い人との違い自己肯定感を高めるというと、褒めて自信を持たせればいいのだろうか? それだと自惚れた人間になってしまうのではないだろうか? と思われる方も多いのではないでしょうか。 ナルシストと自己肯定感が高い人には明確な違いがあります。それは“人と比較して自信を持っているか否か”です。ナルシストは人と比較し、人より優位に立つことで自分の存在意義を認めます。一方、自己肯定感が高い人は、自分の悪いところも含め人と比べることなく、そのままの自分を受け入れます。そのままの自分を受け入れることができれば、失敗しても次に頑張ろうと思うことができる。また他人に対しても、比較ではなくそのままの人を受け止めることができ、人と比較してくよくよすることもない。より良い人間関係を築いていくことができるともいえます。 自己肯定感のある子どもに育てるためにやってはいけないこと一般的に、親からネグレクトや暴力などの虐待を受けた子どもや、愛されていると感じることなく育った子どもは自己肯定感が低くなると言われています。 しかし一方で、親が愛情を注いでいるつもりでいても、過干渉、ルールに沿った行動をひどく押し付ける、大きな期待をかけすぎる、失敗したことをひどく責めるなどして育てた場合も、自己肯定感が低くなる可能性が高くなります。 そのため、子どもが親の期待通りにできなくても、失敗しても、それらを受け止めることが重要です。 自己肯定感が低いなと感じたら親がいくら丁寧に自己肯定感が高い子を育てようと思っていても、その子の性格上、なかなか自己肯定感を高く持てない子もいます。それは必ずしも悪いことともいえません。自分と人を比べてしまい、生きづらく感じてしまう可能性はありますが、同じように感じる人を思いやる心を持つこともできます。わが子の自己肯定感が低いなと感じたら、親は否定せず、また無理に自己肯定感を高めさせようとせず、そのままを受け入れてあげてください。 謙遜が美徳とされる日本人にとっては、自己肯定感が高いというのは若干受け入れがたいものでもあり、自己肯定感が高く自信満々な人は、日本においては少ないと感じるかもしれません。人との和を大切にする日本ですから、文化上、どうしても人の目を気にし、比較するということは避けられないところもあります。そういった文化もありますから、親自身も自己肯定感が低いなと思ったら、自分自身を受け入れるところから始めてみてください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年03月11日みなさんは、お子さんを褒めることが多いですか?それとも叱る回数のほうが多いですか?「子どもの自己肯定感を高めるためにも褒めてあげなきゃ」とプレッシャーを感じている親御さんも多いのではないでしょうか。「子どもは褒めて伸ばすべき」という考えにとらわれすぎて、ちょっとしたことで過剰に褒めるなど、間違った褒め方をしている親御さんが増えているいま、子どもが「褒められ依存症」になっているケースも少なくありません。今回は「褒めることのデメリット」について、詳しく解説していきます。その褒め言葉、本当に必要?近ごろでは、「褒めて伸ばす」子育てが主流になってきています。育児書やメディアなどでは、子どもを褒めることのメリットが盛んに取り沙汰され、効果的な褒め方を指南する専門書もたくさん目にするようになりました。たしかに、叱られるよりは褒められたほうが自己肯定感も上がり、毎日を前向きに過ごせそうです。特に子どもは素直で単純なので、親が上手に褒めてあげることで、本人のやる気を引き出したり、持っている能力を伸ばしてあげたりできるでしょう。しかし、心理学者の榎本博明先生は「なんでも褒めればいいと勘違いしている親が増えている」と指摘します。褒めることで自信がつき、期待に応えようと頑張るようになるというメリットがある一方で、「打たれ弱くなる」「褒めないと機嫌を悪くする」「注意や叱責を素直に受け入れられない」「見返りがないとやる気になれない」などといった弊害をもたらすかもしれないのです。榎本先生は、「褒めることと叱ることのバランスを考えることが大切」と説きます。褒めてばかりいても、子どもにとっては悪影響を及ぼすことも。次に詳しく見ていきましょう。「褒められないとモチベーションが上がらない」人間になる!?「子どもを褒めることによる弊害」には、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。タイプ別に解説していきます。■“褒められること”が目的化する医師・臨床心理士の田中茂樹先生によると、褒められてばかりいると「親に褒められること」を優先的にやろうとするそう。しかも、繊細で大人の顔色をうかがうタイプの子ほど、その傾向が強いといいます。この問題点は、「自分が本当にしたいこと」と「親に褒められるからすること」の境界が曖昧になること。つまり、子どもは「自分で選んだ」と思い込んでいても、根底には「親が喜ぶから」「親が望んでいるから」ということが選択の基準になっているのです。それは、おもちゃや食事といった小さなことから、進路や友人選び、就職や結婚など人生における大きな選択に至るまで、子どもの心を支配します。■褒められないと不安になる些細なことでもすぐに褒めてしまう親御さんは要注意です。公認心理師・産業カウンセラーの大美賀直子氏によると、たとえば「宿題できたの?えらいわね」などと、やって当たり前のことでもいちいち褒められていると、子どもは「褒められる状態」がデフォルトになるそう。すると、「褒められない状態」に不満や不安を感じるようになるといいます。さらには、社会に出てからは「褒められないとモチベーションが上がらない」「上司が命令ばかりしてくるからムカつく」というように、自分は何もしなくても褒められて当然の存在だと勘違いして周囲とぶつかるケースも見られるそう。■失敗を恐れるようになる榎本博明先生は、「褒められてばかりいると、ちょっと注意されただけで自分が全否定されたような気になってしまう」と述べています。そのため、非常に打たれ弱く、挫折することを必要以上に恐れるように。頑張ってもいないのに、むやみやたらに褒められ続けてきた結果、困難に立ち向かったり、失敗を反省したりする経験がないまま大人になってしまうのは本人のためにもなりません。■難しい課題に挑戦しなくなる褒められ続けて「失敗を恐れる」という状態からさらに発展すると、「難しい課題に挑戦しなくなる」傾向が見られるようになります。榎本先生によると、褒められ続けると、その状態を維持しなければならなくなるため、失敗するかもしれない難しい課題には最初から挑戦しなくなるそう。確実に褒められる自信がある得意な課題ばかりに取り組み、自分を成長させるための難しい課題には手をつけなくなってしまうのです。■本番に弱くなる中学受験専門塾ジーニアス代表の松本亘正さんは、「褒めて伸びる子」と「褒めて伸ばすが通用しない子」の違いについて、次のように説明しています。そもそも、聞き分けがよくてかしこい子であれば、親は自然に褒める機会が多くなります。すると本人が勝手に自信をつけて、さらに伸びるようになるそう。一方で、調子に乗ってふざけやすかったり、うっかりミスが多かったりすると、親は叱ったり小言を言ったりする機会が増えます。しかし、親が育児本などを読んで「褒めて伸ばさなきゃ」と叱ることを我慢すると、子どもはますます野放し状態に。松本さんは、「注意されるべきときに甘やかされた子どもは、ここぞというときに実力を発揮することができない」と断言します。叱られずに甘やかされた環境では、いざ勝負というときに結果を出せるタフなメンタリティーは育たないのです。■ズルをするようになる米カリフォルニア大学、カナダのトロント大学、中国杭州師範大学の研究者らによる調査で、子どもを「賢い」「頭がいい」と褒めると不正行為を働きやすくなる可能性があるという驚きの結果が出されたそうです。3歳児と5歳児を各150人ずつ、計300人の子どもたちを対象にしたこの実験では、伏せられた数字カードの数を当てるという簡単な推理ゲームを行ないました。子どもたちが数字を当てたあとに、あるグループには「賢いね」と褒め、またあるグループには「がんばったね」と褒め、さらにはまったく褒めないグループを作ります。その後、「ズルをしないでね」と約束したあとに研究者らが部屋を出て子どもたちの様子を別室で観察しました。すると、「賢いね」と褒められた子どもたちだけ、伏せられたカードを盗み見し始めたのです。研究者らはこの結果を受け、不正行為を働いてしまう原因として、「賢い」という褒め方がプレッシャーになっている可能性を示唆しています。「いいことをした場合に『素晴らしい』とその行為を褒めるのとは異なり、『賢い』というのは自身の能力への評価であることを子どもは理解しています。自分の能力だけでは達成できない問題に直面したときでも他人の期待に応え、『賢い』と評価してもらう必要があると考え、不正行為を行うようになってしまうのです」(引用元:J CAST ニュース|子どもを「賢い」と褒め続ける教育ご用心!インチキする子になりますよ)「頭がいい=賢い」ことを褒められた子どもは、「頭が良くない」結果が出ることを恐れ、期待に応えなければという過度なプレッシャーを感じます。そして、ズルをしてでも結果を残すことに執着してしまうのです。子どもを「褒められ依存症」にしないためにできること子どもを過剰に褒め続けた結果、子どもの人間性や将来の可能性にまで影響を及ぼしてしまうことがおわかりいただけたのではないでしょうか。最後に、子どもが「褒められ依存症」にならないために、親ができることをお伝えします。みなさんは、無意識のうちに「100点満点なんてすごい!」「A判定ばかりでよかったね!」と、テストや成績表の結果にだけ注目する褒め方をしていませんか?認定心理士の中垣俊子さんは、このような褒め方をしていると結果重視になり、結果にこだわって手段を選ばなくなることもあるといいます。この場合、「集中して勉強してたからだね」「苦手を一生懸命克服しようとがんばったからだね」と、子どもが取り組んだことに注目して褒めてあげるといいでしょう。ほかにも「それでこそうちの息子だ」「お母さんも鼻が高いわ」と、子どもと親を一体化したような褒め方も危険です。子どもの行動によって、まるで親の価値が上がるような気持ちにさせると、「お母さんのために○◯しなければ」とプレッシャーを感じてしまいます。子どもの手柄は子どものもの。子どもの成功やいい結果に対しては、共感して一緒に喜ぶだけに留めておきましょう。脳科学者の篠原菊紀先生は、「『気が向いたときに褒める』くらいの適当さが、褒めることの効果を高め、結果的には子どものやる気を維持させることにもつながる」と話します。常に子どもを褒め続けてしまうと、子どもが「こうすれば褒められるんじゃないか」と予測したときに脳の快楽物質・ドーパミンが分泌されるようになるそう。しかし次第に、実際に褒められたときには喜びが薄れてしまうようになるのです。「いつ褒めよう」「どうやって褒めよう」と考えすぎると、親子の関係性にまで影響を及ぼしかねません。だからこそ、親は子どものテストの結果だけに注目するのではなく、ありのままの姿を見て、いい部分を見つけたら認めてあげるように心がけましょう。***わが子がいいことをしたら、めいっぱい褒めてあげたいのが親心。ただし、ここで説明したように、間違った褒め方ばかりをしていると逆効果になることも。「褒めてあげなきゃ」と考えるよりも、お子さんの普段の様子をよく観察して、「成長したな」と思える部分に着目した声かけをするといいでしょう。(参考)榎本博明(2015),『ほめると子どもはダメになる』, 新潮新書.DIAMOND online|「ほめる子育て」の問題点は「命令」が隠れていること。All About|ほめすぎは逆効果?アドラー流・よりよい声かけのコツ東洋経済オンライン|「褒めて育てる」でダメになった日本の若者PRESIDENT Online|「子を褒めて伸ばす」ブームで子が潰れるJ CAST ニュース|子どもを「賢い」と褒め続ける教育ご用心!インチキする子になりますよPHPのびのび子育て 2019年12月号, PHP研究所.StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「間違った褒め方」していませんか?子どものやる気を維持させる「ほめ方」メソッド
2020年03月10日次から次へと新しい情報が入ってくる現代社会では、「このままでいいのかな」と誰しも不安になるもの。そして、子どもの将来を心配すればするほど、よりよい教育を受けさせたいと考えるのは当然の親心です。ただし、あまりにも教育熱心になりすぎるのいは逆効果かも。今回は、教育熱心な親が子どもにもたらすデメリットについて、とことん考えていきましょう。わが子をスーパーマンにしようとする親たち今の子どもたちは、小学校に上がる前から複数の習い事に通ったり、通信教育などで先取り学習をしたりと、学びの機会に恵まれています。しかし、そのほとんどは、親が選び、親が決めたものばかりなのではないでしょうか。玩具などを手がける株式会社バンダイが2019年に実施した「子どもの習い事に関する意識調査」によると、習い事を始めるきっかけは「親の意向」が全体の約6割という結果に。人気の習い事トップ3の「水泳」「学習塾」「ピアノ」にいたっては、いずれも親の意向がきっかけで始めたという回答が多いものの、「ダンス」や「サッカー」は “子どもの意向で始めた” という回答のほうが多く、子どもの興味がある習い事と、親が子どもにやらせたい習い事にはズレがあることが浮き彫りになりました。時代が進むにつれて、新しいジャンルの習い事が増えたり、多様な学習法が誕生したりと、子どもを取り巻く教育環境は変化し続けています。だからといって、親が焦って「流れに乗り遅れないように」と必死で新しいもの取り入れることは、はたして本当に「子どものため」になっているのでしょうか?教育ジャーナリストのおおたとしまささんは、「今の親は、子どもをスーパーマンみたいな人間に育てようとしている」と危惧しています。情報が氾濫している時代ゆえに、親はわが子に「高学歴を得たうえで、英語ができないといけない、プログラミングができないといけない、コミュニケーション能力が高くないといけない……」と、高すぎるハードルを課してしまうのです。教育熱心なのに残念な親の3タイプ教育熱心な親は年々増加傾向にあるものの、その根底にある思いや願望は人によってさまざまです。なかでも注意しなければならないのは、「教育虐待」に陥った結果、子どもの自己肯定感や親子の関係性を崩壊させてしまうこと。「教育虐待」とは、教育を理由に子どもに無理難題を押しつける心理的虐待であり、具体的には次のようなケースが該当します。・宿題が終わっていないと、夜遅くまでやらせる・解けない問題があると、「どうしてできないの?」と責める・塾や習い事でスケジュール漬けにしている・親子間の約束が守られなかったとき、厳しく責め立てる・成績が悪いと、「努力が足りない」「人間のくず」などの暴言を浴びせる(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|その習い事、子どもは本当に望んでいますか?身近すぎる「教育虐待」の怖さ)子どもは決して勉強ができないわけではないのに、「わが子にはもっともっと高いレベルを目指してほしい」「今のままでは満足できない」という心理から、いきすぎた指導をしてしまうのが教育虐待をする親です。いったいなぜ、「教育熱心な親」が「教育虐待をする親」になってしまうのでしょうか。大きく3つのタイプに分けて解説していきます。タイプ1:子育てを競争だと思っている親「子どもの成功は自分の成功」だと勘違いしているのがこのタイプ。わが子がいい成績を取ることや、いい学校に進学することは、親である自分の成功だと信じているので、勝つことにこだわり、負けることが許せなくなるのです。『100万人が信頼した脳科学者の 絶対に賢い子になる子育てバイブル』(ダイヤモンド社)の著者であるジョン・メディナ博士は、親が教育一辺倒となり、厳しい指導ばかりしていると、子どもの脳の発達に影響を及ぼすといいます。親からの大きすぎる期待を感じ取った子どもは、親を喜ばせようとして理解したフリをしたり、好奇心を失って妥協するようになったりと、思考力を伸ばすことが困難に。さらに、期待に応えられないわが子に怒り、失望した親の姿を見た子どもの脳は、うつ病の引き金ともなる「学習性無力感」を引き起こす可能性もあります。タイプ2:子どもと自分を同一視している親親と子どもは違う人間だとわかってはいても、「自分の子どもなんだから同じ価値観のはず」と心のどこかで信じているのがこのタイプ。明治大学文学部教授の諸富祥彦先生は、特に母親が娘に対して「自分のコピーのようなもの」だという認識をするケースが多いといいます。このタイプは、一見すると子どもに対して理解があるように見えます。たとえば進路を決める際に、「好きな学校を選びなさい」といいながらも、子どもの志望校を聞いたとたんに「でも、その学校だとこういうところが心配だな」とつぶやくなど、「あなたのためを思っているのよ」という態度を取るのです。すると、子どもは反発しづらくなり、結果的に親の顔色ばかりうかがう「いい子症候群」になってしまいます。ありのままの自分を認めてもらえない子ども時代を過ごすと、人間関係の壁にぶつかりやすくなったり、人生自体に虚無感を抱くようになったりと、成人後に生きづらさを抱えるようになるケースも。タイプ3:間違ったほめ方をしている親「子どもを伸ばすにはとにかくほめるべき!」と信じて、知らぬ間に子どもに負担を与えているのがこのタイプです。『子どもが伸びるいいわがまま心を荒らすわるいわがまま』(PHP研究所)の著者で認定心理士の中垣俊子さんは、「親のほめ方次第で子どもに悪影響を与える危険性がある」と指摘します。たとえば、「テストの結果だけに注目してほめる」「兄弟やお友だちと比較してほめる」など間違ったほめ方を続けていると、子どもは次第に失敗を恐れるようになったり、結果重視になり手段を選ばなくなったりします。また、「この調子で次もがんばるのよ」と将来への期待を込めて圧力をかけるほめ方もよくありません。子どもにとって「いつも○○すべき」というプレッシャーにつながるので、“次回” や “未来” ではなく、「今」の姿をきちんと認めてあげましょう。どんな子どもにも備わっている「自分で伸びる力」子どものためを思うがゆえに、熱意の方向性が間違ってしまったのなら、少し立ち止まってみませんか?「百ます計算」や「陰山メソッド」でおなじみの陰山英男先生は、「将来のため」と鬼気迫る表情で子どもに勉強や習い事をさせる保護者に対して、警鐘を鳴らしています。そして、「子どもに将来幸せな人生を送ってほしいなら、幼児期に子どもが楽しい・幸せだと感じられる時間を重ねることが大事」だと断言しています。親が一歩引いて子どもを見守るように心がけると、子どもは安心して物事に向き合えます。陰山先生は、「『失敗したら怒られる』『うまくやらなくちゃ』というプレッシャーを感じていない子どもは、勉強やスポーツなど、何事に対しても楽しみながら取り組むことができる」とも。さらには、人の失敗に対しても寛容になるので、相手を思いやる気持ちも育つといいます。子どもにたくさんの習い事をさせることで、将来への安心感を手に入れている親御さんに向けて、おおたとしまささんは次のようにアドバイスしています。習い事とは、子ども自身が求めるものをすることによって、夢中になり、達成し、挫折を味わい、そして壁を乗り越えることで、「やり抜く力」を育ててくれるものであり、なんらかのスキルを得るのは副次的な成果です。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある)おおたとしまささんいわく、「あれこれ習い事させる代わりに、『ぼーっとする時間』を子どもに与えるべき」とのこと。なぜなら、「ヒマだな」「何をして過ごそうかな」という時間があって初めて、子どもは自主性を発揮するから。そこで「ヒマだから本でも読もう」「絵を描こう」などと考えて、「何をしているときに幸せを感じるのか」を知ることができるのです。それはこれから先の長い人生で、大事な決断をしなければならないときや、自分が進むべき方向を決めなければならないとき、必要となる力の基礎になるでしょう。***親の期待が大きければ大きいほど、子どもにとってはプレッシャーになります。習い事などでスケジュールをパンパンに詰め込むよりも、「ぼーっとする時間」こそが子どもの能力をぐんぐん伸ばすかもしれませんよ。(参考)株式会社バンダイ|「子どもの習い事に関する意識調査」結果StudyHackerこどもまなび☆ラボ|その習い事、子どもは本当に望んでいますか?身近すぎる「教育虐待」の怖さダイヤモンドオンライン|「子育ては競争ではない。」親の「大きな期待」が子どもの思考を奪うのはなぜ?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|“手がかからない子”ほど要注意!「いい子症候群」が怖い理由と、その防止法PHPのびのび子育て 2019年12月号,PHP研究所.PHPのびのび子育て 2020年1月号,PHP研究所.StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間がある
2020年03月09日ここ数年で目にする機会が増えた「10歳の壁」という言葉。いわゆる「10歳の壁」とは、小学3・4年生になった子どもたちがぶつかる学習面でのつまずきや、精神的に不安定になりがちなこの時期特有の反抗的な態度などを指します。10歳前後は、体も心も急激に変化していく時期。読者の中にも、「まさに今、真っ只中!」とお悩みの方や、過去を振り返って「ああ、あのときのあれがそうだったのか!」と気づく方もいるのではないでしょうか。今回は、これまでご紹介してきた「10歳の壁」にまつわる記事のなかで、とくに人気の高かった6本をまとめました。さまざまな角度から「10歳の壁」問題に切り込んだ内容になっているので、ぜひ参考にしてください。「10歳の壁」おすすめ記事1■「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳の壁をもっと面白がるべき理由「10歳は子どもにとって大きな飛躍の年」そう断言するのは、発達心理学・学校心理学の専門家である渡辺弥生先生です。「壁」と聞くと、乗り越えるために苦労や努力を必要とする困難なものの象徴としてとらえがちですが、実際には子どもが大きく羽ばたくために重要なのだといいます。そもそも、10歳頃の子どもの「飛躍」は、それまでの親による教育、インプットが花となって開きはじめたということの表れに他なりません。その花が開くようすを楽しむことこそ、親としての醍醐味ではないでしょうか。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳の壁をもっと面白がるべき理由)この記事では、「10歳の壁」に直面した子どもの学習面での変化よりも、むしろ内面的な変化に着目しています。9歳までは困っている人を素直に助けてあげられたのに、10歳になるとなぜか行動を起こさなくなる、9歳までは自然と「みんな仲良く」ができていたのに、10歳になるとそれが難しくなってくる……。また、ニュースを見て、会ったこともない人の気持ちまで想像して考えられるようにもなるともいいます。これらは対人関係の広がりの表れであり、その影響は自分自身へと向いていくそう。たとえば、自分を客観視できるようになり、「自分はこういう良くないところがあるから、直していかなきゃ」といった自己コントロールへと発展していくのです。渡辺先生は、「大きな変化の渦中にいる子どもは、強いストレスも感じている」といいます。それが大人への反抗的な態度につながることもありますが、親はしっかりと子どもを見守り、必要であれば導いてあげるように心がけましょう。「10歳の壁」おすすめ記事2■「10歳の反抗期」に親がすべきこと。子どもは親の思いどおりには育たない!早稲田大学教育学部教授でアンガーマネジメントの専門家でもある本田恵子先生は、この記事の中で子どもの反抗期を段階別に解説しています。いわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれる3歳くらいの反抗期、そして14、15歳頃に訪れる思春期特有の反抗期。その中間にある10歳頃の反抗期について、親の接し方も含めて次のように述べています。これはさまざまな試行錯誤をして創造力が伸びる時期だからこそ出てくる反抗期です。この時期にはルールで縛りつけ過ぎないように注意しなければなりません。「こうしたほうがいいよ」と親の理想を押しつけると、お手本どおりの解答はできるけど、独自性がない子どもに育ってしまうからです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「10歳の反抗期」に親がすべきこと。子どもは親の思いどおりには育たない!)「もう10歳」とはいえ、まだまだ子ども。その言動を見ていると、危なっかしくてつい口出ししたくなりますよね。しかし本田先生は、この時期の子どもは、思い切り自由にさせてあげると創造力や個性が伸びるといいます。ではなぜ、この時期に子どもの個性を伸ばすことが求められるのでしょうか。それは、「子どもは親の思い通りには育たない」ことが明白だから。誰しも、自分の子どもには「こうなってほしい」という願望を抱いてしまいますが、ほとんどの場合、子どもは意外な個性を発揮して親を驚かせます。だからこそ、本田先生は「この時期に、きちんと『自分で決められる』子どもに育てることを重視すべき」だというのです。また、「たとえ反抗期がなくても、不安になる必要はありません」とも。本田先生は、「それは子どもの欲求を親が上手に受け止めている証拠」と述べています。この時期は、子どもが反抗してもしなくても、「ひとりの人格をもつ人間」として向き合うことが大切なのです。「10歳の壁」おすすめ記事3■「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」とは?子どもの発達段階を意識した4つの対処法この記事では、「10歳の壁」(「9歳の壁」「小4の壁」も同義)にまつわる深刻な社会問題を取り上げながらも、適切な対処法や対策をしっかりと紹介しています。子どもの発達段階において避けては通れない「10歳の壁」。必要以上に恐れたり心配したりせずに、正しい知識と接し方を学んで乗り越えたいですね。10歳ごろになると、「他者意識」が発達し、他人との比較を通じて自分を認識するようになるため、子どもの自己評価や自尊心が低下してしまうのだそう。嫉妬などのネガティブな感情も生まれ、気に入らない相手を無視したり、その人について悪いうわさを流したりといった「関係性攻撃」につながってしまう場合もあるとのことです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」とは?子どもの発達段階を意識した4つの対処法)子どもが成長していく過程では、他者と自分を比較してネガティブな感情にとらわれるケースが多く見られます。しかし、それは決して悪いことではありません。親が注意すべきことは、余計な口出しをしたり、傷つかないように先回りして守ったりするのではなく、「今はこういう時期なんだ」と見守ってあげること。そのうえで、次のように接すると効果的だそう。■対策1:ほめて自信をつけさせる他者との比較によって自己評価が低下した子には、「自己肯定感の育成」を。コツは“少しおおげさ”に、そして“具体的にほめること”です。■対策2:家事を手伝わせるお手伝いをしてもらってほめる場面をつくりましょう。「家族の役に立てた」と実感することで、自己肯定感が養われます。子どもの能力に応じて、具体的に指示を出すとスムーズです。■対策3:本を読むように仕向ける多くの名作には、「友情の大切さ」や「因果応報」など抽象的な教訓が含まれています。読書することで、他者への共感力や抽象的な物事への理解が深まり、人間関係の問題に直面しても自分で対処できるようになるでしょう。■対策4:体験活動をさせる子どもの自己肯定感を強くするには、キャンプなどの自然体験がおすすめ。自然体験が豊富な子ほど、「勉強は得意なほうだ」「今の自分が好きだ」と考える傾向があるそうです。どれもシンプルなアドバイスばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。「10歳の壁」おすすめ記事4■親が知っておくべき「10歳の壁」と自己肯定感の関係「10歳の壁」と呼ばれる時期は自己肯定感が失われやすくなり、その後の人生にも影響を及ぼすそう。自己肯定感が欠如した子どもは、「どうせ頑張ったってできない」と、挑戦することを放棄するようになります。すると、次第に自分から行動を起こさなくなり、将来は人のあとをついていくだけの「指示待ち人間」になってしまうかもしれないのです。そうならないためには、どうしたらいいのでしょうか?一番大切なのは、親が子供を信頼し、行動を見守るということです。子供が行動するとき、失敗しそうで不安になり、あれこれ口を出していませんか?「早く宿題をやりなさい」や「部屋をきれいにしなさい」などと、子供の行動に毎回口をはさみ叱っていると、子供はどんどん挑戦する心を失っていってしますのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|親が知っておくべき「10歳の壁」と自己肯定感の関係)教育評論家の親野智可等先生は、「目先のことばかり見て『○○ができていない』と否定的に叱り続ける親は、子どもの自己肯定感をボロボロにする」と述べています。親ができることは、子どもを信じて、自分の力でやり遂げられるように見守ってあげること。そして、能力や結果ではなく“努力したこと”をほめてあげましょう。これからの時代は、ますます主体性をもって行動することが求められます。主体性を生み出すには、自己肯定感は欠かせません。お子さんの将来のためにも、自己肯定感を失わせないように大切に育んであげたいですね。「10歳の壁」おすすめ記事5■「10歳の壁」は飛躍のチャンス。「壁」を飛び越えるための言葉かけ小学校4年生くらいから学校の勉強はぐんと難しくなり、それまで「なんとなく理解していた子」は、非常に困難な状況に陥ります。勉強が難しくなることで自信が失われ、同級生と比較して劣等感が芽生えてしまうと、自己肯定感の低下につながることも。ここでは、実際に「10歳の壁」に直面したとき、子どものやる気を引き出して自己肯定感を高める言葉かけを紹介しています。お子さんが劣等感や自己否定感で悲しい思いをしているときに、「○○するべき」と理詰めで教えても、より追い詰めてしまうことになりかねません。大人の目線で解決策を教えたくなる気持ちも分かりますが、気持ちに寄り添った言葉をかけ、お子さんを安心させてあげることが大切です。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「10歳の壁」は飛躍のチャンス。「壁」を飛び越えるための言葉かけ)まずは子どもの気持ちに寄り添い、受け止めてあげることを心がけましょう。それをふまえると、かけてあげるべき言葉が見つかるはずです。この記事では、NG例とOK例をわかりやすく解説しています。「お姉ちゃんはいつも満点だったよ」→NG「前よりも10点も上がったね!」→OKほかの兄弟や周りのお友だちと比較してしまうと、子どもの自尊心を傷つけます。この場合は、「過去の自分」と比べてほめてあげましょう。「だからダメだって言ったのに!」→NG「お母さんも小さいとき同じ失敗しちゃったんだ」→OK子どもが失敗したときに頭ごなしに叱るのは避けるべき。親自身の失敗談も話してあげれば、「失敗してもいいんだ」と失敗を恐れずにチャレンジする力が育まれます。ほかにも、すぐに役立つ言葉かけをいくつか紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。「10歳の壁」おすすめ記事6■「すごい」「えらい」より効果的!褒めず・怒らずに子どもを自立させるアドラー式子育てとは今注目されている、褒めない・怒らない「アドラー式子育て」についてくわしく解説しているこの記事。アドラー式子育てでは、「勇気づけ」という技法を用いて、子どもに「困難を克服する力」を与えることを目指します。アドラー式子育てでは、子どもの人格や性格は10歳頃までに形成させると考えられています。そのため、10歳前後の関わり方が特に重要視されているのです。これまで勇気づけをしてこなかった方は、これから少しずつでも勇気づけを心がけてみましょう。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「すごい」「えらい」より効果的!褒めず・怒らずに子どもを自立させるアドラー式子育てとは)「勇気づけ」とは、子どもが何かしてくれたときに「えらいね」「すごいね」と褒めるのではなく、「ありがとう」「うれしいな」などの気持ちを伝えるようにすること。すると子どもは気分が良くなり、“自分の意思で”相手を喜ばせるような行動をとるようになるそうです。子どもを褒めることは大事ですが、その「褒め方」には注意しなければなりません。些細なことで頻繁に褒めていると、その状況が当たり前になってしまい、褒められない状況に不安を覚えるようになってしまうとか。さらに、褒めてもらうために「大人はどう思うか」を基準に行動するようにもなってしまいます。ここでは、日常のシーン別に具体的な褒め方をくわしく解説しています。読み進めていくうちに、「いままで間違った褒め方をしていた」、もしくは「怒らなくてもいい場面で怒っていた」という気づきにつながるはずです。***「10歳の壁」を語るうえで「自己肯定感」は外せません。自己肯定感が失われがちな時期だからこそ、子ども自身が自分で自己肯定感を手に入れられるように見守ってあげましょう。自分で壁を乗り越える力が身につくことで、大きな飛躍につながっていくのです。
2020年03月05日自己中心的って基本的にはネガティブな使われ方しかしません。ですが女子の恋愛に限って言えば、自己中でもモテる人はモテます。そういうタイプの人は、不思議と男の人が放っておけなくなる魅力を持っているようです。今回は、モテる自己中と嫌われる自己中の違いについて紹介します。■ 自分の気持ちに素直「自分の利益になるようなことを考えてしている人は好きになれないけど、単に自分の欲に素直って意味なら可愛いと思うな。そういう彼女のことを認めてあげられるくらいの懐の深さは持っていたいと思うし」(29歳/コンサルティング)計算高い自己中行動かどうかは、大抵の場合周りの人に見抜かれています。そうではなく「私がこうしたいからこうして」と素直な感情表現をしているだけなら、男性は“彼女の可愛いワガママ”と受け取ってくれることも多いようです。特にポジティブな感情の場合は、隠さずに伝えることで愛情表現になることだってありますよ。■ 相手のことも考えている「自己中って言っても段階があるでしょ。本当に自分だけを考えているのか、こっちのことも考えてくれているのかっていう。例えば、前にデートの予定を当日になって彼女が勝手に変えようって言ってきたことがあったんだけど、話を聞いてみたら僕の顔に疲れが見えたから休ませたかったって言ってて。そういう気持ちが隠れているかもしれないってことは、心に留めておきたいと思ったね」(31歳/教育)自己中に見える行動でも、実際には自分にとっても相手にとっても良いと思える行動をとっていただけだった、なんてこともあるようです。ちょっとワガママかなと思える行動でも、本気で彼のことも考えた結果なら受け入れてもらえそうですね。■ 振り回してこない「自分の主張をしっかりできる子と、自分の主張を押し付けてくる子は雲泥の差がありますよね。前者の場合はただ自立しているってだけで全然問題がないと思います。むしろそういう子が好きです。後者の場合はちょっとワガママだなって思います」(36歳/自動車)自分がしたいことを言い過ぎると自己中だと思われてしまうんじゃないかと不安になるかもしれませんが、単に言うだけならあまり嫌われる心配はしなくて良いんですね。ただし、自分がしたいからと相手に強制した時点で、ダメな自己中と判断されてしまうので気を付けてください。■ おわりに自分のことを大事にできる人と自己中は紙一重。周りにどう見えるのかを考えつつ、自分の意見もしまい込んでしまわないバランスが大事ですね!(大木アンヌ/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年02月27日貧困家庭に生まれながら、独学で東大とハーバード大に合格。現在は、「学びのイノベーター」という肩書で、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う本山勝寛さん。そんな本山さんは、子どもの自己肯定感を高めるために「褒めて伸ばす」ことがいいと進言します。では、具体的にどのように子どもを褒めればいいのでしょうか?本山さんが掲げる「あいうえおかきくけこ」の褒め方を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)才能ではなく、結果につながる努力や過程を褒める子どもを褒めるということに関しては、「褒めて育てるのがいい」「褒めない子育てがいい」「褒めずに認めるのがいい」というふうに、さまざまな意見がありますが、わたし自身は褒めて育てるべきだと考えています。なぜなら、褒めてあげることが子どもの自己肯定感を高めることにつながるからです。しかし、ただやみくもに褒めればいいというわけではありません。たとえば、「頭がいいね」「運動神経がいいね」というふうに才能を褒めることは避けたほうがいいでしょう。というのも、それでは子ども自身が「自分には才能がある」と自信過剰になり、「頭がいいんだから勉強しなくていい」と考え努力をおこたるからです。才能そのものではなく、結果につながる努力や過程を褒めてあげるべきです。それも、ただ「頑張ったね」だけではやはり不十分。努力をする過程のなかにも子どもなりに工夫した部分もあるでしょう。そういう具体的な部分をしっかり褒めてあげれば、子どもは「やればできるんだ!」と思い、自己肯定感を高めていけます。達成経験で得る「やればできるんだ!」というマインドセットこの、「やればできるんだ!」というマインドセットを子どもに持たせてあげることがなにより大切です。逆に、自己肯定感が低く、「どうせできない」「やっても無駄だ」と子どもが思っていたとしたらどうでしょうか?なにかに取り組む前からあきらめてチャレンジすらしないのですから、豊かな人生を歩むのは困難です。子どもの自己肯定感を高めるには、結果につながる努力や過程を褒めて、小さな達成経験をたくさん積み重ねさせてあげることが大切です。達成する内容は、勉強やスポーツに限りません。お絵描きや縄跳びなどの遊びだっていい。最初は3回しか縄跳びができなかったのに10回跳べるようになった、さらに一生懸命練習したり工夫をしたりするうちに100回跳べるようになった。赤いものを描いてみようとお題を出して、リンゴやイチゴ、サクランボ、トマトやチューリップ、金魚やザリガニ、たくさんの赤いものが描けた。そういう達成経験が子どもの自己肯定感を高めていきます。実際のところ、縄跳びがいくら上手に跳べても将来の仕事に役立つわけではないですし、絵を描くことも大半の人は将来の職業にはつながりません。でも、できなかったことが努力してできるようになった経験や、自分が手を動かしてなにかをつくり出したという経験によって培われる「やればできるんだ!」というマインドセットは、仕事はもちろん、あらゆる場面で大いに力を発揮します。仕事で大きな壁にぶつかったとき、「どうせできない」と思うのか、「やればできるんだ!」と思うのか。その後の成果に大きなちがいが出ることはいうまでもないでしょう。子どもが伸びる、褒め方ガイド最後に、わたしが考える子どもの上手な褒め方についてまとめておきます。拙著『そうゾウくんとえほんづくり』で、「子どもが伸びる、あいうえおかきくけこ」としてまとめています。その内容は、次のようなものです。あ 「あたりまえ」を褒めるいう 「一人称」で、「うれしい」気持ちを伝えるえ 「笑顔」で褒めるお 「同じ目の位置」で褒めるかき 「過程」を観察、「気持ち」に共感くけこ 「具体的」に「結果」も「行動」も褒めるまず、「あ」は、「あたりまえ」を褒める。大人にとってはあたりまえにできることも、子どもにとっては一生懸命に頑張ってはじめてできたということがたくさんあります。大人にとってのあたりまえは子どもにとってはあたりまえではないわけです。そう考えて、親からすれば小さなことに思えることでも褒めてあげてほしい。次の「いう」が、「一人称」で、「うれしい」気持ちを伝えます。子どもは、大好きなお父さんやお母さんがよろこんでくれることによろこびを感じるものです。ですから、「○○ちゃんの絵、大好き!」「一緒に遊べて楽しかったよ」というふうに、親自身のうれしい気持ちをしっかり伝えてあげてください。「え」は、「笑顔」で褒めます。子どもは、親の言葉だけではなく表情やしぐさなども観察しています。同じ言葉で褒めるとしても、無表情で褒めるのか、笑顔で褒めるのかでは褒めることの効果が大きくちがってくる。できるだけ、笑顔で褒めるように心がけましょう。続いて、「お」は、「同じ目の位置」で褒めます。表情のちがいと同様に、子どもの頭のうえからいうのか同じ目線でいうのかでは、同じ言葉でも伝わり方がちがってきます。また、笑顔をしっかり見せる意味もあります。次の「かき」は、「過程」を観察し、「気持ち」に共感します。先に努力や過程を褒めてあげるべきだと述べましたが、そうするためには子どもが取り組んでいる過程をしっかり観察する必要があります。また、子どもがよろこんでいるときには一緒によろこび、逆に悩んでいるときには「難しいね」と一緒に悩む。そういった共感の積み重ねが、子どもとの絆を深め、褒める効果を高めてくれます。最後の「くけこ」が、「具体的」に「結果」も「行動」も褒めます。「できたね!」と結果を褒めることも大切ですが、先に触れた過程と同じように、子どもが取り組んだ行動の一つひとつを褒めてあげましょう。しかも、その行動について「こういう工夫をしたんだね、面白い発想だね!」と、なるべく具体的に褒めることが大切です。そうすれば、子どもは「お父さん、お母さんは自分をしっかり見てくれている、認めてくれる」と感じ、「これでいいんだ!」と思って自己肯定感を育むことにもなるのです。『そうゾウくんとえほんづくり』本山勝寛 著/KADOKAWA(2019)■ 学びのイノベーター・本山勝寛さん インタビュー記事一覧第1回:非認知能力のなかで最重要なのは「○○心」。実は、日本の子どもは学びへの興味が低い!?第2回:「ただの石でも化石に見える」?自分で新たに生み出す経験が育むイノベーション能力第3回:自己肯定感がぐんぐん高まる最高の褒め方。「やればできる」のマインドはこう育てる!【プロフィール】本山勝寛(もとやま・かつひろ)1981年3月13日生まれ、大分県出身。学びのイノベーター。本山ソーシャル・イノベーション塾(MSI塾)塾長。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー兼人材開発チームリーダー。高校時代、アルバイトで自活しながら独学で東大に現役合格。東京大学工学部システム創成学科卒業後、ハーバード大学教育大学院国際教育政策専攻修士課程を修了。現在は日本財団にて子どもの貧困対策チームリーダーと人材開発チームリーダーを務め、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う。5児の父で育児休業を4回取得。自身の経験を基にした勉強法、教育論などについての執筆活動にも積極的に取り組む。『最強の暗記術 あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」』(大和書房)、『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話』(ポプラ社)、『最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」』(大和書房)、『一生伸び続ける人の学び方』(かんき出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月19日子どもは大人と同じペースで行動することができません。何をするにも時間がかかり、上手にできなかったり間違ったやり方で遠回りしたりすることもありますよね。そんなとき、イライラしてつい「早く早く!」と急かしていませんか?あるいは先回りして「こうやったら上手にできるよ」と、手出ししたり口出ししたりしていませんか?今回は、子どもに対して「待つ」ことができなくなってしまった親御さんに向けて、「待つ」ことの大切さや、それにより子どもがどう変わっていくかについてお伝えしていきます。「早くしなさい!」は子どものため?親のため?グローバル化が進み、これからの時代はますます「自主性」や「自分で考える力」が求められます。これらの力を育むには、子どもの「やりたい」という気持ちを尊重することを心がけなければなりません。そうは言っても、なんでもかんでも好き勝手にやらせるわけにはいかず、ついあれこれ口出ししたり、先に手出ししたりしてしまいますよね。モンテッソーリ教育を掲げる幼稚園「吉祥寺こどもの家」の園長である百枝義雄先生と奥さまの百枝知亜紀先生は、「親が “待つこと”」の重要性について次のように述べています。「親がやるべきことは “待つ” ことと “共感”。楽しんでなにかを成し遂げた子どもの『できた!』『やった!』という気持ちに寄り添って『できたね!』『やったね!』と言ってあげるだけで、子どもには大きな力になる」(義雄先生)「悩んだり、迷ったり、考えたりすることも子どもの『やりたい』なのだから、親が『早くしなさい』なんて言わずに待てると、子ども自身が試行錯誤するうちに “考える力” が育つ」(知亜紀先生)親が子どもを「待つ」ことで、子ども自身の能力が伸びるのですね。でも、忙しい毎日のなか、ゆっくり待ってあげることが難しいのも事実です。スーパー保育士としてメディアなどで活躍中の原坂一郎先生は、親が子どもを「待てない」のは、「待つと自分に不都合がやってくるから」と説いています。常に効率化を考えながら行動する忙しい大人にとって、一分一秒とも無駄にはできません。原坂先生は、「時間が惜しいときに待つと、あとで大変なことがやってくると想像してしまうため、つい子どもに『早く』と言ってしまうのでは」と述べています。しかし、それは完全に親の都合でしかなく、子どものペースは考慮されていません。子どもを待つと言っても、そんなに長い時間はかかりません。たとえば靴を履くときは、2歳の子どもでも10秒もあれば片足が履けます。でもその10秒を待つことができず、5秒ほどで「早く」と言ってしまってはいないか、考えてみてください。(中略)日常の中であと10秒待ってみる習慣をつけるだけで、「ひとりでできた」という達成感を味わえるものがずいぶんと増え、子どもにとっては自分自身への自信にもつながっていきますよ。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|スーパー保育士が伝授!「待つ」ことで育つ子どもの思考力)親がほんの少し時間や気持ちに余裕を持つことで、子どもの自主性や自己肯定感を高めることにつながるのです。優しい子・賢い子の親は「待つこと」ができるでは実際に、親が「待つ」ことで子どもはどのように変化していくのでしょうか。原坂先生は、「親に待ってもらった子は、やがて自分が『待てる子』になる」と言います。自分を待ってくれた相手に対して優しさを感じ、自分自身も他者に対して待つことができるようになるのです。わが子が優しい人間に育ってほしいと願うなら、まずは親自身が待ってあげることから始めてみるといいかもしれませんね。ほかにも、親が「待つ」ことで子どもはさまざまな能力を伸ばしていきます。中学受験のプロである小川大介先生が、5,000組を超える親子と接して気づいたのは、「親に見守られて、好きなことにとことん熱中した経験のある子どもは、最後の最後で踏ん張り、自らの力でぐんぐん力を伸ばしていく」ということ。小川先生によると、親が子どもを「待つ」ことで、子どもが「自分でやりきった」という達成感を得られるそう。さらにその達成感によって自信が育まれ、ほかの課題に対する「やってみよう」という意欲にもつながっていくと言います。「早くしなさい!」は「脳を使うな」という指示!?発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家である加藤俊徳先生は、親から「早くしなさい!」「まだできないの?」といった言葉をかけられ続けることで、子どもの脳の成長の機会が奪われる危険性を指摘します。加藤先生によると、「早くしなさい!」という指示は、脳科学的な解釈では「脳をたくさん使わず、ちょっとだけ使って、今やっていることをパパッと終わらせなさい」ということを意味するそう。“脳が動いている時間” を増やすほど脳の成長につながるので、「早く!」と子どもを急かすほど、脳を使う機会が奪われ、脳の成長にも影響を及ぼすというわけです。子どもの脳の成長のためにも、「急かさず待つ」ことが重要。頭ではわかっていても、忙しくて時間がない親御さんや、せっかちで心配性な親御さんにとっては、「待つ」ことは難しいですよね。そこで加藤先生が提案するのは、まずは「話すスピードをゆっくりにする」ことだそう私のクリニックや講演会などでもよく感じるのですが、おっとりと話す親御さんのお子さんは、総じて頭がよかったり、脳の成長が早かったりします。おそらく、親御さんがゆっくり話すおかげで、子どもの脳で「考える」時間がしっかり確保されているのでしょう。(引用元:ヤマハ音楽研究所ON-KEN SCOPE|『耳育て』は『脳育て』教えて!加藤先生|子どもの「聞く力」が伸びる親子の話し方)脳が未熟な子どもは、大人と同じことをするにも処理に時間が数倍かかると言われています。ですから、子どもの反応が遅いからといって、言葉をかけ続けたり、すぐに手を貸してしまったりしては、子どもの脳の成長を邪魔していることにつながるのです。待つ?待たない?見極めることも大事最後に、日常の「待てない」状況におけるアドバイスや、「待つこと」の注意点についてご説明します。■すぐに言い返さない!忙しいときや急いでいるときに限って、子どもがぐずりだしたり反抗的になったり……。カッとなって言い返してしまい、さらに状況が悪化することも。× NGパターン:イライラして、つい「だから、それは○○だって言ってるでしょ!」「△△だって言ったら△△なの!」と、瞬時に言い返して頭ごなしに叱ってしまう。○ OKパターン:加藤俊徳先生によると、子どもの話を最後まで聞かずに途中でさえぎったり、すぐに反論したりし続けていると、子どもの脳の “聞く力” が育たないとのこと。こういった場合、瞬発的に言い返さずに、一呼吸おいてから返答するように心がけましょう。その後、「どうやったらうまく□□できるかな?」と、子どもが困っていることのヒントになるような問いかけをしてあげるといいでしょう。■説明せずに親の都合に付き合わせない!子どもの行動が遅いため予定が狂うというストレスから「待てない」状況になっているのなら、「子どもは親の予定に合わせて動くべき」という思考になっている可能性も。× NGパターン:「8時には家を出なくちゃならないのに……(イライラ)」「ああ、もう!時間がないから早く準備しなさい!」と突然怒りだす。○ OKパターン:小川大介先生は、「誰かの予定に合わせて動くのは、とても高度なこと。子どもは自分のことで精一杯なので、親がきちんと対策するべき」といいます。わが子のペースを事前に把握して、着替えには何分かかるのか、など準備をするのに何分くらい必要なのかを計算したうえで予定を組めば、落ち着いて対処できます。また、子どもには「8時には出発しないと電車に間に合わなくなって遅刻しちゃうからね。7時50分までには準備万端にしておこうね」と理由を説明しましょう。■意地になって無理に待ち続けない!「待つことが大事」と思うがゆえに、子どものSOSを見逃してしまうケースも。手助けするタイミングも考えて、子どもの変化を敏感に察知して。× NGパターン:子どもが難しい問題を解いていて、20分も30分も手が止まっている。でもここで声をかけたらダメだと思い、自分で乗り越えるまで見守ろう。○ OKパターン:小川先生は、「ひとりで考える意味があるのは、考えれば答えにたどりつけそうな場合のみ」とし、「『どうしたらいいかわからない状態』の30分は、子どもにとって苦痛でしかない」と述べています。日ころから子どもの様子をよく観察し、助けを求めているのか、夢中になって取り組んでいるだけなのか、親だからこそわかるサインを見逃さないようにしましょう。「今の能力ではまだ対処できそうにない」と判断した場合、「どこまでわかった?」「難しいよね、一緒に考えようか」などの声かけを。***子どもに「早くしなさい!」と言ったことがない親はいません。まずはできる範囲で子どもを見守り、待つことを心がけましょう。待つことでお子さんの優しさが育まれ、脳の成長にもつながっていきますよ。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|親が待つことができれば、子どもの「考える力」は育つ。理想の家庭教育は追い求めない!ベネッセ教育情報サイト|スーパー保育士が伝授!「待つ」ことで育つ子どもの思考力レタスクラブニュース|頭がよくなる3原則プラス1③待つ◆頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て【連載】(6)ヤマハ音楽研究所ON-KEN SCOPE|『耳育て』は『脳育て』教えて!加藤先生|「話しかけたら、ちょっと待つ」が、子どもの脳を成長させるヤマハ音楽研究所ON-KEN SCOPE|『耳育て』は『脳育て』教えて!加藤先生|子どもの「聞く力」が伸びる親子の話し方
2020年02月14日突然ですが、あなたの好きな人は、自己肯定感高めなタイプですか?それとも卑屈っぽいところがあるタイプですか?人によって“どこを褒められて嬉しいか”は異なるので、その人のタイプに合わせられると、会話の響き方が全然違います。普段、好きな人との会話で使っている言葉をちょっとだけ見直してみると、より近づけるかも!■ 「ありがとう」を言うときは…会話のなかで「~してくれてありがとう」という言い方をすることは多いと思いますが、ここで言い方をちょっと変えると、相手の心により届くようになります。それは「~してくれて嬉しかった!」と、自分の気持ちを入れて伝えること。「幸せな気持ちになった」「満たされた」「ワクワクした」など、ポジティブな感情をお礼と一緒に伝えると、相手も「もっとやってあげよう!」と張り切るようになるはずです。■ してくれた“行為”よりも“彼の気持ち”に感謝する誰かに感謝を伝えるとき、「~してくれてありがとう」と“行為”にポイントを当てた言い方をすることは多いかと思います。でも、すこし言い方を変えて、「迎えに来てくれてありがとう」を「迎えに来てくれた気持ちが嬉しい」と伝えられると、受け取る側の印象も違ってきます。行為そのものよりも“気持ち”に焦点を当てることで、よりあたたかな伝え方ができるのです。彼への不満を伝えたい話題のときも同じ。「飲み会に行ったらちゃんとLINEして」というよりも、「飲むと忘れちゃうかもしれないけど、LINEしてくれる方が嬉しい」などの言い方のほうが、彼の気持ちに寄り添いつつ、自分の気持ちもしっかり伝えられますよ。■ 感謝を伝えるときは具体的に!自分に自信がある男性に対してなら、「ありがとう」「好き」と伝えるだけでも十分ですが、自己肯定感の低めの男性には、もっと具体的に伝えてあげたほうが男性の自尊心が満たされます。「~なところが凄い」「他の人とは~が違う」「~させたら一番だよね」など、彼の良いところを具体的に褒めましょう。自己肯定感の低い男性は、つい自分と他人を比べがちですが、だからこそ「あなたのここは人より優れている!」という比較を入れた言い方のほうがすっと伝わりやすいのです。■ 彼が自信を持ってくれる方がカップルは仲良くなる自己肯定感が低くて、「どうせ俺では彼女を幸せにしてあげられないかもしれない」と思っている男性には「あなたといると幸せ」と何度も伝えてあげることが効果的。自分のことを好きじゃない人同士で付き合っていると、傷つけあって別れてしまう結果になってしまう人は多いです。お互いに「付き合っている相手に自信を持たせられるパートナー」になれると理想的ですね。(ライター/上岡史奈)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年02月13日「褒めて伸ばす子育て」がいいといわれることが多い昨今。新著『それは子どもの学力が伸びるサイン!』(廣済堂出版)が好評で、首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る進学塾VAMOSの代表である富永雄輔先生は、「褒める」ことの一方で「叱る」ことの重要性を指摘します。そして、そもそもいまは、時代背景として「褒める」ことがより大切になってきているのだそう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもの精神状態を一定にすることが大切いま、子どもの力をしっかり伸ばしてあげるために、「褒める」ことが大切だとよくいわれます。でも、その反面、きちんと「叱る」ことももちろん大切。そして、子どもを褒めるにしても叱るにしても、そのタイミングこそが重要だとわたしは考えています。褒めることが大切だといっても、ただむやみに褒めるのではなく、適切なタイミングで褒め、逆に叱るべきタイミングにはしっかり叱るべきです。なぜかというと、子どもが勉強で成果を出すためには、精神状態を一定に保つことがなにより大切だからです。勉強ができる子どもには、いい精神状態を保っているという特徴があります。いい精神状態とは、学校や塾に通うこと、学ぶこと、勉強で結果を出すことが「楽しい」と感じる状態です。そういう子どもの学力が伸びることは、容易に想像できるでしょう。しかも、精神状態がいい子どもの場合、その伸び方は大人の想像を超えます。「飛び越し学習」といいますが、大人の勉強での伸び方が「1、2、3、4……」と一定のものだとすると、子どもの場合は、「1、2、7、12、20……」というふうに、飛躍的な伸び方をするということがよくあります。でも一方で、ちょっとした心の問題によって、「20、12、7、2、1……」というふうに学力が直滑降で落ちてしまうことがあるのも子どもの特徴です。褒めるも叱るも、子どもの精神状態次第子どもがなにか心の問題を抱えているような状態で、算数の問題を目の前にしても、気持ちを切り替えてしっかり勉強に取り組めるはずもありません。大人でもそうでしょう?たとえば、離婚したというようなネガティブな出来事を経験した直後に、気持ちを切り替えてしっかり仕事に取り組めといわれても、なかなかそうはできません。そういう状態では、仕事のパフォーマンスが上がるわけもないでしょう。まだ精神的に幼い子どもなら、なおさらです。そして、子どもの精神状態を安定させるために、適切なタイミングで褒めたり叱ったりすることが大切なのです。では、その「適切なタイミング」とはいつなのでしょう。それは、子どもの精神状態次第ということになるでしょう。たとえば、子どもがテストで70点を取ってきた。70点に対して子どもが自信を失って落ち込んでいるようなら、70点取れたことをしっかり褒めてあげるべきです。逆に70点で子どもが有頂天になっているようなら、足りなかった30点についてしっかりと叱るべき。精神状態が安定していることが大切だといっても、子どもが有頂天になっているような状態は問題です。有頂天とは油断以外のなにものでもなく、現状に満足して努力をやめるということもあるからです。褒め上手とは叱り上手――そう認識して、テストの点数などの基準ではなく、子どもの精神状態をきちんと観察して、適切なタイミングで褒めたり叱ったりしてもらいたいと思います。子どもができたことを褒めて自己肯定感を高めるまた、褒めることには、子どもの精神状態を安定させること以外にも子どもの自己肯定感を高めてあげられるというメリットがあります。いまの子どもたちは、たくさんの習い事をしています。しかも、わたしたちが子どもの頃の習い事と比べて、野球やサッカーなどスポーツの習い事も本格的ですし、英会話やプログラミングなど、かつてはあまり見られなかった習い事をしている子どもも多い。とくに都内では小学校受験も盛んですから、そういう傾向も強まっています。すると、子どもたちのなかでのヒエラルキーが早い段階ででき上がってしまうのです。小学校に入学した時点で、体操教室に通っていたために鉄棒で前回りが何回もできる子どももいれば、鉄棒なんて触ったこともないという子もいる。先取り教育によって小学校入学前に九九を覚えている子どももいれば、数字を覚えていない子もいます。しかも、幼い子どもは残酷ですから、「え?○○ちゃん、こんなことも知らないの?」「こんなこともできないの?」というふうに、まわりの子に劣等感を植えつけるということもある。そうして、ヒエラルキーの下位になってしまった子は、劣等感の塊になってしまいます。そして、劣等感の塊になってしまった子どもに起こりがちなのが、できないことや苦手なことを「嫌い!」と思ってしまうこと。まわりの子どもよりできないから「鉄棒は嫌い!」「算数は嫌い!」というふうに思ってしまうのです。「嫌い!」というのは“感情”ですから、親など周囲からの働きかけで解消させることは容易ではありません。だからこそ、たとえまわりの子どもたちから遅れていたとしても、なにかができたらしっかり褒めることが重要です。そうして子どもの自己肯定感を高め、「嫌い!」をつくらないようにしてください。子どもを褒めることが単純にいいわけではなく、いまの時代背景として、子どもの自己肯定感を高めるためにも、褒めることが必要になってきているのです。『それは子どもの学力が伸びるサイン!』富永雄輔 著/廣済堂出版(2019)■ 進学塾VAMOS代表・富永雄輔先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「“エンジンがでかい”賢い子」にするための、親の心得第2回:“できない”意識を持つ子にすべき、超重要なこと「褒めて自己肯定感を高める!」第3回:「ゲームや漫画は禁止!」が、子どもの“集中力の育ち”を阻害する理由(※近日公開)【プロフィール】富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)京都府出身。進学塾VAMOS代表。幼少期の10年間をスペインのマドリードで過ごす。京都大学卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生までを対象とする進学塾VAMOSを設立。現在、吉祥寺校に加え、四谷校、浜田山校の3校を開校。入塾テストを行わず、先着順で子どもたちを受け入れるスタイルでありながら、毎年、首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。受験コンサルタントとしての活動も積極的に行っており、年間300人以上の子どもたちの家庭をヒアリング。その経験をもとに、子どもの個性に合った難関校突破法や東大生を育てる家庭に共通する習慣についての研究を続けている。主な著書に『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)、『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月10日近頃、子ども教育に関する記事やニュースに頻繁に登場する、「自己肯定感」というキーワード。その自己肯定感は、子どもが健全に育つために重要なものだとして注目を集めています。「自己肯定感はアートによって高められる」というのは、子ども向けのアート教室を運営する今泉真樹先生。いったいそれはどんな方法なのでしょうか。インタビュー写真/石塚雅人アート活動写真/今泉真樹大人の思い込みによる判断基準で子どもの絵を評価しないご存じのとおり、「自己肯定感」とは、自分を尊重し、自らの存在そのものを認め、「自分はかけがえのない存在」だと感じられる気持ちのことを指します。自分の人生を肯定的に受け止め、豊かなものにしていくために欠かせないものです。わたしが運営している「アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室」の目的のひとつが、子どもたちの自己肯定感を育むことです。そのために大切なのが、幼い子どもが自由に表現したアートに対して、親など周囲の大人が、思い込んでいる「うまい下手」の判断基準によって評価しないということ。(インタビュー第2回参照)。こういった環境下では、親が「うまい」とよろこぶような絵を描かなければならないと子どもは考えてしまいます。たしかに、大人が教え込めば、その子どもの絵は大人が勝手に思う「うまい絵」になっていくかもしれません。でも、それは大人にいわれたままに描いているだけのこと。表現の自由を奪われてしまうと、「自分でできた!」という達成感や自信を得られず、自己肯定感が育まれないということになってしまうのです。自由に表現するからこそお絵描きを楽しめる子ども自身に考えさせ、模索させるわたしのアトリエでは、「子どもたちがつねに自分で考え、自分の力でかたちにする」という指導をしています。「できない!」とすぐにあきらめる子どもに対して、やり方を教えるほうが、大人にとっては楽です。しかし、そこをぐっと我慢して、「どうしたらできるかな?」と子ども自身に考えてもらうよう、促しています。大人に頼ることを覚えてしまった子どもは、自分でなかなか考えようとしません。あきらめかけている子どもには「きっとできるよ!」と励まします。大人も忍耐が必要です。でも、自分で答えを出せたときの達成感を味わい、自信がつくと、「自分でやる」といい出します。どんな問題でも必ず自分で考えて、かたちにできるよう、生きる力をつけてほしいと願っています。自信をつけて「0から1」を生み出せる子どもにたとえば、未就園児が版画をつくる場合、絵を描くよりも、難しく感じられます。描いた絵を切り抜いて凹凸をつくり、版にするという紙版画の場合、どうして版画ができあがるのかという仕組みが、幼い子どもにはなかなか理解できません。すると大人はつい、「まず、下絵を描きましょう」「次は、切り抜きましょう」「最後に貼って、版をつくりましょう」というふうに、次々に指示を出してしまいます。それでは、子どもはただ指示されたままに作業をしているに過ぎません。版画の仕組みについて、「自分で考えてみる」「やり方を模索する」という過程がなければ、子ども自身の力はつきません。もちろん、幼い子どもの場合には時間がかかります。一度できあがった版を刷ってみても、思ったような絵にならずに、「あれ?」と思うこともあるでしょう。でも、隣の友だちの版を観察してみたり、「こうすればいいのかな?」と探求したりするなかで発見がある。子どもが自分なりに考え模索して、ようやくつくりたかったものができたとき、はじめて子どもは「自分でできた!」と感じられます。この体験を積み重ねることが、自信を持つことにつながります。大人を頼らず、自分で考えられるようになれば、「0から1」を生み出せるアート思考が身についていくでしょう。なぜアート教育が注目されているのかいままでの日本の教育は、「与えられた問題に対して、正解を出す」「知識の暗記」などが主流でした。しかしながら、これらの分野はコンピューターやAIに勝てません。正解が見つかっていないものに対して、探求することがより大切になってくるでしょう。ビジネスにおいても、創造力が豊かな人材が求められ、「デザイン思考」が取り入れられるようになってきています。「0から1を生み出すこと」への価値が高まっているいま、アートを学ぶ意義は大きいでしょう。「好きなこと」を通じて生きる力を身につけるいまの子どもたちはたくさんの習い事をしていますが、習い事を選ぶ際にも、ぜひ「子どもが好きなこと」を基準にしてあげてください。自分が好きなことを思い切りできる環境を与えられた子どもは、自信に満ちあふれ、生き生きとしています。ありのままの自分が認められていると感じられるからです。それは、まさに自己肯定感そのものでしょう。また、好きなことにとことん打ち込む過程のなかで、達成感を味わうこともあれば失敗することもあります。たとえ失敗しても、好きなことなら「どうすればいいか」と考えて計画し、再び挑戦することができます。そうやって、好きなことに取り組める子どもは、自己肯定感のみならず、生きていくうえで必要なさまざまな力を身につけていくのです。■ アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室■ アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室 主宰 今泉真樹先生 インタビュー一覧第1回:「汚してもいいよ」で子どもの好奇心を発揮させる!未就学児から楽しめるアート活動第2回:つい言ってしまう「上手だね」。もっとお絵かきが純粋に楽しくなる大人の言葉第3回:子どもの表現力には限界がある。だからこそ「本物」のアートに触れてほしい第4回:自己肯定感はアートで高める! 「自ら考え、かたちにする」を繰り返し、自信を持てるようになる【プロフィール】今泉真樹(いまいずみ・まき)東京都出身。アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室 主宰。桑沢デザイン研究所を卒業後、英ローズ・ブルフォード大学を主席で卒業。国内外の有名ブランドや宝塚歌劇団のジュエリーデザインなどを手がける。2012年、アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室を設立。子どもの自由な発想力や思考力を育てることに焦点をあてた絵画・工作・野外アート活動の指導を行う。保育 絵画指導スペシャリスト ライセンス保有。新宿区子ども未来基金助成活動【アートミック】アート講師も務める。
2020年02月06日子育てをする親にとって必要とされる重要なものにはどんなことがあるでしょう。近年のトレンドなら、「自己肯定感を伸ばしてあげること」「褒めて伸ばす考え方」などが挙げられます。子育てにとっての重要なものの筆頭に「傾聴力」を挙げるのは、「励ましの言葉」である「ペップトーク」の第一人者、日本ペップトーク普及協会代表理事・岩﨑由純さん。その主張の真意とはどこにあるのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもの気持ちを無視した「子どものため」はただの空回り子育てをするにあたって絶対に必要なものが「傾聴力」だとわたしは考えています。傾聴力とは、子どもの言葉や本心を聴く力のことです。その力がなかったら、どういうことが起きるでしょうか。たとえば、子どもに夢ややりたいことができたとします。すると、親のなかには、子どもの先回りをしてしまい勝手にいろいろと調べて、「こういう勉強や練習がいい」というふうに、自分の考えを押しつけてしまう人が出てくる。もちろん、この親も子どものことを思っています。でも、子どもの気持ちをくみ取ることなく突っ走ってしまっては、それはただの空回り。まずなによりも、子ども自身はどうしたいのかということをきちんと聴いてあげるべきです。親の傾聴力は、子どもが打ち込んでいるスポーツの試合や、勉強した成果を発揮すべき試験に臨むときにも威力を発揮します。子どもの本心をしっかり摑むことができれば、本番前に子どもがおじけづいているときに安心感を与えることができるし、興奮し過ぎているなら落ち着きを与えることもできるでしょう。また、気持ちが乗っていなくて落ち込んでいるなら励ますというふうに、適切な対応を取ることができるのです。耳だけではなく、目や心も使って子どもの心を「聴く」もちろんこの力は、他の場面でも大いに有効です。たとえばある朝、突然「学校に行きたくない」と子どもがいったとします。傾聴力がない親の場合、その瞬間に「学校に行くのはあたりまえのこと」という自分のものさしが作動し、「なにいっているの!ちゃんと学校に行きなさい!」と叱ってしまう。でも、子どもが「学校に行きたくない」というからには、そこになんらかの理由があるのです。それこそ友だちと大きな喧嘩をしたとか、いじめを受けている、授業中に恥をかいたなど……。なにか理由があって、意を決してそういっているわけですから、親ならその言葉の向こう側にある事実や、子どもの思いを聴いてあげる必要がある。では、どうすれば子どもの本心をしっかり聴くことができるのでしょうか?それは、コミュニケーションを取る以外にありません。この例の場合なら、子どもが「学校に行きたくない」と言葉を発しているわけですから、すでにコミュニケーションを取ることはできています。そこでもう1段階、コミュニケーションを先に進めてほしいのです。親の勝手なものさしで叱るのではなく、「どうしたの?なにかあったの?」と、子どもからさらなる言葉を引き出すことを意識すべきです。頭ごなしに親のものさしで意見をいうのは、コミュニケーションではないのです。また、言葉に頼ることだけがコミュニケーションではありません。「聴」という文字には、「耳」という字に加えて、「目」「心」が含まれます。つまり、耳だけではなく目や心も駆使して、子どもの本心をくみ取ることが大切なのです。子どもを「ひとりの人間」としてとらえることの重要性子どもの言葉や本心をしっかり聴くには、先の例にも表れているように、親のものさしを子どもにあてはめないことがなにより大切。そうしないためにも、子どもを自分の「持ちもの」ととらえないようにすべきです。「わたしの子=わたしのもの」と思うと、つい親は自分のものさしで子どもを測ることになるからです。子どもとは、親とまったく別の人格を持つ「ひとりの人間」です。ですから、大人同士がそうであるように、子どもは子どもなりに親を試している部分だってある。その傾向は、2歳くらいの小さい子どもにも見られることです。たとえば、なにか欲しいものがあって駄々をこねたとします。そのときの親の反応を見ながら、子どもは「お父さんはこうやって駄々をこねたら欲しいものを買ってくれる」「お母さんはこれだけ泣けば買ってくれる」というふうにしっかりと観察しているのです。そういう場面でこそ、子どもをひとりの人間としてとらえることが重要です。それを理解していれば、ただ親のものさしで「駄目!」といったり、かわいい「わたしの子」だからとものを与え過ぎたりすることもなくなるでしょう。きちんと、子どもの主張に耳を傾けたうえで、本当に必要なものなら買い与えるという判断ができるようになるはず。あくまでも、子どもは「ひとりの人間」なのです。また、共働き世帯やシングルの家庭も増えているいまの時代にはそぐわなくなっている部分もありますが、父親と母親でその役割をわけることも大切かもしれません。子どもの言葉や本心を聴くにも、母親は子どもの心に寄り添ってあげるべきでしょう。一方、一般的に母親に比べて社会経験豊富な父親は、子どもの目標や希望を叶えるためにはなにをすべきかといった実務的な部分の悩みを聴きサポートするのです。もちろんいまは、子育てや家事なども含めて両親の役割の差が明確ではなくなりつつあります。それぞれの家庭事情や子どもの悩みの種類などを踏まえ、臨機応変に対応することを考えてください。『相手の結果を100%引き出す 実践!ペップトーク』岩﨑由純 監修・浦上大輔 著/フォレスト出版(2019)■ 日本ペップトーク普及協会代表理事・岩﨑由純さん インタビュー記事一覧第1回:子どもの成功も失敗も、親の言葉がけ次第!「ペップトーク」が持つすごい力とは第2回:子どもの夢を断ち切っているのは親かもしれない。注意すべき「ドリームキラー」発言第3回:「わたしの子=わたしのもの」と思ってはダメ。“傾聴力”で子育てはもっとうまくいく!第4回:本番に強いか弱いかは価値観で決まる。「緊張を味方につける方法」の教え方(※近日公開)【プロフィール】岩﨑由純(いわさき・よしずみ)1959年10月10日生まれ、山口県出身。一般社団法人日本ペップトーク普及協会代表理事。NECレッドロケッツ・コンディショニングアドバイザー。日本体育大学体育学部体育学科卒業後に渡米し、米シラキューズ大学大学院体育学専攻科修士課程修了。日本初の「アスレチックトレーナー」として数々のスポーツ現場で活躍。アメリカ留学中に、ペップトークの迫力・思い・魅力を体感し、現在はスポーツの他、教育・ビジネスの世界にペップトークを普及するため精力的に講演活動を行っている。主な著書に『子どもの心に響く励ましの言葉がけ「ペップトーク」』(学事出版)、『想いが伝わるペップトーク』(いまじにあ出版)、『やる気をなくす悪魔の言葉VSやる気を起こす魔法の言葉』(中央経済社)、『心に響くコミュニケーション ペップトーク』(中央経済社)、『子どものココロを育てるコミュニケーション術』(東邦出版)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月28日「誰からも好かれる子になってほしい」そう思わない親御さんはいないのではないでしょうか。“クラス1の人気者”とまではいかなくても、できるだけたくさんのお友だちに好かれる子に育ってほしいと願うのが親心です。今回は、「なぜか人に好かれる子」の特徴を解説していきます。さらに、子どもが「人に好かれる力」を身につけるために親ができることについてもお伝えします。小さいころから「人に好かれる力」がある子は、大人になってからも人間関係に恵まれて、社会的に成功しやすい傾向が。ぜひお子さんにも「人に好かれる力」を身につけてもらいたいですね。人に好かれる子は「友だち力」が高い子どものころ、クラスの中に「リーダータイプじゃないけどみんなから信頼されている子」や、「目立つタイプじゃないけどいつもニコニコしていて好かれている子」がいたことを覚えていますか?このように “なぜか人に好かれる子” というのは、何年経っても私たちの心の中に残っているものです。そして自分が子どもをもったとき、漠然と「うちの子もみんなから好かれていた○○ちゃんのように育ってほしいな」と考えるようになります。いまは「自分の個性を発揮すること」や「大勢の前で自分をアピールできるプレゼン力」が求められる時代ですが、学校や社会で人と関わり合う以上、人から好かれる魅力が備わっていることも大切であると子どもたちに伝えるべきではないでしょうか。心理学博士の榎本博明先生は、「社会でうまく生き抜けるようにするには、思いやりや協調性を身につけさせることが大切」とし、「思いやりや協調性をもちながら、自分のいい部分、個性を伸ばしていける子こそが人から好かれる」と述べています。個性を磨くことも大事ですが、その前に周囲の人たちと良い関係を築く力を身につける必要があるのです。いわゆる「友だち力」とも呼ばれるその力、いったいどのようなものなのでしょうか。教育評論家の親野智可等先生は、「『友だち力』がある子とは、友だちとなかよくできる力と、ひとりでいる力、両方のバランスがうまく取れる子のこと」と述べています。どんなに友だちが多くても、「友だちが一緒じゃないとダメ」という子は友だちに依存する傾向があるので、クラスでいじめや仲間はずれが勃発すると、「いじめないと自分も仲間に入れてもらえない」と考えてしまいます。ひとりでも充実した時間を過ごせるけれど、友だちともうまく付き合っていける、そんなバランス感覚に優れたタイプが「友だち力」が高いといえるでしょう。自己肯定感と柔軟さが人に好かれる素地になる世界で活躍するスポーツ選手や成功者には、「人に好かれる魅力」が備わっています。最近では、“シブコブーム” を巻き起こした女子プロゴルファーの渋野日向子選手が記憶に新しいのではないでしょうか。弾ける笑顔で瞬く間に人気者になった渋野選手の魅力を、精神科医の和田秀樹先生は次のように分析しています。持って生まれた性格もあるのでしょうが、渋野さんは、勝ったときに自分が喜ぶタイプというより、勝ったときに周りの人間が幸せになるタイプですよね。つまり、「勝ってよかったね」と周りに思わせるかわいさがある。全英で勝って帰国し、「賞金女王になりたい」と言っても、「なんだよ、いきなり天狗かよ」とは思わせない。そういう発言すらかわいく見えるところが、彼女の強みですよね。(引用元:web Sportiva|渋野日向子が愛される理由。精神科医「周りの人間を幸せにするタイプ」)和田先生によると、渋野選手が周囲の人を幸せにできる理由は、「自分を信じることができているから」だそうです。自分を信じていない人間はプレッシャーに弱く、周りに左右されがち。そしてなにより、自分の実力を信じる強さが根底にあるからこそ、人の意見を聞き入れて取り入れる“柔軟性”も発揮できているといいます。明るく楽観的な印象を与える渋野選手ですが、根っこにあるのは、強い自己肯定感や柔軟な対応力であるといえるでしょう。「好かれる子」は将来成功する!?これまでに約4,000人の生徒・学生を指導してきた獨協大学名誉教授の永井伸一先生は、「なぜか好かれる子」が人生で成功している例をいくつも見てきたといいます。クラスの中で誰からも好かれる子は、「言動が楽しく」「誰とでも気さくに話ができて」「いつも生き生きと目を輝かせて」「毎日を楽しんでいる」という特徴が見られます。そういった子たちは、社会人になってからも良い友人に囲まれ、困難な局面でも自然と誰かが助けてくれるバックアップがあるそう。さらに永井先生は、“人に好かれる力”につながる気質として、いくつかの特徴を挙げています。たとえば、「優しい性格で、人の気持ちを思いやれる」「素直な性格で人なつこく、柔軟性がある」「我慢する力があり、地道に努力ができる」「ユニークな発想に富み、話がおもしろい」などです。幼い頃からこのような性質を持ち合わせている子は、往々にして周囲の人たちからかわいがられます。すると、良い性質はますます伸びて、“人に好かれる力” もぐんぐん高まっていくというわけです。その中でも最も重要なのが「素直である」ということ。永井先生は、「物事をあるがままに素直に受け入れ、人のアドバイスを聞き入れられる耳を持つ子どもは、人に好かれる力につながる性質を獲得していける素地がある」と述べています。先ほどの渋野日向子選手も、もともと素直だからこそ、周囲の人たちの意見を聞き入れて、柔軟に対応できる力をつけていったのではないでしょうか。人間関係の基礎は親子関係。親子の会話が「好かれる子」をつくる!最後に、「人に好かれる子」になるにはどうしたらいいか、また親が心がけることについてお伝えします。■思いやりの心が育つように導く前出の榎本先生によると、日常の何気ないやりとりのなかでも、相手の気持ちを想像するように導くことができるといいます。たとえば、子どもが話すエピソードから、「お友だちの○○ちゃん、嬉しいだろうね」と気持ちを代弁したり、散歩中に「このお花、おひさまが当たらなくて寒そうにしているね」と人間以外の生き物の気持ちを想像させたり、絵本の登場人物を題材にしたりしてもいいでしょう。■読書を通じて視野を広げる『わが子が「お友達」関係で悩まない本』(フォレスト出版)の著者で、小学校教師歴38年の風路京輝先生は、「人に好かれる子とは、相手の立場、状況、そして感情を想像して寄り添ってあげることができる子です」と述べています。その力をつけるのに効果的なのは「読書習慣」です。風路先生によると、「文字を通して頭の中で情景をイメージする能力は、相手の気持ちを推し量る能力にもつながる」とのこと。そして、さまざまな本を読むことで視野が広がると、違う価値観に遭遇しても柔軟に受け止め、対応できる力が養われるといいます。■子どもを問い詰める聞き方をしない風路先生は、子どもに対して「どうして○○なの?」という聞き方をしている親御さんには、「どうしたら△△になるかな?」という表現に置き換えることをすすめています。「どうして片づけしないの!」と注意したところで、子どもは黙るか言い訳をするしかなくなってしまいます。そうではなく、「どうしたら、ちゃんと片づけることができるかな?」とこれからの行動を問うことで、子どもは頭を働かせ、問題が起きたときの対処法を学ぶことができます。こうした会話を普段から心がけていると、友だち関係でトラブルになったときにも、「どうしたら、あの子と仲良くできるかな?」とスムーズに対応できるようになるでしょう。■親への不信感を助長する3つのNGワード前出の親野智可等先生は、「人に好かれる子に育てたいなら、人間関係の基礎となる親子関係を大事にすること」と述べています。その際に親が注意すべき点は次の3つ。「○○しなきゃだめでしょ!」と否定語でとがめる。「あなたが△△しなかったからこうなったんでしょ!」と自業自得であると追い込む。「勉強しないとゲームを捨てるよ!」など罰で脅す。以上の言動を続けると、子どもの自己肯定感が低下したり、困っているときに救ってもらえない寂しさやつらい気持ちが募ったりします。すると「親への不信感」が増して、いずれ親以外の他人に対しても不信感を抱くようになるので注意が必要です。「子どもは、親にされたことと同じことを友だちにするようになります。否定的な言葉を浴びせる、困っている友だちに“自分が悪いんだろ!”と言って助けない。“○○しないと遊んであげない!”と脅す…など。こういう子が好かれるはずがありません。どうか、日々のお子さんへの言動には十分注意してください」(引用元:ママテナ|人に好かれる子にしたいなら、親がやってはいけない3つのこと)このように、親野先生は「親子の会話がそのまま友だちとの会話につながる」ことを危惧しています。強い口調で叱っていないか、親の都合を押しつけていないか、理性を保てずに感情をぶつけていないか、子どもとの向き合い方について改めて見直してみましょう。***「人に好かれる子」は、持って生まれた気質だけではなく、成長の過程において徐々に形成されていきます。「素直さ」と「自分を信じる心」、そして「自己肯定感」を持ち続けていられるようにサポートしてあげたいですね。(参考)PHPファミリー|頭のいい子、性格のいい子の土台は家庭がつくるママテナ|友達とうまく遊べない子どもが増えている!その背景にあるものとは?web Sportiva|渋野日向子が愛される理由。精神科医「周りの人間を幸せにするタイプ」ダ・ヴィンチニュース|「なぜか人に好かれる子」に備わっている“7つの気質”とは風路京輝(2017),『わが子が「お友達」関係で悩まない本』,フォレスト出版.ママテナ|人に好かれる子にしたいなら、親がやってはいけない3つのこと
2020年01月24日いま、家庭教育における重要なキーワードのひとつといわれるのが「自己肯定感」。子どもの自己肯定感を伸ばすためにも「褒めて伸ばすことが大切」だという話はよく耳にするでしょう。でも、みなさんが子どもを褒めているつもりでも、肝心の子どもがそう受け取っていないとしたら?その危険性を指摘するのは、人間関係研究家の稲場真由美さん。稲場さんは、16年間、延べ12万人の統計データをもとに「性格統計学」という独自の理論を構築しました。それによると、人間は「ロジカル」「ビジョン」「ピース・プランニング」「ピース・フレキシブル」という4つのタイプにわけることができるのだそう(インタビュー第1回参照)。そして、そのタイプによって心に響く褒め言葉もちがうのだそうです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)人間には4つのタイプがある人間は、「自分軸か、相手軸か」「計画的か、臨機応変か」というふたつの軸により4つのタイプにわけられる。自分軸とは、「自分のために頑張ることが行動の原動力になる」タイプであり、相手軸は「相手のために頑張ることによろこびを感じる」タイプ。また、計画的とは、「事前に決めた目標やルールを重視して計画的にものごとを進めたい」タイプであり、臨機応変は「その場での直感を重視して行動する」タイプ。「性格統計学」による4つのタイプは次のふたつの質問で判別可能。【1】話は、Aもとから順を追って聞きたいB結論から聞きたい【2】急な変更は、AストレスになるBストレスにならない【1】B、【2】Aを選んだ人は、ロジカル(自分軸かつ計画的)【1】B、【2】Bを選んだ人は、ビジョン(自分軸かつ臨機応変)【1】A、【2】Aを選んだ人は、ピース・プランニング(相手軸かつ計画的)【1】A、【2】Bを選んだ人は、ピース・フレキシブル(相手軸かつ臨機応変)「ロジカル」は、自分で納得して自分のペースやタイミングでものごとを進めたいタイプのため、急な予定変更などは大きなストレスになる。「ビジョン」は、自分の感性に響いたり可能性を感じたりするものを好み、自分の願望を重視するため、「やりたい!」と感じるかどうかで、ものごとに取り組む集中力に大きなちがいが出る。「ピース」は、行動パターンが計画的か臨機応変かによってさらにふたつのタイプにわかれるが、共通しているのは、和を大事にして人間関係が円滑であることを好むこと。また、ものごとをもとから知りたい傾向があり、「なぜ?」という口癖があることも共通点。「すごいね!」と褒めても、心に響かない子どももいる「自己肯定感」というと、簡単にいえば「自分は自分のままで大丈夫だ!」という気持ちですから、自分のなかで完結しそうにも思えるものです。でも、じつは自己肯定感を自分だけで上げることはとても難しいもの。というのも、自己肯定感を上げるには、誰かから認められたり自分のことを必要だと思ってもらえたりするという、他者とのかかわりが不可欠だからです。そして、子どもにとってもっとも大きな存在となる他者は、もちろん子どものいちばん身近にいる親です。親から認められたい、褒められたいという気持ちは、すべての子どもが持っています。でも、ただ褒めればいいというものではありません。なぜなら、わたしが提唱する「性格統計学」によるタイプによって、脳が「褒められた」「うれしい」と感じる言葉がちがうからです。つまり、子どもの自己肯定感を上げようと考えるのなら、子どものタイプによって褒め方も変えていく必要があるということです。たとえば、「ロジカル」の子どもの場合はどうでしょうか。ロジカルというタイプは、自分の努力や成果に対して具体的にピンポイントで褒められたいという特徴があります。「すごいね!」と褒めても、ロジカルの子どもにとってはあいまいに感じられて褒められたと感じないのです。過去にある高校で講演をしたとき、「わたしはお母さんに褒められたことがない」という生徒に出会ったのですが、その子のタイプがロジカルでした。わたしが「あなたのお母さんは『すごいね』といっていませんでしたか?」と尋ねると、「いっているかも」と答える。そこで、「お母さんは、『すごいね』といって褒めているつもりですよ」と返したところ、「わたしには褒められたとは感じられないので、わたしを褒めていません」と答えたのです。すごくショッキングなことですよね。その子のお母さんは「すごいね!」ということでずっと褒めてきたつもりだったのでしょう。でも、褒め方が子どものタイプに合っていなかったために、まったく褒めていないことと同じ結果になってしまったのです。「ロジカル」の親が他のタイプの子どもをうまく褒めるには?いま、家庭教育において「褒めて育てることが大切」だと盛んにいわれます。その一方で、多くの親から「褒めるタイミングがない」という声も聞かれます。じつは、そういう親はロジカルだということが多いのです。ロジカルと同じ自分軸のタイプでも、自分の感性に従って直感的に行動する「ビジョン」の親の場合、言葉はよくありませんが、ある意味ちょっと適当な感じで子どもをどんどん褒められる。「なにがどれくらいできたか」といったことを気にせず、できたことそのものを「できたね!」「すごいね!」と褒めることができます。でも、ロジカルの親の場合、自分自身がそういう言葉では褒められたと感じないため、「子どもがテストで何点取れたら褒めてあげよう」というふうに、なんらかの具体的な基準を設定します。しかも、たいていの場合、その基準が高すぎるのです。そのため、子どもはなかなかその基準にまで到達することができません。そうして、「褒めるタイミングがない」ということになるわけです。だとしたら、ロジカルの親の場合は子どもを褒める基準を下げてあげればいいだけのこと。そうすれば、子どもをどんどん褒めることができて、子どもの自己肯定感はしっかり向上していきます。じつは、性格統計学では、4つのタイプのうちでロジカルの人が多いということがわかっています。ここまでに紹介した話に納得できるという人も多いのではないでしょうか。では、もう少し、ロジカルの人に対してアドバイスをしておきましょう。ロジカルの人は、「すごいね!」というふうに、大きなリアクションとともに感情を込めて子どもを褒めることが苦手です。でも、ビジョンの子どもは「すごいね!」と褒められることを求めています。そうであるならば、具体的な形容詞をセットにしてみましょう。子どもが部屋の掃除を早くできたなら、「すごく早いね」と褒めるという具合です。そうすれば、具体性を好むロジカルの人でも、子どもを多少オーバーに褒めやすくなるでしょう。また、「あ」という感嘆詞を使うこともおすすめです。先の例なら、「あ、すごく早いね」というわけです。それだけでも、「すごいね!」と褒められることを求めるビジョンの子どもだけではなく、心を込めて褒められることを好む「ピース」の子どもからも、ずいぶん印象がちがって聞こえるはずです。子どものタイプによって異なる褒め方のポイントさて、親のタイプにかかわらず、子どものタイプのちがいによる褒め方のポイントについても解説しておきましょう。子どもが掃除をしてくれたというケースなら、ロジカルの子どもに対してはなるべく具体的に褒めてあげる。「洋服も綺麗にたたんでくれたんだね」「本棚も整理してくれたの?」という具合です。ビジョンの子どもには、それこそ先の「すごいね!」に加えて、「すごい!ぴっかぴかだね」というふうに擬態語を入れてあげる。なるべくオーバーなリアクションが伴うと、ビジョンの子どもにはさらに響きます。また、誰かのために頑張ることが最大のモチベーションとなるピースの子どもには、なにより「ありがとう」「助かったよ」と感謝を伝えてあげてください。繰り返しになりますが、子どもを褒めているつもりでも、子どもの心に響いていなければ、まったく褒めていないのと同じこと。子どものタイプに合った適切な褒め言葉をかけて、自己肯定感をしっかり向上させてあげてほしいと思います。『人間はたったの4タイプ 仕事の悩みは「性格統計学」ですべて解決する!』稲場真由美 著/セブン&アイ出版(2019)■ 性格統計学による4タイプ診断サイト■ 人間関係研究家・稲場真由美さん インタビュー一覧第1回:性格統計学の提唱者が語る。「親子は考え方も似る? それはただの思い込みです」第2回:子どもが言う「なんとなく……」に、親が「どうして?」と聞いてはいけないわけ。第3回:子どものタイプ別・自己肯定感が本当に伸びる褒め言葉。「すごいね」だけじゃ響かない!?第4回:「いくら言っても分かってくれない」のは、叱り方がその子に合っていないから。(※近日公開)【プロフィール】稲場真由美(いなば・まゆみ)1965年生まれ、富山県出身。一般社団法人日本ライフコミュニケーション協会代表理事。株式会社ジェイ・バン代表取締役。自身が人間関係の悩みに直面したことから、新しいコミュニケーションメソッドを探求し、16年間、延べ12万人の統計データをもとに「性格統計学」を考案・開発する。以来、このメソッドを「ひとりでも多くの人に伝え、すべての人を笑顔にしたい」との思いから、セミナーや講演、カウンセリングを通じて普及活動を行う。2018年には「性格統計学」にもとづくマルチデバイス型ウェブアプリ『伝え方ラボ』を開発し、ビジネスモデル特許の取得に成功(特許6132378号)。現在は、企業や自治体、学校をはじめ、法人・個人を問わず『伝え方ラボ』を活用した研修やコンサルティングを幅広く行い、多くの人のコミュニケーションスキル向上に貢献する活動を続けている。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月22日子どもを十分に「甘えさせる」ことは、育児をするうえで重要だと言われていますよね。しかし、子どもを「甘えさせる」のと「甘やかす」のでは、大きく意味が異なります。「甘やかす」ほうに偏ってしまうと、子どもの成長に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。今回は、子どもに対する「甘やかし」と「甘えさせ」の違いについて紹介しましょう。「甘やかし」と「甘えさせ」を間違えることのリスク子どもを甘やかすことで、「親からの愛情で満たされてほしい」「自己肯定感を高めてほしい」と考える人は珍しくないでしょう。「子どもをかわいがるゆえに、ついつい甘やかしてしまう」という人もいるかもしれません。しかし、「甘やかし」と「甘えさせ」は意味が違い、子どもに与える影響にも差があります。発達心理学・幼児教育の専門家である東京学芸大学の岩立京子先生によると、子どもを「甘えさせる」ことによって、親子の愛着形成や子どもの自立心が芽生えるきっかけとなり、やがて子どもが家族以外の人との信頼関係を築くことにもつながるそう。一方で、「甘やかしてしまう」と、子どもは自分の要求は何でも応えてもらえると認識してしまい、わがままになってしまいます。いつまでもパパ・ママを頼り、精神的にも社会的にも自立できなくなってしまう恐れも。「甘やかし」と「甘えさせ」の違いでは、実際のところ「甘やかし」と「甘えさせ」は、何が違うのでしょうか?「自己肯定感を高めることの大切さ」を広める活動をしている、一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会によると、「甘やかし」は、大人の都合で子どもに何かを促したり、言うことを聞かせようとしたりすることだそう。「心配だから」「どうせできないだろう」と子どものやることなすことすべてに手を出す、過保護や過干渉と言われるような行動も含まれます。対して「甘えさせ」は、あくまでも子どもが主体となって、子どものペースが守られている状態で、どうしてもできない場合に親がサポートしてあげることだそう。たとえば、「お友だちのおもちゃを貸してほしいと思っているものの、恥ずかしくてうまく言えないときに、親が先回りしてお友だちにおもちゃを貸してもらえるよう頼むのではなく、子どもと一緒に『貸して』とお願いする」といった状態です。同協会によると、親や祖父母にしっかりと甘えさせてもらった子どもは、自己肯定感が高まったり、失敗してもまた頑張ろうと思えたりするそうです。さらに、人に助けを求めたり、自分の弱い部分を見せたりすることもできるようになるとのこと。加えて、人を信じる力も強くなり、相手に対する思いやりも深くなるとか。「甘えさせ」は、子どもが強く生きていくための力や、人間関係を構築するうえでの基礎を育むといえるでしょう。子どもを伸ばす「甘えさせ」3つ子どもを「甘えさせる」ためには、具体的に何をすればいいのでしょうか。家庭でもすぐに取り入れられる方法を3つご紹介しましょう。「体と心のコミュニケーション」を大切にする子どもの心を育む家庭教育の専門家・田宮由美氏によると、子どもが親にスキンシップを求めてきたり、「お話し聞いて」と言ってきたりするのは「精神的要求」であり、「自立に必要な甘え」だそう。もし「いつまでも甘えちゃダメ!」と突き放してしまうと、子どもは「一度お母さん(お父さん)から離れると、もう二度と受け入れてもらえないかもしれない」と不安になり、自立しようとしなくなると言います。子どもがこうした行動をとった際には、十分に時間を確保して、甘えさせてあげましょう。何かを欲しがったときは「約束」で対応する子どもがおもちゃやお菓子を欲しがり、スーパーで泣きわめいてしまう……といった場面は、多くの保護者が経験していることでしょう。周囲に迷惑がかかるし、泣き止んでくれるのなら……と買ってあげたくなってしまう方も多いかもしれません。しかし、「買わないと泣き止まないから」と、すべての物質的要求に応えてしまうのは、子どもに悪影響を及ぼす「甘やかし」でしかありません。田宮氏いわく、こうした状況に陥った場合は「これはお誕生日に買おうね」「お菓子とジュース、両方は買えないから、どちらかひとつだけだよ」と約束するなどして、節度を持って対応することが重要だそうです。断るときは「理由」を話す「弟や妹が生まれたばかり」「親の体調が悪い」といった場合は、「甘えさせ」の時間が十分にとれないこともあるかもしれません。前出の岩立京子先生によると、子どもの「抱っこしてほしい」という要求に応えられない場合は、「お母さん具合が悪いから、少し休んでから抱っこしてあげるね」などとできない理由を説明し、我慢できたらしっかり褒めると良いそう。子どもの気持ちに寄り添いつつも、親が無理しすぎることのないよう、上手に甘えさせていきたいですね。***似ているようでまったく違う「甘やかし」と「甘えさせ」。違いをしっかりと認識して、子どもを十分に甘えさせてあげましょう。文/田口 るい(参考)一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会|子どもを「甘やかす」と「甘えさせる」の違いは?All About|子供を自立させる甘えと、ダメにする甘やかしの違いベネッセ教育情報サイト|「甘え」と「甘やかし」の違いを知って自立心を育てよう!ベネッセ教育情報サイト|自立する子に育てる!幼児の甘えさせ方【前編】甘えとわがままの違いとはベネッセ教育情報サイト|自立する子に育てる!幼児の甘えさせ方【後編】こんな時はどうする?NHKエデュケーショナルすくコム|甘えと甘やかし、どう違う?
2020年01月18日お子さまの写真、撮っていますか?実は写真には、いくつもの教育効果があるのです。いま注目されている、自己肯定感もアップするそうですよ!ほかにはどんな効果があるのでしょうか――。■参照コラム記事はこちら↓今すぐ「Famm無料撮影会イベント」に行くべき4つの理由。写真で「自立心」や「自己肯定感」がアップする!
2020年01月05日自己中な旦那と上手くやっていくのは大変なことです。自己中な旦那と喧嘩せずに平和に暮らすためのテクニックを紹介していきます。まずは旦那を受け入れる自己中心的な旦那のことを理解するのは難しいかもしれませんが、ある程度旦那を受け入れることで、ストレスが溜まるのを防ぐことができます。旦那とは夫婦なので、どうしても一緒に過ごさなければならない場面がいくつかあるでしょう。旦那のことを拒絶せずに少しでも受け入れる姿勢をとることで、ストレスを軽くすることができます。夫婦として一緒になると、どうしても相手の悪い部分が目に付きやすくなりますが、旦那を結婚相手に選んだのは自分自身。ある程度旦那のことを受け入れ、相手の良い部分に注目し、喧嘩などのトラブルを防ぐようにしましょう。褒め上手になる「自己中心的な旦那を褒めるなんて無理」と思う女性もいるかもしれません。しかし、自分勝手なことをする旦那に全て反発したり言い返したりすると、ほとんどの場合対立を生んで終わってしまいます。旦那の良い所を見つけ、上手に褒めれば長所を伸ばすことができますし、褒めることで他の悪い性格が薄れていくこともあります。褒められることが嬉しくなって、良い行動や言動をしてくれるようになることもあるので、時には旦那を褒めて気持ち良くさせることも自分のために必要です。溜まったストレスをこまめに発散自己中心的な旦那と生活をしていると、どうしてもストレスは溜まりがちになってしまいます。ストレスが溜まっていると余計に相手の嫌な部分が目に付きやすくなりますし、些細なことが理由でも喧嘩しやすくなってしまいます。自分のストレスの原因が旦那の自己中心的な性格のせいだとしたら、余計に旦那のことが嫌いになるでしょう。ストレスを発散することで心に余裕が生まれ、自己中心的な旦那とも上手く行きやすくなります。イライラが爆発する前に、友達と遊びに行ったりウォーキングしたり、好きな音楽を聴いたりなど、自分なりのストレス発散法をこまめに行うことが大切です。相手に期待しない相手に期待すればするほど、相手の嫌な部分を見た時のガッカリ感や、ストレスが大きいものとなってしまいます。自己中心的な旦那と暮らしていれば、ストレスが溜まるようなことが起きるのは当たり前。相手に期待せず、ストレスがくることをあらかじめ予測していれば、自分にかかるストレスも小さくなり、旦那に対して冷静に対処しやすくなるでしょう。
2019年12月31日自分自身を肯定的にとらえる感覚を表す言葉、「自己肯定感」。最近では、Twitter日本語版でトレンド入りするなど、その重要性を多くの方が実感していることがうかがえます。「我が子を自己肯定感の高い子に育てたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。実際、自己肯定感の高め方に関する情報は本やインターネットにあふれています。とはいえ、それらをひとつひとつ実践するのは簡単なことではありません。そこで今回は、自己肯定感を高めることの重要性を改めてお伝えしつつ、あらゆる方法のなかから家庭で取り入れやすいものを10個選んでご紹介します。自己肯定感の有無は人生を左右する!?「自己肯定感」は、なぜこんなにも重要視されているのでしょうか。自己肯定感の高い子と低い子の違いを踏まえて考えてみましょう。児童養護施設に勤務後、行政機関にて0~18歳の子ども相談を担当していた横山知己氏は、自己肯定感の高い子と低い子の特徴について、以下のように述べています。自己肯定感の高い子自信に満ちあふれ、何事にも前向きにチャレンジするたとえ失敗しても、その経験を次のチャレンジに生かすことができるため、ぐんぐん成長していける自分を大切にし、自己主張もしっかりするため、友人たちとも対等な関係を築くことができる 自己肯定感の低い子自分に自信がなく、失敗を恐れてしまうことから、新しいことになかなかチャレンジできない極端に人の顔色をうかがってしまう自分を抑えて我慢しすぎたり、相手の言いなりになったりしてしまい、人間関係をうまく築けないさらに、自己肯定感の高さは、学力にも影響を及ぼすことがわかっています。文部科学省が実施した「平成30年度全国学力テスト」と、児童生徒アンケートの結果によると、「自分にはよいところがあると思いますか」との質問に肯定的に回答した児童のほうが、平均正答率も高かったのだそう。つまり、子どもの自己肯定感を高めることは、その子がさまざまなチャレンジを通して成長していく力や、より良い人間関係を築いていく力、そして学力を高めていくことにもつながるといえるのです。親が子どもにしてあげられる10のことでは、どうすれば子どもの自己肯定感を高められるのでしょうか。親が子どもにしてあげられる10のことをご紹介しましょう。お手伝いをさせる国立青少年教育振興機構が行なった調査により、食器をそろえたり、片付けたりといったお手伝いをたくさんしている子ほど自己肯定感が高いことがわかりました。お手伝いをさせることによって、「家の中に役割や居場所がある」こと、「自分は必要とされている」ことを感じさせられるのです。「大好きだよ」と伝える内閣総理大臣、内閣官房長官及び文部科学大臣兼教育再生担当大臣ならびに有識者で構成される教育再生実行会議の第十次提言には、「親から理解されている、愛されているという感覚を持っている子供は自己肯定感が高い」という記述があります。自分の子どもにそのような感覚を持たせる方法のひとつは、言葉で伝えること。「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」などの言葉を日常的にかけることで、子どもは愛されていることを自覚できるのです。話を聴くビジネスコーチの石川尚子氏いわく、親が子どもの話をしっかり聴くと、子どもの存在を認めていることが伝わり、自己肯定感を高められるのだそう。ポイントは、しっかり目を見て、耳を傾けて「聴く」ということ。途中で口を挟んだり、他のことをしながら聞き流したりしないよう、意識して子どもに向き合いましょう。おこづかいの与え方を変えるマネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生は、おこづかいは定額ではなく、「掃除を何回したらいくら」というように、家庭内で仕事を与え、その対価としてわたすことをすすめています。そうすると、子どもに達成感や、人の役に立つ実感を与えることができ、自己肯定感を高めることにつながるのだそう。その際、事前に親子でルールを話し合い、書面を作成するなど、子どもを「大人扱い」するとより効果が高まります。親子で一緒に外遊びする外に出て、自然のなかに身を置くと、子どもは自分で試行錯誤しながら工夫して遊びます。心理学者・石﨑一記氏いわく、自分で工夫した遊びをやり遂げることによって達成感を得られ、自己肯定感を高められるそう。その際、できれば親も一緒に外へ出て楽しみましょう。注意点は、あれこれ口出ししないこと。あくまでも、一緒になって楽しみ、子どもが誇らしげに「見て!」「こんなのできた!」と言ってきたら、「すごいねえ!」と褒めてあげることが大切です。プロセスをほめる褒めることによって自己肯定感が高まることはよく知られています。しかし、特定非営利活動法人・放課後NPOアフタースクール代表理事の平岩国泰氏いわく、「縄跳びができた」「テストで良い点数をとった」など、能力や成果ばかり褒めるのは逆効果。子どもに「成果を出さないと認めてもらえない」という焦りや不安を刷り込むことになるのだとか。子どもの自己肯定感を高めるには、「毎日、縄跳びを練習してすごいね!」「毎晩、自分から勉強してえらいね」など、成果よりプロセスを褒めましょう。写真を飾る自宅に子どもの写真を飾ると自己肯定感が高まることがわかっています。教育評論家・親野智可等氏らは、習い事や勉強など、何かを成し遂げたときの写真を飾ることをすすめています。子どもはその写真を見て、「親は自分を気にしてくれている」「自分は頑張れる」という思いを強めるのだそう。また、写真をきっかけに愛情を表現するのも効果的です。旅行の目標を立てる小さな目標を立て、それを達成する喜びは、自己肯定感を高めることにつながります。そのような機会を作りやすいのが、「旅行」です。たとえば、「新幹線では静かにしよう」「旅館の方に挨拶をしよう」といった約束事を事前に決めておきましょう。それらが達成できると、親だけでなく、旅先で出会った初対面の人から褒められることがあるのも、旅行の醍醐味です。教えすぎない日頃、子どもの行動に先回りして、「これして」「あれして」と指示していませんか?子どもは、「自分でできた!」という体験がないと、自己肯定感を高めることができません。子どもが何かやろうとしているとき、すぐにはやり方を教えず、「どうすればいいと思う?まず自分なりに考えてやってごらん」と促してみましょう。ネガティブな感情も受け入れる子どもがネガティブな感情に陥っていると、「自己肯定感が下がってしまうのではないか」と不安になってしまいませんか?脳科学者の中野信子さんは、「ネガティブな感情を無下に否定せず、しっかりと受け止めて活用していけるからこそ、健全な自己肯定感が育まれる」と述べています。親として、どんなときでもありのままの子どもを受け止めてあげましょう。***ご覧いただいたように、子どもの自己肯定感を高める方法はたくさんあります。だからこそ、そのすべてをやろうとするのではなく、家庭に取り入れやすいものからひとつずつ試してみてはいかがでしょうか。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「お手伝い」が子どもにもたらすいくつものメリット――お手伝いの習慣が高い学力につながる理由StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「『大好きだよ!』で勉強ができる子どもに☆」ゆるクス漫画家 木下晋也のマンガ Ready Study Go!【第34回】StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもに揺るぎないパワーを与える、親が子どもの話を「聴く」ということStudyHackerこどもまなび☆ラボ|「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|無理やりポジティブにならなくていい――“ネガティブな感情”を利用して自己肯定感を育むマイナビニュース|自己肯定感、Twitterトレンドで議論 – 誰かに自分の在り方を委ねず、いかに自己を受け止めていくかAll About|子供の未来が変わる!自己肯定感を育もうベネッセ教育情報サイト|自己肯定感の向上、家庭が大きな役割ベネッセ教育情報サイト|子どもの自己肯定感を育む「教え過ぎない」子育て[やる気を引き出すコーチング]東洋経済ONLINE|「自己肯定感の低い子」に親ができる1つのこと学研キッズネット|自己肯定感を高めるには、写真をかざるのがいい!親野先生流「ほめ写」NAVITIME Travel|実践!旅育メソッド:役割や目標を設定、褒めて成功体験に文部科学省|平成30年度全国学力・学習状況調査の結果首相官邸|自己肯定感を高め、自らの手で未来を切り拓く子供を育む教育の実現に向けた、学校、家庭、地域の教育力の向上(第十次提言)
2019年12月26日