夏場にもし下痢を起こすことがあれば、食中毒が原因となっている可能性もあります。なかには気づかないうちに重症化する例もあるため、注意が必要です。今回は、管理栄養士の筆者がコンビニご飯や作り置きできるおかずをよく食べるという人へ向けて、食中毒を起こさないためにどのようなポイントに注意したらいいのかを解説します。食中毒の原因と症状食中毒とは、ふだん目に見えない細菌やウイルスが食事を通して体内に入ることで起きる不調です。下痢や腹痛など、さまざまな症状があります。ただの風邪や体調不良のような症状もあれば、食中毒と気づかないまま重症になったり、命に関わったりする事例もあるため、日頃から注意が必要です。食中毒を起こすおもな細菌には、卵・肉・魚などが原因の「サルモネラ菌」、生魚などに多い「腸炎ビブリオ菌」、加熱が不十分な鶏肉などの「カンピロバクター」、私たちの皮膚や口内などに存在する「黄色ブドウ球菌」などがあります(※1)。食中毒対策の基本は、食中毒の原因となる細菌を「つけない、増やさない、やっつける」、この3つのポイントを押さえておくことです(※2)。コンビニご飯で食中毒を起こさないために気を付けるポイントコンビニで売られている食品は、購入する時点では基本的に衛生管理がしっかりされている状態です。しかし、食中毒を起こす可能性はゼロではありません。以下のポイントに気を付けましょう。常温で放置しない食中毒の原因となる細菌は、常温で放置しておくと増えやすい特徴があります。特に夏場の温度や湿度は細菌にとって快適である場合が多いのです(※1)。そのため、コンビニで買った要冷蔵の食品やお弁当・サンドイッチなどは、購入後に常温で放置せず、冷蔵庫で保管して早めに食べましょう。生ものは避けるか早めに食べる生野菜やお刺身、生卵など加熱が十分にされていない食品は食中毒菌が増えやすいと考えられるため、できるだけ避けるか早めに食べるようにしましょう(※2)。自宅で加熱ができる食べ物の場合は、再加熱することも一つの方法です。食べかけの食品に注意食べかけのものを再度食べるときや、だれかとシェアしながら食事をしている場合は、食中毒菌が増えやすいため注意が必要です。食べかけのものは可能であれば再加熱したり、あらかじめ別の容器に食べる分だけ取り分けたりしておきましょう。シェアするときにはなるべく取り箸を使い、直箸は避けるようにすることで食中毒予防につながります。作り置きで食中毒予防のために気を付けるポイント作り置きのおかずを作るときにも、食中毒を予防するためにいくつか注意したいポイントがあります。食材の買い物や保存状態に注意生の肉や魚・卵などを買う時にはなるべく新鮮なものを選び、保冷材などを使って持ち帰りましょう。帰宅後は早めに冷蔵庫に入れておきます。肉や魚はビニール袋や容器に入れて保存し、ほかの食品に肉汁などが付着しないようにしましょう(※2)。調理器具は衛生的に調理前は必ずせっけんで手をよく洗い、生の肉や魚・卵を触った後も必ず洗ってください。また生の肉や魚を切ったまな板や包丁は、よく洗って熱湯消毒をした後にほかの食品に使いましょう(※2)。できれば包丁やまな板は肉用・魚用・野菜用と分けておくと安心です。中まで加熱する加熱調理をするときには、中までしっかり加熱することで食中毒菌を殺菌できます。中心部の温度が75℃、1分以上の加熱をすることが目安です(※2)。水分をなるべく残さない細菌が繁殖しやすい原因の一つに、水分が多い環境であることも挙げられるようです。加熱調理ができるものであれば、焼く、炒める、揚げる、炒り煮などの調理をして、できる限り水分を飛ばしておくとよいでしょう。完成した料理は冷まして保存作り置きする場合には、調理後の料理は粗熱をとってから冷蔵庫にいれましょう。熱いまま冷蔵庫に入れてしまうと料理自体の傷みも早くなり、さらに冷蔵庫内の温度を上げてしまうため、他の食品を傷ませる原因となる可能性があります。食べるときに再加熱する作り置きした料理を食べるときには再加熱しましょう。電子レンジの場合は全体がしっかり加熱されるように途中で混ぜることも大切です(※2)。また、食べるときに味がおかしかったり、変な匂いがしたりと、ちょっとでも傷んでいるようであれば食べずにすぐに廃棄しましょう。夏の食中毒には気を付けて!夏バテや熱中症など、夏場はただでさえ体調を崩しやすい季節。抵抗力が弱っているときに食中毒を発症したら、重症化するリスクも高まります。食中毒予防のためには、食事を買う時から調理、保存方法まで、細菌を増やさない工夫が大切です。今回お伝えした食中毒予防のポイントを意識して、食生活に気を配りながら暑い夏を乗り切りましょう。【参考】※1農林水産省.食中毒の原因と種類※2厚生労働省.家庭での食中毒予防©yumehana/kyonntra/d3sign/Group4 Studio/gettyimages文/管理栄養士・寺内麻美
2022年08月03日「全国各地でアニサキス食中毒が激増しています。ここ数年でその数は一気に増え、5年前からは食中毒の原因、ワースト1位にもなっているんです」そう語るのは熊本大学産業ナノマテリアル研究所の浪平隆男准教授。厚生労働省の速報によると今年はすでに124件のアニサキス食中毒が発生している(6月8日時点)。アニサキスとは、その終宿主がクジラなどである太さ0.5~1.0ミリ、長さ2~3センチのミミズのような見た目で、魚の内臓に寄生している寄生虫。生きたまま食べてしまうと食中毒を引き起こすが、なぜ近年増加しているのか?「主にアニサキスの認知が進み、適切に被害が報告されるようになったことが考えられます。また、鯨の数の増加や、地球温暖化によって鯨や魚の回遊ルートが変わり、水揚げされる魚がアニサキスの卵を含む、鯨のフンを食べる機会が増えたことも関係しているのではないかと思います」(浪平准教授・以下同)なかでもアニサキスが多く報告される危険な魚を教えてもらった。「サバ、イカ、アジ、サンマ、イワシで多く見られます。以前は青魚が中心でしたが、サーモンや、ヒラメなどの白身魚でも報告され、もうアニサキスのいない魚種はないといっていいほど」魚の輸送技術の発達も、アニサキス増加の原因に――。「魚が死んで内臓が腐ってくると、魚身に移動します。-20度で24時間以上冷凍すると死にますが、近年は冷蔵状態で長時間の輸送が可能になったため、幼虫が魚身に移動しやすくなっています。サバ1匹の内臓から100匹ほど見つかることもあり、そうなると結構な確率で魚身に移動しています」■胃酸の中でも1週間生き延びる生命力さらに最近では、初めから魚身に寄生する種類のアニサキスも増加しているという。知らず知らずのうちに食べてしまうと、胃や腸の壁に食らいつき、深刻な症状が。「胃や腸に入ると数時間後にひどい吐き気や、胃をつかまれたような激しい痛みに襲われます。この痛みはアニサキスのアレルゲンに対するアレルギー反応によるもの。死んだアニサキスを食べて酷い症状が出る人もいれば、生きたまま食べても無症状という人もいます」プラスチックのように硬い殻で覆われている強靭なアニサキスは、胃酸の中でも1週間程度生き延びられるという。万が一あたった場合は病院へ行き、内視鏡で直接取り除いてもらうしかない。浪平准教授は水産加工メーカー・ジャパンシーフーズとの共同研究で刺身に電気を流してアニサキスを撲滅させる装置を開発したが、社会実装にはまだ数年かかるそう。そこでやはり大切なのが、アニサキス食中毒からの自己防衛。「一匹丸ごとの魚はすぐに内臓を取り除きましょう。生魚を食べるときは、目視で確認するしかありません。100均でも買えるブラックライトを当てると見つけやすい。酢では死なないため、しめサバや表面だけを焼いた炙り寿司も注意が必要です。家庭用冷凍庫(約-18度)で2日以上冷凍するか、70度以上の熱を加えると死滅します」生魚を食べる際はくれぐれも、アニサキスにご用心!
2022年06月23日蒸し暑く、ジメジメとした季節がやってきました。この時期特に気をつけたいのが「食中毒」。管理栄養士の冨永望さんにお弁当作りで絶対に気をつけるべきポイントを教えてもらいました。夏のお弁当作りで気をつけるポイントジメジメしている梅雨の時期から残暑が厳しい秋までは、食中毒に特に気をつけたい季節。自治体によっては、「食中毒警報」が発令されるところもありますよね。今回は、この時期の「お弁当作り」について管理栄養士の冨永望さんに聞きました。1.お弁当箱の中の菌の繁殖を防ぐお弁当を作る際は、おかずは完全に冷ましてから詰め、ご飯は粗熱をとってから入れたり、おにぎりにすると聞いたことはありませんか?これは、お弁当箱内の温度が高いと菌が増えやすく、さらに蓋をすることで湿度が高くなり、より菌が増殖しやすい状態になるからです。確かに、これは一番正しい方法と言えます。しかし、あっという間に時間が過ぎていく朝の時間帯に、そんな余裕はない、というかたが多いのではないでしょうか。私はお弁当を作る際、詰めてから冷蔵庫で冷やすようにしています!食中毒の原因となる多くの菌が最も活発に繁殖するのは20~40℃。この温度帯を、早く通過させることで、菌の繁殖が防げます。おにぎりも温かいまま(アツアツではない)ラップを使って握り、同様にしています。2.保冷バッグや保冷剤の活用屋内は冷房が効いているところが多いとはいえ、ここ数年の異常な暑さの中、お弁当を長時間持ち歩くのはちょっと怖いですよね。そこで活用したのが保冷バッグや保冷剤。保冷バッグは100均で売っているもので十分です!また保冷剤はケーキ等を購入した時についてくるものはもちろん、私は凍らせたこんにゃくゼリーで代用することもあります。デザートにもなって一石二鳥ですよ。3.気をつけるべき食品まずは炊き込みご飯や混ぜご飯。さまざまな具材が入って美味しいのですが、その分水分量が多く、傷みやすくなっています。特に、肉や魚、玉子、こんにゃくを含む芋類がはいっているものは気をつけましょう!もし、炊き込みご飯をお弁当に入れたい時は、前日の残りではなく、必ず朝炊き上がったものにしてくださいね。特に、じゃがいもは気をつけたほうがよい食品のひとつ。でんぷんが多いことに加え、細胞壁がもろく、加熱によって壊れたところから菌が入りやすいため傷みやすいんです。野菜つながりでいうと、お弁当の彩りになるプチトマトも注意が必要です。ヘタの部分に汚れが溜まっている場合があるので、必ずヘタを取ったあとで洗い、水分をふき取ってから、切らずにそのまま入れてください。たんぱく源が多く、野菜が少なくなりがちなお弁当に、調理なしで入れられるプチトマト。うまく活用してくださいね!火が完全に通り切っていない半熟玉子や汁気の多い煮物も要注意です。また、お弁当の定番おかずであるちくわきゅうりも、傷みやすいちくわと水分量の多いきゅうりという組み合わせなので、夏場のお弁当にはあまりオススメできません。肉類は「よく火を通して」と聞いたことがあると思います。それは、鶏肉には食中毒の原因となるカンピロバクターやサルモネラ菌、豚肉にはトキソプラズマが付着していることがあり、これらの菌は肉の中にも存在しているから。また、ひき肉は細かく切ってある分、菌が入りやすくなっているので、こちらも良く加熱してくださいね。4.調理時に気をつけること当たり前、と思うかもしれませんが、何より大切なのは、手を石鹸でしっかりと洗うこと。本当にこれに尽きます。上記でいろいろと説明しましたが、その大前提として清潔な手で調理することが何よりも大切です。というのも、健康な人でも、手には食中毒の原因になる黄色ブドウ球菌が付着しているから。さらに手に傷があると、その傷口から菌が増えやすく、万全の注意が必要です。また、この黄色ブドウ球菌は毛髪や頭皮にも付着しているんです!顔や髪の毛を触る癖がある人は、調理中のこまめな手洗いをオススメします。調理器具やお弁当箱が清潔であることももちろん大切です。厚生労働省のHPにもありますが、食中毒は『付けない、増やさない、やっつける』が3原則。全ての菌が加熱すれば死滅するわけではないので、まずは「付けない」ことが大切です。とにかく手洗いが一番大切ここまでいろいろと説明をしましたが、一番大切なのは清潔な手で調理をすること!手洗いと基本的なことを守っていれば、真夏のお弁当も怖くありません。お弁当ライフを楽しみましょう!(C)yumehana/Getty Images(C)yumehana/Getty Images(C)sot/Getty Images文・小田原みみ
2022年05月20日まだまだ続く【雨対策】お済みですか?最近は特に『梅雨』感がすごく雨続きです。ウネリはもちろん、表面のパヤパヤした毛も気になるところ…ある程度全体的にうねりも少なく、表面だけが気になる!そんな方は【表面だけオイル縮毛矯正】をおすすめします^ ^気になる部分だけでも受け付けているのでお気軽にお問い合わせください!感染予防対策をしっかりしてお待ちしております。
2021年07月05日新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食店のテイクアウトやデリバリー販売が増えてきました。なかなか外出しにくい状況でも、自宅でおいしい料理をいただけるのはありがたいですよね。ですがテイクアウトやデリバリーは調理してから食べるまでの時間が長く、とくに気温の高い時期は食中毒のリスクが高まります。飲食店側に向け、厚生労働省から食中毒対策に関する呼びかけ(※1)がされているところではありますが、買う側にできる対策はどのようなものがあるのでしょうか。今回は買う側ができる食中毒対策について解説していきます。食中毒のリスクを高める理由3つ食中毒菌が増殖していたとしても、においや見た目では判断ができません。変なにおいもしないし、傷んでないから大丈夫!というのは食中毒予防の観点では当てにしてはいけません。目に見えない食中毒菌を予防するためには、食中毒のことを知ったうえでの対策が必要です。まずはテイクアウトが食中毒のリスクとなりやすい理由について、3つお伝えします。1.作ってから食べるまでに時間が発生する作り終えてから食べるまでの時間が長くなればなるほど、食中毒のリスクが高まります。食中毒菌は、増殖できる条件のもとでは、時間が経過するごとにどんどん増殖していきます。飲食店での通常の食事であれば、出来立てをすぐに食べることが多いですよね。ですがテイクアウトだと、作られてから買うまでの時間と、買ってから食べるまでの時間が発生してしまいます。まずは食中毒菌をつけない、作ったあとに長時間放置しないなどの飲食店側の対策が必要ですが、買う側もすぐに食べるなどの対策が必要です。2.温かいものと冷たいものが一緒の容器に入る温かいものと冷たいものが一緒に入っているテイクアウトメニューはNGです。冷たいものの温度が上がってしまい、傷みやすくなってしまったり、食中毒菌が増殖しやすい温度帯(20~50℃)となったりしてしまいます。温かいものと冷たいものを一緒の容器に入れるときは、温かいものはいったん冷ましてから入れるのが原則です。例えば温かいご飯に刺身や生の魚介を載せた海鮮丼などのメニューは、テイクアウトでは絶対にNGなメニューです。3.テイクアウトに向かないメニュー半熟卵や生卵、レアなお肉のメニューはテイクアウトには向きません。中心部まで食材が加熱されておらず、生き残った食中毒菌が増殖してしまう可能性が考えられます。飲食店側が知っておきたい問題ではありますが、買う側もそのようなメニューを選ばないようにするなどの知識・対策も必要です。食中毒を予防するために買う側ができること長時間の持ち歩きは避ける長時間テイクアウト料理を持ち歩くことで、食中毒菌が増えやすい温度帯(約20~50℃)におかれてしまいます。とくに夏場は気温が高いため、料理が傷んでしまう原因にもなってしまいます。長時間持ち歩くときは、保冷剤を準備しておき温度を低く保つようにしたり、すぐ食べられるように時間を考えて購入したりするなどの対策をしましょう。室温に放置しない食中毒菌が増えやすい温度帯を避けるため、買ってきたものは室温で放置せず、冷蔵庫で保管しましょう。夏場の場合、クーラーが効いていれば大丈夫?などと思うかもしれません。ですが、クーラーを効かせても室温はせいぜい25℃前後。食中毒菌が増えやすい約20~50℃の温度帯に当てはまるため、やはり冷蔵庫が好ましいです。買ってきて食べるまでに時間がある場合は、速やかに冷蔵庫に入れましょう。十分に加熱したメニューを選ぶ半熟卵や生卵、レアなお肉、生の魚介類などのテイクアウトに向かないメニューは避け、十分に加熱されているメニューを選びましょう。食中毒菌はしっかりと加熱することでほとんどの菌が死滅するため、しっかりと火を通したメニューが安心です。今後、飲食店へ衛生指導が行き届けば、さらに安心してテイクアウトメニューを楽しむことができるようになるかと思います。ですが、それでも「室温で放置しない」などの買う側の対策は続けないといけません。とくに抵抗力の弱い子どもや妊婦さん、高齢者の方などは注意が必要です。正しい知識を身に付け、自分や家族の健康を守りましょう。 【参考・参照】(※1)厚生労働省 テイクアウト・デリバリーにおける食中毒予防<>(最終閲覧日:2020/07/19)食品安全委員会 役に立つ食中毒の知識<>(最終閲覧日:2020/07/19) 【執筆者】広田千尋/管理栄養士これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
2021年06月20日食中毒と聞くと飲食店や食堂で起こるイメージがありますが、実は家庭での食中毒も少なくありません。夏にはO157やサルモネラなどの細菌性の食中毒が、冬にはノロウイルスなどのウイルス性の食中毒が多くなります。(※)そこで、家庭での食中毒予防について紹介します。食中毒を予防するポイント6つ1.食品の購入食品を購入する際は、食中毒菌を持ち帰らないことが大切です。そのためにも下記のことに気をつけましょう。賞味期限などを確認して新鮮なものを選びましょう。肉や魚などの汁が漏れて他の商品に付着しないようポリ袋に入れましょう。食品を購入は用事の一番最後にして、購入したらしたらすぐに帰りましょう。保冷効果のあるエコバックなどを利用しましょう。2.食品の保存家庭に持ち帰った食品は、正しい保存方法で保存することで菌の増殖を抑えることができます。持ち帰った食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を維持できるように温度調節をしましょう。冷蔵庫・冷凍庫内は満杯だと温度管理がしっかりできないため、入れる量は7割程度にしましょう。肉・魚・卵を扱う前と扱った後は、せっけんできれいに手を洗いましょう。3.調理の下準備食品の保存までの段階で菌をつけない・増殖させないように気をつけても、調理する手や調理器具が汚れていたら食中毒が起こる原因になってしまします。下準備では、食中毒菌をつけない、増やさないことに気をつけましょう。調理前、肉・魚・卵を触った後は必ず手を洗いましょう。野菜はカット野菜も調理前には流水できれいに洗いましょう。肉・魚を切った包丁やまな板を洗わずに果物や野菜を切るのはやめましょう。肉・魚・卵を切った後はきれいに洗い熱湯をかけましょう。または、肉・魚用、野菜用と包丁やまな板を使い分けるのもおすすめ。冷凍食品は使う分だけ冷蔵庫内や電子レンジで解凍し、解凍したものはすぐに調理をしましょう。4.調理加熱調理するものは、しっかりと加熱をして食中毒菌をやっつけることを意識しましょう。下処理が終わったら、調理を始める前にもう一度手を洗いましょう。加熱調理するものは、中心温度が75℃以上で1分以上加熱することを心がけましょう。加熱調理したものをすぐに食べないときは冷蔵庫で保存しましょう。5.食事食事をする際も食中毒菌をつけない・増やさないことが大切です。食事前に手洗いをしっかり行いましょう。温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べるようにしましょう。6.残した料理残した料理の扱い方に気をつけないと食中毒菌が増殖する原因になってしまいます。残した料理は清潔な容器にうつして保存しましょう。残した料理を温め直して食べるときは、中心温度が75℃以上になるようにしっかりと温めましょう。古くなったものや少しでも怪しいなと思ったものは、思い切って捨てましょう。 普段の調理や食事でも食中毒が起こる可能性があることを忘れずに、食品の扱い方に気をつけて食中毒を予防しましょう。 【参考・参照】(※)農林水産省日本で食中毒にかかる人は年に何人?〈〉(最終閲覧日:2018/6/10)厚生労働省家庭でできる食中毒予防の6つのポイント〈〉(最終閲覧日:2018/6/10) 【執筆者】森延陽子/管理栄養士特定保健指導を中心に年間600人の個別面談や集団面談を実施し、6ヶ月の支援に携わる。その後、スポーツ栄養指導やセミナー講師、女性美容・健康雑誌へのレシピ掲載を経験。現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
2021年06月20日「気温や湿度が高くなってくると、食中毒のリスクが高まります。特に、新型コロナウイルス感染拡大以降は家にいることも多く、食事のテークアウトやデリバリーなど、これまで以上に気配りが必要な場面が増えています。菌の中には、“加熱しても死なない”“冷蔵庫でも増える”といったものがあることに気をつけてほしいです」そう警鐘を鳴らすのは、食中毒に詳しい日本食品衛生学会副会長で東京農業大学応用生物科学部栄養科学科教授の小西良子先生。“巣ごもり”が増えた2度目の夏を前に、食中毒を防ぐための注意点について、小西先生に聞いた。そもそも食中毒は有害な微生物(細菌やウイルス)が起こす健康被害。食品を介して有害な物質が体内に入ると、腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状が現れる。なかでも暑くなる時期に気をつけたいのが細菌。細菌性食中毒は1年を通して発生するものの、食中毒を起こす菌は特に20〜35度で、もっとも増えるといわれている。原因となる細菌には、ウェルシュ菌、セレウス菌、リステリア菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌(O157ほか)などがある。「近年、細菌性食中毒でもっとも発生件数が多いのがカンピロバクターによるものです。鶏や牛などの家畜動物やペットなどの腸管内に生息している細菌で、鶏肉の表面に多く見られます。症状は下痢や嘔吐などですが、感染から1週間から数週間後にギラン・バレー症候群という末梢神経疾患を発症することも。これは手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難が起こる疾患で、食中毒症状が軽い場合でも発症する可能性があります」(小西先生・以下同)カンピロバクターは熱や乾燥に弱く、75度以上で1分間加熱処理すれば死滅するため、調理の際は食材の中心部までしっかり火を通すこと。刺身やタタキなどで食べるのは避けたほうがよいそうだ。また、ウェルシュ菌、セレウス菌は加熱しても死滅しない細菌。「これらは60度以上の環境下になると、芽胞(固い殻に閉じこもっている状態)を作り、生き延びています。100度の高温で調理しても菌は死にません。調理後すぐに食べてしまえば害はありませんが、50度以下になると増殖しやすくなります。ウェルシュ菌はカレーなどの煮込み料理、セレウス菌はチャーハンやパスタなどを放置すると増えやすくなります」そして、リステリア菌は冷蔵庫の中(4度ほどの低温)でも生存・増殖するといわれている。「特に加熱せず食べる食品に注意を。ナチュラルチーズや生ハムなどには気をつけましょう」さらに、腸管出血性大腸菌は少量でも発生する恐れがある。「生の肉や魚を扱った台所用品からほかの食材への汚染や、ハンバーグなどの生焼けなどに気をつけましょう。ただ、中までしっかり火が通っていれば大丈夫。加熱によって防げる細菌です」家庭で発生する食中毒は食品取り扱いの不注意によるものがほとんど。食中毒予防には、《付けない》《増やさない》《やっつける》の三原則を守ることが重要だという。「食材に菌を《付けない》ための基本は食品を扱う前に手指を洗うこと。また、肉や魚の保存時は、ラップや食品保存袋で包み、ほかの食材に汁などが付かないように。《増やさない》ためには細菌が繁殖する環境に食品を置かないこと。食材はなるべく早く食べるか冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。同時に詰め込みすぎを避けること。そして殺菌・消毒で菌を《やっつける》。多くの細菌は75度以上で1分加熱すると死滅しますから、食材の中心まで火を通しましょう」巣ごもり生活では、デリバリーやテークアウト、家庭での作り置きを活用する機会が多くの家庭で増えている。これらに潜む食中毒リスクについて、小西先生はこう注意を促す。【1】スーパーの総菜「総菜は早く食べるか、購入して帰宅後すぐに冷蔵庫に入れること。加熱できるものは食べる前に電子レンジで温めるなどしましょう」朝に買ってきたら昼には食べるつもりで。【2】コンビニのホットスナック「コンビニのホットスナックなどは割って火がきちんと通っているかを確認し、できるだけ早く食べてください」【3】ウーバーイーツなどのデリバリー最近利用する人が増えている、玄関先などでの“置き配”にも気をつけたい。「外に放置するのはNGです。調理から1時間以内に。厚労省が飲食店に宅配食品に関する食中毒防止の指針を出しているので、それを守っている飲食店から購入するとリスクを減らすことができるでしょう」【4】作り置きおかず家庭での作り置きや弁当にも危険が潜む。「作り置きはできるだけ早く食べましょう。冷凍保存でも、1週間以内には食べ切りたいところです。調理後、粗熱を素早く取って冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。ボウルに氷水を張って冷ますなど、急激に冷やすことがカギです」【5】お弁当「お弁当では、夏場は前日のおかずは再加熱する、水分の多いものは避ける、加熱したものは粗熱を取って入れる、が鉄則です」梅干しや抗菌シート、保冷剤も活用しよう。このほか、買い物時には保冷バッグを利用、肉や魚は帰宅後すぐ食品保存袋に分けて冷蔵庫や冷凍庫に入れる、調理器具は殺菌する、といった心がけも大切だそうだ。新しい食事のスタイルの中に潜むリスクに気をつけながら、巣ごもり生活での食事を楽しみたい。
2021年06月17日手間がかからずに簡単に紅茶を作る方法として、お湯を使わないで水を使って紅茶を抽出する「水出し紅茶」があります。水出し紅茶は、容器に紅茶葉と水を入れて、冷蔵庫で一晩冷やすだけで、1日中おいしい紅茶が楽しめます。失敗をすることが少ないアイスティーの作り方のひとつで、麦茶や緑茶に少し飽きてきた方には、ぜひチャレンジしてみたいドリンクです。今回の記事では、水出し紅茶をおいしく作る方法、そして水出し紅茶を作るときに生じる食中毒のリスクをできるだけ抑えるために注意したいポイント、どんな種類の紅茶が水出し紅茶に適しているかなどについてご紹介します。■水出し紅茶はヘルシーな飲み物コンビニやスーパーなどで目にするペットボトルのストレートの紅茶。甘いミルクティーなどと比べて、糖分などが少ないと思って手にとってみたら、意外と砂糖が入ってるし、カロリーも高くてびっくりしたという経験はありませんか?ジュースなどのソフトドリンクの多くは、意外にも糖分が入っているものなんですよね。でも家で作る水出し紅茶は、とってもヘルシーな飲みものなんです。・コーラやジュースは糖分たくさん日ごろに飲む、ソフトドリンクとして人気があるコーラやジュース。とてもおいしい飲み物ですが、実は糖分がたくさん入っている飲みもののひとつです。たとえば、500mlのコーラのペットボトル1本に入っている砂糖の量は平均約56g。角砂糖は1個4gなので、コーラにはおおよそ14個分の角砂糖が含まれていることになります。そのほかのスポーツ飲料やフルーツジュースにも糖分は比較的多く入っており、知らず知らずに砂糖を取りすぎてしまう原因になっていることもあります。もちろんコーラやジュースを適量飲むことは問題はありませんが、ダイエット中の方や、糖分を減らしたい方にとっては、飲み物の中に入っている砂糖の量も気になりますよね。・手作りの水出し紅茶はゼロカロリースーパーなどで見かける紅茶のなかにも、糖分が多く含まれているものがあります。甘いミルクティーやフルーツティーだけではなく、ストレートティーのなかにも糖分が含まれているものが多いんです。たとえば、500mlの「午後の紅茶」のストレートティーには約20gの糖分が入っており、角砂糖に換算すると5個分に相当します。そのため紅茶は、緑茶や麦茶などとは異なりカロリーも高いものもあります。しかし自宅で作る水出し紅茶は、糖分も入っておらず、そしてカロリーもありません。紅茶の香りをうまく抽出することができれば、おいしく、そして健康にも優しい飲み物になるんです。また自宅で一度に大容量を作り、出先に持っていければ、ペットボトルなどのゴミを減らすことにもつながります。このように水出し紅茶には、手軽に作れること以外にも、さまざまな魅力があるんです。■水出し紅茶の作り方それではどのようにしたらおいしく水出し紅茶が作れるのか、その作り方についてご紹介します。本当に簡単に作れますので、ぜひご自宅で試してみてください。・ティーバッグで手軽に作れるティーバッグを使っても、リーフタイプの茶葉を使ってもどちらでも簡単に作ることができます。茶葉の目安は種類によっても異なりますが、水500mlに対して7g前後の茶葉が標準的です。リーフタイプの場合には、そのままだと茶葉を漉すのが少し手間なので、100円ショップなどで売っている、お茶パックや出汁パックのようなメッシュの袋を使って、中に好きな茶葉を入れることをおすすめします。茶葉以外には、蓋付きの保存容器と水を用意します。このときの容器は、できればガラス製のものを使用すると良いです。紅茶は香りを楽しむ飲み物ですので、プラスチック製のものだと繰り返し使っているうちに匂いがついてしまうことがあるためです。・水と茶葉を入れて一晩おく作り方は本当に簡単です。用意した容器に、お水と紅茶のティーバッグもしくはリーフタイプの茶葉を入れて、冷蔵庫に一晩おくだけです。水を注ぐときには、茶葉がしっかりと水につかるように気をつけてください。日中に作る場合には、抽出時間は8時間が目安です。朝に抽出を開始したら、夕方くらいにはできあがりますよ。・茶葉は取り出さなくても抽出されたアイスティーの色合いなどをチェックし、良い頃合いになったら完成です。この水出し紅茶では、紅茶の茶葉に含まれる渋みの成分が抽出されにくいため、飲むときに使用した茶葉は必ずしも取り出さなくても構いません。しかし味や色が濃くなってしまうことが気になる方は、完成時に少し味をみてから取り出すと良いですね。また、リーフを使用して水出しを作る場合には、ポットと茶こしを使用して茶葉をすべてこし取ると、そのあと飲みやすいです。・氷を入れるとスッキリした味わいに水出し紅茶に使う水ですが、常温の水でOKです。ただ、紅茶を抽出する温度を少し下げると、よりスッキリとした味わいの紅茶を作ることができます。注ぐ水を事前に冷やしておく、もしくは常温の水に氷を5個程度入れておくと、冷水で紅茶を抽出することができますね。よりすっきりとした紅茶を飲みたい方は、ぜひこの方法でアイスティーを作ってみてください。 ■水出し紅茶と食中毒リスクお手軽に作れる水出し紅茶ですが、熱湯を使わないため食中毒の危険性が少しあります。ポイントをおさえて、安全においしい紅茶を楽しみましょう。そこで、ここからは食中毒のリスクを少しでも避けるために、水出し紅茶を作る際に注意したいポイントをご紹介します。・きれいな容器を使用する何より大切なのは、きれいで清潔な容器を準備することです。蓋部分や、容器の底部分には茶しぶがたまりがちになってしまいますので、いつもより注意して洗うと良いですね。また、容器を長期間しまっていて久々に使うという場合には、特に気をつけて容器内をしっかりと洗うようにしましょう。しまっている間に、食中毒の原因になるような菌類が増殖している可能性もあります。連日使用する場合にも、しっかりと容器を清潔にしてから使用すると食中毒のリスクを減らすことにつながります。・ガラス製の容器がおすすめどのような容器でも水出し紅茶を作ることはできますが、ガラス製の容器を使う方がおすすめです。プラスチック製のものよりも、ガラス製のものの方が汚れが染み込みにくいためです。また、耐熱ガラスの容器の場合には、熱湯で消毒を行うこともできます。食中毒の話しからは少しずれますが、紅茶は香りを楽しむ飲みものですので、プラスチックの容器だと、飲みものの匂いが染み込みやすくなってしまいます。ガラス製の容器を使って水出し紅茶を作った方が、よりクリアな紅茶の香りを楽しむことができますよ。・水道水なら浄水器を通す必ずしもミネラルウォーターを使う必要はありません。しかし、水道水を使う場合なら、浄水器を通した水を使うと食中毒のリスクを下げることにつながります。少しでも清潔な水を使用すると良いですね。・食中毒防止!24時間以内に飲み切る特に注意していただきたいことが、作った水出し紅茶は24時間以内を目安に飲みきること。長く放置してしまうと、容器の中で菌類などが増殖してしまう可能性があります。何日間もかけて飲むことは控えましょう。そのほか冷蔵庫から出す時間を短くすることや、容器からコップに紅茶を注ぐ際に、口を付けないように気をつけると良いですね。菌類が容器に入ることを少しでも防ぐように気をつけましょう。 ■水出し紅茶の味の違いと特徴通常の熱湯を使って作る紅茶と、水出し紅茶。味の違いはあるのでしょうか?ここからは、水出し紅茶の味の違いや特徴をご紹介します。・カフェインが少ないまず水出し紅茶にあげられる特徴は、カフェインが少ないこと。紅茶を通常のように熱湯を使って入れると、茶葉からカフェインが抽出されるのですが、水出し紅茶の場合には、熱湯を使わないためにカフェインの抽出量が比較的おさえられます。カフェインの総量を減らしたい方、そして多くの紅茶を飲みたい方には水出し紅茶がおすすめです。・渋味や苦みが抑えられる水出し紅茶の味の一番の特徴は、紅茶の渋みや苦みが抑えられることです。紅茶の渋み成分であるタンニンは、お湯で抽出される成分であるため、水出しでは抽出されにくいのです。そのため水出し紅茶の場合には、喉ごしが優しい、マイルドな味わいが楽しめます。紅茶の渋みが苦手という方には、ぜひ水出しで紅茶を作る方法がおすすめですよ。・リラックス効果がある紅茶に含まれているテアニンが、水出しの方がより抽出されやすいというデータもあり、よりリラックスできる効果も期待できるそうです。そのほか特にアイスティーがおいしくなる夏の時期に、キッチンに湯気が生じてしまう熱湯を準備する必要がないというのもありがたいですよね。水出し紅茶の場合、一晩おいておくため時間はありますが、失敗しにくいというメリットもあります。 ■水出し紅茶の他にお湯出し紅茶もある水出し紅茶のほかに、お湯を使って紅茶を作り、一気に氷で冷やしてアイスティーを作る方法もあります。ここからはお湯を使って紅茶を作ったときの特徴や、そのアイスティーの作り方をご紹介します。・カフェインやカテキンが多い水出し紅茶と比べて、お湯出しで紅茶を作ると、茶葉からその成分がしっかりと抽出されるため、カフェインやカテキンも十分に抽出されます。水出し紅茶に比べて、キリッとした苦味と香り高い紅茶が楽しめることが特徴です。・お湯出し紅茶の作り方水出しよりも少し手間がかかりますが、より強く香りを楽しみたい方にはこちらの方法も試してみてください。まずティーポットに茶葉を約6g入れ、熱湯を200ml注いで、2分程度蒸らします。この蒸らし時間は茶葉の大きさによって異なり、CTCやブロークンなどのように小さな茶葉の場合には蒸らし時間は1.5分。大きな茶葉の場合には3分程度が蒸らし時間の目安です。蒸らしが完了したら、120g程度の氷を入れた耐熱性の容器に、茶葉を濾しながらお茶を入れます。そのあと、さっとかき混ぜればアイスティーの完成です。茶葉の種類によって茶葉の量や蒸らし時間は異なりますので、数回試してみると良いですね。・『クリームダウン』とは熱湯を使ったアイスティー作りの場合、熱い紅茶を氷に注いだときに紅茶が白く濁ってしまうクリームダウンという現象があります。白く濁ると驚かれるかもしれませんが、風味自体にはあまり影響はありませんので、そのまま飲んでもなんの問題ありません。・『フルーツティー』はお湯出しがおすすめ アップルティーやピーチティーなどフルーツティーなどの場合には、水出し紅茶よりもお湯出し紅茶でアイスティーを作ることをおすすめします。こちらの方が、紅茶のフルーティーな香りがよく立ちますよ。そのほかコクが強いアッサムなどの紅茶、ハーブティーはこのお湯出しで作るアイスティーがおすすめです。■水出し紅茶と氷出し紅茶の違いお湯出しそして水出し紅茶以外のアイスティーの作り方として、氷出し紅茶というのもあります。本来は冷たい玉露や日本茶を作るときに使われる方法なのですが、アイスティーも作ることができるため、その方法についてご紹介します。・氷の雫で抽出するこの氷出しとは、氷から溶け出す雫で少しずつ茶葉から成分を抽出する方法。時間がたっぷりとかかり、抽出できる水量は多くありませんので、とても優雅な飲み方なんです。手間はかかりますが、氷出しを行うと茶葉の甘みや旨みだけを抽出することができるため、客人をもてなすときやゆったりとした時間があるときに楽しみたい抽出方法です。・氷出し紅茶の作り方氷出しは本来、日本茶向けですので、氷出し紅茶を作るには茶葉を蒸らすという一手間を加える必要があります。温めたティーポットに茶葉を約5gを入れます。茶葉が浸るくらいの熱湯を注ぎます。ティーポットに蓋をして3分待ち、茶葉をよく蒸らします。氷を100g程度加え、軽く混ぜて10分程度待ったら完成です。飲む際には、茶葉を濾してグラスに注ぎます。甘みが強くておいしいアイスティーが楽しめますよ。・本来は日本茶や玉露向け繰り返しになりますが、この氷出しの方法は本来は日本茶や玉露向けのものです。緑茶の場合には、紅茶のように茶葉を蒸らす必要がなく簡単に氷出しをすることができます。紅茶のほかにも、烏龍茶を氷出しで作る場合には事前に茶葉を蒸らす手順をふむと、氷出しでもおいしいお茶を作ることができますので、よかったら試してみてください。 ■水出し紅茶の飲み方一晩かけて作った水出し紅茶。どんな風に飲んでも楽しめますが、飲み方のポイントをご紹介します。・起きたらすぐ飲める!朝の忙しい時間に、紅茶を準備するのって結構手間がかかりますよね。水出し紅茶は、夜にセットしておけば、朝起きてすぐにおいしい紅茶を楽しむことができます。水出しの紅茶は渋みが抑えられていてマイルドな味わいなので、お湯で抽出する紅茶よりも朝に飲む紅茶としておすすめなんです。糖分も入っていないため、和食・洋食どちらの朝ごはんにも合わせやすいのも嬉しいところです。・ミルクティーにしない水出し紅茶の場合には、通常の抽出に比べてマイルドな香りの紅茶ですので、ミルクを入れない飲み方がおすすめ。ストレートで飲むと、さっぱりとしておいしいです。お好みでレモンを加えてもさっぱりと楽しめます。・麦茶の代わりによく麦茶は家に用意するけれど、少しその味に飽きてきたという方には、麦茶の代わりとして水出し紅茶を作ると良いですね。ただ、麦茶はカフェインレスですが、水出し紅茶にはカフェインが含まれていますので、カフェインの摂取を控えている方はお気をつけください。 ■水出し紅茶に合う茶葉の種類紅茶にはいろんな種類がありますが、どの種類の紅茶が水出しに適しているのでしょうか?水出し紅茶に合う茶葉の種類について、ご紹介します。・最も合うのは『ダージリン』最も水出し紅茶におすすめの紅茶は、インド原産のダージリンティー。特に春ごろに摘まれるファーストフラッシュは、水出しで飲むとその爽やかで繊細な香りが楽しめます。紅茶の水色がもともと薄い種類ですので、水出し紅茶を作ったときに色が薄くてもあまり気にせずに試し飲みをしてみてください。通常の紅茶の色が麦茶のような茶色なのに対して、ダージリンのファーストフラッシュは薄いオレンジ色です。・『アールグレイ』などのフレーバーティーベルガモットの華やかな香りが特徴のフレーバーティー「アールグレイ」なども、水出し紅茶におすすめです。アールグレイは、ティーバッグのタイプも手軽に手に入りますので、水出し紅茶初心者にはまさにおすすめの紅茶です。このようなフレーバーティーの香りは、水出しにしてもよくたつので、おいしく味わえますよ。逆に、ミルクティーにむいているようなアッサムなどコクが強い種類の紅茶は、水出し紅茶には向いておらず、熱湯で抽出してから冷やしてアイスティーを作る方法がおすすめです。・水出し専用茶葉がおすすめ多くの茶葉で水出し紅茶は楽しめますが、失敗が少なくておいしいのは、やっぱり水出し専用の茶葉を使うこと。紅茶のブランドや専門家が、水出しに適した状態になるように茶葉のサイズや種類をブレンドしてくれているので、誰でも簡単に水出し紅茶が楽しめます。専用の茶葉でなくても、紅茶専門店で水出ししてみたい茶葉を見つけたときには、店員さんにおすすめの飲み方を聞いてみると良いかもしれません。どのような方法でアイスティーを作るべきか、教えてくれることもありますよ。■水出し紅茶におすすめ茶葉具体的にどのような茶葉が水出し紅茶にぴったりなのか、ここからはおすすめの茶葉をご紹介します。・ルピシア『リゾートアイスティー』まずご紹介するのは、ルピシアのリゾートアイスティー。世界のお茶専門店「ルピシア」がおくる夏にぴったりなお茶のシリーズです。次の3種類が楽しめます。「アラビアンナイト」エキゾチックな香りが楽しめるフレーバーの紅茶。ジャスミンとフルーツの香りで、アラビアンナイトの世界をイメージしています。「パラダイス」甘酸っぱい紅茶。マンゴーなど熱帯の果実がたくさん入っています。「ブリテイッシュクーラー」レモンやライムなど、爽やかな香りの果実がたくさん入っており、清涼感を感じられる紅茶です。・ルピシア『ハツコイ&ナツコイ』次にご紹介するのは、夏限定販売のシリーズ「ハツコイ&ナツコイ」。レモンがたっぷりと入った紅茶・ナツコイと、グリーンレモンの繊細な香りが楽しめる緑茶・ハツコイの2つのシリーズがあります。どちらも甘酸っぱくてさっぱりとしていますので、アイスティーにぴったりの茶葉。蒸し暑い時期にとてもおいしく飲めるお茶です。・カルディ『セレッシャル・フルーツ』「カルディ・コーヒーファーム」で手軽に買うことができる「セレッシャル・フルーツ」も水出し紅茶のおすすめの茶葉のひとつ。以下のノンカフェインのハーブティーの5種類が入っています。・ワイルドベリージンガー・ブラックチェリーベリー・トゥルーブルーベリー・カントリーピーチパッション・ラズベリージンガーいろいろな味を同時に楽しめるところが嬉しいセットですね。ちなみに「セレッシャル」は、アメリカで高いシェアを獲得している歴史あるハーブティーメーカー。ティーバッグに金属などを使用せず、タグも使わないことによって環境面へも配慮されている紅茶です。・日東紅茶『水出しアイスティー アールグレイ』最後にご紹介するのは、水出しのためのアールグレイ。水出し用に茶葉をブレンドしているので、誰でも簡単においしいアールグレイを楽しめます。こちらの良いところは、わずか2時間で水出し紅茶できること。時間がない方でもさっと水出し紅茶を楽しめます。水出しのためのブレンドではあるものの、お湯出しでもホットでも楽しめます。初心者の方でも失敗しにくいので、ぜひ試してみてくださいね。■水出しで手軽に紅茶を楽しもう水出し紅茶は簡単に作ることができますし、苦味が抑えられたマイルドな味わいと香りが楽しめるおいしい飲みものです。ただ、熱湯を使わないため、食中毒の危険性もあります。ポイントを抑えてうまく作ることで手軽にご自宅でアイスティーを楽しんでみてくださいね。《参考》・ キリン「原材料名・栄養成分等一覧(ソフトドリンク)」 ・ 日本コカ・コーラ「コカ・コーラ製品情報」
2021年02月10日食中毒は梅雨時期から秋口くらいまでの高温多湿な時期にかかりやすいとされています。細菌が原因となるケースが大多数を占めていて、細菌やウイルスが原因の9割以上を占めます。細菌性食中毒は毒素型(黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌)と感染型があり、前者は発症が数時間と早く、感染型は腸に侵入して増殖してから発症するので1日から数日たってから症状が出るのが特徴です。 また、感染型にはサルモネラが有名で、これは腸粘膜に侵入して増殖しますが、一方でカンピロバクターや腸管出血大腸菌は、腸粘膜で毒素を産生して発症します。感染の広がりはノロウイルスが最も強いです。 子どものほうがなりやすい理由! 食中毒の症状 抵抗力の弱い子どもは要注意!子どもは大人に比べて食中毒の症状が強く出やすいです。腸の免疫力、胃液の殺菌性、脱水にやりやすいことなどが原因です。離乳食は火を通したものが原則ですが、幼児期も気を付けましょう。 例えば、お家でハンバーグを作るときは、中までしっかりと火が通っているかを確認します。焼肉やしゃぶしゃぶなどは生肉をつかむお箸と食べるお箸を別々にします。夏場のバーベキューも同様に注意する必要があります。 食中毒の主な症状とは食中毒の主な症状は、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、血便などがあります。菌によっては、のどや眼球、食道の筋肉麻痺が起こり、呼吸困難になったり、物が2つに見えるなど視覚症状に影響を及ぼすこともあります。 応急処置としては、吐き気がひどい場合には体を横向きにし、嘔吐物が誤って軌道に入らないように注意しましょう。嘔吐や下痢がある場合については、脱水症状になりやすいので、吐かないように水分を少しずつこまめに与えましょう。 上記のような食中毒と思われる症状があれば、いずれもできるだけ早めに医療機関に受診し、医師の診察を受けるようにしてください。 食中毒の予防法と治療法 食中毒の予防法と治療法は下記のとおりになります。 予防法●せっけんを使って手を洗いましょうせっけんをしっかりと泡立てて、手のひらはもちろん、指先と爪の間や手首、手の甲などを丁寧に洗います。ママやパパがしっかりサポートして洗ってあげましょう。 ●調理器具、スポンジ、ふきんなどを清潔に保ちましょう魚介類やお肉を切った後の包丁やまな板には、生魚や生肉に付着している菌がそのまま付いている可能性があります。ほかの食材にうつらないようにするため、しっかりと洗剤で洗ったり、熱湯消毒をするようにします。 ●食材をしっかり洗いましょう食材の表面についているウイルスや細菌は水洗いをしっかりすれば落とせるので、調理前に必ず洗います。 ●食材の加熱はしっかりおこないましょう生肉や生魚、貝類などは、細菌やウイルスが付着している場合があります。そのため、レバーなどの内臓類やお肉のほか、お魚や貝類、賞味期限が切れた卵などはしっかりと加熱することが大切です。 ●お弁当のおかずは冷ましてから入れましょう十分に火を通すことはもちろんですが、温かいまま詰めてしまうと、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、おかずはしっかりと冷ましてから詰めます。 ●時間が経過してしまった食材は捨てましょう時間が経ってしまった食材や、においや味などから少しでもあやしいと思った食べ物は傷んでしまっている可能性があるので、思い切って捨てます。 ●手に傷などがある場合は、ゴム手袋をしましょう調理する人の手や指に傷がある場合、細菌が食品につくことで食中毒を起こしてしまうケースも。そのため、調理をする際にはゴム手袋を使うようにします。 ●食品は室温で長く放置しないようにしましょう調理後の食品や常温保存NGとされる食材は、冷蔵庫や冷凍庫に素早くしまいましょう。 治療法基本的な治療としては、脱水症状を防ぐため点滴治療をおこないます。吐き気がある場合は、食事が取れるようにするため吐き気止めの注射を打ちます。 また、細菌性の食中毒と考えられる場合で、免疫不全などの基礎疾患がある場合や、脱水症状や腹痛などの症状がひどい場合には抗生剤を使用します。さらに、症状があまりにもひどい場合は入院治療をおこないます。 子どもは注意が必要! 食中毒を誘発しやすい食べ物●お肉牛肉、豚肉、鶏肉すべての生肉に、細菌やウイルス、まれに寄生虫などが付着している場合があります。そのため、しっかりと加熱して食べるようにしましょう。 ●魚魚介類にはウイルスや細菌が付いている可能性があるので、中まで十分に火を通しましょう。また、近年では減少していますが、ヒスタミンによる食中毒も注意が必要です。鮮度の悪い魚などを食べると起こりやすく、加熱調理をしても効果に乏しいです。発症すると発疹や蕁麻疹をきたします。ヒスタミンによる食中毒を防ぐには、魚の解凍後は速やかに調理したり、魚を低温で管理することです。ほかにも、練り物や魚のフライなど加熱したものも常温で長時間放置しておくのは危険なので、冷蔵庫にすぐしまうようにしましょう。 ●卵卵の食中毒は、ほとんどがサルモネラ菌が原因です。そのため、生卵を食べる際は賞味期限を確認するか、しっかりと加熱してから食べるのが好ましいです。特に卵焼きは中まで火が通っているかわかりにくいので、しっかりと切って中の具合を確認しましょう。 水分補給をおこなう際の注意点食中毒を起こしてしまった際にポイントとなるのが水分補給です。下痢が続くと脱水症状になりやすいので、こまめな水分補給を心がけましょう。その際、飲み物の冷やし過ぎには注意して、できるだけ常温で飲ませるようにしてあげてください。 子どもを食中毒から守るには、大人が食中毒に対する正しい知識を持ち、実践することが大切です。特に食中毒が起こりやすくなる今の時期は、気を付けなければなりません。しっかりと予防することで、食中毒が起こるリスクはかなり軽減できます。ぜひお家で実践してみてください。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2020年07月29日2020年7月8日、厚生労働省はヤカンに入れたスポーツ飲料を飲んだことで銅食中毒が発生したと発表しました。ヤカンや水筒など金属製の容器に酸性の飲み物を入れると、金属が溶け出し銅食中毒になる可能性があると呼びかけています。ヤカンに入れたスポーツ飲料を飲んだことによる銅食中毒が発生しました。金属製の容器(ヤカンや水筒)は酸性の飲み物と反応し、金属が溶け出すことがあります。金属製の容器にジュースやスポーツ飲料を入れる時は、注意書きをよく確認しましょう! #銅 #食中毒 — 厚生労働省食品安全情報 (@Shokuhin_ANZEN) July 8, 2020 東京都保健福祉局のウェブサイトによると、金属と食品が直接接触しないように容器や調理器具にはコーティングがされているといいますが、傷が付いていたり、酸性飲料を長時間保管したりすると金属が溶け出すことがあるそうです。注意すべき、注意すべき飲み物は、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁飲料、スポーツ飲料など。炭酸、乳酸、ビタミンC、クエン酸などを多く含む飲み物は酸性度が高くなります。これまでに古くなったヤカンや、内側に傷がついた水筒によって、食中毒が起きていました。気温が高くなると、食中毒が起こりやすくなります。ヤカンに限らず衛生面に気を付けることが大切です。【ネットの声】・怖すぎる。気を付けないとだめだね。・え、知らなかった。うっかりやってしまいそう。・小さい頃に教わった。命にかかわることだから覚えておくべき。暑くなる時期は、熱中症の予防策としてスポーツ飲料を飲む機会も多くなります。食中毒にならないよう取り扱いには気をつけましょう。[文・構成/grape編集部]
2020年07月09日食中毒を防ぐために、日常生活で気をつけたいことムシムシ暑い梅雨の季節がやってきました。この時期から夏場にかけて、特に小さな子どもがいる家庭では、食中毒なども心配ですね。今回は、食育指導士で看護師の資格を持つ小林エリさんに、日常生活でついやりがちなことを中心に気をつけたいことを教えていただきました。麦茶はどうやって作っていますか?わが家は、子どもが3人の5人家族。毎日、やかんに5リットルのお湯を沸かして麦茶を作っていました。その後、常温で自然に冷めるのを待って冷蔵庫に入れていたのですが、それがNGだと聞いてびっくり!■麦茶は作ったらすぐに冷やす麦茶を作ったら、まずはやかんごと水を張ったボールや桶などに入れて、できるだけ早く冷やすことが大事。なぜかというと、常温と言われる温度が、菌が好む温度30度~40度であり、その温度を保つ時間が長いほど、細菌が増えやすいのです。常温で放置するのは、菌が増える格好の環境を作り出すことに!できるだけ、その温度の時間を短くすることが細菌を増やさないことにつながるのだそうです。■水出し麦茶は?個人的には、一度沸騰させて麦茶を作る方が安全な気がしていましたが、「水出し麦茶」について聞いてみると…。実は、沸騰させて常温放置するよりも、水出しの方が菌の繁殖が少ないとのこと。この場合も、暑いところに置きっぱなしにせず、保冷することが大切です。洗い桶に大きなやかんを入れて冷ますとシンクの洗い場が使えないためにジャマ…という理由で、そのままコンロに放置で冷ましていたわが家。この夏からは「早急に冷やすこと」を取り入れたいと思います。2日目カレーは要注意!カレーを作るなら2日分まとめてという家庭は多いのではないでしょうか。わが家でもそれが当然だったのですが、小林さんによると「2日目カレーは注意が必要です。どう保存するかが重要」とのこと。注意点とベストな保存方法を聞きました。■常温での放置は危険!再加熱時には中までアツアツにわが家は涼しい季節は鍋のまま放置が基本でした。ただ、一度暑い季節に常温でコンロに置いておいたら、2日目に「これはちょっとやばい?」と思ったことがあり、それ以来、夏場は冷めた後に鍋ごと冷蔵庫に入れるように。小林さんいわく、やはり常温での放置は、麦茶と同様に、細菌が増えやすい温度に長時間さらされるので危険だそうです。そして、鍋で再加熱するときに気をつけたいのが、その温度。よくかき混ぜながら内部まで熱々になるようにすることが大事だとか。わが家でも、しっかり温めたつもりでも部分的にアツアツじゃない時があるので、気をつけなければと肝に銘じました。■残ったら小分けにして冷蔵庫が安心基本的には、残ったものは小分けにして冷蔵庫に入れて保存。小さく分けることで冷めるまでの時間がかからなくすることが大事なんだそうです。夏場のおにぎりはラップを使って環境問題にも詳しい小林さんは、使い捨てのラップを使うことに抵抗を持ちつつも、必要な時に必要なだけ使用し適切に処分するということを意識して、夏場はラップを使ってのおにぎりをすすめています。私は、普段からおにぎりを握る時はラップを使っていましたが、小林さんは「おにぎりの具材も、素手でなく箸を使って入れましょう」とのこと。私はつい、梅干しなどを指で入れたりしがちでしたが、そこも注意が必要だなと反省しました。コロナ予防だけじゃない、基本の手洗い小林さんは、「多くの人が新型コロナウイルス予防を意識して、すでに習慣化していると思いますが、食中毒予防にも手洗いはとても大事。“食べる前には必ず手を洗う”ということを子どもに習慣づけることはもちろん、作り手が調理の前には丁寧に手洗いをすることを忘れないようにしてください」と話します。また、「作り置きは便利で、毎日の料理を担うママやパパの強い味方ですが、夏場は特に衛生管理は十分にした上で活用してほしいと思います。また、日頃から免疫力や胃腸の調子を整えることを意識してほしいですね。それから、食事のメニューはもちろんですが、家族で楽しい食卓を囲むということが心身の健康には欠かせないと思います」と話されました。今回のお話で、普段何気なくやっていること、家庭内では当たり前になっていることにも注意が必要と知りました。家族の健康を守るために、意識して生活を見直したいと思います。■取材協力京都sakura工房小林エリさん<文・写真:ライター鳥山由紀>
2020年06月28日自粛生活中に増えたテイクアウト。お店の味が家で楽しめるのはうれしいが、梅雨以降は食中毒のリスクも。一家だんらんが修羅場と化す前に、危ない“持ち帰り”の特徴を覚えよう。「約1カ月半にもおよぶ自粛生活で、4月の外食産業の売り上げは前年比で約40%もダウン。減収を補おうと、多くの店が持ち帰りに力を入れるようになりました。緊急事態宣言が解除されても、すぐにお客さんが元の数に戻るとは考えにくいですから、今後もテイクアウトを強化するお店は増えるでしょう。だからこそ、食中毒が起こりやすい梅雨や夏場に向けて、そのリスクを見抜く目と対策が重要になってきます」こう語るのは、食品の衛生管理にも詳しいフードジャーナリストの池田恵里だ。『飲食店リサーチ』を運営する株式会社シンクロ・フードが行ったアンケート調査では、飲食店経営者514人の約53%が『テイクアウト販売を始める・または強化する』と回答している。「ただ現実問題として、コロナ禍で急きょ、テイクアウトを始めた個人経営の居酒屋や定食屋のなかには、衛生面の安全対策がまだ手探りで、危うい状況にある店も見受けられます」本来、テイクアウトは注文を受けてから調理して、持ち帰り後はすぐに食べるのがベストだ。「しかし実際は、作り置きの弁当や惣菜を、直射日光が当たる暑くなりやすい店先で一定時間陳列したり、おいしさを追求して、加熱が十分でないレアな焼き加減でおかずを提供するお店もあります。細菌は水分・温度・栄養があるところで繁殖しやすい。とくに30〜37度くらいの気温帯は危険ゾーンです。たとえば腸炎ビブリオの場合、わずか2時間ほどで、1つの菌が発症レベルとなる1万個に増殖するといわれています」食中毒が起これば店の存続にはもちろん、最悪の場合、食べた人の命の問題にも直結しかねない。東京都福祉保健局・健康安全部の担当者も、つぎのように注意喚起する。「夏場によく原因となるのは、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌のO157、サルモネラ菌などの細菌。潜伏期間は数時間から数日で、主な症状は腹痛や下痢、発熱、悪寒、倦怠感などです。なかには重症化することもあり、O157だと脳障害に発展したり、亡くなる例も報告されています」こんな悲惨な目にあうのは避けたい。そこで、食中毒のリスクがあるテイクアウトの見分け方を池田さんに教えてもらった。■屋外で販売している/山積み陳列になっている「店頭には写真やサンプルしかなく、販売する商品は、クーラーボックスや店内の冷蔵庫に保存されていたり、注文後に作られているかを確認しましょう。気温の高い屋外でそのまま販売しているものや、山積みに陳列されているものは要注意です」(池田さん・以下同)■危険な盛り付けをしている「弁当の盛り付けは、温かいものと冷たいものを一緒にしないことが大事。たとえば、焼き肉の下にサニーレタスを敷いたり、ハンバーグに大根おろしをのせたりすると、冷たい生野菜に付着していた菌が温められて、増殖してしまう可能性があります。また、丼ものに温泉卵がトッピングされているとおいしそうに見えますが、卵にはサルモネラ菌がついていることもあり、持ち帰りの弁当で盛り付けて提供するのはリスクがあります。見た目の豪華さと安全は比例しないんです。こうした食材は、それぞれ分けて盛り付けてあるほうが、安全と言えるでしょう」最後に池田さんは、家で調理する際も食中毒のリスクはあると、自宅での予防法も教えてくれた。「飲食店では食中毒を予防するため、魚なら中心温度60度で1分、肉なら75度で1分を、加熱の目安にしています。自宅での調理もしっかり火を通すことを意識してください。さまざまな食品に菌を広げないために、まな板の両面を野菜類なら表、肉・魚介類なら裏と使い分けるのもポイントです。また作り置きのおかずはお酢を使ったレシピがおすすめ。お酢には菌の増殖を抑える効果があります。少しにおいは残りますが、ご飯は2合に対して大さじ1杯のお酢を入れて炊くと長持ちします」テイクアウトでも、家での料理でも、小さな意識の積み重ねが家族を守ることにつながる。「女性自身」2020年6月16日号 掲載
2020年06月05日こんにちは、離乳食インストラクターの中田馨です。高温多湿な季節になると、細菌からの食中毒が発生することがあります。食中毒は20~37℃ほどの温度を好み、繁殖するといわれています。 厚生労働省でも「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」ということで紹介されています。今日はその6つのポイントを基本にしながら、家で調理するときの注意点を話します。 食中毒の症状はどんな感じ?食中毒になると多くの場合、数時間後に発症します。菌によっては1週間後に出るものもあるので、原因の食べ物を特定するのが難しい場合もあります。症状としては、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが起きます。症状が激しく現れた場合は、迷わず病院へ行きましょう。特に、大人よりも細菌に弱い赤ちゃんは、重症化することがあります。大人よりもずっと注意が必要だと思ってください。 私の父母は、夏の旅先で食中毒になり、そのまま旅先で入院するということがありました。お昼ご飯に食べた貝が「なんだか変?」と思ったけれど普段食べ慣れない貝なので「こんなものかな?」と思い、食べてしまいました。口にして「なんだか変?」と違和感を感じたら、食べないことも大切です。 食中毒予防の3原則厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」のベースとなっているのが、食中毒予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」です。 細菌を食べ物に「つけない」食べ物についた細菌を「増やさない」加熱して「やっつける」 この3つが大切です。「うちは気を付けているから大丈夫」と思わず、意外にも見落としている部分があるかもしれません。食べ物を購入するところから、調理をして食べる。そして、保存するまでの間に、どんな「つけない・増やさない・やっつける」をすればいいかを、次から具体的にみていきます。 食中毒を起こさないために家でできることまずは、スーパーなどで食品購入する時から、気を付けることができます。ここでできるのは3原則の中の「つけない・増やさない」です。 ・消費期限などの表示をチェックする・肉・魚はそれぞれ分けて包む・保冷剤(氷)などと一緒に袋に入れる・寄り道しないでまっすぐ帰る 特に夏は、スーパーから一歩外に出ると、灼熱の太陽が照っています。肉魚などの生ものを購入したときは、いつも以上に気を付けます。何件かお店を回る時などは、肉魚などの生ものは最後に購入するなど工夫するのもOK。肉魚の汁が、他の食材につかないように、袋を別にするとより衛生的です。 次に、スーパーから帰宅したときのポイントです。 ・帰ったらすぐに冷蔵庫に入れる・冷蔵庫に入れるのは7割程度(パンパンに入れない)・肉・魚は汁が漏れないように包んで保存・冷蔵庫は10℃以下に維持・冷凍庫は-15℃以下に維持 生ものは冷蔵庫の下の段に入れ、上の段になるほどそのまま食べる食品を入れると、衛生的です。また、台風などで停電になった場合は庫内温度に影響を与えるので、扉の開閉は控えた方がいいといます。 調理をするときに気を付けることここでできるのは3原則の中の「つけない・増やさない」に加えて「やっつける」です。やっつけるとは、加熱してやっつけることです。まずは、調理の下準備で気を付けることから見ていきます。 ・こまめに手を洗う・こまめにごみを捨てる・冷凍食品の解凍は冷蔵庫で・タオルや布巾は清潔なものに交換・まな板、包丁で肉魚を切ったら熱湯をかけておく・肉魚は生で食べるものから離す・野菜も良く洗う・包丁などの器具、布巾は洗って消毒下準備をする順番や衛生面に気を付けます。さらに調理で菌をやっつけます。・加熱は十分に(めやすは中心部分の温度が75℃で1分以上)・台所は清潔に・作業前は手を洗う・調理を途中でやめたら食品は冷蔵庫へ・電子レンジを使う時は均一に加熱されるようにする 給食調理では、85℃以上90秒間以上加熱するのがルールになっています。より安心な調理を!ということで離乳食を調理する場合の参考にしましょう。 食事の前に手を洗い、盛り付けは清潔な器具、食器を使って食べます。食べ物を長時間室温に放置しないようにします。また残った食品は、手洗い後、清潔な器具、容器で保存します。この時、早く冷えるように小分けにするといいです。温めなおすときは十分に加熱します。残った食品が、ちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って捨てます。離乳食でも、冷蔵、冷凍保存をすると思いますが、赤ちゃんに食べさせる前に、大人が試食して確かめましょう。 夏は、普段以上に食べ物の衛生管理を心がけることで、安心して食事をすることができます。また、食中毒は夏に限ったことではありませんので、これを習慣にすることで1年を通して家族を守るための食中毒予防になります。 ※参考:厚生労働省「食中毒予防の6つのポイント」著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年07月27日こんにちは、離乳食インストラクターの中田馨です。夏にお弁当を持って家族でお出かけすることがあると思います。特に、赤ちゃんは外食では食べられるものが少ないので、離乳食を持っていくこともあるでしょう。 今回は、夏のお出かけにお弁当や離乳食弁当を安全に持っていくためのルールやコツを話します。 お弁当で食中毒を起こさないために家でできることお弁当を持っていくときの心配は「食中毒」。特に赤ちゃんや幼児は、大人よりも細菌に弱いため気を配る必要があります。夏にお弁当を作るときは、傷みにくいお弁当を作るということが大切です。細菌は温かさと栄養と水分で増えます。 食中毒菌を防ぐには、「つけない・増やさない・やっつける」というのが大切。食中毒菌は20~37℃ぐらいで繁殖すると言われています。農林水産省HPを参考にしながら、買い物と調理、移動時に家でできるひと手間を紹介します。 お弁当の材料を買い出しに行くとき・生鮮食品、冷蔵、冷凍食品は最後に購入する・肉・魚介は、汁が他の食材につかないように、ポリ袋に入れる・冷凍冷蔵が必要な食材は、氷と一緒に保冷バッグに入れる・冷凍冷蔵が必要な食材を買った場合は、すぐに家に帰宅する・冷凍冷蔵が必要な食材は、帰宅後すぐに冷蔵・冷凍庫に入れる 調理するとき・調理前に手を洗う・肉・魚介・卵などに触ったあとも手を洗う・野菜、果物は流水でよく洗う・肉は菌が飛び散るかもしれないので洗わない・解凍は常温で放置せず、電子レンジ、冷蔵庫、流水で解凍する・食材を切る順番は、生のまま食べるもの~加熱するもの・肉・魚介は中心までしっかり火を通す・肉・魚介を使った調理器具はすぐに洗う。熱湯消毒するとさらに効果的・手をケガしているときは食品に触らない・お弁当を盛り付けるときは素手では触らずに、清潔な箸やスプーンを使う・ご飯とおかずは、粗熱が取れてから、お弁当箱のふたを閉める 食べるまでの移動時・お弁当を保冷バッグに入れて保冷剤でしっかり冷やす・直射日光を当てないようにする・車の中に放置しない・早めに食べる 食中毒予防に効果的な食材お弁当は加熱したメニューを入れるのが安全です。おかずやご飯を詰める前にお弁当箱に熱湯をまわしかけるとさらに衛生的です。その上で、入れると効果的な防腐剤代わりになる食材があります。 【おすすめの食材】梅干し、大葉、ゆかり、酢 赤ちゃんはまだ食べられない食材もありますが、お弁当箱の隅っこにそっとお守り代わりに入れていてもいいですね。 夏のお弁当に入れないほうがいいメニュー汁の多めのメニューは菌が繁殖するので危険です。例えば、煮物もそのうちのひとつですが、入れたい場合は一旦茶こしなどに入れて水気を切ってからお弁当に入れます。また、当日作ったメニューのほうがより安全ですので、作り置きメニューは入れないようにします。手で握ったおにぎりは細菌やウイルスがつきますので、ラップに包んで握ると衛生的です。また、生魚と生肉、生卵、半熟卵は絶対に入れないようにします。 お弁当が痛まないようにするグッズお弁当が痛まないようにするには、保冷剤と保冷バッグは必需品。お弁当箱の上と下に保冷剤を挟むと効果的です。また、お弁当箱の中に入れる抗菌シートも販売されています。出来上がったお弁当の上からシートをかぶせるだけで、効果があります。 安全面を考えると、夏の離乳食は市販のベビーフードを活用すると衛生的です。夏のお出かけを楽しく過ごすためにも、衛生面に気を付けて外出先の離乳食を考えてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年07月22日高温多湿な状態が続く6〜9月は、細菌性の食中毒の発生率が高まります。そして、原因となる細菌は、キッチンに潜んでいることも・・。簡単にできる3つの予防法を実践し、食中毒を起こさないように注意しましょう。夏に多発!細菌性食中毒ってどんなもの?細菌性食中毒は、カンピロバクター・O-157・サルモネラ菌などの細菌によって引き起こされる食中毒。下痢・腹痛・高熱などの症状が起こります。これらの原因菌は、高温多湿の環境を好むため、夏場に多く発生するのが特徴。平成27年の患者数は6,029人と多く、飲食店だけでなく家庭でも発生しています。家庭で食中毒にならないための3つの原則1.食中毒菌を「つけない」食中毒は原因となる細菌が食品に付着し、体内に入り込むことによって起こります。細菌を食品につけないためには、正しい手洗いと食品・調理器具を適切に扱うことが重要です。《手洗いのポイント》汚れたら手洗いをする。(調理前・トイレ後・生ものを触った後・鼻をかんだ後など)指のすき間など、洗いにくい部分も洗う。殺菌力のある石けんを使う。清潔なタオルやペーパータオルで手を拭く。《食品と調理器具を扱うポイント》使うたびにまな板を洗う。生野菜など火を通さないものと、肉・魚に使うまな板と包丁を分ける。バーベキュー・鉄板焼きでは、生の肉・魚を扱う箸と食べるための箸を分ける。食材は、清潔な密封容器に入れるか、ラップをかけて冷蔵保存する。2.食中毒菌を「増やさない」調理前の食材や惣菜は、速やかに冷蔵庫や冷凍庫で保管してください。というのは、細菌の多くは10℃以下で増殖が遅くなり、マイナス15℃以下で増殖が停止するためです。また、調理した料理は早めに食べることを心がけ、残ったおかずは直ちに冷蔵庫に入れましょう。冷蔵庫を過信せず、早めに食べきることも大切です。3.食中毒菌を「やっつける」ほとんどの細菌は加熱をすれば死滅させることができます。肉や魚なら、中心部を75℃で1分以上加熱するのが目安です。使用後のふきんやまな板といった調理器具にも細菌が付着しています。洗剤で洗ってから、煮沸消毒するか熱湯をかけることで殺菌できます。 疲労・睡眠・栄養の状態などによって、同じものを食べても食中毒を起こす人と起こさない人がいます。特に、暑い日が続いて体力が落ちているときは要注意。食事と休養をしっかりとり、普段から体調管理を心がけましょう。【参考】政府広報オンライン食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント〈〉(最終閲覧日2016/08/05)保健指導リソースガイド「食中毒」の季節が到来食の安全を守り予防するための3原則〈〉(最終閲覧日2016/08/05)
2019年06月17日あなたがお弁当作りで気にしていることはなんですか?彩り、栄養のバランス、食中毒対策などでしょうか。食中毒は一年じゅう発生していますが、とくに夏、5~9月にかけて多くなります。それは日本の夏が高温多湿で、食中毒菌にとって最高の環境だからです。食中毒予防の三原則「菌を付けない(清潔)」「菌を増やさない(温度管理・迅速)」「菌を死滅させる(加熱)」をすることで、食中毒予防ができます。今回は食中毒を防ぎながらお弁当づくりを楽しむコツをお伝えしていきます。食中毒を防ぐお弁当づくりのコツ●調理前に手を洗う私たちの手には食中毒菌や食べ物を腐らせてしまう菌などが、多数くっついています。まずは調理する前に石けんでしっかりと手を洗いましょう。また作業中も、こまめに手を洗いましょう。●お弁当箱はいつも清潔にお弁当箱って洗うのがけっこう大変ですよね。シンプルなものでも、お弁当箱、ふた、おはし箱、おはし……と洗うものがたくさんあります。お弁当箱をきれいに洗って、しっかり乾燥させておくことが食中毒を防ぐ基本となります。ふたのゴムパッキンの部分は汚れが落ちにくいので、しっかりパッキンを外してから洗いましょう。スポンジで洗いにくいときは、スプレー状になった洗剤も販売されています。細かい部分は直接噴霧できるので、洗いやすいですよ。洗ったあとはしっかり洗剤を洗い流し、乾いたふきんやキッチンペーパーで水分を拭きとったら、涼しいところで保管します。熱湯消毒やアルコール消毒をするとより清潔です。お弁当箱の材質によって熱湯消毒が不向きなときは、塩素系の漂白剤もおすすめです。●水気を切って盛りつける細菌は水分があると増殖しやすいです。ミニトマトはヘタを取ってキッチンペーパーでふいてから入れましょう。そのほか、ブロッコリーカリフラワーなども水気をふき取ってから入れます。レタスやキュウリなど生野菜は水分が多いので、お弁当に不向きです。もし入れるなら、別の容器に入れていき、ドレッシングは食べる直前にかけると水分が出にくくなります。●味の濃いおかずを入れる味が濃いおかずのほうが、細菌の増殖が抑えられます。●しっかり冷ますご飯やおかずが温かいままでふたをしてしまうと、水滴がつくため細菌にとって最適な環境になります。また、温かいままふたをすると、お弁当の内部の温度が下がりにくくなって細菌が増えやすい状態になります。●素手でさわらない私たちの手には数多くの菌が存在しています。特に黄色ブドウ球菌は化膿した傷に存在しますが、鼻・皮膚・のどなどに存在し、健康な人でも20~30%もっています。お弁当を詰めるときは、おはしを使って詰めていきます。またおにぎりを作るときも素手ではなく、ラップに包んで作ります。●加工食品も火を通すハムやかまぼこ、ちくわなどは調理をしなくても食べられますが、食中毒予防のためには炒め物や煮物などに入れ、火を通したおかずにします。作りおきおかずの保存のコツ作りおきのおかずはお弁当の強い味方です。保存するときは作りおきおかずを入れる容器もしっかりと熱湯消毒やアルコール消毒をして保存します。お弁当に入れるときは、電子レンジなどで加熱して使います。作りおきおかずでも過信は禁物です。夏場は傷みやすいので、2~3日以内に食べ切るようにしましょう。夏の調理に関して特に注意したいこと●中まで加熱する(中心温度75℃以上)ほとんどの食中毒菌は加熱によって死滅します。ハンバーグや卵焼きなど、中までしっかり火が通っているか確認します。●調理器具の洗浄、消毒をするまな板や包丁などの調理器具類にも細菌は付着しています。できればまな板は、生食用、加熱調理済み用など使い分けをしていると、より食中毒予防につながります。また、まな板などは洗ったあと、熱湯消毒や塩素系の漂白剤でこまめに消毒をします。便利グッズを活用する●保冷剤を利用お弁当箱を冷蔵庫にしまえればいいですが、入れられない時は涼しいところで保管します。100円ショップでもお弁当箱サイズの保冷剤が売られているので、保冷バックに保冷剤を入れておくだけでも温度が上がらず、細菌の増殖が抑えられます。●使い捨てカップを利用洗って何度も使用できるシリコンのカップもありますが、きちんと洗えていないと細菌などが残ってしまうことがあります。使い捨てのカップなら洗う手間もなく、清潔な状態でおかずが詰められます。カップを使うとおかずとおかずが直接触れ合わないので、二次汚染も防げます。●抗菌シートを利用抗菌シートは水と反応して抗菌成分が揮発することで細菌などの増殖を抑えてくれます。おかずへの臭いうつりもなく、ご飯やおかずの上にのせるだけなので、とても簡単で便利です。購入する時は品質表示に「カラシ抽出物」と記載されているものを選びます。以上、夏に多くなる食中毒をしっかり予防して、お弁当などの手料理を楽しむコツをご紹介しました。ぜひ参考にしてみてくださいね。●ライター神田由佳総合病院や介護老人保健施設で栄養士業務に10年携わる。現在はフリーランスの管理栄養士として、専門学校の講師、クリニックでの栄養指導、企業での特定保健指導・健康相談、介護予防教室、料理教室、レシピ作成(糖質制限、腎臓病、糖尿病、保育園、ファミリー向けなど)、コラム作成、オンラインのダイエットサポートなど活動中。
2018年08月14日ジメジメとした暑い季節に増える食中毒。食材は目に見えて変化をするので気を使いやすいですよね。でも調理器具は菌が繁殖していても気がつかないことがほとんど。食材の扱いや衛生面で気を使っていても、菌が繁殖した調理器具を使ってしまえば食中毒のリスクは高まってしまうんです。今回は手軽に除菌できる便利アイテムをご紹介します!食中毒対策、本当にできてる?生ものを取り扱う前後に手を洗ったり、まな板や包丁を使う際の食材の順番を気にしたり……。食中毒の危険性が高くなるこの時期だからこそ、気を使っている方も多いのではないでしょうか。でも忘れがちなのが調理器具の除菌・殺菌。まな板や包丁、作り置きに使う保存容器などは食器用洗剤で洗っても、菌が付着したふきんなどで拭いた場合、食中毒のリスクがあるんです。調査方法:インターネットリサーチ実施期間:2018年5月25日(金)〜2018年5月27日(日)調査対象者属性 :20〜40代の働く主婦調査対象居住地:全国回答数:1,000名ところが20〜40代の働く主婦1,000名を対象に食中毒対策に関するアンケートを実施した結果、「生ものを取り扱う前後に手を洗う」や「時間が経ち過ぎたものは思い切って捨てる」が70%以上に対し、調理器具の除菌・殺菌は10%を切るという衝撃的結果に……。シュシュっと便利な《カビキラー キッチン用アルコール除菌》衛生微生物研究センターが「アルコール除菌」と「煮沸消毒」の効果を検証したところ、ともに99%以上の菌が減少したことが確認できたのだとか。提供:ジョンソン株式会社さらに、使用後から次の調理まで時間が空く場合は、その間に意図せず調理器具に菌が付着することがあるため、念のため使用直前にも除菌を行うのがベターとのこと。とはいえ調理器具を除菌・殺菌するとなると、わざわざお湯を沸かして熱湯をかけるなど手間がかかりますよね。でも大丈夫!《カビキラーキッチン用アルコール除菌》ならスプレーするだけなんです。包丁などは水分を除去したあとに、濡れる程度までスプレーするだけ。そのあとに洗い流しやふきとりは必要なし♪100%食品に使える原料から作られているので、食器や作り置き用の保存容器にも使えますよ。ほかにも台ふきんや、食卓、キッチン家電の掃除にも使えるスグレモノ!ちなみに、調理器具が濡れた状態で使用するとアルコールが水で薄まってしまうので、乾いた状態で吹きかける方が除菌効果を発揮してくれるそうですよ♪まとめ梅雨は開けましたが、まだ食中毒に危険は潜んでいます。暑い夏こそ、作り置きやお弁当の際に、さらに気をつけていかなくてはなりませんね。《カビキラーキッチン用アルコール除菌》は手軽にシュッと吹きかけるだけで対策できるので、ぜひチェックしてみてください!
2018年07月06日もうすぐ子どもにとってお待ちかねの夏休みがやってきます。学童や塾で過ごすお子さんがいらっしゃるママは、毎日のお弁当作りがスタートしますね。この時期のお弁当作りで気がかりなのが、食中毒ではないでしょうか。ここでは、管理栄養士への取材経験をもとに、筆者が実践しているお弁当の傷みを防ぐテクニックをご紹介します。■傷みにくいお弁当作り「基本中の基本」をおさらいまずは、食中毒を防ぐお弁当作りの基本からおさらいしていきましょう。農林水産省が発信している 「さらば食中毒!お弁当作りの知恵」 を参考にいくつかのポイントをあげてみます。<調理前>・よく手を洗う。・調理器具や弁当箱も清潔に。ふたのパッキン部分に汚れが残りやすいため、分解してきれいに洗い、自然乾燥または清潔なふきんで水分をしっかりとる。 <調理のポイント>・中までしっかり加熱する。電子レンジで加熱する時は、途中でかき混ぜるなどして加熱ムラを防ぐ。・おにぎりはラップでにぎる。<詰め合わせのポイント>・水分が多いと雑菌がふえやすくなるため、おかずの汁気はよく切る。・ごはん、おかずはよく冷ましてからつめる。・生野菜や果物はよく洗い、水気を切ってからつめる。・夏場は「作り置き」は避けた方が安心。使う場合は、冷蔵庫で保管したものにし、つめる前に必ず火を通す。加えて、厚生労働省の 「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」 によれば、生の魚や肉、卵を扱うたびに手を洗うこと、冷凍食品の解凍は冷蔵庫の中か電子レンジで行うことなど、気をつけたいポイントがくわしくあげられています。あわせてチェックしておくと安心ですね。■「これって清潔?」の悩ましさは、使い捨てアイテムでクリア前述したように、あらゆるものを「清潔」に保つことが基本になるわけですが、例えばタオルやふきんといった調理中に何度も使うものは、ずっと清潔をキープするのは難しいような…。だからといって、何枚もタオルを用意すると洗濯や漂白の手間が増えてしまいます。そこで、わが家では使い捨てができるペーパータオルを、タオルやふきんの代わりにしています。また、汚れやにおい残りを気にしなくてすむよう、お弁当箱はゴムパッキンがないタイプを選び、繰り返し使えるシリコンカップもこの時期は使い捨てのカップにチェンジ。割り切って使い捨てアイテムを活用することで、洗濯物や洗い物を減らすのはもちろん、「これって清潔?」と迷う時間もカットしています。 ■お酢、梅干し…「酸っぱいもの」で念押し!以前、管理栄養士に食中毒予防の取材をした際に教えていただいたのが、殺菌作用が期待できるお酢や梅干しを上手に活用すること。ここでは、わが家で実践しているお酢&梅干しの活用法とプラスαをご紹介します。・お酢でお弁当箱をふくキッチンペーパーなどにお酢を少量つけてお弁当箱の中をふくことで、殺菌作用が期待できるそうです。わが家では、100円ショップでみつけた食品用スプレーにお酢を入れ、お弁当箱にシュッと吹きかけてからふくようにしています。・炊飯器にお酢をプラスごはんを炊く時にお酢を入れると、雑菌の増殖を抑えるのにつながるとのこと。加えるお酢は、お米2合に対し大さじ1を目安に。酢飯のように酸っぱくなるのでは? と思われるかもしれませんが、炊きたてはふわっとお酢の香りがするものの、味への影響はほとんど私は感じません。・生野菜にもひと工夫彩りに重宝するレタスやきゅうりなどの生野菜は、基本的にこの時期は避けたほうがベター。とはいえ、お弁当のすき間埋めに使いたいこともあるでしょう。そんな時にもお酢の出番。わが家では、きゅうりはピクルス(酢漬け)にし、そのまま入れることが多いミニトマトはお酢でふくようにしています。どちらも水気をしっかり切ったり、ふき取ってから入れるのが、傷みを防ぐポイントです。・梅干しは細かく混ぜ込むと◎お弁当の傷み対策として昔から使われている梅干しですが、日の丸弁当のように1箇所に置くだけでは、殺菌作用があまり期待できないそう。また、減塩やはちみつ漬けなども効果は減。傷み対策として活用するなら、塩分濃度が高めの梅干しを、細かくして混ぜ込んだり、あちこちに散らしたほうが、より殺菌作用が期待できるそうです。・ハムも加熱したほうが安心お弁当で出番の多いハムやちくわも、フライパンで焼くなどして火を通してからのほうが安心です。加熱の目安は、75℃で1分以上。わが家はこの時期、サンドイッチではなくホットサンドにするなどで対応しています。このほかに筆者が実践していることは、・素手で食材をさわらず、はしやトングで取り分ける。・手や調理器具の消毒には、食品にも使えるアルコール剤を使う。・100円ショップでも購入できる抗菌シートを使う。などです。菌は目に見えないだけに、どこまで対策すれば安心とは言い切れませんが、「大丈夫かな?」とモヤモヤするよりは、できるだけリスクを減らせるようひと工夫しておきたいものですね。消耗品などを活用してママの負担を減らしつつ、お酢なども上手に活用しながら、夏のお弁当作りを乗り切りたいですね。<参考>・農林水産省 「さらば食中毒!お弁当づくりの知恵」 ・厚生労働省 「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」
2018年06月30日高温多湿になるこの時期は、お弁当の傷みや食中毒が気になります。そこで今回は、お弁当の傷みや食中毒から食材を守る方法を、専門家に教えていただきました。作り置きおかずにも使えるテクニックです。覚えておきたい食材を守る3大対策教えてくださったのは、管理栄養士の小田真規子先生。先生によると、食材を傷みや食中毒から守るための対策は、購入した食品を冷蔵庫へしまうところから始まるそうです。「食材を傷ませないためには、傷みや食中毒の原因菌を『つけない』『増やさない』『やっつける』、の3大対策が必要です。これらは食品を保存するときから始まります」(小田先生)3大対策をおこなう方法●保存方法「3大対策には、食品を手早く冷蔵冷凍し、冷凍の場合は解凍の時間を短くすることがポイントになります。お肉は重ねず平らにして袋に入れましょう。表面積が大きくなるので、冷凍・解凍を早く行うことができます。作業するときは清潔な手で。食品用の手袋を利用しても良いです。また、クッキングペーパーにお肉を包んでからジッパー付き保存バッグに入れるといったひと手間を加えると、解凍と同時にドリップ(解凍時に食材から出る液体)取りも出来るのでオススメです」(小田先生)保存バッグ内に無駄な空間があると空気中の菌が入りやすくなるので、バッグは食材に合ったサイズを使うこともポイントだそうです。●解凍方法「室温での自然解凍は細菌の増殖リスクが高まるため、電子レンジ解凍がおすすめです。電子レンジ解凍による解凍ムラやドリップの発生などを防ぐためには、高密閉の保存バッグを使って保存し、保存バックに入れたまま流水解凍するのも良いでしょう。ダブルジッパーになっているリードの《新鮮保存バッグ》などは、高密封に適しています。また、かたまり肉を電子レンジで解凍する場合は、クッキングペーパーに乗せて途中で上下返すと、解凍ムラを防ぐことができますよ」(小田先生)お弁当づくりのコツ「食中毒の原因菌から食材を守るお弁当づくりでとくに気をつけていただきたいのが、ご飯を詰める順番です。せっかく原因菌対策をしたおかずを詰めても、最後にあたたかいご飯を入れて蓋をしてしまったら、お弁当箱内が高温多湿になってしまい、元も子もありません。まずはご飯をお弁当に詰め、冷ましながら他のおかず作りに取り掛かりましょう。ご飯の上に梅干しを刻んで散りばめたり、炊飯時に梅干を一粒入れて炊いたりするのも効果的です」(小田先生)さらに、お酢:水=1:1の水溶液をクッキングペーパーに浸し、お弁当箱を拭いてから料理を詰めると、お酢の静菌作用で菌の増殖を抑える効果が期待できるそうです。また、おかずをぎっしり詰めると、菌が入る隙間をなくし、菌が動きにくくなるのだとか。お弁当箱のサイズ選びも重要になってきますね。作り置きおかずはこうやって原因菌から守る!「お弁当だけでなく、作り置きおかずにも原因菌対策は必要です」と小田先生。「作り置きおかずは、アツアツのまま保存容器に入れてしまいがち。ですがこれはキケンです!熱いまま入れると、保存容器内に水滴が発生し、菌を増殖させてしまいます。外気から守るために、ふんわりとラップをかけ、しっかりと冷ましてから密閉してください。また、容器内の空間を極力減らすため、中味をスカスカにさせない事も重要です。取り分ける際は端から。容器の中でかき混ぜないようにするのもポイントです」(小田先生)再加熱する際は、100℃まで温度を上げることが大切だそう。表面がクツクツするだけでは一部分の温度が高くなっているだけなので、かき混ぜて全体を煮立たせます。味が濃くなるのがイヤな場合は、静菌作用のあるお酢やお酒を入れて再沸騰させると良いとのことです。調味料も上手に使えば食中毒対策に最後に、高温多湿に負けない調理のコツを先生に教えていただきました。「食中毒などの菌の多くは塩分や酸味を嫌うので、味を濃いめにしたり、酸味を活かしたりするといいですよ。中濃ソースやケチャップにもお酢が入っているので、味付けに使うとバリエーションを持たせることができます」(小田先生)また、以前リミアで紹介した《リードプチ圧力調理バッグ》も、食材と調味料をこのバッグに入れてそのまま冷蔵、冷凍保存が出来、調理は袋のまま電子レンジで加熱するだけなので、食中毒予防として役立ちそうです。時短=手抜きの罪悪感から解放!レンチンなのにちゃんと作った味になる調理バッグ登場●ライター力武亜矢
2018年06月29日梅雨から夏にかけては食中毒が増える季節。食中毒というと飲食店などでニュースになる集団食中毒のイメージが強いですが、家庭でも食中毒は起きる可能性のあるもの。消費者庁なども食中毒に関する注意喚起を行っているので、家庭の食中毒に対する危険や、その対策についてまとめます。カレーや煮物はウエルシュ菌に注意!カレーや煮物は一度しっかり加熱してあるから安心と思ってしまいがちですが、じつはかなり食中毒の危険が高いので注意が必要です。問題となりやすいのがウエルシュ菌という微生物。この菌は100度で加熱しても死滅しないというのが特徴です。ウエルシュ菌は酸素のないところで繁殖するという特性があるため、大量に作ったカレーや煮物をそのままにしておくと鍋底周辺などで繁殖し、食中毒になると1〜2日間下痢や腹痛に苦しめられることに…。予防するためには、カレーや煮物は食べきれる量を作り、調理後なるべく早く食べること。保存するときは小分けにして冷蔵庫などで急速冷却し、再加熱は全体を充分に加熱することで防ぐことができるそうです。普段から心がけたい食中毒対策消費者庁の公式ウェブサイトでは、ウエルシュ菌以外にも、家庭で起こる食中毒の対策が紹介されています。まずは、買い物時には消費期限を確認し、生鮮食品や冷凍食品はレジを通す直前にかごに入れるようにする。他にも、肉や魚の汁が野菜などに付かないよう、ビニール袋に入れ、持ち帰ったらすぐ冷蔵庫に入れるよう案内されています。調理をする際は、事前に丁寧に手を洗い、生魚、魚、卵を触ったら都度手を洗うこと。包丁やまな板は生肉、魚を切ったら熱湯をかけて殺菌するか、専用にして使い分けること。解凍は自然解凍よりもレンジでの急速解凍をしたほうがいいそうです。肉や魚は中心部が75度以上の状態で1分以上加熱することなどが推奨されています。調理が終わっても油断は禁物。食器も清潔なものを使用して、長時間室温で放置しないようにしましょう。また、温め直す際は加熱調理したものでも、再び充分に加熱するようにし、再冷凍や再々加熱などは避け、時間が経過したものは思い切って捨てるのも重要だそうです。なま物や揚げ物などは家庭でも食中毒に気をつけている人も多いと思いますが、カレーや煮物など、しっかり加熱調理したものにも食中毒の危険は存在しています。特にこれから食中毒が多くなるので、しっかり予防と対策を行い、元気に夏を過ごせるようにしたいですね。(文・姉崎マリオ)
2018年06月21日あっという間に6月になりましたね。地域によっても梅雨入りもして、気温や湿度も高くなって、じめじめした天気が続くと食中毒が多発する季節です。買い物の時に気をつけたり、自宅での食材の保存方法などを再確認しましょう。また、これからの季節は熱中症にも気をつけたいもの。蒸し蒸ししたこの季節、熱中症にかかる可能性はゼロではありません。今からできる、食中毒予防方法は?こまめな手洗いや食品をしっかり洗うなど、ちょっと注意することで予防ができるので、是非ご家庭でも以下のことに注意してみてください。我が家の子どもたちはビオレの「あわあわてあらい」動画をみて、歌いながら上手に手洗いをしています。・買い物の時◽︎鮮度チェックをしっかり◽︎消費期限も必ずチェック◽︎肉、魚はそれぞれ分けて包む◽︎寄り道しないでまっすぐ帰る・家庭では◽︎冷蔵庫は10℃以下を維持する◽︎冷蔵庫のつめすぎに注意!◽︎冷凍庫は空気を抜いて冷凍用の袋に入れて、縦収納がオススメ◽︎食材を長時間室温に放置しない◽︎台所は常に清潔に(洗い物を溜め込まない)◽︎調理器具の洗浄、消毒はこまめに◽︎調理器具は食材に別に分けて使用する(野菜はキッチンペーパー+ラップで包むと長持ち)◽︎加熱は充分に◽︎残った食品は小分けにして、早く冷ます◽︎時間がたちすぎたり、怪しいと思ったら捨てる離乳食時期のベビーを持つママは、食材の管理や調理法、保存の仕方などに、再度気を配ってみて。食器洗いには、さとうきびと椰子から抽出した植物油由来のアミノ酸系洗浄剤・ベッタの「シュガーウォッシュ」がオススメ!哺乳びんはもちろん、赤ちゃんの食器洗いにも安心して使える、やさしい洗剤です。知っておきたい、食中毒を引き起こすさまざまな菌たち腸管出血性大腸菌0157感染力が強く、少量の菌で感染してしまいます。潜伏期間が長く、感染が周囲に広がる可能性があるので注意。主な原因となる食品は食肉や発芽野菜などです。サルモネラ菌自然界に広分布している菌で、身近なペットや家畜もこの菌を持っています。低温や乾燥に強く、熱には弱いのでよく火を通すことが大切です。中毒になると、急性胃腸炎を起こしてしまいます。主な原因となる食品は食肉、卵などです。腸炎ビブリオ食中毒海水や海中の泥に潜み、夏に集中発生します。熱に弱く高温、低温になると繁殖が鈍ります。真水には弱いので、よく洗ってしっかり火を通しましょう。主な原因となる食品は魚介類などです。熱中症は、日々の予防が大切!子どもは体温を調節する機能が大人に比べて未発達なので、上手く汗をかけなかったりします。また、全身に占める水分の割合は大人よりも高いため、外気温の影響を受けやすくなります。特に乳幼児は熱中症にかかりやすいので注意が必要です。こまめに日陰で休憩し、水分補給をさせてあげてくださいね。小さな子はおしっこの量や回数にも気をつけてあげましょう。強い日差しの影響は直射日光よりも、地表のアスファルト等の照り返しの方が強いので(夏のアスファルトは60℃近くにもなる場合が)、ベビーカーを日向に長時間置くのはNG!数分の立ち話しでも気をつけて!!ベビーカーは地表から近いので、照り返しの影響はあっという間に赤ちゃんに襲いかかっています。ガーゼケットなどをかけて日差しから守ってあげましょう。特にマンホールの上は要注意!強い日差しで鉄板が危険なほど温度になっています。万が一赤ちゃんが落ちてしまったら…ヤケドだけでは済まない場合も。移動中もできるだけマンホールの上は避けて通りましょうね。湿度の高い季節を快適に、そして健康に乗り切るために、食中毒と熱中症対策に気に配ってみてくださいね♪参考:「 あわあわてあらい」
2018年06月06日梅雨に入り、気温が高く湿度も上がってくると心配なのは食中毒です。特にお弁当作りには一層気を遣います。子どものお弁当だけではなく大人の分もしっかり対策したい食中毒。どんなことに気を付ければ良いのか知っておきましょう。対策の基本は、細菌を付けず増やさないこと作ってから食べるまでに時間があるお弁当は、作る際にいかに細菌を付けず、そして増やさないようにするかが大切です。ポイントをおさえておきましょう。・中までしっかり加熱食中毒を引き起こす細菌の多くは熱に弱く、75度以上の加熱を1分以上続けることで死滅します。きんぴらや薄切り肉のしょうが焼きは、しっかり火が通せるのでオススメです。卵焼きは中が半熟になってしまうので避けたいですが、薄焼き卵を作ってからロール状に巻けばしっかりと火が通ります。・調理後には十分冷ましてから弁当箱に詰める細菌は水分を好みます。食材が温かいままでふたをすると水蒸気が発生しふたや内部に水滴がついてしまいます。加熱したものは十分に冷ましてから弁当箱に詰めましょう。冷めにくいご飯は、皿やバットに取り分け広げておくと短時間で温度を下げることができます。同様に、水分のあるものは十分水気を切りましょう。汁気が他の食材に移るようなものは、小分けのカップなどを使って移ることを防ぎます。揚げ物や炒め物は水分の出にくいおかずであり、油を使っているのでエネルギーが高く夏バテ対策としてもオススメです。・味付けを濃い目にする塩にも殺菌作用があるので、味が濃く塩分が多めの食材を選ぶとよいでしょう。ただし塩分の摂りすぎにならないように、適度な塩分量を心がけましょう。弁当箱にも対策を食材に気を遣っても、弁当箱が衛生的ではなければ意味がありません。弁当箱にはどんな対策をしたらよいでしょうか。まずは洗った後。熱湯や漂白剤で消毒し、よく乾かしてからしまいます。しまう場所は、細菌が好む風通りの悪い場所やシンク下などの水場近くを避けましょう。使う前には、酢を少量染み込ませたキッチンペーパーで中を拭くと殺菌効果があります。他にもこんな対策を酢や香辛料を使うと食材が傷みにくくなります。ショウガやワサビ、唐辛子を取り入れましょう。ご飯を炊く時に小さじ1杯の酢(ご飯3合に対し)をプラスするだけで、細菌が繁殖しづらくなります。酢の抗菌作用がお米をコーティングしてくれるのです。味にも匂いにも支障がない程度なので、ツンとした匂いが嫌いな方でも問題ありません。お弁当だけではなく、夏場の普段の炊飯にもオススメです。おにぎりは手の菌がつくのでオススメしませんが、作る場合には作り方に気を付けましょう。塩をしっかり利かせ、ラップを使って握ります。ラップのまま持ち運ぶ場合には、冷ましてから新しいラップで包みなおし、海苔は食べる直前に巻けるように分けておきましょう。具材は甘酢・ショウガ・梅干し・大葉などがオススメです。細かく刻んで混ぜ込むと食べやすくなります。持ち運ぶ際は保冷剤や保冷バックを利用するのがいいですね。最近は、凍ったまま入れておけば自然解凍できる冷凍食品が多く出ています。解凍して冷ます手間が省ける上に、持ち運ぶ際の保冷効果がありますので上手に活用しましょう。ただし、自分で作ったおかずを凍らせてそのまま持たせることは厳禁です。冷凍食品は特殊な技術で解凍しても水気が出ないように作られています。自分で作ったものを冷凍すると解凍した際に水気が出て細菌が繁殖する恐れがありますので真似しないようにしましょう。食中毒と聞くと過度に怯えてしまうかもしれませんが、冷ます・手を触れないなどを徹底し細菌の性質を正しく知ることで防げます。ナーバスにならず、美味しいお弁当を楽しく作りましょう。
2017年06月22日働くママの食事づくりの強い味方が、常備菜。週末に作り置きをしておけば、忙しい平日もサッと食卓に出すことができます。でも、そんな便利な常備菜も、扱い方を間違えると食中毒を招く危険性が。常備菜づくりで見落としがちな注意点を、しっかりおさえておきましょう。■冷蔵庫は意外とカビが発生しやすい!冷蔵庫や冷凍庫の中で保存する常備菜。「温度が低いから菌が繁殖する心配なし」と油断していませんか?実は冷蔵庫の中は意外とカビが発生しやすい場所。「カビはジメジメした温かいところに生えるもの」と思い込みがちですが、温度の低い冷蔵庫内でもカビは活動可能。増殖のスピードが遅くなるだけで、死滅することはないのです。常備菜を保存するための冷蔵庫がカビの温床になっていては困りますよね。冷蔵庫内は清潔を保つように心がけ、食べ物のクズや汁がついたままにならないようにしましょう。ときどき消毒用のアルコールで拭くのもおすすめです。■濃いめの味付けで細菌の増殖をおさえる醤油や塩、砂糖、みりんなどの調味料には、微生物の発生や増殖をおさえる働きがあるといわれています。常備菜を作るときは、普段のおかずよりも少し濃いめの味付けにするのがポイント。料理の味は冷めると薄く感じるので、少し濃くても美味しく食べられますよ。濃い味付けだと「子どもが塩分をとりすぎてしまうのでは?」と心配な方は、同じような働きをする酢や、ショウガ、にんにく、スパイスなどを上手に利用してみてください。■根菜類についた土には、食中毒の原因になる菌も常備菜にはにんじんやゴボウ、れんこんなどの根菜類もよく使われます。このとき注意したいのが、根菜類についている土です。根菜類についた土には、食中毒の原因になるセレウス菌やウェルシュ菌などがついていることがあります。これらの菌は熱に強い性質を持ち、加熱調理で完全に死滅させることが難しいのです。また、堆肥を使って育てる有機栽培の野菜などには、大腸菌群が付着している可能性もあります。根菜類は調理前に水でよく洗い、土をきれいに取り除きましょう。調理後はあら熱を取ったらすぐに冷蔵庫で冷やし、菌の増殖を防ぐことも大切です。■保存容器の正しい消毒法は?いくら調理のときに衛生面に気を配っても、常備菜を入れる容器に菌が付着していては意味がありません。保存に使う容器も、あらかじめ除菌をしておくとよいでしょう。ガラスやホーロー製の容器であれば煮沸消毒や熱湯消毒がおすすめ。プラスチック製の容器を使用する場合は、アルコール除菌スプレーなどで拭いておきましょう。保存中も、冷蔵庫からの出し入れの際に触ることが多いフタ部分は、こまめに除菌しておくと安心ですよ。毎日の食事の「もう一品」やお弁当のおかずなど、便利に使える常備菜。食中毒を招いてしまわないように、きちんと気をつけておきましょう。
2017年04月06日食中毒は、6〜9月までが流行シーズン。8月が終わっても気温が高い日が続くので、心配なのが衛生面や食中毒です。外出時、授乳室に給湯機や電子レンジがなく、長時間ミルクや離乳食を持ち歩くときってありますよね。何本も哺乳びんを持ち歩くのも荷物になるし……哺乳びんの消毒はどうしたものか…と悩んでるママに送ります。ミルクを飲んでいるベビーに必要な持ち物って?ミルク哺乳瓶の中に、直接1回分の粉ミルクを入れて持ち運ぶというママもいますが、この季節は衛生面重視でスティックタイプかキューブタイプの粉ミルクがオススメ。我が家は上のお兄ちゃんの時は混合だった為、スティックタイプを2.3本常に持参し、母乳が足りなかったときに足したりしていました。封を切らなければ良いので、使い切りタイプが持ち歩きには便利です。哺乳瓶ガラス製は重い&割れやすいので、プラスチック製など軽量タイプがオススメ。近所で短時間の外出なら1本でも良いですが、余裕を持って2本は持ってる方がいざという時に安心にします。水(熱湯・白湯)少し荷物になりますが、私は魔法びんの水筒にお湯を入れて、哺乳びんには湯冷しを少し入れて持参していました。ミルクを作るときには、お湯と湯冷ましを混ぜて適温にしてあげてました。お腹の減った子供は、調乳を待ってくれません。授乳室に給湯機があっても湯冷しは置いてないので、湯冷ましは持参した方がすぐ調乳できて便利です。哺乳瓶の消毒方法、いろいろありますフルフルほ乳びん洗い哺乳瓶に洗剤と水を3分の1くらい入れて、フルフルすることで汚れが落ちる、コンパクトで持ち運びに便利なアイテムです。ただし、哺乳瓶の種類によっては乳首が洗えないタイプもあるようなので要確認。使い捨すて哺乳瓶steri-bottle(ステリボトル)外出先で何本も哺乳びんを持ち歩いたり、飲んだ哺乳瓶を持ち帰って消毒するのって結構面倒ですよね。そんなとき便利な使い捨て哺乳瓶があるのだそう。1個あたり29gと軽く、コンパクトに重ねられるのも魅力的♡また、使い捨てだから使用後の哺乳びんを何時間も持ち歩かなくていいのも嬉しいポイント。さっと熱湯消毒でも!しっかり消毒ができない場合は、授乳室にある給湯機でさっと熱湯消毒だけでも!どうしても一度使った哺乳瓶を使わなければならない時は、コンビニやファミレスのドリンクバーで熱湯消毒させてもらい、使用したこともありました。もちろん店員さんにひと声かけての最終手段です。ベビーの離乳食、お弁当はどうしてる?気温の高い季節、手作り離乳食の持ち歩きは正直あまりオススメしません…。外出には市販のベビーフードがオススメ。切ったり、すりつぶしたりする離乳食は、食材の立体構造を破壊するため、空気中の雑菌にさらされやすくなってしまうそうです。たとえ、保冷剤を使っていたとしても、離乳食に雑菌が繁殖してしまう可能性も十分にあるので気をつけましょう。我が家がお世話になってるベビーフードはコレ!WaKODOのベビーフードお弁当主食とおかずになってるからバランスよく、メニューも豊富。小さなスプーン付いてるし外出の時は大活躍です。離乳食の食べる回数や量にもよりますが、上のお兄ちゃんの時は1日ぐらいなら無しにしちゃう事や、ちょっと時間をズラして早めに食べさせたりって事もしていました。瓶タイプは試したことあったんですが、「スマイルカップ」 ってのがあるそう!こちらはカップのままレンジで加熱もできて、子どもが大好きなスパゲティなど種類も豊富。カップは主食タイプとおかずタイプで量もたっぷり!赤ちゃんも自分ですくって食べやすいよう、容器口も大きいです。市販のベビーフードもいいけど、やっぱり手作りの離乳食も持ち運びできるなら、やっぱり手作りがいいというママには、こんなものもオススメ。リッチェルの赤ちゃんのクールお弁当箱2段重ねの赤ちゃん用のお弁当箱は、主食と副食を分けて離乳食を入れられます。また、ふたの内側に保冷剤がついているので、食品の痛みを防ぐこことができたり、折りたたみ式のスプーンが付いていたり、赤ちゃんのことを考えた細かな設計がうれしい!また、コンパクトなつくりの弁当箱のため、重さとスペースを取らないので、持ち運びにもとっても便利です。離乳食用に便利なお弁当箱は沢山ありますので、是非とっておきの物を見つけてみてくださいね!衛生面に気をつけながら、ミルク&離乳食を持って、赤ちゃんとのお出かけを楽しんでくださいね♪
2016年09月01日日焼け止めもしっかり塗っているし、紫外線対策はバッチリ!と思っているあなた。 本当にその紫外線対策、万全ですか?実は間違っているかもしれない、日焼け止めの塗り方やUV対策のコツをお教えします!日焼け止めの正しい塗り方日焼け止めの塗り方で注意しておきたいのが、①肌にしっかり馴染ませるため、外に出る30分前には塗っておくこと②ケチらず、たっぷりの量を塗ること③化粧水や乳液で肌を整えてから塗ること の3つのポイント。意外に見落としていることが多いこの3つのポイントをおさえておけば、日焼け止めの効果はグッと上がります!日傘も必須!特に夏場の強い紫外線は、日焼け止めだけではカバーできません。外を歩く時は日傘を持っておいた方が安心。折り畳みタイプの日傘などのコンパクトなタイプのものを選ぶと良いですね。帽子の選び方に注意!麦わら帽子など、日よけのために使う帽子は、選び方に注意。・素材がUVカットであるかどうか・つばの広さは十分かという点をチェックしつつ選びましょう。メッシュ素材のものは通気性が良いので快適にかぶれますが、十分に紫外線をカバーできない場合があります。最近はオシャレで紫外線対策もばっちりできる帽子が増えているので、タグなどに書いてある説明をよく読んでおきましょう。しっかり対策して、夏に備えよう!日焼け止めをしっかり塗っていたのに、結構焼けてしまった…。ということもあるでしょう。若いうちはいいですが、30代前後になると紫外線はシミの大きな原因となり危険です。しっかり対策しておけば夏の日差しも怖くない!少しのポイントで大きく変わるので、しっかり対策して夏に備えておきましょう!
2016年07月28日5~9月ごろは、食中毒のリスクが高まる季節。お弁当作りも注意が必要です。今回は初夏のお弁当に役立つ食材や、いつもの調理に1分、ほんのひと手間かけるだけで、安全性を高める方法をご紹介します。■なぜ起こりやすい? 初夏〜秋の食中毒食品には、年間をとおして細菌やカビが微量にはついているもの。胃や腸でうまく死滅させられる範囲で収まっているのが、ふだんの状態です。高い気温と湿気のなかで細菌がケタ違いに増えてしまったとき、食中毒のリスクが発生します。初夏〜秋のお弁当作りでは、防腐効果のある食材をうまく利用し、細菌の増殖を防ぐことが大切です。お役立ち食材をご紹介しましょう。■防腐効果+食欲UP・疲労回復も!「お酢」お酢の主成分である酢酸には、細菌の増殖を抑えて防腐する働きが。すっぱい香りと味は唾液と胃液の分泌をうながして、蒸し暑い日にも食欲UP。また、食事から取り入れるエネルギーの補充を効率UP。疲労回復のサポートとしても役立ちます。<オススメ活用法>お酢は、おかずの味つけに便利なほか、ごはんの防腐効果を高めることができます。ごはんを炊くときに、お米2合あたり大さじ1杯のお酢を入れてスイッチON。すっぱい味は残りません。お酢の味を楽しみたい場合は、炊いたごはんに混ぜて酢飯にしましょう。 ■お酢と同様の効果に加え、適度な塩分も「梅干し」梅干しは、お酢と同様、防腐・食欲UP・疲労回復のメリットがあるほか、血糖値の上昇を抑えることでスタミナの急降下を防いだり、塩分の摂取で脱水症状を防いだりと優れもの。暑いなか、よく動く子どもにもピッタリです。<オススメ活用法>日の丸弁当式にごはんに乗せるのもいいのですが、防腐効果はその周りだけに。ごはんに使うときは、水加減のあと梅干しを1つ入れてごはんを炊くと、成分が全体に。また、肉・魚やそれらの加工食品をおかずにするとき、十分な加熱+梅肉を挟んだり和えたりすると、なお安心です。■菌が好むムダな水分を吸う!「乾物」 意外な救世主として注目したいのが、削り節・すりごま・のり・とろろ昆布・わかめ・ふりかけなどの乾物たち。お弁当箱のなかのムダな水分は、細菌が増殖するもと。水気を切ったり冷ましたりしてから詰めても、どうしてもあとから出てくる水分ってありますよね? <オススメ活用法>乾物を、和える衣に活用します。「ごま和え」など、水分の出やすいゆで野菜に効果的です。十分な手洗い、調理グッズの殺菌・除菌、材料へのしっかりした加熱、作りおきメニューの衛生管理は食中毒予防の大原則。今回ご紹介した食材と利用法を活用し、さらにおいしく安全なお弁当作りをしていきたいですね。 <出典>日本防菌防黴学会『菌・カビを知る・防ぐ60の知恵−プロ直伝・防菌・防カビの新常識−』(2015年6月、株式会社化学同人)武藤裕子『傷みにくいお弁当&作りおきおかず』(2011年9月、凸版印刷株式会社)全国食酢協会中央会 全国食酢公正取引協議会
2016年07月09日こんにちは。保育士でライターのyossyです。日に日に暑さが増し、食中毒が心配な季節になってきました。子どもや高齢者が食中毒にかかってしまうと、重症化しやすい傾向にあります。残念ながら、なかには死亡する例も。自分たちで防げる食中毒は、確実に防いでいきたいですね。しかし、ひと口に食中毒といっても、さまざまな種類があります。ここでは、厚生労働省が発表しているデータ(『平成27年(2015年)食中毒発生状況』の病因物質別月別食中毒発生状況 年間患者総数)を参考に、病因物質のランキングと対策法をご紹介しましょう。●第3位:サルモネラ属菌(年間1,918人)まず、第3位はサルモネラ属菌。名前を聞いたことがある人は多いかもしれません。・潜伏期間:4~48時間・原因となりやすいもの:生肉、加熱が不十分な肉、鶏卵など・主な症状:悪心、おう吐、発熱、腹痛、下痢症状が重くなると脱水症状 が出ることもあり、注意が必要です。熱に弱いため、肉や卵は75度以上で1分以上加熱しましょう。また、菌が増殖しないよう、短時間であっても生の食材はきちんと冷蔵庫で保管することが大切です。調理器具や手指の消毒・洗浄もお忘れなく。なお、動物を介して感染することもあります。動物に触ったらよく手をあらいましょう。●第2位:カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(年間2,089人)次いで多いのは、カンピロバクターです。春から夏にかけて患者数が多いので注意しましょう。・潜伏期間:2日~1週間・原因となりやすいもの:生肉、加熱が不十分な肉、飲料水など・主な症状:腹痛、下痢、発熱(38度以下)、悪心、おう吐、頭痛、倦怠感潜伏期間が長い のが特徴的。サルモネラ属菌同様に、肉の場合は中心部を75度以上、1分以上加熱することが大切です。また、生の肉を使った調理器具の消毒・洗浄や、手の洗浄は念入りに行いましょう。殺菌されていない飲料水を口にするのは避け、特に子どもの場合は動物との接触後に手を洗うことも大切です。●第1位:ノロウイルス(年間1万4,876人)第1位はやはりノロウイルス。年間1万を超える人が苦しんでいました。冬場(特に11月~2月)の患者数が多いですが、年間を通して食中毒が発生しているので、夏も油断はできません。・潜伏期間:24~48時間・原因となりやすいもの:二枚貝、感染している調理者による二次感染・主な症状:下痢、おう吐、腹痛、発熱(38度以下)カキなどの二枚貝を食べる場合は、85度~90度で90秒間以上加熱する必要があります。また、生で食べる野菜や果物はよく洗浄してください。そして、ノロウイルスで怖いのは、二次感染 。集団食中毒のニュースを目にすることも多いですね。特に、調理者が用を足した後に手洗いが不十分だと、感染が拡大してしまいます。家庭でも、1人ノロウイルス患者が出ると家族に広がりやすいので要注意です。普段から十分な手洗いと、清潔なタオルを使うことなどを心掛けましょう。----------子どもが感染してしまうと、重症化しやすい食中毒。しっかり加熱調理することや、手や調理器具の消毒・洗浄を念入りに行うことによってかなり防ぐことができます。冷蔵庫のチェックをまめに行い、傷みかけている食材を食卓に出さないことも、当たり前のようですが重要なことです。防げる食中毒は確実に防ぎましょう。【参考リンク】・細菌による食中毒 ~サルモネラ属菌~ | 川崎市()・カンピロバクター・ジェジュニ/コリ|東京都福祉保健局()・ノロウイルス | 東京都福祉保健局()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年06月04日【ママからのご相談】子どもが生まれて初めての夏がやってきます。子どもがいるからこそ気をつけたい食中毒の予防法があったら教えてください!●A. 準備、料理中、片付けなどすべてにポイントがあります!こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。だんだん暑くなってきて、食中毒が怖い季節になってきましたね。子どもがいるといないのとではまた少し気をつけるポイントが変わってくるかもしれません。今回は区の保健師さんに話を聞く機会がありましたので、ご紹介します。●(1)調理前の食中毒対策調理前というのは買い物の段階から始まっています。保健師さんによると、『冷蔵品や冷凍品を購入したらすぐに家に帰るべきですが、子どもがいると思い通りに進まないことも。買い物の際は持ち歩けるサイズのクーラーバッグ を持参するといいでしょう。保冷剤をいっしょに持ち帰れるとさらに心強いですね』とのこと。まずは食材を悪くさせないことが大切です。また、以下のようにもおっしゃっていました。『食品を保存するときは冷凍の場合でも2週間以内 に使い切りましょう。粉ミルクなどの常温品も開封後は1か月以内 で』いつまでも冷凍庫に入れておくのは危険なんですね。●(2)調理中の食中毒対策調理中・調理方法にも大切なポイントが。小さな子どもがいると料理中もバタバタしがちですが、そのつど面倒でも手を洗うようにしましょう。保健師さんによると、『離乳食では大人が生で食べられるものでも加熱する必要があります。中心温度が75度で1分以上加熱する よう心がけましょう。中心まで全体に熱を通すためには一度加熱した後全体をムラなくかき混ぜると安心です』とのこと。お弁当などを持っていく際は、保冷剤や自然解凍OKの冷凍食品などを上手に活用しましょう。●(3)調理後の食中毒対策調理後にもポイントがあります。保健師さんによると、『作った料理で翌日に持ち越しそうなものはすぐに冷蔵庫や冷凍庫に。レトルト食品の離乳食は使い切る ようにしましょう。レトルト食品を持ち歩く際もクーラーバッグを利用すると安心です。哺乳瓶などを使用しているご家庭では、洗った後にしっかりと乾かしてから収納しましょう。濡れたまま収納するとカビや菌が増殖してしまいます』とのこと。片付けまでしっかりと予防しておくことが大切ですね。哺乳瓶だけではなく、大人用の食器もしっかりと乾いてからしまうようにしましょう。----------小さな子どもがいると特別に気をつけるポイントがたくさんあります。面倒なことも多いですが、家族の健康のために頑張って対策していきましょう!●ライター/momo(ママライター、元モデル)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年06月03日【ママからのご相談】娘が幼稚園に通うようになり、人生で初めてお弁当作り生活にどっぷりつかっていますが、これからの季節、おかずが悪くならないか不安です。食中毒対策について基本的なことから教えてください!●A. 付けない・増やさない・殺菌するの3つを守って安心なお弁当作りを!こんにちは、フリーライターの鈴木ハナコです。私も2人分のお弁当作りに精を出す毎日ですが、気になるのは相談者様と同じ食中毒の話題。実は、厚生労働省の統計などを見ると、食中毒の発生件数は、真夏よりも梅雨の時期である6月が一番多いんです。今回は、お弁当による食中毒を防ぐための3つの基本を一緒におさらいしましょう!●(1)菌を付けないお弁当のおかずやご飯を素手でさわりながら詰めていませんか?実は、人間の手のひらには常在菌を含め、たくさんの菌がいて、消毒などをしたとしても完全に無菌にはなりません。お弁当の中身を素手で詰めることによってそれらの菌がおかずにうつってしまいます。菜箸 などをしっかり使い、こまめに調理器具や手の消毒 を行いながらお弁当を作る。おにぎりはラップ で握る、など、基本を守るだけで食中毒のリスクが格段に減るんです!●(2)菌を増やさない食中毒の原因となる菌はさまざまですが、細菌の多くは冷凍庫の温度である-15度前後で活動停止、冷蔵庫内の温度に近い10度以下では活動が鈍る程度なのでお弁当を持ち歩いている状態だと増殖を押さえられません。そして、35度前後の人の体温に近い状態では爆発的に増え、中には10分に1回分裂して2倍に増え続け、1時間で32倍に増える菌 もあります。こうした結果を見ると、おかずやご飯をしっかりと冷まして、水分を切ってから詰める 、保冷剤なども利用しながら適切な温度管理をする 。といった対策が菌を増やさないためにとても大切だと言うことがわかります。●(3)菌をやっつける!そして、何よりも基本となるのがしっかり殺菌すること。食中毒の原因菌の多くはしっかりと加熱すれば殺菌できます 。サルモネラ菌などが侵入している可能性のある卵焼きやハンバーグなどは用心深く火を入れる、前日作り置きしたおかずを詰める際は再加熱し、冷ましてから詰めるなどの対策が有効です。----------食中毒を引き起こす菌は目に見えるわけではないので完全に防ぐことは難しいですが、基本を振り返るだけでしっかりと予防できます。今一度、食中毒対策の見直しを!【参考リンク】・食中毒 | 厚生労働省()・「知る」ことで食中毒から身を守る 第2回 家庭で発生しやすい食中毒菌と殺菌方法 | ニチレイ()●ライター/鈴木ハナコ(歯科衛生士)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年05月20日アシストは9月17日、標的型攻撃への対策を支援するために内部対策を重視した各種の施策を「標的型攻撃対策ソリューション」として体系化し、提供開始した。具体的には、マルウェアの侵入の予兆や状況の把握のため定期的なモニタリングを実施する「BlackDomainSensor」、内部対策として、特権IDを奪取されたとしてもデータを持ち出させず持ち出されても意味が無いようにするための多重対策として「マルウェア遮断ソリューション」「ダブルブラウザソリューション」「特権ID管理ソリューション」「ファイルサーバ情報漏洩防止ソリューション」の全5ソリューションを展開する。このうち、「マルウェア遮断ソリューション」は2015年10月に新設予定であり、「ダブルブラウザソリューション」は同月に機能強化版を提供開始する予定だ。BlackDomainSensorはセキュリティ・ログ分析エンジンを使い、インターネットのアクセス・ログとC&Cサーバのリストを突合せた結果と、Active Directoryに特権IDを模したトラップ・アカウントを仕掛け、おとりに引っ掛かったマルウェアの認証失敗ログを抽出したレポートを出力する。マルウェアによるC&Cサーバへ通信している端末の発見や、マルウェアによる特権ID奪取の挙動の発見に有効という。マルウェア遮断ソリューションは2015年10月に新設予定であり、マルウェアが侵入している可能性のある端末をネットワークから遮断する。遮断は管理者がリモートから実施可能。該当端末のC&Cサーバへの不正な通信のブロックや、データの不正な持ち出し・侵害拡大の防止に有効としている。ダブルブラウザソリューションは、インターネット・アクセス用のブラウザを仮想環境で提供し、業務用端末から外部へのインターネット・アクセス(HTTP通信)を禁止させ、業務用端末のインターネット・アクセスを分離する。なお、2015年10月に機能強化版のリリースを予定している。同ソリューションにより、マルウェアが侵入したとしても、標的型攻撃の出口となるC&Cサーバとのインターネット・アクセスを禁止することで攻撃を無効化できるとのこと。特権IDはワークフローにて申請を行い、承認を受けた場合のみ利用できるように制御する。また、重要サーバへはワークフロー経由の自動ログインのみを許可し、自動ログイン以外のローカル・ログインなどは全て禁止する。同ソリューションにより、ワークフローを経由しない重要サーバへのログインを一切禁止することで、万が一標的型攻撃によって特権IDを奪取された場合でも、不正なアクセスを防止できるという。ファイルサーバ情報漏洩防止ソリューションは、ファイル・サーバのデータを暗号化し、Windowsのアクセス権限とは別に独自のアクセス権を設定。また、ファイル・サーバに対してアクセスできるのは、専用クライアントを導入している端末のみに限定する。同ソリューションでは、独自のアクセス権限設定により専用端末以外からのデータ持ち出しを防止すると共に、Windowsの特権IDを奪取された際もデータの持ち出しリスクを軽減できるという。また標的型攻撃によりデータが直接持ち出された際も、データは暗号化された状態を維持するとのこと。
2015年09月18日