ひとりだけど、ひとりじゃないを叶える場所誰にも責任を追わない、気ままなおひとりさま。だけどちょっと怖いのは、体調を崩したときや、とてつもなくさみしさが襲ってきたときです。普段は自由を満喫ししたいけど、何かの時には、誰かにいて欲しい……。そんなワガママを叶える場所があります。数十人~100人規模の住人がいる大型のシェアハウスです。やはりシェアハウスというと、まだまだ「20代の若者が住むところ」というイメージがありますね。ちょっと豪華な賃貸を何人かで分け合って住んで、家賃を安く済ませるというような。だけど大型シェアハウスの家賃は、それほど安くはありません。光熱費込みですが、月に5万~10万円くらいします。企業の独身寮や学生寮をリノベーションして作られることが多く、共用部分がゴージャスなのも特徴です。大型テレビやソファーの置いてあるラウンジ、シアタールームやジムの設備があったり。個人ではとうてい買えない家電や備品があるところも魅力のひとつです。こうした大型シェアハウスは、個室がきちんと確保されています。部屋に入れば、誰にも邪魔されずに自分だけの空間でくつろぐことができます。これは普通のひとり暮らしと同じですね。キッチンやお風呂、トイレといった水回りは共同のことが多いようです。大型シェアハウスのいいところは、干渉されることもなく、ハウスの仲間と仲良く騒いだりもできること。つまり、自分のライフスタイルに合わせて生活できるんです。ハウス自体は住人同士の交流を勧めていて、毎月ホームパーティはあるし、誰かが退所するときには有志でラウンジに集まりパーティを開いています。住人同士でレンタカーして遊びに行く人もいるようだし、ハウス内恋愛も活発なようです。ここでおひとりさまから脱出してシェアハウスを卒業する人もいそうです。和久井は大型シェアハウスに住んで1年になりますが、ハウスには特に親しくしている人はいないので、公のホームパーティ以外は呼ばれません。一番おしゃべりするのはお掃除に来る女性です。その代わり、面倒な人間関係もありません。共用部分で誰かに会ったら挨拶はしますが、深入りしないし、されません。払拭されつつあるイメージとライフスタイルに合わせた多様化1年住む間に、だんだんと住人の年齢層が幅広くなってきたな、と感じます。40代、もしかしたら50代の方も見かけるようになりました。大型シェアハウスの認知度が高まり、「若者の住む家賃の安い部屋」というイメージが払拭されてきたのでしょう。今、都市部では次々とシェアハウスが作られています。古い独身寮や空室率の高い賃貸がシェアハウスへとリノベーションされています。こうしてある程度飽和状態になったら、次は差別化が始まるでしょう。女性のみの物件はいくつもありますし、最近では、ペット可のシェアハウスができたと聞きます。近い将来、ユニバーサルデザインが施された物件やシングルマザー専門、LGBTなど、さまざまな特色を持つシェアハウスできていくでしょう。老人ホームとの境目がないような物件もできてくるかもしれません。ひとりだけど、ひとりじゃない。ひとりの不便さを払拭して、美味しいとこだけをいただける。苦しいとき、辛いときにはラウンジに行けば誰かがいる。シェアハウスは「若者の仮住まい」から「終の棲家」まで、さまざまな形に多様化していくことでしょう。こうした環境を利用して、より楽しいおひとりさまライフを過ごせたら、と思います。Text/和久井香菜子特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・なぜ“誰かがいる空間” で暮らしたいのか?/東京大学・松村秀一教授・「ひとり」と「ふたり」と「みんなで」を、行ったり来たりする人生が理想
2017年05月11日4月29日(土)〜5月7日(日)の期間中、東京・渋谷の代々木公園やその周辺で「東京レインボープライド 2017」が開催されます。LGBT をはじめとする、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)関連では日本最大級のイベントですよ。パレードやスペシャルライブなどの催しをご紹介します!「東京レインボープライド」とは?「東京レインボープライド」の目的は、イベントを通じてLGBT当事者や支援者とともに「“生”と“性”の多様性」を祝福することにあります。さらにつながる「場」も提供。LGBT をはじめとするセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)が自分らしく、より前向きに暮らせる社会の実現を目指しています。●今年のテーマは「CHANGE-未来は変えられる-」2017年は「CHANGE-未来は変えられる-」が、イベントのテーマです。テーマには、“セクシュアリティにかかわらず、すべての人が個人として尊重され、幸せを求めることのできる未来へ”という願いがこめられています。この理念に賛同し、協賛した企業や団体は190以上。動員数10万人が見込まれ、注目度の高さがうかがえます。●主な催しのスケジュールをチェック●4月29日(土)「オープニングレセプション」東京都庁の展望室にあるカフェで、イベントの開催を宣言します。時間:19:00~21:00会場:東京都庁45階南展望室「Tokyo Cafe 202」(東京都新宿区西新宿2丁目8−1)●5月6日(土)「フェスタ DAY」代々木公園を会場に、野外ステージでのパフォーマンスや出店ブース巡りを楽しみましょう。時間:10:00~18:00会場:代々木公園イベント広場&野外ステージ●5月7日(日)「パレード DAY」色とりどりのフロート(山車)の先導で渋谷や原宿を行進します。時間:10:00〜18:00 ※パレードは12:00~会場:代々木公園イベント広場&野外ステージ中島美嘉さんがスペシャルライブに登場!「パレード DAY」の、5月7日(日)には人気アーティスト・中島美嘉さんのスペシャルライブがおこなわれます。東京レインボープライドの活動コンセプトに賛同する中島美嘉さんの歌声が代々木公園野外ステージに響き渡りますよ。スペシャルライブに先駆け、中島美嘉さんから「今回『TOKYO RAINBOW PRIDE 2017』スペシャルライブに出演させていただけること、とても光栄に思っています。このようなイベントを通して、偏見や差別のない、様々な幸せの形を尊重し合えるムーブメントが広がっていくことを強く願っています。ライブの方も、皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。それでは会場でお会いしましょう!」というメッセージが発表されています。観覧は無料。要チェックのライブです。開催日時:5月7日(日)17:00~ ※雨天決行、荒天中止日程:2017 年5月7日(日)会場:代々木公園野外ステージ料金:無料ご紹介した催しのほかにも、4月29日(日)〜5月7日(日)の期間中を「レインボーウィーク」として、東京を中心に全国各地でワークショップやシンポジウムが開催されるそう。近くのワークショップやシンポジウムをチェックして、参加してみませんか?開催概要「東京レインボープライド 2017」開催期間:2017年4月29日(日)〜5月7日(日)会場:代々木公園(東京都渋谷区代々木神園町2−1)、協力施設や公共スペース主催:特定非営利活動法人 東京レインボープライドURL:
2017年04月27日特定非営利活動法人「東京レインボープライド」では、4月29日(土)~5月7日(日)まで日本最大級のLGBT関連イベントであり、“生”と“性”の多様性を祝福する人たちの祭典「東京レインボープライド」を今年も開催。5月7日(日)の「パレードDAY」に行われるスペシャルライブに、活動コンセプトに賛同した中島美嘉が登場することが分かった。「東京レインボープライド」は、LGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)が、差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく、前向きに生きていくことができる社会の実現を目指し、イベントを通してLGBT当事者並びにその支援者=アライ(Ally)と共に、「“生”と“性”の多様性」を祝福し、つながる「場」を提供するイベント。今年は国内外から過去最高となる190もの企業・団体が協賛。その注目度の高さを受け、イベントの動員数も去年の7万500人から大きく増えて10万人を超える見通しという。そして、当イベントのメインイベントとなる、カラフルなフロート(山車)の先導により渋谷・原宿の街を行進する「パレード DAY」に行われるスペシャルライブに、唯一無二のアーティストとして知られる中島さんの参加が決定。今年3月に4年ぶりのオリジナルアルバムをリリースした中島さんは、5月からピアノの河野伸とともに「中島美嘉プレミアムライブツアー2017」を開催する予定で、それに先駆けたスペシャルライブを“虹色”の会場に届ける。中島さんは、今回のライブ出演に「とても光栄に思っています」とコメント。「このようなイベントを通して、偏見や差別のない、様々な幸せの形を尊重し合えるムーブメントが広がっていくことを強く願っています。ライブのほうも、皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。それでは会場でお会いしましょう!」と、思いを力強く語っている。「東京レインボープライド 2017」のテーマは、「CHANGEー未来は変えられるー」。変わらないと思っていたが、少しずつ、いま変わりつつある世界。セクシュアリティに関わらず、すべての人が個人として尊重され、幸せを求めることのできる未来へ、これからも活動を続けていこう、自分たちの手で変えていこう、という思いが込められている。「東京レインボープライド2017」は4月29日(土)~5月7日(日)まで東京都渋谷区代々木公園ほか協力施設や公共スペースにて開催。スペシャルライブ(無料)は5月7日(日)17時~代々木公園野外ステージにてスタート予定(雨天決行・荒天中止)。(text:cinemacafe.net)
2017年04月23日*画像はイメージです:など性的少数者のカップルを公的に認める「同性パートナーシップ制度」が6月から札幌市でも導入されることになりました。4月に導入される予定を2カ月延期しての導入となります。延期の理由は市民への周知期間を設けるためだそうですが、たしかに当事者ではない人にとっては、この制度がどのようなものなのか、イメージしづらいかもしれません。制度が持つ法的効力など、桜丘法律事務所の大窪和久弁護士に伺いました。 ■法的効力はない!?結婚とは別物札幌市の同性パートナーシップ制度と同様の制度は、2015年に東京都渋谷区が全国で初めて導入したのを皮切りに、世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市で実施されています。このように導入自治体が増えつつある同性パートナーシップ制度ですが、これは結婚とはどのように違うのでしょうか?「結婚をすることにより、民法に基づき夫婦間において様々な効力が生じます。夫婦間において親族関係が生じますし、同居の義務および扶養の義務も負うことになります。他方、同性パートナーシップは自治体の条例に基づいて同性のパートナーについてその関係を認める書面を自治体が発行するというものですが、民法上の効力が生じるものではありません」(大窪弁護士)憲法や民法によってその条件や権利などが定められている結婚とは違い、同性パートナーシップ制度には、法的な効力はないのです。結婚と同じ制度だと勘違いする方も多そうですが、法的には別物の制度と考えてよいでしょう。 ■制度による民間企業への影響それでは、法的効力がない同性パートナーシップ制度には何の意味もないのでしょうか?税制、保険、医療現場、相続などの面で夫婦が持つ権利と同じような権利を持つことは許されないのでしょうか?「前述の通り、婚姻と異なり民法上の効力が生じるものではありませんので、夫婦と同等の権利があるわけではありません。親族関係も生じず財産の相続をするということにもなりません。また税制上控除が認められるということもありません。もっとも、同性のパートナーであるという証明はなされるので、これを受けて民間の事業者がパートナー向けのサービスを行うということはありうると思います」(大窪弁護士)現段階では、同性パートナーとして認められても法的な保障は期待できません。しかし、制度施行をきっかけに民間や自治体のサービスが拡大する事例はすでにいくつもあります。例えば、ドコモでは渋谷区での制度施行をきっかけに、家族割サービスを同性パートナーにも認めるようになりました。また、同性パートナーを保険金の受取人として認める生命保険会社も増えてきました。 ■導入自治体は今後も増える?なぜこのような制度が必要とされ、導入自治体が増えているのでしょうか?「同性の法律婚は現在認められておりませんが、現実には同性でパートナーとなっている人は沢山いらっしゃいます。しかし、パートナーであることについて社会的に認められてきていないことから、住宅で同居することを断られてしまうであるとか、病院の面会を断られてしまうという弊害があります。法律婚という形は現在とることはできなくても、パートナーとして行政が認めることでそうした弊害を解消するということは必要です。現在導入自治体は一部ですが、同性パートナーシップ制度があるからその自治体に転入するという人も増えておりますので、今後導入自治体は増えていくのではないかと思います」(大窪弁護士)千葉市では、結婚や事実婚をしている職員に認めている休暇制度を同性パートナーを持つ職員にも認めるよう就業規則が改正されました。同様の制度を持つ企業も増えています。自治体による同性パートナーシップ制度導入に加え、民間企業のサービス範囲の拡大、雇用者の権利拡大など、性的少数者を取り巻く環境は少しずつ不便や実質的な不平等を減らす向かう方向に変化しているのです。 *取材対応弁護士:大窪和久(桜丘法律事務所所属。2003年に弁護士登録を行い、桜丘法律事務所で研鑽をした後、11年間、いわゆる弁護士過疎地域とよばれる場所で仕事を継続。地方では特に離婚、婚約破棄、不倫等の案件を多く取り扱ってきた。これまでの経験を活かし、スムーズで有利な解決を目指す。)*取材・文:フリーライター 岡本まーこ(大学卒業後、様々なアルバイトを経てフリーライターに。裁判傍聴にハマり裁判所に通っていた経験がある。「法廷ライターまーこと裁判所へ行こう!」(エンターブレイン)、「法廷ライターまーこは見た!漫画裁判傍聴記」(かもがわ出版)。)【画像】イメージです*Syda Productions / Shutterstock
2017年03月31日(撮影/齋藤正行) 世界で最も美しいニューハーフを決めるコンテスト『ミスインターナショナルクイーン2016』(タイ国王崩御により’16年11月開催が’17年3月に延期された)がタイのパタヤで開催された。 ’09年に、はるな愛さんが日本人初のグランプリに輝いたことでも知られる本大会。12回目の今回は、世界各国から24人が集まった。日本人出場者は、BSスカパー!のLGBT応援番組『プリティ・ウーMEN』内で初開催された日本予選を勝ち抜いた2人。惜しくも入賞は逃したものの堂々とした戦いぶりを見せてくれた。そんな、日本人出場者2人に話を聞いた。 國咲舞花さん(36)は、日本とフィリピンのハーフ。5歳から日本で生活。コンテストでは世界のトランスジェンダー事情を知ることができたという。 「イスラム教徒の方で、家族の期待に応えるために気持ちを押し殺して結婚し、子どもをもうけたという出場者がいました。その後、去勢手術をし、今は家族から絶縁されたそう。国が違えばLGBT事情も変わる。ここに至るまでの人生を知ると優しくなれる。ラブ&ピースという言葉が本当に存在するんだなと実感しました」 もともと引込み思案な性格だったという國咲さんは、「この大会は私を変えてくれました。いろんなことに挑戦したい!」と語った。 鈴木ゆまさん(35)の初恋相手は男のコ。高校の文化祭のミュージカルで女のコ役を演じ、女性になりたいと気がついた。劇団四季で活躍後、33歳のとき女性として生きる決心を。今回、出場に合わせエステへ行ったらショックな出来事があったそう。 「スタッフの方に、戸籍はまだ男なんですと話すと、施術も返金もできませんと言われて。これが日本のLGBTの現状なんだと悔しい思いをしました」 そんな状況にも落ち込まず、鈴木さんの夢は広がる。 「ニューハーフの知り合いもいなくて孤独だった2年前、私の力になったのは活躍しているトランスジェンダーの姿。私も人に勇気を与えられる存在になりたいです」 なお、今回のコンテストの様子は、BSスカパー!で放送される。本選の模様を3月25日(土)22時30分~『プリティ・ウーMEN presentsミスインターナショナルクイーン2016』にて。日本代表の2人に密着したドキュメントを、4月14日(金)23時~『プリティ・ウーMEN presents ニューハーフ世界大会挑戦、その後~性を超越した美しさを求めた先~(仮)』にて。
2017年03月24日カンヌ国際映画祭で2度のパルムドールほか、数多くの賞を獲得しているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督。異例の7作品連続、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品となった彼らの最新作『午後8時の訪問者』が4月8日(土)より日本公開される。その主演を務めるのは、フランスきっての人気女優アデル・エネル。現在28歳にしてキャリア15年、“仏版アカデミー賞”セザール賞二冠の実力派。いま、大躍進中の彼女に注目した。世界的名匠・ダルデンヌ兄弟の最新作『午後8時の訪問者』は、“名もなき少女”に何が起こったのかを探るミステリー。若き女医ジェニーは、診療時間をとっくに過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに応じなかった。すると翌日、診療所の近くで身元不明の少女の遺体が発見される。ちょっとした判断の迷いから失ってしまった、“救えたかもしれない命”。「もしかして何かが変わったのではないか」と思わせる人生の転機はどこにでもある。その転機を探るうちに、意外な真相にたどり着く…。■出演映画が5本公開!実力派女優が花開いた2016年主人公のジェニーを演じたアデル・エネルは、1989年1月1日生まれの28歳。13歳のとき、『クロエの棲む家』(’02)で映画初出演にして主演に抜擢され、「フランス映画祭」で来日も果たしている。18歳で出演した『水の中のつぼみ』(’07)で思春期の瑞々しさと危うさを兼ね備えた演技が評価され、セザール賞助演女優賞にノミネート。その後、性に奔放で自由に生きる姉を静かに支える妹を演じた『スザンヌ』(’13)で同賞助演女優賞を受賞。翌年には、軍への体験入隊をきっかけに惹かれあう男女を描いた『Les Combattants』(原題)で恋愛映画ながらアクションシーンなどもこなし、同・主演女優賞に輝いた。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、フランス最大の映画賞で女優賞を獲得したアデル。そこから彼女の快進撃は始まっていく。先日行われた「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」で上映されたレア・フェネール監督の半自伝的映画『旅芸人と怪物たち』(’15)では団員の子どもを身ごもる若き旅芸人のひとりを熱演。さらに2016年は、5本の映画に出演し、フランスで1、2位を争うほどの超人気者の女優に上り詰めた。記憶に新しいところでは、昨年の東京国際映画祭にてグランプリを受賞した『ブルーム・オヴ・イエスタデイ』。同作では、撮影前にひと言も話せなかったドイツ語を完璧にマスター!劇中で流暢なドイツ語を披露している。作品ごとに、印象をガラッと変化させるアデル。幼いころから映画界にいることで、脚本を読む能力に長け、並外れた演技力が人気の理由の1つとされる。また、彼女のもう1つの魅力は、容姿端麗なうえ、高身長で骨格も良く、“自立した女性”を演じるとぴたりとハマること。次世代のアイコンとして彼女に注目が集まることは必然といえる。■「アメリカのエレン・ペイジ、フランスのアデル・エネル」大胆なカミングアウトで話題に!また、アデルは18歳のとき、性に揺れる思春期の少女を演じた『水の中のつぼみ』でセザール賞有望女優賞にもノミネートされ、世界的に知られることになった。そして、『スザンヌ』で同・助演女優賞を受賞した際の生放送スピーチでは、『水の中のつぼみ』の監督であり、本年度アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされた『ズッキーニと呼ばれて(My Life as a Zucchini)』で脚本も担当している女性監督セリーヌ・シアマとの愛を告白。2014年は、同世代のエレン・ペイジがレズビアンであることをカミングアウトしたこともあり、2人の人気女優たちのカミングアウトにLGBT界が湧くことになった。彼女たちの告白がなければ、2015年のクリステン・スチュワートをはじめ、数多くの女優・モデルたちが自身のセクシュアリティについて発言することはなかったかもしれない。アデル・エネルとエレン・ペイジは、1つの時代を切り開いたといえる。■若手女優と世界的名匠監督が運命的に出会い、物語が変更!そんなアデルと、パルムドール二冠のダルデンヌ兄弟がタッグを組んだ本作は、初お披露目となったカンヌ国際映画祭で話題をさらった。アデルは、もともとダルデンヌ兄弟のファンだったということもあり、本作の出演を快諾。実は当初、主人公の設定はもう少し年齢が上だったという。だが、ダルデンヌ兄弟もアデルと出会ったことで「純真無垢な表情を持つ彼女なら、出会う人たちが思わず自分の秘密を話してしまうように思った。だから年齢設定を変えたんです」と述懐、そこまでしてアデルを起用したことを明かしている。また、アデルは175cmとモデル並みのスタイルでも知られる。彼女が本作で演じるジェニーは、医者として、患者に寄り添うように自身の身体を縮めるシーンが多数登場する。「高身長の彼女が行うその仕草に、より人間的な愛情を感じられるような気がした」とダルデンヌ兄弟は語る。そんな彼らについてアデルも、「社会の辺境に生きる人々や貧しい階級の人たちが今日の映画で取り上げられることは少ない。だからダルデンヌ兄弟のような監督たちがつねに彼らにスポットライトを当てるのは、とても大切なことだと思う」と称賛を贈る。また、ダルデンヌ兄弟の前作『サンドラの週末』のマリオン・コティヤールに続き、本作も女性が主人公であることについては、「大切なのは、男性監督と女性監督という性別ではなく、その作られる内容。男性でも素晴らしい女性映画を作る監督もいるし、フェミニストもいる」と断言。「ただ、私が嫌なのは、男性が望むような型に自分を押し込めること。彼らの好むように自分の考えをねじ曲げることはしたくないだけ。その中で、彼らの作品に出演できたことは非常に励みになったわ」。そう語る彼女の演技について、仏のレザン キュプティブル誌は「彼女にふさわしい唯一の形容詞は『天才』だ!」と手放しで絶賛。『サンドラの週末』のマリオンの演技を見てほれ込んだグザヴィエ・ドランが、自身の作品に起用することを強く熱望し、カンヌ・グランプリ受賞作『たかが世界の終わり』が生まれたように、本作を通して、アデルにも世界中の注目が集まっている。『午後8時の訪問者』は4月8日(土)よりヒューマントラスシネ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年03月20日体の性と心の性が一致しないトランスジェンダーを題材にした『彼らが本気で編むときは、』の大ヒット御礼舞台挨拶が3月7日(火)、都内で行われ、生田斗真、桐谷健太、荻上直子監督が出席した。元男性の介護士リンコ(生田さん)と、その恋人マキオ(桐谷さん)のもとに、実母に育児放棄されたマキオの姪っ子トモが転がり込み、新しい“家族”に自分の居場所と本当の幸せを見つけ出すが…。第67回ベルリン国際映画祭では、LGBTをテーマにした上映作全37タイトルのうち、最も優れた作品に与えられる「テディ審査員特別賞」(TEDDY Special Jury Award)を日本映画として初受賞。観客賞(2nd Place)も同時受賞している。公開後、観客から熱い支持が集まっており、生田さんは「いい映画だって、もっぱらの評判です!僕らが本気で作った映画が、もっと広がれば」と感謝の意。司会者から大ヒット中のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』をしのぐ評価の高さだと聞かされると、「リ・リ・リンコを演じられてうれしい」(生田さん)、「僕もマ・マ・マキオとしてうれしいですね」(桐谷さん)。2人仲良く、エマ・ストーン&ライアン・ゴズリングがロスの夜景をバックに踊る名シーンを再現する『ラ・ラ・ランド』ごっこに興じていた。そんな楽しげな姿に、荻上監督は「私もナ・ナ・ナオコって言わなきゃいけないですかね…」と緊張しきり。すかさず、生田さんが「普通でいいですよ」とフォローしていた。また、劇中に登場するリンコと、田中美佐子演じる母親との関係性に話題が及ぶと、生田さんは「うちの母親を思い出しました。子どもの頃、よく鶏のから揚げを作ってくれたんですが、実は最近になって母親が鶏肉、苦手だってことを知って…。味見もしなくちゃいけないのに、大変だったなと。母の無償の愛ですよね」と“おふくろの味”をしみじみふり返った。舞台挨拶には「ゴスペラーズ」が駆けつけ、シンディ・ローパーの名曲である本作のイメージソング「True Colors」のカバーヴァージョンを披露。その美しいハーモニーに、生田さんは「歌、うまっ!」とストレートすぎる感想を述べていた。『彼らが本気で編むときは、』は新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2017年03月07日スポーツ、演劇、音楽、学術などの第一線で活躍する人物にスポットを当て、その人の魅力に迫るテレビドキュメンタリー番組「情熱大陸」。その3月5日(日)放送回はCMで人気の“浦ちゃん(浦島太郎)”でもおなじみ、俳優の桐谷健太に密着する。1980年生まれ、大阪出身で現在37歳の桐谷さんは幼少期から役者を志して大学入学とともに上京。俳優養成所で演技を学ぶと2002年にTVドラマで俳優デビュー。2008年にTBS系ドラマ「ROOKIES」の平塚平役で大きな注目を集めると、その後は映画『BECK』でラップ&ヴォーカル担当の千葉恒美役や、大河ドラマ「龍馬伝」の池内蔵太役など数々の作品で活躍。2011年には「第35回エランドール賞新人賞」を受賞する。昨年は映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』やドラマ「夏目家どろぼう綺談」「水族館ガール」などに出演。昨年秋の月9「カインとアベル」で演じた山田涼介の兄・高田隆一役の熱演も記憶に新しい。そんな桐谷さんだがここ数年はauのCM「三太郎」シリーズで演じている“浦ちゃん(浦島太郎)”も大人気。同キャラクターの演技で「2015年度CMタレント好感度ランキング」男性部門第1位を獲得したほか、昨年にはCMソングに起用された「海の声」が音楽ダウンロード数・カラオケランキングで年間1位の大ヒットを記録。「第67回紅白歌合戦」に初出場を果たすなど、音楽アーティストとしても成功している。今回番組では桐谷さんの多忙な日々に密着。昨年末の「紅白歌合戦」「日本有線大賞」「日本レコード大賞」の舞台裏から人気CM撮影当日に迎えた37歳の誕生日の様子、そしてドイツで開催されたベルリン国際映画祭で海外初レッドカーペットを踏みしめる姿など、4か月の取材のなかで見えてきたのは朗らかな笑顔からは想像出来ない意外な過去。かつて桐谷さんを襲った深い絶望。そしてそこから彼を救ったある出来事とは何か。怒涛のスケジュールのなかでも「気持ちいいことを発信していったほうが、気持ちいいじゃないですか…」と“楽しむ”ことを大切にしているという桐谷さんの知られざる素顔が明かされる。桐谷さんは映画最新作『彼らが本気で編むときは、』は現在、全国にて公開中。第67回ベルリン国際映画祭でLGBTをテーマにした優秀作に授与される「テディ審査員特別賞」を日本映画で初めて受賞したほか観客賞(2nd Place)も受賞するなど、国際的にも高評価を得ている本作。優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコと、彼女の心の美しさに惹かれ、全てを受け入れる恋人のマキオの前に現れた愛を知らない孤独な少女トモ。3人がそれぞれの幸せを見つけるまでの60日を描いた物語を描く作品で、生田斗真がリンコを、その恋人のマキオを桐谷さんが演じ、トモには子役の柿原りんか。そのほかミムラ、小池栄子、門脇麦、田中美佐子、本作が遺作となったりりィらが共演する。国際的にも注目を集める桐谷さんに密着した「情熱大陸」は3月5日(日)23時~TBSにて放送。(笠緒)
2017年03月05日第89回アカデミー賞にて作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を受賞した『ムーンライト』。その後、「早く劇場で観たい」という日本公開を待ち望む声が殺到したことを受け、3月31日(金)より緊急拡大公開されることが決定した。名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々。母親はドラッグに溺れている。そんなシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに…。ブラッド・ピットが代表を務める「プランBエンターテインメント」が制作した本作は、自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代で綴った“愛”の物語。人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれ、どうにもならない日常、胸を締め付ける痛み、初恋のような切なさ、いつまでも心に残る後悔が押し寄せる。やがて思いもよらない再会により、秘めた想いを抱えてきたシャロンの暗闇に光がさしたとき、観る者の心は大きく揺さぶられ、深い感動と余韻に包まれていく。主な前哨戦では、最も多くの“作品賞”を受賞していた本作(329部門ノミネート・158部門受賞)。さらに、第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞を含む3部門を獲得。劇的な作品賞受賞の瞬間もさることながら、アカデミー賞の歴史の中でLGBTをテーマにした映画として初めて作品賞を受賞し、まさに“映画史の歴史を変えた”1本となった。そんな本作に「少しでも早く劇場で鑑賞したい」という声が多数寄せられたことから、当初予定していた4月28日(金)の公開日を約1か月繰り上げ、3月31日(金)から公開規模を大幅に拡大して全国公開する。本作のビジュアルにも登場する少年期、ティーンエイジャー期、成人期で主人公シャロンを演じたアレックス・ヒバート、アッシュトン・サンダース、トレバヴァンテ・ローズは、「カルバン・クライン(Calvin Klein)」春夏アンダーウェアの広告モデルにも抜擢されており、さらなる注目を集めそうだ。『ムーンライト』は3月31日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年03月03日「NEWS」の小山慶一郎と加藤シゲアキがMCを務める「NEWSな2人」の3月3日(金)今夜放送回に、『彼らが本気で編むときは、』にて、トランスジェンダーの女性リンコを見事演じた俳優の生田斗真が、先週に引き続きゲスト出演する。同番組は明治大学文学部卒で報道番組のキャスターにも抜擢されている小山さん、青山学院大学法学部卒でジャニーズ初の小説家としても注目を集める加藤さんという“インテリジャニーズ”の2人が、ゲストであるフロンティアリーダーとともに、現代日本で様々な怒りや問題を抱えた若者たちの“デモ隊”と向き合うデモバラエティ。今回のテーマは「LGBTに対する偏見反対!トランスジェンダーの苦悩」。番組では偏見や差別に苦しむトランスジェンダーの苦悩や、一人のトランスジェンダーの壮絶な人生。性教育にまつわる問題やLGBTをカミングアウトのしづらさなどを紹介。LGBTのみなさんが自分達を取り巻く日本の現状に対する怒りを訴える。今回はフロンティアリーダーとして映画最新作『彼らが本気で編むときは、』でトランスジェンダーの女性を演じた生田さんのほか、芸人の小籔千豊とLGBT支援法律家ネットワークの原島有史弁護士が参加。KABA.ちゃん、小西真冬らが“デモ隊”側に加勢して、この問題について本気で熱く語り合う。今回のゲスト、生田さんが出演する『彼らが本気で編むときは、』は現在全国にて公開中。本作は『かもめ食堂』『めがね』などの荻上直子監督が「トランスジェンダーの息子に、“ニセ乳” を編んで与えたお母さん」の新聞記事を目にしたことから着想を得たオリジナル作品。生田さん演じる優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコと、彼女の心の美しさに惹かれ、全てを受け入れる恋人のマキオの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ。3人がそれぞれの幸せを見つけるまでの60日を描いた物語が描かれる。マキオを桐谷健太が、トモを子役の柿原りんかが演じるほか、ミムラ、小池栄子、門脇麦、田中美佐子、本作が遺作となったりりィら、豪華キャストが共演する。本作は、第67回ベルリン国際映画祭にてLGBTをテーマにした上映作全37タイトルのうち、最も優れた作品に与えられる「テディ審査員特別賞」(TEDDY Special Jury Award)を日本映画として初めて受賞。同時に観客賞(2nd Place)も受賞するなど、高い評価を得ている。「NEWSな2人」は3月3日(金)深夜0:50からTBS系にて放送。(笠緒)
2017年03月03日「第89回アカデミー賞」の授賞式が2月27日(日本時間)、ハリウッドのドルビー・シアターにて開幕。ブラッド・ピットの製作会社「プランB」が贈る『ムーンライト』のマハーシャラ・アリが「助演男優賞」を受賞した。本年度の賞レースを席巻し、低予算作品ながら北米で大ヒットを記録している本作。マイアミを舞台に、自分の居場所とアイデンティティを探すある少年の成長を少年期から3つの時代構成で描き、ドラッグ、いじめ、貧困、LGBTなど多くのテーマをはらみながら映し出す。マハーシャラは、2001年テレビシリーズ「女検死医ジョーダン」で本格デビューを飾り、「4400 未知からの生還者」で知名度をあげると、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『プレデターズ』『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』『ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男』などにメジャー映画作品に次々と出演。本作では、第82回ニューヨーク映画批評家協会賞にて「助演男優賞」を受賞しており、遅咲きのブレイクを果たしている。マハーシャラは、本作で主人公・シャロン(アレックス・ヒバート)の近所に住む麻薬のディーラーの男ホアンを熱演し、自身初の「助演男優賞」を受賞した。スピーチでは目に涙を浮かべてキャストやスタッフ、10年共にしたマネージャーにも感謝を述べ、「アカデミーに感謝します。そして妻に感謝します」と明かし、自身が父になったことも明かした。『ムーンライト』は4月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日俳優の生田斗真が2月25日(土)、都内で行われた主演作『彼らが本気で編むときは、』の初日舞台挨拶に、共演した桐谷健太、柿原りんか、荻上直子監督とともに出席した。体の性と心の性が一致しないトランスジェンダーを題材にした本作。元男性の介護士リンコ(生田さん)と、その恋人マキオ(桐谷さん)のもとに、実母に育児放棄されたマキオの姪っ子トモ(柿原さん)が転がり込み、新しい“家族”に自分の居場所と本当の幸せを見つけ出すが…。先日閉幕したばかりの第67回ベルリン国際映画祭では、LGBTをテーマにした上映作全37タイトルのうち、最も優れた作品に与えられる「テディ審査員特別賞」(TEDDY Special Jury Award)を日本映画として初めて受賞したばかり。観客賞(2nd Place)も同時受賞している。女性役に挑んだ生田さんは、「いい手応えをもって帰ってくることができた」と現地の様子を凱旋報告し、「町で『君の映画を観たよ』と声をかけられることも。我ながら、いい作品だと思うし、頑張って良かった」と感無量の面持ち。そして「日本映画の可能性はどんどん広がるべきだし、自分が少しでも力添えできれば」と俳優として決意を新たにしていた。海外の映画祭に初参加した桐谷さんは「上映後にはスタンディング・オベーションで暖かい拍手をいただき、しみじみうれしく思いました」とこちらも喜びのコメント。柿原さんは「初めてレッドカーペットというものを歩かせていただき、いい経験をさせていただいた」と話していた。ベルリンで邦画初の快挙を達成した荻上監督は、「猫のキャラ弁だったり、思いがけないシーンでどっかんどっかん笑いが起こった」と海外ならではのリアクションに興味津々。「何かを声高に訴えるのではなく、いろんな人がいて、いろんな家族や愛の形があっていいんだと伝えたかったし、(現地で)伝わった気がする」と本作をアピールしていた。『彼らが本気で編むときは、』は新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:彼らが本気で編むときは、 2017年2月25日より新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか全国にて公開(C) 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
2017年02月25日ビヨンセ、レナ・ダナム、ケイトリン・ジェンナーらアメリカのスターたちが、ドナルド・トランプ大統領によるトランスジェンダー保護政策撤回に苦言を呈している。心と体の性が一致しないトランスジェンダーの学生たちが公立の学校でトイレや更衣室を自分の意思で選ぶことができる政策を、その決定はそれぞれの州や学校が独自に決断すべきであるとしてトランプ大統領が撤回したことを受け、多くのセレブたちが「若いトランスジェンダーの人々を守る」ための支援を呼びかけている。性的思考、性同一性、ジェンダーの表現に対する差別やいやがらせ、いじめを撲滅するために活動している団体GLSENのホームページのリンクとともにビヨンセは「LGBTQの学生たちは、私たちが応援してるってことを知ってほしいわ」と温かいコメントを投稿している。また、『GIRLS/ガールズ』のクリエーターとして知られるレナは、ホームレスや危険にさらされているLGBTの若い人々の支援を行うデトロイトの施設ザ・ルース・エリス・センターへ募金を行う呼びかけを行っている。その一方で、米共和党の支持者であるケイトリンも、この決断に対しては批判のコメントをツイッターに投稿した。そのほかにも、エミー・ロッサム、エレン・ペイジ、ブリー・ラーソン、ケイティ・ペリーらも怒りのコメントとともにトランスジェンダーの人々をサポートするメッセージをソーシャルメディアに投稿している。(C)BANG Media International
2017年02月25日俳優・生田斗真の演技の幅広さに驚かされる。『彼らが本気で編むときは、』で彼が演じるのは、トランスジェンダーの女性リンコ。見た目はどこからどう見ても格好いい生田さんだが、女性らしい美しさとなるとハードルは上がる。荻上直子監督からは「リンコをきちんと女性として見せたい」と言われ、生田さんは外見も中身も美しいリンコとなり、この映画のなかで生きた。「リンコ役の話をもらったときは、うわぁ大変な役がきたなって思いましたけど、同時にどうやって演じようか考えていて…だから僕のなかで“やらない”という選択肢はなかった。たじろぎはしたけれど迷いはなかった。それに大変だなぁと思う作品こそ火事場の馬鹿力が出るものなんですよね」。役作りとしては“知る”ことから始まった。LGBTといっても人それぞれ。テレビで活躍するオネエ系の人たちもいれば、容姿や声はそのままの人もいる、性別適合手術をして全身変えている人もいる。そういった(何人かの)人たちに話を聞きながら生田さんがリンコを演じるために取り入れたのは、髪型や衣装のこだわりはもちろん、女性としての仕草や居方。声のトーンも「こんなに声を研究したのは初めてですね」というほど、悩んで、試して、あのリンコの声にたどり着いた。「仕草や居方については日本的なことも参考にしました。舞踊とか歌舞伎の女形にヒントがたくさんあって、どこか古風な女性を目指したというか…。編み物をすることも大きかったです。ただ僕は本当に無器用だし編み物をやったことはなかったので、早い段階から先生に教えてもらったんです。最初、あまりにもできなくて愕然としましたね。手はつるし、できないから楽しくないし(苦笑)、毎日家で練習しました。荻上監督はワンカットで撮影することが多いというのを耳にしていたので、セリフを言いながら、演じながら、手元を見ずに自然と編める──そのくらいできるようにならなきゃいけないと思って。最終的にはとても速く編めるようになりました(笑)」。リンコが編んでいるのはある形をしたもので、それを彼女は「アタシの煩悩」だと言う。悔しいことがあるたびに煩悩を編み、ある数に達したときに叶えたいことがあった。リンコはそんなふうに悔しさや怒りを編み物に込めているが、生田さんは?「僕も日々のなかで溜息をつきたいときはありますよ。でも、プライベートで怒りを感じることはあまりないですね。あったとしても持ち越さない。お酒を飲んでやり過ごします(笑)」。また「生田斗真とリンコのスイッチのオンオフは急には無理だ…」と、この映画の撮影中はなるべくスカートを履くようにしたり、ほかの仕事が入らない限りネイルもしたままで生活していたと明かす。そうすることで新たな発見もあった。「理にかなっていると思いました。ネイルの色が剥がれないように気をつけていると手の動きが丁寧になるんです。たとえばコップの持ち方とか。リンコを演じるにはこういうことを日常化していかなければならないんだなと。最初はどうしたら女性に見えるか身体の動きばかりを気にしていたけれど、ある日、荻上監督から“現場に入るときからリンコちゃんでいてください”って。スタッフが“この女性を綺麗に撮りたい!と思わせたいので、絶対に生田斗真で入ってこないでください”と。そこからは、現場に入るときからリンコでいるようにしたというか、静か(おしとやか)にしていました(笑)。あと、トモの前では男が出ないように、男を感じさせないようにしていましたね」トモはリンコの恋人マキオ(桐谷健太)の姪。母親が家出してしまったため、叔父であるマキオの家で暮らすことになる。最初はリンコがトランスジェンダーの女性であることに戸惑いつつも徐々に仲良くなり、まるで母と娘のような関係になっていく。そのなかで生田さん自身もリンコを通して自分のなかの母性を感じた。「自分のなかの母性と出会う瞬間が…あったんですよね。トモとマキオとリンコの3人が川の字になるシーンで、トモが寂しくてリンコの布団に入ってきて(リンコの)おっぱいをもみもみして、リンコはトモを抱きしめる。何とも言えない不思議な気持ちになりました。なんだ、この感情は…と。愛おしくて胸が苦しくて、これが母性なのか…と。ほかにもトモの同級生カイの母親(小池栄子)とスーパーでばったり会って、差別的なことを言われるんですが、その帰り道にトモの方から手を握ってくれるシーンは涙が出てくるほど嬉しかった。トモにとってリンコは叔父さんの家にいる変わった人だったのに、どんどん心を開いてくれて頼ってくれるようになる。嬉しかったですね」。何をもって家族というのか、家族の定義を考えさせてくれる映画でもある。そんな荻上監督作は「ワンカットで撮ることが多い」と生田さんが言うように、クライマックスに印象的な長回しシーンがある。荻上監督が好きだという橋口亮輔監督作『ハッシュ!』のラストシーンへのオマージュとも言える描き方だ。「長回しで、しかも引きで撮るというのは、僕としては久々。その緊張感がドキドキしていいなぁと。荻上監督はカメラの横で演技を見てくれる監督で、そういうタイプの監督と仕事をするのは『人間失格』の荒戸源次郎監督以来。荻上監督は俳優の演技を生で見ないと芝居の善し悪しが分からないからカメラの横にいるのだと言っていましたけど、それが長回しとなると役者としてはより緊張感が増します。クライマックスのそのシーンは積み上げてきた積木を崩す瞬間でもあって──引きで撮る、全体の画で見せる、なんて格好いいんだろう!男前だなって。僕だったら全員の寄りの画が欲しくなると思うのに(笑)。ものすごく映画らしい現場でした」。(text:Rie Shintani)■関連作品:彼らが本気で編むときは、 2017年2月25日より新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか全国にて公開(C) 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
2017年02月23日生田斗真がトランスジェンダーの女性を演じ、「第67回ベルリン国際映画祭」でも絶賛を受けている『彼らが本気で編むときは、』。本作のメガホンをとった映画監督・荻上直子と、主演の生田さん、生田さん演じる主人公の母親役を演じた田中美佐子、女装パフォーマーのブルボンヌが、NHK EテレのハートネットTV「LGBTを“当たり前”に」に出演することになった。母親(ミムラ)に家出され、ひとりきりになった少女トモ(柿原りんか)が、叔父であるマキオ(桐谷健太)、マキオと同棲している美しいトランスジェンダーの女性・リンコ(生田さん)という新しい“家族”と触れ合い、自分の居場所と本当の幸せを見つけ出していく物語。食卓を彩る美味しい手料理や、生まれて初めてのキャラ弁、髪を可愛く結んでくれることなど、母が与えてくれなかった家庭の温もりを初めて知ったトモは、自分に愛情を注いでくれるリンコに少しずつ心を開いていく。その一方、世間の無理解や偏見から「普通じゃない」と言われてしまうリンコ。でも、そんな悔しいことや悲しいことがあっても、彼女は編み物を編むことで、ネガティブな感情を全部「チャラ」にしていくと語り…。映画『かもめ食堂』(’05)で一躍脚光を浴びた荻上監督。出産・育児をへて5年ぶりに発表した新作『彼らが本気で編むときは、』は、トランスジェンダーの女性が主人公の物語。荻上監督がアメリカから帰国後、日本ではセクシュアル・マイノリティの人々と出会わなくなった日常に “違和感”を覚えたことから生まれた作品だ。本来は“当たり前”にあるはずの光景をただ描きたかったという荻上監督。映画では、生田さん演じるトランスジェンダーの女性の日常が淡々と描かれていく。誰もが“当たり前”に暮らすにはどうすれば良いのか。荻上監督と、トランスジェンダーの女性役に挑んだ生田さん、わが子を大きな愛で支え続ける母親役を演じた田中さん、女装パフォーマーとして活躍するブルボンヌさん、山田賢治アナウンサーと共に語り合う。ハートネットTV「LGBTを“当たり前”に映画監督・荻上直子と語る」は2月28日(火) 20時~、NHK Eテレにて放送。(text:cinemacafe.net)■関連作品:彼らが本気で編むときは、 2017年2月25日より新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか(C) 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
2017年02月20日●子役の前では、"男の自分"を出さないように努力した俳優として新たな可能性を開き、様々な作品に挑戦しつづけている生田斗真。2016年には映画『秘密 THE TOP SECRET』『土竜の唄 香港狂騒曲』、舞台「SHINKANSEN☆RX『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』」と、どれも全くキャラクターの違う主役像を世に送り出した。最新映画『彼らが本気で編むときは、』(2月25日公開)で生田が新たに演じるのは、トランスジェンダーの女性・リンコ。近年、ビジネスや人材活用という面でもLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)という言葉が注目され、ダイバーシティの重要性が指摘されているが、大上段に振りかぶることなく、等身大の女性を演じた。恋人・マキオ(桐谷健太)、マキオの姪・トモ(柿原りんか)と家族をつくりあげていくこの作品をどう捉えているのか、また女性役を演じるにあたっての気持ちについてなど、生田に話を聞いた。■生田斗真1984年生まれ、北海道出身。主なドラマの出演作に『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(07・フジテレビ系)、『ハチミツとクローバー』(08・フジテレビ系)、『ウロボロス~この愛こそ、正義。』(15・TBS系)など。映画では、初出演にして初主演を果たした『人間失格』(10年)、さらに同年に公開された『ハナミズキ』(10年)で第84回キネマ旬報ベスト・テン新人賞、第53回ブルーリボン賞新人賞を受賞。その他映画主演作として、『脳男』(13)、『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』(14)、『グラスホッパー』(15)など。○ものすごく挑戦だった――今回、トランスジェンダーという役どころですが、オファーを受けた時の気持ちや、やろうと思った時の心境を教えてください。今まで演じたことのない、トランスジェンダーの役をいただいたというのは、ものすごく挑戦になるなと思いましたし、ある種いろいろなものを失う覚悟で挑んだという感じもあります。本当に、いっこ「時代が変わったな」と思う瞬間だったんですよ。こういった映画が日本で作られるということも、僕にやって欲しいと言ってくれた荻上監督の思いも嬉しかったです。すごく変な話かもしれませんが、ジャニーズ事務所が「こういう映画に出て欲しい」と言ってくれるんだ、という思いもありました。本当に、10~20年前では考えられなかったものづくりが動き出そうとしているんだなという気がして。――リンコを演じるにあたって、監督からの要求はどのようなものでしたか?いわゆるバラエティ番組などで活躍されている、"オネエキャラ"のような方とは、ちょっと違うという点はありました。世に出て行ける方たちは、どこかふっ切れて自分をあえて作っていたりとか、人前で見せる強さもある。だけど実際のトランスジェンダーの方たちには、例えばカミングアウトできない方もいて。「誇張されていないリンコさんでいて欲しい」という要望はありました。僕自身はいつも「自分のお芝居はうまくできてるのかな?」とか、不安な気持ちで見ちゃうんですけど、出来上がった作品を観るとそこを気にする余裕がないくらい、映画の世界観がすごく好きでした。「めちゃくちゃいいじゃないか!!」と思いました(笑)。○トモの前では女性でいる――今回は、トモに対する愛情がキーになっていたかと思いますが、トモ役の柿原りんかさんとは撮影時にどのようなことを話されましたか?すごく難しくて。彼女の中の"リンコさん像"を崩したくなかったから、あまり話しかけなかったです。普段だったら「一緒にご飯食べようよ」とか話しかけていたと思うんですけど、そこで一気に、男の自分が出てきちゃうなと思って(笑)。彼女には、僕のことをリンコさんとして見てほしいし、彼女の前ではリンコさんでいてあげたいなと思いました。お芝居の経験もあまりないし、できる限りのことはしてあげたいなと。一緒に遊びたい気持ちはありましたけど、話しかけなかったですね。――生田さん自身も小学生の頃からお仕事をされていますが、例えばご自身の経験とかもあってそういった接し方になったということもあるんでしょうか?それもあったのかもしれないですね。たぶん自分が小さい頃も、大人たちが見せなくていいものを隠してくれていたんですよ。お芝居の世界にうまく入れるように、道筋を整えてくれてたんだと、今になって気づくことですけど。そういうことは、必要なのかなと思います。ここ最近、「お芝居を初めてやります」という男の子や女の子との共演も多くて、自然とそう振る舞っていました。●下着、メイク、所作…女性の大変さを知った○俳優は面白い人生――女性を演じてみて、女性の人生とか生き方について印象が変わったりすることはありましたか?女性は本当に大変だなと思います。着る服も下着も、メイクも髪の毛も「こんなに大変なんだ」と思いました。口紅も、塗ってから水を飲むと紙コップにつくじゃないですか。で、鏡を見たらやっぱり禿げてるし、「また塗らなきゃ」って(笑)。そうやって努力してるのは素敵だなと思うし、逆に楽しいことも多いですよね。洋服の種類も化粧品の種類も多くて、別の生き物なんだなって思いました。――本当に作品に映るリンコさんが美しいなと思ったんですが、完成した作品を見て「我ながらきれいだな」と思ったところなどはありましたか?もちろん所作の練習もしたんですけど、カメラ位置との関係で肩幅が大きく見えたり、がに股に見えたり、足が太く見えたりしてしまうから、スタッフの皆さんが本当に努力してくださったんです。女性スタッフが多い現場だったんですけど、お姉様方が「リンコさん肩を下げてください! 足をもうちょっと閉じてください! そこ!! それで!」って感じでした(笑)。その結果、美しいと言っていただけて、ありがたいです。自分ではなかなかわからないですけどね。――変な質問かもしれませんが、おっぱいはどうなっていたのかな? と気になりました。おっぱいも、リアルなものを作っていただいたんですよ。トモがリンコの胸元を偶然覗き見てしまうシーンがあったので、その時は特殊メイクでリアルなおっぱいをつけました。それ以外のシーンでは、ブラジャーの下にパフというか、わりとプニプニしたものを入れて、演じていました。ブラジャーをつけていると、動きにも制限がかかるじゃないですか。例えば伸びをしたら上がってくるし、上がってきたら直さなきゃいけない、ということも初めて知りました(笑)。女性の日々の暮らしの大変さを感じて、無駄な動きをしないのは理にかなってるんだなとも思ったりしました。――女性役を演じて、撮影終わってからもリンコさんが出て行かないということはありませんでしたか?この作品が終わってすぐに『土竜の唄』の撮影だったので、一気にポーンといきましたね(笑)。その振り幅はもう、自分の中でもおかしくて、「なんて面白い人生なんだろう」と思いました。○蜷川幸雄より強い、荻上監督――改めて、生田さんはリンコさんをどのような人物だと捉えていたんですか?そうですね、母親になりたい、人の親になりたいという思いはずっとあると思うんですよね。考えるたびに「できないことなんだ」と自分に言い聞かせて、だけどまた思いが盛り上がってきてしまって……。その繰り返しで思いに蓋をし続けてきた人だと思うし、彼女の葛藤や寂しさを大事にしたいなと思いました。荻上さんが今回書くにあたってモデルにした方々も、僕の友人たちも、話を聞くと全員口にするのが「親がどう受け止めてくれるかが、すごく大事」ということでした。身内が味方になって「そうだね、大丈夫だよ」と言ってくれるのか、「気持ち悪い」と蓋をしていくかがすごく大きいんです。リンコさんは、お母さんや友達が受け止めてくれて、桐谷健太くんの演じてくれた彼氏のマキオも「何でも受け止めますよ」と言ってくれているのが、すごく大事だなと思いました。僕自身も撮影中、桐谷くんの「大丈夫や」という言葉に支えてもらっていたし、(母親役の)田中美佐子さんに甘えてた部分もかなりありました。――今回の作品を見て、やはり荻上さんの作品は日本独自のものとは違う目線があるなと感じました。日本のトランスジェンダーの方たちの受け入れ方はどうしても閉鎖的で、海外に行くと男性同士で手をつないで歩いていたり、女性同士がキスしていたり、普通にある光景ですよね。海外で暮らしていた荻上監督がこういう映画を作りたいと思ったのは自然なことだと思います。この映画で、閉鎖的な雰囲気がなくなればいいのに、とまではいかないんですが、みんなが喜んでくれればいいな、とは思います。言いたくても言えない人は無数にいて、その人たちが優しい気持ちになって、喜んでもらえたら嬉しいです。――生田さんから見て、荻上監督はどのようなタイプでしたか?今まで出会った中で一番厳しい監督でした。女性の監督とご一緒するのは初めてだったんでが、絞られましたね。久しぶりに追い込まれました。久しぶりに。蜷川幸雄さんより強かったですね(笑)。本当に、この映画を作るということに命がけだったし「私はあなたと心中する覚悟でやってます」といったことをバッと言ってくれて。女性監督というのもやっぱり、ある種生きづらいところはあると思うんです。映画は男の現場だろ、みたいな空気もあると思うんですよね。そこで戦ってきた荻上さんなりの存在の仕方みたいなのがしっかりされていて、一緒にいて面白かったです。映画『彼らが本気で編むときは、』小学5年製のトモ(柿原りんか)は、荒れ放題の部屋で母ヒロミ(ミムラ)と二人暮らし。ある日、ヒロミが男を追って姿を消す。ひとりきりになったトモは、叔父であるマキオ(桐谷健太)の家に向かう。母の家出は初めてではない。ただ以前と違うのは、マキオはリンコ(生田斗真)という美しい恋人と一緒に暮らしていた。それはトモが初めて出会う、トランスジェンダーの女性だった。
2017年02月20日俳優・生田斗真主演の映画『彼らが本気で編むときは、』(2月25日公開)が、第67回ベルリン国際映画祭でテディ審査員特別賞を受賞したことが18日、わかった。同作は『バーバー吉野』『かもめ食堂』『めがね』などの作品を手掛ける荻上が脚本・監督を務めたオリジナル作品。母親に家出されひとりきりになった少女・トモ(柿原りんか)が、叔父であるマキオ(桐谷健太)を頼って家を訪れ、同棲している美しいトランスジェンダーの恋人・リンコ(生田)と出会う。ベルリン国際映画祭では、プログラミングディレクターが同作を気に入り、パノラマ部門・ジェネレーション部門と2部門に選ばれての招待となった。同映画祭では、パノラマ部門、ジェネレーション部門の2部門に選ばれるという快挙を遂げた同作は、ベルリン映画祭で上映されたLGBT(セクシュアル・マイノリティの人たち)をテーマにした全37作品の中から、優れた作品に与えられる“テディ審査員特別賞”を受賞。1987年に同賞創設以来、邦画作品として初めての受賞となる。荻上監督は「非常に嬉しいです」と喜びを表しながらも、「でも私は、正直、トランスジェンダーの人がトランスジェンダーのことで悩んでいるだけの映画は作るつもりは最初からなくて、『女性として普通に』恋愛をし、仕事をし、生活を営んでいる『普通の女性』を描きたかったんです」と作品の真意も語る。荻上監督はさらに、「この映画が『さまざまな家族のカタチ』を受け入れたり、考えたりすることのきっかけになって欲しいんです。今まで持っていた『普通』の概念を見直すきっかけになれれば嬉しいです」とコメントを寄せ、「この映画をみて、LGBTに対する理解を深めてほしいと心から願っています。ベルリン、Danke schön!(ありがとう!)」と改めて感謝を示した。また、同映画祭唯一の日本人審査員・今井祥子は「審査員全員一致での決定でした」と明かした。「審査員の中でも一番絶賛されたのが、『彼らが本気で編むときは、』が、子どもの目を通して、セクシュアル・マイノリティの家族を描いた点です」とポイントを説明。「日本作品でありながら、世界に十分アピールできる『家族の物語』になっていました」と称賛し、「その証拠に、一般の観客の評判がもっとも良い作品だった」と語った。
2017年02月18日生田斗真、桐谷健太、荻上直子監督が組み、“本気”の熱情を見せた意欲作『彼らが本気で編むときは、』。現在開催中の第67回ベルリン国際映画祭においてパノラマ部門、ジェネレーション部門の2部門に選ばれる快挙を成し遂げ、プレミア上映も盛り上がりを見せた本作が、同映画祭で上映されたLGBTをテーマにした全37作品のうち最も優れた作品に与えられる「テディ審査員特別賞」(TEDDY Special Jury Award)を日本映画として初めて受賞したことが分かった。本作は、2013年にアメリカ留学から帰国したのち、セクシュアル・マイノリティの人たちへの対応が社会的に遅れている日本に違和感を抱いた荻上監督が、「トランスジェンダーの息子に、“ニセ乳” を編んで与えたお母さん」の新聞記事を目にしたことから着想を得て、自身でオリジナル脚本を作り上げた意欲作。優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコ(生田斗真)と、彼女の心の美しさに惹かれ、全てを受け入れる恋人のマキオ(桐谷健太)の前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ(柿原りんか)。桜の季節に出会った3人が絆を紡ぎながら、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる日々を描いた物語は、トランスジェンダーをテーマの1つにしながら、5組の「母と子」の多様な関係性をも描きだしている。「テディ賞」とは、1987年に創設されたLGBT映画を表彰する賞。92年からベルリン国際映画祭の正式な賞と認められ、同映画祭の審査員とは独立した審査員によって選ばれる。ヴェネツィアのクィア獅子賞(2007年~)、カンヌのクィア・パルム(2010年~)よりはるかに長い31年の歴史を持ち、最高峰のLGBT賞とされている。日本映画として、その“初受賞”という快挙となった本作。ここ数年で、日本でもセクシュアル・マイノリティの人たちの人権、差別撤廃が叫ばれるようになってきたが、メジャー級の邦画で、生田さんと桐谷さんという人気絶頂の俳優がセクシュアル・マイノリティのカップルを演じるというのは、数年前までは考えられなかったこと。荻上監督が「人生においても映画監督としても、荻上直子、第二章」と宣言してスタートし、生田さんも「20年の俳優人生の中で、最も苦労した役であり、最も厳しい監督でした!」と語り、桐谷さんも「自分の俳優人生において、ターニングポイントどころか、ゴーイングポイント(※)になる作品!」と明言するほど、監督もキャストも熱い意気込みで臨んでいた(※ 「ターンする必要はなく、真っ直ぐ突き進む時だ」ということ。桐谷さん独自の表現)。日本国内のLGBT人権活動はまだ黎明期といえるが、人権先進国ドイツの地で開催されているベルリン国際映画祭「テディ審査員特別賞」を本作が受賞したことは、社会的にも、文化的にも、大変意義のある大きな第一歩となった。2月15日(現地時間)に行われたレッドカーペットやプレミア上映には、生田さん、桐谷さん、子役の柿原りんかも参加していたが、今回、受賞式には荻上監督のみが出席。荻上監督は「ベルリン国際映画祭の全作品の中で、LGBTを題材にした映画に贈られる特別な賞なので、この『テディ審査員特別賞』は、非常に嬉しいです。でも私は、正直、トランスジェンダーの人がトランスジェンダーのことで悩んでいるだけの映画は作るつもりは最初からなくて、“女性として普通に”恋愛をし、仕事をし、生活を営んでいる“普通の女性”を描きたかったんです。差別されたり、理解されなかったり、陰口をたたかれたり、傷つけられたり、大きな悩みを抱えながらも、前向きに生きる“ひとりの女性”を、です」とその思いをコメント。「トランスジェンダーの人でも心は女性なのだから母親になれるかもしれないという夢を見れることや、血の繋がりがなくても親子になれる希望が持てることや、子どもを産まなくても母性を持てることや、さらに“その恋人”や“その家族”、“母親と子ども”の関係性を一番描きたかったんです。この映画が“さまざまな家族のカタチ”を受け入れたり、考えたりすることのきっかけになって欲しいんです。いままで持っていた“普通”の概念を見直すきっかけになれれば嬉しいです。この映画をみて、LGBTに対する理解を深めてほしいと心から願っています。ベルリン、Danke schon!(ありがとう!)」と感謝を述べた。また、日本人としてただ1人の審査員である、今井祥子氏は「審査員全員一致での決定でした。審査員の中でも一番絶賛されたのが、『彼らが本気で編むときは、』が子どもの目を通して、セクシュアル・マイノリティの家族を描いた点です。そして、観ているだけでお腹が空きそうな料理の数々や、日本に訪れたくなる美しい桜並木など、荻上監督の独特のディテールは、外国人審査員の心をさらに掴んでいました。日本作品でありながら、世界に十分アピールできる『家族の物語』になっていましたし、その証拠に、一般の観客の評判がもっとも良い作品だったことも、私たちが納得して『テディ審査員特別賞』を授けるのにもっとも相応しい作品だと思ったのです」と、受賞理由を語っている。プレゼンターもつとめたパキスタン人審査員Saadat Munir氏は、「小学5年生の少女の目を通じて、この“レインボーファミリー”に惚れ込んでしまった!子役と、主演の役作りは実に説得力があり、心から楽しめました」と壇上でコメント。さらに、パノラマ部門のディレクターであるWieland Speck氏は「荻上直子の大ファンなんだ。彼女のことは昔からよく知っています。なぜって彼女は今回でもうベルリン国際映画祭、4作品目だからね。(主人公の3人は)普通の家族ですが、周りには普通と見られていない。『彼らが本気で編むときは、』を観る人に、普通とは何かということが問いかけられているのが、この映画の面白さのひとつでもあるんですよ」と、本作への惚れ込みようを明かしている。日本では文部科学省選定作品として少年向き、青年向き、成人向きの部門に選出、国内で初めてパートナーシップ証明書を導入したLGBT先進自治体である渋谷区および渋谷区教育委員会が、本作を初の「推奨作品」としている。今回の受賞により、さらなる支持を集めることになりそうだ。『彼らが本気で編むときは、』は2月25日(土)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:彼らが本気で編むときは、 2017年2月25日より新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか(C) 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
2017年02月18日「第67回ベルリン国際映画祭」にてパノラマ部門、ジェネレーション部門の2部門に選出された『彼らが本気で編むときは、』が、この度2月15日(現地時間)にプレミア上映が行われ、生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、荻上直子監督がレッドカーペットに登場した。『かもめ食堂』『めがね』などで日本映画の新しいジャンルを築き、その世界観から女性に圧倒的人気を持つ荻上監督が手掛ける本作は、女性として人生を前向きに生きようとしているトランスジェンダーのリンコと、その恋人・マキオのもとに、母親に置き去りにされた少女・トモが引き取られてきたことから、戸惑いなが らも3人が奇妙な共同生活をスタートする物語。リンコ役には生田さん、マキオ役には桐谷さんを始め、ミムラ、小池栄子、門脇麦、りりィ、田中美佐子ら豪華キャストが共演していることでも話題となっている。現地で行われたプレスカンファレンス(公式記者会見)では、記者から「女性を演じるのは難しかったですか?」と質問されると、「女性を演じることは経験してこなかったことです。仕草や声のひとつひとつにこだわり、女性の魂を自身に込める必要がありました。桐谷さんやりんかちゃんにとても助けられました。2人がいたから、真のリンコになれました」と生田さんは回答。また桐谷さんは、「リンコは自身が思っていることを表に出す女性。マキオは、リンコと出会って世界が一変したのです。彼女を愛し、彼女と一緒に居たい、という気持ちを持っている。その気持ちは僕にもよく分かります」と演じたキャラクターを演じる上で自身を投影したことを語った。LGBT(セクシュアル・マイノリティの人たち)にフレンドリーである欧米の中でも、同性婚も法律で認められているドイツ。ベルリン国際映画祭は、その首都ベルリンでの開催とあって、800席のプレミア上映のチケットは完売となり、その期待の高さも伺えた。そしてこの日、世界中から集まった観客で会場は満席に。上映前に行われた舞台挨拶では、荻上監督、生田さん、桐谷さん、柿原さんが登場すると場内は割れんばかりの盛大な拍手が沸き起こった。生田さんは「皆さま、こんばんは。この作品でリンコ役を演じました、生田斗真です。67回を迎えるこの映画祭に呼んでいただいて本当に光栄です。今日は楽しんでいってください。ありがとうございます」と流暢な英語で挨拶。続いて桐谷さんは、一歩前に出て観客に投げキスを披露。会場が声援で答える中、「こんばんは、桐谷健太です。皆さんが英語で挨拶をしているので、僕は日本語で話します!」と大きな声で宣言すると、その親しみやすいキャラクターに会場は大盛り上がり。そして最後の挨拶となった柿原さんは「こんばんは、柿原りんかです。12歳です。ベルリン映画祭に来れてとても嬉しいです」とドイツ語を披露していた。上映後には、本作に魅了された観客は総立ち。8分間のスタンディングオベーションが巻き起こり、現地ドイツ人の一般客からは「血の繋がりがなくても親子の関係になれるってなんて素敵なこと!日本の社会がこれから前向きに取り組んでいく希望が見えた気がします」「心に響く、とても素晴らしい作品」「とても感動的で、いい映画でした。役者もよかったです」などと称賛の声が寄せられていた。『彼らが本気で編むときは、』は2月25日(土)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:彼らが本気で編むときは、 2017年2月25日より新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか(C) 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
2017年02月17日地球温暖化、人種、LGBTなど。 まだインターネットが普及する前から、「タブー」とされる世界情勢やカルチャーに、ユーモアとクリエイティビティーを交えて社会に訴えかけてきたイタリアのファッションブランドDIESEL。バレンタインデーである2月14日に合わせて新しいキャンペーンをローンチした。その名も「MAKE LOVE NOT WALLS(壁を築くのではなく、愛を育もう)」。
2017年02月14日いつからか日本では、女性が好きな男性に「チョコを贈る日」として定着したバレンタインデー。もともとは、中世以降に恋人たちの守護聖人としてヨーロッパで厚く信仰されてきた聖ウァレンティヌスの殉教(自らの信仰のために命を失ったとみなされる死のこと)の日が2月14日だったため、彼の名をとって同日を「バレンタインデー」と名付けたそうだ。そして今でも「恋人たちが愛を語る特別な日」として受け継がれている。ここで忘れてはいけないのは、「恋人のための日」であって、「異性同士のカップルためだけの日」ではないということ。女性から女性に、男性から男性に、愛を込めたチョコレートを渡す姿を学校や会社であなたは見たことがある人はいるだろうか?または同性からチョコレートを渡されたことがあるだろうか?バレンタインデーは、いわゆるLGBTと呼ばれる性的マイノリティのカップルたちのための日でもあるという認識が日本では低いのではないだろうか。そんな既存のバレンタインデーのイメージを払拭するために、虹色を纏ったチョコレートが日本で発売された。このチョコレートの実現は、ある2つの団体の出会いがきっかけだった。
2017年01月27日俳優・生田斗真主演の映画『彼らが本気で編むときは、』(2月25日公開)が東京・渋谷区とコラボレーションを行うことになり、映画監督の荻上直子が24日、発表会に登場した。同作は『バーバー吉野』『かもめ食堂』『めがね』などの作品を手掛ける荻上が脚本・監督を務めたオリジナル作品。母親に家出されひとりきりになった少女・トモ(柿原りんか)が、叔父であるマキオ(桐谷健太)を頼って家を訪れ、同棲している美しいトランスジェンダーの恋人・リンコ(生田)と出会う。法律上の婚姻とは異なる、戸籍上の性別が同じ二者間の社会生活を"パートナーシップ"として認める「パートナーシップ証明書」を導入した渋谷区は、LGBT先進自治体として取り組みを行っている。渋谷区、および渋谷区教育委員会が同作を「推奨作品」に認定し、コラボレーションビジュアルの発表を行った。長谷部健 渋谷区長は「LGBTだけでなくさまざまな現代の社会課題が描かれている」と作品を評価し、「渋谷区職員にもこの作品を観てほしい」と絶賛。「トランスジェンダーの人たちは、子供の頃から成長過程で悩みを持つことがあり、もっと教育の現場での理解を進めていかなくてはならない」と説明し、「頭ではわかっていたけど、実際見えていなかったことをこの映画から感じてほしい」と希望を語った。アメリカ生活が長かったという荻上監督は「あちらではレストランに行けば、隣にはゲイカップルの人たちに日常的に出会うんです。でも日本に帰ってきてそういったことはほとんどありませんでした」と日本の現状についての印象を語る。しかし「将来、そんな光景を最初に観れるのは渋谷区になると思っております」と渋谷区に期待を寄せた。イベントに登場したトランスジェンダーの一般女性は、病院と区役所を「変な目で見られたらどうしようとか、結構不安に思いながら行く場所」と表現。「『こんな人間もいるんだ』と動じずに対処いただけたら、嬉しいです」とうったえかけた。荻上監督も「私は『LGBTの人たちを差別してはいけません!』とかそういう映画を作りたかったわけではなくて、『いろんな人がいていいよね』という思いで作りました」と作品への思いを明かした。
2017年01月25日俳優の生田斗真が18日、都内で行われた映画『彼らが本気で編むときは、』(2月25日)完成披露舞台挨拶に登場し、2016年11月に亡くなった女優で歌手の故・りりィさんへ追悼の言葉を贈った。同作は『バーバー吉野』『かもめ食堂』『めがね』などの作品を手掛ける荻上直子が脚本・監督を務めたオリジナル作品。母親に家出されひとりきりになった少女・トモ(柿原)が、叔父であるマキオ(桐谷)を頼って家を訪れ、同棲している美しいトランスジェンダーの恋人・リンコ(生田)と出会う。りりィさんは同作で、リンコが働く老人ホームに入居してきたマキオの母親・サユリを演じた。生田は会場に向かって「今日のこの完成披露試写会に、来たくても来られなかった方がいらっしゃいます。昨年亡くなられたりりィさんがおそらく最後に出られた作品が『彼らが本気で編むときは、』です」と語りかけた。生田は、トランスジェンダーの女性という難役に、「自信がなくてどうしようかなあと現場でいる時に、りりィさんが近寄ってきてくれて、『すごく素敵よ、大丈夫よ』と言ってくださって、勇気付けられた」と、撮影中のエピソードを明かした。そして「すごく素敵な先輩です。りりィさんにもしよかったら、拍手を」と、呼びかけ、会場は拍手に包まれた。同作は2月9日~19日にドイツ・ベルリンで開催される第67回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品が決定。また、プログラムディレクターがティーンエイジャーに是非見せたい映画として、ジェネレーション部門での特別上映も決定した。生田は「LGBTと呼ばれる方々を題材としている部分があるので、海外の方が日本のそういう文化の形をどうご覧になってくれるのか興味があります」と、映画祭への気持ちを語った。
2017年01月18日米国時間1月8日に発表された第74回ゴールデン・グローブ賞で作品賞(ドラマ部門)を受賞した、ブラッド・ピットの製作会社「プランB」が贈る『ムーンライト』。このほど、米監督組合賞(DGA)に、本作の監督バリー・ジェンキンスがノミネートされ、1月13日現在でトータル118部門受賞、300部門ノミネートに到達したことが分かった。学校では“チビ”(Little)というあだ名でいじめられ、麻薬常習者の母親のポーラ(ナオミ・ハリス)からは育児放棄をされているシャロン(アレックス・ヒバート)はマイアミの貧困地域で暮らしている、内気な性格の男の子。生活の中で行き場を失ったシャロンだったが、彼にとっての救いは、近所に住む麻薬のディーラーの男ホアン(マハーシャラ・アリ)とその妻、そしてたった1人の男友達のケビンだった。そんな日々の中、シャロンは、ケビンに惹かれている自分に気づく。しかし、彼が生きるコミュニティでは、ゲイであることは受け入れてもらえないと幼いながらも気づいていたシャロン。誰にも、もちろんケビンに対してもそのことを伝えられずにいた。そんなとき、ある事件が起きて…。本年度の賞レースを席巻し、低予算作品ながら北米で大ヒットを記録している本作。マイアミを舞台に、自分の居場所とアイデンティティを探すある少年の成長を少年期から3つの時代構成で描き、ドラッグ、いじめ、貧困、LGBTなど多くのテーマをはらみながら映し出す。先日発表された第74回ゴールデン・グローブ賞での作品賞(ドラマ部門)受賞、英国アカデミー賞でも作品賞など4部門、米製作者組合賞(PGA)にもノミネートされている中、監督組合賞(DGA)にジェンキンス監督がノミネートされた(発表は2月4日)。全米メディアでも高評価のレビューが続き、米映画批評サイト「ロッテントマト」では98%の高評価を獲得。さらに米タイム誌をはじめワシントン・ポスト紙、ロサンゼルスタイムズ紙、ザ・ガーディアン紙などが今年の映画ベスト1に選出するなど、今年最大の賛辞が寄せられている。エグゼクティブプロデューサーをブラッドが務めており、主人公シャロンの麻薬常習者の母親を演じたナオミ・ハリス(『007』シリーズ)、シャロンの面倒を見る麻薬ディーラーを演じたマハーシャラ・アリ(「ハウス・オブ・カード野望の階段」)のキャスト陣も各賞で受賞・ノミネート。ジェンキンス監督による脚本も注目を集めている。『ムーンライト』は2017年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月13日年が明け、いよいよ本年度アカデミー賞に向けた映画賞レースは本格化。とはいえ、日本公開がまだまだ先の作品が多く、現状ではピンときていない人も多いのでは?いまのところ、ライアン・ゴスリング×エマ・ストーン×『セッション』監督で贈るミュージカル『ラ・ラ・ランド』、ブラッド・ピット製作総指揮で貧困やドラッグ、LGBTに斬り込んだヒューマンドラマ『ムーンライト』、マット・デイモン製作総指揮で盟友ベンの弟ケイシー・アフレック主演の『マンチェスター・バイ・ザ・シー』といった作品が前哨戦を牽引しているが、本年度アカデミー賞はとりわけ女優部門が華やかとなりそうなのだ。日本でも高い人気を誇る若手演技派から、注目の新星、ベテランまで混戦模様となっている。■主演女優賞には人気実力派がひしめくまず、主演男優賞では、『Manchester by the Sea』のケイシーや『ラ・ラ・ランド』のライアン、『Hacksaw Ridge』(原題)のアンドリュー・ガーフィールド、『ラビング愛という名前のふたり』のジョエル・エドガートン、『Fences』(原題)のデンゼル・ワシントン、『はじまりへの旅』のヴィゴ・モーテンセン、『ハドソン川の奇跡』トム・ハンクスといった顔ぶれが、おおかた揃いつつある。ライアンと並んで数多くのノミネートを受けているのが、『ラ・ラ・ランド』エマ・ストーンだ。一昨年は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。トム・ハンクスが『ハドソン川の奇跡』の記者会見中にもかかわらず絶賛したことでも話題を呼んだ同作は、エマが「ヴェネチア映画祭」で女優賞を受賞し、快進撃が始まった。「キャバレー」でブロードウェイデビューも果たしているエマでも、歌とダンスを猛特訓したという。L.A.を舞台にし、オーディションに落ち続けても女優になる夢をあきらめないという役柄は、アカデミー会員でなくても共感を集めること必至。そんなエマと、おそらく対抗することになりそうなのが、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン。ノミネートされれば、自身が受賞した『ブラック・スワン』以来、2度目。誰もが一度は目にしたことがある1963年11月22日のJFK暗殺のその後、ファーストレディとして、妻として、母としての“ジャッキー”の4日間に迫っていく。ナタリーは外見はもちろん、英語のアクセントや歩き方まで見事“ジャッキー”を再現しているという。だが、『ザ・マスター』など4度の助演女優賞+『アメリカン・ハッスル』での主演女優賞ノミネートを誇る、『メッセージ』エイミー・アダムスにもそろそろオスカーを獲らせてあげたいような…。ゴールデン・グローブ賞(コメディ/ミュージカル部門)は2年連続受賞しているが、オスカーが無冠なのは意外ですらある。同作では、『ブレードランナー』も控えるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のもと、突然飛来した謎の知的生命体とコミュニケーションを試みる言語学者に。多様性を受け入れない“不寛容さ”が世界的問題となる中、どんな“メッセージ”を彼女が伝えようとするのか、気にならずにいられない。■今年は何か違う!?多彩な顔ぶれに注目さらに、無冠のベテランにも注目したい。まず、『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督が自身の母親をテーマに描いた半自伝的作品『20TH CENTURY WOMEN』(原題/6月公開)のアネット・ベニング。激動の70年代を軽やかに生きた女性を体現したアネットは、キャリア最高の演技と絶賛を受けている。アカデミー賞にノミネートされれば、『キッズ・オールライト』以来6年ぶり実に5度目。加えて、ポール・ヴァーホーヴェン監督初のフランス語映画『Elle』(原題/夏公開)から、フランスの実力派イザベル・ユペールの初ノミネートもあるかも。作品はカンヌをはじめ高い評価を得ているが、アカデミー外国語映画賞の候補からは漏れてしまったため、イザベルのノミネートに期待する。また、昨年は「白いオスカー」と物議を醸し、ボイコット騒動などもあったが、今年は少し風向きが異なりそうだ。『ラビング愛という名前のふたり』で夫(ジョエル・エドガートン)と深い愛で結ばれた妻を演じた新星ルース・ネッガは、まず主演女優賞候補に入るだろう。デンゼルの監督&主演作『Fences』で妻を演じたヴィオラ・デイヴィス、作品賞候補の筆頭株『ムーンライト』のナオミ・ハリス、さらにNASAに協力していた天才黒人女性を描く『Hidden Figures』(原題)から主演タラジ・P・ヘンソンほか、助演にオクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイのうち誰かがノミネートされるかもしれない。ちなみに同作の音楽は、ファレル・ウィリアムズが務めている。助演女優賞といえば、ほかに『マンチェスター・バイ・ザ・シー』からミシェル・ウィリアムズ、『LION/ライオン~25年目のただいま~』からはニコール・キッドマン、『20TH CENTURY WOMEN』からはグレタ・ガーウィグなど、世代も個性もさまざまな女優たちが揃いそう。助演男優賞候補としては、『ムーンライト』で主人公の少年の面倒を見る麻薬ディーラーを演じたマハーシャラ・アリ。続いて、Netfilx配信中『最後の追跡』からジェフ・ブリッジスとベン・フォスター、『LION/ライオン』デヴ・パテルなどが上げられる。(text:cinemacafe.net)
2017年01月03日この夏、新海誠監督最新作『君の名は。』が世界中で大ヒット!そのほかディズニー映画『ズートピア』や『ペット』、邦画に目を向ければ『聲の形』『この世界の片隅に』など様々なアニメーション映画が興行収入ランキングを大いに賑わせた2016年。多彩な作品をより魅力的にしたのは、名演技を披露した役者たちだろう。テレビアニメに映画はもちろん、舞台、ナレーション、モデル、アーティスト、実写ドラマ&映画出演と…ますます活躍の幅を広げ、知名度と人気度を上げている声のプロ・声優――。彼らの2016年の活動をふり返りながら、“声良し!顔良し!演技良し!”と三拍子そろったイケメン声優たちをご紹介する、年末企画第3弾!■実力派声優の名演が光る!声優人気が映画選びのポイントにも?これまでは洋画大作の吹き替えには俳優・女優が“声優”として出演することがしばしばだったが、近年では“声優”を本業とした面々が名を連ね、圧巻の演技を披露。また、彼らのキャスティングが集客の一因となることも。声優人気を牽引し続ける宮野真守は、今年もエンターテインメント業界で大活躍!「亜人」「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズなどTVアニメ出演はもちろん、アーティストとして2枚同時シングルリリースやツアーを敢行。映画業界では何と言っても、「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J・K・ローリングが脚本を手掛け大ヒット公開中の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で、主演のエディ・レッドメインの吹き替えを担当したことが大きなニュースだろう。全5部作の大作となる予定なので、今後の宮野さん熱演をぜひ劇場音響で堪能して。また本作には、大人イケメン・津田健次郎が、成熟した男性の色気たっぷりにコリン・ファレルの声を吹き替えていることも注目だ。また宮野さんは、映画『ミニオンズ』のスタッフが贈る夏の大ヒット作『ペット』にも出演。本作では「進撃の巨人」エレン役などで知られる梶裕貴が、モルモットのノーマン役で出演。可愛らしい小動物を見事に表現している…かと思えば、LGBT解放運動のきっかけとなった“反乱”を描く『ストーンウォール』では、ゲイであることから故郷を追われ、世間からも警察からも虐げられる主人公を見事に演じきった。意外にも実写の劇場映画で吹き替え主演を務めるは、本作が初めてだ。主役声優が大きく取り上げられると共に、今年は、人気声優たちの“豪華ラインナップ”が話題になったことが特徴だったのでは?グリム童話の名作「白雪姫」に大胆なアレンジを加えて大ヒットしたアクション・アドベンチャー大作の続編『スノーホワイト/氷の王国』では、水樹奈々、朴ロ美、田中敦子ら女性陣に加え、クリス・ヘムズワース役を杉田智和が男気たっぷりに演じ、浪川大輔や大塚明夫も共演。吹き替え版予告編がテレビCMで放映されるなど、吹き替え版にも大きな関心が寄せられた。また台湾映画『私の少女時代-OUR TIMES-』では、杉田さんが校内一のワルを、浪川さんが憧れの王子様という、乙女がトキメク二大キャラクターをそれぞれ担当。また浪川さんは、大ヒットシリーズの最終章『バイオハザード:ザ・ファイナル』にも初登場のキャラクラーで出演。本作には立木文彦、石田彰らも名を連ねる。同様に話題になったのが、「Kis-My-Ft2」玉森裕太が主人公の声を担当した冒険スペクタクル『キング・オブ・エジプト』。本作の神々役には中村悠一、小山力也、沢城みゆき、中井和哉、菅生隆之らまさに神メンバーがズラリ。中でも中村さんは、男らしいドS発言から甘い言葉まで、その魅力的なボイスで見事なツンデレっぷりを演じた。映画に限らず、動画配信サービスなどで見られる海外ドラマでの活躍も見逃せない。大人気ドラマ「フルハウス」のその後を描いた「フラーハウス」では、堀内賢雄、大塚芳忠、山寺宏一らお馴染みの声優陣が全て続投!ファンにはたまらない布陣が実現した。ディズニー映画『ズートピア』でキツネの詐欺師・ニックを演じた森川智之は、大人気シリーズ「NCIS: LA ~極秘潜入捜査班~」に出演。こちらも人気シリーズの犯罪捜査サスペンス「クリミナル・マインド」で人気者Dr.スペンサー・リード役を演じる森久保祥太郎は、同役を演じるマシュー・グレイ・ギュブラーが来日した際に対面を果たし話題を呼んだ。■テレビドラマに美術館まで…活躍のフィールドは無限大!今年は例年にも増して、様々なフィールドで活躍する声優たちを追いかけたように感じる。これまでも声の仕事だけではなく、“役者”として表舞台で活躍する声優はいたが、今年は地上波テレビに多数出演。社会現象を巻き起こしたテレビアニメ「おそ松さん」松野トド松役をはじめ、夏の大ヒット作『聲の形』出演の入野自由は、ヒロイン・桐谷美玲、山崎賢人、三浦翔平、野村周平ら共演の夏月9ドラマ「好きな人がいること」に登場。1シーンのみの登場ではあったが、ネット上は大歓喜の声が上がった。来年からは海外留学を予定しており、さらにパワーアップした入野さんに早く会いたいものだ。また朝ドラ「とと姉ちゃん」には、「ONE PIECE」サンジ役で知られる声優・平田広明と「名探偵コナン」阿笠博士役の緒方賢一が出演。さらに「名探偵コナン」の小嶋元太&高木刑事役ほかで人気の高木渉は、NHK大河ドラマ「真田丸」に武将・小山田茂誠役として出演した。“ベストカラアゲニスト”という異色の肩書きを持つ下野紘は、ネット配信&DVDのみながらもドラマ「プロデューサーK」にて初俳優に挑戦。さらに下野さんは、声優デビュー15周年を記念にアーティスト活動を始動。既にシングル2枚をリリースしており、プロモーションの一貫で様々なラジオや雑誌、テレビ番組に出演した。アーティスト活動ジャンルでは、劇場版『暗殺教室 365日の時間』殺せんせー役で知られる福山潤が、来年1stシングル「KEEP GOING ON!」のリリースを発表。今後の更なる活躍に大きな期待が寄せられる。舞台は変わり、“芸術”の世界へ。世界的な画家フィンセント・ファン・ゴッホとポール・ゴーギャンに焦点を当てた日本初となる展覧会「ゴッホとゴーギャン展」では、『GANTZ:O』加藤勝役などで活躍したイケメン声優筆頭・小野大輔と、杉田さんが音声ガイドナレーターを担当。ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」の音声ガイドには、「斉木楠雄のΨ難」「舟を編む」「夏目友人帳 伍」…と出演作目白押しだった神谷浩史が起用され、本プロモーションで、モデルで女優の菜々緒とともに朝の情報番組「めざましテレビ」にも出演した。また神谷さんは、今年「クレヨンしんちゃん」ぶりぶりざえもんの2代目を襲名したことも記憶に新しいトピックスだ。■作品とともに大きく飛躍!追いつき追い越せの若手声優たちベテラン・中堅が盤石の人気を誇る男性声優界。だか昨今は、頼もしいイケメン若手声優の活躍が目に眩しい!今年の…いや、今後の日本映画界に燦然たる記録を刻んだ新海誠監督最新作『君の名は。』。神木隆之介と上白石萌音ら俳優陣に加え、アニメ作品で活躍する若手筆頭・島崎信長と石川界人もキャスティング。普段、テレビアニメを見ない層や声優に注目したことがない人たちの多くが、本作を通じて彼らの名前を知ったことだろう。神木さんと上白石さんの名演がリアリティ溢れる作風にマッチしていたことは言うまでもないが、本作にちょうどいい加減で“アニメらしい表現”を与えつつも、ナチュラルな演技で見せた2人の未来に、期待せずにはいられない。一部のファンからは小池徹平にも似ていると言われているほどの甘いマスクの島崎さんと、精悍な雰囲気を讃えた石川さんのビジュアル面も要チェックだ。ちなみに石川さんは今年、「双星の陰陽師」「僕のヒーローアカデミア」「初恋モンスター」などなど、若手の中でもより多くの出演本数。同じく松岡禎丞も「DAYS」「モブサイコ100」「食戟のソーマ」と大活躍だ。トレードマークのメガネの奥に光る優しい瞳と笑顔が人気の花江夏樹も、多数の作品でメインキャスト務め上げ、4月からは小野友樹と共に「おはスタ」MCに就任。昨年から着実に人気・実力を上げているようだ。そのほか20代若手たちが、アニメで主演を務める姿が目立った。「ReLIFE」主演の小野賢章は、俳優として舞台でも活躍。来年には出世作「黒子のバスケ」完全新作劇場版公開が控えている。まだ10代とは思えない、大人びた表情とオーラを放つ武内駿輔も、ぜひ押さえておきたい。「アイドルマスター シンデレラガールズ」プロデューサー役で一躍注目を浴びた彼は、映画館の新たな可能性を広げた“応援上映”の火付け役『KING OF PRISM by PrettyRhythm』に大和アレクサンダー役で出演した。また、今年のテレビアニメでは、男子がたくさん登場する作品が多かったが、中でも7月クールの「ツキウタ。 THE ANIMATION」「B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~」「美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!」の3作品に同タイミングで出演したのが、増田俊樹。大勢のキャラクターの中でも埋もれない独特の個性と感性が、来年も光ることだろう。そして、実力派声優がしのぎを削り、ここから売れていく声優も数多くいるガンダムシリーズ「機動戦士ガンダムUC RE:0096」で主演を務め、乙女の心を狂喜乱舞させた「ユーリ!!! on ICE」でも好演を見せた内山昂輝。一見物静かな彼からほとばしる熱い演技で、2017年は秋に実写化も決定している「覆面系ノイズ」のテレビアニメ版へ出演する。2017年以降の活躍が期待されるネクストブレイク声優にも触れておきたい。「チア男子!!」「刀剣乱舞-花丸-」に出演した山谷祥生。2013年にデビューし、2014年に「一週間フレンズ。」の長谷祐樹役で初主役。本作で共演した雨宮天とともに、来年2月に公開される川口春奈と山崎賢人のW主演で実写化される映画『一週間フレンズ。』に“声”での出演が決定。これをきっかけに、様々な場所で彼の活躍を拝める日を楽しみに待ちたい。2017年のエンターテインメントに胸ときめかせながら、イケメン声優たちの声、演技、そして新たな表現のカタチを心待ちにしよう。(text:cinemacafe.net)
2016年12月31日年末から2月にかけて、さまざまな視点からLGBT (レズビアン/ゲイ/バイセクシャル/トランスジェンダー)について描いた作品が続々と公開される。LGBTをテーマにした映画は近年増加し、『キャロル』や『チョコレートドーナツ』などのように高い支持を集める作品も多い。LGBTを取り巻く事実、現状について、まずは映画を通して理解を深めてみよう。■『ストーンウォール』LGBT解放運動のきっかけとなった“反乱”描く/公開中インディアナ州から、N.Y.グリニッジ・ビレッジのクリストファー・ストリートへとやってきたダニー(ジェレミー・アーヴァイン)。ゲイであることで両親に見放され、恋人のジョーにも裏切られ、追われるように故郷を出た孤独なダニーを受け入れたのは、この街で暮らすレイだった。彼らの部屋に住まわせてもらい、常に陽気に歌い踊りながら、たくましく生きていく仲間を得たダニー。身を寄せ合うように暮らすゲイやレズビアン、ドラァグ・クイーン、政治活動家のトレバーらと出会うが…。1969年に起きた実際の事件“ストーンウォールの反乱”を描いた本作。監督は、ゲイをカミングアウトしているローランド・エメリッヒ。N.Y.の「ストーンウォール・イン」に集まるマイノリティの若者たちが、差別に耐えかね、ついに立ち上がる!■『タンジェリン』全編iPhoneで撮影!L.A.のトランスジェンダーの女性たちを描く/1月下旬公開太陽が照り付けるロサンゼルス、ウェストハリウッド。クリスマス・イブ、街角のドーナツショップで1個のドーナツを分け合う2人。28日間の服役を終え、出所間もない娼婦シンディは、自分の“留守中”に恋人が浮気したと聞き、ブチ切れる。一方、歌手を夢見る同業のアレクサンドラはそんな親友をなだめつつも、夜に小さなクラブで歌う自分のライブのことで頭がいっぱい。さらに、彼女たちの仕事場の界隈を流すアルメニア人移民のタクシー運転手ラズミックも巻き込んで、それぞれのカオティックな1日が、けたたましく幕を開ける――。Fワード炸裂なのに、ホロリとさせられる聖なる夜のL.A.狂騒曲。アメリカ・インディペンデント界の気鋭監督ショーン・ベイカーが、2人のトランスジェンダーの女性たちの日常をリアル&ポップに描いたまったく新しいガールズムービーだ。■『ハンズ・オブ・ラヴ手のひらの勇気』実話から生まれた勇気ある感動作/公開中20年以上、刑事として働いてきたローレルは、ある日、ステイシーという若い女性と恋に落ちる。年齢も、取り巻く環境も異なる2人だったが、徐々に関係を築いていき、郊外に中古の一軒家を買い、一緒に暮らし始めることに。やがて、ローレルは病いに侵され余命半年という宣告を受けてしまう。自分がいなくなった後も、ステイシーが2人の大切な家で暮らしていけるよう、遺族年金を彼女に遺そうとするローレル。だがそれは、同性パートナー同士では法的に認められていなかった。病いと闘いながら、平等な権利を求めて闘う決心をしたローレルの訴えは、やがて社会的なムーブメントへと拡大していく――。アカデミー賞受賞のジュリアン・ムーア、そして製作も務めたエレン・ペイジが演じたレズビアンのカップルが向き合う愛と勇気の物語。限られた余命の中で、愛する人に何を残せるか。彼女の勇気が全米を動かしてゆく。■『彼らが本気で編むときは、』生田斗真と桐谷健太が恋人同士に/2月25日(土)公開小学生のトモは、母親ヒロミと2人暮らし。ある日、突然ヒロミが家出をしてしまい、独りきりになったトモは、叔父・マキオの家に向かう。マキオはリンコという美しい恋人と一緒に暮らしていた。リンコは性別適合手術を受けたトランスジェンダーの女性だ。リンコの美味しい手料理に、安らぎを感じる団らんのひととき。トモは母が決して与えてくれなかった家庭の温もりや愛情を注いでくれるリンコの存在に戸惑いながらも、3人での共同生活が始まった――。荻上直子監督が、男性とトランスジェンダーの女性のカップルと、育児放棄された少女の不思議な共同生活をたっぷりの愛で描く本作。生田斗真がトランスジェンダーの女性という難しい役どころに挑戦した、愛と癒しの物語となっている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハンズ・オブ・ラヴ手のひらの勇気 2016年11月26日(土)より、新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国にて公開(C) 2015 Freeheld Movie, LLC. All Rights Reserved.
2016年12月30日幼い頃から、いわゆる“女らしさ、男らしさ”はよくわからなかった。まわりから見たらセーラームーンとウルトラマンのどちらも好きで、周囲の反応からは女の子ともよく遊ぶ“ちょっと変な子”。高校生のときには、社会や環境のせいで好き同士だった人と一緒に居続けられないという苦しさと理不尽さを味わう。それらと闘うなかで、自身がゲイだとカミングアウトし始める。大学に入ってからは、そうした原体験を経て自主的に動き出した。そして、現在は企業向けLGBT研修やLGBTメディアを運営しているLetibee取締役の外山雄太氏。今回Be inspired!は、新しいLGBTカルチャーを作ろうと挑戦するミレニアル世代の視点から彼にインタビューを行なった。日本でも聞こえるようになった、“LGBT”というワード。そうした呼称にはいろいろなものがあるという。「LGBTs」(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーとその他のセクシュアル・ジェンダーアイデンティティ)や「LGBTQIA」(前者にクィアとインターセックス、アライを足したもの)などの呼称だ。果たして、どんな呼び方が最適なのだろうか?外山氏は、マイノリティという捉え方ではなく「性」が多様だということを表す「SOGI(ソギやソジと読む)」という呼び方があることを紹介してくれた。“LGBTって結局、LとGとBとTがあってそれ以外にもたくさん性のあり方ってあって、なんかいろいろAとかQとか入れていってきているけど、どんどん長くなっていってきちゃって、でも「SOGI」っていうのはSOがsexual orientation(性的指向)、GIがgender identity(性自認、性的嗜好)を意味していてそれぞれに多様性があるよねっていうインクルーシブな感じになっていていいですね。”外山氏が運営するLetibeeのホームページでは表記をLGBTで統一している。間違いがあったり他の人権を損害することはあったりしてはいけないが、「LGBT」というキーワードで検索する人が多いことを考慮しているのだそうだ。「新宿二丁目」や「出会い系アプリ」とは違う、“コミュニティを作れる場所”ゲイという切り口なら、「新宿二丁目」のような“居場所”や「出会い系アプリ」があることで生きやすくなってきている。けれども“二丁目”のようなディープな雰囲気の漂う夜の町が苦手な人や未成年者にはハードルが高く、掲示板で顔の見えない人たちと交流するとなると、アンダーグラウンド、さらには“エロ”にアクセスすることにもなる。したがって、“出会いの場所”ではなく“コミュニティが作れる場所”が、どこかのタイミングで必要なのだ。“出会い系に頼ってしまうと、どうしても一対一の出会いだけになっちゃうので、それって結局誰かに相談したいというとき彼のことをわかっている友人がいないということもあるし、なんか不誠実な話になりますけど、この人との関係を切ろうと思えば、すぐに切れちゃうんですよね。でもそういう“インスタントな関係”じゃなくて、コミュニティ発信の日常生活のなかでの出会いが、コミュニティのベースになっていくと思うんです。職場とか学校とかサークルとか部活とかまあオフ会とか、人として相手と接していくうえで第三者の人がいるっていうのはやっぱりコミュニティの良さだと思います”アジア発信のLGBTカルチャーをアジアのLGBTカルチャーのリーディングカントリーとして動き始めている台湾では、同性婚の審議やアジア最大のプライドパレードが行なわれている。これに日本も続いていけるのだろうか?外山氏は「アジア固有の歴史があるなか、このタイミングの時代に他国のトレンド取り入れる以外にできることは何なのか、考えを進めていくべき」と分析している。“宗教観や道徳観など、欧米諸国と日本やアジアでは違う。結局(他国のトレンドを)入れればいいというものじゃないので、日本人がどうやったら咀嚼できるのか、全く関係のない人たちがどうやったら彼らが生きている価値観のなかで「それだったらLGBTとか同性婚とかだからそういうサポートって必要だよね」ってなっていくかには、日本なりの別のアプローチが必要なんじゃないかと思います。”インタビューのなかで「僕がこうやって取材を受けたり、ストレート(異性愛者)の友達と『あの人イケメンじゃない?』『え、趣味悪くない?』みたいな話をできたりっていうのはすごく幸せなことで、そういうのが少しずつ当たり前になってきているんですよね」と話していた外山氏。ミレニアルズとしての新しい感覚を持つ彼こそが、アートやカルチャーという“ソフトパワー”で「日本発LGBTカルチャー」を引っ張っていくに違いない。私たちミレニアルズは、そのような多様性が認められる社会を作っていけるはずだ。株式会社Letibee(レティビー):撮影協力:factory(ファクトリー)〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-8-7 青山宮野ビル1FTel:03-6419-7739Website:
2016年12月28日1969年、N.Y.グリニッジ・ビレッジで実際に起きた“ストーンウォールの反乱”を基にした人間ドラマ『ストーンウォール』。このほど、本作に出演するジェレミー・アーヴァインら、若手注目俳優たちのインタビュー映像がシネマカフェに到着した。自身もゲイをカミングアウトしている、『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』のローランド・エメリッヒ監督がメガホンをとった本作。故郷インディアナ州から追われるようにN.Y.へとやってきた青年ダニーの目を通し、社会的に認められないことに傷つきながらも、必死で自分の居場所を探そうとひたむきに生きる若者たちとその時代を、史実に基づき、丁寧に、時に痛烈に描いた意欲作だ。今回のインタビュー映像に登場するのは、主人公ダニーを演じる『戦火の馬』『17歳のエンディングノート』で知られるジェレミー・アーヴァイン、監督も絶賛する新星ジョニー・ボーシャン、『アンチヴァイラル』『神様なんかくそくらえ』のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、『LOVE【3D】』『ネオン・デーモン』のカール・グルスマン、そして『ベルベット・ゴールドマイン』『マッチポイント』のジョナサン・リース・マイヤーズといった注目のイケメン俳優たち。それぞれがLGBT問題や、映画に込められたメッセージ性を熱く語る様子が映し出されているとともに、映画の基となった“ストーンウォールの反乱”についてもわかりやすく説明している。ダニーが惹かれていくハンサムで聡明な活動家トレバーを演じたジョナサンは、「このちっぽけなバーがゲイの人権運動に火を付けた」とコメント。さらに、当時の彼らがいなければ「LGBTのいまの姿はなかった。ゲイプライドマーチに7,100万人も参加することもね」と、“反乱”の影響の大きさにも言及している。また、ストリートで体を売る自分と同様の身寄りのないキッズたちをとりまとめるギャングのリーダー、レイを演じたジョニーも「アメリカ史において画期的な事件」と語り、ジェレミーは「ホームレスの4割がゲイの若者なんだ。それを知って胸が痛み 本作の重要性を認識した。問題はいまも続いているんだ」とも明かしている。反乱の舞台となったゲイバー、ストーンウォール・インは、オバマ大統領により国定文化遺産保護地域に指定され、現在も営業中。現在では「ゲイプライド発祥の地」として全世界から観光客が訪れるスポットともなっている。歴史に残るこの場所で起きた、切実で衝撃的な事実を基に描いたメッセージを、彼らの言葉からも感じ取ってみて。『ストーンウォール』は12月24日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月21日はじめまして。「a.school」(エイスクール)の岩田です。Upload By 岩田拓真私たちは、「ワクワク学ぶ人を増やしたい」というビジョンを掲げ、そのための学びの環境づくりをしている会社です。具体的には、補習塾でも進学塾でもない、探究型の学習塾 「a.school」(東京・文京区)の運営や、全国の学校や学習塾のサポートを行っています。はじまりの学校「a.school」あなた(のお子さん)は普通ですか?変ですか?出典 : 突然ですが、あなた(のお子さん)は普通ですか?変ですか?小学生や中高生の頃、クラスの中で「自分だけ、なんかちょっと違うな」と感じたことのある人、「おまえは変だ、おかしい」と直接言われた経験がある人、さらにそういったことを理由にいじめられた人まで含めると、実は少なくないのではないでしょうか?私自身も小学生の頃、喜怒哀楽が激しく、何かに没頭すると全く周りが見えなくなるタイプだったため、クラスメートと一緒に同じペースで活動することが苦手で、和を乱しては「変なやつ」扱いをされてきました。言葉で言われてショックだったこともありますが、それ以上にあの時の私を見る同級生の目は忘れられません。好きなことをやっているだけなのに、まわりとぶつかっていた少年時代出典 : 当時の私としては、ただ素直に「好きなことや興味のあることを思い切りやっているだけなのに、なんで止められたり笑われたりしないといけないの?」と思っていました。先生や同級生の目線で考えることはできず、かといって自分のことを適切にコントロールすることもできず、悶々としていました。喧嘩ばかりして親を困らせることも多かったです。喧嘩をして問題を起こしたのは私自身だし、「◯◯したらだめでしょ」という先生の指摘にはある程度納得できる部分もあったのですが、そもそも「ちょっと変だと言われる自分」が、「クラスという小さな社会」の中でどう毎日を過ごしていけばいいか、自分の何が悪くて何を改善すればいいかわからず、不安やイライラはなかなか解消できませんでした。「変な自分」が好きになる。支えてくれた人と背中を見せてくれた人出典 : 子どもの頃に苦しんできた、「変(他の人との違い)」であること。けれど、実は今「変だね」と言われると少し嬉しい自分がいます。没頭して考える姿勢は今の仕事に活かされているし、「変」だということも含めて私のことを理解してくれている人が多いからです。そして、何より「変」な自分が好きでもあります。詳細は省きますが、私自身が「変」との戦いを乗り越えられたのは、何をしても最後は味方でいてくれた母親や、世界で活躍する「変な人たち」のおかげです。スティーブ・ジョブズ、イチローといった有名人から、中高の先生や大学の先輩まで、色んな人に背中を見せてもらいました。特に、小学生の時に出会った個別指導塾の先生に言われた「君は数学の才能がある。この問題解いてみない?難しいよー」というセリフは今も心に残っています。その後たくさんの難問を私にぶつけて、数学への興味や数学力を伸ばしてくれました。理系の大学院生で、知的好奇心の強い先生でした。こういった自分自身の小さな経験から、「変なところ(=ユニークな個性)を潰されてしまう子どもを減らしたい」「人それぞれの変なところを理解しあい、活かしあえる学習環境がつくれたらいいな」と、思うようになりました。それが、今のa.schoolの活動にもつながっています。「マイノリティ」について探究しよう!子ども一人ひとりが“研究者”Upload By 岩田拓真そういう想いのもと、私がa.schoolの「探究ラボ」というクラスで今期の探究テーマに選んだのは「マイノリティ(社会的少数者)」というテーマです「探究ラボ」は、毎学期探究テーマを設定し、大学のラボ(研究室)のような形式で、小中高生が各々の興味関心に従って自由に学ぶ授業です。小学生にはちょっと難しいかなと思いながら授業を始めましたが、今では「マイノリティ」という言葉を学校で流行らせた子も出てきて、完全に私の杞憂でした。最初に行ったのは、「自分はマイノリティ(少数派)?マジョリティ(多数派)?」というテーマの議論です。例えば、左利きも10人に1人で社会の中では少数派に属します。ここでの議論が非常に面白くて、「僕、腕が変な方向に曲がるの」「私、走り方がちょっと変わっていて気持ち悪いんだよ」「僕、女の子の部分持っていると思う」と、自分の中にある「マイノリティ」な要素を、子どもたちはとても軽やかに、ユーモラスに表現してくれたのです。Upload By 岩田拓真これには私たちもビックリさせられました。「マイノリティ」という言葉を狭く捉えて勝手にネガティブなイメージを抱いているのは、大人である私たちだけだったのかもしれません。大学生メンターの女の子の「私、蕎麦屋の娘なの」というカミングアウト?にクラスは大盛り上がりで、「なるほど、そんなマイノリティもあったか」と学ばされました。そういった話し合いを通じて、マイノリティと言っても色んな種類があることを知り、誰もがマイノリティでありマジョリティでもある(誰もが変であり普通である)んだなという教室の雰囲気ができた気がします。「はじめて」との出会いが、子どもたちの心に火を点けるその後、小さい頃から珍しい病気(1型糖尿病)を抱えていた女性、男の子も女の子も両方好きなバイセクシュアル当事者の女性、マイノリティについてのオンラインメディアを制作する方々などにゲストに来て頂き、a.schoolの子どもたちと対話するセッションを設けました。ただ教室の中で学ぶだけでなく、直接人に会い、関係性ができる中で、熱が生まれ学びが加速します。Upload By 岩田拓真Upload By 岩田拓真特に印象的だったのは、話を聞いている時の生徒の反応です。わざと背中を向けながら聞いてないふりをする小学生男子、一番後ろに座ってみんなに見えない場所で真剣に話を聞く小学生女子、ゲストにこっそりと後で手紙を渡す小学生女子、実は自分なりの意見があるのに何も口にできない男子中学生、堂々と思い切った質問をしまくる女子中学生。一人一人違った態度や反応を見せています。Upload By 岩田拓真自分だけ給食をみんなと同じように食べられなかった話、同性の部活の先輩のことを好きになった話など、ゲストの方々がオープンに話す『マイストーリー』に、恥ずかしながらも心動かされている様子が読み取れました。全員がこんなに真剣にテーマに向き合うことは珍しく、それだけインパクトがあったのだと思います。その後の調べ学習もいつも以上に本気度が見られました。子どもたち自身が手がけるメディア、「マイノリティ」をどう伝える?様々な形のマイノリティについて、ゲストと話をして、自分で調べ学習を行い、みんなで議論をして学んだ後、最後に学んだことをもとにアウトプット制作に挑戦します。a.schoolの「探究ラボ」の授業の一番の目玉です。今期のテーマは『オンラインメディア』。複数チームに分かれて、自分たちが伝えたいメッセージを、メディアに込めて表現していきます。LGBTに関心を持った小学生女子3人のチームは、「LGBTの人がクラスにいても、幸せに暮らせるようにしたい!」と言い出します。「LGBTのことを馬鹿にするやつをボコボコにするメディアがいい!」(どうやって?笑)という凶暴なアイディアや、「LGBTの小中学生本人が読んで安心できるメディアはどう?」といったアイディアなど、誰に何を伝えるかをたくさん議論してアイディアを詰めました。いくら小学生でも手は抜きません。「読み手」のための表現になっているか、何度も書き直し・作り直しをして試行錯誤していきました。最終的には「ラップで楽しく伝えたい」というところに落ち着き、現在メディア制作中です。Upload By 岩田拓真他にも、動物好きの小学生のつくる「障害犬に関するメディア」や、ファッション系の大学進学を希望する高校生がリードする「LGBTとファッションから個性について考えるメディア」、身体障害に関する「マンガメディア」などが続々と立ち上がっています。小中高生だからこそのピュアな想いをどう表現しきるか!?完成が待ち遠しいです(12月22日に最終発表会を行い、生徒の作った4つのメディアをリリースします)。他人と向き合い、自分と向き合う。変化はそこから生まれるUpload By 岩田拓真まだ学期の最中でこの学びがどこに行き着くかわかりませんが、みんな自分やまわりの子たちへの理解が深くなった子が多いように感じています。学校にあまり行っていないある男の子は「私の意見をここではみんなちゃんと聞いてくれるのがいい」「いつも喋りすぎちゃうから他の人の意見も聞けるようになりたい」と言っていました。自己肯定感が上がり、自分を客観的に見られるようになった気がします。最初「全員考えが違うから、グループワークなんてできない。一人ひとりメディアを作ったほうがいい!」と私に提案してきた小学生女子3人が、「◯◯ちゃんはここやって」「いや、こうしたほうがいいよ」とお互いに協力しながらメディアづくりを行っています。あの不協和音はどこへ・・・と見違えるほどです。このように、他人との違いに小さくぶつかって、自分と他人と向き合い、少しずつ乗り越えていく。そんな経験がみんなの中に溜まっていることが嬉しいです。もっと長い目線で見た時に、一人ひとりがこの経験をどう咀嚼していくだろうか、子どもたちの「これから」が楽しみです。はじまりの学校「a.school」
2016年12月19日