Webマーケティングメディア「ferret」を運営するベーシックは8月20日、コンテンツマーケティングの手間を代行する新サービス「ferretコンテンツマーケティング」を開始した。同サービスの「コンテンツ制作代行パッケージ」では、記事作成から、文章校正、画像編集、アップロードなど制作から更新までに対応し、出来上がった記事は専用の更新システムで簡単アップロードできる。また、新サイトの制作においても、サーバーの準備などを同サービスが対応する。またWebマーケティング会社ならではの、検索エンジンに評価されるSEOを、スピーディーに実現。「予算はあるので効果のある施策へスイッチしたい」「これまでのSEO対策では通用しないが、対応策がわからない」「コンテンツマーケティングを行っているが記事などの運用更新業務が面倒」といった悩みを持つ顧客を支援する。同パッケージは、初月30万円、以降は月額20万円から提供される。
2015年08月21日コンテンツマーケティングでは、コンテンツへの来訪者を増やすだけでなく、意図する態度変容をユーザーに起こしてもらうため、Webサイト到着後にコンテンツを閲覧し、理解や共感などをしてもらうか(エンゲージしてもらうか)が重要となります。この「エンゲージ度合い」を図る指標として、一般的に「直帰率」と「平均滞在時間」が用いられます。その理由としては、「トピックに関心があり、コンテンツにエンゲージしたユーザーは、時間をかけてその記事や動画コンテンツを消費し、検討するために関連情報が記載されているページへ読み進む」との想定に基づき、「訪問時にアクセスするページ数は複数となるため直帰率が下がり、平均滞在時間は長くなる」と考えるためです。この考え方は正論ですが、Google Analytics の場合、いくつか考慮する点があります。本稿では、「直帰率」と「平均滞在時間」の落とし穴と対策に関して紹介したいと思います。○直帰率でコンテンツの質は計れない最初に直帰率について考えてみましょう。直帰は、英語で「bounce (バウンス)」と言い、これは「跳ね返った」という意味を持ちます。従って、直帰率とは、該当ページのみを開き、次のページに読み進むことなく、Webサイトを去ってしまったセッションの割合(率)を指します。インターネットが生活の一部になって以来、多数のWebサイトが作られました。これらのサイト運営者が抱える「どれぐらいの人がどのページを読んでくれるのかを知りたい」という要望に応えるため、Web解析ツールは発展してきました。インターネット黎明期は、名刺や広告にURLを記載し、まずはサイトのトップページに誘導するという手法が一般的でした。1990年代、Web解析ツールの基礎が作られることになるのですが、その当時の一般的なユーザーの行動スタイルが設計思想に反映されています。すなわち、「サイトのトップページはメニューや新着情報を表示し、実際に消費するコンテンツはそこからリンクまたはメニューをクリックして進んで到達するもの」というものです。そのため、コンテンツを見たユーザーと見なかったユーザーの違いは、セッション中のPVが "1かそれ以上か" によって判断することができました。このことから、「直帰=クオリティの低い訪問」であり、間違い電話のように意味のなかったユーザー行動であるという基準が作られました。しかし、2015年現在のWeb環境は、1990年当時と比べて大きな変容を遂げました。ユーザーが検索エンジンから直接欲しい情報にアクセスしたり、媒体上のおすすめコンテンツや関連記事リンクをクリックしたりして、サイトのトップページを経由せずに、直接コンテンツページを消費するようになりました。すなわち、セッション中の1PV目が、すでにサイト訪問の目的ページになっており、サイトへの訪問が1ページで終わることは、決してクオリティの低い訪問を示すものではなくなっているのです。また、直帰率が80%であったとすると、来訪者の10人に8人が何も読まずに帰ったというように解釈しがちですが、その考えは正しいのでしょうか。冒頭でも説明したように、直帰とは、セッションを開始したページから別のページへ進まなかったことを意味しています。訪問したユーザーが最初のページを5分見ても、5秒見ても、1ページしか見ないで去った場合は直帰となり、エンゲージしたかどうかを判定する指標にはなりません。繰り返しになりますが、サイトのトップページを経由せず、直接リンクからコンテンツへ集客したトラフィックの効果を図る際には、その直帰率が高いか低いかを見ることに意味はありません。大事なことは、ユーザーがコンテンツとエンゲージしているかどうかを判別することであるはずです (なお、その方法論については、次回ご説明します)。○「滞在時間」は、ユーザーが本当に滞在した時間なのか?多くのサイト運営者が持っている「コンテンツページおよびWebサイトでの滞在時間が長ければ、エンゲージしている可能性が高い」という仮定も、それ自体は理にかなっています。平均5秒しかページに滞在しなかったキャンペーンより、40秒滞在したキャンペーンの方が、コンテンツを「しっかり時間をかけて消費した」ように見えます。しかし、Web解析においては、ここでも問題があります。○滞在時間を正しく計測する方法は、ない「えっ、そうなの?!」と、驚かれた読者もいるかもしれません。では、解説していきましょう。Web解析ツールは、大雑把に言うと、各ページの名前とURL、ページを開いた日時(時刻)を記録しています。「ページ滞在時間」とは、1つのページを開いた時間を起点に、同じサイト内で次のページを開いた時間までの差を算出したものです。したがって、訪問中にアクセスした「各ページの滞在時間」を訪問セッションごとに合計したものが「セッションごとの滞在時間」となります。さて、ここで問題です。以下のような図で記録された3ページのセッションの場合、その滞在時間は全部で何分何秒になるでしょう。「ユーザーが3ページを訪問し、それぞれのページで2分滞在した場合、合計6分滞在した」と計算しがちです。しかし、前述の通り、Web解析ツールはその後のページを開いた記録がないページ、つまり「訪問の最後のページ」については時間を計算できません。したがって、Google Analyticsに記録される滞在時間は4分と記録されます。次に、1ページしか開かなかったセッションの場合はどうでしょう。たとえ何分滞在していても、このときの滞在時間は「0秒」となります。これでご理解いただけたと思いますが、Google Analyticsの集客レポートにて「平均セッション時間」を比較しても、コンテンツページへ直接送客しているのかや、購買ファネルのどの位置にあるユーザーへリーチしているのかなど、さまざまな要因によってまるで意味するものが違ってしまいます。少なくとも、コンテンツとエンゲージしたかを判定する基準にはなりません。では、どうすれば「ユーザーがエンゲージしたか」を測ることができるのでしょうか。それについては次回、ご説明します。○執筆者紹介アウトブレイン ジャパン 筒井 祐介世界規模のコンテンツレコメンデーションプラットフォームを活用し、企業のコンテンツマーケティングを支援するアウトブレインジャパンのシニアアカウントストラテジスト。Web解析ツールのエキスパートとして、データを用いたマーケティング施策改善のためのコンサルティングを行う。アウトブレイン入社前は、オーストラリアを拠点に約8年間、デジタルマーケティングの分野でサイト解析や効果分析の業務に携わる。なお、アウトブレインの公式Webサイトは、こちらから。
2015年08月12日占いが好きな人であれば、「ザッパラス」という社名でピンとくるはず。同社は、携帯コンテンツ黎明期から占いを中心としたデジタルコンテンツを提供、市場で常にトップを走り続けている企業だ。また、占い以外の分野でも、30~40代のシングル女性に向けて、農業体験や殺陣体験、靴作り体験など、さまざまな"はじめて体験"を販売するECサイト「ソロモーノ」を展開。コンテンツ作りにおいて、自由な発想を大事にしていると、業界内での評価も高い。そんな同社のオフィスはどのようになっているのか、おじゃました。○モノづくりの会社という意識近年では、チャット感覚で占いができる「チャプリ」がライト感覚のユーザーに支持を得ている同社。新たなアイデアを生み出ために、どのような環境づくりをしているのだろうか。PR担当の木村美土里さんと塚越景子さんは次のように語る。木村さん「私達は常に『モノづくりの会社である』という意識を持って業務に取り組んでいます。モノをつくるには、まずコンセプトから定めますよね。コンセプトをすり合わせるには、社員同士が心を通い合わせる必要があります。ですから、オフィスはオープンであることを意識した作りになっているんです」○社員が2日でオフィスを作った?執務エリアに入ってみると、木のぬくもりが感じられる。木を使ったオフィスはよくあるが、もっとすごいのはこの殆どが「社員自らの手」によって作られているということ。なんと社員個々が使用するデスクをはじめ、ミーティングや休憩で自由に使えるフリースペースの家具、はては「神棚の飾り台」に至るまでが、DIYで作られているのだ!塚越さん「2年前に移転した際、新しい社屋は社員が自ら作ろうと話が持ち上がりました。モノづくりの会社ですから、オフィスも可能な限り自分たちで作りたいということになったんです。もっともすべてのものを作るとまではいかなかったのですが、可能なものは極力自分たちで作っています」○「働きやすさ」をとことん重視する社員自らが作り上げたアイテムが、社内のあちこちに置いてある同社。話を聞くと、「社員が働きやすい会社を、社員全員で作る」という社風が感じられる。組織レイヤーがあまりなく、上下の関係でも部署間の横の関係でも、風通しの良さがあるのは、この風土ゆえだ。さらに注目すべきは、「Mother’ s Working Room」という育児室。急な学級閉鎖などの場合に、臨時に子どもを連れてくるパパ・ママ社員のための設備である。塚越さんによると、同社は家庭を持つ社員も、子育て中の社員が育児と仕事を両立できるよう、社員全員でフォローしあっているという。働く親を支える「Mother’s Working Room」もその1つ。執務エリアのすぐそばにあるので、子供の面倒を見ながら仕事をすることができるようになっている。子どもと顔見知りの社員が、空いた時間に遊んであげたりもするそう。そして働きやすさは、オフィスづくりだけでなく、社内で催されるイベントなどにも見られる。木村さん「社内ではイベントも積極的に行っています。七夕やハロウィンでは、それぞれ浴衣を着て出勤したり、コスプレやホラーメイクをして出勤してもいいんです。もちろん営業など業務に差し支えがある場合は難しいですが、けっこう思い思いの格好で出勤してきて、盛り上がっています。またファミリーDAYというイベントがあり、会社に家族を連れてきて社内見学をしていただいています。昨年は12月に行ったのでクリスマスの雰囲気で楽しむことができました」○オープンマインドというポリシーこのほかにも社員のコミュニケーションツールとして、有志持ち回りによる社内報の作成など、随所にクリエイティブマインドをうながす工夫が見られた。塚越さん「入社して間もない社員が驚くのは、机が手作りであることはもちろん、社員同士の距離感が近しいことです。やはりママ社員が多い職場ですので、誰かの子どもが来ていたら一緒に過ごしてあげたりするなど、日ごろのコミュニケーションがうまくとれているんですね。社員同士が、自然に家族ぐるみの付き合いになっているということを感じます」働く子育て社員も大切にするザッパラス。こうした職場のあり方によって、さまざまな人が集まり、新たな視点でサービスを生み出す力になっている。同社は、自社への愛着とモノづくりの心、そして働きやすさを兼ね備えたオフィスであった。
2015年07月03日近年注目が高まり、活用が増加してきているコンテンツマーケティングですが、訪問したユーザーが「どのコンテンツを経由・回遊し、資料請求や問い合わせなどのコンバージョン(CV)に至ったのか」を把握できているでしょうか。それぞれのゴールにおいて適切な指標をもって効果を計測し、継続的な改善を行うことで、その投資対効果(ROI)を向上させることが可能です。本連載では、コンテンツマーケティングを既に運用している、あるいは現在検討中のマーケターを対象に、効果測定の際の指標決定から、継続改善の考え方を紹介します。また、効果計測におけるツールとして一般的な「Google Analytics」において、よく誤解のある指標についても、その問題点と対策を例示したいと思っています。○効果の可視化には、目的の定義が必須さて、コンテンツマーケティングは、ストーリーテリングを通じ、ユーザーが意識している需要・認知だけでなく、潜在的にもっているものについても "気づき" を起こし、認知の拡大や比較・検討を促し、ユーザーの態度変容につなげることを目指します。その効果を可視化するには、まず、目的を明確にすることが重要です。第1回では、同手法を実施する前の基本として「どのように目標と指標を設定し、Google Analyticsによって計測するか」を話したいと思います。○来てもらうことだけが、コンテンツマーケティングの目的ではないコンテンツマーケティングは、実店舗に例えると分かりやすいとよく言われます。例えば、新規にオープンしたお店であれば、まずは存在を多くの方に知ってもらい、直接来てもらう必要があります。当然、開店当初はとにかく集客することをだけを目標にしがちになるでしょう。少しでも多くの人に来てもらうため、安売りキャンペーンを行ったり、広告を使ったりしますが、その特売の商品しか購入してくれないことや、お店を覗くだけで出て行ってしまうこともよくあることです。Webサイトも店舗と同じで、新しく集客を行いたいサイトを立ち上げたばかりの時は、新規ユーザーを増やすことに注力すると思います。しかし、サイトへの来訪数を増やすことを目的にして得られたユーザーは、中・長期的に定着してくれるユーザーでしょうか。店舗の「開店セール」にあたるような特定のコンテンツだけを閲覧し、そのまま帰ってしまっているのではないでしょうか。コンテンツマーケティングの目的は、実際に店舗に来てくれた人たち(サイトに来てくれたユーザー)が、コンテンツに触れることで態度変容を起こし、ビジネスにつなげることです。では、どのようにして「ユーザーの態度が変わったか」や「変わる可能性があるか」を可視化できるのでしょうか。○まずは、目的を意識的に定義しようまず、コンテンツ制作や集客を開始する前に、「そもそもなぜ実施するのか」や「どのような目的があり、どの程度の効果を期待しているのか」を明確にしましょう。あなたのビジネスでは、コンテンツと接したユーザーにどのような態度変容を期待しているでしょうか。これらの目的を明確にすると、コンテンツの中身だけでなく、効果を測る指標(KPI)とそれを測定するために必要なツールが選定できます。KPIを決定する際に大事なことは、「何を測るか」だけではなく「どのぐらいの値を想定しているか」という目標値を設定することです。目標値は、改善プロセスが進むにつれて修正されますが、原則として効果向上を図るベースラインとなるので、固定しましょう。ゴール設定の例例えばこの図のように、認知獲得が主目的の場合、今までその企業や商品について知らなかったユーザーを対象に、まずはコンテンツへ訪問してもらうこと自体が目的となります。したがって、「新規ユーザー数を1週間で5,000人獲得する」というように指標と目標値を設定します。比較・検討段階のユーザーに行動を喚起することが目的であれば、その商品・サービスに関連する情報を読んでもらい、理解を深めてもらうことが目標です。目標値は、「ページA群を5万回閲覧してもらうこと」などとなります。また、サイトのコンテンツをグループ分けし、集客したユーザーがどれほど購買意欲のある行動を取ったのかを分析しやすくすることもできます。具体的には、「1 : イントロ」「2 : 比較」「3 : 購買検討」「4 : 購買方法」というようなゼグメントを行い、サイトのコンテンツをどれかに紐づけします。Google Analyticsでは、コンテンツグループというタグを活用し、このセグメントを割り当てることによって、グループごとに集約した数値を可視化することができます。集客したユーザーのセッション数など「全体の数字」だけを見るのではなく、コンテンツグループごとに「どのように回遊したか」を比較することが可能になるわけです。詳しくは次のセクションで解説します。○コンテンツへのトラフィック、その質の測り方先ほど「集客の数だけではなく、その質も見ることが大事」ということを話しましたが、目標値の達成度合いを見る際には、量と質を同時に見るとよいでしょう。具体的な分析方法は、第3回で解説しますので、本稿では「目的に応じた指標」を紹介します。1. トラフィックの量的分析この図が分かれば、下記のように目的に応じた達成度を設定でき、それに対する対策につなげることが可能です。2. トラフィックの質的分析ユーザーの導線として、「認知を目的としたコンテンツ」から「比較・検討を目的としたコンテンツ」に読み進んでいるかを分析し、より "ゴールに近づいているか" を把握しましょう。Google analyticsでの質的分析方法 - 1. グループ化このようにコンテンツのグループ化を行い、各コンテンツでの消費推移を継続して定期的に計測すれば、「ビジネスゴールに近づいているか」や「サイトやコンテンツのどこに問題がありそうか」が見えてくるのです。さて、第1回となる今回は、集客の効果指標として「数と質の両方を見ることで目的を達成しているか計測する」ことについて解説しました。第2回では、Google Analyticsのレポートに存在する、知らないと大きな勘違いをする "落とし穴" とその対策例について紹介し、第3回ではより具体的な分析方法について話していきます。○執筆者紹介アウトブレイン ジャパン 筒井 祐介世界規模のコンテンツレコメンデーションプラットフォームを活用し、企業のコンテンツマーケティングを支援するアウトブレインジャパンのシニアアカウントストラテジスト。Web解析ツールのエキスパートとして、データを用いたマーケティング施策改善のためのコンサルティングを行う。アウトブレイン入社前は、オーストラリアを拠点に約8年間、デジタルマーケティングの分野でサイト解析や効果分析の業務に携わる。なお、アウトブレインの公式Webサイトは、こちらから。
2015年06月24日コンテンツマーケティングにおいての"基本"は「ビジネスブログ」となりますが、コンテンツマーケティングにおける"コンテンツ"とは、なにもビジネスブログだけではありません。今回も、前回に引き続き、ビジネスブログ以外のコンテンツの種類を紹介していきます。○ソーシャルメディア(SNS)FacebookやTwitterに代表されるソーシャルメディアは、ユーザーとの長期的なつながり関係を構築するのに適したツールです。まれに、複数のソーシャルメディアに対して同じ文面・メッセージで情報発信をしている例が見受けられますが、各ソーシャルメディアはメディアごとに特性が異なります。ユーザー属性や使われ方を把握して、それぞれに合った使い方をすることが重要です。今回は代表的な2つだけ取り上げてみましょう。FacebookFacebookは14億人以上が利用する世界最大のソーシャルメディアです。ビジネスでの情報発信で利用できる「Facebookページ」機能は、そのページに「いいね!」をしたユーザーのニュースフィードに情報を届けることができます。また、Facebookページは複数人による管理が可能なこと、投稿がユーザーにどれだけ届いたかなどを分析する「インサイト」機能が用意されているなど、ビジネス利用に向いていると言えます。加えて、Facebookページ運用初期の集客には、Webサイトへの「いいね!ボックス」の設置や少額のFacebook広告の配信といった施策が有効です。Facebookでは、ユーザーと関連性の高い投稿や興味対象に近い投稿ほど、多くそのユーザーに対して表示される傾向がありますので、想定したペルソナがどんな投稿に興味を示すかを考えながら、よりエンゲージメントを深められるよう継続的に改善していくことが必要です。TwitterTwitterは、140文字以内の文章を投稿するソーシャルメディアです。Facebookが実名を前提としているのに対し、Twitterは実名でも匿名でも自由にアカウントを作成することが可能のほか、「一般ユーザー用」「ビジネス用」といったアカウントの区別も存在しません。Twitterは、リアルタイムで短文の投稿が配信されていくのが最大の特徴です。その特性を活かし、例えば時間帯に合わせた挨拶や開催中のイベントの話題など、リアルタイム性が高くユーザーが身近に感じやすい内容を提供してみるのも良いでしょう。また、Twitter上では見知らぬユーザー同士がリプライやリツイート機能で気軽にコミュニケーションを取っています。自社のことを話題にしているツイートを見つけたらリツイートするなど、ユーザーと直に対話することにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。なお、ブログや動画などで新しいコンテンツを公開した時の告知手段としても、是非Twitterを活用してみてください。○動画ブロードバンド環境の浸透やモバイル通信の高速化、スマートフォン・タブレットといった動画視聴に適したデバイスの普及によって、Webマーケティングのいち手法としての動画の存在感が増してきました。近年、Facebookではニュースフィードに動画が現れると自動的に表示するようになるなど、文書や写真といった静的コンテンツと同じように自然と動画を視聴するスタイルが生活者に浸透してきています。また、これまでよりも安価に動画コンテンツを発信するための環境も整ってきましたので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。冒頭で続きを見たくなる動画に動画は、再生されたからといって最後まで視聴されるわけではありませんし、飛ばして見られることもあります。最後まで視聴してもらうには、最初の15秒が特に重要だと言われています。例えば、「冒頭で疑問を投げかける」や「印象的なシーンを持ってくる」「動画のポイントを伝える」といった工夫で、続きを見たくなるよう訴えかけましょう。アップロードはYouTubeに動画の配信には、外部の動画プラットフォームサービスの利用がおすすめです。今であれば、世界中で利用されているYouTubeがよいでしょう。動画本体はYouTube上に置いておき、自社のビジネスブログにはリンクを埋め込むことで、誰でも簡単にブログ記事に動画を取り入れることができます。また、YouTubeでは"チャンネル"という自分のページを作成でき、公開した動画をまとめて表示することが可能です。さらに、無料で使える編集機能や動画に利用できる音楽なども用意されており、簡単な動画であればYouTube上で作成することも不可能ではありません。Vine / Instagramビデオ「Vine」は6秒の動画、「Instagramビデオ」は15秒の動画を投稿できるサービスです。時間が短く、スマートフォン等で気軽に撮影可能ですが、その分マーケティング目的での利用にはアイデアと構成力の勝負となります。海外では特に多くの企業がプロモーションに利用しはじめていますので、参考にしてみてください。今後さらに拡大していく領域と言えそうです。いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したもの以外にも、コンテンツマーケティングを行う上で活用できるコンテンツにはさまざまなものがあり、それぞれに異なった特性があります。対象と目的にあわせてこれらを組み合わせることで、よりよい顧客コミュニケーション作りに役立てていただければ幸いです。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年06月16日前回は、コンテンツマーケティング実施においての"基本"となる「ビジネスブログ」について説明しました。オウンドメディアによる情報発信のハブとして機能するビジネスブログですが、コンテンツマーケティングにおける"コンテンツ"とは、なにもビジネスブログだけではありません。今回より2回に分けて、ビジネスブログ以外に焦点をあて、さまざまなコンテンツの種類について紹介します。○ホワイトペーパー / eBookコンテンツマーケティングの実践において、ホワイトペーパーやeBookは、ダウンロードコンテンツとして用意される方法が主流です。ビジネスブログやソーシャルメディアで集めた潜在顧客に対し、ユーザー事例や市場環境の調査レポートといった役立つコンテンツを提供することでリード情報を獲得します。ホワイトペーパーは、自社の顧客の導入事例や商品の仕様、市場環境分析、調査レポートなどを記載します。一方eBookは、商品のスタートガイドや活用のペストプラクティスをまとめたものなどを指しますが、どちらもPDFなどの形式を取る"電子版小冊子"のようなイメージです。これらは、ダウンロードしてもらい腰を据えて読んでもらうことを想定していますので、ブログ記事やWebサイトのコンテンツよりも、より詳しい情報や実践的な情報をしっかりと盛り込むようにしましょう。また、ただWebサイト上に置いておくだけでなく、内容が関連するブログ記事の最後に誘導バナーを設置するなど、ダウンロードを促すようにしましょう。このように、読者の行動を喚起するようなバナーやリンクを「CTA (Call To Action : アクションの呼びかけ)」と呼ぶこともあります。ブログに設置することで、CTAのクリック率やダウンロード率などを計測し、記事の品質や貢献度の評価が可能です。○オンラインセミナー国土の広い米国では、オンラインセミナー(Webセミナー / ウェビナーとも呼ぶ)が活発に行われており、無料の専用ソフトウェアもあります。オンラインセミナーのメリットは、その場で参加者の質問に答えたり、フィードバックを行ったりと、録画動画ではできない双方向のコミュニケーションを行える点にあります。例えば「Googleハングアウト」というサービスでは、最大10人でのビデオ通話が可能です。これを使えば、少人数のオンラインセミナーを開催することができます。また、最近Twitterが提供をはじめた「Periscope」というアプリでは、スマートフォンから世界中に生配信することもでき、注目を集めています。○インフォグラフィックスインフォグラフィックス(Infographics)とは、情報を意味する「インフォメーション(Information)」と「グラフィック(Graphic)」からなる造語で、データや情報、知識、ノウハウなどを視覚的に表現したものです。ビジュアル化することで、文章だけでは伝わりにくいメッセージや複雑な統計情報を視覚的に届けることができます。例えば、定量的なデータをビジュアルで見せたり、年表を分かりやすく伝えるほか、Webサイト上で閲覧者が表示するグラフやデータなどを任意に変更できるインタラクティブなインフォグラフィックスもあり、ソーシャルメディアとの相性がいい(シェアされやすい)という特徴があります。インフォグラフィックスの作成インフォグラフィックスを作成するときには、まず、利用するデータ・情報を整理し、伝えたいメッセージを決めます。その上でどのようなデザイン・レイアウトにするかをデザイナーと決定します。"デザイン"という要素が入るとは言え、基本的な流れは他のコンテンツ作成時と同様です。斬新なデザインや華美な装飾ありきではなく、あくまで読み手にとって分かりやすいことや、伝わりやすいことを最優先にしましょう。インフォグラフィックスが完成したら、ブログへの掲載やソーシャルメディアに投稿します。有益なデータや情報が分かりやすくまとまっていれば、インフォグラフィックスはソーシャルメディアでシェアされやすいほか、イラストの下部に自社のブランドロゴやURLを入れておくことで、ブランド認知の向上も期待できるでしょう。○プレスリリースプレスリリースは、新聞社やWebメディアなどの報道機関向けに用意する広報用の報道資料です。多くの会社では広報・PR部門の管轄であり、コンテンツマーケティングを運用するマーケティング部門の方にはピンとこないかも知れませんが、企業がコストをかけずに発信できる強力なコンテンツの1つです。プレスリリースの目的は、新商品やサービスのリリース、そのほか企業の活動についてメディアに知らせることで、記事として取り上げてもらい露出を得ること。うまくメディアの目に留まりニュースとして紹介してもらえれば、広告費をかけずに多くの人々に情報を届けることが可能です。しかし、報道機関では毎日たくさんのプレスリリースを受け取ります。その中で取り上げてもらうためには、「プレスリリースのフォーマットに従い作成すること」や「必要な情報が網羅されていること」「ニュース性のある話題が含まれていること」が最低条件となります。ブログ記事などオウンドメディアでのコンテンツ発信では、ペルソナ(読者像)を意識してコンテンツを制作しますが、プレスリリースだけは報道機関の担当者が最初の読者となることが他のコンテンツとの違いです。タイトルやリード文、本文といった各要素でメディアの記者や編集者の興味を引くための工夫をすることが重要です。さて、後半では、ソーシャルメディアや動画コンテンツに関して紹介したいと思います。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年06月09日GoogleのWebブラウザ「Chrome」は、Flashコンテンツを表示するプラグインを標準搭載しているが、FlashコンテンツがノートPCのバッテリーを浪費している場合もある。そこで同社はプラグインを使用するコンテンツの表示を、デフォルトで重要なコンテンツのみに制限するように変更する。変更後の「コンテンツの設定」では、Flashアニメーションなどプラグインを使用するコンテンツがあるWebページを開いた際に、メインコンテンツに含まれるプラグインコンテンツだけを再生する。ブロックされたプラグインコンテンツを表示したい場合は、ワンクリックで再生可能。新しいプラグイン設定は、Betaチャンネルで提供されている最新のデスクトップ版Chrome Betaで4日から有効になり、まもなく正式版も変更される。正式版ですぐに変更したい場合は、Chromeの設定で[詳細設定を表示…]を開き、[プライバシー][プラグイン]で[重要なプラグインコンテンツを検出して実行する]を選択する。
2015年06月05日ソフトバンクモバイルは5月25日、同社が提供するスマートデバイス向けのマルチメディアコンテンツ制作・共有管理サービスをWindowsにも対応させたと発表した。今回対応したアプリは「ビジュアモール スマートカタログ」。Windows8.1を搭載したタブレット(Windowsタブレット)に対応したクライアントアプリケーションを提供する。今回の提供により、「スマートカタログ」はマルチOS対応のモバイルコンテンツ管理ソリューションを実現。Windowsタブレットからも音声・動画を加えた訴求力のある商品カタログやパンフレットなど、持ち出し管理や最新版配布、セキュリティー対策といった一括管理機能が利用できるようになる。
2015年05月26日コンテンツマーケティングを正しく理解し、正しく実践するための本連載。今回からはいよいよ、コンテンツマーケティングを成功させるために "押さえておくべきポイント" をご紹介します。まず、コンテンツマーケティングの実践は、大きく5つのステップを踏むことが基本となります。この5つとは、「ゴールの設定」と「ペルソナの設定」「コンテンツ設計」「エディトリアルカレンダーの作成と運用」「KPIの測定」です。前編では、ゴールとペルソナの設定における考え方を解説します。○ステップ1. ゴールの設定コンテンツマーケティングは、顧客にとって価値があるコンテンツを提供することで、商品の関連分野に対する顧客の関心を高め、最終的に売上につなげる取り組み。役立つコンテンツでファンを獲得できれば、見込み客の購入意欲向上や既存顧客のリピーター化だけでなく、企業の信頼度を高めるブランディング効果も期待できます。このように、さまざまな効果を生むことができるからこそ、適切なゴール設定が重要。ゴール設定なくしては効果測定もままならず、継続的に改善することもできません。では、設定し得るゴールの例をいくつかご紹介しましょう。1. ブランド認知度の向上スタートアップ企業や新商品の場合に主要なゴールとされることが多いのが「ブランド認知の向上」です。発信するコンテンツにおいて、企業名やブランド名を押し出していなくても、読者にとって情報価値の高いコンテンツを発信し続けると、読者は発信者を次第に意識していきます。なぜなら、良いコンテンツを見つけた読者は、今後の参考としてその情報ソースを覚えておこうとするためです。反対に、コンテンツの質が低ければ、企業としての専門性を疑われ、ブランド毀損につながってしまうでしょう。2. リード獲得/リードナーチャリング資料ダウンロードやメールマガジンの登録などを通して、読者のリード情報(氏名・企業名・連絡先など)を獲得することや、コンテンツの配信により継続的にコミュニケーションを取ることで見込み客に購入を検討してもらうことも、ゴールの1つとなります。3. エンゲージメントの増加ブランド認知をさらに意義あるものにするため、コンテンツを通して生活者とのつながり(エンゲージメント)を強めることも、ゴールとして設定可能です。特にソーシャルメディアは、投稿を介して生活者と交流するような取り組みに適していると言えるでしょう。4. 既存顧客のロイヤリティ向上同じブランドの商品を継続的に購入する人は、「ロイヤリティの高い顧客」と呼ばれます。既存顧客に対して充実したコンテンツを用意できれば顧客満足度が高まり、リピーターの獲得につながります。5. オピニオンリーダー化特にBtoB企業などにとって重要なゴールとなり得るのが「オピニオンリーダー化」です。特定の領域において良質なコンテンツを発信し続けることによって、業界関係者が一目置く存在として認知されることができれば、信頼獲得につながり、競合と差別化しやすくなります。○ステップ2. ペルソナ設計(ターゲット設計)コンテンツマーケティングでは、「想定する読者の立場に立ってコンテンツを発信しなくては、価値ある情報を提供できない」と考えます。したがって、想定する読者像は、コンテンツを制作するチーム内で「ペルソナ」として明確に共有されている必要があります。ペルソナとは、商品やサービスを購入する架空の顧客像。漠然とした見込み客をターゲットとするのではなく、詳細なプロフィールが設定されたペルソナ "Aさん" を想定し、コンテンツを作るのです。ペルソナの設計ペルソナを設計する際には、実際の顧客との対のほか、アンケート調査や顧客属性データの分析といった多面的な調査をもとに、性別や年齢、職業、家族構成といった属性を設定。さらに、1日の生活パターンや趣味嗜好といった定性的な要素も盛り込んでいきます。コンテンツマーケティングのためのペルソナ設計においては、情報収集の手段や日々接触しているメディアといった項目も入れておくと良いでしょう。ペルソナを設計するメリットペルソナ無きコンテンツマーケティングの実践は、発信者視点の "誰にも共感されない" コンテンツ発信になりかねません。チーム内で具体的な読者像(ペルソナ)を共有し、その行動を意識することで、「読者の関心や興味にあったコンテンツの発信につなげやすくなる」というメリットがあるのです。さて、後編(5月15日公開)では、ペルソナに合わせた「コンテンツの設計方法」と、施策の継続化を可能とする「エディトリアルカレンダーの作成と運用」、そしてこれら施策の「KPI測定」についてお話します。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年05月12日コンテンツマーケティングを正しく理解し、正しく実践するための本連載。前回までは、コンテンツマーケティングの概論や実施の際のおおまかなステップ、そして今コンテンツマーケティングが求められる背景をご紹介しました。3回目となる今回は、「これからコンテンツマーケティングに取り組みたいのだけれど社内の理解を得るのが大変……」というマーケティング担当者の方向けに、上司説得術を伝授いたします。○1. コンテンツマーケティングの成果は測定可能ですコンテンツマーケティングは、効果が分からないのではないか――これは、実施する際に最も"ありがち"な反応です。確かに、直接的に自社の商品やサービスを宣伝しない手法のため、効果が分かりにくい印象があります。ですが、実はそうではなく、定期的に測定することでコンテンツマーケティングの効果を定量化することが可能なのです。マスメディアでの広告露出よりもむしろ計測しやすい、といってもよいでしょう。測定のポイントは、KPI設計効果を定量的に計るためには、あらかじめ「KPI (Key Performance Indicators: 重要業績指標)」を決めておくことが重要です。例えば、コンテンツを閲覧した人数「ユニーク訪問者」や、コンテンツを表示している時間「ページ滞在時間」からは、どれだけのユーザーがコンテンツを見て、関心を持っているかが分かりますし、ソーシャルメディアの「フォロワー数」からはブランド認知度が、コンテンツの「シェア数」からはコンテンツの人気度(共感度)が分かります。また、シェアされたコンテンツの種類や、それらへのコメントを読むことで読者の興味関心や意見を知ることも可能です。ダウンロードコンテンツを活用すれば、売上への貢献度も可視化できるまた、eBookやホワイトペーパー、お役立ちテンプレートといったダウンロードコンテンツを用意しておけば、見込み客のリード情報(属性情報)を取得することもできますし、その後実際に商品を買ったかどうかを評価することも可能です。どのコンテンツを見たユーザーが、会員登録・メルマガ登録・ダウンロード・問い合わせ・購入をしたか分かれば、売上に対するコンテンツごとの貢献度も数値化でき、より効果的なコンテンツを準備する際には重要な目安にもなります。コンテンツマーケティングでは「ユーザーが何に興味を持ち、どのような経路で購入するのか」を数字で把握することができるのです。○2. 小予算からでも始めることができます予算がないから始められない! ――これも、コンテンツマーケティングを提案したときに、上司から言われそうな一言ですよね。これに対しては、「一般的な広告に比べ、コスト削減につながります!」と堂々と切り返してください。広告の多くは、露出料に応じて出稿費用がかかりますが、コンテンツマーケティングは、(極端に言えば)自社サイトにコンテンツを置いておけば始められる手法ですのでコスト削減に繋がります。蓄積効果で継続に応じてROIが改善していくまた、広告は一般的に、出稿し続けるとその分費用が発生しますが、コンテンツは、一度公開してしまえばコストはかかりません。加えて、コンテンツの掲載を継続すればするほどその量は増えていくため、1ユーザーを取得するためにかかるコスト(CPA)は改善していきます。米カポスト(Kapost)のレポートによると、「コンテンツマーケティングはコンテンツ制作時に費用が掛かるものの、コンテンツを長期間にわたって公開できるため、公開後5カ月でリード情報の獲得単価が一気に下がる」ことが明らかになっています。○3. 人的リソースは、社内に隠れています競争の激しい今の時代において、社内に十分な人的リソースがあるような会社ばかりではないでしょう。むしろ、一人の担当者が数多くの業務を兼任するようなケースも多いのではないでしょうか。こういった企業のマーケティング担当者が抱える導入障壁は、「コンテンツマーケティングには興味があるが、社内には取り組める人材がいない」ことです。しかし、コンテンツマーケティングは新しい取り組みです。現状のマーケティング部門やWeb担当部門だけに着目していたら、経験者はいないかもしれません。(業界全体を見渡しても、まだまだ「コンテンツマーケティングのプロ」が少ないというのが現状です。)では、少し広い視野で社内を見渡してみましょう。手掛けている仕事のアウトプットを「コンテンツ」と呼んでいなかったとしても、日常業務でコンテンツ制作に携わってきた社員は、思いのほか少なくないのではありませんか?例えば、ほとんどの企業はWebサイトを持ち、日々運用しているはずです。商品販売用のECサイトを持っている企業もあるでしょう。そういったサイトの制作チームや、外部の制作会社との調整業務を行っている社員は、コンテンツマーケティングの担い手候補です。また、営業や販売促進の担当者として、顧客向けの説明資料やメールマガジンの制作に携わる社員はいませんか? 表品開発部門で商品パッケージのデザインを担当しているデザイナーは?このほかにも、メディア対応の窓口となり、ニュースリリースの執筆を行う広報担当者や、社内報の担当者などもコンテンツマーケティングにはうってつけと言えるでしょう。このように、社内外へ向けた何かしらのコンテンツを制作した経験のある社員から、マーケティングに興味を持ちそうな人を探してみましょう。最初は担当者ができることから始め、効果を見ながら徐々に取り組みを拡大していくことが成功の秘訣です。一定以上の規模に拡大する際には、社外のコンテンツ制作会社などを利用するのも手でしょう。いかがでしょうか?大きな投資をせず、まずは小さい規模でから始められることも、コンテンツマーケティングの利点の1つです。アメリカから盛り上がった手法ではありますが、すでに国内企業も続々と挑戦しています。競合他社に出し抜かれてしまう前に、ぜひ一歩を踏み出してみて下さい。次回は、コンテンツマーケティングを成功に導く5つのステップをご紹介します。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年05月01日現在、iTunes Storeでは、期間限定で「ゴールデンウイーク 2015 クロスコンテンツコレクション」などのGW特別ページが公開されている。「ゴールデンウイーク 2015 クロスコンテンツコレクション」では、iTunes Storeのメインページから、傑作ゲーム特集+ソング、Movie、Book などの各コレクションがフィーチャーされているので、各種コンテンツに簡単にアクセスできる。よし、探すぞ! と意気込まなくてもストアのお勧めがすぐ見つかるようになっている。また、各コンテンツのルームに行くとそれぞれのGW特別ページが開設されており、Musicでは「人気カバーアルバム50作」、Movieでは、「キッズ&ファミリー」「ディズニープリンセス」、Booksでは「ゴールデンウィーク おすすめ無料ブック」がセレクトされ、提供が行われている。これらのコンテンツはiOS端末やMac/Windows PC、Apple TVで楽しむことができるが、屋内外問わず、旅行先で楽しむならiPadの利用をお勧めしたい。iPadは一台で図書館になったり、映画館になったり、家庭用ゲーム機になったりするだけでなく、内蔵のiSightカメラ/FaceTimeカメラを使えば記念撮影にも大活躍してくれる。また、AirPlay対応機器があれば、ケーブルレスで音楽の再生、インターネットの閲覧やムービーの視聴ができるので、親戚や友人が集まる時などに大勢で楽しめる。海外旅行に行くなら、SIMフリーのiPadを荷物に忍ばせておけば、現地のSIMでiPadを使いつつ、さらにテザリング端末として利用することで、iPhoneやiPod touch、Macとペアで利用することも可能だ。旅行先や外出先の写真や動画で撮った思い出もiPadがあれば編集、共有するのも簡単に行える。iPad Air 2はWi-Fi+Cellularモデルで444g(Wi-Fiモデルは437g)、iPad mini 3はWi-Fi+Cellularモデルで341g(Wi-Fiモデルは331g)と、旅行かばんやスーツケースに入っても苦にならない重量なのも嬉しいところ。今年のゴールデンウイークのお供にはiPadを是非!
2015年04月30日連休をいかに有意義な時間にできるか、それはiPhoneに入っているコンテンツで決まると言っても過言ではありません。渋滞や行列に備え、待ち時間や移動時間が楽しくなる良質なコンテンツを用意しておきましょう。現在iTunes Storeでは、人気の電子書籍、子供も楽しめる映画、そしてみんなが知っている名曲ぞろいのカバーアルバムがお得に手に入るゴールデンウィーク特別企画を実施中です。出かける前にお立ち寄りを!○読むのはいつでもOK! iBooksの『ゴールデンウィーク おすすめ無料ブック』iPhone・iPadには、電子書籍を読むアプリ『iBooks』が入っています。マンガ、小説、ビジネス書など、何十冊もの本をiPhoneの中に入れて持ち歩き、いつでも手軽に読むことができます。まだ使ったことがないという方も、人気のブック10冊が無料で手に入るこの機会に、ぜひ試してみてください。○あの名作を期間限定価格で! 『iTunes Movie Store ゴールデンウィーク企画』キッズ&ファミリー昨年公開されたばかりの人気作から、ちょっと懐かしい名作まで、家族で楽しめる映画が全24本。通常は2,000円以上する作品が期間限定でどれでも1,000円です。大人の映画ファンからも評価の高い『LEGO ムービー』『ヒックとドラゴン』や、何度も見たくなる『ネバーエンディング・ストーリー』『トムとジェリー』シリーズなど、映画好きの方も要チェックです!ディズニープリンセス誰でも知っている人気作となった『アナと雪の女王』のヒットで、ディズニープリンセスが再び注目されています。1950年代の古典『白雪姫』や『シンデレラ』などは、ディズニーランドのキャラクターとして知ってはいても、作品を見たことがない人も多いのでは。また、実写映画の『プリティ・プリンセス』シリーズや『魔法にかけられて』なども実はディズニー作品。その時代時代のプリンセス像を、いろいろな作品で見比べてみてください。○皆の好きなあの曲で盛り上がろう『iTunes Music Store ゴールデンウィーク企画』iTunes Music Store では、様々なアーティストによる人気のカバーアルバムを50作品集めたコレクションを期間限定価格で提供中。今井美樹が歌う『中央フリーウェイ』やゴスペラーズの『ロビンソン』といった納得の選曲を楽しむのはもちろん、中森明菜の『瑠璃色の地球』や矢代亜紀の『残酷な天使のテーゼ』など、アーティストや楽曲の意外な魅力を探すのもカバーアルバムの楽しさです。いろいろと試聴してみるだけでもけっこう楽しめますよ!
2015年04月29日2014年、多くの注目を集めた「コンテンツマーケティング」を紐解く本連載。前回は、その概論と歴史、実施する際の5つのステップを紹介しました。今回は、コンテンツマーケティングが多くの注目を集めた背景を解説します。○消費者のメディア接触が変容 - 広告をスキップする消費者さて、皆さんは日々、どのようなメディアに、どのくらいの時間接触しているでしょうか。総務省は、10~60代を対象に、テレビ・ネット・新聞・ラジオの4メディアにおける平均利用時間と利用者の割合を調査し、「情報通信白書」として発表しています。同白書の最新版となる平成25年版によると、全世代において、最も接触時間が長いメディアはテレビ(184.7分)で、それはネット(71.6分)の約2.6倍となります。一見、圧倒的にテレビの利用率が高いように見受けられます。しかし、同結果に大きく寄与する年代は、50代や60代の高年齢層。10代では、ネット利用時間の方が長いほか、20代においてもネットがテレビに肉薄する勢いです。同調査は平成25年のものですが、この2年間において、幅広い世代でスマートフォン(スマホ)が普及しましたし、各年代のネット利用時間はさらに伸びているであろうことは想像に難しくありません。特に若い世代にとっては、もはやテレビよりもネットのほうが身近なメディアになっていることがうかがえる結果です。また、テレビの視聴スタイルの変容も無視できません。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が、消費者のメディア接触や、メディアのデジタル化に伴うハードウェア・サービスの利用実態を把握することを目的に毎年実施する「メディア定点調査」の2013年度版を参考に見てみましょう。同調査によれば、「携帯やスマホを操作しながらテレビを見ることがある」と回答した人は全体の48.6%で、「気になることがあるとすぐに携帯やスマホで調べることがある」との回答は42.8%でした。このことから、テレビの情報を真剣に見るというより、生活の中の背景としてテレビをつけながら、ネットを使って調べ物や情報閲覧をしたり、テレビから得た情報を検索してさらに詳しい情報を確認していたりする人が半数近くいることが想像できます。いわゆる「ながら視聴」と呼ばれるこの行為ですが、番組と番組の間のCM中に行われることが多いのではないでしょうか。つまり、消費者はスマホによって「CMをスキップ」しているのではと考えられるわけです。○デジタルパワーを得て変わる 消費者行動加えて同調査では、若年層の新聞離れや、ネットのニュースサイトで十分だと考えている実態が見て取れるように思います。30代以下の世代は、情報収集の手段がネットへシフトしているという傾向が非常に顕著に表れていると言えるでしょう。では、このようにメディアへの接触態度が変容した結果、消費者行動はどのように変わったのでしょうか。この図版は、ネットが普及する以前と現在の購買プロセスの違いを示したものです。「AIDMA(アイドマ)」という消費者行動モデルをご存じの方も多いのではないでしょうか。「ネット普及以前」に一般的だったこの購買プロセスをもとに、冷蔵庫を購入する際の消費行動を考えてみましょう。「ネット普及以前」の消費者は、まず、CMで宣伝を行うメーカーAの冷蔵庫に注意を向けます(Attention)。そして、その冷蔵庫の特徴に興味・感心を抱きます(Interest)。やがて、冷蔵庫の魅力を理解し、家にも1台置きたいと思うようになります(Desire)。その後、メーカーAのCMを何度も見ているうちに、メーカーAのブランドを記憶するようになり(Memory)、自分が「過去に買った商品と比較して」十分に魅力的であれば、店頭で購入という行動(Action)を起こします。「ネット普及以前」には、消費者が比較できる対象として、過去の自分の経験か、せいぜい家族や友人からのクチコミ程度だったのではないでしょうか。比較対象が少ないので、広告主は、「商品の良さ」を繰り返しアピールすることで販売に結びつけることが可能だったのです。ところが、「ネット普及以後」の消費者は、能動的に情報収集をするようになりました。特に、大きな影響を与えた存在は、Googleに代表される「検索 (Search)」とFacebookなどのソーシャルメディアによる「共有 (Share)」の2つです。消費者は、興味をもったらまずネットで「検索」し、購入後には製品体験の感想や意見をソーシャルメディアで広く「共有」する――。ソーシャルメディア上での「共有」は、かつての「クチコミ」とはケタ違いの影響力をもち、その伝播の速さと量は劇的に増加しています。○訪問者が必要な情報。「おもてなし」としてのコンテンツ消費者が能動的に情報収集をするようになったということは、広告主側としてもこの行動を前提としたコミュニケーションを考えなくてはなりません。消費者が折角、製品やサービスに関心を持ってくれたとしても、「検索」の段階で彼らのニーズを満たす情報を「見つけてもらえ」なかったら、購買行動には繋がらないのです。「検索」を通じてWebサイトにやってくる消費者は、どのような情報を必要としているのか――それを考え、その情報(コンテンツ)を用意することで、訪問者を「おもてなし」する。これが、インターネット検索時代のコンテンツマーケティングの基本です。さて、最後に。このように、コンテンツマーケティングが注目された背景には、消費者の購買行動の変化という、極めて本質的な変化があります。これは、一時的な流行などではなく、インフラ化したインターネットによってもたらされた不可逆的な変化と言えるでしょう。一人ひとりの消費者が能動的に情報収集をし、かつ情報発信力が極大化したことにより、企業は、彼らが求める情報(コンテンツ)の提供なくして商品を売ることができなくなりつつあるのです。これが、コンテンツマーケティングが「マーケティングのパラダイムシフト」と呼ばれる理由なのです。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年04月28日皆さんは、「コンテンツマーケティング」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか? マーケティング先進国となるアメリカでは5年ほど前から、国内でも一昨年ごろからよく聞かれるようになった新しいWebマーケティング手法です。このように申し上げると「また、FacebookやTwitterの時みたいな新しい流行り物か」と受け取られるかもしれませんが、コンテンツマーケティングはインターネットが生活インフラ化したことで変容した人々の消費行動に対応した、極めて本質的かつ普遍的な進化「マーケティングのパラダイムシフト」だと言われています。この連載では、コンテンツマーケティングの概論や、昨今注目されてきた社会的・技術的背景、実際に導入する上でのステップ、社内説得術などを6回に渡ってお伝えしていきます。○コンテンツマーケティング、それは"古くて新しい"マーケティング手法冒頭にて、「コンテンツマーケティングは新しいWebマーケティング手法」とご紹介しました。しかし、コンテンツマーケティングの考え方自体は、「最近生まれたまったく新しいもの」というわけではありません。むしろ、インターネットやコンピューターが登場する遙か以前から存在していた手法です。レストランガイドで有名な「ミシュラン (Michelin)」は1900年、フランスのタイヤメーカーが自動車旅に役立つ地図や自動車整備などの情報を掲載した400ページのガイドブック「ミシュランガイド」を初めて無料配布しました(図を参照)。今から100年以上も前のことです。彼らは、自社製品となるタイヤを売るのではなく、自動車旅行の楽しさやカーライフの便利さを広く伝えることで、自動車業界そのものを活性化し、タイヤ需要の底上げを狙ったと言われています。その直後となる1904年には、フルーツゼラチンミックス「JELL-O (ジェロ)」を開発した米国企業が、自社製品を使うレシピ本を無料で配布。まったくの無名ブランドが2年後には年間売上高300万米ドルを稼ぐまでに成長したといいます。○商品を売ることよりも、顧客に有益な知識を100年前から顧客獲得の手段として取り組まれていたコンテンツマーケティング――2つの事例に共通することは、「直接的に商品を売りこむのではなく、顧客にとって有益な知識を提供することで間接的に売上につなげている」ことです。さまざまな定義やネット関連のカタカナ用語によって複雑怪奇な印象を持たれることもあるコンテンツマーケティングですが、その本質はここに集約されています。「顧客の獲得を目的にコンテンツを制作し、提供することに注力したマーケティング手法」それこそがコンテンツマーケティングなのです。○コンテンツで見込み客に「見つけてもらう」コンテンツマーケティングに興味のある方であれば、「インバウンドマーケティング」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。米ハブスポット(Hubspot)が提唱したこの用語を理解するために、対義語となる「アウトバウンドマーケティング」からご説明しましょう。アウトバウンドマーケティングとは、商品を売ることを目的に「訪問販売」や「電話のセールス」「ダイレクトメール」「メールマガジン」などで見込み客にアプローチするプッシュ型のマーケティング手法です。ひと言で表せば「売り込み」と呼ばれる手法で、近年では急速に効果が低くなっていると言われています。訪問販売や電話でのセールスに対し、多くの人が警戒・拒絶するようになっているためです。一方、インバウンドマーケティングは正反対の考え方となります。消費者に嫌がられるような「売り込み」をせず、見込み客に自ら「見つけてもらう」ことを目標とします。では、いったいどうやって見込み客に「見つけてもらう」のでしょうか――そう、コンテンツです。「見込み客がどのような情報を必要とし、何を探しているのか」を正しく理解し、その情報を「見つけやすい形」で提供することこそ、インバウンドマーケティングの要諦となります。そして、顧客の方から寄ってくる(インバウンド)状況を作り出すために有益なコンテンツの発信に注力したインバウンドマーケティングが、コンテンツマーケティングであるとも言えるでしょう。○「見つけてもらい、ニーズを育成し、定着させる」コンテンツマーケティングの5ステップ前述のように、見込み客に見つけてもらい、そして製品やサービスを購入してもらうため、コンテンツマーケティングには5つのステップを要します。この中でも得に重要なステップは、「Webサイトやブログで情報を提供することでWebサイトへの訪問数を増やす」ことです。生活者は、モノを購入する前にインターネットを使って自分で情報を収集し、知識を得ることが当たり前になっています。彼らが探している情報を、いかに適切にタイムリーに提供できるか――それが生活者に商品やサービスを購入してもらう動機付けとなるのです。次回は、アウトバウンドマーケティングが効かなくなった背景や、なぜこれほどまでにコンテンツマーケティングが注目されたのかを社会的要因・技術的要因から紐解いてみたいと思います。○執筆者紹介イノーバ 代表取締役社長 宗像淳福島県立 安積高等学校出身、東京大学文学部卒業。その後、富士通にて北米ビジネスにおけるオペレーション構築や価格戦略、子会社の経営管理等を経験する。MBAを取得するため、ペンシルバニア大学ウォートン校に留学後、インターネットビジネスを手がけたいという思いから楽天へ転職。その後、ネクスパス (現 : トーチライト)で、ソーシャルメデイアマーケティング立ち上げを担当する。2011年6月に株式会社イノーバを設立(公式Webサイトはこちら)。著書に『商品を売るなーコンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる (日経BP)』がある。○書籍紹介商品を売るな著者 : 宗像淳発行 : 日経BP 2014年12月8日生活者の購買行動が大きく変化している。プッシュ型広告で商品を売り込んでも、顧客はそれを無視するようになっている。従来のマーケティングはもう効かないのだ。表立って宣伝せず、見込み客に見つけてもらうための古くて新しいマーケティング手法、それがコンテンツマーケティングである。この手法は、コカ・コーラやP&Gといったマーケティング先進企業だけでなく、中小・スタートアップ企業が積極的に導入している。では、コンテンツマーケティングとはどのような取り組みかなのか? どんな効果があり、費用はいくらか? 運用のコツは? 成功するポイントは? ――本書では、国内・海外企業の事例紹介を交え、コンテンツマーケティングの全貌を分かりやすく解説する。
2015年04月24日アドビ システムズは、美しいビジュアルコンテンツを手軽に作成できるiPad向けアプリ「Adobe Slate」をリリースした。価格は無料。「Adobe Slate」は、写真と文字を組み合わせたビジュアルコンテンツを簡単な操作で作成できるアプリ。同社が得意とするデジタル画像、ページレイアウト、タイポグラフィ、Webデザインといったクリエイティブ分野の専門技術が注ぎ込まれており、プロがデザインした雑誌の1ページのような美しいコンテンツに仕上がるという。完成した作品はレスポンシブデザインに対応したWebコンテンツとして公開でき、タブレット、スマートフォン、PCなど、あらゆるデバイスで閲覧可能。また、SNSへの投稿機能や、Webサイトへの埋め込み機能も備わっているため、手軽に作品を共有できる。本アプリは、Apple App Storeの『Best New Apps of 2014』に選ばれたアニメーション作成アプリ「Adobe Voice」をベースに開発されたもので、Voiceと同様、コンテンツのトーンを決める「テーマ」をワンタップで選択可能。同社の高度なアニメーションエンジンにより、スクロールしていくと文字や画像が自動的に動く仕掛けも取り入れているため、最後まで読みたくなるようなインパクトのあるコンテンツを作成できるとのこと。なお、本アプリのリリースにあわせて「Adobe Voice」のアップデート版も公開された。最新版では、Voiceビデオにさらに多くのビジュアル効果が追加可能となったほか、テキストオーバーレイ機能、モーショングラフィックス、フォントレイアウトを改良。さらに、ビデオの閲覧回数や「高評価」された回数が表示される機能も用意されている。両アプリの詳細は同社Webサイトまで。
2015年04月22日アマナとイノーバは4月21日、企業がオウンドメディアを構築して情報発信を行うコンテンツマーケティング領域において協業し、両社の強みを活かしたサービスを2015年5月より開始すると発表した。広告・セールスプロモーション領域において、ビジュアル企画・制作を行うアマナと、コンテンツマーケティングに特化したサービスを展開するイノーバが競合することにより、ビジュアルの持つ力を生かしたコンテンツを提供していく。具体的には、アマナのストックフォト・撮影サービスと、イノーバが提供するコンテンツマーケティング支援のクラウドサービス「Cloud CMO(クラウドシーエムオー)」との業務連携や、両社の顧客に対する相互営業協力の連携、共同セミナーの実施・運営を予定しているという。
2015年04月21日テレビやCM、雑誌などで目にすることが多いローラさん。ステキな笑顔やスタイル、ファッションセンスなどが女子の憧れです。そんなローラさんが、プーマを代表するクラシックテニスシューズ「PUMA GV Special」のイメージキャラクターに就任。「PUMA GV Special」は、名テニスプレイヤー「ギレルモ・ヴィラス」のシグネチャーモデルを、2015年新たなカラーバリエーションを揃えて復刻したもの。ギレルモ・ヴィラスは、1970年代に世界的なトーナメントで数々のタイトルを獲得し、1991年にはアルゼンチンのテニス選手として初の国際テニス殿堂入りを果たしたプレイヤーです。スタイリッシュなアッパーにボリューム感のあるPUミッドソールとラバーソールを組み合わせた、ベーシック&洗練されたデザインの「PUMA GV Special」。全国のABC-MARTで限定取り扱いとなるので、ぜひお店をチェックしてみて。ローラさんは、「PUMA GV Special」キャラクター就任にあたり、「スニーカーもファッションも大好きだから、キャラクターに選ばれてとっても嬉しい! たくさんの人がワタシのコーディネートをみてくれたら嬉しいな!」とコメント。ローラさんのキャラクター就任を記念して、ABC-MART店頭と 特設WEBサイト で、さまざまなキャンペーンを実施中です。■ローラ初の等身大ポスター付LOOK BOOK限定無料配布「PUMA GV Special」を履いたローラさんの6つのコーディネートを紹介するLOOK BOOK(裏面はローラさんの等身大ポスター)を全国のABC-MART店舗で無料配布しています。(※数量に限りがあるので、あらかじめご了承ください。また、配布店舗については特設サイトをご確認ください)LOOK BOOKを見れば、流行りのスポーツミックスのコーディネートの参考になるはず。モデルとして見せるハンサムでクールな一面と、テレビで見せるかわいらしい一面、ローラさんの持つふたつの魅力が満載のLOOK BOOKになっています。■「FIND THE ROLACAT」キャンペーン特設サイトでは、プーマキャットのポーズをしている“ローラキャット”を見つけて応募する「FIND THE ROLACAT」キャンペーンを実施中です。ローラキャットは人気イラストレーターの師岡とおるさんの描き下ろし。キャンペーンに応募すると、ローラ直筆サインと師岡とおるさんのイラスト入り限定「PUMA GV Special」や、ローラ直筆サイン入りLOOK BOOKが抽選で当たります。また応募者全員に「ローラ×GV Special」のオリジナル壁紙をプレゼント。(応募は5月31日まで)また、 特設サイト と一部のABC-MART店頭では、LOOK BOOK撮影時にローラさん自身がカメラを持ってセルフィーした映像も入ったメイキングムービー「backstage Rola's Selfie Movie」も公開中。ここでしから見られないローラさんのかわいい素顔に大注目です。・PUMA 公式サイト 特設サイトは こちら から
2015年04月17日2014年に注目されたマーケティング手法の1つとして、「コンテンツマーケティング」がある。ユーザーが必要とする情報をコンテンツとして適切に提供することにより、アクションにつながる活動を引き起こすことが目的だ。その多くは、記事や動画としてブログやオウンドメディアといったチャネルを通じて提供される。しかし、楽天の楽天マーケティングジャパン事業 RMJマーケティング部にて部長を務める向谷和男氏は、ペイドメディアを活用することも可能だと説明する。「【前編】ペイドメディアで行うコンテンツマーケティング - その意義とは」は、こちら。前編では、ペイドメディアでコンテンツマーケティングを行う意義についてお伝えしましたが、今回は効果的に行うためのポイントについてお話します。そのポイントとは、「データを活用してコンテンツを最適化すること」と「継続的にユーザーとコミュニケーションをとること」だと考えています。○データ活用で、コンテンツを最適化するそれではまず、ペイドメディアの優位性を振り返ってみましょう。情報ポータルサイトなどのペイドメディアは、ユーザー群が「いつ / どんなコンテンツを / どのくらいの時間閲覧したのか」といった行動データを保有しています。最近では、個人を特定しないことを前提に、このデータを活用した広告配信・展開が盛んに行われているため、メディアは、大量のデータを整備し保有するケースが多く見受けられます。ペイドメディアでコンテンツマーケティングを行う際も、同データを活用し、コンテンツの内容を最適化することで、より効果を高めることができるのではと考えます。ただ、データの活用といっても、そのユーザー群が女性か男性かといった「属性情報」や、お水買ったかお茶を買ったかといった「消費行動」など直接的に関係性の強いデータを活用しコンテンツを配信するだけではなく、「データを活用してユーザー群の嗜好性や行動特性などを推測する」ことが重要です。「データでユーザーの嗜好性を推測する」ということは、例えば、データとデータの関連性などを模索し、紐付けていくといった作業です。我々の分析では、保有する車とワインの購買に相関関係があることがわかっています。同じ輸入車を保有する消費者であっても、保有車種によってシャンパンやスパークリングワインなど最近人気の「泡もの」と呼ばれるジャンルを好むユーザー群と、単価の高い高級ワインを好むユーザー群に分かれたりします。こういったことが分かると、ユーザーの背後にある文脈(ストーリー)が推測でき、それに合わせたコンテンツを作成することができます。先程の車種とワインの例ですと、「輸入車とユーザー」の枠を超えて、「高級ワインを好むようなユーザーに自社の車が好まれているようだ」とすると、「ラグジュアリーな世界観を好むような人々にニーズがあるのではないか?」これを前提とした場合、訴求内容として「そんな人はどんなコンテンツを好むのだろうか?」――といった流れでコンテンツ内容を最適化することが可能となります。○ユーザーと持続的なコミュニケーションを実現するそして、もう1つの大切なポイントは、ユーザーとの「継続性を担保すること」です。昨今、ユーザーが接触する情報量は増え続け、企業は、販売促進や需要喚起を行う際、初期接触だけでユーザーの気持ちを的確に捉え、最適なコミュニケーションを実現するのは極めて困難でしょう。そこで、ユーザーと継続的な関係を構築し、最適化しながらマーケティングすることが重要となってきます。弊社で行った、とあるキャンペーンの運用事例では、申込などのアクションをコンバージョン(CV)とした際、初期接触時にアクションしなかったユーザーに対して2度目の接触を行うと、約30%程度申込が増加したという結果がでています。ペイドメディアは日頃から、ユーザーとの接点を継続的に保持すること(再訪率や回遊率の向上)に努めています。企業は、これらメディアを活用することで、ペイドメディア上ではありますが、ユーザーとのコミュニケーションを継続させることも有効な手段の1つではないでしょうか。さて、前編後編と2回にわたり「ペイドメディアで行うコンテンツマーケティング」について解説してまいりました。ユーザーが必要とする情報をコンテンツとして適切に提供することに重点を置く「コンテンツマーケティング」ですが、同手法を実践するにあたり、ユーザーを集めるだけでなく、ユーザーが集まっている場所に自ら行くことも、コミュニケーション手段の1つです。新たな視点でメディアの活用方法を考えてみてはいかがでしょうか。○執筆者紹介楽天マーケティングジャパン事業 向谷和男1995年より在阪の広告会社にてインターネット広告事業に従事。その後入社したLycos Japanの楽天によるM&Aを経て、2003年より楽天株式会社に入社する。求人情報サービス事業責任者や楽天WOMAN編集部部長を勤めたのち、楽天グループのサービス・プラットフォームなどを活用した企画立案プロジェクトを統括。現在は、楽天マーケティングジャパン事業のマーケティング関連事業の推進と新たなスキーム・サービス開発を支援する。
2015年04月17日資生堂はこのほど、肌や美容について資生堂研究員が解説する記事コンテンツ「ビノラボ」を公開した。同コンテンツは、美容について豊富な知識を持つ同社の研究員が解説する「美のラボ(=ビノラボ)」。基本的なスキンケア情報や紫外線の防ぎ方、気になる体のにおい対策などの美容情報をはじめ、ボディーケアやヘアケア、メーキャップについてなど幅広く紹介している。「肌トラブル」のカテゴリでは、紫外線による肌のダメージや肌を守るポイントなどを解説。「スキンケア」では、大人ニキビや毛穴ケアなどについて紹介している。そのほか、簡単に自分の肌のタイプがわかる「肌チェック」、ボディーのお手入れ方法を紹介する「ボディケア」、香水について解説する「香りと匂い」、「メーキャップ」「ヘアケア」のカテゴリーがそろっている。トップページには、「研究員のおすすめ」情報を掲載。気になる情報をすぐに手に入れられるよう、「キーワードで探す」機能もついている。
2015年04月15日2014年に注目されたマーケティング手法の1つとして、「コンテンツマーケティング」がある。ユーザーが必要とする情報をコンテンツとして適切に提供することにより、アクションにつながる活動を引き起こすことが目的だ。その多くは、記事や動画としてブログやオウンドメディアといったチャネルを通じて提供される。しかし、楽天の楽天マーケティングジャパン事業 RMJマーケティング部にて部長を務める向谷和男氏は、ペイドメディアを活用することも可能だと説明する。そのワケを聞いた。まず、皆さんと考えたいことは、ペイドメディアでコンテンツマーケティングを行う意義です。弊社は、「メディアのロイヤリティにより浸透度を高めることができること」と、「特定の情報を収集するために訪れているユーザーに訴求できること」だと考えています。○メディアのロイヤリティがユーザーを"なんとなく"動かすさて、メディアのロイヤリティとは何でしょうか?雑誌を見てレストランをチェックしたり、テレビで紹介された食品を見て通販で購入するなど、メディアから発信される情報に刺激され、実際に店舗へ行ったり購入した経験――皆さんもあるかと思います。例えば、レストランのシェフ自身が「当店の料理は美味しい!」と言うより、自分がよく購入する雑誌に「このレストランの料理が美味しい」と記載されていた方が、"なんとなく"行きたくなることもあると思います。つまり、ユーザーの情報に対する「期待値」がメディアのロイヤリティであり、これがユーザーの「情報を受け取る姿勢 : 浸透度」を決めていると言えます。では、メディアのロイヤリティがユーザーに与えている影響を見てみましょう。弊社が運営するペイドメディアの1つで、あるデータがあります。このメディアでは、この広告主の情報を含めた約4分の番組型動画(コンテンツ)と、一般的な動画広告を同じ枠にて配信するという実験を行いました。すると、集客効率が約15倍になったほか、15秒程度の動画広告と約4分の動画コンテンツの完全視聴率はほぼ同じ水準という結果に。通常、視聴時間の長い動画の完全視聴率は下がると言われているにも関わらず、メディアが発信する「コンテンツ」の方が多くの人に見てもらえたという結果となりました。私たちは、これがユーザーの期待値(目的意識)が起こす差異だと考えています。○購入意欲が高まっているタイミングは、いつか?もう1つ、情報の浸透力を高めるために、ユーザーの「モード : その時の気分や気持ち」についても考えておく必要があります。例えば「ごま油」を訴求したい場合、一人の主婦が晩御飯のおかずを考えているときと、ゆっくりとお風呂に浸かっているときでは、情報の浸透率が変わってきます。コンテンツマーケティングにおいて、この「モード」考えることが、非常に重要な要素になってきます。現在(2015年4月)、多くの広告では「属性」を中心としたセグメントを利用し、クリエイティブや広告内容の出し分けを行っています。さらに、最近では、データを活用して「どんな人か」を特定する広告も増えてきています。しかし、検索履歴などの需要特定を除くと、多くの場合、ユーザー側の「その時の気分や気持ち」はなかなか特定できません。では、特化型のペイドメディアではどうでしょうか。例えば、レシピ情報のサイトでは一般的に、17時頃をピークとしてアクセス数が伸びると言われています。今晩のおかずを考えている「オンモード」なユーザーが集まってきているということが推測できます。こういったオンモードなユーザーに対し、「スープの素」や「ごま油」などの関連商材をコンテンツとして提供すれば、「モード」と「コンテンツ」のマッチングが行われ、浸透率を高めることが可能だと考えられます。ちなみに、コーポレートサイトやオウンドメディアなど自社サイトに訪問するユーザーは、既にオンモードなユーザーでは?と思う方が多いのではないでしょうか。私も、その通りだと思います。しかし、どれだけその商品が好きでも、何度も何度もメーカーサイトを訪れたりすることは少ないでしょう。広告主側も、タイミングのよい接触機会を何度も作っていくことは難しいのではないでしょうか。そこで、情報の設置場所にユーザーを呼ぶのではなく、ユーザーが集まる場所(領域特化されたメディア)にコンテンツを設置していくことで、ユーザーの生活上での「オンモード」を捉えることができ、この問題を解決することができるのです。後半では、ペイドメディアでコンテンツマーケティングを効果的に行うポイントを考えてみたいと思います。○執筆者紹介楽天マーケティングジャパン事業 向谷和男1995年より在阪の広告会社にてインターネット広告事業に従事。その後入社したLycos Japanの楽天によるM&Aを経て、2003年より楽天株式会社に入社する。求人情報サービス事業責任者や楽天WOMAN編集部部長を勤めたのち、楽天グループのサービス・プラットフォームなどを活用した企画立案プロジェクトを統括。現在は、楽天マーケティングジャパン事業のマーケティング関連事業の推進と新たなスキーム・サービス開発を支援する。
2015年04月15日「渋家(シブハウス)」は4月11日より、新メンバーの募集を開始する。○自由なコミュニケーションから様々なコンテンツを生み出すスペース同施設は、365日24時間オープンしているオルタナティブスペース。3階建ての地下がイベントスペースになった一軒家で、コミュニケーションを主体とした「場所」であり「集団」であるという。家を24時間365日解放しておくことで新たな関係性を生み出し、それを多くの人と共有することで「物語」を生産する。現在は、異なるジャンルのアーティスト、クリエイター、エンジニアなど、30人のメンバーが在籍。アートインキュベーションやクラブイベントオーガナイズ、コミュニティマネジメントまで、様々な領域で活動を実施している。作品は、メディアアート、写真、映像、デザイン、音楽、ライブパフォーマンスなどあらゆる表現におよび、国内の数々のグループ展や「渋家」と関係性のある同世代のアーティストを巻き込んだ個展、様々なパフォーマンスを1つのステージで行うクロスオーバーイベントなど、幅広いジャンルで発表している。これらの活動経歴は大きく「Art」「Event」「Media」に分けられる。これまで3度の引っ越しを行い、渋谷駅周辺を点々としながら借りる家を大きくし、現在進行形で変化し続けている。今回は、現在の「渋家」の30人のメンバーと、刺激をし合いながら、創作活動をしたい、渋家コミュニティに参加したい、一緒に何かをしたい、という人からのメンバー応募を受け付ける。幅広い年齢・職業の人に参加してもらうことを目指しており、年齢・職歴は問わず、生活や活動も固定しない。ただし未成年者は両親の同意が必要となる。住所は、東京都渋谷区(一部非公開)。費用は、メンバー希望者は月4万円。お家割り適用者は月2万円。お家割り適用者は、「ハウス滞在が週3日以内(応相談)」「渋家に荷物は置けない(作業中などの荷物は除く)」「渋家以外に住んでいる家がある」が目安となる。
2015年04月11日ヤフーは3月23日、「Yahoo!ニュース」にニュース記事を配信しているメディア企業(コンテンツパートナー)のニュースサイトに導入を進めている「Yahoo!コンテンツディスカバリー」で、企業などが広告ではなく、自社Webサイトなどに掲載している商品やサービスに関する記事や動画、Webメディアでのタイアップ記事などのコンテンツを出稿できる掲載枠の提供を開始した。「Yahoo!コンテンツディスカバリー」は、Taboola,Inc.が持つグローバルで実績が豊富なディスカバリー技術を活用したソリューションで、2014年10月からコンテンツパートナーのニュースサイトで順次導入を進めてきた。行動履歴やニュース記事の鮮度、ソーシャルメディア上での話題性など100を超える要素を参考にすることで、ニュース記事の内容の関連性だけではなく、ユーザーそれぞれにとって興味・関心の高いニュース記事をレコメンドする。導入後は、コンテンツパートナーのニュースサイトで掲載されている各ニュース記事下部に、自社のニュース記事および「Yahoo!コンテンツディスカバリー」を導入した他のコンテンツパートナーのニュース記事が表示できるようになる。これにより、コンテンツパートナー同士のニュースサイト内での回遊の促進、トラフィックの向上に貢献する。また、より興味・関心の高いユーザーに対して、新商品・サービスの認知向上・理解の促進、潜在顧客へのアプローチなどにもつながるという。3月23日現在、「Yahoo!コンテンツディスカバリー」のコンテンツ掲載が可能なメディアは、AFPBB News、Number Web、ゴルフダイジェスト・オンライン、@DIME(アットダイム)、MEN’S+(メンズ・プラス)、WWD.JAPAN.comで、今後も導入するパートナーを拡大していく。
2015年03月24日BookLiveが運営する総合電子書籍ストア「BookLive!」で6日、KADOKAWAのマイクロコンテンツ168冊が半額となる「カドカワ・ミニッツブック サンクスフェア」がスタートした。同キャンペーンは、「カドカワ・ミニッツブック」の168冊を通常価格の半額で配信する企画で、2月12日まで開催。期間中は、『ミニッツブック版100円のコーラを1000円で売る方法30分で身につけるマーケティング戦略』(永井孝尚)、『フィギュアスケート男子最強日本の軌跡~ロミオ 火の鳥 イン・マイ・ライフ~』(青嶋ひろの)、『体脂肪40%腐女子、 妄想力と粘着力で痩せました。』(桂)など、さまざまなジャンルの作品を手軽に楽しむことができる。マイクロコンテンツとは、すぐに読み終わる分量を手ごろな価格帯で提供している電子書籍のジャンル。マイクロコンテンツ用に、1から制作するものや、雑誌や新聞などの人気記事をテーマごとに再編集したものなど、さまざまな種類がある。「BookLive!」では、ワンコイン程度の価格で楽しめるマイクロコンテンツ作品が、多くのユーザーから支持されており、「カドカワ・ミニッツブック」の売り上げも過去1年で倍増。配信作品数も約4倍に拡大している。
2015年02月06日エコンテは1月22日、企業のマーケティング担当者600人を対象に、コンテンツマーケティングに関する調査を行い、その結果を「コンテンツマーケティング調査レポート2015年版」として発表した。調査は、2014年1月26日から12月1日にかけて、全国47都道府県のメディア担当者を対象に実施し、600のサンプル数を集めたもの。これによると、コンテンツマーケティングを担当する人の属性は、30代以上の営業・販売職の課長クラスの男性。手法として最も力を入れているのは、ソーシャルメディアの活用だということが明らかになったという。また、コンテンツマーケティング対応を「アウトソース」している企業と「インハウス」で行っている企業の割合は半々という結果が得られ、アウトソースしている作業としては「デザイン(54.1%)」が最も多く、次いで「原稿執筆(30.9%)」となった。コンテンツマーケティングの効果を実感しているかという質問には、76.3%が「効果的」と回答。今後、コンテンツの発信量を「増やす」とした担当者は73.3%にのぼることから、引き続きコンテンツマーケティングに注力することが予測されるという。
2015年01月23日グローバルリンクジャパンは1月13日、同社開発のコンテンツマーケティング支援ツール「CLOUDPLAY(クラウドプレイ)」において、YouTubeの分析機能を強化し、新たに分析レポートを搭載すると発表した。新機能の実装は、1月を予定しており、同月中に設定を行うと2月よりレポートのダウンロードが可能となる。分析機能の強化では、YouTubeのアノテーション機能を使用し、動画に埋め込んだリンクからWebサイトへ流入したセッションやコンバージョン数などを計測する「動画リンクからの流入効果分析」が可能に。Googleアナリティクスとの連携が必要だが、YouTubeの動画説明ページなどに外部サイトへのリンクを設置することでクリック数を把握することもできる。新機能となる「動画分析レポート」は、チャンネル内にある動画全体や個別の動画についてレポーティングするもの。月単位の推移や前月比の計測が可能なほか。CLOUDPLAYに搭載する他のレポート機能との併用により、ソーシャルメディアコンサルティングやコンテンツマーケティング、Webコンサルティングなどの報告資料としての活用も可能だ。なお、初期費用は無料で、月額料金は4万9800円(税別)~となる。
2015年01月15日「All About」を運営するオールアバウトとイノーバは12月8日、業務提携し、企業・団体がオウンドメディアを構築して情報発信を行うコンテンツマーケティング領域において、両社の強みを活かしたソリューションの提供を開始すると発表した。オールアバウトは、870名の専門家による16万本以上の記事を保有するほか、月間総利用者数3830万人にもおよぶメディア集客力を持つ。同社の特性と、コンテンツマーケティングに特化したイノーバのクラウドソフト「Cloud CMO(クラウドシーエムオー)」を組み合わせることで、より質の高いコンテンツマーケティングの支援体制を強化する。今回の協業により、コンテンツマーケティングに関するスキルやノウハウ、エンジニアリソースを持たない企業でも、短期間でのオウンドメディア構築を実現し、長期的な視点でユーザーの興味・関心を喚起する質の高いコンテンツの生成が可能だという。
2014年12月09日IDCフロンティアは12月1日、ヤフーのコンテンツ配信技術を活かした「IDCフロンティア コンテンツキャッシュサービス(コンテンツキャッシュ)」の提供を開始した。これは、10月に刷新したIDCFクラウドに続くラインアップ拡充の第二弾となる。同サービスは、IDCフロンティアのクラウドやストレージ、データセンターを対象に、顧客のWebサイトコンテンツにおけるダウンロードやレスポンスの高速化を行うもの。月間平均624億PVを誇るYahoo!JAPANを支えるコンテンツ配信技術とネットワーク設備を基に、インターネットの出入り口となる東日本・西日本のYahoo!JAPAN配信拠点内にキャッシュサーバー群を配置し実現したという。最低利用期間や転送量コミットはなく、1GB当たり9円の従量課金で提供されるほか、IDCFクラウド・オブジェクトストレージとコンテンツキャッシュ間のデータ転送量は無料。コントロールパネルも提供し、キャッシュの削減やログレポート・トラフィックサマリーの閲覧も可能だ。同社は今後、リレーショナルデータベースなど、クラウドサービスの更なるラインアップの拡充・強化を行い、顧客のITインフラ利用に革新をもたらすサービスの提供に取り組んでいく。
2014年12月02日イノーバは11月18日、コンテンツマーケティングの運用に特化したクラウド型ソフト「Cloud CMO」に、ライターによる良質なコンテンツをワンセットで提供する「コンテンツマーケティング スタートパック」の提供を開始した。Cloud CMOは、コンテンツマーケティングオートメーションの機能とCMS(コンテンツマネジメントシステム)機能を併せ持つクラウド型マーケティングツール。アクセス解析やブログ制作、SEO対策、SNS投稿、メルマガ配信、リード管理などの機能を提供する。今回新たに発表した「コンテンツマーケティング スタートパック」は、Cloud CMO利用企業に対し、コンテンツ制作のサポートを行うプラン。同社のディレクションのもと、約1300名の登録ライターの中からジャンルに精通したライターを選抜し、彼らが執筆したコンテンツを納品する。同パックの価格は、月額15万9800円(税別)~で、初期費用のほか、Cloud CMOのスタンダートプランでの提供サービス12カ月分と、1500字程度のコンテンツ100本が含まれる。同社は今後、スタートパックの販売により、ソフトウェアとコンテンツ双方の提供体制を構築し、2015年3月末までに導入企業300社を目指す考えだ。
2014年11月18日博報堂DYインターソリューションズ(博報堂DY)はこのたび、米Outbrainのコンテンツレコメンデーションプラットフォームを利用し、ユーザーの興味関心に合わせたPR記事の露出と誘因を図るマーケティングソリューション「レコメンド・ブースト」のサービスの提供を開始した。「レコメンド・ブースト」は、ブランドの情報に興味関心を持っているオンラインユーザーとPR記事のマッチングを行い、記事への誘導を的確に図るソリューションパッケージ。PR記事の作成と、運用チームのサポートによる効率的なオンライン記事配信をワンストップで提供する。ユーザーと記事のマッチング・記事への誘導には、世界で5億6千万人以上のユーザーをもつ米Outbrainのコンテンツレコメンデーションプラットフォームを活用し、各オンラインメディアの記事下にある関連記事リンクをネットワーク化。ブランドの興味関心層に、より効率的にPR記事を露出し記事への誘導を行うという。博報堂DYは今後も、WebPR領域におけるノウハウと、アドテクノロジーの運用知見を組み合わせることにより、次世代のPRソリューションの提供と、クライアントのマーケティング活動のサポートを行っていく考えだ。
2014年10月24日Zeppライブエンタテインメントは、2013年3月18日~3月23日の6日間、東京都・渋谷区文化総合センターにて「渋谷に福来たるSPECIAL~落語フェスティバル的な~2013」を開催する。同イベントは、現代の落語界の中心で精力的に活躍する落語家を集結させた落語の祭典。春風亭小朝、春風亭昇太、林家たい平、立川志らく、桃月庵白酒、春風亭一之輔、立川談笑、柳家権太楼、柳家さん喬、五街道雲助など豪華な噺家陣の出演が予定されている。会場は渋谷区文化総合センター大和田さくらホール・伝承ホール。公演形式は6日間2会場全9公演の入替制で、チケットは各公演別全席指定となる。入場料は各公演全席指定S席3,900円、A席3,500円。未就学児童は入場不可。チケットの一般発売は、イープラス、チケットぴあ、ローソンチケットにて2013年1月26日より受け付けるという。公演予定など詳細情報は「渋谷に福来たるSPECIAL~落語フェスティバル的な~2013」を参照のこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月17日