【ママからのご相談】小学校4年生の息子がいます。家でまったく勉強をしません。ですからつい「ゲームソフトを買ってあげるから」「テーマパークに連れて行ってあげるから」などとご褒美で釣ってやらせてしまいます。 すると、主人からそんなやり方では子どもの主体性をダメにしてしまうだろう、と叱られてしまいました。子どものやる気を引き出すためにモノで釣るのはいけないことでしょうか?●A. “目の前のニンジン作戦”で効果をあげるお子さんはたくさんいます。こんにちは。ライターのakiです。勉強が好きで自分から進んでしてくれる子であればいいのですが、ほとんどのお子さんは親が一生懸命言ってもなかなか勉強してくれない子が多いと思います。いくら将来のためだと言い聞かせても。あなた自身のためだと熱弁しても子どもにとってはピンとこないのが実情でしょう。そこで、頑張ったら「○○を買ってあげる」「●●に連れて行ってあげる」などと目の前にオイシイ条件をぶら下げてやる気を出させる方法で子どもを動かしてしまうのです。そのあとで「こんな方法でしか子どもを説得できないなんて……子どもの自主性や、勉強本来の目的や楽しさを奪ってしまうのではないか?」と自己嫌悪に陥ってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。しかし、ご褒美で子どものやる気を引き出すことは決して悪いことではありません 。『「学力」の経済学』の著者である中室牧子さんによれば、やり方次第では効果があがるのだそうです。●ご褒美で釣って成功する方法は“あるキーワード”がポイントここで、あるおふたりのお母様の体験談をみてみましょう。【母親Aさん(小学校5年生男の子)】『算数が苦手なわが子。ですから、学校のテストで85点以上とったら好きなゲームを買ってあげるよ。と約束しました。そのゲームは前から欲しがっていたものです』【母親Bさん(小学校6年生男の子)】『算数が苦手なわが子に、算数の問題集を1冊終えたら好きなゲームを買ってあげると約束をしました。ゲームは前から欲しがっていたものです』どちらも算数が苦手な高学年のお子さんに、それぞれご褒美を差し出しています。この結果、どちらかのお子さんは算数の成績が伸び、どちらかのお子さんは成績にほとんど影響がありませんでした。この場合、AさんとBさんどちらのお子様の成績が伸びたかわかりますか?具体的な点数を提示して条件を出しているAさんに対し、Bさんは1冊の問題集をやらせるだけで漠然としています。この場合、一見Aさんのお子さんの方が成績が伸びそうな気がしますが、結果は逆でした。Bさんのお子さんの成績が伸びて、Aさんのお子さんの成績は変わらなかったのです。なぜでしょうか?それは、ご褒美の条件を出す際の子どもの行為 が“アウトプット型”であるか“インプット型”であるかで学力が変わるからです。●“アウトプット型”と“インプット型”、条件の違いで学力が変わるたとえば、「テストの点数が良かったら」「通知表の成績が良かったら」などという条件は、今までやってきたことを外に出して結果を出す“アウトプット型 ”の力です。それに対して、「宿題を終える」「問題集を解く」「本を読む」などの条件は力をつけるために知識を取り入れる“インプット型 ”の行動です。ハーバード大学のフライヤー教授の研究によれば、この“インプット型”の条件でご褒美を示した方が子どもの学力をあげる効果が大きかったと述べています。確かに、“アウトプット型”の「テストの点数が良かったら」「通知表が良かったら」というのは結果を求めるばかりで、良い点数をとるためにどのように勉強をすればいいのか、通知表で良い成績をとるためには何をすべきか、という具体的な手段 が抜けています。一方“インプット型”の行為は、「問題集を解く」「宿題をする」「本を読む」などの学力向上につながる具体的な行動を示しています。子どももその通りにやるだけなので自然と力がついてきます(もちろん、“アウトプット型”の「良い点数がとれればご褒美を……」という条件を出してもその良い点数がとれるための方法を教え、導いてくれる人がいれば良い結果に結びつくと思われます)。ということで、ご褒美は具体的な手段や方法を提示する“インプット型”の条件が良いことがわかります。ちなみに、ご褒美の条件を出す際の日にちは近ければ近い方が具体的でいい そうです。たとえば、「本を毎月1冊ずつ読んだら来年の誕生日におもちゃをあげる」よりも「1時間勉強したら、終わった後でお小遣いをあげる」の方が効果があるそうです。●ご褒美は子どもの勉強への自主性や楽しみを奪わないでは、ご褒美が成績向上に一役かうことはわかりましたが、子どもの勉強へのやる気や楽しさなどの気持ちの影響はどうなるのでしょうか?前述のフライヤー教授の研究によれば、ご褒美をあげる対象となった子どもたちと、そうでない子どもたちを心理学の手法を用いて統計的にはかったところ、両者に気持ちやモチベーションの差は特になかったそうです。つまり、ご褒美が子どもの「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせる結果にはならない のです。そう考えると、やり方さえ間違わなければご褒美を前にして子どものやる気を引き出すことは決して悪いことではないとわかります。----------以上の結果からまとめると、・「本を読む」「宿題をする」などの(知識を取り入れる)インプット条件・ご褒美は遠い将来ではなく近い将来にという観点でお子さまにご褒美勉強法を試してみると、学力向上につながるかもしれません。ぜひ、お子さまのやる気を引き出す日々の学習法として役立ててみてください。【参考文献】・『「学力」の経済学』中室牧子・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年05月17日【ママからのご相談】初めまして、小1と4歳の2児の母です。上の子が入学後に仲良くなったお子さんがいて、とてもかわいい男の子なのですが、服装に季節感が無くて、ほとんど同じ服を着ていたり、よくお腹が空いたと言います。私は、息子のお友達にご飯を食べさせることくらい、本当に何とも思いません。あまりにかわいそうで、よく簡単なご飯を食べさせます。ただ、その子のお家は5人兄弟なのですが、幼稚園年長くらいの妹さんが、よちよち歩きの子を公園に連れて行って遊ばせたりしています。ウチに遊びに来るときにご飯を食べさせる程度では、済まされない問題が横たわってる気がします。男の子に聞くと、お母さんは「病気で寝ている」という返答で、それ以上立ち入ることもできません。息子と同じ、1年生になったばかりなのに……と思うと、本当に胸が痛みます。学校の担任の先生がどれくらい把握しているのかも、まだわかりません。私にできることは、なんでしょうか?●A. 先生に言いづらいのであれば、児童相談所などに相談してみましょう。ご相談ありがとうございます。ライターの月極姫です。優しいご相談者様と出会って、その男の子はとても幸運だと思います。毎回食事を与えるというやり方が正しいかどうかは別として、「気にかけてくれる人が一人でもいる」 ということは、その子の環境が良くなる可能性がそれだけ高まるいうことです。筆者は先日、早朝に市内の住宅地を車で走っているときに、ボロボロのパジャマを着た5歳くらいの男の子が、必死な表情で外を走っているのを見かけました。車を止めて追いかけたのですが、ついにその子を見つけることはできませんでした。彼の様子から「朝、起きて親が居なかったのだな」 ということが容易に推測できました。「すぐに通報するべきだったかもしれない」と、今でも後悔しています。「急いで移動しなければ」という、自分の仕事の都合を優先してしまったことが、悔やまれてなりません。子どもの貧困問題は、今や誰にとっても身近な問題となりました。2014年に厚生労働省がまとめた調査結果によると、2012年の段階で、一般的な世帯収入の半分以下の収入で暮らす“貧困家庭”で暮らす子どもは全体の16.3%。つまり「6人のうち1人の子どもは貧困家庭で育っている」ということになります。世界的視野で見ても、先進国34か国中、日本の子どもの貧困率は悪い方から数えて10番目です(2014年、OECD経済協力開発機構調べ)。子どもの貧困率(17歳以下の子ども)の国際比較(2010年)/出典:OECD(2014)Family database “Child poverty”日本の、漠然とした“豊かな国”というイメージは、本当に実質を伴っているのでしょうか?少なくとも、何もかも持っている子どももいれば、食事さえ満足に与えられない子どももいます。彼らをとりまく経済状況に、大き過ぎる“格差”が横たわっているのは紛れもない事実です。●両親が抱える問題は多種多様……“負の連鎖”で貧困が続いていく学校の給食費や修学旅行費を支払うことができず、就学援助を受けている家庭も近年は増加傾向にあります。こうした制度を利用しながら徐々に経済的安定を目指していければ良いのですが、親の収入が伸びない理由もさまざまで、簡単に解決できないのが現実です。【代表的な貧困の原因】・親の病気、精神疾患・ひとり親家庭(離婚、死別など)・親が非正規労働者、定職につかない、収入の良い仕事に就けない・親の孤立化(周囲のアドバイスと無縁、生活保護などの公的援助制度について無知など)・親の借金親が学歴を必要としない、何か特殊な技能を持っている場合は別ですが、たいていの場合、親の低学歴は貧しさの連鎖を引き起こす要因となっています 。親の学歴が乏しくても「自分の子どもには同じ苦労をさせたくない」と勉強に力を入れる親は立派ですが、残念ながら、自分の学歴が乏しいと子どもの学歴も重要視しない 傾向があります。また、子どもに勉強させたくても塾に通う費用を捻出できない家庭も多くなっています。家庭が自己負担する教育支出(学習費)の内訳/出典:文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」グラフが示すように、現代では学校以外の教育費がかなりの割合を占めます。貧困が原因で、子どもの学力に格差が生まれてしまう現実は否めません。①親が低学歴で、収入の高い仕事に就けない↓②子どもが生まれても塾の費用が捻出できず、子どもが進学をあきらめる。または、進学先が限定される↓③子どももまた収入の高い仕事に就くことができず、成人後も貧困に苦しむことになる収入が伸びないフラストレーションを子どもにぶつける形で、虐待が行われるケースも少なくありません 。こうした虐待や貧困の連鎖を絶つためには、貧困層の子どもが希望の進学先に進めるための制度や、専門家による親への指導が必要です。●ボランティア組織、専門家集団、その効力は?近年は、こうした子どもの貧困問題や学力の問題にSSW(スクールソーシャルワーカー) が関わって改善するケースも目立っています。SSWは社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ専門家で、児童相談所と連携しており、主に子どもの家庭環境の問題解決を専門としています 。公的な制度に関して知識がない人が制度を利用する過程でも、アドバイザーとして活躍します。しかし、増える一方の貧困層に対応しきれるほど、十分な人数が配置されているわけではない、厳しい現状もあります。また地域によっては、現役大学生や教員OBなどが、ボランティアで塾に通えない子どもたちに勉強を教える活動が行われています。このような貧困層の進学を助ける活動も大いなる希望ですが、さらに地域格差なく活発化しなければ問題解決には程遠いでしょう。また、有志や専門家に任せるだけではなく、現場の出来事を吸い上げて報告する、草の根的な活動は私たち一人ひとりの仕事ではないでしょうか 。ご相談者様のようなケースでも、プライバシーを守りながら匿名で相談できる先は少なくありません。・幼稚園、学校の担任の先生・民生委員・児童相談所・自治体のSOSダイヤル「いつもお腹を空かせている」、「入浴させてもらっていないようだ」、「様子がおかしいが、親と連絡がとれない」など、自分で抱えきれない問題に遭遇したら、迷わず然るべきところに相談してください。少し様子を見る過程は必要かもしれませんが、こうした問題を長く放置して良いことなど何もないのです。●最悪の事態を防ぐために“他人事”で済ませてはいけない!先日『子宮に沈める』という映画のDVDを観ました。2010年に起きた、“大阪2児餓死事件”を題材にした作品です。まったく救いのない、目を背けたくなるような内容でした。餓死や自殺、これは貧困問題に直面する子どもにとって最悪の事態です。根本的な原因は母親の貧困と孤立化、育児放棄なのですが、周囲の大人の「ま、いいか」という無関心 や、「自分の仕事じゃないし」という損得勘定の積み重ねも、実際にこうした事件の引き金となってしまいます。もし飢えている子どもが筆者のすぐそばにいたら、ご相談者様のように、やはり食事を提供すると思います。その上で、自分にできることや相談先を考えるつもりです。大人の事情とは無関係に、誰の子どもであっても、まずしっかり食事をし、清潔にしてもらい、生きる権利があるからです。【参考文献】・『日本の大課題 子どもの貧困』池上彰・編【参考リンク】・子どもの教育の問題とは | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン()●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年05月12日【ママからのご相談】中学生の息子が、部活の連絡用にスマホが欲しいと言い出しました。今はフィルタリングを掛けたガラケーを持たせています。息子は「ガラケーを持たせるならスマホでもいいじゃないか」と言うのですが、ガラケーとスマホでは子どもの生活への影響力が違うと思うのですが、どうでしょうか?●A. 中高生のアンケート調査から、ガラケーとスマホの与える影響の違いを確認してみましょう!ご相談ありがとうございます、ママライターのパピルスです。お子さんにスマートフォン(以下スマホ)を持たせるかどうかというのは、どの家庭でもいつかは直面する問題です。今回は“スマホとガラケーが子どもに与える影響の違い”についてのご相談ですね。ガラケーというのは、従来型携帯電話を指します。調べてみると、さまざまな調査結果がありましたが、今回は中高生自身がアンケート項目を考え、大阪府内の約2万人の小中高校生を対象に行った『スマートフォン利用実態アンケート』を参考に考えてみたいと思います。●中学生の6割超がスマホユーザーまず小中高生の携帯電話の利用実態を確認してみましょう。このアンケート調査の結果によると、平成27年7月の調査時点での携帯電話所持率は以下の通りでした。【携帯電話(ガラケー、スマホ合計)所持率%】小学校男子(4~6年)48.0%→中学男子70.8%→高校男子97.0%小学校女子(4~6年)59.9%→中学女子80.8%→高校女子99.1%【スマホ所持率%】小学校男子(4~6年)23.9%→中学男子61.2%→高校男子94.7%小学校女子(4~6年)26.2%→中学女子67.5%→高校女子96.7%小学生時代は少数派だったスマホユーザーが、中学生では一気に6割超 にまで増加していることに驚かされます。アンケート調査の中で、ガラケーユーザーと比べスマホユーザーで回答内容に大きな差がついた項目が複数ありました。中でも特徴的だった項目を次にまとめてみます。●アンケート調査で見えたガラケーとスマホの影響力の違いとは?アンケート調査の結果、「あてはまる」と回答した割合がガラケーユーザーとスマホユーザーで2倍程度の差がついた項目は以下の通りです。【生活面での影響】・「12時より遅く寝る」・「勉強に自信がない」・「1日3時間以上使用」・「健康異変(視力低下など)」【インターネットに関する影響】・「課金したことがある」・「ネットトラブル(ケンカなど)」・「面識がない人とLINEやメール」・「ネットで知り合った人と実際に会ったことがある」・「有害サイト」・「ネットで知り合った人と交際したことがある」----------例えば「12時より遅く寝る」という項目については、携帯電話をもっていない子16.8%、ガラケーユーザー19.8%に対し、スマホユーザー52.7%が当てはまると回答しています。スマホを持っているから夜更かしになるのか、もともと夜更かしをする子の多くがスマホを持っているのかははっきりしませんが、気になる結果です。また、「1日3時間以上使用」という項目に当てはまると回答したガラケーユーザーが10.6%だったのに対し、スマホユーザーは44.8%と約4倍 もの差がついています。上記の「12時より遅く寝る」という項目との相関関係がありそうですね。「ネットトラブル(ケンカなど)」についても、ガラケーユーザーの9.7%に対してスマホユーザーは28.2%と3倍もの差があります。上記の結果を見ると、同じ“携帯電話”のくくりにあってもガラケーとスマホでは子どもに与える影響力は大きく違うと言わざるを得ないのではないでしょうか。「勉強に自信がない」という項目がありますが、前年度の同じアンケートで「勉強に自信がある」という調査項目がありましたので、合わせてご紹介します。【勉強に自信がない(平成27年度調査)】・携帯電話不所持……12.3%・ガラケー……11.5%・スマホ……25.5%【勉強に自信がある(平成26年度調査)】・携帯電話不所持・・・45.7%・ガラケー・・・39.7%・スマホ・・・19.1%中高生が保護者にスマホを購入してもらう際の説得話法に、「テスト勉強にスマホが便利だ」ということを言う場合があるそうですが、この結果を見る限り、スマホの所持がテスト勉強に有利に働いているかと言うと疑問 です。スマホは便利ですが、危機管理能力や自己コントロール能力が未熟な中高生が適切に使いこなすには、難しいツールであることも確かなようです。機能の上では使いこなせていても、自分をコントロールしたり、危険を回避することが難しいのです。●スマホ利用のコントロールがカギこのアンケート調査は中高生自身でアンケート項目を考えたというところが興味深いですね。自身や友人の様子などから、ガラケーとスマホが与える影響について、身近に感じるところがあるのでしょう。一概にガラケーに比べてスマホに悪影響がある、とは言い切れませんが、このアンケート調査が示した結果は、中高生の現状を示すものとして、保護者はよく認識しておく必要があると思います。スマホを避け続けていれば良いというわけではありません。いつかはスマホデビューするのですから、そのときに自分で適切に利用できるような教育 をしていく必要があるのです。今回ご紹介したアンケート調査の結果からは、スマホを持った場合に陥りやすい傾向が見えてきました。これを回避できるようなルール作りを親子で話し合い、実行していくことが現代の親子には必要なのではないでしょうか。【参考リンク】・OSAKAスマホサミット2015を開催しました! | 大阪の子どもを守るネット対策事業(文部科学省委託事業)()●ライター/パピルス(フリーライター)
2016年05月10日【ママからのご相談】小3息子が「ユーチューバーになりたい」と言い出しました。小さいころからYouTubeなどで動画を見せることが多く、最近では興味のあるゲームの実況動画を見ています。おそらく、それらと同じような実況を撮りたいと思っている様子。私は反対したのですが、息子は「なんで?いけないことなの?」と……。「たしかに、何がダメなんだろう?」と、私自身言葉に詰まってしまい、「そんなの、大きくなってから後悔するんだから!」としか言えませんでした。それでも息子は「後悔しないよ?ぼく、カッコよく撮るよ!」と聞いてくれず、そのまなざしは希望でイッパイです。そんな息子を見ているうちに、(ものづくりへのモチベーション自体は悪くないことなのでは?でも、やっぱりやめておけば良かった!って思いそうだし……)と混乱しています。●A. 子どもの将来の夢はユーチューバー!? ママはどう動くべきか考えましょう。ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。今年3月、大阪府の某小学校に通っている児童たち(4年生)を対象に行った「将来の夢」のアンケート結果が、ネット上で話題となりました。その内容は、以下のようなもの。【将来の夢(小4男子)】・第1位…サッカー選手・第2位…医者・第3位…ユーチューバー・第4位…公務員注目を集めたのはもちろん、第3位に輝いた「ユーチューバー」の存在。ユーチューバーとは、『YouTube』(動画共有サイト)に動画を投稿し、動画再生によって得られる広告収入を収入源とする、比較的新しいスタイルの職業です。どうやら相談者さまと同じようにユーチューバーに憧れるお子様は決して少数ではない様子。今回は、子どもとユーチューバーについて考えてみましょう。●キッズユーチューバーがはらむリスクを考える「子どもがユーチューバーだなんて……」と思う人がいる反面で、すでにキッズユーチューバー と呼ばれる子どもたちが数多く誕生しています。ハラハラしながら動画を見てみると……「え、かわいいし、なんだか楽しそう!ひょっとすると、反対する方が子どものタメにならないのかも!?」とも思わせるほどのクオリティです。●人気「キッズユーチューバー」3選【Kan & Aki’s CHANNEL】【がっちゃんねる】【こうくんちゃんねる】こんなにもかわいらしくイキイキとしたキッズユーチューバーを目の当たりにした親心は、「子どもたちのやりたいことをこんな風に応援してあげられたら、どんなにステキだろう……」 と思う気持ちと、「イヤ、やっぱり何か危なっかしいよ!」 と感じる心が五分五分といったところでしょうか。なんの警戒心もなくネットの海へわが子を放り込む前に、動画投稿にともなうリスクについて考え直してみましょう。●キッズユーチューバーは黒歴史になる?ネットに自身の声や顔をさらすことで真っ先に思い浮かぶリスクは、「黒歴史にならないの?」 というポイントです。今は「最高に面白い!」と思える動画でも、自身の成長や時代の流れとともに「やめておけばよかった……」という過去になってしまう可能性は拭えません。“デジタルタトゥー ”という言葉が示す通り、一度ネットにアップしてしまった情報は未来永劫残り続けてしまうもの。このリスクから、動画投稿を食い止めたいと願うパパ・ママも少なくはないはずです。キッズユーチューバーたちが将来抱えるであろう後悔を憂う声も、少なくはありません。**********ユーチューバーキッズとか大人になった時の黒歴史となりうるな— きっとん (@kitton66) 2015年7月28日********************YouTuber kids… 親に黒歴史を作らされるのか… 古い考え方なんだろうけどいくら子供でも素顔をさらすなんてゴメンだな… — ふで@ (@mishishi_p) 2015年7月28日********************ユーチューバーキッズ…変な人多いし物騒な世の中だから大丈夫なのかなぁ…— BBエリー(ベリー) (@BB_ellymini) 2015年7月28日********************ユーチューバーキッズ絶対将来学校で虐められるでしょ — とむ (@tomu_hama) 2015年7月28日**********上記で紹介した人気キッズユーチューバーたちの動画が、いわゆる“黒歴史”とは程遠い印象を受けるのは、彼らの親御さんによる、動画を編集する技術力 のたまものなのではないかと考えます。大きくなった本人が見返しても、「このころの自分、かわいいなあ……」と、まるでアルバムをめくるように楽しめるような仕上がりに完成しているからこそ、世の中のパパ・ママたちに「これならOKかも……?」と思わせる魅力を発しているのです。しかし、それでもこれらの動画がキッズユーチューバーたちの黒歴史になるのか否かは、そのときが来るまでわかりません。子どもたちの姿をネットにさらす際には、そのリスクを理解することが必須だと言えるでしょう。●防犯面でもキッズユーチューバーはやめておくべき?ここ十数年の間に目まぐるしく普及していったインターネット。私たち親世代は、その便利さが広がっていく裏で、ネットに関わるさまざまな事件 が発生した瞬間を目の当たりにしてきました。その中には、将来の光を奪われるような痛ましい出来事も印象深く心に残っているかと思います。これに対して、過去を知らない子どもたちは、インターネットの恐ろしさにリアリティを感じることができません。動画を視聴する人は皆、自分たちと同じような羨望(せんぼう)のまなざしでディスプレイを眺めているとも思っているはずです。しかし、現実には、YouTubeの動画を見ている人の中に、子どもを傷つける可能性を秘めた人物がいてもなんら不思議ではありません。不特定多数の目にさらされる という現実を受け入れた上で、どのラインまで(顔も出すのか、声だけに止めるのか、など)露出させるのかを判断する必要があるでしょう。●ユーチューバーを目指す子どもは勉強しない?冒頭で触れた、小学4年生の子どもたちによる「将来の夢」のアンケート。この調査結果を毎日新聞ニュースサイトで紹介した兵庫県立大学の竹内和雄准教授は、『有名なユーチューバーは1億円以上稼いでいる。もうあくせく勉強する時代じゃない』と、勉強をせず過激な動画撮影に夢中になる子どもたちの現状を伝えています。「なんて時代だ!」と嘆かわしく思う方も多いのではないでしょうか。しかし、冷静に考えてみてください。大好きなゲームをしながら、おしゃべりするだけで生活ができるなんて、子どもはもちろん大人でも夢のようなお話!憧れて当然だといえば当然でしょう。私たちが子どものころ「ジャニーズに入りたい」「モー娘。に入りたい」「お笑い芸人になりたい」と言っていたことと、あまり変わらないのではないでしょうか。そんな子どもたちに、大人はなんと言えばいいのでしょう。実際に、自分が子どもだったころ、大人たちはどう諭してくれましたか?「夢だけで生きて行くことはとても難しい」「本当に人を引き付けるようなユーモアは、知識を蓄えることで身につく」これらのアドバイスは、今の子どもたちにもぜひ伝えるべきことだと言えるでしょう。今はなんの意味も感じられないお勉強かもしれないけれど、あなたを魅力的な大人にするための土台なんだ!と、子どもたちを机に向かわせるのは、ちょっと退屈な、それでいてとても重要な大人の仕事です。ユーチューバーを目指すのでれば、なおさら勉強しなくてはいけない現実をきちんと教えてあげるべきなのではないでしょうか。●せっかく芽生えた子どものやる気をへし折りたくない以上の理由から、「YouTubeに動画投稿なんて、とんでもない!」と、子どもの願いを却下してしまう方は大勢いらっしゃるのではないかと思います。しかし、本当にそれでいいのでしょうか?内容はどうあれ、せっかく芽生えた「やってみたい!」という子どものやる気。もしかすると、思わぬ才能が隠れている のかもしれませんよね。動画の内容を企画し、撮影を行い、編集をする……。この一連の作業の中に、子どもたちが学べることはいくつもあるはずです。投稿をするか否かは置いておいて、動画を完成させてみるというのも、教育の一環として有効であることは否めません。本当にユーチューバーになるのかどうかは、それから考えてみても遅くはないはずです。「動画撮影なんて、アソビみたいなことしてないで!」なんて足蹴にせず、お子さんが興味を持っているジャンルに親子で飛び込んでみる のも手段なのではないでしょうか。●ユーチューバーを目指す気持ちが、将来につながるかもしれません私事ですが、絵を描くことが大好きな子どもだった私が、はじめて抱いた将来の夢は“画家”でした。当時は、自分の好きなこととつながる職業について、画家以外の仕事を知らなかったからです。その後、絵を描く中で“表現すること”そのものの面白さに気づき、文章に興味を持つようになったのは小学校高学年ごろ。最初の「画家になりたい!」という夢は、紆余屈折あってライターという形で実りました。「楽しい!」と思えることは、志の始まりだと思います 。ユーチューバーと聞けば、親は「そんな不安定そうな職業!」と不安になるでしょうが、お子さんの選択肢にまだユーチューバー以外の職業が登場していないだけなのかもしれません。ユーチューバーの何に惹かれているのか、親が許容できるラインはどこなのか。もう少しだけ真剣に、お子様の「やってみたい!」と向き合ってみてもいいのではないでしょうか?【参考リンク】・スマホっ子の風景竹内先生の新教育論「夢はユーチューバー」勉強しない子どもたち | 毎日新聞()●ライター/木村華子(ママライター)
2016年05月04日【ママからのご相談】中学1年生と小学4年生の娘がいます。長女は塾や宿題があって、そのあとスマホで少し遊んでから、いつも1時過ぎに寝ています。睡眠は個人差があると聞いたのですが、今のところ元気ですし遅刻もしていません。子どもの成長に影響があるものなのでしょうか。●A. 就寝時間が遅い子どもほどイライラしやすいという調査結果が!ご相談ありがとうございます。こんにちは、ライターの川中利恵です。最近、子どもの睡眠不足や睡眠障害が増加しているというニュースをよく見ます。実際に睡眠に関する調査は多数行われていて、社会現象と呼べるほど、子どもの睡眠不足にスポットが当てられつつあり、その重要性が注目されているところです。わが家も子どもたちが高校生になり、夜更かしが増えてきたので気になっているところでした。もし、今は大丈夫だとしても、睡眠不足状態が続いた子どもたちはどうなってしまうのでしょうか。●子どもに必要だと言われる睡眠時間は?文部科学省『不登校に関する実態調査』(平成26年度)によると、子どもに必要と考えられている睡眠時間の目安は以下のとおりです。・0~3か月……14~17時間・4~11か月……12~15時間・1~2歳……11~14時間・3~5歳……10~13時間・6~13歳……9~11時間・14~17歳……8~10時間小学生は10時間前後の、中高生でも8時間以上の睡眠 が必要だとされているわけです。しかも睡眠で重要なのは時間だけではありません。規則正しいリズムで睡眠と起床を繰り返さなければ、睡眠の質が悪くなり、寝ても疲れがとれないという状態が引き起こされてしまいます。同じく文部科学省で平成26年11月に実施された『睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査』によると、多くの子どもたちは6時半〜7時より前には起きているようです。そこから逆算すると、本来は「小学生ならば21時ごろ、中高生でも22時には就寝した方がいい」 ということになります。実態はといえば、同データによると、22時までに就寝している小学生は49.2%、そして0時以降に就寝するという子どもは、中学生になると22%となり、高校生になると47%にまで増えています。その原因として、塾、スマホなどの普及、親世代の夜更かしなどが挙げられています。●睡眠不足が続くとどうなるの?睡眠中は、体内時計に従って深い睡眠と浅い睡眠を繰り返すものですが、深い睡眠をできるだけ長くとることで、成長ホルモンが分泌され、コルチゾールと呼ばれる副腎皮質ホルモンの一種の分泌が抑制されます。成長ホルモン は、体そのものの成長や肌細胞の修復、疲労回復、脂肪の燃焼を促進する作用があります。寝る子は育つとよく言いますが、この成長ホルモンの作用です。そして、最近の研究では、睡眠不足は生活習慣病にかかってしまうリスクが上げてしまうだけでなく、症状を悪化させる一因であることがわかっています。そして、コルチゾール はストレスを感じたときに分泌されるホルモンで、大量に分泌され続けると脳内の記憶をつかさどる海馬を傷つける作用があります。しかし、深い睡眠中は、コルチゾールの分泌を抑えることができる のです。勉強をしたことをしっかり身につけるためには、睡眠が必要だと言われるのはこのためです。逆に深い睡眠ができていない場合は脳の機能が落ち、うつ病などにかかりやすくなると言われています。つまり、深い睡眠を逃し続けると、成長を妨げ体調不良を起こす上に太りやすくなり、かつストレスにずっとさらされている状態が続いてしまうというわけです。●不登校のきっかけ、2位が「生活習慣の乱れ」小中学生で不登校に陥っている生徒は、全国でおよそ12万人以上もいると言われています。当初はいじめなどが原因とされていましたが、文部科学省『不登校に関する実態調査』(平成26年度)によると、2位が「生活リズムの乱れ」となっています。「朝起きられない」「夜に眠れない」などが原因で睡眠不足・睡眠リズムの乱れに陥り、学校に行けなくなる日が増えていった結果、学校へ行きづらくなり、不登校に陥ってしまう子どもが多くなっているのです。寝る時間は遅くなっても、朝起きなければならない時間は変わりません。それに伴い、脳の疲労回復を担う睡眠時間が短くなり、脳が疲れ切ってしまいます。それにより、自律神経の乱れが起こり、体内時計が狂ってしまうのです。場合によってはうつ病になるケース もあるようです。不登校になっているわけではないから大丈夫、と思っていても、睡眠不足はじわじわと子どもたちをむしばんでいきます。実際に前述の『睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査』でも、就寝時間が遅い子どもほど、「自分のことが好きだ」という質問に対して「そう思わない」と答えた割合が高く、「何でもないのにイライラする」という質問に対しても「よくある」「ときどきある」と答えた割合が高くなる傾向があったことがわかっているのです。●大人も一緒に早寝&朝活しませんか?早寝早起きをして、朝食をしっかり毎日食べている子どもは、成績が良く、運動能力が高いというデータがすでに存在します。子どもの将来を思うのであれば、勉強をさせることも大切ですが、それ以上にしっかり睡眠をとることの方が重要なのでしょう。日本の子どもたちは世界的にも就寝時間が遅く、睡眠時間が短い傾向があることがわかっています。そのせいか、「子どものためにも添い寝はNG」という説もあるぐらいです。そうはいっても住環境的に、独立した子ども部屋を作れないというご家庭も多いのではないでしょうか。その場合、乳幼児のころは添い寝が一番家族にとって寝やすいのですが、大人の生活時間に子どもが合わせてしまいやすい というウィークポイントがあります。これは小学生や中学生になっても同じで、親がテレビを見たり、スマホをいじったりしたまま「早く寝なさい」と言っても説得力がまるでなく、思春期との合わせ技によって、睡眠時間がどんどん遅くなるばかりでしょう。わが家でも心当たりがあります……。私もかつて、子どもたちが低学年のころまでは、20時に部屋中の電気を消して一緒に寝てしまっていました。それからこっそり1時か2時ごろ起きだして仕事をする生活をしていたのです。しかし、今はすっかり夜更かし型になってしまっていて、それに伴い、子どもたちも夜更かしする日が増えていることに思い当たりました。今思えば、早寝早起きをしていたときの方が、かなり仕事がはかどっていたように思います。せっかくですから、相談者さんのご家庭でも、子どもたちの就寝時間にはパパやママもテレビやスマホを消して一緒に寝てしまい、早起きする生活 をしてみてはいかがでしょうか。そして万が一お子さんに、どうしても眠れない、体調が悪いなどの症状がある場合は、速やかに睡眠外来の門をたたくことを強くおススメします。【参考リンク】・睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等との関係性に関する調査の結果()●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)
2016年04月28日【ママからのご相談】娘が小学校4年生になったので、毎日の宿題に“自主学習”が加わりました。担任の先生には「何を書いてきてもいいよ」と言われているのですが、娘は「何を書いたらいいか分かんない」と困っている様子です。結局、ただイラスト(漫画のキャラクター)を描いたり、簡単な日記を書いたりして提出しています。これでは“自主学習”にならないのではないかと不安です。“自主学習”って一体どんな勉強をすれば良いのでしょうか。皆さんはどのような内容で勉強をされていますか?●A. 今日の“授業の一番大切なこと”を教科別にノートに書き出してみましょう!ご相談ありがとうございます。ママライターのパピルスです。進級した子どもたちがそろそろ新しいクラスに慣れてきたころでしょうか。中学年以降(学校によっては低学年から)、先生から出された課題に加えて、「自分で学習する内容を決めて勉強する」=「自主学習(自主勉強)」が新たに宿題に加わったというご家庭も多いことと思います。もともと“自主学習”という概念は、『全国学力・学習状況調査』で常にトップを維持している秋田県の小学生が、毎日取り組んでいるということで注目を浴びた勉強法です。現在ではその流れを受けて、多くの小学校で自主学習が行われていますが、その取り組み方はさまざまです。実際、筆者の子どももこれまで4人の先生のもとで自主学習に取り組みましたが、先生によって認識に大きな違いがあり 、とても驚きました。周囲のママに聞いても、細かく自主学習のやり方を指導する先生もいれば、「とにかく1日1回でもノートに向かえば良し(お絵かきでもOK)」という先生もいるとのこと。後者のように漫画のキャラクターを書いただけでOK!という方針は子どもにはうれしいものですが、親としては「せっかくなら何か身になることを……」と思ってしまいますよね。そこで今回は、『自主学習ノートへの挑戦』という本を参考に、確実にお子さんの力となる“自主学習”の方法についてご紹介します。●自主学習の目的は、“自ら学び自ら考える力の養成”自主学習とは、その字が表すとおり「自らが主体となって学ぶ」 ということに他なりません。これは、現行学習指導要領の大きな狙いである、“自ら学び自ら考える力の養成”に直結しています。適切な自主学習を繰り返すことで、自発的に学び考える力が育成される……それが自主学習の本来あるべき姿なのです。●その日の授業を要約させると効果的それでは、具体的にどんな取り組みをすれば適切な“自主学習”になるのでしょうか?子どもに有益な自主学習をさせるために必要なことは以下の2つ。1.その日の授業(各教科)を思い返して、「授業の中で一番大切だったこと」を自主学習ノートに書かせる。2.子どもが書いた内容に先生や保護者がコメントを書き込む。“授業の中で一番大切だったこと”を思い返してノートにまとめることで、授業を真剣に聞く態度が培われます 。授業中に眠っていたりぼーっとしていたら書けませんからね。また、全体の中から要点を取り出し、内容をまとめる能力も育つため、大変効果的な自主学習方法と言えます。何度も繰り返しますが、自主学習の目的は“自ら学び考える力”を養成することにあり、ただページを埋めること が目的ではありません。考えなしに漢字練習や計算問題を繰り返すのではなく、「今日の国語の授業で一番大切なことって何だろう?」と考えながら復習することが大切です。この“自ら考える”という行いが自発的な学習への第一歩!受け身の勉強から自分で考える能動的な勉強へ変化する第一歩となります。とはいっても、最初は「1時間目は算数、分数の足し算をやった。2時間目は国語、新しい部首を習った」などと書くことが精一杯な子もたくさんいるようです。実際、筆者の息子もそれに近い状態でスタートしました。何事も最初はうまくできないものなので、「これじゃダメだ!」などと言わず、まずは先生や保護者が励ましのコメントを書き込んでモチベーションを高めてあげることが大切 です。子どものモチベーションを高めるコメント例は後述しますので、参考にしてくださいね。通常、“自主学習ノート”は担任の先生に見せるだけ、という環境が多いと思いますが、できる範囲で親も子どものノートを読んでコメントを書き添えてあげましょう。それだけで子どものモチベーションは大幅にアップします。実際、保護者のコメントをきっかけに学習内容がガラリと改善されたお子さんもいるようです。●子どものモチベーションをUPさせるコメントの書き方4つ子どもの“自主学習ノート”にコメントを書く際、気を付けるべきポイントは4つ!(1)コメントは短ければ短いほど良い。→例:がんばったね!毎日続けてえらい!など。(2)“よい点”を指摘する。→例:「丁寧に書けてるね」「図があって分かりやすいね」「ノートの使い方が工夫できてるね」「よく調べたね」など。(3)考える手がかり(ヒント)を与える。→例:「絵を書くとわかりやすいよ」「図にしたらどうなる?」「大事なところは色を使うといいよ」「間違えた問題をやってみよう!」など。(4)励ます。→例:「どんどん良くなっているよ!」「集中して取り組めたね!」「忙しい中、頑張っているね」「5日続いたね、記録更新!」など。自主学習ノートに先生や保護者がコメントを添えることで、子どもが「じゃあ、もう少し丁寧に書いてみよう。ここは絵で説明しよう。大事な言葉には色ペンを使おう」という風に自発的に考えて工夫する ようになります。----------いかがでしょうか?“授業の一番大切なところ”をまとめるうちに、自主的に分からないことを調べたり関連性の高い情報を付け加えたりするなどの発展的な学習に進化していくようになります。1か月続いたら、ぜひ最初のページと直近のページを比較してみてください。もし内容に良い変化が見られるようなら、お子さんと一緒に「こんなに変わったね!」と話して成長ぶりを褒めてあげましょう。子どもに「やり続ければ成果が出る」ということを教えることになりますし、何よりモチベーションアップにつながりますよ。【参考文献】・『自主学習ノートへの挑戦』堀哲夫/仙洞田篤男/芦澤稔也・著●ライター/パピルス(フリーライター)
2016年04月26日こんにちは。教育コンサルタントの佐々木です。子どもを賢くしたい、頭のいい子に育ってほしい、勉強ができるようになってほしい……子どもがいる親御さんなら誰しもそう願っているのではないでしょうか。そこで、脳科学の見地から、簡単にできる子どもを賢くするコツをご紹介いたします。●(1)適度な運動頭を良くするためには、脳をよく動く状態にすること、つまり脳に血が回ること が重要です。脳に血を回すためには、適度に運動をすることが大切です。集中力が落ちたと感じたらウォーキングをしたり、片付けなど単純作業をして血流を良くしましょう。ちなみに、食後に眠くなるのは胃に血液が流れるため脳に血が回らないためです。●(2)緊張感を持たせるストレスになる程の強い緊張感はパフォーマンスを下げてしまうものですが、適度な緊張感は脳を活性化します 。人が見ているところでは下手なことができないので、一生懸命やろうとするでしょう。あるいは、「絶対に○日までに終わらせる!」という緊張感は脳のパフォーマンスを上げます。たとえば、締切の日や補習の日程に楽しい予定を入れてしまえば、絶対に落とすわけにはいかないので、必死で勉強に取り組むでしょう。●(3)締切や時間制限を設ける時間設定を必ず設けましょう。「何時間でもいいよ」と言われると、脳はだらけてしまいます。宿題をするにしても、今日中に終わればいい、いつでもいいとしてしまうのではなく、時間を決めて取り組みましょう。30分かかりそうなものであれば20分にセットするなど、かかりそうな時間より少し短くする ことで、緊張感を演出できます。キッチンタイマーや、スマートフォンのタイマー機能を使って、時間内に必ず終わらせる習慣を作りましょう。●(4)ライバルを設定する人と競い合うこと は脳の回転数を上げることに非常に役立ちます。負けたくない気持ちから、モチベーションアップも期待できます。例え難しいことだとしても、ライバルがいれば、それをできるように頑張れるものです。●(5)子どもに教えてもらう人に教えることには緊張感が伴い、脳のあらゆる場所を使って考えたり説明したりするため、脳が活性化します。受け身な講義での理解度は5%であるのに対し、人に教えることの理解度は90% と言われています。子どもを賢くしたいならこれを利用しない手はありません。お子さんに、学校で起きたことや学校であったことを説明してもらうことを習慣にすれば、脳が活性化し頭が良くなるでしょう。----------脳を活性化し回転をよくするためには、脳の血流を良くしながら、常に緊張感を持って取り組むことが大切です。自宅で実践できることがほとんどですので、ぜひやってみてくださいね。【参考文献】・『覚えない記憶術』樺沢紫苑・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年04月24日こんにちは。ママライターのamuです。子どものころ親にされて嫌だったはずなのに、ついわが子に同じことをしてしまっていることってありませんか?ガミガミ、決めつけ、お節介……。人は、欲求や価値観が対立したときに、お決まりの12の対応で相手の行動を変えようとしてしまいがちだそうです。だけど、それは抵抗や反発を生んでしまうとか……。普段してしまっていることが、逆効果だと知ることも、親子のより良い関係への近道なのかもしれません。以下に、宿題をしないときの12の対応パターンと、子どもがそのときどう思いがちかをまとめてみました。●子どもがやる気をなくす親のNG対応12パターン●(1)命令、指示「これの解き方はこうだよ、さっさとやってしまいなさい」親の私たちにとっては簡単に見えるので、このようについ口を出してしまいます。→子どもの気持ち:(もう、聞きたくない、何を言ってもムダ )●(2)脅迫、警告「宿題をしないと怒るよ!どんどん頭が悪くなるよ」「はい!5、4、3、2、1!!」昔コギャル語にあった、MK5(マジでキレる5秒前)ってやつですね。→子どもの気持ち:(こわい、押しつけてきて嫌だなぁ )●(3)説教、義務付け「宿題をするのは、みんながしてる当たり前のことでしょ?勉強することが仕事でしょ」一般論を振りかざすこと、よくあります。→子どもの気持ち:(うるさい! )●(4)提案、助言、忠告「もっと上手に時間を使えるように、帰ってきたらすぐ片付けるとか、きちんと計画を立てなさい」「ママもご飯を食べたらすぐ洗い物したら?」と言われたら困るなぁと思いつつ。→子どもの気持ち:(わかっているけど、できないんだよ 。イライラする)●(5)論理による説得「寝る時間まで、もう2時間しかないんだよ。お風呂に30分入っていたら残りはどれだけ?よく考えて」逆算や時間配分が苦手な子は多いようです。→子どもの気持ち:(そうだよな……。なんでできないんだろう…… )●(6)批判、非難「ノロノロしてるからでしょ!どうしてそんなに怠け者なの?どうして毎日のことなのにできないの?」なんで?どうして?は、ママがよく使うワード→子どもの気持ち:(できない自分はダメなんだ )●(7)悪口、侮辱、はずかしめる「全く成長しないのね、小さい子でもできることができなくて恥ずかしくないの?」兄弟と比べるパターンは、ママ友達からも反省点でよく聞きます。→子どもの気持ち:(こんなこともできない自分は嫌われている )●(8)解釈、分析「宿題をしない言い訳ばっかり考えているんでしょ?勉強が嫌いなの?塾に入れないとダメかしら……」こういう、親の本気の一人言って怖いですよね……。→子どもの気持ち:(勉強ができるいい子になってほしいんだろうな、変わってほしいんだろうな 、でもできない……)●(9)同情、なぐさめ、激励「宿題多いよね。難しいよね。でも、きっとやればできるよ。ファイト!」これは、優しくて一見よさそうに見えます。私にはできない……。→子どもの気持ち:(できないと決めつけられている )●(10)尋問(原因・動機・理由を探る)「どれだけ時間をかければできるの?すぐに取りかかれない理由はなに?」そんなこと言われても、面倒だってこと以外に理由はないんですよね……。→子どもの気持ち:(どうしてすぐに問い詰めるんだろう )●(11)賞賛、ご機嫌とり、同意「本当は頭がいいんだから。やればすぐ終わるよ」俺の何を知っているんだ!パターンフラグ。→子どもの気持ち:(そんなことないのにプレッシャー…… )●(12)ごまかし、皮肉「誰かさんは、今日は機嫌が悪いのかな~」俺のこと何ひとつわかってない!パターンフラグ。→子どもの気持ち:(もう少ししたらやるといっても、理解してもらえないだろうな )----------どれも、「いいよね、お母さんはやらなくていいんだから」という気持ちにさせてしまうのもわかる気がします。●子どものやる気を奪う“親の攻撃行動”3つそして、これら12の対応以外にも、3つの攻撃行動と呼ばれるものが、●(a)無視「どうせやらないんだから」と冷たい視線でほうっておく。何か頼まれても聞こえないふりをする、など。●(b)仕返し言うことを聞かないのに腹を立てて、ご飯を抜きにしたり、普段してあげていることをしない。宿題に使うものを捨てるふりをする、など。●(c)他で攻撃する、いやがらせ「全然言うこと聞かなくて、宿題もガミガミ言わないとできない」と友達や祖父母などに言いふらす。先生に相談して言ってもらう、など。----------これらをすると、相手の心は閉じてしまうそう。かと言って、自発的にはやらないし、何も言わなかったら永遠にやらない!というママの声が聞こえてきそうです。そこで、オススメしたいのが、まずわが子の反抗パターンを知ること 。命令すると腹が立って反抗する子、逆に優しくすると子ども扱いや馬鹿にされたと感じて反抗する子がいると思います。命令されると重い腰をあげる子と、励まされたら頑張れる子がいると思います。12のパターンをうまく使って、その子にあったアレンジをしながら発破をかけるのも、親の腕の見せどころなのかもしれません。【参考文献】・『親業―子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方』トマス・ゴードン(著)●ライター/amu(ママライター)
2016年04月23日こんにちは。保育士ライターのyossyです。小学生以降、場合によっては幼稚園の後半以降になってくると、子どもの勉強に関してヤキモキすることも増えてくるのではないでしょうか。幼い子どもがいる場合、特に算数に関して、親が教え方に悩んだり、 なかなか理解してもらえずイライラしてしまったりするケースは多いように感じます。「どうしてわからないの!」「何回も言っているでしょ!」なんて言ってしまった経験がある人もいるかもしれませんね。でも、できることなら楽しく優しく勉強のサポートをしてあげたいものです。では、幼い子に算数の基礎を身に付けさせる にはどうすればいいのでしょうか。5つ方法をご紹介します。●子どもに「算数の基礎」を身につけさせる方法5つ●(1)言葉だけでなく“モノ”を使って説明する数字を“足す”“引く”という概念ひとつ取ってみても、幼い子が相手ではなかなか言葉で説明しづらいものです。そんなときは、身近にある物を使って説明するのがいいでしょう。たとえば、「10-2=8」という計算であれば、実際におはじき・お菓子・鉛筆など、なんでもいいので10個(本)用意してください。そして、2個よけて数えてみるのです。数が大きくなって同じものを用意するのが大変になってきたら、そろばんの知育玩具を購入するのもいいですね。実際に、わが家でも大活躍しています。視覚的に数の概念がわかるツール を使うことで、一気に理解が進むケースも多いですよ。●(2)“毎日の積み重ね”はやっぱり大事!緑進学院の代表取締役、石田勝紀氏は『東洋経済オンライン(2015年7月16日)』のなかで以下のように述べています。『小学生の間は、毎日1枚程度の計算プリントを行うことがとても重要です』『毎日歯を磨くことと同じように、日課にする必要があるでしょう』子どもが幼いうちに勉強を習慣化するためには、親の声かけも重要です。当然、忍耐力も必要になるでしょう。でも、毎日少しずつやっていくことで、確実に算数の基礎力が身についていくはず です。市販のドリルでも構いませんので、ぜひやってみてくださいね。●(3)生活のなかで数字を取り入れる普段の生活のなかで数字や計算を使うことも重要です。たとえば、・家族全員分のお皿を並べてもらうときに多めに渡し、何枚余ったか聞く・小さなお菓子を、家族全員同じ数になるように振り分けてもらう・少額の買い物をさせてみる(年齢に応じてサポートしながら)といった具合です。もし時計がなかなか読めずに苦労しているのであれば、時計盤の表示がわかりやすくなっている子ども向けの時計を用意するのもいいでしょう。また、幼稚園の早いうちから時計が読める子のママに秘訣を聞いてみたところ、「普段から“60”を意識して数を数えさせている」という答えがかえってきました。たとえばお風呂で湯船に浸かる際、60数えさせるのです。そうすることで、時計に使われている60進法の基礎が知らず知らずのうちに身に付いている というわけですね。●(4)国語力を鍛える単純な計算式だけでなく、問題文が出てくるようになると、「問題文そのものが読めていない/わかっていない」 というケースも多いものです。これに関しては、文章読解力を別途身につけなければなりません。やはり、訓練を積み重ねること、日ごろから文章に触れる機会を増やすことが大切でしょう。特に、読み聞かせや子ども自身による音読などが有効です。●(5)「うちの子はできない」と思い込まない最後に、パパ・ママが「うちの子は算数ができない……」と思い込んだり、できないからと言って頭ごなしに叱ったりするのはやめたほうがいいでしょう。子どもが計算ミスをすることや、計算の概念を理解できないのは当たり前と思ってください。「なぜできないの?」ではなく「どうしたら伝わるだろうか?」というふうに、手段に思考を巡らせたほうがイライラせずに済む はず。また、仮に親が算数を苦手としていても、子どもには関係ありません。きちんと理解できるように説明すればできるようになります。「自分が苦手だから、やっぱり子どもも……」なんて諦めると、希望の芽を摘むことになりかねません。忍耐力も必要なので大変ですが、ぜひできることからはじめてみてくださいね。【参考リンク】・算数が苦手な子は「3つの誤り」を犯している | 東洋経済オンライン()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年04月16日こんにちは。在宅ワーカーの川中利恵です。入学のシーズンですね。これを機に学習机を購入されたり、いつ買おうかタイミングを見計らっていたりするパパやママは多いのではないでしょうか。実はわが家には勉強机がありません。物理的に置く場所がなかったためですが、子どもたちが高校生になった今も結局購入できていません。でもやはり、買えばよかったかなという気持ちはあります。なぜなら、自分自身が在宅で長くパソコンの前に座っているため、椅子や机の高さの重要性について身をもって知ったためです。やはり、合わない机や椅子を使い続けていると、どうしても姿勢が悪くなるので、肩こりや腰痛が起こりがちになるのです……。そこで今回は、実際のところ、みんなは子どもの学習机をどうしているのか、それから、体に適した机や椅子の選び方について、調べてみました。●多くのママがリビング学習を望んでいる!良い姿勢を保つ椅子や机、と考えると、やはりオーダーメイドに近くなければ難しいのではないかと思います。実際に多くのママはどうされているのか、カリモク家具による調査と、キッズスターによる調査の結果を見てみました。キッズスターの調査によると、「学習机を使っている」という先輩ママは63%という結果となりました。つまり、およそ4割の家庭では学習机は使っていない ということです。一方で、最近は親の目の届く範囲で子どもに学習をさせる“リビング学習”が流行っているようです。実際にカリモク家具調査によると、「子どもにリビング学習をさせたい」と思うママは、「ぜひさせたい」「まあさせたい」と思う方も合わせると、なんとおよそ88%もいました。特に個室があるケースでは、子どもに目が届かなくなることを懸念するママが多いのかもしれませんね。●姿勢が悪いと気持ちも落ちる!?リビングで勉強してくれると、親はとてもホッとします。でもよく考えてみると、リビングの机や椅子は子どもの体格に合わせたものではないケースがほとんどです。骨格の成長が止まった大人でも、長く体格に合わない机や椅子を使い続ければ悪影響があるものです。では、成長過程にある子どもはどうなるのでしょう。東京都教育委員会が行った『「正しい姿勢」のもたらす、心理・社会的側面調査』によると、小学生の児童の場合、姿勢の良い児童は「飽きても宿題は最後までする」など、自己抑制が高い傾向があるという結果が出ています。さらに中高生になると、姿勢のいい子どもほど、「学校生活に意欲的に取り組んでいて自己肯定感が高い傾向がある」 という結果を導き出していました。ただし、この調査は担任教員による評価に基づいています。もともと気落ちしていたり、落ち着きがない子どもだったりするケースもあると思うのですが、そのあたりは特に記載はありません。本調査の結論としては、別途行われた身体調査、および今回ご紹介した心理・社会的測面調査ののち、起立や礼など姿勢を正す訓練をはじめとした体幹を鍛えるプログラムを実践したところ、物理的な姿勢の悪さについては、いずれの児童・生徒に関しても、改善がみられたとのことでした。確かに姿勢は悪いよりもいい方が身体的にもいいことです。その上、第一印象も大きく変わります。しかし、心理的にも変化が起こるものなのか、個人的にとても興味があったので、体幹を鍛えた後の調査結果が気になるところです。●机はそのままでも椅子の調整は可能! ぜひ試してみてそうはいっても、正しい姿勢を継続して行うだけで、体幹を鍛えることにもつながることが判明しています。リビング学習をするにしても、学習机で勉強をするにしても、机や椅子は切り離せませんから、やはり適したサイズの机や椅子を用意したほうが良いのでしょう。では具体的に、体にフィットした机や椅子の高さはどのように調べればよいのでしょうか。実はこれ、人間工学の知見から、すでに計算式が判明しています。【最適な机の高さ】・机の高さ=“身長×0.25-1+身長×0.183-1”【最適な椅子の高さ(座面高)】・座面高=“身長×0.25-1”机も椅子も最適な高さは身長から導かれます。たとえば身長118cmのお子さんにとって最適な机の高さは49cmですし、最適な椅子の座面高は29cmです。しかし、小さい机や椅子を買っても、子どもは成長するため、すぐに使えなくなってしまいますよね。一般的に学習机や椅子は調節ができるものがよい と言われているのはこのためです。足がつかないと、ぶらぶらさせてしまいがちですし、机の高さが合わなければ疲れやすくなるため、勉強に集中できなくなるでしょう。新しい机や椅子を、家具屋さんなどで探していてメジャーがない場合、適切な高さがわからないこともあるでしょう。その場合、実際に購入予定の椅子に正しい姿勢で座ってみてください。机は肘をまげて手をテーブルに置いてみたとき、肩が上がったり下がりすぎたりしない高さ、椅子は足がぴったり床につく高さが適切な椅子や机の高さになります。机をすでに購入してしまった、リビング学習をするから子ども専用の椅子やテーブルがないというご家庭も多いでしょう。調節ができる机や椅子ならよいのですが、リビングテーブルで高さの調節ができるものはごく少数だと思います。その場合は、足を安定しておける足置きを用意して、座面の上に高さ調節用クッションを置いてみてはいかがでしょうか。足置きはお風呂用の腰かけや段ボール箱を補強したものや木箱 など、足を安定して置ければなんでもOKです。いつか学習机を購入予定があるのならば、椅子だけ足置きがついていて高さ調節ができるものを用意するのも一つの手だと思います。わが子たちはもう高校生で、私より体が大きいので、自分たちで椅子の調節をするようになりました。でも、少し猫背なところもあるので、もっと早く気付いてあげればよかったなあと思っています。もし余裕があれば、ぜひお子さんが学習する机と椅子の高さチェックをして、調節してあげてみてくださいね。【参考リンク】・子供の体幹を鍛える~正しい姿勢のもたらす教育的効果の検証~ | 東京都教職員研修センター(PDF)()・学習机に関するアンケートを実施 先輩ママがいま一番選びたいのは「体に合わせて高さ調整ができる机」! | キッズスター()・「リビング学習」に関するアンケート結果発表! | カリモク家具()●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)
2016年04月14日前回に引き続き、2013年開校の「駿台・浜学園」をご紹介。「算数の実力差が受験を制す」と、4教科の一般コース以外に算数のみの特訓コースもあり、テストの回数が多いのが特徴だ。今回はさらに詳しい塾の体制と、関西トップ塾が関東に進出した理由をご紹介する。○家庭学習しやすい仕組みが充実中学受験において、親の関わりが難しいと感じることの1つに、「家庭学習」があるのではないか。その点頼りになるのが、授業のポイントやアドバイスを示した同塾の「学習計画表」だ。ポイントを記した箇所には、テキストのページ数も書かれているため、復習しやすい。インターネットも活用しており、欠席時の講義や公開学力テストの解説、テキスト全問題の講義などがオンライン上で視聴可能。塾がないときでも子どもたちが自ら勉強できる環境を作るためのサポートがしっかりしている。テスト結果も随時見られるので、保護者も安心。また、学力に即した講義と少人数指導を徹底させているのも特徴だ。一般コースでは学力に応じたクラスが3種類あり、復習テストと公開学力テストの総合成績で2カ月ごとにクラス分けされる。クラスが上がれば頑張りの評価に、クラスが落ちても、次回への目標につながるとともに、学力に即した講義が受けられる。1クラスの人数は10名程度と少ないので、一人一人に先生の目が行き届く。講師については現在、関東だけでなく実績のある関西からも3分の1以上呼び寄せているという。さらに、オリジナル教材も学習内容を深く理解させるための工夫が満載だ。教材には、繰り返し学習した単元を、学年をまたがって内容を高度にしつつも再度学習する「スパイラル方式」という仕組みを採用している。この教材を使うことによって、ただ問題をこなすのではなく、意味の理解に導いて定着をはかり、効率的に勉強を進めていくことができるとのことだ。○合言葉は”満足していただける受験”関東と関西の指導体制に大きな違いはない。しかし、関西では入学試験が3教科(国語・算数・理科)でも受験できる学校が多数であるのに対し、関東は社会を含めた4教科が多いので、小4から社会の授業を実施するなどの対策をとって対応している。また、記述式の問題が多い都立の中高一貫校対策も抜かりない。2016年は見事、小石川中等教育学校(都立の中高一貫校)に合格者を輩出した。第1期生は21名と少ないが、開成中や渋谷教育学園幕張中、お茶の水女子大学附属中、女子学院中など超難関有名校の合格者も多数輩出している。同塾では、合言葉を”満足していただける受験”とし、利用者が満足感を持って受験に取り組める環境づくりを心がけているという。中学受験は親子の受験。親のサポートなしでは勝ち得ないのが実情だ。そのため、講師と子ども、もしくは講師と保護者、あるいは3者面談というかたちで、希望があれば面談を実施してくれる。申し込めば期間や回数に関係なく、相談に応じるサポート体制が整っている。子どもと親の主張が一方通行になり、コミュニケーションを円滑に取ることが難しくなったときに、間を埋めてくれる役割も担ってもらえそうだ。○少子化などの影響で関東進出少子化や受験率の低下を実感し、2003年には東海地方、そして関東進出を果たした同塾母体の「浜学園」。関東でのブランド力を高めようと、実績がありながらも中学受験部門の強化を検討していた「駿台」とタッグを組んでの開校となった。「算数指導」を看板に掲げる浜学園と理数系に強い駿台の方向性が似ていたというのもある。今回の取材先、お茶の水教室が入ったビルは「駿台」がメイン看板を掲げている。「駿台・浜学園」は3Fの全フロア。取材に応じてくれた同塾の竹森勝俊 代表取締役は、「ゆくゆくは、2歳半から入れる幼児教室(はまキッズ)から「駿台・浜学園」、大学受験で「駿台」へと1つのビルで完結する形を取りたい」と抱負を語ってくれた。今後も1年に1~2校のペースで開校していくという同塾。既存の教室の地固めも必要なので、無理な広げ方はしないそうだ。今後の展開が楽しみである。
2016年04月13日今回は、小学校受験をすると決めたご家庭がやるべき心の準備と努力についてです。まず必要なのは、両親が「ブレない」ことです。小学校受験を決めると、お子さんを塾に通わせることとなります。この時点で多くのご家庭では壁にぶつかることでしょう。その内容はというと……お子さんによっては、ご両親のただならぬ意気込みに拒否反応を示し、塾に行きたくないと言ったり、塾への道中に意味不明な理由でゴネ始めたり、ということがあります。小学校受験をする子があまりいない幼稚園に通っていると、降園後の遊びを早めに切り上げることを嫌がるケースも。塾が保護者参観を義務付けていない場合、普段は母子分離ができていても、いざ塾で親と離れるとなると大泣きすることもあります。子どもがこういう行動に出る理由は、「他の子はできるのにうちの子は……」と比べられたり、うまくできないことに挑戦し続けてそれによってプライドが傷付くのが嫌だったり、ということが考えられます。しかし、だからといって頭を抱える必要は無く、このような抵抗があることは極めて普通のことと思ってください。子どもは、親の心理状態や環境の変化に敏感に反応するからです。もちろん、泣き喚く子どもを教室に押し込んで「頑張ってきて! 」と突き放すのは心の痛むもの。また、家庭で勉強に取り組んでいると、何度説明しても理解しなかったり、飽きて集中していなかったり、イライラする場面は止めどなくやってきます。つい、怒鳴ってしまい、後悔。そして、「小学校受験さえしなければ……」と思ってしまうものです。しかし、親御さんが子どもの前で少しでもそんな顔を見せたり、弱音を吐いたりしたら最後。子どもは本当によく見ているので、嫌がればやらなくていいという可能性を見いだしてきます。そしてもっと抵抗してみる、という悪循環に陥ります。○努力し続けるのは大変なことさて、塾通いに抵抗がなくなったら、次にくるのは体力と精神力の壁です。これはお子さんではなく、ご両親に先にやって来ます。勉強を進める度につまずきがあり、それを克服するための努力を繰り返すわけですが、受験1年前からはその頻度が急速に上がるので息切れしてしまうのです。子どもは日々成長しているので、与えられたものを理解できるように教えてもらえれば、次々と身に付けていきます。しかし、ご両親がお子さんの癖や言動を直すため怒らず注意し続け、できない問題を焦らず怒らずあの手この手で理解させようと努力を続けることは、かなりの我慢と体力を要します。また、小学校受験特有のプレッシャーもご両親を襲います。家族に私立小学校卒業生がいたり、近親者に合格実績がある場合、「うちだけ失敗する訳にはいかない」と思い、兄弟に合格実績があると「下の子はダメだったなんて言えない」と思ってしまいます。子どもはそれぞれ個性も能力も違うのですが、それでは済ませられないのが大人の事情。このプレッシャーに耐えながら努力を続けるには、かなりの忍耐と精神力が必要となります。働きながら日々の生活をし、その上子どもの勉強とプレッシャーにさいなまれる。こんな日々を受験当日まで耐え抜き、努力し続ける。小学校とは言え受験です。楽なことではありません。覚悟が問われます。そんな状況の中で、ぜひ味方につけてもらいたいのがよき指導者です。泣き喚くお子さんを受け入れてくれる塾の先生。巷にあふれる情報や模擬試験の結果に一喜一憂することをたしなめてくれる先生。泣きたくなる状況の中、話を親身に聞いて今するべき努力を思い出させてくれる先生。そんな先生に出会うことができれば、遠慮なく頼りましょう。そうすれば、お子さんよりご両親にとって辛いことが多い小学校受験も、乗り切ることができるのではないでしょうか。今回ご両親にお伝えしたいのが、受験すると決めたら、心が痛もうが疲れようがブレずに「やる」決意を貫くこと。お子さんが泣いた時はその理由を本人に聞き、どうすれば泣かずに行けるか話し合いましょう。感情的に怒ってしまったことは子どもに謝りましょう。一緒に志望校に憧れ、入学する日を夢見ましょう。受験は、親が子どもに無理やりさせる苦行ではありません。お子さんの将来のためにする努力です。受験勉強を通して得たものは一生の糧になります。努力は少しの無駄にもなりません。力を合わせて、一緒に成長する道を探り進んでいくのです。受験は、遅かれ早かれやってくるライフイベントです。それを「今やる」と決めたのですから。ご両親の決意が固ければ固いほど、お子さんは親の覚悟を感じ取り、嫌なことがあっても頑張ろうと腹をくくります。辛い場面の話ばかりで辟易とされたかもしれませんが、お子さんとこれだけしっかり向き合って、深く関わりながら一緒に努力をできるのは、受験の中でも小学校受験だけの魅力だと思いますよ。次回は受験準備を進めるにあたり陥りがちな不調について解説していきます。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール小学校受験向け幼児教室「クラリティー・キッズ」主宰五島 真知子自身が小学校受験を経験し、大学までの私立一貫校を卒業。大学時代に縁あって小学校受験塾(クラリティー・キッズ前身)で4年間アルバイトとして従事。大学卒業後は伊藤忠商事に総合職として約11年間勤務するも、結婚・出産・事故による負傷を経て退職。学生時代にアルバイトをした小学校受験塾の前オーナー引退に際して事業を継承し、現職。何事にも果敢に挑戦する意欲を持ち、目標を達成する為の努力を楽しむ心意気を持った輝く子どもを育成するため、教材作成から指導まで広範囲の指導を行う。※2015年度合格実績(順不同)慶応義塾幼稚舎・慶応義塾横浜初等部・立教小学校・早稲田実業学校初等部・東洋英和女学院小学部・聖心女子学院初等科・東京女学館小学校・東京都市大学付属小学校・洗足学園小学校・カリタス小学校・精華小学校・目黒星美学園小学校・桐蔭学園小学部
2016年04月08日【ママからのご相談】小学校4年生になる息子がいます。すでに勉強が嫌いになってしまったようで、宿題を自分からやろうとしません。やる気が出るまで時間がかかります。やる気を出すにはどうしたらいいですか?●A. まずは動きましょう。ご質問ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。勉強が苦手な子の学習指導を専門にしています。一度勉強を嫌いになってしまった子どものやる気を引き出すのはとても難しいですよね。そこで今回は、脳科学に基づいたやる気の出し方 をご紹介します。●行動しないとやる気は出ない黙って座っていたり、ゴロゴロしたりしているうちはやる気が出ないのです。アメリカの脳神経外科医のペンフィールドは、体を動かすと脳も動き出し、次第にやる気が出てくる という考えを示しています。脳は変化に対応して動くため、止まっていては変化が起きないのです。そこで、脳にスイッチを入れる方法を2つご紹介します。●脳のスイッチを入れる方法●(1)手を動かす子どもに勉強させたいなら、まずは落書きでもいいのであれこれ書いて、手を動かしてみましょう。手の準備運動ですね。動くと脳は元気になります。やる気に関わっているのは、大脳辺縁系の中にある側坐核という場所。ここを刺激することでやる気が出てきます。まずは手先を動かしてみましょう。脳科学ではこれを『作業興奮 』と呼んでいます。お子さんが勉強にやる気を出せないようなら、こう声を掛けてみてはどうでしょうか。「まずは片付けからはじめてみようか」「5分でいいからやってみよう」「一緒に鉛筆を持ってみようか」「絵でも描いてみる?」運動する前に体操をして体を温めるのと同じように、勉強のやる気を上げるためにも脳のウォーミングアップ をしましょう。●(2)やるべきことを書き出すやるべきことが多いと脳は拒否反応を起こし、やりたくないという感情が先立ってしまいます。これではやる気は起きません。お子さんがなかなか動き出さないなら、しなければならないことを話し合い、できるだけ細かく書き出してみましょう。「漢字を覚える」では抽象的なので、「漢字を○回書く」「教科書を○回音読する」というように、数字を交えて 具体的に行動できるよう細かく書き出します。細かく書き出せば、いままでぼんやりしていた不安の全貌が見えてきて、不安がなくなるだけでなくやることが見えていきます。細かく書き出した中で一番簡単なことから取り組んでみましょう。書き出し作業もそうですし、簡単なことから取り組むのもそうですが、とにかく手を動かすこと が大切です。手を動かすことで、やるべき事が見えてきます。『つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ』徒然草の有名な序文ですが、まさにその通り、とりあえず硯に向かう、つまりペンを握ることが大切なのです。“勉強”というと机に向かって静かにカリカリと……そんな絵が浮かぶかもしれませんが、いきなり走り出して怪我しないように、勉強も準備運動から始めましょう。お子さんと一緒にペンを持って、手を動かしてみてくださいね。【参考文献】・『大人の脳科学常識 頭が冴えわたる脳の鍛え方』トキオ・ナレッジ(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年04月06日ドリルだけやっていても前頭前野は発達しない、キーポイントは「遊び」 前編 でもご紹介したように、たしかにドリル的な勉強は、子どもの脳の前頭前野を活性化させてくれます。でも、ただひたすらドリル学習をしていけば前頭前野がぐんぐんと発達していくかというと、それは違います。ポイントとして押さえておきたいことは「遊び」です。このことは、運動になぞらえて考えてみるとよくわかります。筋肉は、一定の負荷をかけた後、適宜休ませることで、負荷をかける前よりも筋肉が強くなるということが知られています。ですから、運動をするときにはずっと動き続けているのではなく、適当に休憩を取り入れているのです。考えてみれば脳だって体の一部分です。ですから、基本的には運動をするときと同じように訓練していけばよいのです。つまり、「遊び」を適宜取り入れながらやっていくということ。前頭前野を鍛えるためにドリル学習などの勉強をしますね。そうしたら、少し前頭前野が休まるような行動を取り入れればよいのです。ゲームは決して悪者じゃない、バランスよくやれば味方になる前回、「テレビゲームは頭を使うようでいて、前頭前野を働かせるような効果はあまりない」という研究報告があるとお伝えしました。何かと悪者になりがちなゲームですが、前頭前野を働かせる効果がない分、勉強の合間の遊びとしては適しているのです。ほかにも、漫画を読むこと、テレビを見ることなどもよいでしょう。これらも子どもに好かれることでありつつ、前頭前野を成長させる刺激にはあまりならないものだからです。でも、「今まで『テレビばっかり見てないで!』『またゲームしているの!?』と怒ってきたけど、やらせていいのね。楽になったわ~」なんて言わないでくださいね。子どもたちがこれらの前頭前野をあまり使わない遊びに夢中になり、他のことが手につかないということは、非常によくあることですよね? 子どもたちが自らを律して勉強と遊びを両立するのは難しいのです。つまりは、親のほうで勉強と遊びのバランスをとるように誘導してあげなければならないということです。たとえば、30分間勉強を頑張ったら、その後10分間はテレビや漫画・ゲームOKとする、とか。こうすることで、子どもが勉強の中に効果的に遊びを組み込んでいけるよう、引っ張っていってあげるのです。もちろん、子どもが中学生や高校生になってまでやってあげなければならないこととは言いませんが、少なくとも小学校低学年くらいまでは必要です。親が子どもの勉強にリズムを作ってあげることで、いつかは親に言われなくても、上手に勉強と遊びのバランスがとれた方法を実践していくことができるでしょう。
2016年03月27日「うちの子は遊んでばかりで全然勉強しないのよ…」そんな悩みはよく聞かれます。確かに遊んでばかりでは脳を鍛えることはできませんが、だからと言って勉強ばかりしていても効果的なやり方とは言えません。勉強と遊び、その取り入れ方をどう考えていけばよいのでしょうか。頭の良い子が育つのは遺伝ではなく環境よく、「あそこのうちは、両親がいい大学を出ているから、子どもも賢いのよね」なんていう話を聞きませんか? 勉強ができるかどうかは、遺伝性があるのでしょうか。答えはノーです。頭の良い子を育てるのは、生まれてからの環境や教育でしかありません。では、わが子を賢く育てたいと思ったら、親はどのような働きかけをしたらよいのでしょう。それは、子どもの脳の前頭前野と呼ばれる部分を訓練してあげることです。前頭前野が反応するという程度ではなく、活動的になるように行動させましょう。子どもたちの大好きなテレビゲーム。やっているときの子どもたちは頭脳を使い、非常に集中しているように見えますが、前頭前野の働きを調べてみると、ゲーム中の前頭前野はほぼ100%活動していなかったという研究報告があります。つまり、賢い脳を育てるための手段として、テレビゲームは適切とは考えにくいと言えます(無論すべてのゲームを調べたわけではないでしょうから、ゲームがすべてダメというわけではなく、ゲームによってケースバイケースではあるかと思います)。前頭前野を訓練するのは音読や計算問題では、前頭前野を訓練するには、どのような活動が適しているのでしょう。友だち同士での(テレビゲームではない)遊びを通しても、前頭前野を活動させることができるのですが、ほかにも前頭前野にとって良いと言えるものがあります。それは、音読や計算問題といったドリル勉強です。学校などの集団の中に、落ち着いて活動に取り組めない子どもがいます。授業中立ち歩いたり、静かに話を聞けなかったり…。このように集団行動になじめない子どもは、前頭前野の発達が未熟であると考えられています。そんな子どもたちに、授業前、音読や単純な計算プリントなどをさせると、その後の授業への取り組みがとても落ち着いたものとなったのです。ですから、「うちの子はどうも落ち着きがないようだ」とお悩みであれば、自宅での勉強タイムに読書の時間をたっぷりととったり、単純な計算問題や数を数えるような問題をやらせてみたりしましょう。そしてそれは、ぜひ親であるあなたも一緒に取り組んでください。見違えるほど、子どもの集中力がアップする可能性大です。ちょっと信じられないくらいの効果をもたらしてくれる報告もあがっています。< 後編 に続く>
2016年03月27日【ママからのご相談】こんにちは。小学1年生と4年生の男子の母親です。子どもたちの勉強のことで、今壁にぶち当たっています。私自身の学歴コンプレックスもあって、子どもたちが幼いころからいろいろな教材を買い与え、幼児教室にも通い、勉強には力を入れてきました。下の子はまだ低学年なので何とも言えませんが、長男の成績を見ると今まで頑張ってきた成果を感じることができず、つい焦ってしまいます。周りの友だちは、小学生のうちからそんなに気合いを入れなくてもいいんじゃない?という意見が多く、主人(大卒)も自分が本腰で勉強を始めたのは中2くらいのときだったし、小学生のうちから追い詰めたらかわいそうだ……という意見です。別に中学受験をさせるわけではないです。ただ、今のうちに学習能力の基礎を作っておかないと、将来の選択肢が少なくなってしまうのでは?(自分がそうだったので)と心配なのです。上の子のクラスでは、とくに算数で理解力の差が開いてしまっているようで、おそらくうちの子は中の下くらいだと思います。見ていて思うのは、長男は自分から勉強を楽しんでやっている様子がありません。私が押しつけすぎたんでしょうか?●A. まだまだ修正は可能です! 王道は“能動的な学習”に導くこと初めまして!ライターの月極姫です。ウチの末っ子もこの春やっと小学校に上がり、ご相談者様と同様、私も2人の小学生の母親になりました。お子さんが小さいころから学習面に力を入れてきたとのこと、熱意も労力も大変なものだったとお察しします。たしかに「三つ子の魂百まで」と聞くと幼児期にできる限りのことを……と頑張ってしまうのが親心ですよね。0~3歳までに脳の発達がピークを遂げることを考えると、たしかに幼児教育は無駄にはならないと思われますが、小4で思うような成果を感じないからといって、焦ることはありません。ご相談者様のご主人様が「自分も本腰で勉強を始めたのは中2くらいだった」とおっしゃっているように、受験間近に思わぬ力を発揮するお子さんも結構います。大切なのは、いざというときに高い学習能力を発揮するだけの“基礎”が、小さいうちに構築されているか否かです。とはいえ、小学校中学年の学習内容は急に難しくなる部分もあり、この時期の成績低迷は確かに気になるところ。まず、断じて「ウチの子はダメかも」などと思わないことです!お子さんが、うるさく言わなくても“能動的に学習する子”に育つよう、日頃の接し方をちょっぴり見直してみましょう。熱心なあまり、親御さんが陥りがちな“NG行動”を繰り返してはいませんか?●子どもの学習意欲を妨げる“親のNG行動”6つ●(1)勉強を“神聖化”する勉強部屋の環境をばっちり整え、雑音をシャットアウトし“集中”を余儀なくさせる。一見理想的な学習環境のようで、子どもの勉強嫌いを促進させる、ありがちな間違いです。テレビや音楽をかけながらの“ながら学習”は賛否両論ですが、リビングでお母さんが料理する音、お父さんや兄弟のおしゃべりを聞きながらの学習は大いに結構。勉強を特別視するから嫌いになってしまうのです。“勉強=日常” という図式を植え付けてしまえば、肩の力を抜いて勉強するようになります。受験の年頃になれば、自分の意思で自室で集中するようになるので大丈夫。幼児~小学生のうちは雑音・生活音の中でリラックスして学習できることの方が大切です。●(2)勝手に“学習計画”を立てる「今日はこれをやりましょう」「今週はここまでクリアしよう」と、親の方で勝手に計画を立てていませんか?まず、最初に行うべきは「何を勉強したいか」 を子どもに問うことです。勉強が好きになれば、勝手に勉強する子に育ちます。しかし、お子さんがどの教科を好きなのか、把握していない親御さんは意外に多いものです。小学生のうちは、お子さんが「やりたい教科」がメイン。他は、余った時間にできる範囲でやる。1つの教科で自信をつけた方が、他の教科に対してもやる気がわくものです。●(3)飽きっぽさを否定する「1つの教科をじっくりと」「最後まで集中して」これも、大人にありがちが押しつけです。極端に落ち着きのない性格の場合は別として、じつは知能が高いほど“飽きっぽい” 傾向があります。学校から出た宿題は最低限やらなくてはいけませんが、その他のワークや家庭学習に関しては「飽きたら他の教科をやる」でOK。飽きた教科を延々と無理矢理やらされた記憶は、そのまま勉強嫌いの原因になってしまいます。飽きっぽさは、じつはお子さんが親御さん以上に頭の回転が速いサインかもしれませんよ。●(4)“ゆっくりじっくり、長時間”勉強させようとする長時間の学習、延々とした復習もまた、子どもを勉強嫌いにさせてしまう原因の1つ。「スピーディに、短時間集中型」 で行うのが効果的です。ご相談者様は、授業参観に出られたときに、先生の授業がとてもゆっくりであると感じられたことはありませんか?先生の手腕にもよりますが、学校の授業がゆっくり進むのは、ある程度仕方ない面があります。数十人いる生徒の理解度はさまざまで、やはりゆっくりの方に合わせていかなければならないからです。しかし、これがあまりに極端だと、お子さんの授業離れが進んでしまいます。ご家庭でできることは、お子さんの興味関心やスピードに合わせた学習をさせてあげることです。たとえばワークや教材をお持ちならば、15~20分くらいで、学校の授業の進度は気にせずお子さんがやりたがる部分をやる。また、学校で学んだことが理解できているようなら、延々と復習するよりも短時間で予習をして、終了 。家庭で予習、授業で復習という形の方が、お子さんが意外に勉強好きになったりします。●(5)「勉強しなさい」と命令するはい、のび太くんのママがよくやっていますね(笑)。「勉強しなさい」という命令はナンセンス です。そうではなくて、自分から勉強する子になるように、日頃から働きかけていたか否かを、親は自分に問うべきなのです。もっとも大切なのは、親に向上心があること、親自身がよく勉強することです。年頃になった子どもに「どうして勉強なんかしなくちゃいけないの?」と聞かれ、答えに詰まるような親ではいけないということです。資格の勉強、料理の勉強、家計管理の勉強、趣味の向上、大人にも学ばなければいけないことはたくさんあります。親が、自分自身の人生が豊かになるように、努力しているかどうか。これを、子どもはじつによく見ています。「勉強しなさい」と言われなくても「よし、勉強しよう」と思える子どもになるためには、あなたがお手本になること です。●(6)遊んであげない、人任せにする遊びにしても、学習にしても、人任せにし過ぎると子どもの学習意欲に影響してしまいます。子どもと接する“時間の長さ”ではなくて“時間の濃さ” が大切です。先生や塾に頼りすぎず、親が勉強を教えることも大事。また、遊んであげることもとても重要なのです。体を使った遊び、トランプやボードゲーム、カルタなどを使った遊びを、お子さんとしていますか?1人で遊ぶゲーム機とは違い、たとえば家族でやるトランプなどは感情をコントロールしたり、論理的に考えて目標を達成する訓練になります。ゲーム機も確かに楽しいものですが、一見能動的にやっているように見えて、結局はゲームのプログラムに誘導された受動的な遊びです。東北大学の竹内光准教授らの研究グループが「長時間のゲームが言語性知能の低下につながる」という研究成果を発表しましたが、あまりに長時間、ゲーム機に子どものおもりをさせるのは考えものです。やはり家族が頭と体を使って遊んであげる。これが結局は、お子さんの能力を総合的に向上させる ことになるのです。●“勉強する喜び=親からの愛情”。この図式が一生の宝物ご相談者様は、ご自身の経験から「子どもに勉強や学歴で苦労させたくない」という強い思いで、今まで学習面に力を入れてこられたのですね。「人間は勉強ばかりじゃない」という考え方もその通りですが、実際に一定の学習能力があること、学歴があることで将来の選択肢が広がるという面はあります。たくさんの選択肢の中から、自由に選ぶ権利を与える。これは確かに、親の大切な役割ですよね。しかし、結果を焦るあまり、お子さん本人の心の中に「勉強は楽しい」「勉強は役に立つもの」という“学習意欲の種” を撒く過程をないがしろにすると、結局学習意欲や向上心は身に付きません。理想は、“勉強”と“親の愛情の思い出”が直結していることです。「本を読み聞かせてくれた」「一緒に勉強してくれた」「わからないところを、学校や塾の先生以上に根気よく教えてくれた」「自分に合った教材や塾を一所懸命探してくれた」「成績が悪くても怒らず、励ましてくれた」「あなたならできる、と信じてくれた」親御さんなら誰もが、最初に抱く「この子自身の将来のためにも、できるようになって欲しい」という思い。この思いの“純度”をいかに末永く保つかがポイントです。一所懸命時間とお金をかけているうちに、その努力の目的が他のお子さんとの競争、家族・親族・友だちへの見栄、プライド、意地といった、大人のエゴにすり替わってはいませんか?お母さんが頑張ることに疲れてしまったら、お子さんの赤ちゃんのころのアルバムなどを開いて、誕生したころの純粋な喜びを思い出してみるのもおススメです。お子さんはまだまだ小学生。もっともお子さんのためを考えてあげられるのは親御さんであるという自信を持って、のんびり努力を続けていきましょう!結局は「この子に幸せになって欲しい」という思いが純粋であるほど、学習成果も上がると思うのです。【参考文献】・『13歳からの頭がよくなるコツ大全』小野田博一・著・『自分から勉強する子が育つお母さんの習慣』村上綾一・著●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年03月24日【ママからのご相談】小3男子のママです。子どもがなんでも途中で放り投げてしまって、「物事へのモチベーションややりぬく力が育っていないのでは?」「将来の受験は大丈夫?」と心配です。モチベーションを上げてやりぬく力を身につけるポイントはありますか?●A. 子どもの“やりぬく力”は親の適度なサポートで育まれます。こんにちは、遊びと学びの専門家大根はじめです。やりぬく力は非認知スキル の一つですね。職場の専門学校でも、やりぬく力がある学生の方が早い時期に希望の会社への内定を手に入れる傾向が強いです。将来なりたいものになるための決定力とも言える能力だと現場で強く感じます。今回は、やりぬく力を育むポイントをご紹介します。●まずはモチベーションを高めるムーギー・キムとミセス・パンプキンの著作『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』では、やりぬく力を身につけるために家庭でできるのは、『モチベーションを高めて真剣に最後まで続けさせること』と指摘しています。モチベーションの起点は自主的な挑戦にあります。ゲームのハマる仕組みでも心理学でも“自主的にはじめる挑戦”がモチベーションを高くする ことが知られています。まずはお子さんに「○○しなさい」ではなく自分が言い出したことに挑戦させることです。お子さんの「やってみたい」の声に耳を傾けできるかぎりチャレンジさせてみてください。春休みはお子さんのやってみたいを試してみるよい機会になると思います。●応援し、適度な期待感をもつ子どものモチベーションを維持し続けるには、まずは親が応援団になるとよいでしょう。挑戦できる場をつくること応援する気持ちを伝える、言葉でのサポートがあるとよいでしょう。また、わが家の経験になりますが、応援団の規模を広げることも効果的です。自分で始めた習い事の成果を子どもからおじいちゃんに電話報告するようにしたところ以前よりもモチベーション高く取り組んでいます。期待感をもって接することも重要です。期待感を親が持ちすぎると重圧になりますが、なさすぎても子どもは味気なくさびしく感じるものです。子どもの希望や特性を無視した期待(例えば本人が望まない職業へ就くことへの期待など)ではなく、子どもの努力を認めて、(喜ぶ親の愛情を子どもが感じられる)適度な期待 を持つとよいでしょう。自分の挑戦に対する正のフィードバックは、ゲームの仕組みでもモチベーション維持に関係する項目です。●真剣に続けさせる子どもの好奇心はあちこちに広がるので「やってみたい!」も多く生まれることと思います。なんでも体験させてみた後は継続する挑戦を選択していくのも重要です。「本当にやりたいことか?」 子どもの本気度をお互いに確認しましょう。習い事や塾ならば、親は子どもの本気にお金を出してサポートするということを表明するのもよいでしょう。時には叱ることも必要です、叱る基準は子どもが真剣に取り組まなかったとき、度を超えた怠慢のときです。真剣に取り組んでいるときはそれを認めた言葉がけをし、真剣に取り組まなかったときは勇気をもって叱ることでやりぬく力を育てます。子どもが途中で投げ出しそうになることがあっても、すぐに途中でやめるクセをつけないようにしましょう。わが家では、「半年続けること」を習い事を始める条件に、「一年間続けること」を次の習い事が始められる条件に設定しています。まずは「基礎を身につけるまでは続ける」など家で目標を設定し、励ます言葉をかけ続け“継続する”経験 を子どもにさせてみましょう。そして、子どもの失敗は叱らず、原因を子どもに考えさせ、次につなぐ気持ちを持てるようにしてください。感情的に子どもの失敗を叱ると、子どもが固く委縮してしまいます。息を深く吸って気持ちを落ち着けてから叱りましょう。【参考文献】・『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』ムーギー=キム/ミセス=パンプキン・著・『ビジネスを変える「ゲームニクス」』サイトウ=アキヒロ・著●ライター/大根はじめ(マンガ家)
2016年03月18日【ママからのご相談】4月から小学2年生になる女の子がいます。幼稚園のころから、塾や水泳、英会話などに通わせています。でも、自宅では自分から全く学校や塾の宿題をやらないので、「早く宿題をやりなさい!」と叱ってばかりいます。まだ低学年だから仕方がないとは思っていますが、中学受験を考えているのでこの先不安です。どうしたらよいのでしょうか?●A. 熱心なママほど子どもの未来にレールを引きがち。何事も強制はNG。こんにちは。中学受験の経験があるママライターのKOUです。ご相談者さんは、お子さんが学校などの宿題を自分から進んでやらず、なかなか学習習慣がつかないことをお悩みなのですね。学校から帰ってダラダラ過ごし、宿題をやらないお子さんを見ていると、イライラしてしまって「早く宿題やりなさい!」などと叱ってしまうのは、世の中のママたちがつい陥りがちな行為です。知人の小学校教員によると、親から何度も「宿題やりなさい!」と言われると、お子さんは“やらされている感”が強くなって、ますます自分からやるという意欲が湧いてこなくなる という悪循環が起きやすいといいます。●学ぶ環境を整え、あとは放任するまずは、私自身の小学校時代を振り返ってみます。中学受験をしたのは30年くらい前。母は働いていましたが、私に習い事をほぼ毎日させていたほどの教育ママでした。ただ、「勉強しなさい」とは一切言いませんでした。低学年のころは、私もそれほど宿題を真面目にこなしていた記憶がありません(苦笑)。私立小に通っていたこともあり、4年生になると周囲は進学塾に通っている人がほとんどでした。母によると、「お友達がみんな塾に行っているから」という理由で、私から母に頼んで受験対策の塾に通い始めたといいます。受験勉強をしている途中、勉強自体をやめたくなったことが何度もありました。でも、「塾に通いたいと言い出したのはあなたなのだから、やめるのも自由よ」と母から軽く言われると悔しくなって、受験勉強は続けました。母は、習い事などたくさんの学ぶ環境を整えてくれましたが、決して強制はせず、どちらかというと放任されていたように感じます。そのやり方が、私には合っていた ようです。あくまでも私の経験談であり、全ての方に当てはまるというわけではありませんので、ひとつの例としてご参考にしてください。そこで、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為について、御三家や灘中などの難関校に何人も合格させたカリスマ家庭教師で名門指導会代表の西村則康さんの著書『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』を基に探ってみました。●(1)「教育熱心な母親ほど子どもの未来にレールを引きがち」【例】『4年生のAくんは、1年生から大手進学塾に通っている。塾通いは母親が決めた。なぜならば、難関の男子校に入らせ、最終的には東大や慶応大に合格し、父親と同じ医者を目指してほしいからだ。母親は受験経験がなかったが、小学校入学と同時に志望校の合格実績が高い大手進学塾で学べば間違いないと思い選んだのだ。ただ、Aくんは最近、入塾してきた優秀な子たちに圧倒され、クラスが落ちるのではないかと不安な気持ちでいっぱいだ。本音は、塾ではなく野球をやりたい。今は頑張る気になれない』偏った教育熱心なママさんは、先回りして子どもの未来にレールを引きがち。しかも、そのレールの幅が狭いことが特徴 です。勉強も遊びも、親がいいと思ったことだけをやらせて、机に向かわせる。さらに有名大学や一流企業に入ればもう人生は安泰だという、今の日本にはそぐわない考えを持っていると言います。それが、『本来は可能性を秘めている子どもの未来を狭めている』と、西村さんは警鐘を鳴らしています。●(2)「英才教育のほとんどは間違っている」【例】『Bさんは、娘さんがお腹にいたときからクラシック音楽をかけたり、絵本の読み聞かせをしたりして胎教に取り組んだ。出産後、子どもの脳に良いことは全て試し、2歳からは右脳を鍛える幼児教室に入室。そのほか、スイミングや体操教室にも通った。そのおかげか、幼稚園や小学校の低学年までは他の子と比べて飲み込みが早く、運動神経も勝っていた。ところが、中学受験が本格化してきた5年生のとき、娘さんは思うように学力が伸びなくなり、親子共々、初めて人生の壁にぶつかった』西村さんは、『英才教育のほとんどは役に立たない』と言います。人間の脳は、特別なことは何もしなくても自然に成長していけるだけのプログラミングが施されており、間違った英才教育というのは、そのプログラミングを無視して無理やり脳を早く作りあげようとするものだと指摘しています。だからこそ、人間が自然に育っていくプログラミングに応じて、その年齢なりのベスト を目指すことをお勧めします。●(3)「習い事を強制しない」【例】『男の子は運動ができた方がいい、と思い込んでいるCさん。水泳にサッカー、空手を1年生の息子さんに習わせている。でも、お勉強も大切。文武両道を目指し、週2回は学習塾にも通わせている。息子さんは嫌がらずにやっていたが、最近になって突然「塾に行きたくない」と言い出した。学校の宿題や毎日の習い事が負担になり、疲れが出てきたようだった。「継続は力なり」と考えるCさんは、「休んじゃダメ」と息子さんを叱咤激励。無理やり塾に行かせた』偏った英才教育について疑問を投げ掛ける西村さんは、子どもが幼いころには、適切な量や質の刺激を与えることを心がけるよう強調しています。意図的に与える英才教育などの“学習刺激”以上に、普通の生活の中で親が知らないうちに子どもが受けている“学習刺激”に注目すべきだと言います。たとえば、友達との遊びや一人遊び、家でのお手伝いや会話を通じて、子どもは学習に結びつく刺激を受け続ける そうです。小学生の場合は、習い事にしても、親の一方的な考えて決めるのではなく、続ける基準は子どもが喜んで楽しそうにやっているかどうかです。どんな習い事でも、子どもが喜々としてやっていればそれは間違いなく効果があると言います。●(4)「“たくさん解きなさい”は親の幻想」【例】『5年生のDくん。4月からもう6年生。中学受験の勉強にも力が入る。Dくんの目標は、苦手科目の算数を克服すること。母親からは「やった分だけ力がつく。問題をたくさん解きなさい」とハッパを掛けられる。だから、塾のテキストで間違えた問題と類似した問題を、自宅で何度も解いてみる。でも、テストになるとまた同じような問題につまずいてしまい、なかなか得点に結びつかない』今まで子どもにかけてきた時間やお金が、その子自身の能力や成績の伸びにつながらない場合は、そのやり方が間違っているようです。親の中には、猛勉強さえさせれば成績が上がると考えている人がたくさんいます。西村さんは、勉強量と成績の伸びは必ずしも比例しないと言い切ります。勉強の質も大切な要素 だそうです。たとえば、子どもを塾に通わせている親の多くが陥りがちなのは、少しでもたくさんの問題を解かせようとすることです。塾から帰ってきた子どもが、今日習った知識をきちんと身につけたどうかわからないうちに、それと似た類題を解かせる。そのときの子どもたちの解き方を見ると、ほとんど問題文を読んでいない と言います。「このあたりの数字と、あのあたりの数字を引いて、それをこっちの数で割れば……」という、あいまいな記憶に基づいた解き方をしているようです。つまり、問題に対して“何が分かっているのか?(仮定)”と“何を聞いているのか?(結論)”を確認して、結論までの過程を考える作業がスッポリ抜けた解き方で終わってしまう危険があるのです。●(5)「悪い点をとってきたときの口争いは、何のメリットもない」【例】『3年生のEくんは、国語で30点台を取ってしまった。これまでの最低点だ。テストは、必ずお母さんに見せないといけない。気が進まないが、テストをお母さんに見せた。「え?これ、どういうこと?」と、お母さんは何度もEくんに尋ねる。「こんなひどい点数を取って!ちゃんと勉強しているの?」と怒鳴った。Eくんは、「今回は調子が悪かったから……」などと答えた。「調子が悪いって、どこが悪かったのよ!」とお母さん。しばらく説教が続き、Eくんはうなだれながら言い訳を探していた』悪い点数を取ったとき、親が怒りに任せて「何なのこの点数は!」と子どもに責めるのはNG行為だと言います。西村さんによると、とげとげしい言葉を浴びせることで、子どもは「やっぱりお母さんに怒られちゃった」「お母さんのこの怒りをどう静めようか」などと考え始めます。低学年の場合は、「大変なことをしちゃった。お母さんがこんなに怒るんだから、とんでもなく悪いことをしてしまったんだ」と頭の中はパニックになります。このような会話が繰り返されると、子どもはやがて起死回生のセリフを見つけ出します。「うるさい、くそばばあ!」と、点数が悪くて叱られている状況から、ひどい言葉を投げ掛けることで論点をすり替えよう とするかもしれません。口争いは子どもにはささくれだった気持ちだけが残り、母親には怒りと心配が渦巻きます。言い争うことではなく、悪い点数を取ってしまった原因を探りその対策を考えることが大切だそうです。----------以上、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為5選でした。子どもたちのほとんどが宿題をやりたくないと思うのは当然です。私もそうでした。そこで親が、「宿題をやりなさい」と言ったとしても心に響かないかもしれません。まずは子どもに、宿題をやらないことによって「どうなるか?」と考えさせることが重要だと思います。実際に、宿題をやらず学校で先生から怒られたり、きちんとやってきた子が褒められたりすることで、自分から「やろうかな」と思えるまで様子をうかがっても良いかもしれませんね。強制だけでは、子どもは動かないと感じます。ぜひ、ご参考にしてください。【参考文献】・『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』西村則康・著●ライター/KOU(ママライター)
2016年03月13日【ママからのご相談】小1男の子のママです。リビングルームで子どもがテレビを見る機会が多いのが心配です。こちらもついつい家事で忙しいとテレビに子守りをさせてしまい、罪悪感もあります。勉強に影響が出ないのか心配です。また、どうせ見るのならば勉強に興味を持てるようにならないかとも考えています。なにか良い方法はありますか?●A. テレビとの上手な付き合い方をお教えします。こんにちは、遊びと学びの専門家大根はじめです。子どもがテレビにかじりついているとあまりよくないのでは……と心配になってしまいますよね。うちの子どもも、恥ずかしながらテレビ大好きないわゆるテレビっ子です。テレビと上手に付き合う方法 をご紹介します。●安心してください。テレビを見ても大丈夫です中室牧子さんの著書『「学力」の経済学』によると、親が心配するほどテレビは子どもに悪影響がないこと、1時間程度ならばテレビを見ても問題がないことが分かっています。同時に、2時間以上だと悪影響がある ことも判明しています。時間にメリハリをつけて見る番組を決めるなど、ルールを決めることでダラダラ視聴を防ぎましょう。●テレビを見ているときに学習効果を上げる方法その1わが家ではテレビの置いてある居間に、子ども専用の国語辞書を置いています。先日テレビで『肺結核』との言葉が出てきて質問してきたので、夫が「自分の辞書で調べてみなよ」と促し調べていました。深谷圭助さんの著書『辞書引き学習が自分でできる!』でも、小学校で覚える言葉は7,000語、語彙力を増やすためにも辞書を引くことが有用である と指摘しています。いきなり辞書を引くよりも、テレビを見て興味を持ったらすぐに調べるということを繰り返していると、自然と自分で調べることができたり、語彙を増やす力になったりします。●テレビを見ているときに学習効果を上げる方法その2テレビを通じて子どもが興味を持つのは言葉だけではありません。この国はどこ?ここはどこ?と地名にも興味を持ちます。日本地図、世界地図、地図帳を置いておくと社会科の勉強 にもなります。地図帳は難しすぎる……という場合は地図絵本もあるので絵本でもいいですね。興味を持ったらすぐ調べることを習慣化すると、ものを学ぶ習慣を身につけるきっかけにもなります。働くようになっても自分で物事を調べる力は大いに役に立つので、テレビを見ながら一石二鳥を狙いましょう。----------いかがでしたか?まずはテレビの前に辞書や地図絵本を置いてみることから始めてみるのもいいかもしれませんね。【参考文献】・『「学力」の経済学』中室牧子・著・『辞書引き学習が自分でできる!』深谷圭助・著●ライター/大根はじめ(マンガ家)
2016年03月08日【ママからのご相談】小学校5年生の子どもがいます。急に学校に行きたくないと言い出しました。最近は不登校が増えているようですが、私も主人も厳しい家で育ったので、学校に行かないなんて考えられず、子どもを叱りつけてしまいました。そうしたら、子どもが部屋にこもりがちになり、部屋から出ても反抗的で、暴言を吐くようになってしまいました……。私はどのようにすればよかったのでしょうか?●A. 叱る前に、まずは受け入れてあげましょう。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。家庭教師としてお子さんに個別指導をしていますと、「子どもが学校に行けていないので、勉強を教えてほしい」という依頼を受けることがあります。その数は年々増えているように思います。そこで、不登校、ひきこもり経験のある子どもたちに声を聞いてみましょう。●不登校の子どもが語る! 親のNG対応2つ●(1)「学校に行きなさい!」と引っ張って連れて行く『学校に行かないなんてあり得ないと、無理矢理連れて行かれてツラかったです。結局体調を崩し、長期欠席することになりました』(中学生/女子)無理やり連れて行かれると、ますます学校が嫌いになります。子ども自身も、学校は義務教育で、行かないといけない場所だということは理解しています 。それを分かった上で、行きたくないとSOSを発しているので、まずは親に気持ちを聞いてもらいたい、でもどう言えばいいのか分からずに「行きたくない」と言っているだけである可能性もあります。●(2)抗議する『先生とトラブルがあったと親に話したら、すぐに母親が学校に電話して抗議していました。しかし、次の日に学校に行ったら先生からにらまれ、怖くて学校に行けなくなりました』(中学生/女子)もし学校に行きたくない理由がいじめや人間関係のトラブルだったとしたら、頭に血が上って、「うちの子になんてことを!」とお怒りになることと思います。しかし、その勢いにまかせて学校やいじめっ子の家に抗議に行くのは危険です。抗議して、学校や親からその子に注意がいったら、その子はいじめをやめるでしょうか?答えはNO。反省どころか、「チクったな!」と 逆恨みされいじめが加速する恐れさえあります 。●子どもたちを救った親の言葉3選●(a)子どもの気持ちを聞く『お友達とトラブルがあったとき、親が話を聞いてくれました。「トラブルになるあなたも悪い」って叱られると思っていたのですが、不安な気持ちを聞いてもらえて、楽になりました』(小学生/女子)学校に行きたくないのは、子どもからの最初のSOSです。学校でなにか問題があったとしても、子どもはそれをストレートに言えないもの。学年が上がるにつれて、子どもは「できる限り、親の干渉を受けたくない」と同時に、「親に心配をかけるのは嫌」と思っています。それでも親に「学校に行けない」と話すのは、ただ単に助けてほしいだけ ということも。まずは話を聞いてみてください。●(b)受け止める『学校を辞めたいと親に話したとき、「お前が行きたくないなら行かなくても構わない」と父親に言われました。自分の意見を尊重してくれていることがうれしく、安心しました』(高校生/女子)学校に行きたくないと言われたら、焦りますよね。明日どうやって学校に行かせようかとか、勉強はどうするのかとか、いじめにあったんじゃないかとか。しかし、焦る前にまずお子さんの気持ちを聞き、“学校に行きたくない気持ち”があるという事実を、受け止めてあげてください 。親から受け入れてもらえると分かって、それだけで楽になる子どももいます。●(c)子どもの味方であることを伝える『部活でトラブルがあったとき、家に帰ったら正装の父親と母親が。どうしたのかと聞くと、おまえが泣きながら帰ってくるようなことがあったら学校に行くつもりだったと言われました。学校に抗議するのはちょっと困りますが、その気持ちがうれしく、頼もしかった』(中学生/女子)子どもにとって一番うれしく安心するのは、「何があっても親はあなたの味方」 ということが実感できることです。頭に血が上ったまま抗議するのは危険ですが、「必要があったら私が守るから」という姿勢を見せるのはOK。そうすると、子どもは「親は味方でいてくれるんだ」と安心します。----------実は、子どもは不安で助けを求めています。本当は学校に行きたくないというより、不安があることを伝えたくて「行きたくない」と言っているだけの可能性もあります。「どうしよう!?」と右往左往し、「学校に行け!」と怒鳴りつける前に、まずは子どもの気持ちをじっくり聞いてみてください。それだけで子どもは安心し、問題も解決できるかもしれません。●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年03月06日【ママからのご相談】今年の春から小学生になる息子がいます。算数が得意になってほしくて、今から足し算を家で教えています。指を使って計算をするのですが、10以上の繰り上がりの計算になるとわけが分からなくなるようです。どうやって教えればいいのでしょうか?また、指で計算をする癖はやめさせたほうがいいのでしょうか?あまりにものみ込みが遅くてイライラしてしまいます。●A. お子さんが自分のペースで“算数好き”になることが大切!こんにちは。ライターのakiです。『たかが足し算、されど足し算』、大人にとっては非常に簡単な計算も、小学生1年生前の幼児にとっては難しく感じられます。私が以前教えていた学習塾で行ったアンケートによれば、『算数が得意なってほしい』と願う親御さんは95%もいるとのことでした。確かに、中学受験や高校受験でも算数や数学のウェイトはとても大きく、この科目を制すれば合格を制すと言っても過言ではありません。そういう意味でも、早い段階からお子様の算数フォローはしておきたいところですよね。では、実際に“算数好き”になってもらうために、そしてスムーズに勉強をしてもらうためにはどうすればいいのでしょうか。●子どもに自信をつけさせるまずは、算数を好きにさせることが大切です。子どもの計算が遅かったり、なかなか数の概念をのみ込んでくれないとお母様がイライラしてしまう気持ちもわかりますが、ここはぐっとこらえてください。算数嫌いになっては元も子もないです。最初は、「間違ってもいいよ」と安心させることも大事です。実際に間違えても、それを責めて子どもに恥をかかせないことです。大切なのはできるようになったら、どんなに小さなことでも褒めてどんどん成功体験を植え付けてあげる ことです。それが、伸びしろにつながっていくのです。今は気長にみてあげてください。●指計算をしても最初はOK指で計算をする癖をつけてはいけない。そんな声もありますが、別に指で計算をすることは、悪いことではありません。その理由として、片手は5までなので5をひとかたまりの数量として考えることができ数の区切りがいいこと。そして、視覚を利用することで計算しやすくなり正解が増える ということが挙げられます。これらは、成功体験につながるので良い影響を及ぼします。そう考えると、最初は好きなだけ指計算をさせてあげるのもひとつの戦略になります。それに心配しなくても、そのうち指で計算しなくなるものなのです。●繰り上がりの計算は体を使って考える繰り上がり計算の教え方や考え方はいろいろありますが、ここでは『算数力は「あたま計算」でグングン伸びる!』著書・原暁介さん開発のユニークな『あたま計算』の方法を紹介したいと思います。「あたま計算」とは、区切りのいい単位のときに自分で頭を軽くぽんと触ってその単位を記憶をさせる方法です。簡単にいえば、『10』のときに『10を頭の中に入れたよ』と頭を触るのです。具体例で説明します。【例題「4+7」繰り上がりの足し算の場合】(1)小さい方の数4を指でつくります。(2)大きい方の数7の次の数「8」を声に出して数えると同時に指をひとつ折り始めます。(3)続いて、次の数「9」を声に出すと同時に指をまたひとつ折ります。(4)「10」になったところで指を折り、同時に頭をかるくぽんと触り、「10を頭の中に入れたよ」と言います。(5)残った指の数「1」に、頭の中の「10」を足して答え「11」を出します。わざわざ、「10」のタイミングで頭を触らなくても……と思われるかもしれませんが、「頭をぽん」と触る動作を行うことで記憶は子どもには強く意識され、保留した数を忘れない 効果があるそうです。そして、繰り上がった「10」の単位のイメージがスッと頭に入るそうです。大人のほうが難しく感じたり、ピンとこないかもしれませんが、繰り上げのイメージがわかないお子さんほどこの方法は効くそうです。私も実際に、幼稚園の年長グループに教えてみたところ確かにほとんどのお子さんがすぐに理解をされました。イメージをインプットしやすい、というのもありますが、体を使いながらなんだか楽しそうなことをする。という雰囲気も良いのかもしれません。----------以上です。小学校入学前に、勉強面でいろいろと心配されることも多いかと思います。でも、まずは全てを完璧にこなそうと思わずに、お子さんのペースで算数を、「楽しいものだ」と思わせてあげることが大切かもしれません。どうぞご参考になさってください。【参考文献】・『算数力は「あたま計算」でグングン伸びる!』原暁介・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年03月06日【ママからのご相談】小学校3年生の息子が、学校の宿題をなかなかやりません。学校から帰ってくるとすぐに遊びに行ってしまうし、やり始めてもすぐに飽きてしまい、テレビを見たり、漫画を読んだりと集中が続きません。私も意識して声をかけるようにしているのですが、いつも宿題が終わるまでの戦いになります。私が息子の様子に我慢がしきれずに、怒ってしまうこともしばしばあります。自分から勉強するようになるいい方法はないでしょうか?●A. 実は夫婦仲の良さが子どもの勉強のやる気を高めます。ご相談ありがとうございます。家族を笑顔にする教師&6人の子育てパパ・荒川茂樹です。子どもの勉強と家庭環境って、一見つながりがないように思えます。でも、もし相談者さんが子どもだとしたら、どんな家庭でなら「勉強しようかな」という気になるでしょうか?まずは、「ここでなら安心して勉強ができる」「集中して勉強頑張るぞ」など、安心して勉強ができる雰囲気、前向きに頑張れる雰囲気 かどうかが重要な要素になるのではないでしょうか。では、子どもが居心地良く感じる家庭とはどのような家庭でしょうか?それは、親の仲が良く、子どもを受け入れる雰囲気がふんだんにある温かさです。子どもは親の姿をよく見ています。そして、敏感に察知します。夫婦の仲が良く、いつも笑顔にあふれ、コミュニケーションも積極的に取る。そんな両親を見ていたら、子どもの心はどんどん優しく、輝いていきます。また、ご両親のお子さんへの関わりが常に肯定的で、愛情にあふれていれば、子どもの心も愛で満たされ、やる気も湧いてくるようになりますね。勉強をするためには、それなりのパワーが必要です。そのパワーの根底を作るのは、誰でもないご夫婦の良き関係なのですよ 。●子どもが勉強するようになる環境作り2つ●(1)親の言葉かけを工夫しましょう子どもは、ママのことが大好きです。そのママから褒められるようなことが多ければ多いほど、やる気が出てくるものです。そこで心がけて欲しいのは、「勉強しなさい」「なんでやらないの」などのような否定的な言い方です。今村暁さんの著書『子どもの成績を決める習慣教育』でも、「勉強しなさい」という親の言葉の弊害を述べています。言われれば言われるほど、子どもは勉強へのやる気を失っていってしまう からです。ではどうするか!お子さんと話し合い、勉強する時間を明確に決めてください。その時間帯に自ら勉強をしたら“褒める”。できなかったら、グっとこらえて“何も言わない”。これをまず2週間続けてみてください 。褒めるときは、ものすごくうれしそうに、大げさに!これが重要なポイントです。2週間でたった1回かもしれません。でも、大好きなママが褒めたことは確実に子どもの心に残っています。さらに、お子さんが進んで勉強したことがうれしかったことを、オヤツや夕食時の話題に出すのも良い方法ですね。お子さんが自分から勉強する日が少しずつ増えてきたらしめたもの!どんどん“ほめ褒め作戦” を行なうことで、学習習慣があれよあれよという間に付いていくようになりますよ。●(2)宿題の量チェック大作戦お子さんは、日々の宿題がどれくらいあるのかを把握できているでしょうか?もしできていないで、いざフタを開けてみたら大量の宿題があった……なんてことがあれば、大人でも嫌になってしまいますね。そんなときの対応策をご伝授します。お子さんが学校から帰ってきたら、やることは・1……宿題をすべてリビングのテーブルに出す・2……1つの問題だけやってみる・3……遊びに行ってもOKこの重要なところは、“宿題の全体量チェック”“宿題の難易度チェック”を自分自身で確かめさせること です。だんだん慣れてくると、どのくらいやれば終わるかという見積もりができるようになっていきます。見通しを持って学習ができる子どもってステキですよね。●勉強する環境ができていますか?お子さんが安心して勉強できる環境づくりとして、家庭における学習環境があります。例えば、息子さんが勉強を始めるときに、下のお子さんは何をしているでしょうか?そこで、テレビを見ていたり漫画を読んでいたりしたら、気になってしまうのは仕方のないことです。また、ママさんが携帯やパソコン操作をしながら、なんとなくお子さんの様子を見ていたとしたら、それも集中をそらせる要因になってしまうんです。だから、お子さんが勉強をする時間になったら、家族も協力をして勉強しやすい環境を作ってあげること が、親御さんの重要な役目なのですよ。ママさんは、“下のお子さんと静かに読書をする”“一緒になって勉強する”などをしながら、息子さんの様子をよく見ていてあげるようにしてくださいね。●心からの応援がやる気を起こしますお子さんの勉強に対して、親のできることは限られています。しかし、工夫しだいでさまざまな協力・応援ができるようになります。親が勉強できる環境を整えていくことが、お子さんだけでなく、家族を笑顔にしていくことにもつながっていくのです。【参考リンク】・『子どもの成績を決める「習慣教育」』今村暁・著●ライター/荒川茂樹(プロ学習講師)
2016年02月23日【ママからのご相談】子どもの勉強について相談です。数学で計算はできるのに、文章題になると途端にできません。どんな策を講じるべきでしょうか?●A. ほんのわずかな工夫で、できるようになりますよ!ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。数学の文章題になると途端にできなくなってしまうというお悩みですね。数学が苦手な人なら、一度は経験があるのではないでしょうか。これらは「応用力がないから応用力をつけないと」とか「読解力が不足しているから本を読もうね」と、抽象的なアドバイスで片付けられがちです。しかし、応用力も読解力もすぐにはつきません。文章題ができない人に考えられる問題点は2つです。●数学の文章題が解けない理由2つ●パターンがつかめていないまず、解答欄が真っ白で、何も書けないという人は、問題のパターンを見際めることができていません。問題のパターンを心理学ではスキーマ(枠組み) といいます。問題を読んだときに「あ、これは分数の問題だな」「これはXを使って解く問題だな」というように、解き方がイメージできれば、後は式を起こして計算するだけ。一方で、その問題がどの単元でどの枠組みの問題なのか、何を使って解くのかがイメージできないと、何も書けずに終わってしまうことになります。「数学は暗記科目」と時々言われますが、問題のスキーマを覚えていれば対応できる 、という意味でしょう。もし、パターン化が弱いのなら、同じような問題で数字を変えて解かせましょう。「分数の問題が出てきたら、こう解くんだよ」「%が出てきたら分数にして掛け算だよ」ということを何度も繰り返してパターンを作っておくことで対応できます。あるいは、問題を解かずに子どもに解き方を説明させるという練習を繰り返す練習も有効です。よく、文章題には応用力が肝心と言いますが、応用力の問題というよりも、「何を使って解くか」という基本が出てくるようになれば、変わっていくはずです。●数字を追いかけられていない読解力が足りない……というのはありがちな理由ではありますが、これをもう少し分解して考えると、このようなことが考えられます。・問題を解く上で、必要な数字を拾えていない・何を問われているのかが分かっていない前者は、問題を解く上で必要な数字を見逃してしまったり、足すべきなのに早とちりで掛け算をしていたりする人です。後者は、「人数を求めなさい」と言われているのに、解答欄に“個数”を書いてしまった、などのミスがあります。お子さんのミスや計算課程をみれば、どちらなのかわかるでしょう。計算が途中で終わっているなら前者、最後まで書ききっているなら後者です。これを直すには、もちろん“本を読む”こともいいのですが、すぐに効果は出ません。すぐに効果を出したいなら“線を引いて意識づける” のがいいでしょう。数字を見逃してしまう子は、問題を読むときにも鉛筆を持ち、数字が出てきたら丸をつけて注意するクセをつけましょう。そうすれば、読み返しても数字を見落とす心配はありません。答えを書き間違えてしまう子は、問題文の最後に線を引きましょう。「人数を求めなさい」「式をつくりなさい」など、最後に書かれている“問われているもの”をはっきりさせておき、最後にもう一度見て、答えが適切かを確認するクセを付けるのです。----------算数・数学嫌いを悩ませる文章題。しかし、少し勉強のやり方を変えたり、問題を解くときに意識をしてみるだけで変わります。ぜひやってみてくださいね。【参考文献】・『勉強法の科学』市川伸一・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年02月22日猫の手貸して~育児絵日記~
うちはモフモフ暮らし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
産後2カ月のころ、友人の結婚式に出席しました。打診があったのは妊娠中で、産後の様子は正直あまりイメージできませんでしたが、大切な友人だったので赤ちゃんを実母に預けて出席することに。しかし、いざ式が近付くと、出席の返事をしたときには想像しなかった問題がいくつか出てきました。パーティードレスが入らない!産後思ったように体型が戻らず、着ようと思っていたパーティードレスが入りません。どうにもこうにも背中のファスナーを上げることができず、困ってしまいました。 赤ちゃんは連れて行かない予定だけど、授乳口の付いた産後ママ向けのドレスを買うべきか……と考えていたところ、妹が持っていた、ゆったりしたデザインのドレスを貸してもらえることに! ホッとしました。 溢れる母乳はどうしよう!産後すぐには出なかった母乳も、式のころには授乳間隔があくと溢れ出るようになっていました。 赤ちゃんと離れて過ごす間、母乳パッドはどのくらい必要? 借りものの服を濡らしてしまったら申し訳ないし、なにより恥ずかしい……と心配でした。結局、家を出てから帰宅までの間に母乳パッドを4〜5回交換し、そのほかに搾乳もしました。 久しぶりのヒールで足が痛い!妊娠中から1年以上ヒールのある靴を履いていなかったので、独身のころのような高いヒールで歩く自信がなく、低めのヒールの靴を選びました。それでもやはり歩きにくく、帰宅するころには靴擦れができ、ふくらはぎも筋肉痛になってしまいました。 せめて、行き帰りの移動の間は履き慣れたぺたんこ靴に履き替えればよかったなと、あとから思いました。 いろいろと思いがけない苦労もありましたが、大切な友人の花嫁姿を見られてうれしかったです。披露宴の最後の花嫁からの手紙は、生まれたばかりの娘がこんなふうに手紙を読む日もいつかくるのかなと想像して感動しました。 著者:奥田美紀二児の母。IT企業にてSE・プログラマーとしてシステム開発やWEBサイト運用等をおこなう。夫の転勤や子育てのために退職し、現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2024年05月17日私は30歳の会社員。仕事で知り合った夫と去年結婚したばかり。タワマンの最上階で、幸せな日々を過ごしています。そんなある日、私は幼馴染A子と再会して……。私たちは久しぶりの再会を喜び、A子は私の家へ遊びに来ることに。夫と一緒に3人で楽しいひと時を過ごしました。A子はそれから頻繁に遊びに来るようになり、夫と3人で飲んだり、2人で女子会をしたり、まるで昔に戻ったよう。 夫は不在がちに一方、夫は仕事や友だち付き合いで、帰るのが遅くなる日が増えていきました。遊び相手を聞いてもあやふやで気になるところ。 ある日、私たちは温泉旅行を計画。楽しみにしていたのですが、直前になりA子が体調不良になりキャンセルすることに。心配していたところ、後日A子から元気になったと連絡がありました。 タワマンで夢のセレブ生活のはずが……!?久しぶりに会うA子はどことなくふっくらした様子。すると突然A子の様子が豹変し、「玉の輿もらったわ! この家から出ていけ!」と言いだしました。 聞けば、夫の子どもを妊娠していて、安定期に入るまでは動けなかったとのこと。不倫がバレないように、私と遊びながらも夫と会っていたそう。 「このタワマンの最上階で、私たちは夫婦になって夢のセレブ生活が始まるのよ!」と高笑いをするA子。 そんなA子を見て、「私、独身だし、この家は私のものだけど?」と、このタワマンは私が結婚前に購入していたものだと打ち明けました。 実は、夫の行動を怪しんだ私は行動を調査してもらい、夫の浮気を知り離婚済みだったのです。真実を知り、慌てて謝るA子ですが、許すはずもありません。私は2人をマンションから追い出しました。 現在私はタワマンで一人暮らしを満喫しています。お金に目が眩んだり人の物に手を出したりすると、すべて自分にかえってくるのかもしれませんね。 著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年05月17日息子が1歳5カ月になり、育児にようやく少し余裕が出てきたころに2人目の子どもを出産しました。産後はホルモンバランスの変化で精神的に不安定になっていたのですが、そんなときに私がパパに理解してもらいたいと思ったことをお伝えします。 産後のガルガル期産後すぐに新生児育児が始まり、睡眠不足の毎日で少しのことでイライラしていました。そのとき母から、「産後は“ガルガル期”という、赤ちゃんを守る本能からイライラしてしまう時期があるんだよ。それは仕方のないことだよ」と励ましてもらいました。しかし、パパは「ママはなんでいつもイライラしてるのだろう?」と思っていたようで、何度も衝突しました。産後の女性の心と体の変化をパパが事前に知ってくれていたら、このガルガル期に少しでも笑顔が増えたのではないかと思います。 上の子じゃなく下の子を!頻回授乳もあり、私は赤ちゃんにつきっきりになりました。しかし上の子もまだ1歳。授乳をしているとき上の子は口をギュッと結んで我慢しており、夜になるとその寝顔に「ごめんね」と謝り涙を流す毎日でした。パパは上の子とよく遊んでくれましたが、でもそうすることで上の子とママの間に溝ができていく気がしていました。赤ちゃんが泣いたとき、パパが上の子ではなく赤ちゃんのお世話を少し手伝ってくれたら、その間にママは安心して上の子と接することができるのにな……と思いました。 家事に完璧を求めないで!1歳と0歳の子どもがいる日々は、かわいい反面本当に大変です。子どもをみるので精一杯で、家の掃除が行き届かなかったり、ごはんも冷凍食品やレトルトを多用したりしていました。「家事ができていなくてごめんね」とパパに伝えると、「今はできなくて当たり前。毎日掃除しなくてもいいし、ごはんもコンビニや出前でもいいよ。それより子どもたちと笑顔で遊んでくれていれば俺はうれしいから」と言われ、この言葉に本当に救われました。 夫も仕事をしているので、もちろん家事や育児を全部担うわけにはいきません。でも、理解をしてくれるということが私の心にゆとりを持たせてくれたのです。 年子の育児で余裕がなくなっていた私も、パパの理解ある言葉で笑顔を取り戻し、今しかない赤ちゃん期間を大切に過ごさなきゃもったいないと気付くことができました。何よりもかわいい子どもたちのために、これからも笑顔と思いやりを絶やさないようにしたいと思います。 イラストレーター/みいの 著者:松本のあ1歳男児と0歳女児の母。客室乗務員を現在育休中。年子育児の経験を多くの人に伝えるべく、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年05月17日独身で仕事にまい進していた20代後半のころ。毎月の生理もきちんときているし、経血量も痛みも軽く、特に生理で困ることはありませんでした。2年に一度届く子宮頸がん検診のお知らせも「問題はないだろうと」放ったらかしにしていて……。 「ここでは手術ができない」とのことで、さらに大学病院への紹介状を書いてもらい、大学病院で詳しく検査をしていただいたところ、通常2センチほどの卵巣がなんと直径12cmにまで腫れていることがわかりました。 「いつ破裂してもおかしくないから、もし次に激痛がきたらすぐ救急車を呼んでね!」と言われ、毎日ヒヤヒヤしながらも手術の順番を2カ月待ち、やっと手術へ。 左卵巣を切除し、悪性でないかを検査したとき、私の場合はサラサラとした水状の液体がなんと800mlも卵巣の中に入っていたそうです! 腹腔鏡手術だったため5日で退院しました。 結果、悪性ではなく安心。現在はトラブルも再発もなく、4歳男児を育てながら、第二子妊娠中の日々を過ごしています! 毎月の生理が順調だからといって、「健康体だし大丈夫!」と言えるわけではないんだと身をもって知りました。 もし子宮頸がん検診を毎回受けていれば、定期的に婦人科へ行くようにしていれば、早期にわかった病気のはずです。 検診や通院の重要性を感じた私の体験でした。 原案/笹木 紫さん作画/まっふ監修/助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。 ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者・イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター 漫画家 まっふ
2024年05月17日ママ友と付き合う中でやっかいなのが、「マウント好き」なママです。特に「旦那の職業」でマウントするママにはウンザリしてしまいますよね。今回はそんな旦那の職業でマウントするママ友を、見事に撃退した話を紹介します。マウント好きなママを…見事に黙らせた!▽ マウント好きなママを見事に黙らせましたね。お見事です!
2024年05月17日ASD(自閉スペクトラム症)息子は小学校、中学校で不登校、行き渋りを経験現在14歳の息子は、10歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けています。初めての場所やいつもと違うこと、急な予定変更などに弱く、見通しが立たないと不安になる特性があります。また、聴覚過敏があるためイヤーマフを使ったり、休み時間は図書室に避難しているようです。つい最近、まぶしいのが苦手で疲れるらしいと分かり、部屋の明かりを暗めにして目を休めるようにしています。そんな息子は、小学校、中学校と不登校、行き渋りを経験しています。ですが、不登校の理由はそれぞれ違いました。担任の先生の理不尽な対応がきっかけで不登校に……【小学校3年生】息子は小学3年生の時から行き渋りが始まったのですが、大きなきっかけは担任の先生でした。先生はすぐに怒る、怒鳴る、ちょっとした忘れ物も許してはもらえず、学校の近くに住んでいる保護者の方によると「家まで怒鳴り声が聞こえてくる」と言うほどの大声。聴覚過敏の息子には、とてもつらかったと思います。息子が間違えて覚えてしまった漢字を頑張って覚え直して正解を書けた時は、「今はたまたま正しく書けたけど、君は間違いを直そうという気が全然ない」と怒られたり、給食でおかわりを食べている最中に具合が悪くなって保健室へ行ったら、保健室へ行ったことを怒られて次の日からおかわり禁止にされたりと、理不尽な思いをしていたようです。ただ、ほかの子どもに対しても同様か、より厳しい対応をしているという話も聞こえてきていたので、息子が特別ターゲットにされていたというわけではなさそうでした。Upload By ユーザー体験談息子はそんな先生の元で精神的に不安定になってしまいました。連絡帳で「家でパニックを起こして、命に関わりかねない危険な行動を取ることがあるので、万が一危ないことをしたら、安全な場所で落ち着くまで一人にさせて欲しい」とお願いしたり、「聴覚が過敏なので耳栓を使わせて欲しい」、「手元がうまく見えていない可能性がある」と気になることを伝えたましたが、先生からちゃんとしたお返事がもらえることはほとんどありませんでした。唯一耳栓の使用だけは許可してくれましたが……。こんな状態でしたので無理に学校へ行かせるべきではないと思い、息子が休みたい日は休ませるようにしました。担任の交代、高学年になりクラスメイトから発達障害についてからかわれるようにその後いろいろあり、2学期の途中で担任の先生が代わることになりました。このことによって目に見えて息子の状態は良くなりました。ただ4年生になると、息子に発達障害があることについてクラスメイトからいろいろと指摘されるようになりました。これはとても嫌だったようです。学校から帰って来て部屋で泣いていたり、ある同級生が探し物が見つからなくて困っていたので探し出して渡してあげたら「気持ち悪い」と言われたと話してくれたりしました。私から「担任の先生に話そうか?」と提案してみましたが、息子は少し考えて「あんまりひどかったら自分で先生に言う」と答えたので、見守ることにしました。息子にはその子どもたちに会った時はきちんと挨拶をして、あとは距離を取るようにアドバイスし、息子はそのようにしていました。Upload By ユーザー体験談結局息子は卒業まで先生に傷つくことを言われているとは伝えなかったようですが、私がスクールカウンセラーの先生に相談していたので、そちらから話が行っていたかもしれません。中学では、その子たちと同じクラスにはなりませんでした。GW明けから始まった中学校への行き渋り。原因は……息子が中学校へ進学すると、慣れないためかゴールデンウィーク頃から、パニックを起こしたり、学校を休みたいと言ったりすることが増え、行き渋りが始まりました。朝支度をして、カバンを背負ってから「休む」と言い出します。私の所へ来て、申し訳なさそうな顔をして「ごめんなさい」と言う姿はなんともせつないものでした。Upload By ユーザー体験談息子がいうにはとても疲れてしまっているようなのです。部活を始めたこともあると思いますが、私は、「周りと合わせるのに必死で疲れてしまうんだろうな」と推測していました。小学校の頃から、ほかの子は言われなくてもやることが分かるけれど、息子は説明がないとどうしたらいいか分からなくて困るようで、それは中学生になっても続きました。ほかにも「自分はみんなとテンポが違う」「授業のスピードが合わない」と、中学生になってからは、周りとの違いをかなり気にするようになりました(確かに、授業参観に行くと、一人だけ行動がみんなより遅いです)。先生方はみんな「問題はありません」と言うので、周りを見ながら何とかみんなと合わせているんだろうなと思います。中学校への思いは小学校の時とは違う。登校するために試行錯誤する息子ですが、小学生の頃と違うのは息子の「学校に行きたい」という気持ちが強いことです。休んだ日に「明日から2週間休まないで学校に行けたらどう思う?3週間休まなかったら?1ヶ月休まなかったら?」と休まずに学校へ行ける自分を想像していたり、「どうしたら休まないで学校行ける?」、「疲れないように体力つけるにはどうしたらいい?」と聞いてきたりします。そして行くために自分で試行錯誤を続けています。まず、部活に出る日を調整するようになりました。部活の決まりに「休まないこと」というのがあるのですが、調子が悪いのに無理して部活に出て、次の日に学校に行けなくなることが多々ありました。するとお医者さんから「自分で自分の体調を管理するのは大切なことだから、そういう時は部活を休むように」と言われ、疲れていたり、調子が悪かったりする時は、自分の判断で部活を休むようになりました。Upload By ユーザー体験談中学1年生の時は、かなり精神的に不安定になっていたので、スクールカウンセリングで相談したりして、部活に出る日を減らしてもらいました。ですが、中学2年生になると、休日以外の部活には出られるようになりました。徐々に休日も部活に出るようになってきましたが、日曜に部活に出ると、月曜に学校に行くことができないのではないかと不安になることがあるので、そういう時は部活を休んでいます。そして寝る前に精神科で処方された薬をきちんと飲むようになりました。薬を飲んで寝ると、スッキリと落ち着いて学校へ行けるようです。ただ、効き目が強くて朝起きられないことがあるので、寝る前に飲むのを避けたり、お医者さんから、薬を半分にしていいと言われているので、半錠にしたりしています。また、体力がないのがいけないのではないかと、筋トレにチャレンジしたりしていますが、これは今のところ上手くいっていないようです。自分の意志で頑張り続ける息子を応援し続けます今は、担任の先生の「つらい時は休んでいいよ」という理解もあり、時々休みながら学校へ通っています。中学3年生になった今は「休みを減らしたい」「受験勉強を頑張りたい」と言っています。これから受験があるので、精神的に不安定になるのではないかという不安はありますが、何とか学校に通えるといいなぁと思っています。今後は、息子が自分自身を理解して、周りの助けを借りたりしながら、自分の特性と上手くつき合っていかれるようになるといいなぁと思います。イラスト/SAKURAエピソード参考/まこちゃ(監修:森先生より)怒鳴ったり厳しすぎたり、しっかりと特性を説明しても理解しようとしてくれない先生にあたってしまうと、とってもつらいですね。学校は、お子さんの健全な成長のために通うところです。毎日休まずに登校できるのであればもちろんそれに越したことはありませんが、無理に登校させて精神的に不安定になってしまっては、本末転倒です。しっかりとお子さんの心身の調子に配慮しながら、「休みたいときに休む」というのは良い選択肢なのではないでしょうか。投稿者さんがお子さんの不安な気持ちを受け入れて寄り添っていたからこそ、お子さんの「学校に行きたい」という気持ちを育むことができたのではないでしょうか。結局、お子さんが自分自身が自分を理解してコントロールできるようになる、というところが子育ての大きな目標の一つです。「毎日学校に行く」というのは、そのための手段でしかありません。無理をせず、1人で抱え込まずに、スクールカウンセラーの方や病院や行政など、頼れるところは全て頼りながら環境を整えていきましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年05月17日近年、赤ちゃんの名付けでは男女の性差を感じさせない「ジェンダーレスネーム」がトレンド。なかでも漢字一文字の名前や、季節感のある漢字を用いた名前が人気です。4月生まれの赤ちゃん7,479名の名前から、男女どちらにも名付けられていた人気の「ジェンダーレスネーム」ランキングTOP10を紹介します。 1位紬(主なよみ:つむぎ)4月に最も多く名付けられていたジェンダーレスネームは「紬」でした! 2023年の年間ランキングで、女の子では4位でしたが、男の子はランク外。今回も特に女の子の名付けに人気だったようですが、少しずつ男の子の名付けにも増えており、今年のランキングの動向が注目されます。「紬」は高級な絹織物を指します。繭から糸を引き出すことを表す漢字の成り立ちから、物事の糸口を引き出すという意味もあり、古風で上品なイメージの名前になります。 2位咲良(主なよみ:さくら)2位にランクインしたのは「咲良」。桜が咲く時期に増加する桜にまつわる名前「サクラネーム」 は特に女の子に人気ですが、男の子の名付けにも用いられるようになってきました。「咲」は「咲く」ことを意味するほかに、「笑う」を表す漢字でもあります。そこに「良い」「優れている」ことを表す「良」という漢字を組み合わせることで、前向きで清らかな人を連想させます。有名人では、アイドルの宮脇咲良さんが同名で活躍されています。 3位翠(主なよみ:すい)3位は「翠」。女の子の名前の年間ランキングでは、2021年は55位、2022年は19位と順位を上げ、2023年は3位に。今年に入って男の子にもじわじわと人気が出始め、人気ジェンダーレスネームの仲間入りを果たしました。 草や木の葉のような青々とした色を表す「翠」は、どこか神秘的な印象を与えます。「すい」という二音の響きも個性的です。 4位凪(主なよみ:なぎ)4位には「凪」がランクイン。2023年男の子の名前ランキングでは8位、女の子は24位と、男女ともに安定した人気のあるジェンダーレスネームです。風や波が静まる様子を意味する「凪」。穏やかで、落ち着いて行動できる人に。そして、周囲にやすらぎを与えるになってほしいという想いが感じられます。 5位蓮(主なよみ:れん)5位にランクインしたのは「蓮」。2023年男の子の名前ランキングでは1位に輝いている大人気ネームですが、女の子の名付けにも見られるようになりました。 「蓮」は、夏に花を咲かせる植物のハスのこと。泥水の中から育ち、美しい花を咲かせることから、周囲に染まらない清らかさと強さを感じさせます。「れん」という響きが、洗練された都会的な印象も与えます。同名の著名人では、人気アイドルグループSnow Manの目黒蓮さんが活躍されています。 5位碧(主なよみ:あお、あおい)同率で5位にランクインしたのは「碧」。女の子は「あお」、男の子は「あお」「あおい」というよみで名付けられていました。2023年男の子の名前ランキングでは3位、女の子は80位と、特に男の子に多いジェンダーレスネームです。 「碧」は、自然が生み出す美しい青緑色を表す漢字。海が紺碧の輝きを放つように、美しく輝く人生を歩めるようにと、願いを込めて名付ける親御さんが多いようです。 7位陽葵(主なよみ:ひまり、ひなた)7位に入ったのは「陽葵」。2023年の女の子の名前ランキング1位だった「陽葵」ですが、最近は男の子の名付けにも見られるように。女の子は「ひまり」、男の子は「ひなた」とよむことが多いようです。 日の当たる丘を指す「陽」という漢字は、男女どちらにも人気。また、「葵」は太陽に向かって花を咲かせる植物であることから、生命力や希望を感じさる名前です。 8位陽(主なよみ:はる、よう、ひなた)8位にランクインしたのは「陽」でした。2023年の男の子の名前ランキングでは25位、女の子は93位に入っており、女の子は「はる」「よう」、男の子は「はる」「ひなた」というよみが人気。 7位の「陽葵」に続き、「陽」を用いた名前。春の穏やかな陽気を連想させる、明るくあたたかい雰囲気の名前です。 9位葵(主なよみ:あおい)9位は「葵」。2023年の女の子の名前ランキングでは11位、男の子は76位と女の子に多い名前ですが、男の子の名付けにも増えてきてきます。 「葵」は、アオイ科の植物のこと。太陽に向かって育ち、可憐な花を咲かせることから、名付けに人気です。同名では、女優の森川葵さんが活躍されています。 10位陽向(主なよみ:ひなた)10位に入ったのは「陽向」。2023年の男の子の名前ランキング13位、女の子は150位という順位でしたが、今年は女の子でもさらに人気が出そうです。 7位「陽葵」、8位「陽」に続き「陽」という漢字を用いた名前がランクイン。「ひなた」というよみが「日向」を連想させ、明るくあたたかい印象に。「みんなの人気者になれるように」というパパ・ママの願いも感じられます。 10位朝陽(主なよみ:あさひ)同率で10位に入ったのは「朝陽」。2023年の男の子の名前ランキングは10位にランクインしており、特に男の子に人気の名前です。 「陽」という漢字を用いた名前のランクインは、これで4つ目。「朝陽」は明るい1日の始まりを表し、希望や生命力を感じさせます。 10位蒼空(主なよみ:そら)さらに10位に入ったのは「蒼空」。2023年の男の子の名前ランキングでは12位。特に男の子に人気の名前です。 「蒼」は、青い草木が生い茂る様子を表す漢字。そこに「空」という漢字を組み合わせることで、草木の「青」と空の「青」、どちらも感じさせる自然豊かな名前になっています。 4月生まれの赤ちゃんの名前で人気だった「ジェンダーレスネーム」のうち、7つの名前が「一文字ネーム」という結果に。また、「陽」という漢字を用いた名前が「陽葵」「陽」「陽向」「朝陽」と4つランクインしており、穏やかな春の陽気を感じさせます。これからご出産予定の方は、参考にしてくださいね。 <調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方調査期間:2024年4月1日(月)〜2024年4月25日(木)調査件数:7,479件(男の子:3,758件/女の子:3,721件)
2024年05月17日