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漫画ではあっても、「学習漫画」はあくまでも勉強に使うものであり、いわゆる知識詰め込み型のような教材をイメージする人もいるかもしれません。しかし、KADOKAWAの『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史』は、これまでにも多くの子どもたちを「歴史好き」に変えてきました。同シリーズの監修を務めた歴史学者の岡美穂子先生と、中学受験を志す小学生・保護者をサポートするカリスマ塾講師の馬屋原吉博先生が、その魅力について語り合います。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)『日本の歴史』は、断片的な知識を整理・定着させる最強ツール馬屋原吉博先生(以下、馬屋原):いわゆる勉強というかたちではなく「『おもしろい』から子どもの歴史学習をスタートさせたい」と考える保護者も多いですよね。『日本の歴史』における、「これは子どもが手に取りたくなる」「子どもが読み進めたくなる」というポイントはどこにあると思いますか?岡美穂子先生(以下、岡):歴史漫画シリーズは出版社によってまったく内容が異なるのですが、とにかく文字が多く、まるで教科書にちょっと絵をつけただけのようなものもあります。一方、KADOKAWAのものは文字が少なく、絵が本当にきれいでストーリー性に富んでいます。そのため、歴史の知識が無理なく頭に入ってきます。馬屋原:科目を問わず「漫画でわかる」といった本は流行っていますが、たしかに岡先生がおっしゃるように、「挿絵つき参考書」のようなものも多いですよね。KADOKAWAの『日本の歴史』は、漫画というメディアとしてきちんと丁寧につくられていますから、子どもでも読みやすいのかもしれません。それに、巻ごとの「でこぼこ」をあまり感じないのも特徴だと感じます。こういったシリーズは、複数の漫画家さんが分業するのが通常のケースなのですが、するとたとえば、「3巻までと4巻からでテイストがまったく違う」ということもよく見受けられます。でも、KADOKAWAのものは編集に1本筋が通っているというか、巻や漫画家さんが違ってもテイストが一貫していますから、抵抗感なく読めるのです。岡:馬屋原先生から見て、子どもたちが歴史漫画を楽しく読むことで、学力向上に結びついていると感じる場面はありますか?「これは効いているな」と思うシーンがあれば教えてください。馬屋原:一般的には、歴史学習が本格的に始まる前に親が買い与えることが多いと思いますが、期待どおりに子どもが読むケースはあまり多くないでしょう。逆に、歴史の勉強がひととおり終わって、断片的にインプットした知識を整理したり定着させたりするのにいちばん役立つツールなのではないでしょうか。やはり、歴史漫画を読むにも一定の知識は必要です。そうでなければ、登場人物を誰ひとり知らないまま読むことになりますから、おもしろくないですよね。知っている言葉や人物が増えた状態で読むことで、「そういうことか!」と理解が深まるように思います。興味をもった時代をトリガーに、歴史全般を好きになってほしい岡:馬屋原先生の塾生のなかで、歴史が得意な子に人気の時代はありますか?「男の子なら戦国時代から入ると歴史が好きになりやすい」など、「子どもが歴史を好きになるきっかけ」に多く見られる時代があれば教えてください。馬屋原:それほど偏りは感じませんね。戦国や幕末に偏るイメージもあるかもしれませんが、そう考える大人の側がその時代を好きということではないでしょうか(笑)。岡:たしかに、たとえば大河ドラマもほとんどが戦国や幕末が舞台ですから、大人にはファンが多いかもしれません。馬屋原:ただ、戦国や幕末の問題は、残念ながら中学入試においてとくに頻出というわけではありません。でも、子どもが戦国や幕末が好きになったのなら、そこをトリガーにして歴史全般を好きになってくれたら嬉しいですよね。そもそもの話をすると、私は子どもたちに対して「楽しんで」とか「興味をもって」とは絶対に言わないスタンスをとっています。なぜなら、私自身が、「これを楽しみなさい」と言われたら、「嫌だ!」と反発しちゃうような子どもだったからです。代わりに、自分が楽しそうに歴史について話すようにしています。そうするなかで、子どもたちがそれぞれに楽しみを発見してくれたらいいなと考えているのです。岡:私にはふたりの娘がいますが、そろって近代史が好きですね。馬屋原先生自身が楽しそうに話すこととは違うかもしれませんが、おそらく日常生活のなかで一緒にニュースを見る習慣があるからなのだと思います。「どうしてこういう問題が起きているの?」という質問をされると、そこに直結している過去の歴史について説明するようにしていますから、やはり現代に比較的近い時代に興味をもっているのでしょう。来年の入試では「戦中・戦後」に要注目!馬屋原:『日本の歴史』のなかで、「まずはここから読んでほしい」と子どもたちにおすすめしたい巻があれば理由と併せて教えてください。岡:いまであれば、今年(2025年)は戦後80年ですから、別巻の2巻「戦中・戦後の日本」ですね。先にも歴史漫画シリーズは出版社によってまったく異なるといいましたが、じつは沖縄戦をきちんととり上げているのはKADOKAWAのものだけです。そういう意味でも、必読の1冊だと思います。逆に、馬屋原先生のおすすめはありますか?馬屋原:じつは私もまったく同じで、別巻の2巻ですね。これは、受験対策という点でもおすすめしたいものです。中学受験の問題で扱う時代には、偏りはそれほどありません。時代を問わず広くまんべんなく出題されるのが実情です。でも、やはり戦後80年ですから、来年の入試は違ってくるでしょう。いま、1年に1回しか入試を実施しない学校は限られていて、2回、3回と入試を実施する学校が増えています。すると、2種類、3種類の問題をつくるとなったとき、戦後80年ということもあって昭和の前半について出題される可能性は高いと見ています。『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史』山本博文・五百旗頭薫・岡美穂子監修/KADOKAWA(2024)【岡先生&馬屋原先生のおすすめ巻】『よくわかる近現代史』第②巻[戦中・戦後の日本]が無料公開中!※2025年8月15日(金)まで■ 岡美穂子先生・馬屋原吉博先生 インタビュー一覧第1回:戦後80年で話題沸騰!中学受験のプロが選ぶ “本当に効果がある” 歴史漫画第2回:有名進学校が欲しがる子の条件|「現代と歴史をつなげる力」は歴史漫画で育ちます(※近日公開)第3回:暗記は昔から通用しない!東大准教授が語る「現代を生きる力」を育てる歴史学習法(※近日公開)【プロフィール】岡美穂子(おか・みほこ)1974年生まれ、兵庫県出身。京都大学大学院博士課程修了。博士(人間環境学)。現在、東京大学史料編纂所准教授。専攻は中近世移行期対外関係史、キリシタン史。『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史別巻まんが人物事典』(KADOKAWA)の監修を務める他、著書に『商人と宣教師 南蛮貿易の世界』(東京大学出版会)、『海域アジア史研究入門』(岩波書店)、『海からみた歴史 シリーズ東アジア海域に漕ぎ出す 第1巻』(東京大学出版会)などがある。【プロフィール】馬屋原吉博(うまやはら・よしひろ)1983年生まれ、北海道出身。東京大学在学中から大手予備校・進学塾で大学受験指導、高校受験指導の経験を積んだのち、中学受験専門のプロ個別指導教室SS‒1副代表として多くの中学受験生の指導にあたった。2024年に独立し、オンライン学習サポート「ハルミナ」を立ち上げる。定期的なオンラインの集団授業に加え、完全1対1のオンライン個別指導も続けている。主な担当科目は国語・社会。『中学入試 塾技100 社会』(文英堂)、『国際社会のキホンが2時間で全部頭に入る』(すばる舎)、『頭がよくなる 謎解き社会ドリル』(かんき出版)、『おもしろくてとんでもなくわかりやすい日本史』(アスコム)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2025年07月11日優秀な子をもつ親御さんにとって、「優等生のわが子が誇らしい」と思う反面、「勉強もスポーツも頑張りすぎていて心配……」「この状態はずっと続くの?」「いつか反動がくるかもしれない」など、不安を感じることもあるのではないでしょうか。たとえまわりがうらむような優等生でも、一生そのままでいられることは稀です。みなさんの人生を振り返っても、子どもの頃のイメージのまま成長している人は少ないはず。今回は、なかなか周囲に相談しづらい「優等生の子をもつ親」ならではの悩みについて考えていきます。「いい子でいなきゃ」――優等生の仮面が外せなくなった子どもたちうちの子もそうだったらいいのに……とうらましがられる対象である「優等生」。たしかに、勉強面でも学校生活においても問題のない優等生は、手がかからないので親の精神的負担が軽いように見えます。しかし、子どもの立場になると、そう単純ではないようです。「親の期待に応えたいから頑張る」のは危険!優等生といわれる子どものなかには、親や先生など周囲の期待に応えようとするあまり、「いい子でいなければ」「ちゃんとしていなければ」と頑張りすぎている子も。このように、必要以上にいい子であろうとする「いい子症候群」に警鐘を鳴らしているのは明治大学文学部教授の諸富祥彦氏です。諸富氏によると、「いい子症候群の子は、周囲の人の期待に過剰に応えようとするあまり、空気を読んで自分というものがわからなくなる傾向がある」のだそう。親からすれば、手がかからず反発もしてこないので、理想の子どものように思えるでしょう。しかし、子ども自身は徐々にストレスやプレッシャーを感じ、追い詰められるケースも少なくないのです。「頑張りすぎる」ことを無理する子ども青山渋谷メディカルクリニック名誉院長の鍋田恭孝氏は「学校の先生から『お子さんは完璧です』と言われるような “いい子” こそ要注意」と指摘しています。特に注意が必要なのは、大人視点では優秀に見える「規則や役割にこだわる子」と「周囲の期待に応えすぎる子」です。規則にこだわりがちな子は、自分でなにかを決められない、主体性が育ちにくいという問題を抱えているにもかかわらず、表面的にはいわゆる「いい子」に見えます。しかしその裏では、主体性のなさゆえに不安を感じやすく、心の問題に発展することもあるため、注意深く見てあげる必要があるのです。周囲の期待に応えすぎる子は、思春期以降に重大な問題となって表面化するケースも。小さいうちは親の期待に応えようと必死に頑張ってきたのに、成長するにつれて周囲と自分を比較したり、理想の自分と現実の自分のはざまで自己愛が揺らぎ始めたりと、心が不安定になる傾向があるのだそう。いずれにせよ、「優等生な子」「手がかからない子」は、私たち大人が考えるよりもずっと深刻な問題をはらんでいるのかもしれません。優等生ほど、劣等感と孤独を抱えやすいという現実。将来 “折れる” 危険、見えてますか?頑張りすぎる優等生タイプの子ほど、じつは劣等感や孤独を抱えやすく、ある日突然、心がポキッと折れしまう――。周囲からは「あんなにいい子で優秀だったのに」と気づかれにくいため、本人のSOSは届きにくく、追い詰められた末に大きな問題に発展してしまうこともあるのです。ではどうして、劣等感が強くなってしまうのでしょうか。公認心理師の大美賀直子氏は、その理由のひとつに「レベルを上げるごとに『上には上がいる』状況に直面してしまい、現実の厳しさを知って『自分はダメだ』と劣等感を募らせてしまう」ことを挙げています。努力して自分のレベルを上げられる頑張り屋さんな子は、ハイレベルな人ばかりがいる環境に入る機会が多いでしょう。しかし、そこでは途端に自分が「普通の人」になってしまい、その瞬間に劣等感が生じてしまいます。「優等生ほど折れやすい」と言われる背景には、「できて当たり前」と言われて育つ優等生だからこそ芽生える劣等感が潜んでいるのです。「劣等感を強く感じる機会が増えると、自己肯定感や自己効力感が低下し、『頑張っても仕方がない』というあきらめが生じてやる気が失われる」と大美賀氏が指摘するように、優等生を蝕む劣等感が及ぼす将来への影響は計り知れません。「過剰適応」が引き起こす心身の不調「優秀な人ほど精神的なダメージを蓄積しやすく、肉体的にもどんどん疲弊していく」と話すのは、診療内科医の鈴木裕介氏です。頑張りすぎるタイプは、まじめで几帳面、完璧主義、責任感が強く自分に厳しい、といった特徴が見られます。鈴木氏は、「その性格ゆえに、自らのルールに厳しすぎて柔軟性に欠ける。タスクをひとりで抱え込み、周囲に助けを求めることも、適度にサボることもできない」と述べ、限界まで我慢する危険性を指摘しています。このように、自らの体力や気力を考えずに、常に周囲の期待に応え続けることを「過剰適応」と呼ぶのだそう。過剰適応の状態にある人は、頭痛や胃痛、首や肩などの凝り、下痢や便秘、睡眠障害、不安感、イライラや怒り、集中力の低下など、人によりさまざまなストレス反応が起こるといいます。その結果、勉強や仕事の効率が下がったりミスが増えたりと、本来のパフォーマンスが発揮できなくなることも。せっかく頑張ったのに、結果に結びつかないどころか大きなダメージを負ってしまうなんて、やりきれませんよね。優等生じゃなくても、あなたが大好き!親ができるたったひとつのことここまで「頑張りすぎることによる弊害」をお伝えしてきましたが、頑張ることは決して悪いことではありません。あくまでも、無理をしてまで頑張る必要はないのです。特に子どものうちは、大人にほめられたいという一心で、限界ギリギリまで頑張ってしまう傾向があります。追い詰められてポキッと心が折れてしまうのを防ぐために、家庭ではどのような関わり方をしたらよいのでしょうか。もっとも大事なのは、「優等生のあなたでなくても、そのままのあなたに価値があるんだよ」ということを伝えること。前出の鍋田氏は、「テストでよくない点を取ってきても、過剰にがっかりした姿を見せないように」としたうえで、「『こういうこともあるよね』『次はどうしたらいいと思う?』としっかりと受け止めてあげて」とアドバイスしています。親自身が子どもに対して過度な期待をするのではなく、「期待に応えられなくても当然」と割り切る意識をもちましょう。大美賀氏も同様に、「残念な結果にいちばん落胆しているのは本人。だからこそ結果ではなく、頑張っている『姿勢』や『内容』に注目して声かけを」と述べています。「毎日頑張ってきたのを知ってるよ」「この作文の出だし、とってもいいね!おもしろい視点だね」など、親ならではの着眼点で肯定的な指摘をしてあげると、お子さんの自己肯定感や自己効力感がぐんぐん育ちますよ。それでも「頑張りすぎてしまう子」へ最後に、「頑張りすぎるわが子が心配なのに、休むように説得しても聞いてくれない」というお悩みに対して、教育専門家の石田勝紀氏によるユニークなアドバイスをご紹介します。子どもは体力があるので、体が元気なら無理をしてでも自分を追い込んでしまうタイプの子もいます。この場合、頑張りすぎていることを直接指摘するのは逆効果。石田氏は、「現状がいかにオーバースペックで働いてしまっているかを実感できる『間接的な話』が効果的」と話します。子どもにも理解しやすいたとえ話として、「スマホのバッテリー」をイメージして話を組み立ててみましょう。日中たくさんのアプリを長時間稼働させていると(=勉強や部活などで忙しい状態)、その分電池の消耗も激しく、こまめな充電が必要になります。ですがスマホのバッテリーには、ゼロになってから充電するとフル充電できないという特徴があるのです。そのような状態が続くと、バッテリーの回復レベルは急激に低下します。その理屈をふまえて、「スマホでアプリをたくさん動かすとバッテリーの消耗が激しくなるんだ。その状態を繰り返すと、充電しても100%まで回復しないこともあるんだよ。でもアプリの使用を減らしたり、長時間使ったりしなければ、充電したらすぐにバッテリーは回復する。人間も同じように、適度な休息や頑張りすぎないことが大事だよ」というように、子どもが納得してくれそうな説明をしてあげましょう。***「頑張ることはいいこと」なのは当然ですが、何事もやりすぎは禁物です。一見、いい子で手がかからないように見えても、親にほめられるために無理をしている可能性も。頑張っている姿は認めつつ、結果がどうであれ「そのままのあなたでいいんだよ」というメッセージを送り続けることが大切です。(参考)STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|“手がかからない子”ほど要注意!「いい子症候群」が怖い理由と、その防止法STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|学校で褒められる「いい子」に要注意!いい子に見えるのは“心の問題”のサインかもAll About 健康・医療|優等生タイプほど劣等感が強いのはなぜ?STUDY HACKER|エリートほど要注意。まじめで周囲に配慮できる人が陥りがちな「過剰適応」東洋経済オンライン|頑張りすぎて「潰れそうな子」にかけたい響く一言「ゆっくりしたら」では子どもには届かない
2025年07月10日不登校になったら、まずは休養と相談!子どもが実際に不登校になったら、どうすればいいのか。不登校になったときの対応の基本は、まずは休養と相談です。子どもが不登校になるときというのは、その子のなかで問題が最終段階になったときです。子どもはもう疲れ果てているので、休養をとる必要があります。まずは家庭を居心地のいい場所にしましょう。それに加えて、子どもが親や学校の先生に、気軽に相談できるような環境を整えていくことも必要になります。休養にはいくつかの段階があります。心身ともに疲れ切っているときには、その疲れを癒すためにやりたいことを思う存分やって、エネルギーを蓄えるような時間がまずは必要になります。そのときには子どもが一番好きなこと、例えばゲームをしたり、動画を見たり、運動をしたりといったことに時間を使います。子どもが学校を休んでゲームをやっていたら、大人としては「授業をサボって、遊んでいるなんて」と感じるかもしれません。その気持ちも分かりますが、不登校になるくらいに消耗した子には、ゲームでも動画でも好きなことに没頭する時間もある程度は必要です。エネルギーが回復してくると、子どもはゲームや動画などに少し飽きて、ほかのことにも目を向けるようになるかもしれません。一人で遊んでいるのも楽しいけれど、ちょっと出かけたりもしたい、誰かと何かをしたい、という気持ちも湧いてくるのです。これが次の段階です。子どもがゆっくり休んで落ち着いてきたら、少しずつ、休日に家族で遊びに出かけるなどに誘ってみましょう。ただ、不登校になったときには、親子関係がギクシャクしがちです。遊びに誘っても、子どもが応じない場合もあります。その場合には、家で一緒におやつを食べるような軽いやりとりに誘ってみて、親子関係を少しずつ回復させていくのもいいと思います。子どもが元気になってくると、すぐに「じゃあ少しは勉強しよう」「そろそろ学校に行ってみよう」とうながす人もいますが、休養は段階的に進むものです。まずは一番やりたいことをやる。少し回復してきたら、次にやりたいことを始める。一足飛びに先へ進むことはできないので、じっくり対応していきましょう。十分に回復してくると、子どもの興味や意欲が出てきて、本人が友だちや学校のことにも関心を向けるようになってきます。例えば、子どもが久しぶりに友だちと会って遊んだときに、今後の学校行事の予定を聞いてきて、「この日は行ってみようかな」と話し出すようなことがあります。学校を休む日もあれば、行ける日もあるというような状態になっていくこともあります。それまでは「毎日が日曜日」のような生活になりますが、子どもはその間、ただサボっているわけではありません。その期間を通じて、自分のペースを取り戻していきます。休養は段階的に進むということを意識しながら、焦らずに対応しましょう。ただ休ませて見守っているのでもなく、早く再登校することを求めるのでもなく、子どもの回復を見ながら、少しずつ対応を調整していくというのがポイントになります。数週間かかる子もいれば、数年かかる子もいるただし、学校に興味が出てくるまでに時間がかかる場合も多いです。「ちょっと行ってみようかな」と言うようになるまでに数週間かかる子もいれば、数年かかる子もいます。学校でつらい体験を何度も重ねた場合には、授業や行事になかなか興味を持てなくなることもあります。子どもが「親や先生の言うことを聞いたら、また嫌な思いをすることになるのでは」と警戒している場合もあります。その警戒心を解くためには、親や先生が時間をかけて、子どもに「もう嫌なことを無理強いしない」という証拠を見せるしかありません。そのことを本人が信じられるようになるまで、対応を徹底するしかないのです。不登校の対応として「まずは家庭を居心地のいい場所にしましょう」と言うと、「家の居心地がよかったら、ますます学校に行きたくなくなるのでは」と質問されることがありますが、そうではありません。不登校になるということは、基本的には学校の居心地が悪いわけです。そのうえ家も居心地が悪くなったら、子どもの行く場所がなくなってしまいます。それでは子どものメンタルヘルスが崩れてしまうでしょう。子どもが家で安心して過ごせるようにしたほうが、エネルギーの回復につながります。子どもが「行きたくない」「学校は嫌だ」と言っていたら、「そうなんだ」と答えて、本人の話をゆっくり聞く。そんなふうに子どもの気持ちを受け止めることが、親子関係の回復につながっていきます。発達障害のある子の不登校では、環境的な要因が大きく、学校側との相談が必要になることも多いです。そのため、子どもが親だけではなく、学校の先生にも悩みを相談できるようになれば理想的なのですが、担任の先生との関係が悪化して不登校になっている場合には、その先生を相談相手にするのは難しいでしょう。その場合には、校内で発達障害にくわしい先生を探して、その先生に相談していくのがいいかもしれません。一方、担任の先生との関係はいいけれど、友だちづき合いなどの要因があって不登校になっているという場合には、親子で放課後に学校へ行って、担任の先生と話をしてくるようなこともできるでしょう。また、先生がときどき家庭訪問をして、子どもや親の話を聞くようにしているという例もあります。それも相談のいい機会になります。家庭と学校以外の居場所、いわゆる「サードプレイス」で子どもの相談相手が見つかることもあります。習い事の先生や放課後等デイサービスのスタッフ、地域の大人などが子どもの話を親身に聞いてくれて、相談相手になることもあるのです。例えば、家族で地域の農園を一区画借りて野菜を育てていて、子どもが不登校になってからも農園には一家で通い、そこでは子どもが周囲の大人にいろいろなことを話している、というケースもあります。そういう相手のほうが気楽に話せるという子もいます。親子関係が良好であることも重要親子関係が良好で、家庭が居心地のいい場所になっていて、子どもが身近な大人に相談しやすい雰囲気ができていれば、いま登校できていなくても、将来を過度に心配する必要はありません。それはただ学校に行っていないだけで、心身ともに健康であり、社会参加への意欲も失っていない状態です。本人に何かやりたいことができたときには、それを誰かに相談できます。よく休んでエネルギーが回復すれば、子どもは自分から動き出すものです。子ども一人ではできないこともありますが、そのとき誰か相談相手がいれば、子どもはその人の助けを借りながら、自分のやりたいことに向かっていけます。そういう状態をつくっていくために休養と相談が必要であり、そのためには親子関係が良好であることも重要なのです。Upload By 本田秀夫不登校になったとき、絶対にやってはいけないこと子どもが不登校になったときに絶対にやってはいけないこと。それは、親が子どもに「学校に行かない人はダメな人間だ」という価値観を見せることです。例えば、子どもが学校を休む日が増えてきて、学校には行かないのにゲームはやりたがるという場合に、親が「学校に行くならゲームをやってもいい」といった形で、取引のような話をすることがあります。これも絶対にやってはいけません。なぜかというと、それでは子どもに「学校に行かないあなたを、私はダメ人間だと思っているよ」というメッセージを伝えることになるからです。それからもう一つ、「学校を休むなら昼間は家で勉強をしなさい」と指示するのもやめてください。本人も、勉強が遅れていることは分かっています。それでも勉強が手につかないくらいにしんどくなっているのが、不登校の子どもたちです。そういう状態の子に「昼間は勉強しなさい」と言ったら、子どもに「学校に行かないうえに、勉強もしないなんて、あなたはダメな人間だよ」と伝えることになります。取引条件を出す場合、「学校に行くこと」「勉強をすること」を無条件に善だと感じている面があるのかもしれません。「毎日学校に通って勉強をしたほうが、成長につながるはずだ」と考えている可能性があります。しかし、子どもの発達の仕方はそれぞれに違います。とにかく学校に行きさえすれば子どもはみんな成長するのかというと、そうではありません。学校の環境が子どもに合っていない場合には、子どもが頑張って登校して、一生懸命勉強をしても、健やかな成長につながらない可能性が高いです。その場合に必要なのは、子どもが学校に行く努力をすることではなく、大人が子どもを理解して、環境を調整することです。緊張しないで話せる雰囲気をつくっていく私のところに不登校の相談に来られるお子さんで、経過のいい方は、子ども自身が自発的に動き出せる状態になっていくことが多いです。親御さんから「まだ学校にはあまり行けていません」「でも家族仲良く過ごしています」といった話が出てきます。そういうとき私は、「みなさん家で楽しく過ごせていますか」「遊びに行ったりもしますか」といった雑談をします。なぜかというと、親御さんを焦らせてはいけないからです。不登校からの回復には、ある程度の時間がかかります。その間、親御さんが心の平穏を保てるようにサポートすることも大事なのです。親御さんにも支えが必要です。親子ともに緊張しないで、のんびり話せる雰囲気をつくっていくことが重要なのです。それが親子関係を良好に保ち、休養と相談の時間を確保することにつながっていくのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2025年07月04日子どもの好奇心を育てる驚異の理念を徹底解説子どもに「勉強しなさい」と言うのはうんざり、という人は必読!渋谷教育学園幕張中学・高等学校、通称「渋幕」。東大をはじめとする国内の難関大学のほか、海外大学の進学実績も豊富な、いまいちばん注目のスーパー進学校で、一体なにが行われているのか。同書では、その教育の秘密を解説します。子どもの中学受験を考えている人、「勉強しなさい」と言うのはうんざりという人は必読の一冊です。“ゆるい”「渋幕」でなぜ、圧倒的な進学実績や多彩な進路が叶うのか?東大合格者数14年連続TOP10入り。海外大学への進学実績も豊富かつ、アナウンサーの水卜麻美さん、サッカー元日本代表の田中マルクス闘莉王さん、直木賞作家の小川哲さんなど多彩な卒業生を輩出する渋幕の特徴と言えば……・チャイムが鳴らない・修学旅行は現地集合、現地解散・メイクも服装も自由・校則はほとんどない・進路指導なしと、ある意味“ゆるい”ことがわかります。「東大に行きなさい」という進路指導もなし、「勉強しなさい」もなしで、なぜ圧倒的な進学実績や多彩な進路が叶うのでしょうか?「渋幕の奇跡」と言われる躍進の影にあったもの渋幕の進学実績は開校からの40年間で驚異的な伸びを見せており、この現象は「渋幕の奇跡」と呼ばれるほどに。徹底した教育理念と、「真に学ぶ力をつける」カリキュラムを教員一人ひとりがしっかり理解することで、子どもたちの学びたい気持ちはぐんぐん伸びます。同書では「3つの秘密」をじっくり解説他校ではもちろん、各家庭でも実践できるエッセンスが散りばめられているので、「渋幕は憧れだけど、偏差値が高すぎて受けるのはムリ」「遠くて通えない」と受験を諦めている人にもぜひ、読んでもらいたい内容です。学校長、教員、在校生、卒業生を1年半にわたって密着取材!今回、1,000人以上の教員を取材した教育ライターが渋幕に初潜入。「英語が強い」と言われる秘密や、多彩な進路の裏側には、とにかく忍耐強く子どもたちに向き合う大人の姿がありました。「勉強しなさい」「宿題やりなさい」をグッとこらえて好奇心の芽を育てる方法と、勉強のポイント、入試問題からわかる「渋幕が求める生徒像」を解説。実際の問題を例に出して、求められる生徒像を導き出しています。渋幕の受験を考えている人には必読の内容です。書誌情報『渋幕だけが知っている「勉強しなさい!」と言わなくても自分から学ぶ子どもになる3つの秘密』著者:佐藤智定価:1,760円刊行日:2025年5月29日飛鳥新社(マイナビ子育て編集部)
2025年05月28日(この記事はアフィリエイトを含みます)勉強だけでなく、どんなことでもあってもわが子に「苦手なこと」があれば親は心配になるものです。しかし、「短所を克服させよう」と頑なになるのは避けたほうがいいのかもしれません。20歳で学習塾を創業して以来、35年以上にわたって子ども教育に携わってきた石田勝紀さんは、「賢い子」に育てるためにも「わが子のタイプ」に着目して「長所を伸ばす」スタンスをもってほしいと語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)「賢い子」とは「抽象度が高い子」いわゆる「賢い子」とは、どのような子を指すのでしょう?いろいろな考えがありますが、私自身は「抽象度が高い子」が賢い子だととらえています。そのような子どもには、抽象的な質問を投げかける傾向が見られます。たとえば、3歳など幼い段階でも、「これなに?」というような具体的なものにフォーカスした質問にとどまらず、「人はなんのために生まれてくるの?」「勉強はどうして必要なの?」など、親からすればびっくりするような質問をしてくるのです。抽象度の高さが賢さに結びつく理由は、「共通項」を見つけられる点にあります。抽象度が低い一般的な子どもは、「違い」を見つけることはできます。幼い子どもは自分を守るためにも親とそうでない人を見わける必要がありますから、その能力はおそらく本能的に備わっているのでしょう。一方、抽象度が高い子どもは、たとえば数年間分の過去問を見たときに、「これが共通して問われている重要なことだ」といった共通項を見つけることができるのです。あるいは、問題の全体を捉えて「こういうことをやらせたいのだな」といった出題者側の視点をもつこともできます。そのため、勉強において高い成果を挙げられるのです。抽象度が高い、共通項を見つけられることを別の表現にすれば、「俯瞰できる」となるでしょうか。山の頂上に立って周囲を俯瞰的に眺めれば、「あの辺が住宅地」「あそこは工業地帯」というように、全体をまさしく抽象的にざっくりと把握することができますよね。でも、地上にいれば目の前しか見えません。山の頂上の景色とは、すべてが違って見えるでしょう。そのため、抽象度が高い子どもが問題全体を捉えて出題意図などに着目するのに対し、抽象度が低い子どもはたとえば算数の細かい数字ばかりに目が向かう、または、問題そのものを暗記しようとするなどしていい成績を残しにくいのです。親の理想や世間一般の基準を押しつけないでは、この気になる「抽象度の高さ」は生まれつきのものでしょうか?ある程度の遺伝的影響を受けることはあるにせよ、後天的に培うことができるというのが私の考えです。そうするには、「子どもがどういうタイプなのか」を観察して十分に理解する必要があります。子どもはそれぞれに、得手不得手などの特性をもっています。それを無視して、「こういう子になってほしい」という親の理想や世間一般の基準を押しつけようとすれば、無理が生じて当然です。結果として、本来もっていた可能性が閉ざされてしまうかもしれません。作業スピードが遅い子には、問題数を間引くなどしてゆっくりじっくりと勉強に取り組ませてあげてください。集中力が続かない子なら、短時間で終わるかたちをつくってあげればいいのです。たとえば、ストップウォッチを使って「よーい、ドン!」でやらせてあげたら、ゲーム感覚でおもしろがって取り組んでくれるでしょう。「子どもがどういうタイプなのか」を理解することと関連していえば、「長所を伸ばす」スタンスも欠かせないポイントです。そのスタンスをもっている親こそが、子どものポテンシャルを最大限に引き出せる親であり、逆に「短所を是正しようとする」親は子どもに秘められた力をムダにしてしまいます。大人だってそうですが、長所については当たり前にできることですから、無自覚であることが多いものです。一方の短所については、子どもだって子どもなりに自覚していることがほとんどです。作業が遅いことを自覚している子が「早くしなさい!」と言われたり、集中力が続かないことを自覚している子が「集中しなさい!」と叱られたりしたら、腹だって立ちますよね。ダメ出しばかりされるのですから、精神的にも大きなダメージを受けるでしょう。そうして「自分はダメなんだ」と認識し、短所を克服しようという気持ちも失ってしまうのです。繰り返しますが、まずは長所を伸ばすことがなにより重要です。すると、「自分はできるんだ!」と強い満足感を得られ、そこから「苦手なことを直してみようかな」と子どもが自ら短所を是正する方向に向かっていくはずです。「雑談」を通じて親子間の信頼関係を築くさらに、子どもへの働きかけ以上に、親自身が自分の人生を楽しんでほしいと思います。教育熱心であることは決して悪いことではありませんが、「子どものために親が自らを犠牲にする」状態に陥ると、子どもからすれば大きなプレッシャーを感じて勉強や好きなことに没頭できなくなるからです。また、そういった親は子どもの成績が伴わなかった際、「私がこんなに頑張っているのに、どうしてあなたは期待に応えないの!」といった気持ちを子どもにぶつけがちな傾向にあります。子どもからすれば、「自分のために犠牲になってほしい」とは頼んでもいませんから大迷惑ですし、親子間の信頼関係も崩れていくでしょう。逆に子どもとの信頼関係を築こうと思うなら、親自身が自分の人生を楽しむことだけでなく、子どもとの「雑談」を大切にしてください。ただし、そこで親から子どもに勉強の話題を振るのはNGです。学校と勉強以外の、子どもが話したいテーマで楽しく雑談を重ねれば、コミュニケーション頻度が高まるために自然と信頼関係ができあがっていきます。そうして信頼関係が築ければ、「算数が苦手で……」というように、いずれ子どものほうから勉強の話題をもちかけてくるでしょう。でも、その場ですぐにアドバイスをするのは控えたいところです。話を聴くことに徹していれば、そのうち子ども自身の気持ちが「どうしたらいいだろう」と解決したい方向に向かっていくからです。その段階にきてようやく、「こうしたらどうかな?」というような提案をすればいいのです。上記のことに関連して、指示、命令、脅迫、説得をするのはご法度だと認識してほしいと思います。よく考えてみれば、大人でも同じではありませんか?仕事であればやりたくないこともやる必要がありますが、そうでない場合なら、他人からの指示や命令がたとえ合理的なものであっても、自分の意志が伴わないことを「やってみよう」とは思えないはずです。わが子の特性を理解し、その長所を伸ばしていくことこそが、子どもの可能性を広げ、さらには自己肯定感を高めることにつながります。「うちの子はどういうタイプかな?」という視点を忘れることなく、子どもとのなにげない雑談を楽しんでください。『10年後、どんな親子関係でいたいですか?子どもを育てる7つの原則』石田勝紀 著/大和書房(2024)■ 教育専門家・石田勝紀先生 インタビュー一覧第1回:後天的にだって「賢い子」は育てられる。わが子のタイプに着目すれば長所は確実に伸びていく第2回:中学受験に「向いている子」「向いていない子」。教育のプロが教える4つの判断ポイント(※近日公開)第3回:「人間力」が高い子の親がしていること。完璧を目指さない7割の子育てが子どもを伸ばす(※近日公開)【プロフィール】石田勝紀(いしだ・かつのり)1968年生まれ、神奈川県出身。教育者、著述家、講演家、教育評論家。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。国際経営学修士(早稲田大学)、教育学修士(東京大学)。1989年、20歳で起業し学習塾を創業。4500人以上の子どもたちを指導する。35歳で東京の中高一貫私立学校の常務理事に就任し、大規模な経営改革を実行。2016年からは「カフェスタイルの勉強会〜Mama Café」という子育て・教育の学びの会を全国で年130回以上主宰し、これまでに1万3000人以上の母親から相談を受けている。東洋経済オンライン連載「ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?」は、累計1億3000万PV。音声配信メディアVoicy「Mama Caféラジオ」は、1500日以上連続で配信しており、フォロワー数は1万8000人を超える。著書は『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『頭のよい子が育つ家のしかけ』(日本文芸社)、『のびる子はやっている 最大効果を出す 小学生の勉強法』(新興出版社啓林館)、『勉強しない子に勉強しなさいと言っても、ぜんぜん勉強しないんですけどの処方箋』(ダイヤモンド社)など全30冊。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2025年05月21日勉強中、サッカーノートを書いているとき、食事中など、気づくと頭が下がって姿勢が崩れてしまっていることも多いのでは?サッカーでも良い選手は姿勢がいいもの。姿勢が悪くなると、集中力が低下しますし、将来的な肩や腰の痛みの原因になります。また、正しい姿勢はお腹周り(いわゆる体幹といわれる部分)を安定させ、自分の持っている力を100%出せるようになります。今回は、良い姿勢がサッカーと勉強にどんな風に関係するのかを、自身もサッカー経験のある理学療法士の武田純一さんに教えていただきました。(構成・文:小林博子)■悪い姿勢でいると、首への負担がいい姿勢の時より6倍に!子ども向けの姿勢教室などの講座を行う理学療法士の武田純一さんによると、姿勢の良し悪しによる心身への影響は多数あるそう。人間の頭の重さは大人で5kg程度、子どもの場合でも3〜4㎏ほどと言われます。頭が少し前に出ているだけでその重さの負担が従来の6倍になり、つまり首で約24kgもの重りを支えていることになります。だいたい10分くらいで首や肩の負担を感じ始め、そうなってくると勉強に集中できなくなります。悪い姿勢でいると6倍もの負担がかかってしまうのですから当然かもしれません。正しい姿勢で、首の骨の上に垂直に乗っていれば重さの圧が分散されます。また、正しい姿勢は胸を開いた状態です。猫背や巻き肩だと呼吸が浅くなりがちですが、胸を開いている状態なら呼吸が浅くなりにくくなります。深い呼吸は集中力アップにもつながります。■サッカーノートを書く時も!前向きな気持ちで学習に取り組める前述したように、座っていて体が辛くなければおのずと気持ちがネガティブになる可能性は低くなるはず。それに加え、座ったときに一度姿勢を整えて背筋を伸ばして「よし!」と気合を入れることもポジティブなマインドを後押ししてくれます。これは学習だけでなく、スポーツ時にも言えることです。「心身相関」といって、姿勢がよく胸が開いたポジションでいるほうが前向きな気持ちを想起するとも言われています。これらは東京都教育委員会の2014年の研究結果でも公表されています。ちなみに、サッカーノートを書く際に良い姿勢かどうかも実は大切。前向きなノートが書けるようになり、日々の振り返りや目標設定などもより明度が上がるはず。ノートの効果も高くなります。海外の研究機関が行った調査によると、良い姿勢のグループとそうでないグループで計算課題での結果に差が見られたそうです。前向きな気持ちで集中して取り組むことの積み重ねが、長期的に見ると明らかな学力差にもつながるという好例ではないでしょうか。■正しい姿勢により体幹(=お腹周り)が強くなる小学生以上の子どもは1日のうち「椅子に座って勉強する」時間が長いので、その時間に背筋を伸ばして良い姿勢を保つことで、筋肉、とくに体幹筋も正しく育ちます。体幹の中でも深層に位置する筋肉で構成された「インナーユニット」が大切です。上部は横隔膜、下部は骨盤底筋、前部と側面は腹横筋、後部は多裂筋で構成されています。これらの筋が適切に働くことでコルセットのように体幹を安定させてくれます。それらを適切に働かせるには「良い姿勢」である必要があり、良い姿勢を続ければこれらの筋肉も育ってきます。お腹周りがしっかりと安定すると、サッカーでも当たり負けしなくなります。【体幹筋とは】胴体部分(体幹)を構成する筋肉の総称。主に腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋からなるグローバルマッスル、横隔膜、骨盤底筋、腹横筋、多裂筋からなるインナーマッスルで構成されています。広義には腹部の筋肉のほか背筋、胸筋、肩甲骨周りの筋肉などが含まれます。■周辺視野が広くなり、認知能力が向上顔を上げて周りを見れるようになる集中して学習をする習慣が身につくこと、体幹が強くなり長時間の学習や運動が無理なくできるようになると、おのずと持久力も高まります。頭が前にある状態は巻き肩にもつながるため、下向きになりやすく視野が狭くなります。また、どこかが痛かったり、呼吸が浅くボーッとしてしまったりすることで、認知能力が下がるのも言わずもがなです。■「0.数秒の速さ」が違いを生む前後左右に素早く動くためにも重要姿勢が良く重心が地面に向かってまっすぐなニュートラルな状態でいることは、前後左右への動きの機敏さにも現れます。逆に、巻き肩で重心が後ろにいっていると、1つ1つの動きのために一度中心に重心を持ってくる必要があり、ほんの少しのロスが生じます。目に見えないほどの僅差ではありますが、スポーツではこの「0.数秒」の差が致命的になることもあります。よく、良い選手は姿勢が良いといわれますが、世界的に有名なクリスティアーノ・ロナウド選手やリオネル・メッシ選手らも、しっかり骨盤が立って良い姿勢でプレーをしています。メッシ選手は一見猫背に見えますが、骨盤はしっかり立っているのです。日本代表の選手たちも良い姿勢で視野を広く持ち、いいプレーをしています。良い選手になるには、「良い姿勢」が1つの条件になるのです。次回は、姿勢が悪いと自分の持っている力を100%出せない理由、出力をあげることでサッカーのパフォーマンスが上がる理由をお伝えします。
2025年05月12日転籍問題、早期療育、勉強のつまずき、卒業式・入学式など……3月に公開したさまざまなエピソードを紹介!転籍問題、早期療育、勉強のつまずき、卒業式・入学式など……発達障害のあるお子さんを育てる保護者の方にとって気になる問題を読者体験談コラムでチェック!今月の体験談は4つ!知的障害特別支援学級の通うお子さんがWISCを受けて「IQは平均値」の結果に……転籍を迫られ悩むエピソードや、乳幼児期の発達の遅れの不安、早期療育を経て支えられた児童発達支援についてのコラム、文章読解が苦手なASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの対応や合理的配慮、卒業・入学の乗り切るコツが満載のまとめコラムなど、さまざまなエピソードをコミックエッセイ仕立てで紹介しています。知的障害特別支援学級に在籍している苗さんの息子さん。しかし、放課後等デイサービスでWISCを受けた結果、IQは平均値の範囲内との結果が。「知的障害(知的発達症)がないということは転籍しなければならないの?」と悩む苗さん。それには「勉強」と「人間関係」が悩みの種で……。転籍に悩んでいる方のリアルな体験談です。「発達が遅れているのでは?」なかなか一人で歩くことができず、言葉もでなかったゆきこさんの息子さん。不安を感じていた中で迎えた1歳半健診で「専門の先生に診てもらってください」と指摘を受けました。小児神経科を受診すると、言葉の遅れがあるため、月1回の言語聴覚療法(ST)をすすめられ……。読めるけれど書けない漢字。問いから外れた答えを書く文章読解。ASD(自閉スペクトラム症)のなのさんの息子さんは国語に困難さがありました。たくさん練習しても翌日には全部忘れてしまい、「思い出そうとしてもはっきり思い出せない!書けない!」と大泣きしたことも……。学校での学び方、合理的配慮を模索した結果は……?発達障害のあるお子さんにとって卒園、卒業式や入園、入学式などの行事は春の試練!?新しい環境への不安や刺激の多さから、さまざまな困りがおこることが多いこの季節。保護者の皆さんも、どのような準備をすればいいか心配しているのではないでしょうか。そんな悩みを持つ保護者の方に向けて、卒業式・入学式を迎えるヒントとなる体験談やアンケートに寄せられたコメントをお届けします。ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』は皆さんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントをつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児している皆さんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。皆さんのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知・パートナー(夫婦) 関係・両親(義両親)、親族関係・進学・受験関係・冠婚葬祭関連・反抗期、思春期・自傷・学習関係・不登校、行き渋り・ゲームとの関わり・不器用さについて・ママ友や、ほかの保護者の方とのエピソード・ご近所関係(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年04月13日「10歳の壁」とは、小学校4年生前後の時期に子どもが直面しかねない、勉強面や内面的成長の変化を指す言葉。「9歳の壁」「小4の壁」とも呼ばれることがあり、これらの用語は基本的に同じ発達段階の現象を指しています。では、このような「壁」は、どうして立ちはだかるのでしょうか?よく知らないままでは、子どもの成長に対する不安がいたずらに大きくなってしまいかねません。そこで今回は、「10歳の壁」の意味や、それが発生する理由、そして子供が自分への自信を取り戻す方法まで詳しくご説明しますね。「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」と発達段階の関係「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」とは、年齢に応じた子どもの発達段階と深く関連しており、教育界ではよく知られた現象です。文部科学省は、小学校高学年における発達段階の特徴を以下のように説明しています。9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。また、集団の規則を理解して、集団活動に主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団が発生し、付和雷同的な行動が見られる。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題)ひとことで言うと、子どもの成長は9~10歳の時期に大きく転換するのです。これまでは具体的なモノや数以外を認識するのは困難でしたが、抽象的な概念も理解するようになります。臨床心理士の大須賀隆子・准教授(帝京科学大学)によると、発達段階に合わせ、小学校の学習で抽象的思考が必要とされはじめます。しかし、子どもの発達には差があるため、まだ抽象的思考を獲得していない子どもが、たとえば算数分野では分数や割り算の学習につまずいてしまい、「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」を越えられない子どもが続出するのだそうです。「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」の問題は、勉強面にとどまりません。10歳ごろになると「他者意識」が発達し、他人との比較を通じて自分を認識するようになるため、子どもの自己評価や自尊心が低下してしまうのだそう。嫉妬などのネガティブな感情も生まれ、気に入らない相手を無視したり、その人について悪いうわさを流したりといった「関係性攻撃」につながってしまう場合もあるとのことです。なぜ「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」が問題になったのか上で述べたような「10歳の壁」が広く一般に知られるようになるには、きっかけがありました。それが、2009年に放送されたNHKの報道番組『クローズアップ現代+』の「10歳の壁」特集です。番組によると、9~10歳で小学校の勉強についていけなくなる子どもが急激に増えたのだそう。原因のひとつとして、子どもの「考える力」が育っていないことが挙げられました。暗記・スピード重視の反復学習ばかりやらせることや、日常生活における親とのコミュニケーションが不足し「早く寝なさい」「お風呂に入りなさい」など一方的に指示を受けるばかりの状況が影響しているそうです。その後、2011年に出版された心理学者・渡辺弥生教授(法政大学)の著書『子どもの「10歳の壁」とは何か?乗りこえるための発達心理学 』(光文社)は、10歳という年齢における子どもの変化を「壁」ではなく「飛躍の時」として受け止めようと主張し、注目されました。なお、番組放送前の2003年、教育アドバイザーの糸山泰造氏による『絶対学力―「9歳の壁」をどう突破していくか?』(文春ネスコ)が出版されています。「9歳の壁」という言葉はこの本によって知名度を獲得したようです。「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」への対策1:ほめて自信をつけさせるでは、「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」がどのようなものか把握できたところで、親として子どもにどう接すればよいのでしょう?文部科学省は、「小学校高学年の時期における子どもの発達において、重視すべき課題」として、以下の5点を挙げています。これらの課題を達成できる、4つの対策をご紹介しますね。・抽象的な思考への適応や他者の視点に対する理解・自己肯定感の育成・自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養・集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成・体験活動の実施など実社会 への興味・関心を持つきっかけづくり(引用元:同上)まず、他者との比較によって自己評価が低くなった子どもに必要なのは、あらためて自信をつけさせること、つまり「自己肯定感の育成」です。親が子どもに自信をつけさせるシンプルな方法は、やはり「ほめる」こと。しかし、一口にほめると言っても、効果的なやり方というものがあります。ほめることには以下のようなポイントがあります。子どもをほめることに慣れていないという人は、これらの点を意識してみてください。1. 「すごい」「すばらしい」「さすが」「ありがとう」のようなワードを使う少し大げさに思えるかもしれませんが、このような言葉を用いると、子どもにとって「ほめられた」ことが分かりやすくなります。たとえば「テストで80点だね」「脱いだ服を片づけたね」と事実を述べるだけでは、ほめられているのかそうでないのか判然しません。しかし、「80点をとるなんてすごいね!」「脱いだくつを片づけてくれてありがとう」と言うことで、ポジティブなフィードバックとなり、子どもはほめられていると理解できるのです。2. 具体的にほめるいったい何をほめられているのか、どのような行動が高く評価されたのか、はっきりさせることも大切です。ただ「すごいね」と言うだけでは、何が「すごい」のか分かりづらいですし、投げやりに聞こえてしまう可能性もあります。そのため、上記の例のように、どのような行動をほめているのか明確に言語化しましょう。くどく聞こえるかもしれませんが、「毎日1時間も勉強しているもんね。さすがだね」「自分からプリントを整理するなんてすばらしい!」など、できるだけ具体的な言葉にしてください。子どもの頑張りをちゃんと見ているよ、というアピールにもなります。(参考記事)STUDY HACKER|『人をほめる』は自分の脳にも効果大!相手のため、自分のための “上手なほめ方” 教えます。「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」への対策2:家事を手伝わせるそうはいっても、ほめることは難しい。勉強が得意ではないので、ほめるポイントが見つからない――そう考えてはいませんか? ならば、子どもに家事を手伝ってもらいましょう。洗濯物をたたんだり、洗い終わった食器を棚に戻したり。能力に応じてできることを、具体的に指示してやってもらうのです。そうすれば、「丁寧にたためたね」「手伝ってくれてありがとう」とほめる「ネタ」が生まれます。ほめられるだけでなく、「家族の役に立てた」と実感することで、子どもの自己肯定感が養われるのです。「集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成」の効果があるといえるでしょう。「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」への対策3:本を読むよう仕向ける10歳ごろになると、子どもは客観的な視点や抽象的な思考をもちはじめ、学校ではこれらの能力を要求する学習が始まります。前述したように、それらの能力が育ちきっていない子どもが直面するのが「10歳の壁」なのです。「抽象的な思考への適応や他者の視点に対する理解」という課題はどうすれば達成できるでしょうか?方法のひとつは、子どもが「本を読むこと」です。勉強に関するものではなく、物語で充分。物語を読むことで以下のような学びの機会が得られます。登場人物の人間関係を構造化する。登場人物の価値観を吸収する。作品の核を抽象化する。まず、「人間関係を構造化する」とは、「頭の中で人物相関図を描く」ことです。物語を読んでいると、それぞれのキャラクターがどのような立場に置かれ、何を行い、互いにどのような影響を与え合っているのかイメージしつづけることになります。それによって高められる能力は以下の通り。少ない情報から登場人物を客観視する能力が磨かれるので、メタ認知力が高まります。このメタ認知力とは、要は自分や周囲の状況を一歩上から客観視する能力です。(引用元:STUDY HACKER|小説は人生の “例文集” 。楽しく役に立つ『小説読み方入門』)また、物語には登場人物の感情や価値観が描かれているため、自分とは違う他者の考えに触れることができ、以下のようなメリットが生まれます。他者の価値観を許容し、頭ごなしに否定をしない姿勢を身につけることができます。また、多くの価値観はあなたにとって思考の引き出しとなり、それまでの自分ではできなかった発想が生まれるようにもなります。(引用元:同上)これは、文部省が指摘する課題「自他の尊重の意識や他者への思いやりなどの涵養」に該当します。涵養(かんよう)とは、無理なく自然に育てること。物語を通じ、他者への共感を高めることは、「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」を乗り越えることにつながるのです。さらに、多くの物語には「友情の大切さ」や「因果応報」など抽象的な教訓が含まれています。物語を読んでこのようなメッセージを感じ取ることにより、抽象的な物事への理解が深まることでしょう。このように、読書は「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」を乗り越えるのに大いに役立ちます。では、子どもに読書をさせるにはどうすればよいのでしょうか?「小学生の『国語力』を上げるには。3つの方法とオススメ問題集」でもご紹介したように、方法は2つあります。まずは、親が本を読み聞かせてあげること。そして、親が積極的に本を読み、子どもにまねさせることです。読書は効果が高いうえ、特別な出費も必要ない、リーズナブルな学習方法。ぜひ取り入れてみましょう。(参考記事)STUDY HACKER|小説は人生の “例文集” 。楽しく役に立つ『小説読み方入門』「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」への対策4:体験活動をさせる文部科学省が挙げた課題には、「体験活動の実施など実社会への興味・関心をもつきっかけづくり」がありました。「体験活動」と一口に言ってもさまざま。「社会体験」もよいですが、「自然体験」はいかがでしょう?「子どもに『自然体験』をさせよう!正義感と自己肯定感を強くする方法」でもお伝えしたように、自然体験を多くした子どもほど、自己肯定感が強くなるという調査結果があります。自然体験の豊富な子ほど、自身について「勉強は得意な方だ」「今の自分が好きだ」と考える傾向があるのだそうです。子どもに自然体験をさせる方法としては、家族でキャンプに行ったり民泊に泊まったりといったものがあります。詳しくは上に挙げた記事をご参照ください。***何かと話題になりがちな「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」。あまり敏感になりすぎず、子どもをほめたり、親子で読書をしたりと丁寧なコミュニケーションを心がけていってください。(参考)文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題帝京科学大学学術リポジトリ|児童期の認知発達と心理発達の特徴と支援についてNHKオンライン|“10歳の壁”を乗り越えろ~考える力をどう育てるか~J-CASTニュース|「早く寝なさい」が思考力奪う!?脱「ゆとり・百ます計算」の教育STUDY HACKER|小説は人生の “例文集” 。楽しく役に立つ『小説読み方入門』STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|小学生の「国語力」を上げるには。3つの方法とオススメ問題集STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|子どもに「自然体験」をさせよう!正義感と自己肯定感を強くする方法※本記事は2018年7月7日に公開しました。肩書などは当時のものです。
2025年02月28日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは! ドイツで一人息子を育てている主婦のぱん田ぱん太です!突然ですが、私が最近始めたこと。それは……。「投資で資産運用」です!しっかりと投資について勉強をし始めてからというもの、お金に対する考え方や扱い方も変わりました。そのため、もっと早く投資について知り始めておけば、シンプルにその年数分、資産が増えただけではなく、より上手にお金を扱うこともできただろうになぁ、と残念に思います。当然ながら過去に戻ることはできません。でも、私には一人息子のフリッツ君がいます!自分の人生をやり直すことはできないですが、代わりに、私が早くから知りたかったことを息子に早くから教えてあげることは可能です。そのきっかけは、2024年の2月、フリッツ君のお誕生日のことでした。やっぱり何かについて学ぶなら、実践が一番! 私は家にあったかわいい空き箱に「ママバンク」と書いた紙を貼った、簡単な貯金箱を作りました。銀行預金、金利、複利……なるべく難しい言葉は使わないようにしながら説明してみました。すると……。「ぜんぜん分からん」とのこと。そりゃそうですよね(笑)。しかし先ほども書いた通り、大切なのは実践です! とにかく「月利1%のママバンクに貯金」をスタートすることに。すると、フリッツ君は少なくとも「自分のお金を使わず、ここに入れておけば増える」ということを理解してくれたようです!%の計算などを理解するのは当然まだまだ先ですから、ざっくりと分かってくれれば十分です!そして後日のこと。実際のところ、フリッツ君にはまだおやつを自分で買うような機会はありませんが、お勉強のために「お金を使う? 貯金する?」と聞いてみました。すると、「貯金する」との答えが! その理由も、しっかりと私の説明を復唱してくれました!親子でそれぞれの貯金を眺める日々(笑)。フリッツ君にはこの調子で、将来のためにしっかりと資産運用について学んでほしいです。もちろん、お金をためて増やしてばかりでドケチな子になるのも大変ですから、もう少ししたら「人生を豊かにするための上手なお金の使い方」についてもしっかりと教えていきたいと思っています!
2025年01月06日(この記事はアフィリエイトを含みます)お子さんの学習意欲って、不思議なものですよね。「自分から勉強したい!」という気持ちが芽生えるまでには、やっぱり親御さんの優しい後押しが必要なんです。というのは、お家での学習時間が日課になっているお子さんと、そうでないお子さんとでは、テストの点数はもちろん、勉強に向かう時の気持ちにも差が出てきてしまうから。だから、小さい頃から、お家でちょっとずつ学習する時間をつくってあげられたらいいなって思います。専門家によると、本格的な反抗期を迎える前の10歳までが、学習習慣を身につけるチャンスなのだとか。そこで今回は、忙しい毎日を送っている親御さんに向けて、「子どもがひとりでも楽しく取り組める教材」をご紹介します。おなじみのドリルはもちろん、最近ではすっかり学習パートナーになったタブレットまで、お子さんが「ワクワク」しながら学べる教材を集めてみました。お子さんの興味と成長に合わせた教材選びのヒントになりますように!自立学習、学習の習慣化は小さいうちに!仕事や家事で毎日忙しくしていると、「子どもの勉強をちゃんと見てあげたいけど、時間がなくてつい後回しになってしまう……」と、日々後悔や反省を繰り返してしまいがちです。理想は「ひとりでも集中して学習する習慣」を身につけてくれることですが、現実ではなかなかうまくいきません。最近では、未就学児でも楽しく学べるドリルなどの学習教材も充実しており、遊びの延長として勉強に取り組めるアイテムも続々登場しています。便利で役立つアイテムを活用しながら、就学前から「楽しく学ぶ習慣」を身につけさせたいですね。子育て心理学協会代表理事の東ちひろ氏は、「学年が上がるにつれて、自分で学習する『自立学習』の力は欠かせなくなるが、高学年になってあわてて学習習慣を身につけさせるのは難しい」と指摘したうえで、「本格的な反抗期に突入する10歳までがチャンス」と、低学年から家庭学習の習慣を身につけることが重要だと述べています。*1では子どもの自立学習を習慣化させるにあたって、親はどのようなサポートをしてあげればいいのでしょうか?元開成中学校・高等学校校長の柳沢幸雄氏は、「好奇心こそ、自ら積極的に学ぶためにもっとも必要なもの」と述べています。だからこそ親は、「子どもの興味関心に目を向けて、その延長線上に勉強の要素につながるようなものがある経験をさせてあげること」を心がけ、子どもの好奇心や「やりたい」という気持ちにできる限り寄り添う必要があるのです。*2たとえば、電車好きの子なら一緒に電車を見に行くだけでなく、路線図を片手に電車に乗って各駅に着く度に駅名の漢字を確認するなど、学びにつながるきっかけは身近にあります。お子さんがいま一番興味をもっているのはなんなのか、じっくり観察しましょう。子どもが学習に興味をもってくれないことには学習習慣はつきません。そこで次項では、子どもがワクワクしながら学習を進めてくれるような自立学習教材を紹介しています。しかも、親の見守りは基本的には不要です。なかには「おうちの方は絶対に教えないでください」注意書きがあるドリルも……!ひとりでできるドリル7冊(2歳~小学校高学年)それでは、親がそばについていなくても子どもがひとりで取り組めるドリルを紹介します!2歳~小学校高学年を対象に、年齢・学年に応じたおすすめの7冊をピックアップしているので、お子さんの年齢に合った自宅学習に役立ててくださいね。【1】『2歳 まるごとこれ1冊 できるかな』(学研の幼児ワーク)初めてのドリル選びにおすすめ!年齢に合った難易度で、2歳でやっておきたい定番のおけいこができます。ひとりで楽しめるぬりえやめいろなどの遊びが満載です。1ページごとにごほうびの「がんばりシール」が貼れるので、やる気が続きますよ。【2】『2~4歳はじめてのおけいこ』(学研の幼児ワーク)2〜4歳のクレヨンや鉛筆にまだ慣れていないお子さん向けのドリルです。運筆(鉛筆で線などを引く練習)中心の内容で、早いうちから机に向かう習慣をつけるのにぴったりの1冊。幼児向けワークやドリルが初めてでも、ひとりで集中して進められます。【3】『おすしドリルシリーズ4歳』(学研プラス)おすしにまつわる問題だけを詰め込んだ、おすし好きのお子さんにはたまらないドリルです。イラストや写真がふんだんに使われているので、絵本感覚でひとりでも楽しめるでしょう。おすしを通して「もじ・かず・ちえ」をバランスよく学べます。【4】『ひとりでできる!かんがえるパズルめいろ・てんつなぎ・まちがいさがし〔5・6歳〕』(世界文化社)「子どもにつきっきり」から解放!わかりやすいヒントが満載で、ひとりで取り組める工夫が凝らされたドリルです。スタンプラリー付きで達成度がひと目でわかります。ひとりでできた経験が目に見えるので、お子さんの自信にもつながるでしょう。【5】『ドラゴンドリルけいさん小1』(学研プラス)こんなドリルが欲しかった!かっこいいもの好きの子どもたちにぴったりの、勉強をワクワクの冒険に変えるドリルです。解けば解くほどレベルの高いドラゴンがゲットできるので、どんどん進めたくなりますよ。公式のアプリもあり、ゲーム感覚でひとりでも楽しめると人気です。【6】『賢くなるパズル 入門シリーズ 数字・やさしい』(Gakken)卒業生の多くを難関中学に合格させてきた「宮本算数教室」の小学校全学年向けのパズル教材です。「最高の教材を渡して放っておくだけで子どもは伸びる」というメソッドに基づいているため、おうちの方は絶対に教えないでください。正解するまで自分で見直す習慣がつくので、粘り強さが育まれますよ。【7】『算数と国語の力がつく天才!!ヒマつぶしドリルちょいムズ』(Gakken)楽しく読んで遊んでいたら、いつの間にか算数と国語の力がついてしまう不思議なドリル。ヒマつぶしがてら遊び感覚で始めたところ、だんだんと夢中になって問題を解いてしまう子どもが続出!ほったらかしにしていても、子どもが自分から進んで楽しみながら勉強してくれます。ひとりでできるタブレット・オンライン学習最近ではタブレット学習もすっかり定着し、楽しみながら学習に取り組めると子どもたちからも人気です。ここでは編集部おすすめのタブレット学習教材を紹介します。各教材の特色について解説しているので、お子さんに合いそうな学習法を見つけてくださいね。◆ひとりで学べて考える力がつく【こどもちゃれんじタッチ】◆ベネッセコーポレーションが運営する幼児向け通信教育サービスの「こどもちゃれんじ」は、「スキマ時間にサクッと遊びながら学べる」「家事で手が離せないとき、自分から進んで映像を見てくれていた」「子どもがひとりで集中して取り組めるので助かる」など、忙しい保護者から絶大な人気と信頼を得ています。年中・年長さん向けのタブレット学習「こどもちゃれんじタッチ」は、タブレットの利点を活かしてお子さまのひとり学習をサポート!正解だけでなく考える過程を大切にした学びを中心に、これからの時代に必要な力を育む充実した学習内容となっています。◆どんどん算数が好きになるタブレット教材【RISU算数】◆「ゲーム感覚で楽しめるので子どもが自ら進んで学習するようになった」という利用者の声にあるように、自発的に取り組みたくなる仕組みが満載のオンライン学習サービス・RISU算数は、データ分析を活用して、個々の得意・苦手ポイントに応じた問題とレッスン動画を提供してくれます。つまずきを早期に感知したうえで、即座にフォローアップを行なうため、算数が苦手なお子さんも安心して学習に取り組めるでしょう。24時間365日の無料フォロー相談体制を整え、やる気や学習習慣づけまでサポートしてくれるので、ひとり学習にぴったりですね!RISU代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧はこちら第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法◆楽しすぎて毎日レッスンを入れたくなる! 【Kimini英会話】◆Kimini英会話は、学研が提供する子どものひとり学習に適したオンライン英語学習サービスです。月額1,210円から始められ、AIを活用したアダプティブラーニングにより、個々の理解度に応じた最適なレッスンを提供。年齢別のコースや英検対策などが用意されており、子どもでも自分のペースで学習を進められます。さらに、24時間利用可能なスキル別トレーニングや予習・復習コンテンツにより、子どもが自主的に学習を進められる環境が整っています。受講生保護者の声どの講師も明るくフレンドリー。とにかく子どもをほめるほめるほめる!子どもも、レッスンが楽しすぎて英語の勉強という意識がまったくないため、毎日自分でレッスンを入れています。受講して半年ですが、リスニングだけでなく、使える単語や熟語が急に増えたことにも驚いています。「今日は先生に〇〇について話すんだ!」とレッスン前に和英辞典で単語を調べることもしばしば。まさに「英語にハマっている」という状態です。(こどもまなび☆ラボ編集 T)***「親がしっかり見ていないと、勉強をサボってしまうのでは?」と大人は心配しがちですが、楽しく学習できる環境と正しい目標設定があれば、多くの子どもは熱心に取り組んでくれます。ぜひお子さんに合う学習教材を見つけてあげてくださいね。文/野口燈(参考)(*1)参考・カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|元小学校教員が語る!低学年のご家庭でやっておきたい3つのことって?(*2)参考・カギカッコ内引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの話をしっかり聞くと「あとが楽」。勉強に必要な集中力の育て方こどもちゃれんじこどもちゃれんじタッチRISU算数Kimini英語
2024年11月07日座学で学ぶ「ライフスキル」は、サカイクキャンプの大きな特徴のひとつです。自分で考えることを重視し、教え過ぎないという環境の中、実際に子どもたちに何か変化があるのかどうかは気になるところ。今回、これまで通いキャンプやFC東京コラボキャンプを含めて5回参加をしているケイスケくん(小5)とお母さんに、キャンプの魅力や参加後にどんな変化があったか、お話しをうかがいました。(取材・文木村芽久美)サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>サカイクキャンプでトレーニング中のケイスケくん<<コミュニケーション能力が上がり、自然と主体的に。「友だちが増えて楽しい」だけではないサッカーキャンプのリピート理由■1回目のキャンプ参加から、感じられた成長小学1年生からサッカーを始めたケイスケくん。地域チーム入団時にはコロナの真っ只中で活動があまりなく、もっとサッカーの練習がしたいと思い探していたところサカイクの活動を見つけて気になっていたそう。そこで、小学3年生の時にまずは通いキャンプから参加されたのだそうです。友だちもいない状況ということもあり、ケイスケくんは最初こそ参加を渋っていたそうですが、「また行きたい!」と参加したい意思を示したのだそうです。参加後、チームに帰ってから変化があったのだそうで、「試合の後、プレーを振り返ってノートに書いたり、ドリブルやパスについて、考えながら意識的にそれを実行するようになりました」とケイスケくんは言います。「チームに戻ってからのパフォーマンスが良くなっているのを感じましたし、何回か参加する中で、自分で荷物の用意もできるようになりました」とお母さんも効果について話しています。2回目の参加からは、持ち物チェックリストを使いながら自分で準備をするようになり、そこでも成長を感じたのだそうです。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>■参加者同士の楽しい経験を経て、自分からコミュニケーションが取れるように取材中、質問に対して言葉を選び、ハキハキと話してくれるケイスケくんですが、意外にも引っ込み思案な性格だったのだそうです。特に初めて宿泊参加した時はとても緊張したそうなのですが、同じ部屋の子が面白く、楽しく過ごせたたり、上級生が話しかけてくれたり、面倒を見てくれたのだとケイスケくんは言います。その経験から「次の参加の時には結構自信が持てたから、部屋でおとなしい子がいたら、積極的に話しかけたり......、ということはありました」と話します。また下級生にも自分から話しかけられるようになり、学校でも下級生との交流会などで、積極的に話せるようになったのだそうです。■トラブルに建設的に対応、自分たちで問題を解決できたまた初めての参加時、部屋で友だちが自分の眼鏡を踏んでしまい、眼鏡が壊れてしまったことがあったのだそうです。すぐに電話でコーチが状況を教えてくれたこともあり、「すぐ連絡してくれたので安心できた」とお母さんも不安はなかったと話しています。当時の様子について、柏瀬コーチは「どう解決しようか......」と考えていた矢先、まずケイスケくんが「これは僕がケースに入れてなかったのも良くないし」と話し始め、自分たちで冷静に解決しようとしたことを教えてくれました。「ケイスケくんが話してくれたことで、部屋の子たちも口々に『俺がここからジャンプしたし』とか、『この2人で鬼ごっこしてたんです』って、皆が状況を正直に話してくれたんです」友だちを責めたり、犯人探しをするのではなく、仲間を尊重し合いながら対応ができ、ケイスケくんも「学ぶことができた、いい経験だった」と話しています。さらに「これからこういう風に生活をしようとか、自分たちの貴重品はしっかりしまっておこう」と解決策まで皆で話し合うことができたのだそうです。起きてしまったことをマイナスに捉えるのではなく、仲間同士、自分たちで残りの生活をより良い方向に変えていこうとしたこと、「仲間とたくさんコミュニケーションを取っていました」とコーチも褒めていました。■楽しかった思い出は、キャンプ3日目の試合と夏のバーベキューサカイクキャンプでトレーニング中のケイスケくん「キャンプの1番の思い出は?」と聞くと、ケイスケくんは3日目の試合が1番楽しいと答えてくれました。総当たり戦で試合をして順位を決めるのですが、1試合目、2試合目......と進むにつれ、最初は点を決めるのが難しかったけれど、チームの仲間同士慣れ始め、「こっちに動いてくれない?」など、お互いに意見を言い合えるようになり、プレーがどんどん良くなっていくのが楽しいのだそうです。また夏キャンプの時にはバーベキューがあり、仲間同士楽しむだけでなく、下級生にも目を配りして食事を配膳してあげられたこと、暑い中でのトレーニングを頑張った後ということもあり、リラックスできて楽しかったのだそうです。コーチが作ってくれた小さいビニールプールもあって良かったと、楽しそうに当時を振り返ってくれました。■ライフスキルが自然と行動の基盤に。モドリッチの話から学んだ、諦めない気持ちケイスケくんはリピート参加の理由について、「キャンプにまた行きたいなって思ったのは、1回目に参加してすごく成長したから。スキル面でももっと上手くなりたいと思ったのと、新しい学びがあった」と言います。新しい学びとは何かと聞くと、「5つのライフスキルです」と即答。さらには「考える力、リーダーシップ、感謝の心、チャレンジ、コミュニケーション」と、内容をすらすらと口にし、普段の生活でも、その5つのライフスキルを基盤にした行動が、自然にできるようになったのだと教えてくれました。ライフスキルの例として、サッカー選手の人間性などを紹介する中で、ケイスケくんは不遇から何度も這い上がり、偉大な選手へと成長したモドリッチ選手の話が強く印象に残ったそうです。キャンプ参加後、例えばライン際で粘れるようになったり、 あと少しで試合終了という時に、どれだけ頑張れるかというところで諦めずに頑張れるようになったと、試合中での意識が変わったのだと言います。■諦めない気持ちが、サッカーと勉強を頑張る支えに今ケイスケくんは中学受験を考えているそうで、サッカーと勉強との両立の中、サッカーで上手くいかないことや悩みも出てきているのだと自身の心境を素直に教えてくれました。ただ、その中でもモドリッチ選手の「諦めない気持ち」を思い出し、気持ちが揺らぐことなく自分のペースで頑張れている様子がうかがえます。最後にどんな選手になりたいか聞いたところ、「どこのポジションでもキャプテンってできるから、どこにいてもチームを支えられる、頼られる存在になりたい」と話してくれました。柏瀬コーチは「キャンプでは気づいて行動するまでが早くなり、周りの仲間へのサポートもできるようになったところが大きく成長したところ。私生活の中から気づいて、自発的に行動できるというのは、サッカーが伸びる選手の条件の一つでもあると思うので、楽しみにしている」とケイスケくんの今後に期待を寄せています。「体だけじゃなく心も鍛えられてた」と、お母さんもおすすめのサカイクキャンプは、楽しいサッカーを通じて、成長するための貴重な経験ができそうです。ぜひ一度体験してみてください。サッカー少年少女が自ら伸びる親のかかわりかたLINEで配信中>>
2024年11月05日マンガ「発達障害の子どもと私たち」2章みき編が完結!マンガ「発達障害の子どもと私たち」は発達ナビ読者の体験談から生まれたセミフィクションストーリーです。特性による困りごとに、ストレスを感じ学校へ行けなくなってしまう子ども、そしてそんな子どもが幸せに、笑って過ごしてもらえる環境を求め続ける家族。それぞれの家族の決断は?プロローグはこちらからご覧いただけます。身体症状が出て不登校になった1章はるき編に続き、みき編も完結しました。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けたみき。小学校入学の際、就学相談で通常学級へ進学するか知的障害特別支援学級に入るか悩みましたが、IQが入級基準以上だったため通級指導教室へ通いながらの通常学級判定に。小学校2年生までは問題なく登校できていたのですが、小学校3年生から勉強に難しさを感じるようになり、小学校4年生になると「学校へ行きたくない」というほどに……。また、みきの担任の先生はそんなみきの困りごとにどう対応していいのかも分からない様子。保護者はどうすればいいか悩んだ末、ある結論を出すのですが……。「今のクラスだったらもう学校行けない!」転籍を希望した結果は?「みき編」を完結まで一気読み以下関連リンクから全4話を一気にご覧いただけます。はるきとみきのその後は……?次週二人のエピローグをお届け無理に登校はせず、家で過ごすことにしたはるき、そしてみきのその後については次週公開のエピローグでご紹介します。お楽しみに。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年09月19日わが子の就学先、選択のポイントは?進路選択にまつわるコラム子どもの幼児期に発達障害や発達に特性があることが分かった場合、多くの保護者が小学校入学前から悩み始める「わが子の進路」問題。先輩保護者の皆さんが、迷いながらも就学先を決断したポイントはどんなものだったのでしょうか?また、わが子の障害について周囲の理解を得ることに苦労した……という方も。発達ナビライター陣や読者の皆さんから寄せられた体験談をご紹介します。4歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けた息子さん。小学校入学後「特別扱いや配慮はできない」と言われ、小学1年生の2学期に自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校へ転校する決断をしました。不安もあったものの、そこで転機が訪れて……。中高一貫校に通う中学2年生の息子さん。幼稚園年中の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。おだやかでおっとりした性格の彼が中学受験にチャレンジしたきっかけ、勉強の様子や進学先選びについて教えていただきました。現在6歳の息子さんは、3歳9ヶ月でDQが80で境界域といわれました。就学相談の結果、小学校では特別支援学級へ就学することを伝えると、実母に反対されてしまい……。小さい頃からの困りが、やがて勉強のつまずきに繋がって……。中高生の勉強にまつわるコラム子どもが成長するにしたがって、困りごとの性質も変わってくるもの。ご紹介するコラムは、小さい頃からの困りごとが、中学生・高校生になった時に勉強のつまずきとして表れたというエピソードです。高校1年生でASD(自閉スペクトラム症)と診断された息子さん。診断の時期が遅かったため、合理的配慮のない中で学校生活を過ごしてきました。中学から勉強につまずき、高校3年生になって就職を目標に頑張ることにしましたが……。寺島ヒロさんの長女・いっちゃんは、小学5年生から中学時代まで不登校でした。発達障害と睡眠障害(非24時間睡眠覚醒症候群)があり、朝決まった時間に登校することが難しかったため、通信制の高校に進学しました。大学受験にチャレンジしたいと決意を新たにしましたが、小学4年生の学習範囲からの遅れはいかんともしがたく……。子どもが「園や学校に行きたくない」きっかけは?行き渋り・不登校にまつわるコラムわが子の行き渋り・不登校にお悩みの方も多いのではないでしょうか。園や学校に行きたくない理由はお子さんによってさまざまですが、発達ナビライターや読者の体験談がお子さんの気持ちを知る手掛かりになるかもしれません。keikoさんの息子・しのくんは発達障害グレーゾーンの男の子です。しのくんが5歳頃、突然保育園に行き渋るようになりました。行き渋りの原因はなんと「ゲーム」?毎朝トイレに立てこもり号泣するしのくんに、keikoさんは「与えるのが早すぎた?」と後悔しますが……。スパ山さんの長女・姉子さんは、小学2年生の時にASD(自閉スペクトラム症)と母子分離不安と診断され、小学4年生の時に知的ボーダー、場面緘黙と医師から言われました。姉子さんの発達の凸凹が分かったきっかけは、小学校に入学したと同時に始まった行き渋りでした。10歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さんは、現在14歳の中学2年生。小学校、中学校と不登校、行き渋りを経験していますが、不登校の理由はそれぞれの時期で違ったそうで……。ケガをさせて謝罪、受け入れ先なし、家庭内暴力も……他害にまつわるコラムお友達や周囲の人たちを傷つけてしまう「他害」。傷つけてしまった相手への申し訳なさはもちろん、わが子が加害者となったショックで、保護者もつらい気持ちになりますよね。実際にわが子の他害行動に悩んだ連載ライターや読者の体験談をご紹介します。星河ばよさんの息子さんは発達障害グレーゾーンで、現在は中学校の特別支援学級に通っています。小学生の頃は切り替えが苦手で、癇癪を起こすことも多かったそうです。ある日、通っている放課後等デイサービスで大きなトラブルを起こしてしまい……。6歳でADHD(注意欠如多動症)、軽度知的障害(知的発達症)と診断を受けた息子さん。小学校入学後は、癇癪が激しく学校では対応できないと言われ、ごく限られた時間のみ登校するような毎日でした。小学1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さん。小学5年生の終わりから昼夜逆転生活、家庭内暴力が始まりました。中学1年生で不登校になり、ますます生活は荒れ、児童相談所へ相談した結果……。まだまだあります!そのほかのヒットコラムはこちらから!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年08月14日CKCネットワーク株式会社(代表取締役:山崎 朋宏、本社:愛知県名古屋市 Preステップオンライン運営支社:福岡県福岡市)が運営する勉強に前向きになれないお子さまのマンツーマン学習サポート『Preステップオンライン』は、『夏休みは家庭学習習慣改善のチャンス!~家庭学習の取り組み方オンライン個別相談会~』を7月23日(火)~7月27日(土)に開催することになりましたので、お知らせいたします。説明会チラシ【イベント概要】名称 : 夏休みは家庭学習習慣改善のチャンス!~家庭学習の取り組み方オンライン個別相談会~日時 : 2024年7月23日(火)~7月27日(土)(1回30分)※お申し込み後、日程確認のお電話をいたします対象 : 小学1年生~中学3年生のお子さま、および保護者様会場 : オンライン(Zoom)内容 : 家庭学習の取り組み方についてオンラインで個別に相談できる相談会申し込み: ●Preステップオンラインとは当社には34年の通信指導経験と累計50万人以上のお子さまたちへの遠隔指導実績があります。その中にはそれぞれのペースや状況に合わせた学習やサポートが必要な生徒もいました。そのような生徒のために、2023年4月に「Preステップオンライン」を開講しました。Preステップオンラインでは「よりそう指導で つよみを引き出す」の信念を大切にしています。(1) 「学習サポーター」がお子さまのやる気を引き出すコミュニケーション重視の授業(2) お子さまに合わせた学習計画を可能にした無学年方式(3) お子さまだけでなく保護者へのサポートも行う「協育サポーター」制度を行っています。開講から1年を迎えたPreステップオンラインでは、現在150名を超えるお子さまをサポートしています。●開催への想いPreステップオンラインでは様々な生徒の学習をサポートしています。「勉強が苦手、集中できない。」「学校や塾のどんどん先に進む進度ではなく、子どものペースに合わせて学習したい。」「塾に通うのが難しい、ほかの塾では合わなかった。」「学校の授業を受けられていない。」など、さまざまな悩みを抱えてPreステップオンラインに相談に来られます。実際に受講された生徒の保護者からは「わからないと投げ出していたのが、できたことが嬉しかったのか勉強を進んでするようになって、このサポートに出会えてよかった。」という声をいただきました。今回の説明会をお子さまの家庭学習の環境、学習習慣などについて考えるきっかけにしていただきたいと考えています。勉強に前向きになれないお子さまの学習を9年もの期間サポートしてきたスタッフが家庭学習の取り組み方について個別にお子さまの状況に合わせてご相談をお受けします!【CKCネットワーク株式会社について】『家族に自慢できるサービスを、世の中に提供する。』を理念として1990年に愛知県で創業しました。通信指導実績34年、累計指導会員数50万人以上を誇る総合教育企業です。オンライン個別指導塾「Fit NET STUDY」や、マンツーマン学習サポート「Preステップオンライン」など、幅広い事業を運営しています。CKCネットワーク株式会社URL: PreステップオンラインURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年07月05日青春は勉強に費やして。勉強ができてもトラウマに大学受験当時、私の発達障害に気づく人は誰もいませんでした。学校の成績も良かったため、私自身も含め誰もが「宇樹は難関大学に入ってエリートになるべき」と信じていて、かかっていたプレッシャーは相当なものでした。親は「勉強しろ」と直接的な言い回しこそしなかったものの、「学生の本分は勉強だ」「お前が勉強に集中できるように」とよく言っていました。家事の手伝いなどを免除するから、その時間を勉強に回すべきという雰囲気だったのです。自分にとって長時間の通学も含んだ学校生活だけでも疲労困憊するということも、自分がたとえ疲れていなくても比較的長時間の睡眠が必要だということも知らなかった当時。私はプレッシャーにせきたてられるまま、自分の体力の3倍ぐらいの無理を重ねました。青春らしい経験もいっさい重ねることなく、すべての時間を勉強に使ったのです。毎朝5時半に起きて2時間の通学をし、16時ぐらいに学校が終わるとゼイゼイするほどダッシュして電車に飛び乗って予備校へ。途中で、昼の分と合わせて2個持ってきた夜の分のお弁当を食べながら22時半ぐらいまで予備校の授業を受ける。23時過ぎに帰ってくると短時間でお風呂を済ませ、夜中の1時ぐらいまで船を漕ぎながら予備校の復習。そうしてようやく就寝、睡眠時間は4時間半あればいいほう、という感じでした。勉強=身体を壊すほどの疲れに耐えること になってしまった慢性的に過労状態だった私は、いつも耳鳴りがしていて、顔はニキビだらけ、顔は真っ赤にのぼせて手足は氷のように冷たく、歩きながらでも意識が落ちてしまいそうなほどに眠かった……。自律神経が悲鳴を上げていたと思います。そして、高校3年の10月頃、私はついに激しい腹痛と血便血尿を起こして倒れました。過労による腸炎と腎盂炎との診断で、1ヶ月ほど寝込むことに。なんとか持ち直した私は、学校が休みに入った受験直前には、食事やトイレの暇も秒単位で惜しむようにして時間を捻出し、毎日16時間の勉強をして、有名難関私大に合格しました。受験が終わった瞬間、私はプツリと糸が切れたかのように、何もかもやる気がなくなってしまいました。バーンアウトです。大学が始まっても、一度深刻に壊れてしまった心身は回復することはなく、せっかくあれほど努力して入った大学の授業にまったく身が入らないまま、漫然と4年間を過ごしました。それ以来、何十年といった単位で、私は「勉強」がダメになってしまいました。資格試験だとか、キャリアのためとか、そういったもののために勉強しようとすると、自動的に大学受験当時の、全身を300%張り詰めていたモードのスイッチがオンになって、体調が悪くなってしまうのです。もうこれは「勉強トラウマ」のフラッシュバックと言っていいと思います。40代の私、学びは生きがいけれど、私はそれでも、学ぶことは常に楽しんできたと思います。大学受験のためとかキャリアのためとか社会的評価のためとかいった、自分の価値をジャッジされることとは離れたところで、純粋に、知らなかったことを知る営みとして。「勉強」は訓読みすると「勉(つと)める、強(し)いる」となります。ここから、勉強には「外的にしろ内的にしろ、何か圧力のようなものがあって頑張ること」というようなニュアンスが感じられます。しかし、「学び」の語源は「まねび(真似)」から来ているそうです。先人の考え、知ってきた軌跡を、同じようにたどりながら知識と意識を身に着けていく。そんな「学び」が、私は大好きです。知らなかったことを知ることで、「これはこういうことだったのか!」「これとこれはこんなふうにつながっているのか!」と知的な興奮があったり、「こういうしくみだったのなら仕方ないな」とある種の納得や癒やしがあったり。「では、これをこうすればこれが実現できるのでは?」と、見通しや希望が持てたり。誰に強制されるでもなく、興味の赴くままに学ぶことは、生きるのを楽にしてくれ、また、人生の解像度を上げて、より楽しくしてくれます。勉強せざるをえなかった学校の教科の中でも、私は常に学びを発見してきました。勉強から離れたあとも、宗教学、哲学、心理学、神経科学、言語学……いろいろなことを学んできました。40代になった今、学びは私にとって不可欠なものとなっています。勉強と学び、それぞれ違う魅力がある私にとって勉強は非常につらいものではありましたが、それはあまりに無理を強いられたために極端につらかっただけ。本来勉強は、学びの基礎をつくるものとして不可欠なものだと思っています。たとえば私の場合、英語が読めなければ、英語で資料を探すこともできなかったでしょう。評論用語を知らなければ人文系の本を読んでも意味が分からなかったでしょう。数学が分からなければ心理統計が分からず、理科が分からなければ自律神経の話も理解できなかったでしょう。国語や古文の積み重ねがなければ言語学も分からなかったでしょう。勉強はこうした基礎を示すものだからこそ、大学受験や資格試験で試されるのであって、上手に努力すれば「合格」という比較的短期的に分かりやすい結果に結びつきやすいところは大きな魅力だと思います。学びはその点では短期的に分かりやすい結果に結びつくことは少ないですが、確実に人間性に深みを出してくれるし、そこはまさに人生そのものを充実させてくれる大事な要素だと思っています。人生にとって分かりやすい成果も大事ではありますが、人生を過ごす本体は自分という人間です。私は、つらくてもたくさん勉強をした過去の自分自身に感謝していますし、これからもたゆまぬ学びによって、自分の人間性を深めていきたいと思っています。文/宇樹義子(監修:森先生より)本当によく頑張られたのですね……。100%の限界を超えて力を出し切ってしまい、しばらくの間、燃え尽き症候群(バーンアウト)になってしまったと考えられます。 実は、発達障害の傾向のある方はご自分の疲労に気づきにくく、仕事や勉強に没頭しすぎてしまってエネルギーを出し尽くしてしまうことがあるのです。その結果、適応障害やうつ病になってしまうことも少なくありません。 宇樹さんの「勉強」と「学び」の考察についても、たしかにおっしゃる通りで、読んでいてとても学びになりました。 実は英語でもニュアンスの異なる「study(勉強する)」と「learn(学ぶ)」という2つの表現があります。英語の「study」は、ラテン語の「studium」からきた単語で、「没頭する」という意味を持つそうです。「learn」の語源は「leornian」という単語で、「知識を得る」「習得する」という意味だそうです。 宇樹さんの場合は、「勉強」「study」をしようとすると、健康を害しかねないレベルでご自分の時間・健康・興味のすべてを投入して没頭してしまうのでしょうね。知的な好奇心が旺盛で、常に楽しく興味の向くものを学ばれているとのこと、大変素晴らしいですね。これからも、ご自分の体調に気を配りながら、人生を豊かにするような「学び」を続けていけるように願っております。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年07月02日私たち家族は義父と同居しています。義母は夫が幼いころ病気で他界したそうで、それ以来義父は夫を男手ひとつで育ててきました。義父は家事も完璧で、結婚当初は平和な同居生活でしたが、息子が産まれてからすこしずつ変わっていったのです。息子が産まれたのは、ちょうど義父が定年退職をしてすぐのこと。これまで仕事に割いていた時間をすべて孫に使うと宣言した義父は、育児書を読みあさり、すっかり“教育じいじ”になってしまいました。 いい学校に行かせて、エリートに育てると言いますがーー。暴走する教育じいじ少々暴走気味の義父でしたが、目に余るときは夫が注意してくれました。しかし夫が長期の出張に行ってしまい、状況は一変。義父の教育じいじぶりがエスカレートしました。 ごっそり家庭学習用の教材を買ってきたかと思えば、幼稚園から帰った息子につきっきりでやらせる日々。学習計画も半年先まで立てていて、その日のノルマが終わらないと自由に遊べません。 さすがにやりすぎだと夫から注意してもらいましたが、3日もすれば元通り。息子が泣くと、忍耐力のない子に育ったのは私のせいだと言い、私も息子も相当なストレスです。でも、義父からすれば孫のためを思ってのこと。その気持ちもわかるので、私は困り果てていました。 私の教育は全否定!?ある週末のこと。その日は息子の誕生日で、さすがの義父もお勉強はお休みにしてくれました。 プレゼントは欲しがっていたミニカー。息子はとても喜んで、ひとしきり家中を走らせたあと、画用紙にミニカーの絵を描き始めました。 そんな息子を私は微笑ましく見ていましたが、義父は気に入らなかったよう。「こんな物があるから勉強しないんだ!」と突然怒り出し、あろうことかミニカーを投げて壊してしまったのです。 一瞬の出来事にビックリしていた私は、息子が泣き叫ぶ声で我に返りました。私が抗議をすると「こんなものを買うくらいなら、勉強道具を買ってあげなさい。今から勉強しないと医者になれない!」と言うではありませんか。 しかしわが家は医師の家系でもなく、もちろん息子が医者になりたいと言ったわけではありません。息子の人生は息子に決めさせると言っても、聞く耳を持たない義父。とにかく、たった5歳にこんな生活は厳しすぎると言っても、私が甘やかしすぎていると怒り、部屋にこもってしまいました。 ママ友のひと言そんな最悪な空気のなか、息子の誕生日をお祝いするために幼稚園の友だち親子が遊びに来てくれました。玄関で出迎えながら、今朝の出来事をすこし冗談まじりにママ友に話していると、突然義父が部屋から出てきて、今度は幼稚園を変えた方がいいと言い出したのです。 今の幼稚園は、子どもの個性を伸ばしてくれるとても人気のある園。入園後の指導も素晴らしく、不満は何ひとつありません。私は転園させる気はないとハッキリ言いましたが、義父は勉強ができないと意味がないと言って聞きません。 私と義父がにらみ合っていると、ママ友が口を開きました。「あの……、お孫さんにはすごい絵の才能があると先生もビックリしていたの、ご存じないんですか?」 それを聞いて、お友だちが「あれ、見せてあげなよ! 」と言い、息子はハッとした顔をして小走りで自分の部屋に向かいました。祖父が涙したワケしばらくして、幼稚園カバンからあるものを取り出して持ってきた息子。それは「特賞」と書かれた金色の花がついた絵でした。「ぼくのじいじ」と書かれていて、大人が見てもわかるくらい、義父にそっくりです。 細かいシワまでしっかり書かれていて、しかめっ面なのも特徴をとらえています。義父はそれを見てハッとしたようで「じいじは、こんなにいつもこわい顔をしているのか?」と息子に聞いていました。 そして「亡くなった妻は、美大出身だったんだ……それを受け継いでいるのかもなぁ」と言い、涙を流していました。義父は息子を抱きしめ「ごめん」と謝り、私には「孫にいい人生を歩ませてやりたいと思いすぎて、才能を見逃すところだった。申し訳ない」と言い、部屋に戻っていきました。そっと覗くと、義母の仏壇になにやら話しかけていたので、きっとこの話を報告していたのでしょう。 それ以来、義父は一切「勉強」を強要しなくなりました。その代わり、プロが使うような上質な画材を大量に買ってくるようになったのです。“教育じいじ”ぶりは変わらずですが、息子の気持ちを尊重してくれるのでありがたい限りです。 孫やわが子にすこしでもいい人生を歩んでほしいと思うのは、誰もが同じこと。でも、大人が思っている「いい人生」が、本当にその子にとっていい人生かは誰にもわかりません。 ただ黙って見守る、やりたいことに寄り添うという愛情のかけ方こそ、一番難しいのではないでしょうか。著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年06月22日CKCネットワーク株式会社(代表取締役:山崎 朋宏、本社:愛知県名古屋市、Preステップオンライン運営支社:福岡県福岡市)が運営する勉強に前向きになれないお子さまのマンツーマン学習サポート『Preステップオンライン』は、4回目となる『出席扱い制度オンライン説明会』を6月29日(土)に開催することを決定しましたので、お知らせいたします。説明会タイトルロゴ【イベント概要】◆名称 : 出席扱い制度オンライン説明会◆会場 : オンライン(Zoom)◆日時 : 2024年6月29日(土)11:00~12:00◆内容 : 出席扱い制度の内容の説明、制度の利用の仕方◆申込 : ※6月28日(金)締め切り◆参加費: 無料◆特典 : 出席扱い制度無料個別相談●不登校児童生徒と出席扱い制度の現状文部科学省の調査によると小・中学校の不登校児童生徒の数は、2022年度に過去最多の299,048人を記録しており、2013年度以降、年々増加しています。(参考資料(1))また不登校児童生徒のうち自宅におけるICT等を活用した学習活動を指導要録上出席扱いとした児童生徒数は、2012年度から2018年度では最も多い年でも2018年度の286人でした。しかし2019年度には608人と約2倍となりました。そこから2020年度は2,626人、2021年度は11,541人と大幅に増加しております。(参考資料(2))しかし不登校児童生徒のうち自宅における学習活動を指導要録上出席扱いとされた割合は、過去最大の2021年度でも全体の約4.7%となっており、出席扱い制度はまだ広く知られていません。家庭学習の取り組み方次第で学校の出席扱いとなることは、生徒の進路選択に大きな影響を与えることが考えられます。参考資料(1)不登校児童生徒数参考資料(2)不登校児童生徒のうち自宅におけるICT等を活用した学習活動を指導要録上出席扱いとした児童生徒数●実施への思い当社には9年の「学校の授業を受けるのが難しい、勉強に前向きになれないお子さまへの学習サポート・面談実績」があります。その中では、出席扱い制度適用のためのサポートも行っています。不登校のお子さまには、学校に戻ることを希望する方も、しない方もいます。出席扱い制度は、不登校状態にあるお子さまをお持ちの保護者の方々に知っていただきたい制度です。今回の説明会を通して、当社は出席扱い制度を通してお子さまの家庭での頑張りを「出席」という目に見える結果にして自信につなげたい、その自信をもとに未来の選択肢を作り、選んでほしいと考えています。●3月の出席扱い制度オンライン説明会参加者の声・中学卒業後の進路などで不安があったので参加した。活用について動いてみようと思いました。・私の周りにいる不登校のお子さんをお持ちの人にこの制度について教えようと思いました。また以下のような声もありました。・制度を活用するために子どもが勉強をしないといけないがちゃんと継続してできるか不安。・学校や地域によって活用できるかどうか違うので私の子どもは活用できるのか心配。このように活用をするためのサポートや地域間の違いも課題です。出席扱い制度については、活用までの流れやルールについてよくわからないという声を、今までの参加者からもお聞きしました。出席扱い制度はお子さまの状況、地域、学校によって対応が変わる可能性があります。今回のオンライン説明会では特典として無料個別相談を行います。それぞれの悩みに個別に寄り添えるよう行っていきます。【CKCネットワーク株式会社について】『家族に自慢できるサービスを、世の中に提供する。』を理念として1990年に愛知県で創業しました。通信指導実績34年、累計指導会員数50万人以上を誇る総合教育企業です。オンライン個別指導塾「Fit NET STUDY」や、マンツーマン学習サポート「Preステップオンライン」など、幅広い事業を運営しています。CKCネットワーク株式会社URL: PreステップオンラインURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年06月04日無職のままシングルマザーになり、看護師になるべく看護学校の受験にまっしぐらだった私。当時2歳にもなっていない娘に、たくさん寂しい思いをさせてしまいました。表に出さないだけで、娘はずっと寂しいと感じていたはず。これからの育児の教訓にしようと思った出来事です。無職のままシングルマザーになりました私は娘が1歳のときに離婚して、シングルマザーになりました。元夫からDV被害を受けていたので離婚準備がしっかりとできないまま離婚し、当時は無職。娘を出産したときに助産師という職業を初めて知り、女性でこんなに活躍できる仕事があるんだ!と強く憧れを持ちました。 しかし「まぁ子ども育てながら学校通って国家資格受験って無理だよね……その前に学校受験と学費と生活費って問題山積みだし」とすぐにあきらめ、何か資格をとらなくては!とワードやエクセル、医療事務の資格を取ってみましたが、就職活動はまったくうまくいきませんでした。 母からの提案「看護師になってみたら?」そんなとき、母親から「助産師になるには看護師の資格も必要だし、看護師どう? このまま実家に住んでていいし、学費なんかのお金は出世払いでいいよ」と提案がありました。「いやいやそんなに簡単に言わないでよ」と思いましたが、看護師は国家資格。給料も高い。 もし娘が将来大きくなって、行きたい学校にお金の問題で通わせられなかったら……と心配になり、看護師の一般的な給料や働き方について調べてみるとどんどん興味がわいてきました。そして一大決心し、看護学校を受験することに。 しっかりと確保したい勉強時間看護学校を受験するには独学では難しそうだったので、看護学校受験専門の予備校に通い始めました。朝、娘を保育園に送って予備校へ行き、夕方また保育園へ迎えに行くサイクル。家に帰ってからも、娘を寝かせたあとはまた勉強。 看護学校は滑り止めも含めて4校受験し、受験1カ月前は最後の追い込みでさらに勉強時間を増やしました。保育園のお迎えから寝かしつけまでの娘のお世話を両親にお願いし、私は予備校が終わった時間からそのままファミレスに行き日付が変わるまで勉強の日々。 受験最終日の子どもの様子当時1歳10カ月だった娘は大のママっ子でしたが、看護学校受験前の追い込み時期で夜に私がいないことにまったくグズったりしなかったそうです。ですが4校目の受験を終えた日の夜、娘を寝かしつけるときに、娘があお向けになった私の体の上に乗ってシクシクと泣いていました。 娘が眠りについたので体から下ろそうとすると、泣きわめいて起きてしまうので娘を体の上に乗せたまま朝を迎える、ということが1週間続いたのです。「表に出さないだけでずっと寂しい思いをさせていたんだね、ごめんね」と何度も娘に謝りました。 娘の立場になって考えると、明らかに寂しいと感じる状況だったのに看護学校の受験のことに頭がいっぱいで、娘のことを十分に構ってあげられなかったことに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。その後は看護学校に合格して国家資格も無事取得し、現在は看護師として働いています。多忙な毎日ですが、あのときの後悔を忘れず娘との時間を大切にしていこうと思います。 著者:吉川 みきな2008年生まれの女の子と2018年生まれ、2022年生まれの男の子の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年05月25日先日、義実家に遊びに行った際、もうすぐ小学生になる長男の勉強机を買おうか迷っているという話をしました。すると、義両親からプレゼントしてくれると提案があり、私たちはとてもうれしく思っていたのですが……。 予想外のものが登場!?某有名家具屋さんで買うか、ネットで買うかどうしようか長男や夫と話していると、義母から2階へ来るよう言われ、2階へ上がりました。すると、びっくり……夫が子どものころに使っていた勉強机をくれるというではありませんか! 義両親的からしてみれば、古い勉強机とはいえまだ使えるものなので、大切な孫にプレゼントしたいと思ったのでしょう。義両親の気持ちはうれしかったですが、新品を長男に買うことを想像していたので私はやんわり断ることにしました。新品を勝手に想像した私もよくなかったなと反省。その後、机そのものではなく、現金を入学祝いとしていただきました。 作画/加藤みちか著者:佐藤京子 結婚7年目の専業主婦。義両親は徒歩5分のところに住んでいる。
2024年04月29日背伸びしない志望校選びと、子どもに過剰な負担をかけないために…こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。お子さんが「とにかく地元の公立中には行きたくない」という場合や、「小学生に過剰な受験勉強をさせたくないけど、もし、うちの子が楽しく過ごせる学校があるのなら……」などと考えているご家庭向けに、うちの3兄妹の私立中高一貫校、3回の「塾なし」中学受験を踏まえた私の経験を元にお話しします。・志望校の選び方・面接対策のポイント・やる気とモチベーションUPのコツ・メンタルケアと親の接し方について、ご参考になれば幸いです。Q:志望校はどうやって選んだの?長男の場合はA中学に「一目惚れ」状態でした。次男と長女は兄が通う姿を見て「自分もA中学に行きたい」となりました。それまで私は、子どもの私立中学進学は全く頭になく、県内の超有名進学校ですら「どこかで聞いたことがあるような?」という程度で、私立中学各校への事前知識や先入観は皆無でした。そんな私たち親子が、最初に「A中学」という、地元でも「知る人ぞ知る」という感じの小規模校を知るまでの経緯を……。うちは地方都市在住のため、首都圏ほどには私立中学の数自体が多くありません。そして、子どもたちには感覚過敏などがあるので、通学の負担があまりに大きいと、たとえどんなに素晴らしい学校でも6年間自分で通うのは難しいと判断し、志望校を探す最初の段階で、「ドア・ツー・ドアで通学1時間以内」の学校に検索対象を絞ってしまいました。そこから、受験勉強の負担が大き過ぎる超難関校や、「男子校は絶対無理!」など、子どもの希望条件に合わない学校を除外していくと、実質、選択肢は2校程度。そのうちの1校のWebサイトを長男と一緒に見て、「へえ、パパの職場の沿線に、こんな学校があるんだね〜」と興味を惹かれ、最初に学校見学に行ったのが、A中学でした。開放的な雰囲気で、合理的で自由な校風のA中学は、長男の個性にピッタリの学校で、ひと目見てすっかり気に入ってしまい、一応もう一つの学校も見学したのですが、長男は「A中学しか受けない」と早々に決めてしまいました。私も小学校では「空気が読めない」と見られがちだった長男が、体験授業の時に少々ズレた質問をしても、積極的に発言できたことを先生が非常に好意的に高評価で受け止めてくれたので、「この学校なら、長男を”できる子”として扱ってくれるだろう」と確信しました。一途な性格の長男は、「絶対A中学に行きたい」という目的意識ができ、やや遅まきの受験勉強スタートでも行きたい学校のためなら、持ち前のド根性&過集中パワーを発揮して頑張れました。次男と長女も、兄の受験のときに見学会や体験授業に一緒に連れて行ったり、行事や文化祭などで度々A中学に訪れたりして、学校のイメージや受験へのモチベーションができていったのだと思います。Q:うちの子、面接が苦手そうなんだけど…コミュニケーションが苦手なお子さんほど、面接の練習は十分な時間と量を確保して対策すれば、やればやるだけ効果が出やすいと思います。「志望校の専願入試は、一般入試より合格しやすいし、科目が少なくて学力試験の負担が少ないけど、面接があるのよね……」「うちの子は人と話すのが苦手だから、面接試験なんてハードル高そう」など、面接ありの入試方式に、二の足を踏むご家庭もあるでしょう(私もそう思っていました)。でも私は、人と話すのが苦手な子ほど、小学生のうちから面接練習をしたほうがいいと思います。中学受験に限らず、この先、大学受験(推薦・総合型など)、バイトの採用、就職活動など、人生の節目節目に「面接」はついてきます。親がしっかりフォローできる今のうちから、時間をかけて面接に慣れておくとお子さんの人生の選択肢が広がります。また、うちの子たちは面接練習を通して、自分自身を客観的に見つめたり、自分のことを自分の言葉で伝えたり、相手の話に耳を傾け質問の意図を汲んで、言葉のキャッチボールをする練習をしたりすることは、本当に良いSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)にもなりました。結果にかかわらず、面接練習はやっておいて損はないと思いますよ。かなり独自のものですが、うちの面接対策のポイントは……・志望校のイベントにフル参加して、体験授業や文化祭での具体的な経験を得る・出願書類、自己分析、よくある質問、学校資料などをまとめたファイルを親子でつくる・親以外の人にも面接官役をお願いする(数回でもOK。塾や学校の先生、スクールカウンセラーなど)・本番一ヶ月前から毎日、面接と同じ時間(10-15分程度)を確保して、入退出含めて練習・動画を撮ってセルフチェックする・日頃から、親子でたくさん雑談する……などでした。Q:やる気とモチベーションUPのコツは?「子ども本人が中学受験に主体的になる」ということを、うちでは特に意識しました。親のフォローや協力なくしては、小学生が中学受験するのは難しいと思いますが、それでも、受験勉強するのも、試験を受けるのも、その中学に通うのも、当然ながらその子自身なのです(代わってあげたいときもありましたが……)。ですから、志望校や受験方式を決める際も、勉強の進め方や内容・学び方も、私が強制的に親の考えややり方を一方的に押し付けることのないよう、その都度子ども自身の意志を確認・反映しながら進めました。ただし、子どもの要望の中には現実的には難しいことや、「そろそろコレをやっておかないと入試に間に合わない」といった学習計画上の都合もあるので、そこは事情を説明して相談しながら、一緒に作戦会議を繰り返しました。子ども自身が自分で決めたこと・選んだことや、多少妥協しても納得できたことならば、主体的に頑張れると思います。また、計画表や工程表、「やることリスト」などを作って壁に貼ったり、使用済みの「ふせん」やノートを集めたり、負担が大きな時期には「ポイント手帳」のポイントUPをしたり、小目標を達成したときの「ごほうび設定」をしたり……など、「頑張りが見える工夫」をすると、やる気UPに効果的でした。それから、勉強の前に親子でトランプやかるたであそぶ時間を作ったり、行き詰まったらストレッチしたり、お城や博物館にお出かけして(みんなに内緒で)美味しいものを食べたり、一緒にゲームしたり歴史系のアニメ観たり……など、適度に息抜きしながら身体を動かしたり、勉強にも体感型学習やあそびの要素を取り入れるのもいいと思います。Q:メンタルケアや親の接し方はどうしたらいい?まず、大前提として、どんなにしっかりしたお子さんでも、どんなに聡明で利発なお子さんでも、「小学生は小学生」だということを、周りの大人たちは忘れないようにしてあげてほしいと、私は思っています。発達障害のある・なしにかかわらず、どんな子でも心身共に発展途上にあるのが「子ども」なのです。ましてや思春期の入り口に立っている子どもたちは、さまざまな面でアンバランスで繊細でもあり、たとえ難関校志望でなくとも、小学生が受験をすること自体、多少なりとも心身に負担がかかってしまいます。ましてや、元々発達障害や不登校傾向のある子などには尚更、細心の注意と配慮が必要でしょう。そこでうちでは、まず、受験勉強中でも基本的な生活習慣は極力変えないようにしました。私は子どもの心身の健全な発達には、十分な睡眠とあそびの時間が最優先で必要だと考えているため、「うちの中学受験の鉄則」として……・睡眠時間は一切削らない(どんなに勉強のやり残しがあっても、夜9時には「終わり」)・勉強時間は、小学校の宿題+1日1時間まで(休日/長期休暇は+2時間まで)・いつもどおりにあそぶ(好きなゲームや友だちとあそぶ時間は直前期まで制限しない)……といったことだけは守るようにしました。勉強時間については、集中力にムラがある長男は、朝と夜の2回に分けたり、15分ずつに区切ったりしました。体調を崩しがちな次男は勉強時間をさらに少なくし、内容も必要最小限にしました。それに加えて、・できるだけ子どもの話を聴き、ストレスをこまめに解消する(場合によっては、スクールカウンセラーや医療機関も頼る)・学習計画は無理のないように、子ども自身の意見や意志を聞きながら調節する・疲労やストレスが溜まってきたら、勉強を休ませる…なども、心がけました。「そんなことでは、志望校に到底受からない」と思われる方も中にはいるでしょうが、そもそも、そこまで努力しなくては合格できない学校は、うちでは最初から志望校リストから除外済みなので、本命A中学に絞った受験勉強ならこれで十分でした(それでも、それぞれに課題を抱えた子ども達にとっては、決して「ゆる受験」「ラクな受験」などではありませんでした)。結果、3人共無事A中学に合格し、入学後も比較的すんなり新しい環境に馴染むこともできました。あまりに受験勉強の負担が過剰だったお子さんの中には、せっかく合格しても、入学直後に燃え尽きて通えなくなったり、突然勉強が手につかなくなったり、中1から教室で荒れたりして、適応できなくなってしまう子もいると聞きます。わが子の幸せを願って中学受験したはずなのに、それでは本末転倒になってしまいます。一般的な勉強時間などの目安がどうであれ、ストレスや疲労、プレッシャーなどへの耐性や回復力は、一人ひとりの子で違います。お子さんの様子を日頃からよく観察し、「心身に負担がかかり過ぎている」と判断したら、志望校や入試方式を見直したり、場合によっては中学受験から潔く撤退するのも賢明な選択ではないかと思います。まとめ中学受験に対して「小3から塾通い」というイメージが強いと、お子さんに合った私立中学に進学させたくても、「うちの子には受験勉強なんてハードル高すぎる」と感じられるご家庭も多いと思いますが、志望校や受験方式次第では、5年生頃からの自宅学習でもなんとかなると思います。それでも「小学生は小学生」なので、勉強内容やスケジュールなどに無理のないように配慮して、お子さん自身の意志を尊重しつつ、親子でたくさん話し合い相談しながら、その子の学び方のペースに合わせて個別に調整していくといいでしょう。「塾なし」は親も大変だと思いますが、親子で乗り越えた時間は、結果にかかわらず、この先の本格的な思春期・青年期を支える親子の信頼関係の土台になってくれると、私自身の経験から実感しています。親御さんのほうも、くれぐれもご無理のないように、応援しています。文/大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)お子さんの意見を聞きながら、やる気が出るように学習ペースを見える化して親御さんが見守ること、なおかつ教え方もその子に合わせて工夫をされたのでしょう。誰にでもまねできるものではないかと思いますが、上のお子さんの経験を下のお子さんにも活かされているのかと思いました。中学受験や高校受験でよく相談を受ける内容として、発達障害があることを事前に伝えるかどうかというものがあります。一つの基準は、入試に際してどの程度の配慮が必要かどうかというのが挙げられます。仮にオープンにしたとして、入試に対してマイナスになることはないですが、教室での試験や面接に際して合理的配慮が必要でなければ、入学前にオープンにする必要性は低くなるかと思います。入学後は必要に応じて、合理的配慮を要求する場合には障害についての情報共有をしていけるとよいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年04月08日地元の公立中に行くのはつらい。でも、ハードな中学受験勉強はちょっと…こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回のコラムは、中学受験を考え始めたご家庭に向けて。特に、公教育がお子さんの体質的に合わなかったり、小学校時代にいじめ・不登校などのつらい経験があったりで、「とにかく地元の公立中には行きたくない」という場合や、「小学生に過剰な受験勉強をさせたくないけど、もし、うちの子が楽しく過ごせる学校があるのなら……」などと考えているご家庭に向けて、うちの3兄妹の私立中高一貫校、3回の「塾なし」中学受験を踏まえた私の経験を元に、お話しします。・中学受験を決めた時期・全体のスケジュール・塾なし中学受験について、ご参考になれば幸いです。難関校じゃなくていいのなら…うちの子たちが受験・進学した私立中高一貫校(以降、「A中学」と表記)は、いわゆる超難関校ではありません。私は子どもたちの志望校を探す際に、偏差値や知名度は参考にしなかったので、A中学の偏差値を正確に把握しないまま受験に臨みましたが、学校がWebサイトなどで公表している入試情報などと過去問の内容から「まあ、中堅校と言われるグループなのかな?」と推測します。とはいえ、コロナ以降も中学受験は過熱気味の傾向が続き、受験者数は増加傾向にあるようで、地方の私立中高一貫校であるA中学でも、年々志願者数が増加し(特に、ここ数年で急増)、1年前に長女が受験した時には、倍率が6年前の長男の受験時の倍以上になっていました。ですので、難関校の受験でなくとも、早めに動くに越したことはないとは思いますが、かといって、あまりに早くから塾通いなどでお子さんに受験勉強の負担を過剰にかけたり、保護者の方が必要以上に不安に感じることもないと思います。以下は「難関校じゃなくていいのなら……」という前提でのお話ですが、背伸びしない志望校での中学受験の全体像がイメージできるよう、保護者の方の疑問や不安にお答えする形で、うちの実例を交えたポイントをお伝えします。いつごろ中学受験することにしたの?中学受験をすることを決めたのは、それぞれ、長男は小5の秋、次男は小6の春、長女は小4の秋くらいでした。……遅いですよね(笑)まあ、中学進学に関して子どもの意志を尊重しようとすると、これぐらいの年齢になるまで分からないのは当たり前だとも思います。一般的には「中学受験は小3から塾通いが常識」などと聞きますが、難関校を目指すのでなければ、小5からでも十分間に合うと思います(小6からではかなり遅いですが……)。ただ、6年生で受験勉強と並行して複数の学校のオープンキャンパス、説明会や体験授業などに参加するのは大変なので、「まだ中学受験するか分からない」「志望校がはっきりしない」というご家庭も、できるだけ4・5年生のうちに、気になる学校のオープンキャンパスや説明会には参加しておいたほうがいいでしょう。受験を迷っている子も、一応小学校レベルの基礎学習だけでも、苦手なところがあれば学年をさかのぼって、穴埋めしておくのがオススメ。ちなみに、うちの3兄妹が中学受験することにしたのは、それぞれ理由が違います。発達障害のある長男は「地元の公立中に行くなら、不登校する!」と宣言し、私立中学以外の選択肢も考慮に入れつつの進学先選びに。5年生から体調不良で小学校を休みがちだった次男は、私立入学後にすぐに友達ができた長男の姿を見ているうちに「おれも」と希望。4年生でコロナ休校となった長女は、自宅でプリント学習をする傍らで、兄たちがオンライン授業を受ける姿を目にしたことなどが影響しました。結局3人共、A中学1校のみを受験。もし不合格だった場合、長男は、公営フリースクール(自治体の教育支援センター)+ホームスクールが"滑り止め”で、次男と長女は「公立中に進学する」とのことでした。併願せずに「本命一校しか受けない」のはかなりハイリスクなので、皆さんにオススメはしませんが、その分、その学校のみに絞った受験勉強・対策ができるので、子どもの負担は減ると思います。「万が一不合格でも、フリースクールや公立中でOK」と考えられるご家庭なら、有りかもしれません。全体のスケジュールはどんな感じ?うちの例は、あまり一般的ではないかもしれませんが、おおまかなスケジュールをご参考程度まで。志望校のA中学1校のみを、総合型選抜(専願のみ、算国+面接)と、一般入試(併願可、算国理社)の両方の入試方式で受験した場合です(ただし、それぞれの子によって、勉強の内容やスケジュールなどは個別に調整したので、以下はあくまで私が思う"理想的な”目安です)。<小4〜小5>・学校案内などの資料請求・オープンキャンパス、見学・説明会、文化祭などへの参加・総合型選抜対策として、自己PRポイントの実績づくり、体験授業への参加など・体感/体験型の自宅学習(理科実験や城巡りなど)・小学校レベルの基礎固め、さかのぼり学習、テスト直しなど<小6・夏ごろまで>・体験授業への参加(2回目)・中学受験用の基本問題集・検定試験の受験(算数検定、漢字検定など。自己PRと試験慣れするため)<小6・秋ごろ>・A中学で特によく出る分野を重点的に学習・過去問、時事問題・A中学主催の模擬試験・面接対策講座の参加・出願書類(志望理由書、自己PR文などの専用フォーマット)の入手<小6・12月〜1月上旬>・志望理由書などの出願書類の準備・面接練習(毎日10-15分)・苦手分野の特訓、暗記系の復習<小6・1月中旬〜>・出願(一般入試=インターネット出願、総合型選抜=出願書類の郵送)・過去問をひたすら繰り返し解く・総合型選抜入試(2科目+面接)・一般入試(4科目、A日程/B日程)<合格発表後>・入学手続き・制服のオーダー、指定体操服などの購入・小学校卒業式・入学説明会、新入生クラス編成テスト塾に行かなくても大丈夫?うちでは、塾なし自宅学習✕3回の中学受験(4教科と面接・総合型選抜対策)を、親子でなんとか乗り切りましたが、親の負担が大きく「誰にでもオススメ」とは言えません。でも、中学受験でも入試方式が多様化しているので、自宅学習でも十分大丈夫なことも。塾に通わなかったのは節約の意味もありますが、うちの子たちは小学校に行って帰って宿題をやるだけでもピーピー言っていたので、帰宅後さらに大手塾などに夜遅くまで通って大量の課題をこなすなんて、到底「無理ゲー」だと判断したからです。小学校自体の負担が大きな子の場合には特に、一般的な中学受験塾は、心身に過剰なストレスやプレッシャーが長期的にかかってしまうように思います。そんなワケで(半分やむを得ず)、私がマンツーマンで子どもの受験勉強に付き合うことになりましたが、子どもの負担を3分の1にしようとすると、親がその3倍の時間と労力を使うことに……。特にうちの子たちは、公教育の学び方が合わないタイプだったので、4教科を一人ひとりの子に合わせた内容・学び方で対応したため、私は数年間かかりきりで疲労困憊。その間きょうだいにも寂しい思いをさせたかもしれません。私は個人事業主なので仕事量の調節が可能でしたが、夫婦で正社員・フルタイムで働くご家庭などには「塾なし」は親の負担が大きいと思います。特に、公教育の学び方が合わないお子さんは、親が勉強に十分付き合えない場合、経済的に可能であれば、丁寧に個別対応できる家庭教師や個別指導塾などを頼るのがいいでしょう。とはいえ、難関校を目指すのでなければ、自宅学習でも十分対応可能だと思いますよ。昨今、大学入試同様、中学受験でも入試方式が多様化してきているので、特に、専願での自己推薦・総合型選抜入試や、1科目・2科目入試を実施する私立中学は多いですし、中には、得意なことを活かせる独自入試などを行う学校や、不登校・発達障害のあるお子さんを積極的に受け入れている学校もあります。ですので、志望校や受験方式によっては、必ずしも「中学受験の常識」通りに小3から塾通いして、膨大な知識と努力を必要とする4教科をまんべんなくできるようになる必要はないでしょう。背伸びしすぎない志望校で、受験科目を絞ったり、その子に合った入試方式で受験したりすれば、自宅学習でも十分大丈夫(親のフォローは必要ですが……)。また、試験の空気感に慣れるために塾の外部模試に参加したり、短期集中的に通塾したり、面接対策だけお願いするなど、ピンポイントで賢く受験塾を活用するのもいいと思いますし、オンライン学習や通信教育、動画学習などを併用して、親の負担を減らす方法もあります。うちの中学受験時代を振り返ってみると、確かに「塾なし」で親が根気よく付き合うのは大変ではありましたが、本格的な思春期になる前の子どもたちそれぞれと密に過ごし、親子でいろんな体験を一緒にしたり、たくさん雑談したり……と、貴重な時間でもありました。文/大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)楽々かあさんの書かれているように、志望校選びは頭を悩ませる大きな問題になります。できるだけ早めに情報収集をしていくことと、実際にオープンキャンパスなどに行って学校の現状を知っておくことが大事だと思います。大切なのは何より本人の意思が重要なので、本人の意見を聞きながら絞り込んでいくことです。1クラスの人数が多いところや少ないところがありますが、相性の悪いお子さんがいた場合の配慮や授業の進め方、合理的配慮、先生との相談のしやすさなどもポイントになるのではないでしょうか。入学したけれど学校の勉強についていけなかったというお子さんもいるので、受験をクリアするだけでなく、学習のスピードや教育課程が比較的ゆるやかに組まれているかなども確認できるとよいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年04月01日CKCネットワーク株式会社(代表取締役:山崎 朋宏、本社:愛知県名古屋市、支社:福岡支社)が運営する、勉強に前向きになれないお子さまのマンツーマンオンライン学習サポート『Preステップオンライン』は、4月1日(月)に開講から1年を迎え、会員数が早くも100名を突破しました。その100名以上のお子さまの保護者を対象に、どのような悩みを抱えているのか?その悩みの解決を含めて『Preステップオンライン』にどのような魅力を感じていただいてるのかをアンケート調査いたしました。Preステップオンラインロゴ●Preステップオンライン創業ストーリー当社には33年の通信指導経験と累計50万人以上の生徒たちへの遠隔指導実績があります。その中にはそれぞれのペースや状況に合わせた学習やサポートが必要な生徒がいました。このような生徒のために、少人数制オンライン集団指導と、個別面談を行う中学生向けオンライン学習塾を8年前に開始しました。多くの好評の声をいただいた一方で、生徒一人一人の性格に合わせたマンツーマンでの学習サポートの必要性を感じ始めました。そこで新たに、2023年4月から「Preステップオンライン」を開講し、中学生だけでなく希望者の多かった小学生へのサポートを開始しました。開講から1年を迎えたPreステップオンラインでは、現在100名を超えるお子さまのサポートを行っています。●保護者へのアンケート結果今後、よりお子さま、保護者のためのサービスにしていくためにアンケートを実施をいたしました。入会される前、どのようなことでお悩みでしたか?一般的な学習塾同様に、学習意欲や勉強についていけないことへの悩みをお持ちの方が多い一方で、子どもがコミュニケーションをとれる場所への悩みをもってPreステップオンラインに入塾されている方が一定数いらっしゃいます。受講してみて感じているPreステップオンラインの魅力を教えてください『Preステップオンライン』に入会された多くの方が「マンツーマン授業」「コミュニケーションを重視した授業スタイル」に魅力を感じています。●保護者の声・学校での話も聞いていただき、リラックスしてからの授業で本人も落ち着いてできる。テストでできなかった所も、聞きながら復習できるのが次につながるので、良いと思います。・先生が常に見て声をかけてくれているから、苦手だったコミュニケーションが少しずつとれるようになってきた。・他の習い事は自ら辞めていったけど、先生との授業は楽しみにしている。・子どもの事を考えた声かけをしてくれている。・オンライン、マンツーマンなので、子どものペースで授業がすすめられる。・送り迎えもいらないし、スタッフのみなさんが素敵だからほかの人に薦めたい。・不登校問題を抱えていると、外部とのコミュニケーションが本当に難しいと感じるので、自宅にいながら外部との接触や成功体験を重ねる事ができる。●サポートを必要とするお子さま、保護者のためにPreステップオンラインが一番大事にしていることは、成功体験による「自信」の積み重ね、コミュニケーションによる「可能性」の増加です。Preステップオンラインではお子さまには「担当講師」が、保護者には「担任」がそれぞれついてサポートを行います。マンツーマン授業では小学3年生から中学3年生の内容で、お子さまの状況に合わせて学習することを選べる無学年方式で行っています。また、授業の最初では、お子さまとのコミュニケーションの時間をとっています。一人一人に向き合い、好きなこと、興味があることなどについて話し、「可能性」のきっかけを作っています。また、保護者のための個別面談ではお子さまの教育での悩みを毎月お聞きしております。Preステップオンラインの受講を通して明るい未来へ「ステップ」できるようにサポートをしていきたいと考えています。【CKCネットワーク株式会社について】『家族に自慢できるサービスを、世の中に提供する。』を理念として1990年に愛知県で創業しました。通信指導実績33年、累計指導会員数50万人以上を誇る総合教育企業です。オンライン個別指導塾「Fit NET STUDY」や、マンツーマンオンライン学習サポート「Preステップオンライン」など、幅広い事業を運営しています。CKCネットワーク株式会社URL: PreステップオンラインURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月22日小学校に入って、勉強面で苦労する中等度以上の知的障害がある場合、幼児期に気づかれやすく、小学校から特別支援教育を受けることもあります。一方、軽度知的障害や境界知能(知的機能が「知的障害」と「正常知能」の境界域にある状態)の場合、幼児期には気づかれず、小学校で通常学級に入ることもあります。その場合、入学後に勉強面で苦労することになりがちです。結果として失敗体験を繰り返し、自信を失ってしまう子もいます。本人が毎日を楽しく過ごせているか、学校の授業や活動で達成感を持てることがあるか、丁寧にみていく必要があります。・軽度知的障害の場合軽度知的障害の子が、小学校で通常学級の授業についていくのは、簡単ではありません。入学当初から、授業を理解することに苦労する場合が多いのです。小学校低学年くらいまでは、親につきっきりで宿題をみてもらったりして、授業にどうにかついていく子もいます。しかし多くの場合、中学年くらいからはそれも難しくなってきます。時間をかけて各教科の内容を覚えても、何日かたつと忘れてしまっていたりして、本人が挫折を感じることが増えていきがちです。そうなってしまう前に、なんらかの支援を受けたいところです。知的障害があることが分かれば、特別支援教育を受けることもできます。Upload By 本田秀夫・境界知能の場合境界知能の子も通常学級の授業についていくのは難しいのですが、それでも時間をかけて勉強すれば、ある程度は内容を理解できて、テストで一定の点を取れたりもします。その場合、本人は何を学ぶにしても人一倍頑張っているのですが、その苦労が親や先生にはなかなか理解されません。大人たちには、むしろ「やればできる子」と思われていたりします。テストでいい結果が出なかったときには「勉強不足」とみなされたりもします。本人はすでに限界まで努力しているのに、親や先生から「もっと頑張って!」と言われてしまうことがあるのです。このタイプの子は一生懸命頑張っても、いつも同級生よりも少し遅れをとるような形になりがちで、自信を持ちにくいです。早く支援を受けて、その子に合ったペースで学べるようにしていきたいところです。しかし、境界知能では特別支援教育を受けられない地域もあります。境界知能の子は勉強面で苦労していても、補習を受ける程度のサポートしか受けられないこともあるのです。2024年現在では、そういった地域のほうが多いかもしれません。この問題は、早く解決しなければいけないことだと思っています。Upload By 本田秀夫苦労しているけど、支援につながらない軽度知的障害や境界知能の子は勉強面で苦労する場合が多いのですが、それがきっかけとなって支援につながるかというと、そうとは限りません。「勉強が苦手」ということで、医療機関に相談にくる家庭は多くないのです。子どもが、「授業の内容が分からない」「授業中に指名されたとき、うまく答えられない」「先生の指示を聞き逃して、出遅れてしまう」といった場面を何度も経験して困っているのであれば、地域の教育相談窓口や医療機関に相談してもいいのですが、その段階で支援につながるケースは少数です。子どもが心身の調子を崩したり、不登校の状態になったりしてから、初めて相談窓口を利用するケースのほうが多くなっています。「勉強が苦手なだけでは相談できない」という誤解そうして相談にこられた親御さんと話していると、「勉強が苦手なだけでは、こういうところで相談できないと思っていました」と言われることがあります。そして、以下のような話になります。「授業についていけないのは、本人の努力が足りないからだと思っていた」「勉強時間を増やして、みんなに追いつけるようにしなければ、と焦っていた」「親が宿題をみるようにして、家庭学習の習慣をつけてきた」「この問題は、家庭内の工夫で解決していくことだと考えていた」「でも時間をかけてもうまくいかなくて、困っていた」このように「勉強ができないのは努力不足であって、人に相談するようなことではない」と考えるのは、大きな誤解です。いろいろと工夫をしてもうまくいかなくて困っているのであれば、「勉強が苦手で困っている」ということを相談してもいいのです。「勉強が苦手」ということを相談してもいい確かに、家庭学習の時間を増やすことで、授業を理解できるようになる子もいます。しかし、子どもの発達の仕方やスピードはさまざまです。ゆっくり発達する子もいます。小学4年生のなかには、4年生向けの内容を理解するのに人一倍時間がかかる子もいるのです。そういう子には「勉強時間を増やして、みんなに追いつく」というやり方をするよりも、その子のペースで学べるように環境を整えていくほうが、結果として学習も進み、心身の調子も安定することがあります。私は親御さんにそのような話をしています。「勉強が苦手」という悩みの背景に軽度知的障害や境界知能などがある場合には、医療機関や療育機関で支援を受けることもできます。「家庭で対処しなければ」と思わずに、地域の教育相談窓口や医療機関などに相談してもらえればと思います。ただ、親御さんが「勉強が苦手なくらいでは相談できない」と考えてしまう気持ちも分かります。医療関係者も、そう考えてしまうことがあるからです。「勉強が苦手」で相談できる窓口一覧・通学先の学校(担任、スクールカウンセラーなど)・地域の教育相談窓口(教育支援センター、教育委員会など)・地域の子育て相談窓口(保健センター、家庭支援センターなど)・医療機関・療育機関医療関係者も、誤解していることがある私は大学病院で、大人の精神科のカンファレンス(診療情報の共有・検討などをする会議)にも出席しています。そこで軽度知的障害や境界知能の方の話が出たときには、「この方は勉強面で苦労してきただろう」という想像をします。実際にそのような経過が確認されて、なんらかの支援が必要だと分かることも多いのですが、カンファレンスでは「境界知能なので知的機能は問題ありません」「学校生活には特に苦労はなかったと思われます」とレポーターが報告することがあります。医療関係者でも、発達を専門としている人でなければ、「勉強が苦手というのは、医療につながるような大きな問題ではない」と考えることもあるわけです。軽度知的障害や境界知能の方の困難は、それぐらい気づきにくいことなのです。ですから、親御さんが「これは病院にかかるようなことではない」と感じてしまうのも分かります。しかし今後は「勉強が苦手」ということのとらえ方を変えてもらえればと思います。Upload By 本田秀夫(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月12日夫が事業を始めようと猛勉強していたときのこと。資金を集めるために休日には副業もしていて、家にいるときも仕事部屋からほとんど出てきません。寂しいけれど、人生の大きな転機になるだろうと思って、できる限り支えようと思っていました。娘もパパと接する時間が少なく寂しそうにしていましたが、その分一緒にいられるときは思い切り甘えています。ここ最近はもっぱらごっこ遊びがブーム。夫もその日によっていろいろな役を与えられていました。娘のごっこ遊び今日の娘は、これから旅に出る設定のようで、娘は数日分の衣類や大事なオモチャをパッキングしている最中。私の荷物までしっかり詰め込んでいます。ちょうど部屋から出てきた夫を巻き込もうとしていましたが、夫は軽くあしらい、何かを探していました。 その姿を見て、娘は夫のスマホを差し出しました。「こちら、お風呂場にお忘れでしたので預かっておきました」添乗員さんにでもなったつもりなのか、娘はおすまし顔です。夫の探し物はまさにスマホだったようで、娘にお礼を言ってまた部屋に戻ってしまいました。 「すぐ出て行くよ!」その夜、娘に「ママ!」と起こされました。カーテンの外は真っ暗で、時計を見るとまだ午前3時。何が起きたのか理解できずにいると「ママ、すぐ出て行くよ!」と娘はヒソヒソ声で喋ります。 もしかして、これもごっこ遊びの延長なのかと思っていたら「じいじが待ってるから! パパが起きる前に行かないと!」と私を急かすのです。何が起きているのかさっぱりわかりませんでしたが、いつの間にか部屋には実母の姿もありました。これはただ事ではないと感じ、娘の言うとおりにそっと家を出て、父がスタンバイしている車に乗り込みました。娘と実母の手には、さっきパッキングしていた荷物がしっかりと握られていて、今日のごっこ遊びはこのためだったのかと理解しました。しかし、一体何が起こったのでしょう。車の中で、父が静かに説明してくれました。 夫の秘密の計画実は夫は、起業の準備などしておらず、毎日部屋で浮気相手と通話をしているらしいのです。娘が夫のスマホを確保したとき、見知らぬ女とツーショットを見てしまったよう。なぜパパがママ以外の女の人とくっついているのか? と私の父に聞いたようです。父はすぐさま娘の勉強用のタブレットを夫の部屋に置いて、会話を録音するように指示したと言います。 録音したデータを聞くと、夫は私の不倫話をでっちあげて、慰謝料をもらって離婚すると浮気相手に約束していました。そう言われてみると、数日前夫の知人から相談があると言われて近くのカフェでお茶をしたのですが、なんだか相談内容が矛盾だらけで変だなと思ったことがあります。もしかして、あれは異性と2人で会っている証拠を作るため?! 私は早速夫の知人に連絡を入れました。 友人は後ろめたさがあったのか、あっさりと白状。私と外で会っている写真を撮らせてくれれば5万円払うと言われ、お金に目がくらんでしまったと話してくれました。でっちあげ不倫朝になり、私たちがいなくなっていることに気付いた夫が実家を訪ねてきました。夫は私が浮気していると両親に告げ、でっちあげの証拠写真を見せながら「慰謝料を払え! 離婚だ!」と喚き散らします。 ずいぶん演技派で笑ってしまうところでしたが「離婚は了承するけど、これを聞いてから……」と、私がタブレットの音声データを再生すると、夫は顔面蒼白。もちろん、私が慰謝料を請求する形で離婚が成立したのでした。 今回は賢い娘に救われましたが、父の不倫を知ってしまうなんてショックだったはず。夫はどれだけ罪深いことをしたか、思い知ってほしいですね。著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年03月06日石川県白山市の個人塾「徳野塾」は、石川県能登半島地震の被害に遭われた小学生~高校生のお子さんに向けて、遅れてしまった勉強を取り戻すべく、勉強の場を提供したいという思いから、CAMPFIREにてクラウドファンディングを開始しました。募集期間は2024年4月20日まで、目標金額は15万円に設定し、教材費や月額費として使用する想定です。石川県能登半島地震の被災学生のための徳野塾での勉強支援プロジェクト CAMPFIRE石川県能登半島地震による被害は甚大で、多くの学生さんが学校の休校や避難生活により勉強の遅れを抱えています。私自身も地震の被害を目の当たりにし、何か力になりたいという思いが強くなりました。そこで、私の経験や知識を活かし、被災された学生さんたちに無料で勉強のサポートを提供するためにこのプロジェクトを立ち上げることにしました。私は塾講師として長年の経験を持ち、数多くの生徒たちを合格に導いてきました。その経験を活かし、被災された学生さんたちが遅れた分の勉強を取り戻し、自信を取り戻せるような指導を行いたいと考えています。また、このプロジェクトを通じて地域の方々とのつながりも深め、地域全体での復興支援にも貢献したいという想いもあります。授業風景(3)■リターンについて1,000円 :お礼のメール5,000円 :生徒からお礼のお写真10,000円:生徒からお礼のお写真+お手紙※2024年8月頃発送■クラウドファンディング概要プロジェクト名: 石川県能登半島地震の被災学生のための徳野塾での勉強支援プロジェクト期間 : 2024年4月20日までURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月05日息子同士が幼稚園からの幼なじみのママ友に、「おすすめの勉強法があるから息子さんも…」と言われたので話を聞いたところ……。 ママ友からの提案にびっくり…息子には幼稚園からの幼なじみがいます。ある日そのママから、「将来はお宅の子も私の主人の会社に入れてあげる。だから息子たちに私の知り合いの家庭教師をつけて、一緒に勉強させましょう」と言われました。ちなみに家庭教師の料金は折半とのこと。ママ友のご主人は有名企業の社長で、高給取りかつ人事に影響力もある人。最高のアイデアを思いついたと言わんばかりの笑顔で、ママ友がこちらを見てきます。ですが、子どもの将来を勝手に決めないでほしい……。これにはさすがに腹が立ちました。今は、提案された家庭教師の件をどう断るか悩む日々。うちの夫は強く言えないタイプで、子ども同士は一緒に勉強するのを嫌がっていません。拒絶反応は私だけ……、息子の友人関係を壊さないよう上手くお断りしたいと思います。 ◇ ◇ ◇ ママ友に悪気はないのかもしれませんが、「主人の会社に入れてあげる」と頼んでもないのに上から目線でこられると拒否反応が出てしまいますよね。子ども同士は仲良しのようなので、穏便に解決できるといいですね。 作画/てる子著者:giunone
2024年02月17日BIGLOBEプレスルーム 最大通信速度10Gbps(注1)の光ブロードバンドサービス「ビッグローブ光 10ギガ」を提供しているBIGLOBEは「ファミリー層のインターネット利用に関する意識調査」を実施しました。本日、調査結果の第2弾を発表します。本調査は、全国の20代から50代で子ども(未就学児~高校生)がいる男女500人を対象にアンケート形式で実施しました。調査日は2024年1月23日~1月25日、調査方法はインターネット調査です。【調査結果のトピックス】1. 「スマホを上手に育児に利用するのは良いこと」未就学児の親の8割2. 小学生のインターネット利用「当たり前だと思う」7割3. 「子どものスクリーンタイム」中高生では1日に「120分以上」4割に4. 小中高生の6割強が「勉強や習い事にタブレットを利用」【調査結果詳細】1. 「スマホを上手に育児に利用するのは良いこと」未就学児の親の8割全国の20代から50代で子ども(未就学児~高校生)がいる男女500人のうち、未就学児の親に「スマホ育児」について質問をした。「スマホ育児」については約6割が経験。「スマホを上手に育児に利用するのは良いことだと思う」については、「あてはまる」(32.1%)、「ややあてはまる」(48.6%)をあわせ8割にのぼった。「スマホ育児」について2. 小学生のインターネット利用「当たり前だと思う」7割全国の20代から50代で子ども(未就学児~高校生)がいる男女500人に「子どもがタブレットやスマートフォン(インターネット)を利用することについて」それぞれの成長時期ごとに聞くと、中学生・高校生では「今の時代は当たり前だと思う」「やや当たり前だと思う」と回答した割合が8割、小学生では7割、未就学児でも5割となった。子どもがタブレットやスマートフォン(インターネット)を利用することについて全国の20代から50代で子ども(未就学児~高校生)がいる男女500人に「子どものインターネット利用のルールについて」決めているか質問をすると、「利用時間に関するルール(タブレットやスマホを見る時間は1日〇時間までなど)」、「利用時間帯に関するルール(夜〇時以降は使用禁止など)」、「利用内容に関するルール(アクセスしても良いサイト・利用しても良いアプリを限定するなど)」いずれも「決めていない」と回答した人の方が多く6割強だった。子どものインターネット利用のルールについて家庭でのルールについて(一部フリーコメントを抜粋)・使用時間は夜21時までとしている。1時間みたら目を休憩するように声掛けをする【50代・小学生中学生の親】・動画はすべての勉強が終わらない限り見せない【30代・小学生の親】・親の目の届くリビングだけで使用する。親が確認した時は隠さない【50代・小学生高校生の親】・夫、私も含めて全員誰かしら端末をいじっているので、家族全員何も言えない。【50代・中学生の親】・決めごとをしても守らないのであきらめている【20代・小学生の親】・本人に任せている【40代・小学生の親】・特に明確なルールを決めてはいないが、トラブルが起きそうなときには必ず事前に報告するようにしている【40代・小学生の親】3. 「子どものスクリーンタイム」中高生では1日に「120分以上」4割に全国の20代から50代で子ども(未就学児~高校生)がいる男女500人に「子どもの1日あたりのスクリーンタイムについて」質問をした。未就学児では「30分~60分未満」(29.6%)が最も多く、60分未満という割合は6割に。小学生でも「30分~60分未満」(23.4%)が最も多く、60分未満という割合は5割だった。一方、中学生・高校生では、「120分以上」(40.6%)が最も多い結果に。中学生・高校生では、60分以上という割合は7割強にのぼった。子どもの1日あたりのスクリーンタイムさらに、「子どものスクリーンタイムは適切だと思うか」質問をすると、未就学児と小学生では「適切だと思う」と回答した人が多く、約6割に。中学生・高校生では「長いと思う」「適切だと思う」がほぼ半々となった。子どものスクリーンタイムは適切だと思うか4. 小中高生の6割強が「勉強や習い事にタブレットを利用」全国の20代から50代で子ども(未就学児~高校生)がいる男女500人のうち、小学生~中高生の子どもがいる人を対象に、子どもは「勉強や習い事にタブレットを使用しているか」(通信教育のタブレットコース、塾、勉強アプリ、オンラインの習い事など、一部スマホ利用も含む)質問をすると、「使用している」と回答した割合は、小学校低学年(1~3年)で60.2%、小学校高学年(4~6年)で66.4%、中学生・高校生で65.5%と、6割を超える結果となった。勉強や習い事にタブレットを使用しているかBIGLOBEが提供している「ビッグローブ光 10ギガ」はご家庭で複数人によるインターネット利用や、動画視聴・オンラインゲームなどをご利用いただく方に適したサービスとなります。 BIGLOBEはネットとリアルの世界の「Life-changing Company」を目指し、お客さま一人ひとりのかなえたい想いを実現してまいります。※ 本調査レポートの百分率表示は四捨五入の丸め計算を行っており、合計しても100%とならない場合があります。また複数回答可の設問があるため、合計100%を超える場合があります。■調査概要・調査名 :ファミリー層のインターネット利用に関する意識調査・調査対象:全国の20代から50代で子ども(未就学児~高校生)がいる男女500人・調査方法:インターネット調査・調査期間:2024年1月23日~1月25日BIGLOBEでは、現代社会が何を課題と捉え、人々が何を必要としているのかを把握するために、若年から高齢の幅広い方々に向けて、多様な角度から意識調査を実施しています。「BIGLOBE調べ」 (注1)最大通信速度はお客さまのご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。※記載されている会社名および商品名は各社の登録商標または商標です。<本件に関するお客さまからのお問い合わせ先>BIGLOBEカスタマーサポート インフォメーションデスク電話:0120-86-0962 (通話料無料)携帯電話、IP電話の場合電話:03-6385-0962 (通話料お客さま負担) ※BIGLOBEのニュースリリースは からご覧になれます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月15日無料の参加登録受付中!発達が気になるお子さんやご家族へ届けたい、オンラインセミナーが1/27(土)に開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラム登校渋りが続いている、いつも休み明けに学校に行きたくないと言う……そのようなお子さまもいらっしゃるのではないでしょうか。不登校のお子さまの心の状態から、家庭でどう向き合ったらいいのか?今後どうしたらいいのか?専門家などから詳しい情報を得られ、さらにその場で質問もできるオンラインセミナーを開催します。・日時:2024年1月27日(土)9:30~14:10(予定)・参加費:無料・形式:Zoomウェビナー配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください。・内容:専門家講演、すべてのお子さまを応援する企業によるセミナー※企画調整中のため、今後変更となる場合もございますオンラインセミナーの内容をご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラム勉強したら?とは言わないほうがいい?学校に行きたいのに行けない、どうしてこうなっちゃったんだろう……と自分を責めてしまう……。不登校や登校渋りのあるお子さんと過ごす中で、声かけや接し方、将来を見据えた対応など、さまざまな不安や悩みが浮かんでくるかもしれません。必要なサポートはお子さんによって異なり、状態に合わせて考えていく必要があります。今回は、児童精神科医を務める三木先生にご登壇いただき、これまで多く寄せられてきた不登校に関するお悩みにお答えしていきます。セミナー当日も、視聴者の皆さまからリアルタイムで質問やお悩みを受け付けますので、ぜひご参加ください。講師:三木崇弘先生社会医療法人恵風会 高岡病院 児童精神科医兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了(医学博士)。早稲田大学大学院経営管理研究科修士課程修了(経営管理学修士)。愛媛県内の病院で小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。愛媛時代は母親との座談会や研修会などを行う。東京に転勤後は学校教員向けの研修などを通じて教育現場を覗く。子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。2019年4月よりフリーランスとしてクリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、保健所などでの現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動を行う。2022年7月より地元にUターンし、社会医療法人恵風会 高岡病院で児童精神科医として勤務。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム文部科学省が定めている「出席扱い制度」をご存じですか?自宅学習の努力を認めることで、いつかまた学校に行きたいと思ったときのために、学習の遅れを最小限にしておけるようつくられた制度です。この制度を活用すれば、不登校で学校を休んでいても、家庭学習を出席扱いにして、その先の進路などの選択肢を広げていける可能性があります。制度を利用するには、いくつかの条件を満たした上で、在籍する学校と交渉・連携していくことが重要です。本セミナーでは、のべ1,200名以上が出席扱いになった実績のある、無学年式オンライン学習教材「すらら」の担当者が、本制度利用の具体的なルールや、すららを使って出席扱いとなった事例、最新情報などをご説明します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム子どもが「学校に行きたくない」と言うとき、どう関わったらいいのか・この先どうなっていくのか、不安な気持ちでいる保護者の方もいらっしゃると思います。前向きになってくれるサインを見逃さず、お子さまの自己肯定感を育みながら接していくことが大切です。不登校のお子さまが安心できる居場所を見つけて、楽しく過ごす事例も交えながら、お子さまとの関わり方について解説します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム「学校の仕組みが合わない」「冬休み明けで行き渋りになっている」そんなお子さまに向けたセミナーです。子ども一人ひとりのありのままを受け入れ、自信を育み、社会で活きる力を共に学んでいくオンラインフリースクール「SOZOWスクール小中等部」。500名以上の小中学生が在籍するスクールながら、学校が合わないと感じている子どもの個性に寄り添うスタッフが揃っており、地上波のテレビ番組で紹介されるなど、注目されています。4月には高等部も開校し、進路にも安心を持てる居場所です。当日は、学校に行きづらいお子さまの実際にあった事例も含めてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達が気になるお子さまの子育てをオンラインサポートする「発達ナビPLUS」。本セミナーでは、発達ナビPLUSの監修者でもある公認心理師・菅佐原洋先生が、不登校や行き渋りによって学習に遅れが生じたとき、保護者として何ができるか解説いただきます。・不登校で授業を受けておらず、勉強もできていない・将来も見据え少しはしてくれると親として安心だけど……・今の状況で勉強は何をどこまで頑張ればよいのかなどお子さまの勉強に関するお困りごとへの手立てについてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム不登校やひきこもりがちなお子さまがいるご家庭向けの勉強会です。・不登校支援の選択肢フリースクールや訪問教室など、不登校のお子さまへの支援の選択肢や選ぶ際のポイント・中学以降の進路の選択肢義務教育以降の高校進学の選択肢として、通信制・サポート校や高等専修学校、チャレンジスクールなど、不登校に理解のある進路・教育にまつわる準備教育資金やお子さまの自立後に必要になってくる費用など、現実的な準備など、復学や居場所など、学校に行かない選択をした子へのサポートや、中学以降の進路の選択肢について解説します。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。
2024年01月15日子どものチーム入団で10数年ぶりにサッカー現場に。今は国内外の指導について情報を勉強中のコーチ。サカイクのSNSで池上さんのドイツ視察を見ての質問。最近日本代表はドイツに2勝するなど強くなってきているが、ドイツ視察に行ってみて日本の育成現場と大きく違うのは何?指導経験が浅くても取り入れられるメニューがあったら教えて。とのことジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、4回目となるこの夏のドイツ視察で見てきたことを元にアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ボールを奪われない距離感が日本と海外では違う、相手に奪われない適切な距離の取り方を教えて<お父さんコーチからの質問>池上さん、こんにちは。地方都市の少年団で5、6年生を担当しています。サッカーはそこそこ強豪校でやっていて、大学でも趣味で続けてはいましたが、指導の勉強をしたことはありません。息子がチームに所属して、十年以上ぶりぐらいでサッカーに関わった保護者コーチです。そのため、ネットなどで国内外の指導について勉強中です。サカイクのSNSでこの夏ドイツ視察に行かれていたことを知りました。ドイツは育成大国で、その取り組みは日本も導入してきているのは知っています。最近代表レベルではドイツに2勝したり、日本の育成も世界と比べても評価できるのではないかと思っているのですが、実際ドイツ視察を行って育成年代で日本と大きく違う事はどんなことがありましたか。指導経験が浅い保護者コーチでも簡単に取り組める練習メニューなどがあれば教えてください。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。私がドイツの小学生のプレーを観たのは、ブンデスリーガの下部組織でした。小学生たちが、12歳でボール運びができ、戦術をしっかり理解してサッカーをやっていることに驚きました。いいタイミングでスペースに飛び込んだ子に、これもいいタイミングでパスが出ていました。精度の差こそあれ、やっているサッカーはトップチームの選手たちと変わらないのです。一方、日本の子どもはボールをもらうとまずドリブル。速い展開やボール運びはできません。ただ、私が観たドイツの子はプロクラブの下部組織なので、いわゆる「選ばれし子どもたち」です。だったら、そうではない一般のアマチュアの街クラブでは、どんなふうなのか。どんな指導環境なのか。そこを学びたくて、日本の町クラブの指導者たちとドイツに視察に行き始めました。■流れるようなボール運び、戦術理解ドイツと日本の育成で最も違う点コロナの影響でいけなかった年もありますが、今年で4回目になります。この夏は、2つのグループに分けて、一方はドイツからオランダに足を伸ばすツアーを加えました。結論から言うと、街クラブの子どもたちも流れるようなボール運びができ、戦術を理解していました。サッカー偏差値の高さはブンデスリーガの子どもたちと変わりません。つまり、ドイツと日本の育成で最も違う点は「技術ではなく戦術理解の指導を優先する」ことだと感じました。具体的に言えば、指導者がサッカーの入り口に立つ小学生に、その瞬間どこにどのように動いたほうがいいのか、何を、どこを見たらいいのか、ピンチのときどうやって守ったらいいのか、を教えることです。決して、止める・蹴るといった足元の技術から教えません。止まったまま2人組でキックを蹴ったり、ひとりでコーンドリブルをするといった日本でよく見る練習は、ドイツでは一切見たことがありません。パス交換やドリブルなど基礎的なスキル練習らしいことも時折やりますが、いつも2人から3人組で行う。常に「他者(の意志)を感じる」力を育めるよう、なおかつサッカーを楽しめる練習が行われていました。そして、当然ではありますが、コーチたちは怒ったり、焦ったりして大声を出したり、出来ない子を責めたりはほとんどありませんでした。指導者も子どもたちも、まさしくサッカーを楽しんでいました。だからでしょう。私たちはドイツで団子サッカーを見たことがありません。試合を視察すると、町のどんなチームでもほとんどがゴールキーパーからビルドアップをします。キーパーはパントキックをしないし、バックの選手から前線へのロングボールもありませんでした。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■日本は技術→認知→判断で指導するが、ドイツや欧州のサッカー先進国では逆この連載でも何度か「教えることの順番が違いますよ」という話をしました。日本はこれまで、技術→認知→判断で指導してきましたが、ドイツをはじめ欧州のサッカー先進国ではその逆です。足元の技術がおぼつかなくても、ボールを運ぶ練習をしてサッカーの本質を知ることから始めます。最初に判断力を磨き、認知を深めます。そうすると、ポジショニングは良かったのにトラップをミスするといった状況がたくさん出てきます。そこで初めて「じゃあ、ボールコントロールの練習もしてみよう」となれば、子どもたちは意欲的に取り組みます。もうサッカーの「やり方」はわかっているので、あとは細かいミスをなくせばいいだけです。その流れで、ドイツでは中学生や高校生年代で、もう一度足元のスキルアップを意識させるような練習をやります。このようなロードマップで育成すると「小さいときは上手かったのに、大きくなったら下手になった」とか「足元は上手いけれど、オフ・ザ・ボールの動き方が理解できないのが弱点」といった選手は出てこないのです。もうちょっと年齢が上がってユースレベルのカテゴリーになると、コーチは「タイミングをうまく合わせよう」と声をかけます。例えば「今、君がもう少し我慢して、このタイミングで走り込んだらチャンスになったね」といったアドバイスです。決してパスを「正確に蹴りなさい」ではないのです。■田中碧選手の所属チームでは擬人法を使って「サッカーの本質」を伝えている(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)田中碧選手が在籍するフォルトゥナ ・デュッセルドルフにも視察に行った際、広報を務める日本人スタッフの方にとても興味深い話を聞きました。フォルトナでは小学生に大事なことを伝えるときに、擬人法を使うそうです。動物に例えるのです。「さあ、君たちはオオカミの群れです。獲物をとらえるために、みんなそれぞれ役割が決まっている。みんなで協力して狩りをして、みんなで美味しい食事をしよう。でも、誰かひとりでも一匹オオカミになってしまうと、協力し合えない。一匹オオカミはひとりでえさをとれなくて死んでしまうんだ。だから一匹オオカミを作ってはいけないよ」これはサッカーというスポーツはみんなでやるものだ。自分勝手にプレーしないことが大切だ。チームで動かなくてはいけない――そんなサッカーの本質を子どもにわかりやすく伝えるため、狼に例えています。さらに、ピッチの上で首を振っていっぱい見たほうがいい、と視野を取る重要性を伝えるときは「フクロウの眼のようになれ」を挙げます。フクロウは右と左の眼球をバラバラに動かせます。いろんなところがいっぱい見られるというわけです。サッカーを理解してもらうために、どうすれば子どもに伝わるかにとてもエネルギーを割いていました。大人から「ちゃんと見ろ」とか「走れ」といった抽象的な声掛けも耳にしませんでした。メニューはネットでも本でもどこからでも引っ張れます。まずは、ここまで説明したことを参考にして、ボールを運ぶことを理解させてください。メニューはひとりでやらないものを軸に選んでください。こちらの連載でもメニューの話はたくさん出てくるのでチェックしてみてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年10月20日【発達障害×子育てアンケート】家庭での勉強に関してお困りごとがありますか?発達障害のあるお子さんの保護者の中には、「子どもがなかなか勉強に取り掛かろうとしない」「宿題に時間がかかってしまう」、そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?夏休みには宿題が多く出されることもあり、家庭での勉強法について気になっている保護者の方もいらっしゃることでしょう。そこでLITALICO発達ナビでは、家庭での勉強法について公式LINEにてアンケートを実施しました。今回のアンケートでは、家庭学習での困りごとはあるか?また、具体的な困りごとや工夫していることについてなど、みなさまから回答をいただきました。※アンケートはLITALICOの公式LINEにて!『お友だち登録』お待ちしています!Upload By 発達ナビ編集部具体的な困りごとの内容、家庭で工夫していることの回答「難しい漢字や、算数の文章問題が苦手で癇癪を起こしがちです。カーッとなってるときは手がつけられないので、自宅では本人ができるとこだけやって直しはせず(直そうとすると余計に怒るので)、翌日学校では落ち着いているので先生に教えてもらったり直していただいたりしています」「間違えると適当になり、ひどいと紙をぐちゃぐちゃにしてしまうこともあるので、勉強のときは横について一緒にやっています」「集中力がなく、気が散るタイプなので、自分自身で集中できないことが多い。自分でできるようになってほしいので、少しずつ本人に任せてみていますが、気づかせてできていないと一度パニックになって、落ち着いてからじゃないと進まないので、なかなか難しいです」LITALICO公式LINEアカウントお友達へのアンケート結果より回答期間:2023年8月1日~8月3日回答人数:1,578名※一部抜粋「だいたい始める時間と終わる時間を決めてしまい、はかどらなくても終わりの時間が来たら思い切ってやめてしまう。あまりにもはかどらなかった次のときはやる量を決めてやる」「宿題が終わったらゲーム解禁にしてあります。あとは終わったらオヤツとか。いくつもあるときは、せめて一つだけでも終わらせよう! と声をかけ、自分で選んだものだけでも終わらせるように促します」「気持ちが落ち着くとあっさりできる場合が多いので、一旦勉強はやめて、遊ぶなど本人の好きなことをやって、再開できるまで待っています。ただ、遊ぶ時間が長くなりがちで『そろそろ』と声をかけて、子どもも『そうだね』となる日と、『うるさい』と言われる日があり、再開するまで時間がかかり、一体いつするの? と思うと、親はハラハラ、イライラしてきます」LITALICO公式LINEアカウントお友達へのアンケート結果より回答期間:2023年08月1日~08月03日回答人数:1,578名※一部抜粋まとめ今回のアンケートでは、お子さんの家庭学習で困りごとはあるかをお聞きしたところ、多くの回答者が「困りごとがある」と答えていらっしゃいました。全体の4割近くの方が「勉強になかなか取りかからない」、次いで多かったのが「誰かが見ていないと進まない」という回答でした。保護者の方の多くが、ご家庭で勉強に向かわせる困難さを感じていました。また、癇癪を起こす、気が散るなど、発達障害の特性とも捉えられる困りごとも寄せられていました。家庭学習の具体的な困りごとは多種多様で、工夫して対処できているご家庭もあれば、「このまま勉強をしなければどうなるのだろう……」といった、お子さんの将来に対する不安を抱えている方も多くいることが分かりました。さまざまな困りごとがある中で、子どもの得意・不得意を整理しながら一人ひとりに合った対策を考えることが大切になります。進路や将来の就職、自立に向けて、子どもの個性を伸ばす学びの環境を整えることも必要なのではないでしょうか。LITALICOでは、お子さん一人ひとりに合った環境を整えるサポートのサービスをLITALICOライフが担っています。LITALICOライフでは、実際の障害に合わせた環境の整え方や、どういう対策が必要かを一緒に考える「勉強会」「個別相談」を行っています。お気軽にご相談ください。LITALICOライフでは現在、【ADHD向け個性にあった小学校・中学校選び】に関する勉強会を開催しています。子どもの困った行動への対処法や、ADHDがある子どもの事例を通じて、小学校から高校までの進路についてどのような選択肢があるのかを知ることができます。Upload By 発達ナビ編集部※アンケートはLITALICOの公式LINEにて!『お友だち登録』お待ちしています!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年08月22日STEAM教育って何?
子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト