娘を出産し、育休も終えて職場復帰を望んでいた主人公・夏菜子さんは、義母に反対されつつも娘を保育園に預けることに決めました。しかし入園式に行ってみると、なんと知らないうちにキャンセルされていたことが判明。困っていると夫は勝手に「娘を義母に預ける」ことを決め、夏菜子さんは不安に思いつつも娘を義母に預けて働き始めることに。そんなある日、家のトラブルで数日間義実家に泊まることになりました。そこで夏菜子さんが目にしたのは、無理に勉強をさせたり、食事は娘の苦手なオートミールを強要したりする娘に厳しい教育を行う義母の姿でした。 萌ちゃんのためを思って!娘に厳しい教育を行う義母を見て不信感を覚えていた夏菜子さん。家事の手伝いをしていると、冷蔵庫に娘が通うはずだった保育園の電話番号のメモが貼られていることに気づきました。 保育園をキャンセルしたのかと聞くと、悪びれもせず「そうよ」と答えた義母。その言い分は、「娘のためを思って」というあきれたものでした。 今から勉強しないと男にナメられる、体型をキープすればモデルになれる、など娘の意思を無視した理想を押し付けようとする義母に、夏菜子さんはついにブチ切れ。「もう関わりたくありません」と告げ、義実家を出ました。 しかし自分の家は水道が壊れているため、しばらく帰れません。夏菜子さんの実家は遠いので仕事の前に娘を預けにいくこともできません。いろいろと悩んでいるうちに、夏菜子さんは娘のために「一人でも生きている力をつけないと」と強く決心したのでした。 ◇◇◇ 保育園をキャンセルしていたのは、なんと義母でした。しかもそれは、自分好みに教育したいという自分勝手な理由から。これにはあきれてしまいますね。 おそらく義母は義母で、純粋に孫を大切に育てたいという思いもあるのでしょう。しかし、まずは1番近くで娘を見ている両親に相談する必要があるのではないでしょうか。夏菜子さんはキッパリと義母を拒絶して義実家を出ましたが、みなさんならどうしますか? ベビーカレンダーでは、この話が最終回となります。夏菜子さんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。作画:おかまき著者:ライター 夏菜子
2023年11月22日楽しく読み書き計算の基礎づくりをーー『ワーキングメモリがぐんぐんのびる 単語メモリカードゲーム』「ワーキングメモリ」とは、目や耳から入ってくる情報を限られた時間で記憶し、統合しながら意味を理解する脳の働きのことです。ワーキングメモリに弱さがあると、学習の基礎である文字の読み書きや数の理解がスムーズに進まず、つまずきを感じやすくなります。本書は、カードゲーム方式で無理なく・楽しくワーキングメモリを伸ばすことを目的とし、ワーキングメモリ理論に基づいた教育支援の第一人者である広島大学大学院 人間社会科学研究科教授の湯澤正道先生が考案した5歳から大人までを対象としたカード教材です。カードは、本書の『音韻意識を高める単語メモリカードゲーム』に加え、『算数の基礎をそだてる数字マッチングカードゲーム』『特殊音をすばやく読む単語マッチングカードゲーム』と、全部で3つのシリーズで構成されています。カード毎に記憶機能を高める3つのゲームが収録され、親子や友達同士、支援者と遊びながら、楽しく読み書き計算の基礎づくりができるよう工夫されています。ワーキングメモリは国語や算数などすべての学習の基礎になるものですが、いったん学習が遅れてしまうと机に向かって勉強をすることに苦手意識を持ってしまうことも……。ワークシートのような勉強方式ではハードルが高いと感じている子どもも、カードゲーム方式の学習であれば取り組みやすいのではないでしょうか。家庭学習はもちろん、特別支援教育や放課後等デイサービスなど学校や支援の現場にもおすすめの教材です。理由が分かれば優しく寄り添えるーー『発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界』本書は、発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界をマンガで分かりやすく解説し、子どもの視点から行動の理由を探り、接し方のヒントやアドバイスがまとめられた一冊です。すぐに走り出してしまう、ルールや順番が守れない、友達を叩いてしまうなど、子どもの行動は大人からしてみれば不可解なことが多く、どう対応したらいいのか悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。本書では、「不可解な行動にも、その子なりの理由が必ずある」と伝えています。前半では、主に3~8歳の子育てで保護者が戸惑いがちな「ナゾの行動」をいくつか取りあげ、それぞれ2つのケースを紹介。発達障害・グレーゾーンと言われている子どもも十人十色です。同じような行動であっても、その理由は子どもにとって異なることを感じられるように工夫がされています。監修は、北海道大学名誉教授であり児童精神科医の田中康夫先生。発達障害の特性を持つ子どもやその家族、さらに関係者たちと繋がり、支え認め合うことを大切にした治療で支持されている発達障害のエキスパートです。本書の後半では、行動を理解したうえで、発達障害がある子どもと向き合うときに保護者が意識したいことについても記されています。親子で優しい絵本の時間をーー『たれみみうさぎのリッキ』本書は、ヨーロッパで人気の絵本作家ヒド・ファン・ヘネヒテンが手がけた全世界でシリーズ累計300万部発行のベストセラー絵本です。25年前に刊行された本書が、この秋復刊されました。うさぎのリッキの耳は、みんなの耳とは違います。なぜかいつも右の耳だけ、ダラーンと垂れ下がっているんです。みんなが「たれみみ」と笑うので、ピーンと立った2本の耳がほしくてたまらないリッキ。いろいろな方法で耳をのばそうとしますが、うまくいきません。でも、みんなと違うことは本当におかしなことなのでしょうか?時には泣きじゃくって、時には笑い転げて、「見た目も、性格も、考え方も、それぞれ違っていいんだよ」と、うさぎたちが教えてくれる絵本です。本書の対象年齢は3歳から。親子で過ごす絵本の時間を通じて「君は君のままですばらしい」と、お子さんに伝えてみてはいかがでしょうか。エリートなのに仕事ができない、当事者の葛藤ーー『ルポ高学歴発達障害』「ケアレスミスが多い」「人間関係がうまくいかない」など、生活や仕事上で問題を抱えることもある大人の発達障害。その中には、世の中で「高学歴」と言われる人も少なからず存在しています。世間一般の「エリート」のイメージと「障害」の実情の狭間で理解が得られず、周囲と自分を比べては落ち込み、悩みを抱えている当事者は多いと言われています。本書は、自身も発達障害当事者である著者の姫野桂さんが、高学歴の発達障害にフォーカスし「理解が得られにくい不条理」に迫った一冊です。本文では10人の発達障害当事者のインタビューを掲載。実態の見えにくい当事者の声を拾いあげると共に、大学の教壇に立つ側の視点として現役の大学教授に、医療側の視点として精神科医の取材も。大学における学習支援や、就労支援を行っている企業の取り組みも紹介されています。「高学歴」ということで、周囲から期待されるボーダーラインが上がり、理解を得られない人がいる現状を伝える本書は、今まさに苦しい思いをしている当事者にとって一助となるのではないでしょうか。それと同時に、発達障害が取りざたされる背景にある「異質であること」「非効率的であること」に不寛容な社会の姿を浮かびあがらせているようです。『自閉症児のことばを育てる発達アプローチ~ことばの6ステージ・特徴の理解と逆転の支援~』本書は、自閉スペクトラム症がある子どもの「ことばの発達とコミュニケーション」に焦点を当て、家庭でできることばの療育方法を紹介した一冊です。第1部では、「自閉症児のことばを引き出す方法」を、第2部では、自閉症児のことばの成長段階を6つのステージに分け、各ステージの特徴と支援方法に加え、逆転の発想のアプローチも紹介。6つのステージに分けられていることで、個々の成長に適したアプローチや、次に実践することなどが分かりやすく、療育の見通しがつきやすい内容となっています。著者は、自閉スペクトラム症がある娘の父親でもあり、発達支援教室で指導員を務める臨床心理士の矢幡洋先生。これまで40冊以上の著作を出版し、『数字と踊るエリ』(講談社)は第33回講談社ノンフィクション賞の最終候補にも。本書は、著者が自身の子育てを基に、子どもが興味を示し、家庭の日常の中で実践しやすい楽しいアプローチ方法がピックアップされています。子どもの発達で悩む保護者のヒントになると共に、家庭で行うことばの療育の楽しさも感じることができる一冊ではないでしょうか。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月18日特別支援学級?通常学級?悩んだ就学問題現在6歳の息子は、4歳でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。幼稚園へは楽しく通っていたものの、切り替えの苦手さ、こだわり、癇癪、見通し不安など問題が盛りだくさんだった息子。小学校入学にあたっては進学先に頭を悩ませていました。最初は小人数で指導してもらえる特別支援学級の方が息子も落ち着いて過ごせるのでは?と思っていましたが、住んでいる自治体には情緒学級がなかったため療育の先生、かかりつけ医の先生に相談しました。すると、息子は新しいことを学ぶのに喜びを感じるタイプであること、学校でみんなと学びたいという気持ちが強いことから、通常学級が好ましいとみなさん同意見でした。そこで通常学級に席を置きつつ通級指導教室で感情のコントロール方法を学ぶほうが合っているのではないかということになり、わが家の希望は通常学級+通級指導教室に決定しました。そして、年長の9月就学相談へ臨んだのですが……。Upload By ユーザー体験談「通級指導教室は必要ない」就学相談でこちらの希望は聞いてもらえず就学相談は自治体の就学科の担当者1名と私(母)、2名で行いました。最初に私が通常学級に所属しながら通級指導教室に通いたいと希望したところ、以前受けた知能検査結果を見ながら「知的な問題がないので、通級指導教室は必要ないと思います」とバッサリ。そして今では通常学級でもある程度配慮が受けられるからと熱く説明されました。・声かけ・座席配慮・答案用紙にバツをつけない・癇癪の時に別室などで対応するその他の要望もできる範囲で聞いてもらえるとのこと。私が圧倒されていると、さらに続けて特別支援学級や通級指導教室には予算に限りがあると説明され、あまり人数を増やしたくない……という雰囲気をひしひしと感じてしまった私。その後も「まだ入学まで半年あるから成長するかもしれませんよ?」「就学前健診で学校側から言われたら通級指導教室を考えればいいのでは?」などと言われたため、こちらの話す時間もほぼ取れず終了してしまいました。これで通常学級に通うことが決定してしまったのです。Upload By ユーザー体験談本当にこれでよかったの?悩んだ母は電話をとった!本当にこれでよかったのか……とても悩みました。就学前健診の時に再度学校側に相談することも考えましたが、今回の就学相談で療育の先生、かかりつけ医の先生から勧められていたことがちゃんと伝わっていたのかも自信がありませんでした。このままモヤモヤしていても仕方がありません。やっぱりもう一度伝えなければと思った私は、勇気を出して電話をすることにしました。緊張しながら「先日の就学相談では通常学級を進められたのですが、やはり通級指導教室にも入りたいと思っておりまして……。就学相談をもう一度お願いしたいのですが」と話したところ、「では二次面接をしましょう」とあっさり二次面接を受けられることになりました。今度はきちんと自分の思っていることを伝えようと面接に行くと、前回とは別の方が担当でした。面接ではすでに通級指導教室に行くことを決めていたかのように話がスムーズに進み、通級指導教室が無事決定。力んでいたので拍子抜けしましたが、電話をしてよかったと本当にほっとしました。楽しみにしていた小学校。でも入学式では奇声と大癇癪を起こしてしまい……入学までは学校生活に関する絵本を読み聞かせたり、幼稚園と学校の違いを話したり、小学校がどういうところかイメージがつくようにしていました。幼稚園のようにいつも先生がついてくれるわけではないこと、自分で自分のことをしたり、みんなと同じように行動することが増えること、遊べるのは休み時間だけ、授業中は席に座って話を聞くなど息子には難しいことが多い状況だと話していましたが、その時は「できるよ」「勉強楽しみ」など前向きな発言が多くありました。また学校を見学し、学校内の雰囲気も味わってもらいました。そして迎えた入学式当日。学校を楽しみにしていた息子でしたが、初めてのことへの不安から学校に着いた途端に不機嫌になってしまいました。受付が終わると親はホールへ、子どもは教室へと離れ離れになったためその後どうしていたかはわかりませんが、入場は泣きながら先生につき添われて入場、席に着きしばらくすると奇声を上げて癇癪を起こしてしまいました。初めて見るくらいの癇癪と奇声で、私もビックリするほどでした。Upload By ユーザー体験談先生がホールの外へ連れ出してくれたので私も外に出てつき添いましたが、癇癪は全くおさまりません。支援コーディネーターの方が居たので一緒に校内を散歩させてもらい、式が終わる頃ようやく落ち着きました。この時の私は疲労困憊。もう疲れと悲しみでいっぱいでした。不安にならないようにといろいろ準備をしましたが、息子には事前の対策は効果なかったようです。もし今就学前に戻れるなら、入学式のイメージや大勢の人の中に入るということをもっともっと具体的に本人に伝えてあげたりイメージできるように考えてあげればよかった……と思っています。困りごとが多い息子が楽しく過ごせる居場所へ入学後、通常学級で実際に受けられた配慮は、座席を1番前にしてもらうこと、支援員にほぼ専属でついてもらうこと、見通しを立てられるよう予定を伝えてもらうなどでした。それでも息子は勝敗や順番にこだわって泣きわめいたり、プリントを破いたり、ときには全く関係のない子を叩いてしまうことも……。そんな息子の行動のため、授業も度々止まってしまっていたようです。Upload By ユーザー体験談学ぶことは好きだけれど、息子に集団行動は難しかったようでした。本人はみんなと勉強したいと頑張ってはいましたが、それ以上の配慮を求められる状況ではなかったため、1年生の2学期から情緒学級のある学校へ転校しました。問題行動はまだありますが、幸いにも癇癪の頻度は減り、癇癪になっても自分で切り替えができるようになってきています。勉強はゆっくりになってしまい不満もあるようですが、一方で楽しいことも増えたようで、母としてはホッとしています。就学前は就学先について悩みましたが、入った後も引き続き試行錯誤中です。今は息子が楽しいと思うことが少しでも増えていってくれればと思い、これからも息子の学校生活をサポートしていけたらと思っています。イラスト/taeko※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:鈴木先生より)残念なことに、自治体や教育委員会は子どもファーストではなく定員・予算ファーストとなってしまう場合があるようです。神経発達症を診断できる小児科医が増えてきたためか、診断が増えると特別支援学級のニーズが高まり、受け皿が限られていることからこういう事例が増えています。しかし、あくまでも子どもファーストで教育する必要があるのではないでしょうか。理解のある市町村では特別支援学級の教室を増室して対応しています。残念ながら、その市町村の教育に関わる予算次第ということです。教員数も含めて市議会で議論する必要があります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月17日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受け、次男は多動傾向がありました。幼稚園に通い始めると、兄弟2人とも発達医療をすすめられて困惑します。長男は就学のため小学校の支援級の見学や知能検査を受けるも結果は普通級。幼稚園からは次男の検査も急かされ、兄弟で診察を受けに児童発達センターへ。長男はADHD、次男は多動という診断を受け、医師から的確な助言ももらって、息子の育て方に悩んでいた心が少し救われます。結果を伝えると、園長は自分の手柄と言わんばかり。年中になる次男は幼稚園から園外療育を提案され、幼稚園と療育園の並行通園を始めました。夏休みに次男の就学に向けた会議がおこなわれ、幼稚園をやめるという選択肢を提示され、幼稚園の面談でその決断を迫られてーー。夫婦で話し合った結果、幼稚園の退園を決めたと報告すると、主任先生は安心した様子で、園長は笑みを浮かべていました。退園を決めた一番の理由を聞かれ、衝撃を受けるゆーとぴあさん。さんざん退園を迫ってきたのに、最終的な判断は両親が決めた形にしたいようにしか思えませんでした。当の次男は療育園を行きしぶり、幼稚園に行きたいと泣く日が続きます。そんなわが子を見て、息子や自分を責める気持ちと同時に母としての申し訳なさ、これまでの苦悩などいろんいろな気持ちがあふれて、次男を抱きしめて涙が止まらず……。 「安心してくださいね」療育園からの温かい言葉に心から感謝 ※エビリファイ:一般名「アリピプラゾール」。抗精神病薬。心の具合を調整し、気持ちを穏やかにする薬。気持ちのたかぶりをしずめる作用がある。強い不安感や緊張感、興奮状態、うつ状態などさまざまな精神症状に応用され、副作用も比較的少ないとされている。対象は小児期の自閉症スペクトラムに伴う易刺激性で年齢6歳以上18歳未満の使用を目安にしておくとよい。 療育園だけの通園になり、しばらくしてからの面談にて。担任から次男のうれしい報告を受けたあとに幼稚園での様子を聞かれ、園からの逃亡や大変な出来事を話すと驚かれるとともに、園長からは人数の多い幼稚園では時間をかけることができずに、何をすべきかが理解できなかったのだろうが、療育園ではわかるようにきちんと教えていくので安心するようにとの言葉をもらったゆーとぴあさん。幼稚園を退園する時は、療育園に通うことで周りの目が気になったり、将来のことを不安に思うこともありましたが、息子が過ごしやすい支援があるここを選んだことが心からよかったと感じていました。 1年後、次男が年長になった12月。小学校の支援学級の見学でまた幼稚園の園長と偶然再会することに。イキイキしている園長とは対照的に、彼女が引率していた幼稚園の保護者はどんよりした様子。支援級の見学が終わり質問時間になると、幼稚園の保護者が質問をする様子を見てその母親の気持ちが痛いほどよくわかりました。 見学会が終わり、少し園長と話したゆーとぴあさん。次男の様子を聞かれ、園長から提案のあった支援学校も考えたが、病院から処方された薬が息子に合って落ち着いたことを話すと、勉強熱心な園長はその薬の名前をメモしていました。今となっては、次男には療育が必要だったので園長の判断は正しかったし、療育をすすめてくれてよかったと思えていました。 帰り際、一緒に見学をしていた幼稚園の保護者が声をかけてきて、療育に通っていたことを知らなかったと告げられます。支援級にするかどうか尋ねられますが、わが子の支援級は決まっていると答えたゆーとぴあさん。そのママは悩んでいたようでしたが、結局子どもは普通級を選択したようでした。 一緒に見学した幼稚園の保護者のように、幼稚園から療育をすすめられても普通級に通うケースは多いものの、支援級に入る選択もあるよう。長男のように判断に悩むケースもあり、幼稚園や保護者にとって難しい判断を迫られることに違いはありません。 ◇◇◇ 幼稚園から療育園に至るまでの経緯は、ゆーとぴあさん家族にとって生活の負担や気持ちのアップダウンが大きく、決して平坦な道ではありませんでしたが、療育園では息子の理解はもちろん成長をよく見てくれ、保護者の気持ちにも寄り添ってくれるという、ずっと追い求めていたものがありました。 発達障害について義家族や実母からの無理解、幼稚園の園長からの療育への一方的なすすめ。兄弟ともに発達障害の検査を受け、紆余曲折ありたくさん悩んだゆーとぴあさん。できれば幼稚園には療育の勉強だけでなく、保護者の不安な気持ちの共感や寄り添いがあればと思いますが、最終的には理解ある療育園にたどり着けて本当によかったですよね。次男が成長でき、そんなわが子を見ているのも幸せに違いありません。今はまだ大変なこともあるようですが、お子さんと一緒にゆっくり歩んでいってほしいですね。 ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年11月12日発達凸凹じゃないと思っていたけれど、父ラクマにも特性が!?Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。これまで私は、「家族の中で夫だけは発達凸凹タイプではない」と思ってきましたが、ラクマは、子どもたちと妻の私が発達凸凹と気づいた当初から「自分も当事者では?」と言っていました。でも私は彼に「その程度の苦しみかたでは生ぬるい」と答えました。私と子どもたちに比べて発達凸凹の特性に苦しんでいるようには見えなかったからです。ところが最近になって、福祉の専門家たちから、ラクマに発達凸凹当事者としての手記執筆や講演の依頼がたびたび来るようになりました。この状況に、私もラクマが発達凸凹である可能性を認めざるを得なくなりました。どこに行っても、やってはいけないことを必ずやる子どもだったUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイラクマの家族に聞くところによると、幼い頃の彼は、多動・多弁・過集中で味覚・触覚の過敏があり、好奇心の強い子どもだったようです。思いついたら、すぐにやらないと気が済まないので、見慣れないものがあると、とにかく触りたがりました。ラクマの幼児期は今から60年ほど昔のことなので、どの家庭にも暖房器具として火鉢があったそうです。幼いラクマは親戚の家に入るやいなや火鉢を見るとすぐに駆け寄り、ひっくり返しました。家の者が慌てて片づけるの見てゲラゲラ大笑いしていたとか。どうやらラクマは大人も遊んでくれているものと思ったらしいです。その頃は、彼が親戚の家に行くと、どの家庭もあわてて貴重品を手の届かないところに隠したそうです。また、道路では後ろ歩きをしてドブにはまり(当時は側溝に蓋がない)、街に出ると知らない人について行っていつの間にか隣の席で一緒に映画を観ていたりして、家族をパニックに陥らせていました。高い塀から飛び降りて釘を踏み抜いたり、階段から転げ落ちて頭を縫ったり、急いで窓を開けようとしてガラスを割って手首を切ったり……。考える前に行動して失敗したエピソードは数えきれないほどでした。4歳上のラクマの姉は「ラクマは将来、どんな大人になるだろうか」と心配かつ楽しみであったそうです。親族たちは「ラクマは落ち着きがなさすぎるから、まともに学校へ通えないだろう」と予想していたのでした。学校では問題児でトラブルだらけ。でも本人は問題だとは感じてなかったUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ多くの親戚の予想に反して、ラクマは毎日きちんと学校に通いました。ところが小学生になる少し前に吃音が始まりました。話し始めの言葉がうまく出ないのです。「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくは、サ、サ、サ、サッカーがしたい」という感じです。早く、たくさん話したいという焦りがあったのかもしれません。給食はほとんどの野菜が食べられないため完食指導で何度も吐きそうになり、地獄だったそうです。シャツのタグはすぐに破り捨て、セーターは当時から今も着ることができません。授業中は先生と争うようにしゃべりまくり、窓の外の動きや音に気を奪われてボーッとしたりしていました。小学1年生になってもひらがなで自分の名前が書けませんでしたが、2年生になって初めて名前を書いたら、先生が感動してホームルームで「今日初めてラクマ君が自分の名前を書きました」とうれしそうに発表するのを聞いて驚いたそうです。本人からすれば「勉強は簡単そうで、いつでもできるからやらなかっただけ」だったため、教師の評価は心外だったのでしょう。こんな調子ですから、クラスメイトからいじめやからかいの対象にされることが多かったのですが、本人はキレやすいタイプだったので、教室や運動場でよく取っ組み合いの喧嘩をしていました。ラクマ本人は自分に問題があるとは感じておらず、むしろ周りのほうに問題があると思っていたようです。ラクマの母は4年生になっても勉強ができない息子を心配して、大学生の家庭教師をつけました。ある日、家庭教師がローマ字を教えようとしたところ、ラクマは五十音を覚えていないどころか、そもそも五十音というものがあることすら知りませんでした。家庭教師はすぐにやめてしまったようです。どうやら、さじを投げられたみたいです。図書係になって読書にはまると、学業面でも劇的な進歩がUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ家庭・地域・学校で問題だらけの息子に心労が絶えなかったラクマの母は、もともと小柄なのに、10キロ以上も痩せてしまったそうです。悩んだラクマの母は、息子を落ち着かせたい一心で書道などの習い事や野球、サッカー、ゲーム、プラモデルなどを手当たりしだいやらせてみました。ところが何をやってもわりあいすぐに上達するのに、続けることができません。5年生になった時、母はラクマに、図書係になることを強く勧めました。図書係になったラクマは、いきなり読書に没頭するようになりました。書架にある本をかたっぱしから読んで、卒業する前に学校の図書室の本を全部読み、それでも足りずに母親に頼んで新刊が出る度に購入していました。休日になると朝から書店に行って新刊を買うと、すぐに家で読み始め、最後まで読み終えて本から顔を上げると、いつのまにか夜になっていて驚くことが度々あったそうです。読書に熱中して半年ほど経つと集中力がついて、先生の話がしっかり聞けるようになり、周囲が驚くほどいきなり成績がアップ。学年でもトップクラスの成績になりました。吃音も次第に目立たなくなり、中学になるとほとんど消えていました。本の虫になったラクマは「大人になったら本を読んだり書いたりする仕事につきたい」と思い描くようになりました。仕事で培った技術を家族への工夫に活かし、その内容を絵本やマンガ・エッセイで発表Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ小学生の頃、小柄で問題児だったラクマは、高校から背が高くなり、大学中退後に広告代理店に勤務してコピーライター職につき、物静かな大人になりました。少年時代の彼を知る幼なじみや親族からは「まるで別人のようだ」と、よく驚かれるそうです。ラクマは大人になって一見大きく変わったようですが、実のところ、過集中な特性はあまり変わっていないようにも見受けられます。読書にはまると今でも時間が分からなくなり、あまりにも飛行機や電車などを乗り忘れるので、空港や駅では決して本を読まないというマイルールを今も守っています。コピーライターは映像やイラスト、キャラクターなどと言葉の表現を組みわせて、多くの人に情報を伝える技術です。結婚して子どもが4人になり、家族全員が発達凸凹当事者だと気づくと、彼の過集中な特性やコピーライターとしての技術が、家族を元気にするための工夫に活かされてきました。家族それぞれの発達凸凹の特性をキャクター化してデザインし、それぞれのキャラクターを言語化したネーミングで、家族の工夫のストーリーをマンガでまとめています。ラクマは、家族全員の技術を持ち寄って、映画や絵本などを作りたいという夢を思い描いています。4人の子どもたちは、それぞれ商業映画やTVコマーシャル、イラスト、フラワーアレンジ、英会話の分野で活動していますので、その夢の実現も遠いことではないかもしれません。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:森先生より)発達障害のある方の中には「周りがやっているから自分もやっておこう」という考え方があまり馴染まない方もいます。ですので、子供の頃は勉強をする意味が分からなくて「勉強ができない」と誤解されてしまうケースもあります。しかし、ひとたび興味を惹かれたり、目的のために必要だと本人が考えると、爆発的なエネルギーで勉強に向かうこともあります。「過集中」と呼ばれ、それこそ、興味を惹かれる物事には寝食を忘れて没頭することもめずらしくありません。ラクマさんにとっては、読書や表現に興味を惹かれて、そしてそれが世間からも求められる形で才能を発揮できるコピーライターはまさに天職。ラクマさんのお母様は、ラクマさんにいろいろな習い事を経験させる中で向いていそうなことを探して、図書係を勧めてくれたのでしょうね。このように、才能をうまく発揮できる方向を、親子で探っていけると生きやすくなるでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月10日私は製薬会社で化粧品の研究と開発をしている理系女子(リケジョ)です。大学時代に5歳年上の夫と出会って結婚し、幸せな日々を送っています。義両親や義兄はとてもいい人なのですが、義姉とその息子がとてもわがまで、義兄も甥の将来を心配している様子。 そんなある日、事件が起こってしまいました……。 義姉に甥っ子の宿題を押し付けられて……ある日、義姉と小3の甥が急に私の家にやって来ました。そして、「ママ友グループで旅行に行くから夏休みの宿題やっといて!」と言ってきたのです。甥も「おばちゃん、頭いいんでしょ? だったらその頭の良さが本当かどうか、こういう時に見せてよ」と挑発してきました。 宿題を押し付けられ、心底腹の立った私は、夫と義兄に連絡をして2人をギャフンと言わせるために作戦を立てました。1週間後、私はリケジョのプライドをかけ、宿題をすべて終わらせました。 宿題の逆襲!義姉と甥の大誤算私は「中身を確認してくださいね」と言って手渡したものの、甥はそのまま学校に提出した様子。私の作戦通り、2学期が始まった途端、義姉と甥が怒りながら私の家へやって来ました。 実は、小学3年生のレベルを大幅に超えて、私の知識を総動員して宿題を解いたのです。算数の解き方もわざと難しい公式を使い、読書感想文のために読んだ本は哲学書。甥が自分でやっていないことがすぐに先生にばれ、親子で叱られたそうです。 「あんたのせいで怒られた!」と怒る2人に対し、私は「全力でやれって言ったのも、中身を確認せずに提出したのもお2人ですよ?」と反論。義姉は「全部の宿題をやり直しになったんだから、もう一度ちゃんとやり直すか、私と息子に迷惑料払いなさいよねっ!」と言ってきました。 義兄に怒られてそのとき、私から連絡を受けていた義兄と夫が部屋に入ってきました。そして、義姉と甥に「お前たちはどれだけ迷惑をかければ気が済むんだ?!」「自分の宿題を自分で全部やるのは当たり前だろ!」と激怒。 義兄は「迷惑料を払えだって? ふざけるな! お前が遊んでる間、彼女は必死に宿題をやってくれたんだぞ! お前が自分で働いて迷惑料を払え! できないならもう離婚だ!」と言い渡し、義姉は大慌て! 義姉は慌ててパートを見つけて働き始めました。そして、甥は自分の力で宿題をやり直すことに。 甥っ子は勉強好きにその後、懸命に宿題をやった甥は勉強に目覚めたようで、自ら塾へ行きたがり、以前の自己中心的な態度から、真面目な男の子へと変化していきました。そして、先日甥から電話があり「おばちゃん、この前はごめんなさい。僕、勉強を教えて欲しいんだけど……」と言ってきたのです。私はその申し出に喜び、甥に勉強を教えるようになりました。 長い人生の中でたとえ失敗したとしても、気持ちを入れ替えて取り組めばやり直せるものです。これからは、家族全員で甥と義姉の再スタートを応援するつもりです。著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2023年11月02日3児のママとして奮闘するオニハハ。さんの長男・イチくんは小学生。親として何よりも驚いたのが、自分が子どものころより圧倒的に多い宿題量。親がつきっきりでないとイチくんの集中力は続かず、かといって、下の子2人の世話も、夕食の準備も放棄できない……。しかも、夫は帰宅が遅く、頼ることもできません。学年が上がるにつれ、宿題は増える一方。3年生になったイチくんは、宿題を終わらせないまま登校します。それでも先生に叱れることはなく、味を占めたイチくんは無敵状態に。しかし、ついに先生から自宅へ電話がかかってきてしまいます。無理にでも宿題をやらせるべきか否か、オニハハ。さんは悩みますが、夫は「宿題やった覚えねぇし」と言うのです。「でも俺、子どものころに宿題やった覚えねぇし」——。 夫の意外な一言に目からウロコのオニハハさん。は、「宿題をやる意味」について考え始めます。 必死に説明してみたけれど… 「ちゃんと説明できる自信ないな……」 オニハハ。さんは「宿題をする理由」について検索。大量の宿題を前にやる気をなくしそうなイチくん本人にも、同じ質問をします。 「勉強しないとバカになるからでしょ。俺、バカだもん」 「イチはバカじゃないよー!! テストだって、いい点取れてるし!」 オニハハ。さんは沈んだ表情を浮かべるイチくんを目いっぱい励ましながら、宿題をする理由を伝えます。 しかし、イチくんの表情は曇ったまま……。 「わかった、頑張る!!」 オニハハ。さんの必死さに根負けしたのか、一度は机に向かったイチくん。しかし、やる気も長くは続かず、数分後には力尽きてしまいます。 イチくんを奮起させるべく、宿題をする理由について、オニハハ。さんは自身の後悔やイチくんの未来も交えながら説明しますが…… 「お母さんは大学行ったの? じゃあ、俺も行かない」 大学に進学していないオニハハ。さんは、完全なる図星。 それでも宿題をすることの先にあるメリットを語り続けますが…… 「勉強していなくても、お父さんもお母さんも、今、幸せそうだもん!」 オニハハ。さんの頑張りもむなしく、イチくんは満面の笑み。説得するどころか、むしろ複雑な気持ちになってしまうのでした。 宿題をする理由、大人でも戸惑ってしまう質問ですよね。 子どもに宿題をさせることは、大人にとっても大きな苦労。すると、ついつい隣の芝が青く見えそうなものですが、宿題があるのは他国も同様の様子。国際的な学力調査団体によれば、調査に参加した60以上の国と地域のすべてに宿題が課されていたとか。 宿題に取り組ませることへの親の悩みは、もしかすると万国共通なのかもしれません。>>次の話著者:マンガ家・イラストレーター オニハハ。
2023年10月25日心身が限界を超えてしまった7月に入り、日本語教師養成講座で模擬授業をどんどんこなしていた時期のこと。自分の模擬授業が終わって少しした時に、急に激しい胃痛と吐き気が襲ってきました。ASDのある私は、さまざまな刺激に敏感に反応をし、体調に影響が出てしまう傾向があります。6月半ばに母を亡くし、その時点ですでに体調を崩していたのですが、日本語教師養成講座のスクールの都合で、7月からのハードスケジュールをこなさなければなりませんでした。「かなりの無理がかかる」と分かりつつもその無理をこなしていた状況だったので、胃腸症状が出た時には「案の定、きたな……」と思いました。7月からの2ヶ月間は想像以上にきつく、土日もずっと休みなしに模擬授業の教案を作っている状態。このままでは本当に倒れてしまうと思いましたが、この科目は授業の編成上、途中で別の日程に振り替えることができないことが分かりました。仕方なく、私は大学受験で無理をしすぎて以来、絶対自らは選ばなかった「死ぬ気の頑張り」を自分に強いました。それからはやはり、胃痛と食欲不振、下痢傾向が続き、入眠のしにくさ、睡眠の質の低下も出てきました。悪いことに8月に入ると新型コロナにまでかかり、残遺症状がプラスされてもうわけが分からないぐらいあちこち具合が悪くなりました。この夏の異常な暑さもあいまって、本当に参りました。どうにか8月末近くに実践系の授業を終えた私は、「誰がなんと言おうと残りの課程を後ろ倒しにしなければ年単位で再起不能になる」と思い、9月から数ヶ月、徹底的に休むことに決めました。心身の負荷が閾値を超えた最大のサインは「食べられない、寝られない」私は、心身の負担が閾値を超えたサインとして、まず「食べられない、寝られない」を設定しています。過労やうつ傾向などで病院に行く目安もこの2点だと言われているのを聞いたことがあります。食事と睡眠は生命維持に不可欠な要素ですから、ここがうまくいかなくなると事態は深刻だということになりますね。私の場合、ここに痛みと精神症状を加味して考えています。体のどこかが常に痛い(頭痛、腱鞘炎、腰痛など。自律神経が参っているところから、筋肉が常に過緊張状態にあるのではと考えています。頭痛は思うように洗髪できなくなるレベルになると深刻な状態)気持ちのざわつき(頭の中で思考が止まらず、ずっとくるくる回っていて、スイッチオフができないような状態)イライラ(私はこんなに頑張ってるのに! みたいな感じで、普段よりも狭量になる。イライラした瞬間に胃がキュッとさしこむのも感じていました)サインが出たらすぐに対処を心身への負荷が閾値を超えたと思ったら、すぐに対処することが必要です。ケアが遅れるほどに回復に時間がかかります。私は今回、サインが出てからやむをえず2ヶ月ぐらい無理を重ねてしまいましたが、経験上「回復にはケアせずにいた期間の半分は必要」と考えています。たとえば、私は2ヶ月間無理してしまったので、1ヶ月間は全てを投げうって完全に休養することが必要、といった要領です。今までで一番回復に時間がかかったエピソードとしては、大学受験でしょう。少なくとも高校の3年間ずっと過労状態で、風邪をひくと治らず、一度は血尿血便を出して倒れたこともありました。受験直前は睡眠、トイレ、食事、お風呂のほかをすべて勉強に注ぎ、1日に16時間は勉強していたので、受験を終えたらバーンアウトしてしまい、大学時代はほぼ棒に振ってしまうことに。以来、「勉強する」ということ自体がトラウマになってしまいました。まずは医者にかかる元気を出す……私の回復方法体調を崩してしまったら、まずは医者にかかるのが何より大事です。ただしここには、「医者に行けるだけの元気も出ないときがある」という問題があります。このため、深刻に体調を崩したときは、まずは負荷となることをすべて放り出して、「ともかく寝る、少なくとも横になる」というステップが必要になります。とにかく横になり、少しでも気力体力を回復させるもともと食事は夫の担当で、掃除洗濯が私の担当。普段より掃除機の頻度が下がったり、洗濯はなんとかできるけれどたたんでしまうのができなかったりというのを我慢してもらい、お風呂は洗ってもらったりすることも。夫の都合がよいときは、頼んで車で病院に送り迎えしてもらうこともあります。医者にかかり、症状に合う薬を処方してもらうまずは精神科の主治医のところに行きます。内科も必要そうならかかります。片頭痛がひどいときは脳神経外科に行きます。薬の調整をしてもらって、少しでも回復力のあるよい睡眠がとれ、食べる気力が出るようにしてもらいます。少し回復してきたら鍼灸へ体調の底を脱したら、何度か鍼灸に行きます。3日に1回ぐらいじっくりやってもらうのを数回繰り返します。私の場合、これでさらによく眠れるようになり、身体の緊張が抜けてきます。動けるようになってきたら家の中でストレッチや軽い家事家で起きていられる時間が出てきたら、ヨガやストレッチでさらに身体を整え、投げうっていた家事を少しずつ再開します。少しでも家事ができるようになってくると家の中もさっぱりし、気持ちも明るくなってきます。通常の生活に戻るステップ4の段階を終えたら、少しずつ通常の生活に戻ります。朝起きて昼に活動して夜に眠る。疲れてるなと思ったら少し昼寝したり、早寝したり。体調不良の原因となるような生活スタイルに戻らないように注意します。普段から自分をよく観察し、かかりつけの病院をまじめで、つい無理してしまう人も多いと思います。しかし、長く健康に仕事や勉強をし続けられるように、自分の状態をよく見て適宜休みをとり、頑張りの度合いを調整するのも、とても大事な誠実さだと思います。自分の人生を生きるのは自分の心身しかありません。できるだけ無理はしないように心がけたいと私は思っています。また、体調を崩したとき、とっさにかかっても普段の自分の様子を把握してくれている医者がいるのは心強いし、受診もスムーズです。このためにも、普段からかかりつけの医者を持っておくことをお勧めしたいです。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)一般的には、まじめな人ほど鬱になりやすいと言われています。またASD特性がある方は感覚過敏、特に音過敏があるので静かな環境が望ましいのです。学校や職場の環境が良くないと、ストレスという心の摩耗が進み体調を崩す傾向があります。そのためにはできるだけ「無理をしない」事とリフレッシュする事が重要です。何でもいいので何らかのスポーツを定期的にすることをお勧めしています。心のストレスを発散できる可能性が高いからです。また、体を動かすことで睡眠も良くなるかもしれません。子どもも大人も日中の活動性を高めることが重要なのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月22日インクルーシブ教育システムとはインクルーシブ(inclusive)とは「包摂的な」「包み込む」という意味を持っており、インクルーシブ教育とは「誰も排除せず、すべてを包み込む教育」とされています。現在の日本の学校ではマジョリティ(多数派)の子ども中心のつくりとなっています。例えば、障害のない子ども、シスジェンダー(生まれたときの性別と自分が自認している性別が一致している)の子ども、家庭環境が安定している子どもなどです。しかし、実際の社会の中には障害のある子ども、性的マイノリティの子ども、外国にルーツのある子ども、社会的養護が必要な家庭の子どもなどもいます。そのようなマイノリティ(少数派)の子どもたちが排除されないように、マジョリティ、マイノリティ関係なく誰もが当たり前に通常の学校に通えるように教育システムを変えていくことがインクルーシブ教育においては必要です。日本では、障害者の権利に関する条約を踏まえて、インクルーシブ教育システムの構築が進められています。インクルーシブ教育システムとは文部科学省でこのように定義されています。「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。引用:共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)概要|文部科学省このコラムでは、・インクルーシブ教育って?・インクルーシブ教育の実践例・合理的配慮の手順・インクルーシブ教育の課題・インクルーシブ教育を広めるために保護者ができることなど、インクルーシブ教育についてのギモンから、課題まで専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【専門家が回答】メリット、デメリットは?実践例や保護者ができることなどインクルーシブ教育を分かりやすく解説!ここからはインクルーシブ教育・インクルージョン研究者/一般社団法人UNIVA 理事の野口 晃菜先生にインクルーシブ教育についての質問にお答えいただきます。(質問)「インクルーシブ教育」という言葉を最近よく聞くようになりました。「みんな一緒に」という考え方ということなのでしょうか。一体どのようなものなのか分かりやすく教えてほしいです。(回答)多様な子どもがいることを前提とした教育です。教育の形を何も変えずに、ただ多様な子どもが同じ場にいるだけではインクルーシブ教育ではありません。インクルーシブ教育のためには、学校教育の在り方そのもの、例えば先生や子どもの人数、カリキュラム、学校経営や学級経営、授業づくりの在り方などを見直し、変革していく必要があります。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに発達障害があり、「インクルーシブ教育」について関心があります。今世界や日本で実際に行われているインクルーシブ教育にはどのようなものがあるのでしょうか。(回答)通常の学級における授業のスタイルや学級経営のスタイルを、多様な子どもがいることを前提に変えている学校がたくさんあります。例えば、教科書を使って、先生が黒板に板書をして、一斉指導をするスタイルではなく、一人ひとり自分のペースに応じて学ぶ授業スタイルや、テーマに沿ったプロジェクト型学習を自分で計画して進めるスタイルの授業など。一人ひとりが違う興味関心があり、得意な学び方が異なり、休み時間の過ごし方も異なる、など、多様な子どもがいることを前提とした学級経営や授業づくりをした上で、個々に必要な合理的配慮をすることがポイントです。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに発達障害があり、特性から学校で苦労していることが多くあります。このような場合インクルーシブ教育のために合理的配慮などをお願いできるのでしょうか。先生への伝え方や手順、あると役立つものなども教えていただけるとうれしいです。(回答)合理的配慮は、障害者差別解消法という法律において義務付けられています。ぜひ合理的配慮を学校に意思表明してください。お子さんの年齢や特徴にもよるかと思いますが、なるべくお子さんとどのような合理的配慮が学校であるとよいか、まずは話し合ってみてください。ポイントは、まずは学校においてお子さんが学ぶ上でのバリアがどこにあるのかを先生と話すこと。その上でそのバリアを解消するための合理的配慮について話し合うことです。もし学校側が保護者の方が提案した合理的配慮が難しいという場合、その理由を聞いてみてください。その上で、どのような合理的配慮であれば可能かを、ぜひ話し合ってみてください。可能であれば、その場に子どもさん自身が参加されることをお勧めします。担任の先生のみでなく、特別支援教育コーディネーターや管理職の先生にも同席をしてもらうと、いろんなアイディアがでてくると思います。「バリアをどう解消するか?」という観点からぶれずにみなさんで対話をしてみてください。学校における合理的配慮の事例は、国立特別支援教育総合研究所のインクルDBにたくさん掲載されています。そのほかにも、私が編著として9月に出版した書籍「LD(ラーニングディファレンス)の子がみつけたこんな勉強法学び方はひとつじゃない! - 合同出版」にも合理的配慮の事例や、そのためのプロセスがたくさん掲載されていますので、参考にしてみてください。参考: インクルーシブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)|国立特別支援教育総合研究所参考:LD(ラーニングディファレンス)の子がみつけたこんな勉強法学び方はひとつじゃない!|合同出版Upload By 発達障害のキホン(質問)インクルーシブ教育がもっと日本に浸透すればいいのにと思っています。広めていくためにはどのような課題があるのでしょうか。(回答)インクルーシブ教育は障害のみの話ではなく、子どもたちは多様であることを前提とした教育です。そのためには、障害分野のみでインクルーシブ教育の議論をしたり、制度をつくるのでは限界があります。日本には不登校状態の子どもも、外国にルーツのある子ども、性的マイノリティの子もたくさんいます。学校教育そのものをどのように変えていくのか、より大きな視点での議論が必要です。教育施策の中で優先順位を上げていくために、より多くの人が知り、関心を持てるような工夫が必要です。そもそも教育そのものにもっと予算が割かれることも必要です。Upload By 発達障害のキホン(質問)通っている学校などでもっとインクルーシブ教育を知ってもらうために、保護者としてできることはあるのでしょうか。(回答)上記のご質問への回答とも重なりますが、まずはご自身のお子さんにとって今の学校で学ぶ上でのバリアはなにかを明らかにし、その解消方法として合理的配慮の意思表明を学校にしていただくことができることかと思います。学校はまだ合理的配慮に慣れていません。みなさんの行動により、学校にとって合理的配慮がどんどん当たり前のものになっていくと思います。また、ぜひその経験を周りの保護者とも共有してみてください。Upload By 発達障害のキホンインクルーシブ教育にまつわる関連コラム(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年10月21日子どものチーム入団で10数年ぶりにサッカー現場に。今は国内外の指導について情報を勉強中のコーチ。サカイクのSNSで池上さんのドイツ視察を見ての質問。最近日本代表はドイツに2勝するなど強くなってきているが、ドイツ視察に行ってみて日本の育成現場と大きく違うのは何?指導経験が浅くても取り入れられるメニューがあったら教えて。とのことジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、4回目となるこの夏のドイツ視察で見てきたことを元にアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ボールを奪われない距離感が日本と海外では違う、相手に奪われない適切な距離の取り方を教えて<お父さんコーチからの質問>池上さん、こんにちは。地方都市の少年団で5、6年生を担当しています。サッカーはそこそこ強豪校でやっていて、大学でも趣味で続けてはいましたが、指導の勉強をしたことはありません。息子がチームに所属して、十年以上ぶりぐらいでサッカーに関わった保護者コーチです。そのため、ネットなどで国内外の指導について勉強中です。サカイクのSNSでこの夏ドイツ視察に行かれていたことを知りました。ドイツは育成大国で、その取り組みは日本も導入してきているのは知っています。最近代表レベルではドイツに2勝したり、日本の育成も世界と比べても評価できるのではないかと思っているのですが、実際ドイツ視察を行って育成年代で日本と大きく違う事はどんなことがありましたか。指導経験が浅い保護者コーチでも簡単に取り組める練習メニューなどがあれば教えてください。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。私がドイツの小学生のプレーを観たのは、ブンデスリーガの下部組織でした。小学生たちが、12歳でボール運びができ、戦術をしっかり理解してサッカーをやっていることに驚きました。いいタイミングでスペースに飛び込んだ子に、これもいいタイミングでパスが出ていました。精度の差こそあれ、やっているサッカーはトップチームの選手たちと変わらないのです。一方、日本の子どもはボールをもらうとまずドリブル。速い展開やボール運びはできません。ただ、私が観たドイツの子はプロクラブの下部組織なので、いわゆる「選ばれし子どもたち」です。だったら、そうではない一般のアマチュアの街クラブでは、どんなふうなのか。どんな指導環境なのか。そこを学びたくて、日本の町クラブの指導者たちとドイツに視察に行き始めました。■流れるようなボール運び、戦術理解ドイツと日本の育成で最も違う点コロナの影響でいけなかった年もありますが、今年で4回目になります。この夏は、2つのグループに分けて、一方はドイツからオランダに足を伸ばすツアーを加えました。結論から言うと、街クラブの子どもたちも流れるようなボール運びができ、戦術を理解していました。サッカー偏差値の高さはブンデスリーガの子どもたちと変わりません。つまり、ドイツと日本の育成で最も違う点は「技術ではなく戦術理解の指導を優先する」ことだと感じました。具体的に言えば、指導者がサッカーの入り口に立つ小学生に、その瞬間どこにどのように動いたほうがいいのか、何を、どこを見たらいいのか、ピンチのときどうやって守ったらいいのか、を教えることです。決して、止める・蹴るといった足元の技術から教えません。止まったまま2人組でキックを蹴ったり、ひとりでコーンドリブルをするといった日本でよく見る練習は、ドイツでは一切見たことがありません。パス交換やドリブルなど基礎的なスキル練習らしいことも時折やりますが、いつも2人から3人組で行う。常に「他者(の意志)を感じる」力を育めるよう、なおかつサッカーを楽しめる練習が行われていました。そして、当然ではありますが、コーチたちは怒ったり、焦ったりして大声を出したり、出来ない子を責めたりはほとんどありませんでした。指導者も子どもたちも、まさしくサッカーを楽しんでいました。だからでしょう。私たちはドイツで団子サッカーを見たことがありません。試合を視察すると、町のどんなチームでもほとんどがゴールキーパーからビルドアップをします。キーパーはパントキックをしないし、バックの選手から前線へのロングボールもありませんでした。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■日本は技術→認知→判断で指導するが、ドイツや欧州のサッカー先進国では逆この連載でも何度か「教えることの順番が違いますよ」という話をしました。日本はこれまで、技術→認知→判断で指導してきましたが、ドイツをはじめ欧州のサッカー先進国ではその逆です。足元の技術がおぼつかなくても、ボールを運ぶ練習をしてサッカーの本質を知ることから始めます。最初に判断力を磨き、認知を深めます。そうすると、ポジショニングは良かったのにトラップをミスするといった状況がたくさん出てきます。そこで初めて「じゃあ、ボールコントロールの練習もしてみよう」となれば、子どもたちは意欲的に取り組みます。もうサッカーの「やり方」はわかっているので、あとは細かいミスをなくせばいいだけです。その流れで、ドイツでは中学生や高校生年代で、もう一度足元のスキルアップを意識させるような練習をやります。このようなロードマップで育成すると「小さいときは上手かったのに、大きくなったら下手になった」とか「足元は上手いけれど、オフ・ザ・ボールの動き方が理解できないのが弱点」といった選手は出てこないのです。もうちょっと年齢が上がってユースレベルのカテゴリーになると、コーチは「タイミングをうまく合わせよう」と声をかけます。例えば「今、君がもう少し我慢して、このタイミングで走り込んだらチャンスになったね」といったアドバイスです。決してパスを「正確に蹴りなさい」ではないのです。■田中碧選手の所属チームでは擬人法を使って「サッカーの本質」を伝えている(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)田中碧選手が在籍するフォルトゥナ ・デュッセルドルフにも視察に行った際、広報を務める日本人スタッフの方にとても興味深い話を聞きました。フォルトナでは小学生に大事なことを伝えるときに、擬人法を使うそうです。動物に例えるのです。「さあ、君たちはオオカミの群れです。獲物をとらえるために、みんなそれぞれ役割が決まっている。みんなで協力して狩りをして、みんなで美味しい食事をしよう。でも、誰かひとりでも一匹オオカミになってしまうと、協力し合えない。一匹オオカミはひとりでえさをとれなくて死んでしまうんだ。だから一匹オオカミを作ってはいけないよ」これはサッカーというスポーツはみんなでやるものだ。自分勝手にプレーしないことが大切だ。チームで動かなくてはいけない――そんなサッカーの本質を子どもにわかりやすく伝えるため、狼に例えています。さらに、ピッチの上で首を振っていっぱい見たほうがいい、と視野を取る重要性を伝えるときは「フクロウの眼のようになれ」を挙げます。フクロウは右と左の眼球をバラバラに動かせます。いろんなところがいっぱい見られるというわけです。サッカーを理解してもらうために、どうすれば子どもに伝わるかにとてもエネルギーを割いていました。大人から「ちゃんと見ろ」とか「走れ」といった抽象的な声掛けも耳にしませんでした。メニューはネットでも本でもどこからでも引っ張れます。まずは、ここまで説明したことを参考にして、ボールを運ぶことを理解させてください。メニューはひとりでやらないものを軸に選んでください。こちらの連載でもメニューの話はたくさん出てくるのでチェックしてみてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年10月20日小2まで何も指摘されなかったけれど、9歳で分かった発達障害現在12歳の息子は9歳で自閉スペクトラム症(ASD)、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)、LDの診断を受けました。息子は、イヤイヤ期の時はそれなりに大変ではありましたが、産まれてから小2の秋頃までは発達に遅れや気になる部分はありませんでした。定期健診でも何も指摘されず、園や学校の担任からも問題なしと言われ続けてきました。そんな息子に変化があったのは、小学校2年生の2学期頃でした。登校渋りが始まり、家で癇癪·暴言が……この頃から息子は宿題を極度に嫌がるようになりました。それまでは、学校のテストではそれなりの点数がとれていたのですが、かけ算につまづいた頃から、10点や20点といったテストを持ち帰るようになったのです。当然宿題も難しかったのでしょう。泣きながら夜遅くまでかかることもありました……。Upload By ユーザー体験談自力では授業に追いつけなくなったことで、周りのみんなから取り残される不安、劣等感から、ちょっとしたことで癇癪や暴言がでるようになりました。これはのちに、反抗挑戦性障害と診断されることになります。そして登校渋りも始まりました。完璧主義の息子は「学校へ行くのはつらい」けれど「休んでしまう自分を許せない」という気持ちの間で毎日激しく揺れていました。どっちにも進めず、登校前には玄関で泣きわめく日々……。私もどうしたらいいか迷う毎日でしたが、担任の先生には登校を促してほしいと言われたため、ただただ息子に登校するよう促す毎日でした。そんな中、学年の年度末からコロナ禍による休校に突入。ここから息子はもっと荒れていきました。Upload By ユーザー体験談「お母さんが僕をこんな風にしたんだ!」暴言・暴力がエスカレートし、児童精神科を受診3年生に進級後も休校は続いたため、学校からはたくさんの自宅学習用の課題(宿題)が出されました。息子はこれをこなすことができず、癇癪を起こしました。結局休校明けは初めて課題を終えることなく登校していきました。完璧主義の息子にとって、とてもつらいことだったと思います。そして現実逃避からか、ゲームにのめりこむようになりました。上手くいかないと暴言・暴力です。「なんでこんなゲーム作りやがったんだ!」「お母さん!ゲーム会社に文句言ってよ!」(コントローラーを投げつける)止めたり諭すと今度は矛先がこちらに向きます。「お前が僕をこんな風にさせたんだろ!」と殴りかかってきたり、壁を殴り蹴り穴を開け……。きょうだいにも八つ当たりすることもあり、私はそれを必死で止めました。Upload By ユーザー体験談ゲーム以外でも、例えば髪が伸びる、爪が伸びるといったことでさえ「伸びるな!」とキレてしまいます。切ってもらうのが面倒臭いからのようです。また、食べこぼしをすると「なんだ!この皿は!」と。全てに対して他責的です。何を言っても否定·反発しかされないので、何も言わずに様子を見ていると「聞いてんのか⁉」「返事しろ!」と壁や床を叩き気を引いてきます。外では完璧主義からかいい子にしている息子は、その反動で家では「かまってちゃん」。こちらが反応するまで続くので、無視もできない状態です。そしてついにポツリポツリと学校を休むことが増えてきました。児童精神科で検査をしたところ、自閉スペクトラム症(ASD)、反抗挑戦性障害、LDの診断で、学力は「実年齢より2学年下」という結果をいただきました。私は「やっぱりな……」と思いました。完全不登校、学力は小2~小3の息子の進学先は……それから現在に至るまで、息子は完全に不登校です。支援センターや児童精神科など各所相談しましたが、本人は嫌がるので親だけが通う日々です。ただ、幸いにも学校が非常に協力的で、通常学級に在籍しながら特別支援学級を自由に受けられるようにしてくださり、本人が行けそうな授業だけ単発で飛び入り参加することが時々あります。少しずつ増やしていこうと話しています。そんな息子についての現在の悩みは、中学への進学です。息子自身は自分の将来については、あまり考えていないように親からは見えます。「学校へは行けるようになりたいけれど、頑張るのはつらいし面倒臭い」というのが本人の弁です。現在の適応は情緒クラスなのですが、学校へは特に以下のポイントに絞って相談しました。・もし登校した場合、現在の学力は小2~小3くらいなので中1の勉強は理解できない可能性が高い。勉強が分からず不登校に逆戻りでは元も子もない。とにかく勉学がどうとかよりも「登校できる」を最優先に考えたい。・中学も不登校かもしれないが、いつ「行く」と言うか分からないので、少しでも登校できる可能性の高いところを希望したい。相談の結果、一番登校できる可能性の高そうな学校・学級を選択し、申し込みました。本人には就学の面接だけを嫌々ながらも受けてもらいました。Upload By ユーザー体験談暴力は減りました。母の願いは「失敗を恐れず成功への糧にできる人になってほしい」幸いにも今は激しい暴力はなくなりましたが、心がキャパオーバーになると暴言は出てしまいます。息子には自分で考えて行動できる人になって欲しいと思っています。ですので、学校へ行くも行かないも、勉強するもしないも、何をして楽しむかも自分で決めること。自らの力で選んでほしいです。ただ、家族やほかの人と過ごすためには、最低限のルールを守ることが必要です。相手が困ることはしない、暴言暴力はしない……これだけできれば、人との関係も築いていけるのではないかと思います。また、世の中には誰にもどうにもできないことがあり、それは泣いても叫んでも怒っても暴れても叶うことはないので、折り合いをつける能力を身につけられたら……。完璧主義が故に失敗を恐れすぎている息子なので、失敗は悪い事でも時間の無駄でもなく、今後の成功への糧にできるものなんだと、前向きにとらえて行ってほしいです。これから息子がどのように成長していくのか、親として寄り添っていきたいと思います。イラスト/星河ばよ※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:新美先生)学校は、全員が同じ場所で同じやり方で学習・活動を一律に行うのが当たり前とされているので、たまたまそのやり方、進み方に合わないお子さんにとっては、「みんながやれていることをやれない自分」に直面させられて追い詰められてしまうということが簡単に起きてしまいます。息子さん、たった2年生という幼い時期に本当につらい思いをされたのだと思います。追い詰められてどうにもならないストレスが、癇癪、暴言・暴力という形で噴出したのでしょう。「お母さんが僕をこんな風にしたんだろ!」という言葉は、本人のどうにもならない行き場のない苦しさの表れで、決してお母さんが悪いわけじゃないと理解しても、それをわが子から言われたらどれほどつらかったことかと思います。息子さんもお母さんも本当にお疲れ様です。そんな、経緯をくぐりぬけ、学校に行かないまま中学進学をむかえるというのは、親子ともに複雑な心境を抱かれているかと思います。中学は行くか行かないか分からなくても、もし行く気になった時のために、在籍級を進学前から決めておかなきゃいけないという学校の融通のなさにいら立ちつつ(注:いら立っているのはコメントしている私で、記事内容では全くそんなことは書かれていません)、もし登校できた場合に一番行きやすそうな場所を選んだ、その保護者としての思いを聞かせてくださり、記事を読んでとても共感しました。記事には息子さんの「学校へは行けるようになりたいけれど、頑張るのはつらいし面倒臭い」という発言が書かれていました。「面倒臭い」ということばの裏には、小2の時期に極限まで頑張って燃え尽きてしまった苦しい記憶が反映されているのかもしれません。この先の人生の中で、息子さんにとって適した環境、頑張ることで報われる機会をスモールステップで経験することで、頑張っても頑張ってもつらすぎた記憶が上書きされていくことを願うばかりです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年10月20日話を最後まで聞けずに、すぐに動き出す次女は、話終わるまで手を握るUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族のほぼ全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。幼児の頃から動きが大きくて速かった次女リスミーは、小学生になるとますます活発な子どもに育ちました。リスミーは食欲もあり、親族からは「一日中、何かを食べている子だね」と言われていました。よく動くせいか、食べるわりには体が細いです。これは大人になった今も変わりません。リスミーは私が何かを伝えようとしても、話が終わらないうちに動こうとします。私はリスミーの手をしっかり握ってから、話をしていました。ところが今度は、まだ私の話が終わらないうちに、リスミーは自分の話をし始めます。なので、二人同時に話をすることになってしまいます。そうなるとお互いの声が重なって騒音のような感じになるので、私が混乱してしまいます。リスミーには「お話の仕方にはルールがあるのよ」と伝えて、小学生になったばかりの子どもでも分かるように交通ルールの例え話をしました。交通ルールの例え話で説明し、実際に現場も見せるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ「相手が話し中の時は、こちらは赤信号なの。だから話してはいけない。相手の話が終わったら、こちらが青信号だからお話をしていいのよ」お話だけではなかなか身につかないので、実際に交差点へ行って、信号ルールを確認し、青信号になると一緒に横断歩道を渡りました。それでもまだ幼いリスミーは待ちきれず、私のお話中に割り込んでこようとします。リスミーは大きな動きや大きな声はないものの、とにかく動き始めのタイミングが速いのです。そんな時は「リスミーの話はちゃんと聞くから、もうちょっと待っててね」と安心させてから、話を続けました。リスミーが私の話を最後まで、しっかり聞けた時はなるべくオーバーに褒めてあげました。毎回ではないですが、よくお話を聞けた時は、時々ご褒美もあげたりました。このような工夫を行うようになったのは、リスミーが保育園児の時に、構音障害の診断を受けて、言語聴覚士のトレーニングを受けたことがきっかけでした。診断が出てトレーニングを受ける中で、劇的に成長していったリスミーを見て、私自身が日々のリスミーとの関わり方を工夫すれば、きっと良い変化があると感じていたからです。学校の三者面談でリスミーが授業中に走り回っていることを知らされるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイリスミーは小学校1年生の時からインターナショナルスクールに通っていました。担任はアメリカ人の先生でした。小学校での三者面談の時のことです。先生から「リスミーさんは算数の授業中に教室を走り回っています。注意しようとしたら、素早く席に着くので、注意することもできません」と言われました。私が「どうして走り回っているの?」と隣にいるリスミーに確認しました。するとリスミーは「自分は答えを書いたから、周りの人に教えて回っている」と言いました。私は先生に「その答えは当たっていましたか?」と尋ねました。すると先生は「間違っていました」と答えました。私がつい笑ってしまうと、先生は「落ち着いて検算をして答えを確かめるといいです。この子は解き方は身につけているので、落ち着いて取り組めば、きっと大丈夫です」と言いました。担任からボール握りの工夫を教わり、学校と家庭で同じ工夫を行い効果がすぐ出たUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイなにか工夫が必要だと分かりましたので、先生に「落ち着くために、何をすればいいですか?」と聞いてみました。先生は「授業中、ボールをニギニギさせながら勉強してみましょう。ご家庭での学習の時もやらせてみてください」と答えました。リスミーはその日から早速、自宅でも学校でも柔らかいボールを握りながら勉強を続けました。すると集中力がついて、成績がグンとアップしました。学校と家庭で同時に同じ工夫を行うと、効果が何倍にもなるという印象を受けた出来事でした。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:森先生より)「こうしちゃダメ!」「落ち着きなさい!」と言い聞かせるよりも、「こうしようね」と伝えたり、代わりの動作を教えるほうが効果的だと言われています。言い聞かせるときに手を握るのは、安心にもつながりますし、動かないでお話を聞けるのでとても良い方法ですね。ボールをニギニギすることも、決まった動作をすることや、手の感覚を刺激することで、ストレスを感じにくくして落ち着くことができると言われています。お母さんの教え方もとっても良いですし、学校の先生も、リスミーさんのことをよく見てくれていますね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年10月20日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受け、次男は多動傾向がありました。次男は保育センターの親子教室などに自主的に参加して幼稚園に備え、入園当初こそ不安があったものの、すぐに幼稚園に慣れてひと安心。しかし、次男の担任の先生から発達医療センターに行くように告げられ、長男もほぼ同時期に発達医療をすすめられて困惑します。通っている幼稚園のママ友に相談すると、園長は支援級をすぐにすすめることで有名と知りました。長男の就学のため小学校の特別支援級を見学し、知能検査を受けた結果、普通級という結果に。支援級の覚悟も持っていたゆーとぴあさんは複雑な感情に。長男の検査が終わったと思ったらすぐに次男の検査のため、兄弟で病院の診察をすすめられ児童発達センターへ。医師の冷静で的確な言葉に驚き、次男の育て方に悩んでいた心が少し救われたのでした。児童発達センターの診察を受けて、幼稚園へ報告の面談に出向いたゆーとぴあさん。園長に診断を聞かれ、長男がADHD、次男が多動と答えると「やっぱり思った通り!」と、さも自分の手柄のように誇らしげ。その様子をみて、長男と次男の病院の検査や見学などの指示は担任ではなく園長によるものだったと気づくのでした。園長は発達障害について勉強しており、園の図書室に私物の関連書籍を入れるなどの積極的な面がある一方で、親の気持ちに寄り添ってはくれずーー。 次男の療育を増やしたいと思っていたのでうれしい提案! ※OT(作業療法):手の運動や細かな動作が苦手な子どもに対して、手指の動かし方など日常的に必要な動作ができるよう練習、作業活動を通した支援をおこなう。 ※ST(言語療法):言語療法士により、「食べる」「聞く」「話す」支援をおこなう。会話やコミュニケーション方法、聞こえなどの練習のほか、摂食や嚥下の訓練などもおこなう。 幼稚園の職員室にて。園長が次男の担任にゆーとぴあさんへの新たな面談を促し、日程が組まれました。 ゆーとぴあさんは最近面談が多いと思いつつ、今度は何の話だろうと臨むと、担任の先生が次男の療育でのリハビリ状況について尋ねてきました。現在は病院でのリハビリのみと答えると、担任はもっと療育を増やしたほうがいいと言い、近くの療育園で幼稚園児対象の午後の療育が始まるので利用しないかと提案してくれました。 療育を増やしたいと思っていたゆーとぴあさんは、幼稚園のあとに行けるという好条件に、ぜひやってみたいと答えます。担任もゆーとぴあさんが幼稚園の提案を受け入れてくれてひと安心しているところへ、園長が面談後の様子を確認。担任が先ほどの内容を伝えたところーー。 「は? 私の言ったことと違うじゃない! そっちの案じゃないわよ!」すごい剣幕で担任を叱責。担任の伝言はどうやら園長の考えていたものとは違っていたようで、再度面談をして訂正するように指示をするのでした。一体何が違ったのでしょうか? ◇◇◇ 現在、次男の療育は病院のリハビリのみだったので、療育を増やしたいと思っていたゆーとぴあさんにとって、幼稚園が終わってから行ける療育は願ってもない提案でした。しかし、その提案は園長が考えていたものとは違っていたようです。園長の発達障害についての勉強熱心なところはいいのですが、ゆーとぴあさんの気持ちに沿ったものであることを願いたいですね。次の話ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年10月19日主婦の加奈子は夫のモラハラ発言に悩み、日々の夫婦生活にストレスを抱えていました。夫との生活が苦痛だった加奈子はいつしか心の拠り所として、宝くじを買うようになるのですが、ある日3億円に当せんすることに! すると、モラハラ夫に対する緊張の糸がその瞬間から切れてしまったのでした。宝くじに当たったことで、夫に離婚したいと伝えるのですが、意見がかみ合わず。仕方なく加奈子が妥協すことになるのですが、ある日夫が浮気をしているという話を息子から聞かされることに。加奈子はすぐに探偵に浮気調査を依頼。すると、すぐに浮気の証拠写真が集まったのでした。加奈子は自分を裏切った夫に復讐するために、夫の会社の懇親会で浮気の写真をばらまき、会社の人たちに夫の失態を知ってもらうことを思いつきます。そして懇親会当日、それを実行することで、会社内での夫の信頼は地に落ちてしまいました。 そして、夫と加奈子は離婚することになるのですが、加奈子は息子に離婚したことを話せずにいたのでした。離婚が確定すると、加奈子は宝くじの当選金を受け取りに銀行へ。無事3億円が記載された通帳を渡されるのですが、3億円には一切手をつけず、加奈子は新たな職場で働くことに。 そんなある日、加奈子が帰宅すると、息子が突然「ごめんなさい」と謝ってきて……!? 突然謝罪する息子。その手には…!? 「ごめんなさい……!」 そう言って加奈子に見せてきたのは、85点テストでした。 「あはは、なんだそんなこと……?また次、頑張れば……」 しかし、息子は悲しそうな表情でうつむくと口を開き始めました。 「最近わかんないところが少しずつ増えてきて、前はお父さんに聞けたんだけど……」 「お父さん……まだ忙しいって……?」 すると、あるとき夫に言われた「ロクに勉強して来なかったやつが、想太をちゃんと育てられのかよ!!」という言葉を加奈子は突然思い出したのでした。 ◇◇◇ 85点のテストを見せると、謝ってきた息子。下を向いてうつむいたその表情からは、なんだか寂しそうな感じが伺えます。勉強についていけない焦りのほか、勉強を教えてくれるお父さんがいなくなってしまった悲しさもあり、そのような表情を浮かべていたのかもしれません。「お父さんまだ忙しいって?」という言葉には、そんな息子の悲痛な叫びのようなものが感じられました。>>次の話著者:マンガ家・イラストレーター ちなきち
2023年10月11日DV被害者を受け入れるNPO法人DV対策センター(神奈川県横浜市)には、過酷な生活による心身疾患や遊ぶ時間がない家族からの相談が増えています。DV被害者家族が参加する「メタバースイベント」を横浜市青葉区の「SPRAS青葉台」(オンライン参加可能)にて、2023年10月22日(日)に開催します。【DV被害者家族が「失った笑い」とは?】収入が少ないDV被害者にとって、修学旅行は頭痛の種です。旅費の工面に奔走する家庭も多く、DV被害者を支援するNPO法人DV対策センターは、母親からの相談を受けています。また、DV被害者家族は通院を避ける傾向があります。その理由は、費用だけでなく加害者への連絡を避けるためです。インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症が流行しても、通院を控えるため、体調が悪化しやすいのです。母親が心身疾患のため体が動かず、子どもが家事を仕切る、ヤングケアラーも多いのです。「母は布団からまったく出られず、ご飯は私が作ってます。家の中がぐちゃぐちゃで、とても勉強する場所がない。」被害者が失った場所を取り戻す必要があります。【母から子へ続くDVの連鎖】母親が心身疾患になる要因は複雑です。ワンオペ育児、家事・子育て・就労のトリプルワーク、加害者である父親との複雑な関係が重なるため、常に強いストレスに晒されているからです。中には、母親から子どもへの言葉の暴力など二次被害もあり、虐待が連鎖しやすい深刻な状況があります。NPO法人DV対策センター代表 穂志乃は、母親を家事から解放することがカギと訴えます。強いストレスを下げることで、母子の心身が改善します。「お泊りや食事会など、子どもだけの場を作り、普段言えない事を自由に言え、自己肯定感が向上します。母親も自分の時間を持てます。」また、同団体は、子ども、母親、それぞれに、自尊心を育てる「エンパワーメント講座」を月2回行っています。「兄弟にも邪魔されず勉強ができるし、みんなが自分の話を聞いてくれる。家では、家事を当たり前のようにやらされて、とってもつらい。」学習支援しかし、課題もあります。「加害者からの接触を避けたい」や「子どもが引きこもりだから」といった理由で、参加したくてもできない家族が多いことです。DV被害者の子どもの3割は引きこもりの傾向があり、イベントに参加しません。【メタバースイベントに参加するDV被害者家族の深い理由】そこで、DV被害者親子を招待する参加型イベントを顔出し不要のメタバースで行います。DV被害者に聞いたところ、顔を出し不要なら参加したいとの声をもらっています。過去2回のイベントでは、様々な感想をもらっています。「息子が興味津々で、体験が終わってからもやりたい!やりたい!と何度も言っていました。全部楽しかったとのことです。」、「メタバースは家に居ながら誰かと繋がりたい時や水族館に行ったり遊んだりできる空間で手軽に参加できて良かったです。」メタバースイベントは、DV対策センター職員が子どもと交わした会話がきっかけでした。サポーターからの問いかけに「はい」、「いいえ」だけだった子どもが、ゲームの話になると、生き生きとし、「このゲームは最低2,800ポイント必要です」や「〇〇さんは、別格の強さで頼りにしています」など、ゲームを通じたコミュニティの存在に気づきました。ゲームと相通じるメタバースは、引きこもり傾向のある子どもの参加が期待できると気づきます。メタバース画面5若者の生きづらさを解消するメタバース空間「MeeTaa」を運営する横浜市立大学医学部 宮崎智之准教授のご協力、ご助言で今回のイベントを実現しました。宮崎智之准教授は「様々な生きづらさに晒される若者ですが、リアルやバーチャル、自分に合った繋がりを育み、逞しく生きる糧にして欲しいです。」とコメントしています。NPO法人DV対策センターは、公益財団法人パブリックリソース財団のコロナ禍の住宅困窮者支援事業2(休眠預金活用事業)に採択され、DV・虐待被害者が避難するためのシェルターとステップハウスの開設準備を行なっております。また、Learning for AllとREADYFORによる虐待を防ぐ緊急居場所支援事業に採択され、虐待を経験した子どものための支援を行っております。夏休みどこにも行けないDV被害者家族と近隣の母子家庭の子ども達の親子の思い出作りのためにメタバースイベントを開催し、運営のための寄附も募っています。また、DV対策センターはメタバースを活用したエンパワーメント講座の定期開催を計画し、引きこもり傾向になる子どもが仲間と交流し、性のあり方、暴力の問題と対策などを学ぶ機会を増やす計画です。【親子で体験!メタバースイベント開催(第3回)】・日時 :2023年10月22日(日)・場所 :SPRAS青葉台神奈川県横浜市青葉区青葉台1-13-1 青葉台郵便局2階/3階オンライン参加可能・参加者 :DV被害者家族と母子家庭・プログラム:第1回(14:00~15:15)、第2回(14:45~16:00)-メタバース体験(14:00~14:45、15:15~16:00)-トークセッション(14:45~15:15)横浜市立大学准教授 宮崎智之先生、株式会社Litm 代表取締役 相澤利春氏、横浜市政策局共創推進室共創推進課 関口昌幸氏・定員 :現地参加はパソコン台数に限りがありますので早めにお申し込み下さい。パソコン持参も可能ですが、メタバース環境により人数制限があります。オンライン参加も可能です。メタバースイベント案内<お問い合わせ先>DV対策センターの活動にご関心のある方は、下記ページか二次元コードでお問い合わせ可能です。 二次元コードまた、電話またはメールでのお問い合わせも可能です。TEL : 080-7821-4660MAIL: dv.taisaku@gmail.com 【法人概要】NPO法人DV対策センター所在地: 〒227-0033 横浜市青葉区鴨志田町807-5URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月11日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。友だちがかわいい靴を履いているのを見て、お母さんに買ってもらおうと思ったすみかさん。ですが、靴はデザインより機能性ということで買ってもらえませんでした。洋服もすみかさんの意見を聞くことなく選ぶため、言っても分かってくれないと諦めます。そして、前の学校で親友だったモモちゃんとの文通にもお母さんが口出ししてきました。手紙には「彼氏ができた」と書かれており、すみかさんのテンションは上がります。しかし、それを聞いたお母さんは、すみかさんとモモちゃんのタイプが違うと判断。「友達やめたら?」と助言します。なんて事を言い出すんだと思ったすみかさん。お母さんに対していろいろ思うことがあり……。子どもを心配する気持ちからですが、遊びに行くときに誰と?どこに?と口うるさく言ってくるお母さんを、すみかさんは疎ましく思っていました。洋服や流行のモノにも興味がないので、一緒に話せるお母さんが良かったなと考えることもーー。あるとき、お母さんの友だちとの食事会にすみかさんも参加。そこで、お母さんがあまり輪に入れていないことに気づきました。家にいるときはおしゃべりで怒りん坊、外では大人しい、自分と同じじゃん!と思ったすみかさん。ほかの子のお母さんが気になり……。 友だちのお母さんと比べたところ… ある日、すみかさんは親友のノナちゃんと話し、ノナちゃんのお母さんが宿題を見ることに驚きました。すみかさんはお母さんから宿題について聞かれたことがなく、通知表を渡しても見ている様子はありません。そこで、お母さんは私に興味がないのかなと感じます。ですが、お母さんは家でも持ち帰ってきた仕事をしており、夜はお酒を飲んで寝落ち……。疲れているから仕方ないとも思いました。 またあるとき、同じ水泳部の夏子ちゃんと話していたすみかさん。「スイミングスクールには通わないの?」と聞いたところ、「勉強する時間がなくなるからダメなんだ。成績が下がったら部活も辞めさせるって言われてるし……」という返答が。「勉強しなさい」という親がいることを知り、夏子ちゃんの家は厳しいんだなと思います。すみかさんは母親のことをうるさいと思っていましたが、算数がわからなくても怒られたことはなく、案外何も言わない方なのかな!?と考えるように……。 すみかさんのお姉ちゃんが中学校のテストで学年1位になったときも、すみかさんと比べることはなく、「努力よ、努力」と冷静なお母さん。自分たち3姉妹のことを見た目や成績で比べない、いいお母さんなのかも……と思い始めます。ほかのお母さんも厳しそうだし、よそのお母さんと比べるのはやめようと思ったすみかさんでした。 友だちのお母さんが子どもにどのように接しているかを知ったことで、自分のお母さんの良いところを見つけていったすみかさん。きょうだいがいると勉強や運動面など比べてしまうこともありますが、すみかさんのお母さんは一人ひとりの個性を尊重しているのかもしれません。すみかさんが思っているより、子どものことをよく見ているのかも……。今後の親子関係の変化が気になりますね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年10月10日小学1年生:字がきれいに書けない!長女が通っている小学校では、低学年の国語の課題と言えば「字を正しくきれいに書く」ことがメインでした。しかし、長女にとってはこれがとても難しかったのです。1年生のひらがなの書き取りでは、長女の書く文字は芯がないというか、なんだかフニャフニャした字形になっていました。担任の先生にも毎回訂正をされていて、書き取り用のノートは真っ赤になっていました。でもこの時の私は、長女に知的な障害があるとは全く気づいておらず、「字はきれいな方がいいかな……」といった程度にしか考えていませんでした。Upload By 吉田いらこそこで私は長女を硬筆の習い事に通わせることにしました。長女本人の意思ではなく、無理やりだったので本人のやる気はもちろんゼロ。長女は講師の先生とお話をするのにもかなり緊張していて、数ヶ月通っても一向に上達しませんでした。ある日、硬筆の習い事に行く前につらそうな表情をしている長女を見て、なんだかかわいそうな気持ちになってきました。別に小学校低学年の今頑張らなくても、成長していけば次第に字をきれいに書けるようになるかもしれない。本人がきれいに書きたいと自覚を持ったら書き方が変わるかもしれない。そう思って私は長女の硬筆の習い事を退会させることにしました。もう行かなくていいと知った時の長女のうれしそうな顔………。本当につらかったのだなと思いました。現在中学1年生になった長女ですが、相変わらず書く文字はフニャフニャとしています。字をきれいに書くことがいいこと、きれいに書きたいと本人が思える日が来た時にはまた練習を頑張るかもしれませんが、今はまだこのような状態です。Upload By 吉田いらこ小学2年生:算数の習い事が続かない長女は4歳の頃から自学自習形式の塾に通っていました。受講していた科目は算数と国語で、最初は簡単なひらがなや点つなぎからスタートする教材でした。最初はゲームのようで面白かったようですが、だんだんと難易度が上がるにしたがって、通うのを嫌がるようになりました。長女がとくに難しく感じるようになったのは算数で、単元の難易度は小学2年生の足し算くらいだったと思います。塾だけが特に早い進度ではなく、学校の授業と同程度の進度でしたが、長女にとってはつらかったようです。とうとう、習い事の日は泣き出すようになってしまいました。ここでもう少し言い聞かせて習い事を続けていたら、もしかしたら算数を好きになっていたのかもしれませんが、小学2年生の頃に退会しました。私の中で、泣いてでも頑張らせた方がいいのか、判断がつかなくなってしまったのです。現在は知的障害の診断を受けたので「算数の習い事、そりゃあ難しかっただろうね、つらかったね」と思いますが、当時はこれでいいのかとモヤモヤしたことを覚えています。Upload By 吉田いらこ現在中学1年生の長女が通っている習い事は、バイオリンと個別の学習塾の2つです。学習塾については毎回文句を言いながらも通っています。塾には行きたくはないけれど本人の中で「中学生は勉強するもの」という認識があるので仕方なく、といった感じでしょうか。いっぽうでバイオリンは本人が希望して始めた唯一の習い事で、こちらは楽しそうに通っています。本来の習い事とはこういう楽しいものをやるべきなんだろうなと思いつつ、「もう少し勉強にも興味をもってほしいな」と親としては願ってしまいます。執筆/吉田いらこ(監修:初川先生より)長女さんの小学校低学年時の習い事についてのエピソードをありがとうございます。字をきれいに書けるようになるために硬筆を習うことで上手に書けるようになる子もいますが、お手本を見て、自分の書こうとしている升目の同じところから書き始めて、お手本と同じようにマス目の4分割したどこを線が通って、どう曲がったり止めたりして……と字をきれいに(お手本にならって)書くというのは手と目の動きを協応させたり、視覚的な認知や俯瞰する力などが問われるなかなかのマルチタスクです。単に回数をこなせば上手になるわけでもなく、いらこさんがご指摘のように本人のモチベーションもだいぶ必要だろうなと感じます。場合によっては、家で大きな紙に大きく練習したほうが上達の近道になる場合もあるかもしれません。算数や国語など教科学習に関する自学自習の塾も、繰り返して習熟する段階の内容で、かつ、繰り返して学ぶことが向いているお子さんには良いと思います。ただ、そもそもつまずきがある場合は、そこを乗り越えるのが困難なセッティングではあるので、どこかで壁にぶつかることもあるだろうと思います。習い事は本人にとって得られるだろう良きことと、精神的・体力的負担などとのバランスを見ながらご検討いただければと思います。特に低学年の時期は、学校に行って帰ってくるだけでへとへとのお子さんもいると思います。コンディションの悪い状態ではどれほどいいことをしたところで、なかなか良い時間とならない場合もあります。体力や余力のある小学校高学年くらいから始めてうまくいった方もおられます。興味関心、必要性、お子さんの状態やモチベーションなどさまざまな点からぜひご検討ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月06日子どもらしいと思っていた「好奇心」が、「周り迷惑をかけるもの」という心配事に変化していった乳幼児期現在6歳(小1)の息子は、5歳でADHD、自閉スペクトラム症(ASD)と診断を受けています。好奇心が強く真面目、こだわり強めの息子です。赤ちゃんの頃から息子は好奇心旺盛で、目についたものは触る、口に入れる、ボタンを押す、キッチンに忍び込んで粉類や米をぶち撒ける、トイレに手を入れてバシャバシャする、トイレットペーパーやティッシュを全部出して散らかす……と元気いっぱい!これも成長だと思って、周りに迷惑にならなければどんどんやって構わないと考えていた私は、息子の気の済むまでやらせていました。特別発達面について気になるところはなかったのですが、1歳半健診の時、言葉の遅れについて指摘を受けました。息子は当時5、6個程度の単語(パパ、ママ、ごはん、お水など)と、「ま」の一言でいくつかのものを表していたためです。この健診の流れで個別発達相談を受けるよう提案されたので、以降そちらに通うことになりました。その後、どんどん語彙も増えて行き、ひらがな、アルファベットすら読めるようになり意思疎通も問題なく行えていたのですが、2歳過ぎた頃から、ほかの子どもと比べると、一つの遊びに集中できず、あるおもちゃで遊び始めたと思ったらすぐ別のおもちゃで遊ぶなど、落ち着きがない様子が気になるようになりました。そして3歳以降は好奇心からか公園で知らない大人に話しかけたりしつこく質問するように。また、お友達に噛みつく出来事があったり、お友達が作ったものを壊してしまったり、息子の好奇心が「周りに迷惑をかける」ことが増えていったのです。Upload By ユーザー体験談私は息子からなるべく目を離さず、息子が行きそうだなと感じたらストップをかけ、周りの人たちに気を遣い動く日々を過ごすようになりました。先生「残念な結果になった」。撮影が入りビデオ販売が予定されていた発表会で息子が……幼稚園入園後、息子は集団行動ができず教室から出てしまったり、順番待ち、お遊戯などを嫌がって泣いてしまうことが続きました。毎日のようにお迎えの時に先生から本人の目の前でできなかったことややってしまったことの報告を受けました。迎えに行くといつもニコニコして外を見ていた息子でしたが、次第に窓際には居なくなり、帰りのお支度ができずに教室の端に残されて泣いていることが多くなりました。撮影したビデオの販売が予定されていた発表会で息子が動いたために、ほかの子どもたちの視線がそちらにいってしまい、「残念な結果になった」と先生から言われました。そして、入園して5ヶ月たった頃、年中になると補助の先生が居なくなるので登園しても職員室で過ごすことになるなど、実質退園勧告を受けるようになりました。周りに発達障害の子どもを持つママ友もいませんでしたし、保健所の発達相談で初めて「療育というのがありますよ」と教えてもらったものの、療育のリストはくれましたが詳しいことは教えてもらえませんでした。私も知識が全くなく、どう質問したら良いのかさえわかりませんでした。ひたすら『発達障害』というワードをネットで調べたところ、とにかく療育を受けさせる必要があると思いました。発達支援センターは初回面談が半年以上先、療育はどこもいっぱいで……。でも、ネットで情報を集めて、なんとか空きのあった所に申し込みました。転園先も主にネットで検索し、障害児を受け入れて加配を付けられることを条件に探し、見学と面談をしてそちらに移ることになりました。この幼稚園と療育につながり、私は発達障害への知識を得ていきました。Upload By ユーザー体験談小学校では「ほかの子と違う対応はするべきでない」と断言する担任の先生に落胆そして小学校へ入学、初めは何とか授業にも参加できていたと思っていたのですが、7月に校長、副校長、担任との面談が行われ、「癇癪を起こして授業が止まってしまう」「癇癪の原因は分かりやすいが、ほかの子と違う対応はするべきでない」と担任の先生から断言されてしまいました。面談の席での発言なので、学校側の総意なのだと解釈しました。Upload By ユーザー体験談担任からは入学直後の面談で「特別扱いできない」とも言われていましたので、私もあまり要望はしておらず、全体のルールを変えるなどの対応は不要と伝えてはいました。ですが、個別の配慮もここでは特別扱いになってしまうのかと、この発言を聞いて今のクラスはで息子を受け入れてもらえないのだと落胆しました。私は5月まで授業中に付き添いもしていました。そこでたびたび目にしたのは、先生が何度か注意しても、なかなかやめられないときは校長室まで引き摺られて行き、先生たちから怒られるという場面です。息子は、その経験からまた同じようなことをされるのではないかという恐怖を抱くようになり、学校に対する不安が強くなっています。勘違いされて怒られたこともありました。息子に対して、担任の先生は常にイライラしている様子が伺えました。もう、息子の存在が受け入れてもらえないのだなと感じました。そうこうするうちに、校長から「この学校には特別支援学級がないので、別の学校の特別支援学級を見学してみてはどうでしょうか」とすすめられました。小学校は味方の居ない場所に……。通常学級でがんばる?引っ越す?私がした決断は確かに、息子は衝動性からクラスの子どもを傷つけてしまう可能性がありますし、癇癪で迷惑をかけているということを申し訳なく思っていました。でも、癇癪を起こすのは教室だけです。自宅、療育、通級指導教室では落ち着いて過ごせていました。特性を理解してもらえない、配慮なくみんなと同じように同じことを強要されても、息子には難しかったのでしょう。公立校なのでさまざまな制限があるのもわかりますし、もちろん息子だけに対応するのは難しいことは理解しているつもりですが、面談で話を聞いてとても悲しくなりました。今住んでいる自治体の特別支援学級は情緒学級がなく、知的学級しかありません。情緒学級のある自治体への引越しも考えましたが、すぐには動くことができない状況です。息子は知的面での遅れはなく、むしろ今は勉強したいと意欲的です。できれば配慮を受けて勉強をさせてあげたいのですが、それでも今の学校にいたら、息子の味方が居ない場所で無理をすることになります。担任の先生が配慮しないと断言した以上、苦しい状況にいても成長に繋がらないと考え、本人は嫌がりましたが情緒級の特別支援学級のある自治体へ転校することに決めました。それしか選択肢がないと思いました。Upload By ユーザー体験談息子の心を傷つけてしまった……。いつか楽しい時間が記憶として残る環境に息子を置いてあげたい私は、息子の発達障害を受け入れていたつもりでしたが、どこかほかのの子と同じような経験をして成長して欲しいと言う気持ちがあり焦っていたのだろうと思います。今回、幼稚園に続いて小学校も変わるという経験をさせてしまい、息子の心を傷つけてしまいました。特別支援学級では息子の気持ちをよく考えながらのんびりと成長を見守っていけるようにしたいです。多少のことは笑顔で対応してあげたいです。将来はどうなっていくのか今は想像もつきません。私自身も不安しかありませんし、どう育って欲しいかも具体的に考えられませんが、近い将来、今までの嫌な記憶が少しでも和らいで、楽しい時間を過ごして、それが思い出として記憶に残ってくれたらと思います。穏やかに過ごせる環境に、息子を置いてあげたいです。イラスト/taekoエピソード参考/なのはな(監修:藤井先生より)貴重な体験談を読ませていただきありがとうございます。息子さん、親御さんのお気持ちが伝わってくる内容でした。発達障害があるお子さんへの合理的配慮を推進する法律が施行されたのが、平成28年4月です。しかし、障害のあるお子さんへの合理的配慮が細やかにされているかというと、まだ自治体によっては知的障害がない発達障害へのお子さんへの配慮がまだ行き届いていない様子も伺えます。主治医からの意見書や診療情報提供書などで、学校との連携をとられている方もいらっしゃいます。もし、主治医がいらっしゃる場合には、相談されるのも良いかなと思います。息子さんが少しでも穏やかに過ごせる環境が見つかることを願っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年10月05日中学生になった自閉スペクトラム症の太郎自閉スペクトラム症の太郎が通う中学校の特別支援学級では、授業は基本的に交流学級にて行い、小学生の時のような個別の指導がほぼなくなる。Upload By まゆん中学校に進学するにあたって、私はそこに不安を抱いていた。学習面の遅れは元々あり、ギリギリで追いついている感じだった。個別指導だったからこそ追いつけている部分があったと思う。いざ、中学生になり太郎の学習面の遅れは著しかった。テストも個別の部屋ではなく交流学級で受けることになり、ますます点数は下がった。しかし、提出物と宿題だけは放課後等デイサービスや祖母の支えもあり、ほぼクリアできていた。太郎自身は交流学級での生活は楽しんでいる様子であり、特別支援学級での友達関係や担任の先生との関わりも楽しそうだった。しかし、中学校生活が半年も経つ頃には、宿題の多さに不満を漏らすことが増えてきた。ただ、不満を漏らすものの提出期限には間に合わせることができていた。しかし、宿題と提出物でいっぱいいっぱいで、ほかの学習に手をつけることはできなかった。私は、「勉強をするように」というような声かけはしなかった。怠けて勉強をしてないから点数を取れないわけではないと理解していたからだ。太郎は学習したことをすぐに忘れてしまう。指導されたその時は理解したと思っていても時間が経つともう忘れてしまう。そんなところも、今後の生活にどう影響するのかと心配があった。太郎が感情を出せる場所小学生の頃から太郎は、放課後等デイサービスの先生たちに心を開いている。中学校に進学後、太郎は週に4日から5日、放課後等デイサービスへ通っている。私に話さないこと、見せない面を、スタッフの人たちが知っていることもある。特に宿題や学習について不満を漏らすことが多かったようで、「宿題が多すぎる……」とつぶやいていたと先生たちから聞いた。Upload By まゆん太郎は普段1人で行動をすることが少ない。家にいるか、放課後等デイサービスか学校だ。太郎が感情を出せる場所が家庭だけでなくて良かったと思う。放課後等デイサービスという場所があって本当に良かった。Upload By まゆんそう思うと同時に、そろそろ本当に限界なのではないだろうか……そう気づき始めた。私の予感が、その後どうなったかはまた時間を置いてつづりたいと思う。あとがき中学生になり、学習もより複雑になってきました。小学生まではなんとかついていけていましたが、中学生になり周りとの差は明らかなものになっています。お話しがあったのがワーキングメモリー、知的の部分でした。今、かかりつけ医に相談し、より詳しい検査をすすめている段階です。これから高校進学、就労の話も出てくると思うので重要なポイントになると思っています。執筆/まゆん(監修:森先生より)成長するにつれて、保護者の方だけで支えることのできる範囲にも限界が出てきますよね。学校の勉強はどんどん複雑になりますし、提出物や宿題のサポートを受けられると心強いですね。また、思春期に入ったお子さんは保護者の方にはなかなか相談できない部分も出てくるものです。放課後等デイサービスのように、お子さんにとって、学校とも家庭とも違う自分を出せる場所があると、心の平穏につながりますね。保護者には見せられない感情を出してリラックスできる場があると、日常で生じるストレスともうまく付き合えるようになるのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月03日お絵かきや工作などで、日々子どもによって生み出される名作たち。上手に保管したいけれど、形状もばらばらで嵩張るものも多いので、収納に困っているママパパも多いのでは? そして、大切がゆえになかなか手放せず溢れ返ってしまうというお悩みも。ここでは、工作が得意な3名のママクリエイターに、子ども工作の保管方法や整理のコツについてお聞きしました。参考になるアイディアがいっぱい!CONTENTS子ども工作の保管方法 #01飾る子ども工作の保管方法 #02収納グッズを活用する子ども工作の保管方法 #03保管・捨てるときのルール教えてくれた3人のクリエイターママ01kinakoさんインスタグラマーインスタグラムで披露する可愛い親子の日常や、ブログで発信している親子で楽しめるクラフトアイディアが大人気。6歳男の子のママ。Instagram:@kinako_71002吉田ちかげさんアートディレクター/デザイナー「好奇心の目をみがく」をテーマにデザイン制作、アートスクール運営などを手掛けるクリエイティブコミュニティ『あそびとデザイン』代表。7歳男の子のママ。Instagram:@chikage121203むーさん手づくりおもちゃクリエーター/デザイナー育児休暇中にTwitterで発信しはじめた手づくりオモチャが人気となり、工作やオモチャをつくることが本業に。雑誌やWEBでの手づくりオモチャの連載や工作レシピの提供など、活躍の場を広げている。5歳の男の子のママ。Instagram:@muu_tamtam子ども工作の保管方法#01飾る棚や壁など、よく見えるところに飾る(むーさん)「子どもの作品は、飾ることがいちばんの収納だと思います。よく目につくところや壁に貼ったりして飾ります。立体作品は、絵本棚の上にいくつか並べています。見かけるたびにほっこり癒されます」「壁には、絵だけではなく、折り紙などもマスキングテープを丸めて貼りつけています。紐を通して、ガーランドやオーナメントのように飾るのも可愛いですよ」模造紙に絵の具で描いた大きな作品。廊下の壁に貼って飾っている。コスパ◎の『IKEA』のフレームに入れて壁に飾る(吉田ちかげさん)「親子で気に入った子どもの絵は、勉強机の横に展示スペースを設けています。愛用している『IKEA』のフレームは、シンプルなデザインでお手頃な価格もお気に入りです」リビングの一角にある作品展示スペースに飾る(kinakoさん)「家族団らんの場所に子どもの作品を飾ることで、『今日これつくったよ!』『可愛くできたね!その色いいね!』などと感想を伝え合うことができます。また、“いつも頑張りを見ているよ“というメッセージが伝わってくれたらいいなと思います。絵や平面の作品は壁へ。壁と作品を傷めないように、また作品を入れ替えやすいように、100円ショップで買える粘着ゴムや粘着ゲルテープで貼ったり、ポスターハンガーや壁取り付けクリップなどを活用しています」ポスターハンガーは『Hello Angel』、壁取り付けクリップは『Wall.it 』のもの。「立体作品は、ひとつの棚を展示スペースとしてお気に入りを並べています。ここが展示スペースと決めているので、新しく飾りたい作品があれば、息子と相談して入れ替えて、外したものは保管ボックスへ移動します」子ども工作の保管方法#02収納グッズを活用する『無印良品』のファイルと収納ボックスを活用(kinakoさん)「普段、家でお絵描きをするときは、A4コピー用紙を使っています。完成した絵は、すべて『無印良品』の2穴リング式のファイルにまとめています。たくさん収納できて、ポケット付きなのがお気に入り。現在3冊目で、全部で400枚くらいあります。一冊の絵本のようになっていて、見返すのも楽しいです」「ほかにも、家でつくった作品と学校でつくった作品に分けて、収納ボックスで保管しています。『クラフトプラス』のメモリアル収納ボックスを愛用中。大きな画用紙の作品も折り曲げずにそのまま保管できて、深さがあるので立体的な作品もまとめて収納しています」「たっぷり入りますが、見た目にはすっきり。持ち手付きなので移動もしやすいです。保育園時代の作品をまとめて1ボックスにまとめ、小学生になってからは新しいボックスを使っています」クリアポケットに入れて、ファイリングする(吉田ちかげさん)「子どもはとにかくお絵かきが大好き。スケッチブックだとあっという間に終わってしまうので、A4コピー用紙に描いてもらっています。そこでA4の紙をできるだけたくさんファイルできるものを探して、今の形に着地しました。ファイルは、スウェーデンの文具ブランド『エセルテ』のもの。オフィスで使われているようなものなので、とにかくたくさん入ります」「絵は書類整理用のクリアポケットに入れてから収納しているので、A4サイズだけではなく、いろいろなサイズのものを入れることができるのもお気に入りです」ダンボールボックスと書類トレーを活用(むーさん)ボックスのフチを透明の養生テープで補強して、手を切らないように工夫している。「保管するときは、大きめのダンボールボックスに、ぽんぽん入れて収納していることが多いです。わが家は『燕紙器工業』のストレージボックスを愛用中。お面や帽子などの変装グッズの工作は、子どもが取り出して遊ぶこともあるので、分かりやすい場所に置いておきます。コスパもよく、シンプルなデザインもお気に入り。カラーバリエーションも豊富ですよ」「A4サイズの紙に描いた絵は、『無印良品』の書類整理トレーを活用しています。書類整理や分類するのに便利なものですが、上段には白紙のコピー用紙を入れていて、描き終えたものは下段にストックしています。子どもに『あの絵どこにある?』と聞かれることが多かったので、ここに入れるようになってから、すぐに探せるのも有り難いです。下段がいっぱいになったら、収納ボックスやファイルに片付けています」子ども工作の保管方法#03保管・捨てるときのルール片付けないものは捨てる。ワンシーズンごとに整理し、写真を撮る(吉田ちかげさん)「勉強机とは別に、子ども専用の制作スペースをつくっているのですが、いつも『片付けないものは捨てるよ!』と言っています。寝る前までに制作スペースに置いていないものは、捨てるようにしています」「また、1シーズン(3ヵ月に一度)くらいを目安に、飾っている作品をすべて見直します。作品の入れ替えをしたり、飾っていたものをファイリングします。親子で不要だと判断したものは処分。手放す前には必ず写真を撮ります」できるだけすべての作品は保管する。大きな作品は子どもと相談(kinakoさん)大きな作品は写真を撮り、現像して保管。「子どもがつくったものは、成長過程のそのときにしかつくることができないものなので、すべて保管するようにしています。私の親は、私が子どもの頃につくった作品を今でもたくさん保管してくれています。作品を大事に残してもらえた気持ちが嬉しいし、見返すのも楽しいので、私もできるだけ残しておいてあげたいです。現時点では家の保管スペースを圧迫するほどの量ではないのですが、大きな立体作品はたっぷり飾ってみんなで愛でてから、子どもと相談して写真を撮って処分したり、新しい工作の材料として再利用したりもします」子どもと相談し、捨てる前に写真を撮る(むーさん)「作品用の収納が溢れてきたら、『そろそろ手放してもいいかな……』と思うものを一度紙袋に入れます。少しの期間、子どもが見えないところで保管していると、必要だったり未練があるかどうか、わかることもあります」「作品を床に広げて、『写真を撮ってから、お別れしてもいいものがあるかな?』と子どもに聞きます。残してほしい! と言われることも多いのですが、今はこの方法で落ち着いています」思い出がたっぷり詰まった大切な作品を整理するコツをご紹介しました。クリエイターママのアイディアを参考に、期間やスペースを区切ってみたり、ルールを決めてみたり、子どもとも相談しながら、上手に管理してみてくださいね。
2023年10月03日アキラさんは夫と結婚してから10年以上が経ち、息子たちの反抗期や夫の塩対応などにさみしさを感じていました。ある日のこと、アキラさんが、もう一度人生をやり直せたらいいのにと妄想をしていると、「時の神」と名乗るおじいさんが現れます。そしてアキラさんが朝起きると、高校3年生の1998年までタイムスリップしていたのです。錯乱井くんが、同じ大学の一般女性と結婚することを知っていたアキラさんは、自分がその女性になって錯乱井くんと結婚しようと考えました。人生2度目の高校生活が始まったアキラさんは、錯乱井くんと同じ大学を受験。しかし結果は不合格でした。アキラさんは浪人して試験に再挑戦するため、アルバイトをして予備校費用を稼ぎました。そして、試験に向けて猛勉強。受験の結果、無事に合格を掴みとりますが、憧れの錯乱井くんとなかなか出会えず……。錯乱井くんとは一体どうしたら会えるの…? アキラさんは猛勉強の結果、無事に憧れのアイドル錯乱井くんと同じ大学に合格しました。 しかし、錯乱井くんにはなかなか出会うことができず、学食に張りこみ続けたアキラさん。 ついにその3カ月後、錯乱井くんを発見! しかし、話しかけることをためらってしまいます。 錯乱井くんに自分のことを知ってもらう方法はないかと考えた結果、アキラさんは大学のミスコンに出場することに。 まずは体型を整えるため運動を開始。 そして美容医療の力を借りて美貌を目指します……! さらには、男性審査員を買収するなどの手回しも抜かりなくおこなった結果、アキラさんは5人のファイナリストに残ったのでした。ライバルを蹴落とさねばと鼻息を荒くするアキラさん。女の戦いがはじまったのですー。 ◇◇◇ 猛勉強の結果、見事、錯乱井くんと同じ大学に合格したアキラさん。あきらめずに挑戦し続けてよかったですね。憧れの錯乱井くんに会うためなら、学食に3カ月張り込み続けてしまうのも無理はないのかもしれませんね。ミスコンの男性審査員を買収してしまうのはアキラさんのずる賢さが少々光りすぎているようには感じられますが、ミスコンで無事にグランプリに輝いて錯乱井くんに認知してもらえたらうれしいですね。著者:マンガ家・イラストレーター 新庄アキラ
2023年09月21日【発達障害×子育てアンケート】不登校・行き渋りになったことがある?発達障害のあるお子さんの保護者の皆さんから「長い休み明けや日曜日の夜が近づくと体調が悪くなる」「子どもが朝なかなか起きられない」、というお困りの声をいただくことがあります。進学などで環境が変わったり、学校の行事があったりすると、そのような傾向が強くでてしまうお子さんもいるのではないでしょうか?そこで、LITALICO発達ナビではお子さんの不登校や行き渋りについて公式LINEでアンケートを実施。アンケートでは「お子さんに不登校・行き渋りはあるか?」「どんなときにあったのか?」や、お子さんが不登校や行き渋りのとき、学校の対応でうれしかった・助かったことについて伺いました。※「LINE」はLINE株式会社の商標または登録商標です。※アンケートはLITALICOの公式LINEにて!『お友だち登録』お待ちしています!Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部不登校・行き渋りのとき、学校の対応でうれしかった・助かったことの回答「 登校渋りのはっきりした理由は分かりません。ただ、すぐ学校に相談したところ、無理に登校させなくても良いことや、子どものペースに合わせて行きましょうと言ってくださったのがありがたかったです。今も午後登校や保健室登校が多いですが、臨機応変に対応してくれます。欠席連絡もアプリ対応となったので親のストレス軽減になっています」「授業をオンライン配信してくれて、出席扱いにしてくれました。オンラインを通じてクラスの様子がわかり、登校につながりました」「発達グレーの息子が、夏休み明けから一歩も家から出られなくなりました。先生方は、まず子どもの様子を気にかけてくれたことはもちろん、分団登校から個別登校にしてくれたり、こちらのスタンスを理解して対応してくださいました。スクールカウンセリングでは、不登校の経験に対し『頑張ったんですね』と労いの言葉までくださいました」「不登校が始まった小学校ではあまり適切な対応をしていただけなかったが、中学校では特別支援学級の担任が毎週訪問して本人が興味を持ちそうなことを一緒にやってくださったり、3年時の担任は通信制高校受験のサポートを親身になってしてくださいました」「学校からは休むことに対してサボるという判断をされ、理解してもらえませんでした。しかしその事について相談したフリースクールの先生は、サボっていると言われたことに対し自己批判をする娘に『自分を守るために行かなくていい。行かない選択をしたことは勇気がいっただろうし、その判断は間違っていない』と娘を認めてくれて親子で救われました」「本人が先生やカウンセラーの先生に相談をしたので話を聞いてくれました。そして、それを親に連絡して教えてくれました。中学生にもなるとなかなか本人は親に直接話すことはなく、信頼できる先生に話すことの方が多くなるようです」LITALICO公式LINEアカウントお友達へのアンケート結果より回答期間:2023年9月3日~9月6日回答人数:2,255名※一部抜粋まとめ今回のアンケートでは、お子さんに不登校・行き渋りはあるかを聞いたところ、81%の回答者が「不登校・行き渋りがある」と回答。不登校や行き渋りがあったときで最も多かったのが「嫌なことがあったとき」、次いで多かったのが「夏休みなど長期休み明け」という回答でした。夏休みが明けて一ヶ月ほど経過した今、不登校で悩んでいる保護者の皆さんやお子さんが増えている時期かもしれません。その中でも、学校の対応でうれしかった・助かったことでは760を超えるコメントを寄せていただきました。「欠席に理解を示してくれた」「登校できた時は褒めてくれた」「オンラインで授業を配信してくれた」など、学校現場でも不登校に対する理解が深まっていることも分かりました。加えて「スクールカウンセラーの先生が対応してくれた」「フリースクールの先生が寄り添ってくれた」といった担任や学校の先生以外の大人との関わりについての回答も目立ちました。不登校の小中学生は年々増加傾向にあり、2023年は過去最多になりました。特に、発達障害のあるお子さんの場合、「学校」という枠組みや「標準」とよばれるようなものにフィットしづらい傾向があり、困りごとを抱えている中で不登校につながることがあるのかもしれません。お子さんの不登校に直面された保護者の方の多くは「子どもの将来が心配」というお気持ちなのではないでしょうか。LITALICOでは、発達ナビの記事や情報、またオンラインでの勉強会の開催など、さまざまな方法で不登校や行き渋りがあるお子さんと保護者の方をサポートしています。発達障害があるお子さんの一人ひとりの個性や特性に合わせた環境の整え方や、進路の選択肢について一緒に考える「勉強会」「個別相談」を行うLITALICOライフでは、【不登校の支援と将来の準備】に関する勉強会を開催しています。フリースクールや訪問教室など不登校のお子さんへの支援や、義務教育以降の高校進学について通信制高校など不登校に理解のある進路情報など、幅広く知ることができます。また、教育にまつわる資金など、現実的な準備についても学べる勉強会です。Upload By 発達ナビ編集部※アンケートはLITALICOの公式LINEにて!『お友だち登録』お待ちしています!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年09月21日無料の参加登録受付中!発達が気になるお子さんやご家族へ届けたい、オンラインセミナーが9/23(土)に開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラム学校へ行きたがらない。ずっと家にこもっている。勉強はしないまま……。そんなお子さんが今どういう心の状態なのか、どう声をかけたらいいのか、ずっとこのままなのだろうか。ご不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。発達ナビでは不登校のお子さまとそのご家族に、ご自宅で情報を得られる機会をお届けするために「不登校サポートセミナー」を開催します。・日時:2023年9月23日(土)9:30~13:35(予定)・参加費:無料・形式:Zoomウェビナー配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください・内容:専門家講演、発達が気になるお子さまや不登校のお子さまを応援する企業によるセミナー※企画調整中のため、今後変更となる場合もございますオンラインセミナーの内容をご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラム夏休みも終わり2学期が始まりましたが、「学校に行きたくない」と言うお子さんへ、どう関わったらいいのか・この先どうなっていくのか、不安な気持ちでいる方もいらっしゃると思います。まずはお子さまの心の状態を理解し、前向きになってくれるサインを見逃さず接していくことが大切です。今回は、自身も40歳を目前にADHDの診断を受けた不登校新聞代表が、当事者目線で、また不登校や特性のある当事者、親、識者など400人以上に取材してきた経験も踏まえてお話しいただきます。当日は視聴者のみなさまからの質疑応答タイムもご用意しています。ぜひご参加ください!講師:石井志昂 氏不登校新聞の代表。『不登校新聞』とは「当事者の声に寄り添う」をモットーに、日本で唯一の不登校に関する新聞として、98 年に創刊。 以来1000 名を超える不登校・ひきこもり当事者経験者の声を掲載。2022年からは不登校の親専用コミュニティ「親コミュ」を設立。自身も中学生で不登校を経験しており、不登校新聞にかかわり続けている。近著に「フリースクールを考えたら最初に読む本」(2022年/主婦の友社)Upload By 発達ナビアライアンス プログラム悩みの深いご家庭と向き合う無学年式オンライン教材「すらら」。2022年は不登校や発達の気になる生徒2,700名(すらら利用者全体の約6割※)が家庭学習で利用。そして、家庭学習を見守る保護者の関わり方を学ぶほめビリティ講座は、今年リニューアルし約150名の方が受講されています。※株式会社すららネット調べ本講演では、繊細で不安が強く、無気力になってしまうお子さま、挑戦したい気持ちはあっても、不安になる気持ちとうまく向き合えないお子さまなどを持つ保護者さまへ、心理療法の「認知行動療法」も取り入れた関わり方や事例をお伝えしていきます。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達が気になるお子さまの子育てをオンラインサポートする「発達ナビPLUS」。発達ナビPLUSの監修者でもある公認心理師・緒方広海先生に、思春期の二次障害への「特徴」とその「相談の目安」について解説いただきます。・そもそも二次障害って?・不登校や引きこもりは二次障害なの?・二次障害への対応はどうすれば?など、特性があるお子さまの二次障害に関する疑問やお困りごとへの手立てについてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達に特性がある子の「好き」をのばし、力に変えることのできる習い事や保護者さまの関わりについて解説する、保護者向け勉強会です。ゲームや動画が大好きなお子さまが、実際に好きなことを力に変えた成長事例などを交えて、保護者さまの関わり方のポイントや習い事の選び方、将来への活かし方についてご紹介します。・子どもの「好き」を力にする親の関わり方や習い事って?・事例で分かる!「好き」を伸ばした子のストーリー・将来に活きる力に変えるために今からできることは?Upload By 発達ナビアライアンス プログラム不登校や引きこもりがちなお子さまがいるご家庭向けの勉強会です。復学や居場所など、学校に行かない選択をした子へのサポートや、中学以降の進路の選択肢について解説します。1.不登校支援の選択肢フリースクールや訪問教室など、不登校のお子さまへの支援の選択肢や選ぶ際のポイントを解説します。2.中学以降の進路の選択肢義務教育以降の高校進学の選択肢として、通信制・サポート校や高等専修学校、チャレンジスクールなど、不登校に理解のある進路を幅広く知ることができます。3.教育にまつわる準備教育資金やお子さまの自立後に必要になってくる費用など、現実的な準備についても解説します。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。
2023年09月20日共働きのママとパパのお助けサービスとして、教育シッター×お手伝いを行うOkosapoおこサポ(所在地:東京都渋谷区、代表:平林 直美)は、新サービスとして、0~5歳の保護者を対象とした全5回講座を開始いたします。講座では、偏差値70ラインのトップ校に合格されたご家庭で実際に行われてきた「国語力を育てる家庭教育の実際」を限定公開でお伝えします。特典: 3か月間、無料の個別コンサルティング付きURL : 幼児向け保護者講座■提供背景Okosapoおこサポは、小学生を対象に、独自の読解力向上プログラムを提供してきました。「幼児のもっと早い時期から、ことばの学習をしておけばよかった」という保護者様のご要望にお応えして、この度、幼児向けに「ことばの力」に特化した講座を開始することになりました。読解力を向上させていく背景には、文章の読み取りに対するアプローチだけでなく、語彙力をいかに高めるかという点が大きく関係しています。しかし、語彙力はすぐに増えるものではなく、長い時間をかけて、日頃の学びの繰り返しを経て養われるものです。「幼児のもっと早い時期から……」という保護者様の声は、まさにこの点が理由となっています。Okosapoおこサポの独自の読解力スキルは、実は0歳からの継続された家庭教育の延長線上にあります。中学受験で偏差値70ラインを維持してきたトップ校のお子様が実際に家庭でどのように学んでいたのか。それは、漠然と本を読み聞かせるのでも、大量の問題演習を行うのでもありません。Okosapoおこサポの国語力アップの技術をお伝えします。「理系なので国語は得意ではない。勉強しても国語は伸びない。」という方も、ヒントを得られると良いと思います。幼児期に言葉については、発達について多くお悩みが寄せられています。この時期の言葉の発達が、後に小学校に入学してからの学習に影響を及ぼし悩まれることもあります。今回のご要望の多くは、中学受験の国語の読解に関するものでした。が、特に低学年のお子様においては小学校の特別学級での学習受講の有無についてのお悩みも寄せられています。より多くのご家庭で、生活のなかで言葉の力を高めるプログラムを取り入れることができたら、こうしたお悩みの改善につながっていくのではないかと思います。■サービスの特徴*ここが違う トップ校の国語力まで到達する子の学び方限定公開 一日の過ごし方例試験解答の実際*忙しいママ、パパでもお家でできる実践例の紹介毎日たった5分の〇〇〇お家まるごと〇〇〇化計画*小学校受験 言語、お話の記憶 特訓お家での学習ポイント合否を決めるポイント■ご利用の流れ10月1日より受付開始(定員になり次第締め切り…1クラス5名)(1) 予約先 直通電話 070-5455-5937・ info@ocosapo.com (2) カウンセリング(3) 参加クラス決定(4) レッスン料振込み(5) レッスン開始(~5回(3か月)終了)■サービス概要講座名 : 0歳からが決め手 勉強しないのに伸びる国語トップ校の家庭でしていたこと限定公開0~5歳の保護者対象 全5回講座(3か月間)提供機関: 2023年11月より3か月間提供時間: クラスごとに異なります。1回60分+個別コンサルティング平日 10:00~14:00/土日 10:00~19:00場所 : 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階アクセス: 「渋谷」駅 徒歩8分料金 : 50,000円(税込)/[税込 全5回分]URL : ■会社概要Okosapoおこサポ共働きのママとパパのお助け 教育シッターサービス代表者 : 代表取締役 平林 直美所在地 : 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階設立 : 2022年7月事業内容: 教育シッター×お手伝いサービスURL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Okosapoおこサポ お客様相談窓口直通TEL: 070-5455-5937MAIL : info@ocosapo.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月20日アキラさんは夫と2人の息子と一緒に暮らしています。結婚してから10年以上が経ち、息子たちの反抗期や夫の塩対応などにさみしさを感じていました。ある日のこと、アキラさんがもう一度人生をやり直せたらいいのにと妄想をしていると、「時の神」と名乗るおじいさんが現れます。そしてアキラさんが朝起きると1998年の高校3年生のころに戻っていたのです。錯乱井くんが、同じ大学の一般女性と結婚することを知っていたアキラさんは、自分がその女性になって錯乱井くんと結婚しようと考えました。そしてアキラさんは、錯乱井くんとの結婚を目指し、同じ大学へ入学することを決意。さっそく勉強を始めるのですが……。人生2度目でも受験は大変…? 人生2度目の高校時代を過ごすことになったアキラさん。 錯乱井くんが同じ大学の一般女性と結婚することを知っていたアキラさんは、自分がその女性になって錯乱井くんと結婚しようと考えました。 アキラさんは高校で当時付き合っていた彼氏と再会。一緒に帰ろうと誘われたのですが、なんと将来的に憧れのアイドル錯乱井くんと結婚をするからと伝え、別れてしまいます。彼からは「こいつ頭おかしい!!」と言われる始末……。 そして、錯乱井くんと同じ大学に入学するため、勉強を開始。 親友の早夜子がのちに受かることを知っているアキラさんは、早夜子と一緒に試験対策をすることに。しかし、アキラさんはこの時代のテレビに出ているアイドルたちが懐かしいあまり、テレビから目が離せず勉強に集中できません。結果は不合格でした。 ◇◇◇ 高校生のころに観ていたドラマが今テレビで放送されていたら、うれしさと懐かしさのあまり画面にくぎづけになってしまうというのはわかる気がします。ですが、時の神から人生をやり直すチャンスをもらったからには、アキラさんには錯乱井くんと同じ大学に入るという夢をあきらめず挑戦を続けてほしいですね。著者:マンガ家・イラストレーター 新庄アキラ
2023年09月19日学習障害当事者37の工夫を収録ーー『LDの子が見つけたこんな勉強法「学び方」はひとつじゃない!』本書は、学ぶうえで困難さを感じたことのあるLDがある当事者とその家族の協力を得て、学校生活で困った具体的な場面と、その困りごとに対しての工夫をまとめた一冊です。1章では「私たちが勉強するときにしていた工夫」として、37の工夫を紹介。「読み」「書き」「暗記」などの事例と共に、診断名と困ったこと、それぞれの具体的な工夫がイラストも交えて分かりやすくまとめられています。また、工夫に対して、応用のポイントやヒントとなるコメントもついています。2章では、学校生活や合理的配慮について、事例からさらにふみこんだ当事者へのインタビューが掲載されています。社会人となって働いている大人から、現役の学生、保護者、年代もさまざまな当事者の工夫が数多く紹介されています。ほかにも障害者支援に携わる支援者からのメッセージに加えて、編著者の野口晃菜さん、田中裕一さんの対談も収録。子ども自身が困った時に、誰に相談するかをイメージする手助けにもなるでしょう。「授業中に板書が終わらない」「漢字を覚えられない」「勉強がおもしろくない」。 学校生活や授業で、「なんだかしんどい」「どうしたらいいか分からない」と疎外感を感じている子どもや、サポート法が分からず迷っている保護者に寄り添う一冊です。『起立性調節障害お悩み解消BOOK 「朝起きられない」子に親ができること!』起立性調節障害がある子どもは、中学生の10%を占めているといわれ、思春期に発症しやすい身体の病気です。症状は、頭痛・めまい・怠さ・朝の起きにくさなどがあり、症状が強くなると、学校に行きたくても身体が思い通りにならず、遅刻や欠勤を余儀なくされてしまうことも多いといいます。著者の吉田誠司先生は、2014年に起立性調節障害に関する研究で医学博士号を取得し、現在は、大阪医科大学小児科で心身症外来を担当する子どものこころの専門医です。本書は吉田先生がこれまでの診療のなかで得た当事者や保護者の経験がまとめられており、また、それぞれの場面で保護者が抱える悩みや、その悩みに対する対処法なども紹介されています。第1章では、起立性調節障害の仕組みを自立神経機能から解説。第2章は、食事・運動・睡眠など非薬物療法のポイントなど治療について、第3章では子どもが家で1日過ごすときに親子で意識したいこと、第4章では学校との関わり方や、学校選びや受験のポイントまで組み込まれています。起立性調節障害の症状のために学校に通えない、また、やりたいことができずつらくく悲しい思いをしている子どもや保護者もいることでしょう。本書は、起立性調節障害という疾患を知り、症状の改善と、学業や将来のこと、家庭での過ごし方、そして当事者である子どもとの接し方など、保護者が抱えるさまざまな悩みの解消の一助となるのではないでしょうか。『子どもたちはインターネットやゲームの世界で何をしているんだろう?児童精神科医からみた子どもたちの「居場所」』本書は、ゲームやアニメ、マンガの愛好家であり、子どもとゲームやインターネットとの関わりについて各方面での発信にも力を注ぐ児童精神科医の関正樹先生が、子どもたちの「居場所」としてのゲーム・インターネットの世界について、最新鋭の調査データや研究、そして臨床事例を交えて解説した一冊です。本書では、インターネットやゲームの世界に子どもたちが傾倒するには、その子どもたちなりの背景があると記されており、子どもたちがゲームやインターネットに没頭していく過程が丁寧に分析されています。そして、大人がその世界を知るために気をつけておきたいポイントを取り上げると共に、事例などを通じて子どもたちにとっての「居場所」としての意義を提案し検討するという形が取られています。また、本文中には、「ストリートファイター」や「スプラトゥーン」など実際のゲームも事例として登場し、ゲーム愛あふれる関先生ならではの視点も見どころの一つです。ゲームやインターネットの世界について網羅的に記述されている本書では、発達障害・不登校の子どもたちとインターネットやゲームの世界についても取り上げられています。「居場所」を求める子どもたちのなかには、リアルの世界で大きく傷ついたり溺れそうになっている子どももいるのかもしれません。SNSで胸のうちをつぶやかざる得ないときにも、それを責めるのではなく、共感的にその背景に目を向けることの重要性も記されています。本書は、目の前にいる子どもと接していく参考になると共に、子ども・青年たちに関わる支援者や臨床家や教育現場の教師など、「子どもの居場所のあり方」について関心のある多くの方にぜひ手に取ってもらいたい一冊です。子どもも家族も楽しい食事時間を過ごしてほしいーー『ダウン症のある子どもの離乳食から食事へー食べる機能を育てるためにー』ダウン症(21トリソミー)とは700人から1000人に1人の発生頻度と言われる21番染色体が1本多く存在することで起こる疾患です。ダウン症がある子どもは低緊張のため、哺乳力が弱いだけではなく、口唇を閉鎖する力も弱く、舌も突出しやすく、また咀嚼の発達自体もゆっくりで丸呑みしやすいといったことも多い傾向があるため、離乳食や食事の進め方にも注意が必要だとされています。本書は、日本ダウン症療育研究会会長であり大阪医科薬科大学小児科名誉教授の玉井浩先生が監修した、「ダウン症のある子どもの離乳食や食事はどうやって進めていけばよいか?」ダウン症のある子どもの家族の悩みに答える実践的な解説書です。食べさせ方や座り方、食事道具の選び方や使い方をはじめ、家族や保育者からよくある相談や困りごとをまとめた41のQ&Aなどをイラストや写真を交えて分かりやすく解説。さらにQ&Aでは成人になってからの食に関する悩みについても記されています。また、巻末付録には成長曲線(0〜36ヶ月・0〜18歳)も掲載。「子どもも家族も楽しい食事時間を過ごしてほしい」という想いを込めて書かれた本書。ダウン症がある子どもやその家族を支える医師や看護師、栄養士などの医療従事者、保育士をはじめとする保育関係者に、手元においてもらいたい一冊です。『「共感」からはじめる 発達障害のある子どもの支援教室における行動―情緒の問題を解決する6つのステップ』発達障害のある子どもの暴言や暴力、パニック、さらにゲーム依存といった行動上の問題の背景には、障害からくる特性だけではなく、養育環境や対人経験などのさまざまな要因が絡んだ子どもの情緒面の苦しみがあるのではないでしょうか。本書は、小中学校の通常学級や特別支援学級で発達障害のある子どもと関わる教員や支援者が、子どもが起こす行動上の問題の先にあるその背景を理解し、子どもの情緒に共感して適切に関わり、効率的な支援が行えるようになるための6つのステップを解説しています。著者は、宮城教育大学大学院教育学研究科教授の植木田潤先生。本書のなかでは、植木田先生が25年以上にわたり継続してきた教育相談やカウンセリングのなかで培ってきた事例も組み込み、事例理解を通じて「共感からはじめる支援」を体感できる内容となっています。また、障害特性や目に見える行動だけではなく、養育環境や対人経験といった「育ちの軌跡」や、それらによって生じた価値観などにも注目し、子どもだけではなくその家庭との関わり方のポイントや具体的な支援方法についても詳しく解説されています。発達障害がある子どもたちが示す行動上の問題は、実は、子どもたちの発する救済信号かもしれません。本書は、その行動や情緒の問題の背景にある子どもたちの想いや願いを理解し、支援しようと日々奮起している教員や支援者に読んでほしい一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年09月17日強いストレスとプレッシャー。小6ですでに二次障害の兆し学校で壮絶ないじめにあっていたけれど、勉強はできた私。私が小学生だった30年ほど前は、発達障害についてなんてほとんど誰も知りませんでしたから、親や先生を含め、周囲の大人は私を神童扱いしていました。持ち前のバイタリティで出世しつつあった父は、私にもそのバイタリティを求め、厳しく叱咤激励しました。「学校に行かなくなったら将来路頭に迷うぞ」「お前は頭がいい、エリートになれる。将来エリートになって、いじめっ子たちを見返してやるんだ」。普通の小学校高学年の子どもが、こうした言葉をどのように理解するかはわからないのですが、ASDの私はこうした言葉を字義通り解釈し、怖くて震え上がりました。そして、「死ぬ気で学校に行き続け、有名大学に入り、ゆくゆくは有名企業に入るなり弁護士とかになるなりしなければならないんだ」と思い込むようになったのです。小6の時、それまで無条件で可愛がってくれていた祖父が亡くなりました。唯一の心の支えであった彼を亡くした私は、さまざまな精神症状に苦しむようになります。教室に入るとき、どのような顔で、どこに視線をやりながら、どっちの足から入るか。何歩で、どういった角度で自分の席を目指すか……。そういったことを頭の中で一生懸命シミュレーションする。クラスメートの声が、すべて自分を攻撃し、嘲笑しているように聞こえてくる……。もし当時、医療とつながる機会があったなら、何かしら二次障害の診断が出ていただろうと思います。頼る先も、情報も選択肢もない日々でも、当時の親や先生が、私に障害があり、二次障害を起こしているであろう状況だなんて知るよしもありません。「子どもがメンタルに不調を感じたら大人と同じように専門家につなぐべき」などという知識もありません。私自身も、ただ自分が「頭がおかしく」て、「悪い」んだとばかり考えて、自分を恥じていました。勇気を出して相談したところで「あと少しなんだから頑張れ」とか、叱咤激励が返ってくるか、母の場合はショックを受けて寝込んでしまったりするだけだということもわかっていたので、自分が苦しいということは周囲に対してひた隠しにしていました。私が中学生になる頃には母の言動もだんだん異常になっていき、家庭生活も厳しさを増しました。自治体の広報だよりなどから「精神保健福祉センター」というものがあることを知り、親に隠れて電話相談に頼ったりしていました。しかし、結局そこでも理解ある対応はしてもらえず、「お母さんに感謝しなさい」などと叱責されてよけいに落ち込んだり……。結局、何十年もあとになってから、母は強迫症やためこみ症といった精神疾患だったことがわかったのですが、そういったことも当時は誰ひとり気づかなかったわけです。知識・情報と選択肢が欲しかった今となっては、周囲の大人には「子どもにも、学校に行く以外にさまざまな選択肢がある」「勉強ができること、エリートになることだけが、あなたの存在意義ではない」と教えてもらいたかったと思います。それだけではなく、発達障害も含めたさまざまな精神障害について、もっと世間に知識や情報が普及していてほしかったし、困ったときには家庭で抱え込んでいないで福祉など外側の人に頼っていいのだということも知っていたかったです。私はそれらのないまま、一人で傷だらけになり、いわゆる青春のすべてを勉強のために犠牲にして無理を重ねました。大学新卒時の就活がうまくいかなかった時には「エリートになっていじめっ子を見返す」という唯一の精神的支柱を失って完全に心折れてしまいます。その頃には母の精神状態もさらに悪くなっており、そのまま20代を準ひきこもりで過ごすことに……。今、発達障害についての知識は深まっていますし、子どものメンタルケアの環境も整いつつあるので、私のような状況に追い込まれる子どもは少なくなっているかもしれません。それでも、保護者のみなさんには、相手が子どもだからといって良かれと思ってさまざまなことを決めてしまうことはせず、多様な選択肢を見せて選ばせてあげてほしいと思います。たとえば、特別支援学級やフリースクールに行ったほうがいいかもという事態になったとき、保護者としてはできるだけ頑張って通常学級に行かせたいと思うかもしれません。しかし思い返すに、私の場合は通常学級にこだわりすぎず、特別支援学級やフリースクールに行かせてもらったほうが、いま背負っているような傷や二次障害を背負わずに済み、結果的に社会適応度も上がって、もっと楽に幸せに生きられたのではないかと思っています。もちろん、特別支援学級やフリースクールに行くことでのデメリットもあるとは思いますが、本人が教育を受ける中でできるだけ傷つかず、結果的に強くポジティブに生きられるようになることがいちばん大事なのではないかと、私は思うのです。支援を得ること、人と違う生き方をすることもとても素晴らしいこと、あなたが最も楽で幸せな道を選ぶのが大事なのだと、お子さんに伝えていただければ嬉しいです。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)障害者支援法という法律もできたように、時代とともに神経発達症に対するとらえ方には変化がみられています。しかし残念ながら神経発達症に対する支援や知識はさほど以前とは大きな変化がないように私は感じています。各自治体において医療・教育・福祉・保健の連携がまだまだないのも一因であると感じています。学校の先生、小児科医、精神科医などの神経発達症に関わる人びとの知識もまだ十分とは言えないでしょう。車いすのように目で見える障害であればわかりやすいのですが、神経発達症は困りごとが見えづらく、また障がいというより特性なので、わかりづらい面があります。最近は神経発達症に関する知識が深まったとはいえ、いまだにかかりつけ医でも診断することが難しいのです。特別支援学級やフリースクールに在籍していても、理解の乏しい環境下の場合、通えなくなるお子さんも多く目にしてきました。小・中・高と診断されないまま、大学生や社会人になって初めて受診する患者さんも多くいらっしゃいます。誰か一人でも傾聴して認めてくれる人がいれば最も楽で幸せな道を選ぶことができるはずです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年09月15日ちょっとしたことでイライラしてしまう。小さなことを気にして、モヤモヤしてしまう。気持ちの浮き沈みが激しく、自分でコントロールできない――など、日々、自分の感情に振り回され、揺れる心とともに生活している人は少なくないでしょう。器用に気持ちを切り替えることができればいいですが、理性や倫理観だけでは割りきれないのが「感情」のやっかいなところ。特に子どもたちにとって、成長過程での混沌とした感情の揺れに対処するのは至難の業でしょう。今回は「子どもが自分の感情をコントロールできるようになるには?」という、なんとも難しい課題を考えてみます。子どもは2~3歳頃から感情コントロールを学び始めるちょっとしたことですぐに泣いてしまう子、意地悪をされてもケロッとしている子、外では我慢して家で大爆発する子など、子どもはじつに個性豊かです。では、「メンタルが安定している子」「気持ちの切り替えが上手な子」は、どういった発達過程を経てその術を身につけていくのでしょう。発達心理学が専門の聖徳大学教授の佐伯素子氏によると、子どもは「2~3歳ごろから徐々に感情をコントロールすることを学んで」いくとのこと。この時期によく見られる「なんで?」「どうして?」と大人を質問攻めにする現象からも、物事には原因があることを理解し始めるのが2~3歳頃であり、自分のなかから湧き出る「楽しい」「悲しい」といった感情と、その原因となった出来事を結びつけて考えられるようになります。さらに佐伯氏は、「4・5歳児になると、相手の気持ちが理解できるように」なり、「言語が発達することによって、自分の気持ちを保護者や友達に言葉で伝えられること」が増えると解説しています。その結果、「お友達と仲良く遊ぶには、自分の気持ちを抑えることも必要であることを経験の中で学んで」いくとのこと。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|小学校入学に向けて、感情をコントロールできる子になる【基礎知識編】)そして成長するにつれて、次のような変化が見られるそうです。小学校低学年になると、集団生活でよりもまれていくことに加え、徐々に論理的な思考ができるようになります。中・高学年になると、自分の感情に流されることなく、相手の立場で考えられることも増えてくるので、感情をコントロールする力は増していくと言えます。(引用元:同上)このように、少しずつ段階を踏むことで、子どもは自分の感情をコントロールできるようになるのですね。もちろん誰もがうまくできるようになるとは限りません。思考能力・言語能力の発達の程度や、家族や友人との関わり合いなども含め、環境による影響も大いに関係してきます。メンタルが安定している子は将来 “成功” しやすい安定したメンタルを維持できる子は、将来的に勉強や仕事など、あらゆる場面でよいパフォーマンスを発揮できるそうです。スタンフォード大学附属オンラインハイスクールで校長を務める星友啓氏は、「誰でも、感情が昂ぶっていたら集中して考えられませんし、逆に、気持ちが安定しているときは、勉強や仕事も冷静かつ効率的に進むはずです」と、勉強や仕事の効率を上げるには、気持ちが安定していることが大事だと指摘します。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「自分の感情管理ができる子・できない子」将来の差)たしかに大人であっても同じことが言えるのではないでしょうか。たとえば、イライラしているときは子どもに対する言動がきつくなったり、普段は忘れ物をしないのに、気持ちが不安定なときはスマホや財布などを家に忘れたり……ということはありませんか?いまアメリカでは、子どもたちの社会性とメンタルを育てる「SEL(Social Emotional Learning)」というプログラムが広がりを見せています。感情コントロールや共感力のトレーニング、マインドフルネスなどさまざまなメソッドを取り込んで学べる「SEL」。その効果は一時的なものではなく、ずっと先の将来にもつながっているのだそう。「社会性や感情の力を養うことが、現在の成績やパフォーマンスのアップにつながるだけでなく、将来の学歴や収入、心と体の健康にまで直結していることがわかってきた」と星氏が話すように、自分の感情管理ができる子は、どんな状況でも落ち着いて実力を発揮できるため、成功を手に入れやすいのでしょう。(カギカッコ内引用元:同上)メンタルが不安定な子は、将来的に不安要素が多くなる一方、感情に振り回されてメンタルが不安定になりがちな子は、実力を発揮できずに思うような結果を得られないことも。小さいうちはまわりの大人がフォローしてくれても、成長するにつれて差し伸べてくれる手は減り、ますますネガティブな感情に支配されてしまうかも……。法政大学教授の渡辺弥生氏は、言葉をどんどん覚えてボキャブラリーが増えること=感情の幅が広がることの重要性を説いています。ボキャブラリーが増えると自分の気持ちを言葉で表せるようになり、その結果、相手に気持ちを伝えて問題を予防・解決できるようになるのだそう。では、自分の気持ちをうまく言葉に表せない子はどうなるのでしょう?「ネガティブな気持ちを自分のなかに抱え込んだまま、悩み続けることに」なると渡辺氏は指摘します。どうやら、行き場がなくなった負の感情を、自分のなかでため込むようになってしまうのだそう。そしてますますメンタルが不安定になる危険性も……。(カギカッコ内引用元:nobico|子どもの感情を豊かにする親の言葉…幼児から小学校低学年までの子育てのポイント)感情をコントロールするテクニックは、放っておいても勝手に向上することは難しく、親やまわりの人との関わり合いのなかで育まれていくようです。渡辺氏は「ネガティブな感情を持つのはあたりまえで、人間として必要なもの。子どものネガティブな感情を封じ込める必要はない」としたうえで、「ただし、感情任せに振る舞うとトラブルになることもあるため、マネジメントする力を教える必要がある」と、感情をコントロールする方法を教える必要性を説いています。次項でその方法を紹介しましょう。(カギカッコ内引用元:Study Hacker こどもまなび☆ラボ|劣等感を自尊心に!寝る前に親子で実践、「レジリエンス」の簡単トレーニング)「自分の感情をコントロールできる子」に育てる3つの方法最後に、「自分の感情をコントロールできる子」に育てる方法を3つのポイントに絞ってご紹介します。1.感情をラベリングする方法を教える感情コントロールができるようになるには、まずは自分の気持ちを言葉にする方法から教えてあげましょう。一般社団法人日本ポジティブ教育協会代表理事の足立啓美氏は、感情を言語化することを「感情のラベリング」と呼んでいます。具体的には「『おもちゃをとられて悔しかったね。悲しかったかな?』という具合に声をかけて、子どもが感じた気持ちをそのまま受け止めてあげ、そのうえでその感情を言葉にするサポートをすること」で、自分の感情をありのままに受け止めたうえで、その理由を理解し、適切な対応ができるようになるのが理想です。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「怒りや悲しみ」と向き合える子に育てる親の心得)そうすることで、子どもは自分の感情との付き合い方を学びます。さらに、「親に理解してもらえている」という安心感や、信頼感も生まれます。2.自分の感情を客観視するトレーニングをしよう子どもであっても、自分の感情を客観視するのは大切です。前出の星氏は、感情管理のトレーニングとして「ディスタンシング」というメソッドを提案しています。「ディスタンシング」は、自分の気持ちと「距離(ディスタンス)をとる」という意味。気持ちを外側から見つめることで、自己理解と自己管理の力がつくのだそう。その手法のひとつとして、おすすめなのが「友だちに声をかけるふりをする」というもの。子どもがネガティブな感情に心が奪われているようなら、友だちがその出来事を体験している状況を想像してもらいます。「(あなたの友だちの)〇〇ちゃんに同じことが起きたらどう思うかな?」とたずね、「なんて声をかけてあげようか」「どんなアドバイスをしてあげる?」と、友だちという存在を介して自分の心と対話させるのです。その後、「じゃあ、〇〇ちゃんが(あなたに)同じように言ってくれたら、どう思う?」と、当事者を自分に置き換えさせます。これを繰り返すことで、子どもは自分の気持ちを客観視して考えることができるようになるでしょう。3.先回りして負の感情を取り除かないネガティブな感情は決して「悪」ではありません。イライラするのは、人間にとって当たり前の感情。それを受けとめきれずに、人や物に当たったり、他人の足を引っ張ったりすることが問題なのです。公認心理師の佐藤めぐみ氏は、「親が先回りしすぎて、子どもが感じるべき不安感やフラストレーションを取り除いてしまうと、取りこぼす成長がある」と注意を促しています。たとえば、以下のような先回りです。泣かれたら面倒だから、今日だけはお菓子を買ってあげようおもちゃの取り合いにならないように、親がうまく声かけをしなければ機嫌が直らないから(約束の時間は過ぎているけれど)もう少しYouTubeを見せよう(参考・カギカッコ内引用元:SHINGA FARM|気持ちをセルフコントロールして「自分で泣き止む子」はどこが違う?)また、子どものネガティブな感情を否定するのも避けましょう。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の小尻美奈氏は、「日頃から親が『不満』『残念』『困った』などのマイナス感情をいつも怒りだけで表現していると、子どもも同じようにマイナス感情を全て怒りだけで表現しようとします。感情表現は、身近な人から模倣して身につけていくのです」とも述べています。無意識に出てきがちなマイナス感情ですが、親子で一緒に気持ちを切り替える方法を実践して、感情コントロールを身につけたいですね。(カギカッコ内引用元:FNNプライムオンライン|“キレやすい子”にしたくない…子どもが感情をコントロールできるために親ができること)***不安やイライラが外に向きすぎても、内にたまりすぎても、どちらからもよい結果は生まれません。適度に発散し、上手に感情をコントロールできるようになれば、お子さまはもっともっと楽しい毎日を過ごせるでしょう。(参考)ベネッセ教育情報|小学校入学に向けて、感情をコントロールできる子になる【基礎知識編】東洋経済オンライン|「自分の感情管理ができる子・できない子」将来の差nobico|子どもの感情を豊かにする親の言葉…幼児から小学校低学年までの子育てのポイントStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|劣等感を自尊心に!寝る前に親子で実践、「レジリエンス」の簡単トレーニング東洋経済オンライン|「怒りや悲しみ」と向き合える子に育てる親の心得SHINGA FARM|気持ちをセルフコントロールして「自分で泣き止む子」はどこが違う?FNNプライムオンライン|“キレやすい子”にしたくない…子どもが感情をコントロールできるために親ができること
2023年09月14日3歳でDQが境界域であることがわかった息子。自閉スペクトラム症(ASD)、ADHDの特性もありそうで…現在6歳の息子は、3歳9ヶ月の時に市の発達支援センターで「新版K式発達検査」を受け、3歳0ヶ月相当の発達で境界域であることが分かりました。まだ医療機関を受診していないため正式な診断はないのですが、日頃の行動を見ていると、自閉スペクトラム症(ASD)、ADHDの特性がそれぞれ当てはまるように思います。服が濡れるとすぐ着替えたがる、大きな音が苦手ですぐ耳をふさぐ、強い匂い(特に食べ物の匂い)が苦手、急な予定変更や初めての場所が苦手、お気に入りのテレビ番組のナレーションやYouTubeのセリフなどを丸覚えして話す……これらがASDの特性の表れではないかと私は感じています。また、じっとしているのが苦手で大抵モゾモゾしている、園では先生の説明が長くなると途中で集中を欠き、近くのお友達としゃべったりよそ見をし始める、相手が話している途中で飽きてくると自分がかぶせてしゃべってしまう、会話が一方通行になりがち、片づけが苦手で、自分がモノを置いた場所をすぐ忘れる、興味がすぐ別のものに移る、イライラのコントロールが苦手……などといった多動性・衝動性もあるように感じています。天真爛漫な甘えん坊で、おしゃべりが大好きな息子。絵本やDVD、YouTubeなどが大好きで語彙が豊富で表現も面白く、大人を笑わせるのが得意です。ちょっと内弁慶で人見知り、失敗するとクヨクヨしがちなところもありますが、わが家のかわいいかわいい宝物です。しっかりと目も合うし、言葉が出るのも早く、コミュニケーションも取りやすかった息子。まさかのちに発達の遅れがわかるとは、思いもよりませんでした。まるでパリピ⁉陽気な酔っぱらい⁉はしゃぎだしたら止まらない乳幼児期の息子乳幼児期からおしゃべりが大好きな息子でしたが、1歳後半くらいからでしょうか、しゃべり出したり、はしゃぎ出したりしたら止まらなくなるようになりました。無邪気でかわいいのですが、「この陽気な酔っぱらいみたいなテンションの高さは誰に似たんだろう……。夫も私も物静かなほうなのに……」と思うほどでした。そして1歳11ヶ月頃、保育園で習った歌を先生から聞いてYouTubeで流してあげると大喜びして踊るようになりました。陽気に歌い踊る様子はパリピのようで(?)とてもかわいかったのですが、何回も何回も繰り返し再生させられ一向に止まりません。さすがにそろそろ終わりにしようと「もうおしまい」と言うと息子はギャン泣き!おさまるまで待つのが大変でした。さらに息子はこれ以外の遊びに興味を示してくれなくなってしまいました。園でもそんな感じだったと連絡帳に書いてあります。毎日毎日踊り続ける息子を見て、他の遊びはしないのかな?と疑問に思いつつも、でもそれも子どもだからかなと思っていました。Upload By ユーザー体験談その後2歳になるとイヤイヤ期が始まり、息子のパワーが増大!私の体調が悪い時や家事をしている時でも「一緒に遊んで!抱っこして!」などと絶対に譲らず、「ちょっと待ってね」ができないことにしんどさを感じ始めました。「日頃仕事で構ってあげられていないし、子どもだから仕方ないよね」と思っていましたが、これらが『子どもだから仕方ない』というレベルではないということが1年半後に分かるのです。歯科健診で大パニック、内科健診では着替えられず…。それを見た医師からの言葉は月日がたち、3歳6ヶ月児健診を受けた時のことです。臨床心理士さんによる検査(積み木を使った検査や、絵を描く検査など)が終わった後、別室で歯科健診がありました。歯医者さんにあるようなリクライニングの椅子に座って、椅子が倒れた状態になったところで、上からライトを照らして口の中を先生が診てくださるといった、歯医者さんでの診察と同じような流れだったのですが、園での歯科健診しか知らない息子にとっては、初めてシチュエーション。それが怖かったんだと思います。椅子から降りようと大泣きして大暴れしたのです。その様子に驚きつつも、私は息子の体を押さえて健診をしてもらいました(先生が優しかったのはせめてもの救いでした)。Upload By ユーザー体験談他にも泣いてる子どもや嫌がっている子どもはいましたが、息子の嫌がりぶりは飛び抜けていたように思いました。でも、その時点での私は「すいませ~ん(苦笑)」くらいの感じで、「まあ子どもだし仕方ないか~、うちの子ビビりやなぁ(笑)」と思っていました。歯科健診のあとの内科健診では、受ける前に部屋の一角にマットを敷いたスペースがあり、そこで服を脱がせてパンツ一丁にさせ、持参したバスタオルを体にかけて受診するよう指示がありました。息子は、歯科健診でのパニックが尾を引いていて、なかなか切り替えられず、「服脱ぐの嫌!」と言って譲りませんでした。息子のあとに診てもらう予定だった子ども何人かと順番を代わってもらったくらいです。10分くらいして、ようやく息子が落ち着いたので内科健診を受けました。その時先生が息子がなかなか着替えられなかったこと、そしてそれまでの検査結果を見て「できることとできないことの差が大きいね。この場で断定はできないけど、今後発達面で気になることが出ないか、様子を見たほうがいいかもしれません」と言ったのです。Upload By ユーザー体験談発達面の指摘を受けショック!市の発達支援センターへ相談すると…この医師からの言葉には、やはりショックを受けました。これまでも、息子の落ち着きのなさ、執着の強さや衝動性の強さに若干の「育てづらさ」は感じていましたが、「まあ、子どもってそういうもの?」「育てづらいと思うのは、私が過敏だから?考えすぎ?」と杞憂だと思いたい気持ちもありました。なので、「やっぱりそうじゃない可能性がある」という事実は、それなりに重くのしかかりました。一方で「やっぱり杞憂じゃなかったか。私の予感、当たったかもな」という、腑に落ちた感もありました。その1ヶ月後、息子に対して感じていた「育てにくさ」を誰かに相談したいと思い、まずは市の発達支援センターに電話をして、いま悩んでいることを担当者の方(心理相談員の女性)に聞いてもらいました。すると、「お子さんはいま保育園に通われていますか?その場合、保育園とも情報共有をしたいので、発達支援センターの相談員が保育園に赴いて、保育園で発達検査を行うことになります」と言われたので、そうしてもらうことにしました。そして、息子が3歳9ヶ月の頃、息子が通っている保育園で発達検査(新版K式発達検査)をしてもらい、後日診断結果をいただきました。全領域、DQ80、3歳0ヶ月相当の発達で境界域とのことでした。境界域とわかり夢を一つ絶たれたような気持ちになったこともあったけれど…私は、20代の頃に学習参考書の編集者をしていたこともあって、子どもの教育にはとても関心がありました。「子どもの成長に合わせて一緒に勉強して、私も学び直しをしたい。私も勉強で失敗したり頑張ったり、楽しさを感じたりしてきたので、その経験が息子の学びの役に立つこともあるのではないか」とも思っていたので、息子の認知機能が弱い、つまり、知識や思考を広げたり深めたりすることが難しいという事実を知ったときは、正直、夢を一つ絶たれたような気持ちにもなりました。ですが、激しい落ち込みはありませんでした。というのも、目の前の息子は、時に育てにくさを感じるとはいえ、基本的には無邪気で面白くて、すごくかわいかった!また、同年代の子どもと比べると幼いところはありつつも、彼なりに成長している姿も見えました。私は「まあ、命があれば十分かな。息子と私たち親には、当初思い描いていたのとは別の課題が与えられたってことなんだ。じゃあ、これからはその問いに一生懸命取り組んでいこう」と思うようになりました。私は妊娠21週で流産したことがありました。その後数年間子どもを授からなかったのちにようやく授かった息子だったので、余計にそう思えたのかもしれません。息子の頑張りに気づくこと、「頑張りたい気持ち」をつぶさないことが、今私に与えられているミッション!現在、息子は字の練習をしたり、最近は絵を描くようになりました。園で他のお友達が書いている字や絵よりもつたないということは彼なりにわかるみたいで、「へただからやりたくないなぁ」と口にすることもあります。ですが、そう言いながらも一生懸命取り組んでいる姿が見られ、「頑張ってるところがかっこいいよ!ちゃんと上達してるよ!」と伝えています。自宅では通信教育のワークブックを一緒にすることもあります。きれいに字が書けなかったり、問いの意味がすっと理解できずにいらだっている様子も見られますが、こちらがイライラすることなく、落ち着いた様子でちょっと助け船を出したり、励ましたりすれば、ブツブツ言いながらも投げ出さずに取り組む姿勢も見られます。息子を見ていると、子どもってちゃんと「頑張りたい気持ち」を持っているなぁと思います(ただ、なにぶん不器用で、その気持ちをもって挑んでも出る成果が少ないので、本人も親も途中でいらだってしまう……といったこともしばしば起こっているのが反省点です)。息子の頑張りに気づくこと、「頑張りたい気持ち」をつぶさないことが、今私に与えられているミッションなんじゃないかと思っています。息子が、自分で幸せをつかめる人になれるよう、一緒に進んでいきたいです。Upload By ユーザー体験談イラスト/SAKURAエピソード提供/苗(監修:鈴木先生より)誰でも障がいがあると告知されればショックは隠せません。仮にASD傾向がありそうだなと思っていても医師からの告知は重いものがあります。神経発達症のお子さんでもDQの値はさまざまです。たまたま今80だとしても伸びる可能性はあります。知的ボーダーラインや知的発達症は、ASDやADHDとは別の疾患です。正確には5歳以上になってIQテストをして初めて知的な面での方向性がわかります。何ができないかではなく、何ができるかに注目してあげるといいです。いろいろなものにチャレンジして頑張っているのであれば「がんばりカード」を作って、たとえば頑張った毎にシールなどを貼って3枚たまったらどこかに行けるなど、ご褒美を与えるトークン法が有効です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2023年09月13日専業主婦の千代子さんは、会社員の夫と小学3年生の息子・翔太と3人暮らし。翔太は引っ越し先のマンションに住む清水さんと、その息子・学と仲良くなり、毎日のように家に通うようになりました。千代子さんが注意したため、学校帰りに清水さんの家へ遊びに行くのは週4日ほどになった翔太。 千代子さんは、今度から翔太が清水さんの家へ遊びに行ったときは、連絡がほしいと伝え、LINE。しかしその後、翔太が清水さんの家へ行っても清水さんから連絡は来なかったのです。ある日、この件を夫に話していると、夫からとあることに気づかされた千代子さん…… 失礼なことをしていたのは私だ ある日夫に清水さんのことを話すと、私立に通う学は家庭教師や塾で本当は忙しいのではないかと千代子さんは気づかされます。毎日のように翔太が遊びに行くことを黙認し、失礼なことをしていたと悩み始める千代子さんに、夫はきっと気が張ってて気づかなかったんだと言ってくれました。翌朝、翔太に学が塾に行っているのかを聞くと、塾や家庭教師で全教科習っているとのこと。「邪魔になるってわかるでしょ?」と問うも、翔太は清水さんがいいと言うと言います。清水さんが「子どもっぽくない学君が翔太と遊んでいると安心する」と言っていたことを思い出し、学に遊びの時間も与えようとしているのかもと考え、くれぐれも勉強の邪魔をしないことを条件に、遊びに行くことを翔太と約束しました。 一見、良好なご近所付き合い。ママ友関係が築けているように見えますが、一方的にわが子が人の家に行ってばかりだと、親としては気が引けてしまいますよね。相手の子が勉強中とあれば、なおのこと。それでも「遊びに来て」と言う清水さんは、純粋な親切心なのかそれとも……。判断が難しいですね。 作画:じゅったむ著者:ライター 千代子
2023年09月09日ぽこちゃんです&どんちゃんです
子育てはフリースタイル
両手に男児