出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、時代の空気を読める女性、「キャッチコピーを令和版にする女」になりきり。時代に合わせたマイナーチェンジは大事。6~7年前のことになりますが、ボジョレーヌーヴォーの解禁イベントでMCの女性が、「若くないのに“若井”です」というキャッチコピーを披露していて、記憶に残っていたんです。それが最近、別のイベントで再会を果たすことに!嬉しくなって、「以前、お会いしましたよね?私の口からは言いづらいですけど、あの、一言をお持ちの方ですよね?」と聞いたところ、「覚えていてくださって嬉しいです」と。さらに、「今はコンプライアンスがありまして、『いつまでも若くいたい、若井です』になったんです」と教えてくれました。それを聞いて、ちゃんとアップデートをして令和の時代を生き抜いている姿勢に感動したんです。もちろん、MC業としてもプロ。再会したのは婦人科系の病院で行われたイベントだったのですが、私がコメントを言いやすいようにお膳立てしてくれるんです。思い返すと、ボジョレーヌーヴォーの解禁イベントでも、みなさんをアシストしながら会場を盛り上げていました。その時は、ボジョレーヌーヴォーを広めたフランス人の方が、フランス語で乾杯の掛け声をかけるのが見せ場の一つだったのに、なぜか、日本語で「乾杯」と言ってしまったというハプニングが発生したのですが、若井さんが見事にフォロー。むしろ、若井さんがしっかりと見せ場について説明していたことがいいフリとなって、よりハプニングが面白く際立っていました。そういうところも素晴らしいですよね。若井さんのような人になるには、時代の空気を読み、きちんとマイナーチェンジをしていくことが求められると思います。また、ウケなくなった言葉は使わず、人に迷惑をかけないようなフレーズを選ぶ。そうして、人からツッコまれるような状況を整えたいですね。よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年12月13日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年12月12日朗らかで穏やかな雰囲気と、人懐っこい笑顔。しっかりとした受け答えと丁寧な口調から、誠実な人柄が伝わってくる。多くの同世代俳優がファンを公言するが、さもあらん。愛らしくて、会えば誰もが好きにならずにいられない富田望生さん。――現在、舞台『ジャズ大名』の稽古中ですが、いかがですか?演出の福原(充則)さんとは今回が初めましてなんですけれど“挑戦状”をいただいたような気持ちがして、楽しみだったんです。でも、稽古が始まって最初の本読みで4回くらい心が折れまして。…というのもあまりに怒涛なんです。一応いま、一通り全部の場面をみなさんとセッションしたところなので、その安堵みたいなものはあるんですけれど。―― 一体何がそんなに…?ひとりで何役もやるんです。一役終わったと思ったら、次の場面ではまた違う役をやるので、声の調整や体のあたため方が追いつかなくて。なかには男性の役もあったりもして、混乱しちゃったり。でも今は、その混乱を楽しみながらできるようになってきたかなと。――それだけ毎回ひとつの役に集中されるからってことですよね?きっとそうなんです。今はこの役だと思っていたら次の役の番が来てしまうので、脳みそがうまく切り替えられなくて。この間福原さんに言われたんですが、私、稽古中に福原さんの話を、役になったまま聞いているらしいんです。男性の役のときは男性になったままなので、「富田さんと話していると笑っちゃいそうになる」と言われました(笑)。――でもそうなると、同時に複数の作品を並行して撮っているときなどが大変そうですが、そちらの切り替えはできるんですか?最初の頃は絶対無理だと思っていましたが、だいぶ慣れました。今も、朝、別の現場でドラマを撮って、昼過ぎに稽古場に来ていますが、来ると不思議と落ち着くんです。仮のセットが組まれた稽古場のフロアに寝て、みんなと「おはよう」って挨拶していると、ホームに戻ってきた気持ちになるんです。毎日、同じメンバーで顔を合わせていると、みなさんが同志みたいに思えて「こっから創作の時間だ」ってワクワクします。――切り替えのスイッチみたいなものはあるんですか?人に会うことです。現場に入り、ヘアメイクしてもらったり、衣装を着たりしている時間がそのタイミングです。自分でも、意外とそこで切り替えできるんだなって。――舞台はどうですか?同じ場面を何度も演じるわけですが。私はご褒美だと思っています。こんなにひとつの場面をじっくり何度もやれるなんてすごく贅沢なことだと思っています。本番に入ってからも、昼公演と夜公演、初日と中日と千秋楽でも、馴染むというか変わるというか…感覚があるみたいです。私は一生懸命やっているのみで、先輩方に「馴染んできたね」と言っていただいて、そうなのかなと思うくらいの段階ですけれど。本番が始まってからも演出家の方から細かく修正点をいただくこともあって、次の日にそれを生かせるステージがあるということが贅沢で、それが舞台の魅力なのかなと。今は年に1本はやっていけたらと思っています。――役に入り込むタイプだと、確かに今回の作品は大変そうです。大変ですが、それも新たな挑戦で、これを経たら切り替えが早くなるかもしれないと思っています。これまで舞台のお芝居は、みんなで意見を持ち寄って細かく話し合って役を突き詰めていくイメージだったんですけれど、今回はどちらかというとパッションでやっていく作品なのかなと感じています。――これまで、じっくり考えて役を作っていくタイプだったと思うのですが、今回の作品に向き合うことで変化は感じていますか?今はわからないけれど、とにかくやれることをやってみようって感じです。考えるより先にまずは体を動かしてみる、ということが今回は多いです。「ここの場面でこう見て」とか、「ここでは大きくしゃべってみて」と言われて、まずはその通りにやってみる。これまで、あまりそういう演劇的なアプローチでお芝居をしたことがなかったんですが、今回に関しては、福原さんからいただくヒントに思い切って乗っかって、わかりやすくお客さんに伝えていくことが必要なのかなと思っています。自分の役を深く深く追求することより先に、この場面での自分が果たすべき目的は何かをまず考えて、それをどう伝えるかっていうことを、求められているのかなと。――でも普段の作品では、それだけ役を丁寧に読み解いて演じられているということでもあります。富田さんなりの、役作りのセオリーのようなものはありますか?役に近づけるものがあるなら惜しまずにやらないとっていう、それだけです。よく、「なんでそんなに痩せられるんですか」「そんなに太れるんですか」と聞かれますが、自分がやらないと気が済まないというだけです。何かやっていないと不安になる性格で。そんなことをしなくても役にアプローチできる方はたくさんいらっしゃるけれど、私はそれができないだけで。見た目だけでも役に近づける要素があるならとりあえず試してみたいんです。これをやれば必ず見つかるって確かなものはないけれど、その過程で何か染み付いたものがきっとあると信じたい。その過程が大事だとデビュー作で教えてもらったので。――デビュー作の映画『ソロモンの偽証』で、役に近づくために体重を増やして臨んだのは有名な話です。ただ、気持ちの上でどうしても理解できない役もあるかと…。確かに普段から憎んだりするのはしたくないですが、台本を読んで役としてその場に行くと、自然と憎い感情が出てくるんですよね。――その感情を準備しておく?事前に台本は読みますけれど、基本的に何かを固めすぎて現場に行っちゃうと、相手が自分の想像と違うことをしたときに噛み合わなくなるので。だから台本からは、このシーンが何を伝えたいのか、言葉をどう届けたいのかっていうことを読み取って、あとはなるべく現場で、相手から受け取ったものを返すようにしています。とみた・みう2000年2月25日生まれ、福島県出身。’15年に映画『ソロモンの偽証』でデビュー。ドラマ『3年A組‐今から皆さんは、人質です‐』、連続テレビ小説『なつぞら』などの話題作に出演。’18年『ハングマン‐HANGMEN‐』(演出:長塚圭史)で舞台初出演。現在、ドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)、連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)に出演中。舞台『ジャズ大名』は、筒井康隆による時代小説が原作。幕末に黒人奴隷を乗せたアメリカの船が漂着し、彼らの奏でる音楽の虜になった小藩を描いた物語。12月9日(土)~24日(日)KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉にて上演。地方公演もあり。出演はほかに、千葉雄大さん、藤井隆さんなど。チケットかながわ TEL:0570・015・415(10:00~18:00)※『anan』2023年12月13日号より。写真・神戸健太郎スタイリスト・阪上秀平ヘア&メイク・千葉万理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月09日昨年大好評を得た『演劇ドラフトグランプリ』 が今年も開催!プロデューサーの荒牧慶彦さんと、座長を務める七海ひろきさん、高野洸さんに“演劇”への想いを伺いました。『演劇ドラフトグランプリ』とは…座長に選出された数名の俳優たちが、ドラフト会議によって演出家や共演する俳優を自らドラフト指名してチームを結成。上演時間や舞台形式などのルールにのっとり、クジで決まったテーマに沿って演劇作品を創作し、公演当日に作品を披露。審査員と観客の投票によりグランプリを決定するイベント。荒牧慶彦さんが発案し、その企画・プロデュースで昨年6月に第1回が開催され好評を得た。高野 洸×荒牧慶彦×七海ひろき荒牧慶彦:「演劇ドラフトグランプリ」を初めて開催した去年は手探り状態で、始まるまでは不安でいっぱいだったんですけど、いざやってみたら本当に面白くて!これは絶対に続けた方がいいということで、今年も開催することになりました。高野 洸:今年もお声かけいただいて嬉しいです。去年の「演劇ドラフトグランプリ」は役者一人ひとりのパワーがとんでもなかった(笑)。僕もそれを間近で感じることができて嬉しかったですし、1日でいろんな作品が観られるのは面白いですよね。七海ひろき:私も去年は配信で観ていたんですが、役者の情熱も、舞台を見守るお客さんの集中力もひしひしと伝わってきて、全部ひっくるめて“演劇”だなあと感動しました。荒牧:今年は七海さんと演出家の三浦香さんという新しい風が加わってくれました。(高野)洸とはもともと仲がいいので信頼関係があるし、若い座長がいてほしいという思いもあって去年に引き続きお願いしました。他チームの座長である玉ちゃん(玉城裕規)も染くん(染谷俊之)も、僕が尊敬する先輩としてオファーさせていただきました。高野:去年声をかけてもらったときも思ったんですけど、正直、僕でいいんですか?という思いはあるんですよね(苦笑)。荒牧くんは僕がめちゃくちゃリスペクトしてる先輩なので、この人が言うのならついていこうと思ってはいるんですけど。七海:私も同じ気持ちです。でも、こんな機会はもうないと思うので、出させていただけるのであれば精一杯がんばります!荒牧さんとは、舞台『ゲゲゲの鬼太郎』でご一緒したのが初めてだったけど、お芝居が大好きなんだなというのが伝わる熱い人。すべてに情熱を持って臨んでいて、どうしたらもっといい舞台になるかをつねに考えていらっしゃる。荒牧:いやー…(照)。僕は、僕にはないものを持ってる人が好きなんですよ。例えば洸はアーティストとしてライブをやっているし、七海さんは宝塚歌劇団出身で、今は声の仕事もされている。お互いが自分のスキルを提示し合いながら、より高め合える仲間だと僕は思っていて…。仲間でありライバルであり、この業界を一緒に盛り上げてくれる同志であると思ってるんですよね。高野:でも、チームのメンバーを決めるドラフト会議では、僕と荒牧くんが同じ役者を指名して、僕が負けてしまいました(笑)。荒牧:そうだったね(笑)。高野:僕は出演者の中で一番付き合いが長い(福澤)侑(ゆう)くんをまっ先に指名したんですけど…。荒牧:僕のチームのテーマが“アイドル”だったから、振り付けができる侑が欲しかったんだよね。それに侑とはいろんな作品で共演してるから、チームにいてくれたら心強いと思って。七海さんのチームはすごいメンバーが揃いましたよね。七海:個性的なチームになりました(笑)。唐橋充さんは一度共演してみたいと思っていたんですけど、玉城さんと指名が重なってドキドキしました。幸い、クジの引きが強くて、最高のメンバーが揃いました。荒牧:うちも“アイドル”というテーマにふさわしく、動けるメンバーが揃いました。顔もいいですし(笑)。高野:僕はドラフト1巡目で侑くんが取れなかったので逆に吹っ切れました。去年は最年少座長として新しいことをやろうとダンスを取り入れたりしたので、今年はまた違ったことに挑戦しようかなと。荒牧:今年、洸が選んだメンバーは意外だったかも。2年目の覚悟が見えたよね。七海:ドラフト会議はすごく緊張しました!自分が選ぶ立場であることにも震えましたが、私たちがいた会場も、実際に野球のドラフト会議をする場所なんですよね。荒牧:おふざけは本気でやる、というのが「演劇ドラフトグランプリ」のテーマなので(笑)。もちろん、演劇の素晴らしさを届けたいという気持ちはありますが、ある意味お祭りでもあるので、ファンの方に一緒になって楽しんでもらいたいんですよね。“グランプリ”と銘打つ以上、勝ち負けは出てしまうけど、僕は全員が一番星だと思っているし、ぜひ自分の推しだけでなく、この人の演技が好きだなという人を見つけてもらいたいです。高野:豪華なキャストが揃っていますし、みんなの新たな一面が発見できる場でもありますよね。僕としては配信も盛り上がってほしいんですよ。自宅でスポーツ観戦するように、少しでも演劇に興味のある人に観ていただけたら嬉しいです。七海:この1回の舞台のためだけにみんなとものを作る、という時間を大切にして本番を楽しみたいです。この「演劇ドラフトグランプリ」が“演劇を観た!”と感じてもらえるような、心動かされる時間になったらと願っています。(写真中央)あらまき・よしひこ1990年2月5日生まれ、東京都出身。2012年に、ミュージカル『テニスの王子様』2nd seasonでデビュー。2.5次元舞台を中心に、舞台『刀剣乱舞』『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rule the Stageなどで人気を博す。’22年にはドラマ『たびくらげ探偵日記』で主演を務めるなど活躍の幅を広げている。ジャケット¥82,500シャツ¥23,100パンツ¥33,000(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760)イヤカフ、上¥9,900下¥12,100リング¥33,000(以上ライオンハート/シアン PR TEL:03・6662・5525)その他はスタイリスト私物(写真右)ななみ・ひろき1月16日生まれ、茨城県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、男役スターとして人気を博す。’19年の退団後は、俳優、歌手、声優など幅広く活躍。昨年にはドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』に主演。今年、舞台『THE MONEY』のプロデュースも手がけた。’24年放送開始のアニメ『戦国妖狐』千夜役で声の出演。ジャケット¥72,600(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿)シャツ¥41,800(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL:03・6427・9087)右手のリング¥24,200左手のリング¥15,400(共にライオンハート/シアン PR)その他はスタイリスト私物(写真左)たかの・あきら1997年7月22日生まれ、福岡県出身。2009年よりDream5メンバーとして活動し、’14年に「ようかい体操第一」でNHK紅白歌合戦出演。活動終了後は俳優としてミュージカル『刀剣乱舞』膝丸役で人気を博し、今年は舞台『キングダム』で主人公・信を演じた。’19年にソロCDデビューも果たし、’24年1月30日に新曲『ex‐Doll』がリリース。ジャケット¥64,900シャツ¥23,100パンツ¥31,900ベルト¥13,200(以上ラッド ミュージシャン/ラッドミュージシャン 原宿)その他はスタイリスト私物『演劇ドラフトグランプリ2023』12月5日(火)17:00開演日本武道館総合演出/植木豪総合司会/山寺宏一特別審査員/中川晃教楽屋レポーター/髙木俊アシスタントレポーター/田中涼星【劇団『一番星』】座長/荒牧慶彦演出/川尻恵太出演/木津つばさ、高橋怜也、福澤侑、松井勇歩【劇団『びゅー』】座長/高野洸演出/松崎史也出演/北川尚弥、高木トモユキ、古谷大和、松島勇之介【劇団『国士無双』】座長/染谷俊之演出/中屋敷法仁出演/糸川耀士郎、椎名鯛造、鳥越裕貴、長妻怜央【劇団『恋のぼり』】座長/玉城裕規演出/私オム出演/石川凌雅、小西詠斗、萩野崇、服部武雄【劇団『品行方正』】座長/七海ひろき演出/三浦香出演/加藤大悟、唐橋充、後藤大、廣野凌大アリーナ席・1階席1万3500円2階席1万1500円3階席9500円Mitt TEL:03・6265・3201(平日12:00~17:00)※『anan』2023年12月6日号より。写真・宮崎健太郎スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・車谷 結(荒牧さん)塩田勝樹(七海さん、高野さん)取材、文・尹 秀姫構成、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月06日俳優たちがチームを作り演劇で競い合う。昨年大好評を得た『演劇ドラフトグランプリ』 が今年も開催される。プロデューサーの荒牧慶彦さんと、座長を務める七海ひろきさん、高野洸さんに“演劇”への想いを伺いました。『演劇ドラフトグランプリ』とは…座長に選出された数名の俳優たちが、ドラフト会議によって演出家や共演する俳優を自らドラフト指名してチームを結成。上演時間や舞台形式などのルールにのっとり、クジで決まったテーマに沿って演劇作品を創作し、公演当日に作品を披露。審査員と観客の投票によりグランプリを決定するイベント。荒牧慶彦さんが発案し、その企画・プロデュースで昨年6月に第1回が開催され好評を得た。荒牧慶彦演劇は、お客さんに観てもらって初めて完成するもの。舞台のよさはなんといっても生であること。僕はミュージカル『テニスの王子様』で初めて舞台に立たせていただいて以降、その魅力に取り憑かれました。演劇って、幕が上がりお客さんに観てもらって初めて完成するものだと思うんですよ。どんなに稽古場で完成したと思っても、初日の緊張感は格別ですし、思わぬところで笑いが起きたりもする。ときに起きるハプニングも大好きです(笑)。劇場の中にいろんな感情が渦巻いて、演劇という空間が出来上がる。だから台詞や物語は同じでも、毎回違うものが出来上がるし、それが演劇の魅力だと思います。MANKAI STAGE『A3!』で劇団員の月岡紬(つきおか・つむぎ)を演じ、舞台は役者の力だけで成立するものではなく、裏で支えてくれるスタッフがいてこそということにも気づかされました。この考えは今、僕がプロデュース業をする上でもひとつの指針になっています。僕がプロデュースする「演劇ドラフトグランプリ」は1話完結型の演劇が複数、オムニバス形式で上演されます。ひとつの舞台でジャンルの異なる演劇を一気に観られるのが魅力です。僕が座長を務める劇団『一番星』のテーマは“アイドル”。みんな動ける子たちなので、いい舞台になると思います。あらまき・よしひこ1990年2月5日生まれ、東京都出身。2012年に、ミュージカル『テニスの王子様』2nd seasonでデビュー。2.5次元舞台を中心に、舞台『刀剣乱舞』『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rule the Stageなどで人気を博す。’22年にはドラマ『たびくらげ探偵日記』で主演を務めるなど活躍の幅を広げている。ジャケット¥82,500シャツ¥23,100パンツ¥33,000(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760)イヤカフ、上¥9,900下¥12,100リング¥33,000(以上ライオンハート/シアン PR TEL:03・6662・5525)その他はスタイリスト私物七海ひろきみんなが私の台詞を待っている、“間”がすごく好きなんです。小学校時代の朗読の授業でお芝居に興味を持って、そこからずっと夢中になり続けています。むしろ正解がないものだから、やればやるほどもっと進化できるんじゃないかとやめられない。思ったように全然できなくて苦しかったり、落ち込むことがあっても、私はきっと一生やるんだろうなと思っています。とくに舞台で、相手が台詞を言ってからの“間”…私が何を言うのか、みんなが注目して待っている瞬間がものすごく快感(笑)。自分の言葉で話すときの“間”はすごく苦手で何か言わなきゃって焦るのに、台詞だと全然平気なんです。しかもそこで私が発した言葉でお客様が泣いたり、ときには怒ったり…劇場の空気が動くのを感じるのも好き。結局やっぱり、観てくださる方がいるっていうことがモチベーションになっているんです。近年は声優や映像のお仕事もさせてもらっていますが、そちらはスタッフさんも一緒にお芝居を作っている感覚がより強いです。制作側の思い描くイメージにのっかって一緒に作り上げていく感じ。こう見せたいからこう演じてほしいと、自分では思いつかなかったお芝居を求められる瞬間があって、まだまだいろんな可能性があるんだなと思うと本当に楽しいです。ななみ・ひろき1月16日生まれ、茨城県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、男役スターとして人気を博す。’19年の退団後は、俳優、歌手、声優など幅広く活躍。昨年にはドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』に主演。今年、舞台『THE MONEY』のプロデュースも手がけた。’24年放送開始のアニメ『戦国妖狐』千夜役で声の出演。ジャケット¥72,600(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿)シャツ¥41,800(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL:03・6427・9087)右手のリング¥24,200左手のリング¥15,400(共にライオンハート/シアン PR)その他はスタイリスト私物高野 洸お客さんに見せる上で、嘘にならない芝居がしたいんです。俳優をやろうと決めてから、ドラマ、舞台、映画といろいろな現場で気づきをもらいながら、少しずつ演じることを学んでいる感覚です。なかでもとくに発見が多かったのが、今年出演した舞台『キングダム』の現場。共演者はそれこそ“演劇”のど真ん中にいるような方々ばかりで、舞台に登場した瞬間に観客を引き込んでいく力と、その見せ方がすごかったんです。でも同時に、僕が同じことをしても意味がないとも思いました。みなさんそれぞれが歩いてきた道の中で自分はこれだというものを見つけて、それを貫き通してきて身につけたもの。僕も自分なりのものを見つけていきたいです。今、僕が重視しているのは、いかにナチュラルに見せるかということ。お芝居は“嘘”ですが、お客さんに見せる上で、嘘にならないようにしたいんです。どんなに自分が役の気持ちに寄り添えても、お客さんに伝わらなければ意味はなくて。作品での自分の立ち位置を理解して、役柄の背景をどう落とし込んだらナチュラルに見えるかを考える。必ずしも毎回100%やれるわけじゃないけれど、ときには想像の120%できる瞬間もあって。お芝居って、わからないなとも思うし、面白いなとも思うんですよね。たかの・あきら1997年7月22日生まれ、福岡県出身。2009年よりDream5メンバーとして活動し、’14年に「ようかい体操第一」でNHK紅白歌合戦出演。活動終了後は俳優としてミュージカル『刀剣乱舞』膝丸役で人気を博し、今年は舞台『キングダム』で主人公・信を演じた。’19年にソロCDデビューも果たし、’24年1月30日に新曲『ex‐Doll』がリリース。ジャケット¥64,900シャツ¥23,100パンツ¥31,900ベルト¥13,200(以上ラッド ミュージシャン/ラッドミュージシャン 原宿)その他はスタイリスト私物『演劇ドラフトグランプリ2023』12月5日(火)17:00開演日本武道館総合演出/植木豪総合司会/山寺宏一特別審査員/中川晃教楽屋レポーター/髙木俊アシスタントレポーター/田中涼星【劇団『一番星』】座長/荒牧慶彦演出/川尻恵太出演/木津つばさ、高橋怜也、福澤侑、松井勇歩【劇団『びゅー』】座長/高野洸演出/松崎史也出演/北川尚弥、高木トモユキ、古谷大和、松島勇之介【劇団『国士無双』】座長/染谷俊之演出/中屋敷法仁出演/糸川耀士郎、椎名鯛造、鳥越裕貴、長妻怜央【劇団『恋のぼり』】座長/玉城裕規演出/私オム出演/石川凌雅、小西詠斗、萩野崇、服部武雄【劇団『品行方正』】座長/七海ひろき演出/三浦香出演/加藤大悟、唐橋充、後藤大、廣野凌大アリーナ席・1階席1万3500円2階席1万1500円3階席9500円Mitt TEL:03・6265・3201(平日12:00~17:00)※『anan』2023年12月6日号より。写真・宮崎健太郎スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・車谷 結(荒牧さん)塩田勝樹(七海さん、高野さん)取材、文・尹 秀姫構成、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月06日小日向文世さんを筆頭に、出演者の名前の並びだけでワクワクさせる舞台『海をゆく者』。今回、キャストをほぼ変えずに再々演されるのだから、その評価は推して知るべし。古希を迎える俳優たちが元気で、一緒に舞台がやれるのが嬉しいです。「正直初演は、セリフの量も多いし段取りも大変で苦労した覚えがあるんです。ただ評判が良かったから、もしかしたら再演するかもな…と思ったくらい。でも今回の再々演のお話は、純粋に嬉しかったですね。ひとりだけ高橋克実さんに代わりましたけど、古希を迎える俳優たちが元気で、再び一緒に舞台がやれる。こんな嬉しいことはないですよ」アイルランドのダブリン北部の町。クリスマスイブに集まった男たちがカードゲームに興じる中、ロックハートと名乗る男がやって来る。それこそが小日向さんの役なのだけど、じつは正体が…という、サスペンス要素満載のダークコメディだ。「登場する男たちはみんな、けっして幸せとは言えない人生をおくっている人たち。それでもクリスマスイブに大好きなウイスキーを飲んで浮かれて。しかもオヤジなもんだから、お互いに無邪気にみっともない部分をさらけ出す。そのワイワイしている感じとか、本当に愛すべき人たちだなって思うんです。でもそこにロックハートが来ることで雲行きが怪しくなってくるんですけど」その正体は…なんと驚き。知っているのは平田満さん演じるシャーキーのみで、ふたりにしかわからない駆け引きが繰り広げられる。「一緒にポーカーをやっている間は、直接挑発したりは絶対にしないんですけど、シャーキーだけは彼の無言の圧力を感じているんです。ただ、ふたりきりになると、彼らだけがわかる言葉で追い詰めていく。そこのセリフの掛け合いがうまい具合に進んでいくのが楽しいです。栗山(民也)さんの演出も、音楽で物語を色付けしたりせず、人物ひとりひとりをちゃんと浮き立たせて見せてくださっているのも本当にいいんです」丁々発止のセリフのやり取りだけで、じゅうぶんに場を持たせられる俳優たちが揃っているからこそ、だ。「このメンバーだから一緒にやっていて楽しいっていうのはあります。お互いに20代の頃から知ってるし、さんざん芝居してきている連中だから信頼もしているし。今回はみんな70歳に近づいて、哀愁も漂うんじゃないかと期待しています(笑)」PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『海をゆく者』クリスマスイブの朝。兄・リチャード(高橋)とシャーキー(平田)の兄弟が暮らす家に、ロックハート(小日向)という男が訪れる。彼の顔を見たシャーキーは顔色を変え…。12月7日(木)~27日(水)渋谷・PARCO劇場作/コナー・マクファーソン翻訳/小田島恒志演出/栗山民也出演/小日向文世、高橋克実、浅野和之、大谷亮介、平田満全席指定1万円ほかパルコステージ TEL:03・3477・5858新潟、愛知、岡山、福岡、広島、大阪公演あり。こひなた・ふみよ1954年1月23日生まれ、北海道出身。オンシアター自由劇場を経て、ドラマ『HERO』などで注目を集めるように。最近の出演作に、ドラマ『VIVANT』、映画『大名倒産』、舞台『ART』など。放送中のドラマ『下剋上球児』にも出演している。※『anan』2023年12月6日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・石橋修一ヘア&メイク・河村陽子(vitamins)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年12月04日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、発想の転換が上手にできる女性、「昔のおもちゃを残す女」になりきり。よく遊んだおもちゃには、青春や思い出が宿るもの。以前、実家に帰った時、私の親が子どもたちにおもちゃを出してくれたのですが、全部、私が小さい頃に遊んでいたものだったんです。すごく懐かしくて、うわー!という気持ちに。親は多分、思い出もあるし、なかなか捨てられなかったんでしょうね。おもちゃが並んでいる様子や、子どもが遊んでいる姿を見て、思わず写真を撮りたくなるくらい嬉しくなりました。ちなみに、その一つが「ミメル」です。携帯の形をした電子ゲーム機で、ICカードを使うことで、同じくミメルを持っている友だちと電子メールの交換ができるというもの。一緒に遊んでいた友だちに写真を撮って送ると、「懐かしすぎて涙が出そう」という感想が届きました(笑)。ほかに、「グルタンの森」や、私が勝手に“ゆかり”と名付けた人形もあり、当時、それを欲しいと思っていた時のことから買ってもらえた瞬間まで、すべての記憶が蘇りました。おもちゃには、青春や思い出が宿るんだな~と。そして、使わないものはできるだけ捨てたほうがいいと、親に片付けや処分を勧めていたんですが、ほどほどにしたほうがいいなと気づきました。それに、次から実家に帰る時は、おもちゃを持っていかなくて済むので、荷物が減って助かりますよね。親が、私が過去に使っていたおもちゃを、“いらないもの”ではなく、“孫が遊ぶもの”として認識しているように、発想の転換をすることがポイントだと思います。私も、子どもがハマっていたものとかを使わないからと捨てるのではなく、ちゃんと残しておくことが大事だなと考え直しました。物を減らしたい時は、捨てる前に写真に収めたり、動く様子を動画に撮るなどしておくと、あとで振り返ることができ、思い出に浸ることもできるので、よさそうです!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年12月6日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年12月03日人の血をすすり陽を避け夜の街に生きる、少年少女たち“夜行”の過酷な運命を描いたドラマ『秘密を持った少年たち』。女王蜂のアヴちゃんプロデュースの龍宮城が主演するドラマで、夜行狩りのリーダー・黒瀬を演じているのが大東立樹さん。衝撃を与えられるような悪役に。「毎日役のことばかり考えていました」「これまで舞台中心でドラマの経験があまりなかったんです。18歳になっての新たな挑戦なので気合を入れて臨まないとと思って、毎日役のことばかり考えて生きてきました」黒瀬は、親を夜行に殺されたとはいえ、かなり非情な人物。そのため「真っ先に悪役を研究した」そう。「僕の中で最高の悪役といえば、映画『ダークナイト』のジョーカーなんです。完全に悪に狂っていて、人間の領域を超えている。あれ以上の悪って想像がつかないくらい。悪い人になるのではなく、悪い人としての心のスタンスを意識して演じていました。今回のドラマは、ホラー、恋愛、音楽…いろんな要素が詰まった作品なので、僕がそこで衝撃を与えられるような悪役として存在できたら、いい調和になる気がして」現場では同世代の共演者が多い。「とくに龍宮城の面々はガッツがあって、一緒にいるだけで刺激を受けます。(西田)至くんと闘うシーンを撮った後、帰りが一緒になって話したら、お互いに相手が本当に嫌いになっていたみたいで(笑)。それくらい役に入り込めたんだと思ったし、やり切った感があった場面だったのですごく嬉しかったです」黒瀬と自分自身は真逆だと言うが、ならば大東さんはどんな人?「いろんな要素を持ってはいると思うけれど、間違いなく言えるのは、人を軸に生きているってことかな。たとえばファンの方、観てくださる方、スタッフさん、もちろん家族…そういう人たちがいるから頑張れる。あと共演者の存在も大きいです」子役としてミュージカルなどの舞台に立ち、その後アイドルとして活動も。今後についても気になるが…。「目標はカメレオン俳優になること。あと、タイミングがきたらアーティスト活動もしたいと思っています」『秘密を持った少年たち』片想いの幼馴染み・ユキ(大原優乃)を救うために夜行になった玲矢(佐藤海音)は、同じく夜行の少年たちとバンド活動をしながら人間に戻るすべを探していたが、ひとりまたひとりと仲間が命を落としてゆき…。毎週金曜24:30~日本テレビ系にて放送中。おおひがし・りつき2004年11月29日生まれ、東京都出身。出演中の、本作を舞台化した『音楽劇「秘密を持った少年たち」』は11月23日まで全10公演、日本青年館ホールで上演。ドラマの前日譚が描かれる。※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山本隆司ヘア&メイク・井手賢司(UM)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月28日Google Mapsの検索窓に、行きたい、あるいは探したい場所のキーワードを入れれば、瞬時にその場所が示される。もはやそれが普通の世の中で、わざわざ、しかも白地図に、地元の人におすすめスポットを書き込んでもらい、“地図に書かれたところにしか行けない”というのが、この『秋山ロケの地図』。しかも白地図をショッピングモールに掲示するお知らせは、なんと折り込みチラシで。やれデジタルだ、AIだという社会の真逆をいく、超絶アナログな番組です。天然のエキストラみたいな人と、町でコントをやりたいんです。「もともと僕は、地方ロケでは前日にその土地に入り路地を歩き回って、喫茶店でお茶をしたり、洋品店で翌日の衣装を買ったりするのが大好き。だからこの番組、もう楽しくて仕方がないんです。ロケの冒頭、びっしり書き込まれた地図を見る瞬間は、心からワクワクします」と言うのは、この番組の主役であるロバート秋山さん。良い意味でクセのある冠番組を多数やってきた秋山さんからしても、「かなり変わった番組です」とのこと。「最初に企画を聞いたときから、“面白そう!”とは思いました。ただ、本当に皆さんが書き込んでくれるのか、という不安もありました。書いてくれないと番組始まりませんし(笑)。でも、1回目は今年の春の単発企画で千葉県の九十九里町にお邪魔したんですが、もうね、初回から最高だったんですよ。地元の人しか知らないディープな場所はもちろん、“気になるので確認してきてくれ”とか、お使いじゃないか、みたいなものもあって。最近すごかったのは、“やめちゃったパートの制服を返し忘れたから、一緒に返しに行ってくれませんか?”って(笑)。あと自分の家の自慢のソファに座りに来てほしい、という中学生とか、とにかくものすごく自由!だからめちゃくちゃ楽しいです」どの場所に行くかはすべて秋山さんの気分次第。地図を見て、綴られた文章や文字の雰囲気を見て、ピンときたところを訪ねていく。来るか来ないかは、まさに神のみぞ知る、なのが面白い。「だいたい皆さん、“もしかしたら来るかな、でも来ないよな”的な気持ちなんですよね。で、実際行くと、“どうせ来ねえんだろ?”とか“もう夕方5時過ぎたから来ねえだろ?”みたいな顔だったのが、僕を見ると、“ホントに来るんだ!”って表情になって、ワッと歓迎してくれる。あのガチ感は、他の番組では絶対ないですね」また秋山さんと住民の方々とのコミュニケーションの中に、リアルさとコントっぽさが奇跡のようなバランスで混在しているのも愉快。「もともと僕は、地元のおっちゃんとかおばちゃんに話しかけるのが好きで、みんながちょっと警戒するような名物親父みたいな人にも全然行っちゃうタイプなんです。また、基本的にどこでもコントをやりたいので、だからこそこの番組では一般の方々にミニコントをさせたい。でね、やっぱりゴロゴロいるんですよ、町の中には、素晴らしい天然のエキストラが。そういう人を見つけたときはもう、遠慮なしに行きます(笑)」九十九里はカフェの情報が書かれることが多かった、三崎は改めて大根の町だと思った…など、その土地の姿が浮かび上がるのも面白い、と秋山さん。「ネットでサラッと検索しただけでは出てこない、面白い場所や人がうじゃうじゃいるんだろうなと、ワクワクしてます。番組の知名度が上がると、書き込まれる情報の種類やテイストが変わるような気もしていて、そのあたりもとても楽しみです」『秋山ロケの地図』事前にロケ地に白地図を設置し、住民がおすすめスポットを書き込んだ地図を見ながらロケをする番組。秋山さんは毎回地元中学のジャージを着用。この日は、神奈川県・三崎のロケ帰りだったため、三崎中のジャージ&本物の白地図とともに取材&撮影。毎週火曜23:06~、テレビ東京系で放送中。©テレビ東京あきやま・りゅうじ芸人、俳優、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。コントや歌ネタ、憑依芸には定評が。YouTube「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」はNetflixにも進出し人気。来年は大河ドラマにも出演予定。※『anan』2023年11月29日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)(by anan編集部)
2023年11月27日声優、アーティストとして、声を武器に音に乗せて思いを表現してきた内田雄馬さん。最新アルバムでは、新たな挑戦でひとつ自分の殻を破ったという。その理由と、新しい今の自分自身について聞いてみました。3rdアルバム『Y』発売記念インタビュー自分の言葉で内田雄馬という物語を育てていく。『呪術廻戦』の伏黒恵役、『ちいかわ』のラッコ役など、数々の人気作で存在感を発揮。’19年「第十三回声優アワード」で主演男優賞を受賞した後もさらなる飛躍を遂げ、現在最も注目を集める人気声優・内田雄馬さん。’18年にはアーティストデビューを果たし、5周年を迎えた今年5月からは6か月連続デジタルリリースにも挑戦。「声優を始めて10年が経ち、アーティストデビューからも5年を迎えましたが、気持ちとしてはデビューした時からずっと地続きで。まだまだ生まれたての小鳥のような気持ちでいるんです。『これから頑張っていかなきゃ』って。今後もその気持ちは変わることなく、20年30年と続けていきたいと思いますし、続けられるように頑張りたいです。とはいえ、変化はいろいろとありました。声優一本だった頃は、演じる役の影響を強く受けてしまい、私生活でもスイッチが切り替えられないことが多々あったんですよ。どのように役と付き合っていくべきなんだろう、と葛藤していました」そんな悩みを抱えながら声優活動をしていた内田さんだが、アーティスト活動を始めたことで表現への向き合い方に変化が起きた。「最初は歌うことが好きなだけで。自分がアーティストとして何を表現すべきか、よくわかっていなかったんです。なので、楽曲ごとに表現を変え、その歌の物語を表現するという形でアプローチしていくことにしました。それって、声優でやっていることに近い感覚で。そんな中、活動を続けていくうちにアーティスト内田雄馬として、何を届けたいのか。それを僕個人だけじゃなく、チームで作り上げていくことを学びました。『内田雄馬は自分だけのものじゃなく、みんなで作っていくものなんだ』と気づけたんですよ。それが客観的な視点を持つための大きな一歩だったような気がします。アーティスト活動を始めたからこそ、声優としても演じる役を俯瞰して捉えられるようになりました」約2年ぶりとなるニューアルバム『Y』は、内田さんが声優として個人として感じたことも楽曲に落とし込もう、と決めて制作したという。なかでも自身で作詞・作曲をした「旅路」には、これまで見せてこなかった内田さんのパーソナリティが強く表れている。「僕は今まで『みんなで一つのことを共有して一緒に歩いていくことは心強いし、大切なことなんだよ』と皆さんに言ってきたんです。だけど実は、僕自身はずっと自分の気持ちを形にするのが、得意じゃなかったというか…怖かったんですよ。でも、改めて自分自身の言葉で曲をお届けすることで、内田雄馬の人間性がより届いて、これまで発表してきた楽曲の説得力も増すんじゃないかなと思い、勇気を出して自分の言葉でつづり、曲を制作しました」そんな内田さんが、心のファスナーを開けようと思ったのはどうしてだったのだろう?「自分を応援し続けてくれている方がいるのは、本当に大きな力になっていて。その感謝をしっかり届けたいと思っていました。今年、新型コロナでライブを延期にしてしまった時、『どうしよう』という混乱や皆さんへの申し訳ない気持ちでいっぱいでした。もしかしたら『大切な時にこんなことになって、本当にダメだな』とか『頼りないな』と思われても仕方ないなって。でも、心配して待ってくださっている方がたくさんいてくれた。それにとても救われました。僕は弱くて一人では何もできないけど、そんな自分がみんなとなら楽しい空間を作り上げることができると教えられてきたんです」『Y』はリード曲「Joyful」をはじめ、5周年の記念にふさわしい、洗練された楽曲が多数入っている。だからこそ素直な顔を覗かせた「旅路」が際立っており、いろんな表情を感じられるからこそ、素晴らしい一枚になった。「今作は、今の内田雄馬を余すところなく描き切ったアルバムになったと思います。アーティストとしての覚悟も含めて、しっかりと気持ちを乗せることができました。何より、僕が僕自身と見つめ合うことで、自分と向き合うことや一歩踏み出すことが怖かったりする方の力になれるようなアルバムになったのではないかと思います」内田さんが30代に突入して1発目のアルバムとなった『Y』。これからどのように30代を突き進んでいこうと考えているのだろうか。「ここ数年は僕の参加する現場でも、若い役者さんがどんどん出てきていて。今後は僕が若い方を支えていけるような役者になっていきたいんです」その言葉の裏には、若手時代に支えてくれた先輩声優の背中が。「デビューした頃は、主役を任されることが重要だと思っていました。でも仕事をしていく中で、いろんな立ち位置や役割があることを知った。一人では作品を形作れないんです。主人公には主人公の役割があるし、他のキャラクターたちにもそれぞれの役割がある。そのどれもが大切なものなんです。自分も初めて主演させていただいた時、支えてくださる先輩たちがいたから、僕はまっすぐ全力投球をし続けていけばよかった。そのことに後々気づけたんですよ。変化や新しい風はどの業界にも必要で、僕ら役者もそう。新しい子たちが出てきた時に、今度は僕らの世代が支えていけるようにしっかりステージアップをしていくことが大事だと思っているんです。もちろん変化していくことは大変なことですが、だからこそ新しい気づきに繋がっていくと思っています。音楽も同じだと思うんです。自分のやりたいこと、残したいものを届けるために今の自分の形をどんどんアップグレードしていくこと。それは、想いを人へ届けていくためにも、大事なことだと思っています」うちだ・ゆうま東京都出身。主な出演作に、TVアニメ『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』(サンラク)、『MFゴースト』(片桐夏向)、『呪術廻戦』(伏黒恵)、『BANANA FISH』(アッシュ・リンクス)など多数。ナイロンシャツ¥33,000(THE JEAN PIERRE/ADNUST TEL:03・5456・5821)デニムシャツ¥35,200(junhashimoto/ADNUST)パンツ¥33,000(NEPHOLOGIST/ADNUST)3rdアルバム『Y』。【5th Anniversary BOX(CD+Blu‐ray)】¥9,900【CD+BD盤(CD+Blu‐ray)】¥4,290【通常盤(CD)】¥3,5205th Anniversary BOXには、写真集や内田雄馬化カードなど豪華特典が封入。11月29日発売。(KING RECORDS)※『anan』2023年11月29日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・奥村 渉(WM)ヘア&メイク・花嶋麻希取材、文・真貝 聡(by anan編集部)
2023年11月27日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、場を盛り上げる余興を準備する女性、「アクティビティを用意する女」になりきり。場を盛り上げるためにはスムーズな段取りが必須。この間、『王様のブランチ』『プチブランチ』『よるのブランチ』の出演者やスタッフさんが集まる、BBQ大会がありました。女性のスタッフさんが中心となって、野菜やお肉を焼く以外にも、カレーを作っている人やスイカを切ってくれている人がいたり、わたあめやかき氷が食べられるなど、フードが充実。さらに、番組のMC陣による5連けん玉や、あみだくじ、ひも引きといったアクティビティも用意され、優勝したチームには賞品として伊勢海老や高級な牛肉が贈られるなど、とにかく豪華でした。また、BBQ大会のために編集された動画も流され、みんなが盛り上がるという場面も。大人数が集まる会は、スケジュールを調整して場所を予約するだけでも大変なのに、みんなが楽しめるアクティビティを考えて準備するのは、本当にすごいなと。テレビというエンタメ業界に携わる人の底力を感じました。思えば、婚活パーティでイントロゲームをしたことがあり、やはり一致団結できるし、リーダー性が垣間見えるなど、人柄もわかるもの。また、旅行に陶芸やそば打ちなどのイベントを盛り込んでも楽しいですよね。前に参加した結婚式の披露宴では、テーブルごとにペンライトが配られ、新婦が入場時に着ているドレスの色を当てるクイズがあり、盛り上がったことも。面白い余興の重要性を改めて感じました。アクティビティで場を盛り上げるには、スムーズに進行するための段取りが大事になってくるはず。いろいろな会に参加して、どんな役割の人が必要かなどを学んで知っておくといいのではないでしょうか。実際、ブランチのBBQ大会では、経費担当や呼び込み担当など役割分担がされていて素晴らしかったです。盛り上がりは、経験や知識の蓄積があってこそ!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年11月29日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年11月26日ドラマ『エルピス』で軽薄なようで内に熱いものを秘めたテレビプロデューサーを演じ、注目された岡部たかしさん。今さまざまなドラマでお見かけする“あの人”の正体とは?自分の普通の生活も、突き詰めて演じれば、人には面白く見えるんだなと。――もともと俳優を目指されたのは、どういう理由からですか?僕はバブル最後の頃に高校生だったんで、卒業後はわりといい会社に就職できたんですよ。でも、つまらなくて1年くらいで辞めちゃったんです。当時は会社に入ったら一生勤めるのが当たり前みたいな時代だから母親は大激怒。そこからバイトはしてたけど、23~24歳くらいになると周りと話が合わなくなって、田舎にいたくなくなるんですよ。そんなときに、芸能人になったらオモロいかなって…ただの現実逃避ですけどね。――でも芸能人になろうと思って、なれるものでもないですよね。だからまず劇団に入ろうと思うわけですよ。松田優作は文学座出身やったな、とか思って。でもそういう有名な劇団の研究所は授業料も高い。そんななか、非常に安かったのが柄本明さんの東京乾電池でした。でも当時は柄本さんのこともようわかってなかったです。ジャッキー・チェンは好きだったけど、映画をたくさん観てたわけでもないし、小津安二郎も黒澤明も観たのは東京に出てきてから。それも、観たら柄本さんと喋れるようになるのかなっていうくらいの理由でしたから。――東京乾電池というと、チェーホフなどの翻訳劇や、別役実の不条理劇などをやりますが、当時はそれも面白かったですか?僕は3年くらいしかいなかったんですけどね。別役さんも初めて知ったし、劇団内の作家が書いたホンもやってましたけど、あんまり意味はわかってなかったです。――でもお芝居は面白かった?城山羊の会(※山内ケンジさんが主宰、作・演出)の最初の頃と同じですけど、言葉も難しいし、苦しみしかなかったです。ただ、その頃所属していた事務所がホテルなどでミステリーイベントを製作していて、そこでお芝居するのは楽しかったんですよね。結構自由にやらせてもらえて。でも、“演劇”ってなると苦しみの方が大きくてどう楽しんでいいかって感じで。――でも辞めなかったわけで…。少しずつわかってきてはいたんでしょうね。でも、30代半ばぐらいになって、山内さんとやってきたこととかそれまでやってきたいろんなことと、自分の中の面白いと思えることとが、ようやく一致してきたというか。それまでもふざけてはいたんですけどね。――先ほどの話でいうと、フィットしない服をどうしたら面白がって着られるかをずっと模索し続けてきたのかなと思いました。本当に、面白くなかったらあかんっていうのはつねに思っていますね。何をするにも。――その頃には、演劇も面白くなってきたわけですか?城山羊の会で共演している岩谷(いわや)(健司)さんから、「あの瞬間から岡部がすべてわかった感じがした」と言われる舞台はあります。自覚はないんで「そうなんや」くらいですが。でも僕は感覚でやるタイプで、結局今でもノリなんですけど、岩谷さんは面白さを論理立ててやれる人なんですよね。――そんな岡部さんが、ご自身ですすんで出たいと思うような作品とか役はありますか?これはあまり言いたくない、というか恥ずかしいですけど、やっぱり城山羊の会にずっと出続けたいというのはあります。山内さんは、おもんなくなったら絶対呼んでくれへんやろなって思うんで。それは本人にもよう言わないですけど、山内さんが舞台をやるって聞いたら、声をかけられる前から勝手にスケジュールを空けて待ってます。でも少し前に、山内さんが長塚(圭史)さんと僕とで鼎談したときに「岡部さんとずっと一緒にやっているのは、やっぱり面白いからですよね」って長塚さんに聞かれて、「まあ、ずっといるからね」って答えたんですよ。少なくとも“いる”才能があってよかったと思ってます(笑)。でもそれ、なんかいい言葉やなと思ったんです。面白いですよね。――じつは昨年、出演者が自分の身に起きたことを演劇にして演じる『ワレワレのモロモロ』という舞台で、息子さんである俳優の岡部ひろきさんの回を拝見しまして。観ましたよ。――あれ(両親が離婚。久しぶりに会った父親の舞台を観て俳優を目指すお話)はどうご覧になりました?岩谷さんと村松(利史/としふみ)さんと午後の男優室というユニットで舞台をやっていたときも、自虐ものばかり作ってたんです。「自分のことじゃないと面白くない」というのは村松さんによく言われていて、それを書くのもどっか好きだったんですよね。自分の普通のあまり面白くない生活も、突き詰めて書いて自分で演じると、人には面白く見えるんだな、と。――そこは知らせないでよ、とかは思われなかったんですね。そうですね。本当のことですし、面白かったんでいいかなと(笑)。城山羊の会『萎れた花の弁明』は、12月8日(金)~17日(日)まで三鷹市芸術文化センター 星のホールにて上演。作・演出は、映画監督として『At the terraceテラスにて』なども発表している山内ケンジさん。本作では山内作品の常連である岩谷健司さん、岡部たかしさんのほか、岡部さんの息子である岡部ひろきさんも出演。おかべ・たかし1972年6月22日生まれ、和歌山県出身。劇団東京乾電池を経て、城山羊の会のほか、岩谷健司と共に、自身が演出も担当する演劇ユニット・切実を結成し活動。映像作品では、ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』のほか、『リバーサルオーケストラ』『ハヤブサ消防団』、現在放送中の連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)などに出演。ジャケット¥81,400(カズキ ナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)シャツ¥24,200(ユハinfo@juha.tokyo.com)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・浜田あゆみインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月25日近頃、頻繁にドラマでお見かけするようになった岡部たかしさん。でもご本人ときたら「気づかれても、たぶん名前は出てこないと思う」と自嘲する。でも間違いなくその存在が気になっている人、増えてます。役とノリが合わないときに助けてくれるのが、自分の体やったりするんですね。――連続テレビ小説『ブギウギ』をはじめ、近年ドラマでの存在感が光っています。ご自身ではその活躍をどう感じていますか?舞台でも映像でも、お仕事をいただけるのは光栄なことだと思っています。でもそんなに変化はないんです。店で隣り合わせて気づかれても、たぶん名前は出てこないし、呼ばれたと思ったら検索したスマホ画面が見えてたり(笑)。――仕事を引き受ける、引き受けない、の線引きはありますか?いや全然ないですね。こういう役をやりたいとか、やりたくないとか全くないんですよ。――そうなんですね。少しトボけた風味の笑える作品に出られている印象が強いので…。それは城山羊の会によく出ているからじゃないですか。――それはあるかもしれません。山内ケンジさんが主宰、作・演出する城山羊の会は、隠しきれない人間の本能や本性があぶり出される瞬間を笑いに包んで描く作風で人気の演劇ユニットです。城山羊の会には長いこと出してもらってるんで、山内さん、もう書くことなくなるんちゃうかって不安になったりすることはありますけど。どんな作品でも、声をかけてもらえるのは、嬉しいです。――山内作品を初めて観たとき、あまりにシュールで笑っていいのか迷ったんですが、岡部さんは当初から面白いと確信してました?面白いとは思っていましたけど、最初の頃は全然芝居ができないし、和歌山出身で標準語も慣れてなくて、苦労した覚えがあります。山内さんが求めるのは…今も一貫しているんですが、声のトーンと大きさ。とにかく役を作らないでくれ、と。でもやっぱり初めの頃は作っちゃう。それで「やりすぎ。そんなでっかい声でやるんだったら聞こえない方がマシ」って言われてました(笑)。当時、山内さんの舞台には亡くなった深浦加奈子さんが毎回出ていらして、深浦さんに相談したりしてたんですけど、「世界一面白い人と芝居やってるんだから、それを自覚しなさい」と言われたのは覚えています。――今やレギュラーメンバーです。稽古初日の台本の読み合わせから、やっぱり笑えるんですよ。山内さんは結構当て書きされる人で、その人が言うだけで面白かったりするんで、すごいんですよ。僕が面白くなってるかはわからないんですけど、その人にフィットしているセリフやから、無理にいじったり作ったり無理矢理着こなさない方がいいんかなって思います。――でもつい、面白く見せたいって気持ちになってしまいそうです。僕はむちゃくちゃなるんです。でも一回、本番でめちゃくちゃウケて終わった後に、「狙ってやってるのがムカつく」と言われました。バレないようにやってたつもりだったのに。だから最近はバレないように(笑)。そこはちょっとうまくなってきている気がします。――次回作『萎れた花の弁明』は、どんな作品になるんでしょうか。まだわからないんですが、前作がわりと王道だったので、次はめちゃくちゃなことをしたいと言ってましたから、楽しみにしています。ただ、過去には途中でお客さんが帰るくらい激しいものもありましたからね。まあ、山内さんはそれすらも喜んでましたけど(笑)。――出ている側としては?まあ面白いですよね(笑)。山内さんが喜んでるんやったらええか、みたいな感じです。――ちなみに岡部さんご自身は、どんなものを面白がるんですか?この間の『キングオブコント2023』のサルゴリラさんとか、ニッポンの社長さんとか好きでしたよ。ただ、単にネタだけじゃなく、やっぱり演技のうまさがきいてて、やってるその人自身が滲み出るような方が好きなんかなと思います。山内さんの言葉じゃないですけど、やっぱりその人に似合ってないことをやってると笑えなかったりするんですよ。――でも、自分にフィットする役がくるとは限りませんよね。役をもらって困ることがあるんですよ。自分と役のノリが全く合わなくて。いくら面白くしようとしても全然楽しくならない。でもそういうときに助けてくれるのが、自分の体やったりするんですね。じつはそういうことを考えたのはわりと最近なんですけど。たとえば、銀行員っていうとちゃんとせなあかんイメージありますけど、姿勢が崩れた人もいるわけじゃないですか。必ずしも感情から入らなくても、体から役のノリを作っていくのもありかなって。――なにかそこに気づいたタイミングがあるんでしょうか。いろいろなタイミングがあるんですけど、近いところだとドラマ『リバーサルオーケストラ』ですね。主人公を追いかけた後に、すごく長いセリフを喋るんですけど、どうも面白くない。それで追いかけるシーンで、必死になって本気で走ったんです。そしたらすごく滑稽な体になって、それがノリになって、セリフも喋れたってことがあって。体が変わったら感情が追いつくんやって、この歳になって発見するっていう(笑)。城山羊の会『萎れた花の弁明』は、12月8日(金)~17日(日)まで三鷹市芸術文化センター 星のホールにて上演。作・演出は、映画監督として『At the terraceテラスにて』なども発表している山内ケンジさん。本作では山内作品の常連である岩谷健司さん、岡部たかしさんのほか、岡部さんの息子である岡部ひろきさんも出演。おかべ・たかし1972年6月22日生まれ、和歌山県出身。劇団東京乾電池を経て、城山羊の会のほか、岩谷健司と共に、自身が演出も担当する演劇ユニット・切実を結成し活動。映像作品では、ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』のほか、『リバーサルオーケストラ』『ハヤブサ消防団』、現在放送中の連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)などに出演。ジャケット¥81,400(カズキ ナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)シャツ¥24,200(ユハinfo@juha.tokyo.com)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・浜田あゆみインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月25日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、相手が理解しやすい言葉に変換する女性、「犬の気持ちをわかりやすく伝える女」になりきり。伝え方次第で、印象がいい方向に変わることも。この間、仲良しのpecoちゃんのおうちに、3人の子どもを連れて遊びに行ってきました。アリソンという名前の、めちゃめちゃ大きなワンちゃんがいて、私は小さい時から存在を知っているので、“かわいい!”“こんなに大きくなって~”と思っていたのですが、初めて会った子どもたちは、「怖い…」と怯えてしまったんです。すると、pecoちゃんが、「最初はみんなそうなんだけど慣れてくるよ」と。さらに、「絶対に噛まないから大丈夫だよ。アリソンは一緒に遊びたいだけなの」「鬼ごっこしてくれている、遊んでくれていると思って楽しくなるから追いかけちゃうんだよ」と、優しく教えてくれました。その、子どもの目線に合わせた犬の気持ちの表現の仕方がすごく上手ですよね。言葉をわかりやすく変換して伝えられるところが素晴らしいなと思ったんです。私はpecoちゃんのおうちに遊びに行く前、子どもたちに、アリソンが嫌がらない撫で方みたいなものは伝えていたのですが、それ以前のコミュニケーションのとり方の部分を教えてあげればよかったなと。長女は、攻撃するつもりはないんだというアリソンの気持ちを理解したのか、心の整理ができたようでした。その後、「また遊びに行きたい!」と話していましたし、街を散歩している犬を見かけた時には、「あの小さなワンちゃんなら触れるかも!」と言っていました。まずは、子どもが理解できるよう、噛み砕いて伝える変換能力を身につけることが大事だと思います。私が子どもの頃、おばあちゃんちの隣の家で飼っていた犬に追いかけられ、必死に逃げた記憶がありますが、pecoちゃんの話を聞いた後だと、“あれは遊びたかったんだ、なんだ、かわいいじゃん”と印象が変わりました!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年11月22日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年11月20日一昨年の主演映画『サマーフィルムにのって』など、俳優として活動するかたわら、さまざまなジャンルのクリエイターとコラボし個展を開催。そんな多彩な魅力を発揮する伊藤万理華さんの脳内に迫る。インタビュー中、何気なく「好きなものを大切に大切に育んできたので」という言葉を口にした伊藤万理華さん。まるで当たり前のことであるかのような口調に、根底にある愛情深さを感じた。取材でも、こちらの質問に思い当たる限りの言葉を尽くして返す。役にも作品作りに関しても、そして対峙する人たちに対しても、できる限り誠実に応えようとする人なのだろう。――撮影中、面白い顔や悪い顔までいろんな表情をされていて、かわいくとかきれいに撮られることに固執しないんだなと思いました。いつの頃からか、自分がかわいいとかきれいというところで戦う人間ではないなと思うようになりました。所属していた乃木坂46は容姿端麗で清楚なイメージが強いグループで、そこに追いつけていないことへのコンプレックスもあったかもしれません。――乃木坂46時代に制作した個人PVも個性が突出していました。まだ自分の個性も武器も何かわからない15とか16歳の頃から、面白いクリエイターさんと組ませていただけたことが、今も自分の大きな土台になっています。おかげで映像に興味を持てましたし、私の明るい部分を絶妙なバランスで引き出してもらえたこともラッキーでした。乃木坂46に個人PVという企画があったことや、そこで若いクリエイターさんに撮ってもらおうと企画した運営側の心意気にも感謝しています。ジャケ写やMVを撮るときにも、事前にテーマや物語性の説明があり、アイドルの裏側にこんなに奥深い世界があったんだと、とても感動しました。グループに入らなかったら知らなかったし、興味を持つこともなかったかもしれないなと。――もともとアイドルに憧れが?とくにはなくて…。それ以前にモデル事務所に所属していて、アイドルやCMのオーディションをいっぱい受けていました。その中に乃木坂46があって、知識も情報もなかったけど興味を惹かれました。クラシックバレエを習っていて、踊ることが好きでしたし、両親の仕事がファッションやデザイン系で表現やものづくりが身近だったことも大きいと思います。でも、入るまで自分がカメラの前で笑うとか踊るとか演じるなんて考えたことがなかったので、不思議な縁だなと思います。――グループを辞めるとき、今のような活動は想定していました?辞めてからが茨の道だと聞きますし、世間的に私のことを知らない人の方が多い。当たり前にグループの活動があったアイドル時代とは違い、もはやゼロからでした。落ち込んだ時期もありましたが、おかげでちゃんと仕事ということに向き合えたし、仕事をしないと生活していけないんだ、という当たり前のことを自覚しました。このままだと世間に存在を忘れられて終わってしまう。じゃあどうしたらいいんだろう、自分ができることってなんだろうって考え悩んで、乃木坂46在籍中にパルコで開催した個展(’17年)に思い至って、自分から企画書を書いてパルコさんに持ち込みました。――そこで個展っていう発想になるのが面白いですよね。それだけ当時パルコさんでやらせていただいた個展が、自分にとって大きかったんです。たぶんあれがなかったら、私はこれから何を表現したらいいんだろう、と途方に暮れていたと思います。自分がどういう人間で、どんなことが好きで何をしたいのか、自覚というか…自我の目覚めでした。――でも、自分の表現方法が確立してるからこそですよね。自分は何者になりたいんだって考えたときに答えが見つからず、いろいろなことに手を出してきた感覚です。ただお芝居に関しては、15歳で初めて経験して、こんな夢みたいな世界があるんだと、ときめいたことは覚えています。あのときの現場の音、匂い、照明とかカメラ…すべてが頭にこびりついて離れなかった。その一方で、グループ卒業後の次の仕事を待つ間に再認識した作ることの面白さとか、自分のルーツにあるファッションや写真、ムービー、漫画…そういうものを一緒くたにして、自分を表現する作業もやってみたかった。私はものづくりに助けられたし、いろんなクリエイターさんとの出会いが自分の転機になったという実感がすごくありました。グループに入ったとき、現場にたくさんの人がいて、全員が同じ方向に向かって何かを作っている空間がとても特別なものに感じたんです。それを見るのも好きだったし、自分がその一部になれているのも嬉しかった。あの気持ちは絶対に忘れたくないし、あの瞬間をずっと追いかけて、近づきたくて、ここまでやってきた自覚があります。だから今、自分が憧れの部分にちょっと触れられていることが嬉しいです。あとは、恩返しの気持ちもあります。私に個展をやりませんかと声をかけてくれたパルコさんや、私がクリエイティブなことが好きな人間だと知ってくれて、肯定してくれて、たくさんの素敵な方々と出会わせてくれた乃木坂46の運営さん…。そういう方々に、今こんな作品に関われていますって報告できる環境にあるのが嬉しいし、もっと頑張って喜んでほしいなって思っています。伊藤さん出演の映画『女優は泣かない』は、12月1日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。スキャンダルで仕事を失った女優・梨枝(蓮佛美沙子)の復帰仕事は、生まれ故郷で撮る彼女自身のドキュメンタリー。伊藤さんは、上司から念願のドラマ班への異動をエサにディレクターを押し付けられたADの咲役。監督・脚本は有働佳史。いとう・まりか1996年生まれ、大阪府出身。2011年から’17年まで乃木坂46のメンバーとして活動し、卒業後は俳優として活躍する一方、PARCOで個展を開催するなど、クリエイターとしての才能を発揮。現在、出演ドラマ『時をかけるな、恋人たち』(フジテレビ系)、『ミワさんなりすます』(NHK)が放送中。シャツ¥94,600(baziszt/Diptrics TEL:03・5464・8736)ネックレス¥18,500(Marland Backusinfo@marlandbackus.com)※『anan』2023年11月22日号より。写真・沖島悠希スタイリスト・和田ミリヘア&メイク・外山友香(mod’s hair)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月18日作家を志す文学青年の弟・トムをストーリーテラーに、極度に内気な姉のローラと独善的で口うるさい母親のアマンダとの閉塞感ある家族の姿を描いたテネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』。その後日譚を、日本の不条理劇の第一人者である別役実が描いた『消えなさいローラ』。この2本の戯曲を連続上演する企画が実現。吉岡里帆さんは、演出を手がける渡辺えりさんから直々に出演をオファーするメッセージをもらったという。「これまで現場でご一緒したことがなかったので、最初は驚きました。でも、私が出演していたドラマ『しずかちゃんとパパ』を見て、耳が聞こえないお父さんと暮らしている娘の役を暗く演じてないのがよかったと言ってくださって。今回の『ガラスの動物園』も戦争が迫りくる重苦しい時代の物語ではありますが、その中でも明るさを大事にしたいと、お声かけくださったそうです」吉岡さん演じるローラは、極端なほど内向的な役だが、今回、「2本立てにしたことで、より一層面白いキャラクターになっている」と話す。「『ガラスの動物園』は何かわからない不安な気持ちや切なさがじわっと残るような終わり方をします。でも、その日々がどれだけ美しくて尊かったかが『消えなさいローラ』で見えてきて、台本を読んだときの後味がガラッと変わりました。ローラも、口数が少ないイメージだったのが、『消えなさいローラ』では、それまでの溜まりに溜まったフラストレーションを爆発させているかのようにすごく情熱的。えりさんがおっしゃるには、別役さんが書かれる作品の多くが自己や自己のアイデンティティに迷う人の物語で、この作品もまさにそうなのだとか。実際、ここに出てくるローラも、途中からローラなのかアマンダなのかわからなくなっていって、台本上の役名も“女”という表記になっています。自分という存在は不確かで、それを認識してくれている他者がいなくなってしまえば、まるで存在していなかったかのように消えていく。その切なさとか、逆に、誰かがいることで確かになる、ある種の生命力を大事に演じたいと思っています」母・アマンダはその渡辺さんが、弟のトムは尾上松也さんが演じる。「トムはストーリーテラーの役割も担っているので、この役がブレるとすべてがブレてしまうと思うのですが、松也さんがしっかりと基盤を作ってくださっています。例えると、枠組みが木じゃなくて鉄でできているような(笑)安心感というか。アマンダは娘や息子に言葉で圧をかけるような役なのに、えりさんが演じることで、口うるさいけれどとても愛情深いお母さんになるから全然嫌な気持ちにならない。むしろ毎日顔をつき合わせて、ケンカしながらもコミュニケーションをとっていた古き良き日本の家庭みたいに見えてくる。娘として相対していても自然と心が開くので暗くなりようがなくて、母親がこうだとこんなふうに娘は育つんだなって思っています(笑)」『消えなさいローラ』は二人芝居。松也さんの相手を、渡辺さんと吉岡さん、そして和田琢磨さんの3人が日替わりで務める趣向もユニーク。「間違いなく、三者三様のお芝居になると思います。スタミナのあるトムでよかったです(笑)」『ガラスの動物園』『消えなさいローラ』大恐慌時代のアメリカ。工場で働く文学青年のトム(尾上)は、口うるさい母・アマンダ(渡辺)と極度に内気な姉・ローラ(吉岡)との暮らしに閉塞感を抱いていた。ある日、娘の将来を憂う母の働きかけで、トムが職場の同僚・ジム(和田)を家に連れてきた。彼はかつてローラが憧れた相手で…。上演中~11月21日(火)新宿・紀伊國屋ホール『ガラスの動物園』作/テネシー・ウィリアムズ翻訳/田島博『消えなさいローラ』作/別役実上演台本・演出/渡辺えり出演/尾上松也、吉岡里帆、和田琢磨、渡辺えり全席指定1万円Bunkamuraチケットセンター TEL:03・3477・9999(10:00~17:00)山形、大阪公演あり。よしおか・りほ1993年1月15日生まれ、京都府出身。昨年主演した映画『ハケンアニメ!』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。現在放送中のドラマ『時をかけるな、恋人たち』(フジテレビ系)に主演。ピアス¥133,100(シャルロット シェネ/エドストローム オフィス TEL:03・6427・5901)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・ちばひろみヘア&メイク・北原 果インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月15日小池栄子さんが演じるやり手のウェディングプランナーにして社長の深堀万里江が、夫、息子、父親の3人のダメ男を養うハメになるホームコメディ『コタツがない家』。脚本はドラマ『俺の話は長い』でも小池さんとタッグを組んだ金子茂樹さん。「オリジナル作品かつ、多くの人が共感するホームドラマを書くのはすごくハードルが高いと思うんですけど、私の想像の遥か上を行く脚本で、金子さんはやっぱり素晴らしいなと思いました。誰が見ても“あるある”と笑える部分があるはずです」そう語る小池さん自身も、共感できる部分がとても多かったそう。「夫の悪口を自分が言うぶんにはいいんだけど、周りから言われると庇いたくなるし、イラッともする。でも自分が振った話だから居心地の悪さを出すわけにもいかなくて…みたいな部分は共感できるし、すごく面白いなと思いました。これって、女子あるあるですよね(笑)」頭の回転が速く、懐が深くて頼もしい。そんな万里江の姿は実際の小池さんのイメージと近いものがある。「確かに似てると思います。ただ、私はあまり怒らないし、なんでも呑み込んでしまう性格なので、言い返せる万里江が羨ましくもあります」深堀家のダメ男3人衆も豪華な顔ぶれ。売れない漫画家の夫は、吉岡秀隆さん、進路に迷走中の息子は作間龍斗さん、熟年離婚を言い渡された父親は小林薫さんが演じている。「吉岡さんと小林さんは大先輩なのに、すごく謙虚な方々で驚きました。なるだけ監督の要望を理解して、“そっちもやってみよう”と柔軟に対応される。私もこういう人になりたいなと思いました。作間くんは最初は緊張していたみたいですけど、徐々に表情が豊かになってきて、それは見ていて楽しいし、頼もしくもある。みなさんすごく穏やかなので、現場の雰囲気もすごくいいんです」本作は、そんなダメ男たちと過ごす日々の中で、新たな家族の形を探していく物語。では、小池さん自身が思う、新しい家族の形とは?「いろんな選択肢を選んでいくことを認めてあげることなのかなと思います。『私は男の人が稼がなければいけないとは思ってない』とさらっと言える万里江はカッコいいし、そうやって人と比べず自分だけの幸せを受け入れていくことで新しい形ができていく。見ている方にも、こんな家族の形もあるんだなって面白がって見ていただけたら嬉しいです」『コタツがない家』深堀万里江(小池)はニート生活を送る夫・悠作(吉岡)と高校生の息子・順基(作間)と3人暮らし。そんなある日、父・達男(小林)が警察に保護されたという連絡が入り…。日本テレビ系にて、毎週水曜22:00~放送中。こいけ・えいこ1980年11月20日生まれ、東京都出身。来年2月に上演される舞台『KERACROSS第五弾「骨と軽蔑」』に出演するほか、『クレイジージャーニー』や『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』の司会も務める。ブラウス¥28,000スカート¥26,000(共にLE PHIL/LE PHIL NEWoMan 新宿店 TEL:03・6380・1960)イヤリング、ネックレス 共に参考商品(以上NATURALI JEWELRY/プレスハウス TEL:03・3746・2091)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月15日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・宮本茉莉ヘア&メイク・大野真二郎インタビュー、文・恒木綾子(by anan編集部)
2023年11月13日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、相手に気を使わせず物を渡せる女性、「おさがりの写真を送ってくれる女」になりきり。ちょっとした一言や気遣いで印象は変わります!長女が生まれた時、友だちの近藤千尋ちゃんから、「お食い初めの服、いる?」というメッセージとともに、スマホに写真が送られてきました。長女が生まれる数か月前に、千尋ちゃんにも子どもが生まれていて、「一回だけ着たものなんだけど、よかったらどう?」とのこと。すごくかわいいし、「え、ちょうだい!」と言ってもらい、それを着てお食い初めをしました。さらに、次女と三女も同じものを身につけ、結果的に3回着ることに。お食い初めという人生に一度しかないイベントでしか使わない服なのに、こんなに何度も活躍するなんて…!と嬉しい気持ちになりました。ちなみに、そのお食い初め用の服には、千尋ちゃんのあだ名にちなんで、「ちぴちゃんの」という呼び名がついています(笑)。「おさがりあげるよ」と、有無を言わさず、いきなり送りつけたりするのではなく、事前に「いる?」と聞いてくれたり、写真を送ってくれるというのが親切ですよね。当然、イベントの服にこだわりがあり、自分で選びたい人もいるでしょうから、いらない時は「いらない」と言いやすい状況や逃げ道を作ってくれると気が楽になるはず。もらう側としては、一番ありがたい方法だなと思いました。また、おさがりは、断っても角が立たない関係性の中でこそ、できるものだとも。相手に気を使わせることなく、おさがりを渡せるようになるためには、相手が断れるようなスキを、きちんと作っておくことがポイントだと思います。千尋ちゃんの他にも、おさがりをくださったママ友もいるのですが、「いらなかったら捨てちゃっていいから」とか、「逆に、ごめんね」と一言を添えてくれていたなと。ちょっとした気遣いで、印象は全然違うものになると思います!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年11月15日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年11月12日昨年のY2Kブームから地続きでありつつ、徐々に進化を遂げている2023年のファッション。本誌注目のファッションアイテムに、俳優の原菜乃華さんがトライ!普段は「なるべく楽に動ける服装を選びがち」だという原菜乃華さん。スポーティなスタイルを選ぶことが多く「可愛い服はなかなか着ることがない」のだとか。「ガーリーな服は持っているだけで幸せな気分になれるから、ビビッときたらすぐ買っちゃう!でも、ついついスウェット素材のセットアップなど、ラフに着られるアイテムで出かけることが多くなりがちです(笑)。それから、シルエットが綺麗な服を着ることも多いかも。自然と姿勢が良くなるんですよね。気合を入れたいとき、体のラインが出る服を選ぶようにしています」基本的に服を買うのはネットショップが多いという原さん。撮影の合間にも「これ、どこの服ですか?」とスタイリストの番場直美さんへ尋ね、カートに入れるべきかスマホとにらめっこしている姿が。気になっているファッションキーワードは?「今回の撮影でシアーアイテムにはすごく興味を持ちました。古着のトラックジャケットなど、自分が持っているスポーティなアイテムにプラスオンしてみたいです。上品なトーンとカジュアルなトーンを組み合わせて遊べるようになったらいいな、と買い物欲が湧いてきました。あと、私自身がすごく寒がりなんですよ(笑)。機能的な意味でも、厚手のモコモコした素材のアウターはゲットしたい。ただ冬場はどうしても黒ばっかりになっちゃうので、今回のコーディネートのように色で遊べたらな、と思いました」“シアー”アイテム重ね方で個性を演出、十人十色のスタイリング。・“ユニマメ”が火付け役。服と下着の中間をいく提案。・これから注目すべきは“キラキラ”したシアー。・インナーだけではなくトップスの上に重ねても。Z世代を中心にシアーアイテムの着こなしが広まるきっかけとなったUniqlo and Mame Kurogouchi。さまざまなシースルーコーデがストリートに散見されるなか、今後注目すべきはラメやスパンコールを用いたシアー素材。トップスの上から重ねる着方が今風。今年は“キラキラ”したシアー素材に注目。レイヤードスタイルを楽しむためのアイテムとして登場した、チュール素材をはじめとするシアーアイテム。2~3枚重ねることでニュアンスに個性が出せるからこそ「ストリートでもいろんなスタイリングを観測できた」とACROSS編集室シニアエディターの高野公三子さん。「ここまで流行った背景の一つに、ユニクロとのコラボレーションが話題となったMame Kurogouchiのパワーもあるんじゃないかな、と。洋服と下着の中間をいくような曖昧な提案が、Z世代を中心に幅広く受け入れられた。だからこそ、ここまで流行したのではないかと考えています」(高野さん)2021年頃から登場し、レイヤードスタイルの楽しみ方を拡充させてきたシアー素材。最新の着こなしではどういったことを意識すべき?「今年は“キラキラ”がキーワードです。スパンコールを使っていたり、ラメが入っていたりするアイテムが本当に多くて。今まではインナーとしてシアーを用いることが多かったと思います。でもキラキラ素材はトップスの上にも重ねられる。今までと少し違ったレイヤードスタイルを楽しめます。また、首元が寂しい印象になってしまうとき、プラスするだけでアクセントが生まれますよ」(スタイリスト・番場直美さん)ボリューミーな袖と真四角なシルエットがコーデに立体感をプラス。チュールトップス¥60,500(マージ/エストネーション TEL:0120・503・971) ジャケット¥121,000(リトコフスカ)グローブ¥26,400(キャサリン オスティ)タイツ¥6,160(スウェディッシュ ストッキングス)ブーツ¥86,900(ロランス) 以上エストネーションスカート¥39,000(コス/コス 青山店 TEL:03・5413・7121)イヤリング¥25,300(ガルニ/ガルニトウキョウ TEL:03・3770・4554)チェーンネックレス¥58,300(バルブス/ズットホリック )1、裾のリボンでシルエットを調節できるシャツ。¥35,200(ラム・シェ/ブランドニュース TEL:03・3797・3673)2、インナーとしても使える万能ブラウス。¥53,240(ベース マーク/エム TEL:03・6721・0406)3、遊び心をくすぐるスカートは、レイヤードアイテムとして活躍。¥30,800(バウム・ウンド・ヘルガーテン/エストネーション)4、コケティッシュになりすぎないラインを攻められるコルセットは、シアー素材ならではの魅力たっぷり。¥17,930※セット価格(メゾンスペシャル/メゾンスペシャル 青山店 TEL:03・6451・1660)はら・なのか2003年生まれ、東京都出身。俳優。’23年の大河ドラマ『どうする家康』千姫役、同年9月公開の映画『ミステリと言う勿れ』の狩集汐路役など、話題の映画・ドラマで活躍している。ACROSS編集室シニアエディター・高野公三子さん渋谷、原宿、新宿にてスナップとインタビューで「定点観測」し、東京の若者と文化を研究。編著に『ストリートファッション1980‐2020 定点観測40年の記録』(PARCO出版)。スタイリスト・番場直美さんスタイリストの白男川清美氏に師事したのち、2005年に独立。現在は本誌のAntennaページをはじめとして、さまざまな雑誌や広告等で活躍している。モデルや俳優からの支持も厚い。※『anan』2023年11月15日号より。写真・MELON(TRON)スタイリスト・番場直美ヘア&メイク・淡路美里取材、文・高木 望(by anan編集部)
2023年11月11日ビジュアルの再現度の高さに加え、音楽や照明、場面転換などの演劇的手法を駆使した多彩な演出で評価を受ける舞台『鬼滅の刃』。シリーズ4作目の今回は、重層的なドラマが描かれる遊郭編。本作から主人公の炭治郎を、阪本奨悟さんが演じる。「炭治郎のまっすぐな純粋さを大事にまっさらな気持ちで臨みたいです」「オーディションを受けさせてもらったんですが、すでに期待値が高い中で自分がそれを越えていけるかプレッシャーはありました。ただ、僕自身が兄姉と仲が良く、妹の禰豆子(ねずこ)を想う炭治郎に共感する部分も多く、演じてみたい役でもありました。炭治郎の魅力って、家族を想う純粋さだったり責任感だったり、諦めない心だったり…少年らしいまっすぐさなんですよね。15歳の炭治郎を自分が演じるにあたって、ここまで身についたものをとっぱらって、まっさらな気持ちで臨みたいです」鬼となった妹を人間に戻すため鬼殺隊に入った炭治郎。「其ノ肆 遊郭潜入」と銘打った今回は、鬼の動向を探るため遊郭に潜入する。「“柱”の宇髄さんの生い立ちが色濃く描かれる回でもありますし、僕としては花魁に扮した上弦の鬼・堕姫(だき)と炭治郎との戦いが舞台でどう表現されるのか楽しみです。それには僕もちゃんと準備しておかないと」迫力ある殺陣も魅力の舞台だけに、舞台稽古に入る前から自主的に殺陣のレッスンに通っていたそう。「殺陣の経験はあっても、そこまで激しいものはやってきていないんです。この作品には炭治郎を含めて超人的なキャラクターばかり。普通より1段上のレベルでないと表現できないものがあると思うので、事前にやれることはしておきたくて」それは原作へのリスペクトゆえ。「原作漫画や小説なら読んでおきたいし、アニメ化されていれば見て、作品や役への理解は深めておきたいじゃないですか。ただ、演じるのは生身の人間同士で、相手のお芝居を受けて生まれる感情もある。それが時には原作とは少し表現が変わってくることもあるかもしれない。でも、そこでリアルに生まれてきた感情を無視してしまったら物語として破綻してしまう気がするんです。僕は人と人が相対して生まれるものも同時に大事にしたいと思っています」アーティスト活動もおこなっており、伸びやかな美声の持ち主として評価も高い阪本さん。今作でも歌を披露する場面があるそう。「作品に自分が貢献できるとしたらやっぱり歌なのかなと思っています。歌を通じて役に繋がれる瞬間もありますので、そこも楽しみなんです」舞台『鬼滅の刃』其ノ肆 遊郭潜入11月12日(日)~19日(日)メルパルクホール大阪、12月1日(金)~10日(日)TOKYO DOME CITY HALL原作/『鬼滅の刃』吾峠呼世晴(集英社ジャンプコミックス刊)脚本・演出/末満健一音楽/和田俊輔出演/阪本奨悟、髙橋かれん、植田圭輔、佐藤祐吾、辻凌志朗、蛭薙ありさ、倉持聖菜、西葉瑞希、梶川愛美、佐竹莉奈、遠山裕介、廣瀬智紀、宮本弘佑、佐々木喜英ほか【大阪公演】全席指定1万1500円サイドシート1万1500円【東京公演】S席(アリーナ、第1・第2バルコニー)1万1500円S席サイドシート1万1500円A席(第3バルコニー)9500円A席サイドシート(第3バルコニー)9500円©吾峠呼世晴/集英社©舞台「鬼滅の刃」製作委員会さかもと・しょうご1993年6月13日生まれ、兵庫県出身。最近の主な出演作に、ミュージカル『刀剣乱舞』、演劇調異譚『xxxHOLiC』など。シンガーソングライターとしても活躍中。ニット¥44,000(CULLNI/Sian PR TEL:03・6662・5525)中に着たTシャツ¥14,300(CLOUD LOBBY/JOYEUX TEL:03・4361・4464)※『anan』2023年11月8日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・山田安莉沙ヘア&メイク・木内真奈美(オティエ)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月08日村上春樹の小説を原作に、意識と無意識を融合させたキュートかつダークな世界。ダンス、音楽、美術、衣装、全てにおいてセンスを感じる舞台『ねじまき鳥クロニクル』は、観客を極上の観劇体験にいざなった。イスラエルのインバル・ピントが演出・振付・美術を手掛け、大友良英率いるバンドが生演奏を行った。初演は好評を博したが、コロナで全公演の上演は叶わず、3年ぶりに再演が実現。門脇麦さんは初演に続き、17歳の笠原メイを演じる。五感を使って演出意図をキャッチして体に落とし込む作業をしてました。「インバルは、視覚センスが突出している人。人物の立ち位置から場面を組み立ててみたり、時間をかけて振り付けても、やはり違うと思ったら、潔く一から作り直したり。ニュアンスや空気感をとても大切にされていて、その創作過程は稽古場で見ていても刺激的でしたね」原作は全3巻もある長編小説である。門脇さんは村上作品の大きな魅力の一つは文体にあると感じていた。「ただ、あの日本語のニュアンスは翻訳ではおそらく伝わらないと思います。だから、私が原作を読んで感じ取った空気感やメイという少女を表現することよりも、イスラエル人のインバルが日本文学の村上作品を読み、どんなエッセンスを受け取り表現したいと思ったのか。それを体現することの方がこの舞台では大事なんじゃないかなと思いました」稽古場での、言葉に頼らないコミュニケーションは性に合ったらしい。「文学作品の舞台というと、言葉が一番大切なように思うけれど、日本語を介さない創作現場では、削ぎ落とした骨組み、本質だけが残ります。インバルたちがどうしたいのかを五感を使ってキャッチして、体に落とし込む作業を稽古場ではひたすらしていた気がします。私もたいてい勘で生きているので、全く違和感はなかったです(笑)」14歳まではバレエダンサーを目指していた門脇さん。フィリップ・ドゥクフレや野田秀樹など、これまでも身体的な表現を得意とする演出家の舞台に多く出演してきた。そんな経験が、インバルの創作現場を楽しむ力を蓄えていたのかもしれない。「もともと身体先行の感覚人間なので、言葉を使うと、どう説明しようという方に気持ちが傾いて、そっちの方が意味を限定してしまい、かけ違うことがあるように思いますね」最近では、映画『ほつれる』や『渇水』などの映像でも言葉以外の、表情や佇まいでその人物を強く印象づける豊かな表現をしている。「映像は日に3~4シーン撮らなければいけないので迷っていられません。想像以上に感情が高まってしまったなと後から思うような時もあります。その点、舞台は稽古期間があり、試行錯誤できます。基盤がある状態で本番を迎えられるから映像より自由度は高いかもしれないです」最近特に表現に深みが増して見えると伝えると、年齢のせいじゃないですか?と笑う。「一応、毎日一生懸命生きているので、ちょっとは深まってもらわないと困るんですよね(笑)」どんな現場でも、能動的に楽しもうと取り組めば楽しみは必ず見つかる。そう気づいてから演じることがますます面白くなってきたらしい。「楽しむパワーって、大きいんですよね。客観視して没入しすぎない方法を今は楽しんでいますけど、また気が変わるかもしれません(笑)」舞台『ねじまき鳥クロニクル』飼い猫捜し、女子高生の笠原メイとの出会い、謎の女からの電話、妻の失踪…。岡田トオルの身に次々と不可解な出来事が起きる。現代の世田谷から戦時中の満州まで、時空を超えて世界が繋がる。11月7日(火)~26日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス原作/村上春樹演出・振付・美術/インバル・ピント脚本・演出/アミール・クリガー脚本・作詞/藤田貴大音楽/大友良英出演/成河、渡辺大知、門脇麦、大貫勇輔・首藤康之(Wキャスト)、音くり寿、松岡広大、成田亜佑美、さとうこうじ、吹越満、銀粉蝶ほかS席1万800円(土・日・祝日1万1800円)、サイドシート8500円ホリプロチケットセンター TEL:03・3490・4949(平日11:00~18:00)大阪、愛知公演あり。かどわき・むぎ1992年8月10日生まれ、東京都出身。2011年ドラマデビュー。主な出演作に映画『愛の渦』(’14)、『浅草キッド』(’21 Netflix)、『あのこは貴族』(’21)、『ほつれる』(’23)、ドラマ『リバーサルオーケストラ』(’23)など。台湾映画『Old Fox』が台湾にて公開。モヘアニットトップス¥45,100中に着たカットソー¥11,000スカート¥39,600(以上オーラリー TEL:03・6427・7141)ブレスレット¥53,900左手のリング¥32,400右手のリング¥35,200(以上サピア バハール/フィルグ ショールーム TEL:03・5357・8771)※『anan』2023年11月8日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・高野智史ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER)インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年11月05日上海を舞台に、太平洋戦争開戦までの7日間を描く映画『サタデー・フィクション』。オダギリジョーさんは、日本海軍の暗号通信の専門家・古谷三郎を演じた。スパイ活動を行いながらも、亡き妻を想う人間味あるキャラクターだ。世界的巨匠のモノクロの映像美に浸れるスパイ映画。「役をどう解釈して、表現したのか…そうしたことを言葉にするのが恥ずかしくて。事前にロウ・イエ監督と打ち合わせを重ねていたので、そうした中で役が濃縮されていったんだろうし、現場ではそのイメージに血を通わせていく作業だったんだと思います」現場に入るまでの準備段階が重要であり、楽しいとも。「あらかじめ役や脚本の疑問点を潰しておかないと、現場で大きな問題になったり、撮影を止めてしまうこともありえますからね。オファーをいただいた時に、そのあたりがクリアにならないならお受けできないとハッキリ伝えるようにしています。この作品では、最後まで議論を重ねたシーンがあり、監督からの依頼で台本の一部を僕が書き直したこともありました。そうした監督と俳優を超えたモノ作りに、僕は楽しさを感じています」世界的に評価の高いロウ・イエ監督の撮影は独特で、複数のカメラで5~6シーンを連続で撮り、10回、20回とテイクを重ねるそう。「監督は独特の演出手法によって、自分すらも想像しなかったことが起こるのを待っていたんだと思うんです。カメラ同士が映り合うことも、コップが倒れることもある。次は何が起こるんだろうと、撮影を心から楽しんでいるようでした。ただ、演じる側は、毎回芝居を変えてくれと言われるのでやりがいを感じつつも、正直、疲れます(笑)。でも、主演のコン・リーさんは文句も言わない。あの大女優が謙虚にやってらっしゃるのに、僕が『もう十分でしょ?』なんて言うわけにはいきません(笑)。本当に素晴らしい女優さんですよ。今回はアクションでしたが、次は静かに、覗き合うような芝居がしたいですね」本作は、今では極めて珍しいモノクロ映画。カラーか白黒かで迷っていた監督に、オダギリジョーさんが「白黒のほうがいい」と言ったそう。「あの時代の空気はこの色みで合っているのかと心配するよりも、白黒の潔さを貫いたほうが、アクション映画としても画が強くなると思い、言ったのかもしれません。上海の歴史的な背景を知っているかどうかで、映画の理解度が変わるのは確かですが、白黒の美しいロウ・イエの世界を純粋に楽しみ、混沌とした上海のパワーを素直に受け取るには知識は必ずしも必要ないと思います。この時代に白黒で音楽もつけず、勝負できるというのはすごいこと。優れた監督にしかできないことですから。ぜひスクリーンで体験してもらいたいですね。僕も作品を作る人間として、一度は白黒で勝負してみたい。…と言いながら、自分の首を絞めてますね(笑)」映画『サタデー・フィクション』日中欧の諜報員が暗躍する魔都・上海。女優でスパイのユー・ジン(コン・リー)は、日本海軍少佐の古谷の亡き妻に似ていた。ユー・ジンが稽古する舞台は、横光利一の『上海』の設定が元になっている。11月3日公開。©YINGFILMSオダギリジョー1976年2月16日生まれ、岡山県出身。2021年放送の連続ドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(NHK)では脚本・監督・編集も手掛けた。現在映画『月』が公開中。主演・プロデュース作『僕の手を売ります』(全10話)がFOD/Amazon Prime Videoにて配信中。ジャンプスーツ¥85,800(ETHOSENS of white sauce TEL:03・6809・0470)シューズはスタイリスト私物※『anan』2023年11月8日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・西村哲也ヘア&メイク・砂原由弥シラトリユウキインタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年11月05日愛らしい顔立ちと鍛え上げられた肉体から、“奇跡の35歳”と称され、世界中のファンを魅了する韓国人俳優チョン・ヘインさんがananに初登場。その“奇跡”を創るための日々の体づくりや役との向き合い方を伺いました。運動より食事が大事。普段の食生活はかなりストイックです。35歳とは思えないほど愛らしい顔立ちに、鋼のように鍛え上げられた肉体。そのギャップで世界中の多くのファンを魅了する、チョン・ヘインさん。実際よりかなり若く見えるヘインさんにその秘訣を尋ねてみると「若く見せるのではなく、若く生きるように努力している」との答え。「ものの考え方や捉え方など、自分が若く生きられる努力を常日頃から心がけています。運動も毎日していますし、口に入れるものにも気をつけています。朝は起きぬけの空腹時に乳酸菌と抗酸化ビタミンを摂って、食事は1日2回。昼と夜に食べるようにして、14時間から16時間くらいは空腹を維持しています。お酒は習慣としては飲まず、飲むのは本当に必要な時だけ。あとはお水を1日に1.5Lは飲みます。ただ、塩分を長く体にとどめるのはよくないので、食事で塩分を摂りすぎたと感じたら、そのぶん水分の量を増やして、できるだけ早く排出するようにしています。こうして話してみると、本当に基本的なことしかしていないんですが、これを全部守るのは案外大変なんですよ」ドラマ『D.P.‐脱走兵追跡官‐』では元ボクサーの兵役軍人アン・ジュノ役が話題に。ボクシング経験があるという役柄上、説得力のある肉体が求められたが、日頃の運動のおかげで肉体づくりも完璧。「家に運動のための部屋をひとつ作って、そこにウェイトトレーニング用の器具を置いて、毎日押したり引いたりしています(笑)。ボクシングみたいに特殊なスキルが必要な時は3か月くらい練習すれば大体スムーズに動けるようになりますね。僕としては『D.P.』より『スノードロップ』のほうが大変でした。こちらも同じく軍人役でしたが、特殊部隊出身のスパイという役だったので、当時は午前2~3時まで撮影をし、やっと3時間寝られる…という日々でしたが、貴重な睡眠時間を削ってトレーニングしていました。それだけでなく撮影現場に懸垂バーやダンベルを持ち込み、暇さえあれば体を動かしていたので、今思えばかなり追い込まれていましたね。今はオフシーズンなので、当時に比べると体もだいぶ戻りました」そんなヘインさんが、運動以上に重要視しているのが食事。「体を動かすのは好きなので毎日運動することは苦になりませんが、運動以上に大事なのが食事なんです。僕は食べたいものを心の中にストックしておいて、たまにそれを消化するくらいで、普段の食生活はストイックだと思います。鶏むね肉をたくさん冷凍保存しておいて、それを焼いたものとサラダにドレッシングをかけて食べることが多いです。だから僕の場合、料理というより調理に近いかも(笑)。たまごに牛乳を少し足して、ごま油でスクランブルエッグにしたものをご飯にかけて食べるのも好きですね。タンパク質も摂れて、栄養素的にも優秀です」もともと運動はしていたけれど、健康のために食事に気をつけるようになったのは、とあるファンからの手紙がきっかけだった。「がんを患っているというファンの方から、作品を見て元気をもらった、今は治療をがんばっているという手紙をいただいたことがありました。僕が俳優という仕事を始めたのは、ただ演じることが好きで、自分が楽しいからでした。でも、そんな僕の作品がそんなふうに誰かの力になり、幸せを感じてくれる人がいるということを知って、考え方が変わりました。この仕事を長く続けるためにはまず健康でいなくちゃいけない、そのためにできる努力をしようと。だから一日の終わりに疲れを感じると嬉しいんですよ。その日一日、一生懸命に生きた気がして。逆に疲れを感じないと、ちょっと物足りないですね(笑)」Jung Hae Inチョン・ヘイン1988年4月1日生まれ、韓国・ソウル特別市出身。ドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』で注目を集め、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』で一躍人気に。最新作は主演を務めた『D.P.‐脱走兵追跡官‐』シーズン2。スニーカー¥22,000(コンバース/コンバースインフォメーションセンター TEL:0120・819・217)ネックレス¥49,500ブレスレット¥27,500(共にマリハ TEL:03・6459・2572)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年11月8日号より。写真・神戸健太郎スタイリスト・鹿野巧真Ahn Na Hyeon(フィッティング)ヘア・Kim Sung Chanメイク・Lee Soun Yel取材、文・尹 秀姫(by anan編集部)
2023年11月05日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、無駄なくメリットを教えられる女性、「会員特典を数字で伝える女」になりきり。相手の心に響く言い方を見極めることがポイント。先日、遊具やおもちゃがたくさん用意されている、子どもが遊ぶための施設に行ってきました。受付で会員登録するかを迷っていたところ、おもちゃを目の前にして“早く遊びたい!”と気持ちが高ぶっている子どもたちを連れていることもあり、スタッフの方の説明が頭に入ってこなかったんです。すると、隣にいたもう一人のスタッフの方が、「今日100円多く払うと、次回からは200円安くなります」と言ってくれたんです。その言葉が、私の頭の中にすっと入ってきて、めちゃくちゃお得じゃん!と思ったし、無意識のうちに「最高ですね」と返していました。これから何度も来るだろうと思っていたこともあり、「会員になります!」と即決。無駄のない短い言葉だけど、お得な情報がよくわかる。きっと、私が面倒くさそうだと思っていることを見抜き、“この人に何を言えば響くか”ということを、瞬時に判断したのだと思います。すごいスキルだし、彼女のように特典を一瞬で理解できる表現方法を、どのお店も考えてほしいなと思いました。ちなみに、「登録はQRコードを読み取るだけです」と、その後の説明も簡潔で素晴らしかったです。ほかにも、水族館へ行った時、「年間パスポートは回来ると元が取れます」と書いてあり、すごくわかりやすいなと思ったことも。どれくらいお得かを数字で簡潔に説明してくれると、とてもありがたいなと思いました。まずは、内容を簡潔に伝える表現方法を考えることはもちろん、何を言えば心に響くか、どういう言葉を投げかけることがいいのかということを、きちんと見極めることが大事だと思います。そのために、相手の性格であったり、置かれている状況をしっかりと観察してみましょう!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年11月8日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年11月04日「アイドルが憧れるアイドル」と称され、歌や芝居、モデルと大活躍の鈴木愛理さん。人気番組『あざとくて何が悪いの?』の新MCに抜擢された心境、彼女の現在地とは?芸能界デビューは8歳。芸歴はすでに20年以上。2017年にアイドル活動に幕を下ろしてから丸6年。現在、ソロアーティストのみならず俳優業やモデル、ラジオ、音楽番組のMCなど活躍が多岐にわたる中、トークバラエティ『あざとくて何が悪いの?』の新MCという新たな挑戦が訪れている鈴木愛理さん。――先ほど初収録を終えたばかりですが、率直な感想は?終わった瞬間にお腹がすきました(笑)。緊張が解けたみたいです。山里(亮太)さんとお会いするときも、今まではMCとゲストという関係でお会いすることがほとんどだったので、同じMCとして座っているのもずっと不思議で。番組のスタッフさんたちから「後任だからと考えすぎずに、愛理ちゃんらしくやってください」と背中を押していただいた勢いで、飛び込んでいった感覚です。収録の中での出来事は、視聴者の方にどう受け取ってもらうかがすべて。それはどの番組や作品でも同じですが、手応えがあっても響かないときもあれば、逆もしかりだったりするので、そこはもう勉強だなと割り切っています。――新MCに選ばれたと聞いたとき、どんな心境でしたか?『あざとくて何が悪いの?』は、レギュラー化される前の特番時代から私自身もイチ視聴者だったので、見ていた番組のMC席に自分が座ることになるとは1ミリも想像してなくて。それに、“あざとい”という言葉を世の中に広めた番組でもあり、田中みな実さん、弘中綾香アナのお二人の顔が番組の象徴としてパッと浮かびますし、「お二人の代わりなんていないぞ」と思い知りながらバトンを受け取るのはこの上ない緊張感がありました。振り返ってみると、私が今まで携わってきたものは企画の立ち上げから関わっているものが多くて、“後任”を経験したことがなかったんですね。すべてにおいて“初期メン”だったので、他の方が築き上げ、守ってきた番組の中に入っていくのは新鮮でした。――存在感のある田中さん、弘中さんのあとを引き継ぐのは、かなりの覚悟も必要だったかと。楽曲のカバーもそうですけど、オリジナルがあって、あとからもう一回やるとなると反響の8割ぐらいは批判になってしまうかなと腹をくくってます。人間って、頭の中にこれが正解というのがあるものですし。ただ、アニメソングをカバーする番組を2年ほどやらせてもらっている中で、取り組み方ひとつで受け入れられ方もすごく変わることに気づいたんですよね。そのアニメや主題歌に対してリスペクトの気持ちがあれば、必ず自分なりの新しいカタチで表現ができると。『あざとくて~』でも、お二人が作ってきた番組の歴史へのリスペクトはやっぱり忘れちゃいけないし、忘れずにやっていかなきゃなと思っています。――ちなみに鈴木さん自身は“あざとい”とは、どんな距離感?実は、自分自身にはあんまり見いだせてないんですよね。ファンの方からも「愛理ちゃんって、“狙った”あざとさでアイドルやってきてないから、どの角度でMCやるんだろう?」とほんのり心配されるくらい。ですが、誰よりもあざとさに敏感な番組スタッフさんたちから、私の言動ひとつひとつに「それ、あざといね」とチェックが入るので(笑)、私の人生の中にも“あざとさ”がけっこう転がっているのかなと思っています。――昨年、デビュー20周年。キャリアを重ねてもなお、新しい扉を開いているようにも映ります。自分でも実感しています。“次の扉開けば未来が見える”という感じで、本当にもう「Love take it all」(°C-uteの楽曲)の世界です(笑)。不思議なんですが、初体験や挑戦が人生に定期的に訪れていて、ソロになってからは特に思いがけないところからチャンスが降ってくることばっかり。それが長く続いていたりすることが多いので、私はあまり具体的な目標は決めないようにしてます。目標があるとしたら、“健康第一”!――そのほうが自由に動ける?いつ自分にチャンスが来ても、ちゃんとキャッチできる状態に自分をしておくっていうことだけで、あとはもう臨機応変というか、なるべくしてなる、とおおらかに。クラシックとあまり関わりがないのに『クラシックTV』のMCが舞い込んだり、滑舌が悪いのにドラマのオファーをいただけたり(笑)、「なんでだろう?」ってことの繰り返しです。幸い、初めての現場のほうが貪欲になれるというか、やってやろうと好奇心が刺激されるタイプ。できること、慣れ親しんだことよりも、未知のことのほうが好きだから、こうして絶えずチャンスをいただけているのはありがたいし、この環境に自分が育てられているなと思います。世の中に溢れる“あざとさ”について語り尽くす新感覚トークバラエティ。番組開始からMCを務めた田中みな実さんと弘中綾香アナが“勇退”し、鈴木愛理さんが新MCとして加入。続投する山里亮太さんとのコンビにも注目!トークバラエティ『あざとくて何が悪いの?』はテレビ朝日系にて毎週木曜24:45 より好評放送中。すずき・あいり1994年4月12日生まれ、千葉県出身。2002年、デビュー。’05年にアイドルグループ°C-uteを結成。’17年よりソロアーティストとして活動。現在、歌手・俳優のほか、モデルやラジオパーソナリティとしても活躍。『クラシックTV』(NHK Eテレ)でMCを務めるほか、主演ドラマ『推しが上司になりまして』(テレビ東京系)が放送中。ブラウス¥14,500スカート¥14,500(共にリリー ブラウン/リリー ブラウン ルミネエスト新宿店 TEL:03・6457・8555)イヤリング¥26,400リング¥11,000(共にジュエッテ TEL:0120・10・6616)※『anan』2023年11月8日号より。写真・杉江拓哉(TRON)スタイリスト・滝沢真奈ヘア&メイク・榊原美聖インタビュー、文・長嶺葉月(by anan編集部)
2023年11月03日社会に潜む問題と、ままならない人間の感情とをヒリヒリとした会話劇の中で描き出し、今なお世界中で上演されている19世紀の劇作家イプセン。その中でも最も難解な心理を描いた作品として知られる『ロスメルスホルム』は、思想を介して結びついた男女の奥底に抱えた複雑な心情を描いた人間ドラマ。「どんなに強く見える人であっても、少なからず葛藤はあると思うから」「脚本を読んだときにも思いましたし、稽古が始まった今も感じていることですが…。人間って我々が思っているよりも複雑なものだよねというのと、人って思っているより単純だよねという、両方がある作品です。難しいけれど、面白いチャレンジになると思っています」三浦透子さんが演じるのは、まだまだ古い伝統と価値観に縛られている世の中で、進歩的な考えを持った女性レベッカ。森田剛さん演じる主人公ロスメルの家の下宿人であり、彼の思想に大きな影響を与えている存在でもある。「人間の感情って0か100かではないと思うんです。相反する感情が51%と49%で共存しているんだけれど、どちらかひとつしか選べないから瞬間的に51%の方を取るということもあって。でも外からは100%そっちの人だと見えてしまうことがある。この作品が描いているのも、そういう複雑さなんじゃないかと思っています。レベッカは思想を持った確固とした人のように見えるけれど、じつは彼女自身も葛藤しながら選んだ片方の道を積み重ねてしまった気がするんです。思い描いた理想の形とは違う方向へと物事が進んで、自分の中でも着地点を見つけられずにいるように思えて。そこが役の面白さでもあり、表現するうえでの難しさでもあるのかなと思います」高い評価を受けた映画『ドライブ・マイ・カー』でも、話題を呼んだドラマ『エルピス』でも、一筋縄ではいかない役を演じてきた三浦さん。強さの中にある弱さや弱さの中にある強さといった、表面に見えている一面的な感情ではない人間の重層的で複雑な感情を表現してきた。「私自身、強い部分もあれば弱い部分もあるんですよね。意見を言うときに、言っていいものなのか考えたり、どういう言葉を選ぶのが適切なのかを必死で考えたりするし、言う寸前に迷ったり、怖くなったりすることもある。それだけ考えても考えても、やっぱり感情を優先してしまって、後悔することもあって。だから自分が演じる役も、どんなに強く見える人であっても、その言動は少なからず私と同じような葛藤があったうえで出てきたものだろうし、私自身もそう思いたいんでしょうね」あの繊細な役作りのためにやっているのは「ただただ脚本を読むというシンプルな準備」だとか。「読むのは、自分が演じる役と作品自体が何を大事にして書かれているのかというところ。お芝居はコラボレーションですから、あとは現場で生まれるものだと思っています。同じ本を読み、それぞれが違う頭で考えたものを互いに出し合うことで見えてくるものというのがあり、それがこの仕事の面白いところです。脚本を読んで、自分も同じことを考えたことがあると思える部分が多いほど、楽に役に近づける気がします。だから、出合う感情の数を増やすことが重要であって、自分はそのために日常をどう生きるのがいいのかということはわりと考えていますね」本作が書かれた当時とは時代も変わり、物事の価値観はアップデートされているが「世の中の構造自体は、現代に通じるものがある」と話す。「演出の栗山(民也)さんが『ホンをちゃんと誠実にやれば今のことを伝える物語になるから』とおっしゃっていました。時代は違えど、従来の価値観から先へ進もうとする時代という意味では現代とも重なりますし、今の物語として感じてもらえる作品になればと思っています」『ロスメルスホルム』下宿人のレベッカ(三浦)の影響で自由思想に傾倒するロスメル(森田)。ある日、彼の自殺した妻の兄で保守派のクロル(浅野)から、妻を死に追いやった原因を聞かされ…。愛知公演/10月28日(土)・29日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール福岡公演/11月3日(金)~5日(日)キャナルシティ劇場兵庫公演/11月10日(金)~12日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール東京公演/11月15日(水)~26日(日)新国立劇場 小劇場原作/ヘンリック・イプセン脚色/ダンカン・マクミラン翻訳/浦辺千鶴演出/栗山民也出演/森田剛、三浦透子、浅野雅博、谷田歩、櫻井章喜、梅沢昌代詳細は公式サイトにて。みうら・とうこ1996年10月20日生まれ、北海道出身。映画『ドライブ・マイ・カー』で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞など多数の映画賞を受賞。近作に主演映画『そばかす』、ドラマ『ブラッシュアップライフ』など。シャツ¥58,300パンツ¥57,200(共にBARENA/三喜商事 TEL:03・3470・8232)※『anan』2023年11月1日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・佐々木 翔ヘア&メイク・山口恵理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年11月01日未だ解けない定理やその背景など、数学の超難問をパンサーの尾形貴弘さんが笑い封印で解説する、『笑わない数学』のシーズン2が放送中。すべては理解できずとも、文系の人でも知的好奇心が刺激される番組だ。パンサー尾形が体当たりで数学の難問に挑む!「高校も大学もスポーツ推薦で、知ってる公式は底辺×高さ÷2くらい。一日中山を登ったり、7時間半落とし穴にいたり、一生体を張り続けるんだと思っていたのに、NHKで数学番組のMCですよ。でも、収録でやることといえばカンペ読むだけですからね。…って、ここは否定してもらわないと!数学に縁遠い僕でも、ちゃんと頭を使ってるんです。その証拠に、糖分を使い果たして、収録後はどの番組より疲れる…。でも、それが心地よくもあるんです」MCの人選では、どんな無茶ブリも嫌がらず、突き進んでいく尾形さんしか思いつかなかった、と制作スタッフ。シーズン2ということで、カンペ読みもだいぶ上達したが…。「逆に、抑揚のつけ方とか上手くなるなって言われるんですよ!」制作側の意図としては、数学の知識や理屈を超越して「なんだかすごい!」といった感動を、素の尾形さんに届けてほしいからなのだとか。確かにその真っすぐなMCぶりには、知識をひけらかすようないやらしさが微塵も感じられないのがいい。「学生時代にこの番組を見ていたら数学を好きになっていたかも。でも、頭のいい人がやっていたら、見ていなかった気がします。最初はドッキリかと思ったけど、僕がMCに選ばれた理由ってそういうことかもしれませんね。びっくりするんですけど、子供にも『見てる』と声を掛けられるのは、『パンサー尾形がやってるなら、自分にも分かるだろう』って思われてるからなのかな」天才数学者でも難しい問題を視聴者に30分で伝えるのは至難の業。スタッフは様々な参考文献や原論文にあたり、複数の専門家にも話を聞く。ここまでで2~3か月はかかるそう。尾形さんは、収録前に約1時間のレクチャーを担当ディレクターから受ける、いわば最初の視聴者だ。「さすがに全部は理解できないけど、スタッフのみなさんが開いてくれる勉強会にだいぶ助けられています。テーマを見つけてくるのも、僕がなんとか分かるところまでもっていくのも、すごく大変なはず。映像にもものすごいこだわりが感じられますし。だから簡単には言えないですけど、あえて言いたい。シーズン3も絶対にやりましょう!この番組のスタッフの方々って、センスがあるんですよ。でなければ、そもそも『笑わない数学』なんてタイトル思いつかない。僕より大喜利得意なんだろうな(笑)。悔しいわ~!!」数か月の準備と収録ののち、さらに1~2か月かけてCGを駆使した編集や映像制作を行い、ようやく完成。広いスタジオにタレントは尾形さんただひとり。「数学にとりつかれた数学者の切ない物語にも注目を」『笑わない数学 シーズン2』シーズン1は、「斬新な教養バラエティ番組」と評価され、ギャラクシー賞テレビ部門の2022年9月度月間賞に選出された。NHK総合毎週水曜23:00~放送中。NHK Eテレで毎週土曜21:30~、毎週火曜24:55~再放送。放送後1週間は、NHKプラスで見逃し配信も。おがた・たかひろ1977年4月27日生まれ、宮城県出身。2008年、お笑いトリオ・パンサーを結成。決め台詞は「サンキュー!」。『デカ盛りハンター』(テレビ東京系)に出演中。※『anan』2023年11月1日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年10月31日大きな話題となったドラマ『ブラッシュアップライフ』や、公開中の映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』では、物語のキーパーソンを好演。気がつけばこちらの懐にするりと入り込んでいて、心に残るお芝居を見せてくれる木南晴夏さん。主演を務める新ドラマで演じるのは、昼は地味なOLだが、誰にも知られていない、エキゾティックなベリーダンサーの顔も持つ“セクシー田中さん”こと田中京子だ。「原作の漫画を読むと、そもそも田中さんってすごくスタイルがいいんです。手足が長くて、体は細いながらも引き締まっていて。少女漫画でしかあり得ない見た目なのですが、なるべく近づけるようにと体を絞りながら役作りをしています。ちょうどこのお話をいただく少し前から始めたピラティスを継続しながら、5月からは食事コントロールとベリーダンスのレッスンをスタート。実はこの取材の前も、みっちり2時間レッスンを受けてきました」役作り上、ベリーダンスの習得は最優先となるが、数か月間、地道にレッスンを積んできたという。「最初に先生から『胸を張って自信を持って、全世界で自分が一番いい女だと思って踊ってみて』と言われて戸惑いました。ベリーダンスは曲線美や女性らしさを前面に出した、大人の魅力が詰まった踊りなんですが、そもそも私の性格はベリーダンサーの田中さんではなくOLの田中さん寄り。どうすれば自信を持てるようになるかなんて全然わからなくて。それでもレッスンを重ねて踊れるようになってくると、だんだん背筋が伸びていき、不思議と自信が持てるようになっていきました。煌びやかな衣装をまとい、イヤリング、ネックレス、ブレスレットに指輪と、これでもかっていうぐらい装飾品をつけるので、その華やかさも背中を押してくれている感じです」会社の後輩・倉橋朱里役の生見愛瑠さんとは初共演。「目がキラキラしていて美肌で、まつ毛も長くて…小動物みたい。可愛すぎて直接は見られないから、愛瑠ちゃんが誰かと喋っている時にこっそり盗み見て、可愛いな~って思っています(笑)。40歳の田中さんの生き方や発言にも『わかる!』って思うけど、でも、若さや可愛いことにしか自分の市場価値がない、と焦ったり悩んだりする朱里ちゃんに共感できる人のほうが多いんじゃないかな。私も20代の頃は、先の見えなさに不安を感じていたこともありましたから。それでもこの物語に出てくる人たちはみんな、自分で変わろうと決めて奮起していくので、見てくださる方にとって、何か変わるきっかけになれば嬉しいですね」ところで、木南さんにも誰にも知られていない顔があるのだろうか。「たまに『大木のように揺るがない心を持っていそう』と言われますが、実は根っこはネガティブで、人の言葉に影響されてスポンジのように吸収するからブレブレ。まぁそれも善しあしで、役者にとってはよかったりするのかもしれませんけど(笑)」『セクシー田中さん』ある日、ベリーダンサーのSaliに一目惚れした朱里だが、その正体はなんと職場の同僚でアラフォーOLの田中さんだった…。原作漫画はananマンガ大賞受賞作。日本テレビ系にて毎週日曜22:30~放送中。きなみ・はるか1985年8月9日生まれ、大阪府出身。公開中の映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』に出演。パン好きが高じて、「キナミのパン宅配便」というサービスを展開。ワンピース¥82,500(PHOTOCOPIEU/SHOWROOM LINKS)左手のリング¥39,600右手のリング¥45,100イヤーカフ¥154,000(以上GEORG JENSEN/GEORG JENSEN JAPAN TEL:0120・637・146)※『anan』2023年11月1日号より。写真・神藤 剛スタイリスト・中井綾子(crepe)ヘア&メイク・坂本志穂インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2023年10月30日一度聞いたら忘れられない、憂いを帯びた低音ボイスの持ち主といえば、津田健次郎さん。アニメでは『ゴールデンカムイ』の尾形百之助や『呪術廻戦』の七海建人などを演じ、ドラマでは『最愛』や『トリリオンゲーム』などに出演。10月13日には写真集も発売された。公開中の映画『北極百貨店のコンシェルジュさん』では、来店客全てが動物という不思議な百貨店で展覧会を開く芸術家・ウーリーの声を担当している。自身初のマンモス役だ。――犬や猫、キリンなどさまざまな動物を演じてこられましたが、マンモス役は初めてなんですね。はい。僕は自分が演じるキャラクターがとにかく好きになるタイプで、ウーリーさんもすごく気に入りました。ゾウやクジラなどの大きい動物は、自分とあまりにも違っているのに、同じく生きているのがすごく不思議に思えて、心惹かれるんですよね。――作中のウーリーは、著名な芸術家ですが、妻を亡くした過去があり大きな悲しみを抱えています。それでいて登場人物に寄り添う重要な役どころです。演じる時に心がけていたことはありますか?ウーリーさんは非常に大きな体をしていて、人間や他の動物とはリズムや呼吸が全然違うと思うので、そこを意識しました。作品全体にいえることですが、わかりやすい感動ポイントやバトルがあるわけではなく、小さな出来事やキャラクター同士のやりとりの中で醸し出されるものがあり、それが観ている皆さまに染み込むような作品。特にウーリーさんは、はっきり物を言うわけではないものの、彼の中にさまざまな悲しみや孤独があるので、それをセリフの中ににじませる表現を心がけました。――セリフが多くはないなかで、そこに存在感やさまざまな思いを込めるのは難しそうですが、どんな意識で向き合いましたか?この役に限らないのですが、キャラクターを演じる時は、なるべく1つの感情ではなく、多層的な感情を表現したいと思っています。ウーリーさんも、多層構造で何かをにじませられていたらいいなと思いながら演じています。――本作に出てくる動物は、実は現実にはすでに絶滅した動物が登場しますね。マンモスのウーリーさんも絶滅した動物です。物はいつか壊れるし、絶滅危惧種もいつか本当に失われてしまうかもしれない。そういったものに対して、我々人間はどうしていくべきなのか。たぶんこれからもいろんな動物が絶滅していき、地球は滅びの道を歩んでいく。だけど、そこにある種の希望も見出していかなくてはならないはず。ウーリーさんが登場するシーンは、そんなテーマも抱えている気がするんです。――新人コンシェルジュとして働く秋乃を演じた川井田夏海さんは映画初主演となります。他にも実力派の声優揃いでしたが、収録はいかがでしたか?アニメでは別録りも多いのですが、今回、川井田さん、諸星すみれさん、高木渉さんなどと一緒に収録できたんです。その場で芝居を交わしていくことで生まれるモノは大きかったですね。川井田さんは、役の新人コンシェルジュ同様、スタジオの隅っこで緊張されていました。でも、一つ一つに全力投球していく強い意志が感じられ、まさに映画の役柄と重なり、ドキュメンタリーを見ているようでした。僕の役割はそれを受け止めて、言葉を紡いでいくこと。充実した豊かな時間でした。――物語の舞台は、誰もがワクワクするような百貨店で、そこもまた本作の魅力ですよね。アメリカの映画監督ウェス・アンダーソンの作品のような、カラフルだけどノスタルジックな雰囲気で、この感じは僕も超好きです。北極百貨店もそうですが、特に吹き抜けのある百貨店が大好きなんです。場所はどこだか思い出せないし、もしかしたら幻想の百貨店なのかもしれないけど、こうした吹き抜けのある百貨店を幼少期に見た記憶があり、大人になった今でもワクワクします。今はネット通販などで気軽に買い物ができる時代ですけど、百貨店が与えてくれる夢や空気感などは、やっぱりいいですよね。――実際に、百貨店をよく利用されるのですか?もちろんです。バッグを探すにしても、百貨店ならいろんなものが一度に見られます。僕はちゃんと現物を見たいし、試着もしたい派なので。あと、こういう仕事柄か、季節感なく過ごしてしまうことが多く、「気づいたら夏が終わってた!」なんてこともよくあります。でも、百貨店に行くとショーウィンドウや店内の装飾、イベントなどで全力を尽くして季節感を出しているので、店内でその趣が感じられるのもいいですよね。いま、百貨店は厳しい状況にあると思うのですが、応援したいと思っています。――本作でも、接客やサービスのプロが何人も登場したり、クリスマスの装飾が美しかったりと、百貨店の魅力が詰まっていますね。エンドロールを見ていて気づいたんですけど、そこに〈三越伊勢丹〉〈髙島屋〉〈ジョエル・ロブション〉の名前があったんです。この作品のためにスタッフが、最高級の百貨店とレストランに取材に行っていることを知ってすごいと思いました。スタッフの思いが強く感じられ、作品に組み込まれたことに感動したんです。――改めて、津田さんから見た、本作の見どころを教えていただけますか。この作品は、ある新人女性の仕事を通した成長物語で、そこには苦しみや喜びなど、さまざまな感情があります。さらには、いくつもの要素が重なり合い、年齢や性別を問わず、楽しめる作品になっています。たくさんのキャラクターがいろんな思いを抱え、ドラマを繰り広げていくので、きっといずれかのキャラクターに感情移入できるはず。押し付けがましくはなく、奇をてらうでもなく、我々が生きていく中で見過ごしてしまいそうな、忘れがちな大切なものをそっと提示してくれ、柔らかく寄り添ってくれる作品。ぜひ劇場で観てほしいですね。新人コンシェルジュとして秋乃が働き始めた〈北極百貨店〉は、来店するお客さまが全て動物という不思議な百貨店。自分のため、誰かのため、さまざまな理由で〈北極百貨店〉を訪れるお客さまの思いに寄り添うために、秋乃は今日も元気に店内を駆け回る。映画『北極百貨店のコンシェルジュさん』は、全国の劇場で公開中。つだ・けんじろう大阪府出身。アニメ、洋画吹き替え、ナレーターなどの声優業や、ドラマや映画などの俳優業を中心に、映像監督や作品プロデュースなども行う。主なアニメの出演は『遊戯王デュエルモンスターズ』の海馬瀬人役、『呪術廻戦』の七海建人役など。連続テレビ小説『エール』で語りを務めたほか、俳優としてドラマ『最愛』などにも出演している。※『anan』2023年11月1日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・塩田勝樹ヘア&メイク・小野知晃(YKP)インタビュー、文・川明子(by anan編集部)
2023年10月29日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、気の利いたサプライズをする女性、「ハチマキで出迎える女」になりきり。相手を理解することと少しの意外性がポイント。実は私、アナウンサーの福澤朗さんが主宰されている「純福会」という卓球チームのメンバーなのですが、先日、福澤さんの還暦パーティに呼んでいただきました。会場は、福澤さんが結婚式を挙げられたという豪華なホテル。そこの受付で、「こちら、ハチマキです」と、受付にいたマネージャーさんから、「ジャストミート」とプリントされた赤いハチマキを手渡されました。みんなで同じものを一緒につけて福澤さんを出迎えるというサプライズだったのですが、これまでお揃いのTシャツとかを着たことはあったけど、ハチマキは初めての経験なのでびっくり!でも、気合を入れたり、応援するためのアイテムは福澤さんのイメージにもぴったりで、すごく素敵だなと。実際、つけると気合が入るし、“お祝いをする気、満々ですよ!”という気持ちが相手にも伝わるように感じました。それに、日本に昔から伝わるアイテムという点もいいし、全員揃って巻いている光景も、元気のいい集団のように見えて面白い。全体的におめでたいムードに包まれるところも素晴らしいなと思いました。しかも、つけると顔がしっかりと見えるので、サプライズされた福澤さんも、きっと嬉しいはず。それに、かさばらず、持って帰りやすいところもハチマキの魅力だなと。こんなふうに、祝う相手や参加者のことを考えて、みんなが楽しめるサプライズができる人は本当に素敵だし、真似したいなと思いました。大事なのは、相手のキャラクターを理解した上で、ちょっと意外性のあるサプライズをすることだと思います。たとえばオリジナルのエプロンや扇子は、あまりもらうことがないし、かさばらないのでいいのでは。持って帰る人のことも考えられたら満点です!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年11月1日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年10月29日今回『ナックルガール』で初めて共演を果たした、三吉彩花さんと前田公輝さん。完成作を観た感想や、激しいアクション練習、撮影秘話などを語っていただきました。前田公輝:完成作は全然、客観的に観られなかった…。三吉彩花:わかる!(笑)前田:蘭が冒頭のボクシングの試合でリングに立った瞬間から泣きそうでした。やべーカッコいい!って。三吉さんの体づくりやアクション練習を近くでずっと見てきたから、そんな記憶がフラッシュバックしてグッときちゃったんです。「行ける!」「前行け!」って、セコンドみたいな気持ちで観ていました。三吉:この作品のアクションは、これまで経験したことがないような動きも多くて、とにかくスピード感がすごかったです。あと、最初は蘭一人のところから、前田さん演じる神谷瞬と、成瀬秀治(細田佳央太)が順番に加わって物語がどんどんパワーアップしていく。そんな展開の早さや、チーム感を増しながら進んでいく力強さは、かなり見応えがありました。前田:みんなとにかく生きようとしている姿も魅力的だったよね。三吉:そうそう。キャラクターのバックボーンや人間味がちゃんと描かれていたのもいいですよね。前田:僕が好きなのが、ハンバーガーを食べるシーン。蘭と神谷のやりとりにアドリブが採用されていて、二人の歴史とか関係性がしっかり見えた気がしたんだよね。三吉:私もめっちゃ好き!一緒にいる時の空気感とか、二人だからこそ出るクセみたいなものが感じられて、すごくいいシーン。前田:シンプルな物語の爽快アクション映画だから、きっとみなさんにも楽しんでいただけるはず。三吉:日韓合作で世界配信にワクワクするし、どんな反響があるか楽しみ!新しいエンタメ性を感じていただければ嬉しいですね。前田:それにしても、三吉さんのストイックな体づくりには感動したよ。アクションの稽古で初めて会った時、すでに背中が蘭で、すごく頼もしく感じたのを覚えてる。『ナックルガール』というタイトルや役柄に説得力を持たせるために、厳しく鍛えてきたんだろうなって。それを見て僕も感化されたし。でもそもそも韓国チームの基礎トレがすごいハードだったよね。三吉:キツかった…。でも前田さんの蹴りは美しいし、さすが場数を踏んでいるだけあってアクションの手捌きも本当にうまくて。練習の時からいろんな動きを一人だけ、すんなりクリアしていましたよね。前田:神谷は人前で戦うわけではないけど、つなぎの衣装を着こなすために鍛えておきたくて。僕はもともと肩幅があるので、ちょっと厚みをつけるだけでもだいぶ変わるんだよね。そこは、持って生まれた骨格に助けられた感じ。三吉:骨格こそ、私は今ちょうど見直しているところ。撮影期間中は、ボクシングジムに通いながらアクション練習などをしていたんですが、実は体が硬くてストレッチ大嫌い人間で。作品に入っている時は、韓国チームの方に3人がかりで開脚をさせられて、悲鳴を上げながらストレッチをしていたんです。そんな日々を経て、今度は骨格を見直して骨から姿勢の改善をしたいと思うようになり、骨格矯正に通い始めました。でもそこで「あなたギリギリね。骨格年齢は60代」って言われてびっくり。前田:ウソでしょ?三吉彩花の骨格なんて誰もが憧れるでしょ!三吉:いやいや…(笑)。でもこれからは骨から体を作り上げていきたいと思っています。みよし・あやか1996年6月18日生まれ、埼玉県出身。国内外のファッションショーで活躍するファッションモデルであり、俳優としても活躍。代表作は主演映画『ダンスウィズミー』『犬鳴村』『Daughters』ほか多数。タンクトップ¥90,200ショートパンツ¥70,400(共にディーゼル/ディーゼルジャパン TEL:0120・55・1978)8連リング¥58,300(イオッセリアーニ/アッシュ・ペー・フランス 本社)まえだ・ごうき1991年4月3日生まれ、神奈川県出身。6歳で芸能界入りし、俳優として活躍。代表作は、連続テレビ小説『ちむどんどん』ほか多数。放送中のドラマ『大奥 Season2』(NHK総合)、『セクシー田中さん』(日本テレビ系)に出演。デニムコート¥136,400デニムパンツ¥40,700(共にディーゼル/ディーゼル ジャパン)イヤカフ(SIL)¥16,280リング(SIL)¥13,200(共にノウハウ/ノウハウジュエリー TEL:03・6892・0178)ベルトはスタイリスト私物Prime Video映画『ナックルガール』日本のAmazonスタジオが手掛ける本作。日本人キャストと、韓国の映画制作会社クロスピクチャーズによる、日韓共同制作作品で、原作は『梨泰院クラス』(『六本木クラス』)などで知られる、韓国のKakao発の大人気Webコミック『ナックルガール』。ナックル一つで命をかけた戦いに挑む、若き主人公・橘蘭を三吉彩花さんが、また元恋人役・神谷瞬を前田公輝さんが演じる。11月2日より、プライム会員に向けて世界独占配信!※『anan』2023年11月1日号より。写真・SASU TEI(RETUNE Rep)スタイリスト・清原愛花ヘア&メイク・牧野裕大(三吉さん)松橋亜紀(前田さん)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年10月29日兄の連れてきた婚約者は…
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モラハラ夫図鑑