映画『ナックルガール』の撮影前から、アクションの稽古と並行して、自らの体づくりも行っていたという前田公輝さん。「日韓合作の映画で、アクション監修は韓国のチーム。アクション技術だけではなく基礎トレーニングから重視していました。初めて韓国式の基礎トレを1時間やった時は、そのあと2時間動けなくなったぐらいキツかったです(笑)」前田さんが演じたのは、三吉彩花さん演じる橘蘭に戦闘スタイルを教える、元恋人の神谷瞬。「体に厚みがないとキャラクター的に弱いと思って、上半身をメインに本気で鍛えました。最初はツラかったけど、そのうち体が変わっていくのが楽しくなって。よく聞く『筋肉は裏切らない』の意味もわかりました(笑)」普段から、役によって体の仕上がりを変えているそうで、そのトレーニング方法も様々だという。「神谷はお金がなくて、武骨で人間的な要素を持ち合わせているタイプの男なので、ジムには通わずにあえて家でソファなどを使って、自己流トレーニングを中心にしていました。スタイリッシュかつ、日本人らしい体格に見せたくて、プロテインは飲まずに、筋トレのみで作った体です。筋肉をつけたい時は筋トレを強化し、体力を維持したい時はとにかく走って有酸素運動をする。そうやって使い分けていました」クランクアップと同時に、そんな厳しいトレーニングからも解放されたと思いきや…。「続いてこのananの撮影のお話をいただき、トレーニングを継続中。昨晩からむくみ予防で水分摂取を減らして、より筋肉の凹凸を見せるために仕上げたつもりです。撮影が終わったら、いち早く大好きなグミを食べたい(笑)」今の体の仕上がりについては「自己評価は50点。でも写真や衣装などプロのみなさんのおかげで、80点ぐらいにはなったかな」と前田さん。「体を鍛えることはメンタルケアにもなる」のは、自ら実践したからわかったこと。「僕はめちゃめちゃポジティブ変換器なので、あまり落ち込まないタイプ。それに、そうなる前に体を動かすと、マインドを切り替えられて悩みも忘れられるので、すぐに走りにいきます。足を動かして走っているうちに、体づくりの過程が人生とリンクしているように思えてきて、前向きな気持ちになれるんですよね。足を前に出すことって大事!それにトレーニングをやり切ったり、目標を達成した時に見える景色は全然違うし、新たな喜びも知りました。多様化の時代であり、情報も溢れていると、選択肢が多いからこそ迷いや悩みも多くなるのかもしれません。そんな時、体が強いと自分を信じる強いマインドもキープできると思っています」一方で、鍛えている女性も素敵に映るそう。「うっすら筋の入った腹筋もヘルシーですが、鍛えることでくびれができたウエストは美しいと思います。いきなりハードなトレーニングは大変だけど、毎日1分ずつから始めても、続けていれば必ず体は変わっていくはず。筋肉は裏切りませんから(笑)」“護れるカラダ”への道のり+5kgで上半身に厚みを出すとバランスがいい。「セルフトレーニングで、腕立てを毎日やっていた時の腕は、自分史上最大で最高の出来だったので、記念に撮りました(笑)。僕は肩幅が広いので、身長に対しての理想体重だと痩せて見えてしまうんです。だから腕や胸筋を鍛えて理想体重より+5kgの、厚みのある上半身が、バランスがいい」強いマインドを作るため毎日お湯に浸かっています。「メンタルを整え、強いマインドをキープするためには運動ともうひとつ、お湯に毎日浸かって汗をかき、体内を循環させることも大事。入浴剤のBARTHは無色透明で香りも最小限。汗をたっぷり出してくれるので愛用しています。KITOWAのバスエッセンスは香りで癒されたい時に」まえだ・ごうき1991年4月3日生まれ、神奈川県出身。6歳で芸能界入りし、俳優として活躍。代表作は、連続テレビ小説『ちむどんどん』ほか多数。放送中のドラマ『大奥 Season2』(NHK総合)、『セクシー田中さん』(日本テレビ系)に出演。トレンチコート、パンツ 共に参考商品(アン ドゥムルメステール/エム TEL:03・6721・0406)スニーカー¥83,600(ピエール アルディ/ピエール アルディ 東京 TEL:03・6712・6809)Prime Video映画『ナックルガール』日本のAmazonスタジオが手掛ける本作。日本人キャストと、韓国の映画制作会社クロスピクチャーズによる、日韓共同制作作品で、原作は『梨泰院クラス』(『六本木クラス』)などで知られる、韓国のKakao発の大人気Webコミック『ナックルガール』。ナックル一つで命をかけた戦いに挑む、若き主人公・橘蘭を三吉彩花さんが、また元恋人役・神谷瞬を前田公輝さんが演じる。11月2日より、プライム会員に向けて世界独占配信!※『anan』2023年11月1日号より。写真・SASU TEI(RETUNE Rep)スタイリスト・清原愛花ヘア&メイク・松橋亜紀取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年10月29日映画『ナックルガール』では、主人公のボクサー・橘蘭を演じた三吉彩花さん。決闘シーンも多く、アクションを交えながら目まぐるしく展開していく今作。劇中では、鍛え抜かれた強靭な体で、圧巻のアクションを披露している。「体を鍛えるのが好きで、約2年前から本格的なトレーニングを始めたのですが、普段は2日に一回、ウェイトトレーニングのジムかピラティスに通っています。そこにこの役をきっかけにボクシングを加えて臨みました。練習はハードでしたが、筋肉をねじりながら強化する動きも多く、腕、背中、お腹の上半身や、内転筋と体幹まで一気に鍛えられました。体が変わり始めるのは早く、すぐに腹斜筋が浮き出てきたほど」撮影期間中はアクション稽古を含め、毎日5~6時間のトレーニングを続けていたため、米などの炭水化物、肉、魚、野菜をバランスよく食べ、食事量も増やしてスタミナをつけていたそう。さらに体内の循環をよくするために、サウナに通ってデトックスも行った。「それぐらい魅力的な作品であり、蘭という役を後悔なく演じ切りたかったから」と三吉さん。「作品を撮り終えた今は、和食を中心に割と自由に食べています。自炊もしますが、疲れている日は寝かせ玄米だけ炊いて、副菜は買ったりすることも。常にストイックに過ごしているわけではないので、体が仕上がっている時の状態に比べて、お尻が下がってきたなとか、お休みにダラダラして過ごしたら、くびれはどこ行った?なんてテンションが下がることも(笑)。そんな時はまた、トレーニングに力を入れます。かつてのいい状態を筋肉は記憶しているので、再開すれば時間はそれほどかからずに、また引き締まっていきますから。もしサボりたくなったら、海外のモデルのSNSを見ると頑張ろうと思えるし、できることはやらないと、って気合が入るんですよね」トレーニングのポイントは、その日の体調に正直であること。「一日おきにトレーニングをしていると、一昨日の自分に負けたくないという気持ちからつい負荷を増やしたくなるんです。でも、その日の体調によってできることは違うので、無理をしないことがマイルール。短期間で得るものは短期間で戻ってしまうこともわかっているから、長い目で見て、理想の筋肉やパーツを作っていくようにしています。自分の生活習慣を知り、自分に合った方法を見つけるのが、体づくりを成功させるコツ。一番大事なのは、自分のペースで地道に続けることです」三吉さんの理想の体とは?「今、隠れていた筋肉がやっと見えてきたところ。細くなりたいのではなくもう少し陰影をつけたいのと、上部から筋肉が盛り上がったお尻を手に入れたい。綺麗な背中も好きだから、今は懸垂の練習中で、少しずつ背中の筋肉ができてきたところです。理想の体に近づく努力をしながら気分よく過ごしていきたいし、30代、40代は今よりももっと元気はつらつでいるのが目標。さらに歳を重ねても健康な体で好きなことを楽しみたいから、ゴールはありません」“闘うカラダ”への道のり撮影期間中のボクシング練習で体も試合の見かたも変わった。「どちらもボクシング練習中の写真です。練習は毎日2時間やっていました。座り込んでいるのは、疲れてヘロヘロの状態。それでもできることが増えていき、どんどん楽しくなっていきました。体も変わりましたが、練習を始めてからはボクシングの試合の見かたも変わって。以前はただ迫力に圧倒されて『すごい!』って思うだけだったけど、今は『そこかわして、そっちに切り込む?』みたいな本気目線で試合を見るように(笑)」みよし・あやか1996年6月18日生まれ、埼玉県出身。国内外のファッションショーで活躍するファッションモデルであり、俳優としても活躍。代表作は主演映画『ダンスウィズミー』『犬鳴村』『Daughters』ほか多数。ボンバージャケット¥490,600フーディ¥129,800パンツ¥205,700(以上ジバンシィ/ジバンシィ ジャパン TEL:0120・218・025)リング、中指(22K)¥2,420,000(クロムハーツ/クロムハーツ トーキョー TEL:03・5766・1081)Prime Video映画『ナックルガール』日本のAmazonスタジオが手掛ける本作。日本人キャストと、韓国の映画制作会社クロスピクチャーズによる、日韓共同制作作品で、原作は『梨泰院クラス』(『六本木クラス』)などで知られる、韓国のKakao発の大人気Webコミック『ナックルガール』。ナックル一つで命をかけた戦いに挑む、若き主人公・橘蘭を三吉彩花さんが、また元恋人役・神谷瞬を前田公輝さんが演じる。11月2日より、プライム会員に向けて世界独占配信!※『anan』2023年11月1日号より。写真・SASU TEI(RETUNE Rep)スタイリスト・清原愛花ヘア&メイク・牧野裕大取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年10月29日今年27年目となる長い芸歴を持ち、幼少期から映画やドラマ、舞台など数多くの話題作に出演してきた前田公輝さん。11月2日にPrime Videoでいよいよ世界独占配信される映画『ナックルガール』ではアクションシーンも盛りだくさんということで、本格的な肉体改造に初挑戦!「ちょうどこのananの撮影が『ナックルガール』のクランクアップ直後で、体を最も大きくしていた時期。例えばミュージカルに出演する時は、筋肉痛が出ると声の出が悪くなってしまうので、過度のトレーニングは控えて有酸素運動メインにするとか、役によってトレーニングの内容や体の大きさは意識してコントロールしています。理想は、ある程度の厚みを持たせた体。30代になると、特に胸筋をつけておかないとスーツを着た時の説得力が出ませんから」今回の撮影中、鏡を見た瞬間に噴き出しつつも「でも、悪くないな…(笑)」とまんざらでもない様子だったのが、素肌にレザーベルトをまとった衣装。前田さんの新たな顔を引き出したカット。「同じ事務所の鈴木亮平さんが演じた“変態仮面”に続く覚悟もしていましたが(笑)、着てみると思っていたよりパンクでカッコいいし、K‐POPのMVみたい。みなさんの見たいという欲求を可視化したり、自分に落とし込んで演じるのが役者の仕事でもあるので、この撮影でも、ある男の帰宅後の物語を想定して演じてみました。これまでサイコパスな人物やヒール役はたくさん演じてきましたが、見た目だけでは意外と本質はわかりにくいものなんですよね。だからこそ、作品として面白くなるとも思うし。日中はスーツ姿でも、家に帰ると隠していた姿を曝け出すような感覚は、一本の作品を撮っているかのようで、すごく楽しかったです」20代前半までは、オスカー像を待ち受け画面にしていた前田さん。「役者である以上、いつかアカデミー賞の授賞式が開かれるドルビー・シアターに行って賞を取ってやる!と今でも憧れを抱いています。でもプライベートで行きたいのは、フロリダにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート。日本のディズニーリゾートもそうですが、アトラクション一つとっても史実に基づきこだわり抜いて作られていたりするので、知れば知るほど感動するし、のめり込んでしまいます。フロリダには敷地内に動物園があると聞き、ディズニー作品には動物をモチーフにしたものも多いので、新しい楽しみ方ができそう。以前、友達3人で東京ディズニーランドに行った時、僕の熱量が高すぎて引かれてしまったので、今度は同じディズニー好きと行きたいですね」旅のマイルールやこだわりは、おしゃれをすること。「旅行となると、汚れてもいい服や動きやすい服を選びがち。でも服でモチベーションを上げたいし、写真もたくさん残したいから、ハイブランドをさりげなく組み合わせながら一軍の服で行きたい。普段僕は、マネージャーさんにも驚かれるほどバッグや荷物を持ち歩かないのですが、旅先でも手ぶらが理想。携帯と財布、カチューシャにもできるサングラスだけをポケットに入れて、フットワーク軽く旅を満喫したいです」まえだ・ごうき1991年4月3日生まれ、神奈川県出身。ドラマ『大奥 Season2』(NHK総合)に出演中。日韓共同制作のクライム・アクションエンターテインメント映画『ナックルガール』はPrime Videoで11/2より世界独占配信。ジャケット¥67,100シャツ¥25,300パンツ¥30,800ネクタイ¥6,600(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760)※『anan』2023年10月25日号より。写真・樽木優美子(TRON)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・松橋亜紀取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年10月25日新たに2ディビジョンが加わった『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』の最新アニメシリーズ『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rhyme Anima+。今回は、『ヒプノシスマイク』で一番オトナで危険なディビジョン、ヨコハマのMAD TRIGGER CREWを演じる3人に注目!前作より3年の時を経て、さらに絆が強まった彼らがそれぞれ演じるキャラクターの魅力や、『ヒプアニ』2期の見どころを語ってくれました。MAD TRIGGER CREW血気盛んな左馬刻をリーダーに、冷静沈着な銃兎と理鶯が脇を固めるスリーマンセル。ラップバトルはもとより、物理的な攻撃力も高い。6ディビジョン中もっとも危険度が高い!?…と思いきや、左馬刻と銃兎の小競り合いを止めるためゲテモノ料理を振る舞おうとする理鶯など、コミカルな一面も。毒島メイソン理鶯(CV神尾晋一郎)元海軍の一等軍曹で、当時は特殊掃滅作戦部隊に所属していた。武力による戦争が根絶され、軍が解体されたH歴の今も軍人としてひとりでベースキャンプ生活を続け、中王区の情報を探りながら元上官を救うための機会を窺っている。野営生活が長いせいか、料理はうまいが食材にゲテモノを使うため、M.T.Cの二人はちょっと困っている…。MC NAMEはCrazy M(クレイジーエム)。碧棺左馬刻(CV浅沼晋太郎)ヨコハマを縄張りとするヤクザの若頭で、血の気は多いが組員や地域住民には慕われている。行方知れずの妹・合歓(ねむ)を捜していたが、自身の主義とは真逆の“言の葉党”にいることが判明。連れ戻そうとするも、今は本人の意思を尊重している。オオサカ・ディビジョンの白膠木簓(ぬるで・ささら)とはかつて同じチームにいたこともあり、旧知の仲。MC NAMEはMr.Hc(ミスターハードコア)。入間銃兎(CV駒田 航)ヨコハマ警察署の組織犯罪対策部・巡査部長でありながら、自らの目的のためには違法捜査も厭わない悪徳警官。過去に薬物中毒者に両親を殺され、また友人を薬物中毒で亡くしており、違法薬物を激しく憎んでいる。両親と友人の死のきっかけとなった男を逮捕したものの、薬物蔓延の原因が中王区にあると確信、組織と戦う決意をする。MC NAMEは45 Rabbit(フォーティファイブ ラビット)。駒田 航×浅沼晋太郎×神尾晋一郎神尾:前作を経て、今期はコミカルなシーンはよりコミカルに、シリアスなシーンはさらにシリアスみが増すというふうに、パワーアップしましたね。『ヒプノシスマイク』って、僕はいい意味で尖ってるコンテンツだと思っているので、1期よりもさらに尖ったものが出来上がったなと思います。浅沼:僕はサービス精神が旺盛だなと思いましたね。1期でたった1回しか出番がなかったあのキャラが2期でも再登場します。それに、1期のオープニングで話題になった山田3兄弟の「Verse蹴飛ばすLyrics」のシーンを、2期では本編で再現してるんですよ(笑)。神尾:左馬刻と一郎が頭をぶつけながら対峙するシーンも、実はあれってアルバム・ジャケットの再現だったんですよね。あの一瞬で前髪が絡み合うってすごいなって思って見てました(笑)。そういうサービス精神旺盛なところが1話から感じられるのがすごいなって。駒田:オープニング、エンディングもしっかり作り込まれてて、それもアニメの醍醐味ですよね。視聴者の気分を上げてくれるワクワク感があります。浅沼:それになんせトラックを作ってるのがケツメイシさんですから!ついにケツメイシさんが『ヒプノシスマイク』に参戦です。神尾:僕らのバースはICE BAHNさんが書いてくださって。浅沼:贅沢だよねえ!そして2期で特筆すべきはなんといっても新たにオオサカ、ナゴヤの2ディビジョンの参戦。とはいえ左馬刻は過去にオオサカの簓と同じチームで共闘していたことがあるので、よく知る間柄である感じがすごく出てる。簓が左馬刻にかける言葉も、すごく“らしい”んですよね。1期に比べて人間関係が広がって、さらに面白くなったと思います。駒田:2ディビの登場シーンもかわいかったですもんね。それぞれのチームカラーが出てるというか。わかりやすく1人ずつ出てくる感じではないナゴヤと、オオサカは簓が陽気なステップでくるくる回ったりして(笑)。そういう日常風景を見られるのもアニメのよさ。神尾:MAD TRIGGER CREWの推しはやはり2話ですね。『ヒプアニ』にはいわゆる“お当番回”という各ディビジョンがメインを張る回があるんですけど、そこでそのディビジョンの楽曲が出るんですよ。浅沼:ラップバトルで敵を攻撃するシーンがさらにパワーアップしてるのも見どころです。理鶯なんかは巨大化しましたもん(笑)。神尾:巨大化してましたね(笑)。僕が一番好きなのは、左馬刻のラップバトルのイメージシーン。でっかいスカルがCGで動いてて、めちゃくちゃかっこよかったです。駒田:リリックで戦うシーンを絵で表現するっていうのが『ヒプアニ』の新しさでもあったので、2期ともなればさらに演出も多岐にわたって、面白くなってます。『ヒプノシスマイク』って単純に音楽を聴くコンテンツというイメージを持たれているかもしれませんが、アニメになって絵がつくと、実際はみんなこんなふうに戦ってるのかなって、想像が膨らみますよね。浅沼:変わらないところは変わらないけど、多少成長した3人を見てもらえたらと思います。駒田:前作以上の強敵を相手に、他のディビジョンと協力し合うのか、それともいがみ合うのか…はまだ言えませんが、そこも個人的には注目していただきたいですね。神尾:音楽と、ラップと、イメージと、映像の力が加わったラップバトルをぜひ楽しんでいただけたらと思います。浅沼:毎回新曲が出るというのも贅沢ポイント。ぜひ1話たりとも見逃さずに見てほしいです!(写真中央)あさぬま・しんたろう1月5日生まれ。脚本家、演出家、コピーライター、デザイナーなど多岐にわたって活躍中。2006年、『ZEGAPAIN‐ゼーガペイン‐』より声優としても活動を始め、『A3!』『あんさんぶるスターズ!!』など声優としての出演作も多数。ジャケット¥110,000パンツ¥48,400(共にONEMADE/MIX SENSE TEL:03・3710・0714)(写真左)こまだ・わたる9月5日生まれ。声優である傍ら、カメラマンとして雑誌の撮影もこなす。2013年より声優として活動し、『あんさんぶるスターズ!!』『ツイステッドワンダーランド』など出演作多数。『news zero』(日本テレビ系)のナレーション(木・金曜)も担当。コート¥99,000ジャケット¥41,800パンツ¥41,800(以上ANEI/JOYEUX TEL:03・4361・4464)(写真右)かみお・しんいちろう1月13日生まれ。2013年に声優デビュー。アニメやゲームのみならずラジオドラマ、オーディオブック、映画の吹き替え、舞台俳優など多様なジャンルで活躍。『世界はほしいモノにあふれてる』(NHK総合)のナレーションも担当している。ベスト¥29,700ジャケット¥40,700シャツ¥19,800パンツ¥33,000(以上NOT CONVENTIONAL TEL:03・3405・7414)イヤリング¥13,200(ARKANUM/JOYEUX)リング(左手人差し指)¥33,000(JOHAN SILVERMAN/TEENY RANCH TEL:03・6812・9341)『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rhyme Anima+TOKYO MX(毎週金曜24:00~)ほかにて放送。ABEMAで地上波同時配信。各種配信も。詳細は公式サイト参照。アニメ内で登場する楽曲を収めた音楽アルバム『Welcome 2 Rhyme Anima+』が来年1月10日(水)発売!©『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rhyme Anima 製作委員会※『anan』2023年10月25日号より。写真・赤澤昂宥スタイリスト・ヨシダミホヘア&メイク・AKi(浅沼さん、駒田さん)山脇志織(emu Inc./神尾さん)取材、文・尹 秀姫(by anan編集部)
2023年10月25日第1話の放送を直前に控えた新ドラマ『たとえあなたを忘れても』で、堀田真由さんと4回目の共演をすることになった萩原利久さん。「堀田さんとご一緒したドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』は、すごく生徒ファーストな現場で、自分たちでどこまで突き詰めて芝居ができるかみたいなチャレンジをしたりして、たくさん学べたんです。その撮影期間3か月を一緒に戦った役者たちは、まさに戦友だし、そのやり方を知っている堀田さんとまた一緒にできるというのを聞いた時はすごく安心感がありました。ただ、1周回って緊張なんてしないと思ったけど、ラブストーリーを演じるのは初めて。変に知っているだけあって、2周回って変な緊張をしちゃってます(笑)」脚本を手掛けたのはラブストーリーの名手・浅野妙子さん。堀田さん演じる、夢を失い生活苦に陥ってしまった河野美璃(みり)と、萩原さん演じる、“解離性健忘”という障害を抱えた青木空(そら)。何度も記憶を失い続けながらも懸命に生きる空に、美璃は惹かれていく。「台本を読んでいる段階で、情景や二人のやりとりが温度を持って想像できたほど、あったかい気持ちになりました。これを視聴者の皆さんにどう届けるかは大きな課題の一つですが、空を通じてこの作品の厚みを出せたらいいなと思っています。空はやわらかい人で、ものすごく心が澄んでいる青年。これまで、純真無垢な若い年齢の役を演じたことはありましたが…ここまで透明感のある同世代の役は初めてかも。でも、この世界にちゃんと存在するような、リアルな人物にしたいです」今までにない難しさもあるという。「これまでいろんな役をやらせてもらってきましたが、キャラは違ってもシーンを積み重ねながらその人物を作り上げてゴールに向かっていくのが当たり前でした。ところがこの作品は、空が記憶を失うごとに周りの環境や前後の関係性までもリセットされてしまう。丁寧に積み重ねたものをまたゼロから演じるというのは初めてなので、今までの中でもトップレベルの難しさを感じています。また、リセットされることで、二人の関係値を美璃に委ねることになり、そういう比重のバランスが大きく変わる作品というのも特殊。そのあたりは、堀田さんと話しながら作り上げていきたいと思っています」以前のインタビューでは「目立ちたくてこの世界に飛び込んだ」と話していた萩原さんだが、年々出演作を増やしながらスポットライトを浴びている今、当時の自分に言ってあげたいこととは。「『意外と続いてるよ』かな(笑)。ありがたいことにお声かけいただく機会が増えたことで、経験とともに技術面の向上はあるはず。でも基本的なスタンスは10年前と何も変わっていないので成長の実感はあまりなくて。役者として本質的部分を含め、周りから評価していただくことで成長を実感できるのかもしれません」『たとえあなたを忘れても』浅野妙子のオリジナル脚本で描くヒューマンラブストーリー。大切なものを失いながらも懸命に生きる男女の切なくも美しい純愛を堀田真由×萩原利久で描く。10月22日より毎週日曜22:00~、朝日放送テレビ・テレビ朝日系にて放送。©ABCテレビはぎわら・りく1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。近年の主な出演作に、ドラマ『美しい彼』『月読くんの禁断お夜食』『真夏のシンデレラ』など。現在は、出演する映画『ミステリと言う勿れ』が公開中。シャツ¥99,000タンクトップ¥39,050パンツ¥126,500(以上アミ パリス/アミ パリス ジャパン TEL:03・3470・0505)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年10月25日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・Shinya Tokitaヘア&メイク・カスヤユウスケ(ADDICT_CASE)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2023年10月23日何とかつじつまを合わせながら仕事を頑張り、そろそろ恋もしたいと願う現代人の廻(めぐ/吉岡里帆)と、時をかけてきた違法タイムトラベラーを取り締まる未来人・翔(かける)。過去に恋人同士だった二人の時をかけた恋の物語を描く『時をかけるな、恋人たち』の撮影現場にお邪魔すると、インパクトあるビジュアルのタイムトラベラー・翔役の永山瑛太さんが!「キャラクターとして遊べる余裕を作りたくて、クランクイン前のオンライン打ち合わせや衣装合わせでいろいろ提案した結果、この容姿に落ち着きました。僕が最初に出した髪型の案はバーコードヘアだったんですよ。台本の前のほうに、“永山瑛太”と名前があったので、ある程度好き勝手にやらせてもらっていいのではないかと(笑)。バーコードでも廻が好きになっていく、というのも面白いんじゃないかと思って、プロデューサーに画像資料も送ったんですけど…即却下でした(笑)」過去の記憶を消されていた廻になんとか振り向いてほしくて側転しながらデートに現れるなど、奇想天外な行動に出る翔。それらはほとんど永山さんのアドリブだそう。「翔には、タイムパトローラーという公人としての立場よりも、廻さんへの気持ちを優先して動いてしまうところがあるので、僕自身が自由に動いていたいんですよね。そもそも“アドリブ”というのは、“自由気まま”を意味するラテン語ですからね。僕は、型にハマった芝居でこの作品を従来のSFラブコメをなぞるような形にしたくないんです。カッコよく映っているかとかそういうことではなくて、“未来人としてどう存在するか”を最優先に現場に挑んでいます。それはある意味、危険な行為でもあって、最初はドキドキしましたよ。現場では笑いが起きても、編集した映像ではスベって、浮いてしまうかもしれない。でも、たとえ悪目立ちして全カットされたとしても、未来人の翔としてはある種の変態性のあるその行動が普通だと思ってやっているのだから仕方ない、と覚悟を決めました。そうやって僕が自由に演じることができるのも、吉岡さんがしっかり受け止めてくださると信じられるからです」物語が進んでいくにつれ、廻は事情を抱えた違法タイムトラベラーを取り締まりながらも、寄り添いながらよりよい解決策を見つけ、つじつまを合わせていく隊員の仕事に喜びを感じ始める。一方、翔はますます廻への想いを募らせていく。「翔は、隊員として果たさなければいけないミッションはどうでもよくなっていて、廻を一途に想い、この恋を成就させたい一心なんです。そんな二人なので、前半は歯車が全然噛み合わなかったけど、今後、ある回で…と、内容を話してしまうのはもったいないので言いません(笑)。これからでも楽しめますが、今は配信がありますし、できれば1話から見てほしいですね。冒頭から最終話の最後の最後で、ちゃんとつじつまが合う作品になっているので」『時をかけるな、恋人たち』時間SFを得意とする劇団「ヨーロッパ企画」上田誠のオリジナル脚本で描くタイムパトロール・ラブコメディを、今作が初共演となる吉岡里帆×永山瑛太の豪華キャストでおくる。毎週火曜23:00~、カンテレ・フジテレビ系にて放送中。ながやま・えいた1982年12月13日生まれ、東京都出身。ドラマ『あなたがしてくれなくても』、映画『怪物』など、数々の話題作に出演。出演映画『アンダーカレント』が公開中のほか、『身代わり忠臣蔵』が2024年2月9日に公開。※『anan』2023年10月25日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・宮本茉莉ヘア&メイク・板垣実和インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年10月23日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、自分の気持ちと折り合いをつける女性、「イライラの対策を練る女」になりきり。苛立ちの原因をしっかり見極めることが大事。家族でフードコートに行くと、スムーズな配膳や、子どもが食べられるものがあることを重視してお店を探し、そこで自分が食べたいものを選んでいます。でも、夫は食べたいものを自由に選び、たとえ行列ができていたとしても、気にせず並んで買っていて。ずっと、いいな~と思って見ていたんです。ある日、ママ友の一人に「そういう時はどうしてる?」と尋ねると、「前回は私が好きなものを食べたから今回は夫、というふうに順番にしている」と。なんでこんなに簡単な答えを思いつかなかったんだろうと自分で驚きました。また、それまでの私は、“そういうものだから”と思って受け止め、自分のイライラを減らす対策をするという発想がなかったことにも気づきました。あるママ友は、夫と家事の分担を決める時に項目を書き出して、一番嫌な家事は10点、嫌じゃないものは1点などと点数化しているとのこと。たとえば料理の場合、夫が10点で自分が5点の場合は自分がやるというふうにバランスをとっているそうで、真似してみたいなと。イライラするところで終わるのではなく、問題を解決して先へ進もうとしているママ友たちは、本当にかっこいいなと思いました。彼女たちのように苛立つ気持ちに折り合いをつけるためには、まず、自分が何にイライラしているのかを真剣に考えてみるといいと思います。私のフードコートの件でいうと、好きなものを食べられないことより、夫が自分の気持ちをわかってくれていないことが嫌だったのかもしれない。「好きなものを食べたら?」という一言や思いやりの気持ちが欲しかったんだということに気づきました。深層心理を探ることで正しい対策ができるし、イライラの塵が積もらずに済むのではないでしょうか!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年10月25日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年10月22日春画の奥深い魅力にとりつかれた男女をコミカルに描く映画『春画先生』。内野聖陽さんは“春画先生”こと変わり者の研究者・芳賀、柄本佑さんはその弟子の編集者・辻村を演じる。芳賀の手ほどきで春画を学ぶ弓子(北香那)が覚醒し、やがて3人の関係は奇妙な方向へ加速する。江戸時代の庶民の愉しみ、春画を巡る偏愛コメディ。――台本を読んで感じたことは?内野聖陽(以下、内野):奇妙な恋愛ドラマで、面白そうと思い読みましたが、まさかこんなにもほくそ笑んでしまうコメディになるとは予想していなかったです。柄本佑(以下、柄本):塩田(明彦)監督はコメディに振りたかったんでしょうね。辻村と弓子の濡れ場の衣装合わせで、当たり前のようにスマホを額につける実験をされて、なるほどと(笑)。内野:芳賀がひとり耽るシーンでも、弓子から着信があるとハートマークがぷるんぷるん飛び回る画面が用意されてた。結局、使わなかったんだけど、そこまで味付けしていいんだなと。辻村がはいてた青いTバックは?柄本:(笑)。あれは衣装合わせでは白と黒が用意されてたんですけど、その日晴れていたこともあって、空色を提案しました。辻村には生命力があって、春画先生へのリスペクトには歪んだものがまったくなく、むしろ爽やかだと感じたので。――演じながら大事にしたことは?内野:この映画は“芳賀一郎の大冒険”とでもいうのかな。弓子に本音を隠しながら進んでいくんだけど、騙してはいない。芳賀が策士には見えないように気をつけましたね。そのための一つが、台詞の言い方です。監督からは「今回は台詞を歌い上げないで、ぶっきらぼうに」というお達しがありました。柄本:非常に強度のある本で、流れに乗ればいけると思ったので、役作りはしてないです。本を読んで感じた辻村の印象として、シンプルに“元気よくハキハキ喋る”ということくらいでした。内野:佑は“役作り”という言葉とは、縁遠そうだよな(笑)。柄本:内野さんとは10代の頃から何度もご一緒させてもらってますけど、僕とまったく違い、予断なく役と徹底して向き合い、役を知っていく。その姿は、毎回新鮮です。内野:呆れてるんだろう?(笑)柄本:勉強させていただいてます!内野:役へのアプローチは役者ごとに違うからね。佑は、ストーリーの中で、どうしたらそのキャラクターが面白く存在できるのか考えていて、その捉え方が天才的。偉そうだけど、会うたびに進化している。柄本:内野さんには、少なからず成長した姿をお見せしなければというプレッシャーが、常にありますよ。――弓子役の北香那さんの演技はいかがでしたか。内野:全身全霊、体当たりでやっていらっしゃいました。たくさんのインスピレーションを与えてくれる素敵な共演者でしたね。弓子のあの怒った顔に、春画先生はまいっちゃったんだろうな。柄本:あの表情はすごく魅力的でしたよね。真っすぐ放たれた感情と、北さんのルックスとのギャップが色っぽかったです。――春画に馴染みのない人に向けて、言葉をいただけますか。内野:今回、コレクターの方に本物を見せていただいたり、何百という春画を見ましたが、髪の毛一本一本の繊細さ、着物のたおやかさ…それはもう見事なんです。春画に描かれた男女の睦み合いは、どこかいかがわしいものというイメージから、生きとし生けるものへの肯定なのだと僕自身が変わりました。なので、まずは入り口に立ってほしいです。面白い世界だから、こっちにおいで~。柄本:ぜひ、覗きに来てください。内野:覗いたら、あとは野となれ山となれです(笑)。『春画先生』原作、脚本、監督は、ロングランヒット作『黄泉がえり』や先鋭的な作品で知られる塩田明彦。安達祐実が芳賀の亡き妻の姉を演じる。全国公開される商業映画として、無修正で浮世絵春画が描写されるのは邦画史上初。10月13日全国公開。©2023「春画先生」製作委員会うちの・せいよう(写真右)1968年9月16日生まれ、神奈川県出身。’96年、連続テレビ小説『ふたりっ子』で脚光を浴びる。2007年、大河ドラマ『風林火山』に主演。’21年、紫綬褒章を受章。現在、W主演ドラマ『きのう何食べた? season2』(テレビ東京系)が放送中。えもと・たすく(写真左)1986年12月16日生まれ、東京都出身。2003年、映画『美しい夏キリシマ』で主演デビュー。近年の出演作に、ドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)、映画『シン・仮面ライダー』など。来年1月から始まる大河ドラマ『光る君へ』に、藤原道長役で出演。※『anan』2023年10月18日号より。写真・神藤 剛スタイリスト・中川原 寛(CaNN/内野さん)坂上真一(白山事務所/柄本さん)ヘア&メイク・佐藤裕子(スタジオAD/内野さん)AMANO(柄本さん)インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年10月16日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、人のために、余分に用意をする女性「水分を大量に持ってくる女」になりきり。水分の重要性をあらためて考えよう!以前、子どもを連れて、友だちとディズニーランドへ行った時のことです。私は、凍らせたものと常温のポカリスエットを2本ずつ、計2Lを準備していきました。しかし、友だちは、計6Lの飲み物を持ってきていたんです。正直、いくら子どもも一緒だからといって、そんなに必要?と思っていたら、結局、私と子どもは2Lでは足らず…。すると、「これ、夏子たちの分も持ってきたから!」と言って、飲み物を分けてくれました。私は、できるだけ荷物を減らして身軽でありたいと思っていたのに、友だちは人の分まで飲み物を持ってきてくれる。私は自分が生き延びることしか考えていなかったなと、恥ずかしくなりました。彼女は学生時代、部活でバスケットボールをしていたこともあり、水分の大事さや、状況に適した量を知っているんだと思います。真剣にスポーツをしていた人は違うと尊敬しました。しかも、彼女が用意していた飲み物は、パックのジュースやペットボトルのドリンクなど、バリエーションが豊かで、まるでコンビニに来たような充実のラインナップ!もし、私が彼女と同じくらい用意していたら、交換する楽しみもあったなと反省。しかも、保冷バッグに入っていたので、常に冷えた状態で飲めるというのも素晴らしいな、さすがだなと思いました。彼女のように人の水分のことまで考えられる人になるには、学生時代の部活など、“人間の体には水分が必要だ”ということを身をもって知った経験を思い出し、重要性をあらためて実感することが大事だと思います。また、感覚ではなく、自分の体に必要な水分量や水分補給のタイミングを学ぶこともポイント。熱中症になってからでは遅いので、自分の体を知る努力をしてみましょう!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年10月18日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年10月15日登場するだけでなんだか面白い。だけど、連続テレビ小説『あまちゃん』では何気なく発したひと言でぐっと胸を掴まれたり、舞台『流山ブルーバード』でパンツ一丁で佇む姿でじーんとさせたり、インパクトだけではない後味を残してくれる。ならば、皆川猿時さんという人自身は、一体どんな人なのだろう。――まずは目前に控える舞台『ドクター皆川~手術成功5秒前~』について伺います。作・演出の細川徹さんとはこれまで何作も舞台をご一緒に作られていますが、前作が『3年B組皆川先生~2.5時幻目~』でした。タイトルにご自身の名前が冠されるというのは、どんなお気持ちですか?細川さんが作・演出を担当、僕と荒川(良々)くんがメインを務めるこのシリーズで、毎回僕は荒川くんにヒドい目に遭わされます。前回から“皆川”がタイトルについて、ヒドい目に遭うのが誰なのか、わかりやすくなったんじゃないかと思います。――それは皆川さん的には…?もちろん光栄です(笑)。毎回、体力的にはキツい部分もあるんですけど、細川さんの作品独特のお客さんの盛り上がりというのがあって、それは他の舞台では味わえないものなんですよね。僕らオジさんやオバさんのつたない歌や踊りにも、お客さんが拍手をしてくれるんです。あれって、お客さんに気を遣わせちゃってるんですかね(笑)。でも、幸せだなって。――稽古が始まったそうですが、どんな雰囲気なんでしょう?昨日は、台本をちょこっと読んでから、ちょこっと立ってみて、その後は雑談でしたね(笑)。――その雑談は作品に関する?関係あったりなかったり(笑)。まあでも、細川さんの稽古場ってみっちりやる雰囲気じゃないんですよね。ある程度ノリと勢いでガーッと作って、熱々のものをそのままお客さんにお出しする、みたいな作り方だから。こっちとしてもそんなに真面目に稽古されてもな…と(笑)。じゃあ1か月も稽古期間がいるのかと言われたら、やっぱりキャスト同士の関係性を作っていく上では必要だと思います。そのための雑談ってことなんでしょうかね。今回初参加の牧島(輝/ひかる)くんと金川(紗耶)さんは戸惑ってると思いますけど。――松尾スズキさんや宮藤官九郎さんの作品をやられるときも、笑いの鮮度みたいなことは意識されていらっしゃるんでしょうか。宮藤さんは笑いに関してこだわるけど、余白を作るというか、あえて全部を決めようとはしません。面白い台本が最初からカチッとあって、より面白くなるようにガッツリ稽古するので、やってる方は途中で何が面白いのかわからなくなるっていう(笑)。松尾さんは僕なんかには想像もつかない明確なビジョンがあって、笑いに関しても迷いがない気がします。笑いと気持ち悪さが隣り合わせというか、演じる上では、ある程度の生っぽさが必要な感じがします。――以前は、登場の仕方から面白いコメディリリーフ的なポジションが多かったですが、近年はドラマでもシリアスな役どころを演じることも増えています。今52歳なんですけど、この何年かでシリアスな役をやることへの照れが、少しなくなってきました。自分としては、コミカルな方が気持ち的に楽なんですが、いろんな作品に関わったおかげで、シリアスなものにも面白い要素がいっぱいあることに気づいたんです。すごく遅いんですけど。――もともと面白いことがやりたくて、大人計画に?もともとお客さんとして大人計画を観ていたんです。今ほどお笑いが盛り上がってなくて、小劇場の勢いがすごかった時期だったと思います。そんな中で松尾さんの作品は、尖ってて面白くてカッコよくて、いっぱい笑いました。――松尾さんの描くような笑いがお好きだったんですか?僕は福島県いわき市出身で、テレビの笑いしか知らなかったんです。それまで見てきたドリフとかひょうきん族とはまったく違う種類の笑いを松尾さんがやっていて、カルチャーショックを受けました。見ちゃいけないものを遠目で見る面白さってあるじゃないですか。遠目で見るような内容のものを、大人計画が下北沢の劇場で、目の前でやってたんです(笑)。衝撃でしたし、正直、感動しました。――入ってみてどうでした?面白くて笑えるものをやりたくて入ったけれど、何が面白いのか自分ではよくわかってなくて(笑)。まあでも、よくわかってないくせに遠慮しないタイプだったので、怒られてもいいやって気持ちで、自分がやりたいように思いっきりやってました。それで松尾さんや宮藤さんが笑ってくれたら、オッケー!だろうと。もちろん、そんなに笑ってもらえないし、冷めた目で見られたり(笑)。――そこから、すごい勢いで人気劇団になっていったわけですが。でも、自分はまだまだっていうか。ちょっとはウケるようになってきましたけど、もっとウケてもいいんじゃないのって(笑)。――その頃から、松尾さんが劇団公演のチラシに皆川さんの顔を使ったり、宮藤さんのドラマで印象的な役を演じることも増えました。こんな男をね、本当にありがたいことですよ。ありがとうございます(笑)。『あまちゃん』は、ほとんど舞台の感じのままやってたんです、声量も含めて。映像ではトゥーマッチではあるけれど、宮藤さんのホンだし思いっきりやってみたら、たまたまうまくいったというか、初めてお茶の間にウケたんじゃないですかね。――ご自身としても、その芝居がお茶の間にウケるかどうか挑戦だったわけですか?いやいや、そんなつもりはなくて。たまに距離感がおかしい人っているじゃないですか。この距離でそんなでっかい声を出すかね?みたいな。面白そうだからでっかい声でやってみただけなんです。別の現場でも同じような芝居を試してみたけど、全然うまくいかなかったことも何度かありました。『ビター・ブラッド』というドラマのときにエゴサーチしたら、「あいつのは芝居じゃなく、ただ騒いでいるだけだ」って書かれていて、なるほどなるほど、ですよねって(笑)。――エゴサーチ、するんですか!?たまにしてます。作品もそうですけど、自分がどう思われてるのか気にはなります(笑)。――傷つくこともありますよね。あんまり傷つかないというか…知らんがなって。こちとら、松尾さんや宮藤から直接ヒドい言葉をいっぱい言われてきてますから(笑)。なんでしょうね、鈍感になっているのかもしれません。みながわ・さるとき1971年2月1日生まれ、福島県出身。大人計画に所属し、連続テレビ小説『あまちゃん』などで印象的な役柄を演じ評価を受けた。劇団公演をはじめとした舞台のほか、ドラマ・映画・CMなど多数出演。近作に舞台『もうがまんできない』、ドラマ『やわ男とカタ子』など。出演するドラマ『季節のない街』がDisney+で配信中。舞台『ドクター皆川~手術成功5秒前~』は、10月12日(木)~29日(日)本多劇場にて上演。また10月21日18:00~の回は生配信も(~25日23:59までアーカイブあり)。作・演出は細川徹さん、共演は荒川良々さんほか。今回は、2.5次元舞台などでも活躍する牧島輝さん、乃木坂46の金川紗耶さんも参加。大人計画 TEL:03・3327・4312(平日11:00~19:00)※『anan』2023年10月18日号より。写真・高橋マナミインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月14日料理上手な弁護士のシロさん(西島秀俊)とその恋人で美容師のケンジ(内野聖陽)の日常を描く『きのう何食べた?』。その待望のseason2の放送が始まったばかり。磯村勇斗さんが演じるジルベールこと井上航は、パートナーの大ちゃん(山本耕史)やシロさん&ケンジを振り回す毒舌キャラにもかかわらず、愛されキャラとして大人気。多くの人に愛されるジルベールに出合え、とても大切な作品になりました。「普段、隠してしまっている本音の部分を航は思ったまま言えるところが、見ていて気持ちいいんですかね。わがままなところが母性本能をくすぐって面倒を見たいと思わせるというのもあるのかなと思います。僕は、あんな猛獣は大変だと思うんですけどね(笑)。ただ、棘のある言葉こそが、航にとっては実は喜びの表現で。美味しそうな表情をしたいのにむすっとしなければいけなくて、食事シーンでは毎回悩んでいますが、そのツンツンしたところが、やっと可愛いと思えるようになってきました。season2ではより意地悪になりつつ(笑)、居場所が見つかって、だいぶ大人に。ジルベールと家族の話も描かれますし、4人でいることがどれだけ大切なのか、より深く感じてもらえるはず」久しぶりに芸達者の4人が揃った現場は、親戚がお正月に集まったかのような温かい空気だったそう。「本当に不思議なんですが、自然と役に戻っていけたんですよね。4人でお芝居してすぐに『何食べ』のパズルが揃った感覚があったんです。内野さんと山本さんは、どちらかというと“動”で、西島さんは“静”のお芝居。今回、初めて西島さんと2人だけの芝居があり、互いに少し照れながら、また違った『何食べ』の現場を感じられました。それはお弁当を食べるシーンだったんですけど、本番で『航は自分で割り箸を割らないよな』とふと思い、『割って!』と言ったり。山本さんとのシーンは、同じということがないんですよ。朝から晩まで体力も使って芝居するので、運動しているみたいで。最後はおかしなテンションになりながら掛け合っていました(笑)。以前は、内野さん含め3人についていくのに一生懸命でしたが、今回はディスカッションで提案をさせてもらい、先輩方が受け入れてもくれ、より絆が深まりました」メインキャラクターの4人が同性愛者という設定の本作。season1が放送されてからの約5年で、日本でもセクシュアルマイノリティへの理解は深まりつつあるけれど…。「海外在住の知人からは、日本はまだ遅れているとも聞きます。わざわざLGBTQ+の話題をしなくてもいいところまで、認識が進めばいいと思いつつ、難しい問題ですよね…。『何食べ』は、性別に関係なく、人間同士の深い愛情を優しく描いていて、視野が広がるドラマ。そのシリーズが、これだけ愛され続けているということは、多様性に関心を持って応援していただけているんじゃないかと思います」『きのう何食べた? season2』シロさんとケンジの食卓を通して、リアルな日常や心情を描いた人気シリーズ。2019年にseason1が放送され、’21年に映画化。原作は、よしながふみによる大ヒット漫画。テレビ東京系にて毎週金曜24:12~放送中。©「きのう何食べた? season2」製作委員会©よしながふみ/講談社いそむら・はやと1992年9月11日生まれ、静岡県出身。2017年、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』で話題に。映画『月』が10月13日、『正欲』が11月10日にそれぞれ公開。来年には主演映画『若き見知らぬ者たち』が公開予定。ジャケット¥97,900Tシャツ¥27,500パンツ¥47,300シューズ¥101,200(以上TOGA VIRILIS/TOGA原宿店 TEL:03・6419・8136)※『anan』2023年10月18日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・笠井時夢ヘア&メイク・髙田将樹インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年10月14日国内外で「まるで一本の映画のようだ」と高い評価を受けている豊田徹也さんの漫画『アンダーカレント』。その実写映画化で、主演を務めるのは真木よう子さん。どのシーンも、心の奥底にある苦しみを忘れずに演じました。「お話をいただく前に、私も“映画になるな”と感じながら原作を読んでいました。日常を描いたヒューマンドラマなので、奇抜な設定や展開がいらないですし、無理なく映画にできそうだなと。好きな漫画の映画化、しかも主人公ということで、断る理由がなかったです」真木さんが演じるかなえは、夫が失踪した後、なんとか家業の銭湯を再開させるが、ある想いをずっと秘めながら日常を送る。「かなえちゃんは、はたから見れば普通の生活に戻れたように思えるけど、苦しみを忘れていないし、そこから逃げてもいません。ずっと“アンダーカレント=心の奥底”に苦しみを抱えながら生きているということを大事に、どのシーンでも忘れてはいけないと思いながら演じました。私も、かなえちゃんが受けた衝撃ほどではないけど、ずっとここ(と胸に手を当てる)に残っている出来事があるんですよね。だから、かなえちゃんにも寄り添えるんです」かなえへの想いが溢れ、今泉力哉監督と意見がぶつかったことも。「一番かなえちゃんのことを知っているのは私という自負があったので、かなえちゃんの感情について今泉さんの解釈を聞き、“かなえちゃんのことをわかってもらえてない”と感じたシーンがあったんです。『それじゃ、この子がかわいそうじゃないですか』と訴えましたが、険悪になったということではないんです。双方『わかりました、ごめんなさい』という感じで、その場で終わったので安心を。私、切り替えが早いんですよ。この作品も撮影が終わったら役を引きずることなく『ウェ~イ!!お疲れさまでした~』って踊りながら帰ってましたから(笑)」失踪した夫・悟を演じるのは永山瑛太さん、銭湯に住み込みで働く男を演じた井浦新さん、探偵を紹介した友人役の江口のりこさんなど、芸達者が勢ぞろい。その中でも、現場でインパクトを残したのは…。「リリー(・フランキー)さんでしょう!全部持っていかれましたけどいいやと思って。あんな化け物みたいな人が来ちゃったら諦めるしかないです(笑)」チャレンジングだった撮影として選ぶのは、かなえが服を着たまま、水に飛び込むシーン。「映画全体にとって大切なシーンだとわかっていたので、いつも以上に頑張ったんでしょうね。鼻に何も詰めず背面から入って、浮かんで沈んでとやっていたら、3日間、塩素で鼻がやられ、匂いも味もしなくなってしまいました(笑)。この作品は水もそうなんですけど、静かな低いトーンの声だったり、銭湯のお湯だったり、音がすごくいいんです。スマホやテレビよりも、映画館で観たほうが鮮明に響いてくると思います。『アンダーカレント』を映画館で観たって言えば、“わかってる人感”が出て、きっとモテますよ(笑)」『アンダーカレント』かなえは夫の悟と銭湯を共同経営していたが、悟が突然、失踪を遂げる。うさんくさい探偵を雇い悟を探すが、知らなかった事実が次々と明らかに。音楽は細野晴臣。第42回バンクーバー国際映画祭出品作。10月6日全国公開。©豊田徹也/講談社©2023「アンダーカレント」製作委員会まき・ようこ1982年10月15日生まれ、千葉県出身。2014年の第37回アカデミー賞では、映画『さよなら渓谷』で最優秀主演女優賞、『そして父になる』で最優秀助演女優賞をW受賞。出演映画『大いなる不在』は来年公開。ブラウス¥61,600スカート¥124,300(共にTory Burch/トリー バーチ ジャパン TEL:0120・705・710)アクセサリーは本人私物※『anan』2023年10月11日号より。写真・内山めぐみスタイリスト・藤井希恵(THYMON Inc.)ヘア&メイク・Miyuki Ishikawa(B.I.G.S.)インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年10月10日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、相手のためにリスクを伝える女性、「最悪のパターンを教える女」になりきり。相手が一番困る状況を想像することが大事。出産をして家に帰り、なんだかんだバタバタして過ごしていたのですが、1週間くらいした頃に出血が止まらなくなって病院に行くことになりました。血液検査をした後、点滴をしながら安静にしていたのですが、生まれたばかりの子を含めた3人の子どもを旦那に預けて出てきたので、病院の方に「いつ帰れますか?」と聞いたんです。すると、「この点滴で終わる場合もあるし、最悪、入院になるパターンもあります。早いと1週間、なかには2週間くらいになる人もいます」と言われて、何も考えずに病院に来てしまったなと思ったんです。でも、最悪なパターンを最初に教えてくれたおかげで、血液検査の結果を待っている間に旦那への状況説明だけでなく、今後のスケジュールや対応の仕方なども相談することができました。結果的に入院ではなく通院でいいことになったのですが、もし、いきなり入院しなければいけないと聞いたとしたら、すごく慌てたと思うんです。今後、同じようなことが起こった場合の対策を練ることもでき、最悪の事態を聞くことって大事だなと思いました。また、これまで、生活が回らなくなるかもしれない可能性などを想像することもなく、退院後も動き回っていた自分のことを反省したんです。“なんだかんだ、どうにかなる”と思っていたけど、そうじゃないこともあるんだなと。今は家にいることが最優先だと気づく、いいきっかけにもなりました。最悪のパターンを伝える人になるためには、まず、相手の生活やバックグラウンドを想像することが必要だと思います。私の場合は、生まれたばかりの子どもを家に置いてきて世話ができないことでしたが、その人が一番困る状況はどういうものだろうということが、おのずと見えてくるはずです!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年10月11日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年10月08日稲垣吾郎さんの最新舞台は、近年、劇作した『あつい胸さわぎ』が映画化されたり、小説『わがままな選択』で小説家デビューを果たすなど、注目を集める演劇ユニット・iakuの横山拓也さんの書き下ろし『多重露光』。多重露光とは、1枚のフィルムに複数の画を重ねるカメラの撮影技法のこと。親から継いだ町の写真館を営みながらも、どこか手応えなく生きている主人公・純九郎(稲垣)。そんな彼の元に、子供時代から毎年家族写真を撮りに来ていた憧れの一家の娘・麗華(真飛聖)が、ひとり息子・実(杉田雷麟・小澤竜心/ダブルキャスト)を連れて訪れたことから始まる物語。過去に閉じ込めてきた想いが発露した先に、見えてきたものとは――。横山拓也(以下、横山):最初にお話をいただいたときは驚きました。稲垣さんといえば、僕が昔からテレビで拝見していた方でしたから、「僕でいいですか?」ってところからでした。稲垣吾郎(以下、稲垣):僕は横山さんの小説も読んでいましたし、今回オリジナルで書いてくださるのがとても楽しみだったんです。しかも演出家の眞鍋卓嗣さんも初めてで、ワクワクしているんですよ。真飛さんとは、鈴木聡さん作の舞台シリーズで、最初にご一緒してからもう…10年?真飛聖(以下、真飛):えっ、もうそんなに経っているんですか?稲垣:初共演は2012年だから、もう10年以上。真飛:その頃の私、ピチピチしてました?稲垣:当時から全然変わってないですよ。あのときの『恋と音楽』のシリーズはミュージカルで、僕は単独主演のミュージカルなんて初めてだったから、真飛さんにものすごく助けていただきましたから。真飛:それはこちらもです。私は宝塚歌劇団を退団して初めてのミュージカルでしたし。稲垣:でも初共演のときに驚いたんですよ。宝塚でトップスターまでされていた方なのに、いまだにこんなに役や作品のことを考えるんだって。僕も真飛さんも人見知りで、稽古が始まってから2週間くらい、全然会話していなかったんですけど…。真飛:たぶん「おはようございます」くらいですよね。稲垣:そんななか、ある日芝居のことを相談されて、すごく真面目な方なんだなと思ったし、本当にお芝居が好きな方なんだなというのが伝わってきたんですよね。真飛:あのとき、私が役のことで悩んでいるのに気づいて、吾郎さん、わざわざ連絡をくださって、じっくり話す機会をもうけてくださいましたよね。稲垣:あの当時はグループの仕事が忙しくて、稽古場にあまりいられなかったから…。真飛:それまでパブリックイメージもあって、近寄り難い人のように感じていたけれど、そこでお互いの話もして距離が縮まって、お芝居が楽しくなったんです。それで吾郎さんと「いつかストレートプレイも一緒にやりたいね」って話してたんで、叶って嬉しいです。稲垣:本当だよね。横山:僕の中で真飛さんは、かっこいいクールなイメージがあったんです。それで最初は“お嬢様”っていう記号的なところからスタートして、後半で壊れていって僕らの知らない部分を見せてもらえたらなと思って、そういう役として書かせていただきました。そしたら稽古が始まって、自分の役に対して引っかかる部分を僕に言ってくださったんですよね。僕ら作り手と同じ熱量で作品に向かってくださっているってことだから、すごく嬉しかったし、信頼のおける俳優さんだなと思って。真飛:何回も「文句じゃないですよ」って言いながら…。横山:でも、ああやって言ってくださったことで、僕だけでは気づけなかったことに気づかせていただいたので、本当にありがたかったです。真飛:吾郎さんは、普段はクールに見える方ですけれど、内面が本当に優しいですよね。初共演のときに、吾郎さんですごく印象的だったことがあるんですけど…。当時、宝塚を辞めたばかりで女子としてどう居たらいいかもわからない状況だったんですね。そんななか私が低いヒールを履いていたら、吾郎さんに「なんで高いの履かないの?」って聞かれたんですよ。「私、背が高いですし、そんな女子がヒールって可愛げなくないですか?」って言ったら、「ヒールは女の子の特権だよ。綺麗に見えるんだから、気にしないで履いていいんだよ」って言ってくれて、なんて男前なんだって思って、ちょっと泣きそうになったんです。横山:僕は以前から稲垣さんのラジオをよく聴いていたんですが、昔思っていたイメージよりずっと生っぽい方なんだなというのが印象にあったんです。稲垣:嬉しいですね。横山:あと、昨年観た『窓辺にて』という映画で、ナチュラルにミステリアスな演技をされている稲垣さんが衝撃的で。あの生っぽさとかリアルな感じとか、今回結構参考にさせてもらった部分があります。稲垣:これまでわりと普通の人間じゃない…ファンタジーも多いですし、そういう人を演じることが多かったですからね。僕、以前に真飛さんが言った言葉ですごく面白いなと思ったのがあって、宝塚時代のことを“竜宮城にいたみたい”だって表現したんです。僕もその感覚がよくわかるから、勝手に使わせてもらってるんだけど。真飛:使ってるんですね(笑)。稲垣:本当に不思議なんだよ。僕は人に見られるのも苦手だし、人見知りだし、本当は舞台なんて好きじゃないはずなのにやってるんだから。なんでこの仕事やってるんだろうって思うくらい。だから、なんで紅白歌合戦とか出られてたのか全然わからないし、いまとなっては夢だったんじゃないかって思うこともあるくらい(笑)。真飛:だいぶやってますし、ここにいる全員が見てますよ(笑)。でも根がすごく優しい方だから、みなさんに求められていると思うと、やってしまうんでしょうね。塩対応に見えて意外と…。稲垣:ひとりが好きとか言いつつ、結局、共演者とかスタッフとか、お客さんも含めてみんなで共有している時間っていうのが好きなのかもしれない。意外に、自分の中に人間らしさを感じたりして…。真飛:私は役があると人前に出るのも大丈夫なんですけどね…。稲垣:わかる。真飛聖を演じてるから、あんな大きな劇場で羽根を背負って立ててたってことあるよね。真飛:そうなんです。立場がそうさせてくれていたというか。稲垣:僕も、さっきの話じゃないけど紅白歌合戦とか東京ドームとか、よく立ってたなって思っちゃうもん。ただやっぱり幼い頃からこの世界にいて世間知らずではあるんで、今回のような知らない職業だったり知らない感覚をお芝居の中で体験できるっていうのは、すごく面白いです。自分が見たことのない景色を、役を通して擬似体験していく感覚とか。でも、横山さんが書かれているキャラクターって、一見普通だけれど、ちょっと変わっていますよね。横山:これは僕自身もそうなんですけれど、自分が過去に傷ついたことだったり寂しいと思う気持ちだったりを、大人になる過程で、蓋して気づかないふりができるようになってきたと思うんです。その過去を閉じ込めている感覚がどこかアナログカメラに通じる気がして、そこが家族の物語としてうまく重ねられたらいいのかなと思ったんです。ただ、ここまでそれなりにごまかしながらうまくやっていたのが40代に入って、自分の中の欠落しているものや処理できていないことに対して埋めたい想いがだんだん発露し始めて…ってところから今回のドラマが始まるんですけれど。稲垣:僕もだんだん器用になって、そういうことに鈍感になっちゃったけど、やっぱり解決できないこととか執着していることとかありますからね。横山:そういうことって、誰にもきっとありますよね。稲垣:とても面白くて興味深い脚本だなと思いました。真飛:あと会話がすごく面白いですよね。普通に人が話すようなテンションですし言葉のチョイスも面白くて。ただ、私が演じる麗華に関しては、まだつかめてない部分が多いです。そんな私に、演出の眞鍋さんが、すごく歩み寄ってくださって、感情がちゃんと流れているかとか、何か疑問がないかとか、すごく聞いてくださるのでありがたいです。台本の読み合わせの段階から、横山さんの書いたセリフに対しての解釈をみんなでディスカッションする時間を作ってくださいましたし。横山:眞鍋さんと「このセリフって氷山の一角だよね」という話をよくするんですが、しゃべっている言葉の下に隠された感情というのがあって。眞鍋さんは、稽古場で、俳優さんと話し合いながらそこを見つけていこうとしてくださる演出家だなと思います。稲垣:読み終わってもまだ、これはどういうことだったんだろうってわからない部分もあるんですけど、その余韻が残る感じもとても演劇的な作品だと思います。(写真中央)いながき・ごろう1973年12月8日生まれ、東京都出身。弊誌の映画連載も好評。近作に映画『窓辺にて』、ドラマ『風よ あらしよ』など。11月10日に主演映画『正欲』が公開予定。(写真右)まとぶ・せい1976年10月13日生まれ、神奈川県出身。元宝塚歌劇団花組トップスター。現在、出演ドラマ『姪のメイ』(テレビ東京系)が放送中。近作に、『落日』(WOWOW)。ブラウス¥37,400(ソブ/フィルム TEL:03・5413・4141)スカート¥35,200(ダブルスタンダードクロージング/フィルム)その他はスタイリスト私物(写真左)よこやま・たくや1977年1月21日生まれ、大阪府出身。自身が主宰するiakuの作・演出を手がけるほか、外部への作品提供も多数。iaku『モモンバのくくり罠』は11月に開幕。『多重露光』写真館の2代目店主のカメラマン・山田純九郎(稲垣)の元に突如現れる麗華(真飛)。その息子と関わっていく中で純九郎はかつて求めた家族の愛情に触れられる予感を持つ。作/横山拓也演出/眞鍋卓嗣出演/稲垣吾郎、真飛聖、杉田雷麟・小澤竜心(ダブルキャスト)、竹井亮介、橋爪未萠里、石橋けい、相島一之10月6日(金)~22日(日)日本青年館ホールS席1万2500円A席7500円車イス席1万2500円※『anan』2023年10月11日号より。写真・魵澤和之(まきうらオフィス)スタイリスト・栗田泰臣(稲垣さん)津野真吾(impiger/真飛さん)ヘア&メイク・金田順子(June/稲垣さん)yumi(Three PEACE/真飛さん)インタビュー、文・望月リサ撮影協力・シャングリ・ラ 東京(by anan編集部)
2023年10月06日「オールナイトニッポン」シリーズで8年以上、パーソナリティを務めている三四郎さん。ラジオを愛するお二人に、長~くリスナーとの関係性を築き続ける言葉の秘訣を伺いました。左・相田周二さん、右・小宮浩信さん。――『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』『三四郎のオールナイトニッポン』と、2015年よりシリーズ通算8年以上、パーソナリティを務めている三四郎さん。小宮浩信さんと相田周二さんにとって、この番組はどのような存在ですか?小宮浩信(以下、小宮):今は二人で飲みに行く機会が少なくなったし、僕らはYouTubeとかもやっていないので、ラジオはお互いの近況やプライベートを知れる場所。学生時代の休み時間に戻ったような感覚です。相田周二(以下、相田):飲みに行っちゃうと、ここで話すことがなくなっちゃいますから(笑)。ほぼ毎日仕事で会っていますが、一人暮らしをするとか、車を買うなどの報告はラジオで。まあ、僕らのホームですよね。――当初、8年も続くと思っていましたか?相田:1年で終わると思っていました。それが2年目もいきますってなって、もう1年できるんだ!って。その後も3年、4年と続いて。今度は、逆に長く続けなくちゃいけないなって思いますね。――それだけ愛されているってことですね。長く聴いてくれているリスナーについては、どのように思われていますか?小宮:テレビにゲストで呼ばれても、あまり自分たちのことは時間を割いて喋れないんですけど、ラジオだと長尺で好きな話ができる。しかも生放送だから、オンタイムでリアクションメールが届くので、新鮮な感想を聞けて面白いですね。例えば「5年前も同じ話してたよ」なんてツッコミのメールが来たりも(笑)。ああ、昔から聴いてくれているし覚えてくれているんだな、って嬉しくなります。相田:テレビって、別に僕ら目当てで見ている人ばかりではない。でもラジオは、僕らの話を聞きたい人しかいないですから。小宮:「テレビ見てます」って言われるよりも「ラジオ聴いてます」って言われた方が嬉しいし、何か特別な発表がある時は、一番にラジオで喋りたいんです。――様々なお仕事をされている中で、ラジオで話すことならではの面白さを教えてください。小宮:テレビと違うのは、疲れてるとか眠いことも赤裸々に伝えられるところ。テレビよりもゆるいトーンで話すことができるイメージはあります。あとは予定調和ではなく、生放送ならではの流れに任せたりすることも。まあこれは、ラジオというよりは、生放送の面白さでもあります。そして流れに任せた結果、よくない方向に行くこともありますけど(笑)。そうやって、悪いところもリスナーと一緒に共有していくのも面白い。相田:責任は僕たちが取らなくちゃいけないですけどね(笑)。でも、リスナーとの距離が近いのもいいところです。――深夜なのに聴き続けてしまうという、中毒性を感じています。フリートークのテーマなど、どのように決められているんですか?小宮:オープニングテーマは作家と相談しながら決めて、フリートークは個々に自分たちで。最近気になっていることや、この一週間のニュースについて喋る感じです。相田:作家との打ち合わせは全部で20分ぐらいじゃないですかね。流れをざっくり確認する程度。――リスナーにとって、生放送の利点はどんなことでしょうか。相田:ラジコやポッドキャストなんかでも聴けるようになったことで、ラジオがより身近になったのは嬉しいけど、3時まで起きていてくれて生で聴くのと、次の日に収録(radikoタイムフリー)を聴くのとでは鮮度や面白さが全然違う。例えば、小宮の結婚発表を聞き逃したリスナーは相当悔しかったと思います。まあ深夜なんで、仕方ないんですけど(笑)。――テレビと違って喋り方で意識していることや、これまでに勉強になったことありますか?小宮:テレビは画面を通して動きで伝えられますが、ラジオは声と言葉だけで表現しなければいけないのが大きな違い。ジェスチャーを封印して言葉で説明するようにとか、あと、例えば「女」ではなく「女性」と言うようにするなどの時代の変化もあります。間の取り方に関しては感覚で身についていて、無意識にやってるかも。相田:初めて聴く人のために、あるあるのネタでも一回おさらいするような、説明を入れるのも大事。小宮:勉強になったのは、先ほども流れに任せるという話をしましたが、フリートークはがっつり決めすぎないこと。その場に届いたリスナーのメールや遊びを入れると、面白くなりやすいんです。だから押さえるべきポイントだけ押さえて、一度流されてみるのも、生感が出ていい感じになります。――その辺はもうプロですね。小宮:昔、ダウンタウンの松本人志さんが「売れてない芸人は、古谷実の漫画で言葉を勉強しろ」って言っていたので読んでみたら、すごく面白い言葉選びをしていて。養成所時代に先生からも「言葉選びはボキャブラリーがすべて」と言われていたんですが、言葉や角度を変えて喋ると、同じ話でも断然面白くなったりするんですよね。だから古谷さんの漫画は、芸人としてすごく勉強になりました。相田:僕の場合は、好きなことについてテンション高く熱弁する方が面白くなるみたいで。「もうちょっと砕けて喋るといいかも」とか、作家に伝えてもらいながら、自分に向いている方法を考えたり意識したりはします。小宮:あと、喋りのテンポは、テレビよりは遅くなるかもしれませんね。ゆっくり喋れば、聞こえにくいこともありませんから。――小宮さんは以前、欠けた前歯がトレードマークで、滑舌の悪さをネタにしていましたが…。小宮:歯を治したのは、この番組を始めて2年目ぐらい。ここだけの話、前歯が欠けていることがビジュアル的に面白いと思っていたので、わざと治してなくて(笑)。でもラジオを始めて、トークが面白いと言ってもらえることが増えたんです。トークだけで面白いなら歯を入れてもいいだろうって思えたのも、この番組のおかげ。『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』2014 年の『オールナイトニッポンGOLD初笑いSP』にて優勝し、翌年から『オールナイトニッポン0(ZERO)』のパーソナリティに。以来『オールナイトニッポン』含め、オールナイトニッポンシリーズで8年以上、パーソナリティを務めている。現在は、毎週金曜深夜3時~5時、ニッポン放送で生放送中。さんしろう中学時代からの同級生で2005年に結成したお笑いコンビ。小宮浩信(こみや・ひろのぶ)1983年9月3日生まれ、東京都出身。ツッコミ(またはボケ)、ネタづくり担当。相田周二(あいだ・しゅうじ)1983年5月2日生まれ、東京都出身。ボケ(またはツッコミ)。『有吉の壁』(日テレ系)ほか出演中。※『anan』2023年10月11日号より。写真・内田紘倫取材、文・若山あや(by anan編集部)
2023年10月05日劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)さんと俳優の緒川たまきさんによるユニット、ケムリ研究室。これまで、どこかほの暗く非現実的でありながら、ポップさも感じさせる独特の世界に、シニカルな笑いを交えた作品を上演してきた。その最新作で第3弾となる舞台『眠くなっちゃった』に音尾琢真さんが出演する。「KERAさんの作品というと、どこかトリッキーなイメージがあると思うんです。でも実際に出演してみると、演技の組み立て方というのはすごくベーシック。自分の役をしっかり立ち上げて、その人と人とが会話をしているという土台をしっかり作っておかないと、あのKERAさん独特の世界は生まれないんです」KERAさんの演出作は、’19年の舞台『ドクター・ホフマンのサナトリウム』以来2度目の出演となる。「正直、僕は何もしていません。僕が無理にああだこうだとしなくても、台本が緻密に書かれているから、KERAさんに委ねれば自然と面白くなるんです。ただ、シーンによって、この場面のこのセリフではお客さんにこういう印象を抱いてほしいと言われるので、それに忠実に応えようとしているくらいです」“いつか見た懐かしい未来”を舞台に不可思議なSF劇が展開される。「もともとファンでもあるんですが、KERAさんの作品って物語の中に入り込んで、何が起こるかわからない“何か”を追いかけている間に終わるっていう印象があって、観ている間ずっと集中が途切れないんです。しかもそれが複雑な迷路のように見えるのに、ひとつひとつ矢印が付いているようにスイスイ進んでいけるのが面白いんですよね」ただ、その複雑な迷路を、毎日突っかかることなく同じペースで歩くのはやはり大変なようで…。「毎日綱渡りをし続けている感覚ではあります(笑)。その日の気持ちに任せてやれれば、毎回達成感は得られると思いますが、この現場はそういうわけにはいかない。毎回、あるハードルを越えたその先のレベルで、出演者全員が抑制をきかせた芝居で、狭い通路を通り続けなければいけないんですよね。その通り方を少しでも間違うと、棘が刺さって痛ッてことになってしまう。KERA作品に出ている方というのは、その日その日の自分のコンディションを調整しながら、ブレなくやり続けられるタイプの人ばかりな気がします。僕も日々精神統一して、仙人のような気持ちで臨んでいます」しかし、「そうやって迷路の中を歩き続けるくらいじゃないと、芝居って面白くないと思ってしまうところがある」のだとか。そして苦笑いしながら、「逆に言えば、そうじゃない舞台にはあまり興味がないともいえるんですけど」と付け加えた。「KERAさんの作品には知性を感じるんですよね。その知性が非常に探究心を煽るというか、観ていて、自分の中の何かが刺激されている感じがするのが好きなんですよね」音尾さんといえば、出演はわずかながら、妙な存在感を残したドラマ『VIVANT』が記憶に新しい。「完全に演出のおかげです。あえてもったいぶった出し方をして、視聴者の方にそう思わせる。まさに福澤(克雄)監督の思惑通り。そうやって、見る方の意識を思い通りに誘導できる方でないと、作れないものっていうのがあるんですよね。それはKERAさんも同じなんですけど」笑いながら語るその言葉の奥に流れるのは、深い信頼とリスペクト。「これは白石(和彌)監督にもいえるんですが、信頼している監督の作品ならば、どんなにちょっとでも、いつでも出させていただきたい。『そんなわけにいかないよ』って言われますけど、信頼できる方となら、どんな役でもやりたいです」ケムリ研究室 no.3『眠くなっちゃった』いつか見た懐かしい未来、どこかの国の話。娼婦のノーラ(緒川)。今は、夫のヨルコ(音尾)と一見、穏やかな日々を過ごしているが…。ほろ苦い異色のSF劇。10月1日(日)~15日(日)三軒茶屋・世田谷パブリックシアター作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演/緒川たまき、北村有起哉、音尾琢真、奈緒、水野美紀、近藤公園、松永玲子、福田転球、平田敦子、永田崇人、小野寺修二、斉藤悠、藤田桃子、依田朋子、山内圭哉、野間口徹、犬山イヌコ、篠井英介、木野花S席1万2800円A席8800円U‐25チケット6000円キューブ TEL:03・5485・2252北九州、兵庫、新潟公演あり。おとお・たくま1976年3月21日生まれ、北海道出身。TEAM NACSのメンバーとして人気を博し、ドラマ、映画、舞台などで活躍。10月24日深夜スタートのドラマ『マイホームヒーロー』(TBS系)への出演が控える。※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月03日SNSで発信する昭和ファッションが反響を呼んでいる阪田マリンさんは、大阪を拠点にモデルやラジオパーソナリティとして活躍する22歳。平成生まれの彼女が同年代の若者に向けて提唱する“ネオ昭和”とは一体!?【阪田マリン】今の流行りも取り入れた、昭和なスタイルを作り出す。幼い頃は嵐のファンで、「大野くんのうちわを作ってライブを観に行ったこともありました」と話す阪田マリンさんが昭和カルチャーに惹かれるようになったのは、中学2年生のとき。おばあちゃんの家にあったレコードに触れたことがきっかけだ。「父のレコードがたくさん置いてあって、気になったチェッカーズの『Song for U.S.A.』を聴いたんです。びっくりしたのが、針を落とすと音が鳴ること。レコードをお店で買って、ターンテーブルに置いて、針を落としてやっと音楽が始まる。今はスマホで簡単に音楽が聴けるからこそ、聴くまでに時間がかかるレコードが当時の私には“新しく”感じたんです」チェッカーズを皮切りに『夜のヒットスタジオ』や『ザ・ベストテン』といった昔の歌番組に夢中になり、中森明菜など当時のアイドルにもどんどんハマっていった阪田さん。ただ、“昭和好き”を高校入学と同時に公言したものの、周囲の反応はイマイチだったみたい…。「共感してくれる人がほとんどいなかったので、同年代の昭和好きって、どれくらいいるのかな?と、Twitter(現X)とInstagramをはじめて。昭和そのままのファッションで“#昭和好き”“#平成生まれの昭和好き”とハッシュタグを付けて投稿したら、フォロワーさんがドンッて増えて。同年代の子もいましたけど、昭和ドンピシャ世代の人が“懐かしいです!”と盛り上がってくれました」いま阪田さんが広げようとしているのは、昭和に今のトレンドを組み合わせた“ネオ昭和”というコンセプトのファッション。「昭和の良さをもっと同年代とか、若い世代に伝えたくて。すべてを昭和にするとあまりしっくりこなくて、そこに流行りのアイテムを取り入れる“ネオ昭和”のスタイルだと反応も良いし、私もそれが好きなんです。ワンピースやシャツは当時のものだけど、小物や靴は今のブランド。完璧な昭和を目指すとどこかで無理が出ちゃって、好きが貫けないので」モデルやラジオパーソナリティなど、その活動の幅を広げている阪田さん。最近はネオ昭和歌謡プロジェクトとして「ザ・ブラックキャンディーズ」というグループを結成し、歌手活動をスタートさせた。様々なカルチャーから昭和を極める阪田さんの最終目標とは?「昔ながらの喫茶店を継いでみたいですね。そこにちょっと自分の好きな要素や、新しいものを取り入れたネオ昭和な喫茶店を。おばあちゃんになったときの夢です(笑)」ネオ昭和ファッション’70~’90sのファッションに、現在のアイテムを組み合わせる。64年もの年月に及ぶ昭和だが、阪田さんをはじめ、現在の若者がイメージするのは、’80年代(昭和55~64年)の好景気とともに流行した、カラフルでゴージャスなバブリーファッション。ネオ昭和ファッションでは、当時モノのタイトなワンピースドレスに身を包むボディコンスタイルや、肩パッド入りのスーツなどを颯爽と着こなしつつ、カバンや靴といった小物にトレンドのアイテムをさりげなく加えるのがポイント。SNSで反響のあったお気に入り写真を紹介します!竹内まりや『プラスティック・ラブ』のジャケットをイメージした写真。写真の粒子感やブレもこだわり。“昭和にタイムスリップできるなら”というテーマで纏ったボディコンワンピ。鮮烈な赤が印象的。昭和のアイドルに猛烈に憧れていたという、18歳の頃の写真。髪型はもちろん聖子ちゃんカット。大阪・新世界にあるポルノ映画館「国際地下劇場」前で撮影されたショット。今も残る昭和の光景に溶け込んだ。さかた・まりん昭和カルチャーが大好きで“ネオ昭和”と自ら命名し、ファッションやカルチャーを発信する人気インフルエンサー。SNSでの総フォロワー数は約23万人。(1枚目写真)撮影の日のファッションは、’80年代ではなく’70年代テイスト。ベルボトムのジーンズに、イギリスのロック歌手「デヴィッド・ボウイ」が大きく描かれたタイトなTシャツがポイント。※『anan』2023年10月4日号より。写真・大久保啓二取材、文・森 樹(by anan編集部)
2023年10月02日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、間違えた人の気持ちを考えて発言できる女性、「“良い間違い”という女」になりきり。間違いを指摘する時はポジティブな言い方で!今回が3回目の出産ということで、お医者さんから「第三子のお産は早いことが多いよ!」と、自宅出産に注意するように言われていました。その言葉にビクビクしていた私は、お腹に違和感や痛みを覚えると、「これ、頭が出ちゃってるんじゃないの!?」と焦ったりして、結果的に3回もフライングで病院に行ってしまったんです。私は以前、咳をしすぎて、“肋骨が折れてしまったかも…”と思って病院へ行き、「きれいな肋骨ですよ!」と言われたことがあるほどの心配性。今回も間違えて申し訳ないなと思っていたのですが、そんな私に助産師さんが、「良い間違いですよ」と言ってくれて、とても心が軽くなりました。自分の体の変化にいち早く気づいて対策を取ろうとするのは大事なことだし、妊娠を経験してきて成長しているからできることだと言われて嬉しい気持ちに。その助産師さんが、まるで池上彰さんのように見えました。そして、ふと思い出したのが学生時代のこと。授業中に当てられて答えて間違えた時、先生に「横澤の答え、これは良い間違いだわ~」と言われたなと。私は昔から良い間違いをしていたのかもしれません(笑)。何かを間違えると恥ずかしい気持ちになったり、自己嫌悪に陥りやすいものですが、助産師さんの言葉のおかげで、病院から胸を張って帰ることができました。ちなみに本当の陣痛が来た時は、フライングの時とはまるで違う強烈な痛みだったので、すぐにわかりました(笑)。助産師さんのように嬉しい言葉をかけられる人になるためには、間違いをただ指摘したり、怒ったりするのではなく、ポジティブな言い方や言葉に変換する技術を磨くことが大切だと思います。私も夫と話す時など、意識するようにしたいです!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年10月4日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年10月01日約400年前の戯曲ながら、今なお世界中で上演されているシェイクスピア作品。なぜこんなに愛され続けているのか。まさに今シェイクスピア劇に向き合う岡本健一さん、浦井健治さんの対談と、数々のシェイクスピア作品から魅力を探る。2009年に新国立劇場で鵜山仁さん演出により一挙上演された『ヘンリー六世』三部作。三部を通すと上演時間全9時間にものぼる超大作に出演していた岡本健一さんと浦井健治さんのふたり。そこを皮切りに、『リチャード三世』『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』『リチャード二世』など、鵜山演出のシェイクスピア作品の数々に共に出演してきた。そしてこのたび出演するのは、「シェイクスピア、ダークコメディ交互上演」と称しておこなわれる、『尺には尺を』と『終わりよければすべてよし』という2作の交互上演。岡本健一(以下、岡本):過去に鵜山さんともっと大変な企画をやったから、今回の交互上演くらいでは驚きはなかったな。浦井健治(以下、浦井):確かに(笑)。ただ、これまでのような歴史劇じゃなく、シェイクスピア作品の中でも問題作といわれるダークコメディ。どっちもベッドトリック(相手を騙して違う人にベッドの相手をさせる罠)があったり、似たテイストの物語だから、ちょっと…というか結構混乱しますよね。岡本:これまでは歴史劇で戦争ばかりしていたけれど、今回はそういう争いごとは全然ないし、女性を主体とした物語というのも初めてだし。今の時代に、自分たちがこの話をやることに意味がある気はしてて。浦井:どちらの作品も、女性がすごく戦略家なんですよね。岡本:女優陣と話してると、男性側と女性側で全然作品の捉え方が違っているのが興味深いなと。――『尺には尺を』は、公爵の代理でウィーンの統治を任されたアンジェロが、婚姻前に男女の性交渉を禁じる姦淫罪でクローディオに死刑の判決を下したことから起こる物語。そして『終わりよければすべてよし』は、伯爵夫人の息子・バートラムに想いを寄せるが彼に結婚を拒否された侍女のヘレナが一計を案じる物語。岡本:『尺には尺を』とか、登場人物がみんなひどい人たちだよね。浦井:全員ひどいです。岡本:公爵が人に統治を押し付けるとかありえないでしょ(笑)。ただ、法律っていうものをちゃんと見直さなきゃいけないのかもしれないというのは、この作品で思ったかな。あと、ひとりの女性との出会いで、こんなに人間の思想が変わるんだっていうことの面白さとか。浦井:僕が演じるクローディオ側の目線で言うと、政治とか権力側の意向で人間の生死が決まるっていうのが不条理ですよね。クローディオのセリフに「生きようと願うことが死を招くことであり、死を求めることに生があると覚悟しています」っていうのがあるんですけど…。岡本:えっ今の、もう一回言って。浦井:(笑いながら復唱して)死に立ち向かうことが生きることに繋がるって、他のことにも置き換えられる気がするんです。大変なときこそ成長のチャンスというか。生きる意味を考えさせてくれる話だなと。もう片方もまた、生きることの意味をみんなで見つけていくような作品ですけど、こっちのほうがもっと体当たりな感じはありますよね。岡本:『終わりよければすべてよし』で自分が演じる王は衰弱して死の間際なんだけれど、ひとりの女性との出会いで元気になる。一応、薬が効いたってことなんだけど、人間の生きようとするエネルギーがそうさせたと思ってるんだよね。まさに「終わりよければすべてよし」って思うことで、物事が前に向いていくことってある気がして。そう思ってもらえる作品にできたらいいなと。――演出の鵜山さんをはじめ共演者も、これまでシェイクスピアシリーズを一緒に作ってきた面々ばかり。岡本:10年以上、ほぼ同じカンパニーでやってきてるけど、それがすべて鵜山さんの頭の中から始まってるんだと思うとすごいよね。浦井:今回ご一緒してあらためて感じたのは、それぞれの人に寄り添って、その人が理解しやすい言葉を選んで話してくれているんですよね。岡本:人それぞれに説明の仕方が違って、俺には擬音ばっかり(笑)。浦井:僕は『ヘンリー六世』三部作が初めてのシェイクスピアだったんですよね。それまでセリフ劇的なことをあまりやったことがない中、周りは劇団を背負ってこられたような方ばかりで、そのときは、稽古場で毎日自分の不甲斐なさばかりを実感させられる日々でした。岡本:それ、全然楽しくないじゃん。浦井:でもその心理状態が、そのときに演じた役とリンクできた部分はあったんです。鵜山さんからは、役と一緒に道を歩んでいるようなイメージでセリフを体感しながら言って、と言われていて。実際、役の血が体の中に流れているかのようにセリフを言っている諸先輩方と、何作品もご一緒させていただいて学んだことも大きいですし。岡本:ここでご一緒している年配のみなさん、本当にすごいからね。シェイクスピアうんぬんていう次元じゃなく、セリフが話し言葉としてスッと入ってくる。それを見て自分もあそこに追いつこうってなるし、無言の教えがいっぱいあるからね。最初の頃、この人たちに役者として認められたい、認められるにはどうしたらいいだろうってすごく考えてた。俺としては、シェイクスピアだとか話がどうとかは置いといて、このすごい俳優さんたちが頑張っていて、それだけでも感動するから観に来たほうがいいよって思ってるくらい。高尚な劇じゃないよということは言っておきたい。――数々のシェイクスピア作品を経験してきたおふたりに、あらためてシェイクスピアの面白さを聞いた。岡本:いつも言うんだけど、シェイクスピアの戯曲って劇場で演じるために書かれてるから、本を読んだだけじゃ面白くないんだよね。人の声を通してようやく面白さがわかる。浦井:僕もシェイクスピア劇に対して、セリフが難しいってイメージを持っていたんです。でも、実際にそれぞれのキャラクターを理解して聞くと、そんなこともなくて。岡本:劇場で体感して、ようやくその魅力がわかるんだと思う。なんでこんな400年も前の作品を日本で上演するんだろうって思うけど、やってみると、今の自分たちとか今の日本の社会とかに通じるものが、そこに書かれていて、そこにちゃんとメッセージがあるんだよね。今回の舞台も、観に来たお客さんの中に、きっと似たような物語があるし、共鳴する登場人物があると思うし。浦井:イギリスのストラトフォード=アポン=エイヴォン(シェイクスピアの故郷)に行ったときに、街にシェイクスピア作品の登場人物の銅像が立っていたんです。それを見て“人気キャラ”なんだなと思ったんです。人間の中身とか関係性をわかりやすく分類してキャラクターとして描いているから、誰もが自分や周りの人に置き換えて物語を身近に見られるのかなって。しかもそれが未来への教訓にもなる。岡本:政治家こそ観たほうがいいよね。それこそ国のつくり方とか、国を統治する成功例も失敗例もたくさん描かれているから。浦井:シェイクスピア劇っていうと高尚なイメージがありますけど、人間の普遍的なことを、国だったり恋愛だったりに置き換えて面白おかしく書いたものなのかなっていう気がしています。岡本:それを高尚なものとしてやろうとすると、退屈な芝居になるんだよ(笑)。このカンパニーは、壮大なセリフをどうしたら自分たちの生きた言葉として生々しくしゃべるかってことを考えてる人ばかりだから。新国立劇場だから格式高い印象があるかもしれないけど、高尚な劇じゃないよってことは言っておきたいな。シェイクスピア人間の本質をついたセリフの数々が時代を超えて愛される。16世紀後半から17世紀初頭に活躍したイギリス出身の劇作家で詩人。シェイクスピア作として現存する戯曲は全37作品にのぼる。歴史劇、悲劇、喜劇と、そのジャンルは多岐にわたり、現在に至るまで世界各地で上演されている。その多くは古くから残る説話や歴史文献が題材となっているが、物事の本質をついたセリフなどが時代を超えて評価されている。シェイクスピア、ダークコメディ交互上演『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』10月18日(水)~11月19日(日)新国立劇場 中劇場作/ウィリアム・シェイクスピア翻訳/小田島雄志演出/鵜山仁出演/岡本健一、浦井健治、中嶋朋子、ソニン、立川三貴、吉村直、木下浩之、那須佐代子、勝部演之、小長谷勝彦、下総源太朗、清原達之、藤木久美子、川辺邦弘、亀田佳明、永田江里、内藤裕志、須藤瑞己、福士永大S席8800円A席6600円B席3300円2作品通し券(S席のみ)1万5800円当日発売のZ席1650円のほか高齢者割引(65歳以上)、学生割引、ジュニア割引(小中学生)、障がい者割引などあり新国立劇場ボックスオフィス TEL:03・5352・9999岡本健一さん(写真右)1969年5月21日生まれ、東京都出身。俳優として舞台で精力的に活動し、これまでに数々の演劇賞を受賞。また、音楽活動もおこなっており、所属するRockon Social Clubの2ndアルバムのリリースも控える。浦井健治さん(写真左)1981年8月6日生まれ、東京都出身。主にミュージカル、ストレートプレイで活躍。来年3月、ミュージカル『カム フロム アウェイ』が控える。発売中の3rdアルバム『VARIOUS』のタイトルを冠したライブDVDが10月18日発売。※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年09月30日新作の制作が発表されるたびに、主演が誰なのか、大きな話題を集める朝ドラ。10月2日スタートの『ブギウギ』で、ヒロインを演じるのは趣里さん。「決まった時の反応は、『まさか、そんなはずはない』と、一回携帯を置きました(笑)。だんだんと実感が湧いてくると、嬉しさと同時に身が引き締まる思いでした。『朝ドラのヒロインは大変』と聞いてましたけど、実際その通りです(笑)。でも、各部署のスタッフのみなさんも大変なのに、『やってやろう!』という心意気がすごく伝わってきて。これは、朝ドラの現場が代々受け継いできた伝統だと思うんです。そうしたみんなの熱い想いで作られてきたからこそ、長く愛されてきたのかなって」ヒロイン・花田鈴子のモデルは、日本芸能史に燦然と輝く大スター・笠置(かさぎ)シヅ子さん。スタンドマイクの前に立ち、体を動かさずにバラードを歌うことが当たり前だった時代に、笠置さんは躍動的に踊りながら歌うスタイルで一世を風靡した。その人を演じるということは、芝居に加え、歌や踊りも避けられない。本格的にバレエを習っていた趣里さんに、ダンスの素地はあるけれど、歌は…?「素晴らしい歌手を演じさせていただくので『頑張らないと』というのは、最初から思っていました。ボイトレの先生とは二人三脚で、普段の呼吸法からレッスンしていただき、だんだんと歌うことが楽しくなってきたところです」“ブギの女王”と称され、ステージで太陽のように光り輝いていた笠置さん。しかし、革新的な衣装やメイク、パフォーマンスは、ついこの前まで敵国だったアメリカ的だと批判を浴びてしまう。「ちょうど、その頃のシーンを今撮影しているんですけど、『舞台メイクが派手だ』『外国人みたいだ』って、ものすごく言われるんです。そこで、だいたいの人は負けそうになっちゃいますよね。でも笠置さんは、自分のスタイルを貫き、歌うんです。懸命に届けた歌でお客さんに喜んでもらうことが、ご自身の喜びになっていたのだと思います。私のお芝居も、誰かのためになっていたらいいなって」鈴子はプライベートも、波瀾万丈な人生を送ることに。「本当に大変なことがたくさん起こるんです。それでも、乗り越えて乗り越えて、前を向き、明るく生きていく。そんな笠置さんを描く『ブギウギ』には、朝ドラヒロインらしさが詰まっています」笠置さんが世間からのバッシングや試練を乗り越えられた理由について、趣里さんは鈴子を演じながら感じることがあるそう。「きっと音楽という確かな軸があったから頑張れたんだと、撮影をしながら感じます。笠置さんにとってすべての原点が音楽。音楽を愛し、愛された人なんです」歴代の朝ドラで、趣里さんが惹かれたのは『おしん』だそう。「前のマネージャーさんがすごくハマっていて、私も再放送を見たら、おしんも本当につらいことの連続で…。『つらいねぇ』と言い合いながら見ていたんですが(笑)、おしんを演じた田中裕子さんの声はとても儚いのに、貧しいながらも生きるエネルギーみたいなものが感じられて、引き込まれました」60年以上も続く朝ドラ。新たに始まる『ブギウギ』でヒロインを演じる趣里さんが、愛してやまないタイムレスカルチャーとは?「ビートルズです。私は15歳でイギリスにバレエ留学をしたんですが、その少し前にイギリス人の先生が弾き語りしてくれた『Let It Be』にすごく感動して!イギリスには、iPodにビートルズの曲だけを入れて持っていき、癒されていました。今聴くと、あの頃の情景がぶわっと思い出されます。バンドをやっていた伯父もビートルズ好きで、いろいろ教えてもらったり、日本のアーティストでもバンドに興味を持つきっかけになったり、ビートルズは、私にとって音楽の原点です」朝ドラ昭和、平成、令和と時を超えて愛される日本の朝の定番。「連続テレビ小説(通称:朝ドラ)」の放送がNHKで始まったのは1961年。古くからそのほとんどが女性の一代記を描き、懸命に生きる姿は人々を元気づけ、昭和、平成、令和と時代を超え、“朝の定番”として、日本中から愛されてきた。旬のキャストや話題の脚本家などを積極的に起用し、放送開始から60年以上が経った今も多くの注目を集めている。近年は再放送や「NHKプラス」での見逃し配信など、“朝の時間”以外にも視聴する方法が増えたことで、若い世代を中心に、新たな視聴者層を獲得している。しゅり1990年9月21日生まれ、東京都出身。NHK連続テレビ小説は2016年の『とと姉ちゃん』に出演。’19年、映画『生きてるだけで、愛。』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。主演ドラマ『東京貧困女子。―貧困なんて他人事だと思ってた―』(WOWOWプライムほか)が11月17日スタート。シャツ¥69,300(3.1 フィリップ リム/3.1 フィリップ リム ジャパンcustomercare@31philliplimjapan.com)イヤリング¥2,468,400(ヴァン クリーフ&アーペル/ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク TEL:0120・10・1906)その他はスタイリスト私物連続テレビ小説『ブギウギ』歌や踊りが大好きだった鈴子(趣里)が、やがて戦後日本を明るく照らすスターとなる。趣里さんが主題歌「ハッピーブギ」を歌うことも話題に。10月2日より毎週月~土曜8:00からNHK総合にて、BSプレミアムとBS4Kは毎週月~金曜7:30から放送。その他、再放送あり。©NHK※『anan』2023年10月4日号より。写真・川原崎宣喜スタイリスト・中井綾子ヘア&メイク・伴まどか取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2023年09月30日漫画家の咲坂伊緒さんの大ヒット青春ラブストーリー『アオハライド』が実写ドラマ化。櫻井海音さんは、出口夏希さんとW主演を務める。陰りを帯びたキャラクターを丁寧に演じ切りました。「僕が中学生の頃にとても流行っていた漫画なので、オファーをいただいた時は、原作ファンの期待を裏切らないような表現が僕にできるか…とプレッシャーを感じました」蒼く切なく美しい、青春のすべてが詰まった原作の世界観を忠実に再現。櫻井さんが演じる洸(こう)は、出口さんが演じる双葉の初恋の人で、中学時代に突然転校し姿を消すが、3年ぶりに双葉の前に再び現れる。しかし、あんなに優しかったはずの洸が、なぜか別人のように冷たい印象に変わっていて…。「洸は辛い経験をしたことで殻に閉じこもってしまった、どこか陰りを帯びたキャラクター。しかし根はとても優しい子で、双葉たちと触れ合っていくことで輝きを取り戻していきます。その微妙な心の動きを表現するために、原作を何度も読み返して、自分の中で洸を作り上げていきました。洸は自分の気持ちをあまり表に出さないけれど、僕は割と素直に気持ちを伝えるタイプなので、洸の態度にじれったいと思うこともあったけど、演じていく中で洸がどんどん好きになりました。原作へのリスペクトを込めて、ワンシーンワンシーン、丁寧に演じ切りました」原作の端々から感じる光、風、蒼さ、揺らぎを最大限に表現した映像美にも思わず引き込まれる。その中で繰り広げられる双葉と洸の甘酸っぱいやり取りや、もどかしく切ない距離感も見どころのひとつ。「“アオハル”を感じられる、少女漫画らしいシーンがたくさんちりばめられているので、僕も撮影中ドキドキしました(笑)。撮休の日に現場の夢を見るほど、撮影が本当に楽しくて、共演者も同世代の方ばかりだったので、撮影自体が青春でした。原作のパワーを存分に感じられるし、現在片想い中の方などの背中を押して、一歩踏み出す勇気を与えられる作品に仕上がっているので、ぜひ見てほしいです」連続ドラマW‐30『アオハライド Season1』WOWOW初の本格青春ラブストーリー。シリーズ累計発行部数1300万部突破の咲坂伊緒さんのヒット漫画の魅力を余すところなく実写化。Season1/Season2の2部作で制作。Season1は、9月22日(金)23:00~放送・配信。WOWOWプライムにて第1話無料放送。さくらい・かいと2001年4月13日生まれ、東京都出身。俳優、アーティスト。’20年、NHK連続テレビ小説『エール』への出演で俳優デビュー。Kaito名義で、バンド「インナージャーニー」のドラマーとしても活躍。ベスト¥62,700(Blanc YM/TEENY RANCH TEL:03・6812・9341)シャツ¥38,500(TAUPE)Tシャツはスタイリスト私物※『anan』2023年9月27日号より。写真・映美スタイリスト・藤井晶子ヘア&メイク・高草木 剛(VANITES)インタビュー、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2023年09月23日1話15分×週4日放送されているNHK総合の「夜ドラ」枠。昨年4月に設置されて以来、意欲作を連発し話題を集めている。現在放送中の『わたしの一番最悪なともだち』は、若者の心情が丁寧に描かれ、話数を重ねるほど引き込まれるストーリー。本作で連続テレビドラマ初主演を務める蒔田彩珠さんも、最初に脚本を読んだ時、共感できる部分がたくさんあると率直に思ったそう。幼なじみの人物像を自分のものとして偽った女の子の話です。「私が演じている笠松ほたるは、クラスでの立ち位置は中心グループの4番手から5番手くらい。秀でた部分が特別あるわけでもなく、地味で目立たないというわけでもない普通の女の子です。そんなほたるには、小中高が一緒で、天敵ともいえる存在の同級生・鍵谷美晴がいます。美晴は、ほたると正反対の性格で、スポットライトを浴び続ける存在。そんな彼女に憧れているとか羨ましいという気持ちを素直に表現できないほたるは、美晴を一方的に意識している。そして本当はああなりたいけれどなれない自分に厭気がさしています。そんな劣等感って、誰しもが一度は抱いたことがある感情だと思うので、その複雑な機微を表現しました。主人公が心の声を語るモノローグがすごく多いので、その時間を考慮しながらセリフを話すのが結構大変でした。でも、声のトーンとか表情など、全シーンに集中しながら演じるように心がけました」就職活動で連戦連敗中のほたるは、美晴の個性を自分のものとして偽ったエントリーシートを提出し、通過。どう受け止めたらよいのかわからないまま、面接に進むことになる。「私自身、就活の経験がないので想像しながらやるしかなかったのですが、面接のシーンはセリフ量が多くて覚えるのが大変でした。でも実際に就活中の方から『私もウケのいいエントリーシートの書き方を調べて提出しました』『僕も全く同じ状況です』と、感想のDMをたくさんいただいて、みなさんこんな辛い経験をしながら社会人になっていくんだなって改めて知ることができました」ほたるは無事に内定を獲得。第5週の放送回から、舞台は3年後へ。大手企業でバリバリと仕事をこなすほたるは、美晴と再会。浅からぬ縁のふたりの関係性にも変化が訪れる。「5週以降は、ほたるの人間らしい部分がさらに見えてきます。そして付かず離れずの関係だった美晴との距離がグッと縮まっていきます。美晴を演じた髙石あかりさんとは、この作品を通してすごく仲良くなりました。大阪で4か月間撮影していたのですが、撮休の日は一緒にごはんを食べたり、東京に戻ってきてからも一緒に遊びに行くことが多く、最高の友達ができました。作品では、友達の仮面をかぶったほたるが、美晴とどんな関係性を築いていくのかも見どころのひとつなので、ぜひそこにもフォーカスしながら最後まで見ていただけるとうれしいです」夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』本当の自分に自信がなく、誰かの理想的な人生を拝借することができたら…。そんな自分を偽り、友人の仮面をかぶった女性の物語。繊細で瑞々しい青春ドラマ劇を個性的な若手俳優たちが繰り広げる。NHK総合で毎週月~木曜22:45~放送中(各話15分)。全32回。まきた・あじゅ2002年8月7日生まれ、神奈川県出身。7歳で子役デビュー。NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』のほか、是枝裕和監督の作品にも数多く出演。主演を務める映画『ハピネス』は2024年公開。※『anan』2023年9月27日号より。写真・魵澤和之(まきうらオフィス)スタイリスト・小蔵昌子ヘア&メイク・山口恵理子インタビュー、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2023年09月23日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、共通点を探すのが上手な女性、「運命を匂わせる女」になりきり。こじつけでも、運命を感じると楽しい気持ちに。今回が3度目の出産だったのですが、予定日を過ぎてもなかなか生まれてこず、“陣痛かも?”と思っては病院に行くということを何度も繰り返していました。そして、ついに本当に陣痛が来て、もう生まれそうだとなった時、助産師さんに「今日は主治医の先生がいますよ。当直を担当するのは月に1~2回くらいなので、ということは、赤ちゃんは先生が病院にいるこの日を待っていたんじゃないですか?」と言われました。もちろん、違うとは思うんですけど、“あ、そうかもしれない!”と、なんだか嬉しくなったんです。なかなか生まれてこなかったことへの不安も吹き飛びました。それに、運命めいたものを感じさせてくれることでテンションが上がり、この日に生まれてくることに意味があるんだと思うと、これからの人生も大丈夫!という不思議な安心感も芽生えたんです。ほかにも、友だちにLINEをして、「今、夏子のことを考えてた!これって運命?」のように言われた時も、私はすごく嬉しくなっちゃうタイプ。誕生日が一緒、おばあちゃんの名前が一緒、選んだランチメニューが一緒など、小さいことであっても共通点を見つけて、たとえこじつけであっても運命を感じられると、その瞬間が楽しいものに。“だから私たちは仲がいいんだ!”とポジティブになれるし、すごくいいなと思いました。相手に“運命かもしれない”と感じさせる人になるためには、いろいろなところにアンテナを張っておくことが大事だと思います。昨日は雨だったのに今日は晴れているとか、赤信号に引っかからないなど、“今日が何かの日”だと感じられる人を目指したいもの。運命かもしれないといえる何かを、できれば1日1つ、見つけるようにしましょう!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年9月20日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年09月21日ジャンルレスに活躍する9人が集い、歌×ダンス×芝居を融合させたハイブリッドなパフォーマンスで魅せる円神。リーダーの瀧澤翼さんによれば、「俳優、声優、バラエティ、アパレルまで幅広い活動をしている僕たちですが、いろんな属性のイケメンが揃っているのが強み。だからきっと一人は推しが見つかるし、そのまま沼に浸かっていただけること間違いなしです!」。ジャンルは九人九色、活動の場は無限大。カラフルな魅力を持つ円神の魅力にハマって!5枚目のシングル『Dreamland』はカラフルかつドリーミーで、耳だけでなく目でも楽しい世界観。歌い出しのパートを担当した中林登生さんいわく、「朝イチで聴いたらハッピーな気持ちで一日を始められるような、はじける曲。跳ねるようなリズムが歌詞とリンクして、気持ちが弾む、心が躍るというコンセプトを表現しています」とのこと。聴きどころを教えてくれたのは、太陽のような明るさがこの曲にぴったりな宮里ソルさん。「恋をする主人公の健気な姿が想像できるような歌詞が夏にぴったり。好きな人に会いに行く前に聴いてほしいですね。僕たちを好きになるように願いを込めて歌ったので、この曲を聴いて、僕たちにも会いに来てほしいです」ダンスが得意な山田恭さんが推すのは、サビの振り付け。「動き一つひとつがかわいくてキャッチー。曲の構成にもカノンが入っていたり、パレードを見ているようなダンスも楽しいです。僕たちの公式TikTokでサビの振りを公開しているので、ぜひ真似してみてください!」山田 恭(後列右)2000年9月27日生まれ、石川県出身。円神のムードメーカーで、みんなを笑わせるのが得意。これまでの出演作に、舞台『フゴッペ洞窟の翼をもつ人』、ミュージカル『リフレインする君の声~encore 2023~』など。「料理が得意で、『cookpadLive』で手料理を作る番組を毎月配信しています。円神のライブ演出も担当していて、グループの魅力を伝えるために奮闘中です。服が好きなので、今後はモデルをやってみたい!」瀧澤 翼(後列右から二番目)2003年3月2日生まれ、千葉県出身。円神の最年少リーダー。ドラマ『プロミス・シンデレラ』やミュージカル『SPY×FAMILY』など、俳優としても活躍中。「日本一の歌って踊れる俳優になるのが夢です。円神の振り付けを担当していて、“ダンスマシン・リーダー”でもあります。最近、ダンスの先生を始めました。新しいことに挑戦するのが好きです。今年のうちにもうひとつ、フリースタイルラップにも挑戦したいと思っています」宮里ソル(後列右から三番目)1997年9月13日生まれ、沖縄県出身。抜群の運動神経と鍛え上げた筋肉が自慢。舞台『戦国送球~バトルボールズ~第二次真田合戦』や、舞台『アオアシ』など出演作多数。ドラマ『アオハライド』がWOWOWにて9月22日より放送スタート。「筋トレが趣味で、デッドリフト大会で175kgをリフトして、ポイント1位を獲得しました。今も筋肉バキバキですが、さらに磨きをかけて、いつか『anan』の表紙を飾りたいです!」中谷日向(後列左から三番目)1998年9月15日生まれ、大阪府出身。美容オタクで、個人のYouTubeチャンネルで美容にまつわる情報を発信している。出演作にドラマ『あのコの夢を見たんです。』『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』など。「メイクの研究以外にも、衣装のスタイリングやグッズデザインなど、クリエイティブな分野が得意。円神のツアーTシャツはグッズというより、普段から着ていただけることを意識してデザインしています」中本大賀(後列左から二番目)2001年2月17日生まれ、大阪府出身。スタバとおぱんちゅうさぎが大好き。出演作にミュージカル『ALTAR BOYZ』『Ordinary Days』、舞台『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』など幅広く活躍中。「今年は舞台『おそ松さんon STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME~2nd SEASON』など予定が目白押しなので、お楽しみに。今後は映像の方にも活躍の場を広げていきたいです」中林登生(後列左)1997年12月27日生まれ、大阪府出身。親しみやすく、ファンとのコミュニケーションもばっちり。YouTube「飲み旅チャンネル」レギュラーなど出演多数。「僕はミスター“普通”です(笑)。でもそれって悪いことじゃなくて、自然体でファンとの距離が近いところが仕事に生きてると思っています。円神ではお兄さんなんですけど、『飲み旅』ではポンコツな部分しか出てないですね。運動好きで、ステージではアクロバットも披露します」熊澤歩哉(前列右)1996年10月22日生まれ、福島県出身。深く響く声を武器に、声優としても活動中。出演作にゲーム『IDOLY PRIDE』や舞台『穏やか貴族の休暇のすすめ。2~とある料理人の野望~』などがある。ニックネームは“くまちゃん”。「二次元全般が好きで、ゲームやアニメ、絵を描くことが大好き。メイクやヘアセットも自分でやっています。いつか声優としても、アイドルとして歌って踊ってみたいです。魔法の世界で戦うのも夢!」草地稜之(前列真ん中)1998年6月17日生まれ、東京都出身。円神のビジュアル担当。ミュージカル『テニスの王子様』やドラマ『僕たちは恋をしない』『その女、ジルバ』など俳優としても幅広いジャンルで活躍中。「11月から舞台『おそ松さんon STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME~2nd SEASON』に出演します!アイドルとしての僕も、俳優としての僕も応援していただけたら嬉しいです。ファンを想う気持ちは誰にも負けません!」A.rik(前列左)1993年9月30日生まれ、沖縄県出身。個人アパレルブランド『%psh(ウップシュ)』運営。ドラマ『おっさんが眠るまで』『絶対BLになる世界vs絶対BLになりたくない男シーズン2』など出演作多数。「クレヨンで絵を描くのが好きで、自分のイラストを使ったアパレルグッズを展開するブランドでの活動もしています。いつもふわふわしてると言われがちな僕ですが、収録曲『Spellbound』ではセクシーさを追求しました」5th Single『Dreamland』。【初回盤(CD+DVD)】¥3,700【通常盤(CD)】¥1,400初回盤には今年6月15日に開催された『円神 3周年 Anniversary Live』を収録したDVD付き。(nonagon records)えんじん2020年12月に「ENJIN」でデビュー。同時に舞台『nonagon ~始まりの音~』を上演。以降、歌とダンスと芝居を融合した円神としての活動と並行して、メンバー全員が積極的にソロ活動を行っている。※『anan』2023年9月20日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・尹 秀姫(by anan編集部)
2023年09月19日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、必要なものを見極められる女性、「最低限しか持たない女」になりきり。本当に必要なものを選択する習慣をつけよう。先日、ママ友の紹介で、整理収納アドバイザーの資格を持っている先生のお宅にお邪魔することに。収納の仕方を教えてもらって、すごく勉強になりました。私が一番驚いたのは、文房具を入れている引き出しに、ペンが1本しか入っていなかったこと。「これだけですか?」と聞くと、「逆に、なぜ2本いるんですか?」という返事が。「他の場所に置いたりして、ない時に困るので」と言うと、「そこに戻さない人は誰ですか?戻せばいいですよね」と、何も言い訳ができない状態に。結果、ペンは1本でいいんだという結論にたどり着きました。ホッチキスやセロテープも1つだけだとスッキリしていて余白があり、上から見ると何がどこにあるかが一瞬でわかります。本当に最低限のものだけあればいいんだなと納得。家が整理されている人はペンを1本にするところから始まるんだ、すごいなと感じました。また、ハサミは文房具入れではなく、よく使うキッチンに1つだけ。エコバッグはキッチンに置いて忘れてしまわないようにバッグを置く場所に収納するなど、動線や習慣をもとに置き場所を決めることが大事だそう。また、思い入れのあるものが少ない洗面台から片付けを始めるといいとか、人の心理的なところまで考慮した整理整頓の方法など、本当にいろいろなことを教えてもらってとても勉強になりました!先生みたいに整理や片付けが上手にできる人になるには、自分にとって必要なものは何か、実際に使っているものは何かを考えて、残すものを選択することが大事だと思います。たとえば、スマホのアプリで使わないものを消すなど、簡単にできるところから始めて、意識的に整理してスッキリさせる習慣を身につけるのがいいのではないでしょうか!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年9月20日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年09月17日京都を拠点に、ユニークな設定とユルい会話で繰り広げられるコメディで人気を博すヨーロッパ企画が、劇団結成25周年を迎えた。今年6月公開の長編映画『リバー、流れないでよ』を自ら製作したり、劇団員が出演する実験的ドキュメントバラエティ『ヨーロッパ企画の暗い旅』の制作など、劇団ながら演劇の枠組みを超えて活動する彼ら。最新作の『切り裂かないけど攫いはするジャック』を前に、25年続く秘訣を旗揚げメンバーである上田誠さん、諏訪雅さん、永野宗典さんに伺った。――25周年を迎えた劇団の最新作は、19世紀にイギリスで起きた切り裂きジャックの事件がモチーフ。上田誠:25周年ですし、劇団員たちがワクワクする企画をというのが使命感としてあり、今回はミステリーコメディでいこうと。ミステリーというと作家がトリックを構築するのが主流ですが、僕らは集団でものを作る劇団ですから、ジャックものならやれるかなと思ったのが最初で…。諏訪雅:劇の中盤くらいには、ジャックが何者か明らかになりますよね。永野宗典:いま稽古中盤ですけど、僕はこれからまだ見ぬ新しいジャックが出てくるのかなと思ってますけど?上田:ミステリーって最後の謎解きに注目が集まるのが宿命ですけど、それが怖すぎて、本当は最初に「僕がジャックです」ってところから始めようと思ったくらいです(笑)。永野:僕が警部の役なんですが、群像劇でみんなが勝手に推理しだすから、邪魔くさくて仕方ないです。上田:「推理をするな!」っていう決め台詞が生まれたぐらいですから。諏訪:でもみんながまくし立てるように自分の言いたいことを言ってるのって、まさにヨーロッパ企画って感じの群像劇になってると思う。上田:ミステリーってある材料を最初にざっと出して、ロジックでそれを収れんさせていくものだけれど、演劇…というかコメディは、要素がどんどん出てきて場が散らかっていく様子が面白かったりする。それを両立させられないかというのが、今回の狙いでもあります。――タイトルの絶妙なユルさも秀逸。上田:演劇は結構作家主義ですけど、僕らはタイトルも合議制です。でも毎回超コメディらしいタイトルですから、発表するのに勇気がいるんです。演劇界で馬鹿にされないだろうかとか、もうちょっと文芸チックな方がカッコつくかなとか思いながら、ひたすら痩せ我慢してる感じ(笑)。諏訪:僕らはつねに判断基準が面白いか面白くないか、ですからね。永野:ふたりは関西人なんで笑いにむっちゃ厳しいんですよ。上田:もともと僕も諏訪さんもお笑いに関して結構うるさい方なんで、どこかでダサい笑いはやりたくないっていう気持ちがあるんですよ。あと、演劇というと、伝えたいメッセージがあったり、感情のヒダを描くとか、現代社会を切り取るとかの目的が多いと思うんですけれど、僕らの場合、面白いことをやろうと集まっているっていうのが、ヨーロッパ企画の特性なのかなと思います。諏訪:そもそも劇団名に劇団を付けなかったのは、演劇だけじゃなくいろいろなことできそうな気がしたからなんだよね。昔からみんな映像を撮るのが好きだったりもしたし。上田:ただ演劇は好きなんで、せっかくなら“劇団”のイメージをもう少し広げられたら面白いですよね。(写真上)うえだ・まこと1979年11月4日生まれ、京都府出身。脚本を手がけるドラマ『時をかけるな、恋人たち』(カンテレ、フジテレビ系)が10月10日より放送スタート。(写真中)すわ・まさし1976年8月26日生まれ、奈良県出身。俳優のかたわら、脚本・演出なども手がけており、作・演出舞台に『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』。(写真下)ながの・むねのり1978年2月17日生まれ、宮崎県出身。俳優のかたわら、映像監督や脚本なども手がける。出演近作にドラマ『スーパーのカゴの中身が気になる私』。ヨーロッパ企画第42回公演『切り裂かないけど攫いはするジャック』9月20日(水)~10月8日(日)東京・本多劇場作・演出/上田誠出演/石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、藤谷理子、金丸慎太郎、早織、藤松祥子、内田倭史、岡嶋秀昭一般7000円U25シート2500円(前売りのみ)平日割一般6500円サンライズプロモーション東京 TEL:0570・00・3337(平日12:00~15:00)滋賀、京都、高知、福岡、広島、大阪、神奈川、愛知、富山でも上演。劇団結成25周年。四半世紀にわたり人気を継続し続けるヨーロッパ企画とは?人気の理由1:ユニークな設定押し入れ1間程度の超々狭小集合住宅に暮らす人々の工夫を凝らした日常を描いた『Windows5000』など、劇構造や設定のユニークさで魅せるのがヨーロッパ企画。「まだ世の中で劇になってないものを見つけて、どうしたら劇にしていけるかを考える」(上田さん)そうで“企画性コメディ”と呼ばれる。見たことのない世界を舞台上に具現化させる、凝った美術セットも興味深く見応えあり。「設定だけ聞くと、演劇として成立するの?と思うけれど、どう劇化するかを聞くと、毎回、それ面白そうって思えるんです」(諏訪さん)『遊星ブンボーグの接近』地球に降り立った身長数cmの宇宙人たちが、デスクの上を旅し、巨大文房具と戯れる。普段見慣れたカッターナイフや消しゴムが、巨大化して劇場に置かれている状況からすでに楽しく、自分も小人になったような気分に。撮影:清水俊洋人気の理由2:笑いのセンスヨーロッパ企画のコメディは、大爆笑というより、ユル~い会話の中から生まれる、ちょっとトボけたクスッとした笑いが特徴。じつはこれ、稽古場で上田さんが提示した設定で俳優たちがエチュード(即興劇)を繰り返し、その中で生まれたものが取り入れられている。「自分たちがやった場面だから、すでに笑いとして出来上がっている」(上田さん)ゆえのリアルさも絶妙。「設定はトリッキーだけど、誰もが感じるようなことを取り上げていて、そのへんのリアリティが多くの人に楽しんでもらえている理由かも」(永野さん)『来てけつかるべき新世界』通天閣を擁する大阪・新世界を舞台にしたSF作品。狭い路地をドローンが行き交い、野良犬ならぬ野良のロボットがうろつき、売れないお笑い芸人がAIを相方にするなど、未来も新世界らしさは変わらずなところが面白い。撮影:清水俊洋人気の理由3:個性あふれる劇団員稽古場でのエチュードから生まれた笑いが作品に反映されていることは書いたけれど、その面白さも、リアルな生っぽい空気感がそのまま舞台上に再現されるからこそ。しかもそれを演じる面々は、どこにでもいそうなのに佇まいや風貌に、それぞれの個性が滲み出て、それが作品の面白さにも繋がっている。「僕は劇作の中身と同じくらい、作品を立ち上げる中で起きる実際のドラマを大事にしていますが、それは劇団員やスタッフに対しても同じ」(上田さん)。「その蓄積が、物語に生かされているんだと思います」(永野さん)『ムーミン』世界的に有名なトーベ・ヤンソンの同名童話をモチーフに、谷で寝たり食べたり、ひたすら遊び暮らす男たちを描いた作品。設定はトリッキーながら、シンプルな劇構造だからこそ、出演者それぞれのキャラクターの面白さが生きた作品。※『anan』2023年9月13日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年09月12日壮大な世界観と、それを舞台上に具現化するド派手な演出、セットや衣装で観客を圧倒する、劇団新感線の舞台。新作となる『天號星(てんごうせい)』は、古田新太さん扮する見た目は厳ついが気弱で温厚な半兵衛と、早乙女太一さん扮する非道な殺し屋の銀次の体が入れ替わってしまう時代活劇。「以前から新感線さんの舞台をいちファンとして拝見していたので、出演のお話をいただいたときはびっくりして立ち上がっちゃいました」そんな言葉で出演の喜びを語ってくれた久保史緒里さん。久保さんが演じるのは、歌と踊りで神を降ろし予言を伝える巫女・みさき。「今回は闇の稼業を描いた物語なんですが、みさきはその世界も理解しながら、人間として純度が高いままいる。すごく大人びた人物だと思います。抱えた想いを言葉ではなく歌で表現する役なので、そこは見どころにできたらなと思っています」所属する乃木坂46の中でも高い歌唱力と透明感のある歌声に定評がある。本作の製作発表では、これまで歌ったことがないような楽曲を歌わせたいという、演出家・いのうえひでのりさんの思惑も語られた。「確かに今まで歌ってきたものとはまったく違うロック調で、当初は歌い方も変えた方がいいのかなと思って挑んだんです。でも、稽古場でみさきとしている時間が長くなってきて、みさきの心を乗せてちょっと繊細に歌うと、逆に意味が生まれたりするのを感じて。今はまだ自分の中で正解を決めずにこうかなと思ったことを全部試している状況です」そう語る声のトーンは穏やかだけれど、簡単なことではないはず。「今回の稽古に入る前に、すべてを預ける気持ちで飛び込もうと思っていましたので。勇気はいるし、怖さもあれば、一回やってみて違うなってことがしょっちゅう。頭では理解できていても、自分に表現する力がなくて違うものに見えてしまうことが結構あって。毎回落ち込むし、すごく丁寧にご指導いただいているのに、応えられない自分に腹が立つし悔しいし、私のために時間を使わせてしまうのが申し訳ないし…。そこが今一番苦戦しているところです」それでも「稽古場にいることが楽しいし、稽古場に向かう道のりも前向きな気持ちでいられている」そう。「それはたぶん新感線のみなさんが作ってくださる空気感のおかげだと思っています。古田さんがお芝居でちょっとクスッとさせてくれたり、高田聖子さんが話しかけてくれたり。稽古でも、心優しい半兵衛だった古田さんが、銀次さんになった途端別人のようになるんですよね。その瞬間を間近に見られて、ありがたい環境だなと思っています」近年、大河ドラマでの活躍など、その演技力にも注目が集まる。「毎回、監督さんや演出家さんの思い描くものを100%理解して応えたいんです。まだできてないことが多いですが、それが表現できたときがとても嬉しいんですよね」2023年劇団新感線 43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星(てんごうせい)』口入れ屋の裏で、悪党を始末する“引導屋”を営む半兵衛(古田)は、じつは気弱で温厚な人物。しかしあるとき、金さえ積めば誰彼構わず殺す、殺し屋の銀次(早乙女太一)と体が入れ替わって…。作/中島かずき演出/いのうえひでのり出演/古田新太、早乙女太一、早乙女友貴、久保史緒里、高田聖子、粟根まこと、山本千尋、池田成志ほか東京公演/9月14日(木)~10月21日(土)THEATER MILANO‐ZaS席1万4000円A席1万1000円ヤングチケット(来場時に22歳以下)2200円サンライズプロモーション東京 TEL:0570・00・3337大阪公演/11月1日(水)~20日(月)COOL JAPAN PARKOSAKA WWホール全席指定1万4800円ヤングチケット(来場時に22歳以下)2200円キョードーインフォメーション TEL:0570・200・888くぼ・しおり2001年7月14日生まれ、宮城県出身。乃木坂46の3期生。32ndシングル『人は夢を二度見る』でWセンターを務めた。俳優としても活躍しており、近作に舞台『桜文』、映画『リバー、流れないでよ』など。9/10よりWOWOW 連続ドラマW『落日』が放送開始。ワンピース¥96,800(CO|TE/IZA TEL:0120・135・015)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年9月13日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・伊藤舞子ヘア&メイク・宇藤梨沙インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年09月11日大きな節目を迎える『ヒプノシスマイク ‐Division Rap Battle‐』 Rule the Stage ‐Battle of Pride 2023‐。ここでは、シンジュク・ディビジョン“麻天狼”の鮎川太陽さん(as神宮寺寂雷)、新木宏典さん(as伊弉冉一二三)、井出卓也さん(as観音坂独歩)に話を聞きました。左から新木宏典さん、鮎川太陽さん、井出卓也さん。――まずは目前に控える『Battle of Pride 2023』(以下、BoP)横浜公演への想いを伺わせてください。新木:全ディビジョン集合してのライブってことで、祭り感は間違いないと思うんです。キャスト全員が卒業するってことで、観に来られたお客さんは寂しさを感じる部分もあるかもしれない。でも僕らは全員で一斉にゴールテープを切るところに美学を感じているので、そこにネガティブな感情を持ち込みたくない。だからこそ楽しいライブにすることが使命だと思うし、そのために努力したいなと。井出:そうだね。きっとお客さんは、いろんな感情で来られると思うんです。でも、僕らシンジュクとしての指針とかスタンスを決めて、3人で足並みを揃えていきたいですね。『Rep LIVE』(各ディビジョンの単独ライブ)も、毎回3人で話し合って、ライブの方向性とか、この曲はお客さんにどう見せたいかみたいなことを決めてやってたんで。鮎川:新木くんが稽古場で前回公演の動画をよく確認するんですよ。それで楽曲が流れだすと自然とみんな集まって、このときはこうだったよね、ああだったよねって話になって、じゃあ次はこうしたい、こうできたらって話に繋がっていく。新木:井出くんが発声練習しだすと、俺らもやんなきゃって追随するのと同じ。鮎川:そうそう(笑)。なんとなく始めた人にみんながのっかって、一緒にアップしたり反省会したりするんです。新木:誰かが号令かけたりもなく、ね。鮎川:BoPでは、お客さんも各ディビジョンのチームカラーで応援してくれるんで、会場がすごいカラフルになるんですよね。前回のBoPでそれを見たときにものすごく感動したんで、またあの景色が見られるのが今から楽しみで。――他のディビジョンには負けないぞ、みたいな気持ちになるものですか?新木:…と言った方がいいですよね。井出:いやっ、なるって!鮎川:おそらく今回は、僕らだけじゃなくキャストも、そしてファンの方々も、どうしたってこれまでで一番想いの強い公演になるとは思うんです。ただ、公演名に“バトル”って付いてるんで、そこは負けられないぞと(笑)。――みなさんが他にはないシンジュク・ディビジョンの自慢をするとしたら?鮎川:僕たちシンジュクの楽曲って、わりと大人めなシックな曲が多かったけど、この間の『Rep LIVE』で起伏のあるオリジナル楽曲も生まれたんで、魅せられる幅が広がった気がしてて。井出:あと、それなりにキャリアを積んできている3人なんで、勢いだけで突っ走るんじゃなく、きちんとショーとして魅せることができるっていうのも、強みなんじゃないかと思う。歌詞とか、一番聴きやすいチームだと思うし。新木:全ディビジョンが集まる公演ということもあって、演出としてシンジュクが担うべきポジションっていうのがきっとあると思うんです。トータルバランスを考慮した上で、与えられた役割を自分たちらしく的確にやれるのがシンジュクだと思うんですよね。――頻繁に話し合いをしていたり、チームワークの良さが窺えますが、結束力が高まったタイミングはあるんでしょうか。新木:『Rep LIVE』じゃないかな。鮎川:確かに圧倒的に話す機会が増えた公演だった。新木:シンジュクが登場したのはtrack.2からなんですけれど、すでにコロナ禍で稽古場で雑談できる環境ではなかったんですよね。ようやく話し合いをしてもいい環境になったのが『Rep LIVE』のタイミングで、打ち合わせの回数が圧倒的に多かったから。井出:僕は途中からの参加だから厳しい時期の稽古場は知らないけれど、それぞれが自分の考えてきたことを言い合える環境に自然となっていったのが面白いなと。それぞれが同じ目標に向かって歩いていたら自然と歩幅が一緒になっていて、気づいたら並んでた、みたいなのって、すごくいい形だと思うんだよね。公演について話すうちに、「これまでで一番つらい時期っていつだった?」みたいな話をしたり。役だけでなく人間として一緒に歩んできた仲間だなって思ってます。鮎川:他のディビジョンがどうかはわからないけど、僕ら、稽古が終わった後も部屋を借りて、この曲はどうしていこうとか、どこに盛り上がりを持ってこようかとか、一曲一曲精査していく時間を作っていたからね。そこに関しては、他のディビジョンより濃密に作っていった自信がある。あのときは地方公演もあったから、公演終わりにみんなで食事にも行って、お酒を飲みながらプライベートな話ができたのも楽しかったし。――今回の特集に絡めて、それぞれのメンバーを他己紹介していただきたいのですが、まずは鮎川さんからお願いします。井出:こう見えてめちゃくちゃファニー。その言葉が一番しっくりくるくらいかわいいんです。ちょっとヌケてるところがあって、母性本能的なものをくすぐるし。新木:しかも頭がいいし、サービス精神旺盛なので、今あるものに何を足したらファンの方が喜ぶかを冷静に分析して考えられる人。その頭の回転の速さにファニーさがのることによって、重くならない。奇跡的なバランスなんです。井出:お肉でいったら豚肉だね。鮎川:それ面白いね。僕、効率が悪いのが大っ嫌いなんで、こだわりは持ちつつ合わせるタイプだから、そこは近いかも。井出:新木くんは何肉かなぁ?鮎川:鶏肉じゃない?(笑)こうと決めたら揺るがない感じが。一度やると決めたら絶対にちゃんと達成するところは、マジで尊敬する。しかも勉強熱心なのに謙虚だし。井出:はっきりしてるんですよね。だからといって協調性がないわけじゃない。あと、ずっと考えているというか、芝居に関してもだけど、答えを出すことに対してすごく慎重で、ずっと答えを探求し続けている旅人みたいなところがある。新木:確かにそれ、すごい的確かも。学生の頃、先生が夏休みの宿題を「毎日15分やれば終わる量」だと言うから、毎日きっちり15分やったのに終わらなかったってことがありました。鮎川:そうそう。言われたことはきっちりやってから文句言うんですよね(笑)。新木:井出くんはすごく大人。波瀾万丈な人生を送ってきてるからこその落ち着きと決断力がすごいし、人が悩んでいることに気づいてくれて、押し付けがましくない寄り添い方をしてくれる。大人。鮎川:マジで頭の回転が速い。ラップをやってるからか、人の話をよく聞いていて、その言葉を取って返すのが上手いんですよね。しかも深い話をすると、相手の想いを汲み取りながら、自分の視点ですごく的を射た言葉を返してくれる。井出:馬肉くらいにしといて(笑)。鮎川:脂肪がなくて筋が通ってて…。井出:ありがたいっすね。『ヒプノシスマイク ‐Division Rap Battle‐』 Rule the Stage ‐Battle of Pride 2023‐9月7日(木)~10日(日)ぴあアリーナMM原作・EVILLINE RECORDS演出・植木豪脚本・亀田真二郎音楽監督・KEN THE 390 テーマソング・井手コウジ全席指定1万5000円(ラバーバンド3 個セット〈全4 種ランダム配布〉付き)見切れ席1万5000円SOGO TOKYO TEL:03・3405・9999シンジュク・ディビジョン“麻天狼”リーダーは、“The Dirty Dawg”の元メンバーで天才医師の神宮寺寂雷(じんぐうじ・じゃくらい)。シンジュクNo.1ホストながら、じつは極度の女性恐怖症である伊弉冉一二三(いざなみ・ひふみ)と、根は優しいがキレると手が付けられない会社員の観音坂独歩(かんのんざか・どっぽ)がいる。あゆかわ・たいよう1991年1月18日生まれ、東京都出身。10歳より活動をスタートし、舞台、ドラマ、映画、モデルなどで活躍。本作のほか、主な出演作に舞台『魔法使いの約束』シリーズなど。10月にはミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stageに出演予定。シャツ¥31,900(ウィザード/ティーニーランチ TEL:03・6812・9341)イヤリング¥12,100(ライオンハート)ウォレットチェーン¥385,000ブレスレット¥198,000(共にシンゴクズノ) 以上Sian PR TEL:03・6662・5525その他はスタイリスト私物あらき・ひろふみ1983年6月14日生まれ、兵庫県出身。2004年より俳優集団D-BOYSのメンバーとして活動し、数々の舞台やドラマ、映画に出演。フォトブック『“新”発見 丹波ガイド』(東京ニュース通信社)が好評発売中。10月より舞台『赤ひげ』に出演予定。シャツ¥59,400(08サーカス/08ブック TEL:03・5329・0801)タンクトップ¥1,980(キャスパージョン/Sian PR)レザーパンツ¥198,000(カズキ ナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)ネックレス¥27,500(バフ TEL:0154・38・2600)ウォレットチェーン¥231,000(シンゴクズノ/Sian PR)その他はスタイリスト私物いで・たくや1991年3月12日生まれ、東京都出身。子役として活動をスタート。数々の舞台やドラマに出演する一方、歌手、ラッパーとしても活動。昨年にはT‐iD名義でEP『New Attitude』をリリース。10・11月にはライブツアーも控える。シャツ¥4,950(キャスパージョン)イヤリング¥11,000(ライオンハート)バングル¥132,000(シンゴクズノ) 以上Sian PRニットタンクトップ¥16,500(アンバーグリーム/ルーストン TEL:03・6805・6603)パンツ¥46,200(08サーカス/08ブック)ネックレス¥24,200(バフ)サングラス¥52,800(ミスタージェントルマン アイウェア/ジョイ エブリ タイム TEL:03・5937・1965)その他はスタイリスト私物※『anan』2023年9月13日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・瀬戸口清香北崎実莉構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年09月11日武力ではなく人間の精神に干渉する“ヒプノシスマイク”によって争う時代を描いた『ヒプノシスマイク』を舞台化。2019年に初演し、原作に引けを取らない迫力あるラップバトルで好評を博してきた作品が、公演中の『Battle of Pride 2023』で大きな節目を迎える――。イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”の高野洸さん(as山田一郎)、松田昇大さん(as山田二郎)、永島龍之介さん(as山田三郎)に話を聞きました。左から松田昇大さん、高野洸さん、永島龍之介さん。――横浜公演を目前に控える『Battle of Pride 2023』(以下、BoP)は全ディビジョンが一堂に会するライブ公演です。2021年以来2度目ですが、今の想いを伺えますか?高野:2年前のBoPはお客さんの熱狂がすごくてかつてないほど盛り上がったんです。今回、新しいディビジョンが加わって人数も増えましたし、さらに盛り上がるんじゃないかと思っています。松田:今回のBoPで、僕らが卒業を発表しているのもあって、これまで以上に気合が入った公演になるだろうから、会場の熱量はすごいよね。高野:卒業に関しては、確かに寂しさはあるけれど、ステージ上ではそれは一切忘れて演じ切りたいなと思ってて。松田:そうだね。自分としては正直あまり実感がなくて…。実感は、千秋楽の最後の最後に湧くのかもしれないなって。永島:僕は三郎として2代目なので、ふたりとはヒプステで過ごした時間の長さは違うかもしれないけれどやっぱり寂しさはあって。きっとお客さんも同じだろうから、その場にいる全員の想いを大事に演じたいなと思っています。あと、今回はお客さんの声を聞けるのがすごく楽しみで。松田:これまでずっとクラッピングスティック(振って音を鳴らし盛り上げる応援キット)の応援だったからね。――今回、全ディビジョンが集結しますが、他とは違うイケブクロ・ディビジョンの個性や魅力はどこだと思いますか?松田:無理せず仲良いなって思います。しゃべらないで個人個人が好きなことをやっているときもあるけれど、ふとした瞬間にわちゃわちゃしだしたり。みんなでゲームしようって盛り上がったり…。高野:間違いない。永島:本当にそれ。この間のライブでも実感したんですけど、するべきときは自然とみんなで結束するというか。あと、掛け合いにしても、お客さんがすぐに覚えて自然にみんなでノれる曲が多いのも強みなんじゃないかと思う。――ちなみに3人は役柄上では兄弟ですが普段の関係性はどんな感じですか?松田:どうなんだろう…。高野:同級生以上、兄弟未満~松田:今の音符つけといてください。永島:僕は途中から入ったから、ふたりともめちゃくちゃ気にかけてくれてて、さすがって感じでした。高野:僕らふたりの共通の趣味がゲームだったんで、一緒にできたらなって思って龍之介にも「ゲームするの?」って聞いたんですよ。そのときはまあまあやります、くらいの返事だったのに、対戦してみたら強かった(笑)。松田:結構やってたっていう(笑)。永島:いや、すごいやり込んでいる方がいたら、そんな自分が「結構やってます」なんて言うのはおこがましいなと。――ここで3人のチームワークが増したなと感じた瞬間はありますか?高野:(ちょっと考えて)大阪かな?松田・永島:僕も同じこと思ってた。高野:2回あった大阪公演で、2回とも同じちりとり鍋の店に3人で行ったんですよ。永島:2回目に行ったのは、1年くらい空いてからでしたよね?高野:大阪に着いたときから3人でごはんに行けたらいいなって思ってて。松田:「前に行ったあそこ、また行っちゃう?」って(笑)。高野:「ちりとっちゃう?」ってね。松田:そしたら約1年ぶりなのに店員さんが僕らのことを覚えてくれていて…。永島:うわぁってなりましたよね。高野:あれはマジでエモい瞬間だった。――今回の心理テストの特集に絡めて、それぞれがどんな人か紹介をしていただきたいと思います。まず高野さんはおふたりから見てどんな人ですか?松田:変わってます(笑)。あんまり会ったことのない人種。永島:(頷きながら爆笑)松田:顔面とか体格とかスキルとか、すべてが整ってるじゃないですか。なのに、そんなボケるんだって、意外というか…ギャップをいまだにすごい感じてます。高野:なんかボケたくなっちゃうんだよね。たぶん遺伝だと思うんだけど。松田:いやいや遺伝って…(笑)。永島:すごいわかります。でもクサい言い方しますけど、俳優としてはすごい熱いものを持ってる人ですよね。松田:あんまクサくなかったよ。永島:(笑)。俳優論みたいなものが自分の中に確立しているんですよね。僕がまだいまいち定まりきれてないときにそういう話を洸くんがしてくれて、自分の中で価値観が形成されていったんです。高野:お芝居って人それぞれに好みがあって、100人が100人好きって言ってくれる芝居はないからって話とかをしたんだっけ。やっぱり途中参加ってことでアウェイに感じてほしくないなって。永島:本当にありがたかったです。高野:昇大は明るいよね。陰ぽい空気が見えつつの陽、って感じが面白い。永島:陰にも合わせられる陽って感じ。高野:それだね。永島:それはもう陽でいいんじゃない?って思うんだけど。松田:本当はずっと黙ってたいんだけど。永島:のびのびやれるように、ちょっと離れたところから見守ってくれる優しさがある人だと思う。松田:確かに真ん中で引っ張ってくより、隣でサポートするタイプかも。高野:龍之介は、年のわりに…っていうのもだけど、楽屋でも落ち着いてる。松田:ちゃんとしてるよね。高野:あと真面目。時間も守るし。永島:ヒプステの現場だと、自分が一番学ぶことが多い人間なんで、誰よりも早く行かなきゃって思ってます。松田:そのマインドがすごいよ。以前、1回だけ俺の方がたまたま早く稽古場に入ったら、謝られたからね。それでも集合時間の30分前とかなのに。高野:だから最初こそ心配してたけど、龍之介なら大丈夫か~って思えたよね。――あらためてヒプステの魅力を。永島:やっぱり生ってことだと思います。生だからこその音圧を感じられますし、その場で動いているキャラクターが見られるっていうのは舞台の強みだと思います。そこで歌って踊ってラップして、躍動感みたいなものが伝わるから。松田:演出がすごい派手で、パッと見ただけでも豪華な感じが伝わると思うんです。ダンサーで出演しているD.D.Bの方々は世界レベルのプロだし。世界観が追求されているところがすごいなと。高野:最新の技術と最高峰のパフォーマンスで魅せるヒプステは、舞台とショーのいいとこどり。あと、ストーリーを展開させながら、キャラクターたちが感情をラップで語っていくこと自体が画期的だと思うんで、まだ観たことのない方にもぜひおすすめしたいです。『ヒプノシスマイク ‐Division Rap Battle‐』 Rule the Stage ‐Battle of Pride 2023‐9月7日(木)~10日(日)ぴあアリーナMM原作・EVILLINE RECORDS演出・植木豪脚本・亀田真二郎音楽監督・KEN THE 390 テーマソング・井手コウジ全席指定1万5000円(ラバーバンド3 個セット〈全4 種ランダム配布〉付き)見切れ席1万5000円SOGO TOKYO TEL:03・3405・9999イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”伝説のチーム“The Dirty Dawg”のメンバーだった山田一郎をリーダーとし、弟である次男の二郎と三男の三郎からなる。一郎は情に厚い正義漢で弟想い。二郎は行動力があり人望が厚く、三郎は頭脳派で理屈っぽいが天才肌。たかの・あきら1997年7月22日生まれ、福岡県出身。2009年にDream5としてデビュー。その後、俳優としてミュージカル『刀剣乱舞』シリーズなどに出演。今年、帝国劇場で上演された舞台『キングダム』では主役の信を演じた。10・11月にはライブツアーを控える。ライダースジャケット¥165,000(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL:03・6427・9087)イヤーカフ¥2,750(エルエイチエムイー/Sian PR TEL:03・6662・5525)ブレスレット¥44,000(トゥエンティーエイティー/HEMT PR TEL:03・6721・0882)その他はスタイリスト私物まつだ・しょうた1996年1月5日生まれ、三重県出身。ダンス&ボーカルグループAMAZO NIGHTとして活躍後、俳優に転身。本作のほか舞台『HELI-X』シリーズなどに出演。昨年より音楽活動を本格的に再開し、ミニアルバムを2枚リリースしている。シャツ¥27,500(ルームサーティーン)イヤーカフ¥2,750(エルエイチエムイー) 共にSian PRブレスレット¥29,700(トゥエンティーエイティー/HEMT PR)その他はスタイリスト私物ながしま・りゅうのすけ2001年11月20日生まれ、福岡県出身。ダンス&ボーカルグループZero PLANETとして活動後、俳優として活動をスタート。本作のほか、今年5月公開の映画『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』に出演。シャツ¥29,700(シャリーフ)イヤーカフ¥2,970(エルエイチエムイー)ブレスレット¥27,500(ライオンハート) 以上Sian PRその他はスタイリスト私物※『anan』2023年9月13日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・瀬戸口清香北崎実莉構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年09月11日出会った女性がネタの源。そんな横澤夏子さんが、出産・産後で出会ったいい女を実演。今回は、自分が納得のいく恋愛をする女性、「物語を一人で完結させる女」になりきり。自分なりの目標を立てて努力することが大事!恋愛リアリティ番組「オオカミには騙されない」シリーズでは、切ない片思いをする子が結構、登場します。そんな中、片思いをしているのに、見ていて心が温まる17歳の女の子が現れたんです。恋の相手は残念ながら他の女の子とラブラブで、正直、勝ち目はなさそうでした。彼女にとってはほとんど初めてのような恋愛で、相手に対しても不器用。でも、エピソードが進むうちに少しずつ話せるようになっていったりと、変わっていく姿がとても美しかったです。きっと、自分なりの目標を立ててクリアしていくことで成長していったんだなと。しかも、好きな相手の恋を邪魔することはせず、自分の気持ちをきちんと伝えた上で応援するなど、謙虚な姿勢も健気でした。自分ができることはやったという感じがあり、こんなふうに恋の物語を一人できれいに終わらせることができるんだ、と気づかされました。三角関係のような恋愛模様が繰り広げられた時、いつもなら“上手くいきそうな二人を邪魔しないでほしい”というような気持ちが芽生えていたのに、今回は純粋に彼女を応援していました。この経験は今後の恋に生きるでしょうし、初めての恋愛でこんなふうに振る舞えるのはカッコいいですよね。私は婚活パーティで上手くいかなかった人は未来への踏み台だと考えていたんですけど(笑)、彼女を見ていてあらためて無駄な出会いなんて一つもないんだと感じました。彼女のようになるには、恋愛に限らず、勉強や仕事においても小さな目標を立てて挑戦し、全力でやり切ることが大事だと思います。たとえ結果が上手くいかなかったとしても成長につながるし、納得もできるというもの。さらに、その過程を楽しむことができれば、いい思い出も残るはずです!よこさわ・なつこ芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。バラエティ番組やCMで活躍中。今年6月に第三子を出産。※『anan』2023年9月13日号より。写真・中島慶子文・重信 綾(by anan編集部)
2023年09月10日夫婦の危機
セレブ婚で変わってしまった親友
義父母がシンドイんです!