2017年9月5日 20:30
天才クリストファー・ノーラン「僕はスマホを持たない」納得の理由とは?
そういったことは、映画にしか成し遂げられない特有の力だと僕は思っていますが、それによって観客のみなさんにインパクトを与えることができるのです。
戦争映画といわれると女子は敬遠しがちですが、その理由のひとつとしては、目を覆いたくなるような残虐なシーンが描かれていることが多いから。しかし、この作品にはそういったシーンがなく、これまでの戦争映画とは一線を画するような作品であることも大きな特徴。
では、戦争映画にはつきものである残虐なシーンを描かなかった理由は?
監督
今回、血を見せたりしなかった理由は、このダンケルクの話がほかのいろんな戦争の話とはそもそも性質が違うからというのがあります。なぜなら、これは戦闘の話ではなくて、撤退作戦の話だということなのです。そこで、このストーリーを語る手法として、サスペンススリラーを描くアプローチを取ることにしました。
従来の戦争映画であれば、戦争がいかに恐ろしいかということをホラーとして描いていたと思いますが、本作でサスペンスの手法にしたのは、ホラーのように目を背けたくなるどころか、目が釘付けになってしまうような作品にしたかったからなのです。血やグロテスクなものは見せず、敵の姿も見せていないので、劇中にある緊張感というのは、ほかの戦争映画とは少し違うものになりました。